くにさくロゴ
2005/04/28 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 法務委員会 第16号
姉妹サイト
 
2005/04/28 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 法務委員会 第16号

#1
第162回国会 法務委員会 第16号
平成十七年四月二十八日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     浜四津敏子君     遠山 清彦君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         渡辺 孝男君
    理 事
                松村 龍二君
                吉田 博美君
                千葉 景子君
                木庭健太郎君
    委 員
                青木 幹雄君
                荒井 正吾君
                山東 昭子君
                陣内 孝雄君
                関谷 勝嗣君
                鶴保 庸介君
                江田 五月君
                前川 清成君
                松岡  徹君
                簗瀬  進君
                井上 哲士君
   国務大臣
       法務大臣     南野知惠子君
   副大臣
       法務副大臣    滝   実君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  富田 茂之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 英明君
   政府参考人
       警察庁長官官房
       長        安藤 隆春君
       法務省刑事局長  大林  宏君
       法務省矯正局長  横田 尤孝君
       法務省人権擁護
       局長       小西 秀宣君
       厚生労働省政策
       統括官      井口 直樹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(渡辺孝男君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十七日、浜四津敏子君が委員を辞任され、その補欠として遠山清彦君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(渡辺孝男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に警察庁長官官房長安藤隆春君、法務省刑事局長大林宏君、法務省矯正局長横田尤孝君、法務省人権擁護局長小西秀宣君及び厚生労働省政策統括官井口直樹君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(渡辺孝男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(渡辺孝男君) 刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○松村龍二君 自由民主党の松村でございます。
 あしたから連休が始まるというようなことで、しかも十日も続くというようなことですけれども、当法務委員会は大変に気合みなぎって、しっかり審議をしようということでございます。厚生労働委員会は、今日一日、五時間か六時間の審議されるというような話でございますが、そういうような時期でもございますので、ひとつ肩の力を抜いていただいて、しっかり充実した、結果的には充実した審議になるようにお願いしたいと。
 また、一昨日は、府中刑務所、また府中警察署の留置場もこの委員会として午後視察に行ってきたわけでございます。この当法務委員会としては、一月に、主に理事メンバーが中心でございましたが、福島刑務所の視察、あるいは昨年は名古屋刑務所等も視察に行っているわけでございます。
 そういう非常に充実した集積の中で質問をさしていただきたいと思いますが、この刑務所問題が起きましたときに情願制度ということが問題になりまして、監獄法は明治年間にできた法律でありますけれども、収容されている収容者が法務大臣に直接訴えるというような道が開かれていたわけですね。それじゃ、それがそのとおり役割を果たしていたかというと、時の法務大臣に情願制度についてどういうふうになっているんだと、実際にそれを見たことがあるかというような質問をすると、しどろもどろというか、余り実質的に機能していなかったようなふうに見受けられたわけでございますが、この刑事施設法において情願制度というのはどういう形になって残り、また、法務大臣御自身、今月、例えばどういうような手紙がこの刑務所に入っている人から来て、どういうふうに対応されたのか、ちょっと冒頭、お聞かせいただきたいと思います。
#7
○国務大臣(南野知惠子君) 先生、情願のお尋ねでございますけれども、各週ごとに、それを二週まとめたり三週まとめたりということはございますが、必ず私の手元にそれを届けていただき、その中身も精査させていただいております。精査する分と、それから、もうそれは該当しないという分とに分けたりいたしますが、その中で、やり取りの中で、私が一番気になっておりましたのは、刑務所の中において情願に表われる内容と、さらにまた、私が気にしていたのは、どういう感謝の気持ちがあるのかなと、感謝はあるのかないのかというようなところもお話合いをいたしまして、こういう感謝の文章があるということも聞かせていただきました。情願の中身は、苦情という問題が多いのはこれはもう当然でございますが、そういう心を読ませていただいていることには感激しながら読ませていただいたことがございます。
#8
○松村龍二君 法務大臣、週まとめて御報告を受けているという話でございましたけれども、そうしますと、かなり数が多いようにお聞きするわけですが、一週間にどれぐらいの件数その情願、苦情を受けているのかについてちょっとお聞かせください。
#9
○国務大臣(南野知惠子君) 週単位というかっちりかっちり数が整っているわけでございませんで、いろいろな数で読ませていただいております。
#10
○松村龍二君 それでは次ですね、法務大臣になられまして、この刑事施設の問題が大変問題になっているという状況の中で法務大臣になられたわけですが、当然のことながら刑務所等も視察されていると思いますが、どこの刑務所に行かれたのか、また、そのとき率直にどういう感想を持たれたのか、お聞かせいただきたいと思います。
#11
○国務大臣(南野知惠子君) 刑務所として御訪問さしていただいたのは、これは昨年の九月の就任以来でございますが、府中刑務所、それから山口刑務所、名古屋刑務所、川越少年刑務所、刑務所と名の付く四か所でございます。
 そこにお邪魔さしていただきましたときに一番感じたのは、やっぱり数少ない職員の方々が精一杯お仕事をしていただいている、もうそのことには感謝いたしております。さらに、面接とか、それから外交、交通の部分が多少緩和されてきているところもあるのかなと思う感じもございますが、一番もう一つ気になっているのは、過剰収容であろうかなと思っております。一一八%の過剰収容、その実態も見せていただきましたが、もはや個室は個室でなくなっているという状況もあります。六人部屋に八人、ベッドを入れながらということがありますので、ベッドから降りて夜中お手洗いに行くときに人の足踏まないような環境をつくりたいなと、そのような不安な部分も感じながら来ておりますが、日々の生活の中にはある程度規律正しさを持った生活が行われております。それはもちろん個別個別の観点がございますけれども、そういう中で職員がしっかり頑張っていただいていることに敬意を表しております。
#12
○松村龍二君 大臣としては、過剰収容、私どもも一昨日行ってきたときそのような過剰状況を説明を受けてきたわけですが、大臣としては、大変だなと、御苦労さん御苦労さんと言うだけでなくて、個室であれば、本来個室であるように、一人部屋にするようにあれするとか、六人が八人になっているんであれば、あくまでも定数を守るというようなことに決意するということが大臣のお仕事かと思うんですが、その辺については、現状は大変だなと感じられたのか、そういう過剰収容についてはこれを解決せぬといかぬという固い決意を持たれたのか、その辺についてお聞かせください。
#13
○国務大臣(南野知惠子君) 一刻も早い解決を目指しておりますが、これはやはり予算を伴うことでもございます。そういう意味から、年度末に既に多くの額をいただき、六千人分ぐらいなのはいただいた。それにこのたびの平成十七年度の予算ということを積み上げていきながら問題を解決したいということと、さらに、PFI方式でひとつ進めていっているということも大きな意味合いを持っていると思います。山口の美祢刑務所が第一でございますが、その次も決めさせていただき、順次これを進めていきたいというふうに思っております。
#14
○松村龍二君 実は私も、さっき申しましたように、府中刑務所、福島刑務所、名古屋刑務所と、まあ三か所も見れば一般国民としては刑務所をたくさん見た方だなということかと思いますが、私は、御承知いただいていますとおり、過去、治安関係の役所に長らく勤めておりました。それで、まあ警察本部長という仕事もしたんですが、岐阜県、また埼玉県の警察本部長になりましたときに、管内のいろいろそういう役所にごあいさつに行くわけですが、刑務所へ参りましたときに、通常の方ですと名刺交換してあいさつをこなしていくわけですが、私は、刑務所の中も見せてくださいということで、その二か所について見てきたことがございます。一般国民として、法務省に勤める人間でない人間としては刑務所をたくさん見た方だなと。塀の中に入ったわけじゃないんですが、塀の外にいる人間としてはよく見ているんじゃないかなと思います。
 そこで、私は、おととしですか、二〇〇二年ですか、あれ、名古屋刑務所の事件起きたのは。その後、私は二〇〇三年の四月に「「行刑改革」に思う」というちょっとホームページに私は文章を書いたわけですが、それは、私がそれらの岐阜刑務所、埼玉刑務所を視察したときに感じましたことは、刑務所内が非常に秩序正しく管理されているなと、今風の時代としてはむしろ異常に秩序正しいなというような感じをしたわけです。暴力団が受刑者である刑務所においても非常に秩序正しく作業をさせておると。なかなか刑務官も大変だろうと。百人ほど働いて、刃物もあるようなところで二人の刑務官が百人の元暴力団の収容者を管理していると。いつ受傷を負うかも分からぬという中で御苦労だなというような感じをいたしました。
 また、私も警察本部長をしておりましたので、組織を比べてみますと、刑務官というのは柔道が非常に強いんですね。柔道大会を警察署とそこの刑務所とやりますと、刑務所の方が強いんです。県警全体のレベルの代表選手はプロ級の選手を抱えておりますので警察が圧倒的に強いんですが、一般の刑務官はやっぱり日々そのストレス、やられたら困るという中で、柔道の訓練もして強い。一方、警察署の方は、日々、夜勤もありますし疲れているんで日々、訓練はしないというその違いがありまして、刑務官の方が柔道は強いというようなことで、これまたいかにそういう環境の中で働いているなというようなことも感じたわけです。
 そこで、私は、感じましたことは、日本の刑務所というのは暴力団とか外国人とか、また今の時代は大学においても学生が先生の言うことを聞かないで、もう内職して、隣の人とべらべらべらべらしゃべっていると、そういう時代でございますので、また携帯電話を掛けたり、非常に秩序というものがない中で、これだけしつけるというのは大変なストレスというのが刑務官に掛かっているなというふうなことも感じまして、懲役制度というのがそもそも無理なんじゃないかなと。アメリカの映画等を見ますと、拘禁しているだけの刑務所の姿がよく映画の中で出てくるわけですね。それに比べて日本の場合は秩序正しく働かせていると。こういう制度がいつまでもできるんだろうかなというような感じもしたわけです。
 それで、ちょっとお聞きするわけですけれども、その前に、それじゃ江戸時代の行刑がどういうふうになっていたかということに、日本人古来の姿がどうなんであるというふうにちょっと調べてみたわけですけれども、戦国時代までは非常に厳しい、はりつけとかのこぎりびきとか、江戸の初期のころまではそういう刑も残っていた。だんだんそういう刑がなくなって、殺人事件を犯した者については斬首、獄門、あるいは遠島と、佐渡島に流すと、あるいはこの東京の南にあります島々に流すというような刑があったと。
 しかし、戦前は刑務所というのはなかったんだと。刑を受けて一定の期間拘禁しておくというような場所はなかったんだというような話もちょっと聞きましたので、法務省の方にお願いして資料をいただきましたところ、一七八〇年代になりまして、江戸佃島を埋め立てて設置された施設で、被収容者の改善更生を目的とした石川島人足寄せ場というのができたと。これは池波正太郎の鬼平犯科帳シリーズで有名になった火付盗賊改役長谷川平蔵の建言によるものであるというふうなことで、近代的な設備がスタートしたと。これは、時代が非常に飢饉その他で浮浪者、こそ泥、そういうような江戸の中の治安が悪くなったんでこういうものもつくったということのようですけれども、刑罰執行施設というより犯罪予防的な救貧・授産の更生施設としてスタートしたと。その後、一八二〇年ごろからは江戸払い以上の追放刑を受けた者をも刑罰として収容するようになったと、こんな話でございます。
 その中の規則がどうであったかといいますと、月に三回は休みがあるとか、今の刑務所と非常によく似ております。それから、その中では、紙すき、かじ屋、かご屋、屋根屋、竹かさ、彫り物、元結い、草履、縄細工、百姓、たばこ、大工、左官、人足、米つき等相当数の手職をさせたと。そのほか、油搾り、石灰、たどん、官司の精米、川ざらい、私人の希望により無罪の無宿者は外に雇いの仕事にも出業したと、こういうような話でございます。
 作業は午前八時から午後四時まで、入浴は仕事が終わって後毎日又は隔日、作業には褒美金として月四百文から一貫文までを給し、二割を道具代として差し引き、残額のうち三分の一を領置し、出所時に交付し更生資金に充てさせたと。毎月三度の休業日があり、その日は心学者の道話を聞かせて収容者の改善更生を図ったと。人足寄せ場の休業日は三日あり、この日、集めて、心学者中沢道二をして神道、儒教、仏教の教えを身近な俗諺、市井の俗事によって仁義、忠孝の道、あるいは因果応報の理などを分かりやすく説き聞かせたのであったと。
 釈放前教育としては、特筆すべきことに単独で外使いと称して市中に金銭を持って買物に出掛け、あるいは寄せ場製品を市中に売りに出ることもあったという。現今の釈放前教育であるというようなことで、恐ろしく今回の改正に似たような仕組みになっておると、こういうふうに思うわけでございます。
 そこで、この懲役制というのが、今の申しました日本のこういう伝統、あるいは少しでも改善してやろうというような仕組みの中でできたものと思いますけれども、私は、事件が起きたときに、刑法も改正して懲役制度と禁錮刑を一緒にして自由刑というふうな制度にしたらどうかなというふうにもちょっと思ったんですけれども、今回はそこまでは手を付けないで、現状をまず近代風にするということにとどまったような気がいたします。まあ、これは私の個人的な主観ですから。
 そういう意味におきまして、法務大臣に、そして今度の法律が、禁錮刑の者であっても本人の申出、希望があれば作業させることができるというような七十二条というような条文もありまして、懲役と禁錮というものがどこに差があるのか何か分からなくなっている。一昨日の話でも、懲役刑でも働くのを嫌がって個室に潜り込みたい人はわざとサボってというような人もいると。それから、外国人とかに作業させて改悛させると、働く喜びを覚えさせてということも何かどうなのかなというような気もするわけですけれども。
 この禁錮刑と懲役を分けていることの実益につきまして、あるいは諸外国においてこういう懲役刑があるのかないのか。また、受刑者に与える作業の意義が、職業訓練なのか、小人閑居して不善をなすと言いますから、閑居させないための仕事なのか、あるいは作業を通じて真人間にするというふうな思想を持っているものなのか。その辺、大臣始め関係の方々からお答えをいただきたいと思います。
#15
○国務大臣(南野知惠子君) 多分、前半の部分お答えできるというふうに思いますが、残りました部分は事務方の方で御説明させていただくこともあろうかと思っております。
 先生がお話しいただきました今までの歴史、先生の奥深いところを読ませていただきまして、私も奄美大島で働いたことがございますので、俊寛が流されたところ、またこの近くでは八丈島にも行ったことがありまして、そういう黒潮を通って行くということの難儀さというようなものも体験したりはいたしております。
 また、私、かつて入れ墨を研究したことがありまして、昔は入れ墨者というものもその中に出てきているなと。入れ墨は沖縄と北海道にあるわけですが、そこら辺は罪とは連動していないように思いますけれども、犯罪を犯した人の入れ墨、これはいろいろな物語の中にも出てくるかなと、そのように思っております。
 先生が、懲役と禁錮刑ということについてのお話がございました。これは、ともに監獄に拘留、拘置するということは、これは一緒で共通いたしておりますけれども、懲役刑では所定の作業を行わせるというのに対しまして、禁錮刑ではこのような義務はない。でも、先生がおっしゃったように、それは作業したいと思えばできますよというようなところがあるということでございます。原則として禁錮刑の方が懲役刑よりも軽い刑であるというふうにもされております。
