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2004/11/18 第161回国会 参議院 参議院会議録情報 第161回国会 文教科学委員会 第6号
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2004/11/18 第161回国会 参議院

参議院会議録情報 第161回国会 文教科学委員会 第6号

#1
第161回国会 文教科学委員会 第6号
平成十六年十一月十八日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         亀井 郁夫君
    理 事
                有村 治子君
                北岡 秀二君
                佐藤 泰介君
                鈴木  寛君
    委 員
                荻原 健司君
                河合 常則君
                小泉 顕雄君
                後藤 博子君
                橋本 聖子君
                山本 順三君
                小林  元君
                下田 敦子君
                那谷屋正義君
                西岡 武夫君
                広中和歌子君
                浮島とも子君
                山下 栄一君
                小林美恵子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山口 俊史君
   参考人
       東京大学名誉教
       授
       財団法人エネル
       ギー総合工学研
       究所理事長    秋山  守君
       青森県議会議員  鹿内  博君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○独立行政法人日本原子力研究開発機構法案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(亀井郁夫君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 独立行政法人日本原子力研究開発機構法案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、参考人として東京大学名誉教授・財団法人エネルギー総合工学研究所理事長秋山守君及び青森県議会議員鹿内博君の二名の方に御出席をいただいております。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ当委員会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 参考人の皆さんから忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の進め方でございますが、まず秋山参考人、鹿内参考人の順でそれぞれ二十分程度御意見をお述べいただいた後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、意見の陳述、質疑及び答弁のいずれも着席のままで結構でございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 それでは、まず秋山参考人から御意見をお述べいただきたいと存じます。秋山参考人。
#3
○参考人(秋山守君) ただいま御紹介いただきました秋山でございます。よろしくお願い申し上げます。
 それでは、貴重なお時間をいただきましたので、お手元の資料に沿いまして、今般の日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構との統合に関しまして、私の考えるところを申し述べさせていただきます。
 私は、今回の原子力二法人の統合に関しまして、文部科学省が開催しました原子力二法人統合準備会議に委員として参加をいたしました。本日は、この原子力二法人統合準備会議での検討に参画しましたことを通じて、私が感じております新法人に対する期待を中心に、これまで私自身が大学等で原子力の研究及び教育に携わってきました立場からの意見も含めまして若干述べさせていただきます。
 原子力二法人統合会議は、平成十三年に閣議決定において原子力二法人の統合の方針が決定されました。これを受けて、平成十四年二月より検討が開始されました。この中で、事業の重点化、効率化を念頭に置きながら、新法人の役割、機能等について検討が行われ、最終的には平成十五年九月に報告書が取りまとめられるに至りました。
 この過程におきまして、十六回にわたり会議が開催されまして、文部科学副大臣殿を座長として、大学や産業界など各界から十八名の方が委員として検討に参画いたしました。
 また、この検討の過程で、私が座長からの依頼を受けまして、両法人がこれまで行ってきました個々の事業の評価とその見直しを行いますとともに、新法人における事業の方向性を明らかにするなどの検討事項に関しまして調査と論点の整理に携わってまいりました。
 また、検討の過程におきまして、委員のほかに電力会社、研究者、報道機関、企業会計の専門家など二十二名の有識者の方々から御意見をお伺いしますとともに、両法人の事業所を訪問しまして、研究開発の現場の現状に関する理解を深めると同時に、職員として研究開発に携わっている、特に若手の研究者や技術者との意見交換も行い、検討の参考にいたしました。
 こうした検討を通じて示された各界の有識者からの意見を基に、座長からの御依頼により、私が他の三名の委員とともに最終的な報告書の原案の取りまとめに当たったものでございます。
 それでは、報告書の主要な点につきまして御紹介を申し上げます。
 最初に、新法人設立の意義でございます。
 度重なる原子力施設の事故とこれらの事故に対する関係者の不適切な対応などによりまして、原子力に携わる関係者に対する国民の信頼が大きく損なわれるなど、原子力を取り巻く諸情勢は決して容易な状況ではございません。
 こうした中で、今回の原子力二法人の統合は、原子力に対する国民の皆様の信頼を回復する転換点とし、また新たな発展を目指す重要な機会として積極的にとらえるべきものであるということでございます。と同時に、既存の研究開発事業の整理合理化や研究資源の有効活用を一層推進することによりまして、総合的な研究開発体制の実現による効率的な業務の遂行が可能となると考えられます。
 次に、新法人の設立の基本理念でございます。
 新法人は、基礎・基盤研究からプロジェクト研究開発までを包含する極めて総合的かつ先端的な我が国で唯一の大規模な原子力の研究開発機関となりますことから、原子力の研究開発の国際的な中核的拠点の実現を目指すこととしております。また、原子力安全研究の成果を積極的に活用することによる国の政策への貢献を目指しますとともに、安全の確保を徹底し、立地地域との共生に最善を尽くすこととしております。
 次に、新法人の業務でございますが、原子力の基礎・基盤研究、核燃料サイクルの開発を目指した研究開発、そして原子力分野の人材養成等を業務とすることといたしております。
 最後に、統合による融合相乗効果と効率化のことでございますが、これまで両法人が別々に実施してまいりました基礎・基盤研究からプロジェクト研究にわたる多面的な研究開発分野におきまして、人材、そして施設、設備などの技術基盤を一体的に運用することによります融合相乗効果を発揮いたしますとともに、両法人が別々に実施してまいりました事業の一元化によりまして、業務の効果的かつ効率的な実施が期待されることを挙げております。
 以上が、統合準備会議の報告書において示されております主要な項目のことでございますが、本検討に参加された方々の御意見の中から、本日、幾つか要約して御報告を申し上げたいと存じます。
 まず、国のセキュリティーの確保を大きな使命とします原子力エネルギー開発を主体的に推進する任務を担っていくこと、この点を明確にした上で必要なことを検討していくことになりますが、その視野としまして、広くは人類全体の未来や科学技術発展の本質と動向を見据えながら達成すべき目標を設定し、計画を立案し、併せて各種の分析を進めていくことが前提となります。
 事業を担う組織とその運営に関しましては、近年ではどの分野でもそうでございますが、極力具体的な数値目標を示すことも要求されております。もちろん事業の内容の面におきまして、特に基礎研究などでは未知の領域に踏み込むことに伴う不確実性あるいはリスクが避けられず、プロジェクト事業などとは異なった認識に立つべきではありますが、全体といたしまして、目標意識を共有し、励まし合っていくことが肝要であります。
 次に、原子力をめぐる世界的な状況の中で、何が核心となるニーズなのか、何がミッションとして新法人に求められるのか、そして統合により何が新しい飛躍的ミッションと呼べるのか等々の議論を深めていくことが社会からの御理解を得ていくためにも必要でございます。
 安全研究に関しましては、その内容が多岐にわたりますことから、組織を区分することで中立性を担保するとの議論がございますが、必ずしもそれになじみにくいとの指摘も指摘されておりまして、監査の仕組みと個々の構成員の資格等がこれまで以上に重要になると考えられます。
 知的所有権の問題でございますが、社会的に見まして今後ますます厳しくなりますので、新法人におきましても丁寧な制度設計を進めることが必要でございます。また、技術移転に関する適切な仕組みを早急に構築し、効果的に運用していくことが望まれます。
 業務運営の在り方でございますが、流動的で柔軟な人事システムの構築が大きな課題でございます。年齢の進んだ研究者が自負と割り切りの気持ちを持ちながら新たな環境に移動していけることが大事でありまして、これは新法人の問題でありますと同時に、広く社会の関連のセクターや組織にもまたがる問題でもあります。
 ほかにも、統合準備会議の過程で実にたくさんの意見が出されましたが、本日の御報告では以上にとどめさせていただきます。
 さて、次に、新しく設立されます独立行政法人日本原子力開発機構に対する私の期待について述べさせていただきます。
 第一に、新法人は、我が国の原子力政策の基本方針であります原子力委員会がまとめる原子力研究開発長期計画や、閣議決定されましたエネルギー基本計画などにのっとりまして、研究開発を着実に実施するという役割を担っていく責任をしっかり果たしていってほしいということでございます。これらの国の政策として新法人に負託されました事業を着実に遂行していき、期待された成果を上げていくと同時に、原子力の新たな可能性を自ら開き、新たな構想を積極的に外部に提示していってほしいと考えております。
 第二に、原子力に関しまして、更に戦略的な取組が望まれるということでございます。現在の原子力を取り巻く環境の変化を含めた情勢は、決して容易な状況ではございません。こうした中で、原子力に関する研究開発のリソースは非常に限られてきております。しかし、資源の有効利用やエネルギーセキュリティーの確保、さらには地球環境の保全に取り組む観点などから、我が国が原子力の研究開発利用を着実に進めていくことの重要性は、これまでと何ら変わるものではございません。したがいまして、我が国唯一の大規模な原子力の総合的研究開発機関であります新法人は、これまで以上に優れた研究成果を生み出し、社会経済に貢献していかなければなりません。このためには、事業の選択と集中など戦略的な取組を進め、そして国民の期待におこたえ申し上げていくことが必要であると考えております。
 第三に、米国を中心とした多国間の協力によりますいわゆる第四世代の新型原子炉の開発構想が進展するなど、国際的に見ましても、原子力の研究開発におきまして新たな勢いが台頭しつつございまして、我が国もその中にあって適切に役割を果たしてまいることが望まれるという点でございます。現在、既に実用化されております最新型の原子炉であります改良型の軽水炉に続きまして、次の世代の原子炉として、米国を中心に多国間協定の枠組みによりまして第四世代原子力システムの動きが進展してきておりますが、この開発プロジェクトには、これまで原子力二法人が研究開発に取り組んでまいりましたナトリウム冷却の高速増殖炉や超高温ガス炉などの新型炉の開発プロジェクトが含まれておりまして、現在我が国は、この分野におきましても世界的に最も研究開発が進展している状況にあると評価できると存じます。今後、我が国がこのような国際協力の枠組みにおいて適切にその役割を果たしていくに当たりまして、新法人の果たすべき役割は非常に大きくなると考えております。
