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2005/05/20 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 予算委員会 第16号
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2005/05/20 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 予算委員会 第16号

#1
第162回国会 予算委員会 第16号
平成十七年五月二十日(金曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     河合 常則君     大野つや子君
     吉川 春子君     紙  智子君
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     主濱  了君     工藤堅太郎君
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     工藤堅太郎君     主濱  了君
 四月一日
    辞任         補欠選任
     松下 新平君     藤末 健三君
 四月四日
    辞任         補欠選任
     藤末 健三君     松下 新平君
 四月八日
    辞任         補欠選任
     大門実紀史君     小林美恵子君
 四月十一日
    辞任         補欠選任
     松下 新平君     尾立 源幸君
     小林美恵子君     大門実紀史君
 四月十二日
    辞任         補欠選任
     尾立 源幸君     松下 新平君
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     秋元  司君     竹中 平蔵君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     竹中 平蔵君     秋元  司君
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     平野 達男君     齋藤  勁君
     松下 新平君     佐藤 雄平君
 五月十六日
    辞任         補欠選任
     佐藤 雄平君     松下 新平君
     齋藤  勁君     平野 達男君
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     小川 勝也君     若林 秀樹君
     紙  智子君     緒方 靖夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中曽根弘文君
    理 事
                阿部 正俊君
                椎名 一保君
                野上浩太郎君
                舛添 要一君
                若林 正俊君
                池口 修次君
                大塚 耕平君
                福山 哲郎君
                荒木 清寛君
    委 員
                秋元  司君
                浅野 勝人君
                泉  信也君
                市川 一朗君
                岩永 浩美君
                大仁田 厚君
                大野つや子君
                岡田  広君
                世耕 弘成君
                関口 昌一君
                田村耕太郎君
                中島 啓雄君
                長谷川憲正君
                松村 龍二君
                山崎  力君
                山谷えり子君
                犬塚 直史君
                小川 敏夫君
                小林 正夫君
                主濱  了君
                辻  泰弘君
                白  眞勲君
                平野 達男君
                前川 清成君
                前田 武志君
                松下 新平君
                水岡 俊一君
                山本 孝史君
                若林 秀樹君
                風間  昶君
                福本 潤一君
                山本 香苗君
                緒方 靖夫君
                大門実紀史君
                福島みずほ君
   国務大臣
       内閣総理大臣   小泉純一郎君
       総務大臣     麻生 太郎君
       外務大臣     町村 信孝君
       財務大臣     谷垣 禎一君
       文部科学大臣   中山 成彬君
       厚生労働大臣   尾辻 秀久君
       国土交通大臣   北側 一雄君
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (内閣府特命担
       当大臣(男女共
       同参画))    細田 博之君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        村田 吉隆君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  大野 功統君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  山崎 正昭君
   副大臣
       内閣府副大臣   西川 公也君
       財務副大臣   田野瀬良太郎君
       経済産業副大臣  保坂 三蔵君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村松  帝君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       中城 吉郎君
       内閣官房内閣参
       事官       小川 新二君
       内閣府政策統括
       官        柴田 高博君
       防衛庁防衛参事
       官        大井  篤君
       防衛庁人事教育
       局長       西川 徹矢君
       外務省アジア大
       洋州局長    佐々江賢一郎君
       外務省経済協力
       局長       佐藤 重和君
       外務省国際法局
       長        林  景一君
       外務省領事局長  鹿取 克章君
       国土交通省総合
       政策局長     丸山  博君
       国土交通省道路
       局長       谷口 博昭君
       国土交通省鉄道
       局長       梅田 春実君
       国土交通省自動
       車交通局長    金澤  悟君
       国土交通省航空
       局長       岩崎 貞二君
       国土交通省航空
       ・鉄道事故調査
       委員会事務局長  福本 秀爾君
   参考人
       西日本旅客鉄道
       株式会社代表取
       締役社長     垣内  剛君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○予算の執行状況に関する調査
 (外交等に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(中曽根弘文君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 議事に先立ち、一言申し上げます。
 去る四月二十五日に発生いたしました西日本旅客鉄道株式会社福知山線における列車脱線事故により亡くなられた方々並びに御遺族の方々に対し、本委員会として謹んで哀悼の意を表しますとともに、負傷された方々に対して心よりお見舞いを申し上げます。
 ここに、犠牲者の方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。
 どうぞ御起立をお願いいたします。黙祷。
   〔総員起立、黙祷〕
#3
○委員長(中曽根弘文君) 黙祷を終わります。御着席願います。
    ─────────────
#4
○委員長(中曽根弘文君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(中曽根弘文君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に大塚耕平君を指名いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(中曽根弘文君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の執行状況に関する調査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(中曽根弘文君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#8
○委員長(中曽根弘文君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 予算の執行状況に関する調査のため、本日の委員会に西日本旅客鉄道株式会社代表取締役社長垣内剛君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(中曽根弘文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#10
○委員長(中曽根弘文君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、外交等に関する集中審議を行います。
 質疑者はお手元の質疑通告表のとおりでございます。
 これより質疑を行います。椎名一保君。
#11
○椎名一保君 おはようございます。
 お許しをいただきまして、自由民主党の椎名一保でございますけれども、質問をさせていただきます。特に、外交問題についてお伺いいたします。
 先月、アジア・アフリカ会議でインドネシアに総理におかれましてはお出掛けになられまして、その後、インド、パキスタン、ルクセンブルグ、オランダと、そしてロシアと、大変重要な外交日程をこなされてきたわけでございますけれども、特にアジア・アフリカ会議におきましては、私自身、昨年のたしか二月に国連のコフィー・アナン事務総長が国会で演説をされまして、総理ももちろんお出になっておられましたけれども、長年にわたって日本がアフリカ、アジア、中南米の貧しい国々の人々のために日本国民が、日本国が本当に貢献してくださったと、それらの国の人々は本当に喜んでおりますという演説をお伺いいたしまして、私自身も、外交辞令もあったのかと思いましたけれども、それ以上にその真摯な姿勢が伝わってまいりまして、日本の外交は間違ってなかったんだなという思いを持ったわけでございますけれども、特にアジア・アフリカ会議に私そういうイメージを持っておりましたんで、そういう中に出席された総理のまず御感想と御認識、御見識をお聞かせいただきたいと思います。
#12
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) アジア・アフリカ会議、いわゆるバンドン会議五十周年記念式典を兼ねて会議が行われたわけでありますが、その際に、私としては、過去六十年間、五十年間、戦後、日本の戦争の反省を踏まえ、平和国家として発展してきたその実績とこれからの方針を述べたわけであります。
 アジア諸国、アフリカ諸国から、日本のこの五十年の方針につきましては理解と支持をいただいたものと思っております。今後、アジアの日本に、対する支援、これが効果的に行われていると、アフリカも見習いたいと。アジアの諸国も、日本と協力して、今後アフリカに対しても支援をしていかなきゃならないという認識も持ってきたと思います。そういう点を踏まえまして、これからアフリカに対しましても、世界的な問題としてとらえながら、日本とアジアとアフリカというものが協力しながら、貧困の削減あるいは開発、そういう点も含めてお互い協力していこうという有意義な会合だったと思います。
 その際、会議の合間を縫いまして、スマトラ島沖の地震、津波の災害も視察をいたしましたが、改めてその被害の甚大さ、これに対しても世界が協力して支援をしていかなきゃならないなと。現地の被災者の支援あるいは復興に向けて、国際機関と協力しながら、日本人の皆さん方、医師の皆さん、看護師の皆さん、あるいはボランティアの皆さん、汗を流している姿を見て感銘いたしました。十二万人の遺体を埋葬しなけりゃならなかったと、なおかつ今でも九万人の方が行方不明という、二十万人を超える方が一瞬、突然の津波、地震で命を落とさざるを得なかったというこの甚大な被害、これに対して日本としてもできるだけの支援はしていかなきゃならないということを痛感した次第でございます。
#13
○椎名一保君 本当に災害も重なりまして、また世界の人口のうち約七割もの人間が住するアジア、アフリカ両大陸の百か国以上の首脳が一堂に会し、貧困や環境破壊など多くの問題を抱える中、再興に協力をうたったことの意義は非常に大きいと思います。特に、経済のグローバリズムを受けて、経済格差の拡大や貧困は、人道上の問題はもとより、テロとの戦いという観点からも大切な放置できない問題であったと思っております。大変お疲れさまでございました。
 今後とも、今総理のお話にもございましたとおり、我が国はODAによってタイやインドネシア、中国等のアジアの復興をした経験を積極的にアフリカ支援に生かしていくとともに、それに、今大変な状態になっておりますスーダンの和平の支援等、平和構築活動にも取り組んでいくべきだと思っております。
 また、首脳会議の宣言には、多国間主義の強化の重要性が盛り込まれておりますが、日米同盟を外交の基軸とする我が国としては、米国とアジア、アフリカをつなぐ懸け橋としての大きな役割を求められていると思いますんで、ますますの御努力をお願い申し上げる次第でございます。
 また、その中で、総理はアジア青年海外協力隊の発足を表明されましたが、その理念について御説明いただきたいと思います。
#14
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 海外青年協力隊の活動というのは多くの国から高い評価を受けております。また、若い青年男女の方々、あるいはシニアの方々、非常に厳しい環境の中、あるいは日本にない病気等の感染の危険を冒して、現地で住民の生活向上のために懸命の努力をされている。これは、各地域によって高い評価を受けると同時に、日本の、ああいう厳しい環境にめげず、現地の人と一緒になって友好関係を築き信頼を得ていている活動の諸君と話し合うたびに、よくこういう厳しい環境で皆さん頑張っているなと私も感銘しつつ激励をしているわけでありますが。
 この特にアジアに対して高い評価を受けている青年海外協力隊、そして、それによって、青年海外協力隊に啓発されるというんですかね、アジアの方々も、こういう活動はすばらしいと、自分たちもこういう支援によって立ち上がってきたと、また、このような支援というのは自分たちよりもまだ開発なり発展の必要がある国に対しても協力できないかということで、日本の人々と、海外青年協力隊と、そしてアジアのそういう方々と協力しながらこれからアフリカ等に支援していく、これも必要ではないかということでございます。これはまた私は大変意義深いことだと思っております。
 そういう意味において、日本の海外青年協力隊、そしてアジア諸国のそのような意欲を持った方々と協力しながら、今後アフリカに対しても日本とアジアが協力しながら支援していこうと、これが主な趣旨でございます。こういう支援活動は、日本独自の支援もありますけれども、各国と協力しながら支援していくのもこれまた重要だと思っております。
#15
○椎名一保君 よく総理がおっしゃられるように、国際社会の平和と、安定と平和なくして日本国民は生存することができないんだと、日本国、日本国民の利益よりもまず国際社会の平和なんだと、それを日本の青年が志として海外に示していくということは、これは大切なことであると思います。また、海外に向けても、また国内の青年たち、少年たち、青少年に向けても、こういうことを総理が向こうで発信を、発言をされて向こうから、海外から評価をいただいたということは大変意義深いことではなかったかと思います。ますますこれを日本国内に、青少年たちが我も我もというような志を海外に発信できるような、またそういったことを私たちも併せて努力をしていくべきではないかと思う次第でございます。
 外務大臣、スーダンの和平に向けて積極的な役割を果たすべきだと考えておりますけれども、政府の方針をお聞かせいただきたいと思います。
#16
○国務大臣(町村信孝君) スーダンの安定は特に中東アフリカ地域の安定という観点から大変に重要だと、こう考えております。
 今年の一月に南北の包括和平合意というものができておりまして、日本はスーダンの平和の定着のために積極的な支援を行っていこうという方針を持っております。四月に、これは逢沢副大臣が行かれましたけれども、スーダン支援国会合というものが開かれまして、そこでODAを通じて当面一億ドルの支援を表明をしたところでございます。既に難民の帰還とか復興の支援を阻害し、平和の定着を困難にする深刻な地雷問題を解決するために七百万ドルの資金供与をしておりますほか、今後、政府の調査団をできるだけ早く派遣をして具体的なその支援の案件をつくっていきたいと、こう思っております。
 また、南北和平合意を履行するために設立されております国連スーダン・ミッションと、国連のその機関がもうできておりまして、これには、文民派遣に加えまして、PKO傘下のアフリカ諸国に対して国連を通じた物資供与を行う等、様々な支援活動を今後とも展開をしていきたいと考えております。
#17
○椎名一保君 また、そのほかに会議で我が国は、アフリカ向けのODAを、これは二〇〇三年度の実績では六百億円弱なんですけれども、今後三年間で倍増する方針を表明されました。これ、人道的見地からはもとより、安保理の常任理事国入りを考える上で、そういったことをあからさまには申し上げてはなんだと思いますけれども、国連加盟国の四分の一以上、五十三か国アフリカにはあるわけでございまして、この提案は誠に時宜を得たものであったと評価をするところでございます。
 続きまして、ただいま申し上げました国連の安全保障理事会の常任理事国入りについてお伺いしたいと思います。
 今朝のテレビで、G4が、これは枠組みを決定したわけではないと思いますけれども、それぞれの近隣諸国にG4一緒に御説明に伺っているというお話がありまして、また中国がちょっとそれに対していろいろ、何というんですか、不満を申しているというようなお話もお伺いしております。
 この件で、総理と外務大臣、一生懸命海外を、外交努力をされていることに対しましては大変評価を申し上げるところでございますけれども、アナン事務総長が三月に安保入りの資格となる貢献の重要な基準として提示されました、二〇一五年までに、GNI、これは国民総所得でございますけれども、ちなみに二〇〇四年の日本のGNIは五百十四兆で、それの、二〇一五年までにGNIの〇・七%の目標と。それを受けて、総理はバンドン会議で、ミレニアム開発目標に寄与するため、ODAのGNI比〇・七%目標の達成に向け引き続き努力をするというお話をされました。これにつきまして、外務大臣、御説明をいただきたいと思います。
#18
○国務大臣(町村信孝君) 委員御指摘のように、小泉総理、アジア・アフリカ会議で、今委員が正にお話しされたようなミレニアム開発目標、これは二〇〇〇年にこの目標が設定をされたわけでございまして、二〇一五年にこれを達成しようという国際的な言わば合意があるわけでございます。ODAをそのGNI比〇・七%目標というものがあって、それを達成するという努力をするという意味で、正直言いまして、日本とかアメリカのようにGNIの大変大きな国は、これは、〇・七というと、これはもう膨大な財政資金が要るわけでございまして、これは一挙に達成するというのは率直に言って容易ではございません。
 したがって、それを目標にして、今後それにふさわしい、日本にふさわしい十分なODAの水準を確保していこうと、こういう表現で谷垣大臣とも相談をして、そういう表現を取ったわけでございます。
 今後、骨太方針でございますとか、あるいは予算の編成方針の中で、具体にこれをどうやって実現をしていくのかということは今後更に詰めなければいけないと、こう考えておりますけれども、外務省といたしましては、是非このODAを、このところ何年間か、特に二〇〇〇年以降、予算面では減り続けてきたわけでございますが、そろそろ底を打って、来年ぐらいからはこれを増加に転じさせたいものだと、こういう方向で政府内の合意ができるように努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
#19
○椎名一保君 正に外務大臣の、表現はどうかあれですけれども、その攻撃的な外交、これはもう平和外交、攻撃的な平和外交を推進するためにもこれは欠かせないことではないかと思っております。
 ちなみに、GNIの〇・七%というのは三・五兆円ぐらいだと思います。現在のODAの約四倍ぐらいの大変な額になるわけでございまして、これから目標として頑張るわけでございますけれども、財務大臣のお考えも併せてお伺いしたいと思います。
#20
○国務大臣(谷垣禎一君) 今外務大臣から御答弁がございましたように、総理がバンドンで我が国にふさわしい水準のODAを確保していくという旨の表明をされることは、私どももあらかじめ御一緒に議論をさせていただいて承知をいたしておりました。
 ODAにつきましては、私どもは、引き続き効率化を図りながら、戦略化、重点化を進めていくということが大切であると思っておりますが、総理の御発言を受けまして、日本にふさわしい水準をどう確保していくのか、これから外務大臣ともよく御相談をしていきたいと考えております。
#21
○椎名一保君 ありがとうございました。
 改めて総理に、安保理常任理事国入りに向けた決意をお伺いしたいと思います。
#22
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国連の安保理改革の機運が今日ほど高まった時期はなかったと思うのであります。
 戦後六十年たって、当時の参加国から大幅に増えてまいりましたし、当時の戦勝国、敗戦国、敵対国から友好国に多くが変わってまいりました。そういう中で、六十年前の状況と現在の国際社会の動向を反映するためには当時のままでいいのだろうかと、当然改革すべき点が多々あるということから、国連改革、さらには常任理事国の問題も盛んに議論されてきたわけであります。
 私どもとしては、今までの日本の過去六十年間の国際社会に対する責任を果たしてきた役割を考えると、常任理事国となって日本の立場というものをより鮮明に国際社会の場で理解し、支持をしていただくということも必要ではないかと思いまして、これからの国連改革、さらに常任理事国を増やすという場合には、日本としても当然その資格があるのだという、そういう運動を行っているわけであります。
 現在におきましては、日本とドイツとインドとブラジル、この四か国が協力して、ともにこの常任理事国になることについて協力し合っていこうと。さらに、この四か国だけではなくてアフリカの声も反映しようということで、アフリカに対して二か国の議席を与える必要があるのではないかということでもこのいわゆる四か国は一致しているわけであります。
 そういうことにつきまして、今多くの国々の理解と支持を求めているわけでありますが、この機運が高まっている機会をとらえて何とか国連改革、そして日本の常任理事国入りを果たしていくいい機会だと、更に運動を強めていきたいと思っております。
#23
○椎名一保君 六月の枠組み決議案に対して賛成を取り付けるために今G4で御努力をされておられるわけでございますけれども、外務大臣、米国、近隣諸国として中国、韓国、ロシア、特に中国、韓国の動向ですね、それらに対して今後どのように御理解を求めていくのか、そのスタンスをお伺いしたいと思います。
#24
○国務大臣(町村信孝君) なかなかこの安保理改革というのは容易な仕事ではもとよりないと、こう思っております。
 しかし、先ほど総理がお触れになられたように、かつてない、これは安保理を含む国連全体の改革という機運が盛り上がっている。そういう中で、今、当面この安保理改革が少し作業が先行しておりますので、その実現に向けて関係諸国への働き掛けを強めております。
 特に、委員言われましたように、最終的にはその現在の五つの常任理事国が批准、承認をしないと規約の改正、国連憲章の改正ができないという構造になっておりますので、この現在の常任理事国の対応というのが非常に重要だと、こう私ども考え、働き掛けを強めているところであります。
 フランスあるいはイギリスなどは、全体としてこの常任理事国を増加させるという方向にはかなり前向きであると、こう理解をいたしております。アメリカも日本には理解を示しておりますが、その他の国々についてはまだ何らコメントをしていないという状態にございます。ロシアも、昨年の九月の国連総会において、今いろいろ話題になっている四か国を始めアフリカの参加ということについてはかなり前向きな表現を取っておりますし、四月でしたかの会議でも、またロシアはかなり前向きな表現を取っていると理解をいたしております。
 中国でございますけれども、中国自身も国連改革というものの必要性について、あるいは安保理が今のままでは不十分ではないかという問題意識は先般来から述べております。ただ、先日、G4の方から説明をした折のアジア諸国への会合の中での中国の発言は少し急ぎ過ぎているのではないかと、これでは国連が分裂をしてしまうおそれがあると、余りデッドラインを設けないでもっと幅広いコンセンサスを得るような努力をすべきではないだろうかということを言っておられるようでございます。
 私どもも、何も慌てて採決をしようと言っているわけではなくて、じっくりと議論をする必要があると、こう思っておりますが、ただ、もう既に何年も何年も議論をしてきたという経緯もあるもんですから、今後またコンセンサス、コンセンサスと言い続けて、結局コンセンサスを作るということ自体が改革を阻むということがあってはならないと、この旨は既にアナン報告にも出されていることでありますので、私どもも同じような考えで議論を尽くした上で、どこかの時点でやっぱり決めるべきは決めていかなければいけないだろうと思います。
 韓国は、いわゆるコーヒークラブという常任理事国の増加には反対をするグループの言わば中心メンバーの一つということもありまして、常任理事国拡大にはかなり否定的でございます。
 今後、中国、韓国を始め、いろいろな国々に対する一層の外交努力を傾注して、賛同を得るべく最大限の努力をしていかなければいけないと考えております。
#25
○椎名一保君 ありがとうございました。
 先日も大々的な大使会議を招集されまして、本当に日本の新たなる外交のうねりというものを国民は感じておりますんで、今後とも頑張っていただきたいと思います。
 時間がありませんので、続きまして、五月九日に行われました、総理、日ロ首脳会談につきましてお伺いいたします。
 今年前半に予定されておりましたプーチン大統領の訪日もなかなか実現されませんで、首脳会談におきましてプーチン大統領訪日の糸口が見えたのかどうか、このたびの会談の成果についてお伺いしたいと思います。
#26
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) プーチン大統領との間では、日本とロシアの間での交流は拡大していると、あらゆる分野において今までの行動計画に沿って発展させていこうと、そして将来の平和条約締結に向けて努力していこうという認識で一致しているわけでありますが、そのような目標に向けてどのようなステップを踏んでいくかと。その際に、プーチン大統領の日本訪問に対してどのような準備が必要かということで、日本としてはプーチン大統領の都合のいい、できるだけ早い時期に日本を訪問をして、そのような話合いをじっくりしようということであります。
 プーチン大統領としては、いつがいいか、またどのような手順を踏むか事務当局で積み重ねていく必要あると。そういう周到な準備の上に自分としても訪問した方がいいのではないかということで、よく外務大臣始め外交当局で打ち合わせていこうと。その準備ができれば年内に訪問したいなということでありますので、私どもとしてもそういう方向で今準備を進めているところでございます。
#27
○椎名一保君 今回、ロシアの訪問に際しましては、総理も外務大臣も大分悩まれたとお伺いしております。それは、対ロ戦勝六十周年記念式典ということで、我が国が主張する北方領土返還のその根拠でございますソ連が中立条約を違反したということを我が国は根拠としておるわけでございますけれども、国際社会で、日本とロシアは和解をしたのかとか、ロシアの正当性を日本が認めたのかというような間違った理解をされてしまってはという危惧があるんでございますけれども、そのことにつきまして総理、いま一度御答弁をいただきたいと思います。
#28
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今回のロシアにおける式典は、戦勝国としての式典じゃないんですね。追悼と和解の式典であると国連で決議されているわけなんですよ。過去の敵対国がこうして友好国になっていると、二度と戦争を起こしてはいけないと。同時に、戦勝国、敗戦国問わず多くの方々が命を犠牲にしたと、そういう方々に対して追悼の念。さらに、これから和解が必要であり、多くの国がそのような追悼と和解の精神を持ってこれから平和構築に向けて協力していこうという式典であります。
 もとより、日本とロシアの間にはそれぞれ言い分があります。また、日本としても、まだ領土問題も解決しておりません。過去の問題を言えば非難したくなる問題も多々あるのは承知しております。しかし、現在、友好国としてこれから協力していこうと、将来この領土問題も解決して平和条約を締結していこうと。いかにこの信頼関係を醸成していくかということを考えた場合、過去の一時期の問題をとらえて、ここに問題があるから将来に向けて進まないのかと、進めていく必要ないのかということを考えれば、余り過去の問題をあげつらって非難応酬するというよりも、将来に向けて建設的な関係を築いていこうではないかという方がこれからの両国のためにいいのではないかと。
 また、国連決議で、五十か国に及ぶ首脳が戦勝国、敗戦国を問わず参加しているわけであります。そういう中にあって、日本としてもこれから紛争を防止して平和を構築していくことがいかに重要かということを理解している国として、そういう国際社会の一員としての責任を果たしていかなきゃならないということを考えると、私は、欠席するよりも出席することに意味があると思って出席した次第でございます。
#29
○椎名一保君 ただいまの総理のお考え、ロシア国民は理解を深めていただいたものと信じるところでございます。一日も早いプーチン大統領の訪日を実現し、北方領土におきましても未来志向において前進を図っていただけるようにお願いを申し上げる次第でございます。
 時間がございませんので、最後の質問になりますけれども、対中問題。
 一連の反日デモが起こりまして、かつてないほど険悪なムードになったわけでございますけれども、総理におかれましてはバンドン会議の最中に首脳会談に臨まれたわけでございますけれども、総理の中国に対するお考え、日中関係に対するお考え方をお述べいただければと思います。
#30
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日中関係は両国にとっても極めて重要でありますが、同時に、現在の国際情勢を考えますと、国際社会の中で日本と中国が協力しながら諸問題を解決し、あるいは協力しながら世界の発展のために役割を果たしていこうということが重要ではないかと、そういう認識は、私と胡錦濤主席との先月の会談でも共有できたと思います。
 これから、日中関係はますます相互依存関係が深まってくると思います。あらゆる分野における交流も拡大していくでしょう。そういう中にあって、過去二千年の交流の歴史がある、友好の歴史がある。一時期をとらえて、その一時期の問題があるから将来の発展のために協力できないというのは不幸なことであると。
 現在の経済の問題一つ取ってみても、今まで日本にとっての最大の貿易相手国はアメリカであった。それがこれからは中国になるであろうということを考えますと、経済の面取ってみても、これは大変両国の関係は重要である。文化的な交流も過去の長い歴史がある。そういう政治、経済のみならず文化、スポーツ、あらゆる分野において両国が交流を拡大し、そして北朝鮮問題一つ取っても、中国とは協力しながら現在もやっているわけであります。さらに、国連改革におきましても協力していく必要があるということを考えますと、今後日中関係というのはますます重要になっていくと、両国の友好のみならず、国際社会で協力していくという点からも極めて重要な関係だと認識しております。
#31
○椎名一保君 正におっしゃるとおりであると思います。大変な困難なことであると思いますけれども、これは政府を挙げて取り組む、今後とも一生懸命取り組んでいくべきだと思っております。
 文科大臣、文部科学大臣来ていただいております。最後の質問になりますけれども、教科書問題。
 これは、外務大臣が向こうの外務大臣とお話しする中で、日本の教科書をほとんど読んでない中で御批判をされているというようなお話も承っておりますけれども、日本の教科書は偏向教科書ではないと、これは間違いありません。そのことのひとつ御確認と、国内で、中国や韓国からの教科書非難を受けて、それを真に受けて日本の教科書は偏向しているんだというようなことが万が一現場で行われているようなことがあっては困りますんで、そのことに対してきちっと対処をしていただきたいと。
 それと、これは要望ですけれども、国際社会に向けて、日本の教科書は決して偏向はしてないんだということを、外務省と常に打合せをしながら、そういったアピールをしていっていただきたいと思います。よろしくお願いします。
#32
○国務大臣(中山成彬君) 我が国の歴史教科書について韓国とか中国等からいろんな指摘あるわけでございますが、正に今、椎名委員が御指摘のように、理解といいますか、誤解に基づくものが非常に多いと思うんですね。国定教科書と違いまして、日本の場合には、民間の方々の創意工夫といいますか、そういったものを最大限に活用するということで、民間の方が執筆し、編集すると、それについて国の方で検定をすると、そして適切な教科書になっているわけでございます。そしてまた、その教科書というのもやはり広い視野に立って書かれていまして、決して偏向したものではありません。
 このことを広く私どもはもっと理解を求めるということが非常に大事だろうと、こう思うわけでございまして、町村外務大臣もいろんなところでそういうことを発言していただいておりまして大変心強い限りでございますけれども、今後とも、外務省と連携しまして、日本の検定制度、そして日本の教科書について諸外国の理解を深めるように努力していきたいと思っております。
 また、そういった教科書でございますから、学校現場におきましても先生方がきちっと教えるように、これからの子供たちがやっぱり国際社会において自信と自覚と、そして誇りを持って生きていけるような、そういう主体性のある日本人を育成すると、そういう観点から教師の方々もしっかり責任持って指導をされるように私たちも努めてまいりたいと、このように考えております。
#33
○椎名一保君 ありがとうございました。
 私の持ち時間が参りましたので、同僚の中島啓雄委員にお譲りしたいと思います。ありがとうございました。
#34
○委員長(中曽根弘文君) 関連質疑を許します。中島啓雄君。
#35
○中島啓雄君 自由民主党の中島啓雄でございます。
 椎名議員の関連質疑ということで、福知山線事故を中心に交通関係の問題について若干の質問をさせていただきます。
 四月二十五日、事故当日、私も現場に入って悲惨な事故を目の当たりにいたしまして、本当に亡くなられた方へのお悔やみと負傷された方への一日も早い回復をお祈りしたいと思いますが、同時に、JR西日本としても、御遺族あるいは負傷者へのお見舞いとか補償、ケア等、万全な措置をとっていただきたいと思います。
 今日は西日本の社長にも来ていただいておりますので、お疲れのところ恐縮でございますが、ちょっと御質問をさせていただきたいと思います。
 一つはダイヤ編成の問題でございますが、福知山線、過密ではないかという話がございましたが、一時間に最高十七本ぐらいというのは東京の電車に比べればそれほど大したことはないんですが、問題は、接続ダイヤが非常に厳密に組んであるといいますか、そういうことで余裕時分などがあったのかどうかという問題があるんじゃないかと思います。
 事故を起こした電車は、所定ならば九時二十分に尼崎駅に着いて、これは東西線経由で同志社前まで行くわけですが、三分の接続で新快速の長浜行きという大阪、京都を通るスピードの速い電車に接続すると、こういうことになっておりましたから、お客様にとってはこれは非常に便利なダイヤなんですが、逆に遅れると困ると、こういうことになっていたと思います。
 今朝のニュースでも、どうも実際は一分半よりもっと遅れていたのをちょっとうその報告を、つじつまを合わせるためにスピードを上げたのではないかというような指摘がありましたけれども、このようなことが仮に日常茶飯事として行われていたとしたらこれは大変な問題なんでお伺いを、例示的にお伺いをいたしますが、衆議院の予算委員会で、十五年の十二月のダイヤ改正時に快速電車が中山寺に新たに停車することになったと、ところが、所要時分は全然変えなかったという話がございますが、実情はどうだったんでしょうか。JR、お願いします。
#36
○参考人(垣内剛君) お答えさせていただきます。JR西日本の社長の垣内でございます。
 まず、今回私どもが起こしました脱線事故によりまして、百七名の方がお亡くなりになられ、また五百名を超えるお客様が負傷されました。亡くなられた方々の御無念や大切な御家族を失われた御遺族の方々の御心情をお察し申し上げますと胸の張り裂ける思いでございまして、正に痛恨の極みでございます。ここに改めまして、お亡くなりになられた皆様の御冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆様に深くおわびを申し上げます。同時に、負傷された皆様と御家族には心からのお見舞いとおわびを申し上げますとともに、一日も早い回復をお祈り申し上げたいと思います。
 事故以来、事故発生以来、私は、多くの御遺族にお目に掛かり、おわびとお悔やみを申し上げ、また、おけがをされた方々をお見舞い申し上げてまいりました。今後も、御遺族やおけがをされた方々、また列車が衝突したマンションの方々への御相談や御支援につきまして、誠心誠意、できる限りの努力をしてまいる所存でございます。
 さらに、国土交通省から御指示がございます安全性向上計画の策定に取り組んでおりまして、全力を挙げて事故の再発防止に取り組んでまいりたいと、かように思っております。
 重ねてでございますけれども、今回の脱線事故につきまして、謹んでおわびを申し上げますとともに、今後の再発防止への真摯な取組をお誓いをいたしたいと思います。
 本当に申し訳ございませんでした。
 それでは、ただいまの中島先生の御質問にお答えをさせていただきますが、まず接続ダイヤの関係でございますけれども、確かに昼間の時間帯にはそういう接続ダイヤをしておるわけでございますけれども、朝のちょうど当該列車の場合には、いわゆる接続というふうなことではしておりません。そういったことを御理解をいただきたいと思います。
 それから、中山寺に新たに快速を止めたのに所要時間が変わっていないのはなぜかと、こういうふうな御質問でございますけれども、朝のラッシュの時間帯でございますと、快速電車が宝塚―尼崎までは、停車前が十六分から十九分でございましたが、停車後は十七分から二十一分ということになっておりまして、列車によっては同一時刻に見えるものもございますけれども、私どもの専門でいう秒単位の時刻表で見ますと、平均して十七分二十三秒から十八分十三秒ということで、五十秒延伸をしているというふうなことでございます。
 それから、当該の昼間の時間帯でございますけれども、これはお客様に公示をいたしております時刻表では十六分ということで所要時分の増加は見られませんが、私どもの秒単位の時刻表では平均して十六分十三秒から十六分三十八秒で、実は二十五秒延伸をしております。
 これをもう少し細かく申し上げますと、中山寺駅停車による所要時分では約六十秒時間が多く掛かるわけでございますけれども、ちょうどそのときに合わせまして、この福知山線に使っております普通電車、二〇一系という古い車両と二〇七系という新しい車両が混在をしておったわけでございますが、そのダイヤ改正のときに、これをすべて二〇七系という新しい車両に変更しております。
 したがいまして、この新しい車両は加減速に優れているということもございまして、結果として、運転時分が約三十五秒短縮されるということで、トータル、プラスマイナスいたしまして二十五秒延伸しております。これで十六分十三秒から十六分三十八秒ですが、お客様に向けてのダイヤではこれを切り捨てて表示するというのが一般的な習わしでございまして、たまたま変化がないように見えると、こういうことでございます。
#37
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 答弁は是非簡潔にお願いしたいと思います。
 国交省にお尋ねしたいと思いますが、運転士の教育問題なんですが、当該運転士は二十三歳で経験十一か月ということですから、決してベテランではなかったわけですが、その教育期間が短いのではないかという御指摘もありました。
 聞くところによりますと、JR西は運転士の養成に学科、技能、合計九百九十時間を費やしていると。自動車の運転免許は六十時間でございますから、まあ常識的には十分なんだろうと。あとは、だれでも経験はゼロから出発するわけなんで、自ら意識して一生懸命技量、技能を磨くというのが肝心なことなんだろうと思いますが、そういったことで、教育内容の中身、あるいはいわゆる日勤教育と称するその再教育を含めて、国交省ではその対策チームで検討をするというようなことでございますが、どんな方向で考えておられるのか、簡潔にお願いをいたします。
#38
○政府参考人(梅田春実君) 先生御指摘のとおり、JR西日本におきましては御指摘のような講習の時間を掛けて運転手の養成をしているところでございます。したがいまして、私どもといたしましては、今回のこの養成につきまして十分技能等確認しながらやってきたところでございますが、今回のような事故がございましたので、やはりこの運転手の適性、あるいは教育訓練の方法、あるいは健康管理、こういうような問題につきましては、私どもだけではなくて第三者の関与の必要性も含めまして、今後外部の専門家の意見を聞きながら見直しをしていきたいというふうに考えておりまして、できるだけ早い時期に中間的なまとめをしたいと思っております。
#39
○中島啓雄君 次に、鉄道ではなくて航空の問題でございますけれども、四月二十九日、JALの一一五八便が閉鎖中の羽田のA滑走路に着陸をしたと。これは機長が確認をしたんだけれども、管制官十八人全員が閉鎖中であることを失念をしていたというとんでもない事故でありまして、もし車両でもあれば福知山線に勝るとも劣らないような事故が起こった可能性があるということで、長期に反復するような航空情報というのは当然システムで入れておけば簡単に構築できるはずなんで、今後の再発防止への対応について国交省にお伺いしたいと思います。
#40
○政府参考人(岩崎貞二君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、滑走路の閉鎖の情報を事前には管制官全員に伝えたところでございますけれども、その当日のブリーフィング、業務の開始する前のブリーフィングで周知するのを失念したためにこうした事案が起こったわけでございます。
 事案が起こりました直後から直ちに管制チーム全体のリーダーでございます先任管制官がそのブリーフィングに出席をいたしまして、ちゃんと情報伝達されているかどうかというのを確認させるようにいたしました。
 また、五月十三日からは、こうした情報をきっちり、管制官のほかに運航情報官という滑走路の管理をやっている職種の人間がございますので、こうした人間から確実に情報を入手する等々の情報の入手システムをきっちりするようにいたしました。また、現に滑走路を閉鎖する場合には、滑走路の進入灯を確実に消して、今閉鎖されているということが分かるように措置したところでございます。
 これを既に羽田では実施しておりますが、今先生御指摘のこうした情報をコンピューター画面なんかを使ってきっちりできるようなシステム、これを構築してまいりたいと、このように今思っているところでございます。
#41
○中島啓雄君 ありがとうございました。
 ちょっと事故の話とは離れますが、実はイラク派遣の今自衛隊、第六次隊まで出ておりまして、日本からクウェートまで毎回五、六百人の隊員が輸送をされているんだと思います。これはチャーター便でやっておられるわけですが、どうもテレビを見ていると、国内の航空会社でなくて、タイのチャーター便会社か何かでやっておると。
 どうも聞いてみますと、航空会社側によると、民間企業に対する協力依頼は不測の事態が起こり得ない状況においてだけやりますということで、イラク輸送は拒否しておられると、こういうふうに聞いておりますが、クウェート空港は、ブリティッシュ・エアウェイズとかKLMとか、その多国籍軍に参加をしておる国、そのほか定期便は幾らでも飛んでいるわけですから、どうも理屈が合わない。イラク派遣というのは特措法に基づく人道復興支援であるんで、何かスマトラとか東チモールとか、あれはジェンキンスさんを輸送したのは、日本の航空会社が何かテレビに映るようにとやっておられるようなんで、どうもいいとこ取りではないかと、いわれなき差別ではないかというような気がいたしますが、その辺についての御見解を伺いたいと思います。
#42
○政府参考人(岩崎貞二君) 我が国の航空会社にその辺の事情を私どもも聞いてまいりました。
 イラクへの派遣輸送を請け負うことに消極的なのは、今のテロの脅威の現状にかんがみまして、その輸送自体に危険が伴うほか、こうした輸送を行ったということで我が国の航空機等がテロリストの標的となるという危険性を高めて、国民の生命あるいは身体をテロリストの攻撃にさらすことにつながりかねないとの考え方と、このように聞いておるところでございます。
 イラクへの自衛隊の派遣輸送をどうするかということにつきましては、最終的には輸送契約の当事者であります航空会社の判断によるべきものでございますが、本日も先生から強い御意見を改めてちょうだいしたということにつきまして航空会社にきっちり伝えてまいりたいと、このように思っておるところでございます。
#43
○中島啓雄君 是非よろしくお願いいたします。
 最後に、事故防止に対する政府の体制について伺いたいと思いますが、鉄道の事故死は二百九十九人、平成十六年度ですね、ところが道路の事故死というのは七千三百五十八もあるということなんで、道路が圧倒的なんですが、しかし鉄道とか航空はかなり悪質な事故が発生しておると。
 そういう意味で、今の事故防止の総合的な体制という意味でいいますと、国交省の事故調にしても、あるいは内閣府に交通安全担当があるようですが、これも必ずしも体制は十分ではないということなんで、それこそ担当大臣でも置いて本格的に取り組むべきではないかと思いますが、この辺について国交大臣と総理大臣の御見解を伺って、終わりにいたします。
#44
○国務大臣(北側一雄君) 公共交通機関の最大の使命は、もう何といっても安全の確保でございます。利用者に対する最大のサービスは、安全に目的地まで送り届けるというのがもう最大のサービスであり、大前提でございます。今回このような大惨事が起こりましたことについては、もう極めて遺憾というふうに考えております。
 この事故だけではなくて、委員からも御指摘ございました幾つかの事故、トラブルが続いておるわけでございまして、国民の皆様の公共交通機関に対する信頼が今私は揺らいでいると、何としてもこれを信頼回復をしていかなければならないと思っているところでございます。
 私自身も、五月の二日、また六日の日に幾つかの公共交通機関、査察に回らしていただきました。そこで私が各経営トップの方々にお願いしましたのは、今回の脱線事故を直視してもらいたいということと、そして、トップの方から現場の方々まで、改めてこの安全第一ということを是非肝に銘じてもらいたいということをお願いをさしていただいております。
 様々なトラブル、またミス、これが重なって大事故に至るわけでございまして、そうしたミスやトラブルというのは、これは人間のやることですから、これはあり得ることでございます。そのことを前提にしてやはり考えていかないといけない。
 私は、様々なトラブルや事故について共通して感じてますことは、いろんなミスやトラブルがあったときに、それを隠してしまうのではなくて、きちんとオープンにする、オープンにして、経営者の方々も一緒になって、どうしたらそういうミスやトラブルをなくすことができるのか、なぜそのようになったのか。これは何か制裁を科すだとか処分するだとかではなくて、一緒になって考えて、そうしたミスやトラブルをなくしていくような努力をすること、そういう空気をつくることが極めて安全対策としては大事だなということを痛感しておるところでございます。
 全力を挙げて、公共交通機関の安全回復のために努力をしてまいりたいと決意をしております。
#45
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 交通事故、かつては一万人以上、一年間亡くなっていたわけでありますが、最近八千人程度に減少してきておりますが、さらにこれを五千人に減らそうというような努力をしております。
 こういう点につきましては、各方面の協力を得ながら進めていきたいと思っております。
#46
○委員長(中曽根弘文君) 以上で椎名一保君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#47
○委員長(中曽根弘文君) 次に、若林秀樹君の質疑を行います。若林秀樹君。
#48
○若林秀樹君 おはようございます。民主党・新緑風会の若林でございます。
 外交問題に入る前に、郵政民営化について一問させていただきたいと思います。
 聞くところによりますと、今日の衆議院の本会議で特別委員会の設置がされるやに報道がなされているところでございます。
 私は、郵政民営化法案は、今お手元に資料をお配りしていますので、是非この委員会室にいらっしゃる皆さん方もよくじっくり常識で考えていただきたいと思いますが、中央省庁等改革基本法第三十三条六項の見直し化等、「民営化等の見直しは行わない」との規定に矛盾し、法律違反の可能性というよりは法律違反であるということを少し検証してみたいなというふうに思っているところでございます。
   〔資料配付〕
#49
○若林秀樹君 お手元に資料行きましたでしょうか。
 初めて聞かれる方もいると思うんですが、資料の二の二ページ目に三十三条の六項ということが書かれております。「前各号に掲げる措置により民営化等の見直しは行わないものとすること。」ということで、これまでの経緯から内閣法制局では、公社化後の組織の在り方を規定するものではないという御判断をいただいておりますが、私は、この日本語、通常の日本語の読解力と常識にのっとれば、私は公社化後も規定するものであるというふうに読むのが普通ではないかなというふうに思っております。
 その上で、資料一ページ目でごらんいただきたいんですけれども、「「中央省庁等改革基本法」の帰趨」ということであります。この論文を書かれました藤田宙靖教授という方を、小泉総理はその経歴、肩書は御存じでしょうか。
#50
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いえ、存じておりません。
#51
○若林秀樹君 びっくりしました。
 藤田さんは、中央省庁等改革基本法の基となる報告書を作成した中心人物であります。行革会議の委員であります。平成八年から、十一月から務めました。さらに、この改革を実行するために設置されました中央省庁改革推進本部の下に、国会の附帯決議を設けて承認された第三者機関である顧問会議のメンバーであります。
 ですから、改革会議のメンバーと顧問会議のメンバーを両方やっている人は極めて少ない。つまり、一番この一連のことについて承知している人の法学者であります。さらに、小泉内閣により平成十四年九月三十日に最高裁の判事に任命されております。
 小泉総理、総理が任命された判事であります。行革会議で一番尽くされて今日までやってきたを御存じないというのは私はびっくりしたところでございます。
 つまり、法学者であり法律解釈に精通、かつ中心メンバーで様々な議論を承知していた人が何を言っているか。御案内のとおり、最高裁の判事というのは、当然法律的な解釈能力とか判断能力というのは十分小泉内閣が調査をされ、そして任命されたわけであります。
 その上で、中央省庁改革基本法の帰趨の資料の三ページ目を見ていただきたいんですが、この藤田判事が、一言で言えば、公社化後の組織の在り方も規定し、民営化しないことを、民営化しないということを法律に規定したものであるということを言っております。
 この下線部を見ていただければ明らかなように、その立法の背景及び法文の書きぶりに照らしてみる限り、中央省庁改革基本法自体が、必ずしも達成された成果の維持までも射程に入れていない、立案されたものであるようには見えないと。しかし例えば、同法の中には、郵政事業の五年後の郵政公社に移行という改革に関し、そのことにより、民営化等の見直しは行わないものとすることと定めている条文などもある。この規定は、その制定の背景に照らしても、明らかに改革の結果の維持、つまり公社化の維持を命ずる規定であるということをはっきり明示しております。
 さらに、この下の下線部でありますが、第二の提言については、必ずしも法律上直接に定めるところはないが、この部分については、その制定の背景からして、原則としては新たな体制への移行が終わるまでの限時的性格、時限的性格を持つもので、持つものというべきであるように思われる。それを越えた効果を持たせようとする場合には、さきに引いた郵政事業の民営化に関する規定のような規定が、特に明文で置かれているものと見るべきであろうという。
 この二つの観点から、明らかにこの三十三条の六項は公社化後も民営化はしないということを規定したものであるということを、一番これまでかかわって、法学者で、そしてまた小泉総理が任命された法的な判断能力もある人が言っているわけですよ。こういう方を一応任命しているわけでありますんで、私はやっぱり公平公正な観点から一番私はこれは説得力があるというふうに思います。その意味で、明確な御答弁をお願いしたいと思います。
#52
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 先ほど私は、藤田氏のことに対して詳しくは存じておりませんということで訂正したいと思います。個人的に親しくということではございませんが、見識のある方だということは存じております。個人的にそう詳しく知っているわけではございませんが、この辺については、今までの見識を持った方であるという程度にしか詳しくは存じておりませんということでございます。
 私は、この問題につきましては、既に法制局長官からの答弁ありますように、法制的に問題ないと、決着は付いていると思います。そういう観点から、政治的に、この郵政民営化法案におきましても、公社化の段階で見直さないということがあったとしても、民営化の問題については政治的に民営化の法案を出しても何ら問題ないものと思っております。
#53
○若林秀樹君 政治的に決着ではなくて、この法律の解釈として、この藤田さんは公社化後も規定するものであるということをはっきり明言してあるわけです。
 冒頭、私、藤田さん御存じですかと言ったのは、経歴等御存じですかということに対して知らないということですから、個人的云々ということを聞いているわけではありません。
 一番この民営化にかかわった藤田さんというのは実は民営化推進論者なんです、いろんなレポートを見ますと。その方があえて民営化はしないんだということをここに書かれているというのは、非常に私は重いんではないかなというふうに思っております。
 藤田さんのホームページによりますと、「学問の世界では、真実であることにつき確信が持てない場合には、率直にそのことを告げて、最終的な判断を控えることが許されますし、むしろ、そうしなければなりません。」、はっきり言っているんですね。
 つまり、確信が持てない場合にはやっぱりコメントを差し控える、その方が、郵政民営化推進論者があえてここは明らかに改革の結果の維持、つまり公社化の後も維持をするという規定であるということを明言しているわけですよ、これは。
 これ、だれから見てもやっぱりそれは私は説得力があるというふうに思いますんで、是非、政治的とか、法制局はこの条文だけ見てそれなりの解釈をされたと思うんですが、その背景からすべて知っている人が公平公正な判断でこうやって言っているわけですから、それに対してやっぱり納得の説明がなければ私はやっぱり理解はできないと思いますし、私も承服できないです。
 もう一回答弁お願いします。
#54
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、平成十四年六月四日、委員会で、衆議院の総務委員会で津野内閣法制局長官の答弁がございます。その際に、この津野法制局長官いわく、ここの三十三条一項六号でございますけれども、これは先ほど条文を読ませていただきましたけれども、この第一項で、「政府は、次に掲げる方針に従い、」と、まず方針を言っているわけであります。その方針に従って「総務省に置かれる郵政事業庁の所掌に係る事務を一体的に遂行する国営の新たな公社を設立するために必要な措置を講ずるものとする。」。正に、次に掲げる方針に従って必要な措置を講ずるというふうになっているわけでありまして、これは、郵政三事業において国営の新たな公社を設立するために必要な措置を講ずる際の方針の一つとして、民営化等の見直しを行わない旨を定めているものでございまして、公社化以後のことまでも規定したものではないというふうに解されるわけであります。答弁しているわけであります。
 そういうことから、法制的にも問題ないと思っております。
#55
○若林秀樹君 よくよく見ますと、例えば中期計画の策定及びこれに基づく業務評価を実施するものと書いてありますが、中期計画というのはある程度年限があって、それに対して業績評価をすると、そういうことを通じて民営化しないということを言っていますので、これは、中期計画というのはこれはかなり長いわけでありますし、明らかにこれは必ずしもそういうことだけではないというふうに思います。
 最高裁の判事が、これは公社後も規定すると、それは最高裁になる前ですけれど、はっきり明言して言っている。その方をやっぱり任命しているわけですから、これはどう見ても、これは常識的に見れば、私はやっぱり公社後のことを規定しているというふうに思いますので、もし谷垣大臣、首ひねっていますし、法律の専門家であればちょっと見解を聞かせてくださいよ、もし。
#56
○国務大臣(谷垣禎一君) どう考えてもとおっしゃったんで首をひねったんです。
 それは、確かに藤田先生のような御見解もあるかもしれませんが、どう考えてもというところに私は疑問を持っております。
#57
○若林秀樹君 だから、内閣、都合悪くなると法制局出てくるんですが、一番これにかかわった本当の法学者ですよ。やっぱり議論をして、尽くしてやっぱりやった結果が、これは明らかに郵政民営化後、公社化後の民営化を志したものではない、あくまでそれは将来にわたって拘束するものである。過去ずっと郵政大臣は、将来にわたって見直しをするものではないということを、自見大臣、野田大臣、八代郵政大臣等しているわけでございますんで、元郵政大臣も、総務大臣もいらっしゃいますけれど、もし御見解があれば。私、納得したいんですよ、やっぱりこの見解に対して。もう一度ちょっと、もし元郵政大臣、郵政じゃない、総務大臣、もし御見解があれば、そのときの経過も含めてちょっと聞かせていただきたい。こういう経過があって、過去の。
#58
○国務大臣(麻生太郎君) 元郵政大臣と言われましたんで、元というのは何の、定義が、今のお話と同じで定義が甚だ混線しますんで、ほかに元郵政大臣やった人がいたのかなと思ってちょっと見てたんですが、混線をいたしましたんですが。
 今の話は、もう私どもの、先ほど総理の読まれた答弁は、あれ総務委員会における法制局長官の答弁でありまして、中央省庁改革基本法第三十三条一項の六というところのものにつきましては、「民営化等の見直しは行わない」との規定というものは、これは郵政事業につきまして国営の新たな公社を設立するために必要な処置というものを講ずる際の方針の一つとして民営化等の見直しは行わない旨を規定しているというものと承知しておりますんで、今回、今いろいろ御意見が出ておりますけれども、郵政民営化法案はこの規定と矛盾するというものではないのではないかと思っております。
#59
○若林秀樹君 いずれにしましても、過去ずっと、過去の郵政大臣が将来にわたって民営化をしないということを規定したものということをずっと答弁してきているわけですよね。そして、一番かかわった人がこういうことを言っているわけですから、やっぱり、そこはやっぱり尊重した上でやっぱり解釈する。何でもかんでも、じゃ郵政、内閣法制局のとおりというわけには私はやっぱりいかないと思います。
 やっぱり全体のコンセンサスを得て、この法律の読み方をどうするかということをやっぱり考えて、小泉総理、やっぱり慎重に、本来であれば、これはしっかりこの中央省庁改革法のこの三十三のこの六項を削除するなり修正するなりして私は出すべきじゃないですか、そういうコンセンサスを得て、みんなの議論を経てやるからには。私は、そこをもう一度答弁願いたいと思います。
#60
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) しかし、これ見直さないということだったら改革は永遠にできないじゃないですか。
 政治的にそのときに公社までの間、そのまでには見直さないというその時点の方針はあったとしても、将来、公社になって、将来民営化が必要だと政治的な判断した場合は、これは見直して改革する必要があるということを政治的に考えるのは何らおかしくない。むしろ、見直さないという規定があったら、見直してはいけないと言ったら、何にも改正はできません。
 そういうことから考えて、この条文を盾に見直してはいけないという政治的な感覚を私は疑問に思っております。
#61
○若林秀樹君 見直してはいけないとは言ってないんですよ。
 つまり、法律で規定している以上、郵政民営化法を出すんであればまずここの修正が必要ではないですかと、そのことを言っているわけです。そうじゃないでしょうか。やっぱりそのとおりで、やっぱり皆さんがそう思って初めてみんなコンセンサスを得てやっぱりできるわけですから、当然、一番かかわった法学者、最高裁の判事の人がこう言っている限りですね。私は変えちゃいけないとは言ってないんですよ、手順として、まずはここをやってすっきりした上で郵政民営化法案を提出すべきじゃないですか。
 小泉総理もこの一項をずっと気にしていらっしゃったのは存じ上げています。だからこそ、ここをきっちりみんなで議論して、削除して、未来に向けて法案を提出し直すということが必要ではないでしょうか。
 再度、もう一度答弁願います。
#62
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、見直さないということを削除して民営化をするという、一つの議論としてはそれはいいと思いますが、同時に、見直すということだったら削除する必要ない。政治的な判断として見直せばいいんであって、私はそういう解釈は取っておりません。
#63
○若林秀樹君 それ、政治的判断で解釈がころころ変わってはおかしいです。まずは、この法文のっとって私は判断すべきだというふうに思っております。
 そういう意味では、私は、もし郵政民営化法案を提出するんであればまずここを改正するということであります。そのことが、我々はやっぱり法治国家の中にやっぱり住んでいる、生きているということをやっぱり証明する、総理としての責任であります、これは。私はそれをやるべきだと思いますが、駄目でしょうか。
#64
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 法律解釈においてはそれぞれ解釈があると思いますが、政治的に私はそういう解釈は取っておりません。削除しなくても民営化を行うと、民営化法案の中で当然、見直しは行わないというものにつきましては、もうそれは改正することによって消えていくのではないかと。
 もし、法律の過去のものを、尊重するというのは当然でありますが、この見直しを行わないということは重要であるということだったら改正できませんから、改正することによって私は解決されるべき問題ではないかと思っております。
#65
○若林秀樹君 もう、もうこれが最後にしたいと思いますけれども、やっぱり法律ですからこれをやっぱり尊重して、改正するんであれば別に時間掛けたってできるわけですよ。みんなのコンセンサスで、採決してこれを改正すればいいじゃないですか。まずそういう手続をしっかりやった上で準備して私はやるべきだというふうに思いますし、その時々の政治的な解釈で、だからできないという言い方というのは私はやっぱり非常に失礼な言い方だというふうに思います。
 やっぱり、法律で書いてある以上、まずそこを前提に、やっぱりすっきりしてやっぱりやっていくことがやっぱり必要ではないかなというふうに思いますんで、そこまで、まあ総理がまあ政治的解釈でどうにでもなるんだということであればその程度の法案なんでしょうから、こういうことはやっぱりおかしいんではないかなというふうに思いますんで。
 そういうことで、私はおかしいなと思い、そのことをやっぱり指摘していきたいなというふうに思いますんで。(発言する者あり)それでいいとは言いませんけれども、それ以上出てこないんですからしようがないじゃないですか。自民党の方が、だから、法律論としてやっぱりどうなのかということについて私は申し上げているんで、やっぱりこれ以上の、解釈でそういうことがなされないように、総理の見解をお願いしたいと思いますが、これ以上聞いても時間の無駄だと思いますんで。(発言する者あり)
 じゃ、再度、もう一度聞きます、もう。何でこの法案を修正しないのか、お伺いしたいと思います。
#66
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、法律的に解釈して議論が違うということを否定するものではありません。
 例えば、憲法九条におきましても、これは法律学者の間でも憲法違反であるという議論があります。あるいは、これは憲法違反でないという議論もあります。結局、法律について、解釈ある、分かれるということについて私は否定するものではありませんが、今回の郵政民営化に関連して、過去、公社で終わりだと、民営化を行わないという規定があるから民営化をしてはいけないんだという立場に立たないわけであります。また、学者の間でもこれを削除する必要はないという意見があるわけですから、それは見解の相違であって、私は現在の公社から民営化に進むということ、これは見直しを行わないという規定に反するという意見も、意見としては伺っておりますが、私はそういう立場に、取ってないということでございます。
#67
○若林秀樹君 いずれにしましても、法律にきちっとこういうことを明示した、あるわけですから、それを前提でもそれを強行突破するんであれば、それが民営化法案であればそういうことなんだろうというふうに思いますんで、私はやっぱり法治国家として、こういうものをきちっとやっぱり直した上で修正して法案を提出し直すべきだということを最後に申し上げておきたいというふうに思います。
 その上で、外交問題について話を変えていきたいというふうに思います。
 私は、二〇〇一年の七月に当選をしました。そういう意味では、小泉外交の四年間を私なりに見てきた人間でございます。
 私は、二大政党制になれば、ある部分やっぱり政策が中道寄りになりながら共有化してくるというのは一般論としてはあろうかと思います。とりわけ外交安全保障については、やはり二大政党制になればやっぱり共有してくる、似通ってくるというのは私もあるんではないかなと。イギリスの大使館の公使に聞きましたところ、どのぐらい労働党と保守党、共有していますかねと聞いたら、彼は自信を持って、最低でも九割ぐらいは一緒でしょうねということに、伺いました。
 しかし、残念ながら今の自民党、民主党では一割の違いどころか、もう少し私はあるんではないかなと。どこが違うかなということをクリアにしながら質問さしていただきたいなというふうに思っております。
 まず、総理に外交全般に対する基本的な考え方について伺いたいと思います。
#68
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 外交の基本的な問題についてでございますが、私は、過去の戦争の反省を踏まえて、日本は二度と戦争をしないと、平和国家として発展していかなきゃならないというのが基本方針であります。そして、日本国民の努力とそして国際社会の支援、協力によって、今日まで日本は経済大国と言われるような平和国家として発展してまいりました。
 そういう中で、経済大国になっても軍事大国にはならないと。そのためには、自国の安全保障をいかに図るかということと同時に、海外において武力行使をしないと。なおかつ、日本の安全を確保するためには、アメリカとの安保条約始め同盟関係が重要である。同時に、各国との友好関係を維持発展させていく、いわゆる国際協調体制が重要であると。日本が戦争に突入した経緯を考えますと、国連を脱退して国際社会から孤立したと、そういう轍を踏まないためにも、日米同盟と国際協調の体制が極めて重要であるという観点から、日本としてはこの外交方針を戦後一貫して堅持してきたと思います。
 今後も、この方針については私は変えることがあってはならないと思っておりますし、それを実践してきたのが今日までの日本の姿だと思っていますし、これからもこの方針を継続していかなきゃならないと思っております。
#69
○若林秀樹君 一般論としては非常に理解できるところでございますんで、それをどう実行していくかということが重要ではないかなというふうに思います。
 この四年間、国際協力の分野では、有事関連法案、国民保護法制、イラク特措法、テロ特措法、様々なことで、その立場は別として、進んだ部分もあるんではないかなというふうに思います。しかし一方、隣国との関係で見れば、私はむしろ悪化したんではないかなというふうに思います。
 先日の衆議院、衆議院の予算委員会で、福田前官房長官が今の中国との関係を異常な状態であると。私の言い分も、福田前官房長官が言っていただいているところもあると思いますが、我が国の、国際社会に存在が非常に大きいと。そういう意味では、やっぱり自信を持ってもいいということもありますが、一方でやっぱり責任もあるんだと。今の中国との関係を見れば異常な状態であるということを元女房役である官房長官が言われたということに対して、どんなふうに受け止められていらっしゃいますでしょうか。
#70
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、中国との関係は両国の首脳の間で重要であるという認識を共有していると。今後、日中関係の二国間関係のみならず、国際社会でも日中の協力は必要であると。そういうことから福田前官房長官は言われたのであって、私はこの方針に沿って今後とも日中の関係を重視していきたいと思っております。
#71
○若林秀樹君 微妙に私の質問に答えていないんですが。
 元女房役である官房長官が、今の状態は異常であると、やっぱり自覚を持ってほしい、責任持ってほしいということを言っていることに対して、一緒にやられていた総理としてどんな感想をお持ちですかと。それ、決してそうではないんだと、ちゃんとやってきているんだという反論でありましょうか。そういうことであれば、私はそれで取りたいと思いますが、官房長官とはまた、前官房長官とやっぱり立場が違うということであります。
 私が申し上げたいのは、小泉総理がどんな言い分があろうとも、政治や外交もやっぱり結果責任であります。それは、向こうの言い分もあるでしょう。向こうの責任もありますよ、それは。しかし、現状こういう状態が四年間続いていることに対して、やっぱりアジアのリーダー国たる日本が、やっぱりこの状態でいいのかどうか、それに対してやっぱり、責任をやっぱり感じてほしいということであります。そのことを私は申し上げているのでありますので、もっとやっぱり大局的な判断で、やっぱり友好関係をさっきおっしゃって、関係維持、発展させていくのであれば、それなりの行動がやっぱり必要ではないかというふうに思いますので、そういうことに対する責任は何にも感じていないんでしょうか。
#72
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、大局的見地に立って日中関係を友好発展させてきたと、実績が証明していると思っております。
#73
○若林秀樹君 その実績がないから福田前官房長官も大局的な見地に立って判断してほしいということを言っているわけでありまして、私が言うまでもなく、元官房長官が言っているわけであります。
 私が申し上げたいのは、じゃ、例えば今回でのアジア・アフリカ会議においても、村山談話に踏襲して痛切な反省と心からのおわびの気持ちを伝えたわけですよね。こういうことを繰り返しながら、なぜ今の関係になってしまうのかというこの現実を見てほしいんですよ。やっぱり戦後六十年もたっているわけですから、特に若い人、二十代、三十代については、やっぱり戦前の歴史に対してやっぱり一区切り付けていきたい。この繰り返しなんですよ。
 だから、言葉と行動が一致していないこの現実をどう見るかという意味においての責任を言っているわけで、やっていて、本当に今、じゃ友好発展しているんですか。全然問題ないんですか。私は全然そういうふうに思わないですし、中国も責任あるということを別に否定しているわけじゃないですから、それは。その上で、今の現状でいいかどうか。それに対して、ああ、今のままでいいんです、大局の判断にしているんだったらもう何の進展もないですよ。そういうことを申し上げているんです。
#74
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、日本の歩んできた姿、この六十年の歴史を見ていただければ理解していただけると思っています。しかしながら、中国の立場が違うということも承知しております。
 意見の違いはどこの国もあります。ある問題について、そういうような対立がどこの国でもあります。そういう点について、相手の言うことについて協力する場合も、意見の違いもあると思います。一部の意見の対立があるから、これをもってして悪いと見る見方は一面的ではないかと思っております。今までも、中国の目覚ましい経済発展によって日本との相互依存関係はますます強まっております。人の交流も拡大しております。そういうことから、日中重視という意識も首脳間で共有しております。
 私は、一時的な対立、問題があっても、将来を展望すれば日中友好していこうというその方針に沿っていかなきゃならないという認識を持っている限り、一時的な対立が一部にあるからといって、これが将来にも悪影響を及ぼすかというと、及ぼさないような今後努力をしていく必要があるということは分かりますが、今後も、私は、会談を行いながらも、そういう両首脳の共通の認識を持って友好発展を促進していかなきゃならないと思っております。
#75
○若林秀樹君 一部に相違があるのはどこの国もそうです。昨日のある大使の方も言っていましたけれども、歴史的な認識があるのは日中だけじゃなくて、各国どこにでもあるんです。だから、そういう違いを乗り越えての外交がやっぱり必要であるというふうに思います。
 だから、違うところを殊更に違うんだと言ったって進まないわけですから、やはり共通の利益は何なのか、日中の共通の利益は何なのかという、そこに対して私はやっぱり手を携えてやっていく必要があるにもかかわらず、小泉総理はやはり相手の嫌がることをやっぱり控え目にしていくということも、やっぱり大局的な判断としては私は必要ではないかなというふうに思いますので、現実問題として、どんなに控え目にしようが、この四年間、両国の首脳が行き来をして会談をしていないというこの異常状態をどうするかという話でありますけれども、じゃ今のままでいいということですよ、小泉総理は。それはもう、相手は立場は違うんだからこのままでいいということをおっしゃっているんですよ。常任理事国入りしようとしているわけでしょう。この三か月が重要なんです、この。だから、そういう認識に立って、どう改善していくかという視点から私はやっぱりしっかり判断すべきことだと思います。
#76
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 何回も首脳会談をしておりますし、これからの友好関係を発展していこうという共通の認識を持っているわけであります。そういう観点から、協力関係を発展させていきたいと思っております。
#77
○若林秀樹君 そうなっていないから私は申し上げているんであって、やっぱり異常な状態だということを前官房長官認めているわけですから、これに対してどうリーダーとして手を施していくかということがやっぱり重要なんであって、今の放置でいいということですよ。それはもう開き直りに近い。もう今の日中関係でいいということです。それでは絶対常任理事国入りになんかなれませんよ、それは。
 私は、例えばアメリカがなぜああいうリーダーたり得たかというのは、私はやっぱり、経済力とやっぱり軍事力が背景にあったのも事実だと思いますけれども、一方で、やはり民主的で好きな国である、ああいう国になりたい、非常にいい国である、尊敬されていたから、私はリーダーたるリーダーシップ発揮できたんだろうというふうに思います。
 やはり力だけではなく、やっぱりアジア諸国から尊敬されるためにはどうすべきか、そのことが常任理事国入りの資格ではないかなというふうに思いますので、今のような態度でいったらだれも信用しないですよ、小泉総理。それに対してどうしていくかということをやっぱり、ここできっちりとやっぱり明言していただきたい。
 中国、いいですよ、じゃ中国が反対されたら常任理事国入りになれないんですから、その現実問題としてどうしていくかということであります。その意味で、何か御意見あればお伺いしたいと思いますが、今のままでいいんだったら私はもうこれで続けますけれども、私はこの三か月は非常に重要な時期に来ているんですよ。仮に、仮に中国が心から賛成しなくても、ただ黙っているのか、キャンペーンを張って動いていくのかでこれ全然大きな違いがあるんですよ、これは。だから、この重要な時期に、やっぱりどうメッセージとしてやっぱり中国に発信していくのか、どう常任理事国入りに対して時のリーダーとしてやっていくのかという戦略、発想がもう全然ないんですから、全然もうやる気がないとしか私は思えません。
 そういう意味で、反論があるんだったら言ってください、これ。
#78
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、中国にしても、アメリカにしても、常任理事国を更に増やしていくことについて消極的であるということは分かります、既得権というものがありますから。
 そういう中にあって、今の中国の拒否権を持った常任理事国の立場からすれば、中国が拒否権を発動すれば日本も常任理事国になるということはできないという理論も分かりますけれども、日本は今、ドイツ、ブラジル、インドといわゆる四か国、G4というグループの中で各国に働き掛けているわけでありまして、その四か国に対しましても周辺国は反対しているのも承知をしております。ドイツに対してはイタリアが反対している、あるいはブラジルに対してはアルゼンチンが反対している、周辺国、インドに対してはパキスタンが反対していると。周辺国はみんな反対しているのは承知しております。
 しかし、これほど国連の改革機運が高まっているときに、そういう反対を承知でありながら、国際社会の中で国連改革が必要であるということから協力を求めているわけでありまして、仮に中国なりアメリカが消極的であったとしても、国際社会の状況を考えて賛成、協力をしていただけるように働き掛けが今後も必要であると。
 また、中国におきましても、反日感情が強いということは承知しておりますが、そういう点についても、歴史的な認識においては違いますが、お互い、反日感情とかあるいは日本における嫌中感情というものは、感情的にならずに、冷静に慎重に対応して、将来の友好増進について協力をしていく必要があると、そういう中でお互いの理解と支持を得られるような努力を今後も続けていきたいと思っております。
#79
○若林秀樹君 私は、中国側の肩を持っているつもりは全くありません。どうやってこの友好関係を、やっぱり築いていくことが両国の利益になる、その大局的な見地に立ってやっぱり判断すべきであるということを申し上げているんです。
 そういう意味では、ああいうおわびの言葉言いながら、相手を刺激するようなことを今この段階で、例えば靖国いつ行くかこれから決めるとかって、ああいう発言をすること自体が私は無神経だというふうに思います。相手が嫌がることは、リーダーたるゆえんはやっぱり控え目にする。人を憎まず、罪を憎んで人を憎まずって言いましたよね。それは中国が言っているからってこの間言っていましたよね。孔子の言葉の本質は、罪を憎んでいるんです。ですから、別に東条英機氏個人を憎んでいるわけじゃないんで、罪を憎んでいるからA級戦犯を祭っている靖国神社に対して行くことを駄目だというふうに言っているわけで、全くこの孔子の教えに合っているんですよね。
 これ、違うと言っていますけれども、そういう解釈において、私はやっぱり今のこの状況の中で、小泉さんの一つ一つの言動が、非常に私は、せっかくこうやってアジア・アフリカ会議行って、こういう反省のスピーチをしながら、その後の行動が、帰ってきたらもうすぐに伴っていない、すぐにもう反発しているわけでしょう。そういうことを大局的にやっぱり判断するのが国の外交を推進する私はリーダーだというふうに思います。
 その上で質問をさせていただきたいというふうに思います。
 先ほどスピーチの中で、ODA予算について共通目標であるGNI比〇・七%にどう近づけるかということが話がありました。目標の達成に努力するという外務大臣の御発言がありましたけれども、今ここで同じ回答をされるのであれば聞きませんけれども、現状〇・二%と非常に低い、ここ数年ずっとODA予算を削減している中で、努力するということはどういうことなのかということを、その重みは外務大臣、首相も分かっていらっしゃるというふうに思います。
 対アフリカ予算を三年で倍増するということを軽々言っていますけれども、アフリカ予算というのは一般無償資金の、技術協力の援助を合わせると二〇〇二年度で六百数十億円あるんですね。これを倍増にするということは一千二百億円を超えるわけです。つまり、六百億円、六百数十億円を増やすのか、ほかのエリアの援助を削るのか、少なくともこの辺の考え方は言っていただきたいと思います。
#80
○国務大臣(町村信孝君) その辺は今後の予算編成の中でよく財政当局ともそれは議論をしていかなければいけません。ただ、全体として、私自身は、予算を増やしていくと、その中でアフリカの予算も増やしていくという方向が必要であろうかなと、こう思っておりますが、まだその点については、今後、予算編成の過程で十分議論をして煮詰めていきたいと考えております。
#81
○若林秀樹君 基本的にはODA予算は増やしていくということを外務省としてはやっぱり決意した御発言ではないかなというふうに思っておりますし、私は個人的に、もうODA予算はこれ以上削減すべきではないという立場であります。やはり、何だかんだ言って、やっぱり日本の貢献の大きな柱はやっぱりODA予算ですから、今これ以上削ることによるいろんな意味での影響が私はもう出始めているんではないかなというふうに思っております。
 今年はミレニアムサミットから五年たちまして、いわゆる国連の二〇一五年に向けたMDGというミレニアム開発目標のレビューの年であります。そういう意味ではやっぱり、これからやっぱり増やしていかなきゃいけない状況の中で、G8あるいは国連で大きなテーマになると思いますが、やはりこの貧困削減というのが私は一つの大きな日本のODAの柱だというふうに思っております。貧困削減というのは、単なる所得が低いから経済成長すればいいということではなくて、やっぱり様々な外からの要因によってその権利とか自由が奪われて自らを助けていく能力がない、そういう社会の仕組みを改善していくことがやっぱり重要ではないかなと、非常に幅広い私は概念だというふうに思いますんで。
 実は、民間のNGOの人たちが来週からキャンペーンを張っていこうということで、「ほっとけない 世界のまずしさ」キャンペーンということをこれから動き出していこうということです。(資料提示)これは中村、今は襲名して勘三郎さんですね、あと藤原紀香さんとか何人か有名な方も出ていますし、海外ではブラッド・ピットとか様々な映画スター、小泉総理のお好きなリチャード・ギアは分かりませんけれども、そういう方がこれからキャンペーンを張って貧困削減ということでございますんで、これが白いホワイトバンドが一つのキャンペーンのシンボルだということで私も今日はちょっとはめさせていただいておりますんで、そういう民間の動きに対して外務大臣としてどうこの貧困削減に取り組んでいくかということをちょっと御発言いただきたいと思います。
#82
○国務大臣(町村信孝君) アジアのこの発展に日本が貢献をしてきた、これはもちろん、日本の援助がすべてだったという、それほどおごったことを言うつもりもありません。もちろん、彼らの大変な自助努力があってのことでありますが、少なからず日本のODAもこのアジアの発展に役立ってきたと。かつてはアフリカの方が一人当たりGNPで見るとアジアより高かったんですね。ところが、戦後の急速なアジアの発展に、すなわち貧困対策ということがかなり私どもは効果を上げてきたと思います。もとより、それは経済の分野のみならず、委員がおっしゃったような教育とか基本的な人権等々、幅広い分野のことを含んでの貧困だと、こう思っております。そういう意味で、この辺は、今年の二月に策定をいたしましたODA中期政策においてもその辺ははっきり述べているつもりでございます。
 今言われたNGOの皆さん方の活動、そういう意味では大変大切な活動をしておられると、こう認識をしておりますし、今後、NGOの連携というものも既に始めているわけでございますが、更に一層一緒に共同してやれる部分はともに活動をし、目的を達成していきたいと考えております。
#83
○若林秀樹君 ありがとうございます。
 是非、その貧困削減ということをODAの中心テーマとしてやっぱり推進していただきたいと思います。一日一ドル以下で生活している人がまだ十一億人もいるんです。十億人の人々がまだ安全な水もアクセスできないんです。一億人ぐらいの子供は学校さえ、初等教育さえ受けられないこの状況について、我々はこの日本にいるとなかなかそういうことが気が付かないですけれども、いつもそういうことをやっぱり念頭に置きながら、やっぱり日本として責任ある推進を是非していっていただきたいというふうに思います。
 その上で、次のテーマにちょっと入りたいと思いますが、国民保護法制の関係で、今回、国民の保護に関する基本指針ができました。これにつきましては、本当に国民保護の実効性を確保できるかというのはこれからであります。基本指針ができたからといってできるものではありません。ここは地方自治体が本当に実情に合った計画と体制、訓練をできるかどうかというところに私は懸かっているんではないかなというふうに思いますので、是非そんな意識でこれからやっぱり推進していただきたいなというふうに思っております。
 この中では四分類しておりまして、いわゆる言葉は硬いですが着上陸侵攻、いわゆる上陸して海から渡ってきて侵攻する、ゲリラや特殊部隊、弾道ミサイル、航空攻撃、四つの項目に分けてあるわけでありまして、そういう意味では避難や訓練、計画というのは非常に重要だと思いますが、私は今の状況で欠けているのは、硬い言葉ですけれども民間防衛組織ではないかなというふうに思います。
 つまり、町の消防団とかボランティアの人とかそういう方たちが初動態勢できっちり例えば誘導するということが、あるいは初期の救助活動にするかということが非常に重要でありまして、そういう部分が私は今の日本に全く欠けているんではないかなというふうに思います。
 実際に、万一弾道ミサイルが飛んできて、それが認知して地方自治体に言って、本当にたった数分間の間に避難できるのかどうかというこの現実問題に対して、私はしっかり今後やっぱり検証していくところが必要だというふうに思いますが、その国民保護、民間防衛組織の必要性について大臣、村田大臣からちょっと一言お願いします。
#84
○国務大臣(村田吉隆君) 国民保護法制でございますけれども、これは国民の保護措置に関しまして国あるいは地方公共団体あるいは指定公共機関が力を合わせて国民保護措置を実施すると、こういう形になってございまして、個々の国民につきましては法律上も自主的に協力を要請するという形になっているわけでございまして、いわゆる今委員がおっしゃるような民間防衛組織なるようなものを新たにつくるということは想定をしていないということでございます。
 ただ、もう既に消防団とか民間において自主防災組織というものは存在するわけでございまして、今後とも、今年あるいは来年度と、国あるいは地方の段階でその国民保護法に基づきます計画を、あるいは事業計画も含めまして作っていくわけでございますが、そういう中で、国民に対しまして様々な協力の要請をしていく、あるいは訓練をしていくという形で国民保護措置のいざというときのその万全を期していく、そういう計画を作っていきたいと、こう考えております。
#85
○若林秀樹君 是非、政府としても側面的な支援をよろしくお願いしたいというふうに思います。
 昨年、シンガポール、スイス、ドイツ、フランスへ行きまして、本当にそれは地域地域で民間防衛組織がしっかりしているんですよね。これを見たときに、ああ、これはやっぱり日本にないなということがありましたし、本当に実効性あるものについてはそういう初動態勢、初期の動きができるようなやっぱり組織がやっぱり必要ではないかなというふうに思います。
 その上で、シンガポールへ行ってびっくりしたんですけれども、シェルターを見に行こうということでマンションに行って地下室へ行こうと思ったら、地下室にないんですね。で、シェルターはどこにあるかというと、みんな自分の部屋にあるんです。ですから、窓側から中の中心部に厚い壁で上から下までシェルターになって、そこにいろんな化学兵器でもそういうフィルターがあって入らないようなあれをみんな持っているんです。それが一応シェルターだということであります。ですから、なぜそうなるかというと、サイレンが鳴ったときに下まで行ってらんないと。取りあえず安全なところに避難をするというのがそういう形でのシェルターになっている。
 御案内のとおり、スイスではもうほぼ一〇〇%地下室があると。スイスのある小さな町の病院は、地下に三百人ぐらい患者と百人ぐらいのスタッフが二週間ぐらいそこで治療できるところがやっぱりあるわけですよ。こういうのは、今はそんなことあり得ないからというふうに笑われるかもしれませんけれども、いざそういうときになったときにもう間に合わないんですね。
 私は、どんなときになってもいいように、今から五十年後、百年後見て、例えばマンションなんかそういうことをやれば、その税制措置とか優遇策等しながら、長期間掛けてそういう準備をしていくというのは決して今年は、愚策ではないと思いますし、地下室だって今はやっぱりそのニーズがあるわけですよね。マンションだって納戸みたいなのがあったらそれはそれでいいわけで、使えるわけですから、やっぱりそういうことも含めて、もうお金を掛けずに、私は長年掛けてそういうこともやっぱり必要ではないかなというふうに思いますけれども、もし総理、御感想あれば、総理にちょっと御感想あればお伺いしたいと思います。
#86
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) スイスの例を出されましたけれども、スイスは永世中立ということで長年やってきた国でありますが、よく戦後、日本でも、日本は東洋のスイスになれと言う方も多くおられて、スイスを模範にしろということでございますが、スイスというのは、やっぱり各国からのいろんな戦争経験を見て独自の防衛体制を築いてきたんだと思います。
 日本も同じようにすることができるかというと、日本はスイスのように陸続きで各国の戦争を間近に見ているわけではございません。海に隔てられて、長年いわゆる侵略なしに、されずに済んできた国でありますので、いつ、敵が襲ってきたらその侵略に備えようかという点について、スイスに比べれば足りないといえばそのとおりだと思っております。
 私もかつてフィンランドを訪れて、フィンランドはソ連と国境を接しているわけでありまして、あのフィンランドで核シェルターを各地区に持っているということについて、大変、国々によっていつ戦争があってもその備えをしていかなきゃならないと。核戦争は起こらないと言っている状況の中にあって、核戦争が起こった場合の核シェルターを造っているということを見まして、その現地なりを視察して、国によってそれぞれ防衛に対する意識は違うなということを痛感したわけであります。
 今、日本においてそのような、いざ戦争があった場合にどのような対策が必要かと、また個人の家の建設のことを考えてそのような対策を取ればということについて、そこまで私は国民的な合意が得られるかどうか、なかなか難しい問題だと思っております。
 予算の面においても、またコストの面におきましてもなかなか難しい問題だと認識しておりますが、やはり備えあれば憂いなしということについては各国真剣に対応措置を講じているわけでありますので、日本としてもそのような将来の不安に対してどういう対策を取るかというのは、平時のときから考えておかなきゃならないという御指摘については、私は、共鳴しているところ、若林議員と、多々あると思っております。
#87
○若林秀樹君 まだ国民の意識としてそういう状況には恐らくないと思うんですよね。
 ただ、長期間掛けてやっぱりそういう選択というんでしょうか、措置ができて、やっぱり五十年、百年たったらそういうことも備えあるというような仕組みに変えていくのも一つやっぱり手ではないかなというふうに思っておりますんで、また村田大臣も御検討をいただきたいなというふうに思っております。
 続きまして、東シナ海の海洋資源についてはちょっと飛ばさせていただいて、イラクにちょっとお話を移させていただきたいなというふうに思っております。
 このたび国民議会選挙が経てイラクに移行政府ができたということは、時間は掛かりましたけれども、私は良かったんではないかなというふうに思います。国際社会が一致協力して支援していくということが今一番求められているんではないかなというふうに思っているところであります。
 私はあえて、またこの話を持ち出すと総理は嫌な顔をされるかもしれませんけれども、大量破壊兵器の問題について伺います。
 これまでも各国の様々な調査もありましたが、先日は米国で大量破壊兵器調査委員会の最終報告が出ました。結局は、WMD、大量破壊兵器の備蓄はない、情報収集活動は完全に誤りだったということを、アメリカの調査委員会の結果報告があったわけであります。
 私はあの調査報告書の内容をつぶさに見ておりませんけれども、ああいう報告が出てあっけらかんとしているアメリカの姿勢というのは非常にびっくりするところがありました。あれだけ大量兵器はあるということを言って、国連の安保理にパウエル元国務長官が行って、詳細まで言った、こうなんだと言いながら、実はないということを平気でぱっと認めて、国民も余りそれに対して、関心があるんだかどうか分かりませんけれども、なかなか政府を、責任を追及するということにないということに対してやや私は違和感があります。
 その上であえて総理にお伺いしますが、確かに、イラクが国際社会の動向に対して査察に協力をしなかった、背を向けて累次の国連決議を破ってきたと、それは事実だと思いますが、あの時点で問題になったのは、やっぱり大量破壊兵器があるんだということを小泉総理自身がやっぱり説得材料として使いながら言った、しかし結果的にそれは誤認だったということに対する私はやっぱり認識を持つべきじゃないかなというふうに思いますんで、そういうことを踏まえて、国民にちょっと説明していただけますでしょうか。
#88
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私はこの問題について何度も答弁しておりますが、当時の国連の協議を見ても、累次にわたった国連の監視団の査察をイラク政府は妨害してきたと、そして過去にもそのような兵器を使ってきたという事実を考えても、あの当時なぜイラクが、本当になかったならば、国連の指摘どおり査察に協力的な姿勢を示して、自らがないということを証明しなきゃならないということを従わなかったのかと疑問に思っております。
 そういう観点から、結果的にないと判断されたとしても、あの当時の状況を考えると、あのようなフセイン当時の大統領の行動はいまだに理解に苦しんでおります。戦争を避けるということを本人が決断すればでき得たにもかかわらず、その国連に協力しなかったということから今日の時点があったわけでありますけれども、今後、この問題につきましては、国連におきましてもまた日本の国会においても議論がなされておりますが、現在の状況を考えますと、イラクの国民自身が自分たちの政権をつくるよう、安定した民主的な政権をつくるよう、と努力していることにつきましては日本としても支援していく必要があると。
 当時の状況が違うじゃないかという指摘は分かりますけれども、私は、それだったらなぜ国連の決議に協力しなかったのかということについて依然として疑問を持っております。
#89
○若林秀樹君 要は、最大の理由は、アメリカはフセインの除去というのが目的にあったから、大量兵器があるかないかと余り問題にならなかったかもしれません。日本は、とにかく大量破壊兵器があの時点にあるんだということをやっぱり小泉総理は説得材料として使っていたんですよ。それは完全に誤りだったというこの事実に対して、国民にやっぱりしっかり説明しなきゃ駄目ですよ、それは。
 それは、確かにフセインが悪かったのももちろん認めていますし、そうだと。一方では、大量破壊兵器があるということをずっと一連のこの委員会の中で言っていたわけですから、それがなかったということに対しては、やっぱりしっかりとしたやっぱり説明が必要だと思いますし、国連決議一四一一は最後の機会を与えるということで、それがイラクを攻撃していいということには、決議ではないということを、これはいろいろ見解があるにせよ、少なくとも公平公正な立場でアナン事務総長が言っているわけですから、国連が認めた戦争ではないということを言っているわけですから、やっぱりその上でそういうことを説得材料に使っていたということに対しては私は真摯なやっぱり反省があってもいいんではないかなというふうに思いますので、小泉総理、ちょっとその意見を踏まえて、ちょっと反省の弁をお願いします。
#90
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは度々答弁しておりますように、国連決議に沿って日本は支持したわけであります。確かに大量兵器があると当時は思っておりました。しかし、それは結果的に違ったとしても、日本としてはそれ一つによって支持したわけでありませんし、国連の決議に従ってそれを支持したわけであります。その点については見解が違うということは認めます。
#91
○若林秀樹君 だから、それは今は見解が違うというのはアナン事務総長との見解が違うということだというふうに思いますので、やっぱり公平公正な立場である事務方の責任者であるその見解とやっぱり違うというのは、これは非常に大きな意味を持っているんではないかなというふうに思っております。
 フセインが見付からなかったといってフセインがいないとは限らないという有名な詭弁を使っていらっしゃいましたけれど、フセインは見付かりました。しかし、フセインは開戦時にいたわけですよ。で、大量破壊兵器が開戦時にあったかどうかは分からない。それはもう全然これ違うことでありますので、私はもう完全にこのことがやっぱり非常に詭弁だったというふうに思いますし、ある意味での疑わしきは罰せずということで、完全にやっぱり、そこがやっぱり白黒付くまでもうちょっと待とうというのが国際社会の私は一致した動向であったというふうに思いますので、やはりそういう国連重視ということを言うんであれば、国連のこの事務総長の発言はしっかり受け止めていただきたいなというふうに思います。
 その意味で、次の質問ですが、この移行政府ができたこの今の時期が自衛隊の撤退の一つの節目ではないかということについて質問させていただきたいと思います。
 自衛隊一年以上活動されまして、非常に高い評価を受けているというのは感じます。そしてまた、現地からも受け入れられたという意味において、国際社会の一員として、ODAを含めて、日本はやっているんだということを非常に私は評価された一つとして自衛隊の派遣は現実問題として私はあったということは認めています。
 しかし、いつまでもああいう、現地へ行った現物支給的な支援をする必要は私はないと思います。イラク政府ができたということは、曲がりなりにも、まだまだ力はないかもしれませんけれども、元々、潜在能力、技術はあるんですよ。それは、実際に自らやるよりは、イラク政府を側面的に支援していくことが長い目で見たときの私は本当の支援になるんではないかなというふうに思いますし、今必要なのは治安維持活動です。これは認めます。しかし、自衛隊は治安維持に行ったわけじゃないんです。それができないんであれば、私は帰るべきだと思います。これを主体的に判断すべきだと思います、総理。
 私は、やったというこの実績を認めながらも、今やっぱり、これまで何ら攻撃も受けず、負傷者もなかった、実績、高い評価を得たと。そして、一時的なこの人道的な支援というのは、一つの区切りがイラク移行政府ができたことによってやっぱりできたという認識に立って言えば、ひとつ秋でも、年内というのは一つの私は大きな出口ではないかなというふうに思っておりますし、何かあってから非戦闘地域だから帰りますというよりは、今がやっぱり主体的に判断する一つの節目だということで、是非、総理、その出口についての前向きな御答弁をお願いします。
#92
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本の自衛隊によるイラクでの活動というのは現地の住民からも高く評価され、日本としては、この自衛隊による人道支援、復興支援、いわゆる人的支援とODAによる支援、これを有効に活用して、イラク人が今自らの政府をつくろうとしている努力を支援していきたいと考えております。
 そういう際に、この撤退をいつ考えるかと。早く撤退した方がいいんじゃないかという御議論だと思いますが、私は、現時点におきましても、今自衛隊が活動している地域の住民の皆さんは、自衛隊帰らないでくれという働き掛けが日本政府に来ておりますし、自衛隊との友好な現地の住民との関係も築いております。
 そういうことを考えると、私は、今すぐ自衛隊を撤退させることがイラク人に対してどういう影響を与えるか、国際社会に対して、国際社会が結束してこの現在のイラクの安定した政府づくりに協力しようという状況の中でどういう影響を与えるかということも考えていかなきゃならないと思います。
 当然、日米関係、国際協調体制、両立させろという、これを現実に実践していると現在思っておりますし、そういう中で、いつ自衛隊を撤退させるかということについては常に考えておかなきゃなりませんが、それは現地との状況、住民との関係、そして多国籍軍始め国際社会の中での関係もよく勘案して、円満に円滑に友好裏に自衛隊を撤退させるという点については常に考えておかなきゃならないということについては日本政府としても真剣に検討していくべき問題だと。しかし、現時点で、いつそれでは撤退させるかということについては、よく状況を見極めていきたいと思っております。
#93
○若林秀樹君 現地から評価されていますし、去ってほしくないという気持ちは現地にあるんだろうと思います。しかし、それでもやっぱり終わりを決めるというのは一つの援助のやり方ですから、これやっぱり主体的に判断すべきだというふうに思いますし、イタリアがもう九月には撤退するということを、長期間、先を見て、見据えてやっぱりやっていますから、早いところ、そこの一つの考え方を出しながら探っていくということがやっぱり必要ではないかなというふうに思いますし、だからといって、国際社会、日本を非難するということは私はないと思います。堂々、これまでやってきたという実績に基づいて、是非とも早めにそのされることが必要ではないかなというふうに思っております。
 時間が来ましたけれども、是非、その近隣諸国との関係も含めまして、リーダーの自覚そして責任を持って、外交戦略も併せて持って、今後の日本のリーダーとして外交を進めていただきたい。そのことを申し上げて、私の質問を終わります。
 以上です。
#94
○委員長(中曽根弘文君) 関連質疑を許します。辻泰弘君。
#95
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。
 官房長官の御予定があるやに聞いております。十一時十五分に退室されたいという御要請で、山崎官房副長官からも強い御意向を受けておりまして、思い出しますと、山崎官房副長官が私のところへ来られるときは、後ろ通られるときは、去年は年金国会で強行採決がございましたけれども、余りいいことがないわけでございますけれども、いずれにいたしましても、お約束をいたしましたので十一時十五分になったら退室していただいたらと、このように思います。
 さて、そういうことで順序を通告と変えておりますけれども、まず最初に、若林委員の御質問にも関連いたしまして、総理の靖国神社参拝について御質問をさせていただきたいと思います。
 総理は、二〇〇一年八月十三日、二〇〇二年四月二十一日、二〇〇三年一月十四日、二〇〇四年一月一日と、四回にわたって参拝をされているわけですけれども、これについて総理は、自らの参拝を、いわゆる公式参拝、私的参拝、いずれだと認識されているのか、そのことについてお示しください。
#96
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、靖国神社参拝するのは、今まで申し上げていますとおり、戦没者に対する追悼の誠をささげると同時に、二度と戦争を起こしてはならないという一人の人間として参拝しているものでありまして、これは別に総理大臣の職務として参拝しているものではございません。
#97
○辻泰弘君 官房長官にお伺いいたしますが、この総理の参拝について、過去四回あったわけですが、それについての内閣としての見解をお示しいただきたい。すなわち、公式なのか私的なのかということです。
#98
○国務大臣(細田博之君) 辻議員にお答え申し上げます。
 小泉総理の靖国参拝、靖国神社参拝は、いずれも個人としての立場でなされたものと理解しております。
 これは、平成十六年三月に、当予算委員会におきまして辻議員から御質問を受け、福田前官房長官が、参拝そのものは私的な立場で、個人の真情として、真情の発露として行われたものであると理解しておりますということ。それから、平成十四年五月に、同じく辻議員の本会議における御質問についての同様の答弁と全く同趣旨でございます。
#99
○辻泰弘君 今個人としてとおっしゃいましたけれども、私への福田長官の答弁のときは私人としてということでしたが、それはイコールと考えていいですね。
#100
○国務大臣(細田博之君) それはおっしゃるとおりでございます。
#101
○辻泰弘君 こういう内閣の見解なわけですけれども、当然のことですけれども、その内閣の見解は総理の当然受け入れるところだと思いますけれども、それについてどうですか。
#102
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) かねがね申し上げまして、申し上げているとおり、総理大臣の職務として参拝しているものではございません。
#103
○辻泰弘君 率直に私の質問に答えてください。
 内閣としては、個人として、私人としての参拝であると、こういうふうに明確に言っているわけです。そのことを御自身でどう思っていらっしゃるかというか、そのことは自分自身としてそうだと認識されるのは当たり前だと思っているんですけれども、それはどうですか。
#104
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 総理大臣である小泉純一郎が個人として参拝しているものでございます。
#105
○辻泰弘君 個人として、私人として参拝されていると、そういうことですか、今おっしゃったのは。
#106
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私はかねがね申し上げているように、個人として参拝しているものでございます。
#107
○辻泰弘君 かねがねとおっしゃいましたが、かねがね公私ははっきりさせないんだと、意地でも言わないとおっしゃっていたのが総理のお立場だったわけで、それは変わったといいますか、常識的になったところはいいと思いますけれども。
 そこで、総理は非常にこのことと郵政のことはかたくなになっていらっしゃって、ちょっと大人げないと私はいつも思っておりますけれども、そこで、今年の一月の二十八日、沖縄地裁での判決があって、その中で、被告国、被告小泉純一郎ということで主張があるわけでございます。
 国としては同じ、今と同じように私人の立場での参拝だと、こういうふうになっているわけですが、小泉さん、総理の主張というのがございまして、そこで言ってらっしゃることが、閣議において公式行事と決定されるなどの特別な事情が職務行為となる場合は必要だけれども、この小泉総理の参拝は被告小泉一人の発意により一人で決定して実施したもので、本件各参拝を職務行為とするための行政行為は一切なされていなかったと、本件各参拝は、あくまでも自然人たる被告小泉が靖国神社に赴いて一人で行ったものであり、憲法上被告小泉に認められた思想良心の自由ないし信教の自由に基づいて行ったものと、こういうふうになっているわけです。自然人たる被告小泉がと、こうなっているわけです。
 余り、総理は自然人かどうかということは考えるところもありますけれども、余り自然な方でもないようにも思いますけれども、しかし、やはり厳密な法解釈上は自然人たることになるわけでございますが、いずれにいたしましても、総理はさっき、今までよりは少し踏み込んでおっしゃっていただいたと思っています。一人の人間としてとおっしゃいました。また、私人という立場というふうにおっしゃったと思います。かつて国会では、総理はそういうこともおっしゃっております。平成十三年でございましたか、私人として参拝したいということをおっしゃっておられたことがございますし、新聞報道等マスコミへのインタビューについては、私的参拝と言ってもいいかもしれないと、こういうふうにおっしゃいました。
 再度確認しますが、私的参拝とこう考えていいですね。
#108
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、前から私的とか公的とかいうことについてはこだわってないと、ただ総理大臣の職務として参拝しているものではないと、個人の真情として参拝しているものであると、それがすべてであります。
#109
○辻泰弘君 私は、ここが大事なことで、これまでの政府の見解のように、内閣総理大臣その他国務大臣の地位にある者であっても、私人としての信教の自由が保障されているところは言うまでもない、これらの者が私人の立場で参拝することは自由だと、これはもうそのとおりだと私は思います。
 しかし、私は総理というようなお立場の方であるならば、いろいろ考える中で自らの思いがどうであろうと抑制的であってしかるべきだと思いますが、しかし突き詰めたところ、やはり総理も当然私人としての、個人としてのお立場があるわけでございますから、それは認められるのが当然だと思います。
 しかし、総理の場合は、その私人、公人を明らかにしないままにやってこられて、むしろそのことを公人であるかのような吹聴の仕方といいますか、太鼓を鳴らしてどんどこやっているようなそういうことがあって、結果として違憲判決が出たり、違憲を推認、違憲の疑いを推認させるような判決が出ると、こういうことがあったわけでございます。
 例えば、内閣総理大臣として参拝を推認し得る要素を多分に含んだ態様となっているというのが大阪地裁の判決でございました。その中身としては、自民党総裁選の公約にしたと、あるいは国会等で発言をしたと、首相談話を出したとか、こういったことで被告小泉自身が内閣総理大臣として参拝することを明確に示す行動を取っていたと、こういうようなことを言っているわけですね。こういうことから、閣議決定や公費支出、他の閣僚の同伴といった事実がなくて、政府が私的参拝であるとの立場を取っていたこと等を最大限考慮しても、なお本件参拝は被告小泉が内閣総理大臣の資格で行ったものと認めるのが相当であるというのが、この大阪地裁の判決でございましたし、推認させるような判決になっている。
 また、違憲判決も実は福岡地裁で出ているわけでございます。
 私が言いたいのは、そういったことがやはり国内的にも私はおかしいと思っていますけれども、しかし、それが外国から見たとき、やはり摩擦を必要以上に増幅させたと、やはり神経逆なでして不信を増大させたと、その罪といったらあれですが、その責任は私は極めて大きいと思うんですね。私人として明言された上で行っていらしたならば、私は、それは私自身としても許容せざるを得ないといいますか、いたしますし、諸外国から言われても、そこはやはり個人の自由だということになると思うんですが、総理の場合、そこをあいまいにあえてされて公人であるかのように振る舞ってこられたことが、私は必要以上に問題を大きくしたと、このように思っているわけなんです。
 ですから、そういう意味において、私は私人であるということを明確にした上で行かれるということが当然だと思いますし、適切に判断してとおっしゃっていますが、適切というのはどういうことかよく分かりませんけれども、いずれにいたしましても、そのことについて十分認識をして対応していただきたいと。
 与党の中でも、新聞見ますと、公明党の神崎代表が、大局観に立った行動を取るべしと、このようなことも昨日発言されているようですけれども、私は今までの総理のこの問題についての対応というのはやっぱり大局観がなかったと断ぜざるを得ないと思っております。この問題について、やはり私的参拝である、個人としての行動であるということを明確にして、認識をしっかり持っていただいて、その考え方の下に行動していただくということで申し上げたいと思いますが、総理、そのことについて御見解をお示しください。
#110
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 被告、被告と言いますけれども、私のことを、なぜ靖国に参拝することが憲法違反で、私が被告人になるのかと、これも不思議でしようがないんです。
 憲法解釈、裁判にもいろいろな判決があるんですよ。一つじゃないんです。全然問題ないという判決もありますし、今言ったような問題があるんじゃないかという判決があるということも承知しております。しかしながら、私は大局的に、見地に立って参拝しているんですから。これは個人の真情を、いかに内閣総理大臣であろうとも他人がこれは憲法違反であると言うのは、私は理解に苦しんでいるんです、いまだに。
#111
○辻泰弘君 法治国家なんですから、裁判が起こってそれを受けて立つのは、それはある意味では別におかしなことではなく、私は判決を読んだだけでございますから、それは別に私は決め付けたわけではございません。
 それで、確認しておきますけれども、最初に戻りますが、じゃ、やはり個人としての私的参拝であると、こういうことでいいですね。
#112
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 何回も申し上げておりますように、内閣総理大臣である小泉純一郎が参拝しておりますが、内閣総理大臣の職務として参拝しているものではございません。
#113
○辻泰弘君 総理は、今日は後半がちょっと盛り返されたかもしれませんが、前半に、一人の個人として、一人の私人としてというニュアンス出たと思いますけれども、そのことを十分踏まえて対応していただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。
 それで、順序が逆になったというゆえんですけれども、一点だけ別のことでお聞きしておきたいと思います、基本的にはJR西日本のことをお聞きしておきたいわけですが。社会保険庁改革についてでございます。三月の国会のときも私、総理にもお聞きしました。厚生労働委員会では大臣にもお聞きしましたけれども、社会保険庁改革における年金運営組織についてでございます。
 それで、今与党内でも議論をされている、政府内でも議論されている、そのこと自体は当然のことだと思いますし、その結論を持たれるというのも当然だと思うんですが、ただ、聞くところによると六月下旬に骨太の方針に反映させると、このようなことも言われているわけです。
 ただ、私が申し上げたいのは、あのときも申し上げましたけれども、総理も是非やろうということで年金等の社会保障の両院合同会議が開催されているわけでございます。そして、私ども民主党のマニフェストに掲げた主張というのが、その社会保険庁と国税庁の統合ということも大きな項目として挙げているわけでございまして、そういったことも一つの、年金制度の改革の一つの大きなポイントでございますので、そういう意味で、与党の検討、政府内の検討は当然あって当たり前だと思いますが、少なくとも、そのことについての政府としての結論を出されるに当たってはその両院合同会議でも議論をされて、その結果を踏まえて当たられるべきだと思いますし、それがないならば何のために合同会議を持ったのかと、こういうことになるわけでございます。そのことについての総理の御方針をお伺いしておきたいと思います。
#114
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 現在、政府におきましても有識者の皆さん方に検討していただいております。また、与党の間におきましてもこの問題については今協議をし、意見が分かれている点もございます。
 今後、この問題についてよく調整して、どういう対応がいいのか、組織がいいのかという点についてよく協議を詰めて判断していきたいと思っております。
#115
○辻泰弘君 全然私のお聞きしたことに答えていただいてないんですね。それはある意味で当たり前です、あっていいんですよ、政府・与党内の考え方、御検討はね。それはある意味で当然のことです。
 私が申し上げているのは、せっかく鳴り物入りで、総理も主導されて社会保障の両院合同会議ができたわけですから、当然その中で議論をされて、どういう結論になるかは分かりませんけれども、合意ができるかできないかということもあるかもしれませんけれども、しかしいずれにしても、そこで議論をされて、その結果も踏まえつつ最終的に政府として決めていくと、これがあるべき姿だと、このことなんです。
#116
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今申し上げましたように、よく協議を見ながら、各方面の意見を聞きながら今協議の最中、していただいていますので、まだ結論は出てないんです。そういう中でいろいろな意見を聞きながら、最終的には、どういう組織なり対応がいいかという点については判断していかなきゃならない問題だと思っております。
#117
○辻泰弘君 協議している最中だと、いろいろな意見をやっているところだということでしたけれども、じゃ、その協議の中には当然国会に設置された両院合同会議の協議も入ると、これは自民党総裁というお立場もあるわけですからね、そして総理自身が、そこで与野党で議論してくれと、こういうふうにおっしゃってきたわけですから、そこをすっ飛ばして決めるというのはこれはやっぱり信義に反するし、それだったら最初からやらなきゃいいじゃないのと、こういう話になるわけでございます。その点、どうですか。
#118
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国会でも衆参合同の社会保障の在り方に関する協議会が設けられているわけでありますので、その中での議論も参考にしていきたいと思っております。
#119
○辻泰弘君 当然のことですけれども、その点はそういうプロセスをしっかり踏んでいただくように申し上げておきたいと思います。
 それで次に、本題といいますか、JRの西日本の福知山線の事故についてお伺いをしたいと思っております。
 まず、昨日、総理は新宿の方を視察されたようでございますが、これについて目的と御感想を簡単にちょっとお示しください。
#120
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 本来、新宿の歌舞伎町というのはにぎやかな、多くの国民なり外国人が楽しんでしかるべき町だと思っております。ところが、最近、この歌舞伎町というのが不法外国人滞在者とかあるいは暴力団、犯罪組織の拠点になっていると。にぎやかな町だけれども安心して楽しめる状況になっていないのではないかというような、治安の問題について不安の声が多く寄せられておりました。
 そういうことで、このにぎやかな、娯楽を楽しむあるいは休暇を楽しむ人々に、安心して楽しんでいる、楽しむことができる町にするためにはどうしたらいいかと。このままどんどんどんどん不法滞在者が増えて、そして暴力団なり犯罪組織の拠点になってしまっては大変だということから、このにぎやかな町を安心して多くの国民が楽しめる町にしようというのが、今政府始め東京都、警察、新宿区役所、行政、消防関係あるいは地域の商店街、住民の方々の希望だと思っております。この連携を強化していかなきゃならないと。
 そこで、決して、これほど犯罪組織が拠点にしてしまった町、あきらめてはいけないと、何とか安全な、安心して楽しめる町にしようということで、一番象徴的な犯罪組織の拠点となっていると言われている歌舞伎町を楽しめるような町にしていこうというのが趣旨でございます。
 そういうことから、現在、地域の住民が立ち上がってまいりました。昨日も私は、二、三十分町を見ながら、本当に多くの人が楽しんでいるなと。同時に、地域の商店街の皆さん、住民の皆さん、それから警察、新宿区長、消防関係者、入管関係者と懇談し、一緒に食事をしながら、あの地域で食事をしながら懇談したわけであります。
 そういう中で、一番いいことだなと思ったのは、公的機関だけでなく商店街の方たち、住民の方たちが、これは自分たちの町なんだ、自分たちがこの町を安全にしたいという意欲を強く持って、そういう自分たちが立ち上がるから政府も協力してくれ、東京都も協力してくれ、警察も入管も協力してくださいと、まず自分たちの町は自分たちで安全にしたいという意欲を常に持っているということに対して大変心強く感じました。
 こういう観点から、私は、あの町は本当に多くの人が楽しんでいるなと、行き交う人々の姿を見ても、本当ににぎやかな町を楽しむ姿を見て、安心して遊ぶことのできる、楽しめることの町にしていくために努力をしていきたいということを強く感じた次第でございます。
#121
○辻泰弘君 防災担当大臣にお伺いしますけれども、小泉政権発足以来四年たつわけですが、その間の、今までも死傷事故多くあったと思いますが、今度のJR事故はその中でどういう、人数的にどうかということですね、そのことについてお示しください。
#122
○国務大臣(村田吉隆君) 防災担当大臣としてお答えいたしますが、十三年四月に小泉内閣が発足いたしましてから、本当にいろいろな災害が起きました。多くは自然災害でございますが、昨年度には新潟中越地震、あるいは台風もたくさん本土上陸いたしましたし、それから福岡県の西方沖地震も起きたわけでございます。
 そういう中であの福知山線の事故が起こりまして、誠に残念ながら、百七名という方が尊い命をなくされたわけでございまして、私どもとしては重大な災害と考えております。
#123
○辻泰弘君 それで、言い間違ってはいないんですが、要は、死傷者として残念ながら最大の死傷、災害、事故の中で一番多いんだなということです。それでいいんですね。
#124
○国務大臣(村田吉隆君) その中で百七人という死者が出た、重大災害では最大の死者を数えております。
#125
○辻泰弘君 私ども民主党の岡田代表は五月十五日に現地に入られて視察をし、また献花もしていただいたわけですが、私、総理に申し上げたいのは、新宿も悪くはないわけですけれども、やはりこの内閣発足以来最大の死傷者が出た事故について、今に至るも現地視察もなく、献花、慰霊のそのような局面もお聞きしておりませんけれども、その方の対応はいかがなんでしょう。
#126
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 悲惨な大事故、これの被災者の支援はもとより、事故の原因の究明、再発防止につきましては、政府としても全力で取り組まなきゃならないし、今後、各公共交通機関の対応につきましても、安全第一という観点から取り組まなきゃならないということを指導しているところでございますし、このような事故の教訓を今後にも生かしていかなきゃいけないと思っております。
#127
○辻泰弘君 そうすると、現地に視察をされたり献花をされるという御予定はないということですね。
#128
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 現時点で、そういう予定はございません。
#129
○辻泰弘君 私は、今お話しのように内閣発足以来一番大きな死傷事故だったわけで、これは、第一義的にはもちろんJR西日本の問題だと思いますが、しかしやはり、国土交通省あるいは政府の取組ということも背景としてあり得るといいますか、私はあると思っていますけれども、そういうことにもつながってくるわけですから、やはり私は、総理として現地視察をし、その上で改めてしっかりと指示をしていただくということと同時に、慰霊をし、献花をしていただくということが私はあってしかるべきだと思いますが、その点は申し上げておきたいと思います。
 それで、国土交通大臣にお伺いしますが、先般、総理にお会いになられて御報告をされたようですが、その折に中間報告を七月、八月ごろ出されるようなことをおっしゃったと聞いておりますけれども、そういう御予定でしょうか。
#130
○国務大臣(北側一雄君) 状況については、逐一総理の方には御報告をさせていただいております。事故当日も、その日の夜に現場に行きまして、帰ってまいりまして総理に御報告をさせていただきました。
 今委員のおっしゃったのは、事故調査委員会、今、航空・鉄道事故調査委員会が原因究明に向けまして調査に全力を挙げております。それにつきましては、これは科学的、客観的に解明をしていただく必要がございますので、時間が掛かります。しかしながら、中間報告といたしまして、できるだけ早い時期に事故調査委員会としての、その時点で判明した事実関係については報告をしていただきたいということをお願いしておりまして、七月か八月かに事故調査委員会から御報告があるということでございます。
#131
○辻泰弘君 そこで、いわゆる災害医療の側面からちょっと御質問しておきたいと思います。
 それで、実は、岡田代表が兵庫県、私の地元でございますけれども、来られた後、別で車で行っていますが、ちょうど前を救急車が走りまして、そこは、料金所へ入るときに、ETCレーンと普通のところがあるわけですけれども、そのときに救急車がどっち通るかと思ったら一般のところを通られて、そのときにヒントを得て、どうなっているのかなという、そこから出発した質問でございますけれども。
 今救急車のETC利用というのは可能になっているのかどうかということについては、消防庁ですので総務大臣からお願いします。
#132
○国務大臣(麻生太郎君) 今の御質問ですけれども、今でも救急車が緊急搬送中、緊急事態に備えて走行中につきましては、ETC等々の料金は無料ということになっております。したがいまして、今のそこの現場が分かりませんので何とも申し上げられませんが、大阪市消防局、千葉消防局等々は、救急車にETCを付けておるというところも確かにあるんですが、基本的には今、何というの、下の方の道路の方が信号なしで走れますから、信号なしで走れますからって、赤が青に変わりますから、そういった意味では、上に走って引っ掛かって交通渋滞で丸々動けないよりは、下でコース、いろいろ抜け道通った方がよっぽど早く着くという判断は、多分それに乗った運転手の判断によるんだと思いますが。
 いずれにいたしましても、千葉も大阪もやっておりますのは、これ、ETCを付けておいた方がETCのところでぽっと通ろうとしたときに、そこに人がいた場合はあれは自動的に上げてくれるんですが、そうじゃないときのことを考えてあの地域の実情に応じて導入したということなんだと思っておりますんで、今言われましたように、こういったところはその場の状況判断によるものだと思っております。
#133
○辻泰弘君 下の一般道路を通った方が早いとか、それはあり得ることですけれども、私が申し上げたのは、いろんなケースがあるわけで、そういった意味で、一般のところ、料金所が詰まっているときにETCが空いているということは私どももよくあるわけで、そういった意味で、そういうことも対応できるようにしておいたらどうかと、しておくべきじゃないかと、こういうことなんですね。それを個別の市町村にやらせていたんではそれはなかなか進まないことですから、中央である程度音頭を取ってやるべきじゃないかと。
 これは、緊急自動車という意味では、救急車のみならずパトカーや日赤の車もあるわけですけれども、そういったことについて、やはり国土交通省が中心になっていただいてそのことについて対応していただくというのはやっぱり災害医療の中の一つの側面だと思うんです。
 そのことについて大臣、いかがでしょうか。
#134
○国務大臣(北側一雄君) 緊急用車両につきましては優先通行にこれまでも十分配慮をしているところでございますが、この緊急自動車には公団の方から業務用通行証というのが発行されております。この業務用通行証というのはETCカード化されておりまして、あとは車両の方に車載器さえ設置をしていただければETCレーンを通行することが可能になるわけでございます。
 今委員のおっしゃったように、そういうETCレーンを通った方が早い、早く現地に行ける場合も当然あるわけでございまして、是非関係機関と連携を取ってそういう方向で検討させていただきたいと思います。
#135
○辻泰弘君 その点については、是非そういうことで進めていただくように御要請申し上げておきたいと思います。
 もう一つ災害医療のことで、今度は厚生労働大臣にお伺いしたいと思いますけれども、今回の事故のときにいわゆる医療情報システムを作動させて、その地域の病院にどうやって、どれだけ病人を受け入れられるかということで問い合わせして答えてくると、こういうシステムですね。それが作動したわけですけれども、残念ながら八割のことで、二割は反応がなかったということなんですね。まあ八割というのはかなり高いという見方もあるかもしれませんけれども。
 いずれにいたしましても、できるだけそれを周知徹底してやはりそれをうまく作動するように、これはよその地域はもっとできていないという話もお伺いするわけですけれども、例えばある病院では実は五、六人がいたけれどもアラームが鳴ったの気が付かなかったとかいう指摘もありまして、その意味において、やはり周知徹底とか訓練とか、あるいはアラームの音を、度をもう少し何とか大きくするといいますか、分かりやすくするといいますか、そういうこともあると思うんです。
 その点は大事なことだと思うんで、いかがでしょう。
#136
○国務大臣(尾辻秀久君) 今回の事故における救急医療情報システムについてでございますけれども、事故発生後、直ちにこのシステムの災害運用を開始いたしまして、各医療機関の受入れ状況を把握をいたしますとともに、その情報を基に関係省庁や地元自治体と密接に連携しまして、傷病者の医療機関への迅速な搬送について調整をいたしました。
 今回のこの対応は、私ども厚生労働省やそれから地元の兵庫県等の対応を含めまして、今お話しいただきましたけれども、全体としては専門家の皆さんからも一定の評価を得たところだと考えております。
 ただ、今お触れになりましたように教訓とすべき点もございまして、したがいまして今後も、関係者に対する当該システムの周知徹底でありますとか災害時を想定した訓練の実施など通じて、さらに災害時におけるこのシステムの迅速、円滑な運用を推進してまいりたいと考えております。
 私も、事故後に現地に参りました。こうしたことに手抜かりがないかということも気になりましたし、それからまた労災の認定とかその後の課題が私どもにはございますので、現地に参りました。直接にその教訓を伺ってまいりました。
 例えば、今もちょっと先生からもお話がありましたけれども、一部の病院において医療情報システムを通じた県からの受入れ可能人数の登録要請に対応できなかったという反省でありますとか、一部の病院において救急車以外の搬送手段によって受入れ能力を超える患者が搬送され、当該患者への対応で受入れ可能人数の更新がなされなかったこと。これは大変有り難いことでもあったんですが、地元の皆さんが自主的にどんどん自分の車で搬送していただいたりしました。この皆さんとの連携というのは実は非常に難しいところがありまして、今後、こういう場合に、この面などはまた研究しておく必要があるなという反省もございました。
 そうした幾つかの反省があることは事実でございますので、今後とも努力をしてまいりたいと存じます。
#137
○辻泰弘君 災害医療面での取組は是非そういうことでお願いしたいと思いますが、同時に、言及もされました、その現場で近くの近隣の工場の方々が手を止めたりされて手伝われたということがあったわけでございますが、その方々が、ストレートな傷は負っていらっしゃらないにしても、非常に心的ストレスを負われて仕事が手に付かないとか、そういうようなことがあってお医者さんにも、診ていらっしゃるということがあるようですが、そういった意味での労災認定ですね、それについては事務的な改善はしていただいているわけですけれども、その部分についても、ある意味で労災認定は、ある程度弾力的といいますか、業務性を判断して広く解釈するということもあってしかるべきだと思うんですけれども、その点についての御検討をお願いしておきたいと思いますが、いかがでしょう。
#138
○国務大臣(尾辻秀久君) できるだけのことをやらせていただくというのは、もう当然のことでございます。ただ、余りここでしゃくし定規みたいなお答え申し上げるつもりもありませんが、やはりこの場でお答えするということになりますと、労災保険制度の趣旨、目的に照らして、業務上の災害に該当するものであるか否かは判断をしなきゃならない、その一つのやはり枠組みはしっかりしておりますから、枠組みの中でできるだけのことをやらしていただきますということをお答え申し上げたいと存じます。
#139
○辻泰弘君 是非、その辺については弾力的な対応も御検討お願いしておきたいと思います。
 それで、お手元に資料をお配りしていることについてお伺いしたいと思います。
 先ほど中島委員からの御質問もあったわけでございますが、お配りしておりますのが、実は福知山線のいわゆる宝塚線と通称されている線の時刻表でございまして、その九時三分宝塚発、九時二十分尼崎着、これが現行まで続いているダイヤでございます。それで、上のものは二〇〇三年の十一月三十日までの時刻表、下が十二月一日から現在に至るまで使われている時刻表でございまして、この左の九時三分発九時二十分が事故に遭った列車の時刻表にも当たっているわけでございます。
 そこで、先ほど御質問もあり、社長からのお答えもあって、社長は秒単位では延伸しているんだとか、あるいは新しい車両を入れて性能を向上していると、こういうことをおっしゃったところでありまして、たまたま変化がないように見えるだけだと、こういうふうな御指摘だったわけですけれども、しかし果たしてそうなのかなと、こういうことを思うわけでございます。
 上の方は中山寺を通過して九時十分に着く、下の方は中山寺を停車して同じ九時十分に着くという時刻表になっているわけでございます。また、右の方の十時台のを見ていただきますと、中山寺停車しても宝塚と尼崎の時間は変わらないと、こういうふうになっているわけでございます。
 いずれにいたしましても、私ども、そういう意味で素人ではありますけれども、やっぱり素人目で見て、そもそもこんなことあり得るのかなと、こういうふうに思ってしまうわけですが、総理、まず、これごらんになってどう思われますか。
#140
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは停車していなかった中山寺に停車して、なおかつ次の駅に対する時間が変わらないということでありますので、その間、当然速度を速めたのではないかなと思っております。
#141
○辻泰弘君 専門的なことは私も分かりませんけれども、しかし常識的に見てちょっと無理があるのではないかと第一印象を持つんですが、総理はそう思われませんか。
#142
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは何キロ以上がスピード出したら無理があるかどうかというのは専門的には分かりませんが、その辺は、どの程度のスピードだったら安全かどうかという点につきましては、私は専門的な知識は持ち合わせておりません。
#143
○辻泰弘君 こういうダイヤにつきましては、国土交通省に届出をすることになっているわけでございます。これは国会答弁で大臣も局長もおっしゃっているわけですけれども、ダイヤについては当然チェックをして、制限速度内で運行して可能であるということを、そういうことを前提に認めているんだと、こういうふうなことをおっしゃっているわけでございますが、しかし現実に運転士の方の声を聞くと、ダイヤ改正の前ですら定刻を守るのが大変だったと、それなのにダイヤ改正してこういうふうになって、ダイヤどおりの運行なんてできるはずがないと、守られるはずがないんだということが声として出ているわけなんですね。そういうときに国土交通省が、そのとき届出を受けられたわけですけど、本当にそういうこともちゃんとチェックされた上で届出を受けておられたのかどうかということなんですね。
 国土交通省には、そういうことをチェックした上で、改善といいますか、受けないと、非常に無理な設定であるということであれば運行計画の変更を命ずるということもできると、当然そういうふうになっているわけですね。そのときしなかったわけですけれども、その部分、どういうふうな判断の下にされなかったのか。しっかりと、机の上だけで見たんじゃなくて、そこの現地の状況だとか運転士の声といいますか現場の声とか、そういうものをしっかりと踏まえられた結果だったんでしょうか。
#144
○国務大臣(北側一雄君) 大切なことは制限速度内で走っていただくことだと思います。守られ、遅れていようが遅れていまいが、制限速度内で運行していただくことが大前提の話でございます。
 今委員のおっしゃいましたように、運行計画は国に届けられます。国土交通省といたしましては、線路構造とかそれから、先ほど垣内社長の方も答弁しておりましたが、車両の走行性能とかにより定められた運転速度、それから信号保安設備の状況に応じた列車間隔等を確認しておるところでございまして、現行の福知山線の運行ダイヤについては制限速度内で運行して遵守できるものと判断しておるところでございます。
 しかしながら、問題は、運転士にとって運行ダイヤの余裕が十分あったのかどうか、そこは今後検証していく必要があるというふうに思っております。今現在、他の交通事業者等も含めまして、全国のすべての交通事業者に対しまして、この運行ダイヤの適正かどうか、総点検をするように指示をしているところでございます。
#145
○辻泰弘君 ダイヤ自体に問題なかったとおっしゃいますし、お立場上そうかもしれませんけれども、しかし現実に、多分ダイヤ改正をされて少し本数を減らすということになっていくと思うんですね。だから、そのこと自体やはり無理があったということを認めることになると私は思うんですよ。あるいは、その点は取り戻すことはできないことでありますけれども、今後にかかわることですから、やはりしっかりとそういった、過密ダイヤはよそにもあるとおっしゃっておられて、時間があれば、その場所はじゃどうなっているのと聞いてみたいところもあるわけですけれども、いずれにいたしましても、今後の検証を待ちつつも、やはり現行ダイヤの中でそういった無理がほかのところでないのかということをしっかりと調査し、対応していっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 それで、ATSのことですけれども、ATS―Pを六月中に入れるということになっていると。そのときにカーブ用の地上子も、カーブ用の地上子も入れてやるようになっていたんだということだったわけですね。そこで思うのは、カーブ用地上子をやって、そのときも止まるようにしようとしていたわけですから、やはりその危険度の認識があったと思うんですね。今までのATSでもそのカーブ用地上子をやれば止まるようになっていたわけですから、そういう意味では、そこの部分だけをやっていればできたわけですね。それをしてなかったわけですよ。
 で、福知山線自体はほかのところと比べて全体的に後れていたわけですよね、ATS―Pにするのがね。だから、そういう意味では、そのカーブ用地上子をやらないでおいたことがやっぱり残念だったと思うわけですが、やっぱりその点についても、私はこういうダイヤを組むときにやっぱり考えられてしかるべきだったと思うんです。
 大臣、どうですか、その点について。
#146
○国務大臣(北側一雄君) ATSの設置につきましては、これまでは赤信号で停止させる機能を有するものを義務化してまいりました。これは、昭和三十七年に三河島事故という大変大惨事がございまして、それは信号の見落としによる大事故でございました。そうした事故が多発をしたということを受けまして、信号がその時々で前の列車の有無等により赤なのか青なのか状況が変化をします。運転士がそれを見落とすということはこれは十分あり得る話でございまして、間違えて認識する場合もある。それをバックアップをするためにATSの義務化をしたところでございます。
 鉄道の場合は、運転士が制限速度内で運転することを前提としておりまして、こういうカーブにおきましても、通常の速度を今回のように大きく超過してカーブに進入することは想定をしておりませんでした。これがこれまで義務化をしておらなかった理由でございます。
 ATSにつきましては、今委員もおっしゃいましたが、カーブの手前にP型であれS型であれ、これカーブの手前に設置をしていただかないといけないわけでございます。今、全国の鉄道事業者に同様に、こういう急カーブの手前にP型であれS型であれ、そういうものがきちんと設置されているかどうか、今調査をしているところで、近々それが判明するところでございますが、いずれにしましても、この急曲線区間の手前におきまして速度超過を防止するためのATSシステムの改良を義務付けなければならないと考えております。
#147
○辻泰弘君 おっしゃったようなことで、カーブの部分の対応もお取組を是非お願い申し上げたいと思います。
 もう時間が最後限られておりますけれども、今のやつも、結局JR西日本は、やはりその六月まで待つその前に旧型ATSにカーブ用の地上子を設けるということは金が掛かると、コストが掛かると、こういうことがやっぱりしなかった理由だと思うわけですね。
 そこで、そもそも規制緩和というものがどうかということにも突き当たるわけなんです。そもそも平成九年の閣議決定のときに、規制緩和というものについて、低廉なものを目指すんだと。そこから出発して、国土交通省としても、例えば平成十三年の新幹線の車両の検査を期間を延ばすということがあったわけですが、そのときには、物流コストの低減等を目指す観点から、関係諸規制について緩和を進めることが閣議決定されたと、そこの上で安全性を考えると、こういうふうになっているわけなんです。それ、同じような趣旨で、規制緩和により鉄道事業者の検査費用の縮減、効率の向上ということをベースにして、その検査の周期を延ばすというようなこともやってこられたわけなんですね。
 これは一例ですけれども、いずれにいたしましても、その規制緩和という流れの中で、本来大事にされるべき安全とかいう社会的な規制がないがしろにされてきたんじゃないかと。例えば、閣議決定された規制改革推進三か年計画、例えば平成十四年でいえば、経済的規制は原則自由、社会的規制は最小限必要、最小限、必要最小限との原則と、こういうことになっているわけですね。で、社会的規制というのはやっぱり安全とか労働とか衛生とか環境とか、福祉、医療とか生命とか、こういうことにつながると思いますが、そういったものを単純にむやみに規制緩和することで、突き詰めたところ人間の幸せにつながるのかなというふうに思うわけでございまして、そういった意味で、規制緩和というものも、やはり人間存在の基本にかかわるような社会的な規制についてどんどんやっていくと、必要最小限にするという考え方自体が私はやはり問題となっている局面だと思うんです。
 総理にお伺いいたしますけれども、やはりその人間存在にかかわるような安全などの社会的規制は、やはり単なる規制緩和だけではないと思うんですが、いかがでしょう。その見解をお聞き、お示しください。
#148
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 本来、規制というのは最小限にとどめておいた方がいいと思います。安全のための規制は必要であります。しかし、自由な活動を個人においても企業においても促すという面においては、規制というものは最小限にとどめておいた方がいいと思っております。
 しかし、安全は第一であります。
#149
○辻泰弘君 時間が参りましたので、以上で終わります。
#150
○委員長(中曽根弘文君) 以上で若林秀樹君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#151
○委員長(中曽根弘文君) 次に、福本潤一君の質疑を行います。福本潤一君。
#152
○福本潤一君 公明党の福本潤一でございます。私の方からは、最初、JR福知山線脱線事故について質問したいと思います。
 今回の列車事故、百七名の尊い人命、失われております。また、五百四十名に及ぶ負傷された方々がおられます。また、列車が激突したマンションの住人のほとんどの方、JR西日本が用意した仮住まいで不便な生活をしておられるということでございます。
 この事故に対しまして、国土交通省にも最初に、今後、補償問題上がってくると思います。ですので、JR西日本と当事者間で、交渉事ではありますけれども、鉄道事業者を監視する立場にある国土交通省におかれまして、JR西日本に対して十分な対応、また内閣も挙げて取り組んでいただければと思います。
 今回の悲惨な事故に対しまして、原因究明と再発防止、これが大事だというお話ありました。私の方もずっとこれショックを受けながら、連休中も映像を見たり様々し、また質疑もずっとお伺いしている中で、今後、再発防止のためにはやはり機械、機器の整備、また運転士自身の教育の在り方も大きな問題があるなということで、この二点について質問したいと思います。
   〔委員長退席、理事若林正俊君着席〕
 今、辻委員の方からもありましたけれども、カーブのスピード超過と。この超過が起こった原因、背景あるとは思いますけれども、機械的にこれ対応する必要があるなというふうに思います。ですから、ATS、更にはATS―Pという新しい新型のATSを付けるということをやっていかないといけないと思いますし、ここの点がなかなかちょっと分かりにくいけれども、新聞にはよく書いてあるということがあります。
 旧型のATSだと駄目だったとか、そういうことではないようでございますし、新型のATS―Pを付けたからといって、あのカーブでの超過が起こったかというと、やはり起こっていたんだろうというふうに思いますので、今後この整備の問題、どういう形で対応していっていただけるか、これを最初にお伺いしたいと思います。
#153
○国務大臣(北側一雄君) 先ほども答弁させていただきましたが、これまでのATSの義務化というのは、赤信号で停止させるATS、これについては義務化をし、そしてすべての鉄道に普及をしているところでございます。問題は、今回のような大惨事で起こりましたあの急カーブのところでの速度をいかに抑制するかという問題でございます。
 これまでは、今回の事故は、あそこ、あの事故現場は制限速度が七十キロ以下のところでございまして、そこを大きく超過した速度で走行していたと、そういったことをこれまでは想定をしておらなかったというのが正直なところでございます。しかしながら、このような大惨事が起こったわけでございまして、カーブの手前にATSを装備をしていただくことを義務付けをしなきゃならないというふうに考えておるところでございます。
 今委員のおっしゃったように、従来型のATSがすべて駄目だということではございません。カーブの手前に、従来型のATSのS型というんですが、これを設置をしましたら、制限速度を超えている場合は列車は止まります。止まるまで、止まるようになっているんですね。止まってしまうと。よく言う新型と言われているものはATSのP型ですが、これは止まるのではなくて、制限速度内に収まるように制御をしていくというのがATSのP型でございまして、いずれにしましても、S型であれP型であれ、カーブの手前にそのセンサーを設置をしていないと制限、速度を制限することはできないわけでございまして、大事なことはカーブの手前に設置すること。
 今全国の鉄道事業者から、こうした急カーブのところでこうしたATSが装備されているかどうか、今全国の鉄道事業者に調査をしておるところでございまして、近々これが判明いたしますが、その上で対象区間をきちっと明確にさしていただきまして、この区間については、このような区間についてはATSのカーブの手前での義務化を、装備の義務化をさしていただきたいというふうに思っております。
#154
○福本潤一君 やはりATS、要するにストップさすためのものではなくて、むしろ新幹線に使われているようなやつ、ATCという、コントロール、スピードをコントロール、超過したらコントロールするような形のシステムを今回導入していただければというふうに思いますし、今の答弁、速度超過防止用のATS、センサーを付けるということでございますので、是非ともこの点、コントロール、速度制限をできる装置を付けていただければと思います。
 さらに、人間の方でございますが、運転手の教育問題、これやはり考えておく必要があるんだろうと思います。
 JR西日本の社長、こう言っております。若手の教育体制を見直すことも必要というふうに発言しておりますし、ドイツの鉄道で百人亡くなった一九九八年のエシュデ、ここでインターシティーエクスプレス脱線事故が起きまして、運転手の教育を抜本的に見直したと、訓練所を設置して模型で異変を想定したシミュレーションを実施したというふうにも聞いておりますし、国としても運転手のレベル維持、そのためにどういう対策を講じるか、また格付制度も必要ではないかということで、人の、運転手の訓練についての見直しをお伺いしたいと思います。
#155
○国務大臣(北側一雄君) 詳細は省かしていただきますが、現在、国土交通省といたしましては、今回の事故を踏まえまして、運転士の方の適性、また教育訓練方法、健康管理などにつきまして、国等の第三者の関与の必要性も含めまして、外部の専門家の方々の御意見もいただきながら検討を進めているところでございまして、できるだけ早期に取りまとめをさしていただきたいと考えております。そして、実施をさしていただきたいと思っております。
#156
○福本潤一君 少ない時間でございますので、私、外交の方も質問さしていただこうと思います。
 今回、小泉総理、ほぼ地球を二周するほどハードな日程で外遊、歴訪されてまいられました。
 今回、多くの国に行かれたわけですが、この行かれた国を、この郵政民営化等内政も大変な中、選ばれた理由、これも聞かしていただいて、なおかつ、今後小泉総理、北朝鮮問題打開のために対応、重要課題として持っておられますし、国連安保理常任理事国入り、また日ロ関係の進展、様々な外交案件を持っておられますので、総理の外交の取組姿勢もお伺いさしていただければと思います。
#157
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 四月から五月にかけて三週間連続して行ったり来たりしてきたわけでありますが、まずインドネシアにおけるアジア・アフリカ首脳会議、これはいわゆるバンドン会議五十周年記念式典を兼ねた首脳会議でございましたし、日本は今までの戦後六十年の戦争の反省を踏まえた実績と今後の方針というものを述べるのにいい機会だなと思って出席いたしました。アジアの一員として今後日本はアジアの各国と協力しながらアフリカ問題にも真剣に取り組むと。そして日本独自の努力はもちろんでありますが、戦後多くの国々から日本も支援と援助を受けてきて今日まで発展してきたと。このような発展を見たけれども、経済大国となりましたけれども軍事大国にはならないんだというかねがねの方針を表明し、そして日本の持てる力、国際社会の一員としての責任を果たすと。で、同時に、アジアの国々から日本の支援に対して高い評価をいただいておりますが、このアジアの支援の、有効に機能してきた、これをアフリカにも、今度は日本一国のみならずアジア諸国と協力して、アフリカの発展のためにも協力していく必要があるということを述べるいい機会だと思ってインドネシアを訪問いたしました。
 その間、スマトラ地震、津波の被害、現地を視察して、これもまた日本のみならず国際社会が一致協力して、この被災者の支援あるいは今後の復興支援にしていかなきゃならないという状況を目の当たりに見てきたわけであります。
 同時に、その後、インド、パキスタン、ルクセンブルク、オランダと四か国を訪問したわけですが、これは日本とEUの定期協議が毎年行われておりまして、今回ルクセンブルクがEUの議長国であります。そこで、日本とEU首脳定期協議がありましたので、ルクセンブルグという小さな国でありますが、人口四十万人程度の国で面積は神奈川県程度というんでありますが、EUの議長国であります。日本の総理大臣として初めてルクセンブルグを訪問したわけでありますが、小さな国でありますが国民一人当たりの所得は世界一であります。豊かな国であります。そのルクセンブルクで日本とEU定期首脳会議が行われまして、欧州の委員長のバローゾ委員長とルクセンブルクのユンカー首相との定期協議に臨んだわけであります。
 オランダというのは隣国でありますから、このオランダ政府はイラクに部隊を派遣して日本の自衛隊の人道復興支援活動に協力してくれたと、その協力してくれたことに対する謝意を伝えたいと、自ら私は謝意を伝えたいと思いましてオランダに立ち寄り、女王陛下そして首相との会談に臨んだわけであります。
 インド、パキスタンは、これは前から私は熱心な招請を受けておりました。是非ともインドを訪問してくれ、パキスタンを訪問してくれと、極めて親日的な国であります。そういう関係もありまして、特にインドとパキスタンは紛争が絶え間ない隣国であります。また、パキスタンはインドの常任理事国入りに反対しておりますが、日本にとっては、インドと協力しながらこの国連改革に臨もうと、常任理事国入り双方支援しようという国であります。インドとパキスタンの関係というのは余り良くありませんが、日本にとっては両国とも良好な関係を築いておりますので、インドとパキスタン、この際、長年訪問の招請を受けておりますので、この友好関係を大事にしたいと。ASEANと日中韓の協議は毎年行われておりますが、インド、パキスタンというのはASEANには入っておりませんし、そういう関係もあって、この際インド、パキスタン、その訪問、招請にこたえて訪問していくのがいいのではないかということで訪問したわけであります。
 また、その後、ロシアのモスクワで行われました戦後六十年、これは、ロシアは戦勝国、第二次世界大戦の戦勝国でありますが、戦勝国の式典ではないと。国連の決議によって、この戦後六十年、戦勝国も敗戦国も、追悼と和解の式典にしようということで世界多くの国々の首脳が参加すると。
 日本はロシアとの間に領土問題を抱えて、この平和条約がまだ締結されてない、難しい問題残っておりますが、これは、ロシアと戦って過去一時期良好な関係を維持していないと、現在もいろいろな問題が残っているということで出席すべきでないという意見も承知しておりましたけれども、これは別に戦勝の記念式典ではないし、多くの国が二度と戦争を起こしてはいけないと、戦争、紛争によって平和というのは築けない、経済の発展も築けないと、やはり和解が大事だという式典であるということで、私は、今後のロシアとの関係も考え、平和条約の問題も考えますと、日本国の首脳として追悼と和解の式典に参加した方が、今後の国際関係の中での協調体制と日ロ関係の友好関係を考えると、欠席するよりも出席すべきではないかなと思って出席したわけでございます。
#158
○福本潤一君 多くの課題をこの外遊の中で一つでも二つでも前進さしていただければと思います。
 と同時に、今回歴訪の中には入っておりませんでした北朝鮮の問題、これはやはり身近な問題でございますし、大変な問題残っておりますので、今日は改めて聞かしていただこうと思います。
   〔理事若林正俊君退席、委員長着席〕
 北朝鮮、核開発、また核実験、こういう話が出ております。これ、六か国協議へ復帰、今後拒み続けてきた場合、今後、選択肢として北朝鮮を除く五か国による協議とか国連安保理における核問題の協議等々、選択肢が出てきておる、状況が来ると思います。北朝鮮、ライス米国務長官に訪問要請とか、米朝二国間で核開発、ミサイル問題の一括解決をねらっているとも報じられております。ですので、この北朝鮮の核問題、これに対して関係諸国との関係強化していくわけでございましょうけれど、総理としてどう対応していかれるか。
 さらには、外務大臣、この北朝鮮の情報収集・分析、また拉致の問題もございましたり、いろいろな情報分析能力が最近弱過ぎるということで辞められた外務官僚もおられるようでございますが、こういう情報分析の、また情報の集め方、これどういうふうにやっておられるかということを、手の内見透かされない程度にちょっと教えていただければと思いますが、よろしく。
#159
○国務大臣(町村信孝君) 北朝鮮に関するいろいろな情報、確かにこれだけ情報管理の行き届いた国、今や世界見渡してもこれだけの国はないんだろうなと思うわけであります。
 さはさりながら、いろいろな形で、例えば隣国の中国を通じて、あるいはその他いろいろな機関を通じていろいろな情報が入ってまいります。私どもも、もとより、限られた能力ではございますが、最大限の情報収集・分析をやっております。そして、関係諸国との、アメリカ等を始めとする国々との連絡等もやりながら、関係者が同じ認識を持てるようにしながら、特にこの六者協議の再開ということに向けて努力をしております。六者協議が別に目的ではございませんで、六者協議を通じて核のない朝鮮半島というものを実現をするということが関係国すべての一致した意見であると、こういうことでございます。
 米朝の話が盛んに言われておりますが、九四年ごろの米朝直接交渉の言わば失敗の経験を踏まえてこの六者協議というメカニズムができ上がっております。したがいまして、必要な確認なりなんなりというのは、それは米朝でやることがあります。つい先日もニューヨークで行われたということでございますけれども、そこは交渉の場ではないということはアメリカ側もはっきり言っているわけでございまして、やはり交渉の場は六者という場を通じてやるということが基本であろうかと、こう思っております。
 また、特に北朝鮮については、今核の問題、特に核実験が行われるのではないかという話も盛んに言われているところでございます。もうこれについては、今差し迫った核実験実施の兆候があると私どもは判断をしておりませんけれども、しかし何が起きるか分からないということもございますので、これについて政府を挙げて、これはもとより外務省だけの問題ではございません、いろいろな方面で関係があるわけでございますので、政府を挙げてしっかりとした、万が一、核実験が行われた場合に対応できるような体制というものはしっかり取りながら、そして、仮にもしそういうことが行われた場合に、これはもう日本を始めとして諸外国一致して相当強い反応になることはもう目に見えているわけでございます。そのことが分かった上で、なおかつ北朝鮮がそういう冒険的なことをやるかどうか、私は分かりませんけれども、そうした強い反応を示さざるを得ないということは日本としても当然の対応であろうと、こう考えております。そうしたことを含めて、しっかりと北朝鮮対応というものをやっていかなきゃなりません。
 また、拉致の問題も、当然、これは二国間であるわけでございまして、この点もしっかりと踏まえながら、情報収集・分析、対応というものに誤りなきを期してまいらなければいけないと考えております。
#160
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 情報収集は大事でありまして、これは日本独自の情報収集と、アメリカ始め各国との協力によって得る情報収集、両面ありますが、この情報収集の上にどのような対応が必要かということは御指摘のとおりでございます。
 ただいま外務大臣が答弁されましたように、日本としては、この六者協議の場を有効に北朝鮮は活用すべきだと。北朝鮮はアメリカとの二国間協議が大事なんだと、核の問題については米朝でいいんだという態度でありますが、この核の問題はアメリカだけが脅威に感じているわけではございません。日本は一番近いわけでありますし、その点においては、むしろ脅威を感ずるのはアメリカよりも日本国民の方が大きいと言っても過言ではないということから、我々としてはこの核計画を是非とも北朝鮮側に廃棄させなければいけないと。
 そういうことから、度々北朝鮮に対しては、核を持つことによって自国の安全を図る、あるいは経済の発展を図るということにはならないと、むしろ核を廃棄することによって、北朝鮮が国際社会の責任ある一員になることによって安全が確保されるんではないかと。また、経済発展を考えれば、核を廃棄して国際社会の責任ある一員になるということをはっきりと打ち出せば、むしろ各国から、日本のみならず各国から経済協力が得られるんじゃないかということを何度も私は北朝鮮側に働き掛け、金正日氏に会ったときもそのような話をしているわけでありますので、今後も六者協議の場に北朝鮮が出てきて、そういう六者協議の場で平和的な外交的な解決を見いだすように、今後とも全力を尽くしていきたいと思っております。
#161
○福本潤一君 拉致問題も含めてこの核問題、適切な対応を進めていただければと思います。
 と同時に、先ほど質問ございましたけれど、小泉総理の靖国神社の参拝問題もお伺いさせていただこうと思います。
 これ違憲状態、違憲の疑いもありというようなことも一方では出てきてはおりますし、と同時にA級戦犯の問題も具体的にあるということで、私の感覚でいきますと、中国側から見ると、例えばA級戦犯ということになりますと、どういう感覚を持つかという側面も考えていただければと思いますし、昨日、記者会見された神崎代表、こういうふうに言っておられます。首相の信念を貫きつつ一番現実的で実現性が高いのは追悼施設を作ることだと。八月六日、広島でやりますけれども、そういう追悼施設に対してどういうふうに考えておられるかということをお伺いしたいと思います。
#162
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 靖国神社には、これはA級戦犯のみならず、多くの戦没者の方が祭られているわけであります。
 そして、私は、戦没者に対する参拝というのは、靖国神社だけではありません。無名戦士の墓地におきましても参拝しておりますし、広島にも長崎にも出席し参拝しておりますし、沖縄の戦没者の慰霊祭にも参拝しておりますし、特定個人のために参拝しているわけではありません。やっぱり、二度と戦争を起こしてはいけないし、戦没者に対する追悼の念を持つということは、これは人間としても必要なことではないかと思っております。そういう観点から参拝しているのであって、これが軍国主義の美化をしているという批判は当たらないと思っております。
#163
○福本潤一君 終わります。
#164
○委員長(中曽根弘文君) 以上で福本潤一君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#165
○委員長(中曽根弘文君) 次に、緒方靖夫君の質疑を行います。緒方靖夫君。
#166
○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。
 今年は戦後六十周年、そして広島、長崎への原爆投下が六十周年という年であります。総理に核兵器廃絶の問題についてお伺いいたしたいと思います。
 二〇〇〇年五月に開催されましたNPT、核兵器不拡散条約再検討会議の最終文書では、アメリカも日本も賛成いたしまして、全会一致で、核保有国は自国の核兵器の完全な廃絶を達成することを明確に約束すること、これが明記されました。当時の政府の声明でも、核軍縮を前進していく上で大変有意義なもので、評価し歓迎するとあります。
 総理に伺いますが、日本政府のその評価は今も変わらないでしょうか。
#167
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本は唯一の被爆国として、核兵器の廃絶に向けた問題については今までも積極的に取り組んでまいりました。また、国連総会にもこの問題を提起しまして、核廃絶に向けた決議というものを各国の賛同を得て採択される必要があるということを提唱し、御指摘のように、全面的な核廃絶に向けた核兵器国による明確な約束を始めとした将来に向けた核軍縮措置も含んだ文書についても、これは全会一致で採択されたわけでありますので、日本政府としては、今までもそうでありますが、今後もそのような努力を続けていきたいと思っております。
#168
○緒方靖夫君 その点、非常にはっきりしていると思うんですね。
 私、ここにある、外務省監修の「日本の軍縮・不拡散外交」、この本を読みました。そこにもやはり、二〇〇〇年の合意により究極的核廃絶決議はその役割を終えた、二〇〇〇年以降、政府は全面的核廃絶の具体的な道筋の決議案を提出するようになっている、そういうふうに説明してあります。明確です。こうして、日本政府としても、やはりこの合意がかぎとなっている、そういう評価であると今総理は述べられたと思うんですね。
 この五年間の間に、国連の場ではこの方向に沿って様々な決議が採択されてきました。そして、今ニューヨークで、ちょうどこの二日から開催されている、五年に一度の再検討会議が開催中ということになっています。この会議の特徴は、この約束の実行を前進させることが大多数の国の意思だということ、このことが表明されております。IAEAのエルバラダイ事務局長は、核保有国が五年前の約束を具体的な行動で示すべきだと強調しました。また、核兵器廃絶を求める新アジェンダ連合は、それを代表してニュージーランドは、核兵器廃絶の明確な約束促進するために核軍縮小委員会の設置を呼び掛けております。非同盟グループは期限を切った核兵器廃絶を提起しております。その他その他、たくさんの提起、提案が行われております。
 その点で、日本政府としてこの会議でどういう立場を取られているのか。私、ずっといろいろ拝見しているんですけれども、どうもこの核兵器廃絶というこの点に関しての主張、それが見えてこない。こういう主張をされているんでしょうか。
#169
○国務大臣(町村信孝君) 日本は、そうした被爆の経験に加えまして、当面、地理的にも極めて近い北朝鮮の核の問題というものに直面をしているわけでございます。
 したがいまして、この核兵器不拡散条約、NPT体制、これを基礎といたします国際的な核軍縮、不拡散体制の維持強化、これは日本の安全保障環境を改善する上でも極めて重要なテーマであると、かように認識をしております。
 こういう認識に立って、私、去る五月、このNPT運用検討会議の初日にニューヨークに参りまして日本政府の考え方を述べたところでございますが、具体的には、この運用会議がNPT体制を更に強化する必要があるということをメッセージを出しました。より具体的には、二十一世紀のための二十一の措置が必要であると、こういう具体的な提案をいたしまして、すべての核兵器国によるすべての種類の核兵器の一層の大幅な削減など、具体的な核軍縮措置というものもこの二十一の措置の中に含まれているところでございます。
#170
○緒方靖夫君 私が質問をしたのは、この具体的な合意をどう前進させるかということについての言及が見られないと。私、大臣の演説を読ましていただきました。確かに、その十三の実際的な措置、合意されたことを想起すべきだと述べられている。しかし、その大事な一つである、そして会議参加国がみんなそこに集中して議論しているこの問題についての言及は特別ないんですよね。私、そのことが非常に残念だと思うんですね。
 今おっしゃられたように、核不拡散、北朝鮮への核拡散等々の問題、この危険、これはだれもが認めている。そして、それに対してどう対処するのか、このことはもう自明のことなんですよね。そのことはもう当然のことです。しかし同時に、アナン国連事務総長は核のない安全な世界への唯一の道は核兵器廃絶だと述べて、また多くの国々はそれに賛同しているんですよね。
 ですから、私は、町村大臣がいろいろ述べられているその提案、二十一の提案も承知しておりますけれども、しかし非常に残念だと思うことは、そのことについて具体的に五年前の合意をどう前進させるかということについて、ない、そこについての言及がない、このことなんです。それ間違いありませんよね。
#171
○国務大臣(町村信孝君) それは御質問ですか。
#172
○緒方靖夫君 五年前の合意についてどう前進させるかという提案をされているのかどうか、端的に伺っております。
#173
○国務大臣(町村信孝君) 我が国は、それこそこの二〇〇〇年の合意の前から毎年国連総会にこの核軍縮決議案というものを提出している。ごく最近でも、昨年の十二月三日の総会の本会議で日本等が提案したこの核兵器の全面廃絶への道程というものを提出して、これは採択をされているということもございます。
 また、現実に、アメリカやロシアの核軍縮が全然進んでいないのかといえば、これは米ロ両国が二〇〇二年五月に戦略核兵器削減条約、モスクワ条約というものに署名をしておりまして、着実にこの核弾頭の数は削減をされていると。一九九〇年時点ではアメリカが二万一千発、ロシアが三万三千発を持っていた。これが二〇〇四年の一月の時点でアメリカは七千発、ロシアは七千八百発、こういうような形で現実的に着実に進んできているという事実はやはり大切なことだと私は思っております。
#174
○緒方靖夫君 私の質問は、要するに、その会議で日本政府がその問題を促進する、そういう具体的な行動を取られているのかということなんですけれども、それについてはお答えがなかった。そして、また同時に、大臣のその演説の中にもそれがなかった、私はそのように存じております。また、そういうことが今示されたと思うんですね。
 それで、ニューヨークの会議では、日本といえば、広島、長崎市長の核兵器廃絶を具体的に求める演説、これは大変話題になった。ニューヨーク・タイムズでも書かれる、大きく報道された。あるいはNGOや被爆者の証言が大きく報道されて、やはり政府の姿がなかなか見えない。これがそう対照した、アメリカの報道機関の一部に報じられたそういう現状だと思うんですね。
 私は、総理、総理が述べられたそういう評価、それは私、非常に大事だと思うんですよ。それを具体的に示していく、そしてこの二十一日までが会期なんですけれども、その会期の中で、やはり被爆国、世界で唯一の被爆国日本ここにありという、そういう対応を鮮やかに示していく、このことが求められていると思いますけれども、その点で被爆国としての最大限の努力をしてほしい、そう願うわけですけれども、その点についての総理の御決意を伺っておきたいと思います。
#175
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この核兵器に向けた日本の取組、廃絶に向けた取組というのは長年続けてきておりまして、実際、核廃絶が近い将来実行されるかというと、これは難しい問題ということは承知しております。
 しかしながら、今外務大臣が申されましたように、国際会議の場においても日本が積極的に取り組んでいるということは世界各国承知しておりますし、今年も既にNPTの運用検討会議に出席した町村外務大臣はこの核の問題について力強く明確なメッセージを発出しておりますし、日本の立場というものはよく分かっております。難しい状況であることは承知しておりますが、すぐ効果が現れないから何もやってないということではなく、これはやはりあきらめることなく、それぞれの会議の場で日本の立場を明確に表明し、各国の賛同を得るような努力が必要だと思っております。
 効果はどうかと言われれば、それは思うように上がってないということは認めざるを得ません。しかし、それであきらめてはいけないと思うのであります。
#176
○緒方靖夫君 効果があるないかというよりも、私は、日本の立場としてそういう積極的な提起、これが大事だと思うんですね。
 実際、ドイツのフィッシャー外相、これは核軍縮を成功させる基礎であり、その達成を図る基準、これが正にこの合意なんだと、そう述べている。あるいはまた、核兵器国、または核軍縮の明確な約束を再確認する必要がある、そういうことを改めて述べているわけですよ。これは、ドイツやトルコやルクセンブルクや、あるいはまたベルギーなど、NATO加盟国がそう述べているわけですよ。私は、やはり今そういう時期になっていると思います。
 ですから、その点で、やはり日本政府として、やはり会期末、大変困難な会議であることは間違いないと私も思います。しかし、その中でやはり被爆国日本としてのそういう立場を貫いていただきたい、このことを改めて要望しておきたいと思います。
 そこで、なぜこういう困難が起きているかという問題です。
 明確な約束を履行を求める、そういう立場から看過できないと思うことは、やはりアメリカの動向なんですね。五年前にこの最終文書に賛成したアメリカは、現時点でのこの約束の重要性を低めたり過去の遺物のように扱う、そういう方向に出てきている、そのように評価されているんですね。
 アメリカ代表のラドメーカー国務次官補はその訳を次のように述べているんです。核不拡散体制の将来について実際に危惧する我々にとって、焦点を当てる必要があるのは、今日の現実の問題であって、五年前に確認された問題についての歴史的議論ではない。つまり、過去に決めたこと、五年前のことは、これは重視しなくてよいと言わんばかりの、そういう発言をしているわけです。
 日本政府の五年前の評価に照らして、さっき総理が述べたその評価に照らして、このアメリカの評価という、つまり核兵器廃絶の五年前の合意、これにやはり背を向ける、あるいは否定的に扱う、そういう対応というのはやはり問題だ、そう思われませんか、総理。総理に。
#177
○国務大臣(町村信孝君) 先ほど申し上げましたように、それはアメリカは当然、世界の平和と安定に責任を持つ国という立場で、現実に核兵器の持っているその紛争抑止力効果というものは、それは多分だれよりも一番認識している国なんだろうと思います。
 しかし、だからといって、核軍縮を否定している、あるいはその流れに逆行するようなことをやっているかといえば、それはそうではないということを先ほど具体の数字をもってお示しをしたとおりでございまして、アメリカは、今開かれておりますこのNPT運用検討会議におきましても、核軍縮交渉を誠実に行う義務、これはNPT第六条への約束を明言した上でモスクワ条約の核軍縮措置をとっているということで、私は、アメリカの立場としてこの核軍縮に取り組んでいるという姿勢は率直に言ってあるんだと、こう理解をいたしております。
#178
○緒方靖夫君 しかし、実際、会議の中ではアメリカの態度が非常に大きな問題になっている。例えば非同盟グループは、アメリカのこうした、つまり五年前の合意に背を向ける、そういう態度がやはり最大の今の障害になっているということを公然と批判しているんですよね。
 私は、やはりそういうことをきちっと見てもらう、そのことが何よりも大事だと思いますし、決してこの問題を過去の問題にしてはならないし、やはりこれから核兵器廃絶に向けての重要なステップにしていく、このことが大事だということを強調しておきたいと思います。
 総理に私は核問題の基本点についてお伺いしたいと思うんですけれども、いかなる核兵器国によっても、NPT加盟の非核保有国への核兵器使用、これは決してあってはならないと思いますけれども、その点について総理のお考えを伺います。
#179
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、核兵器の使用はあってはならないという認識は同じだと思います。
 どの国も、核兵器を持っている国は、他国が核兵器を廃絶しないのに自分だけ独りで廃絶するのはどうかということは、それは私がインドを訪れた際にもパキスタンを訪れた際にも首脳は言われます。自分たちの安全のために保有しているのだと。それは中国にしてもロシアにしてもアメリカにしても、先制使用なんということは言っていない。
 そういう観点から、私は、この核兵器というのは大変難しい問題であり、各国それぞれの事情があるんだなということを各国首脳と会談するたびに感ずるわけでありますが、しかし核廃絶に向けた取組、核軍縮に向けた取組というのは今後続けていかなきゃならないし、核の先制使用があってはならないと思っていることは同感であります。
#180
○緒方靖夫君 その点はアメリカもずっと強調してまいりました。しかし、この基本を変える動きがあるんですね。
 二〇〇〇年二月にボルトン国務次官は、このアプローチについて、最も実り多いものとは思わない、現実世界における我々の安全保障のニーズを分析する際に役に立つとは思えない、そういう形で、このことはアメリカでも大問題になりました。そして実際に、非核保有国に対しても核兵器を使える、そういうふうにしようという、そういう政策に転換している、これが見受けられるんですね。
 私、今日ここに資料を持ってまいりましたけれども、これはアメリカ統合参謀本部の核兵器に関する運用指針、統合核作戦ドクトリンの改定作業のものです、八月に向けて完成するという、三月十五日版です。この中で見て驚いたのは、各地域戦闘司令官は様々な状況下で大統領に核兵器使用の承認を申請してよいというそのケースの一つに、通常兵力の軍隊に対抗するためのケース、これを挙げているわけです。
 こういう政策、これは大変問題と思うんですけれども、今総理が述べられたそういう立場から、この点についてどのようにお考えになりますか。許されないんじゃありませんか、こういうことは。
#181
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは核の廃絶が望ましいし、これからもそのような取組をしていかなきゃいけないとは思いますが、同時にいかなる軍備も抑止力として機能をしている面が強いわけであります。しかも、核兵器を持っている国は一国だけではないと。そういう際に、役に立たないのが一番いいんですよ。それは核兵器だけじゃありません。軍備も本来役に立たないのが私は一番いいと思っているんです。
 しかし、各国、軍備は持たなきゃいけない、軍事力は持たなきゃ自国の安全は保障できないということで、核兵器のみならず、世界が軍事力を持たないような世界になるということが望ましいと思いますが、もし一国が軍事力を持った場合には、持っていない国はどうなるのかということから考えると、これまた非常に難しい問題であります。
 しかしながら、そういう大量破壊兵器であります核兵器というものが今仮に、将来難しいとしても、これは使用しないということについて各国が十分な自制力を働かし、お互い核兵器の削減に向けた、核廃絶に向けた努力をしていかなきゃならないと。それは、もう各国、私はそのような取組を是非ともするように日本もこれから働き掛けていきたいと思っております。
#182
○緒方靖夫君 総理が今述べられた核抑止力、これが今の会議の中で、五年前の合意を進めない、あるいは妨害している一番大きな要因だということで批判されているんです。アナン事務総長もエルバラダイ事務局長もそう言っております。
 私は、そういうことから考えたときに、更に重大なことは、核兵器を非核兵器保有国にも使用するというだけじゃない、さらには、米国と多国籍軍の作戦を確実に成功させようとする……
#183
○委員長(中曽根弘文君) 緒方君、時間が参りましたので、おまとめ願います。
#184
○緒方靖夫君 そういう場合にも使おうとしている。さらには、何と米国に有利な条件で迅速に戦争を終結させようとする場合、こういう想定もされているわけですよ。
 ですから、私は、こういう中で、被爆国日本として今総理のような対応を取られるならば、これは非常に大きな問題になる。アメリカの核の傘への依存と、今総理はそう言われたでしょう。核兵器の抑止力の問題、それと核兵器廃絶、これは絶対に両立しない、このことを私は強調いたしまして、時間となりましたので質問を終わります。
#185
○委員長(中曽根弘文君) 以上で緒方靖夫君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#186
○委員長(中曽根弘文君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。
#187
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 JRの事故についてまずお聞きをいたします。
 JR西日本だけではなくて、JR各社に対する過密ダイヤや労務管理についての総点検が必要だと考えますが、いかがですか。
#188
○国務大臣(北側一雄君) JRの列車ダイヤにつきましては、今JR並びに、それから大手民鉄、それから公営地下鉄事業者に対しまして、列車ダイヤ等が適正かどうか、その総点検の実施を指示しているところでございまして、近々報告が上がってまいる予定でございます。
 労務管理の点につきましては、安全管理のための例えば再教育の問題だとか、そういうことにつきましてはもちろん私どももしっかりと検討していくべき必要があると考えておりますし、JR西日本の方もそのように考えておりますが、労務管理そのものにつきましては、これは基本的には鉄道事業者が適切な事業運営を図る上で必要となる健全かつ安定した労働関係をいかに構築するかという、鉄道事業者の会社経営上の判断事項であると認識をしておりまして、各事業者の対応を注視しているところでございます。
#189
○福島みずほ君 スピードの出し過ぎだけではなくて、過密ダイヤや労務管理が問題があると思いますので、JR各社その他に関する総点検チェックを早急にお願いをいたします。
 次に、基地再編の問題についてお聞きをいたします。
 東門美津子議員と一緒にアメリカへ、基地再編の問題について担当者と話合いをしに行ってまいりました。ここ二か月が山場だというふうに聞いております。
 今回の米軍再編で、沖縄の皆さんが納得するような負担軽減を実現されるおつもりなのか、普天間基地の返還を必ず成し遂げられるのか、総理の決意をお聞かせください。
#190
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この沖縄基地の負担軽減と、そして日本の安全保障の観点からの抑止力の維持という、こういう観点から現在日米間で協議を行っております。
 そして、この沖縄の負担軽減について、SACOの報告書にもあるように、どのように実現していくか、これはもう政府としても真剣に取り組んでおりますし、これからもこの沖縄基地の負担軽減、どのように実施していくべきか、もう真剣に現在検討しているところでありまして、是非とも実現したいと思っております。
#191
○福島みずほ君 是非とも実現をしたいという総理の答弁でした。
 SACO合意は普天間基地の返還が盛り込まれ、十年前の合意です。普天間基地の返還は、今回の基地再編の中で必ず実現されるのですね。
#192
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この問題について現在協議中でありまして、これが思ったように動いていないという、今までのSACOの報告書どおりに動いていないということも事実であります。そういう点も踏まえて対応していかなきゃならないと思っております。
#193
○福島みずほ君 今協議中であることは本当に承知しております。アメリカ側も様々なファクター、オプション、見解を話せる限りにおいて話してくれました。
 そこで、総理にお聞きをしたい。普天間基地の返還、危険な普天間基地のと本当に言われて、もう一度事故が起きたらもう取り返しが付かないというふうに思いますが、今回の米軍再編で必ず普天間基地の返還は成し遂げられる、総理の決断をお聞かせください。
#194
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 普天間基地の返還をいかにするかということを今、真剣に検討しているところでありますので、時間が掛かっておりますが、これは実現したいと思っております。
#195
○福島みずほ君 是非実現をしたいと、そのことを、この二か月ぐらいでもうある程度中間提案が出ると思いますので、よろしくお願いします。
 海兵隊の削減は実現するでしょうか。
 いや、総理、お願いします。いや、ごめんなさい、総理、お願いします。
#196
○国務大臣(町村信孝君) 今、具体の基地の在り方あるいは米軍の在り方について検討中でございます。沖縄に数多くの海兵隊がいるという事実も踏まえながら、私ども、沖縄の負担軽減という場合には当然、海兵隊の削減もその中には含まれるという観点で、検討をお互いに今率直な議論をしている最中でございます。
#197
○福島みずほ君 是非それは早急に確実にお願いをいたします。
 キャンプ座間に米軍陸軍司令部がやってくるという提案がなされております。これについては日米とも担当者が認めております。座間キャンプに、日本の座間キャンプになぜ米軍陸軍司令部が来るのか。来る理由について、来るオプションの提案の理由について、総理、説明をお願いします。
#198
○国務大臣(町村信孝君) いろいろな報道がなされております。その一つ一つについて私どもはコメントをいたしません。
 座間も含めていろいろな議論が行われているのは事実でございますけれども、まだ日米間で中間的な取りまとめをするほどの合意には至っておりません。一定の段階で、双方の合意ができたところで、また関係自治体にはよくお話をし、また議論もし、できるだけ御理解をいただいた上でその後最終決定に持っていきたいと、かように考えております。
#199
○福島みずほ君 中間取りまとめの段階であることは承知をしています。しかし、アメリカ側の担当者も座間キャンプに米軍陸軍司令部が来る可能性について否定をしておりませんし、日本も町村さんを始め可能性があることは示唆をされていらっしゃいます。だからこそ、国会において説明、理由について、来るという理由について、地元は先日、人口の半分の五万、まあ市民の半分、五万九千七百六十九名の署名を、反対署名を出しております。地元は、なぜ来るのか、なぜかということを知りたいと思っています。町村大臣、答弁をお願いします。
#200
○国務大臣(町村信孝君) 今、様々な可能性について議論をしている段階であります。
#201
○福島みずほ君 地元は、来る理由を聞かせていただけなければ賛成も反対も意見表明ができません。座間キャンプに米軍陸軍司令部が来るということは、これはアジア、極東条項を超えて、極東を超えて、中東まで含んだアメリカの戦略、アジア戦略、それから世界戦略に日本も組み込まれる、米軍と自衛隊が一体となって作戦をやっていく、アメリカと日本が一体となってやっていく、これは五年、十年、二十年、三十年後に物すごく大きな意味を持つことだというふうに思っております。
 改めて、これが極めて重要なことなので、来る理由について説明をお願いします。地元では反対が強いことも、是非お願いします。
#202
○国務大臣(町村信孝君) 安保条約あるいはその極東条項、これとの関連のお問い合わせだろうと思いますが、私ども日本政府は、今回の兵力構成見直しにつきましては、安保条約、それからその関連取決めの枠内で今回の見直しをやっているということは、累次申し上げているとおりであります。
#203
○福島みずほ君 今日の私の質問は極東条項ではありません。なぜ座間キャンプに米軍陸軍司令部が来るのか。そのオプションの提案はされているにもかかわらず、なぜ来るのかという当たり前の説明が国会の中にもなされていない。アメリカの担当者は、これは日本政府が説明をすべきことだというふうに言いました。その説明が国会の中でなされていない、今日の段階においてもなされていないということについて質問をした次第です。
 理由の説明のないことについて私たちは同意をすることもできません。日本政府はアメリカ以上に説明をしないということについて抗議をしたいというふうに思います。
 次に、在韓被爆者等についてお話をします。
 広島市が在韓、在米ですが、在外被爆者裁判について控訴を決定いたしました。国の事業なので国の方針に従ったと言っております。
 裁判は裁判として、戦後六十年の今年、政治的判断として、在外被爆者、遺骨の問題、供託金や強制連行の名簿の問題など、政治的判断として総理は解決をすべきであると考えますが、いかがですか。──総理、お願いします。済みません。総理、お願いします。
#204
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今後よく検討していきたいと思います。
#205
○福島みずほ君 いや、この遺骨の問題であれ、それから在外被爆者の問題であれ、これは日韓、例えば外相会議や総理、その総理自身が盧武鉉大統領に遺骨の問題は約束されたことです。政治的判断として今やらなければ駄目だということを強く申し上げます。
 総理は、村山談話を引用し、戦後一人も戦争によって人を殺さなかったと衆議院の予算委員会でおっしゃいました。これは、でも憲法九条があったからです。憲法九条を変えようとする動きを、総理が、自民党がしている今、アジアの人々は、言っていることとやっていることが違うと、信用しないというふうに思います。アジアから信頼されない日本では何の説得力もありません。その意味で、憲法を変えるような、あるいは教科書検定を含めた国家主義的な台頭について、私たちは日本人として考えるべきだということを申し上げ、私の質問を終わります。
#206
○委員長(中曽根弘文君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。
 これにて外交等に関する集中審議は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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