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2005/03/18 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 内閣委員会 第3号
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2005/03/18 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 内閣委員会 第3号

#1
第162回国会 内閣委員会 第3号
平成十七年三月十八日(金曜日)
   午後零時二十二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十四日
    辞任         補欠選任
     神本美恵子君     櫻井  充君
 三月十五日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     神本美恵子君
 三月十六日
    辞任         補欠選任
     工藤堅太郎君     小川 勝也君
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     小川 勝也君     工藤堅太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         高嶋 良充君
    理 事
                市川 一朗君
                小野 清子君
                岡崎トミ子君
                森 ゆうこ君
    委 員
                秋元  司君
                鴻池 祥肇君
                佐藤 泰三君
                竹山  裕君
                中曽根弘文君
                西銘順志郎君
                山崎 正昭君
                神本美恵子君
                工藤堅太郎君
                松井 孝治君
                円 より子君
                風間  昶君
                白浜 一良君
                近藤 正道君
                黒岩 宇洋君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (内閣府特命担
       当大臣(男女共
       同参画))    細田 博之君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        村田 吉隆君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(青少年
       育成及び少子化
       対策))     南野知惠子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    竹中 平蔵君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革、産業再生機
       構))      村上誠一郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(科学技
       術政策、食品安
       全))      棚橋 泰文君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  山崎 正昭君
   副大臣
       内閣府副大臣   林田  彪君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        西銘順志郎君
       厚生労働大臣政
       務官       森岡 正宏君

        ─────
       会計検査院長   森下 伸昭君
        ─────
   事務局側
       事務総長     川村 良典君
       常任委員会専門
       員        鴫谷  潤君
   衆議院事務局側
       事務総長     駒崎 義弘君
   裁判官弾劾裁判所事務局側
       事務局長     阿部 隆洋君
   裁判官訴追委員会事務局側
       事務局長     高田 健一君
   国立国会図書館側
       館長       黒澤 隆雄君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       千代 幹也君
       内閣官房内閣参
       事官       鈴木 基久君
       内閣府大臣官房
       政策評価審議官  中藤  泉君
       内閣府規制改革
       ・民間開放推進
       室長       田中 孝文君
       内閣府政策統括
       官        大田 弘子君
       内閣府政策統括
       官        林  幸秀君
       内閣府男女共同
       参画局長     名取はにわ君
       食品安全委員会
       事務局長     齊藤  登君
       警察庁長官官房
       長        安藤 隆春君
       警察庁生活安全
       局長       伊藤 哲朗君
       警察庁交通局長  矢代 隆義君
       金融庁総務企画
       局参事官     大藤 俊行君
       総務大臣官房審
       議官       田中 順一君
       法務大臣官房審
       議官       深山 卓也君
       法務大臣官房審
       議官       蒲原 正義君
       法務大臣官房司
       法法制部長    倉吉  敬君
       外務大臣官房国
       際社会協力部長  神余 隆博君
       財務大臣官房審
       議官       有吉  章君
       厚生労働大臣官
       房審議官     北井久美子君
       厚生労働省職業
       安定局次長    大石  明君
       社会保険庁次長  小林 和弘君
       農林水産省農村
       振興局整備部長  南部 明弘君
       国土交通大臣官
       房審議官     和泉 洋人君
       国土交通省河川
       局長       清治 真人君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成十七年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十七年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十七年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (皇室費、国会所管、会計検査院所管、内閣所
 管(人事院を除く)及び内閣府所管(内閣本府
 (沖縄関係経費を除く)、国際平和協力本部、
 宮内庁、警察庁))
     ─────────────
#2
○委員長(高嶋良充君) ただいまから内閣委員会を開会をいたします。
 この際、御報告いたします。
 去る十六日、予算委員会から、本日一日間、平成十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、皇室費、国会所管、会計検査院所管、人事院を除く内閣所管及び内閣府所管のうち沖縄関係経費を除く内閣本府、国際平和協力本部、宮内庁、警察庁について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
    ─────────────
#3
○委員長(高嶋良充君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官千代幹也君外二十三名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(高嶋良充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(高嶋良充君) この際、国会所管及び会計検査院所管の予算の説明を聴取いたします。
 まず、国会所管のうち衆議院関係予算の説明を求めます。駒崎衆議院事務総長。
#6
○衆議院事務総長(駒崎義弘君) 平成十七年度の衆議院関係歳出予算について御説明申し上げます。
 平成十七年度の国会所管衆議院関係の歳出予算要求額は六百六十六億四千二百万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと七億三千万円余の減額となっております。
 その概要を御説明申し上げますと、第一は、国会の運営に必要な経費でありまして、六百三十九億五千七百万円余を計上いたしております。この経費は、議員関係の諸経費、職員の人件費並びに事務局及び法制局の事務を処理するために必要な経費でございます。
 増加した主なものは、議員外交充実強化経費、憲法調査会最終報告書作成等経費及び国会審議テレビ中継装置等整備経費でございます。一方、減少した主なものは、職員の人件費及びシステム構築に伴う情報化推進関係経費でございます。
 なお、新議員会館整備を民間資金等活用事業として実施するために必要な業務支援委託費を引き続き計上いたしております。
 第二は、本院の施設整備に必要な経費でありまして、二十四億八千五百万円余を計上いたしております。この主なものは、新議員会館を民間資金等活用事業として整備するための施設実施設計費並びに本会議場ガラス屋根改修及び分館委員室照明整備等の本館等庁舎の整備等に要する経費でございます。
 第三は、改革推進公共投資事業償還金の産業投資特別会計へ繰入れに必要な経費でありまして、一億九千二百万円余を計上いたしております。
 第四は、国会予備金に必要な経費でありまして、七百万円を計上いたしております。
 以上、簡単ではありますが、衆議院関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。
 なお、別途、新議員会館整備等事業を実施するため、民間資金等活用衆議院施設整備等事業として、限度額千五百七十七億五百万円余、年限十五か年度の国庫債務負担行為を要求しております。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
#7
○委員長(高嶋良充君) 次に、国会所管のうち参議院関係予算の説明を求めます。川村参議院事務総長。
#8
○事務総長(川村良典君) 平成十七年度参議院関係歳出予算について御説明申し上げます。
 平成十七年度国会所管参議院関係の歳出予算額は四百九億円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと十五億九千九百万円余の減額となっております。これは、主に、前年度に計上されました通常選挙に伴う改選関係経費の減額によるものであります。
 次に、その概要を御説明申し上げます。
 第一は、国会の運営に必要な経費でありまして、三百八十四億七千百万円余を計上いたしております。この経費は、議員関係の諸経費、職員の人件費並びに事務局及び法制局の所掌事務を処理するために必要な経費であります。
 第二は、参議院施設整備に必要な経費でありまして、二十二億七千四百万円余を計上いたしております。これは、新議員会館の実施設計・発注条件検討、本館議場屋根改修、テレビ中継施設機器整備及び本館その他庁舎等の整備に必要な経費であります。
 第三は、改革推進公共投資事業償還金の産業投資特別会計へ繰入れに必要な経費でありまして、一億四千八百万円余を計上いたしております。
 第四は、国会予備金に必要な経費でありまして、前年度同額の五百万円を計上いたしております。
 以上、平成十七年度参議院関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
#9
○委員長(高嶋良充君) 次に、国会所管のうち国立国会図書館関係予算の説明を求めます。黒澤国立国会図書館長。
#10
○国立国会図書館長(黒澤隆雄君) 平成十七年度国立国会図書館関係歳出予算について御説明申し上げます。
 平成十七年度の国立国会図書館関係の歳出予算要求額は二百三十九億四千百万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと一億二千七百万円余の減額となっております。
 次に、その概要を御説明申し上げます。
 第一は、管理運営に必要な経費、すなわち、人件費及び事務費等であります。その総額は二百五億五千五百万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと二億九千六百万円余の減額となっております。これは、主として退職者数の減に伴う退職手当の減額によるものであります。
 第二は、科学技術関係資料の収集整備に必要な経費でありまして、九億七千万円余を計上いたしております。これを前年度予算額と比較いたしますと一千三百万円余の増額となっております。これは、科学技術分野の電子ジャーナル等の単価増に対応するための経費の増額によるものであります。
 第三は、施設整備に必要な経費でありまして、十九億六千二百万円余を計上いたしております。これを前年度予算額と比較いたしますと一億三千三百万円余の減額となっております。
 第四は、平成十三年度補正予算(第2号)により支出いたしました改革推進公共投資国立国会図書館施設費の償還金でありまして、四億五千三百万円余を計上いたしております。これを前年度予算額と比較いたしますと二億八千八百万円余の増額となっております。
 以上、平成十七年度国立国会図書館関係の歳出予算について御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#11
○委員長(高嶋良充君) 次に、裁判官弾劾裁判所関係予算の説明を求めます。阿部裁判官弾劾裁判所事務局長。
#12
○裁判官弾劾裁判所参事(阿部隆洋君) 平成十七年度裁判官弾劾裁判所関係歳出予算について御説明申し上げます。
 平成十七年度国会所管裁判官弾劾裁判所関係の歳出予算要求額は一億一千八百万円でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと三十八万円の減少となっております。
 この要求額は、裁判官弾劾裁判所における裁判長の職務雑費、委員旅費及び事務局職員の給与に関する経費、その他の事務処理費並びに裁判官弾劾法に基づく裁判官の弾劾裁判に直接必要な旅費及び庁費であります。
 以上、簡単でありますが、裁判官弾劾裁判所関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#13
○委員長(高嶋良充君) 次に、裁判官訴追委員会関係予算の説明を求めます。高田裁判官訴追委員会事務局長。
#14
○裁判官訴追委員会参事(高田健一君) 平成十七年度裁判官訴追委員会関係歳出予算について御説明申し上げます。
 平成十七年度国会所管裁判官訴追委員会関係の歳出予算要求額は一億三千六百八万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと百二十二万円余の減額となっております。
 この要求額は、裁判官訴追委員会における委員長の職務雑費及び事務局職員の給与に関する経費並びに訴追事案の審査に要する旅費その他の事務費であります。
 以上、簡単でありますが、裁判官訴追委員会関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどをお願いいたします。
#15
○委員長(高嶋良充君) 次に、会計検査院所管予算の説明を求めます。森下会計検査院長。
#16
○会計検査院長(森下伸昭君) 平成十七年度会計検査院所管の歳出予算について御説明いたします。
 会計検査院の平成十七年度予定経費要求額は二百四億百三十八万余円でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと一億二千九百七十九万余円の増額となっています。これは、日本国憲法第九十条及び会計検査院法の規定に基づく本院の検査業務及び一般事務処理を行うために必要な経費であります。
 この要求額の主な内容について御説明申し上げますと、人件費として百四十億一千百万余円、中央合同庁舎第七号館の整備に伴う仮庁舎経費として三十二億八千万余円、その他の経費として三十一億八百万余円を計上いたしました。
 以上の経費には、会計検査機能を充実強化するため、次のような経費を計上しております。
 第一に、行財政改革の動向に適切かつ機動的に対応した検査を遂行するための検査要員の増員や横断的検査等を充実強化するため特別検査を二課体制にするなどの組織再編を行う経費として六千七百万余円を計上いたしております。
 第二に、有効性検査、情報通信技術を活用した検査及び海外検査等の充実を図るための検査活動充実強化経費として十六億八千六百万余円を計上いたしております。
 第三に、検査活動に資する研究及び検査能力向上のための研修の充実を図るための研究・研修経費として三億二千二百万余円を計上いたしております。
 以上、簡単でありますが、会計検査院の平成十七年度予定経費要求額の概要の御説明を終わります。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#17
○委員長(高嶋良充君) 以上で予算の説明聴取は終わりました。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#18
○神本美恵子君 民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。
 今日は、予算の委嘱審査ということで、国会所管と会計検査院所管についても本委員会で審議をするということですので、まず初めに会計検査院についてお伺いをしたいと思います。
 ただいま説明にもございましたが、会計検査院の機能と検査体制の強化ということが御説明にございました。昨年十一月に早期提出をいただきました平成十五年度決算検査報告、この中でもかなりのページを割いて、特定検査対象ということで、都道府県警等における捜査費及び活動旅費等の経費について記載がございました。また、NHKに対しても、職員が五千万円余の現金を領得したということでの不当事項の指摘がございました。
 検査院が、限られた陣容の中でこれだけの検査報告をなさって、税金の無駄遣いを許さないという精力的な検査活動を行われた結果であろうというふうに受け止めております。そういう意味で、検査院の皆さん方の御苦労には心から敬意を表したいと思います。
 そこで、まず警察の捜査費についてでございますけれども、民主党は、この問題が起きた当初から、警察の不正経理問題ということで対策プロジェクトチームをつくりまして厳しく追及をしてきたところでございますけれども、またこの内閣委員会でも、昨年、九州管区及び福岡県警本部にもこの会計帳簿の廃棄問題を中心に調査に参りました。
 私たちは、警察OBや現職警察官の方々の証言、そういったものをつなぎ合わせまして、その手口といいますか手法といいますか、が警察の捜査費を使って裏金づくりをされてきたのではないかということについては、もう北海道、福岡については明らかになっておりますが、全国的にこれが行われているのではないか、根深いものではないかということの疑いといいますか、疑義を依然として強く、ますます強くしているということも申し上げたいと思います。
 そのことが、今回の検査報告の中にもはっきりと出てきているというふうに思っております。検査報告の中には、慣行的、組織的に行われていたことは極めて遺憾というふうに掲記されております。このことからも、組織的というのが幾つかの都道府県だけではなくて全国的に行われているのではないかというような検査院の心証といいますか、そういったものを私は読み取れると思います。
 そこで、今回の報告では十三都道府県警に対する実地調査の報告でございましたけれども、その後、現職警察官、愛媛県警の警察官の方からも内部告発がされて、同じような手口の不正経理が既に報道されております。検査院として、今後、検査未実施の県についても更に実地検査を行われる方針がおありかどうか、またその結果を国会にきちんと報告をしていただきたいと思いますけれども、その点についてお伺いしたいと思います。
#19
○会計検査院長(森下伸昭君) ただいま神本委員から昨年の会計検査院の警察の捜査費に対する検査活動、それからその結果の検査報告につきまして高い評価をいただきまして、大変ありがとうございます。非常にこれから検査を進めていくに当たって士気が高まるものというふうに思います。
 それで、これからの検査の進め方でございますが、昨年、十三都道府県について検査を実施したわけでもございます。本年も引き続き同様の観点から捜査費等に関する検査を実施していきたいと考えております。警察当局において調査中の事案につきましても、その結果の報告を受けてその内容を検証していくということを引き続きやっていきたいというふうに思っております。
