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2005/06/30 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 外交防衛委員会 第16号
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2005/06/30 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 外交防衛委員会 第16号

#1
第162回国会 外交防衛委員会 第16号
平成十七年六月三十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十六日
    辞任         補欠選任
     荒木 清寛君     魚住裕一郎君
 六月十七日
    辞任         補欠選任
     魚住裕一郎君     荒木 清寛君
 六月二十四日
    辞任         補欠選任
     犬塚 直史君 ツルネン マルテイ君
 六月二十七日
    辞任         補欠選任
 ツルネン マルテイ君     犬塚 直史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         林  芳正君
    理 事
                浅野 勝人君
                三浦 一水君
                山本 一太君
                齋藤  勁君
                榛葉賀津也君
    委 員
                岡田 直樹君
                柏村 武昭君
                桜井  新君
                谷川 秀善君
                山谷えり子君
                犬塚 直史君
                喜納 昌吉君
                佐藤 道夫君
                田村 秀昭君
                白  眞勲君
                荒木 清寛君
                澤  雄二君
                緒方 靖夫君
                大田 昌秀君
   衆議院議員
       修正案提出者   岩屋  毅君
   国務大臣
       外務大臣     町村 信孝君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  大野 功統君
   副大臣
       防衛庁副長官   今津  寛君
       外務副大臣    谷川 秀善君
   大臣政務官
       防衛庁長官政務
       官        柏村 武昭君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        泊  秀行君
   政府参考人
       防衛庁長官官房
       長        北原 巖男君
       防衛庁防衛局長  飯原 一樹君
       防衛庁運用局長  大古 和雄君
       防衛施設庁施設
       部長       戸田 量弘君
       外務省北米局長  河相 周夫君
       外務省領事局長  鹿取 克章君
       国土交通省自動
       車交通局次長   松尾 庄一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外交、防衛等に関する調査
 (日中関係に関する件)
 (自衛隊のイラク派遣に関する件)
 (北方領土問題に関する件)
 (日本の国連安保理常任理事国入り問題に関す
 る件)
 (沖縄米軍基地問題に関する件)
○防衛庁設置法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(林芳正君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に防衛庁長官官房長北原巖男君、防衛庁防衛局長飯原一樹君、防衛庁運用局長大古和雄君、防衛施設庁施設部長戸田量弘君、外務省北米局長河相周夫君、外務省領事局長鹿取克章君及び国土交通省自動車交通局次長松尾庄一君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(林芳正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(林芳正君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○田村秀昭君 外務大臣にまずお尋ねさせていただきます。
 最近、中国の大連税関で日本人学校で使用している教科書の副教材が没収されて問題になっております。それは、中国と台湾が色分けされているという点が没収の理由と聞いておりますけれども、こういう事実は実際にあったんでしょうか。そして、一部の報道によると、お金を払って、その問題とならない教科書も没収されておったのを金を払って返却してもらったということが報じられていますけれども、事実はどうなんでしょうか。
 このようなことが起これば非常に問題だと思いますけれども、外務大臣のこの件に関するお考え、今後このようなことが起こった場合どのように対応されるのか、お尋ねいたします。
#6
○国務大臣(町村信孝君) 委員御指摘の問題につきましては、四月の中旬に大連の日本人学校が輸入した副教材百二十八冊が大連の税関に留め置かれたということで、六月の二十八日、中国外交部スポークスマンは質問に答える形で、このうち十五冊は今委員御指摘のように中国と台湾と色分けした地図を掲載をしており、出版管理条例等の法令に抵触しているので返送処理となる旨を明らかにしたところであります。
 外務省としても、これまで現地の当局に対して事情を照会してまいりましたけれども、二十八日のこの外交部説明というのは中国政府としての中国法令の適用関係を明らかにしたものだと、こう理解をいたしております。
 日本人学校の関係者に聞いてみますと、中国の法令を遵守して学校運営に当たっていくという考えだそうでありまして、本件を争う考えはないというふうに聞いております。
 外務省といたしましては、今後とも学校関係者ともよく協議をし、また大連の現地当局あるいは外交部の説明にある関係法令の適用関係、どういうものなのかということについて更に詳細を吟味をした上で今後の対応を検討していく考えでございます。
 お金、罰金を払ったのではないかということなんですが、まだ罰金は払っていないということであります。そして、この百二十八冊のうち十五冊はそういうことなんですが、残りのしたがって百十三冊ですか、これらについてはもう既に学校側の手元に届いているということのようでございます。
#7
○田村秀昭君 日本の外務省の結論は、中国の国内法規に抵触したものは今後も没収されてもしようがないと、中国の国内法規に抵触しないように努めていくと、そういうことを今おっしゃったんですか。
#8
○国務大臣(町村信孝君) それぞれの国の法令に従って在外におられる方々が活動していくというのは、一般論としてはそのとおりだろうと思います。
#9
○田村秀昭君 いや、この問題は、中国は台湾と別だと私は思っているんですが、中国は台湾は一緒だと、自分の国だと言っているんですね。それを認めることになっちゃいますね。そういうことでいいんですか。
#10
○国務大臣(町村信孝君) これは、ここで深刻なる領土問題の議論をするしないという話ではなくて、中国の中にある学校、日本人学校が中国の法令に従って事態の対処に当たるという考えであるということなんですから、それはおかしいとか言うべき筋合いのものではないと考えるというふうに私どもは思っております。
#11
○田村秀昭君 日本の一部の人たちは、隣国である中国とどうしても仲良くしていきたいという発想があるように私は思えてならないです。ですが、聖徳太子は、我々の歴史を全部調べていきますと、聖徳太子は七世紀に、中国の関係については、隋に国書を送って、彼らの状況をよく熟慮した結果、中国圏とは手を引いて彼らとは付き合わない方がよいという判断をして、中国は相手にせずといって千数百年たったんですね。ですから、我が国は宋とか元とか清等の歴代の大陸政権と政治的距離を置いてきた。その結果は非常に正しかったと私は思うんですね。
 ですから、私が申し上げたいのは、中国とまともに親戚付き合いなんかする必要ないと。だから、聖徳太子が言っているように、日の沈む国の天子に対してつつがなきやというのは、元気かねって会ったときに言やいいんで、それ以外のことはしなくたっていいんじゃないかと私は思っているんですが、いかがですか。
#12
○国務大臣(町村信孝君) 隣国との付き合い方にはいろいろあるという委員の御指摘は御指摘として、聖徳太子の時代と今の時代とでは大分時代も変わってきていると、こう思われますし、私は、まじめに考えて、やはり近隣諸国、それは遠くの国もそうですが、特に近隣諸国とは私は可能な限り友好な関係を築き、様々な交流を深めていくということがお互いの利益になるし、また特に日中関係という大変今や大きなこの二国間関係は、二国にとって大切であるということにとどまらず、アジア全体、世界全体にとって重要な二国間関係だと、こう思いますから、まあ、お元気ですかというような浅いお付き合いの仕方もそれはあるかもしれませんが、願わくはやっぱりもう少し深い、お互いによく理解し合った中での様々な交流が深まった状態の方がよいと私自身は考え、そのためのいろいろな努力をしたいと、かように考えております。
#13
○田村秀昭君 外務大臣としてはそういうお答えが一番いいんだろうと思いますけれども、私は、中国と何千年と付き合ってきてですよ、何のプラスにもならないと、相手にする必要ないというのが歴史的回答じゃないかなと私は思っているんですが、中国と親戚付き合いしても何の得ることもないと。というのは、中国というのは利用できるものは利用していくと、利用価値がなくなったら捨てていくというのが国民性ですから、そういう国民と付き合うことないんじゃないかと、幾ら隣国でも。特に隣というのは、隣とか近所というのは余り付き合わない方がいいんじゃないかというのが私の見解でございますので、そういう考え方持っているやつもいるということを頭の片隅に入れておいていただければ幸いであります。
 それでは次に、靖国神社の参拝の問題ですが、アーミテージが、前米国の副長官が、他国から参拝するなと指示されるようなことがあれば逆に参拝すべきであると言ったと報道されております。特に靖国神社の問題で中国から何か言われる筋合いではないと。私は、そういう意味では小泉総理というのを非常に尊敬している。あの人だけですよ、戦後の総理大臣で靖国神社に参拝した人は。あとはみんな隣国を考えるとかなんとかと言って理屈付けて、国家の基本的在り方についてきちっとした態度が取れない歴代の総理大臣だったと私は思っています。そういう意味では、(発言する者あり)そうでしょう。だけど、今の総理はちゃんと行っているじゃないですか。私は、そのほかに、あの人を非常に尊敬しているんですよ。いや、別に伝えてもらわなくてもいいですけれどもね。
 私は防衛大学の卒業生で、ここ二十年間ずうっと卒業式行っているんです。それで、総理大臣になられてからは当然小泉さんは出席されていますけれども、もう一国会議員のときからずうっと来ておられる。しかも、その儀式だけ、卒業式二時間あるんですよね、あれ全部渡すから、その期間だけ必ず出席して、それで卒業式が終わったらすぐ帰る。食事とかそういうの一切しない。で、初めは横須賀の出身だから来ているのかなと思っていたら、全然そうじゃない。横須賀の出身の代議士って一杯いるんだけど、だれも来ない。あの人だけずうっと総理大臣になる前から来ている。やっぱりそういう意味で一つのきちっとした、別に野党ですから余り与党の総理褒めてもしようがないけれども、いや、そういう意味では私は尊敬しておると。いや、だれが何と言おうと自分の主義を通すという意味では、今、日本の政治家の中では希有な政治家じゃないかなと私は思っているんです。
 それで、あと、そんなこと言っていてもしようがないんで、防衛庁長官に二、三お尋ねします。
 まず、イラクの派遣延長について、長官は二十七日に、イラクの経済発展の状況、治安状況やイラク治安部隊の能力向上の状況、政治プロセスの進捗状況、それから国際社会の各国の動向を判断基準にして延長について考えるというふうに報道、言われておりますけれども、その点についてもっと具体的に、こういう状況がどうなったらどうするのかという明確な基準を示していただかないと、自衛官はいつどうなるのかなと思っているわけですよね。もう長官の命令に命懸けでやっているわけですから、行く人に対してもっとはっきりした基準を示していただきたい。
 ただ、こういう状況、状況、状況というのは、こういう状況になったときには延長するよ、こういう状況になったときはこうするんだよということをもっと分かりやすく、そんな頭のいい人がたくさんいるわけじゃありませんから、分かりやすく隊員にしていただきたいと。
 それで、毎回申し上げておりますけれども、自衛隊の位置付けをもっと早く明確にして、それで行く人に名誉と誇りを与えて行かしていただきたいということを私は強く要求し、長官は就任の所信表明の中で国防省にするんだと言っておられて、全然まだなってないんですが、それはもう、まだ長官お続けになるおつもりだと思うんですが、しっかりやっていただきたい。その見通しについてお答えください。
#14
○国務大臣(大野功統君) まず、イラク・サマワへの自衛隊派遣の期間をどうするんだと、こういう御質問でございます。
 私は、従来から四つの要素ということを申し上げておりますけれども、これは四つの要素を総合的に判断する、総合的に四つの問題を考えながら判断していくということと、もちろん自主的に判断していこうと、こういう意味でございます。
 それからもう一つ、それぞれのファクター、要素に入る前に申し上げたいのは、やはり余り明快にこの問題を規定してしまいますと、言わば反対勢力に誤ったメッセージを与えてしまう場合もあろうかと思います。その点を御了解の上で、まず第一に申し上げたいのは政治プロセスの問題であります。
 政治プロセスは、国連安保理決議一五四六に書いてありますとおり、既に憲法起草委員会ができ上がっておりまして、八月十五日までに憲法草案を作ろう、それから十月十五日までに国民投票をやりましょう、そして十二月十五日までに議会を選挙をやって、その後、本年内に本格政府、移行政府から本格政府をつくり上げていきましょうと、こういう政治プロセスであります。これは正に専制国家から民主主義国家へ生まれ変わってもらう、こういう意味で大変重要なプロセスであり、国際社会としてもこの政治プロセスを完成さしていく、このことは注意深く見守っていき、またそれを支援していく責務があると思っております。
 それから、治安の問題であります。治安につきましては、今自衛隊が人道復興支援で活動しております。また、現地の治安組織、治安機関もだんだんと育成されてきております。しかしながら、自衛隊は言わば第一走者みたいなものでございまして、第二走者としてやっぱり民間のNPOなり民間の手でサマワの復興をお手伝いできるようになれるのかどうか、これがやっぱり節目の問題だと思います。まだまだそういう意味じゃ、NPO、民間の皆様が入って支援活動できるような状態ではないのかなと。この点は、やはり私は第一走者自衛隊と第二走者民間の人々の支援の手、これをつなぎ合わしていかなければ、せっかく自衛隊が築き上げたソフトパワーによる友好のきずなという火を消してはならないなと、こんなふうに思っております。
 それから、イラクの復興の進展状況でございます。これ、極めて抽象的な表現にとどまりますけれども、私はやはり自分の目でイラクを見てみまして、これはなかなか道半ばだな、復興という意味じゃ道半ばだな、こんなふうに思っておるところでございます。
 そして、最後に、国際社会の動向でございますけれども、国際社会の動向としましては、五月の末に現在の一五四六のマンデート見直しが行われました。その際はマンデート変更なしということでありますけれども、やはり安保理決議というのは、まず政治プロセスを十二月末までに完了していこう、そして多国籍軍のマンデートというのは政治プロセス終了までだと、こういうふうに書いてありますので、その辺をどういうふうに判断していくのか、この国際社会の動向も極めて重要だと、こういうふうに思っておるところでございます。
 いずれにいたしましても、国際社会の責任ある一員として、私どもは、やはりイラクが民主国家として生まれ変わっていくことについて、日本の立場、つまり人道復興支援活動を十分にやっていこう、こういう意気込みで今後ともイラクの復興のため効果的な支援を継続していきたいな、こんなふうに思っているところでございます。
 それから二番目の、省の問題ということでよろしいのかと思いますけれども、省の問題につきましては、私、まず防衛庁、庁という言葉は、何だか実務をこなしていく省であって、なかなかだれかの命令で、だれかの意思決定で動いていくような印象を与えているし、一つ具体的に申し上げますと、例えば予算要求権もなければ法律提出権もない、こういうことであります。例えば、インド洋での給油活動を見てみますと、内閣総理大臣が油は提供しております、しかし防衛庁長官が自衛隊員は活動させていると、こういうような、何となく、よく考えてみますと、おかしいなと思うところがあるわけであります。
 今、防衛問題はだんだんと幅を広げていっております。一つ例示的に申し上げますと、例えば昨年の防衛大綱の改正、見直しに当たりまして、国際活動に重点を置いていこう、これなんかも随分と判断の幅が広がっていく。その判断をだれが一体やるんだろうか、こういう意思決定の問題であります。
 何よりも私、ここで先生に強調したいと思いますのは、安心をお届けする、国民の皆様に安全と安心をお届けするというのは正に政治の基本である、政治の要諦である、これはやはりそういう国の姿勢を内外に示していかなきゃいけない。
 私は、そういう意味で、この問題を引き続き、いろんな党でそういう議論をいただいたり応援をいただいております。本当に民主党の中でも御支援をいただいておりますけれども、この問題については国民の理解が一層深められることが重要だし、もう潮どきだと思って私はその問題、防衛省にしたい、こういうことを申し上げ、この努力を、今の流れの中でちょっと遅れておりますけれども、この遅れにめげずに、めげずに頑張って、是非とも省に移行していきたい、このように思っておりますので、十分御議論いただきたいし、また御支援をちょうだいしたい、このように思っておるところでございます。
#15
○田村秀昭君 終わります。
#16
○佐藤道夫君 引き続いて私から、外務大臣それから防衛庁長官、両大臣に外交防衛の基本的なことについてお尋ねしたいと思います。基本的なことでございますので、率直な、忌憚のない御意見を承ることができればこれに勝る幸せはないと、こういう思いを持っておるわけでございます。
 最初に、北方領土問題を取り上げます。
 実は、数か月前に一度この委員会で取り上げたわけですけれども、あいにくと町村外務大臣は当時外遊中でありまして、主のいないところで何かいろんな話をしたという程度のことに終わってしまいましたので、北海道出身の町村外務大臣、どうか忌憚のない本当のお話をしていただければ有り難いと、こう考えておるわけであります。
 そこで、北方領土の問題につきまして、最近、今月の四日になるんでしょうかね、駐日ロシア大使のロシュコフという方ですか、この方の発言がマスコミで大きく報道をされたわけで、関心のある方は皆読んでおられると思います。要すれば、北方領土、日本が北方領土、北方領土と言っている北方四島、これを日ロの共同管理体制にしていこうと、共同所有みたいな感じにしようということで日本の要求にこたえようと、こういうことだろうと思います。
 こういう具体的な話がロシア側から提示されたということはそれなりに評価してよろしいのではないかと、私はこう思っておりますけれども、町村大臣、いかがでしょうか。
#17
○国務大臣(町村信孝君) 北方領土の問題は、戦後六十年たって六十年前と全く変わらない姿で今日まで来ているわけであります。一九五六年、日ソ共同宣言というものが出されたわけですけれども、その時点でも明快な結論を領土については出すことなく今日まで来ております。
 基本的に、私は、日本の外交の在り方として、この六十年続いた姿を更にこれから五十年、百年続けていくというのも一つの外交の姿かなとも思います。それはそれで一つの選択だろうと思います。
 私はそうは思いませんで、これは日ロ双方の利益というか、立場といいましょうか、から見て、いつまでも交わることのない平行状態を今後また何十年、何百年も続けていくということではなくて、どこかで接点というものを見いだす努力を真剣にしなければいけないと思っております。もちろん、我々の諸先輩がそれぞれの状況の中で、あるいは冷戦の下で、あるいは冷戦が終わった後、いろいろなそう努力をしてこられたことに敬意を払うものでございます。しかし、結果は平行線のままでした。
 したがって、すべてを私の外務大臣在任中に解決できるなどという僣越な思いを持っているわけでもございませんが、何か一歩でも二歩でも事態がより良い方向に進むための足掛かりをつくるための外交的な努力をしたいと、こう思っております。
 今、ロシュコフ大使の発言が行われた、私も報道で知ったわけでございますが、これは大使御自身が一つの仮説的な可能性と述べておられるようでございまして、ロシア政府のもとより公式の見解ということではないようでございます。
 いずれにしても、私は、昨年の十一月ですか、ラブロフ外相が領土の問題について触れ、そのことをまたプーチン大統領も再確認をするというようなことに始まって、ある意味ではロシア側から積極的に触れる必要がない問題を先方からいろいろ触れてくるということは、私は考えようによっては前向きな姿勢を表しているものではないかというふうにも取れるわけでございまして、そうした先方の考え方というものを私どももしっかりと受け止めて、より議論を深めていく必要があるんだろうと思います。
 共同統治そのものについては、必ずしも、それはプレスとの中でのコメントですから、正確なものでないかもしれないし趣旨が必ずしも分かりませんので、あえて私の方からこの段階でコメントはいたしませんけれども、いずれにしても領土問題を何とかしたいという、そういうロシア政府の姿勢の表れなのではなかろうかと、かように受け止めているところでございます。
#18
○佐藤道夫君 私は、三十年前のある出来事を思い出したわけでございます。今回の談話をきっかけとしてと、こう言ってもいいと思います。
 三十年前の出来事といいますと、金丸信という自民党副総裁、それから有名な鈴木宗男という元衆議院議員、このお二方が当時のソ連を訪問して、やっぱり北方領土の返還を求めたと。そして、いろんな交渉が行われたけれども、どうも話がうまくいかないということで、もうここまで来た以上は金で解決するかと、こういう発想になったようなんですね。そして、それが幸か不幸か外部に漏れてしまったと。日本のマスコミからインテリは、もう皆いきり立ってけしからぬと、日本古来の領土を金で買い戻すとは一体何をこの連中は考えているんだということで非難されまして、二人ともさすが心臓の強い政治家ではありますけれども、どうもこれはやばいということで話を撤回したようでありまして、その後、金で買い戻そうという動きは日本の政界からは出ていないようです。
 しかし、一つの方法論ではないのかと。泥棒が物を盗んでいったと、それをまあ警察を使って、言わば武力を使って取り戻すということでしょうけれども、非公式に話し合って幾らか金をやって返してもらうと、これだって私はそんなに恥ずかしいことではないと、こういうふうに思っているわけでありますけれども、一体この話はどうなってしまったんだろうかと。
 そうして、その後の日本の動きが大変おかしいことは、当時のソ連に対して大変法外な対ソ援助金を支給、支出しているわけです。北方四島、いろんな施設を造る、いろんなことをやると、それはもう金で解決することと全く同じではないのかと。ところが、現金を出すと言ったらば皆むきになって反対反対と、こう言う。で、北方四島に施設を造ったりする、そこに住んでいる人たちの生活環境を良くしてやろうと考えていろんなことを行う、その金だって膨大なものなんですけれどもね。それはいかなる意義も今は発揮されていない、ただ何か日本が金をつぎ込んでいると、それだけのことなんですね。
 まあ、いずれにいたしましても、もう一度金で解決すると、そんなに恥ずかしいことでもないと思うんですよ。一つの問題として外務省あるいは日本政府が考えていいんじゃないかと。今北方四島につぎ込んでいる、それからソ連に対する援助と、今のロシアですね、それだって相当出ているわけで、それだけの金があればあんな四島を取り戻すことはいとも簡単な話なんですよ。
 これに、こういう考えについてどうでしょうかね、外務大臣は。
#19
○国務大臣(町村信孝君) 先ほど、委員、三十年前と言われましたが、三十年前は金丸先生は議員だったと思いますが、鈴木君は議員ではないので。なぜかというと、私は二十二年前に鈴木君と一緒に当選したもんですから、多分もうちょっと手前かなと思われます。十年前とか十五年前のことかなという気はいたします。ちょっと正確ではございません。
 いずれにいたしましても、お金で解決、私もうろ覚えでございますけれども、大規模な経済協力をロシアに提供をするというようなアイデアがあった、ちょうど冷戦が終わった直後ぐらいのときの話かなというような、うろ覚えでございますが、あります。お金で解決をするという方法は、いろいろ手段を並べればそのうちの一つなのかもしれません。
 ただ、なかなかこの領土の問題というのはお金になじむというか、そういうその経済協力をやったからすぐ返ってくるという性格のものであるかないかといえば、やはりどの国、いろいろな国々の間に国境紛争等がございますけれども、それらを見ていると、やはりたとえ一センチ平方メートルの土地であったとしても、それの帰属についてはそれぞれの国が国家の主権を懸けて猛烈な議論をし、猛烈な交渉をして、一定の落ち着くところに落ち着いていくということで、私もすべてをもとより知っているわけじゃございませんが、現実になかなかお金で解決をした領土問題というのがあるのかなということを考えてみると、私の知り得る限りでは余り例がないのではないかというふうに思われます。
 今やっておりますのは、四島ビザなし交流ということを中心に、四島に住んでいるロシアの人たちのより良い生活環境をつくることが北方領土返還の環境整備として意味があるということでやっているんだろうと思いまして、それは何千億円、何兆円という膨大なお金が今四島につぎ込まれているわけではないのは委員御承知のとおりでございます。
 いずれにいたしましても、基本的なスタンスというのは、日本の固有の領土である四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するというこの方針は変わりはないわけでございますが、その方針に基づいて先ほど申し上げました何らかの懸け橋を架けることができないだろうかということで今ロシア側と真剣な話合いをしているところでございます。
#20
○佐藤道夫君 それも結構ですけれども、やっぱり一番手っ取り早いのは金で解決するということなんですよね。泥棒に金をやろうなんて、そんなばかなことあるかという気持ちも、これ十分に分かるんですけれども、しかし、いつまでたっても、何十年、何百年たっても北方領土問題で日本とロシアがまた言った、言わないとかいうことを繰り返していると、もういい加減にしてほしいということを考えている国民も多いのじゃなかろうかと、こう思います。
 先ほど小泉首相の、大変褒めたたえる言葉がありまして、大いに結構なことで、小泉さんが、案外こういう提案をすると、ああ、それはいい考えだと、早速やろうと、金はもう何ぼでも出すぞというぐらいのことは、あの人ですから簡単に言うんじゃないかと。そして、さすが小泉は違うと国民もまた拍手喝采をするということにもならないとは限らないので、どうかひとつ機会があれば小泉総理とも十分に意見を交換して今後の対応を考えてもらいたいと思います。
 それから、もう一つ、北方領土に関連して、外務大臣は大臣就任後、北方領土にはまだ行かれてないようであります。沖縄北方担当大臣がいるから自分は違うと、担当者ではないと、そんなお気持ちなのかどうか分かりませんけれども、北海道の人が北方領土に対して大変に深い思いを持っていることは十分御理解があろうかと思います。私も北海道とは関連があるものですから、彼らと会って話をすると、すぐ、彼らというのは北海道人の方から北方領土の問題を持ち出して、先生、どうすればいいんでしょうかと、私の親はあそこの出身です、親戚にはまた向こうで頑張っていた連中がおりますと、会うと必ず加藤登紀子の歌が流れて、そして皆涙を流さぬばかりにして北方領土に話をすると。やっぱりそれが北海道の人たちの本当の心情だと思います。
 町村外務大臣も北海道人ですから同じだと思います。まだ行かれてないというのは、言わせる人に言わせると外務大臣として一体、何も考えてないんじゃないかと、あるいはそういう問題に自分はかかわりたくないと思って、おれは担当ではないということを、気持ちを持っているんだろうか、あるいは本当に北海道生まれなんだろうかと、そういうことまで私の耳に入れる人も出てきてもいる。
 どうかひとつこの機会に是非、北方四島を訪問して現地の人たちと心を開いて話し合う、これが大事なことで、彼らだって喜んであそこに住んでいるわけではないと思うんですよ、機会があれば逃げ出したいと思っているんじゃないかと思いますけれども、いずれにしろ、じっくりと話し合って今後のこの土地の在り方、これをお互いに話合いの中から解決策を見いだしていく、これが二十一世紀の政治というものじゃないのかと思うわけで、建前論、観念論だけでやっていたのでは解決なんかとても出てこないと思います。いかがでしょうか。
#21
○国務大臣(町村信孝君) 私自身、外務大臣就任前も、また就任後も、北方四島そのものに直接足を入れたことはございませんが、北海道、道東の方には何度も足を運び、北海道から何度も四島を目の当たりにいたしております。大臣就任後も、今年の三月のことでございましたけれども、ちょうどいい天気で、北方領土の見える根室で自民党の研修会がございまして、そこで北方領土関係者、旧島民を始めとする大勢の方々にお目に掛かりましたし、また北海道知事を始め、大臣就任後も随分数多くの北方領土関係者にはお目に掛かり、直接お話も伺っているところでございます。
 今、委員は北方領土担当ではないから解決をする気がないのではないかという御指摘もいただきましたが、私は、外務大臣の重要な職責として、そして大臣就任のときの小泉首相の指示を五ついただきましたが、そのうちの一つもまたこの北方領土問題の解決ということが挙げておられたことを、私、今でもよく記憶をいたしております。そういう思いで、私自身、外務大臣として微力ではございますが全力を尽くしてこの問題の解決に努力をしたいという思いはございます。
 四島に足を、直接渡航したらどうかという御示唆でございますが、この問題についてはよく考えさせていただきます。
#22
○佐藤道夫君 プーチン大統領が訪日をするという話が大分前から流れておりましたけれども、どういう訳か取りやめになってしまって、その話は二度と流れてこないと、何かあったんだろうかと。恐らく、ロシアの側近たちが、日本に行けば北方領土問題で大騒ぎになって何か約束させられると、裏金ぐらいもらえるかもしらぬけれどもそれはあなたのためにならぬというふうないろんな話があって取りやめたのかという気もしておりますけれども、その辺はいかがでしょうか。
#23
○国務大臣(町村信孝君) 昨年のG8サミットの折に、プーチン大統領から小泉首相の方に、来年は自分が行く予定であるというお話があったわけでございます。
 その後いろいろなやり取りがあったわけでございますけれども、去る六月二十二日の日にブリュッセルで、私、ロシアのラブロフ外務大臣と話合いをいたしまして、その中で、十一月にAPEC首脳会合というものが韓国で行われますが、その直前あるいは直後に日本を訪問をするという方向で今考えておるので、具体の日程はよく詰めて近いうちに最終合意しようということになっております。
 どうも、釜山に来られるときと、その前後というと、何かそのついでに日本へ来たというような印象を与えるのはかえって日本には失礼ではないのかというような思いもあったようでございますが、そこは余りこだわる必要がないのではないかというようなことを申し上げ、そういうことで、近々G8首脳会合がイギリスで開かれるわけでございますが、そんな折にでも先方からお答えがあるのではなかろうかと思ったりもしているところでございます。
#24
○佐藤道夫君 北方四島というのは明らかに日本固有の領土なんですね。あそこにソ連軍が、当時のソ連軍がやってきたのは、昭和二十年、終戦の年の九月になってからなんですよね。戦争は八月で終わっているわけですけれども、少し、アメリカの顔をうかがいながらソ連が少しずつ少しずつ進んできて、最後に九月半ばになって、戦争が終わって一か月たってから初めてあそこに上陸してきて、万歳、万歳、これは我々の領土だと、こういうふうになってしまったわけで、ソ連人、今のロシア人も、あれは完全に我々の侵略であったということを認めているわけです。
 やっぱり、こういうことは言うべきことはきちっと言って、そしてそれから先はいろんな解決方法があるわけで、最後まで話し合おうとか、いや、もうここまで来たら金で済まそうとか、それはもう政治家の一つの判断だろうと思います。どうか外務大臣も、北海道出身の大臣として、この問題を解決して歴史に名を残すという方向で頑張ってください。町村列島なんというような名前が付くかもしれません。よろしくお願いします。
 そこで、今度は国連の安保理事会の常任理事国問題についてちょっと両大臣の感覚を伺えればと思います。
 これが公になったと、日本が常任理事国になるということに対して直ちに中国反対と、それから韓国も反対と、こう言っておるようで、今まで中国や韓国の担当者と会見をなさることは幾らでもあったと思います。どういう理由で中国は反対しているのか、余り詳しく言わないんですね。それから、韓国が反対している理由もよく分からない、ただ反対反対と言っているだけ。今までの会見でいろいろ話が出たと思います。その反対の理由を、彼らが言っている反対の理由はどこにあるのかということを説明願えればと思います。
#25
○国務大臣(町村信孝君) 今まで何度か、中国及び韓国の外務大臣と直接会談をする機会に、この問題を取り上げて議論をしているところでございます。
 国連の改革あるいは安保理改革の必要性ということについて、これは内容は別として、とにかく今のままではまずいよねという認識については私は一致したものがあると、こう思っております。じゃ、その具体論になるとどうかということでございますけれども、直接私に向かって、あなたの国が常任理事国になることに反対だと言われたことは私は一度もございません。
 ただ、いろいろな表現をしております。例えば、中国は、常任理事国についてはより発展途上国の声が反映されるべきであるとかですね、具体にどこという国名は挙げませんけれども、そういうような表現を取ることもあります。あるいは韓国は、非常任理事国の数を増やすことが重要であるというような表現をすることもあります。直接ではないけれども、間接的に、日本が常任理事国入りをすることには反対だということを多分言いたいんだろうと思います。
 そして、彼らの反対の主張というものは、むしろ、いろいろな他国を訪問した折であるとか、あるいはマスコミとのインタビュー等々の場で、大臣そのものは言わないにしても、周辺の人たちがいろいろ言っているということを私は報道を通じて知っているわけでございまして、率直に言って今そういう意味で中国あるいは韓国が日本の常任理事国入りに直ちに賛成するという状況にはないんだろうと、こう思っております。
 ただ、外交でございますから、様々な努力をして彼らのやっぱり理解も得ていくということも大切なことだと、こう考えており、一生懸命努力をしてまいりたいと思います。
#26
○佐藤道夫君 防衛庁長官、いかがでしょうか、次元の高い政治家のお一人として、この問題について御所見を承ればと思います。
#27
○国務大臣(大野功統君) 私は、やはり日本としてここまで国際的な役割を、平和と安全のために国際的な役割も担っていこう、いろんな意味で国際的に頑張っていこうという国になれたわけですから、またなったわけですから、ここで国連の安保理常任理事国になる、そしてその責務を果たすというのは当然のことだと思っております。
 ただ、それについては様々な問題がある。それを解決していくためには、やはり私は、人間関係の信頼感を構築していく、そのためのあらゆるお付き合いをする。信頼関係を構築するというのは、向こうの言うことに妥協するとか、そういうことではありません。言いたいことは言い合う、ただし、お互いにその後はそれこそお酒でも飲みながら、老酒飲みながら話合いをすると、こういう関係をもっともっと濃くしていくべきじゃないか、こんなふうに思っておるわけでございます。
 我々としても、その一環として、最近では事務次官を中国に派遣しましたし、また今度、秋の自衛隊音楽祭に中国のマーチングバンドを是非とも招待したい。招待して、来てくれればですね、そこで音楽のマーチングバンドの、両国のマーチングバンドの醸し出すハーモニーが何とかひとつこの信頼関係につながっていかないかなって、こんな思いで、やはり基礎づくり、少し時間掛かるかもしれないけれども、基礎をつくっていかなきゃいけない、こんなことを今感じております。
#28
○佐藤道夫君 最後になりますけれども、大いに頑張ってください。やっぱり一人一人の担当者が向こうの担当者と話し合う、それがいわゆる世論形成に大変な意味を持つんだろうと思います。一番偉い人がああだこうだと言うよりも、やっぱり下地づくりということを真剣に政治家としてそれぞれが立場で考えていってほしいと、こういうふうに思っております。
 以上、終わります。
#29
○緒方靖夫君 私は、政府が取り組まれている日本の国連安保理常任理事国入りについて質問したいと思います。
 私たちは、日本の常任理事国入りには賛成する立場です。しかし、そのためには、やはり幾つかクリアしなきゃいけない大事な問題があるというふうに考えております。それは、やはり日本が国連憲章の原則を擁護する。違反に対してははっきりと違反だということも明確に述べる。それからまた、とりわけアジア諸国の信頼と尊敬をかち取っていく、このことが非常に大事ではないかということを痛感いたします。
 まず最初に、この件について、G4案の多数派工作、それからアメリカの対応の分析、見通しについて大臣にお伺いしたいと思います。
#30
○国務大臣(町村信孝君) 今、日本、インド、ブラジル、ドイツでG4という一つの固まりをつくって枠組み決議案というものを提出する準備をしております。
 枠組みというのは、個別の国の名前を挙げる前に、常任理事国を六か国、非常任理事国を四か国増やす、それには拒否権をどうするとか、いつごろ見直すとかいうようなことを含めた決議案でございますが、その案について皆さん方に賛同を得つつ、さらに御意見があればどうぞという形で支持拡大運動というものをやって、特に、一緒にこの共同提案国になってくださいというような働き掛けもやっている最中でございます。
 去る六月二十二日、ベルギーで四か国の外務大臣会合というのを私が呼び掛けて開きました。そこでは、この枠組み決議案の今後の持っていき方というものについて議論したわけでございますけれども、七月の上旬にアフリカ・ユニオン、要するにアフリカの国々の首脳会合というのがあります。それから、同じころに、やはり七月上旬にカリブ海諸国、CARICOMと言っておりますが、CARICOM首脳会合というのもあります。それらの会合の後の国連総会で採決をしたらどうだろうかと。余り彼らが重要な会議をやっているときに急いでどんどん進むというのはやっぱり彼らの主体性を損ねるというような配慮をすべきではないかということを私どもの方から申し上げ、そういう方向で一致をしたわけでございます。そういう状態で、今G4としてはまず枠組み決議の採択ということに全力を挙げております。
 アメリカがこれに対して、六月のいつでしたか、半ばに国連の場で提案を出しました。これは、常任理事国を日本を含め二か国程度、非常任理事国を二ないし三という増加をさせるということで、したがって、トータル今十五でございますから十九ないし二十と、こういうような提案をしてまいりました。
 具体のこういう提案をされたということに私どもは敬意を表しておりますけれども、現実に、この提案でアフリカ諸国を含めて三分の二の賛同が得られる内容なんだろうかどうだろうかというようなことを私どもは今思って、アメリカ提案に対して各国がどんな反応をするのか、今いろいろ調べたり見極めたりしております。
 いずれにいたしましても、今後、先ほど申し上げましたG4の結束を重視しながら、とにかく賛同してくれる国を募るという作業をやりながら、さはさりながら、アメリカも大変影響力のある大きな国でございますので、アメリカとは今後とも引き続き意見交換を行いながら、彼らの理解も得る努力をすると。どっかでもしかして接点があり得るかどうか、議論を引き続きやっていこうということにしております。
#31
○緒方靖夫君 そこでよく考える必要があるのは、やはり日本がどういう力で常任理事国入りするかという点だと思うんですね。
 七月にイギリスで開催される予定のサミットがありますけれども、その重要議題というのはアフリカへの経済支援拡大と言われております。これについて、私たまたま、おとといのジャパン・タイムズ見たんですけれども、薮中審議官がインタビューしております。これを見ますと、この問題と結び付けて、短期的にはアフリカ諸国への経済支援は日本の国連常任理事国入りに役立つだろうということを述べているわけです。
 それはそうかもしれませんけれども、しかし、途上国への経済援助が非常に重大な課題だということが言われているときに、こういう形で、言わば票集めの手段としてこういう形で出されるということは、やはりそういう指摘がいろいろとなされているときだけに、やはり私はそういうことでいいのかなということを感じるわけですけれども、その点について、外務省として多数派工作をする際にそういう発想でやられているかどうか、大臣にお聞きしたいと思います。
#32
○国務大臣(町村信孝君) 委員御指摘のように、今度のグレンイーグルズのG8サミット、アフリカ問題、それと気候変動問題、二つが大きな議題であるということになっております。
 アフリカ問題については、委員も御承知のとおり、日本は、そうですね、八〇年代、まあ今でもそうでありますが、アジア中心ということで様々な支援をしてまいりましたが、特に九〇年代に入ってから改めてアフリカということに注目をし、TICADという、トーキョー・インターナショナル・コンファレンス・オン・アフリカン・ディベロプメントですか、要するにアフリカ開発のための東京国際会議という、TICADというものを立ち上げまして、これは九三年が最初でございますが、それ以降、様々な形でアフリカ諸国との交流を深めつつ、さらに日本としてアフリカの発展をお手伝いをするということをやってまいりました。
 そのことは、私は、アフリカの心ある方々は非常によく理解をしてくれておりまして、やはりどうしても今までの歴史的なつながりでいくと、植民地支配のことも含めヨーロッパとのつながりが深いアフリカですが、アジアの日本がこれだけアフリカのことを考えいろいろやってくれるのかということについて、非常に感謝もされていると。
