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2005/06/07 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 外交防衛委員会 第14号
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2005/06/07 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 外交防衛委員会 第14号

#1
第162回国会 外交防衛委員会 第14号
平成十七年六月七日(火曜日)
   午後一時五十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月三日
    辞任         補欠選任
     前川 清成君     喜納 昌吉君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         林  芳正君
    理 事
                浅野 勝人君
                三浦 一水君
                山本 一太君
                齋藤  勁君
                榛葉賀津也君
    委 員
                岡田 直樹君
                柏村 武昭君
                桜井  新君
                谷川 秀善君
                福島啓史郎君
                山谷えり子君
                犬塚 直史君
                喜納 昌吉君
                佐藤 道夫君
                田村 秀昭君
                白  眞勲君
                荒木 清寛君
                澤  雄二君
                緒方 靖夫君
                大田 昌秀君
   国務大臣
       外務大臣     町村 信孝君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  大野 功統君
   副大臣
       外務副大臣    谷川 秀善君
   大臣政務官
       防衛庁長官政務
       官        柏村 武昭君
       外務大臣政務官  福島啓史郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        泊  秀行君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       鈴木 基久君
       警察庁生活安全
       局長       伊藤 哲朗君
       防衛庁防衛局長  飯原 一樹君
       防衛施設庁長官  山中 昭栄君
       防衛施設庁施設
       部長       戸田 量弘君
       法務省入国管理
       局長       三浦 正晴君
       外務大臣官房審
       議官       長嶺 安政君
       外務大臣官房国
       際社会協力部長  神余 隆博君
       国土交通大臣官
       房総合観光政策
       審議官      鷲頭  誠君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約
 を補足する人(特に女性及び児童)の取引を防
 止し、抑止し及び処罰するための議定書の締結
 について承認を求めるの件(内閣提出、衆議院
 送付)
○国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約
 を補足する陸路、海路及び空路により移民を密
 入国させることの防止に関する議定書の締結に
 ついて承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送
 付)
○千九百六十五年の国際海上交通の簡易化に関す
 る条約の締結について承認を求めるの件(内閣
 提出、衆議院送付)
○千九百七十六年の海事債権についての責任の制
 限に関する条約を改正する千九百九十六年の議
 定書の締結について承認を求めるの件(内閣提
 出、衆議院送付)
○西部及び中部太平洋における高度回遊性魚類資
 源の保存及び管理に関する条約の締結について
 承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(林芳正君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る三日、前川清成君が委員を辞任され、その補欠として喜納昌吉君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(林芳正君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 現在、本委員会に付託されている条約の審査のため、本日の委員会に内閣官房内閣参事官鈴木基久君、警察庁生活安全局長伊藤哲朗君、防衛庁防衛局長飯原一樹君、防衛施設庁長官山中昭栄君、防衛施設庁施設部長戸田量弘君、法務省入国管理局長三浦正晴君、外務大臣官房審議官長嶺安政君、外務大臣官房国際社会協力部長神余隆博君及び国土交通大臣官房総合観光政策審議官鷲頭誠君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(林芳正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(林芳正君) 国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する人(特に女性及び児童)の取引を防止し、抑止し及び処罰するための議定書の締結について承認を求めるの件及び国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する陸路、海路及び空路により移民を密入国させることの防止に関する議定書の締結について承認を求めるの件の両件を一括して議題といたします。
 両件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○犬塚直史君 民主党・新緑風会の犬塚直史でございます。
 ただいま議題となりました、まず本体条約としまして国際的組織犯罪防止条約、この下にあります、本日は人身取引議定書と密入国議定書について質問させていただきます。
 まず、全体の流れを一度確認をしておきたいんですが、この本体条約の下に本来であれば三つの条約があって、三つ目が銃器取締り議定書であったと。そして、この三つの議定書の上の二つといいますか、今日議題になりました二つの署名が二〇〇二年十二月にされ、そしてそれに基づいて内閣官房の方で人身取引対策行動計画というものをお作りになり、そして、これに基づいて法整備、予算措置、省令の改正、連携、指導、NGOとの連携、指導あるいは在留特別許可等の運用がなされていると。特に、刑法改正については、今般、人身取引罪の新設ですとか、あるいは在留資格の取扱いを決める入管法の改正、あるいは風営法の改正に現在取り組んでおるところだという、こんな流れだというふうに聞いておりますが、全体としてはこれでよろしいでしょうか。
#7
○国務大臣(町村信孝君) 委員御指摘のとおりであろうと思っております。
#8
○犬塚直史君 これ通告をしていなくてちょっと恐縮なんですが、衆議院の方でも質問がありましたので、答えられる範囲で結構なんですが、この三番目の銃器取締り議定書について、どうして今後れているのか、これをお答えください。
#9
○政府参考人(神余隆博君) お答え申し上げます。
#10
○委員長(林芳正君) 着席のままでどうぞ。
#11
○政府参考人(神余隆博君) はい。
 突然の質問でございますけれども、手持ちの資料でお答えさせていただきます。
 日本としましては、銃器関連の組織犯罪が世界的に深刻化する状況を踏まえて、銃器にかかわる組織犯罪への国際協力体制の早期構築が急務であるという認識の下、犯罪に強い社会の実現のための行動計画においてこの銃器議定書の締結に向けて国内関連法の整備を掲げ、早期の締結を目指して関係省庁とともに鋭意準備を進めてきたところでございます。
 他方、この銃器議定書に基づく義務には、例えば、銃器の特定、追跡を可能とするために従来多くの国で実施されてきていないような新しい制度を設けるということが含まれておりまして、現在、EUを含めました主要国において制度の具体的な在り方について検討が行われているところでございます。我が国としましても、こうした主要国における検討の状況も踏まえながら締結に向けた作業を行う必要があろうというふうに考えております。
