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2005/08/08 第162回国会 参議院 参議院会議録情報 第162回国会 本会議 第35号
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2005/08/08 第162回国会 参議院

参議院会議録情報 第162回国会 本会議 第35号

#1
第162回国会 本会議 第35号
平成十七年八月八日(月曜日)
   午後一時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第三十六号
  平成十七年八月八日
   午後一時開議
 第一 郵政民営化法案(内閣提出、衆議院送付
  )
 第二 日本郵政株式会社法案(内閣提出、衆議
  院送付)
 第三 郵便事業株式会社法案(内閣提出、衆議
  院送付)
 第四 郵便局株式会社法案(内閣提出、衆議院
  送付)
 第五 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管
  理機構法案(内閣提出、衆議院送付)
 第六 郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の
  整備等に関する法律案(内閣提出、衆議院送
  付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(扇千景君) これより会議を開きます。
 日程第一 郵政民営化法案
 日程第二 日本郵政株式会社法案
 日程第三 郵便事業株式会社法案
 日程第四 郵便局株式会社法案
 日程第五 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案
 日程第六 郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上六案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。郵政民営化に関する特別委員長陣内孝雄君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔陣内孝雄君登壇、拍手〕
#4
○陣内孝雄君 ただいま議題となりました六法律案につきまして、郵政民営化に関する特別委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 まず、郵政民営化法案は、郵政民営化推進本部及び郵政民営化委員会を設置し、持ち株会社となる日本郵政株式会社をあらかじめ設立し、その子会社となる郵便貯金銀行及び郵便保険会社を設立すること、公社の業務等の承継計画の策定等について定めるとともに、平成十九年四月一日に、郵便事業株式会社、郵便局株式会社及び独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構を設立し、郵便貯金銀行及び郵便保険会社について、銀行業又は生命保険業の免許を受けたものとみなし、最終的な民営化を実現するまでの移行期間中に、持ち株会社は両会社の株式のすべてを処分しなければならないこと等について定めようとするものであります。
 また、日本郵政株式会社法案、郵便事業株式会社法案及び郵便局株式会社法案は、政府が、常時、持ち株会社の発行済株式総数の三分の一を超えて保有していなければならないことを定めるほか、持ち株会社は、郵便事業株式会社及び郵便局株式会社の発行済株式の総数を保有しなければならないこと、両会社が実施する社会貢献業務及び地域貢献業務に要する費用に充てる資金を交付するため、社会・地域貢献基金を設け、積み立てること等について定めようとするものであります。
 次いで、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案は、機構が、公社から承継した郵便貯金及び簡易生命保険を適正かつ確実に管理し、債務を履行すること等を定めようとするものであります。
 最後に、郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案は、郵便貯金法、簡易生命保険法、日本郵政公社法等十三の関係法律を廃止するほか、郵便法において、特別送達等につき信用力を確保するための郵便認証司の制度を設けるなど、関係法律について規定の整備等を行おうとするものであります。
 なお、衆議院において、郵便局を活用して行う地域住民の利便の増進に資する業務として、銀行業及び生命保険業の代理業務を明示すること、社会・地域貢献基金について、一兆円を超えて積み立てることができることを明確にし、二兆円まで積み立てる場合には一兆円までと同じルールで積み立てなければならないこと、議決権の行使に関する事項を郵便貯金銀行及び郵便保険会社の定款に必ず定めなければならないこと、さらには民営化委員会が三年ごとに行う「総合的な検証」を「総合的な見直し」に改めること等の修正が加えられております。
 委員会におきましては、六法律案を一括して議題とし、三回にわたり小泉内閣総理大臣の出席を求めて質疑を行い、地方公共団体の関係者を中心に二日間、計十六名の参考人から意見を求めて質疑を行ったほか、東京都、大阪府、京都府及び岩手県に二班に分けて委員を派遣し、現地調査を実施するとともに、京都市及び盛岡市において地方公聴会を開催いたしました。
 また、金融を中心とした郵政事業及び郵便事業を中心とした郵政事業について二回の集中審議を行うなど、十六日間の連日にわたり、慎重かつ精力的な審査が行われました。
 この間の委員会における主な質疑は、郵政民営化の意義及びなぜ今民営化が必要なのか、郵政民営化を行うには中央省庁等改革基本法第三十三条第一項第六号を改正する必要があるのではないか、公社は発足後二年余りしかたっておらず、四年間の中期経営計画の達成状況を見てから公社法の改正を含めて必要な改革を行うべきではないか、過疎地はもとより、都市部も含めて郵便局の設置基準をどのように定め、国民の資産である郵便局全国ネットワーク網をいかに維持していくのか、金融のユニバーサルサービスをどのように確保するのか、株式持ち合い等によりグループ一体で事業を確保すべきではないか、三年ごとの民営化委員会の見直しには、経営形態の在り方を含め総合的な見直しが必要なのではないか、経済活性化のため三百四十兆円に上る郵貯・簡保資金を民間で活用するというが、果たして郵政民営化により資金が官から民へ流れるのか、低所得者が銀行口座を持てないような金融排除の問題が将来生じるおそれはないのか、民営化委員会の人選は広く国民の声を反映できるものとするとともに、その運営は透明性を確保すべきではないか等であります。
 その他の項目としては、四分社化の趣旨、衆議院における修正内容とその経緯、政府関与の残る特殊会社による民業圧迫のおそれ、職員の非公務員化による特別送達等公的サービスへの影響、社会・地域貢献基金の性格及びその必要な規模、情報システム対応の問題点、民営化による財政への貢献、地方議会の意見書に対する説明責任、簡易保険の責任準備金の状況と税制上の取扱い、民営化に伴う職員の雇用及び勤務条件への配慮、国際物流事業への参入に必要な条件整備、骨格経営試算と採算性に関する試算の妥当性、簡易郵便局及び特定郵便局の果たしてきた役割と維持方策、規制緩和に関するアメリカの対日要求と民営化との関連、機構に承継される資産の運用方法、分割民営化により新たに生じる税負担の減免、外資等による敵対的買収への防衛策、政府広報の在り方等々と広範多岐にわたっており、その詳細は会議録に譲ることといたします。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、民主党・新緑風会を代表して山根隆治委員から反対、自由民主党及び公明党を代表して弘友和夫理事から賛成、日本共産党を代表して大門実紀史委員から反対、社会民主党・護憲連合を代表して又市征治委員から反対する旨の意見がそれぞれ述べられました。
 討論を終局し、順次採決の結果、六法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、六法律案に対し、
 一、簡易郵便局を含めた郵便局ネットワークの現行水準が維持されるとともに、万が一にも国民の利便に支障がないよう万全を期すこと。
 貯金・保険サービスを引き続き提供するため、長期・全国一括の代理店契約を承継計画において明確にするとともに、基金についても二兆円規模まで積み立てること。
 持ち株会社及び四子会社が、総合的な経営戦略に基づき、郵便局ネットワークを維持・活用できるよう株式の持ち合いを認め、実効ある措置を講ずること。
 四、民営化委員会の三年ごとの見直しには、設置基準に基づく郵便局の設置状況、金融保険サービスの提供状況等を含め総合的に点検し、必要があれば経営形態の在り方を含めた総合的な見直しを行うこと。
 十一、現行の労働条件及び処遇が将来的にも低下することなく、職員が安心して働ける環境づくりについて、きめ細やかな配慮をするなど適切に対応すること。
 民営化に伴う激変緩和の必要性の有無、基金の設置など特別な論点を踏まえつつ、消費税の減免などを含め関係税制について所要の検討を行うこと。
を始めとして、十五項目から成る附帯決議が行われました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(扇千景君) 六案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。伊藤基隆君。
   〔伊藤基隆君登壇、拍手〕
#6
○伊藤基隆君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました郵政民営化関連六法案に対し、反対の討論を行います。
 小泉首相が改革の本丸と位置付ける本法案がわずか五票差で衆議院を通過し、本院に送付されて以来、本院では郵政民営化特別委員会において長時間にわたる真摯な審議が行われてまいりました。
 しかし、内政、外交課題が山積する中で、なぜ今郵政民営化が必要なのかという基本的な問題は何ら国民には理解をされないまま、小泉首相の強引極まりない政治手法のみが国民の注目を集めています。
 もとより、参議院は衆議院のカーボンコピーではありません。衆議院と同じ結論を強要するため、筋違いの解散権行使をもって威嚇し、良識の府である参議院に干渉しようとする小泉首相の姿勢は、二院制という我が国の議会制度を根本から否定するものです。自分の考えを通すために他人の意見は一切聞かず、民主主義のルールをも無視して平然としているこの強権政治に、本院の内外を問わず批判が集中していることをまず冒頭に申し上げます。
 本法案は、現在、日本郵政公社が担っている郵便、郵便貯金、簡易保険の郵政三事業を、郵便、銀行、保険、そして窓口の四機能に分解し、民間会社の手に任せるというものです。しかし、本法案の審議では、この議論の出発点さえ納得が得られませんでした。
 そもそも、二年前に発足したばかりで、利用者の評判が良く、健全経営を維持している日本郵政公社をなぜ今民営化しなければならないかという疑問に対し、ついに十分な説明が行われませんでした。
 一方、民営化によって利益追求が重視されれば、過疎地や地方の郵便局がやがて閉鎖に追い込まれるのではないかという国民の心配をぬぐい去ることはできなかったのです。
 また、全国の地方自治体、地方議会の声を顧みなかったことも重大です。すべての都道府県議会、二千六百七十もの市町村議会から郵政民営化に反対、公社の継続あるいは慎重な対応等を求める決議が寄せられていながら、これを必ずしも国民の声を代表するものではないと軽んじた小泉首相の答弁がいかに大きな不信を招いたか、本法案を審査する地方公聴会を通じて改めて認識させられたのであります。
 以下、具体的な問題点を指摘することで本法案反対の理由を申し述べます。
 まず、郵便貯金と簡易保険が廃止されることです。
 あまねく公平に利用できる確実な貯蓄手段である郵貯と簡易な生命保険である簡保が利用できなくなります。十年間の移行期間中は安定な代理店契約の義務付け、その後は基金により支障なく貯金や保険のサービスが提供されるとの説明でしたが、審議を通じ、代理店契約にも基金にも限界があり、貯金や保険のユニバーサルサービスは何ら保障されていないことが明らかになりました。
 次に、郵便局ネットワークが崩壊してしまうことです。
 本法案では、郵便局に義務付けられている業務から貯金や保険のサービスが外れます。貯金と保険を取り扱わない地方の郵便局の経営が成り立たないことは明白です。民営化して、小泉首相が答弁したように、合理的な再配置が行われれば、身近な小さな郵便局は閉鎖され、ネットワークは崩壊してしまいます。本法案の審議を通じて、改めて郵便局ネットワークの社会的な必要性や過疎地域の末端で郵政事業を担っている簡易郵便局の重要性が理解されたことと思います。
 さらに、民営化しても三百四十兆円に及ぶ郵貯・簡保資金の流れは変わらないことです。資金の流れを変えるためには、財政健全化や特殊法人改革によって国債の発行残高を減らし、同時に、景気回復による民間の資金需要の増加が必要です。
 しかし、国債の追加発行が避けられないのが現実であり、引き続き郵貯、簡保による国債の安定的な保有を期待せざるを得ません。郵政民営化イコール官から民への資金が流れるということにはならないのです。
 また、郵政民営化に連動し、公的な金融システムが完全になくなることは避けるべきです。公的な金融機関の存在は、景気の回復、雇用の創出など国民生活の発展や地域経済の活性化、さらには中小企業、社会的弱者を支援する仕組みとして今後も有効に機能させるべきものと考えます。
 結局、小泉首相がこだわった郵政民営化の目的は、利率が低くても安全確実で国民の日々の暮らしに安心を与えている公的な性格を持つ郵便貯金と簡易保険を廃止して普通の民間銀行と普通の民間保険会社に変えるというものです。三百四十兆円に及ぶ国民の個人資産をやみくもに金融市場に投入しようというものです。
 しかし、具体的な成功の道筋は何ら示されていないばかりか、むしろ全国に張り巡らされた貴重な郵便局ネットワークが崩壊する危険性をはらんでいるのです。堅実な経営を続けている日本郵政公社を廃止し、郵政民営化という危険なかけに国民の財産を投入することの是非が本法案の賛否で問われているのであります。
 最後に、長年郵政事業に深くかかわってきた者として申し上げます。
 郵政事業は、全国どこにでもある郵便局を通じてユニバーサルサービスを提供するという公的な役割を果たし、税金を投入することなく、自らの事業収入ですべての経費を賄っています。これが可能であったのも、きちんとしたサービスを提供し、国民の皆さんに利用していただいているからです。郵便局は地域の利用者にどう満足してもらえるかを考え、日々事業の改良、改善を進めています。
 今回の郵政改革民営化の議論では、その理由が何度も変わりました。郵貯の肥大化だったり、郵貯資金と財投の問題だったり、郵便局のコンビニ化だったり、郵政先細り論だったり、独立採算であるにもかかわらず公務員が減るのがメリットとするようなあいまいな論拠に終始しました。
 小泉首相は、景気対策や財政再建が行き詰まる中で、健全な郵貯・簡保資金をどう利用するのかだけを考え、郵政事業が果たしている公的な役割を忘れたところに本法案の行方が迷走している本当の理由があるのではないでしょうか。
 郵便物がきちんと届かない、赤字の垂れ流しで経営が成り立たないという事態ならともかく、企業体が順調に運営されているのであれば、改革の実行はその経営者の責任です。また、郵政事業の規模や社会性を考えれば、郵政事業を愛する者の手によって改革されるのでなければうまくいくはずがないと断言できるのです。
 今求められていることは、拙速な郵政民営化ではありません。まずは、日本郵政公社を発足させた二年前のあの改革を確実に成功させることであると考えます。
 いよいよ時間であります。郵政民営化関連六法案の採決に当たり、本院のすべての同僚議員の皆さんに青票を持って投票に臨まれることを希望して、私の討論を終わります。(拍手)
#7
○議長(扇千景君) 世耕弘成君。
   〔世耕弘成君登壇、拍手〕
#8
○世耕弘成君 私は、自由民主党及び公明党を代表して、ただいま議題となりました郵政民営化関連六法案に対して、賛成の立場から討論を行います。
 まず、討論に先立ち、過日逝去されました永岡洋治衆議院議員に対して、心から哀悼の意を表明いたします。
 さて、小泉内閣は、民間にできることは民間にの方針の下、構造改革に今日まで取り組んでまいりました。今回の郵政民営化は、行財政改革を始めとするあらゆる構造改革に連動する小泉構造改革の本丸です。特に、三百三十兆円もの国民の大切な資産が郵便貯金、簡易保険を通じて国債の購入や特殊法人向けの資金供給といった官の世界でのみ使われている事態を解消し、民間向け資金として活用の道を開くことは、国家財政に規律を取り戻して、小さな政府を実現する上でも、経済を活性化する上でも喫緊の課題と言えましょう。
 参議院の郵政民営化に関する特別委員会においては、実に八十二時間にわたる審議が行われました。衆議院では行われなかった郵便局の実地調査も行われました。良識の府参議院にふさわしい内容の濃い議論が展開されたことを与野党の立場を超えて指摘をしておきたいと思います。
 また、審議の中で各委員から出された数々の疑問点に対して、政府が誠実かつ真摯に対応し、衆議院の審議では不明確であったポイントに関して踏み込んだ答弁が行われたことを率直に評価したいと思います。
 郵便事業は、今後、電子メール等に押されて取扱いが減少し、収益が悪化する見通しです。また、貯金・保険事業も制約の多い公社制度の下では民間との競争に勝ち残ってはいけません。特別委員会の答弁の中で日本郵政公社の生田総裁自らが、現在の公社制度のままでは中長期的には困難な状況となり、料金の値上げや過疎地のサービス打切りにつながりかねないとの発言をされたことを重く受け止めたいと思います。
 このような厳しい郵政事業の状況を考えると、私は、現状維持にきゅうきゅうとするのではなく、改革を断行することで将来の展望を開くべきだと考えます。経営が行き詰まってから税金投入が必要となるといった事態だけは避けなければなりません。後手に回るのではなく、体力のあるうちに先手を打って民営化を行い、新規事業への参入の道を開くことが郵政事業の持続的発展のためには絶対に必要です。
 また、郵政民営化は、民間精神に基づくサービス向上や資金の多様な運用、法人税等の支払による財政再建への貢献など、国民的な利益にかなうものであると私は確信いたしております。
 しかし、一方では、国民の間には、民営化によって過疎地の郵便局がなくなってしまうのではないだろうか、貯金や保険サービスが打ち切られるのではないだろうかといった様々な不安が存在するのも事実です。そういう不安にこたえるため、特別委員会の審議の中で法案内容が厳しくチェックをされ、総理等の答弁でいろいろな確認が行われています。
 その一つは、国民の資産である郵便局ネットワークは民営化後も維持されるということであります。
 言うまでもなく、郵便局株式会社法案で、「あまねく全国において利用されることを旨として郵便局を設置しなければならない。」という義務が定められています。さらに、この義務規定に加えて、省令案や政府答弁により、過疎地においては現行の郵便局ネットワークの水準は間違いなく維持されるということが明確に担保されているとともに、過疎地以外の都市部においても、国民の利便に支障がないよう十分な配慮がされることが確認されたところであります。
 特に、特別委員会での答弁において、小泉総理から、郵便局ネットワークは国民の資産であり、このネットワークを守って、万が一にも国民の利便に支障が生じないようにしていきたいとの決意が示されたことは、非常に重い意味があると考えています。
 以上のことから、国民の間にある郵便局がなくなるのではないかとの懸念は、参議院での審議を通じて払拭されたと考えております。
 二つ目は、貯金・保険サービスについても現行水準の維持がしっかりと担保されていることです。
 衆議院の修正により、銀行・生命保険業の代理業務について法案に明示され、地域・社会貢献基金を二兆円まで増額できるようになりました。また、移行期間後の持ち株会社による連続的な株式保有も可能となっております。しかも、参議院の答弁で、移行期間中であっても郵便局会社による貯金、保険二社の株式保有が可能であることが確認されたため、三事業一体的なグループ経営により、これまでと同様、郵便と貯金、保険が一体となったサービスの確保が可能であると考えております。
 そして、三つ目は、三年ごとの見直し規定が設けられていることです。
 ここで言う見直しとは、経営形態の在り方を含むすべての事象を対象とするものであることを小泉総理が明確に答弁され、民営化委員会によって郵政民営化の進捗に関してあらゆる見直しが行われることが確認されています。平成二十九年の完全民営化までの長い長い道のりの中で、万一、実際に国民に不便を感じさせるような事態が生じた場合には、四分社化といった経営形態の在り方も含めて適時適切に見直しが行われるわけです。
 そして、しかも、こういった答弁で確認された種々の事項は、委員会での十五項目にわたる附帯決議という形で更に確実に担保されていることも申し添えておきます。
 私は、公社から民営化された直後のNTTに就職し、十三年間勤務しておりました。民営化の改革にはあつれきも多く、いろいろな問題も発生しました。しかし、一方で、社員にはチャレンジ精神がみなぎり、新商品の開発やお客様サービス向上へ向けた巨大なエネルギーが社内に満ちておりました。
 郵政民営化の改革にも多くの困難があることは否定いたしません。だからこそ、本法案が成立した後も民営化の過程をしっかりとチェックして、困難を克服し、国民のより良い生活を実現するための新たなエネルギーを生み出していくことこそが政治の責任ではないでしょうか。
 郵政民営化は、小泉総理が政治家として長年信念を持って取り組んでこられたテーマですが、小泉総理よりはるか以前に提唱していた人物がおります。和歌山県出身で、初代郵政大臣に当たる初代駅逓頭を務めた浜口梧陵翁であります。この浜口梧陵翁は、津波から住民を守った「稲むらの火」の逸話や私財での堤防建設といった、現代の防災ボランティアやPFIを先取りしたような、正に民間主導の業績を数多く残している人物ですが、この浜口梧陵翁が、郵便事業に関して、将来は民間の経営にゆだねるのがよいとの言葉を実質的初代郵政大臣として今から百三十四年前の明治四年に残していることを最後に指摘させていただき、私の賛成討論とさせていただきます。
 どうぞ皆さん、賛成よろしくお願いいたします。(拍手)
#9
○議長(扇千景君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#10
○議長(扇千景君) これより六案を一括して採決いたします。
 阿部正俊君外百三十六名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。六案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#11
○議長(扇千景君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#12
○議長(扇千景君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#13
○議長(扇千景君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百三十三票  
  白色票            百八票  
  青色票          百二十五票  
 よって、六案は否決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#14
○議長(扇千景君) これにて休憩いたします。
   午後一時四十四分休憩
   〔休憩中衆議院が解散され、同時に本院は閉会となった〕
ソース: 国立国会図書館
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