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2005/07/08 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 本会議 第29号
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2005/07/08 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 本会議 第29号

#1
第162回国会 本会議 第29号
平成十七年七月八日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第三十号
  平成十七年七月八日
   午前十時開議
 第一 建設労働者の雇用の改善等に関する法律
  の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
  送付)
 第二 学校教育法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、総合的な国土の形成を図るための国土総合
  開発法等の一部を改正する等の法律案(趣旨
  説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(扇千景君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 総合的な国土の形成を図るための国土総合開発法等の一部を改正する等の法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。北側国土交通大臣。
   〔国務大臣北側一雄君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(北側一雄君) 総合的な国土の形成を図るための国土総合開発法等の一部を改正する等の法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 我が国が人口減少時代を迎えつつある今日、国民の不安感や不透明感が拡大する中で、国土及び国民生活の将来の姿を示すことが極めて重要でございます。現在及び将来の国民に安心かつ豊かな生活を確保するためには、その特性に応じて自立的に発展する地域社会、国際競争力を備えた活力ある経済社会、地球環境の保全にも寄与する豊かな環境等の基盤となる国土を実現することが求められております。
 しかし、我が国の国土政策の根幹を定める国土総合開発計画の根拠法である国土総合開発法にあっては、それが制定された昭和二十五年当時の社会経済情勢を背景に、開発を基調とした量的拡大を指向したものとなっております。このため、地方分権や国内外の連携に的確に対応しつつ、国土の質的向上を図り、国民生活の安全・安心・安定の実現を目指す成熟社会にふさわしい国土のビジョンを提示する上で、計画制度を抜本的に見直すことが急務となっております。
 この法律案は、このような必要性を踏まえまして提案することとした次第でございます。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、国土総合開発法について、法律の題名を国土形成計画法に、計画の名称を国土形成計画に改めることとしております。また、国土形成計画を、国土の利用、整備及び保全に関する施策の指針となる全国計画と、ブロック単位の地方ごとに国及び都府県等が適切な役割分担の下で、連携協力して地域の将来像を定める広域地方計画から成るものとしております。
 第二に、海域の利用及び保全、環境の保全及び良好な景観の形成に関することを加えるなど計画事項を改めるとともに、地方公共団体による計画提案制度を創設することとしております。また、全国計画については、国土利用計画法に基づく国土利用計画全国計画と一体のものとして定めるものとしております。
 第三に、広域地方計画制度の創設に伴い、各大都市圏の整備に関する計画を整理するとともに、各地方の開発促進法を廃止することとしております。
 その他、これらに関連いたしまして所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が総合的な国土の形成を図るための国土総合開発法等の一部を改正する等の法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(扇千景君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。池口修次君。
   〔池口修次君登壇、拍手〕
#7
○池口修次君 民主党の池口修次でございます。
 冒頭、我が国におけるテロ防止対策について、急遽質問を追加させていただきます。
 昨日、ロンドンで公共交通機関における無差別テロが発生しました。まずは、犠牲になられたイギリス国民の皆様に心より哀悼の意を表したいと思います。
 一般国民を巻き込んだ無差別テロは国際社会の平和と安定への挑戦であり、繰り返し引き起こされるこのような卑劣なテロ行為を全世界が協力して撲滅するために行動しなければなりません。我が国におけるテロ防止対策と決意を北側国土交通大臣にお聞きをいたします。
 それでは、ただいま議題となりました総合的な国土の形成を図るための国土総合開発法等の一部を改正する等の法律案につきまして、民主党・新緑風会を代表して質問いたします。
 まず、最近の国土交通省にかかわる重大な問題について、何点か国土交通大臣の認識をお伺いしたいと思います。
 一点目は、先般発生したJR西日本福知山線列車転覆事故と、頻発する航空機関係の事故やミスといった大規模交通機関における事象の背景についてでございます。
 私は、安全対策をなおざりにし、経済的な効率や目先の利益ばかりに偏重した経営姿勢がその根本原因ではないかと考えています。そして、今、正に小泉内閣が、しゃにむに、なりふり構わず、国益を考えず、独り善がりで行っている理念なき民営化・規制緩和路線の推進が、過当競争状態をつくり出し、単に効率と利益を優先し、安全面を軽視するといったゆがんだ企業姿勢と社会風土を生んでしまっているのではないでしょうか。内閣の一員としての大臣の認識をお伺いいたします。
 さらに、行政府も、交通運輸行政の監督者としての責任感、事後チェック体制や監督体制の意識が希薄になっていたのではないでしょうか。交通運輸行政を所管される国土交通大臣の認識をお伺いいたします。
 二点目は、先般、国土交通省が発注した公共事業の一つである橋梁工事で談合事件が発生しました。国土交通省は、発注者として真摯に反省するとともに、これまで講じてきた不正行為防止策の効果を直ちに検証する必要があると思います。今後、効果的な再発防止策をどのように講じていくつもりか、国土交通大臣の決意をお伺いします。
 そもそも公共事業や公共サービスは、公共性に重きを置きつつ採算性とのバランスを図りながら適正な税の投入がなされるべきものであり、予算の執行に当たって常にコスト意識が必要なことは言うまでもありません。このたびの事件発生に際し、入札価格の高止まりで税金を過大に支出したという認識が国土交通省には果たしてあるのかどうか、国土交通大臣の認識をお伺いいたします。
 それでは次に、本法案の趣旨に沿って質問させていただきます。
 これまでの国土計画は、全国総合開発計画、いわゆる全総に基づいて立案されてきており、昭和三十七年十月に池田内閣が閣議決定した全総から、今回の国土計画体系の見直しの契機となった、平成十年三月に橋本内閣が決定した二十一世紀の国土のグランドデザイン、いわゆる五全総まで、すべて閣議決定されてきました。
 しかし、その成果について、平成十六年五月に報告された国土審議会の「国土の総合的点検」では、我が国の国土構造は、今なお東京と太平洋ベルト地帯に偏った一極一軸構造が是正されているとは言い難く、地方圏では依然として過疎に苦しむ地域は多く、地方都市では中心市街地の空洞化の問題、大都市では密集市街地の整備改善などの課題が残されていますと、厳しい評価がなされています。
 今回、改正案を策定するに当たり、小泉内閣として、これまでの五次にわたる全総計画をきちんと総括したのでしょうか。
 これまでの計画における大規模開発の失敗の象徴的な事例を挙げれば、新全総における苫小牧東部大規模工業基地や、むつ小川原コンビナートは結果的に破綻に至ることになりました。四全総におけるリゾート構想ブームの過熱の結果は、多くの大規模施設が全国的にその残滓をさらすことになっています。昨今、無駄遣いの象徴として大きな問題となっております年金や郵政の大型リゾート施設も、大きく見ればその犠牲の一端なのではないでしょうか。
 これまでの全総計画における失敗の数々については、その責任をだれも取らずに、後世にツケを回したのが実情なのです。今回、これまでの計画全体を大きく転換するに当たり、五次にわたるそれぞれの全総計画について、小泉内閣としての評価とその反省点について具体的な答弁をお願いします。
 さて、平成十年三月に橋本内閣によって閣議決定された五全総、すなわち二十一世紀の国土のグランドデザインは、投資の総額は示さず、投資の重点化、効率化の方向のみを提示するにとどまっておりましたが、それは、それまでに継続してきた一万四千キロの高速道路ネットワーク事業や整備新幹線、首都機能移転などを始めとした巨大プロジェクトのために投資額が膨大過ぎて明示できなかったというところが本音のところであるという話もあります。
 政府は、今回の法改正で国土の開発に終止符を打ち、国土計画体系の軸足を、これまでの開発基調の量的拡大から、国土の利用、整備及び保全という成熟社会型の計画へと大きく転換するものであると強調していますが、なぜこのような事態になったのか、大転換の理由について明確な説明を求めます。
 また、今回の法改正によって、これまでの全総計画に基づき企画立案されてきた様々な公共事業の五か年計画は一体どのような扱いとなるのでしょうか。もしほとんどが継続ということならば、今回の計画も、法律の看板は替わっても中身は第六次全総計画と言っても過言ではありません。社会資本整備重点計画も含めて、事業継続中の計画の今後の扱いについて国土交通大臣の明確な方針をお尋ねいたします。
 あわせて、道路特定財源についてお尋ねいたします。
 先般の国土交通委員会で議論させていただきましたが、社会資本整備計画に基づいて平成十五年に五年間延長された自動車関係諸税の暫定税率の適用について、国土交通大臣と財務大臣にその認識と今後の対応をそれぞれお尋ねいたします。
 道路特定財源は、昭和二十八年に道路整備費の財源等に関する臨時措置法が制定され、揮発油税を道路整備のための特定財源としたのが始めであり、翌二十九年、この道路特定財源を原資に第一次道路整備五か年計画が発足し、以降、様々な新税が道路整備のための特定財源として創設されてきました。そして、平成十五年には特定財源を担保する法律は道路整備費の財源等の特例に関する法律に改正され、道路整備五か年計画は社会資本整備重点計画に統合されることになったのは、皆さん御承知のとおりでございます。
 その道路特定財源が、暫定税率適用の最終年である平成十九年度には、最低五千億円、私の試算では一兆円弱のオーバーフローが発生します。そのオーバーフロー分の使途について様々な方面から意見が出されているようでありますが、特定財源の創設趣旨と、応益負担としてその本則税率の二倍の過重な暫定税率を課せられている事実、暫定といいながら長期間過大な負担を負わされている自動車ユーザーの立場を考えれば、納税者、自動車ユーザーの理解を得られる唯一の方策は、暫定税率を直ちに廃止し、税率を本則へ戻すべきであると考えますが、国土交通大臣と財務大臣のお考えをそれぞれお伺いいたします。明確な答弁をお願いいたします。
 ところで、今回の改正案では、第三条の基本理念で、地方公共団体の主体的な取組を尊重しつつ、国は本来果たすべき役割を全うするとして、地方の主体的参加の重視をうたっています。一見、地方の主体的取組を尊重するかに見えますが、実態は果たしてどうなのでしょうか。
 国土総合開発法では、開発計画は、全国総合開発計画、都府県総合開発計画、地方総合開発計画の三本立てとなっており、都府県総合開発計画と地方総合開発計画は地域の自主的判断で作成して国土交通大臣に報告すればよいものとされておりました。しかし、今回の法律改正で、国土形成計画は全国計画と広域地方計画の二本立てとなり、首都圏、中部圏、近畿圏の三大都市圏を含む地方の広域地方都市圏の区域を政令で決定することとなります。
 加えて、改正案第十条の広域地方計画協議会に国の関係各地方行政機関を参加させることになっておりますが、これは国土交通省の各地方整備局を参加させ、国土交通省の関与を強めることがねらいではないかと勘ぐりたくもなります。
 結果的に、地方の主体的参加の重視ではなく、逆に中央からの押し付けが強化されるということになるのではないでしょうか。これでは政府の進めてきたまやかしの三位一体改革と同じ構図です。
 私は、むしろ地方のことは地方が主体的に決め、計画を実行できるように、権限や財源の移譲等のきちんとした裏付けや、地方が自由に使えるファンドの設立等のインセンティブ付与を考えるべきではないかと思いますが、国土交通大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
 あわせて、小泉内閣の目指す国と地方の関係については、これまでどおりの中央集権型のままであるのか、それとも、私たち民主党がこれまで主張してきたように、地方のことは地方が責任を持って決める地方主権型を目指すのか、ここではっきりとお示しいただきたいと思います。北側国土交通大臣の明確な答弁を求めます。
 さらに、改正案の第六条四項で「国土交通大臣は、全国計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。」とされておりますが、なぜ国会承認ではないのでしょうか。
 先ほど指摘したように、これまでの全総計画は、莫大な予算を投入してきたにしては、余りにもその成果には見るものがなさ過ぎるのではないでしょうか。明示できる投資総額だけで一千五百兆円以上、明示できないものも含めれば、それこそ想定もできないほどの巨額な予算が投入されてきていますが、いまだに完成を見ない事業や既に破綻を来した事業も数多く見られるのがその実態です。そして、その結果として、国と地方の長期債務残高は七百八十一兆円、国民一人当たり六百十二万円まで膨らみ、国民に、とりわけ次代を担う世代に大きな負の遺産を成すことになっているのが現実です。この責任は、ひとえに、過去の全総計画を的確に評価することなく、将来展望も歯止めもなく血税をつぎ込んできた歴代内閣にあります。
 民主党は、二年前の通常国会に、あるべき公共事業の理念、公共事業の地方への移管、事業計画の国会承認等を柱とした公共事業基本法案を提出させていただきましたが、残念ながら与党の皆さんの賛同が得られず、廃案となってしまいました。しかし、私は、国民の皆さんからお預かりした税金を原資とした貴重な予算を使い、国民生活の隅々にかかわる計画の決定は、我々国会議員が責任を持って承認すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 私たち民主党がかねてから提案してきているように、このたびの国土形成計画は閣議決定ではなく国会承認事項に変更するべきであると考えますが、国土交通大臣のお考えをお尋ねいたします。
 最後に、この改正案を見る限り、小泉内閣として目指すべき国の形が見えてきません。そこがはっきりとしなければ、実効性ある計画を作ることはできないと考えますが、いかがですか。
 私は、まず国の形という骨格があって、それを実現するために個別の政策があるのが本来の姿であると考えます。少子高齢化社会の到来、急激な人口減少が予測される中、あるべき国の形を明確にすることは必要不可欠なのではないでしょうか。
 その上で、さらに、これまでのやり方についての真摯な反省と的確な現状認識、適正な将来見通し、適切な政策判断が必要不可欠と考えます。
 目指すべき国の形と実現に向けた国土交通大臣の決意をお尋ねして、私の質問を終わります。よろしくお願いします。ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣北側一雄君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(北側一雄君) 最初に、テロ防止対策についてお尋ねがございました。
 昨日、ロンドンで複数の地下鉄及びバスに対する爆破テロ事件が発生し、多数の死傷者が出ました。このようなテロ行為は断じて許されないものであり、不幸にも犠牲になられた方々に心からの哀悼を申し上げます。
 今回のテロ事件を受けまして、国土交通省におきましては、昨夜、鉄道事業者、バス事業者及び航空事業者並びに空港管理者に対しまして、本事件の発生について注意喚起をするとともに、あわせて、テロ対策について徹底するよう緊急に指示をしたところでございます。
 これまでも国土交通省におきましては、陸海空の交通機関や重要施設におきましてテロ対策の強化徹底を行ってきたところでございますが、今後、本事件の事実関係等を踏まえつつ、必要があれば更なるテロ対策の実施の指示を行うなど、我が国でこのような事件が起こることがないよう、関係省庁とも連携しつつ、我が省といたしましても、テロ対策の実施に万全を期してまいりたいと考えております。
 次に、公共交通の民営化、規制緩和についてお尋ねがございました。
 規制緩和につきましては、社会経済情勢等の変化に的確に対応いたしまして、国民生活の質を向上させ、経済の活性化を図るという観点から、絶えず経済的規制などの見直しを行うことは必要であると考えております。
 一方、公共交通機関の安全は、最も基本的なサービスであり、国民の公共交通に対する信頼の根本を成すものであることから、国といたしまして、民間の行う事業や民間事業者に対し適切な規制を行うことにより、必要な安全等の確保を図っているところでございます。
 また、民営化につきましても、例えば国鉄の場合、鉄道事業を健全かつ安定的に継続できる体制にするために行われたものでございますが、安全面につきましては、分割民営化後のJRは他の民間鉄道事業者と同じ規制となっているところでございます。
 交通運輸行政の安全面のチェック・監督体制についてお尋ねがございました。
 従来より、必要な立入検査の実施等により交通運輸事業者の監視、監督を行うとともに、社会的規制について、科学技術の進歩や社会情勢の変化に的確に対応して不断に見直しを行うことにより安全等の確保を図る必要がございます。今回のような事故やトラブルを踏まえて、一層の安全の確保を図るため、立入検査の在り方、技術基準の見直し、ヒューマンエラーによる事故の防止対策等必要な施策について検討を進めているところでございます。
 また、従来の監督行政の延長だけでなく、新たな監視、監督の手法や行政側の組織、体制の在り方などについても、現在検討を進めているところでございます。
 いずれにしましても、公共交通に対する国民の信頼を回復すべく、公共交通の安全確保に万全を期してまいりたいと考えております。
 談合再発防止に向けての取組についてお尋ねがございました。
 入札談合等の不正行為はあってはならないことでございます。国土交通省といたしましては、これまでも、一般競争入札の導入、総合評価方式の導入、入札監視委員会の設置等の様々な対策を講じてきたにもかかわらず、鋼橋上部工事の発注に関して入札談合事件が発生したことは誠に遺憾でございます。
 今回の談合事件は、直轄工事について初めての刑事告発であること、その規模も非常に大きい工事分野であること、業界ぐるみと言われても仕方がないような事案であること等から、国土交通省といたしましてこれを厳しく受け止めまして、事務次官を委員長とする入札談合再発防止対策検討委員会を設置し、外部の有識者からの意見を踏まえつつ、鋼橋上部工事に係る入札・契約の実態調査、これまでの対策の検証、さらに再発防止策の検討を行っているところでございます。公共工事への国民の不信感を払拭すべく、談合等の不正行為の再発を防止できるよう、今月の末を目途に効果的な対策を取りまとめてまいります。
 談合により、税金が過大に支出されたとの認識があるかとのお尋ねがございました。
 談合により発生した損害につきましては、地方公共団体発注の公共工事を中心に、五%から一〇%程度の損害額を認定する判例が蓄積されてきているところでございます。このため、国土交通省としては、施工条件等の異なる現場ごとの単品生産である建設工事については、個々の事案についての談合による損害額の認定は困難であるという事情もあることから、談合があった場合に、損害賠償額の予定として請負代金額の一〇%を支払うことをあらかじめ発注者と請負者との間の合意により定める違約金特約条項を平成十五年の六月から導入しているところでございます。
 国土交通省発注の鋼橋上部工事につきましても、独禁法違反が確定した時点で速やかに違約金特約条項による損害賠償請求を行ってまいります。
 これまでの全総計画の評価と反省点についてお尋ねがございました。
 これまでの全総計画は、時代に応じた国土政策の基本方向を示し、工業や教育機関の地方分散など相応の効果を上げてきたものと認識をしております。しかしながら、東京圏への一極集中の継続、過疎問題の一層の深刻化が懸念されるなど、国土政策上の課題が引き続き残されているところでございます。
 御指摘のあった大規模開発につきましても、これまでの経済社会状況の変化に対応して随時必要な見直しを行ってきたところでございますが、それを取り巻く環境は、今後、より厳しくなるものと予想をしております。
 これを踏まえまして、開発を基調としたこれまでの国土計画から、国土の質的向上を図るため国土の利用、保全を重視した計画に転換し、今後は個性ある地域の自立的発展を促して、国土全体としてのバランスの取れた発展を図ってまいりたいと考えております。
 国土計画の軸足を転換した理由についてお尋ねがございました。
 従来の国土計画は、人口の増加と右肩上がりの経済成長を背景といたしまして、量的拡大を目指す開発中心の国土計画でございました。今回の法改正に当たりましては、人口減少時代の到来や安定成長経済への移行といった時代の大きな変化を背景といたしまして、既存ストックの有効活用や国土の質的向上を図り、国民生活の安全・安心・安定を目指す成熟社会型の国土計画への転換を図ることとしたものでございます。
 社会資本整備重点計画などの今後の取扱いについてお尋ねがございました。
 国土形成計画は、人口減少社会、成熟社会に対応した国土及び国民生活の将来像を提示し、国土の形成に関して総合的な指針を示す計画でございます。関係する計画等につきましても、その趣旨との調和を図るため、必要に応じて時代の要請に適合するよう見直しがなされていくものと考えております。
 御指摘の社会資本整備重点計画につきましては、法律上、国土形成計画との調和を図ることとされております。現在の社会資本整備重点計画は平成十九年度までの計画となっておりますので、今後、計画を改定する際には、新たな国土形成計画との調和が図られるよう策定を進めていく考えでございます。
 道路特定財源の暫定税率の見直しについてお尋ねがございました。
 道路特定財源制度は、受益者負担の考え方に基づき、燃料の消費、自動車の取得及び保有に着目して自動車利用者に道路整備費の負担をお願いしているものでございます。道路特定財源は、これまで、道路投資の伸びに対応し、税の創設、拡充が図られてきているところでございます。
 平成十五年度以降五年間に行うべき道路の整備に関する事業の量は三十八兆円を上回らないものとなっており、その財源を賄うため、道路特定財源諸税は、現在、本則の二倍程度の暫定税率をお願いしており、これまでもその全額を道路関係予算に充当をしております。
 平成十八年度以降の道路特定財源税収や政府の予算方針は定まっておりませんが、防災・減災対策、国際競争力強化、地球温暖化対策など、喫緊の課題への対応をも含む全国的な道路整備に対するニーズは依然として高いことから、税率を下げることなく道路関係予算に活用してまいりたいと考えておるところでございます。
 地方が主体的に計画を実行できるよう権限や財源を地方に移譲すべきではないか、また、国と地方との関係は中央集権型、地方主権型のいずれを目指すのかとのお尋ねがございました。
 国民にとって望ましい国土を形成していくためには、国と地方公共団体が適切な役割分担の下に連携協力して国土に関する施策を総合的かつ効率的に推進していく必要があると考えております。
 国土形成計画法におきましては、国がその本来果たすべき役割を踏まえ、総合的な国土の形成の指針となる全国計画を定めるとともに、広域地方計画制度や地方公共団体から国への計画提案制度を創設することにより、国と地方の対流型の新たな意見調整システムを整えたところでございます。
 一方、国と地方の権限や財源の在り方につきましては、現在、三位一体改革を始めとした取組が進められているところでございますが、国土交通省といたしましても、従来から、地方への権限移譲、国庫補助負担金の改革などに積極的に取り組んでおり、地域の自主性、裁量性を高めることを基本に改革を実施してまいります。
 地方にできることは地方にとの観点に立ち、国と地方との新しい関係を構築するため、地方分権の推進は政府といたしましても重要な課題であると認識をしております。国として果たすべき責任、役割を十分に認識し、国と地方、それぞれ適切な役割分担を踏まえまして進めていくことが重要であると考えております。
 国土形成計画の決定手続についてお尋ねがございました。
 国土形成計画全国計画の策定に当たりましては、パブリックインボルブメントの実施、地方公共団体からの意見聴取及び計画提案等により、国民各界各層の意見を広く取り入れることを法律上義務付けております。
 国民の代表である国会の意思を反映することも極めて重要であると認識しており、国会において計画の内容に関しまして十分に御審議をいただくことにしてまいりたいと考えております。
 ただし、国土形成計画はいわゆる行政計画でございまして、最終的には内閣が国会に対して責任を負いつつ策定することが議院内閣制の下では適切であると考えております。
 最後に、目指すべき国の形と実現に向けた決意についてお尋ねがございました。
 二〇〇七年から始まります人口減少を控え、国土政策上も様々な課題を抱えております。地域社会の維持が困難な地域の拡大、森林、農地の荒廃など喫緊の課題が表面化してきております。国際的には、東アジアが急速に台頭しており、我が国が二十一世紀中も経済社会の活力を維持していくためには、東アジアとの緊密な連携が極めて重要となっております。新たな計画では、これらの課題に対応した処方せんを示し、国民が安心して生活できる国土の将来像を提示してまいりたいと考えております。
 このような課題に適切に対応するため、このたび、制度の抜本的な見直しを図ることといたしました。国土交通省といたしましては、国民が安心して豊かな生活を営むことができるよう、経済社会の実現に向けまして全力で取り組んでまいる所存でございます。(拍手)
   〔国務大臣谷垣禎一君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(谷垣禎一君) 池口議員から道路特定財源について私に対してもお尋ねがありましたので、お答えいたします。
 道路特定財源につきましては、必要な歳出規模を踏まえ、厳しい財政事情の下、受益と負担の観点から、納税者の理解を求めながら、暫定税率の延長と使途の多様化を行ってきたところでございます。
 暫定税率を含む道路特定財源の在り方については、今後の道路予算の状況、納税者の考え方や国全体の厳しい財政事情の下で財政資金の有効な活用を図るという観点などを踏まえて、幅広く検討を進めてまいりたいと考えております。(拍手)
#10
○議長(扇千景君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#11
○議長(扇千景君) 日程第一 建設労働者の雇用の改善等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長岸宏一君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔岸宏一君登壇、拍手〕
#12
○岸宏一君 ただいま議題となりました法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、建設業を取り巻く経済社会情勢の変化等に対応し、建設業務有料職業紹介事業及び建設業務労働者就業機会確保事業の創設等により、建設労働者の雇用の安定等を図ろうとするものであります。
 委員会におきましては、建設業務への労働者派遣の禁止を維持する必要性、就業機会確保事業における労働者保護の方策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して小池晃委員より、社会民主党・護憲連合を代表して福島みずほ委員より、それぞれ反対する旨の御意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#13
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#14
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#15
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十四  
  賛成            百二十七  
  反対             九十七  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#16
○議長(扇千景君) 日程第二 学校教育法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。文教科学委員長亀井郁夫君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔亀井郁夫君登壇、拍手〕
#17
○亀井郁夫君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教科学委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、第一に、短期大学がその卒業者に対し短期大学士の学位を授与するものとすること、第二に、現行の助教授に代えて准教授の職を設けるとともに、現行の助手のうち、主として教育研究を行う者に対し助教の職を設け、主として教育研究の補助を行う者については引き続き助手とする等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、短期大学に今後期待される役割、大学等における適切な教員組織編制の在り方、若手研究者の教育研究環境を整備する必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して小林委員より反対の意見が述べられ、続いて採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#18
○議長(扇千景君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#19
○議長(扇千景君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#20
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十四  
  賛成            二百十五  
  反対               九  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#21
○議長(扇千景君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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