くにさくロゴ
2005/06/29 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 本会議 第28号
姉妹サイト
 
2005/06/29 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 本会議 第28号

#1
第162回国会 本会議 第28号
平成十七年六月二十九日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十九号
  平成十七年六月二十九日
   午前十時開議
 第一 会社法案(内閣提出、衆議院送付)
 第二 会社法の施行に伴う関係法律の整備等に
  関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第三 独立行政法人住宅金融支援機構法案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第四 障害者の雇用の促進等に関する法律の一
  部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
  )
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案(
  趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(扇千景君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。国務大臣大野防衛庁長官。
   〔国務大臣大野功統君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(大野功統君) 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 この法律案は、防衛庁設置法、自衛隊法、防衛庁の職員の給与等に関する法律、安全保障会議設置法及び自衛隊員倫理法の一部改正を内容としております。
 平成十七年度以降に係る防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画に基づき、多機能で弾力的な実効性のある防衛力を効率的に整備するとの観点から、統合運用体制の強化、弾道ミサイル等に対する体制の整備、情報部門の改編、陸上自衛隊の混成団の旅団化を行うとともに自衛官の定数及び即応予備自衛官の員数等を改め、あわせて、防衛庁の職員に対し適用されている一般職の職員の給与に関する法律別表第六イ教育職俸給表(一)について所要の措置を講ずるものであります。
 以上がこの法律案の提案理由であります。
 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、防衛庁設置法の一部改正の内容でありますが、これは後ほど御説明いたします第十四旅団の新編等に伴い、自衛官の定数を千五百九十八人削減するものであります。これにより自衛官の定数は二十五万千五百八十二人となります。
 また、統合運用体制の強化のため、統合幕僚監部、統合幕僚長及び統合幕僚副長を新設し、その所掌事務及び職務を定める等所要の改正を行うものであります。
 また、高度な情報能力の保有とその十分な活用のため、情報本部を本庁に置く特別の機関とするとともに、その所掌事務を定めるものであります。
 第二に、自衛隊法の一部改正の内容でありますが、統合幕僚長の職務を定める等の所要の改正を行うものであります。
 また、即応予備自衛官の員数を六百二十六人削減し、これにより即応予備自衛官の員数は八千三百七十八人となります。
 また、我が国に飛来する弾道ミサイル等につき、その落下による我が国領域における人命又は財産に対する被害を防止するため、自衛隊の部隊に対し、当該ミサイル等を破壊する措置をとるべき旨を命ずることができるよう所要の改正を行うものであります。
 また、新たな脅威や多様な事態に対応するため、第十四旅団を新編するものであります。
 また、市町の廃置分合に伴い、第四航空団司令部の所在地を改めるものであります。
 第三に、防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部改正の内容でありますが、防衛大学校の教授等に対し適用されている教育職俸給表(一)に係る経過措置の規定を廃止するとともに、所要の切替え措置等について規定すること等であります。
 その他、関係法律の規定の整備を行うものであります。
 なお、この法律案は衆議院において一部修正されておりますが、その概要を御説明いたします。
 弾道ミサイル防衛に係る部分のうち、自衛隊法第八十二条の二第三項に基づく命令が、事態が急変する以前に、あらかじめ発せられることが明確に分かるよう、所要の文言の修正が行われたものであります。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。
 ありがとうございます。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(扇千景君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。三浦一水君。
   〔三浦一水君登壇、拍手〕
#7
○三浦一水君 私は、自由民主党を代表しまして、ただいま議題となりました防衛庁設置法等の一部を改正する法律案について、外務大臣及び防衛庁長官に質問いたします。
 本論に入る前に、私たち日本人が安心して暮らせる安全な国づくりについて、その責任者であります防衛庁長官に、国防についての基本認識についてお尋ねいたしたいと思います。
 時計の針を戻しますと、九三年にノドンミサイルが日本海に向け発射されました。そして、その五年後の九八年のテポドンミサイル発射では、一部が日本の上空を飛び越えるなど、北朝鮮が直接我が国の安全を脅かす国として国民に深く意識され、百家争鳴の議論となりました。
 その後の核兵器不拡散条約、NPTから脱退宣言、それに続く核兵器の保有の表明、さらには核実験の可能性など、これら北朝鮮にかかわる一連の要素は、我が国の安全を根底から脅かすものとして北朝鮮と向き合っていかなければなりません。
 また、中国では、本年三月の全人代において反国家分裂法が成立するなど、台湾海峡における緊迫の度合いが深まっています。
 さらに、戦術的な変化に視点を当てますと、時代は、砲火による戦いからミサイル自身が標的を求めて攻撃する時代へと変化をしております。
 また、集団的自衛権の問題、海外派遣を法律の解釈で対応するには無理があり、制度が時代の求めに応じ切れていないのも一方で明らかであります。
 国を守るという大変な任務に就かれて九か月余が経過した大野長官に、安心、安全な国づくりについて、その御決意を最初にお尋ねした上で、具体的な質問に入らしていただきます。
 弾道ミサイル防衛システムの導入についてお尋ねします。
 昨年の新防衛大綱は、テロや弾道ミサイルなど多様な脅威に対応するため、多機能で弾力的な実効性のある防衛力を整備する方針が打ち出されました。
 ミサイル防衛は、専守防衛を国是とする我が国にとって有効な防衛手段と言えますが、迎撃・探知能力などまだ課題が残されているという指摘もあります。
 このような弾道ミサイル防衛システムの導入について国民の理解を得るためには、ミサイル防衛の有用性と併せ、弾道ミサイル防衛システムの導入から運用までのシナリオと、国民負担すなわちコストを明快に示す必要があります。この点について防衛庁長官にお尋ねいたします。
 北朝鮮は、日本全域が射程に入るノドンミサイルを二百発保有しているとも言われます。また、将来、ミサイルに核弾頭が装着される可能性も否定できないという厳しい状況をしっかり踏まえた上での対応が不可欠となっております。
 従来の自衛という考え方では、日本に向けての武力攻撃が行われた場合のみの反撃ができるわけでございますが、どこへミサイルが着弾するか分からない時点での迎撃や、他国へ向けて発射された場合には、日本の領空を通過しても手出しができないとされてきました。
 今回の改正で自衛隊が対応できるようになったものと、それでもなお自衛隊として対応できないものとを明確に区別しておく必要があります。この点について防衛庁長官にお尋ねいたします。