 第四に、特に研究開発の面におきまして、新法人のミッションとして期待いたしたいことでございます。
 まず、原子力エネルギーの安全かつ安定的な供給に貢献する高度利用技術を社会に提供いたしますとともに、国民の原子力に対する信頼の向上に努めてほしいということ。中性子線やイオンビームなどの放射線利用の更なる可能性を追求し、革新技術の創出を図り、工業、農業、医療利用を促進することによりまして国民の生活レベルの向上等に貢献してほしいということ。そして、原子力の平和利用や安全の確保を支える技術基盤を確立いたしますとともに、原子力分野の人材育成を通じまして我が国の社会経済及び国際社会に貢献していってほしいということでございます。
 第五点ですが、新法人の経営について申しますと、企画立案、経営管理などの面におきまして、法人のトップの裁量権を拡大することと責任所在の明確化が何よりも重要であると考えております。今回の統合におきましてこの法人が独立行政法人となることに伴いまして、制度的には、原子力長期計画を踏まえて国が策定いたします中期目標の下で、新法人のトップの裁量権を最大化していくことが可能になると考えてございます。新法人の経営に当たりましては、是非ともその方向で取り組んでいただきたいと考えております。また、新法人の経営に関する主務大臣等の外部との関係におきましては、その責任の所在を明確化していくことが重要であると考えております。
 最後に、新法人を含む先進的な研究開発組織に望まれることでございます。
 原子力にとりまして最も重要なものは人でございます。新法人も、優れて意欲のある人材を引き付けて、そして激励していく責任があると存じます。新法人の経営におきましても、人が最も重要であるということの認識を深めていただき、経営に携わる方々はこの認識に立っての経営に是非とも取り組んでいってほしいと考えております。
 また、これまでの研究開発の成果などを通じて得られました様々な知見などを取りまとめ、今後の活動に生かしていくことが必要であると存じます。そのためには、新法人の活動のベースとなります情報の基盤を強化いたしますとともに、それらを広く社会に対しても提供できるように努めていってほしいと考えております。
 また、今回の統合によりまして、新法人は我が国で唯一の大規模な原子力に関する総合的な研究開発機関となると存じます。このことによりまして、我が国におきまして原子力に関する研究開発に携わる人材、研究開発施設、研究成果などに関する情報等のほとんどがこの新法人に集中することになります。原子力の研究開発利用に携わる者といたしまして、この新法人の協力なくしては様々な活動を行うことが難しくなると考えられます。
 新法人は、外部との人や情報の交流と資産の蓄積と活用のための言わばプラットフォームとなりまして、そして外部に開かれた構造機能を持って戦略的に取り組んでいってほしいと考えております。
 また、現在の限られた研究資源の中で、原子力のような多額の資金を必要とする研究開発を引き続き着実に行っていきますためには、国際協力は必要不可欠なものになります。新法人におきまして、これまでの両法人の活動で培われました国際的な人脈や様々な知見を活用し、更なる国際ネットの整備と人脈の活用に努めていただきたいと期待しております。国際的な次元でのいかにして効果的にかつ効率的に研究開発を進めていくかという取組の一つとしまして、それぞれが人脈を最大限に活用できますよう、日常的な協力活動に取り組んでいくことが重要なのだと考えております。
 原子力の研究開発は、研究開発計画を企画しましてから、基礎的な実験に着手し、応用段階を経てプロジェクトとして開発に取り組むようになってからも、更に実用に至るまでに非常に長い時間を必要とすることが常であります。このため、研究開発を実施いたします上でも、長期的、さらに超長期的な視座に立った考察を必要とすることになります。新法人におきましても、長期的な視座に立ちまして研究開発に是非とも取り組んでいってほしいと期待しております。
 以上でございます。御清聴ありがとうございました。
#4
○委員長(亀井郁夫君) どうもありがとうございました。
 次に、鹿内参考人にお願いいたします。鹿内参考人。
#5
○参考人(鹿内博君) 御紹介いただきました鹿内でございます。
 重要な法案の審議の場に参考人という形で話をできる機会を与えていただきまして、ありがとうございました。感謝申し上げたいと思います。
 地元に原子力施設を多数抱え、そしてまた国策にかかわってきた地元の声の一つとして、一人として聞いていただければ、そしてまた参考としていただければ有り難いと思います。
 今日、私の説明の資料としてお手元にお配りしてございます。それに従って話を進めさせていただきたいと思います。
 一番先に、美しく豊かな青森県を子供たちに残したいと、県民の一人として市民運動に三十年近くかかわってまいりました。大きなものを五つほど挙げてあります。
 その中で特に申し上げたいことは、当委員会にもかかわると思うんですが、白神山地が我が国初の世界遺産に指定を、登録をされました。その最大の原動力、経緯は、これは国民と県民の自然を守りたいという自然保護運動が世界遺産登録に結び付いたものだと思います。そうさせたゆえんは、大規模林道を国が当時青森県と秋田県の間で進めていたと。その大規模林道、青秋林道と言いますが、その林道を阻止をしていきたい、そして自然を守りたいという願いが、結果としてそれが実って、そして世界遺産の登録に結び付きました。そういう大型プロジェクト開発が地域に幸せをもたらすという、恐らくそれは、以前のそういう地域振興ではなく、自然を大切に人とのかかわりの中で真の地域の振興を目指す、その象徴といいますか、それが青森県と秋田県での白神山地、世界遺産になったという具合に思います。
 そういうようなことを、青森市のねぶた祭りでありますとか、あるいは津軽弁をともに楽しむことでありますとか、あるいは青森県内を歩きながら青森県の自然とか様々な文化を、あるいは食べるものを楽しみながら百キロ歩く会ですとか、あるいは本州と北海道の大動脈であった青函連絡船を残す運動であるとか、そういう地域の問題に県民の一人として、あるいは市民の一人としてかかわってまいりました。
 その中で、二つ目として、県政の特に開発という部分で見ていきますと、国策に協力をして、その国策に振り回されて、なおかつその国策が失敗をしてきたと、そういうところの歴史をこれは認めざるを得ません。そしてその中で、その政策の賛否をめぐって地元が感情的に、あるいは世論として真っ二つに分かれて、様々な犠牲を伴ってきたという歴史がございます。
 この@からIまで書いておりますが、特に原子力船「むつ」の母港問題は当委員会に直接かかわってきたものだと思いますし、それから現在、むつ小川原開発の一環の中でされています核燃料サイクル施設、後ほど触れますが、そのことは、むつ小川原開発計画が失敗をしたということの正にその後始末というか、そのために導入されたと言えるものであります。さらに、東通原発、大間原発、そしてまた今誘致をされていますITER、あるいはこれから計画をされている、されていくであろう使用済核燃料中間貯蔵施設あるいはMOX燃料加工施設と、そういうものが軒並み本県においてなされてきたし、なされようとしています。
 その中身については、一番最後に青森県の地図を示してありますので、その中でいかに青森県が国策あるいは特に原子力施設とかかわりがあってきたか、と同時に、そのことが、今後仮に今の国の政策が進むと、日本で仮に四十年後に原子力施設が最も稼働、操業している場所は多分青森県であろうという具合に推測をせざるを得ません。そういう地元の一人として申し上げたいと思います。
 三点目としては、そういう経緯の中で、特に電源三法交付金等による国策と土木公共事業依存の経済構造と体質が残念ながらできつつあるという具合に思います。この責任、これは国だけに押し付ける気持ちは毛頭ございません。私も県政にかかわっている一人として、やはり県政にとっても大きな責任であるという具合に思います。
 具体的に、県財政、あるいはむつ市の原子力船「むつ」の母港から始まって、今、中間貯蔵施設の誘致、それから六ケ所村においては、二ページ目に入りますが、むつ小川原開発が失敗をし、それが核燃サイクル、そしてITER誘致、さらにはMOX燃料加工施設という具合に、正に国策に依存しているという、そういう部分はやっぱりこれは否定できないという具合に思います。
 そういう歴史的背景の中で、四点目として、今御審議をされております法案にかかわって、青森県と原子力研究所とのかかわりについてです。基本的には、原研が技術開発をして、本県で実用化あるいは商業化をしていくと。
 原子力船「むつ」については、それは本県での母港という形になりました。
 特に、ITERについては、原研でされている実験的なものが今度はITERという形で国際的にされ、誘致をされようとしている。ただし、このことについては、青森県としても、私の試算でありますが、五百億円の地元負担がこれはもう必然的に求められるであろうという具合に、もう県としても数百億円の財政負担というものを明らかにしていますし、私はそれよりもはるかに多い金額を議会等で申し上げてまいりました。
 ただ、そのことは、前に失敗をしたむつ小川原開発の石油コンビナート構想の二の舞になりかねないと。まだこれが、幸か不幸か、我が国に決まるかフランスに決まるか分かりませんが、仮に我が国六ケ所村にITERが建設をされた場合においても多くの不安あるいは問題があるということをまず申し上げておきたいという具合に思います。
 五点目として、本県と核燃料サイクル開発機構とのかかわりについてであります。この核燃料サイクル、核燃サイクル機構は、従前、動燃ということでありましたので、その動燃という言葉をそのまま機構という言葉に使わさしていただきました。したがって、サイクル機構が技術開発をしたものを本県で実用化、商業化をされている。
 一つは、核燃料サイクル施設、六ケ所村におけるウラン濃縮工場であります。動燃岡山県の人形峠の実験プラントで開発をして成功したということで、六ケ所村日本原燃のウラン濃縮工場に遠心分離器を導入されていますが、既に一万七千百八十四台停止をしています。この停止という状況は、必ずしも開発は成功しなかったという具合に言えるものではないかという具合に思います。
 二つ目として、再処理工場があります。御存じのように、東海の再処理工場の実績があるから六ケ所村で我が国初の商業再処理工場をやりますということでありますが、なぜか施設の本体についてはフランスのUP3の技術が大半といいますか、多く導入です。なぜ我が国の動燃あるいは核燃サイクル機構が開発をした東海の技術を導入しないのか。そういう点では、やはり東海工場、正にこれから議論されるであろう新法人の役割を十分吟味をする必要があるだろうという具合に考えます。
 三つ目として、高レベル放射性廃棄物ガラス固化の施設であります。これについては、この後段の方に書いてございましたが、なぜかこの件に関しては、本体はフランスの施設を使いながら、ガラス固化施設については東海の技術を導入するという形になります。この東海のガラス固化施設については、最近、七月でありますが、評価委員会の中間報告書というのが公表となりました、実際に作られたのは前のようでありますが。この中の評価委員の言葉の中に、報告書の二十ページに記されておりますが、ガラス固化を製造する過程の技術開発がまだ十分に開発されていないとの評価がされているということ、私は唖然といたしました。やはり、そういう現実と同時に、相次ぐトラブルということ、やはりそれで果たして核燃サイクル機構として実績が十分と言えるかどうか。と同時に、それを六ケ所に、不十分な技術を六ケ所の商業施設に導入していいかどうかという部分は、更に議論を重ねる必要があるだろうという具合に思います。
 四点目の大間の原発でありますが、これも当初、旧動燃が開発をした新型転換炉「ふげん」の実証炉を大間に建設をするという計画で地元が進めておりました。しかし、その後、電気事業連合会が経済的に新型転換は問題があるということで見直しを求めて、現在は、我が国初、正にそれは世界で初と思うんですが、軽水炉によるフルMOX装荷にABWRの原子炉を今進めている最中であります。しかし、国内でのMOX利用については、機構の「ふげん」にありますが、軽水炉ではわずかに六体しかございません。にもかかわらず、安全性を、これを主張しておりますが、やはりその背景にあるのは、旧動燃、機構がこういう実績があるということがそこの背景にありますが、地元にいる一人としては到底その安全性については納得できるものではありません。
 五点目として、MOXの加工施設についてでありますが、これは今、日本原燃が当県また六ケ所村に立地要請をしておりますが、この背景として、東海事業所の開発実績を挙げております。しかし、この建設も私はやはり多くの問題があるという具合に受け止めています。特に安全性についてであります。
 三ページに入ります。
 六番目に、原子力施設の相次ぐ事故隠し。相次ぐ事故あるいはそのデータ隠し、あるいは事業者による資料隠しあるいはデータ改ざんと。そういうものでの国民の原子力行政あるいは原子力事業者あるいは原子力施設に対する不信、不安は高まっているという、そういう状況をまず強調しなければならないという具合に思います。
 そして七点目として、そういう状況の中での二法人、核燃サイクル機構それから日本原子力研究所の責任と役割は私は極めて重要であったし、あるという具合に思いますが、十分その役目を果たしてこなかったという具合に私は認識しております。
 その理由としては、@として、「もんじゅ」の事故とそれにかかわるビデオ隠しがありました。
 二つ目として、再処理工場の火災爆発事故がありました。
 三つ目として、今年の三月の国会で議論になりました、直接処分試算にかかわる問題での核燃サイクル機構並びに日本原子力研究所での対応であります。
 それはなぜかといいますと、九六年にこの問題はあったわけですが、それ以前に既に旧動燃においてはいわゆる直接処分の試算をされておりましたし、それから九六年に議論されておった総合エネルギー調査会のワーキンググループには当時の動燃の理事長さんも委員として参加をされておりましたし、当然そういう国会の議論というものは二法人は十分熟知あるいは認識をしなければならなかったはずでありますし、それへの対応というものは私はやはり不信を更に高めたという具合に思います。
 四点目として、原子力長計を始めとする原子力政策の様々な審議会あるいは会議あるいは会合、その決定をする、審議をする場面での、サイクル機構並びに日本研究所の皆さんは、ほとんどの委員会に参加、出席をされているはずであります。しかし、それらについて果たして十分な役割を果たしたかといいますと、私は、そうではない、そのことが結果として、先般の美浜原発事故なりあるいは東海村のジェー・シー・オー事故等にも入っていると思います。それは、事前であれ、その後の調査委員会であれ、同様にあるだろうという具合に思います。そのことについては、やはり両法人の研究機関としての独立性、自主性あるいは独自性というものが果たしてその中で十分発揮されてこなかったのではないかと。これはそういう委員会の議事録等を見た、あるいは地元に原子力施設を抱えている県民の一人としてそういう議論の状況を見たときに、そんな印象を強く持ちます。
 もちろん、日本原燃にも、サイクル機構から延べにして二百五十二名の職員が派遣をされています。現在でも百四十六名。そして、日本原燃の職員が六百四名、サイクル機構の教育を受けている。にもかかわらず、溶接を不正にされていることが見抜けない。あるいは配管接続を誤ってやることも見抜けない。防止もできない。いろんな問題があるということは、やはりそういう面での指摘をせざるを得ないという具合に思います。
 そして、法案審議に望むことについては、八番目でありますが、原子力に対する国民、県民の不信は払拭をして、信頼と安全の確立をまずお願いを申し上げたいと思います。
 二つ目として、原子力政策の今後の在り方について、原子力長計の審議も含めて徹底的かつ十分な審議を尽くして国民の理解と合意を得ていただきたい。私は核燃料サイクル政策は破綻をしているという具合に認識をいたします。
 そして、(2)として、両法人の業務は、基本は原子力長計にありますが、長期計画の中間報告が十一月十二日に公表されました。この内容は極めて不十分でありますし、あいまいでありますし、問題点を先送りであります。したがって、国民の意見募集等によるパブリックコメント等での国民合意による長計の策定を私は国会の立場からもやはり求めるべきであるという具合に考えます。
 今、手元にその中間報告の取りまとめを持っておりますが、この中でも、例えば再処理を放棄をした場合にどういう問題が発生するかということが書かれてあります、いわゆる政策変更を行った場合。この内容を見ますと、普通、再処理工場の目的はプルトニウムを取り出すことにあるはずですから、政策変更をすればプルトニウムが足りなくなって困るというのが報告書のメーンでなければならないのに、そうなっていない。その三番目の中に書いていますが、六ページの三番目にありますが、結果として原子力発電からの使用済燃料の搬出が困難になる、あるいは原子力発電所が停止をする、あるいは中間貯蔵や最終処分場の立地に大きな困難が発生する事態に予想されると。正にこのことは、核のごみをどこに持っていくかという観点でしか再処理工場の考え方をしていないということは、青森県は再処理工場という名目での核のごみ捨て場かということを、あえてやはりそういう疑念を訴えざるを得ません。
 さらに、この中で、余剰の、いわゆるその再処理できない部分の余った使用済核燃料についてはどうするかと。それは二〇一〇年ごろから検討を開始をして、六ケ所再処理工場の操業終了、二〇四五年と今言われていますが、それに間に合うまでに建設、操業ができるように結論を得ると。何と二〇四五年、あと四十年以上もたって、まあ結論出るのはその五年くらい前になるんでしょうか、操業できると。これほど、これが国策と言えるかどうか。私は到底受け入れられないものでもあります。
 そしてまた、余剰プルトニウムの懸念についてはこう記されています。プルトニウム利用の徹底した透明化を進めるために、事業者はプルトニウムを分離する前にその利用量、利用場所、利用開始時期及び利用に要する期間の目途などから成る利用目的を公表することが適切であり、そしてこれを誠実に実施していくことが期待されると。期待されるという書き方が果たして国策と言えるかどうか。まして、プルトニウムという核兵器にかかわる疑念について、これが長期計画だと言えるか、国策としての長期計画かどうか、私は大きな疑問を持ちます。そのことを、問題点を@からIまで書いております。
 (3)番として、正に国民の理解、合意、協力を欠いた政策は、この長計は、国策とは言えません。いずれこれは破綻をする、あるいは事故を招く。その結果、国民に、特にその原子力施設を抱える地元と次世代に多大な膨大な犠牲を強いることになります。これまでの原子力船「むつ」にせよ、あるいはむつ小川原開発の失敗が私はそれを物語っているという具合に訴えたいと思います。そして、それを回避するためにも、国民に信頼される原子力行政の展開のための研究機関としての新法人の役割と充実を私は求めたいという具合に思います。
 九番目として、法案の内容について幾つか私なりに申し上げておきますが、「もんじゅ」事故等についてはやっぱり総括をしっかりとすべきであるという具合に思います。
 そして、最後のページになりますが、A番として、私は両組織を統合して巨大な原子力機関を設立する意味と必要性はないと思います。
 三番目として、原子力安全委員会の関与、もちろん原子力委員会の関与も薄められている、現在より薄められているということについて、そしてまた依然として経済産業省、文部科学省の複数の省庁の縦割り行政のままでの国民のメリットは私はないものという具合に思います。
 そして、その新法人の業務には、私は破綻したと申し上げましたが、核燃サイクルの技術の確立は私は不要だという具合に思います。むしろ、その七番目に、最後の方にありますが、結果としてサイクル機構の業務は私は不要であって、むしろ原研が今進めている安全研究の機関として充実を図っていくべきだし、あるいは使用済核燃料の後始末、あるいは原子力施設の後始末をいかに安全にすべきかと、そこの部分に注意すべきであるという具合に思います。
 最後に申し上げたいことは、私ども青森県を始めとして、原子力施設が建設されているのはなぜか電力の大量消費地から遠く離れたところにあります。それでいて安全だ安心だと言われ、そして電源三法交付金で地域振興だと言われていることには、私はやはり率直な疑問と不信を持ちます。
 二つ目として、事故や不祥事が発生するたびに、国民はそうですが、特に地元自治体、住民が犠牲になる。それでは私は国策と言えないのではないかと思います。
 最後に、このたびの法案の審議については、重ねて申し上げたいと思いますが、原子力長期計画の策定論議と重なっておりますので、この機会に、原子力の世界が、いわゆる原子力の村とも言われてきました、と言われないように、真に今日の地方分権と構造改革が実現したと、されると、そのことを法案の審議の中で実現していただければと、そのことをお願い申し上げたいと思います。
 ありがとうございました。
#6
○委員長(亀井郁夫君) どうもありがとうございました。
 以上で参考人の方々からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、両参考人にお願い申し上げます。
 御答弁の際は、委員長の指名を受けてから御発言いただくようお願いいたします。
 また、時間が限られておりますので、できるだけ簡潔におまとめください。
 質疑のある方は順次発言を願います。
#7
○有村治子君 おはようございます。自由民主党の有村治子です。
 今日は両参考人、お忙しい中ありがとうございます。座ったまま質問をさせていただきます。
 お二人のお話を伺っていて、特に秋山先生は科学的アプローチを大事にされる現実派、そして鹿内先生は理念を持って地元の視点で闘う市民活動家というような視点で、両方本当に敬意を持って、非常に文字どおり参考になりました。そういう意味ですごく有り難かったなというふうに思っています。
 改めて感じるのは、お二人がやはり原子力ということを、それぞれの立場は違いますけれども、非常に真摯に考えていらして、情報量、経験量、知識量が圧倒的にアドバンテージがおありになって、質問もかなり心してさせていただかないとなかなか的確なアプローチが出せないなというふうに痛感いたしました。と同時に、やはり一般の国民の皆さんに近い視点で素朴な質問を持っているかもしれないというようなところで、今日は特に、原子力に関してはそれぞれのお立場がおありになると思いますが、両法人がやはり統合するというこの法案に特化したような形で、限られた二十分の中で質問をさせていただきたいと思います。
 特に行政というか、アドミニストレーション、マネジメントのところで集中してお伺いをさせていただきたいと思います。その点、秋山先生の発言が多かったので、ちょっと集中するかと思います。
 今回、両法人の統合によって効率的、効果的、そして一貫的な原子力に関する総合的な国内唯一の、随一のプロジェクトの拠点ができるということで、非常にメリットの部分を強調しておられるように私は認識したんですが、では、そもそもなぜ今まで統合された組織ではなかったのかというところが私には見えてきません。やはり、そういう意味では、今回、独立行政法人の日本の行政の趨勢を受けての統合ではないのかというような素朴な質問が出てまいります。その点について、なぜ今の時期に、統合がいいとおっしゃるんであれば、過去にそうでなかったのか、教えていただきたいと思います。
#8
○参考人(秋山守君) 今御指摘のように、日本の原子力研究が始まりましたころにまず中核として設立された研究機関が日本原子力研究所でございまして、その後、動力炉と核燃料サイクルの分野を中心に計画的な開発を目的とする事業団が発足したわけでございます。それぞれの組織の目的、使命に沿いながら、その後着実に成果を上げてこられたと認識しております。
 今回の統合の議論のそもそもの発端は、大きくは国全体としての行政改革の流れの中で、これまで様々な面で協力関係にありました一般的にはその複数の組織を統合することによって、それぞれの実績とか特徴を踏まえながら新しい展開を含めて合理的、効率的に事業を進めるというもので、今回の案件もその一環だと認識しております。
 今御指摘のように、それぞれの二つの法人が発足しました過去におきましては、それぞれの背景、目的、意義が当然存在したわけでございます。現在のような行革、合理化の要請が顕著な状況ではない時代に発足したということもあるかと思います。
 では、一体、今統合を目指すのはそもそもどのような意義、目的かという点でございますが、組織が一つになりますと、やがて社内文化が一つになって、場合によりましては停滞に向かうということもあるかと思いますので、それぞれのミッションとかあるいはカルチャーの違う組織が単純に統合することが即メリットがあるということではないわけでございますが、昨今見ましても、様々な企業、民間でも連携あるいは統合という動きもございます。また一方で、その中で分社化の動きもあるということで、統合とその組織自身の経営は別段として、内部的に活動の実質としては、それぞれが独立と連携というふうに相互に特徴を持たしながら進めていけばよろしいのではないかと思います。
 一言で申しますと、やはり集団の中で、あるいは組織の中で多様性を持っていくということが重要でありますから、統合という、その組織は一つになっても、やはりその中で多様性を持たすということで努めていただければよろしいかと思っております。
 以上でございます。
#9
○有村治子君 ありがとうございます。
 組織論的なアプローチも今おっしゃっていただきましたけれども、先ほど秋山先生が、新法人に期待される意義とか、原子力政策に対する国民の信頼を回復する第一歩にしていただきたいというような御期待をおっしゃいました。私も全くそう思います。
 ですが、原子力そのものに対して国民の多くの方々は、やはり何か起こってしまったときに取り返しの付かないことになるという漠とした不安というのを大変大きなものをお持ちになっているというのは、やはり現状の問題だと思います。
 だからこそ、じゃ、どう信頼を作っていくのかというのがすごく現実的な課題になると思うんですが、先ほどおっしゃった社会、経済に貢献というところを、もう少し一歩踏み込んだ形でお伺いさせていただきます。
 じゃ、どうやって国民の皆さんの安心とか信頼感を高めていくかということを考えれば、どう安心に足る情報を受発信していくかということも大事だと思うんですが、今回の統合を受けて、一般国民の、一般的な生活者あるいは国民の日々の生活の中から見たらどういうメリットが将来的に起こり得るのかという視点で新法人に課される使命ということを教えていただきたいと思います。
 例えば、事故が少なくなるということが見込まれるとか、あるいは私たち国民の一家族当たりのエネルギーコストが低く抑えられるということが期待されるとか、そうじゃないというような報道も私も耳にしたことがありますので、この統合によって私たち一家族が、国民を成すそれぞれの家庭がどういうメリットを将来的に享受し得るのか、お教えいただきたいと思います。
#10
○参考人(秋山守君) お答え申し上げます。
 統合によってもたらされる価値といいますか意義につきまして、ただいまの先生の御関心の範囲にそのままお沿いできるかどうか分かりませんが、私の認識といたしまして、統合のそもそもの背景は合理化、効率化ということがあったわけでございますが、その成果として、結果として、両法人の持つ実力あるいは特徴を相互に、何といいますか、刺激し合うことによりまして付加価値を高めていく、新しい成果、新しい価値を生産していくという面が大いにあるのではないかと思います。
 効率化というものは、投入資源に対して成果をもっと上げていくという意味での効率化という面もございます。当然、経営効率化ではコストを下げるということもございますが、成果の効率化という点では成果をもっともっと高めていくと、また今先生の御指摘のように、特に技術そのものということではなくて、今後は社会との関連とか、あるいは安全、安心とか、また特に国際的な貢献といったような幅広い成果、付加価値というところを目指していくということであろうかと思います。
#11
○有村治子君 もう一つ、今おっしゃっていただいたところに関連する質問をさせていただきます。
 では、その国際的な競争力を持つべき、あるいは持っていくことが望ましいというふうな認識が一方にある中で、本当にこの原子力の分野で、先ほど第四世代の原子力システムということもちょっと言及されましたけれども、本当にこの分野で第一級の国際競争力を持っていなければいけないのかどうか、もし持っていなきゃいけないんだとすれば何が必要なのか、お教えいただきたいと思います。
 と同時に、国際協力も大事だということを先生おっしゃいましたけれども、国際協力と国際競争力は矛盾しないのかどうか。どうやって、一方日本のアドバンテージを握る、一方でどうやって競争と競合を併存させていくのか、その辺がちょっと私には見えてこないので、お教えいただきたいと思います。
#12
○参考人(秋山守君) 国際競争と国際協力というものは、私は、人間に手が二本ありますけれども、やはり両方それぞれの意義があり、かつ一つずつは確かに方向は矛盾するようではありますけれども、両者を適宜に使い分け、また場合によっては統合し融合しながら進めていくこと、これは長い人類社会の歴史が示すところでもあります。単に競争とか単に協調ということでなくて、やはり両者を視野に入れていくということが重要ではないかと思います。
 我が国がこの分野で国際競争力を保持する意義はいかにという御質問、最初の御質問でございますが、やはり国際競争力を維持することが、原子力システム、特にプラント、燃料サイクル、関連製品、あるいは運用システム、人、それぞれの資産に対する力を保持するということでございまして、我が国は御案内のように資源小国で、技術によって製品やシステムを海外市場に普及していくということが不可欠でございますので、そのような面で力を維持し、また発展していくという意味で、国際競争力を保持していくということは私は極めて肝要であると思っております。逆に、もし日本が国際競争力を失えば、原子力システムはもとより、関連の産業、インフラ、すべてレベルが下がってくるわけでございます。
 そのような状況をかんがみますと、やはり私は、日本が先進的なシステムを保有し、自己革新を高めながら進んでいくということが重要である、社会の活力維持のためにも必要であるというふうに考えております。
#13
○有村治子君 ありがとうございます。
 今ちょっと一般的な国際競争力についての御説明をいただいたかなというような認識で、私自身も基本的には、この文教でも日本人の国際競争力をしっかりと持って海外に対等に伍していくべきというような、これを推進していかなきゃいけないという国際競争力に関しての問題意識は常に持っておりますのであれなんですが、なぜこの原子力でというところは今後もう少し私たちも丁寧に議論していかなきゃいけないなというふうに痛感をしております。
 では、もう一人の鹿内先生の方にも御質問させていただきたいと思います。
 原子力政策、特に青森で原子力関連のプロジェクトが現在進行中、あるいは将来的にも進行するという可能性がある中での、鹿内先生は地元では本当に名の知れた活動家だということを随分前に聞いていたんですが、今日伺ってよかったなというふうに思っております。と同時に、青森の先生、青森の住人として、また政治家としての先生の御信念や活動のバックグラウンドは理解して、一定の敬意を心から持っています。
 しかし、なぜ今回、茨城県の東海村の二つのプロジェクト、二つの施設が統合するというときに、鹿内先生が、青森県の鹿内先生がここにいらっしゃるのかというところが私、いま一つまだ理解難しいなと思っているところなんですね。
 原子力について慎重であるべき、そして国民の安全、安心がまずもって大事だというふうにおっしゃる先生のあれは非常に説得力がありました。しかし、実際に今、原子力エネルギーを仮にやめたとしても、実際にその廃棄物、核処理をしたその廃棄物は出てくるわけで、今やめたとしても実際に出ているわけで、そういう意味では、放射性廃棄物を安全に処理処分するというようなノウハウや、それだけの投資は現実問題として日本でやっていかなきゃいけない。このことについてはどうお考えなのか、お教えいただきたいと思います。
 特に、今回、実態はどうなるか今後見ていかなきゃいけないですが、両法人が統合することによって効率化、合理性をねらうということをねらった今回の法案で、それにどういうお立場でいらっしゃるのか。反対なのか慎重なのか賛成なのか、その直接の動機が、ちょっと私にはまだその関連が見えなかったので、お教えいただきたいと思います。
#14
○参考人(鹿内博君) 私がこういう機会を与えていただいたことには感謝を申し上げますし、ただ、それは私でなくても、例えば青森県と同じように茨城県でありますとか、福島県でありますとか、福井県でありますとか、そういう原子力施設を立地をされている地域の、県会議員でなくっても市会議員あるいは一市民として、あるいは一県民としてこういう機会が委員会からお与えいただければ、多分喜んで出席をして発言しただろうという具合に思います。それで、私は、その中での一人として、地元の声の一つとして、私が今日こうして機会を与えていただいたものという具合に受け止めています。
 廃棄物については、私は、先ほど法人の法案の審議の中で、資料の三枚目の八番目と九番目の中で非常にはしょって申し上げましたが、廃棄物については、これは現在の原研においても十分安全対策あるいは安全に処理をするという部分については私は十分やっていけるものと、また当然やっていかなければならないものという具合に考えます。
 そして、一方では、この特に核燃サイクル機構の経費の多くを、あるいはほとんどを占めているいわゆる核燃サイクル政策、そのための再処理工場を始めとする一連の政策にかかわる技術開発等については、私はもう核燃サイクル政策は破綻したという具合に認識をしていますので、そしてこれまでの旧動燃等の経営と実績からすると私は不要であろうという具合に、その中で先ほども申し上げました。
 その中で、この法案についてのお尋ねがございましたが、私は、この法案については、賛否を問われれば反対でございます。
 じゃ、具体的に何が望ましいのかといえば、むしろこの機会、法案の審議をされている機会でありますので、長計についてしっかりと国会として御議論いただきたい。その上で、私は、核燃サイクル機構の一連の進めている核燃サイクル政策にかかわる等の事業についてはなくして、完全になくして、そして安全研究の部分をその業務、核燃サイクル機構が持っている、先ほど申し上げた再処理の問題ではない、使用済み核燃料なり、あるいは原子力施設の安全に処理をする、処分をする、その部分についての研究を原研の方に移して、その方が私はより効率的なものだという具合に考えます。
#15
○有村治子君 恐らく、時間的なものから最後の質問になるかとは思うんですけれども、今回のことでいろいろ調べて、最新のものだったんですが、概観としては、例えば、じゃ日本のエネルギーを、どうやって私たちは先進国としてこれからも生き続けるのかということを考えると、火力発電が約六割、六〇%、原子力が三一・二%ぐらい、水力発電が一〇%弱、バイオマスとかあるいは風力発電ってその理念はとってもいいですけれども、全体の日本が使うエネルギー量から考えると〇・四%しかないということを考えると、私たちは政治家として現実的にどうあるべきかということも理念と同時に考えていかなきゃいけない。
 そういう意味では、鹿内先生は、その三分の一を成す原子力がなくなってしまえば、本当に停電がどうなるかというような危機を去年の夏も経験しそうになった。そんなことが実際に直面する課題の中で、じゃ、どういう代替案をお持ちでいらっしゃるのか、最後にお伺いさせていただきたいと存じます。
#16
○参考人(鹿内博君) 私も、そのことについては非常に関心がありますし、提案をしていきたいと思っています。
 残念ながら、私どもにその提案をしていくための十分な情報あるいは権限はございません。と申しますのは、私は県会議員の立場で様々な問題について国等に尋ねる機会を得たいと思って来ても、なかなかその場面を確保し得なかったという部分もかつてございました。
 そういう限られた中での、次に申し上げたいと思います。そういう面で限られた内容についてのお許しをいただきたいと思うんですが、私は、今、原子力が三五%論というのは、現在のウランを使っての原子力が三五%を占めているという話でございます。その件と、私が先ほど申し上げました核燃サイクル政策、いわゆる東海事業所でやっている再処理工場、あるいは高速増殖炉、あるいはプルサーマル計画、それが今回の原子力長計の主なこれまでの議論でございました。その議論はプルトニウムをどうするかという議論でございます。そのプルトニウムをどうするかというエネルギー政策の話と、今現実にある三五%原子力政策を、話とこれは分けて議論していくべきだと、そういう具合に考えます。
 そうして、その上でなお私が望ましいと考えますのは、今、仮に再処理を進め、プルトニウム利用を進めていけばおよそ四十兆円のお金が今後四十年掛かると言われています。試算されています。それは私もっと増えるだろうと思うんですが、仮に四十兆円をプルトニウムに使うのであれば、じゃその分、新エネルギーなり、あるいは水素でも結構です、あるいはほかの代替エネルギーの開発でも結構です、そういうものとの政策の選択肢をやはり示していただきたい。国に対してまず示していただきたい。様々な面でその議論をすべきだという具合に思います。私も議論したいし、また私と同じように運動している方も大いに議論して提案もしていきたいと思っています。
 しかし、さっき冒頭申し上げましたように、私どもには限られた情報と限られた権限でございますので、そういう点では、やはり原子力長計なり、あるいはもし、策定会議の場なり、あるいは原子力委員会なり、あるいは国会の場なり、その場で御議論いただき、そしてまた、そこに私どもが提案をしていけるために必要な情報を私どもにも与えていただきたい、そういう確保できる機会を与えていただきたい、そういうことをお願いも申し上げたいと思います。
#17
○有村治子君 ありがとうございました。
 最後のコメントですが、今お伺いしたところでも、やはり現実的にこうだという前に情報がもっと欲しいということは国民の皆さんの要望としておありになるということを強く認識します。
 と同時に、やっぱり、火力発電というのが六割を占めていますが、これを更に強化しようとすると石油か天然ガスを燃やさなきゃいけない、二酸化炭素が、CO2が更に出てくる、京都議定書はどうなるんだというようなこともあるので、火力発電にしてもそれなりのコストとリスクがあるということを認識した上で、私たち、改めて丁寧な議論をしていかなきゃいけないな、国民の皆さんに受発信をともに進めていかなきゃいけないなという思いを認識いたしました。
 以上で自民党有村治子の質問を終わらせていただきます。秋山参考人、鹿内参考人、ありがとうございました。
#18
○委員長(亀井郁夫君) ありがとうございました。
 じゃ、続きまして、下田敦子君。
#19
○下田敦子君 両参考人様には非常にお忙しい中からわざわざお出ましを賜りまして、当委員会に……
#20
○委員長(亀井郁夫君) 先生、座ったままで結構ですよ。
#21
○下田敦子君 はい。意見を陳述賜りまして誠にありがとうございました。
 それでは座らせていただきます。
 まず、秋山参考人様にお尋ねをいたします。
 御経歴を拝見して、原子力委員会の参与をお務めでいらしたということもあるので、その意味からお尋ねをします。
 まず、今回のこの二法人、学術研究組織である原子力研究所及びエネルギー開発にかかわる事業体である核燃料サイクル開発機構という、誠に二つの、ある意味で異質な、違う目的を持ったそれぞれのものが一緒になるということに一つの今置かれている問題がまずあるのではないかと思います。
 それから、独立行政法人化は、国立大学始めいろいろ、今こういう二〇〇一年からの行革の一環でありますので、大変そういうことが必要なときであるということは分かりますけれども、実は、経産省、経済産業省の方でも、新エネルギー・産業開発機構、いわゆるNEDOの所管のエネルギー関連法人を統合してこれから独立行政法人化する動きが御案内のようにあります。
 新法人は、何と一兆二千億円の予算執行権を持ち、これにもって電力自由化、核燃料サイクルにまで政策を提言する、俗に、大変言葉はなんなんですが、裏エネルギー庁ということをマスコミでは言われているわけなんですが、そういう懸念をマスメディアを通して国民は持っているわけですが。
 今回のこの二法人の統合に関しても、アメリカの電力の自由化の流れがあるのではないか。それから原子力、アメリカの原子力規制委員会、いわゆるNRCの規制緩和の動きがあるのではないかと。あるいは、日本でも高稼働率化運転をして検査の簡素化も必要とされている時節柄、そういうこともあるのではないかということもささやかれているわけです。非常に原子力発電所もそれぞれの年数がたってきておりますので、国費で賄われているその延命処置ですね、原子力施設の管理運営等においても国費がなかなか大変なときに入ったという要因もあるのではないかと。
 いろんなことが今ささやかれているわけなんですが、これらの背景についてまずどういうふうに思っていらっしゃいますか。今までのコストダウン化が叫ばれている中から、予測可能な事故あるいは不正等の隠ぺい対策としてそのための法整備がなされるのではないかということが言われています。
 それからもう一つこれに絡んで、このたびの統合によりますと、両機関は約四千五百人の職員数になると考えられます。予算額は両機関で約二千三百億円。ところが、累積の欠損金が両機関で約四兆円。これで果たして私どもが最も期待する人材育成、大変、秋山参考人様のように専門家である方の養成というのは時間も掛かり、大変な専門的な教育が必要とされるわけですが、こういう累積欠損金の中でこれらのことが可能であるか、まずお尋ねしたいと思います。
 それで、大変たくさんお尋ねしたいことがあるので、簡潔にひとつ、箇条書的で結構でございます。
#22
○参考人(秋山守君) まず、最初に御指摘の組織論的な観点の課題でございます。
 異質な二法人が統合することに伴う問題のことでございますが、以前にも申し上げましたように、多様化とそれから統合ということは必ずしも私は矛盾しないというふうに認識しております。組織の形態とかその立場というものが統合ということであっても、中の運営というものはできるだけ多様化かつ柔軟に、それぞれのパートが特色を持って目的に最大化するということで実効は得られるのではないかと思います。
 組織論的なことで、例えば内外比較で申しますと、アメリカの場合には関連の原子力の研究開発機関が幾つもございまして、それは最近、アライアンスと言っていいような、お互いの連携をもっと強めていこうということでございます。それは組織として一体するのではなくて、手をつないでもっともっと連絡を密にしていく、そういう行き方もございます。今回の我が国は行革を発端として組織的には統合するわけでございますが、今るる申し上げましたように、その中で独自性を生かすということで、これは十分成果に向かっていけるのではないかと思っております。
 それから、あと幾つか御指摘の点ございましたが、最後に御指摘の欠損金のことにつきましては、私の認識では、実質的に欠損金を継承しないということになっていると承っております。
#23
○下田敦子君 それでは、次のお尋ねであります。
 ここに今回の開発法案の資料がございます。この中で、十四ページに次のことが書かれてあります。いわゆる役員及び職員の秘密保持義務、第十五条、十六条であります。この秘密保持義務を課してあるわけなんですが、いわゆる独立行政法人であってもみなし公務員規定としてこれを扱うということなんですが、私は、こういう情報公開を第一として、しかもその透明性をまずもって掲げていかなければならない原子力行政の中にあって、これは逆行しているんではないかとまず思うんです。このことについていかがでしょうか。
#24
○参考人(秋山守君) 秘密保持規定が原則、公開原則に反するかどうかという御指摘につきまして、原子力基本法第二条に定められております公開の原則によりますと、平和利用に限られるべき原子力の研究、開発及び利用の推進が、軍事利用等の誤った方向に向けられることを原子力の研究等に関する成果の公開によって抑制しようと、これが目的でございまして、一方、今回の新機構法案に規定します秘密保持義務といいますのは、新機構の役職員が共同研究の相手方の保有する知的財産権といった内容のものを、法律でもって保護するに値するもの、その秘密を反社会的な方法で漏えいしないようにという目的だと思いまして、その背景と内容は異質なものだと思います。
 したがいまして、先生御指摘の原子力の公開の原則と矛盾するかという点につきましては、私はそれと関連しないものだと思っております。
#25
○下田敦子君 ここにもう一冊のものがあります。これは、参議院の文教科学委員会調査室で出されている私ども委員会の所管事項の解説書でありますが、この中に核燃料サイクルについての解説がありまして、実に、行数は多くはないんですけれども、現在に至るまでの軽水炉におけるMOX燃料、プルサーマルに関する問題等々について、ただこれだけ見ても、一杯ここに問題がありました。
 いわゆる平成十四年度のMOX燃料の品質管理データの改ざん問題、それから新潟県の刈羽村の住民投票による反対の勝利、それからあとは平成十四年度の東京電力の自主点検記録の不正記載問題、不祥事、これ、挙げれば切りがありません。先般の美浜の原発のたくさんの亡くなったああいう事故に関する問題とか、東海村の臨界の問題とか、すべてやはり、ひとつ国民がよく分かりやすくという、先ほどの有村委員のお話にもありましたように、国民が分かりやすくということに対しての情報公開は、非常に私は、限りなく専門家であるから、専門的な分野であるからより必要だろうと思っております。
 そこでお尋ねしたいんですが、この法案のものを見てみますと、監視機能がない。これについてどういうふうに思われておりますか、お尋ねしたいと思います。
#26
○参考人(秋山守君) 組織の監視機能ということに関しましては、役員の中の監事を始めといたしまして、それにかかわる人材とかあるいは部署というものが当然私は設置されるものと認識しております。
 それ以上の詳細かつ具体的な、今先生の御指摘の目的に沿う活動の計画というのは私はまだ存じてないのでございますが、いずれにしましても、基本的には、御指摘の点は極めて根本的かつ重要なポイントでございますので、新法人の計画の中に適切に反映されているものと理解しております。
#27
○下田敦子君 外部監査は、その内部の監査なのではなくて、中立性を保った、本当に専門的な知識を持った方々による第三者評価とか外部監査とか、もう既にどんな一学校法人であれ、様々そういうことが問われている時代に入りました。
 これほどの重要な国策であるというもの、本当に不安を抱えながらいろんなことをしているものに、それらがまだはっきりないというこの法案に対して、私どもはすんなり安心して認めるという気持ちには、まず第一にこの監視機能がないということを私ども心配になります。
 次にお尋ねします。
 先般、これはIAEAのエルバラダイ事務局長が中山文部大臣をお訪ねになりました。マスメディアの中で知る限りにおいては、なぜかこの方が、IAEAにとっても独立、この原子力二法人の統合が非常に喜ばしいことだと、そしてIAEAの邦人職員の増強を望む、それから、御案内のとおりサイクル機構にワシントン事務所がありますけれども、これの拡充、充実を望んでいるということが報道されています。
 もちろん、我が国は国際原子力機構、IAEAから統合保障措置ということで認められたというか、一大原子力国家だと。ですが、この原子力そのものを生かそうと思うと、必ずそれに火力発電所がプラスしてきます。先ほど有村委員のお話がありましたように、二酸化炭素という問題がありましたけれども、原子力を行うという際には必ず火力発電所が伴ってくるものなのですから、これはやはり大きな問題だろうと思いますけれども。
 この点について、なぜ、なぜ今この法案に関してエルバラダイ事務局長が、喜ばしいことだと、更に充実を、拡充をと言われるのか。これはちょっと御担当外のお尋ねかもしれませんけれども、御所管になられる範囲で結構ですから、おっしゃっていただきたいと思います。
#28
○参考人(秋山守君) ただいま先生の御指摘の点は、私十分理解できておりませんので、単なる所感で恐縮でございますが、一般的に、やはり我が国の優秀な人材がIAEAも含めた国際舞台で一層活躍していくということの重要性、これは様々な機会に指摘されているとおりでございます。ほかの国に比べて、出向しておられる方、またそこで現地に同化して働いておられる方の人数の比率が少ないということも指摘されているとおりでございます。
 今度の法人統合との関連で、そこをどう前向きに改善していくかという点でございますが、具体的な計画は、私、存じておりませんけれども、一方では合理化、効率化に向かう中で、その中で優れた国際人を自分の組織の中で育てていかれる努力を通じて、さらに今のエルバラダイさんの御期待に沿えるような人材が次々に出ていかれるのではないかと期待しております。
 もう一点の、何か原子力にも火力がやはり含まれているのではないかという御指摘でございます。
 これはシステムの設計とか社会構造の設計によってそのかかわりは変わってくると思いますけれども、原子力そのものの本質であるところの二酸化炭素フリーであるという特性、これをもっともっと生かせるような全体の発電システムの構想、構想というのは当然原子力の専門家の間では議論され、また確信を持っているところでございます。
 以上です。
#29
○下田敦子君 国策である核燃料サイクルの最終処分地、これの核燃料廃棄されるものがいまだかつてどこに廃棄されるか、どう処理されるかがはっきりしておりません。
 本日、再処理の試験のスタートを青森県知事が認める、認めたということですが、全国の五十一基から排出する核燃料廃棄物は、再処理したとしてもこれはその能力に間に合いません。で、直接処分するか、再処理でこれMOX燃料に変えていくかということなんですが、そのためには、その直接処分地が北海道の幌延というところに深層地埋設を研究して今やるということであるわけですけれども、これもはっきり決まっているわけではない。
 先般、東海村に参りましたら、直接処分地が、中間施設がむつ市だと、青森県のむつ市だということですが、これ地元の反対も非常に強いものがあって、たとえむつ市に預かったにしても、まだ五十一基から毎日毎日出てくる処分量は抱え切れません。トイレなきマンションだと言われているくらいでありますが、このことについてどういうふうにお考えか、おっしゃっていただきたいと思います。
#30
○参考人(秋山守君) 今回、再処理かあるいは直接処分か、あるいはその中間、又はその他の方式かというようなオプションを提示されまして、それぞれの専門家あるいは業界関係者の方々が意見と知恵を出し合って御議論され、その内容がまとまったところだと理解しております。結論的に、私の理解では、再処理を進めていくという従来の方針は、現時点で様々な検討を経た上で確認されたというふうに理解しております。
 廃棄物の管理につきましては、これレベルごとに様々な研究、開発、計画が進んでおりまして、高レベルの廃棄物につきましても、それの受け元となる事業体も設立されまして、着々と計画が進んでいると私は理解しております。
 以上でございます。
#31
○下田敦子君 先般、平成十六年の十一月十二日に、先ほどお話が出ました中間取りまとめが発表されました。それをいろいろ拝見しているんですが、全くこの中にあるように、シナリオ一、シナリオ二、シナリオ三、シナリオ四ということで仮定したことでのお話であって、具体策は何もこの中から読み取ることはできません。「今後の進め方」というのにも、必要な施策の方向を検討していくものとするというだけであって、非常にこれは何のための中間取りまとめなのかなと思います。
 実は、青森県のことだけではないと思いますが、この核燃料サイクル、先ほどお話がありましたように、青森県内では県民の六八・三%が不安であるというパブリックコメントが届いています。東北六県においては三〇・一%の人が安全でないと、そういうことをおっしゃっておりまして、これは全国の十三県の県議会の議長協議会から原子力発電に関する要望書がほとんど全部安全に関して出てきています。
 それから、福島県のエネルギー政策検討会として中間の取りまとめがこのようにまとめて来ていますが、すべておっしゃるように、非常に不安であって、中間取りまとめのような何だか見えないようなシナリオでは困るというふうな意味合いのものが書かれているわけです。
 最後に、鹿内議員にお尋ねします。
 非常に、大変二兆円を超える地元工事発注高があって、実際サイクルの施設等々が造られてきているわけなんですが、先般やっぱりこれの中でも不祥事があって、大変な工事をまたしなきゃならないことがありました。再処理の施設です。元請があって下請、孫請まで行くと、これらのものの工事費が極めて限られたものになるということが言われているわけなんですが、その工程の中で青森県の工事にかかわる、あるいは再処理にかかわる者が被曝量が非常に、労働者、技術者の被曝量が増えているということが言われているわけなんですが、このことについては鹿内議員はどういうふうにお考えでしょうか。
#32
○参考人(鹿内博君) 今の被曝量が増えている、要するに再処理が本格操業しないにもかかわらず被曝量が増えているというのは、これは事実としてあります。
 ただ、その理由としては、再処理工場の貯蔵プールの問題、水漏れ問題、まあ、そこは溶接が十分でなかったと。それをために工事をすると、あるいは検査をするということで、そこの部分の作業が増え、それから、使用済核燃料それ自体がそこにもう入っておりますので、施設が汚染をされておりますから、その汚染をされている施設の中で作業をするわけですから、それは法律で定められた基準以下ではあっても被曝をしていると。そこは、そういう後始末というか、当初からの工事があるいは設計管理が十分でなかったがゆえにそういう溶接の後始末をするために工事をしなきゃならぬ、あるいは検査をしなきゃならぬということで、またそこで、それに要した人たちが、作業員の方々が被曝をしていくということにあるかと。今詳しい数字はちょっと手元にありませんので、申し訳ありません。
#33
○下田敦子君 じゃ、最後の……
#34
○委員長(亀井郁夫君) ありがとうございました。
 もう時間がないもんですから、済みません、どうも。次行かしてください。いいですか。
#35
○下田敦子君 はい。
#36
○浮島とも子君 公明党の浮島とも子です。よろしくお願いいたします。
 本日は、秋山先生、鹿内先生には大変お忙しい中お越しくださり、本当にありがとうございました。座らせて質問さしていただきます。
 さて、本日、両先生に御意見をお伺いしたいのは、日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構という二つの法人を統合して新しく日本原子力研究開発機構という研究開発機関を設立するための法律案についてですが、私は、今回新しくできる法人は、原子力の研究開発をしっかりと行い、その成果を人類社会の福祉や国民生活の水準の向上に寄与するものと、重要な役割を担っていかなければならないと思っております。そのために、まず現場で研究開発に取り組む研究者や技術者の方々、つまり人材に関する問題が何よりも重要なのではないでしょうか。
 先ほど、秋山先生のお話にもあったんですけれども、最も重要なのは人であるというふうにおっしゃっておりましたけれども、私自身はバレリーナとしてこれまで世界で長く身を置き、阪神・淡路大震災の後、神戸でミュージカルの劇団を運営してまいりましたが、これからの経験を通しても、人材の育成は大切かつ重要であるということを感じてまいりました。このことは、原子力の研究開発であっても何も変わることではないと思います。そこで、本日は、人材の問題を中心に秋山先生と鹿内先生から御意見をお伺いしたいと思います。
 まず、秋山先生にお尋ねいたします。
 この法人においても、研究者や技術者を始めとする職員の方々が高いモラルを持ってその職務に取り組むことのできる環境をつくることこそ、優れた研究成果を生み出すための重要な条件になると思うのですが、今後、この法人を運営していくに当たり、職員が意欲を持って仕事に取り組むことができるようにするという観点から留意すべきことがございましたら、これまで原子力の研究開発の第一線で御活躍の秋山先生のお立場からお聞かせいただけないでしょうか。
#37
○参考人(秋山守君) まず、留意点についてお話し申し上げる前に、先生御指摘の点に関します最近の動きといいますか、状況につきまして私の理解を申し上げますと、最近、私の所属しております学会等でも、技術者のいわゆる倫理の重要性、これが極めて皆様にひとしくかつ強く認識されるに至った状況でございます。倫理、これに基づくモラルをいかに確保、向上していくかということ、これがもう学会のみならず、あらゆる分野でもう最重要と申してもよろしい状況かと思います。
 以上が背景でございまして、今回の法人の今後の経営につきまして、今の点にどのようなことが盛り込まれているかという私の認識でございますが、経営者におかれまして、透明性を持った的確な評価をまず組織内で行って、それに伴って適切な処遇をすると。人をそこで、何といいますか、評価して、そして前向きに元気付けていく、また処遇をしていくという、これがまず最重要ではないかと思います。
 第二点は、共通して組織、またそこにいらっしゃる人々が安全とかあるいは品質保証といった面での認識を深めるべく自己研修を深めていくということだと思います。もうこれは海外でもこの面は大変進んでおりますので、交流をしながら研修を深めていく。実は、私、個人的なことでございますが、品質保証研究会というところの会長を務めさせていただいた経験もございますが、物の品質ではなくて、やはり人の品質、品格、それを今後深めていくことを通じて、これは別の言葉では、モラルを向上することによって安全性を高め、かつ、その組織の魅力を外部にアピールしていくということにもなるのではないかと思います。
 以上でございます。
#38
○浮島とも子君 ありがとうございました。
 次に、この法人が原子力の研究開発で優れた成果を上げるためには、現場の研究者や技術者が意欲を持って仕事に取り組むことができる環境を整備するだけではなく、まず優れた能力を有する研究者や技術者が確保されることが必要なのは言うまでもないと思います。
 そのためには、我が国において優秀な原子力分野の人材を育成することが大前提になるのではないでしょうか。特に、この原子力の研究開発という高度な先端科学技術分野に携わる人材を育成するに当たっては、大学を中心とした高等教育の果たす役割が大きいのではないでしょうか。
 秋山先生は、これまで東京大学において原子力の教育研究に携わり優れた実績を上げてこられたと存じますけれども、現在、先生は、大学における原子力の教育研究の現状をどのようにごらんになっておられるのでしょうか。秋山先生にその現状と評価についてお伺いいたします。
 また、先生御自身としては、我が国において、大学における原子力の教育研究を今後どのように進めていくべきとのお考えをお持ちなのでしょうか。併せて今後の在り方について御見解をお伺いいたします。
#39
○参考人(秋山守君) ありがとうございます。
 まず、一つの具体的な例といたしまして、私が元所属しておりました東京大学で、今、先生御指摘の方向でどのような計画が進んでいるかということを御報告申し上げたいと存じます。
 東京大学には新しい大学院を構築しようという計画がございまして、その内容は、簡単に申し上げますと、専門職の大学院を中心とする原子力専攻というものを工学系の研究科の中に新しく設置すると、これが一つの大きな柱でございます。その活動の場は茨城県の東海村に置くという計画になっていると存じております。それと並行いたしまして、原子力国際専攻と仮に名付けられた組織を、これは東京に基盤を置きまして、今申しました原子力専攻と原子力国際専攻とを両方を一体化して運営していくと、こういう構想になっているようでございます。
 原子力専攻におきましては、原子力新法人からも客員教授とか非常勤講師をお迎えする計画になっているようでございますし、ほかの機関からも、あるいは産業界からもお招きをするということのようでございます。
 原子力専攻の内容は、やはり安全とか社会工学といったようなところも視野に置いておりますし、国際専攻では、原子力の基盤、マネジメント、また国際的な保障関係のことも視野に入れた、これが動きでございますが、一言で申し上げますと、このような場を設けることによってお互いの連携を深めていく時代になってきたなという感じでございます。
 それからもう一点、冒頭の御意見、御質問、私の誤解でなければ、人材養成に関して今度の新法人と大学との関係いかにという点であったかと思いまして、もしそうでございますれば一言だけ申し上げたいと存じますが、新法人におきましても、学生の高等教育、実地研修といったことを目的とした受入れ、施設の利用の提供、また研究プロジェクト資金の支援といったようなことを含めまして、流動的に学生とか研究員を大学から受け入れるということと同時に、大学に対しても、流動教授あるいは交換教授という形で進んで入っていかれようということだと思います。
 このようなことで、今度の新法人がそういう意味でも大きな基盤になるという期待でございます。
 以上です。
#40
○浮島とも子君 秋山先生のおっしゃるとおり、本当に大学における原子力の人材の養成はとても重要であることと私も思っております。
 また、今回新しく設立される法人は、大学における原子力の人材養成にどのような形で寄与していくことが期待されるのでしょうか。引き続き秋山先生にお尋ねいたします。
#41
○参考人(秋山守君) ありがとうございます。
 先ほどの最後の部分で申し上げましたように、新法人と大学との交流を深めることによって人材を育成するということでございますが、そのときに、どのような人材を意識していくかという点につきまして、やはり私は、専門的な技術、知見を深めるとともに、トータルな人間として、人間性を十分に踏まえた、あるいは体したそのような教育研修、そしてまた人材育成であるべきだと思います。
 その際、やはりこういう開かれた時代におきましては、国際化ですとか学際化ですとか業際化ですとか、それぞれのセクターあるいはコミュニティーの方々と交流をすることによってそれぞれが刺激し合っていくことが大変重要であると思います。これまでのように、講座制とか学部制とかということで、そこの中で縦型で育った学生ということではなくて、やはりこれから新法人を基盤としてもっともっと横にも斜めにも広がっていく、国際、学際、業際といったような視点で、大変豊かな将来のビジョンを持った人材を育てていっていただきたいと期待しております。
#42
○浮島とも子君 ありがとうございました。
 この法人が大学における原子力教育研究の積極的に支援していくことができるよう、関係者の皆様の積極的な取組に期待をさせていただきたいと思います。
 あと、原子力の研究開発や利用を進めていくに当たっては、安全の確保が守るべき何よりも重要なことであることは言うまでもありません。そのためには、原子力施設の安全性の向上や国の原子力安全規制に最新の安全に関する科学的な知見を常に取り入れていくことが必要不可欠です。このために、この法人の行う研究開発はどのような役割を果たすことが期待されているのでしょうか。鹿内先生が県議会議員を務められている青森県においても多くの原子力施設が稼働しておりますけれども、原子力施設の安全性の確保という観点から、この法人の研究開発に関して果たすべき役割や期待する内容がございましたら、先生の御見解をお願いいたします。
#43
○参考人(鹿内博君) 法人、私、基本的には、先ほどこの法人から核燃サイクル政策に係る技術開発はやめるべきであるということを申し上げまして、あわせて、安全性については、廃棄物の処分、あるいは現在ある原子力施設の安全性については、そこはやはり今の原子力研究所を中心としてしっかりと国として安全性確保のために努力をしていただきたい、役割を果たしていただきたいということをまず基本的に申し上げたいと思います。
 そして、新法人という部分になった場合に、私はやっぱりなぜ、今日までそのそれぞれの法人が技術開発をし、あるいはその安全研究をしてきたにもかかわらず、商業原子炉が運転されて四十年になると思うんですが、にもかかわらず、今の時点でまだ品質管理ですとか従業員教育ですとか、最も初歩的なことがなぜ今まだ議論しなければならないのか、逆に、何を今までこの二つの法人並びに国の原子力行政としてやってきたのか、そこの部分を私はまずこの法人の統合の前に総括をすべきだと、議論をすべきだという具合に思います。
 そして、その中で私なりに見解を申し上げれば、やはりそれぞれの法人の根本的に体質改善をしなければならないのではないかなという具合に思います。
 一つの例を挙げて大変恐縮ですが、両法人の役員を見ますと、関係監督省庁からの、まあ言葉は大変失礼ですが、天下りの方が占めている、トップであったり、重要なポジションを占めている。果たしてそれでプロパーの職員の方がその職場に意気込みとか使命感を十二分に果たせるかどうかということが一つあると思います。
 もう一つは、両研究機関、法人あるいは日本の原子力行政すべてが、いわゆるその職員の方々がその仕事に誇りを持てる、あるいは職場に誇りを持てる、そのための条件整備が、環境は十分であったのかどうか。それは、一つだけ申し上げれば、やはりそういう政策、事業が国民の理解なり信頼、あるいは裏付けがあったかどうか。あれば、私は職員の方は誇りも使命感も持って仕事に当たれると思うんです。しかし私は、残念ながら今日まで、「もんじゅ」の事故、あるいは再処理の火災爆発、あるいは国等における資料隠し、データ改ざん等の対応を見てきますと、必ずしもそういう環境にはなかったと。むしろ、そういう環境なりあるいは政策の裏付けをしっかり作ることがより優れた人材育成につながるし、また、より優れた職場環境になっていくと、私はそういう具合に考えます。
#44
○浮島とも子君 ありがとうございました。
 この点において秋山先生はどうお考えでいらっしゃいますでしょうか。
#45
○参考人(秋山守君) お答えになっているかどうか分かりませんが、先生の最初に御指摘になったことの私の理解では、安全について具体的にかつ明確な目標というものを我々がまず持って、それに向けて絶えず安全のレベルを維持、向上していくメカニズムを、あるいは力を内に持っていなければいけないという点に関しての御指摘であったのではないかと思います。
 もしそうでございますれば、やはり安全というものは、これは御案内のように、こういう複雑な社会また天然自然の変化の中で究極の安全というものは一体何かという議論がございますけれども、やはり我々は十分納得のできる安全かつ安心という、そういう状態を目指して日々絶えずその力を高める、そういう力とかメカニズムを我々が共有していくと、もうこれに尽きるのではないかと思います。
 現在では、合理的な安全な、まあ目標ということではないんですけれども、皆さんがコンセンサスとして、我々の現実的な投資努力の範囲では、この時点ではもうここまで、これは行きましょうというようなゴールを目指して行っている、そういう状態ではないかと思います。でも、それに甘んじるのではなくて、それを更に超える努力というものも常に意識していかなければいけないのではないかと思います。
 以上でございます。
#46
○浮島とも子君 ありがとうございました。
 最後になりますけれども、鹿内先生に一つお伺いをさしていただきます。
 先ほど有村委員の方からもありますけれども、資源の乏しい我が国におきましては、エネルギーを安定して確保していくために原子力エネルギーを有効に利用することは重要であると思います。
 鹿内先生は原子力のエネルギーの利用に対して否定的な御見解をお持ちのようでございますけれども、では鹿内先生は我が国はどのようにエネルギーを確保していけばよいとお考えなのでしょうか。また、その先生のお考えとその実現可能性をお尋ねいたします。
#47
○参考人(鹿内博君) 先ほど有村議員にもお答えしましたが、その中で基本的にはそのお話をして、それに引き続いて申し上げたいと思うんですが、現在稼働しているすべての原発をすぐにやめるということは不可能でございます。それは、順次寿命が来た段階で、そしてできるだけその寿命が来る前でも私はやめていくべきだと。その間により安全な、それはもう原子力の場合には必ず放射性廃棄物が伴います。その放射性廃棄物が、商業原発が運転されて四十年たっても、まだ処分地すら決まらない、処分方法さえ決まらない、そういうものを棚に上げて、置いといて、それで原発に代わるものは何ですかって言う前に、じゃ原発の持っている負の遺産、それをどうするかということをまず出していただきたい。
 そして同時に、一方では、じゃそれに代わるエネルギーはどういうものがあるか、そのためにどれだけ金が掛かるのか、どれだけ時間が掛かるのか、そういうものをテーブルに上げてやっぱり国民の前で議論をすべきだと。その場がないんですね。そういう情報が、先ほど申し上げたように、私、県会議員という立場であっても、私にでも国の職員の方は説明も十分していただけないんですね、情報もいただけないんです。ですから、一般の国民は更になおさらだと思うんです。まあ、それはちょっと苦情言ってしまいましたが。
 その中で私は、原発を順次にやめていく間に、それはもう去年東京電力が、去年でしたか、不正疑惑問題で、十七基だと思うんですが、すべてやめました。それにもかかわらず、エネルギーがなくなったということはありませんでした。電気が止まったということはありませんでした。
 それから今、長計の中で、原発から出てくる使用済核燃料が六ケ所の再処理工場に搬入できなくなれば原発が全部止まるだろうという、そういう言い方が残念ながら有識者の間から出されていますが、実際はそうじゃなくて、使用済核燃料がそれぞれの貯蔵プールにまだ十年二十年とプールできる場面、場所、多くあるはずですから、そういう議論が不十分な中で、今原発に代わるエネルギー、代替エネルギーという話をされているときに、私は、先ほど言いましたように、水素ガスであれ、あるいは天然エネルギー、太陽光あるいは風力であれ、あるいは天然ガスであれ、そういうものはもうどんどんどんどん出てきています。もちろんコージェネシステムも増えてきています。それからさらに、それぞれの節約というか節減というか、小さな発電、発源で、そして地域ごとにそれぞれの発電システムを作っていく、そのことはもう確実にヨーロッパ等で、正に日本と同じように石油資源の乏しい、そしてまた原発に頼らない国においてもそういうエネルギーをどんどん代えていっています。
 私は、我が国はそれはできると。それは、あしたはできない。しかし、十年後二十年後の長期的に、今のように国の核燃サイクル政策が二〇四五年を一つのタームにしていますから、二〇四五年を一つの目標にしていった場合にプルトニウムとウランに代わるエネルギーをどうするかという議論、それは私は十分開発、そして実用が可能だと思っております。もちろん、財政的にも、核燃サイクルに掛ける金があれば十分可能だと思っています。
#48
○浮島とも子君 ありがとうございました。
 これで終わります。
#49
○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。
 今日は、貴重な御意見、本当にありがとうございました。
 私は、まず鹿内参考人にお聞きいたします。
 法案に関してなんですけれども、今回のこの法案は、二法人が統合してできる新しい法人の業務として、核燃料サイクルの確立のため、また高速増殖炉、また核燃料物質の再処理に関する技術などを挙げています。同時に、原子力基本法にも新法人の役割として「核燃料サイクルを確立するため」という文言を入れています。この新法人の業務、役割として核燃料サイクルを明記するということは、私は大変問題だと思うんですね。
 政府が進めるこの核燃料サイクル路線について、私ども日本共産党は、プルトニウムの利用の危険極まりないと、やはり撤退して、安全が最優先される方向へ転換すべきだというふうに考えています。その点では、鹿内参考人も先ほどのお話の中で、いわゆるサイクル機構を廃止しとか、プルトニウムの利用は断念すべきだというふうにペーパーにも書かれてお話もございました。
 改めてここでお伺いしたいんですけれども、核燃料サイクルの何がどのように危険だとお考えか、教えていただけるでしょうか。
#50
○参考人(鹿内博君) 危険性という問題と、もう一つは不安という問題があると思うんです。
 その危険性については再処理工場の安全性それ自体、今、私は危険だというように認識しています。
 先ほど、私の説明の中で申し上げましたが、六ケ所再処理工場の主たる技術はフランスのUP3であります。しかし、我が国が開発をしてきたのは、旧動燃、サイクル機構が開発をしてきたのは東海村とまた違うものであります。ですから、したがって、今、六ケ所の技術というのは、日本の技術とフランスの技術と正に寄せ集め細工のような、要するにその六ケ所の施設と同じような施設が実績あるかといえば、私はないという具合に思います。
 まして、それを運転する方は、日本原燃の職員も、プロパーの方もいらっしゃるし、その中に旧動燃からの職員の方もいらっしゃるし、メーカーの方もいらっしゃるし、もちろんフランス人の方も、フランスの技術者もいますから、正に組織自体も全く新しくて経験の乏しい、ないと言いません、乏しい方がやる。そして、その中で安全だ安全だと言ったにもかかわらず、溶接という最も初歩的な工事さえろくにできなかった。それから、言葉で言うと、上水道と下水道の管を間違ってつなぐような、そういう配管の仕方をして後で分かる。そういう正に再処理工場という化学のトップのトップのトップの施設であるべきなのに最も初歩的なことさえできなかったということは、私はその危険性を裏付けているだろうという具合に思います。
 それから、不安については、仮に再処理がうまくいったとしても、そこから出てくる放射性廃棄物の最終処分、それは高レベルだけにとどまりません。超ウラン元素もありますし、あるいは回収ウランもあります、あるいはそこで使うとされているウラン濃縮工場からの劣化ウランもあります。さらにまた、それに伴ってくるMOX工場もありますし、それから当然経済性という不安もあります。もろもろの不安というのは余りにも多いという点で、私は危険性と不安という二つの面からこれは断念をすべきだという具合に思います。
#51
○小林美恵子君 ありがとうございます。
 関連して秋山参考人にお伺いしたいと思います。
 参考人の、その準備会議での統合についての意見を発表されておられますけれども、その中で「国全体として望まれること」と題して、「尊厳の自覚に立ちつつ、安全と国益の確保、」いうことがございまして、グランドストラテジーという、要するに「国民に提示され支持されること。」というふうな御意見が出されたというふうに思うんです。
 ここで、私、国民に提示され支持されることということに関連するんですけれども、この間で言いましたら、例えば「もんじゅ」のナトリウム漏れ火災事故、東海再処理施設爆破、いわゆる爆破事故ですね、ジェー・シー・オー臨界事故など、核燃料サイクルの安全性がやっぱり根本から問われる重大な事故が相次いでいます。今年は美浜原発の配管破裂事故で多大な死傷者を生む惨事がありました。今、国民の皆さんというのは、いわゆる原発と核燃料サイクルに対する本当に不信が大きく広がっているというふうに思うんですね。
 そこで、やっぱりそういう不信がある中で、支持もされていないそういう核燃料サイクルを進めるということは問題があるのではないかと思うんですね。やはり、国民から支持されるためには原子力政策の抜本的な見直しが必要だというふうに私たちは考えるんですけれども、その点、秋山参考人はいかがですか。
#52
○参考人(秋山守君) 核燃料サイクルも含めて、先生今御指摘の幾つかのポイントで国民の支持を得ていないという点につきましては、私は国の原子力全体の政策に対する国民の受け止め方、あるいは評価というものを全体的に眺めた場合に、基本的には支持されているものと私は受け止めております。
 ただ、その中で、今先生御指摘のように、様々な事故、これは機械の故障であったり人の問題であったり様々な原因による問題でございますけれども、こういう状況に対して国民の皆様がひとしく厳しく、かつ不安に受け止めておられるということは、私もそれは全く同感でございます。しかし一方で、原子力発電というもののもたらす社会的な利益というものも当然大きいわけでございまして、我々のこういう社会、文化的な生活、あるいは産業活動すべてを支えている電力を中心としたエネルギーの供給という面におきます、何といいますか、その位置付けというものは極めて重要なものが実績としてあると私は確信しております。
 そういうことでございますので、御指摘のような問題とかあるいは不安とか、そういう点につきましては、関係者ひとしく原子力に携わる者はより一層肝に銘じて改善に努めていくということはもちろんだと思いますけれども、原子力の持つ、あるいは核燃料サイクルの持つ意義、またその利益というものをやはり全体的に視野に入れて議論していっていただくのが私は望ましいと思っております。
#53
○小林美恵子君 私は、ここで安全ということを含めまして、いわゆる今回の法案に出ています秘密保持義務について、これは鹿内参考人にお伺いしたいというふうに思います。
 日本の原子力の研究開発事業の基本というのは、原子力基本法第二条にありますように、平和利用、安全確保を前提に、民主、自主、公開を原則として行われる、そういうものだと思うんですね。しかし、現実を見ますと、参考人も御指摘がありましたけれども、データの改ざんがありましたり、正確な情報を隠したり、ゆがめたりという、そういうこの原則がきちんと果たされていないということがあると思うんですね。その辺もやっぱり国民の不信感をあおっているというふうに私は思うんです。
 ここで、そういう中で、今回の法案では役職員に新たな秘密保持を義務付けようとしていますけれども、この条項というのは公開の原則からいっても大変問題があるというふうに思います。参考人は先ほどのお話の中で削除すべきだというふうにおっしゃいましたけれども、改めて参考人の削除すべきだという御意見のその理由をお聞かせいただきたいと思います。
#54
○参考人(鹿内博君) 私は、先ほど申し上げましたが、秘密保持というこの条項はなくとも、今まででもそういう職員の、何というんですか、勝手に漏らすというか問題が発生するような、事件的になるようなことはなかったわけですし、むしろ、かえってその隠しているということの方がいろんな不祥事を招いてきたと思います。
 「もんじゅ」の事故のビデオ隠しもそうでありましたし、あるいは先般国会で御議論のありました資料隠しもそうでありましたし、あるいはまたこれまでのいろんな、MOX輸送容器のデータ改ざんなんかも、それは実は残念ながら内部告発によって事実が国民に明らかにされて、そこで安全性が担保されてきたという部分があります。ですから、本来はそういうことが内部告発という言葉がなくても当然されなければならないものが、実は内部告発しなければ表に出ないという部分、それは極めて日本の原子力政策にとっては不幸なことだと思いますし、そういう点では、私はその十五条の秘密保持というものを、この条文をむしろ取った方が健全な原子力行政になっていくものというふうに考えます。
#55
○小林美恵子君 それでは、両参考人にお伺いしたいと思うんですけれども、原子力行政の問題として推進部門と規制部門の分離がされていないという問題があると思うんです。
 実は、この文教科学委員会もそうですけれども、私自身も、今回統合になりますいわゆる核燃サイクル開発機構とそれから日本原子力研究所、私の場合は二度視察に行かせていただきました。それで、現場の方のお話をお聞きしますと、いわゆる性格の違う、特徴の違うところが統合するというのは大変なことなんですというような率直な御意見をお聞きしてきました。
 そこで、私、そのことと関連してお聞きしたいんですけれども、いわゆる規制部門として原子力安全・保安院があります。これは経済産業省の中に置かれています。一方で、推進部門としての資源エネルギー庁もあります。また、文部科学省では原子力安全課があって、一方で原子力課、核燃料サイクル研究開発課があります。こうした状態といいますのは、国際的に見ますと、原子力の安全に関する条約では推進部門と規制部門を分けるということが定められています。
 こういう点から見ますと、やはり安全確保のために独立した規制機関を確立すべきだというふうに考えるんですけれども、その点は両参考人、いかがでしょうか。
#56
○参考人(秋山守君) 推進部門と規制部門とを分離するということは必要であり、かつ望ましいことだと私も認識しております。
 ただ、どこまでが推進か、どこまでが規制かというものを、ちょうどそのゼロ点を境にプラスかマイナスかという具合に完全に分けるということは、我々のこういう大変多数の要素、あるいはもちろん人間も含まれるシステムの中で明確に皆様の合意の上でそれを見定めていくということは、そこに向かう努力は必要でございますけれども、現状では難しい問題も含まれていると思います。
 しかし、それはそれでございますけれども、規制に当たる方、特にその構成員であります個人のレベルまで、その方が社会から見て完全な信用度を持っているということが絶対必要でございます。そのために、最近では、検査院の方を含めてそれぞれが資格を持ち、それをどこかで担保していただくということになっているわけでございます。ですから、これからは、組織にしても、それを構成する個々の人間にとっても、そういう意味で幾つかの検証、そして資格、担保という、これを通じて運用上そこを仕分けていくということが基本になるのではないかと思っております。
 以上です。
#57
○参考人(鹿内博君) 私も、今、小林議員から御指摘のあったように、現行では原子力推進庁、それから規制庁がごったになっていると。ですから、それをきちっと分離をすべきだという具合に考えます。
 そのことは、かつて本県の知事からも国の方に、何かの折に要請あるいは申入れがあったという具合に考えております。あるいは、今般の美浜の事故において、これ、今、手元に福井県からの要請、国に対する多分要請書だと思うんですが、この中にも後段に、独立した原子力事故調査委員会、仮称を設置をすることと。そこには施策の勧告、建議権限を持つというところが福井県からも国に現在で出されていますから、やはり地元の立場とすれば、現行の国の行政あるいは規制は、これはやっぱりきっちりと分離して確立していただきたいと、そのことをお願い申し上げたいと思います。
#58
○小林美恵子君 続いて、秋山参考人にお伺いします。
 日本原子力研究所では、業務運営の基準として、原子力委員会及び原子力安全委員会の議決を経て大臣が定める計画に基づいてという規定がございます。それで、新法人には原子力安全委員会との関係で規定がございません。で、原子力安全委員会からも中期目標の策定時などにあらかじめ原子力安全委員会の意見を聴くこととする意見も出されていたと思うんですけれども、この点で準備会でどのような検討が行われたか、お教えいただけますでしょうか。
#59
○参考人(秋山守君) 原子力委員会、原子力安全委員会の関与の点で、特に安全委員会の関与が見える形で上がっていないという点の御指摘かと思います。
 まず、原子力委員会が新法人に対する関与の在り方でございますが、今回の新機構の法人は独立行政法人として設立するものでございますので、主務大臣に責任を集中し、その範囲を明確化するという独立行政法人全般にかかわる趣旨と整合性を持たせるために、原子力委員会の関与というものがそのような観点で適切に位置付けられているものと思います。
 さらに、原子力安全委員会でございますけれども、原子力安全委員会につきましては、その内容が原子力委員会に比較しまして新法人に対する関与の度合いが比較的に少ないということも一つの理由であると私は理解しておりますけれども、結果的に原子力安全委員会も原子力委員会も今回のようなかかわり方で御了解をいただいたというふうに伺っております。
 以上でございます。
#60
○小林美恵子君 済みません。続きまして、最後に両参考人にお伺いしたいんですけれども、今、日本原子力研究所は原子力の安全研究の分野で本当に大きな役割を果たされているというふうに思います。しかし、これまできちんとそのための必要な予算が確保されてきたのかといいますと、今後新法人になると必要な予算が十分に確保されるのかということも含めると本当に危惧されることが多いと思うんですね。実際、視察に行ってお話を聞きましたら、予算が削減されるのではないかという危惧がありますという実際の声もございました。独立行政法人になりますと、予算は基本的に法人が独自に作ることになります。また、安全研究は具体的な成果がすぐには出ないこともありまして、効率化を求める独立行政法人制度の中でも評価もされにくい分野になるというふうに思うんですね。
 そういう点では、安全研究を進めるというためには、今後とも予算も人員も確保していくという必要が本当にあると思うんですけれども、この点は両参考人どのようにお考えでしょうか。
#61
○参考人(秋山守君) 御意見、御指摘のとおりだと思います。
 今回の新法人の内容につきまして、それぞれの分野の方からの御意見を踏まえながら内容、骨格を設計していったものでございまして、その中で、やはり経営の効率化、合理化ということも含めて、予算、人員ともにできるだけコンパクトなものにするということが基本でございますが、しかし、やはりもっと大きな目標は、今先生御指摘のように、安全も含めたこの法人の責任あるいは使命というものを着実に実現していくと、これがまず第一前提だと思います。
 したがいまして、今後、新法人自体の努力とともに、私も含めて社会全般の方々がこの面で御理解を深めていただいて、新法人の特に安全を中心とした活動に支障が生じないように十分にそこは支援してまいりたいと、そのように思っております。
#62
○委員長(亀井郁夫君) ありがとうございます。
 鹿内参考人。
#63
○参考人(鹿内博君) 私も、そこの部分については十分予算を確保して、しっかりと安全研究をしていただきたいという具合に思います。
 と同時に、手元に美浜発電所三号機の平成十二年五月の定期安全レビュー報告書というのが、私持っておりますが、このときに、当時の通産省原子力発電技術顧問として日本原子力研究所からも参加してこの美浜発電の評価をしています。問題はないといたしました。で、それはなぜなったかというと、アメリカのサリー原発の事故を受けてこういう評価したわけですが、その美浜が、問題がないとされた美浜三号機がこのたび事故を起こしました。
 私は、やはり幾らその研究費をつぎ込んで研究者を養成をしても、その成果をしっかりと現場に、そしてその時々の安全対策なり国の政策に反映していかなければ投入した成果にはならないだろうという具合に思います。ですから、このような事例というのは実は残念ながらほかでも私の知る限りでは何点かありますので、今後はこういう中途半端な評価をしないように、しっかりと徹底した安全を保っていただきたいとお願いしたいと思います。
#64
○小林美恵子君 質問を終わります。
#65
○委員長(亀井郁夫君) ありがとうございました。
 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
 それでは、本日の審査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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