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2005/05/10 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 外交防衛委員会 第12号
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2005/05/10 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 外交防衛委員会 第12号

#1
第162回国会 外交防衛委員会 第12号
平成十七年五月十日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         林  芳正君
    理 事
                浅野 勝人君
                三浦 一水君
                山本 一太君
                齋藤  勁君
                榛葉賀津也君
    委 員
                岡田 直樹君
                柏村 武昭君
                谷川 秀善君
                福島啓史郎君
                山谷えり子君
                犬塚 直史君
                喜納 昌吉君
                佐藤 道夫君
                田村 秀昭君
                白  眞勲君
                荒木 清寛君
                澤  雄二君
                緒方 靖夫君
                大田 昌秀君
   国務大臣
       外務大臣     町村 信孝君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  大野 功統君
   副大臣
       防衛庁副長官   今津  寛君
       外務副大臣    谷川 秀善君
   大臣政務官
       防衛庁長官政務
       官        柏村 武昭君
       外務大臣政務官  福島啓史郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        泊  秀行君
   政府参考人
       防衛庁防衛参事
       官        大井  篤君
       防衛庁防衛局長  飯原 一樹君
       防衛施設庁業務
       部長       土屋 龍司君
       法務省入国管理
       局長       三浦 正晴君
       外務大臣官房審
       議官       西宮 伸一君
       外務大臣官房参
       事官       角  茂樹君
       外務省北米局長  河相 周夫君
       外務省中東アフ
       リカ局長     吉川 元偉君
       外務省領事局長  鹿取 克章君
       国土交通省総合
       政策局情報管理
       部長       平山 芳昭君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○外交、防衛等に関する調査
 (アジア欧州会合(ASEM)第七回外相会合
 及びASEAN+3非公式外相会議への出席等
 に関する件)
 (イラクにおける邦人拘束事件に関する件)
○政府参考人の出席要求に関する件
○旅券法及び組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の
 規制等に関する法律の一部を改正する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(林芳正君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。
 まず、外務大臣から報告を聴取します。町村外務大臣。
#3
○国務大臣(町村信孝君) 私は、五月六日から八日までの間、京都において、アジア欧州会合、ASEM第七回外相会合、ASEANプラス3非公式外相会議、日中韓外相三者委員会及び日・欧州連合、EUトロイカ外相協議に出席するとともに、韓国、中国を始めとする各国との二国間会談を行いました。
 私が議長を務めたASEM外相会合では、多国間主義の強化に引き続き取り組み、本年九月のミレニアム宣言に関する首脳会合の成功に向けて最大限の努力を行っていく必要について一致しました。また、北朝鮮、中東等の地域の問題に関係国が一致して取り組む重要性を確認しました。地球温暖化、エネルギー安全保障、開発問題、文化と文明間の対話や、ASEMの活動を効果的、効率的に進めるための方策についても活発な意見交換を行いました。アジアと欧州がグローバルな課題について、パートナーシップに基づく対話と協力を推進するとの強い意思が確認されたことは大きな成果であったと考えます。
 ASEANプラス3非公式外相会議では、東アジア地域協力や北朝鮮、安保理改革等につき濶達な議論を行いました。私からは、東アジア・サミットについて、ASEANプラス3以外の国にも参加の道が開かれたことを歓迎し、ASEANプラス3首脳会議との役割分担について十分議論すべきことなどを訴えました。
 日中韓外相三者委員会では、三国間協力及び地域・国際情勢等につき議論を行いました。
 日・EUトロイカ外相協議では、国連・安保理改革及びEUの対中武器禁輸措置解除問題に関する我が国の考え方をEU側に改めて明確に伝えました。
 日韓外相会談では、日韓関係は全体として平静な状況に向かっているとの認識をともにし、次の首脳会談を六月下旬に実施する方向で調整をしていくことで合意しました。また、歴史共同研究の継続の在り方、過去に起因する諸問題への人道的対応、竹島問題、漁業、FTAを含む二国間案件、北朝鮮問題、国連の場での協力等の幅広い議題につき、率直かつ深い意見交換を行いました。
 日中外相会談では、日中友好関係を両国のみならず、アジア、世界が望んでいることにつき共通認識を得るとともに、日中共同作業計画の策定を始め、日中関係を前進させるために引き続き努力することで一致しました。一連のデモに伴う暴力的な行為については、私より改めて提起し、完全な一致は見られませんでしたが、李部長からは原状回復及び再発防止等につき説明があり、原状回復について更に事務レベルで議論していくこととなりました。また、東シナ海等に関する日中協議を五月中に開催することで合意したほか、日中歴史共同研究や日中交流基金の設立についても前向きに検討を進めていくことで一致しました。
 また、今次会合の機会をとらえ、キプロス、スウェーデン、スペイン、ベトナムとも外相会談を行い、それぞれとの間の二国間関係の強化や共通の関心事項について協議を行いました。
 以上で私の京都出張報告とさせていただきます。
 引き続き、イラクにおける邦人拘束事件につきまして、現時点で分かっている範囲の情報の概要について御報告を申し上げます。
 外務省としては、次のような情報を受けたことに伴いまして、この事案に対処するために、十日午前二時、私を長とする対策本部を立ち上げたところであります。
 十日未明、これは日本時間でございますが、英国のハート・セキュリティー・リミテッド社ロンドン支店より在ロンドン日本国総領事館に対し以下の連絡がありました。
 同社イラク支店でコンサルタントを務める邦人齋藤昭彦氏、四十四歳がイラクで行方不明になった。同氏は八日夕刻、イラク時間でありますが、八日夕刻、イラクの西部を十数人で車両にて移動しているところを何者かに襲われた。何人かが死亡した模様だが、死亡者の身元は不明である。
 一方、ウエブサイト上において五月九日付け、アンサール・スンナ軍軍事部門名で概要、以下の声明とともに齋藤昭彦氏のパスポート及び身分証明書が掲載された。声明の概要は、アサド米軍基地から建設関係者及び西側の情報関係者数台の車が出発するとの情報を得た後、ムジャヒディンは攻撃を仕掛け、十二人のイラク人と五人の外国人を拘束し、日本国籍の一人を除き殺害した。同人は重傷を負っている。以上でございました。
 なお、ウエブサイトに掲載された内容のパスポートが発行されていることについては、外務省について確認済みでございます。
 現在、齋藤昭彦氏の御家族、ハート・セキュリティー社及びイラクや米国等の関係国政府と連絡を取りつつ、事実関係を調査中でございます。事実関係をまず確認することを最大限努力しながら、この安否確認を急ぐとともに、仮に同氏の拘束及び重傷であるという報道が、報道というかこの情報が事実であるとすれば、一刻も早い無事の解放に向けて全力を挙げて取り組む考えでございます。
 以上であります。
#4
○委員長(林芳正君) ありがとうございました。
 以上で報告の聴取は終わりました。
    ─────────────
#5
○委員長(林芳正君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 旅券法及び組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に防衛庁防衛参事官大井篤君、防衛庁防衛局長飯原一樹君、防衛施設庁業務部長土屋龍司君、法務省入国管理局長三浦正晴君、外務大臣官房審議官西宮伸一君、外務大臣官房参事官角茂樹君、外務省北米局長河相周夫君、外務省中東アフリカ局長吉川元偉君、外務省領事局長鹿取克章君及び国土交通省総合政策局情報管理部長平山芳昭君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(林芳正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(林芳正君) 旅券法及び組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○岡田直樹君 おはようございます。自由民主党の岡田でございます。
 町村大臣には、先ほど御報告にありましたとおり、議長を務められたASEM外相会合を始め、寸暇もなく活動されて、またそれに加えてイラクで邦人が拘束されるという心配事が増えたようであります。大変御苦労さまであります。
 努力をされた結果、中国の反日デモが鎮静化に向かっていることは結構だと思うんですけれども、ただ、今回の事件というのは、中国が自ら火種をまいてまたそれを消してというマッチポンプのようなそういう印象をどうしてもぬぐえないわけであります。こうしたことに割り切れない思いを抱く日本人も少なくないんではないか、こういうふうに思うわけであります。
 そこで、今の御報告にもありました先般の日中また日中韓の外相会談に関連して幾つかお尋ねをしたいと思います。
 まず第一に、李外交部長に対して大臣はまた謝罪そして賠償を求められたわけでありますけれども、依然として謝罪の言葉は聞かれないと。もう大臣もいい加減うんざりしておられるんじゃないかと思うんですけれども、これからもこの謝罪を求め続けていかれるのか、あるいは今の程度が中国側として精一杯の対応ということで判断をして矛を収めるのか、この辺り、大臣の御意見を伺いたいと思います。
#9
○国務大臣(町村信孝君) 今回の日中外相会談の中では、かなりこの問題についてのやり取り、時間を使って話し合ったところでございました。これは四月の十七日の日中会談、外相会談に引き続いて、七日でもまた中国側に対しまして陳謝とそれから損害の賠償、加害者の処罰、再発防止等の申入れを行ってきたわけでございますが、結果として中国側より何ら陳謝あるいは遺憾の意の表明というものはなかったということでございます。
 李部長からは、原状回復にきちんと取り組んでおり、再発防止についても中国にある公館、日本企業、邦人の安全確保に最大限、大変なエネルギーを使って努力をしているんだという説明があり、引き続き国内法、国際法を尊重して責任ある対応をしていくと、さらには一部の過激な行動については賛成しないし反対だということ、そして本件についての日本国民の重大な関心は十分理解をしており、国際的な義務を今後も履行していく考えであると、こういう発言があったところでございます。
 私としては、日本人の関心に理解をし、また国際的な義務を今後も履行すると言うのであれば、なぜあなた、しかるべき陳謝の意の表明であるとかきちんと損害賠償するということを言わないのですかということを再三申し上げたのでありますけれども、先ほど申し上げた以上の回答はございませんでした。
 原状回復も、いや、もうやっているでしょうというような言い方をされたわけでありますが、しかし大使館、北京にある大使館については先方外交部の配下にある企業が訪問をしてきたという事実はあるようですけれども、それはなぜかというと、これは私の推測ですけれども、日本国の大使館はこれは中国政府の持ち物なんですね。他方、日本国政府の持ち物である北京にある大使公邸あるいは上海総領事館には何にも言ってこないと、こういう違いがあるのじゃありませんかということを申し上げたところ、先方は、事実関係はどうもよく分からないというような感じだったものですから、持ち帰ってよく調べると、こういうことでありました。
 したがいまして、私ども日本政府としては、引き続き中国側に対して責任ある対応を求めていくという考えに変わりはございません。
#10
○岡田直樹君 なかなか謝罪の言葉を引き出すことは困難だとは思いますが、いったん謝罪を求めたからには、ある程度執拗に責任の追及をお願いしたいというふうに思います。
 また、今も原状回復という言葉が出てまいりましたけれども、賠償ではなくて原状回復という、これはもうちょっとすっきりしないところで、この点、私なんかは、北京の大使公邸やら上海の総領事館なんかは日本の業者に直させて、その請求書を中国政府に送り付けたいような、そんな気もするわけでありますけれども、そんなこともできないでしょうから、できるだけ日本国民の納得のいく形で解決を図っていただくようにお願いをしたいと思います。
 それから、以前この委員会で、四月十四日、十九日と同僚の議員からも質問があった件でありますけれども、この反日デモによる公館及び邦人の、日本人の受けた損害額の概算について、大体の数字というのはもう一月近くたちましたからまとまっているかなと思ったんですけれども、昨日聞いた時点ではまだ集計中ということでありました。いつごろになったらできるか、事務方の方で結構でございますから、見通しというのをお伺いしたいと思います。
#11
○政府参考人(西宮伸一君) お尋ねの点でございますけれども、本件我が国公館の損害額につきましては、現時点においては、これ見込みでございますけれども、数千万円ぐらいではないかというふうに考えておりますが、正に現在、詳細な見積りを算出できるように作業を加速化しておるところでございまして、申し上げました数字は現時点でのあくまでも見込みということでございます。
 それから、日系企業等の損害につきましては、現在、在外公館を通じて調査を鋭意進めておるところでございます。
#12
○岡田直樹君 随分厳密に算定をしておられるようでありますけれども、こういったものは、どだい正確な数字を出すということは難しいのではないかと思います。中国側の責任を追及する一つの材料にもなるわけでありますから、少し多めに見積もっても罰は当たるまいと、こういうふうに思うんであります。余り時間を掛けることなく、概算でいいからこれをはじき出して、また中国側に示すということをお願いしたいと思います。
 また、民間の受けた損害に関してでありますけれども、日本人の店舗、例えば料理店といったところが破壊されて被った被害、またそうした店が休業せざるを得なくて逸失した利益、あるいは直接、間接に日本人が暴力を受けた、恐怖にさらされた、そのことに対する慰謝料、こういったものについては基本的には個々の日本人が中国の裁判所に訴えるほかないのかなと思うわけでありますけれども、中国という国はまだ完全な法治国家ではなくて、人が治める人治国家というふうにも言われるわけであります。裁判も随分恣意的なものがあるのではないかと思います。結局、日本人が泣き寝入りをするケースも出てくると、こう思うわけでありまして、日本政府としては極力サポートをしなければならないと思うわけであります。
 こういった点、外務省はどのような対応をお考えか、お答えをいただきたい。
#13
○政府参考人(鹿取克章君) 今回のデモによりまして日本国民及び日本企業が生じた損害の救済につきましては、これまでも外務大臣から、また事務方からも、中国の国内法に基づき、損害の賠償を含む措置を適切にとることを累次求めております。引き続き、中国側の善処を求めていく考えです。
 御指摘のとおり、在留邦人の方々にとっては今回いろいろな損害が出ております。私どもは、北京においても、また上海においても在留邦人社会とは緊密な連携を常日ごろから持っておりますけれども、これからもこの連携を利用しまして在留邦人等の方々の意思疎通はよく図っていきたいと思います。そして、大使館、総領事館として、側面支援として、在留邦人の方からいろんな話を聞いて、また中国に対し、中国側に対して申し入れる、そういう形でこれからも緊密に連携していきたいと考えている次第であります。
#14
○岡田直樹君 次に、大臣にお伺いしたいんですが、日中外相会談で中国側からまたいろんな注文があって、小泉総理の靖国神社参拝中止についても強い調子で求めてきたというふうに伺っておりますが、どういうふうな発言がございましたか。また、大臣はどうお受け止めになられたでしょうか。
 ちょっと自分の意見を申し上げて恐縮なんですけれども、私は中国に言われて参拝をやめるべきではないし、また、今日、A級戦犯を分祀するということも難しいだろうと思います。ただ、日中や日韓の間で未来永劫この問題が障害になるようなことがあってはならないと、どこかでその悪循環を断ち切らねばならないというふうに思っております。
 今回、ジャカルタで総理が演説をされたそのベースには、戦後五十年の年に村山総理が談話を出した、その総理談話があったわけでありますけれども、私は、今年、戦後六十年という機会に何らかの形で靖国参拝に関する政府見解か総理談話のようなものを内外に示すことはできないかと、こういうふうに思うんであります。同じアジアの国、特に中国と全面的に戦ってしまったという、こういう歴史に対する痛切な反省、あるいは悔悟の気持ち、あるいは不戦、平和の祈り、そういった決意を込めて靖国神社にあえて参拝をするんだということを説明すべきではないかと思うんです。
 そこには国家の意思によって戦場に倒れた方々が祭られているわけであります。また、国家の指導層であっても、戦争犯罪人となられた人であっても、既に極刑に付されて長い年月がたっています。その中には外務大臣も務めた広田弘毅のような、文官で本当に死刑が相当であったか疑わしい人もいるわけであります。こうした人々も含めて慰霊をするということが国家の責務であり、理解してほしいということを情理を尽くして近隣諸国に説明するということがあってもいいんではないかと思います。
 小泉総理も平和を祈念して参拝するんだと、こう言われているわけでありますけれども、若干言葉が短いように感じます。是非、戦後六十年を機会に、総理がなぜ靖国に参るのか、内外に明らかにしていただきたいと思うんです。それでも中国や韓国は了解しないと思います。しかし、総理が靖国に参拝しながら、しかし日本の国は決して軍国主義になるはずもないし、平和で民主的な国家であり続けると、そのことを身をもって示していくことが唯一の解決策ではなかろうかと、こういうふうに思います。
 少し長い話をいたしましたけれども、町村大臣、こういった政府見解か総理談話というものを示すということはできないでしょうか。御所見をお伺いしたいと思います。
#15
○国務大臣(町村信孝君) 先般の日中外相会談の席で、李外交部長からは、アジア・アフリカ会議、先月下旬にインドネシアで開かれたあのアジア・アフリカ首脳会議でございますが、これにおける小泉総理のスピーチにおいて述べられた過去の侵略に対する発言を評価しているという旨を述べたわけでありますが、同時に、A級戦犯が祭られている靖国神社には絶対参拝しないでほしいという発言があったところでございます。私からは、日本の歴史認識というのはこれまで何度も何度もいろいろな形で述べているとおりであるし、それを言わば集大成をしたものの一つが先般の小泉総理の発言であったと、こういう説明、発言をしたところであります。
 今委員は、この靖国参拝についての政府見解あるいは総理談話等を何か出したらどうかという御提案でございました。これについても、もう総理大臣は、これ、国会での質疑等々、あるいは記者会見等を通じてもう再三にわたってこのことは言っておられるわけでありまして、例えば最近の時点で言いますと、一月二十七日、衆議院予算委員会での菅直人議員に対する答弁の中で、私が、私というのは小泉総理のことでありますけれども、私が靖国神社を参拝するのは、二度と戦争をしてはならない、そして、戦争のときに心ならずも戦場に赴かなければならなかった、家族と離れて命を落とさざるを得なかった、そういう方々に哀悼の誠をささげるため、私は靖国神社を参拝しております。そして、今、若い方々、努力されておりますけれども、今日の平和と繁栄というものは、今生きている人だけで成り立っているものではない。亡くなられた方々、戦争に行って命を落とさざるを得なかった、そういう方々の尊い犠牲の上に今日の日本があるんだ、そういう方々に、先輩たち、命を落とした方々に敬意と感謝をささげつつ、これから二度と戦争をしてはならないという気持ちで毎年参拝しておりますと。
 これ以上明快な説明は私はないだろうと、こう思っておるわけでありまして、まあ、改めて見解を出すか否か、委員からの御指摘でございますから総理とも相談をしてみたいとは思いますけれども、もう非常にこの総理の発言というのは、今まで幾たびとなくいろいろな場面で言われている内容ではないのかなと、こう私自身は考えて、受け止めているところであります。
#16
○岡田直樹君 ちょっと情緒的な話をして申し訳ないんですけれども、靖国神社に聞いてみましたら、終戦のときに陸軍大臣であって、責任を負って自決をされた阿南大将もやはり合祀をされているということであります。それは、今の阿南大使が生まれたか、あるいはまだお母さんのおなかの中にいるころのことでなかったかと思うわけです。阿南大使が靖国神社にお参りをされたかどうか知りません。中国側に配慮して、そういったことは最近ないのだろうと思いますけれども、そういったことを禁ずるということは、中国にも韓国にも、だれにもできないのではないか。こうした日本人の心情というものも含めて、近隣の諸国に何らかの形で改めて伝えるということがあってもいいんではないかと、私見を述べて恐縮でございましたが、私はこう考えております。
 それから、日中韓の会談の中で、さきに町村大臣が提案をされた歴史共同研究につきまして、韓国の外交通商大臣から、日中韓、三か国で共同研究をしてはどうかという反応があって、中国の外交部長も否定をしなかったというふうに聞いております。
 やはり来たかというような感じがいたしまして、四月十四日、私、この委員会で懸念を申し上げたんですけれども、歴史共同研究というのは、日韓、日中の二国間でもなかなか公正な論議というのは難しいと思うんです。下手をすると、中国、韓国のペースにはまってしまうんではないかということを申し上げました。まして、三か国となると、中韓が連携して日本を挟み打ちにするというようなおそれが強いわけであります。学者といえども、彼らは国益を背負って主張をいたしますから、歴史認識はおろか、事実の関係についても公正な議論というのは困難ではないかと思います。
 大臣も、この三か国共同研究というテーブルに着くおつもりではないと思うんですけれども、この際そのことを明言された方がよろしいと思いますが、いかがでしょうか。
#17
○国務大臣(町村信孝君) 七日、京都で、これは恒例の日中韓外相三者委員会というものが開かれておりまして、そこの場でやり取りがあったわけでございます。
 私からは、今、日韓で実施中の歴史共同研究、大体一区切り付いてきたところで、また新たな枠組みで新たな人選をして始めようと思っていると。日中については、四月十七日の日中外相会談で提起をし、今後、中身について、どういうテーマでどういうメンバーでというのは今後よく調整をしていこうという段階であるので、にわかに日中韓三か国でやるというのは、まず二国間がしっかり進んだ後に、その後に考えるテーマではないんだろうかと、今後の検討課題ではないかというようなことでありまして、私は中国、韓国いずれも、三か国で一緒に、一、二の三で三者集まってやろうという具体の提案があったというふうに私はそのとき受け止めておりませんでしたが、一部報道でそういう提案があったというような感じになっておりますが、その場にいた話した感じでは何かそういうことを、三者共同研究会みたいなものを立ち上げようという具体な話ではなかったと、私はそう受け止めておりますし、また今、そういうことを今始める段階にはないと、こう考えております。
#18
○岡田直樹君 その後、中国と韓国の首脳会談でも、歴史認識というものを共有して連携を取っていこうというような、そういう話があったようにも聞いております。私は、元々この二国間の歴史共同研究というのも非常に難しいから、いっそほかのアジア諸国とかあるいは欧米の比較的中立な立場の研究者も加えて国際的な研究のテーブルをつくって、日中、日韓の問題についても議論をしてもらったらどうかと、こういった考えで、先日、大臣いらっしゃいませんでしたけれども、この委員会で参考人質疑をしたときに、小島教授や柳井大使にそういうことを申し上げたこともございます。ただ、三か国よりはまだ二国間の方がやりやすいし、冷静な議論もできると思いますので、是非この点は譲らないようにお願いをしたいと思います。
 最後に、ロシアの対独戦勝記念式典でありますけれども、これに小泉総理が出席されていることについて、その意味と成果についてお伺いをしたいと思います。
 賛否両論聞くわけでありまして、中にはこういう戦勝国のセレモニーに敗戦国である日本の総理が行く必要はなかったんじゃないかと、駐ロシア大使でも顔を出せば十分だったのではないかと、こういうふうな意見も聞きました。それは極端な話としても、私はドイツの首相が行くのとはやっぱり若干意味が違うと思うんです。対独戦争も終わって、そして大戦末期、もう日本が本当にダウン寸前のときに宣戦布告をしてきた旧ソ連、その戦勝を祝う式典に日本の総理が出席するのは、先ほどから見ております中国や韓国の歴史に対して非常に執拗であるその姿勢と比べてちょっとむとんちゃくではないかなというような感じも受けるわけであります。
 私自身、この式典が本当に国連決議のとおり追悼と和解の日のセレモニーになるのであれば総理が行かれても意味があると思いましたけれども、実際の式典、新聞等で見ます限り、赤の広場でロシア軍がウラー、ウラーと叫んだり、あるいはプーチン大統領が偉大な勝利の日を祝いロシアに栄光あれと、こういう演説をしたり、やっぱり戦勝記念式典の色彩が強かったようであります。
 そんな中でも、日ロ首脳会談では、プーチン大統領の訪日を前向きに検討するということで一致をしたというふうにも聞いておりますけれども、北方領土問題についての話合いはどうであったのか、総理がこの式典に出席された意義とそこで得た成果というものは何であったか、町村大臣からお考えを伺いまして、私の質問を終えたいと思います。
#19
○国務大臣(町村信孝君) 九日、モスクワで行われました委員御指摘の第二次世界大戦終了六十周年記念式典、これは昨年の十一月、ロシアとCIS諸国等が共同提案国となって提出いたしました、五月八日及び九日を追悼と和解のときと宣言をする第二次大戦終了六十周年記念に関する国連総会決議がコンセンサスで採択をされたということでありまして、その中身は、第二次大戦の犠牲者に敬意を表すべく、すべての国連加盟国、個人が五月八日又は九日に適当な方法でそれを祝うということを促すという内容であったわけであります。したがいまして、それぞれの国が、それぞれの立場が違っていたわけであります、正にこの五月八日、九日はですね。であるわけですけれども、日本を含む約五十か国の首脳等が出席をし、現実に首脳等が出席しなかった国は本当にごく少数であったということのようであります。したがいまして、国際社会の団結と連帯を内外に示すということができたことはやはり意義があったと私は考えますし、戦後六十年を経て日本が国際社会の責任あるリーダーであるということのあかしとしての出席というのは私は意味があったと、こう考えております。
 日ロ首脳会談も行われたようでありまして、まだ私はちょっと、どういう具体のやり取りがあったか、必ずしも詳細な報告を受けておりません。その日ロ、今度のプーチン大統領の訪日の話がどこまで議論されたのか、ちょっと私もまだ詳しいこと報告を受けておりませんのでよく分かりませんけれども、総理からは、できるだけ都合のいい時期に、早い時期に訪日をされればそれを歓迎するということを述べ、プーチン大統領からも、訪日を楽しみにしている、具体の時期については引き続き外交ルートで調整していこうと、何かこういう趣旨のやり取りがあったようでございます。
 いずれにいたしましても、仮にこれ行かないという姿を想像したときに、多分圧倒的にマスコミの関心はなぜ日本が行かなかったのかという一点に集中をしたのではないのかなということすら考えられるわけでありまして、結論としては私はやはり行って良かったんではないだろうかと、こう思っているところであります。
#20
○岡田直樹君 終わります。
#21
○佐藤道夫君 私から外務大臣と防衛庁長官に外交、防衛の基本的なことについてお尋ねいたします。どうか率直な忌憚のない御意見を伺えれば幸いと、こう思います。そんな難しいことはお聞きする気は全くありません。
 そこで、今回の在中国の日本のいろんな大使館、公使館、大使館それから総領事館とかが暴力に遭うと。テレビでもよく放映しておりましたけれども、反日デモの流れといってあそこに押し掛けまして、石を投げ付ける、窓ガラスが破れると。こういうことを今まで私は少なくとも聞いたことがなかった。あるA国とB国とが対立しておって、B国の連中がA国の大使館に押し掛けてわあわあやったと。そういうことは歴史的にはあったのかもしれませんけれども、今まで少なくとも我々の目に映るような形でのそういう乱暴というのはなかったんじゃないかと。さすがどの国も条約、ウィーン条約で、大使、公使を派遣する、それから大使館、公使館で、そこで仕事をする、その安全を守るというのはもう最小限度の外交上のモラルと、こう言ってもいいわけでありますが、今回の反日デモの流れは、どういうわけか大使館に押し掛けてわあわあ騒いで石を投げて窓ガラスを破壊してしまうと、あんなことが許されていいんだろうかと。一体ウィーン条約というのを中国はどう考えているんだろうか、こんな条約を持ち出すまでもない、常識の話だと、こう思います。で、警察官が確かにいるんですけれども、ぼんやりポケットに手を突っ込んで見守っているだけで、それを制止しようともしなかった。だれが考えてもあれは中国政府のやらせだなと、こういうことにもなるんだろうと思います。
 そして、最後の、この問題の解決として謝罪と賠償を求めたが相手にされなかったと。一体これはどういうことなのかと。もし日本の中国大使館に対してある団体の暴徒と言ってもいいものが、連中が押し掛けて同じようなことをしたら、これ、中国じゅうが沸き返ってもう大変な問題になるんだろうと。もちろん即時賠償を出せと、何しろ金の国ですからね、そういう話にもなるだろうと、こう思いましてね。大変いぶかしく考えているわけであります。
 そうして、賠償を出せと、謝罪をしろという日本国の要求に対してどういう答えだったのでしょうか。分かりやすく簡単でいいですから、お願いします。
#22
○国務大臣(町村信孝君) 四月十日の日に、私は、その一連のデモがあった後ですけれども、王毅大使を呼んで陳謝の意図表明をすること、損害賠償をすること、そして再発防止に取り組むこと、それを申し上げました。四月十七日の日中外相会談でも申し上げました。また、先般の七日の日中外相会談でも同じことを申し上げました。三回、私は申し上げております。
 それに対する中国側の反応は、先ほど岡田委員にも申し上げたとおりでございますけれども、特に先般、七日の日の会談において李部長からは、原状回復にきちんと取り組んでおり、再発防止についても中国にあります日本の公館、日本企業、邦人の安全確保に最大限努力をしており、引き続き国内法、国際法を尊重して責任ある対応をしていきたいと述べるとともに、さらに一部の過激な行動には賛成しないし反対であると。本件について、日本国民の重大な関心は十分理解しており、国際的な義務を今後も履行していくと、こういう説明があり、謝罪あるいは陳謝の意の表明、遺憾の意の表明等はなく、原状回復という言葉は使いましたけれども、損害賠償ということは触れるところがなかったわけでございます。これについて何度かのやり取りをいたしましたが、結局先方は今までどおりの文章を何度も読み上げるという形の対応でしかなかったというのが実態でございます。
#23
○佐藤道夫君 今度、中国でオリンピックが行われることになりましてね、あの場合、この前北朝鮮のサッカー試合で大変な騒ぎが起きましたけれども、やっぱり同じような、オリンピックの際に、日本のだれかがマラソンならマラソンで優勝をした、それに暴徒が押し掛けてきたなんということだって考えれば考えられるわけでありましてね、そのときも謝罪なんかを要求されて、ふんというだけで話終わっちゃう、そんな国に一体オリンピックを主催する資格があるんだろうかと。本当にきちっとした態度を世界じゅうに示してほしいと。そして、我々も身をもって参加選手の安全を守ると、そういう覚悟でいるからどうかこのオリンピックに参加して大いに盛り上げてほしいということにならない限り、日本国民は日本人をあんな国の主催するオリンピックに派遣する気はしないだろうと思います。そういうことになる可能性だって十分あるわけでしてね。一体これ何なんだろうかと。
 そして、明確な謝罪をしない、賠償をしない。まずもって謝罪をし、賠償をする、その国の代表がですね、そこから話は始まるわけですけれどもね、そういう外交上のルートすら一切知らないような国なんでしょうか。どう思われますか、今まで接触してきましてね、私のこういう話に対して、ちょっと御見解をお聞かせ願えればと思います。
#24
○国務大臣(町村信孝君) 私も委員の率直な疑問と全く同じ思いで先方にその話をしたわけであります。
 例えば、四月十八日の日に私は唐家セン国務委員と会ったときも、昨年でしたか、サッカーのアジアカップの折の騒動、あるいは今回のこの暴力行為と、これでは北京オリンピックが本当に平穏に開催されるかどうか、日本はもとより国際社会から大変心配をしているんですよという話、オリンピックにも触れてですね、そういう話もしたわけでございますが、これは李部長も唐家セン国務委員も、もうとにかくもう決められたテキストしか読まないと。徹底してそういう対応を取っているということでございまして、私どもとしては誠に不可解であるし、まあデモは、それは中国でデモが自由であるかどうかは別にして、国際的にはデモというものはこれはまあ表現の自由という形でどこの国でもそれはいいと、デモについては私どもは一言も言ってはいない。ただ、こういう破壊活動あるいは邦人に対する暴力行為、これはもう洋の東西を問わず許される話ではないという話をしたんでありますが、現実の反応はそういうことであったということでございます。
#25
○佐藤道夫君 これは一対一の話では全然何も見えてこないと。思い切って国連にこれを持ち出したらどうでしょうか。中国でこういう問題があって、日本の大使館、総領事館等が破壊されたと、それに対して謝罪すらしないと、これはもう本当に大変な条約違反の問題なんだと、国連全体で協議をしましょうよと。そして、その場で、こんなことは二度とあってはならないということを取り付けるということだって私考えていいんじゃないかと、こういう気がするんですけれどもね。
 もう少し事を大きく考えてくださいよ。なに、ちょっと石投げられたぐらいだから、こっちがうんと我慢すりゃそれでいいんだというふうなことがどうも見えてくるような気がしてね、私、気持ちが収まらないわけですよ。二度とあってはならないことですしね。やっぱり起こした国に対しては徹底して謝罪、反省、損害賠償を求める、これが大事なことだろうと思います。
 そこで、国連に持ち出すということも考える余地があるのかどうなのか。外務大臣、お考えをお聞かせください。
#26
○国務大臣(町村信孝君) まあ国連のどういう場でどういう形でそれを提起するのがいいのか、よく考えてみなきゃならないと思います。
 しかし、まあ既に日中間でこれだけ再三にわたって言っているわけであります。向こうに言ってすぐ旗を下ろしたわけでも何でもございません。かなり厳しいやり取りもやっているわけでございまして、引き続き、この問題が全部済みというわけではないと、引き続き協議をするということで、先回の話は、七日の話は一応そこで、中間でまあ打ち止めみたいな形にはなっておりますし、引き続き日中間でしっかりとこの問題については中国側の責任ある対応を求めていくということで私どもは考えております。
#27
○佐藤道夫君 そう言っちゃ何ですけれども、典型的なお役人答弁でありましてね、全然、聞かれていることに対する回答が出てこない。で、そのうちみんな忘れるだろうと、忘れる人が大体多いでしょうからね、それで一件落着と、こういうことにならないように、ひとつ外務大臣としても常にこういう問題について中国との会談の機会というのを大いに活用して頑張ってほしいと、こう思います。
 そこで、やっぱり中国問題ですけれども、今、日本が安保理事会常任理事国になろうということでいろいろ頑張っておられる。この前は何ですか、百か国余り集めていろいろと意見を聞いたし、またお願いもしたと、こういうことでした。そういうことで理解が得られればこれにこしたことはないわけですけれども、肝心の中国が、アジアはもう一国でいいんだと、何も日本を常任理事国にする必要はないんだというふうなことを、はっきりは言っているかどうか分かりませんけれども、そういう考えでいるらしいということも聞きます。
 この問題についても中国の外相とやはり会談されたと思います。その内容をお聞かせ願えればと思います。
#28
○国務大臣(町村信孝君) 中国の、この国連改革なかんずく安保理改革に関するいろいろな場面での発言があります。一番はっきりしておりますのは、四月六日の国連総会公式審議での常駐代表のステートメントというのが一番体系的といいましょうか、公式の場での発言かなと、こう思っております。
 その場の発言は、途上国の代表性の向上というものにプライオリティーを置いた安保理改革を支持するということであって、安保理改革は必要ないというふうには言っておりません。それから、徹底した議論をし、幅広いコンセンサス、コンセンサスというのはいろんな意味合いがあるが、通常であれば全会一致ということなんでしょうけれども、幅広いコンセンサスの下で決められるべきであるという意見、それから、人工的な期限を設定してコンセンサスが欠如している中で投票で決着することには賛成をしないというようなこと、それから、安保理改革は国連改革のプロセスの一部にすぎない、開発を含む他の分野と同様重要な改革を妨げてはならないと、こういうようなことを言っております。
 そういうことで、私も今まで李肇星外交部長とは何度かの日中外相会談をやっておりますが、その都度この国連改革の話はしております。特に、先般の日中外相会談では、私ども日本は戦前の反省の上に立って戦後平和国家としてやってきた、その平和国家としての活動というものについて自信があるからこそ今回は立候補したんだということを申し上げ、先方の理解を求めるということ、そして今後、外相レベルのみならずいろいろなレベルで、もちろんニューヨークの国連代表部で、あるいは事務レベルでもいろんなルートで協議を進めていこうということを話し合い、そういうことにしましょうということになっております。
 したがいまして、中国が日本の安保理常任入りに確かに賛成ということは明確に言ったことは一度もございませんし、内心のほどはそれは推測するにやぶさかではございませんけれども、今後やはり中国の理解も得て、あるいは韓国の理解も得て、そして幅広い国々の理解も得ながら、日本の常任理事国入りというものを実現するために今後最大限の努力をやっていきたい。
 四月の二十九日でしたでしょうか、ニューヨークで私が国連改革に関する会議というものを開いて、百六十五か国以上の代表の方々の参加がありました。国連加盟国百九十一ですから非常に多くの国々が参加した。もっとも、その中にはコーヒークラブといいまして特定の国が更に常任理事国入りすることに反対の人たちもおりましたから、その百六十五が全部日本の常任理事国入りに賛成する国々が集まったとはあえて申し上げませんが、しかし大変な国の数が集まったということでありまして、一つの大きな弾みを付けることに成功したのではないだろうか、このようにも考えているところであります。
 ただ、大変にこれはもう難しい話であるということは委員御承知のとおりでありまして、大変難しい話ではありますけれども、ここまで、戦後六十年たって、五十年前に失敗した国連改革、また今回失敗すればまた十年、二十年先になるだろうということが容易に想像できるわけでございますから、最大限の努力をこの六十年目という節目の年に実現をしていくべく努力をしてまいりたいと考えております。
#29
○佐藤道夫君 日本の国連における役割というのは、改めて言うまでもない、日本とアメリカ、国連分担金、半分以上、はるかに負担しているわけでありまして、金を出せば威張れるというわけでもないが、しかしそれも努力の一つなんですね。それなりの評価が当然必要だろうと、こう思うんです。
 日本とアメリカ、これが一位と二位を占めておるわけですけれども、中国やロシアはほとんど金を出していないと。金を出さぬから、おまえらつまらぬやつらだというわけでもありませんけれども、やはりそれなりの努力をして、金銭負担というのが実は大変一番大事な負担だと私思っておるわけですよ。これもやはり中国あるいはロシア、負担が、もう中国の負担、ロシアの負担なんというのはゼロに近いぐらいでありますからね。やっぱりあれだけの役割を国連で果たしているという自負があるとすれば、それ相応の金銭的、経済的な負担をするのは当然だろうと、こう思っておりまして、こういうことも機会を見て中国政府、ロシア政府に伝えていただきたいと、こう思います。世界の大国と、こう称しているわけですから、大国は大国らしい負担をすること、当たり前のことだろうと、こう思います。
 それから、やっぱり日本、外交問題を取り上げますけれども、竹島問題なんですけれども、これ、この前新聞にも出ておりましたけれども、島根県のある町が竹島の日というのをつくった。ところが、それが韓国のいろんな市町村の反発を招きまして、それに対するけしからぬという声が沸き起こってきたと。この竹島の問題もずっと前から議論をしておって、おれが正しい、いやこっちが正しいと、こういうことで、いついつまで、あと何十年議論をしても結論は出てこない。ですから、かつて、歴史上はもう領土の争いというのは最後は武力で、流血で、血を流すことで解決して、勝った方のものにすると、こういうことだったんですけれども、じゃ戦争でもするかと、そういうばかげたことはもうこの二十一世紀許されるわけはない。
 私、一つ提案したいのは、こういうことで、これはおれの方だと、今そういう考えのぶつけ合いなんですね。両方とも相手の言い分には全然耳を傾けないと。あれは日本のものだと、とんでもない、あれは韓国のものだということで議論が続いて延々と来ていると。この辺で、血を流して争うほどの領土でもありませんから、ちっぽけな領土ですから、今話合いをしておるかのごとくでありますけれども、どういう効果があるのか分かりませんけれども、私、一度本当にひざを交えて、そうして、これ法律的に共有と、ともに有するという言葉、共有という言葉がありますけれども、日本と韓国の共同のものにしようと、そして双方所有者としてそれなりの権限を行使できるというふうな形で解決をしていくと。
 これはおれの領土だから、おまえら入っては駄目だと、そういうことを言い出したらやっぱり最後は流血の惨事、戦争ということになるわけで、やっぱり歴史は繰り返すで、ばかげた戦争が起きてくるということですけれども、二十一世紀、新しい時代、話合いで領土問題を解決しようと、歴史に残る解決にもなるんですけれども、どうなんでしょうか。こういう形でお互いつまらないことを言い合うのはよそうと、そして両国の共有という形で適切に運営していこうということならば、これ歴史に残るんじゃないかと、二十一世紀の領土問題はなるほどそういう解決もあったんだなということで後世の人たちに教えてやるという意味もあるんだろうという感じがします。いかがでしょうか。
 なお、これ、戦争という話が出ましたから、防衛庁長官にもちょっと感想を承らばと思います。
#30
○国務大臣(町村信孝君) 先般の日韓外相会談、五月六日の日に行ったわけでありますけれども、この竹島の問題、議論をいたしました。
 ただ、基本的な両国の立場が違うということはお互いにそれぞれよく分かっているわけであります。ただ、いずれにしても両方が、それぞれの国が冷静にこの解決に向かうと、冷静に議論をすると、冷静に努力をするということがなければならないテーマであるということについては意見が一致したと、こう考えております。
 そういう中で、先ほど委員、ある町がとおっしゃったが、そうではなくて、島根県が県の条例で竹島の日というものをつくった、それに対する強い反発が韓国からあったということからどんどんどんどん話が、特に韓国側で一方的にエスカレートしていっているというのが今日の実態かなと思います。
 そういう中で、竹島を持続可能な利用をすることの法律という、ちょっと中身はよく分かりませんが、そういう法律を四月下旬に韓国が通したり、あるいは情報通信部長官が訪問をするということがあったわけであります。これは、竹島をそういう意味で政治問題化させないという両国の理解と反する行為であるということでございまして、これについては私の方から約束違反ですよということは申し上げたわけでございます。
 今、委員は共同管理といいましょうかね、共同の管轄権を有するというお話がありました。一つの御見識かなと思いますが、韓国側は全くそれは受け入れるところではございません。なぜならば、もう一〇〇%、一二〇%、二〇〇%竹島は韓国の領土であるということを疑っていない立場なもんですから、共同と言おうが何と言おうが、もうそれはもう全くそれは彼らの今の心境、考え方でそれは受け入れるところにならないということは極めて自明のことかなと思います。しかし、それじゃ問題解決しないだろうと言われりゃ確かにそのとおりであります。じゃどうするのかということについて今後いろいろ考えていかなければならない大変難しい問題であるなとは思います。
 しかし、この問題があるからといって、日韓両国間がぎすぎすしたり友好関係が損なわれるということでは誠に本末転倒であるというふうに私どももそう考えますので、この問題についてはあくまでも平和的な話合いによって問題を解決していくべきであろうと、かように考えております。
#31
○佐藤道夫君 今の問題は結構です、時間の関係で。
 それで、本来の防衛問題について防衛庁長官に二、三お尋ねしたいと思います。
 一つは、これも新聞記事なのでどこまで本当の話か分かりませんけれども、防衛大学の卒業生が自衛隊入って命を投げ出してこの国を守るというのが私当然のことだろうと、こう思っておりましたら、最近は何か自衛隊にも入らないというのが増えてきていると。イラク戦争の影響か、あんなところに入ったら本当に死んでしまうかもしらぬということで、自衛隊には入らないで民間会社に就職すると、それが増加しているという記事なんですけれども、何か数字も示してありましたからこの数字にうそはないと思うんで、この点はいかがでしょうか。
#32
○国務大臣(大野功統君) まず、防衛大学校を卒業してからの話と、それから卒業する前に退学すると、こういう二つの問題があると思います。
 まず、防衛大学を中途退学する、この人数というのはかなり昔から多うございまして、最近、十五年度から、十五年度に初めて百人超えました、途中退学者が。十六年度で見ますと、入校者が四百二十五名、卒業者は三百二十五名、任官者が三百三名ということでございます。したがいまして、任官辞退者は二十二名でございますが、まず中途退学の者を見てみますと、この中途退学のほとんどは一年生でございます。
 この一年生の割合、中途退学に占める一年生で退学した者の割合を見ますと、ここ三年間見ますと、十四年が七九・五%、十五年が八〇%、十六年は、十六年度卒業というか十六年度で見てみますと、驚くなかれ八七・九%が一年生で辞めていると、こういう状態でございます。
 この中途退学者が挙げた理由でございますけれども、先生、今イラクとか、そういうことをおっしゃいましたが、そうじゃなくて、やはり性格に合わない、ほかの大学校を受験したい、自衛官としてやっていく自信がなくなったということでございます。我々としても、その中途退学、せっかく希望して難しい入学試験を受かって頑張ってくれたわけでありますけれども、もう一回何とか頑張ってくれないかなと、こんな気持ちで見ております。まあ、言わば恐らく一人っ子が多い、少子化現象の中で大勢の者と集団生活することに慣れないのかな、こんな感じがいたしております。
 そこで、もう一つ、卒業したけれども任官しないと、こういうケースでございますが、この方はほとんど変わっておりません。昔からずっと同じような数字、年々によってちょっと上下ありますけれども、さしたる大きな現象はないように思います。
#33
○佐藤道夫君 最後に防衛庁長官にお尋ねいたしますけれども、入学試験、防衛大学の入学試験で採点ミスがあって、本来の合格者を不合格扱いにして、後で気が付いて大騒ぎになりまして、何かそこにおられる副長官も、卒業式でしょうか、大変ミスを犯して申し訳なかったということも言っておられたと。後から何か入学式に加えてやったと、そのミスで不合格といったんした人をもう一度集めて入学式をやったと、こういうことなんでしょうけれども、そういうミスは許されないことだと思うんで、長官のお考えいかがでしょうか。
 これを最後に聞きます。
#34
○国務大臣(大野功統君) 本年度の入学試験におきまして、入学試験にミスがありましたことを長官として心からおわびを申し上げる次第でございます。
 なぜこういうミスが起こったかという問題でありますけれども、我々承知いたしておりますのは、採点を行う際に使用した回答例を作成した後、問題文を分かりやすくしようと修正を行ったわけでありますけれども、そこで意図しない条件設定の変更があったのではないかというふうに言われております。それがしかるべくチェックされないで、この問題を作る方と回答例を作る方と、ここの意識にギャップがあったのかなと、これはもう絶対こんなことはあってはいけないことでございます。今その原因を究明して、そして絶対このようなことが起こらないように今後気を付けてまいります。
 なお、入学に際しましては、それぞれ当該問題については修正をいたしまして、そして一次試験に合格して二次試験に至らなかった者で、いや、一次試験で、二次試験で落ちた者、それから一次試験で落ちた者、それぞれについて救済措置をとりまして、現在、該当者については二回にわたって入学式を挙行いたしております。それぞれの皆様に今津副長官からもおわびを申し上げた次第でございます。
#35
○佐藤道夫君 終わります。
#36
○榛葉賀津也君 民主党・新緑風会の榛葉賀津也でございます。
 私、このいわゆる旅券法の改正案について質疑をしたいというふうに思っておりますが、我が会派はまだこの旅券法の賛否を決めておりません。衆議院では賛成した法案でございますが、衆議院の審議の後、改めて大きな問題が発覚をいたしまして、我が党は本日のこの委員会の質疑を見守って、その後にこの法案に対する賛否を決めたいという態度でございます。
 さて、グローバル化社会というふうになって久しいわけでございますが、政治、経済や文化交流だけではなくて、このグローバル化社会の流れの中で犯罪やテロといったものもグローバル化してくるというのが現実でございます。現在では、日本で有効な旅券が約三千五百万冊あるということでございますが、その中でも旅券を、調査室の資料なんですが、旅券を偽造し、また盗難した旅券を変造して不正に使用する犯罪が、一九九九年に百二十四件だったものが何と二〇〇三年には二百十六件と非常に増えているわけでございます。また、偽った申請によって旅券を不正に取得する犯罪が、同じく一九九九年に七十九件だったものが二〇〇三年には百十一件というふうにこれも急増の傾向にあるということでございます。また、昨年、二〇〇四年の旅券の盗難は、盗難・紛失が何と五万件もあるということでございます。
 この法案の改正にはこのような全体的なバックグラウンドがあるわけでございますが、こういった環境の中での法改正、パスポートのIC化といったものでございますが、まず冒頭、この費用についてお伺いをしたいと思うんですが、平成十八年三月、来年三月からですが、発給開始となるのがこのIC旅券の導入関連経費でございます、導入関係経費、これが、十六年が六億七千七百万円、平成十七年が二十五億一千百万円ということでございます。実質、十七年度の三月、十七年度の二十五億円が実質には平成十七年度の三月の一か月分だけということでございますから、単純に二十五億円掛ける十二か月掛ける十年ということにはならないんでしょうが、今後、大まかこの十年間、このIC旅券化するコストというのは外務省はどのように試算をされているんでしょうか。
#37
○政府参考人(鹿取克章君) お答えいたします。
 IC旅券導入の関連する経費は、今委員御説明がありましたように、平成十六年、十七年度、御指摘のような数字でございます。私どもとしては、申し訳ございませんが、それ以降、すなわち平成十八年度以降なんでございますが、平成十八年度以降につきましてIC旅券関連経費がどの程度になるかということにつきまして、具体的な試算はまだ現段階では持っておりません。
#38
○榛葉賀津也君 日本にある旅券の数は分かっていて、今後十年間で恐らくIC化が進めていく。大まかな数字はきっちり出ていると思うんですが、これで将来の予算が大まかでも分かっていないというのは、これどういうことですか。
#39
○政府参考人(鹿取克章君) 今まで私どもの旅券関連経費というのは大体八十八億、年間、それから九十億弱、こういう数字で推移しております。
 私どもとしては、最初の初動の開発コスト等、先ほど委員御指摘がありましたように、十七年度は二十五億程度要求しております。これ以降も予算、旅券行政経費につきましては従来どおり、今まで機械読み取り式旅券をもって年間八十八億、九十億要求してまいりましたけれども、基本的には、我々の事務方の内々の考えとしては、大体こういう今までの経験を踏まえて対応できるとは思っております。ただし、やはり計算というのはしっかりやらなくてはいけないもんですから、公式の場で大体この程度というのはなかなか申し上げにくい状況でございます。
#40
○榛葉賀津也君 現在、内閣官房等でも議論されているこのe―パスポートの流れをかんがみますと、今後虹彩であるとか指紋、こういったものをパスポートに追加していくと、この可能性も排除できないと思うんですね。その場合、今回のこのIC化の措置に伴う費用というものは無駄にならない、国交省や法務省が進めているこの指紋情報を入れたSPTカード、出入国カードですね、これが今後、今実験段階なんですが、これが導入されていく中で、この現在のICパスポートとその新しい虹彩や指紋情報を取り入れた追加情報、このコストやその存在そのものが重複しないというふうなお考えなんでしょうか。
#41
○政府参考人(鹿取克章君) 今我々が進めているIC旅券は、今委員御指摘のとおり顔情報ということでございます。指紋それから虹彩、こういう可能性については、これからも国際的な動向とか技術水準を見ながら検討をする必要はあると思います。
 重複という御指摘でございましたけれども、少なくとも旅券を考えてみた場合に、その本、冊子でございますね、冊子そのものは、基本的にはこれからも同じものを使うことになると思います。
 それから、冊子に入れるIC、ICチップ、これについてはどういうものになるかというのは、やはりまた技術的に検討をしなくてはなりません。これについても、しかしICチップそのものはそれほど大きな相違はないのではないかと思います。ただ、指紋であるとかそれから虹彩であるとか、そういうものをICに入れる、そういう装置につきましてはやはり開発というのが必要であると思います。ただ、まだ我々としては、そういうものがそういう段階に至っていませんので少しお答えにくいんですけれども、ただ、旅券の基本的な構造、冊子であるとかチップであるとか、それからプリンターであるとか、こういうものについては、基本的には従来と同様な装置でいくのではないかと思っています。
#42
○榛葉賀津也君 それでは、衆議院で、最後の方で問題になりました効用分の二重取りの議論に若干入りたいと思うんですが、お手元に資料を配付させていただきました。
 これを見て分かりますように、現在、パスポートのコストというのは一万三千円、十年物で掛かっているわけでございます。これ内訳が、三千円が実費なんですね、これ印刷代であるとか紙代。残りの一万円というものは、これ効用分といいまして一年間で千円、掛ける年数で十年物の場合は一万円なんですが、これ日本人が海外に行った場合の邦人の海外保護等の領事事務の行政経費を先取りしてもらっているような形なんですね。これを効用分、効果の効に費用の用で効用分という形なんですが、こういった内訳になっております。これ総額で大体年間に三百億円以上になっているわけでございますが、これがすべて一般財源に充当されています。そして、この効用分は一般会計に入っているため、実際三百億円がどのように本当に邦人保護のために在外公館に充てられたかと、この見合いは非常に分からないわけでございます。
 今回、IC旅券を導入に際しまして、三千円の実費が四千円になりました。しかし、例えば今年パスポートを作った方々は、今年も含めて今後十年間分の効用分を既に前払しているわけでございます。しかし、来年三月からICチップ化されたこの新しい旅券をさらに国民の皆さんがテロ対策の観点から購入する場合、また再び効用分を外務省は徴収するというんですね。これ、私は明らかに使用料の二重取り。
 この問題を衆議院最後の議論で古本委員が指摘をされまして、外務大臣はこのように答えているんですね。まだ十分の一しか返っていないんだから十分の九は払い戻せということには必ずしもならないのではないかというのが一つと、それからもう一つは、ちょっと、原価が幾らで、費用が幾らで、その差額がそのサービスの対価であるという計算があるのかないのか私にはちょっと定かではありませんがというふうに言っているんですが、大臣、これは原価も、そして差額も費用も大変明らかになっております。明確であります。
 町村大臣は、この古本議員の質問で初めてこの効用分の存在も知ったというふうに議事録で読み取れるわけでございますが、改めて、この費用の二重取り、これは外務省として私は国民の立場に立ったらするべきではないと思うんですが、外務大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
#43
○国務大臣(町村信孝君) この旅券の手数料につきましては、委員御指摘のとおり効用分というものが含まれていると。これは、邦人保護の対象となり得る旅券申請者に邦人保護の平均的な行政コストを御負担をいただくと、こういう考え方に基づくものであるということでありまして、個々の旅券保持者について具体的な邦人保護経費の実費を徴収するというためのものではございません。したがいまして、個々の旅券所持者について、実際に必要となった邦人保護経費に基づいて手数料の払戻しとか、あるいは追加徴収を行うということは想定をしていないということでございます。
 政府といたしましては、このような効用分の性格及び以下のような事情を踏まえまして、IC旅券への切替えを希望される方については、前の旅券の有効期間が残されている場合においても正規の料金をお願いをすることとしております。政府の考えは、これまでの旅券関係の業務においても同様、一貫しておりまして、旅券関係の業務を円滑かつ効率的に行うために、今般のIC旅券導入もこうした考え方の整理に基づいて行うこととしているわけでございます。
 その、以下申し上げるというのは四点ありまして、一つは、現行旅券は、IC旅券が導入されても有効期間内はもとより有効でありまして、IC旅券の切替えはあくまでも御本人の意思に基づくものであるというのが第一点。二点目は、これは平成十五年六月から非機械読み取り式旅券から機械読み取り式旅券へと切り替わってきているわけでございますが、このときも政府としては正規の手数料をやっぱり同じようにお願いをしてきたということもございます。それから三点目としては、諸外国の状況を見てみますと、IC旅券への切替えを行う際に、手数料の払戻しを行われている国はないと、こう承知をいたしております。また、第四点目でございますけれども、現実にこれ手数料の払戻しをするということになりますと、相当複雑な事務手続が発生をするおそれがあるということで、円滑な旅券関係の業務に支障を来す可能性があるということでございます。
 このようなことでありますけれども、他方、手数料問題は、御指摘を今いただきましたが、国民一人一人にとっても大変重要な問題であるというふうに認識をしておりますので、今後邦人保護に全力を尽くすと、これは旅券法の改正の有無にかかわらず、邦人保護に全力を尽くすことは当然の責務でございますが、一層その邦人保護に全力を尽くすとともに、旅券申請に当たっての便宜の向上など総合的な観点からサービスの向上や旅券申請の負担軽減に努力をしてまいりたいと思います。
 例えば、今まで旅券発給に際してどのような国民の利便を考えた措置をやってきたかと申しますと、例えば過去十年間を見ますと、都道府県の旅券事務所というものは全国二百四十五か所から三百二十二か所に増加をするといったようなサービスの向上、あるいは、従前は申請も受取も本人が出向かなければならないということであったことを、申請は代理の方でもいいですよといったような対応もしておりますし、それから、これは最近ですが、平成十六年以降、岡山県を皮切りにいたしまして、インターネットによる申請も受け付けるということで、旅券申請者は受取のときだけ出頭すればいいというような改善、あるいは交付する時間の延長や日曜日の発給もできると、このようなことを今までもやってまいりましたが、これからもまだそういった負担軽減努力、便宜を図る努力というのはやっていきたいと、こう考えております。
#44
○榛葉賀津也君 この効用分の議論の前は、この話が大きくなる前は、衆議院においてこのIC旅券は、何が何でも日本は、このICAOの国際的な流れもあるし、またテロ対策にとっても喫緊な課題であるというふうな説明を一生懸命されているんですね。そして、一日も早くこのテロとの戦いやグローバル化社会の中で、IC旅券を速やかに、国民の皆さんの御理解と御協力を得ながら、すなわちインセンティブをなるべく持っていただいて、持たせるような形の中でこのIC旅券化を日本国内で、いや世界全体で進めていきたいという説明を御省は一生懸命されていた。
 しかし、この効用分の議論が出てから、正に今大臣がおっしゃったように、私がこの二重取り、二重取立てにならないような仕組みをつくるべきじゃないですかと言ったら、担当課長さんは、このIC旅券に変更するのは、これは利用する国民の趣味や嗜好の問題だと言うんですね。これだけ国を挙げて、世界を挙げてテロと戦おう、水際でテロを防止しようと言ってこの法案作っているにもかかわらず、私に対する説明は、いや、今までのパスポートでも十分できるんですよ、IC旅券にするのはその方の趣味や嗜好の問題ですからと。大臣、こういう感覚でよろしいんでしょうか。
#45
○政府参考人(鹿取克章君) IC旅券の導入につきまして、我々がこれを積極的に進めてきたのは委員御指摘のとおりです。我が国としては、ICAOにおける旅券犯罪防止の様々な議論、これを非常に真剣に受け止めまして積極的に参加してまいりましたし、そのために、IC旅券の早期導入という大きな方針の下にこれまで準備を進めてきました。そして今、技術的にも、来年の三月を目指してできるだけ早期にIC旅券を出したいと思っております。これは委員御指摘のとおりでございます。
 それで、今非常に、確かに重要な問題でありまして、IC旅券がもしも導入されたら、それはやはりできるだけ早く普及したいと、普及するということはやはりこれは重要なことであると思います。
 それで、この点については例えばICAOにおいても議論があったことは事実でございます。IC旅券、いわゆるICを使った旅券を早く国際的に出すべきであると、出したらそれが早く普及するのが好ましいと、こういう議論はICAOでもございました。ただし、そのICAOにおける議論におきまして、やはりじゃ現行の旅券との扱いはどうするんだということも議論されまして、結局ICAOにおける議論は、IC旅券はできるだけ早期に出しましょうと、しかし、現行の旅券はその有効期間がある間はそれも同時にやはり有効でなくてはいかぬと、そういう形で今国際的には議論されてきたところでございます。
#46
○榛葉賀津也君 それは趣味や嗜好の問題じゃないでしょう。今までのパスポートを使いたい方は使えるかもしれない、しかしなるべく早く皆さん御協力いただいて、国民の皆さんにICパスポートを持ってもらう。それが国を挙げて、イラクにまで自衛隊送っている我が国ですから、テロときっちりと対峙していかなければいけない、そのためにIC旅券を導入しようと言っているのに、趣味や嗜好の問題ですからそれは別にいいんですよと。
 大臣、もう一つ、国際社会全体がこの払戻しをやっていないと言いました。私も担当課に資料を出してくださいと言った。国際的に手数料の払戻しをしていないのは、アメリカ、ドイツ、スイス、オランダ、イタリア、オーストラリアだけでございます。カナダもイギリスもフランスもまだこの態度ははっきりしておりません。しかも、私が言っているのは、実費を払い戻せと言っているんじゃないんですよね。三千円、四千円のこのパスポート代は二重で払ってもらってもしようがない。しかし、一年間千円と決まっている効用分は当然二重払いするわけではない、二重取りしてはいけない。
 だから、では、外国はこの効用分の二重取りはどうなっているんですかと言ったら、担当課は、各国のこの効用分というシステム云々は承知しておりませんと言うんですよね。各国が全然違う制度でやっているのに、若しくは制度が分かっていないのに、外国の諸国がこういうふうにやっているから日本もやりますという理由は、大臣、全く詭弁でございますよ。これは通じませんよ、説明として。どうですか、大臣。
#47
○国務大臣(町村信孝君) 私は、その衆議院の委員会でも議論をしたときに、趣味、嗜好でという発言をした記憶はございません。
#48
○榛葉賀津也君 担当課長です。担当課長です。
#49
○国務大臣(町村信孝君) まあ担当課長がどういう説明をしたか知りませんが、少なくともこの国会の議論でそういう発言はなかったと私は記憶をいたしております。
 それから、今委員御指摘のIC旅券の手数料、現時点で今分かっているのは、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドでございます。日本がこれでいくと一万六千円ということでしょうか、アメリカが一万二百円、これはまあ幾ら、換算レートにもよりますけれども、常識的な換算レートで見ると、アメリカが一万二百円、オーストラリアが二万二百円と、ニュージーランドが五千五百円と、こういうことでありまして、この中で、アメリカとオーストラリアは、先ほど申し上げたように旅券切替え時の手数料の払戻しはしていない国、日本はアメリカとオーストラリアの大体真ん中辺にあります。
 したがいまして、どういう積算をこれらの国々がそれぞれ持っているかというのはそれは必ずしも明らかじゃございませんけれども、しかしそんなにコストが国によって大きく、人件費がうんと違う国なら別として、そんなに違わないとすると、効用分という概念があるかどうかは、それは私も確認をしたわけじゃないから分かりませんけれども、まあオーストラリアあるいはアメリカが日本とそう違わない水準の手数料であるとするならば、日本と同種の考えを持っているのではないかということが推測できるのではなかろうかと、こう考えております。
#50
○榛葉賀津也君 私は、アメリカや他の国と日本のパスポートの料金は大体同じ、だから同じように全額払ってもらうんですという観点で言っているんではないんです。各国には各国のそれぞれ料金設定の理由がある。しかし、我が国は実費は四千円と決めて、残りは千円が一年間、そして十年間で一万円の効用分と決めているわけですから、この法の解釈やこのシステムの理解からすると二重取りするのはおかしい。そして、この同じ論法で、各国がやっているから日本も他国に同調してやりますよというなら若干の説得力はあるかもしれないが、そのシステムは度外視にして、その在り方は度外視にして、世界各国のといっても実質は六か国ですよ、これがやっているから日本もというのはあたかも後から取って付けたような説明としか私には思えない。
 そして、加えて大臣は先ほどMRPと十年化の際も同じように効用分も含めまして料金をちょうだいしたとおっしゃいました。担当課は過去との公平という言葉を使いましたが、私から言わせれば、では過去からずっと二重取りをしていたんですねということなんですよね。MRPのときも、十年化のとき、これは平成四年と七年でございますが、このときも同じように二重取りをしていたんです。ところが、国民も気が付かなければ委員会もこの問題に気が付かずに審議が通過していった。私は誤りは認めて、誤りは直すべきだと思います。
 そして、このMRPと十年旅券のとき、私は基本的に今回の旅券法の改正案、テロとの戦いでIC化をするこの旅券法とは全く違うと思っているんですよ。平成四年のMRPの導入時、これは申請手続の簡素化と手数料の改定なんですね。すなわち、申請手続を簡素化して国民の便益及び、便宜及び行政効果の向上を図っていくというのが趣旨でございました。平成七年の十年旅券の導入時も、海外に渡航する国民の一層の便宜を図っていく、今までの年数を十年に延ばして国民の皆さんが使いやすいようにするからという理由で導入している。このときはまだもう一度御負担をしてくださいというのは、それこそ趣味、嗜好の問題ですから、五年のパスポートでいいといえばいい。しかし、十年欲しいという方が残りの残存期間があってももう一度パスポートを取ると、これは分かると思うんです。しかし、今回は旅券犯罪や不法な出入国を防止を強化する、そして渡航の安全を向上させるという正に極めて政治色の高い、政治的なお願いを国民の皆さんに御理解を得て、していただくんですね。そして、このテロ対策という政策に協力してくれる国民に改めて費用を負担させるというのは、私はどう考えてもおかしいと思うんですが、どうなんですか。
#51
○政府参考人(鹿取克章君) IC旅券を導入する際の目的あるいは基本的考えというのは、今委員御指摘がありましたように、今国際的にどうしたらより良く旅券に関連する犯罪を防止できるか、そういう観点から議論が行われてきたことは事実でございます。ただ、それと裏表の関係にありますけれども、私どもあるいは国民としてはそういうより高度な旅券が発行され、そういう旅券を保持すれば、やはり国際社会においては日本旅券の信頼性が増すということによってより渡航あるいは外国の移動、そういうものについて便宜が高まるわけでございます。したがいまして、私どもが今進めているIC旅券の開発というものは、一つにはもちろん国際的な流れの中で旅券犯罪の防止ということがございますし、もう一つはやはり日本の旅券の信頼性を高めたい、それによって国民の渡航の便宜を更に高めたいと、こういう二つの観点から行っているところでございます。
#52
○榛葉賀津也君 これはやはりテロ対策の推進というものと国民の負担と、このバランスだと思うんですね。で、テロ対策には国民の協力が不可欠であるが、その実施に当たっては、善良な国民、事業者に新たな負担を課すこととなる場合もある。したがって、政府としては、それらの負担が合理的かつ必要最小限になるように配慮する、国によってはこういう文書を出しているところもあるんです。この国とは、実は日本なんですね。日本はこういうことを言っておきながら、実質は効用分を二重取りしている。何が必要最小限ですか。言っていることとやっていることが全く矛盾をしていると思わざるを得ないわけでございます。
 そして、この三百億円の、合計ですね、総額三百億円以上あるんですが、これ全部一般会計に入っています。本当にこの三百億円がどのように領事事務に使われたか、これは定かではないんですね。もとより税金で賄っているところに改めて効用分という形で二重取りする。すなわち、これ結果的にはバーチャルなんですよ。こういった問題をきちっとして、私は国民の皆様に、残っている期間の千円掛ける年数分、きっちりでなくてもいいかもしれない、五年おきに刻むという方法もあるかもしれない、しかし、何らかの形でこの国民の皆さんのテロに対する防止の参加、そしてICチップ化の一日も早い普及、こういったインセンティブを国民の皆さんに与えて、御負担を軽減していきながらテロとの戦いをしていく、これが外務省の本来あるべき姿だと思うんですね。局長、どうですか。
#53
○政府参考人(鹿取克章君) 旅券についてもう一度私どもの基本的な考え方を御説明しますと、先ほど委員から機械読み取り式旅券とIC旅券というのは違う、背景が異なるのではないかという御指摘がございました。
 ただ、旅券という面で一つ重要な政策上の共通点がありますのは、これはほかの国も同じだと思いますけれども、旅券というものは基本的考えとして、一度発給されましたら、例えば十年なら十年、基本的にはそれが失効するまでは有効なものとして扱おうと、こういう基本的な考え方がございます。
 これは例えば旅券法、今、現行の旅券法でも旅券の二重発給の禁止ということで四条の二に書いてあります。旅券の発給を受けた者は、その旅券が有効な限り、重ねて旅券の発給を受けることができないと。これは、旅券秩序の安定という観点から、我が国もこの考え方をこれから、これまでも踏襲しておりますし、各国もそれを踏襲しております。したがいまして、私どもとしては、今回IC旅券というものをできるだけ早く開発したいと思っておりますし、またそれができるだけ早く普及することは好ましいことだと思っております。
 しかし、基本的な考え方としては、今ある機械読み取り式旅券、これもやはり有効期間がある間はそれは有効なものとして扱われることがやはり基本であり、これも先ほど申し上げましたようにICAOにおいてもそういう議論があったために、IC旅券がこれから発給されても現行の旅券の効力はお互いに認め合おうと、こういうことで議論が行われてきたわけでございます。
 したがって、そもそも基本的な考え方としては現行の旅券についてはその有効期間までお互いに維持し合いましょうと。ただし、もしも希望があればその有効期間内でなくても、あっても、IC旅券の発給ということはもちろんそれを排除するものではありません。しかし、その場合には先ほど大臣から御説明したような背景によって正規の料金をいただくと、これが今政府の考え方の整理でございます。
#54
○榛葉賀津也君 私は、国民の理解は得られないと思いますよ。
 冒頭述べましたように、今後、局長もおっしゃたように虹彩であるとか指紋情報も取り入れた新しいいわゆるバージョンアップされたパスポートが今後できる可能性もある。今後、こういったパスポートができるたびに同じようにあなた方の論法でこの効用分の二重取りというこの手法を続けるんですね。
#55
○政府参考人(鹿取克章君) 今、私どものこの旅券法の考え方というのは、先ほど申し上げましたように、やはり現行の旅券、これはやはり尊重すると、そんなに数年おきにどんどんどんどん旅券を切り替えるとか旅券を変えていくということであるとやはり旅券秩序というのは損なわれる、そういう考え方が背景にありまして、従来から、若干保守的かもしれませんけれども、旅券については旅券の安定性という観点からその一度出した旅券についてはそれが支障ない限りは存続させて、それで更に新しくこう進化していくと、こういう考えに基づいておりますので、現在の時点では私どもも今、今私が申し上げましたような旅券の基本的考え方に立っております。
#56
○榛葉賀津也君 違う観点から一つ御質問させていただきますが、アメリカへの渡航に関しては今年の十月二十六日から来年三月までの約五か月間、この間に新規旅券、いわゆる非ICパスポートですね、非ICパスポートの新規旅券を取った日本人はアメリカ渡航に対してビザが必要になるということでございます。この時間的なコスト、それから金銭的コストをどのように外務省、把握されているのか、ビザは具体的に幾らぐらいするのか、そして手続の方法はどうなっているのか、そして大使館に、アメリカ大使館にこの方々はアメリカに行くたびにわざわざ行かなければいけないのか、具体的に御答弁願います。
#57
○政府参考人(鹿取克章君) まず、ビザのコストですけれども、ビザのコストは例えば短期ビザ、これは約百ドルと聞いております。また、ビザを取得するに当たっては面接を受ける必要がありますので大使館に赴くと、こういう面で時間的なコストも掛かると、こう承知しております。
#58
○榛葉賀津也君 この期間にパスポートを取得する人数というのは推計で約六十七万人いるんですね。この十月二十六日、今年の十月二十六日ですが、これから以降、ICチップの入っていないパスポートでアメリカに来る人はビザが要りますよって決めたのはアメリカなんです。で、日本はたまさか来年の三月にICチップが作られますから、この五か月間に新しいパスポート、従来のパスポートを更新した人というのは毎回、仮に十年物を作りますと、あなた方の言ったように、これは趣味、嗜好の問題で十年間このパスポートは生きているわけですから、この方々十年間使うことを想定すると、この方々は、六十七万人は十年間毎回アメリカに行くたびに百ドルを払って、大使館に行って列をつくってビザを取るんですね。
#59
○政府参考人(鹿取克章君) 今委員御指摘の問題は、私どもとしても非常に重要な問題だと認識しております。
 それで、私どもとしては、今アメリカ政府に対して様々な面でこの十月二十六日の問題について問題提起しておりまして、三月にも外務大臣からライス国務長官に対して、期限の延期、こういうものを申し入れておりますし、私どもも事務的にあらゆるレベルでこの問題については米国と協議しております。引き続き、米国側とは鋭意協議してまいるつもりです。
 この点、この問題が重要であるということは委員御指摘のとおりでございます。
#60
○榛葉賀津也君 非IC旅券ですと、この六十七万人は入国に際して恐るべき不都合、そして不愉快な思いをするんですね。アメリカに行くたびに大使館に行き、ビザを取り、お金を払い、時間的な労力を使わなければいけない。そして、旅行代理店なんかは、この六十七万人、大使館に恐ろしい行列をつくるんじゃないかという危惧を実は旅行代理店はもうしているわけでございます。すなわち、少なくとも、全員でなくても、この十月二十六日から来年三月までの六十七万人の方々にとっては、これは趣味、嗜好の話ではないんですよ、もう。極めて、アメリカへの入国については当局が現実的な形の中で正に選択制を認めていない。こういった以上、現実的には強制力というか、強制性が極めて強いわけでございますよね。十年間こんなパスポートを持っていたらたまらないわけですから、早くこういったビザの要らないICパスポートを取ろうとするでしょう、当然。私ならそういたしますよ。当然、十年間生きているけれども、パスポートは、こんなこと毎回やらせたらたまらないんで、当然パスポートを、新しいパスポートを取ります。
 こういった方々からも効用分、同じように含めて一万四千円の料金で請求されるんですか。
#61
○政府参考人(鹿取克章君) 今私どもの考え方の整理ではそのとおりでございます。
#62
○榛葉賀津也君 国民納得すると思いますか。とりわけ、この六十七万人は。
#63
○政府参考人(鹿取克章君) 繰り返しになりますのでもう一度先ほどの議論すべては申し上げませんけれども、私どものこの旅券の料金、この背景にある考えというのは先ほど申し上げたとおりでございまして、これまでの旅券法の仕組み、それから旅券の性格、それからだれがこれを希望して行うか、そういうものを総合的に判断して決めているものでございます。
#64
○国務大臣(町村信孝君) これ三月に私、ライス長官と話合いの中でこの問題を提起をいたしました。実際、この何か月間の間に大変な手間暇が掛かるというのは、これは大変だということを申し上げました。そうしたら、隣に座っておりました、あのときは大使がちょうどおられなかったから公使だったかな、いや、実は大変なんですと。我々もそのビザ発給手続を、もう通常の何倍もの人が来たら、もうアメリカ大使館も実はもう領事館もみんなパンクしてしまうんですと言って、その場をかりて公使の方はライス長官に、陳情というのはおかしいですが、状況説明をその場でやるというような一幕もあったほどでございます。
 したがいまして、今これは私どもの在ワシントン大使館も、やはり国務省はもとよりでありますけれども、関係する議会の方にも働き掛けをして、何とかこれ期限延長といいましょうか、期限を一年間延期するようにという働き掛けを今精力的にやっているところでございまして、この数十万人とも試算される方々に悪影響が出ないような努力を今一生懸命行っているという最中でございます。
#65
○榛葉賀津也君 今大臣からそのような御答弁いただきまして、確かに三月十九日、ライス長官に対してこの十月二十六日の先延ばしを要請というふうな新聞報道もございました。
 他方アメリカは、ヨーロッパ、欧州委員会の副委員長や閣僚理事会が今年の三月二十三日に、この二十六日を延長するように、ヨーロッパ側もこれ大変だと思っているんですよ、彼たちも同じようにビザ取らなければなりませんし、各国によってICチップ化されるパスポートが普及される、発給される、品質が変わっていますから、ヨーロッパも同じ問題を抱えているわけですが、アメリカ議会あてにこれ書簡を出しているんですが、下院司法委員会の委員長さんから三月三十一日の返事では、この再延長というのはアンライクリーだと、もう極めて難しいよと、駄目だよという返事が来ているわけですね。
 そして、私、提案なんですが、委員長、是非、日本の国会としてもアメリカ議会に対して何らかのアクションを起こしていく。そして、我が国は来年三月からICチップ化パスポートが発給されますから、そこまで何とか、このような不利益な、不便を国民に強いるような方法は避けるためにこの十月二十六日を延ばしてほしいというお願いを政府と並行して国会としてもするべきだと思いますが、この辺のことを取り計らっていただきたいと思います。
#66
○委員長(林芳正君) ただいまの榛葉君の件につきましては、後刻理事会で協議いたします。
#67
○榛葉賀津也君 それと、外務省にもう一点提案なんですが、やはり仮に十月二十六日が延期されなかった場合、私は、少なくともこの六十七万人に対しては、腹案として、この当該期間にこの非IC旅券を取得してしまった、不幸にも、この六十七万人は、やはり発行手数料を免除するだとか減額するだとか、こういったことをやるべきだと思うんですよ。これ国民の経済活動に恐るべき支障を来すことになりますよ。その可能性は、局長、どうですか。
#68
○政府参考人(鹿取克章君) 今御指摘のとおり、この問題は極めて重要な問題と思います。
 ただ、私どもとしては、現時点ではあらゆるエネルギーと力、努力を、まず米側との間のこの期間延長、この問題について集中していきたいと考えます。
#69
○榛葉賀津也君 恐ろしいほどのエネルギーとおっしゃいますが、この十月二十六日から来年三月までの、六十七万人が困るということはもう分かっているんですよね。この方々に対して、少なくとも知らない国民一杯いるんですよ。このシステムも、十月二十六日以降、パスポートを取った場合ビザが要るということも知らない国民が一杯いる。ですから、もしこれが知っていれば、恐らく十月二十六日前にパスポートを取っておこうという国民が必ず出るはずです。こういった、十月二十六日前に旅券を取得するように促すような広報活動や具体的な措置、とっているんですか。
#70
○政府参考人(鹿取克章君) 私どもとしては、この十月二十六日の問題についてはいろいろなレベルで、いろいろな方法で広報しております。ただ、今の段階で十月二十六日前にできるだけ旅券を切り替えるようにということは今の段階ではしておりません。なぜかといえば、今の段階ではまずは米国との間で協議を進めるということに集中すると、そういうふうに考えているからでございます。
#71
○榛葉賀津也君 ヨーロッパからのお願いに対してアンライクリーだという返事があって、もう十月二十六日という期日が政治的に、また行政的に示されているわけでございますよね。それに対して、まだ一分の望みがあるからこれを広報しないんだというのは、局長、怠慢ですよ、もう数か月しかないんですから。パスポートを取る手続というのは、それぞれ事情もありますから相当の猶予を与えなければいけない。公にできなくても、少なくともホームページで、こういう可能性がありますよくらいはできるじゃないですか。そのホームページも、私幾ら探したけれども載っていませんよ。
#72
○政府参考人(鹿取克章君) 先生御指摘のとおり、今十月二十六日がだんだん近づいていることは、それはそのとおりでございます。しかし、今はまだ五月でございます。私どもとしては、やはりもう少し米側との、十月二十六日の問題について議論したいと思います。
 もしも今の段階で仮に旅券を切り替えて、それで、もしも十月二十六日以降も、十月二十六日以降の、十月二十六日という期限がもしも延期されれば、それはそれでまた国民の方々の間では間違ったアドバイスをしたことになり得、かねますので、今の段階ではまずこの十月二十六日という期限についてできるだけ米側と協議を進めていくと、こう考えているところでございます。
#73
○榛葉賀津也君 局長が保守的な方かどうか知りませんが、国民の感覚とは相当ずれていますよ、これは。国民の利便性をどのように考えるかという考えからは相当ずれていると思います。
 では、アメリカが十月二十六日から以降のパスポートの方々に対してはビザを取るということですね。では、アメリカ自身はこれ、十月二十六日までに自国の国民にIC旅券を発給するんでしょうか。
#74
○政府参考人(鹿取克章君) アメリカ政府は、本来であれば本年二月ごろに最初のIC旅券を出して、そして本年中にIC旅券を大量に発給していくと、こういう計画を持っておりました。ただし、この計画は遅れております。
 今、五月ですけれども、この五月の段階でもまだアメリカのIC旅券、当初二月に出すと言っていた最初のIC旅券はまだ出ていない状況でございます。
#75
○榛葉賀津也君 十月二十六日までにIC旅券を発給される見込みがあるんでしょうか。
#76
○政府参考人(鹿取克章君) 米側が十月二十六日までに最初のIC旅券を出すか否かという御質問であれば、それは、今の段階では私どもはまだよく分かりません。
 米側としては、当初の計画は二月であった、今それが遅れて五月になっていると、この状況、こういう状況であるというふうに認識しております。
#77
○榛葉賀津也君 アメリカが他国の国民に対して十月二十六日というデッドラインを決めているにもかかわらず、もし自国の国民にそのデッドラインまでにICチップのパスポート普及していないと、これは別にアメリカだからどうこうではなくて、人の道として余りにも矛盾していると思いますよ。
 ですから私は、私は大分これが遅れているやに聞いております。もしアメリカが遅れているんだったら、当然、それに合わせてこの二十六日も延期するような政治的な交渉も是非していただきたいと思いますし、他方日本は、これ、アメリカから日本に来る方々、期日がどうか分かりませんが、例えばこの十月二十六日という期日とするならば、それ以降入ってくるアメリカ国民がICチップを持っていない場合、ビザを請求するんですか。
#78
○政府参考人(鹿取克章君) 今はそういうことは考えておりません。
#79
○榛葉賀津也君 きちっとした政治交渉をやって、私は、国民の不利益とならないような旅券行政をしていただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。
 次に、残りが少なくなってしまいましたが、若干プライバシーの議論からこの話をしたいと思うんですが、国民の中には顔写真についてプライバシーの侵害だと認識する方が非常に多いんですね。平成十五年九月の内閣府による個人情報保護に関する世論調査では、他人に知られたくない個人情報として顔写真などの画像が四三%という数字でございました。こういった観点から、今回、パスポートには、顔写真や基本的なデータ、パスポートに載っているデータが載っているICチップが付くわけでございますが、外務省は、この取り込んだ情報、これをデータベース化していくんですか。
#80
○政府参考人(鹿取克章君) ええ、外務省においてはデータベース化してまいります。
 この情報そのものは、情報の質そのものは、今、現行の旅券と基本的には同じでございます。もちろん、顔情報がデジタル化されるという点はございますけれども、我々としては、従来同様、従来もデータベース化してまいりましたけれども、これからもデータベース化していくということで考えております。
#81
○榛葉賀津也君 これは、日本人、外国人両方をデータベース化していくんですか。
#82
○政府参考人(鹿取克章君) ええ、日本のパスポートについてでございます。
#83
○榛葉賀津也君 行政機関等個人情報保護法第三条の目的外使用の制限の規定というのがあるわけでございますが、これ、外務省内でデータベース化して、これ、個人情報保護法上問題ないんでしょうか、行政機関個人情報保護法上問題ないんでしょうか、元い。
#84
○政府参考人(鹿取克章君) 私どもも、この行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律、これに基づいて適切に対応してまいりたいと思っておりますし、また六条で、行政機関の長は、保有個人情報の漏えい、漏えい又は毀損の防止その他の保有個人情報の適切な管理のために必要な措置を講じなければならないと、こういう規定がございますので、我々としてもきちっと管理してまいりたいと、こう考えております。
#85
○榛葉賀津也君 衆議院の答弁では、法律にない目的外の使用はないという答弁だったんですね。でも、逆に言うと、じゃ、どういう目的であれば日本人のこういった画像データや空港で入手した外国人の画像データというのがどのように使われるのか、具体的な例を挙げて教えていただきたいと思います。
#86
○政府参考人(鹿取克章君) 私どもは、パスポート所持者、すなわち日本人のデータ、これをデータベース化しておりますけれども、これについてはこの行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律の第八条、これを踏まえてやることを考えております。
 この法律によりますと、一定の場合、目的外使用が認められております。例えば、入管局に対してその入管行政の必要な範囲においてデータを提供する場合、あるいは警察に対して犯罪捜査、そういう目的のために提供する場合、こういう事例が我々としてはございますけれども、これについては私どもはこの法律第八条に従って適切にやってまいりたいと、こう考えています。
#87
○榛葉賀津也君 まあ、第八条の利用及び提供の制限という話にも若干触れましたが、アメリカは、例えばICチップ化されて、今後私たちがアメリカに行った場合、各国から来る外国人の情報も全部データベース化するんですね。これが実はどのように使われるか分からない。諜報活動に使われるかも分からないし、入管の入管業務だけに使われるとは限らない。これは担保ないわけでございますね。
 外国人の旅券情報をアメリカのようにデータベース化する国というのはどれぐらいあるんでしょうか。
#88
○政府参考人(鹿取克章君) 必ずしも承知しておりません。ただ、アメリカにつきましては、今新しく導入された措置により、アメリカに査証を持って入る人につきましては指紋を、指紋及び顔写真を採取しておりますので、アメリカにおいてはそういう情報が蓄積されていると承知しています。
#89
○榛葉賀津也君 それは問題ないんでしょうか。
#90
○政府参考人(鹿取克章君) 私どもも、アメリカに対しては、こういう情報の適切な管理、これについては数次にわたって申入れを行っているところでございます。
#91
○榛葉賀津也君 局長に最後にお伺いしたいと思うんですが、このパスポート、旅券に載っている個人情報、これはだれのものですか。
#92
○政府参考人(鹿取克章君) 個人情報、私どもが管理している情報については、私どもがデータベースとして、データベースにおいてきちっと管理しているところでございます。これは、私どもは旅券事務においてのみやっていることでございますけれども、旅券情報は私どもが管理しております。
#93
○榛葉賀津也君 ということは、パスポートに載っている写真やデータ、個人情報というものは外務省のものという答弁ですね。
#94
○政府参考人(鹿取克章君) 外務省において管理している、データベース化しているという意味で申し上げたところでございます。
#95
○榛葉賀津也君 基本的にやはり、旅券に載っている情報というものは当然データベース化すれば外務省がきちっと管理するわけでございますが、大変難しい議論ではありますが、基本的にやはりこれは個人のものだと思うんですね。この個人のプライバシーとやはりテロ対策の負担若しくはリスクというものの非常に難しいバランスの上にこの議論が成り立っているというふうに思うわけでございますが、やはり国民の個人情報をどう守るかという観点からも、私はもう少し外務省や私たちも敏感にならなければならないと思います。私たちの行ったパスポートの個人情報が実は外国でどのように使われているか分からない、それに対してもきちっと外務省が他国に対して物を言えるような環境を私はつくっておく必要が、日本人の個人情報、プライバシーを守る観点からは私は重要だと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 残りが十分ほどになりましたが、最後に防衛庁にお伺いをしたいと思います。
 三回ほど質問をすると言って流れていたF2の問題でございますが、大野防衛庁長官、大変お待たせして済みませんでした。この自衛隊の支援戦闘機F2についてお伺いしたいというふうに思います。
 航空自衛隊の支援戦闘機F2でございますが、これまで開発経費と機体の購入費用合わせて約一兆五千億円費やしてまいりました。一機当たり約百二十億円なんですね。世界一高い戦闘機というふうに言われているわけでございますが、ところが専門家から、性能に関しても失敗、駄作であったという明言があちこちでされているわけでございます。先々月の三月三十一日、当委員会においても外交防衛委員会の参考人質疑で、小川和久さんがもう欠陥機であると明言をいたしました。今回の中期防では、この支援戦闘機F2の取得数を何と百三十から九十八機に減らしているわけでございます。つまり、生産を途中で打ち切るというふうにも読めるわけでございますが、私はこれはある意味、英断だと思っています。だが、国民、タックスペイヤーからすると、性能が不明のうちに購入することのリスクの大きいということをもう如実に示した例だというふうに私は思っておりまして、まず防衛庁にお伺いします。
 これは長官でなくても、大井さんでも飯原さんでも結構でございますが、まず防衛庁はこのF2の性能上の問題、失敗を認めるべきだと思うんですね。このF2の開発、量産をしてきた責任をも認めるべきだと思うんですが、防衛庁はどうなんでしょうか。
#96
○政府参考人(大井篤君) 御質問のありましたF2の性能でございますが、まず、航空機等を開発をいたします場合に、防衛庁といたしましては、要求性能というものを設定するわけでございます。この要求性能が満足しているということにつきましては、平成六年度から平成十二年度にかけて行われました技術実用化試験で確認をしておるところでございます。また、これを受けまして、平成十二年九月でございますが、部隊における使用の承認というものを行ったわけでございます。
 防衛庁としましては、このF2につきまして、信頼できる能力を保有しているというふうに考えているところでございます。
#97
○榛葉賀津也君 それでは、なぜ生産数を変更したんですか。これ理由は価格だけなんでしょうか。
#98
○政府参考人(飯原一樹君) 御指摘のとおり、今次の大綱におきまして取得機数を百三十機から九十八機に減少させました。理由といたしましては、現有のF4が平成二十年代の半ばごろに所要機数を割り込むという中で後継機の問題が生じているわけですが、厳しい財政事情の中、新中期防期間中に新戦闘機の整備に着手する必要があるというのが一つ。他方、世界的には、今後、将来をにらみますと、マルチロール機を導入する傾向にあるという事情を踏まえまして、総合的にF2の取得数を抑制、ぎりぎりまで抑制をして効率的な戦闘機を整備を行っていくという観点から、百三十機を九十八機に圧縮をしたということでございます。
#99
○榛葉賀津也君 防衛庁とするとそういう答弁しかないんでしょうが、このF2というのは、やはり機体が小さくて性能向上の改修というのが非常にしにくいんですね。言い換えれば費用対効果が極めて悪い。ある操縦士に言わせますと、重い対艦ミサイルを搭載せず、空中戦も行わず、ただ飛ぶだけならすばらしい飛行機であるというふうにある操縦士がおっしゃっているんですが、これポイントは、やはり私はこのF2が性能が十分実証されないうちに導入したと、導入を決定したということに尽きると思っています。
 昭和六十三年に開発に着手して、平成六年に実験を実施いたしました。平成七年に導入を決定して、このときの防衛大綱や中期防で百三十機、平成十年までに完了予定ということを決めているんですね。この時点で、平成七年に策定した概算要求で、防衛庁は一機当たり八十億円と見積もっているんです。それが、この辺りからちょっと変になってくるんですが、平成八年に購入を開始してから、実はF2は政府が日本独自の開発を目指していた。ところが、アメリカの猛反発に遭うんですね。これが八〇年代の日米摩擦の最大の問題事項になりました。で、交渉の結果、結局アメリカのF16戦闘機をベースにした共同開発するということで、アメリカから有償で技術を買って、日本からは技術を無償で提供するというふうなことになりました。以来、平成十年七月には技術的改善の必要性が判明して開発期限が延長され、また翌年八月には技術的改善の必要性が更に判明して更に再々延長、そして平成十二年五月には水平尾翼に不備があることが判明して再々延長なんですね。そして平成十二年九月、ついに完成をするんですが、このときには一機当たり百二十億円以上するというような数字になっているわけでございます。
 結果的に、現時点までに量産効果が上がらずに、当初予定していた八十億円という単価が、平成十七年度は単純計算だけでも百二十六億円になってしまった原因、これ一体何なんでしょうか。
#100
○政府参考人(大井篤君) コストが当初の予定に比べて上がったという理由でございますけれども、一つにはやはり生産機数の変更というものがございます。それから、先ほど先生御指摘になりました、開発分担方式という形に変更をしたということ、そういうことが響きまして、量産単価につきましては上昇ということが行われたということでございます。
#101
○榛葉賀津也君 私は、導入決定時の見積りやその後の性能、そして予算見積り、極めて、言葉が悪いですが、いい加減なものがあったのではないかなという思いがしてならないわけでございます。平成十二年度の見積りを資料によりますと九十九億円としているんですが、実際は百十八億円掛かっているんですね。私、こういったように、そもそもこのF2の問題というのは、一連の経緯、それは性能が十分実証されないうちにこの導入を決定してしまったということに尽きると思っています。多くの専門家もそう思っているんですよね。
 私が一番懸念するのは、こういった問題が、同じような問題がMDのときに起こらないかどうかということなんですよ。性能がきっちりと実証されないうちにMD導入を決定して、気が付いたら膨大な費用になって後に引くに引けなくなってしまったと。F2は、今回、石破前長官の英断によってこのような決断をされたと私は理解をしておりますが、今後MDは、民主党もこの可能性を認めておりますが、F2の二の舞になる可能性もなきにしもあらず。開発が失敗していろんな技術的なトラブルや購入計画が変更せざるを得ない場合もあるかもしれない。こういった場合は途中で購入を打ち切ったり、この計画そのものを中止すると、これくらいの覚悟は防衛庁長官にあるんでしょうか。
#102
○国務大臣(大野功統君) 安全を守るということは極めて大事なことであります。それにはコストが掛かる。これも委員御存じのとおりでございます。そのコストはしかしながら国民の税金でありますから、私は、まず要求性能をはっきりと極めていく。そして、それを確認した上、使用に当たっては様々なテストをやっていく。こういうプロセスをきちっとやって、仮にもしそういうことがあれば、フレキシブルに柔軟に考える。こういう態度で臨んでいきたいと思っています。
#103
○榛葉賀津也君 終わります。
#104
○荒木清寛君 まず、外務大臣にイラクにおける邦人拘束事件についてお尋ねいたします。
 先ほどの報告ですと、本日の未明に情報を入手しまして、二時に対策本部を立ち上げたわけでありまして、大変迅速な対応を評価をいたします。
 ところで、大臣はこの対策本部には何時にお入りになったんでしょうか。
#105
○国務大臣(町村信孝君) 二時半何分か過ぎていたか、三十五分ぐらいだったかと思います。
#106
○荒木清寛君 そうしますと、ほとんど寝てないかと思いますけれども、大変御苦労さまでございます。
 そこで、この齋藤昭彦さんの安否というのはまだ確認できないんでしょうか。
#107
○国務大臣(町村信孝君) 現状まだ把握できておりません。
#108
○荒木清寛君 この齋藤氏はハート・セキュリティーという会社のイラク支店でコンサルタントを務めているということですが、これは要するにガードマンのような仕事をしていたということなんですか、あるいはいわゆる傭兵というような、そういう仕事であったんでしょうか。
#109
○政府参考人(鹿取克章君) まだ必ずしも詳細は私どもも存じませんが、このハート・セキュリティーというのは、米軍であれ、あるいは英軍の警備、安全、こういうものを担当する会社であると、安全の管理会社であると承知しています。そこのコンサルタントという肩書であると。今私どもが承知しているのはこの肩書のみでございます。
#110
○荒木清寛君 こういうコンサルタントといいますか、警備関係の仕事をしている人がイラクでは数万人いるというふうに承知をしております、聞いておりますけれども、間違いないんでしょうか。
#111
○政府参考人(鹿取克章君) どの程度のコンサルタントあるいは警備の方がイラクにおられるか、この点については十分承知しておりません。
#112
○荒木清寛君 あるいは、そうした中に齋藤さん以外にも多くの邦人がいるんでしょうか。そうしたことは把握していますか。
#113
○政府参考人(鹿取克章君) こういう分野において邦人がおられるということについては承知しておりません。
#114
○荒木清寛君 いずれにしましても、邦人保護は政府の、外務省の重大な任務でございますので、この救出に向けまして全力を尽くすことを改めて要請いたします。
 そこで、旅券法の改正につきまして質疑をいたします。
 通告はしておりませんけれども、今の今々行われた手数料の払戻し問題について大変白熱した議論がありまして、私も関心を持って聞いておりました。
 私は、有効期限がある中で、自らの意思でIC旅券に切り替える方について手数料を払戻しをすべきであるというふうには現時点では考えておりません。ただ、そのようにもしするとした場合には、この旅券法のこのどの条文を改正しなければいけないんですか。
#115
○政府参考人(鹿取克章君) 旅券法の、旅券法の手数料については現在、今二十条で規定しておりますので、手数料の問題は二十条で扱うと、こういうことになると思います。
#116
○荒木清寛君 この条文を改正しないとそうした措置はできないということですね。
#117
○政府参考人(鹿取克章君) 法律改正なしにはそういう措置はとれません。
#118
○荒木清寛君 次に、この顔画像の件についてお尋ねをいたしますが、このICAOの決定では指紋や虹彩を利用することも認めるというふうになっておりますけれども、今回はこの手法を採用しなかったわけでございます。その理由を説明してください。つまり、顔画像だけで本人認証が完璧にできるものなのかどうか。もしもそうした不安があるんであれば、この指紋や虹彩ということも検討してもよかったのではないかと思いますが、どうなんでしょうか。
#119
○政府参考人(鹿取克章君) ICAOにおきましては、この生体情報を旅券に導入する問題について長年にわたって議論が行われてきました。その際にどういう生体情報かということで顔画像あるいは指紋あるいは虹彩、こういう点について議論があったことは今委員御指摘のとおりでございます。
 しかし、数年にわたり議論の結果、昨年五月にIC旅券の国際標準というものがICAOで決められました。その際に決められたのは、まず生体情報としては顔画像を使いましょうと、これは必須であると。そして、それがまず決まったのと同時に、オプションとして指紋や虹彩を使うこと、これもこの昨年の五月の決定の中には書かれております。しかし、ICAOの議論の過程で国際標準、国際的に相互運用可能な標準が決まったのは顔画像だけでございます。まだ指紋や虹彩については、そういう国際的に相互運用可能な標準というものはできておりません。
 こういう状況の中で、私どもも、また各国とも最初のIC旅券を導入するに当たっては顔画像を使いましょうと。それによって国際標準を、国際的な相互運用を図ると。また、顔画像を使う限りにおいては、現在の旅券発給システムについてそれほど大きな変化はもたらさないと。したがって、早期にIC旅券を出すという観点から私どもも顔画像を採用いたしましたし、各国も顔画像を採用すると、そういう状況でございます。
#120
○荒木清寛君 先ほども若干議論がございました。我が国が査証免除をしている国はかなりあります。米国よりもその対象国は多いと承知をしております。
 そこで、今後IC旅券を導入後、我が国は米国同様、こうしたIC旅券を導入しない国に対して査証免除をしない、ビザを要求する、そういう対処をするのかどうか、どうなんでしょうか。
#121
○政府参考人(鹿取克章君) 査証免除をある国について考える場合に、その国がどういう旅券を持っているか、どの程度しっかりした旅券を持っているかというのは、もちろん重要な判断材料になると思います。しかし、私どもとしてはIC旅券を導入しているか否かを査証免除に直結すると、直結させるということは今考えておりません。私どもとしては、これからも査証免除を考えるに当たっては人の交流の円滑化及び犯罪の防止、治安の問題、その比較考量において対応してまいりたいと、こういうふうに考えております。
#122
○荒木清寛君 今回の法改正とは直接は関係をいたしませんが、いわゆるこの外国籍の偽造旅券を行使しての不法入国について法務省にお尋ねをいたします。
 この偽造旅券を行使して我が国に不法入国をした事件の昨年の件数、そしてその場合に、この行使者が、行使者の国籍ですね、この点について報告願います。
#123
○政府参考人(三浦正晴君) お答え申し上げます。
 昨年一年間におきまして、我が国の空港、海港におきまして上陸審査又は上陸審判の手続を行った際に入国審査官が発見した偽変造文書の総件数は二千五百五十八件となっております。この偽変造文書と申しましたのは旅券以外の文書も含めての数でございます。このうち、今委員御指摘ございました偽造、偽変造旅券の部分だけを取り上げますと、内数になりますが、千十一件という件数でございます。この千十一件は正規の旅券を持たないで我が国に入ってきた人ということになりますので、不法入国者ということになります。
 これらの偽変造文書を行使しまして摘発された者の国籍別でございますが、多い順に申し上げますと、中国が一番でございます。次いでタイ、フィリピン、イラン、韓国の順となっております。
#124
○荒木清寛君 中国人の不法入国が一番多いと、偽造パスポートを使っての入国が多いということですが、その場合に行使されたこの、まあ中国人に限ってお尋ねしますが、行使されたこの旅券の国籍別といいますか、どうした国籍の旅券を使った犯罪が多いんですか。
#125
○政府参考人(三浦正晴君) お答え申し上げます。
 最も多いのはいわゆる香港の旅券でございますが、中国(香港)というものと英国(香港)というのが、旅券二種類ございますが、これらを合計したものでございますが、これが百三十二件ということで最も多くなっております。次いで韓国旅券の偽変造の旅券でございますが、これが八十二件、それから中国本土の旅券が六十一件、それから台湾が四十六件というような順番でございます。
#126
○荒木清寛君 そうした意味で、偽造旅券を使っての不法入国の摘発といいますか防止ですね、この対策は今後どう進め、まあ現在どう進めているんですか、あるいは今後どうされるんですか。
#127
○政府参考人(三浦正晴君) 入国管理局におきましては、出入国の審査業務に従事する入国審査官を対象といたしまして、偽変造文書の判別方法に関する研修を随時実施しておるところでございます。それによりまして専門能力の向上を図っております。
 このほか、全国の空港、海港に配備されました高性能の偽変造鑑識機器を活用いたしまして、偽変造文書の発見や行使する者の摘発に努めているところでございます。
 また、本年四月からは、タイのバンコク国際空港に偽変造鑑識技術に優れた我が国の入管職員を短期間派遣しておりまして、ここにはその他の各国からも同じような専門家が派遣されておるわけでございますが、その方々と協力いたしまして、出発地において偽変造文書の発見をする、及び行使者が我が国に向けた航空機に搭乗しないようにするというようなことで、未然防止のための対策を取っているところでございます。
#128
○荒木清寛君 法務省はもう結構です。
 そこで、外務省、大臣にお尋ねしますが、途上国がすべて今回のようなIC旅券を導入するようになればこうした不法入国も防止できるわけでありますけれども、なかなかそんな簡単にはいかないわけでございます。
 そこで、途上国に対するこのIC旅券の導入促進についてですね、例えばODAを活用してそうしたことを促進するというようなことはお考えでありませんか。
#129
○国務大臣(町村信孝君) 委員御指摘のように、発展途上国を含みます多くの国がこうした旅券の安全性というものに取り組むということが大変重要であろうと、したがってこの旅券のIC化がすべての国々において推進をされるということが必要だろうと思います。
 ODAを活用したらどうかという御指摘でありました。なかなかこれはその技術とか機材を供与すればすぐできるというものでもなかなかないようなテーマもあろうかと思います。まだ具体にどこかの国からそういう要請があったということは聞いておりませんけれども、むしろこれも、待ちの姿勢ではなくて、積極的にあなたのところどうしていますかというふうなことを少し持ち掛けてみて、IC旅券に関する技術の適正な管理を含めて、技術提供を含めてできるだけ積極的に、これらの国々がIC旅券導入できるように積極的に取り組んでいく、そのことが例えばテロ対策その他非常に意味のある国際秩序をつくる上で重要なんだろうと、こう考えております。
#130
○荒木清寛君 次に、日米外相会談についてお尋ねをいたします。
 報道等によりますと、北朝鮮が近々核実験を行うのではないかというようなことも言われておりますが、この情報については外務省はどういう分析をしていますか。
#131
○国務大臣(町村信孝君) いろいろな情報がございます。米国ともかなり緊密な情報交換といいましょうか、情報の提供を受けたりしているところもございますが、現時点で北朝鮮による差し迫った核実験実施の兆候があるという情報にはまだ私ども接してはいないところでございます。
 ただ、大変地理的にも近いところでもあるわけでございますので、最大限の注意を持って監視をしていきたいと、かように考えているところでございます。
#132
○荒木清寛君 外相会談では、六者会合再開の具体的展望が持てない場合、他のオプションを考える必要が生じるという議論がなされました。この場合の他のオプションということは何を意味するのか、どういう議論をされたんでしょうか。具体的には、北朝鮮に対する制裁措置を安保理に付託をするというようなことも含めて意見交換をされたんですか。
#133
○国務大臣(町村信孝君) 外交間の話合いですから、詳細にわたる部分は多少控えさせていただきたいところもありますけれども、一般論で申し上げれば、安保理で話をするというとすぐ経済制裁あるいは軍事的な制裁ということになってしまいますが、必ずしもそうではないと私ども思っております。やはり、安保理という一つの正に国際社会の意思を発言する場として、もし安保理が北朝鮮に対して六者会合に早く戻るようにというような何らかの形での意思表示をするということはあると思うんですね。したがって、安保理というと何かストレートに制裁という大変強い措置につながるような受け止められ方をする向きもあるわけですが、必ずしも私どもはそうは思っておりません。
 今、これは六者というか六者以外の、北朝鮮以外の五者のみならず、世界の国々が大変今の北朝鮮の動向というものに対して懸念を強めているところでございます。そのことは現在国連で開かれておりますNPTの会議の場あるいはいろいろな場でそういうことが表明をされておりますから、そういう意味で安保理を含めていろいろな他のオプションというものを考えていき、一刻も早く六者会合に北朝鮮が戻るような、そういう外交的な働き掛けを強めていきたいという方向で日米外相間で一致したところでございます。
#134
○荒木清寛君 よく分かりました。
 我が国もこの安保理非常任理事国という立場があるわけですから、是非、直ちにこの安保理での制裁ということではないにせよ、拉致問題を含めて安保理にそうしたこの問題を上げていくと、こういうことも模索をしてもらいたい、このように要請いたします。
 最後に、この直近に行われました日中外相会談についてお尋ねをいたします。
 この点は、先ほどもありましたように、歴史問題についても意見交換、この議論がなされたわけでございます。李外交部長は、靖国神社には絶対に参拝しないでほしいというふうに言ったということでございますが、近年になく強い言い方といいますか、をしたわけでございます。こうした発言がなされた背景はどう分析をされているんですか。
#135
○国務大臣(町村信孝君) 先般の日中外相会談での李外交部長の話が特に異常に、何か今まで以上に強かったというような受け止め方を私はしておりません。程度の差こそあれ、先方が歴史認識というそれを行動で表すのは靖国参拝を中止することであるというような言い方はいろいろな、これは日中外相のみならず、いろいろな方々との会話で出されてくる、先方から提起される問題提起でございました。
 なぜこういう発言が出てくるのか、先方の考え方を推測すると、例えば、彼らは、先般のそのデモあるいは過激な行動というものは、その根っこには日本の指導者の誤った歴史認識に基づく行動、すなわち靖国があるのでああいうデモやら過激な行動が出るんだと。その理屈は私は誠におかしいと思っておりまして、それを認めたわけではもとよりないわけでございますが、彼らの認識の仕方にはそういう部分があるんだろうなと、こう思っておりますし、また日中間の、これは何も昨日、今日に始まったことではないこの歴史認識の話というのがずっと前からあるわけであります。必ずこの問題を提起することによって、彼らがある意味では日中間のいろいろな課題を解決するに当たっての、どういうんでしょうか、交渉上の優位な立場に立つというような面も多分考えているのかなと、これは推測でありますからよく分かりませんが、そういうふうな指摘をする向きもあります。
 正確に、なぜ彼らがこうやって靖国の問題を提起をするのか。私ども日本としてはもう累次にわたって世界に向けて、一九九五年の総理大臣談話、そしてつい先般の小泉総理の談話、アジア・アフリカ会議における談話、あるいは日中間だけを取りましても累次にわたってそうした歴史認識を示しているわけでございますから、私どもとしてはもう十分そのことは先方に伝わっているはずだと、こうは思っているんでありますけれども、いや、それは発言だけであって、行動は靖国参拝ではないかと。そこのところの受け止め方の違いが靖国参拝反対という発言になって現れるんだろうなと、こう思います。
#136
○荒木清寛君 いずれにしましても、この靖国参拝問題が日中間の大きな政治課題になっていることは間違いないわけです。私が見るところ、もうこれは総理が適切に判断をするというところに尽きているように思うわけですが、しかし総理だけに任せるのではなくて、やはりこれは外交問題として政府としてどう前向きで実現可能な対応を取るかということを真剣に考えるべきではないかと思いますが、どうでしょうか。
#137
○国務大臣(町村信孝君) 政府を代表する総理大臣の立場ということだと私は考えております。
#138
○荒木清寛君 終わります。
#139
○緒方靖夫君 改正案について基本的な点をお伺いいたします。
 まず、IC旅券の導入の理由なんですけれども、法律案の提案理由では、一つは、近年の旅券の不正取得、偽変造などの旅券犯罪が増加して、組織的な密入国などの組織犯罪に旅券が使用されているほか、国際テロリストによる不正旅券の使用が懸念されているとあります。
 我が国において、旅券犯罪あるいは不正旅券を使用した組織犯罪の実態、またそれがどの程度増加しているのか、また国際テロリストの不正使用の事例、またその点についてお伺いしたいと思います。
#140
○政府参考人(鹿取克章君) まず、私どもの旅券について一つ数字を申し上げますと、海外において盗難・紛失旅券が不正使用された件数、こういう数字がございます。
   〔委員長退席、理事浅野勝人君着席〕
例えば、二〇〇〇年、平成十二年では件数で百六十九件であったのが、二〇〇四年、平成十六年では二百九件、こういうふうに伸びております。一つには、海外で私どもの旅券が不正使用されている数字も伸びております。
 また、アルカイダ関係者が他国の不正な旅券を使用して我が国に不法入国していたと、こういう事例も確認されています。御承知のとおり、平成十四年から十五年にかけて、フランス人であるリオネル・デュモンという人がフランスの盗難旅券の偽造旅券を行使して我が国の出入国を繰り返したということが判明しておりますが、彼は国際手配されていたアルカイダ関係者だと、こういうふうに言われております。
 また、私ども、在外公館からも幾つか情報が入っておりますけれども、海外の捜査当局により、一度に十数冊の日本の偽造旅券が押収されたというケースもございました。また、日本で空き巣によって盗難された、別々の場所で盗難された旅券が外国の同一のグループのところで発見されたと、こういう事例もございますので、やはり旅券犯罪の背景にはブローカーであるとか犯罪組織が関与していると、こういうことがうかがえると、こう考えております。
#141
○緒方靖夫君 もう一つの導入の理由として、国際社会においても昨年のシーアイランド・サミットでの渡航の安全性の向上が合意されるなど、各国の協調という点があると思いますけれども、サミットを始めとする国際社会において、渡航の安全性の向上、そのためのIC旅券の必要性について、どんな機関また会議の場で議論がなされたのか、お伺いしたいと思います。簡潔で結構です。
#142
○政府参考人(鹿取克章君) シーアイランド・サミットでも、今御指摘のように議論がございました。また、国際民間航空機関ではより以前から、一九九七年から旅券の高度化と、こういう議論が既に行われております。また、ICAOはOECDと協力しまして、こういうIC旅券を導入した場合のセキュリティーの問題、こういう問題も議論しております。
 したがいまして、サミットのみではなくて、こういう議論はICAOであるとかOECDであるとかあるいはEU、こういう場でも議論されているところでございます。
#143
○緒方靖夫君 導入の理由について御答弁ありましたけれども、急いで導入しなけりゃならない差し迫った動機、端的に言うとこれは何なのか。そして、この法律の施行について一年三か月を超えないという定めがあるわけですけれども、どういうテンポで、法律が採択されたという仮定の上に立ってですけれども、考えられているのか、伺います。
#144
○政府参考人(鹿取克章君) まず、後者の点から御説明しますと、私どもとしては是非、もしも御了承いただけるのであれば、平成十七年度中にIC旅券を導入したいと考えております。平成十七年という場合、私どもが考えているのは来年三月に導入したいと、こういうことを一つ我々としては事務的に念頭に置いておりますので、そういう観点からいろいろとスケジュール的なことは考えております。
 また、どうしてこのように早くIC旅券を導入するかという点でございますけれども、御承知のとおり、ICAOを始めとしまして、やはり旅券に関する犯罪の防止、これは今国際的に大きな課題となっております。これに向けて各国とも今協力を進めております。私どもも、従来から積極的にこの旅行文書をより安全にすると、こういう議論に関与してきておりますが、私どもとしても、やはり主要先進国としまして、こういうIC旅券が導入されるということであればそれに積極的に関与し、また積極的に導入して、国際的にこういう旅券の安全の動き、こういうものに我々としても貢献していきたいと、こう考えております。
#145
○緒方靖夫君 次に、IC旅券と個人情報の保護の問題ですけれども、IC旅券というのは定義で言えば生体情報による本人確認技術、すなわち人間の身体的特徴である顔、指紋、虹彩、手形、網膜、血管、DNAや、行動特性である声紋とか筆跡等々、そうしたものを利用して本人を確認するという、そういうことになるわけですね。
 改正では、IC旅券に記載されている人間の生体情報は顔画像に限定して法律上も担保されていると思うわけですけれども、今回の改正を突破口にして、顔にとどまらず指紋や虹彩に拡大され、身体情報が個人情報の保護を侵害することになるのではないかという、そういう危惧も、そういう声も挙げられているわけです。
 その点で、IC導入が顔面に限定されるとしても、その写真が情報として蓄積されて目的外に使用されないとの、そういう答弁もありましたけれども、こういう危惧について明確にどう答弁されるか、伺っておきたいと思います。
#146
○政府参考人(鹿取克章君) 個人情報の保護は極めて重要だと考えております。
 現在、既に私どもは旅券行政の中で様々な個人情報、住所、氏名、生年月日、それからまた顔の写真、こういうものを管理しております。我々としては、こういう個人情報を管理するに当たっては適切にやらなくてはいかぬと考えておりますので、今後とも行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律、これに基づきまして厳正に対応してまいりたいと、こう考えております。
#147
○緒方靖夫君 ICAOはこれまでのところ、必須の生体情報として顔画像を選択している、そういうことですね。追加的に指紋や虹彩の利用も認めているというわけです。
 日本が顔面に限定したというのは、どのような理由によるものですか。
#148
○政府参考人(鹿取克章君) ICAOにおきましては、今委員御指摘のとおり、バイオメトリクス、生体情報として顔のほかに指紋や虹彩、こういうものについても議論を進めてまいりました。そして、昨年の五月の段階でICAOでは国際標準を作りまして、まず顔画像をメーンとすると、また指紋や虹彩、これはオプションとして使うことができると、こういう結論を出しております。また、その段階でICAOとしては顔画像については国際標準というのを作りました。したがいまして、顔画像を使用する限りにおいては各国との相互運用が可能な仕組みと、こういうものが今つくり得る状況になっております。
 こういう今の動向を踏まえまして、私どもとしては、国際的な相互運用を確保するため、また現在の旅券、旅券事務に大きな変更をもたらすことなく実施できると、こういう様々な観点を考慮して顔画像を導入することを決めたわけでございます。
#149
○緒方靖夫君 IC導入を予定している国は何か国ぐらいあるのか、それらの国はすべて顔画像に限定しているのかどうか、伺います。
#150
○政府参考人(鹿取克章君) 今の段階では各国とも最初の旅券は顔画像を検討しております。ただし、シンガポールは顔画像のほかに指紋、この導入を検討していると承知しておりますけれども、あと例えば三十か国弱の国々、今IC旅券導入を真剣に検討しており、あるいはまた近く発行を予定している、そういう国もございますけれども、こういう国々につきましては基本的に顔画像を使うと、こういう状況であると承知しております。
#151
○緒方靖夫君 アメリカが入国管理を一段と強化している下で、先ほどから議論になっておりますけれども、十月二十六日までにIC導入の旅券でなければ短期の観光目的の旅行であっても米国入国の際には全員ビザが必要となると、そういうことが先ほどありました。日本も、現状ではそういうことでビザ取得が不可欠になるということだと思うんですね。これを回避するために努力中という答弁がありましたけれども、結局、テロ対策ということと国際交流ということと、それが非常に矛盾した状況にあるということだと思います。
   〔理事浅野勝人君退席、委員長着席〕
 しかも、話としては、米国側の対応としてはかなり固くて、要するに例外を果たして認めるかどうかと。今その交渉をやられていると思うんですけれども、その点でこの問題が日本の、またアメリカのビザ発給業務も煩雑にならないような、半年間ですけれども、そういう可能性というのがどのぐらいあるのかということを見通されるのか、お聞きしたいと思います。
#152
○政府参考人(鹿取克章君) この問題、我々としても非常に重要であると考えておりまして、今委員からもお話ありましたように、私どもとしては米側とこれからも鋭意協議して、いい解決に向けて努力していきたいと考えております。
 もしも十月二十六日以降、査証が日本人の場合についても必要となると、もしもこういうことになりますれば、日本人にとって極めて大きな負担になりますし、またアメリカもどうやってその査証事務の負担を処理するのか、私もよく分かりません。非常に大きな負担にアメリカにもなると思いますが、いずれにいたしましても私どもとしては、まず国民の便宜という観点から引き続き積極的に米側と協議していきたいと、こう考えております。
#153
○緒方靖夫君 大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、この問題というのは異例な形だと思いますけれども、この種の問題が両国の外相間で話されるということは大変重いことだと思うんですけれども、その点で日本側もアメリカ側もこれはやっぱり大変なことだということの認識は当然あると思うんですけれども、その点でやはり首尾よくこの問題を解決するという、その点での見通しといいますか、その点について率直に大臣として、このことを解決することは非常に大きな仕事であると思いますけれども、その点についての感触というか、その点について率直なところを聞かせていただきたいと思います。
#154
○国務大臣(町村信孝君) まだ数か月ございますので、今後どういう展開になるのか。政府としては、各国からの働き掛けもありますから何とかしたいという思いが私、ライス長官と話していたときには感じられたわけでございます。
 ただ、米議会というのはまた議会独特の論理といいましょうか、考え方があるようでございまして、議会の説得を今アメリカも政府もやり始めているという状況だと、こう思っております。もとより、日本国大使館を始めとして関係国の外交団もいろいろな努力をしている最中ということでございまして、まだちょっと、率直に言ってうまくいくのかいかないのか見極めるにはちょっと早過ぎるかと思います。
 いずれにしても、大変これ双方にとって大きな負担が生ずるわけでございますので、できるだけ問題が生じないようにするために、この十月二十六日の延期というものに全力を挙げて取り組んでいきたいと考えているところであります。
#155
○緒方靖夫君 この問題についてはアメリカの側にとっても、一つは一方的に行うということと、やはり国際交流ということで、やはりその点でブレーキを掛けるという、今の国際の流れに逆行するというふうに取られかねない問題であると思うんですよね。
 ですから、やはりアメリカにとっても決して得なことではないと、テロとの戦いがあるとしてもですね。そういうことも含めて是非、これは日本だけの問題ではなくヨーロッパも含めてということになると思うんですけれども、是非そういうことを進めていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 最後に、これ一問で終わることになると思いますけれども、旅券法の改正案の罰則の強化、これがもう一つの大きな問題だと思うんですけれども、一つは、密入国議定書の国内的実施を担保するために処罰の規定を整備する、そういうことがあると思うんですけれども、その点について、これはどういう考え方なのかということを伺っておきたい、それが第一点です。
 それからもう一つ、実際に刑罰規定の量刑ですね、これは一体何を基準にして決めたのかという問題、これも大きな問題だと思います。
 その二点についてお伺いして、質問を終わります。
#156
○政府参考人(鹿取克章君) 今御指摘の国際組織犯罪防止条約密入国議定書でございます。
 私どもの旅券法の改正はこの議定書の担保という面もございます。その一番大きな柱は、御指摘のように罰則です。罰則強化については、もちろん旅券犯罪を抑止するという観点からも我々考えておりますが、この議定書への担保という面も考えております。
 それで、議定書の担保という場合に、議定書は様々な目的を持っております。例えば移民を密入国させることを防止するとか、あるいは不正な旅行証明書等を製造し、入手し、提供し、及び所持すること、こういうことを犯罪とすると、こういうことを議定書が定めております。
 この議定書の規定を満足させるためには現行の旅券法の罰則規定だけでは不十分な面がございます。したがいまして、例えば二十三条につきましては、四項で、他人名義の旅券又は渡航書を譲り渡し、若しくは貸与し、又は所持した者、これは新しく入れますが、これは例えばこの議定書の担保の面がございます。
 また、旅券又は渡航書として偽造された文書を譲り渡し、若しくは貸与し、譲り受け、若しくは借り受け、又は所持した者、すなわち偽造された文書のこういうやり取り、これについても罰則を掛ける、あるいは未遂罪についても罰則を掛ける。こういう面は旅券犯罪の抑止という面もございますし、また議定書への担保という面がございます。
 もう一つ御質問の、どういうことを考えながら刑の高さ低さを決めているのかと。これにつきましては、私どもも、類似の規定、例えば入管法の規定、こういうものを参考にして決めているところでございます。
#157
○緒方靖夫君 終わります。
#158
○大田昌秀君 最後でございますので、私がお聞きしたいことについては大方同僚議員から聞かれていますので、重複する場面があるかと思いますが、お許しいただきたいと思います。
 先ほどの外務大臣の御報告に関連して、一点だけ外務大臣にお伺いしたいと思います。
 北朝鮮問題についてでございますが、米政府関係者からは、北朝鮮がこの六月にでも核実験に踏み切るのではないかといった情報が流されており、六か国協議の成り行きがこれまで以上に懸念されております。今回の日本における日中韓外相三者委員会などの国際会議において、外務省としては六か国協議の促進に向けて北朝鮮問題にどのように対応なさったのか、御説明をお願いします。
#159
○国務大臣(町村信孝君) 今、関係国の間ではやや、一年近くこの六か国協議というものが中断をされた状態にある。しかも、その間にいろいろな情報を総合してみると、確たる情報ではないにしても、着々と核兵器の開発あるいはそれを運搬するミサイルの開発等が進んでいるのではないかという懸念が広まっているという意味で、これは今委員御指摘の、いろいろな会議の場でもやはりこの問題はもっと切迫感を持って更なる最大限の外交努力を傾注しなければいけないと、こういう認識は、中国であれ韓国であれアメリカであれ、幅広く共有されていることであると、こう思っております。
 特に、一つは、中国のいろいろな面での北朝鮮とのつながりの強さ、また影響力の大きさということで、これまでも中国政府、努力しているわけでございますが、更に一層の御努力をいただきたいという話をしております。
 それから、それに対応する形になるんでしょうか、中国あるいは韓国は、北朝鮮もさることながら、アメリカももう少し柔軟な姿勢を示すべきではないかということも同時に述べています。それに対してアメリカは、いや、六者協議が始まれば自分たちはいろいろな意味で柔軟性を大きく発揮するつもりはあるが、その会議の始まる前から一定の条件を付して、こういう条件でなければというのは、それはおかしいじゃないかというようなやり取りが今続いているという状態であります。
 いずれにしても、一年も無為に時間を過ごす、あるいは仮に六者協議が始まり、始まった中でまたいたずらに時間が過ぎるということが今後続くようであれば、六者協議そのものの有効性にもやはり疑念を生じるということが、もう既に疑念が相当広まってきているわけでございますので、しかし私どもとしては、とにかく平和的な手段で、話合いによってこの核の問題、核兵器のない朝鮮半島をつくるという目標に向かって最大限の日本も含めて外交努力をしていかなければいけない、かように考えているところでございます。
#160
○大田昌秀君 外務省にお伺いします。
 今回の旅券のIC化によって国際組織犯罪や国際テロリストの不法入国等を確実に防止できるとお考えですか。もしそのようにお考えですと、その根拠について簡潔に御説明ください。
#161
○政府参考人(鹿取克章君) 今度のIC旅券の導入によりまして、ICチップに記録された情報を改ざんすることは極めて困難となります。したがって、まず偽変造がすごく難しくなるということでございます。さらに、電子機器による本人認証が可能となることから、旅券の偽造のほかに、容貌の似た人による成り済まし、このような形の不正使用が困難になると考えております。この二つの側面から、入国管理あるいは旅券犯罪の防止、そういう面で貢献すると、こう考えております。
#162
○大田昌秀君 法務省にお願いいたします。
 我が国への外国人の新規入国者数は、法務省の出入国管理統計年報を見ますと、平成十年前後から急増する傾向にありますが、過去五年間の増加数と、そのうちアジア各国からの入国者がどれくらい占めているのか、御説明ください。
 また、出入国者の増加に伴って、二〇〇五年度予算では入管職員は百七十四人が増員されていますが、過去五年間の入管職員の増員状況を教えてください。
#163
○政府参考人(三浦正晴君) お答え申し上げます。
 まず第一点目の御質問でございます外国人の新規入国者数の推移でございますが、平成十二年と昨年平成十六年の統計を御説明させていただきたいと思います。
 平成十二年におきます外国人の新規入国者の総数は、約四百二十五万六千人でございました。このうちアジア諸国出身者は二百四十八万一千人を占めておりまして、新規入国者全体に占める割合は五八・三%でございました。昨年平成十六年におきます同様の数値でございますが、新規入国者総数は五百五十万八千人に増えております。このうちアジア諸国の出身者は約三百六十五万六千人でございまして、全体の六六・四%を占めるに至っております。
 なお、入管職員の定員の関係でございますが、これも平成十二年と、これは十七年度の比較で申し上げさせていただきたいと思いますが、平成十二年度の定員は二千五百四十一人でございました。これが本年度は二千九百七十二人になっておりまして、この五年間で四百三十一人、パーセントにしますと約一七%の増員措置をいただいているところでございます。
#164
○大田昌秀君 いま一度外務省にお願いいたします。
 我が国にアジア各国からの入国者が多いのですが、アジア各国における旅券のIC化導入の進捗状況について、簡単に御説明ください。
#165
○政府参考人(鹿取克章君) 私どもの情報に基づきますと、シンガポールは本年十月にIC旅券の発給を開始すると、こう承知しております。また、タイにおいても間もなくIC化された外交・公用旅券の発給が開始されると、こう承知しております。
#166
○大田昌秀君 旅券のIC化の導入が進んでいないアジア各国から我が国への入国者が多いという状況の中で我が国が旅券のIC化を導入しても、旅券の不正使用による不法入国に対して、ある程度の抑止力にはなるかもしれませんが、抜本的な対策にはならないと思いますが、その点、どうお考えでしょうか。
#167
○政府参考人(鹿取克章君) 旅券犯罪の防止という観点からやはり旅券の高度化が世界的に広がると、こういうことが重要でございます。私どもとしては、やはり率先してこういうIC旅券を導入していく、そういうことによって世界的なそういう機運を盛り上げていくということも重要だと考えております。
 また、アジア諸国とは私どもいろいろな観点、いろいろな面で旅券行政についても意見交換を行っております。その面で、その意見交換においても我々から、我々の方よりIC旅券について様々な情報を提供しております。これからもアジア諸国の間では旅券行政の分野でも緊密に協議、協力はしていきたいと考えております。
#168
○大田昌秀君 先ほど同僚議員から同じ質問がありましたが、いま一度確認させてください。
 我が国が旅券のIC化を導入するに当たって顔画像を利用することに関連してでございますが、国際民間航空機関、ICAOは、昨年五月、旅券の生体認証情報導入に関する国際基準を策定した際に顔画像のみを利用するとしましたが、なぜ指紋や虹彩が利用されず、顔画像のみに限定されたのか、その理由について簡単に御説明お願いします。
#169
○政府参考人(鹿取克章君) 今御指摘のとおり、ICAOにおきましては、国際標準を決めるに当たって顔画像を必須としました。また、虹彩や指紋等についてはオプションとして利用可能と、こういう位置付けを行っております。
 こういう結論に至りましたのは、やはりそれぞれ各国いろんな思惑があったものと思いますけれども、顔画像については一番コンセンサスが得やすいということ。それからもう一つは、顔画像を利用するのであれば、現在の旅券の発給システム、これは各国とも同様でございますが、余り大きく変更する必要がないと、こういう観点から、また他方、IC旅券をできるだけ早く導入することから好ましいと、こういう観点から顔画像が今選ばれていると、こう理解しております。
#170
○大田昌秀君 法務省にお願いいたします。
 全国の街角や公園等に設置されている監視カメラは現在約二百万台と言われています。そこでお聞きしますが、旅券のIC化による顔画像がデータベース化された場合、例えば、警察の犯罪捜査においてその顔データが全国に設置されている監視カメラからの情報にリンクされて利用される危険性があると指摘されています。旅券の顔画像が目的外に使用されないという措置を具体的にどのようにおとりになっているのかお伺いします。
#171
○政府参考人(三浦正晴君) お答え申し上げます。
 入管の立場といたしましては、旅券に記録されました顔画像を読み取りまして、所持されている方が本人であるかどうかということを確認するというのが担当業務ということになるわけでございますけれども、テロリストですとか犯罪者、不法滞在者等を流入することを水際で防止するという外国人を対象にするところが我々の一番大きな責務であるというふうに思っております。
 その際に、今後バイオメトリックス情報を活用していきたいというふうに考えておりますので、その方策につきまして現在政府部内で検討を行っておるところでございますけれども、これが実現しました際には、その際に我々が読み取りましたバイオメトリックスの情報をどのように管理、利用していくかということにつきましては、個人情報保護法等も十分留意しつつ、引き続き今後議論を進めていきたいというふうに考えておるところでございます。
#172
○大田昌秀君 国土交通省にお伺いします。
 成田空港では、チェックイン時の混雑対策や保安点検、出国審査の手続を簡素化するため、機械化による本人確認の実験を行ったり、偽造・変造旅券を見分ける新型の装置を導入していると聞いていますが、その内容について簡単に御説明いただけますか。
#173
○政府参考人(平山芳昭君) 国土交通省におきましては、顔あるいは虹彩などの生体情報を活用しました空港での旅客手続の情報確認といいましょうか、その実験を平成十四年度から成田空港において実施をしております。
 昨年度は、内閣官房を中心に、外務省、法務省等の関係省庁と連携しまして、e―パスポート連携実験という形で実験をさせていただきました。それで、その実験におきましては、約七百名の利用者の方々に実験に御参加をいただきまして、いわゆる生体情報というのが非常に確認のために有効だということは確認をいたしておりまして、その結果を踏まえまして、今年度夏以降、内閣官房を中心に今後の活用方法についてまた検討させていただくということになっております。
#174
○大田昌秀君 終わります。
#175
○委員長(林芳正君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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