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2005/08/03 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 厚生労働委員会 第34号
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2005/08/03 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 厚生労働委員会 第34号

#1
第162回国会 厚生労働委員会 第34号
平成十七年八月三日(水曜日)
   午後二時二十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月二十九日
    辞任         補欠選任
     野村 哲郎君     中島 眞人君
 八月二日
    辞任         補欠選任
     柳田  稔君     津田弥太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  宏一君
    理 事
                国井 正幸君
                武見 敬三君
                辻  泰弘君
                山本 孝史君
                遠山 清彦君
    委 員
                坂本由紀子君
                清水嘉与子君
                田浦  直君
                中島 眞人君
                中原  爽君
                中村 博彦君
                西島 英利君
                藤井 基之君
                水落 敏栄君
                足立 信也君
                朝日 俊弘君
                家西  悟君
                小林 正夫君
                津田弥太郎君
                柳澤 光美君
                蓮   舫君
                草川 昭三君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   尾辻 秀久君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  山崎 正昭君
   副大臣
       厚生労働副大臣  西  博義君
       環境副大臣    高野 博師君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       藤井 基之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       宮野 甚一君
       防衛庁防衛参事
       官        西山 正徳君
       法務大臣官房訟
       務総括審議官   大竹たかし君
       法務省民事局長  寺田 逸郎君
       外務大臣官房国
       際社会協力部長  神余 隆博君
       厚生労働省医薬
       食品局長     阿曽沼慎司君
       厚生労働省労働
       基準局長     青木  豊君
       経済産業省製造
       産業局次長    塚本  修君
       国土交通省住宅
       局長       山本繁太郎君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    由田 秀人君
   参考人
       独立行政法人労
       働者健康福祉機
       構岡山労災病院
       副院長      岸本 卓巳君
       石綿対策全国連
       絡会議事務局長  古谷 杉郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (アスベスト問題に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日まで、野村哲郎君及び柳田稔君が委員を辞任され、その補欠として中島眞人君及び津田弥太郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(岸宏一君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 本日の調査のため、参考人として独立行政法人労働者健康福祉機構岡山労災病院副院長岸本卓巳君及び石綿対策全国連絡会議事務局長古谷杉郎君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(岸宏一君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(岸宏一君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 本日の調査のため、理事会協議のとおり、内閣官房内閣参事官宮野甚一君外九名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(岸宏一君) 次に、社会保障及び労働問題等に関する調査のうち、アスベスト問題に関する件を議題といたします。
 まず、政府から説明を聴取いたします。宮野内閣官房内閣参事官。
#8
○政府参考人(宮野甚一君) 内閣官房でございます。御説明をさせていただきます。
 アスベスト問題につきましては、多くの方々の健康被害が明らかになったことを踏まえ、去る七月一日より、関係省庁の実務レベルによりますアスベスト問題に関する関係省庁会議を開催し、政府全体として連携した当面の対応につきまして検討を重ねてまいりましたが、七月二十九日には、アスベスト問題に関する関係閣僚による会合が開催され、お手元にお配りをしておりますが、「アスベスト問題への当面の対応」が取りまとめられております。
 お手元には一枚紙の概要と本文をお配りをしております。一枚紙の概要にのっとりまして簡単に御説明をさせていただきます。
 この「当面の対応」は、政府全体として取るべき対応につきまして、直ちに取り組むべきもの、調査や検証が必要なものをそれぞれ精査をして取りまとめております。
 具体的には、建築物の解体時等の飛散防止の徹底、製造・新規使用等の全面禁止などの今後の被害を拡大しないための対応や、国民の不安、疑問にこたえるため積極的な情報提供、健康相談窓口の開設、さらには各省共通のQアンドAの公表などを引き続き進めることといたしております。さらに、過去の被害への対応といたしまして、労災補償を受けずに死亡した労働者、家族、周辺住民の被害への対応につきまして、十分な実態把握を進めつつ、九月までに結論を得ることとしているほか、政府の過去の対応につきましても八月までに検証することといたしております。
 今後とも、関係省庁の連携の下、スピード感を持ってこの当面の課題に盛り込まれた課題に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
#9
○委員長(岸宏一君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 次に、参考人から御意見を聴取いたします。
 この際、両参考人に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 両参考人には、忌憚のない御意見をお述べいただきまして、審議の参考にしたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。
 次に、両参考人からお一人十五分以内で順次御意見をお述べいただきます。
 なお、意見陳述は着席のままで結構でございます。
 それでは、岸本参考人からお願いいたします。岸本参考人。
#10
○参考人(岸本卓巳君) 岡山労災病院副院長の岸本でございます。
 私は、アスベスト関連の疾患を臨床で診ている医者として、その立場からお話をさせていただきます。
 アスベスト関連疾患としまして、いろいろありますが、今日は、悪性中皮腫を中心として、その診断と治療についてお話をさせていただきます。
 アスベストというのは、先生方も御存じのように、青石綿、茶石綿、白石綿がいわゆる産業として使われてまいっております。その中でも、青石綿が中皮腫という悪性腫瘍を起こす発がん性が強いということが知られておりました。で、日本では、一九九五年にこれを使用中止としましたけれども、白石綿、クリソタイルといいますが、これは昨年まで使用をしておりました。発がん性は青石綿と白石綿では百倍から五百倍ぐらい違うと言われておりまして、青石綿の発がん性というのは白石綿に比べて非常に強いということが医学的にも分かっておりました。
 白石綿に関しましては、一九九〇年の初めごろまで、単独でこれが人に中皮腫を起こすかどうかということが知られておりませんでした。この混ざり物のトレモライトという、これもアスベストなんですけれども、これが原因であろうというふうに言われておりましたけれども、一九九五年ごろからやはりこの白石綿も人に中皮腫を起こすということが知られておりまして、一九九七年にフィンランドのヘルシンキで行われた宣言では、このクリソタイル、白石綿も人に中皮腫を起こすということが確定をされたわけであります。しかし、白石綿単独によって起こってくる中皮腫というのは、私も二十年この臨床をやっておりますが、非常に限られているということは明らかでございます。
 石綿暴露と中皮腫の関係につきましては、資料一を見ていただければ、これが、一九七五年のものなんですけれども、今でもこれは正しいというふうに言われております。
 石綿を、短期間であれ高濃度暴露を起こすと、左にあります石綿肺というじん肺を起こします。じん肺をバックにして起こってくる肺がんを従来、石綿肺がんというふうに言っておりまして、石綿暴露によって起こってくる肺がんというのはやはり高濃度の石綿を暴露した労働者に起こってくるということが分かっておりましたが、下にあります中皮腫というのはそうではございません。石綿を低濃度暴露で吸っても起こってくるということが分かっておりまして、胸膜プラークという、この胸膜のこぶのような硬いところがまず約十年ぐらいして出てまいります。で、中皮腫というのは二十年以上を経て起こってくるというふうに言われておりましたが、現在では、やはり四十年を経て起こってくると。非常に潜伏期間が長い、こういう疾患であるということでございます。で、中皮腫というのは低濃度暴露でも起こり得る疾患であると。特に、青石綿を吸った場合にはこの可能性があると言っていいと思います。
 悪性中皮腫というのは実は診断が非常に難しい疾患でございます。で、原発性肺がんだとか腎がんが胸膜に転移をしたもの、ある場合には、悪性腫瘍でなくて、感染性の胸膜炎、感染症とも間違いやすいということであります。特に女性の方の場合には、卵巣がんと腹膜に起こる中皮腫というのは鑑別が非常に難しくて、卵巣がんを中皮腫と診断する例というのはそんなにまれではないということであります。
 どうして中皮腫はそれじゃ難しいのか、診断が難しいのかといいますと、ナンバー三にありますように、こういう所見があれば医学的に中皮腫であると診断できる根拠がないということであります。ということになりますと、いろいろな検査を行って中皮腫と診断をしなきゃいけないということになってまいります。で、少なくても腫瘍組織を外科的若しくは内科的にある程度取ってそれを詳しく調べないと確定はできないということであります。
 そこにありますように、いろいろな免疫組織法を用いて染色をする、それからマーカーを用いる、ある場合には透過型電子顕微鏡も必要であろうと、ヒアルロニダーゼ消化試験という、いろいろこの疾患を診断するのには多大な努力が要るということでございます。でなければ中皮腫であると正確な診断ができないということでございます。
 じゃ、悪性中皮腫というのは七割から八割方がアスベストによって起こってくるというふうに成書にも書かれているんですけれども、そうでない、アスベスト暴露によらない中皮腫というのはどういう原因かといいますと、そこにありますようにSV40という、これはウイルスでございます。それから、この疾患は親から子供へという遺伝性があるというふうに言われています。それから、放射線に当たり過ぎても起こるということが言われていますし、外傷で胸を打った後に起こるということも言われています。それから、かつて放射線の造影剤として用いられたトロトラストという、こういう化学物質によっても起こってくるということが知られておりまして、一〇〇%アスベストによって起こってくるわけではないということでありますが、日本では、やはり明らかにアスベストによって起こった症例というのが外国に比べて少ないということもこれも明らかでございます。
 じゃ、こういうビールス若しくはウイルス、遺伝、放射線、化学物質によって起こってくるものから、アスベスト、石綿によって起こってくるものをどのように鑑別するのかといいますと、医学的には、そこにございます、五番にございます胸膜プラークという、この所見が非常に大切であります。
 先ほどの資料一にございましたように、この胸膜プラークというのはアスベスト低濃度暴露によって起こってまいります。それで、中皮腫が出るよりももっと早く、アスベスト暴露から約十年を経て起こってくることを知られておりまして、この胸膜プラークがあるということは、医学的にこの症例はアスベスト暴露者であるということが判断できます。もう一つは、アスベスト小体という小体でございます。これは後から御説明申し上げます。
 胸膜プラークというのは、そこにありますように、中皮腫と同じ壁側、肺とは違う側の壁側の胸膜に起こってくるという限局性の盛り上がりであります。日本ではアスベストによって以外には起こらないと言われています。これがあるとアスベスト暴露であると断定していいわけでございます。
 ただ、この厚さというのは一センチから一ミリということで非常に変化に富みます。一センチあるものはレントゲンでも見えますが、一ミリのものは、最近のCTが良くなったとはいえども、一ミリのものは見えません。これを胸部レントゲンで見て正しく診断できる確率というのは、先ほど申しましたように一センチあるものは見えます、五ミリのものも見えますが、三ミリになると見えなくなってしまいます。ということで、本当は存在するのに診断ができる確率というのは二割というふうに言われています。レントゲンを肺がん検診で撮っても必ずしも診断ができないということであります。
 一番いいのは肉眼的に見るということであります。胸の中にカメラを入れて見る、胸腔鏡というのも診断に非常に役に立ちます。ほかのものとはまず間違わないということであります。手術のとき若しくは解剖したときにこれが壁側胸膜にあるということが診断できれば、この人はアスベスト暴露であるというふうに医学的に見えます。
 それから、この胸膜プラークというのは二十年を経るとこれに石灰がたまってまいります。石灰がたまってくると非常にレントゲンで見やすくなるんですけれども、日本の場合は結核に罹患された方が非常に多いんで、医師の側が胸膜の石灰化を見た場合、結核に罹患したかどうかを患者に問診せずに、あなたは昔結核になっていましたということで見誤っている場合が多々あるということも、これも一つの問題であるというふうに思っております。胸膜プラークを正しく診断するということは、この労働者がアスベストに暴露したということの正しい診断になるということですが、現実的に、なかなかこれを診断できる医師がいないということも現実であろうというふうに私は思っております。
 もう一つは、石綿小体というものがございます。石綿というのは元々珪酸塩で繊維性のものであります。これは非常にしなやかで折れることがなく、ほぐせばほぐすほど細くなってまいります。細くて長いアスベストほど中皮腫の危険性が高いというふうに言われますが、これが体の中に入りますと、体の中の肺胞マクロファージという白血球が異物として認識してこれをやっつける、戦います。けれども、戦いに必ず負けて、その死骸がこの繊維に付きます。それを石綿小体というふうに申しまして、これは鉄亜鈴様の黄金の物体として簡単に見分けが付きます。
 この以上の二種類が、アスベストによって起こった中皮腫かどうかという二つの大きな医学的な所見であるというふうに言っていいと思います。
 中皮腫の治療というのは、治療がないというふうに先生方もお聞きになっていらっしゃると思います。
 二番の放射線療法は、単独では意味がないというふうに言われています。遺伝子治療というのは欧米でやっておりますが、この効果についてはいまだ分かりません。一番いいのは、外科的に胸膜と肺を取ってしまうという、こういう手術であればこれは治すことが可能であります。けれども、この手術ができるのは早期に診断ができた患者さんだけでございます。そうすれば、五年生存も可能であります。当院でも、早期診断をいたしまして四十か月以上を経ても再発をしない患者さんを四人持っておりますが、これはすべて早期の診断が行われたためでございます。腹膜と心膜の中皮腫は、これはもう手術をして取り除くことができません。やはりこの病気を確実に治すためには、早期診断をして外科的な治療を行う、これ以外はないと思います。
 内科医であります私は、行えることは、化学療法ということであります。アリムタというお薬が欧米で非常によく効くと。で、シスプラチンというお薬にビタミン大量療法をした場合に非常に予後がいいというデータが出ております。本邦でも六月から始めておりまして、当院でも行われております。患者さんも非常に期待はされておりますけれども、実はこれ、欧米のデータを見ても、いわゆる生存期間が二、三か月ぐらいいいという程度で、十分な延命効果が得られるというデータはいまだに出ておりません。となると、この病気は早期診断をして外科的治療をしないとやはり肺がんよりも予後が悪い病気であるというふうにお考えいただいていいかと思います。
 ということで、やはりこのアスベスト暴露によって起こる中皮腫の場合は、早期診断で早期治療するということになりますと、この専門家が実際に少ないということも事実であります。症例もそれほど多いわけじゃありません。肺がんに比べて、百分の一とは言いませんが五十分の一程度でございます。ですから、やはり専門医療機関のネットワークをつくって、地方の医療機関からいわゆる専門機関で早期診断をして早期治療をやるということがやはり私は一番大切ではないかなというふうに思います。
 石綿暴露歴があって胸膜プラーク等がある患者さんで不安を持っていらっしゃる方は非常に多いと思います。そのためには、やはり専門家による健康診断若しくは特殊な健康診断等を行うことが一番大切ではないかなというふうに思います。
 以上でございます。
#11
○委員長(岸宏一君) ありがとうございました。
 次に、古谷参考人にお願いいたします。古谷参考人。
#12
○参考人(古谷杉郎君) 御紹介いただきました石綿対策全国連絡会議の事務局長、古谷と申します。今日はお呼びいただき、ありがとうございます。
 私たちの石綿対策全国連絡会議というのは、一九八六年にILOがアスベスト条約、石綿条約を採択したことを契機として、労働組合や市民団体、専門家や関心を持つ個人でつくられたネットワークです。今度の国会でそのILO条約の批准の件が承認されたということで、感慨深いものがあるわけですが、実に十九年の長き時間を掛かったわけです。
 昨年十月に、日本でもいよいよアスベストが原則禁止されるということを私たちは非常に歓迎しました。しかし、心に留めていただきたいのは、アスベストの禁止は最初の第一歩であって、取り組まなければならない課題が山積みしているということです。
 大きく申しますれば、まず何よりも、一日も早く全面禁止を実現すること。そして、その後の対策は大きく二つの柱があろうかと思うんですけれども、今正に流行の始めたばかりのこのアスベスト関連疾患の増大にどう対処していくのか、そしてもう一つは、私たちの身の回りに残されている既存アスベストですね、どのように取り除いていくのか。それに加えて、日本だけで問題が解決すればいいということではなかろうと思いますので、海外移転を阻止する、あるいは地球規模での解決を目指すというようなことも私たちの目の前の課題ですし、今話題にもなっておりますように、やはり予防原則の教訓を引き出すために過去を検証する必要があるのではないかというふうにも考えております。
 そのようなことから、私たちも決して十分な提言ができたとは思っていませんけれども、先日、二十六日に、総合的対策にかかわる提言ということで、内閣総理大臣あてに提出させていただき、今皆様のお手元に配らせていただいております。あわせて、私たちの団体に参加もしております患者と家族の会、あるいはアスベストセンターが緊急の要望なり重点的なお願いということでまとめた文書もお手元にあると思いますので、御参考にしていただければと思います。
 私たちがここで言っていることの一つは、今正に静かな時限爆弾の時限装置が発火したかのような事態を迎える中で緊急に決断をすべきことは、一刻も早く政治的決断をしていただきたい。その上で、総合的、抜本的な対策というのは非常に幅広い課題がございます。腰を据えて、本当に総合的な対策を確立していただきたい。そういう意味では、場当たり的なその場しのぎの対応で終わってはならないというふうに考えているわけです。
 そこで、私なりに今最も緊急に必要と思われている課題について、幾つか触れさせていただきたいと思います。
 まず第一に、住民被害者らに対する補償制度を確立することです。
 所轄の官庁はどこかとか、今ある法律で使える法律はあるんだろうかとか、手続の問題で時間だけ掛かって結果的に何もなされてなかったということが最悪だろうと思います。まず、このアスベストの使用なくしては起こらなかった被害者に対しての補償制度を確立するという決断があって具体的な制度の細部が決まるんではないかというふうに考えております。
 御承知のように、マスコミの報道が始まるきっかけはクボタ・ショックと言われています。クボタの旧神崎工場の周辺に住んでいる三名の住民被害者の方が、私たちに参加している患者と家族の会、あるいは関西、尼崎の労働者安全衛生センターを介することによって、今まで孤立させられていた立場から、お互いを知ることによって素朴な疑問ですね、一体工場の中で何が起こってきたのか、何が起こっているのかを明らかにしてほしい、勇気を奮ってクボタに申し入れた、そのことがきっかけになっています。お三人の方はこの不治の病と今、正に闘病中です。この三人の方の勇気が国をしてこのような対策を取ることになったと是非聞かせてあげたいというのが私の願いです。猶予は一刻もならないというふうに感じております。
 第二に、時効の問題であります。
 この一か月の間、私たちの関係団体で受けた相談は数千件になると思われます。非常に多忙でなかなか集約できないのですが、重立ったところで、受けた相談で、既に相談を受けた時点でいわゆる労災保険の時効が過ぎてしまったがために労災保険の手続が取れなかった方の件数をまとめてみました。七月二十七日の段階で八十二件の方がいらっしゃいます。既に今日までに百件になろうかと思っています。この方々たちの家族をどうするのかという問題です。今、厚生労働本省や監督署でも相談を受けていると聞いておりますけれども、時効に掛かった方の相談に、これは時効だから駄目だよと決して切り捨てないで、少なくとも後で連絡が取れるような対応をしてほしいと切に願うわけですけれども、今、実際にこの百人、あるいはもっと潜在的な時効で権利を失われてしまっている方々に対する、これが時効の壁で補償から排除されることがないような決断をこれも一刻も早く望みたいと思っています。
 第三に、中皮腫登録制度の創設ということを提案させていただきたいと思っています。実は、これは私どもの発案、オリジナルではございません。岸本先生もメンバーをなさっている、二〇〇三年の八月にまとめられた労災認定基準の検討会の報告書で既に提案されていること、提言されていることなのですが、どうもこれまでに実現に向けての検討がなされた形跡がございませんので、改めてそれを提言申し上げたい。
 実は、この検討会報告書では中皮腫というのを、診断をチェックするための中皮腫パネルと中皮腫登録と二つのシステムを提言されておるんですけれども、私自身は、その診断の確かさをチェックするだけでなくて、その方がどのような状況でアスベストに暴露したのか、職業暴露なのか環境暴露なのか、そのようなことから今後の対策に資するような情報も得るというようないろんな思い込みも含めて、この中皮腫登録という制度を是非創設していただきたい。
 この点については、さきに御説明がありました「当面の対応」の中で、厚生労働省が緊急に研究を実施するというふうにしていますうちの二〇〇三年に八百七十八名亡くなった中皮腫の方々のこの実態調査、この調査に基づいてすぐ実現することも不可能ではなかろうと思います。是非、この研究班の目的をそのように位置付けた上で、一刻も早く中皮腫登録制度を実現していただきたいと思います。
 以上、三点申し上げて、もちろん緊急にやってほしいこと、ほかにも多々ございます。まあ、ちょっとだけ触れさせていただけば、例えばクボタの旧神崎工場の住民の方々の疫学調査が実施できないだろうかということがあります。
 先ほど申し上げました住民被害者の補償制度をつくるという決断をするために、これ以上の追加的な調査とか検討は必要ないと私は考えています。そうではなくて、実際にどの程度の被害の広がり、あるいはアスベスト暴露の広がりがあったのかということをこのクボタの旧神崎工場を徹底的に調べることで一つのモデルがつくれるのじゃないかというふうに考えているからです。環境省の方で中皮腫で亡くなられた方の調査をするということも言われていますけれども、私、岸本先生のお話も聞いて、例えばですけれども、CTを使って住民の方の胸膜プラークを調べる、もう少し検討の方法があろうかと思います。そういう意味では、この問題についても早急に検討ができればというふうに思う。実際の感覚からいいますと、もうとっくにどこかでやるという話が出てきても不思議ではないような気がするんですけれども、先ほどの住民被害の補償の問題と併せて、どこが所轄するのかとかいう話の前に、是非とも検討していただきたい問題だというふうに考えております。
 それと、本日は厚生労働委員会ということでありますので、若干、私の本来の仕事といいますか、労働者の安全にかかわることについても一、二触れさしていただきたいんですけれども、「当面の対応」の中で厚生労働省は、今ある労災認定の仕組み、あるいはハイリスク者が退職後に健康管理をするシステムである健康管理手帳制度というのを周知するということをおっしゃいました。私たちは、この周知もさることながら、この二つの制度についても改善をしていただきたいというふうに願っております。
 まず、健康管理手帳制度については、これはハイリスクな暴露を受けた方の登録制度というふうにも位置付けることのできる重要な制度ですけれども、何よりも交付件数が余りに少な過ぎます。恐らく累計で千件行ってなかろうというふうに思われますし、実はそのうちの二割か三割は神奈川県の在日米軍の元従事者であろうかと思います。
 これには理由がございます。労働組合全駐労横須賀支部や神奈川労災職業病センターというNPOの要望を受ける形で、神奈川県が三年間掛けて元海軍基地に従事したことのある労働者一万五千人を追跡調査して、全員に手紙をお届けして、こういう制度があるから希望する方は活用してくださいという周知事業を三年間やった結果です。したがって、該当する方があったら是非申し出てくださいという相談窓口を開いて待っているだけでは決して増えません。
 健康管理手帳制度については、すぐできる改善によってその効果を非常に上げることがございます。
 まず第一に、交付対象の範囲を、今ある中でいうとベンジジンという作業があって、この作業に三か月以上従事した方全員を対象にしております。アスベスト作業についても同様に交付対象を広げていただくこと。それと、現行のシステムでは本人が給付の手続をしなければ交付されないことになっておりますが、これを対象要件に該当する人には自動的に交付すること。で、それを過去の退職者にも行き渡らしてほしいわけですが、加えて、現在では、健康管理手帳を持っていても県内に二、三か所ある指定医療機関でしか無料健診を受けられません。これを、かかりつけ医ですとか労災指定医療機関ならどこでも健診が受けられるということになると非常に便利な制度になろうかと思います。最後に、健診の中身についても、是非CTを加えていただきたい。
 このような改善によっても、この健康管理手帳は非常にいい制度になると思います。
 さて、ほかにも緊急の対応として申したいことは多々あります。
 閣僚会議の報告を見ても、今、実はアスベストに関して関係のある主な法律だけでも非常に整合性を欠く面があります。例えば、労働安全衛生法、化学物質管理法、大気汚染防止法、廃棄物処理法、建設リサイクル法、それぞれ微妙に違ったカバーをしておって整合性を欠いている。こんなこと例えばすぐに直していただきたいと言い続けていることですけれども、残念ながら盛り込まれておりません。
 そういうことも含めまして、冒頭申しましたように、緊急に決断しなければならないことは一刻も早く、そして、総合的対策と言えるような内容を腰を据えてじっくりと、縦割り行政の弊害を排して確立していただきたいというふうに考えております。その際には、政府の中でこのように検討した結果こうなりましたということを後で報告していただくだけではなくて、その計画の策定あるいは過去の検証の過程に、是非アスベスト被害の患者と家族の代表、あるいはNPOの代表を加えて作業をすることが決定的に重要なのではないかというふうに考えている次第です。
 以上です。
#13
○委員長(岸宏一君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 この際、厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。尾辻厚生労働大臣。
#14
○国務大臣(尾辻秀久君) 厚生労働省より、アスベスト問題への当面の対応につきまして発言させていただきます。
 アスベストによる健康被害が拡大する中で、私としては事態の広がりを重大に受け止め、勤労者、国民の不安解消を最優先に取り組むよう強く指示するとともに、七月二十二日には西副大臣をキャップとするアスベスト対策推進チームを立ち上げ、対応策の検討を進めてきたところであります。
 先般、関係閣僚会合において決定された「アスベスト問題への当面の対応」のうち、厚生労働省関係では推進チームの検討成果が盛り込まれており、その主なものといたしましては、第一に、建築物の解体現場における重点的な監督指導を実施するなど、暴露防止措置、飛散防止措置の徹底を図ることとしております。
 第二に、例外的に用いられているアスベスト含有製品の早期の代替化について、遅くとも平成二十年までとしている全面禁止の前倒しも含めた検討を行うこととしております。
 第三に、アスベストによる疾病に係る労災認定を行った労働者が所属していた事業場の名称等を公表することとし、まず平成十一年度以降分について七月二十九日に発表したところです。
 第四に、労災補償の問題について、アスベスト暴露の事実確認方法の簡素化により、迅速、的確な労災補償を進めることとしております。
 第五に、中皮腫の実態やアスベスト暴露に関連した職種別リスク等に関する研究を実施することとしております。
 このほか、「当面の対応」においては、労災補償を受けずに亡くなった労働者の方々や御家族、周辺住民の方々の問題について九月までに結論を得ることとされていますが、この問題については政府全体の立場で検討していく必要があるものと考えております。
 さらに、過去の対応の検証については、今回政府全体の検討作業において、まずはアスベストに関する通知、通達等を調べてお示ししております。今後、具体的な作業を引き続き進め、八月までに検証を行ってまいりたいと考えております。
 私としては、今後とも国民の不安の解消に向け、今回取りまとめられた「当面の対応」の円滑な推進を図るべく、関係省庁との緊密な連携の下、全力でスピード感を持って取り組んでまいる所存であります。
 説明は以上でございます。
#15
○委員長(岸宏一君) 以上で発言は終了いたしました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#16
○津田弥太郎君 民主党・新緑風会の津田弥太郎であります。
 冒頭、中皮腫、肺がん、石綿じん肺などアスベストに起因して尊い命を失った方々の御冥福をお祈りし、御遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げます。また、被害に遭われ闘病生活を送られておられる方々にも心よりのお見舞いを申し上げたいと思います。
 本日は、厚生労働委員会におけるアスベスト集中審議ということで、先ほど来お二人の参考人の方からも貴重なお話を聞かせていただき、大変ありがとうございました。
 私自身も製造業関連の労働組合の出身ということで、極めて深刻にこの問題を受け止めておりますし、アスベスト被害は、関連企業に勤務する労働者のみならず家族や周辺住民にも被害が及ぶとともに、今後の建材等を通じて被害も想定されることから、圧倒的多数の国民にとって実は郵政民営化よりもはるかに重要な社会問題として受け止められているのではないでしょうか。
 ところが、アスベスト問題に関する関係省庁会議は、七月一日に設置されながら、当初は課長級であったメンバーが七月二十一日になって局長級に格上げされたところであり、関係閣僚による会議は、ようやく七月二十九日に初めて開催された状況であります。
 その一方で、この間、多くの閣僚が連日郵政民営化法案の審議に出席をいたしております。アスベスト問題のように命に直結する喫緊の政策課題を官僚に任せ、郵政民営化という一人の命も救えない法案の成立に各省庁の責任者である大臣がしゃにむになっている小泉内閣の姿勢に対し、私は強く抗議をし、猛省を促したいと思っております。
 内閣官房のかなめである山崎官房副長官、本日の参議院厚生労働委員会でこのような指摘があったことを小泉総理に伝えていただけますか。
#17
○内閣官房副長官(山崎正昭君) 津田先生の今の御質問、極めて大事な問題であろうと思っております。率直に先生の御意見を踏まえながら総理にお伝えをさせていただきたい、このように思う次第であります。
#18
○津田弥太郎君 さて、それでは具体的な質問に移ります。
 今般の「政府のアスベスト問題への当面の対応」では、先ほど御説明がありましたように、政府の行うべき事柄を大きく四つに分けております。すなわち、被害の拡大防止、国民の不安への対応、過去の被害への対応、政府の過去の対応の検証、この四つであります。
 この四つの分類そのものはおおむね妥当だと考えます。問題は各項目についてどこまで本気で取組を行うのか、とりわけ政府の過去の対応の検証、このことについてきちんと行政の不作為責任をお認めになるかということが大変大事なことであると考えております。
 七月二十日の衆議院の委員会質疑の際に、西副大臣は、事実を分かりながらフォローできていなかった、決定的な失敗だったのではないかと個人的には考えていると答弁をされております。この発言は、率直に自らの考えを述べたものとして私は評価をしたいと考えております。霞が関の住民は別として、多くの国民はアスベスト問題については同じ思いだと思うわけでございます。
 また、細田長官は、七月十一日の記者会見で、より早く禁止措置がとられればよかったと思う、これまでの蓄積がたくさんあり、一種の蓄積公害みたいなものだと発言されており、また、七月二十一日の記者会見でも、今となってみれば、被害者がたくさん出ておられるので、もっときちんと対応できればよかったと思うと言われ、各省庁の体制についても反省すべき点は多いと、このように発言をされておるわけでございます。
 山崎副長官、これらの発言の経過から見ても、政府の不作為責任についてお認めになりますね。いかがですか。
#19
○内閣官房副長官(山崎正昭君) アスベスト問題に関する政府の過去の対応については、今ほど御指摘のような点も含めて、私ども八月中に検証を行うことといたしております。
 率直に、過去の対応を正当化するというのではなく、反省すべき点があれば反省をして、検証を行い、全力を挙げてその対応に当たってまいりたい、また、そのように各省庁に指示もいたしたい、このように思っております。
#20
○津田弥太郎君 そういう言葉ではなくて、不作為による責任ということを私は申し上げているんです。
 一九七六年、旧労働省が通達でアスベストの周辺被害の危険性を指摘をいたしております。また、一九七七年、埼玉の行田労働基準監督署長が石綿で住民死亡の疑いと旧労働省の埼玉労働基準局に早急な対応を求めたが、対策は取られていなかったという事実、さらには、実際に毒性の強い茶石綿そして先ほどもお話がありました青石綿、これが禁止をされたのは一九九五年になってからであり、白石綿の一般使用が原則禁止になったのは昨年の十月であります。
 このことから見ても、山崎副長官、もう一歩前に出て、不作為の責任があったというふうにお認めになる気はありませんか。いかがですか。
#21
○内閣官房副長官(山崎正昭君) 先ほども申し上げましたように、この点につきましては、しっかりと過去を検証して、そういったことを真摯に受け止めながら対応をしていくと、こういうことを申し上げたわけでございまして、よく過去を検証するということは極めて大事なことでありますので、そのように御理解をいただきたいと思います。
#22
○津田弥太郎君 どうも一歩強い決意がお述べにならないんで、今日はせっかく参考人お二人お見えでございます。まずは、古谷事務局長さんにお尋ねをいたします。
 実は、一九九二年十二月三日に当時の社会党が、百二十五回臨時国会に衆議院の議員立法として石綿の規制等に関する法律案を提出をいたしました。この法案の立案は、石綿対策全国連絡会議も深く関与をしていたというふうに承知をいたしております。しかし、この法案は委員会に未付託のまま廃案となりました。
 この法案の施行は公布の日から一年後、当時、一年間に二十万トン以上のアスベストが輸入されていたことを考えますと、この法案が成立をしていれば、その後の中皮腫、肺がんなどの被害者を一定程度を救えたのではないかと私は考えるわけでございますが、古谷さん、いかがでしょうか。
#23
○参考人(古谷杉郎君) 御指摘のとおり、石綿対策全国連絡会議は、御指摘の法案についてその成立を目指しておりました。私たちは初めから、この問題は労働者だけの問題では済まない、で、この法案は実は厚生省の所管のものとして提案させていただいたわけです。
 これは私の率直な感想ですが、やはりあのときに原則禁止と総合的対策を取れなかったということは、避けられるはずであった被害を十数年分拡大した可能性が非常に強いと思わざるを得ません。そして、今また対応を誤ると、更に数十年分の被害を拡大することになるのではないかと危惧をしております。
#24
○津田弥太郎君 この法案が提出されました百二十五回臨時国会当時、尾辻厚生労働大臣は既に参議院議員でございました。そうですね。そうですね。この法案について当時、どのように考えていらっしゃったか。また、この法案を成立させなかったことで今、後悔をされていらっしゃいますでしょうか。
#25
○国務大臣(尾辻秀久君) 今回、この問題が出まして、私も当時どうであったかなということを振り返ってみました。正直に言いまして、この社会党提案のものがあったということを私の記憶の中にございませんでした。
 改めて調べてみたわけでありますが、当時の衆議院の議院運営委員会の預かりでございましたので、そこから出ていないものですから参議院にも全く来ておりませんし、だからという言い訳をするのもいささか申し訳ないとも思いますけれども、ただ、参議院に全く来ていないものですから、私の承知しなかったところでもございます。
#26
○津田弥太郎君 この法案は、厚生省に石綿対策審議会を設置するなど、多くが厚生大臣の対応を求めておりました。
 仮に委員会に付託されていれば、当然、所管は厚生委員会、当時ですね。第百二十五臨時国会では尾辻大臣は参議院の厚生委員会の理事をされております。覚えていますか。しかも、当時、この法案は集中的なキャンペーンにより賛同署名六十三万名を集めた。知らないわけがないんです。
 石綿対策全国連絡会議のホームページには、この法案は自民党の反対に遭って議論もされないまま拒絶、廃案にされてしまいましたというふうに書いてあるんです。思い出しませんか。
#27
○国務大臣(尾辻秀久君) 参議院に回ってきておれば、理事でございますし、当然その議論をしたと思いますけれども、衆議院の中で委員会にも付託されていないということでございますから、参議院の理事として、本当に正直に申し上げて承知しておりませんでした。
#28
○津田弥太郎君 それでは、この議員立法について、当時の、当時のですよ、厚生省はどのように検討し、どのような評価をしていたのか。
 当時、この法律を成立させていれば、一定の被害拡大を防止できたんではないかというふうに私は考えるわけですけれども、その辺はどのようにお考えになっているか。これは通告しておるんでお答えいただけると思うんですが、いかがですか。
#29
○国務大臣(尾辻秀久君) 今申し上げておりますように、同法案は委員会に付託をされていないものですから、政府としてまとまった検討は行っていないというふうに承知をいたしております。今調べてみましても、当時、そういう検討をしたという記録はございません。
#30
○津田弥太郎君 感想を述べるぐらいのことはできるでしょう。先ほど冒頭であれだけの、真摯に取り組まなければいけないとおっしゃっていて、実は一九九二年当時、このような取組があったというのは、当然、今厚生労働大臣やられていて分からないわけがない。私は通告をして、当時この法律が成立をしていたとすればどうですかということをお聞きしているんです。もう一度答えてください。
#31
○国務大臣(尾辻秀久君) 申し上げておりますように、当時、委員会へ付託されておりますと、これは当然政府としてもきちっとした検討をしなきゃいけないということで検討したんだと思いますけれども、委員会に付託されていませんので、申し上げておりますように、今記録に残っておる形でまとまった検討を行ったというものがないということを申し上げておるところでございます。
 ただ、先ほど来、官房副長官も申し上げておりますように、私ども、今回こうしたことを改めてすべて検証しようと思っておりますから、この問題についても検証はきちっとさせていただきたいと存じております。
#32
○津田弥太郎君 それでは、ちょっと角度を変えて質問させていただきます。
 防衛庁、見えていますね。何で厚生労働委員会に防衛庁が来ているのかと不思議に思われる方もあるかもしれませんが、防衛庁にも今日は出席をしていただいておりますのでお尋ねをいたします。
 防衛庁の各建物については、アスベスト吹き付け剤の除去について過去にどのような対応を行っておられましたか。端的にお答えください。
#33
○政府参考人(西山正徳君) 防衛庁といたしましては、平成二年度から平成六年度にかけまして、すべての建築物について吹き付けアスベストの使用状況を調査いたしました。このうち、使用が確認されましたボイラー室やポンプ室等の建築物約百四十棟についてアスベストの除去を行ったところでございます。
#34
○津田弥太郎君 平成二年度、すなわち一九九〇年度から九四年度までに、通常の建物も含め全部除去された。それでは、その理由はどういうことでしょう。
#35
○政府参考人(西山正徳君) その当時でありますけれども、やはりアスベスト問題、飛散性があって健康や環境への影響が社会的問題になったと、こういうようなことを踏まえまして、防衛庁として行ったというようなことが記録として残されてございます。
#36
○津田弥太郎君 それでは、山崎官房副長官にお尋ねをいたします。
 一方で、公立学校についてはどうかということであります。
 参考資料としてお配りしてありますね。私が、過日政府に提出した質問主意書と答弁書をお配りをしてあるというふうに思います。
 当時の文部省は、昭和六十二年、一九八七年に、全国の約四万の公立学校建物について、吹き付けアスベストの使用状況を調査をしております。その結果、千三百三十七校で吹き付けアスベストが使用されていたことが分かったわけであります。
 質問主意書に対する答弁では、石綿対策を行うための大規模改造事業の補助実績は昨年度までで一千一校、このほかにも、改築によりアスベストが除去された学校、設置者が単独でアスベスト対策工事を実施した学校もあるようですが、私が、その質問三のところで、これらのいずれの対策も講じられずに現在まで放置されている学校について、学校名及び所在地を明らかにされたいとお尋ねしましたところ、その回答、五枚目のところに、三についてというのがあると思うんですが、その回答は、御指摘のようないずれの対策も講じられずに現在に至っている学校の学校名及び所在地については把握をしてないという答えでございました。
 また、答弁書の七番ですね。ここにありますように、吹き付け石綿の使用状況の概要を早急に把握する必要があったとしながらも、その後の対応に何ら責任を文部省あるいはその後の文部科学省は持っておりません。
 防衛庁が職員の安全を守るために、すべての吹き付けアスベストの除去を十一年前には既に完了しておるわけです。文部省、文部科学省も子供たちの安全を守るために、調査後速やかにすべての吹き付けアスベストの除去まで責任を持って行わせるべきではなかったのか。単に補助制度の創設では不十分なわけであります。明らかに文部省、文部科学省の対応は不適切だったのではないかと考えますが、山崎副長官、いかがでしょう。
#37
○内閣官房副長官(山崎正昭君) 先ほど先生にお答え申し上げましたように、このアスベスト問題に対する政府の過去の対応でございますけれども、今ほど御指摘の公立学校における対応を含めまして、大変恐縮でございますが、八月中に検証を行うことといたしております。
 先ほども、繰り返しますけれども、過去の対応を正当化するということではなく、反省すべき点があれば反省をしながら、客観的に検証の作業を真摯に進めてまいりたいと、このように思いますし、適切な関係省庁への指示をいたしておるところでございます。
#38
○津田弥太郎君 今日は、山崎副長官は、細田官房長官が郵政特で出られないから政府を代表して出ていただいているわけであります。今申し上げましたように、防衛庁の対応、そして文部省、文部科学省の対応、ここまで違っている。本来、逆ですよね。本来、文部省の方がもっと率先してやらなければいけない。こんな状態が現実にあった。これは正に大変大きな問題であるというふうに私は申し上げているわけです。
 じゃ続いて、まだあるんです、嫌になるかもしれないけど。
 一九八七年には、建設省が各省庁の庁舎や公務員宿舎など、国有の建物を設置する際は石綿不使用とする方針を決定していたことが新聞報道で明らかになっております。石綿の一般不使用がはるかに遅れた。しかし、自分たちの安全は優先している。国民の安全には関心を持っていなかったことがこれも明らかであります。こういう、自分のところだけは安全にしておいて、国民のところには無関心でいるという、これ、実態としてそういう経過があるわけです。
 ここまで明らかになったことを踏まえるならば、少なくとも、各省庁の個々の作為と不作為を見たとき、正に合わせ技一本としての責任は当然に認められると思うんですが、山崎副長官、いかがでしょうか。
#39
○内閣官房副長官(山崎正昭君) 今ほど、防衛庁、文科省、公立学校でございますが、それと今、建設省、当時の建設省でありますけれども、いろいろ例示を挙げてお尋ねでございます。
 内閣官房といたしましては、先ほどのお答えを繰り返すわけでありますけれども、過去の対応については反省すべき点があれば反省をしながら、今先生の申し上げたような御指摘を受けて、速やかに万全の体制を取っていきたい、検証をしっかりと進めていきたい、このように思っておるわけでございまして、御理解をいただきたいと思います。
#40
○津田弥太郎君 副長官、さっきからほとんど同じ回答を最初から、私が質問している内容はどんどん変わってるんだけれども、同じ回答をされるというのはちょっといかがなものかと思うんですが。
 まだあるんです。高野環境副大臣お見えですね。昨日、八月二日の新聞では、環境省が先月、七月二十六日に設置しましたアスベストの健康影響に関する検討会の取りまとめ役責任者である座長に就任していた大学名誉教授が、石綿製品メーカーなどでつくる日本石綿協会の顧問を、先ほど社会党案がほごになりました一九九二年当時も含めて、十三年間にわたって務めていたことが報道されております。しかもこの方は、協会の広報ビデオに出演し、大量に使われている白石綿は人の健康に対する悪さの度合いが低い、一まとめにして石綿は悪いというのは間違っているというふうに述べられているわけであります。
 この人事ですね、これ、環境省、そういうこと、そういうお立場であったということを分かってて登用をしたとしたら、これはとんでもない話であり、知らなかったとしたら余りにもルーズである。そういう姿勢だから、環境省が、被害が拡大をしてきた。座長という要職にこのような経歴の持ち主を登用するというのは、被害者や遺族の気持ちを逆なでする考えられない暴挙です。なぜ環境省は座長の経歴をしっかり調べなかったのか、責任は大変大きいわけでございます。
 まじめに被害者救済や被害の拡大防止に努めてきている、今日お見えになっている参考人のような方々を座長になっていただくならともかく、とんでもない話であると私は思うわけでありますが、環境省はどうお考えでしょうか。
#41
○副大臣(高野博師君) お答えいたします。
 櫻井名誉教授は、これまでの学識あるいは経験、あるいは様々な業績等を踏まえて、環境行政に対して大変な協力をしていただいているということもありまして座長をお願いしたわけでありますが、石綿協会の顧問をされているという事実につきましては、経歴につきましては、環境省としては残念ながら把握をしておりませんでした。そのビデオの中でインタビューに答えているんでありますが、櫻井教授の発言の中身については、これは当時の科学的知見のこれは範囲内での発言であります。ただ、それがPRに使われたということは先生自身も余り認識をされていなかったというふうに理解をしております。
 ただ、この任命によって、選任によって国民の不信感を増したということであれば、これは大変申し訳ないと思っておりますし、環境省がその選任に当たって先生の過去の経歴について知らなかったということについての甘さがあるとすれば、これは御批判は甘んじてお受けしなくてはならないというふうに思っております。
#42
○津田弥太郎君 これまでこの手の人事を行うときに、役所が当然、ほかの人事でもですよ、調べているわけですよ。だから、どう考えても環境省は、今知らなかったって高野副大臣はおっしゃるんだけど、事務方は分かった上で何が悪いというふうに言っているんじゃないですか。
#43
○副大臣(高野博師君) 事務方も含めて環境省の中にはその経歴を知っている者は一人もおりませんでした。これが事実であります。
#44
○津田弥太郎君 これ常識で、ほかの省庁も含めてそんなことは、もしそうだとすりゃ、もうとんでもない環境省は大ぽかですよ。
 じゃ、この方は石綿協会から、顧問だということですが、顧問料をもらってたのか、あるいはビデオに出演をしたということはビデオの出演料をもらっていたか、お聞きしましたか。どうですか。
#45
○副大臣(高野博師君) 出演料をいただいたかどうかについては、本人からは聞いてはおりません。これは確認したいと思います。
#46
○津田弥太郎君 これ、顧問料、顧問ですから、それも聞いてください。
#47
○副大臣(高野博師君) これも確認したいと思います。
#48
○津田弥太郎君 環境省がこういう姿勢で、先ほど参考人から御指摘があったような抜本的な取組ができるのかということについて、私は大変不安を感じるわけであります。
 そこで山崎副長官、今度はちょっと違う回答してください。
 政府の「アスベスト問題への当面の対応」では政府責任についてこのように記されております。「政府の過去の対応について、アスベストに関連するこれまでの通知・通達、行政文書、研究結果等についての関係省庁での調査を踏まえ、八月までに検証する。」ですね。
 政府の責任については既に認めながらも、具体的にどの部分に責任があったかを具体的に八月までに検証をするということなのか。それとも、先ほどからおっしゃっているのはその域を出ていないんですよ。八月までに検証を行って、その結果として政府の責任は全くなかったということも可能性としてはあり得るのか。私は、これまで明らかになったことだけでも政府に責任があることは明らかであるというふうに考えますが、副長官、いかがでしょうか。
#49
○内閣官房副長官(山崎正昭君) それでは、政府の過去の対応の検証につきましては、関係省庁におきまして、今ほど御質問がありましたように、これまで通知・通達、研究結果等についての調査を行いました。その結果を踏まえて、政府全体として、それぞれの時期に、どのような認識の下で、どのような対応をしてきたか、具体的かつ詳細に精査をするということといたしておるわけでございます。
#50
○津田弥太郎君 通知・通達を出したから責任が免れるのではなくて、むしろ通知・通達を出していながら結局その実行に至るまで責任を持って監視できなかったということが問題なんですね。
 先ほどから指摘をしたように、公務員宿舎など自分たちの安全は早期に守りながら、一般の国民の安全確保を放置をしてきた。この「当面の対応」の書きぶりでは、政府責任が意図的に消されてしまうんではないかという危惧を私は持つわけであります。
 時間がありませんので、先ほど参考人からも指摘がありました時効の問題についてお聞きをしたいと思うんですが、岸本副院長さん、先ほどるる述べられたわけですが、我が国において、例えば中皮腫の一九九五年度から二〇〇三年度までの死亡者六千六十人の中で労災認定がされた者が二百八十四人、この割合は四・七%でございます。先月の二十日に発表された二〇〇四年度の中皮腫の労災認定者は前年の一・五倍の百二十七人となっております。御承知のとおりであります。二〇〇四年度の中皮腫の死亡者については現在まで発表されておりませんが、仮に九百人前後とした場合には認定率は二〇%程度になるわけでございます。
 一九九七年の専門家による会議、ヘルシンキ・クライテリアでは、中皮腫の八〇%が仕事によるアスベストの吸入が原因とされております。先ほど先生は七割から八割というふうにおっしゃいました。我が国の認定率は、先ほど言いましたように極めて低いわけで、大きな差異があるわけでございますが、先生の御意見をお伺いをしたいと思います。
#51
○参考人(岸本卓巳君) 津田議員がおっしゃられるとおりで、日本の中皮腫のアスベストによって起こったという労災認定は少な過ぎるというのは、実は私も海外の学会に行きまして、海外の学者からどうして日本はこんなに少ないのかと、日本の中皮腫は何によって起こったのか答えなさいと言って質問されたことが多々ございます。
 やはり、日本の中皮腫もやはりアスベストによって起こっていると私は信じております。私が瀬戸内海沿岸地方でまとめたデータによりますと、やはり八割、九割はアスベストによって起こったものだということを、私も二〇〇四年の論文に書いてございます。これはやはり、いわゆる患者さんの側の意識、それから、それを診断する医師の側の問題が多いというふうに思っております。
 私も日本呼吸器学会の会員でございますが、その学会誌に、やはり明らかにアスベストを吸ったと思われるような造船業、製鉄業、こういうものがアスベストに暴露されたかどうか不明、若しくはなしというふうに、明らかにそういう学術論文にも書いてございます。やはり医師の側も職業歴をきちっと聴取して、その症例においてアスベストによって起こった医学的所見を詳細に検討していくという、この大切な役割を今まで十分に行ってなかった可能性が一番多いのではないかなというふうに思っております。
 先ほど申しましたように、アスベストによって起こってくる胸膜プラークというのは、初回暴露から二十年を経ますと胸膜に石灰化がやってまいります。そういう事実を知っておれば、この患者さんがアスベスト暴露者であるということが明らかであるんですけれども、日本の多くの先生方は、これは昔の結核の名残だと、あなたは結核性の肋膜炎をやったでしょう、昔結核をやったんですねということで、患者さんが、いや、私はやっていないというふうに述べても、いや、あなたが知らないうちにそういうふうになっているんだという事実を聞いて知っております。
 ですから、やはりそういう事実を実際に、アスベストによって起こってくる疾患に関しましては大学の授業でも行われませんし、その後の、いわゆる生涯教育でも余りやってこなかったという、そういう歴史的なものがございますので、我々も機会を得て、そういうことは産業医の講習会でやっておりますけれども、実際に私どもの力が足りなかったという点も認めなきゃいけないということがありますし、やはりアスベストによって起こってくる疾患に関する、いわゆる診断と治療に関して興味を持ってやってきた医師も少なかったという、そういう事実もございますので、今後は我々を中心に、やはり専門的なネットワークを構築いたしまして、多くの先生方にそういう事実を知らせていくという、そういう使命があるのではないかなというふうに思っております。
#52
○津田弥太郎君 ありがとうございました。
 法務省、来ていますね、法務省。
#53
○委員長(岸宏一君) 来ていますね。
#54
○津田弥太郎君 来ていますよね。
 先ほど古谷参考人が、時効のため労災請求権を失ったケースが八十二人になっているという報告をされたわけでございますが、法務省、お聞きします。
 時効、とりわけ消滅時効の制度が我が国に存在している趣旨については、主に三つの理由があるようですが、端的に答えてください。
#55
○政府参考人(寺田逸郎君) 民法上の消滅時効の性格でございますが、一般論として申し上げまして、その存在理由については、第一に、長期にわたって存続している事実状態を尊重して、その事実状態を前提として構築された社会秩序、法律関係の安定を図る。第二に、長期間経過した後においては過去の事実の立証が非常に困難になる。第三に、権利の上に眠る者は保護に値しないと。この三つが通常挙げられているところでございます。
#56
○津田弥太郎君 それで一般論として、今回のアスベスト被害に関する遺族請求が五年で時効となるということについては、このうちどの理由によるものと考えられますか。
#57
○政府参考人(寺田逸郎君) ちょっと、この法律の趣旨につきましては所管庁の方でお答え願いたいところでございますが、一般的に、時効はこのどれかということではなくて、すべてその性質が総合的に当てはまるという理解でいるものだと私どもは理解をいたしております。
#58
○津田弥太郎君 法務省が編集しました「労災訴訟の実務解説」という本に、労災保険法が遺族補償給付について五年という短い権利消滅期間を定めている理由を掲載をしております。
 法務省、この部分を読み上げてください。
#59
○政府参考人(大竹たかし君) お答えいたします。
 ただいま御質問にあったこの本、平成二年に当時の職員の私的な研究会が発表させていただいたものですが、その六十三ページに以下のようなことが書いてございます。「労災保険法が、特に比較的短期間の権利消滅期間を定めているのは、保険給付を受ける権利等は、その行使が容易である反面、相当長期間経過後に請求できることを許すと在職当時の証拠関係の散逸等、調査に困難を生じさせることとなり、大量に行われる事務を複雑化、停滞させ、かえって被災労働者保護に逆行する結果ともなること等の理由によるとされている。」と書いてございます。
#60
○津田弥太郎君 つまり、結局、厚労省自身の事務の複雑化が中心的な理由。これでは遺族は納得できません。そもそも、労災保険とは被災者を一人でも多く救済しようという制度ですよね。それとも、要件を厳しくして対象を絞り込もうとする制度なのですか。そうじゃないはず。
 私は、長期の潜伏期間が経過した後に症状が現れる特殊な疾病については、当面の間、消滅時効が完成した場合においてもその請求を可能とすべきと考えますが、尾辻大臣、いかがでしょう。
#61
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、労災認定について申し上げたいと存じます。
 私どもも、できるだけ多くの方を労災認定したいと考えております。したがいまして、このたび私どもが取りましたことの一つに、今まではアスベストに暴露されたということが言わば証明されないと労災認定しないということにいたしておりましたけれども、もうそういう作業に従事しておられたということでもってこれは認定の条件にしようというふうにいたしました。
 一つの例として申し上げていることは、できるだけ認定を拡大解釈と言ったらちょっと表現が悪いかもしれませんが、私の言いたいことはお分かりいただけるだろうと思いますので、そういうふうにしたいと思っております。
 それから、今の時効のことでございますけれども、このことは、行政の立場で言うといろいろな理屈が出てくると思っております。したがいまして、ずばっと申し上げますけれども、これはもう政治判断しなきゃならない事柄だと思っておりますので、先日の関係閣僚会議でも私はその旨発言をいたしました。したがいまして、これは政治判断を、何らかの政治判断を早めにやりたいというふうに考えております。
#62
○津田弥太郎君 大変、尾辻大臣の英断で可能になるわけでございまして、少なくとも時効を盾に門前払いということはない、そういうふうに理解をいたしたわけでございます。
 次に、中皮腫の全数調査の問題であります。
 厚生労働省では、七月から、人口動態統計に登録されている中皮腫で二〇〇三年に死亡した八百七十八人及び治療中の者について、職歴、初期症状、検査所見、確定診断方法、治療法、生存期間等に関する調査研究を実施しております。これは、中皮腫の実態調査に係る研究を行うことで石綿との因果関係や中皮腫の有効な治療法を探ることがねらいというふうに考えておりますが、大臣、そのとおりでしょうか。
#63
○国務大臣(尾辻秀久君) 厚生労働省といたしましては、今般の状況を踏まえまして緊急に研究班を立ち上げまして、人口動態調査等を活用して、中皮腫によって亡くなられた方々及び治療中の方々について調査研究を行うことといたしました。
 この目的は今お話しのとおりでございまして、改めて申し上げますと、職業や石綿暴露と中皮腫との関係、それからもう一点、治療方法及び治療成績などについて明らかにすることでございます。
#64
○津田弥太郎君 このねらい自体は間違っていないんですね、おっしゃるように。
 問題は、アスベストについては症状の、疾病の発症まで十五年から四十年の潜伏期間がある。したがって、一九七五年の吹き付けアスベスト禁止など段階的に規制が行われてきたことを踏まえますと、経年的に調査をしないと問題の全容解明が不可能なんです。したがって、過去の全数調査を行うべきだと考えますが、いかがでしょう。
#65
○国務大臣(尾辻秀久君) まず申し上げますと、この人口動態調査死亡票の保存年限が厚生労働省においては一年でございますのでその制約はあるんですけれども、ただ保健所に参りますと人口動態死亡個票というのを持っておりまして、こちらは保存年限が三年になっております。したがいまして、三年はさかのぼれます。
 申し上げておりますことは、可能な限りさかのぼって調査を行うべく今検討いたしておるところでございます。
#66
○津田弥太郎君 時間になりました。まだまだたくさんあるんですが、実は防衛庁に更にお聞きをしたいと思ったんですが、実は防衛庁は相談窓口を設置をして職員のOBの様々な相談を受けているということにいたしているそうでございます。
 そこで山崎副長官、最後にお聞きをして質問を終わりたいと思いますが、このように各省庁、もうばらばらであります。国民が相談をするときに、おれはどこに相談したらいいかなんて分からないんです。厚生労働省に相談していいのか、防衛庁に相談していいのか、国土交通省に相談していいのか、昔の話ですから。したがって、総合的な相談窓口を設置をすべきだというふうに私は考えるわけでありますが、山崎副長官のこの件についての決意をお伺いして、私の質問を終わります。
#67
○内閣官房副長官(山崎正昭君) それでは、お答えをさしていただきます。
 アスベストにかかわる相談につきましては、先生御指摘の例えば健康相談等につきましては、保健所や労災病院といったように専門的な知見を有する機関が対応することが必要であると考えております。また一方で、それぞれの窓口において御指摘のようなたらい回しあるいは門前払いというようなことが生じないようにしっかりと関係府省庁に徹底をいたしたいと、このように強い決意でおります。さらに、国民の様々な御疑問にお答えするために、関係省庁統一のQアンドA、あるいは各省庁のホームページ等で公表をしてまいり、徹底した対応をしていきたい、このように思っております。
#68
○津田弥太郎君 終わります。
#69
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 先ほど、今の議論をお聞きしていて、非常に私どうかなというふうに思ったのは、対策は打ち出しましたと、責任問題の検証はこの後ですという議論なんですけれども、私、これは順序が逆じゃないかというふうに思っていまして、対策を打ち出すからには今までの厚労省の対応、政府の対応に何が問題があったのかということが土台になければ本当の意味での正しい対策打ち出せるはずがないわけですよね。その点で、大臣に、私は、労災認定数少ないとはいえども、二〇〇四年度百八十六人ということで、十年前に比べると約九倍です。中皮腫で亡くなられた方は六千人であります。家族や周辺住民への被害も広がっている。
 やはり、基本的な認識として、いつどこでどう間違ってこれが原因だという細かい検証は、それはこれからあるかもしれない。しかし、基本的な認識として、やはりこういう被害が生まれたのはやむを得なかったということなのか、それとも厚生労働省の対応にやはりこれは問題があったということなのか、そこがやっぱり基本的な認識をまずお示しいただかないと、私、議論始まらないと思うんですね、そういうことは後の検証ですというふうになっちゃうと。
 その点で率直に、私、最初に尾辻大臣に、やはりこの間の対応について、これははっきり言って問題あったのかどうかと、その点についてどうお考えか、お答えいただきたいと思います。
#70
○国務大臣(尾辻秀久君) 今、私どもは、順番としてはこう考えております。まず、緊急にやらなきゃならぬことをやろうと、緊急にやらなきゃならぬことは相当ありますので、まずそれやりたい。これ、申し上げておりますように、西副大臣をキャップとしてチームをつくりましたけれども、毎日議論をいたしております。議論いたしておりますというのは、どういうことをやるべきか、もう今日やることは何なのかということで、毎日毎日かなりの時間掛けてそれをやっておるわけでございまして、緊急にやることをまずやろうということがまず最初にやるべきことというふうに思っております。
   〔委員長退席、理事国井正幸君着席〕
 その後で、これは本当に逃げるつもりはありません、しっかりと検証をいたします。そして、まずかった点も洗いざらい出して、そして検証をして、反省すべきことがあれば当然反省もして、その上で今度は長期にわたってやるべき対応が出てくる、それをしっかりやろうというふうに考えておるところでございます。
 したがいまして、今検証をいたしておりますので、そしてそんなに長い時間お待ちくださいということを申し上げるつもりはありませんので、検証の時間をしばらくおかしくださるようにお願いを申し上げます。
#71
○小池晃君 間違っていたからこそ検証しなければいけないということになっているわけで、そのところのやはり基本的な認識というのははっきり私は示すべきだと、それが議論の前提だというふうに思いますが、ちょっとそこで押し問答しても進まないので、じゃ具体的にどういう問題があったのか、ちょっと個別にお伺いしていきたいと思うんです。
 細田官房長官は、より早く禁止措置がとれればよかったというふうに述べているんですが、青木局長にお聞きしたいんですが、アスベストによる発がんの危険性について、一番早い時点で厚生労働省として、当時の労働省も含めて、把握していたのはいつのことかお答えください。
#72
○政府参考人(青木豊君) これ、昭和四十六年一月一日付けの通達において、最近、石綿粉じんを多量に吸入するときは石綿肺を起こすほか、肺がんが発生することが判明し、また特殊な石綿によって胸膜などに中皮腫という悪性腫瘍が発生するというふうにされておりますので、この時点、昭和四十六年当時にはもう既に把握していたものと思います。
   〔理事国井正幸君退席、委員長着席〕
 なお、昭和四十五年にも学会等での報告ということがあったということも記録をされておりますが、それについては更に詳細に、これ以前につきましては記録等がございませんので、確かなことは分からないということでございます。
#73
○小池晃君 昭和四十六年、三十年前なんですね。その通達は、そういう発がんの可能性指摘して、しかし需要は急速に増加していると。だから、注意して使うという方向が打ち出されているわけです。これが実際、その後、よりその発がん性ということが確定していく中でどう変わっていったのかと。私自身は本当にもう、昭和四十六年の時点で発がん性まで指摘していたということ本当に驚きなんですが、一九八〇年にWHOが石綿を発がん性物質と断定したという報道があります。
 局長、八〇年前後にILOやWHOが発がん性を断定した事実を把握されていますか。
#74
○政府参考人(青木豊君) 今委員が御指摘になりました、一九八〇年にWHOが発がん物質と断定したということは、私どもとしては承知をしておりません。むしろそれより前の一九七二年、昭和四十七年にWHO、ILOの専門家会議等で石綿ががん原性物質であるということが公表されているということを承知しております。
#75
○小池晃君 しかし、これ、私、ここに持ってまいりましたのは、一九八七年に産業医学振興財団が発行した「産業医学シリーズ」の「石綿」という資料です。この資料の中に、旧労働省労働基準局の化学物質調査課が、我が国の法規制とILOの動きと題した文章を書いております。その中でかなり、かなりというか、はっきり断定しております。ILOは、一九八〇年六月の総会で、職業性疾病の一覧表に石綿によって生じる肺がん又は中皮腫を加え、ILOがアスベストを肺がん物質と断定したという記述がございます。それから、WHOの下部組織、下部機関でありますIARC、国際がん研究機関が、一九七七年及び一九八二年の再評価で、石綿が人間にとってがん原性物質であるとするに足る十分な疫学的証拠が存在するという結論を確認している、そして、石綿の労働者に対する影響は国の内外を問わず認識されているというふうにしているんです。産業医学振興財団というのは、これは旧労働省の外郭団体だと思います。
 これ、私は正に、旧労働省が一九八〇年前後にILOやWHOがアスベストによる発がん性の断定を行っていたということを把握していた、私、動かぬ証拠だと思いますが、この点いかがですか。
#76
○政府参考人(青木豊君) ちょっとその点は承知しておりませんので、確認をしたいと思います。ただ、それより以前に承知をしていたというふうに理解をいたしております。
#77
○小池晃君 以前に承知していたとすれば、こういうILOやWHOが、それまではがん原性物質という可能性を指摘していたのが断定しているという動きの中で、ヨーロッパはこれを受けて八〇年代に次々と、アイスランド、ノルウェー、スイス、デンマーク、スウェーデン、禁止措置をとっていったわけです。ところが、厚生労働省はこの時期に、八〇年代、石綿対策の経緯を見ても、ほとんど対策取ってないわけですね。私、国際的にこの発がん性が断定されていった時期に、厚生労働省がそれにふさわしい対応を取らなかったということが決定的に今の問題点引き起こしているんだということを申し上げたいと。
 それから、加えて、当時、業界団体にどういう対応をしていたのかということも聞きたいんですが、これ、私、今日ここに石綿スレート協会というところが出しているパンフレットを持ってまいりましたけれども、この中に一体何と書いてあるかといいますと、「くらしに役立つ石綿スレート アスベストQ&A」というのがありまして、その中で、パンフレットに、現在使用されている石綿スレートが破損しても、また古くなっても危険はないでしょうかという質問が載っているんですね。その質問に対して、危険ありません、破損しても古くなっても石綿繊維が飛散することはありませんと。このパンフレット、ほかにもいろいろとちょっと御紹介したいような物すごいこと書いてあるんですが、破損しても危なくない、これ、石綿スレート協会が一九八七年に出しているんですね。
 破損すれば危ないというのは、これ常識だと思うんですよ。ところが、業界団体はこういう宣伝していた。こういう、当時八〇年代、厚生労働省としては業界団体に何らかの指導をされましたか。
#78
○政府参考人(青木豊君) まず、先ほど申し上げましたように、昭和四十六、七年から既にその危険性を認識しておりましたので、昭和四十六年一月に作業環境の改善等についての指導、あるいは特定化学物質等障害予防規則などを制定いたしまして健康被害の防止に努めてきたところですが、その後も、昭和五十年にその特定化学物質等障害予防規則を改正いたしまして、事業者の責務としての代替物の使用を明記したり、あるいは石綿の吹き付け作業の原則禁止だとか、あるいは特定作業についての湿潤化を義務付けいたしまして、代替措置の促進として、さらに新たな分野での石綿製製品の導入を避けるように指導などもしてまいりまして、石綿の有害性の情報についても提供してまいりました。
 今お触れになりましたように、昭和五十年代後半から昭和六十年代、昭和六十三年には建築物の解体等の作業、あるいは平成四年には建設材料の切断等の施工作業における暴露防止対策について指導いたしまして、平成七年には、有害性の多い、高い茶石綿とか青石綿について製造、使用の禁止などを行って、その徹底を図ってまいりました。
#79
○小池晃君 徹底を図っているって、その時期に正に、壊したって大丈夫ですと、破損しても危険はありませんと、こんなパンフレットを業界団体出している。これが実態なんですね。
 それから、ちょっと別の問題でお聞きしたいんですが、一九八六年にILO総会で石綿の使用における安全に関する条約が採択されて、これがようやく今国会で批准されたわけですが、承認されたわけですが、外務省に、採択してから二十年近く掛かった理由を端的に御説明願いたいと思います。
#80
○政府参考人(神余隆博君) お答え申し上げます。
 我が国は、一九七〇年代以来、石綿の使用における労働者の安全対策に積極的に取り組み、条約の求める規制のかなりの部分は国内法令により実施されてきておりました。しかし、条約の規定とは完全に整合していないというところもございました。
 また、労働者の安全を図るというこの条約の趣旨を踏まえれば、単に一部の種類の石綿の使用を禁止するのみではなく、国内で最も広く流通しておりますクリソタイル、いわゆる白石綿の規制が必要であり、そのために安全かつ低コストの代替品の開発を待つ必要があったという事情がございました。
 他方、近年ようやく代替品の開発が進み、昨年十月に施行されました労働安全衛生法施行令によりまして国内で流通するクリソタイルを含む石綿含有製品の大部分が規制されるということになりまして、さらに、本年七月一日に施行されました石綿障害予防規則、厚生労働省令でございますけれども、この制定によって条約上の義務を完全に果たすことが可能となりましたことから、本条約を国会に提出し、先般、御承認をいただいたところでございます。
#81
○小池晃君 結局、つまり、厚生労働省対応をしていなかったから、国内法を整備できなかったから、これだけ時間掛かって、厚生労働省の対応を待って条約を承認したということになるわけです。批准がこれだけ二十年遅れた原因も、正に私は厚労省の対応の遅れにあったことは明らかだというふうに思うんです。
 加えて、国土交通省にお聞きしたいんですが、二〇〇四年に建築基準法施行令の規制で石綿規定を削除していますが、その理由を教えてください。
#82
○政府参考人(山本繁太郎君) 建築基準法令では、例えば施行令で、いろいろな建材を使いました場合の使用規定を設けております。それから、例えば建物の耐火構造につきまして、構造方法については国土交通大臣の定めるところによるとしておりまして、これを告示に任せているわけでございます。
 昨年、労働安全衛生法施行令の一部を改正して、石綿含有建材の製造、輸入、譲渡、提供又は使用が原則禁止となるというタイミングに合わせまして、これをすべて削除しまして、例えば建物の耐火構造については、石綿含有製品を使ったものは構造方法として認められないという形で措置したところでございます。
#83
○小池晃君 先ほどの条約もそうですが、建築基準法施行令も、厚生労働省の対応を待って、で、石綿の規定を削除した。この点でも、厚労省の対応の遅れが他省庁の対応を遅らせているということになっているわけです。
 国土交通省に更にお聞きしたいんですが、今回、規定を削除しましたが、これは在庫にも適用されるんでしょうか、この禁止規定は。
#84
○政府参考人(山本繁太郎君) 建築基準法令におきましても、改正後の労働安全衛生法施行令と同様に経過措置を設けておりまして、施行以前に輸入、製造等されたものについては適用されないということになっております。
#85
○小池晃君 しかし、これが使われると、駆け込み的にやられるという危険も報道されている。私は、これ、在庫も含めて直ちに国土交通省、禁止すべきだと思いますが、なぜそれをやらないんですか。
#86
○政府参考人(山本繁太郎君) 労働安全衛生法施行令で経過措置を設けたと同じ考え方で、経過措置が必要であると判断したものでございます。
#87
○小池晃君 結局これも、やはり厚労省の対応で、在庫をまだ使えるというふうになっているからこういうことになっているわけです。
 大臣、これやはり、二〇〇八年までに全面禁止ということはありますけれども、直ちにこれやはり使用禁止にするということに、他省庁が厚労省眺めで止まっているわけですから、ここは踏み込むべきじゃないですか。
#88
○国務大臣(尾辻秀久君) ただいまの件でございますが、在庫品につきましては、七月の二十六日に既に関係業界に販売の即時停止を要請いたしたところでございます。
#89
○小池晃君 いや、要請だけじゃなくて、これ直ちにやはり法律で使用禁止という措置をとるべきじゃないですか。
#90
○政府参考人(青木豊君) これは、今委員もお触れになりましたけれども、在庫だけではなくて全面禁止の問題も同様でありますけれども、これは罰則を持っている規制法令でございますので所要の手続等も必要でありますし、WTO等への手続等々もございまして、そういう方針を含めて早急に検討したいと思っておりますけれども、いずれにしても、そういう手続を経た上、あるいは一定の周知期間というようなものも必要でございますので、そういったこともできるだけ早期に結論を得て、そのための検討作業は既に着手をいたしております。
#91
○小池晃君 大臣、私、いろんな角度から問題取り上げましたけれども、やはり厚労省が基本的に、昭和四十六年の通達の時点から発がん性を指摘しながら、使い方気を付けますと、言わば管理して使えばいいんだというところからスタートした。この時点から更にその発がん性ということが医学的にもかなり確立してきたにもかかわらず、基本的には、管理して使えば安全なんだと、できるだけ管理して管理してという立場でやってきたことが、私は、条約の批准も遅らせたし、あるいは各省庁の対応も影響を与えてきたという面は否定できないだろうというふうに思うんですよ。
 やっぱりこのアスベストの危険性というのを一番知り得る立場にあったのは厚生省なんです。そういう省庁が、管理して使えば安全だという立場にしがみついて、やはり機敏な対応を取らなかったということが政府全体の対策を遅らせる私は大本にあったのではないかというふうに思うんですが、大臣、その点での見解、いかがですか。
#92
○国務大臣(尾辻秀久君) 今の、これは世界的にも管理使用か全面禁止かという議論はあったようでございます。当然我が国の中でもそうした議論がございました。そうした中で厚生労働省として取ってきたことについては今局長からも御説明申し上げたとおりでございます。したがいまして、こうしたことが果たして検証してみて、今日検証してみてどうであったかということは、再三申し上げておりますように、この際私どもはしっかりと検証したいというふうに考えております。
#93
○小池晃君 いや大臣、その検証という意味は、正に九月に出される緊急対策というのは、やはり管理して使用すれば安全なんだという一種の基本的な安全神話といいますか、安全だと言っているわけじゃないですけれども、管理して使えばいいんだという考え方にしがみついてきた。検証という中には、そういう考え方にやはりしがみついてきたということについての責任ということも含めて私は検証されると、それが重要だというふうに思いますが、大臣はいかがお考えですか。
#94
○国務大臣(尾辻秀久君) これは各省それぞれの立場がございますので、それぞれの立場で今日までの対策を取ってきた。そうした中で、政府全体で検証しなきゃいかぬということで今政府全体で検証しておるところでございますから、これは決して逃げるつもりは全くありません。しっかりと、しっかりとという言葉の、まあ私が申し上げていることを是非御理解いただきたいと思いますけれども、検証を政府全体でいたしたいと存じております。
#95
○小池晃君 私が聞いたことにお答えになっていないんですけれども、私が言ったのは、やはりこの間の考え方として、管理して使用すれば安全だというところにやはり厚労省の対応の基本を置いてきたこと、このこと自体をやっぱり見直すような検証が必要なのではないかと、その点についてお伺いしたんです。
#96
○国務大臣(尾辻秀久君) この件につきましては、もう平成二十年までの全面禁止、そしてできるだけ前倒しをする、このことを今言っておるところでございますから、全面禁止の方向である、方向といいますか、全面禁止であるということはもう間違いのないところでございます。
#97
○小池晃君 いや、それが、これからそうするというのは、それはいいんですよ。これまでの対応にやっぱりそういう問題点があったということをやはり検証なり反省なりの土台にするべきではないかと私は申し上げているんです。もう一回、どうですか。
#98
○国務大臣(尾辻秀久君) 再三申し上げておりますように、そこの部分を検証をいたします。
#99
○小池晃君 国とアスベストを製造し続けた企業の責任というのがはっきりすれば、今後の対策や被害者の救済策、あるいは解体工事の安全対策などでの対応もはっきりしてくるというふうに思うんです。私は、関係者や小規模事業者に責任を転嫁するというのではなくて、やはり国の責任明確にして、制度面、財政面も含めてこれは新法も必要となってくるというふうに考えますが、その点では大臣、いかがですか。
#100
○国務大臣(尾辻秀久君) 今、政府全体で取り組んでおるところでございますから、今御指摘いただきましたようなことを含めまして政府全体で取り組みます。
#101
○小池晃君 是非、それをしっかりやっていただきたいというふうに思います。
 前回、労災認定の問題も私取り上げまして、簡素化という点では一定の方向も出されて、ちょっともっともっとやはり、私は、基本的には医学的に石綿による肺がんあるいは中皮腫ということであって、建材の九割にアスベスト使われているわけですから、建築現場で働いていたということさえあれば、その従事期間が幾らかとか、実際に吸引したかどうかの証明抜きに、やはり建設現場で働いているというのは基本的にはすくい上げるという立場で救済をしていくという考え方が重要だというふうに思うんですが、その点はいかがですか。
#102
○政府参考人(青木豊君) これは使用者の損害賠償責任というものに基本を置いている労災補償制度でありますので、やはり事業、業務上の災害という一点はやっぱり必要だと思います。ただ、非常に長い潜伏期間でありますし、そういったことについての証明等について非常に難しいというのが事実でございますし、御指摘もございまして、できる限り迅速に認定するような取扱いというものをいたしたところで、今後もそういうことでこれらについては対応していきたいというふうに思っております。
#103
○小池晃君 最後に、先ほど岸本参考人からも御指摘がありました抗がん剤の承認の問題なんですが、アリムタ、ペメトレキセドですね、一般名。岸本参考人はそれよりも早期発見だとおっしゃって、それは私もそのとおりだというふうに思うんですが、既にアメリカやEUでは承認されているわけです。やはり患者、家族の皆さんからは要望も出ておるというふうにお聞きをしておりまして、やはりこのペメトレキセドの早期承認ということについては、こういう事態も踏まえて格段の配慮をする必要があるのではないか、日本でも早期承認の道を開くべきでないかというふうに考えますが、大臣、最後にこの点についてお伺いして、私の質問を終わりたいというふうに思います。
#104
○国務大臣(尾辻秀久君) 御指摘のペメトレキセドでございますけれども、これは、抗がん剤でありますシスプラチンとの併用薬剤として、悪性胸膜中皮腫の効能、効果で欧米において既に承認されておるものでございます。したがいまして、本剤についてでございますけれども、国内ではまだ未承認でございますけれども、本年一月の第一回未承認薬使用問題検討会議において国内で治験を早急に開始すべき旨の結論を得て、三月にシスプラチンとの併用療法に係る治験が開始されたところでございます。
 このように、抗がん剤など欧米で承認されている国内未承認の薬剤につきましては、さきに申し上げました未承認薬使用問題検討会議を設置して、国内での迅速な治験に結び付けるべく取り組んでおるところでございます。本剤につきましても、こうした取組に加えまして、薬事法上の承認申請がなされた際には、臨床試験成績などの提出データに基づき、有効性、安全性について迅速に審査をいたします。
#105
○福島みずほ君 社会民主党の福島みずほです。
 今日、参考人の方から意見がありました。古谷参考人の方から、クボタ住民被害について疫学的な調査をし、一つのモデルケースとして生かすべきではないかという指摘がありました。社民党は、本日、尼崎に社民党国会調査団を派遣し、地域住民の皆さんとの懇談会もやっております。
 そこで大臣、お聞きをいたします。このような、例えば発端はやはりクボタでしたので、地域住民における疫学的調査、今日参考人から指摘がありましたが、なさるおつもりはありますか、いかがですか。
#106
○国務大臣(尾辻秀久君) クボタ周辺に限らず、まず中皮腫で亡くなった方々、そうした方々に対する疫学的調査というのは十分にやってまいります。
#107
○福島みずほ君 アスベストの被害者並びに被害者団体の人たちと面会し、直接その思いを受け止めるという予定は、大臣、ありますでしょうか、お願いします。
#108
○国務大臣(尾辻秀久君) 今予定はございませんけれども、お会いするような機会があればいつでもお会いしたいというふうに考えます。
#109
○福島みずほ君 ありがとうございます。直接思いを受け止めてくださるようこちらもセットいたしますので、よろしくお願いいたします。
 ところで、副大臣にお聞きをいたします。副大臣は、七月二十日に、「取り返しのつかない問題ですけれども、これは、決定的な私どもの省庁の失敗だったのではないかなというふうに私自身は個人的には考えております。」とおっしゃっています。これはどういう意味でしょうか。
#110
○副大臣(西博義君) これは衆議院の厚生労働委員会でのアスベストに関する質疑のお話でございました。ロンドンにおける中皮腫の被害状況についての報告がありまして、そのときに、労働者だけではなくて、家族それから近隣の皆さんにおける被害もあると、こういう質問でございました。
 そういう意味で、当時まだ厚生労働省ではございませんでしたので、厚生省、労働省、それから、まあ環境省もできているころかなと。時代的に、私、ちょっとはっきりは当時はしなかったんですが。そういう状況の中でそれぞれが、それの担当部門は行政的にはやっていたとは思ったんですが、しかし、お互いがちょうどそれぞれの守備範囲に掛からないところの一つの大きな課題があるんじゃないかというふうな、前段の議論がそういうことでしたので、そこの部分で、やはり現実に被害がもう出ているという状況の下では連携が、それぞれの省庁の、お互いの連携が不十分だったのではないかなということを個人的に思っているということを表現をさせていただいたところでございます。
#111
○福島みずほ君 各省庁間の連携が不十分だったということを率直にお認めいただいて、ありがとうございます。
 先ほど局長は、一九七二年、ILOの、まあこれ、ILO、WHOの専門家会合で、石綿のがんが可能性があることの指摘があった旨、これは報告書にも出ておりますけれども、おっしゃいました。では、一九七二年のこのILO、WHOの専門家会合で出たと、結論を踏まえて厚生労働省はどういう対応を取られたんでしょうか。
#112
○政府参考人(青木豊君) 一九七二年に、今お触れになりましたILO、WHOの専門家会議等で世界的にがん原性物質であることが認められたわけでありますが、そして昭和五十年にこの石綿をがん原性物質といたしまして特別管理物質ということにいたしました。そして、この物質についての管理を強化をいたしました。石綿等の吹き付け作業の原則禁止を決めましたり、あるいは特定作業においてきちんと湿潤化をして石綿等の発散を防止するとか、あるいは石綿についての特殊健診を義務付けるなどの規制を強化をいたしました。
 そしてまた、昭和五十一年にはこの通達を補強するものとして、失礼しました、この改正を補強するものといたしまして、石綿粉じんによる健康障害予防対策の推進についてという通達を発出いたしまして、言わば石綿の代替化を促進する、あるいは石綿濃度、あるいは呼吸用保護具を使う等々について指導をいたし、その後も石綿の取扱事業場の実態調査などをいたしましたりして、昭和六十一年にILO条約の採択というようなところに至ったということでございます。
#113
○福島みずほ君 古谷参考人にお聞きをします。
 十分やった、政府の答弁についてどう思われますか。
#114
○参考人(古谷杉郎君) 私たち、先ほど申しましたように、一九八七年に設立されまして、それ以降はほとんど毎年のように関係する省庁あるいは業界団体とも話合いを行い、その経過についてはアスベスト対策情報ですとかホームページでも報告をしていました。そういう意味では、私たち、できて以降の対応について、私たち自身が一つの証人ともなり得るというふうに理解しております。
 残念ながら、いずこの省庁も全面的な解決に向けてのイニシアチブを取ろうとしてこなかったということは、私たちが体験している実感です。
 それ以前のことについては、やはりきちんとした検証が必要だろうと思います。
#115
○福島みずほ君 アスベストの使用全面禁止はできませんでした。代替についても進みませんでした。労災の裁判はたくさん起きています。現に今、住民被害がたくさん起きている状況。
 大臣、今、古谷参考人の意見を踏まえて、全面禁止、私は遅れたというふうに考えますが、大臣、これ遅れたというふうに思われますか。
#116
○国務大臣(尾辻秀久君) いずれにいたしましても、今、全面禁止を言い、そしてできるだけ前倒しをしたいと言っておるわけでございますから、全面禁止、もっと早くすべきであったということについては、私も率直にそう思います。そう思いますが、こうしたことの検証というのも、さっきから同じことを繰り返しておりますけれども、しっかりと検証して、早い機会に私どもの検証結果というのは発表させていただきたいと存じます。
#117
○福島みずほ君 今大臣がアスベストの使用全面禁止はもっと早くすべきであったというふうにおっしゃったことは、大変重いというふうに思います。行政がもっときちっと対応していればこうはならなかったと。大臣が、やはりもっと早く、遅かったというか、もっと早くやるべきであったとおっしゃったことは非常に、本当に重いというふうに思います。
 私は、スペースシャトルを打ち上げて、ウイ・ワー・ロング、間違っていたと言うことについて、それがいいかどうかは分かりません。しかし、この厚生労働委員会でつくづく思うことは、今日、大臣はちょっと踏み込んで発言をしてくださいましたけれども、問題なかったと局長たちが居直ることは私は問題であるというふうに思います。対策を出す前に、何が問題だったかということをきちっと反省をしてもらわなければ対策も出てきません。
 大臣、あと二十年たったときに、今回やっぱり駄目だったと言われるのは駄目ですよね。今までもこれだけ蔓延している。これについて今までの厚生労働省の対応は何か反省すべき点はないんでしょうか。──局長、結構です。大臣、お願いします。
#118
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、その都度厚生労働省としても対策は講じてきたということは言えるんだと思います。ただ、それが十分であったかどうかとかいったようなことを今回しっかりと検証しようということを申し上げておるわけでございますので、検証の際に今のようなお話も申し上げたいと思います。
 それから、先ほど申し上げました、遅きに失したのかどうか、全面禁止のこと、こうしたことも含めてその際の、検証の際に改めて申し上げたいというふうに存じます。