 そして、禁錮刑は内乱罪等の政治犯的な色彩を持っている犯罪や又は過失犯、これを中心に設けられておりますけれども、これは、そのような犯罪に対しては、その他の破廉恥な動機から犯された犯罪とは評価が異なることははっきりしているということでございまして、世間一般に言われている破廉恥罪とここで使われている特別な文言である破廉恥ということは多少意味が違うようにも思っておりますが、そういうような形で区分けがされていると存じ上げております。
 残りの御質問についてはお答えいただきたいと思います。
#16
○政府参考人(横田尤孝君) ただいまの委員の御質問の中で、我が国のほかに受刑者に作業を義務付けている国があるかどうかということについてまずお答え申し上げます。
 アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、それからイタリアにつきまして、当方で分かる範囲で調査いたしましたところによりますと、刑法によって作業を義務付けているのはイタリアのみでございました。しかし、アメリカ、これは連邦ですけれども、アメリカ、それからドイツ、イギリスにおきましては、刑法ではなくて行刑法令ですね、それによって作業を義務付けている、そういう規定がございます。それから、フランスは、これは刑法、行刑法令、いずれでも作業を義務付けてはおりませんでした。
 それからもう一つ、作業の意義についてでございますが、これについても私の方からお答え申し上げさせていただきます。
 刑法上、懲役は所定の作業を行わせるということになっております、刑法の第十二条第二項でございますが。法案におきましては、これを前提としまして、作業はできる限り受刑者の勤労意欲を高め、これに職業上有用な知識及び技能を習得させるよう実施するものとするとしております。これは、刑罰の内容として所定の作業を課すことによって自由を剥奪するということに加えまして、作業が規律のある生活の維持、忍耐力の涵養、共同生活への順応、勤労意欲の養成、職業的技能及び知識の習得というそういう機能を有しておりまして、受刑者の改善更生を図るための処遇方法として最も重要なものの一つであるというふうに考えられているということによるものでございます。
 以上でございます。
#17
○松村龍二君 景気のいいときは刑務所におきます作業もいろいろ外部から注文があって、そういう受刑者にしっかりとした仕事を満遍なく与えることができると思うんですが、昨今のような不景気ということになり、また地域差で、東北とか北海道の方は非常に厳しいというような話も聞くわけですけれども、そのような土地の刑務所において、仕事の発注がなくて懲役させようにもさせられないと、そういうような心配はないんでしょうか。
#18
○政府参考人(横田尤孝君) 委員御指摘のように、国内の景気動向や刑務所の立地条件などによりまして刑務作業の確保に苦慮する場面がございます。しかしながら、各施設の担当者が活発に民間企業などを訪問して受注活動をいたしましたり、それからインターネットのホームページなどを利用いたしまして刑務作業の広報を行うなどしております。
 そういったことによって鋭意作業量の確保に努めておりまして、現在のところ必要な作業量については、これを確保されているという状況にございます。
#19
○松村龍二君 それから、先ほど質問したんですが、外国人とか覚せい剤中毒患者、これはあれですか、覚せい剤の犯罪で刑を受けて入ってくる人は、刑務所にいる段階でもう中毒は完全に治っているんですか、それとも、まだ中毒症状が残ったまま収容するというようなことがあるんでしょうか。そういうような例えば覚せい剤中毒者とか外国人に作業させる意義について先ほど質問したんですが、それについてお答えください。
#20
○政府参考人(横田尤孝君) 失礼しました。
 外国人とか、それから覚せい剤の中毒患者についての刑務作業の状況でございますけれども、これは、外国人や覚せい剤の中毒患者でありましても、刑罰である懲役刑を科せられて行刑施設に入所した受刑者には刑法上所定の作業を行わせるものとされております。
 先ほど申し上げましたように、刑務作業といいますのは受刑者処遇における重要な処遇方法でございまして、規律ある生活の維持、忍耐力の涵養、共同生活への順応など様々な機能を有しておりまして、御指摘の類型の受刑者につきましても相応の効果が期待できるものと考えております。
 しかし、受刑者によりましては、カウンセリング、教誨、教科指導、生活指導などの刑務作業以外の処遇や治療がその改善更生及び社会復帰を図る上で有効な場合も考えられますことから、刑務作業の時間を一部短縮して、その特性や問題性に応じた教育的処遇を行うなど、より柔軟に検討して処遇の効果を上げるように努めてまいりたいと思います。
 で、中毒患者はもう刑務所に入ったら治るのかどうなのかということでございます。これはそれぞれ、人それぞれでございますけれども、重い人についてはそれに対してそれ相応の医療的措置その他をいたしますし、軽い者につきましては、それは刑務作業をすることもありますし、それから今申し上げたようなその問題性に応じた教育を行うということもしているところでございます。
#21
○松村龍二君 次の質問に入りますが、今の続きなんですけれども、教育するために作業時間を短縮することもあるというような今お話がありましたが、刑務所の作業というのは、この法律によれば所長が決めるというふうに書いてありますけれども、今現状では一日八時間労働、週休二日制というふうなことでやっているのかどうか。それと、またそれに縛られてしまうと、本当はいろいろ教育を与えたいと、座学を受けさせたいと思っても、その作業時間に縛られてそのような時間は日中取れないというふうな実情もあろうかと思うんですけれども、その辺については将来ともどういうふうにお考えになっていくのか、聞かせてください。
#22
○政府参考人(横田尤孝君) お答えいたします。
 刑務作業の時間でございますが、これは在監者の作業時間を定める訓令というものがございまして、これによって原則として一日八時間、週四十時間と定められております。
 ただいま委員が御指摘になった点ですが、この点につきましては行刑改革会議も提言がございまして、そこにおきましては、刑務作業を処遇の重要な内容として位置付けることには異論はないとしつつも、これまでの処遇が刑務作業中心であり、一律に一日八時間の作業を実施しようとする余り、教育や運動の時間が十分には確保されず、処遇内容の硬直化を招いているということの指摘がございます。
 当局でも、この提言を受けまして、現在、全国の行刑施設において月に二日、平日に作業を行わない日を設けるなどの方法によりまして作業時間を短縮し、その時間を活用して処遇類型別指導、個別面接などの教育的処遇の試行を行っているところでございます。今後、この試行の結果を踏まえまして、作業と教育等への適切な時間配分について更に検討してまいりたいと考えております。
#23
○松村龍二君 刑務所内における暖房の問題についてお聞かせいただきたいと思うんですが、去年、名古屋刑務所を視察したとき、非常に、名古屋の冬は東北ほどは寒くないにしても、寒い中で、運動場でみんな運動の時間も縮こまっておると。片隅にビニールで囲いした日光浴の場所があるとみんなそこにたむろして固まっておるというふうなことで、昔ならば寒かったら我慢しろと、こういう精神だったと思うんですけれども。
 戦後、ある人に聞いたんですが、まあ大臣専門でしょうけれども、戦後の日本人の寿命が延びたのは、栄養の面もあるけれども、住宅が変わって暖かくなったということが、日本の住宅事情が暖かくなったということが長寿になってきた一つの原因であるというようなこともある人から私、聞いたことがあるんですけれども。
 刑務所の中において、しかも名古屋刑務所の場合、新しく印刷工場ができたら希望者が殺到していると。その部屋は何となく暖かいということでみんな希望者が殺到しているというようなことかと思います。したがって、今後の刑事施設の管理にあってはそういうことについての科学的な考察もなければいけない。
 昔、網走刑務所というのがあって、寒いんで有名で、あそこには行きたくないというような、犯罪者の間でそういううわさがあったということですけれども、この暖の問題について、居室、寝る場所には恐らく暖房は入っていない、また作業場にも暖房は入っていないということかと思うんですけれども、この暖房について法務当局はどのようにお考えなのか、お聞かせください。
#24
○政府参考人(横田尤孝君) お答え申し上げます。
 暖房の状況ですけれども、刑務所などの行刑施設における被収容者の居室等に設置する暖房設備につきましては、北海道や東北地方などの寒冷地に所在する施設を中心に整備されております。その他の地域では暖房器具で対応しているところもあります。
 それから、暖房設備につきましては、現在、収容棟の増改築等を行う際に順次整備をしているところでございます。
 で、今委員おっしゃるのは暖房ですけれども、およそこの受刑者の生活水準というものの考え方でございますけれども、一般論としてでございますが、付加させていただきますが、これにつきまして行刑改革会議の提言がございます。これに触れております。そこではこんなことを言っております。
 「受刑者の生活水準については、刑の執行を受けていることに伴う一定の制約等がある上、社会生活の変化に応じ、かつ、この点に関する国民の意識も参考にして検討されなければならないことから、常に受刑者の要望に沿うことは困難であり、かつ、相当ではないと思われる。しかし、余りに不合理な生活水準を強いるべきではないことから、諸般の状況を考慮に入れながら不断に見直しを行い、適正なものとなるよう努めるべきである。」と、このように提言ございまして、私どももそのとおりだと思っておりますので、この提言の趣旨に沿って、今後とも様々な点で受刑者の生活水準の確保について努めてまいりたいと考えております。
#25
○松村龍二君 そこで、暖房の問題について、今年の春、福島刑務所へ行ったときに、今、日本国民は冬になると寒ければ携帯カイロ、使い捨てカイロというんですか、正確に言うと、商標がない名前ということになると使い捨てカイロということになるのかも分かりませんが、そういうものを皆身に付けているわけですけれども、刑務所の中で、売店でそういうものが売っているのかと、あるいはその収容されている方はそういうものを買うことができるのかということを、刑務所の係の方に聞きましたところ、そんなことは考えたこともないというようなお顔でしたけれども。
 その答えは、与えるんなら平等に与えないと、お金持ってその使い捨てカイロを持てる人と、金がなくて持てない人といてはいかぬと。したがって、与えるんなら官費で全部に与えないといかぬというふうな基本的なお考えのようでした。しかし、シャツ等が自分で、恐らく自弁で買えるんだと思うんで、そういうカイロ、使い捨てカイロについても、考えたこともないというんでなくて、一定の方針というか、そういうものが必要でないかなと思うんですが、いかがでしょうか。
#26
○政府参考人(横田尤孝君) カイロの自弁のことですが、これ自弁の問題として考えますと、未決の被収容者につきましては、未決につきましては使い捨てカイロの自弁を認めている施設がございます。ただ、委員御指摘のように、受刑者につきましては使い捨てカイロの自弁は認めておりません。
 この取扱いの理由ですけれども、これも委員御指摘のとおりですが、自弁が原則となる未決収容者、未決被収容者は自弁が原則でありますので、そういうような者につきましては、各人が自弁の衣類を着用するなど、防寒対策も個人の都合によるところが大きいのに対しまして、受刑者につきましては、施設において季節に応じた衣類を貸与するなど統一的な防寒対策が取られている中で、使い捨てカイロの自弁を認めた場合には受刑者間で経済状態を反映した格差が生じるなどの不都合が考えられるということもございます。受刑者につきましても、これも委員御指摘のように、メリヤス地のシャツ及びズボン下の自弁を認めたり、必要に応じて毛布の贈貸与や、手袋、耳袋の自弁を認めるなど、その防寒対策に十分配慮をしているというふうに承知しているところでございます。
#27
○松村龍二君 しかし、一昨日視察させていただきましたけれども、布団も何か一枚だけで、全体が暖かいのかどうか知りませんが、暖房はないようですから、必ずしも皆さん自前の暖房といっても十分でないような感じがしました。
 それと、昔の日本人はみんな家が寒くて、体もそういうふうになって育ったわけですけれども、最近はもう小学校から家の中はもうぬくぬくとしていて、急に刑務所へ行くと気温の差が余りにあり過ぎると。よく、春先、市会議員なんかが小学校の卒業式へ行くと翌日みんな風邪引いてということが我々経験するわけですけれども、そんなような事情もあろうかと思いますので、その辺は一切考慮、思案の外ということでなくて、対応していただきたいというふうに思います。
 そうすると、暖房のことを聞いたんで今度は冷房ということになるんですが、まあそのことについては省略いたします。
 そこで、こういうふうにいろいろ皆さん気を遣って待遇を良くするということになると、外国人がよく言っているという話ですが、日本の刑務所では刑務官による暴行がないと。食事や衛生状態など生活環境が快適である。我々も試食してきましたけれども、麦御飯ではありましたけれども、栄養のバランスもあると。作業の賞与金ももらえるということで、出てくるときには何万円かの、外国人だったら大変なお金を手にして出てくると。こんなに待遇、環境が良かったら、日本の刑務所は天国のようだというふうなことで、外国人からすると、犯罪を犯して日本の刑務所へ入るということがちっとも苦痛でないというようなことが言われるわけです。
 先ほど申しましたように、昔は、日本の網走刑務所というのは極寒の地で、あんなところへ行ったら死ぬぞというような恐ろしさ、あるいは米国では、口をはばかられますけれども、性的暴力を受けてもう半端でない体で出てこないといかぬというようなことが、まあ刑務所に行くことのデメリットということです。
 私はタイにも三年いたことあるんですが、日本人が捕まってタイの留置場に入ると半狂乱になって出てくるというんですね。私も行ったこともありますけれども、何でかというと、蚊が大変ひどくて、タイ人なら慣れているんだけれども、蚊がやってくると寝られなくて半狂乱になるというような話もあるんですが、日本の刑務所は余りに快適で、そういう面でどうかと言う人がいますけれども、これについては法務省はどういうふうなお答えを準備しているんでしょう。
#28
○政府参考人(横田尤孝君) この法案におきましては、受刑者に権利として保障される行為を明らかにするとともに、受刑者の生活に関しまして物品の給貸与、医療等に関する規定を設けておりますが、その内容は受刑者としての地位に照らしつつ保障されるべき権利等の範囲を明らかにしたものでありまして、もとより受刑者に対して殊更に良い待遇を行うというものではございません。
 いずれにいたしましても、我が国の刑務所ではこれまでも外国人受刑者につきまして、これは日本人と同様に厳正に刑を執行してきたものであります。外国人であるがゆえに殊更に良い処遇をすると、あるいは殊更に悪い処遇をするということ、これはもちろんしてはならないわけで、当然日本人と同様に扱っておりますし、ただ、一部例外的に宗教上の行為その他特にその生活習慣が異なっている場合にはその配慮をすることが、また国際的な標準的な考え方としてもやっぱりそれは当然しなければならないことですけれども、いずれにいたしましても、日本人と同様に厳正に刑を執行してきたものでありまして、今後ともその犯した罪を十分に自覚させるべく刑の執行に当たってまいるという考えでございます。
#29
○松村龍二君 ちょっとまたがらっと話は変わりますが、元の話に戻るんですけれども、受刑者に対しまして改善指導、教科指導を行うということのようですが、これらの指導に当たる職員の確保やカリキュラムの策定はできるのか。先ほど、江戸時代は道学者が来ていろいろ人生の悟りを、人生について教えていったということですが、この辺、どういう工夫を考えておられますか。
#30
○政府参考人(横田尤孝君) お答えいたします。
 この法案の求める改善指導とそれから教科指導を適切に行うために、心理学、教育学、社会学等の専門的な知識、素養を有する要員の確保に努めますとともに、このような専門的な知識、素養を有する少年院及び少年鑑別所の法務教官、法務技官の活用を図るほか、既存の職員の専門性を向上させるための研修の充実に努めてまいりたいと考えております。
 また、改善指導などのカリキュラムを策定するに当たりましては、これまでも現場施設が実践してきた実績を踏まえつつ、有識者の御意見も伺いながら、科学的、体系的なプログラムを整備していくことが肝要であると考えておりまして、既に当局におきましては、昨年、薬物事犯受刑者に対する教育処遇や被害者の視点を取り入れた教育について有識者の方々とともに研究会を開催し、その結果をも踏まえて現在標準的なプログラムの策定に取り組んでおりますほか、本年度は性犯罪の再犯防止プログラムにつきましても、精神医学、心理学等の専門家の協力を得て標準的なプログラムを策定することとしていると、そういう状況にございます。
#31
○松村龍二君 既に当委員会のほかの先生方からも御指摘があったわけですが、性犯罪、特に小児に対するそういう傾向を持つ受刑者に対しましてどういうふうにしたらいいかということを今から研究、発足するということですけれども、だれが考えても、そんなことで立ち直るということは極めて困難でないかなと。やられた被害者の立場に立って作文書かせるとか、その反省少しは進むと思うんですが、非常にこの試みは難しい試みだというふうに承知いたしますが、再度ちょっと触れていただきたいと思います。
#32
○政府参考人(横田尤孝君) お答えいたします。
 性犯罪受刑者に対する指導の問題でございますけれども、現在、一部の行刑施設において性犯罪防止に関する処遇類型別指導を実施しております。具体的内容は施設ごとに異なりますけれども、一こま約一時間の指導を月一回から四回の頻度で四単元から十二単元を実施いたしまして、内容といたしましては、講義、ビデオ視聴、集団討議、カウンセリング、グループワークなどの組合せで行っております。
 これにつきましては、今申し上げましたように、これらの指導につきましてはこれまで統一的、標準的なプログラムが存在していないので十分とは言い難い点がございましたので、今般その研究会をつくるなどして、これから統一的、標準的なプログラムを作るということで行ってまいります。
 今委員から、そうは言ってもなかなか難しいんじゃないかということでございますけれども、一般的になかなかこの性犯罪受刑者というのは傾向、傾向といいますか、嗜癖であるからなかなか難しいというふうにおっしゃっている方々もいらっしゃいますけれども、私どもといたしましては、その中でしかしやっぱりできることはあるんじゃないかと、行政として最大限やるべきことはやっぱりやっていかなければならないと、そして性犯罪の、再犯を防止して国民の安心と安全を図らなきゃいけないという観点でございますので、これはやってみなきゃ分からない点はございますけれども、十分それは極力やるという方針でこれから一生懸命やってまいりますので、その点をどうぞお酌み取りいただきたいと思っております。
#33
○松村龍二君 時間が限られてきましたので、あと幾つか御質問をいたします。
 刑事施設においては規律、秩序がしっかり維持されるということが必要であると思います。先ほど刑務官の御苦労について大臣からも、私からもお話が出たわけでありますが、やはり刑務所にとって規律というのが一番の問題で、今郵政民営化の話がありますけれども、これはやっぱりお金を扱っている場所ですから、能率、能率ということでお金が粗略に扱われるようなことになると身もふたもない。まあ、国鉄もJRになって、民営化と言って勝ち誇ったような顔をしていますが、人員の整理その他でこういうふうな事故になったというふうな、一因になったというふうな説明も、解説をする人もあるぐらいですので、刑事施設において秩序を維持するということには大変な御苦労があろうかと思いますが、また、日本では逃走や所内での暴動等の事故が少ないというふうに聞いておりますが、この辺の規律についてどうお考えか、お聞かせいただきたいと思いますが。
 あわせて、この前、福島刑務所へ行って、女性刑務所ができるということで、塀が低くしてあると言って自慢的に説明がありましたけれども、中から出るには十分な高さかと思いますが、外から助けに来るということもありますからね。その辺間違いないようにしていただきたいというふうに、まあせっかく気が付いたことですから申し上げますが、大臣から御答弁いただきたいと思います。
#34
○国務大臣(南野知惠子君) 先生御指摘のとおり、行刑施設には多数の被収容者を外部から隔離して集団として管理する必要がございますので、そういう意味からは、各被収容者の拘禁目的を達成するための適切な処遇環境を維持し、被収容者の安全かつ平穏な共同生活を維持するためにも、規律及び秩序を適正に維持することが重要であろうかと思っております。本法案も第五十条におきましてこれを明らかにしているものと承知いたしております。
 先生が最後に注意を喚起するようにと言われました塀の低さということでございますが、それにもいろいろ御意見があろうかと思いますけれども、検討をしながら歩んでいきたいというふうに思っております。
#35
○松村龍二君 せっかく警察庁から官房長が来ていただいております。
 一昨日、府中警察署も視察したわけですが、今回の刑事施設法の改正が遅れたのは、一昨日の質問に対してのお答えで、なぜ明治からこの間、改正しなかったのかということについては、代用監獄の問題について関係者の意見が合わなかったからというふうな御説明もあったわけでございますが、現在、警察におきます留置場につきましては、どのような今留置者数が推移しているのか、また過剰の収容は同じような話があるのかどうか、また留置場の逃走、自殺などの事案があるのか、施設がどのように改善しているのか、また警察にとっては、この後、代用監獄の問題の解決を迫る声もあるわけですが、基本的にどのようなふうにお考えなのか、併せてお答えいただきたいと思います。
#36
○政府参考人(安藤隆春君) 御質問の何点かについて、順次お答えしたいと思います。
 まず、被留置者数がどのように推移しているかということでありますが、これは一貫して被留置者数は年々増加しておりまして、例えば平成十六年における全国の数は、これは延べ人日数で言いますと約五百四十四万人日ということでありまして、これは十年前、平成六年の約二・二倍に当たるわけであります。その中で、特徴としては特に外国人や女性の伸びが大きくて、外国人は十年前、平成六年の約三・三倍、女性は約二・八倍となっております。
 こうした外国人や女性に対しては我々も対処を迫られるわけでありますが、例えば外国人の被留置者の処遇に関しましては、これまで洋式トイレやシャワーの設置とか、あるいは処遇に関して母国語で説明をするとか、生活習慣を勘案した給食を提供すると、こういうようないろんな配慮をしているわけでありますし、女性に関しましての処遇に関しては、必要に応じまして女性専用留置場を運用したり、あるいは身体検査とか入浴立会いなどの際、女性警察官が実施をすると、こういうことでいろいろな配慮をしてまいったわけでございます。
 次に、過剰収容の状況などについての御指摘、御質問でありますが、留置場の収容率、これは収容基準人員に対しまして被留置者の割合という計算で収容率を測るわけですが、昨年の五月のデータで申し訳ないんですが、全国平均で八三・五%ということでありまして、とりわけ都市部とその周辺部において一〇〇%を超えるということでありまして、例えば一番多い一つが、静岡県警ですと一一七・六%、栃木県警が一一三%、一一三・八%であります。もちろん、警視庁とか大阪と愛知というのは一〇〇%を超えているということでありまして、一〇〇%を超えたら満杯ということではございませんで、少年と成人とか女性と男性は分離して留置しなければならないとすると、一部屋で四人収容できるところがその場合一人ということになります。ですから、収容率が大体七割から八割に達した時点で実質的には満杯といいますか、警察の中では限界に達すると、こういうふうに我々考えておるわけであります。
 その対策でありますが、これはもう御案内のとおり、留置場の整備充実あるいは拘置所への早期移監と、こういうことを進めておりまして、最近の具体的な増強状況では、平成十六年度の予算等によりまして約一千二百七十人分の増強が図られておりますし、十七年度予算でも約七百四十人分増強されているということで、そういうことで更に今後とも留置場の整備の推進など過剰収容対策を推進していきたいというふうに思っております。
 それから、被留置者の逃走、自殺等の事案ということでございますが、これは平成十四年から十六年の三年間でございますが、自殺に関しては二十三人、逃走事故につきましては十七件、これはうち未遂が十件含まれておるわけでありますが、ということがデータとしてございます。
 これは、逃走というもの、あるいは自殺についてはあってならないことでありますが、対策としましては、もちろんきちっとした護送体制とか監視体制を取り動静監視をするということでありますし、また身体検査を徹底して自殺の用に供され得るものを保管するとか、職員の勤務については基本に徹すると、こういうことを絶えず指導しておるわけでございます。
 それから次に、あと警察留置施設、留置場の施設についての改善についての御質問……
#37
○松村龍二君 簡単でいいです、もう最後。
#38
○政府参考人(安藤隆春君) 最後ですね。
 代用監獄問題につきましてどういう、警察としてはどうかということでありますが、これはやはり現在の我が国の刑事司法制度の下では、犯罪捜査を適正迅速に遂行するために必要な被疑者の勾留場所に関する条件としまして、我々としては、やはり捜査機関と近接した場所にあることと取調べ室等の設備が整備されていること、これはもう必須であると考えておりまして、これらの条件を満たす施設となりますと、これを新たに整備するということは極めて困難であるというのが現状であります。他方、警察の留置場は交通至便の地にありまして、これは弁護人等の利益にも資するものと考えておりますので、やはり今後ともいわゆる代用監獄制度の存続が必要であるというふうに考えております。
 いずれにしましても、この問題、すなわち代用監獄制度を含みます未決拘禁者の処遇に関しましては今後関係機関と検討してまいる所存であると、以上が警察庁の今の方針でございます。
#39
○松村龍二君 時間がないんでこれで終わりますけれども、私は法務行政について法務大臣に一言御忠告といいましょうか、申し上げたいのは、やはりこの刑務所の問題も、事故が起きて初めて気が付くと。刑務官は、入ったときからもうまじめにしきたりに従って、もう本当に優秀なあれであると。法務省の幹部の方は、検事の御出身とか、本人自身は非常にまじめなんですが、人もまじめだろうというふうに思うところから、何か仕組みがいろいろ時代によって変わっているのに、下の人から改善する動きは出ない、上の方は気が付かないということ。
 例えば入管行政についても、一時期、入管局長は外務省からずっと出向者を迎えていて、そういう人は治安的な感覚全くありませんから、私どももまどろっこしく思っていたこともありますけれども、そういう観点で、それの役割するのが正に政治から行く大臣であり副大臣、政務官であると思いますので、今後ともそのような、保護司の充実とか、あるいはまた、もっと刑務所を充実する、予算取るとか、そういうことについて御検討いただくようお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
#40
○松岡徹君 民主党の松岡でございます。
 今ちょっと議論があって、定足数に足りるのかどうかという話がちょっとありまして、調べたら、確認を今しているところでありますけれども、オーケーだということでありますので、質問に入りたいと思います。
 まず、一昨日、私も府中刑務所の方、そして府中警察の視察さしていただきまして、大変いろいろとお世話になりました。ありがとうございました。
 本当に現場の実態というのをいろいろと見せていただきました。特に、府中刑務所の所長を中心に、いろいろと刑務所内の実態を見せていただきました。大変難しいところ、現場の苦労というものが分かってきたわけでありますが、今回の立法の趣旨でありますところによりますと、受刑者あるいは被収容者の処遇の改善というのがありますね。そういう意味では、刑務官や職員の皆さんの大変さというのは分かりますけれども、一方で、問題になっている被収容者の処遇の改善の課題というものが、あれを見ただけで十分かといえば、決して十分ではないというふうに思うんですね。すなわち、被収容者の方たちの生の声が伝わってこないという。したがって、その辺はちょっと不満が残りましたけれども、それはなかなか簡単には伝わらないというのもよく分かった上でございますけれども、大変な勉強をさしていただきました。
 そこで、私の方から、今回の法改正、立法につきましては、先ほどからありますように、名古屋刑務所事件が一つの大きな発端になったこともありますけれども、行刑改革会議の提言の中でもあります。特に、現在の監獄法というのが百年近く放置されてきて、実質的な改正がされることなく今日に至っている、そのため、被収容者の権利義務関係や職員の権限が明確ではない、受刑者処遇の内容についても十分な規定が設けられていない、今日では極めて不十分なものになっているということであります。
 それで、そこで職員の権利とか、あるいは権利義務の問題とかいうところがありますが、大きく分けて職員の側の権限といいますか権利といいますか、そういったところをまず最初に聞きたいんですが。
 一つは、今回の立法でもありますが、今までも指摘されていた担当制の問題なんですね。職員の方の担当制の問題なんです。担当制自身非常に、規定自身が非常にあいまいであったということもありまして、その先端であります担当者の恣意的なものが働いて処遇に不具合があったりとかいうものが起きてきたということであります。ある意味では、名古屋刑務所事件の背景もこの担当制というものが大きな原因になっていたんではないかというふうに思うんですね。
 今回も、担当制についてはその辺のことを指摘しながら残すということになっているんですけれども、先日の委員会の質疑の中にもありました、担当制の良いところは残して、悪いところといいますか、欠陥のところは直していこうということなんですが、改めてどういうふうな対応でしていこうとするのかというのをちょっとお聞かせいただけますか。
#41
○政府参考人(横田尤孝君) お答え申し上げます。
 先般、委員にも府中刑務所を御視察いただきましたので、ちょっとイメージお持ちいただくかと思いますけれども、担当制と申しますのは、各工場を担当する職員が、その受け持つ受刑者を個別指導しながら集団を管理する、そういう処遇体制でございます。
 これにつきましては、受刑者の心情を把握し、個別的な相談を実施するなどして、職員と受刑者との人間関係を基礎とした処遇を可能とする一方、担当職員の裁量が大きく、恣意的に運用されるおそれがあるなどの問題がありまして、当局といたしましても、その弊害を防ぐための措置を講じる必要があると考えております。
 その方策でございますが、受刑者の処遇を担当職員に任せきりにするのではなく、処遇が工場によって区々にわたらないよう所内指示を発出するなど、適切な範囲で組織的に処遇の統一を図ったり、また、担当職員の上司である主任矯正処遇官や統括矯正処遇官等が十分に監督し、あるいはバックアップする体制を整えるよう当局から指導しておりますほか、行刑施設の心理技官を増配置いたしまして、積極的に処遇に関与させることにより担当職員をサポートさせたり、受刑者の心情安定や所内の生活適応上の問題解決等を目的とした民間カウンセラーの導入を図っております。さらに、可能な場合には担当職員を複数配置するなどの対応を進めるなどしておりまして、こうしたサポート体制やチェック体制を構築することによって、担当職員を孤立させず、組織的対応を図り、恣意的な運営がなされないよう十分意を用いてまいりたいと考えております。
#42
○松岡徹君 担当制のいいところというのは、血の通ったといいますか、そういう対応、処遇ができていくんではないかということなんですが、そういう意味では、それぞれの受刑者の状況を的確に把握するという意味でも大事なものだと思うんですけれども、それが恣意的なところで使われないようにしなくてはならないという反省なんですね。そのための体制として組織的対応をしていこうということが前にも述べられました。そのこと自身は私たちも評価をしたいと思うんですけれども、全職員の中で刑務官を担当し、それぞれの刑務官が受刑者の担当をしていくといったときなんですが。
 そこで、第六十六条に「優遇措置」というのがあるんですね。新しくあれなんですけれども、受刑者の改善更生の意欲を喚起するために、次に掲げる処遇について、法務省令で定めるところにより、一定の期間ごとの受刑態度の評価に応じた優遇措置を講ずるというふうになっています。この「受刑態度の評価に応じた優遇措置」というのがあるんですね。この優遇措置の評価の基準といいますかは、例えば担当制、担当者が、刑務官が、この受刑者はここの六十六条に規定されている受刑態度がいい、悪いというような評価、これは評価基準というのがあるんですか。
#43
○政府参考人(横田尤孝君) お答えいたします。
 現在、評価基準というものは定めておりません。この法案ができまして、法務省令で定めるところによりとなっておりますので、これから法務省令また決めることになりますけれども、おっしゃいますように、優遇措置の評価が恣意的なものになりますと、これは受刑者に不公平感を抱かせたり受刑者を管理するための制度であると誤った認識を植え付けまして、これは改善更生の意欲を失わせることになりかねません。そして、ひいては職員に対する不信感を抱きかねません。
 したがいまして、できる限り客観的な指標、例えば考えられますのは、作業成績であるとかあるいは懲罰を受けた回数だとか、そういった客観的な指標を用いるなどいたしまして、公正な評価基準を定めるという予定であると、予定でございます。失礼しました。
#44
○松岡徹君 私も余り詳しいことは分かりませんが、以前は、行刑の累進処遇令というのがあってね、それで、三級から二級とか四級とか評価されていくんですね。それによって面会の回数だとか物品の差し入れ支給の回数だとかが変わってくるんですね。そういう意味では改善更生の意欲をそぐかそがないか、まあまあ大事だと思うんですね。しかし、そういう受刑者の評価をするときに、非常にあいまいな、四級から三級になる、それが評価が高まっていくことになるのかちょっと分かりませんが、それが担当制のところで恣意的に使われていくということが間々あったんではないかということが今までも指摘されてきたんですね。
 今回、そういう意味では、担当制というもののいいところを残しながら、そういう悪いところをどう改善していくのか、克服するのかというところでありますから、特にその評価の仕方ですね、最先端の現場でありますから、個々の受刑者の評価を与えるときにまたぞろ恣意的に運用されることのないような客観的なそういう評価基準といいますか、というものをしっかりと作らなくてはならないと思っておりますので、それは是非ともお願いを申し上げたいと思うんですけれども。
 ちなみに、今度、山口でやるあのPFIの方式ですね、民間へ委託するという部分で、この担当制、あるいは民間のPFIで移管する内容、民間にもそういう評価基準といいますか、処遇の判断とか、そういうようなところまで民間のところに移管するということになるんですか、ちなみに。
#45
○政府参考人(横田尤孝君) ただいまの点でございますけれども、現在私ども考えておりますのは、こういう権力的なあるいは処分的行為というのはこれは全部国に留保されますので、そういった評価のようなものについて民間の者にさせるということは、これは全くございません。
#46
○松岡徹君 ちょっと心配で聞かせていただきました。
 それで、職員の資質といいますか教育の問題なんですが、それぞれ担当制と組織的対応をしていこうということでありますが、今回の法律の趣旨にもありますように、矯正処遇という、それぞれ細かなことはありますが、職員の教育というものが非常に大事になってくると思うんですね。矯正処遇の内容もそれぞれありますけれども、職員に対する教育のプログラムといいますかあるいは計画といいますか、それはどういうふうになっておりますか。
#47
○国務大臣(南野知惠子君) 刑務官に対しましては従前から人権に関する研修を実施してきたところでございます。しかし、行刑改革会議の提言を踏まえまして、平成十四年度以降、中間監督者に対する人権教育のための研修を毎年実施いたしております。さらに、平成十六年度からは民間プログラムによります人権研修を導入いたしまして、実務に即した行動科学的な研修を行っているほか、刑務官が被収容者の立場に立って感じ、又は考える機会を与えるというそのためには、今も行っておりますロールプレーイングの研修教材を作成したり、また各施設で教材等を活用した自己研修、そういったものを実施しながら効果を上げていこうとしているところでございます。
 今後とも、これらの研修を充実させていきたいということで、人権意識の改革にも努めてまいりたいと思っております。
#48
○松岡徹君 特に矯正教育の中身ですね、矯正教育をだれがするのか。専門官、専門官を時によっては、内容によっては矯正教育の指導者として雇い入れるとか、あるいは指導に入っていただくというようなことも考えておられると思うんですね。当然それは、今までにない新たな更生改善、社会復帰への自立へ向けた教育でもあるわけですね。極めて専門的になります。先ほどもありましたように、性犯罪者に対して再犯をさせないためにどこまで矯正行政ができるのか、矯正教育ができるのか、刑務所の中で、ということもこれは極めて専門的なジャンルにもなってこようかと思うんです。そういったこと、今まで以上に、行刑施設あるいは責務の中に矯正処遇あるいは矯正教育という側面が今まで以上に強調されて、重要性を増しています。
 そういった意味で、その内容は、まだまだ矯正教育なり矯正行政の内容が精査していかなくてはならないし、あるいはより専門的なものをプログラムとして明らかにしていく課題はあろうかと思います。しかし、そういうことが責務として行刑行政の中であるとするならば、そこに勤める職員がその使命あるいは内容というものをしっかりと頭にインプットして、自らの責務として、職責として理解をしていかなくてはならないと思うんですね。同時に、人権という視点でもあります。
 そういうときに、専門官だけに任すということではないと思うんですが、職員がその矯正行政の一部を担っていくということもあり得るわけですね、もちろん。それはどうですか。
#49
○政府参考人(横田尤孝君) 正にこの処遇につきましては、職員が基本的にはその中心となって担っていくわけでございます。
#50
○松岡徹君 だからこそ、職員の教育、自らの資質を高めていくと。単に管理という責務だけではなくて、より中身が専門的、あるいは時にはそういった勉強もしなくてはならないということであります。私は、職員の方にやっぱりそういう機会、研修なり自らのそういう技術を、技能を高めていくような機会をやっぱりきちっと保障していくべきだと思うんですね。したがって、それがなぜ法律の条文の中に書き込めていないのか、しっかりと。職員の資質、教育、研修のための規定というものをしっかりと入れるべきだと思うんですけれども、それが入っていないというように思います。是非、法律上に明記された研修義務といいますか、というものをしていかなくてならないというふうに考えています。
 いずれにしましても、職員の資質、教育についてそういう問題意識を持っておりまして、これからの研修内容もそれに合わせた充実したものを作成していただける、是非とも作っていただくように、一つはこれ要望だけにしておきたいと思います。
 次に、刑事施設の視察委員会というのが新しく今回設置されるということであります。その構成とか権限、改めてお聞かせいただきたいというふうに思います。
#51
○政府参考人(横田尤孝君) お答え申し上げます。
 刑事施設視察委員会につきましては法案の第七条以下に定めてございまして、構成といたしましては、この八条にございますけれども、「委員会は、委員十人以内で組織する。」とされております。
 それから、その権限と申しますか、これは第七条の二項でございますが、「委員会は、その置かれた刑事施設を視察し、その運営に関し、刑事施設の長に対して意見を述べるものとする。」ということになっております。
 以上でございます。
#52
○松岡徹君 この監視委員会というのが、要するに開かれた刑務所といいますか、もっと公表していこうと、国民にですね、どんなことがされているのかということを、透明性のある運営をしていこうという意味だと思うんですね。
 同時に、刑務所内における様々な問題についてもしっかりとその監視委員会に報告をしていくものだと思うんですけれども、例えば名古屋刑務所事件のように受刑者が死亡したとき、そういう事故が起きたとき、事件が起きたとき、その死因の究明とかいうのはこの委員会はできるわけですか、そういう場合は。
#53
○政府参考人(横田尤孝君) お答えいたします。
 まず、その被収容者の死亡につきましてですが、このような場合、その死因に疑念を生じさせないために、現在、行刑改革会議の提言にも沿って、まずは行刑施設の長において研修を行い、およそ変死の疑いが残るような場合には検察官及び警察署に通報し、検察官等において司法検視や司法解剖等を行って死因を明らかにする手続が行われているところでございます。個々の被収容者の死因は、まずはこのような手続によって明らかにすれば足り、またそれが適当であると考えております。
 他方、刑事施設視察委員会は、刑事施設を視察し、その運営に関し刑事施設の長に対して意見を述べるものでございます。これは先ほど述べたとおりでございます。で、その事務は事項的に施設の運営全般に及んでおります。したがいまして、委員会は、被収容者の健康を保持するための行刑施設の運営の状況について意見を述べるために必要がある場合には、刑事施設の長に対し死因に関する必要な情報の提供を求めるなどして調査を行うことが可能であります。
#54
○松岡徹君 そういう意味では、今までとは違うこういう委員会が設置されることについては評価をしていきたいと思いますけれども、この委員の十名ですね、どういう人たちが選ばれていくのかというふうに思うんですけれども、その辺はどんなことを考えておられますか。
#55
○政府参考人(横田尤孝君) 委員につきましては、地域の市民だけではなくて弁護士等の法律関係者、それから医師、地方公共団体の職員などを含めるということを今考えております。
#56
○松岡徹君 大体そういうような答えが返ってくると思うんですけれども、この監視委員会、この法律の中にある処遇、受刑者の処遇の改善でありますとか、あるいは人権に配慮してということもあります。そういったことも頭に入れて委員の選任の枠をしっかりと検討していただきたいというふうにお願いを申し上げておきます。
 それから次に、一方の被収容者の権利義務を明確にしていこうということでありまして、その点について幾つかお聞かせいただきたいと思いますが。
 被収容者の権利義務、行刑改革の提言の中には、受刑者処遇の在り方の基本として、受刑者処遇の改革が最も重要な課題であると、そのためには職員全体の意識改革が不可欠、そして受刑者の人権が十分に尊重されるものでなければならないというふうに指摘がされています。そして、現行の監獄法は受刑者の権利義務について明確に意識されていなかった時代に制定されたものであることから、受刑者の権利義務及びこれに対する職員の権限を律する上で十分な規定を設けているとは言い難いということで現状を指摘をしています。それから、受刑者の権利義務を明確にすることによってその人権保障を十全なものとするとともに、職員の職務権限の内容及び限界を明確なものとすることが必要である、そのためには基本となる監獄法を抜本的に改正することが必要であると、こういうふうに言われています。こういった問題意識の中で、この被収容者の権利義務のところであります。
 そこで一つ目ですが、先日も府中刑務所を視察さしていただきました。すなわち、過剰収容というのは、収容者の居住環境というものが適切に守られているのかということですね。そういう意味では、これも一つはしっかりと改善をしていかなくてはならない課題だと思います。
 今、全国の収容率が一〇〇%を超えて約一一八%いうことで、そのうち、全国七十四か所ある施設のうち、一三〇%を超えるのが八か所あるというように聞いております。この過剰収容の改善は、この法律の中にあります受刑者の権利義務、とりわけ居住環境の整備ということにとっては非常に大事な喫緊の課題だというように思うんですが、この過剰収容の改善についてどういうふうに考えられておるのか、簡単に今の考え方をお教え願えますか。
#57
○政府参考人(横田尤孝君) お答え申し上げます。
 刑務所等の収容人員は、平成十年以降、急激な増加が継続しております。特に受刑者等の既決被収容者にありましては、平成十六年末現在、これ今委員御指摘のように約六万四千九百人おりまして、収容率にしますと約一一八%ということで、その収容状況、一段と厳しくなっております。
 これまで過剰収容状態の解消のために刑務所等の収容棟の増築工事等による収容能力の拡大を図ってきておりまして、平成十六年度も約六千人分の収容能力増強のための工事を行ってまいりましたほか、平成十六年度の補正予算及び本年度、平成十七年度予算におきましても、PFI手法を活用した刑務所の整備を含め、刑務所等の収容能力を七千三百人以上増強することとしておりまして、これらが完成した暁には過剰収容状態の緩和に大きく役立つものと期待しているところでございます。
 で、過剰収容状態が緩和された場合には、緊張感や圧迫感からくる受刑者のストレスが軽減される上、受刑者の特性に応じた分類処遇の適切な運用が図りやすくなるなど受刑者の処遇環境が改善されますことから、この法案の目的の一つである改善更生及び円滑な社会復帰のための受刑者処遇の充実が期待できるものと考えております。
 しかしながら、最近の犯罪情勢等から見ますと、刑務所等の収容状態は依然として厳しい状態が続くものと予想されますことから、今後とも、収容能力の拡充を始めとして、必要な人的、物的体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
#58
○松岡徹君 過剰収容の状態が、こんな状態は良くないというのは分かっているんですね。分かっていながら、この状態をどういうふうに改善しようとしているのかという全体像いうか先行きがなかなか見えないんです。理念が見えない。どう考えておられるのかというのが見えないんです。ですから、山口で今度PFIで初めてやるけれども、それで本当に何年後にはこの過剰収容をこういうふうに改善しましょうということになるのかどうか、具体的な計画が示されていないんですね。一体この過剰収容状態は何年続くのかと。こんな状態で、ここで、この法律に書いてある処遇改善が果たせるのかどうか、まず入口の段階でもう大変難しいんですね。せめて、その先行きを、しっかりと展望を具体的な数字、根拠で明らかにすべきだと思うんですね。
 一方で、情勢としては犯罪が増加傾向にあると言われています。犯罪が減少傾向にあって、そして当面、山口にああいうPFIの収容施設を新しく建てて解消していくということは分かるんですけれども、一方で犯罪が増加傾向にあって、再犯率もどんどんどんどん高くなって、今の一一八%の過剰収容の状態というものが果たしてこれで一体何年後に改善されるのかというふうに思うんですけれども、その少なくとも展望を具体的に明らかにすべきではないかと思うんですけれども、大臣どう思われます。
#59
○国務大臣(南野知惠子君) 我々も、そのような展望が開ければ一番いいんですけれども、大変難しい課題を抱えていると思います。
 犯罪を抑止していきたいという観点があり、それをどのように抑止していけば少しは下降ぎみになってくれるのか、これも希望的観測でありますが、今の統計から見ていくと増える可能性があると。といって、片やお金がないですけれども、箱ばっかり造っていった場合に、それが減ったときにどうなるのか。そこら辺のバランスは、何年をめどにどうするのかというのは、本当に先生、何かアイデアがあったら教えていただきたいと思うぐらいでございます。
#60
○松岡徹君 一生懸命考えてアイデア出すようにします。
#61
○国務大臣(南野知惠子君) お願いいたします。
#62
○松岡徹君 是非また、あれですが、確かに一番大事な喫緊の課題が過剰収容をどう改善するのかということだと思うんですね。それは、問題は、一方である矯正行政の課題でもあります処遇の改善の中で、今までもそうであったんですが、単独室という、原則単独室というものがあったと思うんですね。単に箱物を増やすという人数だけではなしに、もう一方の中身なんですね。この法律自身、監獄法自身が非常に百年近い昔の法律であるけれども、今ある七十四の行刑施設の中でも相当古いものもあります。
 しかし、今日、行刑施設の中の基本としては、一九八〇年の法制審議会でもあります。そこで、監獄法改正の骨子となる要綱にも定められているんですね。単独室原則というものがあるんです。この単独室原則、元々その刑事施設法案の中には、受刑者の居室は、その者の矯正処遇の実施上共同室を適当とする場合その他の法令、省令で定める場合を省き単独室とするとされていたんですね。今回の法律にはそのことが書かれていないんですね。これ、なぜ削除されているのか。
#63
○国務大臣(南野知惠子君) これは私の考えですけれども、これには歴史的な背景があるのではないかなと。昔だったら、悪いことをした人は閉じ込めておく、個室に置いておく、そしてその孤独感を味わわせて改悛するというようなことも一つの方法であった。みんな一人になるのは嫌だという観念が、これ明治時代にあったのかどうか分かりませんが、一人にさせられる寂しさというのがあっただろうと思いますが、最近は一人になりたいんですね。逆に、大勢と共同生活することが不得意である人たちが増えてきているということも背景にあるのかなと思います。これは私の考えでございますが、受刑者のプライバシーなどに対する配慮から、その居室は基本的に単独室とすることが望ましい、これは現代の考えであるというふうに思います。
 しかし、現在の施設の状況の下においては、もう先生からもいろいろアイデアをいただきたいと思っているところでございますが、単独室収容を原則とするということは、これは今すぐせよといっても難しい状況にございます。しかし、単独室収容を原則とするということは、これは不可能であるということを心得た上でありますけれども、目標として掲げていくにしても、余りにも現実と乖離しているのかなというふうにも思います。そういう内容がございます。
 刑事施設の長に義務付けることで、この施設を預かるあなたはちゃんと単独の個室に入れなきゃ駄目よということは私たちの方からは申し上げにくい、そういう事実、現状にありますので、これを義務付ける法規範として規定することは、これはちょっと今適当ではないのではないかなというふうに思っております。いいアイデアがあれば、また教えていただきたいと思います。
#64
○松岡徹君 私も、今すぐすべての行刑施設を単独室にしなさいと言っているんではなくて、要するに、矯正処遇、矯正行政、教育をしていこうと、社会復帰なりをさせていくためにも、単独室というものは極めて受刑者の人権にも配慮することでもあるし、その多数の、閉じ込められて狭いところで多人数で生活をするというよりも、しっかりと分けた方がいいだろうというようなことは、その矯正行政なりの観点からも非常に効果的といいますか、大事な課題なんですね。
 ですから、物理的に今どうの、可能か可能でないかということではなくて、こういう議論がされてきているんだからこそ単独室という環境をどう整えていくか。これは、イコール矯正行政、矯正教育の内容と私は連動していっているというように思うんですね。それが法規定の中になくなっていくというのは、ちょっと余りにもお金と、現状でいいアイデアが浮かばないから抜けたんじゃないかというふうに思うんですね。今すぐしろということではなくて、大臣、やっぱり単独室というのは望ましいというのは、日本はもとより、世界でもそういう議論がされてきているということはもう御存じだと思います。そういう環境をどう整えていくかということが同時に使命でもありますから、そのことを今回の法規定から省くということではなくて、せめてそういったことを展望しながら施設整備の方向を明らかにしていくということが私は大事ではないかというように思うんです。
 ですから、今すぐ変えろと、これは無理です。この間、府中刑務所へ行って、そのとおりです。六人のところを八人、ベッドを置いて、ベッドの下に三人が足、横に突っ込んで寝るという状態、あるいは元々個室であったはずが、そこに二人寝ている状態ということであります。そういう意味では、今の現状については、とてもやないけれども物理的に単独室を整備するいうことは今すぐは無理だというふうには思いますが、その望ましい単独室の考え方というものをどこかで表すべきだと思うんですけれども、どうです、大臣。
#65
○国務大臣(南野知惠子君) このたび御審議いただき、この法案が通った暁には、それが百年間持続するとは考えられませんので、そういう、また見直すということもできるだろうと思いますが、今作る法案の中で、それを法規範として規定するということが少し難しいということでございます。
#66
○松岡徹君 今、難しいのはよう分かっているんです。だけど、この法律立法するときにしっかりと高らかに被収容者の人権なりあるいは処遇改善を言っているわけでありますから、その人権の尊重と処遇の改善、それは施設の居住という環境からすれば単独室が望ましいという展望は持っておくべきだというふうに私は申し上げているんです。今、現状が無理だ、どうなのかということで私は大臣の答弁を求めているんではなくて、この立法の趣旨からすれば、それはどこかにあぶったら出てくるようなのではなくて、ちゃんと明記してほしいなというふうに思います。
 ちょっと、こればかり言っていたらあれなんですけれども、その趣旨は理解していただいたというふうに思っておりますので、引き続きまた議論もしていきたいというふうに思っております。
 それから、次の被収容者の処遇の改善の課題でありますが、一昨日も府中刑務所へ行きました。高齢者受刑者が非常に増加しているという状況であります。たまたま私どもの委員会の委員長は足を悪くされておられまして、一緒に行ったときに車いすで、バリアフリーになっているところとなっていないところとありますね。
 この高齢受刑者の今の状況を簡単にちょっと教えていただきたいと思うんですが、この高齢受刑者の問題で、どんな課題、状況とどんな課題があるのかというのをちょっと簡単に聞かせていただけますか。
#67
○政府参考人(横田尤孝君) お答えいたします。
 高齢者の状況ですけれども、ちょっと今正確な数字持っていませんけれども、ざっとした数字で申し上げますと、六十歳以上の受刑者を便宜上高齢受刑者と呼んでおりますけれども、大体一割近くが、日本の受刑者の一割近くが今そういう年齢に達しているということでございます。
 そういう受刑者につきましては、そういう年齢のこともございまして、健康上の問題がまずございます。それから、出所後の帰住調整の障害などがございます。もうそのくらいになりますとなかなか引受手がない、引取り手がない、家に帰るところもないといったような人たちも相当数ございます。そういったことで、なかなか改善更生、社会復帰に当たって様々な問題がございます。
 そこで、行刑施設では、そうした高齢受刑者の特殊性に配慮した処遇を行っておりまして、特に再犯防止のための教育的処遇といたしましては、平成十六年の四月現在でございますが、十二の施設で類型別の指導として高齢受刑者指導というものを行っております。
 その具体的な内容でございますけれども、施設によって異なりますけれども、おおむね三―六か月を一クール、月に一、二回程度の頻度で健康管理や出所後の生活設計、福祉制度等を指導のテーマとして実施しております。高齢受刑者が健康的な身体と精神的な充実感を維持しながら改善更生に向けて意欲的に取り組むよう、そういう配意をしているところでございます。
#68
○松岡徹君 高齢受刑者が増えているということと、同時に、この高齢受刑者に対する対応も、一般の元気なというか、若い層の受刑者と当然違う対応というのも求められてくると思います。そういう意味ではまだまだこれからだと思いますけれども、しっかりとその辺の検討もお願いを申し上げたいと思いますが、併せてもう一つ、女性の受刑者の処遇のところを聞きたいんですね。
 今回の法改正のところで女性に対する、じゃ、法律のところに、女性に対する処遇の特段の配慮といいますかね、いう項目が余りないんですね。身体検査とかそういうときは女性刑務官がやるとかいう程度は書いてありますけれども、ないんです。
 今年の一月でしたか、以前もそうですけれども、名古屋の刑務所で、名古屋の豊橋支所ですね、豊橋刑務支所で、そこの看守部長が、そこに、被収容者である女性を妊娠させたという事件があったのは御存じだと思うんですね。その男性刑務官、部長でありますけれども、四十六歳ですね。看守部長ですね、看守部長、小戸森容疑者ですね、逮捕されました。この一月にその判決が出たというふうに聞いております。その判決結果というの分かりますか。
#69
○政府参考人(横田尤孝君) お答えいたします。
 本年の一月十三日に、この本人に対しまして懲役三年の実刑判決が言い渡されました。そして、この判決は一月の二十八日に確定しております。
#70
○松岡徹君 この事件は、その名古屋刑務所豊橋刑務支所の中で起きたことなんですね。懲役三年の判決が出ました。女性受刑者が看守部長、当時の看守部長に暴行されたということで、妊娠までしたんですね。分かったのは、その女性が別の支所に移されたときに妊娠していたというのが発覚して、どこで妊娠したんやということになって、実は豊橋支所でそういうことを受けていたということなんですね。その当時、矯正局の方も、あるいはこの容疑者も、これは同意の上だと言っていたんです、同意。片や受刑者で、片や看守部長ですよ。これで同意だと言うんです。これはあり得ない。しかも、女性受刑者が収容されているところになぜ男の看守部長がこういう形で平気でやるのか。
 すなわち、この事件に象徴されるように、女性受刑者に対する処遇の現状どうなっているのか。この事件は私は氷山の一角だと思うんです。それ以外でも、全国の施設の中でセクハラにかかわる事件というのは何件ぐらいありました。
#71
○政府参考人(横田尤孝君) 全国で何件くらいかという統計的なものを、ちょっと今手元にございませんけれども、委員が御指摘の豊橋刑務支所の事件を始めとしまして、残念ながら何件か複数、そういったいわゆるセクシュアル・ハラスメントといいますか、そういう事案、事件があることは事実でございます。
#72
○松岡徹君 何件かいうので具体的には数字分からないんですね。
#73
○政府参考人(横田尤孝君) 申し上げます。
 これは数字確認すれば取れますけれども、現時点、私、今手元に持っていないという趣旨でございます。
#74
○松岡徹君 女性の受刑者に対して、あるいはそれにかかわる事件で先ほど申し上げたような事件が象徴的に現れました。これは当然、その刑務所の中では、刑務官あるいは職員の方と受刑者との関係というのは、これははっきりしているわけですね。その力関係を利用してこういった事件が起きた。
 これは、一つは、その職員の資質の問題なんですね。女性に対するセクハラに対する認識というものが足らないんではないか。先ほど言いました、冒頭に、職員の研修とか資質をどう高めるかというのは非常に大事だと思いますね。同時に、もう一つは、今回の事件が示しているように、結局、その担当者といいますか、女性受刑者に対する処遇が非常にあいまいだからこういうことが起きたんではないかと思うんです。
 この事件が起きて、判決、懲役三年出ました。これを起こした小戸森が一人が悪いのか、そうではなくて、矯正局としてはどう思っているのか、どう受け止めているのか。いかがですか。
#75
○政府参考人(横田尤孝君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘のような事実がありましたことにつきましては、矯正当局といたしましては、本当にこれ弁解の余地がない、誠に遺憾なことであるというふうに思っております。
 それにつきましては、これは独り職員の、個々の職員の資質の問題といったことで片付けていいものでは決してございませんで、やはりそういった一種の研修といったものが必要でしょうし、もう一つはやっぱり、物理的な意味でそういう事件あるいは事案が発生しないような、そういう体制もやっぱりつくらなければいけないというふうに考えております。
 私どもは、特に昨年のその豊橋刑務支所の事件につきましては、深刻に、重大に受け止めております。そこで、直ちに幾つかの改善措置といいますか、対策というものを講じましたので、それについてちょっと触れさせていただきたいんですが、よろしゅうございましょうか。
 私たちは、その直後に局長通達などを発しまして、一つは、女区の居室の本錠かぎと私ども呼んでおりますけれども、これは居室の扉のかぎですけれども、それの管理方法が不十分であったということが、それゆえに、そのかぎを用いて女性が入っている舎房にこの男子職員が入ったということができますので、そういったかぎの管理方法についてまずきちんと見直すこと。
 それから、男子職員による女子被収容者に対する面接の方法につきまして、これが、必ず複数にするとか、あるいは外から、外からというか、ほかの者から見えるような形にするとか、そういうこともいたします。それから、幹部職員が常に巡回をして回ると、特に女区については。そういったことについて詳細な勤務要領というものを指示いたしました。それからもう一つは、女区の廊下の勤務状況を録画するための機器の整備もいたしました。
 そしてさらに、この豊橋のケースもそうなんですが、やっぱり女子の刑務官が足りないと、どうしても男性の職員がそういう女区に入っていくということがございましたので、やはりこれは女子刑務官の配置をきちっとしなければいけないということで、女子刑務官の配置の拡大、適正をいたしました。
 それからさらに、元に戻りますけれども、やはり適正な処遇を維持していくためのやっぱり職員の研修、これはもう意識の問題ございますし、そういった点も含めて、そういった研修の充実などの対策を講じているところでございます。
#76
○松岡徹君 この事件で対応したのが、管理業務を強化していくというんですか、その辺を取りあえずビデオカメラを設置する。だれに向けてビデオカメラ設置しているんや。職員に向けてですか。情けない話ですね、これ。そんなことで金使うよりも、そういう職員が出ないように職員の資質をどう高めていくかということにもっと重きを置かなあかんし、今、最後におっしゃったように、要するに人の配置の問題なんですね。
 その前に前提としては、女性受刑者に対する待遇あるいは処遇の仕方はどうあるべきかというマニュアルがやっぱり見えてこないんですよ、見えてこない。そんな、そういうマニュアルはあるんですか。
#77
○政府参考人(横田尤孝君) 一般的には、女子の被収容者に対する処遇についてのマニュアル、例えば複数対応とか、そういったものについてはございます。
#78
○松岡徹君 それと、女性の受刑者も最近増加の傾向にあるということでありますけれども、その女性受刑者の対応について女性職員を増やしていかなあかんということですけれども、全体の女性の受刑者が何人ぐらいで、そして、女性の職員というのは一体何人ぐらいおるんですか。
#79
○政府参考人(横田尤孝君) 申し訳ございません。遅くなりました。
 これちょっと古い数字なんで申し訳ありませんけれども、平成十五年末の行刑施設の年末収容人員というのがございまして、これですと三千人くらい、現在もそれより少し多いくらいかと思いますけれども、三千人台ということで。
 それから、女子の刑務官でございますが、行刑施設の職員は約一万七千人おります。そのうち女性の刑務官が約九百五十人おりまして、主として女子の施設、女子の収容施設に配置しております。
#80
○松岡徹君 今聞かせていただきましたように、今回の処遇の問題で、女性に対する処遇の在り方というものがやっぱりちょっと極めて見えにくいし、こういった事件を考えますと、そういったマニュアルなりそういう処遇の内容をはっきりさせていく必要があるんではないかというふうに思いますね。単に女性刑務官を増やせばいいということではなくて、全体の問題として、しっかりと女性に対する処遇の在り方ということを是非ともこれからの検討課題で、是非とも指示してそういったマニュアルなり強化してほしいというふうに思います。
 大臣、ちょっと最後に、ちょっとそういう女性の受刑者に対する具体的な処遇内容がちょっと弱いというふうに思います。そういう意味では、補強するという意味で、是非その課題について大臣どう思われるか。
#81
○国務大臣(南野知惠子君) 先生御指摘のとおり、本当にこういう事件が起こるということは大変ゆゆしきことだなというふうに思っております。そういう環境がちゃんと防御できるような形にも整えたい。その第一点はやっぱり職員の教育にあろうかと思いますし、また、職員についても十分と手当てをしていかなければ、一人の職員がどんなに優秀であっても数がいなければこれはどうしようもない課題だろうというふうに思っております。
 鋭意検討をしながら、その方向について努力したいと思っております。
#82
○松岡徹君 是非それが見えるような形で取り組んでいただきたいというふうに思っています。
 時間の関係で、ちょっと最後に一つだけ聞きたいと思いますが、もう一つの受刑者の中で、外国人の受刑者が増えているということは言われています。その中で一点だけちょっとお聞きしたいんですが、この今回の法案で、外国語による面会、信書の発受、あるいはその会話内容を聴取したり、信書を翻訳したりする必要がある、そういう場合があると。そのような費用を受刑者に負担させるというふうになっていますけれども、この面会、信書の発受、あるいは会話内容の聴取、信書を翻訳したりする必要がある場合、その費用を受刑者に負担させるというふうになっていますけれども、これは私自身は、立会いあるいは検査を必要として実施する場合、国がそういう費用は負担すべきではないかと思うんですけれども、これについていかがですか。
#83
○政府参考人(横田尤孝君) 確かに、現行の扱いから申し上げますと、そういった必要がある場合には、翻訳が必要とする場合がある場合にはその費用を本人に負担させることができるというふうになっております。もっとも、そのような場合にも、できる限り外国語を解する職員が間に入って翻訳をしたり、あるいは必要に応じて、府中刑務所とか大阪刑務所には国際対策室というものが置かれておりまして、そこに専門の職員あるいは外部委託の人もおりますけれども、そういった人たちおりますので、そこで同時的にほとんど短時間のうちに通訳をしてもらったりとか、あるいは時間があればそれを大使館に依頼すると、そういったことで極力翻訳の費用負担というものがないようにしておりまして、現実にも翻訳の費用負担の事例はまれであるというふうに承知しております。
#84
○松岡徹君 もう時間がありませんからこの辺で終わりたいと思いますが、また次の機会に是非ともこれは細かく聞きたいと思うんです。
 現実的には負担のところは最小限だと言っているんなら、できるなら法文のところに、その負担は受刑者といいますか、それがするということではなくて、法文の表現を費用を負担させることができるとか、その内容によってはね、というような表現にしてはどうかというふうに思ったりしています。そのことを是非ともまた改めて追及をしたいというふうに考えておりますので、今日のところは私はこれで終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#85
○委員長(渡辺孝男君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   正午休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#86
○委員長(渡辺孝男君) ただいまから法務委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#87
○木庭健太郎君 前回は性犯罪者の処遇について特にお聞きいたしましたが、性犯罪者に限らず、受刑者が自分が犯した罪を心から反省して、本当の意味で立ち直って社会に復帰し、健全な社会の担い手として生活していくことができれば、正にこれが治安を維持回復できる大切な点であると考えます。そのためには、刑務所における受刑者の処遇をどうしていくべきなのか、今回の法案でそうした点をどのように考えているかということについて幾つかお聞きをしておきたいと思うんです。
 まず、受刑者がどうして犯罪を犯すに至ったかという理由は、受刑者が百人いれば百人それぞれ理由はあるわけであって、本当にその受刑者を立ち直らせようとするならば、その受刑者一人一人に合った立ち直りの仕方、処遇の仕方ということが必要になるというふうにも言われておりますが、この法案では、そういう意味で個別処遇ということを理念の一つとして掲げられている。こういう、法案で行おうとしているこの個別処遇というのはどういうものなのか、大臣から解説をいただきたいと思います。
#88
○国務大臣(南野知惠子君) 先生御指摘の個別処遇と申しますのは、個々の受刑者ごとの特性及び環境条件に応じてその受刑者にとって最も適切な処遇を行うというものでありまして、これは読んで字のごとしではあろうと思いますけれども、受刑者の改善更生及び円滑な社会復帰を効果的に図る上ではやはり極めて重要な処遇原則であろうかと思っております。
 このような観点から、法案では、受刑者の資質及び環境を調整しまして、必要に応じてその者の希望を参酌した上で、その者に最も適切と認められる矯正処遇の目標又は基本的な方法、それを内容とする処遇要領を定めまして、これに基づいて矯正処遇を行うこととしております。
#89
○木庭健太郎君 その一方で、個別処遇ということを大きなテーマと掲げながら、法案の第六十三条では集団処遇を行うというふうにしておるわけでございまして、この辺をどういうふうに読み取ればいいのか、矛盾はないのか、局長の答弁をいただきます。
#90
○政府参考人(横田尤孝君) お答えいたします。
 ただいま大臣から答弁がございましたように、個別処遇と申しますのは、個々の受刑者ごとの特性及び環境的条件に応じてその受刑者にとって最も適切な処遇を行うというものでございます。
 他方、受刑者の処遇は刑事施設の有する限られた機能の範囲内で実施するものでございますから、当然受刑者を一定の集団として取り扱うこととならざるを得ない上、受刑者に改善更生の意欲を喚起させ、社会生活に適応する能力を育成するためには、何らかの集団における共同生活を通じて矯正処遇を行うことが望ましいと考えられますことから、受刑者の処遇は、同じ類型に属する受刑者を適切な集団に編成し、集団で矯正処遇を実施することが有効であると考えます。
 法案六十三条はこのような考え方に基づきまして矯正処遇の実施方法として集団処遇を規定しているものでございまして、個別処遇の考え方と集団処遇の方法は矛盾するものではございません。
#91
○木庭健太郎君 おっしゃるように、個人を指導する場合に、一人でやった方がいいのか、それとも集団の中でやった方がいいのか、それぞれ様々なケースもあるし、それはそれとして大切なことだというふうに理解はするんですけれども。
 ただ、いずれにしても、一番私が思うのは何かというと、本当にいろんなことをやりながら、じゃ受刑者が立ち直ってもう二度と刑務所に来ないのかというとそうじゃなくて、どうもこれ、法務省さんの統計でございますが、刑務所を出所した受刑者というのは、出所後六年以内に再び刑務所に収容される率は約五〇%、半分が帰ってくるというふうに聞いておるわけでございまして、その意味では、特にいったん入った人というのはまた入ってくるケースが非常に多いということも聞いているんですけれども、その辺の理由をどのように考えているのか。ある意味では、この点についての検討、つまり、どうしても再入所が多いという問題について、この法案にはどんなふうにそのことについて生かそうとなさっているのか。それも含めて御答弁をいただきたいと思います。
#92
○政府参考人(横田尤孝君) いわゆる再入率につきましては、委員御指摘のとおりでございます。
 刑務所を出所した受刑者が再犯に及ぶ要因には様々なものがあると考えられ、その再犯の防止は社会全体で取り組むべき必要があるというふうに考えます。もとより、当局といたしましても、現在の受刑者の再入所率でよしとしているわけではございません。受刑者の再犯を防止するためには、刑事施設においては受刑者に対し厳正に刑を執行しつつ、犯罪の責任を自覚させ、改善更生の意欲を喚起するため矯正処遇を充実させることが重要であると考えております。
 これまでも受刑者に対しましては、一般的な生活指導のほか、覚せい剤乱用防止教育、暴力団離脱指導、被害者の視点を取り入れた教育などの処遇類型別指導を行ってきたところでございますが、これらの指導は各施設が試行錯誤の上に実施しているものでありまして、必ずしも科学的、体系的に十分な指導方法とは言えない面があり、また法律上の根拠も明確ではないことから、受刑者に対してこれらの指導を受けることを強力に働き掛けることも困難な状況にございます。
 そこで、法案におきましては、受刑者に対し、矯正処遇として、犯罪の責任を自覚させ、健康な心身を培わせ、並びに社会生活に適応するのに必要な知識及び生活態度を習得させるため必要な改善指導を行うこと、及びその際の配慮事項を規定をしています、これは八十二条でございますが、このような教育的な指導に法律上の根拠を与えますとともに、この改善指導等を受けることを受刑者に義務付けることとしております。また、改善指導等の矯正処遇は、必要に応じ、医学、心理学その他の専門的知識及び技術を活用して行う旨も六十一条五項に規定してございます。
#93
○木庭健太郎君 おっしゃるように、矯正処遇というものの義務付けというのが今回の法案の一つの特徴だというお話でございます。
 ただ、なかなかそういったいわゆる改善指導というやつは、自分が犯した罪を自分で自覚して立ち直ろうとする努力を受刑者が持つということ、これは簡単なことではないような気もしますし、単にこれを義務付けてやるんだと、教育もするんだと、それで具体的にどうできるのかということになれば、極めて効果なり疑問に思うところもあるんですけれども、具体的にこれどうやって本人に犯した罪の意識を自覚させ、これをどう改善させようとなさっているのか、具体的にどんなことを望もうとされているのか、見解を問いたいと思います。
#94
○政府参考人(横田尤孝君) 委員御指摘のように、矯正処遇等により受刑者の改善更生の意欲を喚起し、社会生活に適応する能力を育成するという効果を十分に上げるためには、受刑者自身が犯罪の自覚、責任を自覚し、自発的な意思に基づいて矯正処遇プログラムを受けることが必要でありまして、処遇プログラムの内容についても、受刑者自らがその立ち直りについて考えることができるものとすることが肝要であると認識しております。また、同じような観点から、受刑者に対して、矯正処遇を受けることが本人の改善更生に必要かつ有益であるとともに、円滑な社会復帰のため本人に課された義務であることを十分に説明するなどして受講の意欲を持たせるよう働き掛けてまいりたいと考えております。
 本法案におきましては、処遇の個別化の原則に立ち、受刑者に義務付けして行う矯正処遇は、受刑者個々の資質及び環境に応じ受刑者ごとに定める処遇要領に基づいて行うものとした上で、その処遇要領は必要に応じ受刑者の希望を参酌して定めるものとされておりますので、その適切な運用により矯正処遇プログラムに対する受刑者の動機付けを図り、矯正処遇の実を上げてまいりたいと考えております。
#95
○木庭健太郎君 もう一つ、やはり受刑者の皆さんに、やっぱり自分が犯した罪ということであるならば、その起こした相手方、つまり犯罪被害者、この人たちのことをどう、その痛みなり心情なりをこの受刑者の皆さんが自覚なさるのかということが正に本当に、二度と帰ってくるか帰ってこないかと、その一つの大きな分岐点にもなるものだと思うんですが、実際、被害者の心情とか痛みとか、この辺を理解させるための指導というようなのは具体的にどう行っていくつもりでいらっしゃるのか、お聞きしておきたいと思います。
#96
○政府参考人(横田尤孝君) お答えいたします。
 刑務所におきましては、受刑者が犯した罪による被害の実態や被害者の心情等を認識した上で、その責任を実感し、被害者や遺族への謝罪など、誠意を持って対応する気持ちを涵養することが必要でありまして、現在、処遇類型別指導の一類型として、講義や集団討議のほか、ビデオ教材や録音教材、被害者の方の手記などを活用した被害者の視点を取り入れた教育を実施しているところでございます。最近におきましては、犯罪被害者やその支援団体の方々をゲストスピーカーとして招聘し、被害者の心の傷、苦しみや悲しみを受刑者に伝える取組も開始しております。
 また、矯正局におきましては、この観点からの教育の充実を図るために、昨年、被害者支援団体を含めた外部の有識者をメンバーとする研究会を開催いたしましたところで、現在その研究会でいただいた御意見を踏まえ、標準的なプログラムを作成するなどしているところでございます。
 今後とも、このような方策を通じまして、より多くの受刑者に被害者の生の声を聞かせる機会を設けるなどして、御指摘の被害者の心情や痛みを理解させるための指導の充実に努めてまいりたいと考えております。
#97
○木庭健太郎君 それから、午前中からもずっと議論をしたわけですが、それは、府中刑務所を皆さんと一緒に見学した、それを踏まえながらいろんなお話をお伺いしたわけでございますが、やはりこれから大事になってくるのは、この刑事施設の人的、物的体制の問題、つまり、特に人の体制の問題だと思っておりますし、その府中刑務所を先日見させていただいたんですけれども、ここはもちろん過剰の問題とかいろんな問題がございます。それでもよくお聞きしていると、ここはどちらかというとまあまあ、よくできている方なんだというようなお話も実はあって、じゃ一体これ以外の刑務所ってどうなっているんだろうというような思いにも正直なったところもございます。
 地域によってどんな、もっと厳しいところも実際あるんだろうと思いますが、実際、地方の刑務所の整備というか、それはどうなっているのか、その辺についてもお聞かせ願いたいと思います。
#98
○政府参考人(横田尤孝君) 現行の監獄法におきましては矯正処遇の位置付けが必ずしも明確ではないものの、現在、被収容者の資質鑑別等に従事する心理技官につきましては全国七十四庁の行刑施設で九十五名、それから被収容者の教科教育等に従事する法務教官につきましては全国の行刑施設で百十一名をそれぞれ配置しております。さらに、民間委託を導入するなど、これまでも矯正処遇の実施に必要な体制の整備に努めてきたところでございます。
 本法案では、矯正処遇の位置付けが明確に定められ、その一層の充実を図ることが求められておりますことから、この法案の求める矯正処遇を実現するために、今後も引き続き必要な人的、物的体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
#99
○木庭健太郎君 もうちょっとよく分からないんですよね、地方の実態がどうなっているかと。どの刑務所でどんな差があってどんな不具合になっているのかと。私たちが見た府中が標準だと考えていいのか悪いのか。その辺も含めて、もう少し御答弁ありますか。
#100
○政府参考人(横田尤孝君) 更に詳細となりますと、各施設ごとの人員配置の状況ということになりますが、もしそういうことでございましたら、また、もし資料ということであれば、また資料対応させていただくと。ただ、それぞれ施設の実情ございますし、それから施設の性質、女子刑務所か男子刑務所かもありますし、いわゆる分類の問題がございますし、様々なことがございまして、私どもは、その人員配置につきまして、それぞれその施設の個別の状況とか要求とかそういったものを踏まえながら、今申し上げた全体の数字の中で適正な配分をするように心掛けているということでございます。
#101
○木庭健太郎君 まあ、その件は、行刑改革会議ですか、提言においても、職員の人権意識の改革の問題とか、それから具体的に職員の人事異動の見直しの問題等も指摘をされておりましたよね。そういう意味では取り組んでいかなければならない課題だろうと思うし、これ衆議院では、職員に対する研修等の実施が重要と考えられて、ここは一部修正が行われておりますが、これは具体的にどのように取り組んでいかれるのか、この人事異動の見直し含めて意見を伺っておきたいと思います。
#102
○政府参考人(横田尤孝君) お答えします。
 刑務官に対しましては、これまで矯正研修所等におきまして、被収容者の人権尊重を図る観点から、被収容者の権利保障、国際準則等に係る研修など各種の人権研修を実施してまいったところでございます。
 このような研修に加えまして、平成十六年度からは、行刑改革会議の提言等を踏まえ、相手の立場に立って考え、対話により相手を説得するなど冷静な対応ができる能力を習得させると、そういう観点から、民間プログラムによる人権研修というものを新たに導入いたしました。そして、実務に即した行動科学的な技法を取り入れた研修に取り組んでいるところでございます。さらに、平成十六年度におきまして、刑務官が被収容者の立場に立って感じ、考える機会を与えるという観点から、行刑施設内で日々起こる様々な事象を基にしたロールプレーイングや事例研究のための研修教材を配付し、この教材を活用しながら各施設で自庁研修を実施するなど、効果的な研修の推進に努めているところでございます。
 今後とも、職員に対する研修に創意と工夫を凝らし、人権啓発に根気強い努力を続け、職員の人権意識の改革に努めてまいりたいと考えております。
 また、職員の人事管理でございますが、行刑改革会議の提言を踏まえまして、刑務官の人事異動を柔軟に行うことができるよう努めるなどしているところでございまして、今後とも、適材適所の配置に留意しつつ、組織の活性化につながるような人事管理を推進してまいりたいと考えております。
#103
○木庭健太郎君 研修も一生懸命進めてもらいたいし、きちんとした処遇の在り方にも取り組んでもらいたいし、ただそうは思いながら、先日見た府中刑務所を見る限り、収容、受刑者の方も大変だなと思うんですよね、狭いところに押し込められたような状況で。ただ、その一方で、職員の方も大変だなと思うのは、例えば年次有給休暇の取得状況にしてみても、この数年間一・三日のままだと、変化してないと、厳しい状況のままだと。これで本当にそういったことができるんだろうかというような気にもなるんですよね。
 だから、ある意味では、労働環境自体が悪くなれば、これは様々な問題が起きます。そういったところ、また逆に言うと、過剰になってくれば精神的ストレスがたまり、そういった問題に対するケアの問題も起きてくると思うんですが、この辺、どういう配慮をなさろうとしているのか。
#104
○政府参考人(横田尤孝君) 御指摘のように、刑務官の勤務状況は大変厳しい状況にございます。行刑施設の受刑者等の既決被収容者数は、平成十六年末現在で約六万四千九百人、収容率にして約一一八%と、その収容状況は一段と厳しいものとなっておりますし、これに伴いまして職員の負担も増大しておりまして、平成十五年度におきましては、例えば四週八休制が確保できず、週休日も満足に与えることができていない施設が七十四庁中六十四庁あるほか、保安業務に従事する職員の年次休暇取得の全国の平均日数は、平成十一年度には五・九日だったものが、平成十五年度には三・九日となっております。府中刑務所は一昨日御説明いたしましたように一・三日ということでございましたが、全国平均でいいますと三・九日、しかし大変少のうございます。国家公務員全体の平均がおよそ十一日程度ございますので、それと比較しましてもその負担の重さというのは顕著なものがあるというふうに申し上げざるを得ません。
 こういう状況の下で、刑務官のカウンセリング等でございますが、常日ごろから職務研究会や個別相談等の機会を活用して、可能な限り刑務官の職務上の悩みや相談を上司が聴取するよう努めているところでございますが、平成十五年六月には矯正局に窓口を設置いたしまして、刑務官が矯正局の参事官に直接相談、提言できる体制を整備いたしましたほか、平成十六年三月からはこうした窓口を矯正管区等にも拡大したところでございます。この窓口については相当数の利用がなされております。
 今後とも、窓口に寄せられた相談、提言等を施設運営に反映させるなどして、刑務官の日ごろの悩みなどに適切に対処し、過剰収容に伴う負担が増大している職員に対するカウンセリング等のケアに努めてまいりたいと考えております。
#105
○木庭健太郎君 そういう現状の中で、先ほどからお話があっているように、今後、矯正処遇というのは専門的知識とか技術とかそんなものが要るんだと、こうおっしゃる。これは職員にとってみれば、これ、ちょっとたまらない話であって、じゃ、そういうものは新たな職員をこうお入れなさるつもりでいらっしゃるのか、この辺が非常に分かりにくい部分になってくるんですよね。その現実の今置かれたその刑務所の状況と、法案でやろうとなさっている姿というのが余りに懸け離れているというような感じがするんじゃないかなと、こう思うんですよ。
 一体、このギャップをどうやって埋めていかれるつもりでいらっしゃるのかと、このように思うんですけれども、現実に今、例えば専門知識、技術持っている職員がどういらっしゃって、じゃ今後、それ当然不足だと思います、不足しているやつを具体的にどんなふうにしてこれを埋めていこうと思っていらっしゃるのか、見解を伺っておきたいと思うんです。
#106
○政府参考人(横田尤孝君) お答えします。
 平成十七年度に、行刑施設におきましては、被収容者の資質鑑別等に従事する職員、これ調査専門官等でございますが、そういうその従事職員として心理学の知識を有する法務技官、それから被収容者の教科教育等に従事する職員、教育専門官として教育学や社会学の知識を有する法務教官、それから刑務作業の指導に従事する職員、これは作業専門官でございますが、そういう職員として作業指導に関する知識を有する法務技官を合わせて八百十三人配置されているほか、二十四施設分の民間カウンセラーの委託経費が措置されているところでございます。
 現行の監獄法におきましては矯正処遇の位置付けが必ずしも明確ではなかったのでございますが、本法案におきましては、被収容者の円滑な社会復帰に資するため、矯正処遇として、作業のほか改善指導及び教科指導を行うことが明確に定められ、その一層の充実が求められていることから、行刑施設におきましては、民間人の活用も含め専門性を有する要員の確保に努めるとともに、心理学、社会学、社会学の素養を有する同じ矯正施設である少年院及び少年鑑別所の法務技官、法務教官の活用をも図るほか、専門性を向上させるための職員研修等を充実させるなど、矯正処遇の更なる充実を図ってまいりたいと考えております。
#107
○木庭健太郎君 そうやって教育することによって専門家を増やしていくというような視点もあるんでしょうけれども、じゃ例えば、受刑者にしてみて必要なものの一つは医療という問題ですよ。医療というのは、着るというんじゃなくて、お医者さんの方の医療の問題ですよ。やはりこの受刑者の方たちも一般社会とほぼ同等の医療というものをやっぱり受ける権利はあるんだろうと思うし、それは保障されている問題だろうと思うし、じゃそういう意味でいって、その刑務所というのが、見せていただきましたけれどもね、医師や看護婦のこの医療スタッフというものが、例えば府中のあの人数に対してどうなんだろうというような現状を実際目の当たりにしたわけでございまして、その医療スタッフの不足の問題については、これまで国会でも取り上げられたことはございましたし、実際にこの行刑改革会議の中でも議論はされていると思います。
 この、じゃ医務部門。つまりこれは、その人たちを教育しようと。なかなか難しい問題です、職員を、専門家ですから。じゃ、こういう人たちをどういうふうにして医療体制の充実という問題に取り組むのか、お答えをいただきたいと思います。
#108
○政府参考人(横田尤孝君) お答えいたします。
 行刑施設には常勤の医師や看護師等が配置されておりまして、更に必要に応じて非常勤の医師等の配置を行っておりますが、行刑施設の医療には患者である受刑者との信頼関係が築きにくいなど特殊な側面がありますことから、常勤医師を始めとする医療スタッフの確保は十分にできていないという状況にございます。
 ちなみに、平成十六年十二月三十一日現在における行刑施設の医師の配置状況でございますが、定員が二百二十六名に対し二百十名の現員でありまして、十六名の欠員となっております。現在、この矯正医療におきまして最も大きいと言っていい問題点が、やはりこの医師の確保ということでございます。こういった状況を改善するために、平成十七年度予算におきましては、まず医療対策の充実の関係では、常勤の薬剤師二名及び看護師四名の増員が認められたほか、精神科治療の充実を図るために非常勤の精神科医師六名を確保する経費を得たことに加えまして、薬剤師未配置庁の解消など、調剤業務の一層の適正化を図るために非常勤の薬剤師四十一名を確保する経費を得たところでございます。
 そして、先ほど申し上げました、とりわけこの医師の確保につきましては、本年度から矯正局の組織を改編しまして、矯正医療管理官及び矯正医療企画官を設置して、この医師の確保を含む矯正施設の医療の充実に取り組む体制を更に強化いたしましたほか、行刑施設の医療に関する協議会等をも開催するなどして、地域医療機関等との連携強化を図っているところで、その支援を得ながら医療体制の一層の充実に努めてまいります。
 この行刑施設の医療に関する協議会等は、具体的には、中央におきましては、中央レベルにおきましては、行刑施設の医療に関する関係省庁等連絡会議というものを設けておりまして、これは法務省、厚生労働省、文部科学省、日本医師会を構成員とするそういう連絡会議でございますが、そういうものを設けてございます。それから、それぞれの施設レベルでは、施設単位に行刑施設の医療に関する協議会というものを設けておりまして、これは都道府県それから地域の医師会、地域医療機関といった、そういった関係機関から成る協議体を設けまして、そしてこれによって、具体的に医師の確保を含む矯正医療の充実問題について協議をし、御協力をいただいて、一層の充実に努めてまいりたいとしているところでございます。
#109
○木庭健太郎君 様々な機関との連携を強めながらやっていただきたいし、またそれだけでは足りないということの部分、またほかの面からもでしょうが、いわゆる外部病院への移送体制の充実というような問題、これも行刑改革会議の提言においてなされております。正にこれは、それぞれ地域の医師会、医療機関、地元自治体との協議会をつくりながらやっていくということが必要だということが述べられておるんですが、実際にこれ、大いに利用もすべきだとは思いながらもなかなか難しいなとも考えながら、困難な面も抱えているんだろうと思いますが、この辺、具体的整備の状況なり、御答弁できるものがあれば答弁をいただいておきたいと思います。
#110
○政府参考人(横田尤孝君) お答えします。
 この外部病院への移送体制の充実というのは、やはり何といっても、これを受け入れてくれる医療機関を確保するということが大前提でありまして、これがまた最も重要な問題でございます。
 そこで、ただいま委員からも御指摘のございました行刑改革会議の提言を受けまして、行刑施設における医療体制の充実を図るために、先ほど申し上げたことと重なりますけれども、中央省庁レベルにおきましては、矯正施設の医療に関する関係省庁等連絡会議、それから各施設レベルにおきましては行刑施設の医療に関する協議会というものを開催いたしまして、医師や医療スタッフの確保はもとより、外部病院への移送についての協力体制の強化にも努めているところでございまして、引き続き、こうした地域医療機関等との連携強化を図り、その支援を得ながら、このような医療体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
#111
○木庭健太郎君 それと、今度は大臣に、いわゆるその受刑者の面会とか手紙ですね、そのやり取りの問題、これを何か外部交通というんですか、なかなか難しい言葉になっているなと思いながら、外部交通が手紙であり面会なのかなとも思うんですけれども、つまり外との、どう通じ合うかという問題、この辺については、今回の法案というのは、いわゆる受刑者が外と接するという問題についてどのような思想に基づいて立案され、立法されているのかというのをお伺いしたいし、これ安易に拡大すれば、ある意味ではせっかく刑事施設になって立ち直りしようとしている部分がその改善につながらなかったりというような面もあるでしょうし、逆に全く断ち切ってしまうことが人間関係の中においていびつな人間を構築してしまうという面もあるでしょうし、一長一短、難しい面もあると思うんですが、今回の法律はどういう精神に立ってこの辺について整理をされようとしているのか、伺っておきたいと思います。
#112
○国務大臣(南野知惠子君) 先生おっしゃるように、本当に難しい両面を持っているというふうに思っております。そういう意味では、受刑者の社会復帰を図っていこうというポイントでございますので、受刑者に良好な家族的、社会的関係を維持させ、又はその円滑化、改善を図らせることが適当であり、そういう意味では外部交通、大変普通の感覚でとらえたら難しい文言ではあるんですけれども、外部交通はそのための効果的な手段となるものであると考えております。
 法案では、このように適正な外部交通は受刑者の改善更生及び円滑な社会復帰に資するという思想に立っておりまして、外部交通を保障、拡充する規定の整備を行っているところでございます。
 もっとも、矯正処遇の目的を達成するためには好ましくない社会関係は遮断することが適当でありますし、また、そのために、法案においては、矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある場合には外部交通を許さないと、あるいは、面会の立会い若しくは信書の検査を行い、面会を停止したり又は信書の発受を差し止めるなどの措置を講ずることができるものといたしております。
 受刑者の外部交通につきましては、その意義を十分に踏まえながら、御指摘のような問題を生ずることのないよう配慮してまいります。また、適切な運用に努めてまいりたいと思っております。
#113
○木庭健太郎君 そういう意味じゃ今回の法案は、どちらかというと、この外部交通というんですか、つまり外との接触面を拡大していこうという方向性の下に作られているわけであって、そうなると、例えば、これは行刑改革会議の提言でございましたが、面会というもの、なかなか普通の人にとってみれば平日にやるというのは難しい。したがって、できることならば土曜日、日曜日に面会できるように配慮するべきだということが提言の中にはなされておるんですが、この点については法案ではどのように配慮されているのか、伺っておきたいと思います。
#114
○政府参考人(横田尤孝君) お答えいたします。
 法案は、刑事施設の長は、受刑者の面会に関し、法務省令で定めるところにより、面会の日及び時間帯等について刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる旨規定しております、九十二条一項。そういった規定のみでございまして、法律上、土日における面会が認められないとしているのではなくて、刑事施設の長においてその刑事施設の状況等を踏まえ適切な運用を行うこととなります。
 現在の職員配置の状況等を踏まえますと、土日における面会を原則として認める取扱いとすることは困難でございますが、やむを得ない事情があるときはこれを認める取扱いとするなど、実際の運用に当たりましては行刑改革会議の提言の趣旨を十分に踏まえた対応をしてまいりたいと考えております。
#115
○木庭健太郎君 やっぱり、ちょっと職員増加をもう少し図らにゃいかぬようなところがちょっとありますね。やっぱりそうしないと現実的に対応できないわけですから。
 そういう一番大事なことができない理由は何かといえば、それはきちんとした体制が組まれてないからだというんであれば、体制を組むことを最優先せざるを得ないだろうし、これだけ今、職員をそう簡単に増やせる状況じゃないときなんですけれども、やはり聞いているとその辺の問題が残っているなという気はちょっといたします。
 もう一つちょっと具体的に伺っておきますが、電話の使用について、法案では開放的施設において処遇を受けていることなどを条件として受刑者の電話の使用を認めておりますが、具体的にはどのような者に電話の使用を認めることを予定しているのか、伺っておきたいと思います。
#116
○政府参考人(横田尤孝君) 今回の法案におきましては、電話が現在一般社会における通信の重要な手段になっているということなどにかんがみまして、受刑者の外部交通の手段として新たに電話の使用を認めることとしているわけでございます。
 具体的にいかなる者についていかなる場合に電話の使用を認めるかということにつきましては今後検討していくことになりますけれども、全く新たな制度である上、電話につきましては必ずしもその相手方及び内容を十分に確認することができない場合もあるなど、施設の規律及び秩序維持上の観点からの配慮の必要もあることなどから、まずは開放的施設において処遇を受けている者など、規律、秩序維持上等の問題のない者を中心に電話の使用を認め、その運用状況等も踏まえながら更に検討してまいりたいと考えております。
#117
○木庭健太郎君 あと今日は少ししか時間がないので、富田政務官にちょっとお尋ねしますが、この法案、つまり、これは受刑者の処遇であって、刑務所という施設に関するという法律ですよね。そういう意味では、受刑者の処遇に関する部分については監獄法が改正されたと。ところが、もうこれさんざん議論をしたんですけれども、結局、未決拘禁者の処遇に関する部分については、これは監獄法の言葉を少しいじっているだけで、内容は変わっていないわけであって、なぜ、今回の法改正に当たって未決の人たちを切り離すのはなぜかと。根本議論でございますので政務官にお聞きしたいし、なぜこういうことを言うかというと、やっぱり無罪の推定が働いている未決の者が受刑者より劣る扱いみたいになってしまう、これは不当だという議論もあるわけであって、この辺も含めて御答弁をいただいておきたいと思います。
#118
○大臣政務官(富田茂之君) 監獄法は受刑者のみならず未決拘禁者等の処遇についても定める法律である以上、今回の法改正により受刑者と未決拘禁者等の処遇の一部に法律上の格差が生じることは御指摘のとおりであり、未決拘禁者等の処遇に関する部分についても法改正を行うことが必要であるというふうに考えております。
 しかしながら、代用監獄制度を含む未決拘禁者等の処遇の在り方については様々な御意見がある一方で、受刑者の人権を尊重しつつ、その真の改善更生を図るための処遇を充実させることが喫緊の課題となっていることから、まずは受刑者の処遇を中心とした法改正を行うこととしたものであります。
 午前中の審議で警察庁の方からも御答弁ありましたけれども、法務省といたしましては、代用監獄制度を含む未決拘禁者等の処遇につきましても、なお意見の隔たりがあるものの、関係機関との間で法改正に向けた現実的な協議を行い得る環境が整いつつあると考えておりまして、できる限り早期に法改正を実現していきたいというふうに考えております。
#119
○木庭健太郎君 じゃ、今日の最後にお聞きするのは、代用監獄問題の今後の見通しの問題について今どんなふうになっているのかなと、状況をお伺いしておきたいと思うんです。
 今回、この代用監獄の問題があって、そこが一番のポイントになって結局未決勾留者の処遇の改正が見送られたわけでございましたが、もちろん御指摘あっているとおり、この未決拘禁者の処遇、このまま放置していいなんということは絶対ないわけであって、何としても早急な法改正が求められることは間違いないと思います。
 ただ、この代用監獄については、実際問題として、これを全廃するということはおおよそ現実的ではないという指摘が現実的にはある一方で、やはり拘置所を増設することで全廃は可能という主張もあると。本当、今、富田政務官おっしゃったように、様々な御意見が、様々な立場の議論がなされているということでございます。
 現状でいわゆるこの代用監獄問題についての政府の認識を今回は伺っておきたいし、さらに、今後、日弁連等との協議におけるスタンス及びこれからの見通しについて法務当局から伺って、今日の質問は終わりたいと思います。
#120
○政府参考人(横田尤孝君) 代用監獄制度をめぐる意見の状況につきましては、ただいまの委員の御指摘、そして政務官の答弁のとおりでございます。
 そして、このスタンス、それから見通しというお尋ねでございますが、これも現時点におきましては政務官の先ほどの答弁と同様でございまして、法務省といたしましては、この制度を含む未決拘禁者等の処遇について警察庁及び日本弁護士連合会との三者の間で法改正に向けた現実的な協議を行い得る環境が整いつつあるという認識でございますので、平成十八年の通常国会への法案の提出を目指して最大限努力してまいりたいと考えております。
#121
○木庭健太郎君 終わります。
#122
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 一昨日、府中刑務所に視察に行ってまいりました。当委員会ではもう三年以上にわたってこの刑務所問題というのは議論をしてきたわけですけれども、私自身は府中刑務所を二年ぶりに訪問をいたしまして、この間の国会審議であるとか行刑改革会議の議論などが確実に反映をした変化をしているなというのは大変実感をいたしました。
 まず一つの印象は、これまでは刑務所を視察しますと必ず、新しいところに入るたびに、現員何人、異常ありませんという大声と敬礼があったんですが、今回これがありませんでした。お聞きしますと、矯正局が号令を掛けて全部の施設でやめたんではなくて、それぞれの施設でこういうことを検討した、で、府中ではやめておるということでありました。
 それから、保護房ですね、これも三年前初めて名古屋刑務所に行ったときに中に入りましたけれども、そのときの印象は、壁の色や圧迫感などから、正常な者がここに入っても精神に異常を来すんじゃないかというようなものでありましたけれども、窓が大きくなったり、また大声を発する者用の単独室も整備をされているとか、これもいろんな議論の反映があるなと思いました。
 それからもう一つ、大変印象的だったのは、その刑務官がいろんな暴行を受けたり、場合によっては尿を掛けられたものを写真も含めて出されました。こういうのも、私、刑務所に訪問して初めてのことでありましたし、受刑者同士のけんかで大けがを負った写真までありました。
 これまでは、とにかくもう刑務所の中というのは十分に規律が取れていて、問題ないんだ、問題ないんだと、もううまくいっているんだということをとにかく説明をされることが多かったわけですけれども、こういうトラブルも実際はあるんだということを率直に言われたというのは、やはりこの間の行刑改革会議などで市民の目を中に入れていくというようなことが新しい流れとしてあるのかなという印象を持ちました。
 もちろん、まだまだいろんな問題は山積みなわけでありますけれども、こういう、行刑改革にとって、オープンにし、そして市民の目を入れていくということが大きな役割を果たしてきたと私は改めて思っているんですが、その辺の感想をまず矯正局長、いかがお考えでしょうか。
#123
○政府参考人(横田尤孝君) 先日御視察をいただきました。井上先生には平成十五年の春にもごらんいただきまして、そのときも私、現地に一緒に参りましたけれども、その後、状況が変わったというふうにおっしゃっていただきまして、私どもとしても、精一杯今進めているところの一端が御認識いただけたことにつきましては、そういう機会をつくっていただいたことに対しましてむしろ有り難く思っています。
 私どもは、行刑改革会議の提言を一〇〇%、一二〇%尊重するという前の野沢法務大臣がおっしゃっておりましたけれども、そのような気持ちで、今後とも、今回の法案の成立はもとより、それを踏まえた新たな行刑改革の推進に事務側としてもできる限りのことをしてまいりたいと考えております。
 ありがとうございました。
#124
○井上哲士君 やはり外部の目を入れる、外部の声を入れるという点でいいますと、この刑事施設視察委員会というものが大変大きな役割を果たすと思います。
 この提言の内容に沿った構成や中身になるのかが非常に大事だと思っているんですが、今朝の午前中の質疑にもありました、委員会は十人以内で組織をされるということでありますけれども、小さいところは三人とか四人というようなところもあるのかと思うんです。規模が小さくなった場合でも、少なくとも刑務所の人権問題に取り組んできたやはり弁護士会推薦の弁護士さん、それからやはり医療の問題ありますから医師、これはやっぱり必須として、どんな規模であっても必ずメンバーに入っていただくということが必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#125
○政府参考人(横田尤孝君) 行刑改革会議の提言におきましては、刑事施設視察委員会の委員に地域の市民、弁護士等の法律関係者や医師を含めることが望ましいとされているところでございまして、弁護士及び医師につきましては可能な限り委員に含めてまいりたいと考えております。
 また、弁護士を含め、委員の選任方法につきましても、健全な国民常識を反映した意見をお述べいただく仕組みであるという委員会の趣旨に照らせば、恣意的なものとならないようにすることが必要であると考えておりまして、例えば弁護士会の推薦を得て弁護士の委員を選任するという方法、そういったこともこの選任が恣意的なものにならないようにするための方法の一つであろうというふうに考えているところでございます。
#126
○井上哲士君 この委員会は、委員による刑事施設の視察をすることができる、そして、必要があると認めるときは、刑事施設の長に対して、委員による被収容者との面接の実施について協力を求めることができると、こういう書きぶりなわけですけれども、これは委員会の持つ権限としてこういうことが行えると、こういうふうに確認をしてよいんでしょうか。
 例えば、夜間がどうなっているかということを見るというのは非常に大事だと思うんですけれども、そういう夜間なども委員会が求めればいつでも視察をできると、こういうことでよろしいでしょうか。
#127
○政府参考人(横田尤孝君) 刑事施設視察委員会は、施設運営の実情を把握した上で、国民の常識を反映した意見を述べていただくという仕組みでございます。
 法案では、委員会は委員による視察をすることができる旨を規定しておりますとともに、刑事施設の長は必要な協力をしなければならない旨規定しております。こうした規定から明らかなとおり、刑事施設の視察につきましては、これは委員会の権限であり、委員会が視察すると決定した場合には、夜間であっても刑事施設の長はこれに応じることになります。
#128
○井上哲士君 法案の中では面会という言葉もありますが、この場合は、視察委員会による面接というふうになっています、この違い。そして、この面接については立会いなしに行われるべきだと思いますけれども、その点はどうでしょうか。
#129
○政府参考人(横田尤孝君) 法案では、外部交通としての面会は、受刑者がその希望でその用務の処理等のためにその親族等の関係者と面談するものであるのに対しまして、刑事施設視察委員会の委員が行う被収容者との面接は、委員会の職務を遂行するために委員の求めにより行われるものでございまして、性質が異なるというものでございます。
 また、面会につきましては、これが受刑者の改善更生及び円滑な社会復帰に資することに留意しつつも、刑事施設の規律及び秩序の維持等に支障が生じることのないよう一定の要件の下で制約したり、それから職員を立ち会わせたりすることができる旨規定しているのに対しまして、この視察委員会委員による面接につきましては、職員の立会いの権限を認める規定は設けておりません。
 したがって、刑事施設視察委員会の委員と被収容者との面接につきましては、委員等から職員の立会いを求められた場合は別として、刑事施設の職員はこれに立ち会う権限がございません。
#130
○井上哲士君 この視察委員会は刑事施設の長に対して意見を述べ、法務大臣がそれを取りまとめて公表するとしております。
 委員会として、刑事施設の長に対してこういう意見を述べたと、その中身を独自に公表することが可能なのか、それからまた、委員会が独自に意見を公表するということは可能なのか、いかがでしょうか。
#131
○政府参考人(横田尤孝君) お答えいたします。
 法案では、刑事施設視察委員会が刑事施設の長に対して述べた意見につきましては、法務大臣は毎年これを取りまとめ、その概要を公表するものとしております、十条でございますが。
 委員会自らがこれを公表することについては特に定めておりません。しかしながら、これは、委員会が自ら意見を公表することを否定するものではなく、委員会は必要と判断すれば、例えばその公表の内容に被収容者の個人情報が含まれており、その情報を公開することにより守秘義務に違反することとなるような場合でない限り、刑事施設の長に対して述べた意見を自ら公表することもできます。
#132
○井上哲士君 この視察委員会と同時に、不服申立ての制度というのも非常に大事だと思っておりますが、これまでの情願制度について、朝の審議でも問題点の指摘もありましたけれども、これまでの情願制度と今度の不服申立て制度についてはどう違うのか、お答えいただきたいと思います。
#133
○政府参考人(横田尤孝君) お答えいたします。
 現行監獄法の情願制度は請願の一種にとどまり、申し出た者に裁決を求める権利はなく、裁決にも直接的に権利利益を救済する効力がないなど、権利利益の救済制度としては不十分なものであります。
 これに対し、法案におきましては、まず第一点として、刑事施設の長による違法又は不当な措置について直接的にその取消し等を求める審査の申請の制度、それから二つ目に、職員による受刑者への違法な身体に対する有形力の行使などについて申告をすることができる事実の申告の制度、それから三つ目に、受刑者が受けた処遇全般を対象とする苦情の申出の制度を設けておりまして、このうち審査の申請及び事実の申告につきましては、申請等を受けた矯正管区の長又は法務大臣に、職権で調査し、判断した結果を回答する義務を課しております。そして、苦情の申出につきましては、これを受けた刑事施設の長、監査官又は法務大臣に、誠実に処理し、その結果を回答する義務を課しております。
 また、受刑者が萎縮せずに不服申立てができるようにするため、申立ての内容を刑事施設の職員に秘密にすることができるように必要な措置を講じなければならないこと、不服申立てをしたことを理由に受刑者に対し不利益な取扱いをしてはならないことを規定するなどいたしまして、受刑者の権利利益の救済のための制度の充実を図っているところでございます。
#134
○井上哲士君 この申立ては書面によるものとされているわけですが、受刑者にとってはまとまって書くのが大変苦手な方もいらっしゃるでしょうから、口頭により申立て、少なくとも例えばもうごく簡単なものにして、あとは代筆とかも含めてそういう方々の対応もするべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#135
○政府参考人(横田尤孝君) お答えします。
 この法案では、法務大臣及び矯正管区の長に対する不服申立てにつきまして、口頭による申立ては認めず、自ら書面を作成して行うこととしておりますが、これは書面によることによって不服申立ての内容が明確になり、後の手続の遅延を避けることができることなどから書面主義を採用したものでございます。
 書面を作成することができない受刑者もあり得ないではありません。そこで、そのような受刑者につきましても不服申立ての機会を保障すべきであるのは当然でありまして、職員が代書するなどの措置を講ずることを予定しております。
#136
○井上哲士君 その場合のいわゆる秘密の保持とか、いわゆる嫌がらせをやめさせるとかという点はどういう配慮がされるんでしょうか。
#137
○政府参考人(横田尤孝君) 当然これは、職員は守秘義務ございますので、そういった点については御懸念ないと思います。
#138
○井上哲士君 処遇には直接かかわらない職員が当たると、明確に分離をされるという理解してよろしいですか。
#139
○政府参考人(横田尤孝君) おっしゃるような運用を検討してまいるつもりでございます。
#140
○井上哲士君 じゃ、次に、いわゆる代用監獄等の問題についてお聞きをいたします。
 代用監獄の問題は、国際的にも様々な批判の声が、国連規約、人権規約委員会等々などからこれまで寄せられてまいりまして、これを廃止すべきだという声がずっとありますが、今回の法案ではこの問題については先送りということになっております。先ほどもあったわけですが、まず大臣からこの点についてお伺いをいたします。
#141
○国務大臣(南野知惠子君) お尋ねの監獄法でございますが、これは受刑者のみならず未決拘禁者等の処遇についても定める法律でございます。それらに関する部分についての法改正も当然に必要であろうというふうに思っております。しかしながら、代用監獄制度を含む未決拘禁者等の処遇の在り方については様々な意見がいまだにございます。そういう一方で、受刑者の人権を尊重しながらその真の改善更生を図るための処遇を充実させることがこれまた喫緊の課題であるということは自覚しております。
 今回の改正に当たりましては、まず受刑者の処遇を中心とした法改正を行うことにしたものでありまして、法務省といたしましては、代用監獄制度を含む未決拘禁者等の処遇についても、なお意見の隔たりがあるものの、関係機関との間で法改正に向けた現実的な協議を行い得る環境が整いつつあるのではないかと考えておりまして、できる限り早急に法改正を実現したいと考えております。
#142
○井上哲士君 今後、この問題は言わば一から議論をしていくということでありますが、そうしますと、今回の新しい法律の中にこの警察留置場問題で非常に細かい規定が入っておりまして、これは結局代用監獄の恒久化につながる流れになるんじゃないかと、こういう様々な声があるわけですが、この点、警察庁はいかがでしょうか。
#143
○政府参考人(安藤隆春君) お答えいたします。
 先ほど大臣から御答弁ありましたように、この新法は受刑者の処遇を中心とする内容でございまして、いわゆる代用監獄制度を含めまして、未決拘禁者等の処遇に関する事項は関係機関において引き続き協議、検討を行い、早急に法整備するとしたところであります。
 そのため、今回の新法制定に当たりましては、代用監獄制度に関する規定は現行監獄法の規定をそのまま残すこととしておりまして、新法の制定は今後行われる代用監獄制度に関する議論に対して影響を及ぼすものではないと私どもは考えておるわけであります。
 なぜ詳細な規定といいますかが設けられたかといいますと、一つは、新法におきまして受刑者を収容する施設、すなわち刑務所と、未決拘禁者を収容する施設、拘置所を通じまして適用されます施設横断的規定が設けられておりまして、これらの規定は、改正監獄法の規定により刑事施設に代用されます警察留置場に関しても適用されるということから、それに沿いまして必要な適用除外や読替えなどの措置を講じているわけであります。
 もう一つは、代用監獄制度をそのまま残すということにしたことに伴いまして、いわゆる被勾留受刑者を含めます受刑者が警察留置場に収容されることとなるわけでありますので、刑事施設に収容される受刑者の処遇等に関する規定がその代用されますその警察留置場に収容される受刑者等に関しても適用されるということになりますので、それに関しまして、必要なこれまた適用除外や読替え等の措置を講じているということの結果でございまして、それ以上のものではございません。
#144
○井上哲士君 いずれからも、これからの議論だということでありましたけれども、司法制度改革でいいますと、審議会の議論というのは大変大きな意味を持ちましたし、行刑改革については行刑改革会議による有識者の議論が大変大きな土台になったと。幅広い国民の声を基に議論したからこそ前進があると思うんですね。
 そうしますと、今後のこの代用監獄の在り方についても、例えば行刑改革会議については、推進本部でしたっけ、の顧問会議という形で残っているわけですから、こういう方々の御意見を聞くなど有識者による御意見を反映をさしていくという枠が必要だと思うんですけれども、この点、大臣、いかがでしょうか。
#145
○国務大臣(南野知惠子君) 今回の法改正に当たりましては、関係機関の理解を得るために、昨年七月から警察庁及び日弁連との三者による協議会を開催してきたところでありますが、代用監獄制度を含めた未決拘禁者等の処遇に関しましても、これを検討する別機関の設置の是非も含めて引き続き三者による協議を行い、できる限り早期に監獄法の全面改正を実施したいと、実現したいと思っております。
#146
○井上哲士君 警察庁にもお聞きをいたしますけれども、有識者などによる意見をしっかり聞くという場も持ちながらの協議が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
#147
○政府参考人(安藤隆春君) お答えします。
 これは、昨年七月以来、警察庁も法務省と日弁連の三者で監獄法改正について協議を行ってきました。そして、その結果、先ほど大臣から御答弁ありましたように、今回の法整備、受刑者の処遇を中心とした法整備を行い、代用監獄制度を含めました未決拘禁者の処遇につきましては更に検討を続けるとしたところでございます。
 警察庁といたしましても、今後の三者協議におきましては、委員御指摘の点も含めまして検討してまいる所存でございます。
#148
○井上哲士君 これは是非、幅広い有識者、第三者の声を聞くという枠を実際つくって協議をしていただきたいと思うんです。
 それで、先ほど、今回の新法の様々な規定は今後の法制には影響を及ぼさないという警察庁から答弁がございました。この未決勾留問題については今後の議論にしていくというのであれば、新たな規定は付け加えるべきではなかったと思うんですね。ところが、法案の中には警視庁長官による巡察という規定が新たに入りました。これは入れるべきではないと思いますけれども、いかがですか。
#149
○政府参考人(安藤隆春君) お答えいたします。
 いわゆる警察庁長官の主宰する巡察に関する規定のことだと思いますが、これは、警察留置場に関しまして、刑事施設に対しまして法務大臣主宰の実地監査というのが今回盛り込まれておりますが、この法務大臣主宰の実地監査との均衡を図るために設けたものでございます。すなわち、刑事施設につきましては、本法案に規定される法務大臣の主宰する実地監査等により全国的な斉一性を確保することとしているところでございますが、警察留置場に関しても、これとの均衡を図るためにも、全国的な見地から調整をするための仕組みを規定することが必要であると考えております。
 そこで、警察庁は、都道府県警察が実施している留置業務が全国的に均衡の取れたものとなるように調整する責任を警察法上有しておるわけでありますから、そのために必要な巡察を定期的に行うことを制度として設けることとしたところでございます。
 いずれにしましても、これは現状を何ら変更するものではなく、また、今後行われます代用監獄制度に関する議論に対して影響を及ぼすものではないというふうに考えております。
#150
○井上哲士君 先ほど警視庁と言ったみたいですが、警察庁の間違いでありました。
 今、留置場に対する法務大臣などによるものとの均衡を取るためと、こういう答弁があったんですが、どうも都合のいいところだけ均衡を取るんだなという感じがするんですね。例えば、新法では刑事施設視察委員会というのがつくられるわけですけれども、均衡ということでいいますと、留置施設にもこういうものが必要になってくると思うんですけれども、どうでしょうか。
#151
○政府参考人(安藤隆春君) お答えいたします。
 警察留置場におきましては、これは警察の組織で、御案内だと思いますが、都道府県警察を管理する機関としてそれぞれ各県に公安委員会が設置されておるということから、我々としては、刑事施設視察委員会に関する規定は警察留置場に適用する必要はないと、特段必要ないというふうに考えております。
 その理由でございますが、一つは、都道府県警察を管理します各県の公安委員会は平素から、留置場の運営状況を含めまして、警察業務全般について視察を行っているところでございます。加えまして、留置業務に関していいますと、警察留置場の運営とかあるいは警察本部長の実地監査に関して、この公安委員会、都道府県の公安委員会が管理という権限を持っておりますので、それに基づきまして、そうした業務につきまして大綱方針を示して、その結果について報告を求めて必要な指示を行うと、こういう権限がございますし、また、極端な場合といいますか、例えば著しく不適正な業務があれば、これは警察法四十三条の二に基づく公安委員会の監察の指示をこういう具体的な業務について行うことができるという規定が、これは平成十二年の警察法の改正で行われたわけでありますが、そういう指示を行って、指示内容の履行状況を点検するということも行えるということでございます。
 そういうことで、以上のようなことを通じまして、各都道府県公安委員会は警察の行う留置業務を適切に管理することができると私どもは考えております。
#152
○井上哲士君 私は、この刑事施設視察委員会、市民参加のものと、公安委員会というのは随分中身が違うと思うんですね。これがあるからいいということにならないと思うんです。全般について適切に管理していると言われましたけれども、例えばこの間、全国で様々な警察の裏金づくりとかいろんな不祥事が起こりましたけれども、そのときに本当に公安委員会が正しく処置をしているのかと。私はほとんどそういうのを聞いておらぬですね。
 例えば、これは、北海道で自ら裏金づくりについて内部告発をされた元北海道警察の釧路方面本部長の原田さんが本を出されておりますけれども、彼は、公安委員会には警察のチェック機能はないと断言できると。それは、公安委員の選ばれ方に問題があるからだ。公安委員は、警察の推薦に基づき知事が議会の同意を得て任命する。しかし、警察が行う人選では、当然、警察行政に批判的な人物は対象外になると、こういうふうに言われております。
 実際、例えば北海道のあの裏金問題が明らかになったときに、北海道警自身が二〇〇四年の十二月に内部調査を発表するんですね。これは、すぐ道の公安委員会は追認をいたしましたけれども、その十日後に北海道の監査委員会による監査が発表されましたけれども、警察の調査と一億円も多かったわけですね、裏金の実態が。そういう程度の警察の内部調査でもすぐ追認をしてしまったというこの公安委員会という状況を見ますと、私は、これを刑事施設視察委員会と同等ということはとっても言えないと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#153
○政府参考人(安藤隆春君) 公安委員会につきましての機能というのは、確かに過去、随分昔についてはいろいろな議論があったと思います。しかし、平成十二年の警察改革によって、一つの最大の目玉であったのがこの公安委員会機能の強化ということでございまして、それ以来、やはり委員の方々も、の任命として、新しい人材といいますか、新しい方、いろんな分野の方が入っていただいて、そして活発な今議論が行われている。
 委員今御指摘の北海道公安委員会によるチェック機能ということでありますが、昨年の十二月ですね、北海道警が監査、北海道警の調査結果が出て、それに対してどういう道の公安委員会がチェック機能を果たしたかという御指摘だと思いますが、道の公安委員会の委員の中に、これは昨年だと思いますけれども、公認会計士の方も新たに任命されておりまして、そういう、それと昨年の春だったと思いますが、北海道公安委員会は北海道警察に対して監察の指示というものを出して、全道的に過去五年間の経理について調査というものを指示をして、それに基づきまして昨年末に道警の調査結果が出たわけですが、それに対して北海道公安委員会は、先ほど言いましたような専門家の方も含めまして、特にその公認会計士の方を中心にして今点検を、つまり道警の調査について今点検をしているというように私承知しておりますので、昔はどうかは知りませんけれども、ここ数年は、そういう公安委員会の機能強化ということは現実に実現しているというふうに考えております。
#154
○井上哲士君 平成十二年に改革をされたと言いますが、ここ一、二年のいろんな問題についても、公安委員会が十分に機能しているとはとっても私には思えません。これをやっぱり刑事視察委員会と同じと言われるのはとても言えないわけで、一方で法務大臣の主宰する実地監察との均衡を図るとして巡察を新たに持ち込むというのは、やっぱりこの代用監獄を警察の下に恒久化をする地ならしじゃないかと、こういういろんな懸念の声が出てくることになってくると思うんです。
 この巡察の規定は外して、この問題も含めて、未決処遇のための法整備のときにしっかり検討するべきだと、こういうことを申し上げまして、質問を終わります。
#155
○委員長(渡辺孝男君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト