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2004/11/25 第161回国会 参議院 参議院会議録情報 第161回国会 文教科学委員会 第7号
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2004/11/25 第161回国会 参議院

参議院会議録情報 第161回国会 文教科学委員会 第7号

#1
第161回国会 文教科学委員会 第7号
平成十六年十一月二十五日(木曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十五日
    辞任         補欠選任
     小泉 顕雄君     中川 雅治君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         亀井 郁夫君
    理 事
                有村 治子君
                北岡 秀二君
                佐藤 泰介君
                鈴木  寛君
    委 員
                大仁田 厚君
                荻原 健司君
                河合 常則君
                小泉 顕雄君
                後藤 博子君
                中川 雅治君
                山本 順三君
                小林  元君
                下田 敦子君
                那谷屋正義君
                西岡 武夫君
                広中和歌子君
                浮島とも子君
                山下 栄一君
                小林美恵子君
   国務大臣
       文部科学大臣   中山 成彬君
   副大臣
       文部科学副大臣  小島 敏男君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       小泉 顕雄君
       経済産業大臣政
       務官       山本 明彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山口 俊史君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      塩沢 文朗君
       原子力安全委員
       会事務局長    上原  哲君
       文部科学大臣官
       房審議官     小田 公彦君
       文部科学省科学
       技術・学術政策
       局長       有本 建男君
       文部科学省研究
       振興局長     清水  潔君
       文部科学省研究
       開発局長     坂田 東一君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       岩井 良行君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      安達 健祐君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院長     松永 和夫君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院次長    三代 真彰君
       国土交通大臣官
       房技術審議官   冨士原康一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○独立行政法人日本原子力研究開発機構法案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(亀井郁夫君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 独立行政法人日本原子力研究開発機構法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府大臣官房審議官塩沢文朗君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(亀井郁夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(亀井郁夫君) 独立行政法人日本原子力研究開発機構法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○河合常則君 自由民主党の河合でございます。おはようございます。よろしくお願いします。
 まず、基本的なことからお尋ねをしたいと思いますが、この法案は日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構という二つの特殊法人を統合するというための法案でございますが、まずこの二つの法人について、それぞれ何を目的に設立されてきて、これまでどのような役割を分担してこられたのか、この違いを含めて簡潔にこれをお聞かせをいただきたいと思います。
#6
○政府参考人(坂田東一君) ただいまの先生の御質問にお答え申し上げます。
 日本原子力研究所は、原子力の基礎・基盤研究等を行うことによりまして、我が国の原子力開発利用の共通基盤を支える役割を担ってまいりました。具体的には、研究炉や試験炉の建設、運転を通じまして、我が国初の原子炉の臨界の達成、あるいは我が国初の原子力発電を行うなど、我が国の原子力エネルギー利用、あるいは原子力の研究開発を支える基盤の確立に貢献してきたと思っております。
 一方、核燃料サイクル開発機構は、その前身でございます動力炉・核燃料開発事業団が設立されて以来、高速増殖炉や新型転換炉の開発、ウラン濃縮技術の開発、再処理技術の開発など、国のプロジェクトでございます核燃料サイクルを支える技術開発を実施する役割を担ってまいりました。これまでに高速増殖炉の技術基盤あるいは再処理技術の自主技術、こういったものの確立をいたしますとともに、それらの技術の民間への技術移転を行ってまいりました。
