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2005/06/09 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 法務委員会 第22号
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2005/06/09 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 法務委員会 第22号

#1
第162回国会 法務委員会 第22号
平成十七年六月九日(木曜日)
   午後一時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月七日
    辞任         補欠選任
     広田  一君     江田 五月君
 六月九日
    辞任         補欠選任
     尾辻 秀久君     秋元  司君
     松岡  徹君     峰崎 直樹君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         渡辺 孝男君
    理 事
                松村 龍二君
                吉田 博美君
                千葉 景子君
                木庭健太郎君
    委 員
                秋元  司君
                荒井 正吾君
                山東 昭子君
                陣内 孝雄君
                関谷 勝嗣君
                鶴保 庸介君
                江田 五月君
                前川 清成君
                峰崎 直樹君
                簗瀬  進君
                浜四津敏子君
                井上 哲士君
   国務大臣
       法務大臣     南野知惠子君
   副大臣
       内閣府副大臣   七条  明君
       法務副大臣    滝   実君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  富田 茂之君
       財務大臣政務官  段本 幸男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 英明君
   政府参考人
       公正取引委員会
       事務総局官房審
       議官       小島愛之助君
       金融庁総務企画
       局審議官     振角 秀行君
       金融庁総務企画
       局審議官     厚木  進君
       金融庁総務企画
       局審議官     鈴木 勝康君
       総務省自治税務
       局長       板倉 敏和君
       法務省民事局長  寺田 逸郎君
       財務大臣官房審
       議官       佐々木豊成君
       経済産業大臣官
       房審議官     舟木  隆君
       中小企業庁事業
       環境部長     鈴木 正徳君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○会社法案(内閣提出、衆議院送付)
○会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(渡辺孝男君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る七日、広田一君が委員を辞任され、その補欠として江田五月君が選任されました。
 また、本日、松岡徹君及び尾辻秀久君が委員を辞任され、その補欠として峰崎直樹君及び秋元司君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(渡辺孝男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 会社法案及び会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に公正取引委員会事務総局官房審議官小島愛之助君、金融庁総務企画局審議官振角秀行君、金融庁総務企画局審議官厚木進君、金融庁総務企画局審議官鈴木勝康君、総務省自治税務局長板倉敏和君、法務省民事局長寺田逸郎君、財務大臣官房審議官佐々木豊成君、経済産業大臣官房審議官舟木隆君及び中小企業庁事業環境部長鈴木正徳君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(渡辺孝男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(渡辺孝男君) 会社法案及び会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○秋元司君 自由民主党の秋元司でございます。
 今日は差し替えという形でこの委員会の質問に立たせていただきました。
 立ったままでいいんですか。座ってよろしいんでしたっけ。
#7
○委員長(渡辺孝男君) はい。
#8
○秋元司君 よろしいですか。失礼しました。
 差し替えということで今日は質問をさせていただきます。ですから、実は、この今日の日を迎えるまでに与野党ともにいろんな活発な議論があったと思うんですが、今日は私は議事録を一切見ない形で質問に臨ませていただきますので、多少ダブる形があったらお許しいただけたらと思います。
 まず、私、今回のこの法整備につきまして様々な思いがいたしております。いろいろと幾つか、何点かあるわけでありますけれども、当然、設立時の出資額の規制の撤廃だとか、又は中小企業に向けた会計参与の制度の創設、そういった前向きな法整備については非常に私は喜ばしいことであると思いますし、これからもっともっとベンチャーが出てくる、そしてそのベンチャーがもっともっと発展しやすくなる。又は中小企業についても、今後、日本の伝統と文化がある中小企業であるわけでありますけれども、もっともっとこれから発展するためにはやはりこの会計というものをしっかりしなくちゃならない。そういうことの中でのこういったものの創設、これは大いに奨励するものでありますけれども、当然、法改正をする中には、メリット、多少の不安、デメリットとは言えないでしょうけれども、そういった不安がある中に、これを法改正した後、様々な障害が出てしまってはいささか大変である、そういった思いの中で今日は質問をさせていただきたい。
 その中で、今日は主にMアンドAについてと、そして、そのMアンドAに基づいて、買収の防衛策に関する指針、これは、つい先日、法務省とそして経済産業省合同でされた指針だと聞いておりますが、この点を何点かお聞かせいただきたいと、そのように思っております。
 まず、その前に、冒頭に、この法整備の必要性、このことについて少し関係各位の皆さんの話をお伺いしたいと思っているわけでありますが、まず、なぜこの今の時期にこれを持ってこようと思ったのか。そして今、日本における経済の状況、特にバブル崩壊後、日本の企業が低迷する中で数多くの外資系企業が日本へ進出してき、またそのおかげで良くなった面もあれば、一部、ハゲタカファンドと呼ばれる中で日本の資産が一部食い物になってしまった。そういったことが混在する状況の中で、今回の法整備の必要性について大臣にお伺いしたいと思います。
#9
○国務大臣(南野知惠子君) お答えいたします。
 合併対価の柔軟化を含めた企業の組織再編行為の柔軟化に対する改正、また基本的には我が国企業の国際的競争力の強化にとって組織再編の効率性、柔軟性を高めることが重要である、そのような観点から改正を、観点から行っております。
 組織再編行為の柔軟化につきましては、我が国経済界のかねてからの要望事項でもあり、会社法制の現代化に関する要綱試案におけるパブリックコメントでも、日本経団連を始めとして経済界からの賛成意見のみが寄せられておりました。具体的改正内容につきましても、法制審議会等において、商法学界、経済界、関係省庁等を代表する委員の先生方等に十分御議論いただきまして、この上で決定させていただいたわけでございます。
#10
○秋元司君 という話から、大臣の話から想定させていただきますと、あくまでこれは日本側の企業の、又は日本側のそういった各団体からの要望に基づいて法務省として議論を始めた、こういった理解でよろしいでしょうか、大臣。
#11
○国務大臣(南野知惠子君) 我が国の商法でございますので、我が国のスタイルというものを取っていこうということでございます。
#12
○秋元司君 実は、なぜ今日はそういった質問を冒頭に持ってこさせていただきましたというと、今この委員会では関係ない話でありますが、郵政の民営化を始め、この委員会では関係ある司法制度の改正と、いろんな様々な議論が出てきて、今現在も審議中のものもあり、そしてもう続行されたものもあるわけでありますけれども、実はこういったものが日本でクローズアップされるきっかけというのは、一部こういったことが議論しているグループもありますけれども、非常にアメリカが日本に対して様々なことを、規制改革を含めた要望書を毎年出してきている、こういった話があるわけであります。
 この話をひもとくと、当然、日米貿易摩擦、それから日米構造協議という話になる中に、あのときは様々な要望を日本に対してアメリカが行ってきた。しばらくその話がもうなかったわけでありますから、私はもうてっきりそういったものはないのかなと思っていたわけでありますけれども、それが実は構造協議、スーパー三〇一条以来ずっと毎年のように形を変えて、年次改革要望書であり、又は近年では日米規制改革及び競争政策イニシアチブに基づく日本政府への米国要望書という形で毎年のように要望書が送られているという現実を見る中に、私もそういった話を興味を持ちまして、この資料をどこで手に入れることができるのかと思ったら、簡単にホームページで、アメリカの日本にある在日米大使館、ここのホームページにアクセスすると、丁寧に日本語に和訳されておりまして、その要望書を拝見させていただいたところであります。
 その要望書を見ますと、中にはいろいろたくさん羅列されているわけでありますが、主に個別産業別の市場参入という形で、いろんな形で項目別の中に、実はこの今回の会社現代法は、特に合併対価の柔軟化、このことについてアメリカからこの「商法」という項目の中にきっちりといろんな要望が書かれておりました。その中にこの三角合併もあり、そして当然外国株を使った株主交換を認めるべきだという要望もあって、そこの、御丁寧にその締めくくりには、しっかり次期通常国会に提出をするようにということまで明記されているわけでありまして、次期通常国会でありますから、実はこの要望書が出されたのは二〇〇四年の十月でありまして、毎年この十月、秋ごろにはアメリカからしっかり来る。
 それで、昨年の四月ごろにこれが来た。それで、日本でも議論になってきているし、さかのぼってみますと必ずそういったことが触れられたことがあるわけでありますが、法務省としては一応この事実確認を、アメリカの要望書というのを目に触れながら、体しながら、一応は検討の余地に入ったんでしょうか。
#13
○政府参考人(寺田逸郎君) おっしゃるとおり、この合併対価の柔軟化を始めとする会社の組織再編行為に係る規制の改革に関する要望、これはアメリカ政府の方からも、今委員の御指摘のとおり、日米規制改革及び競争政策イニシアチブに基づく日本政府への米国政府要望書、具体的には二〇〇四年の十月に出されておりますけれども、それで我々も目にしたところでございます。この中には、今申し上げた三角合併等が具体的な要望項目として挙げられているところでございます。
#14
○秋元司君 ちなみに、参考までにお伺いしたいんですけれども、こういった要望書、当然ホームページをアクセスすれば見れるわけなんで、担当官、こういったものに対する担当官は、まあ役人の方でもだれでも見れるわけでありますけれども、一応、要望書が公式に日本政府に出されたときには、形として、これ何か外務省から各省に振られてくるのか、若しくは官邸側辺りで、今回はこういう要望書が来たから、各省に振り分けられて、今回アメリカからはこういう要望書が来ているというふうに出されるのか、どういった経緯になっているんでしょうか。
#15
○政府参考人(寺田逸郎君) 具体的にこの二〇〇四年の十月がどうだったかということはちょっと今承知しておりませんが、一般的にこの米国政府の要望書はおっしゃるとおり毎年出されておりまして、それは関係省庁の関係する部分についてそれぞれ省庁の担当官に送られてくるわけでございます。
#16
○秋元司君 当然、そういうことですから、まあアメリカという国ですから、日本もそれについて無視するわけにはいかないということの中で何らかの回答を出していかなくちゃいけない、そういうことの中で一生懸命役所で取りあえずは審議をし、そして外すものは外し、そしていいと思うものは採用して、それなりに法を通すためには、まず与党との法案のすり合わせということになるんでしょうから、そういったプロセスに行くんじゃないかと思うんですけれども、過去において、そういう要望書が来たときに、まあこれは日本にそぐわないから外そうということをもってけった例というのはあるんでしょうか。
#17
○政府参考人(寺田逸郎君) これは私、ちょっと今具体的にどういう項目があるかは承知しておりませんが、アメリカの要望が一〇〇%満たされるということはこれは現実にはないことでもございますし、今回のアメリカ政府の要望書に含まれているかどうかちょっと記憶がございませんけれども、一般的に外国の株式会社と日本の株式会社がそれ自体として合併するということの要望が外国から例えば寄せられて、アメリカからも当然そういう要望が、この要望書に載っていたかどうか記憶がございませんけれども、ございますが、それについては今回実現していないわけでございます。例えば、そういう項目があることは、これはもう全く否定できないところだろうというふうに思います。
#18
○秋元司君 是非、これは私からの逆に要望でありますけれども、やっぱり日本は日本独自の考え方があって、当然、今グローバル化と言われている中で日本も企業の会計基準、これを国際基準に当てはめていこう、そういった動きの中で議論があるのは承知しております。ただ、日本というのはやっぱり、俗に言う、アメリカとは国の成り立ちが違って、これは自然発生的にできた国家である、アメリカは人工国家である、そういった企業に対するインフラ、そういったことも違うわけでありますから、やはり日本独自のものをしっかり考えていただいて、やっぱり民間、いろんな団体と協議しながらいろんなものを進めていっていただきたい、そのように思わしていただくところであります。
 そういった中で、今回の法整備、先ほど大臣の方から、これは日本の団体から要望があった、だからしっかりやっていかなくちゃいけない、そういうお話でありましたから、大臣のお言葉を信じて、今回の法制は、法整備は日本のためになるんだということの中で私も理解をさせていただきたいなと思うわけでありますが、ただ若干気になるのは、最近、大手企業といえども、大体株主が多く外国人に買われてしまったということもあって必ずしも純粋に日本の会社じゃないということもあって、日本の大手企業の中にはアメリカの市場での公開している会社もあって、そうなりますと、アメリカの市場に合わせた日本の現地法人の体制もしていかなくちゃいけない、そういった様々な問題を含んでいることの中で非常に複雑な要因が発生していると思いますので、その辺も含めて今後とも冷静な対処をしていただきたい、そのように冒頭に御要望を申し上げさせていただきたいと思います。
 次に、ちょっと個別的な話になりますが、MアンドAについてでありますけれども、今回のMアンドA、特に合併対価の柔軟化、正にアメリカの親会社の株価をもって日本の子会社がいわゆる消滅する会社を買収して、結果的には、この消滅会社の株主、そこに外国株を充てて合併しようという案でありますけれども、これについては我が党でもいろいろ議論になりましたし、まあこの議論の引き金というのは、固有名詞を出して大変恐縮なんですけれども、ライブドアさんのいろんな報道によって、まああの報道がすべて正しかったとは思いませんけれども、いろいろと不安な要素もあったというのは私は事実であろうと思っております。
 そういったことの中に、非常にこのMアンドA、特に今回の合併対価の柔軟化については非常に注目された点であったと思うんですが、まずこの三角合併等で発生する、発生するというのは、当然株を交換するわけでありますから、そのときは当然日本の子会社を通じての交換、そういったことにつながると思いますので、そこで譲渡課税、これが発生するわけでありますけれども、これ日本では、日本企業がやった場合においてはこれ繰延べが許されるという話であったと思うんですが、外国企業がやった場合においては、これ繰延べ、認められる形になっているんでしょうか。これ、財務省ですかね。
#19
○政府参考人(佐々木豊成君) 三角合併についてのということでよろしゅうございますね。
 三角合併につきましては、正に御指摘のとおり、原則、合併一般原則につきまして申し上げますと、そこに資産の移転が行われるわけでございますので原則課税でございますが、商法、平成十二年、十三年、商法改正ございまして、企業再編法制が整備されたときに、一定のグループ内の合併あるいは共同事業を行うような企業再編につきましては一定の要件の下に課税の繰延べを認めるというような措置を、税制上の措置をとっております。
 ただ、その企業再編の条件としまして、合併の場合には、被合併法人の株主が合併法人の株を受け取るということを条件としております。そういうわけで、今回の合併等対価の柔軟化ということで三角合併を行います場合、親会社の株式を、相手方の株式じゃなくてその親会社の株式を受け取るという場合には税制上の手当てがなされておりませんので、日本の企業も外国の企業もいずれも課税になります。
#20
○秋元司君 ちなみに、参考までに諸外国の状況を聞かせていただきたいんですけれども、まあ一番近いので、じゃアメリカの状況、もし分かればお願いしたいと思います。
#21
○政府参考人(佐々木豊成君) 諸外国の状況ということでございますが、三角合併という制度そのものが認められておりますのが、諸外国といいましても全部調べたわけではございません、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスの四か国で見ました場合には、三角合併という形態が認められておりますのはアメリカだけでございます。
 そのアメリカの場合も課税関係は、三角合併の場合に直ちに課税関係が生じないというわけではありませんで、その一定の条件を、株主あるいは継続して株主になるとか、幾つかの条件を付した上で、課税関係、課税の繰延べが認められるというような制限付きでございます。
#22
○秋元司君 今のお話でもありましたように、今回の三角合併、日本ではこういう制度を導入したわけであります、導入しようという今動きでありますけれどもね。実は諸外国においては、特にヨーロッパ等ではこの三角合併という制度がないんですよね。ですから、私が非常に気になるのは、もっともアメリカにおいても、アメリカはそれぞれ州法での話でありますから全部五十数州がこれを導入しているというわけでもないということが事実ありますから、そういうことにおいては、日本がまずはこれをなぜ導入しなくちゃいけないのかなというのもいささか疑問が残るわけでありますけれども。
 まあ、それはさておきまして、いずれにしても、導入するということになれば当然これを使いやすくするしかないわけでありまして、これが言ってみれば一種の、何といいますか、買収の防衛策にも一部なるのかなという、日本側から見ればそれはいい解釈になるわけでありますけれども、また、せっかく、こういったことを導入することによって、国際金融市場又は国際証券市場からどんどんと投資を促進するという面からは非常にこれ使い勝手が悪い制度になって、非常に相矛盾した制度になっているんじゃないかなと思う中に、まあ私は日本の立場から考えますとこれはこのままでもいいという気持ちもありますけれども、制度をもっともっと、つくったならば使いやすくするという原理原則からいえば、この点、今後は協議していかなくちゃいけない事項じゃないかなというふうに思う次第であります。
 要は、今回の、今のお話にもありましたとおり、やっぱり私がなぜ三角合併についてこんなにこだわったかというと、日本がいろんな法改正をするときに、当然、法改正をするわけでありますから、今、日本が抱えている現状、そういったもろもろをやるわけでありますけれども、そういった中に紛れて、どうしても言うことを聞かなくちゃいけないと思う国からは、国のものについては混ぜてやってしまえば、がらがらぽんになってまあいいんじゃないかというような局面が多々あるやに聞くわけでありまして、多くの過去、先輩議員からも聞くと、よく日本的なやり方としてあるんだよなという話も聞いた次第でありまして、それは具体的にどういう経緯がどれだとか今日は申し上げませんが、そういうことの中にこの三角合併というのは非常に一部そういった疑問が残る私は制度じゃないかなと思う次第であります。
 そして、当然、冒頭にも申し上げましたけれども、グローバル化ということを議論するのであれば、やっぱり日本はヨーロッパそしてアジア、そういった国々との協調ということもあると思うので、すべて経済の分野においてアメリカだけに偏るということは私はいささか疑問が残るなと思う中で、この点を一点だけ指摘させていただきたいと思います。
 そういったことの中で、当然日本における対日投資というものを促進する、これは当然、そのことによって日本の経済を活性化させる、そういった議論の中でこの話があるわけでありまして、この活性化の中には当然新しい雇用が生まれたり、そして新市場が生まれ、創成される、これが理想の姿であると思いますが、今現在、例えば日産みたいな成功例だけがあるわけじゃなくて、外資系対日投資の結果どういう実態があるかというと、当然仕事の中は、オーナーが替わっただけじゃなくて、一部営業譲渡がされたり、そしてまた、そういったいろんな資産をばんばん丸ごと買い取ってしまって、日本の企業の現状とそぐわない大きな金がすとっと動いて、それで一瞬日本は不良債権処理されて良かったのかなという話も起こるわけでありますけれども、またそれを安い金で買われたものを日本が高い金で買わされてしまう、そういった悪循環になっているケースもある。
