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2005/03/10 第162回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第162回国会 本会議 第10号
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2005/03/10 第162回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第162回国会 本会議 第10号

#1
第162回国会 本会議 第10号
平成十七年三月十日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第四号
  平成十七年三月十日
    午後一時開議
 第一 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第四 児童扶養手当法による児童扶養手当の額等の改定の特例に関する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 京都議定書発効に伴う地球温暖化対策推進の強化に関する決議案(小坂憲次君外十三名提出)
 日程第一 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第四 児童扶養手当法による児童扶養手当の額等の改定の特例に関する法律案(内閣提出)
 中小企業経営革新支援法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時三分開議
#2
○議長(河野洋平君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○梶山弘志君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 小坂憲次君外十三名提出、京都議定書発効に伴う地球温暖化対策推進の強化に関する決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。
#4
○議長(河野洋平君) 梶山弘志君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、日程第一に先立ち追加されました。
    ―――――――――――――
 京都議定書発効に伴う地球温暖化対策推進の強化に関する決議案(小坂憲次君外十三名提出)
#6
○議長(河野洋平君) 京都議定書発効に伴う地球温暖化対策推進の強化に関する決議案を議題といたします。
 提出者の趣旨弁明を許します。竹下亘君。
    ―――――――――――――
 京都議定書発効に伴う地球温暖化対策推進の強化に関する決議案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔竹下亘君登壇〕
#7
○竹下亘君 自由民主党の竹下亘であります。
 私は、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、日本共産党、社会民主党・市民連合の提出者を代表いたしまして、ただいま議題となりました決議案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。
    京都議定書発効に伴う地球温暖化対策推進の強化に関する決議案
  京都議定書は、米国等が参加しないうちでの発効となったが、我が国は、地球温暖化対策の第一歩となる本議定書をとりまとめた議長国として、削減目標の着実な達成はもとより、他国に先んじて脱温暖化社会の構築を進めるべきである。
  よって、政府は、次の事項について最大限の努力をすべきである。
 一 京都議定書目標達成計画の策定に当たっては、削減目標を達成するため、温室効果ガスの削減対策、森林吸収源対策、京都メカニズムに係る対策とその裏付けとなる施策を盛り込んだ計画を策定し、それら対策・施策の強力な推進を図ること。
 二 世界最大の温室効果ガス排出国である米国等の先進国に対し、同議定書への復帰・参加を強く働きかけるとともに、中国及びインド、その他の途上国を含むすべての国が参加できる将来枠組みの構築に向け、国際的なリーダーシップを発揮すること。
 三 国民や事業者などすべての主体が地球温暖化対策を自らの課題として認識し、対策に取り組むよう啓発活動や環境教育を一層推進すること。また、事業者や地方公共団体の温室効果ガス排出削減のための取組への支援を積極的に行うこと。
 四 地球温暖化対策は、中長期にわたる対策であることにかんがみ、地球温暖化に関する科学的知見の充実、技術の開発・普及、及びそのための社会的基盤整備を進めること。
  右決議する。
以上であります。
