くにさくロゴ
2005/05/17 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 法務委員会 第19号
姉妹サイト
 
2005/05/17 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 法務委員会 第19号

#1
第162回国会 法務委員会 第19号
平成十七年五月十七日(火曜日)
   午後二時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     尾辻 秀久君     河合 常則君
     浜四津敏子君     鰐淵 洋子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         渡辺 孝男君
    理 事
                松村 龍二君
                吉田 博美君
                千葉 景子君
                木庭健太郎君
    委 員
                青木 幹雄君
                荒井 正吾君
                河合 常則君
                山東 昭子君
                陣内 孝雄君
                関谷 勝嗣君
                鶴保 庸介君
                江田 五月君
                前川 清成君
                松岡  徹君
                簗瀬  進君
                鰐淵 洋子君
                井上 哲士君
   国務大臣
       法務大臣     南野知惠子君
   副大臣
       法務副大臣    滝   実君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  富田 茂之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 英明君
   政府参考人
       警察庁長官官房
       長        安藤 隆春君
       法務省矯正局長  横田 尤孝君
       法務省保護局長  麻生 光洋君
       厚生労働省医政
       局長       岩尾總一郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(渡辺孝男君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、浜四津敏子君及び尾辻秀久君が委員を辞任され、その補欠として鰐淵洋子君及び河合常則君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(渡辺孝男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に警察庁長官官房長安藤隆春君、法務省矯正局長横田尤孝君、法務省保護局長麻生光洋君及び厚生労働省医政局長岩尾總一郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(渡辺孝男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(渡辺孝男君) 刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○千葉景子君 民主党・新緑風会の千葉景子でございます。
 この刑事施設に関する法案の審議も今日が最後ということになりまして、この間、様々な問題点、前進している部分もあり、また今後更に検討しなければいけないと、こういうことも含みながら、今後新しくスタートをしていくということになろうかと思っています。
 今日は、限られた時間ではございますが、これまでもう少し確認をさせていただいておいた方がよい部分、あるいは今後のお取組にできるだけつなぐことのできるような、そういう観点で質疑をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをする次第でございます。
 まず、何点か法案の内容等で確認をさせていただきたいというふうに思っております。
 一つは、保護室の収容あるいは防声具といいましょうか、防声の措置ですね、こういうことに関してお尋ねをしておきたいというふうに思っております。
 この委員会でも、先般、府中刑務所を視察をさせていただきました。私どもも、これまで刑務所のいろいろな環境整備にいろんな提言と申しましょうか、御意見を申し上げてまいりましたが、府中刑務所におきまして、私も非常にこれは意見を申し上げたことが一つ実ったのかなと思いましたのが、新たに防声室がつくられたということでございます。
 これまで、大声を出す、こういうことによって周りに迷惑を掛けるとかいうことがありますと、本来は自傷他害とかそういうこととは異なりますので、その措置というのが非常に難しかったと思います。とかく、そういうことについても保護室収容というような形が取られざるを得なかったと、こういうことも多々あったのではないかというふうに思われます。
 そういう意味では、この防声室というものがつくられたということは、保護室収容の濫用等を防ぐという意味でも意味のあることではないかというふうに思います。なかなか大きく窓も取られておりましたし、それから、房の設備といいましょうか、非常に柔らかな受け止め方ができるような、そういう構造になっていたということを私も印象深く視察をさせていただきました。
 そこでですが、こういう防声室、保護室とは別に、こういうやっぱり特別な措置をできるような部屋を今後他の刑務所等でも設置をしたり、あるいは計画などが取られているのでしょうか。その辺について、まずお尋ねをしたいというふうに思います。
#7
○政府参考人(横田尤孝君) お答え申し上げます。
 今委員がおっしゃいましたように、大声とかそれから騒音などを発し続けまして舎房の静ひつを乱す被収容者を収容する場合にも対応し得る単独室を府中刑務所に整備いたしまして、現在、これ試行的に運用しているところでございます。
 こうした単独室につきましては今後順次その整備を進めていくことが必要であると考えておりますが、その際には、府中刑務所での現在の試行結果を踏まえまして、構造上及び設備面並びに運用上の問題点の検証、改善を行った上でその収容の適正さを確保できるよう努めてまいりたいと考えております。
#8
○千葉景子君 是非その施行状況等をよく検討いただきまして進めていただきたいと思いますが、この防声室と称されるこの居室は、いわゆる保護室ではないと受け止めてよろしいんでしょうか。普通の舎房の一種類というふうに受け止めてよろしいんでしょうか。その辺についてちょっと明確な位置付けをお聞かせをいただきたいというふうに思います。
 そうなりますと、その防声室に収容する措置をする基準とかその運用、どういう形でなされていくのか、それも併せてお聞かせいただければと思います。
#9
○政府参考人(横田尤孝君) お答えいたします。
 この単独室、これは遮音設備、音を遮るですね、遮音設備を備えた一般的な単独室であるという理解をしております。
 ただ、これはこれまでになかった居住環境でございますので、現在はその収容期間を保護房収容に準じて原則として三日間にとどめているほか、収容期間中のビデオ録画についても義務付けるなどしておりまして、一般的な単独室でありますけれども、大声や騒音を発し続けているという状況に即したそれなりの措置をしているところでございます。
#10
○千葉景子君 一般の居房といいましょうか、そういうふうに準ずることになるんだろうと思いますが、何といいましょうか、今後使ってみながら、是非、やはりそうはいっても一定の遮へいされたといいますかそういう空間ということになりますので、その辺の運用の基準、在り方、こういうものを是非十分に検討いただきたいというふうに思いますし、一般の居房と同じ扱いということであれば、その中の、何というか設備とか、そういうこともできるだけ一般の居房に近いという形を取っていくべきだろうというふうにも思いますので、この辺は今後是非多角的な検討を加えていただきたいというふうに思っております。
 ところで、片方ではこのような防声室が設置をされるということですが、今回の法案で、警察留置場の方につきましては逆に今度は防声具の使用についての規定が盛り込まれております。
 この防声具、むしろ刑務所の方では今度は使わずに、できるだけ防声室のような形で、拘束をできるだけ避けていこうということですが、どちらかというと何か逆行しているような、そういう感もしないではありませんけれども、今後、警察留置場についてのいろんな総合的な検討を加えていく際にいろいろと議論をいただきたいというふうに思いますが、当面、この防声具の使用についてはこれまでの拘束衣の使用の基準を準用するような形になっておりまして、三時間ですか、基本的にはですね、というのが限度ということで使われるというふうになるようですが、やはりこれは、基本的にはできるだけその使用を抑制することが今のやっぱり施設内の処遇の在り方として大事なことであろうというふうに思いますが、この運用につきまして、確かに三時間の制限はありますが、更なる抑止的な運用が必要だというふうに思いますが、その点についての考え方をお聞かせいただきたいと思います。
#11
○政府参考人(安藤隆春君) お答えいたします。
 警察留置場におきまして防声具を使用するというのは、委員御案内だと思いますけれども、現在、保護室に相当します施設の整備というものが警察留置場では不十分であるということでございます。数字を挙げれば、全国一千三百の留置場に対して、いわゆる保護室に相当する、保安室と呼んでおりますが、それが一割強の整備ということでありまして、そういう状況の中で、留置場において引き続き防声具を使用することが我々としては必要と考えております。
 しかしながら、もちろんこの戒具の使用というのは必要な限度において行うものでございまして、現在、今委員御指摘の点の三時間ということもありますが、さらに被留置者の健康状態を慎重に判断するとか、あるいは食事、用便を制限することのないようにするとか、使用中は動静について綿密に観察すると、こういうようないろいろ慎重な配慮をして、その判断権というのは警察署長の直接の指揮によっておりまして、適正に使用して今おるわけでありますが、今後とも引き続き戒具の適正な使用につきましては警察庁として各都道府県警察をして指導していく所存でございます。
#12
○千葉景子君 是非そこは、まずは徹底していただきたいと思っております。
 さて次に、この審議の中でも、今施設の中で女性、高齢者、それから外国人、こういう数が増えているということもあり、そこに対するやっぱり十分な配慮というのが必要になってきているということも分かってまいりました。そこで、これも確認的なことではありますけれども、何点かお聞かせをいただきたいと思います。
 一つは、女性に対する配慮ということで、女性刑務官のやっぱり十分な配置ということが必要だと思われます。今度、美祢のPFI方式の刑務所でも女性の収容が増えます。あるいは、やはり視察に参りました福島の刑務所も新設をされますと女性の定員が相当の数になる。こういうことになりますと、女性刑務官のやっぱり必要性というのが高まってくるんですが、これがなかなか仕事を続けにくいとか退職なども多いというふうなことも聞いております。この点について、今後の計画、増員の計画やあるいは環境の整備などについてのお考え方、お聞かせください。
#13
○政府参考人(横田尤孝君) お答えいたします。
 本年の四月一日現在ですが、行刑施設には刑務官の約六%に当たる九百五十三人の女子刑務官が在職しております。今委員おっしゃいましたように、将来的には美祢の刑務所もできますし、それから福島刑務所の支所もできましたし、そういった点ではこれからもそういう女子の刑務官が増加していくだろうというふうに思っております。
 男女共同参画社会の実現が求められる中で、行刑改革会議の提言におきましても行刑施設における女性の積極的な活躍が期待されていることを踏まえまして、矯正局におきましては、女子刑務官を増配置するよう計画しておりまして、平成十六年四月一日現在とを比較いたしますともう既に約五十人増加させるなど、女性の登用に努めております。
 それからまた、昨年の二月、十六年二月に矯正局におきましては、女子刑務官が仕事を継続していくに当たり持っている問題意識、あるいは施設運営上抱えている固有の問題点などを把握するために、女子刑務官等にアンケート調査を実施いたしました。それから、女子行刑施設処遇対策協議会というものを設けて、全国の女子刑務所の首席矯正処遇官から意見を聴くなどしました。そして、そのようなアンケート調査の結果、あるいは協議会における出た意見等を踏まえまして、女子刑務官の勤務環境の改善に努めているところでございます。
 今後とも、女子刑務官の採用、登用の一層の拡大を図りますとともに、男女双方の刑務官が働きやすい職場環境の、勤務環境の整備や、母性保護などの観点から設けられている諸制度、例えば産前産後の特別休暇であるとか、あるいは授乳等のための特別休暇であるとか、そのような諸制度の周知徹底、それから育児休業の取得促進、仕事と子育てを両立するための相談窓口などの設置などの施策を推進して、女子刑務官の確保やその定着を図ってまいりたいと考えております。
#14
○千葉景子君 次に、外国人に関して一点確認をさせていただきたいというふうに思います。
 なかなか外国人の言語の数も相当増えておりまして、意思疎通なども大変であろうというふうにも思います。その点についても今後の取組が必要だと思いますが、ちょっと気になりますのが外部交通の問題でございます。
 規定によりますと、通訳、翻訳等の費用が掛かる場合に受刑者負担とすると、負担できない場合には外部交通を制限できると、こういう規定がございます。多分これも、しゃくし定規にこれを適用しているとは思えませんけれども、これを本当にそのまま適用すると、なかなかそれは負担するなんという、できる人が受刑者にいるとは思えませんですので、そうすると外部交通ができなくなってしまうと、とんだことにもなりかねません。
 人権の尊重という面から見ても、これは相当実際の運用では原則と例外が逆、逆にするといいますか、そういうぐらいのことが必要だろうというふうに思いますし、本来、こういう負担させるということが本来はあってよいのかという思いもいたしますが、当面これもできるだけの抑制的な使い方をしていただく必要があると思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
#15
○政府参考人(横田尤孝君) お答えいたします。
 まず、現行の取扱いについて申し上げますと、外国人が面会や信書の発受を行う場合におきましては、外国語を解する職員が面会に立会したり、それから信書の翻訳をしておりまして、自所で、その施設で対応できない場合には、府中刑務所及び大阪刑務所に置かれている国際対策室に依頼したり、それから関係する大使館に依頼するなどして対応しております。
 法案の百三条では、外国語による面会等において、発言又は通信の内容を確認するため通訳又は翻訳が必要であるときや、信書の内容を確認するため翻訳が必要であるときは、その費用を受刑者に負担させることができるとしておりますところ、これは外部交通の必要性の程度などを踏まえると、その費用の負担を求めることが相当な場合も想定されるからでございます。
 しかしながら、この法案の下でも、外国人の親族や、重大な利害に係る用務の処理のため必要な者などとの外部交通につきましては、現行の運用と同様に、費用負担を理由としてその機会を失わせることのないよう適切な運用に努めていきたいと考えております。
#16
○千葉景子君 是非ここは、基本的には外部交通は制約をしないという基本に立ちながら運用をしていただくということをお願いをしておきたいというふうに思います。
 さて、この審議の中でも最も、共通認識と言ってもよろしいのがやっぱり刑務所医療の問題ではないかと思います。医療の充実の必要性というのは、多分これはここで議論をしている者共通の認識であろうと思います。
 しかし反面、この刑事施設内の医療の充実のまた困難さ、これもまた共通のある意味では認識かもしれません。特に医療従事者のリクルートの難しさと、こういうことは参考人等の御意見からも私も認識をさせていただきました。ただ、それだからといって、じゃ、ぼうっと待っているというわけにはまいりません。
 そこで、やっぱりいろんな関係機関含めて対処をしていくことを検討しなければいけないのですが、これについては事前に今どういう対応を取っておられるかということをお尋ねをさせていただいて、資料もいただきました。厚生労働省の方も、へき地医療のやっぱり医師の確保という問題も抱えておられるということで、それと同じようにすべて考えられるというわけではありませんけれども、そういう際のいろんな協議のノウハウなども参考になるのではないかと思われますが。
 行刑改革会議の提言を受けまして、平成十六年三月に、法務省で関係機関との連携協力体制を図るための関係省庁の連絡会議が開催されて、行刑施設の医療に関する協議会というのを各行刑施設の主催によってそれぞれの地域で設けていこうと、こういうことが決められて、通知がなされているということでございます。その後、厚労省も各都道府県などに対してそれにちゃんと協力せいと、こういう通知などを出されておられまして、簡単にちょっと、細かいことははしょりますけれども、各行刑施設で関係の自治体あるいは大学病院等々含めて協議の場を作っていこうということになっているようでございます。
 この実際の進捗状況、あるいは今後、この協議会などを通じまして、この医師の確保等々、成果の見込みなどはどんなふうに考えておられるのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
#17
○政府参考人(横田尤孝君) おっしゃられるように、矯正医療につきましては、医師の確保の問題を始めとして、なお様々な問題がございます。
 行刑改革会議の提言を受けまして、行刑施設における医療体制の充実を図るために、これまで中央省庁レベルで、法務省、厚生労働省、文部科学省、日本医師会等を構成員とした行刑施設の医療に関する関係省庁等連絡会議を開催いたしました。これは今委員御指摘のとおりでございます。
 さらに、当省におきましては、各行刑施設に対しまして、地元の医師会、それから地域の医療機関、大学医学部等との行刑施設の医療に関する協議会というものを開催をするよう指示いたしました。そして、その協議会等を通じまして、医師や医療スタッフの確保、外部病院への移送体制等についての協力を求めているところでございます。医師不足の深刻な地域等もあり、医師の確保等における現状は厳しい状況にございますが、引き続き地域医療機関等との連携強化を図り、その支援を得ながら、医療体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
 これまでこの施設レベルの行刑施設の医療に関する協議会というものは、本年三月九日現在でとらえましたところ、二十三の施設で開催されておりまして、今後の見込みはというお尋ねございましたけれども、なかなか大変難しゅうございますけれども、今後ともこういった機会を利用し、あるいはそのほかいろいろ知恵を絞りまして、この医療問題の解消に努めてまいりたいと考えております。
#18
○千葉景子君 なかなかその協議会を設置したからといって簡単ではないということは私も想像させていただきます。この問題については、医療については厚労省に移管をして、むしろその中で医療の充実図ったらどうかという提言などもなされております。今後の検討課題ではございますけれども、だからといってそうなるまで待っていようというわけにもまいりませんので、是非医師の皆さんも、一つの社会的責務ということも是非考えていただきながら、この協議会の場を通じましても、あらゆる角度から医療の充実、是非更に取り組んでいただきたいと思いますが。
 それにつけても、厚労省の方でも、やはり管轄は法務省なのだから横でお手並み拝見と言っているわけにはいかないわけで、むしろ厚労省がどんと引き受けて刑務所医療をきちっとしていこうというくらいの意欲を持っていただく必要もあろうかというふうに思います。少なくとも、こういう取組に積極的にサポートをしていく、あるいはともに力を尽くしていくということが求められると思いますが、厚労省、いかがでしょうか。
#19
○政府参考人(岩尾總一郎君) 委員御指摘のとおり、地域医療という面からいきましても、私どもの医療法に基づく指導監督の一環として、国の開設する刑務所内の医療機関ということで医療法の適用を受けるかと思います。そのような観点で、受刑者に対する適切な医療を確保するということで、十分法務当局とも連携を取って取組を進めていきたいと考えております。
 ただ、先生御承知のように、結果としてその患者さんの受刑施設からの搬送ですとか、それから外部での手術等々になりますと、やはり地域の正に医療機関との関係が一番大事でございます。したがいまして、都道府県あてに、私ども、先ほど御指摘ありましたような通知を本年の一月三十一日に出しておりまして、十分な対策協議会の中で連携を図っていっていただくよう自治体にもお願いしているところでありまして、折に触れてそのようなことを伝えていきたいというように考えております。
#20
○千葉景子君 是非そこはしっかりやっていただきたいと思いますが、やっぱりこういうときには大臣が十分にリーダーシップを取って、この刑務所医療、厚労省にもまたがりますけれども、それは厚労大臣ともしっかりと連携を図っていただいて進めていくということが必要だと思いますが、その御覚悟、一言お願いをいたします。
#21
○国務大臣(南野知惠子君) 先生が御心配していただいております受刑者の健康ということについても大切な課題でございます。その健康の保持と疾病の治療は、拘禁を行う国の責務でございます。
 法案におきましても、受刑者の健康及び施設内の衛生を保持するため、社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な措置を講じるものとしているところでございますけれども、一方で、刑務所の医療につきましては医師の確保が十分にできていないなどの問題もあることは承知いたしております。
 今後とも、関係省庁等とも連携しながら行刑施設の医療の充実に努めてまいりたいと考えており、もとより私自身、これにできる限り力を尽くす所存でございます。
 ありがとうございます。
#22
○千葉景子君 もう質問の時間がそろそろ終わりでございます。本来であればあと何点かと思っておりましたけれども、ちょっと指摘だけさせていただいて終わりたいというふうに思います。
 この刑事施設にかかわる問題、この施設の中だけではなくして、やっぱり社会復帰してそこの連携、あるいは社会に復帰した後の様々な問題、福祉との連携とか対処しなければいけないことがある。それから、逆に今度は社会のいろんなひずみをきちっとしていかないと、これも御指摘がありました、刑務所がいろんな福祉の不在あるいは不足、いろんなことが最後、刑務所にすべての最後のツケが回っているのではないかと、こういう問題もございました。
 そういう意味で、私は二つちょっと気になることがあるものですから、これは御指摘をして、是非念頭に置いていただきたい。
 一つは、最近、出所情報、これは性犯罪に対する出所情報を警察の方に提供をするというお話がありました。それを更に対象を拡大をしていこうという検討がなされているという、そういう話が出ておりました。いろいろと考えるところはあると思うんですが、せっかく、この間も話がありました、刑務所から社会復帰をして、新しいまた人間として出直していく、こういうときに、すべてまたその出所情報みたいなものを何かしょって、そして、いつも社会の中で存在しなければいけないということが今回のこの刑事施設の改善更生、社会復帰という大きな理念とどこか衝突する、そういうことはないのだろうか、こういうちょっと問題意識を持ちました。是非、そんなことも念頭に置いておいていただきたいというふうに思います。
 それから、前回も指摘をいたしました、今度は裁判でのちょうど審議をするところの医療観察法ですね、これがどうも何だか前へ進むんだか後ろへ下がるんだかさっぱり分からないと、こういう状況です。これもやっぱり責任を持って成立を図った法律でもあり、そしてやっぱり精神的な障害を持つ皆さんが安心して治療を受けながらまた社会復帰するということにつながるわけですので、その辺、そろそろ施行までの時間はもう二か月を切るというところに来ました。どうするのか。どっちへ行くにしても、これは責任重大です。施行できないとなったらこれは大変なことですし、施行するとなって、いやいや、準備はありませんと、これも責任重大です。どうするのか。これはいずれきちっとお答えが近々出るものと確信はいたしておりますけれども、問題が大変大きいということを指摘をさせていただきまして、今日の質疑を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#23
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 この法案の最後の質問になりますけれども、今日はまず更生保護の問題についてお聞きをいたします。
 先日、保護観察中の札幌の男性容疑者が、容疑者じゃないですね、男性が、東京に転居して少女監禁事件を起こすということが起きました。報道によりますと、七か月間この動向をつかめていなかったと。大臣は、必要ならば保護観察制度の見直しをしなければならない、状況、実情を把握し、取り組みたいというコメントを新聞等で出されているわけですけれども、その後、法務省として、保護観察中の転居については届出制から許可制にしたいというような報道も行われておりますが、この制度の検討内容についてどういうふうになっているのか、まずお願いをいたします。
#24
○国務大臣(南野知惠子君) 先般の安城市におけます通り魔殺人事件に続きまして、また保護観察対象による重大再犯事件が発覚したことを大変重く受け止めております。
 今回の少女監禁事件につきましては、現在、事務当局に指示いたしまして、保護観察の経過等について詳細な調査を、また分析を行わせているところでございます。
 法務省におきましては、二月に発表いたしました再犯防止のための緊急的対策に取り組んでおりますほか、今後、調査と分析をも踏まえまして、保護観察制度について見直す点がないかどうか、それも含めまして、幅広い観点からの検討を進めていくこととしたいと考えておるところでございますが、現時点において特定の項目に検討対象を定めているということではございません。
#25
○井上哲士君 報道によりますと、東京にこの容疑者がいるときは保護司が月一回訪れていたということですから、いわゆる観察官の直接担当ではなかったんだろうと思うんです。
 この保護司制度というのは、民間のボランティアに支えられた非常に誇るべき制度だと思います。それ自体は更に発展させる必要がありますけれども、やはりボランティアの域を超えるような責任は持っていただくべきではないと思うんですね。非常に困難な事案は増えています。社会環境も変わっている。そういう中でこういうボランティアの責務を超えるようなことをお願いし続けますと、本来の制度の役割を果たし得ないし、維持も困難になるんではないかということを三月の質疑でも申し上げました。
 国が責任を持つ部分を明確にして体制も充実させる、そこまで踏み込んだ見直しが必要だと思うんですけれども、その点、当局としていかがでしょうか。
#26
○政府参考人(麻生光洋君) 先生御指摘のとおり、現在の保護司さんと保護観察官の協働体制による保護観察制度は大変大事な制度であると思っております。また、先生御指摘のとおり、昨今の社会情勢あるいは犯罪情勢を反映いたしまして保護司さんの活動が困難になっていると、こういうこともまた事実でございます。一方で、保護観察官が行っております仕事につきましても処遇困難な事案等が増えておりまして、これらにつきましても、最近の情勢を踏まえまして、保護観察官による直接処遇を強化しようというふうなことも考えておるわけでございます。
 こういう状況を踏まえまして、私どもといたしましては、保護司さんの御苦労に少しでも報いるようなことができるように努力をいたしてまいりたいと思っておりますし、また保護観察官の、保護観察所の体制の充実を図る必要性が極めて高いということも考えておりますので、今後、御指摘の点も含めまして、鋭意努力してまいりたいと思っております。
#27
○井上哲士君 当日のテレビなど見ておりますと、こんな大事なところまで民間丸投げかなんという発言があったり、そして全国で千人程度しか観察官がいない、こんな体制でいいんだろうかということも、いろんな発言がありまして、今大変注目があるときだからこそ、私はこの制度自身をよく周知もして、体制自身の強化ということにも踏み込んでいく大変大きな時期だと思います。是非取組をお願いをしたいと思います。
 次に、医療の問題でお伺いをいたします。
 阪原さんという受刑者が再審を求めている、いわゆる日野町事件と言われている事件がありますが、この方は大阪の拘置所に勾留中に突発性間質性肺炎と診断をされまして、勾留執行停止になって大阪市内の病院に急遽入院をされました。その後、刑が確定をして大阪医療刑務所に収監をされ、さらに岡山刑務所、続いて尾道刑務所に移監をされているわけですが、入院中には四十五キロまで回復した体重がその後三十八キロまで下がって、御家族が面会しても、足がふらつくなど大変衰弱をしているということで心配をされているわけですが、なかなか詳しい病状とか治療内容が分からないということで、御家族は更に心配をされているという訴えを私ども聞いております。人道上の問題からも、社会復帰の促進という点からいいましても、やはり御家族に詳しい病状や治療内容は説明されてしかるべきではないかと思います。
 法案には直接このことはないわけですけれども、やはり法案の精神からいえば、より丁寧にこういうことが行われるべきだと思うんですけれども、その点のお考えをお願いいたします。
#28
○政府参考人(横田尤孝君) 今委員が御指摘になりました日野町事件でしょうか、これについての具体的対応について私、今詳細は承知しておりませんが、一般論としてお答え申し上げます。
 受刑者の親族から、本人の病状や治療状況等について説明してほしいという、そういう趣旨の申出がございました場合には、病状、本人の意向等を踏まえ、必要に応じて説明しているところでございまして、今後とも適切な対応に努めてまいりたいと考えております。
#29
○井上哲士君 現状でこういう改善の声があるわけでありますから、法改正の精神、趣旨にのっとって、より丁寧な対応を重ねてお願いをしたいと思います。
 それからもう一つ、この提言の中では、特に今大変覚せい剤乱用歴のある受刑者が多い、その中では覚せい剤精神病に罹患をして処遇困難者となっている者も多数いる状況にあるということを指摘をして、特に重篤な者を集めて収容し、専門的かつ集中的な治療や教育を行う、そのための薬物中毒治療センターなどが必要ではないかと、こういうことが提起をされているわけですが、この点の具体化はどうなっているんでしょうか。
#30
○政府参考人(横田尤孝君) このいわゆる薬物中毒治療センターというのは行刑改革会議の提言でも触れておるところでありまして、現在私どもこれと別に、同じく行刑改革会議が提言で矯正医療センターというものがございまして、現在それについて調査費の予算措置がなされましたので、現在それについては検討しておりまして、その中で、この薬物中毒治療センターの矯正医療センター内への設置の適否、それから薬物中毒後遺症患者の治療対象範囲等につきましても併せて検討しているところでございます。
#31
○井上哲士君 では次に、先ほどもありましたけれども、保護房の点についてお聞きをします。
 法案でも収容の要件や期間等々などについて改善をされてきているわけですが、更新回数に制限がありませんので、結果としては期間の上限がないということになります。名古屋や府中などの事件を見ますと、長期の収容が大変重大な結果を招いていることから考えますと、やはり上限をつくることが必要ではなかったかと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
#32
○政府参考人(横田尤孝君) この上限につきましては、これまでもいろいろ御質問、御指摘を受けているところでございますが、やはりこれはあくまでもその保護房に入っている人の状況によりますので、初めから上限を設定するということ、これは大変難しいことでありますので、むしろその保護房の適正な運用を図っていくことの方が重要であるというふうに考えております。
#33
○井上哲士君 いろんな改善はされているのは承知をしているわけですけれども、しかし、やはり私は、いろんな経過からいいますと、一定の上限をつくっていくことが必要だということも重ねて言っておきます。
 同時に、この保護房運用上の改善については、五十六条で刑務官の執行権限として規定をされています。未決の処遇についての法令などは今後の協議ということでありますけれども、少なくともその間もこの保護室収容に関する規定と同様の内容が未決や死刑確定者についても行われる必要があると思いますけれども、この辺はどういう手当てがされているでしょうか。
#34
○政府参考人(横田尤孝君) 今回の法改正を行わないこととしております未決拘禁者等の処遇につきましては、関係機関との協議を進めて、できる限り早期に法改正を実現したいと考えておりますが、御指摘のこの保護房の運用につきましても、その適正さを確保することは、これは受刑者と未決拘禁者等を問わず変わらないことでございます。本法案の趣旨を踏まえまして、現行通達の一部修正を図るなどして適切な運用に努めてまいりたいと考えております。
#35
○井上哲士君 同様の水準、内容で未決、死刑確定者にも行えるようにすると、そういうことで確認してよろしいですか。
#36
○政府参考人(横田尤孝君) 運用面においてそのようにするという趣旨でございます。
#37
○井上哲士君 あと、参考人質疑で出された点について一点お聞きしておきますが、法案の八十二条の改善指導の規定で相談助言というのが落ちたと、今後のこの改善指導の中でこの相談助言が抜けてしまうんではないかという疑問が出されましたけれども、この点はどう考えたらいいんでしょうか。
#38
○政府参考人(横田尤孝君) お答えいたします。
 この法案八十二条における改善指導は、犯罪の責任を自覚させ、健康な心身を培わせ、社会生活に適応するのに必要な知識と生活態度を習得させるため必要な指導でありまして、一般的な生活態度の改善も目的とするものでございまして、また、その指導の手法として相談助言を行うことも当然予定しておるところでございます。
