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2004/10/28 第161回国会 参議院 参議院会議録情報 第161回国会 環境委員会 第2号
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2004/10/28 第161回国会 参議院

参議院会議録情報 第161回国会 環境委員会 第2号

#1
第161回国会 環境委員会 第2号
平成十六年十月二十八日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月二十六日
    辞任         補欠選任
     魚住裕一郎君     加藤 修一君
 十月二十七日
    辞任         補欠選任
     福山 哲郎君     白  眞勲君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         郡司  彰君
    理 事
                大野つや子君
                真鍋 賢二君
                谷  博之君
                加藤 修一君
    委 員
                阿部 正俊君
                狩野  安君
                関口 昌一君
                中川 雅治君
                矢野 哲朗君
                大石 正光君
                芝  博一君
                島田智哉子君
                白  眞勲君
                林 久美子君
                高野 博師君
                鰐淵 洋子君
                市田 忠義君
   国務大臣
       環境大臣     小池百合子君
   副大臣
       環境副大臣    高野 博師君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  能勢 和子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渋川 文隆君
   政府参考人
       外務大臣官房参
       事官       角  茂樹君
       外務大臣官房国
       際社会協力部長  石川  薫君
       文部科学大臣官
       房審議官     山中 伸一君
       厚生労働大臣官
       房審議官     黒川 達夫君
       厚生労働大臣官
       房審議官     北井久美子君
       厚生労働省健康
       局長       田中 慶司君
       経済産業大臣官
       房審議官     深野 弘行君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       岩井 良行君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      安達 健祐君
       国土交通大臣官
       房審議官     阿部  健君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    南川 秀樹君
       環境省総合環境
       政策局長     田村 義雄君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       滝澤秀次郎君
       環境省地球環境
       局長       小島 敏郎君
       環境省環境管理
       局長       小林  光君
       環境省自然環境
       局長       小野寺 浩君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○環境及び公害問題に関する調査
 (台風等災害による廃棄物の処理に関する件)
 (地球温暖化対策に関する件)
 (学校現場における環境教育に関する件)
 (最近のクマによる被害に関する件)
 (中絶胎児の取扱いに関する件)
 (環境ホルモン対策に関する件)
 (子どもの環境リスク対策に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(郡司彰君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十六日、魚住裕一郎君が委員を辞任され、その補欠として加藤修一君が選任されました。
 また、昨二十七日、福山哲郎君が委員を辞任され、その補欠として白眞勲君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(郡司彰君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(郡司彰君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に加藤修一君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(郡司彰君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 環境及び公害問題に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、外務大臣官房参事官角茂樹君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(郡司彰君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(郡司彰君) 環境及び公害問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○中川雅治君 自由民主党の中川雅治でございます。本日は、環境委員会で初質問の機会をいただきまして誠にありがとうございます。
 私は、昨年六月まで環境省の事務次官をしておりました。今までは政府参考人として答弁する立場に立っておりましたが、今回は新人議員として国会で質問をさせていただく初めての経験でございます。よろしくお願いいたします。
 まず最初に、今年は台風による災害が相次ぎました。そして、先日の新潟県中越地震と、本当に災害の多い年であります。多くの方が亡くなられ、又は行方不明になっておりますし、大勢の方が避難生活を余儀なくされておられます。亡くなられた方やその御家族に対しまして、心からお悔やみを申し上げます。同時に、けがをされた方などの一刻も早い回復をお祈りしたいと思います。
 国として、この災害の救助、そして復興に全力を尽くしていただきたい、そして、これから災害に強い国づくりを目指していかなければならないと、大変強い思いを持ったところでございます。
 各市町村におきましては、この台風や地震によって家から流れ出たごみ、あるいは使えなくなった家電あるいは自動車など、災害による廃棄物の処理に対しては大変な苦労を強いられているわけでございます。今まで例を見ない大量のごみの処理につきましては、例えば焼却をする、あるいは埋め立てるということになるわけでございますが、被災した市町村だけでは到底処理はできません。また、周辺の市町村も同じように被害を受けておりますと、このあふれ出た大量のごみをどうやって処理をしていくのか。場合によっては、県を越えた非常に広域的な協力体制、支援体制というものを作っていかなければならないわけであります。国としても、こういった場合には広域的なごみの処理体制作りに大きな役割と責任をしっかりと果たしていかなければならないと思います。
 ごみの焼却場、埋立てする場所など、県を越えて広域的に確保していかなければならないという問題に加えまして、さらには財政的な問題があります。ごみの処理費用は自治体にとって大きな負担になるわけであります。今までは、民間に対して委託して処理をする場合にのみ、災害の場合の国庫補助の特例であります二分の一国庫補助という制度が適用されるということになっております。しかし、今回のような広範囲、大規模なごみの処分をしなければならないような場合には、民間に対する委託では処理し切れず、もっと遠くの他の市町村に処分を委託しなければならないという場合も多いと思います。今回のような災害におきましては、民間に対して委託する場合だけではなくて、他の市町村に委託する場合でも弾力的な財政措置を取っていく必要があると思います。さらに、被災した中小企業あるいは零細企業などから出る一般廃棄物と一体となった産業廃棄物につきましても、市町村がしっかりと処理できるような財政的な支援をすべきだと思います。
 環境省の認識と現在の取組の状況につきまして、小池大臣にお伺いしたいと思います。
#9
○国務大臣(小池百合子君) まずは、環境行政のトップであられました中川さんが今回は立法府の委員となられて、そして環境に取り組まれるということ、大変心強く思っている次第でございます。これからの御活躍を期待をしたいと思います。
 さて、御質問でございますが、今年は本当に災害の年とも言える異常な年でございました。水害あり台風あり、そして地震ありということで、忘れる前にやってくるというのが今年の災害の状況ではなかったかと存じます。また、私自身、阪神大震災の中におりまして、まず、その被災地から出てくるごみ、この処理が大変手間取るということで、復旧・復興の最初の足かせになってしまうということも、現場におりまして痛切に感じてきているところでございます。
 そして、御質問に対しましてお答えを、そういったことも踏まえてお答えさせていただきますが、今の御質問の中で幾つかのポイントがあったかと思います。
 まず一点は、広域的な支援が必要ではないかという御指摘でございました。この台風、そして地震などによって大量のごみが発生する、場合によってはその地域においての一年分のごみが一瞬にして出るというような状況でございますので、おっしゃるとおり、その処理のために広域的な支援というのは必要な場合、たくさんあるかと思います。それを踏まえまして、被災地の状況などを踏まえまして、必要な場合には国としても広域的な支援体制を検討するなど、できる限りの支援を行ってまいりたい、これがまず一点でございます。
 それからさらには、御質問の中にございましたように、市町村への委託などによります災害廃棄物の処理についてどうかということでございますが、まさしく支援は必要だと、また有効であるというふうに感じております。そこで、特別な手続を取らなくとも補助対象とすることができるように所要の対応、これを図ったところでございます。
 ここで一つ申し上げたいのは、この災害の後の復旧・復興は何よりも大切なのはスピード感ではないかと、このように思うわけでございまして、その意味でも、特別な手続を取らなくても補助対象にすると、こういうチャネルを作っておくことがスピード感につながるのではないかと思います。
 それから、三点目でございますけれども、そういった災害の後というのは、本当に一般廃棄物と産業廃棄物の仕分をする、そういう暇、手間、これがもうなかなかないというのが現実だというふうに理解をいたしております。そこで、中小零細企業から排出されました災害廃棄物については、家庭などから排出されます災害廃棄物と一体となって集積されている場合もございますので、そういった被災地域の実情を踏まえて適切に対応をしてまいると、これが私どもの考え方でございます。
 いずれにいたしましても、被災地の皆様方にとられましては、一日も早く普通の生活に戻りたいというお気持ち、これは当然のことかと思います。国庫補助制度の活用、それから支援体制の検討によりましてできる限りの支援を行ってまいりまして、一日も早く普通の生活に戻れる、このバックアップをしてまいりたいと、このように考えております。
#10
○中川雅治君 ありがとうございます。
 小池大臣の取組姿勢を評価したいと思います。
 災害復旧・復興に当たり、ごみ処理は最も重要な問題の一つでありますので、是非国として広域的な支援体制をしっかりと取っていただきたいと思いますし、必要があれば補正予算できちんと財政的な支援措置を手当てして、万全を期していただきたいとお願いをしておきます。
 次に、地球温暖化対策についてお伺いをしたいと思います。
 今年頻発した台風などの異常気象現象も地球温暖化の進行によるところが大きいという見方も出ております。地球温暖化問題というのは、五十年先、百年先の問題ということではなくて、現代人が直面してしまっておりますもう大変な問題だというふうに、正に待ったなしの問題であるというふうに私は思っております。
 いよいよロシアが京都議定書の批准の手続に入り、京都議定書の発効も確実な情勢となってまいりました。地球温暖化対策を我が国としても真剣に取り組んでいかなければならない状況になってまいりました。私が環境省の事務次官をしておりましたときに京都議定書について衆議院、参議院ともに全会一致で批准の決議をしていただきまして、私としては大変感動的な場面だったことを思い出します。いよいよ発効が間もなくという状況の下で、今度は国会議員として質問をさせていただくこととなりまして、改めて大変な感慨がございます。
 ところで、京都議定書における我が国の温室効果ガスの削減目標は一九九〇年に比べて目標年次に六%削減しなければならないわけでございますが、現時点において既に七・六%増加をしていると、目標を達成するためには一三・六%削減しなければならないという大変深刻な状況にあるわけでございます。
 地球温暖化対策は、国民の意識改革と技術革新で前進させていく以外にないと私は考えております。そのためには、今議論されているすべての政策を総動員していかなければならないというふうに思います。環境税の議論、排出権取引の議論、さらには今政府の中で各事業所ごとに温室効果ガスの排出量の報告を義務付けるという検討が進められているようでございますが、そのような議論、さらには歳出を温暖化対策に効果があるようなものに組み替えていく、あるいは既存税制を一層グリーン化していく、そういった種々の政策を総動員する、つまりポリシーミックスを考えていく以外にないわけであります。
 そこで、環境税の議論でございますが、環境省が導入を打ち出し、それに対して産業界が反対をする、経済産業省が慎重姿勢を取るといった対立の構図ばかりが浮かび上がっているわけであります。私は、環境税の導入による価格効果だけでは温室効果ガスの削減の大きな効果があるというふうには思っておりません。大切なことは、この環境税の税収を適切な歳出と組み合わせてより大きな効果を出すことであります。また、環境税の導入によって国民の地球温暖化問題に対する意識を高めることも期待できるわけであります。
 ですから、私は、環境税につきましては税収をそんなに大きな規模にする必要はないと思いますし、他の税負担との調整をすることも考えてよいと思いますし、また、徴税方法にいたしましても、川上から川下に移していくということも考えられるわけでありますし、産業界が懸念している産業の国際競争力を損なうんではないかというような問題につきましても、そのようなことがないようにいろいろな調整の仕方もあるというふうに思うわけであります。
 環境省と産業界が対立をするということではなくて、同じテーブルにのって、諸外国の例などもよく見ながら、産業界も納得できるような日本の実情に合った環境税を知恵を絞って作り上げていく段階に来ているんではないかというふうに考えます。
 また、EU諸国では来年の一月から域内排出権取引が始まろうとしております。アメリカの幾つかの州におきましても排出権取引が始まる動きが出ております。排出権取引につきましては、経済の統制につながるというようなことで、これも環境省と産業界の対立の構図が浮かび上がっているわけでありますけれども、やはり国際的な流れの中で日本が取り残されないように、この問題についても同じテーブルで関係者が知恵を絞っていかなければならない、そういう段階に来ているのではないかというふうに思います。
 こうした問題につきまして、環境省としてはどのように産業界や関係省庁と議論を進めていくのか、現在の状況と今後の方針について小池環境大臣にお伺いしたいと思います。
#11
○国務大臣(小池百合子君) 京都議定書につきましては、中川委員は生みの親の一人ではないかと思うわけでございまして、昨日来報道にもされておりますように、ロシアの今度は上院での批准の可決が昨日の段階で終わったわけでございます。その法案の可決がされたわけでございます。
 現状とそして今後というお尋ねでございますので、若干、今後の動きを御説明をいたしておきますと、ロシアの上下両院で既に法案が可決、そうしますと今後、プーチン大統領がこれに署名をする、そして議定書の批准書を国連に寄託するという段階でロシア側の批准プロセスが完了する。それはすなわち、京都議定書が来年の二月、つまりロシア側の手続が終わってから九十日後に発効ということでございますので、京都議定書は来年の二月にも発効する見通しとなったわけでございます。
 さてそこで、我が国といたしましてはいよいよ六%の削減約束確実に達成することが、これが現実のものとなってくるわけでございまして、それだけ、そのためにも現在、地球温暖化対策推進大綱の評価、見直し作業をこれまで以上にしっかりと行っていくことが必要でありますし、何よりもその達成を図らなければならないという責務を、法的拘束を受けるわけでございます。
 現状でございますが、大綱の評価、見直しに関しましての中央環境審議会の中間取りまとめ、これをやっていただきました。そして、そこで現行の対策だけでは六%の削減約束は達成できないということから、追加的な対策が必要であると、このような御指摘をちょうだいしたところでございます。
 先ほど、ポリシーミックスというお話ございました。そういった観点からも、まず事業者からの温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度、それから自主参加型の国内排出量取引制度、さらには環境税など御提案をいただいているところでございます。
 我が国はやはり物づくりということでも大変優れているということから、こういった大きな目標に向かってそれこそポリシーミックス、そして各関係省庁が力を合わせてその目標に向かっていくことがさらには経済を発展させることにもつながると、このように考えていくわけでございまして、決して環境を重視することが経済にブレーキを掛けるというようなことにはならないのではないか、そういったことを環境省としてはしっかりと産業、関係業界との懇談会などを通じての意見交換、そしてまた関係省庁とも密接な意見交換を現在も進めていっているところでございます。
 いずれにいたしましても、これまでの京都議定書の御準備から考えましても、いろんな関係主体との組合せ、それを全体的に進めることで効果が得られるというそういう実感を伴っての今の御質問だったと思いますので、私自身、地球温暖化対策推進本部の副部長でございますので、大綱の見直しプロセスの調整におきましてもリーダーシップをしっかりと発揮したいと、このように考えている次第でございます。
#12
○中川雅治君 ありがとうございます。
 我が国が最終的に京都議定書上の目標、削減目標を達成できないときには、排出権の余った国から我が国が高いお金を払って排出権を買い取らなければならないという事態も予想されるわけであります。このような多額の支出をするということについて、国民の納得は到底得られるものではありません。ですから、途上国で排出削減プロジェクトを行って、その分を取得するクリーン開発メカニズム、いわゆるCDMなどの京都メカニズムの活用について今から真剣に取り組んでいかなければならないというふうに思います。
 この面での進捗状況につきまして、能勢大臣政務官にお伺いいたします。
#13
○大臣政務官(能勢和子君) ただいまの御質問でございますけれども、もう先生御案内のとおり、京都メカニズムにつきましては、もう国内対策に対しての補足的であるとの原則を踏まえつつ、京都議定書の約束を費用効果的に達成するための手段として活用していくことが必要であるという認識でございます。
 そして、我が国におきましては、地球温暖化対策推進大綱に基づきまして、現時点では、先ほど先生が御説明ありましたように、京都メカニズムのうち共同の排出削減プロジェクトを実施して、削減された分をいわゆるクレジットとして取得するクリーン開発メカニズム、いわゆるCDMや、そして共同実施のJIで、力を入れて対策を進めていくこととしておるところでございます。このため、環境省ではそのCDM、JIプロジェクトの実施可能性の調査を現在進めているところでありますし、プロジェクトへの設備補助といって、民間事業に対しましても支援を行っている状況でございます。
 今後とも、先生御指摘のとおり、ただ開発途上国から買い上げるという形ではなくて、CDM、JIの本格的な活用に向けて更に検討を進めていって、日本国として責任を果たすべく環境省としても全力で取り組んでいる状況でございます。
#14
○中川雅治君 ありがとうございます。
 次に、京都議定書が発効するということになりまして、いよいよこの第二約束期間の枠組みをめぐる国際的な動きも活発化するものと考えられます。将来の枠組みとしては、アメリカはもちろん、中国やインドなども含め、全世界が協調して形成していくべきではないかと考えられるわけでございますが、外務省の考え方あるいは今後に向けての決意のほどを、いかがでしょうか。
#15
○政府参考人(石川薫君) 京都議定書につきましては、委員御指摘のとおり、主な先進国等が約束期間でございます二〇〇八年から二〇一二年の間に一九九〇年比で温室効果ガスの排出量を各国それぞれに定められた割合により削減する義務を規定しております。他方、京都議定書は二〇一三年以降における約束の在り方については規定しておりませんで、これにつきましては今後改めて関係国で検討が行われることとされております。
 こうした中で、中長期的な観点から地球温暖化対策の実効性を確保するためには、御指摘いただきましたように、アメリカのほか中国やインド等の途上国を含むすべての国が参加する共通のルールの構築に努めることが重要だと考えております。この観点から、我が国は一昨年から三回にわたりまして「気候変動に対する更なる行動」に関する非公式会合を開催してまいりました。
 この非公式会合では、昨年来、日本とブラジルが共同議長となっております。一回目、日本の単独開催でございましたが、昨年来、ブラジルも是非共同議長となりたいということで参加しており、また、特に今年はアメリカ、インド、中国等の参加者からも、今後、各国においてより実質的な取組が必要という認識が示されるに至りました。
 このような現実的な協議の場を我が国は今後とも提供し、地球規模での地球温暖化問題解決のため、各国との協力を推進し、積極的な貢献を行っていく所存でございます。
#16
○中川雅治君 第二約束期間に向けてのこれからの交渉、しっかりとやっていただきたいと思います。
 地球温暖化対策につきましては、早急に関係各省、さらには産業界を含めた国民各層でもっと議論を盛り上げて総合的な対策を打ち立てていかなければなりません。国民の意識改革を促し、世界に冠たる我が国の環境技術を更に発展させ、日本が本当の意味での環境立国として国際的な流れをリードするように政府が一丸となった取組をするように要望いたしまして、この質問を終わります。
 次に、ヒートアイランド対策について国土交通省にお伺いしたいと思います。
 今年の夏は異常な暑さでございまして、この七月に選挙があった議員の方は、私を含めて正に炎天下の戦いでございまして、体力的に消耗したと思います。
 気象庁の調べによりますと、九月末時点で東京の年間真夏日の日数は七十日となっております。東京消防庁のデータでは、今年の七月一日から八月三十一日までにおける熱中症による搬送者数は八百九十二人だそうでございます。
 この暑さは地球温暖化による部分もあるでしょうが、やはりこのヒートアイランド現象によるものと言ってよいのかもしれません。長期的に見ましても、二十世紀中に日本の平均気温は約一度C上昇しておりますけれども、東京は三度C上昇しているわけでございます。ヒートアイランド現象の原因は様々でございまして、その対策も多様で長期的なものとならざるを得ません。
 ただ、私は、このヒートアイランド現象というのは重要な都市環境問題だと考えます。都市の構造改革にまで踏み込んで対応しなければ解決は困難ではないでしょうか。
 今後は、大規模なビルの建設を行うような場合、建設事業が都市環境に与える影響を考慮する必要があるのではないか。例えば、汐留の高層ビル群が海風を遮ることによって都内の熱環境を大幅に悪化させているという分析もございます。また、品川近辺に高層ビル群が今も建設されているわけですけれども、これからも建設されていきます。そういったことによって同様の現象が発生するのではないかというような指摘もございます。
 このような現状を見ますと、今後、例えば都市の再開発を行うようなときには事前に熱環境に関するアセスを行うなどの取組をしなければ良好な都市環境を形成することは困難であると考えますが、東京湾岸の巨大ビル群が都市環境に与える影響などにつきまして国土交通省はどのように考えているのか、お伺いをしたいと思います。
#17
○政府参考人(阿部健君) お答え申し上げます。
 ヒートアイランド対策につきましては、環境負荷を与えております人工排熱の削減のほか、水面も含んだ都市全体の緑地率を高めるというようなことが非常に効果的だというふうに考えておりまして、これは、当然ながら植物の蒸散作用によります高温緩和というのが期待できるからでございます。
 こういったこともありまして、国土交通省としましては、従来から屋上緑化の推進、あるいは河川空間、樹林地、農地、緑地等の連続性を確保するための水と緑のネットワークの構築、そういった様々な取組を実施してきてまいったところでございます。
 最近におきましては、本年六月に都市緑地保全法を改正いたしまして、大規模敷地の建築物を対象に施設の一部の緑化を義務付け、少しでも大都市の内部の緑地を増やしていくというような緑化地域制度の創設、また建築主自らが設計に配慮するためのヒートアイランド現象緩和のための建築設計ガイドラインといったものも策定いたしております。またさらに、都市全体の観点から、どうしたら環境負荷の小さな都市の構築ができるかということにつきましてガイドラインというものを策定をしまして、公共団体に対して望ましい方向というものを今示して、平成十五年でございますが、示したところでございます。
 御指摘の、東京湾岸の巨大ビル群によります海風が遮断というようなことで都市環境に影響を与えているということにつきまして、学識経験者などから、また多方面から指摘があるということは承知しております。
 しかしながら、例えば風の流れによりまして市街地の気温がどのように改善されるか、あるいは風の問題ということになりますと、その地域の建築密度とか、水辺が近くにあるとか、緑とかがどうなっているかとか、いろいろな関連がございます。そういったことの中で、その風が具体的にどのようなメカニズムを持っているのかというようなことについての科学的な解明ということが必要だというふうに考えておりまして、国土交通省といたしましては、今年度からその調査研究を進めることとしているところでございます。
#18
○中川雅治君 このヒートアイランド現象なんですけれども、これはやはり都市の発展の延長線上に発生したものであります。持続的な都市の発展という観点から見ますと、従来の政策の延長だけではもう対応できないというふうに思います。百年の計となるとは思いますけれども、やはり都市の在り方に関する思想を抜本的に転換をして、本当に住みやすい都市を形成するための取組を進めていかなければならない、そういう時期に来ているんではないかというように思います。
 このヒートアイランド現象に関連いたしまして、大変興味深い取組が進められているというふうに聞いております。それは新宿御苑なんでございますけれども、新宿御苑というのは植物の蒸散作用によりまして夏でも周りの地域より何度か温度が低い、大変涼を感じることができる場所でございます。
 ただ、この新宿御苑の外に出た冷気は、熱を持ったアスファルトや、アスファルトの道路ですね、あるいはコンクリートの建物によって暖められてしまうわけでありますけれども、例えば街路樹を増やしていくとか、あるいはビルの壁面や屋上を緑化していくというようなことをしていけば、新宿御苑のこの冷気が更に遠くの地域まで届けられるというふうに考えられているわけでございます。
 現在、この新宿御苑の冷気を活用して公園周辺の地域を少しでも冷やしていこうという試みが、新宿区あるいはその周辺の商店街の皆様方、NGO、学者などによって検討会が設けられて進められているというふうに聞いているわけでございます。
 私は大変この試みに関心を持っておりまして、このような試みが正に地域の人たちの力によって少しでも前進をしていく、成功していくということでありますと、東京のほかのいろいろなたくさんある緑地や公園の冷気も、またその周辺のいろいろな街路樹を埋めたりしていくというような形で、より遠くの地域にまで届けることができると。こんなようなことが動きとしてどおっと広がっていきますと、冷房の使用も控えられるわけでありますし、地球温暖化の防止にも役立つわけであります。自主的なその地域からの盛り上がりがこうした取組を進めていくということになれば、本当にこれはすばらしいことだと思います。
 新宿御苑の取組につきまして、今の状況、それから今後各地域にも広がっていくような見通しがあるのかどうかについて環境省にお伺いしたいと思います。
#19
○政府参考人(小林光君) 御説明申し上げます。
 今の御指摘の点、先ほど国土交通省の方からお話のありましたように、緑地を積極的に増やしていく、これがヒートアイランド対策になるということで申し上げたかと思いますけれども、さらにその緑地が作り出します冷気を積極的に活用しようという全く新しい試みについての御質問でございました。
 そういうわけで、現在、一生懸命検討を進めているというところでございます。
 具体的に申し上げますと、今までの調べによりますと、新宿御苑、五十八ヘクタールほどの大きな緑地でございますけれども、ここで昼も夜も大体二度から三度低い冷気が作り出されるということで、その冷気のエネルギーたるや大変大きいものでございます。これをどうやって活用していこうかということで、もう中川議員から御指摘のとおり、周辺のNGOの方、商店街の方、学者の先生、そういった方々みんな集まっていただきまして、現在知恵を出していただいているところ、こういう状況でございます。新宿御苑の周りで、例えばここでは、御指摘ありましたとおり、街路樹が増やせるんではないか、あるいは壁面緑化ができるんではないか、こういったような構想をみんなで出し合っているというところでございます。
 ただ、何分、全く新しい話でございまして、こういったいろんな事業が短期的にすぐできるのか、また中期的に取り組むべきことなのか、あるいは委員御指摘のありました百年の計として進めていくべきことなのか、そういった仕分も含めて、来年度にはこの新宿御苑の周りについての構想というものが取りまとめられるのではないかというふうに考えてございます。
 それを受けまして、さらに東京都じゅう、あるいは日本の都市をどうやって熱環境を改善するために改造していくか、こういったことの政策も考えていきたいというふうに考えてございます。
 以上、説明でございました。
#20
○中川雅治君 ありがとうございました。
 次に、環境教育の問題についてお伺いをしたいと思います。
 私も環境省におりましたときには、環境教育、これ、大変国民の意識改革をこれからしっかりと促していくためには、小学校、中学校、高等学校のうちから環境教育をしっかりとやりまして、小さいうちの環境に対する意識を高めていくということが大切であるということで一生懸命取り組んだわけでございます。
 昨年の七月に、議員立法によりまして環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律が成立をいたしました。その後、環境省と文部科学省が共同事務局を作って、この法律に基づく基本方針案を本年九月に閣議決定されたと聞いております。環境省と文部科学省で共同事務局を作って協調してこの課題に当たったということで、私は、ある意味では役所の協調体制において大変大きな前進があったというふうに思います。
 しかし、私が環境省におりましたときの経験から申しますと、環境省と文部科学省との連携というのはまだまだ十分ではないような気がいたします。文部科学省にしてみますと、環境省に余計なことは言われたくない、義務教育の教育課程の問題は文部科学省の専管だというような気持ちがあるんではないかというふうに思うわけであります。
 これは環境教育の問題だけではございません。各省が学校教育の現場でもっとこの問題を取り上げてほしいと言っても、なかなか現場まで通じていかないわけであります。やはり文部科学省は、まずこの政府の中で様々な声に耳を傾けて、将来の日本を背負う子供たちの教育というものを考えていかなければならないというふうに私は思います。
 環境問題の解決のためには国民の意識改革が重要でございます。冒頭申しましたように、やはりそのためには、やはり小学校、中学校、高等学校からきちんとした環境意識を持ってもらうことが大事であります。私も環境省におりましたときに、自ら時間があれば各地域の中学校や高等学校に出掛けていきました。生徒たちに直接環境の問題を説明したり語り掛けたりしてまいりましたが、しばしば熱心な質問を受けるということもございました。生徒たちは本当によく聞いてくれました。やはり、専門の大人が真剣に語り掛ければ生徒たちは強い興味を持ってくれるということで、私は感激をいたしたわけであります。
 この環境の専門家ということでございますが、例えば環境カウンセラーという方が本当にボランティアでいろいろ環境問題について熱心に取り組んでいろんな形のアドバイスをしていただいたり、指導をされる方が全国に三千四百名いるわけでございますが、こうした環境の専門家など外部の講師を招いて小中学校が、例えば総合的な学習の時間の中で環境教育をもっと積極的に取り入れていくべきではないかというふうに私は思います。
 学校教育の中で環境教育の実態というのはどんな状況になっているのか、そして文部科学省はこれから環境教育というものをどのように位置付けていかれる方針なのか、伺いたいと思います。
#21
○政府参考人(山中伸一君) 学校教育の中での環境教育の取組についての御質問でございました。
 学校教育におきましては、従来から社会科、理科、あるいは家庭科といった各教科、あるいは先生御指摘のございましたような総合的な学習の時間といった活動の中で、小中高等学校児童生徒の発達段階に応じましていろいろな形で環境教育に積極的に取り組んでいるところでございます。
 例えば、中学校の理科におきましては、エネルギー資源の利用と環境保全との関連、環境との調和を図った科学技術の発展の必要性といったものについて取り上げておりますし、あるいは社会科、家庭科などの各教科におきましても、子供たちの発達段階に応じまして環境に関する教育が取り上げられているところでございます。
 また、平成十四年度から新設されました総合的学習の時間でございますけれども、教科横断的、総合的な課題を取り上げておりますけれども、そういう中で小学校では約五〇%、中学校では約三五%の学校が環境に関する学習というものを取り上げているところでございまして、より深めた学習を行っているところでございます。
 このような理科等の教科あるいは総合的な学習の時間におきましては、例えば委員のような環境行政の専門家の方、あるいは企業の方、NPOの方など、実際に環境に携わる、仕事を行っておられる社会人の方で優れた知識、経験を持っておられる方、こういう方を特別非常勤講師といった形で授業に参加していただくという取組も行っているところでございます。
 環境カウンセラーの方が小学校の総合的な学習の時間の環境学習アドバイザーとして活躍されているという例もあるところでございます。実際に環境にかかわる仕事をされている社会人の方に授業を行っていただくことは、子供たちの環境問題に対する関心や興味を高め、理解を深める上で極めて有意義であるというふうに考えております。
 今後とも、学校が外部の専門家あるいは地域の方と連携いたしまして、本年九月に閣議決定されました環境保全意欲の増進及び環境教育の推進に関する基本的な方針、こういうものも踏まえまして、充実した環境教育が推進されるように努力してまいりたいと考えております。
#22
○中川雅治君 大変立派な御答弁をいただいたわけでございますけれども、なかなかその現場まで浸透していかないというのが私の今までの経験でございます。是非、今のいただいた答弁の線に沿って、しっかりと各教育委員会を通じてそれぞれの小学校、中学校、高等学校の現場にまでそうした文部科学省の御方針が徹底するように、よろしくお願いをしたいというふうに思います。
 環境省も小中学校の先生向けの環境学習指導者向けプログラム集のCD―ROMを作っております。私も環境省在任中このプログラムの編集にも携わったわけであります。環境省に聞いてみますと、今年は十月までにこのCD―ROMが三万枚教育委員会を通じて全国の小中学校に配付されたというふうに言っているわけでございます。全部で、全国で三万四千五百校ある小中学校の大部分ですね、三万枚お渡しをしたということですから、大部分の小中学校に行き渡ったということになるわけでございます。
 重要なのは、そのようなものを各学校の先生がどう利用しながら真剣に環境教育をしていくのかということでございます。これは結局、今御答弁いただきましたが、文部科学省あるいは教育委員会のスタンス次第だと思うわけでございます。こういった各学校の現場の先生にどのように今の御方針を徹底していくのか、もう一度お伺いしたいと思います。
#23
○政府参考人(山中伸一君) 先生御指摘のように、学校におきます環境教育、これを一層推進していくというためには、担い手でございます教員の指導力、その資質、これを向上するということが極めて重要であるというふうに考えております。
 このため、文部科学省におきましても、従来から教員のための指導資料の作成を行うあるいは講習会を行うということも実施しておりますけれども、環境省とも連携協力いたしまして、環境教育に関する教員の指導力向上を図る研修会というものも開催いたしまして、学校における環境教育に関する指導内容の充実、指導方法の向上を図っているところでございます。本年度九月の中国ブロックを皮切りにいたしまして、全国五ブロックで環境教育リーダー研修基礎講座というものを文部科学省、環境省共催で開催しているというところでございます。
 また、先生御指摘のこの環境学習のCD―ROMのプログラムでございますけれども、環境教育につきまして具体的なプログラム作りのための手引、あるいは水、廃棄物、大気といった具体的なテーマごとに学習プログラム作成のためのヒント、実例というものが盛り込まれておりまして、このような教材、これを使い、活用いたしまして教員が環境教育に取り組んでいくということは非常に有意義なものであるというふうに考えております。
 現在、環境省と連携いたしまして、学校で活用できる環境教育のための情報提供体制の整備というものを図るということの取組も進めているところでございますけれども、今後とも、環境省とも協力し、環境、学校におきます環境教育、これが一層充実されるようにというふうに努めてまいりたいと考えております。
#24
○中川雅治君 ありがとうございます。
 この環境教育というのは、環境省一省の力でできるものではございません。やはりいろいろなケースごとにそれぞれの省庁と連携をして進めていかなければならない課題でございます。
 最近、環境省としてどのようなやり方で環境教育の充実に努めておられるのか、特に他省庁との連携の下に進めているようなケースがございましたら御紹介をしていただきたいと思いますし、また、今後の取組方針などについて、これは総合環境政策局長にお聞きしたいと思います。
#25
○政府参考人(田村義雄君) 環境省といたしましても、先ほどお話ございました先般策定されました環境教育の基本方針、これを踏まえまして、国民あるいは民間団体等によります学校あるいは社会の場におきます環境教育が推進されて、我が国における環境教育全体が大きく推進するように各種施策に取り組んでまいりたいと思います。
 具体的にということでございますので、例を挙げますと、これまでずっと取り組んでまいりましたこどもエコクラブ事業、これももう参加者が八万人を超えるようなことになってきております。これを更に充実させていきたいと思いますが、これらの施策に加えまして、来年度、これは今概算要求をしているところでございますけれども、家庭あるいは学校に焦点を当てた新しい施策も検討しているところでございます。
 また、今るるお話ございましたように、文部科学省を始めといたしました関係省とも十分連携を取りながら、地域あるいは学校あるいは職場、あらゆる場におきます環境教育の施策を推進してまいりたいと考えておりますし、さらに、我が国がヨハネスブルク・サミットで提案いたしました国連持続可能な開発のための教育の十年、これは二〇〇五年から実施されるわけでございます。基本方針に基づきまして、長期的な推進計画等の検討を図る等、国際的な視野にも立ちながらこの環境教育の推進ということに努めてまいりたいと、このように存じております。
#26
○中川雅治君 この環境教育の推進というのは、これからのいろいろな環境問題を解決していく上におきまして、何よりも国民の意識改革が大切であるということから非常に重要な課題だと考えておりますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 最後になりますが、今月の十六日に出されました水俣病関西訴訟の最高裁判決についてでございますが、まずは、長年の間水俣病に苦しんでこられた患者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。また、これまで亡くなられた患者の皆様に哀悼の意をささげたいと思います。
 この水俣病の問題につきましては、もう本当に長い歴史があるわけでございまして、私も在任中、それぞれの局面でこの問題につきまして一生懸命取り組んだつもりでございます。
 この水俣病問題につきましては既に新聞などでも多く報道されているところでございますが、改めて、今回の判決に対する大臣の御見解と、今回の判決を受けて今後政府としてどのような施策を講じていかれるのか、小池環境大臣にお伺いをしたいと思います。
#27
○国務大臣(小池百合子君) 今御指摘がございましたように、この水俣病につきましては本当に長い長い年月を有しているわけでございますが、ちょうど再来年には水俣病の公式発見から五十周年を迎えるということとなっております。そういう中で、今回、最高裁の判決が出されました。極めて厳しい内容でございます。厳粛に受け止めているところでございます。
 現在、私、環境大臣としての気持ちということで、判決当日、これは十月の十五日でございましたけれども、環境大臣談話ということで表明をさせていただいたところであります。すなわち、水俣病の拡大を防止できなかったことについて真摯に反省をし、そしてこのような悲惨な公害を決して再び繰り返してはならないとの決意を新たにしたところでございます。
 この訴訟の当事者の方々を始めといたしまして、また多年にわたっての苦悩を強いられてこられた方々、そしてまた御家族の方々、本当に、地域の方々、そういった皆様方に、もう一言、誠に申し訳ないと、この気持ちで一杯でございます。
 この水俣病問題に関しましては、平成七年の与党三党による政治解決がなされたところでございます。この大変重みのある政治解決に沿った取組をまずは誠実に実施をするということが行政の責務と、このように考えております。また、将来にわたりまして、水俣病総合対策医療事業、地域の振興のための施策を着実に実施をしてまいりたいと思います。
 最初に申し上げましたように、再来年、水俣病の公式発見から五十年という、そういう機会を迎えることになっているわけでございますが、それも契機といたしまして、改めて水俣病の教訓を国内外に発信をするといったような形で水俣病対策の一層の推進を努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
#28
○中川雅治君 政治解決という、行政の判断ではなかなか難しい問題もございますが、やはりこの問題につきましては、より多くの方が納得するような対応を行っていただきたいというふうに思います。
 質問は以上でございますが、私は今まで大蔵省と環境省で仕事をしてまいりまして、大蔵省のときは財政の問題に携わっていたわけでございますが、既に五百兆円にも上る国債残高を今我が国は抱えているわけでございます。このツケはずっと我々の後世代の者に及んでいくわけであります。
 そしてまた、環境問題も、今の世代が大量生産、大量消費、大量廃棄という生活パターンを続けていったために世界の貴重な資源を大変多く浪費をして、特に我が国は世界から多くの資源を輸入して、それを消費して廃棄をしてきたわけでございます。そういう形で地球環境を破壊をしてきたと。そのツケはずっと後世代の者にまで及んでいくわけでございます。そういう意味では、我々の世代は本当にある意味では罪深いことをしているんだというような気がしてならないわけでございます。
 政治家というのは、現在の私たちの安心、安全で快適な生活ができるように全力を尽くすことは当然でございますが、やはり将来の世代にも目を向けた持続可能な社会を作っていくということで、長期的な視点に立って問題に取り組んでいかなければならないというふうに思っているところでございます。
 そんな私のこれからの政治に向けてのスタンスを最後に表明させていただきまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#29
○林久美子君 私は、七月の参議院議員選挙で滋賀選挙区から選出をいただきました林久美子でございます。
 滋賀県というのは、皆さん御存じのとおり、我が国最大の湖、琵琶湖がございます。私たちの暮らしぶりの変化は直接琵琶湖の変化として現れてまいりますので、常に琵琶湖は私たちの生活を映し出す鏡であると考えておりまして、琵琶湖のほとりに暮らす者として、琵琶湖とのかかわりを通して環境問題をこれまで見詰めてまいりました。
 本日は議員として初めての質問でございますが、先日の台風二十三号、新潟中越地震の対策、また京都議定書や環境税、さらにはクマの問題などにつきましても小池大臣に御所見を伺ってまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 まず、質問に先立ちまして、大型台風二十三号の上陸を始め、度重なる台風の来襲により各地で甚大な被害を被っております。また、今月二十三日には新潟中越地震が発生し、新潟地方を中心に想像を超える大きな被害が発生いたしました。余震が続く中、亡くなった方々やけがをされた方、多数の家屋の倒壊やライフラインの破壊などによって不安な生活を余儀なくされている被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 現地には我が党の岡田代表も訪れ、被災された皆様の切実な訴えをお伺いし、全力で取り組むようお願いをしておりますが、政府としてもできる限りの御支援をお願いを申し上げます。
 さて、先ほど中川委員からの御指摘もございましたが、被害を受けられた地元自治体では、大量のごみが出て処理能力を超えてしまい、大変困っていらっしゃるというお話を伺っております。通常、家庭などから出る一般廃棄物はそれぞれの自治体が財政負担をして処理をしているわけなんですが、この災害という非常事態の下、被災地の自治体に補助をする、特別な手続をしなくても補助をするチャンネルを作っているという大臣の御答弁ございましたけれども、具体的にはどのような手続を行うのか、そして補助はどれぐらいの割合で行われるのか、御所見をお伺いいたします。
#30
○国務大臣(小池百合子君) まずは、環境先進県であります滋賀の代表として、参議院で今後とも御活躍を期待をするところでございます。
 今御質問で、やはり今回の台風、そして水害などの問題、そしてその中で、廃棄物の処理が大変重要だという御指摘がございました。
 先ほど、中川委員の方にもお答えをしたところでございますけれども、災害廃棄物の処理については生活環境の保全、そして早期の復興を図る上で特に必要という観点に立ちまして、市町村の実施いたします廃棄物、そしてし尿の処理に対して国庫補助を行うということでこれまでも支援をしてきているところでございます。
 災害廃棄物処理事業ということでは、補助率は二分の一となっているところでございますけれども、そのほか近隣の市町村などからの支援に入ってくださるその職員の費用を負担をするなど、これまでの災害に対してのスピード感に対応できるような、そういう措置をこれまでもやってきた次第でございます。
 また、廃棄物・リサイクル部長の方からお答えをさせていただきます。
#31
○政府参考人(南川秀樹君) 具体的手続でございますが、実際に被災された地域、今回で申しますと既に二十二号までで二百十市町村を超えております。さらに二十三号、地震でまた増えることと思います。私ども職員が現地に出向きまして、具体的にどういう費用が掛かったかを見た上で算定をいたしておるということでございまして、できるだけその地元に負担を掛けずに、速やかにその支援の体制を整えておるところでございます。
#32
○林久美子君 補助率は二分の一ということでございましたけれども、災害復旧事業などではさらに手厚い補助が適用されております中、国の補助率二分の一というのは適切なのでしょうか。更なる拡充についてはいかがお考えでしょうか。大臣、お伺いいたします。
#33
○国務大臣(小池百合子君) 基本的に災害の廃棄物についての補助率は二分の一ということでございますけれども、先ほど申し上げましたように、様々なこの災害という事態に対応いたしましての措置ということで、これはかなり全国、国としての補助につきましては、これまでも被災を受けられました市町村などの方からもしっかりと対応をしていただいているということで、必要な措置はしっかり取らせていただいているということでございます。
#34
○林久美子君 では、補助率の拡充は考えていらっしゃらないということでよろしいんでしょうか。
#35
○国務大臣(小池百合子君) そういう問題じゃないんですね。
 補助率がまずベースでございます。災害もいろいろありますから、それぞれに応じた、そしてまた、先ほど廃リ部長の方からお答えいたしましたように、その現状をまず把握しないといけないということで、そして今、職員を災害を受けた各地にそれぞれ派遣をいたしまして、そしてその被災の度合いなどなど、これを調査させていただいているということでございます。
 すべてのことで全部当てはめるという、災害にもいろいろございます。水害と地震のその廃棄物の出方も違います。そして、様々な基準の仕方もその被災の仕方によってかなり違ってくるわけです。そういったことを踏まえまして、そして最も効率的でスピード感のある対応をするというのが私どもの基本的な考えです。
#36
○林久美子君 では、効率的な対応を是非お願いを申し上げたいと思います。
 加えまして、被災地の道路に出されているごみが大量に出回っておりまして、ある自治体は集積地に指定した場所に不法投棄のように家電製品などが集まってくるというお話を伺っております。家電製品というのは、今更申し上げるまでもなく家電リサイクル法がございますけれども、災害地ではどのように対応すればよろしいんでしょうか。
#37
○政府参考人(南川秀樹君) 家電製品、特にテレビ等の家電リサイクル四品目についてでございます。
 これにつきましては、できる範囲でできるだけリサイクルに回してほしいということのお願いを各市町村にもしておるところでございます。もちろん、それ自身が全体の衛生処理などから到底無理だという場合には、一般、他の廃棄物と混ぜた形で破砕して埋め立てるということも認めておるところでございます。リサイクルの回る場合でございますけれども、この場合は、それを市町村がリサイクルの手続を取っていただくということで、個人負担なしに市町村がまず全額を負担して、それに対して国が二分の一を支援するということでやっておるところでございます。
 市町村におきましては、この際だからということでその水につからなかったような家電製品まで一緒に捨てることのないように注意をしていただいておるところでございます。
#38
○林久美子君 是非、現地の皆様の意向を踏まえた上で万全を尽くされるように、重ねてお願いを申し上げます。
 では続きまして、ちょっとクマの問題についてお伺いをいたします。
 北陸や東北、西日本地域でクマの異常出没による人的被害や農作物被害が例年以上に続出をいたしております。農作物を食い荒らすだけではなくて、民家の近くまで下りてきて人を襲い、けがを負わせるという事件も発生をいたしております。こうした状況を生み出している原因をどのように考えていらっしゃるのか、小池大臣、御所見をお伺いいたします。
#39
○国務大臣(小池百合子君) 今年の夏以降、特に北陸地方に集中もいたしましたけれども、ツキノワグマの出没が増加をいたしております。そして、農作物もそうでございますけれども、人に対する被害も発生をしているという状況、これはもうテレビなどでも再三報道もされているところでございます。
 そこで、出没の増加がなぜ起こっているのかということで、自然現象の観点、この中には木の実が不作である、今年はどうも凶作の年なようでございます。そして、台風、猛暑などといった、ひっくるめての自然現象。それから社会的な要因。これは、山村が過疎化している、高齢化している、こういった人の活動がそれによって減少しているということで、農家のその軒先に置いてそのままにしてある果実などを取りに来るなどといった形でこのクマが出てくるのではないかということ、これは専門家の方々からも御指摘のあるところでございます。
 そういったクマに対しての御心配などを踏まえまして、今後のクマによる被害をどうやって回避をするのか、そしてまた、逆に、じゃ、ばんばんクマを捕っていいのか、殺していいのかということなど、いろんな論点がございます。そういったことで、適切な保護管理のためにどうすればいいのか、今回の出没増加の原因の解明に向けまして調査を行っているところでございます。
 それから、これからクマは冬眠の時期に入ると。冬眠の時期に入る前におなか一杯にしておくという、まあ余りクマの気持ち、私はよく分からないんですけれども、やっぱり寝る前にはしっかり食べておこうという、そんなことで、逆にえさを求めてまた里へ出てくる可能性がこれからの時期にむしろあるのではないかということで、これは、各都道府県の鳥獣担当者に対しまして専門家による助言などを行うことを、実は明日また担当者の会議を開きましてそれを実施していこうと、このように考えておるところでございます。
#40
○林久美子君 ありがとうございます。
 これまでにも何年かに一度クマの出没が繰り返されていると伺っております。これまでに科学的な原因の調査をどの程度行ってこられたのか。特に射殺されたクマの胃の内容物を確認するようなことはやってこられたのでしょうか、お伺いをいたします。大臣、お願いをいたします。
#41
○国務大臣(小池百合子君) それぞれの地域でこのクマがどういう食べ物を食べて、そしてそれがどういう原因となってきたのか、そしてまた今後、どんなところまで出没しているのか。これはそれぞれの地域によりましての調査などを重ねてこられました。また中央環境審議会などにもそういった動物の生態系などについての調査なども重ねてきているところでございます。
#42
○林久美子君 クマの出没につきましては、今おっしゃられましたように、自治体によってもいろいろと違いがあると存じます。
 出没したクマをどうするのか、捕殺をするのか、保護管理をするのか、様々な対応があるかと思います。このうちの保護管理につきましては、現在、国の特定鳥獣保護管理計画技術マニュアル、クマ類編というもので非致死的被害防除事例として、電気さくの設置や奥山放獣が被害防除事例として紹介をされております。
 私の地元では主にこの奥山放獣が行われておりますが、どういう場所を奥山とするのか明確な規定がございませんし、現場で対応に当たっているのは専門家でもない県の職員などでございまして、大きな戸惑いや、けがのおそれなどもございます。現場からは、目の前の危険にどのように対処をするのか、クマによる被害を防ぐためにどのように対応したらよいのか、一義的には県や市町村の対応にゆだねられているわけなんですが、一定のガイドラインの策定を求める声も上がっております。この点については、小池大臣、いかがお考えでしょうか。
#43
○国務大臣(小池百合子君) これにつきましては、先ほど申し上げましたように、それぞれの地域の特性などもございます。そういったことで、先ほどお答えいたしましたように、明日、担当者会議を開くことにいたしておりまして、それぞれの実態、そしてまたニーズなどをとらえまして適切に対応してまいりたいと考えております。
#44
○林久美子君 適切な対応というものの中にガイドラインの策定というものは入ってこられるでしょうか。
#45
○国務大臣(小池百合子君) それも含めまして会議をさせていただきます。
#46
○林久美子君 どうもありがとうございます。
 目の前にある危険を防ぐように更なる取組をお願いするのとともに、安全確保のための科学的見地から調査研究を進めつつ、長期的な視点で里山の保全など、環境の再生に今以上のお取り組みをお願いを申し上げます。
 では、次に、地球温暖化の問題についてお伺いをいたします。
 台風や地震などの異常気象や天変地異は人類に対する自然界からの警告であるとも言われ、近年、予想をはるかに超える異常気象や災害などが発生をしております。その大きな原因の一つが地球の温暖化であるとも言われております。実際に、IPCCはその評価書の中で、地球温暖化が進むと台風が強大化するという予測結果を述べております。
 この温暖化に対する取組は急務であるという世界の共通認識の下で、我が国も京都議定書の発効を目指してまいりました。昨日、ロシアにおける国会手続が終了し、発効がいよいよ見えてまいりまして、先ほど大臣の御答弁でもございましたが、来年二月にも発効の見通しとなったわけなんですが、京都議定書が発効されますと、我が国におきましては温暖化対策推進法に基づく京都議定書目標達成計画を策定することになるかと存じますが、この目標達成計画策定はいつぐらいになるとお考えでしょうか、お願いいたします。
#47
○国務大臣(小池百合子君) 来年の三月が地球温暖化対策推進大綱の地球温暖化対策推進本部の開催の時期となっておりまして、その見直しを行う予定となっております。
 今御指摘ございましたように、京都議定書の発効によりまして地球温暖化対策推進法の改正の規定が施行されると。そのために、政府にとりましては、京都議定書の目標達成計画を策定する義務が生じることとなるわけでございます。よって、現在進められております地球温暖化対策推進大綱の評価、見直しの内容を踏まえて策定をしていくわけでございますけれども、策定の手続、そして、どのように調整するかについては今後の検討とさせていただこうと考えております。
#48
○林久美子君 それでは、達成計画と新大綱の整理というのはまだできていないという理解でよろしいんでしょうか。
#49
○国務大臣(小池百合子君) 現在検討中でございます。
#50
○林久美子君 それでは、新大綱と達成計画がイコールになるということも考えられるんでしょうか。
#51
○国務大臣(小池百合子君) これは、法律でやるべきことと、それから進めていく実際のことと、これはもう並行して進めていくこと、並行する位置関係になろうかと思います。
#52
○林久美子君 並行する位置関係ということは、別物というとらえ方でよろしいんでしょうか。
#53
○政府参考人(小島敏郎君) 事務的にちょっと説明させていただきますけれども、現在進めておりますのは、政府が決めました地球温暖化対策推進大綱でございます。この内容と、法律に定められております京都議定書目標達成計画の内容というものを比べますと、もう簡単に申し上げますと、今策定されている基本方針というのがあります。この基本方針と大綱を合体をしたものが京都議定書の目標達成計画、項目に少しずれがございますので、そのものを合わせると、内容的にはそういうことになります。
 付け加えるべきことは、京都議定書が発効いたしますと、都道府県におきましても、京都議定書目標達成計画をベースにいたしまして都道府県の計画を作ることになりますから、そこの部分は新しく付け加わるということになります。基本は大綱ではございますけれども、内容には少し違いがございますので、その整理をしなきゃいけないということと、それから、手続的にどういうタイミングで行っていくかということにつきましては、大綱の評価、見直しは来年の三月ということが一応のターゲットでございますけれども、その法律の規定が動き出しますのが仮に二月といたしますと、作業自体はそこからというのが法律の規定になりますので、準備はもちろんその前からするということになりますが、そこの時間的な前後関係あるいはその調整というのをどうするかというのはまだ検討中ということでございます。
#54
○林久美子君 分かりました。
 こうした計画や大綱を策定するに当たっては、透明性の確保と国民の参加というのが欠かせないと思います。新大綱の見直しに際しては、環境省、経済産業省、国土交通省、林野庁、それぞれの審議会でパブリックコメントを実施していらっしゃいますが、それらを生かしてまとめ上げる肝心の政府全体の取りまとめにおきましては、パブリックコメントが今行われておりませんで、国民の参加や情報公開が行われていないと考えます。
 まず、新大綱の政府取りまとめの際に、どのようにして国民の参加と透明性を確保をされるのでしょうか。また、パブリックコメントを行われる御予定はあるのでしょうか。大臣、お伺いいたします。
#55
○国務大臣(小池百合子君) 先週でしたか、各省庁でそれぞれ審議会をお持ちになっておられるということで、これらの、京都議定書の、地球温暖化と言った方がいいですね、地球温暖化の対策、各省庁でそれぞれが練っておられる、それをこれからこう併せ持って、そして政府一体として取り組んでいこうという、そういう目的のために、今週だったと思いますけれども、総理官邸の方で各省庁の審議会の会長さんなど、そしてまた、各省庁の担当者が出向きまして、それぞれの方針、そしてまたそれを政府として一体となって取り組んでいくという、そういう確認作業、総理の方からもそういう御指示があったわけでございます。
 それで、今の御質問でございますけれども、できるだけ国民に分かりやすくと、そしてよりたくさんの方々に加わっていただいてパブリックコメントをということはそのとおりだと思っております。と申しますのも、やはりこれからの環境という、環境を守っていく、地球温暖化の対策を練っていくという意味では、より多くの方々、より多くの主体のかかわりなしにはそれをなし得ないと思うからでございます。ですから、その意味で、できるだけより多くの方々にも参加いただけるような、そういった仕組みでこの地球温暖化の対策を進めてまいる必要があろうかと、私は大変重要な御指摘をいただいたと思っております。
 ただ、これからのパブリックコメントにつきましての、どのことに対してのパブリックコメントをちょうだいしていくのかということでございますけれども、その基本を、大綱についてですね、大綱について、そのものについてのパブリックコメントをちょうだいするということは、その機会はなかろうかと思いますけれども、そこにずっと上がってくる過程でそれぞれのパブリックコメントをちょうだいすると、このようなことを考えております。
#56
○林久美子君 最終的な大綱の見直しの政府全体の取りまとめの中でも是非パブリックコメントを実施していただいて、国民の参加をきちっと担保をしていただきたいとお願いを申し上げますのとともに、達成計画につきましては国民の参加をどのようにして確保される御予定か、お伺いをいたします。大臣、お願いいたします。
#57
○国務大臣(小池百合子君) 推進大綱の見直しの中で、これからの六%の削減約束達成をということでございますので、国民ということで御質問がございました。それは民生の部門が、家庭部門が特にCO2、温室効果ガスが増加しているということもあるわけでございます。よって、できるだけ国民の皆様方の意識改革、そしてまたそれによりますライフスタイルの変化、変革ということをお願いしてまいらなければならないわけでございます。
 その意味で、これからも大いに国民の皆様方に対しましてのPRを重ねる、そしてまた各自治体等も含めまして、それぞれで地球温暖化に対しての活動を実際に行っていただく、そういう呼び掛けもしっかりとこれからも努めていきたいと、このように考えております。
#58
○林久美子君 達成計画につきましては、地球温暖化対策推進法の附帯決議で、「地球温暖化対策の推進には国民の参加と協力が不可欠なことから、京都議定書目標達成計画の策定に当たっては、パブリックコメントの実施はもとより、同計画の策定段階からの国民の参画が実質的に確保されるような場を設けること。」とされております。
 この点はどのようにして担保をされるのか、重ねてお伺いをいたします。
#59
○国務大臣(小池百合子君) 先ほどからパブリックコメントを通じての国民の参加を呼び掛けておられると、そういう趣旨で今伺わせていただきました。
 先ほど来出ておりますけれども、大綱の、大綱というのは本当にもういろんなところからの、何というんですか、設計が全部重なって大綱になるわけでございます。しかし、その前に、基本計画につきましては、これはパブリックコメントでそれぞれコメントをちょうだいするということになっております。
#60
○林久美子君 では、京都議定書目標達成計画ではしっかりとパブリックコメントを行っていただけるという理解をさせていただいてよろしいですか。はい、分かりました。
 しっかりとした整理を行っていただいて、実効性のある新大綱の見直し、そして達成計画の策定をお願いしたいと存じます。本当に、特に達成計画、国民の皆さんの参画、意識、生活意識の変化、社会活動、そして経済活動にゆだねられるところが大きくてございまして、それゆえに国民への説明責任を果たしていただいて、理解と協力を得られるようにお願いを申し上げます。
 ところで、京都議定書の我が国の達成目標、マイナス六%、現状ではまだまだ厳しい状況でございます。こうした中で、小池大臣御自身も先日の所信表明の中で、「第二ステップにおける追加的施策として有力な手段」と御発言をされました環境税についてお伺いをいたします。
 まだまだ環境税、全体像がなかなか見えてきません。そこで、具体的にお伺いをいたしたいんですが、税は上流で掛けるのか下流で掛けるのか、課税対象は何か、納税義務者はだれか、税率、税額、課税規模、税収は特別会計に入れるのか一般会計にするのか、何に使うのか、簡潔にお答えをいただけますでしょうか。お願いいたします。
#61
○国務大臣(小池百合子君) 地球温暖化防止に資する最適の方法を今検討を進めているところでございます。
#62
○林久美子君 ある程度数字的なものは考えていらっしゃるんでしょうか。
#63
○国務大臣(小池百合子君) 我が国が京都議定書を通じまして世界に公約をいたしました数字が達成できるような、そういう中身にしてまいりたいと考えております。
#64
○林久美子君 なかなか環境税の全体像が見えてこない中、広い理解が今得られているとは言い難い状況があるかと思います。
 経済産業省の方、お伺いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
#65
○政府参考人(深野弘行君) 経済産業省といたしましても、この地球温暖化対策を進めるに当たって、環境と経済の両立の大原則の下、長期的、地球的視野に立って対応していくことは非常に大事であると、そういった観点から各種の対策を積極的に推進しているところでございます。
 また、地球温暖化対策につきましては様々な手法があると考えておりまして、現在、政府で地球温暖化対策大綱に基づいて、省エネルギー対策、あるいは新エネルギー対策、革新的技術開発など、いろんな施策について実施をしておるところでございますが、今いろいろお話がございましたように、現在、各省においてこの大綱の評価あるいはその見直しの作業を行っているところでございます。こういった中で、これまでの施策を見直しまして、その実効性を一層高めることにより、京都議定書の削減目標の達成に向けて最大限努力することが必要というふうに考えています。
 こうした中、いわゆる環境税というのが環境省からいろいろ提案されているわけでございますけれども、これまでのいろんな施策も含めまして、いろんな政策あり得る中で、初めに国民や企業に新たな負担を求める税の導入ありきで進めることについては十分慎重であるべきと考えております。こうした状況も踏まえ、その効果あるいは経済に及ぼす影響などについて総合的かつ慎重に検討すべきと考えております。
#66
○林久美子君 今伺っておりますとおり、なかなか政府内でも足並みがきちっとそろっているとは言い難い状況であるかと思います。
 こうした中で、私自身も環境税の重要性というのは十分に認識をしておるわけなんですが、小池大臣はかねてから二〇〇五年度からの導入を目指してこられました。この環境税について具体的にいつまでに概要をまとめられるのか、またその後の導入のスケジュール、そして二〇〇五年度から導入をできなかった場合の大臣御自身の責任問題についていかがお考えか、お伺いいたします。
#67
○国務大臣(小池百合子君) 環境省といたしましても、今、中央環境審議会などを通じまして検討を、環境税の中身についての検討を進めているところでございます。
 税というのは、売上税から消費税に至るまでの中身についてはもうお若いので御存じないかもしれませんけれども、新税の導入というのはこれは大変なものでございます。それだけに、ただ、環境税につきまして、現時点で多くの世論調査を見ておりますと、非常に国民の皆様方は環境を良くしたいと、そのためには環境税という考え方もあるねということで、過半数を超えるようなそういう御支持もいただいているところでございます。
 それだけに、国民の皆様にも御納得いただけるようなそういう案を出させていただこうと思っているところでございますけれども、いずれにいたしましても、政府税調があります、それから各党の税調もございます、それから関係各省との協議などもございます。あらゆる機会をとらえまして議論を深めつつ、そしてまた国民の皆様方にも御理解をいただけるようなそういう案を出させていただくことによりまして、できるだけ早期にこの環境税の導入ということを、もちろん二〇〇五年を私どもは考えているわけでございますけれども、それに向かって必要な措置、そしてまたPRに努めていきたいと思っております。
 民主党におかれましては、マニフェストで環境税ということをうたっておられますので、よろしく御支援のほどお願いいたします。
#68
○林久美子君 もちろんこれからの時代、私たち、この地球上に暮らす者一人一人が環境に配慮した暮らしをしていくこと重要であると思っています。私自身も環境税については十分に理解をし、しっかりとした形で実現をしていただきたいというふうに思っておるわけですけれども、だからこそ本当に環境税の必要性を産業界そして国民お一人お一人の理解を得るためには、一日も早くしっかりと内容を固めていただいて皆様方にお示しをいただきたく、そして重ねて議論を行っていただきたいと最後にお願いを申し上げて、私の質問とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#69
○島田智哉子君 おはようございます。さきの通常選挙におきまして当選させていただきました島田智哉子でございます。
 冒頭、質問に先立ちまして、このたびの新潟中越地震で被災されお亡くなりになられました方々に心よりお悔やみを申し上げます。また、おけがをなされた方、そして今もなお避難生活を余儀なくされている皆様方に心よりお見舞いを申し上げます。
 議員として初めて所属させていただく委員会が環境委員会ということで、現在の社会だけでなく未来社会に対しても、世界規模、地球規模で考え、取り組んでいかなければならない大変に重要な委員会の委員にさせていただいたことを心より光栄に思っております。
 私は、議員になる前、歯科医師として医療の現場で多くの様々な方と接してまいりました。そうした中で、私自身、女性として、また子供を育てている立場からも、この国が抱える少子高齢化における少子化対策の重要性というものを肌で感じてまいりました。その対策として、保育を始めとする子育て支援、また児童虐待などへの対応等々多くの課題が山積しているわけですけれども、そうした中でも、私は医療提供者の立場から、子供の健康の問題、保健医療、小児救急医療体制の充実の策の必要性を感じまして、またそのことこそが私の政治家を志した原点でございます。その意味において、例えば化学物質と健康の問題でありますとか、いわゆる環境ホルモンによる生態系の問題等々、まさしく未来社会への問題でもあり、私の志と共通する部分も多く、環境問題に精一杯取り組んでまいりたいと存じます。
 先日の大臣のお話の中に、十年後、百年後の地球に影響を与える課題であるからこそ、ためらうことなく取り組んでいくという、未来世代への責任を担う御決意と受け止めさせていただきました。改めて、環境行政が担う未来世代への責任という観点から、大臣の御所見をお聞かせください。
#70
○国務大臣(小池百合子君) 島田委員におかれましても、この環境委員会が委員の委員生活のスタートだと伺いました。是非とも、地球環境そして人類全体の広い視野に立っての御活躍を期待をいたしたいと思います。
 今御質問ございました、また御指摘もございましたけれども、私、所信におきまして、所信的あいさつの中で申し上げましたように、人類の生存の基盤である環境というのは現在の私たちの世代だけのものではないと、将来の世代も含めて共有されているものであって、そして現在の世代の私たちが将来の世代に対して良好な環境の恵沢を継承していく責務があるということを認識することは、正に環境を、地球環境を考えるまず基本中の基本になると考えます。リオのサミットでも引用されました、この地球というのは先祖からの引き継いだものではなくて将来の子供たちからの借りているものであるという認識に共通する考え方ではないかと思っております。
 ただ一方で、環境問題は、人類の存続をも脅かしかねない問題となっていることは今年は特に我が国の多くの方々も肌でお感じになったというわけでございますけれども、また一方で、我が国が、また世界の中で我が国もその一員といたしましてしっかり取り組んでいかなければならない、その責任を背負っていると、このように考えるわけでございます。
 ただ、地球、環境問題といっても本当に幅広うございます。地球温暖化問題という地球規模の問題もございますし、生活の目の前の廃棄物・リサイクルの問題もございます。そして、先ほどクマのお話も出ましたけれども、貴重な自然、そして生態系をどうやって守っていくか、大気、水、環境汚染と本当に環境問題は大変幅広く、また時には大変深い問題もあるわけでございます。
 そういった中で、私といたしましては、環境と経済の統合を図りつつ、そしてまた豊かな環境を将来の世代に引き継いでいくため、二つの柱を常に念頭に置いて担当をさせていただいている。それは、すなわち脱温暖化社会の構築と循環型社会の構築、この二本柱でございます。そういった意味で、地球環境問題を守るという、地球環境問題に対応していくという観点から、この二つの柱、そしてまた大きな環境と経済の統合というこの、まあ一種のモットーですけれども、考え方に沿った形で活動してまいりたいと思います。
 また、委員に対しましても、これからもよろしくそういった意味で御支援をいただきたいと思っております。
#71
○島田智哉子君 ありがとうございました。
 そこで、本日はまず、三か月ほど前になりますけれども、七月に横浜で発覚いたしました、大変な社会問題となりました中絶胎児の取扱い問題についてお聞きいたしたいと思います。
 そこで、まずはこの問題の発端となった横浜市の事例とはどういったことであったのか、政府参考人より説明をお願いいたします。
#72
○政府参考人(南川秀樹君) 御説明いたします。
 今年の七月十四日でございます、横浜市が横浜市の中区にございます伊勢佐木クリニックを廃棄物処理法の規定に基づきまして立入検査を行っております。これは、そのクリニックの元職員から横浜市に対しまして、中絶胎児が他の一般的なごみと一緒に捨てられているという指摘があったということで、数回にわたり立入検査が行われました。
 その後、八月四日になりまして、横浜市は廃棄物処理法に違反している疑いがあるということで告発を行っております。これは、廃棄物処理法におきまして、こういう人体の一部につきましては、感染性廃棄物として、他のごみと分けて密閉し、壊れない、破損しない容器に入れて焼却するなど、厳密な処理が必要でございます。それが取られていない疑いがあるということの告発でございました。
 そして、同日、神奈川県警が捜査に入ったわけでございます。そして、約一か月後の九月十五日になりまして、廃棄物処理法違反で院長の原田さんという方が逮捕をされたわけでございます。
 十月五日に横浜地検が廃棄物処理法違反の罪で起訴をいたしまして、間もなく刑事裁判が始まるという予定でございます。
#73
○島田智哉子君 ありがとうございます。
 様々な事情によりまして年間三十万件とも言われる人工中絶が行われておりますけれども、そうした胎児の取扱いについて、今度の横浜の事件では廃棄物処理法違反ということで病院長がそのように逮捕されたわけですけれども、この胎児への対応につきまして、妊娠十二週以上であるか十二週未満であるか、それによって法的な対応も大きく変わってまいります。
 そこで、法的な対応はどうなっているのか、それぞれ御説明ください。政府参考人よりお願いいたします。
#74
○政府参考人(田中慶司君) 御説明申し上げます。
 妊娠十二週以上の死胎につきましては、シタイのタイというのは胎児の胎でございますけれども、死産の届出に関する規程に基づきまして、市町村長に対して死産の届出が行われるとともに、埋葬あるいは火葬を行う場合には、墓地、埋葬等に関する法律、これに基づきまして、この届出を受理した市町村長が埋葬、火葬の許可証を発行し、これに基づいて埋葬ないし火葬されるというのが通常の手続でございます。
 一方、妊娠十二週未満の死胎、シタイのタイは胎児の胎でございますけれども、につきましては死産の届出義務がございません。また、墓地、埋葬等に関する法律の適用対象となる死体、このシタイのタイは体でございますけれども、死体に含まれていないことから、これらの法律に基づきます手続は取られていないところでございます。
 なお、墓地、埋葬等に関する法律は、妊娠十二週未満の死胎に、シタイのタイは胎児の胎でございますけれども、につきましては、各自治体の判断によって火葬場で焼却することを禁止しているものではございません。
 以上でございます。
#75
○島田智哉子君 そもそも、こうした胎児を廃棄物ですとかごみといったことで扱うということに多くの方が悲しみを覚えたのではないかと思います。
 昨日の尾辻厚生労働大臣もそのようなことを述べられておられたと思いますけれども、この事件が発覚しました七月二十日当時の小池環境大臣の御発言でも、十二週未満の胎児については廃棄物すなわち汚物、不要物という概念に当てはまるのか、社会通念上、生命の尊厳という観点からもきちんと適切に葬られるべきだというようにお話をされていましたが、私も全くそのとおりだと思います。
 そこで、現場ではこの辺りの対応をどのようになさっているのか。ここは全国調査をされたと思いますけれども、その調査の内容と結果について政府参考人よりお聞かせ願いたいと思います。
#76
○政府参考人(南川秀樹君) 御説明いたします。
 調査は厚生省と環境省連名で行いました。七月終わりから八月終わりにかけまして四週間行っております。対象は四十七都道府県と五十七の保健所設置市でございます。
 主な設問だけ申し上げますと、一つが、妊娠四か月未満の中絶胎児につきまして独自の条例を持っておるかどうかということでございます。これにつきましては、七都道府県と四保健所設置市が条例を定めておりまして、例えば許可を受けた廃棄物収集業者などによる取扱いを定めたというものもございますし、また火葬場での取扱いを定めたものもございます。
   〔委員長退席、理事谷博之君着席〕
 設問の二つ目が、中絶胎児についての火葬場での焼却許可を特に与える制度があるかどうかということでございます。これにつきましては、二十八道府県におきまして一つ以上の市町村がこういった制度を持っておる、また三十五の保健所設置市においてこうした制度があるということでございます。
 また、三つ目でございますが、中絶胎児を廃棄物処理業者が取り扱っておるかどうかということでございます。これにつきましては、二十一の県、それから十一の保健所設置市でそういった実態があるということでございます。
 おおむね以上でございますが、私ども、これを受けまして厚生省と十分連携を図っております。環境省におきましては、今年の十月十二日でございますけれども、その連携の上で通知を出したところでございます。
 ただ、基本的には、廃棄物処理法におきましては、通常、人体で廃棄物と想定しておりますのは、手術などの結果出てまいります手とか足とかあるいは臓器とか、そういったものでございます。したがって、こういった中絶胎児は想定しておらないところでございます。そういう意味で、非常に残念なんですけれども、捨てられてしまえば残念ながら廃棄物でございますので、そういったことによって環境問題が生じないように適切な取扱いが行われるように廃棄物処理業者に対して指導をするという旨の通知を出したところでございます。
#77
○政府参考人(北井久美子君) ただいま環境省から御説明がございましたように、今回行った調査結果によりますれば、妊娠四か月未満の中絶胎児につきまして廃棄物処理業者が収集をし、感染性一般廃棄物として焼却している場合があることが明らかになったわけでございます。
   〔理事谷博之君退席、委員長着席〕
 しかしながら、先生も御指摘のように、中絶胎児につきましては、妊娠四か月未満でございましても生命の尊厳にかかわるものとして適切に取り扱われるべきでございまして、こうした実態があったことは問題であるというふうに考えております。
 このため、厚生労働省といたしましては、環境省とも連携をいたしまして、今回の調査結果を踏まえまして、条例の制定であるとかあるいは火葬場での焼却など、各自治体で取り組まれております中絶胎児の取扱いにつきまして、その他の各自治体が参考として適切な対応を取っていただくように促したといいますか、お願いをしたところでございます。
 今後、厚生労働省といたしましても、これを踏まえて、各自治体の実情に応じて適切に対応していただくように徹底をしてまいりたいというふうに思っております。
#78
○島田智哉子君 早急な連携を取っての対応を取られたことは御理解申し上げます。
 しかし、それだけでこの問題が解決したということにはならないんだと思います。このような事件が繰り返されないように、何か厚生労働省の御説明は事務的といいますか、自治体にそれぞれおやりくださいというような、少し生命の尊厳を軽く受け止めていらっしゃるのかなという部分もなきにしもあらずでございます。北海道などでは、昭和二十四年に施行された条例ですけれども、道民の感情として、ごみと同様に取り扱うべきではないというようなレベル的に高い扱いをなさっている自治体もございます。
 医学的には、この四か月前後という胎児は、体長、身長も十センチ前後ですし、体重が三十グラム、四か月になりますと二十センチ近くありまして、百二十グラム、男女の区別も明瞭でございまして、胎児も動き始めます。そして、私の専門でございます口顎、顎顔面においては、鼻中隔も口蓋も閉鎖をいたしまして、ほとんどもう顔もしっかりとした人間の顔になりますので、これらを見ると、やはりどうなのかなというところがございますけれども。
 一部、臍帯などは臨床応用もされているわけですけれども、臍帯はいわゆるへその緒ですけれども、私としては、自治体の対応としてだけでなくて、国としても、やはり今回の事件を契機として、本当に廃棄物、ごみという法律で一緒に扱ってもいいんだろうかと、多くの人がそれではおかしいと感じているわけですから、ここは、小池大臣も以前よりきちんとした議論が必要とおっしゃっているわけですから、是非広く御理解のある小池大臣からも厚生労働省に対してハッパを掛けていただきまして、両省間で御協議いただきたいと思いますが、大臣の御所見をお伺いいたします。
#79
○国務大臣(小池百合子君) 私がかつて記者会見で、この中絶に関してきちんとした議論が必要ということを申し上げたわけでございますけれども、きちんとしたの部分は二つありまして、私の気持ちの中では、一つは、少子化対策だ少子化対策だと一生懸命取り上げているのに、ティーンエージャーたちの、まるで虫歯を抜くような形での中絶が簡単に行われていいのだろうか、そもそものそこの議論をもっと堂々とすべきではないかと。先ほど中絶件数を挙げられましたけれども、それにとどまらないのではないかと私は思うわけでございまして、そういう観点から、全体のこれは教育の問題にもかかわってくるし、そういった意味でのきちんとした議論をやるべきではないかとこれまでも思ってきたということが一点と、それから、今回この胎児の扱いについて、中絶胎児の扱いについて、何かごみなのか否なのかというような、そもそもその議論そのものが私はどうも気色悪いというか、そういう分け方をするだけの話でいいのかなというのがございます。
 いずれにしましても、そもそも、十二週未満の中絶胎児が社会通念上廃棄物の概念にはそもそもそぐわないというように思いますし、また適切に取り扱われる対象とすべきであるということで、今後もその旨を関係者にも周知をしてまいりたいと考えます。
 また、厚生労働省との共同のアンケート調査を行わせていただき、またいろんな接点で、この問題についても両省ともしっかりと認識の点で一致をしていると思います。
 いずれにいたしましても、必要でかつ十分な連携を取って対応してまいりたいと、このように思っております。
#80
○島田智哉子君 小池大臣、本当にありがとうございます。今後、連携を御期待申し上げます。
 また、次に、内分泌攪乱化学物質、いわゆる環境ホルモン対策についてお伺いいたします。
 冒頭にも申し上げましたように、環境ホルモンによる健康への影響については強く懸念されております。しかし、その一方で、現時点では科学的に未解明な部分も多く残されており、何がどのように影響を与えているのか、目に見えない物質のそうした様々な情報の分析に取り組んでいるというのが現状なんだろうと思います。
 ただ、例えば胎児は母親の胎内ですべての栄養を母親から受けて、そしてその一生のうちで、その発育と発達は胎児のうちは人間の一生のうちで最も著しいと。その妊娠三か月までの臓器の組織分化というものはその個体の将来を規定するものでございます。この時期の種々の障害が出生後に認められる奇形の原因になるというふうなことは科学的に明らかでございます。ごく微量とはいえ、多くの種類の化学物質に母体が暴露されている状況が生まれてくる子供に何ら影響がないと言い切れるでしょうか。少なくとも言い切れないとすれば、やはり化学物質による環境汚染を少しでも引き下げる対策、このことは本当に現世代も含め未来世代に対しても果たしていかなければならない責任であると思っております。
 まず、この点について大臣の基本的な御認識をお聞かせ願いたいと思います。
#81
○国務大臣(小池百合子君) この環境ホルモン対策でございます内分泌攪乱化学物質問題、これは人や生物、それから生態系に対して影響をもたらすおそれがあると指摘される一方で、科学的にはまだまだ未解明な部分が多うございます。ただ、その解明に当たっては、環境保全上重要な課題と認識をいたしておりますので、しっかり取り組んでまいりたいと思います。
 これは、平成十年の五月ですけれども、それまでの科学的な知見を踏まえました対応方針などを環境省として環境ホルモン戦略計画、SPEEDと呼んでおりますけれども、SPEED98として取りまとめをいたしまして、その計画に基づいてこの環境ホルモンのメカニズムがどうなっているのかという調査研究などを進めてきたところでございます。
 この計画が五年を経過いたしました平成十五年度から、これまでに得られました知見、そして国際的な動向を踏まえて、このSPEED98の改定作業をただいまアイ・エヌ・ジー形で進めているところでございます。今年度中に改定される計画に基づいて、引き続いて内分泌攪乱物質問題に係ります適切な対応も行ってまいりたい、基本的にはこのように考えております。
#82
○島田智哉子君 世代を超えた影響をもたらす極めて重要な問題であって、科学的に未解明な部分に対しては早急な解明が重要な課題となっております。
 大臣もおっしゃられました環境ホルモン戦略計画、SPEED98、その策定された当時、大変に評価する声が大きかったと思います。二〇〇〇年十一月に小幅な改正が加えられて、さらにWHOグローバルアセスメントが公表されて、OECDでは国際的に連携する段階に入ってきておりまして、その抜本的な見直しに向けて新たな作業が行われていると先ほどもお聞きしましたが、その意味では、内分泌攪乱物質問題への対策はこの六年目にして大きな転換期を迎えているのだと思います。
 それまでの計画についてどのような役割を果たしてきたのか、まず今日までの成果について政府参考人よりお聞かせください。
#83
○政府参考人(滝澤秀次郎君) 環境省におきましては、SPEED98に基づきまして内分泌攪乱作用が疑われる化学物質について各種の調査研究を進めてまいりました。
 具体的には、全国の大気、水、土壌等の環境中の残留状況に係る実態調査、あるいは野生生物における体内蓄積量等の調査を行うとともに、内分泌攪乱作用に関する試験法の開発等も進めてきたところでございます。こうした取組の中で、魚類、メダカでございますが、魚類に対する内分泌攪乱作用が推察される物質として三物質の確認がなされるなどの成果が上がっているところでございます。
 また、国際的な連携を推進するために、英国等との共同研究を推進するとともに、平成十年から毎年、内分泌攪乱化学物質に関する国際シンポジウムをずっと日本で、我が国で開催していると、そんな事業も行っているところでございます。
#84
○島田智哉子君 確かに、これまでかなり幅広く取り組んでこられたと思います。その意味では、今後の対応としてある程度整理が必要だということは理解いたしております。
 しかし、一方で、国民の立場から、これらの問題が余りクローズアップされなくなると、環境ホルモン問題は終わったのだろうかと錯覚したり、環境省はこの対策を後退させるのではないかと心配する声があるのも事実でございまして、より安心、安全な社会にするためにはここはしっかりと国民へのリスクコミュニケーションが大切であり、分かりやすく説明していくことが必要であると思います。
 今後のこの環境ホルモン戦略計画の何をどのように見直していこうとお考えなのか。決して対策を後退させるものではないという点の御説明をお願いしたいと思います。大臣、お願いいたします。
#85
○国務大臣(小池百合子君) 先ほど来お答えいたしておりますように、SPEED98の改定作業、現在進行中でございますけれども、その途中にありまして、検討会は公開でまず開催をさせていただいております。市民団体の皆さん、それから地方自治体の皆さんからヒアリングもお伺いさせていただいて、様々な立場からの御意見をいただいて進めているところでございます。
 今後、最終的な取りまとめの段階で一般の皆様、一般からの意見募集も行う予定といたしておりますし、また今年の十二月には名古屋で内分泌攪乱物質問題に関する国際シンポジウム、これを開きましてSPEED98の見直しの状況を御紹介をするという、このような予定になっております。
 この環境ホルモンについても、マスコミの取上げ方で随分認識が変わってしまいますが、マスコミは往々にして何か問題があったときに取り上げがちで後はすっと消えてしまうという、あたかも物事が終わったかのような錯覚を与えさせてしまうという観点では、私どもはしっかりまたマスコミにも訴える形でこういった検討を進めていることをしっかりとPR努めてまいりたいと思いますし、また国民的な理解も深められますような様々な訴えもさせていただこうと思っております。
#86
○島田智哉子君 ありがとうございます。
 次に、私だけでなく多くの国民が心配するのは、何といいましても内分泌攪乱物質の人体への影響であると思います。特に、大人よりも胎児期から発達期の子供への影響が指摘されております。次世代、未来世代のためにもしっかりとした対策が必要であることは申し上げるまでもございません。
 また、その認識の上で申し上げますと、これまでの環境省の計画の中でも人への影響を調査研究されてきましたけれども、厚生労働省でもまさしく内分泌攪乱物質の健康影響を研究されております。両省間で情報交換の場はあると思いますけれども、長期的に研究も必要ですし、限られた予算の中で別々の研究となるということには弊害があると思いますが、その点について政府参考人にお話を伺いたいと思います。
#87
○政府参考人(滝澤秀次郎君) 先ほど来お話し申し上げておりますが、平成十年にSPEED98を策定いたしまして、この内分泌攪乱物質問題を積極的に取組を開始したわけでございます。このSPEED98の枠組みの中には、人体影響を見るためのラットを用いた試験でありますとか疫学調査等も含まれているわけでございます。しかしながら、その後、関係省庁の課長会議の場におきまして、環境省は主として環境保全への観点から、厚生労働省は主として人体影響の観点から調査研究を行うというような役割分担も明確にしつつ取組を進めてまいりました。
 今後とも、主として環境保全の観点に重点を置きながら、環境省といたしましてはこの問題に関する調査研究を進めてまいりたいと考えております。
#88
○島田智哉子君 それで、厚生労働省の皆様にもお越しいただいております。
 国立成育医療センターの視察をさせていただきましたけれども、アレルギー、不妊治療、少子化、増加傾向にあります。その相関関係が否定できないのではないでしょうか。この内分泌攪乱物質の人への影響については、女性でいいますと子宮内膜症との関連があるのかどうか、内分泌系だけでなく、免疫系、神経系への作用、様々な指摘がございますけれども、科学的に未解明な点が多いのではないかと思います。将来世代のために地道な調査研究が必要だと思いますけれども、今後、厚生労働省として短期的、中期的にどのような目標を掲げて取り組んでいかれるのか、お聞かせ願いたいと思います。
#89
○政府参考人(黒川達夫君) 御説明申し上げます。
 内分泌攪乱化学物質問題については、厚生労働省においては、専門家から構成される内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会を設けまして検討を重ねておるところでございます。平成十三年十二月には、それまでに得られました研究成果や国際的な動向を踏まえまして、検討会において今後行うべき具体的な達成目標を示した行動計画、これが定められたところでございます。その中では、例えば二〇〇五年度末までにヒト内分泌系への影響を持つ物質のふるい分けなどの調査研究を進めていくことにしております。
 こういった目標を達成するために五点ございまして、内分泌攪乱作用検出のための試験方法、これの開発、それから試料の採取・分析方法の研究、極めて微量の物質の影響、低用量問題の解明ですね、それから暴露・疫学的な研究、五点目になりますが、リスクコミュニケーション、これらの検討を重点的に進めていきたいと、いくこととしておるわけであります。
 なお、この行動計画策定がなされた後、三年を経過したことがございまして、今年度中を目途にこれまでの……
#90
○委員長(郡司彰君) 答弁、簡潔に願います。
#91
○政府参考人(黒川達夫君) はい。
 取組を取りまとめ、更に行動計画の見直しを進めていくこととしております。
 化学物質の人への有害な影響は確認されておりませんが、重点課題について今後とも取り組んでいきたいと思っておるわけであります。
 また、国民への情報提供に努めてまいります。
 以上でございます。
#92
○委員長(郡司彰君) 時間が来ていますから。
#93
○島田智哉子君 時間でございますので、私の質問をこれで終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#94
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 本年は非常に夏がうだるような暑さでありまして、東京の真夏日は記録更新ということで、午前中にもこの件について話があったわけでありますけれども、熱中症の患者も多く出たところでございますし、また例年以上にはるかに多い台風の上陸、現段階では十個というふうに言われているわけでありますし、異常な集中豪雨、強風、これも六十七・七メーター毎秒ということで新幹線以上に速いという、そういう強風が出たわけでありまして、そういった意味では被害が甚大であると。あるいは、そのハリケーンの関係につきましても、キューバ、ドミニカ、瞬間風速が九十メーター毎秒ということでありますので、その中で数兆円の被害総額が言われているわけでありますし、あるいは数千人の死者が出たというふうにも言われているわけでありまして、そういった意味では非常に台風、ハリケーンともに拡大し、猛威を振るってきたということが現実問題として上ってきていると。
 それで、イギリスのブレア首相は、地球温暖化など世界が直面する気候変動に対して緊急に行動する必要性を訴えてきているわけでありまして、二〇〇五年のスコットランドで開催のサミットの最重要課題とすることについても表明しているわけでございます。
 そういった中で、日本の責務も非常に私は大きいと思ってございます。私は、アジア太平洋、これが非常に今後の成長過程を考えてまいりますと極めて驚異的に発展していくところでございますので、こういった面について日本がどういうイニシアチブを発揮することができるかと。やはり私は、今後とも飛躍的にイニシアチブを強化すべき時期に来ているんではなかろうかと、このように考えてございます。
 かつての大東亜共栄圏というようなこういった構想は全くの論外でございますが、遠慮しないで、もうそろそろしっかりとした強いイニシアチブを取る日本を考えるべきだと。言うまでもなく、この点につきましては軍事力を云々という話では当然ないわけでありまして、環境という切り口、そういうところを入口としてどういうふうに展開していくかということが極めて私は重要ではないかなと、そんなふうに思ってございます。一言で言いますとアジア太平洋環境共同体と、そういう考え方、そういう構想を持つべきではないかと。これは非常に大きな環境イニシアチブにもなり得ると、そういうふうにとらえているわけでございます。
 ヨーロッパを見てまいりますと、第一次世界大戦以前から欧州は一つである、欧州は一体であると、そういう考え方がありまして、クーデンホーフ・カレルギー博士は欧州の没落に危機感を感じてパン・ヨーロッパを主張したわけでありますが、そういったことが一つの起点となりまして、EUは環境外交を強力に進めるような形になってきているというふうに私は理解しておりまして、一方、そのアジアの現実を考えてまいりますと、大いに異なっているのではないかと。いまだ一体的ではないことはもとより、モザイク的でもありますし、あるいはアジア太平洋は人口爆発あるいは環境爆発、さらに環境容量は破裂状態でありますし、アジア危機どころか私は人類の危機であるというふうに、そこにつながっていると。この点を展望いたしまして、アジア太平洋共同体という方向性あるいは戦略的な構想を考えるべきではないかというふうに思ってございます。
 環境省には多くのアジア太平洋に関係する事業がありますし、そういった方向性の中でそのベクトルを一致させるということもまた重要であると思いますし、またさらにこのアジア太平洋共同体としての指針というのが当然将来的には必要になってくると思いますけれども、私は、ユネスコなどが支援決議しております地球憲章ということも一つは大きく参考になるんではないかなと、こう考えております。この地球憲章については後ほど質問をさせていただきたいと思います。
 そういったことで、言うまでもなく国内的にはこの方向の中で環境立国としての理想的なモデル、これを日本の中に築き上げることであるわけでありますし、先ほど大臣がおっしゃっておりましたように、環境と経済の統合あるいは両立、さらに、OECDが言っております更に社会を加えた形で三者の統合、三者鼎立といいますか、そういったことが極めて我が国の中において具体的に作られることが望ましいわけでございます。
 この環境立国、このことによりまして環境保全のハード技術あるいはソフト技術、さらにビジネスモデルの展開、知的財産権の集積、これらのアジア世界への輸出を高めて、日本の環境力に根差した力強い経済力を再現させることが大事であるという考え方ももちろん持っているわけでございますし、さらにODA、このものとの適切な組合せを活用して、最終的に環境保全あるいは平和をいかに輸出できるようになるか、これが日本のやはり一つの国際貢献であり、さらに日本の国益の大きな一つではないかと思ってございます。
 こういった展望をもって、アジアにおける日本の環境イニシアチブといたしましてアジア太平洋環境共同体の展開が考えられますが、こういった方向性についてどのようなお考え、見解をお持ちであるか、あるいはさらにこれを政策研究という立場で環境省自身が積極的に取り組んでいくものではないかと、このように考えておりますけれども、どのようなお考えをお持ちか、お示しをしていただきたいと思います。
#95
○副大臣(高野博師君) アジア太平洋環境共同体構想については、私も先般ASEANプラス3の環境大臣会合に出席したときに、スピーチの中で若干言及をいたしました。今、世界各地でこの地域の統合化という流れがあります。特にFTA等を中心にした統合が進んでおりまして、EUは典型的なその統合でありますが、ASEAN、NAFTAあるいはメルコスール、いろんな形があると思いますが、特にこれは政治的な経済的な統合、特に経済的な結び付きを中心にしている面があると思いますが、今、加藤委員がおっしゃられた環境という共通項で地域を結び付けていくというのは新しい視点で新しい発想ではないかということだと私は思っておりますが、経済的な面、特にFTA等については利害が対立する部分が非常に多い。しかし、環境の場合は利害が一致すると、ベクトルが同じ方向にあるという場合が多い。特に、例えば地球温暖化での、それを原因と思われる台風とか洪水とか森林火災とかと、そういう自然災害も含めまして各国が同じような被害に遭っている。したがって、これを協力していこうという方向を作るのは非常に意義があるんではないか、アジア太平洋地域での資源のリサイクルあるいはアジア太平洋での循環型社会を作っていくという方向性があってもいいんではないかと私は思っております。
 このASEANのプラス3の会合に出まして、日本に対する期待が非常に高い、そして日本の技術、経験あるいは資本に対する期待も大きいということもあって、私は、日本はこういう面では非常にリーダーシップを発揮しやすいんではないかというふうに思っております。
 アジアの平和と安定あるいは日本の将来を考えたときに、日本がアジア各国から信頼を得ていくという、そしてアジアにしっかりと足場を固めていくということが必要でありますので、そのためにもこのアジア太平洋環境共同体構想は私は大変重要な意義があると思っております。
 それから、政策研究につきましては、これまでもエコアジアとか、あるいは日中韓三か国の環境大臣会合、TEMMとか、アジア太平洋環境開発フォーラム、東アジア酸性雨モニタリングネットワーク、様々な取組を我が国が中心になってやってまいりましたけれども、これらの取組を踏まえまして、今後、アジア太平洋地域の環境協力をどのように進めていくかということも含めて政策研究を積極的に進めていきたいと思っております。
#96
○加藤修一君 一九九七年の京都会議の折に、様々な環境にかかわる、これは地球温暖化の関係でありますけれども、議論がされて、しかし、その中で環境外交という言葉が極めて脚光を浴びたわけでありまして、そのときの状況を考えますと、環境省はそういった面について積極的にやっていくという打ち出し、打ち出しかその姿勢かが強く私は見えたと思っておりますけれども、やはり、私は、外務省とも協力をしながら、こういった面についての政策的な研究も含めて積極的に私は環境外交的な展開を推し進めていくべきではないかと、このように考えてございます。
 それで、地球温暖化の関係でありますけれども、ロシアがいよいよ批准の方向という話になってきておりまして非常に喜ばしいというふうに考えておりますが、京都議定書の発効は人類が初めて温室効果ガスの削減に具体的に取り組むものでありますが、第一約束期間が約束どおり履行できたとしても、地球大気安定化のほんの一歩にすぎないと。
 したがって、いわゆるポスト京都の議論がされ始めておりますが、IPCCの報告によれば、削減量が大きいほど、また削減の開始が早いほど、温度上昇はより小さくなると、このように述べているわけでありまして、ごく常識的な見解であると私は理解しているわけでありますけれども、ただ、五十年先、百年先ということを当然考えていかなければいけないと。
 先ほども申し上げましたように、ほんの一歩にすぎない話でありますけれども、やはり、今度、今後二〇五〇年、それを目指して、既にイギリスの場合につきましては基準年の一九九〇年比で六〇%の削減を考えていると、あるいはドイツは四五から六〇%の削減を考えている、フランス等も全世界で同程度の数値を打ち出しているわけでありまして、このように世界に向かって大幅な削減の姿勢と決意を示しているわけでありまして、日本も国際社会での合意形成の意義とは別に何らかの目標を提案していくこと自体にも私は意義があるんではないかと、このように考えてございます。日本が目標を提案していけば、他国との連携などの幅も広がりまして、結果として国際合意の進展にも貢献できる可能性があります。
 これは、日本の国際貢献ばかりではなく、人類益あるいは地球益につながるものでありまして、環境立国を宣言している日本政府こそ、二〇五〇年を目指して同様に長期的な数値目標を表明することが私は大事ではなかろうかと、このように考えておりますし、そういう数値というのはやはり戦略的なビジョンともつながっている話でありますので、こういった取組が大事と私は考えておりますが、小池大臣、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。
#97
○国務大臣(小池百合子君) 委員、副大臣であられましたときにもこういった問題についてよく議論させていただきました。正におっしゃるとおり、京都議定書でマイナス六%、そこでふうとため息をついているだけでは駄目で、更にその遠くまで見通した上で、今何をするかということを考えるのは非常に重要なことだと、このように思います。
 そこで、この地球温暖化対策の究極の目標でございますけれども、気候変動枠組条約にもございますように、気候系に対する危険な人為的影響を防止する水準で大気中の温室効果ガス濃度を安定させることという、この達成になるわけで、じゃどうするかの部分を、その温室効果ガスの大気中への排出量、それから森林などによる吸収量とを均衡させるという必要、そのためには温室効果ガスの排出量を将来的に少なくとも現在の約二分の一まで減らさなければならない、論理的にはそういうことになってくるわけでございます。
 もっと長期的に見通せということでございますし、またそれを早めに取り組むことについても御指摘ございました。イギリスの場合は二〇五〇年までにCO2の排出量を六%どころではなくて六〇%の削減、それからドイツでは二〇五〇年までにエネルギー起源のCO2を四五から同じく六〇%まで削減という中期目標を掲げているところでございます。
 我が国においても、二一〇〇年を超えます長期的な目標と、それから二〇三〇年から二〇五〇年までの中期的な目標と、それから京都議定書の約束期間の二〇二〇年までの短期的な目標ということで、長中短でそれぞれの目標を設定することの意義、そしてまた役割について中環審の地球環境部会の下に設置されました国際戦略専門委員会について御議論いただいているところでございます。
 今年から、環境省として、地球環境研究総合推進事業の一つとして、今年度から二〇五〇年脱温暖化社会プロジェクトを開始いたしまして、ドイツやイギリスなどの例にありますように、二〇五〇年までを見通した温暖化対策についての検討を進めているところでございます。中長期的な目標を設定するということは、すなわち短期的な目標の達成をより可能にするというような考え方から、この研究プロジェクトをできるだけ早く結論が出せるようにバックアップしていきたいと思っております。
#98
○加藤修一君 ありがとうございます。中環審で議論している、またそういった面についての検討を進めているという、そういう答弁であったと思います。
 一九九四年に気候変動枠組条約、これが発効したわけでありますけれども、今年で十年目になるということで、南米でそのCOP10が開催されるというふうに聞いております。大臣もそちらに行かれるという方向性で検討されるという話でございますので、私は、世界に向かって今答弁あったようなことも含めまして、是非発信をその会議の中でしていただけると非常によろしいんではないかと、このように考えておりますので、御検討をよろしくお願いしたいと思います。
 それで次に、地球憲章に関する質疑に入りたいと思います。
 まず、外務省にお願いしたいわけでありますけれども、この十一月でありますけれども、IUCN、国際自然保護連合でありますけれども、ここで勧告案がなされると。すなわち、地球憲章を推奨していく、進めていくということについての勧告がなされるというふうに聞いておりますけれども、まずIUCNに対する我が国の位置付けについて、外務省からお願いしたいと思います。
#99
○政府参考人(角茂樹君) 国際自然保護連合、IUCNでございますが、IUCNは自然保護など環境分野において活躍し、国際的に影響力を有しております。外務省としても、この分野における世界各国のNGOとの対話や協力の促進が重要であることを踏まえて、一九九五年には外務省が国家会員として加盟しております。なお、これに先立ち、一九七八年には当時の環境庁が政府機関会員として加盟しております。
 IUCNは国家、政府機関及びNGOがそれぞれ会員となることができるという特徴を持っております。こうした中で、国家会員たる外務省としてはその活動に積極的にかかわっております。
#100
○加藤修一君 ユネスコという国際機関もございますけれども、昨年の十月だったと思いますが、地球憲章についての支援決議を既に終わっていると。
 今回、十一月にはこのIUCNが勧告を出すというふうに考えられているわけでありまして、その中では、地球憲章を公正かつ持続的な、そして平和的な世界を構築するための市民社会のビジョンを鼓舞する表現として支持すると。二点目は、地球憲章をIUCNの政策の倫理的指針として認識し、その諸原則をIUCNのプログラムを通じて実施するよう努力する。三点目としては、地球憲章が持続可能な生活様式のための世界的な相互依存、共有された価値観及び倫理的諸原則に関する教育及び対話を促進する一助として、IUCNによって使用されることを勧告する。四番目として、メンバー国や機関が地球憲章を認識することを検討することを奨励し、またそれぞれの責任の範囲内において地球憲章が政策指針として果たす役割を決定するよう検討することを奨励すると。
 このように勧告案が出されるというふうに考えているわけでありますけれども、私は、外務省は積極的な支持を行うべきでありますし、更に付け加えて、他国にもこういった支持を促すように働き掛けを強力にやっていただきたいと、このように考えているわけでありますけれども、この辺について外務省、よろしくお願いいたします。
#101
○政府参考人(角茂樹君) 十一月後半に開催されますIUCNの総会においては、地球憲章に関する勧告案が提出されております。この勧告案が各国に配付されましたのは数週間前のことでございますので、現在、我が国政府として、この勧告案について現在真剣に検討を進めているということでございます。その上で、他国に支持するよう働き掛けるかどうかについても考えたいというふうに思います。
#102
○加藤修一君 積極的な対応をよろしくお願いしたいと思います。
 それでは次に、この地球憲章について、私も今触れている最中でありますけれども、環境省としてはどのような認識をお持ちなのか、あるいはこのIUCN総会勧告案に対する積極的な支持、これはすべきであるというふうに考えているわけでありますけれども、環境省自身も機関の一構成員として政府とは別に入っているわけなんですけれども、この辺についての見解を高野副大臣にお願いしたいと思います。
#103
○副大臣(高野博師君) まず最初に、地球憲章についての認識でありますが、この地球憲章は、掛け替えのない地球を持続可能なものにし、また公正で平和な人類社会を築くためにどうしたらいいのかということについて世界の英知を結集して作られたものだというふうに認識をしております。文字どおり地球的な視野に立ってその意識と行動の原則と理念がちりばめられているというふうに思っております。この地球憲章を各国政府あるいは国際機関、民間団体あるいは個人がどのように具体化するかということが重要であると思っております。それには、法律その他の政策あるいは教育の中で、この憲章の理念とか精神が反映されるということが重要だというふうに思っております。
 お尋ねのIUCN総会の勧告案についての対応でありますが、これは政府部内でいまだ準備を進めておりますので、現段階で言及することは控えたいと思いますが、IUCN総会の場で地球憲章が議論されること自体は、環境省としましても、地球環境問題を考える上で前向きに評価しておりますし、IUCNにおいて地球憲章に関する議論が今後活発になされることを期待しております。
#104
○加藤修一君 是非、環境省も、政府として代表になる外務省におきましても、積極的な支持、それをしていくことと同時に、更なる努力を傾注していただきたいと、このように申し上げておきたいと思います。
 それから、この地球憲章につきましては、環境教育推進法、環境教育の関係でございますけれども、午前中もほかの委員が環境教育について取り上げておりましたが、極めて私は環境教育重要であると。意識の革新を行っていくためにはやはり環境教育をいかに社会全体の中に及ぼしていくかということが大事でありますし、そういった観点で、地球憲章についても環境教育推進法のいわゆる基本方針の中で言及しているわけでありますけれども、非常に難しいことを私言うかもしれませんが、環境省は、例えば環境基本法の中でこういった面について、地球憲章について言及をすべきではないかと、あるいはその環境基本法に基づく環境基本計画、そういった中でも地球憲章について言及をすべきではないか、このように考えているわけでありますけれども、この辺についても高野副大臣にお願いいたします。
#105
○副大臣(高野博師君) 地球憲章は、環境保全活動、環境教育推進法の基本方針の中でも、国内外の重要な文献としてこれは明記をされております。環境基本法におきましては、例えば総則第四条において、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築という文で盛り込まれておりますし、地球憲章でうたわれて明らかにされている、人類が持続可能な暮らしを行うための理念と共通の考えに基づいているというふうに認識をしております。
 現行の環境基本計画につきましては、環境基本法を踏まえたものとなっておりますけれども、この見直しを行う際には、持続可能な未来を築くために地球憲章に示された行動あるいは原則、理念、これを参考にしながら、具体的な考え方や施策についても検討していきたいと思っております。
#106
○加藤修一君 よろしくお願いをしたいと思います。
 それでは次に、子供の環境という観点から質問をさせていただきたいと思いますが、小池大臣によろしくお願いしたいと思います。
 子供は未来の宝とよく言われるわけでありますけれども、とりわけ少子高齢化社会に突入した我が国におきましては、子供が健康で安心できる生活を送れるよう種々の政策展開がなされているわけであります。しかしながら、年々こう深刻化するぜんそくの関係、アレルギーの関係、シックスクール症候群や、あるいは、非常に難しい症状でありますけれども、化学物質過敏症など、各種のいわゆる健康被害の増加、こういった面については非常に同じく皆さんが懸念している状況であると思います。
 鉛、水銀等の重金属による神経系への影響とか、先ほど取り上げられておりました環境ホルモン等による胎児、乳幼児への影響、これは環境ホルモン疑惑物質じゃなくて、環境ホルモンの化学物質についての言い方ですから、胎児、乳幼児への影響と。あるいは自閉症や多動症などへの影響も懸念されていると。そういった意味では、子供に対する環境中の有害物質対策は極めて喫緊の課題になっているんではないかなと、このように考えております。
 子供は小さな大人ではないということも明らかになってまいりまして、すなわち子供は大人に比べて体重当たり、より多くの空気を吸いますし、水を飲みますし、食べ物を取ります。子供は地面に近いところで遊び、何でも口に入れるそういう性向もあるように言われておりますし、そういった意味では環境中の有害物質にさらされやすいと。さらに、子供は、体が成長途上なので、大人に比べて有害物質の代謝、解毒、排出、そういった機能が十分でなくて、いわゆる環境リスクの影響を受けやすいのではなかろうかと、そういう議論が頻繁になされるようになってきていると思います。
 そういった中で、環境省は小児等の環境保健に関する調査検討会や、あるいは環境政策における予防的方策・予防原則のあり方に関する研究会などにおいて検討を進めておりますし、住宅地における農薬の健康影響の実態調査も実施する方向で検討しているというふうに聞いております。
 化学物質に関する子供へのリスク対策は、複数の行政機関にまたがっておりますし、環境省のみならず、文科省、厚労省、あるいは経産省、農水省、国交省などとの更なる連携強化が求められるわけでありまして、いわゆる環境リスクから子供の健康を守るためには、個別の行政機関の枠を超えた政府全体として取り組んでいく仕組みも当然必要であると思いますが、やはり最初に環境省がイニシアチブを取るべきではないかなと、このように考えております。
 そういった中で、子供環境リスク削減に関するガイドラインの策定とか、あるいはその法制化、そのための省庁横断的な検討会の設置、こういった面について率先してそういう動きを起こすと、そういうことが環境省にとっても重要な責務の一つではないかと、こんなふうに考えておりますけれども、大臣の御所見をお願いいたします。
#107
○国務大臣(小池百合子君) 子供環境、子供を取り巻く環境のリスクを削減するということは大変大きなテーマでございます。加藤委員、実際に昨年度には環境副大臣として国内外の研究者によります国際シンポジウムの方にも、環境省主催でございますけれども、御出席をいただいたところでございます。
 これまでいろいろな調査研究が行われております。そして、その一定の知見も得られてきているということで、国内外での様々な取組も進んできていると、このように思います。
 今御質問の中にありましたように、もっと環境省引っ張っていけということでございますが、実は来年度には環境省に有識者から成ります懇談会を設置をしてまいります。そして、そこの中での知見を整理いたした上で、これからの必要な取組について議論を行うということ、それから小児固有の有害性評価に関する調査、こちらの方を検討をいたしているところでございます。
 この子供と環境、大人とは違う状況にあるということも踏まえまして、しっかりと対応してまいりたいと思います。
#108
○加藤修一君 アメリカの例を出すのは恐縮でありますけれども、一九九六年から、環境の脅威から子供の健康を守る国家計画を採択しまして、EPAで活動範囲を拡大し、子供保健保護部と、そういったものをEPAから拡大した形で設置しておりまして、そういった中で総合的な対策に取り組んでおりますし、また、我が国におきましても、東京都におきまして化学物質の子ども環境ガイドライン、そういったものを作成する等、積極的に自治体の方でやり始めているわけでありますので、今大臣がおっしゃった内容、更にこういった面も付け加えまして、積極的な対応をよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、時間が残り少なくなってまいりましたけれども、これもまた大臣に事実確認と、どういうお考えでおっしゃっているか、その辺についても確認という意味でお聞きしたいと思います。
 電力業界と環境省の懇談会、意見交換会でございますけれども、大臣が表明した中身に関しての確認でございますけれども、歴代の環境大臣とは異なった形で、いわゆる原子力の関係でありますけれども、原子力発電に対する積極支援方針が波紋を呼んでいるというふうに報道はされているわけなんですけれども。私がイメージしている環境省というのは、原発の推進に対しては安全性の確保を大前提にやむを得ず容認という、そういう姿勢であったのではなかろうかなという、そんな感じを受けているわけなんですね。
 それから、COP7の関係でありますけれども、京都議定書の運用ルール、マラケシュ合意でありますけれども、その中でも、京都議定書第六条実施のためのガイドライン、これは共同実施の関係であります。それから、京都議定書第十二条に定められるクリーン開発メカニズムのための方法及び手順ということで、その中を見てまいりますと、原子力施設により発生する排出削減単位を使用することを控えるべきことを認識しと、控えると。原子力を積極的にという、支援をしていく、支持をしていくという話ではないと。あるいはCDMの関係でも、附属書T国が、第三条第一パラグラフにおける約束の達成に、すなわちこれは先進国の約束五%の話でありますけれども、その約束の達成に原子力施設から生じる認証排出削減量を使用することを差し控えるべきことを認識しという形で書いてございまして、さらに、クリーン開発メカニズム事業活動が、中間を省きますけれども、環境的に安全で健全な技術とノウハウの移転につながるものでなくてはならないと、そういったことを更に強調しているという形で出てきているわけなんですけれども。
 私の質問の趣旨は、どういう発言であったかということについての確認でございますので、よろしくお願いいたします。
#109
○国務大臣(小池百合子君) 確認よりも御意見部分が多かったのではないかと思いますけれども。
 原子力発電は、言うまでもなく発電過程で二酸化炭素を排出しないということで、地球温暖化対策としてはその重要な電源であることは言うまでもありません。大綱の中でもエネルギー供給面での排出量の削減対策の柱の一つとして位置付けられておりますが、委員も御指摘のように、これはすべて安全性の確保ということが大前提であると。つまり、環境というのをどっちの方面から見るかによってプライオリティーも位置付けが変わってくるということなのではないかと思っております。
 昨年はむしろ冷害、今年は大変な猛暑でありましたけれども、昨年は逆に大変寒い夏であったということで、農作物にも逆の意味で被害も出ました。その際、昨年の夏はむしろ原子力発電にかかわる問題が多発をしたと、残念ながら多発をしたということで、各地で原子力発電所の運転が差し控えられたというような状況がございまして、むしろ火力の方にシフトしてしまったというようなことで、私どもの見積りもかなりそれによって影響を受けたというように、CO2削減の、CO2の量について、排出量についても、そういった点でもその見積りとは違う数字も出てきたと。その原因の一つが原子力発電所に伴います問題点であったということを、このように私は認識をいたしております。
 いずれにいたしましても、原子力発電、各国、地域によって原発に対しての受け止め方は異なります。我が国は固有のエネルギー源を持たないという大変厳しい状況にあって、その中で地球温暖化とそして安全確保をどのように担保していくのかという大変難しい局面にありまして、この地球温暖化という観点からの位置付けがされている原子力発電、改めて申し上げますと、安全性の確保を大前提として大綱に、温暖化対策として位置付けている大綱に沿って今後も対策を進めてまいりたいと、このように考えております。
#110
○委員長(郡司彰君) 時間が来ております。時間が来ておりますので。よろしいですか。
#111
○市田忠義君 京都議定書にかかわって幾つかの問題について質問したいと思います。
 先ほどもお話がありましたように、ロシアの批准で来年二月発効ということが言われていますが、そもそも京都議定書の発効が大幅に遅れたのは、アメリカが京都議定書から離脱したと。先ごろの読売の世論調査でも七七%の人がアメリカの離脱は納得できないと。私、アメリカは今こそ京都議定書という法的拘束力のある国際的取決めの枠組みに戻るべきだというふうに思います。
 これも他の委員からお話がありましたが、ドイツを始めEUの各国とも中長期的な高い削減目標を持っているのに比べて、日本の場合はあの六%の削減目標の達成も困難な状況と、九〇年比で既に七・六%増加しているわけですから。その点で私、COP3の議長国として日本の責任は大変重いというふうに思うわけですけれども。もちろん個人や家庭の努力も大事ですが、排出量の八割を占めている企業・公共部門で六%削減目標を達成するための対策をいかに取るかと、これがかぎだと思いますが、大臣のお考え、伺いたいと思います。
#112
○国務大臣(小池百合子君) COP3、京都議定書を作成するそのホスト国になった我が国でありますだけに、それだけ日本に、我が国が負うべき責任、これは大変大きなものがあろうかと思います。その中で、このマイナス六%を目指しているのに逆に増えてしまったではないかということで、確かにそれはもう事実でございます。
 そこで、今後の対策でございますけれども、現行の対策をベースとした場合には、二〇一〇年の産業部門からのエネルギー起源のCO2の排出量が、環境省の試算でも、これまだ精査中の数値ではありますけれども、基準年に比べてマイナス六・二%という数字でございます。産業部門の目標であるマイナス七%にはそれでも届かないというような予測になっております。そういうことで、産業部門の対策の実効性を高めるという観点から、自主行動計画の政府との協定化を図るという点、それから温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度、さらには自主的な国内排出量の取引制度、さらには今朝ほど来ずっと御議論も出ておりますような環境税の導入というような幾つかの追加的な施策をして、提案をしているところでございます。
 産業部門の排出を抑制するというためのその実効性ある観点から、こういった追加的な施策を可能なものから導入をいたしまして、その上でマイナス六%の公約達成ということを実現してまいりたいと考えております。
#113
○市田忠義君 二〇〇二年度の産業部門の削減を見ますと、大綱目標マイナス七%に対してマイナス一・七%と。しかも、産業部門のその排出減というのは、ほとんどが景気の低迷で生産減。例えば鉱工業生産指数というのは九〇年比で八%減っているわけで、やはり私は企業・公共部門の一層の削減対策が必要だと思うんです。
 先ほど産業界の自主的な取組ということを言われましたけれども、私は、例えば経団連の自主行動計画を見ますと、削減目標というのは、政府を含めて社会全体に対する公約なので、改めて協定を政府と結ぶ必要がないと、あくまで自主的な取組に固執をしているわけですけれども。私は、そういう自主的な取組に任せていては結局削減は進まないと、やっぱり政府との協定化など実効ある制度を導入して、温暖化防止の分野で産業部門に社会的な責任をきちんと果たさすべきではないかなと。その点についての大臣のお考え方をお聞きしたいと思います。
#114
○国務大臣(小池百合子君) かねてより地球温暖化対策の主体は国民一人一人であり、また事業者、そしてさらには企業、大企業と、このように各般にわたるわけでございます。その意味でも、産業界の皆様方とはこれまでも何度か、十回ですね、各業界ごとに懇談会を開かせていただきまして、あらゆる観点から産業界も含めての御協力をいただくように意見交換も重ねてきておるところでございます。これから年末に向かいまして、この大綱の見直しが更に佳境に入る中にありまして、しっかりと産業界にも協定、先ほどの自主行動計画の政府との協定化などという具体的なテーマについても議論を重ねて、また御理解いただくように努めてまいりたいと考えております。
#115
○市田忠義君 実際に産業界がこの六%削減目標の達成のために努力をしているのかどうかという問題なんですけれども、例えば電力業界の温暖化対策を見てみますと、結局、燃料のコストの安い石炭火力発電所の増設という形で、エネルギー起源のCO2のゼロ%安定化というのは、これ実現できないと。電力会社十社で構成している電気事業連合会が発表した環境行動計画の二〇〇三年度のフォローアップ結果を見てみますと、二〇〇三年度のCO2排出量三億六千三百万トン、これ、前年比で六・一%の増になっているわけですね。
 それで、これは経済産業省に私お聞きしたいんですが、二〇〇二年度の発電構成に占める石炭火力発電の割合、それから電力向けの石炭量、それから石炭火力のCO2排出量、それぞれ二〇〇二年度どうなっているか、数字だけお答えください。
#116
○政府参考人(安達健祐君) お答え申し上げます。
 二〇〇二年度の我が国の一般事業者の総発電電力量に占める石炭火力による発電量は、全体で約二二%を占めてございます。続きまして、一般電気事業用の石炭の使用量でございますが、同年度の使用量は約六千八百万トンでございます。続きまして、同年度の一般電気事業者の石炭火力発電所からの二酸化炭素排出量は一億六千八百万トンでございます。
#117
○市田忠義君 九〇年比で見ますと、九電力、九つの電力の発電構成、石炭は二二三%、電力向けの石炭量というのは二・五倍です。石炭火力のCO2排出量というのは、これも九〇年比で二四六%と。まあ幾ら燃料コストが安いからといって、石炭火力を増設していく、そういう電力業界の姿勢というのは、私は削減対策に逆行しているというふうに思います。
 それで、石炭の設備利用率を下げるということだとかCO2排出の効率規制ですね、そういう石炭火力への規制だとか、天然ガスへの大幅なシフトを環境省としては私求めるべきだと思いますが、大臣の基本的な考え方をお聞きしたいと思います。
#118
○国務大臣(小池百合子君) 電力業界の方とも意見交換をさせていただきました。
 先ほど来申し上げておりますように、電力、電発を取り巻く、電発そのものを取り巻く環境の様々な問題点もございましたでしょうし、また、これからこの私どもの大綱に沿った形でそれぞれの企業が対応をしてくださることを願うと同時に、その自主的取組だけではなくて、きっちりとそれぞれのところで目標を持ってそれを達成できるような、そういう全体的、総合的な取組ができる、そういうシステムを考えてまいりたいと思っております。
 これにつきましては、先ほども申し上げましたように、温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度などもその一つでございますし、また環境税などは正にエネルギー源の転換などを促す一つの手段ではないかと考えております。
#119
○市田忠義君 電力業界は、自らの削減努力やらないで、国内的な削減の努力やらないで、増加分、海外での植林で埋め合わせすると。これはあくまで補完的な対策だと私は思うんですが、こういうやり方について、大臣どうお考えですか。
#120
○国務大臣(小池百合子君) いわゆるCDMなどは、これは一つのルールとして認められているところでございます。
 ただ、一応限度と申しましょうか、一・六%という形でございまして、これは全体の地球温暖化対策の補完的なものであって、それをまず念頭に置いた形での行動というのでは本末転倒になるのではないかと、このように思っております。
#121
○市田忠義君 それは、もう本末転倒という答弁いただいたので、やはり電力業界が、本末転倒というのは、国内で最大限努力しても不足するからという場合ならまだ分かるが、そうじゃなくて、国内での努力やらないで、例えば今調べてみたら、私が調べた七つの電力会社だけで、その植林、海外で八万三千五百ヘクタールですよ。これ、千ヘクタール当たりCO2の吸収量が八十六万トンですから六年分ぐらいなんですね。だから、もっと自らの削減努力をやるべきであって、海外での植林でそれをこう、本来補完的なものをそういうやり方でやるというのは私は本末転倒だと。やっぱり天然ガスへの大幅なシフトとかですね、やっぱり再生可能エネルギーの飛躍的な拡大など、国内対策で削減目標の達成に最大限、私、努力すべきだと思います。
 ちょっと時間がありませんので。
 私、京都の出身なんですが、この飛躍的に拡大しなければならない自然エネルギーの導入対策の問題について少しお聞きしたいんですが、京都は、京都市は二〇〇三年度から住宅用太陽光発電システム、この設置助成制度を実施しているわけですけれども、その内容は、太陽電池出力一キロワット当たり四万五千円の助成金、これは四キロワットまで受けられると、そういう制度なんですけれども、この助成制度を活用するためには条件があって、新エネルギー財団が実施している住宅用太陽光発電導入促進事業、これに応募をして補助を受けるということが条件になっています。財団の制度が太陽電池出力一キロワット当たり四万五千円の補助金が受けられるわけですから、これ京都市の制度と合わせますと一キロワット当たり九万円助成されることになります。
 ところが、今、財務省などの補助金削減圧力で、経済産業省や新エネ財団は、来年度、これ大幅削減か廃止を検討していると。そうなると、京都市のようにこの国の補助制度の利用を条件としているところでは、国の補助制度が廃止されれば、市も財政大変ですから、市の制度も廃止しなければならないと、そういう声が今私のところへも寄せられています。
 既に、調べてみましたら、全国で大体三百三の地方自治体が助成制度を実施しているわけですけれども、そういう再生可能エネルギーの利用を抜本的に促進するというなら、国の助成制度を削減したり廃止すべきではないと思うんですけれども、これは経済産業省いかがですか。
#122
○政府参考人(岩井良行君) お答え申し上げます。
 太陽光発電は資源制約のない太陽エネルギーを活用するクリーンなエネルギーでございまして、我が国のエネルギー政策上、重要なエネルギー源の一つであると考えております。太陽光発電は、現時点では経済性の面での課題を伴いますことから、設置者の負担軽減を通じて初期需要の創出を図ることによりシステム価格の引下げを促す観点から、設置費用の一部を助成してございます。
 議員御指摘の住宅向け太陽光発電の補助制度につきましては、最終的には、普及に当たって助成措置を必要としない水準までこのシステムの価格が下がるということを期待いたしまして、市場において自立化した商品として導入されることを目的として、メーカーに対し、コストダウンの時間的目標を与え、価格引下げ努力をしていただくということを考えまして、支援期間を一定期間に区切り、またコストダウンが進むにつれまして、補助限度額の見直しにつきまして制度を実施してきておるところでございます。
 その結果、この助成を始めまして以降、十一年間で太陽光発電全体が三十六倍に拡大する、あるいはシステム価格全体が助成を始めましてから五分の一以下になるというような具体的成果が出てきているところでございます。
 来年度でございますけれども、こういった助成を念頭に置きながら、財務省に対してこの制度につきまして二十六億円の予算の要求をさせていただいております。現時点で財務省と十七年度概算要求につきまして折衝中でございますので、十七年度予算がどうなるかということにつきましては確たることは申し上げられませんけれども、今までのような実績というようなことを踏まえまして具体的な運用を十七年度もしてまいるということでございます。
 以上でございます。
#123
○市田忠義君 じゃ、削減や廃止はしないというふうに。いいですね。
#124
○政府参考人(岩井良行君) はい。
 十七年度予算につきましては現在折衝中でございますけれども、十七年度におきましても、いただきました予算の範囲内で、コストダウンの状況等を見まして具体的な補助金額等につきましては見直しもあります、あろうかと思いますけれども、私どもは、十七年度、この事業を引き続き行う予定で財政折衝をしてございます。
#125
○市田忠義君 現大綱では住宅用三百九十万キロワット、約百万台の普及を想定していると。これに対して、導入促進事業による二〇〇三年度の申込みも含めて約六十一万キロワットにとどまっているわけですから。しかも、新エネルギー部会報告書を見ましても、発電コストについては、電灯平均販売価格の約二ないし三倍とまだ高い状況にあり、導入補助などの支援に頼らずに大規模な導入を図るためには、一層のコスト低減に向け努力が必要とされていると。
 こんなときに削減、廃止をされたらせっかくの制度が成り立たなくなるわけですから、削減、廃止しない方向で努力をしていただきたいと思います。
 もう時間がありませんから、もう一問ですが。
 地球温暖化対策推進大綱の見直し、法改正に当たっての排出量報告、削減計画公表制度の義務付けの問題ですが、これも京都市の問題で恐縮ですが、京都市は、目標としている温室効果ガスの一〇%削減は困難だと。そこから新たな条例を作ろうということになっています。
 その中身見ますと、温室効果ガス排出量の相当程度大きい事業者が自ら削減計画を策定し、市長に提出しなければならない。特定排出事業者は、削減計画の達成状況を定期的に市長に報告し、市長はそれを公表すると。特定排出事業者とは、燃料の使用量又は電気の使用量が相当量以上の工場及び事業場。それから、燃料の使用量又は電気の使用量が相当量以上のフランチャイズチェーン、コンビニとかファストフードとかファミレス、こういう形態で営業をする者。それから、自動販売機を設置する事業者。それから、燃料の使用量が相当量以上かつ一定台数以上の自動車を保有している貨物及び旅客運輸事業者をいうと。削減計画等の提出義務を履行しない者に対して勧告し、氏名公表すると。
 これが京都市の条例の案であるわけですけれども、地球温暖化対策推進法でもいろんなことが言われていますが、なかなか効果が上がっていないと。やっぱり大綱の見直しに当たって、地方自治体でのこういう取組を促進するような排出量の算定・報告・公表制度を明確に盛り込むべきではないかと。
 最後にその一問だけ聞いて、終わります。
#126
○国務大臣(小池百合子君) 事業者からの温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度につきましては、地球環境審議会の中間取りまとめの中で追加的な施策の一つとして取り上げていただいております。
 とにかく、減らしてください、減らしてくださいと私ども言っておりますけれども、最初にちょっと体重計に乗ってもらって、ダイエット目標を決めていただかないといけないということには、まず乗っていただくと、体重計に、という意味で、排出量を、どれぐらい温室効果ガスを自らのどの分野から出しているのかということをまず認識していただくことがスタートラインであろうと、不可欠だと思います。その排出量、一覧性を持って公表することで排出削減対策促進へのインセンティブが与えられるということを申し上げているわけでございまして、この中間取りまとめを踏まえて、いわゆる京都議定書で規定されております温室効果ガスの六種類、これを対象とする算定・報告・公表制度の導入、私どもは必要だと感じておりますので、大綱にも国の重要な施策として盛り込めるように政府内の調整を進めていきたいと考えております。
 また、先ほどの御質問の際に、植林活動、私は、今年のノーベル平和賞、マータイさんですよね。ですから、その意味では、植林活動は本当に日本は、電力業界のみならず、いろんな企業も個人も大変活発にやっているので、これはこれで立派な行動だと思っておりますので、本の末のどこに当てはまるか分かりませんけれども、これはこれでしっかりと努めていくのも日本としてすばらしい活動ではないか、このように思いますので、付け加えさせていただきます。
#127
○委員長(郡司彰君) 時間が来ております。簡単にしてください。
#128
○市田忠義君 本末のとらえ方が違うことがはっきりしましたけれども、以上で終わります。
#129
○委員長(郡司彰君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後一時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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