 それから、十三都道府県以外の都府県警察の捜査費等につきましても、同様に、引き続き必要な情報を収集するなどして厳正な検査を行っていくとともに、昨年中に警察当局が取りました改善策の実施状況も併せて検証していくということで、警察の捜査費等に対する検査、これからも厳正に進めていきたいというふうに考えております。
#20
○神本美恵子君 全国的にきちっと調査をすべきというのは、この委員会では昨年から与野党を問わず、ここにいらっしゃる西銘委員も昨年の質問の中でも強く要請をされたところでございました。委員会全体の要望でもございますので、重ねて申し上げたいと思います。
 それから、その検査の、実地検査を行われたときの報告の中に、やはり受ける側の警察本部の、例えば証拠隠滅とも取れるようなものとか、必要な会計書類が年度を越えてもうないとか、そういったことに対する悔しさも、検査院の方々の悔しさもにじみ出るような報告を私は読み取りました。
 そこで、この関連で警察庁に伺いたいと思いますが、私は本当は警察庁長官に決意を伺いたいんですけれども、今日は官房長がおいでになっておりますので、お伺いします。
 この会計書類の保存ということで昨年報道もされましたし、この委員会でも何度も取り上げました。期限が来ていないのに保存期間前の書類が廃棄されているというようなことがございました。これは、この不正経理問題で保存期間を延長するという通知が、通知といいますが、それが後で分かったのは口頭通知だということにもまたあきれ返ったんですけれども、昨年、たしかこの時期だと思いますが、通知が出されたにもかかわらず期限前のものが廃棄されたというようなことがありました。こんなことがありますと、会計検査院が幾らまじめに検査を、実地検査をして、きちっと税金の無駄遣いがないか、不正な使い方がないかということを調べようとしてもできないわけですよね、証拠書類がないと。
 そういう意味で、会計書類の廃棄、亡失がないようにということに対する警察庁のお取組と、それから会計検査院の実地検査に対して、昨年、一昨年ですか、の北見、北海道の北見でのあんな出来事が二度とないようにと、誠実に協力するということについての御見解をお伺いしたいと思います。
#21
○政府参考人(安藤隆春君) お答えいたします。
 文書の保存ということにつきましては、今委員御指摘のように、昨年三月二十四日に保存の継続の指示、連絡を行っておるわけでありますが、今御指摘のように、まあ急を要したということで、電話で指示をさせていただいて、その後いろいろ徹底させたんですが、残念ながら、その後文書廃棄が一部あったということで、誠に遺憾な事態になったわけでありますが、それを踏まえまして、昨年、再発防止策というのをかなり徹底したものを打ち出しまして、現在、それに基づいて各県はやっているわけでありますが、御指摘の会計文書の保存の扱いということでありますが、これは去る二月に警察庁の方から、今回はもちろん文書で各県に指示をいたしまして、その中身は、別途指示、連絡があるまでの間、一つは昨年三月二十四日に保存の継続の指示、連絡を行った会計文書、すなわちこれは平成十年度の会計文書ということでありますが、もう一つは本年三月三十一日に保存期間の満了します会計文書を保存するよう各都道府県警察に文書で指示したところでございます。
 したがいまして、昨年の非常に反省を踏まえまして、絶対にそういうことがないように、さらに、一回だけの指示ではということもございますので、本日、念のために更にもう一度各県に保管を徹底するような、保管を徹底する指示を文書で発出いたしました。そういうことで、我々、更にそういう保管徹底に対して最善の努力をしてまいりたいと思います。
 それから二つ目の御質問は、会計検査院に対する我々の対応と、警察の対応ということでありますが、これまでもできるだけ会計検査院の検査に対しましては誠実に対応してまいりましたが、昨今のこういう一連の不正経理事案というものを踏まえまして、より警察としましては会計検査院の御要望にこたえられるように最大限の協力をしてまいりたいということでございます。
 以上でございます。
#22
○神本美恵子君 是非、残った十三都道府県以外の都道府県は、特に廃棄、亡失がないように徹底をしていただきたいということをお願いしたいと思います。
 もう一つ、NHK関連で会計検査院にお聞きしたかったんですが、南野大臣が法務委員会の関係でいらっしゃらなくなるということですので、ちょっと後に回させていただきたいと思います。
 次の、私、今日お伺いしたいのは、人身売買問題について政府として今、今国会にも法案を提出されておりますし、行動計画も昨年末に策定をされて、これから本格的な取組が行われると思いますので、それに関連してこれから御質問させていただきたいと思います。
 実は、私は、昨年の八月末から九月初めにかけてタイとカンボジアに人身売買に関するスタディーツアーに参加をいたしました。その中で、タイ政府は、人身売買の送り出し国、中継国、また受入れ国といいますか目的地国として大変な人身売買問題を抱えている国ということで、政府挙げて、特にタクシン首相の強いリーダーシップの下で、政府挙げての法整備やハイレベル会議を設置したりして取組が行われているということもお聞きしてまいりました。
 様々なことを学びましたが、その中で特に私は印象というか、鮮烈な印象を受けたのは、タイとカンボジア国境のマーケット、市場ですね、大きな市場があったんですけれども、そこで劣悪な環境の中で働いている小さな子供たち、幼い子供たちの働く姿でありました。もちろん、その背景には貧困ということがあって、日本の青少年とは一概に比べられるものではありませんけれども、その子供たちが不衛生な中で、イナゴの、何というんですか、バッタ、バッタかイナゴの羽をむしって、その身をビニール袋一袋四バーツ、十二円ぐらいですね、それを一日掛けて何袋分かやって、それを売って、カンボジアの自分の国境近くの村に帰って家族の食費にするというような、しかも二、三歳の乳飲み子を連れ、お兄ちゃんが連れてきて、あるいはお姉ちゃんが連れてきて、そこのどぶで遊ばせながらそういう作業をしているというような姿を見てきました。
 で、そういう働かされ方と、まあ働き方と同時に、その中から女の子や男の子がバンコクにブローカーにだまされて連れていかれて、またそこで性的搾取を受けたり不当な労働搾取を受けたりしているというようなお話をNGOの方たちから聞きまして、やはりこの人身売買問題は子供ということにも視点を当ててやっていかなければいけないなという意味で、まず最初に南野大臣にお伺いをしたいと思います。
 その前に外務省にと思ったんですが、日本政府はユニセフからも警告を受けています。日本に送り込まれている人身売買の犠牲者には十八歳未満の子供たちも含まれているということです。その問題の根源は貧困にあることは先ほど言いましたように明らかなんですけれども、人身取引補足議定書というのを今回政府としては批准するために法整備が刑法等で行われるようですけれども、昨年、あっ、昨年じゃないですね、今年です、今年の一月二十四日に児童の売買等に関する児童の権利条約選択議定書も日本は批准をして、二月二十四日に発効したというふうに外務省の方からお聞きしました。
 そういう状況の中で、青少年育成担当大臣として南野大臣はとりわけ子供たちの問題には心を寄せていただいていると思いますけれども、外国から連れてこられている子供、何人ぐらいいるか、どういう状況なのかということはなかなか実態は把握できていませんが、そういった子供たちの権利保障という点から考えて政府としてどのように取り組むべきだというふうにお考えか、お伺いしたいと思います。
#23
○国務大臣(南野知惠子君) 今先生がおっしゃられたような開発途上国における状況ということは、私も目の当たりにしたことがございます。胸を痛めたことがございます。
 そういった気持ちも根底にありながら、今先生がおっしゃいました議定書の問題も、これは国対国として進めていくことでございますが、私といたしましては、言うまでもなく人身取引という被害は本当に深刻な問題であり、精神的、肉体的な苦痛をもたらすということは、もうこれ当然十分なる理解を持っております。まして被害者が子供である場合、男の子であっても女の子であっても本当に苦痛の深刻さは、その回復ということも当然ですが、成長に大きな影響を与えるものであろうというふうに思っており、決して許されるものではないというふうに思っております。
 児童の権利条約の理念にもございますように、国籍にかかわらず、すべての子供が性的搾取等の被害から守られることはもとより、その人権が最大限尊重される社会を目指すことは政府として取り組むべき最重要の課題であると心得ております。青少年育成担当大臣としてでも、このような子供の人身取引や、また児童買春根絶に向けまして、昨年十二月に策定しました人身取引対策行動計画に基づき、取締りの徹底や被害者の保護など、関係省庁と密接に連携し、政府としての総合的な施策に一層取り組んでまいりたいという覚悟を持っております。
 以上でございます。
#24
○神本美恵子君 じゃ、これ質問じゃないんですが、南野大臣、お出になる前に是非お願いしたいんですけれども、青少年白書を見せていただきました。この中で、こういった問題について触れられているかなというふうに見たんですけれども、まあちょっとだけ記述はあるんですが、なかなか今おっしゃったような、本当に外国から連れてこられた子供たちの、見えないけれども、その子たちに対する子供の権利という面からのアプローチがこの白書の中に見受けられませんので、是非青少年育成大綱の中にもそういった人身売買で連れてこられた子供たちの学習権、それから生命の安全といった面からも是非取組をお願いをしたいと思います。ありがとうございました。
 それでは次に、今度は政府全体のことで細田官房長官にお伺いをしたいと思います。
 政府が今回、この人身取引問題で大きな取組の前進を図ろうとしていらっしゃることには一定の私も評価をしながら、注目をしたいと思っています。
 こうなったきっかけといいますかは、昨年アメリカの国務省が報告書を出しまして、その中で、日本は人身売買の根絶のための最低基準を満たさないばかりか、そのための対応も不十分な国ということで、一、二、三類、三つに分類されるうちの最初は第三類、一番悪いところに位置付けられそうなのが、政府がちょっと前向きに去年から取組を始めたということで第二類になったというようなことも解説で読んだんですが、いずれにしても先進国と言われる国の中では日本とロシアだけと言われる監視対象国になっているということが一つ大きな後押しになったのではないかというふうに思います。
 それはそれでよしとはしますけれども、なぜここまで対応が後れてきたのかということについて私はお伺いしたいと思います。八〇年代ごろからこの人身売買、人身取引については国際的には大きな問題にされてきたということは日本政府としても承知だと思いますので、そういった点から、なぜここまで後れたのかということについて、官房長官、いかがですか。
#25
○国務大臣(細田博之君) 人身取引の事実については、大分前からそういったことがあるという指摘が行われてきたことは事実でございます。そして、我が国としては、平成十四年の十二月に人身取引議定書に署名をした後、できるだけ早期に議定書を締結するために各関係省庁が連携してまいったわけでございます。これを遅いと言えば確かに遅いとも言えるわけでございますが、そして、平成十五年の十二月に犯罪対策閣僚会議が策定した行動計画におきましてはっきりと検討を進めることといたし、そして昨年の十二月に人身取引対策行動計画を取りまとめたわけでございます。
 着実にはやってきておりますけれども、私は、官房長官に着任したときに、これはやはり相当根が深く奥が深い、しかも国際的な犯罪であるということから、もう徹底的な究明を図るべきであると。それは、例えば麻薬の問題ですとか、売春全体の問題であるとか、暴力あるいは組織暴力の問題とかいろいろ絡んでおる問題でもありますが、その中で特に、国際的な問題でもあり、また人権じゅうりんの度合いの最も大きな人身取引対策に取り組むべきであるということを主張いたしまして、今最も大きな課題の一つとしてこれを一掃すべく様々な対策を今展開しておるところでございます。
#26
○神本美恵子君 今、人身取引補足議定書にも署名をして、それは二〇〇二年ですから、そのころからかなり国内的にも目が向けられるようになったと思いますが、実はこれは週刊誌の記事なんですけれども、この議定書の採択以前から外国人エンターテイナーに対する興行ビザ、この興行ビザで入国した人たちが人身取引の犠牲になってその温床になっているのではというようなことを考えた法務省の入管局の方がいらっしゃるんですね。
 これは東京入管の局長のお話なんですけれども、一九九五年ごろからこの興行ビザで入ってきた人たちが風俗店で、本当はダンスや歌をするという興行ビザで入ったにもかかわらず、接客やそれから性的搾取の犠牲になっているのではないかということで、そこにメスを入れようと徹底的な追跡調査をされたということがこの週刊誌に載っています。しかし、この方のおっしゃっていることで私も確認はもちろんできていないんですけれども、この記事の中には、そういう取組をしようとしたら、業界や、それから政治家と書いてあるんでこれはちょっと問題だなと思うんですけれども、業界や政治家からの圧力でそれがなかなかできなくなったというようなことも書かれてございます。
 この方が調査した中では、一九九五年、東京入管にいたときに、場所は書いてありませんけれども、そういう風俗営業店の店舗四百四十四店を立入調査したところ、その九割以上の四百十二店でホステス活動、いわゆる興行ビザですから不正、不法行為になるんですが、が行われていたと。ショーなどは全く行われていない。九四年は年間九万人だった興行資格で入国する外国人が次の年には五万九千人にまで落ちた。これは、そういう立入調査をしたことで落ちたんではないかというふうにこの局長さんはおっしゃっているんですけれども。でも、そういったことをやった後に脅迫電話が来たり、罷免請求運動、損害賠償といった訴訟、あるいはえたいの知れない怪文書がこの永田町に大量にばらまかれたというようなこともこの週刊誌には書かれております。
 そういう圧力が影響したのかどうかはもちろん何ともはっきり証拠があるわけではありませんけれども、なぜこういう興行ビザで入った人が不正に働かされているというような、あるいは働かせているというようなことを摘発するような取組がこれまでなされてこなかったのかということが私は不思議なんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
#27
○政府参考人(蒲原正義君) お答えいたします。
 これまでなされてこなかったのではないかというお尋ねと理解いたしましたけれども、入管局といたしましては、その後も継続して実態調査及び摘発の努力を行ってきております。
#28
○神本美恵子君 行ってきておりますでは、どういう調査を行って、その結果どうだったのかということが分からないんですが。
#29
○政府参考人(蒲原正義君) 昨年一年間の事例をちょっと御説明させていただきますけれども、昨年は百二十四か所、これ、東京入管の行った件数でございますが、百二十四か所の出演店の実態調査を行っておりまして、そのほとんどの店舗において外国人芸能人の接客行為、基準省令で定められている日本人社交員の不足等の事実をつかんでおります。
#30
○神本美恵子君 それは昨年ですか。じゃ、これまで、坂中局長という方なんですが、この方がされたのは九四年、五年ごろなんですけれども、それ以降、入管としてこういった調査がどのくらい行われて、その結果そういう不法行為が摘発されて立件されたとか、そういう資料がちょっと私は全然見当たらないもので、これまで取組がなされてこなかったんではないかという意味でお伺いしているんですけれども。
#31
○政府参考人(蒲原正義君) 必ずしもすべてを統計的に整理しておるわけではございませんけれども、毎年調査は継続してまいっておりますし、毎年摘発も行ってきております。
#32
○神本美恵子君 それで、これにかかわるような調査の状況というのは、調査といいますか、被害の状況というか、実態が分かるのは、警察白書を見せていただいたんですが、この件で質問するために今の人身取引の、トラフィッキングの検挙状況ということでお話を伺いました。その前の、伺ったのでは、過去五年ぐらいの分のがあったんですが、平成十二年、二〇〇〇年が、トラフィッキングで検挙され、その被害者と見られる対象女性の総数が百四人、平成十三年、二〇〇一年が六十五人というふうになっていたんですね。
 一方、その警察白書の中にそういった記述がないかというふうに見たんですが、それで見ますと、二〇〇二年の警察白書によると、風俗関係事犯において被疑者又は参考人として取り扱った外国人女性の国籍・地域別状況にある対象女性の総数として、二〇〇〇年が千百九十人、二〇〇一年が千百九十三人というふうになっているんですね。これはもちろん被疑者と参考人ですから、検挙された人員とその被害者と見られる女性の数とは全部一致はもちろんしないのが当然だと思うんですけれども、けたが余りにも違わないかと思ったんですね。警察白書に書かれているのは千百九十人、千二百人ぐらい、それがトラフィッキングの検挙状況でいただいたのは百人未満ということで、これはどうなっているのかなと思ったんですけれども、そこはどうなんでしょう。
#33
○政府参考人(伊藤哲朗君) お答えいたします。
 今御指摘のございました平成十三年中に風俗関係事犯として被疑者又は参考人ということで取り扱った外国人女性は千百九十三人となっております。その年の人身取引被害者の数は御指摘のように六十五人ということで、大きく数が違うわけでございますけれども、御承知のように、人身取引議定書におきましては、人身取引とは搾取の目的で暴力、欺罔等の手段を用いて人を収受する等することであるとされておりまして、この風俗関係事犯の被疑者又は参考人の中にはこの定義に当てはまらない者も相当数含まれているということも事実でございます。
 また、もう一方、人身取引事犯の被害者でございましても、ブローカー等から、警察に保護を求めれば、母国に残した家族に危害を加えるとか言って脅かされたり、あるいは警察に行っても無駄だぞというようなことで虚偽の情報を吹き込まれているなどしている者もおるわけでございまして、自分が人身取引事犯の被害者であることを警察に正直に申告しない者も多くいることも推定されるところであります。これらのことから両者の数に違いが出てくるんではないかというふうに考えております。
 警察といたしましては、人身取引の被害者の把握はその保護を図るために重要な課題であるというふうに認識しているところでございまして、被害者の可能性のある外国人女性の事情聴取に当たりましては、まず、被害者ではないかとの認識の下、できる限り当該外国人女性の母国語を解する警察職員であるとか女性警察職員を充てるなどして被害者の的確な把握に努めているところでございます。
#34
○神本美恵子君 今、正におっしゃったとおり、正直に話せない。それは、パスポートを取り上げられているとかビザが切れているとか、それから禁止されている売春をさせられているというような、本当に、そして常に監視されている、大きな借金を背負わされているという、もう正に被害者であるがゆえに正直に物が言えない状況になっている。しかも、警察も入管も今の法体系の中では、それは不法行為をしている、違法者ですからということで犯罪者としてしか取り扱ってこなかった結果だと思うんですね。
 ですから、今おっしゃったように、これからは被害者ではないかということで事情聴取に当たるというふうにおっしゃいましたが、私は、被害者ではないかではなくて被害者であるという認識でやらないと、被害者ではないかというぐらいではこれからの取組はうまくいかないといいますか、本当にこの議定書が求めている取組にならないのではないかということを指摘したいと思います。
 それで具体的に、では今回の人身取引、人身売買問題に対する取組ということで、刑法の改正で人身売買罪がその中に位置付けられ、また罰則も重くされ、子供に対しては更なる加重罰が加えられるというようなことが刑法の中では行われますし、また風俗営業法の改正の中でも風俗営業店に対してそういう不正な働かせ方をしないようにというようなことの改正が行われるというふうに聞いております。この両案の法案成立とそれから行動計画でもって政府が取り組もうとしている、それでもってこの人身取引議定書が求める要件といいますかは満たせるというふうにお考えでしょうか。これ、官房長官、いかがですか。
#35
○国務大臣(細田博之君) まず第一歩でございまして、こういった法制度もしっかり整備すること。そして、外国とも交渉しております。入国の審査に当たって、この芸能等を目的に入国するということであるけれども、実は脱法的なケースもあるし、もっとひどい例では人身取引の例もあるので極めて厳しく今後は扱いたいと、要件を強化したいというようなことをして向こうの政府と協議しておるような例もあります。先方政府の一部には、いや、もう働く場を求めているんだから働く場を提供してくれというような反論があったりもするわけですが、それもむしろこちらからは強力に否定して、そういうことでやっておるとどうしても大きな被害が出ることも事実であるし、あるいは日本の刑法に当たるような様々な、例えば売春等の罪に当たる場合になる可能性もあるので、したがってきっちりと入国管理もいたしたいと。そしてまた、同時に、本当に被害があって駆け込む人というのがどんどん増えているわけですから、そういう人に対する措置もとると。
 多角的に今着手しておるところでございますので、国際的な基準を満たしているかと、あるいは人身取引の国際的な標準から見てどうであるかという御質問でありますけれども、できる限り厳しくしてまいりたいと思っております。
#36
○神本美恵子君 入口で厳しくして、中でもまた厳しくすると。もちろんこういう人身売買をしている人たち、している人たちですね、その人たちに対してはこれまで以上に、これまではほとんど野放し状態と言ってもいいぐらいの日本の国内状況だと思いますので、それは是非厳しくしていただきたい。しかし、その被害者になっている人たちに対しては、これまではどちらかというと被害者である人たちに厳しく、その被害を強いていた加害者は野放しになっていたわけですから、被害者に対しては徹底的にこれまでの認識を百八十度転換してやらなければいけないと思うんですけれども、それをやるには、私は行動計画もつぶさに読ませていただきましたけれども、その中でこの大転換ができるのだろうかという疑問を持ちました。
 ですから、私の結論からいいますと、民主党内でも今議論をしているんですけれども、もっと包括的に加害者の処罰、加害者の取締りと、それから人身売買を防止する取組と被害者の保護ということを包括的に考えた政府としての大きな取組が、そういう法律制定が必要なのではないかというふうに私は思っております。具体的に、じゃ、今作られています行動計画が私は不十分ではないかなという疑問を持ちながら幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 まず、そういう百八十度、犯罪者ではなくて被害者であるという認識、とらえ方を実際に捜査なり入管で審査に当たられる方たちに、どのように職員に周知をするのか、認識転換をですね。それが一つと、それから、まずその人が被害者であるのかあるいはそうではないのか、自らの意思で、自らの意思というのもちょっと難しいと思うんですね、見るのが。あるいは正直に言えないで言わされているという場合もありますので、被害者であるか否かの認定。それから、被害者、被害当事者、当事者に、あなたたちは逃げていいんですよ、保護を求めに来ていいんですよ、自ら警察なり大使館なり相談所なり入管なり、いろんなところに逃げて、ここに逃げていって助けを求めていいんですよということを周知する。どのように周知するおつもりですか、その三点について。
#37
○政府参考人(伊藤哲朗君) まず、警察としての取組をお答えしたいと思いますけれども、警察では、売春等風俗関係事犯で被疑者又は参考人として外国人女性を取り扱う際には、当該女性の関係国大使館等とも連携を取りながら、当該女性の供述などを基にしまして被害者であるかどうかの判断を行っているところであります。
 また、被害女性が交番などへ駆け込んで保護を求めてくることも考えられますことから、警察職員に対しましては、人身取引についての教養資料であるとか広報啓発ビデオなどの資料を配付してこれを見せるなどしまして、被害者保護の重要性についての周知徹底を図っているところであります。また、人身取引事犯捜査担当者を対象としました全国規模あるいは都道府県単位の研修も実施しておりまして、被害者としての保護が一層的確に行われるよう努めているところであります。
 また、被害者への周知ということについてでございますけれども、関係省庁やNGO、人身取引被害者が多い国の大使館等と連携をしながら、被害者に警察が保護する旨を呼び掛けるリーフレットを現在作成しているところでありまして、完成後はこれを広く配布することによりまして人身取引被害者への周知に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#38
○神本美恵子君 また、行動計画では実態把握の徹底というふうにあるんですけれども、どのようにして実態を把握するのかというのがその行動計画では見えてこないし、ちょっと担当の方にも何度かお話をお伺いしたんですが、それでもよく見えてこない。この実態把握というのは国際的にも、ほかの国でもなかなか難しいということで言われております。
 ですから、これについては様々なノウハウとか様々な立場の人たちの協力でやらないとできないと思うんですけれども、例えば大使館であるとかNGO、これまで取り組んできたNGOであるとか、あるいはユニセフやILOなどの国際機関なども含めて、そういうところと協力しながら定期的に実態調査をどのような方法でやるのかというようなことも含めてやる必要があると思うんですけれども、それについては、この実態把握の徹底はどのようにされるおつもりなのか。どなたにお伺いしたらいいんでしょうか。
#39
○委員長(高嶋良充君) 答弁、どちらですか。
#40
○政府参考人(伊藤哲朗君) それでは、警察としての実態把握のやり方ということについて御説明をしたいと思います。
 一つは、警察は様々な活動の中で、もちろん売春事犯でありますとか風俗関係事犯というものの取締りを行っているわけでございまして、その中で外国人女性が発見された場合に、この人が被害者ではないか、あるいは単純な、被疑者の場合もありますし、いろいろなケースがあるわけでございますので、そうした際に被害者ではないかという観点でいろいろ事情を聴くということをまず一つやっているということがございます。
 それと、もう一つは、そうした捜査という場面ではございませんけれども、外国の大使館や国際機関、NGO等といつも連絡を取って情報収集に当たるということも行っているところでございまして、平成十五年十二月に、人身取引に関係する国の在京大使館、国際機関、NGO等と警察庁との間にコンタクトポイントというものを設けておりまして、人身取引事犯についていつでも情報連絡が取れる体制を構築しているところであります。そういった意味で、常にそういった国との情報交換というものを行っているという状況でございます。
#41
○国務大臣(細田博之君) これまで人身取引の被害者等が駆け込んだり、本当に大きな被害に遭って被害の届けが出たりする場合は、ほとんど芸能で入ってくるんですね、ビザが。したがって、この元を絞らなくちゃいけないということから、今法務省、関係省の協力によりまして、芸能で入るということ自体が極めて疑わしいケースが多いじゃないかと。芸能で入ったけれども、後で実は管理しているような者がおって、人身取引で監禁をして強制売春をしたりするケースもありますし、そうでないケースでも、実際は売春等のほかの方に走って、あるいはそういうふうに仕組まれてそちらの方に行ってしまうという場合があって、芸能といっても、ただ皆さんに踊りを見せたり歌を聞かせたりしてそれでお金が取れるという人の割合は極めて少ないんじゃないかという認識を持っているわけですね。したがって、ここでまず入国の方のビザで徹底的に絞ろうということで今対応しておる。これがまず一つですね。
 だから、過去に芸能で入ってきた人が何人いるかといっても、これが本当に人身取引の対象であるかどうかということを見ることは非常に難しいわけです。
 もう一つは、警察の方で今よくやっておりますけれども、歌舞伎町なら歌舞伎町を実際に具体的に調査をする。そして、何とかのクラブに入り込む。そこに外国人がどれだけいて、どういう状態であるか、人身取引はあるのかないのか、売春はあるのかないのか、外国人はどういう実態かという、それぞれ調べなければ、また実際のこの実態は調べられないわけでございますから、これは先ほど警察庁、部長からもお答えしたとおり、警察が協力をしてもらうということ、この問題意識できつく取り締まってもらうことが最も最善の道であろうかと思っておりますので、関係省庁でそういう打合せをしつつ、片方でそのような強制をする者等についての罰則を強化したり、そしてビザについての入国管理を強化をしたり、そして駆け込み、被害者については民間シェルター等、今までは被害者であるというとそれだけ不法滞在で追い返すような実態がありましたけれども、それでは事がかえって済まないといいますか、適当な対応でないということから、シェルターの一時保護委託制度等の措置をとると、こういうことを総合的に対応しておるわけでございます。
#42
○神本美恵子君 今、警察庁とそれから官房長官の方からは、法務省、入管の取組を中心にお話をしていただきましたけれども、私は、協力してと言いながら、それぞれの分野もちょっと違いますし、実際に立入り捜査をする、そして立件するという警察と、入口、出口でやる入管、法務省の関係と、だからそこが常に連携をして、情報を交換しながら、またこれには外務省も大使館関係で入っていただかなければいけないでしょうし、今関係連絡省庁会議というのが開かれ、関係省庁連絡会議ですかね、というのがつくられまして、そこで開かれているというふうにお聞きしているんですけれども、そこが、じゃ、そういう実態調査、実態把握をどのようにするということまで話合いをして、定期的に調査をしていくというふうになっているのかというと、どうもそうではないということなんですね。
 ですから、私は、先ほども言いましたように、そういう実態解明ができるようなチームをつくるなり、それぞれから出して、定期的に実態解明に努めるということをやる必要があるのではないかというふうに思いますので、これについては昨日レクでずっといろいろお話合いしましたけれども、どうもいい返事が、いいというか、来なかったんですね。そこを官房長官、是非今の体制の中でできる実態解明ということでやっていただきたい。
 官房長官がおっしゃった、興行ビザだけでも、既に入ってきている人、今度ARBをなくして厳しくしたにしても、今来ていらっしゃる方たちで十三万人、今、日本国内に興行ビザで入ってきていらっしゃるんですね。その方たちがもしかしたら本当に、何割、どのくらいの人がその被害者としてひどい目に遭っていらっしゃるかというのを分からないわけですよね。こっちはそれを捕まえればいいということではなくて、まず被害者を救出しなきゃいけない、被害者を救出するためにはどういう実態になっているのかということをつかまなきゃいけないと思うので、これはもう是非強力にやっていただきたいと思うんですけれども、いかがですか。
#43
○国務大臣(細田博之君) 様々な角度から強力に取り組んでまいりたいと思います。
 今言われましたように、非常に膨大な数があって、その中には確かに仕事をして、いわゆる水商売だということで、日銭を稼いで、それをふるさとに金を送金しているという人も確かにおられるわけです。しかし、その中に大変な悲劇も起こっておるということで、今そういった実態が増えてきている。この数はまだまだ毎年百人前後、そういうことで表に出てきておるわけですけれども、これもまた氷山の一角でありますから、何倍あるかというところがはっきりしないわけでございますので、今、神本議員のおっしゃったように、対策を強化してまいりたいと思っております。これは日本国のまた評価にもかかわることでもあり、もちろん人権の問題でございますので、取り組んでまいりたいと思います。
#44
○神本美恵子君 今官房長官、力強くおっしゃってくださいましたので、是非関係省庁連絡会議の中で実態調査チームなりをつくって、省庁だけではなくて、先ほど言いましたように、NGOの方にもきっちり入っていただいて、インタビューのノウハウとか、どこに行けばどういう経路、ルートでブローカーに行き当たるとかいうことも御存じのNGOもあると思うんですね。ですから、そういったところも含めて、緊密な連携で実態把握に努めていただいて、一人でも二人でも被害者救出に努めていただきたいなと思います。
 それから、今度は救出した後の保護にかかわってですけれども、もう残された時間が五分しかありませんので、もう何ともまとめようがないんですけれども。どうしようかな。あれもこれも言ってもしようがないですね。
 じゃ、是非、実態解明の今のようなチームをつくっていただきたいということと、もう一つ、被害者の保護のために二十四時間ホットラインというものをどこかに、本当に安心して、こういう情報を得たら、ああ、助けを求めていいんだなということを知った人が電話をできる、あるいは駆け込めれば一番いいんですけれども、そういうものをつくる予定はありませんか。
#45
○政府参考人(鈴木基久君) 人身取引被害者の方がお困りのときにどのように行政あるいは警察等に対して被害を訴えるかということで、二十四時間コンタクトポイントというのも非常に有効な手段だと考えております。
 そういう意味で、警察は、常に一一〇番で人身取引被害者からの訴えがあれば、警察においては都道府県警察で対応するということになっておりますし、現在、先ほど警察庁の方から話がございましたが、警察とか、あるいはコンタクトポイントを明らかにしたリーフレットを、現在関係省庁お話をいたしまして、現在検討中でございまして、これを被害者の方に周知することによって、被害者の方々から、保護が必要な被害者の方々から保護をするべき行政機関に対して必要なコンタクトが取れるように取り計らってまいりたいというふうに考えております。
#46
○神本美恵子君 本当にこれからの取組ですので、いろいろ工夫しながらやっていかれると思いますけれども、先ほども言いましたように、被害者を一人でも多く、一日も早く救出するという観点から行っていただきたいと思います。
 官房長官は悲劇という言葉を使われましたけれども、その悲劇が子供の場合はまた更に過重の悲劇になっているということを最後に御紹介をして、これは是非委員の皆さんにも御理解いただきたいし、それから日本社会全体がこういった人身売買、日本国内で行われているということを認識をしていただきたいし、それを許さないという土壌がないと、依然として性的な搾取をさせようとする。日本国内に需要があるわけですから、その需要を求めて供給されてくるわけですよね。ですから、社会全体でこれを取り組まないと、政府だけが幾ら躍起になっても解決できない問題だと思います。
 ちょっと時間、残された一分間で、これは日本ユニセフ協会が紹介している「プンとミーチャのものがたり」という絵本なんですけれども、これはプンという女の子が、お父さん、貧しい家のお父さんが女の子を都会に働きにやってテレビを買いたいと。そのために親が働きに出させるわけですね、十二歳の女の子。そこで、最初は洋服工場に行っていたんですが、もっと金になる仕事があるよと声を掛けられて、売春宿に連れていかれます。そこで売春を十二歳の女の子がさせられて、そこにいた幾つか年上のミーチャという女の子と出会って、やっと肩寄せ合ってそこで何とか生きているけれども、耐えられなくて二人で逃げ出します。でも、そのときはミーチャという女の子はもう性感染症、エイズにかかっていて、逃げ出してやっと助けられたときにはもう何日かの命で、ミーチャはエイズで亡くなっていくんだそうです。その亡くなる最後にこう言ったそうです。「プン、わたし、あなたと会えてよかった。ここににげてきてからは幸せだったわ。でもね、わたし、夢があったの。あなたと一緒に学校に行って、勉強っていうことをしてみたかったな……」という、これは実際にタイであった実話を基にしてユニセフが作った絵本だそうです。
 こういった子供や女性が日々こういった目に遭って命を落としかねない状況に置かれているということを認識して、これは政府も、また私たちも、社会全体として人身売買受入れ大国日本という汚名を返上するために頑張っていくことを私も決意しながら、お願いを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#47
○松井孝治君 民主党の松井孝治でございます。
 今日は、村上大臣にお越しをいただきまして、市場化テストの問題について御質問をさせていただきたいと思います。
 市場化テストということで、昨年の十二月二十四日でしたか、レポートが出て、それに基づいて来年度モデル事業を開始されるというふうに伺っております。これだけ財政が厳しい中で、私、そもそも公務の目的というものを達成するために、もちろん公務員組織が全力を挙げて努力をすることは当然でありますが、それと併せて民間の力というものも活用していくという方針は私どもとしても賛同できるものだと思っております。
 それで、今日は関係省庁の方からも政府参考人お見えでございますので、まずハローワーク、これ市場化テストの対象になっていますけれども、これについてお伺いをしたいと思います。
 これは厚生労働省の方にまずお伺いをしたいと思うわけでありますが、ハローワークについて、これを官民競争入札にかけて市場化テストをしたいという要望が相当程度、内閣府の方で最初に要望を確認された段階であったと思います。実際問題は、四事業ですね、キャリア交流プラザとか若者版キャリア交流プラザとか求人開拓事業、アビリティガーデン、こういった分野についてモデル事業を行うということが決定されたようでありますが、ハローワーク本体の業務を行いたいと、請け負って行いたいというような要望が民間から出されていたと思うんですが、それについて、このキャリア交流プラザも結構ですが、あるいはアビリティガーデンも結構ですが、本体業務について今回市場化テストの対象とすることを見送られた理由は何でしょうか。まず、厚生労働省にお伺いしたいと思います。
#48
○政府参考人(大石明君) お答え申し上げます。
 ハローワーク、公共職業安定所の業務は大きく分けて三つになろうかと思います。職業紹介業務、雇用保険関連業務、そして雇用対策関連業務、この三つの、大きな三つの仕事があるわけでございますが、この三つの仕事というものを非常に連携を付けながらやることでそれぞれの仕事というものを効果的に展開しているといったところというふうに私どもは考えております。
 そして、その市場化テスト、ある例えばハローワークを一つ取り出してきて丸ごとということになりますと、例えば職業紹介業務というのは全国的なネットワークの中で仕事をしておるわけです。あるいは地域でも、その地域の幾つかのハローワークがお互いに協力し合って仕事をしている。ある求職者が来られたときにそのハローワークの中で仕事を見付けるということはむしろ少ないと言ってもいいぐらいで、そういった全国的な、あるいは地域的なネットワークの中で仕事をしているわけでございます。そういうところで一つの安定所を取り出してきて、ハローワークを取り出してきてというのはなかなか難しい部分もございます。
 また、雇用保険と、例えば職業紹介業務だけを切り離してやるといった御提案もございました。こうなってまいりますと、その雇用保険と職業紹介というものは、もしこれを切り離しますと、雇用保険の方の支給というものがきちっとした判定ができないというようなことで乱給になる、そういったこともございます。
 あるいは、雇用保険の業務というのは当然のことながら種々の認定であり、失業の認定でありますとか給付、あるいは不正受給の場合の摘発、あるいはそれに基づく返還命令、こういったものを掛けていく行政処分も持っておるわけでございまして、この行政処分というのはやはり国としてきちっとやっていかなければならない分野かと、こんなふうに思っております。
 こんなことがございまして、こうしたことが現在の憲法二十七条の勤労権の保障あるいはILO八十八号条約の精神、こういったものにも完全に沿ったものであるというふうに思っているところでございまして、そんなことから、我々としてはハローワークというものを一つ切り出してきての市場化テストというものはなじまないものと、こんなふうに考えている次第でございます。
#49
○松井孝治君 答弁はできるだけ簡潔にお願いしますね。
 今日参議院の本会議でも、これは職業安定、公共職業安定所を一か所追加をするということが国会でも認められたわけですね。この理由は、非常に利用者が急増している、そういうことだと思いますね。平成元年から平成十五年度にかけて、一か所当たりの全国平均の利用者は六千二百九十三人から一万二千二百二十人に増大している。特にこの草加の公共職業安定所というのはもう倍以上、倍というか三倍ですね、になっているということで一か所増員を国会は承認をしたと。私は、これは正に現在のそれだけ求職者の方々が多いということだと思うんです。しかしながら、これ、公共職業紹介というのが官の組織であるがゆえに、国会も承認をしなければいけない。要するに、行革のこの御時世に、幾らその求職者の数が多くてハローワークが混雑していても、それは官僚組織であるからそれを野方図に増やすわけにはいかないという状況の中で一生懸命やっていただいていることは、私はそれは評価したいと思うんです。
 ただし、私が申し上げたいのは、今ILO八十八号条約というふうにおっしゃって、これは私昔役人時代に行革やっているときから、金科玉条のように憲法二十七条と並んで当時の労働省はおっしゃっていましたけれども、私の理解ではILO八十八号条約って、やっぱりナショナルネットワークでやることを保障するとか、基本的にその働く人たちがパブリックオフィシャルであるということを求めているものだとは思うんですよ。思うんですが、こういう雇用情勢が緊迫化していて、なおかつ国の財政状況が悪い中で、本当に公務員組織だけに頼っていていいんだろうか。もう基本は、私はそのナショナルミニマムとして公務員組織が無料の職業紹介というのをやるというのはこれは堅持しなければいけないと思う。だけれども、それに加えて、これ軒並みですよ、これ全国平均で一か所当たりの新規求職者数は六千二百九十三人から一万二千二百二十人という倍になっているわけですよ。
 こういう御時世でハローワークの機能がどこまで、一生懸命その関係者の方々やっておられるかもしれないけれども、やっぱりまだまだ不足しているんじゃないか。そのときに、村上大臣のところが、ここをもう少し民間の力かりたらどうかというふうにおっしゃっているときに、そこの本体の部分は全く手を付けられない。今も政府参考人の方からるる御説明がありましたが、そこをどう考えるかというのは私非常に大事な点だと思います。