 何とぞ議員各位の御賛同を心よりお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#8
○議長(河野洋平君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
 この際、内閣総理大臣から発言を求められております。これを許します。内閣総理大臣小泉純一郎君。
    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕
#10
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) ただいまの御決議に対して所信を申し述べます。
 地球温暖化は、その影響が将来の世代にわたり、また、地球全体に及ぶ問題であり、世界各国が一体となって取り組む必要があると認識しております。
 政府は、ただいまの御決議の趣旨を十分体しまして、京都議定書目標達成計画の策定とその確実な実施並びに脱温暖化社会の実現に全力で取り組むとともに、将来に向けて、すべての国が参加する枠組みの構築に努力してまいります。(拍手)
     ――――◇―――――
 日程第一 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
#11
○議長(河野洋平君) 日程第一、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案、日程第二、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。法務委員長塩崎恭久君。
    ―――――――――――――
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案及び同報告書
 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔塩崎恭久君登壇〕
#12
○塩崎恭久君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、法務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案は、下級裁判所における事件の適正かつ迅速な処理を図るため、裁判所の職員の員数を増加させるものであります。
 次に、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案は、最近における市町村の廃置分合等に伴い、簡易裁判所の名称並びに所在地及び管轄区域の表示を改めるほか、編入合併後も従前の簡易裁判所の管轄区域が維持される範囲を拡大するための規定の整備等を行うものであります。
 両案は、去る三月二日本委員会に付託され、四日南野法務大臣から提案理由の説明を聴取し、八日質疑を行い、採決の結果、いずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#13
○議長(河野洋平君) 両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第三 戦没者等の遺族に対する特別弔慰
金支給法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第四 児童扶養手当法による児童扶養手当の額等の改定の特例に関する法律案(内閣提出)
#15
○議長(河野洋平君) 日程第三、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法の一部を改正する法律案、日程第四、児童扶養手当法による児童扶養手当の額等の改定の特例に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。厚生労働委員長鴨下一郎君。
    ―――――――――――――
 戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法の一部を改正する法律案及び同報告書
 児童扶養手当法による児童扶養手当の額等の改定の特例に関する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔鴨下一郎君登壇〕
#16
○鴨下一郎君 ただいま議題となりました両案について、厚生労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、平成十七年が戦後六十周年に当たることから、戦没者等の遺族に対し改めて弔慰の意を表するため、平成十七年四月一日における戦没者等の遺族であって、同一の戦没者等に関し公務扶助料、遺族年金等の支給を受けている者がいないものに対し、特別弔慰金として額面四十万円、十年償還の国債を支給しようとするものであります。
 次に、児童扶養手当法による児童扶養手当の額等の改定の特例に関する法律案について申し上げます。
 本案は、平成十七年度以降の児童扶養手当等の額について、平成十二年度から十六年度までに講じられた物価スライドの特例措置によりかさ上げされている一・七%分を、手当受給者の生活に配慮しつつ、段階的に解消することとし、消費者物価指数が上昇した場合には据え置き、下落した場合にはその下落分のみを改定しようとするものであります。
 両案は、去る三月二日本委員会に付託され、四日尾辻厚生労働大臣から提案理由の説明を聴取し、昨日質疑を行い、質疑終局後、まず、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法の一部を改正する法律案について採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次いで、児童扶養手当法による児童扶養手当の額等の改定の特例に関する法律案について討論を行い、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#17
○議長(河野洋平君) これより採決に入ります。
 まず、日程第三につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
 次に、日程第四につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#19
○議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 中小企業経営革新支援法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#20
○議長(河野洋平君) この際、内閣提出、中小企業経営革新支援法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。経済産業大臣中川昭一君。
    〔国務大臣中川昭一君登壇〕
#21
○国務大臣(中川昭一君) 中小企業経営革新支援法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 我が国経済を取り巻く状況は、緩やかな回復が見られるものの、中小企業や地域経済を取り巻く状況はまだまだ厳しい状況であります。中小企業は我が国経済の基盤であり、その創業や経営革新への取り組みを従来から支援してまいりましたが、施策体系を利用者にとってわかりやすくするとともに、必要な拡充を行い、中小企業の新たな事業活動への取り組みを強力に支援する必要があります。
 さらに、経済のグローバル化が進展し、大企業のみならず、中小企業についても世界規模の競争が不可避となりつつある中、中小企業においてはむしろそれを好機ととらえ、自身の機動性、柔軟性を生かし、それぞれの強みを持ち寄って事業展開を図るという新しい形の連携が見られます。このような中小企業の新たな連携への取り組みに対し、積極的な支援を行っていく必要があります。
 こうした状況を踏まえ、今般、本法律案を提案した次第であります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 本法律案は、中小企業経営革新支援法を柱として、新事業創出促進法、中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法に規定する支援措置を発展的に整理統合するとともに、中小企業の新たな連携による新事業分野の開拓を支援する制度を創設することにより、中小企業の新たな事業活動を総合的に促進するものであります。そのため、中小企業経営革新支援法の題名を中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律に改めるとともに、経営革新に対する支援に加え、以下の措置を講ずることとしております。
 第一に、経済活力の源泉である創業を幅広く支援いたします。具体的には、創業及び創業間もない事業者について、中小企業信用保険法の特例等によって資金調達を支援いたします。
 第二に、異分野の事業者と連携することにより新事業分野の開拓を図る中小企業者に対し、中小企業信用保険法の特例、設備投資減税等の支援措置を講ずることとしております。
 以上が、本法律案の趣旨であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 中小企業経営革新支援法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#22
○議長(河野洋平君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。計屋圭宏君。
    〔計屋圭宏君登壇〕
#23
○計屋圭宏君 民主党の計屋圭宏でございます。(拍手)
 本題に入る前に、冒頭に、国会にとって恥ずべきニュースが入りました。
 警視庁麻布署は、十日未明、自民党中西一善衆議院議員を強制わいせつの現行犯で逮捕しました。国民の代表として許しがたい破廉恥な行為です。中西議員は、直ちに議員を辞職すべきです。自民党も、党として厳重な処分をされるよう望みます。(拍手)
 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま提案のありました中小企業経営革新支援法の一部を改正する法律案について、関係大臣に質問を行います。
 経済がボーダーレス化して、知的財産権や研究の分野でも国境を越えた動きが当たり前になっています。今回、この法改正が、日本の元気を支える中小企業の活性化のみならず、経済の国際化にもこたえるものか、検証する必要があります。
 青色発光ダイオードを発明した中村修二氏は、徳島の中小企業を世界的な最先端企業へと育て上げました。しかしながら、その発明対価をめぐって、日本の研究風土を見限り、米国に新天地を求めました。
 私は、こうした頭脳流出の動きを食いとめることができるのかどうか、日本にとって大変重要な問題であると考えております。
 さて、政府予算案と民主党予算案を比べると、中小企業対策費には大きな違いがございます。
 まず、政府の中小企業関連予算は、景気の踊り場を迎えた今、積極的な対応をしているとは感じられません。民主党の平成十七年度予算案では、中小企業対策費として二千二百八十八億円を計上しております。これは、政府案の千七百三十億円をはるかにしのぐ対策規模であると言えます。
 民主党案では、国民生活金融公庫マル経拡充や中小企業再生協議会強化を実施するなど、中小企業対策に積極的に取り組みます。これ以外にも、地域経済再生のため、地方が自由に使える一括交付金を一千億円計上いたしました。
 私たちの中小企業政策に関する提案に、政府はどう取り組むのか。補正予算で場当たり的に積み増すのではなく、当初予算の段階から十分な中小企業対策費を計上すべきと考えますが、財務大臣、経済産業大臣の答弁を求めます。(拍手)
 また、研究開発費に関しても大きな違いがあります。
 研究費の政府負担割合は、日本が約二割となっているのに、アメリカ、イギリス、ドイツでは約三割、フランスに至っては約四割に達しています。他の先進諸国並みに、科学技術支援には国費をもっと投入すべきと思いますが、どのようにお考えですか。
 この点について、財務大臣、文部科学大臣の答弁を求めます。
 また、中小企業の技術支援のためのSBIRを充実すべきとの声が従来から多くありました。中小企業と大学、非営利組織の共同研究を支援するSTTRも用意する必要性があると考えています。知的創造サイクルの担い手となっている技術移転機関、TLOに対しても財政支援を強化すべきと考えます。
 経済産業大臣、文部科学大臣の御所見を求めます。
 政府から、創業や新事業展開を図る中小企業に対する支援を強化するために、既存の中小企業支援三法を整理統合して、新たに中小企業経営革新支援法の一部を改正する法律案が提案されました。
 これまで、中小企業を支援していく法は、中小企業が行う経営革新や経営基盤の強化を支援する中小企業経営革新支援法、企業の研究開発活動を通じて、新事業分野の開拓を目指す中小企業を支援する中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法、中小企業の新技術を利用した事業活動の促進を目指す新事業創出促進法がありました。
 これらの中小企業支援三法に関しては、支援の内容により適用される法律が違うなど、複雑で利用しづらい、各法の理念や創設の経緯は異なるものの、支援する対象や支援される措置に重複している部分がある、政策金融や補助金など、他の支援措置と有機的に連動する円滑な実施が図られていない、支援措置を受ける場合、利用者は面倒な事務負担をせざるを得ないなどの不満が大変多くありました。
 今般、今までの三法を一本化し法案化したことは、大変意義があることだと思います。しかしながら、こうした政府の後手に回る中小企業対策には、関係者らもあきれ果てています。まさに、政府の中小企業対策は遅きに失したと言わざるを得ません。
 新法の柱となるのは、中小企業の新しいタイプの連携とされる新連携支援であるとされます。特定分野に独自の高い技術や製品を持っている中小企業が、相互に補完、連携して、付加価値の高い商品、サービスを創出することを積極的に支援することが従来から切望されていただけに、ようやく実現するのかとの意見が多くあります。
 また、中小企業の連携に関する支援策はこれまでも幾度となく実施されてきたものの、その支援策の根本には法人格組織をつくる必要があるなど、不十分なものであったと言えます。
 新連携対策事業では、技術やノウハウ等で相互に補完し合う緩やかな連携がされていれば支援の対象とするとのことですが、これが今までのように言葉だけの建前論に終わらないことと、新たな天下り先とならないことを期待します。
 同時に、新連携と認定された案件には、補助金が交付されるほか、政府系中小企業金融機関による融資も行われ、新事業の設備投資に関しては減税等の優遇措置が講じられるとのことですが、本当に効果的な施策となるのでしょうか。
 今般の法律改正が、従来の施策と異なり、真に使いやすく、わかりやすい仕組みとなっているのか、一層効果的なものであるのか、経済産業大臣より具体的にお示しいただきたいと存じます。
 新連携の中には、技術連携やマーケティングの専門家、政府系・民間金融機関等で構成される新連携支援地域戦略会議が全国の各ブロックに設置され、新連携計画の申請前から申請企業の得意分野を把握し、相互補完可能なパートナー企業の組み合わせについても提案を行うこととされています。こうした仕組みがどのように地域経済の活性化につながり、地場産業の再生につながるのか、経済産業大臣の見解を求めます。
 産業再生機構が大手スーパー、ダイエーに巨額の資金を注入したことは記憶に新しいところであります。この救済劇では、大手三行が約四千億とも言われる債権放棄を決めるなど、中小企業経営者から見れば非常識な慣行が繰り返されているのです。
 景気は昨年の秋以降、踊り場状況からさらに減速感が強まり、中小企業の景況感は連続して悪化しております。他方で、金融機関の中小企業向け貸出残高は五年連続で大幅に減少しており、景気の先行きが不透明化している現在こそ、中小零細企業の資金繰りを支援し、経営を安定化させるための積極的な支援が必要です。
 数千億の資金があるのであれば、長引く不況にあえぐ中小零細企業を何件救えるのでしょうか。中小零細企業へも、もっと再生への光を向けるべきなのではありませんか。(拍手)
 小泉総理は、うまくいっている事業の例ばかりを挙げて構造改革の効果を宣伝していますが、中小企業の実態を御承知なのでしょうか。
 中小企業の実態を見ると、倒産件数は全体として減少していますが、その反面、廃業はふえ、町の商店街やガソリンスタンドなどの零細企業は、苦しい経営を強いられ、閉店を余儀なくされる例が後を絶ちません。警察の統計では、経済的要因で自殺に追い込まれる中小企業経営者も依然として数多く報告されています。
 平成十年を境に、金融機関からプロパーで借り入れできる企業と保証つき借り入れでなければ借り入れができない企業との二極化が進行しています。今、未来を担う若者の多くがニート、フリーターの道を選んでいますが、雇用の受け皿となる保証つき借り入れしかできない中小企業が疲弊し、弱体化していることが大きな要因であると考えております。
 平成十年から十三年まで実施された特別保証制度は、当時、貸し渋りに苦しむ中小企業の救済に大きな効果を発揮いたしました。景気が減速し、また失業率も高どまりしている現在、我が国経済を着実に活性化していくためには、まず何よりも中小企業に元気を出してもらうことが必要です。
 このため、中小企業の新分野への進出を積極的に支援し、かつ雇用の創出を図るためにも、前向きの特別無担保保証制度を創設すべきと考えます。(拍手)また、景気回復のための中小企業融資特別保証制度を五十兆円枠で創設し、無担保で一社一億円、七年返済、二年据え置きで考えられればと思います。
 経済産業大臣、金融担当大臣の御所見を求めます。
 四月よりペイオフが本格的に実施されますが、国民の持っている預金を中小企業への融資につなげるような方策も同時に講ずるべきではないかと考えます。あわせて答弁をいただきたいと存じます。(拍手)
 さて、ことし二〇〇五年は、平和主義者で天才物理学者でもあるアルベルト・アインシュタインを思い起こす重要な年です。アインシュタインが特殊相対性理論をまとめて完成させたのが一九〇五年であり、その百周年に当たります。
 注目すべきは、アインシュタインが、貧しい家庭に育ちながらも、羅針盤との出会いから科学の世界へと没頭し、特殊相対性理論を確立したことです。アインシュタインが打ち立てた現代物理学は、今日のIT革命、遺伝子技術にも生きています。すべての発明は小さな部屋から生まれ、そして、世界をも変える技術へと進歩していきます。
 中小企業に元気を取り戻すことは、日本を元気にすることであります。日本の産業の九九・七%は中小企業であり、就業者の八割は中小企業に従事しています。その中小企業を確実に支援し、育成していくことに国の命運がかかっているということを力説いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣中川昭一君登壇〕
#24
○国務大臣(中川昭一君) 計屋議員にお答え申し上げます。
 中小企業対策費についてのお尋ねですが、言うまでもなく、中小企業は我が国経済の活力の源泉であり、やる気と能力のある中小企業がその力を発揮していくことが大変重要であると考えております。
 このため、平成十七年度予算案では、厳しい財政需要の中にあって、中小企業金融対策や再生支援、新事業に挑戦する中小企業支援策などに重点化し、政府全体で前年度とほぼ同額の一千七百三十億円の中小企業対策費を計上しており、政府としては、現在の予算案が最善のものであると考えております。
 こうした予算措置のほか、担保や保証に過度に依存しない融資の促進やセーフティーネット保証・貸付などの中小企業金融対策の充実を図っており、平成十六年九月末の数字では、中小企業向け総貸出残高約二百五十兆円のうち、政府系融資が約二十六兆円、信用保証が約三十兆円、合計五十六兆円で、総残高の二割強を公的金融で支えております。その他、あらゆる手段を総合的に活用し、中小企業対策を全力で進めてまいる所存でございます。
 次に、SBIR、スモール・ビジネス・イノベーション・リサーチ制度の中小企業の技術支援についてのお尋ねですが、我が国経済を支える中小企業の活性化のためには、中小企業の技術開発に対する取り組みを支援することが重要であります。
 中小企業技術革新制度、いわゆる日本版SBIR制度については、国から中小企業者に対する補助金等の支出目標額は、制度発足以来、着実に増加しております。
 米国のSTTR制度、スモール・ビジネス・テクノロジー・トランスファー制度が目的としております中小企業と大学等の共同研究の促進については、中小企業を含む産学官コンソーシアムによる研究開発等の支援を着実に実施しているところであります。
 TLO、技術移転機関につきましては、技術移転経費に対する助成などを通じて、大学等の研究成果が社会に積極的に活用されるよう、引き続きその支援に努めてまいります。
 このような取り組みを通じまして、中小企業の技術支援に最大限努力してまいります。
 改正法の使いやすさ、効果などについてのお尋ねでございますが、既存の三つの法律に分かれていた各種支援策を一つの法律のもとに統合し、創業、経営革新の二つの柱に整理し、使いやすく、わかりやすくいたしました。
 また、効果的な施策とするために、施策内容についても必要な拡充を行っております。具体的には、複数の中小企業が相互に強みを持ち寄って柔軟に連携する取り組みを促進するため、連携事業に対する新たな金融、税制上の支援措置を盛り込み、予算措置としても総額四十一億円の助成措置を講ずることとしております。これにより、効果的に中小企業の競争力強化につながるものと認識しております。また、経営革新に対する設備投資減税についても適用要件を緩和するなど、施策の強化を図っております。
 以上のように、施策の統合強化を目指した本法は、中小企業に対する総合的な支援法であり、本法を通じまして中小企業を全面的にバックアップしてまいる所存でございます。
 新連携支援地域戦略会議についてのお尋ねですが、新連携支援地域戦略会議は、有望な連携事業について地域の総力を挙げて支援を行うための組織であり、事業計画の策定段階から最終的な事業化に至るまで、地域の関係者が一体となって、事業者の立場に立ったきめ細やかな支援、アドバイスを行うこととしております。
 地域には、やる気と高い能力を有しつつも、単独では新たな事業への取り組みに踏み切れない中小企業が多くおられると考えております。地域を挙げた支援を通じて、多くの中小企業の連携による取り組みが新たな事業として実を結んでいくことにより、地域経済の活性化、地場産業の再生が図られるものと期待しております。
 新分野進出への支援のための前向きな特別保証制度等についてのお尋ねでありますが、中小企業へのセーフティーネット対策とともに、新分野進出等の前向きな資金需要への対策を十分に行うことが重要と認識しておりまして、担保に依存しない融資の拡大等、政府系金融機関や信用保証協会による支援を行ってきております。
 さらに、今般の法律に関しましても、中小企業が行う連携事業に対する信用保険の特例措置や政府系金融機関による低利の融資制度を創設しております。
 今後とも、前向きな事業に取り組む中小企業に対する円滑な資金供給が確保されるように、万全を期してまいります。
 ペイオフ実施に関連しての中小企業への融資についてのお尋ねでありますが、ペイオフ解禁につきましては、金融庁において、その円滑な実施に向けて各般の取り組みを進めておられると承知しております。
 このような中、民間金融機関による中小企業向け融資については、リレーションシップバンキングへのさまざまな取り組みが進展していると承知しております。政府系金融機関におきましても、民間金融機関の取り組みを補完し、積極的に業務提携を進めているところであります。
 今後とも、当省としましては、中小企業の資金繰りに不測の事態が及ぶことのないよう、政府系金融機関及び信用保証協会によるセーフティーネット保証・貸付制度等により、引き続き中小企業に対する金融セーフティーネット対策に万全を期してまいる所存でございます。(拍手)
    〔国務大臣谷垣禎一君登壇〕
#25
○国務大臣(谷垣禎一君) 計屋議員にお答えいたします。
 まず、中小企業対策費についてのお尋ねですが、平成十七年度予算案では、中小企業対策費として千七百三十億円を計上しております。これは、厳しい財政事情の中で、新事業への挑戦を図る企業への支援や中小企業金融の円滑化、再生支援など、やる気と能力のある中小企業の自助努力を支援するために真に必要な予算を十分に確保したものであります。民主党からも中小企業対策費に関して提案がなされていることは承知しておりますが、政府としては、現在の予算案が最善のものと考えております。
 科学技術支援に対する国費の投入についてお尋ねがありました。
 科学技術予算については、厳しい財政事情にもかかわらず、我が国の発展基盤となる科学技術の振興を図る観点からこれまで拡充を図ってきており、十七年度予算における科学技術振興費についても、一般歳出の伸びがマイナスとなる中で、二・六%の伸びとしたところです。
 政府による研究開発投資の水準の国際比較については、各国における統計の内容等の差異により、単純な比較は難しい面があると思われますが、例えば、政府による研究開発投資の総額を対GDP比で見た場合に、近年の科学技術予算の拡充により、我が国は既に欧米主要国に遜色のない水準に達しているものと考えております。
 いずれにせよ、現下の極めて深刻な財政事情のもとでは、科学技術予算についても一層の効率化、質的向上が求められていることから、こうした観点も踏まえながら、我が国の発展基盤となる科学技術の振興を図るべく、適切に対処してまいります。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣中山成彬君登壇〕
#26
○国務大臣(中山成彬君) 政府負担研究費の拡充についてのお尋ねでありますが、我が国の民間も含めた平成十五年度の研究費の支出総額十六・八兆円のうち、政府負担割合は約二割であり、欧米諸国に比べ低い水準となっております。
 このような状況を踏まえ、第二期科学技術基本計画においては、政府研究開発投資について、対GDP比率で少なくとも欧米主要国の水準を確保することが求められており、近年、その比率は欧米主要国の水準に近づきつつあります。
 一方、絶え間ない知の創造と科学技術革新の創出にはさらなる投資の蓄積が極めて重要であることも踏まえ、政府の研究開発の主要な役割を担う文部科学省といたしましては、今後とも、科学技術創造立国の実現に向けて、政府研究開発投資の拡充に一層努力してまいる所存であります。
 中小企業及び技術移転機関に対する支援を強化すべきではないかとのお尋ねでありますが、大学等の研究成果の実用に当たっては、高い技術力を有する中小企業が果たす役割は極めて大きいものがあります。
 このため、文部科学省としては、いわゆるSBIR制度のもと、大学の研究成果を中小企業が試作品開発により実用化する場合に必要な研究費の支援などを行っているほか、中小企業と大学等の共同研究を支援しているところであります。
 また、技術移転機関については、外国特許出願など、大学で行う知的財産の管理、活用に必要な経費を支援するほか、国立大学法人からTLOへの出資を可能にしたところであり、今後とも、その支援に努めてまいります。(拍手)
    〔国務大臣伊藤達也君登壇〕
#27
○国務大臣(伊藤達也君) 計屋議員にお答えをいたします。
 中小企業に対する資金繰り支援策、融資の拡充策についてお尋ねがありました。
 金融庁といたしましては、これまで、中小・地域金融機関におけるリレーションシップバンキングの機能強化、健全な中小企業に対する資金供給の一層の円滑化を金融機関に要請など、中小企業金融の円滑化に積極的に取り組んでいるところです。こうした施策はペイオフ解禁拡大後も引き続き進めてまいります。
 金融機関においても、無担保、第三者保証不要の融資など、利用者のニーズに対応した商品開発について新たな動きが出てきているところです。
 今後とも、日本の企業の大宗を占め、我が国経済の基盤である中小企業に対する金融の円滑化に向けて、より一層積極的に取り組んでまいります。(拍手)
#28
○議長(河野洋平君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#29
○議長(河野洋平君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時四十七分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       内閣総理大臣  小泉純一郎君
       法務大臣    南野知惠子君
       財務大臣    谷垣 禎一君
       文部科学大臣  中山 成彬君
       厚生労働大臣  尾辻 秀久君
       経済産業大臣  中川 昭一君
       国務大臣    伊藤 達也君
 出席副大臣
       経済産業副大臣 小此木八郎君
ソース: 国立国会図書館
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