 このように、日本原子力研究所が原子力の基礎・基盤研究を中心といたしまして、また核燃料サイクル開発機構が実用化を目指したプロジェクト研究開発を中心といたしまして、それぞれの役割を分担することにより我が国の原子力開発利用の発展を支えてきたところでございます。
#7
○河合常則君 この二つは、それぞれ日本の原子力の研究、そしてその開発に役割分担しながらやってこられた、我が国の原子力を支えてこられたんだというふうに思っていますが、なぜ政府は今この二つの法人を統合しようとするのか。初めに、政府内部で今回の統合についてはいつどのような形で決定されて、これまでの間どのように検討を行ってこられたのかということを明らかにしていただきたいと思うのでございます。
 そこで、お伺いしますが、この原子力二法人を統合することが決定されてから、この法案の提出に至るまでの経緯について御説明をいただきたいと思います。
#8
○政府参考人(坂田東一君) お尋ねの経緯の問題等でございますけれども、政府は、重要な国家機能を有効に遂行するにふさわしい簡素、効率的、透明な政府を実現する、そういう行政の構造改革の一環といたしまして、特殊法人等改革基本法にのっとり平成十三年十二月に特殊法人等整理合理化計画を閣議決定したところでございます。
 この閣議決定をされました計画におきまして、日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構につきましては廃止した上で統合し、新たに原子力研究開発を総合的に実施する独立行政法人を設置する方向で平成十六年度までに法案を提出するという具合にされたところでございます。
 これを受けまして、文部科学大臣は、平成十四年の二月から原子力二法人統合準備会議を開催し、事業の重点化、効率化を念頭に置きながら、新たに設置をする独立行政法人の役割、機能等につきまして検討を行い、新法人の設立の意義、基本理念、新法人の使命、業務等につきまして、平成十五年の九月に原子力二法人の統合に関する報告書を取りまとめたところでございます。文部科学省は、この報告書にのっとりまして関係府省とともに準備を進め、今回この法案を御提出申し上げたところでございます。
#9
○河合常則君 政府におかれては、特殊法人等の改革の一環として閣議決定された特殊法人等整理合理化計画によってこの二つの法人を統合することを決定したと、そういう話でございましたね。
 それから、これは、文部科学省としては宇宙開発事業団や日本学術振興会といった特殊法人を独立行政法人にしてきたのでございますが、この一種の特殊法人等改革の一環として今回の統合をとらえることができるのではないかと考えておりまして、この統合は実は行政改革の一環として行われるものであってでも、文部科学省としては、この二つの法人が行ってきた原子力の研究と開発について責任を持つ立場から、当然二法人を統合することの意義が認められるとの判断があったから閣議決定で統合することが決定されるに至ったのだと思うのでございます。この原子力の研究開発を実施する体制をどのようにすればよいのかという観点、ここが非常に大事なんだと思いまして、この統合の意義を明らかにしておくことが必要なんだと思うのでございます。
 そこで、文部科学省としては、今回の原子力のこの二法人を統合することの意義についてはどのようにお考えなのか、お尋ねいたします。
#10
○大臣政務官(小泉顕雄君) 今回の統合の意義についてのお尋ねでございます。
 お答えをさせていただきたいと思いますが、私が申し上げるまでもないことでありますけれども、化石燃料の枯渇を始めとしまして二十一世紀のエネルギー供給ということにつきましては非常に大きな課題であるわけでありますが、そういう中で原子力の利用というものは極めて重要なテーマであります。
 そういう状況の中で、原子力二法人の統合というのは、原子力を取り巻く諸情勢が現在必ずしも容易ではない、そういう状況の中で我が国の原子力研究開発を更に活性化をさせるとともに、国民の信頼を得て更なる発展を目指す極めて重要な機会になるのではないかというふうに考えております。
 この統合によりまして、新機構は、原子力の基礎・基盤研究からプロジェクト研究開発までを包含をします総合的でかつ先端的な原子力の研究開発機関として幅広い研究開発分野間の連携、あるいは融合といった面におきまして大きな効果が発揮できると期待をしておりますし、また、柔軟性と迅速性を満たす研究開発の進め方を実現をできる可能性といったものが格段に高まるものと期待をしているところであります。
 さらにまた、研究施設あるいは人材あるいは予算といった研究資源の効率的な活用を実現をしながら、社会が求めています研究開発の成果というものを効果的に生み出していくということについても期待を抱いているところでございます。
#11
○河合常則君 これまで日本原子力研究所が行ってきた基礎・基盤研究から、核燃料サイクル開発機構が大規模な国家プロジェクトとして行ってきた研究開発まで一つの法人が一体的に行うと、そういうことでは、今政務官おっしゃいましたように、研究開発が柔軟かつ迅速に行われる、それに効率化、合理化もできるという体制になる、そういうことと、国民に安心、そういうものを、世論を得るチャンスだというふうなことなどもありというふうにもお伺いいたしました。
 では次に、研究開発を行う体制についてお伺いしたいのでございます。
 特殊法人等の整理合理化計画には、原子力二法人を統合して新たに設立する法人は独立行政法人として設置するとされておりました。つまり、これからは独立行政法人制度という新しい枠組みの中で原子力の研究開発を行っていくことになると思うのでございますが、そこで基本的なことをお尋ねしますが、まず、そもそもその独立行政法人制度というのはどのような制度なのかと、この制度の趣旨を御説明いただきたい。また、この法人を独立行政法人として設立することによってどのような効果がこの制度に、この仕組みで期待できるのかも併せてお伺いしたいと思います。
#12
○大臣政務官(小泉顕雄君) お答えをいたします。
 まず、一般論としてでありますけれども、独立行政法人は、公共上の見地から確実に実施されることが必要な事業につきまして、これを効率的かつ効果的に行わせることを目的として設立される法人であります。その業務運営に当たりましては、政府による事前チェックや監督といったものを極力排し、法人に裁量と責任を持たせた上で、その事業の成果につきましてこれは厳格な外部評価、事後評価というものを行うといった趣旨であります。
 より具体的に申し上げますと、第一に、主務大臣の一般的な監督権限あるいは毎年度ごとの予算、事業計画といったものの認可、これを廃止をするということ。第二に、主務大臣が定めました中期目標に基づきまして法人自らが中期計画を作成し、主務大臣の認可を受けて自己責任の原則と幅広い裁量の下に計画的に業務を遂行することといった特色を有するものであります。
 今回設立しようといたしております新機構は、主務大臣が策定します中期目標の下で独立行政法人として自らの裁量及び責任を持って柔軟かつ弾力的に業務を実施するということが可能になりますことから、これまでの二つの法人が有しております知見あるいは人材あるいは研究施設といったものを最大限に、しかも効率的、効果的に活用し、産学との協力も一層強化、発展させることによりまして、社会が求めております優れた研究開発成果をより効果的に生み出していくといったことが期待されるというふうに考えております。
#13
○河合常則君 この独立行政法人は、今の話では、原子力の研究開発がこれまで以上に柔軟かつ弾力的に、まず自己責任で、で、事後評価もしてきちんとやられると、こういう長所があると、こういうことでもございます。
 それでは、この独立行政法人、これは特殊法人もそうでございますが、企業会計の体系の中に入る、これは独立行政法人はより企業会計に体系、しっかり組み込まれるといいましょうか、そうだと思うのでございます。これは企業会計原則、これを基本として会計処理が行われると思うのでございますが、この新しい機構は長期借入金とか債券の発行とかそれから資本金、それから欠損金、累損などがあれば今までの法人のを引き継ぐんだと思いますが、こういうものを、会計上こういうことについていろいろな論点があるんだと思うのでございます。論点があるというか、そういう二つの法人の今まで持ってきたものを引き継いでやっていくということですから、資本金はどうする、欠損金はどうすると、そういうふうにこれからお金借り入れてやるときはどうするか、一般会計からどうとかと、こういうことになるんだと思いますが、そこでお尋ねをしたいのでございます。
   〔委員長退席、理事北岡秀二君着席〕
 会計処理上、研究開発の成果などはどのように収入として評価するのかな、計上するのかなというのが一つ。それからまた、新機構が行う借入金や債券の発行は国がこれは保証するということなんだろうと思いますが、それも確認したいと思います。それから、この原子力二法人において資本金や資産、累積欠損金、これは新機構においてはどのように取り扱われるのでしょうか、お尋ねをいたします。
#14
○政府参考人(坂田東一君) ただいま先生から財務会計にかかわります三点の問題の御質問ございました。順にお答えさせていただきます。
 第一点の研究開発の成果の取扱いの問題でございます。
 これにつきましては、独立行政法人会計処理基準に基づいて当然処理をしていくということになります。具体的に申し上げますと、研究開発は運営費交付金をいただいてやるわけでございますけれども、この運営費交付金の交付を受けた時点におきまして貸借対照表上いったんこれを運営費交付金債務として負債に計上いたします。同時にまた、同額を流動資産といたしまして資産の部にも計上いたしますけれども、それから研究開発が進展いたしまして業務成果の達成度に応じてこの債務を取り崩すということになってまいります。そして、その取り崩した額を損益計算上、収益側とそれから費用側にそれぞれまた計上いたしまして、そのことによりまして研究開発が進んでいくと、進捗状況を表示するという考え方でございます。
 それから、第二点の新機構が行います借入金と債券の問題でございます。
 新機構におきましては、その業務の実施に当たって、原子炉や再処理施設など多額の資金を要する施設の建設等が必要でありまして、当該施設の建設時など一度に多額の資金が必要となり、それらの施設の運転によって、しかも自己収入が将来見込まれるという場合でございますけれども、その場合に、すべての資金を国の財源措置で手当てをするということが適当でないということもあるわけでございまして、その場合には、それらの資金を調達する手段といたしまして、一年を超える長期の借入金それから債券の発行と、こういったことを実施することによりまして市中から資金を調達ができるようにしようと、そういうことでその旨を今回の法案の第二十条に規定をしたところでございます。
 新機構がこの条項に基づきまして長期借入れを行って債券を発行する場合には、長期借入金それから債券の信用力を補完し、市中からの資金調達を容易ならしめるために、この法案の第二十一条の規定によりまして、国会の議決を経た範囲内において政府保証を行うと、そういうことができるという具合にしたところでございます。
 それから、第三点の資本金と資産の承継、それから累積欠損金の取扱いの問題でございます。
 この法案の附則の第二条それから第三条の規定によりまして、新機構において業務の遂行に必要となる資産と申しますのは、すべて時価評価を行った上で新機構に承継をするということにしているところでございます。また、新機構の資本金でございますけれども、承継する資産の時価から負債の金額を差し引いて算出することにしておりまして、実質的に欠損金は承継をしないという措置をしているところでございます。
 なぜ実質的に欠損金を承継しないかという理由でございますが、独立行政法人制度におきましては、先ほど政務官からお答え申し上げましたとおり、法人の経営に関しまして自主性、自律性が付与されている反面、業績につきましては、その業績、実績につきまして独立行政法人評価委員会等の評価を受けるということになっております。仮に累積欠損金が独立行政法人化に際して承継されるという場合には、新しいその独立行政法人の経営に関して責任を負う独立行政法人の長でございますが、その長が、本来責任はないという損失を設立時点から計上することになりまして、新機構の経営努力により利益が発生した場合でも欠損金の処理に充当しなければいけない、そういうようなことになってしまうということで、新機構の財務状況が必ずしも的確に把握ができないというような問題が生ずるからでございます。そういう意味で、累積欠損金については新法人には承継しないで対応していくということでございます。
   〔理事北岡秀二君退席、委員長着席〕
#15
○河合常則君 今の話の中で、成果が出ると、交付金でもらって、それから成果が出ると、それをきちんとやっていくという、単年度でその成果、評価するのも非常に難しいんだろうと思いますが、これまた内部できちんとやれるような仕組みになるだろうと思っていますが、いずれにしても、この独立行政法人の会計基準などにのっとって適正に取り扱われるということでございますし、累積欠損金はなしにスタートできるという、その分だけ資本金減るわけでございますが、安心してスタートできるという仕組みなのだなとはいうふうに思うわけでございます。この累積欠損金は新しい法人に引き継がないというふうに、これはかなり大事なことだというふうに思うわけでございます。
 ただ、この二法人は政府だけでなしに民間からも出資を受けておりますので、ともに新しい法人に引き継がれるものと聞いておるわけでございますが、この趣旨については民間出資者の方々にもその必要性を御理解いただくことが重要だと思いますので、この二法人については事前に民間出資者に十分な説明を行っていただきたいというふうに思うわけでございます。
 次の話に移らせていただきたいと思います。
 文部科学省においては特殊法人等整理合理化計画の決定を受けて、文部科学大臣は原子力二法人統合準備会議を開催されました。そして、原子力二法人の統合に向けて新法人の役割や機能について検討を行い、一年半以上にわたって熱心な検討の結果、最終的に報告書を取りまとめられたというふうに先ほど話もございました。
 この原子力二法人の統合準備会議で行われた検討会議の内容については、さきの委員会で参考人の秋山先生、参考人の話などでは、平成十四年の二月から平成十五年の九月までの間に十八名の委員で十六回の統合準備会議を開いたと、二十二名の各界の有識者から意見を聞いて報告書をまとめたと言われておりまして、その準備会議の話の中では、統合の意義は、原子力に関する国民の信頼を回復すると、新たな発展のチャンス、新たな発展を目指すチャンスにすると、こういうふうに言っておられましたし、総合的な研究開発体制の実現、効率的な業務の遂行が可能であるというふうにもおっしゃっておられました。先ほどのこととよく似ておるんでございますが、そして理念は、原子力研究開発の国際的な中核拠点を目指し、安全の確保の徹底と立地地域との共生にベストを尽くすともおっしゃっておられました。原子力の基礎・基盤研究、核燃料サイクルの確立を目指した研究開発、原子力分野の人材養成を業務とするというふうにも言われておりまして、そこまで、今まで別々にやってきました基盤・基礎研究からプロジェクト研究に至る幅広い研究開発事業の一元化により、業務の効果的、効率的な実施をするというふうに報告書がまとめられたようでございます。
 先ほど答弁の中で少しはお答えをいただいていますが、この考え方、この統合準備会議の考え方、これは法案にしっかり反映されておるのだろうとは思いますが、いかがでございますか。
#16
○政府参考人(坂田東一君) 統合準備会議の報告書の内容と法案などとの関係の御質問でございますけれども、この統合準備会議の報告書におきまして、確かに統合の意義、理念、こういった中身がはっきりと書かれてございますし、また、一元化による効果的、効率的な業務の実施が非常に大事だし、また期待されると。そういった考え方につきましては、私どもといたしまして、まずはこの法案の中の目的規定でありますとか業務規定、そういったところに反映できるものはできるだけ反映させるという考え方で対応してまいりました。
 ちょっと具体的に申しますと、四条に目的規定がございますけれども、ここでは、「原子力基本法第二条に規定する基本方針に基づき、原子力に関する基礎的研究及び応用の研究並びに核燃料サイクルを確立するための」、「技術の開発を総合的、計画的かつ効率的に行うとともに、これらの成果の普及等を行い、もって人類社会の福祉及び国民生活の水準向上に資する原子力の研究、開発及び利用の促進に寄与することを目的とする。」という具合に明示した、明記したところでございます。また、十七条に業務規定がございますけれども、ここにもはっきりと、原子力の基礎・応用研究、核燃料サイクル技術のための研究開発、あるいは原子力に関する研究者及び技術者の養成といったようなことを書きまして、統合準備会議で御指摘のあった点を法案に反映いたしました。
 さらに、この統合準備会議の報告書で指摘されておりますいろいろ重要な事項、例えば、先生も今申されました国民の信頼の回復、あるいは立地地域との共生の問題、それから総合的な研究開発体制をしっかりと作るという問題につきましては、これから中期目標の策定あるいは中期計画の認可などに当然反映していく必要があると思っておりますし、同時に、より大事なことといたしましては、新機構自らが具体的な業務運営を進める中でそのような統合準備会議で御指摘されたことをしっかりと実現すべく努力をしていくことではないかと、そのことが大変重要ではないかと考えているところでございます。
#17
○河合常則君 また、今回のこの原子力二法人の統合に際しては、この二法人は昭和三十年代に制定された原子力基本法に規定される特別な機関としてこれまで原子力委員会が定めた原子力長期計画の下で我が国の原子力の研究開発において中心的な役割を担ってまいりましたし、その中で原子力安全確保に関する我が国全体の研究開発を牽引する重要な役割も果たしてきました。我が国の原子力行政の民主的な運営を図るために内閣府に置かれている原子力委員会と原子力安全委員会からも、それぞれにわたって意見が表明されていると伺っております。
 そこでお尋ねしますが、今回の原子力二法人の統合に当たっては、原子力委員会と原子力安全委員会からはどのような意見が表明されたのですか。また、その意見はこの法案にも反映されたと思いますが、御説明をいただきたいと思います。
#18
○政府参考人(坂田東一君) 原子力両委員会からの意見などをどのようにきちんと法案に反映したかというお尋ねでございますけれども、原子力両委員会とも大変この統合については御関心がございまして、これまで原子力委員会からは四回、それから原子力安全委員会につきましては二回の、この統合にかかわります決定とか意見などをいただいております。また、先ほど御説明いたしました原子力二法人統合準備会議、この開催、長く開催いたしましたが、この場におきましてもそれぞれ両委員会より二回の意見をいただき、また意見交換をしたところでございます。
 原子力委員会がその際おっしゃいました主な意見でございますけれども、新法人がこれからも引き続き原子力の長期計画に沿って我が国の原子力研究開発において中心的役割をしっかり担ってもらいたいということ、また核燃料サイクルの研究開発、核融合の研究開発等におきまして主導的な立場で原子力研究開発に取り組んでいってもらいたいということ、そういった御意見をいただいております。
 また、原子力安全委員会からは、原子力の安全規制の活動への支援、それから規制にかかわります政策全般に資する研究等を着実に推進してもらいたいということ、それから原子力の安全活動を支えていく上では、人といいますか人材、大変大事でございますので、人材の基盤も含めたいわゆる知的基盤の問題、あるいは研究施設や設備等のそういう研究基盤の問題、これを継続的に新法人では維持強化をして、しっかりと原子力安全活動を支える役割を担ってもらいたいという、そういう御意見をいただいたところであります。
 これらの御意見を踏まえまして、文部科学省としては、先ほども申し上げましたが、この法案の目的規定でありますとか業務規定、あるいは理事長の任命規定等に反映をしたところでございます。そして、この法案の中身につきましては、国会に御提出する前にこの原子力両委員会に御説明を申し上げまして、そして両委員会からは、これまで両委員会が示されてまいりました考え方と整合しているという御見解もいただいたところでございます。
 いずれにいたしましても、両委員会からいただいた御意見、大変大事な意見ばかりでございますので、これから、個々具体的な事項の問題につきましては、中期目標の策定、中期計画の認可、そういった場合にしっかり反映するということとともに、新機構自身が業務運営を進める中でも適切にこの両委員会の御意見を実行していくということが大事であろうかと考えております。
#19
○河合常則君 この法人は、統合された時点で四千人以上の職員、それから二千億円余の予算規模を有する極めて大きな研究開発機関となります。我が国における原子力の研究開発活動の大部分を占めることになるんだろうと思いますが、しかし一方で、我が国における原子力の研究開発は、この法人のほかにも多くの大学や研究機関においても実施されておるのではないかと思いますし、この新しい法人はそういう機関や大学とも連携、協力してその使命を果たしていくことが重要になるのだというふうにも思うのでございます。
 この原子力二法人の統合準備会議の検討の結果、それから原子力委員会、原子力安全委員会の意見も十分お聞きになったということでございますが、この関連の研究機関や大学などについてのそういう方の、学術会議とかそういう方々の意見も聞かれたかどうか、聞かれたら、どういうふうに、その中身はどうであって、それも反映されておるかどうかというふうにお聞きをしたいと思います。
#20
○政府参考人(坂田東一君) 原子力二法人の統合に当たりまして、この統合準備会議を開催をして、いろいろな論点の整理も必要でございましたし、いろいろと検討すべきことがございましたが、それらに当たりまして、この統合準備会議において各界から意見聴取をしたところでございます。
 先生御指摘のとおり、大学、研究機関、学術会議等々を含めまして二十二名の研究者の方々から十二回にわたりまして意見をお伺いして統合準備会議の報告書に反映をしたというところでございます。
 いただいた意見の中で少し主なものを述べさせていただきますと、例えば持続的発展のためのエネルギー、そういう問題と放射線環境管理の科学技術活動、こういったことのいわゆるセンター・オブ・エクセレンスということをしっかりこの新機構は目指してもらいたいというようなこと。それから、高速増殖炉というものはエネルギー資源を輸入に頼る日本にとりまして重要な研究開発であり、長期的な観点から振興すべきであるといったような点。それから、この新法人の大きな特徴ではございますけれども、基礎・基盤研究とプロジェクト研究開発との連携をいかに密に取って、いかにお互いの能力を活用し合い、効率的、効果的に研究開発を進めていくか、是非そういうことを実現してもらいたいということ。それから、研究開発活動の推進に当たりましては、国際的な視点、これを主要な評価軸として、その研究開発の成果についてはしっかり評価もしていかなければいけないというような点。
 こういったことをいただきまして、これらを踏まえて、先ほど来申し上げておりますとおり、私ども、この法案を関係府省ともしっかりと御相談して、作り上げて御提出申し上げたというところでございます。
 先ほど申し上げましたとおり、二十二名の方々からいただいた御意見、しっかりこれもこれからの中期目標などの策定あるいは具体的な業務の実施に反映する必要があるという具合に考えております。
#21
○河合常則君 それでは次に、この新しい法人の業務の内容について少しお尋ねをいたしたいと存じます。
 この新法人の業務の範囲に関してでは、今回の二法人の統合は特殊法人等改革の一環として行われるものでありますが、この原子力、今までの二法人がこれまで行ってきた業務を単純にそのまま新法人に引き継ぐということではないのでなかろうかなとも思うのでございます。
 当然、今回の統合に当たっては、改めて二法人がこれまで行ってきた業務の一つ一つについて、これは続けると、これはプラスアルファしてやっていくと、それからこれはやめようかなというものがあるのではないかと。まあ区々にそういう判断もされるのではないかと思いますが、取捨選択が行われたとすれば、そういうこともまた非常に大事なことだと、そういうふうにも思うのでございますが、そこで、新法人の主な業務の内容を説明していただきたいとともに、今回の統合に当たって廃止するという主なものがございましたら、その中身と、理由も併せて御説明をいただきたいと思います。
#22
○政府参考人(坂田東一君) 新法人の業務につきましては、先ほど来申し上げております統合準備会議の報告書の中で、統合準備会議から是非新法人においてはこういった点を重点的にやってもらいたいという御注文を受けました。基本的にはその御注文に従って法案化作業を進めたわけでございます。
 したがって、その法案の業務条項の中には、先ほど申し上げたとおり、まず基礎・基盤研究ということで、原子力の基礎的な研究と応用の研究というのをしっかりやる。あるいは、日本にとって核燃料サイクルというものは大変大事でございますので、その核燃料サイクルの確立ということのために高速増殖炉等の技術開発をしっかりやる。それから、更に大事なことといたしまして、それらの成果をしっかり社会に還元していく、普及、活用していくということで、成果の普及と活用の促進というのをしっかり入れたところであります。
 また、人材というものがこれからも大変大事であるということで、いろいろな原子力の施設を持ちます新機構は、それらの施設を活用して産学との共同研究、あるいは学における原子力の教育研究への支援という意味で、原子力の研究者、技術者の養成といったことも業務の中に書き込んだところであります。
 それからさらには、これは余り芳しくない例かもしれませんが、仮に事故が起こった場合に、その原因究明をある意味で中立的な立場あるいは客観的な立場でしっかりやらなければいけません。そういう問題については、規制行政庁の方から、是非事故原因究明に協力してもらいたいという御依頼がございます。場合によっては、関連する活動について地方自治体からの御依頼もございます。したがって、そういう御依頼を受けて、原子力にかかわります試験研究、調査、分析、鑑定と、こういったこともやるということを今回きちんと書き込んだところでございます。
 そういう意味では、これまでの二法人のやってまいりました業務をベースとしながらも、将来を見て、より大事な点は何かというところをクリアにして業務に書き込んだところでございます。
 一方、もちろんやめる業務もございます。
 やめる業務といたしましては、これまで日本原子力研究所が実施してまいりました原子力船の開発のために必要な研究、あるいは放射性同位元素の輸入、生産、頒布の業務、こういったものについては実施をしないということにいたしました。
 理由でございますけれども、まず第一の原子力船の開発につきましては、原子力船「むつ」の開発、運転によりまして、研究開発により所要の成果は既に得ておりまして、今の段階では、今後の中長期的な展望の中で更に原子力船の研究開発の計画を具体化するといいますか想定するということはしておりませんので、そういう意味でこの研究開発はやめるということが一つでございます。
 二点目の放射性同位元素の輸入、生産、頒布でございますけれども、この点につきましては、平成六年度の特殊法人改革によりまして基本的に民間移管するということにされておりまして、この民間移管が平成十五年度に完全に終了いたしましたものですから、今般、新機構の業務にはその点についても規定しない、実施しないということにしたところでございます。
#23
○河合常則君 やめると言われたこの二つの中で、特に原子力船「むつ」の開発、運転については一定の成果も得たので、新しくこの法人は原子力船を建設する、運転するという見込みはないと、やめるということでございました。成果があったと、成果を得ておると言われましたので、この「むつ」の開発は原子力研究開発に関する国家プロジェクトの一つとして今まで行われてきたものですが、このプロジェクトで得られた成果は我が国にとっても大変貴重なものだとも思います。この業務を廃止するに当たって、このプロジェクトを完遂した日本原子力研究所の責任において、その成果をきちんと取りまとめておいていただくということを望みたいと思います。
 次に、新法人が行う個別の業務について少しお聞きしたいと思います。
 十一月九日にこの委員会、茨城県東海村にある日本原子力研究所の東海研究所と核燃料サイクル開発機構の東海事業所、核融合研究開発の拠点である那珂町の日本原子力研究所那珂研究所の三か所を視察させていただきました。大変、初めて見るところで勉強になりまして、我々が日ごろ目にする、こういう機会ないものですから、そういう先端技術に、最先端の技術に関する研究開発設備見ることができて有り難かったと思いますが、行きまして、原子力の研究開発の最前線におられる皆さん、日夜本当に頑張っておられて、高い使命感を持ってやっておられるなという、そういう熱意を感じることができました。非常に有り難かったと思っています。
 さてその際、日本原子力研究所の東海研究所において、現在正に建設中の巨大な最先端を行く加速器であるJ―PARCの建設現場も見たんですが、このプロジェクトについてお尋ねをします。
 この意義と期待される成果についてお伺いしたいんですが、まずは現地において、これと同じような計画はアメリカかどこか、海外においても行われておるという話を聞きまして、そしてその方が日本のよりもちょっと、一年ほど先行しておるという説明もあったと思うのでございます。この科学技術の分野で発明、発見が二番せんじというのも、あと一年で後を追っ掛けておるというのもどうかなと思いますが、二番せんじだったら、まあ意味がないとは申しませんけれども、何となく残念な気もしまして、これが早くその施設を完成をして、追い越すといいましょうか、そういう成果が出るように国際競争の観点からも私は重要なのではないかと思いますが、文科省のお考えをお伺いしたいと思います。
#24
○政府参考人(清水潔君) お尋ねのJ―PARC、大強度陽子加速器計画についてでございますが、これは御案内のように、高エネルギー加速器研究機構と日本原子力研究所が共同で世界最高レベルのビーム強度を持つ陽子加速器を東海村に建設する計画でございます。平成二十年度からの実験の開始に向けて、平成十三年度から建設に着手しているものでございます。
 この計画の意義についてのお尋ねでございますが、本加速器施設は、第一に中性子などを用いた高温超伝導体の機能解明、あるいはたんぱく質の構造解析等、正に二十一世紀の物質科学研究、生命科学研究を展開しようとするものでありますし、さらに第二は、中間子やニュートリノなどの様々な粒子を用いた原子核、素粒子に関する基礎研究など、基礎研究から応用研究まで幅広い分野での貢献が期待されているところでございます。
 お尋ねの海外での同様の計画についてでございます。平成二十年の実験開始までの間に、例えば中性子利用研究施設の計画としては、アメリカのオークリッジ研究所が平成十八年実験開始予定の計画を進めております。英国のラザフォード・アップルトン研究所におきました、平成十九年の実験開始予定に向けまして中性子源の増強計画を進めているというふうな状況でございます。
 また、ニュートリノ振動実験については、アメリカのフェルミ国立加速器研究所が平成十七年の実験開始を、さらに欧州のCERNでは平成十八年の実験開始の計画を進めておる、こんな状況でございます。
 このように、J―PARCで目指す研究というのは、厳しいというか、激しい国際競争の中にあります。
 今御説明申し上げましたように、他国の計画は、実験開始は先行する予定ではありますが、まず第一に、中性子利用研究においては瞬間的に発生できる中性子が量が多いという特徴がJ―PARCにはございます。そういう意味では、特に生体物質の構造解析において有意な設計になるというふうに考えております。
 また、ニュートリノ振動実験におきましては、発生するニュートリノのビーム強度が大きいという特徴がございます。今御説明申しましたアメリカのフェルミあるいはCERNのOPERA実験が今現在行っている第一段階の、実験開始は先行しますが、今行っている規模のものでございます。そういう意味で、発生するニュートリノビーム強度は大きいというそういう特性を生かして、他の施設ではできない新しいニュートリノ振動検出を目指しております。
 というようなことで、私どもとしては、優れた成果を、研究成果を出すことは期待しておりますし、また期待されておりますので、計画の着実な推進に努めてまいりたいと考えております。
#25
○河合常則君 今の話聞いて、きちんとした特徴があって大丈夫なんだという、ちょっと少し安心もしましたが、また頑張って、前倒しできてやれるものはやるというふうに努力してもらいたいとも思います。
 さて一方、東海村へ着いたときは、核燃料サイクル開発機構の東海事業所が最初だったんですが、高レベル放射性廃棄物の処理研究の現場にも行ったわけでございます。ここで行われる研究開発の対象である高レベル放射性廃棄物の処理処分というのは、原子力発電所から出る使用済燃料を再処理し、限りある資源のウランを最大限有効に使用するために重要な工程の一つでもございます。リサイクル社会にも合致する重要な技術だという印象も受けましたし、ここがしっかりしておれば原子力の研究開発は進む、国民の安心を得ることの前提だとさえ思ったのでございます。
 そこで、このことについて、現在、核燃料サイクル開発機構、文部科学省と一緒になって所管しておられるといいますかね、引き続き新法人についてもこの業務を一緒に所管される経産省においてお伺いしたいのでございますが、この研究開発の現在の進捗状況をお伺いするとともに、ここでの研究開発の成果は我が国における高レベル放射性廃棄物処理事業の実施主体にどのように活用されることになっているのか、御説明をいただきたいと存じます。
#26
○政府参考人(安達健祐君) 御説明申し上げます。
 お尋ねの高レベル放射性廃棄物の処分の研究開発につきましてでございますが、旧動力炉・核燃料開発事業団が中核となりまして昭和五十年代より関係機関と協力しながら取り組んでまいりました。平成十一年には核燃料サイクル開発機構がそれまでの成果を報告書に取りまとめ、我が国での地層処分概念の成立性を概括的に示したところでございます。この報告書につきましては、平成十二年十月、原子力委員会原子力バックエンド対策専門部会において、我が国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的よりどころになると評価されております。また、同年、これらの研究成果も踏まえまして、高レベル放射性廃棄物処分に向け、実施主体等の枠組みを定めた特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律が制定されたところでございます。
 現時点では、現行の原子力長期計画の下で、核燃料サイクル開発機構は、地層処分技術の信頼性の向上を図る観点から、実際に岐阜県瑞浪市及び北海道幌延町において深地層研究施設の整備等を進めるなど、他の関係機関との適切な役割分担の下、着実に研究開発を行っているところでございます。
 次に、実際に処分を実施する主体でございます原子力発電環境整備機構におけるこれらの研究成果の活用につきましてでございますが、核燃料サイクル開発機構と原子力発電環境整備機構との間で既に地層処分技術について協力協定が締結されてございまして、これに基づいて関連する情報の交換が進められているところでございます。この協力関係は今回設立されます日本原子力研究開発機構においても引き継がれるものと承知してございます。
#27
○河合常則君 廃棄物をガラス詰めにして三百メーター、地盤の安定したところの下へ、地下へ入れるというような、そういうことを考えておるというふうにおっしゃっていましたし、これは大丈夫なんでしょうというのを、非常に、この研究がきちんと進むということは非常に重要なことなんだろうと思うのでございます。
 さて、これまで日本の原子力研究所というのは、原子力分野の基礎的、基盤的な研究開発に取り組んで、その成果である原子力の安全の確保に関する最新の科学的な見地を、知見というもの、見方、知識というのを、原子力安全委員会を始めとする我が国の原子力安全規制に係る行政機関に提供してきたというふうにも伺っております。
 このような日本原子力研究所が行う中立的な立場、スタンスといいましょうか、そのような行政機関への活動の協力は我が国の原子力の安全規制行政において重要な役割を果たしてきたと思うのでございます。この役割は新しい法人に引き継がれるのだと思うのでございますが、一方で、先ほどからの話で、新法人は自らが原子力の総合的な研究開発機関として、高速増殖炉「もんじゅ」の開発などのプロジェクト研究を進めるという重要な役割も担っていかねばならぬということでございます。このように、新法人は、プロジェクト研究開発を推進していくという役割と、原子力の安全規制を、中立的な立場からそういう安全規制の行政にきちんと協力していくという、こういう役割も担うのかなと思うわけでございます。
 変なこと、変なというか簡単に例えれば、野球に例えたら、ピッチャーがバッターボックス見てキャッチャーを向いてボール投げて、それでピッチャーがストライクだボールだと、こういうことになるのではないかという懸念も、そんな感じかなというふうにも思うのでございまして、そこで、その例えは余りよくないよと言われるかもしれませんが、何となく、自分たちで研究開発もすると、ところが安全についてのスタンスも持つんですよと。それは当然のことですが、その判定は自分たちでやるんだという感じもしますので、これは、新しい法人は原子力の安全規制行政に協力する際に、新法人の活動における中立的な、中立性の担保、国民が外部から見たときに、まあ見たときにと言ったら変ですが、新しい法人は自分たちの都合のよいデータを行政に提供しているのではないと、そういう疑いをするのではないかなという疑いを持たれないような、そういうふうにしなきゃならぬのだと思うのでございます。
 ここは非常に重要なことだと思いますので、ひとつこの点について文部科学省の御見解をお聞きしたいと思います。
#28
○副大臣(小島敏男君) ただいま御指摘があったわけでありますけれども、御懸念の点は確かにそのとおり感じることもあると思うんですけれども、原子力安全規制の協力活動というのは原子力の推進活動から適切に分離、独立をすることが必要であるということが考えられております。
 このため、例えば原子力二法人統合準備会議の報告書に書かれているわけでありますけれども、新機構内部の独立したセンター的な組織を活動の中核とするなどにより、業務の透明性、中立性の確保の要請に対して特段の配慮が必要だということが書かれています。
 したがって、独立行政法人の組織は理事長が決定するというものでありますが、新機構においてもこの考え方を参考にして、原子力安全規制行政への協力の仕方については透明性、中立性、独立性の確保について特段の配慮をすることが御指摘のように必要だと思っています。
#29
○河合常則君 是非よろしくお願いをいたしたいと存じます。
