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2004/11/10 第161回国会 参議院 参議院会議録情報 第161回国会 経済・産業・雇用に関する調査会 第2号
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2004/11/10 第161回国会 参議院

参議院会議録情報 第161回国会 経済・産業・雇用に関する調査会 第2号

#1
第161回国会 経済・産業・雇用に関する調査会 第2号
平成十六年十一月十日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         広中和歌子君
    理 事
                加納 時男君
                北岡 秀二君
                椎名 一保君
                朝日 俊弘君
                辻  泰弘君
                松 あきら君
    委 員
                小野 清子君
                大野つや子君
                岡田  広君
                小泉 昭男君
                中島 眞人君
                西島 英利君
                野村 哲郎君
                足立 信也君
                小林 正夫君
                谷  博之君
                広田  一君
                藤原 正司君
                和田ひろ子君
                浜田 昌良君
                井上 哲士君
                渕上 貞雄君
   副大臣
       内閣府副大臣   西川 公也君
       経済産業副大臣  保坂 三蔵君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        富山 哲雄君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      薄井 康紀君
       内閣府大臣官房
       審議官      堀田  繁君
       内閣府大臣官房
       審議官      加藤 裕己君
       内閣府大臣官房
       審議官      中村 吉夫君
       内閣府政策統括
       官        村瀬 吉彦君
       内閣府計量分析
       室長       大守  隆君
       経済産業大臣官
       房審議官     岩田 悟志君
       経済産業省経済
       産業政策局長   北畑 隆生君
       経済産業省製造
       産業局次長    塚本  修君
       中小企業庁事業
       環境部長     鈴木 正徳君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○経済・産業・雇用に関する調査
 (「成熟社会における経済活性化と多様化する
 雇用への対応」のうち、構造改革と経済財政の
 中期展望及び新産業創造戦略について)
    ─────────────
#2
○会長(広中和歌子君) ただいまから経済・産業・雇用に関する調査会を開会いたします。
 まず、本調査会の調査項目について御報告いたします。
 理事会等において調査項目の選定について協議を重ねました結果、調査項目を「成熟社会における経済活性化と多様化する雇用への対応」とすることで意見が一致いたしました。
 今後三年間、実りある調査活動を行ってまいりたいと考えておりますので、委員各位の格別の御協力をお願い申し上げます。
    ─────────────
#3
○会長(広中和歌子君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済・産業・雇用に関する調査のため、本日の調査会に内閣府大臣官房審議官薄井康紀君、内閣府大臣官房審議官堀田繁君、内閣府大臣官房審議官加藤裕己君、内閣府大臣官房審議官中村吉夫君、内閣府政策統括官村瀬吉彦君、内閣府計量分析室長大守隆君、経済産業大臣官房審議官岩田悟志君、経済産業省経済産業政策局長北畑隆生君、経済産業省製造産業局次長塚本修君及び中小企業庁事業環境部長鈴木正徳君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○会長(広中和歌子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○会長(広中和歌子君) では、経済・産業・雇用に関する調査を議題とし、「成熟社会における経済活性化と多様化する雇用への対応」のうち、構造改革と経済財政の中期展望について内閣府から、新産業創造戦略について経済産業省から、それぞれ説明を聴取いたします。
 なお、発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず、内閣府から説明を聴取いたします。西川内閣府副大臣。
#6
○副大臣(西川公也君) 内閣府で経済財政政策を担当しております副大臣の西川公也でございます。構造改革と経済財政の中期展望について概要を御説明申し上げますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 それでは、座って説明いたします。
 まず、構造改革と経済財政の中期展望でありますけれども、私どもは略して「改革と展望」と、こういうことで申し上げております。この基本になるものは何だといいますと、骨太方針というのが一方にありまして、骨太方針とは、経済財政と構造改革に関する基本方針と、二〇〇三とか二〇〇四とか、こう付いておりますが、この骨太方針と相まってこの改革、「改革と展望」を作っていると、こういう状況であります。
 骨太の方針は、今後の経済財政運営に当たっては経済財政の中長期的なビジョンを示しまして、それと整合的な形で毎年の経済運営あるいは予算の在り方等を決定していくと、こういう形で進めております。
 この骨太方針、十三年の六月に最初方針を決定いたしましたが、これを受けまして経済財政諮問会議で諮問、答申を経まして平成十四年の一月に閣議決定されたと、こういう状況でございます。以後、この「改革と展望」を基礎といたしまして、経済の変動等に適切に対応するために、毎年度改定をしております。本年の一月にも、第二回目の改定になりましたが、二〇〇三年度改定と、こういうことで改定をしたと、こういう状況でございます。
 次に、この「改革と展望」二〇〇三年度改定の内容について概略を御説明申し上げます。
 まず、対象期間でありますけれども、常に五年程度の中期的な基本方針と展望を持ちつつ経済財政運営を行うと、こういう観点に立っております。したがって、二〇〇三年度の改定、これは二〇〇四年の一月に行いましたけれども、この二〇〇三年度改定の対象期間は二〇〇四年度から二〇〇八年までといたしまして、基礎的な財政収支について、こちらの方も併せて試算を行ったと。そちらの方は二〇一〇年代の初頭までの期間を視野に入れております。
 次に、政策運営の基本的考え方でありますけれども、足下の景気持ち直しの動きが中小企業あるいは非製造業、更には家計にまで広がってきたと、こういう観点に立ちまして、これから更に都市から地方へと浸透するように、そして官から民へ、国から地方への改革を加速いたしまして、民間需要主導の持続的な経済成長の実現を目指すこととしております。
 また、中期的な観点からは、デフレの克服、基礎的財政収支の黒字化に向けた基本的な取組方針を示しております。さらに、構造改革の加速、拡大に向けて産業、金融の一体的再生を図ろう、規制改革、構造改革特区の推進、新たな産業、事業の創造、地域経済の再生、持続可能な社会保障制度の確立等を推進する旨も記述しております。
 以上、簡単に概要を申し上げましたけれども、詳細につきましては事務方から説明をいたしますので、よろしくお願いを申し上げます。
#7
○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして村瀬内閣府政策統括官、よろしくお願いいたします。
#8
○政府参考人(村瀬吉彦君) 内閣府の経済社会システム担当の統括官をしております村瀬でございます。座って御説明させていただきます。
 副大臣からの御説明に引き続きまして、この構造改革と経済財政の中期展望についてそのポイントを御説明させていただきます。御説明は、お配りさせていただいております「「構造改革と経済財政の中期展望」について」という横長の説明資料がございますが、それに沿いまして御説明をさせていただきたいと思います。
 それでは、資料の一ページ目をごらんいただきたいと思います。
 最初に「改革と展望」の性格について触れておりますが、「改革と展望」は、構造改革を中心とします今後五年程度の中期的な経済財政運営の基本方針を示すとともに、経済財政の将来展望を示すということで、先ほど副大臣からもございましたが、平成十四年の一月に策定されたわけでございます。
 そして、この「改革と展望」の役割でございますけれども、そこにございますように、まず第一には、経済財政の中期ビジョンを示すことによりまして、毎年の経済運営や予算の在り方などの短期と中期の経済財政政策の整合性を確保するということが一つございます。それから第二には、財政や社会保障の中長期的な持続可能性を提示するということ、そして第三番目には、経済財政政策の合理性などにつきましてその説明責任を果たすことでございます。
 二ページをごらんいただきたいと思いますが、この「改革と展望」に盛り込まれました政策の位置付けでございますが、この「改革と展望」は閣議決定をいたしておりますので、ここに盛り込まれました種々の政策は政府として実行すべきものという位置付けでございます。また、政府部門に関する目標につきましては、後ほど御説明いたします基礎的財政収支の黒字化などの目標を盛り込んでおりますけれども、経済財政状況を踏まえながら、政府としてその実現に努めるべきものであるという位置付けでございます。それから、民間部門に関する数値等につきましては、政府が決めることはできませんので、一定の政策を前提とした将来展望という位置付けでございます。
 次に、三ページ目でございますが、これまでの取組と今後の進め方でございますが、先ほどの副大臣からの御説明にもありましたが、「改革と展望」は骨太方針を受けて策定されておりまして、また毎年の経済動向を踏まえて毎年度改定していくこととされております。これを踏まえまして、平成十四年一月の最初の「改革と展望」の策定以降、平成十五年の一月、それから平成十六年の一月と二回の改定を行ってきたところでございます。本年度、二〇〇四年度の改定につきましてもこれまでと同様のスケジュールといたしますると、今年の十二月に経済財政諮問会議で議論をいたしまして、来年一月に諮問、答申の後、閣議決定をすることになろうかと思います。
 それから、四ページ目でございますが、ここの、まず経済財政に関する将来展望でございますが、この「改革と展望」の二〇〇三におきましては三つございまして、一つはデフレの克服、それから民間需要主導の経済成長、それから基礎的財政収支の黒字化、こういった三点を中心にいたしまして展望を示しております。
 まず第一に、デフレの克服でございますけれども、政府、日本銀行一体となった取組を通じまして、デフレ圧力は徐々に低下していって、二〇〇五年度あるいは二〇〇六年度の重点強化期間と言っておりますけれども、この期間におきましてはデフレ克服に向けた着実な進展を見込んでおるわけでございます。この期間におきましては、消費者物価の上昇率がプラスとなりまして、他の物価指数も徐々にプラスになるというふうに見込んでおります。なお、物価動向につきまして判断を行うに当たりましては、消費者物価など種々の物価と関連統計を総合的に勘案する必要があるということでございます。
 第二に、そこに書いてございます経済成長率でございますが、構造改革の加速、拡大によりまして民間需要主導の着実な成長の実現を図ることとしておりますが、こうした政策を前提といたしまして、集中調整期間、これは二〇〇四年度まででございますが、その後の実質成長率は一・五%程度、あるいはそれ以上になるというふうに見込んでおります。また、そこにございますように、名目成長率につきましても、デフレの克服に伴いまして徐々に上昇していって、二〇〇六年度以降はおおむね二%程度、あるいはそれ以上の成長経路をたどるというふうに見込んでおります。
