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2005/03/11 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 本会議 第7号
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2005/03/11 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 本会議 第7号

#1
第162回国会 本会議 第7号
平成十七年三月十一日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第七号
    ─────────────
  平成十七年三月十一日
   午前十時 本会議
    ─────────────
 第一 国務大臣の報告に関する件(平成十七年
  度地方財政計画について)
 第二 地方税法等の一部を改正する法律案及び
  地方交付税法等の一部を改正する法律案(趣
  旨説明)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(扇千景君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の報告に関する件(平成十七年度地方財政計画について)
 日程第二 地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 以上両件を一括して議題といたします。
 まず、総務大臣の報告及び趣旨説明を求めます。麻生総務大臣。
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#4
○国務大臣(麻生太郎君) 平成十七年度地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 まず、平成十七年度の地方財政計画の概要について御説明を申し上げます。
 極めて厳しい地方財政の現状等を踏まえ、経済財政運営と構造改革に関する基本方針等に沿って、歳出全般にわたり見直しを行うことに努めております。一方、地域において必要な行政課題に対しては適切な財源措置を行うこととし、安定的な財政運営に必要な地方交付税などの一般財源を確保することを基本といたしております。
 引き続き生じます財源不足につきましては、一般会計からの加算、特例地方債の発行等により補てんすることとし、地方財政の運営に支障が生じないようにいたしております。
 さらに、三位一体の改革として行われる国庫補助負担金の一般財源化等に対応し、所得譲与税による税源移譲等の措置を講じております。
 以上の方針の下、平成十七年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は八十三兆七千六百八十七億円となり、前年度に比べ八千九百八十二億円、一・一%の減となっております。
 次に、地方税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 この法律案は、現下の経済、財政の状況等を踏まえつつ、持続的な経済社会の活性化を実現するためのあるべき税制の構築に向けた改革の一環として、地方税制の改正を行うものであります。
 具体的には、定率減税の縮減、所得譲与税の増額、法人事業税の分割基準の見直し、非課税等特別措置の整理合理化等を行い、併せて国有提供施設等所在市町村助成交付金等について所要の改正を行うことといたしております。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 平成十七年度分の地方交付税の総額につきましては、一般会計から交付税特別会計への繰入れ等により、十六兆八千九百七十九億円といたします。普通交付税の算定のための単位費用の改定等を行うほか、税源移譲予定特例交付金の増額、公営企業金融公庫納付金制度の延長、地方公務員共済組合の事務に要する費用に係る地方団体の負担の特例措置の延長等を行うため、関係法律を改正することといたしております。
 以上が地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、よろしく速やかに御賛同あらんことをお願いを申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(扇千景君) ただいまの報告及び趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。高橋千秋君。
   〔高橋千秋君登壇、拍手〕
#6
○高橋千秋君 私は、民主党に所属しまして初めての、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました平成十七年度地方財政計画並びに関連二法案について、関係大臣に対して質問をしたいと思います。
 まず冒頭、青森や新潟では大雪のため多くの方々が亡くなられましたことに心からお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。
 ただでさえ地方は財政が大変な時期に、昨年来、多くの災害に見舞われ、地方にとっても生きるか死ぬかという重要な法案の審議であります。
 私は、この法案の質問に立つのが四年連続でございます。まだ、しかし、この質問に対して小泉総理には一回しか顔を出していただいておりません。所得税の審議を分離し、国対マターではありますけれども、総理はこの重要な法案の審議に出てくることが地方への礼儀だと思います。あえて質問はいたしませんけれども、是非お考えをいただきたいというふうに思います。
 三位一体改革という、麻生総務大臣の予算委員会での御説明によればキリスト教のこの言葉で小泉総理は、地方にできることは地方にという、聞こえはいいけれども地方分権とは裏腹の、中央政府の権限を維持して、むしろ更に巧妙に権限を強化してしまい、地方には財政負担を押し付けて、結局、課題は先送り、地方分権と呼ぶには余りにもお粗末な内容となってしまいました。
 総理が、日本は決して税金は高くないということを話されておられました。そういう面もあるかも分かりません。しかし、多くの日本人がそう思っていないのは、実質的な税金である社会保険料やNHKの受信料など、それらを加えれば非常な負担になっていることと、使い道がよく分からない不透明な使い方がされていることにあると思います。
 その上、先日、小泉総理の非常に親しいと言われておられます元西武鉄道の堤義明さんが逮捕され、あれほどの企業グループが長年にわたってほとんど税金を払わずに済んできたというような、不公正で不透明な日本の社会構造に憤りを感じているからであります。
 この思いを払拭するためにも、堤容疑者の犯罪について完全解明をする必要があると思いますが、株の取引の問題だけでなく、脱税のことも含めて厳正に対処し、その内容を明らかにすることをお誓いいただけますでしょうか。官房長官と法務大臣にお伺いをいたしたいと思います。
 政府は、骨太二〇〇四で三位一体改革の全体像を昨秋までに明らかにすることを明記しましたが、中央省庁や族議員の抵抗で、示された全体像は地方の思いとは全く懸け離れたものになってしまいました。
 三位一体改革論議が佳境に入ったとき、総理は地方の案を真摯に受け止めるとのコメントを繰り返し、地方六団体からは、多少の期待を込めて、第一期分とその後の第二期分も具体的な地方案を提出してきました。しかし、総理は二期分にはこたえておらず、政府案はとても真摯に受け止めたとは言えない内容になってしまいました。
 税源移譲について地方案では、第二期改革において消費税から地方消費税への税源移譲を求めていますが、この提案を官房長官、財務大臣はどう受け止めておられるのか、見解を伺いたいと思います。
 今回の三位一体改革は、なぜ地方に税源を移譲するのかというと、地方の裁量度を上げるということが地方分権につながるという補助金改革の趣旨が全く考えられていません。この補助金改革で地方が一体何を自主的に選択できるようになり、どのような創意工夫が可能なのか、本当に地方分権の意義に沿った改革となっていると総務大臣はお考えなのか、御答弁をいただきたいと思います。
 先日、私がこの質問に立つということを知った地元の身体障害者の方からメールをいただきました。彼は重度の障害者で、長時間のヘルパーによる介助を受け生活をしています。メールを打つにも大変な思いをして送ってくれました。
 彼の不安は、これから審議されると言われております障害者自立支援法案がそのまま成立してしまうと、ヘルパーの派遣時間に一日四時間という制限が設けられ、今受けている介護を維持しようと思えば、市町村が単独で予算を確保しなければならなくなってしまうということであります。
 彼自身は、ボランティアに頼らず、公的ヘルプのみの生活を実現させようと頑張っていますが、三位一体改革の中ではこのような弱い立場の人たちがまずしわ寄せを受けることになってしまいます。
 この障害者自立支援法案の見込みと、これらの本当に困っている人たちの助けてほしいという心の叫びにどうこたえるのか、厚生労働大臣の御見解を伺いたいと思います。
 次に、三千四百億円の補助金において、補助金を複数束ねただけの交付金化という手法が取られました。しかし、これは地方から申請し、中央が許可を与えるという仕組みはそのままなんです。
 内閣府に創設予定の地域再生交付金も同じで、三つの省と三つの分野にまたがる補助事業が統合されて八百十億円が予算に盛り込まれております。交付の決定には各省大臣の同意が必要で、実態上は各省による査定が継続されます。また、この枠に収まらない事業は、相変わらず各所管省庁に申請をすることになっていて、地方にすれば、申請先がもう一つ増え、もっと煩雑になる懸念があります。
 地方分権の理念に沿えば、これらの補助金を廃止して完全に税源を移譲することではありませんか。総務大臣と財務大臣の御見解を伺いたいと思います。
 教育は国の基本です。その教育問題について、今回の補助金改革では義務教育国庫負担金の扱いについて激しい議論が交わされました。しかし、総理は結局、中教審の検討に決着を丸投げしたんです。結果次第ではどうなるか分からない可能性がある財源を基に地方が独自に取り組むということにはなりませんし、補助金が廃止され、税源移譲が行われたとしても、義務教育に自由な裁量の余地はほとんどなく、自由度は変わりません。
 この義務教育国庫負担金の制度は、八十年近く前、私の地元である三重県の七保村、大瀬東作村長が、今なら三時間で来れる東京に三日間も掛けて何度も何度も陳情に通って、貧困にあえぐ地方を救うためにつくり上げた制度であります。
 七保村は昭和の大合併で大宮町になりました。そして、今度のまた平成の合併で大紀町という名前になって、今正に町長選と町議選が今週行われております。当時とは状況は違いますけれども、地方の経済状況は相変わらず大変で、今回もやむを得ず合併することになりましたが、展望は開けておりません。当時の大瀬東作村長の思いを考えると切なくなってしまいます。
 しかし、この義務教育国庫負担金の問題も、地方の自由裁量につながるかどうか全くあいまいなまま中途半端に補助金改革対象にするのは、意図が分かりません。制度の根幹を維持するということは、金はやるが地方独自の施策は許さないということなんでしょうか。どこに地方の裁量が発揮できるのか、御説明ください。また、もし中教審が国庫補助負担金制度を維持すると結論付けた場合、そのとおりの内容に従うのでしょうか。財務大臣に答弁をお願いしたいと思います。
 また、地方が強く拒否する生活保護費の国庫負担引下げが検討項目として残されています。これも地方への押し付けと考えられますが、いつからどのような形で議論を開始するつもりですか。総務大臣にお答えいただきたいと思います。
 本格的な税源移譲の時期が近付いていて、地域間の財政格差是正策を具体化しなければなりません。しかし、三位一体改革の柱である交付税制度の改革に取り組むという姿勢は総理には見られません。地方にも自助努力を促し、適切な財政調整機能を持つ交付税制度の実現を急がねばならないと考えますが、いつまでに交付税制度改革の具体案とスケジュールを示す予定なのか、総務大臣に伺いたいと思います。
 定率減税は、導入されたときの経緯を考えればいずれ廃止することは妥当だと思います。しかし、基本的な政策もなく場当たり的な対応は昨年の年金問題と同じで、弱い立場で取りやすい一般国民からという姿勢は全く同じであります。
 我が国の経済状況は、年金課税の強化、年金保険料、雇用保険料の引上げなど、国民を取り巻く様々な負担増を考えれば、このタイミングで定率減税を縮減するリスクは余りに大きく、三位一体改革と同時に行う必要性はありません。その上、先日の所得税法案の質問で同僚の平野議員が指摘したように、日切れ法案として短い審議時間で決着すべきものではなくて、まるで日切れのように紛れ込ませるのは国会軽視であり、国民軽視であります。
 これは、日本経済全体のことよりも財務省自身の庭先をきれいにしようとする財務省の論理は、地方分権の推進を軽視する姿勢に表れていると思いますが、財務大臣の御見解を伺いたいと思います。
 この姿は、かつての橋本総理のときに消費税率を引き上げ、長期不況に陥って失敗した姿が浮かんでまいります。
 また、個人住民税における六十五歳以上の高齢者向けの非課税措置も縮小されようとしております。住民税は今年も均等割の引上げが行われ、高齢者については公的年金課税の強化が行われたばかりです。地方自治体の財政健全化は喫緊の課題ですが、まず歳出の徹底的な見直しと抜本的な地方分権の推進など構造改革が先であります。
 これらのことに手を付けぬまま、定率減税の縮減と高齢者への非課税措置の廃止など、国民負担により財政再建を図ろうとする小泉総理の手法は、国民には理解を得られません。郵政民営化の問題もそうですが、まず先にやらなければならないことと、今急がなくてもよい問題が逆なんではないでしょうか。総理に代わって、官房長官に御見解を伺いたいと思います。
 今、私の地元、東海四県は、全国一元気な地区と言われています。二月には中部新空港セントレアが開港しました。二十五日には愛・地球博もスタートいたします。しかし、その元気は、国の政策で元気になっているというよりも、むしろ行政や国が中心にならずに、地域の民間が頑張っていることの足を引っ張らずに、後押しをしたことの成果ではないかと思います。
 いみじくも、東海地区では既に政権交代が実現し、地域の頑張りにこたえようとする土壌がこの元気を呼んでいるんです。国民の皆さんには是非ともこのモデルケースを御注目いただき、国全体の本当の政権交代を実現させて、地方が元気になることが日本の再生の唯一の道だと思います。
 今回のこの質問をするに当たり、事前に提出をいたしました官房長官に対する質問に対して、幾つか、もうそんな質問は責任を持って答えられないという事前のお話がございました。特に、地方六団体からの意見について、総理は真摯にこたえるという話をしてきたという部分について、それは総理が言ったことで私には関係ないというお話でございました。それは、官房長官としての役をなしていないというふうに思います。それはスタッフの言葉かも分かりませんが、是非、様々な点でこの地方に対する意見を心して聞いていただきたい、そのことをお願いを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(麻生太郎君) まず、補助金改革についてのお尋ねがありました。
 現在、進めております三位一体の改革は、地方にできることは地方にという理念の下、国の関与を縮小し、地方の権限と責任を拡大しようとするものであります。しかも、今回は地方六団体の改革案を提出いただき、これを基に三位一体の改革の全体像を取りまとめたところでありまして、地方分権の理念に沿ったものであると考えております。
 次に、補助金の交付金化についてのお尋ねがございました。
 交付金化は、これまでの補助制度と比べ使い勝手が良くなるものと見込まれ、補助金改革の観点からは一歩前進ではあると存じます。しかしながら、補助金改革の基本は、国庫補助金を廃止し、税源移譲に結び付けることと考えておりますので、また、地方から税源移譲に結び付く改革が求められてもおります。したがって、地方分権推進の観点に立って更なる改革に努めていく必要があると存じます。
 生活保護費国庫補助金の問題につきましては、生活保護制度における国と地方の役割や費用負担の在り方について、地方団体関係者と幅広く議論をさせていただいた上で結論を出すべきものと考えております。
 このため、昨年十一月の三位一体の改革に関する政府・与党合意にもありますように、改めて地方団体関係者が参加する協議機関を設置し、検討を行った上で、本年秋までに結論を出すことといたしております。現在、厚生労働省が中心となって協議機関の設置に向けた手続が進められておるところと存じます。
 最後に、交付税制度改革についてのお尋ねがありました。
 税源移譲に伴う財政力格差の拡大に対しては、個人住民税の税制のフラット化などにより、なるべく税収が特定の団体に偏ることがないようにいたしたいと存じます。また、来年度に行う予定の法人事業税の分割基準の見直しも、結果として税源の偏在の緩和につながっていくものと存じます。それでもなお税収が十分でない団体には、地方交付税により確実に財源保障することといたしております。平成十八年度までは、交付税総額を確保することによって財政力の弱い団体も心配のないようにしてまいります。
 中期的には、地方団体の安定的な財政運営を図る上で重要な機能を有する交付税制度の根幹を維持した上で、地方財源不足の早期解消へのめどを付け、法定率分を再セットするなどして、地方財源の安定化を図ることが重要と考えております。(拍手)
   〔国務大臣細田博之君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(細田博之君) 元西武鉄道の堤義明氏に係る刑事事件について、厳正に対処すべきではないかとの高橋議員のお尋ねがありました。
 個別の事件に関しまして官房長官としての所感を述べることは差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げれば、刑事事件として取り上げるべきものがあれば捜査当局において適正に対処するものと承知しております。
 地方六団体が提案しております第二期の税源移譲についてのお尋ねがありました。
 三位一体改革については、地方六団体がまとめた改革案を真摯に受け止め、地方とも協議を度々重ねた上で政府・与党において全体像を取りまとめたところであり、今後、この全体像に沿って、国庫補助負担金の改革と併せ、所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を行ってまいります。平成十九年度以降については、十八年度までの改革の成果を踏まえまして判断する必要があると考えております。
 地方の財政健全化に関しまして、国民負担の増大よりも歳出見直し等が先ではないかとの御指摘をいただきました。
 現在、基本方針二〇〇三等に従い、地方歳出の見直しや補助金改革と税源移譲による地方の自由度の拡大などの構造改革を推進しております。御指摘の定率減税や高齢者の非課税措置の見直しは、経済情勢の変化等を踏まえつつ、あるべき税制の構築に向けて平成十七年度税制改正において措置することが必要であるとの判断の下で今回の改正法案に盛り込んでおるものであります。(拍手)
   〔国務大臣南野知惠子君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(南野知惠子君) 高橋千秋議員にお答えを申し上げます。
 堤義明前西武鉄道会長に係る刑事事件の捜査方針に関してのお尋ねがございました。
 個別事件の捜査に関し法務大臣としての所感を述べることは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げれば、検察当局においては、刑事事件として取り上げるべきものがあれば法と証拠に基づいて適正に対処するものと承知しております。(拍手)
   〔国務大臣谷垣禎一君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(谷垣禎一君) 高橋千秋議員にお答えをいたします。
 まず、地方六団体が提案している第二期の税源移譲についてのお尋ねがございました。
 三位一体改革については、昨年取りまとめた全体像に沿って取り組んでおりまして、所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を行います。十九年度以降については、官房長官から御答弁がありましたように、十八年度までの改革の成果を踏まえた上で判断しなければならないと考えております。
 なお、消費税については、国、地方の税源配分の観点からだけではなく、年金も含めた社会保障制度改革や財政再建の観点も含め、トータルでその在り方を議論していく必要があると考えております。
 次に、補助金改革についてのお尋ねでございますが、基本方針二〇〇四においては、補助金改革として、税源移譲に結び付く改革に加えて、地方の裁量度を高め自主性を大幅に拡大する改革が位置付けられておりまして、この方針に沿って交付金化の改革を進めているところです。交付金化の改革においては、地方が策定する事業計画に基づき自由な施設配置が可能になる、その事業計画を客観的なチェック項目を用いて評価し交付金を配分することとするなど、地方の自主性、裁量性を拡大する内容となっております。
 御指摘の地域再生交付金に係る中央官庁の同意等は、所管省庁間の施策の整合性確保などのために行われるものと承知しておりまして、同交付金制度の創設によって類似補助金が一本化されるなど、手続面を含めた大幅な簡素化が図られるため、地方分権の理念に沿った改革になっているものと考えております。
 義務教育費国庫負担金についてのお尋ねがございました。
 義務教育については、国と地方が適切に役割分担を行う中で、教職員の配置や処遇等に関して市町村や学校現場の権限や裁量を拡大する改革を推進する必要があると考えております。
 義務教育費国庫負担金の取扱いにつきましては、昨年末の政府・与党合意に基づいて、中央教育審議会において義務教育制度に関する国の責任を引き続き堅持するとの方針の下、費用負担に関する地方案を生かす方策や義務教育の在り方について本年秋までに幅広く検討が行われていくものと考えております。
 政府としては、その中央教育審議会の審議結果を踏まえて、本年中に結論を出すこととしております。
 最後に、定率減税縮減についてのお尋ねがございました。
 定率減税は、個人所得課税の抜本的見直しまでの特例措置として導入されたものですが、平成十八年度に三位一体の改革との関係で国、地方を通ずる個人所得課税の抜本的見直しが必要となることを踏まえれば、これに向けて定率減税を元に戻していくことが必要となります。今回の見直しは、民間部門に過度の負担が生じないように配慮して段階的に行うものでありまして、必要かつ適切なものと考えております。
 また、制度改正が経済に与える影響については、負担増のみを取り上げることは適当ではなく、歳入、歳出両面での措置の影響を政策全体の中で総合的に考えるべきものと考えております。
 なお、税制改正法案は、定率減税の縮減を始め、平成十七年度予算の歳入の基礎となる重要な改正事項を含むものでございまして、予算と一体で御審議いただきたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣尾辻秀久君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(尾辻秀久君) 障害者自立支援法案は、制度が抱える課題に対応し、支援の必要な障害者が必要度に応じてサービスを受けられる体制を整備するものでございまして、先生御懸念のように、一律にホームヘルプの時間を限定するものではございません。
 また、市町村への財政支援につきましては、これまで補助金になっておりました在宅サービスに係る費用について、負担金に改めて国の財政責任を強化するものでございます。
 今回の法案により、障害者の地域での自立支援を更に進め、障害のある人もない人も安心して暮らせる自立と共生の地域社会づくりに取り組んでまいります。(拍手)
    ─────────────
#12
○議長(扇千景君) 山口那津男君。
   〔山口那津男君登壇、拍手〕
#13
○山口那津男君 私は、自由民主党及び公明党を代表して、ただいま議題となりました平成十七年度地方財政計画、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案について質問します。
 昨年末、政府・与党において、平成十八年度までの三位一体改革を見通した、いわゆる全体像が合意されました。この三位一体の改革については、地方分権を推進するために、小泉総理自らが強いリーダーシップを発揮され、特に国庫補助負担金改革については、総理の判断で地方六団体に具体案の検討を要請され、その後、地方からの案を基に、国と地方の協議の場等を通じて調整が図られてきたと認識しております。
 昨年も総理は地方の意見を尊重するよう指示されておられますが、特に継続の検討の課題となった義務教育費国庫負担金、生活保護費負担金など、国と地方の考え方が異なる分野においては国と地方の協議の場が更に重要になってくると認識しております。
 そこで、細田官房長官に質問します。
 生活保護費など三位一体改革の残された課題についても、引き続き地方から出された意見を尊重するとの方針に変わりはないのかどうか。特に、生活保護費負担金については、政府の方針として地方団体関係者が参加する協議機関を設置することとなっておりますが、具体的にどのような機関で、どのような運営がなされるのかどうかなども含め、今後の三位一体改革への取組に関し、細田官房長官の認識を賜りたいと存じます。
 地方財政計画に関し、質問をします。
 昨年の三位一体改革の議論に際し、地方財政計画について、財務大臣から、投資的経費を中心に七、八兆円の過大計上があり、これを削減すべきとの意見が出されました。他方、総務大臣や地方団体から猛反発があり、逆に一般行政経費は決算が計画を上回っており、投資的経費と経常的経費の一体的な是正が不可欠との意見が出されました。
 いわゆる過大計上を含め、地方財政計画を適切に見直ししていくことは必要と考えますが、七、八兆円との金額は極めて大きな金額であり、この問題の取扱いいかんによっては地方財政に大変な影響を及ぼしかねず、地方団体も大きな関心を寄せているところであります。
 平成十七年度の地方財政計画においては、こうした決算乖離の問題についてどのような解決を図られたのか、また、平成十八年度以降はこの問題にどのように取り組んでいくのか、麻生総務大臣の見解を求めます。
 平成十七年度予算案においては、地方税、地方交付税、臨時財政対策債を合わせたいわゆる地方一般財源が前年度並みに確保されることとなっており、改革の集中期間の安定的な財政運営に必要な予算が確保されたという観点から評価するものであります。
 ただ、地方団体の側からすれば、平成十六年度は地方交付税と臨時財政対策債が約三兆円、一二%も削減されるなど、多くの団体が予算編成に苦しんでおり、平成十七年度は一息つけたものの、平成十八年度以降、地方交付税がどうなるのか強い不安を抱いているのが実情であります。
 今後、地方交付税の在り方について、その予見可能性を高めることが地方団体の安定した財政運営にとっても必要なことであり、その意味で、三位一体改革の全体像で示されている中期地方財政ビジョンは注目に値すると考えております。
 中期地方財政ビジョンの意義及びその機能について、総務大臣の答弁を求めます。
 税源移譲についてお伺いいたします。
 税源移譲については、昨年十一月の三位一体改革の全体像において二・四兆円の税源移譲につながる補助金改革の内容を決定し、これにより、税源移譲の規模が少なくとも二・四兆円以上となることが確定いたしました。
 しかしながら、そもそもの総理が自ら指示された約束の目標値は三兆円の税源移譲であります。平成十八年度予算編成を目指した本年末までの議論の中で、三兆円又はそれを上回る規模の税源移譲が実現すると確信しておりますが、細田官房長官の決意をお伺いいたします。
 また、税源移譲の実施方法については、個人住民税の比例税率化の方向で検討が進んでいると認識しておりますが、総理が約束した三兆円の税源移譲を確保、実現するという意味において、例えば具体的に一〇%比例税率化等の明確な方針を政府として打ち出されるなどのお考えがあるかどうか、官房長官の税源移譲実現に向けた決意をお伺いいたします。
 所得税から個人住民税への税源移譲は、三兆円の規模の税源移譲を想定した場合、端的に言えば、地方税である個人住民税の税率を引き上げて三兆円の増税を行い、同時に国税である所得税の税率を引き下げて三兆円の減税を行うということになります。しかしながら、個々の家計のレベルでは、特に低所得層を中心に大幅増税になるのではという不安あるいは誤解があるのも事実であります。
 税源移譲を実施するに当たり、所得税と個人住民税の合計で見れば、基本的に増減税中立となるよう適切に制度設計を仕組むとともに、特に、所得税の課税最低限以下の方について、個人住民税で適切な負担調整措置を実施するという方針を是非明確にしていただきたいと存じます。麻生総務大臣の答弁を求めます。
 地方税の一部改正案についてお伺いいたします。
 今回の地方税の改正には、自動車税の月割り課税の廃止や、個人住民税の給与支払報告書の提出範囲の拡大など、地方税の徴収実務の合理化を目指した改正内容が含まれております。財政状況が厳しい中、少子高齢化がますます進行し、行政サービスの維持向上のためには、行革や歳出見直しと併せて、給付、歳出に見合った国民負担の在り方も議論しなければならない時代になってきております。そうした中で、税や保険料の徴収の合理化、効率化、さらにはその滞納の解消などは、公平公正の観点からも一層重要な課題になってきております。
 今後とも、徴収面の合理化、効率化につながる改革を進め、地方の税務執行のコストダウンや徴収率の向上、納税者の利便性の向上などを図っていくべきであると考えますが、この課題にどう取り組むのか、麻生総務大臣の見解を賜りたいと存じます。
 地方の行政改革についてお伺いします。
 大阪市の職員に対する厚遇問題が明らかになり、国会でも地方公務員の処遇の在り方について大いに議論がなされております。私は、地方分権を具体的な形で進めていくためには、何よりも住民、市民の支持、理解が必要不可欠の要件であると認識しております。そうであるならば、今般の例に見られるような市民感覚から遠く懸け離れた行政の怠慢は決して許されるものではありません。
 今般の問題が早期に是正されるべきは当然のこととして、すべての地方団体、さらには総務省においても、常に行政に無駄がないか、市民の目線に立った行政運営がなされているのかどうかのチェックを怠らず、また不断の地方の行政改革への挑戦を行っていくべきであります。
 地方公務員の給与や手当、福利厚生、定員の在り方なども含め、今後の地方行革をどのように進めていくのか、麻生総務大臣の強い決意を最後にお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(麻生太郎君) まず、地方財政計画と決算の乖離の是正についてのお尋ねがあっております。
 地方財政計画の各歳出項目と決算の乖離につきましては、投資単独事業の決算額が計画額を下回っているのに対し、経常経費の決算額は逆に計画額を上回っている状態が続いてまいりました。このため、私は、投資的経費と経常的経費を一体的に是正することが必要と申し上げてきております。
 平成十七年度の地方財政計画におきましては、ハードからソフトへという地方の実情を踏まえまして、投資的経費を減額、経常的経費を増額するという一体的な乖離是正を行っております。平成十八年度以降も引き続き投資的経費と経常的経費を一体的に是正してまいります。
 次に、中期地方財政ビジョンについてお尋ねがあっております。
 御指摘のように、中期的な地方財政ビジョンをつくることは、地方団体が計画的な行財政計画を行う上で極めて重要であります。
 これによりまして、歳出見直しと税の増収などによる地方財源不足解消への工程を示し、また交付税の法定率分を再セットするなどして、地方財源の安定化を図ることで地方財政の予見可能性を高めることになるものと考えております。
 具体的な内容につきましては今後議論していくことになることと存じますが、その基本は地方財政の姿に関するガイドライン的なものになると存じます。
 なお、その条件整備として、国の公共事業や社会保障関係の姿の提示、投資的経費と経常的経費の決算乖離の同時一体的な是正、国と地方との協議も必要と考えております。
 次に、税源移譲に伴います負担変動についてのお尋ねがあっております。
 税源移譲につきましては、政府税調答申や与党税制改正の大綱の指摘を踏まえて、所得税の課税最低限以下の方々について個人住民税の適切な負担調整措置を実施することを含め、個々の納税者にとりまして、国税と地方税を合わせた税負担が極力変わらないようにするような制度設計を検討いたします。
 また、こうした検討方針や検討結果については、国民への分かりやすい説明に努め、誤解や不安の解消を図ってまいりたいと存じます。
 次に、地方税の徴収の効率化についてのお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、地方税の徴収につきましては、一層の合理化、効率化を図ることは重要な課題として認識をいたしております。このため、コンビニでの納税、電子申告などの便利な手続の普及に努めるほか、公的年金からの個人住民税の特別徴収の導入の検討など、今後とも、地方団体や納税者から意見や要望を聞きながら、積極的に対応してまいります。
 最後に、地方行革につきましては、これまでも地方公共団体の積極的な推進を要請し、地方公共団体においては、定員の削減や給与の適正化、民間委託などの推進などが真摯な態度で取り組まれてきたところであります。しかしながら、御指摘のように、給与制度や運用などに関し、住民の目から見ましてもなお改善すべき点が多いと見受けられます。そのため、今月中に地方公務員給与の適正化の強力な推進を始めとする新たな指針を作成し、地方行革の推進に積極的に取り組んでまいります。(拍手)
   〔国務大臣細田博之君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(細田博之君) 山口議員にお答えいたします。
 生活保護費負担金についてのお尋ねがありました。
 三位一体改革については、今後とも地方との意見交換を踏まえつつ、進めていく考えであります。生活保護費負担金の見直しについても、三位一体改革に関する昨年十一月の政府・与党の合意を踏まえ、今後、国と地方の協議機関において、生活保護制度の国と地方の役割や費用負担の在り方について幅広く議論を行った上で結論を出すこととしたいと考えております。この協議機関につきましては、厚生労働省において、現在、地方団体等関係機関とその構成員や進め方について御相談しているところであり、できる限り早く検討を開始してまいります。
 次に、税源移譲についてお尋ねがありました。
 税源移譲につきましては、三位一体の改革の一環として取り組んでいるところであり、地方とも協議を重ねた上で取りまとめた改革の全体像においては、税源移譲についてはおおむね三兆円規模を目指すこととし、その八割方について具体的に取りまとめております。また、全体像におきましては、残された課題について十七年中に検討を行い結論を得ることとしており、今後、この全体像に沿って改革を更に進めてまいります。
 また、税源移譲の実施方法の明確化についてお尋ねがありました。
 税源移譲の実施方法につきましては、既に個人住民税所得割の税率をフラット化することを基本として実施する旨を閣議決定しております。今後、平成十八年度税制改正に向けまして、補助金改革の検討状況を踏まえながら、この方針に従って、具体的な検討を進め、税源移譲を確実に実現したいと考えております。(拍手)
#16
○議長(扇千景君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時五十分散会
ソース: 国立国会図書館
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