 それで、これ私、橋本総理大臣のときの行政改革会議においても議論をして確認をしていたんですが、オーストラリアがですね、外務省の方今日お見えでございますけれども、オーストラリアがいっとき、九八年から二〇〇〇年、二〇〇二年ぐらいまでですかね、その公共職業紹介のネットワークの中に民間企業を参入させて、民間企業が職業紹介をやっているんですね。今はそれはいろんな経緯があってなくなっていますけれども、私が当時、一九九七年当時に調べた中では、オーストラリア政府は、その民間企業が国全体のナショナルネットワークの中で一部の職業紹介の事務を担うというのは、ILO八十八号条約に基づいて適法であるというふうにオーストラリア政府は解釈しておったようであります。
 外務省の方にお尋ねしたいんですが、これ明確に、九八年から一定期間、オーストラリアは民間企業がその職業紹介の事務を担っているんですね、公的ネットワークの下で。これについて、当時あるいは現在に至るまでILOの中でおかしいという提訴が行われたとかそういう事例があるのかどうか、御承知であればお伺いしたいと思います。
#50
○政府参考人(神余隆博君) お答え申し上げます。
 ILOにおきましては、通常、加盟国が事務局に送付いたします既批准条約の実施状況に関する報告に基づいて、理事会の下にあります条約勧告適用専門家委員会及び総会の条約勧告適用委員会において審議が行われることとなっております。
 少なくとも、過去十年間ほどさかのぼって確認した範囲では、ILOの総会、先ほど申しました総会の条約勧告適用委員会等におきましては、豪州におけるILO第八十八号条約の適用状況について個別審査が行われたことはなく、またILO条約適用勧告専門家委員会においても本件に関する意見が出されたことはないというふうに承知をしております。
#51
○松井孝治君 村上大臣、今聞いていただいたと思うんですね。それは問題になっていないんですよ。オーストラリア政府も当時民間企業に委託することについて、これは本体ですよ、日本でいうとハローワークの職業紹介の本体の業務を民間委託することについて国際的に問題になっていないんですよ。
 さっきILO条約の精神に照らしという御答弁が政府参考人、厚生労働省の方からありました。私は、ILO条約というふうにおっしゃるんだったら、その条約の第一条の二項に、必要な場合には他の公的・私的主体と協力して完全雇用の達成を図ることが本来の任務であると、こう明確に書いてあるわけですよ。
 今の状況がどういう状況であるかというのは、これはもう一々私がここで御説明する必要がない雇用情勢ですよ、構造的な。なおかつ、正に今日参議院の本会議で先ほど承認されたように、新規求職者数の増加割合が、もうトップテンなんというのはもう軒並み三倍ぐらいになっているわけです、平成元年から平成十五年で。要するに、人足りないんですよ。
 こういう状況の中で、できるだけ効率的に税金を節約して職業紹介をできるだけ頑張ってやるというのは、ILO条約の必要な場合には他の公的・私的主体と協力して完全雇用の達成を図るという目的に照らしても、それから先ほど外務省の方から御答弁いただいたように、オーストラリアが一時期それをやったことについてILOの中で全然議論、それが問題であるという議論が行われていないという事実に照らしても、村上大臣、これはやっぱり、まあ厚生労働省もお立場があるから、最初から、はい、分かりましたというふうに言うと、全国の職業紹介のその組織で働いている方々に対してなかなか問題があるというふうに思われたのかもしれませんが。
 こういう雇用情勢の中で、やっぱりもうちょっと民間に門戸を開いていく、せめて市場化テストに、ハローワーク本体について対象にするということについて更に御検討をいただくおつもりがあるかどうか。あるいは、今までの関係者の答弁を聞かれての御感想も含めて御答弁いただきたいと思います。
#52
○国務大臣(村上誠一郎君) 委員御高承のように、今までは、終戦直後、人口が増える、経済規模が拡大する、税収増えるというんで、各省庁がやっぱりサービスを一杯やってきたわけですね。これからは、もうあとしばらくしますと、人口が減る、経済規模収縮する、税収も減ると。
 やはり行政改革をいろいろ考えた場合に、やはり国の仕事、地方の仕事、また今委員が言われるように、民でできるやつは民にやると。そういうことでやはりこういうモデル事業というのがやはり行われていく必要が出てきたんだと思います。特に、インディアナポリスの市長は、御承知のように、もう道路の補修から求職から、場合によっては監獄の監督からゴルフ場の経営まで、市の仕事の半分以上を民間に委託したわけですね。そういう中で、そういう将来的な方向を見定めつつ今回市場化テストを始めるわけであります。
 そういうことで、今回の公共サービスについて、民と官との間で競争入札を行って主体を決定し、民でできるものは民で具体化する制度でありまして、多分この装置があらゆる分野に行けるような法律ができてくれば、相当程度の効率化が期待できるというふうに私は思っております。
 そういう面で今、今回、モデル事業において、キャリア交流プラザや若年版キャリア交流プラザや求人開拓事業、アビリティガーデンのように、四事業十か所を対象とすることに対して、今委員の方から、市場化テストの意義を踏まえて、制度の本格的導入に向けて、無料職業紹介といったハローワークの本体業務を含め、より広範囲な事業を市場化テストの対象事業とすべきじゃないかという御意見なんですが、私も委員と気持ちは全く同じでありまして、そういうより広範な事業を市場化テストの対象事業とすることにつき鋭意やはり検討していきたいと、そういうふうに考えております。
#53
○松井孝治君 前向きな答弁はいただいたんですが、その検討というのを、これは少なくとも四事業、ハローワーク本体とは違いますけれども、周辺の四事業をモデル事業として実施することを決定されて、今その指針のようなものが決定されて、これから手続始まると思うんですが、それを見てからやるのか。それとも、今おっしゃったように、例えばハローワーク本体事業も、こういうふうに国際的に見てもやった事例もあるわけですから、どれぐらいのスピードで、まず今の四事業についての市場化テストを実施するのかにもよりますけれども、私はその結果を待たずにどんどん次の段階について政府部内で検討をしていただきたいと思うんですが、そこはいかがでしょうか。
#54
○国務大臣(村上誠一郎君) これは御承知のようにモデル事業でありますから、三つの分野に限って四つのあれでやったわけですけれども、私どもとしましては、そのモデル事業をやりながらどんどんどんどんデータを取りながら、またそういう運営を見ながら立法化の方のデータ作業にどんどん使っていきたいと考えていまして、委員のように、モデル事業にまでできることならしたいんですが、今の段階ではモデル事業としては今その四分野に区切っております。そういうことで、その動向を見ながら引き続き鋭意検討していきたいと、そういうふうに考えております。
#55
○松井孝治君 是非検討をしていただきたいと思います。
 ハローワークと同様に、社会保険庁の事務についても市場化テストの対象になっています。これは三事業が対象になっているわけでありますが、これについて具体的にお尋ねしたいと思います。
 まず、これ、これも社会保険庁の方に先にお尋ねをしたいと思いますけれども、社会保険の場合は国民年金保険料の収納事業という、これは一番ある意味では本体に近いような仕事、一番今問題になっている分野のお仕事だと思いますが、これについてモデル事業の対象にするというふうに規定しておられます。
 ただ、問題は、これ五か所だけで実施するということになっています。たしかこれ、箇所数でいうと三百か所以上ある中で五か所だけでやると。モデル事業だから五か所もあれば十分だろうということかもしれませんけれども、もう少しその適用対象を広げてもいいんじゃないかという気もしますし、それからモデル事業として採用しているものの中身ですね。何か私が聞いている限りでは、電話で確認をしたり、督促をしたり、戸別訪問をするところ止まりで、そこから先はやっぱり公権力の行使の壁があってなかなかできないということのように伺っていますが、この中身の質と、それから、三百十二のうちの五か所だけというんじゃなくて、もう少しできないのかということについて、まずは社会保険庁のお立場を伺っておきたいと思います。
#56
○政府参考人(小林和弘君) 社会保険事業に関しましては、効率的で質の高いサービスの実現ということを目指すとともに、業務効率化の観点からも外部委託ということについて従来から取り組まさせていただいております。
 今回、この市場化テストの議論の中で、私ども、今も委員から御紹介のありました国民年金保険料の収納事業、あわせまして厚生年金、政管健保の未適用事業所に対します適用促進事業、あるいは年金電話相談事業、これら三つの事業についてモデル事業として取り組まさしていただきたいということで整理をさしていただきました。まず五か所という御指摘ございました。適用促進事業と国民年金保険料の収納事業、これにつきましてはそれぞれ五つの社会保険事務所での取組をさしていただくと。それから、年金電話相談事業については二か所のセンターで実施をさしていただくということで考えております。
 何せこの市場化テストのモデル事業、今回初めての試みということでもございますし、事前の準備あるいは様々な調整、こういうことを経た上での実施ということになりますので、十七年度におきましては、まず先ほど申し上げたような箇所数での実施ということで取り組まさしていただきまして、その実績を踏まえまして、今後その実施箇所数の拡大について検討をさしていただきたいというふうに思っております。
 また、もう一つの中身の方の点でございます。国民年金保険料の収納業務を例に取ってお話をさしていただきますと、社会保険庁、実質的には社会保険事務所で実施しております収納業務のうち、滞納処分に係ります財産差押えの決定でございますとか、執行に関する業務以外を包括的に今回モデル事業の対象とさしていただこうというふうに考えております。
 強制徴収の実施という部分に関しましては、権力性の強い業務ということから、これを民間の事業者の方に実施していただくことについては更に法制論的な詰めが必要だろうと考えておりますし、もう一点、強制執行の実施には不可欠な所得情報というようなものにつきまして平成十六年度から市町村からいただくということになっておるわけなんでありますけれども、この所得情報が民間事業者の方々に即提示をされるということとなりますと、市町村からのその所得情報の提供、これは協力という形でいただいておるわけですけれども、これを協力が得られなくなるおそれがあるんではないかという辺りが非常に我々としても心配のところで、この辺りにつきましても更なる慎重な検討が必要という判断から今回のモデル事業の対象は先ほどのようなところでやらしていただければということで考えているところでございます。
#57
○松井孝治君 これ、私、今手元に持っているのは、社会保険庁の在り方に関する有識者会議というものをやっておられますね。このモデル事業、今の例えば収納事業であれば五つというふうに決めたのは昨年の十二月二十四日でしたよね。その後、この最近の直近の十七年の二月二十一日の有識者会議の議事録を私ざっと読ませていただいたら、いろんな方々がいろんなことをおっしゃっていますね。
 例えば、草野委員という方は、社会保険庁という外局であってもふたを開けてみたら中は民間企業であったというぐらいの人事、処遇の在り方をつくる、やはり国民から見たら信頼感の回復につながるんではないかという御提起をされています。さらに、これは、矢野さんという委員は、市場化テストであるけれども、幾つか候補が挙げられているけれども、民間事業者からもっと積極的に提案をさせて、そしてそれを具体化できるものはしていくという姿勢が必要なのではないかというふうにこの二月にもおっしゃっているんですね。
 要するに、正に社会保険庁の在り方、これは、官房長官もお見えになりましたけれども、今のもので十分という意見じゃなくて、もっとこんなもので甘いんじゃないかという意見が出されているわけですよ。何で五か所だけなのかということについて、恐らく社会保険庁の予算の中に計上されているわけでしょう、その収納事務のお金は。私、これは恐らく目間流用すれば、その社会保険庁の予算に適用されているものをもっと、市場化テストを五か所だけじゃなくて、三百か所以上あるんだから、そのうち二十か所でも三十か所でも目間流用してやってみたらいいじゃないかと。
 現在、正に官邸で行われている社会保険庁の在り方会議は、その十二月の議論よりも更に厳しい議論が必要だという議論が出ているわけですよね。これを踏まえて、しかし社会保険庁の事務方にそれを伺ってもなかなか難しいかもしれません。ちょっとこれ大臣、念頭に置いてください。
 その上で、公権力性が強いという話が今出ましたね、その収納も強制徴収とか。ここは一つの大きな問題なんですね。民間委託するときに何でも出てくる、とにかくいろんなところで出てくる論点ですね。
 今日、警察庁の方にもお見えいただいておりますが、昨日のどこかの新聞にも出ていましたけれども、来年度からですかね、来年度というか再来年度からかな、道交法が改正になって、正にこの委員会で議論をいたしましたけれども、確認標章、昔でいうところの車に取り付ける切符みたいなものは、法的に言えば若干違うんですけれども、あの確認標章は民間の事業者が入っていって、確認標章の取付けは民間の方々がやるというふうに制度改正されました。
 それはそれで警察組織、人が非常に、今犯罪が、状況がどんどん悪化している中でなかなか人が割けない、その中で駐車違反の状況がひどいという状況の中でそういうことを導入されようとした。これはいろいろ国会の中で議論がありましたけれども、法案として通りましたね。この確認標章の取付け、これ、いわゆる切符切りというものと普通の一般の国民から見たら同じことですよ、違反の確認標章取り付けられたら。昨日の新聞では、もうチョーク引くのをやめて、いきなり確認標章を取り付けるというふうに出ていましたけれども。あれは何でいいんですかね。警察庁の方、確認標章の取付けというのは、あれは公権力の行使ではないんですか。
 それからもう一つ聞きたいのは、レッカー移動されますね。私はされたことないですけれども、私の友人でも、あっという間にレッカー移動されたという人はたくさんいますが。あれ、レッカー移動というのは、たしか私が町で見た風景は、婦人警官の方がそこに、横におられて、はい、じゃお願いしますと言ってレッカー移動されていますが。あのレッカー移動をする、運転をされている方あるいはレッカー移動の車というのは民間事業者ですよね。あれは公権力の行使に当たらないんですか。警察庁、お願いいたします。
#58
○政府参考人(矢代隆義君) お答え申し上げます。
 お話のございました一点目の昨年の道交法改正によりまして規定されました確認標章の取付けでございますが、これはそれ自体としては私人の権利を制限し又は義務を課すものではなく、単に事実を確認したことを相手に知らせるだけのものでございまして、これはいわゆる公権力の行使には該当しないものと考えております。
 それからもう一点目でございますが、道路交通法の規定に基づきます違法駐車車両の移動措置、いわゆるレッカー移動でございますが、これは警察署長が行うものとされておりまして、この移動措置はいわゆる公権力の行使に該当すると考えておりますが、ただ、その民間事業者が警察署長の指示に従ってこのレッカー移動の作業を行う行為の評価でございますが、これは警察署長又はその指揮下にあります警察官により移動すべき車両を特定いたしまして、移動すべき旨を意思決定した場合において、その指示に従い、単にレッカー車により移動する作業を実施するときは民間事業者がいわゆる公権力の行使を行っているものとは言うことはできないものと考えております。
#59
○松井孝治君 私はあのレッカー移動は公権力の行使に当たらないと思っていたんですが、当たるのは当たるんですね、という今答弁だったと思います。
 それで、もう時間もありませんから、私の説明に移りたいと思いますが。
 これは通告もしていませんし、答弁は要らないんですけれども、公権力の行使といえば、例えば健康保険組合の滞納処分というのは、これ、あるんですね。実績で、平成十五年度で八百四十五件あるんですよ。健康保険組合というのは、これ、大臣、公務員組織だと思われますか。違うんですよ。これは主務大臣の許可を得て非公務員の組織が滞納処分をしているんですよ。
 今のレッカー移動もそうなんですけれども、きちんとその公権力の行使についての判断は、これは民間人が勝手にはできないと思います、さすがに。だけれども、この正に健康保険組合とかほかの、例えば厚生労働省の関係だったら高齢・障害者雇用支援機構も処分する権限はあるんです。ただし、これはあくまでもたしか主務大臣の認可を得た上でやるんです。だから、公権力の行使であっても、主務大臣が認可しているとかあるいは警察官が立ち会って判断をしているとかいうものはできるし、それから警察庁はもっと巧みに、確認標章の取付けが公権力の行使ではないという、そういうロジックを使って、あれは正に従来の切符とはちょっと違いますと、確認ですという言い方をして、実際、でも交通違反の取締りを民間の方々が確認標章の取付けされているわけですよ。
 だから、例えばこれ、社会保険庁の問題も同じような工夫を、例えば道交法において切符を切るというところを確認標章の取付けという行為を新たに道交法上位置付けられてやるというような行為を取るとか、あるいは今のレッカー移動の議論とか、あるいは健康保険組合の滞納処分、これを大臣の認可の下にやるというような法形式を取れば公権力の行使だってできる。できるんだけれども、それは面倒くさいのか、あるいはそれだけする実益がないのか、あるいはそれは従来の組織に対して若干、その組織の論理でそこまでするといろんな影響があるという判断なのか分かりませんが、やってないということでありまして、これ是非社会保険庁の改革、正に官房長官の下で改革をしているわけですから、この公権力の行使はもう一ミリたりとも民間に触らせないということではなくて、実際それは行っている事例もあるわけですから、いろんな工夫をすれば、法的に工夫をすれば十分できる、こういうことを含めて、村上大臣、この社会保険庁の収納事務について更にもう少し深掘りができないかどうか、御答弁いただきたいと思います。
#60
○国務大臣(村上誠一郎君) 現場と実務に詳しい松井委員の非常に精緻な理論に裏付けられた本当に御質問、本当に感服しております。
 ただ、御承知のように、今回、平成十年度に実施するモデル事業については、尾辻労働大臣と私で、まず第一弾として国民年金の収納事業、それから適用促進事業、それから電話相談センターで、五か所、五か所、二か所ということで、全部で十二か所あったんですね。委員も御高承のように、現場にいられたから分かると思うんですが、これを引っぱがすだけでも実は大変なことなんです。そのうち、五、五、五で、全部で十二か所ですけれども、これだけでもまた大変なことなんです。
 ただ、御理解いただきたいのは、私たちのウエートの置いているのは、次の年に考えると制度設計の方なんですね。私としては、このデータを逐次取りながら、次の制度設計においては、今回は三分野であります。要するに、ハローワークと刑務所ともう一つはこのあれですけれども、それ以外の全分野における制度設計のときのためのデータとしてできるだけ取りたいと思っているわけです。
 そういうことで、このデータを取ることが最終目的ではなくて、その次の、さっき申し上げたインディアナポリスの市長がやったような幅広い、要するに民間への仕事の移行できる制度設計ということに重点を置いてやっていきたいと、そういうことになるんです。ただ、気持ちは委員と全く同じで、市場化テストの意義を踏まえて、委員御指摘の市場化テストの対象事業の範囲の拡大についても、制度の本格的導入に向けて、委員と同じ気持ちでありますので、鋭意検討を続けていきたいと、そのように考えております。
#61
○松井孝治君 これはちょっと予定していた順番と入れ替えさせていただきますが、今インディアナポリスというふうにおっしゃいました。それで、この十二月二十四日の報告書を読ませていただくと、地方への拡大ということも規定しておられますね。
 それで、これ例えば大阪商工会議所は、市場化テストを非常にもっと大幅に拡充すべきだというレポートを、地方自治体における公共サービスの民間開放に関する提言というものをまとめておられます、大臣も目を通しておられると思いますが。これは一つの例なんですが、もしその地方への拡大ということを検討されているということであれば、正にこの大阪商工会議所というのは、地方でこういうことをもっと大阪府とか大阪市がやりたいと思っているんだけれども現実に、例えば地方自治法の規定による制約とか法律レベルでの制約があるからなかなか難しいというものがたくさんあるんですね。
 こういうものについて規制改革・民間開放推進会議の事務局として地方からの声を、従来やられてきたみたいに、民間からの声を聞かれてきたように地方自治体からの声、あるいは改革派の首長さんからの声その他を日にちを決めて聞かれる、ヒアリングをされる、そういうおつもりはおありでしょうか。
#62
○国務大臣(村上誠一郎君) 正に気分はもう松井委員と全く同じであります。
 御承知のように、こういうようなモデルというか、とにかく今までは国の、地方の仕事をどこの範囲にするかと、そしてまた、本来、民のできるものをどういうふうに持っていくかという試みが、実は今回が初めてなわけですね。私としては、正に委員と同じで、地方公共団体の事業についてもこれは絶対有意義で、将来やってもらいたいと思っているわけなんです。ただ、委員御承知のように、今のシステム上は強制できないんですよね。だから、私としては、こういう先進的な地方公共団体が自発的にこの市場化テストを導入していくことを今のところ非常に期待しているわけです。
 そういうことで、このため政府としても、地方公共団体やビジネス界の関係者との間で、委員が言われるように、意見交換等を行っていきたいし、また地方公共団体の先進的な取組を阻害している法令等があればその改正を図るなど、地方公共団体における市場化テストの導入へ私のできる限りにおいて環境整備を行っていきたいなと、そういうふうに考えております。
#63
○松井孝治君 是非地方からの声を、例えば日程決めて、いろんな提案とか、特に国レベルの法律の規制あるいは政令の規制をこういうふうに変えてくれればうちの町ではこれができますというものを聞いていただきたいと思います。
 それで、先ほどこのモデル事業というのは別に本丸じゃないんだというお話がありまして、私もそうだと思うんですね。これは前哨戦であって、前哨戦で余り力を使い尽くすよりは、本番の方できっちりやっていただく方に意味があろうと思います。ところが、これ、昨年の十二月の二十四日のこの報告書を見ると、市場化テスト法というものをつくるということを、従来たしか中間取りまとめのときには十八年度に市場化テスト法というものをつくるというふうにおっしゃっていたと思うんですが、十八年度じゃない、十七年度でしたっけ、モデル事業を十七年度にやって十八年度に市場化テスト法を成立させて実際施行するというふうにおっしゃっていたと思うんですが、この十二月二十四日を見ると、法的枠組みを含めた制度の整備を検討するというだけで、年限がなくなっているんですね、いつの間にかね。これ、どういうことなのかよく分からないんですが。伺うところによると、それを十八年度目標に議論はしていくと、ただいろいろ差し障りもあって十八年度という文字は落とされたやに伺いますが、そのときに大事なのはこのモデル事業の評価なんですよね。先ほどキャリア交流プラザとかハローワーク関連の方は実施方針をもう既に公表されて、これはもう入札公告の手続に入っておられると思います。ところが、社会保険庁の方がこれ全然まだ実施方針も公表されてないし、具体的にいつまで掛けてそのモデル事業を行うのか、はっきりしてないんですね。
 これは大臣に幾つかお尋ねしたいんですが、一つ目はこの市場化テストのモデル事業の評価というのをだれがやるのかということですよ。それから、いつやるのかということですよ。もしこれが例えば今年一杯掛かって、年末に掛けて事業をやって、年度末、今年というか、来年度一杯掛かってモデル事業を評価されても、恐らく次の通常国会に市場化テスト法を出すというのは無理ですよね。だから、ここをどれぐらいのタイミングでモデル事業を評価するのか。それは当然評価するのは、私どもは、各省庁がお手盛りで評価していたんだとなかなか、各省庁が評価するのは自由ですけれども、これやっぱり大臣の下の事務局で評価すべきだと思うんですが、そこの評価の主体とタイミングについてお伺いしたいと思います。
#64
○国務大臣(村上誠一郎君) 正に松井委員のおっしゃるとおりでして、市場化テストの実施プロセスについてはやはり透明性とか中立性、公正性の観点から、やっぱり委員言われるように中立的な第三者機関が監視を行うことが必要だと思います。そういう制度の本格的導入以前においては、私の下にあります規制改革・民間開放推進会議が第三者機関として監視を行うこととしております。また、その一環として、そのモデル事業の評価についても、データが上がり次第どんどんどんどんインプットしていきながら、随時その翌年の法案化に織り込んでいきたいと、そういうふうに考えておりまして、その規制改革、民間開放推進を行うことになりまして、評価はモデル事業の終了後にのみならずその実施過程においても随時行っていきたいと、そういうふうに考えております。
#65
○松井孝治君 そうすると、基本的に法案は次の通常国会を目指して作業されているという理解でいいんですか。
#66
○国務大臣(村上誠一郎君) アズ・スーン・アズ・ポッシブルじゃありませんけど、可及的速やかにやっていきたいと、そういうふうに考えております。
#67
○松井孝治君 今大臣がおっしゃったところの第三者機関が評価する、今のところ大臣の下の事務局が評価するということなんですが、これ、具体的に市場化テストの評価をする体制ですね。これからいろんなことが、事務が大変になってくると思うんですが、これはどういう体制を整えられようとしているんですか。これ、大臣でも政府参考人でも。
#68
○政府参考人(田中孝文君) モデル事業の実施の間に関しましては、私ども事務局がそれに対応する所存でございます。法制化も含めてそうしたことに対応する事務局の体制を整備する予定でございます。
#69
○松井孝治君 どれぐらいの規模の事務局を設置されるんですか。
#70
○政府参考人(田中孝文君) 今、鋭意検討中ですが、十数名規模になろうかと考えております。
#71
○松井孝治君 その十数名規模は予算書のどこに載っていますか。
#72
○政府参考人(田中孝文君) 新しい予算書に。
 要するに、委員お尋ねはそのための新しい組織をつくるかということかと思いますが、既存の定員等の運用でこれは充てることになります。
#73
○松井孝治君 既存の定員で、その分の十数名の定員はどこに確保してあるんですか。
#74
○政府参考人(田中孝文君) なお、ただいま準備体制については鋭意検討中のところでございます。
#75
○松井孝治君 鋭意検討中って、四月の頭からつくるんじゃないんですか。
 じゃ、聞きますが、今大臣の下に事務局ありますね。あれは何人規模で、内閣府にどれだけの定員がありますか。
#76
○政府参考人(田中孝文君) 私のところの規制改革、市場開放推進室は現在三十二名でございます。で、うち十六名が民間でございますので、約半分がいわゆる公務員でございまして、そのうち要するに内閣府の定員になっているものは六名でございます。他は併任でございます。
#77
○松井孝治君 内閣府の定員が六名、あと十名は各省庁に座布団を置いた併任ということですね。
#78
○政府参考人(田中孝文君) さようでございます。
#79
○松井孝治君 これは問題なんですね。別に私は、各省庁に座布団があるから、その方々が各省を背負って仕事をされていると思いませんけれども、私が聞いている限り、その十六名、三十二名の方はフルタイムで大臣の下で事務局で勤務されていると。ところが、民間の方の、今のお話でいうと、民間の企業も手弁当だということですね。
#80
○政府参考人(田中孝文君) ちょっと手弁当というあれがなんですけれども、調査員という形で手当をお払いしてお勤めしていただいております。
#81
○松井孝治君 調査員といいますが、その人たちにどれだけの手当が一日当たりに払われているんですか。
#82
○政府参考人(田中孝文君) 済みません。正確な数字、突然でございますので用意してございませんが、概数で約一日一万円ということでございます。
#83
○松井孝治君 これは、別に事務局を責めているわけじゃなくて、ここだけじゃないんですね。内閣府とか内閣官房は恒常的にこういうことをやっているわけですよ。私が昔、行政改革会議の事務局に出向していたときに、私も親元の省庁から給料をもらっていました。そのときに民間からたくさん人が出てきていただいていましたが、全部民間企業から給料をもらっていました。その手当、日給幾らとかいうのは、全部、普通の場合は、民間企業に入れて、それでその方々はその民間企業の給与表に沿って給与をもらっておられると、そういうことだと思うんですね。
 ちなみに、ちょっとこれ、せっかくですから内閣府及び内閣官房から確認をしたいんですけれども、内閣府と内閣官房、例えば内閣府は七政策統括官部局で見て、最近、ここ二年ぐらいでいいですけれども、何人の定員があって、定員外で各省庁あるいは外部に籍を持っておられる方々が何名併任で勤めておられますか。内閣府それから内閣官房の順でお願いします。
#84
○政府参考人(中藤泉君) 内閣府でございますが、七政策統括官部局、平成十六年四月一日現在で定員が三百四十三名、それからその際の他省庁からの併任者数百四十一名。平成十七年、直近の三月十五日現在ですが、定員が三百四十三名、直近の併任者数は百七十一名。現状こうなっております。
#85
○松井孝治君 内閣官房。
#86
○政府参考人(千代幹也君) 内閣官房につきましては、現在、十七年三月現在で定員が六百四十八名、他省庁からの併任が七百三十二名でございます。一年前の三月現在で、定員が六百二十七名、他省庁からの併任が六百六十名となってございます。
#87
○松井孝治君 これはやっぱりどんどんひどくなっていますね。もう昔から、手弁当という言葉はまあやっぱり役人用語ですが、要するに内閣府とか内閣官房に定員があって、内閣府とか内閣官房から給料をもらって働く人たちが最初におっしゃった定員で、それ以外の各省併任というのは、各省に定員があって、事実上内閣府とか内閣官房に来ているけれども給料は各省庁からもらっているという状況なんですね。私、何度も言いますけれども、各省庁から給料をもらったら各省庁のために働くなんというふうには自動的には思わないです。
 しかしながら、現実に大臣もいろいろ仕事をしてみられて、その寄り合い世帯というところで、いろんな方がいらっしゃいますね。特に内閣官房とか内閣府というのは各省庁のいろんな調整事務、重複する事務とか競合する事務とか、いろんなことを裁定したりする難しい事務が多いわけです。にもかかわらず、今の内閣官房でいうと、内閣官房の定員六百四十八名に対して他省庁が定員を持っている、いわゆる手弁当というのが七百三十二名。本体よりもそっちの方が多いわけですよ。内閣官房で最終の調整をするという事務をこの方々がスタッフとして担われているわけですね。内閣府も似たような状況ですよ、内閣官房ほど他省庁の手弁当の分は少ないけれども。やっぱりこれはどう考えてもおかしいと思うんですよ。
 平成十三年でしたか、内閣官房の組織令を変えたときに弾力化条項というのを入れて、ある程度、内閣官房とか内閣府というのはいろんな、急にいろんな事務が出てくることありますね、例えば郵政の民営化もそうですが。そういうものに対して弾力的に対応できるように少し余分の、例えば内閣審議官にしても内閣参事官にしても、余分の定員をバッファーとして置いておいて、その急な行政ニーズが出た場合にはそこで対応するということになっているんですが、もうそれどころじゃないんですよ。それはもう常に一杯一杯なんですよ。結局、何か新しいことをやるということになると、各省庁に、ちょっと申し訳ないけれども、座布団借りて、人出してくれといって頼んで、実際実務の方々は御苦労されているんですよ。
 こういう状況で、各省庁の権限をよこせとか、あるいはこんな事務は民間にもっと参入させろと。各省庁、嫌に決まっているんですよ。実際、最先端の、先端というか現場の調整というものは、各省庁から出ている人たちがそれをやらされているわけですよ。こういう状況が恒常的に続いている、むしろ悪化しているというのは、これはやっぱり問題だと。
 私、行革がありますから、行革の精神ということで内閣府とか内閣官房にどんどんタコ足のように組織つくるということを求めているわけじゃないんですが、平成十三年に導入したような弾力化条項をもう少し広げて、使わないときは空にしておけばいいと。それを、少なくとも二百人、三百人単位のことをもうちょっとしっかり手当てをしないと、これは正に内閣府とか内閣官房の予算的にその手当てをして、定員の座布団を設けておくというふうにしないと、これはとてもじゃないけれども、困難な各省の調整は私はできないと思います。
 まず、村上大臣に御答弁をいただきたいと思います。
#88
○国務大臣(村上誠一郎君) 正にその大変な現場を体験された松井委員の御質問で、よく委員の方は御承知だと思います。ただ、私は、御高承のように、この規制改革と実は行政改革とそれから特区と地域再生、これからお願いする地域再生と産業再生機構をやっています。
 まず、私は申し上げたいのは、確かに委員おっしゃるように各省庁から来ています。しかし、私は本当に一緒に仕事をして本当に誇りに思っています。それはなぜかというと、ある問題がありました。実は、細田先生や松井委員の出身のところから来ている方なんですが、正に自分たちの出ているところと真っ向からぶつかりました。しかし、最後までやはりロイヤルティーはあるし、規律はありました。本当に私は細田長官や松井委員の後輩の人たちは立派だと思います。
 それからもう一点は、確かに今回地域再生もやらしてもらって、特区もあるんですが、御承知のように、私としては委員と同じ考えで人員を増やしてあげたいんです、一人でも多く。特に特区の交渉に入りますと毎日三、四時間の睡眠です。ただ、残念ながら、今回の地域再生の法案で私がよく怒られたのは、質問の中でこれ以上その担当の部署の人員を増やすのかというおしかりに近い御質問を受けたわけです。だから、委員のようにその現場の苦労を知っている方はお分かりいただけるんですが、実際問題としてそういう仕事を充実さして人員を増やしたいとなれば、行革をくしくも担当している私としては、増やしたいんだけれども、それを増やすと実際その、何というんですか、行革に逆行しているんじゃないかという必ず質問が出てくるわけであります。だから、そこら辺は松井委員や今日御参会の委員の皆さん方のように御理解のある先生にそういう必要な人員のところはやはりきちっと付けてやれよというふうに応援していただけたらとお願いする次第であります。
#89
○松井孝治君 官房長官がお見えでございますので、最後に官房長官に一言だけお聞きして終わりたいと思いますが。
 私は、全体の定員を増やせなんということを全く言っていないんですよ。それから、各省からの出向が悪いということも言っていないんです。ただし、各省の定員をかりるようなやり方はおかしいんじゃないか。それはやっぱり官邸機能強化の観点からも、もう少しこれ全体の定員をやりくりして、各省庁から定員持ってきて、内閣府とか内閣官房の定員でしっかり、そこから給料出して仕事をしてもらったらいいんじゃないか。そうでなければ、変なことをやるという意味じゃないですよ、おっしゃったように立派な方は多いと思います。だけれども、やっぱり基本的に内閣官房とか内閣府の定員でしっかり仕事をしていただくべきじゃないか。その点について、最後、細田官房長官に一言御答弁をいただきたいと思います。
#90
○国務大臣(細田博之君) 松井議員はよく実態を御存じの上、御質問でございますから、私はおっしゃっていることは正にそのとおりだと思います。そして、内閣府、内閣官房の機能強化というのはいわゆる橋本行革と言われるこの行革の中心課題であり、着々とそういった方向には進んでおると思います。
 先ほど言われました、数多くのスタッフを抱えていい仕事を始めており、また実現をしておると、こう思いますが、そのときに、できるだけ内閣府、内閣官房に定員を付けろということになると、じゃ、その分はほかで減らせというようなことになるものですから、そういう問題をどうするかということ。それから、減らせと言わずに、各省で経験のある人を、よく物事を知っている人を集めて逆にそこを攻めさせるという意味もなきにしもあらずなんで、そういう面では先ほど村上大臣が言ったように非常によく機能する面もありますので、私は両面があると思いますが、本筋で言うと、内閣、内閣府、内閣官房に仕事をこうやって集中する以上はそこの定員を増やすと。そして、全体としては、要らないところは内閣府や内閣官房でももちろんあるわけですから、減らしていくという仕組みをもっと強化していくことがいいということは私も考えております。
#91
○松井孝治君 終わります。ありがとうございました。
#92
○白浜一良君 大変御苦労さまでございます。今日は少しお時間をいただいておりますので、十七年度予算に関連した議論を若干してみたいと思います。
 まず初めに、地震保険に関しまして、今日は金融庁と財務省からわざわざ来ていただいておりますので、お話をしたいと思いますが。
 ちょうど阪神・淡路大震災から十年でございますし、昨年は中越大地震がございまして、大変な被災者が出たわけで、心よりお見舞いを申し上げたいと思いますし、それ以後、いわゆるこの地震災害に対する国民の意識というのは大変大きなものがございまして、そういう意味では、今日、地震保険だけ少し議論したいんですが。
 地震保険も当初は余り普及していなかったわけでございますが、近年少しずつ普及してまいりまして、様々なこのいわゆる地震災害に対する対策が必要なんですけれども、この地震保険という観点から、その進捗度合いといいますか現状を金融庁からお話ししていただいて、再保険のスキーム、もう一度これ考え、どういうものかということを考え直してみたいと思いますので、説明をしていただきたいと思います。
#93
○政府参考人(大藤俊行君) お答えさせていただきます。
 先生御指摘の地震保険につきましては、地震保険に関する法律において「地震保険の普及を図り、もつて地震等による被災者の生活の安定に寄与することを目的とする。」とされているところでございます。その趣旨にかんがみまして、これまで官民一体となってその普及促進に向けて努力してきたところでございまして、保険業界においても、商品設計の見直しでありますとか、積極的な広報活動が行われてきているところでございます。
 まず、商品面におきましては、平成八年に建物の加入限度額を一千万円から五千万円に引き上げました。また、平成十三年に建物の建築年による割引と建物の耐震等級に応じた割引の導入を行うなど、累次にわたる商品設計の見直しを行ってきているところでございます。また、保険業界におきましては、マスメディアを利用した広報でありますとか、地震保険未加入の火災保険契約者に対し地震保険お勧めはがきの送付など、積極的な広報活動を実施してきているところでございます。
 このように保険業界としても地震保険の普及に向けて努力しているところでございまして、先生御指摘のように地震保険の加入率は近年上昇してきているところでございまして、平成五年度末に七・〇%であった世帯の加入率が、平成十五年度末におきましては一七・二%に達しているところでございます。
 今後とも引き続き保険業界におきまして、更なる加入率の上昇を図るべく、広報活動の一層の推進、商品性の見直しについて取り組んでいくものと承知しております。
#94
○政府参考人(有吉章君) 再保険についてでございます。
 ただいま地震保険の状況につきましては金融庁の方から御説明がありましたとおりでございますが、再保険に関しましては、まず、この巨大地震が起こりました場合、民間保険会社の保険支払能力を大幅に超えるような、そういった巨額の保険金支払が生ずる可能性ございます。そういったことから、その支払というものを確保するために、一つの地震で支払額を一定額を超える部分につきまして国が再保険を提供すると、こういう仕組みになっているところでございます。
 今回、十七年度予算におきましては、先ほどお話ありましたように、地震保険の普及率が向上しているというところから、一地震当たりの保険総支払限度額、これは関東大震災のようなものを想定しているわけでございますが、これを五千億引き上げて五兆円とするということで、また予算総則におきましてはそれをカバーするための必要な再保険契約の限度額、これを四兆一千二百二十一億九千万円という計上をしているところでございます。
#95
○白浜一良君 それで、私、今日は御提案申し上げたいんで、検討してもらいたいんですけれども、従来国土交通省が、いわゆる住宅の耐震改築というのは、いろんな補助金制度をつくってきたんですけれども、使われていないんですよ、調べたら。使いにくい。ところが、来年度からいわゆるその補助金も統合補助金に今回制度を国交省も改められるということが一つ。それから、今回は地域住宅交付金という制度が新しく導入されて、市町村も積極的にこれ取り入れるんじゃないかと、そういうふうに思うわけでございますがね。
 そのときに、いわゆる、先ほどお話ございました、平成十三年からこの導入された、いわゆる保険料の制度変わりましたですね。要するに、昭和五十六年六月一日以降の建築物は、まあ建築基準が変わったんで、要するに、もう一律保険料は一割カットとされているわけで、また建物を、きちっと住宅評価して、等級によって一割から三割までカットできる制度、柔軟に保険料を設定できるような制度にされたわけでございますけれども。
 今回、そういう公的な支援で住宅を耐震改築した場合に、たとえその昭和五十六年以前の建物でも改築して耐震構造にするわけですから、もう自動的にいわゆるこの一割カットは適用されるとか、それから、いわゆる市町村の取組によっては差があるかも分かりません。厳しく耐震構造をつくられる場合と緩やかな場合あると思いますが、その程度によってはそういう等級割引も、市町村の取組によっては等級割引も付加するような、そういう制度にすべきじゃないかと、せっかく公的な支援で住宅を耐震改築するわけですから。そのように思うわけですが、いかがですか。
#96
○政府参考人(大藤俊行君) 先生御指摘のとおり、地震保険の保険料につきましては平成十三年に割引率という制度が導入されたところでございまして、現在、具体的には昭和五十六年以降に新築された建物について一〇%の割引、また法律等に基づく基準に定められた建物の耐震等級に応じた一〇%から三〇%の割引が導入されております。
 割引率を含む地震保険の保険料率につきましては、法律に基づきまして損害保険料率算出機構が算出して金融庁に届出を行うこととされているところであり、法律におきまして、保険料率が合理的かつ妥当なものであり、差別的ではないことが必要と規定されていることから、金融庁はこのような観点から審査を行うという仕組みになっております。
 いずれにいたしましても、金融庁としては、地震保険の普及促進が図られることは重要であると考えているところでございまして、保険業界におきましても、割引対象の拡大についても鋭意検討を進めているものと承知しております。
#97
○白浜一良君 そんな抽象的なことを聞いているのとちゃうがな。来年度から国交省も力を入れて公的な支援で耐震改築すると言うとるわけや。そういうことも検討すると言いな、そんな抽象的な、一般的な話であかんわ、それは。
#98
○政府参考人(大藤俊行君) 地震保険をめぐる様々な制度の変更等に応じて割引対象の拡大について積極的に検討が進めていかれるものと承知しております。
#99
○白浜一良君 まあ、これ以上いじめてもしようがないから、御苦労さまでした、これで終わります。もう帰ってくれてええから。
 次に、棚橋大臣にお伺いしたいと思いますが、ライス国務長官が本日来日されると、明日、町村外務大臣、また小泉総理大臣と会談されるというふうに報道されておりますが、いろんな日米の重要なテーマがございますが、その一つが、御存じのように米国産の牛肉の輸入問題というのが一つテーマにあるわけで、ただし当然、食品の安全の問題というのは大変国民の関心も大きいわけでございますし、単にそれをいわゆる外圧があるから受け入れるとかそういう単純なものじゃないわけで、食品の安全という面でいうと、きちっとリスク評価をするということが大事ですし、リスクコミュニケーションがきちっとされているということが大事ですし、また国民に対しては情報開示がされている、そういう前提の下に、今、公平に、客観的に判断されるべきだと。これはもう当たり前の話なんですが、一部、今日の朝刊の新聞読みましたら、いわゆる食品安全委員会の審議を短縮するなんていうような、そういう報道が一部されておりましたけれども、そんな話はあるんでしょうか。
#100
○国務大臣(棚橋泰文君) お答えをいたします。
 そのような話はございません。
#101
○白浜一良君 それじゃ、少し何点かその前提に立って御提案したいんですが、安全委員会の下でいろんな専門委員会がございますね、専門調査会というのが。当然BSE問題、BSE問題に関して言いますと、プリオンの専門調査会が行われているわけで、そのいわゆる会議録の公表が遅いんですね。
 私聞きましたら、二月の二十四日に行われた会議の議事録が三月の十七日に、十七日といったら昨日ですもんね、やっと公表されたと、まあ一月ぐらいこれ掛かっているわけでございます。大変これは国民の関心が高いからそれは精密に議事録が公開されるべきだと思いますが、ちょっと余りに時間が掛かりすぎると。それにやっぱり議論されたことは国民にやっぱりきちっと開示されるという、そういうリズムをもう少し早くできませんか、これ。
#102
○委員長(高嶋良充君) 大臣ですか。──齊藤食品安全委員会事務局長。
#103
○政府参考人(齊藤登君) 先生御指摘のとおり、議事録の公開というのは、食品安全委員会審議過程の透明化を確保するために食品安全委員会の公開についてというルールを定めて、その中で議事録も当然公開をしておるわけでございます。
 それで、私どもといたしましても、できる限り早期の公開に努めてまいってきておるわけでございますが、予算、人員等が限りのある中で努力をしてきておるところでございます。
 御指摘のように、第二十回の議事録につきましては、二月の二十四日の開催のものが、済みません、三月十六日ということで二十二日掛かってしまったということは事実でございます。一言申し開きさせていただければ、二十四日の日は四時間にわたる長い議論を行ったということで、この回につきましては従来以上に時間がちょっと掛かってしまったということでございます。私どもとしてもこれを短縮するようにできる限り努力はしてまいりたいと思っております。
#104
○国務大臣(棚橋泰文君) 今、白浜先生の御指摘、私も非常に大事なことだと思っておりまして、正に先生のお話にございますように、食品安全委員会は中立公正な立場から科学的知見に基づいて科学的に食品が安全と言えるどうかを評価する委員会であると同時に、当然のことながら、それをきちんと消費者あるいは国民の皆様方にお伝えをしていかなければいけないと思っております。
 そういう観点から、会議等、食品安全委員会自体は公開でございますし、専門調査会もプライバシー等の観点から制限されるものを除いてはすべて公開にしておりますし、またホームページ等も活用しながら情報公開あるいはリスクコミュニケーションに努めておるところでございますが、特に今御指摘の点、議事録の公開につきましては、よりスピーディーにやるべきではないかという御指摘は私も大変ごもっともだと思っておりますので、それは心掛けてまいりたいと思っております。
 ただ、今事務局長からも答弁させていただきましたように、どうしても、例えばこれ専門的かつ科学的な中身でもございますし、それから発言者の真意を間違えるといけませんので、それぞれの委員の方々に内容を確認したりする作業もございますので、その点だけまた御理解をいただければ、その上で私どもも更に努めてまいります。
#105
○白浜一良君 適切にお願いを申し上げたいと思います。
 それからもう一つ御提案あるんですけれども、国際的なリスクコミュニケーションというのは一応やっていらっしゃるんですよ。やっていらっしゃるんですが、私伺いましたら、イギリスの方を呼ばれたり、ニュージーランドの方を呼ばれたり、それはそれで必要な、フランスの方を呼ばれたり、いろいろそれは必要だからそれはそれでいいんですけれども、これは、特に今問題になっているのはアメリカの牛肉が問題になっているんですね。だから、この国際的なリスクコミュニケーションというのもアメリカの学者さんとか関係のそういう産業の方とか、そういうのはもっと重点的にやられたらええんちゃいますの。これ何か避けてるように思ってしまうんですね、これ。これだけ大きな問題になって。もうちょっと角度をきちっと付けてされるべきじゃないかということを御提案したいんですが、いかがですか。
#106
○政府参考人(齊藤登君) 一般論といたしましては、食品安全委員会といたしまして国内外の発信ということで、外国語のパンフレットを作ったり、BSEの問題でございますとBSEの中間取りまとめ、九月に取りまとめたものについては英語版を作って、これを関係の大使館にお配りしたり説明会なども行っております。
 また、それから外国からの専門家の招聘でございますけれども、今先生お話のあったように、BSEに関しては、どうしても元々イギリスで発生しヨーロッパで猛威を振るった、まあヨーロッパと申しますか、イギリスを中心に猛威を振るったということで、その対策の専門家その他もヨーロッパが中心でございますので、お呼びした専門家はヨーロッパの方が中心になっているということは御指摘のとおりです。
 ただ、一方で、ノーベル賞を受賞されたプリオンの研究者のプルシナー教授、これをお呼びいたしまして昨年の冬には食品安全委員会としての講演会も実施してございます。そういう意味で、アメリカの場合にそういう関係の意味での研究者の方というのがある程度限られているというような状況もございます。その中では努力をさせていただいているところでございます。
#107
○白浜一良君 そのアメリカの昨年十二月の、伺っていますが、まあ角度を付けて適切にされるようにという提案です。それはそれなりに受け止めていただきたいと思うわけでございます。
 次に、これも棚橋大臣の所管でございますが、ロケットの話ですね。先日、日本経団連の方とちょっと懇談する機会がございまして、どこの会社か言うわけにいきませんけれども、大変心配されていました。宇宙産業が大変予算的にも縮小されて、どうも力が国が入っていない感じがする、何とか力を入れてもらいたい、将来的なことを考えると大変必要だと、そういう御意見でございました。
 この二月のHUAの七号機は成功しまして大変喜ばしい限りでございますけれども、これ、ロケット開発ということに対しましてこれ、大臣、どういうお考えを持っていらっしゃいますか。
#108
○国務大臣(棚橋泰文君) お答えをいたします。
 先生の御指摘と私も同じ考えでございまして、宇宙開発に代表されるようなフロンティアの分野、この部分をきちんとやっていかなければいけないということは当然だと思っております。私ども、特に総合科学技術会議におきましては、平成十六年、昨年の九月の九日に、今後十年程度を見通した我が国における宇宙開発利用の基本戦略というものを取りまとめまして、関係大臣にも意見具申しておりまして、宇宙開発に関して決して私どもは力を入れないというわけではなくて、むしろこれはきちんとやっていかなければいけないというふうに思っております。
 特に、今お話にありましたHUAロケットも今年打ち上げが成功いたしましたので、この今触れました基本戦略におきましても、信頼性の確保を最重点、最重視した方針の下でその確実な打ち上げを可能とする万全の対策を講じた上で、我が国の基幹ロケットとしての位置付けを明確にしておりますので、この点もきちんとしていかなければいけないと思っております。
 ただ、当然のことながら、限られたやはり、科学技術振興費は平成十七年度予算案においても対前年度比プラスで今お願いをしておりますが、限られた予算の効率的な執行という観点からも考えていかなければいけないところがございますが、宇宙開発において私ども手を抜くということはございませんで、しっかりとやってまいるつもりでございます。
#109
○白浜一良君 当然、大臣も御案内のとおりでございますが、衛星の開発とロケット技術の開発、二つ、両面あるわけですね。衛星の開発もいろんな目的に応じてそれなりに大変技術が要るわけでございますが、ロケットに関して言うと、アメリカのNASAの例を見ましてもヨーロッパのアリアンも見ましても、やっぱりたくさん打ち上げて、それでいろんなデータを取って、安定したそういうロケットになっているわけですね。日本の場合は、まあ予算が少ないということもございますけれども、もう祈るような気持ちでこれは落ちんといてくれよというぐらいでやっているわけですよね。だから、もう一発落ちたら、失敗したらもう大変だと。そういう面では数少ない予算の中で私自身の評価としてはよくやられているなと、私自身はもう認めているんですけども。
 だけど、これからのことを考えた場合に、限られた予算といえども、やっぱりある一定のそういうロケットの、HUAを一年に何本打ち上げますと、そういうことをまず決めることが、それぞれ請け負っているそういう企業側から見ても、そういう設備投資始めいろんな面で安定感が出てくると。何基打ち上げか分からぬと、当面、十七年は三基らしいですね、三基みたいですね。それ、今後三基は毎年上げますよというんじゃ、それはそれで、それが安定と言うのか知りませんけども、私が伺った話では、今の人員の体制でいくと四基は打ち上げられるというふうに聞いています。これは事実かどうか知りませんよ、私聞いているのは。
 だから、来年衛星は五個打ち上げられると。そして、一つはロシア、ロシアのロケット安いですわね、それを使われるというふうに伺っておりますが、もっと機関としてHUAを定期的に毎年これだけは打ち上げますよと決めることが大事じゃないでしょうか。
#110
○国務大臣(棚橋泰文君) ロケットの打ち上げに関して特に技術を継承していくということは非常に重要でございまして、先生の御指摘の点も私分かる、大変ごもっともだと思うところがございます。
 ちなみに平成十七年ということですが、今平成十七年度として三基検討しておりまして、そのうち、もうHUAは今回打ち上げに成功いたしましたので、残り平成十七年度の予定をしておるもののうち二基が平成十七年中にというふうに今のところ、ちょっとこれは確定ではございませんが、考えておるようでございますけれども。
 問題の今御指摘にあった、特に、多分この分野における国内産業の技術の着実な伝承のために、国内の、国産ロケットを優先的にというお話ではないかと、御趣旨は思いますが、この点につきましても、先ほどちょっと触れさせていただきました総合科学技術会議で決めました我が国における宇宙開発利用の基本戦略、ここにおきましても、政府の人工衛星の打ち上げには国産ロケットの打ち上げ、国産ロケットを優先的に使用するということを明記しておりまして、そういった観点からも、私どもなりにまた支援をしていきたいというふうに思っております。
#111
○白浜一良君 これ、なかなか難しいと思うんですけれども、大臣の方でしっかりした国の取組の枠組み、それを、昨年基本方針決められたということなんですけれども、やっぱりいわゆる産業ベース、企業側から見ましたらやっぱり安定しないと取組なんかできないわけでして、もういつ何かそういう打ち上げる本数が減るかも分からぬと思うたら、なかなか企業側も身入りませんもんね。
 だから、やっぱり国の基本方針として、私は、まあ総理大臣も官房長官もそうでしょうけれども、入ってやっぱりそういう基本的な枠組み決められた方がいいと、こういうふうに提案をしておきたいと思いますし、なぜこういうこと言うかといいますと、準天頂衛星システムをやろうという、ありますね、多省庁間でこう。ところが、これも私、企業側から聞いたんですけれども、運用主体がどこなのかまだ決まっていないと。で、大変、取り組む企業の側でも一応やろうということになっているんだけれども、非常に逡巡があるというふうに私伺ったんです。
 やっぱりいろんな省庁がかかわってますから、しっかり、やっぱり内閣としての基本方針というのはしっかり具体的に決めないと、運営主体も分からないようなところで、民間入れて、さあやりましょう言うたって、それはなかなか力も入らないわけで、そういう意味で、やっぱり大臣が中核になられて、総理、官房長官と一体になってしっかりした枠組みをつくられるべきだということを申し上げたいんですが、いかがでしょうか。
#112
○国務大臣(棚橋泰文君) 準天頂衛星プロジェクトにつきましての重要性は私どもも重々認識しておりまして、これまた先生お詳しいように、平成二十年度から二十一年度に予定しておりますけれども、衛星の打ち上げと、二十三年度には実証完了というふうに考えておりまして、今御指摘のように、衛星測位技術等に関する国の研究開発ということで、四省、文部科学省と総務省と経済産業省と国土交通省にまたがっておりますが、今取りあえず順調に話をしているというふうに理解しております。
 先ほど触れました我が国の宇宙開発利用に関する基本戦略におきましても、この衛星測位システムの在り方について、当面の目標として、国はリスクの高い測位補完・補強などにかかわる研究開発、実証を着実に推進するというふうにしておりまして、さらに、整備、運用に関する国の関与の在り方についても、実証終了までに速やかに決定するというふうにしております。
 この基本戦略に基づきまして、今先生おっしゃったように、整備・運用担当機関をできるだけ早く明確にしたらどうかという御趣旨ではないかと思いますが、これはやはり実証期間中に研究開発を行っております今申し上げた四省、それから利用予定担当機関等、これがやっぱり責任を持って検討を進める必要がありますので、実証終了までには速やかに決定がされるんではないかというふうに思っています。
 これは、率直に申しますとなかなか、このプロジェクト自体の重要性は私どもも重々認識しておりますけれども、大変難しいのは、まだ準天頂衛星システムのやはり有効性と信頼性、これが現場で実証されていないもんですから、さらには、利用についても明確にまだ正直言って決まっておりませんところもございます。
 そういう段階で、直ちに運用担当機関、整備・運用担当機関を決めることが少し議論があるわけでございますが、このプロジェクトの重要性自体は内閣としても政府としても重々認識しておりますので、また御指摘の趣旨に従った上で、更に前向きに検討していきたいと思っております。
#113
○白浜一良君 もうこのぐらいでやめますけれども、本当にちょっと専門的な知識も要るんで、一度いろいろ直接お声を聞いていただいて、やっぱりコアになるのは大臣だと思うんですよ、この宇宙開発に関しましては。それで、JAXAは当然ですけれども、JAXAはそれは担当されているわけですが、それを支えている民間企業一杯ございます。そういう意見を聞いて、骨太のやっぱり取組を、たくさんの予算も要ることですから、しっかりお願いしたいと、これだけ申し上げたいと思います。
 村田大臣、お待たせでございました。もうあと十分ほどでございますが、辛抱していただいて。
 我が党が一生懸命言いまして、空き交番をゼロにせいというような、いろんな我が党の議員が申し上げてきたと思うんですが、行政改革の厳しい中で、人員削減の厳しい中で、三か年で一万人増やすという増員計画ございますね。それで、十九年春までには空き交番ゼロにしようという計画らしいんですが、そのいわゆる人員配置計画で可能なんですか。
#114
○政府参考人(伊藤哲朗君) 現在、全国的に空き交番を解消しようということで計画を立てて進めているわけでございますけれども、各都道府県警察におきましては、交番勤務員の増配置、それと交番の配置見直し、それと交番相談員の活用などによりまして、交番勤務員の不在が常態化しておりますいわゆる空き交番を解消するための計画を策定しているところであります。地域住民の理解も得ながら、平成十九年春を目途にその解消が実現できるように取組を進めているところでございます。
 なお、このうち、交番の勤務員数につきましては、増員と、またその部内における捻出といいましょうか再配置によりまして、約三千八百人の増配置を目指しておりまして、十九年春にはこの解消を行っていきたいというふうに考えております。
#115
○白浜一良君 それで、大臣にこれだけちょっと知っておいてほしいんですけれども、空き交番ゼロを目指して今計画を進めていらっしゃると、今答弁あったとおりでございます。しかし、各県警本部から取られた計画によりますと、交番数も駐在所数ももう物すごく減っていく計画になっているんですね。減らした上でゼロにしますよという、そういう計画になっているんですね。御存じでしょう。それで、それは、この県警本部がそれぞれ調べて減らす言うんやから、それはそれで、どれだけ妥当性があるのかは分かりませんけれども、平成十六年と十九年で比較しましたら、交番数で百八十九か所を全国で減らすと、駐在所数は四百二か所を減らすと、こうなっているんですね。
 御案内のとおり、今、小学校とか中学校自身がもうそういう安全性を保てないというような、こういう時代になってきているわけで、そういう地域社会の安心、安全という角度から見れば、やっぱり交番とか駐在所の機能というのはやっぱり随分コアとして役割が大きいわけですね。そういう一方で、その空き交番をゼロにするということが先行して、それをゼロにするために交番も駐在所も減らすというんじゃ、これは本末転倒じゃないかと思うんですが、そこ、いかがです。
#116
○国務大臣(村田吉隆君) 二律背反するような命題を私ども負っていかなきゃいけないと。一方において、いろんな事件が起こったときに交番にだれもいないんじゃ相談もできないと。かといって最近の、国民が、大変治安が悪くなったなという、そういう認識の基礎にあるのは、やっぱり、直接住民が被害を受けるような侵入盗とかひったくりとか、そういう街頭犯罪も増えていると、こういう現実がありまして、パトロールも強化してもらわなきゃいけないと。そういうその二つの成し遂げられなければならないそういうテーマがございまして、そういう中で、本当に私ども、来年度予算でも、大変有り難いことでございますけれども、三千五百人の増員を認めていただいているわけでございます。
 しかし、そうはいっても、我々も合理化して内部、今局長が申し上げましたように、内部努力もしなければいけないということで、治安の状況を勘案しながら、交番とか駐在所を整理合理化していくということも内部の努力でしていかなきゃいけないということで、今先生が御指摘なさいましたように、全国で百八十九か所減少していくということになっているわけなんですね。
 しかしながら、そうはいっても我々は、空いたところも、これはもう完全になくすというんじゃなくて、人員が増えたような観点からいいますと、そこを立ち寄り所としたり、あるいは自治体が、自治体じゃなくて自主防犯組織がそこを活用してパトロールの拠点とするというような、そういう構想もあるというわけでございまして、あれやこれやをやりながら、要するに警察用語で言えば、あらゆる警察事象に対応できるように、そういう質を落とさないということを完全に努力をしていきたいと。そこには、たった今局長も申し上げたように、OBの活用という、交番相談員という形でやらしていただくということ、あらゆることを込めて住民のニーズにこたえていきたいというふうに考えているわけでございます。
#117
○白浜一良君 これだけは大臣に認めてほしいんですよ。今後の予定という中にも、今正に少しおっしゃいましたけれども、地域住民等の理解を得ながら計画を推進する、当たり前の話でございますが、それからもう一つは、状況に応じて必要な見直しを行うと、こういうふうになっているんですね。
 と申しますのは、大臣も分かっていらっしゃると思いますが、県警本部から上げた数字ですから、例えば、それは必然性があるのかも分かりませんけれども、秋田県、秋田県は交番が八つ増えるんですね。減るんじゃなしに増える計画になっているんですよね。ところが、お隣の山形県は今度は三六%減らす計画になっているんですよ。
 だから、それぞれまた地域の必然性があるのかも分かりませんが、この上げられた数値、目標を、そのものを、先ほど言いました地域住民のニーズもございますし、そういう地域の治安状況というのもあるでしょう、そういうものに即してやっぱりもう一度やっぱり必要な見直しはするんですよというぐらいは、ちょっとこれは大臣、方向性として認めてもらわなければ、余りこの上がった数そのものが、必ずしも一定の考え方に乗って各県警本部から上がってきたというふうにどうしても思えないんですけれどもね。いかがですか。
#118
○国務大臣(村田吉隆君) 一つには、今合併が進んでいるものですから、そういう意味で機械的に、その市町村のその守備範囲が変わったからということで機械的にやるということも私はないと思いますが、せっかく先生の御指摘でございますので、もう一度警察に対しまして、状況を把握して、まあしかし、常にこういう状況のときだけではなくて、常に見直しをしているというふうに思います。それは治安の情勢というのがベースになっていると思いますが、せっかくの先生の御意見でございますので、もう一度、不都合がないか、住民ともしっかり協議をするように警察に指導をしていきたいと、こういうふうに考えております。
#119
○白浜一良君 よろしくお願いしたいと思います。
 それからもう一つ、先ほどから言われているいわゆる相談員の活用ですね。交番相談員、これは大変大事なわけです。これも私、全国の統計を都道府県別にいただきましたけれども、物すごく強弱があるんですね。ですから、この空き交番解消という流れの中では、現役の警察官だけでできればいいですけれども、そんな人員は及びませんから、やっぱりそれぞれ都道府県で予算付けていただいて、やっぱりこれ、相談員、経験のあるOBの方を活用するというのも大変これは有効なことなんです。
 ところが、県によって大変ばらつきがございます。正直これ、私、数、もうどこがどうやとは言いませんけれども、この辺も差し障りあるんでもう言いませんけれども、要するに空き交番を、やっぱり地域のそういう安心、安全という角度から、相談員の皆さんも活用して、そういうちゃんとやっていこうという、そういう指導は大臣の方から各県警本部にも、もう一度おしなべてこの数見ていただいて、していただきたいと思いますが、そのことを最後に伺って、終わりたいと思います。
#120
○国務大臣(村田吉隆君) ひとえに各県の財政状況と、何といいますか、そこに尽きると思いますが、各県にも、状況を把握した上でお願いすべきところはお願いを申し上げたいと思っております。
#121
○白浜一良君 終わります。
#122
○近藤正道君 社民党の近藤です。
 男女共同参画社会の形成についてと防災のことの二つについてお尋ねをしたいというふうに思っています。
 最初に、男女共同参画社会の形成実現についてお尋ねをしたいというふうに思いますが、新年度、男女の共同参画関連政策の経済的効果に関する調査、大変これは新規事業で盛り込まれておりまして、期待するところ大でございます。是非、この定量的分析で共同参画社会の形成が促進されますよう強く要望申し上げておきたいというふうに思っています。
 私がお聞きしたいのは、もう一つ、基本計画の見直しが新年度行われるということでございまして、この中にどういうものを盛り込むのか、これが大変関心がございます。
 この男女共同参画社会基本法の批准を受けまして、四年に一度でしょうか、政府が国連に対しまして女子差別撤廃委員会でしょうかね、ここにその取組の状況を報告をすると、こういう制度があります。これにつきましては毎年行われているようでありますが、とりわけ一九九五年と、それと一回飛んで二〇〇三年、二度その報告があって、それに対する撤廃委員会のいろいろヒアリングがあってコメントがあるんだと、こういう話を聞いておりまして、とりわけ二〇〇三年につきましてはかなり辛口のコメントがなされたと、そういうふうなものをあちこち私、本、書物とか新聞等に出ておりますので興味深く見ておったわけでございますが、とりわけ性による差別、間接差別につきましてかなり厳しいコメントがなされたやに聞いておるんですけれども、この女子差別撤廃委員会から、とりわけ九五年あるいは〇三年にどんなコメントがなされているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#123
○政府参考人(名取はにわ君) お答えいたします。
 平成七年、一九九五年五月に国連女子差別撤廃委員会から出されましたのが、日本の第二回、第三回一括定期報告に対する最終コメントでございまして、この中では、女性の生活、職場における法律上、職務上の差別を克服するための措置の特定、あるいは民間部門において女性が直面している間接差別を取り払うための措置の報告等の指摘がなされたところでございます。
 また、平成十五年、二〇〇三年七月には、国連女子差別撤廃委員会から出されました、この場合は日本の第四回、第五回報告に対する最終コメントでございましたが、そこにおきまして、直接及び間接差別を含む女性に対する差別の定義の国内法への取り込み、間接差別の意味と範囲についての意識啓発、それからドメスティック・バイオレンスを含む女性に対する暴力の問題に対する取組、それから公的活動の分野、特にハイレベルの政策決定過程への女性の参画推進に向けた取組等の指摘がなされたところでございます。
#124
○近藤正道君 いろいろ出されている報告書、あるいはその報告書を批評した文章等によりますと、間接差別、これの概念、定義が非常に日本の場合不明確であるということに対する質問がかなりなされたというふうに聞いておるんですけれども、どうでしょうか。
#125
○政府参考人(名取はにわ君) お答えいたします。
 今、間接差別のこととか、なかなか不明確だというふうな御指摘のとおりでございまして、我が国は直接差別、間接差別という整理は取っておりませんものですから、それにつきまして真摯に関係府省の方でやはり吟味を、検討をしておりまして、例えば、このうちの間接差別の問題につきましては、昨年六月には厚生労働省の方で雇用の分野において男女雇用機会均等政策研究会から報告書が公表されたところでございます。
#126
○近藤正道君 せっかく、男女共同参画社会基本法の第三条で、性による差別禁止、これをうたっていると。直接差別だけではなくて間接差別もこれで禁止されているというそういう建前になっているんだけれども、間接差別の概念が、あるいは定義が非常に不明確のために、この実効を期し難いと。それについて、いろいろ裁判所でも大変苦労をしながら少しずつ判例が積み上がってきていると、こういう実態だというふうに思っておりまして、この間接差別の定義あるいは概念が非常に不明確だということについては、今の国連の撤廃委員会の中でも非常に不満が出ておって、いろいろ物の本によりますと、この中身を紹介した本によりますと、日本の取組方を見ているとフラストレーションを覚えると、こういうふうに差別撤廃委員の指摘があって、それに対して政府委員の、日本から行った政府委員の一人も、私も同感ですと、こういうふうなふうに答弁をしたと。
 これをあちこちで私は見るんでありますけれども、これは正に笑うに笑えない非常に困った状況なんですが、官房長官、この同席した政府委員がフラストレーションがたまる、私だってそう思っていますというふうに国連の場で答弁をせざるを得ない、こういう状況をどういうふうにお思いになっておられますか。
#127
○国務大臣(細田博之君) まだ日本の議論が直接差別と間接差別についてはっきりした定義付け、仕分、そういったものを確立していないような段階でございまして、そこで、日本にもしかし実際あるなと。例えば例示として、私も直接分からないものですから、例えば男性が育児休業を取れないのは女性に対する間接差別なのかといったら、いや、それは直接差別なんですと、こういうことを言われましてね。むしろ、身長や体重によって採用において差を設けるなどの募集においての差別とか、総合職の募集採用に当たって全国転勤を要件としたことによる差別であるとか、募集採用に当たって一定の学歴、学部を要件としたことによって女性の採用が相当男性に比べて少なくなってしまうような場合とか、昇進に当たって転居を伴う転勤経験を、転勤条件を要件とするというようなことで昇進の条件とするなどの場合とか、今勉強中ですから、これが定義というわけじゃありませんが、七つぐらいが当たるというんですね。
 そうすると、確かに見てみると、日本の企業その他ですね、勤務環境においては確かにそういう面はあるなと思いますので、実際にこの出席した人なども日本にもあるということを実感されたんだと思います。
 私ども政府としては、この最終コメントを真摯に受け止めまして、それぞれの指摘事項について関係府省において今内容を吟味しつつ対応を検討しております。そして、研究会からも報告が出されておりますし、それから、現在作業を進めております男女共同参画基本計画の改定作業においても、このようないろいろな経緯を踏まえまして、どういう間接差別の問題を盛り込むことが最も適当か検討してまいりたいと思います。前向きに検討いたします。
#128
○近藤正道君 今ほど言いましたように、国連の場で日本の政府の委員が、私も女子差別撤廃委員と同じようにフラストレーションを覚えます、こういうふうな発言がもう二度とないように是非しっかりと対応していただきたいというふうに思っていますし、今ほどの細田官房長官の御発言、前向きな答弁ですというふうに最後に念を押されましたので、その言葉に意を強くして是非期待をしたいというふうに思っておりますが。今でもこの基本計画の中に、この均等の機会と待遇についての柱立てが一つあるということは私重々承知しておりますけれども、繰り返し国連の差別撤廃委員会からこの間接差別の概念の不明確については指摘を受けておりますんで、この定義を法律の中に書き込むということの検討も含めて、是非この基本計画の中にこの間接差別の概念を非常に明確にして、そして日本ではこの間接差別をなくしていく、そういう道筋がやっぱりしっかりと打ち出されると、そういうことに是非意を用いて頑張っていただきたいというふうに私強く思うわけでありますが、改めてもう一度官房長官から決意のほどをお聞かせをいただきたいと思います。
#129
○国務大臣(細田博之君) 御指摘のように、我が国にも様々な形での間接差別、日本語としてなかなかこなれないんでこれまで多く使われておりませんが、こういったものが存在することは事実でございますので、積極的にこの問題に取り組んでまいりたいと思います。
#130
○近藤正道君 期待を申し上げたいというふうに思っています。
 次に、災害のことについてお尋ねをいたします。
 昨年は、私が七月の参議院選挙に受かるまでは大変いい年だったんですが、その後、我が新潟県、水害は起こる、記録的な台風は来る、そして地震が来る、そしてその後は十九年ぶりの豪雪ということで、まあ本当にひどい状況が連続して起こりまして、今もそれが続いているわけであります。
 とりわけ、豪雪につきましては本当にひどい状況でありまして、もう雪でつぶれた家が百四十軒を超えたと、あるいは市町村の除雪費用が例年の三倍を超えたと、こういうふうに言われて、報じられておりまして、除雪費だとかあるいは特別交付税の交付決定等についていろいろ政府から頑張っているわけでありますが、大臣にお尋ねをいたします。
 十九年ぶりの新潟県、あるいは新潟県の地震被災地を襲ったこの雪の害、雪害について、どういう政府として雪害対策を行うのか、お聞かせをいただきたい。
#131
○国務大臣(村田吉隆君) 委員が今おっしゃったように、新潟県の中越地震で被災を受けられた地域を含みます北陸地方の山地、それから青森県の東北部の山地を中心といたしまして大変大雪となっておりまして、青森県の弘前市で、従来の記録は昭和六十一年だそうでございますが、これが百十九センチだったのが百五十センチ、それから新潟県の中魚沼郡の津南町で、従来が平成八年だそうでございますが、三百三十三センチが三百六十九センチということで、正に記録的な豪雨になっているわけでございます。
 政府としましては、二月二日と十四日と二十四日と三月四日に関係省庁の連絡会議を開きまして、気象状況を把握し、あるいは被害状況、それから地方公共団体や各省庁の対策、対応状況について情報収集をしてその共有をすると、そういうことを行いました。その後に、三月の二日に青森県、それから三日に新潟県に担当官を関係省庁から派遣いたしまして、雪害の状況調査を実施をいたしました。この結果を三月四日の関係省庁連絡会議において発表してもらって、除雪費用に対します支援、それから調査結果を踏まえた適切な措置をとるように確認をし合ったと、こういうことでございます。それから、そういう状況を踏まえまして、三月七日には中央防災会議会長、これは総理でございますが、総理から、関係行政機関の長、都道府県知事あてに豪雪災害に対する防災体制の強化に関する通知を発出してございます。
 一方、自衛隊につきましては、除雪のために災害出動をお願いをいたしまして、山古志村におきます雪下ろしの支援、これはずっと断続的にやっておるわけでございますし、小千谷市とか川口町におきます除雪支援を二月の初めから、二月の五日から八日までを実施しておりますし、青森市におきましても、雪下ろしを含む除雪支援を三月六日から八日まで実施したということでございます。
 あとは、除雪費用が今先生もおっしゃったように例年の三倍掛かったとかいうことでございますが、せんだっても特別交付税の交付がございまして、そうした除雪のために地方公共団体の支出が大変増えておりますもんですから、除排雪のための財政需要分を含みます特別交付税措置を行い、それから幹線市町村道除雪費補助の臨時特例措置、それから都道府県管理道路の除雪費補助の追加配分等の対応を行ってきたと、こういうことでございます。
#132
○近藤正道君 次に、地震のことにちょっと戻りたいというふうに思いますが、阪神・淡路の大震災のときにいろいろ特別立法がたくさんできましたけれども、その中で、地震に伴う法的紛争、これを解決するための特別立法が二つできました。一つは、特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律、つまり紛争のための調停申立て、裁判所への調停申立てのその費用を免除する、そういう制度。もう一つは、罹災都市借地借家臨時処置法。これも、建物が、上物がなくなったときに借地権が消滅する、これが原則だけれども、一定の災害の場合は建物がなくなっても一定の期間権利を存続させると、こういう法律であります。
 私どもは、是非この中越大震災についても、この二つの阪神・淡路で適用された、作られた法律を是非適用してくれと。そして、今雪で大変ですけれども、雪が消えますと法的紛争は必ず出てくると。現に、新潟県の弁護士会は今あそこで無料法律相談を一生懸命やっていまして、この法律相談の件数はもう八百件に及ぼうとしておりますし、この春からは日本弁護士連合会と新潟県弁護士会が一緒になって特別の法律事務所を、ひまわり事務所というんだけども、これを開設してそういう紛争に備える、こういう体制を取っているわけでございます。是非、この二つの特別立法を新潟県で適用していただきたい。
 該当の市町村もそういう意向を持っているやに私は聞いておるわけでありまして、是非これは雪解けのころまでに地区指定をちゃんとしていただいて発動していただきたいと、こういうふうに強く要望しながら、現状と今後の見通しについてお尋ねをしたいと思います。
#133
○政府参考人(倉吉敬君) 法務省の方から、今御指摘のありました特別措置法の調停の関係から最初に御説明いたします。
 今委員から御指摘のありましたとおり、この特別措置法の第六条というところでは、民事上の法律関係に著しい混乱を生ずるおそれがある地区、これを指定いたしまして、ここに住所、居所、営業所、事務所等を有していた者が民事調停の申立てをするときには調停申立て手数料は要らないと、こういう法律になっております。
 そういう構造上、どの地区にどの程度の民事紛争が発生しているのかと、その解決のために民事調停制度がどの程度利用されるのかと、このニーズをきちっと計測していく、見ていく必要があるわけでございまして、そのためにこれまでも検討を続けてまいりました。既に日本弁護士連合会等から具体的な要望をいただいておりまして、これは地元の方々の生の声を反映したものであるということは間違いないであろうと思っております。
 法務省としては、こうした要望を踏まえつつ、引き続き関係省庁とも連携を図りながら検討を進めてまいりたいと思っている所存でございます。
#134
○政府参考人(和泉洋人君) 二番目の罹災都市借地借家臨時処理法について御説明を申し上げます。
 法律の目的は今先生が御指摘にあったとおりでございます。この法律の適用に当たっては、適用地区を災害ごとに政令で定めることとされておりまして、政令による災害の適用地区の指定に当たっては被災市町村の意見の申出を待って行う、こういったことになっております。
 これに基づき、既に三月七日付けで新潟県を通じまして計七市四町二村から、その被災した市町村から意見の申立てがあったところでございまして、これを踏まえつつ、関係省庁とも連絡を図り、早急に検討の上、手続をしっかり進めてまいりたいと、こう考えております。
 以上でございます。
#135
○近藤正道君 いずれも地元市町村の要望は非常に強いと、地元の弁護士会の要望も強いと、しかもこの意向はきちっと皆さんのところに上がっているというふうに思っておりますので、是非この雪解けに間に合うようなタイミングで発動をお願いをしたいと強く要望を申し上げておきたいというふうに思っています。
 もう一つの問題でありますが、地震の後、十二月から、去年の十二月から今年の二月まで余震が、震度三以上の余震が新潟の場合は十回以上ありました。そしてその後、御案内の十九年ぶりの豪雪、三メートルからいまだ四メートルと、こういう状況でありまして、雪解けは五月の連休過ぎになるだろうと、皆さんそう言っているわけでございます。ですから、今、新潟の被災地では地震と積雪、そして融雪との言わば相乗的な被害といいましょうか、地震と、本震、余震、そして雪、この相乗的な被害が非常に現実味を増しているわけでございまして、その辺のところが春、雪解けとともにみんなこうあらわになってくるわけでありますが、是非、地震を発端とする一連の災害として見ていただきたいと。これは地震災害と融雪災害との関係をどういうふうに見るのか。それは概念的にはきちっと区別をされるんだけれども、しかし連続して起こっているもので、なかなか因果関係がはっきりしないと。是非、その地震とその後の被害を一体としてとらえていただけないだろうかと、そういう声が非常に強いわけでございます。
 これはまあ農水省と、あるいは国土省、両方ともかかわる問題でございますが、それぞれどういうふうな基本的な見解、最終的には現地で査定で当てはめるという、どちらかに振り分けるという問題が出るんだけれども、基本的にこの地震から積雪、融雪というこの一連の流れの中でどういうふうにこれをとらえたらいいのか。是非、可能な範囲で地震を発端とする一連の被害として、一団の被害としてとらえていただきたい、そういう強い要望が新潟の現地には強烈にあるわけでございますが、それぞれ二つの省庁から現在の考え方、お聞かせをいただきたい、こういうふうに思います。
#136
○政府参考人(清治真人君) 地震による被害と、それからこれから予想される融雪による被害との関連でございますが、事象的には別々に起こる場合と一連の形で起こる場合と、様々な形態があろうかと思います。通常、災害復旧等の査定等は暦年で整備されてまいりますので、融雪に伴う新たな災害というのは、新たな災害としてこれは査定をして事業費を確定していくということが常でございます。
 ただし、ここ新潟におきましては、国土交通省所管の土木施設の被害、これは河川、道路、道路非常に多うございますが、それから砂防ですとか地すべり、がけ、公園、下水道、いろいろ様々なものがありますが、箇所も非常に多うございました。全体の箇所数が三千六百五十三か所もございます。全体の事業費も千三百七十億と非常に多くなっているわけでありますが、融雪後に確認できましたその被害につきましては、これらの昨年査定されております災害復旧の延長で、増破と言いますが、それが拡大したというところにつきましては、設計変更増という形で整備されてまいるわけでございます。
 いずれにしましても、融雪後の実態を把握いたしまして適切な対応を講じてまいりたいと思います。
#137
○政府参考人(南部明弘君) お答えいたします。
 農林水産省におきましても、昨年の新潟の中越地震におきまして被害箇所が大体一万五千か所弱、被害金額として六百八十九億円というような甚大な被害が生じているところでございます。これにつきましては、早期に対応するということから、現地の確認を行わない非常に簡素な査定でありますとか、そのようなことで迅速化して査定を完了しております。
 原則的には、融雪につきましては、融雪災害そのものが新たな災害として取り扱うというようなことにもなりますけれども、この昨年の地震災の拡大等として計画の変更で取り扱うという場合も考えられると思います。
 ただ、いずれにしましても、県の方からもお聞きしておりますが、非常な豪雪ということと現地確認がまだなかなかできないということもございますので、今後、県、市町村等とも連携いたしまして、まずは迅速な融雪後の状況の把握ということに努めまして、その後適切な対策を取ってまいりたいと考えております。
#138
○近藤正道君 是非……
#139
○委員長(高嶋良充君) 時間が過ぎております。まとめてください。
#140
○近藤正道君 はい。
 是非、地震を発端とする一連の被害として見ていただきたいと要望を申し上げて、終わります。
#141
○黒岩宇洋君 無所属の黒岩宇洋でございます。
 本当に最後ですので、私も気合入れて頑張りますので大臣お付き合いください。
 まずは、私、今日は生涯受益格差問題という、この問題から質問を入っていきたいと思っております。
 この生涯受益格差、いわゆる社会保障サービスであるとか公共サービスであるとか、国から得る利益、この受益と、税金や社会保障費といった年金保険料等の負担、この受益と負担の差というものが非常に世代間によって差があるというその報告が内閣府から出されました。今年になりまして新聞にぎわしましたけれども、六十歳以上の方ですと、それこそ五千六百万円ほど受ける利益が大きい。翻って二十歳未満の方だと三千何百万円、これは負担の方が大きいってことになっているんですね。その差が一億円もあると。