 こういう事情もあり、銃器議定書の締約国は、採択後三年半を経た本年、現時点に至りまして四十二か国にとどまっておりまして、G8のほか、主要先進国や東アジア諸国の大多数も未締結でございます。
 いずれにしても、そういうことで諸外国の動きなどを見ながら、また我が国の情勢をも勘案しながら今後とも努力をしてまいりたいというふうに思っております。
#12
○犬塚直史君 これも質問通告していなくて恐縮なんですが、外務大臣にお伺いしたいんですけれども、この武器輸出ということについては、日本は伝統的といいますか、武器は輸出しないという、世界でも非常に、武器輸出あるいはこの武器の管理に関しては非常にノウハウを持っておると思うんですけれども、どうしてこの条約、議定書のこの三番目にもうちょっとリーダーシップが発揮できないのか、答えられる範囲で結構なんですが、その辺の事情を少し教えていただけると有り難いんですが。
#13
○国務大臣(町村信孝君) 先ほど神余さんがお答えをさせていただきました。実は、私もそれ以上のことは余り不勉強でよく分かっておりませんので、大変恐縮ですが、もう少し勉強してからお答えをできるようにしたいと思います。
#14
○犬塚直史君 それでは、今日議題となっておりますこの二つの議定書につきまして質問を始めさせていただきます。
 まず、我が民主党としましては、この法案には賛成でございます、この議定書の締結については大賛成。しかしながら、この実効性ということをいかに確保していくかと、いかにこの議定書に基づいた取締りあるいは指導をしていくかということについて、今日はこの実効性について幾つか質問をさせていただきたいと思っております。
 さて、まず、今日は最新版を持参をしておるんですが、米国の国務省が作成をしておりますこの人身売買報告書、私、これ昨年の分及び今年の分、ちょっと比較してみたんですが、日本に対する評価といいますか、人身取引の日本国の取組に対する評価というのが非常に率直に書かれているんですが、まず、ここで何が指摘をされているのか、お答えください。官房の方で結構です。
#15
○政府参考人(神余隆博君) お答え申し上げます。
 今月の三日、アメリカのライス国務長官によって発表されました人身取引報告書におきましては、日本は人身取引撲滅のための最低必要な基準を完全に満たすには至っていないというふうに述べつつも、日本政府は人身取引対策行動計画の実施を開始し、人身取引の犯罪化を含む刑法改正案を作成し、法制度を改善するための着実な努力を行っていること、そして、人身取引被害者の保護のための努力を改善し、公的シェルター等における被害者保護に支援を行っていること、並びに、興行査証の発給審査の厳格化を行っているといった点を挙げまして、日本政府は相当の努力をしているというふうに述べられております。
 その結果、この報告書については昨年の報告書に比べて非常に積極的な評価がなされているというふうに存じております。
#16
○犬塚直史君 一番最後の、評価の一番最後のところが今お答えの中で抜けていたんですけれども、そこで何が言われているかといいますと、国内の、日本国内の需要を抑えるための努力はほとんどなされていない。つまり、例えば、東南アジアの諸国あるいはいろいろな諸国にいわゆる児童買春ツアーというものがあります。こういうところに行く、その抑制のためのいろいろな手続に関してはいいかもしれない、しかし、その大本である需要の部分、行ってしまうその人たちあるいは悪いことだと思っていないような人たちに対する対策というものがほとんどされていないというか、全くされていないというふうにここに書いてあるんですが、これは御存じでしょうか。
#17
○政府参考人(神余隆博君) 確かに、一番最後のところでこのプリベンションという、その防止というところに、一番最後に御指摘のようなことがございます。日本政府は貧困を削減し、人身取引の危険性に対する意識を高め、さらに女性のための経済的機会の促進のため国際的な人身取引対策プログラムに対して支援を続けている、しかしながら、日本政府は国内の人身取引に対する需要を削減するための著しい努力を行っていない、こういう御指摘があることは存じ上げております。
#18
○犬塚直史君 それでは、この議定書の九条の五というところを、恐れ入りますが読んでいただけますか。
#19
○政府参考人(神余隆博君) お答え申し上げます。
 議定書の九条の五でございますけれども、「締約国は、人、特に女性及び児童に対するあらゆる形態の搾取であって人身取引の原因となるものを助長する需要を抑制するため、教育上、社会上又は文化上の立法その他の措置(二国間及び多数国間の協力によるものを含む。)をとり、又は強化する。」。以上でございます。
#20
○犬塚直史君 正にこの需要をいかにして抑えていくかということが今求められているんだと思います。
 そこでお伺いをいたします。
 昨年度、日本における二〇〇四年度の人身取引被害者の総数は何名になるでしょうか。
#21
○政府参考人(三浦正晴君) 御質問に係ります被害者の総数についてでございますけれども、人身取引が元々組織犯罪が関与しておりまして水面下で行われるという事柄でございますために、潜在的な被害者、つまりいわゆる暗数と言われるものを含めた実態の把握というのは困難なところがございます。
 入管局の関係で、実態把握の手掛かりとなる数字を若干御紹介申し上げますと、例えば本年の一月以降、現在まで人身取引の被害者として在留特別許可を与えた事例は十五ございました。今後、入管局といたしましても、人身取引の関連情報を関係機関等とも緊密に連携して収集いたしまして、情報をデータベース化して分析することによりまして、潜在被害者の更なる実態把握につなげてまいりたいと考えております。
#22
○犬塚直史君 今、在留特別許可を与えたのは十五とおっしゃいましたけれども、私の質問は、昨年の人身取引被害者の総数ということを申し上げたんですね。これ、ちなみに、この先ほどの米国務省のレポートを見ますと、国境をまたぐ、国境を越えた被害者の数の推定が六十から八十万人。国境をまたがない、国内だけの、国内だけでそういう人身取引の対象とされているのが二百万から四百万人。そのうちの八割が女性だと。その八割の女性のうちの七〇%が性的な搾取をされていると。その七割のうちの更に半分が児童だと、十八歳未満の児童であるということがここに書かれているわけなんですね。アメリカでも、これはゆゆしき事態でありますから、立法等いろんな手だてをして、まずはその数の確認ということをやってここでおられるようなんですけれども、アメリカにおける国境をまたぐ児童の性的搾取ということでは一万四千五百から一万七千五百というふうにここに書かれております。
 日本におけるこのデータ不足というのは、これちょっと目を覆うものがあると思うんですが、もう一度お伺いします。こうした総数というのは、日本としてはどういった形でこれから把握していくおつもりなんでしょうか。
#23
○政府参考人(鈴木基久君) 委員御質問の被害者の総数についてでございます。
 被害者、人身取引の被害者については、法務省の入管当局、それから警察当局、それから婦人相談所等、関係機関において把握に努めておるところでございます。
 ただ、先ほど、今ほど法務省から御答弁がございましたとおり、人身取引が元々組織犯罪が関与して水面下で行われているというふうな性格のものであるため、潜在的な被害者、いわゆる暗数を含めた実態把握ということは極めて困難であるというふうに考えております。
 ただ、人身取引対策を進めていく上で被害者の実態把握が重要であるというのは委員御指摘のとおりでございまして、引き続き関係機関において更に被害者の実態把握に努めるとともに、関係省庁においてこれらの情報の共有を図ってまいりたいと考えております。
#24
○犬塚直史君 今のお答えでは全くこれから本当に把握していくんだろうなと、そういう方向性が見えないわけなんですね。
 それでは国交省の方にお伺いしますが、昨年度の日本から海外に出掛けた海外旅行者の総数を教えてください。
#25
○政府参考人(鷲頭誠君) お答え申し上げます。
 昨年度海外に出られた日本人旅行客の数は、約一千七百万人でございます。
#26
○犬塚直史君 一千七百万人の日本人が毎年海外に出掛けておると。そのうちの一体どれぐらいがこうした児童買春に参加をしてしまったのかということは、確かに暗数ということでよく分からないのは確かであります。しかしながら、旅行者がこの人身取引や児童買春に加担しているという意識に私は欠けていると思うんですけれども、それはいかがでしょうか。そういう意識の啓蒙は十分に行われているんでしょうか。イエスかノーでお答えください。
#27
○政府参考人(鷲頭誠君) お答え申し上げます。
 私どもも旅行者に対してそういうことに関与しないようにというような指導を行ってきておりますが、御指摘のとおり、なかなか十分なところ、十分になってないという面もあるかと思います。
#28
○犬塚直史君 旅行者に対する指導を行っておるところだというお話だったんですが、今度の改正旅行業法によりますと、この児童買春ツアー、これにかかわるあっせん、便宜供与は業務停止あるいは登録の取消しに当たるというふうに書いてあるんですが、これはこのとおりでよろしいんですか。
#29
○政府参考人(鷲頭誠君) 御指摘のとおりでございまして、その旅行業法におきまして、旅行業者などが現地における違法行為のあっせんとか便宜供与に関与することを禁止しておりまして、そういう場合には業務停止とか、あるいは登録の取消しというようなことを含んだ罰則が掛かることになっております。
#30
○犬塚直史君 実は私もこの旅行観光業界に携わってまいったんですが、例えば国内でたくさんパッケージツアーと言われるものをつくると、国内においてその販売をして、あるいは東南アジア、あるいは海外にお客さんを送客をいたします。海外の空港でこれを出迎えをして、海外の手続一切を取り仕切るのがランドオペレーターと言われる現地の会社の人たちなんですね。この日本から言わばこういうツアーに参加して行かれた人たちが、実際にそうした買春に当たるようなオプショナルツアーとでもいいますか、ということに勧誘をするのは、どう考えてもこれは添乗員あるいは今言ったランドオペレーターになるわけですね。
 そこで国交省の方に質問をしたいんですが、もしこの添乗員、ランドオペレーターがそういったあっせん、便宜供与をした場合もこの改正旅行業法に問われるんでしょうか。そして、その親会社たる旅行会社の免許の停止あるいは業務停止ということになるんでしょうか、お答えください。
#31
○政府参考人(鷲頭誠君) お答えいたします。
 旅行業法で禁止されております行為は、「旅行者に対し、旅行地において施行されている法令に違反する行為を行うことをあつせんし、又はその行為を行うことに関し便宜を供与すること。」と、こういうことになっておりますんで、その現地の法令に従って、現地の法令に違反しているという場合にその旅行業法の罰則等の適用がございます。
#32
○犬塚直史君 いや、現地の法律ということを聞いたんじゃないんですよ。日本の改正旅行業法に基づいて、買春ツアーのあっせん、便宜供与をしたときには、その日本の国内法に基づいて、日本が発行しているこうした旅行業の登録とか、あるいは旅行の業務の停止にまで至るのかということを聞いているんです。
#33
○政府参考人(鷲頭誠君) お答えいたします。
 旅行業法では、今申し上げました外国、もちろん国内法令に違反した場合には、買春法等に違反した場合にはその法律に基づいて罰則が来ると思いますが、旅行業法に基づいてできるのは、現地の法令に違反しているかしていないかと、こういうことに基づいて旅行業法上の罰則が掛かると、こういうことになっております。
#34
○犬塚直史君 ということは、この旅行業法に関しては、国民の国外犯には当たらないと、こういうことを今おっしゃったんでしょうか。
 といいますのは、例えば今般成立をいたしました児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律におきましては、国民の国外犯ということで、海外で行った行為であっても国内法で裁かれるということをはっきり書いてあるんですが、旅行業法ではいかがでしょうか。
#35
○政府参考人(鷲頭誠君) 先生ただいまおっしゃられました児童買春、児童ポルノ法に基づく罰則につきましてはその法律に基づいて処罰をされるわけでございまして、旅行業法ではそういうこと、そういうことといいますか、旅行業法に基づく処分しかできませんので、その児童買春、児童ポルノ法にかかわる行為に違反したからといって即登録の取消しということにはならないということになります。
#36
○犬塚直史君 今の答弁は私、ブリーフを受けたときと正反対でありますので、この件については再度確認をさせていただきますが。
 いずれにしましても、国内の需要を抑えていくんだということについて国交省にもう一度お答えいただきたいんですけれども、旅行業者は、こうした児童買春、児童ポルノにかかわる行為等、こういうことにかかわってはいかぬと、やると罰則があるんだということが十分に浸透しているんでしょうか。イエス、ノーでお答えください。
#37
○政府参考人(鷲頭誠君) 日本旅行業協会など旅行会社の団体におきましては、先生のおっしゃられた趣旨について業界にしっかり徹底をしております。
#38
○犬塚直史君 この児童買春、児童買春というのはもう本当に大きな問題で、特に、もちろん日本だけではないんです。しかしながら、日本のソフトパワーを非常に落としていく非常にゆゆしき問題であるというふうに我々は認識しなきゃならないと思うんですね。ついては、この議定書をもちろん締結をすると、それに当たってはここでやはりしっかりと議論をして実効性のあるものにしなきゃいかぬということだと思うんです。
 つきましては、今度は官房の方にお聞きしたいんですが、今現在、こうした人身取引防止の啓蒙活動について、ポスター、ホームページ、リーフ作っていると聞きましたが、その内容についてお答えください。
#39
○政府参考人(鈴木基久君) 人身取引を防止、撲滅し、被害者の保護を図るためには国民の理解と協力を得ることが重要でございまして、行動計画においても、関係機関が協力して総合的な啓発・広報活動を行うこととしております。
 これまでに、議員御指摘のとおり、人身取引対策に関するポスターを作成、配布しておりますほか、政府のホームページへの人身取引対策についても、政府のホームページにも人身取引対策について記載しておるところでございます。
 また、関係省庁において、人身取引被害者になる可能性のある方々に対するリーフレットを作成、配布したほか、また、人身取引の被害実態を広報啓発するためビデオを作成し、広く配布しております。また、その他、新聞、テレビやラジオ等の媒体を活用して幅広く広報を行っておるところでございます。
#40
○犬塚直史君 今、ポスターを作った、ホームページを作った、そしてリーフを作ったとおっしゃったんですが、例えばホームページ、私、拝見をいたしました。三つございます。この三つを見たんですけれども、正に、こう言っちゃ悪いですが、片手間といいますか、入国管理局のページあるいは外務省のページ、そして内閣官房のページのどこかの一か所にそういった記述がありますよという程度なんですけれども、ホームページについてはこんなもので対策と言えるんですかね。お答えください。
#41
○政府参考人(鈴木基久君) ホームページについては、御指摘の三機関のホームページにおいて人身取引対策についてそれぞれ必要な広報をしておるところでございます。
#42
○犬塚直史君 ポスターについて聞きますが、一体何枚刷っているんですか、そしてどこに張っているのかお答えください。
#43
○政府参考人(鈴木基久君) ポスターについては全部で二万枚作成いたしまして、全国の地方公共団体あるいは警察署等にも配布しており、適宜掲載していただいておるところでございます。
#44
○犬塚直史君 毎年一千七百万人渡航する人たちを啓蒙するために二万のポスターを作って、全国のどこだかあれですけれども、に張っていくという、そういう取組だということなんですね。
 あと、リーフは何枚作ってどこに配っているんですか。
#45
○政府参考人(伊藤哲朗君) リーフレットについてのお尋ねでございますけれども、リーフレットは、関係団体の協力を得まして、百万部作成いたしまして、これは、例えば一つは入国管理局の窓口等におきまして、入国してくる方に対しまして、リーフレットの内容でございますけれども、人身取引に対しまして警察等に一一〇番をしてもらえれば、警察としてはそうした人たちに対していつでも保護をいたしますよという内容のリーフレットでございますけれども、そうしたところに配る。あるいは、そうした外国の方がいらっしゃるようなレストランなんかにお配りしていつでも手に取れるようにしておくということで、それを目にした場合に、それで警察の方に訴えれば一一〇番というものがあるんだということを教えるためのリーフレットでございまして、そうしたところに、皆さん方がいらっしゃるようなところに置いておるという状況でございます。
#46
○犬塚直史君 リーフにつきましては、私、現物を見まして、枚数も百万ということで、枚数とか量的には非常にいい対応をされているというふうに感じますが、しかし本当に困って言い出せない人に対する対策という意味ではもちろんリーフ等では無理なことはもう警察の方よくお分かりだと思うんですね。
 それでは、官房の方に聞きたいんですが、ポスター、ホームページ、リーフ以外には一体どういう対策を行っているんですか。
#47
○政府参考人(鈴木基久君) 関係省庁におきまして、ビデオでございますが、人身取引の被害実態を広報啓発するためのビデオを作成して広く配布しておると承知しております。また、新聞広告でございますが、人身取引撲滅を訴える新聞広告を掲載して訴えておるところでございます。また、テレビの広報番組でございますが、政策対談あるいはその他の番組において人身取引対策について広報啓発を行っておるところでございます。また、ラジオでございますが、ラジオについても、ラジオ番組の中で人身取引対策の広報啓発を行っております。また、雑誌では、政府刊行物その他の雑誌に人身取引対策について記述をしていただいておるところでございます。
#48
○犬塚直史君 そうした取組がどのぐらい国民の目に留まっているかということなんですが、ここで幾つか例をお示しします。
 例えば、フランス文部省、こちらでは、観光業の専門学校のカリキュラムの中に、CSTというんですね、チャイルド・セックス・ツアー、児童買春ツアーのことですね、このCSTのガイドラインというのを国の資料で作って、観光の専門学校の学生たちに啓蒙していくという活動をこれやっているんですね。日本では、官房の方に聞きますが、こういった取組は今やる予定があるんでしょうか。
#49
○政府参考人(鈴木基久君) 人身取引対策についての御理解について、旅行業界あるいは旅行業界を管轄する国交省の皆様に御協力をいただくということでは取組をやっていきたいというふうに考えております。
#50
○犬塚直史君 今のは質問答えてないですね。
 それでは、例えば、じゃ、次の例を引きますけど、イタリア政府、イタリア政府もこれに前向きに取り組んで、児童買春犯罪の域外適用法の存在周知の義務付け、つまりこれさっきの話なんですけど、国内の法律でしっかり罰則が規定していて、で、自国民が域外でやった場合でもこれを適用するよということをしっかりと周知していくと、みんなに知らせていくということをやっているんですけど、こうした取組は日本はやっているんでしょうか、官房の方。官房じゃないんですかね。
#51
○政府参考人(鷲頭誠君) お答えいたします。
 私ども、旅行業界に対しまして……
#52
○犬塚直史君 いや、これは児童買春の件ですから。
#53
○政府参考人(鷲頭誠君) ああ、そうですか。済みません。
#54
○政府参考人(鈴木基久君) 児童買春ツアーに対する対策ということで、必ずしも私の方で答弁するのが適当かどうかという問題はございますが、答弁させていただきます。
 平成十一年にいわゆる児童買春、児童ポルノ禁止法が制定されて以来、関係当局において、この法律に基づきまして、所要の捜査のための国際協力の推進ですとか、あるいは児童の権利に関する国民の理解を深めるための教育、啓発というものがなされてきたというふうに承知しております。
 その中では、当然のことながら、外国で児童買春に及んだ日本人というものも処罰され得ることということは、当然その法律の啓発活動の中で当然のことながら周知されているものと承知しております。
#55
○犬塚直史君 こうした取組を行うためには、やはり民間あるいはNGOあるいは旅行会社の団体との連携が不可欠だというふうに思います。
 そこで、コードプロジェクトと、最近の民間の取組でコードプロジェクトについて、国土交通省の方、今どういう状況で日本でこれが行われているのか、取組を御説明ください。
#56
○政府参考人(鷲頭誠君) では、私の方からお答えいたしますが、まず、日本人旅行者が児童買春などに関与しないように、旅行業者に対して、旅行業者を通じて旅行者に対して、今のおっしゃられた法律で国外犯でも罰せられますよということを情報提供するようにしなさいというような指導もしておりますし、いわゆる児童買春、児童ポルノ禁止法を始めとする関係法令を遵守するようにというような指導監督を行ってきております。
 それからまた、我が国の旅行業界は、今年の三月にユニセフなどが普及を進めております旅行と観光における性的搾取から子供を保護するための行動規範というのがございますが、それへ参加をしたところでございまして、現地のランドオペレーターと契約をする際に、旅行者やあるいはランドオペレーター、ホテルなどに対して児童買春に関与しないようその周知をすると。まあ送る側の旅行会社の方が、ランドオペレーター、ホテル等にそういうことを周知するとともに、関与した場合には契約を取り消すというようなことがあるよということを行動規範に書かれている内容に沿ってやるなどといった自主的な取組を積極的に行ってきているところでございます。
#57
○犬塚直史君 今の御説明にはなかったんですが、これは、世界観光機構、WTOが一九九七年に始めました国際意識キャンペーンというのがありまして、これを発展させて北欧でスタートしました業界の倫理規定なんですね。この倫理規定が作られまして、何とかして児童買春をやめさせようと。で、我が国も今年の三月にこの規定に賛意をする六十の旅行業者が出てきまして、JATA、海外ツアーオペレーター等の協会も署名をして、今日はここに持ってきているんですが、JATAの、旅行業協会のパンフレット、安全な海外旅行のためにというパンフレットも作って配布をしているところだと聞いております。しかしながら、こうしたパンフレットでもやはり限界といいますか、児童買春の遵守についてというところはたったの十行しか、これ書いてないんですね。
 民間のやることですから、当然大きな限界というのはあると思うんですけども、これを法的に、まあ例えばアメリカの政府ですと、二〇〇二年、三年前に児童買春ツアー対策の法の整備というのを行いまして、二本法を作り、児童保護法、人身売買被害者保護再承認法、そしてCST、先ほどのチャイルド・セックス・ツアー情報の認識向上と罰則の強化を同時に行うと。刑期が、実はこれ、最大で三十年まで延ばしておるんですね。こういう罰則の強化、そして啓蒙活動を同時に行っていこうというようなお取組の気持ちがあるかどうか、官房の方に伺います。
#58
○政府参考人(鈴木基久君) 児童買春ツアーについては、平成十一年に日本人によるいわゆる児童買春ツアーが社会問題となったということを受けまして、いわゆる児童買春、児童ポルノ禁止法が制定されまして、それに基づきまして関係当局において諸対策が既に講じられておる問題であるというふうに考えております。
 他方、我が国における人身取引対策、私ども人身取引対策に関する関係省庁会議を取りまとめておる立場でございますが、我が国における人身取引対策は、国内における人身取引事案の防止、撲滅と被害者の保護ということに主眼を置いておりまして、児童買春ツアーに対しましては、この関係省庁連絡会議とは別の枠組みで対応がなされるべきものというふうに承知しております。
#59
○犬塚直史君 この件はもうこれで最後にしますが、そうした被害者保護支援法の設立が必要であると我が党の同僚議員も衆議院の方で主張しておりますので、今後しっかりと検討されることをここに要望したいと思います。
 それでは、お手元にお配りしました紙の方をちょっと見ていただきたいんですが、「強制猥褻被害者数とインターネット利用者数」と。これは警察庁の犯罪統計と総務省の通信利用動向などから作成をしたものなんですけど、これを、見ていただきたいのは、左側の被害者数、これは総数でまあ一万を二〇〇〇年で超えてきたと。そのうちの未成年数ですね、これは幼女、小学生、中学生、中卒以上というふうに、これを合計したものが、もう何と六割以上、七割近くおるという数字なんですけど、そうした中で、特に一九九五年のインターネットが普及してきた、この爆発的に普及をした今では八千七百二十万人という、これ数字が出ているんですが、これを、ほとんど国民のすべてがインターネットを利用しているという中にあって、このグラフを見ますと、それに引っ張られるようにこの強制わいせつの被害者が増えておるという、こういう事情があるわけですね。
 そこで、警察にお伺いします。今現在、児童ポルノの専門サイトというのは幾つあるんでしょうか。
#60
○政府参考人(伊藤哲朗君) 児童ポルノ専門サイトという形で警察の方で幾つあるという形では把握いたしておりません。
#61
○犬塚直史君 この児童ポルノというのは、実は手元に私、資料があるんですが、小児性愛と、ペドフィリアと、これはまあ病気と言ってもいいと思うんですけれども、このペドフィリア専門のサイト、これを集計をする、これはインターネットで調べただけなんですが、集計をするNGOがありまして、日本はそうしたウエブサイトのホスト国として全世界で第八位なんですね、今。この集計の時点は二〇〇三年、二年前なんですが、二年前に百六十五のサイトがそういう小児性向の専門のサイトをやっておると。
 ちなみに、この同じ資料に基づいて言いますと、アメリカは、場合は一万五百三件、韓国の場合は千三百五十三件、ロシアが千二百三十二件、こういう国々と比べるとまだまだ少ないと言えるかもしれないんですが、非常にこういうものがはんらんして、このお配りした資料のように、ますます子供たちが被害に遭うようなことがないように何としても警察の方でこれ取締りをしてもらいたいと思うんですが。
 そこでお伺いします。警察の方でこうした児童ポルノの苦情の窓口、専門の窓口というのは今あるんでしょうか。