#119
○福島みずほ君 国会ですから、もう率直にお聞きをします。十分だったと思われますか。──いや、局長、結構です。大臣、十分だったと思われますか。
#120
○国務大臣(尾辻秀久君) そういうことをこの際検証しようということを申し上げておるところでございますので、その検証の結果をお待ちいただきたいと存じます。
#121
○福島みずほ君 何回か集中審議が行われました。また、何がやってきたか、どういう通達を出してきたか、厚生労働省は出していらっしゃいますよね。これを踏まえて、大臣、十分だったと思われますか。今のアスベストの蔓延について対策は十分だったとお思いですか。
#122
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、通達、どういうものを出したかということをお示しすることが最初にすべきことだと思いましたので、検証の私どもの過程のまず一つのものとしてそうしたものをお出ししたわけでございます。今、お出ししました通達その他について検証をいたしておるところでございますから、この後しっかりと検証をしてまいります。
#123
○福島みずほ君 経済産業省にお聞きします。
 アスベストを含む製品のうち、一般消費者向けの製品には何がありますか。
#124
○政府参考人(塚本修君) お尋ねの件でございますけれども、御案内のように、アスベストにつきましては、これまで住宅の屋根材等、それからボイラーの保温材とかブレーキの摩擦材とか、そういうことで工業製品を中心に使用されてまいりました。ただ、平成十六年の十品目禁止措置の以降は、現在、発電所や化学プラント等の配管の接続に用いられますジョイントシートと、そういうようなところ、一部の例外品目以外は使用されていないというふうに承知しております。
 先生お尋ねの一般消費者向けの製品につきましては、かつてはヘアドライヤーとかトースターとか等の電気製品、それから魚を焼く網とか、そういうのに使われてきたというふうに承知しておりますけれども、足下でそういうものにつきましてどのような一般消費者向けの流通の実態になっているかにつきましては、業界団体等確認をしましたけれども、なかなかその実態については今のところ確認ができていないということでございまして、当省といたしましては、その製品につきまして更にその辺の実態について確認に努めてまいりたいというふうに考えております。
#125
○福島みずほ君 かように流通をしているわけです。一般消費者向けに何に使われているか分からない。今の経済産業省の答弁は、何に使われているか分からない、調査をしますという答弁です。これは本当に恐ろしいことで、どこか遠い工場の話だと思っていると、それだけではない。私たちの周りにもたくさんアスベストがあって、経済産業省は今日をもっても調査したが把握ができていないという答弁なんですね。
 これについて経済産業省、責任についてどう思われますか。
#126
○政府参考人(塚本修君) 今御答弁申し上げましたように、一般消費者向けの足下におきます流通の実態については引き続き調査を進めてまいりたいというふうに考えております。
#127
○福島みずほ君 経済産業省は、過去の行政において、例えば今どういうものが消費者に対して流通しているか分からない。一覧の表示を出してくださいと言っても分からない。これから調査をします。もしかしたら網焼きとかいろんなもの、電化製品にも使われているかも分からないわけですよね。それについて、何か問題があったという認識はおありですか。
#128
○政府参考人(塚本修君) 当省といたしまして、これまで、特に建材等の代替化の促進、それからいろんな自動車のブレーキ等、そういうものにつきまして代替化を進めるためにいろいろ努力をしてきたところでございますけれども、そういう一般消費者向けにつきましては、そういう意味で、足下については引き続き実態の把握に努めてまいりたいというふうに考えております。
#129
○福島みずほ君 アスベストを少なからず含む商品はすべて適正に表示されているのでしょうか。
#130
○政府参考人(塚本修君) そういう一般消費者向けの製品につきまして、足下の実態について今引き続き実態把握に努めているところでございますんで、そういう意味でのその適正な表示ということも含めまして確認してまいりたいというふうに考えております。
#131
○福島みずほ君 一九七二年、ILO、WHOが石綿の発がん原性について指摘をし、厚生労働省はその時点で知っていたと答弁をしています。
 それで、今日の段階で、一般消費者向けに対してアスベストを少なからず含む商品の表示はどうなっているか、改めてお聞きします。表示しているんですか。表示していないとしたら、なぜ表示をしていないんですか。
#132
○政府参考人(塚本修君) 今、先ほどからも御答弁申し上げていますように、足下の流通の実態について今把握に努めているところでございまして、アスベストを含んでいるか等の表示につきましても、併せて把握に努めてまいりたいということでございます。
#133
○福島みずほ君 結局、消費者にとっては、アスベストが含んだ商品を使っているか使っていないか現時点では全く分からない。答弁を確認しますと、アスベストに関して表示はない、これでよろしいですか。
#134
○政府参考人(塚本修君) その点も含めまして確認してまいりたいと思っています。
#135
○福島みずほ君 おかしいですよ。いつからアスベストが問題になったんですか。今の時点で、これから調査をする、足下から調査、どういうことですか。私は今日、そんな難しいことを聞いているのではありません。アスベストについての少なからず含む商品はすべて適正に表示されていますか。これについて、されている、されていない、どっちか答えてください。
#136
○政府参考人(塚本修君) 適正にされているか、されていないかというお尋ねですけれども、その足下の流通実態について現在実態把握に努めているところでございますんで、表示につきましても併せて確認をさせていただきたいと思っております。
#137
○福島みずほ君 いや、アスベストの問題は一九七二年に発がん性が指摘をされ、それは厚生労働省は認識をしていた。で、今日質問し、クボタの事件が起きてもう一か月近く多分なっているにもかかわらず、経済産業省はなぜ一般消費者向けの商品が適正に表示されているかどうか言えないんですか。
#138
○政府参考人(塚本修君) 建材等主要な部分、それから今限定的に使用が認められておりますジョイントシート等、そういうものにつきましての実態把握等に併せて努めてまいっておりまして、そういうその他の一般消費者向けの製品につきまして、実態把握に引き続き努めていきたいというふうに考えております。
#139
○福島みずほ君 質問を変えます。
 別に実態把握じゃなくて、端的にお聞きしますが、適正な表示については消費者向けのものを規制する法律がない、それでよろしいですね。
#140
○政府参考人(塚本修君) それにつきましても併せて確認をしてまいりたいと考えております。
#141
○福島みずほ君 全面使用禁止を二〇〇八年にやると言っていますが、実は大量に使われているわけです。かつては赤ん坊のシッカロールにも使われていた。現在も使われているかもしれません。結局、一般消費者向けの製品でアスベストの商品を使っているか使ってないか分からない。
 ちょっと今日、経済産業省の答弁がちょっとよく分かりにくいんですが、適正に表示されてないということでよろしいですね。表示されているかいないか、それだけ答えてください。
#142
○政府参考人(塚本修君) お答え申し上げておりますけれども、その他の一般消費者向けの商品の流通の実態について現在把握中でございますんで、その表示につきましても併せて今確認をさせていただいているところでございます。
#143
○福島みずほ君 経済産業省は、アスベスト製品を何らかの形で含むものについて表示をきちっとしろという、そういう指導を徹底して行ったということはあるんですか。
#144
○政府参考人(塚本修君) 一般商品についてはございません。
#145
○福島みずほ君 行政がございませんとやっているんだったら、適正な表示なんかされているわけないですよ。たくさん、いろんな商品にアスベストが入っているかもしれない。だって、今の答えは、適正な表示、そういう指導はしておりませんですから、表示なんかないんですよ。ですから、これを行政、それについて経済産業省、今どう思われますか。
#146
○政府参考人(塚本修君) いずれにいたしましても、今までそういう、その使用されたものにつきましては法律的に禁止されておりませんでしたので、そういう意味で、そういう一般消費者向けのそういう製品が過去にはあったと。ただ、足下については、足下の実態については現在把握をしていると、把握中でございます。そういうことでございます。
#147
○福島みずほ君 禁止されていないので表示も一切やってこなかった、指導もしてこなかった、でも発がん性があるということは一九七二年には確認を厚生労働はしている。そういうものが何で全く表示もなく流通をしているんでしょうか。
 大臣、こういうことについてさっき、じゃ、私は副大臣にお聞きします。こういうことについてはどう思われますか。全く連携取れてませんよ。
#148
○副大臣(西博義君) そういうことに関しましても政府全体として検証するということですので、その結果を厳密に、我々はそれぞれの立場で事実を出し合って、きちっとした検証をしていきたいというふうに思っております。
#149
○福島みずほ君 全面禁止をしたところで、現在建物に一杯使われていますし、商品は出回っているわけです。何十年という間に流通しているわけですから、これから使用を禁止したところで、既存の建物には含まれているし、既存の製品には流通しているし、人々は全く何の表示も、全く何の警告もなく使っているわけですね。危険性、何で国民は発がん性のあるものに関して表示すらされずに使わなくちゃいけなかったのか。
 一九九二年、議員立法で出されたけれども、結局できません。それは業界団体の圧力があったのではないかというふうに言われていますが、経済産業省はアスベスト対策を何かおやりになってきたんでしょうか。
#150
○政府参考人(塚本修君) これまでアスベスト製品の代替化に向けて種々の調査それからガイドラインを作る等、業界にもそういうことで対応してまいったところでございまして、それから段階的にその代替化が進んでまいりますんで、そういうところで携わっておられた零細中小企業の方々の事業転換等に対しましての御支援をする等、そういう意味での対応を取ってまいったというふうに承知しております。
#151
○福島みずほ君 日本でアスベストの使用全面禁止に仮になったとして、アスベスト、アジアの国々が多く、韓国や台湾は日本よりアスベストへの対策は普及しているので、それ以外のアジア各国への輸出、使用ということが問題になります。
 今日、古谷参考人からも国際的な連帯という話が若干話の中であったと思います。これについては、日本はもちろん後れたわけです。しかし、こういうことが問題だと。アスベスト製品を外国へ輸出しない、公害を輸出しない、そういうことはとても必要だと思いますが、これの啓発活動あるいは規制、表示、これについては政府はどう考えていらっしゃるでしょうか。
#152
○政府参考人(青木豊君) 我が国の国際協力におきましては、労働安全衛生分野は重要な柱の一つとして位置付けられております。特に、このアスベスト暴露防止に関する技術につきましては、タイ、マレーシアなどに対するその分野の技術支援活動において不可欠な項目の一つとして技術供与を行ってまいりました。今後とも、アスベスト暴露防止についての我が国の経験を生かしてこのような支援を行っていきたいというふうに思っております。
#153
○福島みずほ君 ドライヤーやあるいはお魚の網器やいろんなものにも使われ得ると。
 ですから、これは政府の対応の後れを、私は、ウイ・ワー・ロングじゃないですけれども、スペースシャトルじゃないですけれどもきちっと認めて、何がまずかったかをもうはっきり認めて大至急、啓発、警告、回収、そしてそれをどこに、阪神大震災のときの廃材が一体どこへ行ったのかという質問なども今日したかったですけれども、廃材をどうしていくのかも含めて、是非、全面的な取組をお願いをいたします。
 ただ、いろんな役所がこれからやりますと言って今までのことについて問題があったということを認めないのは、また逆に問題の対策を誤るというふうに考えます。
 大臣、よろしくお願いします。
#154
○委員長(岸宏一君) 質問ですか。
#155
○福島みずほ君 いや、もういいです。
#156
○委員長(岸宏一君) 終わりですか。
#157
○福島みずほ君 じゃ、もし決意、じゃ決意、どうぞ。
#158
○委員長(岸宏一君) じゃ、最後に大臣。
#159
○国務大臣(尾辻秀久君) 本日いろいろな御指摘をいただきました。そうした御指摘を踏まえてしっかりと対応してまいりたいと存じます。
#160
○委員長(岸宏一君) よろしいですね。
#161
○福島みずほ君 はい。
#162
○委員長(岸宏一君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後四時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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