くにさくロゴ
2005/03/25 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 本会議 第10号
姉妹サイト
 
2005/03/25 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 本会議 第10号

#1
第162回国会 本会議 第10号
平成十七年三月二十五日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十号
    ─────────────
  平成十七年三月二十五日
   午前十時 本会議
    ─────────────
 第一 地域再生法案(趣旨説明)
 第二 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う
  国民健康保険法等の一部を改正する法律案(
  趣旨説明)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、元議員山内一郎君逝去につき哀悼の件
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(扇千景君) これより会議を開きます。
 さきに院議をもって永年在職議員として表彰されました元議員山内一郎君は、去る六日逝去されました。誠に痛惜哀悼の至りに堪えません。
 つきましては、この際、院議をもって同君に対し弔詞をささげることといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。
 弔詞を朗読いたします。
   〔総員起立〕
 参議院は わが国 民主政治発展のため力を尽くされ 特に院議をもって永年の功労を表彰せられ さきに予算委員長 地方行政委員長等の要職に就かれ また国務大臣としての重任にあたられました 元議員従三位勲一等山内一郎君の長逝に対し つつしんで哀悼の意を表し うやうやしく弔詞をささげます
     ─────・─────
#5
○議長(扇千景君) 日程第一 地域再生法案(趣旨説明)
 本案について提出者の趣旨説明を求めます。村上国務大臣。
   〔国務大臣村上誠一郎君登壇、拍手〕
#6
○国務大臣(村上誠一郎君) このたび政府から提出いたしました地域再生法案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 近年における急速な少子高齢化の進展、産業構造の変化等の社会経済情勢の変化に対応して、地域経済の活性化、地域における雇用機会の創出その他の地域の活力の再生、すなわち地域再生を推進することが重要な課題となっております。
 地域再生を推進する上では、地方公共団体が、地域における地理的及び自然的特性、文化的所産並びに多様な人材の創造力を生かして、自主的かつ自立的な取組を行い、国はこのような地域の取組を総合的かつ効果的に支援する必要があります。
 この法律案は、このような状況にかんがみ、地域再生基本方針の策定等政府全体として行う地域再生への取組を明確にするとともに、複数の省庁にまたがる同種の事業について、窓口を一本化して実施するための交付金の交付等の特別の措置を地域再生計画の認定に基づき講ずることにより、地域再生を一層強力に推進しようとするものであります。
 次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。
 第一に、政府は、地域再生に関する施策の総合的かつ効果的な推進を図るための基本的方針を閣議決定により定めるものとしております。
 第二に、地方公共団体による地域再生計画の認定申請、内閣総理大臣による計画の認定等の所要の手続を定めております。
 第三に、認定を受けた地域再生計画に基づき、地域再生に資する事業に対する投資を促進するための課税の特例、地域における生活環境整備及び経済基盤の強化のための事業に充てられる交付金の交付等の特別の措置を講ずることとしております。
 第四に、地域再生に関する施策を総合的かつ効果的に推進するため、内閣に、内閣総理大臣を本部長とする地域再生本部を設置することとしております。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#7
○議長(扇千景君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。森ゆうこ君。
   〔森ゆうこ君登壇、拍手〕
#8
○森ゆうこ君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました地域再生法案について村上国務大臣に対して質問いたします。
 質問に先立ち、三月二十日に発生した福岡県西方沖を震源とする地震で亡くなられた方の御冥福をお祈りし、被災された皆様にお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復旧と復興を心からお祈り申し上げます。
 昨年の中越大震災で、私たち新潟県は大変お世話になりました。改めて、感謝の気持ちを新たにするとともに、正に日本は地震列島、災害列島であると痛感しております。地域再生と言うのであれば、地域再生法案を提出する前に、我が党などで既に提出している被災者生活再建支援法の抜本的な改正案について審議を行い、被災地域の真の再生に向けて災害からの地域再生への姿勢をまずもって示すべきであると訴えたいと思います。
 さて、今国会冒頭の経済演説において竹中経済財政担当大臣は、もはやバブル後ではないと高らかにうたい上げました。この自信と誇りに満ちあふれた発言の根拠は一体どこにあるのでしょうか。デフレやゼロ成長からの脱却、失業率の回復については、長いトンネルの先にかすかな光が見えているだけで、地方経済も全般的に見れば疲弊したまま立ち直りができていません。だからこそ、この地域再生法案を提出する必要があったのではないですか。
 確かに、平成十四年十月の金融再生プログラム策定以後、この三月までの目標であった主要行の不良債権比率の半減はほぼ達成されつつあると言えますが、全国銀行で見ると、不良債権の総額は、平成十三年三月期の三十三兆六千億円から平成十六年九月期の二十三兆八千億円に三年半で九兆八千億円減少したにすぎません。これは、金融破綻処理や金融システムの健全化を名目に政府が投入し、あるいは準備した巨額の税金の数分の一の額にすぎません。
 また、同じく全国銀行の貸出金残高を見ると、平成十三年度中間決算期の四百六十六兆円から平成十七年二月末現在の三百九十八兆円へと六十八兆円も減少し、貸出金月末残高の前年同月比は、平成十一年四月以後七十一か月連続してマイナスとなっています。
 金融本来の機能が縮小しているということを忘れ、不良債権の減少という一面だけを見て、それでどうして金融の再生と言えますか。
 規制改革はどうでしょうか。
 そもそも規制とは、そのときの社会経済状況に対処する必要上設けられるものです。必要性がなくなったときにそれを廃止することは、つくった当事者の国民に対する義務を果たすことであって、当たり前のことにすぎません。本来なすべき全国規模での改革の代わりに特区制度を導入したことをもって規制改革が進んだと自画自賛するのは、はっきり言ってはしゃぎ過ぎです。
 財政改革についても、二〇一〇年代までにプライマリーバランスを黒字化するというのでは、余りに目標が低過ぎ、しかもその先の展望は何も示されていません。
 税制や歳出の改革は言うに及ばず、金融システム改革であれ規制改革であれ、小泉内閣の構造改革について今胸を張って成果を言い募るのは軽率に過ぎると思いますが、初めに、内閣の一員であり、規制改革担当大臣、また構造改革特区・地域再生を担当する村上国務大臣の御認識及び御所見を伺います。
 では、本題に入ります。
 今回の法案について、そもそも私は地域再生法という、その大げさな名前そのものが気に入りません。例えば、この法案の目玉である地域再生基盤強化交付金に関して言えば、総額わずか八百十億円です。この程度のことでどうして地域再生ができるというのでしょうか。中身が大したこともないのに、名前だけ御大層なものを付けて国民に改革が進んでいると錯覚させるのが小泉内閣のビジネスモデルです。しかし、国民の目は節穴ではありません。昨年の年金国会、百年安心の年金抜本改革と銘打って、採決を強行した挙げ句、参議院選挙で国民からの痛烈な批判を浴びたことをもうお忘れですか。
 さて、補助金の交付金化は、税財源の移譲と併せて地方が強く求め続けてきたもので、三位一体の改革の協議における国と地方の間の最大の争点でもありました。民主党は、使い道が不必要に制限されている約二十兆円の国の補助金のうち、約十八兆円分を廃止し、各地方自治体の責任と自覚によって使途を決められる一括交付金にすることをマニフェストに明記し、国民に約束しております。
 一方、小泉政権は、平成十六年十一月二十六日に政府・与党が合意した「三位一体の改革について」の中で、公共投資関係補助金の交付金化について、「省庁の枠を越えて一本化するなど、地方の自主性・裁量性を格段に向上させる。」とする一方で、「地域再生の取り組みにおいても三位一体の改革に資するものとなるよう留意する。」とされています。
 しかし、ここで言われている交付金も、そして本法律案で導入しようとしている交付金も、またこの法律案とは別に創設され、地域再生計画に盛り込むことができるとされている地域介護・福祉空間整備等交付金やむらづくり交付金、漁村再生交付金、地域住宅交付金、本当にいろいろありますが、そのいずれもが民主党が提案している一括交付金とは全く異なります。国が事業を特定し、配分権限を持ち、管理、執行するという点において、また、事業が増えればそれだけ地方の借金も増えるという構造がそのまま維持されたという点においても、従来の補助金と何ら違いがありません。将来の税源移譲につながる保証もないと考えますが、村上国務大臣、いかがでしょうか。
 さらに、平成十七年度予算を見ると、政府・与党合意の内容が反映されているとさえ言えません。来年度予算に計上されている地域再生基盤強化交付金は、先ほど述べたように総額たったの八百十億円です。これは、公共事業予算関係の補助金総額四兆五千二百五十九億円の二%にも届かず、交付金化の改革三千四百三十億円との比較でも二三%にとどまっています。村上大臣はこの数字をどのように評価しているのでしょうか、御答弁をお願いします。
 しかし、私はもちろん村上大臣を責めるつもりはありません。むしろ、相当な御苦労をされたことを御慰労申し上げたい気持ちで一杯です。なぜなら、竹下内閣から村山内閣まで歴代七代の首相の下で官房副長官を務め、陰の首相と言われた石原信雄氏が最近次のような趣旨の講演をされたと知ったからです。
 補助金が廃止され地方税に移譲されると、政治、経済とも東京一極集中が緩和され、我が国の統治形態が一変し革命のような事態になる。我が国の統治は補助金という糸で操られている。地方自治体は補助金をもらうことばかり考えてきた。その結果、歳出増につながった。しかし、主な補助金を全部やめるとなると、中央の役所と国会の先生方は、地方からの陳情が来なくなり、さらには、県議が国会議員より偉くなる、知事がやたら偉くなるという危機感を持っている。中央省庁や国会の族議員など現体制にとってはこれは死活問題である。
 さすがに元陰の総理、説得力がありますが、族議員の皆さんにとってはこれは死活問題なのでしょうか。
 さらに、次のようにも指摘されております。三位一体の改革実現の困難性は郵政改革の比ではなく、中央と地方の一大戦争であって、首相が各省庁をよほど強力に指導し、内閣一丸となって首相自身が陣頭指揮を執らなければ成功しない。各省でよく話し合ってという程度では無理であると。陣頭指揮どころか、すべて丸投げの小泉政権の中で、熱血漢の村上大臣の御苦労がしのばれます。
 改めて、本法案提出に至る経緯を顧みると、政府は前回の衆議院総選挙を目前にした平成十五年十月二十四日、地域再生本部の設置を閣議決定しました。地方の切捨てという小泉構造改革への批判と不信にこたえるという選挙対策との指摘もありましたが、設置動機のせんさくはさておき、私は、政府が地域の再生支援に全力で取り組むというのであれば、その方針そのものは積極的に評価したいと考えておりました。
 問題は、今回提出されたこの法律案が、地域再生の基本法として明確なビジョンと施策の方向性を提示できているか、取組の主体である自治体と地域住民の要望や分権改革の諸課題にこたえているのか、政府の施策の具体的内容が地域経済の活性化と地域雇用の創造に資するものとなっているかどうかということにあります。
 これまで地方は、構造改革特区構想の募集に対し延べ二千三百件の提案を、特区計画の受付に対し五百三十件の申請を行っています。また、地域再生の提案募集に対しても、構造改革特区構想との重複を含め千三百件を超える構想を提案し、計画受付に対し二百八十件を超える申請を行いました。これを見れば、地域の再生、活性化の計画作りにおいて地方は自ら考え行動する十分な力を持っていることが分かります。
 しかし、今回採用された地方が計画作りに活用できる特例措置や支援措置のメニューは余りにも少な過ぎます。村上国務大臣は、去る三月十五日の衆議院本会議において、我が党の宇佐美議員の質問に答え、地方からの提案募集を受けてメニューの拡充を図るとお答えになりましたが、それでは不十分です。メニューが少ないのは、地方が提案しないからではなく、所管省庁が地方の声に耳をかさないからであり、もっと言えば、省庁の抵抗を抑える政治のリーダーシップが不在であることにその理由があるのです。
 村上大臣、提案の応募を待つという受け身の姿勢ではなく、これまで取り上げられなかった要望事項のすべてを実現するという観点から再点検し、大臣自らメニューの拡充を図るべきであると考えますが、その御決意をお聞かせ願います。
 地域の自主性と自立性を強調する一方で、法定受託事務にしろ補助金制度にしろ、国が決定して地方は執行するだけというこれまでの在り方を変えず、財源も保障しないのでは、地方の手足を縛っておきながら走れというのと同じです。地方は、自らが制度改革を提案し、実現を目指そうとしているのです。政府は、この法律案を提出した今こそ、地域が真の再生に取り組むことができるように、三位一体改革に先行して中央の官僚統制の仕組み全体の抜本的な改革に着手すべきだと考えますが、行政改革担当大臣を兼任している大臣としての御答弁をお願いします。
 村上大臣、本来の分権改革は、地域主権の実現を前提にして、国と地方の役割分担を整理した上で、国と地方の財政再建や税制、交付税制度の抜本的改革をも含めた改革の全体像に基づいて行われるべきものです。
 交付税改革、税源移譲、補助金改革は分権改革のテーマでありますが、小泉内閣の三位一体の改革は、分権改革への道程という観点が希薄な上に、三位一体改革全体のビジョンさえ全く示されていません。それゆえに、唐突かつ根拠もなしに三兆円程度の国庫補助負担金改革が始まり、中央省庁の権限を温存したままの交付金の導入を許すこととなったのです。
 地方は確実に変わっています。実際に、分権の受皿づくりでもある市町村の合併も急速に進んでいます。私は、このところ、毎週のように地元市町村の閉庁式に出席してきました。そして、去る三月二十一日には分権型政令指定都市を目指して十三市町村が大同合併し、七十八万人の人口を擁する新しい新潟市がスタートしました。この合併では在任特例は適用せず、十二人の市町村長と実に二百二十四人の議員が失職しました。今日からは一市民として地域の発展に尽くしますと次々にあいさつされる市町村長と議会議長。自らの地位を投げ捨て、地域の再生、振興のためにと合併を進めてきたかつての同僚議員を含むふるさとの人々の心意気がひしひしと伝わってきました。私は申し訳ない気持ちで一杯になりました。地方はこんなに頑張っているのに、国は本当に地方分権を、そして地域主権を実現する気があるのか。国が足かせさえ外せば、地方は自ら立ち、歩くことができるのです。何も変わっていないのは小泉内閣であり、小泉総理を頂点とする中央省庁ではありませんか。
 先週の金曜日、衆議院でこの法案に民主党が反対したことを知ったある与党の先生から私どもはこう言われました。この法案の名前分かっているのか、地域再生法だよ、民主党は地域が再生しなくていいってことなんだな。何という傲慢な態度でありましょう。これこそ政権与党のおごりそのもの。十七兆円の補助金のわずか八百十億円の配り方というよりは、陳情の仕方を変えただけで地域再生だと偉そうに胸を張る。地方にできることは地方にと言いながら、相変わらずはしの上げ下げまで、そして洗ったはしの滴の落ちる先まで国が口を出している。我々が掲げる真の地方分権とは全く似て非なるものです。
 本気でやるつもりのない改革のアリバイづくりに加担するつもりはありません。やはり、政権交代で真の分権改革を実現し、地域を再生することが我々に課された使命であり、そのためにこれからも全力で闘うことをお誓い申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣村上誠一郎君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(村上誠一郎君) お答え申し上げます。
 まず、小泉構造改革の進展の評価についてお尋ねがありました。
 小泉構造改革は、官から民へ、国から地方への方針の下、経済の再生や簡素で効率的な政府の実現を目指し、着実に進展しております。私が担当する規制改革、行政改革等五つの分野においても目に見える効果が現れています。
 まず、行政改革の分野では、特殊法人等の改革において、改革対象となる百六十三法人のうち、八割強について廃止、民営化、独立行政法人等の措置が講じられました。また、特殊法人等向けの財政支出を一兆五千億円削減など、効果を上げております。また、独立行政法人については、昨年、三十二法人を二十二法人に再編し、八千三百人余りの役職員を非公務員化するなどの見直しを行っております。
 次に、規制改革の分野におきまして、これまでに経済の活性化や国民の利便性の向上につながる千を超える項目の改革を実現しており、例えば薬の販売における規制緩和など、三百七十品目の薬がコンビニ等で買えるようになりました。また、九〇年代以降の規制改革による利用者のメリットは、一人頭十一万円、総額で約十四兆円と試算されています。
 構造改革特区の分野におきましては、鴻池大臣のときに一生懸命努力されたおかげで、全国に四百七十五の特区が認定されており、その中には、四日市市コンビナート特区のように、保安関連の規制を改革することで五年間で約七百億円の設備投資を呼び込むなど、大きな経済的効果が期待できる特区も出てきています。また、四十六の規制の特例の全国展開を決定するなど、特区は全国規模での規制改革の突破口として大きな役割を果たしております。
 地域再生の分野では、全国に二百五十の地域再生計画が認定されており、地域の特性を生かした自主的、自立的な取組が始まっております。こうした取組を一層強力に推進するために、今般、地域再生法を国会に提出し、御審議をお願いしているものであります。
 最後に、産業再生機構については、平成十五年五月の業務開始以来、ダイエーを含む四十一件について支援決定を行うなど、産業と金融の一体的再生に貢献しております。これまでの活動の中で産業再生機構は、新たな事業再生のモデルを提示するとともに、民間だけでは関係者の調整が難しい案件等にもよく取り組んでおり、また、産業再生機構の活動が一つの呼び水となって事業再生市場の活発化の兆しが出てきています。
 このように、小泉構造改革は具体的な成果を着実に上げているところでありますが、今後とも、現れてきた改革の芽を大きな木に育てることができるよう、私どもも小泉内閣の一員として、地域再生の推進を始め担当する全分野の仕事に全力で取り組んでまいります。
 二番目に、今回の地域再生の交付金化についてのお尋ねがございました。地域再生の主要な取組の一つである補助金改革は、地域からの具体的な提案を踏まえて、地域の声にこたえるべく、地域の自主裁量性の向上、縦割り行政の打破を図るという方針の下で推進してきたものであります。
 今回、地域再生法案及び地域再生の新たなプログラムに盛り込まれている交付金については、一、地方公共団体が策定する計画に基づき自由な施設の配置が可能となる、二、地方公共団体は事業の進捗等に応じて事業間での予算の融通や年度間の事業量の変更が可能となるなど、従来の補助負担金と異なり地域の自主裁量性を向上させる内容となっていると考えております。
 特に、地域再生法案の一つの柱である地域再生の交付金は、所管が複数省庁にまたがる類似の補助金を内閣府に一元し、一括計上した手続面に係る大幅な簡素化を図っておりまして、これは戦後初めてであります。その結果、地方にとっての使い勝手が格段に向上し、正に地方の具体的ニーズに応じた改革となっているものと考えております。
 なお、税源移譲については、三位一体の改革の枠組みの中で政府全体として更に検討していくべき課題と考えております。
 三番目に、来年度の予算に占める地域再生交付金の予算額についてのお尋ねがありました。
 地域再生交付金の平成十七年度の予算額は、総額で八百十億円であります。この予算額は、従来の補助金において所管をまたがった二種類以上の施設整備を行っている地域の事業実績等を勘案して計上されたものと考えております。
 地域再生の交付金は、公共事業の関係の国庫補助負担金の総額と比較すれば大きい額ではありませんが、平成十七年度予算における交付金化の改革の総額三千四百三十億円のうち、地域再生交付金は二割以上を占めており、また、新たに省庁の枠を超えて交付金を内閣府に一元するなど、地方にとって使い勝手を格段に向上させる内容になっており、単なる金額で評価できない大きな改革であると認識しております。
 いずれにしても、まずはこの交付金について十分な活用を図り、地域再生に積極的に取り組んでいただくことが重要であると考えております。その上で、地方のニーズを踏まえつつ、必要に応じ、質、量両面における拡充を図ってまいりたいと考えております。
 四番目に、地域再生の支援措置の拡充についてお尋ねがございました。
 地域再生を推進する上で重要なことは、国が手段を決めてそれを押し付けるのではなく、それぞれの地域がその地域の特性や力を生かして、独自の夢を実現するためのアイデアを自分で自ら生み出していくことであります。地域が自らの頭で考え抜き、自分の足で立ち上がろうとする取組については、地域の努力が報われるよう、国として全力を挙げて支援してまいりたいと考えております。
 このような考えの下、地域再生の支援措置の拡充は、地域が自ら考えるアイデアを具体的にお聞きして検討すべきものと考えており、このため、地域からの提案募集を今後とも実施し、支援措置の拡充に努めてまいります。
 また、その際、これまでに実現しなかった提案についても、担当省庁から示された見解をよく分析するなど、提案内容の充実について地域自らも努力していただきたいと考えております。
 地域からいただく提案につきましては、内閣官房が一元的に受け止め、その実現に向けて関係省庁と調整することとしています。その際、スピード感を持って実現する必要がある提案などにつきましては、特区と同様、私自身が積極的に関係大臣に対して働き掛けを行うなど、政治的リーダーシップを発揮して頑張っていきたいと、そのように考えております。
 最後に、中央と地方の関係の改革についてお尋ねがございました。
 地域経済の活性化や雇用機会の創出を図るためには、財政事情が逼迫している中、ばらまき的な財政支援に頼るのではなく、地方がそれぞれの特性を生かした自主的な、自立的な取組を自らの頭で考えて実施すること、すなわち、自主、自立、自考の取組が私は重要だと考えております。
 そうした取組を可能とするために、地方の自由裁量性を高めて、知恵と工夫を競い合うアイデア合戦がより多くの地域で活発に展開されるよう、環境を整備することが不可欠だと考えております。
 教育でいえば、それぞれの地方が競い合ってすばらしい子供を育てる、中山文部大臣が言っている子育てコンテストが行われるよう、それぞれの地域の特性や多様性を引き出すと、そういうことが重要なことだと考えております。
 私は、地域再生や特区を担当する大臣として、こうした地方の自由裁量を高める取組を積極的に進めているところであり、今後とも、地方の具体的な要望、ニーズによく耳を傾けながら、地方が情熱を持って、自らの創意工夫と責任で、それぞれの地方に応じた独自の施策を実施できるよう環境を整備していきたいと、そのように考えております。
 以上であります。(拍手)
#10
○議長(扇千景君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#11
○議長(扇千景君) 日程第二 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国民健康保険法等の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 本案について提出者の趣旨説明を求めます。尾辻厚生労働大臣。
   〔国務大臣尾辻秀久君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(尾辻秀久君) 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国民健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 政府においては、平成十七年度予算編成の基本方針を閣議決定し、国と地方に関する三位一体の改革を推進することにより、地方の権限と責任を大幅に拡大し、真に住民に必要な行政サービスを地方が自らの責任で自主的、効率的に選択できる幅を拡大するとともに、国、地方を通じた簡素で効率的な行財政システムの構築を図ることとしております。
 また、昨年成立した年金制度改正法においては、基礎年金の国庫負担を三分の一から二分の一に引き上げることとし、これに向けて今年度に続き平成十七年度においても、所要の税制上の措置を講じた上で、国庫負担を適切な水準へ引き上げるものとされたところであります。
 この法律案は、かかる政府の方針等を受け、国民健康保険の国庫負担率の見直し、基礎年金に対する国庫負担の引上げ、国庫補助金等の廃止及び交付金の創設等の措置を講ずるものであります。
 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一は、国民健康保険における保険給付等に要する費用に対する国庫負担を見直し、都道府県負担を導入することとしております。
 第二は、基礎年金の給付に要する費用について、平成十七年度において、国庫は、現行の三分の一及び千分の十一に加え、各制度を通じて千百一億円を負担することとしております。
 第三は、養護老人ホームへの入所措置等に要する費用、幼児の健康診査に要する費用等について国庫負担の対象外とすることとしております。
 第四は、市町村又は都道府県の創意工夫を生かした介護・福祉サービス基盤の整備や次世代育成支援対策に資する子育て支援事業、施設整備等の実施を支援するための交付金をそれぞれ創設することとしております。
 最後に、この法律は平成十七年四月一日から施行することとしております。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#13
○議長(扇千景君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。足立信也君。
   〔足立信也君登壇、拍手〕
#14
○足立信也君 民主党の足立信也でございます。
 私は、民主党・新緑風会を代表して、国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国民健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、意見を述べながら質問をいたします。
 冒頭、去る三月二十日、福岡県、佐賀県、そして大分県において、福岡県西方沖地震により被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。
 いわゆる三位一体の改革について振り返ります。
 二〇〇二年五月二十一日の経済財政諮問会議、租税収入と歳出における国と地方の逆転現象を是正する手段として、国税と地方税を一対一にするという提案は、税金の配分を見直すという観点から正しいと私は思います。しかし、そのことが財務省、総務省及び他の省庁の三方一両損であるという発想は、正に中央集権の構造疲労を象徴する発言であり、三方一両損という暗い言葉を三位一体という形而上的な言葉で置き換え、えたいの知れぬ、至上命題であるかのごとき錯覚を与えました。
 基本方針二〇〇三では、官から民へ、国から地方へ、国と地方の役割分担とうたいながら、専ら国の財政事情のため、地方経費を圧縮する方針が打ち出されました。さらに、自立、インディペンデンスを目指す社会だという言葉から、自律、自らを律するオートノミーだと言葉をすり替えていきました。
 基本方針二〇〇四では、地方が自らの支出を自らの権限、責任、財源で賄うと明言し、しかしながら地方の裁量は認めず、そこにあるのは負担の転嫁だけ。相変わらず依存と分配の政治手法を繰り返しています。これが国と地方の構造改革と言えるでしょうか。
 私の地元の大分には、JリーグJ1の大分トリニータがあります。一九九四年設立のトリニティー大分が前身です。トリニティー、日本語に訳せば三位一体です。県民、地元企業と行政が魂でつながっています。その三位一体という言葉を、ただ経済主義で負担を分配することに使い、主権も裁量も与えない。本来、政治の三位一体とは国と自治体と国民ではないでしょうか。
 麻生総務大臣にお聞きします。いわゆる三位一体の改革案で、地方自治体は一体どのような裁量を新たに得たと言えるでしょうか。また、総務大臣が自治体の長であった場合、この改革案を歓迎するでしょうか。御意見を伺います。
 国と地方の協議について伺います。
 平成十六年度の地方財政が、一兆三百億円の補助金削減に対し、税源移譲はわずか四千五百七億円、さらに、地方交付税が二兆八千六百三十二億円削減され、総額三兆四千四百二十五億円の減少でした。確かに、地方には裏切られたという思いが強く、だからこそ、地方は総理からの丸投げにも真正面から向き合いました。当然のことながら、再びだまされないために前提条件を付けました。確実な税源移譲、負担転嫁の排除、新たな類似補助金の創設禁止等、地方の意見を確実に反映することです。提出案には、生活保護、児童扶養手当など格差なく国による統一的な措置が望まれるもの、そして老人医療、国民健康保険、介護保険など制度全般の見直しの中で検討すべきものは税源移譲の対象にしないことが明記されています。
 八月二十四日の地方案の提出、最初は判を押していない改革案を出し、総理の約束を得た後、判をついたものと差し替えました。不退転の決意がうかがえます。政府案の提示後、十一月二十四日、最後の協議の場でも、約束を破られたという思いがにじみ出ております。
 総務大臣に再び質問いたします。総理が度々発言した真摯に受け止めるという言葉の意味を説明してください。
 厚生労働省の対案として、地方案は老人医療、国民健康保険、介護保険などの負担金に対して具体案を示さないのは基本的に問題であるという認識は一体どこからくるのでしょうか。地方六団体提案の四十七項目九千四百四十億円に対し、十三項目八百五十億円の税源移譲、本日の法案分では四項目五百九十億円です。そして、唐突に都道府県財政調整交付金などの導入による六千八百五十億円。尾辻大臣は、医療保険制度改革で国と地方が議論をしていた、そこへちょうど税源移譲の話が出てきた、だから一年前倒しで行う、そのように答弁されました。
 今後の予定では、税制改正の前に医療保険制度改正がある、制度があって税源移譲がある、これは正しい過程だと私は思います。しかし、システムを変更する前に負担を先に決めるのは論外です。
 財政調整交付金は、収入額が不足する市町村に対し、その不足額を埋めることを目的としています。都道府県が住民のために立案する健康増進計画、医療計画に財政調整交付金をどのように反映させられるのか、尾辻厚生労働大臣の認識を伺います。
 財政調整交付金で国の裁量と都道府県の裁量が全く相反した場合、市町村に利益はあるでしょうか。国と都道府県の財政調整交付金における役割の違い、どのような役割分担を想定しておられるのか、具体的にお聞かせください。
 国の財政調整交付金の一%、定率国庫負担分の六%、そして保険基盤安定制度分の二分の一、これらは所得譲与税によって人口比で都道府県へ配分され、凸凹の部分は交付税でならされます。一〇%から一六%に増えた財政調整交付金が収入の不確実な部分であるということは、市町村の収入が不安定となり、不足した場合、市町村は更なる一般財源を投入、又は保険料を上げることになるのではないですか、大臣の見識を伺います。
 私の尊敬する宇沢弘文東大名誉教授は、医療は市民の人間的尊厳を守り、魂の自立を保ち、自由を最大限に確保するために基幹的な役割を果たす、安定的な社会を具現化するための社会の安定装置である、官が全部をコントロールするのではなく、市場原理で支配されるものでもないとおっしゃっております。医療と教育は社会的共通資本であり、社会にとって共通の財産である、そしてまた、経済が医療に合わせるべきであって、医療が経済に合わせるべきではないとも経済学者の彼はおっしゃいます。
 本当の保険者の機能とは、被保険者が健康な生活を送ることができ、万が一病気になったときは安心して医療機関に掛かることができる、そしてお金もそんなに掛からない、そのような状態をつくり出すことです。
 健康寿命が最も長く、老人医療費の最も低い長野県の取組は、生活習慣、居住環境を改める、保健師や医師がどんどん地域へ踏み込み健康教育活動を展開する、これは長野全県下の取組です。これこそが自治体の裁量というものではないでしょうか。県が財政調整を行うから裁量権があるのではありません。国保のトップである市町村長と住民、医師、保健師が一体となって健康というものを生きがいのための手段ととらえる、正に三位一体です。
 国と地方の財政調整交付金が不確実であるため、市町村の医療政策は受診抑制に働きます。早期胃がんと進行胃がんを比較した場合、早期胃がんの方が症状を訴える率が高いことを御存じですか。ささいなことでも気軽に受診することによって早期がんの発見率は高まり、早期の状態で発見できるほど治癒率は高くなり、入院期間も短縮され、医療費も抑制できるのです。
 受診しやすいということが安心感を生むという観点からは、小児や超高齢者の医療を立替払ではなく現物給付にしたい、これも医療における裁量です。しかしながら、財政調整交付金では償還払しかあり得ないのです。
 医療における地方自治体の裁量というものをどのようにとらえるか、改めて尾辻大臣に伺います。
 尾辻大臣は、社会保障について、補助金の廃止を多くし地方自治体の裁量に任せれば、一定水準のサービスを地域格差なく保障するという国の責任が果たせないと答弁しておられますが、その補助金政策こそが地域間格差を生んだのではないですか。そしてまた、新たに創設される地域介護・福祉空間整備等交付金、次世代育成支援対策交付金がともに使途が限定された交付金であり、依然として事業計画の採択に中央省庁の権限が完全に維持されています。これでは、より煩雑な手続や混乱を生むだけではありませんか。
 国が大きな方針を決め、地方が実態に合った運用をする。税源移譲を行えば、地方六団体が言うように膨大な事務処理は不要となるのではないですか。総務大臣に見解を伺います。
 あわせて、厚生労働大臣に、今回の二つの補助金の交付金化によって、国と地方の事務作業量はどの程度減ると考えているのか、伺います。
 平成十五年度の国民健康保険の経常収支は約四千億円の赤字です。国は将来更に負担増になると思われるものから地方に押し付け始めています。まず取り組むべきは、保険料負担額の上限を支払っている世帯の割合が五・四%と、政管健保一・七%、組合健保一・三%に比較して約四倍という実態を改めるべきだと思います。大臣の判断を伺います。
 基礎年金国庫負担二分の一の財源についてですが、三分の一から引き上げるのに二兆八千億円必要です。その財源のために、現下の経済情勢で、定率減税の縮小、廃止は行うべきではないと考えます。保険料も引き上げ、国庫負担二分の一を実現するために所得税も引き上げられるのでは、国民は負担に耐えられません。年金抜本的再改革の入口に立ったという認識に立てば、現在ある財源から他の予算の無駄を省くことにより、国庫負担二分の一を実現すべきであると思います。
 年金抜本的再改革の議論中にかかわらず、定率減税の縮小によって財源とする。このことを先行議決することの道義的責任をどう考えますか。大臣の見識を伺います。
 理念を間違えたいわゆる三位一体の改革、そして、方法、手段を間違えた国民健康保険への都道府県の負担の導入は、例えて言うなら、最近胃の調子がどうも良くない、食事の指導を受けたいと訪れた患者さんに、今、日本では大腸がんが急激に増えている、食事指導よりも大腸がんの予防のために大腸を全部摘出しましょうと言っているようなものです。──笑い事ではありません。大腸がんについては食生活も改めますし、ちゃんと定期検査も受けますから摘出の必要はないのではないですか、そう質問する患者さんに、それでも全部摘出すれば大腸がんの危険性はなくなるんです、百年安心の治療法ですと強制します。
 我々は、これを政治過誤と呼びます。医療過誤を起こした医師は資格を失うか業務を停止します。政治過誤を起こした責任の取り方を国民は知っております。その最もシンプルな方法が政権交代であるということを申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣尾辻秀久君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(尾辻秀久君) 都道府県策定の健康増進計画等と今回の国保制度改正との関係についてお尋ねがございました。
 御指摘のとおり、都道府県は、健康増進計画、医療計画、介護保険事業支援計画の策定権限を有しておりまして、これらと整合的な医療費適正化のための計画の策定等を進めていただきたいと考えております。また、都道府県調整交付金の配分に当たりまして、これらを踏まえた市町村国保における医療費適正化の取組を考慮することはあり得ると考えております。
 次に、国と都道府県の調整交付金の役割についてお尋ねがございました。
 調整交付金は、医療費や被保険者の所得の状況等の違いにより生じる市町村間の財政力の不均衡を調整することを目的として交付することといたしております。このうち、国が行う財政調整は、医療費や所得格差等を全国レベルで調整するものであります。これに対して、都道府県が行います財政調整は、国の調整を考慮しつつ、保険運営の広域化や医療費の適正化を促進させるという都道府県の役割も踏まえ、地域の実情に応じて都道府県内の格差を調整することが基本となるものでございます。
 今回の国保改革による市町村の国保財政への影響についてお尋ねがありました。
 今回の国保における財政スキームの見直しに当たっては、都道府県が県内市町村の意見を十分に踏まえ、市町村の国保財政に急激な影響が生じないよう調整を行っていただきたいと考えております。
 医療における地方自治体の裁量についてお尋ねがございました。
 今回の国保法改正により、国保の基盤、体力の強化が図られ、市町村の保険者機能が強化され、地域の実情に応じた保健事業などの展開が可能になると考えています。
 また、平成十八年の医療制度改革に向けて、都道府県が自主性、裁量性をより発揮し、地域の実情に応じた保健医療体制の整備が図られるよう、医療計画の見直しを進めてまいります。
 地域介護・福祉空間整備等交付金及び次世代育成支援対策交付金についてのお尋ねがございました。
 これらの交付金は、個別の施設ではなく計画全体に対して交付金を交付いたしますために、個々の施設の図面審査が不要になります。あるいはまた、計画に記載した事業の廃止等でなければ、計画の内容に変更があっても変更協議は不要となりますなど、国、地方とも事務の簡素化が図られるものと考えております。
 国民健康保険の保険料の上限額についてのお尋ねがございました。
 国保の保険料の上限額の在り方につきましては、受益に比して負担が過度にならないものとするという上限額設定の考え方や、被保険者間の負担の公平性の確保という観点から、実際に保険料の賦課を行う市町村の意見も踏まえて、見直しが必要かどうか検討する必要があると考えております。
 最後に、基礎年金の国庫負担引上げについてのお尋ねがございました。
 今回の法律案では、昨年の年金改正法で示された道筋に沿いまして、安定した財源を確保しつつ、基礎年金の国庫負担割合の二分の一への引上げを着実に実現するため、定率減税の見直しによる増収分の一定額を引上げの財源に充てることとしておりまして、年金制度を将来にわたって持続可能なものとし、国民の信頼の確保につながるものと考えております。
 一方、少子高齢化が進展する中で、年金を始めとする社会保障全体については、税や保険料の負担と給付の在り方も含め一体的見直しを行う必要があります。年金制度の在り方につきましては、これと整合性を図りつつ見直しを図る必要があると考えておりまして、与野党間で早急に具体的な議論を開始していただきたいと考えておるところでございます。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(麻生太郎君) 三位一体に関する評価についてのお尋ねがあっております。
 この改革により、様々な国庫補助負担金が一般財源化されたのは御存じのとおりです。
 これによりまして、いわゆる国の基準に縛られることなく、地域の実態に即した事業が期待できるようになりました。また、創意工夫というのも生かせますので、より効率的な事業執行が可能なものになると考えております。既に、公立保育所におきましては、これまで対象外でありましたいわゆる駅前の保育所などが実施できるようになるなど、その効果は、少しずつではありますけれども確実に出てきておると存じます。
 また、改革の全体像というものは、地方から提出をいただいたものに関して、その案を基に協議を重ねて取りまとめたものであります。その内容については地方から一定の評価もいただいておりますと、私どもは地方からの話から聞いております。
 最後に、もう一点、おまえが首長だったら同じようなことを考えたかという御質問でしたけれども、やったことがありませんので何とも分かりません。しかし、もし私が首長であっても同様の評価をしたものと存じます。
 次に、真摯に受け止めるという総理の発言についてのお尋ねがあっておりましたが、三位一体像の全体の取りまとめというものに関しては、地方に改革案の提出というものをお願いし、それを受けて総理から、地方からの改革案を真摯に受け止め、関係各大臣は、改革案の実現に向けて率先して、責任を持って全力で取り組み、平成十七年度予算に最大限生かしてもらいたいとの指示があっております。
 これを受けて取りまとめた全体像というものは、地方の改革案を一定程度反映されたものと考えておりまして、これをもって真摯に受け止めたものと理解をいたしております。
 税源移譲によりまして、事務量削減効果についてのお話があっております。
 国庫補助負担金にありましては、地方においては交付申請、実績報告、また変更手続など、膨大な事務手続が必要になっております。他方、国におきましては、審査、内示、また交付決定、検査などの事務を行っているのは御承知のとおりです。
 地方六団体が指摘しますように、一般財源化すればこれらの事務手続が不要になりますことから、地方の事務が大幅に効率化され、他方、国の事務の減量になるものと考えております。(拍手)
#17
○議長(扇千景君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト