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2005/06/16 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 法務委員会 第24号
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2005/06/16 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 法務委員会 第24号

#1
第162回国会 法務委員会 第24号
平成十七年六月十六日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十四日
    辞任         補欠選任
     富岡由紀夫君     江田 五月君
 六月十五日
    辞任         補欠選任
     尾辻 秀久君     魚住 汎英君
     松岡  徹君     広野ただし君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         渡辺 孝男君
    理 事
                松村 龍二君
                吉田 博美君
                千葉 景子君
                木庭健太郎君
    委 員
                青木 幹雄君
                荒井 正吾君
                魚住 汎英君
                山東 昭子君
                陣内 孝雄君
                関谷 勝嗣君
                鶴保 庸介君
                江田 五月君
                広野ただし君
                前川 清成君
                簗瀬  進君
                浜四津敏子君
                井上 哲士君
   国務大臣
       法務大臣     南野知惠子君
   副大臣
       内閣府副大臣   七条  明君
       法務副大臣    滝   実君
       財務副大臣    上田  勇君
       経済産業副大臣  小此木八郎君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  富田 茂之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 英明君
   政府参考人
       金融庁総務企画
       局審議官     振角 秀行君
       金融庁総務企画
       局参事官     大藤 俊行君
       証券取引等監視
       委員会次長    木村 元昭君
       法務大臣官房司
       法法制部長    倉吉  敬君
       法務省民事局長  寺田 逸郎君
       財務大臣官房審
       議官       佐々木豊成君
       国税庁課税部長  竹田 正樹君
       経済産業大臣官
       房審議官     舟木  隆君
       経済産業大臣官
       房審議官     桑山 信也君
       中小企業庁事業
       環境部長     鈴木 正徳君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   諸澤 治郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○会社法案(内閣提出、衆議院送付)
○会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(渡辺孝男君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十四日、富岡由紀夫君が委員を辞任され、その補欠として江田五月君が選任されました。
 また、昨十五日、尾辻秀久君及び松岡徹君が委員を辞任され、その補欠として魚住汎英君及び広野ただし君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(渡辺孝男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 会社法案及び会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に金融庁総務企画局審議官振角秀行君、金融庁総務企画局参事官大藤俊行君、証券取引等監視委員会次長木村元昭君、法務大臣官房司法法制部長倉吉敬君、法務省民事局長寺田逸郎君、財務大臣官房審議官佐々木豊成君、国税庁課税部長竹田正樹君、経済産業大臣官房審議官舟木隆君、経済産業大臣官房審議官桑山信也君及び中小企業庁事業環境部長鈴木正徳君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(渡辺孝男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(渡辺孝男君) 会社法案及び会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○魚住汎英君 皆さん、おはようございます。自由民主党、魚住汎英でございます。
 今日は、私は違う委員会に所属しておるんですが、差し替えをしていただいて、このような機会をお与えをいただきまして誠にありがとうございます。皆様方に心から御礼申し上げます。
 時間が三十分しかありませんから、手短に申し上げていきたいと思いますが、今日はまず触りの部分で基本的なことを何点かお伺いしたいと思いますが、まず第一点は、バブルの崩壊後に設立をされました預金保険機構とそれに伴う整理回収機構等との機能関係の、また法制上の位置付け等についてお伺いをしたいと思います。
 まず、金融担当の大臣で、RCCの法的な位置付けをまず教えてください。そして、その位置付けが御発表になった後に、会計検査院等との関連もお答えをいただきたいと思います。
 今、どのようなことがこの国内で言われておるかといいますと極めて、RCCというこの機構が行っております事柄について、極めて不公平、不公正であるということが大変大きな声で叫ばれておることは皆様方も恐らく聞かれておると思います。
 その中において、これは法律を作ったときに恐らく欠落した部分であると思うんですけれども、回収機構の概要等ということで、このパンフレットを読んでみますと、そこの奥野社長さんが、国民の負担を最小化するためにと、これを第一とし、併せて再生の工夫、努力を通じ、我が国経済の活性化に寄与するものであり、このために、役割の公益性については常に主権者たる国民の皆様の御理解と御協力が必要ですと、こういうことで、実はこういうパンフレットが出ております。ところが、このうたい文句とは実態がかなり乖離をしておりまして、そこには、政府がつくりながら、その政府の機能が、そしてまた法で定められた機能が十分に果たせられていない、こういう思いがするわけでございます。
 まず、預金保険機構という組織ができ、法律ができ、それに基づいていろんな法律がその後できてきたわけでありますが、そういう法律等のいわゆる制定の当時に恐らくこれは議論漏れだったんだろうと思いますけれども、この預金保険機構自体の基本的な財政の裏付けというのは何なのかというと、これは国民負担です。国民負担でありながら、政府保証でありながら実は会計検査院の検査が及ばない、こういう実態の中に今あります。
 こういうこと自体が、いろいろ衆議院でも参議院でもそれぞれ議論を、それぞれの委員会で議論をされてきたんですけれども、残念ながらお触れになっておらない。そこにはいわゆる民間会社としての位置付けがRCCの位置付けである、そしてまた、そこに扱ういわゆる銀行からの買取り債権というのは個々の案件であり、個々の案件については我々は関与すべきでないという金融庁の答弁等も出ておるんです。こんなこと自体がそもそも不公正を招いた最大の原因ではないかと思いますので、この辺の見解を担当の大臣にお伺いいたしたいと思います。
#7
○政府参考人(大藤俊行君) RCCの法的位置付けについて御質問ございましたので、その点についてお答えさせていただきます。
 RCC、整理回収機構でございますが、これは平成十一年の四月一日に住宅金融債権管理機構と整理回収銀行が合併して設立されました株式会社でございます。銀行法上、銀行業の免許を有している銀行でございます。整理回収機構は、預金保険機構が一〇〇%の株主となっておりまして、いろいろ業務があるわけでございますけれども、主な業務として、預金保険機構と預金保険法等に基づきまして協定を締結し、委託を受けて破綻金融機関等からの資産の買取り、回収等の業務等を行っているところでございます。
#8
○魚住汎英君 それは、そういうことはちゃんと書いてあるから分かるんです。そこの中で書いてあるのは、指導と助言ということをその条項の中でうたってあるんだけれども、これ指導、助言だけでは足りないんだと思うんです。指導、助言がきちっと適正に行われておるということであれば不公正はないはずです。まして、今いろんな事象が出ておるんですけれども、まず会計検査院の検査が及ぶか及ばないか、この検査が及ぶか及ばないか、会計検査院にお尋ねします。
#9
○説明員(諸澤治郎君) お答え申し上げます。
 整理回収機構は、預金保険機構の一〇〇%出資の子会社でございます。したがいまして、整理回収機構は国が資本金を出資したものが更に出資しているものという位置付けでございますので、会計検査院法第二十三条によりまして本院の選択的検査対象となっているものでございます。
#10
○魚住汎英君 なっている。
#11
○説明員(諸澤治郎君) なっているものでございます。
 また、そして、その整理回収機構の業務についての具体的な検査でございますけれども、預金保険機構に対する検査を通じまして、私ども、必要に応じまして整理回収機構の資料の提示を受けたり説明を受けるなどいたして実施してきておりまして、現状ではそのような形で行っておりますので、特に検査指定といった、そういう手続は行っていないという状況でございます。
#12
○魚住汎英君 なっているということでございますので、是非これは、今も述べましたように、預金保険機構のいわゆる財源というのは政府保証なんですね。ですから、あるのが当然です。しかし、ここ一年ぐらい前まではなっていませんでした。ですから、私の方から個別に指摘をして、それはおかしいじゃないかということを申し上げてきたわけですけれども、なっている、間違いないですね。
 じゃ、そこで法務大臣、またこれは金融財政、これを所管するのはどこですか。所管する大臣というのは、金融、金融関係の所管する大臣、どこですか。
#13
○政府参考人(大藤俊行君) 恐縮でございます。御質問ちょっと……。
#14
○魚住汎英君 所管するところはどこなの。
#15
○政府参考人(大藤俊行君) 金融でございます。
#16
○魚住汎英君 預金保険機構を所管する。
#17
○政府参考人(大藤俊行君) 預金保険機構につきましては、預金保険法に基づきまして金融庁が監督をするということになってございます。
#18
○魚住汎英君 金融庁の、じゃ、大臣は金融大臣ですね。
#19
○政府参考人(大藤俊行君) 失礼いたしました。申し訳ございません。
 預金保険機構につきましては、金融庁と財務省の共管になってございます。
#20
○魚住汎英君 共管ですか。それともどちらかが、じゃフィフティー・フィフティーだということですか。
 で、これはこういうようになっているから権限が及ばないから、いわゆる司法といわゆる管財人という二つのポジションの中でいわゆる債権者の人を無視した行為が今盛んに行われている。債権者を無視した行為が堂々と行われているということについていわゆる監督的立場に立つ人の欠落した部分がありはしないかと思うんですが、今お答えがあったように財務省と金融庁ですというからどっちもその責任がない。
 そこで、法務大臣お見えになっておりますが、もしそういうことの中で、この整理回収機構の最終的な責任者というのは、これは法務大臣はそれに関係ないんですか。
#21
○国務大臣(南野知惠子君) 所管外でございます。
#22
○魚住汎英君 そこで、いわゆるもう焦点がぼけちまっているんですよ。
 いわゆる、こういう整理回収機構と債権者、債務者とそれを裁定をする裁判所との関係の中において何が主体的な活動の源泉になっているかというと、債権を統括して整理をするいわゆる管財人という人たちの立場が一番重視されているんですよね、実態が。
 ところが、具体的な事例は、後まだ何回か質問させていただこうと思っているんですけれども、ちょっと法務大臣じゃちょっと酷かな、じゃ金融庁に聞きましょう。金融庁は、不良債権の処理のためにどういう方法があってどういうことをやっているのか、ちょっと述べてみてください。整理の方法を。
#23
○政府参考人(大藤俊行君) 必ずしも正確に申し上げることはできませんけれども、いずれにしても、法的整理と私的整理によるもの、大きく分けまして、整理によるものがあると考えております。
#24
○魚住汎英君 法的整理の中に競争入札とか競売とか、そういうのがありますよね。私的な任売とは別に。
 競争入札の定義についてお伺いするんですが、競争入札については、この場合の競争入札というのは高い金額のところに落札するのが本当であるか、安いところに落ちるのが本当であるか、教えてください。
#25
○政府参考人(大藤俊行君) 済みません。金融庁でございますが、そこら辺の定義につきましては、恐縮でございますけれども法務省の案件でございますので、法務省の方にお願いいたします。
#26
○魚住汎英君 じゃ、法務省答えてください。
#27
○政府参考人(寺田逸郎君) 破産手続の中の一般論ということで御説明申し上げますけれども、破産管財人が破産財団に帰属する財産、これを換価して債権者の満足を得る、こういう手続になっているわけでございますけれども、おっしゃるとおり、民事執行法その他の強制執行手続による、あるいは裁判所の許可を得て任意売却するという二通りのやり方があるわけでございます。
 お尋ねの場合はその一番目の強制執行手続による場合でございますけれども、これは最高買受け申出人に当然売却するということになるわけでございます。ただ、任意売却の場合にじゃどうなるのかということが問題になろうかと思います。
 その場合に、もちろん破産管財人というのは職務執行について善管注意義務を負っておりますので、基本的には最も高額での買受けを申し出た者に売却される、これが通常ではございますが、それ以外のケースがないわけじゃございません。できるだけ迅速に売った方がベターだというときもあるわけでございますね。様々でございます。基本的にはしかし、やはり高い値段で買っていただく方にお売りするというのがプラクティスでございます。
#28
○魚住汎英君 今局長がお答えになったとおりが私たち国民の一般的な感覚だと、そのことについてはそう思っておるんですが、現実の場合に、そういう形になっておらない。普通、売却をする場合には、高値で、しかもここの、いわゆるRCCなるものの冒頭の言葉の中に、先ほど述べましたように、一銭でも多く回収して国民の負担を少なくするんだと、こういうのが趣旨だということで設立された組織にもかかわらず、現場の実態というのはそうじゃないんですよね。
 そういうものがありますが、その実態が出たときは、これはだれの責任になりますか。
#29
○政府参考人(寺田逸郎君) 今の整理回収機構が具体的にどういう債権の回収を行っているかということは、これは私どもではございませんで、それを当然全体を責任を持たなきゃならないRCC自体の責任でございますし、また、そのRCCに対する監督という形での国の関与も一部あるというようには承知しております。
#30
○魚住汎英君 局長も答えづらかったんだろうけれども、社会通念上これが正しい、これが当然あるべき姿だと、そういう形になっていないということがこの法律の、いわゆる社会の中において堂々と行われておる、社会の通念と違うことが実際現実には行われておる。このことをチェックできない政府というのは、これはもう極めてルーズなことであるわけです。
 今日は具体的な事象は申し上げませんけれども、例えば、例えば一番札で入れた人、二番札で入れた人よりも安いところに落札したということはどういう、こういう事象があるんですが、そういうようなことはどういう法的な解釈をしたらいいんですか。
#31
○政府参考人(寺田逸郎君) これは、先ほど申しましたうちの民事執行法による強制執行手続の中で行われる場合はそういうことはございませんが、任意売却の場合には一部そういう例があるわけでございます。
 例えば、先ほど申し上げましたように、早期処理の観点から、必ずしも一番高い値段を付ける者ではなくてすぐ現金が手に入るというようなことを重視する場合もあろうし、あるいは、たまたま高い値段をお付けになっているけれども、どちらかというとその方の信用というのが余り十分でないというケースにおいては必ずしもその方にお売りするというわけではないと、いろんなケースがあろうと一般論としては伺っております。
#32
○魚住汎英君 多分お答えは、そういうお答えしか今はできないでしょう。ところが、今すぐ現金化できるということでもなければ、それが健全な経営体でもないところが実は実態としてあるわけですね。ですから、そういう事柄で、すべて民間会社であるから政府がいろいろ関与したり法的な追及をすることはできないんだということを言い逃れにして、今日、衆議院でも参議院でもそれぞれの法務委員会で議論されてきたことなんです。ところが、そういう目こぼしがある。
 まず、会計検査院の検査の対象になっていなかったという、これは事実ですよ。ですから、会計検査院に尋ねますけれども、いつからそういう形になったかというのが一点。
 それと、次は、いわゆるだれも責任を持たない無政府の状態にあるということを申し上げておきたい、言葉が過ぎるかもしれぬけれども。預金保険機構のそもそもの設立というのは何であるかというと、これは住専問題をその引き金として、何とかして不良債権をという形でスタートした。けれども、その後いわゆる新しい法律制度の中で、金融機能再生緊急措置法というのが、いわゆる法律が作られた、こういうことでもって、いわゆる金融機関が持っておる不良債権を、サービサーとしていわゆるRCC、回収機構というのができてきたんだけれども、今申し上げたいわゆる疑問点というのがもう世間に満ちているんです。
 また、もう一つの反面としては、先般来衆議院の方でも質問があったと思いますけれども、このRCCなるものがいわゆる過激な取立てをすることにおいて極めて国民に不安を与えておると、これは今度は逆の面になるんです。そういうことで、言うならば、我々から見れば極めて無法の中に行われておる。
 巻頭で申し上げたように、この中に、一番最初に書いてあるように、国民の不平感と不公平をなくすために一銭でも高く回収をして国民負担を軽減するんだという視点に立っていない。これはあくまでもうたい文句がそういうことであって、実態とは全く乖離したものだと、こういう実態があるんです。その責任というのは、これは法務大臣、これは裁判所にも一端の責任があると思うんです。
 それは、管財人を指定するときには、どういう事由によってどういう事柄の中で管財人を指定するか、教えてください。
#33
○説明員(諸澤治郎君) 私どもへのお尋ねは、いつごろから整理回収機構への検査を行っているのかという、そういうお尋ねでございました。
 私どもの検査、先ほど申し上げましたように、預金保険機構に対する検査を通じまして検査を行っているところでございます。預金保険機構に対する検査と申しますのが、私ども、平成八年度以降ということでございます。
#34
○政府参考人(寺田逸郎君) 破産管財人の選任についてのお尋ねでございますけども、これは裁判所が破産手続の開始と同時に選任をするということになっております。
 選任方法について法律上の規定はございませんけども、裁判所の扱いといたしましては、法律的な専門知識がどうしても必要とされますし、また公平中立性が要求されることから、専ら一定の経験を有する弁護士が最近では破産管財人に選任されていることがほとんどだというように私どもは理解をいたしております。
#35
○魚住汎英君 確かにお答えがあったように、裁判所が選任する場合の規定というのはそう書いてありますよね。
 ところが、そこの中において裁判所が認定してきた、認定したと、この裁判所の決定というのは極めて重大な重い決定だと思うんです。しかし、その後のいろいろのやり取りの中で、その選任された管財人が、先ほど申し上げたような、いわゆる競争入札にしますね。競争入札にして一銭でも多額のものを回収することによって国民の負担を下げると、これが原点でつくられた法律制度であると思う。そしてまた、それに伴う機構であると思う。にもかかわらず、片一方では選任されたその管財人の思うとおりのところに落札者が指定される。しかもそれは、金額は最高入札、次席入札よりも安い、こういうところに落札された具体的な事例があるんですけども、そういう責任はだれが取るんですか。
 それで、今お話があったように、そこが経営的にも、一番目も二番目も経営的に悪いところでもなければ、将来例えば危ぶむような人ではない、第三者で落札した本人が危ぶむような人であると、こういう一般的な風評があるんですけれども、そういう事例があるんですが、その責任はどこになりますか。
#36
○政府参考人(寺田逸郎君) そういう風評があるというお尋ねでございますが、私どもは一般的には、管財人は裁判所の下で適正に選ばれ適正に任務を遂行されているというように理解をいたしております。
 お尋ねは、必ずしも競争入札で最高価格でないところが落札しているとおっしゃるわけでございますけど、先ほど申し上げましたように、強制執行の手続における競争入札であれば、これは必ず最高額の買受け申出人に売却されることに手続上なっているわけでございまして、おっしゃることは、多分、任意売却の場合に裁判所の許可を得て最高額でない者に売却するというケースがあるわけでございますけれども、その場合は、おっしゃるとおり、第一義的にはもちろん管財人が判断をするわけでございますけれども、裁判所もそれに対して許可を与えるという形で関与いたしておりますので、そういう手続の関与者ということで御理解をいただきたいと思います。
#37
○魚住汎英君 公式的な答えはそういう具合になるようなことは分かっているんです。
 だが、任意売却じゃないんです。競争入札を公募したんです。競争入札を公募して、それで入札をした。で、そのときには参加していなかった。六者指定があった、裁判所から。そして、管財人が指定した、その人たち以外のところへ行っちゃった、これはどう解釈すればいいですか。今のあなたの論法でいってどう解釈すればいいか、教えてください。
#38
○政府参考人(寺田逸郎君) 私ども、裁判所の個々の事件についてすべて承知しているわけではございませんが、今おっしゃいました具体的な事件については、その具体的な事件のもう少しありようを私どもの方で拝見いたしませんと、具体的にどういうことが起こってどういう問題があるからそういう今、魚住委員がおっしゃったようなことが起こったかということはちょっと理解をしかねるところでございます。
#39
○魚住汎英君 今のが一つのケースですが、次に、まだほかにも一杯ケースがありますが、今度時間をいただいてというのは、そういう個々のケースを、具体的な名前を言うんじゃないです、不公正の事例を挙げて、じゃ何が足りないかということを、今改定をしなきゃならぬことは何なのかということを知りたいし、またそうしなきゃならぬと、こう思っているんですが。
 今おっしゃったような形での基本的なものは、そのときに入札はして金額を入れたんじゃないところに落ちているんですね。そういう、これは具体的に言うと、六名の方を裁判所から、管財人から選定されて、それでずうっとしてきたわけ。そうしたら、全然違うところにある時期になったらぽおんと、もう違うところがその買収をして、それで仕事はやっていると。しかも、その金額というのは、当初、裁判所が設定した金額の七〇%にしか当たらないと、こういう事例もあるんです。
 そういう不公正さということをどこがどういう具合に今の法制度の中でチェックするかというと、これは実は分かっていないんですよ。だからやりたいままにやっていると、こういうことなんです。
 そこで法務大臣、是非このことは、国民の中に積もり積もった不満というのが一杯あるんです。その逆の面というのは何かというと、要するにRCCというのは自分たちの思うとおり何でもできるんだと、まあ一言で言えば、そういうような所業をしておる。片っ方では、いわゆる一銭でも多く回収せよと言われておる。こう言われながら、だからこれは、先般来、決算の報告があったような形のものが出ているんですけれども、いわゆる片っ方ではこういう具合にしている。わざわざ安いところに落としている。そこと恐らく何らかの契約があったからそういう形になったんではないかと、こういう疑義を持たれるような形での執行がなされておるということについては、これは法律の整備上からも是非ひとつチェックしてもらいたいと思う。
 まして、もう繰り返し申し上げますけれども、この預金保険機構の原資は国民の負担ですよ。三十兆円という金は何なのかというと、これは国民の税金ですよ。政府保証枠というのはそういう意味でしょう。ですから、そうであるならば、枝葉末節に至るまで、個々の一つ一つの事例に至るまで、これは国の権限が及ばぬというのはおかしな話ですよ。民間会社が民間の資金を集めてそれで仕事をするという話じゃないんですから。あくまでも原点は、政府保証枠があってこそこの機構、法律上の機構その他が、組織が動くんですから、その辺のところを是非ひとつしっかりチェックしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#40
○国務大臣(南野知惠子君) 先生いろいろお話しになられました。その中には個別の案件もあろうかというふうに思っておりますが、トータル的な感覚ということについてはしっかりと検討してみたいというふうに思っております。
#41
○魚住汎英君 具体的に申し上げるという機会は後にいたしまして、局長、これはお願いですが、あなたたちが今日まで決められてここの場所で答弁されることというのは、すべて法律制度の中に書いてあるんです。それをそのまま運用するのは当然行政としての当たり前の姿なんですが、実はそこの中で漏らして現実に不公正が行われているという現実を是非直視してもらいたいんです。いかがでしょうか。
#42
○政府参考人(寺田逸郎君) これは、特定のRCCの問題だということになりますと私どもからコメントする立場ではございませんが、裁判所の在り方、破産の手続上の在り方として問題があるということになりましたら、もちろん私どももこれは関心を持って注視していかなけりゃならない事柄でございます。
 いずれにいたしましても、少し個別の事件ということであれば、その事件を少し一般化いたしましていろいろ検討してみるという必要があろうかというように今のところは理解をいたしております。
#43
○魚住汎英君 今の質問で、金融庁、どうですか、金融庁としての立場は何か抜けておった点はありませんか。
#44
○政府参考人(大藤俊行君) RCCも破産手続につきましては一債権者として関与いたしますけれども、あくまでも破産管財人の御指導、御判断によるものでございます。その点は申し上げたいと思います。
#45
○魚住汎英君 手続上はそういう形で今運用されている中において、申し上げたような不公正というのが堂々と、白昼堂々ですよ、行われているということについて、法律上の責任というのは金融監督庁及び財務省にあるという具合にお答えになりましたね。ですから、その監督権限というのはどういうところまであるか、じゃ言ってください。ですから、あなたたち自身がこれはもう職務怠慢だって言われたってしようがないところなんですよ。ところが、これはもう両方にまたがっておるものだから、みんな両方とも逃げちゃっているんです。現実のことを個別にもう皆さん方にお知らせしたことは一杯あるんだけれども、そういう中で、何の確たるあれも返ってこなかった。
 ですから、これは委員長、是非、こういうことが、これはもうこういう、何といいますか、制度の欠陥というのがあるということを委員会としても是非調査してもらいたいと思うんです。こういうのが白昼堂々と通っておれば、まじめにこつこつとやっている人たちはただただ泣くばかりなんですよ。ですから、どうぞひとつ委員会としても調査していただいて、このどこに欠陥があり、そしてどこをどう訂正すればきちんとした形で法の下における平等とそして社会正義というものを実現できるかということをやっていただきたいなと、そういう気持ちを持っております。大変御苦労でありますけれども、是非ひとつ。
 それから、法務大臣、裁判所の認定ということがもうすべてのものになっておりますけれども、裁判、今、今の裁判所のその制度自体、そして裁判所のこの事柄において、在り方自体も是非ひとつ御研究をいただいて、本当に国民から信頼の持てる制度に変えていただくようにお願い申し上げておきたいと思います。
 時間が来ましたのでこれで終わりますけれども、あとまた何回か皆さん方にお許しをいただいて、ここに登壇させて、具体的な事例で最後のところまで、本当にこうなんだと、こういうところに社会の不公正があって国民の不満があるんだということを皆さん方に分かってもらうために再度登壇させていただきたいと、こう思っておりますので、よろしくお願いします。
 今日はありがとうございました、どうも。
#46
○松村龍二君 自由民主党の松村龍二でございます。
 会社法案と同法案の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきましては、参議院において本日に至るまで法務委員会での質疑を重ねるとともに、参考人質疑やそれを踏まえた連合審査における質疑を持ちまして、時間的にも内容的にも十分な審議を、質疑をしてきたものと考えております。
 私は、本日、法務委員会における質疑は、会期末ということもございます、最終段階に至っていることを踏まえまして、その私どもの質疑を総括する意味から、現在までに取り上げられてきた重要問題に絞って、政府に対し質問をしてまいりたいと考えております。
 まず、今回の会社法案におきまして、従前三十五万円でありましたのが一千万に平成二年になったわけですけれども、一千万円と定められていた株式会社を設立する際の出資額規制と最低資本金制度、三百万円と定められていた有限会社を設立する際の出資額規制と最低資本金制度がいずれも撤廃されたこととなりました。この点につきましては、当法務委員会におきましても、いったん引き上げられたにもかかわらず、なぜ逆にこれを撤廃するのか、債権者保護の観点から問題はないかとの指摘が繰り返されてきました。
 そこで、このような議論を総括する意味から、法務当局に伺いますが、株式会社及び有限会社を設立する際の出資額規制と最低資本金制度を撤廃する理由は何か、またこれにより債権者を始めとするステークホルダーの利益をいたずらに害することにはならないのか、お伺いします。
#47
○政府参考人(寺田逸郎君) 最低資本金の撤廃についてのお尋ねでございます。
 一言で申し上げますと、この最低資本金の制度というのを、会社を設立する際の設立の規制ということから、より実質的な債権者のための保護ということに少し絞り込むという作業を今回行ったわけでございます。
 まず第一に、元々、非常に資本金という大枠ということで会社の大きさあるいは会社の力というものを測るという考えでおりましたが、最近では、それほど多額の出資金というのを必要とせずに、むしろ様々なその他の資産というものをその後得て会社を運用していくという、会社のありようが非常にソフト化してきたわけでございます。これは特にIT産業やサービス産業において見られるようになったわけでございまして、そういう意味で資本の枠というものについての見方が変わってきたということが言えようと思います。
 また、この間、経済政策的に見まして、バブル経済の崩壊後、廃業率が開業率を上回っているという状況にあって、経済産業省の方でこの現行の最低資本金制度についての特例をおつくりになったわけでございますが、その特例についての実績というのも上がってきておるわけでございます。また、諸外国においても、例えばフランスで有限会社について最低資本金の廃止が行われるなど、この出資ということについての規制が見直されるというところも一部出てきているわけでございます。
 そういうことで、今回改めて制度を見直した結果、起業の障害となっている出資規制は廃止いたしまして、むしろ財産状況の開示を充実させるということが実質的な会社における債権者保護に資するという考えに立ったわけでございます。現実に、利害関係者の保護といたしましては、財産状況の開示といたしまして、会計帳簿の適時性、正確性の明文化、貸借対照表、会計書類の公告の義務付けが行われますし、財産の留保として統一的な財源規制を掛けるというような措置も講ぜられているところでございます。
 そのように、言わば形式面から実質面に移行したということで御理解を賜りたいところでございます。
#48
○松村龍二君 よく分かりました。
 次に、会社法案におきましては、現行商法二百三十二条が規定する株主総会の招集地に対する制限が撤廃されました。この点につきましても、当法務委員会におきまして、特定の株主の出席を事実上排除するために当該株主が出席しにくい招集場所を自由に選定できることになるのではないかとしまして、現行法と同様の制限を設けるべきとの趣旨の質問がなされてまいりました。この点をどのように考えるか、法務当局にお伺いします。
#49
○政府参考人(寺田逸郎君) この点は、会社、実務界の御要望が非常に強いところでございました。
 まず、大きな会社あるいは中規模の会社から見まして、最近、株主の利便性を考慮いたしまして、本店所在地以外の場所を株主総会の開催場所とする、そういう株式会社が増加している。これはなかなか株主が入るだけの大きさを持つ場所の選定その他、様々な理由があろうかと思いますが、第二に、株主が今度逆に少ない会社においては、必ずしも本店所在地でなくても株主が集まりやすい場所で開催させてほしいというような御要望もあったわけでございます。そういう要望に対応するものでございまして、言わば自由化を図るということでございますが、これの濫用があってはもちろんならないわけでございます。
 それで、私どもといたしましては、一部の株主を排除するために著しく不都合な場所であえて株主総会を開催するという場合には総会の決議取消し事由となるという理解でおりますし、さらに、その会社自体でもう少しきちっと決めておきたいという場合には定款で開催地を決めておくということで、会社にとって選択の幅が広がったということで御理解を賜りたいところでございます。
#50
○松村龍二君 さらに、会社法案におきましては、種類株式の発行につき自由度を高め、その結果、例えばUFJ銀行が三菱東京ファイナンシャルグループに発行したいわゆる黄金株のような株式についても、その株式だけに譲渡制限を付すことができるようになったわけであります。
 今、郵政民営化議論が行われておりますが、郵便貯金銀行の株が容易に外国の資本に買収されるというようなことになることも国民は心配しているわけですけれども、そういうような意味でこの黄金株という問題がフットライトを浴びているかと思います。しかしながら、このような株式は、一面、その権利内容いかんによっては他の株主の利益を一定の範囲で制限する場合もあり得るものと思われます。
 そこで、法務当局に尋ねますが、このような株式の発行に一定の歯止めを設けるような措置を講じる必要はないのか伺います。
 時間が限られておりますので、ついでに。
 また、参議院で審議を続けている中、先月二十七日、法務省が経済産業省と共同し、買収防衛策に関する指針を策定したと聞いております。その指針においては先ほど指摘した黄金株についてはどのような考え方を取っているのか、法務当局にお伺いします。
#51
○政府参考人(寺田逸郎君) 拒否権条項付きの株式、いわゆる黄金株でございますが、これは、元々は議決権の過半数を取得することができない少数派の株主について、自己の利益を守るために、出資額は少なくても、一定の重要な事項については自分の意見を反映させると、そういうニーズに基づいて導入されたものでございます。こうした株式というのは、実際には、例えばベンチャーキャピタルがオーナー企業でありますベンチャー企業に投資するような場合、あるいは合弁会社において出資者の利害を適切に調整しようとする場合などにおいて用いられるものでございます。
 どういうメカニズムかと申しますと、結局のところは少数派となる株主が資金を提供するということでございますけれども、その資金の提供が非常に重要であるという認識で、その利益を保護するために議決においての拒否権を要求すると、それで、他方、会社はその株主から資金提供を受けるためにこの合理的な拒否権の設定をすると、そのことが株主総会の特別決議によって行われる、その結果発行されると、こういうことになるわけでございます。
 ただ、おっしゃるとおり、この拒否権条項付きの株式というのは一定の危険はあるわけでございます。既存の株主の意向というのは一応は反映されるわけでございますけれども、上場会社を中心といたしましてすべての会社においてこれが用いられるのが適切かどうかということは、それぞれ具体的な場面に応じて判断されるべきものでございますので、その用い方においては今後いろんな場面でそれぞれの方の御工夫が要るということは否定できないところでございます。
 続いて、防衛策についての指針ということについてお尋ねもあったわけでございますが、この指針の中では、先ほど申しました特定の者に対する黄金株の発行ということは、商法上は種類株といたしまして、株主平等の原則の例外であって適法だということを確認はいたしておりますけれども、しかしながら、この黄金株を発行するについては、買収者以外の株主を先ほど申しましたように差別的に取り扱う側面がございます。そこで、一般の投資家の保護ということを考えますと、やはり一定の配慮は必要だろうということでございまして、株式の公開会社を中心といたしまして消却することができない拒否権付きの株式を新たに発行することについては、これは一定の範囲では慎重であるべきだという考えを取っているところでございます。
#52
○松村龍二君 さらに、参議院法務委員会における質疑の中で重点項目の一つとして取り上げられた問題といたしまして、擬似外国会社の問題があります。
 この擬似外国会社を規定する会社法第八百二十一条につきましては、その規定により、一部の外国企業が我が国で活動を継続することが不可能となるのではないかと。御承知のように、証券会社、医薬関係、その他いろいろな外国企業が日本で活躍し、日本の経済にも貢献しているところでございます。しかし、この八百二十一条の規定が、一部の外国企業が我が国で活動を継続することが不可能となるのではないかと、また、企業活動を継続する場合でも大きな負担を強いることになるのではないかとの心配あるいは指摘がされまして、また、一部の委員からその修正を求める意見も出されたところであります。
 そこで、法務大臣にお伺いいたしますが、会社法第八百二十一条の趣旨と改正の内容はどのようなものでありますか、また、同条が我が国における外国企業の活動に対し不当な制約となることはないのか、お伺いします。
#53
○国務大臣(南野知惠子君) 現在の商法第四百八十二条は、外国会社を利用した日本の会社法制の脱法、潜脱を防止する観点から、擬似外国会社は日本法に従って設立された会社と同一の規定に従うことを要する旨を規定いたしております。この規定の意味は、判例・多数説によれば、擬似外国会社は日本法に基づいて再設立しない限り法人格が認められないということであります。
 しかし、これでは取引の相手方との法律関係が安定性を欠いてしまい、適当ではないと考えられております。そこで、会社法案の第八百二十一条は、擬似外国会社に関する現行法の規律の趣旨を維持しながら法律関係の明確化を図るという観点から、一つには、擬似外国会社は日本において取引を継続して行うことができないこととし、二つ目は、これに違反して取引を行った者は取引の相手方に対して当該擬似外国会社と連帯して責任を負うこととしております。
 この改正は、現行法の規律趣旨を変更することなく擬似外国会社にも法人格を認めることによりまして、法律に適用関係を明確にしたものでありますから、我が国における外国企業の活動に対して何ら不当な制約となるものではないと考えております。
#54
○松村龍二君 重ねてお伺いしますが、会社法第八百二十一条における擬似外国会社の範囲はどのようなものであるのか。ペーパーカンパニーあるいは脱法的に外国企業をつくって日本で活動するということは許されないことは当然でありますけれども、会社法八百二十一条における擬似外国会社の範囲はどのようなものであるか、また、その範囲は現行商法四百八十二条と同一であるということでよろしいのか、確認のため法務大臣にお答えいただきたいと思います。
#55
○国務大臣(南野知惠子君) 擬似外国会社は、条文では「日本に本店を置き、又は日本において事業を行うことを主たる目的とする外国会社」と規定されております。
 ここで、「日本において事業を行うことを主たる目的とする外国会社」が何かが問題とされておりますが、この規定が外国会社を利用した日本の会社法制の脱法、潜脱を、これを防止するという趣旨によるものであることに照らして考えてみますと、専ら日本において事業を行うことを目的として設立された外国会社のようなものがこれに当たると考えられております。そして、会社法案の八百二十一条における擬似外国会社の範囲といいますのは、現行商法四百八十二条における擬似外国会社の範囲と全く同一であるということでございます。
#56
○松村龍二君 後ほどまた具体的にお伺いしますけれども、ただいまのお答えを伺い、会社法案第八百二十一条における改正の趣旨と内容は全く正当なものであると理解いたしました。
 したがいまして、私といたしましては、会社法案第八百二十一条を修正する必要はないものと考えますが、この点についての法務大臣のお考えはいかがでしょうか。同条の修正の要否と、仮に修正した場合の問題点を指摘していただきたいと思います。
#57
○国務大臣(南野知惠子君) 会社法案第八百二十一条の趣旨、これは外国会社を利用して日本の会社法制を脱法する行為を禁止するというものでございますので、まず規定を置くべき合理性はあるものと考えております。規定の内容につきましても、擬似外国会社に関する法律関係を明確化するとともに、相手の、取引の相手方の保護を図ろうとするものでありますから、これは適当であるものと考えます。
 したがいまして、会社法案第八百二十一条については修正する必要はないと考えております。
#58
○松村龍二君 日本語が分かりにくいということもあろうかと思いますが、ただいまの抽象的な問い、答えでは、外国の企業等もちょっと安心できないという点もあろうかと思いますので、もう少し具体的に質問していきたいと思います。
 日本では様々な業種の外国会社が活発に活動しておりまして、例えば証券会社、投資顧問会社その他の金融サービス会社、消費者向けの製品を製造している会社、医薬品会社や医療機器会社、電気通信事業会社、また運輸、搬送などの外国会社が支店を通じて日本で事業を行っていると聞いております。
 これらの外国会社の中には、今回の会社法の改正によって取引相手から、そちらの会社は擬似外国会社だと主張されるのではないかという心配、すなわち例えば訴訟などの場面で、そちらの会社は擬似外国会社であるから取引契約は無効だと主張されるのではないかという心配を持っているものがあります。
 そこで、この点については法務当局にお尋ねしますが、現時点で日本の支店のみで事業を行っている外国会社が顧客と継続的に取引をしている場合に、会社法第八百二十一条によりその取引に関する契約が無効となる、あるいは解除されるということがあるのでしょうか。お伺いします。
#59
○政府参考人(寺田逸郎君) この擬似外国会社の規定でございますけれども、先ほど大臣からも御説明申し上げましたように、基本的には、日本における事業がその会社の存立に必要不可欠であるということを前提に言わば脱法として設立される、そういう外国会社のことでございますので、専ら日本において事業を行うことを目的として設立された外国会社のようなものだと、こういうように御理解をいただければよろしいんではなかろうかと思うわけでございます。
 したがいまして、現時点で日本国内の支店でのみ事業を行っていても、外国においても事業活動を行うことが予定される、あるいは可能性があるというようなことになりますと、それは擬似外国会社に当たるということではないんだろうというふうに思います。
 仮に擬似外国会社であったということになりましたらどうだというお尋ねでございますが、この会社法の八百二十一条の効果から見ますと、擬似外国会社と連帯して責任を負うというところが効果として規定されているところでございまして、この擬似外国会社の規定に違反したということになりましても、その契約自体が無効になるというような契約の効力に影響を与えるということはない、こういう理解でよろしいかと思います。
#60
○松村龍二君 取引に関する契約は影響を受けないというお答えでしたが、先ほど挙げたような業種の外国会社が日本において取得した許認可についても心配しております。
 そこで、法務当局にお尋ねしますが、現時点において、日本の支店でのみ事業を行っている外国会社が日本において許認可を受けている場合に、商法四百八十二条から会社法八百二十一条に改正されることによって、外国会社という形態から株式会社の形態にすることを要求される、あるいは許認可を日本の株式会社の形態にすることを要求される、あるいは許認可をもう一度取得することを要求される、このようなことがないと思いますが、いかがですか。
#61
○政府参考人(寺田逸郎君) これは許認可の点については、それぞれ許認可を行っておられる省庁で御判断になられることでございますので、そのそれぞれについて私どもの方から具体的に申し上げることはできないわけでございます。
 ただ、この許認可の前提といたしましては、当然法人格があるという御判断であられると思いますけれども、現行法によりますと、効果としては法人格が否定されるわけでございますので、これまでこのような法人格が否定されている会社というものに、今度新たに規定ができたからといってそれが影響を受けるわけではない一方、法人格があるとされているものにもまた今回の改正によって擬似外国会社の範囲が変わるわけではないので、これによって法人格の点での影響もこれまたないというふうに私どもは理解をいたしているところでございます。
 むしろ度々申し上げていますように、今回の改正によりまして法人格が否定されるということは、いずれにしても擬似外国会社についてすらなくなるわけでございますので、その分のリスクは擬似外国会社で仮にあったとしても減るということで御理解を賜りたいと思います。
#62
○松村龍二君 擬似外国会社について幾つかの質問をしてきましたが、擬似外国会社に関する最後の質問として法務当局にお尋ねします。
 現時点において、日本国内の支店でのみ事業を行っている外国会社が商法四百八十二条から会社法八百二十一条に改正されることによって悪影響を受けるリスクはあるのでしょうか。
#63
○政府参考人(寺田逸郎君) 再三申し上げておりますように、現在の商法の四百八十二条と会社法案の八百二十一条の擬似外国会社の範囲というのは全く同じでございます。これまで擬似外国会社でないという理解をされていたものが、改正によって擬似外国会社に当たるということはこれはもうあり得ないことでございます。
 また、効果の方は、これも先ほど御説明したとおり、従前のような法人格を認めないというところから代表者が個人責任を負うというところに絞り込んでいるところでございます。したがいまして、現行法と比べまして擬似外国会社に悪影響が及ぶということは法律上はあり得ないことでございます。
#64
○松村龍二君 この問題につきましては、まあ外国の方が心配しているのは、法律的にはそういうことで問題ないといたしましても、相手が、外国会社が擬似外国会社ではないかというようなことにいろいろ、解約し、その契約が無効であると主張し、あるいは特定の取引に関する損失を負担する必要はないと、また代金の返還を求めるというような要求をされて、リスクが生じないかということに心配しているようでございますので、まあ今後の広報といいましょうか、この八百二十一条の趣旨について、まあ法務省内において登記の方にしっかり趣旨を伝えるということを含めまして、裁判官も欧米の裁判とちょっとシステムが日本の場合違うような面があろうかと思いますので、周知をお願いしたいと思います。
 最後になりましたが、今回の質疑を通じて私は会社法案について、会社経営の機動性、柔軟性の向上を図るとともに、会社経営の健全性の確保を図り、利用者の視点に立った規律の見直しを行うという所期の目的を十分に達成していると評価すべきものであり、その成立と施行が二十一世紀における我が国の経済活動を発展せしめるものと確信するに至りました。
 しかしながら、このような会社法案であっても、国民や企業関係者に対し、十分な広報活動による周知徹底を図らなければその趣旨を生かすことができず、無用な摩擦を生じることにもなりかねません。特に、擬似外国会社に関する規定については、先ほども申し上げましたように、外国企業の中には会社法案、重ねて申し上げるわけですが、八百二十一条により企業活動を継続する場合でも大きな負担が強いられることになるのではないかとの懸念を有しているものが少なからず存在するとも聞いております。
 そこで、仏作って魂を入れずというがごとき状況にならないように十分な広報活動をしていく必要があると考えますが、この点についてどのように対処していく予定でしょうか、法務大臣にお伺いします。
#65
○国務大臣(南野知惠子君) 会社法案におきましては、一つは株式会社と有限会社の統合、もう一つは中小企業の実態を踏まえた各種の改正、さらに擬似外国会社に関する規制の合理化など、幅広い分野におきまして多くの改正を行っているところでございます。そういう意味では、法務省では従前より法律の内容の広報活動につきましてはホームページへの掲載、ポスター、パンフレット等の印刷物の配布、さらに、立案担当者による各種雑誌への解説記事の執筆、また主要都市での説明会の開催などを行うことを通じましてその周知徹底を図ってまいりました。会社法案につきましても、このような様々な施策を講じることによりましてその内容の周知徹底に遺漏なきを努めてまいりたいと考えております。
#66
○前川清成君 民主党の前川清成でございます。
 千葉理事始め、理事の皆様方の御配慮によりまして、今日、四回目の質問に立たせていただきますことを感謝申し上げます。ありがとうございます。
 冒頭、魚住先生からRCCに関する御質問がありました。実は、私は住管機構、そして整理回収機構で実際の業務を担当してまいりました。その点から申し上げますと、魚住先生にむしろお答えしたい部分もありました。
 私が住管機構に参加しましたのは、ちょうど住管ができて一年がたった辺り、住管ができて最初のときは、駅前の土地だとかそういうところをどんどん売って回収の成績は上がったんですけれども、それが一巡しますと、もう取るところがない。中坊先生がいわゆる岩盤に達したというような表現をされて、これはちょっと弁護士を増強して頑張らなあかんというようなときに引きずり出されました。
 現場の職員の皆さん方が大変熱心にしておられますが、住管から整理回収機構に変わったときに明らかに債務者の性質が変わったと私は認識しています。住管のときの債務者の方というのは専らバブルに踊った人たちでした。整理回収機構になりましたら、信用組合とかがどんどん倒産していきまして、その不良債権の回収もしました。ですから、秋の国会で吉田委員が自らの体験でおっしゃったように、包括根保証を根拠に取り立てるというようなこともありました。
 私たち、これは自分をどうこう言うわけじゃありませんが、弁護士の感覚であれば、二十年前、三十年前に包括根保証していても、それは今さら請求したら正義に反するでという感覚があって、請求、こんなことやめておけとなっても、銀行から来ている職員の人たちは、しゃくし定規に、契約書があるのだから請求するべきだということをにしきの御旗にして、今世間で言われている過酷な取立てというのが横行しているんじゃないかなと思います。
 私は、後で申し上げますが、ここでも、役所の皆さん方、確かに優秀ですが、役所の皆さん方に全部頼るんじゃなくて、政治家が政治家の責任においてこの国の形を語るということが大変重要じゃないかなと、ちょっと強引ですけれども、魚住先生のお話を聞きながらそんなふうに思っておりました。ただ、一点、寺田さんが、金融庁が本来答えるべきRCCの監督責任とか、RCCが破産管財人の任意売却に応じないのはなぜだというような質問に寺田さんがお答えになっていたのを見て、寺田さんというのは優しいいい人なんだなというふうにつくづく感じたところでございます。
 それでもう一点、ごめんなさい、質疑に入る前に一点。
 今日、資料を配らせていただきました。これは後で、むしろこういうことこそ私は迅速、機動的に改正するために政省令にゆだねたらどうかというような例として挙げさせてもらうためにこの資料を配ったんですが、法務委員の人数は二十人です。今日も欠席されている方もありますので十名足らずだと思います。ここに大臣と副大臣と政務官と寺田さんと、合わせて二十五部もあれば十分かなと思うんですが、私は、これ委員部の方から七十部コピーを出せというふうに指示をされました。七十という足し算がよく分からないので、どうして七十ですかということをお尋ねしたら、それはお答えになりませんでした。七十出せ、そう言うたあほうがだれや、手挙げてみいというふうにここで言うつもりはありませんが、ありませんが、こういう無駄が国会には、私のようにいきなりやってきた一年生には余りにも多いと思います。二十五部あれば十分なのにどうして七十部出す必要があるのか。小泉さんじゃありませんが、これ、紙ももったいないです。熱帯雨林を切り出して作った紙ですから、ちょっと私たちの世代、こういうもったいないということを国会の運営でも是非御配慮いただきたいということを委員長にまずお願いして質問に入らせていただきたいと思います。
 それで、私の質問としては、通告してないんですが、八百二十一条に関して一点だけ確認をさせてください。
 先ほど、大臣でしたか寺田局長の方から、八百二十一条一項の文言は専ら日本において事業を行う外国会社、こういうふうに読むべきなんだというふうな御説明があったと思いますが、八百二十一条一項の文言は、「日本に本店を置き、又は日本において事業を行うことを主たる目的とする外国会社」とあります。言うまでもありませんが、「又は」というのは並列です。普通の日本語の読み方をすると、日本に本店を置く外国会社、又は日本において事業を行うことを主たる目的とする外国会社は日本において取引を継続して行うことができない、これが普通の日本語の読みだと思いますし、仮に外国語に翻訳されるようになってもそうなると思います。かつという日本語が入っているわけでもありません。あるいは専らという限定が加わっているわけでもありませんが、この点、外国の方々にも分かりやすいように、無用の混乱を生じないように、八百二十一条一項の文言が大臣あるいは局長のおっしゃるとおりであるとするならば文言を修正すべきではないかなと、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
#67
○政府参考人(寺田逸郎君) 私の方で申し上げました解釈は先ほどのとおりでございますが、私どもの意図といたしましては、現行法上擬似外国会社に当たるものについては擬似外国会社に当たる、今後もでございます。それから、現行法上当たらないものは当たらない。全く現行法と擬似外国会社の範囲を変えていないというのが私どもの意図でございますので、それは、あえて文言に付加あるいは削除を加えずに法案を提出させていただいているところでございます。
#68
○前川清成君 私は、寺田局長のおっしゃっている解釈が良くないとか意図が良くないとか、現行商法と今の会社法と変更すべきだと、そういうのを申し上げているつもりは全くないんです。ただ、寺田局長のおっしゃっているように専ら日本において事業を行う外国会社と限定して解釈するべきだと、そういうふうに御説明があったとしても、この会社法案八百二十一条一項が、八百二十一条一項を普通の方が、一般の方が日本語としてお読みになったときはそうは取れないし、あるいは外国語に翻訳されたとき外国人の方もそのようには理解できない、だから無用の混乱を回避するために八百二十一条一項の日本語を変更するべきではないですかと、こういうお尋ねでございます。
#69
○政府参考人(寺田逸郎君) おっしゃるとおり、文言といたしましては、厳密に言うと私どもの解釈と表面上は違うことになるわけでございますが、それは、現行法の下において既にそのように理解をされているというところを私どもで申し上げているところでございまして、あえて現行法の文言と変える必要はないというところをひとつ重視していただきたいところでございます。
#70
○前川清成君 ちょっと水掛け論になってしまいますが、私は、何度も申し上げていますように、法律というのは専門家だけが分かって難しいもの、だから専門家に頼んだらいいということで、一般市民の方が自分たちに縁遠いものというふうに遠ざけるものではないと思っているんです。
 実際に、会社を経営される中小企業の皆さんも含めて、この会社法の文言を見ればどのような規律があるのか分かりやすいように制定するのが法務省の責務であるし、今回の提案理由の中にも分かりやすい会社法を作ると、こういうふうに自らおっしゃっているわけですから、おっしゃっているわけですから、やっぱり、寺田さんは分かっても、寺田さんは分かっても、上場企業の社長さんだってそんな解釈は御存じありません。ましてや、全国津々浦々にいらっしゃる中小企業、顧問弁護士もほとんどいらっしゃいませんから、そんな社長さんがこの八百二十一条一項の文言を読んで、日本語を読んで寺田さんがおっしゃるとおりには理解できない。
 だから、だれが読んでも分かるように八百二十一条一項の日本語を変えるべきではないですかと、こういうお尋ねでございます。大臣、いかがでしょう。
#71
○国務大臣(南野知惠子君) 文言を分かりやすくするという、これは当然のことであろうと思っておりますけれども、法律の文章の中においては、それはもうきっちりとしたものをうたっていかなければならない。だけど、この専らということについては、これは日本人の感覚という中でもこれは皆さん理解できる文言であろうと思っております。
#72
○前川清成君 大臣、僕、最初にこの八百二十一条一項の日本語を読ませていただきました。大臣、お手元にあるようでしたらちょっとお目通しいただきたいんですが、今大臣がおっしゃった専らということでしたら私も分かります。どなたもお分かりになると思います。でも、八百二十一条一項に専らという──大臣、聞いていただいています。八百二十一条一項に専らという日本語は書いてないんです。で、むしろ、「日本に本店を置き、又は」ってなっているんです。「又は」というのは対等のものを並列につなぐときの接続詞ですよね。そうであったら、八百二十一条一項は、日本に本店を置いている外国会社は日本において取引を継続することができません、日本において事業を行うことを主たる目的とする外国会社は日本において取引を継続することはできません、この二つのことを定めていると読むのが日本語の解釈なんです。
 ところが、寺田さんが今までおっしゃっているのは、これまでの判例の経緯等があるから、日本語はこうだけれども、専ら事業どうこうこうで限定して解釈しますと、こうおっしゃるんです。その解釈自体も間違っているとは私は全く申し上げていません。申し上げていません。
 ただ、それは日本の判例の流れがそうなっていますということを外国の方はお分かりになりますか。お分かりにならないと思います。そこまで調べられないと思います。あるいは、全国津々浦々にいらっしゃる中小企業の社長さんたちはそこまで御存じにならないと思います。だから、私はだれが読んでも分かる日本語に八百二十一条一項を修正するべきではないかと申し上げているんですが、いかがでしょうか。
#73
○国務大臣(南野知惠子君) ちょっと読んでみますが、「日本において事業を行うことを主たる目的とする外国会社」が何かが問題とされておりますけれども、この規定が外国会社を利用した日本の会社法制の脱法、潜脱を防止するという趣旨によるものであることを照らして考えてみますとということで、この文言の解釈をするために専らという文字をここに挿入させてもらったわけでございますので、これは皆様方の……(発言する者あり)これは法律文言にはないですよ、これは解釈の問題ですから。
 そういう意味では、皆様……(発言する者あり)ええ、だからそれは解釈でございますので、そのような形で御報告申し上げました。
#74
○前川清成君 じゃ、大臣、最後にこの点をお聞きします。
 じゃ、「又は」以下は、「又は」以下は、大臣、今の御説明、していただきました。「又は」の前、日本に本店を置く外国会社は日本において取引を継続することはできない、これはどのように御説明されます。──いや、日本の。
#75
○国務大臣(南野知惠子君) これは擬似外国会社の説明でありまして、条文では「日本に本店を置き、又は日本において事業を行うことを主たる目的とする外国会社」と規定されておりますということで、これは条文でございますので、このまま書かせていただいております。
#76
○政府参考人(寺田逸郎君) この点は前川委員がおっしゃるとおりでございまして、「又は」でございますので、日本に本店を置く会社、これは当然この八百二十一条に当たる、これはこれまでも四百八十二条にも当たるということでございます。
#77
○前川清成君 それじゃ、是非皆さん方で御協議いただいて、修正に向けて御努力いただくようお願いいたします。
 それで次に、松村委員の方からも少し触れられましたが、前回、寺田局長の御答弁で、現行の二百三十三条は削除したんだけれども、当該会社が八百三十一条一項一号によって取り消されるのを恐れて確実に開催したいんだったら、現行法と同様に、現在の本店の所在地あるいはそれを隣接する土地で開催したらいいじゃないかというような御答弁をいただきました。それは実務の指針になると、こういうふうに受け取ってよろしいでしょうか、寺田局長。
#78
○政府参考人(寺田逸郎君) それは、私がここで申し上げたことは、基本的に現行法の解釈あるいはこの会社法案の解釈として申し上げているわけでございますから、それを実務上の指針にしていただくことはもちろん非常に有益だろうというように考えておるところでございます。
#79
○前川清成君 八百三十一条の一項一号の「著しく不公正なとき。」の定義についてお尋ねいたしました、寺田局長に。それに関して、完全に規定し切ることはできませんと、ここはこういう規定をあえて選んでいるんですという御答弁をいただきましたが、株主総会の招集場所に限って言うのであれば、八百三十一条の一項一号は、殊更に全部又は一部の株主の出席を困難ならしめるために本店所在地及びその隣接地以外の場所で株主総会を開催したときと、こういうふうに解釈し、限定してしまったらどうかと思うんですが、いかがでしょうか。
#80
○政府参考人(寺田逸郎君) これは、その場所の関係あるいは株主の数の関係、まあ様々な要素がございますが、その上で、しかし株主の権利というものが害される、それが結論に当然のことながら影響があり得る、そういうケースにおいてはこの八百三十一条の一項一号の「著しく不公正なとき。」に当たるということは、抽象的にはそのとおりであろうかと思います。あとは具体的な当てはめの問題であろうかと考えております。
#81
○前川清成君 具体的な当てはめでお伺いしたいんですが、取締役が主観的には特定の株主の出席を妨害したい、こういうふうに思っていたけれども、本店所在地あるいはその隣接地で株主総会を開催したとき、主観的には、心の中では、こいつ来てもらったら困るなと思っていたんだけれども、現行二百三十三条のとおり、本店所在地あるいはその隣接地で株主総会を開いたという場合、この場合には八百三十一条一項一号の「著しく不公正なとき。」には当たらないと、こう考えてよろしいでしょうか。
#82
○政府参考人(寺田逸郎君) 現行の規定が、確かに原則としてはそういう本店所在地あるいはその隣接地ということになっております。そのことが、そこで開催することがあえて特定の株主に非常に御不便をお掛けして権利を奪うということを念頭に置いて、しかし本店で開催したと。で、結果として、しかしその株主の権利というのが全く害されないということであれば、これは全く不公正な、「著しく不公正なとき。」に当たらないということでよろしいんではないかと思います。
#83
○前川清成君 今のように整理していただいたならば、全国津々浦々の社長さんたちは、株主総会を開くときにどこでやったらいいのかな、せめてその点だけでも不安が解消されるんじゃないかなと、こんなふうに思っています。
 それで次、大臣にお伺いいたします。
 前回いろいろ、どういうことは法務省令に委任し、どういうことは法律で決めるのですかということをくどいほどお尋ねいたしましたけれども、大臣からは明確にはお答えいただけませんでしたので、ちょっと整理してお尋ねを申し上げたいと思います。
 前回、どのようなことを法務省令で委任するのかにつきましては、会社法案におきましては、技術的、細目的事項であって法律レベルで規定することが必ずしも適当とは言えない事項について政省令に委任しているわけでございますと、こういうふうに御答弁いただきました。
 技術的、細目的事項であるということは、政省令委任の必要条件ですけれども十分条件ではないということでよろしいですね。
#84
○国務大臣(南野知惠子君) 政省令に委任する技術的、細目的事項とは、委任する事項、理由によって様々でありますので一概には言えませんけれども、委任の規定を設けるに当たりましては、委任の趣旨、範囲、規定すべき事項の例示を個別的に行うこと、会社法案又は他の法律における同種の規定における委任の状況とのバランスを考慮することによって適切な範囲を委任するよう配慮しております。
#85
○前川清成君 私が今大臣にお尋ねしましたのは、会社法も結構これは技術的な法律ですけれども、技術的な事項だったら何でも法務省令に委任しますというふうになっては駄目だと思っているんです。
 そこでお尋ねしたいのは、技術的な事項であったら直ちに法務省令に委任するんですか、あるいはそうではないんですかと。前回の御答弁では、技術的、細目的事項であって、大臣はその接続詞付けておられませんけれども、私は、かつ法律レベルで規定することが必ずしも適当とは言えない事項、この二つの要件を満たしたときに政省令に委任するというふうにお答えいただいたのかなと思ったんですが、大臣の政省令に委任する範囲の基準について御確認、まずは御確認申し上げたいと思います。
#86
○国務大臣(南野知惠子君) 会社法案におきましては、会社の設立、組織、運営及び管理に関する事項につきまして、基本的には法律自体で定めることといたしておりますけれども、技術的、細目的事項であって、法律レベルで規定することが必ずしも適当とは言えない事項については政省令に委任しておりますということです。
#87
○政府参考人(寺田逸郎君) 今の前川委員の御指摘でございますが、それは間に「かつ」が入っているということで御理解いただいて結構でございます。
#88
○前川清成君 その技術的、細目的事項に付加された、条件として加えられた、法律レベルで規定することが必ずしも適当とは言えない、これはどのような場合を指すのか、お答えください。
#89
○政府参考人(寺田逸郎君) これは一般に法律が省令に委任する場合に多く見られることでございますけれども、大変に社会的な状況というものの変化が大きいわけであります。
 特に、この会社法律実務におきましても、一つはもちろんIT化というようなことの進展が非常に進んでおりますので、例えば株主に対してどういう通知の仕方をするかということについても様々な手段というのが変化してまいります。そういうことに対応しなきゃならない。あるいは、株主の数というのがおおよそ予想されているような状況と違うような市場の発達というのも非常に急展開で行われる場合もあるわけでございます。総じて申し上げれば、そのように機動的な対応というのを必要とする場合ということが中心だということで御理解を賜りたいところでございます。
#90
○前川清成君 今の寺田局長の御答弁は、技術的、細目的事項であって、かつ迅速、機動的に改正を要する事項と、こういうことですか。
#91
○政府参考人(寺田逸郎君) 基本的にはそうであります。
 かつ、念のため申し上げますけれども、これは技術的、細目的事項ということの反面でもございますが、もちろん、何といいますか、政策的に非常に大きな柱というものがあり得るわけでありまして、そういうことについては逆に省令で定めることが不適当ということであります。つまり、省令で定めることが不適当ということでございまして、法律で定めるべきこともあるわけでございます、技術的なことでございましても。そういうことを逆に意味していることもございます。
#92
○前川清成君 大臣は、技術的、細目的事項であって、法律レベルで規定することが必ずしも適当とは言えない事項と御答弁される前に付け加えて、会社法案におきましてはと限定を加えておられます。
 今読み上げました技術的、細目的事項云々という要件は会社法案にだけ当てはまる政省令委任の判断基準なのかどうなのか、そうでなくて、ほかの法律においては違った基準で政省令に委任されるのであれば、ほかの法律ではどのような基準なのか、一般的な基準をお答えいただきたいと思います。
#93
○国務大臣(南野知惠子君) 今は会社法案について御検討いただいておりますので、これは会社法案についてでございます。
#94
○前川清成君 いや、私は会社法案についてとは分かっているんです。会社法案についてそのように御答弁いただいたんですが、この技術的、細目的事項というのは会社法案に限って適用する判断基準なのか、そうではなくて、法務省が提出される法案すべてに当てはまる判断基準なのか、いかがでしょうかという質問です。
#95
○国務大臣(南野知惠子君) 一般的に言えることでございます。一般的にはということでございます。
#96
○前川清成君 それで、少し条文を前提にして技術的、細目的事項云々という要件が当てはまるかどうかお尋ねしたいんですが、前回も少し触れたと思います。三百四十八条を、三百四十八条を是非大臣もごらんいただきまして、その三項四号、取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するため必要なものとして法務省令で定める体制の整備、長いので一言で言いますと、法務省令で定める体制の整備、これが取締役の職務になっています。取締役が職務を怠って会社に損害を与えたとき、これは前回大臣もお答えいただいたとおり特別背任罪になります。それが九百六十条、会社法案の九百六十条であったかと思います。
 今の三百四十八条の三項四号と九百六十条を併せてごらんいただければお分かりなんですが、法務省令で定める体制の整備を怠って会社に損害を与えてしまいますと十年以下の懲役に科せられてしまいます。要するに、犯罪の内容、こういうことをしたら罪になりますよということを法律ではなく法務省令で決めてしまうことになります。
 今、これ、前回大臣、ちょっと取り違えて御答弁いただきました。憲法で許されているか許されていないかということは今お尋ねしていません。お尋ねしていません。大臣が先ほど御説明いただいた技術的、細目的事項云々という要件に照らせば、この犯罪の内容まで法務省令にゆだねてしまうというのは余りにも行き過ぎではないでしょうかと、私はそう考えますが、大臣いかがでしょうか。
#97
○国務大臣(南野知惠子君) 罰則の一部につきまして省令に委任することは一般的に禁じられているわけではなく、法律による委任の範囲内において省令が定められるなどの条件を満たしておる限りにおきましては許されるものと考えております。
 ただし、会社法案九百六十条におきましては、取締役等が自己若しくは第三者の利益を図り、又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、十年以下の懲役若しくは一千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科すると定めており、罰則の全部又は一部が省令に委任されているわけではなく、また、背任罪における任務懈怠責任の内容につきましては、明治以降多数の判例の集積がございまして、その内容の明確性についても問題がないものと考えますので、罪刑法定主義に反するものではないと考えております。
#98
○前川清成君 大臣は前回もそのお答えをなさったので、私は今あえて、憲法で許されるかとか、そういうことをお尋ねしているのではありませんよということをお断りいたしました。お断りした上で私がお尋ねしているのは、犯罪の中身まで法務省令で決めてしまうことは、大臣が法務省令に委任する基準として掲げられた技術的、細目的云々という事項と相入れないのではないですかと、その点に限っての質問です。明治以来の判例、お答えいただかなくて結構です。罪刑法定主義もお答えいただかなくて結構です。
 これは、寺田さん、申し訳ないんですけれども、寺田さんは任される側だから、任す側は法律でしょう、任される側が法務省でしょう。任される側がこれだけ任されましたよと言うんじゃなくて、任す側がまずお答えいただかないといけないから、僕は、申し訳ないけれども、申し訳ないことはないです、大臣にここは是非御答弁いただきたいと。僕は、これ、例えば先ほどの擬似外国会社で明治以来の判例どうこう、それだったら大臣にお尋ねするつもりはありません。そうじゃなくて、どれだけの事項は法律で決める、どれだけの事項は法務省令にゆだねる、この国の形を今議論したい、そう思っております。大臣、お答えいただけますでしょうか。
#99
○大臣政務官(富田茂之君) 今先生の御質問の前提は、多分、法務省令で定める体制の整備が取締役の責務となるんだというふうなお考え方を前提にしてこの条文で委任されているんではないのかという御質問だと思うんですが、この条文に関しましては、会社法第三百四十八条三項は、取締役会が設置されていない株式会社において複数の取締役がいる場合に、特定の取締役に決定を委任することができない事項を定めております。そうしますと、この規定は、会社法第三百四十八条三項各号に定める事項を決定する場合にはその特定の取締役にその決定を委任することができない旨を定めているだけでありまして、取締役が必ずこれらの事項を定めなければならないというふうにはしておりません。
 したがいまして、原則的には会社法第三百四十八条三項四号の株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備が直ちに取締役の責務となるわけではないというふうに解釈しております。
#100
○前川清成君 富田政務官、三百四十八条の四号、ごめんなさい、四項、お読みください。
#101
○大臣政務官(富田茂之君) まだ続きあったか。ただしですね、おっしゃるとおり、大会社におきましては、先生御指摘の四号の規定により、取締役に対して株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備を決定することが義務付けられております。それはもう御指摘のとおりでございます。
#102
○前川清成君 だから。
#103
○大臣政務官(富田茂之君) だから、それはおっしゃるとおり。
#104
○前川清成君 だから、政務官、政務官、今御反論いただきましたけれども、三百四十八条の四項も併せて読めば、大会社においては法務省令で定める体制の整備が、取締役の職務として、取締役の職務に盛り込まれているわけでしょう。そういう犯罪の内容になるようなことまで政省令にゆだねていいのですかという質問です。
 ここだけじゃないです。例えば、三百八十一条が監査役の権限を定めています。その中で、三百八十一条の三項、監査役は、その職務を行うため必要があるときは、監査役設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又は子会社の業務及び財産の状況を調査することができるとあります。
 前提として寺田さんにお聞きしたいんですが、この三百八十一条の三項は、監査役は子会社の財産状況の調査することができると、権限の規定になっていますが、状況次第によっては監査役は子会社の財産状態について調査するべき義務が発生する場合はないのでしょうか。
#105
○政府参考人(寺田逸郎君) 監査役は当然会社のために監査役の職務を行っているわけでございます。それで、会社のために行うべき職務の一つとして、この監査役設置会社の子会社に対する事業の報告を求めるということがそのときの会社の状況から見てどうしても必要だということになりますと、それは当然この監査役の責任だということになるわけでございます。
#106
○前川清成君 今の寺田局長の解釈を前提に、私もそのように思いますが、九百六十条は、取締役だけではなくて監査役、これも背任罪の主体になることが定められています。今、三百八十一条の三項、監査役は子会社の財産状況を調査するべき義務が発生するんですけれども、子会社の範囲も法務省令で定めると、こういうことになっていますから、現行会社法ではなっていますから、監査役の調査義務の範囲も法務省令で画されることになります。その結果、監査役が背任罪を問われる範囲も法務省令で決められてしまうことになっています。
 いかがでしょうか、大臣。犯罪の範囲、犯罪が成立する範囲まで実は法務省令で決めることになっている。ここまで法務省令で決めていいのかどうか。やっぱりこの点は法律に留保しておくべきではないでしょうか。その点を、憲法で許されるかどうかをお聞きしているんじゃないんです。我が国の議会制民主主義の在り方として、ここまで広範な政省令委任をやってもいいのかどうか、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#107
○国務大臣(南野知惠子君) 監査役が子会社に、これ調査義務違反をした場合においては、これは会社法案九百六十一条一項の特別背任罪の構成要件に該当する可能性もあると考えていますけれども、会社法案九百六十条一項は罪刑法定主義などに照らしても特段の問題はないものと考えられておりますので、監査役の調査権限の対象である子会社の定義を法務省令に委任していても特段の問題はないものと考えております。
#108
○前川清成君 大臣、これの、いや、委員長、これの繰り返しなんですよね。これの繰り返しですやん。僕聞いていないことばっかりじゃないですか。あえてそんなことは聞いていませんと僕は申し上げているんですから。(発言する者あり)
#109
○委員長(渡辺孝男君) ひとつ静粛にお願いします。
 大臣のそういう理解での答弁ですので、御理解いただきたいと思います。
#110
○政府参考人(寺田逸郎君) 少し整理させていただけたら有り難いと思います。
 まず、おっしゃっている九百六十条は、あるいは六十一条でございますが、これは確かに特別背任罪の規定でございまして、その構成要件の中で問題になりますのは任務に背く行為ということになるわけでございます。これが構成要件でございまして、ただ、取締役にせよ監査役にせよ、任務に背く行為の中に具体的に様々な行為があるわけでございます。それは特に何も法律違反ということに限らないわけでございますけれども、しかし、一部は法律違反になることもある。その多くは、しかし、例えば行政法規に反するということで任務違反になることもあり得るわけであります。構成要件としては任務に背いているということで十分でありまして、その構成要件の具体的な中身の行為の一部について行政法規の違反、あるいは、ここでありますと会社法規の違反ということはあり得るわけであります。
 これは、その今の特別背任罪に限らず、背任罪自体はそうでありますけれども、これは様々ございます。取締役としては、任務としては、それは証取法のいろいろな規定を遵守しなきゃいけない、独禁法のいろんな規定を遵守しなければいけない。その中には、もちろん法律自体で任務が一義的にやるべきことが決まっていることもございますけれども、中には細目的に省令で決まっていることもあるわけでありまして、それがずっと任務違背からたどっていって最後が省令で決まっているからといって、それが全体が、省令を見ないともちろん取締役としては分からないこともあるわけでありますけれども、それが刑法上許されないということではないということで、これまでずっと理解されてきているというふうに私どもは理解をしているところでございます。
#111
○前川清成君 刑法上許されているかとか、憲法上許されているかとか、そういうことを聞いているのではありません、大臣。どこまでを法律で決めるのか、どこまでは政省令、役人にゆだねるのか、その判断基準をお示しいただきたいと。これ繰り返し申し上げているんです。こんなんだったらもう丸投げになりますよね。
 やっぱりこれは大臣の、法務行政のトップにお立ちいただいている大臣の大きな方針をお示しいただかないと、寺田さんが幾ら答えても、寺田さんは任される側ですから。大臣、お答えください。これはもう何度も繰り返し申し上げていることです。
#112
○国務大臣(南野知惠子君) 会社の設立、組織、運営及び管理に関する事項について、基本的には法律自体で定めることとしておりますけれども、何回も申し上げておりますが、技術的、細目的事項であって、法律レベルで規定することが必ずしも適当と言えない事項については政省令に委任しております。
#113
○前川清成君 そのお話は、今の、今日の冒頭に大臣にお答えいただきました、技術的、細目的事項云々というのは。それをお聞きしているんじゃないんです。大臣がそのように御答弁いただいた基準と、大臣がお示しになった基準と、この会社法案の中身とが一致していますかと。今例として申し上げたのは、犯罪の中身まで法務省令で決めてしまうことになります、ここまでやってやり過ぎじゃないですかというお尋ねです。
 大臣、大臣は犯罪の中身、犯罪の中身も法務省令で決めてしまってもそれは構わない、それは憲法上許されるどうこうじゃなくて、立法府の役割として構わないと、こういうふうにお考えになっているんですか。
#114
○国務大臣(南野知惠子君) 犯罪の中身をどうするかというのは、これはいろいろ検討を加えて、各省との検討を加えながらやっていることでありますことで、これは我々の法案の中では取り入れながら検討していることであります。
#115
○前川清成君 今の大臣の答えは、法務省令で犯罪の中身を定めても構いませんというお答えだったんですね。
#116
○国務大臣(南野知惠子君) 何回も申し上げていますけれども、省令で犯罪の中身まで決めているものではありません。
#117
○前川清成君 だから、何回も同じお話を申し上げるんですが、先ほど申し上げたように、富田政務官ともお話をしていました、聞いていただいていたと思います。法務省令で定める体制の整備が取締役の仕事の中身になっているんです。その仕事を怠ったら、九百六十条、背任罪になるんです。だから結局、背任罪になるかどうか、背任罪のすべてではありません、背任罪の一部ですが法務省令で定めることになっているんです。それは政務官もお認めいただきました。それが許されるんですかと。憲法上許される、許されないという話はしていません。立法府の役割として、国会議員の役割として、それをお認めになるんですか、大臣、というお尋ねをいたしております。
#118
○副大臣(滝実君) 大臣が繰り返し申し上げておりますから、私の方から補足させていただくのはなんでございますけれども、前川委員の御趣旨は私はそれなりに理解できる問題であろうかと思います。
 要するに、例えば今の監査役の問題であっても、子会社といっているだけで、子会社といっているだけで子会社の中身がない。で、子会社は省令で定めるのがいいのかどうかと、こういうことだと思いますね。
 ですから、その範囲内では子会社といっても、例えば何が子会社かというのは、それはある意味では技術的ですけれども、例えば株式を二五%以上あれば子会社というのか、あるいは五一%持たなければ子会社というのか、その辺のところは極めていろいろ決め方があるわけでございますから、前川委員のおっしゃるように法律では全く白地でもって子会社といっているのに、それを監査委員の義務付けをする、法律はそこまでであって、あとは具体的に二五%から五一%まで、場合によっては範囲があるものを省令で定めるのがいいのかどうかと、こういうようなことでございます。これに対して端的に答えるのはなかなか難しいところがあるだろうと思うんです。私は、そういう意味では、これを法律で定めるというのは今までの議論からいたしましても民事当局はなかなか難しいというふうに理解をしているわけですね。
 だから、そこのところはそごがあると思うんです。ですから、ここはやっぱり、ではどうしたらいいかといえば、私は立法府としてはやっぱり前川先生のおっしゃるように、この場でもってそれじゃ子会社はどういう、少なくともどういう範囲内で考えているのかということの確認をさせていただくというのが私は立法府と、政府側とすればその辺のところが接点じゃないだろうかな、こういうふうに思っているわけでございます。したがって、そういう観点から民事局がこの問題をどういうふうにとらえているか、技術的にどうとらえているかということの考え方をお示しできればというふうに思いますけれども。
#119
○前川清成君 今、滝副大臣がおっしゃっていただいたように、例えば子会社の定義ですけれども、これは現行法では法律の中に書き込んであるんです。法務省令で定めるとはなってないんです。この改正のどさくさで法務省令に定めるとなっているんです。で、前回申し上げました株主総会において説明義務が免除される場合、これも法律で書いてあるんです。現行法で。ところが、今回は法務省令で定めるになってしまったんです。どんどん法務省令に移行して立法府の役割が小さくなっている。これが問題ではないでしょうかというふうに私は申し上げています。
 それで、ちょっとどうしてもやりたいこともありますので、次の質問に移りたいんですが、(発言する者あり)ということですので、じゃ大臣、見解をお示しいただけますか。
#120
○副大臣(滝実君) 大臣に代わって恐縮でございますけれども、この基本的な考え方、そして例えば今委員が御指摘になったそれぞれの具体的な問題について、私ども法務省当局としてはどう考えているかという、アウトラインということになると思いますけれども、その考え方、それをお示しいたしたいと思います。
#121
○前川清成君 それで、ちょっと急ぎますが、寺田局長の方から、法務省令でいろいろ定めるのは、迅速、機動的に改正する必要もあるんだと、こういうふうな御説明がありました。
 ところが、平成に入って毎年商法は改正されています。ですから私は、会社法に関する限り、迅速、機動的に改正する必要があるので法務省にゆだねるんだというのは余り当てはまらないんじゃないかなと、こんなふうに思っています。
 その一方で、十四日の日に各夕刊で大きく出ました。最高裁が交通事故の賠償金の中間利息の控除を五%にするのが妥当だと、こういう判決がありました。で、高裁は三%で中間利息を控除しています。これ今、何が問題になっているのか、大臣、問題点を御認識いただいていますでしょうか。
#122
○国務大臣(南野知惠子君) こういう事故等に関する損害賠償等の場合にどのような額を試算するかという試算基準というものについての問題点であります。
#123
○前川清成君 だから、なぜ今五%だと、三%だというふうに最高裁の判断を示す必要があったのかという点なんです。これは、今の市中金利に比べて五%というのが余りにも高いからなんです。
 で、ちょっとお手元に、委員の先生方のお手元に私の方で式をお出ししています。最高裁の判決の中でも中間利息の控除割合というのは、預金金利から物価上昇率あるいは賃金上昇率を差し引いたものが適当なんだというのがあります。これがいわゆる実質金利、名目金利に対して実質金利と呼ばれるものでございます。今、普通預金の金利は〇・〇〇一%、定期預金の金利は〇・〇一九%です。これが五%と均衡しないのは当然であります。
 平成十六年度の計算をさせていただきましたけれども、一年定期の金利を〇・〇四六%のものがありました。消費者物価の上昇率が〇%でした。差し引きますと〇・〇四六%、民事法定利率五%との間にはこれだけの大きな差があります。実際は、実質金利は平成十六年であれば〇・〇四六%なのに、交通事故の被害者が、あるいは御遺族が賠償金から差し引かれてしまうのは五%。五%、余りにもかわいそうやというので、札幌高裁は三%にしました。三%にしたのはこういう社会の実態を配慮したと。ところが、最高裁は民法四百四条で五%と決めてあるんだから、五%と決めてあるんだからそれは五%でいかないと仕方ないですよと、こういうような判決でした。
 昭和二十二年も調べました。定期預金の金利は三・三%でした。しかし、この年の消費者物価の上昇率は五・五%でしたからマイナス二・二%。ここでも法定利率五%との間に七%以上の乖離があります。バブルの真っ最中、今話題の郵便局の定額貯金の利率は六・三%でした。しかし、物価上昇率は四・七%、差し引き一・六三%です。ここにも五%との金利との間に大きな乖離があります。
 そこでお尋ねしたいんです。一体いつ名目金利ではなく実質金利が五%という時代があったのか、これは法務省で結構です、お答えください。
#124
○政府参考人(寺田逸郎君) これは私どもこの中間利息の控除ということについて、いつ実質的にそれが五%と一致していたかということのデータは持ち合わせておりません。
 最高裁の御判断においては、最高裁の御判断でございますので、これを法務省としてコメントすることは差し控えたいとは思いますが、考え方としては、法定利率というものがこの場合に自動的にもちろん適用されるのではなく、中間利息ということの基準の一つとして何が適当かということをあえて最高裁として安定性を選んで五%、あるいはほかとのバランスを選んで五%とされたわけで、そういうお考えをお取りになったんだというふうに私どもは理解をいたしているところでございます。
#125
○前川清成君 最高裁の判例の中まで聞いていませんよ。一体いつ五%、実質金利が五%だったかという質問です。いつからいつまで。これは通告していますから。
#126
○政府参考人(寺田逸郎君) おっしゃることは、市中金利から物価上昇率を引いたのが五%なのがいつかということでございますので、そのデータ、その今のデータは持ち合わせておりません。
#127
○前川清成君 データは持ち合わせていませんって、これは調べておいてくださいと昨日通告していますよ。何が、持ち合わせていないって、何が持ち合わせていないんですか。委員長、これ通告していますから。(発言する者あり)
#128
○委員長(渡辺孝男君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#129
○委員長(渡辺孝男君) 速記を起こしてください。
#130
○前川清成君 今の、私の方は日銀や厚生労働省等に電話一本掛ければこの数字はすぐ来たんですけれども、機動的、迅速的に改正する必要があると、こういうふうに法務省が繰り返し繰り返しおっしゃられるのであれば、この民法四百四条こそ正にそういう問題ではないかなと、こういうふうに思っているんです。
 大臣、恐らく、これは是非次回、次回どんな法律で質問するかどうか分かりませんが、もう今、必ず、皆さん方の前で通告しておきます。実質金利の五%が一体いつからいつまでの間妥当していたかというのは必ずお尋ねするので、お調べいただきたいんですが。
 私がちらちらと戦後六十年調べた間で一度もありません。昭和二十二年のこと申し上げました。バブルの真っ最中のこと申し上げました。最近のことも申し上げました。一度もありません。百六年間、明治三十一年の民法改正、百六年間これは手付かずなんです。
 なぜこれが手付かずなんですか、大臣。
#131
○政府参考人(寺田逸郎君) 今おっしゃっている実質の中間利息を引く場合の金利は、これは法律で定められているわけではございませんで、法定利息というのは元々は、失礼、法定利率というのは元々は当事者の合意がない場合の利率、あるいは交通事故の不法行為による損害賠償による遅延損害金の利率として機能しているものでございまして、それをあえて中間利息を引く際の基準にされるというのは、これは裁判所の御判断でされているわけで、そのことのみをもって法改正、この四百四条を法改正するということにはならないんではないかと私どもは考えているところでございます。
#132
○前川清成君 寺田さんはそうおっしゃっても、最高裁自身が、最高裁自身が、私、今手元に最高裁の判断ある、判決あるんですけれども、最高裁自身が札幌高裁の三%というのについて、中間利息の控除を年三%とすることが将来における実質金利の変動を見ても十分に控えめなものであると。我が国の、我が国では実際の金利が近時低い状況にあることや原審の言う実質金利の動向からすれば、被害者の将来の逸失利益を現在価値に換算するため控除すべき中間利息の割合は民事法定利率である年五%より引き下げるべきであるとの主張も理解できなくはない、実質は理解できなくはないと、最高裁はそう言っているんです。しかしながら、しかしながら云々かんぬんで、最後のところで、民事法定利率によらなければならない、こう結論付けているんです。
 民法四百四条が例えば民事法定利率を一%と決めてあれば、最高裁は一%で中間利息を控除するんです。三%と決めてあれば三%で控除するんです。それは、最高裁が勝手にそんな解釈したからやというんじゃなくて、民法四百四条自体が社会の実態に合っていないんだから。
 一方において、毎年毎年改正する会社法で機動的、迅速に改正しなければならないから法務省令に任してくれと、そうおっしゃるのであれば、むしろ百六年間もほってあって社会の実態に合っていないこの民法四百四条を改正すべきではないかと。
 大臣、この民法四百四条が法定利率五%と決めてある結果、交通事故が起こって被害者がお亡くなりになった場合、だれが損をしてだれが得をしているのか、大臣、御認識いただいていますでしょうか。損をしているのは交通事故で亡くなった方及びその遺族の方、被害者です。
 この最高裁の判例でも、この最高裁の判決になった事件でも、十八歳の少年がセンターラインオーバーしてきた車にはね飛ばされて殺されたんです。で、その子供が、その御遺族が訴えておられる。で、実際は〇・〇何%という実質金利であるにもかかわらず、民法四百四条があるから五%で損害賠償が差し引かれちゃうんです。で、これ、十八歳ですから、六十七歳まで逸失利益を計算するんです、物すごい金額になるんですね、政務官。
 で、得をしているのはだれかと。保険会社なんです。実質金利が〇・〇何%なのに五%で中間利息を控除したおかげでぼろもうけしているのは保険会社なんですよ。ぼろもうけって言い過ぎかもしれません。大もうけはしているんです。
 そこで、大臣、被害者、交通事故で毎年一万人もの方が亡くなっています。しかし、この統計にも問題があるんです。交通事故から二十四時間以内に死んだ人が交通事故死として統計されています。一週間後に死んだら交通事故の死亡者にはカウントされないんです。だから、一万人を切ったといっても、それは二十四時間以内に亡くなった方だけです。
 交通事故で毎年多くの方が亡くなっています。その被害者の救済のためにも、この民法四百四条の問題、解決するべきだと考えるんですが、大臣、最後にいかがでしょう。
#133
○副大臣(滝実君) 多少技術的なと言っては先生にしかられますけれども、これは今、前川先生がおっしゃったように、すべての金融機関に全部影響する話でございますね。
 だから、例えば今問題になっている郵政公社なんかの貯金部門の、郵便貯金の利益がどこから出てくるかといったら、まず利差、それから人件費を節約することによっての差、それから経費差とか、そういう三つの部門がありますように、すべての金融機関が、先生のおっしゃるように、例えば保険会社もそうなんですけれども、こういう固定的な、ある意味では固定的な金利を前提にして計算が長期的に成り立っているという問題がございますから、そういう意味では、この問題がおかしいじゃないかという先生のお気持ちには私も同感でございますけれども、もう少しこの幅を広げてそういうものを内閣全体に投げ掛けてみるということは、これは必要だろうというふうに思います。
#134
○前川清成君 時間が参りましたのでこれで終わりますが、今、滝副大臣の方から力強く内閣全体に投げ掛けてみるというふうに御答弁いただきました。大臣の御決意も是非聞かしていただいて、これで私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#135
○国務大臣(南野知惠子君) 今先生の御提案でございましたこの五%の御質問に関しましては、それはもういろいろな検討をしなければならないということもあろうかと思いますが、この法定利率が適正なものかどうかという観点についても、これはまた見直しの必要があるか否かという問題につきましても、更に引き続き調査検討を行ってまいりたいというふうに思っております。
#136
○前川清成君 どうもありがとうございました。
#137
○委員長(渡辺孝男君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。
   午後零時四分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十分開会
#138
○委員長(渡辺孝男君) ただいまから法務委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、会社法案及び会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#139
○広野ただし君 参議院の民主党・新緑風会の広野ただしです。
 この新会社法は、この法務委員会ばかりじゃなくって、財政金融そしてまた経済産業委員会その他、経済関係基本法と言うべき法律ですから、幅広い分野からの関係の意見があろうかと思います。そしてまた、私も財政金融委員会に属しておりましたが、今日は法務委員会に振り替えさしていただいて質問をさしていただきます。
 明治以来、商法以来、また戦前の有限会社法等も巻き込んでの一千条近くになんなんとする新会社法ですから、関係方面に非常に大きな影響があります。この法務委員会は、特に弁護士さん出身あるいは検事出身、いろんな専門家の、法律の専門家の方々が多いわけでありますけれども、やはりこれだけ幅広く経済の全般にかかわる基本法的なものでありますので、できるだけ国民の皆さんに分かりやすい形でのお話を、質問をさしていただいて、そしてまた、是非政治家としてのお考えを聞かしていただきたいと。よほどのこと、詳細なことになれば官僚の皆さんにお聞きいたしますけれども、政治家としてのお話を聞かしていただきたいと、このように思うわけであります。
 ところで、もう間もなく、六月の下旬ということになりますと、総会シーズンということでたくさんの会社が一斉に総会を開くと。これは組織暴力、総会屋だとかそういう方々との、いろんな犯罪行為を防ぐという意味からも非常に大切なことだと思っておりますが、やはり大きな関心事項として、この新会社法が施行されることによってそういう、どういいますか、総会屋等のそういう犯罪行為等についても大いなる効果があると、こういうふうに言っていいものかどうか、まず法務大臣、南野さんからお聞きしたいと思います。
#140
○国務大臣(南野知惠子君) そういうマイナスな面がこの法案から出てくるかどうかというのは、今の会社を守る方々、株主の方々、多くの経済界をしょう方々の常識にもよってくるのではないかなと思っております。
#141
○広野ただし君 マイナスというよりも、今までも様々な総会屋の犯罪的な行為があるわけですね。そういうものも視野に、それを抑えることということも視野に入れてのこの新会社法の制定ということになっているのかどうかと、こういうことです。
#142
○国務大臣(南野知惠子君) それは、その方向を目指していると思っております。
#143
○広野ただし君 ところで、この法律の中で大きな眼目でありますのは、有限会社がなくなって株式会社ということになっていくわけでありますけれども、そもそも論でありますけれども、なぜ有限会社をなくするのか、その点について大臣のお考えを伺いたいと思います。
#144
○国務大臣(南野知惠子君) 会社法案では、株式会社と有限会社とを統合いたしまして株式会社に一本化するということでございます。現在の有限会社を廃止するということにいたしておるわけで、これは、従来の株式会社と有限会社の区分が理想どおりに利用されておらず形骸化していると見られる上、最近では、株主総会と取締役のみから成る最も基本的な形の会社を出発点といたしまして、その成長に応じて取締役会、会計参与、監査役、会計監査人など、必要とされる機関を選択しながらステップアップしたいという中小企業のニーズにも現れていると、そのための事情にこたえるための措置であるというふうに思います。
 有限会社制度を残さなかったのは、非公開の株式会社につきまして取締役の人数制限や監査役の設置義務の廃止等を行うこととした結果、これまで有限会社制度でしか実現できなかったことを株式会社として実現することができるようになるため、有限会社を株式会社と異なる独立の制度として存続させる意義がなくなったという点でございます。
#145
○広野ただし君 ところで、最低資本金、株式会社だと一千万円以上、また有限会社だと三百万円以上と、こうなっておりますが、その最低資本金の制限もなくするということでありますが、なぜなくするんですか。
#146
○国務大臣(南野知惠子君) 最低資本制度を廃止することといたしましたのは、平成二年以降の経済情勢の変化、外国の立法動向又は近年における起業の促進の必要性の増大ということにかんがみまして、大小区分立法の考え方は採用しないことといたし、会社の設立を促進する政策を取ることとしたためであります。
#147
○広野ただし君 二〇〇三年から、特定の会社について一円会社ということで新事業創業の場合に認められるということになりましたが、いずれにしましても、今までのこの一千万あるいは三百万未満のものの設立状況とその経営状況がどういうふうになっているのか、経済産業副大臣にお願いしたいと思います。
#148
○副大臣(小此木八郎君) 株式会社の資本金一千万円未満及び有限会社の資本金三百万円未満の会社は、平成十五年二月に開始された最低資本金規制特例制度を利用し設立されたものでありますけれども、その数は、平成十五年に設立されたものは、株式会社は三千四百六十九件、有限会社は五千七十六件であります。平成十六年に設立されたものは、株式会社で四千六百六十三件、有限会社は七千二百五件となっています。
 この特例制度創設以来、この制度を利用してこれまで約二万五千社の会社が新たに設立されるに至っておりまして、そのうち千八百社、千八百社は起業後の増資によって株式会社一千万円、有限会社三百万円という最低資本金額を満たすに至り、本制度を卒業されているということになります。
 また、今年の四月でありますけれども、今年の四月に資本金一円企業に対して行った電話によるアンケート調査によれば、六〇%程度の会社が経営が好調又は順調と回答しております。
#149
○広野ただし君 非常に結構なことで、経済を活性化させる意味で一円会社、あるいは最低資本金を外したということではいいかと思いますが。
 ところで、登録免許税はそういうことに関して見直しがなされたでしょうか、財務省に伺います。
#150
○副大臣(上田勇君) 今、登録免許税の見直しがなされたかどうかという御質問でありますが、それにつきましては見直しは行っておりません。
#151
○広野ただし君 一円の、一円会社、一円資本金の場合の登録免許税はどうなっていますか。
#152
○副大臣(上田勇君) 登録免許税の税額でありますけれども、これは資本金額の千分の七、ただし最低額が十五万円ということでおりますので、今お尋ねのような会社の場合には十五万円が登録免許税に、設立時のですね、登記の、当たります、登録免許税に当たります。
#153
○広野ただし君 片一方で資本金の最低限を、制限を取って設立をしやすくなり、起業化をどんどん盛んにするという考え方で法律が通っておるということに対して、登録免許税、一円のものに十五万円を支払うということはどういう理屈なんでしょうか。
#154
○副大臣(上田勇君) もう委員も御承知のことだというふうに思いますが、登録免許税といわゆる最低資本金というのは、これはもう考え方、考え方としては別個のものでございまして、登録免許税というのは、一般に株式会社の設立登記というのは、法人格を持っての取引とか、それから株式発行による資金調達、そうした様々なメリットが得られるという効果を有しておりまして、登録免許税は、基本的にはそうした登記の制度を利用することによって効果を得られると、享受をすることができるということをかんがみまして、登記等を行う際にそうした税金の負担を求めているものでございまして、税率については先ほど申し上げたとおりでありますが、そういう意味で、これまでも最低資本金制度、平成三年度に導入された際、また先ほど委員からありました特例法によりまして最低資本金の特例が設けられた際にも、そうした観点が違うということから見直しは行っておりません。
#155
○広野ただし君 登記によって権利が確保されるという観点で、必ずしも起業という、業を起こすと、企業をどんどん起こしていく考え方とはまた別で、最低のものは必要なんだという、簡単に言えばそんな考え方ですね。ならば、解散したときにそれは返ってまいりますか。
#156
○副大臣(上田勇君) それは還付はいたしません。
#157
○広野ただし君 やはり、権利を付与して、またそれをなくしたときに戻ってくるわけでも何でもないんですね。
 私は、法律の趣旨からいって、日本の経済を活性化し、そしてダイナミックに発展をさせる、そういう意味から最低資本金の制限を取ってきたということに合わせて登録免許税も私は見直すべきではないかと。そうしませんと、国全体の経済政策についての整合性が取れないんじゃないかと、こう思いますが、いかがですか。
#158
○副大臣(上田勇君) 政府としての経済政策としては新たな起業を、新規の起業を推進していくということでありますけれども、先ほども申し上げましたように、登録免許税というのは異なった観点から税負担を求めているものでございまして、その整合性が取れないということではなくて、そういう登記に基づく効果に、それに着目をして税負担をお願いをしているということでございますので、御理解をいただければというふうに思います。
#159
○広野ただし君 なかなか理解ができないんですね、これは本当に。やはり、もっと活性化しようと、そして活性化して非常にもうけてもらって、そのしかる後に税収を取ればいいんですよ。経済が発展して、そして税を納めてもらえばいいんで、全体的には後でちゃんとして歳入が入ってくるということになるんですから、できるだけ創業がしやすいものにしなきゃいけないんじゃないか、登録免許税もそういう観点から見直すべきではないかと思いますが、もう一度答弁願いたいと思います。
#160
○副大臣(上田勇君) 繰り返しになりますけれども、やはり設立登記を行うことによりまして会社としてメリットがあるわけでありますし、比較的そういう意味では軽い税負担をそのメリットに対してお願いをしているということでございまして、これは、そういう意味では最低資本金の議論とこれは別の観点からの議論でありますので、これに関連しての見直しということは考えてはおりません。
#161
○広野ただし君 いや、十五万円が軽いかどうかは別にして、例えば一円会社を認めるときでも、それはもっと上の下限があったんじゃないかと思います。例えば一万円だとか十万円だとかですね。しかし、思い切って一円まで持っていっちゃったんですね。というときに、なぜ登録免許税を見直さないのか。私は、本気で政府が起業を活発にしようと、こう思っているのか、やっぱりどこかで促進、アクセルを踏みながら片一方でブレーキを踏んでいるというふうにしか思えないんですね。
 だから、思い切ってちょっと言ってくださいよ、ここは。見直しをしますと、前向きに検討しますと。
#162
○副大臣(上田勇君) 議論として、そもそもその最低資本金制度、これは平成三年の法改正で導入されたものでありますが、これは債権者保護が目的として導入されたものでありまして、それを今回、債権者保護によるその必要性よりも新たな起業を促進をするというメリットの方が大きいということで、その最低資本金制度の見直しが行われているというふうに我々は承知をしておりますが、登録免許税は全く別の観点から税負担をお願いしているものでございますので、それはこの関連しての見直しということは考えてはおりません。(発言する者あり)
#163
○広野ただし君 まあ、今いろんなお話も、同僚の方からもありました。それこそ余りにもわきが固過ぎるんじゃないかと。やはり前向きに検討していただいて、本当に日本の経済が活性化すればいいんですから、そういう観点で決断をいただきたいと思います。
 それと、有限会社から株式会社へ組織変更できるということになるわけですが、経過措置が設けられているわけですね。今まで有限会社というのは、特に中小企業の人たちが有限会社をつくられると。有限会社では決算公告の義務がないわけですね。そういう一つのメリットといいますか、ということがあるわけですが、株式会社に変わっていくということになりますと、この点どうなるんでしょうか。
#164
○大臣政務官(富田茂之君) 現存の有限会社は、会社法施行後は、会社法上の株式会社の特別類型としまして有限会社の名称のままで存続することとなりますが、組織上も現行の有限会社法の規律の実質を維持するため、整備法案におきまして、取締役の任期が無制限であること、また今先生がメリットとして挙げられました決算公告義務が課せられていないことなどを引き続き認めるための所要の経過措置を設けております。
#165
○広野ただし君 有限会社が百八十九万社ですか、中小企業では有限会社がやっぱり多いんですね。そういう中で本当に体制を整備できるのか、私はちょっと疑問に思うんですが、その経過措置というのはいつまで認められるんですか。
#166
○大臣政務官(富田茂之君) 制限ございません。
#167
○広野ただし君 それと、ちょっと観点が違うんですけれども、休眠会社、これはちょっと通告はしてないんで政治家としてお答えいただきたいと思いますが、休眠会社が非常に多いんですね。五年間のあれを見て大体今八万社ですか、ぐらいあると。今度はそれを十二年間に延長するということですから、これはどこかでも質問をされたと思いますが、約二十万社ぐらいの休眠会社が出るんではないかと、こういうふうに見られているんです。
 先ほど、私、冒頭に総会屋の話もいたしました。そして、この休眠会社がどういうふうに使われるのか、ある意味で、完全に眠っていればいいんですが、詐欺まがいのことがあったり飛ばしがあったり、あるいは不法就労というものに使われたり、様々な犯罪行為に使われているんですね。ですから、この休眠会社についてこのままずっと、そのままほっておくのか。十二年間ということになるとますますそれが放置されるようなふうに思うんですが、いかがでしょうか。どういうふうに思われますか、法務省。
#168
○国務大臣(南野知惠子君) 休眠会社や名目だけの株式会社が大幅に増加することを、これはやむを得ないと考えるのかとお尋ねでございますが、最低資本金制度の廃止等が休眠会社等の大幅な増加に直結するものとは考えられないのでありますけれども、仮に休眠会社等が悪用されたといたしましても、役員の責任に関する規定や法人格否認の法理などにより適切に対処することが可能であるというふうに考えられております。
#169
○広野ただし君 警察白書なんか読みましても、振り込み詐欺のようなことですとか、金融詐欺ですね、手形詐欺、不法就労を助長するような行為、そういうものが休眠会社を使って行われているんですね。それを五年のものが十二年間ということになると、今までは何らかの形で整理をしてきていたんです。それが十二年間放置されるということになると、犯罪行為が増えるんじゃないかとやはり私は心配するんですね。その観点からどう思われますか。
#170
○副大臣(滝実君) 確かに役員の任期の問題が今度変更になりますから、そういう意味では、御指摘のように御懸念が出てくる、私どももそういうことを一方では心配してこの問題は対処しなきゃいかぬと思います。そういう意味では、法務局を通じまして、休眠会社の整理ということについては特段の意を用いていかなければいけない、そういうふうに思っております。
#171
○広野ただし君 この点は是非しっかりやっていただきたいと思います。
 それと、それに非常にまた関係するんですが、類似商号問題であります。
 これは、今までは、同一市町村内であれば何らかの調査も行われて、同じような商号の場合受け付けない、まあ定款の目的が違えば受け付けているわけですけれども、そういうことが行われていたんですが、今度は類似商号でもいいと、こうなるわけですが、今までどおりだったら何か問題が起こるんでしょうか。その類似商号によってより問題を起こさせるんじゃないかと私は思いますが、大臣、どうでしょうか。
#172
○国務大臣(南野知惠子君) 現行法では、会社の商号につきまして、他人が登録した商号と同一、類似の商号につきましては同一市区町村内において同一の営業のために登録することができないという規則、これすなわち類似商号規制というのが設けられております。
 類似商号規制は、同一市区町村内における商号権の確保という目的で設けられた規制でありますが、現在では小規模の会社であってもその活動の範囲は市区町村にとどまらないことがほとんどでありますために、規制の効果は限定的なものにすぎないというふうにも言われております。
 他方で、類似商号規制が存在するために会社設立の際に類似商号の有無の調査が必要になりますなど、会社の設立手続が複雑化しているという問題がございます。中小企業を中心に規制の廃止を求める声が強いということも認識いたしてはおります。
#173
○広野ただし君 実際、これは商号だけではなく、商標権の問題にかかわるんですが、具体名を申し上げて恐縮ですが、松下はナショナルと言っていますよね。このナショナルが、アメリカではナショナルでは通じないんですね、これは商標権の問題があって。だから、パナソニックというものに直して、大変な苦労をしてパナソニックにしているんです。今や、日本でもパナソニックというような名前にしようというくらいに苦労をしているわけですね。個別の話をするからかえって分かりやすいと思うんで、具体例、あえてさせていただきます。
 ソニーもそうですよね。四文字のソニーというものが非常になじみやすいということで、亡くなった盛田さんが非常に考えて考えてこういうソニーというものはつくられて、それで世界に広がるようなブランドになってきているということなんですね。
 商号というのは、商標権とまた違いますけれども、その商号によって大変な宣伝力と、場合によっては競争力を持つというものだと思うんですね。そういうものを類似商号を認めますということになりますと、また先ほどと同じなんですが、片一方でアクセルを踏みながらブレーキ踏む、また不正を助長するとかあるいは係争を増やすとか、そういうことに私はなるんじゃないかと、こう懸念するわけですが、法務大臣、どうでしょうか。
#174
○副大臣(滝実君) これはもう委員がこの問題については大変お詳しいようでございますし、またその立場からの御意見を賜りました。
 今度の改正によって、確かに今までのように、市町村ごとに、あるいは定款の目的ごとにということは廃止をいたしておりますけれども、基本的には誤認されるおそれのある商号はこれは禁止すると、こういう法律の立て方をいたしておるわけでございます。
 したがって、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、新しくこの商号の登録をする際にどうするのかというのが次の問題として出てくると思います。それに対しましては、これは具体的な問題でございますからこれからもう少し詰める必要があるわけでございますけれども、やっぱり既存の商号を持っているところには事実上の問題として紛らわしいものについてはどうするかという相談を持ち掛けるとか、あるいは事前の紛争を避けるための手当てをするとか、そういうようなことを、鋭意そういうものを考えていくというのが私どもの法案を提出するに当たっての基本的な考え方でございます。
#175
○広野ただし君 このIT時代で、もう二、三年前だったと思いますが、ドメイン係争といいますか、ドットコムという、こういうホームページといいますか、そういうものについて係争が行われて、やっぱりそういうドメインにおいても類似のものというものが非常に問題が起こるということなんで、これはやっぱり企業、会社というものの商号というのは極めて大事なことでありますから、類似商号については私は是非厳格な運用をしてもらいたいと、こう思います。
 大臣の見解を伺いたいと思います。
#176
○国務大臣(南野知惠子君) 現行の類似商号規制の下でも、登記上の目的さえ異なれば同一の住所に類似の商号の会社の設立登記、これをすることなどは禁じられておりませんので、不正な目的による商号の登記がなされることを防ぐことはできないというふうに思います。
 そのような意味では、現行法における商号の保護、これは非常に限定的なものでございますので、それよりも、そのような規制を設けないメリットの方が大きいのではないかなということも思われております。
#177
○広野ただし君 先ほどの休眠会社等においても、振り込め詐欺だとか様々な金融詐欺的なことがやはり懸念をされるわけですね。こういう類似商号のことにおいても、それを悪用しようと思えばやはり様々な犯罪まがいのことが起こってくると。それによって被害を被るのは国民なんですから、やはり私は、自由化というのは非常に大事なことですね、その経済活動をやっていくときに、それは一つの観点ですが、やはり犯罪行為等が、あるいは係争が増えるようなことを一方でやるというのはどうかなと、こう思うわけで、厳に、厳重にまた考えていただきたいと、こう思うわけであります。
 ところで、会社において、私は、上場会社、上場、公開をしている会社と非上場の会社では大違いだと、こう思っております。上場会社は、広く株式市場から資金を調達する、そういうことがありますから、やはり情報開示というものはしっかりしていませんと、これは社会的責任を果たせないと、こういうことだと思いますが、ところで、この会社法において公開会社と、上場会社と非上場会社にその情報公開等において差があるんでしょうか。どうなっていますか。
#178
○国務大臣(南野知惠子君) 会社法は、会社法制に係る基本法でございますから、株式会社に適用される法律につきましては、上場会社であるか非上場会社であるかという観点での区別はいたしておりません。
 したがいまして、例えば決算公告などの情報開示につきましても、会社法におきましては上場会社と非上場会社とで差異はないということでございます。
#179
○広野ただし君 それでは、上場と非上場のその情報開示について金融庁、どうぞ、七条さん。
#180
○副大臣(七条明君) 金融庁でございますけれども、これにつきましては、証券取引所というところが上場会社に対して適時適切な会社情報の開示を求める適時開示規則を定めており、該当規則によりますと適時開示を行うべき事項が四項目ございまして、具体的に申し上げますと、一つは株式の発行等々の業務執行決定機関が定める決定事項、あるいは二つ目が災害の発生に起因する損害の発生等の発生事実、それから三つ目が事業年度等に係る決算内容の確定をした場合、四つ目が経常利益だとかあるいは配当ですね、利益配当等の予想値の修正と、この四点が本来開示しなければならない旨が定められているところでございまして、上場会社には非上場と違ってそういう開示義務が課せられているところでございます。
#181
○広野ただし君 また、財務諸表においても、私は、もうこれだけ多角化したり資本関係が複雑になっている、そういう中では連結財務諸表というものは極めて経営全体を見るのに的確なものだと、こう思っていますが、この連結財務諸表の開示義務についてはどうなっていますか。
#182
○副大臣(七条明君) これにつきましても、証券取引法は、上場会社に対して有価証券報告書の提出を求めるとともに、有価証券の募集又は売出しをした場合やあるいは株主が五百名以上の場合には、非上場会社であっても有価証券報告の提出を求められております。
 この有価証券の報告の提出が義務付けられる会社におきましては、いずれも連結財務諸表の作成が義務付けられており、上場会社であれば、非上場、非上場、上場会社であれ非上場会社であれ同様の取扱いがなされる、そういう意味では連結財務諸表についてはそういう状況でございます。
#183
○広野ただし君 それで、取締役の責任、特に社外重役といいますか社外取締役の責任について、その公開、上場会社、非上場会社、この間に差異はありますか。
#184
○国務大臣(南野知惠子君) 株式会社におきましては、社外取締役を含めた取締役が株主や会社に対して負う、負うべき義務の内容につきましては、その株式会社が上場会社であるか非上場会社であるかにより法的に差異が生ずるものではございません。
 したがいまして、会社法案においては、取締役、社外取締役の責任につきまして、上場会社と非上場会社との間で特段の差異を設けてはおりません。
#185
○広野ただし君 監査役についてはどうでしょうか、社外監査役等についてですね。
#186
○国務大臣(南野知惠子君) 株式会社におきましては、社外監査役を含めました監査役が株主や会社に対して負うべき義務の内容につきましては、その株式会社が上場会社であるか非上場会社であるかにより法的に差異が生ずるものではございません。
 したがいまして、会社法案におきましては、監査役、社外監査役の責任について、上場会社と非上場会社との間で特段の差異を設けてはおりません。
#187
○広野ただし君 私は先ほど冒頭に上場会社、公開している会社は社会的責任が大きいんではないかと、こういうことを申し上げましたけれども、そういう中で上場会社の公正性、透明性といいますか、そういうものを担保する、そうすることが株式市場あるいは株主にとってよく見えるわけですね。そういう観点から、今は差異はないとおっしゃっているんですが、監査役の社外監査役あるいは取締役の社外取締役、そういう方々の人数確保というのをしっかりとやるべきじゃないかと思いますが、どうなっていますか。
#188
○政府参考人(寺田逸郎君) もうおっしゃるとおり、大きな会社はそれなりの責任があるわけでございます。ただし、会社法におきましてはその会社を区別するのにいろいろな基準がございまして、一つは株式の譲渡制限をしているかどうかという側面であります。ただ、その側面においてはもちろん会社の構成をどう内部構成を、機関構成をするかということについての違い、制約の違いはございますけれども、これは基本的にそれほど責任、中の取締役の責任あるいは監査役の責任の面においては違いないということで、差を設けていないわけでございます。
 ただし、先ほど金融庁の方からも御答弁がありましたけれども、会社法にかかわる問題といたしましては、一方では組織法上の問題がございますが、他方はその出資者を前提とするマーケット、市場の問題がございまして、そこを証券取引法制で規律されておられる。その観点から上場会社と非上場会社等の区別を設けておられるわけでございまして、その意味での上場会社というものについてはそれなりに、私どもから理解する範囲では、証券取引法制上にいろいろな区別を設けられているというように理解をしているところでございます。
#189
○広野ただし君 簡単に言えば、会社法では差はない、ただ、証券取引法で上場会社はより上場基準に照らして公開義務等、開示義務等が課されられるということだと思うんですが。
 ところで、この情報開示において決算公告あるいは有価証券報告、営業報告書等の開示において、最近起こりましたのは粉飾決算ですとか虚偽記載、特に意図的な虚偽記載事項があると、こういうことで、その場合は上場廃止ということまで踏み込んで市場のその健全性を保つ、投資家の保護を行っていると、こういうことだと思うわけですが、上場廃止までという厳しい措置を上場会社についてはやっているわけですね。それくらい健全性を保つために強い措置を持っているわけです。
 会社法の場合、会社法の場合は、決算公告等をやるわけですが、そこに虚偽記載あるいは粉飾等が行われたときはどういう罰則が掛かるようになっているんでしょうか。
#190
○政府参考人(寺田逸郎君) 過料の制裁というのが予定されているところでございます。
 なお、そのことに起因いたしまして会社に損害を与えた場合には、当然損害賠償責任等を負うことになるわけでございます。
#191
○広野ただし君 それともう一つ、先ほど連結財務諸表のことを申し上げましたが、連結納税制度という形で今、最初は付加税みたいのがありまして、大変な連結納税を促進をすることからいうと、これは非常に問題だということで、昨年それは廃止されました。
 連結納税制度について、今は選択制ということになっておるわけですが、財務当局からいって、連結納税制度にもう少し軸足を置いて連結納税制度を推奨をするというような観点というのはありませんか、副大臣。
#192
○副大臣(上田勇君) 今、正に委員がおっしゃったように選択制になっておりまして、完全子会社については連結納税が可能な制度になっておりまして、それぞれ各企業においていろいろ勘案された上で選択できるというような制度になっております。
#193
○広野ただし君 今、連結納税を選択しているところは増えてきていますか、どうですか。
#194
○副大臣(上田勇君) 申告の状況、平成十五年度でありますけれども、これは十五年度においては申請件数が、済みません、十六年九月末の累計で、申請件数五百四十八件となっております。これについてはいろいろ評価があろうかというふうに思いますが、十五年、着実に増えているのは事実ですが、当初想定していた数ほどには達していないというふうに理解しています。
#195
○広野ただし君 それは何か問題があるんでしょうか。
#196
○副大臣(上田勇君) 詳細はちょっと承知をいたしておりませんが、制度が導入されたときには、先ほど先生もお触れになりました連結付加税の問題であるとか、そういったことも、それが障害になっているような指摘もございまして、それは先ほど質問の中にありましたように廃止をされたところでございます。そのほかは、それぞれ企業のいろんな経営判断だというふうには考えておりますが、詳細についてはちょっと承知はいたしておりません。
#197
○広野ただし君 それと、今度の会社法の中で大きな条項といいますか、ということでは、MアンドA、企業買収あるいは企業合併のことがあります。
 現在、日本のMアンドAというのは大体二千二百件ですか、という形のようでありますけれども、アメリカでは、日本に対して経済規模が倍、二倍になっているんですが、MアンドAというのは五倍ほどあるわけですね。そういう五倍ほどあるというのは、件数の上では非常に多い形に、経済規模二倍ということを踏まえても非常に多い形になっております。
 このMアンドAというものをどういうふうに考えてこの会社法というものは考えられ、作られたのか、その点について大臣に伺いたいと思います。
#198
○国務大臣(南野知惠子君) MアンドAは、企業が他の企業と連携することによりまして体力や競争力を増すために非常に有効な手段であると考えられております。また、MアンドAは、対象となる企業の株式を適正に評価するきっかけとなることも多いと言われております。MアンドAが活発化すれば、実力に比べて評価が低いと言われている日本企業の株式を再評価する良い機会を増やすことにもなるというふうにも思われております。
 このように、MアンドAは、日本経済の発展や、また再評価のために重要な役割を果たすものと考えられております。
#199
○広野ただし君 MアンドAについて、産業構造あるいは経済の発展からいって、経済産業省の方はどういうふうに考えておられますか。
#200
○副大臣(小此木八郎君) 委員がおっしゃいましたように、例えばアメリカと比べた場合、五倍という数が今ございましたように、それと同じように、やっぱり経営者あるいは社会の方々の認識の違いがやっぱり、今法務大臣もお答えになりましたように、あるかというふうに思いますが、こういったことをやることによって、日本の産業再編ということを考えれば、私はこれは大きな原動力の一つになろうというふうにも思いますし、事業の選択、集中、あるいは経営革新等による企業価値の向上というものも通じて、日本の経済に活性化を与えるものだというふうにも考えます。
 今回の今議論をしていただいている法案の改正により、MアンドAによる企業の組織再編がより柔軟になるということを期待をしております。
#201
○広野ただし君 同様に、MアンドAについて、金融庁の方はいかがですか。
#202
○副大臣(七条明君) 金融庁の方は、金融機関のMアンドAでございますが、これは私企業に対するいわゆる経営判断の問題だと思っておりますけれども、金融庁といたしましては、それらが経営の効率化やいわゆる事業戦略あるいは財務戦略上の効果をもたらし、あるいは金融機関の収益性や信頼性の向上及び利用者へのより良いサービスの提供につながることが重要であると、そういう認識の下で考えているところでございます。
#203
○広野ただし君 財務省の方はこのMアンドAをどういうふうに考えておられますか。
#204
○副大臣(上田勇君) 企業の合併や買収というのは、企業戦略手段として我が国においても着実に定着をしているんではないかというふうに認識をいたしております。
 税制の面から申し上げれば、元来、資産の移転取引には譲渡損益を認識して課税を行うのが原則でありますけれども、企業の合併、分割等のMアンドAに伴う資産の移転につきましては、一定の課税の繰延べ措置を講じるなど、そうした意味では適切な配慮をしてきているという対応をしております。
#205
○広野ただし君 今年の前半に、ライブドアあるいはニッポン放送ですか、との関係の、あるいはフジテレビのことで敵対的買収というようなことで非常に話題になりましたけれども、全般的に、今皆様がおっしゃったことを全体的に我々が考えますと、国民の皆さんが思いますのは、MアンドAは経済を活性化させ、ダイナミックに発展させる上で大事なことであると、こういうふうに認識をしておられると、こう思っていいですね。
 ところで、各放送ですとか通信ですとか、あるいは銀行、保険というようなことになりますと、業法があります。それぞれの業法があるわけですが、その業法においては、例えば金融庁、MアンドAについてはどういうふうに考えておられるんですか。
#206
○副大臣(七条明君) これ、買収あるいは合併というとおりで別々に考えなければならないというものでございますけれども、金融機関のMアンドAの規制につきましては、まず、合併あるいは営業譲渡、銀行及び保険会社の合併と営業譲渡についてのものは、これは許認可事項でございます。それからまた買収、特に子会社化については、銀行及び保険会社は、子会社対象会社として法令で列挙されている会社以外の会社を子会社化することができない。また、子会社化対象会社を子会社化する際にも認可を受けることとなっておりまして、その際三つございまして、金融機関の業務及び財務の状況、あるいは子会社化される会社の収益見込み、あるいは子会社化されるような会社が業務を的確かつ公正に遂行するかどうかというようなことを審査をして認可を受けることになっておるところでございます。
#207
○広野ただし君 ところで、いわゆる三角合併と言われるのを一年間凍結をされているわけでありますが、その三角合併についてのお考え、各委員がいろいろと問われたと思いますが、再度、法務大臣について、法務大臣に伺いたいと思います。
#208
○大臣政務官(富田茂之君) 先生が先ほどおっしゃられた敵対的買収と合併とは本来ストレートにつながるものではありませんけれども、今回、合併対価の柔軟化が実現しますと合併がやりやすくなる、その点は間違いないと思います。
 そういった意味で、投資家が我が国の企業を買収したいという意欲を増す可能性が増すのではないかという議論がなされました。この点につきまして、我が国の経済界等には、買収意欲が強まる結果、いわゆる敵対的買収も増加するのではないかという懸念が出てまいりました。そういう懸念を払拭するためにも、株主総会におきまして敵対的買収に対する防衛策を導入するかどうかを決める機会を与えるために、合併対価の柔軟化に関する規定の施行を今回一年遅らせるというふうにしたものでございます。
#209
○広野ただし君 小泉さんは、五年間で外国からの対内投資を倍増させるという計画を立ててやっておられるわけですね。このことと一年凍結をすることとどんな関係を持ちますか。何の計画変更も必要ないと、こういうことになるんですか。
#210
○副大臣(小此木八郎君) 私ども通告いただきましたのでお答えをさせていただきますけれども、富田政務官が今お答えになりましたように、これは企業の価値を毀損するような敵対的買収に対する防御策あるいは対応策というものを企業に講じていただく期間を与えようという考えの下でございまして、委員が指摘をされました対日投資そのものに反するような趣旨ではないというふうに考えております。
#211
○広野ただし君 私は、アメリカの商工会議所だとか、そこが何を言おうが、そんなことは何の問題もないと思っております。日本がきちっと考えてやっていけばいいことだとは思っているんですが。
 やはり国内、特に日本の場合は、対外投資がもう国内投資の倍ほどになっちゃっているんですね。中国ですとかアジアですとかどんどん出ていっちゃっている。ですから国内が空洞化をすると。やはり国内に投資が行われないと経済が活性化しないわけですから、外に行くのが倍でこっちが半分ぐらいになっていればどうしても国内の景気が良くならない。ですから国内投資を、対外からの国内投資を倍増させようというのは、正に大切なことだと思うんですね。
 そういう中で一年凍結というのは、企業のグローバル化ですとかあるいは海外からの国内投資を引き込む意味で、非常に海外から見ると不信感を持って見られて、日本をスキップして中国へ行ったりアジアの諸国へ行ってしまうというおそれがないのかと、こういうことを思うんですが、まず経済産業省から。
#212
○副大臣(小此木八郎君) 先ほどの答えと一緒になってしまいますが、そういう対日投資というものに反するような趣旨ではないということで考えて、この会社法に賛同するものでございます。
#213
○広野ただし君 会社法自体を私はとやかく言っているんじゃないんで、国内へ呼び込むことについて、そういう凍結を一年あるいはもっとしたりしますと呼び込みが止まってしまうんじゃないかと、またそれがぐっと尾を引いて国内への呼び込みが非常に滞ってしまうんじゃないかということを懸念しているんですね。どうでしょうか。
#214
○副大臣(小此木八郎君) 先ほど、いろんな意味で、こういう会社の在り方ですとか敵対的買収ということを聞きましても、これは最近話題になったような話でありまして、経済規模の中での違い、あるいはこういった事柄での認識の差というものは現実にあろうかというふうに思いまして、敵対的買収というものに対する防御策あるいはそれに対する対策という、こういったものの考え方、この期間を与えるということは私はやはり大事だというふうに思いますし、委員の懸念をされる点というのは、まあ確かに全くないということは私も申すことができませんけれども、大きく考えてこの一年間の延長というものは日本の企業にとっては必要であろうというふうに考えています。
#215
○広野ただし君 できるだけその凍結期間が短くなるように御努力をいただきたいと、こう思うわけです。
 ところで、今度の新会社法で、大きな制度として会計参与制度の導入があります。これは中小企業にとって負担になるのかどうなのか分かりませんけれども、会計参与制度、必ずしも必置というわけではないようですから、これはそうですね、必置ですか。
#216
○国務大臣(南野知惠子君) 会計参与は、どのようなタイプの株式会社であっても、これは定款で定めることにより置くことができる、これは任意の設置機関でございます。ただし……
#217
○広野ただし君 それで結構です。それで、会計参与制度を設けるかどうかというのは企業によって、中小企業は選択ができるということだと思います。
 ところで、その会計参与制度というのは極めてやはり会計を、これは内部機関とは言うものの、非常にしっかりとした会計制度をつくる、企業内に確立をするということからいって非常に力があると思うんですね。そういう中で、私は、社会的な信用度というものがそれを設けた、会計参与制度を導入した企業と、中小企業と導入していない中小企業の間で何か差が生じるんではなかろうかと、こう思うわけです。
 まず法務大臣に、そして中小企業の経済産業副大臣にお伺いしたいと思います。
#218
○大臣政務官(富田茂之君) 会社の社会的信用度は、会計参与を置くかどうかという会社の機関設計の在り方そのものよりも、当該会社の事業の内容、ふだんの経営姿勢などを通じて評価されるものであるというふうに考えておりますが、会計参与の設置の有無が直ちに社会的信用度の違いにつながるものではないというふうに思います。
 ただ、会計参与の制度は会社の財務に関する透明性の確保に資するものでありますので、財務の透明性を重視する立場から見た場合には、会計参与を設置している会社と設置していない会社とではその信用度が違ってくるということは当然あり得ると思います。
#219
○副大臣(小此木八郎君) 会社の財務諸表の質の向上ということは非常に重要だというふうに思っていまして、これは中小企業、担保や融資に過度に頼らないということや、取引先との信頼関係を更に築いていくということで大切なことだというふうに考えますが、今回のこの会社法で新設される会計参与が取締役と共同して計算書類の作成、説明及び開示にかかわる責任というものを担うということによって、先ほど申し上げた財務諸表というものの質の向上がこれは更に高まってくるというふうに考えます。この会計参与を設置して、その質が向上されれば、物的担保に過度に依存せずに金融機関からの融資を受けやすくなる、あるいは新規の取引先の信用を獲得しやすくなる、先ほど申し上げたことでありますけれども、こういった意味での信用力というものを強化する上で大切なことであるというふうに考えます。
#220
○広野ただし君 ところで、会計参与を導入している企業と導入していない中小企業との間で金融機関の融資等についてはどういう、何か差異が生じるんじゃないかと思いますが、どうですか。
#221
○副大臣(七条明君) 金融機関の融資を受けやすくなるかどうかということでございますけれども、会計参与が作成をした計算書類を有する借り手企業と、あるいは融資への判断の場合、企業への判断の場合、金融機関が自らの経営方針に沿って行うべきものであるが、金融庁としては、借り手企業が会計参与の制度を含む様々な取組を通じて財務諸表等計算書類の質の向上に努めるとともに、金融機関がこうした取組状況を勘案して融資判断を行うことが望ましいと。ただ、そこまでしか言えないところでございまして、これでするかどうかについては金融機関の独自の判断になろうと思うところでございます。
#222
○広野ただし君 この新会社法制によって日本経済が非常にダイナミックに、また全体的にグローバル化してどんどん発展をするよう、そしてそれがまた活性化によって税収がどんどん上がってくるというようなことになればいいなと、こういうふうに思っておりますが、特に、そのときには最初から税収を取るんではなくて、まずぐうっと自由化をしておいて、大きく育ってから税をいただくというような考え方に改めてもらいませんと、これはなかなか経済も発展をしないということを申し述べまして、終わらせていただきたいと思います。
#223
○木庭健太郎君 会社法の審議も本当に大詰めを迎えてきたなと。衆議院では審議できなかった擬似外国会社の件も参議院ではきちんとした論議ができましたし、言わば収束方向の中での審議だと思っております。今日は、何点か確認の意味でお尋ねしたいような点もございますので、そういった意味で質疑を重ねていきたいと思っております。
 まず最初は、社債関係の問題でございます。
 この社債の募集による資金調達というのは、金融機関から融資を受ける間接金融とは違って直接金融を取る手段ではございますが、株式の発行と比べてどのような違いがあるのか。基本論みたいな話でございますが、メリット、デメリット、この点についてまず伺っておきたいと思います。
#224
○政府参考人(寺田逸郎君) これは基本を申し上げますと、社債はあくまで債権であり、社債権者というのは債権者でありますが、株式は構成員の持分であり、これは組織に入ってその組織の一員となるということを意味するわけであります。具体的に申し上げますと、社債権者は会社の経営には一切タッチされませんけれども、株主は議決権を通じて会社の経営に参加されるわけであります。
 また、会社から見た場合に、社債については、最終的には債権でございますので定められた額を償還するということになりますが、株式については、これは出資額が返還されるかどうかはその会社の経済状況によるということにならざるを得ないわけであります。利息についても当然社債についてはあらかじめ決められた額を払うわけでありますけれども、株式は最終的には剰余金の配当を行うということにすぎないわけであります。また、会計処理上で申し上げますと、社債の利息の支払は費用でございますけれども、剰余金の配当は会社の損益の数字には影響を与えないということでございます。
 最終的に会社が解散して清算をするという段階になりますと、社債権者に対しては株主への分配に優先して債権者としての弁済が行われますが、株主が有するような残余財産の分配請求権はございません。株主はこの残余財産の分配を受けるわけでございます。
#225
○木庭健太郎君 この法案を見ますと、会社の資金調達の円滑化を図るという意味で、会社についてはどんな形態の会社であれ、つまり株式会社であっても合名でも合資でも合同でも、いずれも社債が発行できるというのが今回の法案になっているわけでございます。
 現行法を見ますと法律上特に規定ございませんが、合名会社、合資会社も公衆からの債券発行の方式で起債ができると、こう解されたわけでございますが、有限会社については現状認められていないわけでございまして、今回法律改正で、株式会社であれば取締役会を設置しない株式会社についても社債を発行することができることになったと。
 じゃ、これまで有限会社にこの社債の発行を認めなかった理由というのは何なのか。今回、すべての会社に発行を認めることとした理由、必要性について伺っておきたいと思います。
#226
○副大臣(滝実君) これまで有限会社に対しまして社債の発行を認めなかったというのは、有限会社が非公開だということで社債を発行を認めないと、こういうふうに言われてきたわけでございます。
 しかし、委員もおっしゃるとおり、非公開の会社と社債を認めないということとはほとんど合理的な理由がない、そういうような判断から、このたび有限会社というか、有限会社も含めてですね、その区別がなくなるわけでございますけれども、今までの有限会社であっても当然社債の発行は認めていいと、こういう判断に立ってすべての会社の類型について認めると、こういうふうになっているわけでございます。
#227
○木庭健太郎君 さらに、もう一つ確認をしておきたいんですけれども、今回変わったというのは、今回の法案で何が変わるかというと、社債管理会社の件でございます。
 この社債管理会社というのは、これまでの法律でしたら辞任するためには発行会社と債権者集会の同意が必要とされておりましたが、今回は会社自らの判断で辞任できるというふうに変わっておるわけですが、その趣旨についてこれも確認をしておきたいと思います。
#228
○政府参考人(寺田逸郎君) おっしゃるとおり、現行法の下では、社債管理会社は社債権者集会の同意が辞任のために絶対必要になるわけでございます。
 しかしながら、この社債発行会社、発行会社自体が債務不履行、デフォルトに陥るということになりますと、この社債の管理会社とそれから社債権者、この間に利益相反が起きる。そのために社債管理会社そのままでは社債の管理継続することが不適切であると、こういうことが起こるわけでありますけれども、その際に、先ほどのような手続を取っていては間に合わないという場合もあるわけでございまして、辞任することを自ら判断することができる、そういう方がより合理的であろうと。現に、担保付社債については現行法の下でもそういうスキームを取っているわけでございます。
 そこで、会社法案ではこの担保付社債についての現在のスキームに一般の社債も合わせるという形で、同意がある場合のほか、一定の管理契約に定めた事由が生じた場合には同意がなくても辞任することができるという二段構えになったわけでございます。
#229
○木庭健太郎君 同じようにというか、この社債権者集会、非常に大事な集会でございますが、この決議事項についても今回の法改正において変わっているというふうに聞いております。
 もちろん、この社債権者集会というのは言わば社債権者の利害に重大な関係がある事項について定めるところでございますが、これが今回幾つかの点で見直しが行われたというふうに承知しておりますが、その点について伺っておきたいと思います。
#230
○政府参考人(寺田逸郎君) この社債権者集会でございますが、現在は法定決議事項というのが決まっておりまして、その決議事項以外の点について決議をしようということになりますと、まず裁判所の許可が要るということになります。この許可を得たといたしましても、さらに、決議が行われるということになりまして、その決議に対しても更に認可が裁判所によって行われることが求められているという二段構えになっているわけでございますが、いずれも多数決の濫用の弊害についての裁判所によるチェックという点では変わりないわけでございまして、まあ二重のチェックを要するということはもちろん非常に重要なことでございますので必要だという考えに前は立っていたわけでございますけれども、過剰な規制であるというような御意見が非常に強まってきたわけでございまして、それに従いまして今回この点を改めたわけでございます。
#231
○木庭健太郎君 また、特別決議の成立要件についても今回の法案では、言わばこの充足数というのも廃止し、出席債権者の元本総額の三分の二以上であって、総社債債権の元本総額の二〇%以上の同意で成立することとして、現行法の要件から見ると、今までお話しいただいたものと同様に大きく緩和をしているふうに見えるわけでございます。
 この点については、平成十三年に経営破綻をいたしましたマイカルの事件ですね、これを教訓にしてされたものと言われているわけでございますが、このマイカル事件と比較しながら、その際の現行の手続のどこに問題があって、どう改めようとしたのかというふうに分かりやすく解説をしていただきたいと思います。
#232
○政府参考人(寺田逸郎君) おっしゃるとおり、この点においてはマイカル事件というのが非常に大きい存在でございましたので、それを参考にしたことは事実でございます。
 まず、関係者集会における更生計画案の議決権の行使ということがこのマイカル事件において一つの焦点になったわけでございます。社債管理会社への授権が必要になりますけれども、そのためには社債権者集会の特別決議が必要でありましたけれども、このマイカル事件においては非常にその債権者が多いということで、この現行法の要件が非常に厳しいという指摘が非常に強く出されたわけでございます。
 現行法は、総社債権者の議決権の三分の一が定足数で、その三分の二の賛成が必要だということになっております。もっとも、そのマイカル事件においては、この点は関係者が非常に努力されましてこの決議が結果的にはクリアされたということでございますが、しかしこの定足数も非常にその三分の一というのは多過ぎる、高い水準であり過ぎるということでございましたので、今回これを改めまして、最終的に特別決議の要件を総社債権者の議決権の五分の一以上であって、かつ、出席した社債権者の議決権の三分の二以上の賛成ということに改めたわけでございます。
#233
○木庭健太郎君 もう一つの観点で、有限会社の問題について聞いておきたいんです。
 今回有限会社が廃止されるということになるわけでございまして、この点についても、今有限会社の人たちは、それは法案改正されてどうなるかということは注目はしているんですけれども、一体自分たちがどうなって、どうしていけばいいんだということで悩んでいらっしゃるのも事実でございまして、そういった意味で有限会社についてちょっとお尋ねをしておきたいんです。
 もちろん、私どもはこの有限会社と株式会社の一体化、非常に大事なことであり、いい流れだとは思っておるんですが、そういった視点で少しお伺いしたいんですけれども、基本的なことなんですけれども、まず、じゃこの会社法案が施行された場合に、今ある有限会社はどのような扱いになるでしょうか。
#234
○大臣政務官(富田茂之君) 先ほど広野委員の方からも御質問ございましたが、会社法の施行により現行の有限会社法が廃止されることにはなりますが、既存の有限会社は、法形式としては会社法の規定による株式会社の特別の形態として存続することとなります。
 したがいまして、既存の有限会社に対しては、形の上では原則として会社法の規定が適用されることにはなりますけれども、例外として、例えば有限会社という文字を商号中に用いること、また、先ほども御説明しました決算公告義務が課されないことなどの特例を設けまして、実際には、既存の有限会社が会社法の施行により従前の組織運営が決められなくなるような不利益を受けることのないようにしております。
#235
○木庭健太郎君 その不利益がないようにすると言うんですけれども、じゃ具体的に、例えば現行の有限会社法とほぼ同等の規律が適用されるということになったとしても、それは全く同じ規律ということにはなかなかこれならないわけになるんじゃないかなと思いますし、だから今既存の有限会社が受けている規律からどんな変化が出てくるのか、変化が出てくるのであればどんな点になってくるのかということを御説明いただきたいと思います。
#236
○政府参考人(寺田逸郎君) 今政務官の方から御説明申し上げましたように、特殊な形態の株式会社という、こういう性格付けをするわけでございますが、不利益を与えないという観点から先ほど政務官も御説明申し上げたようなポイントはございますけれども、逆に会社法の中での株式会社という位置付けもございますので、例えば新株予約権でございますとか社債、こういうものの発行をすることができることになります。
 また、取締役の責任について一部免除する、あるいは元々責任の限定をしていくための契約をする、こういうこともできるようになるわけでございまして、そういう意味では全く従前の有限会社と同じというわけではございません。むしろ、こういう面での、若干のメリットでございますけれども、メリットは享受するということになるわけでございます。
#237
○木庭健太郎君 概略大体分かりますけれども、そうすると、もっと分かりやすく聞いておきたいんですけれども、例えば既存の有限会社が株式会社に移行したいと、そう考えたとしますね。そうすると、それのためにはメリットが何かあるんだろうと思いますが、じゃ既存の有限会社が通常の株式会社に移行する際、移行した場合、メリットとしてはどんなものが出てくるか。逆に今度は、じゃ既存の有限会社が通常の株式会社に移行することを検討しようとしたら、いや、なかなかこれ大変で、義務とか負担とか、こんなものがあるんですよというデメリットもあるはずだと思うんですよ。したがって、このメリット、デメリットについて御説明をいただいておきたいと思います。
#238
○政府参考人(寺田逸郎君) メリットといたしましては、株式会社に移行するわけでございますので、株式の自由譲渡というのが原則的に可能になる、そういうようにしたければそういうことができるということになるわけでございます。
 また、従前の有限会社と違いまして、多様な機関設計が可能になります。いろいろな機関設計ができるというのが今回の株式会社の一つの大きなメリットでございますが、そのメリットを享受することができるようになる。また、会計参与を設置することはもちろん、その後も会社の規模がどんどん大きくなっていくということに合わせまして、定款を変更することによって取締役会であるとか監査役会であるとか、そういう組織をもう少ししっかりしたものにしていくということが可能になるわけでございます。
 また、組織再編ということも今後の会社を考える上では決して無視できないわけでございますが、この組織再編において、株式会社になりますと吸収合併、吸収分割、株式交換等ができるようになるわけでございます。
 逆にデメリットでございますが、当然のことながら、一定の御負担をいただかなければならないわけでございます。その移行した後の負担としては、先ほど申し上げましたような決算公告が義務付けられるようになるということでございますし、また、取締役や監査役に任期の制限がございますので、その規制を受けるようになるわけでございます。
#239
○木庭健太郎君 ちょっといろいろ伺いましたけど、富田政務官に伺っておきたいんですけど、結局、この会社法が施行されたら、どっちが得なんでしょうか。有限会社は、結局、今までどおりあり続けた方がいいのか、通常の株式会社へ移行した方がいいのかと。まあ、どっちか一概に言えないというんなら、こういう方面のだったら移行した方がいいよと、もしサジェスチョンがあれば伺っておきたいと思います。
#240
○大臣政務官(富田茂之君) 木庭委員にもう答弁もしていただいたような感じがしますけれども、今局長の方からメリット、デメリットの御説明がありました。それを前提としまして、移行すべきかどうかはやっぱりその会社の経営判断だと思いますので、法務省としてどちらが良いと言える立場ではございませんが、一般論として申し上げますと、決算公告義務、役員の任期規制といった通常株式会社に移行することにより生じる義務、負担を考慮しても、特例有限会社が株式の自由譲渡性あるいは機関設計の多様性、また多様な組織再編行為、株式会社の文字を商号中に用いることによるネームバリューの向上等のメリットを享受したいと考えるのであれば通常の株式会社に移行することになるものと思われますが、最終的には各会社の個別の判断にお任せするということになると思います。
#241
○木庭健太郎君 最後に大臣にお伺いしておきたいと思います。
 今会社法案、今回の会社法案によって現行の有限会社がどういうふうにして変わっていくかというようなことについて御説明をいただいたわけでございますが、ともかく、今回の会社法案というのが、今まであります有限会社に対してどのような意義を持つこの会社法改正になっているのかという点について大臣の見解をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
#242
○国務大臣(南野知惠子君) 会社法施行後におきましても、既存の有限会社につきましては、有限会社の商号を使用することが認められ、かつ従前の有限会社とほぼ同様の規律が適用されることになっております。
 ただし、既存の有限会社には、会社法施行後は、特例有限会社として現行法とほぼ同様の規律の適用を受けるか、又は商号変更等の簡易な手続を取ることにより株式会社として会社法の規律の適用を全面的に受け、会社法上可能となった新しい諸制度を利用するか、又は組織変更手続を取ることによりまして会社法上の新たな会社類型である合同会社となるか等の選択が可能となってまいります。
 したがいまして、今回の会社法案は、既存の有限会社にとって会社の状況に最も適切な組織形態を選択することが可能となるという点におきましては大きな意義を有するものであると考えております。
#243
○木庭健太郎君 終わります。
#244
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 今日、会期内最後の定例日でありますけれども、朝からこうやって審議を続けております。衆議院から議論続けましても、新しい問題点も今日も指摘もされておりまして、まだまだ十分な審議が必要だなということを痛感をしながら質問に立たせていただきます。
 最初に大臣にお伺いをしますが、今回の法改正の柱の一つに事前チェックから事後チェックということが強調されておりますけれども、これは具体的にはどういうことでしょうか。
#245
○国務大臣(南野知惠子君) 事前規制という用語の使い方にもよるというふうに思いますけれども、例えば会社の財産という観点からは、設立に際して最低一千万円の出資をしなければ株式会社を設立することができないという規制を、これを廃止するということは事前規制を減少させていることの一つの表れであろうかというふうにも思います。
 他方、会社の財産という観点からの事後規制と言い得るものといたしましては、会社財産が適切に会社に留保されることを確保するために、配当限度額を超えて配当した場合の取締役等の責任の一部を免除することを禁止したということ、また会社財産を適切に把握する観点から計算書類の監査に携わる会計監査人を株主代表訴訟の対象としたこと、また機関設計のいかんを問わず株式会社に決算公告を義務付けることとしたことなどが挙げられると思います。
 このほかに、従来選択肢の幅を狭めていた点につきましても選択肢を増やしたいということを事前規制の撤廃ないし緩和と言い得るのであれば、例えば機関設計を柔軟化して選択肢を増やしたこと、また種類株式の種類を増加し資金調達における商品設計の幅を増やしたことなどがそれに当たるものだと思われます。
 他方、事後的に関係者の責任を追及することをしやすくするということを事後規制と言い得るのであれば、例えば株主代表訴訟における不提訴理由書制度の導入、又は株主でなくなった者による株主代表訴訟の追行などがそれに当たるものと思われます。
#246
○井上哲士君 今もありましたように、会社法は資本の調達手段などを規律をしているわけですが、こういう事前チェックについては今回大幅に緩和をされるということになります。
 広い意味で事後チェックと言う場合に、その手段というのは証券取引法などの資本市場のルールということになると思うんですね。原則禁止から原則自由に株式会社や証券市場の規制を緩和する一方で、本当に信頼に足る規律がこの資本市場に確立をしているのかということの観点から今日は幾つかただしたいと思うんです。
 金融庁に来ていただいておりますけれども、ライブドアやフジテレビをめぐる問題では東京証券取引所の時間外取引での買い付けが舞台となりました。ライブドアが支配権確立のために買い付け後の保有割合が三分の一を超える取引を時間外で行った。このやり方にはTOB規制や大量保有報告に関する規制の抜け穴だという批判がかなり上がりました。ただ、金融庁はこれを問題だが合法だというふうに認められました。
 実は、関係者からはこういう抜け穴があるということはかねてから知れ渡っていたわけですけれども、この穴は埋められずに放置をされてきた。ところが、このライブドアで問題が明るみになりますと、こうした取引を違法とするような証券取引法の改正に慌てて着手をし、今日たしか本院の委員会で可決をしたんではないかと思うんですが、こういうことになりました。
 ですから、大急ぎで法改正をして違法としなければまずいような行為がなぜずっと放置をされてきたのか、この点、まず伺いたいと思います。
#247
○政府参考人(振角秀行君) 金融庁の方からお答えいたしたいと思います。
 この立会い外取引というのは、できましたのは平成九年でございまして、その導入以降、一般的には機関投資家のポートフォリオの入替えとか、あるいはその持ち合い株の解消とか自社株の取得という取引に使用されておりまして、今回のような会社支配を目的とした大口の買い付けに用いられることは当時は想定されていなかったということでございます。
 しかしながら、今回初めてToSTNeT―1というのを使いまして、この相対取引と非常に類似した形で会社支配を目的とした大口の買い付けが行われたということでございますので、そういう観点からしますと、株主に平等の売却の機会を与えるという公開買い付け規制の形骸化を招いているということでございますので、今委員から御指摘がありましたように、証取法を改正しまして、立会い外取引のうち、その相対取引と類似した形で株式等所有割合が三分の一を超えることになる取引を公開買い付けの対象とすることとしたということで国会に提出しまして、今のところ参議院の委員会の議決を得ているというところでございます。
#248
○井上哲士君 当時はこういうやり方が想定外だったということでありましたけれども、先ほど申し上げましたように、関係者の中には可能だということはあったわけですね。しかし、有力な証取法の専門家を中心として、そういう行為は形式的にはともかく実質的には違法だと、こういう解釈が主張されましたから、多くの市場関係者はこれに従ってきたと、こういうことだと思うんですけれども、こういう認識でよろしいでしょうか。
#249
○政府参考人(振角秀行君) 基本的には先生のおっしゃるような認識かと思います。
#250
○井上哲士君 そういう多くの人々が実質的には違法だというふうに思われてきたことなんですけれども、先ほども言いましたように、政府の方は問題だが合法だということに認めたわけですね。
 ですから、証券市場で、明日からもう違法だということで刑事罰付きで違法とされなければならないほどのそういう問題ある行為が制度の漏れ、抜け穴、想定外だったということで認められるということになりますと、これで被害を受けるのは一般投資家なわけですね。当事者は合法だということでお墨付きを受けて問題にされない。行政も、穴があったということで法改正はしますけれども責任は取らないということになるわけです。
 そこで、ちょっと法務省に聞きますけれども、事後チェック型に変えるということになるわけですが、こういう事後チェックをする大きな舞台である資本市場のこういう現状、法的にも不備があるということがあっても容認するという姿勢で果たして投資家の利益が守れるのかと思うわけですけれども、この点いかがでしょうか。
#251
○政府参考人(寺田逸郎君) この資本市場をどう規制していくかというのは、これは基本的に金融庁の方の御担当でございますので、私どもの方からコメントするものではございません。
 個別にそういう保護から漏れる方ということがもちろんあり得るわけでございますけれども、それについては一般的に司法が対応しているということでございまして、かつてはそのような司法というのは余り機能的に大きな役割が課せられておらなかったという一般的な認識であったわけでありますけれども、この間、司法制度改革等を通じまして、あるいは現状が司法に頼らざるを得ないところもございまして、最近ではその分の司法の役割というのは大きくなってきたというように理解をしているところでございます。そういう意味での事後チェック型の社会に移りつつあるなという認識を持っているところでございます。
#252
○井上哲士君 その司法が本当に使いやすいものになってるんだろうかということは、ちょっと後でお聞きをしたいと思うんですね。
 もう一回金融庁に聞きますけれども、ある専門の学者の方が最近雑誌で、ライブドアの件につきまして、日本のシステムが証券市場と一体の公開株式会社制度を運営していくためには余りにも未熟であり、急激に身に余る自由の享受を認め過ぎたことのとがが一斉に噴き出していることを明らかにしていると、こういう指摘もされておりました。
 今回、政府がこの会社法案などで手本としているというんでしょうか、アメリカでは、法律上、穴が空いてたら仕方がないというルールにはなっておりません。アメリカでは、一九三四年の証券取引所法十条(b)項、いわゆるSEC規定の10b―5と言われているものでありますけれども、非常に極めて一般的な、包括的な規定がありまして、これによって、当初想定されてなかったような問題が起きても、そういう違法な行為については現実に規制を行っております。
 こういうこのアメリカ的資本市場の自由というのは、この証券市場において法律の抜け穴を許さないと、そういう法体系と運用によって支えられているんじゃないかと思うんですが、この点の認識はいかがでしょうか。
#253
○政府参考人(振角秀行君) お答えさせていただきたいと思います。
 先生御指摘のように、米国におきましては一九三四年の証券取引所法第十条(b)項及びそれに基づくSEC規則10b―5によりまして、相場操縦的及び欺瞞的策略の使用を包括的に禁止しているということは承知しておるところでございます。これに対しまして、日本の証券取引法におきましては、百五十九条において相場操縦的行為、また百六十六条においてインサイダー取引というのを個別に禁止しているところでありますけれども、これに加えて米国のSEC規則10b―5に相当する包括的な不公正取引の禁止規定を百五十七条において規定しているところでございます。
#254
○井上哲士君 この今、百五十七条で包括的に禁止をしていると、こういうふうに言われました。10b―5の翻訳規定とも言われていますけれども、実際にはこの百五十七条が使われたことはないというふうにお聞きをしてるんですが、取引の実質を見て、こういう一般的、包括的な規定を活用し、どんどん適用していくべきだと思うんですけれども、その点いかがでしょうか。
#255
○政府参考人(木村元昭君) 今御指摘のように、監視委員会が発足した平成四年七月以降今日まで、百五十七条を適用した事例、告発はございません。
 しかし、監視委員会は、百五十七条の不公正取引につきまして犯則調査権限を有しております。仮に法令違反に該当する事実があると疑われる場合には、必要に応じて調査を行い、その結果、悪質な法令違反行為が認められる場合には厳正に対処をすることとしております。
 以上です。
#256
○井上哲士君 実際にそうやって活用した例があるんですか。
#257
○政府参考人(木村元昭君) 先ほど申し上げましたように、告発の事例はございません。
#258
○井上哲士君 現実に、先ほどライブドアの件で申し上げましたように、問題だが合法だという形で問題ある行為がまあ容認されてきたということを考えますと、もっとこういう規定をどんどん活用すべきだと思うんですけども、この点のお考えをもう一度お聞かせください。
#259
○政府参考人(振角秀行君) 一点、私の方から補足させていただきたいと思いますけれども、証券取引等監視委員会設置後においてはまだ適用はないんですけれども、それ以前におきましてはこの百五十七条を適用したケースがございます。昭和四十年でございますけれども、一件だけでございますけれども、これを適用して摘発しております。
 今後ともにつきましては監視委に。
#260
○政府参考人(木村元昭君) 先ほど申し上げましたとおり、積極的に百五十七条等は検討しておりますので、もしそういったふうな事案ございましたら十分対処したいと考えております。
#261
○井上哲士君 実際にはしかし摘発の例はないということがありました。これまで私たちは、商法改正行われるたびに、日本にもSEC並みの独立性や権限を持った機関、体制を持った機関が必要だということを申し上げてきました。これに対して法務省は、法制上、体制上アメリカと遜色のないところまで来ているという答弁もありました。
 そこで、この五年間、証券取引等監視委員会の法執行の状況はどのようになっているでしょうか。
#262
○政府参考人(木村元昭君) 平成十事務年度、これは平成十年七月から十一年の六月末まででございますが、におきまして監視委員会が行った勧告、告発、取引審査の実施件数は、それぞれ、三十六件、次に六件、二百七十五件でございます。他方、平成十五事務年度におきましては、監視委員会が行った勧告、告発、取引審査の実施件数はそれぞれ、二十六件、十件、六百八十七件となっております。したがいまして、平成十事務年度と比較しますと、平成十五事務年度におきましては、勧告件数については十件の減少、告発につきましては四件の増加、取引審査につきましては四百十二件の増加となっております。
#263
○井上哲士君 体制も拡充をして、取引審査についてはこの五年でも増えておりますし、十年を取りますとかなり増えているのは承知をしております。今、行政処分勧告、刑事告発の数もありましたけども、十年前と比べますと増えていますが、五年間で比べますと横ばいないしは減っているということがあるわけですね。アメリカの場合、差止め命令請求、年間約二百件ぐらいやっております。単純に比較はできませんけれども、日本の刑事告発の数が約十件、約二十分の一で、あれはかなりの乖離があるんですね。やっぱり遜色ないと言える状況ではないと思うわけで、やはり相当の体制と権限を持った総合的な監視体制を確立をする必要があると私は思うんです。
 そういう現状を踏まえて再度法務省にお聞きするんですが、会社法制によっての事前のチェックが緩和をされていく、そして、事後規制の問題でいいますと、法的にもそして体制的にもまだまだ穴があるということになりますと、うまく抜け穴を見付けた者が得をするということになりかねないわけですね。そうしますと、反対に一般投資家が不利益を被るわけですね。こういうことになるのではないか。この点の懸念はいかがお考えでしょうか。
#264
○政府参考人(寺田逸郎君) おっしゃるとおり、ここ、平成に入りましてから様々な面で法改正をいたしております。その中でも特に平成十年以後は規制緩和的な法改正が目立つわけでありますけれども、それは何といいましても、大きな企業でありますれば世界的な規模で競争をしている、なるべく対等な組織編成を可能にしてほしいという御要望が強いということによるものであります。また、度々申し上げておることでございますけども、最近の中小の企業においても非常に先進的なことをやっておられるところがありますが、そこはもう少し経営の自由を得るために様々な工夫をする余地を広げてほしいと、こういう御要望があり、これらの要望にかなうものといたしまして、資金の調達上もあるいは組織の運用上も、様々な面で自由化をしてきたところがあるわけであります。
 しかし、それは反面、当然のことながら一定程度のデメリットとも申しますか、副作用を生ずることを避けられないところであります。問題は私どもがその副作用のようなものを最小限にとどめる、現実に多くの方々が被害を受けられるようなことがないようにするということを使命として課せられていると会社法制上の改革の担当としては考えるわけであります。
 私どもも今回の、例えば最低資本金の改正につきましても、参入規制としての最低資本金は、一方でバリアを低くするという意味で廃止をいたしますけれども、しかし他方で、配当規制としての意味は残し、かつ会社の透明性を上げるためのいろいろな工夫というのも別にしなきゃならない。そういう総合的な形で、自由に伴ういろいろな弊害というのを最小限に抑えるというスタンスでいるわけでありまして、今後もこれで必ずしも十分でないという段階もあるいは来るかもしれません。またいろいろ考えなきゃならないところもあるわけでございますが、そういう時点においても常にそういう姿勢でもって検討をしてまいりたいと考えているところでございます。
#265
○井上哲士君 会社法の世界だけではなくて、市場法制も含めて本格的といいますか、な市場規制をする、そういうことはセットで私は出てくるべきことだったと思うんですね。
 先ほど、司法による救済ということが最後言われましたけれども、裁判所によるチェックといいますけれども、一般投資家が裁判の負担にどれだけ耐えれることができるのかということなんですね。裁判所によるチェックということになりますと、一般投資家などが裁判をやりやすくする仕組み作りが不可欠だと思います。それを行わずに事後チェック、司法での救済ということを言っても絵にかいたもちになるわけですが、この点の手当てはどういうふうになっているんでしょうか。
#266
○政府参考人(寺田逸郎君) 先ほども申し上げたところでございますけれども、これまで行われてきました司法制度改革の過程において、できるだけ裁判所へのアクセスを良くするという意味で訴訟費用の点でございますとか様々な改革が行われてきたわけであります。それは、司法の利用という面で一定の成果を生むだろうということを期待しているところでございます。
 特に会社法の面でいいますと、何といいましても一般の投資家、株主にとって司法を利用する面で一番代表的なのは株主代表訴訟であろうかと考えておりますが、その株主代表訴訟についてこれまでも訴訟費用を極めて低額にするなどの措置をとってきたところでありますが、さらに今回、それに加えまして、株主が株式会社に対して取締役の責任を追及する、その結果として株主代表訴訟を提起するということになるわけでありますけれども、その前段階において一体会社はなぜ訴えを提起しないのかということが常に問題になるわけであります。
 これまではその点についての措置が何も示されていなかったために、一体会社の中でどういう判断で取締役の責任の追及が行われないかということが分からない。つまり、もう少し平たく言うと、全くの説明なり証拠なりが株主側に示されないということがあったわけでございます。今回は株主の請求により訴えの提起しない理由を通知しなきゃならないということでございますので、こういう措置を通じまして株主の側に会社の側の事情をより分かりやすくするという、そういう機能を持つのではないかと考えております。
 また、株主代表訴訟においては、これまで株式交換等によって株主でなくなった場合に訴えを却下されるという不都合がございましたので、今回もその手当てをいたしております。
 様々な部分からいたしますと、ごく限られた部分ではございますけれども、しかし、着実に株主代表訴訟の機能というものを実質的に高めていこうと、重視していこうということの表れだと御理解いただければ有り難いところでございます。
#267
○井上哲士君 様々な点からいえば、ごく部分だということも局長も言われましたけれども、実際に裁判をやる上ではいろんな問題があるわけですね。
 アメリカではいわゆるクラスアクションとかディスカバリー制度というのを採用しておりますし、ヨーロッパでは団体訴権というのを採用しております。一般投資家が会社の違法行為によって被害を受けるといった事案のように、被害者はたくさんいるけれども一人一人の被害額は少額でかつ証拠も偏在をしているという場合にこのクラスアクションなどを活用されているわけですが、アメリカ的な自由を取り入れていくということになりますと、事後チェックという場合に、こういう制度なども当然取り入れるべきだと思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。
#268
○政府参考人(寺田逸郎君) おっしゃるとおり、私どもは必ずしもアメリカの法制のみを参考にして会社法を作っているわけではございませんけれども、他方で、アメリカ的な要素というのもあることも事実でございます。
 反面、当然のことながら株主の利益を守るためには訴訟への道が開かれているというだけではなくて、その訴訟において対等に闘えるという環境をつくるということも一つの大きな課題でございます。
 ただ、おっしゃられましたクラスアクションの制度といいますのは、これは非常にアングロサクソンの法系において特徴的な制度でございまして、ねらいは、多数の消費者等の一般の方々が企業を相手取って同じ争点で訴訟する際に、個々の当事者にとっては訴訟しにくいけれども、全体としてはまとまれば訴訟はしやすいということを前提に訴訟のしやすさをねらった制度になっているわけであります。
 その意図ということを私どもも十分に理解をするところでございますが、他方、この制度についてはアメリカの国内においてもいろいろな御批判がございまして、実際に公告をして訴訟をするわけでございますけれども、その際に一体だれが当事者になるのかと。クラスの中に含まれて敗訴した場合の判決の効力を受けるかということについて必ずしも合理的な仕組みをなかなか作れないという問題がございます。つまり、知らない間にクラスアクションによる訴訟がされてその判決の効果を受けてしまうという不利益も、これも決して無視できないところではございます。
 また、クラスの認定でありますとか代表者の適格性について、相当程度裁判所のかなり裁量的な後見がないとこの制度というのはうまく動かないという指摘もあるわけでございますが、果たして日本の裁判の現状においてこういうことが可能かどうかについてもまた十分に検討してみなきゃならないところでございます。
 したがいまして、私どもは現段階ではこのクラスアクション制度というのの導入にはなかなか慎重な検討が必要だなというふうには思っておりますけれども、しかし、必ずしもこのクラスアクション制度に限らず、非常に多くの方々が訴訟をしやすい制度として今ヨーロッパの団体訴訟のこともおっしゃられましたけれども、いろんな制度を検討していく値打ちは十分にあるだろうという理解でおります。
#269
○井上哲士君 特に大企業に対して一般投資家が行う大企業対国民という裁判ですと、情報の偏在というのは非常に深刻でありまして、それを対等、平等にするこういうディスカバリーという制度も必要でありますし、今いろいろおっしゃいましたけれども、やはり、これまで被害額と訴訟費用が見合わなくて訴訟を行えなかったケース、泣き寝入りしたケースというのは随分あるわけでありますから、是非こういう、本当に一般投資家が裁判を受ける権利ということを保障するということを更に拡充をしていくということが必要だということを申し上げまして、終わります。
#270
○委員長(渡辺孝男君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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