 第三番目が、基礎的財政収支でございますが、もうこれは先生方十分御案内のところでございますが、借入れを除く税収等の歳入から過去の借入れに対する元利払いを除いた歳出を差し引いた、いわゆる基礎的財政収支と言っておりますけれども、これにつきましては二〇一〇年代初頭に国と地方を合わせた基礎的財政収支を黒字化することを目指すということとしております。
 なお、ただいま御説明いたしました経済や財政に関する将来展望につきましては、種々の不確実性が伴いますものですから、相当な幅を持って理解されるべきものであるということに御留意をいただきたいと思います。
 それから五ページ、引き続いて五ページでございますが、次、「改革と展望」二〇〇三において掲げられております中期的な経済財政運営の基本方針でございます。
 先ほど申しましたように、中期的な経済財政運営の基本方針として、安定的な経済財政運営、それからデフレの克服に向けた取組、それから基礎的財政収支の黒字化の三点を中心に記述しておりまして、まず、ここで言いました安定的な経済財政運営でございますけれども、「改革と展望」二〇〇三の対象期間中、すなわち二〇〇八年度までにおける経済財政政策は、財政出動による景気対策に頼ることなく安定的に運営をするということを基本としております。もちろん景気が極めて厳しい状況になる場合には大胆かつ柔軟な政策対応を行う旨を記述いたしております。
 それから、六ページ目でございますが、デフレの克服に向けた取組ということでございます。デフレの克服につきましては、実需面と金融面両面からの取組が重要であるという認識の下でございまして、まず@のところでございますが、実需面におきましては民間需要、雇用の拡大に力点を置きつつ、構造改革を更に加速、拡大をするということとしておりまして、また、二〇〇四年度における不良債権問題の終結を目指しまして、主要行の不良債権比率を半分程度以下に、半分程度に低下させることといたしております。
 それから、金融面でございますけれども、金融面におきましては政府、日本銀行が一体となってできる限り早期のプラスの物価上昇率実現に向けて取り組むということとしておりまして、日本銀行におきましては消費者物価指数の前年比上昇率が安定的にゼロ以上となるまで量的緩和政策を継続することを約束しておられるところではありますけれども、さらに、二〇〇三年の十月には金融政策の透明性強化の観点から、量的緩和政策の継続に関する具体的な条件を示してコミットメントをより明確にしておるところでございます。こういったものに加えまして、政府が行うより強固な金融システムの構築に向けた取組と、それから日本銀行による金融政策の波及メカニズムを強化するための取組などによりまして、資金供給が増大していくことが期待されるというようなことが記述されております。
 いずれにしましても、「改革と展望」におきましては、デフレ克服に向けてこうした実需面と金融面からの取組を進めることといたしております。
 それから、引き続き七ページ目でございますが、歳出抑制の目標と基礎的財政収支と書いてございますが、この基礎的財政収支の黒字化につきましては、財政の中長期的な持続可能性を回復するための前提でございますために本格的な財政再建に向けた極めて重要な中期目標であるというふうに考えておりまして、また現在の行政サービスに掛かる費用を将来の世代に先送りすることなく現在の税収等で賄うと、そういう意味で世代間の公平を図るという観点からも重要であろうという考えに立っておりますが、このため「改革と展望」におきましては二〇一〇年代初頭の国と地方を合わせた基礎的財政収支の黒字化に向けまして、最初に丸が書いてございますが、まず政府の大きさ、これは一般政府の支出規模のGDP比で測ることになっておりますけれども、これを二〇〇六年度までの間二〇〇二年度の水準、GDP比で三七・六%でございますが、程度でございますが、これを上回らない程度とすることをまず目指しております。
 それから、二番目の丸でございますが、二〇〇六年度までに国と地方がこういった歳出削減努力を積み重ねていくということで、その二〇〇六年度までに必要なサービス、行政サービス、歳出水準を見極めまして、また経済活性化の進展状況及び財政事情を踏まえまして必要な税制上の措置を判断するということといたしております。
 さらに三つ目の丸でございますが、二〇〇七年度以降につきましても、それ以前と同程度の財政収支改善努力を行うこととしております。それと同時に、民需主導の持続的成長を実現することによって二〇一〇年代初頭の基礎的財政収支の黒字化を目指すということとしておる次第でございます。
 以上、資料に沿いまして御説明いたしました。
 御説明資料の八ページ以降は「改革と展望」の参考資料として作成しております内閣府参考試算についての説明ございますが、これにつきましては、経済社会総合研究所の大守から御説明いたしますので、よろしくお願いいただきたいと思います。
#9
○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。
 では、大守内閣府計量分析室長、よろしくお願いいたします。
#10
○政府参考人(大守隆君) 計量分析室長をやっております大守と申します。座らせて御説明させていただきたいと思います。
 八ページでございます。内閣府の参考試算でございます。まず、参考試算の位置付けと性格につきまして御説明させていただきます。
 八ページに概略を記してございますが、この参考試算は、経済財政諮問会議における「改革と展望」の審議のための参考資料として内閣府が作成、提出したものであります。したがいまして、この試算に示されましたいろいろな数値は、政府としての目標というものではございません。
 次に、試算の方法でございますが、この試算は内閣府が開発、利用している経済財政モデルを基礎としまして、内閣府において「改革と展望」、今御説明した内容でございますが、その考え方を基に種々の前提を置いて行ったものでございます。
 具体的な前提につきましては次の九ページをごらんいただければと思います。試算に盛り込んでおります主な前提を申し上げますと、まず投資的経費でございますけれども、二〇〇五年度以降の投資的経費を前年度比三%減ということで機械的に削減し続けております。ただし、地方単独事業につきましては、麻生総務大臣、当時でございますが、現在もそうですね、麻生総務大臣が経済財政諮問会議提出資料に、提出された資料に基づきまして、二〇〇五年度をマイナス五%ということで大きめの削減幅を盛り込んでおります。
 二つ目、社会保障費でございますが、年金に関連したところでございます。二〇〇四年十月より年金保険料率の引上げ、二〇〇七年度よりマクロスライドの導入による給付の水準調整、現状は三分の一となっております基礎年金の国庫負担割合が二〇〇九年度に二分の一になるように段階的に引き上げることを想定をしております。
 続きまして、医療関係でございますが、診療報酬改定、これは二〇〇三年の十二月の改定を反映させております。
 これらの政策に併せまして、「改革と展望」におきましては二〇〇七年度以降、先ほど御説明しましたが、それ以前と同程度の財政収支改善努力を行うとしておりますので、本試算におきましては、便宜的な前提としまして、二〇〇七年度以降についてもそれ以前と同様の歳出削減を継続するということを前提としております。
 なお、こうした前提は、各年度の政府の方針を示すというものではなく、また、試算結果は誤差を伴っていることから、相応の幅を持って見るべきものだと考えております。特に収支につきましては、税収の動向など不確実な要素が多いことに御留意いただきたいと思います。
 以上のような想定を置きまして、今後の経済財政の姿を試算した結果を十ページ以降に紹介しております。
 まず、消費者物価指数、これは全国ベースで、生鮮食品を除くものでございますが、これにつきましては、集中調整期間終了後の二〇〇五年度からプラスとなり、ほかの物価指数も徐々にプラスになると見込まれており、見込まれることから、デフレ克服に向けた着実な進展が見込まれるものとなっております。
 引き続きまして、十一ページでございます。経済成長とプライマリーバランスの動きを紹介しております。集中調整期間の後につきましては、実質成長率は一・五%程度あるいはそれ以上、名目成長率についても徐々に上昇し、二〇〇六年度以降はおおむね二%程度あるいはそれ以上の成長経路をたどると見込まれております。
 また、基礎的財政収支につきましては、二〇〇七年度以降もそれ以前と同程度の財政収支改善努力を行うと同時に民間需要主導の持続的成長を実現すると、先ほど御説明しました内容でございますが、それによりまして、二〇一〇年代初頭における基礎的財政収支、国と地方を合わせたものでございますが、の黒字化を目指すシナリオをお示ししております。
 以上、簡単ではございますが、「改革と展望」の参考試算の御紹介をさせていただきました。ありがとうございました。
#11
○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。
 それでは次に、経済産業省から説明を聴取させていただきます。
 まず、保坂経済産業副大臣、よろしくお願いいたします。
#12
○副大臣(保坂三蔵君) 御指名賜りました、このたび経済産業副大臣を拝命いたしました保坂でございます。お許しいただきまして、座ったまま御報告を申し上げたいと存じます。
 机上に資料を配付させていただきましたが、新産業創造戦略の概要についてお話を申し上げたいと存じます。
 前段のこの戦略を作りました日本経済の現状と課題、このバックグラウンドにつきましては後ほど北畑局長から細かく御説明をさせていただきまして、十二ページ以降でございますが、新産業創造戦略のポイントにつきまして説明をさせていただきたいと存じます。
 この新産業創造戦略でございますが、昨年の十一月に経済財政諮問会議におきまして決定をされまして、こういう方向で、長期的な展望を見ながら、視野に入れながら作れと、こういう御下命でございまして、私ども経済産業省で取り組んできたところでございます。
 本体のリポートが既にこういう本になっておりまして、Nリポートとなっております。これは税込みで千円で今、下の本屋で売っておりまして、今隠れたベストセラーと、手前みそで勝手でございますが。Nリポートは、新しいのニューだとか日本だとか、たまたま中川大臣でございますので中川レポートとか、いろいろ言っておりますが、大変御好評を得ているところでございますので、最初に御紹介申し上げたく存じます。
 それでは、まず十二ページ以降を御参照いただきたいと存じます。
 景気は既に堅調に回復している状況がございますが、二十年、三十年後を視野に入れた更に持続的な成長へつなげるためには、どうしてもイノベーションが需要を喚起し、これによる設備投資の促進と個人消費の拡大が所得の向上と一層の需要増大を生むという、イノベーションと需要の好循環、この流れを確固たるにすることが極めて重要だと考えております。
 そのためには、元々日本の得意技でございます製造業、これを強い製造業の復活、また雇用を生み出す様々なサービス業、これらの創出によるダイナミックな産業構造転換を図ることが不可欠であると考えているところでございます。
 本年五月に策定をいたしました新産業創造戦略では、こうした認識の下に、今後の産業としては、一つには、十二ページでございますが、一つには、国際競争に勝ち抜くべく高付加価値型の先端産業群、これを育てていこう。また二番目には、健康や福祉や環境などいわゆる社会ニーズの広がりに対応した産業群を育てていこう。そして三番目、極めて重要なテーマでございますが、地域再生に貢献する産業群。こういう三つの視点から現状を分析いたしまして、しかもこの分析も、統計数値のみを頼って机上でプランニングするということではなく、徹底的な現場主義を取ることになりました。具体的に申し上げますと、約三百か所、延べ七百人以上の方々と中小企業庁の担当官、高官等が出張ってまいりまして、直接面談を行いましてお話を聞いてまいりました。この出張回数は百回を超えるという大規模な調査になったわけでございます。そこで問題点と解決策を抽出しております。
 十四ページごらんいただきたいのでございますが、ここで申し上げる、具体的には燃料、左側にございます燃料電池、それから情報家電、ロボット、コンテンツ、それから真ん中のグリーンで書いております市場ニーズの広がりに対応する新産業分野、この七つの重点分野を抽出するとともに、その将来の市場規模、あるいはそれを達成するためのアクションプログラムを策定しております。
 また、様々な政策課題にこたえるために、産業人材の育成、知的財産権の財産の保護、強化、研究開発の重点化など、十四項目の、これは十八ページ以降になるんでございますが、十四項目の横断的な重点施策を整理しますとともに、もう一回戻りまして、地域再生分野の問題につきましては、地域の産業を地域を基盤とした先端産業など四つに類型化いたしまして、核となる成功の秘訣を取りまとめております。この成功例は十七ページにきれいに書いてございます。非常に面白く拝見していただける方も多いと聞いております。これは成功例、ベストプラクティスでございます。
 特に、人材でございますが、人は我が国経済力の源であることから、産業人材の育成を最重要課題として位置付けております。
 具体的には、若者の自立・挑戦戦略会議の下、関係府省と連携をしつつ、まず企業の、これは二十ページになりますが、企業の人材投資を促進するために人材投資促進税制、減税を含めまして、この創設を今考え、既に大臣は、また本省は財務省と交渉に入っているところでございます。それから、物づくりのベテランから若手への技術、ノウハウの継承のための製造現場の中核人材の育成。過去にすばらしい技術を持っていたというんではなくて、今持っている人からノウハウをいただこうと、こういうベテランの技を抽出しようという、そういう作戦でございます。それから、もっと、栴檀は双葉よりと申しますが、早い段階から職業意識を涵養するために、小中学校における物づくり体験等のキャリア教育の推進をしてみよう、こういうことなど、積極的に人材の育成として取り組んでおります。既にこの問題を提起いたしましてから産業界から大きな反響がございまして、企業、産業、日本の経済の将来は人だという点で御評価いただき支援をいただいているところでございます。
 本戦略の実現に向けて、向後関係省庁と連絡を図りつつ、予算の重点化、税制要求、法律改正等、政策資源を重点投入した総合的、戦略的に政策を展開してまいる所存でございます。
 なお、末尾の方でございますが、二十四ページ以降に資料としていろいろ具体的にその規模等についても明示してございます。
 また、最後の取りまとめでございますが、将来展望、これは明確にすればするほど描き切ることはなかなか困難だと言われておりますが、むしろあえて展望を示すことで企業の参入や投資等の行動や個人の職業の選択、また消費行動などに一つの判断材料を積極的に提供していこう、このような強い意欲でまとめたところでございます。
 以上、私どもの方から報告にさせていただきます。
 ありがとうございました。
#13
○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。
 それでは、次に北畑経済産業省経済産業政策局長、よろしくお願いいたします。
#14
○政府参考人(北畑隆生君) 北畑でございます。座らせていただきます。
 副大臣の説明を補足させていただきたいと思います。
 お手元の資料の二ページをごらんいただきたいと思います。説明は二つに分けさせていただきまして、新産業創造戦略の中身と、それからその前提となりました日本経済の現状と課題、この二つに分けて御説明を申し上げたいと思います。
 日本経済の現状、二ページでございますけれども、九〇年代から取り組んでまいりました構造改革が産業面でも効果を現してまいりました。それが米国、アジア経済の堅調な回復と併せまして、ようやくにして日本経済も回復の軌道を歩みつつあるというのが現状ではないかと思います。
 まず、大企業あるいは製造業を中心として企業の収益が改善をいたしました。研究開発投資減税などの効果もありまして、設備投資が拡大をいたしてまいりました。昨年の秋以降でございます。それがようやく中小企業、非製造業にも波及しつつあるというのが現状だと思います。赤いところにリスク要因として、原油価格、米国経済、中国経済の今後というのがリスク要因ではありますけれども、青い部分、民需主導の持続的な経済成長というのがようやく具体的な姿を現してきたということではないかと思います。
 三ページをごらんいただきたいと思います。
 上の欄は実質GDPの寄与度を分析したものでございます。黄色い部分が公需、いわゆる公共事業がどれだけGDPに貢献したかという部分でございますけれども、〇〇年の二十一世紀以降の姿を見ていただきますと、公需の寄与度はゼロないしマイナスでございます。それにもかかわらず景気が回復してまいりましたのは、輸出を中心とした外需と民需でございます。〇四年の四―六のところを見ていただきますと、公需マイナス一・四に対して外需と民需が一・五ずつということで、こういう絵が、姿が今、日本経済の現状で、非常にいい姿が現れつつあるという現状ではないかと思います。これを十年、二十年展望したときに、こういう姿が持続できるのかというのが新産業創造戦略の問題意識でございます。
 一ページ飛ばしていただきまして、五ページをごらんいただきたいと思います。
 五ページ以降は、今申し上げました中長期の日本経済、日本産業の課題について三点。一つは国際競争、二つ目には人材・人口問題、三つ目には地域の格差、この三つについて簡単な資料を整理してございます。
 まず最初の国際競争でございますけれども、冷戦の崩壊以降、世界は世界的な競争時代に入ったわけでありますけれども、日本にとって非常に重要なのは中国の動向でございます。
 御案内のとおり、中国は大変な経済発展をいたしております。五ページの右の上、上を見ていただきますと、中国の貿易総額というのは急速に日本に追い付いてまいります。貿易立国、貿易大国としての道を中国は歩みつつあるということでございます。
 八〇年代、九〇年代の日本の経済問題というのは、主として日米経済問題でございました。貿易摩擦を通じて日本とアメリカはそれなりのすみ分けができたと思います。アメリカは農業の輸出国であります。それから、金融サービスを中心とした、金融サービスとか宇宙を中心とした特定のハイテク分野の競争力を持った国でございます。これに対して日本は工業品、自動車、家電に代表されるような工業品の輸出国ということで、それなりにすみ分けができておるわけでありますけれども、中国は日本と同様、資源と食料の輸入国であり、日本が強みを持っておる工業品分野でこれから経済成長をしてこようということでございますので、今後、中国と日本というのはどういう形で共存共栄が図れるか、すみ分けが図れるかというのが二十一世紀の産業政策の最大の課題であると思っております。
 二つ目が、六ページでございます。人材の劣化という問題でございます。
 日本の強みは人材の優秀さということにあったと思うんでございますけれども、現状を見てみますと大変寂しい状況になっております。
 製造業の年齢別雇用者数、左側の上の欄を見ていただきますと、三十五歳から五十歳までのところの人材が急に減っております。これは九〇年代のリストラの影響でございます。自分の部下が十年間やってこないという製造現場がたくさんあるわけでございまして、日本の強みでございましたオン・ザ・ジョブ・トレーニングの鎖がここで絶たれているわけでございまして、五十年代の熟練技能者の技術が若手に伝わらないという弱点が顕在化してきております。
 右側の上でございますけれども、企業がこういう人材に対して投資をしなくなりました。この十年間で企業の教育訓練費が一千億円以上減少しております。終身雇用が崩壊をしておりますので、若手にしつけから訓練をしている余裕がなくなってきたということでございますし、リストラでこういう分野の経費を削ったということでございまして、これは日本の将来を考えるときに大変なボディーブローになると思います。
 それから、産業界で人材を育てるというのが日本の特色でございましたが、これは逆に言えば学校教育に余り期待ができない、即戦力を産業界に出していただけないという、こういう問題がございました。教育改革に期待するんでございますけれども、その現状は非常に悲惨な状況でございます。左側の下でございますけれども、大学教育が経済のニーズにこたえている度合いというのは、六十か国中、日本は五十八位、下から三番目でございます。
 笑い話のようなことを申し上げますが、ある関西の一流国立大学に来た中国人の留学生が、我々は中国経済は十年後に必ず日本を抜くことができる。なぜかといえば、あんなばかが日本では大学卒で通用しているんだと、こう言われたんだということでございまして、誠に情けないことでございます。
 右側の下を見ていただきますと、中国へ進出する日本企業というのは人件費の安さということで進出しているというふうに皆さんは御理解あったと思いますけれども、現状は違っております。中国の方が人材が優秀だということでございます。松下電器は、日本人の大卒よりも中国人の大卒の採用数を今年、中国人の方が多い、外国人の方が多いという、その大半が中国人という、大変、まあ中国進出をにらんだ人材シフトかもしれませんけれども、そういう現状になっておるわけでございます。
 これから人口が減少していく中で、一人一人の日本人の人材をもう一度鍛え直さないと、日本の将来は危ういという意識を持っております。
 一ページ飛ばしていただきまして、八ページでございます。
 もう一つの問題が、地域間格差の拡大ということでございます。
 構造改革を進めてきたと、通産省も旗振りをいたしました。構造改革は、産業とか経済の分野ではより強い企業がより強くなるということでございます。自動車産業一つを例に取りましても、史上空前の利益を上げた会社と史上最悪の決算に終わった企業が同じ自動車産業の中に共存しておるわけでございまして、成長産業という言葉がなくなりました。護送船団ということで、同業種に属していれば同じように成長できるという時代はなくなったわけでございます。こういったことが、企業の間だけではなくて、大企業と中小企業、製造業と非製造業、それから中央と地方で格差が出てきておる、あるいは地方と地方の間でも格差が出てきておるということでございます。
 下の「地域のばらつき」の左の欄を見ていただきますと、ブロック別に見まして、トヨタ自動車の活躍と万博景気の東海地区、それから中国に非常に近くて国際化を進めてきた九州、ここが非常に成長をしておりまして、北海道、四国は低迷をしておるということでございます。ブロック別で見ましてもこれだけ差があるわけでございますから、都市間ではもっと差が開いておると思います。失業率でも地域間の格差が開いてまいりました。
 地域の問題はもちろん産業政策だけの問題ではありませんが、後ほど申し上げますように、新産業創造戦略の中では、地域の活性化についても私ども、視点を持って取り組んでまいりました。
 九ページをごらんいただきたいと思います。
 新産業創造戦略のかなめになる部分について、最初に御説明を申し上げたいと思います。
 先ほど副大臣から現場主義で調べてきたということを申し上げましたけれども、もう一度日本の産業の強さということを現場を見て積み上げてきた分析の結果が九ページなんでございます。
 日本の産業の強さ、上の欄を見ていただきますと、トップに自動車、家電・電子という二大産業が日本の産業をリードしております。その下に部品、金型、製造装置、材料、半導体、原料といったすそ野産業、高度部材産業集積と言っておりますが、これが二つのトップの下にピラミッド型に分厚い産業集積をしているというのが日本の産業構造でございます。
 このうち、トップの自動車、家電・電子のようなものにつきましては、実は海外生産の比率が急速に進んでおります。自動車につきましては、九一年からの十年間で一一%から二八%、二・五倍に拡大をいたしました。家電につきましては四から一四%ということで、これは三・五倍。ステレオとかテレビとかになりますと、もう九割以上海外生産という状況が進んでおります。トップに立つ企業だけではありません。中小企業も含めまして、人件費が安いということで、中国、アジアに進出をいたしました。これが九〇年代の製造業、産業の空洞化と言われた現象でございます。
 ところが、二〇〇三年ごろから、もう一度国内にハイテク分野を中心に戻ってくるという新しい動きが出てまいりました。ここに何か日本の強さの原点があるんではないかということで、現場を調べた結果が次の十ページでございます。
 非常に定性的になるんでございますけれども、日本の強さの原点というのは、高度部材産業集積、それから取引関係のメッシュ化、それから技術課題に真摯に取り組む物づくりの姿勢、それからチームワーク、コミュニケーションと、こういうことでございます。
 まず最初に、高度部材産業集積でございますけれども、先ほど申し上げました部品、製造装置といった分野というのは、トップの自動車、家電・電子と違いまして、余り海外に展開をしておりません。むしろ日本に基地を置いて、中国、アジアに部品、材料を輸出しているということでございます。トップは海外に出たけれども、すそ野で支えている産業は比較的日本に残っておるということであります。
 なぜ日本に残っておるかということなんでございます。
 @のところでございますけれども、アメリカのカリフォルニア州と同じ程度の面積の中にアメリカの半分の産業が詰まっておるというこの密度、距離の近さでございます。技術開発、イノベーションというのは、実は人と人の交流、日々の打合せで生まれてくるということでございます。日本の場合には、そこに加えて新幹線、高速道路網、それから宅急便のようなソフトがございます。新幹線が秒単位の誤差で東京―大阪間を往復ができる、確実に発車をすると、こういう社会はアメリカにも中国にもないわけでありまして、人の交流が非常に迅速に無駄なくできるということでございます。
 それから、宅急便の配達ということを一つ取り上げましても、試作品が半日で確実に取引相手に届くと、こういう世界はほかにはないわけでございまして、日本人のその、インフラは高コストであるという批判はありましたけれども、正確さ、これと迅速さにおいては世界一だということでございまして、いろんな産業が技術革新をチームワークでやるときに、このソフトなインフラの日本の優秀さ、それからある意味では国土の狭さが有利になったということでございます。中国に行きますと、こういう打合せはできないということでございます。
 二番目は、取引関係のメッシュ化でございます。
 昔は親企業の下に下請、孫請というのがピラミッド型に形成されておりまして、親会社が作ったものを正確に、不良品を作らないというところで競争しておりましたんですが、九〇年代にリストラの結果、このピラミッド構造が崩壊をいたしました。その結果、どうなったかということですけれども、下請、孫企業のうち技術を持っている中小企業は新しい取引相手と自由に連携ができるようになったということでございます。親企業が優秀なんではなくて、イノベーションの基は強い下請、孫請が持っておると。その人たちが今度は親企業の束縛がなくなったわけでありますから、新製品を開発するときに異業種、異系列の企業と自由に連携が組めるようになったということでございます。
 三番目は、物づくりの姿勢でございます。
 日本の場合には特許だけが知的財産ではありません。むしろ特許権にならないような営業秘密やノウハウ、あるいは熟練技能者の技能、こういったものが、ここに「秘伝のタレ」という言葉がございますけれども、こういうものが日本の強さでございまして、これもチームワークとか人間と人間の付き合いといった日本独特の文化の中ではぐくまれた日本の強さでございます。
 四番目は、チームワークでございます。
 これはある有名企業の社長が言っておりましたが、日本は企業も人も自分のノウハウを他人に伝授することについて抵抗がない、その結果、良さを、いいところを持ち寄っていいものが作れる、アメリカ人、中国人はそういうことをやれば自分の評価が下がる、自分の優秀さがなくなるということでなかなか他人には出さないんだ。日本人の人の良さかもしれません。あるいは営業秘密を守るといった場合のわきの甘さになっているという欠点がありますけれども、新しいイノベーションをやるときにはこの日本人の性質という点はいい面で働いておる、こういうことでございます。
 理論的に正しいかどうか分かりませんが、現場主義でまとめてきた日本の強さの原点はこの四点でございます。
 一ページ戻っていただきまして九ページ。それじゃ、この強さを生かして、日本の二十年後の日本人の米びつとなる産業はどういうふうに組み立てていけばいいのかというのが九ページの下でございます。
 自動車と家電はこれ以上、まだこれからも海外生産比率は高まっていくと思いますが、自動車、家電の後継ぎを育てると、こういうことに腐心をすればいいんじゃないかということであります。その下で支える高度部材産業は、日本の良さで引き続き日本にとどまる率が高いわけでありますから、トップを交代させればいいと。サッカーでいえば、サッカーのツートップを、この後継者を育てればいい。若貴時代に相撲界は盛んになりましたけれども、若貴の後継者をつくり損ねると相撲界全体が滅びたと、衰退をしたということになります。ああいうことにならないように、日本経済も普通の人が一緒に繁栄するためには次のトップは何かと、これが新産業創造戦略のポイントでございます。
 副大臣から御紹介がありましたように、燃料電池、これはある意味では自動車の後継産業でございます。情報家電、これも家電産業の新発展形態でございます。ロボットは手塚治虫さん以来、日本では最も成長している産業分野でございます。世界で一番強い分野ではございます。コンテンツ、ソフトの分野、製造業だけではありません、最近コンテンツの国際競争力というのが見直されております。
 こういった四つの後継者の下に日本に残っておる高度部材産業をそっくり移し換えていけば、また二十年間、日本人は産業で勝てるんではないかというのが新産業創造戦略のみそでございます。
 前置きが長くなりましたが、あと十分ほどで中身を御説明いたしたいと思います。十三ページをごらんいただきたいと思います。
 新産業創造戦略の視点が三つ書いてございます。
 まず第一は、世界との競争、中国との競争をどう勝ち抜くかということでございまして、先ほど申し上げましたような日本の強みを生かして、強い競争力を生かし世界で勝ち抜く産業群を育てる。こういう産業群に外貨を稼ぎ、イノベーションの担い手になってもらうというのが第一点でございます。しかしながら、国際競争に勝ちましても、この分野は競争が激しいものですから、雇用の受皿としては不十分でございます。
 二番目の視点は、少子高齢化、環境問題、安全問題という日本にとって重要な問題を国ではなくて民活で解決をすると同時に、こういう産業はサービス業が中心でございますので雇用の受皿になり得る。社会の要請に産業界としてこたえていくと同時に、雇用の受皿になる産業として社会の変化に対応した市場ニーズにこたえる産業群として、後ほど申し上げます四つの産業群に期待をしております。
 外貨を稼ぐ産業と雇用の受皿になる産業で、日本の経済としてはマクロでこれでバランスが取れるんですが、最後の問題が地域の格差をどうやって克服するかということでございまして、地域が抱えている過疎化、少子高齢化、公共事業の減少といったところについて、地方の、地域の再生を担う産業群といったらどういうものが期待できるか、この三つの視点、三段重ねの戦略を講じたということでございます。
 その中身は、先ほど副大臣から御紹介ありました十四ページでございます。国際競争に勝ち抜く産業としては、燃料電池、情報家電、ロボット、コンテンツ、それから市場ニーズにこたえ、なおかつ雇用の受皿になる産業として、健康福祉機器・サービス、環境・エネルギー機器・サービス、ビジネス支援サービスでございます。
 この七つの分野の産業を育てていくという戦略につきましては、お手元の資料の二十四ページ以降に各論で整理してございますので、後ほどごらんいただきたいと思います。
 それから、地域再生の産業分野として、これは産業分野というよりは成功例を四つに整理をしたというものでございまして、地域を基盤とした先端産業、物づくり産業の新事業展開、地域サービス産業の革新、食品産業の高付加価値化ということでございます。
 国際分野の方は先ほど説明をいたしましたので、真ん中の雇用の受皿になる産業ということでございます。
 日本は、サービス産業というのは競争力がないと言われてまいりました。なぜかといいますと、製造業とサービス産業の違いは、サービス産業というのは在庫が利かない、需要に合わせてサービスをしなきゃいけないという産業でございます。それから、人から人に対するサービスですから日本では質の安定が図れませんでした。それから、国際競争にこれまではサービス産業はさらされていなかったと、こういったことが日本のサービス産業を強くしなかったわけであります。
 在庫が利かないということは、逆に需要の、分厚い需要があれば在庫がなくても産業として成長ができるわけであります。一例を申し上げますと、ヨーロッパではリゾート産業というのがピークの期間が四か月ございます。日本の海の家というのは、一年間のうち二週間しか商売するチャンスがございません。これでは高度な産業は育たないわけであります。
 じゃ、ヨーロッパのリゾート需要のように分厚いサービス需要として期待できるのは何かといいますと、これからは高齢化社会対応、環境・エネルギー対応、それから事業所のアウトソーシングでございます。この分野は分厚い需要が期待できます。それに対応して、サービス産業の質を高める、人間の質を高める、それからいろんなマニュアル化等で品質を均一化する、こういった工夫で日本にも強いサービス産業が育ち得る、これが育てば雇用の受皿になるということでございます。
 それから、地域でございます。これは、むしろ十七ページをごらんいただきたいと思います。地域の場合には、先ほど日本が狭いと言いましたが、それをもっと縮小した形で、正に人と人が触れ合う地域で、人と人とのコミュニケーションで地域の産業興しができるということでございます。
 四つ類型が整理してありまして、一つはハイテク産業を地元で育てるということでございます。大阪の、大阪大学発のバイオベンチャーを地元で育てておるとか、福岡で、シリコンシーベルトといいまして情報関連の産業を県が中心になって育てておると。それから、物づくりの拠点、これは有名ですが、千葉の柏であるとか東京の大田であるとか東大阪のように、大企業はいないけれども、オンリーワン、ナンバーワン、ネクストワンの企業が一杯詰まっていると、こういったものを地域で育てるというのが地域活性化の一つの手段でございます。
 三番目は、地域サービス産業の革新ということで、これはまあ観光業だと思っていただければいいと思います。飛騨高山の例がございますけれども、昔は山登りの中継基地でしかなかった飛騨高山が、江戸の町並みが残っているというのを財産にして大変な活性化、四季お客が来ると、外国人も来るという町づくりを成功しております。
 食品産業の高付加価値化、これは古くは夕張メロンでございます。どこにでもある食品の差別化、高級化を図るということでございます。
 NHKで取り上げられたので有名ですが、徳島県の上勝町のいろどりというのは、老人が、老人に操作のしやすいパソコンを家に入れまして、こういう、料亭で使うつまのようなものの需要情報をもらって、野山を駆け巡って葉っぱを集める。これで、人口二千人ぐらいの町なんですが、月収百万円を超えた人がもう七人もいる。みんな金稼ぎで生き生きとしているので、寝たきり老人はたった三人しかいないということで、何か福祉事業のモデルにもなったようでございます。
 こういったいろいろな地域おこしができております。それをどうやって育てているかということなんですが、十六ページに戻っていただきまして、こういった地域活性化の成功の秘訣は三点でございます。
 一つは、顔の見える信頼ネットワーク、つまり人と人のつながりでございます。成功したところには必ず仕掛け人という方がおられます。それに協力する人と、この人の要素が第一でございます。
 二番目は、特色のある産業構造や伝統・文化に立脚した地域戦略の立案と書いてありますが、要するに、地域固有の資源を有効に使う、無い物ねだりはしないと。地元にある資源をもう一遍材料にしてみようと。上勝町でいえば、町にあった緑の葉っぱ、赤い葉っぱというようなものでございますけれども、そういう地域の資源を活用する、無い物ねだりをしない、国から何かくれるということを期待しないということでございます。
 三番目は、それで成功したものを持続させるためには、他との差別化ということで、地域ブランドでございます。地域ブランドを活用することによって、こういった活動が永続化すると。この三点でございます。
 裏返してみますと、国は余りやらないということでございます。昔の通産省でいえば、テクノポリスのように国がひな形を決めて、どこの地域もこれをやりなさいという政策は今やあってない。むしろ、地方の発想を国が側面から支援をするという政策が適切ではないかと思います。
 長くなりました。最後は、そのための通産省の政策、経済産業省の政策です。
 十八ページ以降に総花的に書いてございますが、ポイントは知財、人材、IT、研究開発でございます。日本の知恵の塊、知的資本を日本に蓄積するということで、研究開発でありますとか、副大臣から御紹介のありました産業人材対策、こういったものに重点を置いてまいりたいと思います。
 少々長くなりましたが、私の補足説明をこれで終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
#15
○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。それぞれ大変興味深いお話を本当にありがとうございました。
 それでは、これより質疑に入りたいと存じます。
 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行いますので、質疑を希望される方は、挙手の上、会長の指名を待って、着席のままで結構です、御発言くださいますようお願い申し上げます。
 なお、質疑時間が午後三時までの一時間に限られておりますので、答弁を含めた時間がお一人五分程度となるように御協力をお願いしたいと思います。また、追加質問がある場合にも、その時間の範囲内でよろしくお願い申し上げます。
 それでは、質疑のある方、挙手をお願いいたします。どうぞ。
#16
○椎名一保君 初めに質問をさせていただきまして、大変恐縮に思います。
 内閣府なんですけれども、毎月、月例経済報告受けているんですけれども、景気は、先ほどの言葉にもありましたけれども、堅調に回復しているという、いろいろ資料を見せていただきながら御説明いただきながら伺っているんですけれども、なかなか国民にその景況感が感じられない。まず、その理由を分かりやすくひとつ教えていただきたいということと。
 それから、やはりデフレがなかなか止まらないと。そのデフレ対策がもう本当に効果を上げているのかと。特に、中小からはその時価会計やらその減損会計やらそのペイオフとか。アメリカ自体がたしかあの一九三〇年代の大不況からデフレが収まるまで、一九九三年、約六十年間ぐらいその時価会計、減損会計は凍結していたというような話を聞くんですけれども、デフレ下にやってはいけないというような、そういう政策をあえて日本がなぜ取るんだろうというようなことをおっしゃられる専門家も多いんですけれども、その辺りのことについて教えていただきたいと思います。
 それから、中国、先ほど中国のまた、あっ、中国かどうか分かりませんけれども、潜水艦のニュースがありましたけれども、中国の経済が、非常にアバウトな質問で申し訳ないんですけれども、本当に順調にこのまま成長していくんだろうかと。やはり、日本との領土問題とか、そういう安全保障上のこういう話が、潜水艦の話ではないんですけれども、そういうことが起きているということは、やはりいろいろ経済にも変調が来しているようなことではないんだろうかという思いを持つわけでございますけれども、その辺りのことについて御意見があったら聞かせていただきたいと思います。
 それから、最後に、私は千葉県でございまして、かずさアカデミアパークとか、いろいろそれなりに地域の活性化、そして日本の新しい産業形成のためにインキュベーターの形成に取り組んできたんですけれども、もう各県、都道府県それぞれ、それぞれ一生懸命やっているんですけれども、先ほど来いろいろ評価がございましたけれども、経済産業省の戦略と今後どのようにリンクしていくのか、その辺りのことを、大変大ざっぱな質問で申し訳ありませんけれども、お聞かせいただきたいと思います。済みません。
#17
○会長(広中和歌子君) それでは一番最初に加藤審議官、お願いいたします。
#18
○政府参考人(加藤裕己君) 最初の景気の現状の御質問にお答えしたいと思います。
 おっしゃるように、私ども、月例では堅調な回復と言っておりまして、先ほど経産省からも御説明がありましたように、企業の投資、輸出等々を中心に堅調に回復しております。なかなか実感はないという話も常に伺っておるわけでございますけれども、基本的には今回の回復は、製造業、大企業を中心にかなり回復しておりまして、その関係で地域間のばらつきが非常に大きいこと、それから非製造業が少し遅れていること、依然として非製造業、中小企業、なかなか業況感が改善しないこと、そういったこともございまして、なかなか回復感が浸透しないようなこともございます。ただ、マクロ的に見ますと、全体的には堅調な回復を続けていると思っています。
 加えて、もう一点申し上げますと、雇用関係で、雇用も随分良くなってまいりましたけれども、依然として賃金は余り上がってこない。これまで、数年前までは企業の取り分、経営者の取り分が少のうございまして、労働分配率が非常に高いということもございまして、その過程で随分労働分配率が下がってまいりました。その関係から、なかなかそういう家計部門で所得が向上したという観点は持ちにくいという点もございます。
 加えまして、最近では雇用の形態がパート、臨時雇用が中心になってまいりまして、なかなか正規雇用が増えないということもございまして、そういう観点から、なかなか目に見えた格好での回復を実感されないんではないかというふうに思っております。
 ただ、最初に申し上げましたように、広い目で見ましても消費も投資もすべて堅調に伸びておりまして、この観点からは順調に回復していると思っております。
#19
○会長(広中和歌子君) ありがとうございます。
 次、薄井審議官、お願いいたします。
#20
○政府参考人(薄井康紀君) デフレとの関係についてお尋ねがございました。
 確かに、いろんな政策という、パッケージということになろうかと思いますけれども、小泉内閣におきましては、改革なくして成長なしという方針の中で、デフレ克服、デフレの克服と経済の活性化ということで、金融、税制、規制、歳出と、こういった改革を進めてまいったわけでございます。
 確かに、現在の物価の動向を総合的に勘案しますれば、依然として緩やかなデフレ状況ということであるわけでございますけれども、基本方針二〇〇四、いわゆる骨太二〇〇四に基づきまして、この成果というのを地域とかあるいは中小企業に浸透させると。それと併せまして、デフレの克服を目指しながら取り組んでいくということで、日本銀行と一体となりまして、集中調整期間終了後におきますデフレからの脱却ということを確実なものにするために努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
#21
○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。
 もう一度ですか。加藤審議官、よろしくお願いいたします。
#22
○政府参考人(加藤裕己君) 最初にもう一点、中国経済についてのお尋ねがございましたので、お答えしたいと思います。
 中国経済は、御案内のように、昨年ぐらいからかなり過熱感がございまして、中央銀行が随分引締めをやってまいりました。この春先には結構効果がございまして、投資、成長率等々、少し鈍化した感じがございましたけれども、またここに来まして再過熱の気配がございまして、十月二十八日に法定貸付レートをまた引き上げております。
 中国政府としましては、なるべく安定的な成長をしたいということを望んでおりまして、その方向に動くとかなり自信を持っておりますので、当分の間はまあ、どの程度過熱、どの程度が適切か難しい部分ございますけれども、ある程度の成長が持続するものというふうに考えております。
#23
○会長(広中和歌子君) では、北畑経済産業政策局長、お願いいたします。
#24
○政府参考人(北畑隆生君) 御質問は、かずさアカデミアパークのような、都道府県が中心になって開発整備をいたしました研究開発の拠点、それから産業を育てるためのインキュベーション施設というのは各県にございます。私ども、先ほど申し上げました新産業創造戦略の中の施策の重点の一つが研究開発なんでございますけれども、こういった研究開発の過程でも、地域の特色ある研究機関の活躍ということに期待をいたしております。地域コンソーシアムといった研究委託費制度というのは、正に地域からそういう研究開発、ハイテクの技術開発を是非育てていただきたいという期待を込めて作った制度でございます。
 それから、説明の中で省略いたしましたけれども、地域にそれぞれベンチャー、新企業が育つということが重要な地域活性化の手法になるわけでございまして、こういった意味でも、都道府県がそういう拠点を整備されるということについては引き続き期待をし、できるだけの支援をしていきたいと思っております。ポイントは、各県同じものを作るんではなくて、特色のあるものを作るということでございますし、かずさアカデミアパークのように、中核になる仕掛け人と言ったら失礼かもしれませんが、中核になられる研究者がおられるということが重要なポイントではないかなと思っております。
#25
○会長(広中和歌子君) どうもありがとうございました。
#26
○椎名一保君 ありがとうございました。
#27
○広田一君 どうも、広田一でございますが、どうかよろしくお願いします。
 財政と景気という観点から御質問をさせてもらいたいんですけれども、先ほど来お話がございましたように、日本全体では景気の回復がされているというふうなお話がございました。地域に行きますと、まだまだばらつきがあるわけなんですけれども、全体的には景気の回復基調であるということです。
 そういった景気の腰を折る要因が原油高とかと今言われていますけれども、あと幾つか挙げられるものの一つとして長期金利の上昇というものがあろうかと思います。また、長期金利の上昇をもたらす一つの原因が、国、地方合わせた危機的な財政状況にあるというふうに言われております。そうした中で、国も地方も財政構造改革というふうなものに取り組んでいるわけなんですけれども。
 先ほど来、国、地方合わせたプライマリーバランスの黒字化というお話がございましたけれども、まずここの認識が、今日いただいた資料の中でも、地方の場合はほぼ基礎的財政収支の方は均衡をしているわけでして、もちろん国の財政の方をまず一番に考えていかなければいけない。そういう脈絡の中から、三位一体の改革であるとか、先ほど、財務大臣が経済財政諮問会議で示された地方交付税の七・八兆円の削減というものを見た場合に、確かに国の収支バランスから見れば必要なことかもしれないですけれども、地域経済とか地方財政というふうな観点に立った場合に、非常に今のこの提案というものは無理があるのではないか、中期的な国、地方を合わせての観点に立った場合に、地域経済含めてかなり影響が大きいのではないかなというふうに考えるわけなんですけれども、その点に関しての御見解をお伺いしたいと思います。
#28
○政府参考人(村瀬吉彦君) 今の広田先生からの御質問でございますが、先ほどから私ども説明しておりますが、内閣としては、先ほどもございましたように、二〇一〇年代初頭に国と地方を通ずる基礎的財政収支バランスを確保するということで、それについては、取りあえず二〇〇六年度までは、二〇〇六年度までは一生懸命、国、地方を通じた歳出改革を推進していこうという大前提に立っておるわけでございます。そして、そういう努力を踏まえて二〇〇七年度以降どうするか、これまた国民的な議論ということで出てくるんだろうと思いますけれども。
 いずれにしても、そういう政府全体としての大枠の中で、財務大臣の御提案、これはまだ私どもがどうのこうのということはちょっとまだ正確に申し上げることできませんが、そういう中で、ただ、一方では、経済財政諮問会議なんかでも議論ございますけれども、一方で、地方にとって大変だという総務大臣の御意見もございまして、これからまた年末にかけて御議論していくということになると思います。
#29
○広田一君 おっしゃるとおりだと思うんですけれども、私が言いたいのは、国のこれまでの財政運営の失敗のツケというふうに言ったら語弊になるかもしれませんけれども、それを地方に回す結果となっているんじゃないかなと。
 これまで、バブル経済が崩壊した後に、国の景気誘導策で地方もかなり財政が悪化してきたんですけれども、それを見越して地方は地方なりに非常に努力をし、いただいた資料のように基礎的財政収支については地方の方はほぼ目標を達成しているわけであって、ですから、やっぱり国の、国そのものがやっぱり財政運営といったものをまず一般歳出等も含めて見直した上で、国、地方合わせてのあるべき財政の姿というものを示していかなければいけないんじゃないかなというふうに思うわけです。でないと、このまま財務大臣等の提案のままお話を進めたときに、先ほどちょっと御説明の中であったように、ただでさえ地域経済の格差が出てくる中で、まだまだ地域経済においては公経済に依存している部分が良くも悪くもあるわけなんですよね。そういったところもやっぱり、中期的な視点に立った場合にはやはりよりマイナスの方向に振れてしまうんじゃないか、そういうふうな危惧を持つわけです。
 ですから、目先の国の収支というものにこだわるんじゃなくて、まさしく中長期的な展望に立った場合に今のやり方というのが私は非常に問題があるし、無理があるし、実際提出された資料もそういったことを前提にして作られていないというふうに思うんですよね。だから、今のままのやり方で果たしてどこまで見通せるのかというところをもう少し、ちょっと御説明を加えていただければなと思いますけれども。
#30
○政府参考人(村瀬吉彦君) 先生の御趣旨は、国の歳出、厳しい抑制を先にということでありますけれども、これまでの政府、今現実にそうなんですが、国と地方が同じような歩調を取って厳しくやっていこうということでありまして、私ども伺っておる限りでは、財務大臣の方も来年度の国債発行額を前年度同額以下に落とすとか、厳しく一般歳出を見直すということで今予算編成作業に取り組んでおられるというふうに承知をしております。
 また一方、地方財政については、諮問会議でもいろいろ議論ございましたけれども、地方財政計画の在り方についていろいろ議論が実はございました。
 先生御専門家なんで、特にいろいろ申し上げることないと思うんですが、例えば財務大臣からの問題提起は、地方の単独事業、投資の単独事業、これ地方財政計画で一定の保証水準で見ている部分と実際の決算に相当な、決算は小さな数字になっておるとか、あるいはそういった金がほかの地方の一般行政経費に回っているんじゃないかと。これは見方ですから、どういう見方かというのは、それは私どももそういう議論があるというのはよく承知しておりますが、そういったことをやはり議論していかないと、単に地方は大変だからということではないと思うんですね。
 そういう、国民に対する地方財政計画の透明性を高めていくと、そういう意味で、今後財政当局と地方財政当局がいろいろ議論されると思いますけれども、いずれにしても、国と地方が歩調を合わせてこの財政構造改革に取り組んでいくという基本的なスタンスは変わらないと思います。
#31
○会長(広中和歌子君) もう時間ですので、また次回にお願いいたします。
#32
○広田一君 分かりました。また次回によろしくお願いします。
#33
○浜田昌良君 それでは、内閣府に一問、経済産業省に一問、お聞きしたいと思います。
 財政の中期展望についてですが、今、財政の抑制についての関連した、違った見方からの質問なんですが、二〇〇三年度に続き、この計画、五年間については引き続き歳出抑制に取り組むというのが趣旨になっているわけですが、その目標といたしまして、この資料の十一ページにありますように、国と地方と合わせた基礎的財政収支を、プライマリーバランスを二〇一〇年中ごろには戻していくと。
 この表を見ますと、グラフを見ますと、帳じりと名目GDP成長率がほぼ平行に移動しているわけですが、そういう意味では、税目別には大分違うと思いますけれども、租税弾性値がこの期間一様に見られているのかな、どうなのかなと。景気はマイナス成長からプラス成長になっていき、赤字企業から黒字企業増えていけば、かなり税収というのは、プラス一を超えて税収は上がっていくんじゃないだろうかと。そういう意味ではこの五年間の年度別の、トータルとしての租税弾性値はどういうふうに見られているのかなというのが、質問が一つでございます。
 あと、経済産業省につきましては、まさしくこの新産業創造戦略をする上で、人材の重要性というのは非常に重要と思っております。
 しかしながら、今企業ではこの十年間で一千億円もの投資を減少していると。これが、御説明ございましたように、いわゆる終身雇用が崩れて、人材に投資をしてもリターンが返ってこないという現状があると。そういう意味では外部経済戻すために政策支援が必要なわけですが、そういう意味では逆に、そういう正規社員じゃなくて、フリーターとかそういう方々にそういう人材投資減税がうまく使われるようなことがより重要じゃないかと。そうなることによって、一企業、一企業では投資はしづらいんだけれども、国全体としてはそういう政策効果によって人材に投資が増えていくという観点はどうでしょうかと。
 このそれぞれ一点ずつについてお答えいただきたいと思います。
#34
○政府参考人(大守隆君) 税収の弾性値についてのお尋ねいただきました。
 実は、先ほども御説明しましたように、これはモデルでやっておりまして、特に所得税につきましては割合細かい制度的な想定を置いてやっておりますので、特定の弾性値という、どう、あらかじめ与えて想定しているわけではございません。
 それから、データから計測される弾性値というのもございますけれども、これは過去において行われた減税等の効果込みのものですから、それに比べますと、そういう制度改正を前提としない場合の弾性値は、特に所得税については高めのものになるというふうに思っております。
 以上でございます。
#35
○政府参考人(北畑隆生君) お手元の資料の三十四ページをごらんいただきたいと思います。
 人材投資減税につきましては、私どもは企業に対する投資減税を要求をいたしております。厚生労働省さんの方は、転職の時代でございますから、御指摘のとおり個人に対する減税というのを要求をしておられると思います。ただ、税の理論からいくとなかなか、個人に対する所得税減税というのはなかなか難しいというふうに聞いております。
 それで、私どもは、税ではございませんが、先ほど話ありましたフリーターに対する対策ということで、いつでもどこでも自分の教育訓練ができるような仕組みを作ろうということで、今年の新規の要求なんですが、草の根eラーニングサービス、最近のIT技術を生かして自分で磨くような仕組みを作ろうということで、これは三省庁連携で予算要求をさせていただいております。
 それから、昨年、ジョブカフェという、ハローワークと協同しながら別体系の、若者向けの職業あっせんの仕組みを作りました。これは大変成果が上がっております。ハローワークと違いまして、就職のカウンセリングから職業紹介まで一貫してやるということ、それから、仕組みとして民間の活力を活用、民間委託方式を取ったということ、それから、全都道府県ではなくてモデル地区ということで、手を挙げた意欲のある都道府県について十五か所設けたということでございまして、若いフリーター、それからニートと言われるような方も含めてここには気軽に相談に来ていただいているということでございまして、こういった、税ではございませんけれども、仕組みの方で御指摘のような対策を進めていきたいと思っております。
#36
○井上哲士君 まず、「改革と展望」について一点お聞きしますが、最近、いわゆる定率減税の廃止が一つの柱だと、方向だという答弁を受けまして、経済界なども含めまして、これが非常に景気回復の足かせになるというような、需要の低下などを招くという声が上がっているわけですが、今回のこの「改革と展望」の先ほど説明あった試算に盛り込んでいる主な前提のところでは、税制改正については各年度の税制改正措置を想定と、こうしか書いてないわけですが、この「改革と展望」ではそのいわゆる定率減税の廃止ということは想定しているのかいないのか。想定しているとすればどういう影響を及ぼすと試算をしているのか、していないとすればどういう影響があるとお考えなのか、お聞かせいただきたいというのが一点です。
 それから、新産業創造戦略なんですが、先ほども人材が非常に大事だという御質問もありましたし、御説明でもかなりありました。それで、大変興味深く聞いたわけですが、特に日本の、逆に今、本来的なこの物づくりの強みとして幾つか言われたわけですが、例えば濃密なコミュニケーションでチームワークに優れ知恵と工夫でやっていくというようなことがあったわけですが、現状の物づくりの現場に行きますと、いわゆる派遣、それから請負というのが非常に増えてきておりまして、いつ首切られるか分からない使い捨てのような状況の中で、なかなかそういう物づくりのスキルを身に付けることができないということもありますし、いついなくなるか分からぬわけですから、そういうこれまでの強みだった濃厚なチームワーク、なかなか形成されないという問題があると思うんですね。
 ですから、現状に合わせていろんな施策を先ほど、打たれているのは分かるんですが、そういう派遣や請負が非常に増えているというような雇用の状況ないしは雇用政策というものも、この物づくりの強さを生かすという、現場からはもっと見直す必要があるんではないかと思うんです。その点、現場に行かれた思いとしていかがか。
 この二点、お願いします。
#37
○会長(広中和歌子君) まず、内閣府大守分析室長。
#38
○政府参考人(大守隆君) 参考試算において定率減税の廃止を見込んでいたかどうかというお尋ねをいただきました。
 まず、明示的に見込んだ試算をしてはおりません。ただし、基礎年金の国庫負担割合を二〇〇九年度までに段階的に二分の一に引き上げるという想定は入れておりまして、その財源として家計の負担において引き上げるというふうな想定を置いております。
 具体的には、ちょっと細かくなりますけれども、平成十六年度税制改正における財源の充当ということで、平年度ベースで千六百億円の年金課税の適正化に加えまして、その後、六千億円ずつ毎年国庫負担を増額していくものに伴って直接税及び間接税の税負担を家計に求めるというような姿になっております。これは二〇〇九年度の仕上がりの姿で申し上げますと三兆円ちょっとの負担増ということですので、仮に定率減税を廃止するとなりますと、もちろんタイミングとか微妙に違いますけれども、マクロ的な効果としては似たようなインパクトがあるかというふうに思っております。
 以上です。
#39
○会長(広中和歌子君) 経産省は。北畑経済産業政策局長。
#40
○政府参考人(北畑隆生君) 私ども研究したその物づくりの強さのところでは、派遣では物づくりの強さは出ない、そういう結果でございます。産業界の方でもようやくそういう認識になってきたと思います。リストラの時代にコストだけで派遣を増やしたというのは、やっぱりこれからの国際競争に生きていく強い製造業を作るという意味ではマイナスだということであります。むしろ、強い競争力を持つためには終身雇用に戻した方がいい、あるいは少なくとも、企業にとって重要な中核人材は少なくとも終身雇用にする。もっと、退職後、韓国の企業に引き抜かれないために、退職後もですね、中核となる人間は育てなきゃいけないという意識がようやく出てきたと思います。
 それから、そうはいっても、最初申し上げましたようにリストラの時代に断層ができておりますんで、どうしてもその五十年代のベテランの技術を若い人たちに伝えるための工夫をしなきゃいけないということで、お手元の三十二ページでございますけれども、大学を活用したいということなんでございます。
 大学の独立行政法人化が大変いい刺激になりまして、私立大学も含めて産業界との連携というのが進んでおりますが、今進んでいるのは研究開発なんでございます。
 もう一つは教育機能でございます。大学の持っている教育機能を生かして、製造現場にいる技術者をあるいは若手を、オン・ザ・ジョブ・トレーニングではなくて、大学に一年国内留学をさせて技能を磨こうということなんでございます。そのために予算要求をしておるんでございますけれども、お手元の例は、これは岩手大学の例なんですけれども、地元の金型・鋳物業界が協力をして岩手大学のものづくりセンターに人を出すと。そこで教えてくれる人は大学の先生ではありません。外から人を持ってこようと、例えばトヨタから技術者を教授として迎えようと。大学の先生は教えるカリキュラム作成とかそういう分野で活躍をしていただくということでございまして、このものづくりセンターはいずれ専門職大学院に模様替えをしたいというような意欲を持っておられますから、典型的に言いますと、中小企業のベテランの技術者が大学に行っているうちにマスターになって帰ってくると、こういう世界を作りたいということでございまして、これは是非実現をしたいと思っております。
#41
○渕上貞雄君 お話を聞いていますと、大変夢のある話を聞かせていただいたんで、なるほど、これがこのまま実現できればすばらしいなと、このように実は思っているところなんですが。
 構造改革、経済財政のところの経済成長ですね。昔のようにバブル経済ということにはならないと思いますけれども、ここで想像している二%というのは、ほどほどの経済を考えているのか、それとももう少し過熱をするような経済というものを、成長というものを考えているのかどうか。
 そこら辺りが一つと、今お話ありましたけれども、地方と中央の格差、それから世代間の断層というもの、同時に、今新しい私は階層分化、分かれが出てきているのではないかというふうに思っているところでございまして、一つはやはり失業の高まり、それから所得の低さ、それから貧困層の拡大と言ったらいいんでしょうか、就業不安からくる所得の低さというのは、経済的な理由によっての、今日の本会議でもちょっと質問のあったところですけれども、自殺率が大変多いとかですね、経済的な理由による。そういうようなことを考えると、一体、ここに示されておるような、そういう社会不安に対して経済上どのようなフォローをしていこうとしているのか。その点を少しお聞かせを願いたいと思っているところです。
#42
○政府参考人(堀田繁君) 最初に、中期の経済成長率に関しまして、おおむね二%程度の成長ですね、これについてどう評価するかというお尋ねだったと思いますけれども、おおむね我が国の潜在的な成長率、これはかなり幅を持って考えられなければいけないと思いますけれども、おおむね二%程度の成長率であればそういった潜在的な成長率に沿った動きになるんではないかと。そういう意味で、先生がおっしゃるようなほどほどの成長率ではないかというふうに考えております。
#43
○岡田広君 それでは、何点かお尋ねをしたいと思います。
 先ほど、地方経済非常に厳しいという中で、特に中心市街地が衰退しているのは御承知のとおりだろうと思います。まちづくり三法が機能していないという感じを持っていますが、なかなか、大店法も変わりまして、営業時間とか休みとかいろいろ規制ができないという法律に変わってしまったことも要因の一つだろうと思うんですが、これはまた機会があったら質疑をさせていただきたいと思います。
 そういう中で、地方の中小小売業は特に厳しいということです。それで、銀行の支援がなかなか得られない、産業再生支援協議会とか機構とか立ち上げましたけれども、なかなかやっぱり壁が厚いということで、そういう中で、不良債権処理ということが書かれておりまして、二〇〇四年度に不良債権問題を終結をさせるということでありますけれども、来年からペイオフ全面解禁ということで、一つは、この不良債権処理についてどういう、間違いなくこの二〇〇四年度にこの不良債権問題が終結できるのかどうか。現状と、その来年の末に向けての考え方をひとつお尋ねをしたいと思います。
 それから二つ目ですが、特区ですけれども、特区で医療参入、株式会社の医療参入ということを認めたわけですけれども、残念ながらこれに手を挙げる会社は今のところまだゼロということを伺っております。これはどういう、私、この株式会社の医療を、高度医療に限るということでしたけれども、これは党を代表して内閣委員会で質疑させていただきましたが、この点については余り賛成をしなかったんでありますけれども、全然手を挙げるところがないというのは、こういう、これを制度化したことに関してよかったのかどうか、問題があったんではないかなということを、ちょっとこれ担当違うかと思います、もし分かればこれをお尋ねをしたいと思っております。
 全国展開をするという特区の中の考え、どういうものを全国展開するというのが、ある程度方針が幾つか分かっていたら教えてもらいたいと思っています。
 それから三つ目ですが、先ほど出ましたが、産業人材の育成って、正にこれ非常に大事な事業でありまして、ジョブカフェ事業ということは、五十二・五億円予算化しまして、この七月から三か月間で約三千人、職業就くことができたということですが、これは当初の予定どおりの数字なのかどうか。そして、来年度の予算は六十七・五ということで増えていますけれども、全国十五の地域で試験的に、試験的ということが、全国十五の地域でやられたということで、これ地図も載っていますが、来年から増やしていく中でほかの地域にも拡大をしていくのか。拡大していったときには、今まで、これらのやった十五の地域は今後どうなるのか、その点についてお尋ねします。
 もう一つは、先ほど中国のお話が出まして、中国の工場進出していまして、中国との競争について勝ち抜けるかというのが国際競争力に打ち勝つということになる大変大事なことであろうと思っています。私も、中国に工場進出する、その安いという金額的なものだけかと思ったら人材ということが出ましたので、正にこの産業人材の育成は大事であるということで、この新規予算も含めて幾つかの産業人材の養成の予算が組まれていますが、この点について是非積極的に、財政厳しいところでありますけれども、予算化をしてもらいたいということを要望するとともに、この考え方をお聞かせいただきたいと思います。
 以上です。
#44
○会長(広中和歌子君) では、まず内閣府の方、どなたが。堀田審議官。
#45
○政府参考人(堀田繁君) 最初にちょっと不良債権問題の関係で、来年度までに不良債権問題の解決がどうかという御質問についてお答えさせていただきたいと思います。
 「改革と展望」の中でも、金融再生プログラム等の着実な実施を通じて、二〇〇四年度に不良債権問題を終結させるというふうな文言が書かれております。現在、経済の状況も比較的好調ですし、不良債権問題につきまして全国銀行ベースでは着実に進んでいるのではないかというふうに考えております。
#46
○岡田広君 結論、結論。
#47
○政府参考人(堀田繁君) 終結させる方向で進んでいると思います。
#48
○会長(広中和歌子君) 次の御質問に対して、鈴木事業環境部長。
#49
○政府参考人(鈴木正徳君) 今、委員の方から地方の中小小売業、非常に厳しいという御指摘をいただきましたもので、少し現状だけ御説明させていただきたいと思いますが、小売業、先生おっしゃったとおり非常に厳しいところがございまして、業況判断DI、これを見ましても、まだマイナス三五、中小企業の製造業がマイナス一五程度となっておりますのに対して、この中小の小売業、非常に業況は厳しいものがございます。
 ただ、様々の取組がございます。一つには、再生をしなければいかぬということで、各地域に中小企業の再生支援協議会がございます。この九月末までに二百三十四社の再生を完了いたしました。その中に、卸・小売業でございますけれども、五十二社ほどございまして、やはりバブルのときの負の遺産を、これを解決して、新たなその小売業として立ち直っていこうじゃないかという動きが出てきております。
 それから、先ほど新産業創造戦略で、配らせていただきました十七ページのところをごらんいただきましても、このように地域の特色を生かしたもののその小売業の在り方というのを非常に強く考えてくださるところも増えてきておりまして、私ども、こういう動きを何とかバックアップをいたしまして、それぞれ特色のある小売業ができないものかということで模索している最中でございます。
#50
○会長(広中和歌子君) では、次の御質問、人材についてだったと思います。北畑経済産業政策局長。
#51
○政府参考人(北畑隆生君) 産業人材の関係の御質問についてお答え申し上げます。
 まず最初に、ジョブカフェでございますが、三か月で三千人の就職に成功したというのは、いい成果が上がっていると思います。数値目標を持っていたわけではありませんけれども、三か月、十五か所で三千人というのはいい成果だと思っております。来訪者は二万人規模で来ておりますんで、これからも実績は上がっていくと思います。
 それから、予算につきましては増額要求をしております。ただ、これはモデル事業でございまして、四十七都道府県に全部広げるというものではございません。まずはその十五か所でいろいろ特色のある取組をしてもらって、それがほかのハローワークその他に取り入れればいいという予算要求でございますので、増設については、地方の要望が強いことは十分分かっておりますけれども、これは予算折衝中ということで、取りあえず現状では御勘弁いただきたいと思います。
 それから、産業人材についての予算全体につきましては、産業人材関係の五大臣会合というのがございます。これで、是非全体の予算をできるだけ充実をしていきたいと思っております。
 それから、産業界の協力という動きが出てまいりました。昨日でございますが、日本商工会議所と経団連が、産業人材に政府を挙げて取り組むべきだと、それから産業界もこれに協力する用意ありと、それから、地域ごとに教育、県委員会その他と連携をしたいと、こういう提言を昨日まとめておりますので、日本全体で取り組む体制もでき上がってきたかなと思っております。
#52
○会長(広中和歌子君) よろしゅうございますか。
#53
○岡田広君 特区は分かんないですよね。
#54
○政府参考人(北畑隆生君) 特区は内閣府の方じゃないかと思っております。
#55
○岡田広君 いいです、いいです。
#56
○会長(広中和歌子君) よろしゅうございますか。
#57
○谷博之君 民主党・新緑風会の谷博之でございます。
 三点、経済産業省にお伺いしたいと思いますが、先ほどの御説明の中ではちょっと余り触れられてなかったんですが、この資料の二十九ページの環境、エネルギーの関係です。機器・サービスの関係。
 私どもも非常に環境問題は関心を持っている分野でありますけれども、この説明を読んでおりまして、一つは、環境政策というのは民間主導といってもかなりこれは、例えば地球温暖化の問題についても第二ステップ、大綱の今見直しやっていますけれども、来年に向けてそういうふうな国の方針とかあるいは法律とか、いろんな制度を作ることによって具体的には環境政策というのは進んでいくと。なかなか経済的な立場からいうと、企業のやはり余裕がないときにはそういう分野というのは比較的、余り積極的に取り上げられにくいと、こういう状況が率直に言ってあると思うんですけれども。
 そういう中で、この説明を見ますと、下の方の二番のところに、我が国は地球温暖化あるいはこの廃棄物問題等の環境制約、あるいはまたエネルギー等の資源制約に直面をしていると云々ということで書いてありまして、当然、将来はそういう方向に全体が行くんだと、このように指摘をされておりますけれども、この辺の検討過程の中で、今申し上げましたようにこれは経済産業省だけでこういうふうな概要を作ったのか、あるいは今申し上げたように環境省等ともある程度いろんな意味で議論をしながらこういう方向性の内容を作ってきたのか、そこら辺の、この内容を作る過程でのそういう取組の状況を御説明いただきたいというふうに思っています。
 それから、戻りまして、八ページに例の地域のばらつきの話が出ました。この下のグラフを見ておりまして、説明ありましたように、特に左側の各ブロックごとの格差については北海道とか四国が非常に低いわけですけれども、こういうふうな状況のブロック、地域に対して、この説明資料を見ていますと、十六ページの地域再生の産業群ということで、四つの、一つのパターンを作っておりますけれども、こういうふうな対応で、このブロックというのが将来このいわゆる景気の山に登っていくことができるんだろうかというようなことを考えております。
 そういう意味では、もう少しこの辺の基本的な考え方、対応方針というのは分かるんですが、こういう具体的なブロックに対して今説明を受けたようなもので果たしてその対応ができるんだろうかというふうに思っています。
 これは、この全国のブロックに限らず、これは私たちのところでもそうなんですが、ちょっと具体的な話させていただいて恐縮ですけれども、私の地元は足利銀行が経営破綻をしました。そして、鬼怒川温泉という温泉がありまして、そこはもうすべて観光業、ホテル中心の町です。これが完全に今こういう時代の中で、正に悲鳴を上げているという状況ですね。
 私は、そういう中で、再生の方針というのはまあいろいろあると思いますけれども、一つ私が強調したいのは、そういう地域、人口一万八千人の町に、実はそこに集まってきている、働いている人たちというのはほかから随分入り込んできて、そして工場をリストラに遭って職を求めて来ている人とか随分おります。つまり、第三次産業、サービス業の一番その最終終着点としてそういう場で雇用をされている。こういう人たちが、じゃ次にもう一回、雇用の循環というのはあるんだろうかということを我々は非常に心配しているんですが、そういう点でこの北海道、四国もそうですけれども、そういう景気の回復と、それから雇用の循環といいますか、そういうところで働いている人たちのもしも働く職場がなくなったときに、次の、先の循環というものがこのブロック、あるいはその地域で果たすことができるんだろうかということについて非常に私たち懸念しています。
 そういう意味では、栃木県はそういう方々を農業の分野に転換をしてもらおうということで、そういう意識的な取組も今しようとしていますけれども、そういう点のより突っ込んだ考え方というものがお示しできないだろうかというふうに思っていますけれども、この点についてのお考えがあれば教えていただきたいと。
 以上です。
#58
○政府参考人(北畑隆生君) 最初に、環境の関係でございますけれども、国の方針とか制度というのが環境産業を育てる上でかなりの大きな役割を果たすということは先生御指摘のとおりだと思います。ただ、その制度の中身については、私どもは民間の活力が出てくるような制度作りをやりたいということであります。
 例えば、省エネ機器につきましては、私どもトップランナー方式と言いまして、最先端の省エネ機器のものがより売れるような仕組みを作りました。これは民間活力を引き出す施策だと思います。それから、太陽光発電というのは二十年間研究開発に国が投資をいたしました。最初の立ち上がりのところは市場性がございませんでしたので、げたを履かせるような補助金制度を作りまして、これは早期撤退、つまり需要が出てくればコストが下がって補助金なしででき上がると、こういう形の、撤退型の補助金ということでやりました。
 こういう、民間の環境産業が将来大きくなると、そういう期待はあるわけですから、それを支えるための種作りの研究開発、それから、いずれは民間中心でやるための最初の段階の補助策とか、そういった仕組みを作っていくということが国の役割だと思います。
 それから、環境省と議論をしてこの部分を作ったのかということなんですけれども、この報告書自体で環境省と議論をしたかどうかは分かりませんが、環境政策に関しては環境省と日ごろから議論をいたしております。環境省さんも、やり方について私どもと合わない部分がございますけれども、民間を使うという部分については一致する部分が多いと思っております。
 それから、北海道、四国の低迷という地域の問題ですが、説明の中で申し上げました、私どもの省とかあるいは産業だけではこれは解決の付かない問題でありまして、全政府的にやらないと追い付かない問題だというのは先生御指摘のとおりでございます。農業におられた方が公共事業の方に移って、公共事業が観光業へと、こういう流れが確かにあったと思います。
 ただ、この人たちが先生御指摘のようにまた農業に戻るのか。私は、介護といった分野に、これは力仕事もございますし、高度なサービスもございます、こういった分野が新しい雇用の受皿になるんだと思いますけれども、これも介護といった福祉の分野というのも、私ども、地方でもできる、むしろ地方に需要の多い、ほかの産業に比べればですね、地方で期待のできる成長分野だと思っておりまして、そういう意味で、この新産業創造戦略の一つの大きな成長分野を担うんじゃないかと理解をしております。これは、私どもとか産業だけではできない分野ですので、繰り返しになりますが、政府全体で取り組む必要があるんじゃないかと思っております。
#59
○小野清子君 自由民主党の小野清子でございます。余り専門分野ではないので質問がちょっと浅いかと思いますけれども、お許しをいただきたいと思います。
 まず、新聞等を見ますと、よく自動車産業、それから家電がどんどん中国へ出掛けていく。で、こういうものを片目に見ながら、いわゆる就職できないのかしないのか、フリーターが多くなっていくというこの矛盾を非常に感じているものでございます。私も、今お話を伺いますまでは、中国の方の人材が、格安で人材が提供できるからだとばかり思っておりましたけれども、そうではなくて、人材の質が大変いいというお話を伺わせていただきました。となると、日本の場合の人材教育がどうなっているんだろうかと、逆にその辺も考えさせられたわけでございます。
 先ほどお話がございましたけれども、産業人材育成ということで、二十ページですか、二十ページですね、小中高大が具体的にその連携を取りながら人材教育をしていくんだというふうなことがここへ書かれておりますけれども、具体的に例えばどういうカリキュラムでどういう時期に、五日間を使ってという具体的な日にちまで書いてございますけれども、そういう中で育成されていくのか、大変関心を持って、効果があったという言葉もございますけれども、その辺をもうちょっと具体的にお話できればと思います。こうした意味について、これが第一点の質問でございます。
 それから第二点は、今回ベンチャービジネスという言葉が全く出てきておりません。これはどうなっちゃったのか。卒業したのか、停滞しているのか、いや進んでいるのか。その辺の具体的な現状を是非聞かせていただきたい。
 あともう一点は、産業、発展いたします中で、新産業がどんどんできていくわけでございますけれども、日本ならではの大量生産あるいは新規事業以外に、日本の伝統文化的なものが大変今停滞しているというのか、瀕死状況であるということを様々な折に目にいたします。
 例えば、日本ならではの石川の輪島塗ですとかああいうものになりますと、漆のほとんどを中国から輸入をしていると。なぜ日本でそういうものができなくなってしまったのか。そして、漆塗りの場合に、その絵をかく筆がネズミの毛を使うんだという、そのネズミの毛が、日本にネズミがいなくなったと。これを中国まで買いに出掛けるというのを私テレビで見てびっくりいたしました。そういうことやら、それから漆をすく、紙ですくわけですけれども、その紙の作り方も独特の植物があるということも、奈良の方で作っている。そういう具体的な一こま一こまのその経過のものが、全部この人で終わりという方が出てきていたんです、そのたまたま見た私のテレビでですね。
 要するに、後継者が全く育てていない、育っていないという現状を考えましたときに、新しいその産業を起こしていくのも大変すばらしいことですけれども、こういう伝統文化的なものを、そして大量生産ではない、日本ならではのものを片や大事にしないで、ただ先々にばかり取り組んでいくことが果たしていかがなものかというふうな気持ちを持っておりましたので、決してこういう技術とか伝統、文化、工芸等は消してはならない日本の伝統文化であろうかと思いますので、こういった職、職人世界というんですか、こういうものに対する、これは文科省になるんでしょうかね、ありようとかお考えとか、今後どうしていこうとしていらっしゃるのか、この大まかなところで三点について御質問させていただきます。
#60
○政府参考人(北畑隆生君) お手元の資料の三十三ページをごらんいただきたいと思います。
 これから人口が減って、労働力人口が減っていくという中で、フリーターあるいはニートと言われる方が二百数十万人もおられるというのは大変もったいないことでございます。私どもの問題意識は、早い段階から職業とか働くという意識を持ってもらう、あるいはそういうきっかけになるような部分を教育の分野で取り入れていただきたいということでございまして、三十三ページに書いてありますけれども、学校の中で、今ゆとり教育の中で週二時間の総合学習というこまがありまして、校長先生の御判断で自由な教育ができるということでございます。
 ここの部分について、学生さんに企業の現場を見に行っていただきたい、あるいは中小企業の社長が学校に行って講演をしていただくと、こういうことができないかということで、これは文科省さんとも相談をいたしまして、私どもで予算要求をする部分と文科省さんの方で予算要求をする部分がございますけれども、学校の小中、小学校段階から学校でそういう勤労意識、職業意識を持つような部分を是非取り入れていただきたいと思っておりまして、来年度、是非これ予算化をしたいと思っております。
 それから、ベンチャーどうなったんだということですが、これは着実に進んでおりますので説明の中では略しましたが、開廃業率の逆転現象という問題がございました。
 日本では、廃業する方が年間四・五%、開業が三・一%で、五年間の平均ですが、逆転をしておる、これを改善するということで、様々なベンチャー政策、創業政策を進めてまいりました。新聞に出ましたような、例えば一円起業、資本金規制を緩和したというようなものとか、それから大学生の人によるベンチャーをやってもらうということで大学発ベンチャー政策、これは平沼大臣のときに、十六年度末までに大学発ベンチャーを一千社増やすということでございまして、これ、たしか今八百社ぐらいまで来ておると思いまして、目標どおり十六年度末までに一千社達成をしたいと思っております。
 ベンチャー政策は、説明の中、省略いたしましたけれども、新産業創造戦略の中のすべての分野について、技術革新と産業起こし、雇用、このかなりの部分はそういう創業、ベンチャーに期待をしておるということでございまして、私も説明を省略したのが間違いでございまして、是非そういうふうにお受け取りいただきたいと思います。
 それから、伝統文化の技能、それから技術、材料をどうやって保存をしていくかというのは大変難しい問題でございまして、文科省さんでやられる部分と私どもの方でやっております伝統工芸産業振興法に基づく施策、こういうものでやっておりますが、新しいものばっかりやって古いの、けしからぬとおっしゃいましたが、実はこの新産業創造戦略をまとめる過程で中川大臣がおっしゃったことは、日本の伝統技能というのは生きるはずだと。
 秘伝のたれというようなことを申し上げましたけれども、そういうものを入れるべきだということで、具体的な例を、懇談会では議論があったんですが、宇宙衛星の太陽光パネルを広げるところの技術というのが日本の伝統芸能の折り紙の技術なんだそうでございます。それから、燃料電池自動車の水素タンクをどうやって軽くするかというところの容器の一つが組ひもの技術なんだそうでございます。だから、古い日本の技術で新産業に生かせる部分があります。
 それから、文化として残すときに、後継者問題、材料問題、技術問題というのは、今すぐ成果が上がるということになっていないかもしれませんが、文科省さんと私ども役割分担をして、引き続き取り組んでいく課題だと思っております。
#61
○辻泰弘君 内閣府に三点、簡潔にお伺いしたいと思います。
 第一点は、先ほど税収の話がございまして、弾性値の話ございましたけれども、財務省が言っているような一・一とか一・二じゃないという、モデル計算でやるとおっしゃったんですけれども、事後的に出る税収弾性値がありますよね。それを、もし今なければ後でもいいんですが、お示しいただきたいということが一点。
 二つ目はプライマリーバランスのことですけれども、先ほどの話にもありましたけれども、国と地方を合わせてのプライマリーバランスということを考えておられるということで、結果として実は国の財政の規律という歯止めに、実際上、非常に迂遠というか抽象的で機能していないんじゃないかというふうに思うんですが、その点についてどうお考えかということを二点目。
 三点目は、ここの中の、マクロ経済スライドのことが前提になっていますけれども、九ページですけれどもね、これ二〇〇七年度よりと書いてあるんですけれども、この消費者物価の上昇率が二〇〇五年度〇・五、二〇〇六年度一・二で、前の一・七%の物価スライドしなかった分を取り戻してからマクロ経済スライドが掛かるということだから、これは二〇〇八年度からじゃないのかということなんですが、それ、三点です。九ページでは二〇〇七年度からとなっているんですけれども、二〇〇八年度からマクロ経済スライドが掛かるというふうに理解しているんですが、三点目はそれです。
#62
○会長(広中和歌子君) まず、大守計量分析室長からお願いいたします。
#63
○政府参考人(大守隆君) まず税収の弾性値、特定の数値を置いて計算しているわけではございませんけれども、事後的に見れば名目GDPとの関係は大体どのくらいかという御質問だったかと思います。
 大体、これは時期によっても違いますけれども、私どもの持っている印象は一・二程度というふうに、そんな感じで見ております。
#64
○政府参考人(村瀬吉彦君) プライマリーバランスのお話でございますけれども、先ほどから申し上げますように、国、地方合わせたプライマリーバランスの黒字化ということを政府としては掲げておりますが、これ、二〇一〇年代初頭までということになりますと、大体、その国、地方合わせてGDP比で〇・五%ポイントぐらいずつ改善をしていかなきゃいけないということでありまして、国の財政規律としてどうかというお尋ねありますけれども、今のその財政構造そのものを見ますと、やはり国の場合は年金も含め、あるいは社会保障のウエートも大変高いというようなこともありまして、相当やっぱり厳しい状態であると思います。
 その中で、当面、その二〇一〇年代初頭に、目指して、国と地方が歩調を合わせてやっていくということでありますので、国の財政規律として機能していないということではないんではないかと思います。程度はいろいろ議論があると思いますが。
#65
○会長(広中和歌子君) 再び大守室長。
#66
○政府参考人(大守隆君) 物価スライドが事実上利くのはいつからかという御質問あったかと思います。
 既裁定者につきましては、二〇〇八年度からこの特例措置分が解消して上がっていくということになりますが、新規裁定者については二〇〇七年度ということかと思いますが、ちょっと今確認をいたします。
 確かに、御指摘のようにはっきり上がっているのは二〇〇八年度からというモデル上の想定になっておりますので、確認をしてお答えしたいと思います。
#67
○会長(広中和歌子君) それでは、お答えの方は後ほどよろしく御本人にお伝えくださいませ。
 それでは、他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめたいと思います。
 政府参考人の皆様方には、私ども心から感謝申し上げます。
 次回は来る十七日午後一時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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