 したがって、今回のアフリカが大きなテーマになるという際に、私どもはそうしたこれまでのアフリカ支援の取組の姿勢を更に一層強化をするんだという位置付けであって、それはたまさか今、常任理事国入りの問題があるので、それはそれに役立つかもしれませんが、よしんば常任理事国入りの問題がなかったとしても、私どもはこのアフリカ支援、アフリカの特に貧困問題、あるいは貧困にまつわる様々な、エイズの問題でありますとか数多くの問題があります。そういう問題の解決をしていかないと、世界の平和と安定、発展というものも期待し得ないんだと、こういう思いで私どもはアフリカ開発支援をこれから一層強化をしていくと、こういう考えであると。
 先般六月二十八日、小泉総理がアフリカから日本に来ておられる大使の皆さん方を官邸に呼んで日本の考え方を説明をいたしましたが、正に今私が申し上げたような考え方で小泉総理も御説明をされたと聞いております。
#33
○緒方靖夫君 それは結構なんですけれどもね。結局それが常任理事国入りのためだと、直接役に立つという、そういうことが言われると、まあ何だそういうことなのかという、そういうことにもなってくるわけですよね。ですから、やはり言葉には慎んでいただきたいという、そういうことを申し上げておきたいと思います。
 その点でもう一つ、やはり隣国との関係、これが非常に大きな問題だと思うんですけれども、さきの日韓首脳会談でも、九割以上の時間が歴史認識をめぐる問題に費やされたと。そういった点では、首脳レベルで自説の言い合いと、そしてそれが互いに言いっ放しという異例の会談になったとも言われております。
 ここで一々申し上げませんけれども、先方は、靖国参拝問題が日韓関係の歴史問題の核心だということを述べたと先方が発表しておりますし、そして、その点で靖国神社には、過去の戦争を誇り栄光のように展示している、そういう施設があると、また過去の戦争と戦争の英雄を美化する、そういう国が隣にあることはという、そういうことから始まって、長い話があったというふうに聞いております。
 まあ、首脳間で率直な議論をしたといえばそれまでなんですけれども、一方で、首脳レベルでこれだけ激論を交わす、しかもそれが激しい深い溝を残すという、それだけになったとしたら、これはやはり私は、外交としてどういう形でこれを修復し、改善の方向に向けていくのかということは当然大きな課題になるし、これはやはり常任理事国入りとも結び付くと思うんですよね。
 その点で、大臣はその点でも、一緒に参加されたと伺っておりますし、よく御存じだと思いますので、どういう方向でこの関係を打開するのかということについて端的に、短くて結構ですから、お伺いいたします。
#34
○国務大臣(町村信孝君) 確かに異例といえば異例なのかもしれない、私も首脳会談に一杯陪席しているわけでもないものですから、よく分かりませんが。しかし、私は、腹蔵なくそれぞれが本音で考えていることを言うということは大変いいことだと実は思っておるんです。そこで意見の違いがあったとしても、私はそれはそれで意味があると。
 やっぱり今後とも、違いはあったとしても、将来にわたってその対立を克服していこうということの共通認識ができたことは重要だったと思っておりますし、また、より具体には、新たな追悼平和祈念施設について日本国民の世論等諸般の事情を考慮して検討していくということも合意をされましたし、また歴史共同研究を、第二回目といいましょうか、第二次の研究を始める中で、教科書の扱いについても小委員会をつくって検討していこうと、議論していこうということについて一致をしたと。また、北朝鮮問題への対応の仕方、あるいは両国の交流、人的往来の拡大、羽田―金浦空港間の便を一日四便から八便に増やそうといったようなこと、そして次の首脳会談を年内に日本で開催をするということも合意をされたということでありまして、私はそういう意味で、何の合意もなくそのまま終わってしまったというわけではなくて、幾つもの合意もあった。
 また、特に戦争のまだ傷跡が残るというような問題もありますので、遺骨の返還でありますとか、あるいはサハリンに残された韓国の方々への支援でありますとか、あるいは在韓被爆者の問題、こうした問題についても今、日韓間で真剣な議論あるいは具体の対応について議論もされているということでありまして、一から十まですべて対立をしているということではないという点については、私は今後更に日韓関係が改善をされていく幾つものモーメントがあるんだと、こう私は思っております。
#35
○緒方靖夫君 政府と同時に国民レベルの、韓国では例えば日本が嫌いだという国、これが、このパーセントが大きく増えている。それと同時に、安保理入りに反対だと答えている、そういう世論が今や八五%にも達している。中国の場合には八七%と言われております。ですから、いずれにしても、この問題、やはり歴史問題の解決ということがやはりこの問題ともどうしても結び付くと思うんですね。
 それは理論的にもそうなるんですよ。というのは、やはりファシズムと軍国主義を否定して、そして民主主義の勝利として戦後がつくられると。そして、それが国連の機構となり、それから国連憲章となっているわけですよね。そういう国連に対して、靖国神社の参拝に見られるように、あの戦争は正しかったんだ、そしてA級戦犯のぬれぎぬを晴らすんだという、そういう形で祭られているところに総理が参拝するというそのことが近隣諸国をいたく傷付けている、そして不信感を持たれている。その点では国連の成り立ち、これを否定する、そういう考え方に立っていると見られるという、それが今の大きな問題だと思うんですね。
 ですから、そうなってくると、結局、平和と安全に、そして戦後の世界の平和と秩序に大きな責任を持つ、より大きな責任を持つ安保理の常任理事国入りということになったときに、そういう近隣諸国が安心してどうぞという、そういう立場に立てるのかと、そういうことになると思います。
 ですから、世論調査は別に論理的に進めているわけじゃないけれども、日本がちょっとおかしいぞという形での世論が増えている、そしてまた常任理事国入り反対という世論もそれと相関関係で増えている。そして、そのときにやはり我々として考えなきゃいけないのは、やはり日本の外交として、この歴史認識の問題、このことを解決することがやはり国連の常任理事国入りということを目指す上でも非常に大事な問題であると、そのことをきちっと見ておく必要があると思います。
 その点で外務大臣の見解を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
#36
○国務大臣(町村信孝君) 小泉総理の靖国参拝の考え方、これはもう総理が国会等その他で累次お話をしているとおりですから一々は繰り返しませんが、決して小泉総理の靖国参拝が戦前の日本の植民地支配あるいは侵略行為を美化したり正当化したりするために行っているわけでもございませんし、靖国神社は神社としてのいろいろな歴史についてのお考えがあるんでしょうが、それを、その考え方をあがめるために総理が靖国参拝をしているわけではないということは非常に私ははっきりしていると、こう思っております。
 日本政府として、戦前の反省の上に立って、戦後、正に平和をつくる国と、平和立国ということを前提にして様々な、専守防衛でありますとかあるいは非核三原則でありますとか、いろいろな日本が平和国家としてこれからやっていくということを具体の姿勢、具体の政策で表しておりますし、また、ODAばかりではなくて青年協力隊等々、様々な形で世界の平和と発展に協力をしてきた、貢献をしてきた。最近はPKOの活動を始めとして積極的な自衛隊の皆さん方による平和活動というものもやっているではないかと。
 そういう日本の戦後の、正に言葉ではなくて行動によって、日本が正に平和というものを追求し、世界に平和を広めようと、そういう姿勢でやってきたということについて正しい評価を皆さん方からしていただけていると、こう思えばこそ私どもは安保理常任理事国入りにも立候補をしているわけでありますし、現に、非常に数多くの国々が日本こそそういう資格があるんだといって、非常に数多くの世界の国々が日本の安保理常任理事国入りに賛成をしてくれているというのは、正に戦後の日本の六十年間の平和に懸けるその活動というものを正当に評価をしてくれているからだと、こう私は思っております。
 ただ、まだ理解が、十分中国、韓国で理解が得られていないこともそれは率直にあるわけでございまして、この辺については今後引き続き外交努力を惜しまず傾注していかなければいけないと考えております。
#37
○緒方靖夫君 一言だけです。
 首脳レベルであれだけ議論をして、しかし理解されないという、それが大事なんですよ。しかも、日本と同じ価値観を持つ韓国で、しかもあれだけすばらしい友好関係を持って、そしてすばらしい関係を築いていたところで、その関係が急落するような状況をつくりながらこの問題があるということをやはり外交を担当する大臣としてはきちっと心に刻んでいただきたいと申し上げて、質問を終わります。
#38
○大田昌秀君 外務大臣と防衛庁長官にお願いいたします。これは質問通告はしてないので恐縮ですが、事実関係についてですから、お願いいたします。
 今朝の読売新聞の一面トップに、中台の有事の際の抑止力として、沖縄の海兵隊の戦闘部隊の削減や本土移転は困難だということを米国側の方が日本側に伝えたという記事がありますが、これは事実でしょうか。外務大臣からお願いいたします。
#39
○国務大臣(町村信孝君) 再編成問題、本当にいろいろな形でいろいろな報道があり、そのことがまた一つ一つ地域の皆さん方にある意味では御心配を掛けたり、あるいはいろいろな思惑を生んだりしているという状態は、大変私どももある意味では困った状態だなとは思っております。
 今朝の新聞報道について一々は申し上げませんけれども、現状で、まだ日米間で合意をされた内容というものがあるわけではございません。六月二十八日、二十九日、ワシントンで審議官級の協議も行われておりますけれども、まだその結果も聞いておりませんが、いずれにしても、こうした合意が達成をされたということはまだございませんので、様々な今具体のアイデアを持ち寄りながら真剣に議論をしている段階であるというふうに御理解を賜ればと思います。
#40
○国務大臣(大野功統君) ただいまの町村外務大臣から御報告申し上げたとおり、ただいまワシントンで審議官級レベルの協議が行われております。主たる内容は、アメリカと日本の任務、役割分担等でございます。あるいは能力、あるいは基地の共同使用とか、そういう問題であります。したがいまして、この問題、任務、役割等を考えます場合には、やはり平時の協力、それから有事の問題とありますが、前にも申し上げたかと思いますが、有事の問題につきましては不断にいつも議論していこうということでありますから、私はそういう問題が提起されたとは思いませんし、何ら報告を受けておりません。
 したがいまして、今回の会合でそういう問題が決定されるとは思っていませんし、それから、今のところ、外務大臣から御報告申し上げましたとおり、何ら具体的な問題は決定されておりません。
#41
○大田昌秀君 これまで何度も申し上げましたように、沖縄の米軍の人員からいって六〇%、米軍基地の七〇%は海兵隊の基地なんですね。海兵隊は御承知のように普天間に駐留しております。今、仮に普天間で今度人命事故が起こるようなことになったら、文字どおり政府が非常に大事にしております日米安保条約そのものの根底が崩れるおそれさえあります。
 ですから、そういう状況の中で、海兵隊の削減というのは、あるいは一部撤去というのはもう、県民がこれまでもう過去六十年間ずっと言い続けてきたことなんですね。しかも、米軍の犯罪とかあるいは事件、事故というのは海兵隊が圧倒的に多いわけなんです。そういう面からも非常に期待をしているわけなんですが、今回のトランスフォーメーションについては。
 そうしますと、これが事実でないとすれば、海兵隊の削減あるいは県外移転ということに対して我々沖縄の人たちは期待を持ってよろしゅうございますか。
#42
○国務大臣(大野功統君) これ、今回の米軍の再編成を協議するに当たりましては、先生十分御存じのとおり、我々いつも言っておりますのが、米軍の抑止力の維持をすると同時に、何といっても沖縄を中心とする負担の軽減でございます。負担の軽減といった場合に、数として目で見えるもの見えないもの、いろいろあろうかと思いますけど、そういう方向で我々は一生懸命動いているわけでございます。
#43
○大田昌秀君 外務省にお伺いいたします。
 在日米軍が日本国内の基地や区域を使用して訓練や演習を行う際の日本側への事前通告、事前通知については、どのような取決めがなされておりますか。
#44
○政府参考人(河相周夫君) お答え申し上げます。
 在日米軍の施設・区域で訓練等の通報に関しまして、すべての施設・区域、訓練水域に適用される一般的な規定というのはございません。ただ、個々の施設・区域の提供、公海上の訓練水域の指定に際して、日米合同委員会の合意において通報、訓練の通報について規定されている場合があるということでございます。
#45
○大田昌秀君 沖縄の基地における演習については、復帰の際の五・一五メモで明確に規定されていると理解しておりますが、それはどういう規定になっていますか。
#46
○政府参考人(河相周夫君) 沖縄の基地に関しましては、委員御指摘のとおり、昭和四十七年五月十五日の日米合同委員会合意によって、現地の合衆国軍隊司令官は、訓練場、演習場又は射撃場の射撃を伴う使用については、七日前までに日本政府の指定する現地日本側代表に対して通告をすると、こういう規定になってございます。
#47
○大田昌秀君 今回、金武町のキャンプ・ハンセン内のレンジ4に建設された、まあ外務省は陸軍総合演習施設と言っていますが、地元では都市型戦闘訓練施設と呼んでおります。スターズ・アンド・ストライプスというアメリカの新聞も都市型戦闘訓練施設というふうに書いております。
 それで、今そこで演習を始めようとして、県はもちろん、金武町それから伊芸区、みんな反対しておりますけれども、この五・一五メモに基づいて一週間前にきちっと事前通告はされておりますか。
#48
○政府参考人(戸田量弘君) 米軍の訓練実施に伴います演習通報の実務につきましては那覇防衛施設局が取り扱っております。その関係で施設庁の方からお答えさせていただきます。
 今般のレンジ4におけます実弾射撃訓練でございますけれども、米側からは、平成十七年六月十六日付けで、六月二十七日の週、これは六月二十七日月曜日から七月三日までの、日曜日の、一週間でございますけれども、にかかる演習通報が出されております。当該演習通報には、実弾訓練が実施されるレンジの一つとしてキャンプ・ハンセン内レンジ4が記載されていたところでございます。しかしながら、これまで、それ以前の演習通報と同様に一週間という幅を持った期間が記載されていたところでございます。具体的に陸軍複合射撃訓練場の使用開始日を特定することができないような状況でございました。
 他方、レンジ4におけます陸軍複合射撃訓練場の使用開始でございますけれども、地元の方々、大変強い関心をお持ちでございました。政府としまして、具体的な使用開始日が不確定なまま地元に通知したのでは地元に無用な混乱を招くことが予想されることから、正確な情報をお伝えするべく、地元に通知する演習通報への記載を控えて、米側に対して、レンジ4での訓練は地元の懸念に配慮するように、また部隊の練度維持のため必要最小限にとどめるよう、そういった働き掛けとともに具体的な使用開始日についての確認を行ってきたところでございます。
 これを受けまして、今般、二十四日午後、米側から外務省沖縄事務所に対しまして、六月二十七日より陸軍複合射撃訓練場の使用を開始する旨連絡があったわけでございます。これを、同日、那覇防衛施設局から直ちに電話によりまして関係地元自治体に通知するとともに、外務省沖縄事務所、また防衛施設局の連名によりまして公表し、地元住民等への周知にも努めたものでございます。
 また、同日付けの演習通報に係る文書も発出させていただいたところでございます。
#49
○大田昌秀君 同訓練施設を米陸軍の特殊部隊のほか他の軍隊も使用すると報じられていますが、米陸軍の特殊部隊とはどういう部隊ですか。
#50
○政府参考人(河相周夫君) お答え申し上げます。
 この当該レンジ4にあります施設を使用する部隊は、主としてトリイ通信施設に所在する米陸軍第一特殊部隊群第一大隊が使用すると、こういうふうに承知しております。
#51
○大田昌秀君 その特殊部隊というのはどういうことをやる部隊なんですか。
#52
○政府参考人(河相周夫君) 特殊部隊、これは陸軍の第一特殊部隊群第一大隊、これにつきましては、今までも国会で説明をしておりますけれども、精鋭部隊を中心とした戦闘に従事する部隊というふうに承知しております。
#53
○大田昌秀君 今度の訓練の内容はどういう訓練になりますか。
#54
○政府参考人(河相周夫君) 今後、このレンジ4における施設において具体的に実際どういう訓練が行われるかということについては、これは米軍の運用にかかわることなので私からここの場で説明をすることは差し控えさせていただきますが、この施設自体としてどういう訓練が行い得る施設になっているかといえば、施設としては、射撃用建物、突破訓練施設、屋外射場、訓練塔及び管理棟から構成されているというふうに承知しております。
#55
○大田昌秀君 米陸軍の特殊部隊のほか他の部隊も使用するというふうに報じられておりますが、海兵隊が実弾射撃演習をするというようなことはないでしょうね。
#56
○政府参考人(河相周夫君) 当該レンジ4の施設は米陸軍が使用するということで、現時点において他の部隊が使用するとは承知しておりません。
#57
○大田昌秀君 もう一度確認させてください。
 海兵隊が使用することは、それじゃ、ないと理解してよろしゅうございますね。
#58
○政府参考人(河相周夫君) 米軍の説明として、一切ほかの部隊は絶対使わないという説明はしておりませんけれども、我々として承知していますのは、先ほど申し上げました米陸軍第一特殊部隊群第一大隊が使用するものと承知しております。
#59
○大田昌秀君 この都市型戦闘訓練施設については、実は二〇〇三年に米海兵隊がグアムの方で演習をするというふうに計画しておったわけですが、修繕の費用が掛かるとか長期の維持費の負担増になるとか、あるいは近くに商業地が存在して安全面に問題があるという理由でもってグアムでの訓練をやめたというふうになって、それでレンジ4で都市型戦闘訓練施設を建設することになったというふうに報じられておりますが、この経緯についてはそのとおりでよろしゅうございますか。
#60
○政府参考人(河相周夫君) 委員御指摘の報道、これは平成十五年十一月にあった報道かと承知しておりますけれども、我々、米側が、米側から得ているところでは、米海兵隊がグアムのアンダーソン基地でそういう施設の整備を検討していたということは承知をしておりますが、それを超えた事実関係については必ずしも把握してございません。
 ただ、いずれにいたしましても、このレンジ4にできました複合射撃訓練場は陸軍が建設したものでございまして、報道にありますグアムで整備をする、海兵隊が整備を検討していたものでございまして、この二つは直接関連がないものというふうに理解しております。
#61
○大田昌秀君 防衛施設庁にお願いいたします。
 嘉手納を始め、横田、厚木、小松、松島の各飛行場で航空機の騒音や飛行経路や高度、飛行時間などの調査を実施しているとのことですが、各飛行場に関してそれぞれ調査は完了したのかどうか。完了したとすれば、今後、騒音区域の指定原案の作成や、関係都県、市町村の意見聴取、区域見直しの告示等はいつごろまでに行うのか、教えてください。
#62
○政府参考人(戸田量弘君) 先生御案内のとおり、米軍及び自衛隊の飛行場周辺におきます住宅防音工事、当庁が担当しておるところでございますが、その告示区域につきまして、既に昭和五十年代後半あるいは六十年代といった時期に決めさせていただいた関係で、相当年数が経過しているところでございます。その間、航空機の騒音状況というのも変化が見られるところでございます。
 また、嘉手納あるいは厚木、横田、こういった飛行場につきましては、平成十三年度までに、希望者に対する防音工事、これは一〇〇%終了しておるところでございます。
 こういった状況を踏まえまして、平成十五年度から横田及び厚木飛行場の騒音度調査を実施し、また平成十六年度から嘉手納飛行場、松島飛行場、小松飛行場についての騒音度調査に着手したところでございます。
 平成十五年度に行いました横田、また厚木、この二飛行場につきましては、騒音度調査を了したところでございます。横田につきましては、昨年の十一月に地元に対しまして、騒音コンター、またそれに基づきます告示素案につきまして御説明をさせていただいているところでございます。また、厚木につきましては、先般、五月三十日でございますけれども、騒音コンター、またそれらの説明、資料を添えて説明を開始させていただいたところでございます。
 十六年度に調査をしております嘉手納、松島、小松、こういったところにつきましてはまだ調査を、現地調査を継続している部分もございます。これからこういった調査をすべて終わらせて、地元への説明といったことになろうかと思っております。
#63
○大田昌秀君 終わります。ありがとうございました。
#64
○委員長(林芳正君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#65
○委員長(林芳正君) 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。大野防衛庁長官。
#66
○国務大臣(大野功統君) ただいま議題となりました防衛庁設置法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、防衛庁設置法、自衛隊法、防衛庁の職員の給与等に関する法律、安全保障会議設置法及び自衛隊員倫理法の一部改正を内容としております。
 平成十七年度以降に係る防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画に基づき、多機能で弾力的な実効性のある防衛力を効率的に整備するとの観点から、統合運用体制の強化、弾道ミサイル等に対する体制の整備、情報部門の改編、陸上自衛隊の混成団の旅団化を行うとともに自衛官の定数及び即応予備自衛官の員数等を改め、あわせて、防衛庁の職員に対し適用されている一般職の職員の給与に関する法律別表第六イ教育職俸給表(一)について所要の措置を講ずるものであります。
 以上が、この法律案の提案理由であります。
 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、防衛庁設置法の一部改正の内容でありますが、これは後ほど御説明申し上げます第一四旅団の新編等に伴い、自衛官の定数を千五百九十八人削減するものであります。これにより自衛官の定数は二十五万千五百八十二人となります。
 また、統合運用体制の強化のため、統合幕僚監部、統合幕僚長及び統合幕僚副長を新設し、その所掌事務及び職務を定める等所要の改正を行うものであります。
 また、高度な情報能力の保有とその十分な活用のため、情報本部を本庁に置く特別の機関とするとともに、その所掌事務を定めるものであります。
 第二に、自衛隊法の一部改正の内容でありますが、統合幕僚長の職務を定める等の所要の改正を行うものであります。
 また、即応予備自衛官の員数を六百二十六人削減し、これにより即応予備自衛官の員数は八千三百七十八人となります。
 また、我が国に飛来する弾道ミサイル等につき、その落下による我が国領域における人命又は財産に対する被害を防止するため、自衛隊の部隊に対し、当該ミサイル等を破壊する措置をとるべき旨を命ずることができるよう所要の改正を行うものであります。
 また、新たな脅威や多様な事態に対応するため、第一四旅団を新編するものであります。
 また、市町の廃置分合に伴い、第四航空団司令部の所在地を改めるものであります。
 第三に、防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部改正の内容でありますが、防衛大学校の教授等に対し適用されている教育職俸給表(一)に係る経過措置の規定を廃止するとともに、所要の切替え措置等について規定すること等であります。
 その他、関係法律の規定の整備を行うものであります。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 なお、この法律案は衆議院において一部修正されております。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことを心からお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
#67
○委員長(林芳正君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員岩屋毅君から説明を聴取いたします。岩屋毅君。
#68
○衆議院議員(岩屋毅君) ただいま議題となりました防衛庁設置法等の一部を改正する法律案に対する衆議院における修正部分につきまして、その内容の概要を御説明いたします。
 政府原案では、防衛出動が下令されていない状況下において、弾道ミサイル等が我が国に飛来した場合に自衛隊が迅速かつ適切に対処できるよう、自衛隊法に新たに第八十二条の二を設けていますが、衆議院における審査におきまして、同条第三項に基づく命令を発する時期について、分かりにくいのではないかとの指摘がなされました。
 このような指摘を踏まえ、自衛隊法第八十二条の二第三項の規定の趣旨をより明確化することとしたものでございます。
 具体的には、自衛隊法第八十二条の二第三項に基づく命令が、事態が急変する以前に発せられることが明確に分かるよう、「あらかじめ」の位置を変えるなど、所要の文言の修正を行うこととしたところであります。
 以上が衆議院の修正部分の内容の概要であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
#69
○委員長(林芳正君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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