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2005/02/22 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 決算委員会 第3号
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2005/02/22 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 決算委員会 第3号

#1
第162回国会 決算委員会 第3号
平成十七年二月二十二日(火曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月十五日
    辞任         補欠選任
     水岡 俊一君     藤末 健三君
     鰐淵 洋子君     遠山 清彦君
 二月二十一日
    辞任         補欠選任
     武見 敬三君     松山 政司君
     山本 順三君     愛知 治郎君
     高橋 千秋君     山本 孝史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         鴻池 祥肇君
    理 事
                荒井 正吾君
                田浦  直君
                山内 俊夫君
                神本美恵子君
                松井 孝治君
                山下 栄一君
    委 員
                愛知 治郎君
                小池 正勝君
                中村 博彦君
                西島 英利君
                野村 哲郎君
                松山 政司君
                森元 恒雄君
                山下 英利君
                尾立 源幸君
                加藤 敏幸君
                佐藤 雄平君
                齋藤  勁君
                谷  博之君
                林 久美子君
                藤末 健三君
                峰崎 直樹君
                山本 孝史君
                遠山 清彦君
                西田 実仁君
                小林美恵子君
                又市 征治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        和田  征君
   政府参考人
       外務大臣官房長  塩尻孝二郎君
       外務大臣官房審
       議官       遠藤 善久君
       外務省アジア大
       洋州局長    佐々江賢一郎君
       外務省中東アフ
       リカ局長     吉川 元偉君
       外務省経済協力
       局長       佐藤 重和君
       財務省主計局次
       長        松元  崇君
       経済産業省貿易
       経済協力局長   中嶋  誠君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   諸澤 治郎君
   参考人
       ジャーナリスト
       茨城大学人文学
       部教授      杉下 恒夫君
       慶應義塾大学総
       合政策学部教授  草野  厚君
       独立行政法人国
       際協力機構副理
       事長       畠中  篤君
       国際協力銀行理
       事        丹呉 圭一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成十五年度一般会計歳入歳出決算、平成十五
 年度特別会計歳入歳出決算、平成十五年度国税
 収納金整理資金受払計算書、平成十五年度政府
 関係機関決算書(第百六十一回国会内閣提出)
 (継続案件)
○平成十五年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (第百六十一回国会内閣提出)(継続案件)
○平成十五年度国有財産無償貸付状況総計算書(
 第百六十一回国会内閣提出)(継続案件)
    ─────────────
#2
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、水岡俊一君、鰐淵洋子君、高橋千秋君、武見敬三君及び山本順三君が委員を辞任され、その補欠として藤末健三君、遠山清彦君、山本孝史君、松山政司君及び愛知治郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(鴻池祥肇君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十五年度決算外二件の審査のため、本日の委員会にジャーナリスト・茨城大学人文学部教授杉下恒夫君及び慶應義塾大学総合政策学部教授草野厚君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(鴻池祥肇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(鴻池祥肇君) 平成十五年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、政府開発援助について参考人から御意見を聴取し、外務省から説明を聴取した後、参考人、政府参考人及び会計検査院に対し質疑をすることといたしております。
 この際、両参考人に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、御多用のところ、本委員会に御出席をいただきまして誠にありがとうございます。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
 参考人の皆様から忌憚のない御意見を承り、審査の参考にしたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。
 本日の議事の進め方でございますが、杉下参考人、草野参考人の順にお一人十五分程度ずつ御意見をお述べいただきます。次いで、政府から説明を聴取し、その後、委員からの質疑にお答えをいただきたいと思います。
 なお、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることとなっております。
 また、参考人からの意見陳述、各委員からの質疑及びこれに対する答弁のいずれも着席のままで結構でございます。
 それでは、まず杉下参考人からお願いをいたします。杉下参考人。
#6
○参考人(杉下恒夫君) 御紹介にあずかりました杉下でございます。
 今日は、参議院決算委員会にお招きいただきまして、どうもありがとうございます。
 私は、今日、お手元にいろんな思い付いたことを書いて御提出させていただいたんですが、十五分という時間の中でとてもしゃべれることではございませんので、最初のこのいただいた十五分では過去の半世紀の日本のODAの功罪というかを簡単にレビューして、それから、全く新しい局面に立っていると思われる日本の経済協力がどうあるべきかというようなことをこの最初の十五分間でお話しさせていただきたいと考えております。
 私は、今、肩書二ついただきましたが、長いこと新聞記者として経済協力を取材いたしまして、日本の経済協力五十年、去年、半世紀ということだったんでございますが、正直に言って、日本の経済協力が今日のような形として、ある程度外交のツールとして、又は国際協力の貢献する材料として形を整えてきたのはやはり七〇年代後半の福田ドクトリンと言われるようなODAの中期目標ができた辺りからのことかなと考えますと、二十五年かそのぐらいの実質、経済協力の日本の歴史じゃないかと。そのうち、私も八〇年代の後半からそれだけを取材してきたもので、私もそのうちの半分以上の日本のODAというものを現場で見てきて、また書かせていただいてきたということから日本のODAを評価するとなると、私は非常にODAというのは前向きにとらえておりまして、私は、こんなことを言うと怒られるかもしれませんが、私は今、大学の先生をやっています立場からいうと、評定を付ければAじゃないかなと思うぐらい評価しているわけです。ただし、最近の評定はAプラスというのもございまして、Aが必ずしも最高ではないという意味でございまして、でもAは付けられるんじゃないかなというふうに考えております。
 その理由といたしまして、日本のODAというのは、私、やはり実施のやり方が非常に良かったと。私なんかはやっぱり新聞記者ですから現場だけで見てきたことから見ても、実施の現場というものが、先生方も去年行かれたり、おととし行かれたり、だんだん見ておられて分かっていただけると思うんですが、実施の方法が私は非常に良かったと。
 言うまでもない、自助努力という相手側の努力に任せるやり方。また、有償、無償、技術協力といったものをうまく組み合わせて、そして特に今、技プロといっている昔のプロジェクト方式技術協力ですね、ああいった長期の複合的な実施方法を取ってきた、そういったことも非常に日本のODAが効果を上げてきた理由じゃないかなと。それから、草の根無償とか青年協力隊とかそういった小さなプロジェクトに対する目配りも現場ではつくられたと。非常にいいスキームがあったということが日本のODAを良くしてきた、成果を上げてきたというふうに私は見ているわけです。
 もちろん、人間のやることですし、相手国のあることですから、すべてが良かったプロジェクトというわけでなく、私自身も多くの失敗したプロジェクトを見たし、私が見ても多少おかしいんじゃないかなというようなプロジェクトもございました。しかし、総合的に見て、やはり日本のODAはそこそこの成果を上げて、それからもう一つ、Aを上げる理由というのはほかの国の援助ですね、ほかの主要援助国の援助のプロジェクト、そういうものと比べて明らかに日本のプロジェクトの方が良くできているということから評定Aを与えたわけです。
 ただし、Aプラスでなかったということは、どうしても私はこの政策面が弱かった。外務省などの資料や当時の方のお話聞いても、それぞれその世代に合ったもちろん援助の政策理念というものはございます。資源外交とか日本の輸出振興をバックアップするとか、最近では総合安全保障、そういったようないろんな政策理念があることはあるんですが、どう見てもこれは後付けの理念なんですよね。先にまず日本の動きがあって、それに援助をして、そしてそれに理由を付けていくというような後付けの理念が、政策がずっと続いてきたと。
 そういうことから、やはり日本のODAが、何で日本が汗を流してお金を使って我々に援助をしているのかということが相手には余り伝わらないんですよね。やった後にいろんな理由を付けて、むしろその声は国内に向けて発信された声であって、国外の援助を受ける方々に対して、日本はこういう目的で皆さんに援助をするんですよ、こういう目的で汗を流すんですよということが明確に伝わっていない。だから、何しに来たのか分からない。
 これは不気味なものですよね。今みたいに、特にこの十年不況だと言われている日本で、日本人も多くがリストラ遭っているということは援助を受ける方たちも知っているわけです。その日本が何でお金使ってくれるんだろう、何か不気味な、何かもっと我々が分からない意図があってやっているのかと。そういうメッセージが非常に伝わっていないということが、私は、援助が投下した資本又は労力に比べて、経済面とかそれからインフラの整備という面ではもちろん評価される成果は出ているんですが、政治的な効果、そういったものが非常に、非常にというかほとんど残っていないと。
 ODAというのは、私は日ごろから言っているように、これは人道的な行為でもなく、これは純然たる政治行為だと私はカテゴリーに入れて、国民の税金を使って人道行為をしている国家はないわけですから、税金を使って国民のために、国民と、そして国民が住みやすい社会をつくるために、国際社会をつくるために、これが当然ODAというのが行われていることでして、そういった面の、政治面の、政治行為としての認識が足らない。ですから、我々がなぜこういうお金を使ってなぜやっているかということが明確なメッセージが伝わっていない。これがやはり残っていない。やはり日本のODAがこれだけ巨額の資本を投下した国々に対して残っていない。
 日本のODAといえば、すぐASEANに対する日本のODAと言われますね。ASEANに対する、ASEANの経済成長というものに日本のODAが非常に大きく貢献した、これは私も認めるところです。
 しかし、現在、例えば今、今年の六月には日本の国連の安保理の改革の大枠ができます。十一月には国の名前も決まると言われております。しかし、ASEAN諸国はどれだけ我々に対して、これだけ日本が援助したASEAN諸国は、もちろん反対はしていないけれども、積極的なサポーター、積極的な支援者としての活動が余り目に見えてこない。むしろ、非常に政策的と言われるアフリカ援助などの場合の方が、アフリカ諸国の方がはるかに、今度の例えば国連の安保理の拡大の場合の動きでも、積極的なサポーターでなくても少なくとも大きなグループとなって日本の支援をしてくれる団体になっている。
 ここは明らかに、ASEANに対する援助とそれからアフリカに対する援助、これには、アフリカの援助には明らかにある程度政策的な意図があった。そういうことから、アフリカの諸国も日本がなぜ援助しているかということが分かっていただけて、そしてこういう今度の日本の安保理改革などというときにも、遠い国で、しかも援助の歴史が浅い国にもかかわらず、ある程度の効果が読み込める。それに対して、ASEAN諸国というものがそんなに強いサポーターでないというようなことも、私は日本の援助に、やり方にやはり政策が欠けていたからかなというふうに私は見ているわけです。
 時間の関係でそこは、過去のことは話すと五十年もありますからこれぐらいにさしていただいて、じゃ、こういうODAをどうするべきかということについて、私は簡単に意見を述べさしていただきます。
 私、今、新聞記者時代からずっとODAを取材して、かなり自分では知っているつもりで、大学に移って一年目、講義録を作って、二年目、ああこれは楽だと、来年からこれを読んでいれば済むんだなと、これはおいしい仕事だなと実は思ったわけです。ところが、二年目に読んでみたら全然違ってきている。もう読めないんですね。それぐらいODAの変化、私はここまで変わるとは思わなかったぐらい。私が大学に移ったのは二〇〇〇年でございますが、この二〇〇〇年からのODAというのは毎年の講義録が使えないぐらい大きな変化をしている。
 これはもちろん、新しい社会の変革、国際社会の変革、そういったものに合ったODAというものが求められているわけでして、冷戦時代のアメリカ又は市場経済、民主主義といったものを守る、又は社会主義の浸透を防ぐといった意味の大まかな枠の中でのんびりやっておられたのではなく、日本の独自性と、大きな枠から抜けて自分たちの目的を持ったODAをしなきゃならない。
 それから、もちろんそれに伴う社会の変化がございます。それは紛争、民族紛争、それから今のテロ戦争、そういったような社会の変革にも対応していかなきゃならない。それから、アメリカ自体がどう対応していいか戸惑っているこの時代に、日本もどう対応していいか非常に戸惑っていると思う。最高の外交ツールであるこのODAをどう使うか、これにも私はまだ模索している段階じゃないかなと考えているわけです。
 そういうODAが、一体その方向性というものをどうあるべきかと。私たちも、私が見た感じ、日本のODAの在り方というものと、また過去に長いことODAを見てきて、一番やはり日本のODAが力を発揮する場所、それはどこかと申し上げますと、今、三年ほど前でしょうか、総理がおっしゃった平和の定着ということですね。平和構築というのももちろんODAの中にはございます。しかし、私はODAの目的としては平和構築ももちろん別にないがしろにするべきものではございませんが、やはりその平和の定着という部分で日本のODAというのは非常に役立つんじゃないか、また日本はそういうことで過去にも大きな成果を上げてきていると思うんですね。
 たまたま昨日ですけれども、私、中米と日本の修好七十周年とか、そんなことがあるらしいんですが、中米に対する日本のODAをレビューして見てくださいということで、私もふと考えたんですが、私は中米のODAというのは、エルサルバドルとか、あとはもう一個ぐらいしか見てないんですが、あっ、グアテマラと二つしか見てないんですが、グアテマラで見たのが、先生方もよく御存じのとおり、中南米というのは二十世紀、要するに冷戦、イデオロギーによる紛争でございますが、今で言う内戦が、動機等は違っても民族同士が激しい殺し合いをしたところでございますね。九〇年代前半、そういったイデオロギーによる紛争が停止したわけでございますけれども、その後に日本のODAが入ってやったことというのは正に私は平和の定着だと。
 私が見たのは──時間でございますか。いいんですか。済みません。もしなったら言ってください、委員長。
 それで、そのとき、小さな出来事だったんですけれども、ゲリラ戦でほとんどの男性が亡くなった、要するに戦争未亡人が多い、そのグアテマラの山村において、日本の青年協力隊が入って、その未亡人たちに農業技術を指導している。女性でした。女性ばかりが相手ですから、女性が山の中に入ってやる。そして、彼女たちが自分で農業技術を身に付けて自給できるようになり、多少のお金も稼ぐようになる、こうして彼女たちの生活を安定させていく。これは正に今言う平和の定着なんですよね。こういったことは、既にもう日本はあちこちでそういうことをやっているし、実際もう成果を上げているわけです。
 それで、今平和の定着というと、すぐにアフガニスタン、イラク、そういった直近の紛争地の問題で定着という言葉が使われますが、私は既に大きな実績を上げている日本の開発協力というものは平和の定着にも大きな役割はあるし、また積極的にそういった分野に介入することによって日本のODAの独自性、そういったものが非常に効果を発揮するんじゃないかというふうに私は考えておりまして、平和構築という、エンフォースメントというよりも、むしろそういったピースビルディングの方に日本のODAというものはやはり力を注いで、またそれに自信を持ってやっていくということが非常に重要かなと思っております。
 あと、時間の関係でお話しできないんですが、私、今日もし機会があればお話しさせていただきたいと思うのは、今、日本の国際協力というと、最近自衛隊が大変前面的に出ておるんですが、これも、総理もおっしゃっているように、日本の国際協力というのは自衛隊による国際協力と経済協力による国際協力という二輪が動かないとこれは良くならない。それに比べて片っ方の経済協力の方に対して、これも後から申し上げたいけれども、予算などを見ても分かるように、本当に二輪の大きさが同じなのかなと。多少二輪の大きさがずれると日本の経済協力というものは円滑に進まないわけでして、是非、この場をおかりして、経済協力に対してももう一度ねじを巻き直していただいて、車輪の大きさが自衛隊による国際貢献と負けないぐらいの国際貢献を果たす外交ツールとして、もう一度是非国会の場でそういったものを審議してというか、御協力をいただきたいと思います。
 そして、そのために、最後になります、前回、五年ぐらい前にここに呼んでいただいたときもお話をしたんですが、援助基本法、最近余り聞かれなくなりましたが、私はODA基本法というものを是非つくっていただいて、そういうものから是非国会の、いわゆる国民参加型の経済協力ということにおいても、国民の代表であられる先生方がもっと入りやすいというか、入るための、責務として基本を設定されていただいて、そして、もっともっと日本の経済協力にも先生方のお力をかしていただきたいと、そういうふうに思います。
 多少時間が延びたかもしれません。済みませんでした。
#7
○委員長(鴻池祥肇君) ありがとうございました。
 時々チンといいますが、これは記録の関係ですので、どうぞ御遠慮なく、御心配なくお続けください。
 次に、草野参考人にお願いいたします。草野参考人。
#8
○参考人(草野厚君) 決算委員会にお招きいただきまして、ありがとうございます。
 私、レジュメを御用意させていただきました。時間が限られておりますので、これすべて細かく説明できるかどうかは分かりませんけれども、大体三つぐらいの部分に分かれておりますので、順に従ってお話をしたい。
 まず申し上げたいのは、参議院の方々がODAの現場に行かれたと、そして報告書をお出しになった、これ大変画期的なことではないかなというふうに思います。以前から私は、国会議員の方々がODAのプロジェクトをなぜ知らずして議論をされるのか不思議に思っておりました、という意味では大変に良かったことではないかなというふうに思います。
 さて、まず前提として、このODAを語る場合にはこんなことをいつも私申し上げています。と申しますのも、言語、文化あるいは習慣が異なる、そしてまたガバナンスが日本のように高いとは言えないという、こういう途上国での事業は大変に、国内で似たような公共事業を含めて行う事業よりもはるかに大変であるという、こういうことです。
 ただ、私も納税者の一人ですけれども、税金は無駄に使っては困るということで、これはもう皆さんと考えは同じでございます。
 まず、決算委員会にお呼ばれをしたということから、その点についてお話をしたいと思います。
 つまり、この第一のパートですけれども、効率良く効果的に実施するために一体どういうことをしたらいいのかということでございます。
 実は私、過去に、このレジュメに書いてありますように、本を一冊と、そしてまた「論座」という朝日新聞系の総合雑誌に寄稿した一文がございまして、それはいずれもこの決算委員会の議論とかなり関係がある。つまり予算の配分の比率だとか、そういうようなことでございます。
 考えてみれば、ODAは、先ほど申し上げましたように、ある種海外における公共事業でございますから、国内の公共事業の配分比率の固定化と似たようなところがあるのは当たり前ということかもしれません。
 ある途上国、アジアでございますけれども、以前訪れましたときに、その大使館の経済班のスタッフを見て本当に驚きました。ミニ霞が関と言ってよかったわけですね。もちろん専門家の方々ですから、その方々の知恵をかりるのは当然ですけれども、果たしてその方々が省益を背負って自分の出身官庁の方を向いて仕事をしていないか、ややそうではないというふうに言い切れないようなところがあったわけでございます。
 オールジャパンで、その国の人のために、日本のために利益になるODAが行われなければいけないのは当然でございます。例えば、国土交通省は今でいえば道路や港湾を、厚生労働省は保健医療や職業訓練をと、農水省はかんがいやバイオをと、目に浮かぶようでございます。経済産業省や総務省は情報通信、ITをと。こういうふうに各省が担当する、まあ言ってみれば得意分野というものがあるわけですけれども、それをどうやって途上国のニーズに、そしてまた日本の国益に沿った形でうまく予算を配分するかというのは大変至難の業でございます。
 さて、今申し上げたことをそのレジュメで申し上げますれば、一の、縦割り、総合調整機能が欠落しているんじゃないかと。そして、各省権益、予算配分比率の固定化というものが見られて、優先順位が不明確であった。これが今から四、五年前の私の考察でございました。
 とりわけ、この二番目の方は、案外、皆さん国会議員の方々が御存じない点ではあるんですけれども、技術協力というとJICA経由の技術協力が大半だというふうにお思いかもしれませんけれども、実は各省に配分をされています技術協力というのが、現在でも技術協力費トータルで、これは平成十六年度ですけれども、二千九百九十四億円、これが外務省分で、九百二十三億円が他省庁経由での技術協力でございます。もちろんJICA経由でも他省庁の方々が専門家として途上国に派遣されるというようなことはございますけれども、各省独自でやっている技術協力もあると。しかしながら、御存じのように、そのうちの半分ぐらいは留学生ということで文部科学省という、こういうことになっております。
 実はその二番目の論文では、その各省に配分されたこの各省経由の技術協力というのが情報公開も含めて極めて不透明であると、簡単に言えば。そういうことを私、随分調査研究をして明らかにしたものです。とりわけ、農水省の関連の公益法人等も調べました。大分事情は改善しているというふうに信じたいわけでございます。
 さて、その後の政府の取組でございますが、二点から大分変わっていると信じるに足る証拠はございます。しかし、これは是非決算委員会の方々も含めてフォローしていただきたいと思うんですけれども、一つは、過去七年間で、マイナス、ODA予算は三割減りました。この結果、めり張りを付けざるを得なかったと。例えば、先ほど農水省独自の技術協力予算というものがあると申し上げましたけれども、私が調べた五年前では七十二億円ぐらいございましたが、現在ではその半分ぐらいになっているということからすれば、大分そういう意味ではめり張りは付いているのかなというふうに思います。ただ、情報公開の程度は分かりません。
 また、これこそ重要なんですけれども、新ODA大綱というものがおととしの八月三十一日に作られまして、そこで効率だとかあるいは効果的なODAの実施というものがうたわれたわけです。それを担保するために、皆さんよく御存じのように、ODA総合戦略会議というところで国別の援助計画というものを三十か国を目途に現在作成中だと。この三十が多いのか少ないのかという議論は別にいたしまして、今までそういう計画がなかったのが不思議なんですけれども、これを作って、その途上国から見ても整合性のある援助を行うような、こういう言ってみれば指針ができつつあるわけです。
 ちょうどその間に中期政策というものが今月の二月の六日に閣議決定をされましたけれども、そこで非常に効率性の確保について細かく具体的な措置というものが書かれております。これはお手元にお配りしました中期政策の後半の方に書かれているんですけれども、簡単に言えば、この効率性の確保にどういうことをするかというと、現地タスクフォース、今までは要請主義という名の下に日本に上がってきたものを東京の方が精査するという、こういう形で援助をしてきたわけですけれども、やはり現地のニーズというものが当たり前ですけれども必要だと、確認する必要があると。これは大使館に置かれるわけですけれども、大使館のODA担当者だとかJICAだとかJBICの現地事務所を主要メンバーといたしまして、相手国政府、NGO、有識者と密接な連携を保ちながら開発のニーズの調査であるとか分析だとか援助候補対象案件を形成、選定、さらには、これが重要なんですけれども、実施された案件の評価を行うという、こういうスキームができたわけであります。
 さてそこで、時間も限られておりますが、議論を進めさせていただきますと、私、大変に作文としてはよくできていると思います。私もお手伝いをいたしましたけれども、作文としては非常によくNGOの意見も聞き、いいんですけれども、若干の不安がございます。それは、どうやってこれが実現できるのか。幾つかございます。
 一つは、先ほど私が五年前に調査したところで申し上げましたけれども、引き続きこのODAの現場では縦割りというものがあるようでございます。これは、具体的にこの決算委員会で一年半ほど前に議論されたようでございますが、かんぴょうの技術協力をトンガに対してJICAのシニアボランティアが行おうというふうに考えたところ、これは農林水産省、今日は農林水産省の方ばっかり批判をするようでございますけれども、特定の意図はございませんが、中止になってしまったと。これはいかがなものかなと。そういうようなたぐいの話というのが間々聞こえてくるわけであります。
 外務省は、これも皆さん確認を是非していただきたいんですけれども、今日は別に外務省を背負って来ているとか外務省の応援団として来ているわけではないんですが、中央省庁の再編で外務省の設置法は変わりました。そして、そこで外務省の役割として新たにODAの調整機能というものがきちんとうたわれたと。これ、もっと外務省は発揮しなければいけないというふうに思っております。
 例えば、やや口が滑るかもしれませんけれども、その中期政策でよく見ていただきますと、現地タスクフォースが様々な提言をするということが書かれているわけですけれども、東京は、これは東京というのは霞が関ということですけれども、これを尊重するという文言が幾つも出てまいります。しかし、昨今の政府の文書で尊重するという言い方は余り聞かないと。最大限尊重するという、こういう言い方が普通ではないかなというふうに思うんですけれども、これは最大限というものがないんですね。どうして落っこちてしまったのかということも私はODA総合戦略会議で質問をいたしましたけれども、よく分からないという、こういうことでございます。
 それからもう一つは、タスクフォースの人材を果たして確保できるのかということが非常に問題でございます。MDGsというミレニアム目標というものが日本外交、つまりこれは特にアフリカを念頭に置いてですけれども、非常に重要だというふうに言われていますけれども、五十三か国、アフリカ、北アフリカを含めてございますけれども、大使館、我が国の大使館は二十二しかないと。英国、フランスはそれよりはるかに多いと。フランスはほとんどのアフリカ諸国に大使館を実館として置いているわけです。
 他方、それじゃ、そのアフリカに対してどのくらい日本は件数として援助を行っているかといいますと、〇三年で六十六件、〇二年で九十一件、〇一年で百二十一件。草の根に至っては、草の根・人間安全保障に至っては、〇二年で二百八十二件、〇一年では三百七十九件。これが三百十一名体制で、ローカルは除きますけれども、やれるのかというふうに思います。
 さて、時間も限られておりますけれども、その第一のパートで最後に申し上げたいことは、決算委員会の特に御関心だと思いますけれども、効率よく無駄なくということになりますと、その前提として評価、評価は一体日本のODAで外務省の予算としてどのくらい付いているかと。これはわずか三億七千万円なんですね。これは、ODA予算が全体として減らされる中、この減り方は少ないというふうに言われておりますけれども、三億七千万円。これはJBIC、JICAは除きますけれども、これが果たして多いのか少ないのか大いに議論をしていただきたいと。私は極めて少ないというふうに思います。
 さて、二番目のパートの方はもうほとんど一言で片付けたいと思いますけれども、このMDGsとの関係、そしてまた、参議院の先生方がいらっしゃったこのODA案件の視察は経済インフラがそしてまたJBICの行っている事業を中心だというふうに承っております。
 そこで、私、経済インフラについて一言申し上げたいんですけれども、案外日本の国民は、もうこれ人道的な支援だけでいいんだと、こういうふうな声が強いようですけれども、国際社会のODAの議論では、USAIDも世銀も含めて、いい意味での経済インフラ見直し論ということが主流でございます。
 考えてみれば、MDGsの目標でも、教育だとかそれから人道的な医療のお話だとか出てまいりますけれども、道路の整備というものがなければ、これは農民の市場アクセスもそれから病院への通院もできないというようなこともございますし、このミレニアム目標を達成するという意味でも経済インフラというものは非常に重要だと、これは後ほど是非議論をさせていただきたい点でございます。
 さて、最後に、対中国援助をどう考えるかと。実は、皆さんの報告書を拝見をいたしまして、中国援助に対しては極めて厳しい御意見が並んでいるということも承知しておりますが、その意味では私、マイノリティーかもしれませんが、あえて少数意見を申し上げたいと思います。
 実は、この日中のODAを考える場合に極めて重要なことは、中国を将来どういうふうに見るかと。やはり日本の平和と安全にとってこの中国というものは極めて重要であるということでございます。それから、いろいろな議論があって、もう卒業だ、今すぐ停止だという議論もございます。
 私が時々出ているテレビでもそういう議論がありますけれども、極めて両国においてナショナリズムが高まっていると、こういう中で日本が卒業のスケジュールも含めて明示をするというのは、大変失礼な言い方になるかもしれませんけれども、日本政府がそういうことをやったら、やはりこれは外交上稚拙ではないかなという感じがいたします。混乱の種をかえって招くのではないかなという気がいたします。
 と申しますのも、この二、三日の動きを見てみましても、中国というのは、北朝鮮の核ミサイルあるいは核開発を考える上でも中国の協力というものは日本外交にとっても必要なんですね。ということを強調しておきたいと思います。
 それから、停止論の根拠ですけれども、日本が不況だと、一応小泉内閣の経済政策の成功もあって脱出しつつありますけれども。これは案外国民知りませんけれども、円借款が大半であると。しかも、金利を付けてちゃんと返してもらっていると。
 それから、もう一つは日本への感謝が不足しているという、こういう話でございますが、感謝というのは、これは是非聞いていただきたいんですが、自然発生的なものではないかなというふうに思います。感謝の意を表してもらっても、形式的な感謝であれば余り意味はないんじゃないかと。ましてや、反発を招くということであるならば逆効果ではないかと。プレートを見えるところに置いていただいたというようなこと、考えてみますと、日本は世銀からもたくさん借金をいたしました、アメリカからも援助をたくさん受けました。果たしてプレートはあるのかなと。新幹線造って、新幹線の駅のどこかに世銀に感謝しますというようなプレートがあるのかな。ないと思うんですね。
 それから、中国の経済大国化ということでございますが、貧富の格差、これは国内の所得配分という観点でこれは解決していただきたいという議論がかなり強いわけですけれども、ただ、これ人口十三億人だと。中流階級が三億人で、高所得者層がまだ三千万人という中で、これは定義は不明なんですけれども、突き放していいものかな。ただ、私は今のようなやり方でいいかというと、最後のところで申し上げますけれども、必ずしもそうではない。
 それから、実はこれはよく考えなければいけないんですけれども、貿易投資では日本企業もプラスになっている、それから進出企業は中国のエネルギーをたくさん使っているということも、これお考えいただきたいと。日中貿易はついに日米貿易を上回った。
 それから、中国の軍事大国化、これに関しては、このODAと切り離して日本政府は弱腰だというふうに思っております。日本からのメッセージは不足していますし、例の油田、ガス田に関しても、もっと早い段階で試掘を日本はやるべきだと。そして、ODAを供与するに当たっては懸念をもっともっと強力に中国に伝えると、こういう硬軟取り混ぜた外交というものを展開しなければいけないんじゃないか。
 そこで、最後ですが、日本のODAのあるべき姿というのはもう、これでもう自動的に卒業間近になるわけです。ピーク時の円借款、ピーク時の新規案件についてのことを考えれば、もう半減をしておりますし、私、無償技術協力でもそうですけれども、環境だとか人材育成、貧困対策に特化すべきだというふうに思います。ただ、日本政府がやっている初等教育で学校を建てるというのは、私は必ずしも賛成じゃないんですね。義務教育ぐらいはこれは政府が責任を持ってやるべきだと、こういうふうに考えておりますので、そこの点に関してはややリザベーションがあると。
 長くなりましたけれども、ここら辺で陳述を終えたいと思います。
 以上でございます。
#9
○委員長(鴻池祥肇君) ありがとうございました。
 次に、政府から説明を聴取いたします。佐藤外務省経済協力局長。
#10
○政府参考人(佐藤重和君) それでは、私の方から、ODAに対する政府の取組につきまして御報告、御説明をさせていただきます。
 お手元にレジュメをお配りをしておりますので、ごらんをいただければと存じます。
 まず、ODAの位置付けでございますけれども、一昨年に改定をされましたODA大綱におきまして、その目的として、国際社会の平和と発展に貢献をして、これを通じて我が国の安全と繁栄の確保に資することというふうに明記をされております。
 その趣旨といたしまして、我が国としては、そうしたODAを通じまして、まず第一に、途上国の開発問題に貢献をすると。その中には、例えば先ほど杉下先生からお話がありましたような平和の定着に貢献をするというようなこともあろうかと思います。それから第二に、ODAの供与を通じまして、その供与先であります相手国との二国間関係の促進強化を図っていくということ。それから第三に、また国際社会とのその関係の強化を通じまして、我が国にとって望ましい国際環境を整備をしていく。例えばいろいろな、安保理の問題等であるとかいろいろな我が国の立場に対する支持を得る、そういったような意味でも国際環境を整備をしていく、そういったことのためにもODAというものは有効に活用されるべきものであろうというふうに考えております。
 ODAの政策につきましては、外務省が中心となりまして、関係府省間の連携強化を図り、政策の一貫性というものの確保に努めてきております。また、これも先ほど草野先生からお話があったところでございますが、ODA大綱を具体化をするということで、新しいODAに関する中期政策というものを策定をいたしまして、今月の四日に閣議報告をし、正式に決定をしたところでございます。
 本年は、G8のサミットや国連ミレニアム宣言のレビューに関する国連サミットといったところで開発の問題に非常に大きな焦点が当たるということになっております。町村外務大臣が外交演説で述べておりますとおり、政府としては、貧困削減を始めとする途上国の開発問題に積極的に取り組む考えでありまして、効率的かつ戦略的なODAを実施してまいりたいというふうに考えております。
 次に、参議院のODA調査団について一言申し述べさせていただきます。
 参議院におかれましては、その改革の一環として、平成十五年の参議院の改革協議会報告書で述べられておりますとおり、決算重視の立場から、ODA経費の効率的な運用に資するためということで、昨年の八月にはODAに関する調査団を派遣をされました。この派遣に際しましては外務省としても最大限の協力をさせていただいたところでありますが、調査団におかれましては六か国において精力的に調査に取り組まれたというふうに承知をしております。
 また、その調査を踏まえまして、昨年の十一月に当委員会に提出をされました報告書がございますが、報告書に盛り込まれました提言の内容につきましては、政府としてもこれを重く受け止め、御指摘の諸点については、ODAを一層効果的、効率的に実施をしていくために生かしてまいりたいというふうに考えております。
 次に、中国に対するODAにつきまして一言申し述べさせていただきます。
 この点は、中国につきましては調査団もその調査を実施をされ、調査団の報告書においてもその調査団の御意見というものが示されているところでございます。
 中国につきましては、言うまでもなく、最近、沿海部を中心に非常に著しい経済発展を遂げているということでございまして、それに伴って我が国の対中ODAというものも大幅な減少傾向にあるわけでございます。
 他方で、中国がなお内陸部における深刻な貧困問題、環境問題といったものを抱えておりまして、現在、我が国のODAも、そうした問題とか、あるいは日中両国民間の相互理解促進のための人材育成といった分野を中心に供与をされておりますが、中国の経済発展がこういった形で進む中で、我が国としていつまでも中国に対してこのような形でODAの供与を続けるということにはならないのであろうというふうに考えております。
 また、日本国民の間で、先ほども御議論ございましたが、中国の軍事費の増加の問題に対する懸念であるとか、あるいは中国が第三国に対してかなり大掛かりな援助を行うようになっているというようなこと、そういった点についても留意をする必要があるというふうに考えております。
 これまで日中関係の中で、中国に対するODAというのは一つに日中関係上の大きな柱となってきたということもございますが、今後の対中ODAの在り方、特にその大部分を占めます対中円借款をどのようにしていくかということについては、正にそうした我が国の対中政策全体の中で考えていく必要があると考えておりまして、これをどうしていくかということについて中国側と話し合っていきたいというふうに考えております。
 また、中国も含めまして、報告書の中でも記述がございますが、ODAの相手国において、我が国の貢献について現地の国民の十分な認識と評価ということを得ることは極めて大切なことだというふうに考えておりまして、そのための広報には努めていきたいというふうに考えております。
 次に、決算検査報告についてでございます。
 会計検査院が海外における我が国のODA事業について実施をしております調査については、外務省としてもこれを重視をし、協力をさせていただいております。
 昨年十一月に内閣総理大臣に提出をされました決算検査報告におきましては、援助の効果が十分に発現していない等の御意見をいただいたものがございます。こうした案件につきましては、自然災害や気象状況、あるいは相手国側のいろんな事情によるところがあるわけでございますが、政府としては、そうした事態が生じないよう努力をしなくてはいけないというふうに考えております。そのために、相手国に対し事態の改善を促したり、必要に応じてフォローアップとしての対応策を実施をする等、適切な措置を講じていく所存でございます。
 次に、先ほど草野先生の方からかなり詳しくお話がございました援助実施体制の強化、あるいは効果的、効率的な援助ということについて述べさせていただきます。
 政府としては、国民の理解と支持を得ながらODAを実施していくということが、これは不可欠というふうに認識をしております。そういう観点から、ODAの実施に当たりましては、透明性の確保、効率性の向上、国民参加といった、こういう諸点をキーワードに改革を進めてまいりました。その言わば集大成として、一昨年八月にはODA大綱というものを改定をし、そして先ほど申し上げました、今月はODAの中期政策というものを策定をいたしました。また、その上で、主要なODA対象国につきましては、国別の援助計画というものを策定をしてきております。
 先ほど草野先生の方から関係省庁間の調整とか縦割りの問題という点について御指摘がございましたが、私どもとしては、こうした問題があることは十分認識をしておりますが、今申し上げましたODA大綱、そして中期政策、そしてその下での国別の計画といった、そうした、そういう仕切りの中で政府部内での一体性を確保して調整あるいは優先順位付けというものを行っていこうというふうに考えているわけでございます。
 また、そうしたことのために、対外経済協力関係閣僚会議というものを一番上にいたしまして、その下で関係府省間で、いろいろなレベルで幅広い連携を取るように努めておりますし、また実施機関との間の連関というものも確保するように努めております。また、ODAの相手国とも政策協議の充実を図る、あるいはその在外公館を中心として、援助実施機関等を含めて現地のタスクフォースというものを設置をして、そうした連携の強化に取り組んでいるということでございます。
 また、加えて、ODA大綱においては、援助の効果的実施のために必要な事項として、特に評価の充実あるいは適正な手続の確保ということを掲げております。評価につきましては、その重要性について先ほど草野先生から御指摘があったところでございますが、外務省といたしましても、その実施機関と連携をしてその充実に努めております。
 具体的には、外務省はその政策やプログラムの評価を行う、JICAや国際協力銀行といった実施機関につきましてはそれぞれのそのプロジェクトレベルの評価を行うという形になっております。政策レベルの評価としては、先ほど申しました国別の政策とかあるいは課題別の評価、そういったものの評価に取り組んでおります。
 こうした評価でございますが、基本的には国際機関に共通するような評価の基準というものがございますので、そういったものを踏まえて作成をいたしましたODAの評価ガイドラインというものがございます。そうしたガイドラインに従いまして外部の有識者に依頼をする、あるいは国際機関等と合同で実施をするということで評価を実施をしてきているわけでございます。また、そうした第三者評価以外にも、外務省といたしましては、平成十四年から施行されている評価法に基づいた評価というものにも取り組んでおりまして、外務省自身が政策的観点からの評価を行っております。そうした評価結果から得られた教訓というものをODA政策の策定及び実施過程にフィードバックをしていく、それによってODAの質の向上を図っていくということを行っております。また、そうした評価の結果というものをすべて公表をするということで国民の皆様への説明責任というものを果たしてODAの透明性を高めていくということにいたしております。
 また、評価と併せて監査ということも重要なわけでございますが、監査につきましては、特に外部の専門家による監査というものを導入をいたしまして、その拡充に努めているということでございます。
 そのほか、ODAの実施の透明性を確保するための仕組みとして、ODAの改革の中でいろいろなことをやってきております。例えば、円借款については案件の選定段階において候補案件のリスト、いわゆるロングリストというものを策定をして公表をしていくと、そういうことによって、中長期的な観点からどういうものをやっていくかということについて情報公開に努めていくということをやっております。
 また、いろいろ円借款であるとか技術協力、無償資金協力、そういったそれぞれのスキームにつきまして入札等の手続があるわけでございますが、できるだけこの情報公開という観点から、受注企業名のみならず契約金額等も公表をして透明性を確保するという措置を取ってきております。また、仮に入札やその実施の過程で不正が行われた場合は、不正を行った業者を一定期間そのODAの事業から排除をするという仕組みを設けて、そうした不正の防止に努めております。
 また、無償資金協力事業におきましては、有識者、NGOにより構成される無償資金協力の実施の適正会議というものを開催をして、協力事業に関する適正執行というものを確保しているということでございます。
 それから、ODAに関しましては、顔の見える援助、相手国あるいは国民との関係で十分な認識を持ってもらうような援助ということを推進をするということも重要であるというふうに考えております。そのために、日本国内での広報ということ、それから、相手国におきましても我が国援助に関する相手国国民の認識を深めるということで、在外公館を中心にODA事業の広報に努めております。具体的には、いろいろな援助物資への日章旗のステッカーを張るとかODAシンボルマークを張るとか、あるいは現地メディアに対するいろいろな説明、あるいは署名式等に対する我が方の出席、あるいは現地報道機関に対するPRといったようなことを通じて、できるだけの広報に努めてきているということでございます。
 最後になりますが、昨年は我が国が一九五四年にODAの供与を開始をいたしましてからちょうど五十周年という節目の年に当たったわけでございます。この間、我が国のODAはアジアを中心とする開発途上国の経済発展に大きく貢献をし、先ほど杉下先生からも大変高い評価をいただきましたが、総じて国際的にも高い評価というものを得てきたものというふうに考えております。
 昨今は、いろいろアフリカの開発問題であるとか、あるいはミレニアム開発目標であるとか、国際社会の中でもまた改めて開発問題に対する関心の高まりということがございます。また、先般のスマトラ沖地震、その津波の災害に対する支援ということにも見られますように、いろいろODAの果たす役割というものは非常に大きいということでございますので、我が国としても、ODAを通じまして国際社会のいろいろな諸課題に対応していく必要性というものは非常に大きなものがあると考えております。
 御参考までに、現在、予算委員会において御審議をいただいております平成十七年度予算につきましては、お手元に資料として配付をさせていただいております。
 政府としては、外交政策上、また我が国にとりましてODAが有意義なものとなるよう、こうしたODA予算の一層の効果的、効率的な実施、運用に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解と御協力を賜ればと存じます。
 ありがとうございました。
#11
○委員長(鴻池祥肇君) 以上で政府からの説明聴取は終了しました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#12
○松山政司君 自由民主党の松山政司でございます。
 本日は、昨年八月に第一回の参議院ODA調査団が三班六か国に派遣をされました。私も、鴻池委員長を団長として、第一班の団員として中国、フィリピンに行ってまいりました。もちろん初めて、第一回目の調査団でございますので、いろんな形で肌で感じてきました。
 中国は、特に、北京、天津に最初に行きましたけれども、沿海部は大変著しい経済発展の状況を目の当たりにしたということ、一方では、内陸部の貴州省貴陽市という、一番貧しい省というふうに言われておるそうでありますが、ここは製鉄の町でございまして、黄色い龍とも言われた、青空が見えなかったところが日本の援助で青空を取り戻したという、極端に環境面で貢献をしたという状況を見て本当に感激をしたところでございます。
 一方、フィリピンでは、円借款の事業が必ずしもうまくいっていないという状況も目にしました。これはフィリピンの内部の問題であるということもよく分かりました。
 こういった問題を中心に、限られた時間ですけれども、外務省当局と参考人の先生方に御見解をお伺いしたいというふうに思いますが、まず対中国のODAの継続の意義という観点からお伺いしたいんですけれども、昨年からこの答申も出して、総理を始め外務大臣のコメントもいろんなコメントがございましたが、国民の間にもこの日本の援助が中国国民に知られていないということや、あるいは著しい経済発展の中で国防費が増大をしているということ、あるいは反日教育等々のことを随分批判的に言う方も多いのも事実でありますし、私どもも現地に行って感じてきたのも事実でございます。
 そこで、外務省の先ほどのお話もございました平成十三年に外務省から対中国経済協力計画概要というものも出されて、この中に意義というものがございまして、読みますと、「幅広い重層的な関係を構築し」、「両国間の相互理解及び相互信頼の増進を図ることが極めて重要である。ODAを通じて中国の改革・開放政策を支援していくことも引き続き大きな意義を有している。」というふうにございますが、本当に中国の国民の皆さんにはODAということ自体が知らされていないということを実感したわけでありますけれども、そんな中で、相互信頼の増進、相互理解を本当に図っていけるかという観点では非常に疑問を感じたのも事実でございます。
 ということで、長くなりましたが、外務省の当局と両先生にこの対中国に関するODAの継続に対する意義ということをお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
#13
○政府参考人(佐藤重和君) 中国に対するODAについてでございますが、基本的な考え方につきましては先ほども申し述べさせていただいたとおりでございますが、中国自身、正に沿海部を中心に非常に著しい経済発展を遂げているということでございますので、そういう意味では総体として、特に資金協力の関係でございますが、総体としてそうした協力の必要性というものは従来に比べれば減じているということなんだろうと思います。そうしたことがございますので、我が国のその対中ODAの額というものも非常に大幅な減少傾向にあるということでございまして、この三年間に特に対中円借款については半額以下になっているということでございます。
 他方で、中国につきまして、先ほども視察の御報告ございましたけれども、内陸部における深刻な貧困問題であるとか、あるいは環境問題ということが存在をしているということでございます。
 現在、我が国が行っているそのODAというものは、そうした環境問題であるとか、あるいは相互理解促進のための人材育成といった分野に集中をしているということでございまして、基本的な考え方としては、環境問題等、典型的な例でございますが、我が国にとってもメリットのある互恵性の高い分野というものを中心に行ってきているということでございます。まあ中国、それから報告書の中でも特に環境問題等に対する技術協力といったようなものの、という要請について指摘をいただいておりますが、そうした分野でいろいろその技術協力等を進めていく、あるいは人的な交流を進めていく必要性というものは依然として高いものがあるんであろうというふうに認識をしております。
 他方で、さっきの繰り返しになりますが、全体として中国の経済発展が進む中で、我が国としていつまでもこれまでのような形でODAを続けるということではないんだろうと思いますし、こうした、そういう中国の経済発展の状況に応じてどういうふうにODAの在り方を考えていくのか、あるいは特に対中円借款の在り方をどうするかということについては、全体としての中国との関係をどう進めていくかという一つの重要な分野として考えていかなくてはいけない、また中国側とも話し合っていかなければいけないというふうに考えているという次第でございます。
#14
○参考人(杉下恒夫君) 先日聞いたんですけれども、外務省に対して対中援助に対する抗議の電話というのが今年に入って極端に減っちゃったと。去年の暮れはすごい電話が来ていたのがほとんど掛かってこなくなった、ほとんどということはないんで、非常に減ったということを聞きました。
 これはどういうことかと申し上げますと、恐らく日本の国民の世論として、また国民の認識としても、対中援助はもう終わるんだという方向性というものがもう流れとして国民の中でも理解されているんじゃないかというふうに私は認識しておりますし、私自身も、対中援助というのは時間を掛けてソフトにランディングしていかなきゃならないのですが、これはやはり中国という国の国力、経済力を考えて、近い将来必ずこれはもう終わる方向になって、これは世論、また国の政策としても私はもう方向性は決まっているんじゃないかと、もう決めるべきだと私は考えておりますし、そういうことで国民も認識してきたんじゃないかと、そして納得してきたんじゃないかなというふうに私も思っていますし、私自身は対中援助というのは近い将来なくなるべきものだと思っています。
 そして、その今のいろんな批判に対して、私はやはり、中国がああいう国家ですから、国民に対して日本の援助を受けているということを広報しない、だから国民は知らない、だから感謝しない、これは仕方ない、ああいう国家、国民の不幸でもあると思うんですが。日本も、さっき草野先生もおっしゃっていたけれども、世界銀行からお金を借りて九〇年に返し終わったわけですが、その間我々はだれも世銀から借りた借りたなんて知っていたわけじゃないし、有償資金協力というのはいずれ返す、低金利でも付けて返すという認識からすれば、もちろん無償も技協もやっていますけれども、国民、中国人がありがとうありがとうと言わないことにそうむきになる必要もないし、中国人もさっき申し上げたように知らされていないというか、部分もあったと思います。
 もう一つ悪いのは、やっぱり今先生のお話にもありましたが、対中援助の意義として外務省が公式に出しているその見解というか、理由でございますね。ああいったものがやっぱり建前論に過ぎるから国民も納得できないんだと思う。やはり日中間、やっぱりアジアの二大国である、東アジアの二大国、アジアの二大国である日本と中国がやはり話合いの場を持つチャネルとして、そのODAというものが経済協議の場、経済協力の協議の場というのは非常に大きな場だったわけです。ですから、そういったふうに政治的なツールとして、そして日本が中国に対して物を言う場所、厳しいことを言う場所、そういう意味で私は対中援助というのは非常に意義があったと思う。よく私そういう対中援助に批判の方たちに言うことは、もし日本がこれだけ巨額の対中援助を過去にしないできたら、今の東アジア情勢はもうちょっとぎくしゃくした、もっともっとぎくしゃくしたものになる、日中関係というものも大変ぎくしゃくしたものになっているんじゃないのか。
 ですから、ODAというのは、政治的、さっきから申し上げていますが、政治行為ですから、特に対中ODAは極めて政治的なODAだという意味で、やはりそういった面を、政府も国民にきれい事を言わないで、こういうことに使っているんだという説明をすべきではなかったかと。そうすれば国民も、ああ、対中援助というのはこういった政治的なツールとして使われているものだと。そういう考えを私は国民に広報し誤ったのが批判を高めた理由ではないかと考えております。
#15
○参考人(草野厚君) 今、松山さんのお話を聞いていてちょっと懐かしく思ったんですけれども、貴陽を私も訪ねまして、そのときこんなエピソードがございました。ちょうど通訳をしてくれた中国人なんですけれども、彼は日本の大使館にも、日本の在京、東京の中国大使館にも勤務をされていたんですけれども、自分が貴陽を出発して東京に赴任する前は、毎日ワイシャツを替えないともう真っ黒で大変だったと。ところが、自分が日本での勤務を終えて戻ったら、これもちょっと大げさだなと思って、二週間替えなくても全然汚れてない、そのぐらい日本の環境協力というのは感謝しているんだというようなことを言いました。
 まあ話半分としても、決して、十三億人の人口というのは日本の十倍でございますから、その方々にすべて理解をしていただくというのもなかなか難しいかなと。ただ、人民日報等々でも、この間、ある中国人を介して聞きましたけれども、六〇%を超える中国の人が、日本のODAというのが行われていて中国の建設に役に立っているという、こういうアンケート調査もございましたようです。
 それと、今、杉下さんがおっしゃいましたように、私、この日本のODAなかりせば、中国は政治的にも経済的にも不安定な状況ではなかったかなと。それというのは、日本にとっても、またアジア地域というものを考えた場合に、極めて不幸、そして危険ではなかったかなと。
 WTOに加盟をしたという、こういうことは日本企業にとっても、繰り返しになりますけれども、大変に良かったと。しかも、中国は、ここまで経済発展を部分的にいたしましたから、実は世界の工場という位置付けから日本企業、欧米企業のマーケットとして現在存在をしつつあるわけですね。
 そしてまた、日本の企業というのは、エネルギーをたくさん使っているということから考えますと、私もこれは杉下さんと同じなんですけれども、環境に特化をして円借款を続けていくという、こういう選択肢というのは非常に重要ではないかと。環境といいますと、これは中国にとってももちろんそうですけれども、日本にとっても、酸性雨あるいは黄砂も含めて、そして実は地域にとってもこの環境、さらには地球規模という点でもこの環境というのは重要だと。もう経済インフラは、これはもうやめにしていいだろうと、中国に関してはですね、思います。
 それからもう一つは、これは中長期的に見まして非常に重要なのは、日米関係でも、フルブライトが非常に日米の理解を促進しましたように、あれは民間レベルですけれども、人的な協力というのは非常に重要ですね。そういう意味では、この人材育成というところに焦点を絞って、無償資金協力、技術協力、円借款を行う、こういう方法がいいのではないかなというふうに思っております。
 以上です。
#16
○松山政司君 ありがとうございました。
 それでは、外務省に一点御質問したいんですけれども、昨年の十二月の新聞に出ておりましたけれども、先ほど先生方からもお話ございましたが、対外援助を中国は九八年から二〇〇三年までの六年間にアフリカ諸国あるいは中米ですね、支出した金額が二百七十一億元、日本円で四千二百五十億円という記事が出ておりました。
 新聞の中身ですので、中国版ODAの本格調査に乗り出す方針だというコメントでございましたけれども、これについて外務省の現状をお教えいただきたいと思いますが。
#17
○政府参考人(佐藤重和君) 中国の第三国に対する援助でございますが、これは全体として依然として不透明なところも多いわけでございますが、私どももいろいろな協議の際に、どういうことをやっているのかということは、これはできるだけ透明性を高めるべきだ、説明をすべきだということを話をしてきているわけでございます。
 中国側も、少しずつというか、断片的ながらいろいろな統計ということを発表し、私どもにも説明をするようになっております。それによりますと、これは二〇〇三年の予算ということでございますが、中国政府は対外援助予算として約五十二億元、日本円で約六百八十億円という予算を計上をしているということでございまして、また、中国政府が発表している報告書によりますと、二〇〇三年に三十五か国に対して四十五件の対外経済援助プロジェクトの実施を約束し、五十七か国に対して八十九回の一般物資援助を実施をした、それから百か国以上から研修生を受け入れている、そうした援助を行っているということを明らかにしておりますし、また私どもにも説明をしているという状況でございます。
#18
○松山政司君 ありがとうございます。
 そういったことを踏まえて、時間の都合で最後の御見解をお伺いしたいと思うんですけれども、先ほど先生方のお話の中からもいただきましたけれども、改めてもう一度、今後の対中国ODAに対する見直しと、杉下先生からありました軟着陸に向けた取組といいますか、極めてやっぱり中国との関係は大事でありますので、そういった意味ではこれからどういった取組をしていって軟着陸させるべきなのかということでありますけれども、貴陽市の近辺の最貧の村にも行ってまいりましたけれども、年収が七千円とか七千五百円とかいう、そういった農家にも行ってきたんですけれども、かなり貧富の差も厳しい状況もあるのも分かりますし、そういったところこそやっぱり援助の手を差し伸べていくということも重要だというふうに思うわけですが、そういったことも踏まえて、今後の中国のODAの見直しという方向で進んでいますけれども、この軟着陸に向けた取組という観点から両先生にお話をお聞きしたいと思います。
#19
○委員長(鴻池祥肇君) じゃ、先に草野参考人からお願いします。
#20
○参考人(草野厚君) 先ほどの中国による援助の話からちょっとコメントをさせていただきたいんですけれども、実は、これは援助の世界ではありませんけれども、PKOの世界ですけれども、中国というのは非常に、日本の知らないうちにというか、しっかりやっているんですね。一九九二年に初めてカンボジアに日本は自衛隊を参加をさせました、PKOに。ところが、同じころに、ちょうど同じときに中国もPKOに参加をいたしましたけれども、それ以来、いわゆるPKO本体の、その司令部というところを含めて、日本よりはるかに大規模に本体業務も含めてやっているんですね。そういう流れとこの中国のODA、つまり国際協力に中国が積極的に乗り出しているということは、これは外交の巧みさとして、これはきちんととらえる必要があるのかなというふうに思います。
 さて、それで、軟着陸なんですけれども、私、松山さんがお触れになりました愛国教育の話だとかなんとかを、特に江沢民の愛国教育、そしてその結果としていろんなところに対日批判の、私びっくりいたしましたけれども、日軍暴行館なんという、そういう、何というんでしょうか、小学生、中学生が見るようなそういうパビリオンなんかも見ましたけれども、そういうものに関しては、先ほど杉下さんも言われましたけれども、ODAの協議の場でも不快感をどんどん表明するという、こういうことでいいと思うんです。
 他方、日本は若干引いて大人の態度で、ストップをするということじゃなくて、先ほど言いましたような環境、人材育成に絞って、そして最後に私は、こういうような戦略的なやり方も必要じゃないかと。私、小学校の建設というのはいかがなものかというふうに言いましたけれども、実は、御存じかもしれませんけれども、出稼ぎ労働者が上海だとか北京周辺、深センだとか、たくさん入ってきていますね。その子弟、その民工の子弟で学校に上海市で行けない人数というのは、学童は二十万人ぐらいいると。これは間接的には日本の企業にも働いていただいている、中国の、そういうその子弟が教育を受ける機会がないというのであればそういうところに、例えば中学の先生が足りないと、その中学の先生を育成するために特化してこの援助を出すとか、もう少し戦略的にやった方がいいんじゃないかなというふうに感じております。
 以上でございます。
#21
○参考人(杉下恒夫君) 私は、ソフトランディングということともう一つ、たしか私の記憶では去年のARFの場で小泉総理が対中援助の打切り又は減少を伝えたとき、日本の外務省がそのときの記者発表でその部分を言わなかったというのが後から問題になって公表された部分でございますが、温家宝首相が怒ったという話でございますね、これは非常に私は日本のODAにとっては有り難いことだと思うんです。
 つまり、タイなどのタクシン首相が、我々が援助しないと言ったらもう要らないよというような顔をされるのは非常にこれまた残念なところでございまして、温家宝さん怒ったということは、日本の援助が中国にとってまだ重要な部分が非常にあるんだという、どの部分かをちゃんと精査して、日本のODAを切られること、もちろん資金量だと思うんですが、そういった分野でまだ中国は資金が非常に欲しいんだと、そういった分野をもっと精査して、その部分をまず残していく。
 今申し上げたソフトランディングの手法としては、やはり一つ一つ道をふさいでいく。要するに、総花的にやっていた援助を必要な部分、よく言われた内陸部とか環境問題、そういった部分に残していきつつ、さらに中国がどの部分を有り難がっているのか、この部分が非常に中国にとっては有り難いんだと、そういった部分を精査しながら残しつつ、我々のツールとして、切れ味のいいツールとして残しつつ詰めていく。そして、最終的に日本が援助をやめたよと言っても温家宝さんが怒らなくなったらやめればいいわけです。
 ですから、そういった切れ味のあるものは残しつつ、そして要らないものを徐々に外していく。これは三年、五年掛かりでやることだと思います。急にやめるのは、過去に三兆以上もつぎ込んだお金が全くどぶに捨てることになってしまうので、これは絶対やっちゃいけない。我々、我々の血税三兆円以上がつぎ込まれているものに対して、中国人からそれが恨みになって残るようなやめ方をしたら元も子もないわけです。
 ですから、この三兆円を生かしつつやめるというのは、一つずつふさいでいくことだと、そして重要なものだけ、欲しがるものを残して、要らなくなったものを減らしていく、このやり方だと私は思っております。
#22
○松山政司君 ありがとうございました。
 終わります。
#23
○愛知治郎君 自民党の愛知治郎です。
 松山委員に関連をして質問をさせていただきたいと存じます。
 いろいろあるんですが、時間も限られておりますので、一点、中心的に広報の問題についてお伺いをしたいというふうに思います。
 杉下参考人のレジュメにも、まあこれはちょっと違う意味だと思うんですが、政治的成果が少ないんじゃないかという、政治的成果が少ないという書き方をされております。戦略性の欠如という、いろんな多角的な意味でおっしゃっているんでしょうけれども、結果、それがどれだけ評価されているかという面に関しては広報ということについても関連性があるので、その点をお伺いしたいんですが、あと、草野参考人のレジュメの二ページ目にも日本への感謝不足という話があるんですけれども、これも広報に関連しているというふうに思います。また、局長からも広報の重要性ということをおっしゃっていただきました。
 この点について総合的にお伺いをしたいんですが、その前に、私自身も、ちょうど昨年の決算委員会でも質問の機会を、五月の十九日なんですが、質問の機会をいただきまして、それに関して、ベトナムに行ってきたんですが、あそこの現状についての質問をさせていただきました。
 実は、そこで発電所があったんですけれども、非常にいい成果があって、私自身も見に行ったときに、ああ日本のODA、すばらしいことをしているなという認識を持ったんですが、その写真を撮り忘れてきまして、現地で知り合ったその現地のスタッフの方に一言お願いしたら、すぐ写真を撮ってくれて、メールで送ってくれたんですね。非常にこれは、文章だけじゃなくて、現地のもの、その映像で送られてきたため有り難く思って、また非常によく分かりやすかった写真だったんで、非常に重要だろうというふうに思ったんですが。
 そのときに、外務省に対しても、しっかりとしたそういうような体制をつくるべきじゃないか、文章とかそれから数字だけではなくて、いろんなツールがあるから、そういった映像なんかも、しっかりと日本がやってきたことを広報するためにも、そういったツールを使うべきじゃないかという話をしたんですが、現状、どのようになっていますか。
#24
○政府参考人(佐藤重和君) 正に、先ほども、ODAの広報ということが私どもも非常に重要視をしているということを申し上げたところでございます。
 また、そのためにいろいろな措置ということを取ってきております。いろいろテレビあるいは新聞等の各種メディアを通じた広報であるとか、あるいは外務省のODAのホームページといったものを通じた情報提供、あるいは広報パンフレットであるとか、先ほど申し上げましたが、いろいろな各種行事の際のメディアに対するブリーフとか、いろいろな手段というものを取って、できるだけ総合的にODAの広報というものを深めていこうという努力をしているわけでございます。
 今、愛知先生からお話があったような正にそのメールなり、あるいは今の、それこそウェブサイトであるとかメールであるとか、写真をできるだけきちっと整理をして、それを即時に提供できるようにすると。こういったものは、おっしゃるとおり、広報にとって非常に重要なポイントだろうと思います。
 私どもの先ほど申し上げた一環の中でも、例えばウェブサイトの中でいろいろなその資料等は確かにすぐ引き出せるようになっているということでございますが、今おっしゃったような例えばプロジェクトの写真等について、すべてぱっと、すべてこの御要望に応じて引き出せるようになっているかというと、そこまで現状は行っていないかもしれません。
 他方で、正にそういった体制というものをできるだけ整えていくというのは必要であろうと思いますし、そうしたいろいろなニーズにこたえられるように、体制なりあるいはそのハードウエアにもかかわることでございますが、そういったものを整えていく必要があるというふうに考えております。
#25
○愛知治郎君 これはなぜ参議院で決算やっているかというところにも通ずるんですが、実を言いますと、去年の段階で五月十九日に私、指摘して、お願いしますという話をしているんですね。しているんです。今年もおかげさまでこの機会をいただいて、まあ端的に言えば私自身も、参議院、任期が長い、まだ私自身も二年以上残されていますので、来年も再来年も機会があればこの点を指摘したいというふうに思います。
 長期的な課題をしっかりと検証するためにも、だから参議院というのはその点で決算に向いているというところもあると思うんですが、この点は絶対忘れては困る。そのときにでも前向きな発言はいただいたんですが、現状まだ整えられていないということですので、完璧ではないということですので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 ツールに関して、ハード面に関して言えば、デジカメ一個あれば十分。コンピューターのない例えば公館はないですよね。デジカメ一個あれば十分、すべての作業ができると思いますので、すぐやってください。お願いします。
 それで、気になったんですが、杉下参考人、一言、先ほどおっしゃっていた中で、中国の件なんですが、私自身はタイとインドネシアに岩井団長の下で現地調査に行かせていただいたんですが、中国の話、松山委員もちょっと触れられていたし、参考人もおっしゃっていたんで、気になる言葉がございました。中国の方々、現地の人たちが知らなくてもしようがないし、大したことではないんじゃないかというふうに私は聞こえましたが、私は非常に大きな問題だと思います。
 日本人が分からなかったという、今まで援助を受けていたことを日本人が知らなかったと。日本人が知らなかった、別にいいじゃないかということもおっしゃられたと思うんですが、実際に外国からしても、日本に対して、私も関係者にお会いしたときに、あれだけODAしたのに全然感謝されないじゃないかということを非常に不満におっしゃられた方々いたんですね。外国が日本に対してやった、日本が外国に対してのその関係と同じことをする必要はない。やはり感謝された方がいいし、それから、政府間だけではなくて、一般の国民の方々が分かっているというのは本当に長く長く残るんですね。非常に長期的な二国間の関係を構築する上で重要な要素になってくる。
 もちろん十三億人の国民全員に広報することは無理だと思いますけれども、一部の例えばそこにプレートを置いて、そこの建物だけは日本が造ったんだよぐらいは十分広報できると思うんですね。全部に一気にやろうと思っても無理だと思うんですが、その点、誤解なのか、本当に大したことじゃないと考えているのか、参考人にお伺いをしたいというふうに思います。
#26
○参考人(杉下恒夫君) お答えします。
 私も、愛知先生と同じで、もちろん我々の血税を使って行われている事業が相手国民に伝わって感謝してもらいたいという気持ちは私も大変たくさん持っております。
 ただし、現在の中国、言うまでもないことですが、メディアというものがまともなメディアのない、インターネットによってアンダーグラウンドの情報しか流れないような国家において、しかも、政府として日本の援助というものを受けることを余りよしとしない政府が存在する中で、やはりそういったものが自由なメディアがあればもちろん報道をするでしょうけれども、そういうことができない国家において、実際何もされていないわけですね。
 私なんかの留学生の生徒なんかでも、私の講座を受けて、日本にこんなに援助してもらっているのかとみんな一様に驚き、また感謝してくれます、彼らは。そして、ただ、彼らは全く中国にいるときは知らなかったと。ですから、これは、私は先生と全く同じで、知ってもらいたい、知らせるべきだと思います。
 残念ながら、中国の体制というものがそういうのができない国家だということで、それが残念なんです。
 ですけれども、それでも仕方がないじゃないかと申し上げたのは、現状において、そういう国家において、だからといって、その援助を止める理由としてそれを使うのは仕方がないという意味もございます。要するに、感謝しないからやめちゃえという言葉に結び付くことを私は恐れてもおります。
 ですから、あの国の体制が徐々にだんだん民主化して、そういったメディアもまともなメディアができる国家になってもらって、そして我々の援助は過去にこんなに行われたということを知ってもらえれば非常に有り難い。現状においては、そのふさぐ材料に使われることに対して私はよろしくないという意味の方が強うございます。
 それから、ちょっとついでに、委員長、もう一つお答えしていいですか。
#27
○委員長(鴻池祥肇君) どうぞ。
#28
○参考人(杉下恒夫君) 最初のちょっと先生の質問がございました、どういうふうに、日本の政策効果が少ない、政治的効果が少ないと最初にちょっと御質問を受けたので、これについてもお答えをさせていただきますが、要するに、つまり援助した国に対して日本の政策を理解してもらう努力が足らないか、又は、日本の援助を受けた国の人たちに日本の政策を理解するシステムづくりができていなかった、過去の日本の援助というものは。
 それが結局どういうことかというと、それは、簡単な言葉になってしまうんですが、人づくりとか政策支援とかそういった部分が弱かった。人づくりは、確かに技術移転はしておりました。だけれども、そういう将来の国づくりの中心となるような人づくり、そういった分野に少し欠けていたのではないか。特に、政策支援の部分で欠けていたということ。
 ですから、政策というのは一回つくってしまえばその国のレールに乗っかってそのまま動くものでございますね。ですから、そういった分野が欠けていたので、日本がつくったものはその場その場で終わってしまう。やっぱり日本のマニュアルどおりのものを、政策を支援をしておけば、永久というか、その国が残っている限りそのシステムというのは残り続けるわけです。こういう分野が非常に足らなかったというふうに私は思って、政治的効果が少なかったというようなことを申し上げたつもりでございます。
#29
○参考人(草野厚君) ちょっとよろしゅうございますか。よろしゅうございますか。
#30
○委員長(鴻池祥肇君) はい。草野参考人、発言ください。
#31
○参考人(草野厚君) 二点申し上げます。
 愛知さんのお気持ちも非常によく分かるんですけれども、ただ他方、こういうことも考慮する必要があるかなと。これは日本人のあずかり知らないことかもしれませんけれども、中国側としては、賠償、その請求権は放棄したけれども、どこかにこれだけの巨額の援助というのは賠償の見返りだというようなところがあると思うんですね。そういう人たちに対しては、感謝しろ感謝しろと言っても逆効果だと思うんですね。
 私が思うには、先ほど言いましたように、もう既に人民日報でも六割ぐらいの人が日本のODAを理解し感謝しているという世論調査も出ているようですから、これからは、先ほどちょっと言いました日中のODAのあるべき姿と関係がありますけれども、人材育成ということで、こういう日本と中国の間を取り持つそのコアのサポーターに日本のODAというのは一体どういう意味があったのかというのをきちんと理解していただくという、こういう広報宣伝に努めた方がいいんじゃないかと、こんな気がいたします。
 それからもう一つ、日本の国内の広報の在り方ですけれども、愛知さんのようにお若い方、あるいは愛知さんよりもっと若い方、どんどんメディアの言ってみれば中身が変わってきていますよね。今の十代は、最初に接触するメディアというのは携帯電話です。それから、今年の十二月には携帯電話経由でテレビも見られるようになります。それから、二十代というのは携帯電話とPCだと言われている。三十代でPC、四十代で初めてテレビだというんですね。
 ですから、そういうことから考えますと、今までの日本の外務省の国内広報の在り方も、メディアの変化に伴っていろいろ工夫する余地があるんじゃないかなと、こんな気がしております。
#32
○愛知治郎君 ありがとうございました。
 感謝しないからいきなりやめろという短絡的な論理は私は取っていないし、そういうつもりは全然ないんですよ。ただ、できることはすればいいし、例えば中国に関しても、感謝しろではなくて、もう例えば見返りというふうに思われているかもしれない、でも、やったことすら分からなければ、何もしていないじゃないかとまた言われるだけですよね。だから、広報はやれればやった方がいい。ただ、大々的にメディアで取り上げてというのは難しいかもしれない。
 ただ、私は違う件で、中国じゃないんですが、インドネシアでガジャマダ大学というところに行ってきたんですが、そこで現地の関係者の方は、いや、みんな感謝しているから、みんな分かっているよと言うんですが、プレート一つないんですね。この学校が日本のODAによって造られたというのが目立つ、学生さんとかに目に付くところに置いていないんですね。僕は見なかったんですよ。確認できなかったということで、あると言うんだったら、是非、後ででもいいですけれども、その写真をメールで送っていただければ分かるんですが。
 一つプレートを付けるだけで十分。そこの関係者、学校、例えばガジャマダ大学というところは非常に優秀な学生さんたちが来ているということなんですよ。いずれその国のトップになってインドネシアの中枢を担っていくんじゃないかという人たちが来られているという話を聞いたんですね。そういう人たちが見るだけでも随分違う、それだけでも違う。
 今、オール・オア・ナッシングで、それがないから全部やめろというんじゃなくて、できることはしたらいい、もうそれを徹底してくださいという話なんですよ。そこはしっかりと御理解をいただきたいというふうに思います。
 ところで、そのプレート一つなんですが、タイに行ったときに、タイの地下鉄で地下鉄の構内、駅各構内にすべてプレートが張ってあったんですね、これは日本のODAで地下鉄造りましたよということを。まあ問題ないと思うんで、本人がいたんですけれども、関係者で地下鉄の総裁をやっている方がいた。プラパットさんという方なんですが、実を言うと、彼に聞いたら、彼の善意で、いや、日本にやってもらったんだからやろうと、すごく熱っぽく語ってくれて、日本のやってくれたことを忘れないように私が指示をして全駅に全部そのプレートをやったんだと。それを見に行きました。ちゃんとありました、人が通るところに。すばらしいなと思ったんですが。
 ちなみに、これぐらいのことはやってもらっても構わないんじゃないかと私は思うんですよ、それは。これをODAに関してある程度相手の国に、現地に対してお願いするというか、強制的にというか、必ずやってください、これぐらいプレートを付けてくださいと言うことはできるんですか。それとも、完全に任意に任せて我々は何も言えないんですか。
#33
○政府参考人(佐藤重和君) 済みません、冒頭のまずガジャマダ大学の件について一言お話をさせていただきます。
 正にガジャマダ大学というのは、愛知先生お話がございましたとおり、正に優秀な学生が集まるところということでございまして、この大学に対する協力を行うことにしたのは、正にそういう人が集まるところだから、ここに協力をして日本のこういう支援というものを知ってもらおうということであったわけで、それが十分に知られていない部分があるとすれば、それは本当に援助の効果を十全に果たしていない部分があるということだろうと思いますので、私どももそこはきちっと考え直す必要はあると思いますが、ガジャマダ大学そのものについては、このプロジェクトの完成式典から始まって、大変な大式典をやったり、あるいはそれがテレビで報道をされたり、あるいはインドネシアでの全国紙に報道をされたりということでございますので、相当、何というか、そのプロジェクトの認知度というのは高いものだというふうに我々は思っております。
 他方で、今おっしゃったような気付かない人がおられたということは、そこは事実だろうと思います、そこは残念でございますが。
 それから、プレートの件については、これも恐らく、愛知先生が気付かれなかったということは場所等に問題があるのかもしれませんが、私の手元の資料では、校舎の中に我が国ODAであるということを示すプレートはあることはあるということでございますので、先ほどの御指示に従って、写真を送付をさせていただきたいとは思います。もしかしたら目立たないところかもしれませんけれども。
 それから、タイのバンコクの地下鉄の件でございますが、正にお話ございましたように、すべての駅についてプレートが設けられているということでございまして、そういう意味では、地下鉄を利用するタイの国民に、これが日本のODA案件であるということが非常に明らかになっている例ということが言えるんであろうと思います。
 それで、今、愛知先生からお話があったように、これを、じゃ、こういったものをどれぐらいその相手国側に義務付けるのか、あるいは求めるのかということでございますが、基本的に私どもが今やっておりますことは、相手国といろいろな話をするときに、当然、これは日本のODAでやっているんだということをきちっと広報をしてください、あるいはプレートを設置するようにということ、これはもうかなりくどく、くどいほど言っております。それに応じてその相手国がプレートを設置をしたり、あるいはいろいろなシールを張ったりということが現に行われているわけでございます。それをどの程度まで本当に、いやこれはもう、何といいますか、その条件とするとか、これをやらないとそのプロジェクトそのものをやらないというところまで、そこまで強くということがどうかと、場合によっては、余りそこは過ぎるとその相手国に対する心理的な反発を招くというようなこともありますし、それはまた国のそのカルチャーによっても非常に違う部分もあるということでございますが、今申し上げたように、それはもうできるだけ私どもとしてはそうしたことをきちっとやるようにというのは、これはもう繰り返し繰り返し、これはもう遠慮せずに常に相手に求めてきているということでございます。
#34
○愛知治郎君 時間がなくなりましたので、もっとお伺いしたかったんですが、最後に一言。
 我々政治家も、どんなにいいことをやっても、どんなに頑張っても、有権者の国民の方々に分からなければ、次絶対アウトなんですよ。そうなんですよ。これは本当に、伝えるところまで、ちゃんと分かってもらうところまでやらないと、今の話だってそうですけれども、ODA自体本当にいいことをやっているし、実績も上がっていると。でも、それが分からなければやはり否定をされてしまうというのも事実なんで、その広報、地道なことかもしれないですけれども、徹底させるというのは必要なんで、これは、私自身問題なければ来年も再来年もいると思いますので、必ず検証していきたいというふうに思います。
 ありがとうございました。
#35
○山本孝史君 民主党の山本孝史でございます。
 今回の参議院ODA調査の対インドネシア班に参加をさしていただきました。今回、発言の機会を与えていただきました決算委員の皆さん方に心から感謝を申し上げます。また、現地で大使館、佐藤さんもおられましたけれども、ありがとうございました。JBICの皆さん、JICAの皆さん、あるいは両政府、現地関係者の皆さん、大変に御協力をいただきまして、心からまず感謝を申し上げたいと思います。
 この調査を国会がするということについては私も賛成でございます。ただ、一回目でございますので、ですけれども、実施方法には改善の余地が多分にあると思っております。
 今回視察をしました技術協力案件、タイの農業かんがい事業に行きますと農林水産省からの出向職員、インドネシアのメラピ火山防災事業には国土省からの職員が出向されておられまして、それを視察している側の国会議員もこれまた両省のOBでございますので、当然のごとくに、視察された結果は成功というのが出てくるのは当たり前の話でございます。
 問題とされている事案を見ることが重要だと、こう申し上げたんですが、例えばインドネシア・コタパンジャン・ダム事業がございまして、訴訟が起きておりますし、国会でも度々取り上げられている問題でございますけれども、多くの人数の国会議員が遠いところまで動くということについて、交通手段の確保ですとかあるいは安全性の問題で、なかなかこれは実現が困難であるということで採択をされませんでした。この報告書の中に私があえて、現地で触れてくれということで関係者から御発言があった内容が書かれてございますけれども、当然十分でないことは承知をしております。
 杉下参考人に読むに足る報告書と言っていただきましたり、あるいは草野参考人からは国会が関与したことは非常によろしいと、こうおっしゃっていただいているんですが、私は正直、外務省の民間モニターの報告書の方が面白いところが一杯あるというふうに思っております。
 そういう意味で、この参議院の視察自体も決算委員会のこの評価対象事案だと思いますので、そういう意味では、視察先の選定ですとかあるいは一案件当たりの視察時間、やっぱり二か国を回る、あるいは一か所で駆け足で回るというのでは一週間いても二週間いても分からないと、こういう声もありますが、なかなかにそこは視察としては難しいのではないだろうか。という意味で、今年また行われると思いますけれども、是非そういった点を踏まえて次回の実施を検討していただきたいと、こんなふうに思っております。
 感謝プレートの話はこの報告書の中にも至るところに出てまいります。行きました報告、視察団のメンバーが口々にそれを申し上げました、今も愛知さんおっしゃったとおりでございますが。
 先般、タイから上院議員の皆さんが来られましてお話ししておりましたら、タイの地下鉄が止まっておりますというか、止まりました。人身事故があって止まって、その後もまた事故があって、今料金を下げているけれどなかなか利用者が上がらないんだと、こういうことでタイのバンコクの皆さんには大変に不評でございます。その地下鉄の入口に日本とタイの両国の旗が付いてございます。日本の技術とはこの程度かいなと、こんなふうに思われるのではないかと、逆効果にもなっているのではないかと、私はちょっと皮肉ってみたくなりました。済みません、大阪人の癖でございます、お許しください。
 それで、いずれにしましても評価システムというのが大変に重要だと思っております。今回、行く前に各機関、NGO、様々な皆さん方のこのタイ、インドネシアでの日本のODAに関する評価の記述を読みましたら、極めてばらばらでございます。成功しているというところもあれば、失敗しているというふうに指摘をされる部分もある。一番よくやっておられるのがやっぱり会計検査院の検査ではないかと思いますが、いずれにしましても、定性的な評価であって、定量的な評価にはなっていないんですね。そういう意味では、評価の仕組みをしっかり考えなければいけないと思っております。
 で、質問するつもりでなかったんですが、中国の話が一杯出ましたんで、私も思っておりますが、長年やってきた努力が一瞬にして水泡に帰すということは何としても避けなければいけない。タイも間もなくODAの卒業国になりますけれども、タイで一番心配しておりましたのは、金の切れ目が縁の切れ目になってしまうということが非常に心配だと、こういう声もございました。そこをどうやってやっぱり、ODAをやっているから日本も口を挟めるというようなところもありまして、ここ、全部やめてしまうというわけにはなかなかいかないのではないかと思っています。
 そこで、佐藤経済協力局長、お尋ねでございますが、対中援助でございますけれども、新聞報道では二月中にも一定の方針を定めて中国と協議に入るということが書いてございますけれども、どういった物差しですね、援助をやめる、あるいは減額をしていくときにどういう物差しを作って、中国のみならず、タイですとか、ほかの国にも考えを広めていこうとしておられるのか、お考えがあったらお聞かせください。
#36
○政府参考人(佐藤重和君) 中国に対するODAにつきましては、先ほども申し上げたことの繰り返しになりますが、現在の中国の経済の状況等から判断をしますと、これは、今までのような形、そのままでいつまでもODAを続けていくということにはならない。特に、中国援助の大部分を占めているその大規模な資金協力、円借款、こういったものについてはこのままずっと続けるということにはならないんだろうということで、そういう点については中国側にもこれまでも話をし始めております。
   〔委員長退席、理事田浦直君着席〕
 具体的に、今どういう段取りで、あるいはどういうスケールでというお尋ねございましたけれども、基本的には今申し上げたような、それぞれ、ODAと申し上げましてもいろいろ、円借款であるとかあるいは無償資金協力であるとか技術協力であるとか、いろいろな形態がございますし、またそれぞれがやっているその分野というものもいろいろ微妙に違うということがございますんで、そうしたその形態ごとに、今その中国の経済の水準とか、あるいは中国経済がどういう点についてはもう足りてきているのかということ。先ほど杉下先生の方からも、中国側がどういうものが本当に、じゃ最終的にニーズがあるのかというような御指摘もございましたけれども、本当にその必要な部分ということ、これは残していくということなんだろうと思いますが、他方で、今のその中国経済の状況等にかんがみて必要性の減じているもの、こういったものについては縮小ないし終了していくということで考えていくということだろうと思いますし、またそうした方向で中国側と話をしていきたいというふうに考えております。
#37
○山本孝史君 日本の世銀からの援助が六〇年代も続いていて、世銀から日本が借りていたのは六〇年代の後半まで、高速道路の建設等で融資を受けていて、返し終わったのは九〇年だと思いますけれども、その間に日本は万博もあったしオリンピックもあったわけですね。万博、上海万博やるんだから、北京でオリンピックをやるんだから、だからもう援助はやめていいんだというのは、これを日本の例で当てはめると、日本に当てはまらないわけですね。
 そういう意味で考えると、もっと客観的な基準というもの、日本の国民も、定性的な話じゃなくて、やっぱり定量的に理解できるような基準というものを作らないと、外国の側、中国の側もあるいはタイの側も、日本の側も理解がしにくいんだと思うんです。そういうことを是非研究をしていただいて、それで、これからの協議を進めていかれるのも是非オープンにしていただきたいと思っています。
 で、オープンにするということで、もう一つのお願いとして、昨日も質問通告申し上げたんですが、申し上げましたように、関係しておられる団体によって全然評価が違いますし、国会議員が必ずしもやはり足が運べないところはNGOの皆さん方が非常に評価をしておられるんですね。
 で、外務省がおやりになる評価は、元々コンサルタント会社の系列企業がおやりになるような評価が多いものですから、これも決して悪い結果は出てこないと思うんです。最初から仕組まれているわけです。そういう意味では、首ひねっておられますが、私はそう思うんですね、見ている限り、それで非常に、国民の側が読んでも納得しないというか、分かりにくいような報告書のシステムにしてある。
 そうではなくて、やっぱりもっと一つの事例を例えば取り上げて、NGOなりあるいはそれの便益を受けておられる現地の人なり、いろんな方たちを踏まえて総合的な観点から評価を加えるという中で、初めて日本の国民もこのODAというものが大変重要だと思ってくるでしょうし、現地の人たちもそんなふうに思えるんじゃないだろうか。そういう何か仕組みというものを少し考えていったらどうだろうと思うんですが、昨日質問通告しましたので、お答えください。
#38
○政府参考人(佐藤重和君) 正に、評価のシステムあるいはその評価の在り方ということについては、先ほど私からも評価の重要性ということを申し上げさせていただきましたが、それを、そのシステムをどうやってより良いものにするかということは私どもも不断に改善をしていきたいと考えているところでございます。
 実際にこの評価をより充実させていくために、外務省としても、NGOの方とかあるいは学識経験者の方、そうした方々の意見をできるだけ取り入れる、あるいは意見交換を行っていくということは、これは非常に重要であろうと思います。
 今、山本先生おっしゃられたように、一つのプロジェクトにつきましても、こういう見方もある、ああいう見方もある、あるいはそれぞれの御専門の方によっても見方が異なるということもあり得るわけで、いろいろな角度からそのプロジェクトに対する評価というものを行って、その見方から見ていくということは非常に重要なことだろうと思います。
 こういった観点から、私ども外務省の中でもそのODAの評価の有識者会議というものを設置をしておりまして、これは二〇〇三年の十月からでございますが、そうした専門家の方々の会議ということでございますが、この中には学識経験者のみならずそのNGOの方の代表にも入っていただいているということで、評価の在り方について意見交換を行っているということでございます。
 また、外務省として、その援助の実施機関でありますJICAであるとか国際協力銀行とも一緒になって三者会合を開催しながら、評価の改善について意見交換を行っているということでございます。
 それから、今具体的に御指摘がありました、そのNGOの方と合同で評価を実施をするということでございますが、これも外務省として具体的にそういった合同評価というものも実施を始めてきておりまして、NGOとの定期協議会を開催をして、そうした議論を行ってきているということでございます。
 まだまだそれは足りない点もあるかもしれませんけれども、できるだけそうした方の意見というものも踏まえて評価を改善をしていきたいというふうに考えておりますし、また、なかなか先ほど分かりにくいといったような御指摘もございましたけれども、私ども、できるだけそのすべての評価について公開をして、いろいろ見ていただいて、またその改善を要するところは御指摘をしていただいて、より良いものにしていきたいというふうに考えております。
#39
○山本孝史君 時間が限られていますので、済みません、民間モニター制度については是非充実をしていただきたいということをお願いして、次の質問に行きたいと思いますが。
 評価というものは、終わってから評価するんではなくて、現在進行中の案件についても評価をすべきだと思っています。その一番の例は、直近で起きましたスマトラ沖地震に対する無償の緊急援助でございますけれども、五億ドルをするということになって、ユニセフと世界食糧計画など国際機関に半分の二億五千万ドル。インドネシア、スリランカ、モルディブに送られる。タイは、上げると言ったらタイは要らないと言ったので、インドネシアに上乗せされているという形だと思いますが、既に送金済みだと聞いております。
 この資金がどのようなことに使われるのか、その使途について公表されるのかという点と、心配しておりますのは、いずれも紛争地域を抱えておりますので、現地政府ルートで行きますと、紛争の相手方のところといいましょうか、地域に満遍なく行かないのではないかということを非常に素人ながらも心配をしております。
 そういった点についての取組なり、そういう御懸念無用だという御答弁を是非いただきたいと思います。
#40
○政府参考人(佐藤重和君) スマトラ沖地震とその津波の被災国への援助、特にその無償援助の使用方法についてのお尋ねでございますけれども、この五億ドルの半分、二国間で供与をしているわけでございますが、このいわゆるノンプロジェクト無償というものは緊急の被災地の救援のために必要な物資あるいはサービスというものをその相手国政府が購入をするために用いられるということでございますが、それではどういうものを購入をしてどういうところに送られるかという点でございますけれども、この購入のプロセスにつきましては、これは相手国の政府がこれは勝手にどんどん決めていくということではございませんで、私ども日本側大使館と、それから日本の調達機関が入っております。それと先方政府と協議をいたしまして、その中で調達物資等が決まっていくということでございます。
 今のところ、スリランカ、インドネシア、モルディブ、それぞれにおいて手続が、既にお金は送金をされておりますので、手続が進められているところでございまして、例えばインドネシアでは、被災した貧困層向けの医薬品の調達とか放送機材の供与といったことについて今手続が進められているところでございます。また、スリランカでは、今バキュームカーとかそういったもの、あるいは給水車、貯水タンク、建設用の重機といったようなものについて購入をしたいというふうに話が来ているというところでございます。
 私どもとしても、こうした物資の購入というものが適切な物資が購入をされ、かつその被災国支援に有効に使われるということをきちっと確認をし、また随時モニタリングをしていきたいというふうに考えております。そしてその上で、冒頭山本先生から御質問がございましたが、この支援の内容でございますけれども、具体的な内容が確定次第、私どものホームページ等の媒体を通じましてすべてその使途を公表していくというふうにしたいと考えております。
#41
○山本孝史君 政府と対立している地域や人々に行き渡らないということはないのかという質問に対する答えと、モニタリングをどういう体制でするのかということについてもう少し触れてください。
#42
○政府参考人(佐藤重和君) 今、私どもで具体的にどの地域どの地域というところまで、実は実際にまだその調達、配分というものが始まっておりませんので、そこのところ今の時点で確認をしておりませんが、基本的に私どもとして、先ほど申し上げました、被災地にこうした機材が、物資というものが有効に使われるということが我々の支援の目的でございますので、そうした点が確保されるように、相手国との関係ではそこをきちっと確認をしてまいりたいというふうに考えております。
#43
○山本孝史君 相手政府に渡し切りにならないように、過去この例で幾らも問題が起きたわけですから、しっかりモニタリングをしていただきたいと思います。
 それから、杉下参考人に、恐れ入りますが、先ほどのお話を聞いておりまして、同じケースがこれイラクの今の自衛隊の復興支援の中でも起こっているわけで、今、自衛隊と国際協力が両輪だというふうにおっしゃっておられて、いま一つはっきりしないと、こういう先ほどのお話でございましたが、今外務省が提供されておられる、あるいは公開しているこの復興支援にかかわるODAのかかわり方について、どんなふうに思っておられて、十分なのかどうか、あるいはどうあるべきなのか、御意見がございましたらお聞かせをください。
#44
○参考人(杉下恒夫君) お答えします。
 今、山本先生へのお答え、ちょっと後にしまして、ODAの評価について、ちょっと私、先生のお話からも今聞いていてちょっと思い付いたことがございまして、お答えをさせていただきたいんですが、ODA評価というのは、我々、実は五年ほど前に評価学会という小さな学会を作りまして、一生懸命ODAの評価なんかをやっておるんですが、普通の自治体の評価とか政策評価の中では非常にODAの評価というのは難しいです。
 これはなぜかと申し上げますと、お分かりいただけると思うんですが、例えば時の政府に非常にいい、効果的なODAは、反政府側から見れば非常にまずいODAとなる。コタパンジャン・ダムなんというのはその気配があるんじゃないかと。やはり、イデオロギーとか自分たちの目的を異にしている団体から見ると、効果的なODAというのは、その国の政権を安定させてしまうODAはよろしくないODAという見方もできるわけです。ですから、このODAの特に評価というのは非常に難しくて、そのいわゆる計量的な分野、エネルギーはどれだけできた、道路はどこにできた、どれだけ高速道路に車が走っている、こういうことはできるんですが、これがその国の安定又はその国のためにどれだけ役立っているかという一番重要な部分を評価できない。これがODA評価の非常に難しさだと思うんですね。ですから、その辺、私たちも苦慮をしているところなんですが。
 さっき先生から、分かれたと、ODAに対する、いい、悪い。これはやはり立場によって全く反対な評価が出てしまうということを考えなきゃならないということがあるんで、私たちも今大変これ、どういうふうに評価しようか苦慮をしているところでございます。
 それから、今の先生の御質問でございます、イラクに対する復興支援でございますね。これは非常に難しい部分があって、例えば、最近のメディアなんかの登場する部分では、自衛隊が、まあ復興支援というのは名ばかりだと私は思うわけですね。自衛隊は元々復興支援のために育てられた、訓練を受けた団体じゃございませんから、彼らに復興支援という名目でサマーワに派遣するということは非常に酷な話で、元々違うことをやらせるわけですね。復興支援というのは、やはりプロであるJICAなりJBICのそういう人たちが行って行うのが復興支援であって、自衛隊が今復興支援という名目でまあ給水とか何かやっていますが、これはもう復興支援でも何でもなく、ただのフィギュアというか、復興支援の形を付けているだけだと。ですから、基本的にはやはり、復興支援をイラクに日本がするんなら、やはりそのプロであるJICAなりそういうところの専門家が入っていかないと、これは復興支援にはならないと思うんです。
 しかし、今、じゃJICAの専門家が入って身の安全が保てるのか。ここは非常に難しいところで、自衛隊などは、入ってこい入ってこいという声も聞こえてきますが、実際に、じゃそれを、そういう訓練を今度は受けていない、JICAの専門家たちは、身を守るとか、そういう訓練は受けている人たちではないですね。この人たちを今入れて、じゃ自衛隊が守ってあげるからといっても、それはまた別の話じゃないかと思う。
 ここが非常に、だから、今イラクに対して復興支援というもの、今日本が行って派遣している理由でございますね、これは僕は違うんだと思うんです。要するに名ばかり。国民に対する理解を生むために復興支援という名前を使って行っているわけで、まあ国際協調の証明をするために行っているだけだと思うんですね。
 ですから、今、これからだと思うんです。イラクの復興支援は、これから恐らく、もしその政治日程どおり今年の末に本格的政権が生まれてイラクの治安が幾らかでも良くなったとき、そして初めて、自衛隊も駐留を継続するかもしれませんが、その中でリスクを低めてからJICAの専門家たちが行ってプロジェクトを見付けてきて行うということだと思うんですね。
 ですから、今、ともかく行け行けと。今、昔からリカバリーと言われた期間で、PKOがいる期間から復興支援が始まるまでの期間をリカバリーしろということで、非常にJICAなりJBICが早く入ることが進められていますが、これはもちろん僕はそれに反対じゃないんですが、やはり、もち屋はもち屋というか、専門のきちっとしたものが発揮できる環境下で出すべきであって、今のような段階でイラクにJICA、JBICの専門家を出しても、私は何もできないしリスクを高めるだけだというふうに思うわけです。
 どういうふうにするかということは、私が今先生に質問を受けて、どういうふうにやればいいのかということですが、イラクにおいては、ともかく私は、少なくとも年度末、年末の本格政権が生まれて、そのときの治安情勢を見てから私は動くべきだと思う。ただし、今準備することは幾らでもできると思うんですね。例えば、アンマンにいながらアンマンからでも様子は見ることができるし、クウェートからも見えると思います。
 済みません、長くなっちゃって。
#45
○参考人(草野厚君) 済みません、私も一言よろしいですか。一言言わせていただきたいんですが。
 評価の方ですが、先ほど山本さんがおっしゃったように、プロジェクトのプロセスにおいても評価をやらなければいけないと。例えば今日の時点で輪切りにしてみますと、オンゴーイングの案件というのは四千件ぐらいあるんですね。それを一体どうやって評価するのだろうかと。それにはやっぱりそれなりの予算が必要だと。これはこの前、山本さんと大阪の会合で議論をいたしましたけれども、是非その評価の予算を増やしていただきたいと。これはもしかしたら、プロジェクトの費用を削ってでも評価の方に、正にそれは決算の機能と関係があるわけですからやっていただきたいというふうに思います。
 それからもう一つ、実はこれは山本さんと意見違うかもしれませんけれども、ODAとPKOだとか、あるいは自衛隊の人道復興支援だとか、一体となってやるべきだというのが私、持論なんですね。その意味では、非常に残念なことに、新防衛計画大綱というのが策定されましたけど、この中にはちゃんとODAのことを書いてあるんですね。ところが、ODA大綱の方には……
#46
○山本孝史君 済みません。
#47
○理事(田浦直君) じゃ、短く。
#48
○参考人(草野厚君) もう終わりです。ODA大綱の方には書かれていないと……。
 参議院は往復ですか、時間は。失礼しました。
#49
○山本孝史君 そうなんです、はい。済みません。
 今おっしゃっていることは、もうODAとは何かというそもそもの基本論の議論をしなければいけないと思うんです。その議論大変必要だと思っていまして、日本の安保理入りのためにODAを使うという話の部分と、やっぱりミレニアム開発計画にどう合致していくのかという部分と、総体的な議論が必要だと思っていますので、それは是非そういう機会を国会の中に作っていただきたいということをお願いして、谷先生に質問を譲りたいと思います。
 申し訳ありません。ありがとうございます。
#50
○谷博之君 民主党・新緑風会の谷博之でございます。
 イントロいろいろ考えたんですが、時間がありませんのでいきなり質問に入りたいと思います。
 まず、外務省の方にお伺いをいたしたいと思いますが、特にNGOといわゆるその委託関係の拡充を具体的にどうするかという話を一つお聞きしたいんですが、時間が限られていますから、もう幾つか質問項目を羅列的に申し上げますのでお答えください。
 この佐藤局長から説明いただいた説明骨子の二ページ目の一番下に、(3)として「ODA事業において受注事業者が不正な行為を行った場合、外務省及び実施機関の内規に従い、当該事業者を一定期間、ODA事業の競争入札や指名企業等から排除することとしている。」と、こういう説明がございますね。
 これを受けて四点ほどまずお聞きしたいと思いますが、一つは、ODAの開発調査等の業務をNGO、NPOに対してどの程度の委託をしているかという、直近の実績ですね。これをまず一つお伺いします。
 それから二つ目は、そういう関係の業界の大手と言われているパシフィックコンサルタンツインターナショナル、これがコスタリカの開発調査において不正行為を行ったということで、JICAやJBIC、ここから、昨年十二月から半年間の指名停止を受けています。この会社はJICAから年間六十六件、金額にして五十一億円以上もの事業を受注していると言われていますが、昨年九月にも指名停止二か月を受けております。ところが、この最大手抜きには何も進まないということで、これはあくまでうわさですが、半年以上の指名停止ができなかったと、こんなようなこともうわさをされているわけです。
 また、同じ開発調査案件でも、コンサルタント会社とNGOとの間では人件費の単価が異なるというふうに言われています。これについての実態なり考え方はどうなっているのか、お伺いしたいと思っております。
 そして三つ目が、しからば、じゃNGO、NPOもそういう意味ではコンサルタント登録をすればいいじゃないかと、こういうことになるんですが、残念ながら、NGO、NPOにとってはこの参入障壁というのは非常に高いんですね。したがって、なかなかそれができない。そこで、NGOのこういう受託能力の強化支援というものをやっぱり具体的に行うべきではないかというふうに思っていますが、その考えをお聞かせいただきたい。
 四点目。NGOとの連携をアピールするに当たって、単にNGOへの支援額を増やすということではなくて、ODAの調査等の委託業務において、従来コンサルタント会社に委託していた仕事をNGOに回して、例えばNGOの委託割合を五年以内で一〇%程度に増やすといった、そういう目標値を設定してできないだろうかというふうに考えておりますが、以上四点、簡潔にお答えください。
#51
○政府参考人(佐藤重和君) それでは、できるだけ簡潔にお答えをさせていただきます。
 まず、ODAの開発調査等の業務をNGO、NPO等に委託した実績はいかんということでございますが、開発調査についてはJICAが行っておりますが、この開発調査についていわゆるNGOとかNPOに委託をしたという実績はございません。ただ、技術協力のプロジェクトにつきましては、NGOやNPOがその得意とする分野で、案件を委託した実績はございます。
 それから次に、そのパシフィックコンサルタンツの指名停止の問題でございますけれども、このコンサルタンツが非常にコンサルタント会社としては大手でございまして、非常に大きなこれまで受注を受けているということはおっしゃったとおりでございますが、この処分につきましては、まず九月の時点で二か月の処分、指名停止、それから昨年の十二月に六か月の追加的指名停止措置を行ったわけでございますが、御指摘の、この会社がないと仕事が進まないんでその停止が遅れたという御指摘だったかと思いますが、これは決してそういうことではございませんで、停止という処分でございますので、これは処分に至るいろいろな材料というものをきちっと整えた上でその処分を行ったということでございます。
 それから、このNGO、NPOのコンサルタント登録、その参加の問題でございますけれども、基本的に、コンサルタント登録に当たっては当然ながら一定の条件ということがあるわけでございまして、我が国における法人格であるとか、専任の技術者を有することとか、適切な財政基盤を有していることというようなことが条件になるわけでございまして、そういう意味では幾つかのNGO団体が登録をされているということでございます。
 そして、そうしたNGOの参加ということについてはできるだけ、ODA事業の委託先ということについてはできるだけ公正、適切な事業の委託先の選定に努めているわけでございますが、先ほど申し上げたように一部の技術協力プロジェクトについて実績があるということでございます。
 そして、そういう委託業務への参入につきましては、現在我が国の、NGOを対象とします我が国の日本NGO支援無償資金協力や草の根技術協力というものを活用した案件の実施や、あるいは外務省が実施をしておりますNGOの活動の環境整備の支援事業といったものを通じて、それぞれのNGOの専門性とかあるいは案件実施能力を高めて、そういった能力を高めて、これから一層こうした団体の受託能力というものが高まっていくというようにしていきたいというふうに考えておりまして、またそうした支援を行っているということでございます。
 それから、先ほどちょっと人件費のお話がございましたけれども、基本的なところでございますが、調査等の委託業務におきましてコンサルタント会社とNGOでその人件費の単価がどうかということでございますが、これはもう基本的な考え方としては同じ土俵、同じ仕事について言えば、それは当然そういう、その違いはないということでございますので、そうしたそのスキームが違う、あるいはその専門性の程度が違う仕事ということでその単価が異なるということは当然あり得るわけですが、同じ土俵で同じお仕事をするという際にその単価が異なるということはないというふうに承知をいたしております。
#52
○谷博之君 最後の質問が、答弁いただけましたでしょうかね。いわゆる、例えばNGOの委託割合を五年以内に一〇%にするような目標値を設定できないだろうかというようなことについてはどうでしょう。
#53
○政府参考人(佐藤重和君) 先ほど申し上げましたように、できるだけそうしたNGOの受託割合あるいはNGOの参入ということについて、これはそのNGOの能力が高まってくれば、これは当然そうした割合というものは高まってくるということでございますので、そうしたNGOのその能力強化ということについてできるだけサポートをし、そうしたものが、能力が付くに伴ってそうしたものが、当然率というのは上がってくるということであろうというふうに考えております。
#54
○谷博之君 それじゃ、重ねてお伺いしますが、この説明骨子にも出ていますけれども、いわゆる一定期間排除することができるという、この一定期間というのは最大限どのぐらいのことでしょうか。
#55
○参考人(畠中篤君) JICAの副理事長でございます。
 JICAのケースで、パシフィックコンサルタンツは正にJICAの業務で、業務の仕方について正しくないところがありましたので指名停止いたしましたけれども、指名停止いたしますときに二つの種類がございまして、一つは、その決められたルールどおりに仕事をしてこなかった、あるいはその積算業務その他が間違っていたといったような、いわゆる我々の言葉で申しますと粗雑業務に対する指名停止というのは最低二分の一か月から六か月ということになっております。それと、もう一つは、故意に、例えばJICAならJICAに対して正しくないことをして、例えば、こういう人に払いましたと言ったのにそのお金がきちんと払っていなかったというようなものについては一か月から九か月の間で決めております。
#56
○谷博之君 私の方で一点だけ追加させて、説明させていただきますと、先ほど申し上げました株式会社パシフィックコンサルタンツインターナショナルという会社、これは実は外務省の経済協力局からいただいている資料を見ておりましても、他の企業と比べてその受注件数、そして受注額、圧倒的に大きい会社です。これについてはまた別の機会にいろいろ質問させていただきたいと思っておりますが、今の御説明で、特に六か月というものは妥当であるという説明でございますが、非常に私は偏りがあるということを一つは指摘したいと思っています。やっぱりいろんな企業、能力のある企業はやっぱりおしなべてそういう事業に参加すべきであって、その数字上の話になりますが、私は極めてちょっと大き過ぎるなと、そういう印象を持っておりますので、一つ意見として申し上げておきたいと思います。
 それから、時間がありませんからもう一点だけ。
 お配りをさせていただきましたこの資料ありますけれども、これは「現在融資検討中のプロジェクトでカテゴリ分類が終了したもの」ということで、これは別に中身を云々ということではなくて、これは杉下参考人なり、そしてJBICにお伺いしたいんですが、こういういわゆる、例えば融資申請があってJBICが審査中の案件情報、こういうものはこういうカテゴリー分類が終了したものという名称で日本語でのみホームページで公開されています。これでは事実上当該国の住民やNGOはよく分からないし、したがって異議申立てもできない、こういう声が聞こえます。少なくとも、現地の言葉はともかくとしても、英語で情報を提供するということは必要だと思います。そういうことについて、参考までにこの資料を配付させていただきました。
 特に、右から二つ目の「カテゴリー分類の根拠」、これについては字数でもわずか六十字程度の量でありますので、英訳をするのは大した手間は取られないと思っておりますが、杉下参考人とJBICのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#57
○参考人(杉下恒夫君) お答えします。
 私、全く同意見でございます。というのは、このJBICのこの案件だけじゃなくて、ODA事業というのは常に外で行われる事業ですから、どんな情報でも、もちろん外交政策とか機密に関する、日本の国益に反するような情報を公開する必要はないんですが、こういったものは極力英訳して多くの外国の方に見ていただく。これは、もう一つ広報の面でも、日本はこういうことをやっているんだということが、この国以外、対象国以外にも読んでもらえるという利点もありますし、この辺は、それは私も賛成でございます。是非英訳して、広く読んでいただきたいと思います。
#58
○参考人(丹呉圭一君) 現在、私どもがこの環境社会配慮確認のためのガイドラインで要請されております情報公開に関しましては、スクリーニング情報というのがございます。これにつきましては現在、これ現在でございますが、ホームページ上で日本語での情報提供をしているということで、英文では行っておりません。それは御指摘のとおりでございます。
 これは、その背景がございまして、基本的にこういったプロジェクトの実施主体がオーナーシップを持っております途上国政府であるということで、カテゴリーA、すなわち非常に環境に影響の大きいものにつきましては、必要なその環境影響報告書が、地域住民を含めましたプロジェクトが実施されている国におきまして現地の公用語又は広く使用されている言語で公開される。そしてまた、作成に当たりましては、事前に十分な情報が公開された上で地域住民と協議が行われることという、そういうことになっております。
 私どもとしましても、借入人、それからプロジェクトの実施主体にこういったことが十分配慮されるように確認を行っているところでございます。
 なお、先ほど日本語でと申し上げましたが、現在、私どもが融資の検討を開始した際のスクリーニング情報につきましては、ホームページ上で英語版ページを準備するということで今鋭意進めているところでございます。
#59
○谷博之君 時間が来ましたので、ほかにも質問を予定しておりましたが、残念ながら次回に譲りたいと思います。
 最後に、草野参考人には質問が実は時間の関係でできなかったんですが、説明のありました一年半前のかんぴょうの話、私も決算委員会で聞いておりまして、懐かしく思いました。そういうことで、あと、スリランカの南部ハイウエーの建設事業の問題とか、それからラオスのナムトゥン2ダムの経済性の問題とか、あるいはジェトロの環境社会配慮ガイドライン、こういった課題を予定しておりましたが、時間がありませんのでまた……
#60
○参考人(草野厚君) 一言だけよろしいですか。
#61
○理事(田浦直君) どうぞ。草野参考人。
#62
○参考人(草野厚君) 先ほどのNGOと政府との関係でございますけれども、これやはり、財務省いらっしゃいますけれども、NGO自身あるいはNPO自身を例えば税制控除の対象と。一部しかなってませんですよね。要するに、NGO自身をもっと力を付けなければいけないと思うんです。議論が片方だけになってはいけないのかなというふうに思いますが。
#63
○谷博之君 じゃ、以上で終わります。
#64
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
 両参考人、今日は本当にありがとうございました、貴重なお話。
 それで、ちょっと政府参考人に私が通告をしておりました質問の順序を変えまして、先ほどコスタリカにおけるODA事業に関連する開発コンサルタントの最大手でありますパシフィックコンサルタンツインターナショナルの問題について、私も通告もしておりますし、もうちょっと深く議論したいと思いますので、お願いをしたいと思います。
 この事件は、一部のメディアで大きく報道されましたけれども、やや一過性の事件としての報道でありまして、まだ国民に広く、あるいは国会議員の間でもそれほど話題になっていないんですが、私はこれは大きな問題だと思っております。なぜかといいますと、一つは、このPCIというのは知る人ぞ知る非常に優れた専門性を持った開発コンサルタントでございまして、私も昨年のタイ、インドネシアの参議院のODA調査団、行かせていただいたんですが、インドネシアではこのPCIの現地の方に詳しく説明を受けたという経緯もございます。
 このコスタリカのODAの不祥事でありますけれども、いわゆる日本政府、JICAが四億二千三百万円で事業を発注しておるわけですね。この開発調査ということで、PCIの共同企業体が二十三万ドル、日本円で約二千四百万円で再委託という形でコスタリカ政府の国土地理院にその業務を委託したと。ところが、二千四百万円の事業のはずが、コスタリカの国土地理院の口座には六百万円しか入金をされてなくて、残りの約千八百万円が使途不明金になったと。
 問題なのは、これは後で参考人にも聞きたいと思うんですけれども、ここでPCIが、現金や小切手でPCIから国土地理院に渡したんだけれども、その領収書も何もないと、全部廃棄したと言っておるんですね。後でJICAさんにもお聞きしますけれども、これははっきり言って、日本の公共事業でこんなことをやったら、これは刑事告発の対象に明確になる事案であって、そんな淡々と指名停止何か月で済む話じゃないんですね。
 さらに、これは去年の九月の時点で報道が出て、最初の指名停止二か月が行われるんですが、十二月になりましたら今度はもっとひどくて、PCIが架空の人物のサイン、つまりコスタリカの役人に成り済ましてサインを捏造して領収書を作って、それで約五百万円を流用していたということが判明しているわけですね。
 JICAは、先ほど御説明ありましたけれども、最初のその使途不明が出た段階では、要するに再委託契約のルール違反の粗雑業務の対象で指名停止二か月やっておるわけですね。ちょっと詳しく言いますと、JICAの再委託契約の承認を得る前にコスタリカの地理院の総裁のサインまで入った契約書が存在していた。それから二番目の問題点が、本来は三者の見積りを出してやんなきゃいけないんですが、それが適正になされてなかった。三番目が、正規の契約がなされる前に、再委託先に現金、小切手などを支払っていたと。しかも、その会計書類は廃棄しましたと。これ二〇〇〇年の事業ですから、まだ五年しかたっていないんですよ。それで会計書類もないと。それで最初、粗雑業務に当たるということで、その後に更に架空の領収書まで作って五百万円を流用していたということで、更に六か月の指名停止になったということなんですね。
 そこで、これはJICAさん答えるのか佐藤局長答えるのか分かりませんけれども、まず私お聞きしたいのは、この事案についての調査を継続して、場合によっては、私先ほど申し上げたとおり、架空の請求書を作ってお金流用するなんというのは、これ元々税金ですからね、だからこれはかなり、もうちょっと厳しい処分の対象になり得るんではないかと思いますが、そういう方向性でやっておられるのかどうか、これ一点。
 それからもう一個まとめて、局長、これ通告でお願いしておりました、PCIが指名停止前過去十年間あるいは五年間に受注したODAの事業の総数と総額、事業規模、これを教えていただけます。
#65
○政府参考人(佐藤重和君) PCI社の事業の受注実績でございますが、平成十五年度につきましては、PCI社がJICAから受注をした事業実績というものは、共同受注分も含め五十八億九千四百万円でございます。
   〔理事田浦直君退席、委員長着席〕
 ちなみに、これまでの事業、過去五年間のものを調べさせていただきましたが、失礼しました、これは改めて外務省、JICA、JBICの行うすべてのODA事業について、そのPCIの受注実績でございます。平成十五年度が八十九件、百十九・八億円、平成十四年度が九十四件、百九十六・九億円、平成十三年度が百十三件、二百二十八・四億円、平成十二年度が百三十三件、二百五十五・五億円、平成十一年度が七十四件、百二十六・四億円、以上の五年間の合計で申し上げると、五百三件、九百二十七億円となっております。
#66
○遠山清彦君 済みません、JICAさん、調査は、このコスタリカの案件の調査はもう終わったんですか、まだやっているんですか。
#67
○参考人(畠中篤君) この案件は、コスタリカにおいて当局が彼らのシステムで現在調査中でございます。
 私どもが粗雑業務として最初に二か月停止をいたしましたのは、私どもがこちら側でPCIその他から事情聴取いたしまして分かりましたことは、先ほど申し上げましたような粗雑業務があったので、その点につきまして二か月停止をいたしました。
#68
○遠山清彦君 それは分かっています。
#69
○参考人(畠中篤君) そのときに、今後の捜査の状況を見まして新たな事実が判明しましたら更に指名停止をするということを条件にしましたので、その後分かりました、先ほど先生御指摘のような領収書が人の名前で出ていたりというようなことがありましたので、それを踏まえて更に、これは不正行為に当たりますので、六か月の停止をいたしました。
 しかし、これは更にコスタリカの方で今捜査が継続中でございますので、今後新たな事由がまた明らかになりましたら、そのときでどういうことを対応するかを決めてまいりたいと思っております。
#70
○遠山清彦君 一言で申しますと、甘いです。もし、こんなに甘い調査の仕方するんであれば、これは委員長に申し上げることかもしれませんが、会計検査院に再度入っていただいて、委員会の議決があれば調査できると思いますので、調査をしていただいた方がいいかもしれません。
 というのは、今、JICAさんがおっしゃったのは、要するに架空の領収書で五百万円を事業費の中から流用したことに対して指名の六か月停止をやったわけですね。しかし、残っている問題は、いいですか、二千四百万円でPCIがコスタリカの国土地理院に出したけれども、入金したのは六百万円だと。残り一千万円以上ですね、一千七百万円程度ですね、これ使途不明金のままなんですね。先ほど私申し上げたとおり、二〇〇〇年の事業で、まずそもそもODAの専門家に言わせれば、その途上国の政府との間の契約で一千万円以上の額面を現金とか小切手で相手の役人に渡すなんてことはあり得ないし、これ自体が恐らくJICAのルールに反していると思いますよ。それから、それをやりましたとPCIは言っているわけです。
 で、じゃ、その領収書を出せと言ったら、いや、それは全部廃棄しましたと。しかも、五年もたっていないということになりますと、再度申し上げますが、これは日本国内で、こういう公共事業でこういうことをやっていれば逮捕される事案なんですね。それを、いいですか、先ほどのJICAの話だと、コスタリカの調査を見守るという表現は、つまり国土地理院の側にPCIに不正を働き掛けたか、何かお金を横領しようとした動きがあるから捜査しているんだと思いますよ。
 しかし、そのコスタリカでそういう捜査しているからといって、支払った側の明らかに疑義が強いPCIの方をほっといてコスタリカの捜査の状況だけ見極めますという話は、これは通らないと思いますけれども、どうですか。
#71
○委員長(鴻池祥肇君) 遠山委員にお聞きしたいと思いますが、先ほどの御発言の中で、委員長に提案として受け止める件ですか、これは。
#72
○遠山清彦君 はい。
#73
○委員長(鴻池祥肇君) それでは、ただいまの遠山委員の御発言につきまして、後の理事会で協議をさせていただきたいと思います。
#74
○遠山清彦君 済みません、ありがとうございます。
#75
○参考人(畠中篤君) 私、先ほど御説明いたしましたのは指名停止の部分だけでございましたが、御指摘のように、JICAがPCIに支払いました額は二十三万一千ドルでございました。そのうち、コスタリカ側に支払われましたのが五万八千ドルでございます。その差額十七万三千ドルにつきましては、JICAは遅延利息分を加えた額を不正請求として返還を求めました。したがいまして、この分につきましては戻してもらいます。そこまでの措置を取りました、指名停止以外にですね。
 今後どういう措置を取るかというのは、コスタリカ側のその捜査でまた何か分かりましたら、それを踏まえて判断いたしたいと思っております。
#76
○遠山清彦君 その差額の支払はもう終わったんですか。返還されたんですか。
#77
○参考人(畠中篤君) すべて完了しております。
#78
○遠山清彦君 これは、今度佐藤局長にお聞きをいたしますが、その上でちょっと参考人の御意見も伺いたいと思いますがね。
 先ほど佐藤局長から御報告ありましたように、このPCI、私もPCIの開発コンサルタントとしての専門性とかノウハウとか、それが高いものであるということは評価をしている立場でございますが、今回こういう事案がございました。
 そこで、この過去五年間で五百三件のODAを受注をしておりまして、事業規模でいいますと九百二十七億円と。すべてが今回のコスタリカのODAの不祥事が起こったような形態の開発調査にかかわるわけではないということは私理解をしておりますが、他方で、恐らく今回のような形で開発調査をやっている事案もかなりあるんだろうというふうに逆に思っております。
 これらのコスタリカの事案以外でPCIがかかわった事案について、再調査されるおつもりが外務省、JICAとしてあるかどうか。これ、はっきり申し上げますけれども、こういうことが二〇〇〇年であったということは、非常に単純な推理として、同じようなことをほかの地域のほかの案件でやっていないとはこれ言い切れないと思います。
 これやらなければ、私、今日は時間がもう、まだありますけれども、そんなないですからあれですが、これはやっぱり参議院の決算委員会として看過できない問題だと思いますけれども、これいかがでしょうか。
#79
○政府参考人(佐藤重和君) 今、遠山委員から御指摘がありました点でございますが、正に私どもも同様の問題意識を有しておりまして、ただいまそのJICAにおきまして、今回の事例を踏まえまして、こうした類似の事例でございますね、類似の調査案件等につきまして、過去の事例について再調査を実施を進めております、実施中でございます。
#80
○遠山清彦君 今経済局長から過去のPCIのこの類似の事案についても再調査を実施しているというお話がございましたので、先ほどの提案につきましては、この調査の進捗状況、結果を待って、もしそれが不十分であった場合に会計検査院から再度やっていただくことを検討していただきたいということを提案者として付言をさせていただきます。
 じゃ、ちょっと参考人に、草野参考人、杉下参考人に、今の話にちょっと関連をして、ちょっと詳しくやったのには訳がございまして、というのは、両参考人ともODAの専門家でございますのでよく御存じのとおり、今はそういう言葉は使ってないんですが、以前はODAのプロジェクトについては要請主義という言葉が要するにございました。
 これは各国の、ODA裨益国の要請に基づいて日本がODAプロジェクトをやるということなんですが、従来問題点として指摘されておりましたのは、それぞれの国別にある程度予算が、一定の予算が張り付けられていて、そうすると、ニーズあるなしにかかわらず予算はあるわけでございまして、そうすると、ニーズ、その国にとって必要なプロジェクトがあるからODAやるというよりも、予算があるから、予算消化のためにODAをやらなければいけないと。
 その際に、ところが、その途上国の官僚機構というのは国によって能力ばらばらでして、私も途上国十か国ぐらい行きましたけれども、非常にいろんなODAの案件を考えてくるところもあれば、なかなか分からないというところもあると。
 そうなると、正に開発コンサルタントの日本の会社が入っていって、ああ、こういう開発をしたらいいんじゃないですか、こういうプロジェクトをしたらいいんじゃないですかといろいろアドバイスをいたしまして、悪い表現で言うと入れ知恵という言葉もありますが、そしてそこから日本の外務省の方に要請が来ると。
 そうなると、非常に、この裨益国と日本政府の間に立ってプロジェクトの立案から調査、そして最後のこの実施に至るまで一番影響力のあるのがこの開発コンサルタントということになってしまって、そうすると、今は大分、私、実は外務省さん、努力して改善をされたと思っておりますけれども、今回、そう思っていたら今回こういう事案があったものですから、やはりこの真ん中にいる開発コンサルの方々がまだちょっと不正をやる領域というのが残ってしまっているんじゃないかという疑義があるわけですが、この点についてお二方、どう思っていらっしゃるか。
#81
○参考人(草野厚君) お答えいたします。
 キーワードで言えば既得権益化だと思うんですけれども、私も今日、冒頭のブリーフでお話をいたしましたけれども、要請主義に基づいて、そのコンサルを含めて、この予算消化のために本当に必要なプロジェクトかどうか分からないものも過去においては形成されてきたということも事実ですね。そして、ガバナンスがないということもあり、コンサルの役割が重要であったり企業の役割が重要であったりということもありました。それは、必ずしも全面的にいけなかったというわけではなくて、今回のようなその不正が行われなければそれはよかったかもしれない。しかし、それの反省に基づいて、正にあの中期政策で強調をいたしましたように、現地タスクフォースというものを作って、ODA総合戦略会議や国別の援助計画を作って、これでその透明性を確保しようと。あるいは、その政府にとって、その国にとって本当に必要なこの援助というのは何かというものを日本が主体的に考える、こういう枠組みに移行しつつあるわけですね。
 だから、そういう点ではこれからこういう不正というものはなくなってくると思いますが、先ほどの御説明でちょっと感想を述べますと、新しいODA大綱には、実は一番最後のところに「不正、腐敗の防止」と、これは前の大綱にもありましたけれども、きちんとうたわれていると。にもかかわらず、そのパシフィックコンサルタンツがこういうようなことをやったというのは、こんなふうに思うんです。やっぱり、このODA大綱の精神というものが、よく途上国には説明されるんですけれども、日本側のこういうコンサルを含めて、どこまでこれ周知徹底しているのかという、こういう感じがいたしますね。
 ですから、これはこの機会を逃してはいけないので、JICAを通じて、あるいは外務省を通じてか分かりませんけれども、その関係の業者さんに一体政府はどういうふうなことをメッセージとして発しているんだということを確認をされたらいかがでございましょうか。そんなことを感じました。
#82
○参考人(杉下恒夫君) 私も、遠山先生がおっしゃるとおり、私、今度の事件が起きた後、JICAの内部でちょっとしたびっくりしたことが、非常に甘い、ある内部の表彰の中にパシコンが入っている、表彰の対象にしているのがあって、こんなことしていいのかいと言ったことがあるぐらいでして、非常に私は、JICAのパシコンに対する、実態がまだはっきりしないということもございますが、ちょっと甘かった、甘いんじゃないかなと思ったんですね。
 これはどういうことかと申し上げますと、先生よく御存じのように、やっぱり日本のODAの弱点の一つがやっぱりコンサルタントだと思うんですね。
 日本の場合、やはりコンサルタントに頼る部分が多くて、しかもそのコンサルタントで力があって大きなプロジェクトが動かせるのは、日本工営とかPCIとかごく限られたコンサルタントしかなくて、ですから、日本のODAの実施されている部分はある部分で非常に大きな部分がこういう大手のコンサルタントに頼っている。もしもJICAが厳しい処分してPCIを五年、十年と停止したら、恐らくJICAの業務が停滞して動かなくなっちゃうと。いや、それは僕は事実だと思うんですね。ですから、そういったいろんなやっぱり弱い部分なんですね、このコンサルタント。
 ですから、ただし、おっしゃるとおり、やはりこの部分が強くするためにも、また透明性を高めるためにも、今回のことは厳しい対応をして明快にして、今後こういうことが起きないようにすべきだと思っております。
#83
○遠山清彦君 ありがとうございます。
 今、両参考人がおっしゃっていただいたこと、非常に私、重要だというふうに思っておりますので、是非、佐藤局長始め外務省の幹部の方に、またJICAの方に重く受け止めていただいて、今回のコスタリカの案件、さらに、この開発コンサルタントのODAプロセスの中でのかかわり方について再度見直した上で改善策を取っていただきたいということを強く要望いたしますし、また、参議院の決算委員会として現地調査までやっているわけでありますから、この点については厳しく監視を我々も国会の側から続けていかなければいけないということを申し上げたいと思います。
 ちょっと時間が残っておりますので、最後に草野参考人に御意見をお伺いしたいと思うんですが。
 先ほどもちょっと出ましたけれども、ODAと自衛隊、あるいはPKOの有機的連携強化の問題なんですが、端的に申し上げて、私の立場はこれを推進をするという立場でございます。
 なぜかといいますと、まず一つは、確かに杉下参考人がおっしゃったように、自衛隊というのは元々復興支援部隊として訓練されたわけでないというのは事実なんですが、他方で、カンボジアPKOの時代から国際社会のやはり要請として、いわゆる武装した実力部隊による復興支援作業というものがPKOの一部として認知をされてきて、しかもニーズがあるということはこれはもう事実でございまして、それに呼応して自衛隊がいろいろな活動に参加をしていき、なおかつ国際的に高い評価を受けてきたということが背景にあって、私は、今のイラクの復興支援にもつながっているのであって、決して、うがった見方をすれば政府の都合で復興支援という外形を取ったというよりも、私は、カンボジアPKO以来の歴史があってこういうことになっているんだろうというふうに思っております。
 私の関心は、このODAと自衛隊活動の有機的連携については、町村外務大臣も昨年の十一月に、これから防衛庁と外務省の間でいろいろと議論はしているということは言っているわけですけれども、私は、もっと一歩踏み込んで制度化を考えたらどうではないかと思っているわけですが、草野参考人から簡潔に御見解を伺いたいと思います。
#84
○参考人(草野厚君) 結論の方から申し上げますと、遠山さんと全く私は同じで、一般法を作るべきだというふうに、国際協力のですね。
 それから、自衛隊の人道復興支援というのも、私もゴラン高原も行きましたし、東ティモールも参りましたけれども、やはりあそこでやっていることは、正にJICA、部分的にはJICAがやってきた人道復興支援と重なる部分があるわけですね。国際的な潮流というか、流れも、軍隊が人道復興支援を行う専門の部隊をいろいろなところが、ドイツにしてもオランダにしても持っている、そういうところがイラクにしても入っているわけで、これは、何というんでしょうか、自衛隊は軍事活動だといってこういうふうに遠目に見るんじゃなくて、やはり一体となって、その意味でも自衛隊法の改正をして、この決算委員会とは直接関係ありませんけれども、国際平和協力業務というのを本来業務にすべきだという、こういうのが持論でございます。
#85
○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。
 今日は、両参考人におかれましては貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございます。外務省の方も御説明ありがとうございます。
 それで、実は私も昨年のODA調査でメキシコ、ブラジルに寄せていただきました。それで、ブラジルのチエテ川の治水対策の事業が一定の効果をもたらしていることとか、ゴイアスの農場の電化事業が農作物の栽培量を増やしているということなどを見ますと、一定の有効性はあるのかなというふうには思いました。
 ただ、やはり調査行かしていただいて、何といいますか、行かしていただいて、対応される方というのはその事業を必死に取り組んでおられる方々ですので、決して悪くはおっしゃいません。その点でいいますと、本当にその事業を行っている周辺の住民の皆さんのニーズにとってはどうなのかという点では、私は推し量ることができなかったというのが残念だったというのが実際行ってみての実感でございました。
 それで、今日は、その視察に行かしていただいたことに限っての質問ということではなくて、いわゆる日本のODAの在り方について質問をさしていただきたいというふうに思います。
 それで、まず草野参考人にお伺いしたいと思います。
 今、欧米などは、やはり援助内容というのは貧困の削減とか解消という点を結構重視をしてきているというふうに思うんですね。私が寄せていただいたメキシコ、ブラジルに対する日本のODAもやっぱり有償資金協力等が中心でして、インフラ整備に重点が置かれていたかなというふうに思います。こうした問題について考えてみますと、この間、NGOの代表の方も、やっぱり貧困削減を柱にすべきではないかという新聞報道でも主張されておりますし、国連のミレニアム総会でも貧困削減というのはやっぱり掲げられています。
 改めて私は、日本のODAの果たす役割として、こうした貧困削減というのはやっぱり重要だというふうに思うんですけれども、その点についての草野参考人の御意見をお伺いしたいと思います。
#86
○参考人(草野厚君) 小林さんと私はある部分同じではないかなというふうに思うんですね。その貧困削減は、中期政策の中をごらんいただければ分かりますように、正にその目玉、重点になっております。
 ただ、同時に、先ほどの冒頭のブリーフでも述べましたように、必ずしもその貧困削減というのが人道支援だけでこれが可能なのかと。つまり、農民が作物を売るためには市場までのアクセス道路というのが必要でしょうと、あるいは学校に行くためには道路が必要でしょうと、それから良い環境の下で教育を受けるためには電気も必要でしょうという中長期的な視点も私は必要なのではないか。そして、実は日本のODAというのがそういうところで得意な、まあ言ってみれば実績を残していると。
 これも御承知だろうと思いますけれども、アフリカとそれから東アジアというのは一九六〇年代にはほとんど一人当たりの所得というのは同じだったわけですけれども、日本の援助もあって、そしてまた途上国の方の努力もあって、今ではこんなに大きな格差があるというのはどういうことかというと、やはりその経済インフラの一定の役割があったんじゃないかと。実はそれが、先ほど申し上げましたように、世界の援助の議論の大きな流れになっていると。経済インフラ見直し論というか、いい意味でですね、世銀だとかUSAIDを御紹介いたしましたけれども。
 以上でございます。
#87
○小林美恵子君 ただ、私は、今の国際共通でいきますと、やっぱり貧困削減、国連のミレニアム総会というのは重要だなというふうには思っているということを……
#88
○参考人(草野厚君) 全くそのとおりです。
#89
○小林美恵子君 はい。そういうことにしまして、次に杉下参考人にお伺いしたいと思います。
 参考人のペーパーにもお書きになっておりましたけれども、ODAの中でのNGOの役割というのはやっぱり私も大変重要だというふうに思います。
 それで、NGOの代表の方も新聞報道でも述べておられましたけれども、この間、日本のNGOというのは一九六〇年に誕生されて、それで現在四百団体ほどあって、途上国での経験を生かして、正に人材や技術の提供をして、外務省とも定期的な協議をされていると。そういう積み重ねの経験の上に立って積極的な国民参加が不可欠だというふうになっておりますけれども、その点での参考人の御意見をお伺いしたいと思います。
#90
○参考人(杉下恒夫君) お答えします。
 NGO、私も、もう言うまでもなく、新しい世界の、非常に空間が広がったこの地球においてその空間を埋める存在というのは、もう世界じゅう共通認識としてNGOなんですね。行政機関ではもはや埋め切れないいろんな空間が生まれてきている。それを埋める存在というのがNGOであるわけでして、そのNGOに対する期待は私は非常に大きく持っている。その点は、小林先生と私同じ考えだと思うんですが。
 ただ、現状におけるその日本のNGOというものを、先ほどもちょっとどなたかの答えにもあったけれども、残念ながら日本のNGOはまだそれだけの大きな空間を埋める存在になり得ていない。いろんな税制の問題とか、優遇税制の問題とかいろんな問題がございますし、また、それをサポートする市民社会が熟成されていないとかいろんな問題がございまして、日本のNGOというのは、残念ながらそれに堪え得る、日本が、我々の期待に堪え得るまだ存在にはなり切っていない。もちろん育ってもらわなきゃならない。
 さっき申し上げたように、開発調査もやったらどうかという、あれも私から言わせれば、日本のNGOで大きなプロジェクトの開発調査ができる力を持ったNGOというのはごくわずかしかない。ですから、残念ながらいろんな期待が大きい割にその力を持っていないのがNGOなんですね。
 ですから、ここは、これからNGOはもちろん私はこれからの主体、行動主体としては、もう行政に並ぶ大きな主体になっていくべきだと私は思っているんですが、どうすればいいか。むしろ我々が考えなきゃならないのは、どうすればもっとNGOを育てることができるか、そして第三の主体として動ける存在にするための社会、育てる社会をどうしてつくっていくか、それを考えていかなきゃならないかと思っております。
#91
○小林美恵子君 ありがとうございます。
 では次に、私は外務省にお聞きしたいと思います。
 今、参考人の方の御意見からもインフラ整備も大事なんだという話もありましたけれども、貧困削減の問題も大事だと。同時に、NGOの役割というのは育てていかなければならないというお話もございました。そういう点で、私はそこは本当に大事だなと思うんですけれども、今の日本のODAは今大変重大な局面を迎えているというふうに思うんです。それが、やっぱり典型がイラクへのODAだというふうに私は思うんですね。
 ここでお聞きしたいと思うんですけれども、いわゆる戦争状態であって、しかも自衛隊が駐留している、そういう地域にODAを費やしたことが今まであったかどうか、これをちょっとお聞きしたいと思います。
#92
○委員長(鴻池祥肇君) どなた。どなたが答弁ですか。
 佐藤局長。
#93
○政府参考人(佐藤重和君) お答えを申し上げます。
 ただいまお話がありましたイラクの状況ということについては、正に今自衛隊による人道復興支援とそれからODAによる支援というものを、正に車の両輪としてお互いに一緒になって連携を取りながらやっていると。こういうことで、これは本格的にこういった支援をやっているというケースでは非常に、何といいますか、なかなか前例のないケースだろうと思いますが、他方で、自衛隊が活動しているところでODAということでありますと、例えば東ティモールのケースとか、そういう意味ではこれまでも自衛隊の活動地域においてODA事業を実施しているというケースはございます。
#94
○小林美恵子君 最初の御答弁でいきますと、いわゆる自衛隊の活動とODAということを両輪としたのは、本格的にしたのは今回が初めてだということですよね。
 そこでもう一つお聞きしたいんですけれども、この間、イラクへのODAの規模と内容、そしてそれが、特に援助額がイラクの地域に対してどういうふうに配分をされてきたかと。当初、何といいますか、やっぱり自衛隊が駐留するイラク南部サマワに重点的に配分されるんじゃないかという指摘もありましたけれども、その点はいかがですか。
#95
○政府参考人(佐藤重和君) イラクに対する支援でございますが、現時点では、まず当面の支援ということで十五億ドルまでの無償資金協力による支援ということを行ってきているわけでございます。そして、このイラクに対する支援というのは、基本的にイラクの全土にわたって行われてきております。その中で、自衛隊の駐在をいたしますサマーワのございますムサンナ県につきましては、そうした、今申し上げた緊急支援の中で重点的に実施をしている支援額の割合も、イラク全土の言わば平均を出しますと、人口比等あるいは平均を出しますと、これはムサンナ県に対する電力、教育、水等の分野を中心に、県の住民の生活基盤の再建に重点的にODAを実施をしてきているということがございます。
 これ、一つには、サマーワにおきましては、これまでの米軍による武力行使以前から、フセイン政権の失政とか経済制裁等による社会基盤の疲弊が非常に大きかった。そういうところで政権が崩壊をして、住民が困難な状況に置かれていると。そういう状況、地域の状況というものがあったわけでございまして、そういう意味では給水、医療といったそういう人道復興支援の必要性というものが非常に大きいという事情があったということもあるわけでございます。
 政府としては、正に、先ほど申し上げましたが、サマーワを中心とするそのムサンナ県で、この自衛隊を中心とするそういう人的な貢献と、それからODAによる支援というものを車の両輪として、その復興支援というものを進めてきている、正にそうした事情があるということでございます。
#96
○小林美恵子君 そこで一つ、私、確認させていただきたいんですけれども、先ほど、満遍なくやっているけれども、やっぱりムサンナ、サマワでは一定配分しているというお話がございました。それで、例えば、今イラクの人口二千七百万で、そのいわゆるサマワのムサンナ県というのは六十万人口と言われていますね。で、全体にすると五十分の一。それで、援助額はイラク全体で先ほど十四億ドルというふうにおっしゃいましたけれども、ムサンナ地域では〇・六億ドルということで、二十五分の一で、やっぱり平均の二倍になっていますよね。
 それともう一つは、イラク向けODAの援助の項目といいますか、全体で、これは外務省さんの資料だと思うんですけど、八十六件中二十四件がやっぱりサマワの方に集中していると思うんです。これ自身は確かなことですよね、確認したいと思います。
#97
○政府参考人(佐藤重和君) 今お話がございましたが、先ほどの繰り返しでございますが、サマーワのございますムサンナ県については、先ほど申し上げたような、言わばそういった支援を必要とするニーズというものがあったということ。それからまた、申し上げることができますのは、自衛隊が駐在をしているということで、そうした自衛隊と協力をしながら支援を行う。そして、外務省の事務所も存在をするということでございまして、言わば、そうした連携を取りながら、まあほかの地域に今そういう状況が存在しないわけでございますが、そうした条件の下でサマーワ地域につきましてはきめの細かいその支援を実施をする条件、体制が整っているということも挙げられるかと思います。
#98
○小林美恵子君 私が今日なぜそういう御質問をさせていただいたかということを最後に申し上げて質問を終わりたいと思うんですけれども、要するに、何といいますか、その自衛隊が駐留しているところにODAが随分費やされているということで、それは自衛隊の駐留を容認していくものになるというふうに一つは思うんですね。
 それと、一方で、先ほど杉下参考人もおっしゃいましたけれども、自衛隊というのは本来復興の性格を持っていないんだと、給水活動と言ってきたけれども、それは復興とは言えないとかいって御指摘がございました。
 自衛隊のいわゆる復興の主力となった給水活動も結局はままならなかったというふうに思うんですね。そういうところにほかと比べてODAが費やされているということは、やっぱり日本のODAの在り方が随分私はゆがめられてきているというふうに言わざるを得ないというふうに思います。それはやっぱり、何といいますか、国連も無視をして無法な戦争を起こしたアメリカやイギリスのこのイラク戦争に日本もすぐさま支持をして、しかも自衛隊を駐留させて、そういう米英の戦争によってイラクの建物が破壊されたり人民が殺傷されていく、そういう後始末に日本のODAが使われていくということは、やっぱりゆがめられているというふうに言わなくてはならないというふうに思います。
 その点で、今後そういう使い方というのは検証したいということを思いを込めまして、今日の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#99
○又市征治君 社民党の又市です。
 まず初めに、草野参考人にお伺いをしたいんですが、先ほど来出ておりますけれども、先生は冷戦後の日本のODA戦略という論文の中で、日本のODAの分野別の推移について、一方の代表としての貧困削減、これに特に資するのは水供給、衛生及び保健であろうと、こう定義をなさっておりますね。その結論として、一九九〇年以来二〇〇一年までに水の供給や衛生のシェアが五・二%、保健が二・五%で貧困削減という国際的なニーズにある程度こたえてきたことは言えないだろうかと、慎重ながら一応肯定的に評価をなさっている。ただ、すぐその後で、最も日本のODAを批判するときによく使われる経済インフラのシェア、とりわけ運輸のシェアは逆に一九%から二六・三%に増えている、結論として、両方のバランスについては、経済インフラのシェアを大幅に減らしてまでも貧困削減に振り向けるという考え方はなかったということになろうと、こう結んでおられて、かなり批判的なわけですね。
 もちろん私も、先ほど先生もおっしゃいましたように、当然生産した商品を町まで運んでいくために道路が必要だということ、あるいは効果が間接的で迂遠であるにせよ、そうした道路援助をまるっきり否定するつもりはもちろんのことないわけですが、しかし、このくだりを読んだ限りでは草野先生は、大変紳士的な言い回しにもかかわらず、やはり日本の貧困削減への支援というのは例えば道路建設への支援に比べて格段に低いままだと、内容の抜本的な転換はなされていないというようにこれ読めるわけですが、この点はもう少し御説明をいただくならば、これが第一点ですね。
 二点ございまして。といいますのは、去年は私もタイとインドネシアの調査に参りましたが、そのタイで、幾つかございましたけれども、一番典型的なのはバンコク第二空港だとか高速道路のプロジェクトであったわけですが、大変私自身は疑問に感じました。そのバンコク第二空港なんというのは、アジア最大のハブ空港を造りますよ、第一空港は後でどうするんですかと言ったら、これはチャーター便の専用空港にするんですという話。こんなことに一体全体日本が援助をする意味があるのか、こういう問題を私自身は強く感じたわけですけれども。
 つまり、先ほど来出ているように、相手国が要請をしてきたから、あるいは相手が申し出てきたからこれを精査を、ODAに本当にふさわしいのかどうか精査が極めてずさんなまま、それで予算主義というか、そういう格好でうのみでやられたり、あるいは日本の企業の進出のためのプロジェクトやあるいはいわゆるひも付き構造というのが依然としてあるんではないかというこんな思いが非常に強くするわけでありまして、ここらのところを本当の意味でどういうふうにチェックをしていくべきだ、どうすべきだというふうにお考えになっているか。この点、まず二点お伺いしたい。
#100
○参考人(草野厚君) お答えをいたします。
 又市さん、お忙しいのに私の論文をきちんと読んでいただいて、大変恐縮でした。
 実は、その論文を書いた時点と若干、先ほど言いましたように世界的なインフラに関する議論の潮流が変わってきたということがあるんです。ただ、しかし、私はやみくもに、今、タイの第二空港の話をされましたけれども、ああいうものも含めて全部いいと言っている意味では全くなくて、先ほど小林さんの御質問にもお答えいたしましたように、インフラといっても千差万別です。それは精査しなければいけませんし、基本的には環境だとかあるいは貧困削減にきちんと資するというようなものというのは当然この前提として言えるわけです。
 ですから、従来型の、先ほど二点目で御質問されました、日本企業にこれがですね、私は必ずしも、ちょっと注意深く言わなきゃいけないんです、と申しますのも、実はアンタイド化というのは数年前は一〇〇%達成されました。しかし、日本の企業はこれだけ不況で、日本のお金を使っているのに日本企業がもうける機会が全くないというのはいかがなものかということで、現在では環境の案件とそれから日本の企業に独特の技術があるというようなものに関してはひも付きになっていますよね。私は、それは正当だというふうに思っております。ですから、ちょっと又市さんと私の解釈が違うのかなと思いますけれども、要請主義はもうなくなりました。
 そこで、先ほど来繰り返し言っておりますように、その国別の援助計画というものができて、そしてその国のニーズにどんなものが日本として援助できるのかということを日本が主体的に考えると、一丸となって、そういう仕組みができましたので、是非その、何というんでしょうか、実施ぶりを見ていただきたいというふうに思うんですが。
#101
○又市征治君 そこらの評価ですね。
#102
○参考人(草野厚君) ええ。
#103
○又市征治君 はい。
 それじゃ、二点目に杉下先生にお伺いをしたいと思いますが、「ODAジャーナリストのつぶやき」というのを連載でなさっておられまして、これざっと見させていただきましたが、対中国のODAの論議について、今回は参議院調査団の報告書が火付け役だと書かれておりますが、私は中国班ではございませんでしたもので、その報告書の記述の背景の詳細については余り口幅ったいことは申せませんが。
 ただ、先ほど草野参考人のときに、今申し上げましたように、タイでの視察では、ODAの中身が第二空港の問題あるいは高速道路、これは余り多く申し上げませんでしたけれども、言ってみれば、国から要請を受けてそれで高速道路を造ったけれども、横に並行してまた市がやっている道路が造られていましたなんという格好の、こんな問題があったわけですけれども、タイはいわゆる卒業国ではないかという点では同じような体験をいたしましたが。
 このタイに比べても中国に対する日本人の国民感情がいろいろと複雑だということは、これは十分私も理解をしておるわけですが、ただ、それに続けて杉下先生は言っておられるのは、中国に対しては国防費あるいは原潜問題や反日運動など日本側から見た不満も多いが、それを対中ODAにぶつけるのは適切でない、こういうふうにお書きになっておりますですね。私もここのところは同感なんですが、続けて、今一番危険なことは経済制裁と同列視するような一部の意見だと、そんな感覚で幕引きをしたのでは、これまで長い時間と大量の資金を投入してODAが築いた日中の協力関係は水泡に帰してしまうと、こう述べておられます。
 ここでおっしゃっている対中国ODAの重要さ、水泡に帰させてはならないという、ならない意義というのはとりわけ何を指してそのようにおっしゃっているのか、もう一度改めてここのところは整理をお願いをしたいなとこう思いますが。
 これは私の思いですけれども、やはり過去の十五年戦争あるいは日本の軍事占領、経済支配の対象国、部分的にはかいらい政権、支配の地であったことや、あるいは多数の人命を含めて、その傷痕を戦後長い時間と莫大なお金を使って、言ってみれば賠償的なというか、そういう側面も含めて、このODA援助というのは中国について言うならばこれはあったという、そういう思いがあるわけですが、そういう面も含んでいるということなのか。
 それとも、戦争責任とかそういうのは関係なく、もう少し一般的なリアリズム、つまり、単にODAは長い間の貯金であるから、いざというときの外交カードなんだから、そこは大事にしろよというふうにおっしゃっているのか、ここらのところをもう少し御説明をいただければという思いがあるわけであります。これがまず第一問目です。
 二問目には、そうした問題と別に、いろんな意味で議論があります。有償、無償、無償の資金援助の問題は、それはそれぞれで軟着陸をすべきだという意見があったり、それはそれでいいんですけれども。
 問題は、私は日本の、先ほどのことにも絡むんですが、本当の意味で、戦略的に見て、例えば中国というものを見たときに、あの十三億人も住む国が大変な食料輸入国になっておる、しかし広大な土地を持っておる。ここのところに本当に日本の農業技術力をもってすれば、もっともっと生産力を上げることができる。こういったものを、先ほど草野先生は要請主義はなくなったからという、おっしゃっていましたが、問題はやっぱり、これは日本なら日本も戦略的に考えて、中国と話をする中で、そういったところの援助を、うちとしては技術援助なんかもっとできますよと、こういうことをもっともっとやっていく視点が必要ではないかと。環境の問題、どんどんどんどん向こうで石炭たかれて、片一方でCO2、こっちは全体的に下げましょうよといったって、そういう問題もあるんだろうと思うんですね。
 そんなことを含めて、もっと日本のODAを進めていくその視点といいますか、そういう戦略的な視点が私は非常に大事ではないかというふうに思っているわけですが、先ほどの、そうした先生のおっしゃっている中国ODAのありよう、ばさっと切ってしまうような話ではそれは駄目ですよということの問題と、今後のありようの問題と、この二点についてお伺いしたいと思います。
#104
○参考人(杉下恒夫君) お答えします。
 又市先生のおっしゃるとおりで、私特に、そのとおりだとしか言いようがないんですが。
 一つだけちょっと、小林先生と又市先生の貧困削減の話をちょっとさしていただきたいんですが、この貧困削減というのは、ODAというのは結局全部、究極の目的はある意味では貧困削減なんです。道路造るのも貧困削減につながってくると私は思います。経済協力というのは結局全部が貧困削減なんですよね。それに特化するプロジェクトというんじゃなくて、感染症対策も貧困削減につながるし、人口問題対策も貧困問題につながるし、そういう意味で、私は、貧困削減というのは、特化せよという御指命ですが、そういうプロジェクトだけむしろ発現するとかえって効率のいいプロジェクトにならないかもしれないので、貧困削減というのは常に頭に入れながらも、いろんな形でアプローチすべきだと、そう思います。
 それから、二つ、今、私直接いただいた質問に対して、これは今申し上げたとおり、そのとおりでございます。
 それで、さっきのに一つだけ付け加えるとすると、経済制裁というのは、私が言っているのは、北朝鮮に対する経済制裁と対中援助の停止というのが同列視して今言われるちょっと雰囲気があるんじゃないかということを気にして書いたものでございます。
 それで、全くそのとおりで、水泡に帰すというのは、私が言ったように、一つ、基本的には投下した三兆円以上のお金が水泡に帰すということと、やはりそれによって生まれた戦争責任などに対するやはりある意味のコンソレーションというか、そういった中国人の日本に対する考え方、そういったものにも少しは、もちろん大きな効果はあったと、そういうものが水泡に帰してしまうということで、先生のおっしゃるとおりでございます。
 二つ目のことも、これもそのとおりでございます。やはり食糧支援、技術協力、こういったものは、寒冷地における農業支援とか、そういうのは日本はたくさん技術を持っておりますし、そういったものを是非やっていくべきだと、これについてはそのとおりということでございます。
#105
○又市征治君 ちょっと時間がございますので。
 私は、草野さんにまでそこまでお聞きできる時間ないかなと思ったんですが、今の点についてもう一言コメントいただければ。
#106
○参考人(草野厚君) 繰り返しになるんですけれども、冒頭のブリーフでも申し上げましたように、これだけ日中両国でナショナリズムが高まりを見せているときに、言ってみれば日本の側から、先ほどの、過去を背負っている日中関係、必ずしも日本が全面的に悪かったというふうには思いませんけれども、過去をやはりどこかで反省するという気持ちがあれば、今一部でテレビメディアも含めて中国けしからぬという、こういう議論にならないんじゃないかなというふうに思うんですね。
 ですから、この時点で何か日本政府がもうスケジュールを明示してストップというようなことは余り良くないのではないかなと、個人的にはそう思っております。
#107
○又市征治君 終わります。
#108
○委員長(鴻池祥肇君) 以上で参考人及び政府等に対する質疑を終了いたします。
 お二人の参考人に一言御礼を申し上げます。
 本日は、長時間にわたり大変貴重な御意見をちょうだいいたしまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして御礼を申し上げます。(拍手)
 本日の審査はこの程度にとどめまして、これにて散会いたします。
   午後四時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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