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2005/03/08 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 予算委員会 第7号
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2005/03/08 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 予算委員会 第7号

#1
第162回国会 予算委員会 第7号
平成十七年三月八日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月七日
    辞任         補欠選任
     大門実紀史君     小林美恵子君
     福島みずほ君     近藤 正道君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中曽根弘文君
    理 事
                阿部 正俊君
                椎名 一保君
                野上浩太郎君
                舛添 要一君
                若林 正俊君
                池口 修次君
                小川 勝也君
                福山 哲郎君
                荒木 清寛君
    委 員
                秋元  司君
                浅野 勝人君
                泉  信也君
                市川 一朗君
                岩永 浩美君
                大仁田 厚君
                大野つや子君
                岡田  広君
                世耕 弘成君
                関口 昌一君
                田村耕太郎君
                中島 啓雄君
                長谷川憲正君
                松村 龍二君
                山崎  力君
                山谷えり子君
                犬塚 直史君
                小川 敏夫君
                大塚 耕平君
                小林 正夫君
                主濱  了君
                辻  泰弘君
                白  眞勲君
                平野 達男君
                前川 清成君
                前田 武志君
                松下 新平君
                水岡 俊一君
                山本 孝史君
                風間  昶君
                福本 潤一君
                山本 香苗君
                紙  智子君
                小林美恵子君
                近藤 正道君
   国務大臣
       総務大臣     麻生 太郎君
       法務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(青少年
       育成及び少子化
       対策))     南野知惠子君
       外務大臣     町村 信孝君
       財務大臣     谷垣 禎一君
       文部科学大臣   中山 成彬君
       厚生労働大臣   尾辻 秀久君
       農林水産大臣   島村 宜伸君
       経済産業大臣   中川 昭一君
       国土交通大臣   北側 一雄君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策))  小池百合子君
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (内閣府特命担
       当大臣(男女共
       同参画))    細田 博之君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        村田 吉隆君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        伊藤 達也君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    竹中 平蔵君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(科学技
       術政策、食品安
       全))      棚橋 泰文君
   副大臣
       内閣府副大臣   西川 公也君
       法務副大臣    滝   実君
       外務副大臣    谷川 秀善君
       財務副大臣    上田  勇君
       文部科学副大臣  塩谷  立君
       農林水産副大臣  常田 享詳君
       経済産業副大臣  保坂 三蔵君
       環境副大臣    高野 博師君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        木村  勉君
       内閣府大臣政務
       官        西銘順志郎君
       総務大臣政務官  山本  保君
       法務大臣政務官  富田 茂之君
       財務大臣政務官  段本 幸男君
       農林水産大臣政
       務官       加治屋義人君
       国土交通大臣政
       務官       伊達 忠一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村松  帝君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        林  幸秀君
       警察庁生活安全
       局長       伊藤 哲朗君
       警察庁交通局長  矢代 隆義君
       総務省自治行政
       局選挙部長    久保 信保君
       総務省情報通信
       政策局長     堀江 正弘君
       法務省民事局長  寺田 逸郎君
       法務省刑事局長  大林  宏君
       外務大臣官房審
       議官       鶴岡 公二君
       外務大臣官房国
       際社会協力部長  神余 隆博君
       外務省経済局長  石川  薫君
       外務省国際法局
       長        林  景一君
       文部科学省初等
       中等教育局長   銭谷 眞美君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  金森 越哉君
       文部科学省科学
       技術・学術政策
       局長       有本 建男君
       文部科学省研究
       開発局長     坂田 東一君
       厚生労働省医政
       局長       岩尾總一郎君
       厚生労働省健康
       局長       田中 慶司君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       伍藤 忠春君
       厚生労働省老健
       局長       中村 秀一君
       厚生労働省保険
       局長       水田 邦雄君
       社会保険庁運営
       部長       青柳 親房君
       農林水産省消費
       ・安全局長    中川  坦君
       林野庁長官    前田 直登君
       資源エネルギー
       庁長官      小平 信因君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院長     松永 和夫君
       国土交通省道路
       局長       谷口 博昭君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成十七年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十七年度特別会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十七年度政府関係機関予算(内閣提出、衆
 議院送付)
○公聴会開会承認要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(中曽根弘文君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成十七年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は、一般質疑を百二十分行うこととし、各会派への割当て時間は、自由民主党三十分、民主党・新緑風会六十三分、公明党十五分、日本共産党八分、社会民主党・護憲連合四分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
#3
○委員長(中曽根弘文君) 平成十七年度一般会計予算、平成十七年度特別会計予算、平成十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。松村龍二君。
#4
○松村龍二君 おはようございます。
 今朝の新聞を見ましたところ、参議院の予算委員会は片道式がいいのか往復式がいいのかというふうな記事がございましたが、なるべくその片道式のメリットを生かすような質問をしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 私は、日本のエネルギーの問題についてお伺いいたしたいと思います。
 エネルギー確保は国家自立の基本であると認識いたします。顧みますと、一九七〇年代にオイルショックが発生して、我が国の産業構造に大きな変化がありました。また、最近の動きを見ますと、昨年来石油価格が、オイルショックのときに三十ドルを超えるといって大騒ぎでありましたけれども五十ドルを、バーレル五十ドルを超えるようになったと。正にエネルギー高価格時代に突入したんではないかというふうに思います。
 また、中国、インドなど、アジア地域のエネルギー事情が激変しております。中国は経済成長とともに石油輸入国となっております。エネルギー源である石油の流れ、すなわち世界的な石油の量の流れが変わりつつあるのではないかというふうに思います。エネルギー価格と量の流れに大きな変化が生じている中で、国民生活の安定を図り豊かさを維持するためには、エネルギーがこれまでと同様にしっかりと確保されなければなりません。
 我が国のエネルギー確保の状況について、経済産業大臣にお伺いします。
#5
○国務大臣(中川昭一君) 日本はもとよりエネルギーが、特に化石エネルギーがほとんど海外に依存しているという状況でございますので、安定的にまた中長期的にエネルギーを確保するということが国の政策としても非常に大事なことだというふうに思っております。
 そういう中で、今御指摘のように、いわゆるオイルショックのときに石油に過度に依存をしていたという、七七%を石油に依存をしていたということの反省を踏まえまして、多様なエネルギーの確保ということで原子力あるいは天然ガス等々にも、きちっと確保していくということが大事だというふうに考えております。
 今御指摘のように、中国、インド等が非常にエネルギー確保に大変な、非常に大きなエネルギー確保のために中国、インドが頑張っているわけでございまして、そういう中で、今御指摘のように、例えばニューヨークのWTI、あるいはまた日本ですと直接関係ありますドバイの原油価格が非常に今高騰している状況でございますので、今後ますます多様な、また安定的なエネルギー確保が必要だというふうに考えております。
 と同時に、省エネ、あるいはまた原子力あるいは天然ガスと、あるいはまた再生可能エネルギーの導入促進といったことも重要だと考えておりますし、またロシアの、いわゆるシベリアあるいはまたサハリンのエネルギー確保に向けて今作業をいろいろやっているところでございまして、これからも安定的なエネルギーを確保していくということが重要であると同時に、またアジア各国とエネルギーの連携強化という取組にもこれからまた一層重要性が増してくると思っておりますので、その面でも配慮をしていきたいというふうに考えております。
#6
○松村龍二君 中川大臣は、中国の、日本との経済水域を接するような海域の石油開発についてもいち早く目を付けられて御発言いただいておる、行動していただいておる。心から敬意を表するわけですが。
 我が国のエネルギー経済の専門家でありますエネルギー経済研究所理事長の内藤さんから先般参議院としてお話を聞いたんですが、世界の人々は、日本人はつぼの中に入って顔を見合わしているように見えると、各国が非常にたくましくこのエネルギーの開発に戦略的な視野で行動しているときに、日本人は今つぼの中に入ってお互い顔を見合わせているように見えるがどうしてかというようなことを聞かれたというような話も伺っているわけですが。
 ところで、現在、日本の中東、石油の中東依存度がオイルショック時よりも高く、八〇%を超えて九〇%にも近づく状況であるというふうに聞きますが、オイルショックが再発すれば国民生活に大きな影響を与えると考えられますけれども、再発の可能性に関する見解をお伺いします。
#7
○国務大臣(中川昭一君) 去年から石油価格が非常に上昇して、今、先ほど申し上げましたように、WTIあるいはまた中東の原油が非常に高い水準になっております。
 そういう中で、私ども主要な石油輸入国として、輸出国、特に中東のいわゆるOPEC諸国とより緊密な話合いをして、これは暴騰するということは産油国にとっても必ずしもプラスにならないんだということで、折に触れて中東産油国と話合いをしているところでございます。
 そういう意味で、今御指摘のように中東への依存度が非常に高い、あるいはまた、御指摘のように中国、インド、その他の国々がある意味では石油確保の激しい競争をやっているわけでございますので、多様なエネルギー供給確保と同時に、やはり安定的な石油の確保という両面からやることによって、第一次、第二次オイルショックのような国民生活に大きな影響を及ぼすようなことがないように注意深く見守り、そしてまた、きちっと対策を取り、また、御指導をいただきながら頑張っていきたいというふうに考えております。
#8
○松村龍二君 地球温暖化問題は二十一世紀の最も大きな問題になりつつあります。
 京都議定書がロシア署名とともに今年の二月十六日に発効したわけでありますが、京都議定書が採択された後も、我が国の景気回復基調によって二酸化炭素排出量は伸びており、我が国は現在よりも、昨日もお話ございましたが、一四%以上の相当に厳しい二酸化炭素の排出量削減を行わなければならないと言われております。無駄なエネルギーの利用を行わないなどの節約は必要でありますが、国民に過度の負担を強いることも好ましくないと思われます。
 この地球温暖化対策につきまして、具体的な方策があるのか、政府の対策はどうであるか、具体的なアクションプランは示されているのか、お伺いします。
#9
○国務大臣(小池百合子君) 現在、この京都議定書の約束をしっかり守るための算段ということで、政府全体といたしまして、これまでは地球温暖化対策推進大綱において、エネルギー供給面における二酸化炭素排出量の削減対策、これの柱の一つとして、例えば原子力などについても安全性の確保を大前提として推進を掲げてまいりました。
 それから、先ほどからいろいろと御質問の中に、また御答弁の中にありましたけれども、エネルギー源の確保、そしてまた、それと同時に環境に対しての配慮がどうなっているのか、総合的に考えて、現在、京都議定書目標達成計画を策定中でございます。こちらにつきましては、四月の下旬から五月に策定をいたしまして閣議決定の運びとさせていただきたいと思っております。
 ありとあらゆる形でこの一四、現在では一四%、九〇年に比べましてマイナス六%の目標を達成できますように、あらゆる施策を盛り込んでまいりたいと思っております。
#10
○松村龍二君 この問題に対応するために、せっかく我が国の国是でもあります科学技術創造立国の理念に基づいて、科学技術の英知を結集してこの問題をクリアしていくことが必要であると思いますが、科学技術政策担当大臣のお考えをお伺いします。
#11
○国務大臣(棚橋泰文君) お答えをいたします。
 松村先生全くおっしゃるとおりでございまして、地球温暖化問題の克服と、よく総理がおっしゃいますが、環境保護と経済発展の両立を図る、このことはこれからの科学技術に課せられた最重要なテーマの一つだと私どもも認識しております。
 そういう前提の下で、科学技術基本計画におきましては環境分野をいわゆる重点四分野の一つとして取り上げておりまして、その中で地球温暖化に係る研究開発に対しても資源配分の重点化を図ってまいりました。
 ちなみに、総合科学技術会議におきましては、平成十五年四月二十一日に地球温暖化対策技術の研究開発に関する戦略、これを決定しておりまして、その中で住宅やビルの省エネ化あるいは太陽光発電など地球温暖化対策上重要な技術課題、これも明らかにした上で、その重点的な研究開発の推進、導入、普及の促進を図っているところでございます。
 温暖化対策の問題は、エネルギー政策とある意味では車の両輪として相まった上で、中長期的かついわゆるグローバルな視点から国がリーダーシップを持って科学技術による取組を進めていくことが大変重要だと思っておりまして、先生の御指摘も踏まえながら、関係省庁との連携を図った上で地球温暖化対策に資する科学技術政策を積極的に推進してまいりたいと思っております。
#12
○松村龍二君 二〇〇二年六月にエネルギー政策基本法が制定されまして、これに基づくエネルギー基本計画が二〇〇三年十月に策定されております。
 基本計画と京都議定書への対応と整合が取れているのか、経済産業大臣に伺います。
#13
○国務大臣(中川昭一君) エネルギー政策基本法では基本方針といたしましては、安定供給の確保、それから環境への適合、それからこれらを十分配慮した上で市場原理の活用ということを図るということが示されております。
 御指摘のように、京都議定書の約束に対して現在プラス一四%という状況でございますが、原子力発電所がここ二、三年非常に稼働率が落ちている、まあ事故等いろいろございまして、ですから、これの影響も大きいということで、仮に二〇〇三年のこの原子力発電所が計画どおりに運転していればマイナス四・九%低いということになっているわけでございまして、こういうようなアクシデントもあって目標値に対して高い水準になっているところでございます。
 そういう意味で、何としても政府一体となって、先ほど環境大臣からもお話ございましたように、政府一体となってこのエネルギー基本計画の目標とそれから京都議定書への対応も、これ一体として整合性を取りながらやっていかなければならないというふうに思っております。
 具体的には省エネ、あるいはまた原子力発電、あるいはまた新エネ、水力、地熱といった環境負荷の小さいエネルギー源を積極的に導入することによりまして、この基本計画と京都議定書の対応という両面で目的が実現できるように政府一体となって努力していきたいというふうに考えております。
#14
○松村龍二君 このCO2対策で森林の果たす役割ということも大きな比重を占めております。三・九%森林が吸収してくれると。しかし、それには森林も手入れした森林でないといかぬというようなことで、今御承知のとおり非常に日本の森は荒れていると。台風災害のときにその姿が現れるわけですけれども、間伐材が伐採されない、あるいは放置されておるというようなことで日本の森林が悲鳴を上げているわけですが、このCO2対策を機に森林対策にどのように力を入れられるのか、農水大臣にお伺いします。
#15
○国務大臣(島村宜伸君) お答えいたします。
 京都議定書におきましては、我が国の温室効果ガス削減目標六%のうち、森林による吸収量として三・九%分を計上することが認められており、この森林吸収量の確保が大変重要だと、そう考えております。
 こうしたことから、平成十四年に地球温暖化防止森林吸収源十か年対策を策定いたしまして、一、健全な森林の整備、保全、そして木材・木質バイオマス利用の推進など、総合的な取組を進めてきているところであります。
 しかしながら、現状の森林整備水準で推移した場合、森林のCO2吸収量は二・六%と見込まれておりまして、目標とする三・九%の吸収量を大きく下回ることが懸念されているところであります。このため、一般財源はもとより、環境税などの安定的な財源の言わば確保が必要と考えておりまして、その実現に取り組んでまいりたいと、現状そう考えているところであります。
#16
○松村龍二君 農林水産省というぐらい、林が二番目に入っておりますんで、ひとつよろしくお願いします。
 私は、県内に十五基の原子力発電所を抱えている福井県選出であります。昨年には、関西電力の美浜発電所で尊い人命が失われる事故がありました。また、今年には「もんじゅ」の工事了解が図られるなど、多くの課題があるのは事実であります。
 しかしながら、現状を見ますと、日本の電力の三分の一は原子力利用によって得られております。二酸化炭素の排出を抑えながら脱石油を図るために、原子力は大きく貢献していると言えると思います。正に福井県は国の原子力政策、エネルギー政策、環境政策を地元にて確実に進めている代表県であると言えるのではないかと思います。関西の電力の六〇%を福井県の原子力発電所が生産しているということでございます。また、青森県では核燃料サイクルのかなめとなる商業利用の再処理工場の試験が昨年から始まっております。
 そこで、経済産業大臣にお伺いしますが、我が国の原子力発電計画はどのようになっているか、原子力発電と地球環境問題対応におきまして政府はどのように役割を果たさせるのか、またどのように、原子力発電とは切っても切れない核燃料サイクルの計画はどうなっている、どのようにするのか、経済産業大臣にお伺いします。
#17
○国務大臣(中川昭一君) 原子力発電所の立地地域、御地元の福井県始め日ごろから大変御理解をいただき、そしてまた安全性を大前提として地元の御理解をいただきながら、安全かつクリーンな原子力発電所の原子力発電エネルギーというものをこれからも重要な役割として位置付けていきたいと思いますので、引き続き、昨年は美浜の事故等ございまして御地元に大変御迷惑をお掛けいたしましたが、何とか安全性を前提に御理解をいただき、引き続き原子力発電の位置付けというものを重要な基幹電源としてやっていきたいというふうに考えております。
 今年一月に運転を開始した浜岡五号を含む現在運転中の五十三基と合わせて、二〇一〇年には原子炉は五十六基になるというふうに認識をしております。そして、これは稼働率が八五%ということを前提にいたしますと、想定電力需要の約四割が原子力発電に相当をするというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、安全第一、そして御地元の御理解を得ることが第一と。この基本的なエネルギーの重要な柱を占める原子力発電について我々の施策を進めさせていただきたいというふうに考えております。
#18
○松村龍二君 核燃料サイクルの問題につきましては後ほどまた文部科学大臣にもお伺いしますが、現在と同様に我が国が確実にエネルギーを確保するためには原子力が不可欠であるということは明らかであります。
 ところで、さっき述べましたように、高速増殖炉の原型炉でもある「もんじゅ」が、改造工事の了解を知事が出したわけでありますけれども、運転再開の見通しはいかがか、文部大臣にお伺いいたします。文部科学大臣にお伺いします。
#19
○政府参考人(坂田東一君) 「もんじゅ」につきましては、先ごろ、先生御指摘のとおり、地元から改造工事着手の御了解を得たところでございますけれども、今後の高速増殖炉の実用化に向けた研究開発を進めていく上で、この「もんじゅ」の運転再開をできるだけ早く実現することが大変大事であるという具合に考えております。現在、担当の核燃料サイクル開発機構では、精力的にこの改造工事に向けた準備工事を進めております。
 今後の見通しでございますけれども、この準備工事を含めまして、改造工事には約二年を要するものと見ております。それが終わりましたならば、その後、改造いたしました設備の機能確認あるいはプラントの点検など、そういうものを行いまして試運転を再開をしたいということでございます。
 改造工事の問題も含めまして、安全確保を第一に進めてまいりたいと思っております。
#20
○松村龍二君 長期間運転が停止いたしております。平成七年に「もんじゅ」が、ナトリウムの温度を測る温度計が壊れて、事故があって停止しているわけですよ。平成七年といいますと私が国会議員に当選した年でございますので、ちょうどこの十年間「もんじゅ」が止まっていたわけであります。
 長期間の運転停止で現場力が低下しているんではないかという心配があります。また、検査技術や評価技術の開発に予算をしっかり文部科学省として投入をすべきではないかと。また、商業炉につきましては、軽水炉等につきましては防災訓練が毎年行われております。オフサイトセンターもできて防災訓練が行われておりますが、「もんじゅ」につきましても、たとえその工事中といえど防災訓練等もするべきではないかというふうな声が地元の方から寄せられております。
 また、併せて原子力安全・保安院にお伺いするわけですが、改造工事に関して、原子力安全・保安院はどのように安全性を確認していくのか、お伺いします。
 また、この原子力、「もんじゅ」は軽水炉と異なる材料や、ナトリウム始め異なる材料や使用温度など、使用条件も異なっているわけであります。さきの関電の事故につきましては経済産業省が非常に厳しく対応されまして、地元におきましてその対応について信頼があるわけですけれども、文部省におきましても、サイクル機構の品質保証体制や作業管理体制に関し調査や検査を実施し、必要な改善を行わせることが必要であるというふうな御要望が地元からあるわけでありますが、原子力安全・保安院のお考えをお伺いします。
#21
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 原子力安全、関連施設の安全性につきましては、国といたしまして、法令に基づきまして、基本設計段階での審査、詳細設計段階での審査あるいは工事中の使用前検査、また運転段階に移りますれば定期検査あるいは保安検査と、多段階にわたりまして必要な確認を行いまして、安全性の確認に万全を期しているところでございます。
 御指摘の「もんじゅ」でございますけれども、ナトリウム漏えい対策等に係る改造工事につきまして、原子力安全・保安院といたしましても厳正な審査を行いまして、設置変更許可、設計及び工事の方法の変更認可ということを行ってまいりました。今後、改造工事に着手した際には、法令に基づきまして使用前検査を行いまして、改造工事が適切に行われていること、性能が技術上の基準に適合するものであること等の確認を行うこととしております。
 また、品質保証体制でございますけれども、これにつきましては、御承知のとおり、平成十五年十月の法令改正に基づきまして、事業者の保安規定に記載することを義務付けまして、その遵守状況を国が保安検査で確認をすると、そういう制度を整備いたしました。これに基づきまして、「もんじゅ」につきましても、その保安規定につきまして平成十六年六月に変更認可を行ったところでございまして、核燃料サイクル機構、あるいはこれを引き継ぎます新しい法人でございます原子力研究機構の品質保証活動につきましても、今後きちんとした確認を行ってまいりたいというふうに考えております。
 漏えい事故の教訓を踏まえまして、国が実施をいたしました安全性総点検の指摘を受けまして、現在、品質保証活動の改善や体制の見直しを事業者の方では実施をいたしまして国に報告することになっております。
 原子力安全・保安院といたしましても、こうした事業者の報告内容というものをきちんと確認をする必要があるというふうに考えておりまして、この中で、運転員の教育訓練あるいは運転マニュアルの体系的整備あるいは組織管理体制の確立など、先生御指摘の組織や人の面も含めまして、きちんとした確認を行ってまいりたいというふうに考えておりまして、こうした確認を通じまして、品質保証体制が継続的に改善されているかということを注視してまいりたいと思っております。
 さらに、防災訓練につきましての御指摘でございます。国の原子力防災、総合防災訓練でございますけれども、平成、失礼しました、二〇〇〇年から毎年一回行われております。昨年は新潟で開催する予定でございましたけれども、新潟中越地震の影響で開催を繰り延べまして、今年新潟で開催する予定でございますけれども、いずれにいたしましても、災害発生時の被害の低減に資する、あるいは地元の住民の安全に対する信頼を提供する、非常に大きな役割を持っているというふうに認識をしております。
 「もんじゅ」がございます福井県での開催につきまして、地元自治体の意向を踏まえて、そういう御意向があるということを承知をしております。私どもといたしましては、今後、関係省庁とも連絡取りまして鋭意検討してまいりたいというふうに考えております。
#22
○委員長(中曽根弘文君) 松村龍二君。
#23
○松村龍二君 ちょっと、ちょっと……
#24
○委員長(中曽根弘文君) 坂田研究開発局長。
#25
○政府参考人(坂田東一君) 今後の「もんじゅ」の改造工事、また運転再開に向けまして、先生御指摘のございました例えば要員の確保でありますとか、あるいは技術力の確保、これ非常に大事な課題であるという具合に考えております。一九九五年の事故以来、「もんじゅ」が止まっておりましたので、この間は「もんじゅ」を必要最低限健全に維持するという観点から、必要最小限度の要員ということで現地のプラントの維持をやってまいりましたけれども、これから改造工事が始まり、また運転再開に向けては、サイクル機構、あるいはこの秋に発足いたします日本原子力研究開発機構、要員全体の中から「もんじゅ」のプラントに人をできる限り派遣をしてしっかりとした人員の体制で対応してまいりたいと思っております。
 また、技術力の問題につきましては、サイクル機構は茨城県の大洗に「常陽」を持っておりますので、例えば「常陽」での訓練を行う、あるいはまたシミュレーターというものも敦賀の方に持っておりますので、そういったところで要員の訓練を行うと。そういうことを通じまして要員自身の質の確保にもこれを努めて、今後の「もんじゅ」のプロジェクトが安全確保第一に実行できるように私どもとしてもしっかりと支えてまいりたいと思っております。
#26
○松村龍二君 今日、私が今質問しておりますのは、次の質問をしたいから質問しているわけでございます。
 「もんじゅ」は研究段階の炉でございまして、原子力の燃料サイクルを完成させるためには、使用済燃料を六ケ所村へ行って再処理をすると。で、プルトニウムの材料を作りまして、MOX燃料あるいは「もんじゅ」等の高速増殖炉で燃やすということでございますので、この「もんじゅ」はこれで完結しているわけではありません。必ずこの次に実証炉あるいは商業炉につなげていかなければこのサイクルが完成しないということでございます。
 そこで、お伺いしますが、実用化の見通し、また実用化へ向けた研究開発の状況はどうなっているか、実用化に向けた政策的な課題はいかがと。技術的な問題は局長でも結構ですが、この将来に向けた決意は文部科学大臣からお伺いします。
#27
○政府参考人(坂田東一君) 高速増殖炉の実用化に向けましては、「もんじゅ」の次のステップとなります実証炉の建設でございますとか、その後の更なる実用化の計画、こういったものを作っていくことが大変大事な課題であると認識しております。これらの点につきましては、現在、原子力委員会におきましても次の長期計画の検討という中で議論が進められて、進められているところでございます。
 このように高速増殖炉の実用化に向けました計画ということにつきましては、これから「もんじゅ」の運転再開をいたしまして、その成果でございますとか、あるいは、今現在、核燃料サイクル開発機構が電力会社等と進めておりますけれども、実用化戦略調査研究というのがございます、そういったものの成果、こういったものを全体として評価をしながら、具体的に実用化に向けた道筋というものがはっきりしてくる、そういうことが期待しているところでございます。
#28
○国務大臣(中山成彬君) 正に御指摘のように、我が国におきますこの原子力発電、現在、電力量の約三分の一を供給しているということで、エネルギー生産当たりの二酸化炭素排出量の低減に大きく寄与しているわけでございまして、今御指摘ありましたように、高速増殖炉あるいは核燃サイクル技術の確立に向けて研究開発を着実かつ積極的に推進していくということが大事であろうと、このように考えているわけでございまして、今局長も答弁いたしましたが、核燃サイクル開発機構におきまして電気事業者等と協力して実用化戦略調査研究を進めておりまして、平成十七年度末にはその後の研究開発の重点化の考え方とか、あるいはそれを踏まえて二〇一五年ごろまでには研究開発計画を成果として取りまとめたいという、こういうことを考えておるわけでございまして、この成果につきましては国の方で適切に評価しまして、実用化のための柔軟性のある戦略的な研究開発を進めてまいりたいと、このように考えております。
#29
○松村龍二君 原子力委員会では二〇一五年から実用化の問題について検討を始めるということでございますが、この政治の力がありませんとこれは実現できないものでございます。予算委員会、財務大臣にも終始お座りいただいているわけですけれども、今日のお話は財務大臣にも是非聞いていただきたいと。財政再建ということで頭が痛い中ではあると思います。「もんじゅ」についても六千億とか七千億掛かっているわけでございまして、次の炉、これも経済ベースで作るのか、あるいはやっぱり国が力を入れてなければならないのか、このことについて是非御理解を賜りたいというふうに思います。
 それで、次、世界的には現在、原子力発電についての見直しが行われております。ブッシュ政権が提起し、世界の十か国が参加した大きな計画であるジェネレーションW、第四世代原子炉開発が進んでいると聞きますが、現状はどうなっておりますか、その中で我が国の役割はいかがですか、文部科学省にお伺いします。
#30
○政府参考人(坂田東一君) 先生今お触れになりました第四世代原子炉の開発の問題でございますけれども、我が国も含めまして、十か国と一機関が参加をいたしましてこの第四世代原子力システムに関する国際フォーラムというものを構成し、これから研究開発を協力して進めていこうとしております。
 特に、この第四世代の国際協力につきましては、米国が大変熱心で主導してまいりましたけれども、日本、米国、フランスが中心になって進めております。具体的にこの研究協力を進めるために、去る二月二十八日に、取りあえず五か国、これは日、米、仏、英、カナダでございますけれども、この五か国間で協力の枠組み協定を締結したところでございます。
 この第四世代原子炉の開発のプログラムでは六つの炉型を対象にしておりますが、そのうちの三つが高速炉に関係するものでございます。我が国は、この六つの炉型のうち、「もんじゅ」と同じ型のナトリウム冷却高速炉というものと、それから超高温ガス炉という二つの炉型につきましてリードカントリーになっております。
 我が国には、この高速炉につきましては、先ほども申し上げましたとおり「常陽」、あるいはこれから運転を再開したいと思っております「もんじゅ」がございます。また、ガス炉の方、高温ガス炉の方につきましては、高温工学試験研究炉というものもございます。こういったものの研究施設を十分に活用いたしまして、他の国々にもしっかりと貢献できるように主導的な役割を果たしていきたいという具合に考えております。
#31
○松村龍二君 二十一世紀は水素社会になるということが言われております。水素製造には将来原子力をエネルギー源として使うべきという指摘もあるわけでありますが、文部科学省において一言これについてコメントをいただきたいと思います。
#32
○政府参考人(坂田東一君) 水素エネルギーが二十一世紀のエネルギー源として大変大事なものであるという具合に私ども考えておりまして、特に文部科学省といたしましては、原子力を利用してこの水素の製造ができないかということについて取組を進めているところでございます。この点につきましては、国のエネルギー基本計画におきましても、原子力を利用して水素を作ることに対する期待が示されております。
 先ほどちょっと申し上げましたが、高温工学試験研究炉というものを日本原子力研究所が今運転をしておりまして、その炉の研究開発の一環といたしまして、この炉から実は九百五十度という高い熱が、熱を取り出すことができますけれども、これを使いまして水素を製造する技術の開発を進めております。
 一方、核燃料サイクル開発機構におきましても、高速増殖炉を利用して、そのいろいろな利用の可能性の一環といいますか、その探求する観点から、水素が作れないか、高温、高速増殖炉から出てまいります熱は約五百度でございますけれども、この熱を使いまして水素ができないかということで研究を進めております。
 いずれも一定の成果を示しておりますので、私どもといたしましては、この原子炉の熱を使って水素を作る方式について引き続き研究開発を着実に進めてまいりたいと思っております。
#33
○松村龍二君 非常に原子力の問題は難しいわけであります。原子力問題と臓器移植問題は政治家が語るに最もふさわしくないテーマであるということを聞いたことがありますけれども、現在の科学技術に対する政府の大変な力の入れ方で、科学技術振興予算は十年間でどのように変化しているのか、お伺いします。
#34
○国務大臣(棚橋泰文君) お答えをいたします。
 科学技術関係予算といたしましては、例えば過去十年間ということでございますけれども、平成八年度の当初予算では二兆八千百五億円でございました。それが平成十七年度予算案では三兆五千七百八十五億円で今御審議をいただいておりまして、約三割増でございます。
 これはもう先生御承知のように、科学技術政策が日本の未来を切り開くかぎだということで、特にこの点を重視する表れではないかと思っておりますが、特にこの科学技術政策の成果が国民に還元されるあるいは国民に分かっていただけるというような科学技術政策の推進に向けて更に頑張ってまいりたいと思います。
#35
○松村龍二君 科学技術振興予算は三割増加しておるということで、大変すばらしいことであると。また、先ほど御説明ありましたように、ライフサイエンス、ナノテクノロジー・材料、情報通信、環境といったことに集中的に使われているわけですが、エネルギー関係についての予算が増えていないというふうに認識しているわけでございます。
 そこで、日本原子力研究開発機構、サイクル機構とが合併して十月に統合されるわけ、統合するわけでありますが、両法人の予算はどのように、核燃料サイクル開発機構と日本原子力研究所が統合するわけですが、この両法人の予算はどのように変化しているか、文部科学省にお伺いします。
#36
○政府参考人(坂田東一君) 日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構、両方の法人の予算の合計額について申し上げますと、平成七年度の予算額は、今から十年ほど前でございますけれども、両法人合わせまして二千六百四十三億円でございました。これに対しまして、平成十六年度、今年度の予算でございますけれども、両方合わせまして千九百七十九億円ということでございます。
 十年間で六百六十三億円の減ということでございますけれども、もちろんこれには理由がございまして、先ほどの「もんじゅ」につきましても約九年余り止まっておりますので、十年前には二百、例えばでございますけれども、二百三十二億円の予算であったものが現在は百八億円になっておりますとか、その他、サイクル機構につきましては、新型転換炉の「ふげん」の運転が十五年度に終了したこともございまして、十年前には百五十三億円でございましたものが今は六十五億円になっている等々、一つ一つ理由はございますけれども、原子力、両法人合わせた予算につきましては十年前に比べますと約四分の一が減っているという状況でございます。
#37
○松村龍二君 原子力利用の推進が科学技術関係予算の数字と懸け離れた結果になっているということに対します政府の見解を科学技術政策担当大臣にお伺いします。
#38
○国務大臣(棚橋泰文君) お答えをいたします。
 科学技術政策全般の中では、特に第二期科学技術基本計画におきまして、科学技術の戦略的重点化を図るという観点から、松村先生御承知のように、ライフサイエンス、それからIT、環境、そしてナノテクノロジー・材料という四分野、これをいわゆる重点四分野というふうにいたしまして、特に国家的、社会的課題に対応した研究開発分野として重点を置いて優先的に研究開発資源を配分した、するといたしましたところでございますが、しかし一方で、重点四分野以外のエネルギー等の分野においても、その重要性は私どもは重々認識しておりまして、この問題は国の存立にとっての基盤だというふうに理解しております。当然、国としても取り組むことが不可欠な領域でございますし、重視して研究開発を推進していかなければいけないというふうに思っております。
 特に、我が国は資源の乏しい、天然資源に乏しいわけでございますので、エネルギーの安定供給の確保、さらには環境という切り口からも、環境負荷の低減という観点からも、原子力関係についてもこれはきちんとやっていかなければいけないと思っております。例えば、今議論になりました「もんじゅ」につきましても、いわゆる優先順位付け、SABC等におきましてもS評価とさせていただくなど、本当に重要な施策につきましては積極的にこれ推進を図っているところでございますけれども、先生の御指摘も踏まえながら、更にこの点について適切に科学技術関係予算が確保されるように努力してまいりたいと思っております。
#39
○松村龍二君 さきに「もんじゅ」に関する高等裁判所の判決が平成十五年一月に出ましたときに、小泉総理は国会質問に対しまして、「もんじゅ」の計画を中断をすることは考えておりませんと力強く述べられておるわけでございます。十年間止まっていた「もんじゅ」がいよいよ改造工事を行うことができるようになったわけでありますが、早期の運転再開を果たすことができるようにすべきでありまして、予算面などを含めた国の役割をしっかりと果たすべきと考えますが、再度、文部科学大臣に御決意をお伺いいたします。
#40
○国務大臣(中山成彬君) 「もんじゅ」をめぐります予算関係、実際の数字は減ってきているわけでございますけれども、御指摘のように、今後のことを考えますと、実証炉の建設とかあるいは実用化に向けて様々な取組をやっていかなきゃいかぬわけでございますし、これは日本のエネルギーの先を占う大きなプロジェクトだと、こう考えておりますので、今後一層力を入れていきたいと考えております。
#41
○松村龍二君 なお、福井県としては、これだけ、十五基の原子力関係の施設を持っておる、また事故にも耐えながら頑張っておるわけでございまして、地域を原子力開発拠点化にしたいというふうな考えも持っているようでございますが、今後ともひとつよろしく御理解のほどをお願いいたします。
 次に、がらりと話題を変えまして、農業問題について一、二点お伺いをしたいと思います。
 今、御承知のとおりに、有害鳥獣が日本じゅうを大変暴れ回っておりまして、先日もテレビを見ておりましたら、日本の北辺の下北半島で猿が繁殖しまして、おりでどうやって捕まえるか、それをどう淘汰するのかといったことで悩んでいる姿がテレビで放映されておりました。私どもの地元でも、山のへりにはさくがずっとこう、網が張ってありまして、場合によってはこの野菜の畑の周りにこう全部おり、さくが、網が張ってありまして、その中で農家のおばあちゃんが農作業をすると。あした収穫という日の朝、猿がぱっと全部平らげていくと。あるいはその中山間地、僻地におきまして、田んぼを親子のイノシシがごろごろ転がり回して、虫を取るのか何か知りませんが、大変な被害が出ているということで、今、日本じゅうが大変農業が存立するかしないかというぐらい深刻な問題があるわけです。
 しかし、これは省際事項、農林水産大臣からすれば、水産省からすれば防虫網、防御網の補助をしてやればいいんだろうと。環境省は、うるさい環境グループの、殺生をするなと、こういう声にあおられると。警察は警察で、なるべく国民が銃を持たない方が事故が少なくていいというふうなことで、みんなこう無責任になっておるというような感じがするわけでございまして、農水大臣、特に御経験古いわけでございますので、この日本の農業の窮地を救うためにこの有害鳥獣対策についてどのように今後取り組まれるのか。また、環境大臣も自然保護というお役割をお持ちではございますが、日本人気持ちが優しくなりまして、殺生するより被害に遭っていた方がいいというような間違った考えがはびこっているようでございます。また、警察も銃の管理について農民の立場に立って適正な対応をしていただきたい。
 それぞれ御三方から御返事を、回答をお願いします。
#42
○国務大臣(島村宜伸君) 松村委員御指摘のとおり、野生鳥獣による農作物被害、これは大変甚大なものがございまして、平成十五年度では面積で申しますと約十三万ヘクタール、そして金額は約二百億円に及ぶとされているところであります。
 このため、農林水産省においては、効果的な被害防止対策のために技術開発を行うとともに、地域における侵入防止さくの整備や有害鳥獣の捕獲のための体制整備、普及啓発などに対する支援を行っているところでございますが、今後とも環境省など関係省庁や都道府県との情報交換を密にしまして、関係者が一体となってこの対策に取り組んでいく必要があるんだろうと思っております。
 ちなみに、平成十五年の実績で見ますと、イノシシは西日本を中心に約五十億円、シカの被害が北海道を中心に約四十億円、そしてカラスが全国的にこれは及びまして三十七億円、これが重立っておりますが、次いで猿で全国的に被害として十五億円という数字が出ておりますので、念のために申し添えます。
#43
○国務大臣(小池百合子君) 昨年もずっとイノシシが里山に出てくるということで、イノシシじゃない、クマですね、の被害などもございました。それから、今イノシシの話もさせていただきました。猿もありますし、いろんな方法を試すとまたそれを超える動物の知恵があったりして、相手がだれであれ、何かイタチごっこが続いているなというふうな感じもするわけでございます。
 農林業に被害を与える鳥獣につきましては、鳥獣保護法に基づいて許可による捕獲が可能となっております。具体的には、都道府県知事などが被害の状況などに応じて個別に許可を与えているところでございます。これが対症的な方法でございますけれども、計画的には、平成十一年に特定鳥獣保護管理計画制度を創設いたしておりまして、激しく増加して農林業の被害を発生させている鳥獣に対しましては、地域全体としての捕獲総数を決定していただき、都道府県が計画的に捕獲できるように措置をしているところでございます。環境省の方では計画策定、そして実施の促進のためのマニュアルの作成、そして研修などの支援をさせていただいているわけでございます。
 鳥獣保護、そして生態系の保全を図るという一方で、人と鳥獣との共生のためにも、鳥獣によります農林業被害を軽減させること、私どもも大変重要だと考えております。今後とも関係省庁と密に連絡を取って進めていきたいと思っております。
#44
○政府参考人(伊藤哲朗君) 有害鳥獣駆除目的のための銃の所持許可についてでございますけれども、とりわけライフル銃の所持許可につきましては、従前は極めて厳格なその所持許可の運用を行ってきたところでございますけれども、シカやイノシシ等によります農林業被害の実態にかんがみまして、平成十五年の二月に、これらの被害を受けている農林事業者など自己の事業に対する被害を防止するためにライフル銃を必要とする者につきましては所持許可の運用を緩和する通達を各都道府県警察に対して発出するとともに、大日本猟友会に対してもその周知方を依頼しているところでございます。それまで農林業で被害防止を目的としますライフル銃の所持許可は極めてまれでございましたけれども、この通達の発出以降、新たな所持許可がこれに基づいてなされている状況にございます。
#45
○松村龍二君 最後に、この猟が、イノシシは夜行性であるのに鳥獣保護法では日没、日の出から日没までしか猟をしてはいけないというふうな条項がございます。こういうことも実態に合わせて御検討、改正する必要があるかどうか御検討をいただきたいと。
 いずれにいたしましても、イノシシによって農業が衰退するというようなことでは、そういう精神ではとても日本国を守ることもできないわけでございますので、そのことを是非よろしくお願い申し上げまして、関連質問の許可をいただきたいと思います。
#46
○委員長(中曽根弘文君) 関連質疑を許します。関口昌一君。
#47
○関口昌一君 自由民主党の関口昌一です。松村委員の関連質疑を行います。
 九〇年代に入りまして情報通信の手段は目覚ましい発達を遂げてまいりました。しかし、情報通信の手段の発達には光と影の面があると思います。問題は、インターネットや携帯電話を使った犯罪が多種にわたり数多く発生しているということであります。中でも、青少年をターゲットとした犯罪が増えているということであります。
 まず、総務省にお伺いいたします。
 インターネット上のアダルトサイトなど、法に触れる可能性のあるウェブサイトが現在どのくらいあるのか把握していますか。また、そうした問題のあるサイトに対する規制は行っていますか。
#48
○国務大臣(麻生太郎君) アダルトサイトの定義もこれまた結構難しいところなんですが、いずれにいたしましても、この種のサイトの内容というものが違法若しくは有害ということに当たるか否かを判断するのは難しいんで、そのサイト数の数というものの把握は極めて困難というのが実態だと思います。
 しかしながら、インターネット上には例の児童ポルノというのがありましたり、またほかのアダルトサイト等々いろいろ問題があるところでありますので、これは問題意識を持っておるところなんですが、違法なサイトというのは、いわゆる児童ポルノ、わいせつ物等々の話はこれはいわゆる違法なサイトということになっておりますんですが、これにつきましては、いわゆる間に立ちますプロバイダー、利用者、総務省の三つの関係なんですが、総務省としては、プロバイダーによります削除の自主的な対応というものをこれまでずっと促進させてきたところなんですが、業者の方もこれに応じて自主的に削除しちゃう。これはもう自分たちで、載っかっているけれどもこれは駄目だといった場合はその事業者が削除をしてもよろしいというガイドラインというものを作って、既にスタートさせております。
 それで、かつ加えて、違法であってかつ他人の権利を侵害するサイトというものにつきましては、プロバイダーなどが勝手に削除しても、プロバイダーがこれはおかしいというんで、プロバイダーが載せた人の許可もなく、本人が、プロバイダーが削除したとしてもそれは免責される、責任は免責されるというのを明確にいたしましたのが、平成十三年の十一月に制定をされましたプロバイダー責任制限法という法律を既につくっておりますので、その運用に努めております。
 もう一個の有害なサイトというのにつきましては、これまた人によってそれ有害と感じるか感じないかというのはまた結構難しいところでもありますので、利用者側の情報の取捨選択がコントロールできるようにするために、いわゆるフィルタリングという言葉を御存じかどうか知りませんけれども、いや、フィルターに掛けてスクリーニングしちゃうという意味ですが、そういった意味でフィルタリングというものは有効であろうと思いますので、総務省としては、関係事業者と連携しましてフィルタリングというものができる、パソコン向けのフィルタリングというのは一応できておるんですけれども、これから携帯でこれはいろいろなことが更に利用されると思いますので、携帯電話向けのフィルタリングというものの実現をするために今研究開発を進めて、これ今一生懸命関係業者というか事業者といろいろなことを進めておるというのが現状であります。
#49
○関口昌一君 今総務大臣から丁寧に御説明いただきましたが、把握も、また規制もなかなか難しいという状況であるということであろうかと思います。言わば野放しの状態になっているというわけであります。
 では、生活安全局長に伺います。
 インターネットを利用したサイバー犯罪の中で、特に児童買春にかかわるものの検挙数について、最近の推移とその特徴についてお伺いいたします。また、出会い系サイトですね、に関連した事件の検挙状況とその特徴はどうなっておりますか。
#50
○政府参考人(伊藤哲朗君) サイバー犯罪のうち、児童買春事件の検挙の状況でございますけれども、サイバー犯罪全体が最近年々伸びている状況にあるわけでございますが、児童買春事件のうち、ネットワーク上で連絡を取り合った者同士が児童買春に合意し児童買春に及んでいるというものがあるわけでございまして、こうしたものの数については、昨年は三百七十件でございまして、サイバー犯罪の検挙件数全体の約一八%を占めておるところでございます。これは、平成十五年の検挙件数二百六十九件と比べまして約三八%増加しているところであります。
 また、特徴でございますけれども、ここ数年の傾向としまして、パソコンを用いたものよりも携帯電話を用いて電子メールで児童と連絡を取り児童買春に及んでいる事例が数多く見られるところであります。
 次に、出会い系サイトに係る犯罪の検挙状況の推移とその特徴でございますけれども、いわゆる出会い系サイトに関係した事件として警察庁に報告のありました件数は、平成十四年が千七百三十一件、平成十五年が千七百四十三件と年々増加しておりましたが、昨年は千五百八十二件で、前年と比べて百六十一件、九・二%減少したところであります。また、その中での凶悪犯でございますけれども、強盗、強姦等の重要犯罪が九十五件ということで、前年に比べて四十二件、三〇%強減少したところであります。
 ただ、その特徴としましてここ数年見られるものとしましては、十八歳未満の児童が被害者になる割合が八五%前後を占めている、非常に高率であるということと、先ほどとも同様でございますけれども、出会い系サイトへのアクセス手段として携帯電話を使用した割合が九五%以上となっているということで、子供が、十八歳未満の児童が携帯電話を利用して被害に遭っているという傾向が見られるところでございます。
#51
○関口昌一君 今御説明いただいたとおり、インターネットや携帯電話の普及が、特に青少年を巻き込んだ犯罪の道具として使われていると思います。今、小学生も携帯電話を持っている時代です。また、中学生にでもなれば、いろんなことに興味がわく年ごろであります。青少年をITの影の部分から守るためにも、行政として何らかの措置を講じることは考えられませんでしょうか。自主規制だけでいいものでしょうか。今、麻生総務大臣からはいろいろ頑張っているというお話もいただきましたが、総務大臣と国家公安委員長にお伺いいたします。
#52
○国務大臣(麻生太郎君) 確かに、おっしゃるように、業者含めまして自主規制だけで大丈夫かと言われると、これはなかなか、今警察の方から話があっていましたように、難しい、自主規制だけではと私どももそう思います。
 しかし、傍ら、これは厳しくすりゃいいのかというと、なかなかそればっかりでもいけませんので、今先ほど申したように、フィルタリングの話をちょっとさせていただきましたけれども、そういったものについては技術を更に進めていくのは当然のこととしても、今のところ業者がどんどんいかがわしいとか危なそうなものは全部フィルタリングの前にもうどんどん削除しちゃうとか、そういったようなプロバイダーの制限、責任制限法というもので今支援をしているところでありますけれども、今すぐ、新しく更にどこか厳しくするというものを今すぐ考えておるかというと、少なくとも昨年少し下がったような傾向でもありますので、もうちょっとよく様子を見た上で判断をさせていただきたいと存じます。
#53
○国務大臣(村田吉隆君) 今、総務大臣がお答えになったお答えと同趣旨でございますが、自主規制もやっぱり必要ということでありますし、もう一方では、それだけではなくて、警察庁におきましても、平成十一年に不正アクセス禁止法、それから平成十四年でございますが、インターネットを利用した古物競りあっせん業者の規制に関する改正古物営業法、それから十五年でございますが、出会い系サイト規制法等を活用いたしまして、サイバー犯罪の抑止、検挙に取り組んでいると、こういうことでございまして、自主規制と法律に基づく規制と両々相まってそうした犯罪を少しでも少なくしていきたいと、こういうふうに考えております。
#54
○関口昌一君 大変難しい問題であるかと思います。把握し、また規制も難しいという現状の中、しかしながら、この青少年を巻き込んだ犯罪は今後急増すると見込まれておりまして、私自身は法的な措置を視野に入れながら早急に対応すべきであるかと思います。
 次に、携帯電話に関連して一つ質問したいと思います。
 携帯電話には最近いろんな機能が付加されるようになってまいりました。今ではラジオやテレビの機能も持った携帯電話も販売されております。また、モバイル放送という衛星放送の受信ができる小型テレビなどの移動体も普及するようになってまいりました。
 そこで、総務省に伺います。こうした携帯電話や移動体の普及見通しをお示ししていただきたいと思います。
#55
○政府参考人(堀江正弘君) お答え申し上げます。
 携帯端末向けの地上デジタル放送につきましては、デジタル放送推進のための行動計画というのがございまして、その中でデジタル放送ならではの高度なサービスの一つという具合に位置付けられております。このような携帯端末向けの地上デジタル放送は、平成十七年度末のサービス開始に向けて準備が進められておるところでございます。
 現時点では、携帯端末によるテレビの視聴はアナログ放送によるものでございますけれども、このデジタル放送によるという具合になりますと、二重になる、画像が二重になるとかゴーストといったものが技術的に発生しないようなことになりまして、より安定した視聴が可能になるということが期待されておるわけでございます。
 また、モバイルとおっしゃいました。車に載せて見られるようになる、そういうテレビ等でございますけれども、これにつきましても、先ほど申し上げました行動計画の中におきまして平成十八年末には視聴可能になるという具合に見込まれております。
 以上のような携帯端末向け放送などの普及も含めまして、私どもとしては地上デジタルテレビ放送の普及促進を一層図ってまいりたいという具合に考えております。
#56
○関口昌一君 総務大臣、携帯電話や移動体でのテレビ受信ニーズが高まりますと、東京タワーを上回る電波発信施設が不可欠と思いますが、いかがでしょうか。
#57
○国務大臣(麻生太郎君) 御説のように、地上デジタルタワーというのができますと、御存じのように電波の修正がありますので、昭和三十三年三月三日、三百三十三メーターというのが東京タワーの、こじつけみたいにして造った時代からかなり時代は随分大きく変わっておりまして、今いろんな意味で地上デジタル放送テレビにつきましては、これまあ普通の、なにテレビを見る分に関しましてはこれでほぼ十分なんですが、今の三百三十三メーターで十分なんですが、この携帯端末に受信ができるようになるという技術になってくると、これはビル陰やら何やらの影響で、高層ビルがこれだけ増えていきますとビル陰なんかの影響で、これはNHKそれから民放のキーの、キー局五局としては、これは東京周辺含めて、かなり高いものを持っておかないと携帯でテレビが見られないとかいうような話になってくる確率が極めて高いと思われますので、今、六百メーターぐらいのものであればどうにかということで声が出ておりますが、いろいろな地域が立候補していることも知っておりますし、浦和含めまして、さいたま市含めて、東京都内からも三つ四ついろいろ、いろいろ出ておりますけれども、一つだけお断りしておきますけれども、何となくみんな無知な方が多くて、これさえ建てりゃすべてオーケーという方がいらっしゃるんですけれども、そんな簡単なものじゃありませんので。
 それでやりましても、ビル陰というのはどうしてもできますので、その陰の部分につきましては、いわゆるビル陰用の小規模な、いわゆるキー局とは言いませんけれども、小さな中継局というものを造るということも必要なんだと思っておりますので、これは基本的には放送事業者が事業経営の観点から進められていくことになるんだと思っておりますので、今いろいろ、陳情含めていろいろなお話が来ておるのはよく知っておりますけれども、これらの検討状況を踏まえてやらぬと、これはいずれも飛行機の離発着の関係もするところもありますので、航空管制含めて調整をしなければならぬところも一杯あろう、出てこようかと思っております。
#58
○関口昌一君 今、総務大臣の方からもちょっとお話が出ましたが、それだけ印象が強いのかなと私も期待しておるんですが、実は私の地元の埼玉県も県民の百七十六万人の署名が集まりまして、デジタル放送のためのさいたまタワーを新都心に建設しようということで、超党派で今みんなで頑張っているところでございます。
 中央防災会議は、三十年以内に七〇%の確率で大地震の発生の可能性があるということを指摘しております。防災の観点からも、東京都心とは別に電子発信施設を建設する必要があるんではないかと私は思うんです。
 また、さいたま新都心は、地元で申し訳ないんでございますが、既に用地も取得済みでありますし、中央機関の出先機関があって、万が一の場合でも連絡が取り合うということが、取れ合う状況が非常にしやすいということであります。
 電波発信施設の建設場所を決める基準としてどのような問題、どのようなものを考えているか、そして是非防災の、広域防災の観点から新たな電波発信施設が必要と思いますが、もう一度総務大臣の御所見をお伺いいたします。
#59
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘にありましたように、防災に利用するというのは極めて有効な手段、技術の進歩というのは、だと思っております。
 例えば、携帯が切ってありましても自動的に、今の新しいデジタルハイビジョンというやつは、この技術を使いますと切ってあった携帯でもオンになりますから、それからテレビも同じように、切ってあったテレビがいきなりオンになりますので、高齢者の方々に、寝ている間でもボーンと音がしていきなり、寝ている老人でも、若しくは視聴覚障害者の方でも見えるように明るくなるとか、いろんなやり方はデジタルハイビジョンになりますと基本的にできることになりますので、私どもとしては、これ防災上極めて有効というのは私どもも同じように、関口先生と全く同じような意見なんですが、今これ建てますと、六百メーターというのはそれなりの金も掛かりますので、土地より上に鉄骨を組まないかぬことになりますので。
 そういった意味では、これは事業者にしてみればこれはだれがその金を払うのかといえば、いろいろ自分で建ててもうかるという計算をする方もいらっしゃるでしょうし、いろんな方々が今この話は来ておられるのは現実の問題としてですけれども、土地プラスだれがそれを建てるのかというところが一番問題なんだと思いますので、更に細目詰めていかねばならぬところ多々あると思っております。
#60
○関口昌一君 広域防災の観点からも早急に電波発信施設の建設を要望するところであります。
 次に、質問に移らしていただきます。
 現在、我が国は世界に誇ってきた安全さえも失われつつあります。委員の皆様に配付させていただきました資料一をごらんいただきますと、犯罪における検挙件数が平成十六年には六十万七千件に達していることが分かります。これとは別に、外国人の検挙件数も四万一千件でありまして、治安の良さはもう、もはや我が国の特色とは言えなくなってきております。
 治安悪化の現状につきまして、国家公安委員長の御所見をお伺いいたします。
#61
○国務大臣(村田吉隆君) 治安情勢でございますけれども、平成八年から七年間連続して刑法犯の認知件数が増加してまいりました。しかしながら、平成十五年と十六年は二年連続して減少に転じましたので、一定の歯止めが掛かったのではないかというふうに思っておりますけれども、かつて世界一安全な国と、こう言われてきた昭和期と比べますと、まだそうした刑法犯の認知件数は二倍に、という非常に高い率に上っているわけでございますし、今委員がちょっと表で御指摘になり、なさいましたように、来日外国人の犯罪とか、去年は本当に残念ながら大変な被害に遭いました振り込め詐欺等、あるいは侵入強盗とか、本当に国民の身辺に直接かかわるような犯罪が非常にまだ多いわけでございまして、我々は、治安情勢は依然として厳しい状況にあるというふうに考えております。
#62
○関口昌一君 治安の完全のためには警察官の増員が必要であると思います。また、事件発生時の警察の適切な対応も重要であると思います。私の地元の埼玉県でも、あのストーカー事件で警察の対応が大変問題になりました。いつでも、どこでも、何があっても警察が守ってくれる、これが国民の安心につながると思います。
 警察官の増員につきましては昨日質問されましたが、ここでは財務大臣にお伺いいたします。
 最近の警察官の増員による予算措置の状況と、十七年度予算における措置についてお聞かせください。
 またあわせて、総務大臣、我が国の治安を考えた場合に、この程度の予算と言ったら怒られるかと思いますが、十分であるかどうか、どういうお考えであるか。
#63
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど国家公安委員長から御答弁がありましたように、昭和期の間は大体百四十万プラスマイナス二十万ぐらいの刑法認知件数が、最近の一番多かったのは平成十四年でございますが二百八十万を超えたと、そのときは検挙率も二〇%を割ろうとしていたというような危機感がありまして、平成十四、十五、十六年の三年間で一万人増員計画ということで、多分一万一千六百五十人、十四、十五、十六の三年間で付けたんじゃないかと思います。これは私ども、それから麻生大臣の地方財政計画、それから予算の問題ももちろんあるわけでございますが、麻生大臣の方の定員を全体で管理していく中で相当頑張ってこれだけ増やしたということではないかと思っているわけでございます。
 平成十七年度は、三千五百人の増員を今度の予算、それから地財、地財計画の中で入れさせていただいている。これは先ほど申しましたように、非常に犯罪件数が増えてきたということと、もう一つは警察官、ベテランの捜査員が皆団塊の世代でこれから退職されますので、今手を打っておかないとなかなか、何ていうんでしょうか、全体の定員の在り方、警察官の配置の在り方、それから後への経験の伝承という意味でも、今が千載一遇のチャンスだと、みんながそういうことを考えてやったわけでございます。
 他方、私どもはやはり財政の問題もございますので、引き続き財政資金の効率的な使い方という観点からは、当然警察、国家公安委員会ともまたよくよく議論をさせていただかなきゃならないと思いますが、基本的に今までそういう考え方、警察とも共有してやってきたわけでございます。
 今まで、ですから、この三年間で一万一千六百五十人増やしてきた、そういう警察官が訓練を終わって現場に配備される段階になっておりますので、先ほど村田委員長もおっしゃいましたけれども、検挙率も少し回復してきました。また、認知件数もやや減ってきたと、まだまだ油断はできませんけれども、その効果がこれから出てくることを私どもは期待しているところでございます。
#64
○国務大臣(麻生太郎君) 関口先生御指摘のとおり、犯罪発生件数という点から見ますと、これは警察官一人当たりが何人の県民を抱えておるかというのと直ちに正比例するわけではありませんけれども、少なくとも全国平均に対して埼玉県の場合は八百三十人、今からちょうど十年前の数字であります。八百三十人。犯罪発生率は正直申し上げて日本一、余り自慢できた話じゃないんですが。発見件数からいきますと、埼玉のイメージより筑豊のイメージの方が悪いとお思いでしょうが、現実は違います。
 何とかせいという非常な話がありまして、四年前の政務調査会長のときだったと記憶していますが、いろいろ、埼玉県からいろいろ御陳情いただいて、大幅増員をやるということで三か年間で一万人増員ということをやりまして、結果として、埼玉県の一人当たりの、一人当たりの件数、持っております八百三十人という総数は、平成十六年で六百八十九まで一人当たりの県民数を下げた、下げたと言ったら聞こえが悪いですね、県民六百八十九人に一人の警察官まで割を上げたということだと存じますが、少なくとも今は一番から二番ぐらいになっておると思っておりますが。
 少なくとも、先ほど谷垣大臣からお話がありましたように、少なくとも検挙率等々やら何やらは確実に上がってきておりますが、これでは更に足りませんので、今年から団塊の世代の計算も入れまして、更にもう一万人の増員を向こう三か年間に行うということにさせていただいておりますので。
 いろんな意味で問題、多けりゃ、警察官が多けりゃ確実に犯罪が減るかというと、それほど単純な話ではないこともはっきりしておりますけれども、少なくとも、そういったある程度制服のお巡りさんがそこにいる、空き交番がない。何かといえばそこに飛び込んでいきゃ必ず制服のお巡りさんがいるというのはやっぱりいろんな意味で効果がありますので。高速道路で何となく制限速度で走っていても、白バイ、パトカーを見ると何となくちょっと五キロぐらい速度を落とすのと似たような効果は、これはどこにでもあるものですので、そういった意味では、制服の警察官が徘回、徘回と言ったら聞こえが悪い、警らしているというのは極めて有効な犯罪予防になりますので、犯罪が大きくなる前にきちんと対応していく必要があろうと存じます。
#65
○関口昌一君 麻生総務大臣、また村田国家公安委員長も御出席いただいておりますが、いろいろ警察官の増員につきまして大変お世話になったことも心から御礼を申し上げる次第であります。
 まだまだ、今答弁いただいたように、警察官の数は足りないということでございまして、是非、財政の方から考えた流れの中で、是非、谷垣大臣も頑張っていただきたいと思う次第であります。
 今、空き交番の話をちょっとちらっと出たかと思うんですが、この空き交番の解消を含めた我が国の治安の回復に取り組むこの国家公安委員長の決意をお聞かせいただきたいと思います。
#66
○国務大臣(村田吉隆君) 今総務大臣も御指摘なさいましたけれども、やっぱり街頭犯罪、近年大変目立って増加してきた街頭犯罪を抑止していくという、そういう観点からいいますと、一つは、警察官が警らして町中を回っていくということが非常に大切。一方、そればっかりやっていると今度は空き交番が増えるということでございますし、二つがなかなか両立しないような状況にありますが。
 皆さんから、交番に行ってもいつもだれもいないという状況を御指摘いただきまして、治安情勢を改善していくという観点からも、私ども、空き交番の解消に計画的に努めたいと、こういうふうに考えておりまして、増員計画、これは増員計画とそれから交番の編成替え、なくしたりなんかして整理統合したりなんかいたしますが、そういうことも併せまして、今後三千八百人ぐらいを交番の増員に振り向けていきたいと、こういうふうに考えているわけでございまして、空き交番解消に向けて十九年、平成十九年の春までには御要望にこたえていきたいと、こういうふうに考えているわけでございます。
#67
○関口昌一君 国民の治安の確保をより確実にするためにも、更なる警察官増員のために是非力強い御支援をお願いしたいと思います。
 続きまして、教育基本法の問題を取り上げたいと思います。
 まず、文部科学省に伺います。
 私の方で資料を用意させていただきました。最近の五か年間の小中高における校内暴力や不登校、また、いじめの現状について説明をお願いしたいと思います。また、教員が問題を起こして処分された人数と処分に至った事項について御説明をお願いいたします。
#68
○政府参考人(銭谷眞美君) 御説明申し上げます。
 まず、校内暴力でございますけれども、平成十一年度の発生件数が三万一千五十五件でございます。平成十二年度にこれまで最高の三万四千五百九十五件となりまして、その後、十三、十四と二年連続減少していたわけでございますが、平成十五年度は三年ぶりに増加をいたしておりまして、三万一千二百七十八件となっております。
 それから、不登校の子供の数でございますけれども、これは平成十三年度までずっと増加をし続けておりましたが、平成十四年度、十五年度と二年連続減少いたしまして、平成十五年度の数は十二万六千二百二十六人でございます。
 それから、いわゆるいじめの発生件数でございますけれども、これはずっと減少してまいったんでございますけれども、平成十五年度、八年ぶりに増加をいたしまして、平成十五年度の件数は二万三千三百五十一件ということでございます。
 それから、教員の処分でございますけれども、平成十五年度中に懲戒処分を受けました公立学校の教員は、総数が千三百五十九人でございます。これは前年度から百四十六人増加をいたしております。そのうち、わいせつ行為などによるものが前年度から七人増加して百五十五人ということでございます。
 刑事事件になりました最近の事例としては、小学校の先生が個人指導を名目に女子の児童に対して乱暴しようとしたり、小学校のやはり先生がかつて担任をしていた女子の児童に対してホテルにおいてみだらな行為を行ったといったような事例がございます。なお、これらの教員はいずれも懲戒免職ということになってございます。
 以上でございます。
#69
○関口昌一君 今、御説明いただきましたけれども、こうした学校現場での問題はかなり以前からあったのでしょうか。例えば昭和三十年代、四十年代、また五十年代の状況はどうであったのか、文部科学省の方は把握していますか。
#70
○政府参考人(銭谷眞美君) まず、校内暴力、不登校、いじめの三十年代、四十年代等の状況について御説明をさせていただきます。
 校内暴力でございますけれども、校内暴力事件はちょうど昭和五十年代の後半ごろに非常に深刻な状況になりました。文部科学省、文部省として校内暴力について調査を開始をいたしましたのは、昭和五十七年度、一九八二年度からでございます。その時点で、主として中学校、高等学校を調査をしていたわけでございますけれども、平成九年度に小学校も対象に加え、調査をしているところでございます。
 なお、状況といたしましては、昭和五十七年ごろは対教師暴力が大変多かったという状況がございます。
 それから、不登校でございますけれども、この不登校につきましては、いわゆる学校嫌いということが課題になりました昭和四十一年度、一九六六年度から調査を実施をいたしております。率直に申し上げまして、昭和四十一年ごろのいわゆる学校嫌い、不登校の子供の数は一万六、七千人程度でございましたが、先ほど申し上げましたように、現在は十二万人ということで、不登校の子供はずっと増加傾向にあるということでございます。なお、ここ二年ほど、先ほど申し上げましたように、減少に転じているということでございます。
 それから、いじめの問題につきましては、いじめによる自殺が相次ぐなど、いじめの問題の深刻化が大変大きな教育課題になりました昭和六十年度、一九八五年度から実施をいたしております。いじめの件数につきましては、大体減少傾向をずっと示してきているところでございます。
#71
○関口昌一君 いろいろ今説明していただきましたけれども、年々増加しているというふうな傾向であるかなと思っております。その要因というのはどこにあるのか、文部科学大臣の御所見をお伺いいたします。
#72
○国務大臣(中山成彬君) 今局長の方から答弁いたしましたけれども、暴力、いじめ、不登校、考えてみますと、私どもが小さかったころ、もう五十年近くも前というのはやっぱり暴力もあったし、いじめもあったかなと。ただ、不登校というのは余りなかったなという感じがあるわけでございまして、どうしてそういうことが最近増えてきたんだろうかと。こういうふうな、何といいますか、児童生徒の問題行動ということにつきましては、家庭のしつけとか、あるいは学校の在り方、あるいは地域社会における連帯感の希薄化とか、さらにまた青少年を取り巻く環境の悪化と、そういった様々な要因が複雑に絡み合って発生しているんじゃないかなと、私はそのように今考えておるところでございます。
#73
○関口昌一君 私は、学校教育の現場が立ち行かなくなっている最大の原因というのは、教育の基本的な理念が現場に行き渡っていないんではないかなと思っております。
 内閣府の調査では、国民の七五%が国を愛する気持ちを育てる必要があると考えております。また、日本青少年研究所が高校生を対象に行った調査によりますと、学校をずる休みするのも親に反抗するのも、また先生に反抗するのも本人の自由だと考えている高校生がそれぞれ七〇%もいます。まあびっくりしたんですが、その割合の高さは国際的に見ても群を抜いております。これらはすべて教育の現場において、人間として、そして日本人としてどうあるべきか、また何が人生で最も大切であるかということ、こうした大事なことを教えていないからであるかと思います。
 教育とは、その字のとおり、教えはぐくむということであります。教育は国家発展の根本でもあります。愛国心を育て、我が国の歴史、文化、伝統を尊重する理念が現在の教育に欠けているんではないかと思います。私は、教育基本法の改正こそが我が国をよみがえらせるきっかけになると確信しております。
 文部科学大臣、教育基本法の改正が必要だと思われませんか。
#74
○国務大臣(中山成彬君) 先ほど答弁いたしましたけれども、昔に比べて子供たちをめぐる様々な問題も出てきている。例えば不登校なども、先ほど言いましたように、私たちの小さいころは、まあ余りいなかったなと思うんですけれども、これも自由といいますか、そういったことが行き過ぎたのかなと、そんなことも考えるわけでございまして、御承知のように、その基本法というのは昭和二十二年に制定以来、されて以来、一回も改正されていなかったということでございまして、その間に社会情勢が大きく変化いたしまして、今御指摘ありましたように、教育に関しましても様々な課題が生じているということで、教育の根本にさかのぼった私は改革が求められているんじゃないかなと、こう思うわけでございまして、正に御指摘ありましたように、やはり行き着くところは教育基本法、これを何とか改正すべきじゃないかと、このように思っているわけでございます。
 もちろん、現行の基本法にあります人格の完成だとかあるいは個人の尊厳といったような、こういう普遍的な理念というのは私は今後とも大切にしなきゃいけないと思うんですけれども、これからの世界、二十一世紀を切り開いていく、心豊かでたくましい日本人の育成という観点から、今日極めて重要と考えられております例えば公共の精神だとか、あるいは郷土や国を愛する心、さらに家庭教育の役割とか、そしてやはり伝統、歴史という日本の良きものをやっぱり受け継いでいくという、そういったことに関しましても私は教育基本法の中に盛り込んでいくべきじゃないかなと、こう思っているわけでございまして、御承知のように、中央教育審議会で答申いただいたのはもう二年前でございます、十五年の三月でございます。その後、与党の間で協議会がずっと開かれておりまして、大分焦点は絞られてきたといいますか、問題点、まあ問題点としてまた議論していこうということでございますが、今、三月になりまして文部科学省の方に、草案といいますか、具体的な案を作ってみろと、こういうふうな御指示もありまして、それを基にしてまた協議会でも議論していくということでございます。
 私といたしましては、できるだけ早く国会に提出したい、提出させていただきたい、そして速やかにこの基本法を改正したいと、そのように考えておるところでございます。
#75
○関口昌一君 教育は基本であります。是非ともこうした実現に向けて頑張っていただきたいと思っております。
 大分時間も押しているということでありますんで、答弁の方も簡潔に内容のある答弁をいただければと思う次第であります。
 次に、根本に立ち返って、国と地方の税源配分について質問したいと思います。
 地方自治の考え方からは、それぞれの地方自治体の住民が負担する地方税によってその自治体の行政経費が充当されることが望ましいというのは言うまでもないと思います。しかし、現実には、人口数百人規模の自治体から一千万人以上を超える東京都のように、その規模は千差万別であります。財政規模、また経済力に大きな格差があります。そして、そのほとんどが交付税の交付団体であります。逆に言えば、自分のところの経費を賄うことのできる地方自治体というのはわずかに三%程度にすぎないかと思います。
 こうした財政力の格差を是正する手段が交付税などによる財政調整であります。財政調整によって収入では国税と地方税の割合が六対四であるのに対し、最終的な支出は国と地方が四対六になっております。つまり、地方が収入が少ないのに支出が多いといういびつな形になっているということであります。
 総務大臣、現在の財政調整システムが抱える問題をどのように御認識されておりますか。
#76
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘ありましたように、いわゆる国と地方の割合というのは、歳入ベースで四二対五八、まあ大体六対四ということになろうと存じますし、今、逆に言われました歳出ベースというのでいきますと、地方の六二に対して国の三八という数字になって、まあ大体六対四という比率、四対六という比率になっておるのはもうおっしゃるとおりであります。
 私どもとしては、これは基本的には、今町村合併が進みましたおかげで多分この三月三十一日で二千前後までになると思っております。一昨年の九月、三千百八十一という数字がありましたものが約千百町村合併が進むということになりますが、進んだからといっていわゆる財政力指数が急に上がるというわけでもありませんし、今からその中からいろいろな形で力を付けていただいて財政力指数を上げていただくという努力はこれからの首長さんの力によるところだと思いますが、それでも交付税をある程度やることを前提にしませんと地方間格差は付き過ぎる形になる。
 やっぱり貧しいところは更に貧しくなってというような形になるのもいかがなものかと思いますんで、そういった意味では、特色ある地域の発展という流れになってきていることはもう間違いないと思いますが、かといって最低行政サービス、最低限の行政サービスというものは維持されないとどうにもなりません。その意味では、私どもとしては、将来の方向としては五対五、一対一という形に是非したいという意欲を持っておりまして、そのことによって結果として何が起きるかといえば、不交付団体の数でいきますと、人口割で約三割は少なくとも、不交付団体の対象の中に入っている人口が三割までには是非したいと、そのように思っております。
#77
○関口昌一君 力強いお言葉をいただきました。
 平成十三年度の経済財政白書では、国から地方への七兆円の税源移譲を行い、国税と地方税の比率を五対五にするシミュレーションを行っております。こうしたシミュレーションに対する評価を財務大臣、総務大臣、簡潔にお聞きしたいと思います。
#78
○国務大臣(谷垣禎一君) 税源、税源を今五対五に持っていったときどうなるかということの評価でございますが、私は、アプリオリに五対五というのがいいのか、ちょっとさっきの総務大臣とお考えと若干違うんですけれども、といいますのは、根本問題として、国と地方合わせた歳出が今大体約百五十兆だと思います。ところが、税収の方は国、地方合わせて約八十兆でございますから、ここのところをどうするかという議論なくして、その中での分け方をどうするかということだけやっても、問題の解決にまずなかなか近づかないというのは根本としてあると思います。
 それで、先日も自民党の片山委員がおっしゃったわけですが、そういうことの結果として、お互いにどっちが貧乏だというような競争になっておりまして、要するに債務残高と税収がどれだけかというと、まあこれも貧乏合戦するつもりはありませんけれども、交付税を調整した後、国は大体十八倍ぐらい、地方は四・何倍ぐらいだったというようなことがあると思うんですね。そういうことも考えなきゃいけないと思います。
 それから、今、麻生大臣からも関口委員からも、国と地方の関係は、財政調整前が五八対四二、四八対五二ですね、五八対四二ですね、それを財政調整、地方交付税や譲与税を入れた後はそれが逆転すると。確かに、現状そのとおりでございますから、要するに財政調整というのがどういう姿であればいいのかということも含んで議論をしなきゃいけない、そういうことを含めて今後さあどうするかという話ではないかというふうに思っております。
#79
○国務大臣(麻生太郎君) 今言われましたのは平成十三年度の経済白書の分なんですが、その時代はまだ三位一体という話が出てくる前の話であります。したがって、この内容を見ますと、交付税の減少とか国庫支出金の減少が、それぞれ五兆円とか三兆円とか書いてありますので、その内容がちょっとよく分からないところなんですけれども、いずれにしても、いたしましても、税というものが特定の地域に偏在するというのは、極端なことになっておりますので、それを避けるためには、やっぱり個人住民税をフラット化するというのを今させていただきつつありますけれども、それとか、消費税のように地方と東京との差が二倍以内、一・八とかそういったところ、法人税ですと五・幾つになりますので、そういった偏在の少ないものをいろいろな意味でこれから変更していくというのが基本的な考え方でありまして、試算の前提とされておりますいろんな話に関しては、基本的なところにおいては賛成と思っております。
#80
○関口昌一君 いろいろ両大臣から御答弁いただきました。私は県会議員を三期八年余を経験しておりまして、地方議員の立場としても、税の配分、六対四から四対六へ、まあ少なくともフィフティー・フィフティーにしてほしい、要望しておきたいと思います。
 最後に、もう限られた時間でございます。介護保険法の一部改正案が国会に提出されております。改正案では、従来の要支援者を要支援一と要支援二に区分して、また従来の要介護一の認定を受けられた方を要支援二と要介護一に区分することになっております。
 このように区分見分けを、見直しを行う目的は何でしょうか。老健局長にお伺いいたします。簡潔に御答弁をいただきたいと思います。
#81
○政府参考人(中村秀一君) 簡潔にお答えさせていただきます。
 今回の介護保険制度の改正におきまして、予防重視の観点に立ちまして見直しを行うことといたしました。このため、今先生からお話にありましたように、軽度の方につきまして、特に要介護一の方の中から予防の対象となる方を選び出す必要がありますので、その観点から、先生今御指摘にございましたような要介護状態の区分の見直しを行うことといたしたものでございます。
#82
○関口昌一君 もう時間が限られてきましたので、最後に私の意見を申し上げたいと思います。
 介護保険導入に際しまして、介護認定審査会においては認定作業が大変であったと聞いております。また、利用者の方々からも多くの不満が寄せられたと聞いております。介護保険というのは、利用者に沿った改正が行われるべきでありまして、更に区分するということになれば現場の混乱は必至であります。私は、現状の改善に努めるべきであると申し添えまして、私の質問を終わらせていただきます。
 御清聴誠にありがとうございました。
#83
○委員長(中曽根弘文君) 以上で松村龍二君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#84
○委員長(中曽根弘文君) 次に、水岡俊一君の質疑を行います。水岡俊一君。
#85
○水岡俊一君 民主党・新緑風会の水岡俊一でございます。
 本日は、予算委員会初めての質問に立たせていただきます。委員長始め関係者の皆さん、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 まず、学校の安全対策について文部科学大臣にお尋ねをいたします。
 昨日の委員会で、同僚議員である小林委員の質問にあなたは大変重大な、そして問題のある御答弁をされました。まずその問題であります。
 去る二月の十四日、大阪府寝屋川市立中央小学校において、ある卒業生により一人の教職員の命が奪われ、二人の教職員が重傷を負うという、本当に痛ましく悲しい事件が起こりました。亡くなられた鴨崎教諭に心から哀悼の意をささげるとともに、重傷を負われた二人の教職員の一刻も早い回復を願うものであります。また、ショックを受け、悲しみに暮れる同校の子供たち、仲間の教職員の皆さん、保護者の皆さんの心の回復を祈っておるところであります。だれにとっても安心、安全でなければならない学校においてまたしても殺傷事件が起こったことは極めて残念であります。
 改めて文部科学大臣にお聞きをします。この事件に対しての見解、そして全国の義務教育を行う学校の安全確保についての国の責任をどう考えておられるのか、お尋ねをいたします。
#86
○国務大臣(中山成彬君) 子供たちが学ぶ学校、保護者としては学校に子供たちを預けているわけでございますから、まず安全ということを第一に考えてもらいたいと、こう思うわけでございますが、先日もお答えいたしましたけれども、まずこの義務教育におきましては学校の設置者であります市町村等が、まず第一義的にこういった安全とかいうことにつきましては、その学校の置かれた地域の特色とか学校の場所等を含めまして、そういったことを総体的にとらえてやってもらうということが大事だろうと思うわけでございまして、国の責任ということにつきましても、国もそういった取組が順調に行われるようにいろんな支援をしていかにゃいかぬということだと私は考えておるところでございます。
 先ほど国の責任ということを言われましたが、先ほど言いましたように、設置者の立場から必要な措置をとっていただきますが、もちろん国としても手をこまねいているということではございませんで、これは例えば平成十四年十二月に学校への不審者侵入時の危機管理マニュアル、こういったものを作りまして、全国的な視野から各学校の具体的な対応の参考となるような内容のものを作ったりいたしまして、各学校、教育委員会等に指示を流しているところでございます。
#87
○水岡俊一君 大臣、二〇〇一年六月八日、何が起こったか覚えていらっしゃると思います。池田小事件、これをめぐって大変な論争も起きました。そして、国として、池田小で亡くなった八人の子供たちの遺族の方とお話をされたと聞いております。その中で、どのような遺族とのお話があったのか、どのような約束をされたのか、この国の責任ということにかかわって教えていただきたいと思います。
#88
○国務大臣(中山成彬君) この池田小学校の事件の後ですね、平成十五年の六月八日付けで、文部科学省及び大阪教育大学並びに附属池田小学校と御遺族との間で結ばれました合意書におきまして、再発防止策として、文部科学省において、危機管理マニュアルの作成、普及や状況に応じた見直し、防犯教室の推進、学校の施設整備指針の改訂等の対策に取り組む必要があると、このようにされているわけでございまして、文部科学省といたしましては、この合意書に盛り込まれた内容を真摯に受けまして学校の安全管理対策に取り組んできたところでございまして、今後ともそのための施策を推進してまいりたいと考えております。
#89
○水岡俊一君 いや、確かにそのとおりだと思いますが、その後に、合意文書の中には「再発防止策」として文部科学省が次のように考えているというくだりがあります。「このような学校防犯を含む学校安全施策について、対症療法的な一時的対策にとどまらず、組織的、継続的に対応する。」と、こういうふうに書いてあります。これについてはどのようにお考えですか。
#90
○国務大臣(中山成彬君) この合意書におきまして、御指摘のように「対症療法的な一時的対策にとどまらず、組織的、継続的に対応する。」と、このようになっているわけでございまして、これを受けまして、先ほど申し上げましたように、危機管理マニュアル等を作って都道府県教育委員会等に通知いたしましたり、あるいはその学校の施設関係につきましても、死角のない校舎の配置の工夫とか、必要に応じた防犯監視システムの導入等を始めとする学校施設整備指針の防犯対策関係規定の充実などのハード面の取組と、そういう管理マニュアル等のソフトとその施設関係のハードと、こういう両面にわたりまして安全対策を取ってきているということでございまして、これを継続的、組織的に今行っているということでございます。
#91
○水岡俊一君 そういったその通知、通達あるいはマニュアル、手引、そういうものを作ったら対策を練ったと、対策を行ったというふうに考えるのは私は間違いだと思っています。この間、この十年間を取ってみても通知、通達はたくさんなされています。そういった、まあこういった行政を通達行政と言うのか、私は残念でなりません。
 こんな通達が次々になされる中で次々に事件が起こっている。そのことについてもう一度見解をお願いいたします。
#92
○国務大臣(中山成彬君) 正に、御指摘のように様々な事件が起こるわけでございまして、まず児童生徒をねらった犯罪が起こったかと思うと、先般のように教職員をねらった犯罪が起こるというようなことでございまして、そういう意味で、絶対こうやればそういった犯罪が防げるというのがあれば本当にいいんでございますが、なかなかそうじゃないんで、先ほど言いましたように、国としてはもう本当に子供たちを守りたい、そういう気持ちから、設置管理者であります市町村等につきまして万全を尽くしてもらいたいということで、先ほど言いましたようにソフト面、ハード面、要するにマニュアル等を作りまして指導するとか、あるいは予算面におきましても、先ほど言いましたように、安全な校舎造りというようなことについて最大限の努力を今日までしてきているということでございます。
#93
○水岡俊一君 それでは、続きは昼からの委員会でお願いしたいと思います。
#94
○委員長(中曽根弘文君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後二時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十六分休憩
     ─────・─────
   午後二時一分開会
#95
○委員長(中曽根弘文君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十七年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。水岡俊一君。
#96
○水岡俊一君 午前に引き続き、質問させていただきます。
 文科大臣には、昨日の答弁とは違い、本日は学校の設置者のみならず国の責任もあるとの答弁をいただきました。それを受けて、国の責任としてどのような施策が行うべきか、続けてまいりたいと思います。
 大臣の答弁に、御答弁にありましたマニュアルについてでありますが、この「学校への不審者侵入時の危機管理マニュアル」というものを文科省としては作られておられます。非常に御苦労をされてマニュアルを作っていただいたんだなと、こういうふうに思いました。
 事件が起こってから半年もたって、なかなか、もう少し早くできないかなと思いつつもう一度よく見直してみると、実はこの危機管理マニュアルというのは事件が起こった翌年の十二月に出ているんですね。事件が起こってから一年半もたってからこのマニュアルが出てきたと。
 この中身についてもいろいろと私は意見がありますが、まずもって、これは一年半もたって、あるいは一年半をたたないとできてこなかった理由はどこにあるのか、文科大臣にお聞きをしたいと思います。
#97
○国務大臣(中山成彬君) このマニュアルの作成に当たりましては、遺族だけじゃなくて、いろんな関係の方々の意見を聞きながらまとめたんだと、こういうふうに伺っております。
#98
○水岡俊一君 それではこれが一年半も掛かったという理由には私はならないというふうに思いますね。
 更に言わしていただければ、亡くなった八人の子供たちの遺族の方とのお話合いがいつまとまったかというと、実は事件のあったその日から数えること二年の歳月がたっていると。なぜそのような時間が掛かったのか私も調べてみました。そうすると、やはり国の責任という問題が明らかにならないということでなかなか遺族の方に、合意をされなかったんではないかというお話を聞いたところであります。そういった意味では、マニュアルを作る、通知を出す、そのようなことが国の責任だと、仮にそうしますと、こういった問題はもっと早くにもっと十分検討して私は出すべきだというふうに思いますが、ついては、この中身についてお話をしたいと思います。
 資料を用意して、皆さん方にお配りをしていただいたと思いますが、ちょっとごらんになってください。
 まず一枚目の「学校における不審者への緊急対応の例」というのがございます。これはこのマニュアルの中の最初のページに、最初の方のページにこのような形で載っております。(資料提示)このマニュアルに従って各学校は危機管理をするということでありますが、ひとつ見てください。
 まず最初、関係者以外の学校への立入り。関係者以外の学校への立入りというところから、不審者かどうかということを確かめるというチェック一があります。ここで不審者かどうかを見極めます。
 立入りの正当な理由があるかないかを調べる、そのチェック一ですが、寝屋川のあの事件を思い返してみてください。当人は卒業生であります。名前を名のり、そして実在する先生に会いたいと言った。正当な理由があるじゃないですか。そして中に入ったんですよ。とすると、このチェック一ではもう既に、受付に案内するということで学校の中に連れて入るという、そういう対応例ですよね、これは。
 既にこの対応ですら今回の事件には合致できていなかったと、こういうふうに私は思うんですが、このマニュアルについて大臣のお考え聞かせてください。
#99
○国務大臣(中山成彬君) このマニュアルにつきまして、まず不審者かどうか。先ほど言われましたけれども、卒業生であると、先生に会いたいと、こういうふうなことだけではなかなか不審者としてチェックできないんだろうと、こう思うわけでございますけれども、このマニュアルにありますように、不審者かどうかを見分けるポイントの例として、不自然な行動や暴力的な態度は見られないかとか、凶器や不審な物を持っていないかとか、順路を外れていたり不自然な場所に立ち入っていないかとか、総合的ないろんな観点からこれはチェックするということになるんだと思いますので、そういう意味で、今言われたように、卒業生であると、先生へ会いたいと言ってこられれば、なかなかこの時点でチェックするのは難しいんじゃないかなと、このように私も思います。
#100
○水岡俊一君 いや、だから、だからどうするかですよね。今の御答弁聞いていると、寝屋川のこの小学校で対応した先生方は不審者かどうかを判断されて、その判断は間違っていたんですか。お願いします。
#101
○国務大臣(中山成彬君) 具体的にどういうふうに対応された先生が感じられたかどうか分かりませんが、一般的に考えれば、ここで不審者だというふうにはチェックできなかったんだろうと思いますね。
#102
○水岡俊一君 この段階で、その状況を考えるに、不審者かどうかということで判断をするというのは難しかったと私も思います。
 それではその次に、亡くなられた鴨崎先生は、それでも様子をうかがう中で、やはりこれは子供たちにとって良くないなという判断をしながらこの方を、この卒業生を外へ連れ出そうとしたんですよね。その判断は僕は正しいと思います。しかし、鴨崎先生は、ふいに取り出した刃物によって刺され、命を落としたわけであります。
 このマニュアルに従って対応をした鴨崎先生の命、これ、いかに考えられますか。鴨崎先生が命を落としたことに対する、これは責任はどのようにお考えになるか、聞かせてください。
#103
○国務大臣(中山成彬君) これは正にマニュアルでございまして、ここに作られ、作ったのは、全国的な視野から見て、学校でそういう人たちチェックする場合に具体的な対応の参考になるんではないかということで作ったわけでございまして、これをそのまま守れば全部防げるという話じゃない、あくまで参考の例として作ったものだと、このように考えています。
#104
○水岡俊一君 いや、参考例には違いないけれども、そのように言われたんじゃこれは報われないですよ、鴨崎先生は。そして、今全国でこのマニュアルに従って学校を守ろうとしている教職員は一体どう考えればいいんですか。これは単なる参考例で決め手ではない、そういうふうに考えるべきなんでしょうか。
 大臣、お願いします。
#105
○国務大臣(中山成彬君) それは、でも、このマニュアルを守っていればそのまま事件が全部、全部未然に防げるものならそんなすばらしいことはないんですけれども、やっぱりそれは状況というのはその場その場によって違うわけですから、それはやはり、常に私どももこれは見直しながらいかにゃいかぬと思っていますけれども、これがあるからそれを作った責任が文科省にあると、こういうふうな短絡的なことではなくて、やっぱりみんなでいろんなことを考えながら多面的な方策を考えていかにゃいかぬということじゃないかと思うわけでございます。
#106
○水岡俊一君 いや、私の質問に答えていただいていないように思いますね。今全国の学校に勤める職員は本当に悩んでいると思います。
 お言葉ですが、私の考えをちょっと述べさせていただきます。
 事件が起こった二月の十四日から四日後に通知が出ています。「学校の安全確保のための施策等について」という通知、十七年二月十八日、文部科学省から出ています。その中にこう書いてあります。「ついては、関係各位におかれましては、「学校への不審者侵入時の危機管理マニュアル」や「学校安全緊急アピール 子どもの安全を守るために」に基づき施策の再点検を進めていただくとともに、特に、下記のような点について御留意いただき、なお一層の学校の安全確保のために取り組んでいただきますようお願いいたします。」と書いてあるじゃないですか。つまり、この学校安全マニュアル、危機管理マニュアルをもう一回再点検しろという内容ですよね、これは。ということは、今度の寝屋川の中央小学校の対応はマニュアルに従ってなかったという、そういう見解ですか、この通知は。
 お願いします。
#107
○国務大臣(中山成彬君) この中央小学校でもそうですけれども、あくまでこのマニュアルを基にしまして、それぞれ学校は独自のマニュアルを作っているんですよ。この学校も作っていたんですよね。それはもうその地域、その学校によっていろいろ特色ありますから。そういうふうにはやっていたんですけれども、こういう事件が起こったということでございましたものですから、文部科学省としては再度チェックしてくれと。これ本当にちゃんとやっておられるかどうかということをチェックしてくれということで、今言われましたように、もう一回チェックしてくれと。
 私も三つ申し上げたのを覚えているんですけれども、今回の事件というのは子供たちじゃなくて教職員が被害に遭ったということですから、そういった教職員を対象とする防犯訓練等を当面集中的にやってくれということと、学校と地域との連携をもっともっと推進してくださいということと、それから警察との連携も推進してくださいと、この三つのことを申し上げたところでございました。
#108
○水岡俊一君 いや、ちょっと私、非常に残念ですね、今の回答は。
 なぜかというと、この今私が読みました通知の下記に基づいてというのは、その一にこう書いてあります。「今回の事件において教職員が殺傷されたという点を踏まえ、教職員を対象とする防犯訓練等を当面集中的に実施すること。」と、こう書いてある。つまり、四日後に緊急的に出た通知によると、教職員を対象として防犯訓練をやれと、こういう話ですよね。つまりは、このマニュアルに従って対応しなさいと、でもそれは参考例だと。そもそもは、教職員の防犯訓練をやれば、やればいいんだとは言わなくても、やりなさい、それが当面の緊急の課題だと、こういうことになるんじゃないでしょうか。
 大臣、お願いします。
#109
○国務大臣(中山成彬君) いや、そうではなくて、こう三つあるでしょう、ちゃんとこれには。教職員を対象とする訓練もやりなさいと、二番目にはその地域との連携を深めていきなさいと、三番目には学校との連携も推進してくださいということをちゃんと書いてあるわけでございまして、何も教職員だけということを言っているんじゃないんですよ。よく読んでみてください。
#110
○水岡俊一君 私、よく読みましたよ。その上で質問をさせていただいています。
 私が言いたいのは、このようなマニュアルは本当に考えて作っていただいたと思うんですよ。だけれども、こういった問題、こういった事件にはマニュアル等ではなかなか対応し切れない様々な問題があるわけですよ。だから、だから国として実効的な施策をやらにゃいかぬと私は思うんだけれども、大臣は、通知も出している、通達も出している、マニュアルも作った、こういうふうにおっしゃるから私は聞いたんですよ。違いますか、大臣。
#111
○国務大臣(中山成彬君) いつも私は申し上げていますけれどもね、要するに、これからの教育というのは、とにかく学校現場に任せますと。第一義的には、学校現場がその学校の置かれた地域の状況とか、学校の状況とか、それを見ながら、大きい学校とか小さい、いろいろありますからね。それはもう学校の設置責任者がこれは管理すると法律も書いてあるわけですからね。管理の、管理することとなっているわけですから、それはまずは、それは、それぞれ地域地域違うんですから、私ども文部科学省が一律にこうしろというふうな、そういうものじゃないと思いますよ。あくまで文部科学省の仕事というのは、指導したり、通知したり、情報提供、こういったこともやっているところもありますよと、こうしたらどうでしょうかというふうな、そういうふうにやっているのが今の文部行政だ。
 やっぱり、あくまで、あくまで第一義的には、私は責任という言葉は使っていませんが、第一義的には設置者がそれぞれの地域において考える、これが地方分権であり、現場に任せると。現場でそれぞれの地域に応じて、子供たちを安全に、そして健やかに育ててもらいたい、これが基本でございます。
#112
○水岡俊一君 じゃ、お聞きをします。
 鴨崎先生はどうすればよかったんですか。お願いします。
#113
○国務大臣(中山成彬君) どうすればよかったかと私に聞かれても答えようはないんです。
 鴨崎先生というのは本当に子供たちから敬愛され、父兄からも同僚の先生方からも大変尊敬されていた、すばらしい先生だと、こういうふうに聞いています。
 ですから、本当に鴨崎先生の心情を察すると何とも言えないものがありますが、私は鴨崎先生が取られた行動、聞くだけですけれども、私は現場にいたわけじゃありませんから、この間取られた行動というのは、これは何も間違ったことはなかったんじゃないかな。にもかかわらず、ああいうふうな事件に遭ったということは、本当にこれはもう、いつも申し上げますけれども、起こってはならない、許されない事件だと、こういうふうに思うわけでございます。(発言する者あり)
#114
○水岡俊一君 犯人が悪かったというような声が今聞こえますが、御自分の、御自分の家族が、たとえ犯人が死罪になろうとも、何をしようとも、御自分の子供や身の回りの子供が、子供たちが殺されたらそれで済みますか。済まないでしょう。だから、どういうふうに対応すべきかをみんなで考えるべきだという話の中で、マニュアルだとか通知だけじゃ駄目だ、実際に学校を保安するような要員だとか、そういったことを、対策を練らなきゃいけないんじゃないかと私は思いますが、文科大臣はどうですか。
#115
○国務大臣(中山成彬君) いや、正にそのとおりでございまして、先ほどから言っていますように、第一義的には設置者がどうするか、それぞれの地域地域の特色がありますから、考えていただかなきゃいかぬわけですけれども、文部科学省としてどうしたらいいかということにつきましては、全国的にそんな状況等を踏まえながら、こういった、参考になるんじゃないか、一つの指針になるんじゃないかということでマニュアルを作って、それを周知徹底させながら、しかし、その中でそれぞれの地域において、学校においても創意工夫を重ねてくださいよと、こういうふうなこともお願いしているわけでございます。
 さらに、そのガードマンとか警備員とか、そういったことを置く市町村も増えてるわけでございますが、これは本当にいいことだと、こう思うわけでございまして、その費用というのは今のところ国で見られませんものですから、全体として、そういった警備員とかあるいはボランティアの方々をできるだけ委嘱して、その方全体として学校を守ってもらいたいと。そのために、そのボランティアの方々を指導するといいますかね、そういったスクールガードリーダーというようなものを今年の予算で千二百名委嘱しまして、そういった方々がそのボランティアをいろいろ指導して、そして、全体として、地域全体として学校を守ろうと、そういった取組も今やって、やろうとしているところでございます。
#116
○水岡俊一君 いや、あのね私、じゃ言います。この今さっきの通知の二番目に、今大臣もおっしゃいました、「PTAや地域のボランティアなどの参加を得て、学校内外の巡回、学校の門や通学路等の要所での監視、万一事件や事故が起きた場合の避難場所の確保など、学校の安全確保のための地域との連携を進めること。」と、こう書いてあります。廃品回収やバザーのボランティアと違いますよ。先生が一人命を落とした、あるいは二人が重傷を負ったという事件の後に出たその通知に安易にボランティアで頼むなんて言語道断だと思いませんか、大臣。
#117
○国務大臣(中山成彬君) ここに書いてあることがなぜ廃品回収なんですかね、これね。すばらしいことだと思いますよ。PTAや地域のボランティアなどの参加を得て、学校の内外の巡回とか学校の門や通学路等の要所での監視、万一事件や事故等が起きた場合の避難場所の確保など、学校の安全確保のために地域との連携を深めること、これまでもやっていただいていますけど、ますますこういったものを深めていかなければ、要するにみんなで、地域全体で子供たちを守らなきゃいかぬということをこううたっているわけで、非常に私は高尚な精神だと。これをごみ回収などと言われては本当困ると思いますよ。
#118
○水岡俊一君 それではお聞きをします。
 ボランティアお願いをして学校を巡視していると、そういった業務の、業務というか、そういったことをお願いしている中で、このような事件が起きて命を落とされたら文科省は責任を取られるんですか。
#119
○国務大臣(中山成彬君) まあそういうことが起こらないように、そういったための研修したり、あるいは警察のOBの方々にリーダーとなっていろいろと指導していただくということでございますが。
 例えば、これ北九州で取り組まれているスクールヘルパー事業の場合でございますが、保護者や地域の団体の関係者がボランティアとして教育活動や、校内の、通学路の巡回といった子供の安全対策に参加していますけれども、参加するボランティアの方々を対象として保険の手当てが講じられてるわけでございまして、それぞれの市町村におきまして、包括的な保険ということで、ボランティア保険とかそういったものにも加入している例が多々見られるところでございます。
#120
○水岡俊一君 いや、そういう話の中で保険を取り出されたんじゃ、ちょっと本当に悲しい限りですね。
 命の問題です。いや、幾ら金が掛かっても子供の命を守りたいということを文科大臣がおっしゃっていただきたいと私は思うんですよ。違いますか。私は、文科大臣として、予算のこともあるから安易にその話はできないかもしれないが、これは将来にわたって学校の子供や教職員を守るという観点において、法を整備するなり学校の保安要員を置くなどの措置をこれから検討することが必要だというふうにお感じになってほしいと私は願っていますが、大臣、どうですか。
#121
○国務大臣(中山成彬君) それはもう、子供たちを育てる場合に、国、地域、学校、家庭、みんなでそれぞれの役割分担に応じて、それぞれの責務を果たしながら子供たちを育てていくと、これは当然だろうと思いますし、今先生が言われるように、本当にボランティアだけでいいのか。それじゃ足りないかもしれませんから、国としてできることをやらないかぬということで、私どももいろいろと取り組んでいるわけでございまして、決して保険に入ればいい、それだけのことではない、やっぱりこれはみんなで考えないかぬ話だと、私はそのように考えています。
#122
○水岡俊一君 亡くなられた鴨崎先生はマニュアルに従ってこの行動を行いました。目の前で子供が刺されるという状況の中で、割って入って先生が刺されて死んだわけではありません。このマニュアルに従って、外来者の対応として外へ連れ出そうとして刺されたわけですね。本来の教職員の職務としてこれはあるんですか、大臣。
#123
○国務大臣(中山成彬君) 学校の子供たちの安全を確保するという観点から、教職員の果たすべき役割は非常に大きいと、こう思うわけでございまして、学校に不審者が入ってきたというような事態が発生した場合、迅速に一一〇番通報等を行うことが不可欠でありますけれども、こうした通報についても日ごろから訓練しておかなければ緊急事態には対応できないと、このように思うわけでございますし、また一一〇番通報しても警察官が到達するまでの間においてはとにかく教職員が連携して、教職員自身の安全も守りながら、不審者を子供たちに近づけないようにすることで被害の防止を図る、あるいは子供の避難の誘導を行う必要があると、こういうふうに考えるわけでございます。
 こういった観点から、文科省としては、地元と警察等と連携しながら学校において実践的な防犯訓練を実施することの重要性もこれは指摘しているところでございます。
#124
○水岡俊一君 それではお聞きをいたします。学校の教諭は学校教育法によって、第二十八条の六に「教諭は、児童の教育をつかさどる。」と、こういうふうに明快に書いてあります。それ以外に外来者の対応、そして不審者への対応をしなければいけないということがどこかに書いてありますか、大臣。
#125
○国務大臣(中山成彬君) 子供の教育をつかさどるという中に、やはり子供の安全も守るということも入っているんじゃないでしょうかね。
#126
○水岡俊一君 私が聞いたのは、明確に外来者への対応を職務だと書いているところがありますかと、こう聞いたんです。それは包括的に入っているという答えなんですか、どうですか。
#127
○国務大臣(中山成彬君) 学校教育法の中に「教諭は、児童の教育をつかさどる。」と、こういうふうにあるわけでございまして、この中に子供の教育をするときの安全も守るということも入っているというふうに解釈しております。
#128
○水岡俊一君 いや、だから私は言葉はちゃんと言っていますでしょう。子供の安全ということであれば非常に大きくなりますよね。だから、目の前で子供が傷付けられようとしているときに教員としてそれを止めないわけはありません。それは子供の安全を守ろうとすることです。しかし、今回は外来者の対応としてこのマニュアルに従って外に連れ出そうとして事故に遭ったと、こういうことです。
 そもそもこの職務は教諭の仕事ではないでしょと、私はこうお尋ねしているんですが。(発言する者あり)校長の仕事なんだよ。
#129
○国務大臣(中山成彬君) この正に法律にありますように子供の教育をつかさどると、こう書いてあるわけですから、教職員は。これは、今言われるように校長だけの仕事ではなくて、やっぱり全体としてみんなでこれは子供を守るという、そういうことを、当然のことじゃないですかね。校長先生はその全体を統括するという、そういう仕事だと思います。
#130
○水岡俊一君 いや、私も机をたたいて申し訳なかったと思います、ちょっと興奮しましたので。
 校長がその仕事に全面的に当たって全うできるなんて私も思っていません。しかし、教員の仕事ではないんです。だから、外来者の対応あるいは、まして不審者の対応は、学校保安要員なぞを擁して当たるべきじゃないかと私は申しているんですが、どうですか。
#131
○国務大臣(中山成彬君) それは、何度も申し上げていますように、子供は国も地域も学校もみんなで育てている、育てなきゃいかぬということだと思いますので、教職員は教育をつかさどると書いてあるわけですから、もちろんその教育を授けているときには、授けているときには、子供が安全に教育が授けられるようにするのは教員として当然のことじゃないですか。
#132
○水岡俊一君 いや、いろんな御意見はあろうとは思いますが、緊急避難とこういった対応のマニュアルとは違うんですよ。だから、目の前に傷付けられようとしている人がいたら、それは人間だれしも助けようとするでしょう。まして、子供を目の前にしている教員は体を張ってやります。池田小学校でもそうでした。
 ですから、そういった意味では私は、こういったマニュアルだとか通知だと、などだけに頼ることでは、現在のそういった事件が多く発生している事態に対応できないだろう。そういった意味で、今後の方向として、寝屋川の中央小学校をどういう教訓として受け止めるか、大臣、お願いします。
#133
○国務大臣(中山成彬君) 正に今回の寝屋川の小学校の痛ましい事件もありましたので、文部科学省としても直ちに担当官四人派遣いたしまして、その原因の究明とかいろんなことを調べてきたわけでございますが、繰り返しになりますが、決して学校の先生だけで守れるものじゃないと私は思います。
 ですから、国は国の役回りがありますし、特にその設置の責任者であります市町村がまず、どうしたら学校において、地域の学校において子供たちが安全、安心に教育を受けられるのか、この観点から本当にその今知恵を絞っていただいていると思っていまして、地域によりましては警備員をですね、警備員を雇うだとか、あるいは先ほど言いましたけれども、ボランティアの方々にお願いしていろんな取組をやっているわけでございます。
 何度も申し上げますが、子供たちは本当に社会の宝、国の宝という観点からみんなで守っていくべきだと。決して学校の先生方だけというわけじゃありませんが、やはり学校の先生も当然、子供たちに、何のために子供たちを教育するのか、子供たちが健やかに育って、そして大人になって幸せな人生を送れるようにということですから、その子供たちが傷付けられるような事態、これはもちろん身をもって、私は、救ってあげられるような、そういう先生であってほしいなと、こう思います。
#134
○水岡俊一君 いや、学校の先生はそのように、子供たちを守るように日々一生懸命努力をしていると思います。
 大阪では、大阪府、府下小中学校に来年度より警備員の配置が決められたそうです。あの大阪府で、厳しい財政の中で身を切る思いで警備員を配置するということが決められた。それを受けて、文科省としては、交付税の中にそういった費用を盛り込む、将来的に盛り込むという考えはないですか。
#135
○国務大臣(中山成彬君) これは三位一体の議論の中の義務教育国庫負担制度をどうするかという話でもあるわけでございまして、国が全部持てという御主張かもしれませんが、今はそうなっていないわけでございまして、文部科学省としては、その中でできるだけのことをやろうということで、例えば平成十三年度に公立学校及び児童福祉施設等の緊急安全対策ということで五十七億六千三百万円の特別交付税として措置してもらうとか、あるいは平成十四年度からは、公立学校における学校安全対策として、幼稚園、小学校、中学校、高校等にそういった交付税措置をやっていただくというふうなことで、文部科学省としてできる限りの今努力をしているところでございます。
#136
○水岡俊一君 それでは、質問を変えます。
 小学校が今クローズアップされていますが、幼稚園、保育園、こういった事件が起きる可能性がありますし、既に起こっています。
 幼稚園での対応をどのようにお考えか、保育園での対応をどのようにお考えか、関係大臣から御答弁をお願いします。
#137
○国務大臣(中山成彬君) これはもう幼稚園も小学校も同じだと、こう思うわけでございますが、幼児を保育するという幼稚園の特性を踏まえまして、児童が安心して教育を受けられるよう、家庭や地域の関係団体あるいは機関等と連携しながら安全管理の徹底を図ることが必要であると、こう考えておりまして、幼稚園における安全対策に対する助成として、門やフェンス等の設置に要する経費、あるいは防犯管理システム等の設置に要する経費に対して国庫補助を行ったりしているところでございますし、今後とも幼稚園関係者を対象とした各種会議や研修会など様々な機会を通じて指導を進めまして、幼稚園の安全確保のための施策の推進を図ってまいりたいと考えております。
#138
○国務大臣(尾辻秀久君) 今のお答えと余り変わらないかもしれませんけれども、保育所におきましても、特に保育所は小さい子供たち、ゼロ歳児もおりますし、乳幼児が安心して生活が送れるよう、生活がすることができるよう関係機関等と連携しつつ、安全管理の徹底を図ることが重要であると考えております。
 このために、先ほど来お話にも出てまいります平成十三年の大阪府池田小学校で起きた事件を契機としてやったことを二点申し上げます。一つは、保育所における日常の安全管理と緊急時の安全確保について、外部からの人の出入りの確認といった各種の点検項目を示し、自主点検を促す通知を発出いたしました。まあ、通知はというお話ありましたが、私どもも通知は出させてもらいました。それからもう一つは、警察機関への非常通報装置やテレビカメラ付きインターホンなどの安全管理に必要な設備の整備に対する助成は行ってまいりました。
 こうしたことを行ってはまいりましたけれども、先ほど来のお話、いろいろお聞きをいたしておりました。自治体担当者や保育所関係者を対象とした会議など様々な機会を通じてこうした取組の徹底を図って、保育所の安全確保を更に図ってまいりたいと考えます。
#139
○水岡俊一君 設備等に掛けるお金というのもお話がありましたが、先ほどから私がしているのは、こういう不審者が侵入をしてきたときにどう対応するか、それは人的な問題としてどうなのかという問題を質問しているわけでありますから、そういった答弁しかないというのはちょっと私は残念で仕方がありませんが、気持ちは通じたんではないかと思いますので、今後の取組の中で、政治の中で行っていただきたいというふうに思います。
 厚労大臣にもう一つ、学校だけではなくて国立病院でこういった問題が起きる可能性もこれはありますね。国立病院の中で、緊急時に対応するために医師あるいは看護師にもこういった対応をするように大臣としてはお求めですか。
#140
○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほど来のお話伺いながら、病院の場合はもっと大変だなと思いながらずっと聞いておりました。何しろ不特定多数の人が入ってくるところでありますから、ここでそれを防ぐというのは、これはもう非常に難しいことだと考えます。
 今、御質問は、そういう場合に医師や看護師さんにそんなことに対応せいと言うのかというお尋ねがまず一点ございましたけれども、これはもうとても、お医者さんや看護師さんがそういうことをするためにおられるわけじゃありませんから、そういうことをお願いしますなんてとても言えるものではございません。お尋ねの部分だけお答えいたしますと、そういうことを私どもが求めたりはしませんということをまずお答えをいたします。
#141
○水岡俊一君 そもそもという話をすれば、教員もそもそもそういったことの仕事はないわけですから、こういった問題をこれからもお尋ねをし、明確にしていきたいというふうに思います。
 それでは、文科大臣に返りまして、お尋ねをしたいと思います。
 文科大臣、母校の小林中学校にお戻りになられたときに、図書が少ないというふうにお感じになったというお話を聞きました。そのことについてお話をください。お願いします。
#142
○国務大臣(中山成彬君) 今、教育改革の中で学習指導要領の見直し等も進めているんですけれども、昨年末の国際的な学力調査の結果でも出ましたように、日本の子供たち、もちろん学ぶ意欲がないとか勉強時間が少ないとかありますけれども、読解力が今やOECDの中位クラスになっちゃっているということがありまして、このことは問題にすべきだなと、こう思いまして、やっぱりそういう読書といいますか、本に親しむという、そういう習慣を付けさせることが一番大事じゃないかな、こう思っていまして、学校訪問今いたしておりますが、私は常に図書館に行きまして、図書館にどういった本があるのか、十分に備えられているかどうかということをチェックしているところでございますが、残念ながらやはり非常に本の冊数が少ないし、また非常に古い図書もあったりしまして、これはやはり問題だなと、もう少し何とかしなきゃいかぬなと、こう思っているわけでございますが。
 今調べてもらいましたら、全国の図書整備費としては毎年百三十億円という地方交付税措置を講じておるわけですけれども、それがいわゆるその図書購入費に充てられていないところもあるわけでございまして、平成十四年度の小学校一校当たりで見てみますと、全国平均は四十二万一千円でございますが、高い県では七十万七千円、低い県では十八万六千円と、三・八倍ぐらいの差があるわけです。同じく中学校一校当たりでは、平均が六十二万二千円ですけれども、高い県は百十二万八千円、低い県では三十二万九千円ということで、三・四倍の差があるということで、教育に対する取組というのがこういったところにも出ているのかなということを感じているところでございます。
#143
○水岡俊一君 一校当たりに一年、図書購入費は標準的な学校で、小学校は四十四万円、中学校は七十三万二千円措置をされているわけですが、こういったお金は地方交付税交付金の中に入っておりまして、各都道府県へ送られていると。しかし、私の提出しました資料の三枚目をごらんになっていただくと、今の大臣のお話のように、大変格差があります。こういった事態を招いているということについて、総務大臣、見解がありましたらお願いいたします。
#144
○国務大臣(麻生太郎君) おっしゃるように、地方交付税で百三十億、図書購入費に予算が付いていると思っております。そして、実際使っておられます、地方団体が上げておられる総額は百四十億を超えておりますので、交付税以上に実は予算を使っておられるというのが実態だと存じます。
 県当たりの格差が付きますことにつきまして、私は、基本的にこれは教員と違って図書の場合は、学校図書のこの整備費の件につきましては、これは法律上の基準がこれは全然設けられておりませんから、したがって、今こういったような形になるのは、それは地域においての首長さんの意識の差とかいろんな問題がそこに勘案されなくちゃいかぬところだと思いますが。この地域差を、もし水岡先生としてはこれ全部一律にせいということを感じておられるとするならば、これは全然別に法律によって基準を設けない以外は、これはなかなかそういったことに出てこないと思いますので。教員の場合は標準値は決められておりますのと違って、その違いが大きな理由かという感じがいたします、この資料を見た感じ。
#145
○水岡俊一君 その図書費の問題は、今交付税化されていますので、ただ、これから教職員の給与費が交付税化をされるんではないかという、そういった懸念がある中で、地方に教職員給与費も交付税化をされたら、このようなグラフのようになったんでは日本の教育は守れないと私は思いますけれども、仮定の話で申し訳ないですが、一般的なお感じのことを大臣、お聞かせ願えませんか、総務大臣。
#146
○国務大臣(麻生太郎君) 今、水岡先生にこの前の質問で答弁したとおり、少し図書費と教員の給与とは違うと思っております。なぜ違うかといえば、基本的には法律で学級編制とか教員の数とかいうのは決められております、教職員の場合は学校図書と全然条件が違っておりますので。
 そこでまず、今、地方で教育の問題というのは、選挙のときでも何でも関心事の一番に上がってくるのは教育の問題なんじゃないんですかね。そういうときに、教員の質をとか量をとかいうのを下げるというのを公約にうたう人はまずおらぬと思いますね、基本的に。そんなのはよほどどこかねじが緩んでいるかどうかしていますよ、そんなのは。普通はそういうのはおらぬと思います。
 そういった意味では、僕は高校が一番いい例だと思うんですが、私のところは福岡県なんですが、隣に熊本でいえば済々黌、佐賀では佐高、福岡では修猷館と昔からある学校なんかある。これはもう全然義務でもなければ何でもないんですが、この三校の質の、学生の質がどれぐらい差が付けられるのかといったら、多分きちんとした数値を挙げることはほぼ不可能と思いますね。それぐらいみんな競って、競争して教職、教育の質のレベルを上げようと努力をしておると思います。
 そこで、同じように教職員の給与は、仮に今話題になっておりますように、仮に地方に地方税として移管された場合、その教職員の給与の約半分でありますから、その半分を削って道路に使うとか川に使うって、ちょっと正直言ってそれは次は落選ですな、それは。そんなことは普通じゃ考えられぬね、そんなことは。私自身の雰囲気からいくとそうだと思っております。
 したがいまして、今の場合、教職員の場合を、高校見ましても、実質は教職員が文部省が決めておる設置基準以上に教職員をほとんどの県で配置しておられるというのが現実、実態なんだと思っておりますので、私どもにしてみれば、この中でいろいろ例が引かれておると思いますけれども、この学校教職員の話とこの学校図書費としては裏付けになっている法律の質が全く違いますので、このような形になるということは私の常識では考えられぬと思っております。
#147
○水岡俊一君 現在のところは法律が違うということで、それはもう明快なことだと思いますが、こういったことで、からくりの中でもし義務教育費国庫負担制度が変わってしまうと大変なおそれがあると、こういうふうに私は思っております。今後もこの問題については考えていきたいというふうに思っておりますが、同僚議員の質問に譲りたいと思います。
#148
○委員長(中曽根弘文君) 関連質疑を許します。前川清成君。
#149
○前川清成君 昨年七月の選挙で奈良県選挙区から当選させていただきました前川清成です。
 この日のために妻が用意してくれました新しいスーツを今日下ろしてまいりました。予算委員会でのデビューになります。委員長始め皆様方の御指導を仰ぎながら、三十一万一千九百九十票、奈良県の皆さん方から賜った大きな期待に必死でこたえてまいりたい、こんなふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 最初の質問は、誠実な御答弁の姿勢に敬服し、そして目標とさせていただいております尾辻厚生労働大臣にお願いいたします。
 今月二日、富士見産婦人科病院の元院長らの医師免許が取り消されましたが、事件発覚後二十五年もたった後の医師免許の取消し、余りにも処分が遅過ぎたのではないか、こんなふうに考えておりますが、大臣、いかがでしょうか。
#150
○国務大臣(尾辻秀久君) 確かに二十五年掛かりました。これは振り返りますと、その基となる事実認定が可能になった段階で医師の行政処分は行うということにされておるわけでございますが、この事案につきましては、刑事事件についてまず不起訴になりました。したがって、刑事事件で不起訴になったので医師の行政処分ということに直接触れることができませんでした。
 その後どういう経過かといいますと、今度は民事裁判がずっと争われてまいりまして、昨年の七月まで争われていたという、こういう経過でございます。そして、昨年七月、民事判決が確定しましたので、その後直ちに医道審議会において御議論いただいた結果、今回の処分の対象になり得るという結論になり、直ちに関係資料や各医師に対する調査などを行いまして、諮問、答申を経て処分を決定したものでございます。
 二十五年掛かった経緯がそういう経緯でありましたということをまず御説明を申し上げました。
#151
○前川清成君 議論の前提として、大臣でなくて結構ですので、この事件の概要を御説明いただきたいと思います。
#152
○政府参考人(岩尾總一郎君) 本事案は、昭和四十九年から五十五年の間に富士見産婦人科病院において、医師等の資格のない理事長が行った検査の結果に基づき、同病院の医師及び医師らが手術の適用が認められないのに患者の子宮、卵巣の摘出を行ったものでございます。この件の刑事事件につきましては、傷害罪としては昭和五十八年八月に不起訴になっております。
 なお、院長は、資格のない理事長に超音波の検査を実施させたなどとして、保健師助産師看護師法違反に問われ、これは昭和五十五年十二月ですが、平成二年に刑事罰が確定しております。また、この件によりまして、院長については、昭和五十六年二月、医業停止六か月の行政処分を行っております。
 その後、元患者らが損害賠償請求を行ったものでございまして、大臣御説明いたしましたように、昨年の七月に医師側敗訴の民事判決が確定いたしました。厚生労働省におきましては、この損害賠償が認められた事例のうち九つの事例につきまして事実の認定を行い、医道審議会への諮問、答申を経て、去る三月二日、院長及び医師らに対する医師法上の行政処分を決定したものでございます。
#153
○前川清成君 この被害者が千人と、こういうふうに言われています。もっと被害者の実態に即した御説明をお願いしたいと思います。
#154
○政府参考人(岩尾總一郎君) 昭和四十九年から五十五年までの間に、先ほど申しました患者に対する様々な医療行為を行ったわけでございますが、民事判決につきましては六十の事例について損害賠償が認められているものでございます。
 私どもは、九つの事例にいたしましたのは、民事判決の判決文からではなくて、診療録等の原資料から事実が確認できる、また医師等の資格のない者による検査の結果を基に慎重な検討なく手術が行われていたもの、子供を取り上げることを希望しているにもかかわらず慎重な検討なく子宮の摘出を行われたものなど、明らかな不適切な医療行為であると考えられるものを対象に今回審議を行ったものでございます。
#155
○前川清成君 岩尾さんは、この事件の被害者は六十人だと、こういうふうにおっしゃっているんですか。
#156
○政府参考人(岩尾總一郎君) 民事の判決で損害賠償が認容されたものが六十例ということでございます。
#157
○前川清成君 だから、被害者は何人だと聞いているんです。
#158
○政府参考人(岩尾總一郎君) 判決以上のものについては把握しておりません。
#159
○前川清成君 新聞等は全然お調べになっていないんですか。
#160
○政府参考人(岩尾總一郎君) 私どもが医師法上で判断するということで、従来刑事処分をされたものについて行ってきたわけでございますが、今回、民事についても判断を下すということで始めた最初のケースでございますので、そのような意味では、その対象を絞るということになると、民事のケースによるものかと思っております。そしてその中で、先ほど言いましたように、確実に処分が行える事例ということで六十例の中から九例としたわけでございまして、全体にどの程度の被害者があったということよりも、私ども、医師法上の処分の対象として考えたケースで先ほどのような結果を出したということでございます。
#161
○前川清成君 先取りして答えていただかなくて結構です。まず、議論の前提として、どういう事件であったかを確認したいと思っています。新聞等は確認しておられないんですか。
 もう一度聞きます。被害者は何人というふうに考えておられるか。
#162
○政府参考人(岩尾總一郎君) 当時の新聞というのは特に見ておりません。
#163
○前川清成君 大臣、このような調査の仕方は私は怠慢ではないかと思うんです。まず、被害の実態、形式的に処分するかどうかはともかくとして、被害者がどれだけいるかというのをまず役所として誠実に調べるべきではないかと、私はそう考えますが、いかがでしょうか。
#164
○国務大臣(尾辻秀久君) 全体の被害をちゃんと調べるという意味においてはおっしゃったとおりだと思います。
 ただ、今度の医道審議会でどうするかということについて答えておると思いますので、その点だけは御理解いただきたいと思います。しかし、重ねて申し上げますが、被害全体を調べるという話であれば、それはもう仰せのとおりだというふうに考えます。
#165
○前川清成君 その報道によりますと、七十八歳の元院長というのは現在も病院を経営している、こういうことなんです。
 そこでお聞きしますが、この病院に対して今も健康保険から診療報酬が支払われているのかどうか。支払われているとしたら、どれだけの期間にトータルでどれだけの金額支払われたのか、お答えいただきたいと思います。
#166
○政府参考人(水田邦雄君) お答え申し上げます。
 先生御指摘の医療機関は、現在、保険医療機関としての指定は受けてございます。ただ、診療報酬につきましては、御存じのとおり保険医療機関と保険者の間で請求、審査、支払が完結するものでございまして、私ども厚生労働省におきましては、個々の保険医療機関に対する診療報酬の支払の有無、それから総額については把握してございません。
#167
○前川清成君 私としては、厚生労働省としては二十五年間この事件を放置していたというふうに考えざるを得ないんじゃないかと、こんなふうに思っています。
 資料を用意いたしました。一枚目、五十五年に逮捕された、五十八年に不起訴処分があった等々を書かせていただきました。それで、このそれぞれの時点で処分できなかったのか、お答えください。
#168
○政府参考人(岩尾總一郎君) まず、この産婦人科病院の院長でございますが、当時の保助看法違反で起訴された段階、五十五年の十二月でございますが、刑事罰の確定前、五十六年の二月に私ども、医道審議会への諮問、答申を経て、同法違反として医業停止六か月の処分は行っております。
 一方、院長及び各医師の医療行為を理由とした行政処分については、民事訴訟が提起された段階、五十六年五月、それから刑事事件、傷害罪として不起訴になった段階、五十八年八月においては、民事裁判において双方が主張を行っている、あるいは証拠を出し合っているような状況でございまして、その時点で行政処分のための事実認定を行うというのは困難であったというように思っております。
#169
○前川清成君 だから、どうして困難ですかという質問をしてます。
#170
○政府参考人(岩尾總一郎君) 私どもは、行われた医療行為がその医事に対する不正があるかということで判断いたしますので、そこに書かれていることが、特に民事の場合では双方がそれぞれ正反対のことを主張いたしております。そういう証拠を出し合っている状態ということで、その時点では行政処分というのの事実認定を行うのは困難であったということでございます。
#171
○前川清成君 起訴された五十五年十二月の段階の捜査資料に基づいて処分することはできなかったんですか。
#172
○政府参考人(岩尾總一郎君) その時点は、保健婦助産婦看護師法違反ということで起訴しておりますので、その時点では、医道審議会で諮問、答申をして既に医業停止六か月という処分は行っております。
#173
○前川清成君 そのときの調書を読めば、事情として何人かの子宮を勝手に取ったというのも出ていたはずだと思うんですが、その辺は調べられなかったんですか。
#174
○政府参考人(岩尾總一郎君) 刑事事件、傷害ということではなくて、あくまでも保助看法違反ということでやりましたので、違反の事由に際してこの六か月という処分を行ったわけでございまして、この保助看法違反というものの事実についてはきちんと事実認定をしております。
#175
○前川清成君 まず、調書は確認したのかしてないのか、お答えください。
#176
○政府参考人(岩尾總一郎君) 恐らくその時点は、結果として刑事も不起訴になっていますが、刑事の取調べが行われているときでございますので、私どもがそのような調書を見る機会はなかったと思います。
#177
○前川清成君 確定後は機会がありましたが、調べておられないんですか。
#178
○政府参考人(岩尾總一郎君) 不起訴になったという……
#179
○前川清成君 起訴された事件。
#180
○政府参考人(岩尾總一郎君) 傷害罪では不起訴になったわけですから、その経緯については私どもも聞いたということですが、同時に民事の訴訟が係属しているということで、詳細については情報が得られなかったというふうに承知しております。
#181
○前川清成君 もう時間があれなんで、よく聞いておいてくださいね。
 起訴された事件、医師法違反の事件の調書は確認していないんですかという質問、それを確認してた、したら、事情として子宮を取ったとか、出てたんじゃないですかという質問です。
#182
○政府参考人(岩尾總一郎君) 医師法違反というのは、この理事長である医師の資格を持たない者が罪に問われておりますので、この方が子宮を取った取らないということはございません。
#183
○前川清成君 南野大臣、厚生省がこういうふうに言いますのでお聞きしたいんですけど、検察実務においてあるいは警察実務において、動機や事情等は調書に記載するのが一般的だと思うんですが、いかがですか。
#184
○政府参考人(大林宏君) 突然のお尋ねでございますが、おっしゃられるように、それは事案に応じて、確かに重大な事件の場合にはいろいろな角度から調書を取ることはあろうかというふうに思います、一般論でございますが。
#185
○前川清成君 岩尾さん、今の大林局長の話を聞いていかがですか。当時調べたんですか、調べてないんですか。まず、はいかいいえで答えてください。
#186
○政府参考人(岩尾總一郎君) 医師法にしろ、保助看法違反ということですので、傷害罪のその、それ傷害の、傷害の……
#187
○前川清成君 それはさっきの答えでしょう。今の聞いたでしょう、大林局長の話。
#188
○政府参考人(岩尾總一郎君) 私どもとしては、いわゆる刑法といいますか、傷害事件ということではないという、その保助看法上あるいは医師法上の事実関係を基に処分しているということですね。その情報は得ている、おりますが、それ以外のものについては多分当時は聞いていなかったんだろうというふうに思いますが。
#189
○前川清成君 その点が今となれば怠慢だったとはお考えになりませんか。
#190
○政府参考人(岩尾總一郎君) いずれにしても、その時点は民事が係争中だったので、情報はしかるべきところから得られなかったと思います。
#191
○前川清成君 その当時において医師法事件の調書を詳細に調べたらもっと早くに事実が確定できたんじゃないかという質問ですが、それについてお答えください。余計なことはお答えいただかなくて構いません。
#192
○政府参考人(岩尾總一郎君) 医師法に問われている事象と傷害事件に問われている事象は多分異なるので、御指摘のようなものは判決文にも書かれていないと思います。
#193
○前川清成君 岩尾さん、同じこと三回目ですから、もういい加減にしてください。大林局長の話を聞かれたでしょう。事情として通常調書には出るんです。だから、調べたらよかったんじゃないですかと言っているんです。医師法事件の記録を言っているんじゃないんです。医師法事件の記録を見たら傷害罪についての、傷害罪についても事情として必ず記載されているはずです、これだけの重大な事件ですから。だから、それを調べなかったのは今となれば怠慢だと反省すべきではないですかと、こういう質問をしています。
#194
○政府参考人(岩尾總一郎君) 当時の、医師法違反といいますか、医師の処分をするというのは罰金刑以上の刑事罰に処せられた者ということですから、刑事事件として不起訴になったということであれば、そのような事例は集めるというのが当時の医道審議会の中ではなかったということだろうと思っておりますが。
#195
○前川清成君 ちょっと全然理解していただいてないみたいですけれども、また後で大林さんとよく話をしてみてください。
 時間がもったいないので先行きますが、それでは二十五年たった今処分された理由はどうしてですか。
#196
○政府参考人(岩尾總一郎君) 昨年七月の民事判決が確定してから、こういう民事事件についても、医療過誤ですとか医療の安全が問われているということもあり、たしか昭和十四年だったと思いますが、私ども、刑事事件のみならず民事についてもきちんと医師法上の処分をするというのを医道審議会で決めましたので、その後、これが最初の事例であったということで処分をしたということでございます。(発言する者あり)平成でございます。失礼いたしました。
#197
○前川清成君 民事訴訟は確定した事件に限っておられるんですか。
#198
○政府参考人(岩尾總一郎君) なかなか、実際に裁判で和解をしたりとかいろんなケースがあるわけですが、私ども、医療を提供する側のやはり安全性、国民の信頼ということにかんがみますと、単に判決が確定したもののみならず、広く集めたいとは思っております。ただ、少なくとも今回の事例は、民事が確定した初めてのものということで御理解いただければというふうに思っております。
#199
○前川清成君 今回は二十五年掛かって民事裁判が確定するまで処分してないんだから、厚生労働省の扱いとしては、民事訴訟は確定するまで処分しないと、こういうことなんですね。
#200
○政府参考人(岩尾總一郎君) そういうわけではございませんで、あくまでも事実認定が可能になるか、つまり医療行為として医事に関する不正があったかどうかということが事実認定されればいいので、私どもはケース・バイ・ケースで行政処分の検討はしていくべきというふうに考えております。
#201
○前川清成君 刑事事件の調書も閲覧しない怠慢な厚生労働省において、どうやって事実を認定するんですか。認定する方法を答えてください。
#202
○政府参考人(岩尾總一郎君) 刑事であれば事実認定がきちんとしておるかと思いますが、私ども、民事裁判などでも現存資料を基に、事実が確認できるものについてはそういうものを基に証拠を調べていきたいというふうに思っておりますが。
#203
○前川清成君 質問は、事実認定の方法を答えてくださいと、こうお尋ねしました。お答えください。
#204
○政府参考人(岩尾總一郎君) 今回の場合につきましては、その民事の裁判の資料、その中に具体的なカルテ等々の写しがございましたので、それは使いました。それに加えまして、私どもの職員が当事者から聴聞をするというような行為もしております。
#205
○前川清成君 その民事、確定した民事事件の判決に限るっていう、限るという扱いであれば、本件のように二十五年も掛かる場合には、その問題のある医師を適切な時期に適切な処分ができない、で、大変問題であると、それは間違いであると、こういうふうに考えますが、その点では認識は一致していると、これでよろしいですか。
#206
○政府参考人(岩尾總一郎君) はい。事実認定が難しいのは十分考えられますけれども、行政処分ができるものはやっていきたいというふうに思っております。
#207
○前川清成君 本件は、故意でおよそ千人もの被害者を出した医師が、その後二十五年間も放置されて今まで診療を続けてきたと。普通に暮らす市民にとっては背筋が凍り付くような、そんな事件だと思います。
 医師免許の取消しについて、手続の迅速さ、迅速化、そして公正化、これが必要だと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
#208
○国務大臣(尾辻秀久君) お話しのように、医師の行政処分につきましては、公平かつ迅速に行っていくことがまず基本的に必要だと、こういうふうに考えます。
 そして、今回のことの中でも、三月二日に医道審議会が結論出して、そのときに意見も出しておりますけれども、今回の調査や議論の経験を生かし、適切に実施していくことが必要であり、そのためには厚生労働省への報告聴取の権限の付与や、迅速かつ適切に行政処分等を行っていくための組織体制の充実について検討すべきだという御意見もいただいております。
 こうした御意見などございますから、私ども、かねて、十八年度に医療提供体制全体を見直して御提案申し上げようと思っておりますので、御指摘の点なども含めて、この中で検討を進めていきたいと考えております。
#209
○前川清成君 どうぞよろしくお願いいたします。
 続いて、ハンセン病に関する検証会議の最終報告書が今月一日に提出されました。大臣にお尋ねいたしますが、この報告書は今後どのように取り扱われるんでしょうか。
#210
○国務大臣(尾辻秀久君) 先日、最終報告書をいただきました。そのときに私が申し上げましたのは、大変重い報告書をいただきましたと申し上げました。そして、それは物理的に重いという意味ではありませんと申し上げました。中身、読ませていただくと、本当に深刻ないろんな記述がございます。そうしたものをもう一回私どもは読ませていただいて、反省をしながら、そしてまた、あの書いてあることを十分尊重をしなきゃいけない報告書だというふうにまず基本的に考えております。
#211
○前川清成君 資料を用意しました。二枚目です。ちょっと議論の前提として、このハンセン病に関する経緯を、大臣でなくて結構ですので、御説明をお願いします。
#212
○政府参考人(田中慶司君) 失礼いたしました。
 検証会議の経緯でございましょうか。
#213
○前川清成君 資料の二枚目、二枚目。
#214
○政府参考人(田中慶司君) 先生提供の御資料でございますけれども、ほとんどこのとおりの、事実関係においては間違いないと思います。
#215
○前川清成君 昭和三十三年、東京で開かれた第七回国際らい会議、これはどのような議論があってどのような勧告があったのか、お答えください。
#216
○政府参考人(田中慶司君) ここに書いてありますような記述、強制的収容政策は必ずしも適当ではないというようなことがこの会議では言われたというふうに聞いております。
#217
○前川清成君 その国際会議の勧告もあった。特効薬も見つかった。感染力が極めて弱いこともはっきりしている。それなのにどうして強制隔離や断種、妊娠中絶等の政策を続けたのか、推し進めたのか、この点お答えください。
#218
○政府参考人(田中慶司君) その前提となりますのは、プロミン等の治療薬が非常に有効であるということであるのではないかというふうに思っております。
 ただ、その有効性というものに関しましては、必ずしも、その菌の発育を阻止するという程度のものでございまして、完全な、殺してしまうというようなものではございません。例えば、結節型のものに対しましては高い治療効果が認められますけれども、神経型に関する治療効果は必ずしも高くはないということでございます。
 さらに、長期間の治療を必要として、毎日の静脈注射によらざるを得ないために、必ずしも外来治療が適当ではないというようなことから、入院治療が基本的には必要であるということでございます。
 さらには、当時の医学界の常識としましては、様々な意見があるわけでございますけれども、基本的にはハンセン病の予防には患者の隔離収容以外には方法がないというような意見が主流であったということでございますし、また、ハンセン病の感染力につきましても様々な議論がある状況でございまして、罹患しますと根治することは極めて困難であると、また、悲惨な皮膚症状あるいは変形等の後遺症をもたらすと、これにかかると患者及び家族の被る社会的不幸も計り知れないと、様々なそういうような状況から法律改正には至らずに、至らなかったということではないかと思います。
#219
○前川清成君 質問は聞いていただいているんですかね。今のお答えは尾辻大臣が尊重するとおっしゃった最終報告書の内容とも矛盾していますし、熊本地裁の判決を否定していることになっていますが、今のは本心でおっしゃったんですか。
#220
○政府参考人(田中慶司君) 今私が申し上げましたのは、その当時の医学界の大方の意見というのがそういう状態であったということを申し上げました。
#221
○前川清成君 じゃ、現在においてはどう総括されているんですか。
#222
○政府参考人(田中慶司君) いつの時点からということは、裁判上と私どもの主張と多少ずれはございますけれども、らい予防法そのものを抜本的に見直しをしてこなかったということにつきましては反省すべきことということで、厳粛に受け止めているところでございます。
#223
○前川清成君 時期について争いがあるとおっしゃいましたが、じゃ、厚生労働省はいつの時期からというふうにお考えなんですか。
#224
○政府参考人(田中慶司君) 裁判では、三十五年ころには既に隔離政策を変えるべきではなかったかという判決をいただいております。
 私どもといたしましては、多剤耐性療法が確立したのは昭和五十六年ぐらいではないかというふうに考えておりまして、これは裁判上もそういう形で争っているところ、争ってきたところでございます。
#225
○前川清成君 だから先ほど聞いたんですが、昭和三十三年の第七回国際らい学会の勧告、これは間違っていたと、こういうことですか。
#226
○政府参考人(田中慶司君) 私どもは裁判の上ではそうやって争っていたということを今申し上げたわけでございます。
 ただ、判決を、和解を受け入れた以降は、らい予防法の抜本的な見直しを行ってこなかったということに関しましては十分反省すべきものということで、厳粛に受け止めているということでございます。
#227
○前川清成君 田中さん、僕がこの委員会で厚生労働省の裁判上における主張はと、そんな質問したことが一度でもありますか。そんな質問聞いてないでしょう。
 現在においてどう総括しているんですかと、こうお尋ねしたら、五十六年以降見直すべきだったと、そう今おっしゃったから、そうであれば、厚生労働省は昭和三十三年の国際らい学会の勧告、これは間違っていたというふうに判断されているんじゃないですかと聞いているんです。
#228
○政府参考人(田中慶司君) 国際らい学会、何回か先生の御主張のような、強制的な収容政策は破棄しなければいけない、あるいは時代錯誤であるというような勧告を何回かお出しになられているところは事実でございます。
 私どもも、本来でしたら、やはりそういうものを受け止めて抜本的な見直しを行うべきだったろうというふうに考えておりまして、それに関しましては十分反省すべきものというふうに考えているところでございます。
#229
○前川清成君 尾辻大臣のお立場に同情申し上げます。こんなことではなかなか改革も進まないんじゃないかなと、そんなふうに思います。
 それで、検証会議による最終報告書によりますと、六つの施設で百十四体の胎児等の標本が発見されたとあります。うち二十九体は妊娠八か月を経過しています。十六体は妊娠九か月を経過しています。
 この二十九体の赤ちゃんについてはどのように考えたらいいんですか。
#230
○委員長(中曽根弘文君) 尾辻厚生労働大臣。
#231
○前川清成君 いや、大臣じゃなくて結構です。
#232
○国務大臣(尾辻秀久君) じゃ、私からお答えいたします。
#233
○前川清成君 済みません。
#234
○国務大臣(尾辻秀久君) これも報告書の中に出てくるんでありますけれども、「胎児等標本のうち生産児の死亡の可能性のある例については、検証結果をもとに在園者、全療協などの意見を踏まえ、厚生労働省が関係当局に対し検視の申出か異状死体の届け出をするよう意見を述べるべき」との提言をいただいております。
 したがいまして、これ踏まえて、よく今、関係の皆さんの御意見いただきながら、どうするかを検討したいと考えております。
#235
○前川清成君 この二十九体の赤ちゃんについては、大変残念ながら国の手によって殺された、こういうふうに考えざるを得ないんじゃないか。妊娠八か月を過ぎていますので、優生保護法に基づく人工妊娠中絶もありませんので、分娩された後、国家公務員の手によって殺されてしまったと考えるしかないのではないかと、こう考えていますが、いかがでしょうか。
#236
○国務大臣(尾辻秀久君) 報告書が述べているところもその辺に触れてのことだと理解をいたしております。したがいまして、申し上げたように、ただ関係の皆さんのいろんなお気持ち、お考えもありますから、その辺と御相談申し上げて、どう対応するかというのを真剣に考えたいと思っております。
#237
○前川清成君 二度と国民を守るべき国によって国民の命が奪われるということがないように、この二十九体の赤ちゃんについてはやみに葬ってはならないのではないかと、こういうふうに考えておりますので、是非よろしくお願いを申し上げます。
 それで、最後に、そのハンセン病、どういうふうに総括したらいいのかと。薬害エイズによって、エイズ事件によって厚生労働省が得られた教訓というのは何だったのかと。その血友病の権威と称するお医者さんの意見を妄信して世界の非常識をいつまでも続けていたというのが薬害エイズ事件、そして血友病、ごめんなさい、ハンセン病の権威と称する医師をいつまでも妄信して世界の非常識を続けていたのがこのハンセン病に対する隔離政策ではなかったか、こういうふうに考えます。
 このことを二度と繰り返さないためにどのようにすればいいのか、大臣、御所見をお聞かせ願えますでしょうか。
#238
○国務大臣(尾辻秀久君) 今回の様々なお話、御提言というものは、医療政策だけではございませんで、人権教育の徹底など非常に多くの問題を提起していただいた、そしてまた御意見をいただいたところでございます。十分、先ほども申し上げましたけれども、私どもが反省しなきゃならないことがあります。そしてまた、御提言は尊重しなきゃいけないというふうに考えております。
 今後、私どもは、今お話しのように、二度とこうしたことを起こさないように努力をしてまいります。
#239
○前川清成君 実はお会いしたことはないんですが、私は北側大臣と同様に大阪弁護士会法友倶楽部のメンバーでございます。
 去年三月十六日に公認をいただくまでは電車に乗って、毎朝電車に乗って大阪に通勤をしておりました。選挙に出るというふうになりまして、奈良県の中を車でうろうろするようになりますと、渋滞が余りにもひどいというのにびっくりをいたしました。
 私は橿原市というところで生まれました。今住んでおります奈良市まで電車でおよそ二十分、時間にして、距離にしておよそ二十キロなんですけれども、これが日曜日の夕方ですと、大変込みまして、片道二時間も掛かってしまいます。(発言する者あり)そうですね。
 つきましては、その渋滞の解消に向けて御尽力されている点があればお聞かせいただきたいと、こういうふうに思います。
#240
○国務大臣(北側一雄君) 私は、前川委員のことは大阪弁護士会の派閥の先生方から聞いておりましたので、大阪弁護士会では同じ派閥で、国会に来たら違う会派でございますが、どうか今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 御質問の道路の渋滞対策でございますが、この交通渋滞というのは時間やエネルギーのロス、また環境問題、交通事故の増加等も引き起こすものでございまして、これは大変な大きな問題、課題であるというふうに認識をしております。渋滞による経済損失も大変大きいものがあるわけでございまして、渋滞の解消によりまして安全かつ良好な環境をつくることは国土交通省の重要な課題というふうに考えております。
 御地元の事例で申し上げますと、私も奈良県近いですのでよく行きますが、国道二十四号、幹線道路でございますけれども、国道二十四号の柏木交差点から下三橋交差点、私もその場所に行かせてもらったんですけれども、非常にこれ、特に奈良県は観光地でございますので、休日なんかもう大変な混雑になりまして、この地域の混雑というのは大変深刻な状況であると、そこにお住まいの方々にとりましては大変な問題であるというふうに思っております。
 これまで幹線道路につきましてバイパスを造るだとか、それからやはり都市部における環状道路の整備をすること、こうしたことも非常に渋滞対策として有効であると考えておりますし、また、公共交通機関との連携をしっかり取っていくということも重要であると考えております。
 今、目標を立ててやっておりまして、平成十五年度から十九年度までの五か年間で渋滞の損失時間というものを約一割削減しようということを目標に取組をさしていただいているところでございます。渋滞損失時間といいますのは、現在では国民一人当たり年間約三十時間、全国で年間約三十八・一億人時間が損失というふうに算定をされているところでございまして、その他渋滞対策様々、連立立体交差事業等々、様々ほかにもあるわけでございますが、渋滞対策、全力を挙げて取組をさせていただきたいと考えております。
#241
○前川清成君 ありがとうございます。
 それで、奈良県の話が出ましたので調子に乗ってお尋ねしたいんですが、奈良県の場合、特に南北の渋滞がひどくて、世耕議員からも指摘がありましたが、京奈和道の完成というのが待たれます。
 ただ、大和北道路についてはいまだルート前、ルートも決まっておりません。ルート決定がいつごろになるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#242
○政府参考人(谷口博昭君) お答えいたします。
 ただいま大臣が答弁されたとおり、また委員御指摘のとおり、この地域の道路状況は非常に著しいものと認識をしておるところでございます。
 大和北道路につきましては、現在供用中の京奈道路と事業中の大和・御所道路をつなぎ、この地域の道路交通問題の原因となっている通過交通を受け持つ重要な道路であると認識をしております。また、今御指摘のとおり、京奈和自動車道と、全体百二十キロメートルございますが、その一環を成すものでございまして、また、大臣の答弁にございましたとおり、近畿圏、大阪、大都市圏の大きな環状道路を成すというような重要な道路であると思います。
 しかしながら、一方、大和北道路の計画ルート周辺には、平城宮跡などの世界遺産、古都奈良を始め貴重な文化財が豊富に存在しております。このため、計画の検討に当たっては、早い段階から幅広い市民の意見を反映するパブリックインボルブメント、いわゆるPI手法により進めてきておるところでございます。平成十五年十月には、大和北道路有識者委員会より二つの推奨ルート、構造が提言として示されております。現在、奈良県の都市計画審議会の中に設置されました環境影響評価検討専門部会、平成十六年の三月の二十九日に設置されておりますが、におきまして、環境や文化財の保全と交通の利便性との両立に十分配慮しつつ、更なる検討を進めていただいているところでございます。
 今後とも、引き続き必要な調査を行うとともに、専門部会を始めとしていろいろな方々の御意見を伺いながら、貴重な文化財や環境の保全と調和の取れた大和北道路のルート、構造の検討を進めてまいりたいと考えております。
#243
○前川清成君 大和北道路が通らないと京奈和道路が奈良市内で分断されてしまって、西名阪の郡山インター付近で大渋滞が発生するんじゃないかと心配していますので、一日も早く供用できるように頑張っていただくようお願いします。
 次の質問に移らせていただきます。
 資料を配らせていただきました三枚目、大臣でなくて結構ですので、この三枚目に基づいて、利息制限法の制限金利と出資法の制限金利について、議論の前提として概要を御説明いただきたいと思います。
#244
○政府参考人(大林宏君) 出資法の上限金利につきましては、平成十二年に貸金業者に係る上限金利が年四〇・〇四%から年二九・二%に引き下げられた上、平成十五年のやみ金融対策法において、出資法違反行為に対する法定刑の引上げなど、罰則が強化されたところでございます。さらに、この法律の附則において、施行後三年を目途として所要の検討を加え、必要な見直しを行うものとされています。
 以前、委員から法務大臣に対して見直しの関係をお問い合わせになったんですが、ここまではよろしゅうございますか。
#245
○前川清成君 私は、まず議論の前提として委員の皆さん方に御理解いただくように、利息制限法という法律があってどう定まっているかとか、出資法があってどういうふうに決まっているかとか、その間にグレーゾーンがあるとか、こういう御説明をしていただきたいなと、こういうふうに思ったんですが、ちょっと簡単にお願いできますか。
#246
○政府参考人(寺田逸郎君) まず、利息制限法でございますが、これは一定の金利までは利息を有効とするもの、つまりそれを超えるものは無効とする、こういう規制、民事上の規制でございます。それで、法律、利息制限法によりますと、元本に応じてその最高金利というのが決められておりまして、今お配りになった表のとおりでございますが、元本十万円までが二〇%、百万円までが一八%、それ以上が一五%と、こういう段階的な金利の制限が設けられていると、こういうことでございます。
 これに対しまして、出資法は、刑事罰を設ける最高の金利は、刑事罰に引っ掛からない、つまりそれ以上の金利を取ると刑事罰に引っ掛かる、そういうものとして定められている刑事上の規制ということになるわけでございます。
#247
○前川清成君 その利息制限法、そして出資法が定める制限金利の引下げに関して、昨年十一月十日の本会議において南野大臣から、平成十九年一月をめどにして検討しており現在法務省では基本的な調査を行っている、こういうふうな御答弁をいただいたんですが、制限金利に関する見直しは法務大臣が御担当いただくのか金融担当大臣が御担当いただくのか、どちらでしょうか。昨日ちょっと質問取りのときにお互い譲り合うというか押し付け合いをされていたので、少し不安になりましたので、これからどちらが主になってやっていただけるのか、まずは御確認したいと思います。
#248
○政府参考人(大林宏君) 私が承知している限りでは、出資法自体は金融庁の所管であると思います。ただ、委員御指摘のその利息の問題、罰則の掛かる部分については法務省も関与しているといいますか、両方で協議している、こういうものだと承知しております。
#249
○前川清成君 両大臣、この点いかがでしょうか。
#250
○国務大臣(南野知惠子君) お答え申し上げます。
 必要な調査研究についてはこちらの方でさせていただきたいと思っています。
#251
○前川清成君 南野大臣が十一月十日の本会議で、現在法務省の刑事局と民事局で基礎的な調査を行っていると、こういうふうにお答えいただいたんですが、現在どのような事項についてどのようなメンバーで調査をしていただいているのか、お答えいただきたいと思います。
#252
○政府参考人(大林宏君) お答えさせていただきます。
 御指摘の平成十五年のやみ金融対策法において、出資法違反行為に対する法定刑の引上げなど罰則が強化されたところですが、この法律の附則におきまして、施行後三年を目途として所要の検討を加え、必要な見直しを行うものとされております。御指摘のとおり、この見直しについては、諸般の事情を考慮して判断いたしたいということで、大臣が前御答弁申し上げたところでございます。
 現在、法務省の刑事局及び民事局において、出資法及び利息制限法の上限金利の在り方について必要な調査検討を行っております。
 出資法違反事件については、起訴件数も最近著しく伸びているところでございまして、このような状況も勘案して、この検討を更に進めてまいりたいと、このように考えております。
#253
○前川清成君 今お答えいただいたのは十一月十日の本会議と同じ答えですので、私が聞いているのは、具体的に今どのような方々でどのような作業が進められているのか、そういう質問をさせていただきます。
#254
○政府参考人(大林宏君) 私の方で、今もちろん部内で検討しているわけでございますが、具体的なちょっとお名前まで申し上げるわけにはいかないんですが、これも委員御承知のとおり、金利の問題につきましては、刑事処罰、取締りという面も大事なんですが、当然借りる方がおられる、貸す方もおられる、それから金融情勢もあるということで、私どもとしてはいろいろな、法務省内外のいろいろな方の意見をお聞きしながら検討を進めております。
#255
○前川清成君 金融大臣にお尋ねいたします。
 昨年十二月二十六日の日経新聞によりますと、金融庁は幹部による、この金利の引下げに関して幹部による勉強会を始めたと、こういうふうに書いてあるんですが、幹部というのはどういう方を指すのか、で、どのような勉強をされているのか、お答えいただきたいと思います。
#256
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきます。
 私どもの取組について、取組についての御質問でございましたが、私どもといたしましては、庁内で勉強会を設定をさせていただきまして、総務企画局、監督局、そして検査局から担当者が出て、今幅広い観点から勉強を行っているところでございます。
 ただ、今の現状というのは勉強を行っている最中でございますので、今後具体的にどのような方向でこの議論を進めていくか、その方向性についてはまだ固まっている段階ではございません。
 いずれにしても、今後勉強を深めていきたいというふうに思っております。
#257
○前川清成君 昨日のヒアリングの際は、貸金業者からのヒアリングを始めていると、こんなふうに聞いたんですが、貸金業者を呼んで、その貸金業者の訴えを聞き始めておられるんでしょうか。
#258
○国務大臣(伊藤達也君) 今までの勉強会の中で、業者の関係者の方にお見えをいただいてヒアリングをさせていただいたことはございます。(発言する者あり)ございます、はい。
#259
○前川清成君 その貸金業者はどういうようなことを訴えているんでしょうか。
#260
○国務大臣(伊藤達也君) 今、それぞれの現状についてお話をいただいておるところでございます。
#261
○前川清成君 大臣がおっしゃったように、あっ、大臣じゃない、大林局長かな、ごめんなさい。お金の貸し借りについては貸手もあれば借り手もありますので、業者を呼んで意見を聞くのであれば、是非借り手の側、消費者の側も意見をお聞きいただきたいと、こんなふうに思います。
 それと、真実かどうか分かりませんが、日経新聞の報道によりますと、自民党や公明党の皆さん方は金利の引上げを求めていると、こういうふうに報道されているんですが、金融庁あるいは法務省が認識されている限りで与党の皆さん方の御意見はそうなんでしょうか。
#262
○国務大臣(伊藤達也君) この貸金業法につきましては、委員御承知のとおり、議員立法で策定をされ、その改定につきましても議員立法でなされております。そうした意味から、立法府において様々な議論が行われているというふうに思いますので、その一つ一つについて私どもがコメントをするということは差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、その立法府の議論の動向については十分注視をしながら、私どもとしても幅広く、幅広い観点から勉強を進めていきたいというふうに思っております。
#263
○前川清成君 資料の四枚目をごらんいただきたいと思います。私の方で用意をさせていただきましたが、参議院の調査室にもお願いをして数字の確認をさせていただきました。現在の利息制限法というのは昭和二十九年の六月から施行されています。そこで、昭和二十九年当時と現在との金利の状況、物価の状況等を比較をさせていただきました。
 これをごらんいただいて、金融大臣、いかがでしょうか、随分金融情勢が変わったというふうな御認識をお持ちではありませんでしょうか。
#264
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきます。
 委員御指摘のように、やはり経済情勢や金融をめぐる状況というものは、この比較にも表れているように大きく変わってきているというふうに思います。貸金業者をめぐる状況もこれに合わせて変わってきているところがございますので、こうした点からすると、やはり、資金調達のコストはやはり下がりつつあるんではないかと。一方で、このコスト全体の中身を見てみますと、貸倒れのコストは増加している傾向にありまして、また貸金業者のその規模、この規模が小さくなっていくと資金調達のコストがやはり増加をしていく、そういう傾向があると、こうした御指摘もあるところでございます。
 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、貸金業者の業務の実態、そして先ほど委員から御指摘もございました利用者の所得の状況も含めた状況というものを十分踏まえて、そして幅広く勉強を進めていきたいというふうに思っております。
#265
○前川清成君 大臣から今お言葉がありましたので議論をそちらの方に進めたいと思うんですが、貸金業者の調達金利、これがどの程度かというのは調査しておられますでしょうか。
#266
○国務大臣(伊藤達也君) 私が承知をいたしますのは、全体としての今委員がお尋ねの数字は承知をいたしておりません。
 ただ、消費者金融連絡会、これは大手五社で構成をされているわけでありますが、その平成十六年三月期における事業コストの内訳を見ますと、金融の費用というものが一・六五%、そして貸倒れの費用が八・四六%、人件費が二・〇八%、その他経費が五・一八%となっていることは承知をいたしております。
#267
○前川清成君 私も昨晩、大臣おっしゃった消費者金融連絡会、これのホームページを閲覧いたしました。これによりますと、アコムの平均調達金利は一・六七%、三洋信販一・五七、プロミス一・七六、アイフルは一・八七%、武富士が二・一六%、こういうふうに公表されています。
 このように企業の内容を積極的に公開することは透明を高めて貸金業者の信頼を高める、こういうことで大変いいことじゃないかと私は思うんですが、金融大臣、いかがでしょうか。
#268
○国務大臣(伊藤達也君) 今委員から御指摘がございましたように、業者の方々の業務の信頼性というものを確保していくためにも透明性というものは非常に重要だというふうに思っております。
 委員がホームページで見られましたのは、恐らくこのデータをホームページで掲載されているものをごらんになられたんではないかというふうに思いますが、こうした情報開示に対する努力というものをしっかりやっていくことは非常に大切なことだというふうに私どもも思っております。
#269
○前川清成君 今後も積極的にディスクローズを進めていくように御指導いただきたいと、こんなふうに思いますが、ただ、今申し上げました一・六七%という調達金利と二九・二%という制限金利、この差額が利ざやとなって貸金業者のもうけになっています。私は、ちょっと利ざやが余りにも大き過ぎるんじゃないかな、こんなふうに思っているんですが、大臣、いかがでしょうか。
#270
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきます。
 先ほどの消費者金融連絡会の過去のデータを見てみますと、金融費用が、九八年の三月、二・六八%だったものが、二〇〇四年の三月には一・六五%に低下をしておるんですが、一方で、貸倒れ費用、このコストが、九八年三月期が三・〇九%が、実は二〇〇四年の三月期には八・四六%に拡大をしてきているところがございますので、こうしたことも踏まえながら比較をしていくことが重要ではないかというふうに思います。
#271
○前川清成君 大臣の方から今調達金利の変動について御指摘がありましたので、大臣がごらんになったのと同じホームページの中に金利固定化率という数字も挙がっておりまして、金利固定化率は七四・二ないし九九・三%ですので、この一・六七程度の金利でこれからも調達できるのではないかということを御指摘させていただきたいと思います。
 次の質問ですが、一九九五年の五月に貸金業者が貸出し資金、営業資金を調達するために社債を発行すること、これが認められたと聞いておりますが、それについて御説明願えますでしょうか。
#272
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきます。
 委員が御指摘をされているのは、平成十一年、金融業者の貸付業務のための社債の発行等に関する法律、いわゆるノンバンク社債法のことではないかというふうに思いますが、これが平成十一年に制定をされ、施行をされました。資本金十億円以上の貸金業者は、登録制度の下でディスクロージャーの充実等、投資者保護の観点からの処置を講じつつ、社債等の発行により資金調達を行うことが可能となった次第でございます。
#273
○前川清成君 このノンバンク社債法によってこれから貸金業者はますます低利で営業資金を調達できるのではないかなと、こんなふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
 ちなみに、その消費者金融連絡会のホームページでは、このノンバンク社債法を利用して七十六社が社債を発行している、その調達比は二五ないし四二%、ここまで達しているとあります。また、この点についても是非お調べいただきたいと思います。
 そうなりますと、調達金利から考えても、私は二九・二%という制限金利は余りにも高過ぎるのじゃないか、利息制限法の一五ないし一八という制限金利についてもやっぱり高過ぎるんじゃないかと、こんなふうに考えていますが、金融大臣あるいは法務大臣、お考えいかがでしょうか。
#274
○国務大臣(伊藤達也君) 先ほども少し答弁をさせていただいたところがございますが、貸金業者の貸付金利につきましては、直接の資金調達金利のみならず、その貸倒れのコストでありますとかあるいは人件費等の諸費用を踏まえる必要がございます。こうしたものを踏まえながら費用全体を比較をしていく必要があるんではないかというふうに思います。
 しかし、委員の御指摘の趣旨というのは、やはり貸金業者のその業務の実態というものを十分に踏まえていく、また利用者サイドの実態というものも十分に踏まえて、そして適切な対応をしていかなければいけない、そうした趣旨での御質問の点もあろうかというふうに私どもとしても受け止めておりますし、また、いわゆるやみ金融対策法の附則の第十二条におきまして、「資金需要者の資力又は信用に応じた貸付けの利率の設定の状況その他貸金業者の業務の実態等を勘案して検討を加え、必要な見直しを行う」というふうにされておりますので、金融庁といたしましては、こうした検討条項の趣旨というものを踏まえつつ、幅広く勉強を行っていきたいというふうに思っております。
#275
○前川清成君 そのやみ金融に関してですが、金利規制を撤廃したならば競争によって貸出し金利が下がってやみ金も駆逐されると、こういうような議論があるんですが、これについて金融庁あるいは法務省で調査をなさっているのか、特にアメリカの法制度について調査なさっているのかについてお伺いしたいと思います。
#276
○国務大臣(伊藤達也君) 先ほども御答弁をさせていただきましたように、私どもとして、今まだ勉強の段階でございますので、今後必要な調査等の検討を進めていきたいというふうに思っております。また、先ほど法務省からも必要な調査検討を進めていくというような御答弁がございましたので、法務省とも十分連携を取りながら、実態の把握に努めていきたいというふうに思っております。
#277
○前川清成君 是非お調べいただきたいと思うんですが、アメリカでは一九八〇年以降、規制緩和を進めて、消費者金融の金利についても市場原理、競争原理を導入しています。その結果、金利はむしろ高騰しています。アメリカでは、ペイデーローンという一種のやみ金があるそうです。この点についても是非また御検討を、お調べいただきたいと、こんなふうに思います。
 ちなみに、アメリカの破産件数は年間百四十万件です。これは人口比では二百人に一人の割合になります。これに対して日本は二十五万件で、五百人に一人の割合になりますが、日本の消費者金融は働いていないとお金を貸してくれませんので、労働者の人口六千七百万人で割りますと、働いている人の、二十五万件という破産件数は働いている人の二百七十人に一人、こんなふうな割合になってしまいます。そうすると、その昔、渡辺ミッチーさんがアメリカの破産件数をやゆして問題発言になりましたけれども、もう日本とアメリカと水準的にはそんなに変わらなくなってきているんだと。この辺のところも是非お調べいただきたいと思います。
 時間がなくなってきたんですが、お調べで、まだ調べておられなかったら調べてないという御答弁で結構ですが、韓国では金利規制についてどのような変遷をたどったのか、お答えいただきたいと思います。
#278
○政府参考人(寺田逸郎君) 詳しい変遷は承知しておりませんが、諸外国の金利規制、今私が申し上げているのは、基本的に民事上有効になるか無効になるかという利息制限法と同等の金利規制について申し上げますと、全く規制がないもの、それから一定の固定金利を設けているもの、あるいは市場金利と連動した上限を設けているものというように様々ございます。そのほかに、全く規制を設けない中に、裁判所での暴利行為という救済の仕方も設けている国がございます。このうち、韓国は上限規制を設けている国でございまして、現在の金利は約、その上限は六六%というようにおおむねながら承知しております。
#279
○前川清成君 韓国については、一九九七年、やはり規制緩和ということでいったん利息制限法を廃止しています。しかし、その結果、非常にやみ金が増えたということで、再び金利規制を復活しています。この辺の事情もまたお調べいただきたいと思います。ドイツやフランスは、今、寺田さんからお話があったように、大変厳しい金利規制を置いています。金利規制があるんです。あるのでやみ金は実は存在しないんです。金利規制がなくなったら自由競争でやみ金が駆逐されるというような議論は、実は韓国とアメリカの実験では間違いだったということがはっきりしていますので、是非、御検討に当たってはこの辺もお調べ願いたいなと、こんなふうに思っています。
 時間がなくなってきましたが、最後に、この点聞かしてください。
 消費者金融の利用者像、どのような人たちが利用しているというふうにお考えになっているのか、あるいはまだ調べておられないのか、この点もお聞かせください。
#280
○委員長(中曽根弘文君) 前川君、どなたに。
#281
○前川清成君 どなたでもいいですよ。
#282
○政府参考人(寺田逸郎君) これは、まだこれからの調査の様々な局面でいろいろな対象がございますので一概に申し上げられないところでございます。もちろん、様々な事情がおありで短期的に資金をお借りになられる方というのがおられるわけでございますけれども、非常に生活の苦しい社会的弱者と言われる方の中に、この最後のよりどころを求めてこの金融に頼っておられる方もおいでになるというように承知しております。
#283
○前川清成君 この点については、日弁連が最高裁の御協力を得て破産事件の確定記録の調査等をやっております。私もそれをまとめた論文を一つ書かしていただいています。
 是非、金利の規制に関しては、借り手の側、消費者の側、生活者の側もしんしゃくいただいて御検討いただくようお願いいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#284
○委員長(中曽根弘文君) 以上で水岡俊一君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#285
○委員長(中曽根弘文君) 次に、犬塚直史君の質疑を行います。犬塚直史君。
#286
○犬塚直史君 民主党・新緑風会の犬塚直史でございます。
 今日はまず、二〇〇一年の初頭に当時の森総理が鳴り物入りでスタートいたしましたIT、e―Japan構想についてお伺いをいたします。
 そのときの目的としましては、我が国が五年以内に世界最先端のIT国家になるという目標を高く掲げられたわけでありますが、いよいよ今年、年末で五年になります。
 IT担当大臣にお伺いします。本当に今年じゅうに世界最先端のIT国家になるんでしょうか。
#287
○国務大臣(棚橋泰文君) お答えをいたします。
 二〇〇五年、世界最先端のIT国家という目標実現年、今年でございまして、まず結論からいいますと、実現してまいりたいと思っております。実現してまいります。
 IT政策は、もうこれ先生お詳しいんですが、今お話にありましたように、二〇〇〇年十一月にIT基本法を制定していただきまして、二〇〇一年の一月にe―Japan戦略、それから二〇〇三年の七月にe―Japan戦略U、これを決定いたしました。
 迅速かつ重点的に推進する政策を重点計画としてまとめておりまして、官民一体となってこれまでIT社会の実現に取り組んでまいりましたが、現在でも御承知のように、今では、例えば我が国の高速インターネット、これは世界で最も速く、また安くなったと言っても私はこれは過言ではないと思いますし、インフラ面を中心にIT化は大きく進展したと思っております。
 さらに、国の行政機関への申請や届出のほぼすべてが家庭や企業のパソコンから行えるようになりましたし、例えば株式取引に占めるインターネット取引の割合も、二〇〇一年三月が六%程度であったのに対して二〇〇四年九月で二五%と、急激にこれはITが暮らしを変えつつあるんではないかと思っております。
 着実に私はこういう形で成果が上がっていると思いますが、今年、目標年二〇〇五年として、その世界最先端のIT国家に向けて、利用者の視点でラストスパートを掛けていけばこれが確実に達成できるんではないかという観点から、昨年六月に策定いたしましたe―Japan重点計画二〇〇四、これに加えまして、つい先月末にIT戦略本部でIT政策パッケージ二〇〇五、これを策定いたしまして、特に行政サービス、それから医療、教育など、国民の身近な分野を中心として取組を強化する、こういうことで、ITがもたらす問題点の克服にも取り組みながら世界最先端のIT国家の実現、これを目指してまいります。
#288
○犬塚直史君 今総括をしていただきまして、おっしゃっていただいたIT政策パッケージ二〇〇五、こちらにあるんですが、確かにインターネットは世界で最も安く速くなり、また電子商取引は米国に次いで世界第二位の規模となるということがここに書いてございます。
 しかしながら、これを読むと確かに第一、第二位になったのかなという気がするんですが、しかしながら違う資料を見ますと、これは、国連貿易開発会議発表の資料を配っていただけますか。
   〔資料配付〕
#289
○犬塚直史君 ICTレポート二〇〇四というものを見ますと、日本のICT、これは間にCと入っていますのはコミュニケーションのCが入っているんですが、日本のこのICT進捗度は世界十七位であるというふうにレポートがされております。今お手元に配られたと思うんですけれども、これがその資料なんですが、この十七番目に日本が出ております。
 そもそも、まずこれについて、IT担当大臣、この指標の違いというんでしょうか、どういうふうにお感じになりますか。
#290
○国務大臣(棚橋泰文君) 今資料を拝見いたしましたが、おっしゃるように、確かに国連貿易開発会議の資料におきましては我が国が十七位であることは御指摘のとおりでございますが、これまた多分先生も御承知のとおりだと思いますが、これは二〇〇二年の基準で、なおかつ、この報告書は発展途上国のICT政策担当者等に向けて編さんされたものというふうに私聞いておりますけれども、基本的にはそれらの国々における人口当たりの電話回線数とかインターネットホスト数とかあるいはパソコン数等を指標として盛り込んでおりまして、一方で、現在IT、我が国のIT社会において一番要求されておりまして、また急速に私どもが今我が国の中で進めております例えばブロードバンドの利用料金とかあるいは通信速度、あるいはモバイルインターネットの利用者数、こういったものが報告書の指標としては入っておりません。
 また、別の指標を、またこれも先生御承知だとは思うんですが、例えばブロードバンドの利用料金とか通信速度については、二〇〇三年時点で、国連の専門機関であるITU、この評価では既に世界最高の評価を得ておりまして、そういう意味では、本報告書は少し評価の目的対象とする項目あるいはデータに違いがあるんではないかと思っています。
 ただ、おっしゃる御趣旨は、多分、評価というのは非常に難しいものではないかという御指摘だと思っておりまして、その点は私どもも踏まえた上で、さらに今年中に世界最先端のIT国家を目指すという目標をきちんと達成できるように努力してまいりたいと思います。
#291
○犬塚直史君 今大臣がおっしゃったとおりでございまして、このITの進捗度の測る物差しの違いなんですね。IT、ITっていいますと、何かブロードバンドだ、あるいは移動通信だ、何だかんだという話になるんですが、ITというのは道具でありまして、いかに全国津々浦々の人たちが、あるいは世界の人たちが便利な生活になるか、そういった指標の下で作られたのがこの国連の指標なんです。
 元々この指標が作られるきっかけとなりましたのはミレニアム計画でございます。全世界の、今七億人と言われております一ドル以下で暮らしている子たち、あるいはエイズの問題、様々な問題に対して、この情報通信ほど大事なものはないと、これを何とかして向上させていこうということがこの指標の大きな柱だったと思うんですけれども、このワールド・サミット・インフォメーション・ソサエティー、これに参加をされました麻生大臣の御感想をお伺いしたいと思います。
#292
○国務大臣(麻生太郎君) 一昨年の十二月にワールド・サミット・インフォメーション・ソサエティー、通称WSISという会議がジュネーブで開かれたんですが、今、十七位の話が出ていましたけれども、何を要素に入れるかによってこの数、この種の数値は全く違ったものになりますので、電話の普及率といっても、今、若い人、電話より携帯ということになると、それは一家に一台普及していないうちも一杯あるということになりますので、入れる前提条件が全く違っておりますのであの種の話になったと思っております。
 私どもが申し上げたのは、かなりギャップが、このことに関しての意識が国によって違う。電話を引こうというから、電話より今は無線の方が速いんですって。うちは銅線要らないんですと。IP使った方が安くてできます。無線の方が速くできるんですから、そっち、電話使うより無線の技術の進歩の方がおたくらにとってはよっぽど安いんですよという話は、その技術を見たことない人は全然理解ができないというぐらい、日本とアメリカと、そういったところ、韓国とか、進んだところとそうじゃないところ、こんな違いがありますので、それをやっぱりその国の大統領とか一番の人が理解をしてもらわないとどうにもならぬということを、私どもはしつこくその点だけは申し上げて、今は第一次産業革命から第二次産業革命に変わっていくちょうど変わり目ぐらいのものですよと。あのころは、第一次産業革命は蒸気機関車でトップを走ったイギリスが、内燃機関に、第二次産業革命になったときにイギリスは完全に乗り遅れて、アメリカとドイツに負けた。
 今回も同じで、ITじゃ間違いなく日本は追い付かれましたけれども、幸せにして、今も御指摘があったようにIとTの間にCと、インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジーときたもんですから、このCが入った途端に、日本というのは、液晶板だ、ブロードバンドだ、携帯電話だ、モバイルだ、DVDだというので全部上がってきて、今一挙に花開いたのは、多分第二次IT革命ということになっておる。今この時期に乗り遅れたらもう終わりですよと。だから、その自覚を是非この種の方に、興味ない人はもう是非興味を持ってもらわにゃいかぬと、そこが一番肝心だ。
 アフリカだってどこだって、いろいろと言えば、アフリカの人はいろいろ言うから、いろいろ言われますけれども、あなただってこの設備さえきちんとしておきさえすれば、何もパリの国立博物館に行かなくても、またナショナルギャラリーに行かなくても、その場でいきなり、ほとんどただ同然でいきなりばんと資料は、交通費も要らなきゃ時間も要らなきゃ、ばんと自分の目の前に出てくるという物すごいことになっているんですということを理解してもらわないと話にならぬのですと言って、幾ら言っても分かんないから見せる。見せるというのは、日本からは全部、NHKだNTTだの技術は全部持っていっていますから。
 それで、見せますと、ほとんどぽかんとして、これは何だと言うから、いや、これがそのITというものなんだという説明から、やっぱりあれは見せるにしかずで、語ったって余りよう分からぬ人には、日本人でも分かっていない人もこの辺にも一杯いらっしゃいますけれども、無理なんですよ、この種の技術の進歩に付いていっていない人というのは、しようがないんですって、これ。
 だから、それ見せて、おおっと思わせることがやっぱり言うなら大事なところだと思いますので、私は、今度のサミットは今年の十二月にチュニスというところでありますけれども、その前に日本でこの種の会議を一回開くことにしていますので、是非、先端の技術は今こうなっているんだということを見せるというのが一番大事なことだと思っていますので、今後ともこの点に関してはいろいろ技術の進歩をビジュアル、視覚にちゃんと見えるような形できちんと対応してまいりたいと思っております。
#293
○犬塚直史君 確かに、国の発展の度合いによってITのいろいろな使い方があるということは確かにおっしゃるとおりでございます。
 今日、実はそういうお話を申し上げたのは、日本の今のこの状態において、今年、どうしても今やんなきゃいけないというIT関連の話がございます。それは、実は昨年、御記憶かもしれませんが、国政選挙への電子投票制度導入に関する要望書というものが自治体から出されておるんですね。これ、御承知のように、非常に今まで、手で投票して手で集計をするというやり方は大変なこのボランティアの方々も含めて御苦労を今まで強いてきたわけですが、それを何とか軽減をしよう、衆参同一、同日選挙になっても対応できるようにしよう、あるいは参議院選挙の政党名を書いてもいい個人名を書いてもいいというような非常に大変な集計作業に電子投票を入れようじゃないかということでこれを進めてきたわけなんですけれども。
 まず、事実確認をしたいんですが、昨年この要望書を国でもらって、昨年の参議院選挙に導入をしてもらいたいという要望があった後の対応はどうなっているんでしょうか。
#294
○政府参考人(久保信保君) 御承知のように、現状では地方公共団体が条例で電子投票を入れるということにしかなっておりませんけれども、私ども、諸外国の状況も調べてみたりとか、どういう形で電子投票がもっとこの進んだ分野で導入できるのかということについて内部では検討しております。
#295
○犬塚直史君 今その条例の問題ではなくて、次の例えば参議院選挙にこれを導入をするといたしますと、これは今決めないともうとてもじゃないけれども準備が間に合わないんですよ。今、この通常国会中にやると決めるかあるいはやらないと決めるか、もしやると決めるんだったらば今やらないと二年後には間に合わないんですが、総務大臣、いかがでしょうか。
#296
○国務大臣(麻生太郎君) 犬塚先生、これは平成六年だったと記憶しますけれども、この衆議院選挙の選挙制度改革というときにこの記号式投票というのが当時話が出ましてね、それでやらせていただいて、これは決まったんですけれども、結果的に議員立法でバツということになった経緯があります。
 したがいまして、今私ども、これは手間暇掛からないし、経費は安くなるような、人件費という経費が安くなるような気がしますし、何となく投票率何%、何とかというようなあの種の番組もやらずに済みますしね、ぱっと出ますしね、えらく簡単でいいなと私なんかはすぐそう思うんですけれども。いずれにしても、これは選挙の手続にかかわる最も根幹的なところになろうと思いますので、これはちょっと総務省が先頭切ってどうのこうのという種類の話ではなくて、選挙投票の話は、これは各党でお決めいただかぬとなかなかこれは勝手にはできないというところだと思っております。
 電子投票というのは誠に全部やりますと、まとめてやると随分安くなるんじゃないかなと、私自身は経費を払う総務省を管轄する立場からいうとそう思いますけれども、なかなかそれだけで済ませる話ではないのではないかと存じます。
#297
○犬塚直史君 実は昨年までに十県市町村で十二回、電子投票は実施をされております。で、今年は来年の三月まで電子投票の導入自治体はないんですよね。これはどうしてか。廃止予定はあるんですね。
 なぜかといいますと、まず第一に、自治体選挙で苦労してこれを導入をしたと。自治体もお金を出して、国の予算が余り来てないんですけれどもね。全部で三年間で七千万出しているんですが、こういう補助金を取って自治体が一生懸命やったと。成功事例がたくさんあるんですけれどもね。しかし、その先、約束であったその先の、自治体が成功して国政選挙に行くというところが去年ストップをされてしまったと。このままもし通常国会で決まらない場合、その先の選挙に、今始めないと当然国政選挙はできませんから、自治体にとっては一つの自治体に二つの選挙制度が、電子投票制と自書制度と両方できるようになってしまうんですね。これが一つの理由。もう一つは、やっぱりお金がないということ。三つ目は、こうしたことに対して国の検査とかあるいはその機械の精度だとかいうものをきちんとこう国が指導するという立場に来ていないということなんですね。総務大臣、今年は二〇〇五年中に何とかこのITを暮らしに役立てる形にしようということなんですね。
 選挙制度は、私は一番の根幹だと思います。どうかこの通常国会中にリーダーシップを取っていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#298
○国務大臣(麻生太郎君) この自分の選ばれる制度をつくるというのは、自分で決めるんですからね、ここは立法府ですから。だから、自分に都合のいいようにみんな考える。当たり前のことだと思いますね。
 それが皆、各党皆それぞれ意見が違うから、中から小にするときも大変でしたし、自書式なんというのは、私の知っているのではオーストラリアと日本ぐらいだと思うんですが、余りないんですよ。あとは大体マルかバツか、絵にマル付けたり、大体穴開けたり、大体極めて簡単なことになっておるんだと思います。しかし、それでも直らないというのは、これは役所がどうのこうのという話ではなくて、これは、自分の選ばれる制度をつくられる立法府の方でこういう制度ということを言っていただいて、でき上がったものを私どもは管理すると、という立場にありますんで、私どもはこの制度の方がいいから、いいんじゃないですかと言ったって、それはなかなか難しいという感じがいたします。
#299
○犬塚直史君 昨年の五月七日の産経新聞で、こちらに書いてありましたのは、自民党の選挙制度調査会会合で、あの夏の参院選で一部自治体の電子投票実施を可能とする特例法案を見送ることに決めたということが書いてありましたので、まあ自分の選挙云々ということではなくて、やっぱりこのITが持っている、こういう情報通信が持っている、住んでいる人たちの毎日の日々の実感をいかにして政策の場に吸い上げていくかということの私は第一歩だと思うんですね。これを何とか一つの形にして、ITを使った選挙というものをつくり出していく。その先は、ただ単に紙に何年か一度だれかの名前を書いて箱に入れておしまいというような、これも大変なことなんですけど、そういう民主主義ではなくて、本当に日々のつながりが持てるような民主主義の第一歩だと思いますので、是非これはよろしくお願いしたいと思います。これは要望ですので、お答えは結構です。
 次に、生涯学習の推進についてお伺いをいたします。
 同じITの目標の中の(3)の一番に出ておりますので、厚生労働大臣ですか、まずは経済産業省、経済産業大臣からお答えをお願いをいたします。
#300
○国務大臣(中川昭一君) 今、麻生大臣等とのやり取りを伺っておりまして、システム自体がどんどん進んでいっても、やっぱり国民あるいはまた関係者がどんどん利用をしていかなければならないということが大事だろうと思っております。
 そういう意味で、間もなくいわゆる団塊の世代が第一線から離れていくという中で、例えばIT技術を活用した全国のフリーターの方々、あるいはまた中小企業の従業員の方々、さらには新規学卒者だけではなくて女性や高齢者等々が気軽に参加できるような体制がこれからますます必要になっていくのではないかと、有効な人材として活用していくことが大事だろうというふうに思っております。
 そういう意味で、文部科学省、経済産業省と一緒になりまして、IT技術の利点を生かした若者、フリーターあるいは女性、その他いろんな立場の方々に気軽に参加していただけるような体制、草の根eラーニング事業というふうに我々は呼んでおりますけれども、関係各省とよく連絡を取りながら、そういう意欲のある方に大いに参加をしていけるように、各省連絡を取って対応していきたいというふうに考えております。
#301
○犬塚直史君 その草の根eラーニング事業ですね、確かにeラーニングっていうと、全国どこでもどの場所にいても、パートの人でもアルバイトでもフリーターでも中途採用でも、だれでもが自分の自宅で、あるいは行った先で、自分の興味あることを自分の使える時間の間だけ、五分でも十分でも毎日ちょっとずつ勉強できるという大変大きなインフラになると思うんですね。
 そうした意味で、今までは新規学卒を一生懸命教育をしてきた会社に代わるような大きな私は社会のインフラになると思うんですけれども、今年中に一体どこまでそのeラーニングができる予定なのか、どこの部分の教育をやろうとしているのか、お教え願えますか。
#302
○国務大臣(中川昭一君) 我々、広い意味で、去年政府として決定いたしました新産業創造戦略というものがございますが、やっぱり人づくりということで、あらゆる分野においていろいろと、いろんな形で物づくりのプロ、あるいはまた、いわゆるジョブカフェみたいなもので新たに意欲を持って仕事に就けるような体制というものをやっているところでございますけれども、例えば経済産業省、文部科学省、厚生労働省で今連携実施をやっております中に、民間企業あるいはまた大学等の教育機関と連絡をして、連携を取って、学習コンテンツ、あるいはまた学習サービスの提供の仕組みを開発する予定でございます。
 単にeラーニングだけではなくて、学習者の学習意欲の維持管理を行える体制を構築する。具体的には、学習アドバイザーの設置、あるいはまた学習履歴管理を実施するということ、それから先ほど申し上げました全国各地に展開しておりますジョブカフェ、あるいはまた商工会議所等、あるいはもちろん大学等の教育機関の窓口等々、様々なツールを利用して、そしてこれはやっぱり連携が大事だと思いますので、自分はどこに行ったらいいか分からないというときに、例えばここに行けばいろんな情報、いろんな機関等の窓口にアクセスすることができるといったことも大事だと思いますので、繰り返しになりますけれども、関係各省あるいは自治体、商工会議所、商工会、大学等々が有機的な連絡を取ることによって、そういう方々に対して縦横十文字のお役に立てるようにしていく。
 これも正に中身だと思っておりますので、我々としても、注意深くこの体制が実効あるものに構築できるようにこれから努力をしていきたいというふうに考えております。
#303
○犬塚直史君 今ジョブカフェのお話が出ましたので、今度は厚生労働大臣にハローワークでの取組も含めましてこの生涯学習、今の取組をお知らせください。
#304
○国務大臣(尾辻秀久君) 生涯学習、草の根eラーニング・システムの整備については、今経産大臣からもお話ございましたけれども、文部科学省と経済産業省と厚生労働省と三省で取り組んでおります。
 そこで、厚生労働省が主にやっておることは何かということになりますと、eラーニング講座情報を含めた職業能力開発のための情報を提供する仕組みの整備やキャリア形成促進助成金のeラーニングへの適用などを通じて、民間におけるeラーニングの活用を促進するための環境整備を図っておるところでございます。
 そうした取組を今一生懸命やっているというところでございます。
#305
○犬塚直史君 私、昨年、地元のハローワークに行きまして、ハローワークへ行くと、まず入口の横にコンピューターが一杯並んでいまして、自分で入力をして仕事を探すようになるわけですね。私、四十九歳でしたので四十九と入れましたら、仕事はゼロでした。ちょっとサバを読みまして四十五歳にしたら、やっぱりゼロだったんですね、余りうそついちゃいけないんですけど。
 やっぱり、タクシーの運転手さんなんかにも話聞いても、例えば二十年間自分は不動産の経験があると、不動産のことだったらもう武芸百般、何でも来いだと、しかしながら四十五歳以上の人間に対しては非常に門戸が広げられていないと。正にこういう、その年齢の中身を問うというデータベースの作成というのは正にこれはITがやるべきことだと思うんですけれども、そうした年齢の制限が厳然としてあるということについて、大臣のお考えをお聞かせください。
#306
○国務大臣(尾辻秀久君) 基本的に好ましくないことだと考えております。
 ただ、あそこへ行って何か打つと、自分の情報取ろうとすると、何か今度はこっちの情報も入れ込まなきゃいけないということになって、差し当たってと言ったら怒られるかもしれませんが、年齢入れるとか性別入れるとか、そうしたことを取りあえず入れないと何か出てこないものですから、今こちら側から入れるものとして年齢使っておるわけでありますけれども、これは申し上げましたように好ましいことだとも思っておりませんから、何かこう変える方法、こう何かうまい方法はないかなと今研究はしておるところでございます。
#307
○犬塚直史君 今おっしゃった年齢、性別、氏名、そして住居地域、これを入れないと仕事探しが始まらないんですね。はっきり言って、この四つは仕事と何の関係もありません。
 年齢というのは、自分が今までどういう人生をどういう仕事をしてきたかということでありますから、その内容をいかに聞いて、そしてそれをデータベースにして各業種ごとにいかにきちんとしたマッチングシステムを作ってあげるかということが正にこのITに求められている機械の仕事だと私は思います。それを、年齢差別を、あるいは年齢指針というものを一刻も早く撤廃をされて、ハローワークの画面から年齢のこの二文字が消えることをお願いをしまして、次の質問に移らしていただきます。
 外務大臣にお伺いします。
 今、ダルフールでどういうことが起こっているんでしょうか。
#308
○国務大臣(町村信孝君) 委員御承知のとおり、スーダンではもう長きにわたり、二十年以上にわたって、これは南と北、地域的に言って南と北の間の内戦が続いてきたところでございますが、今年の一月九日、南北包括和平合意というものが成立をしたと。やれやれと思っていたところ、その前から続いていたんですが、今度はスーダンの西部地域の今御指摘のあったダルフール地域では、二〇〇三年以降、スーダン政府とそれからこの政府に支援されたアラブ系民兵、これに対して反政府勢力、主として黒人の勢力との紛争が激化をいたしまして、多数の難民、国内避難民が発生をするという様々な深刻な人道問題が生じているという状況にございます。
 紛争の解決に向けて国連が累次の決議を出したりいろいろやっておりますし、またアフリカ連合、AUが停戦監視団の派遣とか和平交渉の仲介など主導的な役割担っているというのが現在の状況かと思われます。
#309
○犬塚直史君 それでは、そのダルフールで今まで何人ぐらいの市民が虐殺をされたのか、今現在難民キャンプが幾つあって、難民は何人いるのかという数字を教えてください。
#310
○国務大臣(町村信孝君) 今年の三月四日、つい先日でございますが、月例国連事務総長報告書というものがこのダルフールの状況に関して出されておりまして、国内避難民百八十万人を含む二百四十万人がダルフールにおける紛争の影響を受けていると。さらに、これは二〇〇五年、国連の対スーダン・ワークプラン、これは昨年の十一月三十日に発出されておりますけれども、二〇〇四年十月一日現在、百六十万人の国内避難民と隣国チャドに二十万人のスーダン難民が流入をしていると。二〇〇五年には人道支援を必要とする国民は二百五十万人に達すると見込まれる等、人道状況が極めて深刻であるというようなことでございます。
 今、何名が虐殺された云々ということについてはちょっと私、今手元の資料にございませんので、もしあれでしたらば担当局長の方からお答えさせていただきます。
#311
○犬塚直史君 その何名が虐殺されているかということについては、これイギリスの情報なんですけれども、新聞なんですが、約毎月一万人という情報がございます。
 日本からも、これちょっと今日持ってきたんですが、国境なき医師団のダルフールの緊急事態に対して道津美岐子看護師が現地に行きまして人道支援活動を行ったわけでございます。
 人口三万人ぐらいの場所に避難民が流入して現在は七万七千人が住んでいると。どんなに頑張っても、これお医者さん一人と看護師さんお一人で、二人でやっておるんですが、どんなに頑張っても一日二百名を診療するのが精一杯、半分以上の人は帰すしかありませんでしたと。そして、主な疾患は、下痢、肺炎、消化器系統、皮膚疾患。九月になるとマラリアが急増しましたということでございます。
 時間もありませんが、ちょっとだけこの経験談を読ませてください。
 その五歳の少年は両親に連れられて私たちの診療所にやってまいりました。今年一月、村で襲撃が始まったとき、両親は少年を一人家に置いて畑に出ていました。十五、六時間後に襲撃が収まって両親が彼を必死で捜し当てたときには、彼は放心状態で歩くことも話すこともできなくなっていました。少年は惨劇の一部始終を独りぼっちで目撃し、周りには多くの死体が横たわっていたそうです。それ以来、彼は夜になると度々けいれんを起こし、いまだに一人で歩くことはできません。
 こういう難民キャンプがあっても度々襲撃があって、そして虐殺、レイプ、いろんなディテールがあるんですが、目玉をえぐり出すとか、女性をレイプ専門のキャンプに入れてずっと裸のままで置いておくような大変な事態が今現実に行われており、しかも毎月一万人が虐殺をされていると言っております。
 こうした事態にかんがみて、昨年、安保理決議一五六四に基づいてダルフールへ派遣をされた人たちのレポートが出ておりますので、外務省の方、これ読んでいただけますか。
#312
○政府参考人(鶴岡公二君) ただいまお尋ねにございましたダルフール情勢に関する国際調査委員会報告書のうち、該当部分、仮訳でございますが、読ませていただきます。
 本委員会は、国際刑事裁判所規定第十三章(b)項に基づき、ダルフールの状況を安保理が直ちに国際刑事裁判所に付託することを強く勧告する。安保理が重ねて表明しているとおり、ダルフールの状況は国際の平和と安全に対する脅威を構成している。さらに、本委員会が確認したとおり、すべての当事者による国際人権及び人道法に対する重大な侵害が継続している。国際刑事裁判所による責任者の訴追は地域の平和の回復に貢献するものとなる。
 以上でございます。
#313
○犬塚直史君 今読まれたように、この安保理決議に基づくレポートでも、今すぐにICCの訴追が始まれば、安保理がこれをICCに付託をして訴追が始まれば、政府自体がこれを行っているような虐殺を止めることに何らかの役に立つということをレポートで出しているわけです。
 しかしながら、これに対してアメリカ大使がレジテメートという発言をしているんですが、この部分も外務省の方、読んでいただけますか。
#314
○政府参考人(林景一君) お尋ねは、プロスパー・アメリカ国務省戦争犯罪問題担当大使のことだろうと思いますけれども、これは報道ベースでございますけれども、我々、アメリカということだと思いますが、は、ICCを正当化する立場に加わりたくないという発言をしたということが報じられておると承知しております。
#315
○犬塚直史君 アメリカは自らが常任理事国である、常任理事会が命令をしたレポートが出てきたと。それに、そのレポートには、ICCにこれを一刻も早く付託するべきだというレポートが来たと。それに対して、正当性が問題のあるICCに付託をすることはいかがなものかという発言をされたわけでございます。
 じゃ、これに対して、先週は緒方貞子さんがこの委員会にもおいでになりましたが、ハイレベル委員会で去年の十二月に出したレポートの該当部分を読んでいただけますでしょうか。
#316
○政府参考人(林景一君) これは、ハイレベル委員会の報告ということですので、あくまで仮訳ということで申し上げさせていただきますが、本文のパラ九十におきまして、法制度の分野において、国際刑事裁判所、ICCを設立するローマ規程よりも重要な最近の進展はほとんどなかった。激しさを増していく紛争の場合には、安全保障理事会が、当該紛争を注意深く監視していること及びローマ規程の下での自らの権限を行使する意思を有することを早期に示すことは、当事者が人道に対する罪を犯すこと及び戦争法規に違反することを抑止することができるかもしれない。安全保障理事会は、ローマ規程の下で有するICCに事案を付託する権限を行使する姿勢を保持しておくべきであると記述しております。
#317
○犬塚直史君 このハイレベル委員会におきましても、このICCの正当性、あるいはこうした虐殺を止めるための役割ということを高く評価をしているわけでございます。
 一方、昨年、小泉総理が国連総会で行いました演説の中では、小泉総理、国連新時代という大変格調の高い演説をされ、その中でおっしゃっておられるのは、私はハイレベル委員会が事務総長に対し国連改革のための大胆かつ野心的な計画を提示すると確信をしておりますということが書いてございます。
 そして、その上で我が国は常任理事国入りを立候補したわけでございますが、町村大臣、私は、この常任理事国になる前に我が国がICCの締結、この条約の締結をする方が先決だと思いますが、いかがでしょうか。
#318
○国務大臣(町村信孝君) ICC加盟の問題、これはもうかねてより委員の御指摘のあるテーマでございます。今、これは先般も同趣旨のお答えをさせていただきましたけれども、私どもはこのICCの設立については一貫してこれを支持をしてくるということで努力をしてきたところでございまして、このICC規程の締結に当たっては、この規程の対象犯罪が戦争犯罪のほか集団殺害罪、人道に対する罪など非常に多岐にわたっておりました。こうした犯罪と国内法との関係について、各国の実行なども調査しながら十分に検討する必要があるということで、これまで国内的ないろいろな調査を進めているところでございます。
 また同時に、ICCへの協力に関連して、ICCからの犯人の逮捕及び引渡しの要請に応ずる義務を履行する等の手続事項に関する法整備もまた検討されなければならないということでございます。
 そのようなことで、今までは、これも先般私たちが御答弁申し上げたような気がいたしますが、ICCの対象犯罪の重要な柱であります戦争犯罪というものについて、そもそも日本は戦争の存在を前提としてこれを処罰をするという国内法制を整備する状況にはなかった、そもそも日本は戦争しないんだからというようなことで、議論すら正直言うと国内では控えざるを得なかったという政治状況にあったわけであります。ようやっと、さきの通常国会で武力攻撃事態対処法制の整備が行われる等の整備がようやっと進んできた。そこで、日本国内でもこうしたことをより具体の検討を進めることがようやっと可能になってきた、そういう政治状況にある、あるいは法制状況にあると、このように考えております。
 したがいまして、この人権にかかわる国内法整備は、これはやはり相当緻密な議論をしなければいけないということで、これ外務省だけではなかなか難しい点もございますので、関係省庁と密接に協議しながらこのICCの規程の締結のために必要な国内法整備について鋭意検討を引き続き進めてまいりたいと考えているところでございます。
#319
○犬塚直史君 それでは、法務大臣にお尋ねをいたします。
 度々外相の方からは国内法との、国内法の未整備が原因でこの締結ができないという御答弁をいただいているんですが、それでは、その本体と、そして手続法に分けまして、一体どの部分が問題なのか、その問題点を御指摘ください。
#320
○政府参考人(大林宏君) 具体的な問題でございますので、私からお答えをさせていただきます。
 国際刑事裁判所規程につきましては、国際社会の平和と安全の維持の見地から意義深いものと考えておりますけれども、この規程には我が国の国内法制との関係で検討を要する問題が多く含まれているところから、現在、関係省庁とともに検討作業を進めているところでございます。
 今お尋ねの問題でございます。具体的に申し上げますと、例えば国際刑事裁判所規程の対象となる犯罪は、集団殺人罪、殺害罪や人道に対する罪など多岐にわたっておりますが、これらの罪が我が国の現行の刑罰法規における構成要件とどのように異なるのか。また、時効の適用を、我が国は時効というものの制度がありますけれども、時効の適用を認めていない部分がございます。あるいは、司令官及び他の上官の責任に関して特別な規定を置いていると。私どもの法律では共犯と言うわけですけれども、私たちの概念ではない規定もございます。こういうものについてやはり検討をしていく必要があろうと考えています。
 また、手続面等でございますけれども、国際刑事裁判所の運営に対する罪の創設や、国際刑事裁判所に対する捜査の協力及び犯罪人の引渡しに関する手続の整備、それから国際刑事裁判所の命じた罰金等の執行面の協力に関する手続の整備等、やはり国内法整備についても検討する必要があろうかということで、今その作業をやっているところでございます。
#321
○犬塚直史君 今おっしゃられた内容が主な問題点だと理解してよろしいんですね。
#322
○政府参考人(大林宏君) この問題は関係省庁で協議しております。今私が申し上げた内容は、主として私ども法務省刑事局で検討している内容だということを申し上げたいと存じます。
#323
○犬塚直史君 御存じのように、我が国は本年の一月から非常任理事国として安保理に入っております。今、非常に心配をされておりまして一刻の猶予もならないというのがダルフールの問題なんでありますが、このダルフールに一刻も早くICCの訴追の手を伸ばして、何としても犯罪者やあるいはこのどうしようもない状態に明かりを、一筋の明かりを、正義という明かりを持っていこうというときに、アメリカがこれにビトーを出すのではないかという懸念が今されております。
 町村大臣、もしそのときには日本はアメリカと一緒に反対票を投じるんでしょうか。
#324
○国務大臣(町村信孝君) 基本的な考え方として、日本政府自らがまだ加盟をしていないという問題点は委員御指摘のとおりございますが、私どもとしては、ICCにこの話を持っていくという基本的な方向について私どもは賛成をいたしております。
 ただ同時に、やはり実際の決議あるいはその後の行動を、有効性をやっぱり確保するということも大切なことであろうと、こう思いまして、やはりアメリカを始めとする関係国もやっぱりすべて同じ姿勢でこれを問題に取り組むということが必要になってくるだろうと。
 したがいまして、日本は今、今年の一月から安保理の非常任理事国という立場をいただいているわけでございますので、そうした関係国との調整をしていくということもまた一つの大きな機能ではなかろうかと、こう思っておりまして、まあヨーロッパはヨーロッパで非常に明確な主張を持っているのは御承知のとおりでございますから、できるだけ早くこの安保理において妥当な結論が出るように最大限の外交活動を展開してまいりたいと考えております。
#325
○犬塚直史君 調整が必要な関係諸国とおっしゃいましたが、調整が必要なのは私はこの件についてはアメリカ一国だけだと理解をしております。
 例えば、この件は北朝鮮のこの拉致事件に非常に関係をする話なんですけれども、拉致というのは強制失踪の罪ということでICCの犯罪類型の中に入っており、これがICCに付託をされれば当然のことながらこの国際刑事裁判所が管轄権を持つわけでございます。そして、将来にわたって我が国でこのような悲劇が起こらないようにするために、これを国連の決議として先般通そうとした際に、アメリカ一国がこれに付託の条件を付けて、ICCからは外すべきだという決議を提案をしたんですけれども、この辺の事情を外務省の方、御説明いただけますでしょうか。
#326
○政府参考人(林景一君) 御指摘の決議と申しますのは、いわゆる強制的失踪決議のことかと思いますけれども、これは昨年の十一月十六日、国連総会の第三委員会におきましてコンセンサスで採択されたものでございます。最終的にこの決議自体は採択されております。
 ただ、その途中の過程におきまして、あっ、それからアメリカ自身はこの最終的に採択されました決議につきまして、我が国やEU等とともにその共同提案国となっております。
 ただ、その途中の過程におきまして、この決議の案文の中にICCに言及したところがございまして、いわゆる前文、前文のところでございますけれども、そこの部分のまあ修正、削除ということを求めたという動きがあったことがございましたけれども、これについてはまあ投票によりまして退けられたと。で、その上でどうするかということだったわけですけれども、アメリカも基本的にはこれに賛成する形でコンセンサスで採択されたというのが事実関係だと承知しております。
#327
○犬塚直史君 おっしゃるとおりなんですね。アメリカだけが調整必要だって申し上げたのはこのこともあったんですけど、この修正案に対して百十七か国が賛成をし、そしてただ一か国が反対をしたわけです。その一か国というのがアメリカであります。まあ、こうした日米同盟を重視しながら世界の中の日米同盟としてやっていこうというお考えはよく分かるんですけれども、このままこのICCの件について日本が国内法の未整備を理由に、もう六年以上になります、このまま引き続きやっていって常任理事国に入ったときには、安保理に入ったはいいがアメリカが二、アメリカ票は二票だと言われる事態になると思うんですが、町村大臣、いかがでしょうか。
#328
○国務大臣(町村信孝君) ICC加盟が、これが日本が常任理事国になる絶対的な要件だと私は考えておりません。
 この問題につきましては、日本が、先ほど申し上げましたように、その設立の段階から音頭を取った国の一つであるということは国際的にもよく認知をされているところでございます。したがって、先ほど申し上げましたように、例えばこのダルフールの問題につきましても、私どもはこのICCに付託することが基本であるという考え方を先ほど申し述べたつもりでございます。この一点だけを取りましても、日本とアメリカは基本的な見解を異にする部分でございます。
 ただ、別だからそれで問題が解決するわけではございませんで、やはり日本はそういう際に、何もこの件以外のこともあろうかと思いますけれども、アメリカを説得する役割というものを日本が担うこともあるでしょうし、また別の局面では、EUその他の国々と意見を異にしてそれらを説得する係に回ることもあるかもしれない。いろいろなケースがそれはあると思います。それは、日本はやっぱり独自の考え方に従って、今安保理の非常任理事国としても活動しておりますし、また、幸いなことに常任理事国になれた暁にも、また日本は日本の考えでしっかりといろいろな問題に取り組んでいくと。
 ただ、委員先ほど来御指摘のこのICCの加入問題、時間が掛かり過ぎているではないかという長らくの御主張でございます。できる限り、大変法制的に先ほど法務省の局長が申し上げたように難しい問題が多々ありますけれども、そうした問題を検討を急いで、可能な限り早く加盟をできるような国内的な法制整備の準備を進めてまいりたいと考えております。
#329
○犬塚直史君 今外務大臣から、このダルフールの件についてはICCに付託をすべきだとはっきりとしたお答えをいただきましたので、安心をいたしました。是非、アメリカがビトーを使わなくてもいいように、今のうちからアメリカを説得をする、正に同盟国としてアメリカのこの行き過ぎをいさめるという形で外交を展開していただきたいと思います。
 そして、もう一つアメリカの行き過ぎについて、ネザーカット条項というのがあるんですが、これもひとつ読んでいただけますでしょうか。
#330
○政府参考人(林景一君) 御指摘のネザーカット条項でございますけれども、これもちょっと仮訳ということで申し上げさしていただきます。
 アメリカの対外事業歳出法に対する修正でございますけれども、関連部分は、国際刑事裁判所の参加国である特定の外国政府に対する経済支援基金による援助の制限という表題でございまして、五百七十四条(a)、この法律の第二章の経済支援基金という表題の下で利用可能となる基金は、国際刑事裁判所の参加国の政府であって、アメリカ合衆国との間で国際刑事裁判所規程第九十八条に従った当該国に所在するアメリカ合衆国の人員に対する国際刑事裁判所の手続、訴訟手続を防ぐ協定を結んでいないものに対して援助を与えるために用いることはできないというものでございます。
#331
○犬塚直史君 今、まあ分かりやすく言いますと、ICC規程に加入をしている国がアメリカ国民を例外として認めない限りは経済的、軍事的援助をカットするよと。そして、具体的な例としては、ヨルダン、メキシコ、ベネズエラ等が非常に大きな経済的損失を今被っているわけでございます。
 こういうこともやはり非常に大きな、国際法を作っていこうという中で大きな行き過ぎだと思うんですが、町村外務大臣、もう一度その辺の御感想をお聞かせください。
#332
○国務大臣(町村信孝君) 今のネザーカット条項、私も不勉強でございましたが、委員の御指摘もあって多少勉強をしたところでございますが、必ずしもまだよく理解していない点もあることをお許しをいただきたいと思いますが。
 いずれにいたしましても、アメリカはアメリカの自分たちのいろいろなオペレーションをやる、それらがICCで訴追をされるということになるとアメリカの世界の中で果たすべき機能が大きな制約を受けるということについて疑問を呈し、したがって、このICCについては非常に否定的な考えを持っているということであろうと思います。
 しかし、彼らも、だからといってこのICCそのものを弱体化させる方がいいという考えを持っているわけではないと、こう私どもは累次の発言から理解をしているところでございまして、いずれにしても、私どもとしては、今後このICCというものがだんだん大きな役割を果たしていくであろうし、また先ほどのダルフールの例に見るような、そうした犯罪というものも過去に、第二次大戦後だけを取りましても、チリの事例でありますとか、その他幾つも実際に指摘をされております。そういった正に人道にもとるような様々な行為がきちんと国際的な法廷という場で裁かれ、そして、とにかくそうした事態の進行をどうやって止めることができるかということを国際社会としては一生懸命やらなければならない。
 そのための一つの場として、手段としてICCというのは私は有効な機関であろうと、こう考えておりますので、そういう意味で、今後ともこのICCの活動が更に機能を発揮できるような、そういう状況をつくるために、まず日本自身も先ほど申し上げたように努力をしていかなきゃなりませんし、また国際場裏の場でもそういうことが機能するように外交的な努力もしていかなければいけないと、かように考えております。
#333
○犬塚直史君 ありがとうございました。
 第二次世界大戦後は日本は参加できなかった世界の秩序づくりに、冷戦後に日本が積極的に参加をして、国際法益をつくっていくという方向で御活躍いただきますようお願いをしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#334
○委員長(中曽根弘文君) 以上で犬塚直史君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#335
○委員長(中曽根弘文君) 次に、風間昶君の質疑を行います。風間昶君。
#336
○風間昶君 公明党の風間でございます。
 まず、竹中大臣にお伺いいたします。
 一昨年、小泉総理から、北海道における道州制の先行的、モデル的取組を総理から要請されて、昨年の四月、八月と北海道から提案をさせていただきまして、大臣も昨年の十月、十二月、高橋知事との懇談もしていただいたわけでございますけれども、この北海道から提案をされた部分で、道州制特区を推進するための、政治主導で組織の、その推進組織を設置してほしいというボールをそちらに投げているわけでありますけれども、これに関して、どういうふうな状態になっているのか、また、どういうふうにしていこうとしているのか、大臣にお伺いしたいと思います。
#337
○国務大臣(竹中平蔵君) 道州制特区の推進体制についてのお尋ねでございます。
 委員御承知のように、総理御自身が今年の施政方針演説の中で、こういうことを政府としても支援していくということを明確に述べていらっしゃるところでございます。
 現状どのようになっているかということを御説明させていただきますと、北海道からの提案をいただきました。それを真摯に受け止めて実現を図っていくということに今しているところでございます。
 その際、北海道知事を始め関係者間で基本的事項の整理とか問題意識の共有を図ることが必要であるというふうに考えまして、私自身が座長になりまして道州制特区に関する懇談会を開催してきております。既に二回開かせていただいておりますけれども、その中で、政府における推進体制の在り方をどうするかということも、これは知事にも入っていただいて議論をしているところでございます。
 推進体制については、提案のうち、まずできるものは速やかにこれ実施していこう、これはもう当然のことだと思います。そして、成果を上げていくための実効的な体制を整えまして、その後、更に制度を大きく変える必要等があれば、その際、それに応じた体制を拡充していくという、実利的なといいますか、そういう体制を考えております。今、政府の部内におきまして現在調整をしているところでございます。
 いずれにしても、私としては、できるだけ早期に政府としての推進体制を整備をして道州制特区の取組を支援していきたいと、こう考えておりますので、鋭意準備をしているところでございます。
#338
○風間昶君 そうしますと、まだ推進組織はできていないという判断をしていいのか。また、それができないと国としての基本的な考え方は出ないというふうに理解していいでしょうか。
#339
○国務大臣(竹中平蔵君) 御承知のように、私自身が座長になった懇談会がございますので、その懇談会自身もそれを政府部内でいろいろ過程を掛けて調整する、推進する役割を担っているというふうに私は認識をしております。
 現実に、提案のうち、まずできるものは、今の体制でできるものはございますから、これはこれで推進していくということになります。
 同時に、今後更に成果を上げていくために、やはりこのままでよいとは思っておりません。そのためのどのような体制づくりをするかということもこの懇談会で話し合っております。それを受けて、現実にできるだけ早く政府としての推進体制を整備していきたいと、これは私自身そのように考えておりますので、是非、早期にその体制の整備ができますように調整を早めたいと思います。
#340
○風間昶君 分かりました。よろしくお願い申し上げます。
 次、続きまして、日本じゅうに車が、乗用車九千台あって、運転免許を持っている人が七千万人もいらっしゃるという状況ですから、事故が増えるのは当たり前なんですが、交通事故の発生量が増えてけがされる方も増えているにもかかわらず、死亡者は少なくなっているということについての、この要因分析をどのように警察庁としてはされているのか、教えてもらいたいというふうに思います。
#341
○政府参考人(矢代隆義君) 御説明申し上げます。
 年々交通事故が増加しておるわけですが、これは、自動車保有台数と走行距離、つまり交通量が年々伸び続けていることがその背景になっているものと認識しております。
 他方、交通事故が増加する中で交通事故死者や重傷者の数が減少しておりますが、その要因について三、四点申し上げますと、一つには、シートベルト着用率の向上です。シートベルトを着用いたしますと致死率が事故の際に十分の一以下になりますので、ぶつかってもけがで済むと、こういうことで、事故は増えておるわけですけれども、自動車乗車中の死者は減少しておるわけです。
 二つ目には、歩行者事故の減少でございます。歩行者事故は、車同士の事故に比べますと死亡事故になる確率が五倍以上でございますが、このところ、車同士の事故は増加をしておりますが、人対車両、車の事故は減少しておりまして、これが死者の減少につながっております。
 三つ目には、スピードの出し過ぎ等の無謀運転事故の減少でございまして、若者を含めまして全体として運転行動が穏やかになってきておりまして、スピード運転によります正面衝突、路外逸脱、これらは非常に死亡事故になりやすい類型ですが、これが減少しておりまして、増えておりますのは、車同士の事故では、軽い追突等の致死率の低い事故でございまして、結果として、全体として事故が増える中で死亡・重傷事故は減少しておるわけでございまして、更に付け加えますならば、近年の罰則引上げ等を内容といたしました飲酒運転対策の強化も、飲酒運転によります死亡事故の減少に大きく寄与していると認識しております。
 以上でございます。
#342
○風間昶君 なるほど。
 最近、信号機が非常にはっきりした信号機になっているのが目立っております。お聞きしますと、発光ダイオードを使った新しいタイプの信号機になってから、特に高齢者の方が夕方見やすくなったという声をお聞きしております。
 この発光ダイオードによる信号灯器というのは、今までの電球式に比べて寿命も長くなっているというふうに聞いていますけれども、その寿命と、この発光ダイオード信号灯器に取り替えていくべきだと思っておりますけれども、全国的に、その部分についての予算の措置、この今回、十七年度予算にどのぐらい盛り込まれているのかも含めて教えてください。
#343
○政府参考人(矢代隆義君) 御指摘の発光ダイオード、LED式の灯器でございますが、視認性が高く、また西日等が当たった場合にもはっきりと見えるわけでございますが、これは電球式のものに比べまして寿命が六倍とかあるいはそれ以上とかいうことが言われております。また、消費電力も六分の一以下ということでございまして。
 この信号灯器の整備は、原則として都道府県警察が地方の単独事業として行っておりますので、私どもとしましては各都道府県においてこの整備を積極的に進めるよう指導しておるわけでございますが、さらに国といたしましても、社会資本整備重点計画の中で歩行者保護の観点から重点的に進めておりますあんしん歩行エリアの整備事業の一環といたしまして、都道府県公安委員会がそのエリア内においてLED式信号機を整備する場合に補助を行っております。平成十七年度政府予算案におきましては、この補助金約六億円を計上しているところでございます。
#344
○風間昶君 分かりました。
 次に、介護保険の件についてお伺いしたいと思います。
 御承知のように、介護保険の施設の設置する人員基準は、医師、看護師は必置条件になっておりますけれども、歯科専門職はこれは条件になっていないといいましょうか、規定されていないんですね。つまり、介護関連施設における入所者の方の口腔機能の機能向上や、あるいは改善ということに携わる方がいないわけでございます。
 したがって、訪問診療されていらっしゃるわけでありますけれども、ここでもまた問題で、居宅の場合は訪問診療はオーケーなんだけれども、介護関連施設において歯科医が訪問診療を行っても、居宅療養管理指導は算定できないんですね。
 だから、したがって介護予防の観点からも、高齢者に、間違って飲物を飲み込まない、飲み込んでしまって肺炎を起こす誤嚥性肺炎だとか、あるいは低栄養化を防ぐためにも、口の筋肉を強くしたり、あるいは口腔ケア・マッサージというのは非常に大事でありますから、この部分について指導管理を行っていく場合に、この歯科医あるいは歯科衛生士の関与をどのように考えていったらいいのかということは極めて大事な問題でありますから、厚生労働省としてどういうふうに考えているのか教えてもらいたいと思いますけれども。
#345
○国務大臣(尾辻秀久君) お話しのように、口腔機能の低下や低下の予防、改善の重要性というのは、これはもう各方面から指摘をされておるところでございます。
 ただ、今、例えばと言ってお話しになりました居宅療養管理指導ということで言いますと、居宅という言葉が頭に付いているものですから、施設の入所者の皆さんには算定できないというような取扱いになったりもいたしております。
 ただ、できるだけそうした穴を作らないようにしていかなきゃならぬということはかねて考えておるところでございまして、介護予防や、御指摘の施設入所者の口腔機能低下予防を具体的にどう組み立てていくかはこれからの検討課題でございまして、十分今後研究させていただきたいと考えております。
#346
○風間昶君 今大臣から十分研究をということでありますから、もっとずっと先の話に受け止められがちでありますけれども、介護保険の見直しで、しかも今回、介護保険法が出されて介護予防が、予防重視が組み込まれるという状況の中でどう具体的にしていかれるのかということで伺ったつもりですが、いかがでございましょうか。
#347
○国務大臣(尾辻秀久君) 今先生もお話しになりましたように、この問題というのは医療保険と介護保険のこの役割分担というような問題もございますので、その辺のところの研究が必要だという意味で申し上げたわけであります。
 ただ、今回、介護保険の改正をお願いいたしておりますから、こうした中で十分検討をし、答えは出していきたいというふうに考えております。
#348
○風間昶君 分かりました。
 もう一点、済みません、厚生労働大臣に。
 今日の朝日新聞、「アレルギー対策 十八道県が行わず」、昨日の毎日新聞、「妙案なくつらい春」、「花粉飛散過去最悪」ということで、花粉症について相当いろいろ今年はかまびすしい状態になっておるのは御承知のとおりでございまして、厚生労働省にとってみれば、今までもおやりになってきていますけれども、ある意味では、国民病の一つになったという感があるわけでありますけれども、現在の花粉症に対する相談体制がどうなっているのかということについて、まずお伺いしたいと思いますけれども。
#349
○国務大臣(尾辻秀久君) 今春は全国的に観測史上一、二を争うだろうと、こういうふうに言われておったわけでございますが、そうした多くの花粉が飛散するというふうに予測をされておりました。そこで、花粉の飛散が本格する前から、緊急対策として、正しい情報に基づく花粉症の予防や早期治療の更なる徹底を私どもとしては進めてきたところでございます。
 花粉症に関する相談体制の整備につきましては、まず花粉症相談マニュアル、QアンドAを作成をいたしました。それから、今ちょっとお触れにはなったんですが、都道府県等に配付して相談窓口の設置について協力はお願いをしております。また、地域における相談体制の確立のため、各都道府県等の保健師等職員を対象に相談員養成研修会を実施もしてまいりました。そうしたことを努力をして、そうしたことで努力をしてまいったということを申し上げたところでございます。
#350
○風間昶君 今、相談マニュアルを作りました、窓口協力のお願いをしました、相談員研修会をやっておりますということでありますが、そういう状態であるにもかかわらず、まず花粉症の患者数が把握されてないという点が一つ。これはなかなか難しいんですけれども、花粉症の診断がですね。それが一つ。
 つまり、厚生労働省のデータですと五人ないし六人に一人ということでありますが、マスコミでは四人に一人というふうに言ってますし、今日のこの朝日新聞ではアレルギー性、「「アレルギー様症状」を訴える人は国民の三五・九%にのぼる。」といったように、まず一つはこの報告義務が医療機関にないということがあるんではないかというふうに思います。
 そこで、厚生労働省のホームページ開いたら、まあ花粉症にたどり着くまでえらい時間掛かるわけです。まず、厚生労働省のホームページに花粉症が出てこない、表に。ずうっと追っ掛けて追っ掛けて追っ掛けていきますと、右側の方の下に「リウマチ・アレルギー情報」、これの中に花粉症が潜んでいるんだけど、花粉症ここでも出てこない。それで、「リウマチ・アレルギー情報」を見ていくとやっと、三つクリック、クリック、クリック繰り返して、「トピックス」に花粉症における政府の取組、「花粉症特集」、「花粉症シンポジウム」、「花粉症の民間医療について」と、五か所出てくると、こういうことになってます。
 したがって、例えば季節によっては花粉症で悩んでいる方たくさんいるわけだから、この厚生労働省のホームページのデスクトップに花粉症という言葉ぐらいは一つ入れてすぐリンクできるように、こんなものお金掛かる話じゃないんですから、もうちょっと頭使ってほしいなというふうに私は思います。インフルエンザがはやったらインフルエンザというところ、ここがばあんと出てくるように、引けるようにすべきだと思いますけども。
#351
○国務大臣(尾辻秀久君) 全くお話のとおりでございます。すぐ変えます。
#352
○風間昶君 ありがとうございます。まずそのようにしていただきたいと思います。
 そこで、この治療法の確立がまだまだ十分でないようでございまして、即時反応、遅発反応、それぞれタイプがあって、いろいろあるわけでありますけども、治療法が十分でないからこそ民間療法がまた逆にはやっているという状態で、何とかお茶がいい、いや、何がいいということで、この民間療法についてもやはり、有効性について、学問的な、科学的な状況を厚生労働省が一つは進めるのは大事なんだけど、民間療法についての情報をきちっとやっぱり、これ検証はなかなか難しいけど、やっぱり出すべきだと思います。
 ヤフージャパン見れば、花粉症の病院から何から都道府県名でばあっと出ます。民間療法の重立ったものばあっと出ます。そこまでやれとは言わないけども、もう少し国民の側に立った情報の、有益な情報を国が出さないというのは私はおかしいと思うんですが、出せないとしたらこれは問題であります。お役所の方変えなきゃならないかと思います。どうでしょうか。
#353
○政府参考人(田中慶司君) 御説明申し上げます。
 厚生労働省におきましては、花粉症対策に関しまして平成四年度から病因、病態の解明あるいは治療法の開発等の研究を推進しているところでございまして、その成果に基づきまして適切な予防法、治療法の普及啓発に努めております。
 先生御指摘の民間療法でございますけれども、平成十一年から十三年度にかけまして、花粉症に関する各種治療法に関する科学的根拠を踏まえました評価、研究、このような研究班で評価、研究いたしております。
 概要は次のとおりでございまして、まず花粉症患者に関する調査結果によりますと、患者の二五%が民間療法の経験を持ちます。その内容は先生今御指摘のとおり多彩でございます。また次に、多種多様な民間療法が高い有効率をうたっておりますけれども、それらの多くは少人数を対象とした不確かな経験則に基づく評価でございまして、医学、統計学的な検証は必ずしもなされていないという現状がございます。また、民間療法は、そのうちでも補助療法として有効であると評価されるものがある一方で、治療法としては不適切なものもないわけではないという指摘がされております。
 こういう研究成果がございますので、その民間療法に、花粉症に関します民間療法に関しまして、それらをホームページで掲載する、あるいはシンポジウムの開催、パンフレットの作成、相談マニュアルの配布、相談員養成研修会の実施等に反映させまして、これらの民間療法に関する情報の提供は努めていきたいと思います。
 さらに、民間療法の有効性、安全性に関しまして評価を今後とも検討を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#354
○風間昶君 今、田中局長が御説明されましたように、治療や予防についての民間、特に治療法、民間療法についてやっぱり、体系的なやっぱり整理を一つは、幾らその数が少ないからだとかなんとかということで、じゃ幾つになったら、幾つ数集まれば厚生労働省はその正式評価の中に入れるのというふうにもなっちゃうわけですから、経験則であったとしても、効いたということについてはやっぱりそれは真摯に情報として受け入れるというキャパが必要ではないかと私は思うんです。いいですか。
 それで、杉、ヒノキが今年は本当にすごいらしいですけれども、去年が夏暑かったんで、その夏に雄花に、おがると花粉が物すごい出るらしいんで、去年の夏の天候によって今年がひどいということがあるらしいんですが、そういう意味では、この森林のCO2吸収源としても非常に大事なわけでありますけれども、杉を含めた、杉、特に杉花粉に関する林野庁の対策、この品種改良も含めたことについてどのようにされて今いるのか、教えてくださいますか。
#355
○政府参考人(前田直登君) 今お話にございました林業関係からの杉花粉症に対する対応でございますけれども、林野庁におきましては、平成八年度から花粉の少ない杉の品種の開発を推進してきているところでございます。これまでに花粉の量が一%以下であります百十二品種、これが開発されておりまして、今後五年間に約六十万本を超える苗木を供給していくということを見込んでおるところでございます。また、先々月、本年一月でございますが、独立行政法人の林木育種センター、こちらの方におきまして花粉ができない杉、いわゆる無花粉杉でありますが、これを開発したところでございます。この杉につきましては、気象害の抵抗性、さらには通直性というので真っすぐ伸びていくというような性質を有しておりまして、木材としても十分利用が可能であると。そういった中で、今後、花粉の少ない品種と併せまして、これらの普及に努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
 さらに、都市近郊におきまして雄花の量、雄花の着花量の多い杉を優先的に抜き切りいたします実証事業、これは例えば二〇%ぐらい抜き切りしますと五〇%ぐらい花粉の量が落ちるとか、そういった実験結果も出ているのでありますが、そういった実証事業に取り組むとともに、雄花の多い杉の林分、林でありますが、これに重点を置いた間伐を進めていくということで取り組んでおるところでございます。
 今後とも、関係省庁と十分連携を図りながら花粉症対策の推進に努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#356
○風間昶君 ありがとうございます。
 分かりました。よく厚生労働省、それからどこですかね、あと関係するところといえば環境省さんとも連携を密にしてやっていただきたいというふうに思います。
 次に、今年はまた大変全国的に大豪雪でありまして、北海道だけじゃなくて、もう全国的に雪が大変多かったわけでありますけれども、特に市町村道の除排雪事業がもうえらい大変で、これについてはその市町村だけでやっていけない状態であることがいろんなところから声を聞かれるわけでありますけれども、これについて、先般、二十五日、国土交通大臣は、閣議後の記者会見で、市町村道の除雪費を助成することについて言及されましたけれども、これはどういうふうにおっしゃったんですか。
#357
○国務大臣(北側一雄君) 今委員がおっしゃったように、今年は特に新潟県中越地震の被災地等の北陸地方の山間部とか青森県等の東北地方北部を中心に平年を大幅に積雪が上回っておりまして、除雪費の不足が深刻であるという要望を私も各地から直接聞かしていただいているところでございます。
 市町村道の除雪費につきましては、制度上は通常、普通交付税及び特別交付税により財政措置をするということになっているわけでございますが、全国的な豪雪の年で、地方財政の措置だけでは間に合わないという場合には、国土交通省におきまして幹線市町村道の除雪費について臨時特例措置を講じるということになっております。
 これは平成十二年度に同じく全国的な豪雪があったときに臨時特例措置を実施しているわけでございますが、今年につきましても大変な豪雪でございますので、今委員がおっしゃったように、先般、私の方で、全国の市町村における積雪状況、それから除雪費等の実態、そういうのを早急に把握をするように指示をしたところでございます。
 今取りまとめ中でございますが、近々、もう近々取りまとめる、取りまとまる予定でございまして、早急に幹線市町村道の除雪費につきましては市町村に対する支援を講じていく考えでございます。
#358
○風間昶君 ありがとうございます。
 そうしますと、もらう側からすればといいましょうか、いただく側にとってみれば、特別交付税と国土交通省のこの臨時特例補助金と二段構えの支援策が講じられると、特に豪雪地帯ではというふうに受け止めてまいりたいと思いますが。
 ついでに、悪乗りじゃないですが、例えば地域のNPOやボランティアが雪はねする場合に、小型の除雪機とか何かを買って、そのお金を市町村が単独事業として助成していく条例を作っているところが例えばあるんですね、新潟県の新井市とか何かなんですけれども。豪雪地帯の支援策として、そういう一定の国庫助成すれば、本当にその費用が余り掛からないで助かるなということもあると思うので、これ豪雪地帯に限ってでありますけれども、考えていく必要があるんじゃないかというふうに思いますが、検討していただけますか。
#359
○政府参考人(谷口博昭君) お答えいたします。
 先ほど大臣が答弁させていただきましたとおり、市町村道につきましては原則地方自治体の方でということになっておりまして、国としては総務省が交付税という措置をされておるところでございます。
 今委員御指摘の問題につきましては、我々も問題意識は持っておりますので、最近のライフスタイルなりモータリゼーションの役割といったような変化に対応して、関係省庁、主として総務省、財務省になろうかと思いますが、協議をしながらしっかりとした対応をさせていただければと思います。
#360
○風間昶君 ありがとうございます。
 それでは、大臣、それぞれの御臨席いただいている大臣、犬か猫飼っていらっしゃる大臣、手挙げていただけますか。──ああ、六人中四人、すごい。
 なぜこういうことを聞くかというと、今、野良ちゃんではなくて飼われている犬が日本全国で一千百万頭いるんです、匹か、一千百万。猫が一千万匹いるんですね。野良は別ですよ。要するに、何を言いたいかというと、家族の一員として、パートナーとしてお付き合いしている人もいれば、いやしで奥さんとの間に挟めている人もいれば、いろいろこうあるんですけれども、いろいろあるんですが、あるようであります。が、亡くなった場合のペットの死体に関する処理の、処分の基本的な枠組みが今ないんです。
 したがって、何というか、墓地埋葬法は人しか駄目だし、さりとて魚の骨とか何かと同じようにごみにしていくのも、家族にとってみれば大変な思いを持っていらっしゃる方もいて、これが今非常に実は問題になっていまして、問題になっているというのは、業者が、ペット霊園とか何かを造りたいという業者が、その地元で造りたいということになったら、地元は動物のにおいは嫌や、嫌や、嫌よとか、動物焼いている煙が出ているから駄目だとかということで訴訟が今起きているところがありまして、市町村によっては、このペット霊園の規制条例を掛けているところがあるんです。したがって、このペットの死体に関する処理の基本的な枠組みについてはどう考えるのかというのは、これ大事な問題になってきます、これから。
 環境大臣、犬飼っているみたいだから、聞いてください。あっ、猫か。
#361
○国務大臣(小池百合子君) 私は犬を飼っておりまして、名前がソウリと申します。
 いわゆるペットの死体についてのお尋ねでございますけれども、おっしゃるとおり、なかなかぴたっとくる法律はございません。ちなみに、宗教的、社会的慣習によりまして埋葬、供養などが行われるものについてはそのような行為を規制対象とする法的枠組みが存在しないというのが現実でございます。
 動物愛護管理法では、「動物が命あるものであることにかんがみ、」ということで、動物愛護管理法の方は生きている動物に対してのもの。それからペットの、あと廃棄物というその観点もございますけれども、これは廃棄物にもまた該当しないと。それからあと、ですから廃掃法ですね。それから、旧厚生省の通知でもやはりペットについては廃棄物に該当しないと、このようになっております。
 それから、先ほどその臭気、においがしたり煙が問題だということでございますけれども、今動物霊園事業で、いわゆるペットの霊園事業において取り扱われます動物の火葬それから埋葬自体を規制する方法、法律はないんですが、動物の死体の焼却に伴いまして生じ得る公害を防止するという観点から適用される法律はございます。
 それが一つが悪臭防止法でございまして、都道府県知事などが悪臭を防止する必要があると認める地域を指定することができるということでございまして、またこの規制地域内ではすべての工場その他の事業場が、事業所が規制の対象となるということでございます。ということで、この悪臭防止法につきましては、都道府県知事などの判断で動物霊園などから発生しますその臭気に対して適切な対応がこの法律を根拠にしてできるということが一点。
 それから、大気汚染防止法の方では、一定規模以上の動物の死体を焼却する施設については地方自治体への届出、また排気口から排出されるばい煙、有害物質などの排出基準の遵守といったような規制が課せられているということでございます。
#362
○風間昶君 これ、国がどう取り組んでいくのか、これから大事な問題だと私は思っています。だから、できるところから詰めていくのが大事で、例えば環境省とだけなのか、あるいは環境省と厚生労働省と一緒になって、外国でどうやっているのかということも含めて、検討会議みたいなものをつくっていった方がいいような私は気がしますので。答弁要りません。
 時間が来ましたので、終わります。問題提起だけさせていただきました。
#363
○委員長(中曽根弘文君) 以上で風間昶君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#364
○委員長(中曽根弘文君) 次に、小林美恵子君の質疑を行います。小林美恵子君。
#365
○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。
 政府は、国立大学授業料標準額値上げの理由として、私学との格差是正をおっしゃっております。今日は、そこで私は私学学費を中心にして質問させていただきます。
 まず、日本の大学の中で占める私学の学校数、そして学生数の割合とその役割についての文部科学大臣の御認識をお伺いします。
#366
○国務大臣(中山成彬君) 私立大学は独自の建学の精神に基づきまして、個性豊かな教育研究活動を主体的に展開するところにその特色がございまして、在学生のうち約七五%が私立大学に在学しておりまして、我が国の学校教育の質、量両面にわたり発展に大きな役割を果たしてきていると考えております。社会経済情勢が変化する中で、多様化する国民のニーズに応じた特色ある教育研究の推進が求められておりまして、個性豊かな教育研究活動が展開している私立学校の役割はますます重要になってきていると認識しております。
#367
○小林美恵子君 重要な役割があるとおっしゃいましたその私学の学費についてでございますけれども、一九七五年度と二〇〇四年度のその額、現在の初年度の納付金は、全学部、理科系、医歯学系、それぞれ幾らでしょうか。
#368
○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。
 私立大学の授業料につきましては、平成十六年度の入学者の平均額が約八十一万八千円となっておりまして、一九七五年度、昭和五十年度の約十八万三千円と比較をいたしまして約六十三万五千円の増加となっております。
 それから、私立大学等の平成十六年度入学者に係る学生納付金等調査によりますと、私立大学に入学した学生が初年度に大学に納付する授業料、入学料、施設整備費の合計額は、全学部の平均で約百三十万二千円となっております。これを分野ごとに見てみますと、文科系学部につきましては約百十四万四千円、医歯系学部を除く理系、理科系学部につきましては約百四十八万円、医歯系学部につきましては約五百五万八千円となっているところでございます。
#369
○小林美恵子君 今御説明をいただきましたその私学の学費が本当に私も高いというふうに改めて実感するものでございます。
 そこで、どんなにこの学費が学生や、そしてその御家庭の家計に重くのし掛かっているかということを私は大臣にお聞きいただきたいと思います。
 二人の娘さんを私学に通わせている親御さんの声でございますが、年間三百万円の授業料、交通費は二十五万円、各課題による雑貨など、一か月当たりの収入の多くを教育費に費やしています。有名私大にも合格しましたが、自宅通学できる距離ではなく、経済的にも一人住まいも考えにくく、入学を断念しましたと。日本は教育に関しての負担が大き過ぎると思いますと。こうした声というのは決して特別ではないと私は思います。
 そこで、文部科学省にお聞きをします。
 文部科学省の調査からも、学費や下宿に掛かる費用が学生二人の場合、私立と国公私立平均それぞれどれほどの費用か、費用だけお示しくださいますか。
#370
○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。
 平成十四年度の学生生活調査によりますと、自宅の場合、学生寮に入っている場合、下宿の場合、いろいろございますけれども、平均で申し上げますと、私立大学に通う学生の場合、授業料やその他学校納付金、修学費、課外活動費、通学費などを含めました学費の合計額が百三十一万七千円ということになってございます。また、そのほかに、生活費といたしまして、食費や住居・光熱費、保健衛生費、娯楽・嗜好費、その他日常費などを合わせますと、生活費が私立平均で八十二万八千三百円でございまして、学費と生活費を合計いたしますと、二百十四万五千三百円が私立大学に通う学生の平均ということでございます。
#371
○小林美恵子君 国公私立の場合はいかがですか。
#372
○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。
 国公私立の平均ということで申し上げますと、学費が百十六万一千二百円、それから生活費が八十五万六千五百円、合計いたしますと二百一万七千七百円というのが国公私立の平均でございます。
#373
○小林美恵子君 私が文部科学省さんからいただいた資料によりますと少し違うんですけれども、私立の場合は、合わせますと二百六十一万三千八百円、また国公私立平均の場合は二百三十七万八千九百円というふうな資料をいただきました。いずれにしても、さほどおっしゃっていた金額と余り変わりはないというふうに思いますけれども、御説明いただいたものについて少し、私、パネルにしてまいりました。(資料提示)
 このパネルは、先ほど御説明いただいたものは一人の分をおっしゃっていらっしゃったと思いますけれども、二人抱えた場合どうなのかという額でございます。それと、分母は二〇〇三年度の勤労者の平均年収六百二十九万円に対してどれだけその学費、下宿代、下宿等が占めるかという割合を示したものです。
 それでいきますと、何と私立二人とも行かせる場合は八三・一%もその平均年収に占めています。また、国公私立平均でいきますと七五・七%にもなります。
 私はここの、ここの負担の重さといいますか、この負担の重さが、本当に大学に行かせているその親御さんが、どんなに高い負担を強いながら、我が子を大学に行かせるためにはもう何とかしようという工面の思いというのが本当に伝わってきます。また一方で、こんなに高い学費だから、だから大学行きたいけれども行けないと我慢をする若者の声も伝わってきます。
 そこで、私は財務大臣と外務大臣にお聞きをします。
 こういう家計に対する学費の負担というのは、余りにも負担の限界を超えているのではないでしょうか。余りにも家計が成り立たない、そういう現状ではないでしょうか。いかがでしょうか。
#374
○国務大臣(谷垣禎一君) 委員からいただいた資料を拝見いたしますと、私も文部科学省の学生生活調査というのはちょっと見てきたんですが、若干それぞれの世帯の年収は、これは多分総務省の資料をお使いになって、ちょっとそこの取り方がまた違うんだと思いますが、しかしいずれにせよ、特に自宅ではない下宿などから通学する私立大学生を抱える親御さん、保護者、これは家計収入からやっぱり相当程度仕送りなどをしないと、もうこれはとてもやっていけないという状況にはあるということは間違いないと思うんですね。
 それで、それをどうバックアップしていくかということになるわけですが、平成十七年度の予算では育英奨学金の貸与人員を拡充すると、あるいは貸与月額を増やすと、こういうようなことで学生やその保護者等の経済負担の軽減を図ろうというのをまた一つやっております。
 それから、その私学助成予算についても増額を図るということにしているわけでございますが、結局、できるだけ今、今まで国と、国立大学と私立大学の差をうずめようということでやってきましたけれども、高等教育の場合は初中、初等中等教育に比べて将来の就職や所得等、そういった面で教育を受けた個人に直接帰属するという、何というんでしょうか、その利益が相対的に大きいというのか、ある程度受益者負担の観点も入れなければならないのではないかというふうにも考えているわけです。
#375
○国務大臣(中山成彬君) 今、私学部長それから財務大臣がお答えいたしましたけれども、平成十四年度の学生生活調査によりますと、私立大学の学生一人当たりの学費約百三十二万、私立大学に通う学生を持つ家庭の年間所得額は約九百二十万円、これが平均となっておりまして、したがいまして学費が家庭の年間所得に占める割合一四%ということでございまして、決して小さな額ではないと考えております。
 個人的にも、私の妹の息子が今度私立に通りましたけれども、母親が本当にふうふう言っているのが現状でございます。
#376
○小林美恵子君 どちらも負担は重いというふうにおっしゃったと思います。それで、財務大臣は助成も行ってきているというふうにおっしゃいました。
 そこで、文部科学大臣に私はお聞きをします。どういう助成を行ってきたのか。特に、特別補助と一般補助というのが私学の助成にはあるはずです。それぞれの性格、そして一般補助のピーク時の、ピーク時と、二〇〇五年度予算案のその額と推移、経常経費に対する補助率のピーク時と二〇〇四年の率をお示しいただけるでしょうか。
#377
○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。
 私立大学等の経常的経費に対する補助には、大きく分けまして一般補助と特別補助がございます。このうち一般補助につきましては、教職員の人件費や基盤的な教育研究経費に対して補助するものでございまして、各大学の教職員数や学生数により算出した補助基準額を基に配分しております。一方、特別補助は、特色ある教育研究活動や特定の教育研究プロジェクトに対して補助するものでございまして、各大学からの申請に対し、有識者から成る委員会での審査などを経て重点的に配分するものでございます。
 一般補助の予算額につきましては、経常費補助制度創設時の昭和四十五年度は百三十二億円でございましたが、昭和五十六年度の二千七百五十四億三千三百万円をピークに漸減傾向にございまして、平成十七年度予算案におきましては二千百九十三億七千九百万円となってございます。ただし、特別補助につきましては毎年度増額に努めておりまして、この特別補助を含めますと私立大学等経常費補助金全体では毎年充実が図られてきておりまして、平成十七年度予算案では三千二百九十二億五千万円を計上しているところでございます。
 また、私立大学等の経常費に対する補助割合でございますけれども、制度創設時の昭和四十五年度は七・二%でございましたが、昭和五十五年度の二九・五%をピークにその後漸減いたしまして、近年は横ばいの状況でございます。平成十五年度におきましては一二・一%となっているところでございます。
#378
○小林美恵子君 特別補助は増額されているとおっしゃいましたけれども、これはやっぱりあくまでも特別のものでございます。先ほど御説明がありましたように、大学の経常経費の中心部分はやっぱり一般補助です。御説明があったように、率も、しかもピーク時からいっても額も減額をしているということは、やっぱりこれでは増額とは言えないと私は思います。
 そこで、その点についてもパネルを用意しました。(資料提示)これは、先ほどの御説明がありましたように、一般補助が減額をされている、そして補助率もピークからの半減以下、それは表にはなっておりませんが、一方、私学の学費は上昇しているというその推移を示したグラフでございます。
 日本私立大学協会附置私学高等教育研究所が行いました「学費・奨学金に対する現状認識と展望」と題する調査結果がございますが、そこでも私立の三分の二の大学が私学への経常費補助が減額、廃止された場合は学費値上げを考えるというふうに述べておられます。
 ここで私は文部科学大臣にお聞きをします。やっぱり私学の学費の高騰というのはこうした一般補助の減額、補助率の低下が影響を与えているのではないでしょうか。
#379
○国務大臣(中山成彬君) 私学助成につきましては、従来から私立学校の教育研究条件の維持向上並びに修学上の経済的負担の軽減等を図るためその充実を図ってきたところでございまして、今、私学部長からも説明させましたけれども、私学助成におきましては評価に基づく重点的配分の重視と、あるいはかつての学生数の急増等によります経常費総額の増加に伴いまして、一般補助や経常費総額に対する補助割合に低下傾向が見られることは事実でございますけれども、特別補助を含む私学助成総額としては着実に充実を図ってきたところでございまして、文部科学省といたしましては、今後とも私立大学における学生の経済的負担の軽減や、あるいは教育研究の質的向上を図るために私学助成予算の確保と関連施策の推進に最大限努めてまいりたいと考えております。
#380
○小林美恵子君 その補助率の低下でありますとか、補助額の減額というのが学費の高騰につながっているのではないかということではいかがでしょうか。
#381
○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。
 私学助成につきましては、ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、私立学校の教育研究条件の維持向上並びに修学上の経済的負担の軽減を図るためにその充実を図ってきたところでございまして、特別補助を含みます私学助成総額の充実が、ひいては私立大学の授業料の高騰を抑制するという効果も伴っているものと考えているところでございます。
#382
○小林美恵子君 特別補助を含めた補助率も低下をしているわけです。それがやっぱり私学の学費に影響しているというのではないでしょうか。もう一度、大臣にお答えをお願いします。
#383
○国務大臣(中山成彬君) この私立大学におきます授業料につきましては、これは本来、私学自身の責任において自主的に決定すべき事柄でございますけれども、文部科学省といたしましては、従来から学生や保護者の修学上の経済的負担の軽減を図るために、経常費補助を中心とした私学助成あるいは奨学金の充実を図るとともに、私立大学の一層の経営努力によりまして極力授業料を抑制するように要請してきたわけでございまして、これからも引き続き私立大学における学生等の教育費負担が軽減を図られるように進めてまいりたいと考えております。
#384
○小林美恵子君 つまり、補助の増額というのが私学の学費を、高騰を抑制するという先ほどの御答弁だったというふうに私は思います。
 ということでいきますと、結局、私は政府が私学への補助を減額、削減して私学の学費を高騰させて、そしてその私学との格差是正と称して国立大学も学費を高騰させてきたというのがこの間の実態だと思うんです。学費の高騰は家計に高負担を押し付け、学生にも学ぶ機会を奪うものです。格差是正というなら、国立大学費を値上げするのではなく、私学への補助を増額し、私学学費をやっぱり引き下げることこそ本当の格差是正ではないでしょうか。それを文部科学大臣に改めてお聞きします。
#385
○国務大臣(中山成彬君) 国立大学の授業料につきましては、従来から高等教育の機会提供という国立大学の役割等を踏まえつつ、大学教育を受ける者と受けない者との公平の観点や私立大学の授業料の水準など、社会経済情勢等を総合的に勘案して、結果としてはほぼ二年ごとに改定を行ってきているところでございます。
#386
○小林美恵子君 私の質問に全くお答えになっていないと思います。
 改めて、本当の格差是正というならば、国立大学学費を値上げするのではなくって、私学への助成を充実さして私学の学費を下げることではないか。もう一度お答えをお願いします。
#387
○国務大臣(中山成彬君) 先ほどからも答えておりますけれども、格差是正、私学、国立の格差是正、そして社会情勢、物価の上昇等、そして特に今申し上げましたけれども、大学に行く者と行かない者との格差ということもございますので、そういったことを全般的に勘案、考慮いたしましてやってきているということでございます。
#388
○小林美恵子君 学費の高騰が子供たちの大学進学を断念せざるを得ない、そういうことに陥っているということを私は指摘を申し上げたいというふうに思います。
 それで、こうした日本政府の態度といいますか、これは国連からも勧告を受けていることがございます。この点について、まず外務大臣にお聞きをします。
 一九七六年発効した経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約第十三条二項(c)、ここにどういうことが書かれてあって、日本はどんな態度を取り、国連からどういう勧告を受けているか。
 続いて、外務大臣にそのことをお答えいただいて、そして官房長官に、続きまして、一九八四年、衆参の文教委員会で留保の解除の検討を求める附帯決議がされています。国連にも二〇〇六年六月には日本政府として報告が求められています。これにどういう態度を示すのか、このことをお答えいただきたいと思います。
#389
○国務大臣(町村信孝君) A規約の十三条の、どこでしたっけ、二の(c)、高等教育は、すべての適当な方法により、特に無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会を与えられるものとするということでありまして、これについては、日本はこの部分については留保をしております。
 二〇〇一年八月に、このA規約委員会が示した最終見解において、日本に対してこの留保の撤回を検討することを求める旨の勧告がなされております。これに対して、これは日本の文教政策の在り方と関係を慎重に検討する必要があるということで、今後検討をしていくということでございます。
#390
○国務大臣(細田博之君) 国によって、これを留保しているアメリカのような国がございますし、やや、イギリスなどはこれを受け入れたわけでございますけれども、やはり自己負担もすべきだというような考え方に変わりつつあるところもございます。
 まあ、いずれにいたしましても、それぞれ国民所得自体が上がっているということもございますから、負担力のある方には負担していただくことが適当であると思いますし、また負担力の乏しい方が奨学金制度とか様々な制度を活用するというような柔軟な、柔構造的な運用をして、だれにとっても高等教育を受ける機会が確保されるように施策を講ずべきであると思っております。現時点でこの留保の撤回というのは、それぞれ今も申し上げたような総合的な観点からまだ考えておらないのが実情でございます。
#391
○委員長(中曽根弘文君) 時間でございますので、おまとめ願います。
#392
○小林美恵子君 先ほど、外務大臣は検討していくというふうにおっしゃいました。これは私は大事なことだというふうに思います。同時に、官房長官は柔軟なふうに対応していくというふうにおっしゃいました。私は、やっぱり日本の将来を担う若者が経済的理由で教育の機会を奪われないように、家計への高負担を軽減することこそ国民に責任を持つ政治の役割だというふうに思います。
 こうした国連の勧告、国連の規約を留保している国は、百五十一か国中、日本を含めわずか三か国です。ですから、ここもしっかり解除を検討に踏み込んでいただいて、国立大学学費の値上げの撤回と私学への助成を増額することを再度求めまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#393
○委員長(中曽根弘文君) 以上で小林美恵子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#394
○委員長(中曽根弘文君) 次に、近藤正道君の質疑を行います。近藤正道君。
#395
○近藤正道君 社民党の近藤正道でございます。
 今月の三日、広島地方裁判所でいわゆる学生無年金障害者訴訟の判決がございました。国が敗訴いたしました。これで国は同種事件で三連敗でございます。
 この判決と国三連敗というものをどういうふうに受け止めておられるのか、尾辻大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
#396
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、三月三日の広島地裁の判決でございますが、これは学生を国民年金の強制加入としていない、それから他方、無拠出制の障害年金の対象にもしていなかったということについて、違憲無効とし、障害基礎年金の不支給処分を取り消すなど、国のこれまでの主張が認められておりません。大変厳しいものだというふうに考えております。
 それから、三回連続といいますか、東京地裁、新潟地裁に続いてこのたびの広島地裁でも同じような、ちょっと中身は違いますけれども、それぞれに違うところもありますけれども、国民年金法の規定について違憲性が指摘されたことは、これも大変厳しいものであるというふうに受け止めております。
#397
○近藤正道君 国の敗訴の流れというのは、私は定着しているというふうに思っています。しかも、次第に国にとって厳しい中身になっております。是非私は、この広島地裁判決は控訴をしないで確定をさせていただけないだろうか、強く要望申し上げておきたいというふうに思っています。
 次に、BSE問題についてお尋ねをしたいというふうに思っています。
 国内で判明いたしました汚染牛、全部で十五頭でございます。汚染経路や原因は、それぞれ推定の域を出ず、八頭目以下はほとんど分からない、こういうふうに私は伺っております。
 現時点で分かっていることと分かっていないこと、これについて分かりやすく区別してお答えをいただきたいと思います。
#398
○政府参考人(中川坦君) BSEの感染経路、それから感染原因についてのお尋ねでございますけれども、我が国の専門家から成りますBSE疫学検討チームの報告書が平成十五年の九月に取りまとめられております。
 これは一例目から七例目までのデータによりまして取りまとめられたものでございますが、感染源といたしましては、これ二つございまして、一つはイギリスから一九八〇年代に輸入をされた生体牛、この生体牛の中にBSEに感染していたものがあったのではないかというのが一つでございます。もう一つの可能性といたしまして、一九九〇年以前に輸入をされましたイタリア産の肉骨粉がその可能性があるということでございます。
 それから、感染経路といたしましては、肉骨粉について直接牛に給与されたという事実は判明いたしておりません。このため、配合飼料工場などにおきまして製造あるいは配送段階で牛用の配合飼料に交差汚染をしたと、意図したものではありませんけれども、何らかの原因で混入してしまったと、そういう可能性が高いというのがこの報告書の中身でございます。
 こういった交差汚染の可能性があるという点につきましては、その後の配合飼料の製造工程等に反映をいたしてございます。
 この報告書が取りまとめられまして以降も、先生今御指摘がありましたように、平成十五年には二例、それから十六年には五例というふうに新たな感染の牛が見付かっておりますけれども、こういったものにつきましても飼料の給与実態等につきまして調査をいたしまして、その結果につきましては専門家の方々に御報告をし議論をいただいているところでございますが、十五年九月の報告書に加えて新たな知見というものはまだ出ていないのが現状でございます。
 いずれにいたしましても、この感染源、感染経路を究明していくということは、その後の対策のために大変重要でございますから、引き続き鋭意検討いたしてまいりたいというふうに考えてございます。
#399
○近藤正道君 分かっていないことがまだたくさんあるということが分かりました。
 日本で変異性クロイツフェルト・ヤコブ病に感染した男性が確認をされました。厚労省は昨日、この男性のイギリス滞在は二十四日、こういうことを発表いたしました。滞在期間が非常に短いということに衝撃を受けているわけでありますが、日本で感染した可能性はないと、こういうふうに断言はできるんでしょうか。
#400
○国務大臣(尾辻秀久君) そのような断定はいたしておりません。日本での、国内で感染した可能性がないわけではないというふうに言っております。
#401
○近藤正道君 アメリカでは、全頭検査ではなくて抽出検査でございます。危険部位の除去も三十か齢以上の牛に限定されておるわけであります。えさの規制だとか屠畜方法も日本とアメリカは随分違います。アメリカのこうしたやり方をどういうふうに思っておられるのかと、大丈夫なんでしょうかと、尾辻、島村両大臣にお尋ねをしたいと思います。
#402
○国務大臣(尾辻秀久君) アメリカと日本の状況というのは、いろんな環境だとか状況だとか違うことは承知をいたしております。したがいまして、ちょっと先走ってお答えすることになるのかもしれませんけれども、アメリカからの輸入ということになったら、日本と同等の安全性が確認されなければ輸入はしないと、こういうふうに私ども……
#403
○近藤正道君 認識ですよ。
#404
○国務大臣(尾辻秀久君) 認識ですか。アメリカと日本と、一言で言うと違うという、という認識ではございます。
#405
○国務大臣(島村宜伸君) BSE検査につきましては、我が国では感染牛の食用からの排除を主な目的として実施しておりますが、米国ではBSEの汚染度やBSE対策の有効性を確認するために行われておりまして、基本的には言わば相違が、考え方に相違があるということであります。
 特定危険部位の除去が牛肉の安全性確保の上で重要であることについては日米ともにその認識を共有しているところでございますが、特定危険部位の定義については、米国では三十か月齢以上の牛の脳、脊髄などを対象としており、我が国では全月齢の牛の脳あるいは脊髄などを対象にしているという点で相違がございます。
 なお、米国産牛肉の輸入条件についてでありますが、これは昨年十月の日米局長級会議において、特定危険部位をすべて牛から、すべての牛から排除すること、そして牛肉は個体月齢証明などの生産記録を通じて二十か月齢以下と証明される牛からのものにすることなどが認識を共有しておりまして、我が国と同等の措置を求めるという基本的な考え方は確保できたと、そう考えております。
#406
○近藤正道君 そうでしょうか。今ほどの答弁でも、日本とアメリカ比較しますと、アメリカは本当に大甘、大甘だというふうに思います。
 ここにパンフレットがあります。「安全な国産牛肉を皆様の食卓へ。」と、これはこういうパンフレットでありますが、これによりますと、厳しい全頭検査を行っているから国産牛肉は安心だと、こういうふうに書いてありまして、詳しくは農水省の方に聞いてくれと、こういうふうに書いてあります。
 こういうパンフレットを大量に配りながら、全頭検査は、配っておきながら、一方で島村大臣、全頭検査の意義を否定する、あるいはおとしめる。そうして、全頭検査は世界の非常識で、こういう姿勢に閉じこもっているのは妥当ではないと、こういう全頭検査の姿勢を改めなきゃならぬ、こういうふうに言っています。このパンフレットの中身と全くあべこべだ、私はそういうふうに思っています。この整合性について国民にどう説明されるんでしょうか。お答えいただきたいと思います。
#407
○国務大臣(島村宜伸君) 再三御答弁申し上げてきたところですが、繰り返して申し上げますと、私の先日の発言は、全頭検査は国際的には常識ではないとの意味で用いたわけでありますが、これがもし不穏当であるならば収めることに異議はないと予算委員会で申し上げたとおりです。
 また、私は、全頭検査は、我が国でBSE感染牛が確認された当時、消費者の不安を解消する役割を果たしたという意味においてはこれは英断であったと、当時私も賛成をした一人であります。
 今御指摘の農畜産業振興事業団のパンフレットは平成十四年当初に作成、配布されたものでありますが、当時における全頭検査の役割を説明したものでありまして、このBSEが発生したのが平成十三年九月でございますから、そういう意味では発生当初に配られたもので、私は適切な内容であると考えております。
#408
○近藤正道君 重ねてお尋ねいたしますけれども、このパンフレットはあれですか、非常識なことを書いてあるんですか。
#409
○国務大臣(島村宜伸君) これは、全頭検査を実施しておりますということを皆さんに知らしめて、いわゆる皆さんの不安を取り除くためのパンフレットと、そう承知しております。
#410
○近藤正道君 島村大臣の一連の非常識発言、これは明らかに食品安全委員会への私は圧力だというふうに思います。また、干渉であり越権行為だと、こういうふうに思っております。
 今月の六日、おとといの日でありますが、新潟市で、新潟県下の農民が八百人ほど集まりまして、そしてこの島村大臣の辞任を求めて集会をやりました。私もここに出ておりますけれども、大臣の発言が大きな波紋を呼んで、国民の批判が高まっております。
 私は、非常識発言の撤回では済まないんではないかというふうに思っておりまして、責任を取ってこの際辞任すべきではないか、これが安全委員会とかあるいは国民に対する誠意ある対応ではないかというふうに思いますが、島村大臣の所見をお尋ねをいたします。
#411
○国務大臣(島村宜伸君) まあ私の真意を正しく理解してくださった方々の方からは、あなたのお気持ちがよく理解できるし、私たちはそれを支持するということもいただいている。またその一方では、労働組合がほとんどですが、言わば何かまとまった印刷物で私にそういう書面をよこした方もおられないではありません。
 しかし、私は、言わば政治家として、しかも食の安全、安心を守る言わば責任ある大臣として、私はその使命に徹しているつもりでありますから、何らやましいことはないと、そう考えております。
#412
○委員長(中曽根弘文君) 近藤君、時間が参りましたので、おまとめ願います。
#413
○近藤正道君 集まったのは農民でございます。BSEの問題は、先ほど来の話ありますけれども、現在進行中の問題でありまして、分からぬこともたくさんあります。そういう中で大甘のアメリカからこの輸入再開の問題が出てきておりまして、本当に国民の不安は大きいわけでございます。慎重の上にも慎重に対応していただきたい、こういうふうに思っておりまして、私は、アメリカからの牛肉輸入再開はまだまだ早い、こういうふうに申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
#414
○委員長(中曽根弘文君) 以上で近藤正道君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 暫時休憩いたします。
   午後六時十四分休憩
     ─────・─────
   午後六時四十二分開会
#415
○委員長(中曽根弘文君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 公聴会開会承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十七年度総予算三案審査のため、来る三月十五日午前十時に公聴会を開会することとし、公述人の数及び選定等は、これを委員長に一任することに賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#416
○委員長(中曽根弘文君) 多数と認めます。よって、さよう決定いたしました。
 明日は午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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