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2005/07/28 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 文教科学委員会 第14号
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2005/07/28 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 文教科学委員会 第14号

#1
第162回国会 文教科学委員会 第14号
平成十七年七月二十八日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         亀井 郁夫君
    理 事
                北岡 秀二君
                佐藤 泰介君
                鈴木  寛君
    委 員
                荻原 健司君
                河合 常則君
                小泉 顕雄君
                後藤 博子君
                橋本 聖子君
                小林  元君
                下田 敦子君
                那谷屋正義君
                西岡 武夫君
                広中和歌子君
                浮島とも子君
                山下 栄一君
                小林美恵子君
   国務大臣
       文部科学大臣   中山 成彬君
   副大臣
       文部科学副大臣  塩谷  立君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山口 俊史君
   政府参考人
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局取引部長   舟橋 和幸君
       文部科学大臣官
       房長       玉井日出夫君
       文部科学大臣官
       房文教施設企画
       部長       大島  寛君
       文部科学省初等
       中等教育局長   銭谷 眞美君
       文部科学省高等
       教育局長     石川  明君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  金森 越哉君
       文部科学省科学
       技術・学術政策
       局長       丸山 剛司君
       文部科学省研究
       振興局長     清水  潔君
       文部科学省研究
       開発局長     森口 泰孝君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        素川 富司君
       文化庁次長    加茂川幸夫君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       伍藤 忠春君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      安達 健祐君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関
 する調査
 (幼保一元化の意義と総合施設の設置形態に関
 する件)
 (アンチドーピング活動の推進に関する件)
 (日本原子力研究所の役員、予算等に関する件
 )
 (日本学術振興会及び科学研究費補助金の在り
 方に関する件)
 (学校施設のアスベスト対策に関する件)
 (文化芸術分野における体験学習の促進に関す
 る件)
 (総合型地域スポーツクラブの理念に関する件
 )
 (教科書採択の公正確保と独占禁止法の適用に
 関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(亀井郁夫君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長舟橋和幸君外十二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(亀井郁夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(亀井郁夫君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○後藤博子君 おはようございます。自民党の後藤でございます。トップバッターで質問をさせていただきます。
 今日は、もう一般質問ということなので、私からは、幼保一元とか幼児教育、そしてちょっと紹介したいものがありますので、大きく三つに分けて質問をさせていただきます。
 先般のあのスペースシャトル・ディスカバリーですか、その打ち上げを成功しまして、野口聡一さんが乗られまして、何か本当に知、徳、体、食と合わせたような頑丈な方が乗っていただいて、非常に夢をつなげていただいていることに何か感謝をしたいと思う気持ちで一杯です。
 こういう野口さんのような方々がどういう幼児の時代を送ったんだろうと思います。そしてまた、私の後に今日荻原健司先生が質問されますけれども、荻原先生もオリンピックに出たということで、どういう幼少時代を送ったらそうなるんだろうとか、そういう点では非常に幼児の時代、生まれてから、生まれる前から、保育の大切さ、そして幼児教育の大切さをもう痛感している一人でございますので、四十五分しかないということなのでどこまで質問できるか分かりませんけれども、大臣、そして銭谷局長、そしてまた関係の伍藤局長さん、よろしくお願いしたいと思います。
 幼保一元を取り上げましたのは、前回から、戦前から既にもう議論がされておりまして、戦後においても自治体レベルで幼稚園と保育所の一体化を目指した取組が行われたり、国の審議等で議論がなされるなど、非常に長い期間にわたる検討課題とされてきました。各自治体では、既に構造改革特区などを活用して幼保一元化の取組が進みつつありますが、今回、文部科学省及び厚生労働省において総合施設に係る構想が示され、本年度からモデル事業が開催されております。
 しかし、現場の保育園の先生方はまだまだ幼保一元について理解できていないとの声がありまして、私も地元に帰りまして、認可保育園の先生方から、幼保一元についてなかなか理解できていないんだけれども、もう既に総合施設としてのモデルがもう今、今年やっておりますけれども、私たちはどうやっていったらいいんだろうかという、そういう心配の声が上がりましたので、今回、幼保一元についての質問を、再度になりますけれどもさせていただくことになりました。
 今日は四十五分しかありませんのでどこまで行けるか分かりませんが、大分県認可私立保育園協議会から要望が上がっておりますので、まずその分を紹介しまして、それに絡めて質問を行いたいと思っております。というのは、ちょっと時間がなくなって後で言えなかったというのがあったら困りますので、先に、協議会から要望だけを先に言わせていただきたいと思います。
 これは順番がいろいろ、会長も急いで書いたらしくて、なかなか意としないんですがということでいただいたんですが、施設運営費、施設整備費、延長保育、障害児保育の補助金を一般財源化にならないように国が責任を持って補助金を付けてほしい、これ一点です。そして、今後とも調理室を外部委託にならないようにしてほしい、二点ですね。三点目が、保育園は保育園の役割、幼稚園は幼稚園の役割があって、それぞれの特徴を生かした子供たちの健全な育成、健全育成の取組を重視してほしい、(幼保一元化反対)と、そういうはっきりしたことがありますので、こういう思いを酌んで質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 そこで、そういうことをまた受けまして、これまで各自治体において進められてきました取組について、文部科学省はどのように評価しておられるのかお尋ねいたします。
 また、こうした流れの背景には、具体的にどのようなニーズに基づいて幼保一元化を進め、実現されることとなったのかにつきまして、文部科学省及び厚生労働省の御見解を伺いたいと思いますが、私、前回、決算委員会だったですかね、同じような質問をしておりますので、背景についてはもう簡単に御説明をお願いしたいと思います。
#6
○政府参考人(銭谷眞美君) 幼稚園と保育所でございますけれども、それぞれその目的、役割を異にしているわけでございますが、両施設とも就学前の幼児を対象としているということで、それぞれの特性を生かしながら地域や保護者の様々なニーズにこたえるために双方適切な連携が重要であると、こう考えております。
 今お話ございましたように、各自治体におきましても、それぞれの実情に応じまして多様な両者の連携の取組が行われております。例えば、幼稚園と保育所の一体的な施設の設置、あるいは行政の窓口の一本化、幼稚園児と保育所児の合同活動の実施、幼稚園、保育所の双方を含めた総合的な幼児教育の政策プログラムの策定などの取組が行われているところでございます。
 幼稚園と保育所につきましてはその連携を推進してきているところでございますけれども、少子化あるいは就業構造の変化、家庭や地域の教育力の低下などの環境の変化の中で、例えば少子化によって子供の育ちにとって必要な子供集団が十分に確保されない場合があるなど、従来の幼稚園、保育所の枠組みだけでは必ずしも多様化する幼児教育、保育ニーズにこたえにくくなっている状況もあるということがございます。
 そこで、幼稚園と保育所の連携については、引き続き文部科学省、厚生労働省連携をして各自治体における取組を支援をしていくとともに、平成十八年度までに本格実施を目指している就学前の教育、保育を一体としてとらえた一貫した総合施設について検討を進めているという状況でございます。
#7
○後藤博子君 ありがとうございます。
 そういうことの意義とか意味とかいうのもよく分かりましたけれども、今現在七割近くの幼稚園で預かり保育が実施されておりまして、保育所でも幼稚園での教育に準じた活動を行うなど、幼稚園と保育所の垣根はもう実質的には非常に低くもうなってきておりますね。だから、総合施設と言わなくても、もう各幼稚園や保育園には既にもう一体化をして経営しているところもあるわけなんですが、こうした中で更に総合施設という形で一元化を進めるということの意義を、大臣はどのようなお考えがあるのか、お伺いしたいと思います。
#8
○国務大臣(中山成彬君) お答えいたします。
 今局長の方から、この幼稚園、保育所、適切かつ柔軟な形で地域の要望にこたえつつやっていると、こういうふうな答弁したわけでございますけれども、実際に自分でも回ってみまして、例えば少子化が急速に進んでいる地域、過疎地など、地域によりましては幼稚園とか保育所といった既存の制度の枠組みの中では必ずしも柔軟な対応が困難であるというようなところもあるわけでございまして、このような状況を見まして、地域の実情とか、あるいは就学前の子供とその保護者のニーズに適切かつ柔軟に対応することができますように、教育及び保育を一体としてとらえた新しい新たなサービス提供の枠組みとして総合施設の実現のための取組を進めているところでございます。
 総合施設につきましては、今年度実施しておりますモデル事業の実施状況も見ながら、十八年度からの本格実施を目指しまして、引き続き、厚生労働省を始めとする関係各省と連携しながら検討を進めてまいりたいと考えております。
#9
○後藤博子君 大臣の意義をお伺いいたしました。ありがとうございました。
 では、その意義もお話ししていただきましたけれども、じゃ、政府のビジョンはどうなんだろうということでお尋ねしたいと思いますが、本年二月に野村総研が公表しましたアンケートでは、幼保一元化の動きについて知らないと回答した割合が七割近くも上がったと言われております。これは、今のお言葉の中では非常にこれ残念な結果ではないかと思うんですね。
 先ほどの質問の、要望の三にもありましたように、保育園は保育園の役割、幼稚園は幼稚園の役割があって、それぞれの特徴を生かした子供たちの健全育成の取組を重視してほしいとして幼保一元化に慎重な姿勢を示す声が先ほどの協議会からも届いております。
 それで、これには様々な理由が考えられると思うんですが、そうした声の背景の一つとして、就学前の子供たちを社会全体でどのようにはぐくんでいこうとするのか、そして保護者が行う子育てを社会がどうサポートしていくのかという点について、政府の明快なビジョンが示されていないことが大きな理由であるのではないかと思います。
 総合施設の制度設計についてもいまだに不明な点が多く、縦割り行政の懸念が払拭されないままモデル事業が開始されているとの厳しい声も私の元に届いております。
 さきに紹介しましたアンケート結果に対する文部科学省及び厚生労働省の感想をお聞きするとともに、幼児に対する教育、保育についての、両省がどのようなビジョンを持たれ、またその中で今回の幼保一元化がどのように位置付けられるかについて、それぞれの御認識をお伺いしたいと思います。
#10
○政府参考人(銭谷眞美君) まず、総合施設につきましては、これまでも文部科学省と厚生労働省の合同の検討会議の結果、内容等をホームページに掲載をするなどして広報に努めているところでございます。パンフレットを広く関係者や一般の方々に配布するといったようなことも引き続きやっていきたいということで周知に努めてまいりたいと思っております。
 それから、今お話のございました就学前の幼児期の教育に対するビジョンという問題でございますけれども、私ども、やっぱり幼児期というのは、生涯にわたる人間形成の基礎を培う大変大切な時期だと思っております。この時期の教育は極めて重要な役割を担っていると。
 今年の一月に中央教育審議会で、「子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について」という答申をいただいております。この答申の中では、今後の幼児教育の方向性として二点示してございます。
 一点が、今先生のお話にもございましたけれども、家庭、地域社会、そして幼稚園などの施設、この三者によります総合的な幼児教育の推進を目指そうというのが一点でございます。それからもう一点が、幼児の日々の生活の連続性、それから発達や学びの連続性を踏まえた幼児教育の充実ということが大切であるということが言われております。
 こういった方向性を踏まえて、小学校教育との連携、接続の強化、先生方の資質、専門性の向上、幼稚園など施設による家庭や地域社会の教育力の再生といったようなことを今後心掛けていかなければいけないというふうに思っております。
 また、幼稚園と保育所に関しましても、答申におきましては、小学校就学前の子供の育ちを幼稚園と保育所とで区別することなく保障していく必要があるということが言われておりまして、今後とも連携を進めるとともに、さらに新しい枠組みとして総合施設について検討を進めていくというふうに考えているところでございます。
#11
○政府参考人(伍藤忠春君) 保育所と幼稚園の役割というのは、委員が先ほど来言われておりますように、それぞれ役割があるというふうに思っておりますが、私ども、社会全体がどう動いているかということを的確にとらえながら対応していくと、そういう観点が必要だろうと思いますが、女性の社会進出、あるいは雇用の場への進出が非常に最近顕著でございますので、例えば、現在の保育所だけでありますと、保育所に預けているお母さんが職場を辞めて家庭に戻るというようなことになりますと、その保育所をいったん退去しなきゃいかぬと、こういうのが今の保育所の建前でございますので、そういう非常に雇用の流動化とか社会への女性の社会参加が非常に著しくなっている今日においては、例えば総合施設という形で実施をいたしますと、子供さんはそこでそのまま、八時間預かっておられた子供がそのまま今度は短時間の四時間の、今で言えば幼稚園組に何か身分が移管して、そこでそのまま生活ができると、そういうことになるわけでありまして、総合施設というのは、そういう今日の社会の変化にできるだけ柔軟に対応していくと、そういうねらいがあるんではないかなというふうに考えております。
#12
○後藤博子君 ありがとうございます。
 文部科学省も厚生労働省も、本当に大事な視点を言っていただきました。
 何時間、たくさん預けられるからいいというものでもまたないんですよね。私は家庭で親がちゃんと育てるのが一番だと思っているので、長くなったからいいというものでもないんですが、社会のニーズに合わせてしっかりと保育をする、幼稚園をするという取組としては大変有り難いことだと思っております。
 そうした声のもう一つの背景は、もちろん家庭や地域や社会ということの連携もありますが、やっぱり保育所や幼稚園の関係者の方々の行政への、先ほどちょっと言いましたけれども、やっぱり心配とか不信感があるのではないかと思います。
 例えば、認可保育所の立場からいえば、認可制度がありながら、施設設備や人的な面で安直な無認可施設も現に存在し、低廉であるためむしろ認可保育所を淘汰する状況にあること。幼稚園や保育所が地域に適正配置されていないがゆえに、保護者のニーズに合致できない状況の中から、先ほど申し上げた、十分な基本的な論議を踏まえることなく安易に総合施設の発想につながっているという側面もあるのではないかと心配しております。
 今、これについてはちょっとお答えいただいたようなことでございますが、今後、幼保の問題の検討を進め、法案化していくに際しまして、再度関係団体の意向を十分に聴取し、配慮した上でこれからの幼保に関するニーズにこたえていく姿勢が必要であると考えます。
 じゃないと、先ほど言ったように、認可の方々が、えっ、幼保一元化はなかなか理解できてないんだけどという声がやっぱり上がってくるんですね。そういう声が上がらないように、やはり理解を求めていくことが大事だと思いますので、今後の取組の姿勢ということで、大臣と、できれば伍藤局長も併せてお尋ねしたいと思います。よろしくお願いします。
#13
○国務大臣(中山成彬君) お話聞いておりまして、私自身はそういえば幼稚園にも保育園にも出てなかったなと。まああのころはそれでよかったんだろうと。本当に自然の中で遊んでおりましたから、それでよかったのかと思いますけれども、今話を聞いておりまして、やっぱり時代の要請といいますか、様々なものがあるんだなと、このように考えるわけでございまして、就学前の教育と保育を一体的にとらえたサービス提供の枠組みとして総合施設の検討が進められているわけでございます。
 その検討に当たりましては、御指摘ありましたように、関係団体を含め現場のニーズに十分にこたえていくことが重要であると認識しておるわけでございまして、幼稚園や保育所の関係団体の御意見も十分に伺いながら、関係省庁とも連携しつつ、より良い制度設計を目指してまいりたいと考えております。
#14
○後藤博子君 局長、済みません、短くお願いします。
#15
○政府参考人(伍藤忠春君) 昨年、文科省と合同で実施をいたしました関係審議会の合同会議におきましても、それぞれの幼稚園あるいは保育所の関係団体から意見をお伺いすると、そういう機会を設けておりますし、今後も、今モデル事業を実施しておりますが、こういったものを実施をしながら、具体的な制度の立案に当たりまして更に関係団体とも意思疎通を深めていきたいと、こういうふうに思っております。
#16
○後藤博子君 ありがとうございました。
 関連なんでちょっと飛ばしますが、それに今度、保護者の方々ですね、保護者の方々、質問七になるかと思うんですけれども、保護者を含めた関係者からの意見聴取ということで、保護者や地域住民の方々への意見聴取はどのようにして行われているんでしょうか。そしてまた、どのような声が寄せられたかについても。ちょっと飛ばしまして申し訳ないんですが、先に保護者の方々の聴取をどのようにされているかをお尋ねしたいと思います。時間がないものですから、大変済みません。
#17
○政府参考人(銭谷眞美君) 幼稚園関係者、保育所関係者からは、合同会議の席で御意見をお伺いをしているわけでございますが、保護者や地域住民の方からは直接のヒアリング等はまだ実施をいたしておりません。ただ、幼児教育の現場に詳しい専門の委員の方から、在宅の子育て家庭における育児不安など、保護者の実情等についていろいろと御紹介もいただいているところでございます。
 また、広く、中央教育審議会の幼児教育部会において、先ほど申し上げました答申を取りまとめるに当たりまして、広く国民から意見を募集をしたりなどしているわけでございますが、その際には、是非、総合施設についても子供の育ちという観点から検討してほしい、あるいは現場で働く職員の意見を十分に聞いてもらいたいといったような意見が寄せられているところでございます。
 いずれにいたしましても、こういった意見を総合いたしますと、総合施設につきましては、幼児教育の観点と次世代育成支援の観点からよく検討してほしい、それから教育、保育を一体的に実施するための新たなサービス提供の枠組みということで考えてほしい、それから既存の施設からの転換等を可能にする柔軟な制度にしてほしいといったような点は皆様一致しているのではないかというふうに考えております。
#18
○後藤博子君 ありがとうございます。
 保護者の立場からもまだ意見を集約していないということなんですけれども、しっかり、保護者の意見が一番でございますので、十分に意見をお聞きする体制を整えて取り組んでいただきたいと思っております。
 そういうふうに、いろんな総合施設のことになりますが、またやっぱりこの中には基準というものが必要になってくると思うんですね。先ほど質問の二にも挙げておりました、今後とも調理室を外部委託にならないようにしてほしいとの声を踏まえまして、現在、幼稚園と保育園では、例えば保育所に対してのみ調理室の設置が義務付けられているなど、施設整備の基準や職員の配置基準がそれぞれ異なっておりまして、総合施設においてこうした基準の取扱いをどうするか、どう検討するかという必要があると思います。
 総合施設の在り方につきましては、中教審幼児教育部会と社会保障審議会児童部会の合同の検討会議におきまして検討が進められておりまして、昨年十二月に「審議のまとめ」が公表されております。しかし、そこでは、職員の配置や施設設備の基準につきまして、経営の効率性のみを重視するのではなく、次代を担う子供の健やかな育ちを中心に置いた上で、地域の実情に応じ、かつ地域の創意工夫が発揮できるよう、柔軟な対応が可能なものとすることが必要とした上で、その適切な在り方について引き続き検討していくことが適当であると言われております。
 こういうふうなことが今後の検討課題とされておりますので、それにつきまして、施設設備や職員の配置基準等を、厚生労働省と文部科学省の方の御見解を伺いたいと思います。
#19
○政府参考人(銭谷眞美君) 合同の検討会議の「審議のまとめ」の内容はただいま先生からお話のあったとおりでございます。
 文部科学省といたしましては、職員配置や施設設備等につきましては、総合施設がゼロ歳から就学前の子供を利用対象者としていることや、幼稚園と同様に短時間利用する子供もいるわけでございますし、保育所と同様に八時間程度の利用をする子供も想定をされているといったような点も踏まえながら、現在実施をしているモデル事業の状況も見ながら、厚生労働省と連携をして検討を今進めているところでございます。
 モデル事業については、秋の段階で報告を求めながら一定の評価を行いたいと、こう思っておりますけれども、こういった結果を踏まえながら、総合施設の職員配置と施設設備等の在り方について十分関係省庁と連携をして検討を進めたいと、こういうことでございます。
#20
○政府参考人(伍藤忠春君) 基本的にはただいま文科省の方から御答弁があったとおりでございますが、先ほど来御指摘のありましたように、幼稚園と保育所で基本的に違っておりますのが、特に調理室といいますか、給食をどうするか、このようなことでありますとか、運動場の広さとか、そういうものでありますが、この辺りにつきましても、今このモデル事業と併せて、私ども、特区制度を利用して、保育所における給食の在り方というものがどうあるべきかということも併せて検証事業を進めておりますので、こういったもろもろの実験をしながら、その中でいろいろ、保護者の声とか保育士さんの声とか現場の声もいろいろ聞く機会がございますので、そういうことをよく集約しながら、どういったことが適切であるかということを十分見極めていきたいと思っております。
#21
○後藤博子君 ありがとうございます。
 親にとっても先生方にとっても、やっぱり子供たちに温かいものを、安心で安全な食べ物を作ってやっぱり子供たちに食べさせたいという思いがあるわけですので、どうかその思いも酌み取っていただいた取組をしていただきたいと思います。
 そういうことに続きまして、では、総合施設の今度利用料はどうなるんだろうかということが気になってまいります。幼稚園及び保育所の利用料につきましては、それぞれの料金体系が定められておりますけれども、総合施設の利用料は来年度以降どのように設定されることとなるのか、お聞かせ願います。
 また、現在、幼稚園については家計負担の軽減のために就園奨励費補助が実施されておりますけれども、来年度以降、総合施設はこの対象となるのかどうなのか、併せてお尋ねいたしたいと思います。銭谷局長ですね、お願いします。
#22
○政府参考人(銭谷眞美君) まず、利用料についてのお尋ねでございますけれども、現在、幼稚園の保育料については、各園の実情や教育内容に合わせましてそれぞれの設置者において定めているところでございます。一方、保育所の保育料につきましては市町村が設定をして徴収をしているところでございます。
 総合施設の利用料につきましては、合同検討会議の「審議のまとめ」におきましては、利用形態については直接契約が望ましいとされたことを踏まえまして、基本的には各施設において設定をすることが適当であるというふうに考えられております。ただし、一人親の家庭とか低所得の世帯など、配慮が必要な家庭が排除されないような何らかの仕組みを検討することも必要であると考えておりまして、関係省庁と連携をしながら検討を進めてまいりたいと思っております。
 それから、総合施設に対する財政措置については、就園奨励費補助の在り方を含めまして、総合施設の意義、理念に照らして、新たな枠組みにふさわしい公的負担の仕組みについて具体的な制度設計を進めてまいりたいというふうに考えております。
#23
○後藤博子君 分かりました。よろしくお願いいたします。
 直接契約になったら、またそれぞれの総合施設によっての契約ということになれば、それはまた、ばらばらじゃないけれども、高いところ、低いところないように、バランスのある在り方が必要だと思っております。
 では、そこに勤める職員の資格と給与についてなんですけれども、総合施設に勤務する職員の資格の在り方につきまして、改めて政府の考え方をお聞かせ願いたいと思います。
 また、幼稚園教諭と保育士の給与水準はそれぞれ異なっておりますけれども、総合施設における職員の給与はどのように設定されるんでしょうか。併せてお願いいたします。
 ちょっと全然、いろいろ書いたんですけれども、時間がないので簡単な質問で申し訳ありません。よろしくお願いいたします、銭谷局長。
#24
○政府参考人(銭谷眞美君) まず、総合施設における職員の資格についてでございますけれども、一定の教育、保育の質を確保するという観点から、保育士資格及び幼稚園教諭免許を併有するということが望ましいわけでございますけれども、例えば、三歳から五歳児の四時間の共通時間については幼稚園教諭免許を有する人が、あるいはゼロ歳から二歳児の保育については保育士資格を有する人がそれぞれ中心となりながら、その任に当たっていずれかの資格で従事可能とするなど、総合施設の機能に応じた職員の専門性を確保しながら柔軟な対応を行うということも考えられるところでございます。
 文部科学省としては、資格の併有を進めつつ、総合施設の職員資格の在り方についてモデル事業の実施状況も見ながら検討していきたいというふうに思っております。
 また、総合施設における職員の給与につきましても、職員の専門性を踏まえた適切なものとなるように、本格実施に向けた具体的制度設計の中で検討を進めているところでございます。
#25
○後藤博子君 ありがとうございます。
 今現在、幼稚園も保育園の方々も、併用になるのか、自分たちは資格をまたどう取っていけばいいのかとか、いろんなやっぱり心配があるわけですので、もう少しきめ細かな御指導というか、徹底したアピールを、PRをよろしくお願いしたいと思っております。
 では、今度モデル事業の概要についてなんですけれども、本年度は全国三十六か所において総合モデル事業が展開されております。このモデル事業は、幼稚園に保育所的機能を付加して実施するもの、そして保育所に幼稚園的機能を付加して実施するもの、そして既存の幼稚園と保育所が連携して実施するものというこの三種類の実施形態に分かれているものと思いますが、それぞれの実施形態がどのような特徴を持つのか、各実施形態の間で教育、保育の内容、水準に違いが生ずるか否かについても併せて確認をしたいと思っております。
 同じ銭谷さんにお伺いしますので、もう一つ併せまして、来年度以降も複数の実施形態の選択肢を想定されているのでしょうか、それとも総合施設としていずれかの、今言った三つのいずれかの一つの、一つの形に集約されていくのでしょうか。二つの質問を併せてお願いいたします。
#26
○政府参考人(銭谷眞美君) 現在、三十六園におきましてモデル事業を行っているわけでございます。その実施形態としては、ただいま先生がお話ございましたように、幼稚園と保育所が連携して実施する幼保連携型が十八か所、幼稚園が保育機能を付加して実施をする幼稚園実施型が十か所、保育所が幼稚園的機能を付加して実施をする保育所実施型が八か所ということになっております。このモデル事業は、十八年度からの本格実施に先行した試行事業として現行制度の枠内において実施をしているものでございます。
 このモデル事業を実施するに際しまして、実施園の募集に当たりましては、実施内容として、まず第一に、いずれの園もゼロ歳から五歳の子供を対象とした教育、保育サービスを提供していただきたいこと、二つ目に、四時間程度の共通の教育、保育時間を確保した上で、八時間程度の利用を希望するニーズにも対応したサービスを提供していただきたいこと、三点目として、可能な限り親子の交流の場の提供や子育て家庭への相談、支援を行っていただきたいこと、こういったことを条件としているわけでございまして、この募集条件により、教育、保育内容についてはいずれのいわゆる類型においても一定の水準が共通して保たれているというふうに私ども考えております。
 もちろん、現行制度の枠内で実施をしているわけでございますので、幼稚園実施型においてはすべての幼児に対して直接契約が可能であったり、あるいは保育所実施型の中には保育士資格保有者による対応が中心となっている実施園があるなど、実施類型ごとの若干の特色も見られるところでございます。
 なお、十八年度からの本格実施となる総合施設の制度におきましては、まあ必ずしもこういう類型を想定しているということではないわけでございますけれども、例えば本格実施の際にも、新たに設置されるものもありましょうし、幼稚園から移行する施設もありましょうし、保育所から移行する施設もありましょうし、幼保共有化施設から移行する施設もあるといったように幾つかの形態は考えられるところではないかと思っております。
 いずれにいたしましても、これらの施設がスムーズに総合施設に移行できますように、モデル事業におけるそれぞれの形態の実施状況を踏まえながら具体的な制度設計を進めていきたいというふうに考えております。
#27
○後藤博子君 ありがとうございます。
 いろんなモデルのことを参考にしながら、地域のこと、先生方のこと、保護者のこと、いろんなことを参考にしながらこれから進めていくということなので、なかなかはっきりした形が見えてこないのがちょっと今現状なのかなという、今気持ちが感想になります。
 ですけれども、いよいよ本格的に来年度から実施される予定となっておりますので、これによりまして、就学前の子供を対象とする施設は、幼稚園、保育所、そして今モデル事業による総合施設という、種類としては、でもって三種類あるわけですよね。ですから、報道によりますと、将来的には総合施設へ収れんすることを期待するとの検討会議のメンバーの声も紹介されております。
 そこで、将来的にこのまま三種類の形態を維持していかれるのか、それとも行く行くは総合施設に一本化していくおつもりなのかが一番聞きたいところだと私は思うんですね。
 ですから、片方では、何といいましょう、総合施設に移行できなかった幼稚園、保育園もまた出てくるわけですよね。そこに通う子供たちにとっては、どこに行ってもやっぱり公平でなくてはならないと思っているんですが、この未来像を含めて、今後の総合施設をどう持っていこうとやはりしておられるのか。現状を踏んで、いろいろ聞いて、何だかんだ調べてということをおっしゃいますけれども、やはりそこには、先ほどビジョンだとかいろんな理念だとかいろんなものがあるわけですから、この幼稚園、保育所、総合施設の三つがやっぱりこのまま行くのか。やっぱりそれは将来的には総合施設として一本化していくんですよということなのか。それによって現場にいる先生方の構え方が違うと思うんですね、心構えだとかいろんな施設の整備だとか、いろんなことがここに懸かってまいりますので、是非これはお答え願いたいと思います。
#28
○政府参考人(銭谷眞美君) 先ほど来お話の出ております合同の検討会議の「審議のまとめ」におきましては、「総合施設の制度化は、既存の幼稚園や保育所及び各種の子育て支援事業の意義・役割を大切にしながら、これらの既存の施設・事業と新たな枠組みである総合施設がそれぞれ相まって、乳幼児期の子どもの健やかな成長を支える役割を担うことを意図するものである」と、こういう提言をしているところでございます。
 このように、この総合施設は、地域の実情に応じた取組のための選択肢として導入をするということを考えておりまして、地域のニーズに対して既存の幼稚園や保育所の機能の拡充、組合せ、連携の強化により対応するのか、あるいはこうした対応を基盤としつつ、更に新たな枠組みである総合施設を組み合わせて対応していくかは、それぞれの地域の実情に応じて判断をされるというふうに考えております。
 繰り返しになりますけれども、総合施設は地域の実情に応じた柔軟な取組のための選択肢を提供するというふうに考えておりますが、総合施設の制度化に当たりましては、幼児の日々の生活の連続性や、発達、学びの連続性を確保して、幼児の健やかな成長を保障する観点から、適切かつ柔軟な対応が可能な魅力あるものとなるように努めてはいきたいというふうに思っております。
#29
○後藤博子君 それはもう局長、すばらしいんですよ。そういうのは、それはもちろんすばらしいんですが、もう一つ具体性がないんですね。じゃ、どうすればいいのと。じゃ私は、例えば幼稚園、保育園の経営者だったら、じゃ私はどうすればいいんですかねということになっちゃうんですよね、どうしても。そこが問題なんですね。それをもう少し明確にいかなくちゃ、何か蛇の生殺しみたいなことになりかねないんです、現場は。
 そこを、おっしゃることはもうきらきらとしたすばらしい言葉で、そのとおりでございますし、もちろん地域のニーズに合わせるんですが、それがどうなるのか、自分たちはどうするのかという、そこにもう一つ踏み込んだお答えがいただけないのでさっき言ったような三つの要望が上がってくるわけですが、もう一回ちょっと明確な強いお言葉をいただきたいんですが。
#30
○政府参考人(銭谷眞美君) 総合施設が本格制度化されたから幼稚園とか保育所がもう要りませんとか、そういうことではないわけでございます。
 それで、当然、幼稚園や保育所、それぞれの目的、機能に応じて保育、教育を行っていただく、そういう施設は当然あるわけでございますけれども、地域の実情に応じて、幼稚園、保育所と併存をして総合施設というものを取り入れる、そういうところも出てくると思いますし、場合によっては総合施設がむしろ中心になるところもあるかもしれませんし、地域によっては、現在の幼稚園、保育所、それぞれが相互に連携しながらそれぞれ教育をしていくというのが非常に適切な地域もあるということで、言わば幼児教育の多様な選択肢を広げるということで御理解をいただければと思っております。
#31
○後藤博子君 ありがとうございます。
 今日はお尋ねしませんけれども、じゃ、数はどうなるのか。各地域の数はどのぐらい置いてどうするこうするという、そこに議論入っていかないといけないんですが、今日はもう時間ありませんので、数の配置とかいうことはお尋ねいたしませんけれども。
 じゃ、この総合施設が本格的な実施に伴って何らかの形で今度法制化が必要になってくると思うんですよね。その場合、幼稚園と同様に学校教育法に位置付けるのか、保育所と同様に児童福祉法に位置付けるのか、新たな法律を作るのかという三つの選択肢が考えられると思うんですけれども、総合施設はどのような法律でどのように位置付けることとなるのか、まだはっきりそこも分かっていないんですね。そういうことで、まだまだ意見の集約がない場合にはいつごろまでに明らかにされる予定であるのかも併せまして、その法制化についてお尋ねしたいと思います。短くお願いします。
#32
○政府参考人(銭谷眞美君) 総合施設の法制度上の位置付けについては、先生から今お話ございましたように、現在検討中でございます。今年度実施をしておりますモデル事業の報告を秋の段階で求め、一定の評価を行いながら、その結果も踏まえつつ、十八年度の本格実施に向けて文部科学省、厚生労働省協力して法制上の位置付けを含めた制度設計を行っていくということになろうかと思っております。
#33
○後藤博子君 ありがとうございました。
 時間がなくなりましたので、しっかりとそういうこと、今日お話しした、質問したことを、そしてまた地域で上がってきた要望等をしっかり踏まえながら、是非前向きな取組を大臣もよろしくお願いしたいと思います。
 幼児教育の方にちょっと入っていきたいと思っておりますので、時間がありませんので、先ほど質問を受けたことに関してだけ質問させていただきますが、大分から上がってきた質問に関しまして。
 調理室の外部委託への懸念、これはもう先ほどちょっと同じような答弁いただきましたので構いません。また、国の財政支援の必要性もまあ同じようなお答えも先ほどいただきましたので、では、幼児教育と保育についての質問は用意しましたけれども省かせていただきます。先ほどの答弁の中に入ってきていると思いますので、それでお答えいただいたと思っております。
 あと、残りの時間を使いまして、これは紹介になるかと思うんですけれども、中山大臣はドラムサークルという活動を御存じと思うんですけれども、それについてちょっと紹介をしたかったんですね。私、前回、板橋区の第七小学校の紹介に、緑のカーテンを取り上げた紹介をいたしました。その緑のカーテンを取り上げた学校に菊本るり子先生という先生がおられまして、緑のカーテンはやっぱり菊本先生がされているんですけれども、その先生は理科の先生でも何でもなく緑のカーテンに取り組んでいるんですが、今回は、菊本先生が音楽の先生として取り組んでいるドラムサークルという活動を紹介したいと思います。
 今日、皆さんのお手元に本当は写真等を配りたかったんですけれども、それがちょっと用意できておりませんでしたので、ドラムサークルのこのやっている姿ですね。それとか、音楽やっていますか、子供が輝き出すアンサンブル活動、それが今注目のドラムサークルということで、輪になっていろんな太鼓を用意しましてドラムサークルということでやっていきます。子供たちの目が非常に輝いて、すばらしい取組をしているんですけれども、リズムで開こう子供たちの心ということで取り組んでおられます。
 今子供たちが、まあ大人になってもそうなんですけれども、なかなか目と目を合わせてお互いの顔を見詰め合ってなかなかできないということもありまして、これは、ドラムサークルはアイコンタクトで活動を行っていきまして、また子供たちが楽しみながら心と体を開いて、そしてお互いのコミュニケーションを目でやりながら、相手の動作を見ながら自分の動作を決めていくということで非常に楽しい授業なんですね。で、これは不登校の子供たちやあるいは自閉症の子供たちがそのドラムサークルに参加することによって言葉が出てきたり、サークルの中で、教室の中で溶け込んだりということです。
 私も板橋の第七小学校に行きまして、実際に楽器を演奏し、子供たちと楽しい一時間を過ごしてきましたけれども、反面、楽器をそろえるのに、普通の学校の予算だったらやっぱり何年も掛かるそうなんですね。助成や企業などのバックアップや各自治体がやはりある程度の支援があって、太鼓とかそろえてもらって貸出しできるような何か応援もお願いできないんだろうかと言われております。
 一度、大臣始め、これ皆さん方が本当に体験すると、私がどんなことを言いたいかはもう身をもって分かると思いますので、議員の中でも、このドラムサークルをまず何かの会議の前にやりますと、心と心が通い合っていい政治ができるのではないかと、そういうことも思っております。
 そういうドラムサークルを紹介をしたいと思いますので、ドラムサークルの魅力としては、子供たちが友達の目や音を意識し、友達たちのリズムと溶け合いながら体全体を使って自分なりのリズムを楽しむことなんですね。もっともっと言いたいんですが、時間がありませんので、それは音楽の意義の、音楽教育の一環にもなりますし、ドラムサークルの教育にもたらす効果は非常に大きいと思います。
 大臣に対しましてなかなか説明がこれだけで申し訳ないんですけれども、大臣の御感想と、これからまた学校教育の中にそれを取り組んでいったらどうかという御提案なんですが、いかがでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
#34
○国務大臣(中山成彬君) 今議員が御指摘のように、板橋区立板橋第七小学校ですか、におきましてドラムサークルという取組が行われていることは承知しております。今御紹介がありましたように、輪になって一人一人が打楽器を持って即興的な打楽器アンサンブルを行い、みんなで音楽を楽しむ、そういう活動だと聞いております。
 各学校におきまして地域や児童生徒の実態に応じてドラムサークルなどの活動を行うことは、一つの取組として大変意義のあることと考えております。私が回ったところでも、太鼓とかあるいは和楽器の演奏だとか、地域地域の方々の御協力もいただきながら非常に効果的な学習をしているところも見せていただきましたけれども、文部科学省といたしましても、今後ともそれぞれの学校の試みによります音楽的な活動が取り組まれることを期待しておるところでございます。
#35
○後藤博子君 もう時間がありませんので、ありがとうございました。
 これは、一人一人がたたくんでなくて、つながりで盛り上げていくものなんですね。だから、和太鼓たたく、何をたたくとか、一人一人のパフォーマンスではなく、みんなが一緒になって心を合わせてやるというのがドラムのサークルの魅力ですので、是非大臣、お勧めしていただきたいと思います。
 早口で大変済みませんでした。ありがとうございました。終わります。
#36
○荻原健司君 後藤先生に引き続きまして質問をさせていただきます。
 まず冒頭、スペースシャトル・ディスカバリー号が打ち上げ成功されたと、野口宇宙飛行士がいろんな船外活動をされるそうですけれども、本当に私たちにとっても希望というか夢、非常に日本にとっても大変名誉なことだなというふうに思っておりますが、野口宇宙飛行士始め搭乗員の皆さんの御活躍と、やはり無事帰っていただきたいと、そんなことをお祈りを申し上げたいと思います。
 早速質問に入らせていただきますが、最近新聞見ておりますと、今アスベスト被害の問題が日に日に大きくなっているような状況が見受けられまして、本当にアスベスト被害、これ、発症するといいますか、その症状が現れるのが三十年後、四十年後というようなこともあって、非常に深刻、実際どこで被害を受けたのかとか、実際自分自身が被害受けているのか受けてないのか、そんなこともなかなか分かりづらい、非常に恐ろしいことだなというふうに思っておるわけなんですが。
 いろんな事件がある中で、政府としても関係省庁会議、七月一日、第一回を開いて、文科省は第四回からこのメンバーとして参加をされておりまして、最近では昨日でしょうか、七月二十七日にも会議が行われたというふうに聞いております。その中で、各省庁の中にアスベスト対策のプロジェクトチームというものが設置されているということを伺っておりますけれども、文科省ではいわゆるこのアスベスト対策プロジェクトチームというのは設置をされているんでしょうか、お願いします。
#37
○政府参考人(大島寛君) 学校施設のアスベスト対策についてのお尋ねでございますけれども、現在文科省においては、文部科学省におきましては、子供たちの安全対策に万全を期すという観点から、このたび、省内関係部局の連携の下に改めて学校施設等における吹き付けアスベストの使用状況等の全国実態調査、これをやろうということで、実施するということを今向けて取り組んでおるところでございますが、それに併せて、省内にアスベスト対策チームをこれから設置する方向で今検討を進めているところでございます。
#38
○荻原健司君 是非、一刻も早くこういった取組をして、またやはりプロジェクトチームというものを、国民の皆さんにもやはり文科省もしっかり取り組んでいるんだなということをアピールするためにも是非設置をしていただければというふうに思っております。
 そういった状況を見ながら、やはり学校の施設というものは、やはり何というんでしょう、これから三位一体改革の中で公立学校施設整備費負担金・補助金がこれは一般財源化されそうな気配があって、これはちょっと私もまずいのではないか。特にいわゆる耐震化もなかなか進んでいない中で、また、かつそういったアスベストの問題も出てきている中では、やはりこういったものは特に引き続き国が責任を持ってしっかり財源を確保する必要があるのではないかと、私はそういうふうに思っております。
 いわゆるこの公立学校施設整備費負担金・補助金に対してはもう是非堅持をしていただきたいという、そういう気持ちでいるんですけども、大臣のお気持ちも大体分かっておりますけども、是非強い気持ちをもう一度お伺いできればというふうに思います。お願いいたします。
#39
○国務大臣(中山成彬君) この三位一体改革におきます公立学校施設整備費負担金・補助金の取扱いにつきましては、この秋までに結論を出します中教審の審議結果を踏まえて決定することとされているところでございますけども、先般地方六団体が出したあの案の中には入っているわけでございます。
 今話がありましたように、このアスベスト対策だとか耐震化とか、そういったことをやはり全国的にやっていくためには、この負担金、補助金というのは非常に大事な予算であろうと、こういうふうに考えているわけでございまして、教育の機会均等や国民の安全確保といった国の基本的な責務を果たすために、引き続き国として公立学校施設の整備に目的を特定した財政支援を維持していくことは必要であると、このように考えておりまして、頑張っていきたいと思っていますが、お聞きしますと、荻原委員等が中心になりましてこの何か守る議連ができて、事務局の担当をされるという話を聞いておりますけれども、委員各位の一層の御支援もよろしくお願い申し上げたいと思います。
#40
○荻原健司君 ありがとうございました。
 是非、大臣共々、私もそういう強い気持ちで取り組んでいきたいと思っております。
 それでは、ちょっと今度はスポーツの方の話にさせていただきたいと思うんですが、アンチドーピングについて御質問させていただきたいと思います。
 この件につきましては前回の委員会でも質問させていただきましたので引き続きということになろうかと思いますが、前回は、やはりこのアンチドーピング教育というものをもう少し学校教育の中でやったらどうかという御質問をさせていただきました。で、その質問をさせていただいたところ、塩谷副大臣から、小中高において薬物乱用防止教育も実施していると、また学習指導要領解説にも提示しているというような明快な御答弁をいただいたところなんですけれども。
 今回質問をさせていただくことは、やはり日本のドーピング対策、またドーピング活動、これをもっともっとしっかり取り組んでいただきたい、そういう質問なわけなんですけども、やはり私自身としては、日本のスポーツ界というものを背負っている、それでその代表としてこちらで質問をさせていただいているという自負がありますので改めて質問をさしていただきたいわけなんですが、まあ本当に、ただ場合によっては、委員の皆さんの中にもそういうスポーツの現場のドーピングの問題がここで取り上げられるべき問題なのかどうかという疑問に持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、今日は質問をさせていただきながら是非皆さんにいろんな意味で御理解をいただければというふうに思っています。私は、このドーピング問題というのをしっかり取り組むというのは、これはもう本当に国益にかなうものだという、そういうつもりでおりますので、質問をこれからさせていただきたいと思うんですが。
 昨年夏にアテネ・オリンピックがありまして、本当に日本の選手の大活躍は私たちに感動、希望、夢、もたらしてくれたものです。
 そのメダリストの一人にハンマー投げの室伏選手がおりましたけども、彼は、ハンガリーのアヌシュ選手という方がやはりドーピング違反によってメダル剥奪をされた、で、そのことによって金メダルが確定したわけなんですけども。ですから、何というんでしょうね、ドーピングによって捕まって、自分が繰上げで金メダルになったというのは非常に、室伏選手にとっては非常に複雑な思いでの金メダル獲得だったのかなというふうに思います。本当に彼の心情を考えると、ちょっと残念なというか、何か複雑な思いをするんですけども、ただ、私たちにとってはやはり室伏選手が世界でナンバーワンというのはもう当然のことだと思って、そういうふうに思っているわけなんですけども。
 実は、アテネ・オリンピックでドーピング違反によって選手が処分された件数というのは七件あったわけなんですね。ですから、本当にいまだオリンピックの舞台でドーピングがなくならないという事実を私たちに知らしめたというか教えてくれたわけなんですが。本当にこのドーピングというのは、とにかくオリンピック精神の核心部分であるやはり競技の、何というんでしょう、在り方又はその、何というんでしょうかね、スポーツ精神を、何というんでしょう、基本的に背反するものだというふうに私は思っているわけなんですが。
 今申し上げたスポーツ精神というのは、単にスポーツの場面だけにおいて求められる精神ではなくて、私たちの生活に、また人間関係に、又は社会全体に求められる精神であると私は考えるわけなんですが、こういったスポーツ精神、私は言い換えればスポーツマンシップだというふうに考えております。これは、私自身の政治理念としても「この国に、スポーツマンシップを。」というものを掲げさせていただいているわけなんですけども、本当にこれからの次代を担う青少年たちにもこういったスポーツマンシップを持った人物になっていただきたいと、そんな願いも持っているわけなんですが。ですから私は、青少年健全育成においても、スポーツにおいてのドーピング問題というのは国を挙げて取り組む必要があるというふうに信じているわけなんです。
 本当に、子供たちにとって、自分の好きなスポーツ選手がドーピング違反していたらやっぱりがっかりしてしまうと思いますし、場合によってはもう自分はやらないなんていうことにもなるかもしれませんし、またあるいは、あの選手がやっているんだったらじゃ自分もやってしまおうなんていう、そんな可能性にもなるのではないかなというふうに思います。
 いずれにしても、文科省もスポーツ振興基本計画の中において「アンチ・ドーピング活動を推進する」というふうにありますけども、これは単にスポーツの現場からドーピングをなくす、そういうためだけのものなのか、又は、例えば教育だとかいわゆる青少年健全育成にも資するものがあるというふうなお考えがあるのか。まず、この「アンチ・ドーピング活動を推進する」とありますけど、この基本姿勢をお伺いしたいと思います。
#41
○副大臣(塩谷立君) 荻原先生におきましては、このドーピングの問題に対して専門的な立場から御質問いただくことを大変有り難く思っているわけでございます。
 今先生がおっしゃったように、この問題は国際的な問題でもあり、またスポーツマンシップという非常に崇高な精神を目指す大事な点だと思っておりますので、我々としてもこのアンチドーピング活動に対しては真剣に取り組んでまいりたいと思っているところでございますが、当然、このドーピングはあってはならないことであると思っております。
 先ほどお話がありましたように、金メダルの剥奪等いろんな問題が生じておりますので、青少年の夢を壊すような事態もあるわけでございまして、こういう点しっかりと受け止めて、私どもとしましては、スポーツ振興基本計画に、我が国のアンチドーピング体制の整備と国際機関との連携強化を推進するために、アンチドーピング活動の推進を国際競技力向上を図るための側面的支援策として掲げているところであります。
 この方針に基づいて、文部科学省としましては、我が国のアンチドーピング活動の統括機関として財団法人日本アンチ・ドーピング機構、JADAを設立をして、これは二〇〇一年に設立しまして、各競技団体とJOCあるいはJADAが実施するドーピング検査やアンチドーピング啓発するためのパンフレット配布など、普及啓発活動に助成を行っているところでございます。
 なお、教育活動においては、先ほど先生もおっしゃいましたように、小中高においての薬物乱用教育を実施し、また高校においてはドーピング問題を取り上げるよう学習指導要領解説に例示しているところでありまして、今後ともアンチドーピングについてはしっかりと取り組んでまいりたいと思っているところであります。
 以上です。
#42
○荻原健司君 是非そういったお気持ちで取り組んでいただきたいと思うんですが、ただ私から申し上げさせていただくと、まだ不十分な点があろうかなというふうに思っております。
 というのは、実はアメリカでは、ブッシュ大統領の今年の一月の一般教書演説の中でドーピング問題を取り上げておられるんですね。こんなことが述べられておりましたけれども。ステロイドなどの成績強化薬物の使用は、目的達成には近道があるんだ、又は成績は人格よりも重要なんだといった誤ったメッセージを送ることになる。断固としてこのドーピング問題に、ドーピング根絶に向けて取り組む。そういった旨の演説がありました。
 本当に今アメリカではこのドーピング問題というのはかなり深刻な状況になっておりまして、アメリカの上院、下院においてもこのドーピング問題が議論されているところで、さきには、公聴会でしょうか、プロリーグのコミッショナー、そういった方々を呼んで公聴会を開いている、そんな状況なんですね。アメリカでもこのドーピング禁止法、これが法制化の動きにもありますし、またフランスではアンチドーピング法という法律が既にあるわけなんですけれども。ですから、やはりこれは本当に国を挙げて取り組んでいかないと、やはりアメリカで本当に深刻な問題になっている状況を見れば、いつかは日本でも更に更に深刻な問題になってくることだと思いますので、そういった意味でも早いうちに手を打っていく必要があるんじゃないか。是非、大臣には本当に強い気持ちでこのドーピング活動に取り組んでいただきたいと思っておるんですが、大臣のお気持ちを伺いたいと思います。
#43
○国務大臣(中山成彬君) やはり大統領が言及しなければいけないほどアメリカにおきますこのドーピング問題というのは深刻なんだなということを感ずるわけでございます。今御指摘ありましたように、フェアプレーの精神に反しますし、健康には悪いですし、何しろ青少年に与える影響、これはもう甚大なものがあるわけでございます。
 幸いといいますか、日本にはやはりそういうひきょうなことというか、それに対する反発みたいなのがありますから、すぐにじゃ日本がアメリカほど深刻になるのかということについてはまだ分かりませんが、しかし絶対そうならないように、あってはならないことだという、やはりそういう強い決意の下にこのドーピング問題には対処していくべきだと、こう思っているわけでございまして、これまでにアジア地域を代表して世界アンチドーピング機構、WADAというんですけれども、これの常任理事国に就任して、アンチドーピングに関する国際的な教育・啓発活動等に積極的に取り組んでいるところでございますし、また国内においては、今、塩谷副大臣が答弁いたしましたJADAというのを設立してそういったことに取り組んでいるわけでございまして、今後とも国の内外におきましてこのアンチドーピング活動を充実させていきたいと、絶対にこういったことが日本に蔓延しないようにという強い決意で取り組んでまいりたいと考えております。
#44
○荻原健司君 ありがとうございます。
 是非そういったお気持ちで取り組んでいただければというふうに思います。
 先ほど塩谷副大臣からJADAについて御説明いただきましたけれども、今、日本のアンチドーピング活動というのはこのJADAが担っていただいているわけなんですが、ほかの外国にもこういったアンチドーピング活動に取り組んでいる団体というか機構があるわけなんですけれども、JADAと例えば諸外国の活動レベルの違い、これは例えばドーピング検査数であるとか、またその予算とかその内訳であるとか、少しこの辺りを、海外と日本はどうなっているんだ、そんな御説明をいただければというふうに思います。
#45
○政府参考人(素川富司君) お答え申し上げます。
 今お話ありました財団法人日本アンチ・ドーピング機構が中心になって諸外国との比較調査も、実態も把握しておられるわけでございますけれども、そのJADAの調べによりますと、我が国のこれ平成十五年の実績でございますけれども、ドーピング検査の件数二千二百六十九件となっているわけでございます。諸外国いろいろありますけれども、オリンピックなどでメダルをたくさん獲得する欧米の主要国では、おおむね七、八千、八千件程度というような数字になっていることから比べますと、我が国はその検査件数が少ないという状況にまずございます。
 それから、経費若しくは予算のことを御質問がございました。
 このJADAの事業規模といいますか、それは平成十五年度の実績で見ますと一億三千五百万程度となっているわけでございます。この中には運営費といいますか人件費も入っているわけでございますけれども、検査関係の収入でございます六千七百万円ぐらいが入っているということでございます。
 これに対します公的な支援といいますか、これにつきましては、このJADAに直接出すものもございますけれども、JOC、日本体育協会、それから各種競技団体に対して支払われているものがあるわけでございます。それらは基本的にはJADAの方に委託といいますか、を通っていっておりますので、JADAの事業規模とそれほど大きい差はないとは思いますけれども、こういうことを踏まえて考えますと、平成十五年度では三分の一程度が公的な支援になっているかなというふうな感じがいたしますが、諸外国におきます状況は、正確な状況把握はできておりませんけれども、大半が公的な機関からの助成によって行われているというふうなことを聞いているところでございます。
#46
○荻原健司君 今御答弁をいただいて、やはり我が国と諸外国の活動レベルというものに対しては相当差があるんだなというふうに思っているわけなんですけれども、ちょっと次の質問は省かせていただきますが、次はやはりこの活動レベルがどうしてこんなに違うのかということ、その分析の見解を求めようとしたんですけれども、もうこれはその数字といいますか、その財政的なものを伺えばある程度分かります。
 結局は、なかなかお金がないからその検査数が進まないという状況なんですね。実はちょっと私も、JADAのその収支のちょっと詳細があるわけなんですけれども、先ほどtotoの助成金というようなお話もありましたが、しかし、やっぱりJADAの事業収入というのが一番大きいわけなんですね。これで活動しているのがほとんどなわけなんですが、実はこの事業収入というのは、どんな事業をやっているかというと、その事業の一部にオフィシャルスポンサーシッププログラムというのをやっているんですね。
 これは、具体的に説明をいたしますと、スポーツドリンクやサプリメント剤などをそのJADAが認定商品として認めてJADAの保証をメーカーさんは取り付けると。その認定料、認証料ということですかね、その収入なわけなんですね。しかし、この資金調達のやり方、仕組みというのは実は海外では見られない。
 というのは、やはりドーピングの検査機関、いわゆる中立的な立場であるドーピング検査機関が特定の企業の商品を認めてビジネス、認証してビジネスをやるなんということはやはり考えられないというところがあるわけなんですね。ですから、実はこれ、国際的に見ますと、この資金調達の仕組みというのは非常に批判が出始めているわけなんですね。ですから、ただこれは、totoの助成金も、昨年度だったでしょうか、六百万円しかないというようなお話もありますし、非常に資金的に悩む、苦肉の策でこういうことをやっているわけなんですが、やはり国際的にはいろんな意味で疑いの目を持たれているというところなんですね。
 例えば、諸外国では、ではどういうふうに資金調達をしているかというと、やはり、かなり国の、政府がこの予算を持っていると。アメリカにおいてはUSADAというのがあります。USADAという、日本のJADAと同じような組織なんですけれども、この財政の六五%が政府からの予算、これが七億五千万円ですね、占めていると。また、オーストラリアでは七五%がやはり国からの支援ということで、これがおよそ四億八千万円。また、北欧のノルウェーでは一〇〇%が政府予算、これがおよそ三億ということですから、いかに政府予算というか、政府予算的なものになるんでしょうか、六百万円というのがいかに少ないか。だからこそ、このドーピングの取組というのが世界と比べて相当後れているということにつながってきてしまうわけなんですね。
 先月ですか、シンガポールでIOCの総会、国際オリンピック委員会の総会が開かれまして、オリンピックの舞台から野球またソフトボールがなくなってしまった、削除されてしまったわけなんですけれども、本当にこれは、日本の子供たちのことを考えると、大きなオリンピックという夢の舞台がなくなったというのは、本当にこれはもう残念で仕方ありませんし、これは野球界、ソフトボール界だけではなくて、日本のスポーツ界挙げて、またオリンピック種目復帰に努力していかなきゃいけないというふうに思っているわけなんですが。
 実は、なぜ野球やソフトボールが外れたかというその背景には、例えばアフリカのある委員からは、野球のルール知らない、自分の国ではだれもやっていないなんて、そんなこともあったわけなんですが、ただ、更にいろんな話を伺ったり調査をしていきますと、実はアメリカの大リーグの選手がこのオリンピックというものに対して非常に消極的だと、なかなかいわゆる世界の一流の選手がオリンピックに出てくれない、そんな状況があるんだという。だからこそ、何というんでしょうね、オリンピックとしてはそういう非協力的なスポーツはもういいというような、そんな状況があったそうなんです。
 ただ、さらに、何というんでしょう、なぜ非協力的なのか、大リーグの選手は非協力的なのかといいますと、オリンピックに行ってドーピングコントロールを受けると、間違いなくメダル剥奪というか、選手活動を停止させられてしまいそうな選手が多い。非常に国際的な、何というんでしょう、ドーピングのいろんな問題ありますけれども、ちょっと大リーグの取組というのは非常に手ぬるい部分があるそうなんですね。ですから、そんなこともあって、やはりドーピング活動に対しても真剣に取り組んでいない大リーグというふうに見られたそうなんですね。ですから、オリンピックにはもう必要ない競技だというふうに何か見られたそうです。ただ、そういった流れの中で、やっぱりどうしても、特にソフトボールというのは何だか被害者になっちゃって本当にかわいそうだなというふうに思っているわけなんですけれども。
 やはり、こういったところからも是非このドーピング活動をやはり国を挙げて推進をしていかないと、例えば二〇二〇年には日本で夏のオリンピック呼ぼうなんというような、そんな動きも一部では見られておりますけれども、こういったことをやっぱり一つ一つ取っていかないと、一つ一つ取り組んでいかないといけないのではないかと。やはり、こういったオリンピックを招致したり国際大会を招致をして、やはりそこに選手が向かっていく、又はそういったものを子供たちが見て夢や感動を覚えるというのは、やはり教育効果も高いですし、また経済効果も非常に高いものだというふうに思っています。そのためにも是非、totoの助成事業だけではなくて、やはり諸外国がもう数億円と掛けている取組と同じように、totoの助成事業の補助よりも、むしろやはり政府予算としてしっかり財政の確保をすべきだというふうに私は思っているわけなんですが、どうお考えか、お伺いしたいと思います。
#47
○副大臣(塩谷立君) 先生から大変大事な御指摘をいただいたわけでございますが、私も、世界アンチ・ドーピング機構、WADAの、先ほど大臣からお話がありましたように、アジア・オセアニアの常任理事が私でございまして、そういう意味では大変責任を感じているわけでございますが、先ほどの政府からの答弁で、明らかに我が国が件数でも少ないということ、これは多分、日本の場合は、スポーツというものはフェアプレーだということで実態的にはそんなにこういうことが行われていないという、そういったことがあって諸外国とは違った件数になっていると思いますが、今後、例えば十月にはユネスコのこれに関する条約も締結の段階に来ておりますし、そうなりますとやはり件数というものが一つの指標になりますので、今後我が国のJADAにおいての活動というものがより充実したものになっていかなければならない。
 具体的には、件数でもある程度諸外国と同じようなレベルに行かないと、これも世界的な認知がされないということもありますので、この点については、totoの売上げだけではなくて、いろんな形で支援の方策を考えていかなければならない。JADAと、あるいはJOCあるいは各競技団体との役割分担等も含めて今後しっかりと対応してまいりたいと思っているところでございます。
#48
○荻原健司君 是非、取組を更に一層強化していただきたいと思います。
 やはり、私は当然日本の選手を信じておりますし、だからこそ検査数を少なくしていても問題がないんだという見方もありますが、ただ、これはやっぱり諸外国から見ますと、日本は随分ドーピング活動に対して積極的にやっていない国だな、何だか悪いことしているんじゃないかと、逆にそういうふうに見られることもあろうかと思いますので、是非取り組んでいただきたい問題だと思って質問させていただいております。
 そして、今年十月にはユネスコの総会で国際アンチドーピング条約の原案が承認をされる見込みです。それによって日本も批准をしていくことになろうかと思います。
 昨年の十二月のユネスコ・スポーツ担当大臣国際会議ですね、残念ながら、大臣、副大臣も御出席をされなかったようなんですけれども、今度はそういったことではなくて、やはりそういうことであるとちょっと日本の姿勢もどうなのかということを問われてしまうと思いますので、やはり諸外国では大臣レベルの方々が参加しておられるわけですので、是非このユネスコの国際アンチドーピング条約には大臣又は副大臣、出席をしていただきたい。特に、やはり塩谷文部科学副大臣はアジアの代表者でありますので是非御出席をしていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
#49
○国務大臣(中山成彬君) 十月に予定されておりますユネスコの総会につきましては、今お話がありましたようにアンチドーピング条約が採択されるということになっていまして、非常に重要な会議であると、このように認識しております。
 私自身も、政務次官を務めておりました平成三年、もう十四年前でございますが、首席代表として出席した経験もあるわけでございます。十月となりますと先行きどうなるか分かりませんが、やはり大臣が可能な限り出席すべきであろうと思いますし、また出席できない場合にもできるだけ副大臣が出席するようにしたいと、このように思っております。
#50
○荻原健司君 ありがとうございます。
 是非出席をしていただけるような環境も私たちもつくらなきゃいけないんだと思うんですが、是非そのときにはお願いをしたいと思います。
 次に、時間も少なくなってきたんですが、職員室のIT化というふうに題して質問をさせていただきたいと思います。
 これも前回の委員会でも質問をさせていただきました。やはり文科省さんも、e―Japan戦略であるとかe―Japan重点計画などにおいて、児童生徒数に応じた教育用コンピューター整備、また校内LANであるとかITを使った教員を増やすというような活動をされておりますけれども、前回の質問のときには、更にそれに加えて、学校の先生方の校務であるとかいわゆる教員事務をもっとIT化をすることによっていわゆる事務負担を軽減させれば、もっと子供たちと触れ合う機会が増えるんじゃないか、これは学力低下であるとか体力の低下の歯止めにもなるんじゃないかというような思いで質問をさせていただきました。
 そのかいあってかどうか分かりませんけれども、去る六月十一日に静岡市で行われましたタウンミーティングで大臣は、多忙を訴える先生方が増えている、この状況を踏まえて、報告や事務をできるだけ減らし、先生がゆとりを持って子供と向き合う時間を増やせるよう検討するというふうに述べられておりますけれども、この報告や事務をできるだけ減らすという、検討するとありますけれども、具体的にどのような取組をされているのか、伺いたいと思います。
#51
○国務大臣(中山成彬君) 一月から実施しておりますこのスクールミーティング等におきましても、現場の教職員等から非常に忙しいというふうな声が出るわけでございます。
 例えば、総合的な学習の時間あるいは道徳、特別活動、部活の準備、他の校務などで忙しくて子供たちに向き合う時間的な余裕がないとか、あるいは教科指導だけではなく、生徒指導、子供との心のつながりなどは時間が掛かって限りがないと、地域との連携に伴う諸作業も増加しており大変だと、そしてたくさんの計画書作りや書類作成など直接子供に還元されない仕事が多いといったような意見をいただいているところでございます。
 また、全国の保護者や教員などを対象にして行いました義務教育に関する意識調査でも、この職務の忙しさにつきまして、常に忙しい六一・一%、又は、時期によっては忙しい三四・〇%、合わせまして九五%の教員が忙しいと、このように回答をしているところでございます。
 これに対しましては、平成十六年の十二月でございますが、教員がゆとりを持って教育活動に専念できるよう、会議や行事の見直し等による校務の効率化、あるいは日ごろから教員が気軽に周囲に相談したり情報を交換することができる職場環境をつくること、教育委員会も積極的な学校訪問を通じて学校の様子や各教職員の状況を的確に把握するよう努めることなどの重要性につきまして、都道府県教育委員会等に対して通知したところでございます。
 文部科学省といたしましては、このスクールミーティング等でいただきました御意見等も踏まえまして、今後とも更に、行事や会議などの見直し、国、都道府県、市町村が行う調査等の精選など、校務の効率化、事務処理体制の整備により、教員が意欲と使命感を持って職務に専念できるようにして、子供と触れ合いながら創意工夫を凝らした教育活動が行われるように努めてまいりたいと、このように考えておりますが、やはり教育の実を上げるためには、まずは教職員がゆとりを持って子供と対することができる、そういう体制をつくることが何より肝心であるというふうに考えておるところでございます。
#52
○荻原健司君 ありがとうございました。
 ここにちょっと幾つか、手元の私の資料なんですけれども、紹介したいと思うんですが、今学校の施設や、また学校の先生がパソコンを取られちゃったとか盗まれてしまったとかで、いわゆる児童生徒の個人情報、こういうものが流出しているような事件が相次いでおります。ちょっと幾つか紹介したいと思うんですけれども、先生が帰宅途中にお子さんをお迎えに保育所に寄ったところ、その車の助手席の窓が割られて生徒の成績や保護者の名簿や個人情報が入ったノートパソコンが盗まれたであるとか、先生が自宅において在校生と新入生の個人情報が入った私物ノートパソコン、これを盗まれてしまったとか、ここの中にも生徒の個人情報があった、こんな事例があります。
 次に、その事例がどのくらいあるのかというのをちょっと把握しているだけでもお示しをいただければと思ったんですが、少し時間がなくなってきましたのでここは省略をさせていただきますけれども。
 やはり、こういうふうに先生方が自分のパソコンを使って、何というんでしょう、学校の事務をしなきゃいけないとか、又は生徒の個人情報を扱っている状況があるわけなんですね。それを学校内から持ち出して、時にはそれが盗まれてしまったり、ある先生は何か酔ってしまって駅のホームに忘れたなんというようなこともありましたけれども、そういったことがないように、やはり先生方が、職員室、だからこの解決方法とすれば、職員室にしっかりPCを完備して、個人情報はもうここから持ち出さない、又はいろんな校務や事務負担を軽くするためにも、とにかく職員室のIT化を是非進めていただきたい。
 こういうことは、今学校の中のパソコンをそろえたり校内LANだとかという経費は地方交付税で行っていると思うんですけれども、これがまた一般財源化されてしまっては、なおさらまたどうなるか分かりませんので、是非こういったことに対しても国の責任において早急に取り組む必要があるのではないかなというふうに思うわけなんですが、どうお考えでしょうか。
#53
○政府参考人(銭谷眞美君) お話ございましたように、学校は様々な個人情報を保有をしているわけでございますので、その情報に関しては適切に管理すべきものでございます。特に、個人情報保護法がこの四月から施行されたわけでございますので、私どもも学校における個人情報の厳正な管理ということについては指導を行っているところでございます。
 ただ、残念なことに、私どもも全国的な状況を網羅的に把握しているわけではございませんけれども、報道等を通じまして、学校の中あるいは帰宅途中等、いろいろ盗難に遭ったりして児童生徒の個人情報が流出した事例があるということは承知をしているところでございます。引き続き、個人情報の管理につきましては徹底を期していきたいと思っております。
 その一つの背景として、今先生から、いわゆる職員室のIT化がなかなか進んでいないんではないかという御指摘がございました。今文部科学省ではe―Japan重点計画二〇〇四に基づきまして学校のIT化の促進を図っているところでございますけれども、職員室のIT化についても、この整備を図る中で、教育用コンピューターの校務処理での活用等、効果的な、かつ弾力的なコンピューターの整備、活用に努められるよう各教育委員会に対して指導しているところでございます。
 ただ、先生御指摘のように、財源措置が地方交付税措置でございますので、整備について、小中学校の場合でいいますと各市町村ごとに差があると、高校でいいますと各都道府県ごとに差があるということも事実でございますので、私どもとしては、設置者である教育委員会における整備の促進ということについて、正に個人情報流出防止の観点、あるいは先ほど大臣からお話もございました校務の効率化という観点からもこれを進めていくように引き続き指導していきたいというふうに思っております。
#54
○荻原健司君 是非お願いいたします。
 もう時間がありませんので、端的にお伺いして、明確に、明快に答えていただければと思うんですが。
 これは毎度のことなんですけれども、私やはり、子供たちが使っている教科書をやはり市販化をして書店に置けるようなシステムをつくった方がいいんじゃないかということを毎度質問させていただいているわけなんですね。ちょっと私、参議院会館内の書店に行きまして、教科書を買えるか、二度確認のために行ったんですけれども、うちでは買えないということで、確かに前回、全国のうちの三千七百か所の教科書納入書店で買えるとか、全国のうちの八千五百店舗で扱っているというふうにあったわけなんですが、国会議員さえ身近な書店ではやっぱり買えない状況があるわけなんですね。
 是非、こういったことを改善するためにも、一般の市民も含めて、一般の市民の方々が入手しやすいような制度をつくるべきじゃないかなというふうに思うわけなんですが、どうお考えでしょうか。
#55
○政府参考人(銭谷眞美君) この件につきましては先生から幾度かお尋ねもいただいているところでございます。私どもその質疑等も踏まえながら、全国教科書供給協会等に対して一般販売の促進について申入れも行ったり、あるいは同協会において、研修会等において一般販売の更なる拡充を図るような、そういった取組も今行っていただいているところでございます。
 最近の実績もちょっと調査をしてみたんでございますけれども、実は全国の書店、数が減っておりまして、平成十六年度の調査では全国の書店が一万八百店舗ということでございますが、そのうち五千四百店舗で取り扱われておって、約八十七万冊の教科書が一般書店で販売をされているということもございます。取扱書店の割合は高まっているわけでございますけれども、引き続き教科書の一般販売に関する取組を促進をしてまいりたいと思っております。
#56
○荻原健司君 是非、生涯教育というような観点からも一般の方々が入手しやすいような取組をしていただければというふうに思います。
 大変ありがとうございました。終わります。
#57
○下田敦子君 委員の下田敦子でございます。
 このたびは、去る十月十日、エックス線天文衛星「すざく」の打ち上げに成功されまして、誠におめでとうございました。五年ぶりの快挙ということで、さぞかし大臣も喜ばれてほっとされたのではないかと思います。心から拍手をお送りさせていただきます。
 さて、今日は私に大変な宿題をちょうだいいたしまして、それなのに時間が二十五分ということで大変困っております。ですから手っ取り早くお尋ねをさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。
 まず、質問に入らせていただきますが、国と地方を合わせました債務残高が七百五十兆円、これは平成十六年度末現在でありますが、膨れ上がっています。未曾有の国家財政危機の中で、現政権は国債の販売を推奨し続けて、子や孫に負担を先送りしている現状にあると思います。こういう状況の中、本日は民主党独立行政法人改革推進の見地から、財政再建特別会計、これは仮称でありますが、も新設される方向でありますし、いわゆる税金の無駄遣いをなくし、歳入歳出構造の合理化にも寄与する目的のために本日はお伺いさせていただきます。
 それでは、まず電源開発促進特別会計についてお尋ねいたします。
 最初に、経済産業省資源エネルギー庁に関する質問を二項目お尋ねいたします。
 その一でありますが、核燃サイクル立地地域十六市町村で構成するむつ小川原産業活性化センターというのがございます。この団体で二〇〇三年度、二〇〇四年度、二年間にわたり海外視察が実施され、本年度もその予定されていた事業が中止になったと報じられております。二〇〇三度は首長さん七人、事務局長二人、二〇〇四度には首長さん四名、それから事務局二人。同センターが派遣したその事業内容、それから訪問先、旅費経費を含む年度別の事業費、帰国後の報告書の有無、それから参加者の旅費の自己負担分、これをお伺いいたします。
 また、来年度も同事業が継続されると取りざたされておりますが、その真偽のほどをお伺いいたします。
 この件に関しましては六項目でございます。
 その二に参ります。
 資源エネルギー庁の外郭団体、電源地域振興センターが主催する電気のふるさとじまん市は九〇年から毎年幕張メッセで開催され、二百以上の市町村と三百以上の業者が特産品を販売している事業がございます。これは大変結構なことだと思います。
 これについてお伺いいたしますが、まず、二〇〇三年度のその総事業費は幾らなのか。このうち、電源特別会計から交付されている電源地域振興促進事業費補助金が充てられていたと聞きますが、その執行額は幾らなのか。
 また、同事業の広告費は予算計上だけで執行されていないと聞きます。その金額は幾らなのか、手短にお答えをいただきたいと思います。
 次に、二〇〇三年十一月に行われました第十四回物産展の総売上額が二億四千万を超えたと報じられていますが、イベントホールの借り上げ料、それから出展者約一千四百人への交通費と宿泊費の七五%、約八千五百万と言われていますが、これを補助しているというのは事実なのかをお尋ねいたします。
 また、少しく驚くのですが、郷土芸能人、イベントのときにいらしていたコンパニオン、それから司会者へのタレントの謝金を補助していたと聞きますが、その事実関係をお伺いいたします。
 それから、同物産展に計上された予算は百八十億と聞きますが、特別会計の趣旨から本来の目的以外のものへは使えないはずです。また、会計検査院が特別会計の剰余金に対して資金滞留を解消するための措置を求めているそうですが、現在まで同会計の剰余金は幾らなのか、お尋ねをいたします。
 以上でございます。
#58
○政府参考人(安達健祐君) 十一項目にわたって御質問いただきましたんで、順次答えさせていただきます。
 まず、むつ小川原産業活性化センターの欧州核燃料サイクル施設調査団の派遣事業のことでございます。
 先生御指摘の事業は、核燃料サイクル施設の立地自治体である六ケ所村及び周辺市町村の首長を対象として、核燃料サイクル推進の先進国であるフランスの核燃料サイクル関連施設の視察や、原子力施設と地域との共存、共生の在り方について地元地方自治体の関係者と意見交換を行うなどを目的として、電源開発促進対策特別会計、電源立地勘定を財源とする核燃料サイクル関係推進調整等委託により実施しているものでございます。
 その視察、意見交換の結果を参加各地方自治体の原子力政策の運営に生かしていただくことは、電源関連施設の立地を促進するという電源立地促進対策特別会計の目的に照らし有意義であると考えてございます。
 次でございますが、調査団の訪問先でございますが、二〇〇三年度、二〇〇四年度とも、核燃料サイクル関連施設の必要性、安全性等に関する理解促進を図るため、調査団をフランスの南部地方に派遣いたしまして、メロックスMOX燃料工場、及び同工場で製造された燃料を使用して発電しているトリカスタン原子力発電所等を訪問するとともに、地元首長等との意見交換を行ってございます。
 次に、調査団派遣事業の総額でございますが、二〇〇三年度における当該派遣事業に関する費用の総額は約三千万円、また二〇〇四年度は約二千二百万円となってございます。
 次に、調査団の帰国時に報告書が作成されているのかという御質問でございますが、二〇〇三年度、二〇〇四年度とも調査の結果を報告書と取りまとめ、地元市町村等関係機関に配付してございます。
 次に、調査団の旅費について自己負担分はあるのかという御指摘でございますが、調査団の旅費につきましては、全額委託先である財団法人むつ小川原産業活性化センターが負担してございます。
 それが核燃関係でございますが、次に電源地域振興センターが行っております電気のふるさとじまん市についてでございます。
 まず、二〇〇三年度の総事業費は幾らかということでございますが、電気のふるさとじまん市は電源地域に対する理解促進と電源地域の企業産品の市場進出機会の増大に取り組み、電源地域の産業や経済の振興を支援することを目的としてございます。こうした考え方の下、首都圏において、電源地域市町村の産品について、消費地における知名度を向上させることや流通販売業者のマッチングを図ってございます。こうした事業を行うための大物産展の二〇〇三年度の事業費の実績は六・五億円となってございます。
 次に、電源開発促進特別会計から交付されている補助金額でございますが、今の六・五億円に対し、電気のふるさとじまん市に対する補助金は、二〇〇三年度におきまして、その補助金の確定額は五・七億円となってございます。
 次に、じまん市で一千四百人にも上る出展者の交通費や宿泊費七五%を補助しているような、あるという報道があるけれども、その事実関係はいかんという御質問でございますが、電源地域は過疎地域が多くて、その企業や特産品などは知名度が低く、販路開拓などマーケティング能力に限界があるケースも多いと承知してございます。したがって、より効率的かつ効果的な予算執行に努めるものの、補助金を活用して参加市町村を支援していくことは必要と考えてございます。
 御指摘の出展者の交通費や宿泊費については、大物産への参加費として四分の三を補助することとしてございまして、二〇〇三年度の実績では出展者千三百八十一名の旅費に対して補助金ベースで約八千万円の支出が行われているところでございます。
 それから、じまん市の後に開催される懇親会におけるコンパニオンやタレントへの謝金について支出しているのかという御質問でございますが、じまん市の会場そのものにおいて幾つかの市町村において販売専門員を雇い入れている例がございまして、それに対する補助はしてございますが、おっしゃったような、懇親会のコンパニオンの補助金が充当されていることは一切ございません。また、電源地域における文化を紹介するため、進行役の司会の経費として補助金が支出されることは事実でございますが、ただし、じまん市において雇用した司会者はいわゆるタレントという方ではございません。
 それから、最終的にそのじまん市の事業の特別会計の予算は余ったと承知しているけれども、その金額はどのように処理しているかということでございますが、二〇〇三年度のじまん市の補助金の予算額は、管理費を含め、予算は七・三億円となってございます。補助金の確定額は五・七億円になってございます。この差額については、不用額として執行しておらず、その分の金額は国庫に留保され、決算期に剰余金に計上され、翌々年度の歳入に繰り入れられるものでございます。
 他方で、予算の適正を確保するためには、絶えず予算の見積りを作成して必要な資金を確保して、現実に執行を行って必要に応じてその執行結果を次の予算にフィードバックするというプロセスが重要でございまして、電源開発促進特別会計についてこのようなプロセスが機能するよう引き続き取り組んでまいりたいというふうに思ってございます。
 以上でよろしゅうございますでしょうか。
#59
○下田敦子君 答弁漏れが二つあるように思います。
 このむつ小川原産業活性化センターにおいての来年度の事業が継続されるということを地元では取りざたしております。これがどうであるかということをお尋ねいたします。
 それから、先ほどの広告費、これが計上されていたようですが、実際この事業が行われていないと。このことをお尋ねいたします。
 それから、大変恐縮ですが、私はこの委員会で前にもお願いいたしましたが、先生という呼称は少し古いかと思いますので、議員で、あるいは委員でよろしくお願いを申し上げます。
 はい、以上、これ時間がどうなるのでしょうか、答弁漏れに関して。
#60
○政府参考人(安達健祐君) 失礼いたしました。
 むつ小川原産業活性化センターの件で、二〇〇五年度はどうなのかということでございますけれども、電源開発促進対策特別会計を含みますエネルギー特別会計につきましては、国会等において一連の指摘を踏まえまして、現在資源エネルギー庁において、予算執行についてその適正性を推進するための運用の見直しを今鋭意進めているところでございます。かかるエネルギー特別会計全体としての運用見直しが行われている中、ここは予算執行手続は慎重に進めているところでございます。
 こうした中、むつ小川原産業活性化センター向けの委託事業である欧州核燃料サイクル関連施設調査団派遣事業につきましては、海外の訪問先との調整等の時間的制約があることから、本年度につきましては実施を見送ることとなるものと考えてございます。二〇〇六年度以降については、資源エネルギー庁の中での全体の見直しの中で考えていきたいというふうに考えているところでございます。
 それから二つ目、じまん市の広告費でございますが、幾らで、予算計上された額のうち未消化があると承知しているけれども事実関係いかんというところでございますが、電源地域の優れた特産品や観光資源を一般消費者に対して幅広く紹介するためには、東京二十三区内及び会場隣接の家庭に対して新聞折り込みチラシを配布するなどの広告が必要でございます。こうした考え方から、平成十五年度の予算においては、広告費として約一・一億円が予算計上されてございまして、実際に約七千万円が執行されているところでございます。
 以上でございます。
#61
○下田敦子君 七千万円を計上されて執行されたということでありますが、先ほどのそのイベントコンパニオンにしても、この広告費が、実際メールが進んできている時代なので、この必要性はなくなったということで、ストックしているという話を、実際これは新聞に報道されていたことなのであります。ですから、あえて今予算の厳正なる執行をという意味から、私どももこれはお尋ねをして明確に、明快にした方がいいということからお尋ね申し上げているわけでございまして、別にこのことでどうということではありませんが、こういうことが新聞に報道されるということがやはり私は何があるのだろうかと。そういうことをまずお尋ねをし、お願いをしたいわけでございました。
 それでは次に、日本原子力研究所についてお尋ねをいたします。
 まず第一ですが、役員のうち中央省庁経験者の割合、それから最終官職、その方の受けた報酬、月額です、それから公用車、社宅の有無、公用車のある場合にはその運行表、それから役員に認められる必要経費の額と主たる用途、それから役員の出勤簿の有無について、まず一つ目お伺いいたします。
 次に、平成十六年度予算、これは一般会計、特別会計からの予算金額、で、平成十七年度上半期、下半期、これは、先般行いました、この十月から独立行政法人化する予定でありますので、上半期、下半期で内容が変わってくると思います。したがって、そのときの予算金額、いわゆる運営交付金に変わることからの予算編成の内容、これは合計金額のみで結構でございますので、お願いいたします。
 それから次、三つ目ですが、政策評価・独立行政法人における評価委員と法人との関係についてお伺いいたします。同研究所においてはこの十月から独立行政法人化の予定ですので、今後のことについてまずお伺いいたします。
 評価委員は、評価委員出席に当たり委員手当があるのか、有給とすれば年間どのぐらいの謝金になっているのか、役職ごとに手短にお答えをいただきたいと思います。
 それで、政策評価に当たり公平性、正当性があるものとお考えであるか、このことについてもお伺いいたします。
 最後のお尋ねですが、同研究所の委託業務、それから業務の発注、受注する要件、それから委託決定要件としての受託研究基準の第二条又は受託研究基準の第七条の要件内容におきまして、私が拝見しましたところに感ずるものは、大変ラフであるなということを感じました。民間ではこういう契約なり発注、受注はちょっと考え難いなと思うこともありますので、発注する場合の契約等の定めはどうなっているのか、手短にお答えをいただきたいと思います。
 また、平成十六年度の委託契約事項は何件か。その中で、委託金額の一番高いものの契約先と契約金と委託内容についてお伺いいたします。
 最後に、大変恐縮ですが、大臣にお伺いして、お願いしたいと思います。
 原子力行政にかかわるこの問題について、大変様々なことが特に地元では取りざたされております。最近、世界初のフルMOX軽水炉、ウラン燃料を使う原発に比べて原子炉の制御が非常に難しいと言われる下北半島の大間原発など、早くからこの電源立地対策交付金始め、特別会計をめぐる各地の動きが様々にあります。大いなる疑問の声も聞かれますわけですが。
 私ども地元に関係する者としては、例えば漁業補償というのは、これは原燃事業が始まる以前から、フランスにはないと言われるものも支払われてきたと。まあ、これはいいとか悪いとかは別として、フランスの考え方、あるいは海外は、海はみんなのものだという考え方があると。逆に、その漁業補償を出さなければいけないほど、この原燃に関する事業というのは心配が多いのかということもまた逆に言われております。
 すべて原資とする交付金や補償金、これは国民の税金あるいは電力料金であります。どうぞ国家財政危機の中で、特別会計をめぐる中心とした様々な問題が見聞きされますので、日本のエネルギー行政を根本から見直す時期にあるということを私は思っております。大臣の御所感を伺いたいと思います。
 以上です。
#62
○政府参考人(森口泰孝君) お答え申し上げます。
 まず一点目でございますが、日本原子力研究所の役員の中央省庁経験者の割合、最終官職等々の御質問ございました。
 これにつきましては、まず日本原子力研究所の非常勤を含む役員十二名おりますけれども、中央省庁経験者は、理事長、理事三名、非常勤監事一名の計五名でございます。ただ、そのうち理事二名は現役出向者でございます。したがいまして、現役出向者を除く中央省庁経験者三名の最終官職でございますけれども、理事長は元科学技術事務次官、理事は元国税庁国税不服審査所次長、非常勤の監事が元大蔵省主計局司計課課長補佐でございます。
 報酬月額につきましては、原研の給与規程に基づきまして、理事長が百二十二万六千円、理事が九十一万一千円、非常勤監事が四十七万七千円となってございます。
 それから、役員が使用する公用車でございますが、全役員共用として三台保有してございます。この公用車は、主に東京周辺での会議等において必要な場合に利用していると、あるいは茨城地区への出張と、こういうものに使ってございます。
 それから、役員が交際用等に使用すると認められております認可予算額につきましては、役員総額で七十一万五千円、これは平成十七年度上期分でございますけれども、これ一名当たりにしますと約六万円程度ということでございまして、その使途は、名刺あるいは就任あいさつ状等の経費という形で使用してございます。
 それから、予算関係でございますけれども、日本原子力研究所の予算につきましては、平成十六年度で九百四十一億円、それから平成十七年度は上半期分として五百三十三億円でございます。そして、そのうちの執行額といいますか、その内訳としては研究費四百九十二億円、施設整備費百六億円、人件費二百七十億円等々でございます。また、平成十七年度上期分についても、研究費が百七十一億円、施設整備費が百二十九億円、人件費が百三十億円等々でございます。それで、平成十七年度の下半期分につきましては、核燃料サイクル開発機構と統合いたしますので合計額でございますが、予算額といたしましては九百四十八億円でございます。そのうちの運営費交付金は七百六十七億円ということでございます。
 それから、独立行政法人の評価委員会についての委員からお尋ねございましたが、本年十月一日から日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構が統合いたしまして、独立行政法人日本原子力研究開発機構が設立をされます。この法人の業務の実績等につきましては、主務省でございます文部科学省に設置されております独立行政法人評価委員会において評価されるところでございます。
 その当該委員会への委員の謝金につきましては、委員手当という形で、文部科学省の規定に従いまして文部科学省が適切に支払うということとなってございます。その額につきましては、委員長については日額二万五千二百円、委員につきましては日額二万一千八百円、臨時委員、専門委員につきましては日額一万九千七百円という形になってございます。
 その評価の公平性ということでお尋ねございましたけれども、先ほど御答弁申し上げましたように、委員手当につきましては文部科学省が支払うということでございまして、評価の公平性ということにつきましては問題が生じるとは考えてございません。
 それから、最後でございますが、日本原子力研究所の委託事業関係でございます。
 日本原子力研究所におきましては、自ら研究を実施することが困難な場合、あるいは他の研究機関の有する知見等を活用することで研究が効率的あるいは効果的に実施することができると、こういった場合には委託による研究調査等を行ってございます。平成十六年度におきましては、日本原子力研究所の委託研究及び受託研究の件数は合計で九十二件ございます。このうち、御質問の契約金額が最も高い契約につきましては、株式会社の三井造船に対しまして流動鉛ビスマス制御システムに関する研究という事業を委託してございます。この契約金額につきましては一億二千二百七十六万円ということでございます。
 以上でございます。
#63
○国務大臣(中山成彬君) 電源特会の在り方及びその使い方についての御指摘がございました。
 漁業補償とかいろんな例を挙げられたわけでございますけれども、やはり一般的に事業の効率化等を進めると、そして適正に予算を執行する、これは一般会計、特別会計に限らず基本原則だろうと、このように考えるわけでございますけれども、政府の特別会計全般の見直しの議論もあるわけでございまして、そういった議論を踏まえて、事業の不断の見直しと、そして予算の適正な執行の確保ということについてもしっかりと取り組んでまいりたいと、このように考えております。
#64
○下田敦子君 どうもありがとうございました。
#65
○委員長(亀井郁夫君) ありがとうございました。
 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩といたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#66
○委員長(亀井郁夫君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#67
○那谷屋正義君 民主党・新緑風会の那谷屋正義です。
 午前中の下田委員に引き続きまして、民主党が党を挙げて取り組んでおります政府関連法人の改革問題の一環として、本日は文科省所管の独立行政法人日本学術振興会につき、期待された改革の進捗状況についてお尋ねをいたします。
 本題に先立ちまして、今や不幸な恒例事ともなってきた感もありますが、大臣の去る七月十日の従軍慰安婦にかかわるメール紹介の真意について、一点だけただしておきたいというふうに思います。
 報道では、自分が発言すれば良からぬ誤解を招くというまくら言葉を振られた上で、従軍慰安婦の用語に関して、一部の日本人が自虐的に戦後作った言葉であり、イメージの悪い言葉を作って殊更悪事のように騒ぐのはなぜでしょうという内容の、つまりは中山大臣の御持論を支持する方のメールを紹介したと伝えられています。
 私がこの問題にかかわり、本委員会において教科書の検定結果に最終責任を持つべき中山大臣が放言されることは文科行政の自己否定に等しいと指摘をさせていただいたのは、七夕の日でありました。余りに近接しているため、またもやなぜなのかという思いも深まるところでありますけれども、今日のところは時間的な制約から見送らざるを得ないことは残念でなりません。
 ただし、どうしても看過できないのは、紹介の中に、従軍慰安婦が戦地にある不安定な男の心をなだめ、一定の休息と秩序をもたらした存在と考えれば、プライドを持って取り組むことができる職業だったという言い方もできるという趣旨のくだりまで触れられた、二〇〇五年現在の文科大臣としてのその人権感覚であります。慰安婦として強制的に従軍させられた方々が戦後いかに辛酸窮まる人生を歩まざるを得なかったのか、この償い難い真相を知る立場にあるのが、繰り返しになりますが、今現在の文科大臣ではないでしょうか。
 子供たちの人格形成に大きな責任を有する教育行政を統べるとの矜持が少しでもおありならば、弁解しようのない蒙昧な見解の紹介であったと謝罪すべきだと考えます。謝罪の意思がおありかどうか、その一点に限って確たる答弁を求めます。
#68
○国務大臣(中山成彬君) 私の七月十日の福岡におきます講演におきまして、六月のタウンミーティングでの私の発言に関する質問がございまして、これに答える形でカナダ在住の日本人の女性の留学生からのメールを読み上げたのは事実でございますが、これは、若い人もそれぞれに自分でいろいろと勉強して考えているということを御紹介したかっただけでございまして、文部科学大臣としてこの問題についての見解を改めて述べたものではございません。
 なお、いつも申し上げておりますが、慰安婦の問題につきましては、政府としては、これまで慰安婦として心身にわたりいやし難い傷を負われたすべての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを繰り返し申し述べてきているところでございます。私自身も、戦後すぐのころでございますから、そういった方々を見ているわけでございまして、政府の一員として同じ認識であることを御理解いただきたいと思います。
#69
○那谷屋正義君 この委員会での大臣のそういう答弁で、私も、うんそのとおりではないかというふうにいつも思って安心をするところでありますけれども、その直後に様々、タウンミーティングというのはすごく大事でいいことだなと思うんですが、そういう中で、今紹介をされただけだというふうなお話があったんですが、その後のやはりそのコメントですよね。戦地にある不安定な男の心をなだめ云々というこのくだりがやはりちょっと、これで教育、特に人権教育というのも今盛んに言われていますけれども、そうしたことに責任を持たれる、あるいはそれを推進される立場の方がそういうコメントを述べられていいのかなという、もう本当に何でなんだという、そういう思いしか伝わってこないというところが残念なんですが、(発言する者あり)メールがそういうふうになっていたわけですね。それを紹介された、メールの中身ということですか。
 いずれにしても、こういう委員会の中で大臣がそのようにお答えいただくということに対して、その都度、私も本当に是非そうしていただきたいと、その形で頑張っていただきたいというふうに思うわけでありますが、マスコミ等を通じて入ってくるものの中には本当に残念なことが非常に多いということ。このことが、真の教育改革というのが今求められていますけれども、それをつかさどっていかれる立場の中にあって非常に障害になるであろうというふうにも思いますし、私も是非それを、そういったことがないようにこれからも是非よろしくお願いをしたいというふうに思うところでございます。
 そのことを今、中山大臣にしっかりと御認識をされることを強く求めた上で、本題の独法化以降のいわゆる日本学術振興会、学振の在り方、役割についての質問に移りたいと思います。
 私自身、独法化の意義とは、公益性の最大限の発揮へ、無駄、無理、むら、そうしたものを排するという目的意識に基づく、あるべき企業性とのベストミックスを図ることに見いだされるべきだというふうに考えてきたところです。正鵠を射ているか、心もとないところでございますが、この命題、定理に沿い、以下端的にお聞きしていきます。
 まず、大学等における学術の進展に資する研究支援事業を根幹とする学振において、独法化によって生まれた国民的なメリットとは、その例示を含めてお答えいただければと思います。
#70
○政府参考人(清水潔君) 日本学術振興会の独立行政法人化によりまして、第一に、理事長のリーダーシップにより弾力的、効率的で柔軟な事業運営が可能になったこと、第二に、目標、計画、評価のサイクルが組み込まれることによって、その使命、役割の自覚に立った事業運営の徹底と国民や社会に対する透明性の向上が図られることになったものと認識しております。
 このことによりまして、日本学術振興会におきましては、学術に携わる研究者等の主体性と創造性を生かした柔軟な事業運営、例えば、第一線の研究者で構成される学術システム研究センターの設置、あるいは我が国初の全学問分野を対象とした優秀な若手研究者に対する顕彰制度である日本学術振興会賞の創設などが行われたところであります。
 また、科学研究費補助金の審査、配分、二十一世紀COEプログラム等の審査を受託し、研究者の意見を十分くみ上げつつ信頼される審査体制の構築を目指すなど、研究者のみならず、社会、国民に顔の見える法人として学術の発展に大きな役割を果たすべく努力しているというふうに認識しているところでございます。
#71
○那谷屋正義君 是非そのような形で今後ともますます発展するべく、機関ではないかというふうに思っているところでありますが、巷間よく言われるところでありますけれども、単年度予算主義に付いて回らざるを得ない弊害の一つであるいわゆる駆け込み費消、つまりは無駄遣いの典型ともなっている年度末期の支出割合に関連して、顕著な増加傾向は学振においても見られるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
#72
○政府参考人(清水潔君) 日本学術振興会の平成十五年度決算におけます三月末期の支出割合でございますが、決算総額千百四十二億円のうち三月末期には四十九億円、四・三%というふうな状況でございます。
 学術振興会として、私どもの認識といたしましては、適切な経費の支払が実施されており、御指摘のような年度末に駆け込みの費消が行われているというような傾向が見られるとは考えておりません。
#73
○那谷屋正義君 いわゆる科研費ということの性質から考えれば、年度末というよりも、むしろ年度初めにそうしたことが、大きく支出割合は増えるんではないかというふうに考えるところでありまして、今のお話を伺ってなるほどなというふうなところは思いました。
 次に、学術振興の総本山と自負する学振でありますけれども、それに符牒を合わせるかのように、いわゆる独法化以降において歴代トップ、いわゆる理事長でありますけれども、に事務次官の方が就任をし、かつ理事にも文科省OBが就任してきた経緯がございます。まるで次官等の指定席にもなっているようにも見えるわけでありますけれども、この構造が望ましいはずもございません。新進気鋭の若手研究者等の活動を支援するためにある学振の在り方からしても、前歴にとらわれることなく適材適所が貫かれるべきだと考えますが、確たる答弁をお願いいたします。
#74
○政府参考人(玉井日出夫君) 日本学術振興会の人事に関してでございますが、まず独立行政法人、それから特殊法人の長の人事につきましては、固定的に事務次官OBを登用することはしないとの政府の方針を踏まえながら、法人の設立目的等に即して適材適所の考え方に基づいて適切に対応しているところでございます。
 日本学術振興会についての御指摘でございましたけれども、振興会は昭和四十二年の設立以来、現在までで十人の理事長がいるわけでございますが、そのうち事務次官経験者は四人でございます。いずれも適材適所の考え方に基づいて人事を行ってきたものであり、事務次官OBのポストとして固定化しているというものではございません。なお、理事にも現在文科省出身者が一名おりますけれども、これは現役出向者でございまして、OBという形で入っているものではございません。そのほかの理事はそれぞれ学者、大学の出身者等でございまして、文部科学省OBということではございません。いずれにせよ、独立行政法人、特殊法人の役員人事につきましては、官民の出身者をいずれかに偏ることなくバランス良く適材適所で登用するというのが政府の方針でございまして、これを踏まえながら適切に対応をしているところでございます。
#75
○那谷屋正義君 ありがとうございます。
 学振のいわゆる事業の柱の一つに、海外といいますか、学術の国際交流というふうなものがあるかというふうに思いますけれども、そしてその拠点ということで様々、世界のところの中に海外研究連絡センターというものがあるというふうに聞いていますけれども、IT革命が地球規模で進展する中で、海外研究連絡センター、これ九か所というふうに聞いていますけれども、その役割は一体何なのかということ、それからまた、その役割についての政策評価はどのようになっているのか、併せて明快な答弁をお願いいたします。
#76
○政府参考人(丸山剛司君) 今先生御指摘のように、日本学術振興会の海外研究連絡センターにおきましては、御指摘のようにITを利用した単なる連絡では対応できない様々なフェース・ツー・フェースによる学術の国際交流のための活動を行っております。
 具体的に申し上げますと、日本の先端的な研究活動を世界に紹介することを目的としたいわゆる先端的研究分野のフォーラムを外国で実施をすると。それから二番目としまして、この学術振興会の事業を経験して母国に帰った研究者を対象にして、いわゆる同窓会組織というようなものがございますけれども、この支援と日本との交流を更に維持、発展させるためのフォローアップ活動、こういったものをやっております。
 三点目として、一般的学術情報のほか、現地におけるいわゆる関係者等の人脈を通じてのみ取得できる最先端の学術情報の収集、あるいはさらには我が国の学術情報の広報周知、こういった具体的な活動を行っておりまして、これらはインターネット等だけでは対応できないというふうに考えております。
 それから二点目の評価の問題でございますが、文部科学省の独立行政法人評価委員会におきまして年度ごとに業務実績の評価を行っております。各項目について実施しておりますが、今先生御指摘の国際交流のこの海外研究連絡センターにつきまして、四項目について評価をし、全項目についてA評価をいただいているところでございます。
#77
○那谷屋正義君 その九か所の散在といいますか、場所ですね、それに偏りがあったりとかする、あるいはこれからまだ、そこへ、置いておきたいところとか様々あるんではないかというふうに思うわけでありますけれども、是非今の政策評価を中心に、今後ともそういうふうなことが発展すればというふうに思うわけでありますけれども、よろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、科学研究費補助金、いわゆる科研費についてでありますけれども、その審査は、学振内に設置をされました学術システム研究センターから委嘱をされた各分野の研究者が担当されているというふうに聞きます。これが今現在総勢四千七百人というふうに聞いていますが、その方たちの献身的とも言える審査活動があるにもかかわらず、実はその行き先が旧七帝大グループや有名私大に科研費が集中する結果に対する根強い批判も散見されるところであります。その要因には、科研費の採用審査に当たる審査員の絶対数不足があるのではないでしょうか。審査員数の適否について確たる答弁をお願いいたします。
 また、一定水準に達している、あるいはその到達見込みがある気鋭の若手研究者を育成するという学振の本義に立ち返るならば、科研費の一定割合を優先的に地方小規模大学に割り当てるいわゆる均てん化方策なども追求されてよいのではないかと考えますが、見解をお願いいたします。
#78
○政府参考人(清水潔君) 第一点目は、審査員の増員の適否についてのお尋ねでございます。
 御案内のように、科研費の応募件数は現在十一万件を超えるというふうな中で、適正な審査を進めるためには一定規模の審査員の確保という、そしてそれぞれの審査員に過度の負担が掛からないようにということが基本的なポイントであるということでございます。
 平成十年から今年度までの審査員数の変化でございますと、平成十年度約二千人から約四千七百人、このほか本省分がございますが、約、それに千百人がプラスされます。というと、大幅な増員が図られてきておりまして、一人当たりの審査件数は、例えば基盤研究費について言いますと、平成十一年度百八十三件から平成十七年の九十七件へというふうに減少しております。
 審査員をどう確保するかというのは、数の問題もございますけれども、審査員として適格な方をお願いするというのもまた別なポイントでございます。こういう規模、質、それぞれのバランス、両面のバランスを踏まえた上で具体的にそれぞれの審査体制としてどのような規模の審査員をお願いするかという点について、学術振興会においてその状況を見ながら適切に判断されるべき事柄ではないかというふうに考えております。
 第二点目でございます。一定割合を優先的に割り当てる均てん化方策についてというお尋ねでございました。
 これは科研費の趣旨にもかかわる話でございますけれども、科研費は言うまでもなく、私から申し上げるまでもないわけではございますけれども、人文社会科学、自然科学すべての分野にわたって、基礎から応用までのあらゆる学術研究を対象に、しかし、そして大学のみならず研究所、企業の研究者も対象として、基本的にはサイエンティフィックメリット、学術上の基準というものを基に支援を行う。そういう意味で、我が国の研究基盤を形成するための基幹的な経費、研究経費と思っております。
 したがいまして、例えば地方大学でありますとか、小規模とか、特定のものが帰属している機関の属性に応じて優先的な配分を行うということについては、このような科研費の趣旨からいうといささかなじまないのではないかというふうに考えております。
#79
○那谷屋正義君 この科研費というものの存在がどのぐらいの国民の方々が知っているかという問題にもかかわってくるかというふうに思いますけれども、趣旨は趣旨として分かりますけれども、その底辺を広げるということについても、どうしたらそれが実現できるのかということについて是非御検討というか、研究していただけたらということをお願いしておきたいと思います。
 次に、不正使用、科研費の不正使用、受給等の実態がどの程度明らかになっているのかという観点から、今日は皆様に資料を配付させていただきました。ここに挙げられた件数及び総額の推移等をどのようにとらえられていらっしゃるのか、お答えいただけたらと思います。
#80
○政府参考人(清水潔君) 私どもといたしましては、科研費の不正使用等につきましては、そういうことがないようにルールの徹底を図り、指導を行ってきたところではございますけれども、このような不正受給、不正使用の事案が絶えないということは遺憾に思っておるところでございます。
 不正使用に関しましては、ルールをより明確化するという観点から、平成十六年度から、使用について各研究機関が行うべき事務の内容を定めた機関使用ルールを、そしてそこにおける不正使用の疑義のある補助事業等についての調査の実施など、機関が行うべきことを義務としてお願いしておるわけでございます。
 先生が御指摘になりました不正使用の件数は十六年度にとりわけ急増しておるわけでございます。これら件数の増加は、いわゆる補助金の適正使用についての意識が高まり、研究機関において過去に行われた不正の実態把握が進んだ結果でもございますけれども、特に十六年度に関して申し上げれば、これまで類を見ないような特定の大学において不正受給、不正使用が行われたということによるものでございます。
#81
○那谷屋正義君 十三年度一件、十四年度四件、それから十五年度もそうですね、それで十六年度が七件というふうに増加をしているということと、十六年度には何と五億もの、五億五千万の金額が不正使用されたというふうな状況になっているということで、この額あるいは件数が多いのか少ないのかという問題は当然あるわけでありますけれども、限りなくゼロに近くなるように今後とも努力をされるべきではないかということを指摘をさせていただきたいと思います。また、このことは、いわゆる氷山の一角とまでは言わないまでも、全体像を示すものではないことは常識の範囲ではないかと推察をするところであります。
 他方で、不正使用等の実態解明に関しては、内部告発以外に有効な手だてがないというふうにも考えられるわけであります。研究者等に対する絶対的な信頼があって初めて成り立つ科研費事業でございます。この不可侵の条理を逸脱する行為の根絶に全力を挙げるためには、内部告発者等の実効ある保護策は喫緊の課題ではないかと考えるところでありますが、具体的な策がおありかどうか、お聞きしたいと思います。
#82
○政府参考人(清水潔君) 科研費の不正使用の実態の解明に当たっては、私ども、各研究機関に調査を指示し、その調査結果に基づき厳正な対処を行っていると、こういうふうな流れでございます。
 その調査の端緒として、概して内部告発による場合が少なくないことは正に御指摘のとおりでございますし、そういう意味で内部告発者の保護は重要な問題であるというふうに認識しております。
 調査に当たりましては、研究機関に対し、内部告発者の人事上、職務上の不利益が生じないよう、適切な対応を求めるところでありますし、今後ともそういう点にも留意しつつ、適切な対処をしてまいりたいというふうに考えております。
#83
○那谷屋正義君 時間に押されてまいりましたけれども、もう一歩進んで、いわゆる不利益等を受けていないかどうかのフォローアップをするとともに、例えば学振内に相談窓口を設けるなど、是非万全の体制をしくなど、改めて強く要請しておきたいというふうに思います。
 次に、使い残しが発生した際の対応として、やむを得ない事由がある場合は〇三年度実施分からようやく繰越しが認められるようになっています。これ自体、一定の前進と評価し得るところでありますが、ただし、これによって研究者等が真に望む使い勝手が確保されたと言い切れるでしょうか。不正使用等には厳罰主義で臨むことを前提に、創意に富む研究活動の活性化等を第一義とする見地からすれば、改善点はいまだ残されているのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#84
○政府参考人(清水潔君) 科研費につきましては、これまで様々な形で研究の実態に即した使いやすいものになるようにという努力をしてきたつもりでございます。
 例えば、具体的に申し上げますと、科研費の使用におきましては、直接経費の三〇%の範囲内で経費の使用内訳の変更は可能でございます。それから、旅費においては外国旅費の使用制限は既にございません。それから、謝金においては直接経費で研究支援者の雇用を可能にしております。それから、研究場所を借り上げるための経費の使用、あるいは成果発表のための学会誌投稿料、ホームページ開設経費の使用を可能にしております。また、研究費目自体を大ぐくり化にした執行の弾力化などを図っておるところでございます。
 御指摘の翌年度への補助金の繰越制度については、実はまだ御指摘のとおり始まったばっかりでございます。平成十五年においては二十四件三千七百四十六万、平成十六年において十件二千四百十八万円の実績にとどまっておりますけれども、今後、同制度の運用例を積み重ねることによってその定着をどう図っていくか、そしてその実態を十分踏まえた更なる改善に向けて私どもとしては積極的に取り組んでいきたいというふうに考えておるところでございます。
#85
○那谷屋正義君 もう時間が参りましたのでこれで終わりにさせていただきたいと思いますが、まだ本当は、研究資金配分における役割ですとかあるいは資金配分機関が独法である必要性等々についてお尋ねをしたいところでございましたけれども時間がございませんのでこれで終わりたいというふうに思いますが、先ほど午前中、荻原委員の方からありましたように、いわゆるスポーツマン精神あるいはフェアなというふうなこと、これがやはり今限りなく求められている、国民に求められているんではないかというふうに思うわけでありまして、そうしたことを踏まえて今後とも運営、経営をよろしくお願いしたいというふうに思うわけであります。
 これで終わります。
#86
○西岡武夫君 冒頭に、アスベストの問題につきまして御質問申し上げます。
 実は私、年数が定かでないんですけれども、昭和四十年代の後半から五十年辺りにかけてアスベストの問題が初めて世界的に問題になりましたときに、当時、私もちろん与党でございましたけれども、当時は国公立、私立についてはそのときの手当てはした記憶はないんですけれども、少なくとも公立学校の施設整備費を使ってとにもかくにもアスベストの撤去をやるべきではないかということで当時の文部省と話をいたしましてその作業に入ったという記憶がございます。
 私が特に記憶が鮮明なのは、アスベストが非常に毒性が強いということで、これを取り除く作業をする方の健康がどうなるのかなということも当時私は注意しなきゃいけない問題じゃないかということを文部省に申し上げたことが特に記憶に残っておりまして、この問題が今回非常に大きくクローズアップされてきまして、学校はあのときに取り組んでいたから大丈夫だ、良かったなと思っていたところ、数日前から、特に一か所だけが特に大きな問題になってテレビにも報道されておりますけれども、東京都の北区の王子第五小学校のアスベストの撤去作業というのが大々的に報道されておりまして、これ一体何年に造られた学校なのかなというふうにまず疑問に思ったわけでございますが、突然質問いたしまして申し訳ないんですけれども、お分かりでしたらば年代を教えていただきたいと思います。
#87
○政府参考人(大島寛君) 今御指摘の北区王子の学校についてでございますけれども、昭和四十一年から昭和四十六年にかけて建設された建物でございます。
#88
○西岡武夫君 それでは、私の記憶からいいましても、ちょうどこの問題が起こるぎりぎりのところで建設されたということだからなるほどと思いましたけれども、しかし、その後、今申し上げたようなことでかなり早い時期に当時の文部省は取り組んだはずですし、私もそれは確認をしたわけでございますけれども、しかもその後、かなり遅れてですけれども、昭和六十二年になりましてから、正式にアスベスト対策として、国庫補助としては三分の一という国庫補助率ということで制度がスタートを正式にしています。
 いろいろな、文部省、当時の文部省の予算の使い方については私も事細かにかかわってきた経験がございますので、臨機応変に緊急の場合にはいろいろやるというようなことをやってきていただいたわけでございますけれども、一体どういうことでこれから調査しなければならないというような大問題として文部科学省として取り組まなければいけないというような状況になったのか。
 当時、当時のことをきちんとやっていれば、学校はほとんど、今の問題になっている北区の王子第五小学校を始めとして撤去されていると思うんですね。私の当時の記憶では、体育館とか音楽室ですか、そういうところが大体中心で若干使われているというようなことで、ということだけ記憶をしているんですけれども、今からまた何か調査されるということですけれども、その後全然ほったらかしてこられたということなんでしょうか。
#89
○政府参考人(大島寛君) 今、委員御指摘のように、本格的に補助制度が設けられたのが昭和六十二年度、御指摘のとおりでございます。その補助制度も活用しつつ、昭和六十二年、三年以降、積極的な支援の取組をやってきたという状況にございます。
 しかしながら、一方で、昭和六十二年は一度調査をやりまして、当時の非常に毒性が強いと言われていた、危険性の高い三品目、三種類のものについて一度実態調査を行って、どの程度の影響があって、これはどのくらいの支援しなきゃいかぬということの大勢をつかむために調査をして、これを基にして先生御指摘の補助制度ができ上がったというのがその当時のまずスタートでございます。その後、しかしながら、いわゆる危険な品目というものがその後判明して、昭和六十三年には更に全部で二十三商品が判明したという状況になりまして、これらについても更に指導徹底を図って周知しながら、これについても取り組むように、それを求めてきたということがございます。その後、アスベストに関しては段階的な規制が、あるいは御承知かもしれませんけれども行われてきて、平成七年、とうとう次々と規制が来たという状況にございます。
 で、翻って、先ほどの補助制度を活用して公立学校等についての改善はどの程度進んだかといいますと、それについてはこれまで一千一校、これがそれを活用して改善をなされたと、こういう状況にございます。
 その間、一方で自治体も、先ほどの北区のように、自ら自分の財源を使いながら改善を継続的にやってきたというようなこともございまして、それなりの取組が進められてきたというふうに理解しているわけでございますが、最終的にじゃどの程度まで全部進捗しているかという状況については調査をしておりませんので、そこは把握してございません。近年の補助の申請の状況というのが極めて減少しているということから、相当程度済んだというものはつかんでおったわけですけれども、最終的な状況の把握はないということで、昨今の社会問題化した状況を踏まえて、ここできちんと全体の状況を把握して改めて全体、状況をとらえて対策を打ちたいと、このように考えているところでございます。
#90
○西岡武夫君 この問題はこれで終わりますけれども、私はその当時、とにかくアスベストは全部撤去をすべきだということで、私自身は当時の文部省の関係の方々には申し上げてこれを進めていただいていたと思っていたわけです。
 で、これは当時は、今、白いアスベスト、茶色いアスベスト、青いアスベスト、青が一番毒性が高いというふうに言われているんですけれども、そういうことは少なくとも施設部等の皆さん方は御存じだったと思うんですけれども、御存じじゃなかったんですか。
#91
○政府参考人(大島寛君) 先生御指摘の件でございますが、まさしく青が一番危険で、次に茶で、白が比較的当時はまだ大丈夫だろうと言われていたというふうに、それは当時の段階の担当も承知はしていたと思います。
 したがって、これはそれぞれ専門としている各省庁から規制が段階的に、先ほども申し上げたように強化されていったわけですけれども、白はそういう意味では規制が比較的後まで残っていたと、そういう状況のものでございました。
#92
○西岡武夫君 これは私も、当時そこまで専門的なことが分かっていれば良かったと思うんですけれども、反省をしますけれども、アスベストを全面的に撤去しているものとばかり思っていたわけです。結局、補助制度ですから、全額国庫負担という場合には当時の文部省の責任が問われるということになりますけれども、申請がなければ、ここをやれよって当時の文部省言うわけにはいかなかったわけですね。
 ですから、そこのところがこれからお話しすることに、質問することにかかわってくるわけでございますけれども、少なくとも未来を背負う子供たちの環境にこういう状況があるということは大変なことでございますから、改めてもう何十年たってまた言うのは私自身じくじたる思いがあるんですけれども、早急に、短時間のうちに、少なくとも学校の施設についてはこれを撤去していくと、全面的に撤去するという方針で臨んでいただきたいと思います。
 大臣、よろしいでしょうか。
#93
○国務大臣(中山成彬君) 今、西岡委員のお話を聞いておりまして、本当に長い間の問題だったなということが分かりますし、その間ずっとやはりフォローしておれば、少なくとも学校関係につきましてはこういった問題にならなかったんではないかなという反省があるわけですけれども、御指摘のような補助制度の問題点もあるわけでございます。
 しかし、何といいましても、学校というのは子供がそのほとんど、一日のほとんどを過ごすところでございますし、安心して学び生活できる場でなきゃいかぬということでございます。このように社会問題になっていることもございますし、今、地方の方も非常に関心を持って取り組んでおりますから、私たちもそれに対応してしっかりやっていかにゃいかぬと、このように考えております。
#94
○西岡武夫君 そこで、小泉政権が誕生しましてから我が国の教育行政がもう様変わりに変わりつつあるわけです。
 で、大臣、これは大臣の責任ということを申し上げるわけにいかないんで、歴代大臣も小泉内閣になってから大変な苦労をしてこられたんだということは承知をしているわけでございますけれども、文部科学省として、教育行政については、特に義務教育について国がまず責任を負わなきゃいけないと、これは一歩も譲れない線であると、そういう御決意をお持ちなんでしょうか。
#95
○国務大臣(中山成彬君) こういう委員会の場でも何度もお答えさせていただいておりますが、義務教育はとにかく国の責任であると、こういう認識を持っております。
 しかし、一方では地方分権の流れもあるわけでございまして、その地方分権の流れとこの義務教育は国の責任であるという考え方の中で、いかにして私たちは国の責任を果たしていくかということについてしっかりとした考えを持ってやっていかにゃいかぬと、こういうふうに考えております。
#96
○西岡武夫君 私が属しております民主党の中にもいろいろな意見がありまして、必ずしも私の質問は民主党を代表する質問ということにはなり得ないと残念ながら思っているわけでございますけれども、私は、特に義務教育については、高等学校の改革も含めてでございますけれども、そうなりますと高等学校ということもなりますが、学制改革を早急にやるべきであるということをここもう三十年近く言い続けてきておるんですけれども、文部科学省の責任で義務教育は行われるべきであるというふうに考えています。
 今大臣がおっしゃった、その地方の時代、地方分権というのは事柄によると思うんですね。例えば、今のアスベストの問題もそうですけれども、これがもし全面的に国が義務教育について責任を負うという、建物も含めてという制度になっていたならば、正に一元的にこの問題は責任の所在が明らかであり、問題が提起されたことがそのとおりに進んでいたと思うんです。
 ところが、地方の自治ということと、義務教育に国が責任を持つということを両立させようとするかのごとく、どうも文部科学省はそこの何か調和を取ろうというような考えで妥協しようとしておられる姿が、今まで歴代大臣、総理が総理ですからしようがないんでしょうけれども、その下でかいま見られるというよりも、あからさまに見えるわけですね。ところが、私はこれは大きく間違っているというふうに思うんです。
 むしろ、今の例えば地方の教育委員会制度というものも、今のままならば、これ地方自治と本当に言えるんだろうかと。皆様方、それぞれの地元の議員、地元の状況を議員の方々がごらんになっておられて、教育委員長という方がどういう方がなっておられるか御存じだと思うんです。すべて、ほとんど教育長に任せられているという実態であって、そして教育委員会制度というのは実は形骸化していると、事実上。これは、教育委員会の中には、いや、そうじゃないという方もおられるかもしれませんけれども、何といっても非常勤ですから、非常勤の方々が責任を全面的に一〇〇%負えるという状況でないことはこれは分かり切ったことですので、そういう状況の下で、地方自治とは、教育に関する地方自治とは何なのかという問題の整理がきちっと行われなければいけないと私は思うんです。
 この教育委員会の制度の問題についてお話をいたしますとまあこれだけで持ち時間終わってしまいますから、問題提起として一つの例として申し上げますけれども、最近、中核都市には人事権を、教職員の人事権を与えていいという方向に文部科学省としてはなっているというふうに承っておりますけれども、これは事実でしょうか。
#97
○国務大臣(中山成彬君) 教職員の人事権の在り方につきましては、ただいま中教審の義務教育特別部会で審議がなされているところでございますが、現在までの議論で見ますと、人事権を市町村に移譲する方向で見直すことを検討することが適当であること。現在の市町村の事務体制で人事関係事務を処理できるか、離島、山間の市町村を含め県域で人材が確保できるかにも留意すること。当面すべての中核市に移譲し、その状況を踏まえつつ、特例市などその他の市町村への人事権移譲について検討すること。人事権の移譲に伴い、都市部と離島、山間部等が採用や異動において協力し、広域で一定水準の人材が確保されるような仕組みを新たに設けることが不可欠であることなどの意見が出されておるところでございまして、中教審におきましては、今後、広く国民、関係団体等の意見を聴きながら更に議論を深めることといたしておりまして、文部科学省といたしましても、この中教審の議論を踏まえつつ、教職員人事権の市町村への移譲について更に検討してまいりたいと考えております。
#98
○西岡武夫君 私は、実は、中教審の御意見というのは大切にしなければいけないと思っておりますけれども、中教審に問題を丸投げしてしまって、そして文部科学省としてどういう考えを持っているのかということを全くその姿を消してしまって、中教審で答申が出て、それを文部科学省は実行するというやり方は、私はちょっと無責任ではないかというふうに思うんです。私自身はそう考えております。
 文部科学省としては、文部科学大臣としてはこの問題についてはこう考えると、これについてどう考えられるかと。あるいは、実施した場合の具体的な手段、方法、手順等について、内容について専門家の皆様方はどうお考えかという、そういう諮問の仕方をして中教審の意見を求めるということが私は正しいと思うんですけれども、これについてはどうお考えでしょうか。
#99
○国務大臣(中山成彬君) 今、中教審で議論されている状況等について今御説明したところでございますが、私も西岡先生と同じ九州、過疎といいますか、そういったところも抱えている県でございますので、この教職員の人事権をそのまま市町村に移譲することについて果たしてどうか。
 大臣になる前はできるだけその方がいいんじゃないかと思っていましたが、非常に小さな町村もございます、へき地もございます、そういった中で優秀な教職員をいかに確保し、またその際、人事異動とかそういったものを含めてどのようにした方がいいかなということになりますと、これはまた非常に難しい問題があるなと、こう考えるわけでございまして、一方では、できるだけ先生方が子供たちといいますか地域に密接にいてほしいと思いますし、また、できるだけ広い視野の先生方も必要だと、ある程度の広域の人事異動も必要かなと、様々なことを考えるわけでございますから、方向としてはその人事権というのはできるだけ地方の方に渡していくということだろうと思いますけれども、その中で、しかし果たしてそれでどうなるんだろうかということについてはこれは十分研究していかないかぬなと今思っていまして、そういったことにつきまして今専門家の方々に御議論いただいているところでございます。
#100
○西岡武夫君 大臣、お言葉ですけれども、もうお分かりだと思うんですね。私は、事義務教育について、教職員のその人事ということを、都道府県に人事権を持ってもらうということにした理由は、一つの県の中で、私は長崎でございますから離島が多いわけです。長崎、中核都市である私が住んでおります長崎市の視点で見れば、大体、長崎市在住の先生ということになると、二二%ぐらい、教職員の数、希望の数の方が多いんですね、教職員の数が。そういう方々を特に離島等に必ず行ってもらうということにして長崎県の学校というのは成り立っているわけです。
 ほかの県もいろいろ調べてみなきゃいけないと思いますけれども、一番正確な私の地元の数字で申しますと、例えば国境の島であります対馬、これは六か町で成り立っていたんですけれども、つい最近、町村合併、市町村合併で対馬市という市になりました。この対馬市に在住の教職員は五五%。要するに、長崎県全体として人事異動を行って初めて成り立っているわけですね。これは宮崎も多分そうだと思うんですね。全国至るところにそうだと思うんです。
 例えば、大変恐縮ですけれども、経済財政諮問会議の委員の皆さん方のように、民間の、東京に住んでいて、そして東京ばっかり見ていて地方のことは分からない方が、やれ地方分権だ、地方分権だという旗を振って、教育の現場というものを全くお分かりになってないと、こういう今の政治の状況というものは私はおかしいと思うんです。
 したがって、大臣としては、やはりこのことについては自信を持って、地方分権論者もこの委員の中におられるのかもしれませんけれども、実際問題として、市町村単位に人事権が行けば、私はもう離島の教育なんて成り立たぬと思いますね、へき地の教育は。
 これについてはどうお考えですか。
#101
○国務大臣(中山成彬君) 私の地元の宮崎県も同じように、へき地に何年か行ってまた帰ってくるという、こういうふうなシステムで県全体として人事は回しているというのが実情でございます。
 そういったものを見ますと、私のおります宮崎市は、確かに宮崎だけで完結した人事ができると思いますけれども、そうなりますと、へき地の方は一体どうなるんだということになるわけです。しかし一方では、そういうへき地に、例えば宮崎の方から駆けていくとかいう先生もいらっしゃいまして、もう子供たちと接する時間というのは全くなくなっているというふうな話もあるわけで、そうなりますと、何といいますか、広域行政というんでしょうかね、消防なんかそうなっていますが、そういったグルーピングでもってやりながら、そのグルーピングごとの交流等もやるとか、いろんな形は考えられると思いますけれども、もう御指摘のように、市町村、特に町や村、これで完全に完結した人事をやれと、採用から含めてやれというのは、これは、なかなかこれはもうできないことであろうと。
 これは、もう私も西岡先生と同じように、地方の立場、地方の目で見ておりますと、地方分権、地方分権といいましても、なかなかそれを受けられない実情があるということはしっかり私は認識しているつもりでございます。
#102
○西岡武夫君 これはもっと細かい数字も申し上げて議論したいところでございますけれども、この教職員の問題に絡みまして、最近、これはどこの審議会か懇談会か知りませんけれども、学校の先生に仮免許証を与えるという、何か答申じゃない、意見書でしょうか、それをちらっと私、マスコミ、新聞を通じて見たんですけれども、これはどういうことでしょうか。
#103
○政府参考人(銭谷眞美君) 現在、規制改革・民間開放推進会議でいろいろと御議論いただいている中で、そういう教員の仮免許状という議論もなされているということは承知をいたしております。
#104
○西岡武夫君 大臣、まさか仮免なんというのを教職員の免許の中に創設するなんという、そういうとんでもないお考えはないでしょうね。
#105
○国務大臣(中山成彬君) そういう意見があることは聞いておりますが、私は歯牙にも掛けておりません。
#106
○西岡武夫君 大臣が歯牙にも掛けてないとおっしゃいましたので安心いたしますけれども、最近、歯牙をかいくぐっていろんなことが行われているようでございますから、どうぞ、きばを研いで立ち向かっていただきたいと思います。
 と申しますのは、学校の先生のその資格というのは、教壇に立った時点で、生徒の立場からしますと、どんなに長い先生も、今日から教壇に立った先生も先生なんですね。それだけ先生大変だなと私は思うんですね。
 その場合に、私はかねがねこの委員会でも申し上げておりますけれども、学校の先生の資格というものを、修士課程の卒業というものを前提にして、二年間延びますから、その間、教育実習の期間を、まあできれば一年、一年が長いというのであれば半年でも、現場で例えば副担任とかいろんなやり方でやって、そこで本人もまた、半年も一年もやれば本人もまた、その学校の、実習生を受け入れた学校の教頭や校長あるいは先輩の先生がいろいろ見ておられて、教師としての適性というものも分かってくる、そういう制度に変えなきゃいけないと私は思っているんです。
 そうすればこういう、多分仮免というのは、その途中でどうも教師として不適格かもしれないということでいつでも免許取消しができるようにというようなことが含まれているような気がしてならないんですけれども。
 修士課程に私は早急にすべきだと思うんですけれども、そして教育実習の期間を長くすると、思い切って長くすると。これはまあ私の時代にはちょっと手を付けられなかったんで申し訳なかったんですけれども、是非大臣、お考えをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#107
○国務大臣(中山成彬君) 今、修士課程、そしてその修士課程の中で実習をうんとやるという話がございまして、私もそれも一つのいい方法かなと、このように考えております。
 ただ、先ほどおっしゃいましたように、この仮免、歯牙にも掛けないと申し上げましたけれども、ある子供の担任は仮免の先生、違う先生はちゃんと本免の先生、そんなことは考えられないわけで、だから、頭の中で、頭の体操としてはいいけれども、全く非現実的なことをまあよう考えるもんだなと、そういうことで先ほど申し上げたわけでございます。とんでもない話だと思いますけれども。
 いかにして、質のいいといった言葉が適切じゃないかもしれませんが、いい先生をできるだけたくさん確保する。そのためにはどうしたらいいんだということについては、今、西岡委員がお話ありましたことも含めてこれから十分考えていかなきゃいけない。これは、例えばフィンランドの、この前、大臣が来ましたけれども、正に向こうはそのようにしているんだと、こういうふうな話でございましたので、今後検討してまいりたいと思っております。
#108
○西岡武夫君 それでは、今、教育大学院、教育の専門の大学をつくるというようなこともちらほら出ているわけですけれども、実は私は、学校の先生を、修士を前提としても、こういう時代でございますから、十年たったらば一年間ぐらいもう一度勉強すると、そういう機関をつくるべきだと、そう考えまして、大分昔でございますけれども、まず兵庫に教育大学院大学、そして鳴門、それから上越というふうにつくっていったわけです。
 これはそういう意図でつくったわけですけれども、まあ途中でとんざしたわけでございますけれども、大臣も御記憶であろうと思いますけれども、その次、九州には鹿児島につくる予定でございました。これもなかなかうまくいかなかったんですけれども。
 別に大学、今日は大学の問題まで触れる時間なくなってしまいましたけれども、現状の大学がこういう状況であるのに新しい大学をつくるというお考えがあるんでしょうか。
#109
○政府参考人(石川明君) 今の教員の養成に関してということと理解いたしましてのお答えをさせていただきたいと思いますけれども、ただいまお話ございましたように、兵庫、鳴門、上越に教員養成のための大学ができまして、主として現職の先生方の再教育にも大変活躍をする、あるいは利用されているということでございますけれども、教員養成という観点から申し上げますと、今新しい大学をつくるというような構想は現時点ではないところでございます。
#110
○西岡武夫君 私は、独立行政法人、国立大学独立行政法人化については今なお反対し続けているわけでございますが、そこでお尋ねするんですけれども、これも大分昔の話ですが、先ほどの教職員の採用の問題と任地の、お勤めになる学校の問題との関係もあって、私はこういう提案をしたことがあるんです。
 これは教育学部だけではなくて、国立大学の定員の半分を、地元の高等学校の卒業生の枠を決められないかと。例えば宮崎大学の場合には宮崎の県内の高等学校の出身者の受験生を半分は採る、入学させると。これを、特に教育学部の場合にはそのことが必要ではないかということを、これも大分昔に提案をしたわけです。
 そうしますと、国立大学の性格からいってそれは憲法違反になるということで、私も、憲法違反になると言われながら私立学校振興助成法というのを作ったこともあるわけでございますけれども、この憲法違反の問題についてはちょっと突破できませんでいたんですが、独立行政法人になりますと、それはできるんじゃないんですか。大臣、どうお考えですか。
#111
○政府参考人(石川明君) 具体のお尋ねでございますので、私の方からまずお答えをさせていただきたいと存じますけれども、元々、大学というのは、国内的な位置付けで考えれば全国区的な性格を持つ教育研究の府であろうと、こんなふうに思っております。それからまた、大学によりましても、教育研究の内容あるいは学部構成等も違いますので、特に特定の大学について地元からとか、あるいは半分とかというようなルールでやるということの一律的な運用ということはなかなか難しい面もあろうかと思っております。
 ただ、教員養成ですとか特別な目的を持っているものについて地元の方々を優先的に例えば入学させるとかそういった枠を設けるといったようなことは、今例えば医学部などで地域医療との関係などで試みられておりますので、そういった意味では、教育関係についてもそういう方向を検討することは可能であろうかと考えております。
#112
○西岡武夫君 時間が参りましたからこれで終わりますが、検討じゃなくて、医学部認めておられるんでしょう。それなら教育学部もお認めになったらどうですか、直ちに。まだ来年に間に合うんじゃないですか。いかがでしょう。
#113
○政府参考人(石川明君) そういった問題につきましては、それぞれ大学の自主性に基づいて御検討いただくということも大切でございますので、今の先生のお話も各大学に伝えて、また議論をさせていただきたいと思っております。
#114
○西岡武夫君 終わります。
#115
○浮島とも子君 公明党の浮島とも子です。よろしくお願いいたします。本日は、文化芸術の振興についてお伺いさせていただきます。
 昨年の十一月の当委員会、また本年の三月の予算委員会でも質問させていただきましたけれども、文化芸術の振興は非常に重要かつ大切であり、公明党といたしましても、平成十三年度の文化芸術振興基本法の制定など、積極的に取り組んでまいりました。
 文化芸術の重要性は改めて言うまでもございませんけれども、豊かな心をはぐくむ、人と人との交流、また人に脅威を与えないのが文化芸術、ソフトパワーでございます。
 その文化芸術はどのようにして生まれるか。それは、人の中からしか生まれません。その意味で、文化芸術の分野において人材育成はとても重要と思います。文化芸術のつくり手としての芸術家、その母体としての受け手の層、要するに演じる側と鑑賞する側の拡大が重要でございます。この層の拡大という意味では、小さいころより文化芸術に触れる機会をつくってあげることがとても大切かつ重要であると思います。
 フランスでは、三人に一人が演劇鑑賞を趣味にしていると言われております。また、アメリカ、ニューヨークなど、週末になりますと親子でミュージカルを見たりオペラを見たり、また音楽を聴いたりと、皆さんがそういう楽しいことをすることを習慣とも言えております。
 子供たちが人格を形成するための教育、多様な価値教育、教えるだけでなく経験させる。子供たちが多様な価値観を経験する中で自分の力を感じ、考えながら価値観を形成していく。小さいころより多様な文化芸術に触れ、知識だけでなく、知識などを基に、心の反応を積み重ね、柔軟な心を養っていく。文化芸術に触れるという習慣それ自体が一つの文化であり、そのような体験、経験がないまま大人になって、大人になってから舞台を見に行こうとか音楽を聴きに行こうとなるかといいますと、なかなかそうはならない。すそ野を広げるということが大切であり、子供のときに文化芸術に触れるということがすそ野の拡大に大きな役割を果たすと同時に、自分の力で感じ、考える、創造的価値教育を目指す必要があると考えております。
 そのために私は、小学校、中学校、高等学校で最低年に一回は本物の舞台鑑賞ができるようにしていただきたいとお願いをしてきたところでございます。
 現在、文化芸術創造プランに本物の舞台芸術体験事業がございます。これは、二〇〇一年、我が党公明党がまとめた提言を主張し、実現したものでございますけれども、大変好評を得ており、もっと拡充してほしいとの声が多数寄せられております。
 そこでお伺いいたします。
 文部科学省では、現在、学校における体験学習を推進されておりますけれども、その体験学習の推進に際しても、文化芸術の分野における体験学習をより一層推進していっていただきたいと思いますが、どのようにお考えでしょうか。また、子供のときに触れるということに関してどのようにお考えでしょうか。
#116
○国務大臣(中山成彬君) 子供のころから文化芸術に触れるということは、子供の文化芸術を愛する心を育て、感性を豊かにするとともに、豊かな情操を養う上で大変重要だと、このように考えております。
 このため文化庁では、小中学生を対象として、本物の舞台芸術を巡回公演するなどの機会、あるいは伝統文化や地域の特色ある様々な文化芸術活動に継続的に触れ、体験できる機会を提供するとともに、芸術家等が学校に赴き、自らの技を披露したり、あるいは指導してもらう事業を推進するなどの施策を実施しておりまして、今お話がありましたように、参加者からも高い評価を得ているところでございます。
 現下の厳しい財政状況ではございますけれども、平成十七年度におきましても、伝統文化こども教室事業の拡充を図るなど、子供の文化芸術体験活動を推進するための施策の充実に努めているところでございます。
 今後とも、子供の文化芸術体験活動の充実に努めてまいりたいと考えております。
#117
○浮島とも子君 ありがとうございます。
 それでは、この事業で過去三年間どのくらいの公演が行われ、また全学校中何校で行われたかをお伺いいたします。
#118
○政府参考人(加茂川幸夫君) お尋ねの本物の舞台芸術体験事業についてお答えをいたします。
 この事業は、子供たちが学校や公立文化施設におきましてプロの実演家によるオーケストラでありますとか演劇、バレエ、邦楽、邦舞など、優れた舞台芸術に触れて体験する機会を設ける、確保するということで平成十四年度から実施しておるものでございます。
 十四年度から十六年度までの過去三か年における公演数を申し上げますと、この公演数は学校公演と公立文化施設公演を合わせたものでございますが、十四年度が三百十三公演、十五年度が五百二十公演、十六年度が五百十六公演でございます。また、このうち学校、特に小中学校での公演数でございますが、十四年度から三年間で申しますと、百六十九校、三百四十七校、三百五十九校という数字になってございまして、この三か年間を合計いたしますと八百七十五校になっておるわけでございます。
#119
○浮島とも子君 ありがとうございます。
 公立の学校では、小学校は二万三千百六十校、中学校は一万三百十七校とお伺いしておりますけれども、現状では、全校で最低年に一回の舞台鑑賞をするという現状には、道のりはかなり遠いという状況でございますけれども、伸びていかない理由とはどのようなところにあるのでしょうか。また、効率的に改善していくために具体的にどのような策を講じようとお考えでいらっしゃるか、お伺いいたします。
#120
○政府参考人(加茂川幸夫君) この本物の舞台芸術体験事業でございますが、子供たちが優れた舞台芸術に直接触れることができる、体験する機会が提供されるわけでございまして、私どもはこの事業の重要性を十分認識をいたしまして、厳しい財政状況の下ではございますけれども、これまでも必要な予算の確保に努めてやってきたところでございます。
 公演数につきましては、先ほど過去三か年間申し上げたところでございまして、特に十五年度から十六年度にかけては横ばいの数字になっているわけでございますが、今年度、十七年度につきましては、多様な団体に協力を求めたことが功を奏してかと思いますが、十六年度比で申しますと一八%増の六百十一公演が予定されておるところでございます。
 ここは、数を伸ばすために改善策を講じるべきではないかという趣旨の御指摘もあったわけでございますが、私どもとしましては、機動的に巡回してもらえるような、例えば先ほどオーケストラの例を申し上げましたけれども、フルオーケストラではなくて小規模編成のオーケストラ公演の協力を求めるといった効率的な実施方法の工夫もいたしておりますし、現在は学校公演単独でやっておりますけれども、現在のその巡回形式の公演、学校公演に加えまして、複数校による合同公演の実施といったことも検討してみたいと思っております。
 いろいろな工夫をしながら、こういった機会に恵まれる学校数の増加、そういったことに努めてまいりたいと思っております。
#121
○浮島とも子君 ありがとうございます。
 現場の声をお伺いしてみますと、文化庁から予算をいただいて学校公演に回る方がたくさんいらっしゃるんでございますけれども、その予算を一回に使い切らなければならないということがあるそうでございます。今もおっしゃったとおりに、効率的にその予算の中で何回か回れるように、例えば今おっしゃったように規模を小さくするなど、少しでも多くの学校に回れるように、効率的にその予算も使っていただきたいと思います。また、今回学校公演がなかなか進まないというのは、やはり今の予算の現状では十分でないということが大きな理由かと思います。
 私は、この舞台鑑賞が舞台芸術の振興という意味だけとは必ずしも思っておりません。と申しますのは、文化芸術は、単に舞台の上で演じる人だけが文化芸術の担い手であるかというと、決してそうではないからです。実際に演じている人が着られている衣装、またヘアスタイル、またメーク、舞台の大道具、小道具、照明、音響効果、そしてストーリー、脚本、そしてその舞台を全体を仕切る舞台監督、これらすべてが合わさって一つの舞台をつくり上げております。子供たちが舞台に触れることでどのように思い、また感じるか。衣装に興味を持つ子はデザイナー、色に興味を持つ子は照明、ヘアスタイルやメークに興味を持つ子はメークアップアーティストに、道具に興味を持つ子、又は設計に進んだり、音に興味を持つ子、また脚本、本を書くことに興味を持つ子、いろいろなことがございます。子供たちそれぞれが一つの公演がきっかけとなって自分自身の興味を伸ばしていく、また趣味を持つ、それが将来的な職業へとつながっていく、一人一人のやりたいことを見付ける、個性を伸ばしていく、このような役割も教育上果たしていけることができると考えております。その意味で、ニートやフリーター対策としての役割も果たすのではないかと考えております。
 子供の文化芸術体験活動の推進、また学校における体験学習について、予算を更に手厚くして増額していくことが重要であると考えます。この点、平成十八年度予算に向けてどのように取り組んでおられるのか、文部科学省、文化庁の御見解をお伺いいたします。
#122
○政府参考人(加茂川幸夫君) 委員御指摘のように、子供たちが早いうちに文化芸術活動、それも本物の文化芸術活動に触れることによって感動や楽しさを体験することができること、そしてその感性や想像力が養われること、様々な効果、人間性を豊かに育てること等々、効果は期待できるわけでございまして、私ども、この事業の意を十分理解をし、委員と全く共通の認識を持ちながら施策の充実に努めたいと意を強くしておるわけでございます。
 十八年度の予算編成作業はこれから始まるわけでございますが、私どもとしましては、この意義を十分踏まえながら、難しい予算編成作業になると見込まれるわけでございますけれども、関連予算の充実に向けて全力を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。
#123
○政府参考人(銭谷眞美君) 学校教育における体験活動の推進ということは、子供たちの豊かな心の育成、感動体験の形成といったようなことで大変意義のあることだと思っております。
 具体的な体験活動としては、今まで話題になりました文化芸術体験活動を始めといたしまして、自然体験活動、職場体験活動あるいは奉仕体験活動とか様々な種類の体験活動があるわけでございますけれども、平成十三年に学校教育法の改正を行って、こういった学校における体験活動の積極的な推進を図るということになったわけでございます。今の指導要領の下でも総合的な学習の時間や特別活動において体験的な学習の充実を図っております。
 具体の文部科学省の事業といたしましても、自然体験や文化芸術体験活動を充実させるために、平成十四年度から豊かな体験活動推進事業というものを実施をいたしておりまして、様々な体験活動を子供たちが経験できるように努めているところでございます。特に職場体験については、中学校を中心とした五日間以上の職場体験を全国で行うキャリア・スタート・ウイークを十七年度から実施をしているところでございます。
 十八年度に向けましても、ただいま加茂川次長の方からもお話がございましたが、大変厳しい状況にはあろうかとは思いますけれども、体験活動の充実という観点から、ただいま申し上げましたような施策の一層の推進を図れるように努めてまいりたいというふうに思っております。
#124
○浮島とも子君 ありがとうございます。
 是非とも意を強く持ち続け予算増額に向けて全力で取り組んでいただきたく、強く要望申し上げます。
 また、子供の時代に文化芸術に触れる機会を増やしていくためには様々な方法があるかと思います。前回質問さしていただいたときに、青少年の鑑賞教室の実施について御説明をいただきましたけれども、例えばそのほかに、以前にも御提案さしていただきました、修学旅行や社会科見学等で国会に見学に来られている小学生、中学生又は高校生がいらっしゃいますけれども、国会を見学した後又は前などに国立劇場、新国立劇場で舞台を見るようなプログラムを盛り込んでいくということも考えられるのではないでしょうか。
   〔委員長退席、理事北岡秀二君着席〕
 そこで、大臣にお伺いいたします。
 まず、できることから始めるという観点から、一つの体験として、子供たちが修学旅行や社会科見学又は国会を見学した後あるいは前に国立劇場そして新国立劇場へ行けるよう、是非御検討いただきたく思いますが、いかがでしょうか。
#125
○国務大臣(中山成彬君) 青少年が優れた文化芸術に直接触れることは大変意義深いことでございます。お話がありましたように、できるだけたくさんの子供たちにそういう経験を積んでもらいたいものだなと、このように思うわけでございます。
 そのような趣旨で、独立行政法人日本芸術文化振興会では、国立劇場の歌舞伎鑑賞教室や新国立劇場のオペラ鑑賞教室など、青少年向けの鑑賞事業を実施しておるところでございます。そして、これらを多くの人に鑑賞してもらうため、例えば修学旅行関係団体の広報誌に広告掲載を行うなど、多様な方法で積極的な広報活動を行っているところでございます。
 このような活動の成果もありまして、平成十六年度の鑑賞教室事業には合わせて十六万三千人余りの入場者があったと聞いておりますが、今後ともこのような取組が積極的に行われて、できるだけ多くの青少年が鑑賞する機会を得られるように期待したいと思います。
 また、文部科学省としても、学校での取組が進みますように国立劇場などに更なる協力を求めるとともに、教育委員会等を通じた情報提供等にも努めてまいりたいと考えております。
#126
○浮島とも子君 ありがとうございます。
 今現在行われているプログラムも大変良いものであると考えております。しかし、このプログラムですと、やはり興味がある子が行くという部分で限られてしまうこともあります。すそ野を広げるという観点から、また子供たちが経験するという観点から、是非少しでも多くの子供たちが本物の文化芸術に触れる機会を増やしていただけますよう、子供たちのために最大限の努力をお願いいたします。
 最後に、小学校における英語教育の必修化についてお伺いいたします。
 先日、文化芸術振興基本法の個別法として文字・活字文化振興法が可決されました。言葉の重要性、国語の重要性は、ありとあらゆる人間の活動の基礎であり、社会の基盤であります。国語力とは、聞く力、話す力、読む力、書く力による思考力そのものであります。学校において国語教育についてより一層の取組をお願いすると同時に、グローバル化した社会において日本の文化を世界に発信していくためには、大臣の所信表明にもございましたとおり、英語が使える日本人の育成が急務であります。外国の方が知らない日本の魅力、日本の文化はまだまだたくさんあると思います。教育・文化立国のためには、日本の魅力を世界へ発信していく、世界に伝えていく人材がこれまで以上に多く必要になってまいります。その意味で、自分たちの意思を的確にしっかり伝えるということができるよう、英語教育により一層力を入れていかなければならないと考えております。
 現在、文部科学省として、小学校における英語教育の総合的な学習の時間での国際理解教育など様々な形で行われておられますけれども、子供たちが英語を身に付けられるよう、小学校から英語を必修化していくべきと考えますけれども、大臣のお考えをお伺いいたします。
#127
○国務大臣(中山成彬君) 小学校におきます英語教育につきましては、平成十四年度から、三年生以上に設けられました総合的な学習の時間におきまして、約七割の学校で平均月一回程度の英語活動が行われております。さらに、小学校で英語教育を必須とすることにつきましては、早くから英語に親しませた方が抵抗感がなくなるという意見もある一方で、小学校では国語など他の教科の内容もしっかり学んでほしいという意見もあるわけでございますが、現在、中央教育審議会におきまして学習指導要領全体の見直しを行っておりまして、先般報告されました義務教育特別部会の審議経過報告におきましても、小学校段階における外国語教育の充実の必要性が指摘されているところでございます。
 今後、外国語教育改善充実につきまして検討する中で、小学校における英語教育についても御議論をいただき、本年秋までに基本的な方向についてお示しいただくことになっているところでございます。
#128
○浮島とも子君 ありがとうございます。
 今、約七割の学校で平均月一回程度であるとおっしゃいましたけれども、これも文化芸術と同じく小さいときから始める、まず英語を聞くことに慣れるということが大切であると思います。慣れるという観点からでは月一回ではまだまだ足りないと思います。小学校における英語教育は、子供たちが世界へ出ていくためのハードルを低くし、世界に日本の文化、伝統を発信していく、世界の人々との交流をしていくために必要なことと考えます。未来の日本を担う子供たちの育成、これからは人材育成が更に大切になってくると考えております。
 今現在、私の主宰しております劇団は静岡で五日間の合宿中でございます。この合宿を毎年通しまして、合宿を経験するという体験から成長していく姿を見ておりますと、やはり教えるだけではなく経験をしていくことの重要性を改めて感じております。文部科学省として、全力で子供たちの幸せのために更なる努力をしていただけるよう強くお願いして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#129
○山下栄一君 初めに、スポーツ行政について御質問したいと思います。
 スポーツ振興法という法律が昭和三十年代に成立はしたんですが、なかなか具体化する状況にならなかったわけですが、平成十二年にスポーツ振興基本計画、これ、元々法律に書いてあったものがやっと実現したと。この振興基本計画に書いてあることは、非常に私は、新しい時代のスポーツの役割、意義、こういうことを、また非常に具体的な提案も、的確な提案もされているとは思うんですが、それ、なかなか浸透していない状況にあるのではないかと。様々な、限られた予算の中で文科省も推進されてきていると思うんですけど、更にそれを広げ深めるための取組を確認させていただきたいと思います。
 この総合型地域スポーツクラブの育成推進事業、これ、地元も一生懸命、これが非常に大事であるということから訴え、政策の中でも取り入れてまいりました。学校とか会社、企業を中心に日本のスポーツ活動をやってきた。それがどんどん限界に来ている中で、地域に視点を当てたこの総合型、特に総合型地域スポーツクラブの理念、意義というのは非常に私は役割が大きいというふうに思っております。
 局長にもう一度、この総合型地域スポーツクラブの理念、大臣の方がよかったら大臣でも結構ですけど、確認させていただきたいと思います。
#130
○政府参考人(素川富司君) お答え申し上げます。
 総合型地域スポーツクラブとは、多世代、多種目、多志向というキャッチフレーズがありますけれども、親子、家族、子供から大人まで、自分の好きな種目や活動、またそれぞれの目的に応じてスポーツに親しむことができるというタイプのスポーツクラブでございまして、地域住民が自主的、主体的に運営して、いろんな施設を、身近な施設を拠点として活動するということで、本人のみならずコミュニティー全体としても明るく元気のあるものにしていくということができるのではないかということがその趣旨ではあるというふうに理解しているところでございます。
#131
○山下栄一君 今、十六年からですかね、立ち上げ支援を予算化して取り組んでおられるわけですけど、モデル事業はもう随分前からされてきたんですが、これ、振興計画にも書いてありますが、計画的に整備していく必要があるというふうに私は思うんですが。
 ところが、実態は、調べていただきますと非常に偏在しているといいますかね、多いところでは、市町村の、町の中に十五クラブもあるところもあれば、全県で数か所みたいなところもあると思うんです。なかなか、別に国が号令掛けてやるものでも、地域住民が主体の取組だと思いますので思うようにいかないと思うんですけど、私は、今、先ほど局長がおっしゃったこの理念ですね、これがなかなか住民に伝わっていないのが実態ではないかなと思うんです。私、優れたこれは理念の下で事業が進められていると思いますし、ニーズは、住民のニーズ、国民のニーズいうのはもう高まる一方だというふうに思います。
 スポーツ、非常にお金掛けないとなかなかできない。また、そのやる場も地域になかなかないと。種目も偏っている。そんな中で、伝統スポーツから、最近の私たちもまだよく分かっていないようなそういう輸入されたスポーツも含めましてどんどん広がっておりますし、高齢者にとっても介護予防にもなるわけですし、お子さんにとっては、子供にとっては、体力低下が言われる中で体力を強化していく、また問題行動に対する対策という観点からも、これはもう国際機関でもスポーツの重要性は訴えられているわけですし、そういうスポーツへの関心、苦手だけれども体を動かしたいというそういうニーズは、私は世代を超えて子供からお年寄りに至るまでどんどん広がっていると、少子高齢社会の中でスポーツの役割は非常に大きくなる一方だと。
 それで、この総合型地域スポーツクラブの理念もすばらしいと。ところが、なかなか、ちょっと先ほど偏在の話しましたが、伝わらないということがあるわけですけど、私はこういう考え方をやっぱりもうちょっと広めていく運動を体育協会その他と連携してやっていく必要があるんではないかと。特にこの共助ですね。税金でやるということもあるけれども、会費を払って、それもそんな高い会費ではなくて、みんなで支えながら親しむ、楽しむ。まあ中にはそれは競技スポーツに結び付いていくような、すそ野を広げるという役割もあるかも分かりませんが、そういう私は共助の理念も含めて、地域住民が主体でみんなで支え合う、地域コミュニティーへの再生にもつながる、その辺の理念なり意義なりをもうちょっと広げていくことが大事ではないかと思うんですけど、この点の取組はいかがでしょうか。
#132
○国務大臣(中山成彬君) この平成十二年に作成されましたスポーツ振興基本計画、これは非常に画期的なことだったと思うんですけれども、今お話がありましたように、何といいますか、国民皆スポーツといいますか、みんながスポーツに親しむということはすばらしいことでございますし、これは国が目指す大事な方向であると、こう思うわけでございまして、いつでもどこでもだれでもが自分の好きなスポーツができるような、そういう環境ができるということは、生涯にとりましても、自分の一生にとりましても人生楽しいものになるでしょうし、また、今言われましたように健康ということ、あるいはまた地域の親睦を通じて地域の活性化にもつながっていくんじゃないかと、こう思うわけでございます。
 今見てみますと、やはりこの総合型地域スポーツクラブ、確かに偏在が見られるわけでございまして、この辺のところにつきましてはもっともっと地域、地方公共団体の御理解といいますか、取組を進めていかなきゃいけないなと、こう思うわけでございまして、今後とも、今御指摘がありましたように、引き続き日本体育協会との連携、そして地方公共団体の御理解をいただいて、より一層クラブの役割についての国民への周知を図ってこのスポーツクラブの全国展開に向けて取り組んでまいりたいと、このように考えます。
#133
○山下栄一君 スポーツ指導者、今のに関連してですけれども、確保、やっぱり養成も大事だと思いますけど、私は、学校の大会とか国体もそうですし、実業団もそうかも分かりません、様々な、学校のクラブ活動もそうかも分かりませんけれども、大活躍した方々が、まあなかなか選手寿命が短い、競技によってはそれもあると思いますので、優れた技術を持ちながら、また何か貢献したいという思いも持ちながら、なかなか生かされる場が保障されていないと。そういう意味でこのスポーツクラブの浸透というのは非常に重要だというふうに思いますし、財政基盤も会費を、会費の考え方自身が、余り今は会費払って参加するということ自身、日本国民なかなかまだ慣れてない関係もあると思いますので、スポーツ指導者を確保し、我が地域に様々な経験を持った人が、元国体選手とか元クラブ、全国大会へ出たとか、たくさんいらっしゃるけれども、なかなかそれが掌握されていない、これが実情ではないかなと。そういう方々も生活費のために必死で、もう鍛えた技術が衰えていく一方だというふうな方たくさんいらっしゃるというふうに思うんですね。
 そういう意味で、スポーツ指導者の確保、データバンク化というか。で、スポーツリーダーバンクというものが振興計画にも書いてありますし、県の取組としてそういう取組もあったというふうにお聞きしていますが、これもきちっと実態を調べていただいて、このスポーツリーダーバンクの考え方というのは、国でやる必要はないと思いますけど、自治体レベルでやることは極めて重要だと思いますので、きちっとこれは掌握していただいて、そしてそれを支援する取組を是非やっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#134
○政府参考人(素川富司君) お答え申し上げます。
 先生今御指摘いただきましたスポーツリーダーバンク、まあ登録指導者名簿ということでございますけれども、これは文部科学省の補助事業によりまして都道府県段階で整備していただいてきているところでございます。
 私どもといたしましては、そのスポーツリーダーバンク、どのように活用していくのか、また現在のそういうデータがよりもっと活用すべきものとするためには、されるべきものとするためにはどのように進めればいいのかと、そういった点について引き続き都道府県とともに検討、研究していく必要があると思っているところでございます。
 そういう意味におきまして、本年度におきましても、生涯スポーツ指導者の養成研究協議会の事業の中でスポーツリーダーバンクの有効活用につきまして調査研究を進めていきたいというふうに考えているところでございます。その成果を踏まえまして更に一層の有効活用を図ってまいりたいと思っています。
   〔理事北岡秀二君退席、委員長着席〕
#135
○山下栄一君 日本体育協会の財団法人のこの仕組みというのは県、市町村まであると思うんですけど、このいろんなスポーツ団体の指導者の養成がなかなかニーズにこたえておらないのではないかということが振興計画にも書いてあります。
 もう一つは、市町村における非常勤職員である体育指導委員ですが、これも全国六万人近くいらっしゃるわけですけど、これも若干偏在の部分もありますけれども、この体育指導委員、言葉ももうちょっと古いんではないかなというふうに私は思いますけれども、リニューアルすることも大事ではないかなと。
 スポーツ団体自身の養成の取組も余りニーズに合っていない問題、それからこの体育指導委員もそれに適任者がなかなか委嘱されてない、任命されてないという実態もあるということを指摘されておるわけですが、この様々なスポーツ団体におけるスポーツ指導者の養成なり確保なり、また体育指導委員の見直し、これをやっぱりもう一回、二十一世紀に入って古いままの考え方がずっとそのままで来ているんではないかなということを思いまして、住民のニーズはどんどん高まっているけれども、それがマッチしていないと、こういうことがあるんではないかと思うんですけど、この辺の考え方について確認させていただきたいと思います。
#136
○政府参考人(素川富司君) 現在、地方公共団体のレベルにおきましては、いろんな形で生涯スポーツに、また学校での教科としての体育、また部活動の指導にいろんな方が携わっていただいているわけでございます。その指導者の確保、養成、活用というものが十分マッチしているのかどうかというようなことにつきましての御指摘でございます。
 この点につきましては、先ほどスポーツデータバンクの有効活用ということに限ってお話を申し上げたわけでございますけれども、更に広い観点から、地域のニーズに合ったスポーツ指導者の養成、確保、活用はどうあるべきかということにつきまして更に一層広い観点から検討、研究を進めてまいりたいと考えているところでございます。
#137
○山下栄一君 次の話題ですが、学校薬剤師の制度をちょっと御質問させていただきたいと思います。
 学校医さん、歯医者さん、それから薬剤師さん、これは学校保健法で、学校保健法だったと思いますが、置くものとすると、こうなっておるんですけど、私は学校薬剤師の活用が、これも新しい時代に合った活用方法を考えるべきではないかというふうに思います。特に、学校環境衛生の観点からのこの法律に基づくお仕事は、確かに給食施設とかプールとか飲料水、学校における水の衛生状態とか指導、助言することも確かに法律に基づいて大事だと思うんですけど、私は今日お話ししたいのは、直接生徒に接する、こういう観点から学校薬剤師の活用を是非ともこれはきちっと位置付けていただきたいというふうに思います。
 特に薬物乱用防止教室というのは、これは厚労省、そして文科省も挙げてこれ、警察もそうですけど取り組んでおられる。この薬物汚染の低年齢化というのは、「ダメ。ゼッタイ。」運動も十分に浸透しておると思いますけれども、昨年も小学生が薬物で補導されたという実態もありますし、なかなか中学生、高校生、MDMAの問題もあるわけですが、この辺のこの指導する側の中に、今まで警察の方々に来ていただいて講話していただくとか、麻薬Gメン、取締官の経験者OB、こういう方に来ていただくということを私はよく存じ上げておりますが、学校薬剤師を活用するということが、部分的にはやっておりますが、これがちゃんと機能してない。機能してないというよりも活用されてないと、これは非常にもったいないことだと思います。もちろん、生徒に直接接するわけですから、これは学校の理解も必要だと思いますけど、これは専門家として、薬教育、薬物の特に恐ろしさについての啓発、これにふさわしいのが薬剤師さんではないかなと。せっかく学校薬剤師がいらっしゃるのに、生徒の接点が極めて少ないと、学校環境を整えるアドバイスはやっていますけどね。
 そういうふうに考えましたときに、ちょっと時間の関係で提案だけさせていただきます。学校保健法上、この学校環境にかかわる衛生検査その他のお仕事だけではなくて、生徒に直接接する薬教育とかまた薬物乱用防止教育の中で、学校薬剤師さんの活躍する場を与えることができるとか、そんな規定を設けてきちっと位置付けたらどうかなと。それは非常に今大きな課題になっている薬物問題を、時代に合った活用方法として学校薬剤師の役割を施行規則なんかで明記したらどうかなと思うんですが、いかがでしょうか。
#138
○国務大臣(中山成彬君) 近年の青少年の薬物乱用の問題につきましては、これは依然として予断を許さない状況にあるというふうに認識しておりまして、文部科学省におきましても薬物乱用の根絶のための施策を推進しているところでございます。
 その大きな柱の一つが薬物乱用防止教室の実施でございまして、文部科学省におきましては、各都道府県教育委員会等に対しまして平成十五年の九月に通知を発出いたしまして、すべての中学校及び高等学校において年一回は薬物乱用防止教室を実施するように求めているところでございます。その際、警察職員や麻薬取締官OBとともに、学校における環境衛生検査あるいは医薬品等の管理に関し必要な指導、助言を行う専門的な職であります学校薬剤師につきましても、薬物乱用教室の開催に当たり協力を得るように通知で求めているところでございます。
 今御指摘ありましたように、今後とも、この学校薬剤師の協力をいただきながら薬物乱用教室の充実に一層努めてまいりたいと、このように考えております。
#139
○山下栄一君 薬剤師会からのこれは強い要請もある問題でございますので、なかなか通知が徹底されてない面もあるんだと思うんで、まだまだ例外的にしか活用されてないと思いますので、施行規則で位置付けることも含めまして、是非積極的な御検討をお願いしまして、質問を終わります。
#140
○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。
 私は、まず、今採択真っ最中にあります教科書問題で質問させていただきます。
 教科書採択の公正確保のために、独占禁止法に基づく公正取引委員会告示の第五号がございます。それはこの文書でございますが、その文書の三項に、「教科書の発行を業とする者が、直接であると間接であるとを問わず、他の教科書の発行を業とする者またはその発行する教科書を中傷し、ひぼうし、その他不正な手段をもって、他の者の発行する教科書の使用または選択を妨害すること。」ということがございます。
 私はここで公正取引委員会の方にお伺いしたいと思いますけれども、ここで言います「間接」とはどういう意味で、「中傷」、「ひぼう」とはどういうことを指すのでしょうか。
#141
○政府参考人(舟橋和幸君) 御説明申し上げます。
 まず最初の「間接」の方でございますけれども、ここで言います間接的な行為に該当するかどうかと、これにつきましては具体的なケースに即して判断する必要があるわけでございますけれども、一般的に申し上げますと、教科書の発行業者、ここが第三者をして先生御指摘のその特殊指定、これに規定する行為を行わせていると、そういうことがこの「間接」ということに該当するということでございます。
 それから二点目の、この特殊指定第三項の「中傷」、「ひぼう」の内容いかんということでございますが、これにつきましても、今申し上げたその教科書発行業者が行った行為かどうか、そういった点も含めまして、個別具体的な事例に即して判断する必要があると考えておりますけれども、これにつきましても、一般的に申し上げますと、競争者の教科書、これが選択されることを妨害するために、事実と異なる事柄又は事実であっても競争者にとって不利益な事柄、これを殊更公開、流布する行為、これがその「ひぼう」、「中傷」に該当するというふうに考えておるわけでございます。
#142
○小林美恵子君 では、実際に批判している例でお聞きをしていきたいと思います。
 インターネット上で宣伝をされていた文書でございますけれども、その最初の見出しにこういう言葉がございました。「教室で使われてきたトンデモ教科書のほんの一部を紹介します」。「トンデモ教科書」の「トンデモ」といいますのは、とんでもないというその言葉のとんでもの部分を片仮名にしておりますけれども、そういうとんでもない教科書だということを指しているのだと私は理解をしました。
 その宣伝の文書の中に、更にこういうくだりがございました。「明治維新以降の日本は、ひたすら侵略に突き進む、本能に駆られた獣のように描かれています。」。改めて、「本能に駆られた獣のように描かれています。」。つまり、これは他社の教科書に対して、その他社の教科書の記述がそのように描かれているというふうに宣伝をしている文書でございました。これがインターネット上で宣伝されているわけですけど、これは先ほどおっしゃられましたいわゆる「ひぼう」、「中傷」のたぐい、競争する他社の教科書会社に対して不利益を被るということに私は当たるというふうに思いますけど、公正取引委員会としてはどういうふうにお考えでしょうか。
#143
○政府参考人(舟橋和幸君) 御説明申し上げます。
 ただいま御指摘ございました、個別具体的な事例ということでございますので、それにつきましての判断についてはちょっと差し控えさせていただきたいとは思いますけれども、一般的に申し上げますと、先ほど御説明しましたような考え方、「中傷」、「ひぼう」に該当するか否かとか、そういった点を踏まえて判断をしたいと、そういうふうに考えております。
#144
○小林美恵子君 今、私が紹介した文につきましてはここで判断は差し控えるとおっしゃいましたけれども、先ほど御答弁いただいたような「中傷」、「ひぼう」のたぐいからして判断をしていくというふうにおっしゃいましたけれども、つまりそれは、今申し上げたようなことは全く「中傷」、「ひぼう」には当たらないというふうには言えないということで理解していいですか。
#145
○政府参考人(舟橋和幸君) 御説明申し上げます。
 全く当たらないかどうかとか、かなり当たるとか、その辺り、まあ微妙な問題がございますんで、そういったもの含めて全体的に判断をさせていただきたいと、そういうふうに考えております。
#146
○小林美恵子君 私は、大変当たるものだというふうに私は思いますので、その点しっかりと判断をしていただきたいというふうに思います。
 それではさらに、具体的に更にお聞きしたいと思います。
 私が今日手元に持っておりますこの文書は、いわゆる扶桑社と新しい歴史教科書をつくる会の第二回総合対策本部会議のまとめなる文書でございます。この文書を見ますと、そのいわゆる新しい歴史教科書をつくる会と扶桑社がいかに資金的にもかかわりがあるのではないかという疑いを持たざるを得ないようなくだりがございます。若干紹介をします。
 つくる会側よりということで、概算では約一億円の財源不足であり、その費用捻出の方途をめどを立てるのが緊急の課題である旨報告されたと、こういうふうにあります。さらに、それに対しまして、いわゆる扶桑社側からですけれども、一億すべてを当社が出すというのは無理だが、事業計画の方は費用は何とか充当することを前提として進めてほしい旨の発言があったと。さらに、扶桑社側から、人件費を負担する八名の対策員室の中から営業の方も担当してもらうことが可能かとの打診があり、全員とはいかないが可能である旨返事がなされたと、こういうやり取りの文書でございます。
 この文書を見る限りでいきますと、私は、扶桑社とつくる会が資金提供又は人件費負担などで一体になっている実態があるとうかがえるのではというふうに考えます。そのつくる会が、先ほど申し上げたような、例えば他社に対する批判的な宣伝、批判とは言い難いですね、節度のないそういう宣伝をしているということになりますと、独占禁止法上もおかしいのではないかというふうに思うんです。
 公正取引委員会として、こういう事柄がございましたときには調査して厳正に対処されるでしょうか。
#147
○政府参考人(舟橋和幸君) 御説明申し上げます。
 私どもは、これ一般的に御説明させていただくわけでございますけれども、独禁法違反の疑いがあるようなそういうケース、端緒と言っておりますけれども、そういう端緒に接した場合には、それは厳正に対処をしていくと、調査をしていくと、そういうスタンスでございます。
#148
○小林美恵子君 私、先ほど御紹介しましたけれども、もうどう見ても疑いが濃厚だというふうに言わざるを得ないなと思いますので、そこはしっかり厳正に対処していただきたいということを強く申し上げたいと思います。
 そこで、この件に関しまして中山文部科学大臣にお伺いします。
 私は以前にも本委員会で、この扶桑社が検定合格する前にも申請本を流出させるとかいうルール違反を行ったことを指摘したことがございました。さらに今回、採択の公正確保という点に関しましても疑いが指摘をされている。こういう点を放置をしていて公正確保と言えるのかというふうに思いますけれども、このことを大臣は放置したままにしておくのでしょうか。いかがでしょうか。
#149
○国務大臣(中山成彬君) この教科書の採択が過当な宣伝行為に左右されることなく公正に行われることは重要なことでありまして、独占禁止法に基づく公正取引委員会の特殊指定により、教科書に関して不公正な取引が禁止されているところでございます。
 文部省におきましては、毎年、教科書発行者に対して通知を発出いたしまして、独占禁止法に基づく特殊指定による規制や、これを受けての文部科学省の指導等をしっかり守るように指導を行ってきたところでございます。今年も四月十二日付けで初等中等教育局長通知を発出しております。
 御指摘の内容が独占禁止法に反するかどうかにつきましては公正取引委員会の判断すべき事柄であると考えますが、文部科学省としては、引き続き採択の公正確保に向けて教科書発行者に対して指導してまいりたいと考えております。
#150
○小林美恵子君 独占禁止法に関しては公取さんの管轄という話でございますけど、先ほども文部科学省としてしっかり対処していきたいとおっしゃられました。教科書の公正採択に当たっては文科省としてのしっかりとした指導すべき内容というのもあると思いますので、その点では今申し上げた点でしっかりと是非とも公正になるように厳しく対処していただきたいということを強く申し上げたいと思います。
 次に私は、大学の法人監事についての質問に移りたいと思います。
 現在の新潟大学の法人監事であります長谷川義明氏が新潟市長として在任中に、新潟市と建設業者の官製談合問題がございました。既に逮捕者は四名、三百四事業、六百八億円にも上る事件です。新潟日報にもこれは大きく取り上げられておりました。二〇〇四年十二月に出されました新潟市の調査委員会の報告では、市政のトップに立つ者の長年にわたる消極姿勢が適正化法などを周知せず、防止法を職員に知らせなかったことを招き入れ、入札改革を遅らせた最大の要因であるというふうに指摘をしています。
 そこで、お聞きしたいんですけども、公正取引委員会が調査に入ったのは二〇〇三年九月だったと思います。法人監事任命は二〇〇四年の四月です。文部科学省は、任命時、この件について御存じだったでしょうか。
#151
○政府参考人(玉井日出夫君) 御指摘の新潟大学の監事の件でございますけれども、この件につきましては、大学、これは学長、副学長、事務局長でございますが、十分相談の上で、御指摘の監事になるべき者が長年にわたり市長を務めたその実績と経験があると、行政に精通し高い識見があると、そして業務運営に監査、助言がきちんとしていただけると、こういう判断から、平成十六年一月に監事候補者として文部科学省に推薦をしてこられました。文部科学省といたしましては、国立大学法人の監事の任命に当たりましては、事前に大学の希望を聴取するなど大学の意見を反映をするよう配慮してきているところでございまして、そういう点を配慮しながら選考した結果、平成十六年三月十九日付けで新潟大学の監事となるべき者として指名したものでございます。
 そこで、御指摘のいわゆる談合に絡んでの御指摘でございますが、文部科学省としては、新潟市におけるいわゆる官製談合につきまして、その詳細について承知はしておりませんでした。
#152
○小林美恵子君 御存じないということでございますけれども、私は、こういう法人監事を任命する際に、こういうことを知らないで任命するのがいかがなものかなというふうに思います。
 それは、そういうことを指摘をしておきまして、そこで大臣にお伺いします。
 先ほど私は申し上げました、新潟市の調査委員会でこの長谷川氏は厳しく指摘を受けているわけです。そういう方が法人監事として適切というふうに言えるでしょうか。いかがでしょうか。
#153
○国務大臣(中山成彬君) 長谷川監事においては、三期十二年にわたる豊富な市長経験を生かし、新潟大学の諸改革の方向性の把握、教育研究、運営体制等についての大学の取組に対して有益な所見を新潟大学長に助言するなど、業務運営に関し適切な監査、助言をいただいているというふうに聞いておりまして、文部科学省としては、国立大学法人法に照らし、特に解任するような事由があるとは考えておりません。
#154
○小林美恵子君 先ほど、いわゆる高い行政能力とか、そういうお話がございましたけれども、私は、高い行政能力があれば法人監事にふさわしいのかということは、それはやっぱり直結するものではないというふうに言わざるを得ないというふうに思います。
 そこで、もう一つ御紹介をしたいと思います。
 これは、この事件で新潟地裁が一審の判決を下した文書でございます。その判決の文書を若干紹介をしますと、これは今年の六月二十九日に出されたものでございますけれども、本件被告人らはもとより、これを多年にわたり放置、黙認した新潟市も厳しい批判を免れないものであり、本件各事件の背景事情には歴史的にも根深い官民癒着の実態が存したことを指摘せざるを得ないものであると。そういうふうに書きまして、さらに、本件事件が防止できなかった原因は、これを放置をしていた当時の新潟市長ら三役及び新潟市下水道部長など市の中枢幹部の不作為による部分が大であると指摘できると。そこで、官民癒着の実態を放置し、その改善、防止に消極的であった新潟市長や幹部職員等の地位、権限とその本来の責任に比すればと、云々かんぬんとありますけれども、いずれにしても、当時の新潟市長らが、市の中枢幹部の不作為による部分が大であると指摘できると地裁では判決を下されています。
 私は、こういう地裁で判決を下されている方がこれでも高い行政能力があるからと、大体、これで高い行政能力があるかと、言い難いというふうに思うんですね。それで、それでも大臣は法人監事として適切というふうにおっしゃるのですか。
#155
○政府参考人(玉井日出夫君) 若干事実関係にかかわりますので、ちょっと私の方からお答えさせていただきたいと思います。
 先ほどの御指摘でございますが、その地裁の前に、十六年十二月、新潟市入札談合等関与行為調査委員会、ここが報告書を提出しておりまして、そこで監督責任ともう既に触れられているわけでございまして、それで、それを受けて十七年の二月に、現在の市長が減給二分の一を三か月という形で自らその監督責任を問うと、取るという形を取られたと承知をしておりまして、そして、既に辞められているわけでございますけれども、前市長等につきましては、十七年の三月の二十四、二十五日にかけてでございますけれども、現市長と同様に、相当する額を新潟市に寄附するという形での監督責任を果たされているというふうに承知をしております。その上で、さらに本年六月二十九日、同様にその監督責任に関する地裁の判決が出されているわけでございます。
 そこで、法人の監事でございますけれども、この監事につきましては、国立大学法人法でその解任の規定というのは定まっているわけでございまして、それに照らして特に解任する事由はないというふうに申し上げているわけであります。
#156
○小林美恵子君 法人監事というのは大学の中で二名の要職であって、極めて重大な要職だということは、もう大臣も文科省の皆さんも一番よく御存じだというふうに思います。その人物が、何といいますか、寄附をした、自らがそういうふうな対応をしたというふうにおっしゃいますけれども、それはそれで当然のことでありまして、そういう人物を更にやっぱり法人監事としてずっと任命し続ける、このままその職に就かせるということ自体は、私は、やっぱり文部科学省、文部科学大臣としての見識も、本当にいかがな見識かなというふうに思わざるを得ないと思うんですね。
 だって、大学というのは、未来を担う若者や学生と、そういう学生たちと一緒になって、何といいますか、接触する場ですよ。そういうところの場の要職にある方がこういう地裁の判決でも厳しく指摘をされているというのに、私は、そこでもまだ法人監事として認めていくということは、本当に文部科学大臣の見識が問われるというふうに思います。大臣、それでも引き続き認めようとするんですか。大臣の見識はいかがなんですか。
#157
○国務大臣(中山成彬君) 今官房長が答えましたように、国立大学法に照らしまして、特に解任する事由があるとは考えておりません。
 なお、新潟市における官製談合につきましては、現在控訴され、係争中と聞いております。今後、高裁の判断を見守りながら適切に対応してまいりたいと考えております。
#158
○小林美恵子君 係争中で、様子を見ながら適切に対応すると、適切に対応するというふうに、そのようにおっしゃるんだったら、私は、今適切に対応するのが見識ある大臣の立場であるということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#159
○委員長(亀井郁夫君) どうもありがとうございました。
 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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