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2005/04/19 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 財政金融委員会 第10号
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2005/04/19 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 財政金融委員会 第10号

#1
第162回国会 財政金融委員会 第10号
平成十七年四月十九日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月七日
    辞任         補欠選任
     田村耕太郎君     山崎 正昭君
 四月八日
    辞任         補欠選任
     山崎 正昭君     田村耕太郎君
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     尾立 源幸君     福山 哲郎君
     大久保 勉君     岩本  司君
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     岩本  司君     大久保 勉君
     福山 哲郎君     尾立 源幸君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         浅尾慶一郎君
    理 事
                中島 啓雄君
                山下 英利君
                平野 達男君
                若林 秀樹君
    委 員
                金田 勝年君
                田村耕太郎君
                段本 幸男君
                野上浩太郎君
                舛添 要一君
                溝手 顕正君
                若林 正俊君
                尾立 源幸君
                大久保 勉君
                大塚 耕平君
                富岡由紀夫君
                広田  一君
                広野ただし君
                峰崎 直樹君
                山口那津男君
                大門実紀史君
                糸数 慶子君
   国務大臣
       財務大臣     谷垣 禎一君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        伊藤 達也君
   副大臣
       内閣府副大臣   七条  明君
       財務副大臣    上田  勇君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        西銘順志郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤澤  進君
   政府参考人
       内閣府北方対策
       本部審議官    東   清君
       警察庁刑事局長  岡田  薫君
       防衛庁防衛局長  飯原 一樹君
       防衛施設庁建設
       部長       河野 孝義君
       金融庁総務企画
       局長       増井喜一郎君
       金融庁監督局長  佐藤 隆文君
       総務省自治財政
       局長       瀧野 欣彌君
       法務大臣官房訟
       務総括審議官   大竹たかし君
       財務省関税局長  木村 幸俊君
       財務省国際局長  井戸 清人君
       国税庁課税部長  竹田 正樹君
       農林水産省農村
       振興局整備部長  南部 明弘君
       国土交通省北海
       道局長      山本 隆幸君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (G7に関する件)
 (カネボウの決算訂正に関する件)
 (諫早湾の農道整備事業に関する件)
 (キャッシュカード犯罪被害に関する件)
 (北方領土隣接地域振興の財政措置に関する件
 )
 (米州開発銀行沖縄総会に関する件)
○保険業法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府北方対策本部審議官東清君外十二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(浅尾慶一郎君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○野上浩太郎君 おはようございます。自由民主党の野上浩太郎でございます。
 谷垣大臣にはG7、大変お疲れさまでございました。時差ぼけも残っておられるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
 まずG7の問題から入っていきたいと思いますが、今回のG7では、原油高の問題ですとか、人民元をめぐる中国の問題ですとか、日本の財政再建の問題ですとか、様々な議論がなされまして、共同宣言採択をされたわけでございますけれども、まず、今回のG7における議論の概要ですとか、その成果と意義、あるいは今後の政策展開についてお伺いをしたいというふうに思います。
#6
○国務大臣(谷垣禎一君) 今回のG7では、これはまあいつものことでありますけれども、世界経済、マクロ経済の動向、それから貧困撲滅と開発の問題、こういうことに大分時間を使いまして、有意義な議論ができたのではないかと思っております。
 まず、世界経済でございますけれども、二月にG7があって、やっぱりそのときも議論したわけですが、それ以来のそのフォローをいたしまして、世界経済、拡大は強固であると、それで、二〇〇五年も依然として世界全体の経済成長は強固なものであるという認識が共有されたと思います。
 しかし、他方、懸念材料として、今おっしゃった原油価格の問題ですね、これがやっぱり成長の阻害要因となっているというようなこと、それから景気拡大、全体として、しているんだけれども、前よりばらつきといいますか不均衡が拡大していると、そういったことに今後取り組まなきゃならないというような認識も共有されたわけでございます。
 それから、経常収支の不均衡とか構造政策についても議論が行われたわけですが、世界的なそういう不均衡に対して、アメリカはやはり財政改革といった行動を取る必要があると、これはアメリカ、スノー長官も相当力を込めて今取り組んでおられる政策を説明されたところであります。それから、欧州は更なる構造改革が必要であると。それから、日本も構造改革いろいろ進めているけれども、特にその中で財政の再建というのに力を入れているというようなことを私から説明いたしまして、大体その辺については共通の認識ができたのではないかと、成長を促進していくために共通な認識ができたのじゃないかと思っております。
 で、日本経済については、今もちょっと申し上げたところでありますが、私からは、財政出動に頼ることなく国内の民間需要を中心とした回復局面に引き続きあると思うと、それから、企業部門の改善が家計部門に及んでくるような動きが見られてきているというような説明を行った上で、先ほど申し上げたように、厳しい財政状況の下で、財政構造改革が最優先の課題となっているということを申し上げました。そういったことがコミュニケでもまとめられたわけであります。
 それから、開発問題については、二月のG7でも各国相当意見の違いがありましたが、公約数を、開発に関する結論というのをまとめたわけですが、依然としていろんな議論がありまして、各国の手法の違いというのは相当でございますが、グレンイーグルズ・サミットの準備は進捗しているんで、そこの引き続き議論をして、その辺り、できるだけまとめていこうということで意見が一致したわけであります。
#7
○野上浩太郎君 ありがとうございました。
 正に、例えば日本の財政再建問題もこれは国際公約になったわけでございまして、これはもう不退転な決意で臨んでいただきたいというふうに思いますし、原油の問題についてもやっぱり早急な具体策も必要であるというふうに思います。個々の問題についていろいろ掘り下げていきたいんですが、ちょっと時間も限られておりますので、今日は中国問題についてちょっとお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
 このG7においても、中国問題、一つの大きな焦点であったというふうに思います。報道によれば、いわゆる反日運動に配慮をする日本と米国、アメリカがこれは激しい意見の応酬があったというような報道もございましたけれども、まずは、日本の立場として、どのような立場でこの中国問題にG7において臨んだのかお伺いをしたいと思いますし、また、あわせて、この反日運動、当初は経済等々に与える影響というのはそう大きくないんではないかというような見方もありましたけれども、昨日はもうこれ株価の方が、二〇〇四年の五月以来ですか、大幅下落を記録したと、全面安になったわけでございますし、不買運動も、日本製品の不買運動もかなり急速に広がっていると、観光客も激減をしてきているということでございまして、これもう看過できない状況になってきているのではないかなというふうに思います。
 谷垣大臣のいわゆるこの反日運動に対する所感といいますか思いと、この日中経済に与える影響と、これ先ほどのG7の話と併せてお伺いをできればというふうに思います。
#8
○国務大臣(谷垣禎一君) 経済関係という以前に、今おっしゃった最近の中国でのデモ活動と申しますか、一部の群衆による暴力的な行為、これは私は大変、どういう理由があるにせよ、こういうようなことは誠におかしなことであり遺憾なことだというふうに思いまして、長い間先人が日中友好のために努力をされてこられたわけでありますけれども、そういったものに水を掛けることになるんじゃないかと、非常にまずい動きじゃないかと憂慮をしているわけでございます。
 G7でどういう議論だったかと申しますと、確かに人民元等の問題に対して問題提起はあったわけですが、これは日本というだけじゃなしに全体として、今まで相当中国の代表にも、中国の財政部長や人民銀行の行長にもおいでをいただいて相当議論をやってまいりました。今回はお見えにならなかったわけですけれども、相当対話ができておりまして、どちらかというと人民元の問題についてはこれはもう少し慎重に見ていく必要が、慎重というとちょっと言葉が十分ではないかもしれません、全体としてやっぱり中国のフレキシビリティーをもっと高めてもらいたいという気持ちはあるんですが、やはり中国の内部などを見ていくとそう一気呵成な議論も難しいんじゃないかという雰囲気、これは全体としてはそういう雰囲気であったと思います。
 それで、デモ活動が日本経済に与える影響については、これは慎重に見極めていきたいと思っておりますが、日中関係というのは日本と中国というだけではありませんで、アジア地域全体にとってもあるいは世界全体にとっても極めて大きな影響を与える二国間関係になってきていると思いますので、私はやはり、何というんでしょうか、これは日本側も必要でありますけれども、中国側も努力をしていただいて、対話を通じて、何というんでしょうか、相互信頼をもう一回確立して、日中間の共通利益をやはり拡大していくということが両国経済の発展にとって大事であるし、それは単に両国経済というだけじゃなしに、この地域の全体の安定ということにもつながっていくことじゃないかと思っております。
#9
○野上浩太郎君 ありがとうございました。
 この反日運動については、これ例えば大使館の保護みたいなもう最低限の国際ルールが守れないということは、もう断じてこれは許されることではないというふうに思います。
 経済問題についても、今後はG7等々のようなああいう国際会議にしっかりと中国を取り込んで適切な政策を取るように促すような、そういう取組も是非強めていっていただきたいというふうに思います。
 そういう中で、今大臣からも少しお話ございましたが、東アジア全体の視点ですとかあるいは世界貿易を考えますときに、今本当に重要な局面を迎えているなというふうに思います。