 そういったことの中で、やはり私は、早期に日本における投資のメカニズムと、そして金融のメカニズム、特に日本の場合は長く間接金融ということの中に、まだまだ直接投資、それがイコール株価に反映されて配当も出てという社会にはなってないわけでありますから、まだまだ日本の金融機関が果たしていく役割、やっと不良債権が減ってきて、今は何か金融機関にはお金がだぶついている、そんな話もありますけれども、私は一刻も早く金融機関にしっかりした指導、指導と言うと言葉に語弊がありますから、しっかり育成をして、そして、言ってみればビジネスモデルをちゃんと自分たちを議論して、そこにぴしっと融資なり投資なりをしていく、そういった方向に持っていくべきじゃないのかな、そういった思いが強いわけでありますけれども、金融庁、今金融機関に対する育成、どういったことを考えていらっしゃるか、お願いしたいと思います。
#23
○政府参考人(鈴木勝康君) ただいま大変示唆に富む御指摘を賜ったわけでございますが、将来性のある企業ですとか、確たるビジネスモデルを持った企業を含みますそうした企業に対する金融機関の融資の在り方といった点でございますけれども、御指摘のとおり、こういった与信先の将来の技術力ですとか販売力ですとか成長性ですとか、そういったものをしっかり見ていくと、それからもとより、事業計画ですとか財務状況、返済財源も的確に把握すると。そうした中で、将来性をもかんがみて、これらの情報を基に健全な借り手に対してその信用リスクに応じた金利設定等を行っていくと、適切な融資を行うと、こういうことが重要であるという御指摘であると思いますし、私どもも同様な認識を持っているわけでございます。
 御承知のように、金融庁としましては、昨年末に公表しました金融改革プログラム、それから三月末に公表いたしております地域密着型の金融機能の強化の推進に関するアクションプログラムにおきましても、そういった観点から、例えば起業・事業展開に関する情報の提供ですとか、創業・新事業の成長段階に応じた適切な支援ですとか、創業・新事業支援機能等の強化に向けた取組を行うよう要請しているところでございます。
 御指摘のように、金融庁としましては、今後とも各金融機関に対して、担保ですとか保証に過度に依存しない、そうした融資に対する取組を一層推進していくことを要請すること等によりまして、今御指摘いただきました将来性のある企業や、確たるビジネスモデルを持った企業を含む中小企業等への円滑な資金供給が図られるよう、今後とも努めてまいりたいと考えております。
#24
○秋元司君 是非それを推進していただきたいし、市場というか、一部の銀行さん又は企業から結局話を聞きますと、どうしても金融庁さん、取締り官庁になっちゃったのかなんて、そんなこともちらほら聞きますので、やはり両面を持ってやっているんだと、そういったことで頑張っていただきたい、そのように思う次第であります。
 次に移らせていただきますが、次に買収防衛策に関する指針についてであります。
 実は、立派なものを作っていただいた、このことについては大変私も敬意を申したい、そのように思う次第でありますけれども、実は、こういう買収だとか買収防衛策、これはあくまで、あくまでこれは市場が考える話でありまして、本来役所がこういう指針を作るということも、本当の健全な民間の市場の姿から考えると果たしてどうかなという気持ちもあるわけでありまして、これは実に日本的な考え方であるなということをまず指摘させていただきながら、しかし、さりとてそうはいっても、まだ日本における企業防衛策又はこういった考えについては全然まだ一般にはよく分からないということでございますから、日本の役所がこういったものを指針を作りながら、これがある程度の最低限のラインだよということを示すことは大変私はいいことであったと、そう思わしていただいたわけであります。
 当然、この防衛という話になりますと、先ほども申し上げましたが、例のライブドアの件によって、防衛策、やはり何か企業としてはとにかく防衛しなくちゃいけないということの中で、やっぱり過剰防衛というのが非常に今後行われるような気がして、そうなると、日本国内においてもいろんなMアンドAというのが進んでいく中に、MアンドAそのものを全然私は否定するものじゃありませんから、もっともっと企業が又は株主がそれぞれの意識の中で向上するということは私は当然のことであるし、そうであってはならなくちゃいけない。それで、会社を任されている役員もそれぞれ切磋琢磨しながら伸びていくためには、常にこういったものが表裏一体であるということは私は必要性を感じるわけであります。
 その中におきまして、この指針に関しまして、ちょっと中でお伺いしたいことがあるわけでありますけれども、いただいた紙の中の、特に取締役会の決議による導入。これは株主総会の決議による導入と取締役会の決議による導入、二パターン、これは用意された紙になっておりますが、取締役会決議による導入の中にまたこれは二つ分かれていて、要は、取締役会の中である程度のものをこの防衛策というものを決めていくパターンと、そして別に、何といいますか、企業監視、監査するということの中で、別途組織をつくって外部監査を、独立社外型チェックをするという形と、言葉で言うと客観的廃止要件設立型というんですかね、枠の中に二つあるわけでありますが。
 そこで、この客観的廃止要件設定型の中に「廃止要件の客観性の確保」というふうに書かれているんですけれども、これ具体的にどういう意味ですか。
#25
○政府参考人(寺田逸郎君) ちょっと余り耳慣れないことかと思いますので、少し御説明申し上げます。
 これは、先ほども委員からも御指摘がありましたように、これまでいろいろと御議論が企業防衛策についてはあって、それを大筋どういうところかということの一種のスタンダードみたいなものを役所の方で、経済産業省と法務省でございますが、取りまとめたわけでございます。その取りまとめにつきましては、しかし、専門家の学者の先生、企業の方々等、様々なお立場もおありになりましたけれども、大体、最大公約数的なところはこんなところかというところでまとめたものでございますが、その中で廃止要件の客観性というのがございます。
 これは、この指針の立場からいいますと、どういうものであれば絶対裁判所で適法と認められるかということがなかなか言いにくいところでございますので、しかし、より合理的なものはどういうことかということでのいろんな基準もお示ししているところでございます。その中で一つ出てくるところでございますけれども、元々、株主の共同の利益を保護するために必要かつ相当というのが大原則でございますので、この取締役の裁量の範囲を余りに広くすると、それが著しく不公正な方法によるものとされることに近づく、できるだけそういうところから遠ざかることによって合理性が高まると、こういう考え方をしているわけでございます。
 具体的には、取締役会の濫用を防止する一つの方法として客観的廃止要件というのを御提示しているものでございまして、具体的には、例えば買収者が時価に比べまして相当のプレミアムを付けて買収提案をしたような場合には、これはあらかじめそういう客観上限というのを定めておいた上で、それに合致した場合には自動的に新株予約権が消却されると。つまり、それでもってもはや敵対的買収についての防衛の状況を脱するということが分かるというようにしておけば、これは取締役から見ますと、自動的にその発動がされるわけでございますので恣意性がなくなると、こういう考え方に基づいているわけでございます。
#26
○秋元司君 もう時間が来ましたんで、これだけにさせていただきたいと思いますが。
 いずれにしましても、今回新しい制度がどんどん入り込むわけでありますから、今後とも法務省挙げて、まずこのPRについて、今後、法が決まりましたらどんどんやって、誤解とそして混乱がないようにどんどんと広報活動もしていただきたいと思いますし、実はこの件にちょっと触れたというのは、これから司法制度改革によりましてロースクールも増やして弁護士も増えていく。そうなるとどうなっていくかというと、弁護士の皆さんの職があるのはいいことなんですけれども、しかし、これから日本もアメリカのような、何というんですか、訴訟国家になってしまうのかな、そういう危険性がある中に、そうなりますと、企業はそれぞれ防衛、いろんなものに対する費用のコストというものが掛かってくる。そうすると、結果的にはそれは競争力が落ちてしまう、そういった危険性もはらんでいる、そういったこういう要件でございますので、いろんなことがある中で、関係各位の皆さんも、政府の力をもってこれを克服する形で頑張っていただきたいと思います。
 以上です。
#27
○前川清成君 民主党の前川清成でございます。
 寺田民事局長のお顔を久しぶりに拝見いたしましたのでこの機会にお伺いしたいんですが、三月八日の予算委員会で、大臣が私の質問に答えて、出資法及び利息制限法の定める制限金利の引下げについては法務省で調査研究していただくというふうにお答えいただいたんですが、寺田局長にその後の作業の進捗状況をお伺いしたいと思います。
#28
○政府参考人(寺田逸郎君) 確かに、三月の予算委員会で、この出資法及びそれに関連して利息制限法の問題について前川先生から御提示をいただきまして、その際に法務省で調査研究を行うことについて答弁を申し上げたところでございます。
 で、この上限金利等でございますけれども、平成十五年に御承知のように法定刑の引上げ等の罰則が強化され、さらに附則において三年を目途として検討を加えると、こういうことになっておりますので、これを念頭に置いた上でその研究、検討を行うわけでございますが、当省の刑事局を中心にいたしまして、私ども民事局も相まちまして、出資法と利息制限法の上限金利の在り方について検討を行っているところでございますが、特に刑事事件につきまして、平成十六年の起訴件数というものが九百三十九件と、前年に比べてやや減少をいたしたものの、以前に比べると非常に高い水準で推移しているところで、これは非常によくない状況にあるなという認識は持っているところでございます。
 それで、検討の状況の方でございますけれども、各種の外国法制について先ほど申しました部署で検討を整理をしているところでございますが、それぞれの法制の在り方あるいは背景にある社会情勢がそれぞれ異なりますのでその整理が非常に困難であるということで、具体的にもう少し各国の状況を調べることなしにはなかなか表面的な法制の異同だけで判断が付きにくいというところでございまして、現在は諸外国の更に詳しい状況について具体的に照会を行っているところでございます。
 例えば、諸外国において一体無担保融資というのがどの程度利用されているのか、担保の有無ということが問題になりますし、刑罰規定の実際の件数、あるいは起訴された場合の量刑、この辺りも相当に詳しく分析してみなければ分からないと、こういう立場でございます。
#29
○前川清成君 今私がお尋ねしたのは三月九日以降本日までの作業状況をお尋ねしたんですけれども、ちょっとそれをお尋ねすると時間もなくなると思いますので、次に進ませていただきたいと思います。
 会社法の二条の第三号、子会社の定義がありますが、この定義の趣旨がよく分かりません。会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社については当然に子会社になると、それに加えて、その他、当該会社がその経営を支配している法人として法務省令で定めるものが子会社になると、こういう趣旨でよろしいんでしょうか。はいかいいえで結構です。
#30
○政府参考人(寺田逸郎君) これは、前川委員に改めて申し上げるまでもないかもしれませんが、この会社が云々で、株式会社その他の云々で法務省令で定めるものと、こういう定義でございます。つまり、会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社というのは、この経営を支配している法人の例示として示しているものでございますので、会社が議決権の過半数を有していても、なお法務省令で抜かれるものもある。つまり、この場合は、単に子会社に該当するかどうかを、議決権の過半数という形式的な要件だけではなくて、その経営、支配するかどうかという実質的な要件というのを他方で重視していると、こういう形での定義規定であると御理解をいただきたいところでございます。
#31
○前川清成君 そのお答えは昨日の質問取りのときの御説明とは違うんですけれども、今局長がおっしゃった方が正しいと、こういうことですね。
 そうなりますと、結局、子会社の定義というのは、その前段の会社が総株主云々というのは例示だとすると、結局、子会社の定義というのは法務省令で定めると、そういうことなんですね、大臣。
 じゃ、もう一度。今の寺田局長の御説明は、前段の部分は例示ということですから、二条第三号の趣旨は、子会社の定義は結局は法務省令ですべて定めると、こういう意味になってしまいますが、それでよろしいですね、法務大臣。
#32
○委員長(渡辺孝男君) 寺田民事局長。
#33
○前川清成君 いや、これ、通告してますよ。
#34
○委員長(渡辺孝男君) 南野法務大臣。
#35
○国務大臣(南野知惠子君) これを読ましていただく限り、そのようでございます。
#36
○前川清成君 そうだとすると、この子会社という、あるいは親会社という最もこの今回の会社法案で大切な概念の一つを法務省令に白紙委任してしまうことになってしまって、立法の意味が全くなくなってしまうと、こう思うんです。今朝の午前中の連合審査の折も、どこまでを政省令で決めてどこからを法律で決めるかというのを大塚議員の方からお尋ねがありまして、大臣の方から、基本的には細目的に実施する事項については政省令で委任するけれども、中身については原則として法律で定めるんだというようなお言葉をいただきました。
 今の民事局長による子会社の定義と午前中の大臣の御発言とは矛盾しているんですが、いかがですか。
#37
○国務大臣(南野知惠子君) 矛盾していないというふうに思っておりますが、この会社法案における子会社ということについての定義をここに示しておりますわけです。
#38
○前川清成君 あのね、大臣ね、大臣が午前中お答えいただいたのは、法律で大枠を決めました、その実施の手続とか細目的、そんなことは政省令で任せますよと、しかし会社法の中身については法律で決めますと、そういうふうに御発言になったんです。
 で、今の子会社の定義は、寺田民事局長の話だと、結局法務省令ですべて決めてしまうんですよ。前段にあるように、議決権の過半数を有する株式会社であったとしても、法務省令で、いや、そんなんは子会社でないと決めてしまったら子会社でなくなってしまうんです。そうなると、子会社、親会社を前提とした会社法の規律というのがすべて法務省のさじ加減になってしまう。子会社としてある法律の適用を受けるかどうか、受けないかどうか、これは法律が決めるんじゃなくて法務省が決めてしまうことになって、私は大問題だと思うんですが、いかがですか、大臣。
#39
○政府参考人(寺田逸郎君) 例示という言い方で若干混乱を生ぜしめているかもしれませんが、基本は会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社でございます。ただ、会社がその議決権の過半数を有する株式会社の中にも、実質的に子会社として扱うのが適当でないものもごくわずかではあるけれどもあるわけでございまして、そういうものは省令でこれから除外するということを想定いたしております。
 例えば、このような会社であっても会社更生法による更生手続中のもの、このようなものは子会社として扱うのは適当でないのでそういうものを除くという予定でおりますが、しかし基本は会社がその総株主の議決の過半数を有するという、これを基準に考えていくという意味においては変わりがないので、そういう意味で全く法律が意味がないというふうには私どもは考えておりません。
#40
○前川清成君 今の御説明全然分からないんですよ、今の御説明が。それと、そもそも昨日の事前のレクと違いますしね。
 今、寺田局長がおっしゃるような例だけですか。会社更生法の適用云々かんぬんと。それならば会社更生法で決めればいいじゃないですか。どうして法務省令で全部決めてしまうんですか。
#41
○政府参考人(寺田逸郎君) これは、会社更生法における法律効果を決めるわけではなくて、商法においてどういうものを親子会社として扱うかでございますから、商法の親子会社の定義に入ってくるわけでございます。
 結局のところ、生きている会社として余り機能してないものを親子会社として扱うということになりますとそれは適当でないということから、ごくわずかではもちろんございますけれども、それを除外する方が正確だということでそういう扱いをしているだけで、しかし一般にはそれは、会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社とお考えになってそれは結構でございます。
#42
○前川清成君 大臣、ちょっとお聞きいただきたいんですけれども、憲法四十一条が国会は国権の最高機関であって唯一の立法機関であると、こういうふうに定めています。すなわち、法律を作るのは国会だと、こういうふうに決めているわけです。極端な例を申し上げますと、例えば会社法について内容何も決めずに、会社法の内容についてはすべて法務省令で定めると、こういう形式的な立法も可能なわけなんです。しかし、それは実質的には憲法四十一条に違反すると私は考えます。
 今回の会社法で、ちょっと後でも何点か申し上げようと思ったんですが、余りにも法務省令に委任しているところが多くて、国会が立法機関としての機能を失ってしまうんじゃないかな、そんな危惧があるんです。今の例えば子会社に関しても、子会社の定義に関しても、会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社、これは当然に子会社ですよと。それに加えて、何か特別な場合、特別な場合だけ法務省令で定めて子会社に指定する場合もありますよということであればまだしも、前段についてもすべて例示ですよということになっちゃったら、結局はすべて法務省令で決めてしまうということになって、私は国会の立法機関としての憲法四十一条にも違反してしまうんじゃないかなと、こんなふうに思っています。
 ちょっと時間ももう十五分過ぎちゃいましたので次の問いに行くんですが、公開会社というのが二条の第五号にございます。この公開会社というのは実は法律用語ではなくて一般的に社会において使われている言葉なんですけれども、大臣、今まで公開会社という日本語はどのような意味で御理解されていましたでしょうか。この会社法においてじゃなくて、今までで結構でございます。
#43
○国務大臣(南野知惠子君) 公開会社といいますのは、この発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式会社の取得について株式会社の承認を要する旨の定款を、その定めを設けていない株式会社ですから、定款を定めていない株式会社ということでございます。
#44
○前川清成君 法律の条文は今確かに大臣おっしゃったようになっているんですけれども、通常の日本語として、これまで公開会社という言葉は上場会社と店頭登録会社を指していたんですね。おとついですかね、おとつい、参考人の方もお越しいただきました。日弁連の副会長の益田さんという方も、公開会社というのは証券市場で株式が売買されている会社を指しますと、こういうふうにおっしゃっていましたし、東大教授の神田先生もそういうふうにおっしゃっていました。あるいは、参考人としてお越しになった太田弁護士もそういうふうにおっしゃっていました。それが私は今までの公開会社の基本的な定義だったというふうに思うんですが、今回の会社法では、今回の会社法のこの二条五号の条文はその公開会社という概念を捨ててしまって、株式の譲渡制限を設けていない会社、今大臣がお読みになった譲渡制限を設けていない会社を公開会社と言っているんです。譲渡制限を設けている会社については、例えば譲渡制限会社というような言葉が一般的に用いられてきたんです。
 そこでお尋ねしたいんですが、なぜあえて今まで一般的に使われてきた日本語を捨てて公開会社と、別の意味でこれまで使われてきた日本語をお使いになったのか、この点をお伺いしたいと思います。
#45
○国務大臣(南野知惠子君) 今、確かに先生おっしゃっておられるような意味合いで取られていることが多いのかも分かりませんが、通常は公開会社は上場会社という意味に用いられることが多いことは今先生がお話しになられたとおりでございますし、その意味では、通常用いられている意味と会社法案における定義とは異なることとなるというわけでございます。
 しかし、上場するためには株式の譲渡に制限を設けることができないことや、上場していない株式会社は株式の譲渡について制限を設けるのが通常であることから、会社法案における公開会社は通常用いられる意味での公開会社である場合がほとんどであると承知しております。まあ中身としては同じものですよということになると思います、同じ意味と。
#46
○前川清成君 いや、大臣、それはちょっと、今のは余りにも乱暴な御議論じゃないかなと思うんです。円の大小でいえば、確かに公開会社はすべて譲渡制限を定めていませんが、最近の新聞報道でカネボウが上場廃止されたというのがありましたですね。そうしたらカネボウは、譲渡制限を設けてなくても、これで今までで言う公開会社でなくなったわけですから、公開会社と譲渡制限を設けていない会社はほとんど意味が一緒だというのはちょっと日本語の使い方として正確でないように思うんですが、いかがですか。
#47
○政府参考人(寺田逸郎君) 今大臣が申し上げましたのは、通常の公開会社とこの会社法の公開会社、つまり上場会社と公開会社のイメージとしてそれほど大きな差異がないので混乱を招かないかという立場から申し上げたものだろうというふうに理解をしていただければと思います。
 私の立場から法律の面で申し上げますと、元々上場しているかどうかということは会社法の分野では基本的には全く出てこない概念でございます。
 したがいまして、通常、公開会社というのを上場会社と言うかどうかということは、この会社法の目から見ますと全く法律的な意味としては白紙ということになるわけでございます。もちろん定義を付ける際に、先ほど、前川委員もあるいは御示唆なされるのかもしれませんが、例えば非譲渡制限会社というような名前の付け方もこれは可能であろうかと思いますが、しかし、その会社法における分かりやすさという意味では、公開会社という名前を付けてもそれほど不合理と言われることではないんではないかなという立場からこのような名前を付けさせていただいているわけでございます。