 北朝鮮は、今年に入り、核兵器を保有していることや八千本の使用済核燃料棒取り出し完了などを次々と表明しております。核問題をめぐる六か国協議が中断する中、一連の発表の意図をどのようにお考えでしょうか。
 地下核実験準備を進めるという報道もあります。事実とするならば、二〇〇二年の日朝平壌宣言にも抵触するゆゆしき事態と受け止めなければなりません。
 瀬戸際外交という見方もありますが、最悪の事態を前提に、対応を誤ることなく北朝鮮と向き合う必要があります。この情報の信憑性はどの程度なのか、また核実験の可能性をどのように考えているのか、外務大臣にお尋ねいたします。
 次に、米軍再編成に伴う我が国の体制整備についてお尋ねします。
 我が国を取り巻く東アジアをめぐる安全保障について、日米が緊密に協力関係を保っていくことがまず大切であります。
 冷戦終結後、脅威の内容は、国家間の軍事的対立から国際テロ組織などの非国家主体、大量破壊兵器など多様な脅威へと内容が変わってきております。これに効果的に対応できるよう、米国は世界的な軍の再編を行い、機動性、弾力性を高めるための検討が進んでおります。
 この米軍再編成は、日本の防衛の方向性にもかかわる重要な問題であり、国民が共通の認識を持つことが大切であります。
 公開できる範囲内で、再編問題がどこまで進んでいるのか、さらに、我が国政府としてどのように対応していかれるのか、外務大臣にお尋ねいたします。
 この米軍再編や身近な脅威に機動的に対応できるように、我が国も体制の整備を図る必要があります。本改正案では、その体制の整備の一環として、統合運用体制の強化のための統合幕僚監部等の新設が行われることになっております。
 侵略事態などに対処する場合、各自衛隊の行動は有機的に連携して行われることが必要であるにもかかわらず、現行では各自衛隊が個別に行動をし、必要に応じ統合幕僚会議が統合調整を行ってまいりました。
 有事に備え、迅速性、適時性の観点から、平素から統合運用体制を確立しておくことは誠に重要であり、臨機応変の対応が今回の統合運用体制の強化で一歩進められたものとして評価をいたしたいと思います。
 今回の体制の強化が、日本の防衛政策、さらに日米安全保障上どのような効果を及ぼすと期待されているのか、防衛庁長官にお尋ねいたします。
 最後に、イラク情勢についてお尋ねいたします。
 自衛隊が駐留するサマワのあるムサンナ県は、現在、英国及びオーストラリア軍が治安を担当しており、比較的良好とされているところと言われておりますが、先日、自衛隊車両に向けられたと思われる爆弾の爆発事件があったように、いつ何が起こってもおかしくないという状況で、自衛隊諸君に大変な苦労を強いているわけであります。
 イラクに自衛隊が派遣されて一年半がたち、人道復興支援の柱である給水、学校等の公共物の復旧、医療支援に大きな効果を上げてきました。
 昨年、政府は、自衛隊の派遣期間を本年十二月十四日まで延長してきておりますが、自衛隊の派遣終了の条件、あるいは派遣延長もあり得るのか、延長の条件について、今後の復興支援の見通しと併せてお考えを防衛庁長官にお尋ねして、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣大野功統君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(大野功統君) 三浦議員にお答えいたします。
 まず、国防についての基本認識についてのお尋ねがありました。
 国民の皆様に安心、安全をお届けする、これは正に政治の要諦だと私は思っております。防衛庁長官として、私はその使命を全うすべく全力を挙げて取り組んでまいりますことをお約束申し上げます。
 次に、BMDシステムの整備計画とそのコストについてであります。
 当面のBMDシステムの整備については、平成十八年度に最初のペトリオットPAC3が配備されることを皮切りに、平成二十三年度ごろまでにBMD対応のイージス艦、センサー、指揮統制システムの整備を完了する計画であります。必要な経費につきましては、現時点におきまして、当面八千億円から一兆円程度と見込んでおります。今後とも、その整備計画やコストにつきましては適時適切に国民の皆様に説明させていただく所存でございます。
 次に、今まで弾道ミサイルへの対処は防衛出動が下令されている場合のみしか自衛隊は対応できませんでした。しかし、今回の改正によりまして、防衛出動が下令されていない場合でも自衛隊は対応できることになりました。つまり、法制度としてはすき間のない対応ということになります。
 政府といたしましては、我が国のBMDシステムはあくまでも我が国を防衛するものでありまして、我が国自身の主体的判断に基づいて運用し、第三国の防衛のために用いられることがないようにするとの考えの下、BMDの導入を決定いたしました。今回の改正でもこの考え方は変わっておりません。
 次に、統合運用体制強化に関する御質問であります。
 今般の改正は、弾道ミサイルの拡散や国際テロといった新たな安全保障環境下における新たな脅威や多様な事態等に対し、多機能で弾力的な防衛力を構築し、これにより実効的な自衛隊の運用を可能とするものであります。
 こうした今般の自衛隊の統合運用体制への移行につきましては、陸海空自衛隊が統合して一体的に運用されることにより、より迅速かつ効果的に任務を遂行することが可能となるほか、結果といたしまして、米軍との間でもより緊密な連絡を保持することにも資することになると認識いたしております。
 最後に、イラクにおける自衛隊の活動についてであります。
 自衛隊の派遣の終了時期の判断に当たりましては、政治プロセスの進展状況、現地の治安の状況、イラクの復興の進展状況、国際社会の動向等を総合的に検討し、適切に判断してまいります。
 なお、陸自部隊は現地のニーズを十分踏まえた支援を実施してきており、現地の方々から高い評価を受けております。
 イラクの復興は道半ばであり、国際社会の支援が必要であります。防衛庁としては、今後ともイラクの復興に最大限の貢献をいたしてまいる所存であります。(拍手)
   〔国務大臣町村信孝君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(町村信孝君) 三浦議員にお答えを申し上げます。
 北朝鮮の核開発問題についてのお尋ねがございました。
 北朝鮮がいろいろな発言をしているわけでございますけれども、その真意は必ずしも明らかではございませんで、その一つ一つの真意を推測するということは差し控えておきたいと思います。
 いずれにいたしましても、日本として現時点で北朝鮮による差し迫った核実験の兆候があるという情報には接しておりませんけれども、引き続き、関係国と緊密に連携をしながら、切迫感を持って早期・無条件の六者会合への復帰及び完全な核廃棄を北朝鮮に求めてまいるところであります。
 次に、米軍再編成問題についての議論の進捗状況及び今後の対応についてお尋ねがございました。
 御承知のとおり、二月の2プラス2の会合におきましては、日米両国の共通の戦略目標について確認をいたしますとともに、今後数か月間、自衛隊と在日米軍の役割・任務・能力及び在日米軍の兵力構成の見直しについて協議を加速していくということで一致をいたしております。六月二十八から二十九日までワシントンで行われております審議官級協議におきましても、これらを含む様々な課題について意見交換が行われることになっております。
 在日米軍の兵力構成の見直しにつきましては、在日米軍の抑止力の維持と地元の負担軽減の観点から種々の具体的なアイデアについて検討を行っているところでございますけれども、個別の施設・区域についていかなる決定、合意も、現時点では行われておりませんので、現状でアメリカ側との協議内容について申し上げられる段階にはございません。
 しかし、今後、日米間で作業を加速化させていく必要があると、こう考えておりまして、一定の合意に達した時点で中間的な取りまとめを行い、その上で関係自治体への説明等をしっかりと行っていきたいと考えているところでございます。(拍手)
    ─────────────
#10
○議長(扇千景君) 白眞勲君。
   〔白眞勲君登壇、拍手〕
#11
○白眞勲君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました防衛庁設置法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
 まず、本法律案とアメリカとの関係について質問いたします。
 今年二月十九日に日米安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2が開催されました。その共同声明の中に述べられた地域における共通の戦略目標では、日本の安全を確保し、アジア太平洋地域における平和と安全を強化すると書いてあります。なぜ、極東ではなくアジア太平洋地域という言葉を使ったのでしょうか。また、その範囲は一体どこまでを指し、安保条約における政府統一見解の極東との整合性が取れるのか。さらには、在日アメリカ海軍ホームページに範囲として掲載されていたディエゴガルシア基地は含まれるのでしょうか。外務大臣の御見解をお伺いいたします。
 最近、政府から極東という言葉がなくなったような感じですが、もうこの言葉は使わないのでしょうか。併せてお答えください。
 さらには、日米両国に影響を与える事態に対処する能力を維持することも共通の戦略目標となっていますが、集団的自衛権とのかかわりについても御説明ください。
 この共同声明を読むと、もしかしたらアメリカのグローバル戦略の中に日本が組み込まれているのではないかという疑問が生じます。本法案もその一環ではないんでしょうか。
 つまり、現在、日米でミサイル防衛に関して技術協力を行っておりますが、将来的には米国に対して発射される大陸間弾道弾クラスのミサイルに対処することも念頭に置いているのではないでしょうか。また、技術研究の結果として将来大陸間弾道弾に対処できる可能性はあるのですか。
 今後、大陸間弾道弾をも対象にする段階が到来することについては、衆議院の安全保障委員会において、慶応大学専任講師の神保参考人がはっきりと指摘しております。この場合、集団的自衛権の行使に踏み込む必要があるのではないでしょうか。
 以上の点につき、防衛庁長官、外務大臣、明確にお答えください。
 次に、本法案は、防衛庁設置法、自衛隊法、防衛庁の職員の給与等に関する法律及び安全保障会議設置法、自衛隊員倫理法を一括して改正するものであります。このような重要な改正を丸ごと一括して提出することに対する衆議院での質問に対し、政府は、平成十七年予算に関連する統一的なものであるとし、さらに法案に盛られた政策が統一的なもので関連しているとの答弁でした。
 しかしながら、その法律の数もさることながら、例えば防衛庁設置法では、統合幕僚長を新設することにより、従来の陸海空自衛隊の運用に関する指揮命令系統を根本から覆すような内容が含まれています。つまり、言葉では一部ですが、実際には全部を改正するような内容です。
 さらに、自衛隊法では、弾道ミサイル等に対処するための整備を行うという全く新しい内容まで含まれております。このミサイル防衛システム構築のための予算規模だけでも数千億から兆単位の費用が掛かるわけで、その運用体制の審議だけでも相当な議論が必要なことは言うまでもありません。実際、衆議院でこの法案が通過した後、新聞には「運用穴だらけ」と書かれ、MD、ミサイル防衛で国民を守れるのかという疑問までわき起こっております。
 政府は、これだけ重要な法案で、多額の予算を含む内容が統一的だという理由で片付けないでいただきたい。ほとんどの法律は、予算と内容面でそれぞれ何らかの関連性が出てくるのは当たり前であります。そのような論理なら、どんな法律も全部まとめて一くくり、本会議の質問も各省一回限りで十分という論理も可能となります。国家国民の生命、財産を守るといった基本的概念の下、広く議論を深め、国民の皆様の理解が必要であるこれらの法案に対し、一つ一つ丁寧に説明し審議をしてもらうという真摯な態度が必要であると思います。
 また、これらを一括して一本の改正法案として提出するということは、例えば一部の改正については賛成であるがほかの部分には反対であるというような場合に、採決時に適切な意思表示ができなくなってしまうということになります。これは、言うなれば、行政権が立法府としての国会の審議や採決に事実上制限を加えてくること以外の何物でもありません。国会を軽視した全くけしからぬ話です。このような法案提出を今後行わないことを、官房長官、この場でお約束ください。
 次に、防衛庁設置法の改正は制服組のトップクラスの運用を大きく変化させるものです。小さな会社の人事構成でも、変化があったときはいろいろ問題が生じることもあるものです。いわんや、自衛官だけでも二十五万人に及ぶ大組織のトップの人事構成の改変です。運用してみてから気付く問題も様々あろうことは、海外の軍隊の例から見ても明らかです。
 ところが、この法律案では見直し規定が付いていない。逆にそのままでいて、この法律に縛られ、実際の運用において硬直化あるいは指揮命令系統の混乱が生じる可能性が出たらどうするおつもりか。潜水艦がとっくに行ってしまってから海上警備行動を出すようなことが二度とあってはならないと考えます。特に、今回の法律案は国民の生命に直接関連する事柄にもなりかねないだけに、やってみてうまくいかなければすぐ直すように見直し規定を設けるべきではないでしょうか。防衛庁長官、お答えください。
 民主党では、昨年のマニフェストでミサイル防衛について、専守防衛の観点から否定はいたしておりません。そこで、まずシビリアンコントロールに関連して質問いたします。
 防衛庁長官は、弾道ミサイルの破壊措置の特性として相手国の領域や人員を害することはあり得ないので事後の国会承認等の仕組みを設ける必要がないと話されましたが、実際そう断言できるのでしょうか。過去にアメリカのイージス艦がミサイルの誤射でイランの旅客機を撃墜してしまったという衝撃的な事件もあるのです。もちろん、今回のシステムは全く別かもしれませんが、だからといって一〇〇%誤射や事故の可能性を否定できるものではないと考えます。
 そのような観点から、撃ったら間違えました、報告だけしておきますでは済まないのであります。その際の責任の所在を明らかにすることによって、しっかりとした運用ができるのではないでしょうか。防衛庁長官、そのような観点から国会承認等の仕組みを設けるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 さらに、今回、事態が急変した場合というのは、ミサイルに燃料が注入された場合等も想定されていますが、その動向を漏らさず把握できるのでしょうか。北朝鮮には地下基地も相当数あるようです。また、最近、北朝鮮では固体燃料のミサイルが開発されたとの情報もあります。つまり、いつでも発射可能な状態にあるということです。そもそも事態の急変とは、限られた時間のスパンではなく、いつでも起こり得るものなのです。今後、期間を区切った命令というのが有名無実化しないかとの懸念が生じます。以上の点につき、防衛庁長官、お答えください。
 さらに、最近、北朝鮮に核弾頭搭載可能な巡航ミサイルの技術が流出し、これについて複数の政府・与党筋も認めたとの報道がありますが、事実関係を防衛庁長官にお伺いいたします。
 また、自衛隊に巡航ミサイルに対処する能力はあるのか。それがない場合、対処するための方策についてもお答えください。
 次に、もし仮に日本の防衛範囲を通過して他国にミサイルが向かっている場合、日本にそのミサイルを撃ち落とす能力があるにもかかわらず、ほうっておけるものなのでしょうか。発射されたミサイルが陸地に落下した場合、死傷者が出る可能性は極めて高くなります。他国の被害だからといって、それを見逃すことができるのでしょうか。例えば、ナイフを持った暴漢が自分の目の前で無防備の子供を刺そうとしたら、止めようとするのが人間として当たり前の行動です。それを、あの子は外人だからほうっておきますで済むのでしょうか。
 私は集団的自衛権の行使には反対ですが、ミサイル防衛の場合、この概念とは全く違う考え方、すなわち、物騒なものは駄目といったいわゆる人間の安全保障のような新しい概念も念頭に置く必要性はないのか、これについて防衛庁長官のお考えをお聞かせください。
 ペトリオットPAC3システムは、その守備範囲が数十キロと言われております。すなわち、日本全土をこのシステムで守ることは不可能です。今までの答弁では、ねらわれやすい箇所に配置するとのことですが、納税者の公平性という観点から、国会や国民にどのような説明責任を果たしていくのか、財務大臣、防衛庁長官、お答えください。
 そもそも、二百発とも言われているノドンミサイルを二、三隻のイージス艦と三高射群のPAC3で防御できるのでしょうか。防衛庁長官、お答えください。
 さらに、もし自治体で、その費用の一部を負担するので我々市民を守ってもらいたいとの要請があった場合、総務省ではどのように判断するのでしょうか。また、防衛庁ではその要請にどのようにこたえるつもりなのでしょうか。一般市民の避難等、政府と自治体の協力についてどのような方策を考えているのかも併せてお伺いいたします。
 次に、先日、防衛庁長官はミサイルのアメリカとの共同開発について言及されました。この共同開発による日本の知的財産をどのように担保し、線引きをどのようにするのか、お聞かせください。国民の血税でもって開発するのですから、日本の知的財産を確保するのは当然であります。
 また、開発されたシステムが日本以外の国に輸出される場合、アメリカとの売却益はどのように振り分けられるのか、また武器輸出三原則との関係はどうなのか、財務大臣、防衛庁長官、お答えください。
 今回のミサイル防衛システムの導入はいわゆる随意契約となり、その値段については、F2戦闘機のときと同様、アメリカの言い値になってしまい、無制限に価格がつり上がる可能性があります。一体、将来どのぐらいの費用が掛かる予定なのですか。防衛庁長官、お答えください。
 さらに、価格については、国民の皆様の血税を一滴も無駄にしないとの観点から、広く世界で行われているオフセット取引、つまり、こちらからの輸出品等とのバーター取引も視野に入れ、積極的に価格交渉すべきです。現に米国はオフセット取引を相当数行っており、法律に基づき、毎年、報告書も作成しております。日本では武器の輸出はできないものの、世界に冠たる日本の民生技術とのバーターも一案と考えます。オフセット取引の利用も含め、防衛庁長官、価格交渉についての意気込みをお聞かせください。
 このような節約で、外国の文化財の修復や外国にある日本の美術品の修理に貢献するといった方策もこれからは必要かと思います。日本文化は、世界の様々な文化が融合し、その独特の文化が形成されたとも言えます。ところが、その源流の世界各国の遺跡が今、度重なる戦乱等で破壊あるいは放置されたままとなっております。私たち日本人は、今こそそのような世界各国の文化財に感謝の心で修復作業に貢献してみたらどうでしょうか。他国に対して「おかげさま」で「ありがとう」と言える気持ちこそが、現在の不安定な時代にミサイル防衛以上の効果があるのではないでしょうか。
 幸い、現在、文化外交の推進に関する懇談会が開催されております。そこで、官房長官と外務大臣にお伺いしたいのですが、とかく省庁は縦割りと言われますが、この懇談会での有益な提言を実現すべく、各省庁協力して取り組むべきだと思いますが、御決意をお聞かせください。
 最後に、一言申し上げます。
 小泉総理は、映画「シャル・ウイ・ダンス」の男優、リチャード・ギアに似ていると言われています。特に最近は、クールビズでラフないでたちにより、その傾向が顕著になってきたと言う人もいます。
 そうであるならば、官房長官、お答えいただきたい。今こそ、この映画の脚本のように、政権という電車からそろそろ途中下車されたらどうでしょうか。後のことはこの民主党にお任せください。総理は安心して、のんびり派閥争いのダンスでもしていただきたいと思います。私たちがしっかりとこの小泉内閣が散らかしていった諸問題を解決させていただくことをお誓い申し上げ、質問を終わります。
 ありがとうございます。(拍手)
   〔国務大臣大野功統君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(大野功統君) 白議員から十七問の御質問を防衛庁長官にいただきました。
 まず、2プラス2の共同発表との関係でございます。
 本年二月の2プラス2の共同発表におきまして、日米両政府がそれぞれの努力、日米安保体制に基づく協力及び世界の中の日米同盟に基づく協力を通じて追求すべき共通の戦略目標を確認いたしました。これらは国際安全保障環境に関する共通の理解に基づき、日米両政府が双方の国益にとって重要として認識が一致した目標を例示したものであり、我が国として安全保障上の観点から重視しているものであります。よって、本共同発表により、米国のグローバル戦略に日本が組み込まれるとの御指摘は当たらないと思います。
 次に、大陸間弾道弾への対処と集団的自衛権についてであります。
 我が国のBMDシステムは、特定の国や特定のミサイルを念頭に置いて整備しているものではなく、我が国国民の生命、財産を守る観点から、技術的実現可能性も踏まえつつ効率的な整備に努めているところであります。仮にアメリカと共同開発を行いBMDの能力が向上したといたしましても、我が国のBMDシステムはあくまでも我が国を防衛するためのものでありまして、我が国自身の主体的判断に基づいて運用し、第三国の防衛のために用いられることはないことから、集団的自衛権の問題は生じません。
 次に、統合運用に関する見直しの規定の必要性についてのお尋ねがありました。
 今般の統合運用体制の強化に伴う改編は、これまでの長年にわたる部隊運用の実績や部内における検討を踏まえて、新たな脅威や多様な事態に実効的に対応し得るよう抜本的な改革を行うものであります。政府といたしましては、本法案に盛り込まれております体制がベストであると考えております。したがいまして、見直し規定を置くことは考えておりません。
 次に、国会における事後承認等の仕組みの設置についてであります。
 今回の法制に基づく措置は、一つ、落下することによりいずれにせよ損壊する弾道ミサイル等を破壊するにすぎません。また、相手国の領域や人員を害することはあり得ません。二つ目として、国民に対する私権の制限についても、国会の関与を必要とする防衛出動や治安出動などの他の自衛隊の行動に比べ著しく限定されております。このようなことから、今回の措置は、事後の国会の承認を要するものではないと考えております。
 次に、北朝鮮のミサイル発射動向を把握する能力についてお尋ねがありました。
 ミサイル発射活動が高度の秘匿下で行われること等を踏まえれば、その完全な把握は一般的には困難と考えられます。しかしながら、各種情報の収集、分析を通じ、ミサイル関連動向の把握に努めることは当然であります。今後とも、高度な情報能力の構築を着実に進め、その把握に万全を期すべく最大限努力をしてまいります。
 次に、第三項の期間を定めた命令についてであります。
 今回の法案に基づき破壊措置を実施する場合、必ず迎撃ミサイルという武器を使用することとなります。また、事後、武力攻撃事態を認定することも想定されます。このため、シビリアンコントロールの確保は重要であり、第三項の命令の発出の際には、期間を付して節目ごとに防衛庁長官が判断することといたしております。したがいまして、期間を定めた命令が有名無実化するとの懸念は生じないものと考えております。
 次に、北朝鮮へ核弾頭搭載可能な巡航ミサイルの技術が流出しているとの情報についてお尋ねがありました。
 防衛庁といたしましては、そのような事実関係は承知いたしておりません。
 次に、自衛隊の巡航ミサイルに対する対処能力についてであります。
 巡航ミサイルの中には、射程、弾頭の種類、例えば核弾頭か通常弾頭かの問題でありますけれども、弾頭の種類により様々なものがあります。また、高度などの飛しょう条件によっても影響を受けるため、一概に申し上げるわけにはいきませんけれども、例えば、航空自衛隊のペトリオットPAC2ミサイルなどにより巡航ミサイルを破壊することは可能であると考えております。
 次に、他国に飛来するミサイルへの対処の考え方についてであります。
 我が国のBMDシステムは、あくまでも我が国を防衛するためのものであります。我が国自身の主体的判断に基づいて運用し、第三国の防衛のために用いることはありません。したがいまして、BMDシステムの整備に当たっては、我が国の国民の安全を守るために十分な能力を整備することが重要であると考えております。
 次に、PAC3システムと納税者の公平性の観点の問題であります。
 多層防御を採用する我が国BMDシステムでは、一つ、イージスBMDシステムにより広い範囲を防御し、二つ、PAC3システムにより、例えば政経中枢地域など攻撃される危険性が高いと考えられる地域の防衛を図ることを中心に考えております。PAC3システムは機動的に移動、展開可能なシステムであります。状況に応じ適切な位置に配置することとしております。
 次に、我が国BMDシステムの防御能力についてであります。
 BMDの整備計画といたしましては、当面、イージス艦四隻と教育所要等を含め、PAC3システム十六個隊の整備を考えております。我が国のBMDシステムは、弾道ミサイルの拡散の状況をも十分踏まえ、有効に対処できるよう整備を進めております。また、これらの迎撃システムを一元的に統合運用することにより、より一層高い防護能力を実現することといたしております。
 次に、自治体からの要請があった場合についてのお尋ねであります。
 PAC3システムは機動的に移動、展開可能なシステムであり、状況に応じ適切な位置に配置することとしております。かかる配置の判断は、あくまでも我が国防衛上の必要性に基づく判断でございます。
 なお、我が国の防衛は、特定の自治体の意向にこたえるというものではなく、我が国国土全体を考え、我が国すべての国民を守るとの観点から防衛体制を整えるべきものと考えております。
 次に、一般市民の避難等、政府と自治体の協力についてお尋ねがありました。
 弾道ミサイル等の情報を入手した時点で事態を見極め、できる限り速やかに事態対処法の緊急対処事態対処方針又は武力攻撃事態等対処基本方針を定めた上、自衛隊は、都道府県知事からの要請等を受け、必要に応じ、国民保護法に基づき避難の誘導、救援等の措置を講ずることとなります。
 次に、米国とのミサイル共同開発に係る知的財産の確保についてであります。
 共同開発の成果につきましては、これまで実施してきた日米共同研究と同様、当該成果を生み出した当事者が知的財産権を取得する枠組みとしたいと考えております。
 次に、日米共同開発に係るシステムの第三国移転についてお尋ねがありました。
 米国へ提供された武器の第三国移転については、我が国の事前同意がなく行われないよう、国際約束により担保されることとなります。また、米国政府により第三国移転の要請があった場合には、当該供与の趣旨及び武器輸出三原則等を踏まえて、その可否等について慎重に検討することとなります。仮に第三国移転が行われる場合、対価の取扱いについても日米間で協議を行い、適切に対応してまいります。
 次に、BMD経費の見積りについてであります。
 BMDシステムの整備に必要となる経費につきましては、最終的には各年度の予算を通じて確定されるべきものでありますけれども、既存の装備を最大限活用し、効率的に整備していくことといたしております。現時点におきましては、日米共同技術研究関連経費を含め、当面八千億円から一兆円程度を要するのではないか、このように見込んでおります。
 最後に、BMDシステム価格低減についてのお尋ねがありました。
 アメリカ側から導入する装備品については、アメリカ側に対し、あらゆる機会をとらえて価格低減の要請を行ってきたところであります。価格低減の手法につきましては様々なものが考えられますが、いずれにせよ、法令上可能な範囲内で、費用対効果等を勘案し、適切な予算執行に努めてまいる所存であります。(拍手)
   〔国務大臣町村信孝君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(町村信孝君) 白議員にお答えいたします。
 2プラス2の共同発表において確認された地域における共通戦略目標についてお尋ねがございました。
 今次、2プラス2の共同発表で確認された地域における共通戦略目標は、アジア太平洋地域において主要な役割を果たす同盟国である日米両国が共有する同地域における重要な政策目標を掲げたものであります。
 日米安保体制を基調とする同盟関係が日本の安全と同時にアジア太平洋地域の平和と安定のために重要であることは、従来より述べてきているとおりであり、正にアジア太平洋地域における平和と安定の強化は日米双方の国益にとって重要な政策目標であることを共通戦略目標は確認したものでございます。
 2プラス2の共同発表における地域並びにアジア太平洋地域の範囲に関するお尋ねがありました。
 2プラス2共同発表における地域あるいはアジア太平洋地域との用語は、日米両国が安全保障認識を示す上で常識的な文脈で解されるべきものであり、明確な境界を画し得るものではありません。したがって、例えばディエゴガルシアといった個別の地域が含まれるか否かについてお答えすることは、そもそも用語の性質になじまないと考えております。
 極東という用語の使用に関するお尋ねがありました。
 一九九六年の日米安保共同宣言において述べられておりますとおり、従来から政府は、日米同盟関係はアジア太平洋地域の平和と安定のために重要な役割を果たしており、また、日米両国の安全と繁栄がアジア太平洋地域の将来と密接に結び付いていると考えています。
 同時に、日米安保条約第六条は、我が国及び極東の平和と安全の維持に寄与するために米軍が我が国の施設・区域を使用することができる旨規定しております。この点について何ら変更はありませんし、いわゆる極東条項の見直しといったようなことを考えていないことは、これまで累次答弁をしているとおりであります。
 共通戦略目標と集団的自衛権との関連についてのお尋ねがございました。
 御指摘の箇所を含め、共通戦略目標の具体的な追求に当たっては、日米両政府が最も適切な手段を最も適切な形で用いていくことになります。その際、我が国の行動が憲法の範囲内で行われることは当然のことであります。
 なお、集団的自衛権についての従来からの政府の見解は累次述べておりますとおりであり、この点について米政府も十分理解をしているものと考えております。
 2プラス2共同発表とアメリカのグローバル戦略についてのお尋ねがございましたが、先ほど防衛庁長官がお答えをしたと全く同趣旨でございまして、結論的に言いますと、米国のグローバル戦略に日本が組み込まれるという御指摘は当たらないと考えております。
 弾道ミサイル防衛と集団的自衛権の関係についてお尋ねがございました。
 我が国の弾道ミサイル防衛は、我が国国民の生命、財産を守るため、我が国に飛来する弾道ミサイルへの対処を目的としております。他国に向けて飛行する弾道ミサイルは、飛行の方角や高度の違いにより区別することが可能でありまして、第三国の防衛のために用いられることはないことから、集団的自衛権の問題は生じないと考えております。
 最後に、外国の文化財保護についてお尋ねがございましたが、外務省といたしましては、文化財保護に関する国際協力を引き続き積極的に推進していく考えでございます。
 文化外交推進に関する懇談会の御提言をいただく予定でございますが、これについて各省庁が協力して取り組む必要性については当然のことでございまして、七月に総理に提出される予定の提言をいただいた上で、御指摘の文化財保護の課題を含めて、文化外交の諸課題の推進に生かしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣細田博之君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(細田博之君) 白議員にお答えいたします。
 法案の提出の仕方についてお尋ねがありました。
 政府としては、国会で御審議いただく法案については、常にその時々の政策を踏まえまして、精査を重ねた上で提出しているところであります。
 また、立法趣旨、目的が共通し、法案の条項が相互に関連して一つの体系を形作っている場合等には、その立法趣旨を明確にし、各措置を総合的に把握することも法案の十分な御審議をいただく上で必要であると考えたものであります。今後とも、これらの考え方に沿って適正に対処してまいります。
 文化外交の推進に関する懇談会の提言の下、各省庁が協力して取り組む必要性についてお尋ねがありました。
 平成元年及び平成六年に国際文化交流に関する懇談会の報告書がそれぞれ総理に提出され、その中では文化遺産保存協力の重要性が指摘されております。平成元年の報告書に基づき、ユネスコの文化遺産保存日本信託基金の設置が行われました。この基金により、例えばアフガニスタンのバーミヤン遺跡の壁画修復等、様々な文化遺産保存協力が行われております。
 白議員御指摘の文化外交の推進に関する懇談会につきましては、提言が七月に総理に提出される予定であります。政府としては、この提言をいただいた上で、御指摘の文化財保護も含め、文化外交の諸課題の推進のために更に各省庁が協力いたしまして取り組んでまいりたいと考えております。
 最後に、政権交代、途中下車といったお尋ねがございました。
 政府としては、内外に課題が山積する中、国民の期待におこたえするために、引き続き小泉総理を先頭に国政の諸課題に対して全力で取り組んでまいる所存であります。(拍手)
   〔国務大臣谷垣禎一君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(谷垣禎一君) 白議員にお答えいたします。
 私には二問、御質問をいただきました。
 既に大野長官から御答弁がございますが、私も全く同じ考えでございます。
 すなわち、弾道ミサイル防衛システムについて、納税者の公平性、どう説明するかということでありますが、弾道ミサイル防衛システムは、広い範囲の防護を行うイージスBMDシステムによる上層防衛と、特定地域の防護を行うペトリオットPAC3システムによる下層防衛を組み合わせる多層防御の考え方を採用しておりますが、両者はいずれも機動的に移動、展開が可能なシステムであり、状況に応じて最適な位置へ配備することによりまして、我が国国民全体の生命、財産の保護に資するシステムであると考えております。
 もう一つは、日米共同開発に係る弾道ミサイル防衛システムの第三国への移転ということでありますが、これも、我が国と米国の共同開発に係るBMDシステムの第三国への移転については、我が国の事前同意がなく行われることのないよう、国際約束により担保することとなります。仮に米国から第三国移転の要請があった場合には、武器輸出三原則等を踏まえ、同意の可否等について慎重に検討することとなるものと承知しております。
 その場合における対価の取扱いについては、日米間でも協議を行いつつ適切に対応していくこととなると考えております。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(麻生太郎君) まず、地方自治体が費用を負担するので市民を守ってほしいと国に要請した場合はどのようにというお尋ねがあっておりましたが、国民を守ることは国家の重要な任務の一つであって当然のことであろうと存じますが、その際には、地方からの要請があるなしにかかわらず、国の責任において国民を守るということは、最大限努力すべきことであることは言うまでもないことと存じております。
 次に、一般市民の避難などに関して、政府と自治体との協力についてのお尋ねがありました。
 一般市民のいわゆる保護、避難を含めまして、国民保護のための措置につきましては、国民保護法の第三条第四項について、国と地方公共団体は、相互に連携協力し、的確かつ迅速な実施に万全を期すこととされておりますのは御存じのとおりであります。住民の避難につきましては、国から避難指示が出されて、都道府県知事がそれを受けて避難の指示を出して、市町村長が避難民の保護、誘導を行うことということになろうと存じます。(拍手)
    ─────────────
#17
○議長(扇千景君) 澤雄二君。
   〔澤雄二君登壇、拍手〕
#18
○澤雄二君 公明党の澤雄二でございます。
 私は、公明党を代表しまして、ただいま議題となりました防衛庁設置法等の一部を改正する法律案について、関係大臣に質問をいたします。
 まず最初に、新防衛計画大綱の第二項、我が国を取り巻く安全保障関係について伺います。
 この中では、中国や北朝鮮を固有名詞を挙げて警戒感を明らかにされています。これは一九七六年に防衛計画大綱が策定されて以来初めてのことで、国会でも度々議論されました。しかし、これまでの防衛計画大綱にはない大きな記述の変化がもう一つありました。それは、中国や北朝鮮のことを記したすぐ後のフレーズです。そこには、「日米安全保障体制を基調とする日米両国間の緊密な協力関係は、我が国の安全及び」、ここからであります、「我が国の安全及びアジア太平洋地域の平和と安定のために重要な役割を果たしている。」と書かれています。日米安保体制の役割として、「アジア太平洋地域の平和と安定のために」と具体的に地域名が書かれたのは今回の防衛計画大綱が初めてであります。
 それでは、前回の大綱にはどのように書かれていたのか。それは、日米安保体制の緊密な協力関係は、我が国周辺地域の平和と安定にとって云々となっていました。我が国周辺地域がアジア太平洋地域に拡大をしています。確かに、一九九六年の日米安全保障共同宣言や九七年の新ガイドライン等々でアジア太平洋地域という表現は出てまいります。しかし、九七年のガイドラインでは、アメリカ軍の役割としてアジア太平洋地域が明示されています。今回の防衛計画大綱とは使われ方が異なっているのであります。
 しかも、今回の防衛計画大綱は、日米安保宣言やガイドラインとは違って、閣議決定をされ、さらに国会で報告までされています。つまり、国の政策として正式に決定されたものであります。
 そこで、外務大臣に伺います。
 もし、日米安保体制の役割が、我が国と我が国の周辺地域からアジア太平洋地域の平和と安定に拡大変化してきているならば、国会や国民に明確に説明する必要があると考えます。そして、大綱で言うアジア太平洋地域とは、具体的にどの地域を念頭に置いているのでしょうか。インド洋やイラクまで入るのでしょうか。併せて伺います。また、このアジア太平洋地域の平和と安定については、米軍再編と日米戦略協議に具体的にどのように反映させようとしているのでしょうか。御答弁をお願いいたします。
 次に、今回の改正案について、弾道ミサイル対処のための自衛隊法八十二条の二について関連の質問をいたします。
 我が国に向けてミサイルが発射されるという緊急事態から国民を守るには、限られたごくわずかな時間に対応することを迫られます。その意味で、専守防衛の立場からも、今回の改正案で弾道ミサイル等に対する破壊措置が規定されることは、新たな脅威に対処するための重要な法整備と考えます。さらに、我が国に向けられた弾道ミサイルを迅速に撃ち落とすという行動は、同時に、シビリアンコントロールをどのように確保するかが極めて重要な問題となります。この意味で、公明党の強い提案により、シビリアンコントロールとしての国会の役割を重く見て、迎撃対処後の国会報告が義務付けられたことは極めて意義の大きなものであると考えます。しかし、ミサイルが飛来するという重大な局面で、最高指揮権者である首相の権限と判断が第一線の司令官にゆだねられることになります。
 そこで、まだ明らかにされていない弾道ミサイル破壊措置の具体的内容について、防衛庁長官に伺います。
 まず、政令に規定されることになる緊急対処要領に記述される具体的な項目は何でしょうか。次に、その政令に基づいて作成される緊急対処要領の内容、そして八十二条の二の第三項に基づいて発令される命令の具体的な内容について、御答弁できる範囲でお答えをお願いいたします。
 特に、ミサイルの破壊措置については第一項と三項との対処の違いについて国会での論議でも混乱を生じていますが、一項と三項の対処の違いを明確にするために、特段に緊急的事態の兆候がない場合でも警戒監視を強化するために第三項を発令することのある旨を緊急対処要領に明記されるお考えがあるのかどうか。また、シビリアンコントロールの観点からも大変重要でありますが、第三項に基づいて発令された命令の中で迎撃ミサイルが発射された前後、防衛庁長官にはどのように報告がなされるのか。この二点について簡潔に答弁をいただきたいと思います。
 続いて、ミサイルの共同開発についてお伺いをいたします。
 次世代型の迎撃ミサイルについては日米共同研究で進められてきましたが、来年度からは共同研究から共同開発の段階に移行したいと長官は発言をされました。
 この共同開発には四つの大きな開発テーマがあります。ミサイルの直径を大型化して二十一インチにするのもそのテーマの一つであります。これにより防御範囲も飛躍的に広がり、イージス艦一隻でほぼ日本全土をカバーできると言われています。これはロケットの出力を上げてミサイルの加速性を向上させることによって得られる能力で、この技術は三千五百キロ以上を目標とする中長距離ミサイルに対する迎撃能力も開発可能にすると言われています。
 そこで、防衛庁長官に伺います。
 平和国家としての国の理念、専守防衛の立場から、現在のミサイル防衛の共同研究における技術供与は武器輸出三原則の例外となっていますが、中長距離ミサイルに対してまで防御能力を高めることができるシステムの開発は、武器輸出三原則との整合性はどうなのか、また、集団的自衛権との関係についてもお答えをお願いいたします。
 大量破壊兵器の拡散を防止することは、早急に実現しなければならない国際的な大きなテーマであります。
 そこで、PSI、大量破壊兵器拡散防止構想について質問をいたします。
 このPSIは、アメリカのブッシュ大統領の提唱で、大量破壊兵器が船や飛行機で運ばれて拡散するのを防ぐための国際的な枠組みをつくる構想です。アメリカ、イギリス、日本など十五か国が中核のメンバーとなっています。
 防衛庁長官は、今年八月にシンガポールで行われる多国間の合同訓練に自衛隊を参加させる意向を明らかにされました。これは、本格的で実質的なオペレーションを伴う訓練であります。日米安保条約の関連以外で海外でのこのような多国籍訓練に自衛隊が参加するのは初めてのことです。
 そこで、防衛庁長官に伺います。大量破壊兵器の拡散防止の意味からも、この訓練に参加するための根拠となる国内法を明確にするべきと考えます。また、海上自衛隊が船舶を公海上で停船検査できるのは、現行法では武力攻撃事態や海上警備行動が発令されたときなど極めて限定的であります。将来、PSIに基づいた多国籍で行われるPSIのパトロールに参加する可能性があるのでしょうか。あるとすれば、そのときの根拠法についてお伺いをいたします。
 公明党は、立党のとき以来、恒久平和主義の旗を高く掲げてきています。それは、戦争ほど残酷なものはない、戦争ほど悲惨なものはほかにはないからであります。しかし、平和は立ち止まる者には得ることができません。平和へ向け具体的な歩みを進めてこそ初めて獲得できるものであります。国際平和を達成する最も大事な舞台が国連であります。それは、世界の国々が対話をすることができる唯一の場であるからです。対話こそが平和への王道なのです。人間の安全保障という概念も定着し、平和憲法を持ち、被爆国である日本の国連での役割は極めて重要であります。
#19
○議長(扇千景君) 澤君、時間が経過しております。簡単に願います。
#20
○澤雄二君(続) また、抑止力としての原点、それが日米安全保障条約であり、日米安全保障体制によって我が国の平和と安定が守られています。
 以上のような考えに基づいて、日本の安全保障をより確かなものにするために質問をさせていただきました。
 以上四点、御答弁をよろしくお願いを申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣大野功統君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(大野功統君) 澤議員にお答え申し上げます。
 まず、緊急対処要領に関し政令で規定する具体的事項についてでありますが、次のような事項について検討いたしております。
 一つ、防衛庁長官が第三項の命令を発する場合及びこの場合が緊急の場合に該当することの認定に関し必要な事項、二つ、措置の対象とする弾道ミサイルの範囲及びその破壊方法、三つ、長官の命令の執行に関する事項、四、措置に係る自衛隊の部隊の行動の範囲、五、関係行政機関との協力及び関係行政機関への情報の提供に関する事項、六、第一項と第三項との関係に関する事項であります。
 次に、緊急対処要領の内容についてであります。
 緊急対処要領は、一、内閣の方針を防衛庁長官に示しておくこと、そして、二、防衛庁長官が部隊に対処の行い方を示しておく、こういう点で重要な意義を有するものであります。
 この緊急対処要領では、どのような場合が緊急の場合に該当するのか、対処措置の対象、破壊の手順、迎撃ミサイルの種類、長官の命令に従い対処措置を実行する部隊や指揮官、措置を命ぜられた部隊の行動範囲などについて記述することを検討しております。
 次に、八十二条の二第三項に基づき発令する命令の具体的な内容についてであります。
 第三項に基づく命令の内容につきましては、一、命令の対象となる部隊及びその構成等、二、部隊の任務、三、部隊の行動の基本的な事項、四、長官への報告に関して必要な事項、五、命令に係る措置をとるべき期間、その他必要な事項を記述することを検討いたしております。
 次に、第三項の命令を発する場合に関する緊急対処要領の記述についてであります。
 第三項は、法文上、「第一項の場合のほか、」と規定しており、第一項の「弾道ミサイル等が我が国に飛来するおそれ」が認められない場合を対象といたしております。
 緊急対処要領では、防衛庁長官が第三項に規定する命令を発する場合を明記することを想定しており、例えば、イージス艦による警戒監視態勢を強化する場合などにおいて、長官の判断により命令を発出することなどの記述を考えております。
 次に、第三項の命令に関する防衛庁長官への報告についてであります。
 防衛庁長官が部隊の対応や弾道ミサイルの発射の状況等を適宜迅速に把握することは、シビリアンコントロールの観点からも重要だと考えております。第三項の命令を発する際は、防衛庁長官への報告に関する必要な事項も明記することを想定いたしております。例えば、弾道ミサイルが発射され、破壊措置を行った場合には、部隊からは、弾道ミサイルの具体的な飛来状況や破壊措置の具体的な内容について迅速に報告されることになると考えております。
 次に、ミサイル防衛システムの共同開発についてであります。
 弾道ミサイルの拡散の状況にかんがみれば、現在進められております整備計画を着実に進めることが必要であります。一方、将来を見据えれば、防護範囲の拡大、おとりへの対処といった弾道ミサイルの先進化への対応は、当然BMDの能力向上にとって重要なことであります。
 武器輸出三原則との関係につきましては、昨年末の官房長官談話において、BMDシステムに関する案件については、共同で開発、生産を行うこととなった場合には、厳格な管理を行う前提で武器輸出三原則等の例外とされたところであります。
 集団的自衛権との関係につきましては、仮に共同開発を行いBMDの能力が向上したとしても、我が国のBMDシステムは、あくまでも我が国を防衛するものであって、我が国自身の主体的判断に基づいて運用し、第三国の防衛のためには用いられることはないということから、集団的自衛権の問題は生じません。
 次に、本年八月のPSI海上阻止訓練への参加の根拠であります。
 自衛隊が外国と訓練を行うことにつきましては、防衛庁設置法第五条第九号の規定に基づき、その所掌事務の範囲内のものであれば可能とされております。
 本訓練への自衛隊の参加につきましては、現在、主催国であるシンガポールや関係省庁との間で訓練内容等につき必要な調整を行っているところでありまして、こうした調整の結果、最終的に判断いたしたいと思っております。
 最後に、自衛隊のPSI阻止活動への参加の考え方、その法的根拠についてであります。
 PSIすなわち拡散に対する安全保障構想というものは、大量破壊兵器、ミサイル等の拡散を阻止するために国際法及び各国国内法の範囲内で参加国が共同してとり得る措置を検討する取組であり、こうした考えの下、防衛庁・自衛隊の能力を活用し、積極的に関与していくことが重要と考えております。
 PSI阻止活動につきましては様々な形態が考えられますが、例えば、防衛庁設置法第五条第十八号の規定に基づき、艦艇や航空機が実施する警戒監視活動によって得られた関連情報を関係機関、関係国に提供することにより、重要な役割を果たし得るものと考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣町村信孝君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(町村信孝君) 澤議員にお答えを申し上げます。
 まず、新旧の防衛大綱における日米安保体制に関する記述についてのお尋ねがございました。
 新大綱における、日米安保体制を基調とする同盟関係が我が国の安全及びアジア太平洋地域の平和と安定のために重要な役割を果たしているとの認識は、旧大綱以前より累次の機会に表明をされてきているところでございます。
 一方、御指摘の旧大綱の記述も、日米安保体制及び日米間の協力関係が我が国周辺地域の平和と安定に貢献しているとの趣旨であり、両大綱の間に御指摘のような拡大変化といった質的な差があるとは考えていないわけであります。
 なお、「アジア太平洋地域」の用語は、明確な境界を画し得ないことは従来より述べてきているとおりでございます。
 新防衛大綱と米軍再編協議並びに日米戦略協議についてお尋ねがございました。
 日米安保体制を基調とする日米同盟関係は、アジア太平洋地域の平和と安定のために重要な役割を果たしております。政府としては、このような前提の下、新防衛大綱に明記されているとおり、日米の役割分担や在日米軍の兵力構成を含む軍事態勢等の安全保障全般に関する米国との戦略的な対話に主体的に取り組む考えでございます。
 その際、在日米軍の抑止力を維持しながら、地元の負担を軽減する観点から米国との協議を今行っているわけでございまして、この事情についても先ほど来からの答弁でお答えをしたとおりでございます。
 以上であります。(拍手)
#23
○議長(扇千景君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#24
○議長(扇千景君) 日程第一 会社法案
 日程第二 会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長渡辺孝男君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔渡辺孝男君登壇、拍手〕
#25
○渡辺孝男君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、会社法案は、社会経済情勢の変化にかんがみ、会社に関する各種制度について、最低資本金制度の撤廃、会社の機関の設置等における定款自治の範囲の拡大、合併等の組織再編に関する手続の整備、有限責任社員のみで構成される新たな会社類型LLCの新設等を行うとともに、国民に理解しやすい法制とするため、これを現代用語の表記によって再編成しようとするものであります。
 なお、衆議院において、株主の権利行使に関して利益供与をした取締役等の無過失責任化、市場での取引による自己株式の売却に係る規定の削除、責任追及等の訴えを制限する事由の一部削除などの修正が行われております。
 次に、会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案は、会社法の施行に伴い、有限会社法等を廃止し、商法その他の関係法律の規定の整備等をするとともに、所要の経過措置を定めようとするものであります。
 なお、衆議院において、会社法案の修正に伴い、証券取引法ほか三法律の規定を整備する修正が行われております。
 委員会におきましては、両法律案を一括して審査を行い、最低資本金制度撤廃の必要性及び債権者保護策、敵対的買収に対する公正で合理的な防御策の在り方、会計参与制度創設の意義及びその活用策、LLCとLLPとの相違及び課税の在り方、擬似外国会社に関する規律と対日投資への影響等について質疑を行うとともに、参考人からの意見聴取を行い、また、財政金融委員会及び経済産業委員会との連合審査会を開催し、慎重に審査を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局した後、民主党・新緑風会の千葉理事より、会社法案に対し、擬似外国会社に係る規定を削除する旨の修正案が提出されました。
 続いて、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して井上委員より原案及び修正案に反対、民主党・新緑風会を代表して大久保委員より修正案に賛成の意見がそれぞれ述べられました。
 討論を終わり、順次採決の結果、会社法案は、修正案が否決され、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案は、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、会社法案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#26
○議長(扇千景君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#27
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#28
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数           二百十  
  賛成             二百一  
  反対               九  
 よって、両案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#29
○議長(扇千景君) 日程第三 独立行政法人住宅金融支援機構法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長田名部匡省君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔田名部匡省君登壇、拍手〕
#30
○田名部匡省君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、特殊法人等改革基本法に基づく特殊法人等整理合理化計画を実施するため、住宅金融公庫を解散し、独立行政法人住宅金融支援機構を設立することとし、その名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、機構の設立と低利の長期・固定住宅ローンの供給見通し、証券化支援事業の定着状況、住宅資金貸付けに係る融資選別、金利上昇等の懸念、住宅ローンに係る消費者への情報提供の充実等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して仁比委員より、本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#31
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#32
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#33
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数           二百八  
  賛成            百九十四  
  反対              十四  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#34
○議長(扇千景君) 日程第四 障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長岸宏一君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔岸宏一君登壇、拍手〕
#35
○岸宏一君 ただいま議題となりました法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、障害者の社会参加が進展し、障害者の就業に対する意欲も高まっている状況にかんがみ、精神障害者に関する雇用対策の強化や在宅就業支援による障害者の就業機会の拡大、福祉施策との連携強化等、障害者が職業生活において自立することを促進する施策の充実を図ろうとするものであります。
 なお、衆議院において、在宅就業支援団体の登録を受けることができない法人の要件を追加する旨の修正が行われております。
 委員会におきましては、精神障害者雇用の義務化の必要性及びその実施時期、在宅就業障害者への発注を促すための施策の在り方、障害者の職場適応に必要とされるジョブコーチの人材確保策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#36
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#37
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#38
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数           二百十  
  賛成             二百十  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#39
○議長(扇千景君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト