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2005/03/18 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 法務委員会 第5号
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2005/03/18 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 法務委員会 第5号

#1
第162回国会 法務委員会 第5号
平成十七年三月十八日(金曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     富岡由紀夫君     松岡  徹君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         渡辺 孝男君
    理 事
                松村 龍二君
                吉田 博美君
                千葉 景子君
                木庭健太郎君
    委 員
                青木 幹雄君
                山東 昭子君
                陣内 孝雄君
                関谷 勝嗣君
                鶴保 庸介君
                江田 五月君
                前川 清成君
                簗瀬  進君
                浜四津敏子君
                井上 哲士君
   国務大臣
       法務大臣     南野知惠子君
   副大臣
       法務副大臣    滝   実君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  富田 茂之君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局経理局長   大谷 剛彦君
       最高裁判所事務
       総局民事局長
       兼最高裁判所事
       務総局行政局長  高橋 利文君
       最高裁判所事務
       総局刑事局長   大谷 直人君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 英明君
   政府参考人
       内閣官房司法制
       度改革推進室長  本田 守弘君
       法務大臣官房司
       法法制部長    倉吉  敬君
       法務省民事局長  寺田 逸郎君
       法務省刑事局長  大林  宏君
       法務省矯正局長  横田 尤孝君
       法務省保護局長  麻生 光洋君
       法務省入国管理
       局長       三浦 正晴君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成十七年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十七年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十七年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (裁判所所管及び法務省所管)
    ─────────────
#2
○委員長(渡辺孝男君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十七日、富岡由紀夫君が委員を辞任され、その補欠として松岡徹君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(渡辺孝男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に内閣官房司法制度改革推進室長本田守弘君、法務大臣官房司法法制部長倉吉敬君、法務省民事局長寺田逸郎君、法務省刑事局長大林宏君、法務省矯正局長横田尤孝君、法務省保護局長麻生光洋君及び法務省入国管理局長三浦正晴君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(渡辺孝男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(渡辺孝男君) 去る三月十六日、予算委員会から、三月十八日の一日間、平成十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、裁判所所管及び法務省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 平成十七年度裁判所及び法務省関係予算につきましては既に説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○吉田博美君 自由民主党の吉田博美でございます。
 我が国は、従来、世界一安全な国とうたわれ、諸外国と比較しても治安は格段に安定し、国民の皆さん方は安心、安全に暮らし、そのことを一つの誇りとしてまいりました。ところが、近年とみに犯罪が増え始め、この十年間でおよそ百万件もの犯罪が増えてしまいました。また、その犯罪の内容も年々凶悪、多様化し、社会にその都度衝撃を与える事件が多発しております。特に、ごく最近では、性犯罪者や仮出獄者の再犯及び青少年による重大な犯罪も発生しております。さらには、人身取引問題なども発生し、国際的な問題となっております。
 本日は、このような背景を踏まえ、幾つかの質問をさせていただきます。
 最初に、法務省関係予算についてお伺いいたします。
 現在、法務省を中心として司法制度改革を推進しているところでございますが、法務省関連の十七年度予算のうち、司法制度改革に伴う関連予算はどのくらいでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
#7
○政府参考人(倉吉敬君) 平成十七年度の予算案において、司法制度改革推進のために法務省で講ずる主要な措置に関する経費でございます。総合法律支援体制の整備に関するものとして五億三千万円、民事法律扶助事業の充実に関するものとして四十五億五百万円、それから裁判員制度の広報啓発活動の推進に関するものとして三億二千百万円の予算措置をそれぞれ図っているところでございます。
#8
○吉田博美君 司法制度改革は、今後も着実に実行していかなければならないと考えますが、それに伴う財政処置も必要だと思います。
 さきの、昨日ですか、江田五月委員の方からも、これらの司法制度改革の審議というものは極めて重要で、我々も十分審議してきたと、しかし、これは実行に移す段階でいかになるかということは、やはり付きまとうものはお金の問題もありますから、そうしたものを十分に予算をということでおっしゃっていましたが、私も同様な考えでございますが、そのような中で、およそどれぐらいの予算が必要と考えていらっしゃるのか、お聞かせいただけますか。
#9
○政府参考人(倉吉敬君) 御指摘のとおり、昨日もお励ましをいただきまして、一連の司法制度改革の成果を国民が実感できるようにすると、ここが一番大事なところでございます。
 そのためにどの程度の予算が必要となるかということでございますが、裁判員制度、それから総合法律支援制度を始めとする今般の司法制度改革の効果を、制度の趣旨を踏まえつつ、効果的かつ効率的に実施に移すという観点から、今後、制度の運用の詳細と併せて検討を重ねていかなければなりません。
 現時点で御指摘のあった具体的数字を申し上げるというのは難しい面があることを御理解いただきたいと思いますが、今回の司法制度改革を実現し、司法制度を一層充実させるために、今後とも所管事務の円滑な遂行に必要な予算の確保に努めていく所存でございます。
#10
○吉田博美君 次の質問の予定のお答えはいただきましたので、裁判員制度の導入に向けた広報啓蒙のための十七年度予算はどのぐらいかとお聞きしましたら、もう三億二千万円とさっきおっしゃったものですからそれは結構でございますが、そこで、裁判員制度導入にかかわるこれまでの取組と今後の方針についてお伺いいたします。
#11
○政府参考人(大林宏君) これまで法務省は、最高裁判所及び日本弁護士連合会と連携協力いたしまして、裁判員制度に関する様々な広報啓発活動を推進してまいりましたけれども、今後もこれを更に積極的に展開しつつ、関係省庁等とも連携した効果的な広報啓発活動を実施していく予定でございます。
#12
○吉田博美君 そこで、現在、日本司法支援センターの設立準備が進んでいると思いますが、センターに関連する十七年度予算はどのくらいでしょうか。総合法律支援じゃなくて、センターに関連するものでございます。
#13
○政府参考人(倉吉敬君) 十七年度予算の関係では、先ほど申し上げました五億三千万円でございます。
#14
○吉田博美君 それではセンターだけということでございますね、先ほど来お話のあった。総合法律支援の中でセンターに関するものはというようにお聞きしたんですけれども、その点について。
#15
○政府参考人(倉吉敬君) 失礼しました。
 日本司法支援センター設立準備体制の整備等に要する経費として二億二千九百万円を計上しております。
#16
○吉田博美君 通告した順番をちょっと変えさせていただきまして、少年法の一部改正について御質問させていただきます。
 実は先ほど来、凶悪犯罪も増えていると、少年の犯罪も増えているというようなお話をさせていただいたわけでございますが、今朝、テレビを見ていましたら、長崎の佐世保の小学校の卒業式がありまして、そしてあの被害者のお子さんの代わりにお父さんがその卒業式に出席をされまして、そしてそのところで卒業証書をもらわれて、そのお父さんが、娘のあのにこやかな顔がいまだに忘れられないというお話をされたということをお聞きいたしまして、本当に少年の問題というものは大きな問題だと思いまして、そうした中で少年法についてお伺いをさせていただきたいわけでございますが、少年法の一部改正案の提出は、そのような状況、あっ、済みません、間違えました、一つこっちの方でございます。
 少年による凶悪犯の状況は極めて深刻だと聞いていますが、その詳細な状況についてお伺いいたします。
#17
○国務大臣(南野知惠子君) 私も今朝、そのテレビを見させていただきまして、本当に悲しい思いがいたしました。お父様の胸のうちが分かるようでございます。
 そういう非行少年のうち、とりわけ殺人、強盗等の凶悪犯につきましては、十四歳未満の者によるものも含めて申し上げますと、凶悪犯の検挙人員は平成二年から上昇傾向に入っております。平成九年には、前年に比べまして約一・五倍に増加し、以後、平成十五年まで二千人を超える高水準で推移してきております。昨年につきましては、速報値によりますと、前年比でかなり減少しているようではありますが、今申し上げましたような推移の状況を踏まえますと、予断を許さない状況であると考えております。
#18
○吉田博美君 そこで、少年法の一部改正案の提出はそのような状況を踏まえたものと理解しておりますが、その具体的な経緯についてお伺いいたします。
#19
○国務大臣(南野知惠子君) 少年非行の深刻な現状を踏まえまして、平成十五年十二月、青少年育成推進本部が策定いたしました青少年育成施策大綱におきまして、一つは、触法少年の事案について警察の調査権限を明確にするための法整備を検討すること、二つ目は、触法少年についても早期の矯正教育が必要かつ相当と認められる場合に少年院送致の保護処分を選択できるよう少年院法の改正を検討すること、三つ目には、保護観察中の少年について遵守事項の遵守を確保をし、指導を一層効果的にするための制度的措置について検討することが示されましたほか、同月、犯罪対策閣僚会議が策定しました犯罪に強い社会の実現のための行動計画におきましても、非行少年の保護観察の在り方の見直し及び触法少年事案に関する調査権限等の明確化について検討することが取り上げられましたが、これらの検討事項はいずれもかねてから立法的手当てが必要と指摘されていたところでもあります。また、平成十四年三月に閣議決定されました司法制度改革推進計画におきまして、少年審判手続における公的付添人制度につきまして積極的な検討を行うこととされました。
 法務省といたしましても、これらを踏まえまして、少年法等の改正の要否を法制審議会において御審議いただき、その答申に基づきまして少年法等の一部を改正する法律案を提出するに至ったものであります。
#20
○吉田博美君 今大臣にお答えいただいたのは、まさしく犯罪を起こした少年に対する触法の課題だとか、あと保護観察だとかいろいろな問題でございますが、私が、御手洗さんのお父さんがその学校の子供たちの卒業式のとき、歌を歌いながら、子供たちが本当に大きな波を乗り越えてきて、今日ようやく笑えることができるようになったということでございますが、果たしてそうなのかなという感じがするわけでございまして。
 実は私自身思いましたのは、あのときに卒業アルバムに、同じクラスに被害者もいる、加害者もいたわけですよね。それで、加害者の子供を写真を載せるか載せないかということで子供たちがみんなが一緒になって協議をして、いや、載せた方がいいんじゃないかと、一緒にやってきたんだと、いや、怖いからとかいろんな意見が出て、結果的にお父さんの意見も聞くようなことがあったそうであります。
 そのお父さんの言葉の中に、今まで一緒に在籍したのだから何らかの形で残せる方法はないかと言ったあのお父さんの言葉は、まあメディア関係の方でありますが、普通ですと、自分の我が子を、大事な子供を亡くされたとき、憎しみこそ多かりき、その慈愛の気持ちというのは出ないと思うんですけれども、その非常に幅広い心というものを、海のような心というものを感じて感動したわけでありますが、この反面私は、その起こした、被害者の、いわゆる加害者の両親というものはいらっしゃると思いますから、その人の気持ちになったときに、我々はある種の感動を見ましたけれども、またこの何とも言えない感慨深いものというか、もうどうしようもないものがあるんじゃないかと思って。ですから、考えてみましたら、むしろこういう問題を起こす前に何か方法は何かあったんじゃないかなという感じがするわけでございますが。
 実は私は、先般の質疑でもさせていただきましたけれども、父が保証人をして、そして夜逃げ同然で山梨の方に行って、私がおばあちゃんのうちへ預けられたときに、学校に行きますと、みんな子供たちが、あの両親は夜逃げしたんだぞということが聞こえるんですよね。そして、自分が、その当時、昭和三十四年ごろですからテレビがまだ出始めたころで、テレビ見ようと思ってもうちにないもんですから、よそのうちに見に行くと、ヤブカにかまれながら、あいつのところ夜逃げしたんだからなというのが聞こえるわけですよ。そうすると人間って、子供の中にも何となくいじけた気持ちになって、何かゆがんだ気持ちになって、こういう鶴保先生に、例えば裕福な家庭の、いじめたくなるんですよね、何となく。この人悪いわけじゃないですよ。いじめたくなるんです。それで、自分のやり場がなくなるんですよ、どうすればいいかという。
 それを、幼い子供のそうした気持ちをどうやって把握してつかんでやるかという、そのことが私はある意味で大事なんです。私の場合は、たまたま山口県の柳井市に斉藤道場というアマチュアレスリングの道場がありまして、そこへ自分の情熱を傾けることができて、おかげで県でも優勝させていただきましたけれども、そういう一つのぶつけるものがあったから私自身はある意味でゆがんだ心が矯正されたんじゃないかと思うんですよ。
 本当にそうした中で、ちょっとしたことを、よく学校参観なんか行きますと、父親参観だとか母親参観というのがある。自分の我が子の成長の姿を見て喜んだり悲しんだり、そうじゃなくて、学校の先生だけに任せるんじゃなくて、社会に、社会教育も大事でありますが、親も子供たちと本当に何人かずつでグループで話をして、自分の親に話せないような悩み事や何か、子供たちのを聞いてやるという、そして心の安らぎを持ってやるというような、これは法務省のことじゃないですね、どちらかというと文科省の方になるか分かりませんけれども、そうした気持ちも大事じゃないかと思うんですよね。ドメスティック・バイオレンスか何かに取り組んでこられた大臣、そのようなことで、私の考えについてどう、いかがお持ちでしょうか。
#21
○国務大臣(南野知惠子君) 先生の幼いころの顔が浮かんでくるような感じがいたしましたが、私といたしましても、満州から引き揚げてきて同じような体験を持っているということを申し上げてもいいのかなと。
 これは鹿児島の方言ですけれども、何々、民という字を書いて、民という字を耳ということとも同じく表すんですけれども、南野、あいつは引揚げ民だといって耳を引っ張って上げられたりするような、そういう行動が学校でされたりするということもありましたから、それはそれで我々は抑えていかなければならない行動であろうと思っておりますけれども。
 罪を憎んで人を憎まず、両サイドの御両親も含めて大切なことだなと思いますが、学校教育の中で、私ここで一つ申し上げたいことは、担任の先生、大切です。でも、その先生をサポートする養護教諭という人がいるはずであります。これは八百人以上の学校には、生徒がいる場合には二人の養護教諭を設置することができるとなっておりますので、そういう心と体の問題を学校内で処理する人というものを大切にしていただきたい。今、何か心理カウンセラーということで外からというお考えもありますが、学校の中にも子供たちといつも開襟を開ける人たちがちゃんとお世話をしてくださるということで設置されるということが望ましいと、今思い出しております。
#22
○吉田博美君 変わりまして、今度は行刑施設についての質問をさせていただきます。
 昨年、行刑施設の過剰収容が深刻な状態にあり、収容体制を強化しなければならないとのことでしたが、その後どのような改善策が講じられたのでしょうか、また、民間委託はどのくらい進んだのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
#23
○政府参考人(横田尤孝君) お答えいたします。
 刑務所等の収容人員は、平成十年以降急激な増加が継続しておりまして、特に受刑者等の既決被収容者にありましては、平成十六年末現在、その数で約六万四千九百人、収容率にいたしますと約一一八%と、その収容状況は一段と厳しくなっております。
 これまで過剰収容状態の解消のために刑務所等の収容棟の増築工事等による収容能力の拡大を図ってきたところでございまして、本年度も福島刑務所及び同刑務所支所を含め約六千人分の収容能力増強のための工事を行ってきておりますが、それに加えまして本年度、つまり平成十六年度の補正予算及び現在審議中、御審議いただいております平成十七年度予算案におきましても、PFI手法を活用した刑務所の整備も含め刑務所等の収容能力を七千三百人以上増強することとしておりまして、これらが完成した暁には過剰収容状態の緩和に大きく役立つものと期待しているところでありいます。
 また、職員の増員につきましても、関係各方面の御理解をいただきまして、平成十七年度予算案におきましては五百三十四人の増員が計上されているところでございまして、さらに、矯正施設における業務の民間委託につきましても、平成十六年度二百十二人であったところ、平成十七年度予算案では六百十七人と、今年度に比しまして約三倍の民間委託数を予定しております。これらの活用によりまして、過剰収容に伴う職員負担の軽減を図ることができるものと考えております。
 しかしながら、最近の犯罪情勢等からいたしますと、収容人員の増加傾向はなお継続するものと予想され、これに伴いまして刑務所等の収容状態は依然として厳しい状態が続くことが推測されますことから、今後とも収容能力の拡充等に努めてまいりたいと考えております。
#24
○吉田博美君 答弁は淡々と同じトーンで言っていらっしゃいますけれども、大変なことでございますね。私も現状というのを見せていただきましたけれども、本当に布団がもうそこらじゅう敷いてあって、もしあの中で夜中起きて、私なんか寝言を言うタイプだし、そしてトイレにしょっちゅう行くようになりますと、人の頭を踏んじゃうんじゃないかと。関谷先生みたいなおっかない人おったら、それは怒られちゃうんじゃないかというような感じがするわけですよね。そして、その中で、本当にこういう状態というのは大変な状態ですから、やっぱり本当に真剣に取り組んでいかないといけないし、PFI等どんどん取り組んでいただきたいと思います。
 次に、治安の問題についてお伺いいたします。
 我が国の治安の現状をどのように認識しているのでしょうか。現在もなお悪化の傾向にあるのでしょうか。お聞かせいただきたいと思います。
#25
○副大臣(滝実君) 一般に理解されておりますように、とにかく治安が悪化しているという、そういう気持ちは恐らく大概の人がお持ちだと思います。数字の上では、おかげさまで平成十五年、十六年と二年続きで対前年度比の刑法犯の件数が横ばいというか、やや減っているとか、そういうような数字を示すようにはなっておりますけれども、十年前のレベルと比べますと、強盗事件で約二倍、侵入犯については三倍と、こういうような、十年前と比べてそういうような大きな件数になっていると。しかも、昨今の国民を震駭するような子供に対する凶悪事件、そういうようなことを考えますと、何となく体感として物すごく悪化しているということは否めない事実だろうと思います。
#26
○吉田博美君 件数は横ばいでも、先ほど来、凶悪犯がかなり増えているという現状でありますので、治安というものがいかに大事かということでございますが、治安回復のために法務省が果たす役割は極めて重いものだと考えますが、法務省は治安回復のためにどのような対策を講じようとされているのでしょうか。
#27
○副大臣(滝実君) 一つには、法律だけでこの問題を予防するというわけにはまいりませんけれども、やはりそのときそのときに不備な法制は充実させていくということがやっぱり一つの大きな課題だろうと思います。
 それからまた、どうしても国民の目に届くところは、再犯というような問題も出てまいりますから、いかに再犯を防止するかと、こういうようなことにも目を向ける。今委員御指摘のように、刑務所の過剰人員の問題も、刑務所の中における矯正教育という点から、あるいは出所後の問題から、そういうような大きな問題を含んでいると思いますから、総合的な観点からできるだけ法務省として全力を挙げてこの問題に取り組むと、こういうようなつもりでいるわけでございます。
#28
○吉田博美君 近年、外国人犯罪組織や暴力団組織による犯罪が多発する一方で、ハイテク犯罪も多数発生しています。これらに適切に対処するためには刑事法の整備が必要と考えますが、その点についてのお考えをお聞かせいただけますか。
#29
○政府参考人(大林宏君) 御指摘のとおり、近年、国際的な犯罪や組織的な犯罪が頻発し、また情報処理の高度化に伴ってハイテク犯罪も多発しております。
 そこで、このような犯罪に適切に対処するとともに、既に締結について御承認いただいている国際組織犯罪防止条約やサイバー犯罪に関する条約を締結するため、昨年の通常国会に犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案を提出しているところでございます。
 この種の犯罪に国際社会と協調して適切に対処していくことは、我が国の治安の回復にとって極めて重要であるとともに、我が国に課せられた国際的な責務でもございますので、できるだけ速やかにこの法律案を成立させていただきますようお願い申し上げます。
#30
○吉田博美君 そこで、問題のある外国人、例えばテロリストなどは確実に水際で阻止しなければなりません。今年は二十四日から愛知万博もありますので、万全の措置をお願いしたいと思いますが、法務省の水際対策の取組についてお伺いをいたします。
#31
○政府参考人(三浦正晴君) お答え申し上げます。
 愛知万博の成功のために、入国管理局といたしましても可能な限りの努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
 御指摘のございました水際対策についてでございます。国際博覧会等を標的としたテロを防ぐために、テロリストの入国を確実に阻止するよう、職員一人一人の危機管理意識を更に高めるよう努める一方で、万博の参観等、また観光のために我が国を訪れる善意の外国人の旅客の円滑な上陸を実現することにも工夫をしてまいりたいと考えております。
 具体的に申しますと、外国の空港へ職員を派遣いたしまして、外国人旅行者が上陸のための要件に適合しているかどうかを日本到着前に確認する出発時における事前確認方式、プレクリアランスと呼んでおりますが、こういったものですとか、主要な空港におきまして、上陸審査ブースで入国目的などに疑いがある場合、別室で慎重に審査を行う二次的な審査方式、セカンダリー審査と、こう呼んでおりますが、こういったものなどの新たな審査方法を導入いたしまして、関係機関とも連携を取りながら、万全の措置を講じていきたいと考えておるところでございます。
#32
○吉田博美君 先ほども副大臣の御答弁の中にも再犯防止対策がいかに大事かということをお聞きしたわけでございますが、次に、再犯防止対策についてお伺いいたします。
 奈良県や愛知県安城市の事件を契機に、法務省では再犯防止のための取組方針をお決めになったと聞いておりますが、その具体的な内容をお伺いいたします。
#33
○副大臣(滝実君) 再犯防止につきましては、当委員会におきましても、例えば性犯罪者の問題について具体的にフォローアップするようにと、こういうような御指摘もいただいているわけでございます。
 まず、犯罪の発生から、そして受刑段階における状況、それからまたその後の状況、そういうようなものを具体的にフォローアップすると、そういうようなデータを基にして、どういう方向でやるかということがまず大事だというようなことを立てておりまして、それに基づいて、大臣からも度々申し上げていると思いますけれども、三つの基本方針を持ってやっていこうとしているわけでございます。
 一つには、例えばカウンセラーとか心理学者とか、そういうような、具体的にどういうようなことをやっていけば矯正の実が上がるかという観点から、もう少し今までの実績の積み重ねを分析しながらこの方法論を確立していきたいというのが一つでございます。
 それからもう一つは、やっぱり社会復帰のための具体的な処遇というものをどうするかと。例えば更生保護施設、それなりの働きをしてきておりますけれども、それなりのやっぱり限界もあると。その限界をどう打破していくかというのが二つ目の問題かと存じます。
 三つ目には、情報の共有ですね。度々指摘されておりますように、関係当局がやはり情報を共有しながら、この問題についてウオッチしているよというようなことも大変重要なことだろうというふうに考えておりまして、そういうことを今具体的に積み重ねるという段階に至っていると思っております。
#34
○吉田博美君 三つのことでございますが、特に性犯罪者の再犯防止について研究会を立ち上げて新たな矯正教育プログラムを作成するとのことでございますが、具体的にどのようなことを重視して作成するのでしょうか。先ほどの三つを重視されるのでしょうか。また、専門知識を備えた教官の育成について何か考えていらっしゃるのでしょうか。
#35
○政府参考人(横田尤孝君) お答えいたします。
 再犯防止のための矯正プログラムを作成するに当たりましては、ただいまの副大臣の答弁にも関連いたしますけれども、有識者の御意見を十分に聴きながら、科学的、体系的なプログラムを整備していくことが肝要であると考えておりまして、既に当局におきましては、昨年、薬物事犯者に対する教育的処遇や被害者の視点を取り入れた教育について、有識者の方々とともに研究会を開催いたしまして、現在、これに基づきまして標準的なプログラムの策定に向けて取り組んでいるところでございます。
 性犯罪者の再犯防止プログラムにつきましても、今後、精神医学、心理学等の専門家の協力を得て科学的、体系的なプログラムを策定する予定としておりまして、現在、専門家の人選等の準備を具体的に進めているところでございます。
 また、受刑者個々の特性等に応じた効果的な矯正処遇を実施するためには、矯正プログラムについての処遇理論や技術に関する専門的知識が必要であると考えておりますので、教育学、心理学及び社会学等の専門性を有する職員の任用に努めますとともに、専門性を向上させるための職員研修等の充実に努めてまいりたいと考えております。
#36
○吉田博美君 性犯罪受刑者の出所後の所在等に関する情報を警察に提供するとのことですが、子供を対象とする性犯罪者に限るのでしょうか、また、性犯罪者以外の受刑者についての情報提供をどのように考えているのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
#37
○大臣政務官(富田茂之君) 警察庁の方から、本年六月一日を期しまして十三歳未満の子供を対象とした強姦や強制わいせつ等の性犯罪を犯した受刑者につきまして法務省から出所情報の提供を受けたいとの要請があり、法務省といたしましては、受刑者の改善更生に配慮しつつ、再犯を防止するための取組に積極的に協力するとの観点から、この要請に応じるべく準備を進めているところであります。
 また、十三歳未満の子供を対象とした性犯罪以外の犯罪につきましては、今後、まず警察庁におきましてどの範囲の犯罪を中心に再犯の防止に力点を置こうとするのかの検討がなされた上で、犯罪の再犯率の高さや国民に与える不安感等の点を考慮に入れて内容が決められていくものと思われます。
 法務省といたしましては、警察庁からの具体的な要請を受けまして、更に十分な協議を尽くしてまいりたいと考えております。
#38
○吉田博美君 ところで、法務省では仮出獄した性犯罪者に対する保護観察を強化するとのことですが、その具体的な内容をお伺いいたします。
#39
○政府参考人(麻生光洋君) 仮出獄いたしました性犯罪者の再犯を防止するため、保護観察官による直接の面接指導や家庭訪問を積極化するなど保護観察官の直接的関与を強化していくことといたしましたほか、保護観察を担当する保護観察官及び保護司に対する性犯罪処遇に関する研修を充実させることといたしております。
 また、先ほど矯正局長から答弁がありましたけれども、矯正、保護両面で科学的、体系的な性犯罪の再犯防止プログラムを策定することといたしておりまして、性犯罪仮出獄者等がふさわしいプログラムを受けることを遵守事項として定め、これを守るよう指導することといたしております。
 これらの方策を講じることによりまして、性犯罪者に対する保護観察の充実強化に努めてまいる所存でございます。
#40
○吉田博美君 顔を見てゆっくりしゃべっていただいて結構ですから、その点、何も怖くないですから、全然、よろしくお願いいたします。
 新聞報道によりますと、民間施設では、更生保護施設は性犯罪前歴者の受入れに慎重になっているとのことですが、国としてはどのように認識しておられるのでしょうか。
#41
○大臣政務官(富田茂之君) 委員御指摘のように、新聞報道でたしか一面トップに大きな記事として載っていたと思いますが、これは新聞社の方で独自の調査をされた結果を掲載されていたものだと思います。
 更生保護施設は全国に百一施設がございまして、地域の理解と協力の下にすべて民間法人が運営しております。性犯罪者に対する地域社会の厳しい感情に配慮しなければならないことや、職員体制が必ずしも十分でないことなどから、性犯罪者の受入れに慎重になっている面もあるのが実情ではないかと思われます。
 先般、法務省としましては、性犯罪者に関する多角的な調査研究、受刑中及び保護観察中の処遇プログラムの策定等再犯防止のための緊急的対策の実施を決定したところですが、まずこれを迅速確実に推進することが重要なことであると認識しております。
 各更生保護施設を所管している保護観察所では、入所者に対する保護措置や処遇方法等について常時更生保護施設と協議を行っているところでありますけれども、この緊急的対策の実施状況等も踏まえながら性犯罪者の受入れの在り方について検討していくとともに、今後とも様々な形での支援を強化してまいりたいと、このように考えております。
#42
○吉田博美君 取り組んでおられるそうでございますが、保護観察制度の充実強化を図るためには、やはり保護司が活動するための基盤整備が必要と考えますが、何か対策を考えていらっしゃるのでしょうか。
#43
○政府参考人(麻生光洋君) 近時、保護観察事件が複雑多様化するとともに、地域社会の変動、国民の意識の変化等を受けまして、保護司の活動はこれまでよりも困難になってきておりますが、保護司活動を一層推進するためには、保護司に一人でも多くの適任者を確保することと、保護司の能力の向上を図ることが何よりも重要な課題であると認識いたしております。
 まず、保護司適任者の確保につきましては、ますます困難になっている実情にありますことから、各界各層から保護司の適任者を得ることができるよう、地域の機関、団体と連携して保護司にふさわしい候補者を開拓する方策の実施を検討いたしております。
 次に、保護司の能力向上につきましては、保護観察処遇に必要な知識、技術を身に付けていただくための保護司研修を一層強化することといたしております。さらに、保護司活動に対する支援の強化といたしまして、実費弁償金の充実などに努めているところでございます。
#44
○吉田博美君 大変な仕事でありますね、保護司というのは。言わば本当にボランティアの先というか、そんなような感じがするところでございますので、かなり実費弁償等のこともしていただけるそうでございますので、きちっとした取組をしていただきたいと思います。
 ところで、心神喪失者医療観察法の施行に向け、法務省の準備の状況をお伺いいたします。
#45
○国務大臣(南野知惠子君) 心神喪失者の医療観察法、これは心神喪失等の状態で殺人とか放火などの重大な他害行為を行った人に対して、その適切な処遇を決定するための手続等を定めることによりまして、継続的かつ適切な医療並びにその確保のために必要な観察及び指導を行うことによりまして、その病状の改善及びこれに伴う同様の行為の再犯の防止を図ろうと、もってその社会復帰を促進するということなどを目的といたしております。
 法務省におきましても、現在その円滑な施行に向けまして準備を進めているところでございます。例えば、本制度の下における地域社会における処遇等に重要な役割を果たすこととなる保護観察所に社会復帰調整官となるべき人を全国で五十六名配置しましたほか、各保護観察所におきまして、都道府県、市町村等を始めとする精神保健福祉関係機関と本制度の運用等に関する協議会等を開催いたしまして、連携協力体制の整備に努めているところでございます。
#46
○吉田博美君 しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 次に、人身取引対策についてお伺いします。
 今国会におきまして、人身取引対策のための法整備を予定しているとのことでございますが、そのような法整備が必要となった背景や経緯についてお伺いいたします。
#47
○国務大臣(南野知惠子君) 人身取引につきましては、国連におきましても、国際社会が協力してその防止又は撲滅を図るためにいわゆる人身取引議定書が採択されているところでございますが、近年、我が国におきましても、人身取引と見られる事案の発生が認められる状況になっておりまして、政府といたしましても、この議定書を早期に締結すべきことも盛り込みました行動計画を策定し、総合的、包括的に対策を進めているところでございます。
 御指摘の法整備は、こうした背景を踏まえまして、人身取引議定書を締結し、また近年における我が国の人身取引等の犯罪の実情等に的確に対応するため、刑法、出入国管理及び難民認定法等の改正を行うものであります。
#48
○吉田博美君 背景や経緯につきましては大臣からお聞かせいただいたわけでありますが、ところで、我が国における人身取引の実態について、大臣御自身はどのように認識されているのでしょうか、お聞かせいただきます。
#49
○国務大臣(南野知惠子君) 人身取引というのは本当にゆゆしい出来事であるということは認識いたしております。
 現行の出入国管理及び難民認定法の違反、又は売春防止法違反等で摘発された事案を見ますと、外国のブローカーから女性を買い受けた上、パスポートを取り上げたり、理由のない高額な借金を課し、さらには居住場所や外出を制限するなどして売春等に従事させるなど、人権を侵害する反社会的行為が行われていることが明らかになった事案がございます。
 人身取引は、我が国においてもその防止、撲滅に向けて真剣に取り組むべき課題となっているものと考えております。
#50
○吉田博美君 人身取引対策をしなきゃいけないわけであります。
 そこで、入管法を改正するとのことでございますが、その概要についてお聞かせいただけますでしょうか。
#51
○政府参考人(三浦正晴君) お答え申し上げます。
 今国会で改正をお願いしておりますわけでございますが、入管法の改正案におきましては、人身取引の被害者の保護に関しまして、被害者と認められた方を一部の退去強制事由などから除くということをしております。このほか、被害者のうち人身取引によりまして他人の支配下に置かれたために不法滞在状態に陥った方などにつきましても、在留特別許可の対象となることを明示することとしております。
 また、人身取引の加害者につきましては、新たに退去強制事由などを設けるほか、航空機等の運送業者に対する外国人の旅券等の確認義務や外国入国管理当局に対する情報提供に係る規定の整備を行うこととしております。
#52
○吉田博美君 人身取引につきましては外国が関係をしてくるわけでございますが、人身取引対策についてこれは必ず国際協調というのが重要だと考えますが、大臣の御認識のほどをお伺いいたしたいと思います。
#53
○国務大臣(南野知惠子君) 先生、本当、御指摘のとおり、人身取引の防止、撲滅及び被害者の保護につきましては国際社会と協調していくことが大変重要であるということを認識いたしております。
 現在、政府におきましては、人身取引の被害者の出身国政府と積極的に意見交換を行っておりますほか、国際移住機関の人身取引の被害者に対する帰国支援に協力するなどいたしております。
 また、今回の出入国管理及び難民認定法の改正におきましては、我が国の入国管理当局から外国入国管理当局に対する情報の提供に関する規定を設けることといたしております。
#54
○吉田博美君 今被害者の問題に触れられましたが、今回の人身取引対策に係る法整備では被害者の保護に関しどのような内容が盛り込まれているのですか、お聞かせいただけますでしょうか。
#55
○政府参考人(三浦正晴君) 入管法の改正に関してお答え申し上げますが、現行法の入管法上は、人身取引の被害者が売春などに従事させられるなどした場合でありましても退去強制事由に該当するということになります。しかし、人身取引の被害に遭って売春に従事させられたにもかかわらず退去強制等の対象とされるということはやはり不合理でございますので、今回の改正案におきましては、そのような場合には退去強制の対象から除外することとしております。
 また、人身取引の被害者につきましては、出身国に帰国することによって生命などに危険が及ぶおそれがある場合などがありますことから、今回の改正案では、人身取引によって他人の支配下に置かれたために不法滞在状態に陥った方などにつきましても我が国に滞在できるよう、特別に在留を許可することができることなどを法文上明記することとしております。これによりまして、被害者の方が安心して被害の申告ができるようになるものと考えております。
#56
○吉田博美君 そこで、罰則規定でございますが、今回の人身取引対策に係る法整備ではどのような罰則規定の改正が行われるのでしょうか。
#57
○政府参考人(大林宏君) 今回の改正のうち、人身取引対策に関する罰則整備といたしましては、人身の売渡し行為及び買受け行為を犯罪とすること、生命・身体加害目的による略取行為等を犯罪とすること、被略取者等の輸送、引渡し、蔵匿行為を犯罪とすること、現行法で規定されている国外移送目的略取等の罪の構成要件を日本国外から所在国外に拡大すること、逮捕監禁及び未成年者略取誘拐罪の法定刑の上限を懲役五年から懲役七年に引き上げること、これらの罪が国外で犯された場合について刑法第三条及び刑法第三条の二による処罰の対象とすること、これらの罪について組織的犯罪処罰法における犯罪収益等の前提犯罪とし、例えばこれらの罪に当たる行為により得た収益を仮名口座に入金するなどして隠匿する、いわゆるマネーロンダリング行為などを処罰することを可能とするほか、当該財産について組織的犯罪処罰法による没収、追徴等を行うことを可能とすることなどを内容としております。
#58
○吉田博美君 次に移らせていただきますが、会社法についてお伺いいたします。
 今国会で会社法案が提出されるとのことでございますが、この法整備が必要となった背景と経緯をお伺いいたします。
#59
○政府参考人(寺田逸郎君) 御説明申し上げます。
 昨年、民法につきまして現代語化を完成させていただきました。残る大きなものといたしまして幾つかございますが、最大のものが商法でございます。この商法、片仮名の表記というのは、非常によく使われる法律といたしましては非常に不便なものでございますので、かねてからこの商法も現代表記に改めてほしいという要請がございました。
 また商法は、会社法は商法のほかに有限会社法、それから監査特例法というようにばらばらの法律ができておりまして、会社の規律すべてが商法で分かるというわけではございません。その不便もございました。
 また、この会社法につきましては、商法中幾つかの規定がこのところ頻繁に改正をされまして、なかなか全体としての整合性が取れているのかというような問題提起もあったわけでございます。特に自己株について累次改正が行われ、あるいは近時は委員会設置会社等幾つかの改正が行われたわけでございますけれども、全体としてのバランスを取るという必要がやはり残っているという指摘が学者の方を中心としてあったわけでございます。
 特に、内容といたしましては、一方で大きな企業というのは世界を相手に会社としての事業を行っているわけでございます。当然のことながら、グローバルルールと申しましょうか、その競争している相手と同等のイコールフッティング、そういうような立場というものを組織法上も求めているわけでございます。他方、中小企業は一方で大会社と同じような法律の規制に服しているところもこれまであったわけでございますけれども、より柔軟なそれぞれのニーズに見合ったものを選択して、それぞれの会社の運営に生かしたいという声が非常に強くなってきております。
 こういう背景から、平成十四年に法制審議会にこの会社法についての全面的な見直しの諮問がなされまして、平成十五年に要綱試案という形でこの検討の結果が、一応の検討の結果が示されたわけでございます。それに対してパブリックコメント等各界の意見が寄せられまして、昨年の暮れに最終的にそれらのいろいろな御意見を参照し、審議、検討を重ねた結果としての要綱がこの会社法現代化部会というところで示され、さらに今年の二月に法制審議会の総会でこれが了承されまして会社法の要綱案になったわけでございます。そこで今回、この国会にその要綱に基づきまして会社法を提出させていただきたいと、このように考えている次第でございます。
#60
○吉田博美君 時間の関係もございますので、あと一問だけさせていただきたいと思いますけれども。
 この会社法案に関しまして、合併対価の柔軟化ということでございますが、合併対価の柔軟化により外国株式を対価とする合併が認められますと、外資による敵対的買収が増えるのではないかという心配があるわけですが、その点についてお聞かせいただきたいと思います。
#61
○副大臣(滝実君) 今般の改正法案というか会社法案の議論の中でそういうようなことが大きなテーマになったわけでございます。
 しかし、会社の買収というのは、先般の新聞をにぎわせました事件にもございますように、多数の株式を取得するまでが勝負でございまして、合併対価というのは買収後の支配権を確立した後の問題なわけですね、買収するまではいろんな攻防戦が行われるわけでございますけれども。
 問題は、合併の対価としての外国株というのは、もう既に支配権を確立して、いよいよ合併するというときに外国株でやると、こういうことの是非がどうなのか、是非というよりも、それが外国資本に乗っ取られるんじゃないだろうかと、こういう議論なんですけれども、既に買収の段階で実は終わっているものですから、本来的には合併対価として外国株を出すということは必ずしも、外国資本に買収されやすくなるというわけでは必ずしもないんですけれども、しかしまあいろんな影響はあるだろうと、こういうようなことで議論がされてきたわけでございます。
 したがって、その辺のところも、論理的には直接結び付くものではございませんけれども、やはり会社としてはこういうようなことを踏まえた準備は必要だろうと、こういうようなことで少しその辺の準備期間というものについて配慮する、そういうようなことをやっているわけでございます。
#62
○吉田博美君 終わります。
#63
○千葉景子君 民主党・新緑風会の千葉景子でございます。一時間ほどお付き合いをいただきたいと思います。
 今日は、このところ、大臣のお人柄もあり、余り大臣に御無理な御質問をしちゃいけないかなと、まあそんなことも何となく感じながら、なかなか大臣と直接一問一答をさせていただくという、そういうことがちょっと少なくなってきたかなと、こういう感じもいたします。そういう意味では、やはり大臣の御見識と、そしてリーダーシップ、それがあればこそ本来の意味での政治が、きちっと責任を持った政治、そして法務省の施策が遂行されていくわけですので、そんな意味も含めて、でき得る限り今日は大臣と意見交換をさせていただきたいと、こう思っておりますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
 さて、その冒頭で大変恐縮でございます。ちょっとこれは通告をしておりません。というのは、急なことだったものですから、大変恐縮でございますが、こういうことを度重ねて質問をさせていただいたり指摘をせざるを得ないというのは大変私は残念なことだと思いますが、またクルド難民のお一人の件で質問をさせていただかなければいけない事態が出てまいりました。
 この間、カザンキランさんというクルド難民の方の問題等が大変大きな課題になりましたけれども、ちょうど本日ですが、エルダル・ドーガンさんという、難民申請をなさって却下をされまして、今、高裁で係争中のクルド人の方でございます。本日、東京入管に仮放免の更新に出向きましたところ、出頭したらそのまま収容をされると、こういう事態になりました。
 このドーガンさん、今いろいろと、本来であれば日本できちっと難民認定がされるということが望まれるわけですけれども、第三国への出国というようなことも念頭に置きながら活動、活動というか生活をしておられたということでございます。ちょうど今、法務省の方へ議員の方から申入れあるいは御要請の活動もされていると聞いておりまして、急遽今、同僚の江田五月議員にもその要請に出向いていただいているところでございます。
 このエルダル・ドーガンさん、昨年、これも大変厳しく指摘をされました、法務省がトルコに出向いて、日本で難民申請をしているこういう人たちの情報とか、それをトルコ政府といろいろ交換をして、そして直接その家族の家を訪ねたり近隣を訪ねたりしたというふうなことなどもあり、大変問題になりましたけれども、どうもその際にこのエルダル・ドーガンさんの情報などもトルコ政府の方に伝えられているのではないかと、こんなことも関係の方から私も聞いたところでございます。これは情報、私が受けた情報ですから、そう御承知おきをいただきたいというふうに思いますけれども。この間、やはり日本が難民申請をしているそういう方たちに大変冷たい、そしてUNHCRが認定をするような難民であっても日本では強制的な送還がされたり、こういう事態が続いておりまして、世界からも大変厳しい目が向けられているというところでございます。
 今このエルダル・ドーガンさん、事態がどう推移しているか、今動いているというような状況だそうでございますけれども、是非やはりきちっとした対応を、でき得れば、でき得る限り御本人が本当に安全な、そして安心して生活をしていくことのできるような、そういう方策を取っていかなければいけないというふうに思っております。
 万が一にもカザンキランさんのときのように、もうあっという間に成田へ連れていかれてそのままびゅうっと送還されちゃうというようなことなどがあってはならないわけでして、是非その辺を、大臣、対応を適切に取っていただくことを心から要請をさせていただきたいと思いますが、まあ事前にお伝えしておりませんでしたけれども、どうでしょうか、大臣の御決意をお聞かせをいただきたいと思います。
#64
○国務大臣(南野知惠子君) 先生のお話でございますが、この課題につきましては、まだ十分な情報を私、得ておりませんが、一つこういう状況を今先生の方からお伺いし、個別の案件ということでございますのでその詳細についてはまあコメントができないという立場ではございます。
 一般論で申し上げるということになろうかと思いますが、退去強制令の発付を受けた方につきましては、これは入管法上速やかに送還されることとなるというのが規定として置かれております。しかし、収容中に仮放免の申請がされた場合には個々の事情を考慮しているところでございまして、訴訟の推移や人道の観察などを総合的に考慮いたしまして、人道の観点などを総合的に考慮いたしまして仮放免を許可するか否かを決しているものと承知いたしております。
 先生の御心配、また我々も十分調査してみようというふうに思っております。
#65
○千葉景子君 私も、制度等は承知をいたしておりますし、一般論でお話をいただいたこと、それはよく理解をいたします。
 ただ、事はそういう一般論を語っているということではなくして、やっぱり日本の、そして政府の、それからそれを引っ張っていただく大臣の、やっぱり国際社会に向けた、そしてまた人道的な難民問題に対するやっぱり姿勢、これがやっぱり問われるものだというふうに思いますので、是非そこをしっかりとお含みいただき、踏まえていただきまして、大臣としてのリーダーシップを、御決断を出していただきたいというふうに思っております。
 さて、今日は予算の委嘱の審査でございますが、これまたこのエルダル・ドーガンさんほどの緊急なことではないんですけれども、これも何か私もちょっとびっくりしたのがありまして、まずちょっとお聞きをしておきたいと思います。
 ちょうど三月十七日ですから、一昨日なんですけれども、新聞を拝見をいたしておりましたら、規制改革三か年計画、これがもう間もなく閣議決定をされるそうでございます。その中に、「三十六事業を民間開放」という、そういう大きな見出しでして、何しろ一面ですからすごいんですけれども。で、それを見ておりましたら、いや、まあ面白いと言うとおかしいですが、競売手続、こういうものも出てきます。あるいは登記、公証、こういう項目もこの三十六事業の中に一覧表で記載をされておりました。
 私もこれまでちょっと、なかなかきちっと調査をさせていただくという機会がなかったものですから、これを見て、ほう、競売も民間開放になる、登記や公証も民間開放かと。まあ、一瞬こう驚嘆したところではございますが、ちょっと、一体どんな状況なんでございましょうか。まあ、今後またいろいろと議論をさせていただくということになるんだろうと思いますけれども、このちょっと中身といいますか、今の状況だけお聞かせをいただければと思います。
#66
○国務大臣(南野知惠子君) 御指摘の新聞報道があったことは承知しております。今もここでコピーを持っておりますが、規制の改革、それから民間開放、その推進に関する第一次答申の中で、競売手続、先生今おっしゃったような競売手続、登記及び公証について、具体的施策として講ずべき措置が示されているという内容の情報でございます。この答申を最大限尊重する旨の閣議決定がされておりますことから、今月中に閣議決定される規制改革・民間開放推進三か年計画にも同様に盛り込まれるものと承知しております。
 競売手続につきましては、第一次答申にありますように、米国その他の諸外国における民間競売制度につきましての調査及び我が国の競売制度の改善策として取り入れるべき点がないかについての検討に着手いたしますが、具体的な検討体制等につきましては、今後早急に詰めてまいりたいと考えております。
 登記事務につきましては、国家運営の基盤を成す事務でございます。国が自ら行うべきものであると考えておりますけれども、第一次答申におきまして、平成十七年度以降、民間開放に関し検討をするとされましたことから、今後これを踏まえて所要の検討を行ってまいりたいと考えております。
 さらに、公証人につきましては、平成十四年度から民間からの公募を実施いたしておりますけれども、第一次答申で更なる民間開放の推進に向けた環境づくりを進めるとされていることを踏まえまして、公募制度の一般への更なる周知や、又は実施しました試験の概要を公開する等の措置を行い、民間からの応募がより容易になるよう環境整備に努めてまいりたいと考えております。
#67
○千葉景子君 これから議論が進んでいくということであろうかというふうに思いますが、是非節目節目等でまた考え方をお示しをいただきまして、私たちも適切な対応ができますように議論させていただきたいというふうに思っております。
 さて、今回の、今年の、十七年度の予算ということになりますが、まあ大変大きな今変革の時期でもございます。この法務行政等考えましても、司法制度改革という大きな、やっぱり小泉改革で後から考えれば一番の改革なんではないかなと思うほどでございますけれども、こういうものが進んでいる。それから、先ほど吉田委員からもお話がございましたけれども、やっぱり犯罪等を考えたときに、安心できる社会、どうやってつくっていくか、大変そこも大きな課題になっております。こういうときですから、当然予算というものも、やっぱりこれからの大きな将来を見据えて予算、財政措置等がされていかなければ、やっぱり効率のよい、そして無駄ない、無駄のない予算とは言えないというふうに思うんですね。
 そこで、まず大臣にお聞きをいたしますが、この平成十七年度法務省所管の予算、目玉といいましょうか、これからを見据えてここが特徴だということがございますか。まず、そこからお尋ねをしてみたいと思います。
#68
○国務大臣(南野知惠子君) 本当、先生おっしゃるように、目玉はどれかと言われて、一つ言ってもまずいし二つ言ってもまずいしというようなことがございまして、私としてもせいぜい頑張ってということでございますが、平成十七年度の法務省の予算、これは悪化する治安情勢に的確に対応して安心で安全に暮らせる社会と、これがまず喫緊の課題であると思いますし、その実現を目指すとともに、司法制度改革に着実、司法制度改革を着実に進めるなど、法務行政を円滑適正に推進するために必要な経費を計上いたしております。
 まあ、二つ挙げろと言えば、これを順番に挙げて、あとはまた順番の中に入ってくるというふうにもお考えいただきたいというふうにも思ったりいたしております。
 主なものといたしましては、司法、治安関係職員の増員のほか、二つ目といたしましては、刑務所等矯正施設における過剰収容緊急対策経費、先ほどの御質問にも、吉田先生の質問にもございました。第三といたしましては、バイオメトリックスの活用等による出入国管理体制の強化、もうバイオメトリックスは日本語になっていると思いますので使わせていただきますが、四番目といたしましては、司法制度改革を円滑に導入するための裁判員制度啓発活動経費、五番目といたしましては、総合法律支援体制の整備経費、六番目といたしましては、民事法律扶助事業の充実経費などがこのたび認められておりますので、是非予算の早い成立を願いたいと思っているところでございます。
#69
○千葉景子君 同じく、やはり司法制度改革等が進む中で、裁判所の方はやはり、どうですか、少しめり張りというか、ここぞという予算になっておるんでしょうか。
#70
○最高裁判所長官代理者(大谷剛彦君) 平成十七年度裁判所予算の特徴でございますが、先生おっしゃられましたように、現在司法制度改革が進められておりまして、平成十七年度の裁判所予算も司法制度改革の実現に重点を置いた予算編成となっております。
 このたびの司法制度改革、御存じのとおり、人的基盤の充実、制度的基盤の整備、あるいは司法制度改革への参加に関しまして司法改革審議会が多様な提言を行ったことを受けまして、裁判所としても具体的な制度改革を行い、また体制の整備充実を図っているところでございます。
 十七年度予算につきまして、若干具体的に申しますと、まず人的基盤の充実に関しては、裁判官七十五人、書記官六十五人、合計百四十人の増員ということで、これは事件の増加に対応し、また審理のより一層の迅速充実化を図って、さらに裁判員制度の導入に備えるというためのものでございまして、戦後の一時期を除きまして、これまでにない大幅な増員となっております。
 また、制度的基盤の点でございますが、この点では、例えば専門的な知見を要する事件への対応強化といたしまして、知的財産高裁の設立あるいは知的財産事件の審理充実の経費といたしまして、専門的な情報獲得のためのシステム利用とか海外の専門研究機関への裁判官の派遣など、総額一億五千万円、平成十六年度に比べて倍増の予算となっております。
 そして、国民の司法参加に関しましては、裁判員制度の導入ということでございますが、制度について国民の理解を得、また制度の導入への体制の整備を図っていくための準備の経費といたしまして、新規に約十六億円を計上してございます。この中には、広報ビデオの作成頒布、メディアでの広告、各種講演会の実施など、多彩な広報の経費が含まれております。
 裁判所の予算については、これからもこの円滑な司法制度改革を図るために、またその体制整備を図るために、このような点に重点を置きながら、計画性を持った取組をしていくつもりでございます。
#71
○千葉景子君 確かに、従来の予算に比較いたしますと、一定、ポイントポイントに重点が置かれているということも全く分からないわけではありませんし、そういうことが少し配慮されているというふうには思うのですけれども、ただ、やっぱりこれから将来を見据えて一体どういう社会というかをつくっていくのかという、大きなやっぱりビジョン、理念、こういうものがあり、そしてそれを一歩一歩前進をさせていくと、そして財政措置も講じていくということがやっぱり大事なんだろうというふうに思うんですね。当然、あれもこれもあれもこれもというわけにはいかないわけですし。
 そこで、何点かちょっと聞かせていただきたいんですけれども、一つは、これも先ほどから、もうこれ問題になる犯罪の防止という観点ですね、これについても予算案の中で先ほど御説明もいただきました。確かに人的、物的予算を従来よりは厚くしているということは分かります。ただ、基本的に犯罪を抑止していく、防止していくために、一体どっちの方向を向いていくのかということです。
 これは、前回でしたか、簗瀬委員なども指摘をされておられますけれども、要するに、どんどん人員といいますか警察官を増やし、そしてまた犯罪に対しては厳しく対応していく、それによって施設もどんどん増やさなければいけない、過剰になる、また刑務所をつくる、こういう方向に、刑罰を厳しくして、そうするとどんどんどんどんそっちの方へ行く、そういう方向で犯罪の抑止というのを考えていこうとするのか。あるいは、そうではないんだ、むしろ刑務所などは少なければ少ない方がいい、そのためにはやっぱり社会にできるだけ復帰をする、そして再犯を起こさないような、そういう社会内での様々な処遇をもっと充実をさせる、保護観察官などを増やしていく、こういう方向で犯罪の抑止というのを進めていくのか。
 やっぱり、どこに軸足を置いて、施策の基本を置いて、そして対応していくのかという、ここが大事なんだろうというふうに思うんですね。そうしないと、何か、いやいや、一杯になったから刑務所はつくらなければいけません、人も増やさなければいけません、人を増やすにも、じゃ刑務官を増やすんですか、あるいは保護観察官とか、そういう人を増やすんですかと、何かばらばらということにもなりかねないわけですね。
 ちょうど面白いのが、またこの本が出てくるんですけれども、このところちょっとこの法務委員会のはやりになりまして、私も、いや、法務にかかわる司法とかこういうことがこういう割と平易に、そしてただ誤りなく説明する、できるというのはとてもすばらしいことだなというふうに思うんですね。私にも何か司法や法務行政にこういう分かりやすい形で説明せよと言われてもなかなか容易じゃないんですけれども、本当に中学生ということですけれども、何かもう一度私たちが読んでなるほどと思うようなことが書かれておりました。
 それで、この「スウェーデンの犯罪者ケアーに関する市民の意見」というのが載せられておりまして、答えは出ているわけじゃないんですね。こういう考え方にどう受け止めますかと中学生に問うているわけですけれども、片方は、一人は、「犯罪者のケアーについてあれこれ言うのは、まったくスウェーデン的だよ。犯罪を病気と同じように扱うのだから。犯罪の増加を防ぐ唯一の方法は、刑罰を重くすることだね。それから警察官の数を二倍にする。今は、彼らがちゃんと自分の仕事をする時間がないからですよ。」と、こういう考え方が紹介をされている。今度は、もう一方違う考え方。これは、「私は、七十五カ所もある刑務所の大半を閉鎖してもよいと思っています。他人にたいしてひどい事をした犯罪者だけ、収容する所を残して置けばいいのです。その代わりに、より良い自由ケアーへお金を投入すべきです。今は、刑務所で一人の囚人にかかる経費は月に三万クローノル以上です。このお金を自由ケアーの犯罪者に回せば、彼らにより良い労働、観察人を与えることが可能です。」と、こういう考え方とこう紹介をされていまして、なるほどな、一体どっちの道に私たちは進んだらいいのか。今、日本にもこれ問われているところではないかなという感じがいたします。
 こういうことを念頭に置きながら、この犯罪防止のための施策と財政措置、今回のこの十七年度の予算案ではその辺はどういうめり張りといいますか、何か方向性が見えてくるようなそういう予算というか、財政の立て方になっているんでしょうか。その辺は大臣としてはどんなふうに考えておられますか。
#72
○国務大臣(南野知惠子君) 先生の最初のお話の中にありました、前者と後者というのがございました。私の気持ちからすればやはり後者の方かなというふうに思っておりますし、今お読みいただいた本、これは事例でございましょうけれども、後者の方に近いのかなと、そのようには思っております。両方とも大切な課題でございますので、その問題については本当に重要であろうと。これから検討が進められていき、どの方向に行くかということも見定められることになるだろうと思いますけれども、私の心の中にはそのようなものがあるということを申し上げたいというふうに思っております。
 そこで、法務省といたしましての犯罪防止ということについていろいろと申し上げれば、取締りの問題、それと適正な科刑というような問題もございますので、社会内や施設内の処遇の充実ということはいずれも重要であると。言えば、犯罪防止のための車の両輪であるということを思っておりますけれども、簡単に御説明するということでございましたら、法務省としては、各種法令等の整備、関係する組織の要員の充実、刑務所の過剰収容の解消、より効果的な矯正処遇と社会内処遇の実現、出入国管理体制の充実強化というようなものに対して重点的に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
 そのほかに、先ほど後者であると私が申し上げました、心の中にはもっともっとソフトな面が入ってくるのではないかと。特に矯正という問題については、そこでいろいろと教育を与えられてまたリボーンしていくという方々をどのように我々が御支援できるかということも大切なことであり、その充実またそれの実効性ということについては、先ほどお読みになった本の最後の方にありますように、刑務所もう要らないよという方向になるのか、そういう方向に近づけばいいと思いますけれども、今なくしては困りますよということでございますし、またその反対の意見もあることでございますので、そこら辺をバランスよく、だけれども十七年度においてはこういうふうにやっていきますということを今申し上げたと思います。
#73
○千葉景子君 記録ということもありますので、先ほど紹介して読ませていただいたのは、スウェーデンの中学の教科書、「あなた自身の社会」というものですので、ちょっと触れておきます。
 大臣、いや、大臣の最初の御答弁というかお考え、大変私は共感をいたします。やはり、何というんでしょうね、刑務所を増やすと、増やさなくていいようなむしろ社会内の処遇をもっともっと充実させていくと、私も大変重要なことだというふうに思って、もう同感でございます。
 その後が、それだったら、むしろ本当にそれをこれから推し進めることができるような、そういうやっぱり芽出しを、例えば今年思い切ってやっていくというようなことがむしろ大臣のやっぱりリーダーシップということになるんじゃないかというふうに思うんですね。あれもいい、ああ、これもいい、確かに私も今すぐ刑務所減らせなんということは申し上げるつもりはありません。
 しかし、やっぱり法務省がこれからの社会の大きな根幹を担う、役割を果たす、だとすれば、これまでの予算の上に、じゃ思い切って保護観察官を今年はもう必死のあれを、思いをしても倍増するぐらいな、そのくらいの予算のやっぱり措置をするとか大臣がもう汗をすると、こういうようなことが必要なのではないか、そういう、もう私は予算編成についてもそういう時代になっているというふうに思います。
 是非、大臣、せっかく大臣の思いは私も本当共感するものですから、それをどうぞ思い切って推し進めていくと、そのくらいのやっぱりお仕事をなさっていただきたいというふうに思っております。いいです、はい。
 もう一つ、やはり先ほどから司法制度改革、これも大きなことだと言っておりました。これも先ほどちょっとお触れがありましたけれども、日本司法支援センター、これはこれから市民にとって大変大きなよりどころになっていくものだというふうに思います。法務省も、こういう大変立派なあれも作っておられまして、パンフレットもですね。これ見ますと、やっぱり中身は大変ですよ。相談をする、相談も。それから、司法の過疎対策もここが担っていくと。それから、これまでやっていた民事法律扶助、ここを、これも担っていく。それから公的刑事弁護、これもこの司法支援センターの役割になっていく。それから犯罪被害者の支援と。これは相当大変なやっぱり責任のある役割となってまいります。
 ちょっと一つだけ。この間、議連が立ち上がりまして、その中で進捗状況というのをお聞きをいたしましたら、法務省らしいのかなというふうに思いますけれども、これ、自治体などの協力がなければなかなか全国的にうまく機能しない、そこのノウハウがなくてと司法法制部長が大変悩んでおられたようでございますが、どうですか、やっぱりこれ、自治体との協力連携等きちっと進めていかなければいけません。
 そういうときになると、それはもう司法法制部長も優秀な方でいらっしゃると思いますけれども、むしろそういうときは大臣がやっぱり全国の自治体の長にお声を掛けたり、そういうことが逆にやっぱり大臣としての大きなそれはもう力だというふうに思うんですけれども、その辺りどうですか、うまくいきそうでしょうか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
#74
○国務大臣(南野知惠子君) そのお答えをする前に、いろいろと予算のこともありました。就任して間もないころからいろいろと考えていたことは、やっぱり刑務所の中での人員過剰、一一八%の問題というのがもう頭にいろいろありましたので、補正予算で六百五十億取ったことは、付けていただいたことは御記憶にありますよね。そういうようなところからスタートをさせていただいておりますので御了解いただきたい。そして、十七年度の予算を付けて、さらにこれが進み出していく、いろいろなものが運転しなければならないときにはまた次の、十八年度の予算というところに掛けていきたい。それには、この司法センターというような問題も大きな課題になってくるのではないかなと考えているところでございますが、今先生お尋ねの、地方に向かってもということでございます。
 法務省といたしましても、この設立に向けまして、日本弁護士連合会、日本司法書士連合会又は財団法人法律扶助協会等々の関係の方々と協議を重ねながら準備いたしました。昨日も、江田先生たち、いろいろと多くの議員の方々お越しいただきまして、そこで本当に住民の方々に知っていただく、易しい形での広報が展開できていると思いますし、また、それと併せたタウンミーティングもしておりますので、各地域地域での方々にお出ましいただいてのということで地域に広げていく準備を着々としていると思っております。そういう意味では、司法センターは、少なくとも地方裁判所の本庁所在地五十か所にはこれは設置するんだということを言っておりますし、またそれ、この立場上、性質上、地域に密着したものとするというところが大きなポイントになってくるのかなというふうに思っております。
#75
○千葉景子君 是非、自治体などにも十分な理解とそして連携を取っていただけるように大臣も積極的に働き掛けていただきたいというふうに思います。
 先ほど言いましたように、ここが指摘をしたような盛りだくさんの役割を担わなければいけないということになりますと、公的刑事弁護あるいは法律扶助等々を考えましても、これ十八年の秋でしたっけ、スタートをする。大変、財政は相当準備しなければいけないのではないかというふうに思います。
 十八年の事業開始時の大体予算規模といいますか、それはどのくらいを見込んでおられるのでしょうか、お聞かせをいただきたいと思います。はい、どうぞ。
#76
○政府参考人(倉吉敬君) 先ほど御指摘のありましたとおり、日本司法支援センター、大変広範な業務を担います。あれが総合法律支援法に規定されているとおりで、先ほど先生から御紹介のあったとおりでございます。
 これらの幅広い業務を全部やっていかなければなりません。それがどのような業務量になるのか、これをまず測定しなければなりません。その上で、その業務量に応ずる組織体制、人的、物的なものはどうあるべきか、それから総合法律支援法にも書かれております総合法律支援の理念、ひいては司法制度改革の理念に照らして、どういう場所にどういう施設を造り、どういう人たちが対応することになるのかということも詳細に検討を進めなければなりません。
 現在はそういうところを検討しているところでございまして、現時点で先生今御指摘のありました十八年の秋開始時にどの程度の予算規模になるのかというのを明らかにすることはできませんが、こういった運営上の詳細と併せまして、今後検討を重ねまして、必要な予算を確保できるように努力してまいる所存でございます。
#77
○千葉景子君 まあ、そうは言っても、やる中身を考えますときには、相当のやっぱりそれだけでも予算の規模というのになるんだろうというふうに思うんですね。そういう意味では、これから幾つあれしてどうとかと言っている場合じゃないんじゃないかなと。やっぱりこのくらいは、公的刑事弁護も、それから法律扶助、それから犯罪被害者支援というようなことを考えますれば、さあ、かなり漠としてもこのくらい以上はやっぱり必要だと、措置をしなければいけないというくらいの、それもないんですかね。少し、ちょっと遅いんじゃないですか。はい。
#78
○政府参考人(倉吉敬君) 大変申し訳ありませんが、ただいま先ほどの積み上げ作業を鋭意やっておりまして、様々な観点から検討しなければなりません。現段階でどのくらいの規模かというのは御容赦願いたいと思います。
#79
○千葉景子君 まあそうしましたら、この国会も通常国会ですから六月までありますので、是非その間に十分に検討いただいて、そしてこのくらいはやっぱり準備をしてスタートしようというくらいのことをやっぱりまた御説明いただけるように、また何度でも聞かせていただきたいというふうに思っております。
 さて、この十七年度の私はちょっと心配な課題をちょっと聞かせていただきたいというふうに思うんです。それは、法科大学院とそれに関連する新司法試験の問題でございます。
 法曹養成制度の中核として法科大学院がスタートして、ほぼ一年が経過をいたしました。この法科大学院、そしてそれに伴うというか、新しい法曹養成のための司法試験制度、この新司法試験の合格者数の見通しというんでしょうか、それが先般おおよそ出されたところでございます。これについてちょっと御説明をいただきたいというふうに思います。
#80
○国務大臣(南野知惠子君) これは、司法試験における合格者数の見通しということでございますが、司法試験委員会におきましては、司法制度改革審議会意見や司法制度改革推進本部の法曹養成検討会における意見の整理を尊重した上で、新しい法曹養成制度の中核であります法科大学院制度を社会的に定着させるということの重要性を考慮した結果、合格者数の在り方につきましては、新司法試験については平成十八年は九百人ないし千百人程度をと、それから同十九年には同十八年の合格者についての概数の二倍程度の人員をそれぞれ一応の目安とするという考え方が示されたと承知いたしておりますが、何しろこれはまだ今歩きつつあるところでございます。
#81
○千葉景子君 私もそういうように説明をいただいたりもしております。
 この九百から千百という人数でございますけれども、これはそもそも司法制度改革推進審議会の意見書、その提言の中で指摘をされてきた、法科大学院の修了者の七、八割程度が新司法試験に合格できるような充実した教育を行いましょうと、こういう提言、それから考え方ですね、やっぱりプロセスとして、法曹養成をしていく、だから法科大学院を卒業して大方が新司法試験に合格をする、言わば修了試験のような意味合いもあるのかもしれませんけれども、こういう考え方とこの見込みですけれども、大分ちょっと懸け離れた状況でございます。
 どうなんでしょうか、こういう事態になってしまった、こういうことの原因というんでしょうか、何が結局問題なんでしょうか。その辺は大臣はどういうふうにお考えになっておられますか。
#82
○国務大臣(南野知惠子君) 今からお答えしたいと思っておりますが、私としては、先ほど先生が矛盾があるとお話しになられましたけれども、私としては矛盾はないものと思うという結論を先に申し上げたいわけでございますが。
 まず中身を御報告したいんですが、司法制度改革審議会意見及び司法制度改革推進計画によりますと、法曹人口の拡大につきまして、現行司法試験の合格者数を平成十四年に千二百人程度に、平成十六年に千五百人程度に増加されることとし、そしてまた、法科大学院を含む新たな法曹養成制度の整備の状況などを見定めながら、平成二十二年ころには司法試験の合格者数を年間三千人程度とすることを目指すとされているわけでございます。このたび司法試験委員会が示した合格者数の在り方は、これを踏まえたものと認識するわけでございます。
 また、審議会の意見には、法曹となるべき資質また意欲を持つ人が入学し、厳格な成績評価及び修了認定が行われることがこれ不可欠の前提といたしていますので、その上で法科大学院では、課程を修了した人のうち相当程度、それが先生がおっしゃった七割から八割という方たちに相当するわけですが、その方が新司法試験に合格できるように充実した教育を行うべきであるという願望がそこの中にございますので、七、八割の人をオーケーよということとはちょっと違うかなというふうに思います。
 そういうふうに教育を行うべきであるとされておりますが、これは法科大学院におけます教育内容、もう今進みつつありますが、それとか教育方法に関する記述でありまして、新司法試験におきましては法科大学院の修了者の七、八割が合格することを記述したものではないということでございます。
 七、八割は必ず合格しますよということじゃなく、七、八割が合格するようにみんな総力を挙げて教育に当たりましょうというようなところが一つの大きなポイントでありまして、したがって、この点、審議会意見とは矛盾するものではないと思うということが、そのように御答弁申し上げたいところでございます。
#83
○千葉景子君 私は、法科大学院ができて、今その七、八割というか、法科大学院の教育を今一生懸命やっておられるわけですね。そこでやっぱり一定の教育がきちっとなされるならば、七、八割、当然受かっていいわけですよね。別に制限する必要はない。ない。ですから、別に、将来三千人ということですから、早くそのレベルにみんなが達しているのであれば、別に今年は九百人から千百人というか、頭を押さえなくても、そのレベルであればみんな、じゃ、頑張りましょうと、合格させたって別に何の問題もないというふうに思うんです。もしそうじゃないんだとすれば、それは法科大学院の教育がレベルに達してない、その教育がけしからぬのだというふうに評価するのと同じことになるわけですよね。だから、これはやっぱりその理念に沿ってやっぱり教育がなされ、そしてそこで学ぶ者もそれに向かってレベルを身に付けているのであるとすれば、やっぱり途中で、いやいや、レベルがあっても数はそこまで合格させられないのよというのは、これはちょっとおかしな話ではないだろうかというふうに思います。
 こういうことのために、今大変、前から私もう、もうこれ何度もやって、何か法科大学院の私は専門かなというくらいになっちゃうんですけれども、指摘をしてまいりましたけれども、非常に混乱をしている。特に、これまでやっぱり法科大学院というのは多様な人材を、いろんな経験を積んだ人がやっぱり法科大学院に入って、そして法曹を目指すということを大きな目的にしていました。ただ、入ってもレベルに達しているか、達しても何しろ数で抑えられちゃうんだということになりますと、社会人でわざわざ仕事も辞めて、意欲はあるけれどもやっぱり五〇%ぐらいしか受からないんだとすれば、ちょっと安心して法科大学院に入学するというのをちゅうちょする、こういうことで社会人入学がやっぱり減っているということがあるわけです。
 それから、法科大学院の中でも、いや、これは司法試験に受からにゃ大変だということで、本当は実務的な、それから本当の意味でのリーガルマインドを育てようというような教育、私も視察をさせていただいて、東北大学の大学院などですね、みんな一生懸命やっていまして、いや、私じゃ付いていけないかなと思うような、まあそういう、本当に頑張ってやっておられましたけれども、結局、そういう教育がゆがめられて、司法試験に受かろうと、受かるためのまた受験勉強が片方で行われるようになってしまうと、こういうことなども指摘をされております。
 こういう混乱を巻き起こしているということをどういうふうに認識をなさいますか、大臣。何とかせにゃいかぬと思われませんか。
#84
○国務大臣(南野知惠子君) それは何とかしなきゃいけない。法務大臣としては、それはもう是非優秀な人が学術を終えて本当に一〇〇%通っていただきたいというふうに思っておるわけでございますけれども、そのような充実した教育を我々展開しなければいけないというふうに思っておりますが、これ文科省ともしっかりと協力しなければいけないというふうに思いますけれども、司法試験委員会が示しました合格者数の在り方に関する考え方というのは、審議会意見を尊重したものであるということであります。
 しかし、いずれにしましても、新司法試験は、プロセスとしての司法養成制度の一環として、法科大学院の教育を踏まえて実施されるものでございます。資格試験である司法試験の目的にかんがみますと、司法試験委員会が今回示した概数といいますのは実際の試験結果に基づいて当然変動し得ると。例えば、七、八割と思っていても、それはもう移動するものであろうと思っております。法科大学院におかれましては、審議会意見に示されました理念に従って質の高い法曹を養成されることを期待しているところでございます。
 国家試験といいますのは、司法制度だけじゃなく、いろいろな、医師会でもどこでもいろいろございます。そのたびごとにどれだけの人数かなということ、どれだけの点数かな、どれだけのグレードかなということはそれぞれに検討されていることと思いますので、司法におかれましても、今育ちつつある人たちがどのような力を持って出てくるのかな、それが試験に当たったときに実際どういう実績が出るのかなというそれを見なければ、確実な数ということは次の予測も難しい。まして、今試験前であるところでは、数が幾らよ幾らよと枠だけ決めるのは大変難しい作業ではないかなと思いますが、でも、英知を集めまして試験制度委員会の方では概算お決めになられたということだろうと思っております。
#85
○千葉景子君 改めて、それは目安というか、そういう数なんだと。それを善意に考えれば、もう一定のやっぱりちゃんとした、ちゃんとしたというかレベルですね、教育を受けてきたということが認められるのであれば、ひょっとしたらみんな、もう七、八割ぐらいになるぐらいのみんなが、同じ勉強して、レベルで、合格をする可能性が全くゼロじゃないということを是非私は期待をしたいというふうに思いますが、改めて、本当に今学んでいる学生の意見とかその置かれている状況ですね、本当にそうですよ、仕事辞めて、これならもう頑張って勉強すればほとんどが法曹として社会の本当に役に立つ仕事ができるんだと、そういうことで来ているわけですので、そういう心情、そして置かれている厳しい状況ですね、機会がありますれば大臣も直接お聞きいただく、こんなことも是非お願いをしたいというふうに思っております。
 ほかにもお聞きをしたいことがありまして、ちょっと全部というわけにはまいりませんけれども、これだけお聞きをしておきます。
 このたび、興行ビザが、エンターテイメントビザですね、これが、発給基準の見直しがなされました。三月十五日から施行をされております。これについていずれ、関連をいたします、人身取引の問題などともこれは当然関連をしているということになろうかというふうに思いますが、この発給基準を見直すことになった背景とか、それからこれの意味、御説明をお願いいたします。
#86
○国務大臣(南野知惠子君) 従前、興行という名目の在留資格で入国してこられたフィリピンの方は、フィリピン政府が発行する芸能人資格証明書、我が国でじゃなくてフィリピン、自国でもらった証明書で入って、入国してこられた方々でございますが、過去の調査などからしますと、その多くの方が風俗営業店等においてホステスなどとして不法就労に従事しておられたり、また芸能人としての実質がなく、中には人身取引の被害に遭っている方もいたということを確認いたしております。
 今回の在留資格興行に係る基準命令の改正は、そういった不適切な部分を、基準省令での改正をいたしました分については、そういった不適切な部分を是正し、重大な人権侵害である人身取引の予防に資するものと考えて行いました。
#87
○千葉景子君 ちょっともう時間がそろそろ参りますので、これにちょっと関連して幾つかお聞きをしたいというふうに思いましたが、これはまたいろんなほかの機会にお聞きをしたいというふうに思います。
 この背景となった問題というのは、今御説明いただきましたが、実はこれ、実態調査なども行ってなさってこられた経緯があるというふうに思います。これ、どんな実態調査だったのか、そして、まあ本来であれば、この実態調査は更に全国的にやってみる必要もあるんじゃないかというふうに思いますけれども、その辺りはどんなことでしょうか、ちょっと御説明をいただきたいと思います。
#88
○政府参考人(三浦正晴君) お答え申し上げます。
 興行の在留資格につきまして、ただいま大臣から御答弁がありましたように、従前から問題があるということは言われておりまして、法務省といたしましても、そういう認識の下に平成七年に全国的規模で特別の実態調査を行ったことがございます。今から十年前でございます。
 その際に、外国人芸能人が出演している店、全国で四百店舗余りに調査に入ったわけでございますが、その結果、そこで芸能人として働いていると称している人たちのうち九割、店舗の九割以上がホステスなどとして芸能人の資格で入ってきた人たちを使っていたという不正があったということが結果として分かっております。
 なお、その後はこういった全国的な特別調査というような形では行っておりませんが、通常の業務の中で問題のありそうな店等については実際に現地に行って実態調査を行っております。
 その関係で若干御紹介させていただきますと、東京入国管理局が昨年一年間に百二十四か所の出演店の実態調査を行っているわけでございますが、この場合でも、ほとんどの店舗におきまして、同じように外国人芸能人の資格で入ってきた人たちが接客行為に当たっていたり、また省令では受入れ側の出演店について日本人の社交員が必ず何人以上いなければならないと、こういうふうになっておるんですが、この人数が不足しておったり、また営業実態のない場所を出演先として申告をしていたりというような虚偽申告でございます、こういったものが判明しておる状況でございます。
 なお、そのほかに、人身取引の観点から、昨年の二月に、一か月間にわたりまして、全国の地方入国管理局で退去強制の対象になった人たちから聞き取り調査といいますか、いわゆる条約上の人身取引の定義に当たるかどうかという観点から調査をしたことがございます。三千人余りの方を対象にいたしまして、五十三人の方がこれは人身取引被害者に当たる可能性が強いというようなことが判明しております。
 以上でございます。
#89
○千葉景子君 まあ十年前にやって、東京入管が昨年おやりになったということですけれども、やはりきちっとしたやっぱり背景それから実態、そういうものをもう改めてやっぱりやってこれからの施策を適切に動かしていくということが必要だと思います。まあ、少しそこいらも積極的に動いていただくということも取りあえず指摘をしながら、今日は時間ですのでこの程度にさせていただきたいと思います。
 ありがとうございます。
#90
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 今日は、これまでの議論の中でそれぞれ更生保護の問題について触れられました。私もこの問題を今日は質問をしたいと思っております。
 平成十六年度の犯罪白書を見ますと、そのタイトルは「犯罪者の処遇」ということになっております。私の部屋にあります犯罪白書全部見ますと、まあ平成八年以降しかないんですが、こういうタイトルが付いたことはなかったんですね。で、この三年間を見ますと、「増加する犯罪と犯罪者」、「暴力的色彩の強い犯罪の現状と動向」、「変貌する凶悪犯罪とその対策」と、こうでありました。それがこの十六年版でこの犯罪者の処遇ということを重視をしたというその理由、そしてこの中で矯正処遇や更生保護の重要性というのをどのように認識をされているのか、まず大臣からお伺いしたいと思います。
#91
○国務大臣(南野知惠子君) 先生にそのようにおっしゃっていただけると、大変うれしく思っておりますし、作業した者もやりがいがあったなと、次何にしようかということで、また先生の御指導をいただきたいというふうにも思うかなと思っております。
 近年、犯罪情勢が本当に急激に悪化いたしており、市民が安心して暮らすことのできる安全な社会をどのようにして取り戻すかということが極めて重要な課題となっております。罪を犯した人もいずれは私たちの社会の一員として立ち直っていただくことができる、それが必要であろうと、これは治安の回復を図る上でも重要なことであろうかと思っております。
 このように、犯罪者を検挙して処罰するだけではなく、犯罪者の改善更生、社会復帰を目指した処遇を行う矯正及び保護は刑事政策上重要な役割を担っていると認識いたしております。そういう意味では、刑務所の中で我々が矯正を行わさせていただくということは、お入りになった方が社会に新しく生まれ変わって出ていくリボーンの体制を中でつくっていきたいと思っております。
#92
○井上哲士君 まあこの間、体感治安の悪化ということで、厳罰化ということが随分言われてきたわけでありますけども、昨今の仮釈放中の事件であるとか、また再犯などを見たときに、やっぱりこれでは解決しないということを国民の皆さんも今注目を始めているところだと思うんですね。そういう点で非常に更生保護の役割は大事だと。問題は、本当にそれにふさわしい体制と予算があるんだろうかということなんです。
 まずお聞きしますけども、満期釈放者の五年内の再入率と仮出獄者の五年内の再入率、そしてその評価、いかがでしょうか。
#93
○政府参考人(横田尤孝君) お答えいたします。
 平成十一年の数字で申し上げます。十一年を基礎にした数字で申し上げますと、この平成十一年の一年間に出所いたしました受刑者は合計二万三千百二十六名でございまして、その内訳は、仮出所により出所した者が一万三千二百五十六名、満期出所により出所した者が九千八百七十名でございます。
 これらの出所受刑者における出所年を含む五年間、つまり平成十一年から平成十五年の間に行刑施設に再び入所した、再入所した者の比率は、仮釈放者が約三八%、満期釈放者が約五九%、平均しますと約四七%ですけれども、仮釈放者が三八、満期釈放者が五九となっています。で、この比率は、平成十年以前の出所受刑者についてもほぼ同程度で推移していることがうかがわれます。
 受刑者の中には覚せい剤事犯者や暴力団関係者など社会復帰の妨げとなる深刻な要因を抱えた者もおりまして、こうした受刑者の再犯防止につきましては社会全体で取り組むべき問題でもございますけれども、しかしこうした再入者の実情につきましては私ども矯正に携わる者としてもこれでいいというふうに思っているわけではございません。我が国の刑務所等におきましては受刑者を改善更生させて社会復帰させることを基本とした処遇を進めているところでございまして、今後とも受刑者の円滑な社会復帰ができるよう矯正教育の充実等に向けて鋭意努力してまいりたいと考えております。
#94
○井上哲士君 満期釈放者の五年内再入率と仮出獄の場合で約二〇%差があったわけですね。これは仮釈放された方への保護観察というものが一定の効果を上げているということなんだろうと思うんです。
 平成十五年で見ますと、保護観察事件の受理人数が七万九百四十九件だと思うんですが、ほぼ、刑務所にいる受刑者とほぼ匹敵する数ですよね。ですから、この保護観察に付されている皆さんが、本当に社会復帰して、更生して社会復帰するのか、再び罪を犯して刑務所に入ってしまうのか、本当にこれ大きいと思うんです。で、もっとこの再入率を下げるということは、社会にとってもそうですけども、本人や家族にとっても本当に大事なことだと思うんですね。そういう大事な分野なんですね。
 ちょっと大臣にテストをしてみるんですが、じゃ、この更生保護の、更生保護官署の予算というのは、法務省の一般会計予算に占める割合というのは幾らと認識されているでしょうか。
#95
○国務大臣(南野知惠子君) 大体三%だそうでございます。
#96
○井上哲士君 実にそうなんですね。百九十二億五千万円で、法務省の一般会計予算が六千二百三億六千三百万円でありますから、約三・一%。今や消費税よりも低いということになっているんですね。私ども、消費税引上げは反対ですけれども、この率は高くしてほしいと思っているんです。非常にわずかな予算でこの更生保護の制度が支えられておりますのは、何といいましても全国五万人の保護司の皆さんの本当に献身的なボランティアの活動があります。
 この犯罪白書を見ますと、イギリスの場合は、こういう保護司の制度、日本ぐらいしかありませんから、保護観察官は八千人いるとありました。ですから、人口比でいいますと日本の二十倍ぐらいの観察官がいるわけですね。逆に言いますと、こういう部分を保護司の皆さんが担っていらっしゃる。
 私も保護司の皆さんといろんな懇談をしましたけれども、この白書の中で直接アンケートも出されておりまして、大変献身的な涙ぐましい活動が出てまいります。私も初めて知ったんですけれども、対象者との保護司の皆さんの接触というのは、そのうち四分の三は対象者を自宅に迎え入れている、来訪ということを中心にされているんですね。これに関連して聞きますと、外国の方なども日本のこの保護司さんというのがこの言わば犯罪を犯した人を自宅に迎えているということを大変びっくりされると言うんですね。そういうことも含めてやっていらっしゃいます。
 一方、この活動の喜びについてもいろいろアンケートの中で書かれております。かつて暴力団関係のあった仮出獄者が結婚を機に生活が安定して、期間満了後も子供を見せに来てくれたとか、保護観察終了後、対象者の親が泣きながら感謝してくれたとか、こういういろんな喜びの言葉も書かれております。
 ところが、本当に、じゃ、これにふさわしい待遇がされているのかといいますと、今日も審議の中でありましたけれども、十分ではありません。
 私、去年も実はこの委嘱のときに質問をいたしまして、例えば、実費も賄えていないんだということを認められました。それから、保護司の皆さんは実費賄えないだけじゃなくてこの保護司会の事務局の費用も自分たちで、会費で出されておると。これについては何とかするべきでないかと申し上げますと、前の大臣はかなり前向きの御答弁もいただいたんですけれども、結果、来年度予算ではどういうふうに手当てをされているんでしょうか。
#97
○政府参考人(麻生光洋君) 保護司の基盤、失礼しました、保護司の処遇活動の基盤を強化するため、平成十七年度予算案におきましては、事件数の増加を踏まえ、補導費、環境調整費及び保護観察所等出頭実費を見直しましたほか、保護司の処遇能力向上のため保護司研修の充実等を図ることとし、保護司実費弁償金に対前年度一億四千三百万円増の四十億三千万円を計上しております。
 次に、保護司会の事務局の関係でございますが、これ先生御存じのとおり、保護司会事務局に対する実費弁償の規定はございませんけれども、地区保護司会の代表として関係機関との連携調整等を行う保護司に対しましては、その活動に対して保護司実費弁償金が支給されております。
#98
○井上哲士君 事務局への支援は去年と同じ答弁であります。要するに、直接の事務局支援というのは引き続きやられていないということなわけですね。
 今、実費弁償金全体拡大したと言われましたけれども、それで実費が賄えるように増えたと、こういう認識でしょうか。
#99
○政府参考人(麻生光洋君) なお努力いたすべきものと思っております。
#100
○井上哲士君 こういうやはり待遇の問題というのは保護司の皆さんを確保する困難さの一因になっているということは各方面が指摘をしております。
 実は、司法制度改革の課題でもあるんですね。審議会の意見書の中でも取り上げておりまして、「保護司の高齢化など適任者を確保することの困難さ等が指摘されており、この制度を更に充実させるため、実費弁償の在り方を含め、国民の幅広い層から保護司の適任者を確保するための方策を検討すべきである。」と、こういうふうにしておりまして、我々ずっと取り組んできた司法制度改革にとっても大変大事な課題なんです。
 特に、保護司の方々の高齢化というのはここでも指摘されておりますが、今年度から定年制が始まったと思うんですけれども、今後五年間で定年になる方というのは大体どのくらいと予想されているんでしょうか。
#101
○政府参考人(麻生光洋君) 保護司のいわゆる定年は、七十六歳以上の者は再任しないとするものでございます。
 保護司の任期は二年となっておりますので、健康上の理由等から定年までの間に退任される場合もあることなど、退任の理由は様々でございますので将来の退任者の数を確定的に予測することは困難でございますが、平成十七年一月一日現在で七十歳以上の保護司の方が一万一千二百三十七人おられます。したがいまして、今後五年間で一万人程度の方のこの保護司の方は退任されることが見込まれております。
#102
○井上哲士君 全体の定員がほぼ五万人でありますから、今後五年間で四分の一近い方が退任をされていくわけですね。それに伴って比較的若い保護司の方などが選任をされていくならばいいわけですが、果たしてそういう保証があるんだろうかと。やっぱり、今待遇の改善などをしっかり打ち出していかなかったら保護司の確保の困難というのは急速に増していく可能性があるし、制度の維持ということにも様々な困難ができてくると思うんですね。
 しかも、そういうことがないままに新たないろんな困難な課題というのがこの更生保護の分野にかぶさってきております。いわゆる触法精神障害者の処遇というのがありましたし、それから、そもそもいわゆる薬物の関係とか処遇困難者が増えているというのがあります。それに加えて、今被害者支援をこの更生保護の分野に担うべきだという動きがあるわけですね。
 法務省の労働組合の皆さんが更生保護職場の職員を対象に年末にアンケートを取られたのがその新聞に載っているので見ました。これは組合員でない方も含めてたくさんの回答があったということで、大変、職場の皆さん、言わば専門家の皆さんの声を反映していると思うんですが、犯罪被害者について国が責任を持って積極的に行うべきだと、その支援を、これは七割以上の皆さんが賛成をされているんです。
 じゃ、それをこの保護観察所や保護司が効果的に行えるんだろうかという質問に対しては、過半数の方がそれは不可能ではないかと、条件によって可能という方が三割弱と、こういう数なんですね。
 なぜ効果的に行えないのかという理由を聞いてみますと、一つは利害の対立する加害者と被害者の双方に保護司が対応することは無理だという大きなそもそもの意見。それから、この被害者支援が保護司の職務に加えられることで保護司の確保がより困難になると、こういう心配もされているんですね。保護観察というのは期限がありますから、その期限が過ぎますと仕事は終わるんですけれども、被害者対策というのはそういう期限がないわけですね。被害者の人は何年もその思いを持っていらっしゃるだろうし、場合によっては、例えばテレビで同じような事件を見たときに突然感情が高ぶって相談したくなるということになりますから、これなかなか大変な仕事なわけですね。
 これを新たに加えようじゃないかというような今の声に対して、様々な危惧の声もこういう形で出ているわけです。
 私は、先ほど来申し上げているような今の状況からいえば、保護観察所や保護司の分野にこれ以上新たなこういう仕事をもたらすというのはなかなか困難ではないだろうかと、こういうふうに思っておるんですけれども、この点いかがでしょうか。
#103
○政府参考人(麻生光洋君) ただいまの御質問に対する答弁の前に、先ほど保護司の定年につきまして、定年制につきまして私七十六歳を超えて再任しないというふうに申し上げたと思いますが、それでよろしゅうございましょうか。もし七十歳と申しておったとしたら間違いでございますので、訂正いたします。七十六歳でございます。
 今の御質問でございますけれども、昨年の臨時国会におきまして犯罪被害者等基本法が制定されましたことなどを踏まえまして、現在、更生保護官署及び保護司がその担当する地域、地区に居住する犯罪被害者や御遺族の方々に対しまして支援を行うための制度の導入について所要の検討を行っているところでございます。その詳細はまだ定まっておりませんけれども、今後の検討に当たりましては委員の御指摘のような観点も踏まえまして進めてまいりたいと考えております。
#104
○井上哲士君 是非この点は関係者の意見を十分に聴いてやっていただきたいと思うんですね。被害者の皆さんもこういう方向を望んでいらっしゃるのかどうかということもありますし、是非それはお願いをしたいと思うんです。
 それで、保護司の皆さんの待遇の改善というのは、先ほど来述べてきたように本当に緊急の課題だと思うんですね。しかし、少なくともそのこう抜本的な改善なしに新しい仕事を担うと、担っていただくと、保護司の皆さんに。こういうことは、私は人の道としてもあってはならぬと思うんです。
 例えば、一九九八年に保護司法が改正をされたときに、当時の下稲葉大臣も保護司そのものに対する実費弁償、それから保護司会に対する実費弁償についても法務省として最善の努力をしたいと、こういう答弁をされているんですね。私、去年のこの委嘱のときにも野沢大臣にもお聞きをいたしますと、この事務局への支援なども含めて同じ感覚で改善をしなければならない、そういった思いに駆られておると、ここまで言われたんです。
 そういう点でいいますと、先ほどの司法制度改革推進本部の審議会の意見書もそうですけれども、この問題をずっと必要だ、必要だ、必要だと言われ続けてきているのに改善をしていないという下で、それなしに新たな困難な仕事を保護司さんに押し付けることはあってはならないと思うんです。その点はどうでしょうか。
 ちょっと大臣、是非それは、そういうことはあってはならないということをお約束をいただきたいと思うんですが、いかがでしょう。
#105
○国務大臣(南野知惠子君) いろいろ検討をさせていただくわけで、お約束ここでできるかどうかというのはちょっと分かりませんが、心はそのような方向で、私の心であります。
#106
○井上哲士君 是非これは本当に大事な問題でありますので、その心が本当に実現をするようにお願いをしたいと思うんです。
 問題は、やっぱりこれ以上、保護司の皆さんの本当に献身に支えられてきましたけれども、これ以上頼っていいんだろうかと。保護司の皆さんのそういうボランティア活動非常に貴重でありますし、日本の誇るべき制度でありますから、これはこれで発展をさせていきながらも、やっぱりボランティアの責務を超えるようなことをお願いするべきでないと思うんですね。
 やっぱり国が責任を持つということについてはしっかりやるということをしないと、私は制度自身の崩壊にもつながりかねないと思うんです。特に、困難者、処遇困難者への対応などをしっかり国が責任を果たすようにするべきですし、そのために保護観察所の体制もしっかりする必要があると思うんです。
 そこで、保護観察官の仕事についてお聞きをするんですが、まず保護観察官の数ですね、社会復帰調整官を除いて、全体の数と、そして現実に現場にいらっしゃる数はどうなっているでしょうか。
#107
○政府参考人(麻生光洋君) 平成十六年度に保護観察所に置かれる保護観察官の定員は一千四人でありますが、このうち第一線で実際に保護観察事件等に従事している保護観察官は約六百三十人でございます。
#108
○井上哲士君 現場には六百三十人ということでありましたが、大きく言いますといわゆる環境調整事件と保護観察に分かれるかと思うんですが、まず環境調整事件でのこの観察官の仕事内容と、大体どのぐらいの数を抱えていらっしゃるのか、どうでしょうか。
#109
○政府参考人(麻生光洋君) 若干古い数字で恐縮でございますが、平成十五年に保護観察所が取り扱いました環境調整事件は年間十万八千五百四十八件でありました。同年末現在、保護観察所に係属しておりました環境調整事件は五万九千六十三件であります。
 したがいまして、先ほど申しました約六百三十人の現場の保護観察官が担当しておりますので、保護観察官一人当たりが年間担当いたしました環境調整事件は約百七十二件であり、常時担当しておりました環境調整事件は約九十四件でございます。
#110
○井上哲士君 この環境調整という仕事の中身というのはどういうことなんでしょうか。
#111
○政府参考人(麻生光洋君) 保護観察所の長が、監獄とか少年院に収容されている者の社会復帰を円滑にいたすために、その者の家族でありますとかその者の関係者などを訪問させたりいたしまして、その者の社会復帰のための環境を調整をすると。すなわち、帰住先を決めますとかあるいは就職先を決めるとか、こういうことを行うということでございます。
#112
○井上哲士君 出所前の方の社会復帰のために、いろんな環境のために調査をするわけですね。
 もう一つ、保護観察事件については、その中身と一人当たりの担当数はどうなっているでしょうか。
#113
○政府参考人(麻生光洋君) これも同じように、平成十五年に保護観察所が取り扱いました保護観察事件は、年間で十四万四千八百四十七件でございまして、同年末現在保護観察所に所属しておりました、係属しておりました保護観察事件は六万六千八百十六件でございました。
 これも先ほどの六百三十人が担当しておりましたので、保護観察官一人当たりが年間担当いたしました保護観察事件は約二百三十件でございます。常時担当しておりました保護観察事件は約百六件でございます。
 それから、保護観察の内容でございますけれども、これは保護観察に付されている者につきまして遵守事項を守るように指導監督いたしますことと、それから本人に自助の責任があることを認めて、これを補導援護することによってその改善更生を図ることを目的としております。
 遵守事項といたしましては、一定の住居に居住すること、善行を保持すること等がございますし、補導援護の内容といたしましては、教養訓練の手段を助けること、医療、保養を得ることを助けること、宿所を得ること、職業を補導し就職を助けること等が内容でございます。
#114
○井上哲士君 今のを足しますと年間合わせて約四百件を担当し、常時二百件の事件を観察官の方が担当されているわけですね。
 保護観察の場合、保護司を通じてというものもかなりあるわけですが、いわゆる直接担当するという事件も、平成十一年でいいますと六百四十件ぐらいあるということをお聞きをいたしました。さらに、今度は性犯罪者についても、保護司を通じてのみならず、観察官の直接関与を強めろということになっているかと思うんですが、その対象の数というのはどのぐらいでしょうか。簡潔にお願いします。
#115
○政府参考人(麻生光洋君) 最初の方の直接担当事件の方は、平成十一年当時とほぼ変わらない数字でございます。
 今回、新たに処遇の強化をすることといたしました性犯罪対象者でございますけれども、現在、保護観察では類型別処遇制度というものを実施いたしておるわけでございますけれども、このうちの性犯罪対象者といたしましては、罪名が強姦や強制わいせつなどの暴力的性犯罪者、それから犯罪の原因が性的欲求に基づく下着盗やストーカー事犯なども含んでおります。平成十六年十二月末現在でのこの性犯罪対象者でございますけれども、これは千九百四人となっております。
#116
○井上哲士君 ですから、今直接担当が六百四十五、これに直接関与、その三倍ぐらいのものをやるということになるわけですから、本当に忙殺をされるという状況なんですね。ですから、体制の増強なしに幾らこれにもっと関与しろという掛け声を掛けても、ほとんど絵にかいたもちになるんじゃないかという危惧を私は持っているんです。
 昨年の暮れに大阪の近畿地方更生保護委員会とか大阪の保護観察所もお訪ねしてお話聞きましたけれども、近畿は特にこの数が多くて、これ以上の実態があるわけですね。本当に大変でありますし、先ほどありましたように、この五年間で相当数の新しい保護司の方が入ってきた場合に、この人たちのいろんな研修であるとか連絡であるとか、これはやっぱり観察官に相当の比重が掛かってくるわけです。ですから、今本当に思い切って体制の強化をしなかったら、この今担うべき役割はとても担えないと思うんですね。
 で、資料をいただきますと、例えば刑務所は昨年末が七万六千四百十三人いるんですが、その収容に関する費用を聞きますと千七百五十六億九千三百万円ですから、一人頭年間二百二十万円掛かっているという見当なんですね。更生保護の場合は、やはり約七万人の方をさっき言いました百九十二億の予算でやっているわけですから、一人頭に掛かっている金額は二十七万五千円なんです。
 単純な比較はできませんけれども、しかし、本当に予算の効率という使い方といいますか、そういうことからいいましても、もっともっと更生保護に力を入れて刑務所に入る人を減らすということは、予算という点からいいましても私は大変大事だと思うんですね。何よりも社会復帰ということは本人と家族にとっても大変なプラスでありますし、そのことは犯罪の少ない社会もつくるし、そして新しい社会の担い手つくるわけですから、予算の使い方も考えますと一石四鳥ぐらいの効果があると思うんですね。
 そういう点で、是非大臣、この分野に思い切った予算、体制をつくっていくという点で、先ほどもありましたけれども、是非固い決意をお聞きしたいと思います。それで私の質問を終わります。
#117
○国務大臣(南野知惠子君) 私も施設を訪問させていただきました。いろいろな方とお話しさせていただきました。自分たちはボランティアでやっているんだというふうにおっしゃっていただいておりますけれども、るるお話をお聞きしてみますと、ボランティアでその方にいろいろなことをお願いするのは難しいかなというふうにも思ったりいたしております。
 そういう観点で、どのような体制が取れるかということでございますが、民間篤志家である保護司の方々というのは本当にすばらしい方々であり、我々が中学を卒業して就職というころには金の卵といって大切にされた部分がありますが、もう保護司の方々は金の鶏であろうというふうに思うくらい、我々は本当に得難い方であるというふうに思っております。しかも、高齢化しておられます。その後をどのような形で人員を獲得していくかというのは、これは大きな課題であり、またその方のお世話にならなければならない方々が増えていっている、底辺が増えていっているということも十分これ理解いたしております。そういう意味からは保護観察官及び保護司の負担は従前に比べて増しておるわけでございまして、その過度の負担を民間篤志家である保護司に負担させることは適当ではないというふうにも思っております。
 したがいまして、先生が御指摘になっておられます必要となる経費については更に検討することはもとより、処遇に係る人的体制をこれまで以上に充実させる必要が極めて高いなと思っておりますし、今後、鋭意努力してまいりたいと、そのように思っております。
#118
○木庭健太郎君 まずお聞きしたいのは、午前中というか午後ですね、今日は、午後から始めましたが、最初に、スウェーデンの社会科の教科書の話を千葉委員が、「あなた自身の社会」ですね、というお話をされていましたが、やっぱり何をやるにしても、司法制度の改革、さらに裁判員制度も今からやっていくんですけれども、結局、やっぱり根本、何に返ってくるかというと教育の問題、特に小中学校のときに法教育という問題、どこまで学び、どこまでやっているかというのがポイントになるような気が更にいたした次第でございます。
 そういう問題では、この法教育というものは別に法務省だけじゃなくて各省庁またがる話ではございますけれども、法務省としてこれどういうふうに推進をしようとしているのか、是非聞いておきたいと思います。
#119
○政府参考人(倉吉敬君) 司法制度改革を実りあるものにしなければなりません。そのためには、大きな理念の一つが国民の一人一人が法や司法を身近に感じるということでございました。これが必要不可欠でございますが、それより更に一歩進めて、法や司法を自分の問題として考える、人ごとではないと、自分がそれに関与をしていかなければならない、これが裁判員制度でございまして、そういうことまで視野に入れますと、初等中等教育の段階から国民が法や司法に慣れ親しむとともに、法的な考え方を自然に身に付ける、そのような学習機会の充実を図ることが極めて重要であると、こう考えております。
 法務省におきましても、司法制度改革審議会の意見を受けまして平成十五年の七月に法教育研究会というものを発足させました。これには、大学の先生だけではなくて、現場の授業をやっている中学の先生、こういう方にも入っていただきまして精力的に議論をしていただいたわけですが、その結果、昨年の十一月にその検討結果と、それから法教育の内容を具体化した四つの教材例、これを取りまとめた報告書を法務省に提出していただきました。
 法務省では、文科省や関係機関の協力を得て、教育関係者を始めといたしまして、広く国民に対し、この報告書の内容について広報を行っていく、法教育が全国各地で行われるよう努力してまいりたいと、こう思っております。
 また、法務省自身といたしましても、今後も法教育に関する協議の場を設けまして、教員や法律実務家による法教育の実践についての情報交換、それから教材例の既に作り上げましたものの検証、そして改訂、こういったことの取組も積極的に進めてまいりたいと思っております。
#120
○木庭健太郎君 是非その時々で、たまたま今日はこの私たちの社会という非常にいい参考資料があるわけで、法教育もその中で触れている面もあるわけであって、適時いろんな情報を得ながら拡充をしていただきたいと思います。
 今度は、小中学生の問題ですね、次は若者の問題で、これから総合法律支援のセンターもつくっていくわけですよね。ただ、単にそれをつくっても、じゃ、そこへ本当に接していくかどうかという問題の御提言でございまして、私たち公明党が今提案しているのは、若者のために、若者が実際に架空請求詐欺とかいろいろなトラブルを抱えていると、ところが、法的にどうすればいいか分からないで行き先がないという問題がある。じゃ、そういう専門のものをある意味ではひとつ機関として設けたらどうだと、南野大臣にも御提言もし、検討もというお話もしていただいたようではございますが、つまりどんなことかというと、例えば厚生労働省で、つまり旧労働省が職業安定所というのをやっていたと。若者来ない、職業安定所には。ところが、ジョブカフェというんだそうですよ、名前が、ジョブカフェという名前にした途端に若者が来て、そこでいわゆる働くための事前のものをやるようになったと。ネーミングも大事なんです、そういう意味では。
 だから、そういう意味で、今度はローカフェという、法律のカフェでございます、お茶を飲む気分でそこに相談に行くと。こんなものをある意味じゃセンターをつくる上での一つの考え方として必要ではないかと思いますが、いかがですか。
#121
○政府参考人(倉吉敬君) 大変示唆に富む御提言をいただきました。
 先ほども答弁をいたしましたが、総合法律支援法によりまして日本司法支援センターの業務内容決まっております。たくさんございましたが、その中で一番基本となるもの、核となるものは紛争解決制度を利用するために適切な情報を提供するという、情報提供というこの業務であろうと思っております。これは、要するに今のような具体的な情報を提供して紛争解決への道案内を行うというものでございまして、司法へのアクセスをより容易にしたいと、その思いは全く同じでございます。
 現在、この業務開始に向けまして、各地域における実情やニーズ、それから業務運営の効率性等を考慮しつつ、これを充実するための方策について鋭意検討を進めているところでございますが、この相談窓口に若い人に来てほしい、これは正にそのとおりでございまして、意外にいろんな詐欺事犯について被害に遭うと。遭うんだけれども、今の若い人というのはなかなかそれを人に言えないとか、そういうことがあるやに聞いております。そういう観点も踏まえまして、相談の開設場所をどこにするのか、それからどういう時間帯で開設していくのか、これ非常に難しい問題ございますけれども、今委員の御指摘の観点も十分に踏まえまして、業務運営の効率性等も考慮に入れながら検討してまいりたいと思っております。
#122
○木庭健太郎君 是非様々な、いろんな、時代は随分変わっているようでございまして、古い頭でやったらいけないようなところもあるようでございますので、是非そういうものを取り入れながら取り組んでいただきたいと、このように思っております。
 私も先日、NHKスペシャルの裁判員制度特集、放映されておりましたんで見させていただきました。ただ、やっぱりあの調査を見ると、裁判員として裁判に参加したくないという方が六四%でございましたか、結構高い数字でございましたし、その参加したくないという理由が、結局、人を裁くことに抵抗があるというのが四一%、正しい判断ができないんじゃないか、三七%と、こんな結果でもございました。これ、どんなふうにお感じになっていらっしゃいますか。
#123
○政府参考人(大林宏君) 私も委員御指摘の番組を見させていただきました。法曹関係者だけではやっぱり作れない番組だなというふうに思いまして、非常に感心して見ておりました。
 今の御指摘の点でございますけれども、私は、その今の世論調査において人を裁くことに抵抗があるとか、正しい判断をする自信がないといった方々は裁判員として裁判に参加することの意味をむしろ真剣に考えていただいている人じゃないかなというふうに思っております。
 法務省といたしましても、このような現状を真摯に受け止め、広く国民の方々に対し、このような人が多数おるということはもう御指摘のとおりでございます。それを踏まえて、やはり広報啓発活動に努めていかなきゃならない、あるいはその他の、今度は参加していただく具体的な方策を更にやっぱり真剣に考えていかなきゃならないと、このように考えております。
#124
○木庭健太郎君 今刑事局長おっしゃったように、どういうふうな広報活動、啓発活動をしていくかというのがこれから四年間の勝負になるんだろうと思いますが、これはもうお金の話しょっちゅう出ておりましたんで、一体じゃこの裁判員制度の広報啓発活動に関する予算というのはどのような現状になっているのか、また、その予算はどのような活動の経費に充てられることになるのか、お聞きしておきたいと思います。
#125
○政府参考人(大林宏君) 法務省の平成十七年度における予算につきましては、裁判員制度の広報啓発活動の推進として三億二千百万円という金額で御審議いただいているところでございます。この金額は、裁判員制度の内容と意義を広く周知するため、広報用のポスターやリーフレットを作成し、全国規模で掲示、配布するための経費などとして計上しているものでございます。
#126
○木庭健太郎君 ポスターやそれだけで足りるのかという議論はしょっちゅうあるんであって、正にNHKにやってもらったあれが一番効果があったんじゃないかと思うような次第もあるし、どんな方法があるのか。しょっちゅう、最近そう言うと法務省はホームページ、ホームページとおっしゃる。ホームページも使っていただきたいし、いろんな手段を使うことが必要なんだろうと、こう思いますし、また、新聞見ていましたら、それぞれいろんな新たな取組をすればマスコミも取り上げるという流れがちょっとあると。
 その一例として、先日ですか、広島の高裁と地裁と家裁の三つの裁判所が毎月二十一日を広島の裁判所の日として位置付けて、模擬裁判などの市民講座を開くことと、こう決めたという報道がございました。また、今度は徳島の地検でございますが、これ検察官が出向いて検察庁の役割や司法制度改革について話をする、何か出前教室というのを実施しているというような報道もございました。
 いろんな工夫、いろんな地域によってそれぞれあるのかもしれません。でも、やはりこれはそれぞれ知恵を出し合いながらいろんなところがやる必要があると思うんですが、是非こういうものを取り組んでいただきたいと思いますが、また各裁判所、各いろんな出先に対してどういうふうに考えて、どうやるつもりでいらっしゃるのか、お答えをいただいておきたいと思います。
#127
○最高裁判所長官代理者(大谷直人君) 一般の方々に裁判に関心を持っていただいて、そして裁判手続について広く知っていただくというためにいろいろな工夫をしなければならないということは委員御指摘のとおりであると思います。裁判所としましても、各地におきましてそうした観点から様々な取組を行ってきたところであります。
 お話のありました広島高地家裁以外の例を幾つかここで御紹介させていただきますと、例えば札幌地裁では裁判員制度についての市民講座を実施しておりますし、また、山形地裁では一般の方に裁判所に来て見学していただいた上で裁判員制度について説明を行ったという例もございます。また、つい最近のものとしましては、東京高裁で裁判員裁判用のモデル法廷を利用しまして裁判員制度の説明会を行ったということが報道されております。このほか、裁判官が公民館や大学、高校あるいは中学校等に赴いて行う講義等も各地において実施されております。
 今後とも、それぞれの地域の実情あるいはニーズということを的確に把握しながら、検察庁、弁護士会など関係機関との連携を図りつつ、裁判員制度に対する理解をより一層深めていただけるように、こうした企画に更に積極的に取り組んでいきたいと、こう思っております。
#128
○木庭健太郎君 そして、是非、おやりになられるときにマスコミへの周知徹底をされるといいと思います。マスコミに報道させることがその後の実際にやることと波及効果の部分で、裁判員制度というのはこうなっていくんだということの効果につながっていきますので、是非いろんなことをやるときは思い切って宣伝してやっていただきたいと、これを要望として申し上げておきたいし、また、せっかく司法制度改革推進室本田室長も来ていただいておりますので、室長から、昨日も裁判員の制度関係の省庁連絡会議開いておりますから、それも踏まえて今後どう取り組むかもお答えをいただき、室長の御答弁の後、まとめて大臣から、この裁判員制度の、要するに広報なんですよ、どうやっぱり徹底していくかというのは大事だと思っていますので、その点についての大臣の決意を伺って、私の質問を終わります。
#129
○政府参考人(本田守弘君) この裁判員制度を円滑に実施に移し、制度の趣旨、目的を実現するためには国民の理解と協力が不可欠でありまして、政府を挙げて所要の施策を全力で推進する必要があると考えております。そのため、先ほど委員の方から御指摘もありましたように、内閣官房といたしましても昨日、内閣官房副長官補を議長といたしまして裁判員制度関係省庁等連絡会議の第一回会合を開催し、裁判員制度につきまして、国民に対する広報啓発のみならず、国民の参加環境の整備、それから法教育など裁判員制度を円滑に実施するために必要な施策に関しまして関係機関の連携を一層強化しながら、その効果的な実施を図っていくことといたしました。
 具体的には、今後、本年八月ごろまでに裁判員制度の実施に向けた施策について具体的な行動計画を策定いたしまして、その実施状況について適宜フォローアップを行っていくということにいたしております。
#130
○国務大臣(南野知惠子君) あと四年しかない、だけど四年あるというような気持ちでしっかりと取り組んでいきたいと思っておりますが、裁判員制度の導入、本当にこの制度は国民に身近な司法を実現するための制度でございますので、国民の皆様が、御負担をお掛けする制度にもなろうかと思っておりますが、制度の意義をよく理解していただくというのが一番の大きなポイントかなと思っております。進んで刑事裁判に参加していただけるよう広報を努めてまいりたいと思っております。
 そのためには法務省は、最高裁判所及び日本弁護士連合会と連携協力いたしまして様々な広報啓発活動を推進してまいりました。ゆうべもいろいろとシンポジウムをお開きいただきましたり、またタウンミーティングなどでも誠意、努力いたしております。テレビの法律の母と言われている方たちとも一緒にやったりいたしておりますので、宣伝効果も上げているかなというふうに思っております。今後も、最高裁、日弁連と連絡協力、広報啓発を更に積極的に展開してまいりたいと思っております。
 また、昨日、内閣に裁判員制度関係省庁連絡会、省庁等連絡会議が設置されました。そのことにより、制度の円滑な導入に向けました施策がより効果的に実施されるものと考えております。
 法務省といたしましても、全員全力で取り組んでいきたいと思っております。
#131
○木庭健太郎君 終わります。
#132
○浜四津敏子君 公明党の浜四津敏子でございます。
 本日は、私の元に寄せられました現場の声に基づいて質問させていただきます。
 まず第一点目は、重国籍について、国籍法見直しの観点からお伺いいたします。
 世界の各国は、その国の構成員となる国民の要件、範囲をそれぞれ決めております。各国の国籍立法は、その国の歴史や背景、政策により様々な内容となっておりますから、どの国の国籍も持たない無国籍者や、あるいは複数の国籍を持つことになる重国籍者が生じると、そういう結果を招来しております。
 日本では、国籍法の二条で原則として血統主義を取っております。この血統主義の中にも、父系、父親の方の父系血統主義と父母両系血統主義がありますが、日本は、一九八〇年に成立いたしました女子差別撤廃条約の批准を契機といたしまして、一九八四年に国籍法を改正し、それまでの父系血統主義を改めまして父母両系血統主義を取ることとなりました。この父母両系血統主義の国においては、父と母の国籍が付与されるために重国籍者が必然的に増えるという結果になります。そこで、日本は国籍法十四条で国籍選択制度を規定しております。日本は重国籍を認めない国でございます。
 そこで、現状を認識するためにお伺いいたしますが、一九八四年の国籍法改正から今日まで、この十四条の国籍選択制により国籍を選択した件数は何件に上っているでしょうか。
#133
○政府参考人(寺田逸郎君) 広い意味でのこの国籍の選択に関する届出と申しますのは、必ずしも重国籍でない者が外国国籍を取得した場合の選択も含むわけでございますので、トータルの数は昭和六十年から平成十五年までの間に四万四千人でございますが、今委員がお尋ねの、重国籍である場合に日本国籍を選択して、それから外国国籍を放棄し、あるいは外国国籍を離脱した者、これは同じ昭和六十年から平成十五年までの間に約二万二千人ということになっております。
#134
○浜四津敏子君 国籍法の十五条一項ではこのように定められております。法務大臣は外国の国籍を有する日本国民で十四条の期限内に日本の国籍を選択しない者に対して書面により国籍の選択をすべきことを催告することができると、こう定めておりますが、これまでこの催告は何件なされたのか、お伺いいたします。
#135
○政府参考人(寺田逸郎君) 催告いたした実績はございません。
#136
○浜四津敏子君 同じく国籍法十六条一項で、日本国籍の「選択の宣言をした日本国民は、外国の国籍の離脱に努めなければならない。」と、こうありまして、努力義務規定になっております。これを外国の国籍離脱したものとみなすとしなかったのはなぜなのか、外国籍を離脱しなくても法的に問題はないということを意味しているのか、お伺いいたします。
#137
○政府参考人(寺田逸郎君) これは委員も冒頭におっしゃられましたように、外国の国籍を離脱することがおよそできるかできないかということは、これは外国の法令で決まるわけでございまして、外国の法令の中には、およそ国籍の離脱を認めない場合、あるいは非常に条件が厳しい場合もあるわけでございます。したがいまして、離脱する意思を有していても離脱することが現実にできないということになりますと、やはりそれを強いるということはいかがかという観点からこの国籍法の十六条をあくまで努力規定にとどめていると、このように私どもは理解いたしております。
#138
○浜四津敏子君 先ほどのお話ですと、日本国籍放棄した人の人数が二万数千に上っているということですが、好んで国籍、日本の国籍を離脱したという人はほとんどいないのではないかと思います。
 私のところに重国籍を認めてほしいという声が多数寄せられておりますので、そのうちの幾つかを御紹介いたします。
 初めのケースは、父親日本人、母親日本人の間に生まれた子、仮にAさんとしますと、幼少のころ家族とともにフランスに渡りフランスで教育を受けた、その後、父母は日本に帰国したが、Aさんはフランスに残り医学校に進んだ、日本国籍を捨てたくないのでフランス国籍は取らなかった、そのためフランスでは医者の資格が取れず、現在はパリの大学病院でやむなく麻酔医師として勤務している、日本が重国籍を認めていないため、Aさんは仕事、職場などで多くの制約があり、昇進もできないと、こう言われております。重国籍が可能ならもっと自身の力を有効に発揮でき、社会生活ももっと自由に豊かに送れるのに大変残念だと、こういう声でございます。
 もう一つのケースは、父親フランス人、母親日本人、その間に生まれたお嬢さん、フランスで出生したお嬢さん。この母親の日本人の方をBさん、娘さんをCさんと仮にお呼びいたしますけれども、この娘のCさんは日本とフランスの国籍を持っておりました。しかし、Cさんが二十一歳のころ日本から国籍選択の義務を再三手紙や電話で迫られて、フランスに居住していること、また将来の仕事のことを考えて苦渋の選択でフランス国籍を選択した、そのため日本国籍を喪失したけれども、最近日本で仕事をしたい意向がありこのCさんは日本国籍を失ったことを大変悔やんでいると、こういうことでございました。また、日本国籍のBさん、これはお母さんですけれども、この方もフランスで教師をしている、しかし正規の教員免許を持ちながらフランス国籍を取得しないために正式教員になれず給料も他のフランス人と大きな差があると、是非日本も重国籍を認めてほしいと、こういうお声でございました。
 最後に、もう一例お話しさせていただきます。
 このケースは、父親日本人、母親日本人、フランスに移住して三人の息子が生まれたそうでございます。そのうちの長男Dさんは、本籍地の法務局より国籍選択を通告されて生まれ育ったフランス国籍を選択した、親としては大変ショックだった。つまり、親は日本国籍ですから、息子が日本国籍を失ったということが大変ショックだったそうでございます。日本の国籍法というのは大変残酷な法律だと思ったというのがこの親の方のお話でございます。その上、その後、この長男のDさんは日本で就職が決まりましたが、日本国籍がないため、三年のビザは発行されますけれども、身元引受人の住民票あるいは源泉徴収票などを提出しなければならないなど、もうその手続が大変面倒だということで日本国籍を選択しなかったことを後悔していると、重国籍が認められていればこのような苦悩も苦労もなかったと、こういう声でございます。
 そのほかにもたくさん寄せられておりますけれども、時間の制約がありますので以上三例だけお話しさせていただきましたけれども、このように国籍の選択で悩み、苦労している日本人は多くおられます。今後も重国籍の人は増えこそすれ減ることはないだろうと思います。
 政府は、こうした人たちの問題あるいは悩みをどのように考えておられるのか。人権尊重の視点から考え直すときではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#139
○政府参考人(寺田逸郎君) 今三例を御紹介されましたけれども、私どもの方にもそのような様々な、実際にこの国籍をめぐって悩んでおられる、苦しんでおられる方々の声は聞こえてまいりますので、私どももその状況というのは承知しているつもりでおります。
 元々、この現在の新しい国籍法ができた際に、この重国籍をどう扱うかということはかなり議論があったところでございます。重国籍そのものをどういうふうに扱うかということは、これは時代時代において相当に考え方が違うわけでございまして、また国によっても、最近のヨーロッパの例を取りますと、必ずしも重国籍に厳しくない姿勢を示している国も決して少なくないわけでございます。
 したがいまして、私どももその動向に非常に注意を払っているところでございますが、先ほど申しました新国籍法ができました際は、なかなか、普通の生活をしている分にはなかなか実感しにくいところではございますけれども、一たび何か起こりますと、やはり国籍というのは国の基本単位でありますから大変に重要に考えて扱うべきだというところから、外交保護権の衝突の問題、あるいは身分関係の安定の問題、様々な議論があった末に現在の重国籍の考え方が取られたわけでございます。
 したがいまして、私どもも今後事態を注視してまいりたいと思いますが、その当時とどういう変化が生じたかというようなところも十分に考えていきたいというふうに考えております。
#140
○浜四津敏子君 治安や安全保障の観点から国籍は余り複雑でない方が管理しやすいという面もあることは確かでございますけれども、しかし、国籍問題は何よりもそうした事態に直面した日本人の方々が不利にならないようにすべきでございますし、また人権の面からももっと配慮したものにすべきだと思っております。
 また、一九八四年の国籍法改正から二十年、世界の国籍の扱い方の潮流も変わってきております。平成十五年の七月十五日、この参議院法務委員会における重国籍問題を検討すべきとの質問がなされたと記憶しておりますが、当時の森山法務大臣は、こうした問題についての国際的な動向を注目してまいりたいと当時答弁しておられます。その答弁以降、法務省として国際的な動向を注目して何らかの対応を取ってこられたでしょうか。
#141
○政府参考人(寺田逸郎君) 先ほども申し上げましたように、この問題については国籍をどう考えるかということが非常に大きいところでございまして、特に日本だけでなく諸外国の動向でございますとか、先ほど委員も御紹介になられました、いろいろ現実にぶつかるケースというのはどういうものがあるかということも非常に重要でございます。又は国民一般に国籍というものをどういうふうに考えるかということも非常に重要なことでございますので、それらについて検討を行っているという状況でございます。
#142
○浜四津敏子君 今言われました世界の潮流と言われるものは、この二重国籍を容認する国が先進民主主義諸国では大半でございます。例えばイギリス、カナダ、イタリア、オーストラリア、スウェーデン、ヨーロッパ、ロシアはもう既に容認しておりますし、条件付きで容認しているのがアメリカ、ドイツ、フランスなどでございます。逆に容認しないという国の方が先進諸国では少数国になっているというふうに認識しております。
 ともかく、世界はボーダーレス化しておりますし、グローバルな時代に入っておりますので、国籍を異にする婚姻というのは飛躍的にこれからも増加するものと思いますし、母国を離れて外国で長期間居住すると、こういうケースも増えてまいります。そうした状況を踏まえまして、こうした多くの国々では重国籍を認めるという結論を取っているわけでございます。
 国籍を異にする父母から生まれた子が父母両方の祖国で生活し、またその親族と交流し、双方の祖国を理解しようとし、双方の祖国ともに極めて強い帰属意識を持つというのはごく自然なことでございます。父母双方もまた我が子に双方の国籍を持たせたいと願うのは当然の感情であろうと思います。
 人権尊重の面からも、国籍を一つだけ選択させるという日本の国籍法はもはや国際化の時代に合わないと、重国籍化の方向に向かっている世界の流れにも合わないと。是非、大臣、法務省の中に研究会等を立ち上げるなどして前向きに、真剣にこの問題を検討すべきときに来ていると思いますが、御見解を伺わせていただきたいと思います。
#143
○国務大臣(南野知惠子君) 本当、先生の貴重な御意見いただき、本当に受け止めさせていただきたいというふうに思っております。
 重国籍をめぐります問題は、やっぱり国家という観点からも関連する大変重要な問題でございます。それはもう十分理解しているところでございまして、それらの議論を深めていくということも大切なことだろうと思いますが、今、あした、あさって委員会を開くということについては今ちょっとまだ考えておりませんので、十分と検討させていただき、国際的な問題とも関連しながら鋭意検討していきたいというふうに思っております、先生の御提案でございますので。よろしくお願いします。
#144
○浜四津敏子君 是非とも早急に検討していただき、現実に前に一歩踏み出していただきたいと思います。
 それでは、残された時間であと一点質問させていただきます。それは、離婚後の面接交渉権と共同親権についてでございます。
 近年、未成年の子供がいる場合の離婚について、家裁で親権を争ったり、またそれがエスカレートして子供を連れ去るという事件が少なからず発生しております。この背景に、我が国は子供の親権を離婚後は父母のどちらか一方に限定して、もう一方を非親権者としているというところにあるのではないかと思っております。非親権者となった親の一方は、親権者の意向一つで親として子供に会うという当然のことさえ自由にならないというのが実態でございます。
 子供にとって、離れて暮らす親と会い、親が自分に愛情を持っていてくれるんだということを知ることほどうれしいことはないのではないかと思います。事実、親の面接交渉の調停申立て件数も急増して、二〇〇四年には三年前に比べて約六三%も増加という結果が出ております。しかし、実際は離婚のときに決めた面接交渉の約束を守られない例も多く、別れた子供に会っていない又はほとんど会っていないという親が相当数に上ると思われます。一方で、養育費の支払率は二割を切る、これは平成十五年度の数でございますけれども、二割を切る現状にありまして、子に会わせないのなら払わないという親も増えているように感じられます。
 こうした状況は子供の人権や福祉にとっても大きな問題でありまして、このまま放置することは許されないと思います。夫婦が離婚しても親子が断絶しない仕組みづくりが必要だと考えておりますが、法務大臣はどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
#145
○国務大臣(南野知惠子君) 御両親が離婚されたということは子供にとっては大きなショックであろうかなと思います。そういう意味では、子供が御両親の両方と面接し両方から愛情を受けることは、これは子供の福祉や健やかな成長のためには重要なことであり、ある意味では子供の権利かなというふうにも思うところでございますが、他方、離婚後の親子の面接につきましては、争いがある場合にこれを実現するには実際上いろいろな困難があると。
 これ、先生が十分御存じだと思いますけれども、これを解決するための施策については私としても今後勉強してまいりたいと思っておりますが、離婚後も共同親権を認めることについては、離婚に至った夫婦間のトラブルがそのまま離婚後に持ち越されて、子供の養育監護についての適切な合意をすることができずにかえって子供の福祉の観点から望ましくない事態が生ずることにならないかという観点から、慎重な検討が必要であろうと思います。
 これもテレビでございましたが、ストーリーがございました。離婚するときに、二十歳になったら、子供が二十歳になったら面会していいよと女の子に言って二人が別れたケースでございますが、二十歳になったからといってお父さんがせっかくプレゼントを持って娘に会いに行ったのに、娘は母親からお父さんのことをしっかりインプットされていましたので、会いたくないと言われたというテレビもございました。
 これも一例かと思いますが、いろいろなことを考えますと、離婚なさらない方がいいなと思っております。
#146
○浜四津敏子君 子供が離婚後離れて暮らす親に会うということが本当はどれほど望み、どれほどうれしいことかというのを、先日、朝日新聞の「声」の欄に投稿がありました。この人は女子高校生でございましたけれども、一番悲しかったことは実の父に親権がなくなったことだと、父といつでも会えると思ったけれども現実は違ったと、なかなか会えないと、高校を卒業したら自分のお金で父に会いたいと、そしていろんな話をしたいと思うという趣旨の投稿が載っておりました。こういう声に法的にもっとこたえていく必要があるのではないかと思います。
 面接交渉権というのは、親の権利でもあり義務であると同時に、子供の権利ととらえるべきだと私は思います。親に会いたい、あるいは子供に会いたいというごく当たり前の望みを実現できるようにするべきだと。そのためには、まずは、法的に現在認められていない非親権者の面接交渉権、これは調停で合意すれば面接交渉権は実現できるんですけれども、法、法文上に明記されておりません。
 この面接交渉権を新たに民法に規定して認めるべきではないか。そして、子供に会いやすいと、こういう状況をつくるべきではないかと思います。もちろん、すべての親に必ず会わせろというのではなくて、例えば酒乱やあるいは大変暴力的な親とかというような場合には、もちろんそうしたケースは除外されるのは当然ですけれども、ともかくごく普通の親子関係という関係を是非後押ししていく、そういう制度にした方が私はいいだろうと思っております。
 現状は、子供の人権、福祉を重視した法整備が不十分だと言わざるを得ません。子どもの権利条約でも、九条三項に「児童が定期的に父母のいずれとも人的な関係及び直接の接触を維持する権利を尊重する。」とあります。こうした条約の精神にも適合させるために日本でも離婚後の面接交渉権を法制化すべきと考えますが、いかがでしょうか。
#147
○政府参考人(寺田逸郎君) 基本的にこの問題の重要性についての認識は私どもも委員と変わりないわけでございますが、ただ、この面接交渉権を法制化するかどうかということでございますけれども、現在の民法の七百六十六条の一項の子の監護についての事項に既にこの面接交渉権が含まれているというのが実務上確立した扱いでございまして、その子が面接交渉について非常に不利益を受けるあるいは不自由であるということが、この面接交渉権の条文が明文上ないということによるものではないというふうに私どもは理解いたしております。
#148
○浜四津敏子君 なかなか離婚後は会うのが難しいという状況は、離婚の、離婚後の未成年の子の親権者を一人に決めると、こういう現行民法に問題があるように思います。子供の奪い合いとか、あるいは子供に養育費を送らない無責任な親を生む一因になっているとも言えると思います。
 この問題につきまして、欧米諸国は、七〇年代後半から、別れた親が共同で親権の責任を果たすと、義務を果たすという議論をしてまいりまして、真剣な議論の末、共同親権の法改正が進んでおりまして、離婚後の共同親権を認めるという流れが欧米諸国では定着していると聞いております。また、子どもの権利条約十八条一項でも「児童の養育及び発達について父母が共同の責任を有する」と、こう定められております。
 この子供の、離婚後の子供の親権問題について、共同親権を日本としても検討すべき時期が来ているのではないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#149
○国務大臣(南野知惠子君) 本当に先生の切実なるお気持ち、聞かせていただきました。
 先ほども申し上げましたけれども、子供の福祉の観点からどうなのかなと考えていかなければならない分も残されておりますので、慎重な検討をしてまいりたいというふうに思っております。
#150
○浜四津敏子君 終わります。
#151
○委員長(渡辺孝男君) 以上をもちまして、平成十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、裁判所所管及び法務省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#152
○委員長(渡辺孝男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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