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2005/03/03 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 予算委員会 第4号
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2005/03/03 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 予算委員会 第4号

#1
第162回国会 予算委員会 第4号
平成十七年三月三日(木曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月一日
    辞任         補欠選任
     森 ゆうこ君     辻  泰弘君
     澤  雄二君     福本 潤一君
 二月十日
    辞任         補欠選任
     大塚 耕平君     高橋 千秋君
 二月十四日
    辞任         補欠選任
     高橋 千秋君     大塚 耕平君
     水岡 俊一君     藤末 健三君
 二月十五日
    辞任         補欠選任
     藤末 健三君     水岡 俊一君
 二月二十一日
    辞任         補欠選任
     山本 孝史君     高橋 千秋君
 二月二十二日
    辞任         補欠選任
     秋元  司君     河合 常則君
     高橋 千秋君     山本 孝史君
 二月二十三日
    辞任         補欠選任
     河合 常則君     秋元  司君
 二月二十五日
    辞任         補欠選任
     大久保 勉君     松下 新平君
 二月二十八日
    辞任         補欠選任
     山本 孝史君     峰崎 直樹君
 三月一日
    辞任         補欠選任
     峰崎 直樹君     山本 孝史君
 三月二日
    辞任         補欠選任
     泉  信也君     片山虎之助君
     小林 正夫君     柳田  稔君
     主濱  了君     円 より子君
     山本 孝史君     輿石  東君
     風間  昶君     谷合 正明君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中曽根弘文君
    理 事
                阿部 正俊君
                椎名 一保君
                野上浩太郎君
                舛添 要一君
                若林 正俊君
                池口 修次君
                小川 勝也君
                福山 哲郎君
                荒木 清寛君
    委 員
                秋元  司君
                浅野 勝人君
                市川 一朗君
                岩永 浩美君
                大仁田 厚君
                大野つや子君
                岡田  広君
                片山虎之助君
                世耕 弘成君
                関口 昌一君
                田村耕太郎君
                中島 啓雄君
                長谷川憲正君
                松村 龍二君
                山崎  力君
                山谷えり子君
                犬塚 直史君
                小川 敏夫君
                大塚 耕平君
                輿石  東君
                辻  泰弘君
                白  眞勲君
                平野 達男君
                前川 清成君
                前田 武志君
                松下 新平君
                円 より子君
                水岡 俊一君
                柳田  稔君
                谷合 正明君
                福本 潤一君
                山本 香苗君
                紙  智子君
                大門実紀史君
                福島みずほ君
   国務大臣
       内閣総理大臣   小泉純一郎君
       総務大臣     麻生 太郎君
       法務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(青少年
       育成及び少子化
       対策))     南野知惠子君
       外務大臣     町村 信孝君
       財務大臣     谷垣 禎一君
       文部科学大臣   中山 成彬君
       厚生労働大臣   尾辻 秀久君
       農林水産大臣   島村 宜伸君
       経済産業大臣   中川 昭一君
       国土交通大臣   北側 一雄君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策))  小池百合子君
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (内閣府特命担
       当大臣(男女共
       同参画))    細田 博之君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        村田 吉隆君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  大野 功統君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        伊藤 達也君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    竹中 平蔵君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革、産業再生機
       構))      村上誠一郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(科学技
       術政策、食品安
       全))      棚橋 泰文君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  山崎 正昭君
   副大臣
       内閣府副大臣   西川 公也君
       内閣府副大臣   林田  彪君
       防衛庁副長官   今津  寛君
       総務副大臣    今井  宏君
       法務副大臣    滝   実君
       外務副大臣    谷川 秀善君
       財務副大臣    上田  勇君
       文部科学副大臣  小島 敏男君
       厚生労働副大臣  衛藤 晟一君
       厚生労働副大臣  西  博義君
       農林水産副大臣  常田 享詳君
       経済産業副大臣  保坂 三蔵君
       国土交通副大臣  岩井 國臣君
       環境副大臣    高野 博師君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        江渡 聡徳君
       内閣府大臣政務
       官        木村  勉君
       防衛庁長官政務
       官        柏村 武昭君
       法務大臣政務官  富田 茂之君
       財務大臣政務官  段本 幸男君
       農林水産大臣政
       務官       加治屋義人君
       環境大臣政務官  能勢 和子君
   政府特別補佐人
       人事院総裁    佐藤 壮郎君
       内閣法制局長官  阪田 雅裕君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村松  帝君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       政府広報室長   林  幹雄君
       防衛庁人事教育
       局長       西川 徹矢君
       総務省郵政行政
       局長       清水 英雄君
       外務大臣官房長  塩尻孝二郎君
       外務大臣官房審
       議官       広瀬 哲樹君
       外務省領事局長  鹿取 克章君
       厚生労働大臣官
       房統計情報部長  鳥生  隆君
       厚生労働省労働
       基準局長     青木  豊君
       厚生労働省職業
       安定局長     青木  功君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       伍藤 忠春君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    塩田 幸雄君
       厚生労働省年金
       局長       渡辺 芳樹君
       社会保険庁運営
       部長       青柳 親房君
       国土交通省住宅
       局長       山本繁太郎君
   参考人
       日本郵政公社副
       総裁       團  宏明君
       日本銀行総裁   福井 俊彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○平成十七年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十七年度特別会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十七年度政府関係機関予算(内閣提出、衆
 議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(中曽根弘文君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十七年度総予算三案審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(中曽根弘文君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#4
○委員長(中曽根弘文君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十七年度総予算三案審査のため、必要に応じ日本銀行総裁福井俊彦君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(中曽根弘文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 また、本日の委員会に日本郵政公社副総裁團宏明君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(中曽根弘文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(中曽根弘文君) 平成十七年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日及び明日は基本的質疑を総括質疑方式により行うこととし、質疑の割当て時間は二百八十分とすること、各会派への割当て時間は、自由民主党百十六分、民主党・新緑風会百十五分、公明党二十八分、日本共産党十四分、社会民主党・護憲連合七分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
#8
○委員長(中曽根弘文君) 平成十七年度一般会計予算、平成十七年度特別会計予算、平成十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 三案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。輿石東君。
#9
○輿石東君 おはようございます。
 与えられた時間の中で、総理並びに関係大臣に質問をさせていただきます。民主党・新緑風会の輿石東でございます。
 まず最初に、総理にお尋ねをいたします。
 今国会の中心的課題はどのようにとらえられているか。昨年の通常国会は年金国会、参議院選をまたいで、自衛隊のイラク派遣をめぐってイラク国会とも呼ばれました。とすると、この国会は何国会と呼べばいいのか、その辺の認識について、まず総理にお伺いいたします。
#10
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、名付けるとかいう気持ちはございません。内外、問題が山積している中、息つく間もない、気を引き締めて掛からない、重要な国会審議であると位置付けております。
#11
○輿石東君 息つく暇もないと、こういうお話ですけれども、今日の新聞等では既に会期延長をすると、こんなお話もあるわけですけれども、この予算委員会はじっくりとやるという御意思でしょうか。
#12
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 会期延長は考えておりません。国会のことに口を出すなと言われておりますので、国会は国会のことが決めることであり、それに従っていきたいと思います。
#13
○輿石東君 今、私たちに、この国会に国民は何を望んでいるのか。このパネルを総理にも見ていただきたいと思います。(資料提示)
 まず、年金、雇用、断トツであります。続いて、治安、財政改革、教育改革。これはこの二月に政府の内閣府自身が調査をされたものであります。左は昨年のデータであります。
 改革の本丸と言われる郵政民営化については二%、右の方にしても四人に一人という状況であります。そして、これをごらんになっていただいて、何を国民がこの国会で議論してほしいか、それが見えてくるような気がいたしますけれども、総理の御認識を伺いたいと思います。
#14
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この表によりますと、それぞれ国民が関心のある問題が出ております。
 年金や福祉の問題、こういう景気の問題、それぞれ関心があるのは私も承知しております。しかし、郵政民営化は経済活性化、行財政改革の一つの手段であります。一つを取れば、それは福祉の問題とか景気の問題、関心があると思いますが、それを解決する手段として郵政民営化は避けられない、不可欠の課題だと思っております。
#15
○輿石東君 昨日の衆議院の総括質疑の中で、この民営化問題については総理自身が十年、二十年前にやっておけばよかったと。その意味は何を意味するんですか。
#16
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、決して今早過ぎることはないと思っています。二十年前にやっていれば、十年前にやっていれば国民負担はもっと軽くなっていたでしょうし、経済はもっと活性化していたと思います。
#17
○輿石東君 後ほどその点についてもお聞きをしたいと思いますが、官房長官にお尋ねをいたします。
 この国会の法案の数は八十三本、これについて官房長官はどういう認識をされておりますか。
#18
○国務大臣(細田博之君) 急なお尋ねでございますが、例年必要なものを内閣として閣議決定いたしまして出させていただいております。今年はできるだけ重要なものに絞って出したらどうかというような国会側からの御要望、与党側からの御要望もいただいておるわけでございます。
#19
○輿石東君 総理にお尋ねをいたします。
 昨年は百二十六本、一昨年が百二十七本、あっ、逆だったかもしれません。ここ五年間を見ても百本を下回ったことはありません。そうしますと、四十本以上の差があるわけですね。これを郵政民営化シフトだと指摘する人もあるわけですけれども、その点はいかがですか。
#20
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は元来、法律は少なければ少ないほどいいという考えを持っております。法律で規制するよりも、法律以前、個人の倫理観とか道徳観とか、それで解決できる世の中の方がいいと思っております。
#21
○輿石東君 昨年、国会で、流行語大賞というのがあって、超気持ちいいとか、三つ目にサプライズ人事というような問題もありました。国会では昨年から年金、イラク、そして私はこの国会は何国会というんだと。昨年から引き続いて、国会では年金、イラク、三位一体と、こうつながっていたような気がするわけですけれども、その点についてはいかがですか。
#22
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私が名付けたことでありませんので、報道機関、マスコミ、それぞれの方々が名付けていることに対して別に異議を唱える気持ちはございません。
#23
○輿石東君 そういう意味で言っているわけじゃないんです。今、国民が求めている政治課題は何だと冒頭お尋ねしたわけであります。まだ総理は国民が求めている政治課題は何であるかをお分かりにならないんですか。
#24
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 年金の問題にしても、社会保障にしても、イラクの問題にしても、北朝鮮の問題にしても、景気の問題にしても、それぞれ関心を持っておられると思います。
#25
○輿石東君 ここに昭和三年、今から七十七年前の立憲政友会が使ったポスターがあります。(資料提示)これは地方六団体でもお使いになったそうですが、借りてきたわけであります。
 地方分権、「国民諸君は何づれの姿を望むや」「地方分権丈夫なものよ ひとりあるきで発てんす」「中央集権は不自由なものよ」、足をやせさしつえを使うと、こういうものであります。
 三位一体、地方分権、そういう問題について総理はどのように認識され、これから地方分権についてどういう道筋を付けようとしているのか、その認識をお伺いいたします。
#26
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 地方分権丈夫なるものよ、独り歩きで発展すというのは、これ立憲、立憲政友会ですか、「中央集権は不自由なものよ 足をやせさし杖もらふ」、これは立憲政友会のポスターですか。
 歴史に学ばなきゃいけませんね。私も、地方にできることは地方にという改革を進めていきたいと思います。
#27
○輿石東君 そのとおりでしょう。
 だから、総理、今、郵政民営化じゃないんです。七十七年、地方分権、地方から日本を元気にする、国から地方へ、総理もそうおっしゃっているじゃないですか。それを総務大臣の麻生大臣と二人でやり遂げたらどうでしょう。歴史に残る総理に名を連ねることは間違いないわけであります。切り替えたらどうですか。
#28
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 地方にできることは地方に、民間にできるところは、ことは民間に、地方分権も必要であります。経済活性化、行政改革、財政改革する手段として郵政民営化は不可欠であります。両方大事であります。
#29
○輿石東君 両方大事だ、それでは会期延長の問題もあります。私たちが要求をしている年金の一元化、政治と金にまつわる政治資金規正法、被災害者支援法、これらの提案もしているわけですけれども、受けて立っていただいて、この国会でじっくり結論を付けていくという御意思ありますか。
#30
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 会期内にすべての法案を成立させたいと思っております。
#31
○輿石東君 そう言っているわけじゃないんです。我々が提案をしているものに受けて立つかとお尋ねしているんです。
#32
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 年金一元化の問題にしても、社会保障全般の問題にしても、自由民主党・政府は民主党に対しても早く相談しましょう、協議のテーブルに着きましょうと働き掛けております。是非、拒否しないで相談のテーブルにのっていただきたいと思っております。
#33
○輿石東君 岡田代表とも党首討論で、昨日の集中審議でも議論をし、一歩踏み込んで検討すると、総理、答えているんじゃないですか。
#34
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) かねがね、早く協議のテーブルに着きましょうと、普通だったらば野党が私の方に申し込むのが普通だなと思っているんですけれども、野党がどうして協議拒否しているのかなと。民主党がむしろ私に協議を呼び掛けて、そして私も考えましょうとテーブルに着くというのが、まあ与党、野党ということから考えれば普通なんですが、今与党の、政府の私の方から早く協議に着きましょうと呼び掛けているんですけれども、なぜか応じてくれない。拒否している。どうか早く協議のテーブルに民主党も着いていただければいいなと思っております。
#35
○輿石東君 それでは、一つお尋ねをいたしますけれども、年金改革、ゼロからの出発をしようと。今ある現行年金制度は百年安心プランどころか百年不安のプランだ、ゼロからの出発をしようというのが我が党の主張であります。
 ゼロから出発する、そのことでいいんですね。
#36
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 年金というのは既に給付の決まっている方がおられるわけです。ゼロから出発するということは、どの政党が考えても、どの方が考えても、それは不可能です。現行制度を前提にして、そしてどう改革をするかという問題だと思っております。
#37
○輿石東君 そういう話ではなくて、今の年金制度に不満を持ち、国民年金を未納というのが四割以上じゃないですか。もう破綻をしている、だから新たな出発で考え直していこうと、そういう基本に立とうという意味であります。
#38
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 給付と負担を考えて持続可能な制度に改正したわけであります。更に改善する必要があるというのであったらば、早く協議のテーブルに着いて、民主党もその協議のテーブルに着いていただく方が結構だと思います。
#39
○輿石東君 まあ、総理自身、お分かりになっていないようです。
 もう一つ、私どもは政治と金の問題について証人喚問も求めております。
 私自身の政治団体について一部の政党から御批判もいただいていることは承知をしております。輿石東、私自身の政治活動について御不審な点があれば、どこでも説明をさせていただくということを申し上げ、証人喚問にも応じていただけるようリーダーシップを発揮していただけますか。
#40
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この問題については衆議院でも度々議論が重ねられまして、今与野党の理事の間で協議されていると思います。国会のことでございますので、その動向を見守りたいと思っております。
#41
○輿石東君 国会の動向を見守ろうとおっしゃいました。国会でそういう意思を決めたら必ず実現していただけますね。
#42
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国会の決定に従います。
#43
○輿石東君 先ほどの地方分権の問題、総理、この問題は、先ほどパネルでお見せしたように、梶原前知事会長が、政府の主催する総理が招いた全国知事会でこのようにあのポスターを引用して言われているのであります。
 地方分権、三位一体改革について今日まで歴史の流れを振り返りますと、明治前半期の自由民権運動の国会開設につながり、昭和三年の第一回普通選挙においては立憲政友会は中央集権から地方分権へのスローガンで戦われました。その後、七十五年というんですか、一昨年ですから七十七年を経て今日、国から地方への構造改革が大きく第一歩を踏み出そうとしているところであります。正に平成の自由民権改革とも称されるべきものであり、誠に感慨深いものがありますと総理にエールを送っているんですね。覚えていると思います。
 だとすれば、先ほど私が申し上げたように、憲政に名を残す、郵政民営化ではなくて、麻生大臣とともに、あなたが生みの親であれば、前片山総務大臣が名付け親かもしれません。三位一体といったって、最初のうちはよく分からない。育ての親ともいうべき麻生大臣とともにこれをやり遂げたらいかがですか。
#44
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 麻生大臣とともに三位一体も郵政民営化もやり遂げていきたいと思います。
#45
○輿石東君 麻生大臣と一緒に郵政化じゃないでしょう。竹中大臣と一緒に、そうじゃないですか。
#46
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 竹中大臣も郵政民営化担当大臣ですから当然でありますが、麻生大臣も総務相ですから当然に協力していただいておりますし、全閣僚一体でこの難事業を断行したいと思います。
#47
○輿石東君 もし、この民営化法案が通らなかったり、自民党の中でまとまらなかったら、総理はいかがいたしますか。
#48
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私はまとまると思っています。
#49
○輿石東君 私どももじっと見守らせていただきます。
 麻生大臣、笑っておいでになりますけれども、地方分権について、私は、平成五年の衆参におけるこの推進決議というのからスタートしていると思います。義務教育国庫負担の問題がネックになっていまだ結論が出ていません。この問題を含めて、平成五年以降の分権に対する流れについて御説明いただけますか。
#50
○国務大臣(麻生太郎君) 平成五年と今言われましたのは、地方分権の推進に関する決議、これは衆参両院で行われた決議のことを言っておられるんだと思いますが、その後、平成十年に地方分権推進計画の閣議決定がなされ、そして御存じのように、平成十二年、地方分権一括法というのができ上がっておりまして、国と地方の役割分担というものがその中で体系的に整理されていったのが歴史なんだと思いますが、残された課題というのは、やっぱり地方が自主独立、地域主権を確立していくに当たって財源問題というのが、一番最後に残った問題が今回の、先ほど言われました三位一体という宗教用語がいつの間にか行政用語、政治用語になったんだと思いますが。
 こういった流れの中にあって、地方財源の充実に関して具体的な実現方法というものを今回の中でいろいろ示し合わせていったんだと思いますが、やっぱり大きな流れとしては、その中にあって小泉総理の決断によって、地方に、補助金を受ける地方側にどの補助金が要るか要らないかという選択を地方にということをさせたあの発想は非常に大きな決断だったと、私どもはそう思っております。
 前にこれは衆議院でどこかでお話ししたと記憶をしますが、一八五三年にペリーが日本に来航したときに、時の老中筆頭酒井伊勢守正弘が諸侯の意見を、(発言する者あり)済みませんでした、阿部伊勢守正弘という人が諸侯の意見を聞くということで、当時、役人や、旗本と当時言ったんですが、旗本というのの中に、御存じのような勝海舟辺りの国防会所なんというのが出たあのときなんですが、あれから比べてずっといろいろな流れが出て、あのときは中央集権でまとめて、それが今、百数十年ぶりに今地方分権に大きくかじを切っているんだと思いますが、この十年間ぐらいの流れを見ますと、今御指摘のように、地方分権の実というのはかなり上がっておるということは確かだと思っております。
 その中に義務教育というものも、これは地方自治事務というように区分をされましたのが平成十二年と思いますので、義務教育の国庫負担制度の在り方につきましても今いろいろな意味でその論議がなされている最中だと思っておりまして、歴史的な大きな流れの中の一つにあると思っております。
#51
○輿石東君 今、麻生大臣がこの三兆円規模の補助金カット、これを地方に投げたと。これは総理と相談をして、画期的なことだと言われました。私は、そこに問題がある。投げたボールがくせ球だと、こう思いますけれども。
 なぜなれば、三位一体というのはキリスト教用語かどうか、そういう話もありました。地方への財源を移すことと補助金をカットすることと、カットというか整理することと、権限を地方へ持っていくことを、三位一体ですから一緒にやるということでしょう。総理、いかがですか。
#52
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 補助金、税源、地方交付税、これどれも難しい問題です、一つずつやると。三すくみ状態でどれもできないから難しいものを一緒にやろうということで、三者一体でやろうとしたところが、どなたかがうまい言葉を使って、三者一体より三位一体の方が分かりやすいということで、それでは三位一体と。三位一体というのは正式に考えるとキリスト教の言葉だそうであります。これ一緒にやろうと思っています。
#53
○輿石東君 一緒に行っていないんですよ。全国知事会へ、三兆円どこを削ったらいいか、削ってみなさいという提案を麻生大臣も言ったじゃないですか。そして、出てきた結果が三兆円にならなかったじゃないですか。麻生大臣、中身を言ってください。
#54
○国務大臣(麻生太郎君) 細目いろいろありますけれども、地方から出されましたのは、昨年の八月の半ば、約三兆二千億円の補助金の削減が出たのに対して、当方側から、これ二年間で三兆二千億でありましたので、初年度約二兆四千億は、八割のものが一応の形として出せると思っております。
#55
○輿石東君 それで、八月の十八日くらいですか、新潟へ行ったらあらしに遭って、知事がそこで一回解散をし、また改めて協議をした。深夜まで掛かった。そして、あの義務教育国庫負担や生活保護の問題がいまだ解決しないまま秋の中教審の結果待ち、そうなっているはずですね。
 それで、知事会では、これ全会一致で決まったわけじゃない。梶原知事が苦労をしてまとめたんですね。このからくりをいろいろ申し上げている時間はないので省きますけれども、これがすんなり決まったと思うと大間違いだと思います。その一緒にやるべきものを、削る、補助金だけ先へやりなさいというための投げ方がいけない。小泉改革流の一つの手法であります。
 郵政民営化ありき、自衛隊のイラク派遣ありき、三兆円の補助金カットするという、そういう結論を先にして、理屈を後からくっ付けるという、こういうくせ球を常に投げている、そこに小泉改革の手法のいただけないところがある。総理、いかがですか。
#56
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、前会長の梶原岐阜県知事が四十七都道府県、賛否両論ある中、かんかんがくがくの議論の末に苦労してまとめた案、これを真摯に受け止めてやろうということでこの問題に取り組んだわけであります。
 もちろん、全部地方団体の言うとおりということではございませんが、梶原前知事会長も評価をしていただき、これからも一緒にやりましょうということで、私のところにも見えました。かなり評価を与えていただいておりますので、難しい問題ですけれどもこれから協力してやりましょうということになっております。
#57
○輿石東君 今、梶原知事も評価をしていただいた、その梶原知事でさえこの問題は六十点と、こう言っているんですよ。三重県辺りの知事は点数の付けようがない、こういう話だ。
 それから、こんな状況で、義務教育国庫負担の問題は後ほど関係大臣にお尋ねをしていきたいと思いますが、この義務教育国庫負担の問題の処理について、麻生大臣、どのようにするんですか。
#58
○国務大臣(麻生太郎君) 義務教育国庫負担の在り方につきましては、これは地方六団体の方から約八千五百億の義務教育の国庫負担金という名の補助金を地方に移管すべしという御意見をいただいたと記憶をいたしております。
 それに伴いまして、私どもとして、その案を受けまして、具体的な運用というものに関しましては地方に任せるということで、本来、先ほど申し上げましたように、平成十二年でしたかの地方分権一括法によってこの義務教育というのは地方自治事務ということに整理がされておりますので、それに伴いまして、基本的なところはきちんと国が決めて、そしてその運用につきましては地方でというお話が出てきて、地方の自由度を最大限に生かすということでその整理がなされたんだと思っておりますんで、今非常に大きな流れの変化ですからこれはいろいろ御意見の一杯出てくるところだと思っておりますが、少なくとも、今義務教育そもそも論というところからスタートしないと、何となく金から入って義務教育の話をするとはいかがなものかということは、これはもう経済財政諮問会議でも何回となく言った、出ていた話でもありますので、そういった中にあっていろいろ御意見をということで、中教審の御意見も踏まえてやろうということになっているというのが経過だと存じております。
#59
○輿石東君 分権一括法で自治事務になった、それは私も承知しています。とすれば、義務教育は国から離れたという意味ですか。
#60
○国務大臣(麻生太郎君) 義務教育に関しましては、いろいろ義務というものをどの程度、読み書き計算などなどいろいろ、義務教育のレベルについていろいろ、どの程度まですべきかというのは、もうこれずっと御意見のあるのはもう教育に長いんでお詳しいところだと存じますが、こういった本来国としてきちんとやらねばならないカリキュラムはカリキュラム、実際にそれをやっていくに当たってはどういうような方法でやるかにつきましては、地方でその自由度を増していろいろやり方はあるのではないか。地域差もあれば都心部のところもあれば、いろいろ違いがあると思いますので、その県、その市町村によっていろいろなやり方の違いはあろうと思いますけれども、教えねばならぬこと、これだけはきちんとしておいて、教員の数等々標準法が決められておりますので、そこだけきちんとしておきさえすれば、あとのところはかなり自由にやらせるような方がよろしいのではないかということだと理解しております。
#61
○輿石東君 標準法があればということですけれども、財源がなければ標準法があっても何にもできない、そのことについては。
#62
○国務大臣(麻生太郎君) おっしゃるとおりだと思います。
 そこで、今の、今回の法律でも、四千二百五十億だ、八千五百億の半分とか、二年間の話ですから、いろいろ出ておりますけれども、その財源は地方に移管するということなんだと存じます。
#63
○輿石東君 麻生大臣にばかり質問して申し訳ないですけれども、もう一点。
 合併の問題、進捗状況、今後の見通し、教えてくれますか。
#64
○国務大臣(麻生太郎君) 進捗状況。就任をいたしました一昨年の九月の二十何日かのときに三千百八十一ございましたが、本日時点で二千六百九十七。総務大臣での事前協議というものを、もう既にサインが終わっております分が二千二百五十八になっております。
 したがいまして、まあ平成の大合併と言われるものになりつつあるんだと思いますが、流れとしては、多分これ以後、今年の三月三十一日までということになろうと思いますが、更に進みますんで、二千前後ぐらいまでのものになっていく、二千前後ぐらいのものだと予想をいたしております。
#65
○輿石東君 なぜ急に私が合併、教育には関係ないような形で合併の問題を持ち出したかというと、昭和の大合併と、こう言われたですね。そのときの合併の条件が義務制が中学校までいったと。中学校をどうするかというのが最大のネックになったと理解しているんですが、その点、いかがですか。
#66
○国務大臣(麻生太郎君) 合併が進んだ理由に、各行政体に一部義務教育としての中学校を設置せねばならぬという形が合併を促進させたというように私も理解をいたしております。
#67
○輿石東君 そこで、先ほどのまた七十七年前の古いポスターを見てください。
 ここに注目すべき点があると思うんです。「地租ヲ市町村ニ移セバ」、永久減税を得て、市町村民の負担が軽くなり、したがって地方は発展し、地域、そしてその後です、「地域セマキ町村ニ対シテハ例外ヲ設ケ教員ノ俸給ヲ補助ス」と。そういうふうに教育に、義務教育に対しては大変この七十七年の歴史をもっても大事にしてきたと。この精神は、理念は今も生きていますね。
#68
○国務大臣(麻生太郎君) 教育に関しましては、これは輿石先生、僕は山梨県の事情はよく知りませんけれども、少なくとも福岡県、佐賀県、熊本県等々の近県の例を引きますけれども、高校教育が一番分かりやすいんだと思いますけれども、高校教育見ていただきますと、高校教育では熊本の済々黌と福岡の修猷館と佐賀の佐高と比べて、その教員の質、またその学生の成績等々は、比較はなかなか難しいほど均衡をしておると思います。補助金はゼロです。県が県立高校として一生懸命やっております。
 したがって、県がきちんと教育というものにそれぞれ皆一生懸命にやっておられるというのは、実態として私の少なくとも県周辺を見ますとそういった形が出ておりますんで、やっぱり教育というものをないがしろにした知事というのは余り長く、長く続かぬのじゃないですかな。私どもはそう思っているんです。
 したがいまして、中学になったら途端に格差がこんな付くというようなお話をようされる方がいらっしゃいますけれども、私ども県を見ている限り、県立高校を見ているとそんな感じがしないというのが私の正直な実感であります。
#69
○輿石東君 県立高校と小中学校、授業料を取るか取らないかと、大きな違い、義務制ですから、そこはきちっと区分けはしなければいけないと思います。
 文科大臣、中山大臣、この義務教育国庫負担、教育の在り方を含めて御意見をいただきたいと思います。
#70
○国務大臣(中山成彬君) 先ほど来義務教育の話が出ておりますが、そこにあります、それは昭和三年だったと思うんですけれどもね、あの民政党のビラの中に、やっぱり学校の先生の給料だけは別だと。やっぱり先人は偉かったなと思うんですね。やっぱり日本がいかに教育というものに力を入れてきたか。また逆に言いますと、先生方の給料、これはいかに地方にとって負担だったかということをやっぱり感じさせるものでございまして、そういう意味で今の義務教育国庫負担制度というのがあるんだろうと、こう思うわけでございます。
 今、麻生大臣が高校の話をされましたが、高校と小中学校と違うんで、小中学校は義務教育だもんですからね。高校というのは県の方で設置してもしなくてもいい、その実態に合わせて統廃合とかいろいろできるんですけれども、小中学校というのは、これは設置しなきゃいけないということになっているわけでございます。しかも、これは月謝は取れないということもありまして、まあ福岡県は豊かでいいんですけれども、我が宮崎県は豊かでないもんですからね。心配しますのは、この三位一体改革が進んで、それでもなくても地方財政というのは非常に財政力が弱まっているものですから、今後、より交付税改革というのが進んで地方の財政力が弱まったときに、これは地方地方によって、その財政力の差によって義務教育にも大きな差が出てくるというのはやっぱり困るなと。やっぱり義務教育というのは、これは全国ひとしく、どこに生まれて育っても、せめて小中学校だけはひとしく教育を受ける権利、これは逆に言うと国にとっては義務だと思うんですけれども、そういうことだけはしっかりと果たしていかないかぬなと、こう思っているところでございます。
#71
○輿石東君 今大臣が教育の機会均等、憲法二十六条、教育基本法三条の理念を言われたんだと思います。そのとおりだと思う。
 そして、総理、この義務教育国庫負担が中教審の秋の結論待ち、こういう結論を与党で出したのが昨年の十一月二十六日、そのときに官邸で中山大臣と握手をし、まあ済まぬな、まあこらえてくれ、こういう発言されている。NHKニュースで、翌日の新聞各社はそう報道していますが、それは事実でしょうし、そのことについてどんな気持ちで中山大臣と握手されたのか、中山大臣はどんな気持ちで握手を受けたのか、お二人にお尋ねいたします。
#72
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 中山大臣の主張が通らなくて、意向に反して決定したもんですから、そこは内閣の一大臣として内閣の方針に従ってほしいと、まあこらえるところはこらえてくれ、我慢してくれという気持ちで言ったわけであります。
#73
○国務大臣(中山成彬君) たまたま官邸を出るとき総理とばったり遭遇いたしまして、困ったなと思ったんですけれども。そういうのから、よく聞こえなかったんですけれども、まあ済まぬな、こらえてくれというふうな声が聞こえまして、いや、総理も大変だなと本当に思いました。
 ですけれども、私としては本当に主張すべきことは主張したなと思っております。やっぱり義務教育というのは国の責任だ、しかもこれは、先ほどから輿石委員も言われましたが、やっぱり銭金の問題、要するに財政論からだけ教育を論じてもらっちゃ困るということをずっと主張してまいりまして、中央教育審議会においてその義務教育の在り方、負担の在り方含めて議論しようということになりましたので、私としてはそれは良かったなと思っておりまして、そういう意味で、済まぬな、こらえてくれ、私のことをおもんぱかって言っていただいた言葉だとは思いましたが、有り難い言葉だなと思って実は帰ったところでございまして。
#74
○輿石東君 総理も苦労しているな、そんなことで、中山大臣、むしろその折に、総理、郵便局じゃありません、学校ですとなぜ言ってくれなかったのか。
#75
○国務大臣(中山成彬君) いや、たまたまですね、たまたまお会いしたもんですから、しかも二人とも急いでおりましたのでその余裕はなかったんですけれども。
 私は、総理が日ごろから教育というのは大事だと、これは米百俵の話もされましたし、しかも去年の秋の臨時国会で新しい時代の国づくりの基は人づくりだと、こういう言葉も言っておられますので、総理の気持ちはよく私は分かっているもんですから、そういう意味で、これは中教審において、もう中教審において一年掛けて議論するんだということ、もうそれも負担の話だけじゃなくて義務教育全般について議論していただく、これは私はすばらしいことだと思いましたですよ。それをやっていただくということで、私はそういう意味では本当に感謝しているということでございましたから、済まぬな、こらえてくれと言われましたが、いや、私はどっちかというとありがとうございますというふうな気持ちだったということは率直なところでございます。
#76
○輿石東君 総理、それは中山大臣に済まぬなと言うことも必要でしょう。しかし、それ以上に、全国三万三千の小中学校に学ぶ一千万を超える子供たち、その親御さん、そこで懸命に子供に勉強を教えている先生方に済まぬな、こらえてくださいと、なぜそういう言葉が国民に向かって出ないんですか、総理。
#77
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、文部科学省の主張と私の主張とは違っていたと。文部科学省にしてみれば、断固として私の主張は受け入れ難いと抵抗してきたわけです。しかし、それを私が押し切ったと。
 それは、教育を軽視していることではないんです。地方に裁量権を拡大していこうと。義務教育の重要性、私はよく承知しておりますし、教育の機会均等は保障されると、教育の水準は確保すると。しかし、それを全部、教員の今の給与の半分、これを全部国の基準に従わなきゃ地方がその特色に合った教育ができないかというと、そこはまた別であります。地方独自の教育に関するやり方は、地方によって違っていいと思っています。
#78
○輿石東君 私は、地方の創意工夫と財源の問題と切り離してほしいと。
#79
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 財源が一定の額与えられて、細々とした問題について国がいろいろ指図する必要はないと思います。一定の財源の範囲で、どういう部分に教育の分野に使うかというのは、地方の裁量権を私は拡大した方がいいと思っています。
#80
○輿石東君 確認できてほっとしているわけであります。国の責任で財源は確保する、あとは地方で工夫しなさいと、そういうことですね。
#81
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) どの程度額を確保して、どのように自由に地方がやるかというのはこれからの問題です。
#82
○輿石東君 これは、今日は大変、文科大臣経験者も大勢おります。島村大臣、町村大臣にもこの辺の御意見を伺いたいと思います。
#83
○国務大臣(島村宜伸君) 私は、まず教育につきましては、この国が今日これだけの大国を維持していられるのも正に教育に根差すと、そういう考えておるわけです。
 国土小国、資源小国、日本のハンディキャップを申し上げれば切りがありませんが、そういう状況の中で、本来貧乏国であるこの国がこれだけの大国を維持しているというのは教育に根差す、正に教育立国こそ私たちのあるべき姿、国是である。そして同時に、小泉内閣もその政策のすべての基本は米百俵の精神を土台にしていると、そう考えているわけで、私は、これからも教育に対しては十分に配慮をし、これを最優先にして、教育改革を実践する中にこの国の前途を切り開いていくということがまず我々のあるべき姿なんだろうと思っています。
 そういう意味で、この義務教育費の国庫負担制度、これは言わば、すべての地域において優れた教職員を確保し、教育の水準の維持向上あるいは機会均等をこれからも守っていくというために重要な制度だと、こういう認識を持っているわけで、先般の三位一体改革によっていろいろ義務教育についてのいろんな議論が出たときにも、私は常にその基本に立った姿勢で中山大臣ともいろいろ協議をしましたし、それから、これからの教育の在り方について、この改革が改悪の方向に行かないように、私は内閣の中でもそういう発言に終始してきた人間でありますから、私はその点では今あなたの御指摘と私どもとは何のずれもない。
 ただ、これだけ我々が配慮しながら、どうして戦後教育が落ち込んだ、落ち込んでいるのかなと、文部大臣経験者としてはそのことはいつも心に留めて、大変に残念に思い、また我々なりの努力不足を反省しているところであります。
#84
○国務大臣(町村信孝君) 私は、教育における国の役割というのは大変大きなものがあると、こう思っております。
 しかるがゆえに、国が大きなフレームワークであるところの学校制度を法律で決め、そして、あるいは教員の基本的な資質である養成のことも決め、教科書の内容についても、個々の選択は地方に任せても、この教科書はやはり子供たちが使うに足るものであるかどうかということについての検定を行い、さらには学習指導要領という形で、実際には教育現場でいろいろな工夫、努力があってもいいが、大きな筋だけは指導要領で決めていくといったようなことなどを含めて、国の果たす役割は大変多い。その背景としての一定の財源保障も国がすることも当然だろうと、こう思っております。
 ただ、どうもよく分かりませんのは、最近ちょっと、私自身は随分現場が生き生きとした教育ができるようにということで、教育の地方分権を一生懸命私の大臣時代には進めたつもりでありますが、どうもその地方に任せるということと、恐縮ですが、輿石委員のお話を聞いていると、金だけは国がふんだんに用意せいと、あとは地方が全部好きに使うぞということになると、どこぞの県のどこぞの教員組合と管理者との誠によく分からないような関係が生まれてきてしまったのではこれはまた問題ではないだろうかと、こう思ったりもしまして、やはり地方は地方で、現場は現場できちんとしたやっぱり自制する体制というものもなければ、地方分権、地方にすべてをお任せするというわけにはいかない部分がむしろ逆に大きいなと、こう思う次第であります。
#85
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この教育の問題につきましても地方が任せてくれと言っているんですよ。地方が要求しているんですよ。国が押し付けているんじゃないんですよ。そこをよく考えていただきたい。
#86
○輿石東君 島村、町村両大臣は東京と北海道ですよね。どこに生まれ育っても同じ教育が受けられる、御両者ともそういうお話でありました。
 島村大臣、ちょっと話が外れますが、一昨日、BSE、牛の全頭検査は世界の非常識と。総理は、今食べ物が危ない、食育をきちんとやりなさいというお話。それを絡めて、学校教育で食育やるべきかどうか。どうですか。
#87
○国務大臣(島村宜伸君) 御承知のように、まあ私の発言についておっしゃりたいのであれば申し上げますが、全頭検査というのを世界じゅうどこかほかの国でやっていること御存じですか。日本の国だけなんですよ。ただ、ただ、あのBSEの発生のときに国民は大変心理的に動揺し混乱をしました。そこで全頭検査を実施するということで、安全をより確認し、そして国民の安心をかち得るために、あれはあのときにおいては大英断だったと思います。ただ、その後三年半が経過し、もう実に、昨日調べてみたら四百二十万頭ぐらい調べているんです。その結果、正に科学的知見に基づいて我々は十月十五日に言わばそのことの諮問をしたというのが例の発言の経過であります。
 それで、食育についてでありますが、御承知のように、我々は前の食品、食料・農業・農村基本計画において、私たちは少なくも自給率を向上させる必要がある。それで、このところ自給率はどんどん落ちていまして、今四〇%です。これ四〇%に落ちたのは、生産量が落ちたんじゃないか、国が抑え付けたから減ったんじゃないかという御意見がありますが、これは全く違うわけでありまして、昭和三十五年当時は七九%も自給率、約八割あったんですね。その後五年ごとに七三、六三、五四、五三、そして後は五%刻みで現在の四〇に至っているわけなんですが、一番の言わば自給率が減った原因は、言わば食の内容なんですよ。洋風化なんです。日本で一〇〇%作れるお米を食べていただかずに、肉とか言わば油脂にはやる洋風化によって肝心の自給率の持てるお米を食べないものですから、どんどん自給率が落ちる。
 今度の食料・農業・農村基本計画でも当初二十二年に予定したものがとてもとてもそのとおりいかない。それは大体六十七キログラムぐらい食べていただけるという計算に立っていたら、これが何と四・八キログラム落ち込んでしまっているものですから、それで落ちているから、こういうことを将来的に国が健全な食の言わば在り方を維持するためには食育をもっともっと充実して、日本型食生活というのは世界的には大変な評価を、今ブームが起きているわけですから、そういうものを知っていただくための教育を実践するという意味において、これは何が何でも必要だと、一日も早くもっともっと更に充実する必要がある、そう考えております。
#88
○輿石東君 まあ、食育をどこでやるかという話をこれ以上しても仕方ありません。
 ちょっとパネルを出してくれる。(資料提示)
 町村大臣、海の向こうのイギリスでは、サッチャーさんは、一に教育、二に教育、三に教育。それを受けたブレア首相は、この平成、六年には全額国庫負担を行うという方向だと聞いております。
 海の向こうから見た日本の義務教育、どうお考えですか。
#89
○国務大臣(町村信孝君) そう私も各国教育制度詳しいわけじゃございません。国により非常に様々違いがあるなと思います。国の成り立ちからして大変に地方の力が強くでき上がったような国、アメリカあるいはドイツでは国が一切義務教育段階でお金を出さないと、すべて地方の負担だという国もございます。他方、かなり中央集権的な国家からでき上がってきた例えばフランスでありますとかあるいは韓国では、これは全額国の負担と。日本はちょうど半々で今までやってきたと、その中間なのかなという感じがしております。イギリスも、今委員御指摘のように、従来はどちらかというと地方主体といいましょうか、それぞれがやってきたということに対して、ブレア政権になってからかなり国が力を入れるようになってきたというような大きな方向の変化があると。
 しかし、いずれの国を取りましても、形態の違いこそあれ、大変にそれぞれ教育に熱心に力を入れているという事実は、これはまごう方なき全世界的共通事項ではないのかなと、かように認識をしております。
#90
○輿石東君 このパネルを総理、見ていただけますか。
 今、日本の子供たちはこんな状況にあると思います。「三失に三間なし」、自由に遊ぶ時間、遊び場、空間、仲間もいない。そして、ずっと下がって、「遊びは子どものご飯です」、これは十五年前に旧厚生省が作ったポスターであります、の言葉であります。「いまこそ群れて遊ぶ文化を子どもたちに」、「地域の子どもは地域で育つ」、NHKでは「ご近所の底力」、そんな試みもしています。赤い、「子ども育成コンテスト」は二月の二十日に日曜討論で中山大臣が言われた言葉で、私は、この子どもの育成コンテストで地域は争って、競っていただきたい、この中山大臣の言葉に感激をしたとおりであります。
 そして、今農水大臣が、第一次産業、食料の自給率が下がって困る、四五%に上げたい。ところが、米、子供たちは、「べいさくのうか」とは仮名を振らなくて「こめさくのうか」と仮名を振る。貯水池を、池に水がたまるではなくて土地の地、これは小学校五年生が、六割がこういう誤りを犯していると。
 このパネルを見ていただいて、総理、御感想でもあったら語ってください。
#91
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 遊びは、「遊びは子どものご飯です」、これはいい言葉ですね。机だけの勉強ではなくて、遊ぶということはいかに勉強になるか。
 米作農家、大人でも最近「こめさくのうか」と言う人結構いますね、分かりやすくね。そういうことで、これはかなり分かりやすいんです。
 これ、「三失に三間なし」ということは、ちょっと私は聞き慣れない言葉なんですけれども、どういうことですか。
#92
○輿石東君 今、十年、二十年前の子供と違って三つのものを失った。自由に遊ぶ時間がない、遊び場、空間がない、仲間がない、三つの間、三間。(発言する者あり)三間。間です。
#93
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 失、三間。間。
#94
○輿石東君 三つのものを失ったと。
#95
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 失は。失は。
#96
○輿石東君 時間、空間、仲間の三つを失ってしまったと。お分かりですか。
 こういう状況に置かれ、この三つの空間を、間を取り戻すためには、子供は危険でどうにもならないという状態、学校、子供は学校へ預けておけば安心だという学校神話も崩壊した。これこそ、郵便局でなくて学校を何とかしろという国民の声じゃないですか。総理、笑っている場合じゃないんですよ。答えてください。
#97
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そうですね。これは大事なことだと思いますね。
 これからも、教育の重要性、そして子供の能力、大人の能力、違いがありますから、やっぱり習熟度別授業というのも大事だと思います。分かりやすく教える。教育のやり方というのは今までどおりじゃなくてそれぞれの創意工夫はこれからも必要だと思っています。遊びも大事、勉強も大事、学ぶことは机だけではないと、旅行も学びの大事な一つでありますので、いろいろな分野におきまして、今までの教育これでいいか反省しながら、より良き教育を目指していく必要があると思っています。
#98
○輿石東君 委員長も元文部大臣経験者として何か御意見ありますか。
#99
○委員長(中曽根弘文君) 質問を続けてください。
#100
○輿石東君 そうでしょう、その立場にないから。
 これは、郵政、郵政民営化内閣ではなくて、これだけそろっているんですよ、文部大臣経験者。そして、総理のおじいさんも旧義務教育国庫負担法を提出したその人だと、その一人だと、衆議院で議論があったじゃないですか。谷垣大臣のお父さんも文部大臣だったでしょう。一杯、八人ぐらいここに関係者がおいでになるんです。教育改革内閣に切り替えたらどうですか。
#101
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 教育も重要ですし、地方分権も大事ですし、ともかく地方に任せるというのは地方が要求しているんですよ。地方の言うことを聞けと言いながら、今の御議論を聞いていくと、地方の言うことを聞くなというふうに取れるんですけれども、これはどういうことなんでしょうか。
#102
○輿石東君 それは、今日、国民の皆さんが、そんなこと私は言ってない、それを判断してくれるでしょう。
 中山大臣、最後に、教育問題で締めくくってくださいよ。
#103
○国務大臣(中山成彬君) それこそ、そうそうたる先輩の文部大臣がいらっしゃる中で今の教育を任されている文部科学大臣でございまして、責任は極めて重大であると、このように考えております。
 先ほどからの議論を聞いておりまして思うんですが、今文部科学省は、とにかく教育は現場に任せようと、学校、校長先生、そして市町村に任せようと。それぞれの地区に生まれた子供たち、やはりそれぞれの地域の特徴がございます。伝統、歴史、風土、そういったものをいろいろ工夫して、そして地域ぐるみで本当に、私は言っているんですけれども、子育て終わった方々も参加してくださいと。総理も言われましたけれども、子供は社会の宝、国の宝だと、本当にみんながそういう気持ちになって、みんなで子供を育てるという、そういう風潮はどうしても必要だと、こういうことで今やっているわけでございまして、ですから、教育はもう本当に現場に任せる。
 今、私ども、スクールミーティングと称しまして、全国の三百の小中学校を回ろうと、とにかく現場に行って先生方とか保護者とか子供さんの話を聞いていこうじゃないかと、それでもって、どういった形で教育改革を進めていけばいいのかということを模索しているところでございますけれども、そういった中で、私はとにかく現場の、やってもらいますけれども、それに掛かるお金はやっぱり国が責任を持つと。今でも十兆円、義務教育掛かっていますけれども、国が負担しているのは三兆円でしかないんですね。四兆円が都道府県、そして三兆円が市町村。国は三兆円だけなんです。十分の三しか実は負担していないわけでございまして、やっぱりそれぐらいは国も責任持たないかぬのじゃないかと。
 まあ外国の例も出ましたけれども、どこの国も今教育を国家戦略として力を入れているんですね。そういった中で、日本だけが国の教育に掛けるお金を減らしていいものか、こういう趨勢に反していいものか、そういう思いもございまして頑張っているところでございます。
 お金だけではございませんが、やはりもう国民みんなで次なる世代を育てていこうと。今子育てコンテストの話もございましたが、やはり地方分権というのは、これは教育に関しても、どこの地区が、どこの地方が一番子供の教育に力を入れているか、こういう競い合うということも必要じゃないかなと、こう思うわけでございます。
 本当にそういう意味では、今の内閣、文部大臣経験者もたくさんなものですから、いらっしゃいますから、そういった方々の意見も聞きながら、しかし何よりもまず現場の声を聞いて教育改革に邁進したいと、このように考えておるところでございます。
#104
○輿石東君 総理、今、中山大臣が最後に言われた子育ての育成コンテストのように、地域で、地域ごとに、どれだけうちの地域は子供を大事にするかと、そういうものを競い合うと、地方で。そういう意味では、地方に任してくれと、そういう声なんですよ。
 まあ教育はこのくらいにして、本年度予算の、財務大臣にお聞きします。本年度予算の特徴は何ですか。
#105
○国務大臣(谷垣禎一君) 今年度予算編成するに当たりましては、歳出改革路線を堅持、強化していくというのが一番基本的な方針でございまして、そういう方針の下で、今御議論がありました三位一体であるとかあるいは社会保障、こういうところも聖域としないで取り組もうということでやりました。
 その結果、平成十七年度予算、これ特徴として申し上げますと、まず第一に、社会保障関係なんかはどうしても高齢化で増えていくわけですが、平成十四年度以来三年ぶりにその一般歳出を前年度の水準以下にしたというのが第一点であります。
 それから二番目は、新規国債発行額についても平成十三年度以来四年ぶりに前年度を下回る水準にできたと、こういう、これが二番目であります。
 それから三番目は、二〇一〇年代初頭に基礎的財政収支のバランスを取るという方針で今財政改革をやっておりますが、昨年度に引き続き約三兆円そのバランスを改善することができたというようなことで、財政規律堅持の姿勢は明確にすることができたと思っております。
 他方、そういう歳出改革はやりますけれども、歳出のやはりめり張りも付けなきゃいけないということで、我が国、例えば我が国の発展の基盤となる科学技術の振興を図るような面では、いわゆる競争的研究資金を拡充して、競い合って優れた研究、研究開発成果をつくってもらおうというような点であるとか、それから今若者の雇用問題が非常に大きな問題となっておりますので、若年者の職業意識をどうつくっていくかと。やっぱり早いうちから自分はどうやって身を立てていくかというようなことを考えてもらう、そういう機会をできるだけつくろうとか、就職支援、こういう若年者雇用対策を推し進めたところでありまして、そういう意味では、活力ある経済社会をつくる方向には、こういう歳出の厳しい、非常に厳しいときだけど、できるだけめり張りを付けていこうということでやりました。
 それから、歳入面については、これは定率減税の縮減を行うといったようなことをやらしていただきまして、要するに歳入、歳出両面でバランスの取れた財政構造改革を進めようということでやらしていただきまして、持続可能な財政の構築に向けて一里塚とすることができたのではないかなと思っております。
 我々も全力を挙げてこの予算に、予算をつくったわけでありますけれども、現状として我々のベストを尽くしたつもりであります。
 それから、財務省から予算に関連して必要となる法案、これ合わせて四本お願いをしているわけで、提出しているわけでございますが、いずれにつきましても速やかな御審議と成立を心からお願いする次第でございます。
#106
○輿石東君 今、財務大臣から、歳出削減を三年ぶり、国債の発行も四年ぶりに縮小したと、収支のバランスに第一歩を踏み出し、一里塚だと、こういうお話ですね。
 そこで、お伺いをしたいと思いますが、大臣は経済財政諮問会議という政策決定の重要な場で、地方には八兆円から、七兆円から八兆円の過大計上がある、こうおっしゃったと思いますが、それはどういう認識で発言されたのか、財務省の事務方の資料に沿ってそう言われたのか、お答えいただきたいと思います。
#107
○国務大臣(谷垣禎一君) 私どもが財政を何とか立て直さなければということで取り組んでおりますことはもう何度も申し上げているわけでありますが、大きな歳出項目、これを順番に挙げますと、社会保障が一番目。それから、今は国債費、利払い費等ですが、そういうものが膨らんでまいりまして、これが二番目。三番目が国と地方の関係、地方交付税等でございますから、ここらをどうしていくかというのは私どもにとって大きな課題でございます。
 そこで、今、輿石委員がおっしゃった経済財政諮問会議での私の発言、主張、これ去年十月で、十月に私から、地方財政計画の歳出には、後で、当初の計画と後の決算というものを比較いたしますと、投資単独事業等々で当初過大に計上して、実際に決算してみるとそこまで行ってない、こういうものが十三年度決算ベースでいくと約七、八兆あって、これはやはり国民に対する説明を徹底していく、できるだけよく説明するという観点から見ると早急に解消すべきであるということを私は申し上げました。
 それからもう一つ、これは経済財政諮問会議で私がその交付税の縮減、七・八兆円を二年間で縮減せよと言ったということで、大変乱暴なことを言う男がいるもんだという御批判もいただいているところですが、この私が申し上げたことは、地財計画の歳出と歳入をこの部分で、今、これは平成十六年度だったと思いますが、七・八兆、歳入と歳出にギャップがございました。このギャップは、国の一般会計から入れますものと臨時地方財政債、臨時財政地方債で埋めていくということでありますから、これはできるだけやはり早期にそのギャップをうずめなけりゃいけないと。
 私の申し上げたのは今の点と、それからもう一つ、そういう過大計上というものをきちっと明らかにして、是正すべきものは是正すべきだということを申し上げたわけであります。
#108
○輿石東君 麻生総務大臣、今、交付税の、七、八兆円の過大計上、この問題について麻生大臣はどんな認識ですか。
#109
○国務大臣(麻生太郎君) 昨年、いつごろでしたか、七・八兆円というかなり話題を提供した御発言が財務大臣から出たのはもう記憶に新しいところではありますけれども、内容は、今一部言われましたけれども、基本的には、地方に予算を立てるときに投資的経費と言われるものと経常的経費と言われるものと二つありまして、投資的経費がハード、こっちがソフトということになるんだと思いますが、経常的経費のソフトの部分の方が昨今では需要が多い、福祉とか介護とか、そういった関係のものになっている。傍ら、箱物の方の絶対需要が減っておるという事情に合わせて、今言われたように、予算と決算の乖離が起きておるというのは事実だったと思っております。
 そこで、そっちの片っ方点だけ取られて言われりゃこれは問題なのは確かなんであって、片っ方、違っていた分だけはこっちが増えておりますので、これは一体的に乖離、いや乖離を一体的に直していただかない限りはどうにもならぬということだと思っておりますので、私どもとしては、実質の意味で、いわゆる言われるような形で七兆もいきなり片っ方が過大計上をしているかのごとき話はこれは違うんであって、投資的経費と一緒に見ていただければ違いはそんなにないのではないかということで、今年度の予算でその点を是正させていただいて、改めて決算の乖離というものが起きないような形で直させていただいたというのが背景であります。
#110
○輿石東君 総理、今、総務省と財務省と見解が若干違うようですけれども、どうですか。
#111
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この点についても、経済財政諮問会議で谷垣大臣と麻生大臣、ちょうちょうはっしの議論がよく行われておりまして、担当大臣ですからよく調整してほしいと、私が何でも役所のことに口出すという点につきましてはできるだけ控えなければいけないと、どうしても決まらない場合は私のところに持ってきてくださいと、それまではよく調整してくださいということでございます。
#112
○輿石東君 それ、今の御発言でも小泉総理の政治手法がうかがえます。私の出番じゃないと。あの知事会から投げられた三兆円を削るときもそうじゃないですか。私の出番をつくるな、勘違い大臣がいる。今度は、二人で調整をしてくれ、おれは見ている。これで一国の総理として、そういうときこそリーダーシップを発揮するのが総理の任務だと思いますが、いかがですか。
#113
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、何事も私の出番をなくしてほしいと各大臣に指示しているわけです。よきに計らえと。それで決まってくれれば、一番総理大臣としていい総理大臣だなと思っております。
#114
○輿石東君 財務大臣、今の七兆、八兆のことですが、もし私の県内にそれを当てはめると、九十万県民、五千億、県予算はない。今年、四千六百四十六億、知事はヨロヨロ予算だと、こう言うんです。四十、四千六百四十六億。ヨロヨロ予算で困る、地方交付税も削られた。しかし、我が県議会で、その地財計画の一割、地方交付税の五割にも当たる、七兆、八兆といえば山梨の県予算じゃ十六年分の予算ですよ。これが計上をして、県議会を通って法案が成立したら、実はあれは余計な予算を計上したんだと、こういうことで山梨県民は、そんな県議会やそんな財政課は許しませんよ。
 それと同じことを財務大臣は経済財政諮問会議で発言をしたという、そういう意識はありませんか。
#115
○国務大臣(谷垣禎一君) この点については随分麻生大臣とも議論さしていただきまして、一つの背景には、なかなか、これは麻生大臣に説明していただいた方がいいのかもしれませんが、地方団体もたくさんございますので、要するに、決算等の資料が我々の手元に届くまでにかなり乖離があるわけです。したがって、計画を作るときと、決算が出てきてなるほどこれだけ乖離があったというときにずれがございまして、後から見ていくと確かにこれだけ差があったということが一つあったと思います。それからもう一つは、今、麻生大臣の言われたことでありますが、全体、ハードからソフトへという行政の流れの変化というものもあったと思います。
 そういう決算や何かの乖離がありましたから、十分手元に最近の資料が入らなくて、若干そういう面での対応が遅れたということはあったかもしれません。
 しかしながら、今回、麻生大臣とお話をして、そういう見直しの着手をいたしまして、その投資単独事業についてはさっき申し上げた過大計上が結果としてあるということが分かってきたと。それからもう一つは、一般行政経費についても、ソフトへの傾向があるにしても、その経費の具体的内容が余り明らかではなかったというようなことがあって、それをもう少し適正化しようということで、十七年度の地方財政計画においては、計画計上額の適正化として、投資単独経費は七千億円縮減いたしました。
 一方、経常経費、一般行政経費の単独事業については、これは真に必要なものと認められるものはこれは増やそうということで、三千五百億計上したわけでございます。
 それから、さっき、歳出と歳入の差が七・八兆あって、それを埋めなきゃならないと。これは実は余り私どもも十分宣伝していない、お話ししていないわけですが、十六年度で七・八兆ございましたものが、今年の、十七年度予算では四・三兆まで縮減してきておりまして、これは一つは地方税の増税、増収ということもあったと思います。
 そういう形でやらしていただきまして、ここもかなりの、昨年から見まして、今年は私は改善努力、これは麻生大臣の御努力もあってできたというふうに思っているわけでございます。
 そこで、もう一つ、余り宣伝めいたことばかり申し上げてもいけませんが、要するに、十七年度の地方交付税については、地方歳出総額は実質で約一・三兆縮減して一般会計からの交付税は抑制することができました。去年に比べますと〇・八兆、一般会計から交付税特会に入れるお金は減らすことができたわけでございますけれども、いろいろ繰越金等活用いたしまして、国、地方の財政収支、地方の安定的な財政運営も図らなければいけないということで、言わば出口に当たる部分、地方にお渡しする分については昨年度と同額を担保するというような形になっているところでございます。
#116
○輿石東君 麻生大臣と協力をして、出口の総額、地方税の総額は前年度並みに確保したと。
 一つだけ確認をしておきたいと思います。
 また、この予算が成立したら、財務大臣、実は計画と決算の乖離もあって七、八兆円の無駄がありましたと、そんなキャンペーンをまさか張らないでしょうね。
#117
○国務大臣(谷垣禎一君) キャンペーンを張るということはございませんが、やはり現実の計画と決算というものはよく照らし合わせなければいけませんし、それから透明化、合理化というものは引き続き図っていく必要があるわけでございまして、そういう形で、やはり先ほど申し上げましたように、地財計画の財政のギャップ、歳入と歳出のギャップもございます。そして、そのためを、それを埋めるための交付税特会の借入金も膨らんできているわけでございますから、そういう透明化、適正化をしながら、やはり全体を抑制していくということは今後とも考えていかなければならないことだと思っております。
#118
○輿石東君 麻生大臣、今後の地方財政の中期ビジョンというようなものも御提言をされているようであります。今後の地財計画の在り方も含めてどんな提案をされているのか、どんな見通しを持っているのか、お答えください。
#119
○国務大臣(麻生太郎君) 平成十七年、十八年に関しましては、これは三位一体の中できちんとした目標を立ててやっておりますので、十八年度までは一応今申し上げておりますように約四兆円ということで、ほぼそれに見合うような税の総額、交付税の総額確保等々が十七年度で一応形ができたと言われて、別に、今度は新たな別なキャンペーンが出るかどうかは別にして、少なくとも一応形はできた。
 問題は、その十九年以後ということになるんだと存じますが、十九年以後も基本的には補助金のいわゆる削減等々は地方は一応七兆だ九兆だというのが出てきておりますので、そういった形のもので地方の要望なり、またさらに、その他いろいろ補助金総額約二十兆ということになりますので、その中からできるものというものを基本的にやっていく方向で考えていかねばならぬものだと思っております。
 ただ、一番の問題は、地方が自立するのが目的ですから、その自立するのに当たって必要な財源をいかに確保するかということになった場合に、簡単に言えば、景気が良くなりゃ地方の法人税が上がります、住民税が上がる、そういったものは一つの例として、その他いろいろ地方が独立していくに当たっては、なかなか今の法定率では簡単にいきませんので、そういう意味では中期的には、法定率のいわゆる配分の比率の変更とかいろんな形のものを中期的には考えていく。傍ら、経費の節減は努力していただくのは当然のことといたしましても、その他、そういったような法定率などというような大きなものを考えねばならぬというのが十九年度以降考えておかねばならぬことだと思っております。
#120
○輿石東君 その法定率の改正、そこまでいかないと地方税は確保できない、そういう時代がやがて来ると私も思っております。
 地方はこのように、非常に国と地方でスリム化をしようという努力をしているというにもかかわらず、中央は相当の無駄遣いをしているではないかという批判もあります。例えば社会保険庁のあの不祥事、これはその例の最たるものだと思いますが、厚生大臣、どのように調査は進んでいますか。
#121
○国務大臣(尾辻秀久君) 社会保険庁につきましては不祥事がございました。また、様々な無駄遣いの御指摘もございました。深くおわびを申し上げたいと存じます。
 そこで、これらの不祥事や無駄遣いに対して私どもがまずどうしたかという御報告をさせていただきたいと思います。主なものを三点だけ申し上げさせてください。
 一つは、監修料ということがございました。この件につきましては、年末年始の休み返上をいたしまして徹底して調査をいたしました。報告書も出しました。その反省に立ちまして、今後、監修料はもう受け取らないということにいたしました。
 それから、年金福祉施設、グリーンピアその他の御指摘がございました。これは全部売却をすると、基本的に全部売却をするということを決めました。
 それから、随意契約に対しての御批判もございました。この随意契約は徹底してなくそうということで、まずは調達委員会を設置してチェックをするということを決めましたし、五百万円以上の随意契約については事前に副大臣に報告をするというようなことを決めたところでございます。
 そうした不祥事、無駄遣いの御指摘のほかに、窓口のサービスが悪いではないか、こういうような御批判もございましたから、このことについては八十項目の業務改革メニューを掲げまして、今実行に移しておる。窓口のサービス、その他サービスの質を上げようということで努力をいたしております。
 そして最後に、大きく社会保険庁の組織どうするんだと、この御議論がございましたので、これは今有識者会議で御議論いただいておるところでございますけれども、既に、現行の社会保険庁の存続を前提としない、そして新しい組織のグランドデザインを三月中に整理した上で最終的に五月に取りまとめを行うと、こういうことになっておりまして、今月の三月三十一日にこの有識者会議をお開きいただきますので、ここでまず新しい組織のグランドデザインを決めたいと考えております。
 いずれにいたしましても、今あらゆる議論を、例外としない議論をお願いしますと申し上げておりますので、その御議論いただいた上で私どもは尊重をさせていただきます。
#122
○輿石東君 似たような税金の無駄遣いという例に倣って、新聞報道によりますと、住宅金融公庫を改組して十九年度から独立行政になっていく。これは、この法案も今国会に出されていると思います。この問題について国土交通大臣並びに財務大臣にお伺いをしたいと思います。
#123
○国務大臣(北側一雄君) 今国会で住宅金融公庫につきましては、特殊法人等整理合理化計画に基づきまして平成十九年四月に廃止をしまして、独立行政法人を設立するための法案を今国会に提出をしているところでございます。この改革によりまして、住宅金融公庫は直接融資から民間の証券化支援へと抜本的に転換をすることになるわけでございます。
 住宅金融公庫融資につきましては、平成七年度以降、任意繰上げ返済が急増しておりまして、これは、住宅金融公庫につきましては利用者の方は、今も金利が非常に低金利になっておりますから、昔の高金利の、比較的高金利で借りておったものを繰上げで返済をするということが非常に多くなっているところでございまして、これによりまして、一方では、住宅金融公庫の方は財投からお金を借りているわけでございますが、この財投の方はこれまでは繰上げ返済ができなかったわけでございます。従来どおり、約定どおり財投の方に返還をするということが続いておったわけでございまして、毎年三千から四千億円程度の補給金が、逆ざやが発生しておりますので必要というところになっておったところでございますが、この住宅金融公庫に対する補給金につきましては、これまで、今申し上げましたように、国民が計画的かつ円滑に住宅取得をすることを支援するというこの住宅政策の一環として行われてきた措置でございますけれども、今般、冒頭申し上げましたように、住宅金融公庫につきまして改革をし独法にしていくわけでございますので、この中で、新たな業務は今後補給金に頼らないという形にする一方で、既往債権につきましては、財政負担は先送りすることなく透明な形で処理をすることが重要と考えておるところでございます。
 財政融資資金の繰上償還を今回、財務省との折衝の中で財投資金についても繰上償還を認めていただきまして、これによりまして既往債権に係る将来の補給金所要額を半分程度圧縮をいたしまして、平成二十三年度までに補給金に依存しない財務構造に転換をいたしたいと考えているところでございます。
 今後とも、財務の改善を含めまして、住宅金融公庫改革に全力で取組をさせていただきたいと思っております。
#124
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、北側大臣から御答弁のあったとおりでありますが、私からちょっと金額面を含めて申し上げたいと思います。
 要するに、住宅金融公庫についてはもう平成十九年四月に独立行政法人に持っていくと、そしてもう業務を単純化して、民間がやっているようなものはやらないということにするわけですが、今、北側大臣からお話のありましたように、昔、高い金利でこの住宅金融公庫のお金を借りていて家を建てられた方が借り換えて早く返したいというのがあって、そのために毎年四千億ほど補給金を入れざるを得なかったということがございます。それで、したがってこの際思い切ってその辺の、その先、先もそういうことが起こるんだからもう思い切って整理してしまおうということでございます。
 それで、今後の所要額につきましては、金利動向等がございますので幾らとこう確定、きちっと言うことは難しいんですが、大幅なぶれはございますけれども、合計で二兆円から三兆円のコストが掛かるのではないかというふうに見込んでおります。
 そこで、今、北側大臣がおっしゃったような、自分のところでも改革に際して自助努力を最大限やっていただかなきゃいかぬだろうと。それで、それを前提として繰上償還を認めて、そしてその既往債権に係る将来の補給金を、補給金所要額を圧縮していこうと、それで平成二十三年度までにその形をきちっとしようということでございます。
 先ほど、合計二、三兆円というふうに将来の補給金が見込まれるというふうに申し上げましたけれども、今までの持っている債権を証券化するとか、いろんな手だてを講じ、講じまして、それを財源としまして、結局、必要額は一兆円台の半ばまで圧縮できるのではないかと思います。これで要するに補給金に頼ったりなんかして先送りしていくという仕組みを整理することができたのではないかというふうに考えております。
#125
○輿石東君 今お聞きのとおり、独立行政法人に移行するのに二兆円、三兆円という国民の税金をぶち込まなければ処理ができない、こういう実態ですね。だから、総理、この財投改革、財投を使って金流れている、あるいは郵貯に関係する、そこを十年、二十年前にやっておけばよかったと言ったのは、そういう意味では、総理が昨日言われたという点は正しいと思います。しかし、今なぜ民営化かということになると話は違うということだと思いますが、あと竹中大臣にお聞きしようと思います。
 もう一つ、道路公団と日本政策投資銀行、これが、財務大臣にお聞きしますが、七月から、今まで書面でやっていた、実地検査ですか監査ですか、これをやるということですが、その中身と目的について。
#126
○国務大臣(谷垣禎一君) 各財投機関の行う事業のチェックの方式は今まで二通りございまして、地方公共団体に関しては、融資対象でいろいろプロジェクトをやっていただいているわけですが、そのプロジェクトごとに実地監査をやってきたという方式を取っておりました。
 これに対して、特殊法人等に関しては、毎年度の財投編成過程でいろんな財投機関や各省庁からヒアリングをいたしまして、民業との関係はどうなんだと、民業のやっぱり補完ということに徹してくれだとか、それから事業計画がきちっとしているか、それからその財務がおかしなことになっていないかということを精査して、財政審議会で個別の財投機関ごとにそういうヒアリングもやってきたという形を取ったわけですが、去年十二月に財政審で財投改革総点検をいたしまして、結局、さらに各財投機関、特殊法人、そのヒアリングだけで済ませないで、特殊法人等の実際やっている現場も実地検査を拡充して、こっちにも拡充していくことにしようということで、各機関の資金の執行状況をきちっと見る、適正かどうかきちっと見ると。それから、国が有償資金を使って支援するにふさわしい事業であるかもチェックすると、こういうことをもう少し深めていこうという御提言をいただきまして、それを実施の形に移していこうとしているわけでございます。
 それで、その実地監査の結果もう一回財政審に報告をするということでございまして、十七年度予算では、今年の七月以降、財政融資実地監査官というものをつくって、設置していただいて、二名専任、十三名併任というような形でこの実地監査に取り組むこととしております。
#127
○輿石東君 その十三名で行う、そして財務省のそれは官僚が兼務でやるということですか。
#128
○国務大臣(谷垣禎一君) 二名、二名は専任でやります。それで、あと十三名は併任でございます。
#129
○輿石東君 まあ、財務省の官僚たちが現地監査をして、その体質から見てきちっとできるような状態ではないと思いますが、それはさておいて。
 この特殊法人関係の財投機関にかかわって、谷垣大臣の前任者であります塩川元財務大臣がうまいこと言ったんです。一般会計、メスを入れないと大変なことになる、八十二兆円の一般予算だけをいじくっていても駄目だと、そういう意味で、母屋でおかゆをすすっているのに離れで子供はすき焼きを食べたい放題食べている、そこへメスを入れなさいと言って引退されたじゃないですか。
 そこへメスを入れる。一体、特別会計は幾つあって、その予算はどのくらいあるのか、財務大臣。
#130
○国務大臣(谷垣禎一君) ちょっと今突然のお尋ねですので、具体的な額の資料はございませんが、たしか特会は三十一あったと思います。それから、その総額ということになりますと、これは一般会計と金の出入り等がございまして重複している部分がございますから、純、純その特会というところになりますと二百数兆、二百あるいは十数兆だったかもしれない、二百兆を超えた額で、一般会計、特別会計を総体で合わせますと二百三十兆ぐらいの規模であったと思います。間違えましたらまた資料を見まして訂正させていただきます。
#131
○輿石東君 まあ、そんな細かい数字を求めているわけじゃないわけで、八十二兆円の一般会計予算を今これから審議をするわけでしょう。それを、二百三十兆も見えないところにある、それをメスを入れないで、そこに大きな無駄遣いがあるのにそこへメスを入れないで、地方の歳出だけ削ろうと、こういう手法で何が財政健全化になるのかと、そういうことを言いたいんです。
#132
○国務大臣(谷垣禎一君) ちょっと細かな数字が入りましたので、特別会計でございますが、純計額でいうと、重複を排除しました純計額でいうと二百五・二兆でございます。
 それで、今そこを見ないで何だというおしかりを受けましたけれども、塩川大臣が、母屋でおかゆをすすっているのに離れですき焼きを子供たちが食っているのはけしからぬということを受けまして、これは財政審議会で総ざらい的な見直しをやっていただきました。これは平成十五年でございます。これを受けまして平成十六年にその対応をできる部分をやりまして、それから昨年も更に深掘りを財政審議会でやっていただきました。その結果、財投機関でやはりいろいろな見直し等も行っております。
 それから、財投機関でみんな民間準拠の書類等を財務諸表等を作りまして、そういった基礎の上に財政の健全化の分析を行っておりまして、塩川大臣が残された、私に渡していただきました宿題は着々と果たしているのではないかというふうに思っております。
#133
○輿石東君 総理、そこで総理にお尋ねをいたしますが、予算は、予算案というのは税、国民の税金をどう使うか、その使い方を審議するところで、計画と決算の乖離ということが度々今日は出てきました。税金がどう使われたか、ここが決算。普通の会社や民間では決算が承認されなければ予算は組めない。そういう形に国会でもしようじゃないですか。
 参議院改革、参議院の在り方が問われています。だったら、私案ですけれども、衆議院でしっかり予算は議論をしよう、それを受けて決算は参議院の役目だと、そんな方向も模索できると思います。本会議でも私どもの江田会長もそういう提起をしております。参議院改革について、総理のお考えを伺いたいと思います。
#134
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 衆議院と同じことをやるよりも、やっぱり参議院は独自性、衆議院と違う役割があるのではないかということで、決算重視の姿勢を打ち出して、それに向けて各会派が協力して参議院の在り方を追求しているということについては私も高く評価しております。
 今後とも、衆議院とは違う役割というものもよく考えられまして、その参議院の役割を大いに発揮していただきたいと思っております。
#135
○輿石東君 会計監査院の充実強化というような話もあるわけですけれども、そういうもので私ども党派を超えてその問題には改革協辺りで取り上げていく問題だろうとも思っていますので、総理の方もきちっとそれにこたえるようにしていただきたいということをお願いしておきます。
 次に、先ほどから町村大臣だったですかね、山梨の教員はというお話もちょっと触れていただいたと思います。それで、最近は大阪だ、名古屋の方へ公務員攻撃を掛けているようですが、そこでひとつ人事院総裁にお尋ねをいたします。
 人事院は、国家公務員の基本給を一律五%引き上げる勧告を行う方針だと聞いておりますが、その中身と目的についてお知らせいただけますか。
#136
○政府特別補佐人(佐藤壮郎君) 先生もよく御承知だと思いますけれども、人事院勧告と申しますのは、給与水準と、それから給与構造の両面にわたって勧告をしているわけでございます。で、給与水準の方は、これは民間と比較するわけでございますので、民間の給与が高くなれば給与水準も上がる、低くなれば給与水準も下がると、そういう性質のものでございます。一方、給与構造の方は、これはもちろん民間の状況を参考にはいたしますけれども、公務員独自の工夫ができる部分でございます。
 それで、今、私どもが考えておりますその給与構造見直しの大きな柱の一つに、地域に勤務する国家公務員の給与の問題ございます。今、国家公務員の基本給というのは全国平均ベースで決めております。したがいまして、民間給与の低い地域ではどうしても民間給与、その地域の民間給与よりも高いベースになってしまう。それに対して、地域の住民の方々からは公務員の給与高過ぎるんじゃないかという御批判が昨今非常に強く出されております。
 私どもといたしましては、そういう御批判にこたえるために、いったん基本給の水準を下げてしまって、その上で民間給与の高い地域については例えば地域手当のような形で調整すると、そういうことを考えているところでございます。
#137
○輿石東君 官房長官にも一言お願いしたいと思います。
#138
○国務大臣(細田博之君) ちょっと会見の関係がございまして、あらかじめ承っておりますのは、ただいまの御質問と、それが地方公務員給与等に影響しないかというふうにも承っておりますので、併せてお答えをいたします。
 今、総裁からお答えしましたように、各市見てまいりますと、国家公務員の給与が民間給与水準より多少上回っている地域も出てまいりましたので、まずそこを調整するということがまず本意でございます。したがって、全体のレベルを下げても、またそれによって逆に較差が出てしまうようなところはまた手当てする、今この内容で検討を進めていただいていると承知しております。
 また、地方への影響をこれによって意図的に何か考えておるということはございません。これはまたラスパイレスとか、いろんな別の要素でございますので、これはまた別の問題でございます。
#139
○輿石東君 じゃ、人事院にもう一度お尋ねします。
 この今回の国家公務員の給与の見直し、大変不思議、マジックみたいなんです。なぜならば、人事院は給与費の総原資は変わらない、総額は変えない、それでどうやって国家公務員の給与を引き上げるんですか。さっき言われた公務員には独自の工夫があると、そういうところですか。
#140
○政府特別補佐人(佐藤壮郎君) 先ほど申し上げましたように、給与水準そのものは民間給与に連動してこれは言わば自動的に決まってしまうわけでございます。したがいまして、その給与水準の中で基本給をどうするか、手当をどうするかということは私どもの工夫の中でできるということになってございます。
#141
○輿石東君 分からないでしょう、言っていることが。私の推測によれば、いいですか、その工夫というのは、国家公務員の中で付け替えをできる、だとすれば、霞が関の官僚だけ厚くして地方の出先の方は低くする、そういう工夫ができるんです。それはそれでいいかもしれない。しかし、地方公務員は国家公務員の給与が下がれば連動して下げられるという宿命にある。
 だとすると、麻生総務大臣、地方交付税の中に地方公務員の給与の積算されているんじゃないんですか。そうすると、自動的に地方交付税も減額されるということにはなりませんか。
#142
○国務大臣(麻生太郎君) 御懸念の部分というのは、何というのかしら、今人事院で扱われている国家公務員の給与の改定をやるとそれに連動して、国家公務員の給与に準じると決めておられる地方公務員の給与の方も併せて引き下げられていく傾向にあるのではないかということで、それは結果として交付税にもという話、全部というようになってくるように思っておられるんだと思いますが、基本的には、これは今御批判のあっているのは、地域にあって民間の方の給与、若しくはリストラ等々の給与が下がったのに比べて公務員の給与の引下げは不十分ではないかと、という声が非常に強いというのはもう御存じのとおりなんです。
 それは、その決め方のルールはいろいろありますので、ここにあります企業で何百人以上の企業に合わせてというような形になってやるのはもう御存じのとおりなんですが、そういう企業のある市とない市とは、同じ人口五万のところでも、あるところは比較できるんですが、ないところは比較できない等々、いろんなちょっと矛盾が出てきているというのは現実。それに合わせて何か新しいことを考えろということが今いろいろ諮問会議でも出、今いろいろなところでやられている。
 これは、人事院の話というのは、御存じのように、これ全然独立している話でありまして、総務省がどうのこうのと言う立場にない全く独立した組織でありますので、人事院で今検討をされておるというのは今言われたとおりなんですが、私どもそれに基づきまして、少々年功的になり過ぎてはせぬかとかいろいろな御批判があるところなんですが、今具体的な検討が進められているということは存じておりますが、それが直ちに交付税の削減につながったり地方公務員の削減につながるのを意図してやっておられるというようには理解をいたしておりません。
#143
○輿石東君 退席した官房長官も、そういうことはいたしませんと。人事院総裁、どうですか。そういうごまかしやからくりを考えているんじゃないですね。
#144
○政府特別補佐人(佐藤壮郎君) 私どもが今やろうとしていることは、今よりももっときめ細やか、細かく、各地域での民間の給与に公務員の、国家公務員の給与の実態を合わせたいということでございまして、決して、地方を犠牲にして霞が関の本省勤務の職員を優遇するということは毛頭考えておりません。
#145
○輿石東君 総裁、その本省府庁手当とかなんとかという、そういうものはあるんですか、霞が関だけに手当を厚くするという。
#146
○政府特別補佐人(佐藤壮郎君) 今、給与構造の見直しについては関係省庁あるいは職員団体と協議中でございますので、具体的に、例えば本省手当のようなものをつくるかどうかということは全く決めておりません。
#147
○輿石東君 まあいいでしょう。しわ寄せやごまかしのないようにお願いしておきたいと思います。
 竹中大臣、お待ちでしょうから、お尋ねをします。
 あなたはよく、もはや戦後ではないという言葉を引用するのか、もはやバブル後ではない、定率減税を半減しても景気に影響はない、そういう意味のことをおっしゃっていますが、竹中大臣と財務大臣にその辺の認識をお尋ねしたいと思います。
#148
○国務大臣(竹中平蔵君) 今年の経済演説の中で、もはやバブル後ではないという表現を使わせていただきました。ずうっとバブルが崩壊してからバブルの負の遺産を引きずってきたわけでありますが、不良債権に象徴されるような、そういうものについておおむね解決の見通しが付いたという意味でそのような表現を使わせていただきました。
 三年前までは金融危機等々という言葉があふれておりましたが、そういう状況ではなくなった、経済の地合いは非常に変わってきたというふうに思っております。もちろん短期的には、今、正に景気は踊り場でありますので、しっかりと見ていかなければいけない状況ではございますけれども、経済の基礎的な強さというのがもはやバブル後ではないということを表現できるほどには強まってきたと思っておりますので、様々な国民負担についても、それが大き過ぎると問題なわけでありますから、それが大き過ぎないようにしっかりと財政と経済のバランスを見るわけでございますけれども、この現状におきまして、今回のような予算の範囲でしっかりと堪えていけるだろうというふうに判断をしております。
#149
○国務大臣(谷垣禎一君) 現状認識は、今、竹中大臣から御答弁がございまして、私も全く同じ認識をしております。
 それで、ただ今度、今度の定率減税等を入れるに当たりましては、景気等の影響もよくよく見ていかなければならないということで、一遍にやるということよりも段階的にやるべきではないかというようなことを考えまして、今年度の定率減税の姿をお願いしている次第であります。
#150
○輿石東君 この問題は衆議院でも相当議論されていますから、そういう議論されたものを重ねて質問はいたしません。
 ただ、一つ、七九年に減税をやめたときの状況に今が大変似ていると。人件費を圧縮し、そして国民負担はどんどん、いよいよ増税へかじを切るのかな、そんな不安があって個人消費は一向に伸びていかない、こんな中で本当に定率減税半減をやっていいのかと、こういう指摘もありますが、まあこれはいいでしょう。
 もう一つ、財務大臣、お聞きしたいのは、財務省のある幹部がということで、デフレが続いてくれないと国債の金利負担の面でもたなくなっちまうと、景気が良くなったら金利が上がって国債が暴落してどうにもならなくなるんだと、こんな意味のことを言っていますが、この国債をどう管理していくのか、国債に対する対策は何かお持ちですか。
#151
○国務大臣(谷垣禎一君) 私どもは、金利の動向というのはもちろん非常に関心を持っておりまして、いつもその金利は適切な水準にあってほしいとは思っておりますが、今、だれがそういうことを言ったのか存じませんが、デフレであってほしいなんということは毛頭考えておりません。
 今更こんなことを申し上げる必要もないと思いますが、デフレがやはり続きますと、どうしてもデフレであるという心理というか、デフレ期待というものがやっぱり私は生じるんじゃないかと思います。そうすると、消費にしても投資にしても、まだここから先いろんなものが下がっていくんだからというんで、経済活動にやっぱり抑制的といいますか、水を浴びせる効果が生じると思います。これは財政にも結局悪影響を与えるわけですね。
 ですから、今、現状は私はデフレは緩やかながらも続いている状況だというふうに考えておりますけれども、日銀とこれは車の両輪でデフレ対策はしっかりやっていかなければならないことだと思っております。
 それで、経済全体として見ますと、デフレが継続している状況で金利が上がっていくということは、これはもう景気に悪い影響を及ぼすことは、これはそのとおりだろうと思います。それから、我が国財政は大変厳しい状況にありますので、今後、金利上昇が利払い費に与える、与える影響というのは、先ほど申しましたように、よくよく見極めていく必要があると。
 その上で、どういう対策があるかと。国債管理政策というのはきちっとしなければならないことは言うまでもございませんけれども、大前提としてありますのは、やっぱり財政規律というものをやっぱりきちっとやっているんだということがなくなりますと、先ほどおっしゃいましたような、国債に対する信認もなくなって金利が急上昇する、国債の価格が暴落するというようなことが生じかねませんので、やはり財政規律に対して政府はきちっと頑張っているというのがまず第一ではないかと思います。
 その上で、市場のやはり動向等をよく見極めながら、市場がどういうふうな状況でどういうニーズを持っているかというのをよく見極めながら、今国債の保有者というのは非常にある意味では偏っておりますので、それを広げていく、国債保有者層を広げていくといったようなことを始めとして、いろんな工夫を今やっているところでございます。
#152
○輿石東君 国債を買ってもらう層を増やすと言ったって当てにならない、下がるかもしれない国債を買う人間はいないはずだと。今、この八十二兆円の国家予算は半分は借金でしょう。この借金ができるのは、郵貯、簡保、年金等の金を借りているから予算が成立するんじゃないですか。これは郵政民営化ともつながる話ですけれども。その辺いかがですか。
#153
○国務大臣(谷垣禎一君) 現状では、今おっしゃった郵貯、簡保、恐らく国債保有の今、二〇、二五%、四分の一ぐらいの数字だと思いますが、国債を順調に消化していく、引き受けていただく上での非常に貴重なインフラとなっていることは事実でございます。
 ただ、今後、いろんな議論がございますので、今申し上げた国債保有者層の多様化、そのためにどういうニーズが国債に対して、国債マーケットにあるかということを見極めなければなりません。現在、例えば個人向けの国債等を出しておりますが、これはおかげさまで好調に消化ができておりますので、それから今、もう一つは日本に、海外の保有率が日本の国債というのは諸外国に比べて非常に少のうございますので、そういったところにどういうニーズがあるかというようなことで今いわゆるIR活動等を行っているところでございます。
#154
○輿石東君 海外へ、外資に頼る、これは返ってこない場合もあるわけですから大変な危険もあるわけでしょう。その辺いかがですか。
#155
○国務大臣(谷垣禎一君) その辺についてはいろんな議論があると思います。私どももよく研究しておりますが、要するに、簡単に申し上げれば、国債保有者層が一つに固まっておりますと、何か動きがあったとき一方に動いてしまうおそれがあります。他方、国債保有者層が多様化しますと、その辺がバランスが取れるということもあるのだろうと思います。
 この辺の利害得失の議論は我々も研究しておりますけれども、またいろいろ議論もさせていただき、御意見も伺えればと思っております。
#156
○輿石東君 今の問題、竹中大臣、いかがですか。
#157
○国務大臣(竹中平蔵君) 財務大臣おっしゃいましたように、資産と債務両方について、例えばその期間をうまくマッチングさせるとか、そして保有者をそれぞれに分散化させるとか、非常に高度なやはり資産と負債の管理が今求められているんだと思います。
 これは基本的には財務大臣の管轄のお仕事でございますけれども、経済財政諮問会議でもそういったことに対してやはり更に我々の力を強めることが必要だというふうに思っておりますので、御意見のような点を含めて、是非しっかりと議論していくつもりでおります。
#158
○輿石東君 もう一点、郵政の問題、時間なくなりましたので、総理と竹中大臣にお伺いをいたします。
 三百五十兆円にも及ぶ巨額の金が民間へ流したい、それが郵政民営化の最大の理由。しかし、これは平成十三年の財投改革でそのバブルは締められている、そう理解をしているんですが、それでもなおやる理由はどこにあるんですか。
#159
○国務大臣(竹中平蔵君) 御指摘のように、財投のシステム、いわゆる預託のシステムそのものは二〇〇七年までで終わるわけでございますので、そこは先ほどから総理も御議論いただきましたように、出口についての改革が一歩、半歩進んできているというところだと思います。
 問題は入口の話でありますけれども、これは二点是非申し上げたいと思います。
 一つは、今政府保証が付いて、政府保証の付く形で郵政がお金を集めておりますが、このお金は今後減っていくであろうというふうに考えられております。先般も生田総裁御自身、十年、八年後ぐらいでしたですか、百数十兆になると。政府保証がなくなればもっと減るかもしれない。これは、入口に入ってくるお金が減るということは、その分民間に入っていくお金がその入口の時点で増えるということですから、これはこの時点で民間にお金が既に流れるという一つの基礎ができるんだと思います。郵政が政府のままでしたら、その政府が集めているお金ですから、安全資産でしか運用できないということで国債等々に行くわけでございますから、これが一つルートとして変わってくる。
 もう一つは、安全資産でしか運用できないこの郵政が民営化することによって、いや、安全資産だけではなくて、様々な、これは経営努力ももちろん必要でありますし、経済環境も必要でありますけれども、それを整えることによって、更にリスクを取った民間のお金、リスクマネーになっていく道が開けるということでございますから、私は、今申し上げた二つのルートでこの三百五十兆円のお金が次第に民間に流れていくという、その効果が発揮されていくというふうに考えております。
#160
○輿石東君 総理も一言御意見いただけますか。
#161
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、今、竹中大臣の言われたとおりで、郵貯資金、簡保資金、民営化されれば国債以外の投資を考えるでしょう。
 今までのように、郵貯が何で、都会にホテルやいろいろな旅館があるのに、メルパルクやら、簡保がかんぽの宿を造るのか。民間業者があるのに、赤字なのに、そういう余り必要のない事業まで進出する。かんぽの宿を造ると、またこれ役人がその理事長なりに天下りで下っていく。採算考えない。豪華なホテルを造ったり宿屋を造ったり、民間ができることを役所がやっている。赤字になったらどうするのかと。郵貯を預けている人に負担を押し寄せるわけにいかぬ、簡保の契約している人に負担を押し付けるわけにいかぬから税金で補てんする。
 こういうことがなくなって、民間ができれば採算性も考えるでしょうと。しかも、発展可能性のあるところに投資していくでしょうと。そういうことによって経済も変わって活性化していくでしょうと。そういう今まで見えない負担が滞っているということは、年金福祉事業団のリゾートとか保養地見ても明らかであります。同じようなことを郵貯も簡保もやっているわけです。そういうことをやめさせるためには民営化が一番です。
#162
○輿石東君 民営化しなくても、財投機関はそこへメスを入れればそれで済む話でしょう。しかし、まあこんなこと議論をしても仕方ないので。
 今民間へ三百五十兆のお金を流したって借り手がないんですよ。だぶついている。企業も金余り現象。そんな中へ三百五十兆流れていくわけがない、私はそう思います。
 最後に、ちょっとパネル出してください。(資料提示)私は、これまで総理と二時間余り議論をしてまいりました。このパネルを、今日たくさんパネル出して失礼します。今、小泉総理がずっとやってきたのは、子供は国の社会の宝です、教育は未来への先行投資ですという言葉も使われました。
 そして、四年前の五月七日、参議院本会議で初めての施政方針演説で、世界一安全な国、日本に対する国民の信頼を取り戻すと始まった演説が、最後の締めくくりは、今の痛みに耐えて明日を良くしようという米百俵の精神こそ、我々に必要ではないでしょうかという、大きな拍手をいただいて、驚異的な八七%という支持率でここまで来ているというふうに思います。ここまで来ているわけじゃないです、その当時は。
 そして、しかし、「どうなる日本」というところを見ていただくと、今子供たちが、学校が、教育が危ない。過去十年、二十年前にあった世界で一番安全で安心な国日本、戦争をしない国日本、どこに生まれ育っても九年間の義務教育が無償で、ただで受けられるというのが世界に誇れるものだったと私は信じて疑いません。どこへ我々を小泉総理は歩ましてくれるのか。
 今年の歌会始のお題は「歩み」だそうであります。「歩み」のそのときに歌われた歌が、二首ここへ持ってきました。一つは、山梨の深澤完興さんという方ですが、まあ魚釣りをする人は分かると思いますが、「をとりとも友とも書きて鮎を売る灯暗き村に歩み入りにき」、こういう歌であります。もう一つは小学校三年生の、今日はくしくもひな祭りの日であります、前橋市の天野莉那ちゃん、お母さん、「お母さんお母さんてばお母さん影ふみ歩き明日も天気」。
 どうか総理、我々を安心できる、そんな歩みをさせていただきたい、そのことをお願いし、小泉総理の決意をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
#163
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) お互い、与野党の立場を超えて、住みやすい、より良い平和な国にしていきたいと思います。
#164
○委員長(中曽根弘文君) 関連質疑を許します。柳田稔君。
#165
○柳田稔君 御苦労さまです。民主党の柳田稔でございます。
 御答弁の方は御丁寧によろしくお願い申し上げます。
 今日は、総理が参議院の本会議場でも大きな声で、年金始め社会保障の議論に民主党さんも加われ、加われと大きな声を上げていましたんで、そのことについていろいろ触れたいと思います。
 その前に、今ニュースが入りまして、堤コクド前会長が逮捕されたというニュースが今入りました。
 そこで、申し訳ないんですが、法務大臣、事の経緯とそれと容疑ですね、お分かりになればここで教えていただきたいんですけれども。
#166
○国務大臣(南野知惠子君) お尋ねでございますが、個別の事件についてのお尋ねでございますので、ここでお答えは差し控えさせていただきます。
#167
○柳田稔君 まあいずれにしてもコクド堤前会長が逮捕されたそうです。
 総理の所属しております、今で言うと森派閥ですかね、前は小泉派閥と言われていましたけれども、過去から大変縁の深い方でございました。この報道を聞かれて総理は今どういうお考えをお持ちでしょうか。
#168
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 個別の事件でありますので差し控えますが、堤氏とは以前から親しくお付き合いをしております。
#169
○柳田稔君 多分、裏方からニュースは伝わっていたと思ったんですが、今初めて聞かれたようで。
 では、本来の質問の方に移ります。
 三党協議ございましたですね。我が党の岡田当時の幹事長、自民党も当時の幹事長、サインされました。総理が多分その了解を、総理の了解を得てサインしたと思うんですが、総理は三党合意にどういう思いでサインしていいと、進めろという指示をされたのか、まず冒頭お聞きしたいと思います。
#170
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これから社会保障制度全般を考える場合には、高齢者がどんどん増えていくし、それを支える少子化、若い世代が減っていく。しかしながら、だれが考えても年金や医療や介護や生活保護というのは大事なものであります。
 こういう問題について、政権が替わったたびにこの制度の根幹が大きく変わるというのは好ましくないと、どのような政党が政権を取っても、ああ、こういう年金制度なのかと、こういう医療制度か、介護制度かということはくるくる変わらないで、安定的に運営されるものだということで、国民も分かりやすい、給付が受けられる、負担をするというのが理解される。
 でありますので、この問題はむしろ政争の具にしないで、お互いが胸襟を開いて、政権交代があっても維持発展できるような安定的なものにしようということから考えますと、与党、野党で争わないで、お互い話し合いながらいいものをつくっていこうじゃないかという気持ちで、ああ、与党、野党、合意できるんならそれが好ましいということで、できればそういうふうな、そのような話合いはできないかということで合意に賛成いたしました。
#171
○柳田稔君 その合意ができて衆議院に、衆議院で年金の法案が通りました。その後、参議院に法案が回ってまいりました。
 実は私、当時の民主党の厚生労働委員会の筆頭理事をしていましたもので、理事会の経緯、委員会の質疑、すべてしっかりとこの目と耳で承っておりました。今総理がおっしゃった三党合意、岡田当時の幹事長もサインしました。我々はそれを重く受け止めて、しっかりと審議をさしてもらいました。
 幾つか参議院の審議を通じて問題点も浮上してきました。特に最後、一番びっくりしたのが、年金の仕組みの最大の構造ですね、総理に質問したら、総理は分からなかった。あれはびっくりしましたね。マクロ経済スライドということを知らなかったので、いやいや、ちゃんと聞いていますから。議事録見れば分かりますから。その後、なぜか知りませんが強行採決されたんです、与党さんは。共産党さん、社民党さん、無所属の西川さん。西川さんは引退、最後の総理質問、(発言する者あり)西川きよしさんね。それを、質問の権利を奪って強行採決した。
 我々は、三党合意についてはいろんな意見はありました。しかしですよ、理事会で採決をするという話合いも一切ない中で、審議時間だけ決めて淡々と審議をこなしたと。途中で与党の諸君が強行採決、質疑打切り動議出して強行採決。
 私は、普通の世間常識から考えると、合意はしたものの、こんなむちゃなことをして済まなかったとまず我々にわびていただきたい。その上で、どうだろうかと、今言った、おっしゃった三党合意の趣旨があるんで、参議院の民主党の諸君も協力してくれと、そういうのが私は世間の常識だと思うんですけれども、総理、いかがですか。
#172
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、質問者というのは、私、総理大臣出席するというのは限られております。定義を質問されたものですから、質問者というのは、知らないことを知っている人に聞くというのが普通だと思うんです。質問者よく知っていることなんです、マクロ経済スライドというのは。私以上に詳しいことを知っているはずです。
 ですから、そういう定義まで、私にどういう定義か正確にやれというのは、私は大体の骨格は分かっています、年金給付の問題で、いろんな物価スライド、賃金スライドあるけれども、給付者に対してそれほど下がられない制度を考えるというのがマクロ経済スライド、新しい制度を導入したわけです。そういう大ざっぱな答えよりも、定義が何かと言うから、質問者知っているはずなんです。だから、私が答えるよりも、専門家の方、聞いた方がいいでしょうといって言ったんです。
 総理大臣が出席しているのに、むしろ役所の人の方が分かりやすい答弁してくれるのに、私に聞く必要はないでしょうという意味を込めたのが、専門家に聞いてくださいというんです。総理大臣が出席するんだったら、政治家同士の考え方についてどうなのかという、そういう限られた時間で総理大臣に質問する事項と、あるだろうというのを込めて、私はあえて、知っている本人がなぜ聞くのかという意味もあったから、私はそういう答え方をしたわけです。
 国会の問題におきましては、採決の問題については円満にした方がいいのは分かっています。しかし、どうしても拒否するという形で、ああいう形になったのは残念でありますけれども、こういうことについては、お互いやっぱり円満に審議がされるようなことが望ましいということについては異議がありません。
#173
○柳田稔君 マクロ経済スライドというのは、前回の年金改正の基本中の基本なんです。当然、当時は年金国会と言われましたから、その基本中の基本を総理は当然知っているだろうと。もしこれが崩れると、前回の年金改正は根底から崩れるんですからね。それほど重要な問題を総理も知らなかったのかというので、ただ我々はびっくりしただけでございます。
 ちなみに言っておきます。強行採決、まずいですよね、これは当然、三党合意した上で。やはり総理が本会議場で、民主党の諸君も協議に参加してくれと言うんだったら、あの強行採決はやっぱりまずかったと一言わびてもいいんじゃないでしょうか。
#174
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 強行採決といいますか、単独採決といいますか、まあ単独じゃないんですけれども、ああいう乱闘まがいの採決というのは好ましいことではありません。それはお互い、どちらが悪い、いいということよりも、やはり野党の皆さんも参加していただければ強行採決というのはないんですから、その点はよく、与野党よくこれからも協議していただきたいと思います。好ましいとは思っておりません。
#175
○柳田稔君 冒頭申しましたように、私は現場の筆頭理事でしたし、委員会室でもずっと座っていました。委員会の成り行きというのはよく知っています。抜き打ちで、何の話もなしで強行で採決やったんですよ。そのときに、そのときにね、(発言する者あり)やじが飛びますから言いますけれども、あそこの周りにいたのは、参議院の厚労委以外に、委員の以外に自民党の諸君が圧倒的に多かったんですよ、参議院では。抜き打ちですから我々は分からないわけですよ。
 総理、これは我々も協議をしたいという思いはあるんです。ただ、その大前提がない限り、我々が気持ちよく、はい、そうですねとは言えないんじゃないですか。もう一回お願いします。
#176
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) しかし、三党合意がなされて、衆議院を通過して参議院で審議されたと。委員会の運営のことについては私は定かには承知しておりませんが、私としては委員会の運営に従うということでございます。できれば、あのような乱闘まがいの状況じゃなくて、静かに穏やかに採決されるのが望ましいということは私もかねがね思っております。
#177
○柳田稔君 評価を聞いているんじゃないんです、評論を。総理は与党の最高責任者なんですよね。与党の最高責任者ですよね、議院内閣制ですからね、議院内閣制ですから。そのだれかが指示したわけでしょう、与党のだれかが。その責任者である、最高の責任者は総理じゃないですか、与党の。その立場で何か一言言ってください。
#178
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、国会の運営は私は任せておりますし、責任者に、それぞれの理事が与野党から出ております。その中で決めていただければそれに従うわけではございます。
#179
○柳田稔君 これ以上やっていると話が進みませんので。国民の皆様はしっかり聞いてくれていますから、国民の皆様が判断してくれることだろうと思います。
 で、衆議院のいろいろ質疑を聞いていたりしていますと、衆議院の厚生労働委員会の中に小委員会を作って議論をするというお話がだんだん進んでいるように聞いておりますが、この小委員会では何を議論するんですかね。年金だけなんでしょうか。それとも社会保障全般なんでしょうか。総理はどういうふうな思いで期待されていますか。
#180
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、年金問題も含めて社会保障全般の意見が協議されることを期待しております。
#181
○柳田稔君 年金含めて社会保障全般といいますと、実は総務省さんも関係してくるんですね、共済年金がありますから。ほかの省庁に波及するんです、いろんな社会保障のことを議論していきますと。
 とすると、ある委員会の小委員会にこのことが聞きたいとなったときに、例えば、じゃ、申し訳ないけれども総務大臣出席してくれと、厚生労働委員会の小委員会の中にですよ、出てくれと、我々が要求したら、総理は気持ちよく、大臣、出ていって答弁してこいと言ってくれるんですかね。
#182
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国会の運営はそれぞれ委員会が決めることであります。国会の運営に口出すなとよく私は注意されますが、私は、この与野党の協議、衆参一体だと思っています。衆議院の意見と参議院の意見、そういうものをなくすために、与野党の幹部が出席して、幹部が話し合って進めるのがいいじゃないかと思って、与野党協議を進めているという理由も承知しております。衆参一体で議論しないと、この社会保障の問題というのはなかなかいい結論が出ないんじゃないでしょうか。それは、議論するのは私は拒むものではございません。衆参別々ということには、この社会保障制度、年金を含んだ問題にはならないと思います。与野党が、衆参協力して、各政党が協力して一つの結論を出すということが私は望ましいと思っております。
#183
○柳田稔君 今、僕質問したのは、そういう小委員会ができたと仮定して、いや、これはやはり総務省の所管に当たるから総務大臣出てきてくださいよと言ったときに、総理は後押ししてくれませんかと。なぜなら、参議院の本会議場で我々に向かって言ったんですからね、野党の諸君、民主党の諸君も協議に応じてやってくれとおっしゃったんだから。当然総理としては、内閣のトップですよね、まあそういう質問があるんなら大臣行ってちょっと答弁してこいやと言うぐらいバックアップしてくれませんかと聞いているんですが。
#184
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、各委員会共通しておりますが、委員会の運営は委員会で決めることであります。それには従います。
#185
○柳田稔君 まあ、これが順調に進んで社会保障全般に対する結論が出たとしますね、結論が。その結論に対して総理はどういう対応されますか。
#186
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 結論出れば、それに従って法案化作業するのが政府の役割だと思っております。
#187
○柳田稔君 総理が今おっしゃってくれましたんで、答えが出たら、その小委員会の答えに従うとおっしゃってくれたんで。本当にそんなことができるかなと実は私は思っています。
 そこで、なぜそういうことを思っているかというと、財務大臣が多分説明してくれると思うんで。財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会、この資料を見ました。皆さんのお手元にお配りしておりますけれども、二〇〇四年度と十年先の一四年度、試算がされています。内容を説明していただけましょうか。
#188
○国務大臣(谷垣禎一君) 委員から資料を配っていただいておりますが、この御指摘の試算は、財政制度等審議会で建議案を、昨年の建議案を作っていただきますときに、審議の参考としてその審議会の起草検討委員から提出されたものでございまして、高齢化が進展していけば社会保障に係る費用が大きく伸びていくと、そういう見込まれる状況を踏まえて十年後の一般会計の姿を、まあこれは一定の前提があるわけですが、それを一定の前提を置いて機械的に算出したものと聞いております。
 そこで、この試算では、現在の財政構造を前提として何らの改善策を講じないでそのままにした場合、国の一般会計が、二〇〇四年度、平成十六年度の当初予算の姿が、ここに書いていただいておりますが、それをベースラインとして試算結果を出しております。
 これによりますと、一般会計歳出については、ちょっと社会保障関係費、黒くて見にくくなっておりますが、これが十九・八兆円であります。それで、二〇一四年、そのまま機械的に計算をいたしますと、それが三十二・六兆になるわけであります。それから国債費は、平成十六年で十七・六兆でございますが、十年後では三十五・二兆に大きく膨らむということでございます。したがって、歳出総額は八十二・一兆から百十九・四兆円になっていくと。
 一方、それに対応する歳入については、この資料には、委員から出していただいた資料には書いてございませんが、税収等は四十五・五兆円から今のままで行けば五十六・四兆であろうと。それから、公債収入は三十六・六兆から六十二・九兆になっていくだろうと。
 したがって、この結果、二〇一四年度時点の一般会計のいわゆるプライマリーバランス、基礎的財政収支の赤字額は、二〇〇四年度時点、平成十六年度時点では約十九兆でございますけれども、二十七・八兆へと拡大するという試算結果を出しているわけです。
 こういう試算を前提に、仮に歳出削減だけで二〇一四年度に一般会計の基礎的財政収支をバランスを取っていくようにしようとしますと、十年後の国債費を除く歳出規模をベースライン、つまり平成二十六年度に比べて約三分の二に圧縮しないとうまくいかないと。つまり、八十四・二兆のところを五十六・四兆ぐらいに圧縮する必要があるだろうと。
 他方、仮に増収だけで実現する場合には、十年後の公債金収入を除く歳入はベースラインに比べて約五割増加している必要があると。つまり、五十六・四兆から八十四・二兆に増加している必要があるというような試算を出していただいております。
 それで、以上のようなこの試算結果は、結局、財政の危機的な状況を何とか克服して国債の、国債の市場からの信認をやっぱり維持していくというためにも、着実な経済成長と、それから適切な財政構造改革というもの両方がなければうまくいかないというのを私は示しているんじゃないかと思います。
 それで、先般閣議決定されました「改革と展望」、この二〇〇四年の改訂版がございますけれども、そこにもいろいろ方針を出していただいているわけですが、その方針に沿った経済財政運営を精力的に進める必要があるのではないかと思っております。
 そういうようなことで御説明に代えさせていただきます。
#189
○柳田稔君 もう一つ聞かせてください。
 借金ですね、本年度末の国の借金、地方を合わせた場合の借金、十年先の国の借金、もし分かれば、地方も合わせたときの借金は幾らぐらいになっているか、お願いいたします。
#190
○国務大臣(谷垣禎一君) 地方については麻生大臣の御所管でございますが、便宜、私の方から申し上げたいと思います。
 お尋ねの二〇〇四年度、平成十六年度の末ですね、年度末、この三月末でございますが、国と地方の長期債務残高は七百四十兆というふうに見込まれております。ただ、そして平成十年度末の見通しは七百七十四兆というふうになっております。
 それで……
#191
○柳田稔君 七百七十四兆は国だけですか。
#192
○国務大臣(谷垣禎一君) これは、平成十七年度末、七百七十四兆、これは国と地方の両方です。両方で七百七十四兆でございます。
 それで、今、平成十六年度末の国と地方の長期債務残高が七百四十兆と申し上げましたが、その内訳を申しますと、国が五百七十兆、それから地方が二百三兆。ただ、国と地方で重なっている部分がございますので、重複分がマイナス三十三兆、合計が七百四十兆になるわけでございます。
 ちなみに、平成十七年度末を申し上げますと、先ほど申し上げたように、トータルで七百四十四兆、うち国が六百二兆、それから地方が二百五兆、それに重複分がマイナスすること三十四兆という姿になっているわけでございます。
 それから、平成二十六年度、十年後ですね、二〇一四年度末の国と地方の長期債務残高がどうなっているかということですが、財務省としては、普通国債残高についてはいわゆる資金繰り表というのを作りまして、そこで試算をしておりますが、地方の債務残高については、これはそういう試算がしていないというふうに承知をしております。
 そこで、財務省の資金繰り表でありますが、これは将来における国債の償還財源の見通しを立てるために、これも国債の発行条件等に関する一定の仮定を置いて国債整理基金の資金繰り状況を試算したものでございますが、この試算結果では、二〇一四年度、つまり平成二十六年度末の普通国債残高は八百十二兆というふうになっております。
 ただ、念のために申し添えますと、こういう試算結果は、国債発行額や公債残高等の将来像とか見通しを必ずしも示したものではありません。一定の前提を置いて、そのままでいくとこうなるぞということを言っているわけでありまして、実際の国債発行額等については、それは時々の経済社会情勢を踏まえて毎年度の予算編成で決めていくということでございます。
#193
○柳田稔君 将来の数字は推定ですから、それをどうのこうの言うつもりはありませんが……
#194
○国務大臣(谷垣禎一君) 済みません、一つ言い間違えましたが、十七年度末の七百七十四兆と、私、七百四十四兆と言い間違えたようでございます。七百七十四兆でございます。済みません。
#195
○柳田稔君 要は、何を言いたいかというと、二〇〇四年度で社会保障費と国債費合わせますと全予算の四五・六%なんですね。ところが十年先、二〇一四年になりますと、これが五六・九、五七%を占めるんです。社会保障、国債費、まあ国債費はこれはまけてくれとは言えませんからそうはいじれない。社会保障も本当に難しい。これはもう総理も実感されたと思う。とすると、ほかの役所の予算ですね。ここに大臣、皆さん並んでいますが、べらぼうに減ることになりますね。さっき財務大臣がおっしゃったように、最低でも三分の一減らさないと、社会保障と国債に手を付けないとなると、皆さんの省庁の役所は最低でも三分の一以上減らさないといけない。大ごとですね、これは。と同時に、借金は、多分地方を合わすと十年先には一千兆円ぐらいになるのかなと、そんな感じがします。
 そんな話聞かれて、総理、どういう感想をお持ちですか。
#196
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 御指摘のとおり、国債依存率が五割を超えるというような状況になったら、これは正に財政破綻、これは避けなきゃいかぬと。そういうことから今歳出改革を進めておりまして、できるだけ国債発行、国債増発を抑制していかなきゃならない。同時に、行財政改革を進めて、できるだけ民間にできることは民間に譲っていこう、小さな政府を目指していこうということから、歳出に切り込んでいかなきゃならないと。これはもう不断の努力をしていかなきゃならないと思っております。
#197
○柳田稔君 で、社会保障の話ですから、じゃ今後社会保障について、今財務省の立場から試算してもらいましたけれども、今度厚労省の立場からどういう推移をたどるのか御説明願えますか。時間がちょっとあれなんで、よろしくお願いします。
#198
○国務大臣(尾辻秀久君) 今のお話は、急いだ方がいいということでございましょうか。
 まず、今日お出しいただきました資料でございますが、一ページ目と二ページ目にございます。一ページ目と二ページ目の数字が社会保障費に関して若干違いますけれども、これは私どもが出しております、推計いたしました二ページ目の方は、地方分が入っておるというふうに御理解をください。したがいまして、今から御説明申し上げますのは、地方分が入った数字で私どもは推計いたしておりますから、そういう数字だと御理解いただきますようにお願いをいたします。
 そこで、今日お出しいただきました資料でありますけれども、これは私どもが昨年の五月に推計して出させていただいた数字であります。二〇〇四年、昨年と、二〇一五年、それから二〇二五年の社会保障の給付と負担の見通しがどうなるかということで出したものでございます。そのまず一番基礎の数字として国民所得比を出しまして、その国民所得比を、分母にしてどのぐらいの割合になるかということでずっと変化をお示しをいたしております。
 まず、その国民所得比、どういう計算したかといいますと、いろんな前提の数字入れて計算したわけでありますが、それはもう省かせていただいて、答えだけ言います。二〇〇四年三百六十六兆円、二〇一五年四百四十八兆円、二〇二五年五百二十五兆円の国民所得になると、こういうことであります。
 その国民所得に対して社会保障の給付がまずどうなるかということを全体で申し上げますと、まず二〇〇四年は二三・五%、二〇一五年は二七%、二〇二五年は二九%になる、こういうことであります。ちょっと内訳を見ますと、年金の方は一二・五%、一三%、一二%と変化をしますから、ほとんど年金は変化をせずであります。将来ともに変化をせず。これは一つは、今話題にされましたマクロ経済スライドなどを前提にしておりますためにこういうことになります。
 もう一つ、福祉その他と、こう書いてございますが、これは雇用保険だとか生活保護だとか少子化だとか障害者の福祉だとか、そうしたものが全部入っているわけでありますが、一番主なものが介護でございまして、介護の変化を見ていきますと、一・五%、二・五%、三・五%と、かなりこれは伸びていくわけであります。
 そして、一番大きく伸びると見込まれるのが医療でございまして七兆円、失礼しました、七%、九%、一一%と伸びていきまして、二〇二五年には五十九兆円の医療費の給付が見込まれる、こういうふうに見ております。特に、この医療費の中で大きな部分を占めるのが高齢者の医療費でございまして、二〇〇四年は、今高齢者医療費が三分の一ですけれども、二〇二五年にはこれが二分の一になるだろうと、こういうふうに推計をいたしておるところでございます。それが給付の方です。
 それに対して、負担をどうするかということでございますが、公費負担、すなわち税金がどうなるかということが、七%、九・五%、一一・五%。この税金の計算の方はもう今の制度そのまま当てはめて計算しておりますから、給付が出てくると年金は、基礎年金はその二分の一、あるいは医療、国保は、医療の中の高齢者医療費なんというのは二分の一国が持つことになっていますから、給付が出てきてその二分の一をここに当てはめて数字を出していると、こういうことであります。そして、あとは保険料を計算をいたしますと、一四%、一七%、一八%ということでございます。
 この中に出てまいりませんのが、実は年金の積立金が一つございます。ただ、年金の積立金は、昨年改正さしていただいたやり方でいきますと、今後九十五年間にわたって取り崩していってそれを使わしていただくということにしてございますが、年金の勘定が一番苦しくなるのは二〇五〇年ぐらいだというふうに見ておりまして、このころが一番苦しい。したがって、二〇五〇年ぐらいにこの積立金をできるだけ使わしていただく、そのためには当分、余り年金の積立金使わない計算をいたしておりますから、そうこの計算の中には出ないと思っていただいていいのではないかというふうに思います。
 ざっと御説明申し上げますと、そういうことでございます。
#199
○柳田稔君 大変ですね。お話を聞けば聞くほど大変。
 で、この社会保障の費用を総理は小委員会で議論してくれ、答えが出たら従うっておっしゃってくれた。今、この社会保障だけのお話を聞いて、御感想はどうですか。
#200
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 社会保障については、皆さん、給付を厚くしてくれ、負担は少なくしてくれというのは、思いは当然だと思っておりますが、それは、それじゃだれが負担をするのだというところになると、おれの負担だけは軽くしてくれという気持ちが多いから難しいんですね。
 社会保障、これ黙っていても高齢者はどんどん増えていきます。給付を受ける人がどんどん増えるわけです。恐らく、今もう年金についてはこれからの将来を考えますと、五十歳以上の人がもう五割を超えたんじゃないですか、五〇%を。負担する人、少子化傾向。これよく専門家の話を聞きますと、五十歳以上の人が国民の五割を超えると社会保障制度改革は実に困難だと。それは、給付を下げるということに対する反対者が多くなるからであります。給付を上げろという声の方が選挙になっても投票へ行きますから。
 そういうことを考えると実に困難だ。だからこそ、これは余り政争の具にしないで与野党協議して、給付を維持するためには負担する立場のことを考えてくれと、今有権者になっていない人のことも考えないと社会保障制度は維持できないんですから、そういうことを考えて、お互い与野党が責任を持ってこの社会保障制度の問題、真剣に協議して、いい結論を得るような形でまとめていきたいと思っております。
#201
○柳田稔君 午前中の時間が五十四分までですから、それまでにはどうにか一段落付けたいと思うんですが。
 総理ね、今財務大臣、厚生労働大臣、お話をしていただきました。説明をしていただきました。これから最大のテーマは社会保障だと、私はそう認識しているんです。
 で、この社会保障の議論をして答えを出すためには大変な作業が要るんですね、これ。厚生労働大臣だけでは足りないし、いろんな役所の大臣にも来ていただいて話を聞いたりしていかなきゃならない。で、努力をして答えが出た。これは、先ほど財務大臣でもお話があったように、ほかの役所にもどんどん影響してくるんですよ、実は。
 例えば、再来年、医療やりますね、予定では再来年。ということは、総理の任期中に医療の計画を作るわけですね。大変な作業ですね、これも。総理は二回失敗したんですから。厚生大臣のときに失敗し、何年前でしたか、総理大臣のときに失敗し、しようがないから再来年やるというふうになったんですけどもね、抜本改革は。難しい作業がある。しかし、一番の問題は、少子高齢社会で、人の数は変えられないんです、これ。これだけはどうしてもいじれない。
 何を言いたいか。社会保障だけの問題ではとどまらなくなるんです、この話は。必ずほかの役所の問題にも踏み込まないといけないんです、結論を出すためには。国土交通省さん、あんたの予算はこれだけだけど、済まぬけれども一割カットしてくれ、二割カットしてくれ、財務大臣のお言葉をかりれば四〇%カットしてくれと、三分の一っておっしゃった、仮定でしたけどね。そういう話もせざるを得なくなる。
 これはだれが一体やるべきことでしょうか。時の政権がやるべきことではないんでしょうか、これは。社会保障だけの議論をして済むって話じゃないというのはよく分かったわけです。答えを出すということは、政権を取っている人たちが、国民の信任を得て政権取っているわけですから、その人たちがすべての政策に対して責任を持ってやるわけですよね。私は、この社会保障というのはそれほど大きな議論をして責任を持ってやらなきゃならない。簡単な話ではないと思うんです。もし総理ができないんだったら、我々民主党に頼むんだったら、政権を降りられて、一回ね、我々がやってあげますよ、それは。で、もし国民が不支持だったら、また自民党さんが政権取ってやればいいじゃないですか。
 ただ、言っときますよ。基本の仕組みは変わるわけではないんです、これは。なぜなら、自民党政権が倒れて細川政権ができて、羽田政権ができたときにも我々は年金の大改正をやったんです。仕組みは変わっていません。その基本が変わるわけはないんです、政権が替わっても。
 もう一回言います。この議論するのは、政権全般にかかわることになるから、一回下野されて我々に政権回す、それぐらいのことだと私は思っているんですよ、実はね。どうですか、総理。
#202
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 民主党がいつ政権取るか、これは私は予測できませんけども、この問題は与野党が議論して共通の結論を出した方がいいということは、各役所にも関連しますし、だからこそ与野党の協議を我々は呼び掛けているわけであります。
 で、社会保障だけの問題ではございません。税の問題も絡んでくるわけです。行政改革、財政改革の問題にも絡んでくるわけです。だから、与野党合意を我々は呼び掛けているのはなぜかと。幹部が入んないと駄目です。幹部、各政党、今政党政治ですから、各幹部が入って、政策責任者が入って、そして全般の政策を眺めながら協議して合意をまとめていった方がいいから私は政党協議を民主党にはもう呼び掛けているんです。そこの辺を御理解いただきたいと思います。
#203
○柳田稔君 総理ね、もしこれやるんだったらね、連立政権を組もうよっていう話ですよ、これ。連立政権を組んで、こんな大きな仕事だからやろうよとね。私はそれほど大きな仕事だと思いますよ、これ。その認識は多分総理もおありですよね。大変な作業だと、これはね。
 で、今度は、今総理が触れてくれましたように、税制まで影響しますよ、税金まで。小委員会が税金を決めていいんですか、これだけ財源が必要だから消費税を何%ぐらいしたい。さっき総理は、決めたら従うとおっしゃってくれましたけどね、いいんですか、そんなことして。財源が足りないから、もう所得税もそう伸ばせないから、これはしようがない、消費税を五%上げましょうと小委員会が決めたら、小泉政府というのは、与党というのは従ってくれるんですか、それでも。
#204
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 小委員会が決めようと思えば与党だけで決めることも可能であります。それをしたくないから野党にも協力を呼び掛けているんです。
#205
○柳田稔君 だから言ったんです。もう政権与党の責任の大半をすることになりますよとね。徴税のことまで我々が考える、ほかの役所の分配まである程度考えないとできない。ほとんどこれ、政権与党のやることじゃないですか。
 それもですよ、もう一つ、来年度予算のことだけじゃなくて将来のことまで決めるということなんですよ、これ。今厚生労働大臣が言ってくれたように、これは二十五年先まで出ていますね、ペーパーに。五十年先が一番厳しいとおっしゃる。五十年先まで決める、これは与党の責任じゃないですかね。私はそう思うんだけど、いかがでしょう、それが政権を担っている与党の国民に対する責任じゃないんですか。
#206
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 議論しているうちに野党がいろいろ意見を出しています。いいところは取り入れていきましょうというのが与党・政府の立場でございます。
 だから、与党だけで決めて、それで野党が政権を取った場合にこれまた全く変わってしまうということよりも、この社会保障制度の基本の点で合意ができるところは合意した方がいいじゃないんでしょうかと、そのためには話合いが必要じゃないですか、同じテーブルに着いてどういう意見がいいかということを胸襟を開いて話し合った方がいいじゃないかということを私は申し上げているわけでございます。
#207
○柳田稔君 午前の部はこの辺で終わりますけれども、午後もう一回、もう一回だけ聞かせてください。よろしくお願いします。
#208
○委員長(中曽根弘文君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#209
○委員長(中曽根弘文君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十七年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。
 関連質疑を許します。福山哲郎君。
#210
○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。午前中の同僚議員に続きまして質問させていただきます。よろしくお願い申し上げます。
 まず、済みません、事前通告ありませんでしたが、午前中の議論を聞かしていただいていまして、総理、民主党の岡田代表と、年金の一元化の先行協議でも構わないと、この間おっしゃっていただきました。一元化にはこれまで総理はいろんな問題があるという御答弁が多かったわけですが、あの場面で岡田代表に協議をしていこうと言われたということは、そのいろんな問題があることは承知の上で、それを乗り越えて民主党と協議をしていこうという決意の表れだと承らしていただいていいのかどうか、お答えをいただけますでしょうか。
#211
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、年金一元化の問題を先に議論することに対して、全く今までも異論を申し上げていたつもりはございません。ただ、いろいろ質問聞かれますから、年金一元化の問題はこういう問題がありますよということを述べたわけであります。協議をすれば、同じテーブルに着いて協議をすればより分かりやすくなるんじゃないですかと、問題点が、ということで申し上げたわけでございます。
#212
○福山哲郎君 我々は、参議院選挙のときに一元化を国民の皆さんに約束をして選挙をやりまして、勝たしていただきました。是非そこは、これまでの同様の答弁ではなく踏み込んだ形で、今後また両党の幹部の議論の行方を見守りたいと思います。
 では、次に移らしていただきます。
 島村農水大臣にお伺いします。
 先月の二十五日、衆議院の予算委員会で農水大臣はけしからぬ発言をされました。BSEについての全頭検査は世界の非常識と、安全、安心に縛られていると。なぜBSEの問題について、今食品安全委員会で議論されているのに、安心、安全で縛られちゃいけないのか。国民にとっては食の安全というのは大変大きな問題だと思っていますが、この発言の真意をお答えいただけますか。
#213
○国務大臣(島村宜伸君) 真意ということですから申し上げますが、まず、言わば全頭検査というものを実施している国をほかに御存じでしょうか。(発言する者あり)日本だけなんですよね。私は、その際に、要するに世界の常識というわけではありませんよと、全頭検査が。だから、全頭検査は常識にあらずということから、言葉を反すうしながら非常識という言葉を使ったんです。
 ただ、非常識という言葉が言わば刺激が強いとか余り感心しないというんならば、この言葉にこだわる気は毛頭ありませんが、たまたま与党の赤羽議員の御質問でしたし、お考え方は非常に論旨明快で、いろんな説明があったので、私は善意に取っていただけるものとして、あえて非常識という言葉を訂正しませんでした。
 しかし、この言葉がただ独り躍ると、なるほど角が立つんであれば、この言葉を収めることに異議はありません。しかし、御承知のように、我が国が、今農林水産省と厚生労働省が言わば共同で諮問しているのは、二十か月未満の牛についてはともかく、二十一か月以上の牛については言わばこれからも全頭検査を実施していくということです。
 そういう意味では、国際的な比較において、例えば、御承知のように、EUなどは三十か月ですから。EUの中にも例外はあります、なるほど。フランスと、言わばスペインとイタリーと、そしてドイツでしたね。ところが、フランスは、御承知のように、EUの三十か月に合わせて、昨年の七月から三十か月以上に改めました。そういう事ごと照らしますと、日本からも数多くの人がヨーロッパを訪問し、あるいはアメリカを訪問する。そういう場合に、向こうでは肉を食することが危険だということになってしまうわけですから、私はやはり、そういう事ごとは世界の常識、どの国だって安全管理には心を砕いているわけですから、そういう中で通用することも一応配慮に入れる必要はあるんではないか。
 ただし、いろいろ御質問のあった、食品安全委員会に対する私が圧力を掛けるということは全くございませんので、申し添えます。
#214
○福山哲郎君 いや、ほかの国は全頭検査をしてないんだったら、そう言われればいい。世界の非常識だということを公の予算委員会の場で言われて、その真意は、常識にあらずということを言いたかった、こんなもの通用するわけないじゃないですか。
 日本が、今牛肉について、国民の皆さんが国産牛に関して安心して食べれるようになっているのは、全頭検査をやって信頼感が高まったからじゃないんですか。日本はそれを分かった上で全頭検査に踏み切られたんじゃないんですか。お答えください。
#215
○国務大臣(島村宜伸君) 昨日も御党の佐々木委員から衆議院予算委員会で御質問がありました。
 その際に、全頭検査というのは世界どこもやっているわけではないが、あの平成十三年の九月にBSEが発生し、翌月から全頭検査を実施したんですが、当時の言わば消費者の、まあ恐れおののきといいましょうか、大変なパニックに陥るような状態で、肉屋さんでも牛肉ばかりかほかの肉まで姿を消すぐらい厳しい状況でしたから、私はあれは、全頭検査をしたことは英断であったと、あえてそう申したところです。
 しかしながら、その後三年四か月余を経過していますね。しかもその間には、私、昨日は三百五十万頭を超えるというような話をたしかしたように思いますが、全部調べてみましたら、もう四百二十万頭を超えるわけです。そういう中で二十か月未満には一切そういうものが出ていない。それで、二十一か月以上についても疑わしいという面は、指摘された面がありますから、これらについてはそれらを含めてこれからも検査を続けるということで我々は諮問しているわけですから、私はおかしな言い訳をしているつもりはありません。
#216
○福山哲郎君 今大臣が言われたことを協議をしているのが食品安全委員会なんです。そこに大臣は、自らおっしゃられましたが、諮問をされているんです。諮問をされて審査をしている最中に、その諮問をしている人間が非常識だなんと言ったら、食品安全委員会、どうやって審議するんですか。お答えください。
#217
○国務大臣(島村宜伸君) まず私の最初の発言についてよくお調べいただいたら御理解がいただけるんだろうと思いますが、非常識という言葉だけを抜き出して云々と言えばあれですし、また同時に、食品安全委員会に向かって非常識めいた話は一切いたしておりませんので、そこの方を混同しないでいただきたい。
#218
○福山哲郎君 いいですか、国会の予算委員会の場で言われたことなんですよ。別に安全委員会の委員に向かって非常識だと言わなくたって十分圧力になるじゃないですか。
 もう一つお伺いします。
 アメリカのジョハンス農務長官から島村農務大臣、農水大臣は書簡を受け取っていらっしゃるかどうか、お答えください。
#219
○国務大臣(島村宜伸君) 実は、そういう報道があったのでいろいろ調べてみたんですが、今までのところ全然見当たりませんので、受け取っていないというふうに申し上げるべきでしょう。
#220
○福山哲郎君 これ、アメリカで書簡を送ったという委員が議会で証言をしていまして、これ真偽のほどを一度調べていただけますでしょうか。
#221
○国務大臣(島村宜伸君) 調べてみたいと思います。
#222
○福山哲郎君 そうすると、アメリカからの最近いろいろな形での日米協議、日米構造協議も含めていろんな提案が出ていますが、アメリカの通商報告で日本を厳しく批判をしたと。それに呼応するようにジョハンズ農務長官から書簡を送ったという報道もあります。このことについて大臣はどのようにお考えですか。
#223
○国務大臣(島村宜伸君) それぞれの国にはそれぞれの文化もあれば国民性というのもありますから、物の考え方にもいろんな差異があることは当然だろうと思います。
 アメリカの立場で考えれば、一体いつになったら結論が出るのか、本気でやってくれているのか、こんなような話は実は私はいろんな角度から随分聞かされています。政治家もそうですし、報道関係者もそうですし、学者も、たくさんの友人が海外で活躍して、アメリカにもいるわけですから、アメリカの情報として、日本の真意をかなり疑う向きがありますよという御指摘は再三いただいているところでありますが、私どもは私どものルールでやっていただくというかねての主張どおりに私はこれをそのまま収め、聞き収めていると、こういうことです。
#224
○福山哲郎君 もう一度非常識発言に戻りますが、あの非常識発言は、じゃ撤回はされないんですね。
#225
○国務大臣(島村宜伸君) よくお聞きいただいていれば、私が、非常識という言葉が適当でなくて適切でないとおっしゃるならば、このことに、言葉にこだわる気はありませんと。
 ただ、私が非常識と申したのは、申し上げ掛けて、常識ではないと、常識にあらず、すなわち非常識と思ったからいいかなと思って用いたのがあのときの非常識を使った言葉である、そういうことは先ほど申し上げたとおりであります。
#226
○福山哲郎君 私の質問に答えていただいていない。撤回していただけますかと聞いているんです。
#227
○国務大臣(島村宜伸君) そのとおり受け止めていただいて結構でございます。
#228
○福山哲郎君 分かりました。撤回されたということですね。ということは、自分の非を認められたと。
 アメリカが通商報告で日本の対応を厳しく批判をしたり、さらには農務長官から書簡を送ってきたりという状況の中で、正にその時期に農水大臣が自分が諮問しているにもかかわらず非常識だという発言をしたと。これ大問題だと私は思うわけです。まるであれじゃないですか、あなたは圧力の増幅装置じゃないですか。アメリカ側の圧力を大きく拡大、拡声しているだけじゃないですか。
 今、安全委、食品安全委員会は政府からの独立機関としてしっかりと審議をしていただいているわけですし、更に言えば、二月に変異型のヤコブ病の日本人で初めて死亡も出たという状況なんです。そういう状況の中ですから、慎重にこれからは御答弁をいただきたいということをもう一度確認させてください。
#229
○国務大臣(島村宜伸君) 私が御答弁していることはテレビを通じて国民の皆さんもお聞きになっているわけですから、私が言っていることを片言隻句でいろいろおっしゃるのはいいですけれども、全体をとらえたときは、今までのわずかな時間の答弁でも、私は決しておかしな言い方をしていない。あなたに対しても失礼な言い方をしていない。安全、安心に関してこれからもその姿勢で臨むことを私たちは今でも大前提にしていることを申し上げたい。
#230
○福山哲郎君 これも変な話で、安全、安心に縛られているとついこの間発言した農水大臣とは思えないと思います。私たちは本当はあなたにはもうすぐ辞めていただくべきだと思っているんですけれども、もう一つだけ申し上げます。
 この二十か月の問題は決してその問題だけではありません。日本の場合には、えさの規制、屠畜方法、危険部位の除去、いろんなものを総合的に判断するからこそ安全委員会が慎重に審議をされているんです。そのことを理解せずに、アメリカの圧力でこういった非常識発言するということは資質を疑いますが、とにかくこの問題については猛省を促したいというふうに思います。
 じゃ、次に行かせていただきます。
 ちょっと話がずれましたが、私、実はスマトラ沖地震の現場、スリランカに実は二月に行ってまいりました。私は、全部政府のやったことを批判しようと思っているわけではありません。スリランカに行って、これがそのときの様子でございますが、まだ五十日たっても瓦れきの山があちこちにあります。(資料提示)
 外務省、地震の後、すぐどのような対応を取られたか、日本政府の対応についてお聞かせください。
#231
○国務大臣(町村信孝君) 外務省におきましては、被害発生の報を受けて直ちにまず領事局内に連絡室を立ち上げました。その後、被害の甚大さ等々を勘案して二十八日に、朝、私を長とする緊急対策本部を設けたところであります。
 災害発生当日ですが、現場の方では二十六日、タイ及びスリランカの各大使館は大使を本部長とする対策本部を設置して、例えばタイの大使館におきましては、同日直ちに被災地のプーケットに大使館職員を陸路及び空路で派遣をいたしまして、二十七日未明には臨時領事相談室を立ち上げたところであります。また、スリランカ大使館におきましても、南部被災地域及びモルディブにそれぞれ大使館職員を派遣をいたしまして、安否の確認及び援護業務を行いました。
 また、インドネシアにおきましても、災害発生後直ちにジャカルタの大使館及び最寄りのメダン総領事館において対策本部を設置し、さらに被災現場でありますバンダアチェには、現在、臨時事務所を設置をいたしまして、この事務所には本省及び近隣公館から現在でも五名の者が常時派遣をされるという形で活動をやっております。
 そのほか、具体の支援活動の決定については、一月一日の朝に、朝というか、一月一日中に概要を小泉総理の御裁断もいただいて決定して、六日のジャカルタの津波サミットで五億ドルの救援の総額の発表をいたしました。そして、二国間経由につきましては一月十九日に、国際機関経由では一月二十一日にすべて全額を先方政府あるいは機関に支出済みでございます。
 また、人的貢献の面では、ちょっと長くなって大変恐縮でございますけれども、十二月三十日にスリランカに対する国際緊急援助隊の医療チームの派遣を皮切りにいたしまして、医師、看護師から成る医療チーム、警察、消防、海上保安庁等から構成される救助チーム、DNA鑑定の専門家チーム等を累次派遣をしております。
 また、十二月二十八日から一月一日の間、プーケット沖で、これは海上自衛隊によりましてシンガポールから急遽回ってもらって捜索救助活動を行うとともに、陸海空自衛隊によりましてインドネシアにおいて一月十日から十九日、十日から物資輸送を始め、十九日からアチェにおける医療・防疫活動を実施をしております。
 それから、知見の面では、十八日から二十二日、国連防災世界会議が折しも開かれていたわけでございまして、これに向けてインド洋津波早期警戒システムの構築に最大限貢献をする等々、私どもとしては可能な限りの対応をできるだけ早くにしたつもりでございます。
#232
○福山哲郎君 私は今回の日本政府の対応は大変評価できると思っています。スリランカ行っても、大使館員の方も一生懸命仕事をされていました。また、スリランカの関係者も本当に喜ばれていましたし、町村外務大臣言われましたが、スリランカに至っては八十億円をキャッシュでもう振り込まれたのは我が国だけだと。対応の早さも含めて私も大変評価をさせていただきたいと思います。
 その八十億円、例えばスリランカですが、どのように使われる御予定になっているか、お聞かせいただけますか。
#233
○国務大臣(町村信孝君) 各国共通して、発電機であるとか、テントでありますとか、あるいは浄水機等々でございますけれども、特にスリランカに関しては、例えば横浜市から提供がありました中古バキュームカー九台、これを日本からスリランカまでの輸送費用というものを無償資金で拠出をするということで、近々到着をする予定でございまして、このほかにも、給水車でありますとか建設用の重機を購入をする予定ということで、既に調達手続を開始をしていると。もちろん、あと、緊急に必要な医薬品でありますとか、あるいはそうした物資の購入、あるいは緊急に直さなければならない施設とか道路の補修等にもこれらのお金が使われることになっております。
#234
○福山哲郎君 この点についても私は大変評価をしているんですが、これ見ていただきますと、まだ瓦れきの山でございます。(資料提示)実は私、あの被災地も行ってまいりましたし、被災民の方とも話をしてきました。
 実は、今重機の道具というような話も外務大臣お答えいただきましたが、実は現場へ行くと家がもちろん全部流されているんです。まずは私有地の特定ができないんです。要は、この土地がだれかという特定ができないんですね。それから二つ目は、家を造りたいというから、先ほどの重機の話があるんですが、実は大工さんがみんなその村で亡くなっているんですね。子供たちの教育を何とかしたいと被災民は思っているんですが、学校を造っても実は学校の先生がみんな亡くなっているんですね。そのぐらい村が全滅なんです。そのときに、例えば重機、家を造る機械だけ渡しても、これは役に立たないわけです、大工さんがいないわけですから。
 つまり、この八十億円の使い道については、そういった現場のことをしっかりと対応して、ウオッチングをして、そして継続的な事業になるように。ともすれば、スリランカ政府は大変貧しい国ですから、はっきり言って、八十億円キャッシュが来たわけです。どう使うかということに対しては、やっぱりそこは内政干渉にならない範囲で、実はあそこは内戦もしていたので、和平交渉のこともあります。そういったことを総合的に細かく、外務大臣、対応いただくように、少し前向きな答弁をいただけませんでしょうか。
#235
○国務大臣(町村信孝君) 今回の津波災害、スリランカではそうした内戦状態もあり、同じようにインドネシア・バンダアチェでもまたアチェ独立運動というものがあり、なかなかこの複雑な地域を今回の津波が襲ったんだな、地震が襲ったんだなということでございます。
 それぞれの国の主権に属する話でもありますから、余り確かに内政干渉にわたってはと思いつつ、しかし、さはさりながら、私どももこれだけの資金をお出しし、またできるだけ人々の役に立ちたいと、こういう思いでございますから、これはまず日本としても、JICAあるいはJBIC、国際協力銀行ですね、こういったものを送って、調査団を既に送っております。
 そういう形で、すぐに役立つ、あるいは中長期的な復興に役立つ、どういうことをやったらいいか。もちろん現地に大使館もおります。また、大使館の方々は現地にいる民間の方々のお力、あるいはNGOの知恵もかりながら、何が今一番必要なのかということを見極める作業、それを先方政府と、あるいは国際機関からも随分いろんな人たちが入ってきておりますから、そういう国際機関の人たちともよく相談をしながら、万が一にも違う方向にそれが使われてしまったり、あるいは使われずにただ単に、どういうんでしょうか、その国の財政支援だけに終わってしまったということがないように、きちんと調査結果とその具体の作業といいましょうか、復興支援活動というものが直結するように十二分に注意を払っていきたいと、かように考えております。
#236
○福山哲郎君 前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 そして一方で、大使館員の方、大変だったと思います、初めての例で。例えば、私もお伺いしたんですが、たくさんの遺体が上がっている中で、アジア人が出たというと、日本人か中国人か韓国人か分からないといって、大使館員の方は何十キロも何百キロも車で走って検視に行かれる、安否を確認に行かれる。そうすると、それは何百体とある遺体の中で見付ける、その死臭、情景。そしてそれが日本人ではなかったときの何とも言えない、だからといって日本人じゃなければそれでいいのかというとそうでもない、喜んでいいのか悲しんでいいのか分からない。
 そういった思いの中で、実は各国の大使館の方、御苦労されたと私は思っているんです。ただ、業務だからといってそこにずっと置いておくということではなくて、精神的なケアも含めて、それから人員の補充も含めて、ああいう異常事態のときには是非本省の方で人員をチェンジをするなり、更には精神的なケア、フォローをするなり、そういったことの配慮をしていただきたいと思っているんですが、いかがでしょうか。
#237
○国務大臣(町村信孝君) 委員の御指摘、誠にごもっともでありますし、また温かい御配慮と受け止めて感謝を申し上げます。
 例えばこれはタイでございますけれども、被災現場に約六十名の館員をこれ交代交代でローテーションをつくって派遣をすると。一人の者がずっといないようにといっても、それでもどうしても長くなりがちである面はございましたが、余り極度に長くならないようにというようなこともやっておりまして、こうした現場の対応を支えるために、本省とそれから近隣の十二の在外公館から計三十名近くの職員をタイとスリランカには派遣をいたしました。
 インドネシアの場合は、さっき申し上げましたように、バンダアチェに常時五名派遣をして、大体二週間をめどに人員交代をするということで、インドネシアの方には既に延べ五十名が交代交代で現地に、バンダアチェの方に行くというようなことをしております。
 また、メンタルヘルスの面も大変重要でございまして、大使館それから本省の医務官が連絡を取りながら、個々の職員と面談をしながらそのケアに当たるというようなことで、この面でもきめ細やかな対応を取っているつもりではございます。
 私もインドネシアの大使館あるいはタイの大使館の諸君と話をいたしましたけれども、本当にまだ学校を出て間もない若い女性の館員が、もうそれこそ修羅場のようなところを髪振り乱して本当に一生懸命働いているという現場も私もかいま見まして、ああ一生懸命やってくれているな、ありがとうといってお礼を言っておきましたが、本当にみんなよくやってくれたなと思って感謝をしております。
#238
○福山哲郎君 私は、大臣、揚げ足を取るわけではないですが、やられたことではなくて、よりこれからもちゃんと前向きにそういったことにケアをしてくださいとお願いをさせていただきましたので、よろしくお願いしたいと思います。
 さはさりながら、済みません、嫌なことも言わしていただきます。じゃ、生存者に対して、運良く生存された方に対して大使館がどう対応したか。また、亡くなられた方の御家族がその現地に行かれたときにどういう対応だったか。これはいろんな手記とか、いろんなところで問題も起こっています。
 例えば、運良く生存されたスリランカの方は、大使館に行ったらパスポートの再発行は一万円掛かるから金を払えと。その方は全部流されて、命からがら一日半掛けてコロンボの大使館に来たら、お金も何にも持っていない、着のみ着のままだったら、お金を出せと言われたとか、外のロビーに何時間も待たされて悔しくて涙がぽろぽろ出たとか、更に申し上げれば、プーケットのデスクに行ったら、ある行方不明者の家族の方が名前と住所と年齢をその行方不明の方のを聞かれたと。名前と住所と年齢を聞いたって遺体はそんなもの付けてないわけです。何の探し出す手だてにもならないのにそれだけ聞かれてほうっておかれたとか、タイの大使館は二十六日に災害があったにもかかわらず二十七日の昼前まで電話がテープだったと、休日用のテープだったというようなことも伝わっています。
 つまり、大使館員の皆さんの仕事は、大使館の仕事は、確かに亡くなられた方の安否は第一次でしょう。しかし、その次には生存者、邦人保護という大変大きな仕事があるわけです。そのことについて、そんな批判も上がっているので、そこについては、外務大臣、どのようにお考えかお答えいただけますか。
#239
○国務大臣(町村信孝君) 幾ら一生懸命やっても、やはりああいう極限状態の中でございますから、決してそれは、すべての方々に対して一〇〇%十分な対応ができたかどうかと言われれば、それは振り返ってみて反省すべき点もあったであろうと、もうそれは率直に認めなければならないと、こう思っております。
 まず安否の確認ということを最優先をしておりました。したがって、お元気な方は多少待っていただいたとか、一人一人お話を聞いていたら多少待っていただく時間長くなったという、理由を挙げればそれはそういうケースもあったかもしらぬ。しかし、そこを個々を言ってもしようがないと思います。現実に不快感を持たれた方々もいらっしゃったことも私も耳にいたしております。そういう方々にはおわびを申し上げながら、今後とも十分最大限の対応ができるように日々、私どもも一応邦人保護のマニュアルというものもできておりまして、そういったものによく勉強しながらしっかりやっていきたい。
 ただ、たまたまですが、これは二月二十三日の日の夕方に、宮下一郎衆議院議員が、別に親戚ということではなかったらしいんですけれども、プーケット日本人会会長の宮下さん、山口事務局長さんほかをお連れになられました。私もこの宮下日本人会会長には現地でお目に掛かったんですが、何で急に来られたのかなと思いましたら、一つは、観光客が激減しているので、何とか観光客が戻ってくるように外務省も応援してもらいたいというお話と、もう一つ、外務省の皆さん、大使館の皆さんにお礼を言いたいと。本当にプーケットでよくやってくれたということを、これはもう現地日本人会の一致した意見だから、このことを大臣にお伝えをしたいといって、わざわざ立ち寄ってくださったという一幕もあったことを蛇足ながら付け加えさせていただきます。
#240
○福山哲郎君 私もすべてが悪かったと申し上げているわけではありません。
 しかし、外務省に実はこの間、この質問をしたくてお呼びしたときに、邦人保護のマニュアルはあるのかと言われたら、その事務方の方は勘違いをされたんだと思いますが、ないとまず第一に答えられました。そんなばかな話はないだろうと言ったら、何とかお持ちしますと言われました。そして、私のところにファクスに入ったのが、私がレクを受けたその日の日付でたった二枚の邦人保護マニュアルが来ました。こんなマニュアルでは間違いなく、地震だ、災害だ、そして今はひょっとするとテロもあるかもしれないような状況に対応できるようなマニュアルではないんです。
 これは、今大臣がマニュアルがあるとおっしゃられましたけれども、本当にどのぐらいしっかりとしたマニュアルがあるかどうか、大臣、お答えいただけますか。
#241
○国務大臣(町村信孝君) これがマニュアル本体であります。
 ただ、これにはいろいろな、電話が書いてあったり、例えばここにあるのはスリランカ大使館のマニュアルなんでありますが、いろいろなことが書いてあったりするもので、多分このエッセンスを委員の方にはお持ちしたのではないかと。
 別に、これ本体を丸々お見せしても別に何か困ることが書いてあるわけじゃないので、それは本来お見せすべきであったと思いますし、そうでなかったこともおわびを申し上げますが、これにはかなり、例えば緊急事態が発生した際の措置、対応一、二、三、四、五とかですね、それから緊急事態が発生するおそれが高くなった折とかですね、かなりいろいろなケース分けをしてきめ細やかに、どう対応するか、先方政府との対応に、それから来られた日本人、邦人の方々への対応等々、ちょっと何ページかというと、ここにはページ数が書いてありませんが、三、四十ページのものになるんでしょうか、そうしたものが、それぞれの大使館のまた独自性も加味しながらだと思います、全館すべて完全に同じではないのかもしれませんが、そういったものも持ってやっているところでございます。
#242
○福山哲郎君 つまり、そこがやっぱりけしからぬと思うんですね。
 私は、別に批判をしようと思ってマニュアルをお願いしたんではないんです。邦人保護というのは非常に重要だからといってお願いしたら、これ二枚ですよ。項目が書いてあるだけですよ。これじゃ建設的な質疑もできないじゃないですか。そして、大臣がこの予算委員会に出てこられて、いや、実はあるんですと言われたら、これ審議できないじゃないですか、大臣。これ、けしからぬと思いませんか、この外務省の体質。
#243
○国務大臣(町村信孝君) 急ぎエッセンスをお持ちしたんだろうと思います。次回から十分気を付けたいと思います。
#244
○福山哲郎君 是非これは徹底をしていただきたい。そして、議員にもやっぱりこういった状況で邦人保護のマニュアルがあるんだということを周知していただきたいと思うんですね。議員もやはり外に出ていることも多いと思います。そんな状況の中で、やっぱり今みたいな大使館の中だけは治外法権みたいな状況ですと、ロビーに待たされる被害者も出て、被災者も出てくるわけですから、是非そこは前向きに対応していただきたいと思います。
 もう一点、このスマトラ沖地震の関係でいうと、自衛隊の皆さんにも御活躍をいただきましたが、残念なことに、二月の二十七日、この地震の災害の救援に行かれていた航空自衛隊の隊員の方が宿泊先のホテルから落下をされて亡くなられている事件が起こっています。このことについて分かっていることをお知らせいただけますか。
#245
○政府参考人(西川徹矢君) お答え申し上げます。
 本事案でございますが、二月の十六日にインドネシア国際緊急援助隊のこれは第二次隊でございますが、第二次隊という形で派遣されました隊員でございます。三等空曹、三十五歳の男性でございますが、二十七日に、先生が御指摘の二十七日の日曜日、タイ王国のパタヤ、これ、うちの部隊が行っておりますウタパオという基地がございますが、そこから約二、三十キロメートル離れたところ、ここが宿泊先になっております。そこのホテルから落下したということで、その後直ちに現地の病院へ搬送されましたが、同日の日本時間十九時四十分、これは現地では十七時、約六時ごろでございますが、死亡が確認されたと。要するに、これ、落下いたしましたのが十五時五十分でございますので、おおむね四時間ぐらいで亡くなられたと、こういうことでございます。
 現在、詳細等については、こっち、日本の方からも人をやりまして、向こうの者と一緒に、これは現地ではタイ警察の方が主体になってやっていただいておりますが、現在調査中でございまして、本人の勤務状態だとか、あるいはその当日その周辺にどういう方がおられたとか、そういうことも含めて、そしてまた、直接原因はどういうものかというものを含めて、ちょっとまだ、結論的なことをまだ御披露できる段階には至っておりませんが、今現在調査中ということでございます。
#246
○福山哲郎君 この隊員はどのぐらい現地にいらっしゃったんですか。
#247
○政府参考人(西川徹矢君) 十六日に出まして十七日の日に、十六日に日本を出まして十七日に着いておりますので、おおむね十日ちょっとでございます、はい。
#248
○福山哲郎君 何の事故で亡くなられたか原因がまだ分からないということですからこれ以上は申し上げませんが、ひょっとすると災害地の非常な状況を見て精神的に何かあったのかもしれませんし、別のことがあったのかもしれませんし、そこは調査をしっかりしていただきたいと思います。
 で、私が申し上げたいのは、大臣が私たちはちゃんとやりましたと、いろいろ大変でしたけれども頑張りましたと言われれば、次の進歩がないわけですけれども、まず邦人保護についてきっちりと外務省なり、内部なり大使館でもう一度確認をしてください。こんなに大きい災害が出たり、地震も起こっているわけですから、再度御確認をいただきたいと思います。邦人保護のマニュアルを徹底すること、そしてそれに対するケアをちゃんと大使館員の方に徹底していただくこと。
 それから二点目は、そういった状況が起こったときの現地の大使館員や若しくは派遣をされた自衛隊員等に向けたケアについて。日本にいれば想像付かないようなことがたくさんあります。僕、言いたいこと一杯あるんですけど、時間がないから言いませんが、そのことを是非御考慮に入れて、前向きに邦人保護についてもっと積極的にやっていくということを、御決意をいただきたいと思います。
#249
○国務大臣(町村信孝君) 言うまでもないことでございます。邦人保護は外務省、日本国政府の最も重要な仕事でございます。
 したがいまして、こういう異常な事故、事件のときでなくとも、平時からそのことに心掛けているつもりでございますが、特にこうした大災害等の折には時間が限られ、その成果、日ごろのまあ訓練といいましょうか勉強といいましょうか、あるいは事前の準備、そういったものが問われる、そういう瞬間であろうと思います。そういう折に、万が一にも本当に失敗がないように、きちんと対応できるように、今後更に一層努力をしてまいりたいと考えております。
#250
○福山哲郎君 済みません、よろしくお願いします。
 スリランカだけが大変ではありませんでした。インドネシアだけが大変なのではありませんでした。我が国は新潟中越地震、それから台風二十三号の災害がありました。実は、まあ一瞬落ち着きを今取り戻している、新潟はまだしんどい状況だと思いますが、その中で今問題になっているのは実は廃棄物の問題です。(資料提示)
 これを見ていただきますと、これ、私の地元の大江町という京都の町の廃棄物の一時集積所の状況です。それからもう一枚は、私も財務大臣も地元であります舞鶴の一時集積所の写真です。
 例えば、環境省お答えください、台風被害に遭った豊岡、さらには新潟小千谷市はどのぐらいの廃棄物が出て、それは毎年出る廃棄物の何年分だったかお答えいただけますか。
#251
○国務大臣(小池百合子君) お答えいたします。
 兵庫県豊岡、これは、台風及び水害というその被害でございますけれども、その破棄物は浸水した畳であるとか家具などの家財道具を中心といたしまして、当初二年分ぐらいかなと言われておりましたけれども、精査いたしまして、約一・四、一年四か月分、分量にしますと約三万二千トンになります。
 それから、新潟の小千谷市でございますけれども、こちらは中越地震で、壊れた家財道具などのほか、これから解体される家屋そのものですね、これも含めまして、最終的には平常時の約十四年分に相当いたします約二十二万トンの災害廃棄物が発生するというふうに見込まれております。
 ちなみに、今週末、私、三宅島に参りますけれども、あそこ人口が小さいということもありますけれども、約七千トンという大変大きな数字の廃棄物が出ているというのが実態でございます。
#252
○福山哲郎君 そうなんですね。小千谷市は何と十四年分出ているんですね、一回の地震で。豊岡市は一・四年分です、たった一日の台風で。そして、先ほど申し上げた大江町は四年分、舞鶴市は被害が一部だったので二か月分なんですが、これは大変な量なんです。これが全部各家々から出ると道路が一遍に通行止めになるんです。車が動けなくなるんです。これも災害の後現場に行くとその状況は分かります。そうすると、その自治体は、そのにおいも出てきますから、その一時出てきた、道路に出てきたごみをどこに一回集積をするかというのが大変その自治体にとっては課題になります。
 ちなみに、今の豊岡、小千谷はどこに一時集積されたか、大臣お答えいただけますか。
#253
○国務大臣(小池百合子君) 豊岡の場合は仮置場が二か所、一つが工業団地内の未分譲地、売れ残っている部分のスペース、それから県営空港の駐車場を使いました。
 それから、新潟、小千谷でございますが、こちらは三か所、山林の中の空き地とか市民広場、市営公園などの駐車場を使っておられました。
 それから、新潟県三条市の方は旧三条競馬場の跡地であるとか市所有の空き地、最終処分場の敷地内ということでございます。
 ということでございます。
#254
○福山哲郎君 そうなんです。各自治体、非常に悩まれたんです。
 そんなところで、例えば先ほど申し上げた大江町は近くの町有地。そして、実は舞鶴市ですが、大臣、舞鶴はごみの集積場が一瞬見付からなかったんです。でも、出てくるのでしようがないと言って実は学校のグラウンドに一時集積をしたんです。市長の英断でした。で、これすごい勇気が要ったんですね。次から子供がそこで遊ぶかもしれない、親も多少抵抗が出てくるかもしれないと思いながら、市長の英断で一時ごみをそこに集めました。おかげさまで、父兄からも教育委員会からもいろんな抗議とかは出なかったんですけれども。
 実は、その一回グラウンドに置いたごみを別の場所に移動するときにそのグラウンド、そのままではもう学校再開できないですよね。だってガラスの破片が落ちているかもしれないし、化学物質があるかもしれない。それを実は掘り起こして土を埋めなきゃ子供ができないといったときに、災害の査定のときに舞鶴市は十センチ土を掘らしていただいて、掘りたいと言ったんです。そうしたら財務省は、十センチは認めないから三センチ分なら出してやると言って三センチしか出さなかったんです。
 これ、せこいような話ですけれども、実はこんなことまで国が口出しちゃいけないと僕は思うんです。これ、市長がグラウンドにごみを一時集積させたというのはよっぽどの決断なんですよ。それを、実は十センチと三センチの違いって、たった千三百万と六百万ですよ。これを財務省が一々口出して、三センチなら出すと言ったんです。僕はこの予算委員会でやるには細か過ぎる話かと思ったんだけれども、こういうことが僕は一事が万事、地方分権ができないし、地域の自由がない私は証拠だと思ってます。
 そして、その理屈が、災害ではないんだと、ごみが出て移動したことはもう災害のことではないんだという理屈だと言うんです。これはどう考えたって災害じゃないですか。大臣、どうお考えですか。
#255
○国務大臣(谷垣禎一君) 今おっしゃった大江町それから舞鶴は福山先生の選挙区でもございますが、この委員会の中にはあそこにおられる二之湯議員も選挙区でございますし、私、衆議院では私の選挙区でございますので甚だお答えしにくいんでございますが、こういう災害復旧事業の場合、これは岡田中学校、あるいは岡田下小学校でしたか、一番災害のきつかったところですから、この場合でいえば舞鶴から、そして学校は文部科学省ですから、文部科学省に申請をして、その主務省、文部科学省から査定官が行かれるわけですね。で、私ども近畿財務局から立会い、立会と言っておりますが、立会官を出してその制度の適切な運用を図るということで立ち会わせていただいて、今、財務省とおっしゃいました。基本的にはまず文部省、文部科学省でやっていただくわけです。
 それで、その立会をしますときに、やっぱり一つは査定基準というものを守らなければいけないと、法に定められた査定基準を守らなきゃいけないと思うんです。ただ、個別具体の被災状況に応じて、一番難しいのは、どうやったらもう少し効率的に、せっかくお金を使うんなら効率的にやっていくためには多少改良みたいなことを、復旧だけじゃない、改良みたいなこともやれないかというのは常にある問題でして、どこに、弾力的に運用するとしてもどこまで弾力的にするかというのは非常に難しい問題だと思います。
 で、確かに委員の言われたように、金額的に言えばあと少し積み増せばいいじゃないかということは確かにございました。ただ、制度、ここから先は財務大臣として言ってるよりもむしろ地元の代議士として言っているのかもしれませんが、制度そのものとしていえば、今環境大臣がお答えになりましたけれども、環境省の、復旧を超えてやっていくということになりますと環境省の方でやるわけですが、これでいくと地元はその費用を自分で負担しなければならない。そこで、ここにヘドロ等が流れ込んできておりますから災害復旧事業でやれば国がある程度出せるということで舞鶴市は申請をされたわけですね。
 それで、ただ、これ厳格に、言い過ぎます、言い過ぎるといけませんが、厳格にいけば、災害復旧事業としてはヘドロを元に戻すところまでで、そこから先、その土砂をどうするかというところはできない。そこを、要するにこの舞鶴市と文部科学省がどう話し合われたかということは、やっぱりヘドロを元に戻すんでも、やっぱりそこは重機なんか入れるから、どうしたってそこに、何というんでしょうか、地面傷んだりすると。それを回復するということで三センチメートルは認めようということになったわけでございまして、私は文部科学省としてはかなり柔軟に判断をしていただいた面があるんではないかと思います。
 そこで、あとわずかだから積めということになりますと、制度の建前とその折り合いをどう付けていくかという非常にこの災害復旧のときの難しい問題になると。私も自分の地元のことだけに、非常に思いは千々に乱れながら答弁をさせていただいているわけでございます。
#256
○福山哲郎君 いや、でも、結論は今のだからしようがないという話なんです。つまり、こういう制度設計していること自身が私は間違っていると思っていまして、その制度設計を変えていくために分権が必要だと我々は主張しているんですね。
 小泉総理も一応建前はそう言っておられるわけでございますが、実際はこんなばかげた話があるということでございまして、一つの例として申し上げさせていただきましたが、是非弾力的に運用できるようにお願いしたいと思います。
 次、行きます。
 次ですね、年金の問題でいくと、厚生保険特別会計というのがあります。これは、もちろん厚生年金を保険料を預かって積み立てていただくものです。これが実はその予算書でございまして、全く本当に分厚い予算書でございます。(資料提示)
 ここに、お手元にお配りをしたペーパーと、ここにあれが、実は厚生保険特別会計の積立金明細表というのが今年の予算書から加わりました。これは画期的なことでございまして、積立金の明細表が今まで付いていなかったんですが、我が党の郡司参議院議員が長年このことについて明細表を出すべきだと主張されて、今年からようやく明細表が付くようになりました。私はこれは画期的だったと思っていますが、これを見ていると、実はびっくりしたことがありました。
 この積立金、厚生保険です。もちろん、厚生保険の保険料を払っていただいている方の積立金が百三十七兆円、平成十六年度あったんですが、ごらんいただきますと百三十二兆円に減っています。百三十七兆が百三十二兆円に実は取り崩されているわけです。この取り崩されたものに去年の残高というものが加わって、六兆五千三百億円が年金勘定に加わっているところでございます。
 私、この年金勘定をもう一度見ました。そうしたら、ここには何とこの六兆数千億円の、六兆五千億円の金が保険給付費等の財源に充てるための積立金からの受入れ見込みを計上と書いてあるんです。保険給付費等と書いてありますが、この保険給付費については言及がありませんでした。保険給付費は幾らなんでしょうか。
#257
○政府参考人(青柳親房君) お答え申し上げます。
 保険給付費等という形で予算書に書かさせていただいているものをもうちょっと細かく申し上げますと、まず厚生年金保険の給付費という形で出しているものが二十二・五兆円の規模、それからこれに加えまして、基礎年金の拠出金という形で、厚生年金として徴収したものの中から基礎年金の方に拠出金という形で繰り入れるものが十一・三兆ございます。また、これ以外に、年金の給付に充てられるものといたしまして、厚生年金基金等の過去に補助金を出しておりました給付費等がございますので、これらを合わせたものが広い意味で給付に充てられるものということになっております。
#258
○福山哲郎君 だから、この六兆五千三百億円、年金積立金取り崩してから、これが給付に充てられるのは幾らかと聞いているんです。
#259
○政府参考人(青柳親房君) 六兆五千億円の使途という意味でお答えを申し上げますと、このお金につきましては、厚生保険特別会計の年金勘定における取扱いといたしまして、厚生保険特別会計法の第八条の第四項という規定によりまして、年金勘定の歳入に不足が生じる分を受け入れるという形になっております。したがいまして、年金給付のみならず、これにかかわる歳出に一般的に充てる、すなわち使途を限定せずに充当するという考え方が取られております。
#260
○福山哲郎君 だから、いいから幾ら、じゃ使途を限定しないのは幾らだったんだと聞いているんです。
#261
○政府参考人(青柳親房君) 繰り返しの御説明になりますが、厚生保険特別会計の年金勘定の中で平成十七年度に歳出として予定されているものが総計で三十八兆五千九百二十四億ございます。これに対しまして、歳入として予定されているものに不足が生じ、その不足相当分に当たる六兆五千億が積立金より受け入れられているという形になっております。
#262
○福山哲郎君 じゃ、なぜ歳入が、何が原因で歳入が不足したんですか。
#263
○政府参考人(青柳親房君) 歳入不足につきましては、一つには、歳出の中で、申し上げましたように、先ほど申し上げましたものが主な歳出として項目ございますが、そのほかに、大きな項目で申しますと福祉施設等業務勘定への繰入れということでございまして、特にこの中でも年金住宅融資事業等の廃止に伴う財政融資資金からの借入金の繰上償還に充てるものが四・二兆円ほどございますが、こういったものを含む業務勘定への繰入れというものが歳出の増加要因となっております。
#264
○福山哲郎君 ここに保険給付費等って書いてあるから、この保険給付費は幾らかと聞いているんですよ。
#265
○政府参考人(青柳親房君) 繰り返して申し訳ございませんが、保険給付費に充てるものは、歳出規模、先ほど申し上げましたように二十二・五兆になっております。
#266
○福山哲郎君 六兆五千三百億円の中で幾らかと聞いているんだ。
#267
○政府参考人(青柳親房君) 繰り返して申し訳ございませんが、六・五兆は何か特定の用途に充てるために歳出をするというものではなく、先ほど申し上げました、歳出すべての項目を合計した額が歳入額との間で不足が生じた場合に繰り入れるということでございますので、何に充てるということはないというふうにお考えいただきたいと思います。
#268
○福山哲郎君 だって、保険給付費等に充てるって、給付費って入っているじゃないか。だから、これは幾ら充てたのかって聞いているんですよ。ここで特定しているじゃないか。
#269
○政府参考人(青柳親房君) 保険給付費及び基礎年金拠出金、あるいは先ほど申し上げました年金住宅融資事業等の廃止に伴う財政融資資金からの繰入金の繰上償還等資金財源を含む業務勘定への繰入れ、これらすべてがこの六・五兆の充当対象ということになるわけでございます。
#270
○福山哲郎君 保険給付費に充てているんですよね。充てているのか充てていないのか、じゃお答えいただけますか。
#271
○国務大臣(尾辻秀久君) 部長からいろいろお答えしておりますけれども、私が理解しておるところを申し上げたいと思います。
 例えで申し上げます。百万円の支出がどうしても必要である。九十万円の収入がある。そうすると十万円どうしても足さなきゃいけない。で、その十万円どこからか持ってきました。その十万円をこの百万円のうちのどこに使うかという説明は、百万全体のどこかに使いますので、百万円の支出の中の一番大きなものを挙げて、こんなものに使いますという説明をしておると、こういう今説明をしておるところであります。
 で、おっしゃるように、そうしたらよく分からぬじゃないか、不透明じゃないかと、こうおっしゃるから、この百万円の方の支出だけはもうきれいに全部挙げていきますと。そうすると、この不透明な部分はこの支出の方で見てくださいと。これはもう一つ残らずきれいに挙げますからと。そのどこかに入っているんですと。ただ、この十万円どこに使うかと言われると、この百万円のうちの一番大きなのを挙げて、これ以下これらに使いますと、こういうふうに会計上説明を申し上げているんだということを説明をしておるんだと私は理解しております。
 その後、それがまたどういう、いいか悪いかとかいろんな御議論にはなるんだろうと思いますが、取りあえず私からそこまでお答えを申し上げます。
#272
○福山哲郎君 じゃ、さっき言われた年金住宅融資、グリーンピアの後処理のための繰上償還にかかわる費用というのは幾らなんですか。
#273
○政府参考人(青柳親房君) 四兆一千八百億円余になっております。
#274
○福山哲郎君 六兆のうちの四兆円がこれからで、保険給付費等が二兆、残りだとしたら、保険給付費の方が低いじゃないですか。今一番大きなものを載せるって大臣言われたじゃないですか。どうなんですか。
#275
○政府参考人(青柳親房君) 先ほど大臣の方からもお答えをさせていただきましたように、使途を特に限定をしてこの積立金を充てるという考え方になっておりませんので、歳出項目の中で最大の規模のものが、先ほど申し上げましたように、保険給付費二十二・五兆円でございますので、これを例示させていただいているところでございます。
#276
○福山哲郎君 では、保険給付費の二十二兆円のうち、じゃ、ここの積立金を取り崩して充てたのは幾らかと聞いているんです。
#277
○政府参考人(青柳親房君) 繰り返しになりますが、六・五兆は使途を限定して何かに充てるというやり方になっておりませんので、幾ら充てたかというのにはお答えできませんが、機械的にこの六・五兆の中から四・二兆を差し引けば二兆三千億余が出てまいりますので、これ、機械的に計算すれば二兆円余になるというふうにお答えができるかと思います。
#278
○福山哲郎君 それを保険給付費に充てたんですね、じゃ。
#279
○政府参考人(青柳親房君) 特別会計のお金の使い方という意味では、先ほど来繰り返しておりますように、六・五兆を使途を限定してどこに充てるというやり方をしておりませんので、正確な意味では、その二兆円を給付費に充てたという言い方は当たらないかと存じます。
#280
○福山哲郎君 ちょっと待ってください。じゃ、二兆三千億円全部が保険給付費とは限らないけれども、大宗は保険給付費に充てたということでいいんですね。
#281
○政府参考人(青柳親房君) 予備費等が中に含まれておりますが、大宗は保険給付費ということでございます。
#282
○福山哲郎君 そうしたら最初からそう答えりゃいいじゃないですか。
 そして、いいですか、国民の皆さん、国民の皆さんの大切な厚生保険が取り崩されたんです。(発言する者あり)六兆円も取り崩されて、そのうち保険給付等の「等」が四兆円なんですよ。
#283
○委員長(中曽根弘文君) 福山君、質問をしてください。
#284
○福山哲郎君 いいですか、これ。これ、大臣、こういう予算書の表記の仕方でいいんですか。
#285
○国務大臣(尾辻秀久君) 私どもは隠すつもりも何にもありませんし、やましいことがましてあるわけでもございません。
 今、繰入れの、業務勘定へ繰上償還等資金に充てるということでございますけれども、これが四・二兆円、言っておられるように充てますけれども、これは住宅融資で融資しているものを一括して返すだけの話で、今後その融資をしている先からは集まってくるわけでありますから、これが今の計算では五・八兆円ぐらい集まってくるんです。だから、今回四・二兆円使うけれども、五・八兆円返ってくるわけで、それを戻す勘定でありますから、決して妙なお金を使うわけでも何でもない、その方がただいいと判断しただけでやっていることでありますから、隠そうとかなんとかという意図も全くないということは御理解いただきたいと思います。ただ会計上の処理をそうしたというだけのことであります。
#286
○福山哲郎君 大臣が今説明されたこと、この「等」から分かるんですか。今大臣が説明されたこと、この「等」からそれだけ読み取れますか、予算書読んで。
#287
○国務大臣(尾辻秀久君) ですから、「等」は、こっちの支出の方の一番大きなものを挙げて「等」と言っていますから、そこは、支出の方をずっと見ていただくと、業務勘定の中に今私が御説明申し上げているものも支出の中に出てまいります。したがって、そこで読めるということになると考えます。
#288
○福山哲郎君 先ほど言われた給付、保険給付に充てた大宗の二兆数千億はなぜ入れなきゃいけなくなったんですか。
#289
○政府参考人(青柳親房君) 御存じのように、厚生年金の財政につきましては、十年近くの期間にわたりまして保険料の引上げというものが行われてこなかったためにその間の財政バランスが崩れておったと。これについては、昨年の通常国会で成立をさせていただきました年金法によりまして、今後段階的に保険料を引き上げるということで将来に向かって解消していくということになっております。
#290
○福山哲郎君 ということは、保険料が給付より足りなくなったんで二兆数千億埋めたということですね。
#291
○政府参考人(青柳親房君) 御質問のとおりでございます。
#292
○福山哲郎君 積立金がこのような金額取り崩されたのは初めてのことと判断していいんですね。
#293
○政府参考人(青柳親房君) 実質的な収支は平成十五年度においても赤字でございましたが、これは、御存じのように、年金の一元化に伴うところの農林年金の積立金の移換等の特殊な事情がございまして年金の収支上は赤字が顕在しなかった。しかし、既に構造的には赤字が発生しておったというふうに御理解いただきたいと存じます。
#294
○福山哲郎君 僕は、やっぱりこの厚労省の了見が気に食わないんです。
 やっぱり、これどう見ても給付が足りなくなっているのに明確な記載ないんです。「等」で四兆数千億のお金を積立金崩して入れているのに、中身が記載がないんです。これ、いわゆる悪評高かったグリーンピア等に使われているお金なんですよ。これ、やっぱり予算書、僕どこ見たってこれ分かんないんですよ。こういう予算書の書き方、財務大臣どう思われますか。
#295
○国務大臣(谷垣禎一君) 要するに、この支出先として一番の大宗である保険給付費を代表して書いて表記してあるというのは、私は、先ほど厚労大臣の御説明のとおりで、それはそれでいいんだろうと思います。
 問題は、その後、やはりこの予算が何に使われているかというようなことは、これは国会で我々は十分お答えをしなきゃいかぬのだろうと思います。
#296
○福山哲郎君 総理、実はこの話は結構重要なことで、例の強行採決された年金の改革法案の後、実は出生率の一・二九も厚労省から出てきました、終わってから。今回も、これ七兆円も、六兆数千億円も積立金取り崩すんです。そして、そのうちの四兆幾らを住宅融資とか、それからグリーンピアのものに一応繰上償還で入れるんです。その中身をこういう表記の仕方でやっていること自身が年金に対する不信感を増幅させているもとだと、総理思いませんか。
#297
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 後で厚労大臣に答弁させます。
 こういう質疑というのは予算委員会らしくていいと思いますね。これがやっぱり予算を審議するということで国会の役割だと思うんです。
 これを私もかつて厚生大臣のときに、何でこの厚生年金福祉事業団なんか必要なのかと、厚生年金というのは、こういう年金の住宅融資とかグリーンピア造るよりも、保険者の立場に立ってみれば、できるだけ給付は厚く、保険料負担は安く、これが最大のサービスじゃないかと。だから、年金福祉事業団なんか廃止しろと言ったんですよ。
 しかし、今やっと分かってきて廃止してくれて、過去のこれ繰上償還ですよ。あのグリーンピア、みんな喜んだ。ああ、過疎地にこんないい保養地ができてくれればいい、リゾートがいい、年金住宅で融資受ける人、民間の金融機関で借りるよりもこの保険料積立金を使って、住宅融資使ってくれれば民間よりも安いからいい。しかし、これ、その安い分は赤字になったら保険料の負担で見るわけでしょう。だから、私は、こういう余計なことはするなということをやって、しかし、そういうのを廃止して今こうやって結果が出てきたんです。だから、こういう審議は私はいいことだと思いますよ。
#298
○福山哲郎君 いいことはいいんですけれども、どう思いますかと、これが年金不信を助長していることになりませんかと、また若しくは、こういう予算書の書き方自身がおかしいとは思われませんかと申し上げているんです。
#299
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は前からおかしいと思っているから、余計なことやらないで行政改革をやりなさいと、民間でできることは民間で、やらないでしょう、やりなさいと、特別会計もよく整理しなさいと、特殊法人も統廃合、民間委託、民営化を含めて見直しなさいと、これが小泉内閣の行政改革、財政改革の趣旨であります。郵政民営化もその本旨にのっとっておるわけであります。
#300
○福山哲郎君 今の総理が、さも自分はやるんだと言われるような顔しておられますが、これをずっとやってこられたのは、グリーンピアの事業も必要なくなった住宅の融資についてやってこられたのも、全部政府・自民党です。今、この場に、この場にあって、この場にあって何か我々は改革をしているんだというような、改革をしているんだというようなことは私はおかしいと思います。
 これ全部、実は保険料を払っている人たちにしわ寄せが寄っているんです。そして、しわ寄せが寄っているにもかかわらず、こういう表記で予算書を書いてくる。私は本当にひどい話だと思っています。そんな状況の中で、あっ、厚労大臣、話されます。どうぞ。
#301
○国務大臣(尾辻秀久君) 一つだけは答えさせておいていただきたいと思います。
 今のお話ですが、歳出の方では私どもきっちり述べております。したがって、歳出見ていただくとこう出るんだなというのは分かるはずであります。
 歳出の業務勘定の項の十六という財政融資資金繰上償還等資金というところでどういうふうに述べているかというと、説明の方をあえて読ましていただきますけれども、年金積立金管理運用独立行政法人法附則第二条第二項の規定による、年金資金運用基金が行う大規模年金保養基地事業、これが正にグリーンピアであります、及び年金加入者住宅等融資に係る財政融資資金からの長期借入金の繰上償還に伴う補償金に要する資金に充てるための同基金に対する交付金、これまたもう一つ二で立ててまして、資金に充てるための、同じことを書いてまして、その資金に充てるための同基金に対する出資、要するにそのことに使うということを出の方で述べておるわけでありますから、別に隠しているわけでも何でもないということだけは是非御理解いただきたいと思って、あえて答弁をさせていただきました。
#302
○福山哲郎君 僕は、大臣そう言われると思っていました。しかし、年金勘定に繰り入れたときに何も書かれてないんです。で、業務勘定に移してあえてそのことを書くわけです。二重三重に実は移して書くところに、まあお役人さんのずる賢いところがあると私は思っているんですが。
 ちなみに、村田大臣、私を指さされましたけど、何か御用でしょうか。
#303
○国務大臣(村田吉隆君) いや、当時、私が理財局で、今のようなグリーンピアとか住宅貸付けを、総理が正におっしゃったことを言って反対していたわけです。
 当時、住宅貸付けをする保証協会というのを、労働組合の幹部が天下って保証をしていたわけですね。だから、そういう意味では、その当時はグリーンピアを造るようなことについても野党の皆さん方も賛成していた。それで、みんなで当時はいいいいってやっていたわけです。
 私は、今総理がおっしゃったようなことを当時は査定官として反対をしていたということを、私は、だからおたくも関係あるよということを今質問されたから私は言っているわけでございます。(発言する者あり)
#304
○委員長(中曽根弘文君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#305
○委員長(中曽根弘文君) 速記を起こしてください。
 福山哲郎君、質問を続けてください。
#306
○福山哲郎君 先ほどのグリーンピアに至っては、去年までの、あっ、おととしまでの段階ですが、外郭団体が百三十七、更に言えば厚労省の出身者が百九十九人も役人に、役員に入り、さらには三兆九千億円も年金保険料が投入されているというような状況だったわけです。そして、今回、それのある意味でいうと整理をすると。その結果は、やっぱり僕は、政権与党に帰属すると私は思っているので、そこのことは強く申し上げたいと思います。
 次に、郵政の改革について申し上げます。
 皆さんも、国民の皆さんも見られたと思いますし、委員の皆さんも見られていると思いますが、竹中大臣がテリー伊藤さんやいろんな人と懇談をしたり、新聞やいろんなところに広告を出されています。この政府広報、費用は幾ら、幾ら掛かっているのか、お答えいただけますか。
#307
○政府参考人(林幹雄君) お答えいたします。
 郵政民営化は現内閣の最重要課題としまして、これに関します広報につきましては、郵政民営化準備室と内閣官房、それから内閣府の広報部局が連携してタスクフォースを設けまして、そこでトータルプランを作成して実施しておりますが、その費用でございますけれども、郵政民営化に関します広報のうち、これまでに内閣府の政府広報室として実施いたしました新聞・雑誌広告等の経費は総額で約四億六千万円となっております。
 なお、このほかに、昨年十二月から本年二月にかけまして放送しました地方テレビ局の特別番組につきましては、現在、金額を精査中でございますが、約一億円から二億円、一億五千万円程度になると見込んでおります。
#308
○福山哲郎君 その費用はどこから出ているんですか。
#309
○政府参考人(林幹雄君) これは、既存の政府広報予算の中で啓発広報費という、そういう新聞、テレビ等に対して出す予算がございます。その啓発広報費の枠内で賄われております。
#310
○福山哲郎君 これまで法案成立、法案成立以前に広報をこのような形で内閣でした例はありますか。
#311
○政府参考人(林幹雄君) 何件かございますが、例えばその事例といたしましては、司法制度改革、十五年度から十六年度にかけてでございますが、それから中小企業等貸し渋り対策、それからやや古いものでございますが、消費税導入のときなどがございます。
#312
○福山哲郎君 実は、三例しかないんですね、過去。それも、じゃ、法案提出以前にやった例はありますか。
#313
○政府参考人(林幹雄君) 法案提出前に広報した例としては、司法制度改革、今申し上げました中の司法制度改革、それから消費税導入の際でございます。
#314
○福山哲郎君 そうすると、法案提出前じゃないですよね。──法案提出前じゃないですよね。
#315
○委員長(中曽根弘文君) それは質問ですか。
#316
○福山哲郎君 はい、質問です。
#317
○政府参考人(林幹雄君) はい、お答えいたします。
 ですから、法案提出前に広報いたしましたのが、司法制度改革、それから消費税導入でございます。
#318
○福山哲郎君 昨日、私が聞いたら、法案成立前はあるけれども、法案提出前はよく分からないと答えられましたよ。
#319
○政府参考人(林幹雄君) ああそうですか。──いや、申し訳ございません。(発言する者あり)申し訳ございません。
 今言いましたように、法案成立前に政府広報いたしましたのは、今回の郵政改革、それから司法制度改革、消費税導入でございます。そのほか……(発言する者あり)済みません、済みません。法案提出前がその三つでございます。
 法案成立前は、そのほかに中小企業等貸し渋り対策、それから私どもの、もう少し細かく申しますと、総合経済対策とか国際平和協力、PKO、その法律とかがございます。
#320
○福山哲郎君 昨日、私が事前にレクしたらよく分からないという答えが来て、一応最初の三つ、法案成立前の話は来ましたが、法案提出前の話は全然ありませんでした。
 私は、六億円掛けて、法案もまだ提出していない、自民党と政府がまだいろいろ調整をしている段階でこのような広報をすることは、やはり僕はひどいことだと思っていまして、国会を冒涜していますよね、法案もまだ提出もしていないんですよ。このことについて財務大臣、どう思われますか。
#321
○国務大臣(竹中平蔵君) 私の方からお答えをさせていただきたいと思います。
 いろんな御意見あろうかと思いますが、この郵政民営化の広報につきましては、九月十日に閣議決定されました基本方針等につきまして政府は説明不足だと、説明不足であるからしっかり説明しろというような御指摘をこれまでたくさんいただいてまいりました。それを踏まえて、国民に対する説明責任を果たすために、やはり私たち政府の説明責任の一環としてしっかり実施しなければいけないというふうに考えたところでございます。
 福山委員、国会との関係、これは当然重要でございます。現在行っている広報活動はあくまでも政府としての今の方針をお知らせするためのものであります。立法府を含めた国全体としての方針が決まったというような誤解を国民に与えることのないように配慮しているところでございます。
 念のために、政府では現在法律案を検討しており、現段階での政府の考え方を説明すると、そういった趣旨、郵政民営化についての現在の広報の趣旨を新聞広告で周知徹底する等、いろんな措置をとっているところでございます。
#322
○福山哲郎君 じゃ、もし例えば自民党と政府の間で中身が調整が付かなくて変わったり、変化をしたり、国会の審議の過程で例えば修正が入ったりしたら、この広報は訂正出されるんですか。
#323
○国務大臣(竹中平蔵君) 私たちとしては、あくまでも政府としての説明責任を果たすという観点から行わなければいけないと思っております。
 したがって、そこはまあどういうことを想定して福山委員がお尋ねかよく分かりませんが、これは必要に応じて、その制度を踏まえて広報を行っていく必要があるというふうに思っております。
#324
○福山哲郎君 もうよくいろんな話が出て、午前中も出ていますが、いわゆる民営化した後の新勘定、旧勘定、郵貯銀行の話でございますが、今、郵貯と簡保で約二四%の国債を保有しています。官から民へお金が流れるということを竹中大臣は言われていますが、この国債管理政策への影響をどう考えているか、お答えください。いや、竹中大臣。
#325
○国務大臣(竹中平蔵君) 国債管理政策の御担当の財務大臣から別途御答弁があるかもしれませんが、基本的には、今新勘定と旧勘定というふうにもう既に御紹介、福山委員してくださいましたですけれども、既に政府保証が付いている勘定につきましては、これは安全資産に運用が限定されるということでございます。それについては正に旧債務、旧勘定として、実態的に公的な機関が持つような形で整理をしようと。これは、まあバランスシートの中でいいますと、しっかりと政府が保証を付いた債務で、預金で国債等々に運用していく。これについては、したがって、公的なといいますか関与が続くような形になります。
 問題は、じゃ新勘定がどのようになるかと。これは、新勘定についてはこれは政府の保証は付かないわけでございます。つまり、民営化された後の勘定については政府保証は付かないわけでありますが、これは民間の金融機関としてきちっとした資産負債の管理が求められます。よく言われるALMが求められますので、その中でしっかりとした運用計画が図られるということになります。
 同時に、これは国債管理という観点からいいますと、その国債等々のその資産の運用に対して、しかるべき情報開示をするとか、その市場に対するショックが生じないように様々な工夫をするということ、これを基本方針の中に明記をさせていただいております。
#326
○国務大臣(谷垣禎一君) 今委員が言われましたように、大体国債の四分の一ぐらいを郵貯、簡保で持っていただいているわけですから、明日からそれ全部民営化せよと言われても私も対応し切れないわけでございまして、やはり移行期というものを適切につくっていただく必要があると思っております。
 それで、今度の基本方針では国債、移行期の在り方として、国債市場への影響を考慮した適切な資産運用を行うと。それから、大量の国債を保有していることを踏まえて、市場関係者の予測可能性を高めるため適切な配慮を行うと。だから、それに対応した今制度設計をいろいろ議論をしているところでございます。
 それで、本当に完全民営化になった後は、やはりそこの主体において、責任において、マーケットの動向も考えながらこれは資産運用をしていただくということでありますけれども、そこまで持っていくのに、じゃ今度我々の側で何が必要かということになれば、これは先ほども御答弁したことでありますけれども、国債管理政策を適切にやっていく必要がある。その国債管理政策の更に前提になるのは財政規律だというふうに私どもは思っております。
 それは、大きな方針でいいますと、二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスを回復するということがその目標でございますけれども、それに向かってその努力をすると。その後は、後は、要するにマーケットの実情をよく見極め、マーケットとも対話しながら新商品の開発であるとか保有者層の多様化を行っていくということを今やっているところでございます。
#327
○福山哲郎君 大臣が丁寧に答えられましたが、有り難かったんですが、その適切な国債管理政策というのは、何かが見えないから我々は今この民営化が分からなくなっているんではないでしょうか。
 竹中大臣は、民間に流れるんだと言ってこの広報にも出される、国会でも答弁される。大臣は、谷垣大臣は、そういうのはちょっと困ると、我々もそこまでの自信がないと、今突然自由だと言われたら困ると、適切なと言われた。その適切の中身を大臣お答えください。
#328
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的に、この三百五十兆円の重要な資産が次第に民間に流れていくというような姿を私たちは想定をしております。これがいきなり、これが国債に投資されたものがいきなり民間資金になると、そういうようなことを想定しておりませんし、それはやっぱり市場に対してショックがあると。この点は財務大臣もしっかりと御答弁をしておられるわけでございます。
 しかし、これは基本的には、これは一つは国債管理政策を財務省でしっかりやっていかれるということに加えて、例えばこれ一つの例として、あくまでこれ一つの例としてお聞きいただきたいですけれども、これは今後、郵貯の、郵政の窓口で、二万四千展開された郵政の窓口で新しいタイプの、例えば個人国債等々をしっかりと販売をしていく。これは国民の貯蓄が、例えばそれだけ新しい、その新商品に向くということでありますし、国債もあれば国債等々を集めた信託のようなものもある。公社債信託のようなものの商品開発も期待できるであろうと。そこには、新たにそれを介在する民のマーケットが介在してくるわけでございます。そういうものを、例えば郵政に関してはそれを窓口で売ってフィーを、今度は料金をしっかりと稼いで郵政の財政を支えていく。これはあくまで一つの例として申し上げておりますけれども、そういうことが、いろんな多様なルートが可能になるということを私たちは申し上げているわけでございます。
 これを実現するのが正に郵政の民営化であり、これは同時に経済の活性化と国債管理政策の強化と金融の市場のシステムの強化と、これは正に様々な改革を整合的にしっかりやっていく中で今申し上げたような姿を実現していきたいというふうに申し上げているところでございます。
#329
○福山哲郎君 今のは本当に根拠が乏しいと私は思うんですが、先ほど午前中もちょっと言われたんですが、要は新勘定はリスクマネーに変わるということを大臣やっぱりはっきり言われるべきだと思いますよ。この広報にはそんなこと一切なくて、民間に流れる、流れる、そしたら活力が付くと書いてあるけれども、要は新勘定になるものはリスクマネーに変わるんだということをちゃんと国民に伝えないと、それは僕はミスリードだと思いますが、いかがですか。
#330
○国務大臣(竹中平蔵君) 一般の方々にお話をするときに、リスクマネーというその言葉がどのぐらい御理解いただけるかという問題もあろうかと思います。これはいろんな局面で、これはもちろん、当然、御専門家に話すときは、これはリスクマネーに流れ得るんです、今は安全資産ですと、こういうことを申し上げているわけでございますけれども、これはやはりそのメディアによって、正に場所によって、メディアによっていろんな形でできるだけ分かりやすい御説明をさせていただかなければいけないと思っております。そういうリスクマネーになり得るというような説明もさせていただいております。
#331
○福山哲郎君 そのリスクは結局どこに帰属するんですか。
#332
○国務大臣(竹中平蔵君) 銀行業というのは、そもそもリスクをマネージする仕事でございます。これが今、民間の機関ではありませんけれども、民間の金融機関になっていくということは、ノウハウをしっかり身に付けて、正にリスクを管理できる民間の金融機関になっていっていただくということです。
 その過程で、今は安全資産でしか運用できませんけれども、いろんな資産に運用することも可能であるわけですし、我々民間人は全員リスクを持っていますから、リスクのない、市場経済の中でリスクを取らないというのはあり得ないわけでございますから、それが市場の中に入って、その市場の中の主体としてしかるべく、もちろんこれは経営ノウハウに合わせて、次第にですけれども、そういうリスクを取っていっていただく、当然そういうことになると思います。
#333
○福山哲郎君 だから、リスクはだれが取るのかと聞いているんです。
#334
○国務大臣(竹中平蔵君) 今の御説明は、郵政について、郵政民営化について御説明しておりますので、民営化された郵政の主体、具体的には、今で言うと郵貯バンクといいますか郵貯の、郵貯を分割して銀行になった、それは銀行として、これは銀行というのはリスク管理業ですから、この銀行業が、銀行の会社がリスクを取るということに当然なります。
#335
○福山哲郎君 預金者じゃないんですか、リスクを取るのは。
#336
○国務大臣(竹中平蔵君) リスクというのは、これは全員が市場経済の中では取るわけでありますから、当然、銀行は銀行としての、主体としてのリスクを取ります。我々だって今銀行にお金を預けている。預金者は預金者としてのリスクを当然に取るわけです。出資者は出資者としてのリスクを取ります。したがって、市場経済の中にあるということは、これは銀行なのか預金者なのか出資者なのか、これは全員がそれなりの市場経済の中のルールにのっとったリスクを取るということになります。
#337
○福山哲郎君 そうなんですよ。郵便貯金銀行もリスクを取り、そして預金者もリスクを取るんです。リスクマネーに変わるんです。それで、なおかつ適切な国債管理政策をしなければいけないと財務大臣は言われているんです。ここの明確な道筋が見えないから、この民営化よく分からないんです。財務大臣、どうですか。
#338
○国務大臣(谷垣禎一君) その点は確かに、今制度設計の最中でございますから、どういう制度設計をして、移行期に具体的にどういう形であって、そうしてどういうふうに我々が運営していくことができるのか、もう少し明らかにならなければ恐らくなるほどと得心はしていただけないかもしれません。
 しかし、今私どもの国債も、これは、それは賛否両論あると思いますが、かなり民間でも持っていただいております。それから、それを国外や何かにも今広げようとしてIRをしております。それから、個人の引き受けていただく新商品を出しまして、これは現在のところ極めて好調に販売をされております。
 そういうようなことを考えますと、今いろいろな、これは当然、そのリスクマネーといっても、リスクを取りながら、どういうそれぞれがポートフォリオをつくっていただくかというのは、それぞれの言わば金融機関なら金融機関、そういうところで主体的にお考えになると思いますが、私どもは、今のようなことを前提といたしますと、そういうリスクマネーと国債の消化というものが矛盾するというふうには考えておりません。
#339
○福山哲郎君 竹中大臣、竹中大臣はよく、郵便貯金の預け入れ限度額は一千万で、民間になっても預金保険機構で一千万は守ってもらえるという発言をされていますが、それは正しいですか。
#340
○国務大臣(竹中平蔵君) 一千万円以下の小口と言ってよいかどうか分かりませんけれども、通常の預金者の場合は、これは今民間の銀行に預け入れても一千万円まで預金保険機構で守られます。そういう意味でこれは正にセーフティーネットとして存在しているわけですが、これは民間、民営化された郵貯の銀行は預金保険機構に入っていただきますから、当然そういう保護が適用されます。
#341
○福山哲郎君 しかし、新しい新勘定に入る郵貯銀行は一千万円が限度額ではなくなるわけですね。
#342
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的にどういうその限度額で出発するかということに関してもいろいろな御議論があろうかと思います。これは完全、十年たって完全民営化になればこの限度額は外されるというふうに考えますが、それまでは徐々に、現状出発して徐々に拡大するなり、現状を見ながら、民業を圧迫しないような範囲でできるだけ自由度を持っていただくというのが基本的な方向だと思っております。
#343
○福山哲郎君 これも国民に誤解を与えるんですよ。預金保険機構が一千万円まで見てくれると、万が一のときがあってもと。しかし、それをよく言われるんだけれども、新しい郵貯銀行は一千万以上の預金が預け入れられるようになるのが当たり前なんです、イコールフッティングからすれば。そうすりゃ、一千万以上預けていたら、その先のお金は全部リスクマネーに変わるんです。こういうことをきっちり伝えていかないと、この広報では確実に誤解を招く。
 もう一つ言います。
 今皆さんに、お手元にお配りをした郵貯のイメージ図があります。(資料提示)これ政府の言われているとおりです。ある郵便局が郵便事業会社、それから郵便貯金会社、それから郵便保険会社、そして行政サービス、小売、コンビニ、チケット、住宅、旅行代理店、これができるというのがある種イメージです。本当にこんなことできるんでしょうか。
 私は、ユニバーサルサービスでクエスチョンマークを郵貯会社と郵便保険会社に付けています。なぜかというと、自民党は郵貯も郵便保険もユニバーサルサービスを義務付けろと言っているからです。その条件として今議論が出ているのは、株式の売却益を基金にして補助金を入れましょうという話になっています、ここに。要は、不採算部門に対しては補助金を入れてユニバーサルサービスを確保するんだと。そうしたら、全然民営化会社じゃないじゃないですか。違いますか、大臣。
#344
○国務大臣(竹中平蔵君) 具体的なその仕組みにつきまして今政府と与党でいろんな議論を真摯に重ねているところでございますが、一つ、今委員が御指摘になった中で、基金のようなものを設けていろんな社会的な貢献をできるようにしようではないかという議論は、方向としてはしております。
 しかし、是非誤解のないようにしていただきたいですが、これは補助金ではございません。これは郵政の中のお金でありますから、郵政に対して外から、具体的には国からお金が入るわけではありません。これは、郵政の中にある資金をきちっと社会貢献等々に充てていただく仕組みとして考えているものでありますので、補助金という御指摘は当たらないと思います。
#345
○福山哲郎君 何で民営化した会社が、自分のところの株式の売却益を基金をつくってほかへ入れろみたいなことを国から指定されなきゃいけないんですか。これまた矛盾しているじゃないですか。
#346
○国務大臣(竹中平蔵君) ここは非常に重要なポイントだと思いますので、是非、福山委員には御理解をいただきたいと思うんですが、民営化して株式会社になって、しかしそれが公的な役割を担う例というのは世の中にはたくさんあります。これ電力会社が正に分かりやすい例でありますし、民営化してもその法律の枠組みの中で公的な役割を担うというのは、これは現実にはあるわけです。これはもう世の中にたくさんあります。
 で、要するに、民営化、国というのはゼロか一か、オフかオンかというようなデジタルな世界ではなくて、その中間に幾つかのタイプがあり、そうした中で、その民営化の会社の中で公的な役割を担わせてやっていこう。これ具体的に、例えばドイツでもオランダでも、民営化された郵政の会社はちゃんとユニバーサルサービス義務を果たしているわけです。
 これはきちっとした役割を果たせるわけですから、それはもう仕組みのつくり方であって、私たちは民間の活力を生かしながら、しかし必要な社会的機能はきっちりと果たせるような、そういう民営化を行いたいというふうに思っています。
#347
○福山哲郎君 じゃ、例えば郵便貯金会社ですが、今、竹中大臣は上場させると言っていますが、どのぐらいの資本金で上場させる御予定ですか。
#348
○国務大臣(竹中平蔵君) 郵便貯金会社についてお尋ねでございますか。これは、上場するように、民営化する以上はIPO、上場するようになっていただきたいというのは、これは当然の期待でございます。
 しかし、それがどのぐらいの規模になるかどうか、これはまずこれからの資本政策、制度設計をどのようにするかということに懸かっておりますし、その後の事業規模をどのようにするか、これは経営者の判断でございますので、今の時点で具体的に申し上げられる段階ではないと思います。
#349
○福山哲郎君 これは重要です。
 実は、この間、試算が出ました。新しい郵便貯金銀行の貸出し三十五兆円が想定されていました。三十五兆円貸し出ししているということは、四%のBIS規制から考えても、はっきり申し上げると十二兆円の資本金がなければいけません。分かります。そうすると、十二兆円の資本金を今立てられるような状態が今の郵政公社にあるかどうか、大臣よく御存じのはずです。(発言する者あり)
#350
○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと計算間違いがあったように思われますけれども、基本的には、具体的にどのような事業を行ってどのような規模の貸付けにするのか、どのような資産規模にするかというのは、これは経営判断です。これは新しい民営化された郵政を経営してくださる経営者が決めるべき問題であります。今、そうした意味で我々がお示ししている試算というのは、あくまで可能性としてこういうことが考えられるという可能性、しかしこれはあくまでも可能性でございますから、そのときに当然、資本政策として今後これが問題ないのかというようなより細かい制度の議論はこれから更に協議をして煮詰めていこうと思っているところでございます。
#351
○福山哲郎君 つまり、全部つまみ食いなんですね。貸出しは三十五兆円しているという前提で採算の積算をしているわけです。貸出し三十五兆円。冗談じゃないですよ。この五年間で我が国の貸出しは百五十兆円減っているんですよ。それを無理やり郵貯が三十五兆円どこに貸出しの需要があるんですか。そして、三十五兆円貸出ししようと思えば、それだけ資本を積まなきゃいけないのに、そこに対しては制度設計中だという、全部必要なところはつまみ食いをしていてこんな広報を出していること自身、私はけしからぬと思いますよ。
#352
○国務大臣(竹中平蔵君) 資料をよくお読みいただきたいと思いますが、資料お手元に恐らくあるんだと思いますのでお読みいただきたいと思いますが、貸付けを三十五兆円というようなことは特に想定しているわけではありません。私たちがその場で申し上げておりますのは、正に委員が先ほど言われたリスクマネーといいますか、安全資産ではなくて、いわゆる信用リスク、一%程度の信用リスクを取れるようなことを三十五兆円ぐらいと想定したらどうであるか。貸付けは分かりやすい一つの例でありますけれども、ほかにも、シンジケートローンもあれば、私募債もあればABS等々ありますから、貸付けを三十五兆円にするというようなことを別に具体的に想定しているわけではありませんし、正に先ほど委員がおっしゃったリスクマネーだと。そういうことを、いろんな形、それはいろんな形がありますから、可能性として一定の規模を想定しての試算を示しているわけでございます。
#353
○福山哲郎君 ここに貸出し、貸付け等残高三十五兆円と書いてあるじゃないですか。
 そして、もう一個だけ、これで終わります。(資料提示)このイメージで実は郵貯が地域にでき上がるとどうなるか、自民党の先生方も考えてみてください。旅行代理店が出てきたり、保険の代理店が出てきたり、コンビニが例えば郵便局に出てきたりしたら、これ実は地域を活性化するどころではありません。地域の経済を全部破壊をします。田舎の例えば八百屋さんがみんなつぶれていきます。田舎でずっと、例えば地方で保険代理店をやっていた会社がここに全部吸収されていきます。もしここの目の前に農協や地銀があった場合に、農協や地銀はどうするんですか。これが地域経済を本当に発展させるのか、ここに全部集中して地域経済ががたがたになるのか、よく冷静に考えていただければお分かりだと思います。
 そして、もう一個、最後にこれだけ。これでもし農協や地方銀行が同じことをやりたいと言った場合に、これだけのサービスを全部農協も地方銀行も今の銀行法でできるんですか。大臣、お答えください。
#354
○国務大臣(竹中平蔵君) 常に私たちは両方の方からの批判をいただきます。一つは、地域のコンビニ、地域の郵政が、郵便局が全く成り立たなくなって消えてなくなるのではないかという御批判。もう一方は、今の福山委員のような御批判、地域の郵便局が物すごくいろんなことをやって、とてつもなく強く大きくなってしまうのではないかという御批判。答えは、しかしその中間を是非私たちは実現したいということに尽きると思います。これしか方法はありません。
 もう一つ、地域の、例えば地域の農協とか信用組合とかがやりたいと言ったらどうするのかという御批判ですが、ちょっと委員、済みませんが、混同があるように思うんですが、これはいわゆる窓口会社の話です。局の話です。局の話です。これは一方で、銀行というのは別にあるわけですね。比べるべきは、この銀行と農協等とを比べていただくんだったら分かりますけれども、これと窓口と比べるというのはいかがでしょうか。この窓口の中で、完全に民営化されたら地元の農協の預金を置いていただく、地元の信用金庫の預金を取り扱っていただく、これは正に競争で自由でありますから、これは地域の金融機関にとっても、この郵便局の窓口がいろんなことをできるということは実は非常に大きなビジネスチャンスになるというふうに私は考えております。
#355
○福山哲郎君 今、中間を行くということが先ほどの適切にということと全く同じ答えだと私は思っておりまして、この民営化のスキーム、私は今反対も賛成も言っておりませんが、余りにも分からないことが多過ぎます。そして、余りにも国民をミスリードする可能性があるということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#356
○委員長(中曽根弘文君) 関連質疑を許します。円より子君。
#357
○円より子君 民主党の新緑風会、円より子でございます。同僚議員に引き続き質問をさせていただきます。
 実は私、こんな、今日は三つもバッジをしているんですが、この一番下のバッジは頑張れ新潟ということで、先ほどスマトラ大地震、そしてインド洋津波の被害者について、また被害地の復旧支援について同僚議員から質問ございましたが、もちろん大津波で被害を受けた方々も大変でいらっしゃいます。でも、まだ去年の新潟中越地震で被害を受けた方々が豪雪の中で、仮設住宅で大変でいらっしゃいまして、是非応援をしたいということもあります。
 台風被害の方々も大変ですが、去年は本当に様々な自然災害がこの日本列島を襲いました。それで、ちょうど今年は阪神大震災の十周年でもございます。国、日本の人々がもしまたあんな大きな地震があったらどうなるのかと。今、少子化の危機や金融、経済、雇用の危機、様々な重要な危機を抱えて、総理としてはもう大変な日々を送っていらっしゃると思いますけれども、つい先ほど、先週でございますが、中央防災会議がこの東京で直下型地震が起きたらどういう被害が出るかという想定を出しました。これをごらんになってどんな感想をお持ちになったか、また本当に今すぐ対応できるような状況なのか、今後どんな対応をすべきだと指示なさったのか、まずそのことを総理にお伺いしたいと思っております。
#358
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 阪神大震災の地震と新潟の地震とそれほどマグニチュード、震度、違いはないのに死亡者数等は随分違っていると。これはいろいろな見方があると思いますが、一つには人口密集地とそうでないところがあると思いますが、この首都圏、東京都内でそのような大地震が起きた場合は、私はその想定にあるような大変な被害が生じるんじゃないかと。今から様々な対応、どこまで予知できるか分かりませんが、予知機能あるいは耐震対策、避難地対策、日ごろの一人一人の防備対策、政府がやるべきこと、もう様々なことがあると思いますが、常にそのような災害が起こったときのいわゆる危機管理ですかね、それと同時に、今までの災害の例を参考にしながら、応急対策、復旧対策、復興対策、政府挙げて取り組んでいかなきゃならない問題だと思っております。
#359
○円より子君 三十年以内の発生確率が七〇%と言われておりまして、切迫性が高く、人々に大きな恐怖を与えていると思います。死者数の推計、遭難者、避難者数の推計や被害額等々、少しこの想定の発表の中身についてお知らせいただけませんでしょうか。あっ、大臣どうぞ。
#360
○国務大臣(村田吉隆君) 昨年の十二月と、それから今年になりまして中央防災会議の首都直下地震対策専門部会で、まずは震度分布十八ケースについて想定をいたしました。それから、それに続いて二回にわたりまして経済的被害、それから人的被害、そういうものについて発表をさせていただいたわけでございます。
 これを見ますと、そもそも関東大震災クラスの地震という、マグニチュード八を超えるものは二、三百年の周期で起こるだろうと、しかしマグニチュード七ぐらいのものは五十年ぐらいで起こるかなと、こういうことで、したがって、今委員がおっしゃったようにいつ来てもおかしくないような状況に残念ながらあるということで、想定が必要と。
   〔委員長退席、理事若林正俊君着席〕
 で、今から申しますのは、十八のケースのうちの東京湾北部を震源とするマグニチュード七・三のケースで御紹介をいたしたいと思いますが、都心部で震度六強、それから一都八県、三県に及ぶ広域的な範囲で震度六弱と想定されると。それで、被害想定でございますけれども、最大で建物の全壊、焼失棟数が約八十五万棟、それから死者数が約一万一千人と、それから経済的な被害が百十二兆円ということで想定されております。
#361
○円より子君 神戸の死者数が六千人ほどでした。今一万三千人と、もちろん人的被害は少なければ少ないほどいいに決まっているんですが、東京の人口は神戸の十倍です。この被害想定、甘過ぎるんじゃないかという御意見がかなり聞かれるんですが、いかがでしょうか。
#362
○国務大臣(村田吉隆君) いろんなそれこそ条件を置いてやるわけでございますので、時間とかそれから風速とか、あるいは地盤の条件もどこによって、どこに震源地があるかとか深さとか、そういうことになりますので一概に言えないというふうに思いますが、私どもとしては、発表されたああいう被害の想定でも本当に激甚な地震であるというふうに考えておるわけでございます。
#363
○円より子君 その想定の死者数は、圧死なのか焼死なのか、そういったことは分かりますか。
#364
○国務大臣(村田吉隆君) 阪神大震災のときのような条件なら、ほとんどが圧死ということで理解されております。
#365
○円より子君 となりますと、住宅の耐震化というのが大変大事になってくると思いますが、今の現状で東京都では耐震化率というのは、全国も含めてで結構ですが、どうなっておりますでしょうか。
#366
○国務大臣(北側一雄君) 住宅の耐震化につきましては現在二五%が耐震性が不十分でございます。また、その他建造物につきましては三五%が耐震性が不十分ということでございます。
#367
○円より子君 二五%といいますと、全戸数の千百五十万戸とかなりの数でございますね。そしてまた学校以外の、ごめんなさい、住宅以外の学校や病院、大勢の人が集まる、又は人々が避難する場所等も相当な今耐震化ができていないということですが、今後どのような対策を早急に進められますか。
#368
○国務大臣(北側一雄君) 十七年度予算案におきましても、一つは、従来補助金が様々あったんですが、それを統合化いたしまして、地方公共団体が使いやすい制度にさしていただきました。また、新たに地域住宅交付金制度というのを創設いたしまして、地方公共団体で独自に耐震の補助制度というものをつくられている地方公共団体がございます、そういうところがこの交付金制度を使っていただけるような形にしました。また、税制面におきましても、住宅ローン減税につきまして築年数要件を緩和をいたしまして、ああ、築年数要件を撤廃をいたしまして、その代わりに耐震基準への適合性というものを要件とするというふうな税制面での対策もいたしました。
 これで十分かというと、まだまだ不十分でございまして、今、国土交通省の中で、この住宅又は建築物の耐震化に向けまして、専門家の方々に入っていただきまして、住宅・建築物の地震防災推進会議というものを設置をさしていただきまして、今議論をしていただいているところでございます。
 そこでは、一つは、この住宅・建築物の耐震化について、やはり今委員が御指摘のように、海溝型の地震も想定されるし、直下型の地震も想定される中で、やはりきちんと耐震化への目標というものを設定していただこうというふうに思っております。いついつまでにどこまで耐震化を進めていくのか、さらにそのためにどのような施策を取る必要があるのか、そこは補助制度の問題もあるでしょう、また税制面でも私は様々できることはもっとあるんではないのかというふうに思っています。そういうことも御議論をお願いしたいと思っておりますし、さらには、平成七年に阪神の震災の後に耐震改修促進法という法律が制定をされました。この法律の在り方につきましても見直しをしていただきたいと思っております。
 やはり住宅や様々建築物についての耐震化を進めようとしますと、これは国の方で幾らやろうやろうと言っても駄目なわけでございまして、やはり地方公共団体、特に市町村から見てあそこの建築物は危ないと、そういうところについてはきちんと地方公共団体が権限を持ってその耐震化に向けてそれなりの指示ができるような、そういうふうな枠組みを検討すべきじゃないのかというふうにも考えております。
 また、地震保険という制度がありますけれども、仕組み、地震保険という商品がありますが、この地震保険も必ずしも使われておりません。もっと地震保険を使っていただけるような、また地震保険を使うとこういうインセンティブがあるというふうなことについても今御議論をいただいているところでございます。これはもう早急に取りまとめをしていただきたいと思っておりまして、この五月、六月にも取りまとめをさせていただいて、関係省庁とも連携を取って、是非、十八年度の税制改正や、それから予算要求、さらには制度改革にしっかりと反映をさせていただきたい、いきたいというふうに思っております。
#369
○円より子君 おっしゃるとおり、地震保険の割引率というのがそれほど高くありませんからインセンティブがないということもありますし、それから住宅市街地総合整備事業というのが、これは二〇〇二年に制度化なさったものだと思いますけれども、一戸建て住宅では最初の年には全く使われずゼロ件であったということなんですが、これの予算が二〇〇二年からずっとどのくらいの金額なのか、そしてまたどの程度今使われるようになったのか、なぜ最初から少ないのかの理由について教えていただけませんでしょうか。
#370
○政府参考人(山本繁太郎君) 住宅市街地総合整備事業その他の市街地整備事業の予算の一部で耐震改修促進のための補助制度を運用しておりますけれども、戸建て住宅についてなかなか事例がないのは事実でございます。
 昨年、幾つかの事例が出てまいりましたけれども、これはやはり一番のポイントは、公共団体の耐震改修促進のための制度がごく最近できたばかりだということが一番大きいと思います。先ほど大臣からも答弁がありましたように、市町村長さんが前面に立って市街地の耐震化を進めるということで住民の皆様方の意識を向上させて、この制度を十全に使っていただくということが一番大事だというふうに考えております。
#371
○円より子君 申請する際の手続が煩雑ですとか、また国と地方公共団体の両方で負担をしなければいけないということで、財政逼迫している地方公共団体がなかなか申請をしないということと、せっかく大臣が耐震化を早く進めたいとおっしゃっても、法律つくってもそれがほとんど使われていないというような実態というのは、これだけじゃないんですが、たくさんございます。そのネックをどうするかということが、まあ最初のうち、まだつくったばっかりだからといっても二〇〇二年ですよね。そうしますと、今日来るか、こんなこと言いたくありませんが、地震は待ってくれません。早めの対策が必要だと思います。
 その辺りについていかがですか。
#372
○国務大臣(北側一雄君) この耐震化の問題は、おっしゃっているとおり、所有者の方々また市町村、その耐震化に向けての啓蒙といいますか、そういうことが非常に重要であると思っております。
 また、いざ地震が起こりますと、先ほど報告がございましたように、家屋の倒壊による、また火災による、そうした被害が一番多いわけでございまして、そういう意味では、単に住宅の耐震化また建築物の耐震化というのを進めるというのはその所有者だけの問題ではなくて、まさしくその地域の私は問題であるというふうに是非御理解をしていただきまして、しっかりこの耐震化を進めさせていただきたい。
 この十七年度から新たな制度もスタートいたしますし、また今専門家の方々にも御議論いただいておりまして、是非実効性ある対策に取り組んでいきたいというふうに思っております。
#373
○円より子君 地震を起きることを止めることはできませんが、被害を本当に最小限にすることは私たちの責任だと思っております。
 そういう意味でいけば、確かに国だけの問題ではない、自助努力も大事なんですが、耐震化の問題は住宅だけではなくて、この地震や風水害は都市づくりの問題にあると思うんですね。そうしますと、高層ビル、それから地下鉄の問題、様々な、安政の大地震、関東大震災のときよりも更なる被害が今の都市づくりのままでは出てくると思います。
 総理にお聞きしたいんですが、被害を最小にするための方策、都市計画、それから、先ほど運動場の三センチまでは出たけれども、これは財務省の柔軟なあれであって、十センチまでは出ない、これは復旧まではするけれども復興ができないという大きな問題がここだけではなくてすべてにあると思うんですが、都市づくり、減災の方法、そして復興まできちんとできるような法案を一体化してやっていくことが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
#374
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そのような対策を今政府挙げて取り組んでいるところでありますし、今御指摘の点、予測不可能な点もあると思いますが、専門家の意見を聞きながら、各自治体、政府、民間、協力しながら、常に危機を想定しながら対策を練っていかなきゃならない問題であると思っております。
#375
○円より子君 余り都市計画等には御関心がないのかもしれないですね。
 北側大臣、いかがですか。
#376
○国務大臣(北側一雄君) 済みません。ちょっと質問が、よく聞いていませんで。
 今の御質問は、復旧から復興までに向けての法律を……
#377
○円より子君 また減災のための都市計画が大事ではないかということです。
#378
○国務大臣(北側一雄君) 阪神の震災の後、復興にこれまで十年、地元の方々が本当に大変な御苦労をされてここまで復興されてきたわけでございますけれども、そこでも、その復興の過程の中で、例えば防災ということにもっとその中心を置いた町づくりをしていこうということで様々都市計画等がなされているわけでございます。そういうものを参考にしながら、その復旧・復興の際の都市計画の在り方、町づくりの在り方、それはよく勉強させていただきたいと思っております。
#379
○円より子君 今日は三月三日です。ひな祭りなんですが、子供の問題に移りたいと思います。
 総理は、ちょうど、合計特殊出生率が一・五七に下がりまして、三十七年ほど前のひのえうまのときが一・五八で、それよりも下がったという、大変一・五七ショックという言葉が列島じゅうを駆け巡った、そのときにちょうど厚生大臣をしていらっしゃいましたが、それから十五年ほどたっておりますが、この間、総理になられてからも様々な少子化対策なさってきたと思いますが、どんなことをおやりになり、その成果はどのようであったか、お聞かせくださいますか。
#380
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 少子化対策としていろいろ言われてきまして、まず、子供を産み育てる立場、いわゆるその立場に立てば、女性の立場から立てば、産みやすい環境の一つとして、子供を持っても仕事ができるようにしてもらいたいということから、保育所が足りないと、待機児童がいると、保育所もっと増やしてほしいと、待機児童をゼロにするような対策をしてほしいという要望、それにこたえてやってまいりましたし、さらに、これからは、男は仕事、女は家事、育児じゃないと、男も女も仕事も家事も育児も分かち合っていこうということで、育児休業制度というのは女性だけでなくて男性も認めてはどうかと。
 そのほか、単に保育所だけじゃないと。今学校上がった年齢のお子さんでも、帰ってきてだれも家族がいないと寂しいんじゃないのかと。やっぱりだれかいるということ、一緒に遊んでくれる人がいるということ、いつも見守ってくれる人がいるということ、地域でそういう学童に対する保育も大事ではないかと。学校等も授業が終わればそれで終わりということじゃなくて、地域にもっと開放したらどうかとか、子供は社会の宝であると社会全体で育てていくような、そういう意識改革。もちろん、基本的には親というもの、家庭が大事なんですけれども、それを基本にしつつ社会全体で守り、育て、見守っていこうというような、そういう対策が必要ではないかともろもろの対策をやってきましたけれども、一・五七ショックから更に落ち込んでしまったと。
 これにはいろいろ理由があると思いますけれども、今後、社会保障制度等を考える際にも、この少子化の問題、高齢化の問題、大変重要な課題でありますので、今後ともこの少子化対策に全力を挙げて取り組んでいかなきゃならないと。何よりも子供を持つことの喜び、産み育てることの生きがい、喜び、そういう気持ちを持っていただくような制度なり環境なりを整えていくことが必要だと考えております。
#381
○円より子君 待機児童ゼロ作戦、大変いいことだと、掛け声、思いますが、実際には待機児童は減っているんでしょうか。
#382
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 就任直後に、男女共同参画、女性の方からいろいろな要望をいただきました。そこで、あれもこれもできませんから、何か一つだけ、一つだけ優先順位をやってくださいというんだったらば何ですかというところで、待機児童ゼロ作戦だというんです。
 それじゃやりましょうということで、私は最初の総理大臣としての所信表明で、三年間で待機児童ゼロ作戦、これを実現する目標を立てて、三年でその目標は達成したわけです。一年間五万、五万、五万と。十五万足りないというんですから、一年間ずつ五万人分の予算を付けましょう、二年目で十万人、三年目で十五万人、その目標どおり実行した。
 しかしながら、当初は十五万人で足りるだろうと思ったところが、今足りなくなってきた。だから、その足りない分は更に予算措置をしましょうということで対策をしております。
#383
○円より子君 ちょっとこのパネルをごらんいただきましょうか。(資料提示)
 総理が一生懸命保育所を増やしてくださり、保育所入園者を増やしてくださっているのは分かるんですが、実は、この二つの、下の表が従来の基準で取った、あっ、上がですね、従来の基準で取った待機児童が上のグラフなんですね。ここで待機児童の規定が変わりました。それでこんなに減った形になっているんです。これはどうしてこんなにわざわざ基準を変えて、待機児童減ったよというふうに出さなければいけなかったんでしょうか。
#384
○国務大臣(尾辻秀久君) 待機児童の確かに定義を変えました。
 最初、今ずっと上の方のグラフのその数字でありますけれども、認可保育所に申込みをして、そして入れない、正に待機しておる子供たちの数でありますけれども、待機児童という定義をしました。しかし、保育所もいろいろ、認可保育所だけでなくて自治体がやっておられるような保育所もありますし、そういうところに入っておる子供たち、あるいは、ほかになら入れるんだけれども、どうしてもここじゃなきゃ嫌だといって待っているとかいう子供たちを待機児童に入れるか入れないか、いろんな議論があったものですから、そういう子供たちは外して待機児童を定義してカウントしようということにしたものですから、そういうふうな二つの定義、二つの定義と言うより新しい定義の子供たちの数というのがそこにお示しになっておるとおりであります。ただ、別にそう他意があって待機児童の子供を少なくカウントしたいというわけではなかったと考えております。
 今、総理が言われるように、待機児童ゼロ作戦で毎年五万人ずつ保育所で預かる子供の数を増やしていったわけですから、ただ、それでも変化しないということは、逆に言うと、毎年五万人ずつ新しく保育所に入りたいという子供が出てくるということでありまして、待機児童ゼロ作戦はそれなりに進んでおりましたし、何もそんなものが進んでいるということを言わんがためにそういう定義を変えるというようなことではなかったと私は理解しております。
#385
○円より子君 この定義の改正の中身なんですけれども、自宅から二十分から三十分で通えるところに保育所があれば待機児童とみなさないという形なんですね。朝、二十分から三十分、これ通常の交通手段というのはどういうものを使ってのことなんでしょうか。
#386
○政府参考人(伍藤忠春君) 正に通常の交通手段でありますから、自転車でありますとかバスでありますとか自家用車でありますとか、通常その方が利用できるものということで広く解釈をしておるところでございます。
#387
○円より子君 尾辻大臣に伺いますが、お子さんを保育園に自転車又は歩いてお連れになったことはありますか。
#388
○国務大臣(尾辻秀久君) 私、子供三人おりますけれども、保育所に通った子供が一人もいないものですから保育所に連れていったという経験はございません。
#389
○円より子君 私は、ゼロ歳児のときに無認可に、公認のがなかったものですから。それから一歳から、ですから子供は小学校に入るまで六年間保育所通いましたが、まあ一人ですから大丈夫ですが。お母さんたちは自転車の前に一人目、後ろに二人目乗せて、雨の日は傘差して、そして会社に行くためのハンドバッグでというような方がたくさん、本当よく危なくないなという、もう大変たくましいお母さんたちたくさんいらっしゃいました。
 それは、子育てはたくましくならざるを得ないんですけれども、そういうときに、やっぱり三十分って、子供、歩いてたら、大人の足じゃありませんからもっと掛かるんですね。そういう朝の早い時間帯に、焦ってそういうところに、二十分でも三十分でも遠いところに行かなきゃいけないというのは大変なことだということをお分かりになっていただけますでしょうか。
#390
○国務大臣(尾辻秀久君) 申し上げましたように、自分の子供を保育所に通わしたことはございませんが、実は保育所の理事長は十年やったことがありまして、現場は結構知っておるつもりでございます。
#391
○円より子君 それでしたら、私は、この待機児童とみなさないということではなくて、こういう人たちは順番としてもっと逼迫した人から順位を付けていくことにするならまだ分かると思うんですけれども、わざわざ待機児童としてみなさないという形でこんなに減りましたよということは、お母さんたちにとってそれが何のメリットがあるのかと思うんですね。
#392
○国務大臣(尾辻秀久君) 私も別に、定義を変えて数を減らしたからといって別に大した意味があるとは思っておりません。
#393
○円より子君 じゃ、そういうことはなさらない方がいいのかなと私は思うんですが。
 もう一つお聞きしましょう。
 先ほど総理は、待機児童のこと、育児休業制度、大変いいこと言ってくださいました。この育児休業制度も、まず父親は今、父親と母親、さっき、保育園も母親だけではありません、もちろんお父さんも保育所の送り、迎えはなかなか少ないかと思いますが、やってくださっている方もいます。
 育児休業の男女の取得率、教えてくださいますか。
#394
○国務大臣(尾辻秀久君) 育児休業の取得率の男女別の推移でよろしゅうございましょうか。
#395
○円より子君 はい。
#396
○国務大臣(尾辻秀久君) はい、それじゃ申し上げます。
 これは女性雇用管理基本調査というもので行っておるわけでございますが、育児休業の取得率につきましては、これまで大体三年ごとに調査をいたしております。
 その推移でございますが、女性では、平成五年度から始めておりまして、平成五年度で四八・一%、三年ごとでございますから、その後が平成八年度でございまして、四四・五%、その三年後の平成十一年度は五六・四%、平成十四年度は六四・〇%でございます。
 それから、一年後の平成十五年にちょっと調査対象を変えて調査をいたしておりまして、これは、平成十四年度調査では五人以上規模の事業所を調査いたしましたが、平成十五年度は、今度は三十人以上規模の規模、企業調査をいたしまして、この調査では七三・一%と、こういうことでございます。
 男性の方まで申し上げますか。もういいでしょうか。
#397
○円より子君 お願いします。
#398
○国務大臣(尾辻秀久君) それでは、男性の方を申し上げます。
 これは大変低い数字でございまして、平成五年度が〇・〇二%、平成八年度が〇・一六%、平成十一年度が〇・四二%、平成十四年度は〇・三三%、平成十五年度は、申し上げた、対象がちょっと違いますけれども、その調査で〇・四四%でございます。
#399
○円より子君 今ですね、先ほど待機児童のも基準が変わりましたが、育児休業の方も、この一年だけですが、もちろん他意はないと多分おっしゃると思います、先ほどのように。五人以上常用雇用者のいるところで、事業所と、それから常用雇用者が三十人以上の事業所とで変えてしまっているんですね。
 そうしますと、他意はなくても、この大きい数字ですね、育児休業をたくさん取っていらっしゃる方の七三・一%が独り歩きをしておりまして、おお、そんなに育児休業を取っている人がいるのかと、中身を余り知らないで人々は思うわけですね、新聞にも出ますから。そうしますと、大企業の方が取りやすい。五人以上というと小さな企業もたくさん入るわけですから、取りにくい。当然、突然一〇%ほど大きくなると分かってしまうわけです。
 さっきの待機児童といい育児休業といい、他意はないとおっしゃるけれども、総理は一生懸命やってくださっているんだけれども、三年で待機児童をゼロにするというのに何か合わせて一生懸命成績良くしなきゃという、そんなことが見えてしまうんですが、いかがですか。総理、総理、いかがですか。
#400
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、当時の要望が、十五万人待機児童がいると、これをゼロにしてくださいということで、一年ではできませんから三年でしましょうと。で、五万人、五万人、五万人で実現しているわけですよ。
 しかし、今の時点でまだ増えてきている、足りない分は対策しましょうと。当時の状況に対してそれをやりましょうと言って実現しているわけです。足りない分は更にやらなきゃならないと思っております。
#401
○円より子君 数字を高くして、また待機児童の数を低くしてってわざわざしなくても、もしそういうことをしていると、お母さんたちは現場では大変厳しいわけですから、逆に、少子化って本気でやる気なのかしらって、不信感だけが芽生えるんじゃないか、そういう意味でいかが思われますかとお聞きしたんです。
#402
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、別に、保育所を多くして待機児童をなくせば出生率が増えるんじゃないかと、それだけでは済まない問題だと思っています。
 しかし、一番の優先順位の目標でこれは必要だということでやってきて、それは実現しているわけです。足らざる分は更に改善していかなきゃならないということを申し上げているわけであって、数字合わせじゃないんです。数字合わせといえば五万人、五万人、五万人は実現しているわけですから。しかし、それでまた違うということであれば、その足らざるところを改善していく必要があると思っております。
#403
○円より子君 私の方こそ数字合わせじゃないんですよと申し上げているんですね。そんなことでお母さんたちは、あの待機児童、育児休業制度、いいんですよ。でも、わざわざ数字をごまかすようなことは、まあごまかすって悪い言い方ですけれども、数字のそういう魔術を使われない方がいいんじゃないかと言っているんです。
 そもそも、これはちょっとまた統計が違うんですけれども、これは国立社会保障・人口問題研究所の作られたものなんですけれども、これでいきますと、今、二〇〇一年でもう七六%の女性が第一子出産のときに育児休業を取っているんですが、これ正規雇用者だけなんですね。パートの人は入っておりませんし、何と出産前に退職する人は六割もいるんですよね。
 そういったことも考えますと、実際に、本当は働きたい、もしかしたら育児休業があるといいなと思っているけれどもというすべての人を入れると、出産したお母さんたちのうちの一五・三%しか育児休業は取っていないわけです。そうしますと、是非このことを認識していただいてやっていただきたいなと要望しておきます。
 さて次に、総理がおっしゃったとおり、待機児童の解消や育児休業だけでできることではないことは、今私が申し上げたように、出産退職する人、それからこれから子供の子育てが一段落したら働きたい人たちが再就職時に年齢制限があることや、また柔軟な働き方ができないから子育ての間はやめざるを得ないという様々な女性たちに対する支援もしなきゃいけないと思いますが、先ほどおっしゃいました、お父さんも、父親も育児や家事ができるような社会であってほしいと。総理もそういう方向で今対策を取りたいとおっしゃいましたが、先ほど尾辻大臣から話された、お父さんの、父親の育児休業率の低さ、これを厚生労働省では十年以内に一〇%にしたいとおっしゃっているんですが、一%以下ですから、二、三十倍になりますよね。これ、どういうふうになさろうとしていらっしゃるのか、なぜこんなに低いのか、ちょっと分析して教えてください。
#404
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、申し上げたいと思いますけれども、この少子化対策と保育との関係について申し上げておきたいと思います。
 先ほど、一・五七ショックということを言われました。あのころから、少子化何とかしなきゃいけない、随分いろんなことをやってきました。そして、まずエンゼルプランを作りました。次に新エンゼルプランを作りました。今、子ども・子育て応援プランになっています。
 ずっとこうやってきたんですけれども、その中で、最初は、私これは言い続けてきたことなんですが、少子化対策を保育の充実ばっかりに求めてきた、そして、それをやり、そうやってきたんだけれども、少子化に歯止め掛かっていない。今、私どもが考えるべきことは、改めてそうした反省に立っても、もう社会全体で子育てを考えないと、この少子化がもうどうにもならないというところになっていると思っておりまして、今、私どもがやるべきは、もう政府も政府全体であらゆる省庁が力を合わして少子化対策をやらなきゃいかぬと思っていますし、そしてまたそういう担当大臣も今やできておりますし、そういうふうに取り組んでいますし、政府だけじゃなくて、もう社会全体にそういうふうなことをやっていただかなきゃいけないと思っております。
 そうした中で、お父さんにも頑張ってくださいという話が改めて出てくる。私どもも目標を掲げてやろうとしておるわけでございます。
 そこで、そこの部分について改めてお答えいたしますと、男性の育児休業の取得が進まない理由としましては、経済的な理由も挙げられておりますけれども、休めばということもありますけれども、一番の理由というのは、私どもが理解しておりますところでは、職場の理解不足があるとか仕事量の問題など、育児休業を男性の場合どうしても取得しやすい職場環境が整っていない、逆に言うと、非常に取りづらい環境にあるという企業のいろんな要因がある。これが一番大きいと思っております。ですから、何とかそこのところを変えていかないと、父親の育児休業の取得というのは進んでいかないというふうに考えておるわけでございます。
 そこの手を打とうと今しておるわけでありますが、じゃ、具体的に何をやるかという話であります。
   〔理事若林正俊君退席、委員長着席〕
 まず、男性の育児休業取得者がいることを次世代法に基づく企業の認定基準の一つにすることとか、あるいは男性の育児参加促進にモデル的に取り組んでもらっている企業への支援だとか、そうしたものを進めることによって、男性を含め希望する者すべてが安心して育児休業を取得できる環境の整備に努めていきたいと、こういうふうに思っておるわけでございます。
 その他、いろいろ具体的に考えていることもありますが、努力を続けて、男性の育児休業取得に努めてまいりたいと考えております。
#405
○円より子君 申し訳ないですが、それではとても男性の育児休業は進まないと思います。
 三十代の子育て真っ最中の男性の一週間の就労時間というのは、各国比較のようなものがあると思うんですが、分かりますでしょうか。
#406
○政府参考人(伍藤忠春君) 五歳以下の子供を持つ家庭の男女別の就労時間でありますが、日本の場合、これは土日、休日も含めた平均した時間でございますが、夫が七・七時間、妻の方が三・七時間というようになっております。
#407
○円より子君 これはほかの国と比べて低いか高いか、大臣、お分かりになりますか。
#408
○政府参考人(伍藤忠春君) アメリカ、同じような、若干、年代でありますとか、五歳以下とか六歳以下とか、若干違いがございますが、アメリカが平均して夫が六・二時間、妻が四・九時間、イギリスが夫が六・三時間、妻が三・五時間、ドイツが夫が六・一時間、妻が四・一時間ということで、妻の方は大体各国同じぐらいの時間でありますが、夫の方の時間が日本の場合長くなっていると、こういう統計でございます。
#409
○円より子君 今ちょっとお聞きになっただけでも、いかに子育て中の、五歳以下の子供を持つお父さんが長い時間働いているかお分かりになると思います。先ほど聞きました三十代の男性の就業時間も、これは各国ではなくて、どの年代層の中でも一番長い労働時間なんですね、日本は。それで、週に六十時間以上働いている人も二割もいる。
 そうしますと、まず育児休業を取る以前の問題として、子供と触れ合う時間も夕飯を一緒に食べる時間も保育園の送り迎えの時間もないというのが今の現状で、なぜこうなっているかというと、リストラがたくさんあって、あと残った人たちで残業時間が増え、長時間労働になっていて、こういう企業が、私、さっき尾辻大臣がおっしゃったように、認定のモデルの、なってなんということは、とてもそれは企業に酷ですよね。まずそれから、お父さんたちの労働時間を変えなきゃいけないということもありますよね。その辺についていかがですか。
#410
○国務大臣(尾辻秀久君) 確かに労働時間の問題はございます。そして、お話しのように、子育てしておる辺りのところで実は一番長い時間働いておるという御指摘のとおりの問題もあると思います。
 そこで、今、年間の千八百時間どうするかとか、私どもも、新しい労働時間に対する考え方、今考えておるところでありますが、大きくはそうしたこと、あるいはまた、今おっしゃるような具体的な部分の話、それからまた、もっと言いますと、正規労働者の話もなさいましたけれども、働き方が極めて多様化していますから、そういう人たちに対してどういう対応をするか、育児休業の問題を含めてどうするか、考えること一杯あると思いますが、そうしたことを着実に一つずつやりながら取り組んでいきたいと考えておるところでございます。
#411
○円より子君 それからもう一つは、やはり夫の方が仕事を、育児休業をして四〇%の給与の保障しかなければ、男性と女性との給与格差があり過ぎますから、とても妻の収入だけで子育てできないという状況があることが一番大きなネックになっているわけです。
 それで、ちょっと竹中大臣にお伺いしたいんですが──済みません。日本のその一・五七ショックのころと今と経済成長率どうなっておりますでしょうか。
#412
○国務大臣(竹中平蔵君) お尋ねは、一九八九年当時との御比較だと思います。一九八九年と九〇年の暦年の実質成長率は五%台でございます。以降低下をしまして、九八暦年、九九暦年、二〇〇二年暦年の三年はマイナス成長でございます。直近の二年につきましては、二〇〇三暦年はプラスの一・四、二〇〇四暦年はプラスの二・六の実質経済成長でございます。
#413
○円より子君 失業率についてお願いできますでしょうか。総務大臣かな、総務省と聞いておりますが。
#414
○委員長(中曽根弘文君) どなたですか。
 厚生労働省青木職業安定局長。
#415
○政府参考人(青木功君) 失業率でございますが、最新が四・五%であります。それから、平成五年でありますが、平成五年が二・五%ということになっております。
#416
○円より子君 平成元年でお聞きしたんですが。
#417
○政府参考人(青木功君) 今持っておる数字、それでございますので。(発言する者あり)
#418
○円より子君 いえいえいえ、先ほどから一九八九年と直近のと質問しておりますが。
#419
○政府参考人(青木功君) 失礼いたしました。
 平成元年でございますが、二・三%であります。
#420
○円より子君 同じく自殺者はどうでしょうか。
#421
○国務大臣(村田吉隆君) 自殺者でございますが、平成十年に三万台、三万人台を超えまして、平成十五年中の自殺者数は三万四千四百二十七人ということでございます。
#422
○円より子君 しっかり通告させていただいておりまして、何もいじめているわけでありませんので、御了解くださいませ。(資料提示)
 それを教えていただいたものをこうやって書きましたら、残念ながら経済成長率は、凸凹がございますが、そしてこのごろちょっと上がってきたから、これがいい傾向になってくれるともちろんいいなと思っているんですが、まあ下がっていっている。自殺者数や失業率、またほかにもホームレス、それからフリーター、いろんなそうしたなるべく増えてほしくないものは増えて、経済とともに合計特殊出生率も減っているんですね。──ありがとうございます。
 それで、御質問なんですが、やはり経済のこの十五年、失われた十年などと言われてきましたけれども、構造改革や行政改革がこれからいい形になっていけばもちろんいいなと思っている人間の一人でございますけれども、経済の悪化が子供を産むことをためらう理由の私は大きな理由ではないかと思っておりまして、総理が一つの目玉として待機児童ゼロ作戦、大変、かつては保育所なんというのは、女が働いて子供を預けるなんてとんでもないと言われた時代もありましたし、私が国会議員じゃないころですが、東京のある市で市役所の勤めていらっしゃる男性が育児休業を取ろうとしたら、それがもう物すごいバッシングを受けたことが、もう二十何年か前ですが新聞に載ったこともございまして、そのころ、いや、お父さんが育児休業を取ることは大事なことだと私は新聞などでコメントしたこともあるんですね。
 そんな時代に比べれば本当に変わってきまして、それは大変政府を挙げてやってくださっていること、いいと思うんですが、やはりおっしゃったとおり、働く女性だけの問題ではなくて、その経済というのがとても大きいんですね、男性の育児休業にしましても。男の人が結婚をためらう理由、子供を産むことをためらう理由、すべて、お金がない、正規の職がない、そういうことなんですね。お父さんたちだって子供ともっと触れ合いたいし、夜寝てから帰ってくるなんて悲しいと思っていらっしゃいますし、別に男女共同参画なんて言わなくたって、わざわざ役割分担がどうのこうの言わなくたって、お父さんたちも、もっと短時間労働で子育て中もゆったりできるような環境があれば子供が欲しいし、子育てにかかわりたいと私は思っていらっしゃる方の方が多いと思うんですね。
 こうした経済について財務大臣、少子化と経済、財務大臣、竹中大臣、そして金融担当大臣の伊藤大臣にもお伺いしたいと思います。
#423
○国務大臣(谷垣禎一君) 経済、財政に関与する立場から申しましても、少子化に伴ってこれから日本の活力はどうなっていくんだろう。そういう中で、かつてのように西側だけではなく、中国やインドや、十数億の人口を抱えた国、国がエマージングマーケットとして登場してくる中で、日本はどういうふうにその方向性を定めていくべきかというのが大問題だと思いまして、少子化というのは私どもにとりましても極めて大きな課題でございます。
 それで、その背景にあるのは何かというのも今いろいろ御議論がございまして、経済もその一つであるとおっしゃるのは、私はそのとおりだろうと思います。また、職場の環境というものもあろうかと思いますし、私、ひょっとして、首都圏や大都市圏のように非常に職場と住宅が離れているような町づくり、それはやっぱり家庭や地域社会に少しでも貢献したいと思ってもなかなかできないような町づくりと、そういうことも関係あるんじゃないかと思っているわけです。
 したがいまして、この少子化の問題に対応していくときは、もちろん私は予算を担当しておりますから予算もそれは頑張らなきゃなりませんが、予算だけではなく、規制改革であるとかあるいはいろんな制度改革、それからさっきおっしゃった子育てと両立し難い職場の環境をどうするかといった企業の取組、それから地域での自主的な取組、それから、もっと大ぶろしきを広げてしまいますと、やっぱり子供を、そういう制度改革とともに、子供を育てることにやっぱり、これはやっぱり次世代の子供たちをちゃんと育てて世の中に送り出していくのが本当に生きがいがあるんだというような価値観の変化までないとなかなかいかないんじゃないかなと思います。
 そういう点で、昨年末、子育て、子ども・子育て応援プランというのは、そういう幅広い視点から対応していこうということでつくったと承知しておりますので、まずはそれを着実に実行することだと思っておりますが、財政をお預かりする私の立場からいいますと、二つ申し上げたいことがございます。
 一つは、どうしても、高齢化が進んでいって年金を始め社会保障負担がこれはどうしても増えてくる、そうすると若い世代の負担感がだんだん重くなってくるわけでございますから、そこを、どうやってこの高齢者などに対する社会保障負担等を合理化して、効率化して、若い世代の負担感を少しでも軽くしていくかというのが一つ大事なことではないかというふうに考えております。
 それから、よく借金の多い財政を私も申し上げるわけでありますが、要するに、プライマリーバランスが二〇一〇年代初頭に回復しようということは、つまり、それまでは、その年いただく税金でその年の政策が賄えないということは次の世代にツケを先送りすることでありますから、これをやっぱり何とかして克服していきませんと、次世代、若い方々に希望を与えることができないと。これも、こういう問題が少子化対策としてもやっぱりこの背景にある問題ではないかと。そこに取り組まなきゃいけないと思っております。
#424
○国務大臣(竹中平蔵君) 経済と出生率の関係、これは確かに大変重要なテーマであると私も思います。その意味で、経済を良くしていくということは私たちの重要な務めだと思います。
 ただ一方で、若干難しいなとも思いますのは、実は一九七〇年代、八〇年代、九〇年代、これは経済が良かった時期も出生率は低下をしてまいりました。その意味では、むしろ当時は経済が豊かになればなるほど子供を産まなくなるというふうにも言われていたわけでございます。
 結局、考えてみると重要なのは、今の私たちの世代、そして若い人たちが将来に対する期待、希望をどのくらい持てるかということだと思います。その意味では、その中に期待成長率といいますか、経済への期待、そして財務大臣もおっしゃった財政や年金への期待というのが入ってくるでありましょうし、もう一つは、やはりその生き方、選択の多様性を確保するような様々な社会の制度をつくっていくということなんだと思っております。
 これ、考えてみたら、すべて構造改革の重要な中身でありますので、しっかりと構造改革をやっていけということだと思います。
#425
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきます。
 少子化対策といたしましては、やはり子供を安心して産むことができる、子供を育てることの喜びということを実感できるような社会ということを実現していくことが非常に重要なことだというふうに思っております。
 それを金融面からどう考えるかということでございますが、やはり、今、竹中大臣の答弁ではございませんが、子育てに当たって、子育てをされる方々は多様なニーズを金融面においても持っておられると思います。そうしたニーズにこたえていけるような金融サービスや、あるいは金融商品というものを提供できるような活力ある金融システムというものをしっかり構築をしていかなければいけないというふうに考えております。
#426
○円より子君 おっしゃるとおり、様々な要因がこの少子化にはあると思います。
 そもそも、少子化がなぜこんなに大変だというふうに政府、経済界挙げてなったのか、ちょっとこのところ、私たちどもは、私など女性たちは不思議な気がしているんですね。もうかなり以前から、もうちょっと何とかしてほしいとずっと要望してきたのに、そのころはずっと無視されてきた。最近になってこんなになってきた。何なのでしょうか。
 政府は、総理、そもそも少子化がなぜ大変だと思っていらっしゃいますか。
#427
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 少子化ということは人口が減っていきますし、人口が減るとやはり経済に活力がなくなってくるんじゃないかという不安をどの国も持っていると思います。それと、これは年金制度と絡んでくるんですが、年金制度というものを持続可能なものにしていくためには、一定の経済成長率と働く世代の減少を防ぐ必要がある。少子化というのは、必ず働く人口が減ってくるわけであります。そうすると、この年金を支える世代が減ってくるとなると、持続可能かどうかという非常に大きな問題がある。だから、今いろいろ年金一元化を含めた議論がありますけれども、将来、持続可能な年金制度一つ取っても、少子化を阻止するということと一定の経済成長率を保つということは極めて重要な課題であると思っております。
 その他たくさんの議論があると思いますが、時間もありますので、そういう点一つ取っても、少子化を防ぐというのは極めて重要な問題だと認識しております。
#428
○円より子君 昨年の一・二九ショックから急にそういう話が出てきたんですが、おっしゃるとおり経済の活力、年金制度、とても大事な社会保障制度を支えるに当たって少子化は重要な問題になります。しかし、そういうことが、ほかにもあるんだけれども、それだけがどうも毎日のように新聞等に出ておりますと、女性たちは、戦争で兵隊に行けと言われたときと同じように、国の労働力、活力のために、社会保障制度をしっかり支えるために頑張って産んでくれよと言われているような感じを受けてしまうんですね。
 私たちは、やっぱり子供がかわいい、家庭が明るくなる、好きな人の子供を産みたい、そう思ってやっぱり子供を欲しいんであって、社会のためというのもあるかもしれないけれども、統計取りますと、子供がいると家庭が明るく楽しいというのは三十年前も今も一番なんですが、お母さんたちの、これは一番今増えているんです。減っているのは、国や社会、将来の支えというのは今減っているんです、とても。それから、老後の支えになるからというのも減っているんです。そういう、お母さんたちのそういう、お父さんも含めてですが、これから子供を産もう、今子育てをしているという人の思いをしっかり受け止めた政策をやっていかない限り、やっぱりなかなか子供は産まないんじゃないかなというのがあるんです。
 それともう一つ、子供たちがこの社会の中でとても明るく元気に暮らしているというのをみんなが見ればいいんですが、子供をだっこしてこれから保育園に行こうと、男の子なんてやんちゃでわんわん泣くと、もうみんなすごい冷たい視線で見てしまうと。だれもああ大変ねって言ってあやしてあげるような大人がいなくなっている。そういう冷たい社会の中で若い女の人は、もうお母さんたちは本当に苦労していて、これから結婚する人たちはそれを見ながら、ああ、あんな大変なのやっぱりやめようかしらと、ついひるむというんですね。でも子供は欲しい。
 そういうところを考えますと、今この日本で子供を取り巻く状況というのはとってもひどくなっているような気がするんですね。例えば児童虐待、どのくらい増えておりますでしょうか。もちろん、これは児童虐待禁止法ができたからどんどん増えてきたということもありますが、できてからのことでも結構です。
#429
○委員長(中曽根弘文君) どなたに質問ですか。こちら。
 厚生労働省伍藤雇用均等・児童家庭局長。
#430
○政府参考人(伍藤忠春君) 児童虐待件数でございますが、児童虐待防止法の施行直前の平成十一年度が、相談件数が全国で一万一千六百三十一件でございましたが、平成十五年度は二万六千五百六十九件と、約二・三倍になっております。
#431
○円より子君 それで、児童福祉司を増員なさるという計画があると聞いておりますが、どの程度増員なさるんでしょうか。
#432
○政府参考人(伍藤忠春君) 同じ時点で児童福祉司の数を比較をいたしますと、平成十一年が千二百三十人でございましたが、平成十五年、千七百三十三人ということで一・四倍という増加でございます。
#433
○円より子君 総理、こういうことを御存じでしょうか。児童福祉司というのは専門職だと聞いていらっしゃると思うんですが、半分が行政職の人たちなんです。御存じでしたでしょうか。
#434
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いや、知りませんでした。
#435
○円より子君 岐阜の前知事さんのところでは、この児童虐待の費用等を地方に出してくれとおっしゃっていると思うんですが、この岐阜では物すごく児童福祉司の数が子供の数にあれして少ない、最悪の方なんですね。その上に、行政職が多いとかいろいろ問題がある。その行政職というのは、ついこの間まで土木課の課長だった人がぽんと児童福祉司になる、そういうことがずっとどの都道府県でも行われ、もちろん福祉職だけのところもあります。例えば、鳥取県ですとかね、それから香川県とか長野、福井、石川、富山等では一〇〇%児童福祉司は専門職の方たちなんですね、心理ですとか、いろいろ子供のそういうことに。あとの県は行政職が圧倒的に多いところもあるし、半分ぐらいのところ、この状況についてどう思われますでしょうか。
#436
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、願わくばすべての親が児童福祉司になってもらいたいと思っているんです。子供を持つ喜び。私も子供を持ってみて、たまに土日しか選挙区に帰れなかったんですけれども、子供に会うのが一番の楽しみでしたよ、帰ってきて。
 かつて、天皇陛下がアメリカを訪問して、その晩さん会の席で当時のクリントン大統領は次のような歌を披露したんです。「楽しみは朝おきいでて昨日まで無かりし花の咲ける見る時」。これ、江戸時代の橘曙覧が作った歌なんです。楽しみは、朝起きてみたら昨日までなかった花が咲いていたと。この何げない日常の自然の花をめでる日本人の感性のすばらしさをたたえたと思うんですね。「楽しみは朝おきいでて昨日まで無かりし花の咲ける見る時」。
 これを聞いてね、私は、橘曙覧という歌人がいたのか、そのときまで知りませんでしたから、どういう歌人かと思って調べたんです。そして、そしたら橘曙覧というのは、いろんな「楽しみは」というのを最初に持ってきて数々の歌を作っているんです。その中で私が好きな言葉に、楽しみは、「楽しみはたまに魚煮て児等皆がうましうましといひて食う時」と。江戸時代ですよ。たまに、楽しみは、ウオというのは魚です。当時は魚なかなか毎日食べられなかった。「楽しみはたまに魚煮て児等皆がうましうましといひて食う時」。家族そろって、魚たまに取れてきたぞと。煮て、うまいだろうと。子供たちがうまいうまいと言って見る、この親の喜び、これがやっぱり親の姿じゃないでしょうか。私は、そういう子供を持つ喜びを、すべての親御さんが感じてもらいたい。子供を持つ喜び。
 私も、やはり子供が小さかったころは、今は一緒に食事しようったってくっ付いてきてくれませんけれども、忙しいって言って。子供のころは、私の帰るのを待ってくれて、何かおいしいものを買って一緒に、ああうまいうまいと言う姿を見て非常に、最大の喜びを感じました。江戸時代の、ああ橘曙覧もそういう感じをあの歌に表したのかと思って。
 私は、すべての親御さんが、児童福祉司というのを多くつくらないで、自分たちが、親が本当子供をかわいがるんだと、児童福祉の旗手だという感じを持つ。親の教育こそ大事じゃないかと思っております。
#437
○円より子君 江戸時代の話、私もしたいので、ちょっと質問させてください。
 例えば、厚生労働省それから文部科学省に職員の方が、男の方が子供を連れて仕事に来たらどうなさいますか。今そういうことありますか。
#438
○国務大臣(中山成彬君) 文部省は、年に一回は子供を連れて役所に来るようにと、そういうふうなことになっているようでございます。
#439
○国務大臣(尾辻秀久君) 厚生労働省の中に保育所があるかとか、まあそういうことを暗にお尋ねなのかもしれませんが、そういうことで申し上げると、ございません。
#440
○円より子君 済みません、ちょっと一言申し上げたいんですが、総理が江戸時代のお話をなさいました。江戸時代の奉行所に父親が子連れで出勤をしておりました。夜は童話を読み聞かせ、歌や子守歌を歌って寝させ、次の日、自分がお白州で犯罪者を裁くときには、控室の障子をぽんと指で穴を空けて、ここからお父さんが仕事をするのを見ておくんだよと。当時はそのように、江戸時代、お父さんたちはみんな子育てに参加していましたし、職場にも連れていっていたんですね。年に二回だけちょっと見学というのとはやっぱり違うんですね。そういう社会のこと、ちょっとお知らせしたかったんですが。
 児童福祉司は、もちろん親がみんな子供がかわいいと思って育てられれば一番いいです。でも、貧困だとか様々な問題で虐待になってしまうようなケースもあって、それをやっぱり食い止めるのが児童福祉司ですから、その辺のことはもちろんよくお分かりで話をそらされたのかもしれませんが、またこの件や、それから教育コストが掛かり過ぎることなど、様々な子育ての問題はまた次回させていただきたいと思います。
 今日はありがとうございました。
#441
○委員長(中曽根弘文君) 以上で輿石東君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#442
○委員長(中曽根弘文君) 次に、片山虎之助君の質疑を行います。片山虎之助君。
#443
○片山虎之助君 自由民主党の片山虎之助でございます。
 もう大分閣僚の皆さん、委員の皆さん、お疲れでございます。このころからが一番くたびれるんですよね。あと一時間ほどですから、ひとつ御辛抱を。
 私は、五年ぶりに当参議院の予算委員会で質問さしていただく、もう今日は大変興奮いたしております。一昨年の秋まではそちら側で答弁の方をやっておりまして、それから後は委員長席で議事進行をやらせていただいておりましたが、久しぶりにこういうひのき舞台で質問をさしていただける、本当にうれしく思っている次第でございます。
 まあ、どうかひとつ、このテレビ中継を一番国民は見るんですね、視聴率が高いかどうかは別だけれども。生の国会審議というのはこれなんですよ。だから、是非そういう意味では分かりやすく、国民に分かってもらわにゃいけませんから。私も時々岡山弁を交えながら言いますんで、どうかひとつ分かりやすい簡潔な答弁をお願いいたしたいと思います。
 それと、私の質問は今日と明日に分かれるもんですから、質問の順序を入れ替えさしていただきまして、まず郵政問題からやらしていただきます。
 現在、政府と与党ではこの問題につきまして協議会をつくっておりまして、その協議会の下に関係閣僚と政策実務者を中心の、まあ何というんですかね、小委員会でもないんですが、会議で今、郵政民営化問題、郵政改革問題を議論いたしております。なかなかスピードが遅いという意見がありますけれども、私は、これだけの大問題ですからね。この問題は国の経済、国民生活はもとよりあらゆる分野に関係がある。これは慎重にいろんな角度から冷静に科学的に私は議論していかにゃいかぬ。感情が先行しちゃいけません。
 その意味で、時間は掛かっても十分議論を尽くして、お互いこの郵政事業あるいは郵政公社を含めまして、その現在と将来について共通の認識を持って一番国民が望むような方向に結論を出していくと、こういうことが必要だと思うんですよ。
 私は、昨年の秋の参議院の本会議でも、総理に急がば回れと言いました。私自身は大変せっかちなんです。もう御承知のとおりなんです。いやいや、もうゴルフももう少しゆっくり打ちゃショット、スコアいいんですよね。せっかちなんだけれども、この問題は急がば回れ、総理もせっかちだと思いますけれども、総理、急がば回れでいいですね。
#444
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) はい、急がば回れでよく協議を重ねて成立させたいと思っております。
#445
○片山虎之助君 そこで、今の日本郵政公社なんですが、平成十四年に法案を出したときは、まあ与党の御反対もありまして、連休明けなんですよ、連休前に半分、実体の一番中身の重い方は連休明けに出しましてね、九十時間、総理、審議して、総理も何度も付き合っていただきまして、七月二十四日に通ったんですね。あれからもう二年半で、公社が始まってこれで一年十一か月なんです。まだ二年になっておりませんね。
 それで、任命権は私にあるんですが、実質は総理がお決めになった生田総裁以下、副総裁、今日総裁は何か沖縄に行っているようで、副総裁が来ておりますけれども、スタッフが本当によくやっているんですよ。真っ向サービスという分かったか分からぬようなスローガンを掲げて、いろんな仕組みを変えて、しかも新しい商品を作ったりサービスを考えたり、民間との提携や協力もやりまして、かなり実績上げているんですね。郵便事業、赤字だったんですから。それをトヨタ方式を入れて黒字にしたり、その他もう私はいろんなことをやっていると思いますけれども、これについて、この質問しようと思いましたら何か衆議院でもあったようですから、ここは監督官庁の総務大臣から、まずその御評価、お考えを聞きたいと思います。
#446
○国務大臣(麻生太郎君) かれこれ二年に公社になってからなることになりますけれども、おっしゃるとおりに、私どもから見ていましても、生田という総裁の指導力というものが極めて優れているという点は、これは大事なところだと思っております。この人がほかの人だったらこんなにやれたかねというのは正直なところ問題だと思っております。
 二つ目は、この方の抱えておりますセンスで、国会議員の方が余りおっしゃらぬけれども、組合というものに対して、この方は船員組合というものをいろいろそれまでの職業柄まあ相手にしてこられたこともこれあり、組合の、あそこはなかなか組合がいろいろあります、御存じのとおりなんで、その組合の信頼も極めて高いという点は、これは余り外に出てこない話ですけれども、担当大臣としてこの組合員の、組合長の方とは何回となく会ったことありますけれども、一様に評価が高い。これは経営者としてはすごく大事なところです。
 それから三番目は、やっぱり数字というものを見ました場合に、やっぱり郵便配達というものをまあ単年度とはいえ仮にも予定より早めに黒字にしてのけたと。これは大きなところだと思いますし、ほかのところの利益につきましては、これは持っております株価がちょっと上がったところもありますんで、その点がすべてに出てきているわけとは思いませんけれども、総じてこの方の評価は高い。
 そして、四番目が多分商品開発だと思いますが、あのゆうパックを始めいろいろなもので、従来に比べていろいろ商品を広く開発されようとしておられるところと、それからスピードというものに目を付けておられて、間違いなく郵便というのはこう、信書便というのは毎年二%から二・五%ぐらい減っている中にあって、いろいろな意味でスピードが大事ということでいろいろ商品開発もしておられる。一様に評価のできるところだと思っております。
#447
○片山虎之助君 そこで、その公社は、今日は副総裁のようですが、公社はどういう自己採点をしていますか。
#448
○委員長(中曽根弘文君) 日本郵政公社團副総裁、こちらでどうぞ、こちらでどうぞ。
#449
○参考人(團宏明君) お答えいたします。
 公社に入りまして二年目を終わろうとしていまして、一年目の決算は出ておりまして、二年目の見通しも付けております。
 そこで、その経過でございますが、公社につきましては四年間の中期経営目標というのがございまして、それに向けてやっておりますが、四年は長いということで、生田さんのリーダーシップで、まず二年で前倒しでやっていこうということでやっているわけでございます。
 そこで、数値を申しますと、四年間の目標が、郵便について言いますと、積立金を例えば五百億円以上積立てすることということでございますが、二年間で約四百六十億円程度の積立てができる見通しでございます。貯金について言いますと、積立金三・九兆円以上ということでございますが、二年間で二・一兆円ということが可能でございます。保険につきましても、準備金の三千億円以上の積立てというのが目標でございますが、これも大体五千億程度を二年間で積めることができるということで、一応それなりのところに達しているというふうに思います。
 それから、先ほど大臣の御指摘もございましたが、中期経営計画で職員の数を四年間で二十六・四万人にするということでございますが、既にこの二年間で二十六・二万人ということで、組合の協力もあってそういう経費の削減もできているというところでございますが、なおまあサービスの面とか職員の意識の面でまだ足らないところもありますので、まあなお一層努力する必要があるというふうに考えております。
 以上でございます。
#450
○片山虎之助君 そこで副総裁、副総裁、一部の新聞にも報道されましたがね、今のままでいくと公社の経営はじり貧になる、じり貧になる、こういうのがこの前発表されましたが、じり貧になりますか、どうですか。
#451
○参考人(團宏明君) お答えいたします。
 公社としましては健全な経営をやっていくということが責務でございますので、予測という難しいところがございますが、ただ懸念の点について言いますと、例えば、黒字は出ておりますけれども、十六年度におきましても、収益でいいますと、中期経営計画すると一千億程度、例えば郵便の収入は下回っております。これを上回るコストの削減でやっておりますので、これからの見通しにつきましてもかなり楽観は許さないというところでございます。
 それから、郵貯、簡保につきましても資金量が減っていくというふうな傾向にありますので、なおこれからの合理化も必要だと思いますし、それから郵便について言いますと、先ほど大臣から御指摘がありましたように、成長分野、宅配便とかDMとか、そういう分野に力入れていく必要があるというふうなことでございまして、先ほどいいような数字だけを申しましたけれども、なかなか厳しい要素もあるというのは事実だと考えております。
#452
○片山虎之助君 模範解答。もう全部言った。まあ、それは分かりました。それは十分これから更に議論を進めてまいりたいと思いますが。
 そこで、竹中大臣ね、公社を民営化したら利益が一兆円になると、新規事業を増やすからそっちが六千億になると、こういう試算がありますね。準備室かどこかがおやりになったと思うんだけれども、ですよね。それを、仮に公社の今のいろんな仕組みや役割やできる範囲を変えてやったらどうなりますか。
#453
○国務大臣(竹中平蔵君) 片山委員お尋ねの、まず六千億の試算等々でございますが、これはもう委員よく御承知のように、本当にこれは、こういうことができるかどうかというのは最終的には経営者の判断でございますから、政府でできるものではございません。あくまでも一つの可能性として提示をさしていただいたものであるわけでございますけれども、直接のお尋ねは、それが公社のままでできるかどうかという極めて本質的なお尋ねであろうかと思います。
 これは、今正に、そういうことも含めて今与党と協議をさしていただいているわけでございますけれども、基本的な考え方としては、この公社というのは公共の目的を担保するために国の全額出資で設立されている特別の法人であると。したがって、その業務範囲につきましては、その設立目的を踏まえて、おのずとやはり一定の限度があるというふうに考えておりますけれども、具体的にどのように設定するか、これはすぐれて立法政策に係る問題であるというふうに思います。
 我々の考えを申し上げれば、採算性に関する試算に取り上げた新規事業というのは、これはいずれも民間企業が自由な経営の下で実施している業務でございますから、公社という公的な性格の強い組織がこれらを実施することについてはやはり抑制的に考えざるを得ないのではないのかと。その意味では、民間でできることは民間にということで、民営化した会社が民間企業と同一の条件の下に自由な経営を行い、そして国民に良いサービスを提供することが望ましいのではないかと、そのように考えている次第でございます。
#454
○片山虎之助君 いや、相当できるんですよ。できるけれども、竹中大臣の答弁は、公社の性格上公共性が極めて強いから、公社がその気になってもやるべきでないという意見なんですよ。ここはこれから大いに私は議論の余地があると、こう思います。
 そこで、民営化というのはどういうことかというと、民間の有能な経営者に全部任せて、自由にやれと、創意工夫を生かしてやれと、好きにやってみろと、手足は縛らないというのが民営化なんですよ。ところが、郵政、生保というのは、これはいろんな議論があると思いますけれども、国民の基礎的な生活保障手段ということでずっと来たんですよ。そうでしょう。貯金というのは、少額の貯金を手近なところでさっと確実に貯金すると。そこで年金をもらう、共済をもらう、恩給をもらうと。ファミリーバンクですよね、貯金は。郵便は、これは国家が保証した信頼するコミュニケーションの手段で、手紙、はがき送るんだから。それから、簡易生命保険というのは元々働き手が亡くなったときの葬式代と当座の生活費だったんですよ。そういうことで国民に安心を与えたんですよ。だから、それは日本じゅう同じようでなきゃいかぬ。そこがユニバーサルサービスで、ユニバーサルサービスを確保するためには日本じゅうにネットワークを引かにゃいかぬ、それが今の郵便局のネットワークなんです。基本的に自由にやれと、好きにやれと、手足を縛らないと、嫌なところはやめろと、こういうものとは本質的には合わないんですね。
 しかし、一方で民営化の要請も確かにありますよ。そこで、どこで接点を結ぶ、つないでいくか。極めてこれはナローパスですよ。それは大変な、今恐らく竹中大臣や麻生大臣、もう谷垣大臣、もう全部言わにゃいけませんか、六大臣、大変苦労されていると思うけれども、どういう接点を見付けますか、竹中大臣。
#455
○国務大臣(竹中平蔵君) 正に、今、片山委員は、私たちが本当にこれを悩んでいるところをずばり全面的に御指摘をくださったというふうに思っております。言うまでもなく、民営化でありますから経営の自由度を持っていただきたい。今、生田さんが一生懸命改革しておられますけれども、更に自由に、大胆にその延長線上でやっていただきたい、これがまさしく民営化の趣旨であります。
 しかし、明らかに郵政というのは非常に大きな公的な役割も担っております。郵便のユニバーサルサービスというのが一番分かりやすい例でありますけれども、同時に、ユニバーサルサービスを支えるためには、やはり国民がアクセスできるような郵便局のネットワークが必要であり、さらに日本の場合、そこでやはり金融の機能を担ってきたというのも大きなやはり特徴であろうかと思います。そこはもうナローパスであるということは間違いございません。
 我々としては、基本的には郵便にユニバーサルサービスの義務はしっかりと持っていただく、しかしそのほかについてはできるだけ自由度を持っていただいて、しかし公的な機能を社会貢献、地域貢献等々で果たしていただけるような仕組み、そのナローパスを是非歩みたいと思っているところでございまして、今その基本的な考え方をお示ししておりますが、じゃ、具体的にどうするかというその制度につきまして、正にこれは政府の中でも、また与党とも真摯に協議をしているところでございます。
#456
○片山虎之助君 そこで、ユニバーサルサービスなんですよ。国民が、今のユニバーサルサービスが後退するようならこれは何でやるんだと、こういう議論なんです。そこをどうやってこたえるかということと、ただ、ユニバーサルサービスも絶対不変じゃないんです。時代や、私は社会環境によって変わってくると思う。いつまでも昔のユニバーサルサービスが今のユニバーサルサービスじゃない。しかし、国民がある程度それを受け入れるというか、そういう認識を持つということが必要なんですね。私は、それとの見合いだと、こう思っている、ネットワークやユニバーサルサービスの変質は。だから、そこの点については十分これから議論で御留意いただきたいと思いますが、竹中大臣、どうですか。
#457
○国務大臣(竹中平蔵君) ユニバーサルサービスが五つのこの時代的背景をもって解釈されるべきだという御趣旨の御指摘は、誠にそのとおりであろうかと思います。郵便については、これはユニバーサルというのは全国一律という意味でございますから、これはやはり郵便についてネットワークで全国一律が必要だと思いますが、例えば局に行っていろんなサービスを受けるということに関しては、これは例えばでございますけれども、全国一律というよりは、私は、過疎地についてはこの役割をしっかり残さなければいけませんが、都市付近の稠密地域に、人口稠密地域につきましては、例えば隣に銀行があり、コンビニがありというようなところについては、もっと別の便利さを提供していただくといった、というような意味でのサービス向上もあり得るのだと思っております。そうした点を、御指摘を踏まえてしっかりと議論をしていきたいと思います。
#458
○片山虎之助君 ちょっと私の視点と違うんだけど、まあこれはこれから大いに政府・与党の中でも議論をしたいと思います。
 そこで、これから各論は政府・与党のあの協議の中で私、次第に固まっていくと思うんで、今から私がここでいろんなことを言うのはかえって一種のあれを与えますからそれは言いませんが、二つだけ、二つだけ大きなことを御注意申し上げておきたい。お考えいただきたい。
 一つは、今の郵政公社の職員は公務員ですよ、国家公務員ですよ。公社で国家公務員というのは極めて珍しいんです。昔の三公社はみなし公務員だったんですよ、公務員に準じたんです、そのむしろ規制の方がね。国家公務員にするには恐らくあのとき大議論があって、国家公務員に私はしたと思う。しかし、今回は一片の法律で非公務員にするわけですよね。しかし、おまえ、そんなことを言うけれども、独立行政法人だって国立大学法人だって非公務員化にするのはみんなそうじゃないかと。そうですが、やっぱり仕事の中身や処遇が幾らか違うんですよ。特に国立大学法人は、文科大臣おられるけれども、これは公務員ではないけれども、一般人と違うという扱いにするということなんですよ、給与その他でね。
 そこで私は、郵政公社のこの職員については、一つは皆さん御承知のように公的な仕事をやるわけですよ、公的に責任を持つ仕事を。よく言われる特別送達だとか内容証明だとか、市町村のいろんな事務の今代行をやっているんだから、これは公務員なり公務員に準ずる資格がなきゃできないんです。まず、法的にそれが一つ。
 それからもう一つ、今までの郵政公社の職員、特定郵便局長さん始め皆さんはやっぱり使命感と誇りがあったんですよ。明治以来ずっと公務員でやってきたと、地域社会に大いに貢献していると。こういうのが職員の皆さんのモラールを支えたんですよ。モラルも支えたかもしれぬですよ。だから、これをもし全部取っ払うとどういうことになるのかということなんです。
 それからもう一つ、グループ意識が強いんです、皆さん。みんな同じグループで同じくやってきたと。これをばらばらにするといったら、その意識が崩壊するんですよ。それは目に見えない大きな損失なんですよね。だから、公的な資格、公的な保障については、私は大いに皆さんで議論して一番いい案を、私も個人的にないわけじゃないけれども、まあここで言いませんが、大いに議論していただきたいと思いますが、どうですか。
#459
○国務大臣(竹中平蔵君) 二点の御提言をありがとうございます。
 お尋ねのその公的な資格でございますが、委員御指摘のように、この特別送達、内容証明、これはまあその背後にある法律の問題も含めて、極めて公共性の高い公的な役割を担っているというふうに考えております。そうした観点から、私たちも今方向としては、そうしたサービスの提供に当たって必要とされるような公正性とか信用性ですね、それを維持するために、公証人制度に類似の公的な法令上の資格制度を検討するという方向で考えておりまして、これは与党とも十分に協議を行いながら、是非適切な制度設計を行ってまいりたいと思っております。
#460
○片山虎之助君 それからもう一つ、仮に持ち株会社がいいとした場合にですよ、持ち株会社の下に四つ支社を、分社化するんでしょう。会社を四つぶら下げる。しかも、そのうちの金融サービスの貯金と保険は、移行期間の十年が過ぎたら、これは独立させるんですよね、完全な民有民営化にすると。言わば、遠心的な操作をしようとしているんですよ。しかし、今は逆なんでしょう。金融は求心なんですよ。コングロマリット化というのは世界の趨勢じゃないですか。
 日本だってですよ、銀行と保険と証券がまとまる、グループ化しよう。そうでしょう。異業種が銀行業にどっと参入しようと、ソニーを始めとして。そういうときにですよ、何で分けないかぬのですか。みんなまとまってグループでやりたいというのが、みんなの願いなんですよ。しかも、それは出入りがあっても郵便は、郵便をしたけど貯金に行けるとか、保険からまた持ち株に来るとか、そういうことを考えないと、それはまあ大臣は勉強されていると思うけれども。
 ドイツはどうですか。ばらばらにしたでしょう。そうすると、郵便貯金会社が、委託料が高いからドイツ・ポストに委託しないということになったんですよ。八五%が委託を拒否したんですよ。それでネットワークはずたずたになったんでしょう。三万あったのが一万三千になったんですよ。そこで、ドイツ政府は大慌てで、法律でそれを規制して、しかも政府が中に入って、一〇〇%子会社の郵便貯金会社をつくったんですよ。
 ニュージーランドもそうでしょうが。ニュージーランドも、あれ、銀行を全部売っ払った、オーストラリアの銀行に。あっちこっちからごうごうたる批判が出て、キウイバンクって、まああそこはキウイの国だからね。(発言する者あり)キウイバンクっていう子会社。アメリカは廃止しているんです。元々ないんです、そんな大したことはね。
 それから、ドイツだってフランスだってですよ、ドイツじゃなく、フランスだってイギリスだって、貯金の子会社をつくろうとしているじゃないですか、今、子会社を。何でかというと、郵便と金融業務は合うんですよ、郵便と。その方が相乗効果があるんですよ。そういうことの中で何で日本だけ、おまえ出ていけと、金融サービスの二つのあれを完全に民有民営化しなきゃいかぬのですか。
 私は、持ち株が一〇〇%持って、将来はその比率を下げていってもいいけれども、例えば三〇持たせると、グループでやると、人の出入りもあると、こういった方がトータルでは私、ずっと意味があると思う。別の会社になるんだからリスクは遮断しますよ。どうですか。
#461
○国務大臣(竹中平蔵君) 片山委員の御見解、本等々を通して私も勉強させていただいております。
 幾つか申し上げたいんでございますが、私たちが一番考えているのは、いわゆるリスクを遮断したいと。こちらの会社のリスクがこちらに及ばないようにする。特に銀行の場合はそれが重要だと、ここはもう委員今御指摘くださったとおりでございます。
 世界の状況等、我々は勉強しておりますが、やはりこれだけ大きな事業会社とこれだけ大きな金融機関が同じ屋根の下にあるという例は、やっぱりこれはない。これはやはり相当、このリスク遮断という観点から、これは私の見解でありますが、問題があるのだと思います。大きな事業会社が小さな金融会社を持っている、そういう例はございますし、これは正に、正に今委員おっしゃったコングロマリット化、新しい動きであろうというふうに認識をしております。これは私たちも今勉強をしているところでございます。
 あと、グループでございます。私は、独立した、民営化された会社がグループ経営をするというのは、これは十分にあり得ることであろうかと思います。ただ、まあこれ、一つの例で申し上げますけれども、例えば同じグループで、東京三菱とそれとそのグループ関連の保険会社等々、実際のグループ経営といっても今実態を調べてみますと、株を持っているのは二%とか、やっぱりそれはむしろ資本の持ち合いというよりは業務の提携とか、私はそういう方向なんだと思います。しかし、これは、民営化されて独立したら、これは正に経営者の御判断でございますから、そこは柔軟にやっていただけるようなシステムをつくるというのが重要だと思います。
 ドイツの例等々御紹介いただきましたが、これ、ドイツの例、我々もしっかり勉強しております。それで、そういった意思決定がスムーズにいくように当面私たちはやはり持ち株会社を持って、そこで、いわゆる本部機能でいろんな調整をしてもらおうというふうにも思っておりますし、先般、ドイツ・ポストのツムヴィンケル総裁おいでになりましたけれども、そのときの話では、確かにいろいろ問題があって一度銀行をこちらの方に吸収した、しかし、やがて更にそれを銀行についてはもう株を売っていって独立性を高めていこうと、そういう志向をしているようでございますので、そこは謙虚に諸外国の成功例、失敗例、両方をしっかりと勉強したいと思います。
#462
○片山虎之助君 ドイツはまだ五六%持っているんですよ、政府と政府系金融機関で、株を、その貯金の会社の。そこで、規模が、なるほどあるんです、規模の議論が昔から。だから、規模の縮小ということは、私はこれはほっておいてもなるし、それを更に誘導すればもっとなると思うんですよ。
 今の公社の試算では、政府保証付けたままでも今の二百二十七兆が、郵貯ですよ、百五十兆になると。それから、簡保の方も相当減るという試算になっておりますから、もしこれで、改革で政府保証が外れればもっと減りますよね。満期が来たらどんどん解約していく、まあ返ってくるのはもちろんあるでしょうけど。
 その辺も視野に入れながら大いに議論していただきたいと思いますが、どうも私は、この窓口ネットワーク会社というのは頭の体操から生まれたものじゃないかという気がしてしようがないんですよ。本体がなくて全部委託料でしょう。その委託料をどうするかで大議論になりますよ。しかも二重手間なんですよ。窓口ネットワークと、例えば郵便については郵便会社と、でしょう、全部二重手間になる。しかも、こんなものが増えれば増えるほど分割ロスが出るんですよ。みんな社長つくらにゃいかぬ。兼務すればいいったって、知れていますよ。重役をつくらなきゃ、何をつくらにゃいかぬと。私、要らないと思っている。
 しかも、これは大いにこれからも政府・与党の中で議論してくださいよ。持ち株会社というのをうまく使ったらいいんで、場合によっては。そういうことを今日は注文しておきますので、ひとつよろしくお願いいたしたいと、こういうふうに思います。
 そこで、郵政から次の問題に入りますが、例のライブドアですか、まあにぎやかですね、本当ににぎやかですよ。あれは放送に絡んでいますから、私どもは関心を持たなきゃいけません。まああのやり方については毀誉褒貶というのかな、賛否両論ごうごうたるものですよね。英雄のごとく言う人もおるしね。イカサマ師とは言いませんけどね、どさくさに紛れてさっと何かやったようなというようなことを言う人もおる。私は分かりません。とにかく、今妙なことをやったらメディアがうわっと集まるんですよ。そのメディアがまた放送するから、テレビその他で、人気者になるんですよね。まあ、いいことか悪いことか分かりませんよ。しかし、ああいうお騒がせマンは恐らく大変、私は、プラスマイナス、プラスになっているんじゃないかと思いますよ。
 しかし、あれは今度あれでしょう、金融庁も法改正をお考えのようだけれども、その日の朝の七時にですよ、八百億の転換社債付新株の予約社債というか、何か面倒な名前ですけど、それを七時に決めたんでしょう。八時、時間外取引ということで、立会い外取引というの、八時二十二分から五十分の間に、二十八分で九百四十二万ですか、一千万株近い売買が成立しているんですよね。そうでしょう。それはね、こんなことはね、手際が良過ぎるから手品のような話ですよ。わずかな時間の間に資金調達から売買まで成立する。普通なら、あらかじめ資金調達を頼んでおいて根回しをして、売手と買手もちゃんと話を付けて、談合とは言いません、相対取引じゃないですか。そういう疑いがあるに違いないから金融庁でも法律の改正をお考えになっていると思うんですよ。
 こういうことがまかり通る、金さえあれば、金も人の金ですよね、この場合は。金さえあれば何でもできる、こういう風潮をやると、やっと今証券市場に一般投資家が帰りつつあるんでしょう、一万一千七百円、八百円か。イメージが悪くなる、もう危ないと。こういう悪らつなマネーゲームが横行するような証券市場を信用しますか。イメージも良くない。やっと株が上がるというのは国民全部の願いですよ、資産デフレを、これをどうやって阻止しようかというのは。
 そういうときにこういうことがあることは極めて私は遺憾だと思いますが、総理、眠そうですが、ひとつ御答弁をお願いします。
#463
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 片山さんも最初言われたように、よく分かんないと。私も、なぜこういうことができるのかというものも不明の至りでよく分かんなかったんです、これは法的には合法であると。しかしながら、株主たくさんいますね。その株主の、多くの不特定多数の株主から見ると問題もあるということもあります。
 ですから、私は専門家でありませんので、もしこういう点について株式市場においても健全性をより高める、あるいは透明性を高めるということになるならば、必要な改正ならすればいいじゃないかと、よく議論してほしいと。私は、とやかく、どれがいい、どれが悪いと言うことは、今の時点で私は言う知識もありませんし、言うべき立場でもないと思っております。
#464
○片山虎之助君 総理の答弁よく分かりましたがね、これはやっぱりこの件は私は株式市場や株式取引の公正性や透明性を害したと思いますね。
 私はそう思っておりますが、伊藤大臣、御感想と、法改正をおやりになるような話ですが、どういう内容になるんでしょうか。
#465
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきます。
 個別の事案のことにつきましては答弁は差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として、委員御指摘のとおり、その市場の透明性、そして公平性というものを確保していくことは非常に重要であります。また、そうした意味からTOBの制度、公開買い付け制度というものが導入されているところでございます。しかしながら、立会い外取引というのは取引上、市場の取引に該当いたしまして、このTOBの規制の適用対象とはなっておりません。そうした中で、この使い方いかんによっては相対取引と類似した形態の取引になってしまう、そのことがTOB制度そのものを形骸させてしまうことにつながってしまう、そういう疑いがある。
 こうした状況に対応していくために、私どもとして、立会い外取引をTOB規制の対象とすることができるように、法改正を視野に入れながら今準備をさせていただいているところでございます。この準備を進めて国会の皆様方に御審議をいただけるようにしていきたいというふうに思っております。
#466
○片山虎之助君 それは違法ではないかもしれませんよ、金融庁の解釈なら。しかし、違法すれすれでしょう。あなたが言うようなことなら、何で法律改正やるんですか。
 もう一度。
#467
○国務大臣(伊藤達也君) この立会い外取引というのは、本来、投資家の方々の様々なニーズにこたえていくために、例えば機関投資家の方々のポートフォリオの組替えでありますとか、あるいは持ち合い株の解消でありますとか、あるいは自社株を取得をしていく、その取引を円滑に進めていくために取引所機能の重要な一つとして平成九年に導入されてきたところがございます。
 しかし、この導入に当たって、会社支配を目的として大量に買い付けを行うということを全く想定をいたしておりませんでした。残念ながら、この使い方いかんによって相対と類似した形態の取引になってしまうと。そのことが、先ほど答弁をさせていただきましたように、TOB制度そのものの形骸化につながってしまう。だからこそ、私どもとして、この事態に対して、TOBの規制の対象に立会い外取引がなるように、できるように、法改正を視野に入れながら準備を進めさせていただいているところでございます。
#468
○片山虎之助君 答弁が長いね。まあいいでしょう。今日は片道だから幾らでもやってください。ただ、あしたが長くなるだけだから。
 それはそうなんだけれども、あなた方は想定していなかったんですよ、こういう会社支配というのか、こういう今回の件のようなものは。しかし、それは法律の不備だということを認めたから直すんでしょう。違法でないんなら別に直さなくてもいいじゃない。だから、そこをはっきり言わないと。
 だから、いろんなケースがありますよ、持ち合いのあれだとかいろいろ。私もそれは分からないではない。機関投資家にばっと引き受けてもらうとか、そういうのはいいケースなんですよ。しかし、今回は困るケースだから改正するんでしょう。違うんですか。
 はっきり言ってください、もう長い答弁要らない、まだ若いんだから。
#469
○国務大臣(伊藤達也君) 立会い外取引の本来の制度を導入するに当たって、こうした会社支配を目的とした大量の買い付け、取引というものを想定しておりませんでした。したがって、TOB制度の形骸化を招くようなことがないように適切な対応というものをしていきたいというふうに思っております。
#470
○片山虎之助君 まあいいや、二回も答弁に参加したんだから。
 そこで、もう一つの問題は外資規制なんですよ。今、日本で外資規制というのは航空と電気通信と放送なんですね。それはまあ、みんな考えてみれば国の安全保障に関係あるといえばありますよね。放送なんというのは大変な公共性があり、社会的影響力があるので。ただ、その外資規制が直接規制ですよね。間接規制はあの法律によると読めないようになる。今度のそのリーマン・ブラザーズというんですが、これが、今のこの下限の価格の百五十七円でこれは株式に転換したら四五%株主なんですよ、ライブドアの。そのライブドアがまたニッポン放送の、ニッポン放送がまたフジテレビと、訳が分かりませんよね、数珠つなぎで。いやいや、本当に。
 だから、こういうものはやっぱりきちっと私は規制する必要があると思う。自分はその経営支配をする気がないといってリーマン・ブラザーズの会社の皆さんは言っているようですけれども、よそに売ったらどうするんですか。
 そういうことからいうと、やっぱりきちっと、これも私は法律の不備だと思う。想定してなかったのかどうか。よその国はして、法律をちゃんと整備しているんだから。その点、いかがでございますか、総務大臣。
#471
○国務大臣(麻生太郎君) 昭和二十五年にこの種のことを想像してなかった。はっきりしていますですね。私はそれはそう思います。
 今度のMSCB、ムービング・ストライク・コンバーティブル・ボンドというのは正式な転換社債の名前なんですけれども、この種の新しい技術による間接支配などというのはもう更々予想していなかったと思います。
 事は放送という公共の資産を扱う分野でもありますので、他のちょっと業種ならともかく、もうこの分野は、先ほど、飛行機含めて、ちょっと公共性の極めて高い分野でもありますので、直接支配だけでやっていますのは、多分イギリス以外は全部間接支配、アメリカ、フランス、韓国、皆そうなっていると思いますので、他国の例もよく調べまして、いかにも泥縄式にやるのもいかがなものかと存じますので、きちんとして、外資をいかにもこうしているような感じに、ノーと言っているような感じに取られない配慮をきちんとした上で法律として対応していく必要があると思って、既に事務方には指示をいたしております。
#472
○片山虎之助君 出資規制といいますと、今、日本の放送事業にはマスコミ集中排除原則というのがあるんですよ。根拠は電波法にあって、いろんな下の、下位の法令できちっと数字を出しているんですけれども、ところが、これを第三者名義その他で違反している会社が一杯ある。七十二か何かあって、せんだって総務大臣が注意をしたのか勧告したのかと思いますけれども。しかし、これまで全く分からなかったというのは総務省の怠慢じゃないですか。免許の更新のときだけチェックしたのかどうか知りませんけれども、放送というのは極めて公共性これ高いんですよ、今言いましたように。(発言する者あり)ううん、いやいや、私の前からだから。郵政大臣のころからじゃないですか。総理も郵政大臣ですからね。いや、総理のころからなんですよ、恐らく。
 だからこの際、この際、今までのやり方はやり方として、いろんな理由があったと思いますよ、それは。あったと思うけれども、今後はきちっとやると。こういうことでひとつ、チェックの体制というのか仕組みというのか、そういうものについてお考えいただきたいと思いますが、今の総務大臣、いかがですか。
#473
○国務大臣(麻生太郎君) これはちょっと、少々時間をいただかないと、分かった者同士で話しても、これは全然、先ほど言われたように、外にはつながらないところだと存じますので。
 テレビ会社というものを、これだけ大きくなるという予定をしてない時代に、ラジオのときから少しずつ始めて、テレビができてFMができて、いろいろな意味で放送網ができてきたときに、地方にローカル局をというんでいろいろ努力して、当時の郵政省が率先していろいろつくらせたというのは事実で、それはそれなりにコミュニティーとして結構な放送網になったところまでは確かなんだと存じます。
 ところが、今回見ていただいても分かりますように、やっぱり資本力の少ない地方の方が多く重なったというのは、やっぱりその地方で買ってくださいと、株買ってといっても、買ってくれるだけの大きな企業がないんですよ。ここのところが一番しんどいところでありまして、そういうところを一〇%と、十社探してこいと言われても、なかなかないというのが一つの背景として私どもは今回なった大きな理由だと思っております。
 また、私ども、しかし法律は法律ですから、きちんとしてやっていただくということで、三月末までにほとんどきちっとした形になるようにいたしましたし、大臣名でいわゆる警告、これできなければ次には免許証取消し。余裕が全然ありませんので、裁量権が全然なく、ぱさっとその場で営業停止というルールになっておりますから、事は結構大変なことになると思いますので、私どもとしては、その点は正しき指導をしていくと同時に、今言われましたように、やっぱり一〇%というのが、果たして地域でそれが持てるかというところは、ちょっと正直申し上げて難しいところがあるかなというところも併せて考えにゃいかぬというところも、二つ両方、ちょっとなかなかまだ結論下ろせるところには至っておりませんけれども、三月までの段階では少なくとも当面の法律は当面の法律ですから、きちんとやらせます。その後でいろんな形につきましては検討させていただきます。
#474
○片山虎之助君 それは麻生大臣の言われるように、今の集中排除原則が正しいのかどうかというのもあるんですよ。
 私のときにも、そういうことを言っちゃいけませんが、見直したんですが、私は、これ見直すというのは結構だと思う。しかし、今は今の原則が法定なんですから、これはきちっと守ってもらって、今は、それはけじめを付けていただくということが、私、必要じゃなかろうかと、こういうふうに思っておりますので、それはひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
 それで次に、景気、経済の問題に入りますけれども、今、景気は踊り場にあると、こう言われております。踊り場といってもよく分かりませんが、まあ横ばいでということなんでしょう。
 しかし、いろんな速報値を見ると、去年の四月―六月が〇・二のマイナス、七月―九月が〇・三、十月―十二月がマイナス〇・一と、こういうことになって、踊り場というのはいつまで続くんでしょうか。ずっと踊って、踊り続ける、そう思いますけれども、竹中大臣、どうですか。
#475
○国務大臣(竹中平蔵君) 先般の月例経済報告の後で、私はやや長い踊り場になっているということを申し上げさせていただきました。
 委員御指摘のように、経済全体としては大局的に見ると回復の局面にあるけれども、やはり一時的に弱い動きが出ていると。幸いにして、一番近い鉱工業生産について、一月は前年比プラスの二・一になりまして、これは昨年五月のピークの水準を上回ったと。その意味では、景気は、数字はやっぱりまだら模様でございます。総じて在庫水準が全体としては低い、そして設備投資循環から見てもまだ景気が下折れする段階ではない、そのような判断をしております。
 そうした観点から、いつまでかということに関しては、これは私、個人的には年央からこの踊り場を脱する動きが出てくるということを期待して見ているというふうにいつも申し上げているところでございます。
#476
○片山虎之助君 四半期が三期続いてマイナスなら、それは下降だという意見もあるんだそうですね。それで、問題は、これから一―三ですから、今進行中の、ですね。それで、来年度の経済見通しは、あれでしょう、プラス一・実質が六で、名目はプラス一・三だったですよね。それは確保できますか。
#477
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほどちょっと鉱工業生産、私、前年比と言ったようでございますが、前月比でございます。
 委員の御指摘、二点あります。
 まず、最後の一・六%の実質成長、そして一・三%の名目成長、確保できるかということでございますが、私たちは基本的に日本の今の経済の実力といいますか、潜在的、本来の成長力というのは一・五%から二%ぐらいの間にあるというふうに思っております。その意味では、幾つかの条件が整えば本来の成長力程度の成長を実現できるだろうということで一・六%の成長を掲げているところでございます。これは幾つかの要因がもちろんあるわけですけれども、海外の経済の要因、そしてIT部門の良好等々ありますけれども、私たちとしては現時点ではその達成が可能であると、あろうというふうに見越しております。
 そして、前半でお尋ねの三期連続マイナスだと下降ではないかという御指摘。これはいろんな御意見があると思いますが、経済の状況というのは常に景気循環のいわゆるパターンも変わってまいりますから、やはり総合的な判断をしなければいけないと思います。この指標だけマイナス三期だったらどうかということではやはりないのだろうと思っております。総合的に考えて、現状では踊り場にあって、回復は可能であろうというふうに考えております。
#478
○片山虎之助君 今日はテレビですから国民の皆さんに分かっていただきたいんですが、日本の景気を左右する要因はアメリカの景気でしょう、中国の景気、IT関係ですね、今在庫がどうなっているとかという。それから、あとは油ですよね。油もまだ四十七、八ドルじゃないですか。それから、あとは個人消費。個人消費も、暖冬だなんといいますけれども、やっぱり個人への還元率が低いですよね、いろんな指標を見ますと。
 企業の収益は大きいけれども、それが必ずしも個々の所得につながっているかどうかというような意見がありますが、それらについてどうですか、竹中大臣。
#479
○国務大臣(竹中平蔵君) 今、片山委員はすべての要因、全部今御指摘くださったわけですが、その中で何といっても一番重要なのはやはり個人消費だと私も思います。企業が収益を回復している、それが家計部門になかなか及ばないという状況が続いているわけでございますが、最近になりましてようやく雇用者報酬にそれがプラスに反映し始めたという動きが出ておりますので、私たちとしてはそれは何とか是非実現していきたい、企業から家計への流れを実現して、個人消費に支えられた景気回復にしていきたいというふうに思っております。
#480
○片山虎之助君 どうですか、そのアメリカや中国は大丈夫ですか、竹中さん。分かりやすく、みんな。
#481
○国務大臣(竹中平蔵君) もう一つ、海外要因でアメリカと中国が大変重要であるというのは承知をしております。
 その点でいいますと、実は日本の経済が今踊り場的状況になっている一つの要因もやはりアメリカにあったわけです。去年、前半に原油の値段が高くなりまして、その結果として去年の四―六月ぐらいにアメリカの消費が落ち込んだ。それが半年ぐらい遅れて日本の輸出の弱含みになって、そして日本が踊り場になっていると。その意味でアメリカは大変重要でございます。
 しかしながら、アメリカの多くの専門家の予測では、アメリカの経済、今年は引き続きしっかりとした回復を続けるであろうというふうに見越しております。おおむね三・五%、三・六%ぐらいの成長を年間を通して続けるであろうというふうに、アメリカの専門家のこれはコンセンサスでございまして、そうした点からいいますと、海外的な要因としては明らかに日本にはこれは良い状況であろうかと思います。
 それからもう一つ、中国も大変重要でございます。中国、二〇〇四年の経済成長率九・四、五%、まあ九%であったというふうに考えられております。OECDの見通しではその中国どうなるかと。今年はやはり八%ぐらいの見通しが、経済成長が可能であろうというふうに見ておりますので、九・五から八にやや減速はするかもしれませんけれども、引き続き中国もしっかりとした成長を続ける。
 そうしたことを反映して、アジア、ヨーロッパの経済もそれなりの回復を続くというふうに見ておりますので、海外の要因から考えましても、日本の景気回復を支えていくような環境はこれはしっかりあるというふうに考えているところでございます。先ほど申し上げましたように、年央にかけてこの踊り場から脱することができるように注意深く経済を見ていきたいと思っております。
#482
○片山虎之助君 何でこういうことを言うかといいますと、やっと地方は日が差してき出したんですね。地方経済良くないものですから、また恐らく、中小企業もいろんな種類がありますけれども、中小企業や非製造業も良くなってきた。踊り場からまた下降されたら、地方経済や中小企業は浮かばれないということになる。そういう意味では、是非景気を上向かせていただくということが必要だと、こういうふうに思いますけれども。
 ただ、地方の経済を見たときに、いいところと悪いところがかなり差がありますですね。東海なんか物すごいいいけれども、まあいろんなことが行われますからね、空港もできたし万博もあるし。しかし、北海道や九州・沖縄なんか良くないですね。このまだら模様というのか、地域ごとにかなりな差があることについてはどういうふうに認識されて、その対応は何かお考えですか。
#483
○国務大臣(竹中平蔵君) 経済全体が回復局面にある中で、地域間にかなりのばらつきが見られているというのは委員の御指摘のとおりでありまして、これが正に私たちが取り組まなければいけない新しい構造問題であるというふうに思っております。地域的に見ますと、おおむね関東、東海、そして委員の中国というのは比較的いいと。北海道、そして四国等々が非常に厳しいという状況になっていようかと思います。
 従来の景気回復というのは、どちらかというと官需、公需、財政を出動して公共投資等々で引っ張り上げてきたというパターンが多かったものですから、そういう意味では、全国一律にある程度予算を付けて全国一律に回復を実現することができたという経緯がございます。しかし、今は財政が厳しい中で、民間需要主導で回復をしているわけでありますので、そうした民間需要が、今良い民間部門がある地域、IT関連部門、輸送機械等々が比較的ある東海地域等々では景気が平均よりも良いけれども、北海道、四国等々ではそうではないという状況になっているわけでございます。
 それに対してどのように対応していくかというのは、これは私たちにとっても極めて重要な問題でございます。委員が正に総務大臣をしておられますときに御相談をして、二年、一年半前ですか、に地域再生本部を政府の中につくりまして、総理が本部長になっていただきまして、地域再生に全面的に、全省協力して取り組むという体制をつくったところでございます。
 そうした中で、例えば特区を活用して、地域再生のプログラムを活用して、これはまあ、やはり地域地域でその特徴を生かした非常にしっかりとしたそのプログラムを出していただいて、それを可能な範囲で政府が助けるという形で、地域にふさわしい再生をしていく以外にこれはもう方法はないのであろうというふうに思っております。
 特区に関しましては、村上大臣、引き続き大変精力的に今取り組んでくださっておられますけれども、そうした中で幾つか明るい非常に注目すべき動きも出てきているところでございますので、この動きを更に伸ばすことによって、そして全国的にはもう一つ、観光の問題ですね、観光の振興を更に強めることによりまして、この地域間の格差という新しい構造問題に是非対処していきたいというふうに思っております。
#484
○片山虎之助君 やっぱりそのリーディング産業、しっかりしたところがないところはやっぱりあれなんだと思いますけれども、今いろんな施策を総合的にお考えいただいて、悪いところを中心にいろんな対応を取っていただければ有り難いと、こういうふうに思います。
 そこで、今年の四月って、もうすぐですけれども、ペイオフが解禁になりますが、極めて平穏ですね。昨日かおとといの新聞に、ペイオフ商品が花盛りで好調だと、こう出ておりますけれども、ペイオフ解禁、何の問題もないですか。それで、もう一つ、それじゃ、国民の皆さん見ていますから、こういうことは気を付けた方がいいよというのがあったら教えてあげてやってくださいよ。
#485
○国務大臣(伊藤達也君) ペイオフ解禁拡大は、市場規律、そして預金者の方々の選択の下に、金融機関の方々が一層緊張感を持って真剣に経営基盤を強化をしていただき、収益力を向上していくと。そうした努力を積み重ねることによって金融システム全体が効率化していくと。そうした観点から、予定どおり来月実施をさせていただきたいというふうに思っております。
 こうした実施を円滑に実施していくためにも、政府といたしましては今日まで金融再生プログラム、そしてリレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム、この諸施策というものを展開をさせていただいて、その成果として、主要行につきましては不良債権比率が十六年九月期におきましては四・七%まで低下をしてまいりました。十四年三月期の不良債権比率をおおむね半減をしていくと、こういう目標を立てているわけでありますが、この目標に向かって順調に低下をしているというふうに思っております。中小、地域の金融機関も、不良債権比率は全体として低下をしてきておりますし、自己資本比率も改善をしてきておりますので、全体としては順調に進捗をしているというふうに思っております。
 政府といたしましては、このペイオフ解禁拡大の制度を国民の皆様方に周知徹底をしていくと。そのために広報活動というものをより積極的に進めていきたいというふうに思っておりますし、また金融機関の方々も、自らの経営の健全性、そして業務の内容というものを分かりやすく丁寧に説明をしていただくことが非常に重要だというふうに思っておりますし、利用者の方々もそういう情報というものを積極的に活用していただいて、そして金融サービスを選択するときの参考に是非していただきたいというふうに思っております。
#486
○片山虎之助君 今地方銀行で危ないとか、まあそんなことはあれですけれども、そういう心配は今はないというふうにお聞きしましたしね。まあ広報は大いにやってください、あの郵政の方もいろいろ広報をおやりになっていますから、負けずにひとつペイオフの方も広報をしていただきますように。
 それから次に、今日は日銀の総裁がお見えでありますけれども、金融緩和政策はお続けになる。長いですね、もう。もうこれが普通になってきましたよ、いや本当に。じゃぶじゃぶと言ったらいけませんがね、金融が緩和されてもうゼロ金利、低金利というのが、これはいつまで続くんですか。
#487
○参考人(福井俊彦君) 御指摘のとおり、今の量的緩和という枠組みになりましてからもう既に四年でございます。それ以前からいわゆるゼロ金利政策の局面に入っておりますので、私どもも本当にこれは長いことやっている、預金者の皆様方、年金生活者の皆様方に大変御負担をお掛けしていると大変心苦しく思いながら、しかし我慢してこれを続けております。
 日本銀行から見ましても、日本の景気は踊り場をそういつまでも続けるんではなくて、やはりいずれいい方向に変わると思っていますし、もっと長い時間軸で見ましても、今委員から御指摘がありましたとおり、過去非常に長い苦しい時期を経てようやくペイオフの完全解禁ができるところまで来たと。大変な前進をしたと思っておりますが、しかしやっぱり将来を見通しますと、これは大きな一里塚ですが、やっぱり一里塚と。これから景気を持続的な回復の軌道にしっかり乗せていき、その裏腹の現象としてデフレからは完全に脱却し、将来に向かって日本経済が自律的に安定的な動きをするということにしませんと、残っている財政再建とか社会保障制度の改革とか、本当に国民生活が将来安心して生活設計ができるという状況には到達しにくいわけですので、これからが前向きの本番ということで、いましばらく預金者の方々に我慢をお願いして、私どもは経済がもう少し前進するまで我慢強く緩和政策を続けさせていただきたいと、そういうふうにお願いしておるところでございます。
#488
○片山虎之助君 はい。さようひとつ日銀総裁よろしく頼みます。私は同期ですから。(発言する者あり)関係ないな。
 資産デフレ対策ね、もう毎回質問をさせていただくんですが、その地価、株価の動向がどうなりますか。それ、それまたその対応ね。特に地価は地方は上がらない。東京や大都市圏は下げ止まったり上がっていますよ。これが地方経済がもう一つ元気がない理由なんですよ。それについてはひとつ、竹中大臣になるんでしょうね、はい。
#489
○国務大臣(竹中平蔵君) 正に、バブルの崩壊というのは資産価格が大きく低下するということであったわけでありますから、その資産価格の低下、資産デフレをどのように克服していくかというのは、これはもう経済政策上も最も重要な問題であるということは間違いありません。
 最近の資産価格の動きを見ますと、一部の地価に変化の兆しが見えると、下げ止まって都心の一部では上がるところも見られてきた、株価も緩やかではあるけれども改善しているということで、基本的には資産デフレについて新しい動きが、改善の動きが出ているということは事実であろうかというふうに思っております。
 しかし同時に、この資産デフレというのは、それを止める特効薬がないということもこれまた事実でございます。土地の値段は何で決まるのか、株の値段は何で決まるのかと。それはやはり土地が、この土地が将来いろいろ事業をやったら新しい利益を生み出していくんだと、そういう形をつくらない限り地価というのは上がらないわけでありますし、株価も別に打ち出の小づちがあるわけではなくて、この日本の企業全体が将来更に成長して、更に利益を上げていくという形が出てこないと株価は上がらないわけでございますから、その意味では考えられるいろんなことを少しずつ地道に、しかしやはり総合的にやっていくということに尽きるんだと思います。
 地価に関しては、その意味では土地はやっぱり利用価値を高めるということが一番大事だと思います。最近の特徴として、同じ六本木の非常に似た地域でも、それがある程度広くて非常にきれいな形をしている土地は高い、しかしそのすぐ隣にあるけれども、土地が狭くて形が悪いような、そういう土地の値段は極めて低いと。やはり、これはもう一にも二にも利用価値に懸かっているわけであります。
 したがって、小泉内閣としては、内閣ができた当初からやはりこれは都市再生だと、都市の再生プロジェクト等々を通して土地の利用価値を高める、都市が便利になれば、都市が良くなればその周りの地価も更に上がっていく。その意味では、稚内から石垣までという例の都市再生のプロジェクトの促進は極めて重要であろうかと思っております。
 同時に、土地建物譲渡益課税等々の軽減の継続、そして金融・証券税制の軽減、簡素化等々、これは内閣としてずっと取り組んできましたですけれども、新しいその税制をしっかりと浸透して有効に活用していただく。さらに、今後それを良くしていく方向を模索するということ、これまた重要なポイントであろうかというふうに思っております。
 土地等々、株、これは言うまでもなく、企業のバランスシートに反映をして、その企業の投資行動等々を決めていくものでもありますし、株価は心理的なものも含めて私たちの経済指標として最も重要なものであろうかと思っておりますので、今申し上げたような利用価値を高める、企業の価値を高める、そのための改革を総合的に進めていきたいと思っております。
#490
○片山虎之助君 伊藤金融大臣、伊藤大臣、株の方の担当でしょう。
#491
○国務大臣(伊藤達也君) 私どもといたしましては、やはり証券市場の構造改革、活性化というものを推進をしていかなければいけないというふうに考えております。
 今日までもそうした観点から改革を推進をさしていただいたところでございますけれども、税制の面におきましては、やはり個人投資家の方々が参加をしていただいて、そして証券市場というものを活性化していくことが非常に重要でありますから、そうした税制改革を進めていくことが非常に重要だという認識を引き続き持っておりますし、また、先ほど来の質問でありますけれども、いわゆる市場の信頼性、公正性というものは非常に大切なことでありますから、こうしたものを確保していくための適切な対応というものを続けていかなければいけないというふうに思っております。
#492
○片山虎之助君 地価の問題について、村上特命大臣、どうですか。(発言する者あり)都市再生担当大臣。あっ、地域再生。済みません、地域再生。
#493
○国務大臣(村上誠一郎君) 地域再生ででしょう。要するに、私は特区と地域再生担当でありますが、特に今回、先生方にお願いしている地域再生法は、今まで補助金は、例えば下水は国交省、それから集落排水は農水省、それであとは環境省と三つに分かれていました。それを戦後初めて一括の補助金にしまして、例えば地域再生室ができますと、そこへ来れば、今まで各省庁を回っていたのがワンストップ窓口ですべて解決できると、まあそういうふうになったと。
 それからまた、地域再生においていろいろ資金を集める場合、なかなか利益が上がりづらいんでなかなか資本を出してくれないわけですけれども、それとして、税の特別措置をすることによってそういう地域再生のための資金を出しやすい税制にします。
 それから、五十年前にありました補助金適正化法を改革しまして、ほかの目的でつくった、補助金でつくったものも別な用途に流用できると、そういうことです。正に、その地域再生法と今までやってきた特区を絡めて、それぞれの地域の特性、特に特徴を引き出して、いろいろな雇用や地域の活性化を引き出していきたいと、そういうふうに考えています。
 そういうことで、一生懸命頑張りたいと思いますので、参議院の先生方の御理解と御支援、よろしくお願いします。
 どうもありがとうございました。
#494
○片山虎之助君 そこで、次に財政問題に入りますが、もう余り時間がありませんが、それじゃ、その経済財政諮問会議の中期展望で、二〇一二年にはプライマリーバランスが黒字になると、プラスになると、こういうあれですが、本当にそうですか。
#495
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、日本の財政はもう大変悪い状況で、この平成十七年度が終わりましたときに国の借金だけで五百三十八兆ということでございまして、先進国でも一番悪い状況と。何とかこれを克服しなきゃならないという目標が、今、片山委員のおっしゃったプライマリーバランスを回復するという、難しい言葉ですが、要するにその年いただいた税金でその年の政策を打っていけるようにしようと、それでツケを後の世代にもう残さないようにしようと、当たり前のことですが、これが今全然できておりません。
 国で申しますと、平成十九年度の予算では、その意味でのそのバランスが取れているかというと、赤字が十六兆をちょっと切ったところと。平成十六年度では十九兆を超えておりました。まあ確かに三兆良くしたわけでございまして、これは少し景気が良くなってきて税金なんかの入り方も良くなってきたということがあるわけでございます。
 それで、今おっしゃった「改革と展望」というのが、内閣府で作っていただいて、これは閣議決定もしておるわけですが、その中に、二〇一〇年代初頭にプライマリーバランス、つまりその年の税金でその年の政策を打てるようにせよという目標が書いてあるわけですが、それをどうやって達成していくかというのを、その付表がございまして、作っていただいております。それは、二〇一二年には、いろんな前提がございますけれども、二〇一二年にはそのバランスが取れるという一つの試算を出しております。ですから、我々はやっぱりそれを一つの目標として頑張らなければいけないんですが。
 率直に申しますと、率直に申しますとこれはいろんな前提を置いて、いろんな改革が非常にうまくいって、要するに景気も良くなり税収も順調に入ってくる、それでこうできるという、何というんでしょうか、昔から財政を良くする、良くするには結局三つしか手段がないわけで、入るを量っていずるを制す、歳出をできるだけ抑える、それから歳入を増やす、そして全体の景気が良くなって調子が良くなってくると。三つしかないわけですが、どちらかというと今おっしゃった表は、試算は、歳出をカットして、そして全体が伸びていくということだけで考えております。
 私はやっぱり、かなりこれは、言わば最善の、要するに、何というんでしょうか、結果を出すとこういうことができないわけでもないが、これは極めて胸突き八丁でございますから、私はやはりさっき申しました入るを量っていずるを制す、そうして全体の体力を高めてやっていくと、この三拍子を合わせてこの目標を達成していくということではないかと思っております。
#496
○片山虎之助君 言われるとおりなんですね。最善なんですよ。だから、財務省の方の後年度影響試算ではこんなことになっていませんよね。だから二本立てなんですよ、内閣府の作るやつと。最善のもの、極めて楽観的なもの、それから財務省の幾らか悲観的なもの、物すごく悲観的でもないけれども。だから、これは同じ内閣のものとしておかしいんじゃないですかね。
#497
○国務大臣(谷垣禎一君) 財務省の方も後年度試算というものを出しておりまして、これはどちらかというと、何もしないでと言うと言葉が悪うございますが、結局、今の仕組みを前提として、そのままいくとこうなるぞといって、これはかなり暗い見通しになっているわけですね。
 それで、二つあるのはおかしいというのが今の片山委員の御意見でございますが、これ、結局やっぱり二〇一二年代初頭というようなことになりますと、経済もいろいろ動きます。やっぱりいろんな想定をしておかなきゃいけないんだろうと思っておりまして、二つありますので、いろんな議論があって、楽観過ぎるじゃないか、悲観過ぎるじゃないかと、いろいろありますけれども、要するに、これ両方を議論の、御議論のたたき台にしていただいて、一番やっぱりいい道を選択していかなきゃいけないと、こういうふうに思っております。
#498
○片山虎之助君 内閣府の方は閣議決定なんですよ。財務省の方は閣議報告なんだ。
#499
○国務大臣(谷垣禎一君) 内閣府の方は、本体は、「改革と展望」は閣議決定なんです。ただ、委員がおっしゃった試算は参考資料で、付録に付いていると言うといけませんが、参考資料、あくまで参考資料なんです。それで、私たちがお出ししているのは、これは予算審議の参考に、予算委員会に提出をしているという、こういう位置付けでございます。
#500
○片山虎之助君 それじゃ、付録の方の担当大臣、竹中大臣。
#501
○国務大臣(竹中平蔵君) 付録と言われましたが、参考資料、参考資料でございます。
 経済財政諮問会議、これは正に委員が総務大臣のときに御参加をいただいて、その二〇〇一年の諮問会議で、これはやっぱり本当に難しいと、財政は健全化させなければいけない、しかし急激にやると経済を冷やす、それをどんなふうに両立させようかと本当に我々御一緒に知恵を絞ったわけであります。
 そのためには、やはり基礎的財政収支、今言ったように年間の、年額の政策費、経費をその年の税金で賄うことを目標にしようと。そうすることによって、それをまあ一義的、第一義的な目標にして、その財政を安定させようと。それを目標に設定したわけでございます。
 そのために実は、これは御記憶だと思いますが、二段階で財政の健全化を考えようと。一つは二〇〇六年までだと。二〇〇六年までは何をやるかというと、政府の規模を大きくしない、財政支出をGDPの比率で見て一定に保とうと。その間に経済を良くして税収を上げてできるところまでやろうと。しかし、そのやり方で二〇〇七年度以降もいけるかどうかについては二〇〇六年度までに結論を出そうと。そういう二段階で考えているわけでございます。
 その第一段階が終盤に近付いて、かつ第一段階が、幸いにしてこの二年間予定どおりにその基礎的財政の赤字を改善に向かわしめているという今段階にありますので、これを辛抱強くあと二年やるということ、そしてそれ以降の第二段階についてどのようにするかということを、先ほどの財務大臣の御指摘も踏まえて、しっかりと今年から議論をしていくということではないかと思っております。
#502
○片山虎之助君 もう今日の分はこれで終わります。また明日、よろしくお願いします。
#503
○委員長(中曽根弘文君) 残余の質疑は明日に譲ることといたします。
 明日は午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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