 私も神田教授等の参考人の御意見も伺っていたわけでございますけれども、こういう会社法上の公開会社ということで定義をすれば、そのうち実務はそれで対応してくるというようにおっしゃっていただいていたので、私どももそういう有識者の方々の御意見というのも受け止めさせていただいているところでございます。
#48
○前川清成君 寺田局長がおっしゃった神田教授の言葉というのは、神田教授の言葉の最後の方だけええとこ取りをされたんであって、そこに至るまでに、これまでの世の中の一般の言葉からいうとちょっと違っているというふうにもおっしゃっていますし、ほかにもちょっとびっくりするような単語が一杯あると。ですから、暗にこの公開会社という言葉の使い方もびっくりするというふうにおっしゃっていると私は考えています。
 それで、大臣、ここで大臣御自身にこういう言葉の小さな争いをさせていただくためにこのお話をさせていただいたんじゃないんです。今月号の「キャビネット」、これ大臣大きく出ておられますので、私も拝見いたしました。その中で、大臣自身も、法律あるいは司法が、国民により身近で、速くて、頼りがいのある、そういう存在にならなければならないというふうに結んでおられるんです。
 今、寺田局長が非常に難しいこと一杯おっしゃいました。法律家の世界ではそういうへ理屈も成り立つのかもしれないけれども、でも一般に会社法をお使いになっている例えば中小企業の経営者の皆さんとかは、公開会社と言われたら上場している会社のことを指すと思います。子会社と言われたら、例えば子会社の定義についても、株式の過半数を持たれていたら子会社だと、こういうことだったら中小企業の社長さんも分かりやすいけれども、そのほかに法務省令で決めますと、こうなったら、六法全書見ただけじゃ足りずに、法務省令まで調べないといけなくなってしまう。法務省令がいつ変わるかどうかなんて分かりませんから、中小企業の皆さん方にとって、市民の皆さん方にとって非常に分かりにくい、頼りがいのない司法になってしまうんじゃないかな。
 この点は私は、民法の改正を昨年秋にいたしました、そのときに電磁的記録物の定義について大臣にお尋ねいたしました。大臣、この意味お分かりですかというふうにお尋ねしたら、大臣も、いやよく分かりませんと、こういうふうにお答えいただきました。その折に、大臣自らも、そして当時の民事局長だった房村さんも、これからできるだけ分かりやすい表現になるように努力していきますと、こういうふうにおっしゃっていただいたんですが、その努力というのがこの会社法案に私は見当たらないんじゃないかな。
 私は、法律というのは専門家だけが占有していて、市民の皆さん方分からないから専門家にただただ依存すると、そういうものではなくて、大臣がおっしゃるように、国民の皆さん方にとって使い勝手のいいそういう司法をつくり上げていかなければならない。そういう趣旨からいうと、今回の会社法案で大変問題があるんじゃないかなと、立法の仕方について、文言の、言葉の使い方について問題があるんじゃないかな、これから更に分かりやすい言葉を使う、専門家が分かるだけじゃなくて一般の方々にとって分かりやすい表現を取るべきじゃないかな、こういうふうに考えるんですが、大臣、いかがでしょうか。
#49
○国務大臣(南野知惠子君) おっしゃるとおり、司法又はこの法律等もこれから公開していきながら、皆さんに知っていただき、そして使っていただかなければならない法律であろうかというふうに思っておりますので、先生のおっしゃること、十分理解できます。
#50
○前川清成君 理解していただいて、これからの立法作業に生かしていただけるということでよろしいでしょうか。
#51
○国務大臣(南野知惠子君) そのように努めたいと思っております。
#52
○前川清成君 それと、政省令への委任についてもう一点だけ指摘させていただきたいと思うんですが、今日の午前中の連合質疑で政省令に委任している場所が三百二十一ありますというふうに、大臣でしたか、ちょっと、政府委員の方か、どちらかが御発言になったと思う。およそ九百条の条文で三百二十一でしたら、三つに一つは政省令に委任しているということになってしまいます。
 それで、大臣に、もう当たり前のことなんですけれども、この司法制度改革、これは政府の重要政策として進めたんですよと、司法の基本的な制度を半世紀ぶりに抜本的に見直すという大改革ですというふうに冒頭でお述べになっているんですが、大臣、お尋ねしたいんですが、そもそも司法制度改革というのはどういう社会をつくるための政策だというふうに御理解いただいていますでしょうか。
#53
○国務大臣(南野知惠子君) 司法といえばいろいろな問題を含んでおります。ただ裁判員制度だけではない、さらに、一番基本になるのは、どのようにして生きていけるのか、どのようにしたらともに暮らしていけるのかという、そういうルールを作るという、そのルールが私は司法の根幹ではないかなと思っております。
#54
○前川清成君 大臣、私は、これは社会の在り方を変えようとする、そういう改革だというふうに理解をしています。これまでの護送船団方式に代表されるような事前規制型の社会から、それぞれ皆さん自由に活動していただく事後チェック型の社会をつくっていく、それが司法制度改革だと、こういうふうに理解しているんです。
 そういう司法制度改革の理念からすれば、三百二十一も、その三分の一は官僚によって政省令で決めてしまう、これは正に官僚による事前規制の典型じゃないかな、政省令に委任するというのは。その意味からしても、この法令の定め、法律の定め方も司法改革の理念に抵触してしまうんじゃないかなと思っているんですが、大臣、いかがでしょうか。
#55
○国務大臣(南野知惠子君) 確かに先生がおっしゃられるように、会社法案におきましては政令への委任事項が二十一、省令への委任事項が約三百ということでございますし、政省令に委任される事項はいずれも概して技術的、細目的事項であって、法律レベルで規定することが必ずしも適当ではないと言える事項について政省令で定めているわけでございますので、根幹は法律で定めるということでございます。
#56
○前川清成君 済みません、ちょっと時間のあれもありますので次の質問に移らせていただきたいと思うんですが、定款についてお尋ねしたいと思います。
 定款の記載事項については会社法案の二十七条で五項目挙げています。これは現行法の百六十六条の十項目から比べると減っているなというふうに思うんですが、実は会社法案を詳細に見ていきますと、例えば三十七条でしたか、三十七条で授権資本については定款で定めるなどというような書き方をしていまして、これまでの定款記載事項の書き方に比べてちょっと複雑な書き方になっているんです。これはなぜなのか。これは民事局長で結構ですから教えてください。
#57
○政府参考人(寺田逸郎君) これは大変条文を書くときに悩む事項でありまして、ある事項が二つの分野で問題になっている場合に、そのどちら側に書くとより分かりやすく御理解いただけるかというところでございます。
 具体的に御説明申し上げますと、この発行可能株式総数について三十七条に規定を置いているわけでございますが、元々現行商法では設立に際して発行する株式の総数、すなわち設立時発行株式数というのを定款で記載することになっておりまして、その設立時発行株式数を基準として株式総数、発行できる株式総数、発行可能株式総数を定めてこれも記載しなきゃならないと、こういう順序になっているわけでございます。
 しかし、法の仕組み自体に御批判がございまして、設立時発行株式数のみが先に定まる現行商法というのは設立手続を硬直化させるというところで、つまり株式総数を決めるのではなくて出資額を決めて、その出資額に満ちればそれで設立手続とするという、打切り的な設立の仕方の方が合理的ではないかという御意見が出たわけであります。
 そこで、会社法案ではこの点について見直しを行って、株式会社の設立に対して出資される財産の価額又はその最低額というのをまず決めて、これを定款に記載するということにいたしております、具体的には二十七条の四号に当たりますが。そういたしますと、設立時発行株式数については定款に記載する必要はなくなるわけであります。
 しかしながら、発行可能株式総数というのをいつかは決めなきゃならないわけでございますが、これについては定款作成時ではなくて、設立の過程における株式の引受け状況をその後ずっと見定めながら完了時までに決めればいいと、こういう仕組みになったわけで、つまりは設立の仕方を合理的に定める必要があるので、従前は最初の定款に定めておかなければならなかったことがそうでなくなったわけです。その代わりに、じゃ定款の、最終的には定款の記載事項にはなるんですけれども、それは後に決めるわけであります。そのときに、定款の記載の仕方を最初に定款に記載すべき事項として規定するのか、それとも後のものを全体として書くのか、これは分かりやすさからするとどちらも何とも言えないところでございますが、私どもといたしましては前の方の条文の規定の仕方を取ったと、こういうふうに御理解いただきたいところでございます。
#58
○前川清成君 今の御質問をさせていただいたのは、定款の記載事項について、これ公証人が認証することになっているんですが、公証人がこれまでであれば百六十六条だけ見ておけば定款記載事項が分かったのに、これからは公証人の方が会社法全部を見ていかないといけないと。これが公証人にとってちょっと荷が重いんじゃないかなと、こう思ってお聞きしているんですが、ちょっとその点で質問、前へ進めますが、会社法案でも三十条一項で、定款は公証人の認証を受けなければその効力は生じないと、こういうふうに定めています。なぜこの三十条一項の条文があるのか、お答えいただきたいと思います。
#59
○国務大臣(南野知惠子君) 公証人による定款の認証はなぜ必要かということでございますが、株式会社の定款に公証人の認証を要することとしているのは、定款作成の事実とその内容とを明確にし、定款作成にかかわる紛争と不正行為を防止するという大きな大義名分があろうかと思っております。
 その定款の認証の制度は昭和十三年の商法改正によって導入されたものでありまして、それ以前はそのような定めがなかったので、定款作成の有無、定款の存否又は定款の内容等について争いを生ずることが少なくなかったというふうに聞いておるわけでありまして、そのような状況を改善するために定款の認証の制度が導入されたものと承知いたしております。
#60
○前川清成君 今のお答えは、要するに定款の存在及びその内容を公に確定するんだと、こういうことですよね。それでしたら、ちょっと実際に公証人の皆さんがそういう作業をちゃんとされているのかということを見ていきたいんですが、「公証人法」という本が日本公証人連合会から出ています。その中で、定款の認証というのが六章でありまして、その中で定款の認証というのは大変大事な仕事ですよと、極めて重要ですと、そういうふうに書いてあります。だから、公証人というのは日ごろから会社法制の概要を確実に把握していくこと、殊に毎年のように行われる目まぐるしい法改正の動向に絶えず注意を払う必要があると、こういうふうにお書きになっています。この内容自体はもっともらしいんですけれども、会社法の概要を確実に把握しておくと。概要というのは大体ということですよね。大体知っておいたらいいようなものなんですかね。その点、大臣、いかがですか。
#61
○国務大臣(南野知惠子君) 公証人の方々が必要な部分は概要とは言わないまでもうんと知っておいていただきたいというふうに思うわけで、それはどこどこですよということについてのインフォメーションなりなんなりはその法改正をする我々の方でお示しする方がよりベターなのかなというふうにも思っておりますので、そういう意味ではこの法案の広報という問題についてもいろいろな課題が残されているし、これから充実していかなければならない部分というのは相当残されていくのではないかなというふうに思っております。
#62
○前川清成君 法務大臣は毎年一回、これはもちろん大臣御自身じゃないと思いますけれども、公証人役場に立入検査をしておられるんですね。これがその立入検査のコピーです、報告書のコピーです。
 これをちょっとちらちらっと見ただけなんですけれども、これ実は公証人の御本人の名前も出ていて、こういうミスがあったとか、こういう指導をしたとか、こう書いてあるんですけれども、ちょっと御紹介申し上げますと、例えば会社法に関連しては、ある東京の公証人さんですけれども、監査役の任期を三年とするような定款認証をされていると。ところが、この公証人さんに対する執務状況の概要という欄は、公証人、書記とも執務熱心で事務に遅滞はないと、こういうふうに書いてあるんですね。
 これはまだましな方でして、これも東京の別の公証人さんですけれども、公正証書遺言で、遺言者の印鑑と印鑑証明とが異なっているんです。ということは、別の人が勝手に遺言書を作ってしまったかもしれないというような事案なんですけれども、これについてもその公証人に対する評価は、公証人、書記とも職務熱心で事務に遅滞はないと、こういうふうに書いてある。
 これは愛知県の方の公証人さんですけれども、住宅ローンについて公正証書を作った際に弁済期、お金を支払うときですよね、平成二十九年と書くべきところを平成十七年と書いておられる。だから、僕が例えば住宅ローンを借りまして、平成二十九年まで十五年間毎年毎年払っていったらいいわとなったのが、いきなり十七年に公正証書ですから強制執行を受けてしまうかもしれない。そんなのもあるんですね。
 あるいは、これも東京の公証人さんですけれども、債務弁済の公正証書で無利息と書くべきところを利息の定めはなしと、こう書いておられる。利息の定めはなしとなると、法定利息が適用されて五%ないし六%になる。無利息だったらゼロ%。ですから、無利息と利息の定めなしというのは、日本語としてはよく似ているけれども、法律の専門家としては大変意味が違ってくるんですね。
 こんなのが実は平成十五年度の調査報告ですと、五百五十二人の公証人さんのうち三百二十九人、割合にして六割の方に公証人、そのミスがあったということが法務大臣の立入検査で明らかになっております。
 そこで大臣、この公証人制度についてですけれども、民法も百年たって見直しました。監獄法も百年たってこの前刑事施設法になりました。会社法も百年たって見直しました。公証人法もおよそ百年たっているんです。そろそろ公証人という制度を見直す時期に来ているんじゃないかなと、こんなふうに思うんですが、いかがですか。
#63
○国務大臣(南野知惠子君) 公証人の方々の今の実態、先生からお聞きいたしました。人間であるからミスはあるよと言っても、それはもう大き過ぎる結果を残すことになっているのかなと。そういうことについては大変申し訳なく、法務省としてもこれからうんとうんとその分野についても頑張っていかなければならないというふうに思っていますが、公証人制度という問題の中にはDV法も公証人の方々をお願いする分野がございます。そういう観点から幅広く公証人の方々のお仕事もいただいておりますので、そういう観点からは、ミスを起こさないようにどうすればいいのか、これから大きな課題の一つであろうかと思っております。
#64
○前川清成君 実は、大臣、誠に恐縮なんですが、これからではなくて、これはちょっと事前に質問取りの方に判例をお示ししておいたんですが、「これでいいのか、公正証書」という本がありまして、この中で七つの和解例が紹介されています。平成二年四月二十四日の広島地裁、平成六年十月十一日の釧路地裁、平成七年二月十五日の釧路地裁、平成七年五月二十三日の釧路地裁、平成九年六月三十日の釧路地裁、平成十二年二月十六日の旭川地裁、平成十二年三月十六日の横浜地裁。この七つの裁判所で七件の和解が成立していて、いずれも国が、法務省が公証人に対する、公証人のミスを認めた上で、これから公証人に対する指導監督を頑張っていきますと、こういうふうにお約束になったというふうに紹介されているんですが。
 実は、和解の内容は我々分かりませんのでこの機会にお尋ねしたいんですが、本当に、現実にこういう和解があって、法務省としては公証人に対する指導監督ということをこれまでなさってきたんでしょうか。
#65
○国務大臣(南野知惠子君) 今先生がお挙げになられた問題についての紛争の内容ということについてはこの場で申し上げることはできないということでございますけれども、御指摘のとおり、国が公証人に対して適正な指導監督をしていく旨を内容とする和解を行った事例があるということは承知いたしております。
#66
○前川清成君 大臣、私もその中身を、裁判の中身を答えてほしいというふうにお尋ねしているんじゃないんです。
 国が今申し上げた七つの件で和解をしていて、しているのがまず真実かどうか。真実であったとしたら、これまで法務省として、和解はされているわけですからね、これ裁判所で約束されたわけですから、その約束に基づいてどのようなことをこれまで続けてこられたのかをお尋ねしたいというのが質問の趣旨でございます。済みません、二度になりますが。
#67
○政府参考人(寺田逸郎君) 今大臣が申し上げましたとおり、その七件につきましては、国が公証人に対して今後適切、適正な指導監督を行っていくという内容の和解をいたしております。
 なお、その後も、平成十五年の一月三十一日、平成十七年の三月二十八日に別の事件で同様の和解をいたしております。
#68
○前川清成君 ですから、今私がお尋ねしているのは、今私がお尋ねしているのは、そういう和解があったのならば、その約束に基づいて、裁判所における約束に基づいて法務省としてこれまで何をしてこられたんですかという質問です。
 今の寺田さんのお答えは、確かに裁判所で約束しましたけれども、約束は破って、法務省としては何もしてきていませんというお答えなんですか。そうでないんだったら、これまでにこういうことをしてきましたと、ですから公証人の能力としては十分です、だからその趣旨に基づいて会社法三十条も公証人に大変重大な仕事をしてもらうんですと、ここまで御説明いただかないといけないと思うんです。
#69
○政府参考人(寺田逸郎君) 今の和解に至る事件もそうでございますし、先ほど御紹介がありました平成十五年の法務省での調査における様々な不適正な事務処理については、私どもも大変重大なものと受け止めているところでございます。
 これまでも、公証人に対しましては、その具体的な公証人のミスも言うまでもございませんけれども、より一般的に、このようなミスを犯すことによる公証制度全体に対する信頼がどのぐらい毀損されるかということについて日本公証人連合会を通じて厳しく指摘をしてまいりましたし、本年も、先ごろ日本公証人連合会の総会がございましたが、総会の席上で、私どもから申し上げた趣旨を理事長自ら会員の皆さんに周知徹底を図っておられたところでございます。
 そういうことを含めまして、これまで再三いろんな形で申し上げてきたわけでございますけれども、しかしながらこのように後を絶たないということは、必ずしもその指導監督が十分ではないということにもなるわけでございます。
 もちろん、全体といたしましては多くの公証人の多くの事件についてはこれが適正に処理されているわけでございまして、その点についての公証人の御努力というのは御評価いただきたいところでございますけれども、なお一部こういう不正事件、不適正な処理ということについて、今後も十分な指導監督をしてまいりたいと考えております。
#70
○前川清成君 民事局長、一部の公証人の方じゃないんですよね。法務大臣による立入検査というのは抜き打ちでしょう、抜取り、抜取り検査でしょう。抜取り検査をし、抜取り検査であるにもかかわらず六割の公証人に何らかのミスが見付かったということでしょう。だから全然違いますよ。
 それと、今、寺田民事局長がおっしゃった、例えば日本公証人連合会の理事長が厳しく指導をしたと、こうおっしゃるけれども、具体的に何を指導しているのか。余りにもその御答弁が抽象的でさらさらしていて、一体何をやっているのかというのが全く伝わってこないんですよ。もっと具体的に、個別的にこういうことをやっていますと。
 だって、今のお話だったら、合計九回裁判所で和解をされているわけでしょう。それは、九回裁判所で約束しているにもかかわらず、公証人連合会の理事長さんが注意していましたよと。それだけだったら、それは裁判所における和解を破っていますよね、法務省自らが。
 具体的に何をやっているのか、平成二年以降。それをお答えいただきたいんです、端的に。時間もなくなってきましたから。
#71
○政府参考人(寺田逸郎君) 最近一番問題になっておりますのは本人確認の問題でございますので、この本人確認につきましては、先ごろも委員会でも御審議いただいた際に出ました通達等を中心といたしまして、この個々の公証人に対して趣旨の徹底を図るように、それぞれの法務局からもそうでございますし、私どもからも直接日本公証人連合会に対しまして様々な連絡をし、趣旨の徹底を図っていただいているところでございます。
 また、個々の公証人については、任命の際に、このような過誤事例があるということを一つ一つ申し上げまして、執務について非常に慎重にやっていただかなければ公証人制度全体について大きな影響があるということを厳しく申し上げまして御指導申し上げているところでございます。
#72
○前川清成君 公証人連合会というのは強制加入団体で、個々の公証人に対する懲戒権とかはあるんですか。
#73
○政府参考人(寺田逸郎君) 懲戒権は、これは監督法務局が持っているところでございまして、しかし、日本公証人連合会は全員加入、公証人の全員加盟の団体でございます。
#74
○前川清成君 指導監督し、懲戒する権限は法務省にある。だから法務省自身が、国自身が、公証人がミスしたときに被告になるのは公証人じゃなくて国なんでしょう。そうしたら、公証人連合会でやっていますじゃなくて、国自身が、法務省自身が積極的に指導監督なさらないといけないんじゃないかなと思いますし、九件も裁判所で和解していて、そんなことではいかがかなと思うんです。
 私はそんなこと思いたくありませんが、今年の初めの毎日新聞の社説でも、利権には縁遠い法務省の数少ない天下り先が公証人なんだと、その利権を守るために、司法改革はやったんだけれども公証人だけ手付かずになっていますと、こういうふうに書いてあるんです。
 大臣、いかがですか、この公証人の問題について。
#75
○国務大臣(南野知惠子君) 先生が数をお示しになられた五百五十二人中の三百二十九人、これはやはり多い数だと私自身も認めますし、そういうことのないように、いかにしてこれからの綱紀粛正を図っていくかということも大変な課題であろうかと思っておりますので、真剣に取り組んでいく所存でございます。
#76
○前川清成君 是非、綱紀粛正、心構えの問題じゃなくて、一人、二人の人がどうこうじゃなくて、六割の人がミスっているわけですから、これは制度の問題だと私は思いますので、是非この点も御検討をお願いしたいと思います。
 それで、ちょっと時間もなくなってきましたので、最低資本金制度の問題に移りたいんですが、大臣、どうして資本金は一円で足りるようになったのですか。今まで廃業率が起業率を上回っているんですと、だから起業を、起こす業ですよね、起こす業を容易にするために最低資本金を、最低資本金を一円に引き下げましたと、こういうふうにおっしゃっているんですね。でも大臣、例えば商売を起こすのであれば個人でも、会社じゃなくて個人でもできるわけでしょう。そうであったら、私は最低資本金制度を一円にする必要がないんじゃないかなと、こんなふうに思うんですが、いかがですか。
#77
○国務大臣(南野知惠子君) 最低資本金の機能ということを考えてみますと、三つのものがあると、三つに分けられるとも考えられております。
 第一に、設立時の出資額の最低額を画する出資額規制としての機能がある。一円でもできますよというようなところにそのポイントがあるのかなと思います。さらに、第二といたしましては、配当時における純資産額規制としての機能があると。第三には、会計における表示上の制限としての機能であるということでございまして、会社法案におきましては、このうち今第一番目に申し上げた機能については、昨今の経済情勢にかんがみまして、事業を起こすについてさして有用ではない障害をなくすというような観点から、設立時の出資額の最低額として規制を撤廃するということでございますので、規制を撤廃するということについては一円でもいいよというような方向になるのかなというふうに思っております。
 第二の機能につきましては、純資産額が三百万円を下る場合には配当することができないという形で維持いたしておりますので、その分野については担保されているというふうに思います。
 さらに、第三の機能については、会社の純資産額の状況にかかわらず、常に資本金の額を一千万円以上に表示し続けなければならないというようなことには合理性がないということからこれを撤廃するということでございまして、最低資本金制度を撤廃して資本金を一円とすることも可能とすることには理由があると、これが少な過ぎて問題があるということにはちょっと考えにくいわけですが、例えば一円でもできるよという気持ちを持っていただきたいということでございます。
#78
○前川清成君 それ、大臣、私がお聞きしているのはそうじゃなくて、一千万円持って株式会社つくらないといけないと、三百万円持って有限会社つくらないといけないと、そうでなかったら商売ができないんじゃなくって、一円しかなくっても個人で営業ができるんじゃないですかということをお尋ねしているんです。
 今朝の連合審査で、これは寺田局長自身が、平成二年の改正の折、株式会社は株式会社にふさわしい資産を持たなければならない、だから平成二年の改正をしたんだとおっしゃったんです。今回はもう株式会社としてふさわしい資産を持たなくてもいいと、いきなりなったというのがよく分からないというところなんです。
 それで、ちょっと時間があれなんで再度聞きますけれども、寺田民事局長は実体のない会社を許さないために目配りはしますと、こういうふうにおっしゃった。それが何かというと、法人格否認の法理ですと、こうおっしゃるんですね。じゃ、法人格否認の法理が裁判所以外で、普通の経済活動の場所で機能することがあるんですか。あるかないかで結構です、寺田さん。
#79
○政府参考人(寺田逸郎君) これは通常の経済活動の中で法人格否認の法理が持ち出されて法人格が否認されるということは、登記がある以上はなかなか現実には難しいんじゃなかろうかと私どもも思っております。
#80
○前川清成君 そうなると、連合審査のときはそこですっと流れちゃいましたけれども、実体のない会社を許さないための目配り、それは全くできない、こういうことじゃないんですか、寺田さん。
#81
○政府参考人(寺田逸郎君) 実体のない会社がどういう形で争うようになるかということでございますけれども、私どもとしては、結局個人が実際には活動しているのに、それが法人の衣をかぶっているということになって債権者が害されるというおそれがあり得るところでございます。
 つまり、それは会社だと思っていたら実際には会社というのはほとんど形式的でしかないから財産がなくて個人が損害を被ると。その場合には取締役の第三者に対する責任等でカバーできるのではないかと。もちろん、これは百件が百件ともそうなるかどうかということを申し上げているんではなくて、そういう弊害については一定の配慮はできている。ただ、私どもはこの最低資本金を撤廃することのメリットの方がはるかに大きいと、こういう判断でいるわけでございます。
#82
○前川清成君 株式会社においては、大臣ね、会社財産だけが会社債権者にとっての引き当てになります。いざ倒産したときに、株式会社、有限責任ですから、会社財産にしか請求することができないんですね。ところが、今、寺田さんからお話があったように、資産が一円でも構わないと、こうなりますと、例えば金融機関、株式会社にお金貸すときに心配になりますから、心配になりますから、結局代表者個人の個人保証を取ることになります。
 で、去年の秋、民法を改正したときに、連帯保証、根保証についての制限を設けました。それは、個人保証に過度に依存しない融資の在り方を考えるんだというような御説明もいただきましたし、あるいは私たちの方から、毎年九千人もの方が経済苦を理由に自殺しておられると、この実態を何とかしなければならないんじゃないかなということもお願いいたしました。
 今回、最低資本金を一円に引き下げてしまったならば、金融機関としては当然会社は当てにできないわけですから、会社の財産、当てにできないわけですから、代表者個人あるいはその親戚、保証を取りに行くのは必至だと思うんです。この保証、過度に依存しないための融資、そういうののために法務省として何か方策は御検討されているんでしょうか。
#83
○国務大臣(南野知惠子君) 最低資本金制度の有無にかかわらずに、金融機関が個人保証に過度に依存しないようにするためには、株式会社の財産状況、すなわち責任財産の額が適切に開示されることということがあります。株式会社の財産が適切に留保されることが重要でもあると考えております。
 会社法案では、株式会社の財産状況の適切な開示ということのために会計帳簿の作成の適時性、正確性の明文化、又は会計参与制度の創設、会計監査人の設置範囲の拡大、貸借対照表の公告の義務付けなど、そのような措置を講じているところであります。また、不当な財産流出を防止するというためには、株主に対する会社財産の払戻しについて統一的な財源規制を課し、財源規制に違反して配当等を行った取締役の責任についても、分配可能額を超える部分については総株主の同意があっても免除することができないなどの規制を、措置を講じております。
 これらの措置によりまして、金融機関等は株式会社の財産状況を的確に把握することができ、また株式会社の財産を責任財産として頼みにすることができますので、ひいては代表者の個人保証を減少させることにも資するのではないかと考えております。
#84
○前川清成君 ちょっと、私の持ち時間があと三分になりましたので、要領よく、結論だけお答えいただきたいんですが。
 今の大臣の御答弁が理解できなかったんです。最低資本金制度が一円になって、会社財産が一円しかありませんと、そういう会社がこれからできてくるわけですね。それなのに、どうして個人保証を求められる割合が減っていくんですか。むしろ増えるんじゃないんですか。お金持ちに、例えばですよ、僕がトヨタ自動車にお金を貸すんだったら保証人取りませんけれども、お金が何にもありませんという人に、お金は、一円しかお金ないという人にお金を貸すときは、心配だからだれか保証人になってもらってって言うと、これが普通の経済活動だと思うんですが、大臣は今逆のことをおっしゃっておりましたよね。そこが理解できないんです。
#85
○政府参考人(寺田逸郎君) これは、前川委員おっしゃるとおり大変難しい問題でございまして、つまり、先ほどおっしゃったように、もうじゃ一円などという株式会社を認めずに個人で御商売なされば、事業なさればいいではないかとおっしゃったわけでございますが、そうすると、それは個人保証ではなくてもう単に個人債務になるわけでございます。
 したがいまして、この一円の会社を認めることによって個人保証が増えるということと、個人の債務がトータルとして増えるということとの間にはつながりはないんじゃないかとむしろ思うわけでございまして、私どもは、こういう形式的な枠であります資本ということの多い少ないというよりは、実質的に会社の中に財産があるかどうかということを正に見て融資というものはされるべきであり、経済活動というのは盛んになるべきであると考えるわけでありまして、資本金が一円であっても会社の財産が山ほどあればいいわけでございます。あるいは、人的なノウハウというものを多く評価して銀行がお金を貸せばいい、そういう時代になってほしいものだと思っているわけでございまして、そういう時代を目指している起業者、それが経済産業省の方で五年の特例措置で一円で起業されているわけでございますので、こういう実績も見た上でこういう制度を今回御提示申し上げているところでございます。
#86
○前川清成君 寺田さんに言うと釈迦に説法でしょうけれども、株式会社というのは小規模なお金を不特定多数の人から集めてくる、それによって大きなお金を集めて大規模な事業を起こす、これが株式会社の理念型だと思うんです。ですから私はその方向に沿って会社法というのを改正していく、あるいは特化していくというんならいいと思うんですけれども、現実が個人企業が法人成りしたようなところばっかりだから規律もそこに合わせてしまうというのは、政治の役割として間違っているんじゃないかなと私は思っています。
 で、ちなみに、イトーヨーカ堂の伊藤雅俊さん、「商いのこころ」という本をお出しになって、日本の社会をゆがめたものの一つは個人事業を形だけの会社組織にするいわゆる法人成りと言われる現象だと、こんなふうに述べておられることを指摘させていただいて、時間が参りましたので、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#87
○峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎でございます。
 私は、常日ごろといいますか、これまで財務金融委員会に属しておりまして、この法務委員会に出て質問させていただくのは十二年ぶりでございます。
 私、今でも思い出すのですが、一九九三年の五月でございました。時あたかも商法改正で、時の法務大臣は後藤田正晴法務大臣でございました。そのときの改正点というのは、監査役制度の改正、あるいは株主代表訴訟の改正がございました。それ以来の私もこうして質問立たせていただくわけでありますが、本当にこの間振り返ってみるともう大変多くの出来事があり、もう十年以上たっていますから、それと同時に、この間本当にいわゆる商法改正が矢継ぎ早のようにどんどん進んで、私も財務金融委員会にいまして商法改正というのが一体何が起こっているんだろうかということについて、新聞でちょこちょこっと見る程度で余り見てこなかったというのが率直な実態で、実は今年、ライブドアがニッポン放送の株式TOBをずっと見て、これは大変なことが起きてきているなということを痛感したわけでございます。
 その意味で、この会社法の改正というのは大変重要な課題だなというふうに思っておりますので、実はその点を中心にして今日は質問させていただきたいと思います。
 そこで、まず、全く関係ない話から入ってまいりますが、昨年西武、コクドでいわゆる株式の上場基準と言われているものについて有価証券報告書の開示義務といいますか、そういったことについての違反の問題がございました。そのとき西武とコクドの関係、すなわち西武が公開会社で、そしてその親会社であるコクドが非上場と。これが実は開示されていないということで大問題になったわけですが、同じような問題が実はマスコミ、特に新聞のところに実は集中しているわけでございます。それは読売新聞のちょうど渡辺恒雄オーナーが、社主が、実はこの株式を実は名義貸し、日本テレビの株式にあれは名義だけ貸していたんだということで実はかなり問題になったわけです。私も財務金融委員会で問題にいたしました。
 これは、ちょっとひもといてみると、今日は総務委員会じゃありませんから、そのいわゆる新聞の問題についてあれこれ、あるいはテレビ放送も含めたマスメディア全体のことについて触れるつもりはないんですが、実は調べてみると、新聞社と言われているものをきちんと規制できる官庁というのは実はどこもないんですね。唯一あるのが法務省の中に、法律で実は日刊新聞紙の発行を目的とする株式会社及び有限会社の株式及び持分の譲渡の制限等に関する法律、これが唯一あるだけだと言われています。この間、読売新聞の問題になりましたけれども、日本経済新聞の社長のスキャンダルをめぐって実は社内の中からこれは問題だということで株主の代表訴訟その他が起きてきたわけです。
 その意味で、このいわゆる新聞社と言われているものは、この昭和二十六年でしょうか、この法律が作られたのは。戦争中に実はこの新聞というものがどういう役割を果たしたのかということで、新聞会社に認められている三つの特典があると言われているんです。
 一つは、独占禁止法の中で再販売禁止の問題でございます。再販の問題ですね。それから記者クラブ制度。それからもう一つが、この新聞と言われているものは株式を公開しないで結構ですと、そしてそれは従業員、その会社の関係者だけで持って結構なんですよと。こういう構造ができ上がっているわけです。それがために、このいわゆる非上場の新聞社と言われているものの実態というのは、なかなかこれが分からないというのが実態なんです。
 しかし、その新聞会社というのは、例えば一番大きい読売新聞で言えば一千万部を、そしてその傘下には日本テレビを始めとして大変大きな傘下の、これ今グループ会社を統轄している持ち株会社になっていますけれども、その会社の下にたくさんの子会社をつくっている。子会社ったって相当大きい会社ですよね。日本テレビだとか、あるいは読売巨人軍もたしかそうだと思いますよ、一〇〇%子会社だと思います。そういう巨大な影響力を持っている会社のその実態は、その持ち株会社の実態は実はよく分からない。何だかその持ち株会社を解禁するとき戦前の財閥の復活はあり得ないと、こうおっしゃったわけですけれども、財閥とは違ってこういう問題が残っているということは、えてしていわゆるその会社の中の少数の持ち株しかないようなところではスキャンダルがない限り内部の問題が明らかになってこない。そして絶えずそういう問題が起きてきている。
 そういう意味でいうと、今回の会社法の大改正、商法の大改正で会社法を独立させるというときに、この日刊新聞の発行を目的とする株式会社及び有限会社の株式及び持分の譲渡の制限等に関する法律については何らかの形で会社法改正のときに見直しはされたんでしょうか。問題が全くないんならいざ知らず、問題がずっとこういうふうに指摘されていながら会社法の問題でこれだけに何だかその株の譲渡制限を掛けているのは問題じゃないか、こういう議論があったのかないのか、この点をお聞きしたいと思います。
#88
○国務大臣(南野知惠子君) 委員御指摘の法律は、日刊新聞の発行を目的とする株式会社において、その事業と関係のない者が株主となることを防止するため、定款で第一に、譲受人をその株式会社の事業に関係のある者に限定すること、第二に、事業に関係のない者が株主となった場合にはその者に対して事業に関係のある者に譲渡することを義務付けることを定めることができるものでありますと。
 これらを会社法案における一般の株式譲渡制限と比較いたしますと、第一には、一点、第一点、一の点につきましては、一般の株式譲渡制限制度におきましても、譲渡を承認しないことにより事業と関係のない者が株主となることを防ぐことはできますが、その代わりに株主が請求をしたときは会社自身が譲り受けるか、異なる譲受人を指定しなければならない、これ百四十条でございますが。二番目の点といたしましては、株式を取得した者に対して、定款で事業に関係のある者に譲渡することを義務付けることはできないという点で異なっております。
 このように、御指摘の法律は会社法案における制度と大きく異なる制度を規定しておりますので、会社法の整備法におきまして、株式会社と有限会社との統合及び株式申込書の用紙の交付制度の廃止という会社法の改正に伴う最低限の整備を行うにとどめたものであります。
#89
○峰崎直樹君 大臣、議論したかどうかということだけ聞いているんです、中身の問題は別に。したんですか、しなかったんですか。
#90
○政府参考人(寺田逸郎君) 法制審議会等において、この点について実質的な議論をしたことはございません。
#91
○峰崎直樹君 ということは、議論はこの点は全くしていなかった。つまり、この間、日本経済新聞の問題もありました。あるいは、新聞社といったら、昔朝日新聞だって村山社主との関係で騒動を起こしていますよ。ずっと歴史をたどってみると必ず問題を起こしているんです。これは、今日スキャンダルを追及する場じゃありませんから、これは別途またやります。
 いまだに、読売新聞だとかあるいは産経新聞だと思いますけれども、大手五社でいえば、この二社については子会社が上場されているけれども、親会社の、持ち株会社の実態というのは依然として我々は内部の実態を知ることできないんですよ。一体だれが株を持って、どのぐらいの株を持っていて、どういう支配をしているのかさっぱり分からない。こんな実態を私はやはりつくっているというのは、これは何も私は権力が介入しろと言っているんじゃないんです。私は介入すべきでないと思っているんですが、少なくともそういうところの情報が開示をされていないがゆえに、一体何が起こっているんだろうかということが分からない。スキャンダルが起きたときだけ、ああ、どうやら何か問題があるなと。どこか、社長がどこかの料亭で別会社の経費を使ってこんなにやっていたとか、そうやって出てくるわけですけれども、そういう問題も含めて、これは是非課題として一度法制審議会の中で、全く議論してないという話ですから、これしか新聞に関しては一切法的に規制されているものはないんですから、この点は是非私はやるべきだということの主張を申し上げておきたいというふうに思います。
 さてそこで、今日は余り、もうこれで十分たっているわけですけれども、時間がありませんから、今申し上げたように、ややトピックス的なところから入っていきます。
 日本の株式市場というのは、貯蓄から投資へということで我々も随分そのことを議論してまいりました。最近の敵対的TOBとか、そういう問題が起きてきて、非常に危惧する問題が私は出てきていると思っています。何かというと、日本の株式市場は、今まで最大の問題というのは、どうも証券市場は株の持ち合いをやって、個人株主と言われている者が極めて参加しにくい構造になっています。そうですね。今、七条副大臣もうなずいていらっしゃいますね。何度もこれ議論してまいりました。だから、個人株主が、貯蓄から投資へということで税制上の優遇措置含めて今物すごい努力をしているわけです。ですね。そのときに、TOBが、その敵対的TOBに対して対抗するために何を今経済界の中で起きているかというと、再び持ち合いを強めましょうということが起きているんじゃないんですか。
 この点について、これは金融担当大臣に答えてくれって、今日は大臣来ておりませんから七条さんに答えていただくんですが、こういう動きに対してはどのように考えておられますか。まず、金融担当大臣に。
#92
○副大臣(七条明君) 今日は大臣がおりませんので、今日、私の方からお答えさせていただくということになりますけれども、今、峰崎先生、この問題について随分と造詣の深い先生ですから私も慎重に答えなければならないと思っておりますけれども、株式の持ち合いを行うかどうか。これは、基本的には個別企業の経営判断の問題であり、持ち合いに当たっては、ガバナンス上の問題を含めて惹起することのないように十分留意をしなければならないというのはもう言うまでもないことでありますし、企業の経営者におかれては、株主を始めとするステークホルダーの利益に十分目配りをしながら経営を行っていただくことを求められると。これはもう企業的な、個人的な企業判断でやらなければならないことであるというふうにしか言いようがありませんが、御容赦賜りたいと思います。
#93
○峰崎直樹君 七条副大臣、これ我々は今、株式市場をできる限り、千四百兆円の貯蓄が株式市場に流れてない、貯蓄に流れている、それをできる限り移していこう、そのことによって株式市場、活性化しますよね。そのときによくよく見たら、安定株主と言われているものがかなりのウエートを占めていて、そしてさらにそれの持ち合いを強めていけば、安定株主、もっと増えるわけです。あるいは実際上、お互いにその株式の持ち合いをやってしまえば、これ実際上、資本でなくても資本になってしまうんでしょう。
 そうすると、こういうことは望ましいのかといったら、これは今度逆に、法務大臣、あるいは法務省でも構いませんけれども、この持ち合いというのは本当の実際の資本なんですかということについてはかねてから議論があったわけですよ。それをまた今度、TOBを阻止するためにこれをやりますというふうになっていったら、再び歴史がまた二十年も三十年も元へ戻っちゃって、これは日本の株式市場を本当に世界に開かれ、国民にとって開かれたものにしていくということからすれば大変な後退になるし、これはあってはならないことじゃないんだろうかというふうに思うんですが、この点は、まずは法務大臣、法務省でも構いませんから、こういういわゆる株式の持ち合いと言われているものの、これ法制審議会などでも恐らく、これ本当に実質の資本なのかどうなのか、もっとも資本というのは最近なくなっちゃって、一円でもいいとかと言い始めているからそういうものと関係ないのかもしれませんけれども、その点どんなふうにとらえられていますか。
#94
○政府参考人(寺田逸郎君) 持ち合いというものについての評価というのは、これは先ほども御議論がありましたとおり、いろいろな評価はあろうかと思います。商法上は、これは例えば親子会社との間の株の持ち合い等一定の規制はあるところでございまして、今委員は資本の関係とおっしゃいましたけれども、一種の自己株式の派生形というようなことで考えられている学者の先生もおられるわけでございまして、そういう意味での評価というのは必ずしも高いものではないというところではございます。しかし、この持ち合いにも様々な意味合いはございまして、経営戦略上の必要もございましょうし、一概に否定はできないところであろうかというふうには思っております。
#95
○峰崎直樹君 余り好ましいことではないというふうにちょうどおっしゃいました、私もそう思っているんですが。そうすると、これ資本市場を見ておられる七条大臣、七条大臣は、いや、一般的にはこれはあり得ることだと、こうおっしゃっています。いや、あり得るかとかあり得ないかといったら、存在しているものは過去ずっと存在しているし、今でも依然として、あれでしょう、持ち合い株式持っていて、安定株主の比率というのは高いんでしょう、日本は。だから、それをなくしていこうというのが今の流れなのに、これを高めていこうという動きが出ていることに対して、この点、日本の株式市場を国民により開かれたものにするという観点からしたら、これは逆行していませんかと。だから、その点について、しかも天下に名立たる企業がやっているわけですよ、どことは言いませんけれども。
 そうすると、そういう会社のやりようについて、少しそれはいかがなものかということで、それはむしろクレームを付けるのが私は、いや、経営に一々介入すべきでないという筋論があるのかもしれませんが、それは資本市場を見ているその金融担当の副大臣としては、それはどうなんでしょう、よろしくないという観点に立っていただけるんでしょうか。
#96
○副大臣(七条明君) 先生も十分御存じのとおり、ここ数年、一九八七年ごろから持ち合い比率というのが、これずんずん、少しずつですけれども、減ってまいりました。そして、今二〇〇三年までの数字しかございませんけれども、ニッセイの基礎研究所の発表によりますと、一九八七年には一八・五%程度持ち合い比率があったものが、今二〇〇三年で七・六%ぐらいまで持ち合い比率が下がっております。ここへ来てまたそれが上がり掛けたんじゃないかという御心配をいただいて、今、峰崎先生の方からお話があったわけでありますけれども、そういう意味も含めまして、いろんなことで私たちは対応してまいらなきゃならないとは思っておりますけれども、しかしながら、これは個別の企業の経営判断の問題であると。先ほども、繰り返して申し上げるのは失礼でございますけれども、十分に目くばせをしながら経営を行われる、いわゆる株主を始めとするステークホルダーの利益に十分目くばせをしていただきながら経営をしていただくことを願ってやまないところでございます。
#97
○峰崎直樹君 この点はまた、公開株式市場を扱っている財政金融委員会等でもまた議論していきたいと思いますが、ちょっと時間がないので先に進みます。
 開業率、廃業率の問題が出ました。
 経済産業省、今日お見えになっていると思いますが、先ほども同僚議員が一円株式のお話がありました。一九九九年だと思います。新事業創出促進法というのを作られたんですね。そこで、これを提起する、つまり一円でも、資本金一円でも株式会社つくっていいんですよということを提起した背景というのは、主要には日本経済が厳しいとか失業率が非常に厳しいとか、過剰設備とか過剰雇用とかあるけども、開業率が廃業率を下回っているし、アメリカに比べて非常に低いと、これを高めたいと、こういうことが背景にあったというふうに言われているんですが、そのように認識をされているんですか。
#98
○政府参考人(舟木隆君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、我が国におきましては長らく開廃、開業率、廃業率の逆転現象というのが生じておりまして、九九年から二〇〇一年の我が国の開業率、廃業率を見てみましても、三・一%、四・五%と、廃業率の方が増えているところでございます。
 先生御指摘のとおり、この最低資本金の規制の特例制度につきましては、このように廃業率が開業率を上回っているというような事情も背景となっているところでございます。
#99
○峰崎直樹君 私が持っているこれ通産省が九九年二月に新事業創出促進法を提案したときの理由の中に、アメリカの開業率は一三・八、廃業率一一・四、これ九四年の数字だと。日本は開業率が三・七で廃業率が三・八、九四年から九六年の平均。
 この新事業創出促進法によって開業率、廃業率はどうなったんですか。逆転したんですか、また元へ、開業率の方が廃業率より高まったんですか。
#100
○政府参考人(舟木隆君) お答え申し上げます。
 開業、廃業のデータが、実は一番新しいデータが、私先ほど申し上げました九九年から〇一年までの数字でございますので、この制度ができました後にこの廃業、開業がどうなったかというのはまだ明らかになっていないところでございますが、この最低資本金の特例制度を利用しましてこの二年半の間に二万五千社が新たに設立されたところでございます。
 法務省の統計でございますが、法人企業の新しく設立された数なんかを見ましても、従来よりは一〇%程度は増えてきているんではないかという数字もございますので、この最低資本金規制の特例制度によりまして新しくできる会社が相当増えてきているんではないかというふうに考えておるところでございます。
#101
○峰崎直樹君 その数字はもらいました。
 それで、確かにそれで、いわゆるこの最低資本金特例による会社成立件数が二万五千近くで、うち一円起業が千件を超えていると。でも、これは開業率、廃業率に結び付いているかどうか分からないんでしょう、今おっしゃったように。分からないものをなぜ今度の会社法改正の中に取り入れるんですか。要するに、一円起業が増えているかもしれない、二万五千ぐらいその会社の設立があったかもしれない。しかし、開業率、廃業率というときに我々が気を付けなきゃいけないのは母集団なんですよ。要するに、二百五十万社あるかもしれない、その中小企業を含めれば。そのときに、その中小企業と言われているその企業の数の中にどのぐらい休眠法人があるのかという、そこを抜かないと駄目なんですね、これ。今までの統計見て、それを抜いたやつを見たことがないんです。
 それで、今、日本銀行の審議委員、今度西村清彦さん、今度四月からなられましたけれども、この方が実はコーホート分析、すなわちどういうことかというと、でき上がった企業の個別の企業データをこれを全部調べて、そしてその企業がどのぐらい、何年たったら残っていくかというコーホート分析やられているんです。その数字を見る限り、日本企業は設立間もないころにすぐつぶれる会社はあるけども、二、三年たったらそれ以降の会社の生存率というのは極めて高い、ここは欧米に比べて遜色ないということを書いてあるんです、アメリカやカナダに比べて。
 そういうことからすると、一円起業と言われているものをつくったからこれは小泉さんの改革が成功したって、これたしか竹中さん言っていたけども、それが原因でなったのかどうかということは私は分からないし、もしかするとそれ以前の段階から日本企業は、実はいろいろある中で、そういうコーホート分析を調べてみたら、いわゆる開業していった企業の生存率というのは結構高いよと、そしてそれが日本の経済を支えているよと。
 だとすれば、そういう一円なんていう、我々からすればびっくりするような、そういう本当に資本充実の原則なんていうのが一体どこに行ったんだろうかと思うような改革をいわゆる特例法で経済産業省は設けたけども、それがまだはっきりもしない、本当の意味でそれがうまく功を奏したかどうか分からないのにこういう会社法の中に取り入れていくというのは、私はおかしいんじゃないかなと思っているんです。
 それはどういうことを言いたいかというと、実はどうもベンチャー企業、ベンチャー企業というふうに言ってベンチャー企業に適用していますよということを言っていながら、実はその適用が全部のいわゆる公開株式会社まで適用される例が余りにも多過ぎるんじゃないですか。だからおかしなことがどんどんどんどん起きてきているんじゃないですか。私はそう思えてならないことがあるんですよ。
 例えば種類株。種類株というのが、あのUFJとUFJ銀行をめぐる三菱東京とそしてそれから三井住友の間の争奪戦になった。あのときの種類株を入れたために、実はUFJホールディングの株主の皆さん方の本当の株主の権利というのは一体どこへ行ったんだろうかと、こういう問題を実は惹起したわけです。いや、これは理屈を立てて、いやこれは合法だ何とかという理屈はあるかもしれないけども、本来種類株というのは、ベンチャーキャピタル、ベンチャーキャピタリストがいわゆる資本というもの、自分の投資したお金をしっかり守らなきゃいかぬから、そのためにその人だけの種類株というものを設けてやろうというふうに本当は考えていたのに、ああいう巨大な企業がやってしまうわけです。同じようなことがたくさんありませんか。
 資本充実の原則で、今一円というふうに言いました。先ほどは、一株当たり五万円という基準がなくなりましたよね。そのことによってライブドアという会社は株式分割をどのぐらいやったんですか。一万回やったわけですよ。一万分の一にしたわけでしょう。株式分割をすれば、その株式分割をした株は一時的には上がるけど、ずうっとこれは傾向的に下がっていく、これははっきりしている、そのことを利用してぬれ手にアワのお金をもうけたんじゃないですか、これ表現が適切かどうか分からないけど。そのときに、いやいや、そういうことをするような企業は現れない。
 私はある学者から言われました。株式会社というところにカンパニーリミテッドって書いてある、これは危ないですよということのそのあかしなんですよ。つまり、会社というのは何をするか分かんない、しかも責任は自分たちの出資している範囲以外は取らない、そういうある意味では危険な存在なんだということを言っているわけです。
 そうじゃなくて、今までの改正案というのを見ると、たくさんいろんな改正しているけども、大半の改正は全部、そういう意味でいえばこれはベンチャー企業向けですよ、これはまさかそういう悪質な、一万分の一に分割するような人は、まさかそういう人は現れませんよと。現れているんですよ。ToSTNeT、今日は七条さん、これ今度は証券取引法の改正でやりますよ。ライブドアが、ToSTNeTの2を使ったならまだしも1を使ってやったというのは、あれは完全に市場取引じゃない。これはまたいつか議論したいと思います。
 あれは何のためにつくった、ToSTNeTというのは市場だったんですか。持ち合いを解消するのに、どばっと出てきたから大変だから、それぞれがあのToSTNeTというところでやりましょうというのが法の趣旨だったわけでしょう。それがいつの間にやら、法の趣旨はそうかもしれないけども、これをやったらもうかりそうだとか、これをやったらうまくいくとか、そういう人に満ちあふれてきているんじゃないですか、今の日本の企業というのは。そのことを手助けする弁護士がたくさん出てきているんでしょう。そういう人の影響を法制審議会もだんだん受け始めているんでしょう、言いたかないけれども。だから、そういうところが私はちょっと、何だか言いっ放しになってあれだから、問題なんで、もう三十分たち、あと次の擬似外国会社へ行かないとまずいんで、そっちへ行きますけれども。
 そういう意味で、今の会社法のいわゆる、今規制緩和と言っていいんでしょうか、いろいろなものが緩和されてきているけれども、そこについて、そのような反省をしてきちんと対策を取るべきことはきちんと早く取っていかなきゃいけないと、こういうふうに考えるんですけれども、この点はどなたが答えてくれるのが一番いいんでしょうか。南野大臣、どのように考えたらいいんでしょうか。あるいは七条さんも、後でもし何か意見があったらお聞かせください。
#102
○政府参考人(寺田逸郎君) 今、会社法のこれまでの改正も踏まえて御指摘をいただいたわけであります。
 おっしゃるとおり、種類株のバラエティーを非常に増やしましたし、様々な資金調達面での機動力を高める策をこの間取ってきたわけであります。その中には、もちろん副作用と申しますか、全く弊害がなかったとは申しません。したがいまして、今、峰崎委員がおっしゃったように、何らかの時点でもちろん絶えず検証というのを念頭に置いた上で法律の運営をしていかなきゃならない、あるいは見直しをしていく必要も出てくるかもしれないという一般的な姿勢については私どもも全くそのとおりだと思うわけであります。
 ただ、一言だけ最低資本金のことについて申し上げれば、私どもの立場では、どちらかといいますと、廃業率のような、起業率というような量的な問題よりは、やはり全体的に余りお金を掛けずにその業を起こすという種類の企業が出てきた以上はやはりそれにフィットした法制を設けなければならないという質的な問題を念頭に置いているわけであります。全くのネットだけでの企業というようなものはそれほど当初での資本の投下というのは必要ないわけでありまして、そういうものが出てきた以上はやはりこういう制度に移行せざるを得ないという、どちらかというと起業率、廃業率よりはそのような質的な問題を今回は見ているというように御理解を賜りたいところでございます。
#103
○副大臣(七条明君) ライブドアの問題について、ToSTNeT―1ということで今お話がありましたけれども、個別の問題でもございますし、理事者の方から答えさせていただきたいと思いますが、御承知賜りたいと思います。
#104
○政府参考人(振角秀行君) それでは、私の方からお答えさせていただきたいと思います。
 これについては、現在、証取法改正案を出しておりまして、財政金融委員会でも今後御議論をいただきたいと思っておりますけれども、立会い外取引につきましては、峰崎議員御指摘のように、できました経緯につきましては、持ち合いの解消とかあるいは一定の株式ポートフォリオをバスケットとして大量に取引するというときの実需にこたえまして作った取引でございましたけれども、今回のライブドアの件につきましては、これを放置しますと株主に平等に売却の機会を与えるとのTOB規制の形骸化を招くおそれがあるというふうに考えましたものですから、既に国会に提出して、これから参議院で審議いただくことになっております証取法改正案におきまして規制の対象としたということでございまして、株式の状況等に応じまして絶えず我々も見直していく必要があると考えておるところでございます。
#105
○峰崎直樹君 今お話しなさったように、問題は、違法ではないけれども問題があるので法律を作って直そうと。問題があるというのは、何が問題かというと、株主の公平の原則に問題があったわけですね、恐らく。公平性以外のものもあるかもしれません。とにかく問題があった。
 そうすると、これ、これからまた同じようなことをずっと繰り返すんじゃないかなという気がするんですよ。違法ではないけれども問題があったというような、そういうことの繰り返しをずっとこれまでやってきた。そうじゃなくて、ここら辺、ちょっともう一回原点に立ち返るというか、法のいわゆる原則、プリンシプルというのは何なんだと、そのプリンシプルから違反することは許されないぞというところに行かないと、問題だと思うようなことを次から次へ挙げてパッチワークのようにくっ付けていったら、幾らこれ法律を、法律を、法律をと作ったらこれ仕方ないことになっちゃうんじゃないか。
 例えば、証券取引法第百五十七条という包括規定がありますけれども、これなんか全くと言っていいぐらい使われたことない。今度のライブドアの一件だって、もし、これは法の精神からしたらおかしいんだと、TOBというやり方からすればこれはあってはいけないことなんだと。
 それで、実はこれを非常に法律違反だということで対応するというのは大変かもしれませんが、最近ずっと見ていると、どうも談合の問題もそうです。それから、税に対する脱税、それから年金の問題もそうだと思うんですけれども、もうすべてがそういったところがどうもたがが緩んで、そして問題があったところだけばんそうこうのように張っていくという、そういうやり方はもう私はやっぱりやめるべきじゃないかなというふうに思っているんですよ。
 だから、その意味で、またこれは証券取引法のところで進めたいと思いますので、引き続きその点でまた議論をさせていただきたいと思いますが、そこで、擬似外国会社の問題に移りたいと思います。
 午前中の連合審査の中でも随分議論になりました。この会社法第八百二十一条の規定は、このまま発効した場合には、これ相当弊害が私出てくるというふうに思うんです。
 で、八百二十一条の規定は、午前中寺田局長なんかのお話を聞いていても、これは法案そのものとして問題があるかといったら、私は、比較的指摘されていることは、こういうことはあっちゃいけないよねと、ペーパーカンパニーなんていうのはつくっちゃいけないよねということについては私はそうだと思うんです。しかし、問題は、この会社法八百二十一条の規定をもしそのまま準用した場合に、これまで実は存在をしていた証券業界、保険業界、その他の業界で自分は擬似外国会社に当たるのではないかと思っている企業にとってみると、これは大変なことだ、これからもう継続してできないんだという話になっていくわけです。
 そこで、ちょっとこれは金融庁にお聞きいたしますけれども、証券会社に関しては、外証法と、こういうふうに通常呼んでおりますが、外国の証券会社に対していわゆる登録をするとかそういうことについての法律を作っていますよね。それで、実は免許を与えて、登録をして免許を与えてその外国証券会社を実は日本で商売をすることについて認めているわけですけれども、これは何のためにこういうわざわざ外国証券会社に対して法律を作らせたんでしょうかね。
 これ、振角さんでいいんでしょうか。ちょっと事前に、もしかしたらこれ、抜けているかも、質問抜けているかもしれませんけれども。
#106
○政府参考人(振角秀行君) じゃ、お答えさせていただきます。
 ちょっと正確ではないかもしれませんけど、ちょっと事前通告いただいていなかったものですから。
 基本的には、我々としましては、設立自体は商法に基づいて株式会社として設立されているという認識でおられますけれども、特に支店形態で進出を認めるためにこういう法律を作ったというふうに理解しているところでございます。
#107
○峰崎直樹君 なぜそういう形態で作らせたんでしょうか。
#108
○政府参考人(振角秀行君) これはもうかなり昔作った法律でございますので、私の一応記憶等に基づいて答えさせていただきますと、当時は証取法六十五条というのを、現在も残っておりますけれども、そういうことがありまして、外国の金融機関の中で銀行なんかが直接その証券会社に進出するに当たってはいろいろ制約があったということがあって、こういう形態も認めたというふうに記憶しておるところでございます。
#109
○峰崎直樹君 たしか私、ちょっとうっかりしていて外国証券業者に関する法律、事前に通告していなかったかもしれませんが、その第四条にこう書いてあるんです。登録の申請、第四条、前条第一項の登録を受けようとする者は、国内における代表者を定め、次に掲げる事項を記載した登録申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。その一項めに、商号及び本店の所在の場所。二、資本の額及び持込資本金の額。役員、主たる支店その他支店の名称及び所在の場所。六、いずれかの支店において他に事業を営んでいるときは、その事業の種類。
 そうすると、今申し上げたやつは、当然これを見るとペーパーカンパニー、擬似外国会社であるとおぼしきものについては当然これで、あっ、この会社は旧商法四百八十何条ですか、これに違反している会社じゃないかということを分かりますよね。法務省、どうです、ちょっと今聞いていて。
#110
○政府参考人(寺田逸郎君) これは、個別の会社について申し上げるのは差し控えたいと思いますが、一般的に、外国会社が日本において免許を取る、あるいは許可を取る、届出をするというようなたぐいの事業をする場合には、当然のことながらまず外国会社としての登記をするわけでございますし、その他、先ほど、行政上の届出等をする際に様々なデータを提出するということになりまして、そのデータに基づいてこの四百八十二条の要件はクリアしているというように判断されているというふうに私どもは理解をいたしております。
#111
○峰崎直樹君 商号及び本店の所在の場所ですよ。そうすると、本店、これケイマンと書いてありますよね、あるいは香港と書いてある。そして、いずれかの支店、主たる支店その他の支店の名称及び所在の場所、これ日本以外にないんでしょう、このいわゆる旧法も、そして新法も。そうしたら、これは擬似外国会社じゃないかと、ペーパーカンパニーだと分かるわけですよ。
 そういう形態での資本進出を認めてきたのがこの証券業界におけるやり方だったんです。こういう会社に対して、いやいやいや、本当はあんたの会社は大正七年の判例によればこれは違法なんだということですよね、言ってきたんです。だから今度の会社法を改正したわけですよ。それはちょっと私はひどいじゃないかということを言っているんです。
 正しいんですよ。法の規定として、私は、ケイマンやそういうところにペーパーカンパニーがあること、そして脱法的なことをやっているとすれば問題だというふうに思う。だから、この八百二十一条の規定は、どこを見てもこれがおかしいかおかしくないかといったら、別におかしくないかもしれない。問題は、これまでの日本政府が特にこのいわゆる外国証券業に関する法律でもって認めてきているということは、もう既にそういう会社があっても商売をやっていて、まあこれまでやってきたし、影響力も非常に大きいわけです、もう既に、国内の中におけるシェアも含めて。大臣、これちょっとよく聞いておいてくださいね。
 そうすると、この規定をぼっと変えただけで、これにこれからは従ってもらいますよと、こういうやり方で国際社会でWTOからも提訴されて、今までいいと言っていたものが今度の法律で駄目となって、それをやり変えるのには別会社をつくれとか、別の現地の会社をつくってそこに移転していけと、こう言われるけれども、それはものすごいお金が掛かるわけですよ。
 そうすると、このいわゆる規定を正しいとした場合に、ただしとか、例えばいわゆるあれですよ、何といいましょうか、付表、最後に、付表じゃないや、附則で、ただ八百二十一条の規定は、ただし、これまで日本において擬似外国会社とおぼしき形態で認められていた会社にも実はこれは当分の間適用しないというように書くなり、あるいはただし書でこの条文の中に書き込むか、若しくはこの八百二十一条全部削除しようという法制審議会の議論もあったんでしょう。八百二十一条を削除して、そしてその八百二十一条を削除した上で、我々としては、これが脱法行為につながるような危険性が強いんだからそのことに対するきちんとした対応をしなさいということを、これ附帯決議か何かに付けるのかどうか分かりませんけれども、これしか私どうも対応の仕方がないような気がするんですよ。
 どうです、今大臣、法務大臣、私の言っていたことを聞いて、もう日本政府が過去、証券業だけだったかもしれませんよ、法的には。しかし、こういう形態で認められるんであれば、ほかの保険業もほかのIT企業も認められる、あるいはもっと言えば、これ日本の会社がいわゆるSPCを使って、例のアセットバックCPをこれで実は運用しているとか、そういうことも実はケイマンに支店を置いてこれをやっているということがあるんで、何も外国の会社だけじゃなくて、日本の会社も同じように擬似外国会社ということでやっているんですよね、これ。
 ですから、大臣、是非この点は、こういう民主党が言っていることは別に民主党の党利党略で言っているんじゃないんです。日本の株式会社法がせっかくここで良くなるんだから、良くしようとしているんだから、そういう過去の日本政府のやってきたことに対して、今いきなりこれは駄目ですよというふうになるわけにいかないんで、是非、そういう建設的な方向でこの法の修正、是非考えていただきたいなと思うんですけれども、どうでしょうか。
#112
○国務大臣(南野知惠子君) 修正ということよりも、まず現行の商法の四百八十二条は、判例上、擬似外国会社には法人格を認めない、その旨の規定があると解釈されております。これは四百八十二条であります。擬似外国会社が日本での取引を継続するために別会社をつくらなければならないということは、むしろ現行法の下においてこそ求められることであると。
 また、会社法案八百二十一条によって擬似外国会社に法的に不利益が生ずるのであれば経過措置を置くことも考えられますが、今回の改正によりましてそのような不利益は生じませんし、現在、商法四百八十二条に違反している擬似外国会社に特例を認めるべき理由もありませんので、修正をする必要はないということでございまして、問題は、むしろ擬似外国会社には実際には当たらない会社に無用の誤解を生じせしめる混乱を生ずることにより、この点では十分に規定の趣旨の周知を図りたいと考えておるわけで、今よりも緩やかになるというふうに我々は思っております。
#113
○峰崎直樹君 だからさっきから、外国証券業者に対する法律とか、こういうそういう過去の民法の時代の擬似外国会社であっても実はそれを受け入れて、しかもそれを日本の法律の規制に基づいて実は仕事をさせてきたわけじゃないですか。
 そうしたら、その擬似外国会社と、これ、先ほども申し上げたように、商号、本店の所在だとか資本の額だとか、あるいは主たる支店だとか、こういうことを登録しなきゃいかぬときに分かるわけですよ、これは擬似外国会社に当たるなと。旧法に違反している。違反しているけれども特別の立法で実は導入を認めたんです。恐らくその理由は、振角さんはよく、今いきなり言ったから分かんないと思うんですが、多分その当時に、導入するときの彼我の力関係とか、なぜこういう形態でしかその進出を認めなかったのかと、事情があったと思うんですよ。そうしたら、それは事情があってそういうものがあったとすれば、私はやはりこの段階においてその事情はどこかに生かさなければ、それは事情は過去のことよと。法律に関してはこれまでどおりこの八百二十一条でそのままでいいですよと、こういうふうにはならないじゃないですかと。
 これ私、実はもう与党の皆さん方に言っているんですよ。衆議院段階でこれ気が付かなかったんですよ。参議院で大久保君が質問して分かったわけだ。だから、これ参議院で分かって、是非これは衆議院にもう一遍返しましょうよと、この点を修正して。そして、そのことが日本の株式会社法というのは本当に世界に誇る株式会社法になったねと。そのためには、世界の皆さん方が、この八百二十一条の規定についてそのままやられるとこれ大変なことになりますよということも言っているわけですから。間違った規定じゃないんですよ。言っていることは、私は決してそんなむちゃくちゃなことを言っているんじゃなくて、是非、この機会にこういう形で、やはり修正という形で決断をしないといけないんじゃないかと思うんです。
 そこで、前にほかの四人、政治家が並んでおられます。一人ずつお答えください。もう、南野さんはもう結構です。もう今の答弁じゃとても私どもは認められませんので。是非、我々の信頼している七条さん、それから段本さん、それから私も、自治省の先輩、大先輩であります、信用しておりますので、よろしくお願いします。
#114
○副大臣(七条明君) 私の方は金融庁の立場でございますけれども、今朝ほどこの話、連合審査の中で随分と、今まで法務省、この所管をする法務省が言っておられたことから、随分この擬似会社、擬似会社のことについて引き寄せられるような論議があったんじゃないかと思うんです。
 私、田村議員、あるいは藤末議員、あるいは共産党の大門先生辺りからこの話があったときに、擬似会社そのもののいろいろな定義というものがどこまでなんだということを法務省できちっと示しつつあるんではないかと、こう思っておりまして、そういう意味からいきますと、私どもは、午前中の審議において、会社法案を提出していただいた当局の法務省から擬似外国会社の規定に係る見解が示されつつあるんでないかと、どんどん示されてきたんじゃないかと思っておりますから、その該当の解釈について法務省において見解の周知がこれから行われる、そしてその行われたことに対して、私たち金融庁としては今後も法務省との連携を図りながら、この問題に可能な限り、各皆さん、疑念、懸念を持っておられる皆さん方に対して懸念のないように、それを払拭していくような努力をしていかなきゃならないというふうに考えておるところでございます。
#115
○峰崎直樹君 ちょっと四人、今政治家として答えてください。
#116
○副大臣(滝実君) 峰崎委員からただいま懸念の御表明がございました。しかし、私ども法務省はさような懸念がないように今までも運用してきた、そういうふうに思っております。したがって、今回、海外におきましては、この八百二十一条の部分だけを翻訳しますとこれは大変だと、こういうふうに受け取られていると思いますけれども、現在の現行法において認められているような日本において活動している企業が今度の八百二十一条によって真正面からそれが否定されるというふうには思っておりません。
 したがって、今、七条副大臣からも集約されて、集約しておっしゃいましたけれども、当初、金融庁がこれは危ないんじゃないかという幾つかの企業をリストアップされたようですけれども、私どもは、それそのものが現行法でも認められるものであるしというふうに思っておりまして、そういう意味では御懸念のないというふうに私どもは考えております。
#117
○峰崎直樹君 段本さん、もしよければ。
#118
○大臣政務官(段本幸男君) 今、滝副大臣、政治家、七条金融副大臣お答えになったように、両庁で考えられて結論を出されれば、我々、政府一員としてそれを支持していく立場、かように考えております。
#119
○峰崎直樹君 何だかもう、ちょっとめろめろになっちゃいましたけれども、それでは滝さん、今おっしゃったリストアップしたものを資料で出してくださいますね。出すのか出さないのか、はっきり。
#120
○副大臣(滝実君) この資料は、金融庁が検討した結果が、幾つかの懸念されている企業があると、こういうことでございまして、私どもが検討したわけじゃありません。私どもは、むしろそういう具体的な企業を持っておりませんから、私どもは、現在認められているものは当然それは現行法でも認められるものだと、こういうふうに理解をいたしております。
#121
○峰崎直樹君 それじゃ、金融庁さん、正確にそういう疑わしきところで出していただきたいと思いますが、よろしいですね、それ。七条さん、いいね。
#122
○副大臣(七条明君) 今朝ほどもお答えさせていただいたところでございますけれども、先般の法務委員会の御答弁がありましたことに対して、外国の証券会社四十社のうち三十社余りが自社に擬似外国会社でないかというような法的なリスクがあるということを、これを調査をいたしまして、懸念をされておられるところがあるということでございました。
 それに伴いまして、私たちはそれを今、擬似会社ではないと思っておりますし、そういう意味で、いろいろな形で免許を出し、あるいは登録制度の中で登録をしてきたところでございますから、当然それらの問題については疑念を払拭していく努力をしなきゃならないと、こういうふうに考えているところでございます。
#123
○峰崎直樹君 要するに、これ本当にそういう小細工でやろうとしているような気がするんですよ。例えばここで定義付けを、もっと解釈を、これはそうじゃないと。こういうペーパーカンパニーをつくって専らやってきたやり方というのは良くないということは我々認めているわけですから。そうじゃなくて、そういうことをありながら、旧法でもありながら、そういう企業を実は設立を認めてきているわけですよ、法律を作って。そういうことに対して、何とかこの機会にそういう企業の対応の仕方を別途考えれば問題ないわけですよ。
 だから、そういう意味で、このままでいくということでこの定義付けを変えたり、いや、解釈を変えたりして、それでやっていけますという、そういう範疇のものにしたら、それこそ私はおかしくなっちゃうんじゃないかなという気がするんですよ。
 その意味で、私は、今お答えになったことも全然答えになっていないけれども、是非そういった点を、もし後で寺田さん答えていただくのはいいけれども、もう時間も余りなくなりました。
 そこで、一つだけ金融庁さんに、私、委員長に資料請求やっぱりしておかなきゃいかぬと思いますので、今申し上げた擬似外国会社とおぼしき、いろいろなことを言ってきた企業について、もし、資料請求したいと思いますので、企業名を明らかにしてもらいたいと。それから……
 どうぞ。
#124
○委員長(渡辺孝男君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。
#125
○峰崎直樹君 もうそんなに時間がなくなったので、本当にこれ、何といいましょうか、そういう小手先のことだけじゃないんですよということは先ほど申し上げたとおりなんですけれども、日本の会社が実は同じようなこともやってきているということも含めて非常に広範囲にわたっているわけですよ。ですから、そうすると、本来そういうペーパーカンパニーをそういうケイマンならケイマンのところに置いて、そして日本でまたそれが仕事をすると。その税がそういうところで、ケイマンというのはもうタックスヘーブンの国ですから、そうすると、それはやはり税逃れも含めていろんなこと、問題あるんじゃないかと。
 そうしたら、それはやはりよろしくないということについてはきちんとやった上で、今までのこれまで日本の行政が進めてきた問題点は、これは附則の形でやるかあるいはこの八百二十一条をカットするか何かしてやっぱりやるのが本来のいわゆる法的な責任国家としてのあるべき姿じゃないかと思うんですが、この点、南野大臣の先ほどの答弁だと私はとても認められないので、これはむしろ与党側の議員の皆さん方にも是非お願いしたいんですよね。ここの点は是非参議院の英知でこれはやっぱり直した方がいいというふうに是非私は主張したいというふうに思います。
 それで、最後、もうあと五、六分程度になりました。そこで、本来ならばたくさんいろいろあったわけでございますけれども、今日は税の話をちょっと聞こうかなというふうに思っておりましたけれども、例えば資本金一円というような会社の話が先ほど出てまいりましたけれども、総務省の板倉さん来ていただいておりますけれども、こういう資本の極めて少ない企業の法人事業税の外形標準課税とかあるいは財務省の法人税絡みの、税制上はこれかなり大きな影響を与えるんじゃないかと思うんですが、そこら辺、検討されたことございますか。
#126
○政府参考人(板倉敏和君) お尋ねの件でございますけれども、法人事業税の外形標準課税、平成十六年の四月に導入をされまして、現在ようやく今春から実際の納税が始まっているという状況でございます。
 御承知のとおり、現在は資本金一億円超の法人を対象として導入をしておりますので、御指摘の一円株式会社といいますか、そういうものについては適用されていない、されないということになるわけでございます。将来の課題かなというふうに思っております。
#127
○峰崎直樹君 法人税の方、ちょっともう結構です。後でまたヒアリングして。
 いや、将来の課題じゃなくて、実はこれ地方自治体の税収がそのことによって落ちていくわけですよね、資本金としているわけですからね。だから、実体上資本があればいいんですとか財産があればいいんですというふうになっちゃうと、これ外形で取っている法人事業税なんかは大変困るわけですよ。ちょっと税の問題は、本当は滝さんも税の専門家ですから聞きたいところなんですが。
 最後に、親子上場の問題についてちょっと是非考えていただきたいし、早くこの親子上場について、あるいは企業結合法制と、こういうふうに申し上げていいんでしょうか、やってもらいたいと思っているんです。
 それは何かといいますと、今日、本当は総務省でやるべきだった、NTTという会社がございますね。持ち株会社がある、東西会社がある、ドコモがある、NTTデータがある、そういう子会社がずっと連なっています。その中で、NTTがドコモ及び、それからそうですね、NTTドコモが実は子会社でありながら上場して株式を公開しているわけです。そうすると、どういうことが起こったのかということですが、上場したときの株式は、これは九八年の十月二十二日時点ですけれども、NTTの時価総額、トータルとしての、持ち株会社トータルの時価総額十五・九兆円、NTTドコモは六・〇兆円。株価ですよ、時価総額です。その他NTTが九・九兆円と、約十兆円だと。それが二〇〇一年の、いわゆるITバブルのときもあったんでありましょうけれども、どういうことになったのか。NTT本体は持ち株会社のトータルは十二・三兆円、株価総額。NTTドコモは、税引き前でございますが、これが十四・七兆円というふうに、子会社の方が親会社よりも大きくなっちゃったわけですよ。こういう事例はたくさんあると思うんですけれども。
 そうすると、どういうことが起こるんでしょうかねというと、これは要するにNTTの株式を持って、買わされましたよね、みんな。いろんな、買って、何か一株当たれば何十万もうかるとかといろいろやっていました、財テクのころ。あのNTTの株を持っている人は、実は子会社の方の株の方がおれは良かったというふうな人が出てくるんですよね。
 こういう株価の大変な逆転現象まで起こすような状況に実は至っているということもあるだけじゃないんです。NTTドコモは、携帯電話だけじゃなくて、今度はPHSも買った、あるいはいろんなNTT東西会社やNTTのコミュニケーションズ、こういったところと競争する関係にも全部入ってきた。そうすると、一体全体NTTドコモはNTTの中の仲間の企業との間で本当にこれ競争らしい競争できるんだろうかなといったら、できないだろうと。株の問題もそうだし、実は、そういう問題も実はこれ競争政策上僕持っていると思うんです。これはまたいつか別途やらなきゃいけない課題だと思います。
 そうすると、この会社法上私は非常に問題になってくると思うのは、そういう親会社と子会社、子会社がこの株の上場をしました、親子上場です、これがやたら日本は多いんです。なぜこんなに多いんだろうか。東京証券取引所がそれを大いに認めているという面もある。それから、株の問題もあるんでしょう。二五%というところで、それまで実はこの配当の益金が不算入という問題がある。そういう問題を全部含めて、こういう問題が惹起するような構造を持っているんじゃないか。
 そうすると、ここは利益相反の問題が起きたり、大変な問題が実はもう既に起きているわけですから、企業と企業がこういう親子会社関係に入ってきているところにおける企業結合会計はもう来年からやるんでしょう。企業結合の税制はもう既にやったんでしょう。企業結合の法制だけ残っているんですよ。これ是非、大至急やらなきゃいけない課題だと思うんで、その点を是非よろしく、その点のお願いに対してどういうふうに考えておられるかということについて、二分で終わりで、もうちょっと超過していますので、私の方の質問は終わらせていただきたいと思います。今の点について、大臣でもいいですし、ひとつよろしくお願いしたいと思います。局長でもいいですよ。
#128
○副大臣(滝実君) 確かに、今委員の仰せのような問題意識は法務省としても持っております。したがって、その辺のところは各省との意見も聞きながら法務省として受け止めてまいりたいと思います。
#129
○木庭健太郎君 今日は会社法の法務委員会で三回目の審議でございます。午前中は連合審査もやらしていただきましたが、今日は何か一日、衆議院ではほとんど話題にならなかった擬似外国会社の問題で、もう朝からそれ一色のような形で論議がなされているような気もいたします。
 確かに、外国会社の方たちが、衆議院でこの法案が通ってみると、八百二十一条を見てみると、あら、大変なことが起きているんじゃないかというふうなことを感じられて、いろんな意味で働き掛けもされているところが一つ今日の審議になったところだろうと思うんですけれども、私は、法制審議会でなぜこの八百二十一条という問題が出てきたかという問題について、神田参考人からも実は参考人質疑のときにお聞きはしておるんですけれども、ともかく、整理の意味ということでもないんですが、この擬似外国会社についての見解について改めて何点かだけ整理してお伺いしておきたいと思います。
 まず伺っておきたいのは、ともかく皆さんがというか、外国会社があれっと思ったこの八百二十一条の一番のポイントは何かというと、擬似外国会社については日本において継続して取引を行うことができないと、できないと明確に八百二十一条がうたったことがある意味じゃ皆さんがあっと思ったところでございまして、さらに、これにかかわる罰則まで定めているというところでございます。
 ですから、今やっていらっしゃる方たちは、既に事業を行っている外国会社の方たちがこの八百二十一条に該当するんではないかという不安が高まってきているというのが現状ではないかと思うんですが、まずお聞きしておきたいのは、この中で、八百二十一条の中で「主たる目的」ということを言っておりますが、この主たる目的の意義は何なのかをまず御説明をいただいておきたいと思います。
#130
○政府参考人(寺田逸郎君) これは午前中も申し上げたところでございますが、元々現行法の商法の規定もそうでございますし、この会社法案で用意しております八百二十一条もそうでございますが、そもそも日本で会社を規制すると、様々な強行規定も設けているわけでございますが、にもかかわらず、実際には日本の会社であるべきものが外国の法律によって設立されて、それで実際は日本で活動すると、こういうことでは全く日本の法律というものが有名無実になってしまうと、そこからスタートするわけでございます。すなわち、外国会社の形を利用した日本の会社法制の脱法行為になるということを避けるというための規定でございます。
 したがって、要件もその趣旨で考えなきゃならないわけでございまして、ここで言う「日本において事業を行うことを主たる目的とする外国会社」というのは、基本的にはこの日本における事業がその外国会社の存立に必要不可欠であるということを前提に設立された外国会社であるということになるわけでございまして、実際には、普通の言葉で表現いたしますと、専ら日本において事業を行うことを目的として設立した外国会社というのがこれに等しい、そういう関係に立つんではないかなと私どもとしては考えているところでございます。
#131
○木庭健太郎君 もう一つ、例えば、もう先ほどから議論になっているんですけれども、この外国証券、特に証券会社の問題で、この多くが擬似外国会社に該当するというようなことも言われたりしておりますが、今回、商法の四百八十二条から会社法八百二十一条に変更されることによってこういう会社は不利益を受けることになるのか、この点についても御答弁をいただいておきたいと思います。
#132
○政府参考人(寺田逸郎君) 二つございます。
 第一は、要件は全く変わってないということで、擬似外国会社の概念は全く変わってないわけであります。したがって、先ほど峰崎委員からは今までよかったものが今度の改正によって駄目になるのはおかしいとおっしゃっておられたわけでございますが、それは全くそのとおりでございますけれども、この場合には駄目なものが駄目になるにすぎないわけでございます。そのことをまたひとつ御理解をいただきたいところでございます。
 第二に、効果の点でございますけれども、これは現行の四百八十二条が同一の規定に従うということで、つまり日本法によらなければいけないということを決めているわけでございますが、それは再三申し上げているとおり、判例によりますと、結局のところ、日本で設立し直さなきゃいけないということを意味するわけでございますから、設立し直さない限りは、これは全く法人格がないものと扱わざるを得ないわけでございます。
 それでは余りに不安定でございますので、継続して取引を行うことができないという程度の効果にとどめた上で、しかしながら連帯責任をその実際の行為者、具体的には代表取締役等でございますが、そういった者の行為についてこの連帯責任を課すと、こういう効果にいたしておるわけでございまして、要件の面では同じ、効果の面ではむしろ現行法の方が強いわけでございますので、したがって、この規定の変更によって不利益を受けるということは理論的にはあり得ないわけでございます。
#133
○木庭健太郎君 もう一つ局長に聞いておかなくちゃいけないのは、この擬似外国会社に該当するおそれがあるというような会社が商法四百八十二条、会社法八百二十一条が適用されるリスクを回避したいと考える場合はどういうふうにしたらいいのかということについても伺っておきたいと思います。
#134
○政府参考人(寺田逸郎君) 究極的にリスクを回避するということになりますと、日本で新たに会社を設立する、その会社に営業を承継させると、こういうことになるわけでございます。
 しかしながら、私どもは、現在の会社がそのようなリスクがある状況に置かれているかどうかということについては、先ほど金融庁の方からお述べになった立場と同一のものを取っているところでございます。
#135
○木庭健太郎君 どうせまた、これ次に議論されるような話になっていくんだろうと思いますが、今基本的なことをお尋ねしたわけであって、私が感じているのは、やはり八百二十一条そのもののこの言葉ができないということを言っている点、つまり、ここがどう英語で訳されるのか分かりませんが、そこがある意味で厳しさを覚えるようなところも実際の会社にとってはあるところもあると思います。
 したがって、ともかく不安を抱き、様々なことをこの外国会社の皆さんが動いている以上、ある意味では国際問題というようなことにもなりかねない一面があることも事実でございますし、これらの不安に対して、是非大臣、これ法務省だけの問題ではないと思いますし、是非政府はこれを、この会社の皆さん、そして海外の皆さんがこの会社法の八百二十一条について理解を深めていただけるように説明努力をしなければならないと思いますし、関係する省庁いろいろ出てくると思いますが、こことの連携も重要だと思いますし、こういったところも含めて大臣として取り組んでいただきたいし、そしてこれは今法律を審議しているわけであって、もちろんその説明を政府の側、法務省の側にやっていただきたい点、さらにそれでも十分でないならば、これは先ほど民主党からお話があっておりましたが、国会として、じゃ参議院の法務委員会として何ができるのかという点も考えなければならないだろうし、私は、だからといってすぐに修正ということは申しませんよ。そんなことじゃございません。取り組める問題はあるんです、やり方は。それはそれできちんと私たちが取り組む問題です、それは。
 ただ、少なくとも今の段階では、この八百二十一条について、極めて衆議院で成立後不安を持っていらっしゃる方が多い以上、政府としての説明責任、これはきちんと果たしていただきたいと、こう思いますし、その点についての大臣の見解を伺っておきたいと思います。
#136
○国務大臣(南野知惠子君) 擬似外国会社に対する規制といたしましては、これに該当する会社にとっては重要なことであります。関係省庁とも連携の上、その規制の趣旨や適用範囲などにつきましても正しい理解が得られるように努力してまいりたいと思っております。
#137
○木庭健太郎君 大臣そして局長、局長も含めて、是非本当に、これどういう状況で推移していくかは、私たちは私たちでこれ審議をきちんとしていきますが、周りの状況を見ておいて本当にいただきたいと思います。やっぱり、変な国際問題にだけにはしたくないし、その辺だけはきちんとやっていかなくちゃいけないと思っていますので、よろしく対応をお願いしておきたいと思います。今日はこれくらいにします。
 じゃ、別の問題へ入りたいと思います。
 お聞きしたいのはガイドラインの問題でございますが、これ各企業において敵対的買収の、これも今日いろいろ論議がありましたが、防衛策の検討が進められておりますが、先月の二十七日でございました。経済産業省と法務省が共同で策定した敵対的買収に関する企業のいわゆる防衛策指針、ガイドラインが発表されたわけでございます。
 それを見ますと、経営者の保身につながる過剰防衛を防止するとともに、買収防衛策の合理性を高め、もって企業買収及び企業社会の公正なルール形成を促すことを目的とするとうたわれているわけでございまして、ただ、このガイドラインの位置付けの問題なんですけれども、法的拘束力はないが、関係者によって尊重され、企業社会の行動規範となることを期待したいとガイドラインは述べているわけでございますが、一部マスコミによっては、このガイドラインの定める法的根拠を問う声も出ておりますし、そこでまずお伺いしておきたいのは、このガイドラインの性格及び法的根拠についての所見を副大臣及び経産省来ておりましたらどういうものか伺っておきたいと思います。
#138
○副大臣(滝実君) 今回の会社法におきましては、いわゆる企業防衛策というものに関連して選択の幅を広げるような仕掛けを導入しているわけでございます。
 ところが、会社法の場合には、基本的には言わば骨格だけでございますから、具体的に企業がそれをどう取り扱うとか、こういう場合にどうしたらいいんだろうかと。昨年はベルシステム二四というところが訴訟になりました。今年は御案内のとおりのライブドアを中心とする訴訟がございました。そういうところを見ると、一体全体どういうスタンスでこういう防衛策を考えたらいいのか、企業自体に基本的な考え方というものを示す必要がある。そういうことで、経済産業省が中心になりまして、法務省がそれに協力する形でこの言わばガイドラインを作ったわけでございます。したがって、その考え方は、これによって法律的な効果を持つとか、そういうものじゃございませんで、大体こういうようなガイドラインに従ってやれば、恐らく訴訟になった場合でもそれなりの理屈付けというものはおのずから出てくるんではなかろうかと、そういうような趣旨で作ってみたわけでございます。
 したがって、あくまでもこれが法律ではございませんから裁判所を縛るというわけではございませんけれども、少なくても考え方としてこの程度のことを考えておければ一応の基準というものをクリアできるか、そういうような趣旨のものだというふうに考えております。
#139
○政府参考人(舟木隆君) お答え申し上げます。
 経済産業省は、法務省と共同でこの指針を作成をさせていただいたところでございます。指針には、今も副大臣御答弁されましたとおり、法的な拘束力はないと私どもも承知をしております。
 そこで、先生の御質問で、経済産業省としてどういう根拠に基づいてこの指針を作ったのかという御質問でございますが、私ども経済産業省は経済産業政策をつかさどっている役所でございまして、この敵対的買収に関しまして、日本におきまして事例の積み重ねも非常に少ないというところから、企業におきまして非常に過剰な防衛策に走ったり、ないしは逆に過小な企業防衛策しか取れないんじゃないかという誤解を生じていたりというふうなおそれもございましたので、ここは適正なルールを作ることが経済産業政策の観点からも極めて重要ではないかということで、法務省と共同でこのガイドラインを作成をしたというところでございます。
#140
○木庭健太郎君 経済産業省、ありがとうございました。もうこれでほかはありませんから、どうぞ引き揚げられて結構でございます。
 その後、このガイドラインが出た後でございますが、六月一日でしたか、制御メーカーのニレコが導入する新株の予約権を活用したポイズンピルに対して、株式の、外資系の投資会社が発行差止めを求めた仮処分がございました。この仮処分申請で東京地裁は差止めを認める決定を行いました。決定はガイドラインより高いハードルを課しているというような報道もございました。この関係はどうなっているかについて御答弁願います。
#141
○政府参考人(寺田逸郎君) 確かに、今おっしゃいましたとおり、六月一日に東京地裁がニレコとザ・エスエフピー・バリュー・リアライゼーション・マスター・ファンド・リミテッドという会社との間の新株予約権の発行をめぐる差止め事件について判断を示されたわけでございます。
 これは個別の事件でございますのでその具体的な内容について詳細にコメントすることは差し控えたいと思いますが、決定の内容を拝見いたしますと、基本的には、原則として株主総会の意思に基づいて新株予約権の発行等を行ういわゆる企業防衛策を取るべきであるというスタンスをお取りになった上で、取締役会の決議により新株予約権の発行を行うことは、許容される場合として、判断要素として株主総会の意思の反映、それから条件成就に関する取締役会の恣意的判断の防止、それと第三者たる株主への不測の損害の回避等の基準をお示しになっているものと思います。
 どちらが厳しいか厳しくないかということについて申し上げることはなかなか難しいところでございますが、基本的なスタンスはそれほど違いないというように私どもとしては理解をいたしているところでございます。
#142
○木庭健太郎君 とにかく今回のガイドラインというのは、企業価値とは何かとか、例えば買収防衛策とは何か、そういうものに定義が、定義として定められているわけです。しかしながら、こういう問題についてはまだもういろいろ様々な意見もございまして、私が知る限り、今回のガイドラインというのはどうも企業価値研究会の報告書を踏まえて作成されたというようなものじゃないかなと思うんですが、つまり申し上げたい一つは、やはりこういうガイドラインについても、つまり、これ参考人質疑でも参考人から意見が出ましたが、ガイドラインについてもやっぱり例えばパブリックコメントを付してその上でやるということはできなかったかという指摘も実際にございました。
 会社法案で対価柔軟化の施行という問題については一年間凍結されたこともございますが、ガイドラインは明確な、先ほどから話がある立法化ではないために、企業にとってみれば司法判断との関係がどうなるかとかいう当惑があることも事実でございまして、国民にとっても少し分かりにくいんじゃないかという心配な見方もございます。
 こういった企業や国民の懸念に対してどのように考えているのか、大臣の見解を伺っておきたいと思います。
#143
○国務大臣(南野知惠子君) 先生、今パブリックコメントなどとおっしゃっていただきました。そういう広報活動ということも大切なことになってくるだろうというふうに思いますけれども、これを提出させていただいた一つの、参加させていただいた理由には、企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針としてでありまして、ガイドラインであるということでございます。これは裁判所の判断を法的に拘束するものでもありませんと。だから、これの中でどのように自分は会社を守るために使ったらいいのかというのは個々の会社の人たちが判断するという材料をお示ししたというものでございます。
 したがいまして、買収防衛策についての最終的な適法、違法の判断は裁判所にゆだねられるわけでございますけれども、この指針は、企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、さらに事前開示・株主意思の原則、及び必要性・相当性確保の原則、この三原則とするものでありますところ、これらの原則は、いずれも買収防衛策における適法性の確保という観点からこれらが掲げられているものでございますので、その意味におきまして、この指針は企業が適法な買収防衛策を策定する際に十分に参考に値するというレベルのものでございます。
#144
○木庭健太郎君 もう一つ、ちょっと話題を変えまして、合同会社についても少し今日は聞いておきたいと思います。
 今回の会社法案の中で一つの新たな会社類型がこの合同会社というのの創設でございまして、これは、合同会社は会社の内部関係について組合的規律が適用される、社員については有限責任であるという会社形態でございます。何より定款自治が広く認められていますし、例えば定款の定めによって出資価額の比率においてではないような多様な利益配分もすることができると。使い勝手がいい企業体になると私も思うんですけれども、今後、いろんな形でこれは発展することも期待されるんですけれども。
 まずお伺いしておきたいのは、この合同会社というような仕組み、この創設、これについて、実際にどんなニーズがあってこういうものができていったのかということをまず伺っておきたいと思います。
#145
○大臣政務官(富田茂之君) 午前中の連合審査の際に南野大臣の方からも御答弁させていただきましたけれども、合同会社は、株式会社のように出資の比率に応じて配当等を決めるのではなく、例えば高い技術を持っている社員に厚く配当することができるようにする、今、木庭委員御指摘いただきましたけれども。このように柔軟な経営が可能な有限責任の法人制度の創設が必要であるという近年のベンチャー企業等からの要請にこたえるために新設される会社類型でございます。
 例えば、創業段階のベンチャー企業、あるいは少数の出資者により異なる種類の財産を出資して創設されるジョイントベンチャー又は資産を証券化、流動化するための特定目的会社、先ほど来SPCと出てきておりますけれども、これらにおいて合同会社を利用するニーズがあるとの指摘がなされているところでございます。
#146
○木庭健太郎君 ただ、まだ中小企業の皆さんはこの合同会社というのがよく何なのか、同じような名前が合名とか合資とかあるわけですから。ところが、実際はその合名、合資というのは余り利用されていないのも事実でありまして、逆に言えば、その合名、合資というのは何で利用されなかったのかという理由もちょっと伺っておきたいし、合同会社になればどんなふうにしてこれ利用の見込みが広がっていくのか。使い勝手は非常に私はあると思っております、合同会社は、知っていただければ。例えば、ベンチャーなんかはやっぱり起業促進なんか使えるし、中小同士の連結もできたり、いろんな利用の仕方はできると思うんですが。
 まず、ともかく何で合名とか合資というのが使われなかったのか、そして今後、この合同会社、どういうところで利用見込みを考えていらっしゃるのか、伺っておきたいと思います。
#147
○大臣政務官(富田茂之君) 現行商法におきます合名会社、合資会社は、無限責任社員の存在が必ず必要である、また社員が一人となった場合には解散しなければならない、また法人が社員になることができないことなどもありまして、株式会社や有限会社に比べて余り利用されていないというふうに認識しております。
 ちょっと数字をお示しさせていただきますが、平成十五年の統計ですが、合資会社が設立されたのは二千二百四十三件、合名会社が百二十六件という、このような数字になっております。
 合同会社の利用見込みについてのお尋ねでありますが、合同会社は、合名会社、合資会社と異なりまして、有限責任社員のみによる会社形態でありますし、社員が一人でもいい、また法人も社員になることができること等から、先ほどお示ししましたように、創業段階のベンチャー企業やジョイントベンチャー、資産の流動化のための特定目的会社などとして利用されるものと予想しております。
#148
○木庭健太郎君 今、富田政務官からお話があったように、このいわゆる合同会社の良さというのは、組織変更が本当に柔軟にその後認められていくというところなんだろうと私も思っておりますし、ある意味じゃ、これは非常に柔軟な形でいろんなことができる形態になっております。逆に言えば、何でこんなふうに柔軟にできるまでしてしまったんだろうかと。メリットがあるからだろうとは思うんですが、その点、こういういわゆる組織変更のメリットについて局長から伺っておきたいと思います。
#149
○政府参考人(寺田逸郎君) おっしゃるとおり、合名会社、合資会社、合同会社、これらの間において、当事者がそうお望みになれば定款の変更によって他の会社形態に移行することができる、比較的容易というふうに今形容されましたけれども、そういう仕組みになっております。
 社員の退社によりましてその会社類型において予定されていた有限責任社員と無限責任社員の構成についての要件が満たされなくなったと、こういう場合に他の会社経営として存続することができるわけでございまして、これによりまして、いったん会社を解散した上でわざわざまた別の会社をつくるというような手続を取ることなく、それぞれ別の会社の形態を利用いたしまして事業を継続することができると、こういうことが何といいましてもメリットとなるわけでございまして、当事者のニーズに合った会社形態の利用選択が可能になった、こういうように評価していただければと思うわけでございます。
#150
○木庭健太郎君 今日も本当、一日いろんな議論があっているわけですけれども、私はやっぱり今回のこの会社法改正というのは、例えば、まあいろんな意見はございますよ、でも、私はやっぱりこの会計参与制度という新たな制度、会計を明確にしていく、それによって融資を中小企業も受けられやすいようなシステムができていく点。さらに、やっぱりこの最低資本金制度の撤廃という問題。これも両論あります、御批判もあります。でも、私は一円でも起業できるという仕組みを全体的に導入したということは、ある意味じゃベンチャーとか中小企業にとっては大きなメリットだと思っておりますし、さらに加えて、この合同会社制度というこの導入。この三つがそろうことによって、ある意味じゃ中小企業やベンチャー企業の実務や起業の促進というものに大きな影響を及ぼすものだと考えておりますし、また、是非及ぼさなければならないとも考えておるわけでございます。
 こういう中小企業やベンチャー企業への実務の影響、起業という観点からこの会社法案どのように評価をなさるのか、大臣から感想を伺って、今日の質問を終わりたいと思います。
#151
○国務大臣(南野知惠子君) 今委員がおっしゃいましたとおりでございまして、委員の方からもう既に評価をいただいたというようにも思っております。
 これらの施策はいずれも起業の促進やまた中小企業の発展に大いに寄与するものと考えておりまして、そうした意味では、会社法案の改正は大きな意義を有するものと評価しております。
#152
○木庭健太郎君 終わります。
#153
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 今日は、会社法案、国民から見て、また中小企業から見てどうなのかという観点で質問をいたします。
 会社法の検討をする上で、国民から見て分かりやすい制度、中小企業からとって使いやすい、そして余計な負担を生じない制度である必要があると思いますが、こういう考え方が今回の会社法案にどのように生かされているのか、まず大臣からお聞きをいたします。
#154
○国務大臣(南野知惠子君) まず、国民にとって分かりやすいという観点から、会社法案では、これまで商法第二編、有限会社法、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律等に分散していた会社に関する規定を会社法案という一つの法典にまとめるとともに、片仮名の文語体の表記を平仮名の口語体の表記に改めている。これは大変読みやすくなっておるわけで、読みやすくしようとするところでございまして、分かりやすいと、中小企業の方々にも読みやすいということにもなろうと思っております。
 次に、会社制度の利用者の大半を占める中小企業の視点に立って会社法制を見直すという観点から、会社法案では、株式会社と有限会社の会社類型の統合、設立時の最低資本金規制の撤廃、機関設計の規則・規律の柔軟化、会計参与制度の創設など、多くの改正を行うものとしております。
#155
○井上哲士君 御答弁をいただいたわけですが、本当にそうなっているんだろうかということで幾つかお聞きをしていきたいんですが、まず、有限会社の廃止の問題です。
 特例有限会社としては継続が許されるわけですけれども、有限会社制度は廃止をされます。そこで、現行の有限会社制度がどういうふうに評価されてきたのかと、そのことをまずお聞きをしたいと思います。
#156
○政府参考人(寺田逸郎君) 現在の有限会社制度は、中小規模の公開会社でない会社で、その社員が株式会社の株主と同じように有限責任の利益を享受すると、こういう仕組みでできているものでございます。
 具体的に申し上げますと、取締役会を設置する必要はないということなど、機関設計が比較的簡素にできるということになります。また、社員総会の招集通知の発出期限が原則一週間とされているなど、非常に機動的で迅速な意思決定が可能になっております。また、社員以外の者に対しまして持分を譲渡しようとする場合にはこれは逆に社員総会の承認が必要でありまして、閉鎖性の維持というものが容易にできるという仕組みでございます。そのために、先ほど申したように、非公開会社の中小会社にとって使い勝手がまあ比較的いいとそれなりの御評価をいただいていたところでございます。
 他方、しかしながら、有限会社ということで別の会社類型としているために、株式会社に比べますと評価が金融機関その他において劣るということもこれも現実の姿としては言われていることでございまして、どうしても有限会社を、本来は有限会社のような形態を望んでいても有限会社が避けられているという現実もかねてから指摘されたところでございます。
 また、法制度上は社債の発行が認められていないというようなことも関係者の間では一つ不便な点として指摘がされていたところでございます。
#157
○井上哲士君 一昨日の参考人質疑でも、中小企業関係の参考人からは、制度としては非常にうまく機能してきたと、こういうお話でありました。今も使い勝手の良い制度であるという答弁だったわけですね。うまくいっていないのに残っている制度がたくさんある中で、この使い勝手の良い制度をなぜ廃止をする必要があるんだろうかと。
 今幾つか点がありましたけれども、それ自身はむしろ制度の改善という形で残していくということも考えられると思うんですけれども、なぜこの使い勝手のいい制度を廃止をする必要があるんでしょうか。
#158
○政府参考人(寺田逸郎君) これは、有限会社そのものを単体で考えた場合には、おっしゃるとおり、これを廃止すべき理由はそれほど多いわけではないわけでございまして、これを残すというのも一つの考え方であったろうと思われます。
 しかしながら、他方で株式会社というものがございまして、この株式会社の非常に中小企業向けのものというような形の利用を望む声がありまして、株式会社の中でもそういう企業形態が取れるようにしてほしいと。
 現実に、日本の多くの株式会社というのは実際の株式会社法制を必ずしも全部遵守してやってこられているわけではないと。にもかかわらず、株式会社の形態を取るというのはそれなりの、先ほど申したような現実の様々な環境における理由があるわけでございます。
 そこで、最近では、むしろ中小会社から将来は大きな会社に飛躍するということをあらかじめ念頭に置いた上で会社を設立していくということもございますので、株式会社全体の枠内で今の有限会社と同じようなことができるようにして、で、有限会社のような中小だけをターゲットにするものではなくて、会社の中で様々な工夫をすることによって大きく成長する余地も残し、あるいは現在の有限会社と同じような形態で残るものも残していくのが合理的じゃないかというように法制審議会での御議論があったわけでございまして、そういう意味で、今の有限会社は株式会社にむしろ発展的に取り込まれたというように評価していただけるのではないかと思います。
#159
○井上哲士君 国民の側から見てどうかという問題もこの点でもあるわけですけれども、国民の方から見れば、会社名を見たときに、まあいわゆる有限会社クラスの企業かそうでないかと、そういうことは区別できるという意味もあったと思うんですね。
 現状はそういう有限会社クラスのところであっても株式会社になっているところもあるというようなお話もあるわけですが、いずれにしても、これ制度としては廃止しても、特例有限会社としては相当長期にわたって残っていくということになりますと、一定の混乱が避けられないのではないかということがありますし、定款などを一々見なければこの会社の在り方が分からないよりも、ある程度外形的に名前を見れば判断できると、こういう制度の在り方ということも分かりやすい、国民から見て分かりやすいと思われるわけですが、その点は検討されなかったんでしょうか。
#160
○政府参考人(寺田逸郎君) 確かに、私が申し上げたことによって株式会社に制度を統合するということは、いい面ばかりではないわけでございます。おっしゃるとおり、仮に株式会社Aタイプ、Bタイプ、Cタイプというような名付け方ができるとして、それぞれについて日本語でうまく名前ができれば、それは国民にとって分かりやすいわけであります。有限会社法制も、今、正に委員がおっしゃったとおり、仮に有限会社に本来ふさわしいものが全部有限会社になっていれば、それはそういう制度を維持するということの方がむしろ良かったのかもしれないわけでありまして、名は体を表さないということがむしろどちらかというとこの有限会社を株式会社に吸収してしまおうということの背景にはあった、そう踏ん切れたところの一つの原因ではないかと思うわけでございます。
 もちろん私どもも、これが同じ株式会社の中に、債権者にとって様々な仕組みが余りにドラスティックに違う種類としてあり得るということになりますと、これまたちゅうちょしたところでございますが、有限会社も株式会社も基本的には物的会社、つまり有限責任、構成員が有限責任のある会社という意味では変わりありませんので、そういう意味で、それを全部株式会社に吸収するということもそれなりに理解をできることではないかと考えていただければ有り難いところでございます。
#161
○井上哲士君 名は体を表さない現状があるというお話でありました。むしろ、現状をそういう表すような方向に変えるという考えもあったんではないかと思うんですが。
 そこで、今後の公告義務等の問題についてお聞きをいたしますが、現行の有限会社に相当する企業も、株式会社を選択しますと公告義務が課せられると、こういうことになります。従来は、有限会社には公告義務がなくて、株式会社には公告義務があったわけですね。株式会社の場合は不特定多数から資金を調達することが目的としていますから、経営全般を把握することが難しい個別の投資家に経営状態を知らせるためのもので必要だったと思うんですが、有限会社はそういうことがないから必要がなかったと、こういうことでまずよろしいでしょうか。従来は有限会社に公告義務が課せられてなかった理由。
#162
○政府参考人(寺田逸郎君) おっしゃるとおり、有限会社に従前、公告義務が課されてないわけでありますけれども、これはどちらかといいますと、これによって受ける負担と社会的に得られるメリットというのを比較いたしまして、やはり負担の方が大きいという判断だったかと思います。
#163
○井上哲士君 そのメリット、デメリットという問題は、名前が変わっても一緒だと思うんですね。
 現在、有限会社を選択しているような規模のところが今後株式会社になった場合も、そこの負担というデメリットというのは引き続きあるわけですね。今までの有限会社でいいますと、取引先も顔見知りばっかり、株主も経営者本人だけ、経営面も大規模でありませんので、大体商売を見ていれば信用状況も把握をできるということがあったと思うんですね。だから、大体そういう程度のものが今後は株式会社になっていくというところに新たに公告義務を課す、その必要性はどこにあるんでしょうか。
#164
○政府参考人(寺田逸郎君) 有限会社法制が最初にできたときは、この会社の経理についての透明性ということについての社会的なニーズというのはやはりそれほどではないという、そういう理解だったと思われるわけであります。しかしながら、今日においては小さな会社においても非常に、先ほども申しましたけれども、大きな商売をする、現にする、あるいは将来する可能性があるわけでありまして、そういう意味では、むしろ会社の透明性についてのニーズというのは極めて高くなっているんだろうと考えております。
 本来なら、有限会社のままでも、このような時期においては公告義務を課するという方向に議論が進むところでありますけれども、それが株式会社になりましたので、むしろ、これまでの株式会社の公告義務というのをそのまますべての有限会社的形態を従前だったら選択しただろうと思われる対象の会社にも課するということも、一定の負担はあるわけではありますけれども、それなりの社会的な意義というのはむしろ増しているということから、そのような義務を課してもやむを得ないんではないかと、こう考えているわけでございます。
#165
○井上哲士君 私たちも、このいろんな商法、会社法の議論をする上で、透明性の確保、向上ということは言ってまいりました。非常に社会的影響力の大きい大企業などがもっとこれを確保していくというのは当然だと思うんですね。しかし、やはり身の丈に合った透明性といいますか、ということもあろうかと思うんです。
 有限会社といいますと、大体、いろいろありますけれども、夫婦と一人ないし数名の従業員がやっているというような典型的なイメージとの関係でいいますと、商売における信用というのは、決算がどうなっているかというよりも、財産の状況を含めて経営者個人をかなり見ているということが多いわけですね。赤字は出ているけれども現状では問題なく経営をしているというようなところが、公告をすることによってかえって信用悪化するというようなことも現実には起こり得るわけですね。この企業会計原則に沿った間違いない貸借対照表公告義務を課すというのは企業実態にはそぐわないんじゃないかと、こういうふうにも思うんですけれども、その点いかがでしょうか。
#166
○政府参考人(寺田逸郎君) 私どもも、今の井上委員の企業実態論からいたしますと、なかなか厳しい義務だと、負担感がそれほど小さいものではないということは十分に理解できるところであります。
 しかし、他方、もう少し会社法制の原点に返って考えてみますと、元々、先ほども個人保証の話が出ましたけれども、すべて無限責任で会社をつくることも、先ほどもお話に出た合名会社、合資会社等でできるわけであります。にもかかわらず、あえて物的会社、有限責任の会社を利用した以上は、やはりその有限責任という会社の枠を利用するなりの負担は負っていただきたい、こういうところでございまして、それがいかに小さいものであれ、今日のようにだれがどういう形で商売をしているか分からない、非常に市場というものが広がっておりますので、小さな会社でもいろんなところで商売をするわけであります。そういう広がりのある社会においては、やはり透明性の確保というのは相当に重要な事項であろうと、こう考えて、法制審議会でもそのような御理解をいただいているところでございます。
#167
○井上哲士君 公告方法は、官報か日刊新聞公告ないし電子公告ということになるわけですが、大体どの程度費用掛かると見込んでおられるんでしょうか。
#168
○政府参考人(寺田逸郎君) 公告費用は、掲載スペースが決まっているわけじゃございませんのでなかなか標準額というのも申し上げにくいところでございますけれども、官報の場合はおおむね数万円、日刊新聞紙の場合は、これは相当高くて数百万円掛かるわけでございます。ただ、御承知のように、今日では電子公告を利用することができるようになってきておりまして、このホームページ等の利用による公告であれば、これは非常に最近ですと値段が下がってきておりまして、ウエブサイトそのものの維持費用でこれが可能になってくると、このように理解をいたしております。
#169
○井上哲士君 ベンチャー企業の話がさっきからもよく出ているんですが、そういうところばっかりでもありませんので、安くできるといっても、ウエブサイトを持つこと自身、非常に負担感を持つ会社もあると思うんですね。今のやっぱり厳しい経済状況の中で、一円でも負担を減らしたいというのが実態でもあります。
 我々は、情報開示そのものは大いにしなくちゃいけないと、債権者保護の点からもそうですけれども。しかし、最初にも言いましたように、実際の有限会社規模のところの実態からいいますと、会社に計算書類等を備え付けるだけで足りるんじゃないかと。継続的取引がある債権者にとっても、年に一回だけしかない公告よりは取引先にある計算書類を見せてもらうということの方が便利ではないかと思うわけで、あえてやはり公告義務を課す必要があるんだろうかと思うんですが、いかがでしょうか。
#170
○政府参考人(寺田逸郎君) その個々の実情を見ますと、それはいろんな方法の方が合理的と見える場面はあるわけであります。それを否定するものではございませんが、しかし制度として全体にどうあるべきかということを考えます場合には、やはりこの公告という制度によってだれでも見られるような仕組みがこの物的会社については望ましいというのが一つの今日でのあるべき姿勢だということは、先ほど申したように、法制審議会でのむしろ共通の理解でございました。
#171
○井上哲士君 そうしますと、この公告と一体になる会計の問題についてお聞きをしますけれども、企業会計が公正、適正に行われることは当然でありますし、それは企業自身のためであるんだということは参考人質疑でも強調されたところでありました。
 一方で、この計算書類の公告義務によって、会計原則が一層均一であることが求められてきます。中小企業の場合は、十分な売上げがない場合であっても銀行取引とか公共事業への参入ということで黒字を出さないといけないということが起きます。その際に、例えば経営者の給料を含む役員報酬を減らして配当で調整するとか、それから減価償却費を多めではなくてむしろ少なめに計上するということもかなり通常行われていることですね。これは税法上は何の問題もない会計処理です。それを、経営者の給料が例えばゼロはおかしい、法定耐用年数より長く使用するので減価償却を少なめに計上したらそれは適正でないと、こういうことでしゃくし定規にやられますと、これが公告義務と合わせて中小企業に押し付けられるということになりますといろんな混乱が起きると思うんですけれども、この点、いかがでしょうか。
#172
○政府参考人(寺田逸郎君) この会社法案そのものでは、今の問題にされました株式会社の会計の原則でございますけれども、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うということで規定が置かれているわけでございます。四百三十一条でございます。
 会計基準や現行商法の財産評価規定は、ある種の会計事象に対して行うべき会計処理を唯一のものとするものではなくて、公正妥当と認められる今申し上げた範囲で複数の選択肢が認められていると、このように私どもも考えているところでございまして、会社法案においても今の規律が変更されるものではないので、現行法と同様に、それぞれの会社において、複数の会計処理のうちそれぞれの会社にふさわしいもの、適切と考えるものを採用すると、こういうことが可能になっております。それぞれ十分にお考えの上に採用していただきたいと考えております。
#173
○井上哲士君 そうしますと、確認しますけれども、例えば現行では商法会計原則とか企業会計原則とか税会計原則とか、少しずつ違うものがありますけれども、今回、真正でない計算書類の作成、公表というのは会社法上は過料の対象になっていくわけで、このいずれの原則であっても違法の評価を受けないということで確認してよろしいですね。
#174
○政府参考人(寺田逸郎君) 結論から言うと、そのとおりでございます。
 現行の商法での公正な会計慣行として主として認められているのは、企業会計審議会の企業会計原則、あるいは財団法人の財務会計基準機構が定める会計基準、これらが当たりますけれども、決してこれらに限られるわけではございませんで、委員もお話しになられました税法の定める処理方法なども、もちろんこれが公正なものでないといけないということは当然のことではございますけれども、会計慣行に含まれるということで私どもは理解をいたしております。
#175
○井上哲士君 そうしますと、今、中小企業庁が進めている中小企業の会計というのはどういう位置付けになっていくんでしょうかね。今後、公開を目的としている企業などにこれが言わば強制されるということにはならないということでよろしいでしょうか。
#176
○政府参考人(寺田逸郎君) これは私どもの方からコメントするのが適当かどうか分かりませんが、何回も繰り返しになりますけれども、計算規定については唯一の会計処理を強制しているわけではございません。商法の立場というのは、複数の選択肢を示した上で公正妥当な会計処理を認めているわけでございます。
 しかしながら、今おっしゃったような中小企業の会計に関する指針について中小企業庁が検討を進められておられまして、余りいろいろな整合性がない会計処理というのは望ましくないというお立場から、企業会計基準において認められている中小企業の特性を考慮した選択的な取扱い、実務において参考とされている税務会計をも参考としながら、しかしながら、よりどころとすべき会計基準を明らかにされようとされているわけでありますから、それは一つの有力なスタンダードにはなろうと思いますけれども、そのスタンダードの中にも様々な考慮要素というものが既に含まれているというふうに私どもは理解をいたしております。
#177
○井上哲士君 繰り返しになりますけれども、やはりこの中小企業の実態に合った柔軟なやり方ということを求めたいと思うんです。
 その上で、会計参与の問題についてお聞きをするんですが、まずちょっと法務省、確認しますが、今回会計参与を任意設置ということにしましたけれども、これは企業実態に合わせるということだと思うんですが、なぜ任意設置としたのか、まずお伺いします。
#178
○政府参考人(寺田逸郎君) これは中小企業の中で会計事務の取扱いというのをより専門家に任せた方がより正確になる、あるいはより社会からの信用を得やすくなるというニーズがあり、それに対応するものとしてつくるわけでございます。もちろん、今のままでも取締役等会計事務処理をする責任者がおいでになるわけでありますから、それがそれで十分できると、この中にももちろん専門家も場合によってはおられるわけでありましょう。そういう企業においてはこれは必要がないわけであります。そういう御判断でつくられるものでございますから、これを強制することは避けて任意設置としております。
 しかしながら、その対象企業は、私どもは主として、大企業においてはもっと別のいろいろなやり方があろうかと考えておりますので対象になりにくいだろうと思っておりますけれども、法律上は何らの制約を加えておりません。しかし、中小企業において採用されるということが多く期待されるんだろうと思っております。
 そういうことで、会計参与というのは、今後、何といいますか、着実に根付いていくということを私どもは期待をしているわけでございます。
#179
○井上哲士君 これを置くところが、適切なところが任意に設置をしていくということは結構なことだと思いますし、参考人の質疑の中でもそれが様々な融資などで有利に働いていくと、言わば御褒美としてくっ付いてくるというようなお話もありました。
 それで、これ埼玉県がやっているスーパーサポート資金というのがあるんですけれども、これなどは今、日本税理士会連合会がやっている中小会社会計基準適用に関するチェック・リストを添付する者については通常五年の融資期間が七年以内になると、こういうプラスをしている、こういうことがあるわけですね。
 ただ、これにとどまらず、そういう例えば会計参与を置くということがむしろスタンダードになってしまって、置かないことによって不利な扱いをされるということが今の金融情勢なんかで見ますと、そういうおそれがあるんじゃないかと思うんですね。融資を切り替えるときにその条件として会計参与を置くということが例えば金融機関から求められたり、ないしは公共事業への参入の際にそれが求められている形で、実際上、任意と言いながら強制をされるんじゃないかという懸念の声なども私ども聞くわけですね。非常に規模によってはこういうものの設置が過大な負担になるような中小企業もあろうかと思うんですね。
 こういうふうに金融機関などを通じて実質的に強制されるようなことがあってはならないと思うんですが、この点、金融庁、来ていただいていますけれども、いかがでしょうか。
#180
○政府参考人(鈴木勝康君) 委員御指摘のように、金融機関の一般の融資といいますのは、その融資先の財務状況ですとか資金の使途ですとか返済財源等を的確に把握します。そしてさらに、当該融資先の技術力ですとか販売力とか成長性等もかんがみまして、こういった情報を基に適切な審査を行うわけでございます。そして、融資の実行を決めるものと認識しております。
 したがいまして、先ほど御指摘いただきました会計参与については任意ということになっていることでもありまして、御指摘の会計参与の設置の有無のみをもって直ちに融資の実行を決めることにはならないものと考えております。
 ただ、他方で、金融庁としましては、金融機関が適切な融資を行うに当たっては借り手企業の財務諸表の正確性が確保されることが重要だと考えております。今般の会計参与制度の導入は借り手企業の財務諸表の質を高めると、その信頼性の向上に資すると、こういうことを認識していることから、金融機関が企業金融の円滑化を図る上で有用なものとは考えていると思います。
 ただ、いずれにいたしましても、金融庁としましても、先ほど申し上げましたように、今後とも中小企業を含む健全な取引先に対する資金供給の一層の円滑化に努めてまいる所存であります。
#181
○井上哲士君 繰り返しになりますけれども、こういう会計参与を置くことによって会計の公正、真正性が高まる、そのことによって融資などが受けやすくなる、そのこと自身はいいことだと思うんです。しかし、そういうのを設置するのが非常にかえってデメリットがあるというようなところにまで強制をされるということに事実上なりますと、これは本来の趣旨とは違うんではないかと思うわけですね。
 その際、今、それ有無のみをもっては見ないという話でありました。しかし、例えばこの間も、いわゆる金融検査マニュアルが大銀行も中小のところも一緒で同じようなことが行われるというようなことがかつて問題になったこともあるわけですね。
 やはり金融機関の検査の際などに、例えば融資先の中で会計参与が導入されているかどうか、その比率が高いか低いかとか、こういうようなことがチェックの中に入ってきますと実際上分かりやすいですから、入っているかどうかというのは、数的指標などで取られますと、やはり機械的なことが起きてくるかと思うんですが、検査についてはこういうことはちゃんと配慮されるんでしょうか。
#182
○政府参考人(厚木進君) ただいま会計参与制度と金融検査との関係について御質問がございましたので、答弁させていただきます。
 金融検査におきましては、金融機関の自己査定の正確性を検証するに際しまして、債務者の実態的な財務内容、資金繰り、収益力等によりその返済能力を検討するとともに、債務者に対する貸出し条件及びその履行状況を確認し、業種の特性を踏まえるなど、総合的な判断をさせていただいているところでございます。
 特に、先生の方から御質問がございました中小零細企業向けの貸出金等につきましては、当該企業の技術力、経営者の資質や、これを踏まえた成長性など、あらゆる判断材料の把握に努めまして、それらを総合的に勘案して債務者区分の判定を行うこととしております。例えば、金融検査マニュアル別冊、中小企業融資編、これは昨年の二月に改訂さしていただきましたけれども、その中で、経営者の資質や、これを踏まえた成長性を判断するに際しまして、財務諸表など計算書類の質の向上への取組状況を様々な判断要素の一つとして挙げさしていただいております。
 したがいまして、会計参与を設置することにより財務諸表など計算書類の質の向上が図られていると認められる場合には、当該債務者の債務者区分の判定に当たって様々な総合勘案する要素の一つとなるというふうには考えられます。
 しかしながら、財務諸表等計算書類の質の向上の手段としては、先生おっしゃいますように様々な手段が考えられますので、会計参与の設置の有無だけがその判断要素になるとは考えておりません。また、そういう財務諸表等計算書類の質の向上への取組というのは様々総合勘案する要素の一つでございまして、そのことのみをもって判断するというわけではございません。
 いずれにいたしましても、我々金融庁といたしましては、検査におきましては、今後ともこうした金融検査マニュアル及びその別冊、中小企業融資編に即しましてあらゆる判断材料の把握に努めまして、中小零細企業の経営実態の的確な把握に努めたいというふうに考えております。
#183
○井上哲士君 是非、中小企業の実態に合った運用をお願いをしたいと思います。
 最後に、社債問題についてお聞きをいたします。
 これまで有限会社には認められなかった社債の発行が会社法案では認められるわけでありますけれども、その理由は何でしょうか。
#184
○政府参考人(寺田逸郎君) 現行の有限会社については、元々非常に非公開的な性格の会社でございますので社債を発行することは認められていなかったわけでございます。ただ、今日のように、会社の類型で必ずしも会社の実態が一義的に判断ができないような状況になってまいりますと、小さい会社、非公開的な会社だからといって必ずしも社債のような大量の債券のニーズがないということは言えない状況になってきております。必然的にそうでなければいけないという規制をする必要はないんではないかというところから、今回、その点の見直しをしたものでございます。
#185
○井上哲士君 監査役も置かないような、現行でいえば有限会社規模のところも、それから合同会社のように内部規律に関する規制が事実上ないようなところも含めて社債発行が認められるということになるわけですが、さらに一円企業ということになりますから、そういうところも含めて社債発行が認められると。
 そうなりますと、この間いろんなこれに関するトラブルとか被害が起きているわけで、そういうことを助長する温床となると、こういうおそれがあると思うんですが、その点はいかがでしょうか。
#186
○政府参考人(寺田逸郎君) 法律的にいいますと、この社債を発行することができるかどうかということは、基本的には、もうその債券でお金の貸し借りをすることはできるということはこれはどこの会社もできるわけでございますので、こういう大量、類型的な社債の発行をすることによって、買い主、つまり社債権者というものが本当に保護されるかどうかということをやはり考えなきゃならないわけでございます。
 それで、一般の債権者としての保護の面と、その集団的な性格を有する社債権者固有の保護の面と両面あるわけでございますけれども、一般的な債権者保護の面に関しましていえば、会社法案においても、内部機関の設計がどうであっても、基本的には配当財源の規制があり、あるいは先ほども申し上げたような計算書類の公告義務が共通に課されているというようなことで、その点についての特に問題は生ずることはありませんし、また集団的な性格を有する社債権者としての保護の面について言いましても、社債権者集会の規定を共通に整備するというほか、社債の発行形態に応じて社債管理者の設置の義務付けを行うということによりまして権利者としての保護は図れるのではないかなというように考えているわけでございます。
 したがいまして、内部の組織形態がどうであれ、社債を発行することができないということはやや規制としてはきつ過ぎるということで、今回このような仕組みを導入することになったわけでございます。
#187
○井上哲士君 時間ですので、終わります。
#188
○委員長(渡辺孝男君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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