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2004/12/01 第161回国会 参議院 参議院会議録情報 第161回国会 厚生労働委員会 第8号
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2004/12/01 第161回国会 参議院

参議院会議録情報 第161回国会 厚生労働委員会 第8号

#1
第161回国会 厚生労働委員会 第8号
平成十六年十二月一日(水曜日)
   午前十時二十九分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月三十日
    辞任         補欠選任
     鰐淵 洋子君     草川 昭三君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  宏一君
    理 事
                国井 正幸君
                武見 敬三君
                辻  泰弘君
                山本 孝史君
                遠山 清彦君
    委 員
                坂本由紀子君
                清水嘉与子君
                田浦  直君
                中原  爽君
                中村 博彦君
                西島 英利君
                藤井 基之君
                水落 敏栄君
                足立 信也君
                朝日 俊弘君
                家西  悟君
                小林 正夫君
                柳澤 光美君
                柳田  稔君
                蓮   舫君
                草川 昭三君
                小池  晃君
                福島みずほ君
   衆議院議員
       発議者      鈴木 俊一君
       発議者      長勢 甚遠君
       発議者      福島  豊君
       発議者      桝屋 敬悟君
       修正案提出者   大村 秀章君
       修正案提出者   五島 正規君
   国務大臣
       厚生労働大臣   尾辻 秀久君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       藤井 基之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       厚生労働大臣官
       房長       鈴木 直和君
       厚生労働大臣官
       房審議官     中島 正治君
       厚生労働省健康
       局長       田中 慶司君
       厚生労働省医薬
       食品局長     阿曽沼慎司君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    塩田 幸雄君
       厚生労働省年金
       局長       渡辺 芳樹君
       社会保険庁運営
       部長       青柳 親房君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第二局長   増田 峯明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関
 する法律案(衆議院提出)
    ─────────────
#2
○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、鰐淵洋子さんが委員を辞任され、その補欠として草川昭三君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(岸宏一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省年金局長渡辺芳樹君外六名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(岸宏一君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(岸宏一君) 次に、特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律案を議題といたします。
 発議者衆議院議員鈴木俊一君から趣旨説明を聴取いたします。鈴木俊一君。
#6
○衆議院議員(鈴木俊一君) ただいま議題となりました特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律案につきまして、提出者を代表して、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 我が国の国民年金制度は、昭和三十六年に創設以降、原則、二十歳以上六十歳未満の自営業者等をその対象にしてきたところでありますが、制度創設時において、諸般の事情を総合的に勘案の上、学生や被用者の配偶者は任意加入の対象としてまいりました。これらの方々については、その後の制度の発展に伴い、現在は強制加入とされておりますが、こうした国民年金制度の発展過程において、制度の対象としつつも、強制加入ではなく任意加入とされていた結果として、加入していなかったために障害年金や障害基礎年金の受給権を有していない障害者が生じております。このため、こうした国民年金制度の発展過程において生じた特別な事情にかんがみ、障害基礎年金等の受給権を有していない障害者に特別障害給付金を支給することにより、その福祉の増進を図ることとした次第であります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、本法の対象となる特定障害者とは、その傷病に係る初診日において任意加入制度の対象とされていた被用者年金各法の被保険者等の配偶者又は大学等に在籍する生徒若しくは学生で国民年金制度に加入していなかったものであって、六十五歳に達する日の前日までにおいてその傷病等により現に障害等級一級又は二級の障害状況にあるものとしております。
 第二に、国は、特定障害者に対し、月を単位として特別障害給付金を支給するものとし、その額は、一月につき、障害等級が一級の者には五万円、二級の者には四万円とすることとしております。また、特別障害給付金の額につきましては、毎年の消費者物価指数の変動に応じた物価スライドを実施することとしております。
 第三に、特定障害者の前年の所得が政令で定める額を超えるとき又は特定障害者が国民年金法の規定による老齢基礎年金その他政令で定める給付を受けることができるときは、特別障害給付金の額の全部又は一部を支給しないこととしております。
 第四に、特別障害給付金の支給に要する費用は、その全額を国庫が負担することとしております。
 以上のほか、特別障害給付金の支給を受けている者に係る国民年金保険料の免除に関する特例、受給権の保護、公課の禁止、特定障害者以外の障害者に対する福祉的措置についての検討条項等の所要の規定を整備することとしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#7
○委員長(岸宏一君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員五島正規君から説明を聴取いたします。五島正規君。
#8
○衆議院議員(五島正規君) ただいま議題となりました特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律案の衆議院における修正につきまして、御説明申し上げます。
 修正の要旨は、附則の検討条項において、「特定障害者以外の障害者」に「日本国籍を有していなかったため障害基礎年金の受給権を有していない障害者」を明記するとともに、「今後検討が加えられ、必要があると認められるときは、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるもの」を加えるものであります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#9
○委員長(岸宏一君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○家西悟君 おはようございます。家西でございます。
 本題に入る前に、本日は世界エイズデーということで、今日、大臣も胸にレッドリボンのバッジを付けておいでですけれども、一九八八年、WHOは、地球規模でのエイズ蔓延防止とエイズ患者、HIV感染者に対する差別、偏見の解消を図ることを目的として十二月一日をワールドエイズデーと定めて、本日、世界じゅうでエイズに関する啓発・啓蒙活動のキャンペーンが実施をされています。
 「HIVとエイズの違い、知っていますか」というのが今年、本年度のテーマです。本年度、どのようなキャンペーンを行っているのでしょうか、具体的にお聞かせいただけますようお願い申し上げます。
#11
○政府参考人(田中慶司君) 本日、エイズデーでございまして、厚生労働省におきましても、そのエイズデーにちなんだ催物を行っているところでございます。
 まず、基本的には、財団法人エイズ予防財団の、あるいはその他関係団体、報道機関の協力を得ながら、エイズに関します正しい知識等につきまして全国的な啓発活動を推進し、エイズの蔓延防止、それからエイズ患者、HIV感染者に対する差別、偏見の解消を図るということを行っております。また、各自治体が行いますそれぞれの地域の実情に応じましたエイズに関します正しい知識の啓発活動に対しましても助成を行っているところでございます。
 少し具体的な話を申し上げますと、東京、厚生省が主催するものとしましては、六本木ヒルズにおきまして、HIVの迅速検査の実施をしたり、あるいはNGO等の協力によりますブース展示をしましたり、街頭キャンペーンしましたり、あるいはポスターコンクールの入選作品の展示等を行っているところでございます。
#12
○家西悟君 そして、UNAIDSという国連の組織がございます。先日、世界のHIV、エイズ、感染者が三千九百四十万人になったと発表がありました。特に、東アジアでは急速な広がりを見せています。本日付けの産経新聞の社説にも、「治療と予防を結ぶ戦略を」ということで、もっと日本人はエイズに関心を持ち、政府に対してもエイズ対策の取組強化を提言しています。私も全く同感です。
 政府はこの実態を承知しているのでしょうか。UNAIDSの報告の概要を教えていただければと思います。
#13
○政府参考人(田中慶司君) 先生御指摘のUNAIDSの報告でございますけれども、十一月二十三日に発表されているところでございます。二〇〇四年に新たにHIVに感染しました数を四百九十万人と推定しておりまして、二〇〇四年末現在で推計三千九百四十万人の感染者がおられるであろうという、過去これは最高の水準に達しているということを指摘しているところでございます。また、二〇〇四年におきますエイズによります死亡者数は世界で推計三百十万人というふうにされているところでございます。
 なお、HIV感染者の数でございますけれども、世界の各地域で増え続けているところでございますけれども、先生も御指摘のとおり、東アジアにおいても急激に増加しておりまして、二〇〇二年から二〇〇四年にかけまして五割、五〇%増加しまして、推計百十万人というふうにされているところでございます。
#14
○家西悟君 先ほども、キャンペーンとかいろいろでエイズ蔓延防止策などを、啓発活動に力を入れているというお話もお聞きしましたが、私は本当にそうなのかなと思えてなりません。日本の現状はいかがでしょうか。
 HIV感染者、エイズ患者、また血液製剤による感染者の数を改めてお尋ね申し上げます。
#15
○政府参考人(田中慶司君) エイズ動向委員会というのがございまして、そこからの報告によりますと、平成十六年十月二十一日現在で、血液凝固因子製剤の投与に起因するものを除きます累積エイズ患者報告数は三千百六十四件、累積HIV感染者報告数は六千三百三十七件でございます。血液凝固因子製剤の投与に起因しますエイズ患者、HIV感染者数は千四百三十四人でございました。
 また、この患者、感染者数は依然として増加の傾向にありまして、予断を許さない状況にあるというふうに認識しているところでございます。
#16
○家西悟君 私はそのように思えてなりません。正直申し上げて、各委員の方々ももう既にお気付きだと思いますけれども、いろんなキャンペーンを十二月一日はされています。しかし、エイズ、HIVという問題は、何も十二月一日に感染が広がるわけではありません。三百六十五日いつでも起こり得る話です。
 私は、町で、また人が集まるような場所でエイズ啓発に関するポスターなど、またそういったパンフレット等を余り見掛けなくなったというか、もうほとんど見ないのが現状ではないか。そして、先ほど政府委員の御答弁いただいたように、五割増しであるというような現状を考えたときに、本当に蔓延防止策を取ってきているのかということを、疑いを持たざるを得ないというのが正直な感想であるということを申し上げたい。
 そして、私も当事者です。HIV感染者です。病院へ通う都度に思います、増えてきたなと。外来診療の患者さん、入院している患者さん、非常に増えてきている。この状況をやはり何とかしていかないといけないんではないかなというふうに危惧を抱いている次第です。
 そして、特に来年は第七回のエイズ、アジア・太平洋地域国際会議も行われます。エイズ蔓延防止策と、エイズ患者、HIV感染者に対する差別、偏見の解消を図るべく、積極的な啓蒙、啓発活動、キャンペーンに取り組んでもらいたいと考えますが、大臣、いかがお考えでしょうか。
#17
○国務大臣(尾辻秀久君) 御指摘の第七回アジア・太平洋地域エイズ国際会議でございますが、この会議は、各国のエイズ関係学会が主体となって開催をいたします。そして、医学、生物学等の様々な分野からの研究者やNGO関係者等の参加を得まして、HIV、エイズに関する最新情報等を交換することを目的として開催されるものでございます。
 厚生労働省といたしましては、エイズ対策は国内的にも国際的にも大変に重要な問題と認識をいたしておりまして、関係省庁を始めとして、自治体、研究者、NGO等の協力もいただきつつ、この会議が成功するよう協力支援を行っているところでございまして、また、そのために必要な経費を予算要求しておるところでもございます。
#18
○家西悟君 私は、今回、第七回のアジア太平洋地域の国際会議の政府の取組ということについて現状をお聞きしましたけれども、確かに政府としてもこれまで十分に認識をされて取組をされてきたものと思いますが、省庁間の連絡会議、まあタスクフォース的なもの、それから、現在やっておられるでしょうけれども、やっておられる第七回アジア・太平洋国際会議事務局などのNGOへの協力は本当にしっかりやっていただかないと片手落ちになるんではないか、一方通行になってしまわないかということを非常に思えてなりません。
 そして、そういった取組をやはりここはしっかりとやっていただくようお願いを申し上げたいと思っている次第ですけれども、この辺について、省庁間の連絡会議はどのようになっていますか、お答えいただければと思います。
#19
○政府参考人(田中慶司君) 厚生労働省としまして、この会議は、国内的にもそうですけれども、国際的にも大変意義のあるものというふうに考えておりまして、関係省庁始めとしまして、自治体、研究者、NGO等の協力もいただきながら、この会議が成功しますように協力支援を行っているところでございます。
 具体的には、今先生御指摘の支援連絡会でございますけれども、厚生労働省が主催しまして本年八月に開催いたしまして、同会議の組織委員会事務局長、それから事務局次長を交えまして関係省庁との必要な連絡を行っております。
 また、このほかにも、九月に、エイズ関係省庁連絡会議、これを厚生労働省の主催で開催したところでございます。
 また、同会議の運営委員会でございます、これは先生も委員になっておられますけれども、エイズ関係省庁連絡会議との連絡調整の趣旨を含めまして、厚生労働省からオブザーバーとして積極的に参加しているところでございます。
#20
○家西悟君 私は、本当にNGOの協力は必要だと思っております。それがなければうまくこういった会議は進行していかないだろうし、とは思っていますけれども、特に厚生労働省のリーダーシップが今求められているんじゃないでしょうか。日本で開くわけですからね、神戸会議、神戸で国際会議を。ここで厚生労働省が、腰が引けると言ったらおかしいですけれども、しっかりとした取組を是非ともやっていただきたい、それが今求められているんではないかというふうに私自身は思えてなりません。
 大臣、いかがお考えでしょうか、そのリーダーシップという問題については。
#21
○国務大臣(尾辻秀久君) 日本が、せっかく日本で開かれる国際会議でございますから、しっかりとしたリーダーシップを取るべき、これはもうおっしゃるとおりだというふうに思います。このことは、きっちりとリーダーシップ取りながら会議が成功に導かれるようにやってまいります。
#22
○家西悟君 是非ともリーダーシップを発揮していただいて、各省庁との連携も図りつつ、会議の成功をなされることを御祈念申し上げたいと思っております。
 それと、次に、具体的に治療に関してですけれども、せんだってですけれども、HIVとHCVによる重複感染者の実態並びに治療などについてお尋ね申し上げたいと思いますが、これ公表され、研究発表されたわけですけれども、昨年度のエイズ対策研究事業で行われたHIV感染症に合併する肝炎疾患に関する研究がありました。そして、HIVの感染ルート別にHCV、C型肝炎ですね、との重複感染率を尋ねた結果、私のような薬害被害者八百十一人中七百八十一人がHCV、C型肝炎の陽性であると、抗体陽性であるということ、実に九六・九%、ほぼ四捨五入しますとこれ一〇〇%近く行っているということが報告がありました。
 そして、HIVとHCV、何も薬害被害者だけではありません。一般の性行為感染者やいろんな感染ルートの方々おられるわけですけれども、重複して感染をしている人たちは肝炎の肝硬変、肝がんへの移行率が非常に速いということがこの中でもうたわれています。
 そして、この中で、このような重複感染症、肝炎が急速に悪化する、HIVだけに注目をして肝炎を軽視することなく治療法を全国的に周知した対策を急ぐべきだと勧告しています。
 この報告に基づく政府の現状と対策についてお尋ねを申し上げたいと思います。
#23
○政府参考人(田中慶司君) お答え申し上げます。
 従来から、厚生労働省としましても、HIV感染者におきますC型肝炎ウイルス感染対策の合併症といいますか、同時感染されているこの問題については、大変重要な問題であるというふうに考えているところでございます。
 厚生労働省におきまして、平成十二年から十四年のエイズ対策研究班の活動成果としまして、疾病概念あるいは薬物療法それから肝移植というような治療方法につきまして、HIV・HCV重複感染時の治療ガイドライン、これを取りまとめまして全国の医療関係者に広く普及を図ってきたところでございます。
 今後とも、HIV感染者におきます肝炎ウイルスの感染対策のより一層の充実を図りまして、この最近まとめられましたガイドライン、これを更新を含めまして、研究から治療に至ります総合的な対策の充実に努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#24
○家西悟君 是非ともそのようにお願い申し上げたいと思います。
 私自身、私たちの仲間、多くがHIV、エイズで亡くなるよりも、今、肝硬変、肝がんで亡くなる人たちが急速に増えてきています。深刻です、状況は。そして、私自身は確かにインターフェロンの治療等々でウイルスは消えました。そして、肝硬変、肝がんへの移行は食い止めることが成功したと自分自身は思っております。
 しかし、インターフェロンやペグインターフェロン等々の、これから認可されるであろうリバビリンとの併用とか、保険適用が認可されていくわけですけれども、そういったものを併せて考えるためには、肝炎の専門家とHIV診療の専門家が連帯強化を図りつつ治療法の開発に取り組んでいただかないと、HIVでは延命できるようになったが、肝硬変、肝がんで命を落としていくという悲劇が後を絶たないという現状になっていく。これは何としてでも止めていただきたい。そのための施策、措置も含めて、具体的に取組を急務として急いでいただきますよう併せてお願い申し上げておきたいと思います。
 そしてもう一点、HIV治療に関する拠点病院についての実態調査にもお願いを申し上げたいと思います。
 先ほども研究事業におけるアンケート調査があったと思いますけれども、実態調査をされたということでいろんな数字等々が出てきているわけですけれども、半分以上の医療機関が今回回答を寄せておいでにならない。拠点病院三百七十現在あるわけですけれども、三百七十余りあって、現実にはその半分以下の医療機関からしか回答を得られない。そして、その調査報告を読ませていただくと、大都市に集中をしている、医療機関に患者たちが集中をしているというようなこともうたわれています。
 こういった問題について、本当にこの三百七十という医療機関をいま一度アンケートをし、患者さんたちがどれぐらい来ているのか、感染者がどれぐらい来ているのかと合わせて、このバランスが偏っているというふうに言われている現象について、いま一度アンケートなりまた調査なりをしていただけないかということをお願いというか、今後どうしていくのかということについて、もし大臣お答えいただけるんでしたら、答弁をお願い申し上げます。
#25
○国務大臣(尾辻秀久君) 今お話しのエイズ治療拠点病院につきましては、御案内のとおりに、平成十五年度のHIV感染症の医療体制の整備に関する研究班において既に実態調査はされておりますので一定の実情は把握されていると、こういうふうに理解をいたしております。
 今後、この調査結果を踏まえまして、適切な医療提供体制を確保しなければなりませんので、その観点から必要な対応を行っていきたいと考えております。
#26
○家西悟君 是非ともその辺はお願い申し上げたいと思います。
 なぜかというと、偏り過ぎていて、一方では、ある種、核になるような医療機関はもうパンク状態である、マンパワーも不足しているとかいろんな状況があるというふうにお伺いをしております。そして、外来診療等々でもかなりの待ち時間も出てきているということもありますけれども、そういうような状況をいま一度検証していただくためにも、調査を徹底していただきたいということ。
 そして、三百七十。これから近い将来には日本でも感染者は五万人を超えるのではないかという推測もあります。そういったことも考えながら、やはり対策というものは急務であるということを是非とも考えていただきたい。
 先ほどUNAIDSの話もあったわけですけれども、近隣諸国でも爆発的に増えている地域、また、今日の新聞などを見させていただくと、タイに学べとかいうような、これは読売新聞でしたけれどもHIVの問題が取り上げられています。
 まさしく国際会議で、こういったタイの状況、一体何をやって防止したのか。それは、特効薬はない、地道な啓蒙、啓発活動でしかないんだということを、タイ政府は真剣に取組をして、アジア地域で唯一、感染を抑制している国であるということが言われます。
 十年以上前ですか、タイはもう深刻な状況である、チェンマイ、チェンライという地域ではもう本当に深刻であるというような状況をうたわれてきたわけですけれども、これがいよいよ、タイの方ではそういう地道な活動を続けることによって抑制を始めている。しかし、その他の地域においては爆発的に増えつつあるという傾向が見られる。そして、日本も例外ではないということがうたわれているわけです。
 是非とも地道な啓蒙、啓発活動、教育、そういったものに取組を、省を挙げて、また各省庁へ、教育であるんならば文科省でしょうし、そういった問題を連携を取りながら蔓延防止策に取組を一層力を入れてやっていただきますようお願いを申し上げたいと思いますけれども、大臣、その辺について御決意等々、いま一度お尋ね申し上げることが可能でしたら御答弁いただきますようお願い申し上げます。
#27
○国務大臣(尾辻秀久君) 今日、エイズデーに当たり、委員のいろいろな御指摘もいただきまして、重く受け止めさせていただいて、やれること、万全を期していきたいと考えます。
#28
○家西悟君 ありがとうございます。是非ともそのように万全を期していただきますよう、取組をお願い申し上げます。
 それでは、本題に入らせていただきたいと思います。残り半分ぐらいの時間しかありませんので。
 それでは、本法である特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律案の御提出がなされたわけですけれども、提案されました各先生方には本当に、提出議員の方々には御苦労に感謝申し上げたいと思います。私も障害者の一人として感謝申し上げたいと思っております。
 ここは本当に、取り残されたというか、はざまに落ちていた人たちを何らかの形で救おうじゃないかというところで、本当に御尽力いただいたことに感謝申し上げるとともに、いま一度、本法の趣旨について御説明をいただければと思います。提案者の方、お願いできればと思います。
#29
○衆議院議員(鈴木俊一君) 先ほど提案理由説明でも述べたところでございますが、国民年金制度が発足をいたしました。当初は極めて低い水準から出発したわけでございますが、その後、逐年、国民健康保険制度というものも充実、発展をしてきたわけであります。
 しかし、そうした発展過程の中で、例えば、従前は任意加入であったけれども、しかしそれが後年、強制加入になったと。しかし、そういう制度のこの加入の仕方の変化の中で、国民年金に加入せずに、その間、障害を受けてしまって無年金になってしまった方、失礼しました、年金給付が出ない方、そういうはざまの方を何とか救おうというのがこの法律の趣旨でございます。
 御承知のとおり、前坂口厚生労働大臣が坂口私案というのを出されまして、これは是非福祉的な措置で対応していこうという方向性を示されたわけでありまして、私どももそうした方向性の中で検討した結果、先ほど申し上げたような趣旨でこの法案を提出させていただいたところでございます。
#30
○家西悟君 その中で、具体的に申し上げますと、「特別な事情にかんがみ、」というふうにうたわれていたと思います、法案の中でですね。その特別な状況にかんがみというのは具体的にどういうことを指すのか、いま一度御答弁いただければと思います。特別というのはどういうことなんでしょうか。
#31
○衆議院議員(鈴木俊一君) これは、繰り返しになるわけでありますが、そうした制度のはざまにある方をどういう方を対象にするかということで、やはり一定の整理を、線を引かなければなりません。今回の法律案においては、先ほど申し上げましたとおり、国民年金制度の発展過程において、逐年充実をしてきたわけでありますけれども、過去においては任意加入だった、しかしその後強制加入に変わったという中で、そうした任意加入か強制加入かという加入の形態の違いの中で、結果において加入せずに今はざまに置かれている方を救おうということで、そうした形態の変化、発展過程のという特殊な、特別な事情の中、そこを私どもは着目をして考えているところでございます。
#32
○家西悟君 ありがとうございます。
 それでは、大臣にお尋ね申し上げます。
 学生時代に保険料を払っていないと障害年金が支給されないということを当時大臣御存じでしたでしょうか。そのころには年金制度がどうだったのかという問題もあるのかもしれませんけれども、学生であって、保険料を払わなかったら無年金障害者、障害を事故等々でなった場合にもらえないということを、当時からもう、年金制度ができた時分から御存じだったでしょうか、お尋ね申し上げます。
#33
○国務大臣(尾辻秀久君) 私の学生時代にというお尋ねだと思いますが、今のお尋ねの件で承知していたかということでありますと、正直にお答え申し上げまして、承知はいたしておりませんでした。
#34
○家西悟君 だと思います、正直なところ。学生であれば何らかのあれがあるとか、高齢になったときの問題というふうに考えてしまうのは必然的な私は発想だと思います、多くの人たちは。そして、そこから漏れ落ちてしまった、不幸にして事故が起きて障害を持ってしまった。何らかの形で、障害者という形で障害年金を給付していただけるものと思っていたら、二十歳を超えているから駄目であるとかいうふうなところで今回の法案の提出になったと思います。このような現状をやはりいま一度周知徹底をしていただかないと、こういう人たちが漏れ落ちは必ず起こってくるということを御理解をいただいているというふうに承知をしております。
 そして、国民年金でもこのようなことが起こっていたわけですね。そして、未納、未加入の方が非常に多いという現状。制度の問題点はなかったのかということをいま一度お尋ね申し上げたい。
 そして、厚生労働省は無年金障害者の実態調査という形で、を今までにされたことがあるのかということについてお尋ねを申し上げたいと思います。
#35
○政府参考人(塩田幸雄君) 無年金障害者だけを取り上げた調査というのは行っておりませんが、それは実際に障害者福祉をしている市町村で年金に関するデータがないということとか、あるいは個人情報の問題等がありまして、無年金障害者も含めて障害者の生活実態を調べる中で、年金を受給されていない障害者の生活実態についていろいろの角度から調査をしたことは平成十四年度と平成十五年度に行ったところでございます。
 その調査の中で幾つかのことが明らかになっておりまして、年金を受給していない障害者の方の所得の状況ですけれども、年収は百万円以下の方が半数程度を占めるということが明らかになっております。一方でかなりの年収のある方もいるということで、ばらつきがあることも一方でまた事実でございます。それから、経済維持の方法として生活保護を受けている方がやはり年金を受給している人に比べ高いということでありまして、年金を受給していない障害者の方の一七・三%が生活保護で経済的維持をしている実態が明らかになっております。
 また、身体障害者の方については、平成十六年でも同じような調査をして現在集計中ですが、やはり同じように低所得の方が多いという実態が明らかになっているところでございます。
#36
○家西悟君 この後でもまた申し上げますけれども、坂口私案では推定という形でるる言われているわけですけれども、あくまでもこれ、実態調査を私は行ったとは思えないんですよね。推定という言い方をしている。しかも、今回この法案を議員立法という形ではありますが提出をいただいて、それを受けられる省庁であるところは、そういった実態調査をしっかりと今までに行ったという形跡がどうもうかがえない。しかも、この費用は全額国庫が負担をするということは、予算措置等、予算の問題も起こってくるわけですから、是非とも実態調査はしっかりと行っていただかないと困るんではないかなというふうに思えてなりません。そのことを御指摘を申し上げておきたいと思います。
 大臣、調査はどうですかね、こういった。いま一度実態調査ということをしっかりとやるということをお約束いただけますでしょうか。でないと、せっかく提出を先生方にしていただいているわけですけれども、結局、予算が足らないとか、推定が全然違う数字が出てきたと、もっと多かったとかいうことにならないためにも、いま一度調査をするということを御検討いただけますでしょうか。
#37
○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほど委員もお触れになりましたけれども、どのぐらいの数になるかということは推計で出しております。この基礎になっておりますのが平成八年に行った身体障害者実態調査でございます。これに基づいて推計をいたして今のところ数字を出しておると、こういうことでございます。
 この身体障害者実態調査は、身体障害者に関する実態調査としては最も広範な実態調査であると、こう承知をいたしておりますので、これ以外にどのような方法がより効率的かつ効果的なのかを踏まえて、このことを検討して更に把握に努めてまいりたいと考えております。
#38
○家西悟君 是非ともそのようにお願い申し上げたいと思います。
 これ、後ほどの質問でもちょっと触れようと思っていましたけれども、今そこまで御答弁いただきましたので、坂口私案では推定、あくまでも推定という形で、前坂口厚生大臣はそのようなことですべての無年金障害者に対して何らかの処置を取ろうじゃないかと。今の現状を考えたときに、両親が高齢化であるとか環境の変化等々、そして高齢化が進み環境は一層厳しくなっているということを考えたときにという指摘を受けて、是非ともそういった調査をし、そういった人たちに対して支給をしようじゃないかという私案だったというふうに私は認識をしております。
 そして、もう一点、厚生労働省の方にお尋ね申し上げます。
 この間、当事者の方々がこういった問題について要請に訪れられていたと私は聞いております。この間、要請に訪れてきたときにどこが対応されてきたんでしょうか。社会・援護局でしょうか、それとも年金局でしょうか。どこが対応されてきたんでしょうか、今まで。
#39
○政府参考人(塩田幸雄君) 障害を持つ方々が地域で普通に暮らすという意味で、年金制度とかの所得保障がどうあるかというのは障害福祉行政の立場から大変重要であるということでありまして、いろんな観点でいろんな意見交換したと思いますが、年金局の職員のみならず、私どもの障害福祉の部局の職員にいろんな形で対応して御意見を伺ったと思っています。
 今後とも、横の連携をちゃんとしてまいりたいと思います。
#40
○政府参考人(渡辺芳樹君) ちょっと補足をさせていただきます。
 御要請にいらっしゃるときは、そのときによっても違いますが、私ども年金局の方に最初に御要請になることが多いというふうにこれまでのことを申し上げたいと思います。
#41
○家西悟君 では、この法律の所掌事務はどこの部署がつかさどられるんでしょうか。社会援護局ですか、それとも年金局ですか、どちらでしょうか。
#42
○政府参考人(渡辺芳樹君) この法律が成立いたしました際には、もとより、年金局それから障害保健福祉部、それからこの法律の実施に当たる社会保険庁が相互に連携して、障害者の方々が困らないように円滑に対応するというのは基本でございます。
 それは基本でございますが、もう少し省内のレベルでの連携の前提となる大まかな割り振りと申しますか、そういうことを簡単に申し上げますと、本件、無年金障害者問題の窓口は、従来からもそうでございますが、引き続き年金局が窓口として対応していくということだと思います。それから、障害者施策全体の中でこうした特定の給付金や手当による所得保障というものの位置付けどう考えるかと、こういう政策体系の問題につきましては障害保健福祉部、それから実態その他の把握の努力につきましても障害保健福祉部が中心になるものと考えております。他方、本制度そのものの運用、それに必要な経費の予算計上、これはこの法律の規定に基づきまして社会保険庁が対応すると。
 それぞれ連携いたしますけれども、今申し上げましたような中で連携して、それぞれ分担しつつ連携して対応していくと、こういうことだと考えております。
#43
○家西悟君 それでは、共管するということですよね、ある種。年金局が基本的にはやるけれども、いろいろな部面もあるから共管してやろうじゃないかということだろうと思います。
 しかしながら、市町村での事務手続の窓口はどのようになるんですか。例えば、社会福祉だというふうにやられるのか、年金という形での窓口へ行けばいいのか。これ手続上の問題もあると思います。障害者の方々の、ハンディを背負いながら、車いすに乗りながら、あっちですよ、こっちですよ、うちではありませんよというふうにたらい回し状態にされることは非常に不都合だと思います。
 私自身も、当時、今から十年以上前ですけれどもそういうような手続をしたことがありますけれども、非常に手続が厄介、しかも福祉課で行っても駄目とか、年金課で、しかもその年金の手続の方法というものを聞いても具体的になかなか教えていただけなかった。診断書も、何も障害手帳の等級で決まるんではない、障害手帳と年金等級というものは別個のものであるということも私たち知らなかった、最初は、正直申し上げて。障害者手帳が二級、一級というときに初めて年金を受けれるものと信じていました。しかしそうではなくて、いろいろな疾病を、一つを何級、もう一つを何級で合併していって二級、一級というような形で等級数が決められるということをそのときに初めて知った。そして、診断書も膨大な量を出さないといけなかったということがあります。今もそのようなことがあるんだろうと思いますけれども、もう少し簡素化をしていただきたい、手続の簡素化。
 せっかくこういうような法律を作られて提案をいただいているわけですから、あわせて、そういったものの簡素化のやり方、ハンディを持っている人たちが、当事者が、窓口で非常に厄介な手続をしながら、また病院へ幾つも行かなきゃならないというようなことがあっていいのかなと。やはりこれは簡素化をしていただく。手続上の簡素化、窓口もここというふうにしっかりと、市町村の窓口は、業務を市町村がやるわけですけれども、窓口はここなんだということが分かるようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#44
○政府参考人(渡辺芳樹君) 今御提案されておる法律の規定によりますれば、この認定の請求は市町村長を経由して行う、市町村の法定受託事務という整理をされておられるのではないかと承知しております。
 実際にどの窓口で市町村が事務を行うのかということは、地方自治法に基づく市町村のその組織に関する自治権の根本もこれございますので、決定的に国の方で差配するわけにはまいりませんという事情が一方にございますが、この法律案というものが、特に市町村の窓口から、障害福祉の関係の仕事をされておられる都道府県ということではなくて、社会保険庁のルートに乗せていくというふうに規定をされておられる。なぜそのようにしているのかということを推察いたしますに、それはやはり障害基礎年金というもののルートというものと、あるいはそれぞれの手続の整合性、判断の整合性、そういうものを沿わせていくことが最も障害者の方々に利することになるのではないかという観点のように私ども推察、拝察しておるわけでございます。
 そういう下での更なるその手続の簡素化あるいは周知の徹底と、こういう点多々課題があると思いますが、障害基礎年金一つ取りましても、確かに障害給付というのはあれこれ、端的に言うと手続多々あるという面は否めないところでございますが、新制度であるがゆえに更に難しくなるとか、一緒に工夫していけるものができなくなるとか、そんなようなことがないよう、十分社会保険庁を通じ、また我々も連携して市町村に対して助言、指導と申しますか、そういうようなことに努めてまいりたいと思っております。
#45
○家西悟君 是非ともそのようにお願い申し上げておきたいと思います。
 そして、提案者の方々にも一点お聞きしたい点があります。
 国籍要項撤廃前の在日外国人の未納、未加入の無年金障害者の方々も対象とされましたが、今回どのような理由でそれは撤廃されたのかと、外されているのかということをお尋ね申し上げたいと思います。
#46
○衆議院議員(鈴木俊一君) この法律の支給対象ということでございますのでちょっと詳しく説明させていただきたいと思いますけれども、私どもといたしまして今回この対象といたしておりますのは、国民年金制度発足時から制度の対象とされていたものの、任意加入か強制加入かという加入形態の違いによりまして結果として障害基礎年金等を受給していないという特別な事情が生じた方々、こういう方々に対しまして特別障害給付金を支給することといたしました。
 先生今御指摘の在日外国人あるいは未納、未加入の方は今回は対象外としているわけでございますが、在日外国人につきましては、そもそも昭和五十七年一月前は政策的に制度の対象外とされておられた方々でございますし、また未納、未加入者につきましては、これは納付義務がありながらその義務を履行されなかった方でありまして、それによって無年金状態に至ったということで、ある意味、義務を果たさなかったその責任を有する方であると思っております。そういうことなどから、学生や被用者の配偶者とは事情が異なるという判断の中で支給対象としていないものでございます。
 しかし、現に日本国籍を有していなかったために障害基礎年金の受給権を有していない障害者等の方々がいろいろな御苦労を抱えておられるということもこれは事実でございますので、先ほど民主党の五島先生から冒頭御説明がございましたが、修正されました附則の検討規定の趣旨を踏まえまして対応を検討してまいりたいと、そのように思っております。
#47
○家西悟君 来年は戦後六十年、そして日韓国交正常化四十周年、そして日韓交流ということもあります。是非、早急な対応を取っていただきたいというふうに思います。
 そしてあわせて、かつて、かつて小笠原、沖縄の復帰時に必要な経過措置ということで取られた経緯があります。その後、中国帰国者、拉致被害者にも特別措置は設けられております。
 是非とも、いま一度、そういったものも併せて、こういう特別処置は取れないことではなくて、先ほど五島先生の方からもありましたけれども、やるということも含めていま一度御検討を、省併せて、提案者の方というよりも、これは厚生労働省、今回通った後に早急に対応を考えていただきたい。
 ここにちょっと表を持っていますけれども、小笠原や沖縄の問題の人たち、それから中国残留孤児になられた方々の問題、そして北朝鮮の拉致被害者の特例ということで、実際にこういう人たちには特例処置を設けておいでですので、国籍条項の外れた以降の問題ですね。一九八二年の難民条約に加入された折、国民年金の国籍条項撤廃時の経過措置が取られたはずです。そして、当時の野党の反対がありながら、それを押し切って、多くの在日韓国人、在日外国人の人たちがその処置を取られなかったということを言われてきたわけですから、是非とも早急に、国会、これが可決、成立をした後には省としてお取り組みをいただきますようお願いを申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。
#48
○政府参考人(渡辺芳樹君) 先ほど御引用いただきました小笠原、沖縄、中国、北朝鮮、こうした特例措置をお取りいただいてきた経緯があるわけでございますが、これは言わずもがなでございますが、日本国籍を有する方でありながら我が国の政府が生活擁護責任を負うにも負ってこなかった、施政権が及ばなかった等々の極めて特殊な事情ということでございまして、老齢給付に関しての特例措置を講じていると。障害給付は入ってなかったと承知しておりますが、そういうそれぞれの対応によっての特例措置だというふうに考えております。
 在日外国人の中のその障害者、特定障害者に今回は当たらない方々についての扱いにつきまして、検討規定の附則、検討規定というものが成立いたしますと、私ども政府の側も、どういう検討がいいのか、どういうふうな整理がいいのかということを検討させていただくことになるわけでございますが、元をたどれば、昭和五十七年に難民条約を批准するに当たって、難民だけではなく国内におられる方々、内外無差別という原則で将来に向けて適用範囲を拡大していくという関係法律の整備をさせていただいたことに起因するものでございますので、そのときの整理というものを踏まえながら、なおかつ今回の附則検討措置というものを踏まえながら、特定障害者の方々の均衡を考えて、どういう検討がいいのかということをよく、また御指導も得ながら考えてまいりたいというふうに考えております。
#49
○家西悟君 時間がさしてありませんけれども、もう少しお尋ね申し上げたい点があります。
 それは、現在、法廷で進められています無年金障害者の、学生無年金障害者の裁判があります。そして、この裁判では立法不作為等々も言われたわけですけれども、この裁判について和解など解決への道を模索するということは、大臣、お考えになりませんか。この法律は通るんです。通ると思います。通るとは言えないけれども、この後審議をいただいて、皆さんの御審議の後にそういう判断もあろうかと思いますけれども、通った後、争う理由があるんでしょうか。これ以上争っていく理由が私はあるというふうには思えません。無年金の学生の人たちです。そういった人たちがこれから対象になっていくわけですけれども、争う理由があるんでしょうか。模索するというか、検討、解決への道への検討を取ることのお考えにならないのか否か、大臣にお尋ね申し上げます。
#50
○国務大臣(尾辻秀久君) 東京地裁に続きまして、新潟地裁でも国に賠償を求める司法判断がなされたことは重く受け止めております。
 しかしながら、御指摘のこの東京地裁及び新潟地裁の判決につきましては、立法不作為等をめぐる最高裁判例に照らして適当ではないと考えておりまして、例えば、拠出制の年金制度に加入しなかった方々に障害年金を支給しなかったことについて国の法的責任を認めていること、あるいはまた、昭和六十年の改正時に学生を任意加入のままとし強制加入としなかったことを憲法十四条の明白な違反としておることなど、基本的な問題があると考えておりまして、控訴もやむを得ない、こういう結論に至り、上級審の判断を仰ぐこととしたものでございます。
#51
○家西悟君 持ち時間が来ました。終わりますけれども、是非ともいま一度、大臣、この問題を、この法律が通った後は解決への道を開いていただきたい。確かに今法案の提出者の方々も、それと裁判とは切り離して本法案を提出するということをうたわれているわけですけれども、法律ができて一方では救われ、そしてそれを問うた裁判が争うというのは、私にとってはもう摩訶不思議な現象が起こるなというふうに思えてなりません。
 いま一度御検討いただきますよう心よりお願い申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#52
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。
 私にとりましては、本日は非常に感慨深い思いでございます。と申しますのは、この無年金障害の問題、今から二年八か月前になりましょうか、平成十四年三月二十八日にこの厚生労働委員会で当時の坂口大臣に御質問させていただいて以来、この委員会あるいは他の委員会等でも御質問申し上げてきたところでございます。それが、不十分といえども、一応第一歩として結実するのかという意味での感慨深さと同時に、先ほど本会議におきましていわゆる年金担保融資の問題について、結果として貸金業法の規制法での措置ということになりまして、年金法での対応ではなかったわけですけれども、いずれにいたしましても、私も当時からこの年金担保融資の問題も取り上げさせていただいて、今日は桝屋先生おいででございますけれども、当時、副大臣としてこちらで熱を込めて御答弁いただいたことを懐かしく思っておりますけれども、そのころから取り組ませていただいたことが、片や成立し、今日委員会でも可決しようとしているという意味で、私にとっては非常にある意味では感慨深く思っておりますが。
 しかし、そこで私が言いたいことは、いずれも議員立法で措置されたということについてでございます。いずれも、訴訟があって判決が出たり、いろんな今取組がある中でようやく議員立法で措置されたということを、このことが私は本当に根本的に厚生行政のあるべき姿としてどうなのかということでございます。そこまで行かないと動かない。政府提案にはならなかったわけですね。これは後でしたいと思うんですけれども、まずそのことについて提案者の方にお聞きしたいんです。
 結局、厚生労働省が本来積極的に動いて政府提案でやるべきだったことを、私はいずれもそうだと思っています。貸金業の方は結果として財金に行くということはあり得たと思いますが、もっと積極的に動くべきだったと思っていますけれども、いずれにしましても、この無年金障害の方も本来私は政府提案で取り組むべきだったと。後で言いたいと思いますけれども、障害者基本計画の中にも入っていたわけですし、前大臣も一生懸命取り組んでおられて私案まで出されたということがあったわけで、それらのことを踏まえると、なにゆえ政府が対応できなかったのか。厚生労働省ができなかったというのは、これは根本的に問われるべきことだと思うんです。そのことについて提案者、まず基本的なお考えをお伺いしたい。
#53
○衆議院議員(鈴木俊一君) 提案者というよりも一人の政治家としてのお答えになろうかと思いますが、この無年金障害者の問題、これはもう辻先生も早い段階からこの委員会で御指摘をされていたということでございますけれども、かねてよりの長年の課題であったと思っております。私どももこういう問題意識を持っておりました。
 一方におきまして、その年金制度の中でこれを、この措置をしていくかということを考えますと、我が国の年金制度は拠出に応じてその給付を行うということが原則でございまして、どのような枠組みで対応することができるかという大変大きな難しい問題があったと思います。厚生労働省においても恐らく同じ問題意識を持って、可能な限り実態把握というものをしながら種々検討したということだと思いますけれども、なかなか進展が見なかったというのが現実であると思います。
 そういう中において、坂口前厚生大臣が坂口私案というのをお出しになって、これは年金制度の枠内というよりも福祉的措置でやっていこうという一定の方向が示されたという中で、私ども与党としても検討をさせていただき、今回の議員立法に至ったわけであります。
 なかなか、行政という立場で今の年金制度の原則ということを踏まえながらやろうということがなかなかできなかったのではないかと思いますが、私ども政治家という立場でこれを福祉的措置でやっていくという別の切り口から進めることができて、提案に至っているわけでございます。こうした役所の、何と申しますか、年金を原則に考える立場、政治家として柔軟的に福祉的にこれをとらまえていこうという立場の違いというものがあったんではないかと、そういうふうに思っております。
#54
○辻泰弘君 年金で見るのか福祉で見るのかというのは、結局最後まで今日まで引きずったといいますか、議論があったわけで、今回のやつは福祉で見るということになっておるわけですが、民主党の当初の案は年金で見ろと、こういうことだったわけでございます。
 それはそれといたしまして、いずれにしてもそういう措置でやることになったわけで、政府自身が、厚生労働省自身がそういう対応もあり得たわけですから、私は本来、経緯から見れば、前国会における年金改革法案の提示に合わせてそのことについても政府提案で、閣法で対処されるべきだったと私は思っておりますし、そのことができなかった厚生労働省の力量のなさというか、やはりその時代に応じた対応力のなさというか、後でちょっと聞こうと思っていますけれども、いろんなことが根本的に問われるべきだと私は思っている、そのことを御指摘申し上げておきたいと思います。
 それで、このまますぐその中に入りたいんですけれども、今国会最後になる可能性がある質問、また今年も最後になるかもしれない、あと三か月ぐらい御質問をさせていただく機会がないかもしれませんので、当面することで重要課題が山積しているものですから、申し訳ないんですけれども、簡潔に結構ですから、ちょっとずつだけ御見解を教えていただきたいと、このことを申し上げておきたいんであります。
 まず、この間、三位一体のことで生活保護のことがございました。生活保護のこのことについて、三位一体の見直しの政府・与党合意の中で、生活保護の補助率の見直しについては、地方団体関係者が参加する協議機関を設置して検討を行い、平成十七年秋までに結論を得て、平成十八年度から実施すると、こういうことが決められておりまして、それに対して尾辻大臣は、そのとおりやるんだと、十八年度から補助率を引き下げる方向でやるんだと、こういうことを記者会見でおっしゃっているんですけれども、この政府・与党合意のことを踏まえてどう対応されるか、そのことについて簡単にお話しください。
#55
○国務大臣(尾辻秀久君) 朝の記者会見でございましたので、大変短い時間でありました。したがって、舌足らずになっておるところがあるのかもしれません。
 私としてはあくまでも政府・与党合意をそのまま御説明をしたつもりでございます。すなわち、生活保護費負担金及び児童扶養手当の補助率の見直しについては、地方団体関係者が参加する協議機関を設置して検討を行い、平成十七年秋までに結論を得て、平成十八年度から実施をする、このことを説明したつもりでございます。
#56
○辻泰弘君 大事なところなんです。それで、記者会見のときに、今舌足らずとおっしゃったんですけれども、私がこの記者会見の概要を見ますと、この協議機関ではその補助率引下げのことを見直しを行うんだと、だから引き下げることはもう決めているんだと、そういうふうに取れるような議事概要に、速記録というより記者会見の概要になっているわけなんです。だから、その部分がそうなのかどうか。すなわち、協議機関で下げることも含めて協議するのか、もう下げることは決まっているけれども下げる割合を協議するのか、そこの部分をはっきりさしてください。
#57
○国務大臣(尾辻秀久君) もうこのとおりでございまして、見直しについて協議機関をと、こういうことでございますから、その見直しの検討を行い、十八年度から実施すると、こういうことでございます。
#58
○辻泰弘君 補助率引下げは決めているということでしょうか。
#59
○国務大臣(尾辻秀久君) 見直しでございますから、これを正確に読む限りにおいて、補助率を下げることを決めておるということにもならないと私は考えます。あくまでも見直しだと、こういうふうに考えております。
#60
○辻泰弘君 これは結論を得て実施するということでございますから、昔、野党の減税要求に、結論を得て実施するというのを、結論が出なかったから実施しないということがございましたけれども、まあそれがいいわけじゃございませんけれども、私が言いたいのは、要は、結論を得るということがあって、すなわちその補助率の引下げだとか、要はそのこと全体、生活保護全体の在り方を議論することがまずあって、その後に引下げということが出てくるということでなければ、引下げというのをアプリオリに、先に決めてしまってはいけないということ、いけないというか、そうあるべきじゃないということを申し上げておきたいと。
 生活保護という、憲法に基づくセーフティーネットというかナショナルミニマム、シビルミニマムの最たるものですから、そのことを安直に、厚生労働省という国民生活を一番大事に預かるべき立場の省が何か、いいですか、どんどんお安く分けますよという感じでどんどん切り分けていくような、そんな姿勢は是非ないようにしていただいて、生活保護の根本的な議論をまずやっていただく中で、結果として私どもと違うことが出てくるのは、それはある程度許容しなきゃいけないかもしれませんが、そういう安い対応はどうかないようにしていただきたいと、このことを申し上げておきたいということでございます。
 それから、幾つか、あったことで恐縮なんですけど、ポイントだけちょっとお答えいただきたい。労働局のことでございます。労働局のことでいろいろやりましたけれども、大臣がこうおっしゃったときがございました。要は、厚生労働省内の調査で大丈夫かと言ったときに、必ずきっちりうみを出しますと言っておりますから、部下を信じたい、万が一のときには信じた私が責任を取りますと、こうおっしゃいましたが、その決意に変わりはございませんね。
#61
○国務大臣(尾辻秀久君) 二言はないつもりでおります。
#62
○辻泰弘君 恐縮ですが、念のため、万が一というのはどういうところをおっしゃっているんでしょう。
#63
○国務大臣(尾辻秀久君) しっかり調査をするということでございましたから、その調査結果に誤りがあったというようなことで万が一と申したつもりであります。
#64
○辻泰弘君 これで議論するあれはないですけれども、これは労働局じゃありませんけれども、監修料の件は、十月二十二日に出されたやつがもう十一月になってそもそも違っていたという答弁にもつながっているわけで、本当はそれに掛かってくるのかもしれませんが、またそれは後日に譲らせていただきましょう。
 それで、兵庫労働局について、厚生労働省の調査を十二月に報告するという方針を示しておられましたけれども、その方針は変わってませんか。
#65
○政府参考人(鈴木直和君) 兵庫労働局の不正経理の調査でございますが、先般、大臣から早ければ年内にもというお話があり、私どもにもそういった指示がございました。できるだけ年内にもという方向で現在調査をしておりますが、ただ、一方で兵庫県警による捜査がございます。その捜査の状況を踏まえつつ調査を行っているということがございますので、その捜査の進行状況によっては遅れるということもあるかと思いますが、いずれにしても早急にというふうに考えて、現在調査を進めております。
#66
○辻泰弘君 さきの委員会で、全国の労働局、会計検査院も調査していただくという話になりましたけれども、その折にも私、官房長に申し上げて、各労働局のその資料が廃棄されないように指示を出せと、こういうふうに申し上げまして、そのことについてやるとおっしゃったんですけれども、その点、やっていただいたかどうか。
#67
○政府参考人(鈴木直和君) 前回の御指摘を踏まえまして、来年度末までに不正経理に係る全労働局に対する会計実地検査、これが終了するまでは、現在保存されている会計関係書類につきまして、本来の保存年限を経過しても廃棄しないように指示を行ったところでございます。
#68
○辻泰弘君 済みません、もう出したんですか、これから出すんですか。
#69
○政府参考人(鈴木直和君) 既に出しております。
#70
○辻泰弘君 次に、社保庁の問題で、昨日も議論になっていましたけれども、契約外業務百六億円支出ということがございました。これは議論するつもりもありませんけれども、これについて一つだけ。
 会計法に反するかどうかは答えられないというのが報道で幾つも出ているわけです。その点について会計法に反するのかどうか、そのことだけお答えください。
#71
○政府参考人(青柳親房君) 今般、契約外の業務というふうに報道された業務でございますが、これは社会保険のオンラインシステムの運用上当然必要な業務ということで契約に含まれておるというふうに考えております。したがいまして、契約外業務ではないという意味で、会計法には抵触をしないというふうに私ども考えておるところでございます。
#72
○辻泰弘君 それからもう一つ、監修料のことでこの間報道が出て、経理課が集めて分配していたと、組織的に管理していたというふうな報道があって、それについて調べるということだったんですけれども、これはしっかり調べていただいているんでしょうね。
#73
○政府参考人(青柳親房君) 監修料の実態に関しまして先般調査結果を公表いたしましたが、その後に、今お尋ねがございましたように、新聞報道で、社会保険庁の監修料の取扱いについては、発表した調査結果にはなかった具体的かつ詳細な事実が報道されたということがございました。これを受けて追加的な調査を現在実施しております。
 どのような調査を実施しているかについて若干触れさせていただきますと、具体的に歴代の経理課の予算の担当職員あるいは各課の庶務担当職員、こういった方々に対して聞き取り作業を行いながら事実関係の解明というのを進めておるところでございます。先般の調査で十分に解明ができなかった事実に関することでもございますので、関係職員の発言を相互に言わば突き合わせをいたしまして作業を進めておるというのが現在の進行状況でございます。
#74
○辻泰弘君 これは、先ほど言いましたけれども、十月二十二日に、これは予算委員会だったと思いますけれども、尾辻大臣が、今週中、あるいは今週中に間に合わなかったら来週初めには、私どもが調べた全容はすべてお出しいたします、そして御批判を仰ぎたいと、このようにおっしゃったところから出発して、二十二日にその報告が出て、それでほどなくその報道があって、それで、今もおっしゃいましたけれども、例えば次官も、我々の調査結果とは相当異なる内容が出ていると。あるいは、この間の御答弁の中でも、「さきの調査において十分な解明ができなかったこういう状況に関するもの」と、こういう御指摘、そしてまた今の御指摘もそういうことだったわけですが、十月二十日におっしゃって二十二日に出された、それがもう既に不十分だったということが一か月もたたないうちに出てきていると。
 このことは、先ほどおっしゃった万が一にも近いような話になっていると思うんですけれども、大臣、どうですか、この状況をどうごらんになっていますか。
#75
○国務大臣(尾辻秀久君) 出すべきうみは全部出しますと申し上げました。そして、調査済んだ分を今次々に公表をさせていただいておるものであります。したがいまして、今の御質問でお答えいたしますと、調査済んだものを御報告を申し上げたものでありますから、決して調査が、不十分であったかもしれませんが、それはまだ途中経過でありますので、異なっていたとは私は今の段階では理解いたしておりません。
#76
○辻泰弘君 いや、それは異なっていたんじゃないですか。その内容が大きく異なっているということを、例えば次官の定例記者会見、十一月十一日に事務次官がおっしゃっているのは、要は、十月二十二日発表のやつと報道されて今調査していらっしゃることを比較されて、我々の調査結果とは相当異なる内容だと、こういうふうにおっしゃっていますし、私はそう思いますけれども、そう思っていらっしゃらないんですか。
#77
○政府参考人(青柳親房君) 報道された内容が私どもの公表した調査結果とずれているのではないかというのはそのとおりだろうと思いますので、それが実際に事実であるかどうかということを正に、先ほど申し上げたように、私ども現在調査を、聞き取りをする、突き合わせをするということでやらせていただいているというのが現在の進捗状況でございますので、その結果を見るまでは、実際に、その調査の結果と報道で言われたものが、まず事実関係であるかどうかということのまだ確認ができておらないというふうに御理解を賜れればというふうに思います。
#78
○辻泰弘君 しかし、この間の十六日の政府の御答弁では、さきの調査において十分解明ができなかったこういう状況に関するものということで、解明できなかったということを認めていらっしゃるわけです。
 私、このことでここで時間使うつもりはないんですけれども、しかし、はっきり言いまして、労働局の調査もそうですしこれの調査もそうですけれども、厚生労働省の調査というのは非常に、どんどんどんどん新しいのが出てくるということで、本当にしっかりやっているのかというような疑問を呈さざるを得ない状況にあるわけです。ですから、大臣の意気込みは了としたいと思いますけれども、しかし現実問題として、うみを出し切れないまま、ちょっとしたうみだけで、どんどんどんどん後でまた出てくるということばっかり繰り返しているということで、本当はそこ自体、本当問われるべきことだと思っています。
 これはまた次の国会にも引き継がざるを得ないことだと思いますからあれですが、ただ一つ──それじゃ、どうぞ。
#79
○国務大臣(尾辻秀久君) はっきり申し上げておきたいと思います。私は自らの責任を回避するつもりは全くありません。これはもう重ねて申し上げておきます。したがいまして、分かった分はどんどん出します。そして、最後に出したもので万が一の誤りがあれば、先ほどお答えしたとおりであります。
 どうぞ、途中で出しておるものについて、それは不十分で、なかったり、いろんな場面があると思いますけれども、そこのところだけは御理解をいただきますように。そうでありませんと途中で出せなくなりますから。そこは、途中のものですと言ってお出ししたものは是非そう御理解いただきますように、このことだけお願いを申し上げておきたいと存じます。
#80
○辻泰弘君 分かったものは全部出しますと。そして、大臣がおっしゃるのはそこは正しいし、大臣の姿勢としては私は了とします。ただ、要は分かったものという、その分かろうとするかどうかのその部分の問題であって、それは大臣がおやりになる場所じゃないというか、事務方がやる世界ですよね。だから、その部分のことですから、大臣の責ではない部分に当たるわけなんですよ。だから、それはそちらの事務方の部分が本当大丈夫なのかということで、それは大臣のお立場でなかなかできない部分もあるのかもしれませんが、そのことが問われるという意味合いでございます、はい。
 それで、一つプールの問題がやっぱり大事だと思うんですけれども、その根底にあるやっぱりタクシー代とかっていうやつですね。だから、このことについて、タクシー代というのはそもそも予算でどうなっているのか。指摘によると、実は予算付けているのの何十倍も結局支出しているんだという、こういう会計的にいい加減だということも伝えられているわけなんですね。ですから、その使用規定とか使用状況、このことを簡単でいいですからお聞かせください。
#81
○政府参考人(鈴木直和君) タクシー代というお話でございますが、予算上、通常の勤務で必要になる分につきまして深夜勤務者交通費として予算を計上しております。また、こうした場合以外でも、業務の必要上、どうしても終電車が終わってしまってそのためにタクシー代を使わざるを得ないという場合に、各部局で庁費で対応しているというのが現状でございます。
 使用規定につきましては、現在、明文で定めたものはございません。ただ、使用に際しましては、各課室ごとの庶務担当係長、これを管理者として定めまして、勤務が深夜に及んだ場合等について、必要な場合にだけ使用を認めることにしております。そういったことで、安易に使用されないよう適正に管理をしているところでございます。
 使用実績でございますが、平成十五年度で約七億円でございます。
#82
○辻泰弘君 七億円というのは、予算とその実績との対応はどういうことですか。
#83
○政府参考人(鈴木直和君) 予算額につきましては平成十五年度は約五千八百万円、で、実際の使用料が約七億円という実態でございます。
#84
○辻泰弘君 非常に分からない世界がまた見えたという感じがしますけれども、五千八百万円で予算したのが七億使ったということなんですね。
 それは、私はタクシー代が必要だという部分はそれはあり得ると思うんで、そのことはあれなんですが、予算でどうなっているのかという、だからそこに非常にグレーな部分がやっぱり存在しているというふうに思わざるを得ないわけですね。大臣にも、私は、予算、そういうものは、経費はしっかり付けることもやっぱり抜本改革の一つだというふうに申し上げましたけれども、この問題は、今初めて数字を出していただいたんで、引き続きウオッチさせていただく、注視させていただくということで、ここの場では一応終わらせておきたいと思います。
 それから次に、日歯連の関係のことがございました。
 その日歯連の関係で処分が行われたわけですけれども、その処分について、元局長の方の場合は職名だけであって氏名は出さないということで対応された、そのことについて私申し上げたところ、大臣は、よく聞いてみてしかるべく対応いたしますと、こういうふうに御答弁をされております。このことについてはこのままで終わるんですか、それとも何か別の形をお考えなんでしょうか。
#85
○国務大臣(尾辻秀久君) このことについては改めて調べてみました。
 そこで、まず、なぜ官名だけでお答えしたかということにつきましては、国家公務員倫理審査会事務局長から、国家公務員倫理法又は同法に基づく命令に違反した場合の懲戒処分の公表指針についてというものが出されておりまして、処分量定及び処分年月日並びに所属、役職段階等の被処分者の属性に関する情報を、個人が識別されない内容のものとすることを基本として公表するものとすると、こういうものがあるものですから、そのようにしたようでございます。ただし、個別の事案に関し、当該事案の社会的影響、被処分者の職責等を勘案して、別途の扱いをすべき場合もあると、このようになっておりますので、この場合は公表すべきものと私どもは判断をいたしておりました。
 そこで、機会があれば公表しようと思っておりましたけれども、お尋ねですから、今日この機会に公表させておいていただきたいと思います。すなわち、二人の局長は、元保険局長辻哲夫、元医政局長篠崎英夫、この両名でございます。
#86
○辻泰弘君 社会的影響あるいは事案の重要性ということを一つの基準とされておりましたので、私は、前も言いましたように個人に恨みはございませんけれども、しかし、処分をされたということであるならば、当然に出されてしかるべきだと、このように思っておりましたが、今お答えをいただいたということは、一つそのことについては区切りが付いたと思います。
 それで、もう一つ、別件でございますけれども、これも実は坂口厚生労働大臣時代からの一つの大きな懸案で、坂口前大臣が辞任をされる前にひとつ区切りを付けておこうということでおっしゃったことだろうと思うんですが、ただ、それが公的な形になっていないと私は思いますので、委員会で簡単に御説明だけいただいておきたいんです。それは、医薬品副作用被害救済制度のことについてですね、制度創設前の健康被害者への対応方針、このことについて、簡単で結構ですが、どういうお取組なされるか、御説明ください。
#87
○政府参考人(阿曽沼慎司君) お尋ねの医薬品の副作用被害救済の問題でございますけれども、昭和五十五年の制度創設の前に重篤な健康被害を受けられた方について、救済すべきではないかという御意見がございました。当委員会でも議論になりました。ただ、医薬品副作用被害救済制度といいますのは、将来に向かって、発生した被害の救済に備えるという保険原理に基づく制度でございまして、制度創設前の被害者に対して遡及適用するというのは大変困難であるという事情がございました。
 そこで、いろんな角度から検討をいたしまして、救済給付の制度とは別に、現在あります独立行政法人の医薬品医療機器総合機構で行っております保健福祉事業というものがございますが、その保健福祉事業の中で、らい症候群あるいは重度のSJSなどの重篤な健康被害のうち希少なものにつきましては、実態把握あるいは研究の正確を期するために、制度創設前の症例についても調査研究の対象にしてはどうかということで、機構の方に検討をお願いいたしました。既に機構の方で検討委員会、被害実態検討委員会を立ち上げておりまして、十七年度中にも、その重篤かつ希少な制度創設前の健康被害者も含めまして実態の調査を行う、それから十八年度には、実態把握結果を基にいたしまして、その重篤かつ希少な健康被害者のQOLの向上あるいは必要なサービス提供のための調査研究事業を実施するという方向で検討が行われております。
 なお、この調査研究については、制度創設前の被害者につきましても調査研究への協力に対する謝金という形で支給をいたしたいということで検討を進めていただいております。
#88
○辻泰弘君 この問題も、三年ぐらい前からでございましたか、超党派的な取組で、私も中に入らしていただいたときもございますけれども、これも一つの答えが出たという意味で、一つ前進したことだと思っております。
 さて、もう一つ、恐縮ですけれども、混合診療のことです。混合診療のことで一点ちょっと、今まで、大臣、大分認識を共有できるようになってきたと思っていますが、一つだけ。まだ認可されていない新薬、このことについて手を挙げていいんじゃないかとおっしゃっていて、そのことは変わらないとおっしゃっているわけなんです。だから、その認可されていない新薬、この部分はどういうふうに対処していかれるお考えなのか、このことだけ簡単にお願いしたいと思います。
#89
○国務大臣(尾辻秀久君) 混合診療の基本的な考え方はもう既に申し上げておりますし、御理解いただいておると思います。
 そうした中で、ただ私は、総理の御指示もあるわけでもありますが、できるだけ範囲を、特定療養費制度でやっておりますそうしたものの範囲を広げていきたい、こういうふうには考えておるところでございます。そうした中でその薬の話もいたしました。
 薬のことについて改めて申し上げておきたいと思います。
 まず、薬全般で申し上げますと、有効性、安全性の確認を行うことが重要であると、こういう認識は当然いたしております。それから、まず現行におきまして、国内未承認薬については、特定療養費制度の枠組みの中で患者は基礎的部分について保険給付を受けながら当該医薬品を使用した診療を受けることが可能になっておると、これも御案内のとおりであります。
 そこで、私がお答え申し上げましたときといいますか、記者会見でそのことを言ったわけでありますけれども、このときにまあ私の念頭にありましたのは、がんの患者の皆さん方のいろんなお訴えもあったという、そのことがございましたので、実はそのこともありましたので、このことにちょっと触れさせていただきたいと思いますが、例えば抗がん剤について、過去一年間に患者団体から使用の要望があったものは六種類でございまして、必ずしもそういう意味で多いとは考えておりませんが、このうち、現在特定療養費の枠組みで対応できていない三種類についても治験の特定療養費制度の活用により対応を可能にできるものと考えておりますけれども、この辺の扱いが微妙でありますし解釈もいろいろありますので、治験の在り方について今後検討をしていくこととされております。
 いずれにいたしましても、こうした議論の中で、新薬というちょっと漠とした表現にいたしましたけれども、今後のことを考えていきたい、こういうふうに申し上げたつもりでございます。
#90
○辻泰弘君 そうすると、基本的に今の特定療養費制度の中の選定療養、今のその選定療養の中とは必ずしも限らないかもしれませんが、見直しをされて、拡充とかそういうことがあるかもしれませんが、しかし、今の基本的な特定療養費制度のそういった枠組み、それがそのままのネーミングでいかれるかどうかも分かりませんけれども、そういったところの中に収める形を考えているんだと、こういうことなんですね。
#91
○国務大臣(尾辻秀久君) そこのところが微妙なことでありますが、今議論しておりますから、私が申し上げたのは、今言っていただいたような御理解でも構わないといいますか、違いはないと言ってもいいんですが、今後の議論の中でちょっと微妙な話になってくるなというふうには考えております。率直に申し上げました。
#92
○辻泰弘君 まあ、いつも大臣、ポジティブリストということでおっしゃるわけですけれども、基本的には原則規制、例外自由と、こういう基本方針の中で考えるという理解でよろしいですね、原則規制、例外自由。
#93
○国務大臣(尾辻秀久君) 私がいつもポジティブリストと申し上げておるのは、これはいいですよという、やっぱりそういう例示でなきゃいけない。そういう意味で、原則禁止だといえばそのとおりであるかもしれませんが、要するにいいものをリストアップしていく、その幅を広げる、それからまた、それに持ち込むスピードアップをする、こんなことが大事なんだろうなと今私は認識をいたしております。
#94
○辻泰弘君 まあ、これもここで議論するわけじゃないですけれども、国民の福祉あるいは医療というものについてかかわる重要な部分ですから、私は、基本的には原則規制、例外自由というのは基本原則であるべきだと思いますし、そのことは共通していると思いますけれども、ただ、総理なりあるいは竹中大臣が経済財政諮問会議などで、大臣の御説明が納得できないと、説得的じゃないと、おかしいんじゃないかというふうな発言をされているわけですね、総理も、竹中大臣もですね。だから、どうかその点はしっかりと理論武装をしていただいて、しっかりと説得をしていただいて、その辺の基本の部分を誤りなきを期していただきたい、そのことを申し上げておきたいと思いますが、その点について決意だけ一言お願いします。
#95
○国務大臣(尾辻秀久君) この議論は、私は、余り具体的な議論でなくて、これまた率直に申し上げますが、やや観念的な議論が続いているような気がします。もういきなり解禁賛成か解禁反対か。これまた率直に申し上げるんですが、双方言っていることにそんなに違いはあるのかなとつい思ったりもするんですが、かなり収れんできるんじゃないかとも思うんですが、何かこう、もう最初から賛成か反対かみたいな議論が続いておるというような気がします。したがって、私が反対と言うと賛成側の皆さんがもうわあっとおっしゃって、それをもって説得力がないと言われても、私としてはこれまた率直に申し上げると極めて不本意なところがあるのでありますが、議論だけはしっかりしてまいります。
#96
○辻泰弘君 是非しっかりと理論武装していただいて、無力だと前おっしゃっていましたけれども、無力でないと思いますけれども、まあこれができなかったら無力だと思っていただくことになるかもしれませんけれども、とにかく頑張っていただきたいと、このことを申し上げておきたいと思うわけであります。
 それで、年金のことで入っていきたいと思いますけれども、その無年金の前に、無年金じゃない、年金の部分についてなんです。これも実は今国会で出たことで、大事なポイントなので確認しておきたいんです。
 すなわち、前国会における年金法のことについての解釈にかかわることですけれども、保険料の上限一八・三%と所得代替率五〇%のことですね。これについて、この間大臣が山本委員とのやり取りの中でおっしゃったことが、要はその一八・三が大事であって、それを守るためには、給付は所得代替率四七とか四八にも下げることもあるし、支給開始年齢六十五を六十六、七、八と上げていくということもあると、こういったことについてはそのとおりだとおっしゃっているということで、その部分が、実は私は、法律の正確な解釈とは違うと私は思っているんです。
 だから、そのことについて遠山さんも質問されたけれども、そのときも、必ずしも十分はっきりしていないと私は思っていまして、申し訳ないんですが、そこを確認したいんです。一八・三と五〇の関係はどうかということです。
#97
○国務大臣(尾辻秀久君) 先日お答え申し上げたことを重ねてお答えを申し上げたいと存じます。
 まず、今回の年金改正は負担を基軸に考えました。したがって、法律の本則に規定されておるとおりに、負担がまず上限が決められておる、こういうことでございます。
 その際に、上限を一八・三%という規定にいたしました。この一八・三%になぜしたかということを申し上げておるわけでございますが、昨年このことを議論いたしましたときの私どもの計算で、これは一八・三%というのはぎりぎり給付水準が五〇%を維持できると、こう判断したので一八・三%という上限にしたと、これがその当時の議論の率直なところでございます。
 したがって、一方からいうと、なぜ一八・三%を上限にしたかというのは、給付水準五〇%を守りたいということがございまして、この強い思いがありますと、強い思いが込められておりますということも申し上げたところでございます。そして、まあ坂口大臣も五〇%を守りたいと再三言っておられますから、そういう意味において思いが同じでありますということも付け加えさせていただきました。
 しかし、このところを法律に何と書いてあるかというと、法律の書きっぷりは、附則において、給付水準が五〇%を下回ることが見込まれる場合には、「給付及び費用負担の在り方について検討を行い、所要の措置を講ずる」と、こういうふうに附則で規定をされております。
 そこで、先日、山本委員からは、その五〇%を割るような事態になったらどうするんだと、こういうお尋ねでございましたから、それはその事態になるともう附則で決められておるとおりでございまして、「検討を行い、所要の措置を講ずる」ということになるわけでありますから、当然国会の中でも御論議いただくことになりますと、こうお答え申し上げ、さらに、個人的な意見をというお尋ねでございましたので、もし私がその議論に参加することになれば、私はその思いを今も強く持っておりますから、その思いをというのは、上限守るべしという思いを持っておりますから、保険料の上限を極力守っていくべきだということを個人の意見として主張をいたしますということを申し上げたところでございます。
 以上、お答えをしたつもりでございます。
#98
○辻泰弘君 私どもが、少なくとも私がこの場で聞く限りにおいて、こういうことについての見解は、大臣の個人の意見もあるかもしれませんが、私は厚生労働大臣としての見解を求めるのであって、個人としてのお考えというのが何か同等に出てくるというのは、私は基本的に違うと思っています。
 それで、その今おっしゃったことについても、附則のところで、「比率が百分の五十を下回ることが見込まれる場合には、」「調整期間の終了について検討を行い、その結果に基づいて調整期間の終了その他の措置を講ずる」、その場合には、「給付及び費用負担の在り方について検討を行い、所要の措置を講ずる」と、こうなっているわけですから、ですからこれは実は何も一八・三が固定だということではないわけですね。まず、一八・三の規定だって、その表でずっと一番最後一八・三になっていますけれども、そこでもう打ち止めですよと、今後あり得ませんとは書いてませんよね。だから、上限とは言えないわけですよ、はっきり。上限といったって、ここの法律の中では一番上限ですよ。
 だから、私は法律の解釈として、少なくとも結果として出てきた法律がすべてなわけで、そのことについての有権的な解釈を語るべきが大臣の立場なわけですから、私はここは、大臣の説明は私は根本的におかしいと思っていますけれども、内容的にもおかしいと思っているんですよ。
 すなわち、これは一八・三ということも含めて、料率を上げるかもしれないし給付を下げるかもしれない。それはとにかく、百分の五十を下回ることが見込まれたときには、マクロ経済スライド調整をストップするということの検討をして、それに伴って給付と負担、そのときに給付と負担どっちも検討するんだよということを言っているんであって、一八・三は固定で給付の方だけ下げますという見解じゃないはずですよ。そこのこともはっきりさせてください。
#99
○国務大臣(尾辻秀久君) まず申し上げますが、あのとき山本委員は、あくまでも個人的な意見でと、こうおっしゃったんで、そういうお求めに応じて私としてはあえて個人的な意見を申し上げたつもりでございます。是非そのところは御理解をいただきたいと、こういうふうに思います。
 そこで、まず申し上げますけれども、本則で上限を定めておる、このことは極めて重いと思っております。したがって、私はそのところを強調させていただいて、私どもは法律に基づいて仕事をする立場でございますけれども、本則に書いてあることは極めて重い、そしてそこに上限基軸というふうになっておるということをまず申し上げたところでございます。
 あと、附則の部分に書いてある部分については、申し上げたとおりでございますし、また委員もお話しのとおりでありますから、この場で触れてお答えはいたしません。
#100
○辻泰弘君 本則で上限と言うんですけれども、何年から何年まではどういう率だと、こういう表になっているわけですね。恐らく今までも書きぶりは同じだったと思うんです。ですから、事後的に、後で振り返ってみれば上がってきたということがあるわけです。私は、何もこれは上げろと言っているんじゃないですよ。ただ、法律の解釈として、大臣は本則で上限を設けたとおっしゃっていますが、これ以上上げないという規定になっていますか、年金局長。
#101
○政府参考人(渡辺芳樹君) 今条文を手元に持たずで申し上げますけれども、従来の年金法の保険料率の規定は、現時点で当てはめる保険料率を規定し、その後の条項で将来については適切に設定すると、ただそれだけ規定しているというのが法律的な姿でございました。
 今回は、将来にわたっての料率を本則で規定しておりますので、もちろん、法律でございますから、法律を改正してしまえば変わるだろうというのは別論だと思います。したがって、この本則は、二〇二三年度以降一八・三%、その上限ということを前提にしている本則規定であると理解をしております。
#102
○辻泰弘君 規定ぶりが変わったということは理解しましたが、ただ、いずれにしてもこの附則での規定は、マクロ経済スライド調整をストップするということについて検討を行って、そのときに給付及び費用負担の在り方について検討しということですから、当然に一八・三、そのことを私はやれという立場にないですが、法律の解釈として一八・三の見直しもあるということであって、そのことは法律上そうだと私は理解していますが、大臣、どうですか。
#103
○国務大臣(尾辻秀久君) ですから、法律が変わればどうなるかというふうにおっしゃると、それはもういかようにでも変わりますが、今のこの規定の中で、再三申し上げておりますように、私どもは考え方として、今度とにかく負担の上限を定めたい、そういう法律にしたいという思いを込めて作ったということを、こうした場、国民の皆さんに御説明を申し上げておるつもりでありまして、そこのところで誤りはないと考えております。
#104
○辻泰弘君 今はその一八・三と五〇ですけれども、大臣の思いは一八・三にこだわりあるかもしれぬけど、法律上は、法律上は、マクロ経済スライド調整をやめるかどうかという、そういう局面のときに給付と負担の見直しを行うと、これが法律の素直な解釈だと私は思っているんです。
 年金局長、それは違ってますか。
#105
○政府参考人(渡辺芳樹君) 同様のことを申し上げているんだと思っておるんですけれども、この附則二項、三項に基づくそれぞれの措置は、特別の法律を国会に提出し御審議、御可決いただいたときに二項、三項が発動するものであるというふうに考えております。
 そういう新しい特別の法律というものの内容については、おおよそ二十年後のその時点で、どのような内容になるかということを議論の上、御提案申し上げるということでございます。
#106
○辻泰弘君 その他の措置を講ずるというのは、これ立法であると、こういうことに理解させていただきたいと思います。一応それは方針としては理解しました。
 じゃ、次に、年金のことで、無年金障害の方に入っていかなきゃなりませんので走っていきたいと思いますけれども、まず、先ほど申し上げました、やっぱり議員立法になったという部分にかかわることなんですけれども、厚生労働省の事務方の方の方に聞いておきたいんですけれども、これ坂口前大臣が私案まで出されてやられたということだったわけです。そこまで熱を傾けられたにもかかわらず、政府提案で出せなかったということについてなんですね。
 大臣が、こういう発言が委員会でもございましてね、二〇〇二年の五月二十一日ですけれども、大臣、坂口当時の大臣の発言です。年金局の方はうちの関係じゃございませんと、こう言うと。障害福祉部の方もそれはうちの方じゃございませんというふうに言うと。私の言いますことがたらい回しになっていると、こういうふうな発言になっているわけなんです。
 大臣が言われたこと、指示すらたらい回しになるという、これがやっぱり私は根本的に問われることだと思うんですけれどもね。時間はそんなにないですけど、このことをどう反省されるかというかな、どう受け止めておられるか、大臣にそう国会で言わしめた、そのことについて、厚生労働省、所見を求めたいと思います。
#107
○政府参考人(渡辺芳樹君) 事務方から御答弁申し上げます。
 前大臣をしてそのような御発言に至らしめた経緯を大変これは反省すべき、大変遺憾に思う事態であったと思います。事務方として、もう少し対応の仕方はなかったのかというふうに反省しているところでございます。
#108
○辻泰弘君 同じようなことになりますけれども、坂口大臣がおっしゃっていることで、これは年金法案のときの議論の中でもあったわけですけれども、調査をするというやつですね。役所の方にも調査をするよう言ったけれども、調査の結果が出てきた、ただ、非常に数が少なかったと。数が少な過ぎる、全体像を把握するに至らない、もう少し全国的な調査をしてほしいと、こういうふうに言ったと。是非早く調査をしてもらいたいと、こう言ったと。しかし、どういうわけか、なかなかその結果が出てこなかったというのが今日に至る経緯でございますというのが、今年の三月の二十五日の厚生労働委員会における当時の坂口大臣の答弁なんです。
 これも、その調査も、平成十五年八月に精神障害者に対する調査に上乗せする形でやられて、精神障害の方は有効回答数一万三千四百二十九件、身体障害者については有効回答数五百五十七件ということで、無年金障害の方についての調査と言うには全く値しないような調査しかされてこなかった。このことも、私は本当にどうなっているのというふうに思わざるを得ないんです。
 この調査自体、なぜしっかりと大臣の指示もあったのになさらなかったんですか。
#109
○政府参考人(渡辺芳樹君) 直接その調査に担当いたしました障害保健福祉部がおりませんもので、事務方代表してちょっと私の方から申し上げたいと思いますが、坂口私案の時点では、当時としては一番幅の広い調査であり、しっかりとしたものということで、身体障害者実態調査というものを使いました。ただ、抽出率が五百七十四分の一ということで、実回答数が約五千人。十分かという問題を抱えつつ、どのような調査ができるかということを悩んでおったものと考えます。
 先ほど担当の部長が申し上げましたように、障害福祉行政をしておる行政の現場には様々な情報はある。しかし、これを、じゃ国にどういうことで御協力いただいて提供いただけるか等々、個人のプライバシーにかかわる調査というものをどのように仕組むかというのはなかなか難しく、ずばり無年金障害者を名あてにした調査というのも設計が難しかったということと承知しておりますが、平成十四年度、十五年度に、もう少しその幅の広い新しいとらえ方で調査はできないのかということで、先ほども御答弁させていただきましたような一定程度の把握が進んできておるというようなことでございます。
 今後、本法案を契機に、またどういうような実態の把握の仕方が必要となってくるか、またこの法律の施行の中でどういうような実態というものを把握していくか、これから更に課題はあるというふうに考えております。
#110
○辻泰弘君 御答弁が、年金局長が答えられて、たらい回しにならなかったことは評価したいと思いますけれども、もう一つ、障害者基本計画、これが平成十四年十二月二十四日閣議決定されたんですが、この中で、このことについても、福祉的観点からの措置で対応することも含め、幅広い観点から検討するということを閣議決定までされていながら、そしてこの間、渡辺さんも、その障害者基本計画の中にもそうした方向が出るような形で取りまとめいただいてと、こういうふうなことをおっしゃっているわけです。
 そうであるにもかかわらず、政府としての取組で答えが出せなかったと、このことはなぜなのかと、こういうことが根本的に問われるべきだと思うんですけれども、どうですか。
#111
○政府参考人(渡辺芳樹君) なぜできなかったのかということの御答弁というのはなかなか、どう申し上げりゃよろしいかという点あるんでございますが、年金制度における取扱いというものが拠出制原則の下で大変困難であったという点が一点ございます。
 それから、福祉的対応ということを言われましたときに、ではどのような福祉的対応があるのか。生活保護というわけではない。その方々の生活の実態というものを全部つまびらかにして対応するということが、年金の、無年金ということを大きな課題として考えておられる方々にとって本当に取組として正しい方向なのかというような御議論もあったと思います。その意味で、福祉的措置といっても、どのような道筋で整理をしていくかというのが大変難しかったものというふうに推察しております。
#112
○辻泰弘君 できなかった説明は難しいとおっしゃいましたけれども、しかしやはり根本的に考えるべきだと思います。いずれにしても、政府が方針を持っていながら答えが出せなかった、大臣が前向きに取り組まれたにもかかわらず、答えが政府として閣法で提出できなかったということは非常に根本的な問題だと私は思います。
 ですから、年金局長ののりの中ではそういうふうな御答弁になるかもしれませんが、しかし厚生労働省全体がしっかりとそのことを受け止めて、これからそういう、BSEのときはむしろ農水省と一緒にやっていくということになって同じ名前の封筒を出したというのがありましたけれども、そういう精神で局を超えて取り組んでいく、答えを出していくと、そのことがやはり大事だと思いますから、そのことは強く求めておきたいと思います。
 それで、尾辻大臣にお伺いしたいと思います。
 私、実は、二年前の決算委員会のときにこの問題を坂口さんに聞いたときに、尾辻さんが財務の副大臣であられたわけです。その尾辻さんの答弁にこの無年金障害の問題についての答弁があって、実現は困難な問題だと、こういうふうに御答弁いただいているわけなんです。
 このときの答弁の意味は、年金としては難しいが、福祉としてはあり得るということをおっしゃっているのかどうか、そのことをお聞かせいただきたいと思います。
#113
○国務大臣(尾辻秀久君) お答えの前に、まず一つ訂正させていただきたいと思います。
 先ほど朝の記者会見でと申し上げましたけれども、夕方の記者会見で、次の予定が入っておりまして、焦って大変短時間で記者会見をいたしましたので舌足らずになったのかもしれませんと、こういうふうに訂正させていただきたいと思います。
 改めて今の御質問でございますけれども、あのときに、私も思い出しておるんですが、御質問の趣旨が、年金制度で考えるのかどうか、どういうふうに言ったらいいんでしょうか、そこのところの部分だけで御質問いただいたと、こういうふうに理解をしておりますので、我が国の年金制度は拠出に応じて給付を行うことを原則としており、年金制度の枠組みにおいて対応することは難しい問題がありましたという、そこのところに限定してお答えをしたつもりでございました。
#114
○辻泰弘君 ですから、私が最初に申し上げたように、年金では難しい、ですから福祉ではあり得るということを言外に込められた御答弁だったと、こういう理解でいいですか。
#115
○国務大臣(尾辻秀久君) 申し上げておりますように、言外に込めるというよりも、そのお答えした部分だけにもう絞って答弁させていただいたと、こういうものであったと当時のことを振り返って今思うわけでございます。
#116
○辻泰弘君 こだわるわけじゃありませんけれども、年金としては困難だと、こういう御答弁だったと、こういうことですね。
#117
○国務大臣(尾辻秀久君) もう一回申し上げますが、我が国の年金制度は拠出に応じて給付を行うことを原則としており、年金制度の枠組みにおいて対応することは難しい問題がある、こういうふうにお答えしたところでございます。
#118
○辻泰弘君 それで、提案者の方に恐縮ですがお伺いしたいんでございます。
 この法律の九条に支給の制限ということがございまして、所得制限のことが出ているかと思うんですが、これは政令にゆだねられている部分があるわけですけれども、どのようなルールにされるおつもりなのか、お答えいただきたいと思います。
#119
○衆議院議員(福島豊君) お答えさせていただきます。
 この本法案が成立しました後、政令により定められるということになっておりますが、提出者といたしまして、どういう考え方に基づいておるのかということだけ申し上げたいというふうに思います。
 まず、そもそも特別障害給付金、これは福祉的観点から支給するものでありまして、受給者本人の所得に応じて支給制限が必要であると、まずこれが前提となっております。ただ、その支給制限について具体的な基準、何を参考にしてこれを定めるべきかと。給付水準そのものも、様々なほかの手当と比較の上で私どもは最終的に決断をいたしましたが、現行の二十歳前の障害基礎年金の基準というものが一つは参酌される対象になるのではないかというふうに考えております。
#120
○辻泰弘君 もう一つ、十六条で支給の調整という項目がございます。これも政令にゆだねている部分がございますけれども、全部又は一部を支給しないということも視野に入っているわけですが、その支給調整の仕方について、恐縮ですが、簡潔にお願いします。
#121
○衆議院議員(福島豊君) この点につきましても、特別障害給付金を受給することとなったときに、老齢基礎年金等の公的年金の受給権が途中で発生をすると、そういう場合には年金の支給を優先するということになると、そのように考えております。
 ですから、これは金額によるわけでありまして、公的年金の受給額が特別障害給付金の支給額を上回る場合には特別障害給付金は全額が支給停止されるべきものと、そのように考えております。逆に、公的年金の受給額が特別障害給付金の支給額を下回る場合には、年金額に相当する額が支給停止をされ、差額相当分が特別障害給付金として支給されるものと考えております。
 いずれにしましても、併給調整については、これは政令で定めるということになっておりますので、本法律案の趣旨を踏まえて政府において適切に対応していただきたいと考えております。
#122
○辻泰弘君 確認ですが、その十六条の中に「老齢基礎年金その他政令で定める給付」と書いています。その他政令で定める給付というのはどういう考え方でしょうか。
#123
○衆議院議員(福島豊君) 政令で定める給付としては、旧国民年金法及び旧厚生年金保険法に基づく老齢年金、また厚生年金保険法に基づく老齢厚生年金などを想定をいたしております。
#124
○辻泰弘君 時間がなくなってまいりましたが、会計検査院にも来ていただいています。会計検査院にはなぜ来ていただいたかというと、無年金者の数字を出していただいたと。四十万弱という数字でしたけれども、これがきっかけとなってやはり厚生労働省も出してきたということがあって、その三十九万についての内容にはいろいろ数字的には限界があるんだということを厚生労働省は言っていますけれども、やはり出していただいたことは意味があると思っています。
 会計検査院に、時間がないんで恐縮なんですけれども、何の資料を基にやられたかと、この点についてだけ教えてください。
#125
○説明員(増田峯明君) お答え申し上げます。
 私ども、本年は国民年金事業についての検査を集中的にやったわけですけれども、その検査の過程におきまして、社会保険庁で納付督励等の業務の際に、その対象者の抽出に利用している受給資格判別区分のデータというものがあるということが分かりましたものですから、これを基に調査した結果を検査報告に掲記したものでございます。
#126
○辻泰弘君 厚生労働省は、六十五歳以上の方についての調査といいますか統計を、前提を置いて出されたというのを拝見しておりまして、そのこと自体悪いわけじゃないんですけれども、しかし六十五歳未満の方も当然あり得るわけで、このままいけば無年金になってしまうよということは一つの前提を置けばあり得るわけで、それはやはり出して、それなりにそのことについてどう対応するかということがあってしかるべきだけれども、今日、会計検査院が出すまでそういうことについて全く積極的に取り組まず、公表してこなかったということはやはり問題だと言わざるを得ないと思うんです。
 そのことについて大臣は、既に調査をして、データに基づいて調査して公表する方向でしたいとおっしゃっていますけれども、そのことについてどういうことでやっていかれるか、簡潔にお取り組み方針をお願いしたい。
#127
○政府参考人(青柳親房君) 国民年金の受給権を確保できないおそれがある方、無年金者とこう申し上げるのが適切かどうかよく分かりませんが、こういう方々の実態につきましては、正直申し上げまして、社会保険庁で管理しております被保険者の記録に様々な限界なり制約がございます。また、個々人の状況、総数で数がどのくらいあるかというのはいろんな推計の仕方で把握することはできますが、一人一人の方の状況がどうなっているかということを特定していかなければなりませんし、そのための言わば前提条件を、言わば機械上、システムにどのように定義をして調べさせるかと、こういったことについても技術的に整理をしなきゃいけない問題がある、こういった事情がこれまで確たる数字をお示しできなかったことの背景にあるというふうにまずは御理解いただきたいと思います。
 しかしながら、ただいまのお尋ねの中でもございましたように、今後はこれらのデータについてもきちんと調査をいたしまして、国民にいたずらに不安や誤解を与えることがないような形で公表するというふうに大臣もおっしゃっておられますので、私どももその方向で一生懸命努力をさせていただきたいと考えております。
#128
○辻泰弘君 時間が限られてまいりましたけれども、会計検査院には一つ申し上げておきたいと思うんですが、会計検査院の決算検査報告が非常に、私もかなり見せていただきましたけれども、非常に見づらいと言ったら恐縮なんですけれども、それはなぜかというと、見出しも同じ大きさのポイントになっていまして、非常に見にくいというのが正直なところでございますので、やはりそれを見てしっかりと取り組むということがあるわけですから、是非、決算検査報告の印刷のありようについて、その点についても大事なポイントだと思いますので、お取り組みいただきますように御要請申し上げておきたいと思います。
 それで、最後の質問になると思うんですけれども、この無年金障害者のことについては、当然のことながら在日外国人を入れろという私どもの主張もございましたし、在日外国人の高齢者の無年金の方に対する対応も求めたところでございますけれども、附帯決議でも衆議院であり、また今日、参議院でもその附帯決議の趣旨が出てくるんじゃないかと思っておりますけれども、私といたしましては、やはり少なくとも、学生、主婦とは当時は違ったといえども、今はいずれも強制加入の対象となっている在日外国人の方々に対する措置というのは同等であるべきだと、このように私は思っておりますし、また、高齢になった在日外国人の無年金の方々の切実な要望というものをしっかりと受け止めるべきだと、このように思っておるわけでございますが、このことについて、これは政府は講ずべきだと、こういう附帯決議に衆議院もなっておりますし、参議院も恐らくそういう形で御可決いただけると思いますが、そのことについてのお取り組みについての決意を大臣にお伺いしたいと思います。
#129
○国務大臣(尾辻秀久君) 在日外国人の無年金障害者の方々につきましては、今お話しのとおりに、附則の検討規定もございますので、その趣旨を踏まえつつ、政府といたしましても今後の対応を検討してまいりたいと考えております。
#130
○辻泰弘君 その他、質問を予定させていただいておりましたけれども、時間が参りましたので、これで私の質問を終わらせていただきます。
#131
○委員長(岸宏一君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時三十分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#132
○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#133
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律案の質問をいたします。救済の第一歩として歓迎をし、よりやはり願いにこたえる制度にしたいという立場から御質問したいと思います。
 まず、学生無年金者の救済を求めた裁判の問題ですが、東京地裁の違憲判決に続いて新潟地裁でも違憲判決が下りました。新潟地裁の判決文は、二十歳以上の学生等とそれ以外の二十歳以上の国民との間に生じた区別は、合理的な理由のない差別であり、憲法十四条に違反すると。つまり、強制適用しなかったのが不合理で、差別だとしました。また判決は、遅くても昭和五十年代中ごろには、内閣や国会は学生の無年金障害者の問題を十分認識し、また認識し得たものと言えると述べておりまして、救済しなかった責任が断罪されたわけです。
 判決文をこれ真摯に受け止めるのであれば、私は、この無年金障害者の問題というのは、本来は給付金ではなくてほかの国民と同様に年金制度の枠組みで解決をすると、これがやはりその判決文の精神に沿うものではないかと思うんですが、大臣の見解を伺いたいと思います。
#134
○国務大臣(尾辻秀久君) この問題については基本的な立場の違いを申し上げざるを得ません。ただいまの判決に対して私どもは不服でありますので、控訴いたしておるところでございます。したがって、その判決の趣旨の下でということにならないわけでございます。
 何回も申し上げましたけれども、社会保険方式を原則とする我が国の年金制度において、任意加入期間中とはいえ、制度に加入せず保険料を納付しなかった者について年金給付を行うことは困難である、これが私どもの申し上げているところでございます。したがって、今御審議いただいておりますこの法律案においても、福祉的措置による特別障害給付金として法律が構成されておると、こういうふうに承知をいたしております。
#135
○小池晃君 私どもは、年金制度、社会保障制度というのは決して拠出制だけではなくて、諸外国では無拠出の年金制度ってあるわけですし、拠出なしに給付受けることは全く問題ないと思っております。百歩譲って拠出ということを前提にしたとしても、例えば二十歳未満で障害を受ければ、これは無拠出で障害基礎年金出るわけです。また、学生の特例納付制度もできて、後から納付すればいいという制度になって、事実上、保険料納付してなくても年金制度が出る仕組みを新たに作られたということもあるわけです。ですから、必ずしも、保険料の拠出がなければ給付がないということは、私はそれは違うというふうに言いたいと。ただ、ここは意見の違うところだと思います。
 しかし、私、これ、役所の理屈は役所の理屈として、司法は断罪をした。立法は正に今、その不作為に対してこういう法律作るということで対応している。残されているのはやっぱり行政の立場なんですよ。
 私、言いたいのは、大臣、役所の理屈はさておいて、やはり政治家としてここは判断して、司法、立法と対応してきた、今度は行政の番だと。ここは第一歩としてやはり今の控訴を取り下げるということを、これは大臣の決断でやるべきだと、解決図るべきだというふうに思うんですが、いかがですか。
#136
○国務大臣(尾辻秀久君) 司法は断罪したというふうにまず言われましたけれども、そこのところで争っておるわけでございますから、この司法の判断をきっちり仰ぎたいというのが今の、これは私個人も、個人というと悪いといってさっき怒られましたが、政治家としての判断をせよというような御趣旨でもございましたから、正にそういう判断に立っても、これは一遍きっちりと司法の判断を仰ぎたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
#137
○小池晃君 非常に残念であります。二回既に司法の判断下っているわけですから、私はここで、こういう法律もできるに当たって、やはりこれ決断すべきときに来ているというふうに言いたいと思います。
 そこで、中身の問題なんですが、障害者にかかわる制度として国民年金制度の特別一時金制度というのがございます。これは今日、基礎年金制度生まれる前に、八六年四月以前までは障害厚生年金とそれから国民年金の老齢給付の併給が可能だったと。法律の改正でこの二つの年金の併給ができなくなって、そこで、その障害厚生年金を受給している人が任意加入していた期間の国民年金保険料、これを無駄にしない仕組みとして特別一時金制度というのができたというふうに私は理解しているんですが、年金局長、そういう理解でよろしいですね。
#138
○政府参考人(渡辺芳樹君) 御指摘のとおり、昭和六十年改正のときでございますが、参議院における議員修正でそうした制度が盛り込まれたと承知しております。
 その背景は、昭和六十一年以前に被用者年金の障害年金、国民年金の障害福祉年金を受給していた方が、あえて国民年金に、当時は許されておりましたので、任意加入をし、保険料を納付していた方々などについて、お支払いいただいた保険料に基づく年金がこの昭和六十年改正で併給できなくなる、一人一年金の原則を確立いたしましたので、そういうことになるなどの事情が発生いたしました。そういう中で、こうした任意加入した方の保険料を払っておられるその期待権に配慮して、一定の条件に該当する場合、期間比例の一時金という形で支給をするという制度が創設されたものと理解しております。
#139
○小池晃君 これ、制度発足時、一九八六年度、八七年度の予算の見込額、受給者の見込数と実際の実績をお示しいただきたいと思います。
#140
○政府参考人(青柳親房君) 特別一時金の給付額及び受給者の数字でございます。
 一九八六年、昭和六十一年度予算の見込みにおきましては、給付額が百三十億円、受給者数見込みが四万三千人でございましたが、これに対します実績は、給付額五十一億円、受給者数二万五千人でございました。また、一九八七年度、昭和六十二年度におきましては、予算見込みにおきましては、給付額百三十二億円、受給者数が四万四千人の見込みでございましたが、実績は、給付額二十六億円、受給者数一万四千人となっております。
#141
○小池晃君 八六年で見込みの約半分で、八七年には四分の一、なぜこういうことになったんでしょう。
#142
○政府参考人(青柳親房君) 予算と実績に乖離が生じておるということの理由のお尋ねでございます。
 予算におきましては、この制度創設時におきまして、御承知のように基礎年金番号はまだない時代でございましたので、データの管理という観点から申しますと、厚生年金と国民年金の記録の突合ができない状況に置かれておりました。したがいまして、対象者の正確な把握が極めて難しかったということが一つございます。
 また、次年度においても、制度改正後の実績がないところで予算を編成しなければならないというようなことがあったために、受給者数の見込みについても、基礎計数等正確に予測が非常に難しかったというような事情を是非御拝察いただきたいと存じます。
#143
○小池晃君 そういう御拝察をしても、その直後はともかく、五年たっても、例えば九〇年でも、十六億円の予算に対して実績は四億円なんですね。受給者は五千人に対して約二千人と。これ、八六年から二〇〇二年までトータルで見ても、見込みは約四百億、十三万人に対して、実績は百十億で五万。約三分の一なんです。受給者十三万人と見込んで五万人しか申請してないんですね。
 大臣に私お伺いしたいんですが、これは保険料を任意加入でわざわざ払ったのを返しますという制度なんです。ところが、これ私、はっきり言って周知が非常に不十分で、やはり本来返すべき人、返していないというのがあるんじゃないだろうかと。この原因と責任はっきりさせないと、私、今回の制度にもこれこういう危惧を持つんですよ。この制度は対象者が申請して初めて動き出すわけです。しかも、これ時効がないんですね。だから私、大臣ね、これ改めてこの実績を見て、ここにどこに問題があったのか、これ解明する必要あるし、やはりこういうことがないように、この制度自体についても、これは改めてここで一回きっちり周知をして、今からでももう、これはもらえるべき人もらえるわけですから、やるべきではないだろうかと思うんですが、いかがでしょう。
#144
○国務大臣(尾辻秀久君) 御指摘の国民年金特別一時金についてでございますが、今私の手元にも予算と実績という表がございます。これをもう見ますと御指摘のとおりでございまして、極めて大きな乖離があることは事実でございます。
 なぜなんだろうということでありますが、特にこの乖離が大きいのは、制度ができた当初のことでございますので、あえて言うならば、受給者数等の基礎計数の正確な予測が困難であったという事情もあったんだろうとは思います。しかし、御指摘のようなこともございますから、特別一時金の事務は市町村で受付を行い、社会保険事務所で審査、支払事務を行っていることでありますから、今度のことについていいますと、法施行後、速やかに地方庁の一般広報の中に盛り込んで実施するよう指示をいたしているところでございまして、とにかく周知徹底に努めなきゃいけないということを申し上げているところでございます。
#145
○小池晃君 新しい制度もそうなんですが、これもしっかりもう一回周知し直す必要、私あるというふうに思います。これは是非やっていただきたいのと、やはりこの無年金障害者を生み出した国の責任踏まえ、さらに、この特別一時金のこの教訓の上に立って何をすべきなのか。
 そこで、提案者にお伺いをしたいんですが、新制度の周知徹底、提案者としてはどのように進めるべきとお考えか。また、この人数や生活実態をしっかり把握する必要ありますが、その点でのお考えを提案者にお伺いしたいと思います。
#146
○衆議院議員(長勢甚遠君) 本法に基づきます特別障害給付金の対象となる方々がきちんと支給を受けられるようにするために、制度及び手続に関する広報、周知が重要であることは言うまでもないことでございます。このため、厚生労働省や社会保険庁において、市町村や社会保険事務所等による広報、周知に加え、障害者福祉サービスの事業所、施設や障害者団体等の協力も得て積極的に取り組んでいくように厚生労働省に求めていきたいと思っております。
