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2005/06/16 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 農林水産委員会 第21号
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2005/06/16 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 農林水産委員会 第21号

#1
第162回国会 農林水産委員会 第21号
平成十七年六月十六日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十四日
    辞任         補欠選任
     紙  智子君     小池  晃君
 六月十五日
    辞任         補欠選任
     小池  晃君     紙  智子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中川 義雄君
    理 事
                岩永 浩美君
                田中 直紀君
                羽田雄一郎君
                和田ひろ子君
    委 員
                加治屋義人君
                岸  信夫君
                小泉 昭男君
                小斉平敏文君
                常田 享詳君
                野村 哲郎君
                松山 政司君
                小川 勝也君
                小川 敏夫君
                主濱  了君
            ツルネン マルテイ君
                松下 新平君
                谷合 正明君
                福本 潤一君
                紙  智子君
   国務大臣
       農林水産大臣   島村 宜伸君
   副大臣
       農林水産副大臣  常田 享詳君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       加治屋義人君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高野 浩臣君
   政府参考人
       厚生労働省医薬
       食品局食品安全
       部長       外口  崇君
       厚生労働省労働
       基準局労災補償
       部長       森山  寛君
       農林水産省消費
       ・安全局長    中川  坦君
       農林水産省農村
       振興局長     川村秀三郎君
       国土交通省鉄道
       局次長      杉山 篤史君
       環境省地球環境
       局長       小島 敏郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促
 進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(中川義雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に厚生労働省医薬食品局食品安全部長外口崇君、厚生労働省労働基準局労災補償部長森山寛君、農林水産省消費・安全局長中川坦君、農林水産省農村振興局長川村秀三郎君、国土交通省鉄道局次長杉山篤史君及び環境省地球環境局長小島敏郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(中川義雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(中川義雄君) 農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○小泉昭男君 自民党の小泉昭男でございます。
 このたび提案されました農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律、いわゆる農山漁村余暇法の一部を改正する法律案について伺います。
 改めて日本の農業を考えてみますと、都市型農業と純粋農村地域型、そのほかその中間型、合わせますと三つのタイプに分けられると思いますが、更にそれを分けるとすれば、専業型農業経営と兼業型農業経営の二つになるんではないかなと、こういうように思います。都市型農業がすべて兼業型とは言えず、純粋農村地域型農業がすべて専業農家とも言えないのが日本の農業の現状ではないかなと、こういうように思います。
 あえて冒頭にこれを申し上げましたのは、日本農業の複雑な現状を理解した上でグリーンツーリズムを考え、発展的に進めていかなくてはならない、こういうように思うからであります。ヨーロッパで発展したグリーンツーリズムに触発されまして、農林水産省としては、平成四年六月に策定した新しい食料・農業・農村政策の方向においてグリーンツーリズムを施策の一つとして初めて取り上げ、第百二十九回国会に提出、成立し、平成七年四月一日に施行、その後、行政改革大綱を受けて、登録の実施主体の見直しに併せ、平成十七年度までに登録機関の国による指定制度を廃止することとし、今日を迎えたわけであります。
 現状では、全国に五千五十四軒あると言われる農林漁家経営の民宿の平均稼働率、実に一二%という数字を拝見いたしました。この稼働率は相当低い数字でありまして、受入れ側としては大変複雑な大問題であろうかと思います。
 冒頭に、その理由、どうしてこのような数字になったか、伺っておきたいと思います。
#6
○政府参考人(川村秀三郎君) 農家の民宿の稼働率の問題でございます。
 今、委員が御指摘のとおり、農家民宿の平均は一二%ということでございます。一般の旅館が平均でいたしますと四〇%ということで、非常に低いわけでございます。
 この要因でございますけれども、農家民宿の多くは農家の副業として実行されておりまして、土日の週末営業というのが多いというのが一つあろうかと思います。また、農家民宿自体は、当然のことながら農山漁村地域で行われておりますので、ホテル等旅館が主に営業いたします都市部と比べて絶対的な利用者数が少ないということも背景にあると思います。
 今後は、できるだけこの稼働率を上げるということも非常に重要な課題だというふうに思っております。
#7
○小泉昭男君 一二%は余りにも低過ぎますよね。こういうことから考えて、いかにまだまだ知らない方々が多いのかということも一つの要因ではなかろうかな、こういうように思います。
 農林漁業体験民宿業者として登録されている数、平成九年度八百六十二軒、まあピークだったということを聞いておりますし、その後減少をずっと続けまして、平成十五年度五百五軒、約四一%減少しているわけでありまして、この原因は単に魅力がなかったのか、それともほかに何か原因があったのか、体験メニューに問題があったのか、この点について再度お伺いしておきたいと思います。
#8
○政府参考人(川村秀三郎君) 登録数でございますが、残念ながら、今、委員御指摘のとおり、減少しているところでございます。
 この原因を調査いたしましたが、一つ、休廃止された中には、やはり高齢化等によりまして経営自体をもうやめるということで、まず休廃業されるという方がございます。それからまた、再登録等がなされないという方もおられるわけでございますが、これは一つは、やはり農林水産の体験、これを行う者ということでこの民宿の登録をしておりますので、この農林漁業の体験の維持というものが非常に難しいということでの減少も理由に挙げておられるところでございます。
 一方、最近は、Jターン、Iターン等で都市部から農村部に移り住んでこられまして、そして、ペンションとか民宿、そういうものをやられると、そういう方々が地元の農家と連携をされまして農林漁業の体験を提供するといったような動きも見られるようになってきております。
 こういったこともグリーンツーリズムの趣旨からいって非常に大事なことでございますので、これを広げたいということで今回の法改正を提案させていただいておりますが、現時点では、そういったNPO等が運営する宿泊施設が対象になっておらないということも、その母数が非常に縮小しているということも原因というふうに思っております。
#9
○小泉昭男君 まあ様々な原因あろうかと思います。ただ、そのいろいろな状況の中で今回法整備していくわけでありますから、これをただ出た数字だけこういう結果だったという、そういう議論では済まないんじゃないかな、こういうように思います。
 農林漁業体験に参加するほとんどの方々、農林漁業に対する経験のない方々ではないかなと、こういうように思いますので、これから受入れ側の環境整備、重要であります。今まで十分な対応がなされてきたのか、特に気になるところではありますけれども、当然のこととして農作業やる場合に、かまや、くわなどを始め農機具を使ったり、場合によったら脚立、はしごに上ったりするわけでありまして、漁業等はそれなりの道具もまた必要でありまして、そういう道具の使用上でけがや事故への対応も心配であります。
 基本的には民宿業者側と施設を利用する側、双方が事前に保険に加入しておくことも重要な条件ではないかな、こういうように思います。資料を拝見しますと、四五%の業者がけがに対する保険に加入していないと回答していまして、保険の加入について、どちらかと言えば必要と思うのが二六%、必要と思わない六%。この回答の内容を見る限り、万が一の事故やけがをした場合、その対応等でのトラブルは火を見るより明らかと言わざるを得ないわけでありまして、民宿側にとっては保険料金の負担、これも大きな理由の一つかな、こういうように思います。
 しかし、利用者側からすれば、せっかく夢描いて参加したのに悔いを残す結果になってはどうかなと。こういうことがもしあった場合には、うわさがうわさを呼んで、それが利用者の減少にもし結び付いてしまっていると思うとかなり心配な部分あるんですけれども、これらの考えについてお示しいただきたいと思います。
#10
○政府参考人(川村秀三郎君) 農林水産業の体験活動は、正に大自然の中でいろんな機具、農作業の機具を使ったり、あるいは刃物を使ったりということもやりますし、また、自然の中でございますので、ハチでありますとか蛇でありますとかいろんな動物による害といったものもこれまで報告をされております。注意をしても避けられないところもあるわけでございまして、こういった事故発生があった場合にできるだけ円滑にその手当てができるということは、この体験民宿を推進する上でも非常に重要なことだと思っております。
 今、保険の加入等は、今、先生から御指摘があったとおり、まだ低いわけでございますが、こういった事態を踏まえますと、今後の発展を図るためには、そういったトラブルに対して円滑に対応できるような安全、安心を確保していくということが非常に大事だということでございます。現実に、屋外活動をされる場合には主催者あるいは参加者自身が加入するということも一般的になっておりますが、旅行業者、エージェントがその紹介をする場合にも、一定の水準を超えているということで一つ保険加入の条件を提示されるということもあるわけでございます。
 今回は、公益法人改革という契機もございましたけれども、最近のそういう状況を踏まえまして、保険加入等の措置を講ずるということが非常に大事であろうということで一つの登録の要件にしたということでございます。体験民宿をやられる方も実情いろいろございますので、体験業者だけが入るのではなくて、参加される方も円滑に入れるような、例えば加入用紙を置いておくとか、そういうことも含めて保険加入の措置が十分に図られるということを目指しております。
#11
○小泉昭男君 トラブル回避するためにはやはり事前の準備等が必要だということでありますので、この保険のこと、大変重要なことだと思います。
 今まで進めてきた中で、トラブル、事故、けが等全くなかったわけじゃないかなと、こういうふうに思いますので、その事例がもしありましたらお示しいただきたいと思いますし、もし万が一係争中になっているようなものがあったら、それもひとつお示しいただきたい、こういうふうに思います。
 なお、一般の傷害保険、損害保険を始めとしたもののほかにJAで対応している各種保険があろうかとも思いますが、これらに対してどのような対応になっているのかも具体的にお示しをいただきたいと思います。
 今回提案の関係資料の中での説明の中に、「農林漁業体験民宿業者は、利用者に生じた事故に対応する保険に加入している場合等に限り、登録を受けることができることとしております。」とありますけれども、「場合等」、これはどういうものを意味しているのか、この辺について伺いたいと思います。
 保険に加入していない場合、登録の取消しももちろん考慮をされているんじゃないかなと、こういうふうに思いますが、この辺のところもお示しをいただきたい、こういうふうに思います。
#12
○政府参考人(川村秀三郎君) 体験活動中の事故の例でございますが、幾つか申し上げますと、例えば、沢登りを小学生、中学生の一行がしておりましたが、その中で、男子児童が岩のくぼみに手を掛けましたところ、中に隠れていた蛇に指先をかまれたという事例もございます。それからまた、森林観察中の中学生と学校の先生方がいたんですが、スズメバチに襲われてけがをして七人が入院をされたという宮崎県の例もございますし、また、小学三年生の男子児童が野外炊飯時になたでまきを切っておったところ、過って左手のさし指を裂傷したといったような事例、幾つか報告を受けております。
 訴訟の事例でございますが、私ども知る限りでは係争中のものは現在ございません。
 それから、保険の関係でのお尋ねでございますが、一つ、これはもちろん保険は、民間の保険、一般の保険会社のものもございますし、JAの共済等も、こういうものはちゃんと同じ機能でございますので、それは当然対象といいますか、それは基準に満たすものであると思っております。
 それから、法令の中では加入等ということにしております。これは、保険の加入の条件、まあ状況はいろいろあるわけでございますが、民宿業者自らが加入しておくということももちろんございますし、非常に零細等小規模にやられている場合、民宿業者が自ら加入することが難しいといったような場合もあるかと思いますが、そういう場合は利用者の希望に応じて加入手続が取れるように必要な種類を備え付けておくと、そういったことを指して「等」としております。
 今後、具体的には農林水産省令で定めていくということにしております。
#13
○小泉昭男君 今の説明の中では、保険に加入していない場合、登録の取消しあるのかどうか。
#14
○政府参考人(川村秀三郎君) もちろん、そういう基準を作っておりますので、まあいきなり取消しということはないと思います。そういう事態が発覚すれば、そういう加入の措置なり、そういう加入を容易にする措置をとるように指導するということがまず先決としてあろうと思いますが、最終的にそういったものに従われない場合は、基準を満たさないということでございますので、当然取消しもあり得ると思っております。
#15
○小泉昭男君 体験に参加して、もしけがをするといったら、けがは、何時何分何秒に必ずこういうけがするなんということはないわけですから、行ってすぐにけがに見舞われたり、まあ事故に見舞われたということもあるわけでありますので、保険はもう最低限の条件じゃないかなと、こういうふうに思います。
 そういう意味で、取消しもあると思うような、そういう答弁じゃなくて、やはりしっかりと基準というものを作って責任の所在というものをしっかりしておかないと、これはやはり参加する側は、何もなくてその体験が済めばいいことなんですけれども、何かあった場合にこれはもう間に何が入るのか。例えば、その地域の農協さんが間に仲裁に入るのか、これは大きな問題なんですよ。だからその辺のところで、そういう部分について、保険に加入しているところにきちっとそういう体験ツアーをしていただくという、そういうきちっとした基準を設けないといけないんじゃないかなと思うんですね。
 この点について、もう一度答弁をお願いいたします。
#16
○政府参考人(川村秀三郎君) おっしゃるとおりで、原則は、加入業者が入るということを原則として、それを強く指導してまいりたいと思いますし、段階を追いますけれども、加入等がなされない場合、保険の措置がなされない場合は取消しをするということでございます。
#17
○小泉昭男君 何かスピード感ないですね。やはり、こういうものだというしっかりした基準をスタートラインに据えておかないと、いいと思ってやったことが、何かのちょっとしたトラブルでこれは駄目だという話になっていった場合にこのグリーンツーリズム自体が全部駄目だという話になりかねませんので、きちっとした基準を設けていただくことが極めて大事かな、こういうふうに思います。これは意見として申し上げておきます。
 ここで、大臣にお伺い申し上げたいと思いますが。
 私の友人ですが、リンゴのオーナー制に、毎年長野県佐久市に通っている方がおりまして、この方はリンゴの木を契約して、収穫の喜びを家族で味わうことができて毎年楽しみにしていますということでございまして、内容を聞きましたら、これはグリーンツーリズムに関係していくことだと思うんですけれども、この契約の金額というのは一本の木で一万五千円から二万円ぐらい、一本の木から二百個ぐらい収穫できるというんですね。収穫の時間は、大体一時間半から二時間ぐらいで収穫を終わるということなんですけども、そのリンゴ園には三回足を運ぶと言うんですね。リンゴの花の咲く時期、五月。名入れ、名入れというのは自分の名前書いたり、何かこう、例えば島村大臣にこのリンゴ食べてもらいたいとしたら、島村さんて書いたりね、そういうふうな、リンゴに文字を入れるわけですね。これが九月にあるって言うんです。十一月になると収穫ということで、これは本当にもう満面の笑み浮かべて話す状況ですから楽しいんだと思うんですけども、全くトラブルがないわけじゃない。
 この中で、どうしても収穫に行けないときがある。このときにはどうするかというと、その契約した農家側で収穫して宅急便で送ってくれるって言うんです。これはトラブルにならないんですけども、台風で収穫ができなくなっちゃった場合、これは契約しているわけですから、その農家側がリンゴ十五キロ入りの箱二つ送ってくれるって言うんです。こういう形の契約になっているそうですね。
 そして、良かったことといいますと、行くたびにたくあんでお茶入れてくれるって言うんですね。そして、心の温かいもてなしで本当に楽しい交流できたって喜んで帰ってくることができるって言うんですね。それからもう一つは、無農薬って書いてあるんですって、看板が。この看板見ただけで安心してリンゴを食べられると言っていました。
 それと、困ったこと何かありませんかと言いましたら、困ったことは行くまでの途中の交通渋滞だと言っていましたね。それから、当日の天気、これぐらいだって言うんです。
 それで、この方は、本当にもう、この話するときはもうにこにこして話していますから、一年のうちの一番楽しみだと思うんですよ。まあこういうふうなことが、リンゴに限らずイチゴについても何についても、これでどんどんどんどん皆さんが農業に、収穫だとかそういうものに参加していくことができれば、農業に対する理解がもっと深まると思うんですね。
 私、冒頭に申し上げました日本農業の複雑な状況、これは農林漁業を体験して知っていただくことによって、国民の方々、一般市民の方々も農業に対する理解が余計深まるんじゃないかな、こういうふうに思いますし、都市の中、これは考えてみますと、市民農園、いろんな問題ありますけれども、隣の市民農園が耕作放棄地で、何か虫が大量発生しちゃって、農薬掛けていいものかどうか、それの状況も分からない。こういう中で、しかし少なからずも取れた収穫物によっていやされるという、こういうふうな喜びを実際に感じながらも、都市の中でも市民農園で問題抱えている農園もあるようであります。
 こういうような中でございますけれども、今回提案されました法律案でございますが、大きく分けて三つだと思うんですね。農林漁業者又はその組織する団体以外の者でも、必要なサービスを提供する場合にも拡大するということ、保険に加入している場合に限り登録を受けられること、登録を申請した者が資格要件に適合していれば国が登録すること、この三つだと思うんですけれども、今までの経験を生かしてより積極性を打ち出したものと評価申し上げたいと思います。
 ある意味、グリーンツーリズムというもの自体を知らない方々が大勢いると思うんです。私もつい最近まで知りませんでした。そういう意味で、まだ知らない方々に対して特にPRが必要じゃないかな、こういうことを思いますので、大臣として今後どのようにお取り組みになるのか、お考えを伺いたいと思います。
#18
○国務大臣(島村宜伸君) グリーンツーリズムを推進する上で、農家民宿は農山漁村における受入れ施設として重要な役割を担うものと認識をいたしておりますが、このため、各省と連携いたしまして、農家民宿に関連する規制緩和に取り組むとともに、ホームページを活用した農家民宿の情報提供や農家向けの研修の開催などを行い、その振興に努めているところであります。
 また、農家民宿を始めとしたグリーンツーリズムの推進については、本年三月に閣議決定された食料・農業・農村基本計画に位置付けるとともに、元気な地域づくり交付金として平成十七年度予算を四百六十六億円を言わば用意しているところでございます。
 いずれにいたしましても、今、小泉委員が御指摘になったリンゴ園とのオーナー契約、これは一つのすばらしい例でありますが、そこで得るものは単にリンゴのおいしさあるいは楽しさだけでなくて、やっぱり心の健康とか肉体の健康とか家族の団らんとか、あるいはやっぱり都会に住んでいる人には味わえない言わば農村生活の楽しさ、いろんなことを学ぶことができると思うし、人生っていうのは、私は、毎日自動的にページのめくられるアルバムのようなもんだと。無為に過ごせばそのまま意味のないページが増えてしまう。その反省に立っての生活だといつも思っているんですが、そういう意味では、このグリーンツーリズムを通じて広く全国のいろんな事情に触れる、海外の事情も結構ですが、そういうことも大いに楽しめることではないか、こんなふうに思っているところです。
 私は東京生まれ、東京育ちの人間ですが、子供のころには集団疎開で山形県の湯野浜というところでお世話になった。わずか一年二か月の経験、今でも数年間を過ごしたような記憶に思えてならないわけでありますが、山を歩き海に遊び、あらゆる経験をいたしましたし、今の蛇の話や、あるいはその他の怖い経験もしましたけれども、考えてみればやっぱりあそこでいろんな意味で子供ながらも世間常識というものを勉強さしてもらったなというようなことや、体をあのとき鍛えておいて本当に今良かったと、こんなふうにも思うところであります。
 また、私、学生時代は野球の選手で、地方への遠征というのはもう年じゅうでしたし、合宿はもちろん、合宿生活は冬も春も夏もあったわけで、こういうことで地方と付き合う機会が多かった。また、サラリーマン時代には三年間新潟へ転勤をしまして、また新潟のいろんな事情にも触れました。元々旅好きな男ですから、全国ほとんど回っておりまして、特に私の今の仕事は、前の政務次官あるいは前の大臣、今日と三回にわたって地方と特に親しむ機会がありますんで、私はどこへ行っても違和感というのを全く覚えないで過ごせる幸せな男だと自分で思っているわけですが。都会の生活文化もすばらしいですけれども、また地方ならではの本当の意味の人間生活、これを学ぶことは、まあツルネン先生の有機農業じゃありませんが、やっぱり本物の自然というものに親しむということがどれだけ人間の気持ちを充足させるか。
 そういう意味でも、私はグリーンツーリズムというのをこれから大いに言わば推奨したいと、局長のしりを痛いほどたたいているわけでございます。
#19
○小泉昭男君 大変心の温まるお話をいただきました。これからも一層大臣の御奮闘を期待いたします。
 終わります。
#20
○主濱了君 民主党・新緑風会の主濱了でございます。
 農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律の一部を改正する法律案、これに入ります前に、一つBSEについてお伺いをいたしたいと思います。
 新聞報道によりますと、アメリカ農務省は十日、牛海綿、まあBSEですね、BSE防止のために実施している検査の結果、BSE感染の疑いのある牛が一頭見付かったと、こういったような報道がなされております。もう既に一週間経過しておりますので、現在までに分かっている事実をお知らせをいただきたいなと思います。
 それから、もう一つ報道があるんですが、これは日経新聞なんですけれども、日経新聞では、「最終的な確認検査のため、牛の試料を国際的に権威がある英ウェイブリッジ研究所に送る。」と、このように報道しております。これはアメリカでは検査ができないのかどうか、この辺も含めて最近の事実関係をお知らせいただきたいと思います。
#21
○政府参考人(中川坦君) 去る十日に米国農務省から発表されましたその発表によりますと、これまでの迅速検査、いわゆるエライザ検査で疑陽性になり、アメリカにおきます確定診断手法であります免疫組織化学的検査で陰性と判定をされた例が三例ございます。この三例につきまして、今回米国農務省の監査室の勧告に基づきまして、もう一つの確定診断方法でありますウエスタンブロット法によって再検査を実施したところ、そのうちの一例で陽性の結果が得られたということでございます。
 この牛につきましては、肉用牛で高齢の牛ということまでは発表されておりますが、それ以上の、生産地ですとか生年月日等についてはまだ発表されておりません。
 それから、二点目の点でございますけれども、米国におきましても更に検査を続ける一方で、イギリスにありますOIEのレファレンス研究所に検体を送付をいたしまして、そこでも検査をするということになっております。これは、この確定診断の二つの検査方法でアメリカにおいては陰性とそれから陽性というふうに二つの異なる結果が出たために、改めてイギリスの研究所において更に検査をするという、そういう理由であるというふうにされております。
#22
○主濱了君 さらに、昨日のこれは日本農業新聞の報道によりますと、米国はIHC、これは免疫組織化学法の検査ですか、これを世界標準方式と呼んで、ウエスタンブロット法との併用を求める日本の指摘に耳を傾けなかった経緯があると、このように報道をされております。この報道を見る限り、私はアメリカの検査随分ずさんではないかなというふうに思われるわけであります。もっとたくさんのBSEがあるのではないかと、このように思われるわけであります。
 私は、このほかにも、実は三月三十一日、島村農水大臣にいろいろとアメリカのずさんな例を挙げていろいろ御質問した経緯がありますけれども、もしこの件について御感想があればお伺いをいたしたいと思います。
#23
○政府参考人(中川坦君) OIEのBSE診断マニュアルによりますと、BSEの確定診断の方法といたしましては、免疫組織化学的検査、それからウエスタンブロット法、いずれも用いることができるというふうにされております。
 このような中で、アメリカにおきましては、免疫組織化学的検査が用いられているわけでありますけれども、検体が融解するなど免疫組織化学的検査に適さない場合にはウエスタンブロットを用いるというのがアメリカのOIEの診断の手法としてそういうふうに定められているところでございます。
 OIE基準に照らしまして、そういうことからいたしますと、一概に米国のBSEの確定診断の方法がずさんであるとは言い難いというふうに思いますけれども、昨年の五月から七月にかけまして日米の専門家でワーキンググループが開催をされまして、そこでこういった診断方法についても専門家の間で議論がされておりますが、その際には、先生今おっしゃいましたように、日本の専門家からウエスタンブロットも併用してこの確定診断方法として用いるべきであるということは伝えているところでございます。
#24
○主濱了君 ありがとうございます。いずれにいたしましても、食の安全を守るために是非御尽力をいただきたいなというふうに、こう思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、本題に移らせていただきます。グリーンツーリズム推進の意義についてまずお伺いをいたしたいと思います。
 先ほど小泉先生からもお話ありましたけれども、このグリーンツーリズム、ヨーロッパ諸国では古くから、農村に滞在をしてバカンスを過ごすと、こういったような余暇の過ごし方が定着しているということでございます。日本では平成四年の六月にグリーンツーリズムの推進が農村地域政策として初めて位置付けられたと。そして、平成六年のこの法律によりまして法律上の位置付けがなされ、その後十一年の基本法、さらには十二年の基本計画にも位置付けられて現在に至っていると、このように理解をしております。
 このような中で、グリーンツーリズムの推進が農政上どのような意義を有するのか、そして、今後のグリーンツーリズムの展開、方向はどういう方向になるのか、この点についてまずお伺いをいたしたいと思います。
#25
○国務大臣(島村宜伸君) 農業生産の振興と並びまして、農村の振興も農林水産行政上重要であると考えております。
 グリーンツーリズムは、都市住民の農林漁業に対する理解を深めるとともに、都市と農山漁村の交流を通じた地域の活性化にもつながることから、食料・農業・農村基本計画においても農村振興の重要な施策として位置付けております。
 今後とも、グリーンツーリズムを振興するために、魅力ある農山漁村づくり、地域ぐるみで受入れ体制づくり、また都市住民に対する農山漁村の情報提供等々を図ってまいりたいと考えているところであります。
 また、私、文部大臣経験者として痛感したことですが、どうも同じ日本人で都市の子供と農山漁村の子供とある意味ではまるっきり認識が違う、そしてまたお互いの理解も非常に不足していることを痛感したわけですが、子供さんの中には、最近の言わば社会情勢の変化によって田舎のない子供が都会には結構多いわけです。しかし、一たび地方へ行きますと、我々都会で生活している人間には全く分からない、何といってもすばらしい自然との親しむ機会、あるいはその中にはぐくまれて生活することの何か本当に心のいやし等々も感ずるわけですし、また子供のうちに体を鍛えるといっても、コンクリートジャングルの中じゃ車の行き交いが危ない等々、そちらの方が先行してなかなか思い切った遊びができないのでついつい言わばテレビゲームなどに走る。しかし、地方へ行きますと山歩きはできるし、あるいは田畑を走り回るということで、本当に子供が、何といいましょうか、心の広い、スケールの大きな人間が育ちやすい環境があるんではないか。
 そういう意味でも、私はこれからのこのグリーンツーリズムに期待するところ極めて大でありますし、その一方では、地方へ行けば交通手段が十分ではありません。文化、娯楽、スポーツの施設も十分ではありません。そのために、健全であり得るという環境は確保される一方で、ああ、やっぱりこちらのように何でもかんでも短時間でいろんなものをかち得ることができると、便利さと不便さといろんなことをない交ぜになっておりますが、これを勉強するのに非常にいい機会なのではないか。
 そこで、先般の衆議院の農林水産委員会で御党の鮫島委員から、例えばこういう、これは違う本ですけどね、このたぐいの本があって、この本を一冊見ると、どういう言わば民宿が門を開けていて、しかもそのところへ行くとどういうことが経験できるのか、こんな案内はあるけれども、日本にはないのかという御質問でした。
 私は、そのときは知らなかったんですが、すぐ調べさせましたら、やはりそれなりの本が出ておりまして、かなり細かく出ております。(資料提示)これを見ますと、田植えもできる、稲刈りもできる、野菜作りからその収穫も楽しめる。先ほどお話あった果物作り、お茶摘み、あるいは羊その他を飼うこともできる、馬とも親しめる、乗馬もできる。そのほか、言わば林業経験から魚釣りの本格的な漁業の手伝いもできる。見れば見るほど、むしろ我々がすぐ飛んでいって経験したいような誘惑に駆られる誘いが一杯ここに載っているわけですね。
 こういうものが情報としてどんどん提供されれば、皆さん気が付かない方までそういうことに気が付いて、積極的に取り組んでいただくんじゃないかというふうに思うわけでありまして、例えば九州地方で、鹿児島の一番先端まで行って、やっぱり日本というのは広いなと逆に思うようなことがあるわけですし、北海道へ行けば行くほど、あの広大なよさに触れて、我々はやっぱり北海道というものをもっともっと思い切った開発をしなきゃいけないんだという思いにも駆られるわけでありまして、私はそういう意味では、勉強なんというしゃくし定規なことでなくて、グリーンツーリズムを通じて楽しみながらいろんなことを学び、またそのことに目覚めるという機会を持つ意味で、私はこれからこの政策は大いに推進あってしかるべきと、そう考えているところであります。
#26
○主濱了君 ありがとうございました。
   〔委員長退席、理事岩永浩美君着席〕
 大臣のそのグリーンツーリズムに寄せる思いというのを、その一端を聞いたような気がいたします。
 それで、突然で大変恐縮ですが、一つだけ追加してお伺いをいたしたいと思います。
 私、基本的に農林水産省というのは第一次産業の振興、これが第一だというふうに考えております。よく考えますと、この民宿というのは産業分類でいけば第三次産業になります。しかしながら、これは農業あるいは農林水産業、それをいろいろ理解してもらうため、あるいは国民にいやしを提供するためと、そういう中での第三次産業ですので、それはそれでいいと思うんですが、やはり第一次産業の振興を一番に考えないといけないと、このように思うわけであります。
 この中で、このグリーンツーリズム振興、これが三月二十五日に決定されました新しい食料・農業・農村基本計画の中でどこに位置をするのか。あの中で、例えば平成十六年度の農家の分類がなされております、二十七年の農家の分類がなされております。この分類がなされている農家のどの部分を振興させようとしているのか。私は、一言で言いますと、生産農家とこのグリーンツーリズム、民宿というのは両立はできないと、このように思っております。なかなか難しいと思っております。
 そういう観点で、この食料・農業・農村基本計画のどの部分を振興させるのか、突然で恐縮なんですが、これをお伺いいたしたいと思います。
#27
○国務大臣(島村宜伸君) 詳しくは川村局長から御報告させますが、私はこう思うんです。
 なるほど、農家を仮に一つの例に取りますと、これは一次産業であることが基本でありますが、しかし、私は、仮にグリーンツーリズムへの対応ということで第三次産業的なお仕事もなさるということは事実でありますけれども、これは第一次産業の農業を営む御家庭をただそのまんま学びに行く、そこへ行って泊まってくると。あらかじめしつらえられた何か特別な宿泊施設とかそういうのでなくて、農家の一員に加わって、言わば親戚になったような気分でそこで二、三日泊まってくると。私にはそういう体験がありますが、これをやりますと、いわゆる民宿に泊まったのでは味わえない何か楽しさあるいは親しさがわくわけでありますから、その辺はどこでどういうふうに仕分するということまで必要なのかなと私は思うわけであります。
 ただ、専門的には農村振興局長が今検討をいたしております。その結果について御報告があると思いますので、お聞きをいただきたいと思います。
#28
○政府参考人(川村秀三郎君) 私ども農林水産省は、もちろん農業、食料、これもやっておりますけれども、農村ということの振興も私どもの主要な任務というふうに考えております。
 農村の振興を図る場合に、もちろん第一次産業という基盤となる産業を振興することは極めて大事なことでございます。それはしっかり取り組むということでございますが、あわせて、その地域の活性化ということを考えますと、やっぱり農林水産業を軸として、あるいはそれとの関連で、例えば農家でできたものを地場で加工して広めていくとか、都会の人に味わっていただくとか、そういう言わば地域の場合は多様な担い手がいて地域の振興が図られるということでございますので、そういう就業機会でありますとか所得機会、そういうものを確保する場として非常に重要だと思っておりますし、先ほど来大臣がおっしゃっているように、単にそれにとどまらず、また全体の農業理解や国民的な安らぎといった、そういったいろんな機能を持っておりますので、これは施策として我々もしっかりと取り組んでいきたいということでございます。
#29
○主濱了君 新しい食料・農業・農村基本計画あるいは農業の展望ですね、この中のどの部分ということについてはちょっと御回答なかったようなんですが、思いは分かりました。
 それで、次の問題に進みたいと思うんですが、グリーンツーリズム推進の施策の展開の在り方についてお伺いをいたしたいと思います。
 グリーンツーリズムは、農林水産省のみならず、先ほど言いましたように、第三次産業なわけですので、やはり関係省庁と連携して推進されているわけであります。しかし、このような政策の推進にもかかわらず、実は先ほど小泉先生からも御指摘ありましたとおり、グリーンツーリズムの地域経済への効果が十分上がっていないということでございます。そういうふうに言っている市町村も結構あるということでございます。
 その理由を挙げてみますと、明確な販売検討が不十分である、アイデアがマンネリ化している、さらに都市側のニーズの把握が不十分である、さらには推進体制が不十分だった、ソフト面の整備がやっぱり不十分だった、こういった御意見が寄せられているところであります。
 こういったようなことを踏まえまして、まずは農林水産省としてグリーンツーリズムを普及しようとしているかどうか、これは方針の問題ですね、まずこれを伺いたい。そして、普及しようとしているのであれば具体的な推進方策、これを具体的にお伺いをいたしたいと思います。
#30
○大臣政務官(加治屋義人君) グリーンツーリズムの推進は、ゆとりある国民生活の確保とともに、都市と農村の共生・対流の促進を目的といたしております。
 今、末端での先生のお話ありましたとおり、政府関係府省と連携をして多様な取組を総合的に実施していくべきではないかと、そういうお話でございました。そのように私どもも認識をいたしております。
 政府におきましては、八つの関係府省の副大臣から成るプロジェクトチームを設置をいたしまして、グリーンツーリズムを含め、都市と農山漁村の共生・対流の推進に向けた幅広い議論を行って、一体となって関係施策を推進していこうとしております。
 具体的に申し上げますと、厚生労働省が行う長期休暇を利用したグリーンツーリズムに関する情報提供、あるいは修学旅行における農業・農村体験学習を推進するために、文部科学省が教育関係者への働き掛けを行うと同時に、私ども農林水産省はその受入れ側の農山漁村の体制づくりを支援していこう、そういうふうに思っております。特に、私は考えておりますけれども、子供教育あるいは家庭教育という面で、我が国の古き良き家族で働くという伝統というんでしょうか、この復元にも大きな役割を果たしていくのではないかと、そういう面も期待をさせていただいております。
 今後とも、関係府省と連携をいたしまして、しっかり進めてまいりたいと思っております。
#31
○主濱了君 ありがとうございました。
 私の発言、グリーンツーリズム推進の逆方向ではないかと、こう思われるとちょっと何ですので、当県の状況をちょっとだけ御紹介をさせていただきたいんですが、岩手県のグリーンツーリズム、平成十五年には実は二百九十三万人がグリーンツーリズム施設、そういうものを利用している。岩手県の人口は百四十万でありますので、人口の二倍の方々がグリーンツーリズムの体験施設を利用しているということ。それから、体験インストラクターとしてはもう三十団体で二百四十五人が登録をされているということ。それから、いわてグリーン・ツーリズムサポートセンター、これを設置させていただいているということでございます。それから、集客につきましても、これは首都圏まではまだ及んでないんですが、東北、仙台圏といいますか、宮城県辺りまでは今いろいろ情報誌等配布いたしまして誘客を促進をしていると、こういう状況でございます。
   〔理事岩永浩美君退席、委員長着席〕
 こういったような中で、実は一つお願いをしておきたいなというものがあります。
 実は、前の制度であります都市と農山漁村の交流促進関連補助金につきまして、当岩手県からいろいろ要望をさせていただきました。要するに、これは非常に縦割りで使いづらい、個々の補助金が縦割りで使いづらい、もうちょっと総合的な補助金にしていただけないかと、こういう要望をさせていただいたその結果、今年度につきましては、農林水産省におきましては、先ほど大臣から御紹介がありました元気な地域づくり交付金、こういう格好で四百六十六億円ですか、これが措置をされているということでございます。
 それで、このグリーンツーリズムのみならず、施策に関して、この補助に関してはもうちょっと広げていただけないものだろうか、これ各省庁連携した補助、総合的な補助金に広げていただけないだろうか、これを模索していただきたいと、こういうお願いでございます。
 実は、岩手県の県央に大きな研修宿泊施設があります。相当大きい施設であります。この立派な研修施設には、実は七つの玄関があるんですよ。七つも玄関がある。なぜかというと、七つ補助金が入っているんですね。それぞれ、それぞれの補助金が完結性を持っていますので、それぞれ玄関を設けさせたと、こういうことであります。こういったようなのが地方における実態であります。一つ一つは完全なんですが、完全過ぎるがゆえに一つの建物に七つの入口があると、こういうことであります。
 私どもは、地方公共団体を通じて支出されている国庫補助金、これはすべて地方の財源にしてください、こういうふうな基本的なお願いをしております。それにはなかなか時間が掛かると思いますので、せめて省庁を越えた補助金ですね、総合補助金、これを何とか連携を模索をしていただきたいと、こういうお願いでございますので、よろしくお願いを申し上げます。
 次に、農林漁業体験民宿業者の登録対象範囲の見直しについてお伺いをいたします。
 現行制度におきましては、農林漁業体験民宿の登録対象は農山漁村滞在型余暇活動に必要な役務を提供する農林漁業者又はその組織する団体となっております。改正案では、登録対象を農林漁村滞在型余暇活動に必要な役務を提供する農林漁業者又はその組織する団体以外の者にも拡大をしようとしております。
 今回、登録対象を拡大する理由は何か、また拡大することによってどのような効果を見込んでおられるのか、まずお伺いいたしたいと思います。
#32
○副大臣(常田享詳君) 農林漁業体験民宿につきましては、農家が高齢化して民宿経営をやめる事例が増えております。またその一方、最近では農村にIターンした者が経営する民宿やNPO等が運営する宿泊施設において、周辺の農家と連携し、農林漁業体験の機会を提供する事例が増えております。
 こういうような状況を踏まえ、農家以外が経営する民宿も登録の対象とし、多様な農林漁業体験民宿を増やし、また都市市民の多様な宿泊ニーズにこたえることができるというふうに思っております。そういった形で、今、委員の御指摘については対応してまいりたいというふうに考えております。
#33
○主濱了君 具体的にお伺いをいたします。
 今回の改正、拡大で、ホテルとか旅館とか、それから郊外レストランあるいは産直施設、これらが含まれますでしょうか。
#34
○政府参考人(川村秀三郎君) この余暇法でございますが、体験型の宿泊施設、これを基軸にしておるところでございます。結局、グリーンツーリズムはゆったりと地方、農山漁村において農林漁業の体験をしていただくと、これがやはり非常にグリーンツーリズムの核になることだということで、それを基軸に据えております。
 そういった面からいたしますと、その二つの要素、宿泊施設があること、それから農林漁業の体験ができること、この二つを要件にしております。ですから、ホテル、旅館も一般的にはなりませんけれども、例えば、今、副大臣がお答えしましたように、地元の農家等と連携をされまして、農林漁業の体験コースといったものを組み込まれるということであれば登録が可能でございます。
#35
○主濱了君 場合によってはホテルとか旅館というのも対象になり得ると、こういうことでございますね。分かりました。
 この法律におきましては、確かにおっしゃるとおりなんですよ。滞在型の余暇活動、まず滞在することが必要だということが要件の一つになっておりますよね。それからもう一つは、農林漁業の体験、何かを活動しなければいけない、こういうことを想定している法律だというふうに分かります。
 しかしながら、都市の住民といいますか、そういう人ばっかりじゃないと、農村に出掛けるのはそういう人ばっかりじゃないと私は思うんですよ。というのは、単にリラックスをしたい、あるいは単にリフレッシュをしたいと、こういう人もいると思うんですよ。特に農業体験などしたくない、黙っていたいということですよね。そういう方も中にはあるんです。必ず農業の体験だけではないというふうに思うわけであります。
 短時間で帰る、あるいはしゅんのものを味わって食べて帰るということであれば郊外レストランとか、あるいは、そういうふうなしゅんのものを出している産直、こういうものが対象になってしかるべきでしょうし、それから、何もしないということについて、これは例えば今の梅雨どき、六月ですとカエルが鳴きます。東京では鳴きません、私の方では鳴きます。そのカエルの声を終日聞いているとか、あるいは蛍が光っているのを見て帰るとか、それだけでもこれはリフレッシュになる可能性はあるわけであります。十月になりますと、例えば稲刈りの後の田んぼ、そこを渡ってくる風を感じて夕日を見て帰るとか、そういったようなことを、何もしないということも対象にするべきだと。となると、やっぱり旅館とかホテルが対象になってしかるべきであろうと、こういったようなことを今考えております。
 それで、先ほどの回答では、ホテル、旅館は対象になるといって回答いただいたわけですが、今言ったような観点から、郊外レストランとか産直施設について、これも対象にすることはできないかどうか。これは感想だけで結構ですので、お答えをお願いいたします。
#36
○政府参考人(川村秀三郎君) 農山漁村で農家レストラン、正に地場で取れた産物を、地域の伝統の料理を提供するとか、それはもう非常に意義のあることだとは思っております。これは私どもも是非応援していきたいということで、先ほど来話題になっております元気な地域づくり交付金、その中ではしっかりそういう地域づくりの中で取り組んでまいりたいと思います。
 ただ、この法律の登録制度の趣旨は滞在型で体験型ということがなっておりますので、この法律の登録の対象になりませんけれども、我々としては行政としてしっかり取り上げて対応していきたいと思っております。
#37
○主濱了君 ありがとうございました。
 この法律ではどうしても対象にならないと、なり難いと、こういうこと、分かりました。じゃ、別の施策で救っていただきたいなというふうに思います。
 次に、保険の関係でありますけれども、農林漁業体験民宿業者は基準に従って登録を受けることができると、先ほど小泉先生への答弁にあったとおりでございます。
 今回、保険を加えた理由と、それから具体的にどういったようなこと、どの程度の金額、だれがそれを負担をするのか、それから、その保険の引受先ですね、引受先、それがどうなっているのか、ちょっと具体的なところをお示しをいただきたいと思います。
#38
○政府参考人(川村秀三郎君) まず、登録の要件といたしまして保険の加入を義務付けるということでございますが、これは農林漁業に対しまして知識が乏しい都市の住民の方々あるいは子供たちが体験をする場合に、先ほど言いましたように、非常に事故があり得るということで、現に報告もあるということで、危険も伴うということがございます。そして、そういう実態がまずあるということ。それから、そういったことをカバーしようとして現実にもう保険での対応ということが一般的になってきているということ。それから、優良なそういう体験民宿として旅行業者が推薦をする、あるいは紹介をするといったようなときには、この保険加入を必須条件とするという実態が見られますので、我々としても、今後の円滑なこの体験民宿の振興という意味では、こういった保険の加入ということは非常に大事なことだということで要件にしたわけでございます。
 具体的な負担の在り方でございますが、一人当たり、その参加される方当たり平均的には二百円から三百円、これはその参加される方の負担という形で取ることを基本的には想定をしております。そして、保険の相手方でございますけれども、基本的には民間の保険会社を想定しております。
#39
○主濱了君 分かりました。ありがとうございます。
 次に、登録実施機関の指定制度から登録制度への移行についてお伺いをいたしたいと思います。
 現行制度では、農林漁業体験民宿業者の登録等の業務につきましては、適正かつ確実に行うことができるということで、全国一つだけ全国農林漁業体験民宿業協会として今指定しているわけでございます。今のところは、その具体的なお名前を出すと、財団法人都市農山漁村交流活性化機構が指定されているわけですけれども、これまで、現行の指定制度、あるいはこの法人が果たしてきた役割は何だったんだろうか、これを全国一つに限っていた理由は何だったのか、これについてまずお伺いをいたしたいと思います。
#40
○政府参考人(川村秀三郎君) 現在の実施機関は、今、委員が仰されたとおりでございまして、都市農山漁村交流活性化機構が実施をいたしております。
 これを一つに限ってきた理由でございますが、この制度が導入されました平成六年当時、これは正にグリーンツーリズムという言葉自体全く知られておりませんし、定着もしておらなかったわけでございます。そういう中で、今後進める上で、都市住民に対しまして農林漁業体験民宿に関する情報提供をいかに円滑に行うか、そして効率的に行うか、そしてそういった利便性を増進することができるかということがまず目的としてございました。
 それから、全国的な規模で統一的な、あるいは一定の水準の指導をやろうとした場合に、それをできるところというのは限られておったわけでございまして、都市農山漁村というのはそういうもののノウハウがございましたので、そこに指定をするという形でまずスタートをしたということでございます。
#41
○主濱了君 それを今回は登録制に移しまして、結果として複数の登録実施団体ができるわけですよね。そのことが逆に、じゃそのことがこのグリーンツーリズム推進にどのように資するのか、これをお伺いをいたしたいと思います。
 実は、この発想は前からの質問と重なっているわけですけれども、理由が公益法人改革の一環として進められているわけですけれども、指定法人のいいところ、メリットといいますのは、要するに一つしかないときのいいところというのは、例えば、民宿のガイドブック、体験民宿のガイドブックへの掲載、あるいはホームページへの掲載、これが一元的にできるところが良かったわけですよ、連立じゃなくて。もうそこしかないから、そこのところを見れば情報がすべて詰まっていると、こういったような状況ではなかったかというふうに思われます。
 ところが、登録制になって複数の登録実施機関が出てきますと情報が分散しちゃうんじゃないか、これ、出し手においてもそれから受け手にとってももう情報が分散してしまうんではないかな、こういう観点からの疑問でございますので、よろしく御答弁お願いします。
#42
○政府参考人(川村秀三郎君) 今回の改正によりまして、登録の実施機関が複数ということが可能になるわけでございます。スタートしました、正にこのグリーンツーリズムを進めていく上でのスタート期におきましては、先ほど言いましたように、一つということで早急な浸透といいますか普及を図る必要があったわけでございますが、平成六年からもう既にスタートして年限がたちまして、今後は、やはりその地域に応じた、地域の特色を生かした、これは単に登録をするということが基本でございますが、それに伴っていろんな研修をしたりその地域での水準を作ったりと、またそういったこともそういった登録機関の付随的な業務、まあそれは付随といっても非常に大事なことだと思いますが、そういうきめ細かな対応もできますし、またある程度いい意味での競争といった意味で農家民宿の質の向上につながるということを期待をしております。
 ただ、先ほど言われましたように、ネットワーク化という意味では確かにマイナスが生ずるおそれもありますので、それはもう私どもでお互いをつなぐようなことは是非指導をしてまいりたいと思っております。一か所にアクセスすればインターネットでほかのネットワークにも接続できるようなことを我々としては指導していきたいというふうに思っております。
#43
○主濱了君 そこで、一体化、一元化というのは大事なところだと思いますので、複数の登録実施機関ができたとしても、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次に、じゃ、今まで機能してきたいろいろなノウハウが詰まっている財団法人都市農山漁村交流活性化機構についてでありますけれども、この機構につきましては、登録制度への移行に伴いまして法律上は一登録機関になってしまうわけでありますね。今までいろいろな業務をやってきた、情報の収集であるとかそれから調査研究、それから指導とかいろいろやってきたそのノウハウについてもすべて一登録団体でしか機能しなくなってしまうということでございます。
 ただ、幸いと言っていいと思うんですが、今年度予算において、この機構につきましては新グリーン・ツーリズム総合推進対策の全国段階における実施主体として位置付けられているということでございます。
 この機構の政策上の位置付けをどうするのかということ、そしてそれにどういったような役割を与えるのか、この辺についてお伺いをいたしたいと思います。
#44
○政府参考人(川村秀三郎君) 都市農山漁村交流活性化機構でございますが、確かに登録機関として一つの機能を持っておったわけでございますが、ただ、登録機関として以外も、今も先生の方から御指摘いただきましたけれども、いろんな情報提供あるいは人材育成、それからまた調査研究、こういった機能も果たしております。現在でも果たしております。これは、元々この機構が三つの団体が合併をいたしまして、それぞれの機能を高め合ったということでございます。
 今後は、そういった登録機関の一つということでの機能もありますが、これまでのノウハウを生かしまして、引き続き、人材育成、あるいは都市と農山漁村の交流を推進するという上で、民間の全国的な広がりを持つ機関として非常に大きな役割を果たしてくれるということを期待しております。
#45
○主濱了君 じゃ、先に進ませていただきます。
 次に、登録の取消しに伴う問題でございますけれども、登録の取消しや登録実施事務の停止に至った場合、当該登録実施機関に登録されている民宿業者に及ぶ影響について、これは何ら規定はないわけでありますね。民宿業者に不利益を及ぼさないための措置が必要であると、こう考えられるわけですが、これについてはいかがでしょうか。
 この件につきましては、有機農産物の登録認定機関の認定の廃止についてと、こういうことで三月三十一日付けのプレスリリースがあって、これは新たに登録し直してくださいと、こういったようなことで解決されたようですが、これはちょっと民宿業者の方に負担が大き過ぎるのではないか、このような観点からの質問であります。よろしくお願いします。
#46
○政府参考人(川村秀三郎君) 今回の改正によりまして、農家民宿の登録実施機関が複数になるということが想定されております。ただ、この登録につきましては、法令で定める登録基準を基に共通の手続で行います。また、登録民宿であるということを示す標識も法令で統一的な様式を採用しようということにしております。そういう意味で、制度の基本となる部分はすべての登録実施機関で同様の扱いということを確保したいとまず思っております。
 今、委員の御質問にありましたとおり、万が一、登録の取消しがあった、あるいは登録事務が停止されたといった場合、農家民宿が不利益を受けてはならないわけでございますので、他の登録実施機関が業務を引き継ぐことができるようにその措置をしてまいりたいと、指導をしてまいりたいと思っております。
#47
○主濱了君 それは非常にいいことだと思いますので、引き続き御努力をお願いをいたしたいと思います。
 最後になります。
 財団法人都市農山漁村交流活性化機構への農林水産省OB、農林水産省を退職した職員の再就職の状況、あるいは就いている役職の状況、それから農林水産省からこの機構への業務の委託状況、さらには補助金その他の支出の状況、この状況についてまず概要を御説明をいただきます。
#48
○政府参考人(川村秀三郎君) まず、農林水産省の退職職員の再就職の関係でございますが、常勤役員として一名、それから職員、これは部長職等でございますが、三名ということになってございます。
 それから、全体の組織は、今の常勤を含めまして、これはOBだけじゃなくて、三十二名ということになっております。
 それから、全体の事業費、事業費といいますか人件費は、福利厚生費、退職費等も合わせまして約二億一千万程度というふうになってございます。
 それから、国費の支出状況は、予算ベースで申し上げますと、十六年度が二億八千五百万円となっております。
#49
○主濱了君 この常勤役員につきましてですが、常勤役員につきましては、たしか定款あるいは定款関連事項として報酬が決まっておりますよね。これが一千三百万円台だったでしょうか、これがかなりの割合を占めている。二億何がしの中の一千三百万ですから、かなりの割合を占めているというふうに思いますが。
 その前に、ちょっと私の方で財務諸表を、これはホームページからいただいたんですが、財務諸表で見ますと、人件費っていうのは九千万程度、一億弱の額になっておりますが、先ほど言ったその二億円っていうの、ちょっと額が違うような気がするんですが、これの関係、いかがなっているでしょうか。
#50
○政府参考人(川村秀三郎君) ちょっと説明が不足しておりましたので、補足をいたします。
 確かに委員御指摘のとおり、予算ベースでは九千八百万ということで人件費が計上されておりますが、いろんな事業をやっておりますので、その事業の中で、例えば技術指導でありますとかそういったことで手当という形で支払われておりまして、いわゆる人件費見合いというのは、先ほど言いましたように、福利厚生費とかいろんなものも拾いますと、実質的には二億一千万程度ということでございます。
#51
○主濱了君 この問題につきましては今後、ちょっと時間がなくなりましたので、今後また追及をさしていただきたいと思います。
#52
○福本潤一君 公明党の福本潤一でございます。
 今回、法律の中身に入る前に、若干私の方も関連がありますので、質問さしていただこうと思います。
 昨日の朝日新聞に、都市と農山漁村の共生・対流に関する副大臣のプロジェクトチーム、これ、できておったものが、都市と農業の人の交流を促すための施策というのを今月中に取りまとめるという記事が載っておりました。
 副大臣、横の連携も含めてやって取り組まれる中にこの都市と農村交流ということが出てきたようでございますので、これ、これまでの都市農村交流施策との違い、また具体的な考え方、お伺いしたいと思います。
#53
○副大臣(常田享詳君) 私も参画しております都市と農山漁村の共生・対流に関する副大臣プロジェクトチームでは、これまで、共生・対流の取組の一層の推進に向けて、現地検討会での意見交換も含め、いろいろ議論を進めてきたところであります。
 今後、具体的な推進方策を取りまとめる予定にしておりますけれども、その考え方といたしましては、これまでの農山漁村地域を中心に行ってきた取組、これに加えて都市部における取組の強化を図るということといたしております。
 具体的には、都市住民が農業と触れ合う機会の拡大や、都市の子供たちの農山漁村での体験学習の推進、また、団塊の世代の定年前からの交流や定住の促進、さらには長期休暇の取得促進や夏休みの分散化といったことを検討いたしております。
 これらの取りまとめ後は、その実現に向けて農林水産省としても各省と連携しながら積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#54
○福本潤一君 横の省庁とのつながりも含めて、副大臣の積極的な取組、お願いしたいと思います。
 法案、具体的な中身に入らしていただこうと思いますけれど、最近、都市住民、ゆとりのある生活とか安らぎ、自然を求める傾向が高まっておりながら、なかなか農山漁村、過疎化、高齢化が進んでおりますから、グリーンツーリズム交流進めたいと思いながら、まだまだ取組これからだなというところが全体的にございます。
 大臣、先ほども疎開とか合宿とか旅行、様々な体験お話しいただきましたし、このグリーンツーリズムの振興について基本的な考え方というものをお伺いできればと思います。
#55
○国務大臣(島村宜伸君) 御高承のとおり、これだけ便利な言わば社会ができ上がっているにもかかわらず、むしろ最近の子供さんたちの方が世間が狭くなっているんじゃないのかと、こんな気持ちすら私は持っているわけでありまして、確かに国土は狭いかもしれません。七割が山で、いろんな不便さはあるかもしれませんが、この間のスイスの前大統領じゃありませんが、世界で一番美しい国はどこだと思いますかと逆に聞かれて、何を言うのかと思ったら、私は日本だと思うと。いや、おたくの国じゃないんですかと言ったら、いや、スイスはスイスでいいけれども、長い間見ていて、見れば見るほど魅力があるのは日本だと、こう言うんですね。で、また日本へ来たい。
 他国から見ればそれだけ魅力のある国であるにもかかわらず、日本人はこのすばらしい国情といいましょうか自然を粗末にし過ぎていやしないか、そんなふうにも思うわけでありますから、私はそれらについてお互いが認識を深めるためにもプラスになると思うし、都市と農村、まあ同じ日本人であっても生活環境は極端に違うわけですが、私は、やはりお互いが交流することでお互いの楽しみも苦しさもやっぱり理解をすると。
 私自身の座右の銘でもあるんですが、人には添うてみよ馬には乗ってみよというのを自分でも考えておるんですけれども、やっぱりそういうことを実際に体験してみると、理解はまるっきり違ってくるわけで、本で読んだ、テレビで見たなんというのは全く違うわけでありますから、私はそういうすばらしい体験をむしろ子供のうちから教育の中にも取り入れて、積極的に言わばそういう体験をしていく。しかも、その過程で農業とか林業とか水産業とか畜産業、その生産物だけを供給するのが仕事でなくて、今私たちがお互いに日常用語で使っている多面的機能というものを実体験の中でいろいろ実感してもらう。そのことがやはりこの国土のお互いの、国民としての交流も深めていくために非常にいいんだろうと思います。先ほどもちょっと触れましたが、都会の子供には田舎のない子供が結構いるわけですが、新たな親戚をつくる手だてにもなるんではないか、こんなふうに思います。
 たまたまお顔が合ったからではありませんが、北海道なら北海道ですね、日本の二割の面積を占めながら、一時期は道路問題で、クマしか通らないところへ道路を造るというのはけしからぬ、こういう非常識なとも言えるくらいの発言が出ておりますけれども、逆にこれからまだまだ伸びるんだという可能性を示すことの中に、そこにまた新たな勇気を持って取り組む人が出てくるわけでありますから、全国規模でもう一度この国を見直す一番のその手だてになる一つの施策がこのグリーンツーリズムでないか、そんなふうに考えているところであります。
#56
○福本潤一君 世界で一番美しい国日本ということで、農林水産大臣のこのツーリズムに懸ける意気込み、私にも伝わってきましたし、我々世代とか大臣の世代等々は、もう本当に親戚付き合いで田舎へ行って、私も瀬戸内海の島とか各地で母の里というのをわざわざ子供のころ小説に頑張って書いたことがあった経験ありますけれども、いわゆる大変な体験なんですね。ただ、我々の子供世代になると、炭火を見たときに、この火は変わっていると、生まれて初めて見たと言われてショックを受けたことが具体的にございまして、やはりこういうグリーンツーリズムで農村の生活、親戚付き合いでやれるようなものを農水省進めていっていただければと思います。
 という中では、日帰りとかという形じゃない施策を農水省、この法律で進めていただけるわけでございましょうけれど、この農家民宿とか漁村の民宿、開業をするときになかなか大変だと。我々も漁村の民宿行って、学生とともにずっと過ごしたりした経験もございますけれど、経営がなかなか大変なんですよということを伺ったりします。ですので、農家民宿の開業促進のために具体的な支援策、どういうふうに現在行われ続けているのかということをお伺いしたいと思います。
#57
○政府参考人(川村秀三郎君) お答えいたします。
 農家民宿の開業の促進策でございますが、これは正に開業を希望される方々、こういう方々にそのノウハウを伝授する、伝授というかお伝えするということがまず必要だということで、私どもの補助事業の中でも開業スクールといったようなことで、民宿を開業するに当たって必要な知識等を、手続、そういうものの研修もしております。それからまた、いろんな情報の提供もしておりますし、また具体的な支援策として資金、近代化資金あるいは公庫資金、そういうものの融資、そういうものもあっせんをしているということがございます。
 それからまた、単独ではこれは個人補助ということになるんでなかなか難しいわけですけれども、三戸以上グループをつくってやられるという場合には、またこの元気な地域づくり交付金の活用も可能になっているということがございます。一方、開設、維持に当たりましていろんな諸規制もあるわけでございますので、そういうものが民宿の実態に即して緩和されるようにといったようなことでの関係省庁との連携した取組というものも行っておるところでございます。
#58
○福本潤一君 これ、支援をこれから更になお一層心掛けていただかないと、なかなか現実の運営というのは難しいんだなというのをいろいろのところから聞いております。
 今回、小泉総理の下で構造改革特区というのができた中に、グリーンツーリズムに取り組む事例もこれ挙がってきております。ですので、旅館業法とか消防法等いろいろ規制がある、また改装費用も多額に要るという話も聞くところでございます。ですので、このグリーンツーリズムの推進に関する特区の現実の実施状況、また規制緩和の状況についても聞いておきたいと思います。
#59
○政府参考人(川村秀三郎君) まず、特区の申請状況でございますが、平成十七年三月末までで三十三府県八十四計画が認定をされておりまして、この特区が非常に農家民宿の振興に有効であったというふうに認識をしております。
 この規制の緩和の中身でございますが、例えば、これも報道等で非常に有名になりましたけれども、農家民宿等によりますどぶろくの製造ですね、これは酒税法の規制を緩和する措置がございまして、それからまた農業生産法人の農家民宿業というものも可能にする措置、これは農業生産法人がやる場合の農業の範囲に入れておらなかったんですが、それが入れられるようにするといったようなことをしておりますし、また今般は全国展開をいたしましたけれども、地方公共団体とか農協以外の者によります市民農園の開設を可能にするといったような措置をしております。このほか、消防法の問題でありますとか、旅館業法の問題でありますとか、道路運送法の問題でありますとか、そういったものでの規制緩和を各省と連携をして実施をしているところでございます。
#60
○福本潤一君 特区が全国展開するような形の法律にまで更にレベルアップしていただきたいなというぐらいの思いがございますので、取組、よろしくお願いいたします。
 それと、先ほどの副大臣のプロジェクトありましたけれども、これ、農水省だけの取組では拡大に限界があるところもあるだろうと思います。ですので、例えば修学旅行とか学校行事の取組とか他省庁との取組、これが大事になってくるんではなかろうかと思いますので、どういうふうに今まで連携図ってきたか、これをお伺いしたいと思います。
#61
○副大臣(常田享詳君) 先ほども申し上げましたように、私も入りまして、八つの府省の関係副大臣から成るプロジェクトチームを設置して、都市と農山漁村の共生・対流の推進に向けての幅広い議論を今行っております。そして、一体となって関係施策を推進してまいるという決意であります。
 グリーンツーリズムは、この施策の重要な柱であり、同時に、長期休暇の取得促進や青少年の教育等と深くかかわりを持っております。このため、関係府省と連携し、多様な取組を総合的に実施していくことが重要なことだと認識をいたしております。
 具体的には、先ほどもちょっと触れましたけれども、厚生労働省が行う長期休暇の普及促進のためのシンポジウムにおいて、長期休暇を利用したグリーンツーリズムに関する情報提供を行うと。また、文部科学省等において、修学旅行において子供たちの農業・農村体験学習を推進するため、教育関係者への働き掛けを行う一方、また当省、農林水産省ではその受入れ側の農山漁村の体制づくり等を支援をしているところであります。
 実は、私は鳥取県の子ども会育成協議会の会長をしておりまして、ここずっと、数年、毎年何百人かの子供たちを山村に夏休みに入れて、体験学習を四泊五日ぐらいでずっと続けてきております。鳥取県との協力でやっているわけでありますが、そういった子供たちが農村とか山村で体験して帰ってくると本当にたくましくなって帰ってくるんですね、都市の子供たちが。
 その実態を見ておりますし、また東京都の武蔵野市と私どもの鳥取県とで交流、また大阪府の池田市等と交流して、毎年、夏とかにそういったところの子供たちが鳥取県に来て、また時には親御さんも一緒に来て体験学習をして帰られるということの中で、大変、先ほど大臣がおっしゃいましたけれども、本当に親戚付き合い以上の付き合いが生まれてきているというようなことで、省庁を超えたところでのそういった取組というのは極めて重要な、また県を越えて、当然のことでありますけれども、長期的に継続的に続けていくということが大事だというふうに考えております。
#62
○福本潤一君 大臣、副大臣も、農水省挙げてこれは積極的に取り組んでいただける思いがする答弁、ありがとうございます。
 今、副大臣の話にもありましたけれど、厚生労働省関係で長期休暇がなかなか進まないという現実の問題抱えておると思います。ヨーロッパでは長期休暇する中でこういうグリーンツーリズム体験する、さらに、様々な老後の生活まで含めてこの休みの取り方、順調に取れるのが、日本ではなかなか取りにくいという現実があるようでございます。
 文化論になるのかも分かりませんけど、我が国で長期休暇が取得が進まない理由、また政府としてこれに対してどういうふうに取り組むのかと、これも厚生労働省の方からお伺いしておきたいと思います。
#63
○政府参考人(森山寛君) お答え申し上げます。
 長期休暇に関する調査研究によりますと、我が国におきましては年次有給休暇の取得にためらいを感じる労働者が約七割に上っているということでございます。その感じる主な理由としまして、周りに迷惑が掛かる、あるいは職場の雰囲気、取りづらいといったことを挙げる者が多いなど、事業場における労使の意識が休暇取得に必ずしも前向きになっていないという現状でございます。
 こういう中で、厚生労働省としましては、年休を始めとする長期にわたる休暇を取得しやすい環境を整備することが重要であるというふうに考えておりまして、ただいまもございましたけれども、関係省庁と連携を取りながら、例えばシンポジウムの開催、あるいはいろんな休暇の取得に関するマニュアル等による具体的なノウハウの普及、あるいは事業主や事業主団体に対する助成金の支給などを行っているところでございます。
 また、今国会に、労使が長期休暇取得の重要性を認識しつつ、個々の労働者のニーズに合った形でその取得促進が図られるようにするための所要の改正法案を提出をしておりまして、その成立後は、その趣旨を踏まえた取組を通じて休暇の取得促進に一層努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#64
○福本潤一君 土日連休になったりして、様々な短い休暇は取れやすくなっておるわけでございますけれども、休暇というよりも休日ですけれどもね。これ、高齢化問題、少子化問題、今度は団塊世代の二〇〇七年問題、こういった問題にもかかわってくると思いますので、鋭意取り組んでいただければと思います。
 と同時に、厚生労働省、やはり様々な案件抱えておる中に、農家が民宿を開業するに当たりまして、旅館業法とか食品衛生法、こういうことをクリアしないといけない。既存の農家をそのまま民宿に活用するというのはなかなか難しいわけですけれども、農家はかなり、様々な方に貸し出したい、借りてくれるところがあるのかというようなところまで現実にはございます。
 それで、ヨーロッパでは農家民宿を開業するときに副業という形ならば届出だけで許可はなくてもやれるとか、フランスでは朝食だけであれば食事提供もできるとか許可は不要だとか、イギリスでは農家レストランの営業は無許可でできるというふうに、割とこういうグリーンツーリズムにつながるようなところは許可条件が非常に緩やかになっているわけです。こういう事例、日本では難しいのかどうかも含めて、できない理由も含めてお伺いしたいと思います。
#65
○政府参考人(外口崇君) 食品を調理し、又は設備を設けて客に飲食させる場合は、食中毒発生防止の観点から一定の予防対策が確保されることが必要と考えております。
 昨年の例でございますが、体験型農家民宿において中学生のグループで食中毒の発生が一件ございました。このため、食品衛生法においては、都道府県が必要な施設基準を条例で定め、営業を営もうとする者はその許可を受けなければならないこととされておりますが、その際には、都道府県の判断の下で施設の規模、提供される食事の種類、数量等をしんしゃくするなど、弾力的な運用は可能となっております。
 なお、旅館業法においては、農林漁業者が農林漁業体験民宿業を旅館業法上の簡易宿所として営む場合には、平成十五年四月から客室の延べ床面積に関する要件を適用しないこととして規制を緩和しているところでございます。
 今後とも、実態を踏まえながら対応をしてまいりたいと考えております。
#66
○福本潤一君 時間があればまだまだ質問したかったところでございますけれども、農水省、これ、クラインガルテンも含めて、これからの農水省の課題として、大きな柱として頑張っていただければと思います。
 以上で終わります。
#67
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 この農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進のこの法案の改正案につきましては、農村の景観や地域の資源を生かしたグリーンツーリズム推進と農業の生産の振興、地域振興につながることを期待をし、これは賛成するものです。
 ただ、この現状の指標をひとつ見てみますと、登録民宿業業者数は、一九九七年度に八百六十二軒を最高にして、年々減少して二〇〇三年度末五百五軒というふうになっています。農水省も過疎化による農村の体制の弱体化を指摘しているわけですね。グリーンツーリズムを推進するにしても、やはりこの前提となる農村の疲弊をどう食い止めるかという問題、これに向き合わざるを得ないということがあるわけです。
 今日は、一つの例としてですけれども、北海道の北見市から池田町にかけて、オホーツク圏から十勝圏につながっている全長百四十キロの鉄路、北海道ちほく高原鉄道、ふるさと銀河線というふうに言われていますけれども、この廃止の問題について取り上げながら、問題提起的な質問をしたいというふうに思います。
 それで、この路線は、かつて国鉄合理化の中で廃止の対象となったわけですけれども、生活の路線としてどうしてもこれは必要だと、不可欠だということで、地元の強い要望で北海道と沿線の一市六町が第三セクターをつくって、一九八九年から運行してきたんですね。当初からこれ赤字路線であるということは分かっていたわけですけれども、その上でやはり道や町から基金、資金ですね、転換交付金などで基金をつくってこの運営に乗り出したわけです。しかし、超低金利政策の下で当初予定していた運用益が得られないと、それから乗客数も減少すると、経営も困難になるということで、存続を求める多くの運動があったんですけれども、今年の四月に廃止届が提出をされました。
 そこで、国土交通省にまずお聞きしたいんですけれども、六月の十日に北見で開かれたふるさと銀河線の代替交通機関を検討する協議会での座長の北海道運輸局長の発言内容について、これの代替の交通機関についての発言がされているんですけれども、そのほかに銀河線についてどのような発言が行われたのか、まずお答えを願いたいと思います。端的にお願いします。
#68
○政府参考人(杉山篤史君) 先生からただいまお話がございましたように、ふるさと銀河鉄道、ちほく高原鉄道でございますが、本年の四月二十一日に鉄道事業の廃止の届出がなされまして、六月の十日には代替交通機関を確保するための……
#69
○紙智子君 端的にお願いします。
#70
○政府参考人(杉山篤史君) はい。
 ふるさと銀河線代替交通確保協議会が開催されたところでございます……
#71
○委員長(中川義雄君) 時間がありませんから、聞いたことに答えてください。
#72
○政府参考人(杉山篤史君) はい。
 それで、この協議会での北海道局長の発言の内容でございますが、二点ございまして、一点目は、鉄道の廃止という法律的な手続も進んでいるので、十か月後に住民の皆様方に公共交通機関の足がしっかり確保されるように皆様と一緒に努力をしていきたい。いずれにしても、今日の意見によると、バス輸送を中心に検討していくということで本協議会を今後進めていきたい。
 それから二点目といたしまして、北海道運輸局では六月の頭に意見聴取を行ったが、この中で、一部の方から鉄道としての存続の取組をしたいという話があった。運輸局の立場としては、鉄道運行も一概に否定するものではないが、十か月という非常に短い期間の中で今後の検討を進める必要がある。その場合、そういう中で鉄道運行についての計画の具体化をしていくためには、新規の事業者とちほく高原鉄道さんとの具体的な話合いが必要であり、事業の許可を取るためには具体的な詰めが必要。そういう意味では、鉄道運行も否定はしないが、この協議会では当面はバスの運行ということで話を進めたい。
 このような発言をいたしました。
#73
○紙智子君 確認しますけれども、つまり、その線路を残すということでもし手を挙げた場合には、運輸局としてはそれに対応するということも選択肢としては否定しないということだったわけですよね。それでよろしいですか。
#74
○政府参考人(杉山篤史君) 今申し上げましたように、鉄道による存続を排除しないということでございますが、趣旨は、その鉄道の存続につきましては、既にこの銀河鉄道からは廃止の届出が出されているわけでございますので、またこの廃止につきましては、過去二年間、北海道を中心にいたしまして沿線の市町村、関係者、二年間の議論を踏まえますと、非常に困難な側面があるのではないかと思われる次第でございますが、今後新たな事業者から鉄道事業の許可申請が出てきた場合には、その段階で鉄道事業法の手続として議論が開始されるものと理解しております。
#75
○紙智子君 非常に重要な発言だったというふうに思うんですね。
 それで、届けが出されてはいるんだけれども、廃止届が出されてはいるんだけれども、やりたいという事業者が出てきた場合は、その新会社が銀河線を運行するために新規の鉄道事業の許可を申請した場合、又は現在の運行会社、別会社との間で譲渡認可が行われる場合には存続を別途協議するという手続があるということですよね。
#76
○政府参考人(杉山篤史君) 法律的に申し上げれば、一般論としてはただいまのような手続があり得るということでございます。
#77
○紙智子君 では次に、環境省にお聞きしたいんですけれども、京都議定書のCO2の削減目標達成に向けて政府は公共交通機関の利用促進を運輸部門の第一に挙げているわけです。この運輸部門のCO2排出量のうち自動車が九割近くを占めると。一九九〇年からのCO2の排出増加の半分をマイカーなどが占める現状を見ますと、一般的に言えるのは、できる限り鉄道をやっぱり残して使う方が、残せればですね、望ましいということですよね。いかがでしょう。
#78
○政府参考人(小島敏郎君) 運輸部門でございますけれども、エネルギー起源CO2の全体の約二割を占めております。この間、九〇年比で一九・八%増になっております。部門ごとの目標は一五・の一%でございますので、更なる努力が必要であります。
 それぞれの交通手段を比較いたしますと、平均的な利用形態がなされていれば、鉄道は自動車に比べて一人当たりのCO2排出の原単位が約十分の一でございます。したがって、鉄道は環境に優しいという交通手段と言えると思います。
 京都議定書目標達成計画では、このために、運輸部門の対策として、旅客においては自家用車から鉄道を含む公共交通機関への利用転換、物流においてはトラックや鉄道、船舶へのモーダルシフトということを盛り込んでいるところでございます。
#79
○紙智子君 これまでも環境省、国土交通省もそういう点は認めてこられていると思うんです。それで、国土交通省もできる限りやっぱり鉄道は存続させる立場に立って、まあ今、廃止のあれは出されてはいるんだけれども、しかし地元では何とか残したいものだということでの声は引き続きありまして、やっぱり存続させる立場に立ってあらゆる手だてを講ずるべきではないかと思うんです。このふるさと銀河線の経営が立ち行かなくなった原因には、何よりも国の超低金利政策がありますし、その意味では責任が大きいわけですね。
 鉄道の廃止が過疎地に与える打撃というのも深刻だと。バス転換という話ももちろんあるんですけれども、この場合も数年のうちに路線が何本も廃止されて、運賃も定期代も上がっていくと。そうすると過疎化に拍車を掛けるということは、この間の北海道のあちこち、紋別にしても北見枝幸にしても実証されていることでもあるわけです。
 このちほく高原鉄道が公開した資料によりますと、二十億円の土地の資産があると。こういう資産を売却すれば運行資金も確保できるということですし、それから四十八億円残された基金があるということなんですけれども、鉄道をはがすために三十一億円使うということも言われている中で、ちょっとこれはないんじゃないかというふうに思うわけです。
 国土交通省として、この銀河線に経営を指導するということも検討すべきではないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
#80
○政府参考人(杉山篤史君) ふるさと銀河線につきましては、先生からも冒頭お話がございましたように、国鉄改革のときに、元々バス転換をした方がいいと国は判断したわけでございますが、ただ、地方の方で、地方が責任を持ってそれを残していきたいということで残ってきたということでございます。
 したがいまして、そういった経緯を考えますと、やはり最終的にこれをどうすると、この北海道ちほく高原鉄道をどうしていくかということは、やはり地元の責任においてお考えをいただくということが適当ではないかと思っている次第でございます。
#81
○紙智子君 私は是非、今何とかやりたいということでの努力が続いているわけですし、そして、もしかすると手を挙げるという人も出てくるかもしれないという中で、廃止するのはいつでもできるわけだけれども、やっぱりそういう事態も見守りながら、あらゆる可能性を追求するという立場に立っていただきたいなというふうに思うんです。
 それで、最後に大臣にお聞きしたいと思うんです。
 この銀河線の沿線というのは、やっぱり日本の中でも有数の農業地帯です。畑作があり、酪農があり、ここは豆がすごくいい豆が取れて、お菓子の材料にもなるわけですけれどもね。そういうところで、山林を通り、そして畑をずっと通っていく路線なわけです。それで、本当に自然の中を走っていると、各駅停車なわけですけど、シカが出てきたりして途中で止まったりと。そうすると、お客さんがみんなが見て喜ぶわけですけれども。
 それから、本当に物すごく冬場は雪の中で冷え込むところで、途中にある陸別町なんというところは零下四十度になるんですね。それ自体を売り物にしようということで、それを体感できるようにということでいろんな試みをしたり、それから、オーロラが見える町ということでの町をやっぱり興そうということでいろんな努力もしているわけです。夜走りますと、周り何もないわけですから、真っ暗なわけですよね。その真っ暗な中で星がさんざめくと、本当に。だから銀河線というふうにも言われていると思うんですけれども。
 そういうすばらしい路線でもありまして、もちろん生活路としても、お年寄りが病院に通う足であったり、子供たちが通学する足でもあるわけですけれども、そのやっぱり路線自体があることが地域にとって魅力なわけですね。当然その近隣、周りの人たちでいえばグリーンツーリズムを一生懸命取り組んでいる自治体もあるわけです。そういう自治体がやっぱりこぞって何とかこれは続けてほしいということを要望もしているということなんです。
 もちろん、ここだけじゃないと思うんですね。そういった地域というのはほかにもあると思うんですけれども、こういうやっぱり実態を踏まえて地元の皆さんの声をどういうふうに受け止められるか、大臣の御所見を最後に伺って、私の質問としたいと思います。
#82
○国務大臣(島村宜伸君) 地方を旅していて一番心が痛むその一つが、電車に、私、地方の電車へよく飛び乗るんですが、乗ったときにほとんどお客さんがいない。この間も滋賀県の方を旅していましたら、車掌さんもいない、運転手さん一人の電車がありました。先行きどうなるのかなと思うと、本当に何か寂しい気がしますし、地域の人はある意味で気が気でないのかなと、こんなふうにも考えます。
 さはさりながら、第三セクターまでは言わば企画をして維持に努められたその方たちがいよいよ投げ出す段階というのは、ある意味では想像に難くないわけでありまして、簡単に鉄道がバスになるというとその利便性が確保されるように思いますが、心情的には大変違った意味合いを持つわけで、決して他人事には思えない。
 また、今の御質問を受けていて、東京の私たちなどから見れば逆に大変な衝動的な何か魅力を感じる地域でもあるわけなんで、日本人がもう少し大局的にそういうものに積極的に、言わば自主的な寄附行為でも何でも行って維持ができりゃこんないいことはないんですが、正直言うと、今までいろいろな御陳情をいただく中で、全国的にはかなりの数多いこういう廃線の憂き目に遭った鉄道も承知をしているわけでございまして、誠に心痛むけれども、ただ、これをそろばんだけで勘定していいのかどうか、このことだけは率直に私もあなたのお気持ちをよく理解できるつもりでおります。
#83
○紙智子君 終わります。
#84
○委員長(中川義雄君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#85
○委員長(中川義雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#86
○委員長(中川義雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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