 この旧、昔の刑事施設法案がございますけれども、そこでは生活指導として体育、相談助言その他の必要な指導及び訓練を行うということがございましたので、その相談助言というのは一体どこへ行ったのかというお話になるのだと思いますけれども、これは相談助言その他の必要な指導というふうな、これ例示として挙げているわけでございまして、やはり指導というこの法案八十二条の中にそれはすべて含むということでございますので、そう御理解いただきたいと思います。
#39
○井上哲士君 もう一点、不服申立て制度について。
 この管区を越えて移送された場合に、移送前の施設に対する不服の取扱いはどうなるかという疑問も出されておりましたけれども、この点はどうでしょうか。
#40
○政府参考人(横田尤孝君) これも参考人の意見聴取の際に出たお話でございますけれども、これは結局、あのときの話は、確定施設と処遇施設が異なる場合にいろいろ問題が起きるんじゃないかということでございました。
 この法案百十二条一項は、審査の申請につきまして、刑事施設の長の措置に不服がある者は、当該刑事施設の所在地を管轄する矯正管区の長に対し、審査の申請をすることができると、こうしておりまして、御質問のように確定施設の長に、あるいはこの前の参考人意見にありましたように、確定施設の長の措置に対して不服がある場合には、処遇施設に移送された後であっても確定施設を管轄する矯正管区の長に対して審査の申請を行うことになりますので、したがいまして、その管区を越えて移送された場合でありましても、調査、裁決の権限の委任その他の問題というものは生じないというふうに考えております。
#41
○井上哲士君 最後に、刑務官の団結権の保障についてお伺いをいたします。
 行刑改革会議でも、「不満を吸い上げて待遇の改善に資するとともに、ひいては被収容者の人権尊重にもつながるのではないか」と、こういう指摘がありながら先送りをされたわけですけれども、この点は今後どう検討されるんでしょうか。
#42
○政府参考人(横田尤孝君) 国家公務員法百八条二第五項は刑務官の団結を認めておりません。その趣旨は、この刑務官の任務にかんがみまして、特に強固な統制と厳正な規律に服せしめる必要があるからだというふうに認識しております。
 近年、行刑施設におきましては、被収容者の急増に伴いまして刑務官の職務負担の増加が顕著でありますために、常日ごろから職務研究会や個別相談等の機会を活用いたしまして、可能な限り刑務官の職務上の悩みや相談を上司が聴取することに努めているところでございます。
 平成十五年六月には矯正局に窓口を設置いたしまして、刑務官が矯正局参事官に直接相談、提言できる体制を整備いたしましたほか、平成十六年三月からは、こうした窓口を矯正管区にも拡大したところでございまして、このような制度は相応の利用がなされているところでございます。
 今後とも、職員から寄せられた相談、提言等を施設運営に反映させるなどしまして、刑務官の日ごろの悩みに適切に対処するとともに、行刑改革会議提言を十分踏まえつつ、職員の勤務条件の改善に努めてまいりたいと考えております。
#43
○井上哲士君 この点はILOからも勧告を受けております。今回の法案の柱が国際化ということであれば、是非踏み込んでいただきたかった。提言はいろんなことで検討と書いてありますけれども、この部分だけ真剣に検討すべきと書いてありますので、是非、言葉だけでなく真剣に検討していただきたいと思います。
 終わります。
#44
○委員長(渡辺孝男君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本案の修正について井上哲士君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。井上哲士君。
#45
○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律案に対する修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりであります。
 これより、その提案理由を御説明申し上げます。
 刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律案は、行刑改革会議の提言や確立された国際人権基準から見て、受刑者の人権保障、刑務官の執務環境改善、刑務所運営の透明化などの面でまだ不十分な点はありますが、現実に刑事施設の処遇を前向きに変えていくものと考えます。
 しかし、本案には警察留置場、いわゆる代用監獄の管理運営に関する規定、代用監獄に収容されている受刑者の処遇等に関する詳細な規定が設けられています。我が党は、人権侵害の温床であり、冤罪の元凶であると言われ、国際諸機関からも厳しい批判を受けている代用監獄については廃止を求めてきました。代用監獄を含む未決拘禁については全く白紙で、その廃止を含めて今後一から検討、協議すべきものとされています。にもかかわらず、代用監獄の詳細な規定を置けば、それが一部の受刑者に関する規定を中心とするものであるとしても、結局は今後議論する未決拘禁者の処遇を先取りし、拘束するものとなるおそれがあります。
 このような観点から修正案を提起するものであります。
 以下、修正の概要を申し述べます。
 第一に、警察留置場に関するすべての規定を本則から削除し、これらの規定のうち管理運営、受刑者の処遇に関する規定等を刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律に置くものです。警察留置場、いわゆる代用監獄の扱いは、今後検討される未決拘禁者の処遇改善の議論において協議されるべきものであり、今後の議論の前提にならないよう明確にするためです。
 第二に、警察留置場の管理運営等における警察庁長官による巡察の規定を削除するものです。この規定は特に緊急性を要する問題でもなく、今後検討される未決拘禁者の処遇の中で協議されるべきものであり、今回特に規定する必要はありません。逆に、このような新たな規定を設けることにより、今後議論する未決拘禁者の処遇を先取りするものとなるおそれがあるからであります。
 第三に、警察留置場における防声具の使用に関する規定を削除するものです。防声具については二〇〇四年四月に死亡例があり、それ以降警察留置場で使用されていないことや刑務所、拘置所においては防声具の使用は禁止されていることなどから、使用すべきではありません。
 以上が法案に対する修正案提出の理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ委員各位の御賛同を心からお願い申し上げます。
#46
○委員長(渡辺孝男君) これより原案及び修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、井上君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#47
○委員長(渡辺孝男君) 少数と認めます。よって、井上君提出の修正案は否決されました。
 それでは次に、原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#48
○委員長(渡辺孝男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、千葉景子君から発言を求められておりますので、これを許します。千葉景子君。
#49
○千葉景子君 私は、ただいま可決されました刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
 一 刑事施設における過剰収容状況を早期に解消し、単独室原則を考慮した居室環境や一日一時間を目標とした運動環境の検討を含め、被収容者の生活環境の一層の改善を図るとともに、刑事施設職員の過酷な執務環境を改善するため、必要かつ十分な予算を確保し、刑事施設の人的・物的整備に努めること。
 二 刑事施設における医療充実のため、関係省庁とも連携し、十分な医師等を確保するとともに、地域医療との連携の更なる強化に努めること。また、医療上の措置を必要とする受刑者に対しては、できるだけ受刑者本人の診療希望に配慮すること。併せて、精神医療については、出所後も引き続き必要な医療が確保されるよう、体制の整備を検討すること。
 三 受刑者が社会と良好な関係を維持することが、その改善更生及び社会復帰に不可欠であることにかんがみ、親族との面会については、土曜・休日及び夜間の面会を可能にするための体制整備に努めるとともに、弁護士との面会については、受刑者の権利行使を阻害することのないよう配慮すること。また、外部通勤及び外出・外泊制度等については、本制度が導入された趣旨を踏まえ、対象者の選定などにおいて、適切な運用に努めること。
 四 刑事施設視察委員会は、弁護士等の法律実務家を始め、幅広く各界各層から委員を選任することとし、委員会が刑事施設の長に述べた意見は、本制度が導入された趣旨にかんがみ、行刑に十分反映させるよう努めるとともに、刑事施設への国民の理解を深めるため、国民にも適切に公表すること。
 五 薬物犯罪者や性犯罪者を含む受刑者が改善更生し社会復帰することが、再犯の防止につながり、ひいては国民全体の不安解消・利益となることにかんがみ、適切な処遇プログラムの策定、専門的知識・技能を有する職員及び民間人の積極的活用、社会の支援体制の強化など、矯正処遇及び社会内処遇を強化する施策を講じること。特に、処遇プログラムの策定に当たっては、受刑者に責任を自覚させた上での真の改善更生を図るため、被害者等による講演など被害者の視点を取り入れた教育の充実・強化に努めること。また、受刑者の再犯防止には就労の安定も効果的であることにかんがみ、協力雇用主の拡大等を図ること。
 六 受刑者の生活及び行動に対する制限については、人権尊重の観点から、隔離、保護室への収容、懲罰の執行中の行動制限などが合理的な限度を超えることがないよう、適切な運用に努めること。
 七 不服審査、事実の申告制度に関して設置される予定の刑事施設不服審査会の委員には、刑事拘禁施設における人権保障や医療の在り方について法務省から独立し優れた識見を有する者を選任すること。また、自ら不服申立てを行う能力のない者についても不服審査書を作成することのできるよう特段の配慮をすること。
 八 外国人受刑者については、本国における処遇が、その改善更生及び円滑な社会復帰の促進にとってより重要であることにかんがみ、関係国との受刑者移送条約の早期締結に努めること。
 九 代用監獄制度の在り方を含め、未決拘禁者等の処遇等については、日本弁護士連合会との協議を迅速に進め、早期の法整備の実現に努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#50
○委員長(渡辺孝男君) ただいま千葉君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#51
○委員長(渡辺孝男君) 全会一致と認めます。よって、千葉君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、南野法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。南野法務大臣。
#52
○国務大臣(南野知惠子君) ただいま可決されました附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
 ありがとうございました。
#53
○委員長(渡辺孝男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任いただきたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#54
○委員長(渡辺孝男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト