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2005/02/10 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 決算委員会 第1号
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2005/02/10 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 決算委員会 第1号

#1
第162回国会 決算委員会 第1号
平成十七年二月十日(木曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         鴻池 祥肇君
    理 事         荒井 正吾君
    理 事         田浦  直君
    理 事         山内 俊夫君
    理 事         神本美恵子君
    理 事         松井 孝治君
    理 事         山下 栄一君
                小池 正勝君
                坂本由紀子君
                武見 敬三君
                中原  爽君
                中村 博彦君
                西島 英利君
                野村 哲郎君
                森元 恒雄君
                山下 英利君
                山本 順三君
                尾立 源幸君
                加藤 敏幸君
                佐藤 雄平君
                齋藤  勁君
                高橋 千秋君
                谷  博之君
                林 久美子君
                藤末 健三君
                峰崎 直樹君
                遠山 清彦君
                西田 実仁君
                小林美恵子君
                又市 征治君
    ─────────────
   委員の異動
 二月九日
    辞任         補欠選任
     西田 実仁君     浜田 昌良君
 二月十日
    辞任         補欠選任
     高橋 千秋君     大塚 耕平君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         鴻池 祥肇君
    理 事
                荒井 正吾君
                田浦  直君
                山内 俊夫君
                神本美恵子君
                松井 孝治君
                山下 栄一君
    委 員
                小池 正勝君
                坂本由紀子君
                武見 敬三君
                中原  爽君
                中村 博彦君
                西島 英利君
                野村 哲郎君
                森元 恒雄君
                山下 英利君
                尾立 源幸君
                大塚 耕平君
                加藤 敏幸君
                佐藤 雄平君
                齋藤  勁君
                谷  博之君
                林 久美子君
                藤末 健三君
                峰崎 直樹君
                遠山 清彦君
                浜田 昌良君
                小林美恵子君
                又市 征治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        和田  征君
   政府参考人
       財務省主計局次
       長        松元  崇君
   説明員
       会計検査院事務
       総局事務総長官
       房総括審議官   真島 審一君
       会計検査院事務
       総局事務総長官
       房調査課長    田代 政司君
       会計検査院事務
       総局事務総長官
       房上席研究調査
       官        東  信男君
   参考人
       東邦学園大学経
       営学部助教授   後  千代君
       国立国会図書館
       参事       片山 信子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○平成十五年度一般会計歳入歳出決算、平成十五
 年度特別会計歳入歳出決算、平成十五年度国税
 収納金整理資金受払計算書、平成十五年度政府
 関係機関決算書(第百六十一回国会内閣提出)
 (継続案件)
○平成十五年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (第百六十一回国会内閣提出)(継続案件)
○平成十五年度国有財産無償貸付状況総計算書(
 第百六十一回国会内閣提出)(継続案件)
    ─────────────
#2
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、櫻井充君、羽田雄一郎君、小池晃君及び西田実仁君が委員を辞任され、その補欠として齋藤勁君、小林美恵子君、浜田昌良君及び大塚耕平君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(鴻池祥肇君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(鴻池祥肇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(鴻池祥肇君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十五年度決算外二件の審査並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求め、その説明を聴取することとし、この手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(鴻池祥肇君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#7
○委員長(鴻池祥肇君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十五年度決算外二件の審査並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のため、必要に応じ政府関係機関等の役職員を参考人として出席を求めることとし、日時及び人選等につきましては、これをあらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(鴻池祥肇君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 また、平成十五年度決算外二件の審査のため、本日の委員会に東邦学園大学経営学部助教授後千代君及び国立国会図書館参事片山信子君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(鴻池祥肇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#10
○委員長(鴻池祥肇君) 平成十五年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、会計検査院の機能強化についてのうち、諸外国の会計検査院について参考人から御意見を聴取した後、参考人、財務省及び会計検査院に対して質疑をすることといたしております。
 この際、両参考人に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用のところ、本委員会に御出席をいただきまして誠にありがとうございます。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
 参考人の皆様方から忌憚のない御意見を承り、審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。
 本日の議事の進め方でございますが、片山参考人、後参考人の順にお一人三十分程度ずつ御意見をお述べいただきまして、その後、委員からの質疑にお答えをいただきたいと思います。
 また、質疑につきましては、あらかじめ質疑者を定めず、自由に質疑を行いたいと存じます。
 なお、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることとなっております。
 なお、参考人からの意見陳述、各委員からの質疑及びこれに対する答弁のいずれも着席のままで結構でございます。
 それでは、まず片山参考人からお願いをいたします。片山参考人。
#11
○参考人(片山信子君) 国立国会図書館の片山でございます。
 昨年、調査及び立法考査局財政金融課においてアメリカ、イギリス、ドイツの会計検査院と決算審議について報告書を作成しました。本日は、この報告書を踏まえまして、各国会計検査院の役割と議会との関係について、各国の特徴的な部分を中心に御報告申し上げます。
 まず第一に、会計検査院の地位について御報告します。
 議会による行政監視の在り方、そしてこれを補佐する会計検査院の存在感の強さで最も注目される機会が多い国は恐らくアメリカであろうと存じます。このアメリカの会計検査院、GAOは行政府から独立した立法補佐機関でございます。GAOは議会の番犬とも呼ばれ、議会との結び付きが強い機関でございます。
 一方、イギリスの会計検査院は長らく大蔵省の外局でしたが、サッチャー政権時代に改革が行われ、一九八三年の法律改正によって行政府から独立し、会計検査院長は下院役員という位置付けになりました。この点ではイギリスの会計検査院はアメリカ型に近づきました。
 また、スウェーデンでも、議会と政府の両者に会計検査機関が置かれておりましたのを二〇〇二年に一本化し、議会に会計検査院を設置しました。
 このように、会計検査院を議会に近づけるという一つの流れがございます。
 しかし、一方では、会計検査院を立法府に属させると議院内閣制の国では行政府をチェックする力が弱まる面もあり、ドイツやフランスの会計検査院は、我が国と同じく、行政府にも立法府にも属さない独立の機関でございます。
 なお、フランスの会計検査院は会計裁判所的性格を持った司法機関の地位と機能を有することを申し添えておきます。
 このように、行政府にも立法府にも属さない独立の機関としての会計検査院を有するドイツ、フランスですが、決算検査報告の議会への提出の在り方は我が国と異なります。
 ドイツの会計検査院は、憲法に相当する基本法の改正によって、一九六九年に議会両院に直接に検査報告を提出するよう義務付けられました。それまでは、我が国と同じく、ドイツ議会も政府を介して検査報告を受け取っていました。この改正により、ドイツの会計検査院は議会へ大きく引き寄せられ、財政民主主義が強化されたと評価されております。
 また、フランスは一九六七年に法律改正によって、イタリアも一九四七年に憲法改正によって、検査報告を直接議会に提出する形に改めております。
 ここで、各国の決算の性格について若干御説明申し上げます。
 日本の決算は議案と報告の中間であるともされておりますが、外国の例を見ますと、イギリスは報告、ドイツは議案、フランスは決算法案でございます。日本では決算重視のために決算を議案として取り扱うべきであるとの議論もございますが、外国の決算の審議状況を見ますと、報告という言わば最も法形式の軽いイギリスにおいてむしろ決算審査の権威が高く、審議時間も多い一方で、法案という最も重い法形式のフランスにおいてこれまで決算審議が余り活発でなかったという印象がございます。
 なお、アメリカは決算に相当する国庫収支実績が議会に報告されますが、これはGAOの検査対象ではございません。また、アメリカでは我が国の決算委員会に相当する単独の委員会での決算審議もございません。
 次に、決算検査を離れて、各国会計検査院で積極的に行われておりますプログラム評価について御報告します。
 プログラム評価とは、個別事業や個別政策を経済性、効率性、有効性の観点から施策の包括的評価を行い、分析評価する活動でございます。
 各国の会計検査院の中でその活躍が注目されるアメリカのGAOは、各国の会計検査院に先んじてプログラム評価に取り組み、正確性と客観性を持つ専門機関として高度な技術を導入し、複雑で政策的判断を要する微妙な事柄についても検査が可能であることを示しております。
 GAOは、行政府に対する改善勧告を含むプログラム評価を年間千二百件以上も作成し、調査を要求した両院の各委員会の委員長や個別の議員に提供しております。このようなプログラム評価を通じて、GAOは議会に対する高度な情報提供機能を発揮しております。
 イギリスの会計検査院、NAOもプログラム評価に力を入れております。イギリスではプログラム評価はVFM検査と呼ばれております。これは、費用に見合った価値を意味する英語、バリュー・フォー・マネーの頭文字を取ったものでございます。サッチャー政権時代の改革により、イギリスの会計検査院、NAOは、プログラム評価を法律上の根拠を有する任務として行うようになり、業務上の比重を増しております。年間約六十件のVFM検査報告書を決算検査報告とは別に下院に提出しております。
 この場にNAOのVFM検査報告書を一冊お持ちしました。表紙に年配の方の写真がありますが、これは年金生活者の中の貧困者問題に取り組むという報告書です。貧しい年金生活者の中で、低所得者向けの給付金の申請手続をしない者が多く、予算が有効に使われていない点について、システムとしての問題点を調査したものであります。
 次に、ドイツですが、ドイツでも経済性、効率性の観点から検査するプログラム評価が行われております。注目されますのは、ドイツでは財政監督の基準として経済性という言葉を憲法レベルで明記している点でございます。
 ドイツは、毎年一回提出される決算検査報告のほかに、議会から要請のあった事項や特に重要な個別テーマについて随時報告を議会に別途提出しております。件数は年間三十件から四十件程度です。会計検査院の年報によりますと、マンパワーの約一五%を随時報告に振り向けているとのことでございます。
 フランスでも効率性の観点からの検査が行われ、年次報告に当たる一般検査報告に記載されております。フランスでは、このほかに、会計検査院が特に強調することを望む重要主題について別途個別検査報告を公表しております。件数は年間五件程度です。
 このように、決算検査とプログラム評価など個別テーマに係る報告書については、イギリス、ドイツ、フランスは年次報告のほかに別途随時議会や政府に提出しております。
 日本では、国会からの検査要請に基づく事項は要請した院の長に対して会計検査院長が個別に報告するものの、それ以外は、特定検査状況の検査報告も含めて、基本的には年次報告である非常に大部な、情報量の豊富な、しかし一冊の決算検査報告の形で提出されており、この点が何冊も報告書を随時提供している欧米の会計検査院と異なります。
 次に、各国会計検査院の任務の在り方として注目される点として、予算循環過程のより早い段階への関与がございます。
 予算の編成、予算の執行、会計検査院による検査、そして議会による事後統制という一連の予算循環過程の中で、ドイツの会計検査院は会計の完結を待って事後検査をするだけでなく、より前の段階、つまり執行中や予算編成中でもいわゆる検査を行うことができます。これも憲法に当たる基本法上の任務でございまして、助言活動と呼ばれております。具体的には、議会の予算案審議過程で予算委員会の事前協議への関与や審議への関与を行います。また、予算委員会においてだけでなく、政府内の予算編成過程でも口頭又は文書の形で助言活動は行われます。この権限により、ドイツの会計検査院は議会や国民の関心に後れないで予算や経済運営に関する見解を述べることができます。
 アメリカのGAOも、議会からの要請を受けて、個別事案に対して年間二百件を超す議会証言を行っております。これも必ずしも会計の完結を待ったものばかりではないという点で、予算循環過程のより早い段階への関与と位置付けることが可能でございます。
 さらに、イギリスの会計検査院は、ブレア政権の財政改革により、政府の財政予測の妥当性を監査するという新しい任務を得ました。財政予測は予算編成の前提となるものでありまして、これも予算循環過程のより早い段階への関与でございます。
 次に、会計検査院と議会の決算審査の関係を御報告します。
 まず、決算審査の対象でございます。
 日本の決算審査では、会計検査院の検査報告中心の審査というよりも、法律、予算、高度な政策的事項をも広範に審査の対象とされております。これに対して、イギリスとドイツの決算審査は会計検査院が行った検査結果を議会が吟味するという形を取っております。
 一般に、どこの国でも、会計検査院の手法は法律的、経済的、技術的、事務的見地の検査でございますが、イギリスの決算審議では、この会計検査院の検査結果を踏まえた決算審査になります。
 イギリス議会での決算審査は、政策の是非を問うのではなく、執行することを決めた予算、実施することを決めた政策が、合規性、経済性、効率性、有効性の観点で執行されたかどうかを議会という政治の場で改めて審査し、改善を促す勧告を出すことで、その結果を後年度の予算執行、会計経理にフィードバックすることを目的としていると言えます。
 このような審査対象と観点を反映しまして、イギリスの決算審査の行政府側答弁は、各省の大臣ではなく、会計官である事務次官や第二事務次官が行います。ドイツでも、会計検査院の検査結果を土台に議会の決算審査が行われます。
 このように、議会の決算審査において、会計検査院との関係が緊密なのがイギリスとドイツでございます。
 次に、議会での決算審査を行う委員会と決算審査を予算へフィードバックする在り方について御報告します。
 まず、イギリスは、決算審査を専門に行う決算委員会を有しておりまして、非常に格式の高い上席の委員会であるとされており、決算審査が活発に行われております。イギリスの決算委員会の特徴はその非党派性と専門性の高さにあります。八〇年代から九〇年代にかけての保守党政権下の労働党出身のシェルダン決算委員長の在任期間は一九八四年から一九九七年までの十四年間に及んだことからも、その専門性の高さがうかがわれます。
 イギリスの決算委員会の任務は、会計検査院が提出した報告書を基に、委員会自らが報告書を作成することにあります。こちらが決算委員会の報告書でございます。先ほどお見せしました会計検査院の検査報告を受けて、同じテーマで決算委員会の報告書として作成されたものです。決算委員会の報告書には、決算委員会による改善勧告が織り込まれております。イギリスの決算委員会は、総選挙がある年以外は、改善勧告を含む決算委員会の報告書を年間四十冊から七十冊程度作成しております。決算委員会では全会一致で報告書を作成します。ここに決算委員会の非党派性が表れております。
 行政省庁は、個別の決算委員会報告書が出されますと、これを受けて、約三か月後から五か月後に、どのような改善措置を取ったのかを回答する大蔵省覚書と呼ばれる文書を議会に提出します。こちらが先ほどお見せしました委員会報告書に対応する大蔵省覚書でございます。
 決算審査に係る本会議は年に一回開かれます。前回の本会議以降に提出された決算委員会報告書とそれに対応する大蔵省覚書の両者を決算委員長が動議の形で提出し、報告と討論が行われます。最後に、報告書と大蔵省覚書を採決します。
 イギリスの決算委員会は、このように会計検査院と緊密な連携の下で重要な役割を果たし、さらに、行政府側の改善措置をも決算審議のサイクルに織り込んだ形での非常に完成度の高い決算システムを有していることに特徴がございます。
 次に、ドイツですが、ドイツは、連邦議会では、予算委員会に責任解除の動議と会計検査院の決算報告が付託され、予算委員会の小委員会である会計検査委員会で審査が行われます。また、連邦参議院では、予算を審議する大蔵委員会が決算審査を行います。フランスも予算審議を行う財政委員会が決算審査を行います。ドイツとフランスは、予算と決算を同じ委員会で審査することにより決算審査を予算に反映する形を取っております。
 さらに、これまで決算審査がどちらかといえば活発でなかったとされるフランスで、最近、予算への決算のフィードバックを効果的にするために改革が行われました。
 まず、決算法案の提出期限を七か月前倒しにしました。さらに、前年度の決算法案が各院における第一読会において採決されるまではその院において翌年度の予算法案は審議できないように改めました。フランスの会計年度は暦年でして、十二月に会計年度が終わります。以前は、例えば九八年度決算法の成立が二〇〇一年七月と遅かったのですが、二〇〇二年度決算法は二〇〇三年十月に成立し、決算法の早期成立に一定の効果があるようです。
 次に、両院の役割分担を御報告します。
 イギリスでは下院でのみ決算審査を行い、上院では決算審査を行いません。ドイツとフランスでは両院で決算審査が行われます。
 興味深いのは、ドイツの連邦参議院で取られている審査方法でございます。連邦参議院で決算を担当する大蔵委員会は、各州から一名の大蔵委員が出て、十六名の大蔵委員がおりますが、決算審査は各大蔵委員が連邦各省を担当するという仕組みを取っております。ある省を担当する委員は決算を州に持ち帰り、州政府でその省の決算を精査します。各州がどの省を担当するのかは、予算審査の担当に対応します。これも決算を予算にフィードバックするために考えられている方法と言えます。
 以上、諸外国の会計検査院の活動について御報告いたしました。
 アメリカは、質量ともに充実した情報を議会に提供する情報提供型の会計検査院、GAOを擁しております。質的に充実した情報は、GAOが検査手法の高度化という方向で役割を拡張していることにより可能となっております。
 イギリスは、決算委員会と会計検査院、NAOの緊密な連携の下、行政府からの回答をも審議日程に組み込んだ非常に完成度の高い決算システムを確立しています。イギリスは、伝統的なスタイルを継承しながら、GAOに倣ってVFM検査を充実させ、検査手法の高度化を図っております。
 さらに、ドイツの会計検査院は、憲法をよりどころに、執行中や予算編成中でも予算や経済運営に関する助言を行うことを通じて、予算循環過程のより早い段階へ関与するという形で広い任務を有しております。
 また、これまで決算審議が余り活発でないとされてきましたフランスにおいても、決算審議の早期化が図られております。
 このように、各国は各々特徴ある決算制度を発展させており、各会計検査院の地位や規模は様々でございます。しかし、特にアメリカ、イギリス、ドイツの議会に共通しますのは、会計検査院の報告や情報が議会審議の重要な土台となり、積極的に活用されている点でございます。
 以上、各国の会計検査院の任務と議会との関係について、特徴的な部分を中心に御報告いたしました。
 御報告を終わります。
#12
○委員長(鴻池祥肇君) ありがとうございました。
 次に、後参考人にお願いをいたします。後参考人。
#13
○参考人(後千代君) それでは御報告させていただきます。
 今ちょっと風邪を引いておりまして、声が出にくい状態でございます。お聞き苦しい点がございますが、御容赦くださいませ。
 今、片山さんの方から、諸外国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスという形で横断的な構造というか、そういうお話がございましたので、私の方は、歴史的にアメリカの今GAOとおっしゃっておりました会計検査院がどのような経過で現在に至ったかという点を柱にお話しさせていただきたいというふうに思います。
 お手元のレジュメの方でございますが、@というふうに書かれてございます資料をごらんいただきながら、まずはアメリカのGAO、会計検査院の、どういう過程で発展してきたかという点と、それから、我が国の現在の会計検査院、昭和二十二年に改正されたわけですが、GAOとそれから我が国の会計検査院の関係についても若干触れたいというふうに思います。
 その「アメリカ連邦政府会計検査の発展過程(概略)」という資料でございますが、現在のGAOの検査制度の原形として連邦レベルの会計検査制度が整いましたのは、そこに書いてございますように、財務法によって財務省内に国庫検査局が設置された一七八九年でございました。一八九四年にこれに若干変更が加えられ、その制度が一九二一年の予算会計法となりまして、ほぼそのままこれがGAOに引き継がれました。
 会計検査制度自体は、職員も含めて、財務省の方からコントローラーとオーディターの職務を引き継いだものとなりました。コントローラーというのが検査院長でございまして、オーディターが検査官というふうにお考えください。したがいまして、一九二一年以前には財務省内部にあった状態から、GAOの創設後は行政から独立した組織になったわけでございます。
 後で申し上げますけれども、統制機能、つまり本来は行政が持つ権限と独立的検査機関が持つ機能とが混在した状態で出発したという問題をGAOははらんでおりました。
 では、どうしてこのような状態でスタートしたのかということですが、この一九二一年の予算会計法の成立は、アメリカで直接税を初めて導入するに当たりまして、国民の反発を背景にして、通常タフト委員会というふうに呼んでおりますけれども、節約と能率に関する大統領委員会によって出された報告書に端を発していると言われております。
 その報告書の内容自体でございますが、これは統一的な予算制度の確立の必要性を主張したものでありました。この予算会計法の審議過程を含めまして、当時の議論の中心になっていたのは予算の制度でございました。検査の制度ではありませんでした。そして、大統領の権限の下で予算策定を行うために予算局が設置されまして、それに対抗する形で独立的な立場から予算執行を監視するためということでGAOが創設されたわけでございます。
 しかしながら、その審議の過程で検査制度自体が十分な審議対象とはならなかったために、またこの制度自体が、イギリスの制度を参考にしたものなわけですけれども、十分な改良がなされなかったこととも重なりまして、結局、十八世紀、最初に書いてございます一七八九年の財務省の制度をそのままGAOが財務省から引き継ぐということになってしまったという経緯がございます。
   〔委員長退席、理事田浦直君着席〕
 この時期のGAOの検査目的というものは、一九二一年の予算会計法上では、政府の支出の合規性、正確性の確保だけではなくて、過剰支出などに対する検査も含まれていました。また、経済性、効率性という文言を予算会計法上でもうたいながら、その業務の中心となりましたのは、いわゆるバウチャーオーディットといいまして一々証憑検査をするというものでした。ですから、政府支出の個別検査による合規性の確保といった内容となっております。しかも、その書類は、各行政機関からワシントンDCの方まで送らなければいけないというような状態でございました。
 ただ、そのチェック自体が事後的な検査であれば問題はなかったわけでございますが、問題は、先ほど申し上げましたように、支出を確定する権限をGAOが持っていたということになります。すなわち、証憑を送付して、GAOがその支出を承認しない場合があるということです。ですから、初代の検査院長は事前に行う検査を行政に推奨いたしました。
 資料@の一九二三年のところをごらんいただきますと、ハーディング大統領が議会に組織改革計画を提出、GAOの職務を財務省に戻すべきことを要請した。あるいは、一九三二年にフーバー大統領がGAOの行政にかかわる職務を予算局の方へ移すことを勧告。それから、三七年には、ルーズベルト大統領が、行政管理委員会、ブラウンロー委員会と通常申しますが、そこがGAOの行政職務が財務省に移行されるべきこととGAOの活動を事後検査だけに制限すべきことを勧告いたしました。このように歴代大統領が議会やGAOに働き掛けておりますが、ことごとく失敗しています。
 この事前検査ですけれども、一九三六年、GAOが二一年に始まりまして最初の検査院長が約十五年の任期を終えまして退任するところまで続きました。
 三〇年代にはニューディール政策などで政府支出が膨大に膨れました。その業務をこなす人手もそもそもなかったわけですが、証憑検査、バウチャーチェックは一方で職員のモチベーションを非常に下げたという側面もございます。さらに、ニューディール政策の支出を禁じて、GAOが禁じまして、司法と財務省とを巻き込む事件にも発展いたしました。
 この財務長官と検査院長の両方の承認が支出に当たって必要だという状態が正式に無効になったのが一九五〇年ということになります。
 一九四〇年に次の検査院長に替わって、そこから改革がスタートし始めるわけですが、ちょうど第二次大戦で陸軍、海軍の検査が始まるわけです。一九二一年に、GAOの創設当初は千七百名程度のスタッフであったものが四六年までには一万五千人までに膨らみまして、事実上そのバウチャーチェックというものが破綻を来したということになります。
 戦後になり、それまでのニューディール政策と戦時中に増大してしまった、そこに、四五年に公社というふうに、公社統制法というふうに書いております。ここではそのまま公社というふうに呼びますが、政府が出資した会社というふうにお考えください。この公社への検査がGAOにとって転機となります。GAOの検査権限は、法的には、公社が証憑書類の提出を拒否した場合にはそれに対処し得る十分な権限が与えられておりませんでした。また、民間企業に準じて運営されている公社を検査する能力のある職員もGAOにいなかったために、公認会計士等を採用して補ったわけでございます。
 このGAOが転換する最大の、公社統制法がGAOの転換に寄与した点でございますが、民間企業取引に適用可能な原則と、その手続に従って公認会計士が行う監査を現地に行って、ワシントンDCに集めてではなくて現地に行って行うという点と、それから、GAOが従来、連邦政府機関に対して持っていた支払拒否権、先ほど申しました統制権限と検査権限の混在という点でございます。その支払拒否権が公社に対しては持てなかったという点です。このことは、それまでGAOが連邦政府機関に対して持っていた統制権限を放棄せざるを得ない状況をつくったということです。これを民間企業型検査、コマーシャルタイプオーディットと呼びます。
 公的な機関に対してもこれを適用しようといたしまして、それが資料@の一九四八年の合衆国海事委員会に対する検査でした。この委員会は公社ではありません。行政機関内の独立機関でありまして、連邦政府から多額の補助金を得ていた船舶建造事業を監督するという機関でございました。この過程でようやく財務管理と内部統制の重要性に目を向けるということになりました。
   〔理事田浦直君退席、委員長着席〕
 これまでの個別のチェックから、我が国で言う実地検査を行いまして、妥当性や効率性も含めた検査へとシフトしていくわけです。それを、文言としては、その一九四九年のところに包括検査というふうに書いてございます。包括的検査というふうに呼びました。
 こうして、一九四〇年に就任した検査院長が改革に具体的に動き始められたのが戦後ということになります。こういった形でGAOの体制が、一時は一万五、六千人までのスタッフを抱えておりましたが、ようやく一九四七年辺りに四千人ぐらいに落ち着いたということになります。
 今ここで申し上げた経過で、第二次世界大戦後、我が国に対してGHQが関与した当時のGAOの状況というものをごらんいただきますと、一九五〇年にようやくアメリカの会計検査院のこれまでの様々な、一番重要な問題は、統制と検査権限が混在していたという状況が解消したのが一九五〇年でございます。
 ですから、我が国で、明治憲法の下での検査院制度を民主的に改正すべく、GHQから大蔵省の渉外部を通じて会計検査院にコンタクトが始まったのが二十一年の夏ごろだということですから、二十二年の四月十九日に会計検査院法が公布になりましたから、戦後一年たって始まって、わずか半年余りで現在の我が国の会計検査院法の作成に至ったということになります。
 なぜここでこういうことを申し上げるかと申しますと、今申し上げましたアメリカのGAOの持っていたいろいろな問題というものがこの過程で入ってきたということでございます。GHQの経済科学局財政課の担当官は会計検査の専門家ではございませんでした。その際、アメリカ側の今申し上げました問題点は、我が国にそのまま採用することが困難だというふうに、会計検査院の立場から当然そのような結論になるわけでございます。
 会計検査の一つの方式として、国の収入支出の確定をすること、収入支出の確定をするというのは収支の決算をつくるということでありますから、それが国の債権債務の決定をする結果にもなるというふうに当時の会計検査院側はとらまえたわけです、当然ですけれども。このアメリカの提案に対して、会計検査院では、収支の確定をせよというのは、つまり収支の決算をつくれということについての問題であり、大蔵省もそれに対して難色を示しました。それを検査院に対して提案すれば、検査院としては権限の拡張になることですから承知するというふうに考えたわけですけれども、会計検査院でもそれについては当然ながら承認できなかった。
 会計検査院が収支の決算をつくるということになりますれば、これは会計検査院が行政執行上の権限と義務を持つことになる。例えば、支出官の支出がそれは言わば仮払いであって、会計検査院がその支出を否認すれば支出として決算されないし、国の支払債務もなかったことに決定することになるということでございます。債務の決算は民法で規定されておりますし、契約などの法律行為で決定されます。また、支払のときから数か月も後になってそれが否認されるということになりますと、過去の法律上の関係を覆すことになり、取引の安全を害することも大きいことになりますから、検査院としてもそれについては大蔵省や法制局と協調を図って日本政府側の意見をまとめる必要があるという結論に達したわけでございます。
 一方で、旧憲法には会計検査院が行政側の作成した決算を検査、確定するという文言がございました。新憲法には確定という文字が、文言が落とされておりました。これがどうして落とされたかという原因については、当時の会計検査院側では明らかではなく、それはそれとして、憲法の規定にないものであれば会計検査院としてはこれに相当する作用をしなければならないということで、会計検査院法に入れることといたしました。改正素案においては決算を確認するという文言を使用するというふうになっておりまして、今も決算の確認という文言になっております。
 ここで分かることは、アメリカ側の憲法の草案にかかわる担当者は、検査確定のその確定という文言を、自国で、自分の国で長年問題になってきたセツルメント、その確定と同じものと扱って憲法の条文から排除したわけでございますが、会計検査院の担当者の方はそれを十分に認識していなかったという状況がございます。
 それから、もう一つその当時の例を挙げますと、従来、会計検査院側が余り深く考えていなかった点でございますが、明治憲法下での会計検査院では、委託検査、これは会計検査院の行うべき検査の一部を行政各庁に委託して行わせることでございますが、それを廃止しなさいという指示があった。これは受検者の立場にある者が検査院に代わって検査するというのは不合理であるとの立場に立った議論ではございますが、これに対して、日本側は、一見不合理のようであるけれども、その委託検査というのは我が国の従来の制度においてはこれがよく運用されて弊害はなかったと。そして、検査院はいつでも委託を解除して自ら検査することができる。この委託検査が安心できないと思えば、その分についてだけでも直接検査をすればよかったわけですから、アメリカ側に対して異議を申し立てたわけですけれども、GHQは強硬にそれに対しては反対をしたという、こういったような様々な食い違いがありました。
 今申し上げた趣旨は、そのような問題を抱えて一九五〇年にようやくアメリカは、そういう日本に大なり小なりの遺産とか影響を残して一九五〇年以降大きくかじを切るわけです、改革に向けて。
 その発展過程の表の四角、一九五〇年の予算会計手続法の統制と検査を峻別ようやくできまして、行政部の中の内部監査と立法部としてのGAOの関係をきちんとしたと。
 その下にホリフィールド委員会というふうに書いてございますが、これは会計検査院、GAOが軍需契約に対して非常に検査を厳しく行ったものですから議会の方でかなり追及されまして、軍需契約の検査から事実上手を引いた形になるわけでございます。その人員削減が行われたわけですけれども、その際に、その個別の検査からプログラム評価の側に大きくシフトする人員ができたわけです、余地ができたわけでございます。
 それから、外的な要因といたしましては、一九六七年のところに書いてございますように、経済機会法修正案の作成によって貧困対策事業のプログラムに対する評価をGAOが実施することになりました。また、議会は立法府再編法によってGAOのプログラム評価活動を支持いたしました。また、七四年にはGAOによるプログラム評価が拡大いたしました。
 このように、軍需契約の個別検査から手を引いたということは、一方では後退というふうに見れるわけですが、他方ではそういった大きく網を掛けるといったようなプログラム評価へシフトする契機となったわけでございます。
 一九七八年にインスペクタージェネラル法によって内部監査機関の設置、GAOの事実上の出先機関に対する行政機関の反発を招くというふうに書いてございますが、一九五〇年に内部監査の重要性について文言上明文化したわけでございますけれども、全体の流れとしてプログラム評価に大きくシフトをしたためにそこの部分がおざなりになったままになってしまったという側面がございます。それは、八二年の財務改革の、それから一九八三年の内部統制基準、それから一九九〇年のチーフ財務官法等によりまして、これは会計システムをきちんとする、内部監査を含む内部統制をきちんとしなければならないという課題を、一九五〇年の改正の際に積み残した宿題が一九九〇年までずっと付いて回ってきた。プログラム評価ということで、かなりGAOが先ほども申し上げましたとおりに発展したわけでございますが、その一方で財務的な問題が積み残されてきたという経緯になっております。
 今大ざっぱに一九九〇年までのGAOの発展過程について申し上げました、御報告いたしましたけれども、資料のAにGAOの組織図がございます。これは、そのままで恐縮ですが、真ん中の丸い円、真ん中の円がございます。これは、左側にゴール1、右に回ってゴール2、下にゴール3というふうにございます。それから、右側の丸にゴール4ということがございますが、GAOは、現在四つの目標、戦略目標に従って組織内をチーム編成しております。
 真ん中の丸に十三のチームがございますが、ゴール1は、議会と連邦政府がアメリカ国民の福祉や財政的な保障にとって重要かつ緊急な課題にきちんと対処するように適時高品質のサービスを提供するという戦略目標です。ゴール2は、国防、外交に対して議会と政府が対応できるように適時高品質のサービスを提供する。ゴール3は、二十一世紀に見合う政府、連邦政府の役割の転換や仕事の在り方を補佐する。で、ゴール4が、連邦政府機関のモデルとなるように率先垂範して、世界の検査機関のモデルにもなるようにGAOの価値を高めるという、この四つの戦略目標に従ってチーム編成をしているということを示す組織図でございます。
 資料Bでございますが、GAOの業績結果及び業績目標ということで、一番上がファイナンシャルベネフィッツでございます、ドル換算できるもの。二〇〇三年の実績値といたしましては三百五十四億ドル。それから、アザーベネフィッツにつきましては、これは財務的にドル換算できないものをカウントした数値でございます。それから、三番目のニューリコメンデーションメード、これは二〇〇三年の実績値で二千百七十五というのは新しい勧告、GAOがこの年度に行いました新しい勧告でございます。それから、次にございますのが、二〇〇三年の実績値で八二%というふうになっておりますのは、過去のGAOの指摘によって実際に改良されたパーセンテージが載っております。それから、その次の二〇〇三年度の実績の五五%でございますが、これは各種のリコメンデーション、勧告の中に何度も出てきているものを除くわけです。その比率が五五%。それから、その下、テスティモニーズが先ほど出ておりましたように証言数でございます。タイムリーネスは適時性、議会に対して情報提供する場合に締切りを守っているかということでございます。その下のニューハイヤーレートからその下が二〇〇五年度から始まる新しいGAOの業績を評価するための指標でございます。二〇〇二年、二〇〇三年に数字が載っているのは、これは拾える限り拾って算出した数字というふうに御認識ください。
 時間が参りましたので、以上で私の報告を終わらせていただきます。
#14
○委員長(鴻池祥肇君) ありがとうございました。
 以上で参考人の意見の陳述は終わりました。
 これより、おおむね四時ごろまでの間、参考人、それから御出席をいただいております財務省及び会計検査院に対しまして自由質疑を行いたいと思います。
 質疑のある方は挙手をいただきまして、指名を受けてから御発言をちょうだいしたいと思いますが、恐れ入ります、便宜上、質問をしようと思っていらっしゃる方、ちょっと参考に、委員長の参考に手を挙げておいていただけませんか。──分かりました。ありがとうございました。
 それでは、どなたに聞きたいかといったことをまず冒頭におっしゃっていただきまして、質疑を始めていただきたいと思います。
 それでは、又市委員からまずどうぞ。
#15
○又市征治君 冒頭、指名いただきましてありがとうございます。社民党の又市です。
 両参考人に感謝を申し上げたいと思います。
 時間が短く限られておりますので、片山参考人にお伺いをしたいと思います。
 アメリカ、イギリス、ドイツの会計検査院を比較されておられる論文、「調査と情報」四百三十四号ですか、興味深く読みました。その中で、ドイツの検査院の助言活動に絞ってお伺いをしたいと思います。
 片山さん、この中に書かれておる中で、脚注で、ドイツは我が国会計検査院制度の言わば母国である、日本国憲法第九十条は明治憲法第七十二条を継承したもので、プロイセン憲法第百四条と非常によく似ている、とありますね。これは戦前だけのことなのか、一九六九年の改正によって、事後検査だけではなくて事前検査にも改正されていますけど、それと関係があるのかどうか。もっと言えば、日本国憲法第九十条の下でも、この六九年改正のような事後検査だけではなくて事前検査が可能だというふうに思っておいでになるのかどうか、ここのところが一つ。
 もう一つは、この助言活動の大きな問題として、政府の大きなプロジェクトや調達案件というふうに言われているんですが、日本でいえば、この大型なプロジェクトということでいいますと、すぐ思い付くのは新幹線であるとか、あるいは高速道路であるとか、さらには都市再生という名の再開発、あるいは今大変大きな問題になっていますミサイル防衛システムであるとかなどなど、こういうのが思い付くわけですが、ドイツではどういう案件が事前検査に供されてきているのか、また、その結果、予算編成段階や執行段階で大きく修正をされた、そういう事例などというのは、いろんなことあるのかどうか、そういう点少し、具体的にあったら教えていただきたいと、こう思います。二点です。
#16
○参考人(片山信子君) まず、前段の憲法の規定についてなんでございますが、大日本帝国憲法の規定が一八五〇年のプロイセン憲法に非常に似ているんでございますが、その六九年の基本法改正以前の条文はプロイセン憲法に似ているんですけれども、六九年で大きく変わりまして、言葉の上で「決算並びに予算の執行及び経済運営の経済性及び秩序の正しさを検査する。」という言葉に変わりまして、「予算の執行及び経済運営」という言葉が憲法上に入っているんですね。今、日本の憲法にはそういった規定はございませんので、いわゆるドイツの助言活動のようなものはちょっとできないと、憲法上、私は思います。
 後段の方の、具体的な助言活動を通じてどういうプロジェクトが実際に会計検査院の活動の結果やめたかとか、そういった具体的な事実については、申し訳ないんですけれども、この場ではちょっと分かりません。
#17
○説明員(真島審一君) まず第一点、私どもの検査というのについて、事後検査というふうに通常言われておりますけれども、院法上は常時検査ができるということになっていますので、例えば契約を終わった段階であれば支出を待たずに検査できますし、現に検査をしておるということです。
 それから、事前検査と今おっしゃいましたけれども、いわゆる一般的な執行前の検査というのはほとんどの主要国では行われていない。それはそれなりに理由がありまして、やはり監査人というのは意思決定に離れたところにいないと監査ができないと。人によってはクリーンハンドの原則と称しておりますけれども、そういうことから、一般的に言えば契約前の検査というのはなかなかしにくいというふうに言われています。
 ドイツの場合にどういうことが行われているかと申しますと、具体例をお伺いしたことがあるんですけれども、新しい軍用機を調達する場合に、あるいは新しい建物を建築する場合に助言を求められることがあると。ただ、助言を求められてから結果を報告するまで二、三週間のものもありますけれども二、三年掛かるものもあるということで、実際、その予算に対してどういう影響を持っているかというのはちょっと分かりかねるところではあります。
 ただ、一般的に申し上げまして、事前検査というのは、例えば新しく国が興ったときによく事前検査の制度を取り入れている例はあるんですが、ほとんどの場合機能しないといいますか、弊害が多くて取りやめているというのが世界的な経験と言えようかと思います。
 ただ、予算への反映といいますか、そういう面では、私ども、例えば主計局の方と検査結果を事務的に打合せをしたりして、それなりに予算に反映されるように努めているという努力は積み重ねております。
#18
○委員長(鴻池祥肇君) 先ほど挙手をちょうだいをいたしておりました。できるだけ大勢の方、先生方に御質問していただきたいと思います。便宜上、私から見て左右、左右と、こういうふうに、それで約五分程度ということを、お一人、そのようなことでよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、山下委員。
#19
○山下英利君 ありがとうございます。
 お二人の参考人の方の陳述をお聞かせいただきまして、私の質問なんですけれども、ちょっと中身の点でお聞きをしたいんですが、今、片山参考人の方からお話があったVFM検査、これが大体アメリカ、GAOがやっているプログラム評価というのと大体同じというふうにお聞きをしたんですが、実際、具体的に例えば資産の評価を何かするときの価値基準、これはどこに置いているのかちょっと教えていただけますか。それと同時に、今財務省でやっている予算執行調査、これとこのプログラム評価等との違いがもしあれば教えていただきたいと。
 それからもう一つは、フランスでは二〇〇一年の予算執行法で、要すれば前年度の決算法案が第一読会で採決されるまで翌年度の予算審議に入れないと。この第一読会というのはどの程度のところを言っているのか、それをちょっと教えていただけますでしょうか。
 それからもう一点、これは片山先生にお聞きをしたいんですが、GAOというのはジェネラル・アカウンティング・オフィスというふうに私も理解していたんですが、今、ガバメント・アカウンタビリティー・オフィスというふうに名称が変わったようなんですけれども、その辺の変わったところの背景を教えていただけますでしょうか。
 そして、もうあと一点は、財務検査が一五%、業績検査八五%と、そのように資料でお書きをいただいているんですが、これをいわゆる検査、インスペクションと、それから監査、オーディットという形で分けるとこの比率は同じなんでしょうか、あるいは違うんでしょうかということです。
 そして最後に、GAOが三番目の柱として財政赤字削減のための支出削減の目標設定を行うというふうにお書きをいただいているんですけれども、これはGAOに対してだれが、要するに議会が要請してGAOがそのレコメンデーションを出すのか、あるいはガバメント・アカウンタビリティー・オフィスが独自の判断として出すのか、その辺の役割というのをお聞かせをいただきたいと思います。
 そして、これが目標設定、例えばガバメント・アカウンタビリティー・オフィスが出した場合にそれがどの程度の効力を持つのかというところまでちょっと教えていただきたいと思います。
 以上です。
#20
○参考人(片山信子君) まず、イギリスのVFM検査のときの基準なんでございますが、経済性、効率性、有効性という三つの観点がありまして、年報で説明しているところによりますと、経済性について支出をより少なくすること、コスト最小化の観点で行う、効率性について使用される資源と財・サービスのアウトプットの関係で効率性を図ること、有効性の観点ということで政策意図と実際の結果との関係で賢明に使われたかという、スリーEと言いますけれども、その三つの観点でやるということに大きな総論の目標は書いてございます。
 フランスの決算法の第一読会なんですけれども、ちょっと私、委員会制度についてちょっとそれほど詳しくはないんですけれども、たしか予算法については各院で第二読会までやる形だったと思いますので、その第二読会に行く前の第一読会の段階で、一応決算法案が第一読会で可決された段階で予算法の審議に入ってよいという形だと思います。
#21
○山下英利君 今VFM検査の方の中身というのをお話しいただいたんですが、プログラム評価、GAOの方も同じで、要すればその三つのポイントというのはそれ具体的に数値で表されているんでしょうか、計算式みたいなので。
#22
○参考人(片山信子君) どれだけの便益をもたらしたかについて数量的な換算をしている部分もありますし、必ずしも数量的に換算できないものもあったかと思いますが、アメリカの場合、できるだけその検査活動を通じて得たベネフィットについて数字で、先ほど後先生からも御紹介あったと思うんですけれども、数量化しようという形にはなっておったと思います。
 あと、アメリカの会計検査院の名称なんですけれども、これは昨年度法律改正で名前が変わりまして、ガバメント・アカウンタビリティー・オフィスという名前に変わりました。これは恐らくその活動のありようについて、より端的に示すという名称で変わったのではないかと思います。
 あと、その目標設定と効力については、後先生のお話の中だったかと思います。
#23
○委員長(鴻池祥肇君) いいですか。
 じゃ、後先生。
#24
○参考人(後千代君) まず、名称についてでございますが、現在の検査院長がジェネラルアカウンティング、アカウンティングが中心であったことはかつて一度もないというふうにおっしゃっておられます。現在は財務検査が一五%の比率でございますので、実態は八五%がアカウンタビリティーのための活動であるということと、それからリクルートの観点からなんですが、優秀な人材を集めるためにアカウンティングというふうに付いていると、どうしても会計の学生が集まると。
 ただし、今現在必要なのはむしろ公共政策的な、あるいはプログラム評価の専門家であるということで、両方の観点からということでございます。
#25
○委員長(鴻池祥肇君) 山下委員、いいですか。
#26
○山下英利君 後先生、済みません、そうすると、要するに、さっき申し上げたインスペクションとオーディットという観点で見た場合も、オーディットが八五%、それでいわゆる財務検査という形の要するにインスペクション、これが一五%と、そういうふうに理解してよろしいんでしょうか。
#27
○参考人(後千代君) オーディットは、ファイナンシャルオーディット、財務検査とパフォーマンスオーディットでございます。ですから、オーディットというふうになりますと、これは東さんにお聞きになった方がよいかと思うんですが、インスペクションというのはオーディットというほどの、何というんでしょう、縛りはないわけですね。いろんな調査活動も含めてそういう言い方をいたしますので、余りその点は……。
 それから、二〇〇三年に監査基準が変わりまして、GAOのでございますけれども、ますます業績検査の拡張が行われております。ベストプラクティスですとか、ありとあらゆるものを業績検査の中に入れて、要するに、どう改良していくか、どう改善していくかに資するものを全部その中に入れちゃったという印象を私は受けております。
 以上です。
#28
○委員長(鴻池祥肇君) よろしいですか。
#29
○山下英利君 はい。
#30
○委員長(鴻池祥肇君) それでは、次に小林委員ですが、ちょっと待ってくださいね。小林さんの次は中原委員、それから遠山委員と、こういう順番でいきます。
 では、小林委員。
#31
○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。
 今日は御説明、本当にありがとうございました。
 私は、ちょっと確認をさせていただく上で、まず会計検査院の方にちょっとお伺いしたいと思います。
 かつてロッキード事件などがございましたときは、そのときは会計検査院の、例えば全日空を直接検査をするようなことはできなかったというふうに思いますが、そういう問題以降、会計検査院の検査の対象が拡大されたものがあったかどうかいうことを一つ確認したいと思います。
 それを受けて、片山参考人にお伺いしたいと思いますけれども、検査の対象につきまして、日本の場合とそういうイギリスやアメリカの場合と、その違いといいますか、その点を教えていただければ有り難いなと思います。
 それが一点目です。
#32
○委員長(鴻池祥肇君) まず、どなた。──真島総括審議官。
#33
○説明員(真島審一君) 一点目のお答えでございますが、法制度上は変わっておりません。ただ、あのときの議論を受けまして通達等が内閣の方からお出しになって、ある程度円滑に進むようなものはございます。
 ただ、例えば院法上に規定されていない検査対象を検査するということは行いませんし、院法自体は変わっておりません。
#34
○参考人(片山信子君) 例えば、検査対象は、アメリカなんですが、連邦政府の事業、活動、公的資金の収入、支払、使途に関する事項といった形で比較的広い範囲になっております。
 イギリスは全省庁、司法府、NAOを除く議会、それから日本でいえば公企業体に当たるような組織、それから財投に当たるような組織ということで、イギリスは日本と比較的似ているかなと思います。
 ドイツは、連邦政府、特別会計のような組織、それから社会保障機関、公法人、連邦政府が株主である民法法人ということで、日本とそれほど違わない。ただ、日本の場合は補助金などを出している団体に対してやっている部分もありますから、ある意味では日本の方が広いのではないかという感じもいたします。
#35
○小林美恵子君 済みません、二点目お聞きしたいんですけれども、片山参考人にお聞きしたいと思います。
 先ほど、イギリスとかドイツ、フランスの話で、日本の場合と違うという点で、例えば個別テーマとか重要視されるテーマについては随時報告がなされるということがあったと思うんですね。そういう点でいきますと、例えば日本の場合で見ますと、昨年も警察の裏金問題とか大変大きな問題が起こりました。そういうことと比べますと、随時そういう重要な問題を会計検査院が検査して報告ができるという、そういうのは日本には適用するとしたらどういうふうな点を考えたらいいかということを教えていただきたいと思います。
#36
○参考人(片山信子君) 日本の制度がどうあるべきについてはちょっと、私の立場でちょっと話しにくいんでございますが、私自身は、会計検査院の決算検査報告というのは非常に情報量が豊富で、ふだんの仕事をしているときにすごく勉強になるような報告書がたくさんあって、確かに私のように一覧して読みたいと思う者からは非常に見やすいんですけれども、受け身で待っている人から見ると、余りにボリュームがあって気が付かないという点ではすごくもったいないなと思うことがあるんですね。
 例えば、四年ほど前の機密費の報告があったときなんかは、あれはたしか国会からの検査要請に基づいて提出された報告書だったと思うんです。あれなんかのときは単独でちょっとレポートを拝見することができまして、そのとき新聞の取上げ方なども非常に大きく出ていましたので、何というんでしょう、アピール性という観点からは確かにいろんな工夫があるのかなという印象はいたします。
#37
○小林美恵子君 ありがとうございます。
#38
○委員長(鴻池祥肇君) それでは、中原委員。
#39
○中原爽君 片山参考人にお尋ねします。
 御提出いただいた折り込みの資料の最初のページでありますけれども、右下のところに、アメリカ、イギリス、ドイツの役割拡張の方向性ということで矢印がしてございます。縦方向が検査手法の高度化と、一言で言えばITの導入とかそういう方向性を意味していると思いますが、それで横方向が予算の循環過程のより早い段階への関与ということでありますので、私どもの委員会としてはこの予算の循環過程をできるだけ早くしようということで進めてきたはずでございます。したがって、この矢印は、この矢印の角度と矢印の長さによってその役割の状況を表していると思うんです。でも、これはどれがいいということではなくて、その国の特徴的なことが出ているというふうに理解していいと思うんですけれども、もし我が国をこの矢印のところへプロットするとどういう角度になるのか、どういう長さになるのか、それは分かりませんか。
 せっかくこういういい資料が出ておりまして、循環の過程をより早くしているわけですから、そこのところを伺いたいなと思いました。
 もう一点、後参考人にお尋ねいたしますけれども、参考人からの御意見というよりも、検査院からの御説明の方がいいかと思います。
 資料のB、業績の結果と業績の目標を年度を追って数値的に表していただいています。その次のCが、我が国の検査院、十五年度の決算検査の報告でありますけれども、これ毎年出てくるわけでありますから、Bと同じようなものが作られる、表として作れるのかどうか。業績の結果は出てくるわけですけれども、その結果を項目的にこのGAOの内容と同じにしろというわけじゃありませんけれども、検査院が上げてきた業績ということについて、こういうようなBのようなものができるかどうか、その二点、お尋ねします。
#40
○参考人(片山信子君) ちょっと、このグラフについてはそのイメージを表現したものですので、はっきりとどうということは申し上げにくいんですけれども、検査手法の高度化という観点からは、私は、日本の会計検査院というのは非常に高度な調査をされていまして、特に毎年の特定検査状況などは非常に、個別テーマについて非常に私なんかにとってはすごく勉強になるようなテーマが多いですので、検査手法については非常に高いレベルにあると思っております。
 また、予算循環過程への早い段階への関与ということにつきましても、ドイツの助言活動の部分について実地でどこまでなのかということについて私が正確にお答えできない点もありまして、このドイツの長さと比べて日本の会計検査院の長さがどうなのかについてはちょっと、恐縮なんですが、私のちょっと身に余る話でございます。申し訳ありません。
#41
○委員長(鴻池祥肇君) 会計検査院、どなたかお話ありますか。
#42
○説明員(真島審一君) 今お話ありましたように、なかなか難しいのかなと。そのGAOを、例えば結果志向のプログラム評価ということで高度化して扱うと。その場合に、NAOよりも高く位置付けられておるんですが、果たしてこうなのかなという気もしますし、ドイツもかなり右に偏っていると申しますか、角度がないところにありますけれども、各国でこういうプログラム評価とここで言われているような検査事例を紹介し合ってミーティングする機会もあるんですが、そういう機会をとらえてお互いのことを批評するといいますか、コメントを加えたりする機会もあるわけですが、そういう機会をとらえて、そういう経験からしますと、各国それぞれ遜色は余りないのではないかと。
 いろいろ工夫されているところとかなんとか勉強になることはあるんですが、余り、いわゆるここでプログラム評価とおっしゃっている、私どもの世界では業績検査と申しておりますが、その世界ではお互いそれほど遜色はないのではないかと考えております。
#43
○委員長(鴻池祥肇君) 後参考人、御発言ありますか。
#44
○参考人(後千代君) 資料Cを挙げさせていただきましたのは、これは不当事項あるいは意見表示、そういうカテゴライズされたもので年間四百三十億円の結果が出たということと、それからBの方で金銭的なものが出たということで、GAOの方は割と自分の得意な分野を指標として出す傾向がございます。通年でずっと見ておりますと、そういうことになっておりまして、例えば一ドルをGAOに投入すると、一ドル当たり七、八十ドルのファイナンシャルなベネフィットがあるというふうに言っておりますし、それを例えば一九九一年から九五年までの五年間を取ってみますと、そのころは一ドルGAOが使うと五十五ドルの財務的な便益が来るという、ですからGAOはこの十年ぐらいで三十ドルぐらい成績が良くなったというふうに解釈することができるかと思います。
 逆に、そういうふうに計算いたしますと、我が国の場合は、例えば九四年に換算いたしますと、一円投入して七・四円の金額が計算されました。これを平成十四年度で見ますと、一円投入して二・四円。ということは、これは金額として下がっているんですけれども、これはこのカテゴライズの事項を見ますと、これは指摘事項が減ったわけでございますから、これも良い傾向ではないかというふうに解釈できるわけです。
 そういう意味では、金額的にはアメリカのGAOの方が百倍近く財務的な便益は大きいわけですけれども、それは中身が全然違うということだと思います。
 それから、先ほどの質問ですが、議会が要求するのかGAOが独自で判断して動くのかということがちょっと漏れておりましたので、気が付く範囲でお話しいたしますと、独自で動きたいと思いつつ、クライアントは議会ですので、適時性ですとかクライアントにきちんと対応しようと思うと、ほとんどが議会の要求に沿って動くという形になっているという話でございました。
 以上でございます。
#45
○説明員(真島審一君) 一点、今の効果額のことでコメントさせていただきたいと思うんですが、今、後参考人もおっしゃいましたように、アメリカの検査報告といいますか検査の中身が、私が言うのはちょっと変ですけれども、違和感を感じるものもございまして、例えばこの三百五十四億ドルの中身の中でその一番大きなのは九十二億ドルでしたか、かなり大きな効果があったと称するものがあるんですが、その検査はどういう検査かというと、消費者物価指数が、品目の加重係数が十年置きに見直していると、これはもっと頻繁に見直すべきだという報告です。
 効果額は何かというと、頻繁に消費者物価指数を見直して、そうしますと、品目代替効果などによって消費者物価指数が当然下がるわけですが、上がり方が少なくなると。そうしますと、スライドしている年金や何かの支払が少なくなると。一方、課税標準額等に作用している税収の方が増えると。
 そういう消費者物価指数の算定のやり方を変えることによって、五年間で、この場合四年間ですが、四年間で九十二億ドルの効果があったという検査結果が例えばその一番大きなものです。これは、私どもが考えております会計検査というのとはちょっと違うのではないかという印象は持っております。
 ちなみに、その算定方法も若干違いまして、私どもが指摘したものだけをここで掲げております。例えば、NAOですと三年間を計算するとか、アメリカですと五年間を計算するとか、その計算の仕方も違います。
 ちなみに、あえて御紹介させていただきますと、イギリス的なやり方で試算したことがございまして、その場合には千二百億ちょっとの数字が出ておりまして、これは、イギリスは大体八倍を目安にして頑張るんだぞという目標を掲げていらっしゃいますけれども、日本の場合、その六・六倍程度という結果が出ています。
 いずれにしましても、各国二倍をその目標にしているところもありますが、GAOのこの何倍というのは極めて各国の検査院の中でも際立って高いと。それは、そのような検査の中身とそれから算定方法によるものだということを是非御理解を賜りたいと思っております。
 あともう一点……。取りあえずは。
#46
○中原爽君 私が申し上げているのは、会計検査院の活動によりまして各検査項目が毎年その項目について国の無駄遣いが何%改善されたのかという程度のものは出ないかというような単純なお尋ねをしたわけでございます。
 以上でございます。
#47
○委員長(鴻池祥肇君) それでは次に、遠山委員、どうぞ。
#48
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 まず、後参考人にお伺いをしたいと思います。
 先ほども山下委員からの御質問のお答えとして、いわゆるクライアントが議会ですので、議会が調査項目として要求したものについて調査を行っているというお話だったんですが、片山参考人のお話の中で、アメリカの議会には決算委員会がないということでございますので、そうなりますと、議会のどういうところが、例えばすべての委員会がGAOに対して調査項目の要求ができるのか、それともその所定の手続が決まっていて、その手続を踏んでやるのか。
 もし御存じであれば、これは片山参考人も含みますが、どういう手続で、例えば委員長の権限、非常にアメリカの議会は日本に比べると強いわけでして、その委員長の一存で例えば調査項目をGAOに要求することができるのかとか、その辺まで踏み込んで、議会が調査項目を指定できるとすればどのようなシステムで指定するのか。御存じであれば、両参考人に伺いたいと思います。
 それからもう一点関連で、アメリカ政府は本邦と違いまして諜報活動等、機密性の高い政府の活動がたくさんございます。それで、かなり巨額の予算をそこに使っているわけでありますけれども、こういった機密性の高い政府の活動も、例えば後先生のペーパーですと、一番目の三で、「違法性や不適切な業務に対して疑義のある活動調査」ということができるとなっているわけでありますが、コントラ事件等、表に出てきたアメリカ政府内のいろんな不適切な活動というのが、我々でも幾つか知っているわけですけれども、そういったことに対する活動も議会の指示があれば調査も、議会の指示があればできるというふうに、原則できるというふうに解釈してよろしいんでしょうか。
 以上二点、まずお願いします。
#49
○委員長(鴻池祥肇君) では、片山参考人から。違うの、後参考人だけですか。
#50
○遠山清彦君 取りあえず後さん、片山さん、両方お願いします。
#51
○参考人(後千代君) これは難しいですね。私も一度調べようといたしました。何をかと申しますと、先ほどおっしゃいましたように、委員長が非常に、サブコミッティーの方ですね、委員長が非常に強い権限を持っていると。委員長は必ず最年長者でしたよね。
#52
○遠山清彦君 いや、今違います。今変わってきています、昔はそうでしたが。
#53
○参考人(後千代君) 今違いますか。失礼いたしました。
 そのサブコミッティーの委員長がやっぱり議事を左右するわけでございます。ですから、具体的に今分かりませんけれども、私が調べようとした時期におきましては、いったんGAOにこの調査依頼出しますよね。その際、当初、想定した結果を得たくて質問する場合がございますよね。想定したものじゃない結果が出てもとにかくきちんと最後まで結果を、何というんでしょう、つまびらかにするというような拘束がGAOに対してあったように感じております。
 ちょっと不確かなので、その辺はもっと確かめていただきたいと思います。
#54
○遠山清彦君 機密性の高い活動についてはどうですか。御存じですか。
#55
○委員長(鴻池祥肇君) 先に後参考人、どうぞ。
#56
○参考人(後千代君) ちょっとこの点は答えられません。ごめんなさい。
#57
○委員長(鴻池祥肇君) 片山参考人は御発言ありますか、今の。
#58
○参考人(片山信子君) GAOは情報入手権限が非常に広いんですけれども、たしか、CIAとFRBからの入手権限については若干たしか制約があったような気がいたします。
#59
○説明員(田代政司君) 今、片山参考人からお話あったとおり、その諜報機関に対する検査なんですけれども、例えばCIAに関しても検査の対象とはなっておりますが、ただ、例えばCIAの場合には証拠書類なしで支出が承認されるケースがありまして、こういうようなものについて検査するということになっておりますので、若干、他の省庁に対する検査に比べますと諜報機関に対する検査は多少の制約があるというふうに私どもも把握しています。
#60
○遠山清彦君 もう一問だけ、済みません。
#61
○委員長(鴻池祥肇君) どうぞ。
#62
○遠山清彦君 片山参考人にお伺いしたいんですが、参考人のお話の中で、イギリスの決算委員長シェルダン氏が十三年間在任をしていたというお話がございました。それから、後参考人の資料を見ましても、アメリカの会計検査院も院長の任期は十五年となっているんですね。
 そうすると、これは恐らく、私の予想ですと、普通は日本の委員長も十年以上やるということはないわけでありますが、私は鴻池委員長には十年以上やっていただいてもいいと思っておりますが、普通、日本の官僚機構とか政治機構の場合では、同じ人物が十年以上同じポストを占めるということは余り好ましくないというのが通常の理解でございまして、しかしながら、このイギリスの決算委員長も十三年、GAOのトップも十五年ということで、これは恐らくその専門性とか非党派性を重視して特例的にこういう扱いをしているのか、あるいは、片山参考人御存じであれば、イギリスの場合は、例えば委員長が十年以上やるというのは、ほかの委員会でも見られるお話としてイギリスの議会で常識なのか、その辺、ちょっとお伺いしたいんですけれども。
#63
○参考人(片山信子君) イギリスの議会全般に対してちょっと知識はないんですけれども、保守党政権下の労働党出身のこの委員長は非常に長かったんですけれども、あと、イギリスの決算委員会の委員長は野党の出身の人が委員長になると。しかも、大蔵大臣とか大蔵政務次官経験者がなるという慣例がございます。
 政権が替わりまして労働党政権の下では、今度保守党の人が委員長になっているんですけれども、最初の人は割と二年ぐらいで交代されています。ただ、それは割と院内の高いポストに就かれて決算委員長を降りられたという形なので、決算委員会に限って非常に長いということは特にないと思います。かどうかまではちょっと断言はできないです。八〇年代、九〇年代の長期保守党政権のときにこうであったというところまでしかちょっとお答えできません。申し訳ありません。
#64
○委員長(鴻池祥肇君) 後参考人、御発言ありますか。
#65
○参考人(後千代君) 十五年というのは非常に特例的なものですね、しかも一期のみで。これはひとえに独立性を確保するためということでございます。
 逆に、先ほどおっしゃいましたように、一代目の会計検査院長が非常に物議を醸しながらも十五年余り続いたということ、これはマイナスな面もあったかと思いますが、独立性を確保するということで対抗上そういう制度にしたということでございます。
#66
○委員長(鴻池祥肇君) 遠山委員、いいですか。
#67
○遠山清彦君 結構でございます。
#68
○委員長(鴻池祥肇君) 次に、荒井委員お願いいたします。
#69
○荒井正吾君 二つの点、片山参考人中心にお聞きしたいんですが、一つは、決算の審査の内容をどのように、片山先生中心にお聞きしたいんですが、決算の内容をどのように予算に反映されているのか、各国においてはという点ですが、予算を変えるというのは、過去の査定に傷が付いたり与党の部会に傷が付いたりする可能性もあります。何で変えるんだと、これせっかく付けたのにという声が非常に秘めやかに出る可能性がある分野で、まして内閣の中では、要求と査定がある循環の中でなかなか変えにくい面があろうかと思います。それを外部的に決算の審査をして変えるのに、今まで変わった例は、例えばグリーンピアなんかやめようとかというのは、スキャンダルがあってぎゃあぎゃあ言ってやめさすとか、やめさすとかやめますと言ってもらうとかというパターンが日本は多いわけですが、そのように声が現れないといい予算ができないものか。
 過去の事例、事実を審査してやはり将来いい予算をつくるというのがもう決算の大きな目的ですので、その手法は各国どのように工夫されているのか。その高度の説得力だけでできるのか、あるいは議会が何か決議をすれば予算を何かの形で拘束するということは可能かどうか。その点について各国の参考になる事例があれば教えていただきたいというのが一つです。
 もう一つは、これは国の会計検査の話をしておりますが、日本は国の会計と地方の行財政が非常に密着しておるように思います。補助金のようにずっと最後まで目標がはっきりしてそのトレースができる予算項目もありますが、交付税のように一括して標準的な経費で渡して使うといった場合、あるいは最近あるような、交付金のように融通無碍に使うといった場合に、例えば流用する、極端に言えばやみ給与のようなものに流用される、あるいは議員の海外出張の議会対策費に流用されるといったものが国の補助金、交付税から出ているかもしれないというようなことはなかなか日本じゃ追及できない地方独自の監査制度ということになっておりますが、その点について、各国で地方の行財政の監査制度について参考になる点があればお聞かせ願いたいと思います。
 以上二点でございます。
#70
○委員長(鴻池祥肇君) 後段の質問はどちらの参考人です。
#71
○荒井正吾君 両参考人にお答え願えれば。
#72
○委員長(鴻池祥肇君) それでは、まず片山参考人。
#73
○参考人(片山信子君) まず、前段の方なんですけれども、例えばイギリスの場合を見ておりますと、やはり専門家としての会計検査院が経済的な観点でこういった点を変えるべきという、そういった積み重ねた客観的な情報というのが土台にあって、その上で、決算委員会として改めて審査し直して、その中に勧告を組み込んでいくという形になっていると思うんですね。そこが、何というんでしょう、客観的な事実、客観的な評価を、それをまあ政治の場で更に政治化して判断するということで非常に説得力を持っているのではないかという印象がございます。
 ただ、それでうまくいっているものばかりではなく、イギリスでもたしかIT関係で改善勧告というのを数年間にわたって幾つも出してきたけれどもなかなか改まらないということで、例えば十年分ぐらいのそのIT関係の報告書を要約したようなのを改めて出して、なお是正を求めるようなこともしておりますので、うまくいくもの、いかないもの、いろいろなんだとは思うんですけれども、やはり客観的な調査があって、それに政治性を加えるというところで説得力を持っているのではないかという印象がございます。
 あと、地方の検査のことについてですけれども、ちょっとこの場で余り準備ができておりませんで、例えば、ドイツには地方の財政を見る地方の会計検査院などもありまして、何というんでしょう、やはり会計検査院の大きさというときに、日本の会計検査院とかドイツの会計検査院を普通に見るだけではなく、ドイツには地方の会計検査院もあって、そこが地方を見ているようなところで、まあ国によってかなり事情が違うということを申し上げておきたいと思います。
#74
○参考人(後千代君) 地方行財政に対して、先ほど片山さんがおっしゃったのは監査委員会、オーディットコミッティーというのがかなり集権的にといいますか監査しておりまして、しかも財務的ということよりも、むしろ、これをコーポレート・パフォーマンス・オーディットと呼んでいたと思います、CPAというふうに呼んでおりましたけれども、地方自治体の個別のプログラムに対して監査を個別にしていくということから、地方自治体の問題解決力というんでしょうか、問題に、課題にコーポレートとして、コーポレートガバナンスって言いますように、コーポレートとして、組織体としてどういう点が課題か、あるいはどういう方向にその自治体を持っていこうとしているかということを総合的にチェックするというシステムが今、二〇〇二年度でしたか、から動いておりまして、これはかなり面白い試みではないかというふうに思っております。
 なぜかと申しますと、我が国でも、地方の自治体に対して事務事業評価というような形で個別のチェックがございましたけれども、いや、それはしかし、地方自治体が今後どういう方向に行こうとしているのかということと、トップとその個別のチェックというものがなかなかつながらないという問題がございました。そういうことを克服するためにも、地方自治体が今後どういう力を付けていけばいいのかということを対象にした大掛かりな監査システムですので、私自身はこれに非常に注目しておる次第です。
 以上です。
#75
○委員長(鴻池祥肇君) 次に、藤末委員。
#76
○藤末健三君 民主党・新緑風会の藤末と申します。私、両参考人に二つずつ御質問がございます。
 まず、後先生にお聞きしたいのは、一つは会計検査院法で会計検査院の検査は正確性、合規性、経済性、効率性及び有効性を観点にやるというふうになっているんですけれども、私、実は昔、国家公務員をしておりまして、会計検査をしていただいたことがございます。そこで思ったのは、会計検査はすごく正確性と合規性というのは非常にチェックされているなという印象があるんですが、経済性、効率性、有効性という点については少し薄いんじゃないかなと個人的な印象がございまして、今日、後先生のこの資料を拝見させていただきまして、この数字を単純に比較はできないと思うんですけれども、GAOと日本の会計検査院の比較のデータを単純に比較はできないと思いつつも、やはり日本の会計検査院は経済性、効率性、有効性の観点がちょっと少ないんじゃないかなと私は思いました。それを後先生はどう思われているかということを、個人的な感覚をお聞きできたらいいなというのが一つです。
 それと、もう一つございますのは、アメリカのGAOの、私、レポートを読んだことがございまして、その中でびっくりしましたのは、ある制度を使った方々にアンケート調査をやっているんですよ。その方々が制度を満足したかどうか、その制度の効果はどれぐらいだったかということを全部アンケート調査をして結果を出しているというレポートを拝見したことがあるんですが、恐らく内部ではできないと思うんですよね、そういう仕事は。ですから、GAOが外部のコンサルタント若しくは大学などを使ってどのような活動をしているかということを御存じであれば教えていただきたいと思います。
 まず、後先生、お願いいたします。
#77
○参考人(後千代君) まず、最初の御質問ですけれども、私自身が先ほど長々と大昔の話をさせていただきましたのも、当初から我が国の会計検査制度というものはかなり水準が、会計検査制度ではなくて行政の体質というんでしょうか、かなりクオリティーが高いというふうに考えているわけでございます。ですから、いわゆる先ほどおっしゃった正確性ですとかそういったものにつきましては内部監査的な、何ていうんでしょう、内部統制的なチェック機能でかなりうまくいくんじゃないかと。
 それで、むしろ会計検査院は、その部分は、先ほど平成六年には一円投入して七・四円なのが一円投入して最近は二・四円まで上がっているよと、上がっているというのはそういう指摘事項が少なくなっているということを挙げさせていただきましたのも、やっぱりそこの部分についてはそれぞれのところで連携を取って、それは具体的に言うとかなり難しいことかもしれませんけれども、そちらにお任せして、むしろ、一般会計八十七兆円、特別会計三百九十九兆円、公社関係で五兆円、締めて四百九十二兆円のうちたった四百億円のために会計検査院の資源を使うというのが非常にもったいないことだなというふうに考えております。
 そういう意味で、財政規模分の、今、四百九十二兆円分の四百億円という何か法外な計算をしてみますと〇・〇〇八%なわけですね。同様にアメリカの場合ですと一・七%が、先ほど申し上げましたように玉石混交のレポートです。ですから、レポートにそれぞれの名前ですとかが付いているわけですね、その責任を取るために。ですから、日本の会計検査機能がもしもそういうざっくりとした緊急の非常に多額の公金についての効率性ですとか有効性ですね、ほとんどそうです、有効性についてきっちりした体制を取られるとこれはすごい効果があるんじゃなかろうかというふうに期待をしてそういう数字を挙げさせていただいております。それが私の個人的な思いでございます。
 それから、もう一点目ですけれども、GAOが外部のコンサルタントをということですが、いろんな手法が取られておりまして、多分これはそういう裁量が認められているんじゃないかというふうに思います。というか、結果を出せということです。結果を出せということです。ですから、それこそインプット分のアウトプットがきちんと出れば何の問題もないということにつながるかと思います。
 以上でございます。
#78
○委員長(鴻池祥肇君) まだありますか。
#79
○藤末健三君 よろしいですか。
 じゃ、次に片山先生にちょっとお聞きしたいことが二つありまして、ちょっと簡潔に申し上げますと、一つが、各国の会計検査院の比較を人数で職員数を比較していただいているんですが、質的な意味で、例えば公認会計士、CPAがどれだけいるかとか、そういう比較があれば教えていただきたいというのが一つと、それともう一つは市民の声を拾う機能があるかどうか。例えば私がよく聞くのは、何かそこら辺の主婦の方がもうこんな無駄遣いしてということを具体的におっしゃるわけですよ、私に。そういう声を拾う機能があるかどうかというのを是非教えていただきたいと思います。この市民の声を拾うというのはすごく大きいと思うんです、私は。
 お願いいたします。
#80
○参考人(片山信子君) 人数とかはちょっと全然把握していないんですけれども、イギリスの会計検査院では、いわゆる公認会計士じゃないですけれども、そういう民間の監査機関に対して外注というんでしょうか、そういうことをやっているようでございます。
 あと、市民の声を聞くという観点なんですけれども、イギリスの会計検査院の年報などでも、調査を着手したものの中でいろいろ通報があったものというのがそのアクションのきっかけになったものはかなりあるみたいな書きぶりをしていますので、そういった声を、何というんでしょう、聞くという仕組み自体は多分あるんだと思います。
#81
○藤末健三君 終わります。
#82
○委員長(鴻池祥肇君) いいですか。質問したんですか。
#83
○藤末健三君 いやいや。
#84
○委員長(鴻池祥肇君) 会計検査院にあなた質問されました。
#85
○藤末健三君 委員長、よろしいですか。
#86
○委員長(鴻池祥肇君) いやいや、もう時間なんですけれども。
#87
○藤末健三君 あっ、過ぎた、じゃ結構です。
#88
○委員長(鴻池祥肇君) いいですか。
#89
○藤末健三君 聞きたいですけれども。
#90
○委員長(鴻池祥肇君) 谷委員、お願いします。
#91
○谷博之君 民主党・新緑風会の谷博之でございます。
 既にいろんな質問が出まして、私ちょっと二、三、聞きたいことがもう触れられておりますから、それにちょっと関連することだけ簡単に、両参考人に一点ずつお聞きしたいと思っています。
 一つは、片山参考人にお伺いしますが、会計検査院の説明員が今日来ている中で、ちょっとお聞きするのもどうかなと思いながら聞いているわけなんですが、この二枚目の表の中で、会計検査院の職員の数、今ちょっと出ましたけれども、GAOが三千二百十人、以下、イギリス、ドイツ、フランス、日本ということで、千二百五十七人が日本ということですけれども、その国の予算の規模とかいろんな条件があって、この職員の数というものがおのずと出てきているんだろうと思うんですけれども、若干日本は、特にイギリス、ドイツ、フランスと比べれば人数的に多いのかなというふうに思うんですが、この辺の職員数が片山参考人のお考えでは適切であるというふうに思われているかどうか。
 そして、あえて聞くならば、これはうわさですが、会計検査院の方々が他の省庁に天下りをするというふうなうわさを聞いておりますが、そういうふうな実態が他の国にはあるのかどうか。お答えにくいと思いますが、分かれば教えていただきたいと。
 それから、後参考人には、さっき中原先生がいろいろお聞きしておりまして、私もそのことが聞きたかったわけなんですが、あらかた聞いていただきましたので、一点だけこれに関係して、日本の場合は、Cのこの資料にありますように、こういうふうな平成十五年度の決算検査報告というのが出ています。これの一番右側の欄にいわゆる指摘金額と背景金額というのがあって、これ私も本会議でちょっと昨年十一月に聞いたことがあるんですが、結局、平成十五年度の決算についても、会計検査院はこの四百三十億という二十三年ぶりの高額な無駄遣いを指摘していると。さらには、不適切な仕組みや政策によってたなざらしになった事業への支出、つまり背景金額には実に二兆二千四百三十二億円、こういうお金が使われていると。これは、地方や国民に負担を求める前に、まず政府は自らこういう背景金額についても襟を正す必要があるんじゃないかと、こんなようなことを聞いたわけなんですが。
 この資料のBのGAOのいわゆる業績結果及び業績目標のこの中身は、日本で言うところの背景金額、もう当然これは含まれていると思うんですけれども、それ以外に、このGAOの指摘というのは今申し上げたような様々な指摘があるのかどうか、そこら辺の、このB、Cの比較でもう少し詳しく説明をしていただきたいと思っています。
#92
○参考人(片山信子君) まず、会計検査院の職員の規模云々のことについてちょっと私には判断する能力ないんですけれども、その人数と検査対象の規模だけちょっと参考までに書いておりますけれども、この数字を見る限りでは、決して日本の会計検査院は多い人数でやっているというわけではないような気はいたします。また、数字でその検査結果を云々ということもあるのかもしれないんですけれども、例えばイギリスの会計検査院はVFM検査をやって幾らかの節約額が出ると。ただ、その節約額が出るということだけではなく、そのVFM検査をやっているということで政府がVFMを意識して行政をやるという効果が非常に大きいと言っているんですね。それは日本でも同じことであると思うんですね。ですから、数字で見えない、会計検査院がやっている活動を通じて大きな波及効果はあるんだと思いますので、数字だけでちょっと私には何とも申し上げることはできません。
 また、天下りについては、私、外国でどのようなことになっているのかはちょっと全く存じ上げておりません。
#93
○参考人(後千代君) 人数ですね、職員数ですが、これは例えばイギリスが少ないのは、先ほど申し上げましたように、別の組織が地方自治体に対する非常に細かなことをやっておりますから、それの人数をちょっと把握しておりませんけれども、それを加えましたらもっとすごく大きくなるはずでございます。
 一々、例えば有効性監査につきまして、例えば自治体側がこんな成果がありましたということに対して、実際に検査官が、じゃ、例えばNPO政策がこんなにうまくいきましたと言ったら、そのNPO側にヒアリングに行ったりしています。それを両方から意見を聴いて、それでその評価を下していくということをやっております。アウトカム指標をきちんと作らせて、それについてもチェックしていくというように、かなり細かなことをやっております。しかも、それの財源については自治体がかなり負担しているわけでございます。ペナルティー、成績が悪いと何回も検査しなくてはいけませんから、その負担がどんどん自治体に重なっていくわけですので、自治体はそういう意味からでも検査結果を良くしていくモチベーションがあるわけです。
 そのようなことで、人数につきましては、例えばアメリカが三千二百十人といいますのも、例えば参考資料のAのGAO組織図というふうなのを見ていただきますと、右端に、ゴールの小さい円の二つ上にインスペクタージェネラルというのがございます。これは事実上GAOの下部組織的なことになっているわけでございますが、これは非常に人数が多い割には余りうまく機能していないという報告が出ております。ですから、これも加えると、GAOの場合どうなるかちょっと分からないものですから、その人数につきましてはそんなようないろいろ問題があるかと思います。
 それ以外のことについてはちょっとコメントできません。
 以上でございます。
#94
○委員長(鴻池祥肇君) 谷委員、いいですか。
#95
○谷博之君 ちょっと私の方で最後にお聞きしたこのB、Cの関係の、後先生、いわゆる日本はこういう形で、言うならば背景金額と指摘金額という形でやっていますね。これについて、ちょっとこのB、Cの関係、ちょっと説明してください。
#96
○参考人(後千代君) 日本のこの金額というのはかなり控え目な数字じゃないかというふうに思っております。というのは、かなり牽制効果がございますから、そんなに高い数字にはならないはずでございます。
 逆に、GAOの場合でございますと、ファイナンシャルベネフィッツの中には、コスト削減額ですね、その指摘によってどのぐらいのコストが削減できるかという金額ですとか、それから、ここにも書いてあります増収、それから実際にコスト削減しなくても、そのことによってほかに回せるだろうと、カットじゃなくてほかにその指摘によってもっと有効に使えるだろうというような、その辺の違いが、微妙な違いがちょっとよく分からないんですけれども、そういったものも全部含まれている金額でございます。
#97
○委員長(鴻池祥肇君) よろしいですか。
#98
○谷博之君 はい。
#99
○委員長(鴻池祥肇君) それでは、佐藤委員。
#100
○佐藤雄平君 両参考人、本当にありがとうございました。
 三点ほどお伺いさしていただきます。一点目は片山参考人、それから二点目、三点目は両参考人御存じであれば、また御存じでなければ今日の説明員の皆さんからでも御説明願いたいと思います。
 一点目は、ドイツとフランスが予算と決算を一緒の委員会でやる、ある意味ではこれはもうすばらしいことであろうなと思うんです。しかし、その予算をつくった方が決算するとき甘さも出るかなと、功罪両方あるかなと思うんですけれども、この決算と予算を一つの委員会でやるようになった一つの背景、これ御存じであれば。そしてまた、その他の国と比較をして良かった点、悪かった点、この辺もお伺いしたい。
 次に、前に決算委員会でも時々出ているんですけれども、政策評価というのが余り会計検査院の中でないんですね。やっぱり会計検査院の中でその政策評価をも評価している国があれば、これを教えていただきたい。
 さらにまた、これも委員会で時々あるんですけれども、告発権を持った院があるかどうかという話が時々あるんです。
 この件についてお分かりの方がおれば御説明願いたいと思います。以上三件。
#101
○委員長(鴻池祥肇君) 三点、お分かりの方答弁ということですが、どうぞ。どなたからでも結構です。
#102
○佐藤雄平君 まず片山参考人。
#103
○委員長(鴻池祥肇君) 片山参考人、お願いします。
#104
○参考人(片山信子君) まず、同じ委員会なんですけれども、ドイツの場合、会計検査を分離する分離論もあるらしいんですね。あるんですけれども、やはり直ちに新しい予算審議に反映する意味では今の制度が良いということでなっているようです。予算委員会の方はたしか野党が委員長となって、小委員会の会計検査の方の委員長は与党がなるという形になっております。
 また、フランスは決算法が予算法の一形態としての決算法という位置付けでございますので、それもあって予算委員会でやるんだと思うんですね。また、決算そのものについて、フランスではその決算委員会での審議時間が非常に少ないようなんですね。そのため、変な言い方ですけれども、独立の委員会という形を取らないのかなという、ちょっと印象がございます。
#105
○佐藤雄平君 ありがとうございます。
#106
○委員長(鴻池祥肇君) 後参考人。
#107
○参考人(後千代君) 二番目の御質問でしょうか。政策評価を評価している国というのは、会計検査院がということですね。
#108
○佐藤雄平君 そうです。
#109
○参考人(後千代君) アメリカはやっていますね。一九九四年にGPRAと申しまして、日本が政策評価のまねをした元でございますけれども、それの評価に対して、GAOがそれに対して検査をする役割を持っております。その法文上にあったかと思います。
 実際には、例えば政策評価でこのような成果が上がりましたというのを行政側がまとめるわけでございます。その結果に対して、例えばこんなような結果が上がったというけれども、それは実はきちんと調べてみると、そのうちの七五%ぐらいしか実はできていなかったよと、その点については、個別にはこういう点、こういう点、こういう点ということで政策評価を自画自賛する行政に対して、議会側から、こんな問題がありますよと、あるいはそれが実際の意思決定に生かされていませんよとか、そういったようなレポートを出しております。
#110
○佐藤雄平君 ありがとうございます。
#111
○委員長(鴻池祥肇君) 会計検査院、発言ありますか。
#112
○説明員(田代政司君) 最後の質問の告発権に関してなんですが、御質問の趣旨は、例えば検査を受検庁が拒否した場合に、それに対する罰則規定があるかとか、そういうような御趣旨としてお答えさしていただきますと、今対象になっていますアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスの会計検査院の中では、フランスだけがその罰則規定を設けているという状況です。これは先ほど説明ありましたとおり、フランスの会計検査院というのは司法機関、会計裁判所的な性格を有しているというところから由来するものだと考えております。
 本院も含めて、他の三か国についてはそういうような検査の拒否あるいは受検庁のそういう拒否に対する罰則規定は設けていないという状況です。
#113
○委員長(鴻池祥肇君) よろしいですか。
#114
○佐藤雄平君 はい。
#115
○委員長(鴻池祥肇君) 次に、尾立委員。
#116
○尾立源幸君 両参考人、本当にありがとうございます。尾立源幸と申します。
 三つ質問をさせていただきたいと思います。両参考人に三つともお願いいたしまして、二番目、三番目は会計検査院の皆さんに、もしお答えしていただければ、お願いしたいと思っています。
 一つは、各国の検査院の予算の出どころ、どこから出てきているのかというところ、御存じでしたら教えていただきたいんですけれども。
 二番目は、ほとんどが当初、現金主義ベースでプログラムその他、政策評価をされる際に現金主義が使われていたと思うんですが、今、発生主義へと変わってきているようないろいろ記述があるんですけれども、会計検査における現金ベースから発生主義へのこの有効性というんですか、その辺り、どのようにお考えになっていらっしゃるか、御意見をお聞かせ願いたいと思います。
 三つ目は、同僚の藤末議員からもお話があったんですが、国民からの声を拾うという意味におきましても、今度、国民への広報というんでしょうか、私なんか、会計検査院というと大変敷居の高い機関でどんなところか分からないなという一般市民として思っておったわけですけれども、諸外国においては、この辺の広報、インターネットを使ってやっているのか、またそういった冊子を一般に出して報告をされているのか、直接的にはその所属している議会なりでしょうけれども、一般にはどうされているのか、お分かりでしたら教えていただきたいと思います。
#117
○参考人(後千代君) 各検査院の予算の出所。
#118
○尾立源幸君 どこから予算をもらっているか。
#119
○委員長(鴻池祥肇君) 検査院の活動の、いわゆる人件費始め、そういうことでしょう。
#120
○尾立源幸君 済みません。委員長、済みません。
 予算査定を、各国の会計検査院の予算査定をだれがしているか。
#121
○参考人(後千代君) 済みません。その部分については分かりません。
 それから、現金主義ベースを発生主義ベースにということでございますが、例えばアメリカですと、連邦政府レベルと州以下レベルとでは会計基準も異なりまして、連邦政府レベルではかなり日本に、修正現金主義的な扱いになっております、事実上ですね、基準があるとかないとかというよりも、実際に。で、最後に発生主義的に変えてきたという結果がございまして、それを何とか発生主義ベースにしたいのですが、議会がこれを、ちょっと詳しくは分からないのですが、その要請を無視していると。要するに、議会がきちんと統制できる金額でもってチェックしたいという発想、立場からだと思いますけれども、そういうふうになっていると聞いております。
 以上です。
#122
○委員長(鴻池祥肇君) 片山参考人、御発言ありますか。
#123
○参考人(片山信子君) 予算の査定なんですけれども、ちょっとイギリスにつきましては、先ほど一九八三年に行政省から独立する改正が行われたと申し上げたんですが、そのとき併せて公会計コミッションというのが設けられまして、下院決算委員会委員長、下院院内総務、それから大臣ではない下院議員七名というものができまして、そこがある意味じゃ会計検査院の監督機関みたいな形で、役割の一つは予算を審査し議会に提出することということになっておりますので、その大蔵省からの査定を外れてちゃんと、何ていうんでしょう、予算の確保というんでしょうか、の役割を持ってそういう機能はイギリスの場合はつくられております。
 あとは、発生主義への移行の部分なんですけれども、イギリスは発生主義準拠の会計、予算会計の改革中でございまして、予算については発生主義ベース、準発生主義ベースというんでしょうか、をつくり始めているところでございます。
 アメリカにつきましても、九〇年代に連結財務諸表について準発生主義ベースのを作成中というところでございます。
#124
○説明員(東信男君) 私の方からは予算の査定について御説明さしていただきたいと思います。
 アメリカにつきましては、立法府の予算の一部として計上されておりまして、大統領府のOMBと言われているところの査定を受けないで議会の予算審議に付されております。
 それから、イギリスは先ほど御説明があったんですが、ドイツにつきましては、連邦議会とか連邦政府あるいは連邦裁判所とは独立した形で予算が計上されておりまして、一応、連邦大蔵省の査定は受けるんですけれども、もし要求案と違った形で計上された場合は、取りあえず検査院の予算が連邦政府全体の予算として計上されるという形になっております。
 それから、発生主義会計の効果なんですけれども、アメリカにつきましては、アカウンタビリティー重視ということで、日々の記帳の段階から複式簿記、発生主義が導入されておりまして、タイムリーに資産とか負債の状況が提供されているということは高く評価できるんじゃないかと思います。
 それから、イギリスにつきましては、バリュー・フォー・マネーの要請目標の一つとしてコストというのが非常に重視されておりまして、そのコストを計上するために発生主義会計を導入しておりますので、ここは効率性を追求する上で、発生主義によって出てくるコスト情報が高く利用されるようになっているということです。
 それから、フランスにつきましては、二〇〇六年から実際に施行されるんですけれども、これもアメリカと同じようにアカウンタビリティー重視ということで、連邦政府、連邦というか、政府全体の財務諸表が作られるということで、これもアカウンタビリティー重視という形で公会計改革が進んでいるというふうに理解しております。
 以上でございます。
#125
○尾立源幸君 三つ目の質問で、国民への広報ということで、諸外国と日本で、もし分かればお願いします。
#126
○説明員(田代政司君) 御質問の点についてそんなに詳しいわけではないのですが、私どもの知っている範囲では、私ども日本の会計検査院と同様に、ウェブサイトですとかあるいはパンフレットも作成しておりますし、そういうようなことで国民への会計検査院の検査活動あるいはその検査報告を国民に広く知っていただくというような努力を各国行っているということでありまして、特別に米英独仏の会計検査院が私ども会計検査院と特別こういう違ったことをやっている、広報活動をやっているというふうな特徴立ったことはちょっと把握しておりません。
#127
○委員長(鴻池祥肇君) それでは、あとお一人を残しまして、大体最初の御発言が一巡をいたしました。
 ここで、なお御発言したい、質問したいという方がおられましたら、挙手をいただきたいと思います。──それでは、初めての方を優先的にさしていただきまして、後ほど時間がありましたらお願いしたいと思います。
 それでは、森元委員から。
#128
○森元恒雄君 まず片山参考人に、ちょっと私が聞き間違えたのかもしれませんが、一点お聞きしたいのは、議院内閣制の下では会計検査院を議会に属させるとその力が弱くなるとおっしゃられたようにお聞きしたんですが、そうかどうか。なぜそうなのかという点を一点お聞きしたい。
#129
○委員長(鴻池祥肇君) どなたへの質問ですか。
#130
○森元恒雄君 片山参考人ですね。
 それから、もう一点はお二人にお聞きしたいと思いますが、先ほど来話が出ていますが、プログラム評価あるいは政策評価の私は評価基準が非常に難しいと思います。経済性、効率性はまあ比較的客観的に評価できるんでしょうけれども、おっしゃっておられる有効性は、例えば卑近な例でいえば、ホールを造ったときのそのホールの建設、運営が適切かどうかと。これ、何をもって評価するかと。例えばカラオケ大会やったりロックバンドを呼んでくれば満員になるけれども、非常に腕は高いけれども余り名の通ってないクラシックのコンサートをやれば人は入らないと。それでもってその施設のあれが是か非かと。
 そのときに、多分、目的との兼ね合いということをおっしゃるかと思いますが、その目的そのものがすべての行政についてそんなに明確になっていないんじゃないかなと。そういうことがある中で、政策評価、プログラム評価を会計検査院がやっている国においてその検査そのものに対する評価はどうか、どういうふうに一般的に評価されているのかという点を分かればお聞きしたいという点が一点。
 それから、せっかく財務省の方、次長さんにも来ていただいているんで、財務省にお聞きしたいのは、たしかあれは塩川大臣のときから特に力を入れられたと思いますが、予算の執行についての検証を財務省が独自に重点項目を年間幾つか決めてやられて、それが予算に反映する、非常に効果を上げられたというふうに聞いていますが、そういう立場から見て、会計検査院の検査では何が足りないからそういうことをしようということになったのかですね。それは会計検査院の検査をこういうふうに改めてもらったら財務省独自にそういうことをしなくていいということになるのかならないのか、御見解があればお聞きしたいと。
 それから、会計検査院の方は、政府の中では今総務省に行政評価局があって政府としての行政評価をやっていますけれども、会計検査院の立場から見て、あの行政評価と会計検査院としてのその政策評価とはどこがどう違っていて、どういうふうに、何というんですかね、役割分担的なことをしているのか。あるいはまた、行政評価局は私はむしろ議会に属するぐらいのことでいいんじゃないか、あるいは検査院のもっと機能充実の中でそこへ取り組むということもあり得るんじゃないかと思いますが、そういうことについての御見解があればお聞かせいただきたいと思います。
#131
○委員長(鴻池祥肇君) それじゃ、お答えをいただく順番は、後参考人、片山参考人、松元主計局次長、そして会計検査院、そういうふうにお願いします。まず参考人。
#132
○参考人(後千代君) まず、評価基準のことの御質問でございますが、例えば二〇〇三年にGAOの監査基準が先ほど改定されたというふうに申し上げましたけれども、外からある基準を持ってきてこれに合致している合致していないという具体的なものではなくて、要するにそれを改定するシステムがあるかとか、何というんでしょう、外から他律的に何かの基準で切るとか判断するというよりも、その組織にそのような基準を例えば考案する、あるいは代替案をきちんと検討したかとか、そういった自律的な組織であることを判断基準にしてというふうにどんどん変わってきているわけですね。ですから、その組織自体がそのようなシステムの中で動いているかどうかが正に基準となっているというふうな変化を遂げていますので、その点だけ申し上げることができるかと思います。
 それから、行政の目的そのものがはっきりしないというのは、これは例えば一九九四年に先ほどGPRAという法律ができたというふうに申し上げましたが、その中で行政府はそれぞれのところで五か年計画をきちんとつくるとか、それから目標をちゃんと掲げなければいけない、五年間の。あるいは、年次の目標を掲げてそれがどういうふうに動かすかということをチェックされるわけでございますから、そういう意味では、日本と比べますと、日本は例えばはやりました事務事業評価等につきまして、先ほど申し上げましたように、個々のカットする、節約するという面につきましてはかなり効果が上がったわけでございますが、施策というのが単なるくくったものというふうな扱いですから、実態がそうでございますから、目的そのものは依然はっきりしなかったという総括ができるかと思いますけれども、アメリカの場合、先ほど申し上げましたように、戦略目標をきちんと立てるというようなところから、なるように努力しているというふうに見ることができると思います。
 以上です。
#133
○委員長(鴻池祥肇君) 片山参考人、お願いします。
#134
○参考人(片山信子君) 先ほどの御説明の中でなんですけれども、イギリスやスウェーデンのように、会計検査院を議会に置くという、そういう選択をする国もあるんですけれども、私が申し上げたのは、やはり議院内閣制の国では議会の多数を持っている党が行政で内閣を持つわけですからある意味では一致するわけなので、そこで会計検査院が議院内閣制の下で立法府に属すると行政府へのチェックが弱まる面もあるということを申し上げました。ある意味では、それを和らげるために、イギリスなどでは決算委員会の委員長は野党が就くという慣例などが設けられているのではないかと思います。
 あと、二番目の、目的が明確でないものの判断というお話があったんですけれども、ドイツの会計検査院制度について非常に研究されている学者の方がドイツの学者の言葉を引用して、立法者の方はその法律の中で目的を定めるべきだという言葉を引用されていまして、そのなされた財政支出がその法律に書かれた目的に照らして必要、妥当、適切かどうかということを判断することが可能になるので、そういった観点で監査するためにも、その法律の中に目的を明確化することが大切だということをドイツの決算制度を研究されている方が書かれていましたので、ちょっと御紹介いたします。
#135
○委員長(鴻池祥肇君) 松元次長、お願いします。
#136
○政府参考人(松元崇君) 私どもの執行調査について御質問いただきましたが、私ども、二〇〇二年度から執行調査を行っております。
 この執行調査につきましては、会計検査院さんが行っておられます検査につきまして何か不足があって始めたということではございませんで、査定当局も執行状況をしっかり見て、その上で査定すべきであるという、塩川財務大臣から、塩川財務大臣はプラン・ドゥー・シーということで、予算編成はプランに当たるわけでございまして、ドゥーのところが各省庁におけます執行でございますが、それをシー、どうなっているかというのをよく見た上で、実際に査定するその人が行って見てくるというのが大事ではないか、こういったことでやらせていただいております。
 会計検査院さんとはそれまでも、それ以降もそうでございますが、よく連携していくということは大事であろうと思っておりまして、先ほど検査院さんの方からもお話がございましたが、適宜連絡調整させていただいているということでございます。
#137
○説明員(真島審一君) 行政評価、今政府でおやりになっている政策評価と私どもの会計検査との関係についてのお尋ねだったと思いますが、私どもはやはり会計経理を検査するという立場でございますので、その延長線上で、例えばその政策評価のやり方に問題があった場合はこれを指摘するということは考えられますし、現に事前評価で、一部計数の取り方でテクニカルな問題を指摘したこともございます。
 ただ、その政策評価全体という枠組みをどうするかということにつきましては、まだ政府の方でも立ち上がり途中という認識でおりまして、今、我々もどういうふうに全体をとらえるかということを勉強している最中、今後その担当組織も充実させてウオッチしていく必要があると、今現在ウオッチの段階だということは申し上げられようかと思います。
 それから、ちょっと補足させて一点だけ御説明させていただきますが、先ほど検査院が合規性の検査だけやっているんじゃないかというお尋ねが一部ございましたけれども、明治以来、経済性の検査は高く評価を受けてやっておりますので、是非御理解を賜りたいと思います。
 それから、ちなみに、この検査報告、今年の検査報告ですが、ページ数でいきますと、いわゆるレギュラリティーオーディットと申しますのはこれの二五%程度で、ほとんどはいわゆる行政検査、スリーE検査に属するものであるということを是非御理解いただきたいと思います。
 失礼しました。
#138
○委員長(鴻池祥肇君) それでは、あと数人の先生方から御発言をいただきますが、順番をちょっと、先に決めさせておいてください。
 又市委員、加藤委員、それから神本委員、トリが松井委員と。自民党、どなたかいらっしゃいますか。──そうしたら先に、済みませんが山下委員からお願いします。
#139
○山下英利君 ありがとうございます。申し訳ございません。
 先ほど私が質問したところで、一点ちょっと答弁が抜けていて、ただいま森元委員から質問がありましたので、質問の内容は重複してしまうんですけれども、要すれば、財務省がやっている予算執行調査、これについて、このプログラム評価あるいはVFM検査と中身が違っているのか、あるいはそれに沿っているのか、その辺のところの比較を是非させていただきたいなというふうに思うんです。取りあえず、答弁は財務省の次長さんの方から概略は御説明いただければと思うんですけれども、実際そういった資料等が、比較できる資料があれば是非見せていただきたいと。
 したがって、今のVFM検査であるとか、あるいはプログラム評価といったようなことがずっと言われているんですけれども、今国内でやっている会計検査院の検査、それから財務省の予算執行調査あるいは今回の総務省でおやりになっている行政検査、こういったものがばらばらになっていて、それが私の頭の中でもまとまっていないというような状況がありまして、もしできればそれを比較できるような資料等の御提供をお願いしたいなと。それが私の質問ですので、ちょっと財務省の方からだけ概略ちょっと御説明ください。
#140
○政府参考人(松元崇君) 私ども、査定に、それぞれ会計検査院さんが行われておられます検査、あるいは各省庁が行われておられます行政評価、さらには私どもが自分たちで行っております執行調査、それらをできるだけ効率的に生かしていきたいということで考えておりまして、各省庁さんが行っております行政評価につきましては、概算要求を提出していただきますときに、それぞれ行政評価、各省庁さん、どういった形で評価を行っておられるかということを資料としてお出しいただきまして査定の参考にさせていただいております。
 会計検査院さんの方とは、まず予算ができ上がりましたところで連絡会を開かせていただいておりまして、どういった予算編成を行ったかというのを私どもの方からお伝えすると。逆に、会計検査院さんの方からは、会計検査院さんの方で検査を行われた後、どういった指摘事項があったといったようなことをこれも連絡会を行いましてお教えいただいておる。また、局長レベルでも意見交換会を行っておるということでございます。
 執行調査につきましては、先ほどと繰り返しになりますので、その実際に査定をする人間が現場を見てくるというのがポイントなのかな、かように考えております。
#141
○山下英利君 ですから、そこのところでプログラム評価とかVFM評価という話がずっと出ているんですけれども、それと財務省のやっている予算執行調査というのは、いわゆる計数を使ったりいろんな判断基準をするということでもって、実際その予算というものに対する政策評価というところは同じテーブルの上に乗っかっている話なんでしょうか、もう全然違うんでしょうか。
#142
○政府参考人(松元崇君) VFMなりプログラムなりということになりますと、ある施策をした場合にどれだけ効果が上がっているのかと、こういった観点からということかと思います。
 ですから、単に合規性とか無駄遣いとかということではなくて、その政策目的にどれだけ役に立っているかということでございますので、査定におきまして、当然そういった観点から査定は行わせていただくということで、行政評価なりあるいは会計検査院さんが行われますそういった観点からの検査結果というものを参考にさせていただくということかと思っております。
 それと比較してというと、必ずしもそういった形に割り切れるものではないかとは思いますが、執行調査になりますと無駄がないかといったような観点、そういった観点がどちらかというと中心になってくるのかな。非常に効果的な、効果がある施策ですよといったことというのは、各省さんがいろんな政策を立案される、そういったときに、新たな施策なり既存の施策なり、それについて非常に効果があるんだということを各省さんそれぞれ御検討される、それが概算要求で出てきた段階で私どもはいろんな材料でそれを検証させていただく、そういった関係なのかなと考えております。
#143
○委員長(鴻池祥肇君) いいですか。
#144
○山下英利君 はい。ありがとうございます。
#145
○委員長(鴻池祥肇君) 会計検査院、御発言ありますか。
#146
○説明員(真島審一君) 今、次長の方から御説明があったとおりかと思います。
 ただ、補足させていただきますと、私どもは独立した判断で、予算の執行結果、お金が使われた後を追い掛けてまいります。そこでおかしなことがあればテーマとして取り上げてレポートを出すという形になりますが、恐らく予算執行調査の方では、予算査定上、気掛かりと申しますか、これはまあ私どもの勝手な推測でございますが、懸念があるようなところを重点的にお調べになっているんじゃないかなと、外から拝見しているとそういう感じがいたします。
#147
○委員長(鴻池祥肇君) それでは、又市委員。
#148
○又市征治君 再度、参考人の先生方、既に御案内のことだと思いますが、決算審査を重視をしようというのがこの参議院の全会派の一致した考え方でございまして、その決算重視の一方途として会計検査院の機能を強化をする、それも大事なことではないか。そのために、どんな諸外国のいろんな制度があるのかということで今日こういう場が持たれているというふうに思うわけですが、ずっといろんな話をお聞きをしてまいりましたが、できれば、こう一巡してみまして、諸外国と比べてみると、こういう点が日本の会計検査院の機能強化にもっと補強したらいい、あるいはこういうところは制度を変えたらいいんじゃないかということの印象をお持ちだったら、羅列的に是非それぞれからお出しをいただきたいなと、こう思っております。
 もう一つは、会計検査院も、いや、もっと人数を増やしてくれという話になるかもしれませんが、会計検査院の側から見て、いや、こういう権能を与えてもらったらいいなとか、もう少しこういうところは、一面では苦労しているとかということが会計検査院側にもあるとしたら、お出しをいただければと、こう思います。
#149
○委員長(鴻池祥肇君) まず参考人から。後参考人。
#150
○参考人(後千代君) 印象ですよね、私のレジュメのクリップで留めた方の一番下に6と書いてございまして、「会計制度監視機構・公会計ワーキンググループ(検討中)」という項目がございます。そこに、二枚目以降、その会計制度監視機構、我が国におけるそういうものですが、そこのワーキンググループのメンバーの中で、やっぱりこれ、この三つは最も大事だろうということで、まだ検討中なんでございますが、三点ほど挙げさせていただいております。これは私の感想とも一致しておりますので。
 まずは、先ほどおっしゃっていました、ばらばらな感じがすると。何かこう、公会計の公準が構築されていないと。皆それぞれの会計基準でばらばらにいろんなことが行われていて、会計の基本的な機能というのは比較可能性が最も大きいのに、まるで比較不可能性を追求したいかのように、いろいろな基準でいろいろなところでいろいろなことがなされていると。それを何とかしたい、しなきゃいけないんじゃないかと、まずそれを宣言することから始めようと。そういう尺度でもって監査機関なり検査機関がどういう観点で検査あるいは監査をするのかということと当然結び付くだろうということでございます。
 二番目は、公会計基準の設定主体の統一化。先ほど、今申し上げましたように、いろいろな様々な基準で、微妙に少しずつ違う基準でもって公的な機関や公的に準ずるような機関の会計が行われている。
 それから三番目に、これは管理的なことですけれども、コスト意識、コスト情報がきちんと強制化すべきじゃないのかというような三点が挙げられるかと思います。
#151
○参考人(片山信子君) 日本の制度のあるべき論について、ちょっと私の立場からは話しにくいんですけれども、印象として思いますことは、非常に日本の会計検査院の決算検査報告は情報量がすごく豊富ですごく重要なことがたくさん入っているんですけれども、それが、ある意味じゃ会計とか財政とかについての素人の国民にとってはちょっと分かりにくいのかなというところがありますので、そこの、何というんでしょう、より分かりやすいアピールの仕方が変わってきますとまた国民からの関心も高まるでしょうし、それを受けての国会での議論というのも、国民の声が背景にあっての、より、何というんでしょう、スキャンダルとかというのではなく、専門的な財政を見る目というのが国民の中で育ってくるとまた国会での議論も違ってくると思いますので、そこの分かりやすさについてもう少し分かりやすくなると随分違ってくるんだろうなというふうに思います。
#152
○委員長(鴻池祥肇君) 会計検査院、どなた。
#153
○説明員(真島審一君) ただいまの、今の会計検査制度で不足している点でございますが、私がこの場で私見を申し上げるのもはばかられますので、持ち帰りまして検討させていただきます。
#154
○委員長(鴻池祥肇君) 構いません、どうぞ。どうぞ、私見でも何でも結構です、そのために皆おるんですから。
#155
○説明員(真島審一君) 今日の話題で一言申し上げさせていただくならば、この比較表の中でごらんいただきたいんですが、国会への提出形態が、先ほど片山参考人からお話がありましたように、私どもは年に、法律で規定されておりますのが、憲法上の検査報告とそれから国会法に基づいてお出ししている報告書、この二冊が私どもが公表できる監査結果であるということに相なっております。したがいまして、今回の検査報告もこれだけ分厚いものにならざるを得ないという事情がございます。
 今、できることならば、こういう巨大になる、要するに行政検査をやるにしたがってどんどん分厚くなっていくこの現状を何とかしたいという気持ちはございますし、それは今、私ども部内で検討している最中でございます。
#156
○委員長(鴻池祥肇君) それでは、加藤委員。
#157
○加藤敏幸君 ありがとうございます。簡単に御質問いたします。
 バランスシート上の評価をどうされているかということで、国によってはバランスシートを作っているところ作っていないところと多々あると思いますけれども、国が、国自身あるいは国が出資している法人など、それぞれ債権債務を含めて、あるいは政府保証を含めて、それらの資産の劣化等について各国はどういうふうな対応をされているのか、あるいはそういう議論があるのかないのかということについて、米国については後参考人に、それ以外については片山参考人に御質問したいと思います。
#158
○委員長(鴻池祥肇君) 先に、後参考人。
#159
○参考人(後千代君) バランスシート上の評価、資産の劣化についてということでございますか。それについて何をお聞きになりたいのかがちょっと理解できませんでした。
#160
○加藤敏幸君 済みません。
 政府自身が持っている資産がいろんな形で劣化をしていくという現象があるし、企業会計においては最も大切なポイントは保有資産が本当に額面どおりの価値を持っているのか持っていないのかというのが非常に大きなポイントであります。もちろん、政府ですから、単年度で消費経済的な流れですけれども、そういうことについて会計検査院が意見を出すとか是正勧告をするとか検査対象としているかということについて、GAOはどういうふうな、何もやっていないならやっていないということで。
#161
○参考人(後千代君) 特に資産についてということでは、私の今の記憶の中ではございません。
 以上でございます。
#162
○参考人(片山信子君) 私も、ちょっと諸外国についてそこまで十分な事実を把握しておりません。
#163
○委員長(鴻池祥肇君) いいですか。
 それでは、神本委員。
#164
○神本美恵子君 今日は両参考人、ありがとうございました。
 私は、大きく二点なんですが、一つは、先ほど又市委員がおっしゃった会計検査院の機能強化という観点から、お二人の参考人は、日本の会計検査院、諸外国と比べてどういったところを改善といいますか改革すれば機能が強化して、本当に実質的なプログラム評価も含めた検査機能を発揮できるかという点についてお聞きしたいんですが、先ほど後参考人お答えになりましたので、その御説明をもう少しいただきたいんですけれども、その会計制度監視機構、これは第三者機関的にこういったものをつくって会計制度の在り方を見ていくという意味なんでしょうか。もう少しここの説明をいただきたいのと、それから会計検査院の方々は今の検査の在り方で本当にその役目を果たしているとお思いか。
 もしかして、例えばです、それ、やっていらっしゃらないという意味ではなくて、私も検査報告を見せていただいて、とても大変なことだなということを思いながらも、例えば具体事例で見ますと、警察の捜査費の問題なんか本当に苦労してやっているのに、本当のことが言われないがために、また検査院の限界がどこかにあって繰り返しこういったことが何度も何度も、指摘しても掲記しても警告しても行われ続けているというようなことについて、機能強化という観点から今日イギリスとアメリカ、フランス、ドイツの会計検査のお話お聞きしましたので、そこと比較して、こういったところを日本にも取り入れたらいいのではないかというような点が一点です。
 それからもう一点は、予算編成のフィードバックという観点から、GAOとかNAOといいますか、イギリスやアメリカでは途中で、より早い段階で予算編成への関与がなされるような仕組みになっているようですけれども、日本は年に一回ということで、出されたものに対して指摘をし、また警告決議をして、それに対して、警告決議があった場合はそれぞれの両院で質疑の冒頭で財務大臣から報告というふうになっておりますが、確かに、適切に対処してまいりますとか、それぞれのところは真摯に受け止めて今後こういうことがないようにしますというようなことを聞いて、それ以後どうなったのかというのが国民には明らかにされているんでしょうか、余り私は認識できないままに毎年毎年決算検査を繰り返していっているような気がしますので。
 そういう意味で、ここで決算審査をして、そのことが翌年度あるいはその先の予算編成にフィードバックされるためには、諸外国も参考にしながら、どういうふうに変えていったらいいとお思いか、両参考人、それから会計検査院にお伺いしたいと思います。
#165
○参考人(後千代君) 最初の御質問で、実質的な検査になるためにはということについてでございますが、二年前に国際公会計学会で、以前、検査院長をお務めになられて、今、慶応大学に戻られた金子院長が記念講演ということでお話しされたときに、会計検査院長を務めた経験からどんなことが言えるかということをお話しされたことがございましたので、それを三点ほど挙げさせていただきたいと思います。
 検査官会議というのが、三人の合議の会議があるわけですが、そこでどういう方向でやっていくかというのが決められるはずなのに、何となく棚上げになっているような印象を非常に受けると。三人の意思決定機関ですから非常に、戦後、先ほど申し上げました事情でできたときには、フレキシブルに動けるように非常に少人数で構成したと。二十人も三十人もいてはなかなか動けないからということ。ですが、それがきちんと、何かが障害になっているという、法律的にどうこうということではなくて、どうも実質化しないという印象を述べておられました。それがまず一点でございます。
 それから、検査院長として気になったこととしては、いろいろな事業があるわけでございますが、当初の目的がもう既にもう喪失されたものが非常に多いと。だけれどもそれが止まらないということについて、検査院が何かできないかと。なかなか、そういう意味では、検査院も非常にその部分をたくさんやっておられますし、そうなんですけれども、まだ足りないんじゃないかという印象を非常に強く持っておられたという感じがいたしました。
 それから、やはり業績検査、パフォーマンスオーディットをもっと強化する必要があるんじゃないかというような点が、私のそのときの、記念講演を聞きましたときの印象として非常に強く残っております。
 それから、実質的なということのもう一点でございますけれども、先ほどイギリスの例で挙げさせていただきましたけれども、分からない人が、外部の人がいきなり何かやってきて外の他律的な基準でもって何かを判断するというのは、それに対して数値をよくすればいいのかというような、そちらに対して結果を出すために依存するような形になりますから、そういうものを避けるためにどういうことが考えられるだろうかということで内部監査機関で、内部監査の機能の一つでございますが、コントロールセルフアセスメント、CSAというような言い方をしておりますが、要するに、自分の組織について一番仕事を分かっているのは現場であり、人が生きると、一番お金も人も生きるのが現場でございますから、その現場の人がどうやって改善していくかというようなことを活性化する手法でございます、コントロールセルフアセスメント。
 要するに、いろんな公金が非常に財政的に厳しくなって、じゃ最終的に何が残るかというと、地域が生きなきゃいけない、人がきちんと、地域の力が最終的に残るものだとすれば、そういったイギリスの先ほどのCPAの活動でもありましたけれども、昨年春に現地調査しましたときに、本当に地域が生きる、それを地方の自治体がどう支えていくか、そこの力量をチェックするというような形が中央ときちんとつながっていけば、かなり効果的なチェック機能を果たせるんではないかというふうに私自身は感じた次第でございます。
 以上です。
#166
○委員長(鴻池祥肇君) ありがとうございました。
 恐れ入ります、時間が迫ってきておりますから、お互い手短にひとつお願いしたいと思います。
#167
○参考人(片山信子君) 検査結果をより早くということがあったんですけれども、日本の会計検査院の検査報告の上でも処置済み事項というのが書かれておりまして、会計検査院の指摘によって行政が改善措置を講じたことというのは書かれているんですね。それは一部、多分その検査の過程で非常にたくさんあるものの中の特に重要なものが載っているだけで、実際にはそうやって日々会計検査院の活動を通じて行政の改善というのは行われているわけなんですね。それは日本だけじゃなくてイギリスなどでも決算検査報告の中に書かれてしまうことというのはごくごく氷山の一部で、実際は検査活動の中でもっと非常に多くの改善措置が講じられていると。それはもう各国で行われていて、どこの国の方がより早くたくさんやっているということを比較することは非常に難しいと思うんですね。
 ただ、そこで、じゃ更に機能を強化するために何をやるべきかということについては、私はある意味では全然現場感覚がないものですから余り無責任なことは言えないと思うんですね。ただ、今、後先生が引用されました、金子先生が論文で書いておられたことの言葉をちょっと引用しますと、ここまで踏み込んだこと言っていいのかなとちょっと読んだとき思ったんですけれども、違法、不当な事態が発生する蓋然性が高いならば、リスクを事前にマネージしてくださいと要請するタイプの検査を導入する必要があるというふうなことを書いていらっしゃって、そういったことというのは、私は全然、ただただ引用するしかできないんですけれども、広くいろいろ検討されることというのはあるんだろうなと思います。
#168
○委員長(鴻池祥肇君) ありがとうございました。
 会計検査院、御発言ありますか。
#169
○説明員(真島審一君) それでは一言。
 まず冒頭、金子元院長の発言がさんざん引用されましたので、その関係で、先日この今回の検査報告を元院長たちに説明する場がございましたが、その場で特に金子元院長、発言を求められて、在職中こういう検査報告をこそ望んでいたんだという大変高い評価をいただいたのが今回の検査報告であることをまず申し上げたいと思います。
 あと一点、お尋ねの件でございますが、私が申し上げるのは僣越でございますが、国会、決算委員会で私どもの検査報告を取り上げていただきますと、改善が進むということがかなり確率が高いといいますか、具体例で申し上げますと、平成元年度の検査報告で、木曽岬の干拓地が県境問題が片付かなくてなかなか有効活用されていないという問題を御報告申し上げましたが、その後、決算委員会で度々取り上げられて、それが当局の方にもいたく伝わりまして、結局十年ぐらい掛かったんですが、何とか解決にこぎ着けたという事案もございます。
 そのことから申し上げても、決算委員会のお力というのは非常に力強いものだと思っておりますので、その辺をよろしくお願いしたいと考えておる次第でございます。
#170
○委員長(鴻池祥肇君) いいですか。いいですね。
 それでは、松井委員。
#171
○松井孝治君 今日は両参考人の先生、そして関係者の方々ありがとうございました。大変勉強になりました。
 それで、二点伺いたいわけでありますが、まず第一点目は、せっかく財務省からもお見えでございます。例えば、先ほど参考人からの資料で会計検査院のこのCという数字が提供されました。これは十五年度の数字でございますから、十四年度も同じようなものが、この四百三十億円はたしか四百億円というような数字であったと思うんですが、この四百三十億円というこのCの資料に即して言うと、もう改善の措置を講じたというようなものは、具体的にこれだと三百億円あるわけですが、ここは改善の措置を講じたわけですからはっきりしていると思うんですが、例えば特に掲記を要すると認めた事項というのが八件あって、相当な金額になりますね。これに相当するようなものというのは、やはり会計検査院から相当程度の警告を受けたと政府としては考えるべきであって、この十五年度の会計検査院の報告において同じような分類にあって、特に掲記を要すると認めた事項というのが、今財務省が具体的に、あるいは政府が国会に提出しておられる予算においてどれぐらい反映したかと、そういうようなことは財務省は説明可能かどうか。
 これをちょっとまず一点伺って、もう一点、ちょっと最後の締めの質問なんで後に回したいと思うんですが、財務省の方から御答弁いただけますか。
#172
○委員長(鴻池祥肇君) 松元主計局次長、お願いします。
#173
○政府参考人(松元崇君) 検査院から御報告を受けまして、できるだけそれを予算に反映していくということで査定作業を行っております。
 若干例示的に申し上げますと、合同宿舎の維持管理といったようなことについて検査報告いただいておりますが、御報告の趣旨に従いまして基準を見直しまして、宿舎の管理人を削減をいたしたといったようなこと、あるいは警察庁の捜査費につきましても報告でお触れいただいておりますが、この国費の捜査費につきまして、執行状況等を踏まえつつ犯罪情勢に対応した必要額ということでございますが、十六年度予算に対比いたしますと、十億円余り削減いたしました四十三億円余りに出さしていただいているといった等々、できるだけ反映をさせるということで行っております。
#174
○松井孝治君 私が申し上げたいのは、やはり例えば会計検査院が具体的に指摘した事項について、既にもう措置されているものはいいんですけれども、具体的に掲記を要するというようなことで警告を受けたものについて、やはり政府側がこれだけのものを指摘をいただいたその金額に対してこれぐらいの予算編成に当たっての縮減をした、あるいはもう廃止をした、それをきちんと説明するというようなことを具体的にフィードバックとして我々も求めていかなければいけないし、政府もそういうことをきちんと御説明いただくような習慣を付けていかなければいけない。これは政府側だけではなくて国会側も留意しなければいけないことだと思うんですが、そういうフィードバックの仕組みが必要だと思ってお伺いをしたわけであります。
 それに関連して、これはもう時間も迫っていますので、最後に両参考人に、あるいはもし差し支えなければ私見で結構ですので会計検査院からも伺いたいわけですが、今日のお話を受けて、例えばイギリスなんかの事例でいうと、非常に、やっぱりNAOの活動と連携して議会自身が非常に活発な活動をしていると。NAOはある種の報告はし、ある種のレコメンデーションは出すかもしれないけれども、それを実際刈り取っているのは議会側であるという、それを受けてまた政府が改善措置を講じているということの御説明を受けて、非常にそれは大事だなと思ったわけですが、両参考人あるいは会計検査院も含めまして、議会の、特に会計検査院は報告をずっとされておられる立場からいって、報告はしたけれども後どうなっているんだという事項も多いと思うんですね。
 両参考人及び会計検査院から見て、例えばこの参議院の決算委員会の機能も含めて、諸外国の、例えば両参考人におかれましては議会と比較して我が国の議会の現状をどのように評価しておられるのか、具体的に議会がこういうふうに動くべきではないかという御意見を両参考人にいただきたい。
 そして、併せて会計検査院からも、もうこういう席ですから、あえて率直に、むしろ議会の活動についてもっとこういうふうに取り上げてほしいというようなことをいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#175
○委員長(鴻池祥肇君) それでは、片山参考人、遠慮なくどうぞ。
#176
○参考人(片山信子君) 私ちょっと、実は国会職員ですのでちょっとつらいんですけれども、会計検査院から出された検査報告が活発に生かされるとより国民にとって、何というんでしょう、行政の改善という観点でアピール力が出てくると思います。会計検査院の検査報告の形で、国民が見る以上に、恐らく議会から出てくると更に国民にとっては非常に印象が強くなると思いますので、そこは国民として期待いたします。
#177
○参考人(後千代君) 難しいですね。
 議会がどのように機能すべきかということでございますが、例えば一時期非常に話題になりましたムルトマ郡の監査、アメリカの郡ですから日本風に言うと県になるかと思いますけれども、議会はそれぞれの部署のもうマネジャー的な存在で、監査をする方が公選で選ばれてそれを非常に専門的にチェックなさると。そういうふうに機動的に行われる、要するに議会はきちんと責任を持つというようなやり方が非常にいいなというふうな印象を受けた次第です。
 以上でございます。
#178
○委員長(鴻池祥肇君) ありがとうございました。
 それでは、会計検査院真島総括審議官。
#179
○説明員(真島審一君) それでは、私見ということでお許しを得まして。
 私どもの検査報告、先ほど御言及がありました特に掲記を要すると認めた事項として報告しているものは、当局の改善努力だけではいかんともし難いような問題を取り上げて国会に御報告申し上げているものでございます。したがいまして、それにつきましてはでき得るならば取り上げていただきたいなという気持ちがございます。
 かてて加えて、特定検査対象に関する検査状況という範疇がございますが、これは国民の関心が極めて高い事項についてその検査状況を御報告するという性格でございますが、一面、国民が関心を持っていただきたいと思う事項も最近は取り上げておりますので、そういう意味でも委員会で取り上げていただければ大変有り難いと、かように考えております。
#180
○委員長(鴻池祥肇君) よろしいですか。
 予定の時間がちょうど参りました。これをもちまして参考人及び政府に対する質疑を終了したいと思います。
 両参考人に一言お礼を申し上げます。
 本日は、長時間にわたりまして大変貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
 風邪、大事にしてください、風邪。風邪、大事にしてくださいよ。しんどそうや。
 本日の審査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#181
○委員長(鴻池祥肇君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十五年度決算外二件の審査のため、来る十五日午前十時に構想日本代表加藤秀樹君及び明治大学政治経済学部助教授西川伸一君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#182
○委員長(鴻池祥肇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時散会
ソース: 国立国会図書館
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