 いかがでしょうか。今、大卒の生涯賃金が三億に満たない中で一億円の差が生じているという、これ、私はゆゆしき発表がこれは内閣府の方から出されたわけでございますね。しかも、この年代の経緯を見ていきますと、先ほど六十歳以上ですと五千何百万、これは利益ですよ、まあ皆さんの中にいらっしゃるかどうか分かりませんけれども。でね、秋元委員笑っていますけれども、徐々に下がって、私たち三十代になると持ち出しが多くなるわけですよ。こうなると、じゃ国って一体何してくれるのと、国なんかなくてもいいんじゃないかという、まあこれは極端ですけどもね、そのぐらい国に対する信頼が、若い世代に徐々に徐々にこれは信頼が損なわれているという大変大きな指標が出されたわけですよ、内閣府の方から。
 さあ、竹中大臣にまずお聞きしますけれども、この格差、これだけ広がってきた理由というのは一体何なんでしょうか。これ、もう本当に手短にお答えください。
#142
○国務大臣(竹中平蔵君) 黒岩委員から、いわゆる私たちでいうところの世代会計の分析について大変丁寧な御紹介をいただきました。これは、世代会計、私たちはその世代によって公的部門にどれだけお金を払ってどれだけサービスを受けるかと。それは世代ごとに実は考えてみると物すごく差があると。そのことを我々の分析として示させていただきました。この手法そのものは以前からありまして、以前からの推計もあるわけでございますけれども、現時点でのものを示したということでございます。
 委員お尋ねの、その理由は何なのかということでございますが、これは少子化、高齢化、そうした仕組みが、そうした傾向が続く中で、財政に対するないしは保険等々に関する負担が人口構成によって非常に大きく影響を受けているということを正に示しているものだというふうに思われます。
 これは、公平の議論はよくするわけですが、世代間の公平の問題、このことに対して我々も極めて大きな関心事を持って分析を行い、また政策に反映していきたいと考えているところでございます。
#143
○黒岩宇洋君 少子高齢化というのも非常に大きな理由だとは思います。もちろん、これは税制の問題から様々な経済政策も含みますから端的には言えないと思いますけれども、私は、一つ特化してこの後質問を進めたいんですけれども、やはり年金制度にあるわけですよね、一つには。というのは、皆年金始まる前の要は負担をしていなかった世代に給付が行ったりとか、その後、端的に言えば、保険料の引上げが遅れることによってやはり現役世代の負担が重くなってきていると、徐々に。そう考えますと、やはり年金制度改革という、これ二〇〇四年に大きな改革を成し遂げたというこのことが私はこの受益格差の解消にどれほど資しているかということは、これは詳細に分析しなければいけないと思っておるんです。
 私、この「日本経済二〇〇四」、これ大変興味深く読ませていただきました。二十ページぐらいしか読みませんでしたけれども。その中に大変やっぱりこれ強烈な表現がなされているんですよ。まず、先ほど申し上げた生涯純受益というもの、受益とその負担との差ですよね。じゃ、これがこの年金制度改革によってどういう変化が見られたかというと、これわざわざグラフの頭の上に、生涯受益の変化幅は小さいと、これびしっと書いているんですよ。この後森岡政務官にいろいろとお聞きしますけれども、ここまで書いてある。そして、受益と負担のバランスはやや改善と書いてありますけれども、これ額にして二百万とかそんなものですね、いいところ。先ほど申し上げた一億円の格差から考えると、やはり私はこの年金制度改革の与えた影響というものは小さいと、そうとらえております。
 更に進めて、いわゆるこの公的年金収益率、これはもう年金だけです。先ほどの受益格差と違って年金の収益率、要は年金給付、いただくものと保険料負担のこの要は比率というものです。これ、要するに一を下回れば要するに出す方が多いわけですね。一を上回ると出したものに比べ入るものが大きいというこの公的年金収益率においては、これ物すごく断言しているわけですよ。要は五五年生まれ世代、まあ今の約五十歳世代の上は要は一を上回ってもらえる額が大きいけれども、それより下は一を下回ってもらえる数が少ないという、この動向については大きな変化はないときっちりと分析しています。
 私、これ非常にいささか疑問なんですけれども、二〇〇四年改正の後にこの公的年金収益率、いわゆる六十歳代、七十歳代の方が二〇〇四年改正の後に収益率が良くなっているんですよ。言っている意味分かります。良くなっているということは、もらえる額の方が高齢者の方が多くなって、私たち世代は全く変わってないんですよね、ほとんど。これを私、今、済みません、とうとうと私、読んだ感想じゃありませんけれども、申し上げたんですが、この分析でよろしいんですよね。内閣府としては今私が申し上げたような分析をここに書かれたということでよろしいですか。
#144
○政府参考人(大田弘子君) 年金の格差につきましては、まず公的年金制度においてまずは一定の給付水準を確保するという努力がなされてまいりました。一方、負担につきましては、負担能力の観点から、急激な負担の上昇が回避されてきたということがございます。
#145
○黒岩宇洋君 端的に。
#146
○政府参考人(大田弘子君) はい、済みません。
 ただ、少子高齢化の中で持続可能にするために、近年になるほど給付開始年齢の引上げとか給付の抑制策が取られてきておりまして、したがって生まれ年の早い世代ほど生涯で見た受益が高くなっております。これを徐々に解消している過程であるということが言えます。
 今回の年金制度改正におきましては二つの効果がございまして、マクロ経済スライドで給付額が抑制されるという効果、それから保険料負担が軽減されるという効果、これが世代によって異なります。したがって、若干給付が、格差が今回縮小しているということがございます。
#147
○黒岩宇洋君 せっかく書かれたものをそのまま私説明したつもりなんですけれどもね。最終的にはその若干、この若干というのは本当にこのグラフで見ても、もう虫眼鏡で見ないと分からぬぐらいの差ですよ。だから、そういう意味で、私、この二〇〇四年度改正というものが生涯受益格差の解消については私はさしたる効果を上げていない、これも効果は大きくないとここに書いてあるんですけれどもね。
 森岡政務官、一体あの年金改正というのはいかがなものだったのか、どれほどの、割れた人たち、後年世代と言われるそうですけれども、後年世代に対してこの受益格差の負担増というものに対して解消が図られたのか、お答えください。
#148
○大臣政務官(森岡正宏君) 黒岩委員にお答えしたいと思います。委員は無年金障害の問題とか大変熱心にやっていただいておりまして、お答えをさせていただきたいと思います。
 実は、先週、私ロンドンで行われましたG8の労働大臣会議というのに出てまいりました、尾辻大臣の代わりに。そうしましたら、G8各国みんな同じように、高齢者の雇用とか年金、そして少子化、同じように苦しんでいるんですね。やっぱり、日本は急速に少子化に突入しておりますけれども、みんな同じような悩みを抱えているんだなということを感じました。
 そこで、OECDの事務総長がこんなことを言っていましたよ。ロシアの学生さんがこんなことを言ったんだと。高齢者からはもう投票権を取り上げた方がいいんじゃないかというようなことを言っておったと。というのは、政治に、高齢者の年金とか、これ以上増えたら困る、もっと抑えていきたいというような思いを持って言っておられたわけでございまして、今御質問の昨年の年金制度改正、これは私どもはやっぱりそういう危機感を持ちながら改正をしたわけでございまして、かなり効果があったんじゃないかなというふうに思っております。思っております。
 ところが、この二〇〇四年の「日本経済二〇〇四」という内閣府の報告は、このすべてが公的制度による受益と負担の関係だけを述べておりまして、私たちのお父さん、お母さんの世代というのは介護の社会化とか親の面倒を見るというようなことはみんな仕送りとか家でやっていましたよね。ですから、このお金だけ、公的制度の問題だけで世代間の格差があると決め付けてしまうのは私間違いじゃないかなというふうに思っておりまして、まあ、そんなことで。
#149
○黒岩宇洋君 いや、森岡政務官、二〇〇四年、これ、二〇〇四、間違えていますかね。
 先ほどの公的制度だけではないという部分もここにも書き込まれているので、私も理解しています。ただ、やはり大改革といった中で、年金改正がそれに比べると私は大変物足りないものだという、そういう指摘でございます。
 それで、官房長官にわざわざおいでいただいたのは、この格差解消についてどうすればいいのかとまでは聞きません。これはもうちょっと複雑過ぎちゃって無理なので、もう時間ないんで私一点お聞きしたいんですけれども、これ、読めば読むほどこの格差解消に、一つの大きな解消手段というのがありますね。これ消費税ですよ。消費税なんですよね。これ、年金目的税と言ってもいいんですけれども、消費税というのは間違いなく世代間の格差を埋めるんですよ。それを小泉総理は自分の任期中は封印しましたよね。私、このことは果たしてこの生涯受益格差の解消という大きな課題をどこまで認識しているか、いや、裏返せばその認識が足りないことの証左ではないかと、そう思っているんです。
 官房長官、私の今の認識についてのお答えと、そして消費税をやはり私は年金に充てなければこの格差は解消されないという、これについての官房長官の御見解、お聞かせください。
#150
○国務大臣(細田博之君) 私は、官房長官になる前に、今回の年金改正で、今まで厚生労働省が言ってきたことには腑に落ちないと。私はちょうど六十になったばっかりですから、私は初任給が始まったときは二万八千円。これは厚生年金にずっと入っていて、余り出世せずに定年になった私と同年度を前提としましたが、最初の保険料は千円です、月に。それがずっとパーセンテージも五・五から一〇・六、一三・五八で終わりまして、合計支払った額が八百二十万、七・五六倍の年金を夫は八十一歳七か月まで、妻は八十七歳六か月まで受けて、合計が七・五六倍になるという計算をいただきました。これは本邦唯一のデータだと思います、私が請求して作らせたんですから、年金局にですね。
 そして、今五十歳の方はというと、厚生年金で普通に勤務してずっと終身雇用すると、やっぱり五・五三倍もらえる。そして、四十歳になると四・七八倍もらえる、今二十歳の人は四・五六倍もらえるということで、決して、物価に強い年金制度が、年齢層によってだんだん下がってきますが、掛けることが無意味なほどではないという確信を私は持っておりますが、そういったことも含めまして、今消費税で埋めるべきじゃないか、これは一つのお考えでございまして、今与野党間でも協議が発足しておりますね。
 しかも、今私は厚生年金について申しましたけれども、これを国民年金まで広げて、そして自己負担も増やさせて、そして本当に世代間の公正が保てるかどうか、どうやって企業負担を設定するのかと。こういう、皆様方もいろんな御関係ありますから御認識深いと思いますが、そういったことを総合的に考えて、本当に今よりいい制度ができるんであれば、一つのお考えだなと思います。
#151
○黒岩宇洋君 消費税の年金に財源として充てることに対して一つの考えという答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 もう駆け足で次の課題に行きますので、竹中大臣、大田統括官、退席していただいて結構でございます。残りたかったらいらっしゃっても結構ですけれども。
 次に、この年金を軸足を置きながら聞いていきます。そしてあわせて、障害者基本計画の担当大臣である官房長官に、この無年金障害者問題について一つだけこの後お聞きしたいと思っているんです。
 委員の皆様も、この無年金障害者問題、よく御存じだとは思います。ただ、私、この問題というのは決して小さなことでないと思っているんですよ。なぜかといえば、多くの国民の皆様は、まず年金というと大体老齢年金のことしか語りません。よくて遺族年金、障害年金って一体何なのという、こういう話ですよね。ただ、この問題には、物すごく複雑で、今の年金制度の問題点というのはすべて私は集約されている。弱い立場の人ほど苦労をする、そしてこの年金制度を知っている人間ほど非常に利益を得るというような、私はこの弊害が最も詰まった問題が無年金障害者問題だと思って質問させていただきます。
 昨日、一昨日ですか、広島高裁に厚生労働省は控訴しました。今までこの学生無年金裁判というのは、三月の東京、そして十月の新潟、そしてこの前、三月頭の広島と、原告側が三連勝しているんですね。国が三連敗しているんですよ。その中でやはり厚労省が私は控訴したことには大変遺憾以上に憤りを持っておるんですが、この学生無年金問題。
 皆様、平成三年まで学生は、簡単に言えば、年金は入っても入らなくてもいいという任意加入だったわけですよね。その間に障害を負うと、いきなり年金のもらえない、働く雇用の場もないけれども年金ももらえない無年金障害者におしなべてなってしまう、これがこの問題の根本的なところなんですけれども、官房長官、一つ教えてください。官房長官も学生時代、これは任意加入の時代ですよね。その時代、官房長官、年金に入っていましたか。
#152
○国務大臣(細田博之君) 私も調べましたけれども、二十三歳ちょうどのときに官庁に入りましたが、その前は払っておりません。これは全く任意の時代でございます。
#153
○黒岩宇洋君 御安心ください。これは議員の年金未納問題と違いますからね、任意加入ですから。
 ただ、ほとんど皆さんそうだと思いますし、官僚の皆さんも入っていなかったんですよ。当時の加入している学生というのは一・二%だと。どう思いますか、この数字。私は多いと思ったんですよ。えっ、百人に一人も入っていたのと。私、あの時代を振り返って、学生が年金なんということ、何の認識もないですよ。これは私、もう推測で申し訳ないんですけれども、過去に私も調べて何人か学生時代に年金に入っていた方にお会いしたんですね。その方全員が、親御さんが社会保険庁の方か、あとは役所の年金課の方なんですよ。そうなんですよ。やはりお役人のお子さんというのは大学にいる率も高いんで、何とかこの人たちの御子息を合わせると一%になるんじゃないかという。この知識がなかったらこれ漏れているんですよ。それほど日本の年金というものは脆弱な網だったんですね。
 大臣、ここで結構です。この後の記者会見、いつでももう御退席いただいて。
 それで、先ほど、森岡政務官にお答えいただきたいんですが、森岡政務官は、この無年金障害者問題を考える議員連盟というものございまして、第一号入会者なんですね。物すごい思いで今まで取り組んでいただいた、大臣、いかがでしょうか。何も知らずに二十歳過ぎて、これ二十歳未満の方は学生さんでも障害を負えば年金もらえるんですよね。でも、そのわずか十九歳十一か月と二十か月ではもう天国と地獄ほどの差が出てくるわけです、その後の生活において。これについて、もう違憲判決が東京地裁でなされましたね。次には、二十歳過ぎた学生と社会人ももうこれ憲法違反だと、平等権違反だという、こんな踏み込んだことが新潟地裁でなされましたよ。この前の広島地裁に至っては、今までは損害賠償請求を原告に認めましたが、更に踏み込んで、要するに障害年金を払わないと決めたこの取決めを取り消せと、反射すれば、障害年金はもう払わなきゃいけないんだという。
 昨年、本当に議員の皆様のお力で、学生の皆さんと主婦の皆さんの無年金障害者には、要は、福祉的な措置で基礎年金の約半額払うという法律が成立しました。だけれども、広島地裁は、この法律だけでは駄目なんだ、当然その学生には年金制度の中で支払えという、こういう思いを司法の中で訴えたわけですよ。
 これを踏まえて、森岡政務官、いかがでしょうか。私は、学生や主婦にしても、当然年金制度の中で満額の支給をすべきであると、そう考えますが、いかがでしょうか。
#154
○大臣政務官(森岡正宏君) 黒岩委員などが中心になられまして随分努力をされ、そして、与野党合意の上で昨年十二月に議員立法でこの法案が成立をいたしまして、そして、今おっしゃったような福祉的措置としての給付を行うということが決まったわけでございまして、私も選挙区にそういう人を抱えておりまして、本当に気の毒なことだなと、たまたま強制加入でないときに障害者になられた、余りにも格差があるじゃないかなという思いで黒岩委員と同じような活動をさせていただいていたわけでございました。
 しかし、一方で裁判が行われている、そしてこのまま放置することはできないというようなことから法案が成立したわけでございまして、今、福祉的措置として五万、四万の支給がなされるようになったということでございまして、私は、一方でまだ訴訟が行われているわけでございますけれども、これはこれで評価ができるものじゃないかなと、そんなふうに思っているわけでございます。
#155
○黒岩宇洋君 森岡政務官は今政府のお立場ですから、それは重々分かります。
 ただ、本当にあれですよね、いざ自分がその身に置いたら、だれもが学生入っていなかったですよ。ですから、我々は無年金学生だったんですね。ただ、大きな違いは障害を負ったか負わないかなんですよ。不慮の事故で負った人間は無年金学生障害者になるんですね。我々は単なる無年金学生だったという、この点を私はやっぱり真摯に受け止めていただきたいと思います。
 時間ないので、実は、今申し上げたとおり、学生と主婦の無年金、任意加入の皆さんは救われましたけれども、実は、無年金障害者というものは、類型としてはもうあまたとあるんですね。これも社会保険労務士の皆さんに作ってもらったんですけれども、十何個もありまして、そのうちわずかしか救われていないわけですよ。
 またこの複雑に分かれているということ自体が大きな問題だと思うんですが、その中でやはり一番大きな問題になったのが在日外国人の皆様ですね。学生や主婦の皆様は任意加入ですから、一応入る意思があれば入れた。しかし、昭和五十七年以前の在日外国人の皆様は、要は国籍条項がありましたから、年金に入りたくても入れなかったわけですよ。その方たちは今回救済されていません。それについて厚労省の理由はもう幾つか挙がってきたので、それについてはもうここでは指摘しません、長くなりますので。
 ただ、今回こだわるのは、じゃ、先ほど、学生の皆さんも年金制度の枠では救わなかった、福祉的措置ですよ。福祉的措置というのは、私は、基本的に言えば生活の困窮に着目するものだと思っています、福祉的措置というのは。ですから、なぜ生活困窮したかという原因、学生だったから無年金、在日外国人だったから無年金という、私は原因に着目すべきでないと思っているんですよ、福祉的措置ですから。
 ですから、福祉的措置という限りは、私は、無年金で、当然働く場もなくて生活に困窮しているそういった在日外国人を含め、今回救われなかった皆様を当然、福祉的措置でも構いませんから救済すべきと考えますが、政務官、いかがでしょうか。
#156
○大臣政務官(森岡正宏君) 今、黒岩議員がお話しされましたように、在日外国人の方というのは、昭和五十七年一月から制度が発足してそして強制加入になっておられるわけでございまして、在日の方とか強制加入期間中に未納、未加入であった方については事情が異なるということで対象とされていないわけでございまして、そういうことを御理解をいただきたいなと。
 そして、昨年の法案が通りましたときに、御承知のとおり、附則にこういう方の、在日の方などについても今後立法府その他関係者の方々の御意見や制度全体の整合性等を踏まえながら引き続き検討してまいりたいということでございましてね、附則に書かれてあることをかみしめながらこれからも厚生労働省としては対応していきたいなと、そんなふうに思っております。
#157
○黒岩宇洋君 もう答弁いただきません。
 私、幾つかの各点から今日質問申し上げたのは、本当の意味の新しい年金制度をつくる以外にもうないと思っているんですよ。もう一元化だとか、そんなことだけでも無理かもしれない。
 というのは、そもそも昭和十七年に我が国で初めて年金制度が始まったころというのは、いずれこの集めたお金というのはインフレでもう紙切れになるだろうという、ですからもう使っちゃえというところから始まったんですよ。ドイツのアウトバーンというのは、あれは年金保険料で造った有名なハイウエーなんですよね。だから、その観点からスタートしていく中で、良しあしは言いません。その観点の中ですよ、もうぼろぼろになっていたんですよ、もう半世紀以上たって。ですから、無年金障害者問題だって、もうそのぼろぼろの状況がまだ続いているという。
 私、このことをかんがみて、相当な心意気を持たない限り、先ほどもマクロ経済スライド方式なるものがどれほど受益格差に与えたかという、影響を、さしたるものでないということが証明されているという、このことも併せて、森岡政務官、もう尾辻大臣にもおっしゃってください。本当にかなり性根を入れなければ、今の年金制度が持続可能などということを言える日はそう近くには訪れない。
 そのためには、これ与野党ともに、これは政治的な論争じゃありませんから、きちっとしたものをつくっていきたい、このことをお願い申し上げて、もう、いやいやもうちょっと、時間がないので終わらせていただきます。
#158
○委員長(高嶋良充君) 以上をもちまして、平成十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、皇室費、国会所管、会計検査院所管、人事院を除く内閣所管及び内閣府所管のうち沖縄関係経費を除く内閣本府、国際平和協力本部、宮内庁、警察庁についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#159
○委員長(高嶋良充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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