 つい先日も日本とASEANの経済連携交渉、この週末ですね、行われたところでございますし、今このFTAという動きも九〇年代に入って急速に拡大をしてきております。
 WTOについても、これ一月でしたか、WTO改革に関する諮問委員会報告ということで、関税や非関税障壁の削減はWTOの多国間交渉で進めるべきとして、これは交渉が進まないWTOを横目に世界各国がFTAに走る現状に警鐘を鳴らしたというふうにされております。
 一方で、こういうWTOの多角的な貿易体制の維持強化というのは必要でありますけれども、やはりアジアにとっては、日本にとってもですけれども、このFTAというものは、これは今年の末にも東アジア・サミットが開催されると、これは参加国の枠組みも先日決まったところでございますし、いわゆる東アジア共同体構想というようなものも見据える中で、このFTA戦略というものもこれは大変に今重要な戦略であるというふうに思いますけれども、財務省としてWTOとFTAの関係あるいはこの東アジア共同体構想についてどのような見解を持っておられるかお聞きをしたいと思います。
#10
○政府参考人(木村幸俊君) お答え申し上げます。
 財務省といたしましては、FTAを含む経済連携の強化、これはWTOを中心といたします多角的貿易体制を補完し、貿易自由化や経済活性化を迅速に推進するなどの観点から、WTO新ラウンドと並行して積極的に推進すべきものと考えております。
 昨年十二月に経済連携促進関係閣僚会議におきまして基本方針が決定されておりまして、この基本方針を踏まえまして、当面は東アジアを中心にFTAを含む経済連携の実現に努力してまいりたいと考えております。
 また、我が国といたしましては、こうした経済連携協定の締結等を通じまして、多様性を認めながら経済的繁栄を共有する開かれた共同体を東アジアにおいて構築するべく、積極的な役割を果たしてまいりたいと考えております。
#11
○野上浩太郎君 簡潔な御答弁いただきましたが、FTAについては本当に今、正に戦略性と、もう一つスピードですね、アジア全体の中での位置付けでも分かりますとおり、スピードが求められていると思いますので、そういう観点での推進方を是非お願いしたいと思います。
 もうちょっと時間が来てしまいましたので、済みません、金融につきまして幾つか質問させていただきたいと思っておったんですが、最後に一問お聞きをして終わりたいと思いますが、四月一日から、これはもうペイオフも解禁をされまして、金融行政、新しい局面をまた迎えるんではないかというふうに思っております。
 そういう中で、三月二十九日にいわゆる地域密着型金融の金融機能の推進に関するアクションプログラムというものも定められたわけでございます。今、全体の景気としましては踊り場にあると言われている中で、それゆえに地方経済の状況が大変厳しいわけでございまして、その生命線の一つである地域金融について、これはもう重要性ますます増してくるわけでございますが、このアクションプログラムも定められて、ペイオフも踏まえて新しい、これは大きな影響があると思うんですね、新しい局面を迎えたわけでございますが、今後地域金融の在り方について、対応方針について最後にお聞きをしたいと思います。
#12
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきます。
 ペイオフの解禁というものを実施をさせていただいて、地域の金融機関におきましても市場規律やあるいは預金者の選択の下で更に緊張感を持って経営基盤の強化に取り組むと、こうしたことが求められているというふうに思います。
 こうした中、今委員から御紹介がございましたように、金融庁といたしましては、三月二十九日、新しいアクションプログラムを取りまとめて、そして公表させていただいたところでございますが、地域密着型金融というものを推進していくためには、これは個々の金融機関のその自主的な努力を通じて実現されていくと、こうした面が非常に大きい、こうしたことは非常に重要であるというふうに考えておりまして、こうした観点から、新しいアクションプログラムにおいては、各金融機関が地域の特性というものを踏まえた個性的な計画というものを策定をして、そして自主的な経営判断により選択と集中を通じて地域の特性や利用者のニーズを踏まえたビジネスモデルを推進することを要請をさせていただいたところでございます。
 金融庁といたしましては、各金融機関が、新たなアクションプログラムに基づきまして、地域の中小企業等の金融ニーズに一層適切に対応するとともに、そのことを通じた収益力の強化により経営の健全性というものを確保して、地域の利用者から十分な信認が得られることを期待をいたしておりますし、またこうした地域密着型金融の機能というものが遺憾なく発揮されることによって地域経済の活性化に貢献がされていく、そうしたことを期待をいたしているところでございます。
#13
○野上浩太郎君 ありがとうございました。終わります。
#14
○大塚耕平君 民主党・新緑風会の大塚でございます。
 今日は六十分、時間をちょうだいいたしましたので、金融の問題と財政の問題一つずつ少し議論を、並びに確認をさせていただきたいと思います。
 まず金融の方なんですが、先週来カネボウの決算についていろいろ報道がされておりますけれども、新聞報道によると九期連続の事実上の粉飾であったというような報道もありますが、まず事実関係についてお伺いをしたいと思います。
#15
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。
 この四月の十三日に、カネボウは、昨年の十月二十八日に発表いたしました経営浄化調査委員会、これの調査報告書に基づきまして、過去に提出をいたしました有価証券報告書等に記載されている財務諸表について調査を行った結果、過去五期分の決算短信の訂正に係る適時開示を行ったと承知しております。
 主な適時開示の内容といたしましては、今申しました経営浄化調査委員会の調査対象期間、これは十四年三月期及び十五年三月期でございますが、これに限定することなく、平成十二年三月期から平成十六年三月期の五期分を訂正をいたしました。具体的には、売上げの過大計上、経費の繰延べ計上等を修正をすること、あるいは連結の範囲を訂正をすると、そういった中身になっております。
#16
○大塚耕平君 九期連続という報道は間違いですか。
#17
○政府参考人(増井喜一郎君) 私どもの承知しているところでは、適時開示を行ったその中身は過去五期の訂正を行ったというふうに聞いております。
#18
○大塚耕平君 適時開示の範囲では五期ですが、九期連続だというふうに私は理解しておりますので、その上でお伺いをいたしますが、東証の上場基準を言わば政府として管理監督する、あるいは東証を管理監督するのは、所管としてはどこの仕事になりますでしょうか。
#19
○政府参考人(増井喜一郎君) 東京証券取引所の監督は金融庁が行っているところでございます。
#20
○大塚耕平君 そうすると、今回のカネボウの件は、東証の上場廃止基準に該当するか否かという点については金融庁はどのようにお考えになりますでしょうか。
#21
○政府参考人(増井喜一郎君) 今申し上げましたように、カネボウの決算訂正の話、関係でございますが、昨年の十月二十八日に、東京証券取引所は、カネボウによります十三年度及び十四年度の有価証券報告書の虚偽の決算結果を記載した事実が判明をしたと、そういった適時開示が十月の段階でございました。それの適時開示を受けまして、東証としては、上場廃止基準の一つでございます、上場会社が財務諸表などに虚偽記載を行い、かつその影響が重大であると当取引所が認めた場合、それに該当するおそれがあるということでカネボウの株式を監理ポストに割り当てたところでございます。
 基本的には、それは、この話は個別事案でございますのでコメントすることは差し控えなければならないというふうに思っておりますが、一般論といたしましては、東証は、その自ら行う調査の結果だとかあるいは有価証券報告書の訂正報告書の開示を踏まえまして、上場廃止基準に該当するか否か、これを判断することになると承知をしております。
 今後、この自主規制規則に従いまして、諸般の事情も勘案しつつ、東証におきまして適切に対処されるものというふうに考えております。
#22
○大塚耕平君 今後どういう議論が行われるのか予断を許しませんが、しかし、去年の十月の段階で既に監理ポストに入っている。今、局長がおっしゃったように、第二条第十一項に抵触するおそれがあるということで今回の事態になったわけですね。
 今後、これは上場廃止に該当する、あるいは廃止に及ばないと、どちらかの判断が出るわけですが、伊藤大臣としてはどのようにお感じになりますでしょうか。まず、伊藤大臣の今の御見解をお伺いしたいと思います。
#23
○国務大臣(伊藤達也君) この点につきましては個別事案に関することでございますのでコメントは差し控えさせていただきたいというふうに考えておりますが、先ほど局長からもお話をさせていただいたように、一般論として申し上げれば、東証は、その自ら行う調査の結果やあるいは有価証券報告書の訂正報告書の開示を踏まえ、上場廃止基準に該当するか否かを判断することになると承知をいたしておりますので、今後、こうした自主規制規則に従って東証等において適切に対処されるものと考えております。
#24
○大塚耕平君 さっき局長に東証の所管はどこかとお伺いしたわけですが、金融庁とおっしゃったわけですから、東証が、金融庁から見て、あるいは伊藤大臣からごらんになって、必ずしも適切ではないという判断をした場合には、当然、行政権限を発揮するのが金融庁の仕事でありますが、このカネボウの件は、どのような判断が出たとしても、個別の案件ということで今後もその姿勢を維持されるということですか。それは変わることがあり得るということでしょうか。
#25
○国務大臣(伊藤達也君) 仮定のことでありますのでコメントは差し控えさせていただきたいというふうに思いますが、取引所におきましては、取引所のその信頼あるいは魅力の向上のためにそれぞれ自主規制規則というものを設けているわけでありますから、それに基づいて上場を廃止するか否かについての判断というものがなされる、適切に対応されていくものというふうに思っておりますし、また、私どもは取引所に対して監督権限というものを持っているわけでありますけれども、その監督権限を行使するに当たっては、法令においてその判断基準というものがあるわけでありますので、そうした判断基準に抵触するようなことが仮にあるとするならば、監督者として適切な対応をしていかなければいけないというふうに思っております。
#26
○大塚耕平君 東京証券取引所は株式会社化する予定ではありますが、これは公的組織であるという理解でよろしいですか。
#27
○国務大臣(伊藤達也君) 今委員が御指摘をされたように、東証においては、その上場ということも視野に入れながら今様々な議論がなされているというふうに承知をいたしております。
 市場間の、特に国際的な競争というものが激化している中で、市場の機能というものを強化をして、そして競争力というものを向上させていくことは重要だというふうに思っておりますが、一方で、市場としての中立性そして公正性を確保していくということは極めて重要でありますので、そうした観点から公共性を有しているものというふうに考えます。
#28
○大塚耕平君 私がお伺いしたかったのは、株式会社化されても公的組織であるという位置付けでいいですねということだったんですが、恐らくそういうことでいいという御答弁だったと思うんですが、伊藤大臣、ここは本当に重要な御判断の局面だと思いますので、是非、政治家として、大臣として適切な行動なり御見解をお伺いしたいと思うんですけれども、このカネボウが、もしこれ上場廃止にならないということになった場合のメリットとデメリットを、大臣のお考えをお伺いしたいんですが。
#29
○国務大臣(伊藤達也君) もう大変恐縮でありますが、もう正に個別の問題でありますのでコメントは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
 繰り返しで恐縮でございますけれども、一般論として申し上げれば、それぞれの市場開設者は自主規制規則というものを持っているわけでありますから、上場廃止をするか否かについてはその自主規制規則に基づいて適切に対応されるものと承知をいたしております。
#30
○大塚耕平君 これは大臣じゃなくても結構ですが、産業再生機構が東証に対して上場を維持してほしいという要請をしたという事実があるわけですが、産業再生機構が東証に対して上場維持を要請できる根拠というのは何なんでしょうか。
#31
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。
 この四月の十三日に、産業再生機構からカネボウによります過年度決算の訂正発表に関する産業再生機構の考え方が公表されたというふうに承知しております。
 これによりますと、産業再生機構はそのカネボウの株式を引き続き上場することが相当と考えるという、そして、その理由といたしまして、カネボウに対する機構の支援が継続をすること、既に平成十六年度の中間決算等については基本的に適正な情報開示が行われていること、また、カネボウの株式が上場廃止となった場合、株主に不測の損害を与えたり取引先に混乱が生じる可能性があること、さらに、自発的な調査に基づいて過去に遡及して適切な会計基準を適用した結果、株券の上場が廃止されるということになれば、早期事業再生を目指す企業の上場維持などを図るための諸規定の趣旨が没却されかねない、さらに、その上に、上場企業を取り巻く事業再生市場が大幅に萎縮する可能性もあると、などの理由を挙げているものというふうに承知をいたしております。
#32
○大塚耕平君 いやいや、私がお伺いしたかったのはちょっと違うんです。それは産業再生機構がどのような考え方に基づいて上場維持を要請したかということの御回答ですよね。そうじゃなくて、産業再生機構という公的組織が東京証券取引所に対して上場廃止基準に抵触するかもしれない事例に関して早々と上場維持を要請できる言わば法的根拠、その行動の裏付けは何かということを聞いているわけです。
#33
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。
 そういった法律上の、こういった意見を述べることができるとか、そういった根拠規定があるわけではないというふうに思います。
#34
○大塚耕平君 産業再生機構は単なる民間組織ではありませんので、これは国民は政府とほとんど一緒だと思っているわけです。というか、一緒です、事実上。政府が東京証券取引所に対してそういうことを要請するということの重みですね、重み、それを考えると、当然その行動には裏付けがなければならないと思うんですが、もう一度お伺いします。
 産業再生機構の行動根拠になっている法律なり、あるいは何らかの取決めというのは何なんでしょうか。
#35
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、私が承知する限りでは、これは産業再生機構は私どもの所管ではございませんけれども、私の承知する限りではそういった法律上の根拠というのはないと考えております。
#36
○大塚耕平君 ちょっと勉強不足なので教えていただきたいんですが、産業再生機構の所管はどこになるんでしょうか。
#37
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。
 主務大臣はたしか内閣総理大臣、あるいは、などだったというふうに思います。
#38
○大塚耕平君 私のうろ覚えでは、何か金融庁さんも含めた四省庁の共管だったではないかと思うんですが、ちょっとそこを確認してくれませんか。止めてくださいよ、答えられないなら。
#39
○委員長(浅尾慶一郎君) 速記止めて。
   〔速記中止〕
#40
○委員長(浅尾慶一郎君) 速記を起こしてください。
#41
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。
 所管大臣は内閣総理大臣と財務大臣と経済産業大臣だったというふうに思います。
#42
○大塚耕平君 財務大臣、急に弾が飛んできましたけど。
 所管大臣として、産業再生機構がそういう要請をするということは、一般国民から見ると、これは例えば財務省や金融庁が東京証券取引所に、いやカネボウの上場廃止をしない方がいいよと、維持してくれと言っているのに近い心証を与えていると言う人もいるんですが、大臣はどのようにお考えになりますか。
#43
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、増井局長から御答弁がありましたように、産業再生機構の主管大臣というのは三人おります。それで、私もその一人でございますが、私の主管大臣となっておりますのは、要するにこの産業再生機構の活動が後から余分な国民負担を生むようなものであっては国庫大臣として看過できないと、こういう観点から私は関与しておりますので、今の点について自信を持って有権的なお答えをするのはちょっと私はいかがかと思っております。
 ただ、私もかつて担当大臣をやらしていただきました。総理大臣のところには二人実は掛かっておられる大臣がおりまして、実務的には、法的には総理大臣でございますが、その総理大臣のお立場は、一つは金融の秩序という意味から金融担当大臣がいる、もう一つは、機構そのものの直接に担当している大臣としての産業再生機構担当大臣というものが分担して、その二人はどちらも内閣府の大臣でございますから、上は総理であると、こういう形になっているわけでございます。
 当時私の記憶、記憶に頼って、委員会で余り記憶に頼って不正確なことを申し上げるといけないんですが、やはり企業を再生していくに当たっては上場できるかできないかということが非常に大きなポイントでございますので、そこを何らかの見通しを付けてやらないと、付けて作業をしないと、事業再生といいますか産業再生が進んでいかないなという議論をした覚えがあるんですが、その整理がどうであったのかはちょっと私記憶が定かではありませんので、これ以上の御答弁は差し控えさしていただきたいと思います。
#44
○大塚耕平君 所管は三省庁だということは分かりました。しかし、今回の件は粉飾、有価証券報告書の言わば虚偽記載、そういう観点、さらに東証に上場維持するかどうかという観点で言えば、もうこの辺は全部金融庁の所管でありますので、産業再生機構の所管そのものが金融庁ではないからといって、この件に関して金融庁として見解を申し述べる立場にはないことはないと思います。だから、適切に行政権限を発揮するために皆さんに行政権限があるわけですから、ちゃんとやってほしいと思いますが。
 お手元に東証の上場廃止基準がもしあったら第二条の第十六項をちょっと増井局長、読んでいただけますか。なければ──あります、第十六。
#45
○政府参考人(増井喜一郎君) 十六項でございますか。
#46
○大塚耕平君 十六。
#47
○政府参考人(増井喜一郎君) 恐縮です。今ちょっと手元にございません。
#48
○大塚耕平君 じゃ、私が御報告を申し上げます。
 上場廃止基準として十五項までの、前各号のほか、公益又は投資者保護のため、当取引所が当該銘柄の上場廃止を適当と認めた場合と、こう書いてあるんですね。公益と書いてあるんです。この部分に関連してさっきメリット、デメリットというお話をお伺いしたんですが、もう一回お伺いします。この九期連続粉飾というこの企業を上場を維持することのメリットとデメリットについて、伊藤大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#49
○国務大臣(伊藤達也君) 重ねてで本当に恐縮でございますが、やはり委員の今のお尋ねというものは個別のことでありますので、私どもとしてのコメントは差し控えさしていただきたいというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、先ほど来お話をさしていただいているように、東証においては自主規制規則というものがあるわけでありますので、それに基づいて上場を廃止するか否かについて適切な対応がなされていくというふうに思っておりますし、また先ほど来、共管、所管の問題について議論がなされたわけでありますけれども、私も当時金融担当の副大臣として、産業再生機構が設立をされるに当たって、これもやはりちょっと正確なことを御答弁しないといけないのかもしれませんが、その印象としてお話をさせていただきますと、委員が御指摘をされていることも十分議論としてあるということは承知をいたしておりますが、一方で、金融と産業の一体的再生というものを実現をしていくと、これが政府の大きな方針でありますが、その産業再生というものを実現していくに当たっては、早期の事業再生について、上場が維持されるかどうかというのはこれは極めて大きな問題でありますし、また事業再生のその市場というものがしっかり育成されていくかどうかという観点からも、この上場の維持については大変議論のあるところだと、こうした議論が行われていたというふうに私も記憶をいたしているところでございます。
 しかし、いずれにいたしましても、この問題については東証のやはり自主規制規則に基づいて適切に対応されるものと承知をいたしております。
#50
○大塚耕平君 日本の株価がなかなか上がらない理由について是非深くお考えいただきたいなと思います。このカネボウの件は、もちろんそこで働いている従業員の皆さん大変だと思います。そういう観点で考えるとなかなか一刀両断に申し上げにくいところがあるんですが、ただ、このケースで上場維持をすると、一体公益とは何ぞやということになりますね。もうこれは目に見えない形で日本経済に対する信頼を喪失させ、そして日本の株価を目に見えない形で下押しするという物すごい公益を害することになりはしないかということをお伺いしているわけです、私は。
 これはもちろん今日この委員会で結論が出る話じゃないですから、まだまだ議論はさせていただきたいと思いますが、例えばこのケースが、今大臣がおっしゃったり、あるいは産業再生機構が言っているような市場に大変な混乱を及ぼすから云々かんぬんという理屈が通るんであるならば、山一証券なんか清算する必要なかったですね。山一証券も大変市場に影響を与えたわけですから、清算なんかしないで何か別の解決の仕方があったと思います。西武鉄道だって上場廃止にする必要はないし。だから、これは西武との違い、山一との違い、いろんな過去のケースとの定量的な基準ということを今後問われることになりますよ。このケースでもし余りに合理的と思えない判断をされるとですね。
 だから、もちろんこれは相当奥の深い問題だと思いますので、我々もじっくりこれから議論をさしていただきたいと思いますが、産業再生機構はなかなか国会に出ていただけないという傾向がありますので、委員長にお願いをしたいんですが、一度産業再生機構について、当初は百件とも二百件とも言われていた案件が四十一件で終わり、非常に不透明な案件の引受けと、そしてこういう事例も出てきているわけですから、産業再生機構についての集中審議をお願いしたいと思います。
#51
○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまの大塚耕平君の御意見につきましては、後刻理事会において協議いたします。
#52
○大塚耕平君 それでは次の問題に移らさせていただきたいんですが、先ほど野上委員からもG7について御質問がありましたけれども、私もG7について一つ大臣にお伺いしたいんですが、財政健全化が日本の公約になったというような新聞報道もありましたし、大臣の御発言として、日本政府は財政構造改革を最優先と位置付けると記者会見でおっしゃったという報道もありますが、これについての事実関係と御認識をお伺いしたいと思います。
#53
○国務大臣(谷垣禎一君) 世上、国際公約になったというような表現で報道されておりますが、国際公約というのはどういうことなのか、その厳密な意味がよく私も分かりませんので、そういう表現が適切かどうかは、私、今そうだと言う自信もありません。
 ただ、私からは、このG7において世界のマクロ経済をやり、その中で各極がどういう問題を抱えているかという議論をするわけですが、今までずっと日本は構造改革に取り組んでいるんだという説明をしてまいりまして、その中の一つとして、従来ずっと重点を置いて財政構造改革をどうしていくかというようなお話をさせていただいてまいりました。
 今回、特別に従来よりもえらく肩に力を入れてこのことばかりを申し上げたわけではありませんけれども、これは国会内でもいろいろ議論をしていただき、それぞれのお立場で賛成、反対はあると思うんですが、今回も定率減税の縮減みたいなことをお願いをして法律を作っていただきましたので、要するに歳出を削減するという方向だけではなくて、歳入をどうしていくかということを含めて、歳入歳出両面からバランスの取れた財政構造改革を進めていくんだということを今回は、従来も言っていなかったわけではないと思いますが、今回やや、国会で法律が通ったことも含めまして申し上げたということがあるわけでございます。
 これの背景にもう一つあると思いますのは、アメリカもかなり今、予算教書以来、アメリカの財政構造改革についていろいろ議論がアメリカも内部でもあると思いますが、アメリカからも相当その点では力を入れた御発言がありました。また、ヨーロッパもそれぞれそういう御発言があって、要するに、全体的な不均衡を為替調整にすぐ持っていこうという議論よりも、それぞれの極が抱えている構造改革でやっていこうという色彩が従来より若干今回は強くなったG7ではないかなというふうに思っております。
 そういうことがコミュニケに出たような表現になり、私、記者会見でも財政構造改革に力を入れたと申しましたけれども、簡単に要約すればそういうことになると思いますが、そう申し上げたことの背景でございます。
#54
○大塚耕平君 つまり、一段と財政健全化が大きなテーマになり、これから財務大臣として、もちろん歳入面の工夫もされるんでしょうけれども、歳出効率化というか、無駄な歳出削減には一生懸命取り組まれると、こういう理解でよろしいですね。
#55
○国務大臣(谷垣禎一君) おっしゃるとおりだと思います。
#56
○大塚耕平君 当委員会でもいろいろと、これは与野党問わず、いろんな財政健全化、とりわけ歳出の効率化、無駄遣いの抑制についてはいろんな提案が出ておりますので、せんだっても私も査定のところでいろいろアイデアを出させていただきたいというふうにお願いをさせていただいて、やっていいという大臣のお許しをいただいたような気がしていますので、是非しっかり提案をさせていただきたいと思いますが。
 今日はその歳出の問題に絡んで、諫早湾の干拓についてちょっと二、三、事実関係を確認をさせていただきたいんですが、まず諫早湾の干拓事業の現状について、多くの委員の皆さん、大体は分かっておられますので、まず簡単に農水省に御説明をいただきたいと思います。
#57
○政府参考人(南部明弘君) 諫早湾の干拓事業につきましては、防災対策と優良農地の造成ということを目的に事業を進めているところでございますが、その進捗につきましては現に九四%ということになっております。
 ただ、このような中で佐賀地方裁判所より工事差止めの仮処分が出されておりまして、現在それを受けまして工事を中断している状況でございますけれども、私どもといたしましては、工事再開のため、現在、福岡高等裁判所に保全抗告を行っているというような現状になってございます。
#58
○大塚耕平君 委員の皆様方にも資料を配らせていただきましたが、ここにちょっと大きな地図がありまして、これはちょっとお回しするわけにはいかないと思うんですが、これが諫早湾でありまして、ここに堤防がありますね、潮受け堤防。何となく遠目でもごらんいただけると思うんですが。この潮受け堤防の一番下のところですね、一番下のところを拡大した図がこれになります。お手元に配らせていただいた図ですね。
 その潮受け堤防の上の道路ですね、堤防の上の道路と、堤防が北と南でつながる北部取付け道路、南部取付け道路と言うらしいんですけれども、これらを利用したふるさと農道事業というのを建築中であるというふうに聞いているんですが、これはどういうものなんでしょうか。
#59
○政府参考人(南部明弘君) 今、図面でお示しいただきましたけれども、私ども、事業におきまして、潮受け堤防の工事用及び堤防完成後の管理用として南北の取付け道路と潮受け堤防上の道路というものを建設してございます。
 これらにつきましては平成十年度までに事業としては完成しておるわけでございますが、今お話しのございましたふるさと農道緊急整備事業につきましては、長崎県が島原半島の二市二十町からの要望を踏まえまして平成十二年度に地方単独事業として採択された事業でございまして、その内容は、この干拓事業で建設した道路を活用して一般交通に利用するということのために、拡幅でありますとか舗装というものを行う事業だというふうに聞いてございます。
#60
○大塚耕平君 つまり、お手元の図のこの黒い太い線ですね、黒い太い線がふるさと農道として堤防の上を通って、さらに国道二百五十一号線に出るように今造られているということなんですが、この南部取付け道路を使わないで新たに迂回ルートを造るという話が進んでいるやに伺っているんですが、それはなぜでしょうか。
#61
○政府参考人(南部明弘君) 私ども、干拓事業で道路を建設しました際には、その計画当時におきまして一般交通に利用するという計画がございませんでしたので、工事用ないしは管理用道路ということで、その経済性等を考慮いたしましてその構造を決定いたしております。
 その後、長崎県さんにおきまして、一般交通に利用するということで、この道路構造の検討を様々行われたというふうに聞いておりますけれども、この南部取付け道路の区間につきましては、道路構造令に照らしまして、道路の縦断勾配、長さ方向の勾配でございますが、それが一般交通用として適さないというようなことでございまして、この南部取付け道路を活用するということではなくて、新たな路線を選定されたというふうに伺っております。
#62
○大塚耕平君 もう少し簡単でいいですから。
 何が問題でこの南部取付け道路、もう完成している道路が使えないんですか。
#63
○政府参考人(南部明弘君) 道路等を一般の用に供するという場合には、道路交通が安全も含めまして、多分円滑に行くというようなことをお考えになっているんだろうと思いまして、そのようなことから、道路構造令等に照らしますと、道路の構造そのものがそもそも一般交通を想定していないもので整備されているものですから、それを一般交通に適するということから考えると、新たな路線ということで南部取付け道路部分が考えられたと考えております。
#64
○大塚耕平君 その南部取付け道路の国道二百五十一号線への接続部分、この裏側の写真なんですよ。ガードレールで通行止めにしてあって、ここは使えませんということで、それで、この表の図にありますような迂回路を造ろうとしているわけですね、今。
 私、別に長崎県人じゃありませんので、あちこちで、東京の長崎の方とか、若干長崎の出身の方々から問題提起をされて、お話聞いているうちに、変だなと思って今日質問をさせていただいているんですけれども、迂回路を造って、この左側の通学路と書いてある辺りに接続をすると、ここ、結構商店とかあって通学路もあって、ここに大きなダンプカーも通るような道路を造ると非常に危ないので、無駄でもあるし、国道二百五十一号線につなげるんだったらこの南部取付け道路を使ってくれればいいじゃないか、何でガードレールで使えないようにしているんですかということを非常に熱心に聞いていただいたので、土地カンのない分野なんですけれども、ちょっと調べてみたわけなんですが。
 もう一回聞きます。何で南部取付け道路を使わないんですか。
#65
○政府参考人(南部明弘君) まず、ガードレールで仕切られているというのは、現在、一般の用に供しておりませんで、管理用ということでそこを占有しておりますので、余り車が入ってこないようにというふうなことだろうと思います。
 なぜ使わないかということでございますが、ふるさと農道の緊急整備事業の事業主体であります長崎県さんにおきまして、先ほどのようなことから路線計画を決定されているというふうに伺っているところであります。
#66
○大塚耕平君 長崎県、長崎県といいますけれども、このふるさと農道緊急整備事業というのは、実は四種類ある農道整備事業のうちの一個なんですね。一番お詳しい農水省出身の先輩議員がここにいらっしゃいますけれども。そのうち三種類は国庫補助事業なんですよ、国庫補助事業。今問題提起させていただいているこれは確かに県単事業なんですね。それは分かります。
 しかし、県単事業とはいっても、これは最終的に起債対象になると、その起債対象部分というのは地方交付税算定のときの基準に引っ掛かってきますので、国庫も無関係ではないんですよ。だから無駄なものは造ってほしくないなという一言に尽きるわけですが、このふるさと農道緊急整備事業、この件もそうですが、いつから行われていて、これまでにどのぐらいの金額が投入されていますか。
#67
○政府参考人(南部明弘君) ふるさと農道緊急整備事業につきましては、平成五年から実施されておりまして、それの実績につきましては、平成五年から平成十六年度まででございますけれども、大体一兆二千七百億円程度というふうにお聞きいたしております。
#68
○大塚耕平君 一兆二千ですよ。大臣、御存じでしたか。財務大臣。
#69
○国務大臣(谷垣禎一君) この問題に関して細かに聞いたことはありませんけれども、相当な金額だなと思います。
#70
○大塚耕平君 今お伺いしたのは、四種類ある農道事業のうちの一番グレードの低いやつですね。つまり県単事業の分です。その上にある広域営農団地農道整備事業、それから一般農道整備事業、農林漁業用揮発油税財源身替というんですかこれ、農道整備事業、いわゆる農免農道ですね。この三つはこれまでにどのぐらいの財源が投入されていますか。
#71
○政府参考人(南部明弘君) 今、ちょっと手元に数字を持っておりませんので。
#72
○大塚耕平君 これらの農道事業はいつから始まっているんですか。分からなければ平野委員に聞きますけれども。
#73
○政府参考人(南部明弘君) 各々始まっている年が違っておりまして、正確には記憶しておりませんけれども、一般農道については昭和二十年代からだと思いますし、広域農道につきましては昭和四十年代、農免農道もそのころというふうに考えています。
 少し違っておるかもしれません、申し訳ございませんが。
#74
○大塚耕平君 手元に数字がないので不正確でも結構ですから。
 しかし、もうそのころからやっている事業ですので、担当の幹部として、目の子でいいですから、どのぐらいの予算が投入されていますか。外れていても別に怒りませんので。
#75
○政府参考人(南部明弘君) 農道事業につきましては、平成十六年度の国費ベースでは大体七百二十億円ぐらいでございます。
 いろんな、物価の上昇でありますとか、何といいますか、そういうものがありますので、予算の増減等、けた数が違うような場合もありますので、ちょっと、今、余りに不正確な数字を申し上げてもなんだと思いますので、そこは御理解願います。
#76
○大塚耕平君 じゃ、部長、その三つの事業について、いつから事業が始まって、これまでにどのぐらいの財源が投入されたか、取りあえず私のところに御報告いただけますか。
#77
○政府参考人(南部明弘君) 後ほど御報告させていただきます。
#78
○大塚耕平君 それで、この国庫補助事業の方ですけれども、それぞれ採択基準というのがあるんですが、一番大きい広域営農団地農道整備事業から順番に、受益面積、それから道路の延長、車幅、それぞれどういう基準になっておられますか。
#79
○政府参考人(南部明弘君) まず広域農道でございますけれども、これは、受益面積が千ヘクタール以上、延長十キロメートル以上ということで、車道幅員五メートル以上ということになってございます。それから農免農道事業ですが、これは、受益面積が五十ヘクタール以上、車道幅員が四メーター以上、総事業費で一億円以上ということでございます。それから一般農道でございますけれども、受益面積が五十ヘクタール以上、延長が一キロメートル以上、全幅員で四・五メートル以上ということにいたしておりますけれども、地域の実情に応じましてある程度弾力的な運用ということをやっているところでございます。
#80
○大塚耕平君 それぞれの事業主体と国庫補助率、国庫補助率は財務大臣に関係しますので、事業主体と国庫補助率を教えてください。
#81
○政府参考人(南部明弘君) 広域農道と一般農道につきましては、事業主体を都道府県といたしております。農免農道につきましては、事業主体を都道府県、市町村、土地改良区といたしております。
 国庫補助率は、広域農道、農免農道が二分の一でございます。それから一般農道につきましては四五%ということになっております。
#82
○大塚耕平君 五〇と四五といいますから、残り五〇と五五についてはこれは起債対象になるんですが、起債対象になると、今度は地方交付税算定のときにどういうふうに影響してきますか。
#83
○政府参考人(南部明弘君) これは、各、各々の地方公共団体が負担された分につきまして、総務省さんの方で地方交付金の算定に当たって算定されているというふうに伺っております。
#84
○大塚耕平君 私が申し上げたいのは、今までの質疑で御理解いただければ大変幸いなんですが、事業主体が都道府県です、全部。都道府県が必要だからといって決めた事業について、決めれば国庫補助が掛かり、県単事業であっても起債対象となり地方交付税に影響してくると、こういうものが膨大な量造られているわけですね。
 農水省にお伺いしますが、この採択基準で矛盾がある点が一つあると思われませんか。この受益面積と延長と車幅、何かこれは合理的ではないなと思われる基準があるかないか、ちょっと考えて御答弁いただきたいんですが。
#85
○政府参考人(南部明弘君) 少し分かりかねますけれども。
#86
○大塚耕平君 延長は、例えば広域営農団地農道整備事業は十キロ以上、一般農道整備事業は四・五キロ以上、ああ四・五メートルと書いてありますけれども、メートルでいいんですか、これは。
#87
○政府参考人(南部明弘君) 幅員ですか。
#88
○大塚耕平君 いやいや、あっ、これ全幅ですね、ごめんなさい。
 広域営農団地農道整備事業の十キロです。これです、十キロ以上。これで受益面積が千ヘクタール以上と書いてあるんですけれども、これ本当に意味のあるものを造ろうと思えば、延長というのは以上ではなくて基準以下というふうにしなければおかしいと思われませんか。言っている意味分かりませんか。
 受益面積が千ヘクタール以上というのはこれは分かります。なるべく広い受益面積の地域が効果を享受できるように。しかし、そのために道路延長を長くすれば長くするほど、一千ヘクタール以上になるまで延長を延ばせばいいわけですから。ある一定の距離を造っても、それでも一千ヘクタール以上の効果があるんだったら意味のある農道かもしれません。しかし、延長も十キロ以上ですから、一千ヘクタールに足りなければ二十キロ、三十キロ造ればいいわけですから。ここの基準はおかしいと思いませんか、効率的に政策投資をしていくという上で。
#89
○政府参考人(南部明弘君) 農道につきましては、必要な受益地に対して農道を公道で延長を設計するという考え方でやっております。ですから、委員おっしゃりますように、十キロメートル例えば以内で、二十キロでもいいんでしょうけれども、千ヘクタールというような考えには立脚しておりませんで、千ヘクタールの受益をカバーする農道の延長として、効率的なことは当然考えておりますけれども、十キロメートル以上という考え方で補助しているものでございます。
#90
○大塚耕平君 一般農道整備事業の方も、これは五十ヘクタール以上で一キロ以上なんですね。だから、五十ヘクタール以上にしようと思えば二キロか三キロ造ればいいわけですよ。こうくねくねと曲がっていって、この絵みたいになるべく関係するところをすっと通って受益面積広くすればいいわけですよね。こんな悠長なことをやっている財政的余裕はないというふうにG7で言われたわけですからね。
 農水省に聞きますけれども、この延長基準に、本当はこの農道事業そのもの全体を見直した方がいいと思いますよ、私は。だけれども、いきなりそれができないとしたら、少なくともこの延長基準を見直すということが合理的かもしれないなと今思われませんか、この委員会の場で。
#91
○政府参考人(南部明弘君) 補助の基準につきましては、これまで様々な検討等もしてきておるところでございますし、そのようなことでございまして、今後ともこのような運用で考えてまいりたいと思っております。
#92
○大塚耕平君 済みません、農水省余りここにおいでいただいたことないので私の個人的性癖を御存じないと思うんですが、いつも申し上げているんですけれども、国会で何か一つでも二つでも物事が決まっていかなかったら、もうこれだけ人数が集まっていること自体が大変無駄なんですよね。議論だけして何となく問題点は認識できたけれども、検討しますと帰って、結局三年、十年全く物事が変わっていかないというと、もう本当に国会はばかにされているんじゃないかというふうに思うわけです。
 今、この農道事業について、すべてが無駄だとは言わないけれども、例えばこのふるさと農道、何だか知らないけど、既にある道路を使わないで迂回路を子供たちの通学路を横切ってまで造ろうとしていたり、あるいはこの農道整備事業について、幾らでもこの基準に合うような工夫ができるような採択基準が設けられているということに関して、これはやっぱり少し見直す余地があるなと思われますか。余地があるかないかということをお伺いしたいです。
#93
○政府参考人(南部明弘君) 補助事業の採択ということであろうかと思いますけれども、補助事業の採択に当たっては、その事業が、効果と投資というようなところでも見ておりますし、先ほども申し上げましたけれども、その効率的な農道の路線配置でありますとか一団の受益のまとまりというようなことを検討して事業の採択をしているつもりでございます。今後ともそのようなことで効率的な事業の実施ということを考えてまいりたいと思います。
#94
○大塚耕平君 いや、そうじゃなくて、今後とも一件一件効率的に採択をされるというのはそれは分かります。しっかりやっていただきたいんですけれども、そうじゃなくて、この基準を見直す余地があると思われませんかと聞いているんです。
#95
○政府参考人(南部明弘君) 農道の事業を様々進めていく中で、必要が生じてくれば事業の基準等につきましてもまた検討することもあり得るかと思います。
#96
○大塚耕平君 検討するということですね。再確認です。
#97
○政府参考人(南部明弘君) 個別の事業の審査でありますとかそういうことを進めていく中で、必要に応じて、必要があれば事業の採択基準等も検討するということがあり得るかと思います。
#98
○大塚耕平君 しつこくて済みません、必要があればというのはどういうことですか。
#99
○政府参考人(南部明弘君) 仮定の話でございますのでなかなか具体的には申し上げられませんけれども、効率的な事業の実施でありますとか効率的な予算の執行というようなことに対して支障があると、そういうふうな場合が一般的には考えられると思います。
#100
○大塚耕平君 今お伺いしたのは広域営農団地農道整備事業と一般農道整備事業のこの延長基準のところなんですね。もう一個の農免農道は、これは距離基準は、私が教えていただいた限りでは距離基準はなくて、受益面積五十ヘクタール以上、車幅が四メートル以上、総事業費が一億円以上。これみんな以上、以上、以上ですからね。距離長くして総事業費を一億円以上にして受益面積を五十ヘクタール以上のプロジェクトをつくれば何でも採択基準に引っ掛かっちゃうんですよ。おかしいと思いませんか。
#101
○政府参考人(南部明弘君) 事業の採択に当たりましては、その事業の効果でありますとかそういうものを見ております。ただやみくもに規模を大きくして、若しくは採択基準に合致するようなというようなところで事業が計画して採択されているものではないと思っております。
#102
○大塚耕平君 そういうものではないことはないと私は思います。実際には不必要な事業が捻出されていると思います。
 この最初のふるさと農道事業の話に戻りますけれども、これは三期に分かれていて、平成五年から九年が第一期、十年から十四年が第二期、十五年から十六年が第三期、第三期になって、ふるさと農道事業はもうやらなくていいと言ってゼロになっているところがありますね。東京がもうずっとこれはゼロです、ふるさと農道事業は。もう一個ゼロになっているところはどこですか。
#103
○政府参考人(南部明弘君) 鳥取県であると承知しております。
#104
○大塚耕平君 鳥取県がこのふるさと農道はもう一メートルも要りませんと言っている一方で、例えば宮崎県は六十一億、北海道は六十九億、関係者もいらっしゃるので恐縮なんですが。
 そうすると、鳥取と宮崎、鳥取と北海道はどういうニーズの違いがあってこういう差が出てきているんですか。これはもちろん県や道が判断されることですけれども、どう思われますか。
#105
○政府参考人(南部明弘君) 各道県でお考えになってやっておられることでございますので、私どもその辺の詳細については承知しておりません。
#106
○大塚耕平君 詳細は承知しておりませんといって、今日は皆さんやじが飛ばないんで残念なんですけど、これ、起債事業ですからね、地方交付税にも影響してきますからね。詳細は承知しないで認めているわけですか。
 もう一回聞きます。詳細は承知してないんですね。これ、議事録残っていますからね。詳細は承知してないですね。
#107
○政府参考人(南部明弘君) 地方が単独事業として独自に実施されておられる事業でございまして、例えば、補助事業と併せて地方の単独事業を行う場合でありますとか、そのような場合につきましては調整等さしていただいておりますけれども、そうでない場合は、私ども、一般的にその事業の内容でありますとか、いろんなこと等につきまして関与するというようなことは適当でないと考えております。
#108
○大塚耕平君 関与する方が適当だと私は思います。
 もう牧歌的に財源がどんどん増えてくる時代じゃありませんので、是非、県単事業についても、本当にそれらが必要なものかどうかということを各都道府県と情報交換をして御判断をいただきたいと思いますが、今年度の概算要求からそういう姿勢で臨んでいただけるということでよろしいですか、農水省。
#109
○政府参考人(南部明弘君) 県の単独事業につきましては、地方分権のお話もございまして、私ども、そこまで関与できないというふうに考えております。
 農道整備事業につきましては、一層その効率的な実施に努めてまいりたいと考えます。
#110
○大塚耕平君 財務大臣、ここまで質疑をお聞きになって、いかがお感じですか。
#111
○国務大臣(谷垣禎一君) 我が役所も副大臣も政務官も農水省の御出身でありまして、こういう問題、非常に造詣の深い方でありますけれども、私は、今問題提起をされた、初め国営事業で始めた事業と、それから農道事業、これ、かなり時間の経過もありますので、そのときそのときによっての判断も違っている面もあると思いますが、私は、一般論からいいまして、やはりそれぞれの事業実施主体というものがよく打合せといいますか調整をしていただいて、資源の効率的な配分を努めていただくというのは、これはこれからやっていただかなきゃならぬことだろうと思います。
 是非とも、そういうことをしていただいて、今、もちろん農水省の方から御答弁もありましたように、県単事業のようなものは、それは自治体の分権の立場からいって自主性、我々が余り細かなところまで口を出すべきでないことがあることはよく承知しておりますけれども、全体でやはり無駄な資源の使い方はしないということで、よく調整をしてやっていくような方向を目指さなければいけないんじゃないかと思っております。
#112
○大塚耕平君 農水省にお伺いしますが、この南部取付け道路を迂回したふるさと農道、これは事実関係をもう一回よく調査をして、本当にこの南部取付け道路を使わないという計画のまま進めていいかどうか、長崎県とよく調整をするということでよろしいですか。
#113
○政府参考人(南部明弘君) 長崎県ともお話をいたしますけれども、先ほど来申し上げていますように、そんなになかなか県の単独事業の内容に関与できないということもございますので、その考え方なり、効率的な資源の利用というようなことになるようなことは念頭に置いて、またいろいろ県等との調整が必要であれば調整を行ってまいりたいと考えます。
#114
○大塚耕平君 法務省においでいただいていますけれども、佐賀地裁の工事差止め仮処分命令というのは、片や全体の作業がストップしている中で、それとは別にこれが粛々と、ふるさと農道だけはこの堤防の上の道路も使って粛々と続いているわけですが、これらの工事には地裁の判断の効力は及ばないんでしょうか。
#115
○政府参考人(大竹たかし君) 佐賀地裁の工事差止めの仮処分命令というのは、これは国に対して命じられているものでございます。先ほど来のお話のように、県がこの御指摘のふるさと農道事業に基づく工事を行っておるということでございますので、仮処分の効力は及ばないというように理解しております。
#116
○大塚耕平君 仮にこの潮受け堤防が要らないというようなことになって取り壊したら、せっかく造ったふるさと農道も要らなくなっちゃうわけですよね。要らなくなるというか、なくなるわけですよね。で、そういう可能性を抱えた事業は、こちらの本体の事業についての結論が出るまではやはり中止するのが、あるいは中断するのが合理的だというふうに私は思っておりますので、是非賢明な御対応を農水省にはしていただきたいということをお願いをしまして終わらしていただきますが、今日は総務省にも地財計画の関係でこの件お伺いするべくおいでいただいておりましたが、もう時間が参りましたので、質問できなかったことをおわび申し上げまして、私の質問を終わらしていただきます。
#117
○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。
 財務大臣におかれましては、G7への御出席大変御苦労さまでございました。
 先ほど同僚議員から総括的な評価を問う御質問があり、お答えありましたので、その中で、財務大臣の御発言で、共同声明の中で、我が国としては財政再建を含む構造改革、これが盛られたと、これによって日本政府として財政再建に取り組むことがG7の共有の認識となったと、このような御発言もあったわけでありますけれども、それを受けて、財務大臣として、これから国際公約ともなったと評されるこの財政再建への取組、これを具体的にどうしていくか、これについての御決意をいただきたいと思います。
#118
○国務大臣(谷垣禎一君) 国際公約という言葉が適切かどうかはよく分からないんですが、いずれにせよ、こういう努力は日本としては避けて通ることはできないというのは私は間違いないことだろうと思っております。
 そこで、具体的にどうしていくかということになりますと、これは一つは、これもこの委員会で何度も申し上げているところでございますけれども、一番の基本にしておりますのは、二〇一〇年代初頭にいわゆる基礎的財政収支のバランスを取っていくということが目標でございます。
 そこで、具体的には二〇〇六年、平成十八年度までの間、平成十四年度、二〇〇二年度の政府の大きさを上回らないようにするということで、歳出改革路線、まあ歳出改革路線と言うと大変オブラートに包んでおりますが、無駄なところは徹底的に切り込んで、聖域なき歳出改革をやっていかなきゃいけないということだろうと思います。
 そういう中で、やはり焦眉の急になっておりますのは、一般歳出の中で四割を超えております社会保障改革をどういうふうに進めていくのかというのはどうしても避けて通れない課題であろうというふうに考えているところでございます。
 それで、平成十八年度までに、国と地方双方がそのような歳出削減努力を積み重ねて、何が必要な行政サービスであるのか、国があるいは地方が提供すべきサービスであるのか、そこをぎりぎり議論していかなきゃいけないだろうと思うんです。そうすると、必要な歳出水準は何なのかということがめどが付いてくると思います。
 それから同時に、私、あっちこっちでしかられて、おまえはもう財政再建、再建ばっかり言っているというふうにしかられるんですが、同時に必要な行政サービスの水準は何かということも見極めながら、そのときにおける日本の経済の体力といいますか経済活性化の進み具合、そういったものもよく見ていかなきゃならないと思いますが、そういう必要な行政サービス、つまりどれだけ給付が必要かということに合わせて、じゃそれに対応する負担は何なのかということも併せて見極めていっていただかなきゃいかぬと。それは結局税の問題ということになってくるだろうというふうに思います。
 で、平成十九年以降もそれと同等な努力を積み重ねていくということでありますが、先ほど申しましたように、平成十九年度以降の財政収支改善努力に係る、それまでそういう努力を積み重ねて、歳入歳出を一体としてどういうふうにしていくのかという改革の検討にもう今から着手しなきゃいけないと思います。そしてその結論を、平成十八年度内に結論を出していくと、こういう道筋に沿って財政構造改革をやっていくと。
 今まで何度もお答えしてきたところでございますが、そのことを改めて申し上げたいと思っております。
#119
○山口那津男君 G7では、同時に、中国の人民元の切上げ問題が議論されたようでありますが、中国の名指しは明確にはなされなかったということであります。また一方で、アメリカなどは共同声明以外に独自の声明を出してこの改革を求めることを強調したようでありまして、この国際的な圧力というのは以前にも増して強まっているだろうと、こう思うわけであります。
 そうした中で、我が国として、G7でどう対応したかということとは別に、この中国の人民元切上げ問題に対してどう取り組んでいくかということについて財務大臣の見解を求めたいと思います。
#120
○国務大臣(谷垣禎一君) 中国の人民元の問題は、先ほども御答弁しましたように、G7でも中国に来ていただいて随分議論を今までもいたしました。それから、私どもも、中国の私どものカウンターパートといろいろなときで議論をさしていただく機会があるものですから、そのときにも随分議論をさせていただいております。
 これは、日本の立場としても、あるいはほかのG7各国にいたしましても、人民元、今はドルにペッグされた状況でございますけれども、やはりもう少し柔軟性といいますかフレキシビリティーがあった方がいいんではないかということは、私自身もそう思っておりますし、国際的にも大体そう、国際的といいますか、G7各国は大体そういう見方で議論をさしていただいてまいりました。
 ただ、このことは結局、外側から押し付けてできるというもの、なるというものではやはり私はないと思います。中国自身で、いかにしてその自らの相当大きくなった経済規模、それから国際的なその連携も中国にとっても、日本にとってもそうですが、中国にとっても極めて強力になってきておりますので、幅広くなってきておりますので、そういう中でどういう為替制度を取っていったらいいかというのは中国自身でよく検討して結論を出していただくことではないかと思っております。相当その中国の中でも議論はなされているというふうに私は思っておりますが、是非そういう観点から中国自身で良い結論を出していただきたい。
 私どもも、今まで過去、為替についてはいろんな経験なり、いろんなことがございますし、またその際に日本が、何というんでしょうか、協力をしたりあるいはアドバイスしたり、できることがあれば是非そういうこともやって、全体としてその世界の経済秩序がうまくいくような方向に持っていきたいと、持っていってもらいたいと、こういうふうに思っております。
#121
○山口那津男君 IMFの世界経済見通しによりますと、実質経済成長率は二〇〇五年で四・三%、二〇〇六年で四・四%、これはアメリカと中国が牽引役になって成長を図っていくと、こういう見通しを出しているわけであります。また、原油高というものが世界経済の成長阻害要因になっていると、こういう認識も共有されているところだろうと思います。また、中国をめぐる日米欧の貿易、これも中国のシェアというものが急速に高まっていると、こういう状況でもあろうと思います。
 それらを考え合わせたときに、この中国の世界経済に対する影響力というのはやはりかつてとは比べ物にならない大きなものになっているわけでありますから、G7におきまして単なるゲストとしてお招きをするということで、二回欠席が続いているわけでありますけれども、むしろ中国がこの出席を担保されるような国際会議、これは日本が個別の意見交換のチャンネルを持つということも大事でありますけれども、やっぱり国際社会の中で主要国で議論をする場に出てきていただくということが大事だろうと思います。
 そういう点を日本が自ら提言して促すということをやるべきではないかと思いますが、財務大臣の見解を求めたいと思います。
#122
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、山口さんおっしゃった、二度欠席とおっしゃいましたけれども、むしろ二度出席していただくことがありまして、今回欠席をされたわけであります。
 率直に申しますと、今まで二回、過去のG7で二度中国に出てきていただいておりまして、相当時間を掛けて議論、お互い議論しましたので、議論は大体、まあ何というか、するべき議論は大体一巡したという気はいたしております。
 それで、ただ、今、山口さんおっしゃったように、中国の大変体力といいますか経済力も大きくなってきているので、中国を外して議論をしてもなかなかG7だけじゃ余り進まないだろうという見方があることも事実ですけれども、ただ、この問題はやはりG7側がどういうふうに判断するかということもございますし、また中国がそのことを自分、どう判断するかということもあろうかと思います。ですから、現状ではやはり議長国がどう判断するかというところになっているわけでございます。
 ただ、今回でも中国は欠席したというふうに取られておりますけれども、同時に、IMFCという委員会がございまして、これは昔は通貨金融委員会って言ってたんですよね。通貨金融委員会と言っておりましたが、そこは中国も、要するにトップは、トップといいますか人民銀行の行長であるとか財務大臣はお見えにならなかったんですけれども、ハイレベルの方が出てきておられまして、今回も議論をしております。
 したがいまして、いろんなチャンネルはございますので、私どもできるだけやはりそういう機会を中国も活用していただきたいし、私たちもそういう機会を十分に活用して意見交換なり、協調が図れるところは図っていきたいと考えているわけでございます。
#123
○山口那津男君 昨日、キャッシュカードのスキミング犯罪をめぐって、ゴルフ場を舞台とする事件でありましたけれども、初公判が開かれました。また、昨日の日経新聞の夕刊の記事の中で、盛田隆二さんという作家の方のカード盗難被害の経験談が載っておりまして、この方がカードを盗まれて銀行に問い合わせたところ、ある支店で引き落としがあったと。その支店に電話してみると、防犯カメラに映っているので警察の人と一緒に見に来てくださいと言われたと。最寄りの警察署に行きますと、遺失物届か盗難届かでもめてしまったと。さらに、被害者はあなたじゃなくて銀行ですと言われたと。所轄の署に出向いてみると、盗難届を受理した最寄りの署に行って捜査をしてもらいなさいと、こう言われたと。挙げ句、その防犯カメラを見ることができた結果、担当の刑事さんが、その映っている映像、見覚えありますかと聞かれて、見覚えがないと言ったら、それじゃ捜査のしようがないなと、こう言われたと。
 この人が最終的に銀行から救済をされなかったということになりますと、これは民事的にも刑事的にも踏んだりけったりということになるだろうと思います。
 実は、多くの国民の方がこういうことに不安を覚える社会になってきておりまして、実務的に言うと、例えば所得税を申告する際に雑損控除の対象になるかどうかという話があるわけですね。
 これについて、国税庁として、どのような手続を取ればこの雑損控除の対象になるか、この見解をまずお聞かせいただきたいと思います。
#124
○国務大臣(谷垣禎一君) その前に、私、答弁したことをちょっと訂正させてください。
 先ほどIMFCと言って、昔通貨金融委員会と言っていたというのは間違いでございまして、現在通貨金融委員会という名前で、昔はIMF暫定委員会という名前にしていたと。ちょっと間違えましたので、訂正させていただきます。
#125
○政府参考人(竹田正樹君) お答え申し上げます。
 スキミング犯罪による偽造キャッシュカードによります預金が不正に引き出された場合、その損失は、先生御指摘のとおり所得税法上の雑損控除の対象となるわけでございます。
 その手続的なことでございますけれども、雑損控除の適用につきましては、その損害を客観的に確認できる書類の提出をお願いしているところでございまして、スキミング犯罪による損失につきましても、その損失がスキミング犯罪によるものであること、またその損失の生じた日や損失の金額が確認できる書類を提出又は提示していただくことによりまして雑損控除の適用を認めておるところでございます。
#126
○山口那津男君 これには被害届を証明するための書類を添付しなければなりません。これ、だれが被害者か、どうやって手に入れるのかということで、やっぱり捜査機関の協力が必要だろうと思います。
 警察庁として、これらについてどういう対応をしているか、これについてお述べいただきたいと思います。
#127
○政府参考人(岡田薫君) お尋ねのようなケースにつきましては、通常、刑法上の窃盗としては、被害者として、ATMを管理している金融機関というふうに考えられております。このことから、警察といたしましては、その金融機関に対して窃盗罪についての被害届を受けまして、そちらから御要望があれば必要な証明について交付をすると。
 これと預金者との関係でございますが、この証明について、さらに預金者が契約している金融機関を通じて預金者に交付がされて、雑損控除の申請に用いられるように今年の二月に全国銀行協会においてそういう枠組みが整備されたというふうに承知をいたしております。したがいまして、今後そういった枠組みが適切に行われるよう、私どもといたしましても、全国の警察に対してそうした交付申請に対して遺漏のないようにするように指導をしているところでございます。
#128
○山口那津男君 今のような手続が確立したのは今年の確定申告の直前なんですね。ですから、今年の確定申告に実際上間に合わなかったという方もいらっしゃったかもしれません。是非とも、来年以降もこれが徹底されるように、金融機関にもまた警察においても徹底していただきたいと、こう思います。
 あわせて、最後に希望でありますけれども、金融大臣、この偽造、スキミングをめぐる偽造の被害者と、それからやっぱり窃盗、カードを窃盗された被害者というのは紙一重のところがあるだろうと思います。窃盗の場合のその預金者側の落ち度については様々な幅があろうかと思いますが、その紙一重というところによく注目をしていただきまして、やはりこの窃盗における被害者、預金者も救済されるような仕組み、これを是非とも積極的に検討していただきたい、これを要望いたしまして、私の質問を終わります。
#129
○大門実紀史君 今日は、北方領土関連の財政問題について質問いたします。
 北方領土問題というのは国民全体の課題であるというのは間違いないところでございますけれども、なかなか進まないというのも今の現状でございます。こういう中で、根室市などの隣接一市四町、四つの町の北方領土返還運動における役割というのは大変な重要なものがございます。政府の外交方針の最先端を担っていただいているという点があるわけでございます。私も去年、根室市役所に行きましたら、市役所に北方領土返還という大きなスローガン、垂れ幕が掛かっておりました。
 ところが、この隣接した地域というのは、この北方領土が未解決によって経済的な打撃も大変被っている地域です。漁業の衰退が激しいのはもう前から続いているわけですが、どんどんひどくなっておりますし、例えば根室市ではもう地域経済、市中経済、壊滅的な打撃を受けております。人口もかつて五万人だったのが今三万人少しと、市の税金も十年前と比較するともう二割の減少になっているというふうな大変な事態になっているのも一方です。
 谷垣大臣は、この北方領土隣接した地域というのはお訪ねになったことはございますか。あるいは、その実情、どこかで耳にされたことございますか。
#130
○国務大臣(谷垣禎一君) 私は、北方領土、行ったことはございませんし、北海道、あれ、どこからか、見えるところからちょっと見たというぐらいしか存じ上げておりません。
 ただ、かつて、やはりこの問題に関して、かつてのここに住んでおられた方々のお話を聞く機会はございました。
#131
○大門実紀史君 大変な事態が続いているわけなんですけれども、そういうこともあって、八二年に法律ができました。こういう地域を支援していくといいますか、頑張ってもらいたいという意味で、国民世論の啓発とか、あるいはこういう地域の振興と生活安定ということを目的に、北方領土問題等の解決促進のための特別措置法と、いわゆる北特法と言われている法律が議員立法として制定したわけですけれども、ところが、この北特法が立法趣旨が生かされていないという現実があります。
 今日はこの問題を取り上げたいと思いますけれども、まず、この北特法第七条に、国からの特別助成のいわゆるかさ上げ措置があります。
 資料をお配りいたしました。上段の方に書いてあるのがその実績でございますけれども、要するに、これは一市四町の特定事業、公営住宅の建設とか公園を造るとか学校を造るとか、そういうふうに該当する国庫補助事業のうち、自治体の負担が標準財政規模の一〇%上回ったものについて措置されるというものです。
 ただ、この一〇%上回るというのは大変現地にとっては厳しい物差しになっておりまして、この十八年間、お手元の資料のように、根室市と別海町では一度も適用がないと。これはおかしなことになっていると私は思います。
 この一市四町に向けたいろいろ頑張ってもらいたいというための措置であるにもかかわらず、使うところは使いましたけれども、比較的財政規模の大きい根室市や別海町では一〇%、財政収入の一〇%を超える公共事業というのはなかなか難しいわけです。そういう点で使えないという事態になっているわけですけれども、これは、個々の細かい話よりも、この趣旨そのものからいって、何といいますか、ある地域は使ったことがあるけれども、ある地域では全く使えないと、これはこの地域の特殊事情とは思えません。やはりこの基準そのものが法の趣旨に照らして現実に合っていないんではないかというふうに私は思いますが、これは国土交通省の担当だと思いますが、いかがお考えですか。
#132
○政府参考人(山本隆幸君) お答えいたします。
 まず、今の御質問の法律七条の前に、実は北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律に規定された振興計画、これに基づいて地域の安定振興を図るための事業を実施をしております。その上で、更に七条により一市四町が行う補助事業に対してのかさ上げの措置を図ることとされており、これまでに中標津、標津、羅臼の三町に対して合計六億八千万円のかさ上げがなされており、このようなことから七条の成果は上がっているものと理解をしております。
#133
○大門実紀史君 時間がないんで、いろいろ言わないで、聞いたことだけに答えてくれますか。ほかの、使ったのは分かっていますよ、書いてあるんだから。ほかのところが使って、ほかのところが使えないというのは、この七条の基本的な考え方からいって何か基準が違う、実情と合っていないんじゃないかということを申し上げているんですけれども、その点だけ答えてくれます。
#134
○政府参考人(山本隆幸君) この措置につきましては、公共事業等が集中することを避けるという趣旨でやられているという措置と理解をしております。そのように対処をしてきたつもりでございます。
#135
○大門実紀史君 公共事業を集中するのを避ける措置じゃないでしょう。この一市四町が生活関連の公共事業をやったときに、ちょっとでもかさ上げによって助けてあげようというのが趣旨じゃないんですか。全然、自分たちがやっていて、趣旨を理解してないでやっているんじゃないかというふうに思います。
 私は、時間がないんでその細かいことを言うつもりはありませんが、長年、何でこんなことが放置されてきたのか、どこに原因があるのか。
 この問題は、我が党だけではなくって、沖北の委員会等々で何人もの議員が取り上げてきている問題でありますけれどもね。私は、そもそもこれは皆さんの姿勢がちょっと違うのではないかなと、今もちぐはぐな答弁をされていますけれども、根本的な、何といいますか、この問題の、この法律のとらえ方の問題ではないかというふうに思っております。
 気になりますのは、議事録をこの間のを読んでいますと、二年前、この問題が取り上げられたときに、国土交通省は、これは議員立法であって、私どもの国土交通省の所管ではありませんということを繰り返し述べられておられるんですね。そういうところにこんなものを放置しておく無責任さが私は出ているんではないかというふうに思います。
 国土交通省の北海道局の予算全体というのは今幾らですか。
#136
○政府参考人(山本隆幸君) 開発予算全体で七千三百二十億円であります。
#137
○大門実紀史君 私、それだけの予算がありながら手当てできないわけがない。これ手当てして全部使えるようにしたってわずか十億かそれぐらいの話なんですね、ちゃんと手当てしたとしても、使えるようにしたとしても。それが放置されているというのは、あれこれではなくて、財政が厳しいとか何かじゃなくて、皆さんの姿勢そのものにあるというふうにまず指摘しておきたいと思います。
 もう一つは、内閣府関連だと思いますけれども、北方基金というのがあります。これは百億円を積んでその運用益でこの地域の支援事業をやろうということですけれども、これは下の図の方の二段目に北方基金というのがありますが、運用益が、これは市場金利が下がったということもありますが、ずっと低下しています。これについても放置されたままですね。放置されたままです。何ですか、何とか振興補助金とか啓発経費ですか、こういうものを、余り地元から要望が何年にもわたって強く出されているんでつくられましたけれども、全体として北方基金の運用益はずっと下がっているわけですね。これも何も手を打たないで、根本的な手を打たないでこられているわけです。これどうするんですか、この先、内閣府。
#138
○政府参考人(東清君) 先生御指摘のように、北方基金の運用益、これは金利低下ということで減少していることは承知しております。先ほど御指摘になったように、この基金の目的の一つであります啓発費用といった事業に対しまして、内閣府として、十五年度から振興啓発費、十五年度二千百万、十六、十七年度二千六百万というのを計上しているところでございまして、これが根室管内、主として盛んに盛り上がっております返還運動、これの運動に資するものというふうに考えております。
 私どもとしましては、基金に対する要望がいろいろあることは存じておりますけれども、基金の効率的な運用と効果的な事業の実施について、各省庁と連携を密接に取りながら円滑な実施を図りたいというふうに考えております。
#139
○大門実紀史君 円滑な実施なんか求めてないんですよ。どうするんですかと。ずっと減っているわけですね。最初申し上げたとおり、この法律そのものは北方領土返還運動の最先端を担ってもらう市町村が頑張ってもらおうということと、もう一つは北方領土未解決のためにもう地域が物すごく疲弊していると、そのための法律でつくって、その措置なのに、地域がどんどん大変になっているのにずっと減っているわけですよ、国からの支援が。これをどうするんですかということを申し上げているわけですけれども。
 私はずっとこの問題いろいろ聞いてまいりまして、現地の話も聞いて、要するにこの地域の振興ということを責任持っているのはどこの省庁ですか。
#140
○政府参考人(山本隆幸君) 振興計画に基づきまして、私ども国土交通省北海道局が担当して地域の振興をやっております。
#141
○大門実紀史君 国土交通省の部分言っているんじゃないんですよ。それはこのかさ上げのところでしょう。全体を見ているのはどこの省庁ですかと申し上げたんです。
#142
○政府参考人(山本隆幸君) 再度申し上げますが、振興計画に基づく担当は、私ども国土交通省北海道局が担当をしております。
#143
○大門実紀史君 じゃ、北海道局はあれですか、この基金も管理されているんですか。違うでしょう。全体として、基金もかさ上げも全体を見ているのはどこなんですかと、北方領土に隣接する地域を。答えられないんですよね。内閣府も立ち上がらないわけですよ。北方対策本部というのは内閣府にあるわけでしょう。立ち上がらないわけですよね。いいですよ、もう時間ないから。
 私、そういうところがこれが放置されていると。全体手当てしたってわずか十億や、頑張ったって二十億の範囲だと思うんです。全体七千億とか八千億の国土交通省の北海道局予算あってもわずかなところも手当てしない。内閣府も何かちょこちょこっとお茶を濁すようなのをつくって根本的に手当てをしようとしない。これはどっち付かずといいますか、責任者がいないんですよ、これ、この全体振興を図る、振興のお金が減っているということに対する。だから放置されているということを指摘したいわけです。
 財務大臣、お聞きしたいんですけれども、私は、当初これはずっと手当てされないのは財務省がけちっているのかなと思っていたんですよね。ところが、そうじゃないんです。財務省に要望を出す方がサボっているわけですよ。怠慢なわけです。どっかがやるだろうと思ってずっと放置してきているわけですね。
 私は、これからちゃんと、内閣府が窓口だと思っていますから、やってもらおうと思いますけれども、ちゃんとした案が出てきたときは是非財務省としてきちっと検討していただきたいと思いますが、いかがですか。
#144
○国務大臣(谷垣禎一君) 今委員おっしゃったように、内閣府、それから国土交通省、さらには北海道ですね、よく議論していただいて、きちっとした考え方を整理していただかなきゃいけないと思います。
 私どもとすれば、もちろん、財務省がけちっているわけではないと言っていただきましたけれども、財政の効率的な使い方というのはもちろん考えなきゃいけないわけでありますが、その上で、そういうきちっとした整理したお話があれば私どもも検討していくということであろうと思います。
#145
○大門実紀史君 もう時間ですので言いませんが、とにかく問題の所在はそういうところにあるということですので、今財務大臣がきちんとした案が出てくればきちんと検討するということですから、まずきちんとした案を出すと。そのためにきちっと内閣府中心に相談をし合って検討をしてもらいたいと。一言、内閣府の方から答えてください。
#146
○政府参考人(東清君) この北特法の運用につきましてそれぞれの主務大臣というのが決まっておりますが、先ほど国交省の方が地域の振興については担当しているということでございまして、私どもも連絡を取り合って、どうやったらいいのかということを今後とも検討していきたいというふうに考えております。
#147
○大門実紀史君 終わります。
#148
○糸数慶子君 無所属の糸数慶子です。
 私は、第四十六回IDB沖縄総会について谷垣大臣にお伺いをいたします。
 四月の六日から九日の総会前のセミナーに始まって、十日から十二日に第四十六回IDB沖縄総会が開かれまして、内外から約六千名の方が参加いたしました。大変成功に終わったというふうに思っております。このIDBの全加盟四十七か国の財務大臣、中央銀行総裁始めとする政府代表団や、国際機関、民間金融機関等の首脳が参加する総会で行われた谷垣大臣の演説は大変見事なもので、こちらの委員会の委員の皆さんにも是非聞いていただきたいすばらしい内容でございました。
 大臣のこのIDB総会を終えた御感想をまずお伺いしたいと思います。
#149
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、糸数委員からお話がございましたけれども、今度のアメリカ開発銀行、IDB総会、沖縄の宜野湾市で開催されたわけですね。それで、中南米、カリブ海諸国だけではなく、アジアからもハイレベルの参加がございまして、海外からは千三百名おいでになった方があります。今六千名とおっしゃいましたけど、七千名ほどお見えになったようでございますので、近年の年次総会としては最大級の規模の総会を沖縄で持つことができたわけでございます。この背後には、沖縄県知事を始め沖縄県民の方が大変一生懸命支えてくださいまして、こういう良い形で終えることができましたこと、私も心から感謝しているところでございます。
 今回の総会では、現在グローバル化が、経済のグローバル化が進行してきて、中南米地域とアジアとのつながりも非常に深くなってきております。やはりそれが一つ主要テーマでございました。それから、アジアとのつながりを考える、中南米とのつながりを考えますときに、今までアジアからこのアメリカ開発銀行に加盟しているのは日本だけだったんですが、今後、新たに韓国が参加されまして、韓国から韓悳洙副総理が参加をしてくださいました。それから、セミナーや各国の代表による会合を通じまして相当これは両地域の相互理解が深まったのではないかなと思います。
 それから、アメリカ開発銀行自体としましても、米州開発銀行、これの今後四年間の投資戦略、融資戦略を定める新規融資枠組みをつくったと。それから、やはりかなり中南米も全体のレベルが上がってきておりまして、これから中南米を更に発展させようとすると民間部門が力が付いていかなきゃいかないわけでございまして、その辺りをどうしていくかという民間部門戦略も今度つくることができたという意味で、米州開発銀行としても意義のある会合だったんだと思います。
 それから、多数国投資基金、MIFと言っておりますが、これも新たな参加国を得て総額五億ドルを上回る増資が決定されたということでございます。
 そういう米州開発銀行にとっても意義のある会合でありましたが、その後、先ほどから申しておりますワシントンでG7、IMFがありましたときも、参加をいただいた中南米の財務大臣等から、沖縄のあの総会良かったというお話をいただきまして、沖縄の方々のホスピタリティーも随分理解をされたんじゃないかなと思っております。
 以上、概略を申し上げました。
#150
○糸数慶子君 ありがとうございました。
 ただいまの大臣のお話にもございましたけれども、このIDB総会による経済効果三十五億円と言われておりますが、私といたしましては、やはりこの金額の大きさもさることながら、沖縄県におきましても国際会議のそのノウハウを蓄積したと、そういう意味でも目に見えない効果への期待も大変大きいわけです。
 ただ、地元の方からのやっぱり企業のかなりの寄附に対する参加もございましたし、できましたら、そういう総会を受けて、今後のその事後検証していただきますように是非強く要望して終わりたいと思います。
 次に、沖縄振興開発金融公庫の見直し問題についてでありますが、政府の経済財政諮問会議におきまして沖縄振興開発金融公庫を含んで八つの政府系金融機関の統廃合が問題になっておりますが、この論議、どこまで進んでいるのでしょうか。現状をお聞かせいただきたいと思います。
#151
○国務大臣(谷垣禎一君) 政策金融機関の改革につきましては、二月二十八日の経済財政諮問会議で、民間議員から政策金融のあるべき姿の実現に関する基本方針という御提案がありまして、諮問会議で取りまとめたらどうだというお話でございました。
 私からは、政策手段としてのその政策金融の在り方や位置付けといった、まず政策金融の機能論をしっかりやることが大事だと、その上で、その機能論と関連付けながら組織の在り方を考えていくことが大事だということを申し上げたわけでございます。
 そこで、沖縄振興開発金融公庫でございますが、まだ経済財政諮問会議の議論は個別の機関がどうだという議論には入っておりません。沖縄振興開発金融公庫、個別の議論はまだしてないわけでございますけれども、沖縄経済の振興とか社会開発のため、一般の金融機関では難しい資金供給を行うという役割を果たしているというふうに私考えておりまして、今後の議論では、そのような沖縄振興開発金融公庫の役割等も踏まえて、果たしている役割等も踏まえてきちっと議論を積み重ねていくことが大事ではないかと思っております。
#152
○糸数慶子君 今大臣のお答えの中にもありましたが、沖縄振興開発金融公庫は、復帰の年、昭和四十七年の五月の十五日に設立されまして、沖縄のその政策金融を一元化、総合的に行うことになっております。
 今、沖縄のその産業開発を促進して、長期の資金を供給して、一般金融機関が行う金融及び民間の投資を補完して奨励するものとして特に大事だとされておりまして、県民にとって本当に必要とされる資金が、一般金融機関ではその供給が困難とされているものを供給し、沖縄の経済振興を図るというその公庫の役割は現在においても大変大事であります。
 平成十四年度の融資実績が千四百四十二億円で、設立当初から融資実績は四兆六千九百億円に達しておりまして、いかに沖縄県民にとって重要な金融機関であるかを物語っております。より充実させる、その視点での論議を是非要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。
 次に、沖縄の基地問題についてですが、米軍再編、トランスフォーメーションが進展して在沖米軍基地の再配置が検討されている中で、今、米海兵隊が沖縄県浦添市にある物資集積施設キャンプ・キンザーの移設・返還が可能だという分析をしているという報道がございます。日米協議の中で検討されているでしょうか。その事実関係についてお伺いいたします。
#153
○政府参考人(飯原一樹君) まずお答え申しますが、日米協議、審議官級中心に事務的な検討を行っているところでございますが、これは先日、官房長官も記者会見でおっしゃったことをそのまま申し上げますと、まだ全体像とか具体的な方針、基本的な方針についての考え方も固まっているわけではございませんので、いろいろなアイデアが出ることはありますけれども、まだそのようなことを具体的に決める、しかも個々に決めるということはあり得ないということでございまして、ここだけがこう決まったという報道は全部誤りでございますというのが官房長官の記者会見概要でございます。
#154
○糸数慶子君 この問題につきましては、三月十五日の外交防衛委員会で大田議員が外務省にも質問されております。今の答弁と同じように、その事実はないということでありましたが、しかし、このキャンプ・キンザーは二百七十四ヘクタールという広大な敷地で、米海兵隊の各種倉庫が多数あり、軍需物資の貯蔵を行う補給基地になっています。この基地すべての返還が実現いたしますと、キャンプ・キンザーと隣接しております那覇軍港港湾施設の移設先も見直されるということが必至になります。
 キャンプ・キンザーの返還は、正に中南部の都市部では普天間飛行場の四百八十一ヘクタールに次いで大規模返還になります。移転候補地として金武町のキャンプ・ハンセンが有力視されておりまして、東海岸にこの軍用物資を船積みする埠頭を確保するよう日本政府に要求されることが予想されます。
 そこで、このキャンプ・キンザーの返還問題が、今とりわけ重要となっております普天間飛行場の返還と閉鎖、辺野古海上基地建設の流れを分断することがないように期待いたしますが、防衛庁の見解をお伺いいたします。
#155
○政府参考人(飯原一樹君) 一部先ほどの繰り返しになりますが、具体的なそういう検討がされている事実はございません。
 また、普天間についてでございますが、先般の2プラス2でSACOの最終報告の着実な実施が在日米軍の安定的な駐留のために重要である旨が両大臣及び国防・国務長官の間で確認をされまして、当然その中に普天間飛行場の移設・返還も含まれるわけでございます。
#156
○糸数慶子君 次に、ボーリング調査について、これ辺野古の海上基地建設に対するこの調査費についてお伺いいたします。
 この辺野古の海上基地建設に反対して、那覇防衛施設局のボーリング調査に対して抗議行動した座込みの行動はちょうど今日で一年目を迎えました。在沖米軍基地の再編協議が進められている中で、辺野古沖の新基地建設に関しましては沖縄県民の八割以上が反対をしております。沖縄県の政策参与の比嘉良彦さんが、沖縄、地元で行われました十六日の公開討論会で辺野古移設は非現実的との見解を示されました。
 今、こういうその状況の中で、実は小泉総理も、私の去る三月二十八日のこの財政金融委員会での質問に対して、SACOの見直し発言もありました。四月二十一日に今本格的なボーリング調査が辺野古の方で行われようとしておりますが、それは事実でしょうか。お伺いいたします。
#157
○政府参考人(河野孝義君) お答えいたします。
 ボーリング調査は、代替施設の護岸構造の検討に用いる必要なデータを収集する目的でありまして、沖縄県からの同意を得た上で昨年九月から開始しております。
 スパット台船につきましては、三月十六日に設置作業を試みましたが、反対派の妨害活動により危険な状況となったため、やむを得ず中断したところであります。次回の設置作業はできるだけ早く実施したいと考えておりますが、報道にあるような設置作業の日程が決まっているものではございません。
 現地での作業につきましては、気象状況や作業が安全に実施できるかなど、現地において具体的な状況を見極めながら適切に実施してまいりたいと考えております。
#158
○糸数慶子君 防衛庁は、本当に防衛施設庁、沖縄の現状を全く理解していらっしゃらないと思います。沖縄の稲嶺知事もそれからその政策ブレーンも一緒に、今辺野古の断念をにおわせる発言をいろいろなところでいたしております。
 国の財政状況がそういう現在厳しさを増す中で、現在二十七億円というこの辺野古のボーリング調査の費用が計上されております。これは全くの無駄遣いに等しいのではないかと思います。
 財務省は沖縄のその状況を是非理解していただきまして、谷垣財務大臣に是非お願いしたいと思いますが、現在地元の八割以上が反対している辺野古沖へのこの新基地建設への反対、そして米国でも、実際に私も今年の二月に参りましたけれども、しっかりこのSACO合意を見直すという状況と、あるいはまたこの辺野古への新基地建設、地元の住民の反対、さらには環境問題がクリアされていない、そして余りにも財政が掛かり過ぎるというその観点から、見直していくというその流れもあるわけですが、是非ともこの二十七億円に対する調査費、見直していただくことを要望いたしまして、お時間もありませんので、終わりたいと思います。
#159
○委員長(浅尾慶一郎君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#160
○委員長(浅尾慶一郎君) 保険業法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。伊藤内閣府特命担当大臣。
#161
○国務大臣(伊藤達也君) ただいま議題となりました保険業法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 我が国の保険業を取り巻く環境は引き続き厳しいものとなっており、各保険会社にあっては、保険契約者のニーズの変化等に対応した戦略的な事業展開や更なる経営の効率化と同時に、一層の経営の健全性の確保が求められる状況にあります。
 こうした中で、政府は、経済社会情勢の変化を踏まえ、金融資本市場の構造改革を促進し、保険契約者等の保護の一層の充実を図るため、本法律案を提出することとした次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、保険業の定義を見直し、特定の者を相手方として保険の引受けを行う事業について、他の法律に特別の規定のあるもの、又は、会社、労働組合等がその役職員、構成員等を相手方とするもの等を除き、保険業法の規制の対象とするとともに、少額短期保険業者の特例制度を創設することとしております。
 第二に、保険会社が破綻した場合のセーフティーネットの仕組みについて、自動車保険等の損害保険契約に関し、破綻保険会社から他の保険会社への乗換えを促す手続を導入するなど、保険契約の特性に応じた見直しを行うこととし、また、平成十八年度から二十年度までの生命保険会社の破綻に係る資金援助等について政府の補助を可能とする特例措置を講ずることとしております。
 そのほか、損害保険会社が船主相互保険組合の業務代理等を行うことを認めるなど、所要の措置を講ずることとしております。
 以上が保険業法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#162
○委員長(浅尾慶一郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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