 ただ、無年金障害者の実態把握につきましては、今回の給付金に関し、対象者の推計の前提とした平成八年の身体障害者実態調査が今までの中では最も広範なものと承知をしておりますが、なお不十分という意見もあるわけでございますので、さらに、どのような方法が効率的かつ効果的であるかといったようなことなども踏まえて、更にしっかりした把握に努めていっていただきたい、このことを要請したいと思います。
#147
○小池晃君 厚労省にお聞きしたいんですけれども、今の提案の趣旨も踏まえて、これやはり徹底的な対策必要だと。
 事前にお聞きをしたらば、今回のこの新制度発足に当たって、自治体レベル、地方レベルでは人員配置考えているけれども、中央、社会保険庁も含めてこの問題の担当を新たに置くようなことは考えてないみたいな、そういう説明だったんですけれども、私、これでいいんだろうかと。これ、かなり大変なやはり仕事になるわけですから、やはりこの無年金障害者について担当の部門というのを置いて、しっかり人的な体制の配置の強化ということをやるべきではないかというふうに考えますが、その点、いかがですか。
#148
○政府参考人(青柳親房君) この特別障害給付金の事務の内容につきましては、現行の障害基礎年金の事務とほぼ似通った、同等なものをイメージしておるわけでございます。したがいまして、その認定事務につきましても、国民年金の実施庁として既に事務処理体制がある程度整っております社会保険庁がやらせていただくということで考えておりますので、それ以上に新たな担当部門を設ける必要というのは特段ないのかなというふうに現時点では考えております。
 ただ、いずれにしましても、御懸念のように、制度の当初におきましては様々な問い合わせや申請が集中する、あるいは、実際の認定に当たって、やはりかなり時間をさかのぼって様々な障害の事実確認をしなければならないといったようなことも当然に予想されておりますので、私どもとしては、法律を成立させていただいた後、十七年四月から施行ということになった場合に、効率的な事務処理あるいはお尋ねの十分な周知、広報ということについては、責任を持って適切かつ確実に対応してまいりたいと考えております。
#149
○小池晃君 手続が始まってからの仕組みは障害基礎年金と同様だからいいって言うけれども、その前なんですよ、問題はね。やはり、どれだけの人がいて、その人たちに手続を知らせ、役所の窓口まで来てもらうというところは、これは新たな仕事になるわけで、新たな対象になるわけですから、大臣、必要ないと言うんだけれども、私は、やはりこれは人的な配置も含めて考えなければ、これは、新しい制度動き出すときにこれはやはりいろんな問題起きるんじゃないかなと思いますが、大臣、いかがですか。
#150
○国務大臣(尾辻秀久君) 確かに、制度が動き出すときというのは新たな事務も生じますし、またよく皆さんに周知徹底もしなきゃいけない、またその皆さんが窓口に来られる、いろんな仕事が一挙に来るということはおっしゃるとおりだというふうに考えます。
 そこで、決してそういうことで混乱しないように私どもは事務を進めなきゃならない立場でございますから、いずれにいたしましても、決して混乱のないように事務を進めていきたいと考えております。
#151
○小池晃君 混乱のないようなやっぱり対応をするための体制ということについても十分御検討願いたいと。本気になってやはり解決するのであれば、やはりきちっと専属の部門なりを官庁にも作って対応するということが時限的にも必要なのではないかというふうに思います。
 次に、申請の手続なんですが、障害基礎年金と同様の手続になると聞いていますけれども、手続の仕方についてちょっと御説明願えますか。
#152
○政府参考人(青柳親房君) まず、今回の特別障害給付金を請求される方は、それぞれの方の住所地の各市区町村にまず請求をしていただきます。その請求に基づきまして、具体の裁定それから障害認定等の手続、これは社会保険庁の方でやらせていただくということになります。
 請求の際にどんなような処理が必要になるかというようなことが具体的な手続の中身になってくるわけですが、今後具体的に検討するということにはしておりますが、先ほども申し上げましたように、現行の障害基礎年金の様々な仕組みというものに準じたものということで考えておりますので、一例を申し上げますと、例えば年金加入記録を確認するための年金手帳をお持ちいただくということ、あるいは生年月日を確認するための戸籍抄本あるいは住民票のようなものをお持ちいただく、あるいは障害の程度を認定するための診断書、それから初診日の確認や照会等を行うための病歴や就労状況等の申立書、こういったものをまずはお持ちいただくことが必要だろうと思います。
 また、その方々、その方々のそれぞれの履歴に応じまして、例えば配偶者の共済組合の年金加入期間の確認通知が必要になるもの、あるいは配偶者との婚姻期間が確認できるような戸籍謄本、これはいわゆる任意加入の配偶者の場合のケースでございます。また、学生の方の場合にはそのときの在学証明書といったような書類が必要になるというふうに考えております。
#153
○小池晃君 障害者の場合は、本人だけじゃなくて親、関係者が行く場合もあるわけですから、手続を簡素化することは非常に大事だと。
 特に、今の御説明の中で私心配なのは、初診日の確認なんですよ。通常、診断書の保存期間五年です。今回対象となる人というのは、これは、新たにこれは制度できるわけですから、十年、二十年さかのぼってっていうことあり得る、かなり出てくる可能性あるわけで、そういう場合、その初診日が果たして確認できるのかと、ここのところが本当に実際に関係者の皆さんからは心配の声が出ているわけです。
 私は、初診日確認できないような人の場合に、やはりこれを柔軟に対応する手だて必要だというふうに考えるんですが、その点、どんなようなことをお考えなんですか。
#154
○政府参考人(青柳親房君) お尋ねにもございましたように、今度のケースの場合には初診日からかなりの期間を経て裁定請求するというケースが相当多くなるということは私どもも考えております。したがいまして、初診時の医療機関における診療録に基づく発病、それから初診を証明する医師の証明というのが原則でございますが、これが取れない場合も考えられると。この場合には、さかのぼることが可能な一番古い受診医療機関における医師の証明、あるいは本人記載の病歴申立書等から初診日を総合的に判断していくということが必要になってこようかと思います。
 その場合、受診医療機関の証明が取れないというようなケースもまた考えなければいかぬだろうと。その場合には、本人の申立書に加えて、身体障害者手帳や交通事故の証明書など、他の初診を客観的に明らかにすることができるような書類をお願いしなきゃいかぬだろうと。
 こういうものもなかなか入手ができないというようなケースの場合に、例えば初診当時の状況を証明できる複数の第三者の証明といったようなものをもって、できる限り実態に応じた初診日の判断というものをしていかなきゃいかぬというふうに現時点では考えております。
#155
○小池晃君 何かそんな古文書を探させるようなことをするんじゃなくて、こういう新しい制度を作るときなんだから、私、もっと柔軟な対応あっていいと。
 大臣、今いろんな行政文書のこと、交通事故報告書もありましたけれども、これも保存期間五年程度なんですよ。これは自治体によって違いますけれども。やっぱり、こういう制度を作り、しかも結構面倒な手続が要るという中で、申請をあきらめるという人が出るということは絶対あっちゃいけないと。
 大臣、その点で、やはり本当に、こういういろんな事情も考慮して、やはり救えるべき人はしっかり救える対応をしていくべきではないかと考えるんですが、その点いかがですか。
#156
○国務大臣(尾辻秀久君) 請求に当たっての手続ができるだけ分かりやすくするように、そしてまた簡便になるように工夫を講じるつもりでおります。とにかく手続は分かりやすいものにいたします。
#157
○小池晃君 いや、分かりやすいというのは、これはもう当然なんですけれども、それだけじゃなくて、やっぱり十年前、二十年前のことを証明するというのはこれは大変なことなわけですから、そこのところは本当にやはり負担にならないような形をこれは是非考えるべきだと。これから実施要綱とかいろいろとあるのかもしれませんが、そのときに是非その問題は考慮していただきたいということを、これは関係者の本当に切実な願いもありますので、お願いしたいと思います。
 それから最後に、すべての障害者の救済ということについて何問か聞きたいんですが、修正案提案者にお聞きをしたいんですが、修正された附則の二条で、検討すべき対象として在日外国人その他となっております。これ、どのような者を考えた書きぶりになっているのか。それからまた、「必要があると認められるときは、」「所要の措置が講ぜられるものとする。」、こうなっておりますが、ここはどのような措置を考えておられるのか、提案者のお考えをお聞きします。
#158
○衆議院議員(大村秀章君) 附則につきまして御質問いただきました。
 附則第二条を衆議院段階で修正をさせていただきまして、全員の賛成をいただいて修正させていただいたわけでございますが、附則第二条の検討の対象というのは、これは、国民年金制度がその対象としつつも、任意加入か強制加入かという加入形態の違いによって、結果として障害基礎年金を受給していないという特別の事情が生じた方々として、本法案において対象とされましたいわゆる平成三年三月以前の任意加入であった学生、また昭和六十一年三月以前において任意加入であった被用者の配偶者以外の障害基礎年金等を受給することができない障害者の方々でございまして、これで、二条で例示的にここに書かせていただきましたいわゆる国籍要件撤廃前の在日外国人の方のほか、任意加入となる前の在外邦人等の障害者の方々ということで御理解をいただいているところでございます。
 これらの方々につきましては、制度がそもそも対象としていなかったことといったこと、そしてまた、などなど、特定障害者の方とは事情を異にするということもございます。そういったこともすべて含めまして、これらの方々に対する福祉的措置を、これを修正された附則のこの検討規定の趣旨を踏まえながら検討していくということで、これも、この修正の附則につきまして、修正を踏まえて衆議院段階で附帯決議を、これも全員で御賛同いただいて附帯決議を付けさせていただきました。その際にも、これ早急に検討し、必要があると認められるときは結果に基づいて所要の措置を講ずるということでございまして、この趣旨を踏まえて関係者で議論、検討を進めていきたいというふうに思っております。
#159
○小池晃君 大臣、無年金障害者の問題、今ありました趣旨も踏まえて、やはり今回の立法だけで解決する問題ではないわけですから、やはりそのすべての救済という方向に向けて努力していくべきであるというふうに思います。今の修正の趣旨も踏まえて、すべての無年金障害者の救済という点でどのような解決の道を考えておられるのか、最後にお聞きしたいと思います。
#160
○国務大臣(尾辻秀久君) まずは外国人の障害者の方々等に対する福祉的措置についてでございますが、附則にもございますように、検討規定の趣旨を踏まえて、政府におきましても今後更に検討を進めてまいるつもりでございます。
#161
○小池晃君 無年金障害者の皆さんは、私は年金制度での枠内での解決ということを強く望んでおられるというふうに思います。日本共産党も、年金制度の枠組みで解決すべきだという主張をしてまいりました。無年金者の救済を図る上でも、低い年金額の底上げを図る上でも、最低保障制度を作るべきだということも提案しております。
 今回の法律については、この無年金障害者の救済を図る第一歩になり得るということで歓迎もし、賛成もしておりますが、今回対象にならない無年金障害者の救済のためにも、それから今回の対象となる人たちの給付額を更に前進させていくということにも取り組んでいくべきだと、私どもも今後ともそのために奮闘したいという決意を申し述べて、質問を終わります。
#162
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 本案に入る前に、昨日に引き続き、ちょっと積み残した問題を何点かお聞きをいたします。
 社会保険庁コンピューターシステムの契約外業務への支出につきまして、昨日質問をさせていただきました。これにつきまして、刷新可能性調査の内容について、作業で金額が幾らになっているかの明細を簡単なものをいただきましたが、人件費の見積り、これに幾ら掛かって、どういう見積りを出したかについては一切分かっておりません。
 人件費の見積りは出されているのか、あるのならそのコピーを示していただきたいのですが、いかがでしょうか。
#163
○政府参考人(青柳親房君) システムの改善等を図る際には、当然のことながら、新しいシステムに付加的な機能を追加する場合にどのぐらいの見積りが必要かということを計算をいたしまして、それに基づいて毎月の使用料というものを計算してまいります。
 ところが、この見積りを計算する際のやり方といたしましては、個々に人件費を積み上げて、その見積額に相当するものを出すというのではなくて、開発の規模、例えばこれはどのぐらいの大きさの規模だからどのくらいの経費が例えばソフトウエア、ハードウエアで掛かるというような形で言わば計算をするというのが従来の見積りの出し方でございました。
 したがいまして、これに相当する人件費の言わば見積りというものはないというふうにお答えをせざるを得ないと思います。
#164
○福島みずほ君 理解ができません。これは人件費の見積りなのに、人件費では出さない、規模で出すというのが理解ができません。
 人件費を人件費以外の見積りでどうやって見積もるんですか。
#165
○政府参考人(青柳親房君) システムを開発する場合には、当然のことながら、まずそのシステム自身の直接的なソフトあるいはハードの部分に経費が掛かるのは当然でありますが、それを維持あるいは管理するために様々な経費が掛かると、これらを全部総体といたしまして言わば経費が算出されるということでございますので、それを個々に、この部分についてこれだけの人件費があって幾らという積算の仕方をしておらないというふうに申し上げたつもりでございます。
#166
○福島みずほ君 やっぱり分からないです。百六億円は人件費として請求をされています。それが人件費でなくて事業だと言われてもよく分かりません。また、事業についても極めて簡単なものでして、百六億円これから支出をするのがよく分からないわけですね。
 そもそも、人件費の見積り、じゃ、そうしたら質問を変えます。百六億円のほとんどすべてが人件費ということになっておりますが、百六億円も掛かるには、NTTデータ、日立のすべての社員がこのシステムについて働いたとしても余る金額なのではないですか。
#167
○政府参考人(青柳親房君) 繰り返しになって大変恐縮でございますが、見積りに当たりましては、センター設備使用料というような形で該当の部分が、ハードウエアの使用料が月々幾らになるか、あるいはソフトウエアの使用料が幾らになるか、電力等の設備の使用料が幾らになるか、建物使用料が幾らになるかということで、このセンター設備の使用料という形で一括されてその必要経費が出てくると。これに、様々な事務処理の機器の使用料であったり、通信関係の設備の使用料であったり、通信回線の使用料であったりと、こういったものが足し合わされて、全体として必要な言わば見積りというものが積算されておるわけでございますので、ただいまお尋ねの点については、ハードウエアの使用料ないしはソフトウエアの使用料の中に言わば内包される形で見積り、積算がされておるというふうに御理解をいただきたいと思います。
#168
○福島みずほ君 さっぱり理解ができかねる見積りがなされていることについては、猛省を促したいと。理解ができません。
 この点については、そうしたら、人件費として出せないということであれば、百歩譲って、その規模別に、幾ら見積りが出て、実際どうだったのかという回答をしてください。いかがですか。
#169
○政府参考人(青柳親房君) 通常、こういったシステムの関係の経費については、いわゆるステップ数という形でその開発の規模というものをお示しをするというのが通例だと承知をしております。
 したがいまして、そのステップ数に応じて、これだけのステップのものをやるためには幾らという形で、その時々の言ってみれば必要額が計算されておりますので、具体的に例えば、いついつの改正で、いついつのこの部分についてのステップ数がどのくらいになっていて、それが幾らかという個別具体の話であれば私どもお答えはできるかと思いますが、今のような漠たるちょっとお尋ねですと、お答えのしようがないということでお許しをいただきたいと思います。
#170
○福島みずほ君 今日ここで言えということを言っているのではありません。具体的にそれぞれの積算を出してくれということです。例えば、予防保全とお客様要望改造、環境設定、構成管理、それだけでも見積りは可能なわけですね。
 ですから、それぞれの個別について積算、見積りの根拠、出した根拠、出してください。いかがですか。
#171
○政府参考人(青柳親房君) 誤解があるといけませんので念のために申し上げさせていただきますが、今回、最適化調査をするための一連のe―Japanに基づくところのレガシーの見直しというところで明らかになりました百六億円は、既に、先ほど来申し上げておりますデータ通信サービスという形で積算が行われて予算として決められたものを別の切り口で分解をしてみるとどうなるかということで、言わば事後的に評価したものでございます。したがって、そういう事前の積算があってどうのこうのということではなくて、それを事後的に分解するとどうなるかということでやった一例がお尋ねの百六億ということでございますので、そういう意味で、事後的にどうなったかということを整理をしてみろと言われれば、そういう切り口での整理は可能でございますが、これは契約の中身そのものでもございませんし、また予算の積算そのものでもないということだけは御理解を賜れればと思います。
#172
○福島みずほ君 ますます分からなくなりましたが、では、全部の要するに見積りですね、見積りがどういう形で出されたのか、それから、その結果支出されたものの個別的な支出の内訳について示していただけますか。
#173
○政府参考人(青柳親房君) 御存じのように、システムについては、制度改正等がありますとそのたびごとに新しい機能が付加されますので、どの時点のものということである程度限定をしてであれば、そのときにどういう形の積算をしたかということをお示しすることは可能であろうかと思いますので、お許しがいただければ、後ほど福島先生のところに具体的な条件と申しますか枠組みについてお尋ねに上がらせていただきたいというふうに考えております。
#174
○福島みずほ君 是非、資料をお願いいたします。
 ただ、どうもやっぱり何か納得がいかないのは、なぜ人件費として見積りを出しているのかがやっぱり分からないんですね。
#175
○政府参考人(青柳親房君) 恐縮でございますが、私ども、予算なりを組み立てて、それから執行する際の見積りの中では人件費という形の見積りはしておりません。
 先ほどの繰り返しになりますが、センター設備使用料という形で、ソフト、ハードその他のものの使用料の中に今おっしゃったような経費が含まれておるということでございますので、これを言わば切り口を変えて、それぞれが具体的にどういうものに使われているかということに分解をしていったときに初めて、この部分が言わば周辺のいろんな業務をやるための人件費に相当するものだということが判明したというふうに御理解をいただきたいと思います。
#176
○福島みずほ君 細かい見積りを出して、細かい書類を出していただくということで、それをまた精査をしたいというふうに思っております。
 実際に作業が行われたなら、作業が行われたことをどう確認しているのか。毎日の作業報告書などがきちっと存在をするのか。昨日も確認をいたしましたが、行われた作業それぞれについて、どれだけの社員が何人、単価、作業時間があるのかを示していただきたいと思います。
 というのは、申し訳ないけれども、全部丸投げをしていたんじゃないか、ざっくりと請求され、ざっくりと払って、契約外のことにもお金を払っているのではないかというふうに言われていますので、改めて質問させていただきます。
#177
○政府参考人(青柳親房君) まず、事後的にそれがどう使われたかということの検証という点で申し上げれば、残念ながら、当初こちらの方が予定をした様々なシステムの改修といったものがきちんと機能したかどうかということでしか評価ができないということでございます。
 いずれにしろ、センターの設備の使用料という形でお払いをしているものでありますので、それがこちらの予定した一定の機能を果たしたという結果があれば、私どもはこの使用料は適切に支出されたというふうにこれまで判断してきたところでございます。
#178
○福島みずほ君 ひどいですよ。トラブルが生じなかったのであれば適正に支出をされたというような答えじゃないですか。でもそれは、不必要なものでも支出があって機能したというふうに言えるわけで、必要なものか必要でないかは支出を細かく見ない限りは分かりません。
 今の答弁は極めて問題で、昨日も、作業が必要だったか否かは現在のシステムが順調に稼働しているということで示されると。しかし、順調に稼働していることイコール作業が必要であったというわけではありません。作業が必要ないものであってもシステムは十分に稼働し得ます。必要な作業であったとなぜ判断できるんですか。
#179
○政府参考人(青柳親房君) これまでの契約のやり方が、正に今委員から御指摘があったように、事後的にその評価をするのに、十分検証可能性に堪え得ないという点については、私も全くそのとおりだろうというふうに思っております。
 したがいまして、レガシーシステムの見直しの中では、そういった検証可能性に堪えるようなものを今後見直して作っていくべきだということは共通の認識だろうと思いますので、その点については、私は委員のお考えと別に違ったことを考えているつもりではないというふうにお答えさせていただきたいと思います。
#180
○福島みずほ君 事後的にチェックすべきだという点について意見が一致したことはうれしいと思いますが、これはすべての人が一致することだと思います。
 なぜこのような質問をするかといいますと、これは保険料からお金が払われていて、私たちもお金を払うこの保険料なわけですから、事後的なチェックは当たり前です。私たち、会社だったら、例えば普通のところでも、経費が本当に払われたか、払われたか、領収書がおかしくないかとかチェックをするわけです。ですから、今の、事後的なチェックが不十分だったと、それについて先生と意見が一致してよかったというのはいかがなものかと。これはもう大問題で、これはもう年金の保険料が値上がる国民が聞いたら激怒しますよ。激怒しますよ、本当に。年金の支給額が低くなる国民は激怒しますよ。
 この点につきまして、この百六億円の支出等について、調査の最終結果はいつごろどのような形で明らかにされるのか。そして、初めて今日局長と一致をいたしましたが、今後どのようにチェックし、どう改善していくのか、お答えください。
#181
○政府参考人(青柳親房君) 先ほど申し上げましたが、現在そのレガシーシステムの見直しということで刷新可能性調査というのを行っております。この刷新可能性調査につきましては、本年度の末に最終的な調査結果をまとめるということで、外部のコンサルティング会社に委託をして調査を行っているわけでございます。
 この刷新可能性調査というのは、システムそのものをどういう形で組み立てていけばよいのかということをお示しいただくことが直接の目的でございますが、その際に、あわせて、今問題になっております契約の見直しについても、どのような形でするのが適切か、こういう方向性が示されるものというふうに考えているところでございます。
#182
○福島みずほ君 どんぶり勘定で全部丸投げをして、お金を支出し、チェックもできなかった、この体質はこの社会保険庁だけの問題ではないというふうに思っています。
 厚生労働省におけるこのざぶざぶ、どんぶり勘定、そしてチェックなしという、この方向にきちっとメスを入れることをこの厚生労働委員会の中で確認をし、きちっとやっていくことが必要であるというふうに申し上げます。
 本法案に参ります。
 この特定障害者の人の裁判が起き、そして、過日、厚生労働大臣に当事者の人たちにわざわざ時間を割いていただいて会っていただいて、これは本当に感謝をしております。また、本日、議員の皆さんたちも、数十年以上放置されてきた無年金者の問題に関して、本当に貴重な第一歩、こういうことをまとめ上げられたことには心から敬意を表したいというふうに思っております。これが一歩となり、救済をされる人たちがいることは本当によかったというふうに思いますし、様々な御努力に関して心から敬意を表します。ただ、問題点も、やはり多々積み残された問題もありますので、やはりそのことに言及しないわけにはいきません。
 まず、この新潟そして東京地裁の判決は、年金制度の中でやれということを言っております。そして、不合理な差別で憲法十四条に反すると、これを正さなかった立法不作為があるとはっきり言っております。
 ところで、私は心配なのですが、障害基礎年金の支給金額に比べて三分の二以下と低額です。裁判所が、法の下の平等に反するので違法である、違憲であると判断をしましたけれども、この年金制度の中でやらない、給付額、支給額についても差があることに関して、不合理な差別で憲法違反であると裁判所が将来判断しないとも限りません。この点についてはいかがでしょうか。
#183
○政府参考人(渡辺芳樹君) 今御提案いただいている法案におきましては、二級障害の場合に四万円、一級の場合五万円とされております。その水準につきましては、福祉的措置ということで、福祉関係手当の中で最も充実した金額が支給されているものを念頭に置かれまして設定されたというふうに承知をしております。拠出制の年金の中で出てまいります障害基礎年金、この水準と全く同じというわけにもいかないというのが、私ども政府の側もそのように考えている次第でございます。
#184
○福島みずほ君 ただ、二つの違憲といった裁判所の判決は、不合理な差別であり、憲法違反だというふうに断ぜました。年金の枠内でやれということも判決で明言しています。将来もしも裁判が提訴された場合に、裁判所は合理的だと言うかもしれませんが、私は、相変わらず不合理な差別であって、違憲で、立法を尽くせという判決も出る可能性が極めて大きいというふうに思っています。ですから、貴重な一歩ではありますが、やはり将来的には本当に抜本的、体系的に解決をすべきだと思いますが、立法者、いかがでしょうか。
#185
○衆議院議員(福島豊君) ただいま先生からいろいろと御指摘があったわけであります。
 年金の制度の中でこれを行うのか、それとも福祉的措置としてこれを行うのか、これは与党の協議の中でも様々な意見がありましたし、また政府は政府としてのお考えもあるというふうに思います。そういう中で何よりも大切なことは、判決にも示されておりますように、長期間にわたってこうした方々に対しての措置というものが講ぜられてこなかった、その措置をこの機会にまず行うということが大切だと私どもは考えたわけであります。
 そして、年金制度の枠の中でというのは、我が国の年金制度は拠出に基づく給付と、こういう原則を取っているわけでありますので、その枠の中でやるということは、論理的にもなかなか直ちに簡単に答えが出ることではないと。将来にわたって出ないかと言われるとそうではないというふうには思いますけれども、直ちにそういう結論が出るわけではないと。さりとて、その措置を速やかに実施する必要があると、そういう観点から福祉的措置として考えたわけであります。
 そして、その給付額の問題につきましても、これは様々な考え方があります。十分であるのか十分でないのかと。ただ、一方で、福祉的な措置において現行の制度で給付されている水準というものを当然これは踏まえる必要があると。公平公正というのは、そういった点での公平公正というものもあるわけであります。ですから、私どもは今回のこの提案の中で、それぞれ五万円と四万円という水準にすると。一つは、福祉的措置の中の手当、その中で最も高い水準の特別児童扶養手当の水準、そしてまた障害基礎年金の国庫負担相当額、こういうものを踏まえて考えたわけであります。公平公正というのは様々な意味があるということを御理解をいただければというふうに思っております。
#186
○福島みずほ君 確かに今回第一歩で、私も心から良かったというふうに思いますが、やはり将来的には、無年金者をどうなくしていくのか、全体の年金制度の中でやはり不公平にならないような措置が取られるべきだし、私たちもその観点から努力をしたいというふうに思います。
 次に、在日外国人が国民年金の適用除外となった経緯について教えてください。
#187
○衆議院議員(長勢甚遠君) 衆議院でもいろいろ御質問いただきましたが、この法案を検討する中で、与党内でも外国人の問題についてはいろいろ議論のあったところでございます。その結果として、御提案申し上げておりますように、平成三年三月以前において任意加入であった学生や昭和六十一年三月以前において任意加入であった被用者の配偶者を特別障害給付金の支給対象として提案をさせていただきました。
 これらの方々は、つまり学生の方、配偶者の方々は、国民年金制度発足時には任意加入の対象とされておった方々でありますが、現在は強制加入の対象とされておるわけであります。こういう年金制度の発展の過程で、国民年金制度がその対象としつつも、任意加入か強制加入かという加入形態の違いによって、結果として障害基礎年金等を受給していないという事情を生ずるということがあったわけでありますので、こういう年金制度の発展の過程において生じた、いわゆる受け取れないという方々を今回対象としようという考え方で統一をさせていただきました。
 一方、この在日外国人の方々は、そもそも昭和五十七年の制度の対象となる前は制度の対象外でありましたので、今申し上げましたような配偶者の方々、学生の方々のような、制度の発展過程において生じた問題ということとは別の事情で追って生じた問題でございますので、今回対象としないということで整理をさせていただいて、提案をさせていただきました。
 ただ、これについては与党内の検討でも種々議論のあったところでありますし、衆議院の審議でもいろいろ御質問をいただきました。そういうことを前提にいたしまして、附則におきまして外国人の方々を特に明記をして今後の検討課題とさせていただいた次第でございます。
#188
○福島みずほ君 ちょっと納得がいかないんですが、在日外国人の人たちが国民年金の適用除外とされたのは制度的なあるいは経緯があり、本人たちに全く責めが帰すべき事由はありません。また、被用者年金は適用事業所に使用される労働者を対象としたものであるため、在日外国人であっても適用を受けますが、これもまたその在日外国人の人たちの考慮、事情で発生したものではないわけでして、本人たちの事情と無関係に様々な制度のはざまでこういう事態が発生したわけですから、判決が本人の責めに帰すべき事由によらず無年金になったということを重く受け止めているように、在日外国人についても同じように考慮をすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
#189
○衆議院議員(長勢甚遠君) 判決は御案内のとおりの内容でございますが、今政府においても控訴中と伺っておりますし、最高裁の判例その他の点から問題という意見もあるわけでございます。この判決は判決として、我々はこの制度の発展過程の中で生じた問題を何とか解決をしたい、しかも同僚の福島先生からも御答弁があったように、福祉的な措置の中で解決をするしかないという結論から今回の提案となった次第でございます。
 今おっしゃるように、外国人の方々が本人の責めに帰すべき事由で入ったとか入らなかったということがないことはそのとおりでございますが、先ほど御説明いたしましたように、年金制度とのかかわりの中で生じた、つまり発展過程の中で任意加入から強制加入になったという過程の中で生じた問題をこの際きちんと、従来から問題であった点でありますので、解決をしたいということで、こういう整理で御提案を申し上げておる次第であります。
#190
○福島みずほ君 在日外国人の問題については早急に解決すべきだということを申し上げます。
 ところで、法案の二十条ですが、必要な費用の交付とは、一体これは幾らなのか。認定は社会保険庁長官であるにもかかわらず、事務処理をするのは市町村というふうになっております。一貫性においてこれがばらばらではないか。一般的に国民年金の手続とは逆の動きになっていると考えますが、いかがでしょうか。
#191
○衆議院議員(桝屋敬悟君) 私の方からお答えをさせていただきたいと思います。最後に答弁できる機会を与えていただいて感謝申し上げたいと思います。
 認定の請求でございますが、今回我々考えましたのは、特定障害者からの認定の請求、この受付事務は市町村と。今御批判もございましたけれども、そして市町村が受け付けまして、障害認定あるいは支給事務、これは社会保険庁がやっていただくというふうにしております。
 市町村が行う理由というのは、まあ多く言う必要はありませんが、請求者の利便性を考慮するということでございまして、現在の国民年金、障害基礎年金と同じ扱いをするというふうに考えております。
 もう一点は、じゃ、どれぐらいその二十条で市町村に経済的な財政的な支援をするのかということについては、当然ながら適切な事務費について交付金として確保する必要があるだろうと、こう思っておりますが、これは成立後、政府において予算編成の過程で的確に対応していただきたいと、こう期待をしております。
 それから、順番が逆、流れが逆じゃないかという御指摘も一部ございましたが、私ども実は悩んだところでありますが、やはり市町村の窓口ということが、現在も国民年金については、特に障害年金の認定請求、裁定請求は市町村を経由しているわけでありますから、法定受託事務として経由しているということから考えますと、むしろ国民年金と同じ扱いだというふうに理解をしているところでございます。
#192
○福島みずほ君 時間ですので終わりますが、第一歩、貴重な第一歩を踏むことができたことは、議員連盟の頑張りや皆さんたち議員の頑張り、いろんな事情、当事者の頑張り、いろんなことがあったと思います。その貴重な一歩が今日法案として結実することを大変うれしく思っております。
 ただ、積み残した問題が明確にあり、かつ年金の根本的な解決をやらなければ解決しない問題でもありますので、その点に向けて全力を挙げていきたいと思います。
 以上で終わります。
#193
○委員長(岸宏一君) ほかに御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#194
○委員長(岸宏一君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、山本君から発言を求められておりますので、これを許します。山本孝史君。
#195
○山本孝史君 私は、ただいま可決されました特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、国民年金制度の発展過程で生じた無年金障害者の福祉の増進を図ることは喫緊の課題であるとの認識の下、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、無年金障害者の生活を支える家族の高齢化等の実情を踏まえ、国民年金制度に加入できなかった在日外国人その他の特定障害者以外の無年金障害者に対する福祉的措置については、本法の附則の規定に基づいて、早急に検討を開始し、必要があると認められるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずること。
 二、国民年金に加入できなかった在日外国人及び在外邦人を含む現在無年金となっている高齢者の社会保障制度における位置付けについても所要の検討を行うこと。
 三、特定障害者の基礎的な生活の支えとなる特別障害給付金の額については、今後の障害基礎年金等の水準の推移を踏まえて検討すること。
 四、本法の施行に当たっては、申請窓口となる市町村との連携を図りつつ、特別障害給付金の制度についての周知徹底を図るとともに、受給者が障害を有することに配慮して、請求手続の簡便化及び認定の迅速化等に努めること。
 五、今後、無年金者及びその可能性のある者の実態に関する調査を行うとともに、無年金者が発生することがないよう、万全の体制整備に努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#196
○委員長(岸宏一君) ただいま山本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#197
○委員長(岸宏一君) 全会一致と認めます。よって、山本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、尾辻厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。尾辻厚生労働大臣。
#198
○国務大臣(尾辻秀久君) ただいま御決議のありました本法案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存であります。
#199
○委員長(岸宏一君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#200
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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