#62
○政府参考人(伊藤哲朗君) 児童買春あるいは児童ポルノに関する犯罪は少年の健全な育成を著しく阻害する犯罪でありまして、警察におきましては、少年警察部門におきましてその取締りを担当しているところであります。
 少年警察の体制につきましては、各都道府県警察の本部に少年警察を担当する課が設置されておりまして、また警察署レベルでは少年警察を担当する係が設けられておりまして、警察官及び専門の一般職員が少年事件や児童買春、児童ポルノ犯罪などの少年の福祉を害する犯罪の捜査、あるいは少年や保護者からの相談に応じております。児童買春や児童ポルノの問題についての少年や保護者からの相談につきましては、専門の少年相談の窓口で対応しているほか、事件の捜査につきましても少年警察部門において対応しているところでございます。
#63
○犬塚直史君 少年のその窓口という意味ではなくて、インターネットを利用した幼児の、あるいは子供のそのわいせつな専門サイトの専門窓口というのがないんですよね。この専門窓口がないために数も把握ができていないという実態があるわけなんですけれども、例えばそういうものがあると、非常に問題であると親御さんが連絡をする、あるいは教師が連絡をする、あるいは周囲の大人が連絡をするときに一本化された窓口がない。警察に正にこの専門の窓口を設けていただきたいということを今日はここで要望として言っておきたいと思います。
 さて、こうした、先ほども申し上げましたが、日本が一生懸命取り組んでいる海外のPKOの支援あるいは平和構築あるいはODA、そうした日本のソフトパワーを高めていく上で、一つにはこうしたことにしっかりとした取締りをしないというのが私は足を引っ張る形にならないことを願いまして、しっかりとした対策を大臣もリーダーシップを取ってやっていただきたいと思います。大臣の、何ていうんですか、御意思をここで一言お願いします。
#64
○国務大臣(町村信孝君) 今、委員の広範囲にわたる御指摘、それぞれごもっともだなと思って今伺っていたところでございます。
 それぞれの部署では一生懸命やっているんでしょうけれども、なかなか包括的にきちんと対応できていない部分もあるようでございます。それでも後ればせながら、政府は昨年十二月、この人身取引対策行動計画というものを作って取り組み始めたと。今回の国会の中でも幾つもの関連法案が出されているということでございます。あるいは予算措置もシェルター等でとられているということでありますが、なお十分であるかと言われれば、今委員幾つかの御指摘があったとおり、まだまだ足らざる部分があるんだなということも御指摘をいただきました。今後、そうした御指摘も踏まえながら、さらに、こうした特に海外買春ツアーといった、誠にこれはもう国としては恥ずべきそうした旅行といいましょうかね、そういうものが行われているというのは本当に嘆かわしい限りであり、遺憾の極みであると、こう思いますから、しっかりとした取組を今後ともやらなければいけないと、かように考えております。
#65
○犬塚直史君 各国大使館、領事館の協力も得て、是非効果的な活用といいますか、運用というものをお願いをしたいと思います。
 それでは、話題を変えまして、先般行われました、シンガポールで行われました日米防衛首脳会談について防衛庁長官にちょっとお伺いをしたいんですが、ここに、手元にあります資料によりますと、ラムズフェルド米国の国防長官ができれば年内に最終的な合意をしたいと、それに対して防衛庁長官は、自治体や住民の理解を得ないといけないので時間掛かるということを、こうおっしゃられたと。それに対してまたこのラムズフェルド長官がこの再編案は、再編案は専門家に任せようと、専門家に任せようと、こういう発言をされたというふうにここに書いてあるんですが、答えられる範囲で結構なんですが、この専門家に任せようというのはどういう趣旨で言ったんだと思われますか。
#66
○国務大臣(大野功統君) まず、今回の日米首脳会談でございますけれども、シンガポールで開催されましたアジア・太平洋安全保障会議、いわゆるシャングリラダイアログ、ここへはアジア太平洋地域を中心として防衛大臣が十数人集まるわけでありますが、その機会に行われました。前回の防衛首脳会議が二月十九日だったと思いますから、三か月半ぶりの防衛首脳会議ということで、主にトランスフォーメーションの問題と、それから中国に対してどういうふうな思いを持っているか、こういうことを議論してまいりました。
 今おっしゃったタイムスケジュールと具体的な話は専門家だと、こういう二つの点でございますけれども、一つタイムスケジュールにつきましては、今やっております役割、任務それから能力等については、こういう問題を中心としては早く中間報告を作ろうじゃないかと、中間報告、英語でインテリムリポートと言っておりましたから、むしろ暫定報告書と言った方がいいのかもしれませんが、中間報告を作ろうじゃないかと。それから最終の個々の具体的な基地施設等についても年内を目指して決着していきたいなと、こういうようななるべく早くやっていこうという意見についてはおおむね一致しているわけでございます。しかしながら、私、アメリカに、アメリカ側にお願いしましたのは、我々日本としては一つ一つの基地が、沖縄にある基地、どこにある基地、これがやはり地方公共団体の皆様やあるいは住民の皆様と十分協議をしていかなきゃいけない問題である、ですからその点も十分考えてくださいよと、これが第一点でございます。
 それから第二点は、基地の専門家に任せようというのは、今御存じのとおり、具体的な個々の問題、個々の施設・区域、基地の問題につきましては審議官協議を続けております、そこでやろうじゃないかと、そこで話を続けていこうではないかということで、今回の大臣レベルの会合ではその具体的な施設・区域の話は取り上げられませんでした。そういう意味でございます。
 それから、もう少しだけ申し上げてよろしければ、この負担の軽減あるいは抑止力維持の問題でありますけれども、これにつきましては、沖縄を中心とする負担の軽減、負担といっても私の方から力説いたしてまいりましたのは、目に見える形のもの、例えば兵力の数あるいは地域の、基地の大きさというものもあるし、それからもう一つは目に見えないものも、例えば騒音でございますが、そういうものもありますよと、こういうようなことも訴えておきました。
 そこで、具体的スケジュールでございますが、もちろん、帰りまして町村外務大臣とも十分相談して、引き続きどういうふうにやっていくか、これを決めていかなければならないと思います。それから、しかしながら、全体として申し上げますと、やはりこの問題は議論を、協議を加速していこうと、こういうことで認識が一致したわけでございます。
 イラクの問題、それから……
#67
○犬塚直史君 もうその辺で。
#68
○国務大臣(大野功統君) その辺でよろしゅうございますか。はい。
#69
○犬塚直史君 時間がなくなりましたので、最後に一つだけお願いを申し上げておきます。
 私の地元長崎県の佐世保市、ここで、基地のすみ分けの問題で、軍と民のすみ分けの問題で今年の五月の八日に朝日新聞に記事が出ました。この朝日新聞に出た記事は、埋立て場所、そして規模、思いやり予算を使うこと、そうした非常に詳細な記事が出ておりまして、地元住民が全くこれをもって非常に不安に感じておるわけですね。
 これ、先般来話を聞いておりますと、沖縄でも神奈川でも全く同じことが行われておるんですよ。それを聞きますと、今、もううなずいておられるけれども、これは全く間違いである、そうした事実はないということは、もう私はそういうふうに信じておるんですが、ブリーフでもそう言われたんですけれども、余りにも情報の管理がずさん過ぎる。住民やあるいは地方自治体の議員さんたちも含めて、余りにもこういう情報が多過ぎるために疑心暗鬼になっておるんですね。できるだけ早い機会に、なるべく情報を共有をして、地元の意見を、長官もいみじくもおっしゃったように、地元の意見を聞くようにという努力を更にしていただきたい。
 場合によっては、住民の生活に直結する重要かつ広範なこういう議題に関しては、諸外国を見ますと、例えばフランスなんかのストラスブール市なんかでは二千回にわたる住民との対話集会をやっているんですよね。やっぱりそれぐらいのコミュニケーションを図っていただきたいということを最後に申し上げまして、できるだけ早く地元に教えていただきたいということを強く要望しまして、私の質問を終わります。
#70
○緒方靖夫君 二つの議定書については賛成です。人身取引や密入国といった犯罪への対処というのは、国際社会全体が協力して取り組むべき重要な課題として位置付けられるようになっておりますし、犯罪のない平和で豊かな国際交流の発展や人権擁護の立場から、日本がこれに加わって積極的な役割を果たす、そういう点からも当然だと思います。
 議定書の一つであります人身取引の問題について伺いたいと思います。
