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2004/11/25 第161回国会 参議院 参議院会議録情報 第161回国会 環境委員会 第3号
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2004/11/25 第161回国会 参議院

参議院会議録情報 第161回国会 環境委員会 第3号

#1
第161回国会 環境委員会 第3号
平成十六年十一月二十五日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月二十八日
    辞任         補欠選任
     白  眞勲君     福山 哲郎君
 十一月四日
    辞任         補欠選任
     島田智哉子君     円 より子君
 十一月五日
    辞任         補欠選任
     円 より子君     島田智哉子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         郡司  彰君
    理 事
                大野つや子君
                真鍋 賢二君
                谷  博之君
                加藤 修一君
    委 員
                阿部 正俊君
                狩野  安君
                関口 昌一君
                中川 雅治君
                西田 吉宏君
                矢野 哲朗君
                大石 正光君
                芝  博一君
                島田智哉子君
                林 久美子君
                福山 哲郎君
                高野 博師君
                鰐淵 洋子君
                市田 忠義君
   国務大臣
       環境大臣     小池百合子君
   副大臣
       環境副大臣    高野 博師君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  能勢 和子君
   事務局側
       事務総長     川村 良典君
       常任委員会専門
       員        渋川 文隆君
   国立国会図書館側
       館長       黒澤 隆雄君
   政府参考人
       内閣府沖縄振興
       局長       東  良信君
       防衛施設庁建設
       部長       河野 孝義君
       文部科学大臣官
       房文教施設企画
       部長       萩原 久和君
       文部科学省国際
       統括官      井上 正幸君
       林野庁次長    黒木 幾雄君
       経済産業大臣官
       房審議官     深野 弘行君
       国土交通大臣官
       房技術審議官   森下 保壽君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    南川 秀樹君
       環境省総合環境
       政策局長     田村 義雄君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       滝澤秀次郎君
       環境省地球環境
       局長       小島 敏郎君
       環境省環境管理
       局長       小林  光君
       環境省環境管理
       局水環境部長   甲村 謙友君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○環境及び公害問題に関する調査
 (災害廃棄物の処理に関する件)
 (地球温暖化対策に関する件)
 (産業廃棄物の発生抑制と不法投棄に関する件
 )
 (普天間基地移設先の環境保全に関する件)
 (「国連持続可能な開発のための教育の十年」
 と環境教育に関する件)
 (大気汚染による健康被害の救済に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(郡司彰君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十月二十八日、白眞勲君が委員を辞任され、その補欠として福山哲郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(郡司彰君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 環境及び公害問題に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府沖縄振興局長東良信君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(郡司彰君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(郡司彰君) 環境及び公害問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○大野つや子君 自由民主党の大野つや子でございます。質問をさせていただきます。
 まず最初に、私は災害廃棄物について質問したいと思います。
 本年は、梅雨前線による集中豪雨、相次ぐ台風の上陸、新潟県中越地震の発生など、過去に経験したことのない自然災害に見舞われた年でございますが、被災地の復興において大きな問題となっておりますのが大量に発生した災害ごみの処理でございます。災害を受けた方々にとって、復興への第一歩がごみと使えるものとの分別です。
 そこで、今年一年間にどの程度の災害廃棄物が発生したのか、環境省にお答えいただきたいと思います。
#7
○政府参考人(南川秀樹君) 今年発生した水害あるいは地震でございます。これまで、まず把握しておりますけれども、範囲内では、都道府県の数にして二十三、市町村で少なくとも二百四という数に上っております。
 災害廃棄物の発生量、まだ実は地震関係はごみが出ておる状況でございますので、全体の量ははっきりいたしませんし、小さなところも必ずしも量分かりません。ただ、幾つか把握しております範囲で申しますと、七月の新潟の豪雨では六万二千トンの廃棄物が一日にして発生しております。これは、十五万人の都市にいたしますと、一年間に発生するごみの量でございます。それから、七月の福井豪雨でも約二万八千トンのごみが発生いたしております。それから、十月の台風二十三号でございますが、兵庫県豊岡市におきましては四万四千トンということで、豊岡市の通常のごみの量の二年分が一気に発生をしたということでございます。そのほか、洲本市で一万二千トン、香川県高松市で約一万トンということで、極めて大量の廃棄物が発生をしております。
#8
○大野つや子君 大変膨大な量であるということは分かるわけでございますが、私など、その何万トンと伺ってもはっきりした量というのがよく分からないわけなんでございますが、東京ドームを升のように数えますとどのくらいの、何万というか、どのくらいでしょうね、何万杯と言ったらいいんですか、どのくらいの量が本当に出たのかということ、大体で結構でございますが、お聞かせいただきたいと思います。
#9
○政府参考人(南川秀樹君) 東京ドームがおおよそ三十七万トン程度というふうに承知をしております。ちょっと、済みません、今割り算すぐにできないんですが、おおむね三十七万トンと聞いております。
#10
○大野つや子君 ありがとうございます。後ほど私も割り算をしてみたいと思います。
 次に、災害廃棄物の円滑な処理は被災地の復興にとって不可欠なことでございますが、そのような大量の災害廃棄物を被災した市町村だけで処理するのは物理的にも、また財政的にも困難であると言わざるを得ません。このため、国から十分な支援を行う必要があると考えます。
 災害廃棄物の処理に対する環境省の取組についてお聞かせいただきたいのですが、特に雪深い地域にとっては、降り始めから少量の積雪の間が重要でございます。スピードという面が大きな問題ですので、誠意あるお答えをいただきたいと思います。
#11
○大臣政務官(能勢和子君) 大野先生の御指摘のとおり、本当に物心両面での心ある、誠意ある対応が必要だと私どもも考えております。
 環境省といたしましては、被災されました市町村が災害廃棄物を処理するために特別な経費を必要とした場合はその費用の二分の一を国庫補助すると。さらに特別地方交付税を八割交付いたしますので、被災地は約、単純に計算しますと一割の負担でいくというふうに思っております。そして、御協力くださいました、協力くださった市町村につきましても、被災地でなくても、その協力くださった市町村についても同じような形での対処ができるというふうになっておりますので、御理解いただきたいと思っております。
 さらに、その協力体制でございますけれども、それについてです、広域的な支援体制を確保するための連絡調整等も行っているところであります。具体的に申しますと、新潟の場合、あの当時、下水道が破裂したため、これはどうにもならないという状況で、近隣八県にお願いして百台のバキュームカーが入っていただくというふうなことも行ったところでございます。
 それから、今御指摘のその新潟県の中越地震の災害地では、県内外の自治体の協力を得まして災害廃棄物の収集体制が強化されておりますが、御指摘の降雪のときどうなるかということでありますが、これについて私ども同じ認識で、できる限り迅速に収集できるよう努力いたしておるところであります。
 瓦れきの収集につきましても、現時点で一時保管場所がおおむね確保されまして、解体の進捗状況に合わして近日中に収集開始されるという見通しを立てているところでございます。そして、環境省といたしまして、その収集体制の強化や処理施設の確保のためにも応援ができるように、遅滞なく応援できるために連絡調整、強くやっているところでございます。
 適正かつ円滑に災害廃棄物の処理が実施できますように全力で取り組んでいるところでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
#12
○大野つや子君 ありがとうございます。どうぞ誠意を持って御努力をいただきたいと思います。
 次に、被災地における災害廃棄物の処理において問題となりますのが、心身ともに大変な労力を必要とすることであり、疲れ切っている中、十分な分別が困難であるということは極めて当たり前のことと存じます。特に、家電リサイクル法の対象となっておりますエアコンやテレビなどの家電製品が一般のごみにうずもれているように捨てられている場合がございます。このような場合、リサイクル法やその他ごみ処理関係の法律や条例を厳格に適用することは、被災者の方々の状況をかんがみますと必ずしも現実的ではないと考えますが、環境省としてはその点どのようにお考えでしょうか、お聞かせください。
#13
○政府参考人(南川秀樹君) 御指摘のとおり、災害廃棄物処理する場合は、大変、地元で衛生上の処理などから、急ぐ場合がございます。こういった場合につきまして、私どもは逐次相談を受けておりますけれども、地元の判断で対応していただきたいということで、必ずしもリサイクル品の分別等について決められたとおりやってほしいということではございません。基本的には地元の判断を優先したいと思っております。ただし、全く分別せずに全部埋め立てますと、あっという間にその埋立て処分場が満杯になりますので、それは後々市町村にとっても大変な負担になります。
 そういうことから、最低限可燃物と瓦れき類などを分けていただきまして、燃やせるものは処分場で、周辺の処分場も含めて燃やしていただくということでお願いをしておるところでございます。
 それから家電でございますが、リサイクル対象品につきましても、もう一緒に処分するしかないという場合はそれでもいいと思います。ただ、リサイクルいただく場合につきましては、これはリサイクル料金につきましてもまず市町村の方で負担してお払いいただいて、それに対して国庫補助あるいは地財措置の対象ということになっておるところでございまして、個人につきましては何の負担もないということでございます。
#14
○大野つや子君 ありがとうございます。よろしくお願いしたいと思います。
 次に、被災地においては、災害廃棄物の処理が追い付かずに、やむを得ず野焼きが行われている場合もあると聞いております。これについても、被災地の現状をかんがみますと一定の配慮が必要と存じますが、廃棄物処理法との関係も含め、環境省の見解をお聞かせいただきたいと存じます。
 特に、私の地元岐阜県では、京都議定書以来、地球温暖化に対して野焼きはできないものだとしてまいりました。一体どこまでが認められるものなのか、お教えいただきたいと思います。
#15
○政府参考人(南川秀樹君) 廃棄物処理法上、野外での廃棄物焼却というのは原則禁止をされております。ただ、災害の防止、応急対策ということで必要な焼却については、これは例外規定ということになっておりまして、焼却することは可能でございます。
 私ども、こういった場合、いろいろ相談を受けております。小規模な野外焼却につきましてやむを得ないものもあるというふうには感じておりますけれども、その場合でも最低の分別等をしていただきませんと、ある化学物質が非常に出やすいと、有害な物質も出やすいという場合もございますので、そういったことについては十分配慮をいただきたいと思っておりますし、また、燃やす場合はうまく燃やしませんと、かえって後、生焼きみたいな形になりまして、後の処分がかえって面倒になる場合がございますので、その辺りは相談を受けながら、どうしても必要な場合には燃やしていただくこともあり得るというふうに考えております。
#16
○大野つや子君 ありがとうございます。
 台風や集中豪雨に伴い大量に発生する流木の処理も大きな問題でございます。特に、流木などは河川全体、数県にまたがるものがほとんどであり、価値を失った流木の処理にかかわる地方自治体の負担は相当なものだと考えます。
 台風二十三号による流木の処理に岐阜県は内陸のため特に苦慮いたしておりまして、破砕機に掛けチップ状にしてバイオマスにと思っても、木材に大変小石などがかんでおりますために破砕機にも掛けられず、野ざらしというような状態になっているただいまの現状でございます。
 被災地に伺ったときも、早く野焼きでもさせてほしいなというような意見もあったわけでございますので、他省庁に関係する話であると承知いたしておりますけれども、環境省としてお話しいただける範囲で、一日も早い解決策をお聞かせいただきたいと思います。
#17
○政府参考人(南川秀樹君) 御指摘のとおり、今年は高山市の方で大変水害によりまして流木が大量に発生いたしまして、町の中までその流木が流れ込んでいるというふうに承知をしております。例えば、高山市でございますと、現在集めた流木を施設に一時保管しております。その中で、小さな流木は市の方で焼却したいと、あるいは大きな流木は民間委託で処分するというようなことでございます。
 したがって、今すぐにその高山市の方で野外焼却ということは考えておらないようでございますけれども、私どもとしましては、廃棄物処理法上も必要な場合にはそれは可能だと、野外焼却も一部あり得ると把握をしておりますし、また岐阜県、高山市と相談いたしまして、円滑にその処理が進むように協力してまいりたいと考えております。
#18
○大野つや子君 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 次に、自然災害の被害を最小限に抑えるためには、保水力を高めるための山づくりが不可欠ではないでしょうか。営林署が廃止されてからこの辺りのことが施策としてうまく機能していないように考えます。森林整備の推進や林業経営の振興が重要だと考えますが、農林水産省としてどのような取組を行っていくのか、お聞かせいただきたいと存じます。
#19
○政府参考人(黒木幾雄君) 日本の国土の約七割を占めておる森林でございます。この森林は、国土の保全また水源の涵養など多面的な機能を有しておりまして、私どもは、その機能が持続的に発揮されると、こういうことが国民生活、国民経済の安定に欠くことのできない重要なものであるというふうに認識してございます。このため、森林・林業基本法に基づきまして、森林の有する多面的機能の持続的発揮、それから林業の持続的かつ健全な発展と林産物の適切な供給及び利用の確保という基本理念の下で、森林・林業政策を総合的に展開しているところでございます。
 具体的に申し上げますと、一つは森林の整備の関係でございますが、森林・林業基本法に基づく森林・林業基本計画におきまして日本の森林を三つに区分しております。一つは水土保全林でございますし、一つは人と森林の共生林、もう一つが木材生産をこれはやる循環利用林と、こういうことでございますが、特にこの水土保全林は、これは日本の森林の約七割を占めるような設定にしてございまして、水源の涵養だとか山地災害の防止といった公益的機能を重視した多様な森林の整備、複層林施業だとか針広混交林化だとか、こういったことを進めておるところでございます。
 また、緑の雇用を通じた担い手の確保、育成、それから地域材の利用の推進といったことで、林業、木材産業の構造改革の推進をしてございます。
 また、最近は国民参加の森づくりということで、ボランティア等がかなり広く行われるようになっております。これらの国民参加の森づくりによる活力ある山村づくりと、こういった施策も積極的に進めていると、こういう状況でございます。
#20
○大野つや子君 ありがとうございます。よろしくお願いを申し上げます。
 次に、地球温暖化関係の質問をさせていただきたいと思います。
 まず、地球温暖化問題につきましては本委員会でも毎回取り上げられておりますが、ロシアの批准によって来年二月十六日に京都議定書が発効することとなっており、国際約束の達成を確実にすべく我が国の取組を更に強化することが必要と存じます。
 そこで、現時点における削減目標の達成見通しと地球温暖化対策推進大綱の評価、見直しの作業の進捗状況についてお尋ねいたしたいと存じます。
#21
○政府参考人(小島敏郎君) 先生の御指摘のとおり、ロシアがようやく批准をいたしましたので、来年の二月十六日には京都議定書が発効をするということになります。我が国といたしまして、これまで地球温暖化対策推進大綱の評価、見直しを進めてまいりましたけれども、いよいよ六%の削減約束というものが法的な義務、国際的な義務になるということで、これまでにも増してしっかりとやっていきたいと思っております。
 しかしながら、今年の初めから環境省を含め各省で行っております大綱の評価、見直し作業では、現行の対策、施策だけでは六%削減目標は達成できないということで、現在各省において、数字は若干異なりますけれども、十数%の削減を必要とする追加的な対策、施策が必要であるという状況でございます。したがいまして、今の作業はその追加的な対策、施策というものをどのように整理し、新しい改定後の大綱に盛り込んでいくかということでございます。
 中央環境審議会からは、事業者からの温室効果ガスの排出量の算定・報告・公表制度、あるいは自主参加型の国内排出量取引制度、さらに環境税の導入ということが提案をされております。当然のことながら、そのほかにも環境技術の開発、あるいは環境分野での国際競争力の強化、新たな成長につなげていくための工夫ということも指摘をされております。このような状況の下、審議会からの提案、指摘を踏まえまして、追加的対策・施策の具体化を検討しております。
 今後、政府全体として大綱の見直しを行ってまいります。予定では年度内ということでございますので、当初、来年の三月までには新しい形の大綱を政府全体として取りまとめるという予定で進めておりますので、その検討の中で京都議定書の約束達成を確実なものとするようにしていきたいと考えております。
#22
○大野つや子君 ありがとうございます。
 ただいま、政府においては地球温暖化対策推進大綱の評価、見直しの作業が進んでいるというお話でございましたが、いまだ関係省庁間で調整が進んでいないというようなことも聞いておるわけでございます。本年の集中豪雨、未曾有の暴風雨、これら記録的な被害を目の当たりにいたしますと、省庁間の連携は常日ごろから必要であると認識したところでございます。
 特に、現在の大綱におきましては、京都議定書の六%目標達成のうち森林吸収源対策として三・九%分を確保することが盛り込まれていますが、改めてこれはどのような経緯で盛り込まれたのか、もう一度この辺を御説明いただきたいと思います。
#23
○政府参考人(小島敏郎君) 森林吸収源につきましては、まず一九九七年の京都で開催をされましたCOP3、地球温暖化防止京都会議でございますが、ここで京都議定書が採択をされるに当たって盛り込まれたものでございます。
 当時、日本政府はマイナス二・五%の削減目標、ガスはCO2、メタン、一酸化二窒素ということで会議に臨んだわけでございますけれども、アメリカの方からは、これにフロン等三ガスを加えた六ガスというような提案もなされておりましたし、EU、アメリカはその一律の目標を定めるべきだというような主張をしておりました。我が国は当然省エネルギーも進んでいるので、各国の目標は差異のあるものにすべきだというような議論がございました。様々な事柄が議論されたわけでございますけれども、最後の段階で、日本はマイナス六%、アメリカはマイナス七%、EUはマイナス八%、こういう差異化された温室効果ガスの削減目標が議論になりました。
 我が国は、マイナス六%のこの目標を受け入れたわけでございますけれども、その際に、当省の姿勢はマイナス二・五%、三ガスということでございましたから、このマイナス六%を達成するためには吸収源の確保というものが必要だということで、三・七%の吸収源を確保するということもセットにいたしまして、六%の削減目標を受け入れたわけでございます。
 ただ、京都会議では、その吸収源の目標について最終的な国際合意に至りませんで、その後の国際交渉に引き継がれることになったわけでございます。COP3以降の国際交渉では、EUあるいはブラジル等の一部途上国は、その吸収源の活用は極めて限定的にすべきだという主張がございまして、この三・七%の吸収源確保という国際交渉は困難を窮めたわけでございますけれども、日本国政府は、産業界等の要求も踏まえまして、一貫して吸収源の三・七%の確保を国際交渉における最優先課題として取り組んでまいりました。
 このような我が国の外交上の努力の結果、二〇〇一年のCOP7で採択をされましたマラケシュ合意では、吸収源の運用ルールあるいは各国の吸収枠でございますが、これが合意をされまして、我が国の森林経営による二酸化炭素の吸収量は当初の要求三・七%を上回る千三百万トン、九〇年比で三・九%まで算入することが認められたわけでございます。このような粘り強い外交交渉の結果として三・九%が認められたということでございますので、翌年の平成十四年三月に改定をされました地球温暖化対策推進大綱においては、我が国に認められた吸収源の三・九%、この枠一杯を使うということで、政府全体の目標と位置付けられて今日に至っているわけでございます。
#24
○大野つや子君 ありがとうございます。
 ただいまの御答弁の経緯を踏まえまして、大綱では森林吸収源対策が三・九%、これが政府全体の目標として明記されて、そのための予算措置もきちんと行わなければいけないというような、そういう理解でよろしいのでしょうか。
#25
○政府参考人(小島敏郎君) 温暖化対策推進本部の決定でございます現大綱は吸収源三・九%が明記をされておりまして、三・九%の目標達成というのは政府の方針であるというふうに認識をしております。
 ただし、林野庁によりますと、補正予算を含めて平成十年から十四年度の整備水準で推移した場合は三・一%しか確保できないというふうに言われております。また、実際は、平成十五年、十六年度は補正予算が組まれていないため、今のままではこの三・一%を更に下回りまして、二・六%にとどまるおそれもあるということが指摘をされております。私どもは、必要な予算措置がなければ、この三・九%の確保は難しいというふうに認識をしているところでございます。
#26
○大野つや子君 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、現在、経済産業省におきまして大綱の評価、見直しの作業を行っていると思いますが、見直し後の大綱において、森林吸収源の目標を三・九%から変更しようとする考え方はあるのでしょうか。様々な検討が行われていると思いますが、大事な点でございますので、その点をしっかりもう一度お聞かせいただきたいと思います。
#27
○政府参考人(深野弘行君) 今お尋ねの点でございますけれども、まず当省といたしましては、大綱見直しにつきまして、京都議定書の約束達成に向けて現在行われております政府内での見直し、検討作業の状況を見ながら、京都議定書の約束達成をできるように関係省庁と連携をしつつ、当省といたしましては、省エネ対策の抜本強化あるいはその代替フロンの削減といった排出抑制対策、それから京都メカニズムの活用、こういったものの具体化に取り組んでいるところでございます。こういった対策と森林吸収源対策、これを合わせまして、言わば三つの柱によってこの六%の約束達成、削減約束の達成を果たすことが必要であるというふうに考えております。
 で、森林吸収源の三・九%につきましては、今もお話がありましたように、我が国が一丸となって国際交渉において活用が認められたものでございまして、現行の大綱においても目標とされておるものでございます。したがって、これを有効に活用することが非常に重要だと考えておりまして、当省としてこれを変更したくはならないと考えておるものではございません。
#28
○大野つや子君 ありがとうございます。
 次に、森林は吸収源としての機能に加え、水源涵養機能や生態系保全機能など多面的な機能を持っており、これを着実に保全、整備していくことが重要と考えております。特に、本年の洪水の実態を見ますと、森林の重要性は明らかです。林野庁においては森林吸収源三・九%を確保するという姿勢にいささかの変更もないという理解でよろしいでしょうか。お伺いいたします。
#29
○政府参考人(黒木幾雄君) 先ほど環境省からの答弁の中にも出ておりますが、地球温暖化対策推進大綱におきまして、我が国の温室効果ガス削減目標六%のうち、森林による吸収量三・九%の確保を目標とすることがこれは明記されているわけでございます。これを受けまして、私ども農林水産省におきましては、平成十四年に地球温暖化防止森林吸収源十か年対策を策定して、健全な森林の整備保全について、ステップ・バイ・ステップの考え方に基づき総合的に進めてきたところでございます。
 また、これも先ほどのお話ありましたが、現状程度の整備保全の水準で推移した場合には、森林吸収量は目標を大幅に下回ると、このような見込みでございます。
 このような状況を踏まえまして、平成十七年度から始まる第二ステップに向けてこれまでの取組状況の評価を行いまして、平成十七年度概算要求において所要の予算を計上いたしますとともに、平成十七年度税制改正において環境省と連携を図りつつ、環境税の創設、その税収の使途に森林吸収源対策を位置付けることと、この二つを要望しているところでございます。
 今後とも、このような第二ステップに向けた取組によりまして三・九%の達成を図るよう私どもとしても最大限の努力をしてまいりたいと、かように考えてございます。
#30
○大野つや子君 ありがとうございます。
 それでは次に、国際的な交渉の末獲得したこの森林吸収源三・九%については、これをしっかり確保することを京都議定書の六%削減約束達成の大前提としてしっかりとした対策を進めていただきたいと思います。見直し後の目標において吸収源対策三・九%をきちんと盛り込むよう関係省庁で調整を行い、政府一体となった大綱の見直し作業を進めていただきたいと存じます。
 次に、民生部門におけるCO2の排出量が依然として改善していない状況にあるという点についてお伺いいたします。
 我が国の削減目標達成のためには、民生部門における取組の抜本的な強化が必要であると考えますが、環境省における取組の具体的な内容についてお聞かせいただきたいと存じます。
#31
○政府参考人(小島敏郎君) マイナス六%の達成に向かって政府全体として努力をしているわけでございますけれども、実態は、環境省が推計をした二〇〇三年度速報値を見てみましても、一九九〇年度比で八%上回っております。京都議定書の約束はマイナス六%でございますから、まだ一四%のギャップがあるという状況でございます。
 このうち、エネルギー起源二酸化炭素、これは化石燃料を燃やして出てくる二酸化炭素でございますけれども、その内訳を見ますと、いわゆる民生部門でございますが、これは二つの部門に分かれますけれども、コンビニでありますとかデパートでありますとかあるいは役所の庁舎、この国会議事堂もそうでございますけれども、これが業務その他部門というふうになっておりますが、この業務その他部門が一九九〇年度比で三六・九%増えております。また、家庭部門につきましても二八・九%増えているということで、この業務その他部門、家庭部門、いわゆる民生部門の増加が著しいということでございます。
 ここに対策を打っていかなければ六%削減目標はなかなか達成できないということでございまして、環境省で行っております施策としては、昨年度から石油特別会計予算を活用して、地域の協議会を通じた代エネ、省エネ技術の普及のための事業を開始をいたしました。まだ十分体制は整っておらないという状況でございますので、少し継続をした普及啓発あるいは定着が必要かと思っておりますが、そのうち地方公共団体による率先した取組は比較的スムーズに進んでいるということでございます。民生部門というのは、企業と地方自治体あるいは国、そういうオフィスビルも含んでおりますので、そういうところからまず進んでいるということでございます。
 そのほか、今回の中環審の中間取りまとめにおきまして、排出量の算定・報告・公表制度、あるいは環境税という分野横断的な対策に加えまして、民生部門としては建築物、住宅の省エネ性能の向上、あるいは機器の省エネ性能の向上、業務用のコージェネレーションシステムの導入の拡大、高効率の給湯器、お湯でございますけれども、これの普及拡大などの追加対策を行うように提言があったところでございます。これを受けまして、環境省ではこれらの対策の具体化に向けて検討しているところでございます。
#32
○大野つや子君 ありがとうございます。
 ただいまの御答弁によりますと、民生部門においてCO2が増えているというようなお話がございました。環境教育の推進、また国民各界各層への普及啓発、家電、住宅の省エネ化にしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 今、真鍋先生ともお話ししておりまして、この委員会のこの電気も半分にしたらいいんじゃないかなということをおっしゃっていらっしゃいましたけれども、本当にそのとおりだと思うんです。私どもが、やはりそれをしっかり心して踏まえていかなければいけないんじゃないかなというようなことを考えております。
 次に、民生部門における取組においては、家庭における省エネ努力が極めて重要だと考えます。省エネタイプの家電製品や断熱効果の高い家屋の普及に向けて、環境省が行っている取組の具体的な内容をお聞かせいただきたいと存じます。
 また、そのような取組に当たって経済産業省や国土交通省とどのように連携を図っていらっしゃるのか、これをまたお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
#33
○政府参考人(小島敏郎君) 民生部門の対策は、やはり心掛けの対策と、それから省エネ性能の高い製品を購入するという、その二つがあるわけでございます。
 製品につきましては、我が国の家電メーカーは非常に意欲的でございまして、省エネ化がどんどん進んでおります。例えば、エアコンにつきましては七年前に比べて三五%、あるいは冷蔵庫は十年前に比べて七三%もの消費電力量の減少となっております。
 ただ、こういういい家電製品は買っていただかないといけないわけでございまして、その買換えのときに、あるいは買換えをしていただく動機付けというものが必要だろうと思っております。特に冷蔵庫なんというのは一年じゅうモーターが回っているわけでございますので、私どもの調査によると非常に日本人物持ちが良くて、二十年ぐらい使っておられるところもございます。十二、三年ぐらいのその前のものとそれ以降のものは、かなりもう違っておりますので、できれば、二十四時間電気が動いているものでございますので、そういうものは買い換えていただきたいというふうに思っているところでございます。
 しかし、それは強制的に買い換えろというわけにはいきませんので、できるだけ省エネ性能の高い家電製品を買っていただくために、私ども家庭の主婦向けにパンフレットを作って、それを主婦の方々が読まれます雑誌に挟み込むというようなことをしておりますし、あるいは四月の新しい時期におきましては、新婚夫婦向けにちょうど家電製品を買いそろえるという時期でございますので、若いカップルが読む雑誌にパンフレットを挟み込むというような工夫をして、国民に直接届けるというような工夫をしております。
 何かちょっとあれなんですが、こういう「ふたりで始める「環のくらし」」とか、あるいは「地球と家計にやさしい暮らし方」というのを、こういうのを家庭雑誌あるいは若い人が読む雑誌にこう挟み込んでこういうものを買っていただきたいということをやっております。
 また、地球温暖化防止活動推進員という草の根の制度がございますけれども、そこで温暖化診断というものを各家庭に行っていただきます仕事を平成十四年度から始めているわけでございます。
 さらに、各省庁との連携でございますけれども、家電製品を買って、いいものを買っていただくということで経済産業省と一緒に省エネルギー型製品普及推進優良店という表彰制度を平成十五年度から実施をしております。
 さらに、今回の大綱の評価、見直しに当たりまして総理の方から各省連携を進めるようにということで、この民生部門におきましての省エネ家電製品の推進という事柄について、さらに環境省、経済産業省が協力をしてメーカーと消費者をより一層つないでいこうということで、大型の家電量販店あるいは中小の家電量販店に対する表彰制度や研修などを行っていきたいと思っておりますし、国土交通省と連携して、これは家の方でございますけれども、住宅メーカーと家を建てる人の間をつなぐということで、住宅展示場でありますとか住宅フェアでありますとか、そういうところに省エネの家というモデルと説明をしていただくような働き掛けをしていきたいと思っております。
 ただ、私も経験、断熱の塗装をやったんでございますけれども、結構高くてですね、高いという話と、それからやっぱり地元の工務店がだれでもできるわけではないということでございますので、そういう断熱の関係の研修ということもその連携の中に入れて、消費者が身近に断熱の住宅というものを造れるように心掛けていきたいと思っております。
#34
○大野つや子君 ありがとうございます。いろいろ努力していらっしゃるということはよく分かりました。今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 次に、大臣にお伺いいたします。
 我が国が京都議定書の削減目標を達成することも重要でございます。しかしながら、最大のCO2排出国であるにもかかわらず、いまだに議定書に参加していない米国を巻き込んでいくことが重要であると存じます。
 そのような環境外交において環境大臣にも重要なプレーヤーの一人であると考えますが、米国への説得に向けた大臣の御決意をここでお聞かせいただきたいと存じます。お願いいたします。
#35
○国務大臣(小池百合子君) 御指摘のとおり、残念ながらアメリカは京都議定書には参加をしてきませんでした。そしてまた、今回のアメリカ大統領選におきましてブッシュ政権がまた再任されるという中にありまして、京都議定書に対する米国の態度、残念ながら現時点では変わっていないようでございます。
 しかしながら、これまでアメリカに対しまして、私など歴代の大臣もそうでございますし、様々なレベルでアメリカ政府に対しまして議定書の締結に向けて働き掛けを行ってきたところでございます。ちなみに、今回のアメリカ大統領再任の際のお祝いのメッセージの中に、私、アメリカに対して京都議定書への参加を呼び掛けると。お祝いのメッセージにそれを盛り込むのがいいのかどうかはちょっと迷うところもございましたけれども、いや、むしろきっちりと我が国の意思も伝えておきたいということで一筆書き添えた次第でございます。
 また、アメリカ政府、連邦政府はそういった態度でございますけれども、州のレベルで見ますと大変積極的に地球温暖化に対して取組をされているというところが見受けられます。そしてまた、アメリカ議会におきましても、これはマケイン・リーバーマン法という温室効果ガスの排出量取引を定めた法律案でございますけれども、これもわずかなところで負けてはしまいましたけれども、予想外の賛同を得たということで、そういった議会の動きもこれから注視をしてまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、政府そしてまた政府以外の様々なチャネルから、アメリカに対しての働き掛けを続けてまいりたいと考えております。例えば、今年の二月に環境省の主催で日本の企業そして州、地方自治体、シンクタンクなどに御参加いただきまして、気候変動政策に関しての日米共同ワークショップ、これをワシントンで開催をしたところでございます。
 いずれにいたしましても、地球温暖化に対しましてアメリカがどのような役割を担うかというのは大変重要な部分でございますので、これからも粘り強くアメリカに対しましての働き掛けを私自身、そしてまた先生方にもお願いを申し上げまして、続けてまいりたいと思っております。
#36
○大野つや子君 大臣、ありがとうございます。どうぞこれからも粘り強く働き掛けていただきたいと存じます。
 次に、環境税についてお聞かせいただきたいと思います。
 環境税の創設をめぐりましては、環境省からの要望をベースに政府部内において検討が行われていると聞いております。今日中にも政府税調の答申が出されるというようなことでございますが、政府部内における現在の検討状況についてお聞かせいただきたいと存じます。
#37
○政府参考人(田村義雄君) 今年度は、御承知のとおり地球温暖化推進大綱の評価、見直しの年に当たっております。環境省では、中央環境審議会におきまして昨年十二月から検討を進めておりまして、本年八月に中間取りまとめをしていただいたところでございまして、環境税は、言わば温室効果ガスの排出量に応じまして、工場、企業、家庭、様々な主体から幅広く負担を求めるということで、公平性、効率性、あるいは透明性、確実性といった点から有力な追加的施策であるとされているところでございます。
 環境省では、こうした提言も踏まえまして、本年八月に税制当局、財務省、総務省に対しまして環境税の創設要望を提出し、さらにこれまで国民各界各層からいただきました御意見等につきまして十分しんしゃくしながら、今月の初めでございますが、環境税の具体案を公表したところでございます。また、農林水産省におきましても、本年八月末に税務当局に対しまして環境税の創設を要望していると承知をいたしております。
 今、御指摘ありました政府税制調査会でございますが、政府税制調査会におきましても、環境省から具体案が提出されたことを踏まえまして、今月の十二日に環境税に関します集中審議が行われております。環境税についてのそうした審議が活発に行われておりまして、おっしゃられたように、本日午後でございますが、本日午後の政府税制調査会の答申におきましてもこの環境税について言及される予定と、そのように承知をいたしております。
#38
○大野つや子君 ありがとうございます。
 京都議定書の削減目標の達成には、先ほど来出ているとおり森林吸収源の整備が必要であり、そのためには十分な財政的手当てが不可欠だと考えておりますが、環境省におきましては、環境税を創設することによって森林吸収源対策のためにどの程度の金額を投入しようとしているのか、環境税の創設に向けて林野庁と十分に連携を図る必要があると考えますが、現在、どのような連携を取っていらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#39
○政府参考人(田村義雄君) 地球温暖化対策推進大綱におきましては、我が国の森林経営による吸収量といたしまして、これはCOP7で合意されました二酸化炭素換算で四千七百六十七万トンということで、基準年の総排出量比、先ほど来ありましたように、三・九%程度の吸収量の確保を目標としているわけでございます。
 林野庁によりますと、補正予算を含めまして、平成十年から十四年度の整備水準で推移した場合には三・一%しか確保できないとされておりますし、また先ほど御答弁ありましたように、平成十五年、十六年度と補正予算が組まれておりませんので、三・一%を更に下回るおそれがあるということも指摘されているわけでございます。
 平成十四年の林野庁の試算によりますと、森林吸収量三・九%の確保に必要となる追加的な森林整備費用は、二〇〇三年から二〇一二年までの十年間で、事業費ベースでございますが、一兆一千七百四十億円であると承知をしております。二年前の試算でございますから、現在、コスト縮減等、様々な要因を勘案しつつ、見直しの検討が行われていると承知をしております。
 環境省といたしましては、この環境税の税収、これを森林吸収源対策にも活用する必要があると、このように考えております。国費ベースでおおよそ、環境省の具体案で申し上げますと、およそ一千億円を超える額ということを想定しているところでございますが、より具体的な金額につきましては、ただいま林野庁を含めた関係方面の意見も聴きながら検討をいたしたいと考えております。
 また、林野庁との連携ということでございますが、環境税の創設につきましては、先ほども申し上げましたように、農林水産省も要望を提出しているわけでございますので、随時意見交換も行っております。今後とも、引き続き連携を図ってまいりたいと、かように存じております。
#40
○大野つや子君 ありがとうございます。
 それでは、大臣にお尋ねしたいと思います。
 環境税の創設に向けた今後の見通しと、大臣の御決意をお伺いしたいと存じます。
#41
○国務大臣(小池百合子君) 環境税につきましては、これまでも政府税調でも大変熱心な御議論を続けていただきました。そしてまた、今与党におかれましても活発な議論を進めていただいているところでございまして、またスケジュール的にもいよいよ与党税制調査会の議論に入っていくと、このように認識をいたしているところでございます。
 これまでの答弁にございましたように、二〇〇三年度の温室効果ガスの排出量は、私どもの算定による速報値において、基準年に比べて八・〇%の増加となっているわけでございます。また、中環審、中央環境審議会の中間取りまとめでも、現行対策のままでは京都議定書の約束であります六%削減、この達成は困難であるということで、追加的対策・施策を講じることが不可欠と、このように御指摘をいただいているわけでございます。
 また、環境税は、言うまでもなくこれは家庭そして企業、いわゆる温室効果ガスを排出するすべてのものに対して、その排出量に応じて広く負担を求めるものでございますので、先ほど来御答弁させていただいておりますように、公平性、透明性といったような観点からも優れたものと考えておりますし、また市場メカニズムを活用しているということから、効率性にも優れていると。よって、環境省として京都議定書の削減の約束を達成する、その追加的施策としては環境税は大変有力な手段であると、このように考えているわけでございます。
 いずれにいたしましても、税ということで幅広く御理解をいただかなければなりません。引き続きまして、各党で、各党の税制調査会などで、各関係方面で御審議をいただきまして、また関係各省、そして国民の皆様、産業界からの御理解も得て、二〇〇五年から始まります第二ステップの温暖化対策にふさわしい、そしてまたしっかりとした環境税が構築されますように、来年度の環境税創設の実現に向けて最大限努力を図ってまいりたいと、このように考えております。
#42
○大野つや子君 どうもありがとうございました。大臣、よろしくお願いいたします。
 これで私の質問を終わります。ありがとうございました。
#43
○芝博一君 私は、四か月前の選挙で三重県選挙区から当選をさせていただきました、民主党・新緑風会の芝博一でございます。
 以下、通告に従いまして質問をさせていただきたい、こう思います。
 御存じのように、我が国は戦後の高度成長により物質的には大変豊かになりましたが、その過程で大気汚染、水質汚濁、エネルギーの不足、そして地球温暖化等々、環境問題が発生してまいりました。このため、大量生産、すなわち大量消費型社会は持続し得ないとの危機感が広まり、特にごみ問題は今国民の最大の身近な課題となっています。確かに、日本のリサイクルは進み、直接埋め立てる量は減りました。しかし、ごみ、すなわち廃棄物の量は減っていないのが現状であります。そのごみ、すなわち廃棄物のリサイクルに加えてリデュース、リユースという三Rの実行と推進により、環境型社会の形成に向けて国と企業と国民とがともに努力しなければならないのは当然でありますが、しかしそれには時間も掛かることは御存じのとおりであります。
 大臣は、さきの当委員会の冒頭で環境行政に対する所信をお述べになられました。その中で、当然ながら循環型社会の構築について、廃棄物等の発生抑制と不法投棄の撲滅に向けた取組を強化すると述べられました。よって、そこで本日は、廃棄物の中でも産業廃棄物にテーマを絞ってお尋ねをさせていただきたい、こう思います。
 それでは、今現在、全国でこの産業廃棄物の処理施設、これが中間処理施設や最終処分場等々での設置状況、この部分について最新のデータで御説明ください。
#44
○政府参考人(南川秀樹君) 現在、データ、間もなく、更新中でございまして、今持っておりますのが平成十四年四月一日現在の数字で、若干古いことをお許しいただきたいと思います。
 現在、私ども持っております数字では、産業廃棄物処理施設全体で二万二千二百一件でございます、一施設でございます。そのうち脱水あるいは焼却といった中間処理施設の数が全体の八八%の一万九千四百七十四施設でございます。そして、最終処分場の施設の総数が二千七百二十七ということでございます。また、十三年度一年間を取りますと、新規に許可を得た施設の数が千五百三十三でございまして、そのうち中間処理施設が千五百五、最終処分場が二十八となっております。
 なお、中間処理施設の新しい許可を得た数の千五百五のうち圧倒的多くが木くずあるいは瓦れき類の破砕施設でございまして、これが九百七十八件となっております。
#45
○芝博一君 これまでの統計数字と、そして新設、最新の設置の状況にまでお答えをいただきました。
 そこで、問題は最終処分場、処理場の分でありますけれども、今、新設で最新の部分は二十八とありました。ところが、二十八を新設されれば、当然データ的には去年の数字から増えてくるはずなんでありますけれども、実際的には増えていないと思うんです。そこのところをもう一度御答弁ください、増減について。
#46
○政府参考人(南川秀樹君) 廃棄物の最終処分場につきましては、当然ながらこれまで使っておるところが満杯になって廃止になります。具体的には、十三年度は、先ほど申しました二十八件が新設が許可されましたけれども、四十六件が廃止になっております。満杯になった後、廃止になっておりますので、したがいまして、全体での容量は減っておるということになります。
#47
○芝博一君 大臣、このように大変廃棄物の最終処理場、新設はされているんだけれども、中間処理施設はそのまま増え続けてはいるんですけれども、最終処分場、多くの問題があって、二十八昨年度は新設されたけれども、トータル的には二十三も減少をしている。こんな状況があるわけでありますけれども、今、部長からもいろんな理由が述べられました。
 そういうことも背景に踏まえながら、最終処分場が新設はあるけれども減少している、その部分についての見解がありましたら、まずお答えください。
#48
○国務大臣(小池百合子君) 現実にはなかなか最終処分場の確保など、近隣の反対等々もございまして難しい状況になってはきているということは確認をいたしております。
 しかしながら、やはり私どもとしましては、まず産業廃棄物の発生を抑制するという、そのシステム全体も作っていかなければならない、極めて総合的な対策が必要であると。また、これまでも諸々設けてまいりました様々な諸制度を円滑に進められるように工夫もしてまいりたいと、このように考えております。
#49
○芝博一君 正にそれを手だてする解決策は抑制が最大のポイントだろうと、こう思うわけでありますけれども、抑制をするためには時間が掛かります。それまでに対応を打たなければならないと、こう思っているわけでありますけれども、現実的にはまだまだ厳しい数字があります。
 例えば、今現在、この産業廃棄物の最終処分場の残存の容量、そしてこの残存の容量から想定される残余年数、これの増減等その数値について御説明ください。
#50
○政府参考人(南川秀樹君) 現在の残存容量は約一億七千九百万立米ということでございます。これは割り算をしておりまして、残余容量を最終の埋立て処分量で割っておりますので、現在の数字が約四・三年でございます。これは、結果的にはやや増えております。といいますのも、処分場の残余容量の減以上にリサイクルあるいは処理技術が進みまして、埋立て処分量が減っておるということによるものでございます。
#51
○芝博一君 今、残存容量と残余年数の部分、単純に割った部分で部長から御答弁いただきました。
 少し増えている、処理の過程の部分の工夫によって、これは当然でありますけれども。しかし、残余年数は四・三年、この首都圏内において、首都圏内で処理しようと思うと一・一年ぐらいの数字が出ると思うんです。近畿圏でも二・二年。大変厳しい私は数字だと思っているんですけれども、この数値を見て、環境大臣として、小池百合子大臣から所感をお聞かせいただけませんか。
#52
○国務大臣(小池百合子君) 厳しいという認識は共有させていただきたいと思います。それがゆえに、先ほども御指摘ありました三つのR、そしてまた、私、先ほど申し述べさせていただきました総合的に取り組んでいくという、そういう考え方が必要になってくると、このように考えておるところでございます。
 また、その三つのRも、国内だけではなくて、最近はもう海外にまで延びているということですので、総合的には単に国内だけでなく海外も含めていかないといけないと、こういう時代であるというふうに認識しております。
#53
○芝博一君 正にこの処分、残余年数も含めながら、施設数も含めて総合的対策と、そしてそこの根本、中心には抑制政策があるんだろうと、こう思っておりますけれども。
 現実に、大臣はこの所信の中も含めて終始一貫して、当然ながら、今もお話がありましたように、発生抑制に努めなければならない、強調されています。当然ながら、今までも環境省を挙げて、国全体を挙げて発生抑制に努めてきましたけれども、今言いました、今紹介のありました、説明いただきました数値が上がってきている。
 改めて、この大臣の所信表明の中にもありますけれども、強化策を打っていきたい、こういうふうに表現をされております。是非、この強化策について今後の具体策を是非大臣の方から御説明ください。
#54
○国務大臣(小池百合子君) 産業廃棄物発生抑制ということでございますけれども、まず廃棄物の処理法、御承知のように排出事業者は事業活動に伴って生じます廃棄物の再生利用を行うということで、その減量に努めるという責務を負っているわけでございます。特に、産廃といいましても、産廃業者といっても大量に扱う、排出する事業者につきましてはこの産業廃棄物の排出抑制、そして再生利用を盛り込んだ減量化計画の策定、こちらも義務付けられているわけでございます。
 各都道府県では、この減量化計画に基づく事業者の自主的な取組を支援するということで、必要に応じて助言そして指導を行っているところでございますが、これらの取組は実際により機能するように、一層促進されるようにということで、今年の三月に環境省におきまして技術的な資料集を作成いたしまして各都道府県にそれらを配付、そして事業者に対しての周知徹底を図っているところでございます。
 いずれにいたしましても、最初のRのリデュースである部分の発生の抑制、これを促進していくということが、先ほど来御質問にあります残存容量がどれぐらいあるのか、そこのところに一番係ってくるということで、まずこの発生抑制ということにもしっかりと努めてまいりたいと考えております。
#55
○芝博一君 大臣から御答弁の部分の事業者の再利用ですね、含めながら事業者の責任の部分の思い、これは今までも環境省として取り組んでこられた部分でありますし、改めて環境世紀に入っていく部分として強化策として私は余りにもインパクトがない、こう思っているわけであります。今までの部分で、より強固に、例えば資料集を作って徹底していきますよという部分だけでは今のこの状況を打破するところまではいかないと、こう思っているんですね。
 その辺について、強化策というのは今までの部分を資料集等々を作ってより徹底していきますよというのが強化策なのか、新たな思いの施策を考えながら新たな手を打っていく、その辺の部分というのはお考えではございませんか。新たな対応。
#56
○国務大臣(小池百合子君) そもそも製品製造の根本から、製品のラインも考えて、ごみとなった場合のそのラインも考えていこうということで、それぞれメーカーなどもかなりいろんな御努力もされているところでございます。その意味でも発生抑制ということにつながってくるのではないかと思っております。一つ一つ積極的に取り組ませていただきたいと思っております。
#57
○芝博一君 私は、余りポイントのある強化策だと、今の答弁はよく理解できないんですけれどもね。今までやってきたことをより企業等々に御協力いただきながら進めていきますよというような程度の部分で、よりこの部分で大臣が改めて強化策を打っていきますというぐらいの部分の裏付けにならないような気がするんですが、そこで提案も含めて改めてお尋ねをしたいと思います。
 今、発生抑制の問題、リサイクル等々の問題を含めながら、具体的に今全国でその効果を上げている事例があるんです。それは何かというと、産業廃棄物税なんです。例えば、私の出身県の三重県では、既に分権時代の先取りとしまして、その中で、県内から排出される廃棄物について課税をいたしました。要するに、産業廃棄物税を創設した。これは課税が第一義じゃなしに、あくまでも今大臣が言われました発生抑制なんです。そして、よりリサイクル率を高めていこう、こういう部分でやっていきまして、そういう形で創設をされた。結果、当初予定をされた税収が、今、年数を経ることによって三分の一までに減ってしまいました。これは減っていいんです、それだけ抑制とリサイクルが進んでいるという実証でありますから。
 そんな部分も含めながら、今、三重県だけじゃなしに全国でもこの取組、要するに産業廃棄物税の展開がされておりますけれども、その現状と効果、評価について御説明ください。
#58
○政府参考人(南川秀樹君) 現在でございますが、いわゆる産業廃棄物税、これにつきましては地方税法の法定外目的税ということで十二の県、政令市で実施をされております。また、それ以外におよそ十の県におきまして施行予定がございます。そういうことで相当広がっております。
 これにつきましては、様々な評価がございます。私ども、各自治体の方々、また専門家の方々、実際に廃棄物業にかかわる方々を含めて様々な議論をいたしております。この中で、その処理施設の整備促進のための財源確保あるいは産業廃棄物の排出抑制の効果が見込まれるという一方、片や不法投棄の増大にもなり得るという指摘、それから課税が行われていない県に産業廃棄物が移動すると、そういう指摘もあったわけでございます。
 この報告書につきましては、各都道府県で是非参考いただきたいということで、データを付けまして送っておるところでございまして、それも踏まえて御検討がされていると思います。
 評価は大変難しゅうございます。実際、芝先生、芝委員から御指摘ございましたとおり、三重県では当初四億と見込んでおった税収が一億四千万程度ということで、それについて、ある程度は最終処分の抑制という効果があったということも言われておるようでございます。
 また、これは因果関係全く分かりませんが、三重県における不法投棄自身は、十三年度が五十九件、十四年度が七十二件、十五年度九十二件ということで、若干増えております。そういったことから、逆にその不法投棄を呼んだんじゃないかという御指摘もあるところでございます。
 不法投棄自身は税と関係なくしっかり取り締まるべきというふうに思っておりますが、いずれにしましても様々な評価がございまして、私ども、こういったことも十分参考にしていただいた上で御検討いただくように都道府県にはお願いしておるところでございます。
#59
○芝博一君 まだ、全国の現状と問題点、また成果、効果等も含めて御説明をいただきました。しかし、私は、確かに今部長が言われていましたように、不法投棄の事例とか産廃の移動の問題、県境を越えて移動の問題もあるかも分かりません。確かに一時は不法投棄も増えた、しかし量的、それは件数の部分であって、量的な部分というのは絶対量は増えていないわけですよ。その部分も含めながら、間違いなく私どもの経験では産業廃棄物の減量化が、取組が拍車が掛かって前進したこと、それによって最終処分量が大幅に減少したという事実もあるわけでありますし、今既に説明があったように、全国十二の都道府県、また政令指定都市で実施、導入をされて、また十は検討されている。
 問題もありますよ、当然ながら新しい試みでありますから。しかし、先ほど小池大臣が言われましたように、強化策というのは、私は今までの事例の部分をより徹底していきますよと言うんじゃなしに、こういう例えば産廃税の導入を例えば環境省として検討していく、若しくは時限立法で考えていく、それができなければ各市町村、都道府県に導入を要するに働き掛ける。そんな部分がより私は強化策だとこう思っているんですが、その辺の考えについて、小池大臣、お考えをお聞かせください。
#60
○国務大臣(小池百合子君) 三重県が産業廃棄物税を導入されたということで、私どももいろんな観点から注意深く見守ってまいりました。
 物流、産廃という物流の流れが一体どうなっているのか、それと不法投棄にかえってつながるのではないかというような懸念から、いろいろな観点から産廃行政と政策手段としての税の在り方に対する検討会で最終報告でおまとめをいただいたということでございますが、全国的にそれを導入する、私ども環境省として全国ということになってまいりますので、その場合は、どういうこの産業廃棄物税の導入に当たって指摘された懸念に配慮できるのかということなどを慎重に検討してまいらなければならない、このように考えているところでございます。
#61
○芝博一君 大臣、いろんな問題があろうと、こう思いますよ。まず、今当然の新しい試みでありますから。
 その問題は検討をいただく部分、例えば時限立法的なものを税制度として法制化いただく部分も一つであります。それともう一つ、環境省の大きな役割というのは、都道府県、市町村を指導することが一つ、前導することなんですよ。直接現地に行って現場で監視体制を取るわけではありません。その部分はすべて都道府県、市町村がやるわけでありますから、いい効果が出ているものであれば、その問題点を解決しながらやっぱり市町村、都道府県に働き掛けをしていく、環境省方針的なもの、大臣方針的なものがあってもいいと思うんですが、まるっきりそういう前向きなお考えをするつもりはありませんか。もう一度お答えください。
#62
○国務大臣(小池百合子君) 先ほども申し上げましたこの産業廃棄物につきましては、私どもの環境省でまとめて、そしてまたそれを周知徹底していくということを粘り強くやっていきたいということと、それからやはり循環型社会の形成という大きな大きなパラダイム変化、これをもたらすということを地道に、また早急に実行していくということが求められてくるのだと思います。
 また、いろんな試みにつきましては、これからもしっかりと検討をし、また取り入れられるものは取り入れていくというような形で進めてまいりたいと思います。
#63
○芝博一君 大臣、いろいろな問題あることは十分分かっています。しかし、できない理由を考えるんじゃなしに、どうしたら今の状況を打破できるか。で、循環型社会の構築は時間が掛かります。そのためには今すべきことは何だということの部分も含めながら、是非法制化はしろとは言いませんけれども、そんな働き掛けを、都道府県を指導いただく、是非そんな立場で今後ともこの部分についてはお考えをいただきたいと、こう思います。
 次に、産業廃棄物の不法投棄についてお尋ねをしたいと、こう思います。
 御存じのように、産業廃棄物の不法投棄は、一たび行われれば大規模化して、生活環境への影響が大きく、また原状の回復措置に要する費用と時間は膨大なものになることは御存じのとおりであります。これは、未然防止と早期発見を図ることが第一の手段でありますけれども、残念ながら近年、この不法投棄は広域化、悪質化、巧妙化していることは御存じのとおりであります。そこで、環境省は、この不法投棄に対して平成十五年度、昨年度から五年以内に大規模不法投棄事案をゼロにすることを目標として掲げております。
 そこで、お尋ねをしたいわけでありますけれども、近々の不法投棄の状況とこれまでの状況について、簡単で結構ですから御説明ください。
#64
○政府参考人(南川秀樹君) まず、不法投棄で全国的に私どもデータ取っておりますのは、その年に発見された、新規に発見された十トン以上の不法投棄でございます。これが十四年度でございますと、産業廃棄物の不法投棄は九百三十四件でございますが、おおむね千件というのが毎年の相場でございます。それから、量でございますが、一年に四十万トン前後の新規発見というのが相場でございます。ただ、十四年度は三十二万トンということでございました。ただし、十五年度で、現在取りまとめ中でございますけれども、岐阜の大規模な不法投棄案件、これ約五十七万トンが確認されておりますので、そういう意味では十五年度はまた非常に大きな数字になると思います。
#65
○芝博一君 じゃ、そこで、今申し上げましたように、この大規模の不法投棄事案をゼロにしていこうと、五年間で、大変な目標だと私は思っているんです。環境省の中で五年間で今説明いただきました数値を年度別にどんな推進目標を持ってやっているのか、そして、十五年度の今の途中経過でありますけれども、目標達成の見通しについて大臣からお答えいただけませんか。
#66
○国務大臣(小池百合子君) 先ほどからも御指摘ありますように、不法投棄というのは周辺の環境に将来にわたり損なうということですし、これまでも香川の豊島であるとか、青森、岩手、そしてまた最近でも大変莫大な量の不法投棄が見付かるというようなことで、残念ながら後を絶たないということで、先ほども御指摘ございましたように、昨年の八月でございますけれども、五年以内に大規模不法投棄事案をゼロとするという目標を設定させていただいたわけでございます。それから、その後で、今度岐阜の方で大規模な事案が発覚するということでございまして、なかなかこの目標達成は難しいものであるということも認識をいたしております。
 しかし、しっかりとそのためにも廃棄物処理法の改正も行って、この委員会でも行っていただきましたし、今年六月、不法投棄撲滅アクションプランという形で、身近な散乱ごみの対策から処理体制の強化であるとか、人材や優良企業、優良業者の育成など総合的に取り組むということで、この目標達成に向けまして全力を挙げて取り組んでまいりたいと、このように考えております。
#67
○芝博一君 いずれにいたしましても、目標達成の部分については改めて気を引き締めて取り組んでいただかないと大変難しい、ゼロというのは大変な部分だと、こう思っています。そのために何をすべきかと。
 今ここに廃棄物適正処理監督等推進事業というのがございます。平成十六年度は二億一千二百万の予算付けをして、各都道府県の監視体制に対する補助を行っております、補助率は三分の一。今大臣が言われた認識の下で、果たしてこの監視体制こそがこのゼロにする唯一最大の近道だろうと思っておりますけれども、これで十分対策費としても、補助率としても可能なんで、いいんでしょうか。
 現場からの、都道府県からの声は、補助率を上げてほしい、予算を増やしてほしいという声があるんです。大臣の今並々ならぬ決意を聞かしていただきましたけれども、この補助率と予算付けの枠組みについて見直されるおつもりはございませんか。
#68
○国務大臣(小池百合子君) 是非三位一体の議論で応援をいただきたいと思うところでございますけれども、この不法投棄の未然防止、早期発見ということが、かえってその後で莫大な地方と国のお金を投入するというよりは、未然防止をした方がいいに決まっているわけでございまして、そのために早期発見用に定常的な監視が不可欠ということで、都道府県などで監視カメラを設置していただいたり、していただいたりという表現はおかしいですね、設置したり、パトロールなどの監視活動に対して国庫補助を行ってきたわけでございます。
 その補助率が現行三分の一で少ないという御指摘でございますが、今補助金なるものは今度は地方へ移そうという大きな流れになってまいりますので、お金が動くということはその分また責任も負うということにもなろうかと思います。かといって、環境省とすれば全体を見ているわけでございますので、先ほどのごみゼロという大きな目標に向けて共同でこれからも都道府県と連携を強化してやってまいりたいと思いますし、また効果的な監視体制がどうすればいいのかということを都道府県とのすり合わせもしていかなければならない。また、環境省には全国で九ブロック、地方環境対策調査官事務所がございますけれども、こちらの体制を強化したいと私ども考えているところでございます。そうすることによって、地方の出先を強化することで都道府県などと情報交換が密にできますし、また共同調査などにも取り組んでいけるというところでございます。また、測量技術者であるとか法律家、警察、警察のOBなどから成ります専門家チームを都道府県からそれぞれ御要請があれば派遣をさせていただく、そして共同調査を行うことによって、自治体職員の方々のスキルアップも含めた対応の強化、これを図ってまいりたいと、このように考えているところでございます。
#69
○芝博一君 御丁寧に事業内容まで御説明いただきましたけれども、今大臣が口にされました、明日、三位一体改革の中で補助金の削減等の部分が決まってくるんだろうと思うんですが、実はこの予算、削減対象に入っているんですね。入っている中で、今大臣が今までいろいろと説明されました。各都道府県との支援の問題、必要性の問題、今されましたけれども、削減、環境省の中に入ってしまっている。都道府県の部分に回っていって都道府県独自でやっていく部分の中で、環境省がゼロを目標を掲げている部分とどんな整合性を持ってやられていくのかと、私は非常に不安でならない。国民から見てもそうなんですよ。その辺の考えについて、今までの方針から明日の時点から変わってしまうわけですよ。
 その辺は小池大臣としてどんな不退転の決意なり考えをお持ちでしょう。
#70
○国務大臣(小池百合子君) これは、環境省としてこれまで不法投棄の未然防止や早期発見について手を引こうということではございませんで、先ほど後半の部分で申し上げましたように、むしろこれからはしっかりと情報交換であるとか、それから連携強化を図っていくというような、金目だけではないわけでございますので、そういった形で連携をしっかりと取っていくということでございまして、三位一体改革で補助金削減リストに載っているから、それからもう環境省は手を引くということでは全くございません。むしろ、そういった人間関係なども含めてしっかりと対応を取っていくような、そういうシステムを現在考えているところでございます。
#71
○芝博一君 理屈的には分かるんですが、環境省がそれぞれ現場、全国で事業展開、監視をしている、直接しているわけでもないし、それぞれの対応は都道府県がやっているわけであります。そこの部分で、いや環境省が今やってきたことというのは、人的、予算的、いろんなノウハウ的な部分での補助といいましょうか、手助けをやってこられたと私は思っていますから、そこの部分の予算付けがなくなってしまうと、本当に環境省から少し離れてしまう、独り歩きしてしまうような気がしてならないわけであります。
 だから、今申し上げましたように、大規模事案にしても産廃の不法投棄等々にしても目標を掲げているけれども、実際に本当に環境省が責任を持って取り組めるのかということを私は大いに意見を申し上げさせていただきたいと。より並々ならぬ小池大臣の決意を改めて固めていただきたいと、こう思います。
 もう一点、時間がありません。今不法投棄された部分についてはその排出者責任を問われておりますけれども、その排出者が不能であったり、不明であったりする場合には行政の代執行が行われております。
 平成十五年の産廃特措法の制定から以降を含めて、この生活環境保全上支障のある不法投棄物件について、国の財政支援制度がございます。その中で、この保全上の支障のある廃棄物について、平成の二十四年までの十年間で集中的に環境省は取り組みますよと、こう宣言しているんですよ、宣言を。ここの部分についての財源的な部分についても、今言いました形の中で大変心配しているわけでありますけれども、その中で、その中で問題は、当然ながら代執行の部分の原則は、原因者に求償をすべきであります。代執行の求償は原因者にすべきです。しかし、その原因者からはほとんど、スズメの涙くらいからの求償金しか取れていない。全体の率からいくと本当に額わずかなものでありますから、何の手だてもなくて、足しにもなっていないのも現状であります。ここの対策が非常に遅れている。
 例えば、会社が処分場を処理しても財産がないから、しかし、そこの経営者、社長はいい車乗って、いい家に住んでいるという、個人の財産と会社の財産の区分け等のところに法の手、この問題が伸びていない。
 是非、この求償権の確保について具体的対策を持って法整備をしていかないと、いつまでたっても税金でこの不法投棄を処理していくということは変わっていきません。そこのところに対する取組の決意を是非聞かせてください、大臣。
#72
○国務大臣(小池百合子君) 私もいつもこの不法投棄の際の結果だれが責任を取るのか、一番それでしこたまもうけた人はどっか行っちゃって、そして破産をすると、破産の形を取るというような形で、二重三重の意味で大変この不法投棄というのは問題であると考えているわけでございます。
 とはいえ、行為者、実際にそれを行った人がどっかへ行ってしまって不明になってしまうというようなことがございますので、これまで産業廃棄物適正処理推進センター基金ということで、ここからの支援を受けて、そして行為者からの回収額約二・五%にとどまっているという現状がございます。
 代執行の費用の徴収については、廃棄物処理法に基づいて、国税の滞納処分の場合と同じように財産の隠匿を防ぐということで差押え、捜査などの強力な手段も用意をしているところでございます。また、代執行前の段階でも、調査などに対しての費用について、民事保全法に基づいて、それを行った者、行為者などの財産の仮差押えが可能となっておりまして、これで財産の隠匿を防ぐということができるかと思います。
 まずは現行法上の制度を最大限に積極的に活用していくということで、必要に応じて環境省といたしまして専門家を派遣するというような形で都道府県などに対して必要な助言を行っていくということと、やはり不法投棄をすると結局はもうからないんだよということが分かる、そこまで持っていく必要があると、このように考えているところでございます。
#73
○委員長(郡司彰君) 時間が来ております。
#74
○芝博一君 はい、時間ですから終わります。
 ただ、その今言われた手法でもって求償できた金額というのは六千二百万円しか取れていないんです。そこのところをもっともっと法整備とか対策を考えていただきたいことを要望して、終わります。
 ありがとうございました。
#75
○福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の福山でございます。
 今年選挙がありましたので久しぶりの質問でございまして、是非よろしくお願いしたいと思います。
 今日はお手元に、先生方の、委員の先生方のお手元に一枚のパンフレットをお配りをさせていただいています。
   〔資料配付〕
#76
○福山哲郎君 米軍の普天間飛行場の移設問題について質問させていただこうと思っているんですが、このパンフレットの一番最後の見開きのページを見ていただきますと、これが辺野古の海岸の全域でございます。それに赤線で記されているような形で埋立てが行われ基地が移転をされるという状況で、今ボーリング調査が行われています。この件について大臣にお伺いしたいと思います。
 大臣が御就任されて以来、私は、環境税の問題や京都議定書の問題で大変元気なリーダーシップのある大臣が就任されたと喜んでおりました。是非、そのことをこの問題についても発揮をしていただきたいというふうに思います。
 まずは、十一月の二十二日、小池大臣が沖縄に行かれました。その場で米軍のブラックマン四軍調整官と会談をした折に、この普天間の飛行場の移設問題について、代替地への移設を急がなければならないと述べられたというふうに報道されていますが、それは事実でしょうか。
#77
○国務大臣(小池百合子君) 新聞記事はその一部を取ったものでございますが、その流れをもう少し正確に申し上げますと、まず今回のこの辺野古への代替施設がその場所が決まって、そしてその後、これから今ボーリング調査が行われ、建設が行われてということで、ブラックマン調整官は、十四年これから掛かるということを、これは長過ぎるのではないかというような御指摘があった。それに対して、前回の米軍ヘリの事件なども踏まえまして、どのようにして普天間の地域から代替施設へ早急に移動するかということも求められているわけでございまして、その意味では代替施設の建設十四年という長さということについて、私は代替施設の建設は急がなければならないと。それはすなわち市街地に所在します普天間飛行場の一日も早い移設・返還というここがベースになっているわけでございまして、そういった旨で申し上げたところでございます。
 ただ、その際も申し上げたんですけれども、移設までの間の普天間飛行場の安全確保についても併せて申入れをいたしたところでございます。また、今様々な環境の面での調査が行われておりますが、これを短くしろという、そういう趣旨で言ったものではございません。
#78
○福山哲郎君 沖縄北方担当大臣としての御発言としては分からなくはないんですが、環境大臣としては、これからアセスメントがされると、そして今、方法書の議論がされている最中ですから、百歩譲って代替地への移設を急がなければならないではなくて、アセスメントを早急に行うべきだということなら私は理解ができるんですが、こういう状況で、例えば小池大臣は、いろんな状況で、環境に目を光らせたいとか、さはさりながらスピード感を持って進めていくとか言われているんですが、こういう議論されると、環境への十分な配慮が損なうおそれがあるのではないかと私は危惧をしていますが、いかがでしょうか。
#79
○国務大臣(小池百合子君) これは環境大臣でなくとも、内閣の一員として、この普天間飛行場への一日も早い移設・返還ということを全力で取り組む、これが政府の基本方針でございますので、それを進めていかなければならないと、このように考えております。
 ただ、環境大臣として、これまでも助言を求められていたそれぞれの段階において助言を求められる際には、環境に対しての十分な配慮をしていただくということで、非常に細かく指摘もさせていただいているところでございます。
 日米安保ということの抑止力ということの認識、これがベースにもあるわけでございまして、そしてかつ環境を守っていくというこの二つのファクターをどのようにして取り組むかということ、これはバランス感覚、そしてまた時には、内容によってはスピード感も必要ではないかと、このように思うところでございます。
#80
○福山哲郎君 ちなみに、今回沖縄に行かれましたときに、大臣は事務方としては環境省から事務方の職員を一緒に連れていかれましたか。
#81
○国務大臣(小池百合子君) ちなみに、今回の視察は座間味の方にも出向いたと、それから大学院大学のサイトを視察をしてということで、今回の視察につきましては内閣府の仕事として前半参りました。最終日に東アジアの環境高級事務レベル会議というので、そこでごあいさつをする際の要員といたしまして環境省の人間を一人連れてまいったということでございます。
#82
○福山哲郎君 余り細かいことを言うつもりはないんですけれども、実は二十二日に大臣が沖縄で発言をされたときには沖縄北方の担当の役所しかいないと、環境省としてのブリーフなり発言をするような状況にはないわけですよね。そこで実は環境との配慮についての発言があったわけです。要は、代替地への移設を急がなければならないという発言があったわけです。
 私は役人を全部連れていくことが重要だとは思いません。大臣のリーダーシップで大臣が発言をされたことですから、重みがあると思います。しかしながら、世間も、例えば環境団体にしても、環境大臣が沖縄に来てこの代替地について発言をされるということは、当然環境大臣としての立場も踏まえて発言をされているというふうにみんな取るわけです。期待もされているわけです。
 私は、大学院を見に行かれることも、ほかの水族館を見に行かれることも別に全然構いません。しかし、現実にボーリング調査が行われ、いろんな形で今反対運動も起き、実際報道もされている状況の中で、沖縄まで行かれてなぜ現地に行かれなかったのか、その点についてお答えをいただきたい。
#83
○国務大臣(小池百合子君) 今回、沖縄を視察に参りましたのは二回目でございます。沖縄も大変見るところが、また担当大臣として視察をしておくべきところ、今回は例えば台風の被害に遭いました座間味の島の現状なども見てまいりました。また、観光産業ということで、エコツーリズムの一つでもあります美ら海水族館なども見ていかなければならない。これからも様々な、与那国まで行くにはかなり遠いですし、島は数あるわけでありますし、いずれにいたしましても、代替施設の辺野古の地には一回目のときに参らせていただきまして、陸上からでございますけれども、予定地ということを拝見させていただいたところでございます。
#84
○福山哲郎君 これがいわゆる希少生物のジュゴンです。(資料提示)先生方御案内のとおりですが、写真を幾つかお回しをさしていただきます。そして、現状、今現地ではボーリング調査が行われまして、反対派の皆さんと多少小競り合いが行われています、事業者側との間でですね。その状況がこの写真にあります。警戒線というのがあって、その周りをいろいろな反対の方々がこのような形で動いておられまして、中にはこういう巨大な作業船の横で小さい船で反対運動の方が行かれています。
 私は今日、基地についての反対、賛成のことを述べるつもりは全くございません。しかし、現実に大臣が沖縄に入られたときにこういうことが現場で行われています。聞くところによれば、潜っている反対派の人たちに対して、事業者サイドがレギュレーターを手に掛け水中眼鏡を取り上げたり、シュノーケリングから上がってくるところを上から押さえたりけったりとか、またカヌーのアンカーを外してそれを投げ付けるとか、いろんなことが行われていると。
 私は別に事業者サイドだけが悪いとは思いません。それぞれの現場で多分過熱をしてきて、お互いがかっかをしてきて、いろんな形で危険が生じる可能性があるというふうに思っていますが、こういう状況を大臣は今どのように把握をされていますか。
#85
○国務大臣(小池百合子君) 普天間の代替移設建設事業に対しての地元の皆様方などによります抗議行動が行われているということは承知をいたしております。今沖縄に参りますと、テレビなどでも各局がそれぞれそういった行動などについても報道しておられるわけでございまして、それについても沖縄のテレビで拝見をさせていただいたわけでございます。
 ボーリング調査などの実施に当たって事業者でありますのは、御承知のように、防衛施設庁ということでございますが、防衛施設庁の方で幅広い理解を求めながら進めていただくというのが基本の考えでございます。
#86
○福山哲郎君 これ、例えば人道的に多少人的な被害が起こってくるようなこともあって、非常に今危険な状況だというふうに現地から私も承っているんですが、このことに対しては大臣はどのように認識をされていますか。
#87
○国務大臣(小池百合子君) お互いに節度を守って、そして抗議行動なども私もしっかり耳は傾けているつもりでございます。毎日百件以上はメールちょうだいいたしております。しっかりそういったことも踏まえまして、そしてお互いが安全に進みますことを願っている次第でございます。
#88
○福山哲郎君 何か人ごとみたいな発言ですが、防衛施設庁は今の現地の状況についてどのように把握をされているか、お答えください。
#89
○政府参考人(河野孝義君) お答えいたします。
 私どもとすれば、普天間飛行場を早期に移設・返還するためには、平成十一年度の閣議決定に基づき、代替施設の着実な建設に向けて全力で取り組んでいくことが重要であると考えております。
 ボーリング調査につきましては、代替施設の建設工事に先立ち、代替施設の護岸構造の検討に必要なデータ等を収集する目的で調査しているものでありまして、沖縄県の同意を得て実施しているものでございます。
 那覇防衛施設局におきましては、調査の具体的な内容、環境配慮方策を盛り込んだ作業計画等を作成しまして、名護市議会議員、地元行政区等の方々に説明し、また座り込んでおられる方々に対しても同局職員が調査の必要性、内容等について説明するなど、必要な手順を踏んでいるものと認識しておりますけれども、さらに、先般、ボーリング調査に対してどのように環境に配慮するかについて説明する機会を設けることが適切であると考えまして、沖縄県、名護市と協力しまして、名護市議会議員、地元行政区の方々に対する説明会を開催したところでございます。
 当庁としましては、ボーリング調査についても、自然環境に十分配慮しつつ、安全対策に万全を期して円滑に実施するとともに、引き続き、地元地方公共団体等の理解を得るために必要な努力を行っていきたいと考えております。
#90
○福山哲郎君 その安全確保が今ちょっと危うくなっているんですね。
 これ、万が一けが人が出たり人的な被害が出ると、余計に事業者側としては事業をやりにくくなるし、環境省としてもお立場上は非常にまずくなるのではないかというふうに思っているわけですが、環境大臣、もう一言何かお答えをいただけませんか、これに対して。
#91
○国務大臣(小池百合子君) それぞれ安全に気を付けていただきたいと、もうこの一言に尽きます。
#92
○福山哲郎君 そんなさなか、いわゆるアセスメントの報告書の問題について、県の環境影響評価審査会が、このボーリング調査については、異例とも思える、枠組み外にもかかわらず、委員の皆さんからこのボーリング調査は環境への影響がでか過ぎるという議論が出てまして、湾岸構造の詳細な検討のための地質調査及び海象調査により少なからず環境への影響が生じることから、これらの調査の実施による環境への影響を十分に検討させた上で実施させる必要があるというような異例の答申を出してきました。
 正にアセスの方法書の議論がされているときに、工事が今強硬にやられようとしています。現実問題としては、アセスをこれからやろうという議論をしているわけですから、その中でボーリング調査をしても構わないのではないかという専門家の意見もありますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
#93
○国務大臣(小池百合子君) 県の審査会の答申についての考えはどうかということでございますけれども、位置付けといたしますと、これは沖縄県内部の手続ということで、環境省として現時点でのコメントは差し控えさせていただきたいと思っております。
 ただ、このボーリング調査については環境省からも助言を行ってまいりました。ジュゴン、サンゴ、そして海草の藻場などへの環境影響をできるだけ回避するようにということで、事業者であります防衛施設庁において適切に対応していただきたいと、このように考えているところでございます。
#94
○福山哲郎君 時間がないので余り突っ込みたくないんですが、なぜコメントは差し控えさせていただくことになるんでしょうか。だって、環境への配慮を十分にするようにといって環境省は言われているわけでしょう。
#95
○国務大臣(小池百合子君) 沖縄県内部の手続が今執り行われているところでございまして、来週にはそれが出てくると。今の段階で環境省がこうだと言うと、むしろ沖縄県内の手続の方に何か影響を与えてしまうということで、この沖縄県内部の手続の結果を待っているところでございます。
#96
○福山哲郎君 ということは、結果が出た後は環境省としてはコメントを出される、何らかの意見を言われるというふうに私は受け取らせていただきますが、防衛施設庁はこの県の答申の中身についてはどのように今見解をお持ちですか。
#97
○政府参考人(河野孝義君) お答えいたします。
 ボーリング調査の実施につきましては、環境に配慮しつつ調査が実施できるよう、ジュゴンや海草藻場、サンゴ等への配慮の方策を盛り込んだ作業計画を作成した上で、もう沖縄県から四月九日、同意を得て実施しているところでございまして、沖縄県からの環境配慮事項も踏まえた措置を講ずるなど、自然環境に十分配慮しながら実施しているところでございます。
 沖縄県環境影響評価審査会は沖縄県内部の手続として開催されているものでありまして、去る十一月十九日に沖縄県に対し、今御指摘のような内容を含んだ答申がなされたものと報道を通じて承知しているところでございます。
 私どもとすれば、このような当審査会の性格上、答申の具体的な内容についてまだコメントする立場にはございませんけれども、今後、沖縄県知事から提出される方法書についての意見などを踏まえ、最終的に環境影響評価の方法を決定するなど、適切に事務を進めてまいりたいと考えております。
#98
○福山哲郎君 少し意味合いが違うんですね。環境影響評価の方法を決定するんじゃなくて、その事前のボーリング調査に対して議論が枠外というふうにもかかわらずされていると。そのぐらいこのボーリング調査に対しての環境影響について議論がされているということを防衛施設庁も御認識をいただきたいんですが。
 先ほど大臣が環境に配慮をしてと言われました。そして、正に大臣が向こうに行かれているその日に、これ現地の写真ですが、いわゆるサンゴ礁を足場が破損をしたという、これ現場の写真でございます。(資料提示)これが出てきて、現実にサンゴ礁等に危害が加わると。この足場は一か所だけではありません。これから何か所も何か所も建てられるわけです。もう最初に始まった途端こういう状況になっていることに対して、大臣はどのようにお考えでしょうか。
#99
○国務大臣(小池百合子君) 足場の工事によりますサンゴの被害については、今防衛施設庁の方で確認中だというふうに聞いております。
 防衛施設庁では、今年の四月に実施時の環境への配慮事項ということで作成しておられまして、環境省の助言、そして沖縄県から示された配慮事項を踏まえて、足場などの設置に際しては、改めて、調査場所周辺の藻場、サンゴの状況を確認して、藻場の破壊、踏み付けなどの環境攪乱をできるだけ避けるために設置作業を慎重に実施するとされておられますので、防衛庁にはしっかりとその点を配慮して適切に対処していただきたいものと考えております。
#100
○福山哲郎君 いや、議論があるんですから、その環境省の助言や県との議論の中で作られた作業計画がここにあるわけです。大臣ももちろん御存じだと思います。ここに、サンゴの影響面積についてはおおむねなしと。確かに、おおむねというのはゼロではないという議論がそれはできないわけではないんですが、サンゴの影響面積についてはおおむねなしというふうに出ているのに、もういきなり始まった途端、今写真でお配りしているような状況なわけです。
 このことについて防衛施設庁はどのように認識をされていますか。
#101
○政府参考人(河野孝義君) お答えいたします。
 ボーリング調査に使用する足場の設置箇所につきましては、代替施設建設場所及びその周辺にサンゴの被度、これはサンゴが海底面を覆っております投影面積の割合でございますけれども、これが五%以上の区域が周辺に多くはございますけれども、このような比較的高い密度でサンゴが存在している区域について、足場設置によるサンゴへの回避を、回避するよう選定したところでありまして、作業計画においてサンゴの影響はおおむねなしと記載されているのもこの点を述べているものでございます。
 今般の足場の設置箇所はサンゴの被度が五%未満の区域でありますが、ボーリング調査の実施に当たっては、沖縄県から示された環境配慮事項等を踏まえ、足場等の設置に際しての設置位置の微調整や足場等の設置作業を慎重に実施する等、自然環境にも十分配慮して行っているものでございます。
#102
○福山哲郎君 いやいや、行っているけれども実際に被害が出ているんですが、それはどうなんですか。行っておられるのは分かりますが、行っているけれども被害が出ていることに対してはどうなんですか。
#103
○政府参考人(河野孝義君) 足場等の設置状況やサンゴへの影響の有無等につきましては、調査中及び足場等の撤去後においても海底状況を潜水作業により把握することとしております。それで、昨日、十一月二十四日は波が高くございましたので、設置後の確認ということは、現地での天候状況等許せば、できるだけ速やかに確認したいと予定しております。
#104
○福山哲郎君 いつ調査が出てくるんですか、結果は、めどとしては。めどはいつぐらいに調査が出てくるんですか、その今言われた調査中でございますという。
#105
○政府参考人(河野孝義君) 調査を実施するに当たりましては、沖縄県の環境配慮事項等もございまして、いろんな段階で、環境モニタリングといいますか、環境監視しながらやっております。それで、各作業等が段階が進みますごとに調査結果も報告、また公表しながら進めているところでございます。
 今回言われた件、今回の場所につきましては、先ほど言いましたように、御説明しましたように、できるだけ早く確認して、また県等にも報告したいという考えでございます。
#106
○福山哲郎君 今日、残念ながら時間がないんですが、大臣、今現実に辺野古沖ではいろんな小競り合いがあって、先ほど申し上げましたように、ひょっとすると人的な被害が出るかもしれないような、少し緊張が高まっているというのが一点。それから、県の審議会の方では、このボーリング調査は環境に影響が余りにも大きいというような意見が委員からどんどんどんどん出されているという件が二点目。そして三つ目は、正に今日ですが、バンコクの国際自然保護連合、IUCNの総会で、ジュゴンなどの希少生物や、保護とアセスの見直しを求める決議案が、勧告が採択される状況になっていると。そしてさらには、今お見せをしたように、サンゴが実態として被害が出てきていると。いろんなことが重なってきているわけです。そして、大臣が私に先ほどから、環境省は助言を出している助言を出しているといろいろ、何回も言われましたけれども、その助言の中に作業実施中の対応という項目がありまして、作業実施中にジュゴンやジュゴンのはみ跡が確認された場合や重大な環境への影響またその危険が生じた場合は、いったん作業を中断し、必要に応じてこれらについて専門家の意見を聴取し、十分に調査した上で適切な対応を行うこと、またその調査内容、対応については広く公表することというのを、正に大臣が私に何回も言われた助言の中でこういう項目があります。
 今の時点は、少なくとも大臣の政治判断で防衛施設庁に言って、いったん作業を中断してもう一度専門家の意見を聴いてやり直せという時期だと思うんですが、大臣、いかがですか。
#107
○国務大臣(小池百合子君) 様々な今の流れ、そしてまた地元の御意見などを踏まえながら、総合的に判断をしていく必要があろうと、このように考えておりますが、私は、やはり日米関係というのも大変重要であり、またその部分を沖縄の方にずっと背負わせてきたということについても大変申し訳ないという部分と、普天間の早期な移転をしていくことなどが米軍ヘリなどの事件などで高まっている、その地域の方々に対しての御迷惑を、負担を軽減させると。幾つかの項目があるわけでございますので、そこを総合的に判断をしてまいりたいと、このように考えております。
#108
○福山哲郎君 それじゃ、ほとんどやると決まっていることと、それから、もう一つ申し上げます。
 先ほど、正に大臣が十四年掛かるとおっしゃったんですよ。十四年掛かって、アセスをしても三年掛かるんです。今、その前の段階で、今方法書の議論をしているんです。そして、ジュゴンの問題もサンゴ礁の問題も国際的な議論になっているわけです。早急に解決をしなければいけないという大臣のお気持ちは百歩譲って理解をしたとしたって、こういうふうに状態が切迫して実際に被害が出ている状況の中で、一度中断して、そのボーリング調査も、方法書の中身も含めて考えるということが、十四年のタームでいったときに、どれほどの重要性がある、続けることがどれほどの重要性があるのか。今止まることが、ちょっと中断をしてもう一度見直そうではないかということは、環境大臣としては十分考慮に入れていただける僕は事柄だと思うんですが、いかがでしょうか。
#109
○国務大臣(小池百合子君) ですから、先ほども申し上げましたように、様々な諸般の出来事、そして今、日本が置かれている立場、沖縄が置かれている立場、そういったことを総合的に判断をして、これからも行ってまいりたいと思っております。
#110
○福山哲郎君 環境大臣としての御発言をいただきたいんですけれどもね。
#111
○国務大臣(小池百合子君) 環境大臣として今発言をさせていただきました。
#112
○福山哲郎君 じゃ、環境大臣として一度現地を見に行っていただけませんでしょうか。こういう状況です。県の状況を聞いていただいて、サンゴ礁の被害の状況を見て、先ほど私は写真をお見せをしましたが、地域の中の反対やいろんな小競り合いの状況も見て、大臣として行って見てくると、そしてそこで判断をするというふうにお約束いただけませんでしょうか。
#113
○国務大臣(小池百合子君) 総合的に判断をさせていただきます。
#114
○福山哲郎君 全く、何にも答えないじゃないか。
#115
○委員長(郡司彰君) 時間が来ております。
#116
○福山哲郎君 とにかく、私はまず人的な被害が出ることを非常に危惧をしておりますので、環境大臣の御英断を、御勇断を強く求めて、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#117
○鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子でございます。議員になりまして初めての質問でございますが、今、国内外様々な課題が山積している中で、環境は二十一世紀の最優先課題の一つであると思います。私も全力で取り組んでまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず初めに、環境教育の推進についてお伺いいたします。
 地球温暖化防止の第一歩となる京都議定書がロシアで批准され、来年二月に発効する見通しとなりました。我が国は、京都議定書で一九九〇年比マイナス六%との削減目標ですが、二〇〇二年は七・六%も上回っているのが現状です。削減目標の達成はもちろん、私たちの美しい地球を守り、未来を守るためにも、今こそ環境問題に対して本格的に取り組まなければならないときであると思います。そして、そのすべての取組を強力に推進する原動力となるのが教育ではないでしょうか。
 私の尊敬する女性の一人、アメリカの未来学者ヘイゼル・ヘンダーソン博士は、一九六四年、きれいな空気を守る市民の会を設立し、ニューヨークで環境問題に取り組んできた市民グループの草分け的な存在です。博士が環境問題に取り組むことになったきっかけは、幼いお嬢さんの身に起きた異変からでした。お嬢さんはよく外で遊んでいたのですが、帰ってくると肌に黒いすすが付いていて、おふろで洗ってあげなければ取れませんでした。その当時、ニューヨークでは大気汚染が進んでおり、博士御自身もせきが盛んに出ることもあったそうです。博士は、こんな空気が体に良いわけがない、特に子供の健康が心配だと真剣に悩むようになり行動を開始されました。そして、同じ広場で子供たちを遊ばせている母親たちに、この辺りの空気悪くないと話し掛けることから始めたそうです。そうやって一人一人に対話を重ねるうちに小さなグループができて、そこから環境問題に大きく取り組むまでになったそうです。環境問題に対する運動、成果につながるまでは様々な困難もあったようですが、博士は決して途中であきらめたりはしませんでした。
 それは、危機的な状況を目の前にして、自分の愛する者や地球を守りたい、未来を良きものにしたいとの強い思いがあったからです。一緒に行動されたお母様たちも博士の思いに共感したから最後まで挑戦し続けたのだと思います。人から言われたことだからとか決まり事だからとか受け身の姿勢ではなく、環境問題を自分のこととしてとらえることができれば、自発能動の取組、行動が生まれてくると思います。
 このような一人一人の意識変革が環境問題の解決につながる近道ではないでしょうか。そして、その原動力となるのが教育だと思います。今の地球の現状を学びながら、今後私たち人間があらゆる生き物たちとともにどのような生き方をしなくてはならないのか等を学ぶ教育が重要になってくると私は思います。
 二〇〇二年に開催された持続可能な開発に関する世界首脳会議において、我が国は持続可能な開発のためには人づくりが大切であることを世界に主張いたしました。また、我が国が主導して、国連で二〇〇五年から始まる十年を国連持続可能な開発のための教育の十年とすることが決議されたことを受けて、この取組の内容、準備が検討されているかと思います。産業革命からIT革命を経て環境革命を大きな流れにするためにも、先ほども申しましたとおり、一人一人の意識変革につながる教育が重要であると思います。来年から始まる国連持続可能な開発のための教育の十年、世界をリードできる実施計画策定について大臣はどのようにお考えでしょうか、決意と併せてお伺いしたいと思います。
#118
○国務大臣(小池百合子君) お答え申し上げます。
 二〇〇二年十二月の国連総会で、国連持続可能な開発のための教育の十年が全会一致で採択されたわけでございまして、今御指摘ありましたように、ユネスコによって二〇〇五年の実施がされるということで、その枠組みとなります国際実施計画を作成しているというのが現段階でございます。この国際実施計画を受けて、来年から各国ごとに計画が作成されるという段取りでございますけれども、御指摘のとおり我が国は教育の十年の提案国ということでございますので、教育の十年を契機として各国で環境教育が普及されるように、特にアジア諸国においての支援というのを我が国が行ってきているところでございます。
 環境省といたしましては、平成十五年度から国連大学が行います教育十年の構想作りに支援を行ってまいりましたし、また本年度からは持続可能な開発のための教育の十年推進会議などの民間団体とも連携をして、国内の対応も検討を行っているところでございます。
 外務省、文部科学省、そしてNGOの皆さんたちとの連携協力を深めて、具体的な取組の検討を更に進めていきたいと思いますので、先生もよろしくお願いいたします。
#119
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 環境運動のパイオニア、レイチェル・カーソン、またノーベル平和賞が決定いたしましたマータイさん、先ほど紹介したヘンダーソン博士、そして小池大臣、今後、この環境問題の解決が進むためには、この女性の視点、声が大事になってくるかと思いますので、是非とも小池大臣に強力に推進していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 また、持続可能な開発のための教育の十年はユネスコが主導機関とされておりますが、主導的な役割を果たしてきた我が国としてのユネスコや開発途上国への協力、支援方策について文部科学省にお伺いしたいと思います。
#120
○政府参考人(井上正幸君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、また、ただいま環境大臣の御答弁にもありましたとおり、ユネスコは持続可能な開発のための教育の十年の主導機関といたしまして本十年の国際実施計画を作成しているところであるというふうに承知をいたしております。本十年の提唱国である我が国としては、この持続可能な開発のための教育を国際社会の中で率先して推進する立場にあり、二〇〇五年一月からの本十年の開始に当たり、ユネスコと協力をしながら開発途上国におけるESDの推進に積極的に貢献をしていく責任があるものと考えております。
 具体的な方策といたしまして、ユネスコに対してESDのための信託基金を拠出し、開発途上国における国内実施計画の策定、教材開発、コミュニティー、学校レベルでの活動等を支援していく予定でございまして、現在、そのための予算確保に向けて概算要求を行っているところでございます。
 我が国といたしましては、今後ともユネスコと緊密な連携を図りながら、本十年の成功に向けて努力をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#121
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 先ほど大臣もおっしゃっておりましたが、特にアジアを中心にというお話もございましたが、それぞれの国、また地域の状況も様々違うかと思いますので、それを踏まえた上で協力、また推進、支援をよろしくお願いしたいと思います。
 国連持続可能な開発のための教育の十年を成功させるためには、より多くの国民にその目的、取組等を知ってもらうことが重要であり、そこから国民の皆様の理解につながっていくものだと思います。
 二〇〇五年からの開始に当たり、愛知万博、政府広報、講演会、展示会など様々な取組が実施されるかと思いますが、ここで御提案をさせていただきたいと思いますが、十二月十日にノーベル平和賞を受賞されるケニアのワンガリ・マータイさんを日本に招致することを提案し、御検討願いたいと思います。マータイさんのノーベル平和賞受賞理由の六項目は、持続的発展、民主主義、平和への貢献、また地球的規模な発想で地域的に行動等、正に国連持続可能な開発のための教育の十年の目的に合致するものと考えます。
 マータイさんの来日を是非とも実現していただきたいと要望いたしますが、環境省の対応についてお伺いいたします。
#122
○政府参考人(田村義雄君) ノーベル平和賞が環境分野の活動に贈られると、初めてのことでございますし、本年度のノーベル平和賞に、お話しされましたようにケニアの環境副大臣でありますワンガリ・マータイ氏が受賞されたことについては環境省といたしましても高く評価をいたしているところでございますし、マータイ氏の活動は、今お話ございましたように、特に植林活動という環境保全のための活動を通じまして、女性の地位向上あるいは地域の資源管理といった、正に持続可能な開発に取り組むものでございまして、教育の十年の推進と、意義あるものと考えます。
 ただし、マータイ氏は、ケニアの環境副大臣として様々な職務をこなされていることに加えまして、既に世界各国からも多数の招聘があると聞いておりますが、私どもといたしましては、来日については本人の御意向も確認して、是非検討してまいりたいと、そのように考えております。
#123
○鰐淵洋子君 ありがとうございます。
 このマータイさんの取組、また生き方を通して、日本としてもこの環境問題に関してまた関心を持っていくいい機会になるかと思いますので、是非とも進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 また、来年から始まるこの国際持続可能な開発のための教育の十年を成功させるために、環境と経済の両立の三本柱である社会経済のシステムの革新、経済技術の革新、意識の革新を推進することが大切で、中でも意識の革新が重要課題です。この意識の革新を推進するためには、国民一人一人が環境問題を自分のこととしてとらえ、問題解決へ行動に移すことができるような教育、情報の発信が必要です。
 具体的な話になりますが、例えば、各家庭のごみ減量化、ペットボトルなどの回収率向上へ、一人一人が自発的かつ意欲的に取り組めるような情報の提供です。電力会社の領収証の裏には、ふだんの暮らしからどのくらいCO2が出ているのかが分かるようなチェックシートになっております。また、イギリス環境省、二〇〇一年のキャンペーンでございますが、紅茶を入れるのにも一工夫をと銘打ち、必要な量だけやかんに水を入れて沸かすと沸かす時間が九十秒短くなる。これを一週間続行した場合、一般家庭で一日分の照明又はテレビ二十六時間分のエネルギー節約につながるという情報を提供したそうです。
 このように、例えば毎日排出しているごみを具体的に減量化、分別などに取り組んだときに、環境負荷、CO2削減、石油消費などにこれだけの効果があると、身近なところからだれにでも分かるような情報を更に提供していくことによって、私の行動で地球を守ることができると、国民一人一人の意識変革に、促進をさせることができるのだと思います。また、公明党がマニフェストにも掲げていることですが、全国の市町村に環境体験学習のコーディネーターを配置し、各学校での環境教育の推進、充実に力を入れていくことも重要な取組であると思います。
   〔委員長退席、理事谷博之君着席〕
 環境問題解決に向け、また、国連持続可能な開発のための教育の十年を成功させるために国民一人一人の意識変革が重要と思いますが、環境省の環境教育への取組についてお伺いいたします。また、意識改革によってもたらされた効果などの事後評価を実施すべきと考えますが、併せて環境省の見解をお伺いいたします。
#124
○副大臣(高野博師君) お答え申し上げます。
 環境教育は、この環境問題についての最も重要な施策だと思っております。持続可能な社会の構築のために国民一人一人が自分の問題としてこれをとらえるということが重要でありますので、そういう意味では、私は、環境教育というのは、人権教育とか平和教育とか民主教育とか、そういうものと同様に教育の基本の中できちんと位置付けるということが必要ではないかと思っております。
   〔理事谷博之君退席、委員長着席〕
 いろんな環境教育があると思いますが、例えば、一つのアプローチとして自然体験学習等がありますが、これは、自然と共生すること、あるいは環境と人間が一体であるということ、こういうことを自然の方から学んでいく。自然は無限の知恵の宝庫だとも言われております。その自然の動植物の営みの中から様々なことを学んでいけると。私は、環境教育というのは人間教育にもつながるというふうに思っております。
 しかし、一方で、この美しい自然が、例えば生物の多様性が急速に破壊されつつあるという現実、これも認識しなくてはならないと思います。例えば、毎日二百種以上の種が絶滅しているという、こういう現実があります。これは地球温暖化によるものだということが言われております。したがって、脱温暖化社会をつくるためにどうしたらいいかということも、これも学んでいかなくてはならない。あるいは、自然の破壊というのが廃棄物の問題等によっても起こされている、そういう中からスリーRというようなことも教育の中で学んでいくと。
 循環型社会をどうやって構築していくかというようなことを学んでいく必要があると思いますが、具体的なライフスタイルとかあるいは社会システム、こういうものはどうあるべきかということ、これも環境教育の中できちんと教えるということが必要ではないかと思います。
 本年の九月に、環境保全活動・環境教育推進法に基づいて基本的な方針を閣議決定をいたしました。それは、一つは環境教育の実施に当たって重視すべき共通の考え方を明らかにするということ。二つ目は、環境教育の推進方策や指導者養成、拠点整備のための施策等について定めたところであります。
 環境省としましては、これまでもこどもエコクラブ事業とか環境カウンセリングなどの施策に加えまして、来年度からは学校や家庭に焦点を当てた新たな施策を検討しているところであります。今後とも文部科学省と連携を取りながら、家庭、学校、地域、職場など、あらゆる場において環境教育の推進、施策の推進をしてまいりたいと思っております。
 また、お尋ねの施策の事後評価については、基本方針において、環境教育に関する各種施策については、一つは毎年の進展状況と効果などについて必要な調査を行うということ。二つ目は、施策の進展状況を判断するための指標の在り方等についても検討することとしているところであります。施策の改善に向けて国民各界各層の御意見を伺いながら検討していきたいと思っております。
 以上です。
#125
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 様々、環境問題の解決に向けて地道なことではありますが、まずは一人一人の意識変革ということで、環境省を中心に是非この環境教育、更に全力に取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 環境に対して意識が高まってくる中で、国民の皆さんの身近なところで気になってくる一つとしてごみの排出が挙げられるかと思いますが、国民、コンビニエンスストア等の事業者がごみを排出する際に、自治体によってそれぞれ内容が多様なため統一的な対応ができなくて混乱の要因になっており、分別の徹底ができなかったり分別の意識低下につながっていると思います。
 広域的な単位でのごみ収集の標準化を図り、国民や事業者にも分かりやすく、そしてリサイクル率が向上するような基準やガイドラインを作成すべきと思いますが、環境省の見解をお伺いいたします。
#126
○副大臣(高野博師君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、一般廃棄物の分別収集区分や処理の方法については市町村ごとに異なっているということがありまして、事業者や住民が一般廃棄物を排出する際の混乱の要因になっている、あるいは資源ごみの分別収集を行う際の支障となっているという場合があるわけでありますが、こうした状況を踏まえまして、中央環境審議会において、一般廃棄物の処理の在り方に関しまして、一つは分別収集の在り方を始め、二つ目はライフスタイルを見直すための施策の推進、そして三つ目は一般廃棄物処理コストの分析あるいは有料化の推進、四つ目は広域的なリサイクルや処理の推進等について御議論をいただいているところであります。
 その同審議会で、今年度内をめどに取りまとめを行う予定になっておりますが、その内容を踏まえまして、環境省といたしましては、一般廃棄物の標準的な分別収集区分や再資源化、処理方法の考え方を示していくということを検討していきたいと思っております。
#127
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 私自身も、自治体によって分別が多様なため、大変に驚いて、これでいいのかと不安になった一人でもありますので、是非とも早急な対応をよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、ヒートアイランド対策についてお伺いしたいと思います。
 年々暑さが厳しくなっておりますが、今年の夏は異常に暑かったとだれもが実感していると思います。日本の大都市における百年当たりの気温は、気象庁のデータによりますと、東京では平均気温が三度、そのほかの大都市では二・五度、中小都市では一度上昇しております。また、東京都におけるみどり率の推移を見ますと、昭和四十九年から平成十年を比べますと七十八平方キロメートル減少しております。これは東京都の山手線の内側に匹敵する面積でございます。このように、目に見える速さで温暖化、緑の減少が進んでおります。ヒートアイランド対策、地球温暖化政策大綱などで様々な取組が実施されようとしておりますが、この実態を踏まえますと、更に強力に推進しなければならないと思います。
 身近なところでは、地域の中核になっている小中学校に緑を復活させることは大きな効果があると思います。校庭緑化への取組が始まっているようですが、屋上緑化とセットにして、雨水を循環させるなど、水と緑と土の自然を感じるようにする、また燃料電池の導入や太陽光、風力発電などのクリーンエネルギーを積極的に導入するなど、既存施設のエコ改修も含めて、環境配慮促進法の成立を受けてエコスクール化を強力に推進すべきと考えます。
 学校の改修を含めたエコスクール化は、環境教育、災害対策の上からも多大な効果が得られますし、地域住民と連携した一体的な環境対策の推進が図られると思います。この点については公明党のマニフェスト項目でもあり、東京都平成十七年度の予算編成に対する提案要求項目でもあります。文部科学省と環境省の対応についてお伺いいたします。
#128
○政府参考人(萩原久和君) 学校施設についてお答えいたします。
 都市の温暖化など、環境問題への対応が重要な課題となっている状況の中におきまして、学校施設の整備におきましても環境への負荷の低減を図るとともに、環境教育に資する施設の整備が重要だと認識しております。このため、文部科学省では、屋上や校庭の緑化について国庫補助の対象とするとともに、平成九年度から環境を考慮した学校施設、通称エコスクールと称しておりますが、そのパイロットモデル事業を実施しているところでございます。
 文部科学省としては、今後とも関係省庁と連絡を図りながら、各学校の設置者における屋外教育環境の充実に向けた取組を支援していきたいと考えております。
#129
○政府参考人(田村義雄君) 学校は、もう御承知のように、児童生徒が一日の大半を過ごします学習あるいは生活の場でございますので、その学校施設そのものを環境に配慮したものとすること、これも環境教育を推進する上でも極めて効果的なものであると認識をいたしております。
 本年九月に閣議決定いたしました環境保全活動・環境教育推進法に基づく基本方針におきましても、既存の学校施設の改修の際に環境を考慮した改修を行うこと、あるいはその整備された学校施設を活用した環境教育を進めていくということを明らかにしたところでございます。
 環境省では、一つは、昨年末でございますけれども、実施されましたNGO・NPO・企業環境政策提言フォーラムと、こういうフォーラムございまして、このフォーラムでエコスクールを拠点とした地域ぐるみの環境学習の提案、これは実は優秀作品に、提言に選ばれました。これを事業化いたしまして、本年度フィージビリティー調査を既に実施しております。また、来年度におきましても、先ほど副大臣から御答弁ありましたように、家庭、学校、十分着目した予算項目を考えておりますが、その一つといたしまして、学校のエコ改修事業、及びそれを活用した学校、地域での環境教育モデル事業について予算要求を行っているところでございます。
 今後とも、文部科学省等関係省庁と連携を取りつつ、学校等、あらゆる場におきます環境教育の施策、推進してまいりたいと考えております。
#130
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 先ほども申しましたとおり、今目に見える速さで温暖化、緑の減少が進んでおりますので、そのことを認識していただいて、また環境省、文部科学省も強力に推進をしていただきたいと思います。
 また、このエコスクールの維持管理の面でも様々課題があろうかと思いますけれども、東京の杉並のように地域の方の協力を得て成功している例もございますので、是非参考にしながら推進を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、ヒートアイランド対策、地域温暖化防止の取組として、JRや私鉄は民間企業ではございますが、公共交通機関でもありますので、ホームの上屋や駅ビルの屋上、壁面の緑化を推進し、エコステーション化できるように支援できればと思いますが、国土交通省の見解をお伺いしたいと思います。
#131
○政府参考人(森下保壽君) お答えいたします。
 鉄道はエネルギー利用効率が高く、環境に優しい交通機関であり、マイカーや業務交通の抑制にもつながるものであります。ヒートアイランド対策や地球温暖化防止に資するものと考えております。
 委員から御指摘いただきましたうちで、駅のホームの上屋の緑化につきましては、保安面、管理面での問題がないか、十分に検討していく必要があると思いますが、いずれにいたしましても、鉄道に関連する施設の緑化につきましては都市緑化全体の中で考えていくべき課題であると考えておりまして、関係部局や関係者と連携して検討してまいりたいと考えております。
#132
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 ヒートアイランド対策ということで、特に東京を中心に首都圏、この私鉄、民間企業ではございますが、JR、私鉄は多くございますので、是非ともまた強力に推進をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次の質問に移らせていただきます。
 環境省はISOを取得されて率先実行されております。ヒートアイランド対策の一環で屋上・壁面緑化、省エネの推進が重要です。
 霞が関の官庁は三か年計画で屋上緑化を実施いたしました。三権分立の司法、立法機関も率先して取り組むべきと思います。また、省エネ対策で小型の風力、太陽光などのクリーンエネルギーも積極的に導入してグリーン庁舎化を図るべきだと思います。
 国会議事堂、議員会館、国会図書館などにおける屋上・壁面緑化やクリーンエネルギー導入の取組について、現状と今後の対応についてお伺いいたします。
#133
○事務総長(川村良典君) お答え申し上げます。
 参議院における緑化、クリーンエネルギーの導入につきましては、地球温暖化問題、都市におけるヒートアイランド現象への対策が喫緊の課題であることにかんがみ、環境負荷の低減、周辺環境の保全に配慮しつつ取り組んでいるところでございます。
 国会施設の屋上緑化につきましては、参議院でも可能なものについて順次進めております。
 平成十四年度には、議事堂北門に隣接する警察官詰所等の屋上を緑化し、また、本年度は、新たに屋上緑化された備蓄倉庫等を整備したところでございます。さらに、このほど完成いたしました参観・テレビ中継施設の整備に伴いまして、隣接する陸橋上部の屋上につきましても緑化を行っているところでございます。
 クリーンエネルギーにつきましては、参観・テレビ中継施設のガラス屋根及びひさしの一部をソーラーパネルといたしまして、太陽光発電を取り入れたところでございます。
 国会議事堂の屋上緑化及びクリーンエネルギーの導入につきましては、歴史のある建造物であることから、技術的な検討が必要であること、また、景観の在り方等についてのコンセンサス、衆議院との調整など、様々な問題がございますけれども、今後更に検討を進めてまいりたいと考えております。
 また、議員会館につきましては、食堂、駐車場が入っておりますB棟は既に屋上緑化をいたしております。
 今後の取組につきましては、新しい議員会館を整備する際に対応いたしたいと考えております。新議員会館の整備に当たりましては、屋上緑化に取り組むとともに、自然採光、太陽光発電などのクリーンエネルギーを採用し、省エネルギー効果を高めるなど、より積極的に取り組んでまいりたい所存でございます。
#134
○国立国会図書館長(黒澤隆雄君) お答え申し上げます。
 当館の東京の本庁舎は昭和三十六年、四十三年にできました本館部分と、それから昭和六十一年にできました新館部分とございます。
 昭和三十六年、四十三年当時は緑化ということが特に視野に入っておりませんでしたけれども、昭和六十一年の新設、新館建設当時は、そういうことが基準が示されておりましたので、その基準に従いまして、周辺緑化、それから屋上緑化に努めまして、現在、当館は三万平米ございますけれども、そのうちの六千二百平米が緑化されておりまして、その緑化率は二一%ということになっております。それから、新館の屋上緑化につきましても、六千二百平米のうちの千五百平米は新館の屋上緑化で賄われているところでございまして、新館の屋上緑化は大体二五%ぐらいに達しているかなと思っております。
 それから、今後の問題でございますが、先ほど申しましたように、本館は昭和三十六年、四十三年の建物でございますので、経年劣化もございまして、そういったものの補修部分も頻出してまいりますので、そういうものと併せて、最近の軽減された土壌の新技術とか、それからかん水の維持とか、そういうものを総合勘案して、今後、それから、建設に当たりました国土交通省ともよく相談いたしまして本館の屋上緑化のことは勉強していきたいと、そんなふうに思っております。
 それから、クリーンエネルギーの導入の問題でございますが、当館では、新館の建設時、あるいは本館の改修時に書庫を地下に設けるなどして、空調負荷の軽減に努めています。また、センサー付きの照明設備、それから全熱交換器などの採用などの対策を講じまして省エネルギー化を図ってまいりました。
 今後とも、グリーン庁舎化を一層進めるために努力してまいりたいと、そんなふうに考えております。
 以上でございます。
#135
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 全国から国民の皆さんもこの国会見学等でいらっしゃいますし、目に見える形で、是非ともこの推進を図っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 事務総長と館長、退席していただいて結構です。ありがとうございました。
 続きまして、廃棄物の処理についてお伺いしたいと思います。
 スプレー缶等の、スプレー缶でございますが、年間約六億九千万本生産されており、国民一人当たり年間五本使用されている計算となります。
 スプレー缶の処理に当たっては、廃棄のための穴空け、ガス抜き中の事故やじんかい車、破砕処理センターでの爆発火災事故が増加しております。また、従事者の健康被害も懸念されております。
 私は、七月十一日に初当選をさせていただき、七月二十三日にこのスプレー缶の処理工場を視察いたしました。そして、スプレー缶の処理するときの実態を知りまして、八月五日に、小池大臣に、この対策について要望いたしました。
 スプレー缶やカセットこんろ用のガスボンベ缶については市町村が一般廃棄物として処理するに当たり、運搬車の火災、破砕施設での爆発等の事故が発生しております。製造業者等の協力を得て、適正処理のための体制を確保する必要があるかと思いますが、環境省の見解についてお伺いいたします。
#136
○政府参考人(南川秀樹君) 鰐淵委員を始めとしました議員の先生方からの要請も受けまして、現在、私ども鋭意検討いたしております。
 御指摘のとおり、スプレー缶あるいはガスボンベにつきましては、収集・運搬時、あるいは破砕時におきまして十分な安全が確保されていないというのが現状でございます。
 そのため、私ども、実際に処理に当たっておる市町村の現場の方々、また製造をされておる方々にお集まりいただきまして、子細な検討を行っておるところでございます。
 ただ、今のところ、なかなか議論が収束いたしておりません。例えば、製造者の方々からすれば、集めるときにパッカー車で圧力を掛けて集めるから爆発しやすいんじゃないかと、普通の車で、トラックで集めたらいいじゃないかという指摘もあるわけでございますが、実際の現場の方からは、普通の平ボディー車で収集するにしても、一般ごみに混入すればパッカー車に入ってしまうということで、根本的な解決にならないという議論がございます。
 また、製造者の方では、中身が使い切りやすいような、出しやすいような形の設計にしたいと。これは具体的には押さえ付けてくぎを打ち込んで穴を空けるということじゃなくて、もっと簡単に、簡単な作業で中身が全部出せると。使い切った、ある程度使い切った段階で出せるようにしたいということでの検討をしているということで話を聞いておりますけれども、片や、市町村からは、それだったら、いつまでにそういう設計ができるのか明らかにしてほしいと、そういう議論もございます。
 化粧品等も多いわけでございまして、なかなかイメージの問題もあって、その辺り大変事業者も問題意識を持っておりますけれども、現状では現在主張が合っておりませんで、なかなかいつこの問題の解決に向けた結論が出るということは言えない状況にございます。
 ただ、私どもとしまして、いずれにしても、この問題で、収集・運搬時、破砕時にそれに当たる方々の事故があってはいけないということで、一日も早く結論を得て、対策を仕組んでまいりたいと思います。もうしばらく時間をいただきたいと思います。
#137
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 様々課題はあるかと思いますが、国民の皆様、またこの処理に当たってくださる方が安心して、安全に処理できるように対応を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 関連して、この廃棄物の処理のことでお伺いしたいと思いますが、注射器などの住宅医療から排出される廃棄物は、市町村のごみ処理では収集及び処分が難しいのではないかと思います。環境省としてはどのような対策を講じているのかお伺いいたします。
#138
○政府参考人(南川秀樹君) 最近、在宅医療が実は増えております。糖尿病とか血友病などの自己注射が一番多いわけでございますが、それ以外にもいろいろございます。
 それで、特に問題になっていますのがその注射針あるいは血液の付いた廃棄物ということでございます。ルール上は今のところ一般廃棄物として排出をされております。そのため注射針による事故などもあるわけでございまして、多くの地方公共団体では、できるだけ定期的に診察に病院に行く際に、そこで病院に持参して出してもらいたいということでやっておりますが、必ずしも徹底をしておりません。
 また、一部の、東京の例えば練馬区あるいは杉並区におきましては、薬剤師会が、ボランタリーベースでございますけれども、医薬品を購入する際にそれをまた返してもらってもいいですよということで受け取って、そこで処理していただいている例がございます。
 ただ、いずれにしましても、まだ根本的な解決策、ルールも決めておりませんし、解決策も見付かっておりません。特に注射針については非常に危険でございますので、何とかその適正処理の方法を早く見付けたいということで、私ども、専門家の医学あるいは医療関係、あるいは廃棄物処理の専門家の方々に集まっていただいておりまして、一日も早く方式を決めて、こういった事故がないような形にしていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
#139
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 高齢化社会に入りまして確実に在宅医療も増えてくるかと思いますので、今おっしゃっていただいたとおり、安全で処分ができるように、廃棄ができるように、そのルール作りに対応をよろしくお願いしたいと思います。
 それでは最後に、災害対策についてお伺いしたいと思います。
 新潟中越地震発生から一か月たちまして、その後の状況を少しお伺いしたいと思いますが、既存アスベストの建築物の被害状況はどのようになっているか、現状についてお伺いしたいと思います。また、全国でアスベストが排出されるピーク時期と排出量はどの程度なのか。またさらに、災害廃棄物処理計画を作成している自治体の数を教えていただきたいと思います。
#140
○政府参考人(小林光君) お答え申し上げます。
 今、地震によりまして生じますところのアスベストの飛散の問題、御指摘でございました。大変現地では御苦労されているかと、こういうふうに思っております。
 そもそも平時でございますと、建築物のアスベストにつきましては、解体するに際しまして大気汚染防止法に基づいて工事の届出をする、そして工事のやり方についての規制があると、こういう仕組みがございます。また、廃棄物になりますと、特別な管理を要する廃棄物ということで厳正な処理、処分を行うと、こういうことになるわけでございます。
 そうした法律を前提にいたしまして、新潟県では地震の前から実はこの建築物の調査というものをされていらっしゃいました。そのリストによりますと、今回の中越地震の被害地域の中におきまして、アスベストを使用しておりますところの建物というのが五十五施設あったというふうにされてございます。
 新潟県におきましては、そのそれぞれの施設について、実際に現地に行かれたり、あるいは電話で照会したりして被害状況を確認してございまして、現時点では十三件におきまして何らかの被害があったということでございます。ただ、これは何らかの被害ということで、大変小さな被害も含まれておりまして、現在、新潟県の方では、その建物の周辺、あるいは一般的な環境モニタリングをしておりますけれども、現時点ではこのアスベストの飛散によるところの環境濃度の増加といったようなことは感知をされていないという状況でございます。御質問の第一点の被害状況ということはこういうことだと思います。
 それから第二点でございますけれども、全国でこのアスベスト、どういうふうな今後排出状況になるんだろうかと、こういう御指摘でございました。
 実は、先ほど冒頭申し上げましたように、アスベストが入っております建物を解体する際については工事のやり方についての規制がございますので、当然その発生、アスベストが全部環境中に出ていくということではないわけでございまして、なかなかその発生量そのものは把握がこれはし難いものでございます。ただ、潜在的な発生量といいますか、もし何にもしないで全部空気中に出したとしたらどうかという極端なケースで計算をした、シミュレーションをしたことがございます。
 それによりますと、現在、現時点で、二〇〇四年とか二〇〇五年の時点では、恐らく潜在的な廃棄物と、アスベストの廃棄物ですね、というような形で出てくる可能性のあるものが約三千トン、そして、廃棄物が使われましたのは石油危機前がアスベストの使用のピークでございますので、建物の寿命が来るに従って、だんだんその潜在的な発生可能性というのは増えてまいりますが、ピークは恐らく二〇一〇年から二〇二五年ぐらいまでというふうに考えておりまして、そのときの潜在的な発生可能量は三千五百トンぐらい、今より五百トン増しぐらいになるのかなというふうに計算をしてございます。しかし、これはあくまで潜在的な量ということでございます。
 それから三点目の対策計画につきましては、別途、部長の方から答弁をさせていただきます。
#141
○委員長(郡司彰君) 時間が来ております。簡潔に答弁してください。
#142
○政府参考人(南川秀樹君) 震災廃棄物につきまして、特に地震につきましては、私ども平成十年に指針を作成いたしました。それで、東海地震のおそれがあります地域についてだけ調査をいたしましたが、二百四十九市町村に聞きましたところ、そのうち二十九件しか計画が策定されておりません。
 是非、その拡大を急ぎたいと思って、各、これから地方公共団体と十分調整をしてまいりたいと考えております。
#143
○委員長(郡司彰君) 時間が来ておりますから。
#144
○鰐淵洋子君 申し訳ありません。
 時間ですので、一言要望をさせていただいて終わりたいと思いますが、今の報告をしていただいたとおり、この災害廃棄物処理計画がまだできていない自治体もございますので、災害が起きてからでは遅いですので、是非とも時期を決めて策定させるように環境省の方から推進をお願いしたいと思います。
 以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
#145
○市田忠義君 先月、十月二十九日に東京大気汚染公害裁判の原告団の皆さんたちの集まりがありました。「きれいな空気を子どもたちへ」、「一〇・二九のつどい」という集いですが、そこでは、大気汚染によるぜんそくに苦しむ患者さんたちの悲惨な実態が生々しく出されました。すべてのぜんそく等の被害者が安心して医療を受けることができ、生活できる救済制度を求めて裁判に取り組むということをその集会で改めて決意されたわけですが。
 そこで、まずお聞きしたいんですが、大気汚染による被害者の実態について今月七日に実態調査が公表されましたが、その主な内容をどうなっているか簡潔にお答えください。
#146
○委員長(郡司彰君) どちらですか。
#147
○政府参考人(滝澤秀次郎君) 失礼いたしました。
 お答えをいたします。
 公健法の認定患者さんの、公害健康被害補償等に関する法律の認定患者さんの生活実態に関する調査の結果でございますが、私ども平成十五年度から三か年計画でこの調査を計画しておりまして、高齢化が進んでいる、あるいは療養上の新たな問題点などを把握したいという目的で行っております。
 初年度の調査結果といたしましては、患者の方々の生活実態の一端を把握できたことは意義があるものと認識しております。引き続き、より詳細なあるいは多面的な調査が必要と考えておりまして、十六年度、十七年度も調査を深めたいと、このように考えております。
 そうした結果を踏まえまして、高齢化等に伴う問題を把握いたしまして必要な対応を検討していきたいと考えております。
#148
○市田忠義君 今のは認定患者の生活実態調査なんですが、未認定の患者の実態はどうなっていますか。
#149
○政府参考人(滝澤秀次郎君) 未認定の患者さんの実態は、最近という意味では特に調査をしておりません。
#150
○市田忠義君 先ほど紹介した集いに当たってまとめられた手記がここにあるんですが、それによりますと、例えば墨田区で従業員三十人ほどの中小企業を経営している人。三十八歳で発症し、一家離散。当時、救済制度があることを知っておれば家族離散も悲惨な生活を送ることもなかった。しかし、その救済制度も法改正で八八年に新規認定打切りとなってしまったと。以来多くの被害者は捨ておかれたままだと、などなど生々しい実態が書かれています。
 日弁連が今年の八月二十日、これですけれども、自動車排ガスによる健康被害の救済に関する意見書というのを出しました。この意見書は、大都市圏での深刻な大気汚染の現状及び健康被害の増加を実証的に指摘しながら、この間、全国各地での裁判での大気汚染と健康被害との因果関係に関する判決の歴史的な発展にも触れて、被害の救済制度の確立を求めています。
 これはもう小池大臣、当然お読みになっていると思いますが、こういう司法での判断を積み重ねてきた専門家集団の意見書として私は重く受け止める必要があると思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#151
○国務大臣(小池百合子君) 日弁連の方から自動車の排ガスによります健康被害の救済に関しての意見書をちょうだいいたしております。
 御指摘のように、ここに指摘されているように新たな救済制度の創設ということでございますが、まずその前に、大気汚染とぜんそくの因果関係を裏付ける科学的な知見が前提となるということでございますが、また、ぜんそくの要因は様々な問題から起因するものということで、これまでに得られた調査結果から見る範囲とすれば、現在の我が国の一般環境の大気汚染そのものがぜんそくの主たる原因を成すものではないと考えられているわけでございますが、また幹線道路沿道の局地的な大気汚染とそしてぜんそくとの関係、これについても十分な知見がないということで、まずは必要な調査研究を推進をしてまいりたいと、このように考えているところでございます。
#152
○市田忠義君 未認定患者の調査研究もやっていないのにそういう答弁、そして、重く受け止めると言いながら、日弁連の意見書の一番大事なポイントについてほとんど受け止められていないと私思うんです。
 先日、水俣病に関しての最高裁の判決が出されました。今日はその内容について触れることはしませんが、私は今一番政治に求められているのは、行政がこの判決から謙虚に受け止めるべき最大のポイントは、行政の怠慢が被害を拡大したと、そのことは厳しく水俣病の最高裁判決は断罪したわけで、これ、じん肺訴訟でも同様であります。
 どこにも要求がないならいざ知らず、現に患者がおり、毎日生きるか死ぬかぐらいの、本当に座っていることも立っていることもできないぐらいひどいぜんそくにかかっている患者がたくさんいると。日々苦しんでいるそういう実態があって、日弁連も対策を要求しているわけですから、必ずしも大気汚染が原因ではないと、そういう認識に立っているから私はこの問題の解決がなかなか図られないと。
 やっぱり謙虚に耳を傾けるというのは当然の姿勢だと思うんですが、改めて、日弁連の意見書を読まれたんだったら、その一番のポイントについてきちんと受け止めるということを明言いただきたい。
#153
○国務大臣(小池百合子君) 昨年、被害者の方々の、そろってお越しになって、そこで直接御意見も伺う機会を得ました。切実にその思いをつづられましたお手紙もちょうだいした、よく覚えております。
 いずれにいたしましても、まず必要な調査研究を推進していくということで真摯に対応してまいりたいと、このように考えております。
#154
○市田忠義君 私は、少なくとも未認定患者についても実態の調査を直ちにやることを求めたいというふうに思います。未認定患者の方々というのは、医療負担に耐え切れないために治療を控えざるを得ないと。そのために症状が悪化する、重症化する、あるいは生活保護を受けざるを得ないようなケースもあると。
 これは、ある大学の研究グループの調査で分かりました。この調査は、国や自動車メーカーなどに損害賠償などを求めた東京大気汚染訴訟の原告のうち百七十四人の未認定患者にアンケートを実施した。回答した九十六人のうちの過半数、五十二人が病状が不安定と、最近の約一年で発作が激しくなり、救急受診をした人も三十人に上っていると、月平均の受診回数が二・七回、自己負担額平均一万二千五百円と、二十六人は医療費負担を心配して受診回数や入院日数を減らしたこともあると、そう回答しています。また、病気が原因で二十三人が失業したと、そう答えて、不況が患者を更に追い詰めていると。
 例えば、たくさんありますが、一つだけ挙げますと、六十九歳の女性のAさん。一九七七年ごろに気管支ぜんそくを発病して、発作がひどいときにはもう死んでしまうかもしれないと、そう思うときが何度もあったと。一回の通院に要する費用は、六十五歳以前には約八千円で年間九万六千円程度必要だったと。二〇〇〇年ごろには発作を起こして点滴を受ける回数が増えるなど、健康面での不安は依然として絶えることがないと。
 こういう調査をした、これは桜美林大学の除本理史助教授などの研究グループが行われた調査なんですが、こう言っておられます。受診の抑制は症状を更に悪化させる悪循環を招く、未認定患者へも何らかの医療保障が必要だと。
 健康面での不安、家庭での安らぎの機能が奪われるというのは、認定患者だろうと未認定患者であろうと一緒であります。これ以上未認定患者の健康を悪化させないためにも、国として少なくとも医療保障制度を早急に実施すべきときではないかと。大臣、いかがですか。
#155
○国務大臣(小池百合子君) 一般的で恐縮ですが、ぜんそくなどに代表されます非特異的呼吸器疾患という、難しい名前になりますけれども、この理由として、大気汚染だけでなく様々な原因により発症し、また悪化するというふうに言われているわけでございます。
 その被害救済の在り方を検討する際には、先ほどもお答えさせていただいたんですが、大気汚染とそしてぜんそくなどの呼吸器疾患との因果関係を裏付ける科学的知見が必要ということになっているわけでございますけれども、現在、我が国の一般環境の大気汚染はその主たる原因とは考えられていないと。
 そこで、平成十七年度から、これまで幹線道路沿道の局地的な大気汚染とそしてぜんそくとの因果関係ということについての知見がないということで、平成十七年度から大規模な疫学調査の開始を検討いたしておりまして、概算要求でも盛り込ませていただいたところでございます。これまで調査手法の開発に関する調査研究を進めてきて、そして調査手法のめどが立ったということで、この調査に、平成十七年度、この予算確保させていただきましたならばその調査を進められると、このような状況になっております。
#156
○市田忠義君 確かにこれまで環境省、十八年ぐらいですかね、この間、いろんなモニタリングの機器の開発だとか調査手法の開発を行ってきたと。今おっしゃったように、今度は大気汚染とぜんそくなどの因果関係探るために大規模な局地汚染の本格調査を五か年計画で実施すると。
 しかし、今、未認定患者がどう言っているかというと、調査をしているだけでは解決しない、もう調査している間に患者死んでしまうと。そういう悲痛な訴えにこたえるためにも、私は、国は幹線道路の新たな救済制度を早急に図るということでその悲痛な声にこたえるべきだと思うんですが、改めて大臣の認識伺いたい。
#157
○国務大臣(小池百合子君) そういった対応も含めまして調査の方に取り掛からせていただきたいと考えております。
#158
○市田忠義君 もう司法の分野では、例えば西淀川、川崎、尼崎、名古屋、東京、こういう大気汚染公害訴訟では、既にディーゼル車を中心とした自動車排ガスによる沿道沿線と健康被害の発生、増悪、この因果関係認めているわけですね。しかも、被害救済というのはもう待ったなしの緊急課題であるわけで。
 二〇〇二年十月の自動車排ガス公害についての東京地裁判決、これは健康被害と自動車排ガスとの因果関係を認めて、公健法では認められてなかった、認定されてなかった被害者の健康被害を認めました、一人だったけれども。それ自身として私意味があったと思うんです。ですから、八八年以降救済を打ち切った姿勢を転換して、国と自治体の責任で大気汚染の実態に見合った新たな制度による被害者の救済を早期に行うべきだということを指摘しておきたいと思います。
 それで、もう一つ、認定患者の問題について、先ほど主な点を調査結果述べてくれと言いましたが、抽象的にしかおっしゃいませんでしたが、今月七日に発表されたいわゆる認定患者の生活実態調査によりますと、答えた人のうちの九割が症状について悪化若しくは変化しないと、ぜんそくや息切れなどが毎日出ると、そう答えた患者が約四割です。そして四六%の人が生活費の五割以上を障害補償費に頼っていると。
 たしかこの調査は、この法律ができて七四年以降初めての調査だったと思うんですけれども、依然として公害認定患者のぜんそくなどの症状が非常にひどいという実態が改めて浮き彫りになりました。しかも高齢化が非常に進んでいるわけで、高齢化に伴う新たな療養生活上の問題などもあります。そういう実態をつかんで補償制度の運用の改善を図っていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
#159
○国務大臣(小池百合子君) そのためにも、やはり対応、どのような対応をすべきかを含めて今回の調査結果、そしてまた今後の科学的な知見、これらを総合的に判断をしてまいりたいと思っております。
#160
○市田忠義君 今挙げた東京地裁判決によりますと、これは自動車メーカーの法的責任については問わないという不当なものだったんですが、そういう中でもメーカーの社会的責任については言及しています。大量に製造、販売する自動車から排出される自動車排ガス中の有害物質について、最大限不断の企業努力を尽くして、できるだけ早期にこれを低減するための技術開発を行い、かつ開発された新技術を取り入れた自動車を製造、販売すべきだというふうにこの判決は述べています。
 自動車NOx・PM法あるいは首都圏条例が昨年十月から実施されました。その際、指定地域内を走る既に使用している車に対する実効ある排ガス規制実施するということで、ディーゼル自動車排ガスによる深刻な大気汚染の改善が強く要請されました。
 当時、新たな規制によるディーゼル車の不合格、不適合台数ですね、これ調べてみますと、八都府県でトラック約百八十三万台、バス五万台、乗用車百二万台、合計二百九十万台になっています。しかし、長引く不況の下で買換えなどが困難な中小零細業者にとっては、これは死活問題であります。これに対して、DPFを装着するための補助を大幅増額させてほしいと、強い要望が出されました。また、使用過程車に対するNOx、PMを同時に減少させる装置の実用化というのが強く要請されたと。
 ところが、自動車メーカーは後付け装置の十分な研究開発の技術を持ちながら、車種の転換による新車の製造、販売に生かしただけで、既に現に使用されている車についてのNOx、PMを同時に減少させる後付け装置の実用化は全くやらなかったと。そのために、例えば東京都のトラック協会加盟会社の七割が赤字経営で、今年の一月から八月で六十六社が廃業、倒産です。さらに、一人親方の零細業者をちょっといろいろ調べてみましたら、この規制対策ができずに廃業したと。例えば、西多摩方面のある商工団体の会員のうちトラック関連業者が八十二人いたんですが、そのうち二十三人が廃業しています。
 私は、この自動車メーカーの姿勢というのは、利潤第一主義というか、後は野となれ山となれと。私、企業ですからもうけることは自由だと思うんです。ただ、もうけのために環境がどうなってもいいと、そのために患者が増えても、中小零細業者が廃業や倒産に追い込まれても構わないというやり方は、やっぱり私は企業モラルにも反する、企業の社会的責任を放棄していると。これだけ大気汚染に苦しんでいる患者とか不況下で苦しむ中小零細業者がいるわけですから、そこに背を向けて社会的責任を放棄していると、そういう自動車メーカーの姿勢に環境省としてこれまでどういう改善を求めてこられたか、お答えいただきたい。
#161
○政府参考人(小林光君) たくさんのお尋ねでございました。
 御案内のとおり、NOx・PM法あるいは首都圏の条例等によりまして使用過程車に対する対策を求めているということはそのとおりでございます。これは、本来でございますと、先ほど委員の方からも御指摘ございましたように、新車に対してその製造段階でメーカーは一生懸命の努力をするということは先ほど委員御指摘のとおりでございますが、その終わった後、使用過程車に対しての対策ということを大変汚染の著しい場所ではやむにやまれぬ対策としてやらなければいけないと。こういうことで、その使用過程車の対策というのも対応をされているのであろうというふうに思っております。
 そういう中で、私どもとしても、県の方あるいは都の方でも一生懸命努力をされておりますが、例えば融資とかあるいは税制上の優遇あるいは今ございました補助金等々の努力をしているわけでございます。大変使用過程車を使われていらっしゃる方々がその対応のために苦慮されていることについては承知もしておりますので、一生懸命努力をしたいというふうに思っております。
 さはさりながら、それをメーカーがやっていったらどうか、それについて環境省はどう働き掛けてきたのかと、こういうことでございます。
 簡便な後付け装置といったようなものがあれば確かに役立つ……
#162
○委員長(郡司彰君) 簡潔に答弁してください。
#163
○政府参考人(小林光君) はい。ことは承知をしておりまして、かねて何度も累次メーカーの方にも働き掛けを行ってございます。ただ、なかなか実際そういった安定的な性能を発揮できる装置というのが現にないということも事実でございまして、この辺についてはそういった技術の現状ということにつきましても御理解を賜りたいと存じます。
 以上でございます。
#164
○市田忠義君 時間が来ましたから最後に一言だけ言って終わりますが、そういう使用過程車に対するNOx、PMを同時に減少させる装置ですね、そのための対策をメーカーが取らない一方でどういうことをやっているか。大規模な増産、販売、新車に対する買換え、そのために空前の利益をこの間自動車メーカーが上げているということを指摘しておきたいと思うんですけれども、例えば二〇〇三年度の決算書を見ると、日野が……
#165
○委員長(郡司彰君) 時間が来ておりますのでまとめてください。
#166
○市田忠義君 はい。四百五十四億円、日産千八百五十億円の増益です。やっぱり私は、そういうことで得た、これは患者とか零細中小企業の犠牲の上にもうけたわけですから、その増益分をやっぱり被害者の救済だとかそういう方向に充てるべきだということを指摘して、終わります。
#167
○委員長(郡司彰君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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