 四日前に、アメリカ国務省は二〇〇五年版の人身売買に関する年次報告を発表いたしました。先ほど政府委員から、日本は努力している、昨年と比べて積極的な評価とありましたけれども、政府としては、私はやはり謙虚に受け止めることが必要だと思います。
 というのは、この報告書の中には、昨年監視対象国とした日本、これを監視対象国から外したということはあるわけですけれども、依然厳しい評価は変わっていないんですね。つまり、アメリカの報告書は、日本政府は人身取引根絶の最低基準を遵守していない、そうはっきり書いてあるわけですね。アメリカの日本の人権に対する評価でもある、そう言えると思います。また、国連の各委員会や各国の評価の中でも、これまでも言われてきましたけれども、人身取引の受入れ国となっていることが指摘され、日本政府の取組が弱い、そう言われてきました。
 その点で、私、お伺いしたいんですけれども、人権問題で外国から受けているこうした評価、これをやはり根本から変えていくことが必要だと思いますけれども、その点で外務大臣の御所見を伺います。
#71
○国務大臣(町村信孝君) アメリカはアメリカなりの判断基準でやっているわけでありますから、それが全面的に正しいのかどうか分かりません、一つの参考意見として我々も耳を傾けるべき点があるんだろうと、こう思っております。
 日本としても、多少後ればせではあったかもしれませんけれども、人身取引が正にこれは重大な犯罪であり人権侵害であると、こういう認識に立って、昨年四月に人身取引対策に関する関係省庁連絡会議というものを立ち上げまして、様々な対応策を練ってまいりました。昨年の十二月、関係閣僚も集まりまして、人身取引対策行動計画というものを策定をしたわけでございまして、その内容は、もう言うまでもないことでありますけれども、人身取引の防止とか加害者の処罰でありますとかあるいは被害者の保護等、各般の施策をより強めていこうということでございまして、また、これを実行するに当たって、いろいろな諸外国とも、あるいは関係国際機関とも相談をしながらこうした対策に取り組み始めた、本格的に取り組み始めたと、今までもやっていたわけですけれども。
 ただ、先ほど犬塚委員の御指摘もありましたように、これで十分かと言われれば、それはまだ改善する余地もだんだん出てくるんだろう、現にあるんだろうと思います。したがいまして、今回まだ、ようやっと計画を作って、この国会においても幾つかの法律を御審議をいただいているところでございますけれども、今後、更にこの対策を強化し徹底をしていくために政府を挙げて努力をしていかなければいけないであろうと、かように考えているところでございます。
#72
○緒方靖夫君 アメリカだけでなくて、一連の国々が批判しているという点をやはり受け止めていただきたいと思うんですね。
 今、被害者の保護ということが言われましたけれども、正にこれ非常に大事な点で、これは議定書の六条の義務とされているわけですけれども、しかし、例えば特別在留の資格を与える、一、二週間ならいても構わない、そういうことが言われるわけですね。しかし、実際に被害者にとって必要な期間安心して滞在できるかというと、そのための受入れの保障、それがない、そういう問題が実際あるわけですね。専門家や施設の体制の面でも、また、その他被害者支援の枠組みも必要になります。
 そういう点で、例えば、今言われた被害者の保護ということを言った場合、国の行動計画の中には、都道府県にある婦人相談所を利用するという、あるいはケアに当たる際のいろいろ通訳の問題とか民間シェルターの問題、そういうことがありますけれども、それが、例えばシェルターは二か所しかない、そういうこともあるわけですね。ですから、この問題を実際進めていく上ではやはり非常に課題が多いと思います。
 その点で、議定書が定める国際的な水準で人身取引の被害者の保護を整備するために、やはり政府として諸外国などの研究を、取組も十分精査して、条約上の義務をふさわしい体制を整える、これが必要だと思いますけれども、その点、伺っておきます。
#73
○国務大臣(町村信孝君) それぞれの国の置かれた状況というのは必ずしも同じではないのかもしれませんが、政府としてもいろいろな国の状況というものを把握するように努めてきているところであります。
 政府協議調査団というものを派遣をしておりまして、例えば、昨年の九月にはフィリピン、タイ、今年に入りましてから、一月にはコロンビア、アメリカあるいはフィリピンという国々に調査団を派遣し、先方の政府機関とかNGO等の人身取引に関する効果的な施策というのはいかにあるべきかということについて協議を行うなどしているところでございます。そういう形で内外の関係機関とかNGOの意見などもよく聞きながら今回の、昨年十二月の行動計画というものを作ったという経緯はございます。
 ただ、もう一度申し上げますが、これで十分であるかどうかという点については、また今後更にそうしたいろいろな国々の考え方、あるいは政策といったようなものもよく調べながら、日本としてより効果的な、より強い対策が取れるように努力をしてまいりたいと思っております。
#74
○緒方靖夫君 国連が各国の取組の状況を調査して、今年三月発表した人身取引に関する国連事務総長の報告というのがございます。
 これを読んでみますと、その主要テーマの一つというのが、被害者に対して完全な保護を与えること、それと、調査や刑事手続の際に被害者が二次被害に遭うことを防止する、このことが非常に重視されていることが分かります。この被害者の人権保護という点で、これを立法化して取り組んでいる、被害者保護のための法律、これを作っている国々、私ざっと見ただけでも十四か国、ドイツとかスペインとかモロッコ、韓国、タイ、そういう国々があります。
 政府として、こういうことも研究しながら、やはり被害者保護のための義務を果たす法的な枠組み、立法化、そういったこともやはり検討をしていくことが必要だと思いますけれども、その点についてお考えを伺います。
#75
○国務大臣(町村信孝君) この国会にも、例えば刑法を改正してこの人身売買行為を犯罪化するとか、幾つかの、あるいは風営法の改正でありますとかやっているわけでございますが、今、被害者の保護という観点で特別な立法が要るのではないかという今委員の御指摘であったかと思います。
 一応今、被害者が在留特別許可等の対象となることを明示する旨の入管法の改正については今、国会で御審議をいただいているというところでございます。また、現行法の中でも必要な、被害者の状況に応じて必要な対策を打っておりますし、一時保護のためのシェルターの提供でありますとか、まあ確かに数は少ないのかもしれませんが、あるいは被害者の帰国支援、これらは主として予算措置になろうかと思いますけれども、きめ細かな対応を行いつつあるところでございまして、まずこうした対策を関係省庁一体となって実施をするということによって保護の効果を上げていく必要があるんだろうと、こう思っております。
 なお、絶対的に何か新しい法律が要るんではないかということになれば、またそれはその時点で考えなければならないのかなと思いますが、一応私どもは今の法体系の中で、必要な法律改正はもちろん含まれますけれども、対応できるのではなかろうかと、こう理解をしているところでございます。
#76
○緒方靖夫君 次に、別のテーマになりますけども、この機会に横田基地の問題について、騒音の問題について聞いておきたいと思います。
 防衛施設庁が今回実施した米軍基地周辺の騒音調査の結果、基地周辺の住宅防音工事の対象区域を、防音工事対象区域、その対象を横田基地の周辺ではそれを半分にするという、そういうことが出されましたけれども、なぜ縮小してよいと判断したのか、その理由について端的にお伺いいたします。
#77
○政府参考人(山中昭栄君) これは、横田飛行場につきましては、最終の指定告示が昭和五十九年、相当年数が経過をしておりますし、その間、航空機の騒音状況に相当変化が見られるというようなことで、平成十五年度に騒音度調査を実施をいたしました。
 結果的には、東側と西側は……
#78
○緒方靖夫君 理由を端的に言ってください。
#79
○政府参考人(山中昭栄君) ほとんど騒音自体変化ございませんが、北側と南側におきまして一日の標準飛行回数、これがプロペラ機は相当増加をしておりますけれども、大型ジェット等は相当減少しているというようなことから、コンター線を設定をした結果、全体として南北方向に五割程度ずつ減少をしているというようなことで、これを面積で申し上げますと、今御指摘ございましたように、五千ヘクタールから約半分の二千五百ヘクタールに縮小となっているということでございます。
#80
○緒方靖夫君 半減というわけですけれどもね、自治体で行っている基地周辺の測定では、これまで環境基準、W値で七十をクリアできない地域が多く出ていた。今だってそれは変わらないわけですよ。現状は今どうなっていますか。
#81
○政府参考人(山中昭栄君) これは、今回私どもが騒音度調査を実施した結果につきましては、コンター線の状況は今申し上げたとおりでございます。
 他方、東京都あるいは埼玉県等が別途飛行場周辺の環境基準の達成状況確認のための騒音測定を行っているということを承知しておりまして、おっしゃるように環境基準値、屋外のいわゆるうるささ指数で七十W、これを超えた値が測定されているというようなことも私ども承知をいたしております。
 ただ、今回私どもが実施をいたしました、これは五十一か所で行いましたけれども、それと東京都あるいは埼玉県が行いました調査を突き合わせをした結果、大体近似をしていたり、あるいは私どもの調査結果の数値に包含をされているという状況でございます。
#82
○緒方靖夫君 その突き合わせをしたとしたら、非常に不十分だと言わざるを得ませんね。
 防音工事の範囲は縮小するということを言われますけれども、やはり環境基準を満たしていない、そういう場所をどうするのかということが問われていると思うんですね。対象区域を決める基準としている七十五Wについて、住民、自治体の要望は既にはっきり出されていて、これを七十Wにしてほしいということですよ。そこが一番肝心です。
 渉外関係主要都道県の知事連絡会は、昨年八月に国に要望書を出して、第一種区域に係る指定値を現行七十五Wから航空機騒音の環境基準の七十Wに改めるよう要求しておりますけれども、これに応じる考えはございませんか。
#83
○政府参考人(山中昭栄君) 御指摘のような要請は常々私どもちょうだいをしております。
 実際問題、七十五W未満の区域における通常の住宅でありますと、窓を閉めれば環境基準の屋内の基準であります六十W、これのレベルの保持が可能であるというようなことで、住宅防音工事の対象区域自体は七十五W以上の区域ということにしているわけでございます。
 七十五W未満をどうするか、これは私どもも将来の検討課題の一つだとは考えておりますけれども、現実には、現に高い七十五Wを超える騒音の影響を受けているその地域における住宅防音工事の必要性等もまだございますので、当面はそちらを優先していくべきであろうというふうに考えております。
#84
○緒方靖夫君 やはり、窓を閉めればと長官言われるけど、これは現地に行ってみていただきたいと思うんですよね。私は、昭島市役所の屋上にずっと上って夜じゅう音を聞いていたけど、大変なもんですよ。あるいは七十五という、それを超え、七十を超えるところ、そして七十五に至らない、例えば西砂小学校は七十二、あるいは石川市民センターは七十四という、一体そういうところをどうするのか。音楽の授業もまともにできない、あるいは会議していても音が聞こえなくなる、それが現状なわけですよね。
 ですから、こういう問題についてはしっかりと地元の住民、自治体の要望を受け止めて、今いろいろ考慮する余地があると言われました。大体、こういう迷惑を掛けているわけですから、そこのところをきちっとやるのは当たり前ですよ。そのことを要望して、時間になりましたので質問を終わります。
#85
○大田昌秀君 二つの議定書の締結には賛成でございますが、何点かお伺いしたいと思います。
 まず、外務省にお願いいたします。
 人身取引議定書の第五条で、人身取引を犯罪とする国内法の整備を義務付けていますが、第五条二項は人身取引犯罪の未遂も犯罪であり、また未遂であってもそれに加担することも、さらに犯罪を行うために他の者を組織し、他の者に指示することも犯罪であると規定しています。
 そこで伺いますが、ここで言う加担あるいは他の者を組織し指示するとは内容的にどういう行為を指すのか、教えてください。
#86
○政府参考人(神余隆博君) お答え申し上げます。
 人身取引議定書第五条二項(b)の「加担する行為」とは、犯罪の実行に協力する行為等を指します。また、この第五条第二項(c)の「他の者を組織し、又は他の者に指示する行為」とは、犯罪を計画し、その実行のために人員、資金等を集める行為や他の者にその実行を命令する行為等を指すものと解されます。これらの行為は、いずれも我が国の国内法上、刑法第六十条共同正犯、第六十一条教唆犯、又は第六十二条幇助に該当するものでございます。
#87
○大田昌秀君 同じく外務省にお願いします。
 人身取引議定書は基本的には本体の国際組織犯罪防止条約の補完、つまり犯罪防止の観点が基本になっていますが、被害者の人権保障の面はどうなっているのか、御説明ください。
#88
○政府参考人(神余隆博君) この点につきましては、既にいろいろなところで取り上げられておりますけれども、委員ただいま御指摘のとおり、人身取引議定書は、第二条において、「人身取引を防止し、及びこれと戦うこと。」に加えて、「人身取引の被害者の人権を十分に尊重しつつ、これらの者を保護し、及び援助すること。」をも主たる目的としております。
 さらに、このような基本的な考え方に基づきまして、第六条から八条におきまして人権面にも配慮した人身取引被害者の保護に関する詳細な規定が様々な形で設けられております。
#89
○大田昌秀君 いま一つ外務省にお願いします。
 人身取引事件は国際的な組織による犯罪であることが多いわけですが、それだけに事件が発覚した後、人身取引の被害者にとっては、その証言等の行為に伴って本国の家族や親族に危害が加えられるおそれがあるのではないかと思われますが、そのようなことがないように被害者の受入れ国として果たすべき義務について本議定書ではどのように規定しているのでしょうか。
#90
○政府参考人(神余隆博君) お答え申し上げます。
 人身取引議定書は人身取引の被害者の安全確保に関しまして、第六条五項におきまして被害者が受入れ国の領域内にいる間の安全の確保について、また第八条二項におきまして被害者を送還する場合のその者の安全に対して払うべき妥当な考慮について規定をしております。
 ただ、この議定書には被害者の本国における家族等の安全確保については直接的な規定はございません。また、一般的にもそのような安全確保は被害者の本国政府が果たすべき役割であるというふうに考えられております。
 他方、受入れ国としても、被害者の本国政府と被害者に関して情報交換を行うことなどを通じまして、必要に応じた協力を行っていくことが望ましいということは言うまでもございません。
#91
○大田昌秀君 次に、法務省にお伺いします。
 今回の人身取引議定書の締結に伴い、被害者の人権を守るという立場から締約国は在留資格制度等を改善しなければなりません。我が国ではどのような法的な整備を準備しているのか、御説明ください。
#92
○政府参考人(三浦正晴君) お答え申し上げます。
 今回、国会におきまして、人身取引議定書の締結に伴います所要の規定を整備するために刑法等の一部を改正する法律案につきまして御審議をいただいておりますが、被害者の保護の観点から同法により改正されます入管法の改正案の内容について御説明をいたしたいと思います。
 現行の入管法上は、売春などに従事した場合、退去強制事由等に該当することになりますが、人身取引の被害に遭い、売春などに従事させられたにもかかわらず退去強制等の対象とされることは不合理であると考えられますので、今回の改正案では、そのような場合には退去強制などの対象から除外することとしております。
 また、人身取引の被害者につきましては、出身国に帰国することによって生命などに危険が及ぶおそれがある場合などがあることから、今回の改正案では、人身取引によりまして他人の支配下に置かれたために不法滞在状態に陥った方などについても我が国に滞在できるよう、特別に在留を許可することができることなどを法文上明記することとしております。
#93
○大田昌秀君 いま一つ法務省にお伺いします。
 人身取引議定書の第十条二項では、人身取引の防止に従事する法執行職員、出入国管理職員などの関係職員の訓練を求めています。そこで、被害者の人権を尊重するという観点から、関係職員に対する教育訓練、研修をどのように実施しておられますか。教えてください。
#94
○政府参考人(三浦正晴君) 入国管理局におきましては、職員に対する様々な研修の機会を利用いたしまして、人身取引問題に関する講義を行っております。そこで必要な知識を習得させるとともに、人身取引問題に対する職員の意識を向上させるよう研修内容の充実を図っているところでございます。
 最近の具体例といたしましては、中堅職員を対象とした研修におきまして、NGOから講師を招き、人身売買問題の講義を受講させましたほか、毎年実施しております人権に関する研修を、昨年度は特に人身取引問題のみを研修する内容といたしました。そこで、国際移住機関ですとかNGO、大学等から講師を招きまして、人身取引問題に関する最新の状況や各国事情等についての理解を深める機会といたしました。
 さらに、WHOが作成いたしましたトラフィッキングされた女性のためのインタビューマニュアルですとか、警察庁が作成いたしました広報啓発ビデオにつきましても、すべての地方入国管理局、支局及び入国者収容所に配布いたしまして、職員教育に活用するように指示しております。
 入管局といたしましては、今後とも人身取引に関する研修を積極的に実施していきたいと考えております。
#95
○大田昌秀君 防衛庁長官にお伺いいたします。
 去る四日のシンガポールにおける日米首脳会談での報道で、大野長官が沖縄の基地の削減について言及されたのに対して、ラムズフェルド国防長官は抑止力の問題について取り上げたと地元の新聞が報道しておりますが、それは事実でございますか。
#96
○国務大臣(大野功統君) まず、我々の認識では、沖縄を始めとする負担の軽減、それから抑止力の維持、こういうことを原則に今後とも協議を続けていこう、こういう認識でございます。
#97
○大田昌秀君 防衛施設庁長官にお伺いします。
 去る二日の本委員会で、普天間代替施設建設に関連して、那覇防衛施設局が名護市辺野古沖で行っている海底ボーリング調査の夜間作業について、防衛施設庁の河野建設部長は、反対行動との関係上、安全かつ円滑に行うのが難しいので夜間作業の実施は考えていないという趣旨の答弁をされました。
 ところが、昨日、ボーリング調査に反対するいろいろな人たちが那覇防衛施設局を訪問して、改めて作業の、夜間の作業の中止を要請しましたところ、那覇防衛施設局の局長は、夜間作業を実施するなとの指示は本庁から何も来ていないという趣旨のことで、夜間作業を続ける姿勢を示したと報じられておりますが、この本庁と那覇の防衛施設局とのそういう情報の連絡、あるいは本庁で決まったことの那覇防衛施設局への指示のありようというのはどういうふうになっているのでしょうか。
#98
○政府参考人(山中昭栄君) これは、私どもと現地の那覇局との間で認識が不一致であるというようなことはございません。当然、国会における様々な質疑を通じて私どもが表明をいたしました考え方は逐一現地局にも伝え、そういった考え方に沿った対応がされてきているというふうに考えております。
 今お話しになりました昨日の夜間作業の中止の要請でございますが、これは現地那覇局長も、現実には私どもそれで作業を一切控えております、あるいは、現状においてあそこでああいう形で反対運動がある限りは夜間作業が一切いたしかねる、それも一方で事実でございますというふうな発言をいたしておりまして、とりわけ安全面にどう配慮して円滑に作業を進めるかという観点から考えた場合には、夜間における作業というのは極めて困難だということは繰り返し申し上げてきているとおりでございまして、現実に、現時点においては夜間の作業はいたしておりません。四月末に設置をいたしました防護さく、これも撤去いたしました。それから夜間の、警戒船を夜間、数度巡回させておりましたけれども、これも現在は巡回をいたしておりません。
 そういう状況でございまして、局の方の対応と私どもの考え方との間にそごがあるというようなことはないというふうに考えております。
#99
○大田昌秀君 これは通告してないので恐縮でございますが、外務大臣に一問だけお願いいたします。
 先日、沖縄県議会の方でヘリの不時着についての問題が取り上げられて、何か抗議決議みたいなものを四軍調整官のところへ持っていったら、これを拒否されたと、受取を拒否されたということでちょっと問題化しているようですが、アメリカ側とこの種の問題について、例えば在沖米軍基地あるいは在日米軍基地で事件、事故が起こった場合に、それに対する抗議とかそういう申込みがあった場合にどなたがどういう形でこれを受理するという形は話し合われているんでしょうか。
#100
○国務大臣(町村信孝君) 今、具体のことについてお触れになりましたが、そういう受取を拒否したしないとかということについて私ちょっと報告を受けておりませんので、その件については存じ上げませんが、一般的にそれはいろいろな問題があり、いろいろなお申し越しがあり、その内容によって受けるの受けないのということは私はちょっと常識的に考えられないので、どのレベルの方が会うかというのは別にしまして、ちょっと今の委員のお話は理解に苦しむところでありまして、それはいろんなお申し越しがあろうと思いますので、それはもちろん、我が国政府はもとよりでございますが、米軍サイドでもそれはちゃんと話は聞くだろうなと私は普通に理解をしております。
#101
○大田昌秀君 終わります。ありがとうございました。
#102
○委員長(林芳正君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する人(特に女性及び児童)の取引を防止し、抑止し及び処罰するための議定書の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#103
○委員長(林芳正君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する陸路、海路及び空路により移民を密入国させることの防止に関する議定書の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#104
○委員長(林芳正君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、両件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#105
○委員長(林芳正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#106
○委員長(林芳正君) 千九百六十五年の国際海上交通の簡易化に関する条約の締結について承認を求めるの件、千九百七十六年の海事債権についての責任の制限に関する条約を改正する千九百九十六年の議定書の締結について承認を求めるの件及び西部及び中部太平洋における高度回遊性魚類資源の保存及び管理に関する条約の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。町村外務大臣。
#107
○国務大臣(町村信孝君) ただいま議題となりました千九百六十五年の国際海上交通の簡易化に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 この条約は、昭和四十年四月にロンドンで開催された海上旅行及び海上運輸の簡易化に関する国際会議において採択されたものであります。
 この条約は、国際海上交通を簡易化すること等を目的として、国際航海に従事する船舶の入出港手続を簡易化するための措置等について定めたものであります。
 我が国がこの条約を締結することは、我が国の港湾の国際的な競争力を強化するとの見地から有意義であると認められます。
 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
 次に、千九百七十六年の海事債権についての責任の制限に関する条約を改正する千九百九十六年の議定書の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 この議定書は、平成八年五月にロンドンで開催された国際海事機関の危険物質及び有害物質並びに責任の制限に関する国際会議において採択されたものであります。
 この議定書は、千九百七十六年の海事債権についての責任の制限に関する条約において定められる責任限度額を引き上げること等を内容とするものであります。
 我が国がこの議定書を締結することは、船舶事故により生ずる被害について、救済の拡充を確保するとともに、海運業の安定的な発展を図るとの見地から有意義であると認められます。
 よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。
 次に、西部及び中部太平洋における高度回遊性魚類資源の保存及び管理に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 この条約は、平成十二年九月にホノルルで開催された西部及び中部太平洋における高度回遊性魚類資源の保存及び管理に関する多数国間ハイレベル会議第七回会合において採択されたものであります。
 この条約は、中西部太平洋における高度回遊性魚類資源の保存及び持続可能な利用を確保することを目的として、高度回遊性魚類資源の保存及び管理のための委員会を設立すること等について定めるものであります。
 我が国がこの条約を締結することは、このような目的に積極的に協力し、及び我が国のカツオ・マグロ漁業の安定した発展を図るとの見地から有意義であると認められます。
 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
 以上三件につき、何とぞ、御審議の上、速やかに御承認をいただきますようお願いいたします。
#108
○委員長(林芳正君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 三件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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