 そこで、現在、新しい原子力長期計画に関する検討が進められておると承知しています。原子力の長期計画は我が国の原子力の研究、開発及び利用の基本方針を示すものです。この新たに策定される原子力長期計画に定められる方向性というものは、新しい法人の中期目標及び中期計画に対しても大きな影響を与えるものになると思うのでございます。
 そこで、原子力委員会の長期計画及び新しい機構の中期目標並びに中期計画は、これはどうも、それぞれだれが策定をして、国民に対してどのように説明していくことになるのか、御説明をしていただきたいと思います。
#30
○政府参考人(坂田東一君) まず、原子力の長期計画でございますけれども、これは原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画というのが正式の名前でございますが、これは内閣府の原子力委員会が我が国の原子力研究開発利用のための基本方針あるいは推進方策を定めるものでございます。
 国民との関係につきましては、この長期計画の策定過程におきまして、長計についてご意見を聴く会というものを何度も開催してこられたことでございますとか、あるいは策定した長期計画のホームページへの掲載などによりまして、広く国民に内容の説明あるいは情報の提供を行うということにしてきているものと承知をしております。
 一方、中期目標でございますけれども、これは独立行政法人が達成すべき業務運営に関する目標でございまして、この中期目標については独立行政法人通則法に基づき、主務大臣でございます文部科学大臣及び経済産業大臣が原子力委員会の意見を聴取した上で定めるということになっております。また、中期計画につきましては、中期目標を達成するための計画という位置付けでございまして、新機構の中期計画については中期目標に基づき新機構が策定をし、主務大臣の認可を得るということになっているわけでございます。
 なお、この新機構の中期目標及び中期計画につきましては、それぞれ作成者が、要旨の官報等による公告、ホームページへの掲載や事務所への備置き、一般の閲覧に供することなどによりまして、その内容を国民に対して明らかにするということにしているところでございます。
#31
○河合常則君 新しいこの法人は、当然原子力長期計画に示す基本方針にのっとって業務の運営をするということになると思うのでございます。新しい原子力長期計画は、平成十七年中に取りまとめられるということになっておると聞いていますが、一方でこの法案は平成十七年の十月一日に設立するということに、予定になっています。
 そこで、原子力委員会の作成する原子力長期計画と新しい法人の中期目標の関係を整理するとともに、現在、原子力委員会における新しい長期計画がこの新しい法人の設立される十月一日の時点でできていなかったということになるとどうなるのかなと。この新しい計画に関する原子力委員会の検討状況は中期目標に反映されなくてもいいのかと。こういう点を明らかにしていただくことが必要なんだと思うのでございます。
 そこで、原子力委員会が原子力長期計画に定めた基本方針の内容は、主務大臣が作成する中期目標の内容にどのように反映されるのか。また、この点についてはこの法案ではどのような処置を講じているのかを含めて御説明をいただきたいと思います。
#32
○政府参考人(坂田東一君) 原子力委員会が定められます原子力のこの長期計画でございますけれども、この位置付けにつきましては先ほど申し上げたとおりでございまして、我が国の原子力研究開発利用の基本方針あるいは推進方策というものがその中に盛り込まれることになっております。当然のことといたしまして、新機構におきましても、この長期計画に書き込まれます方針、こういったものにはしっかりとのっとって事業が進められる必要があるという具合に認識をしております。
 したがいまして、まず新機構の中期目標、これを作ります場合には、原子力委員会において示されるいろいろな決定がございます。これは、長期計画にかかわらずいろいろな御決定等がございます、そういったものでございますとか、先生も御指摘の、今現在は次の長期計画を原子力委員会、御検討になっておられますけれども、その中でもいろいろ、議論の途上でありましても一つ一つの方向性というものが示されていく可能性は当然あるわけでございます。
 したがいまして、長期計画、この次期長期計画の策定の過程におきまして、現在御審議をいただいておりますこの新しい機構法に基づいてもし中期目標を作成すると、そういう必要が出てまいりました場合には、原子力委員会の御意見をしっかりと聞いて、そのことによりまして原子力委員会がお考えになっている基本的な政策の方向性、その中には次の長期計画の方向性もあろうかと思いますけれども、そのこととこの中期目標との整合性というものを図ると、また図られるという具合に考えている次第でございます。
#33
○河合常則君 お答えいただきましたように、連絡を密接にやっていただければ、これはその心配はないと、そういうタイムラグの差はあるけれども、それはあるけれども大丈夫だというふうにお伺いをしました。安心をしたわけでございます。いずれにしても、これは密接に連絡を取ってやってもらうということが非常に大事なんだというふうに思うわけでございます。
 さて、今度は新法人の経営に関してお伺いを、お尋ねをいたします。
 公的な機関の経営においても、昨今は郵政公社、道路公団、社会保険庁など民間出身の人材を経営のトップに据えると、そういう、そして経営マインドを持った経営体制を確立していくんだと、こういう例がございます。文部科学省の所管される独立行政法人の宇宙航空研究開発機構においても、初代理事長はJR出身の山之内秀一郎氏が任命されたと承知しています。
 この法人は、民間では実施するのは困難な原子力の研究開発を行い、この研究開発で上げた成果を電力会社などの民間企業へ移転するということを進めるという、言わば官民の橋渡しを行うことを業務とするものだと思うのでございますが、そこで副大臣にお伺いしたいのでございますが、このような新法人の業務の性格を考えれば、新しい法人の理事長としてどのような人材を起用すべきなのかというふうに考えておられますか、御見解をお伺いいたしたいと存じます。
#34
○副大臣(小島敏男君) 答弁をしたいと思っています。
 様々な例を挙げながらこの人事の関係について非常に御心配をされているということがよく分かりました。新機構の場合にはやはりトップにだれが就くかということが非常に大きな関心事であることも事実でありまして、委員御指摘のように、やはり皆様のリーダーとしてふさわしい人、こういう方がなることが一番望ましいわけであります。
 文部科学省の原子力二法人統合準備会議の報告書にも書かれておりますけれども、新機構は、基礎・基盤研究から実用化を目指した技術開発までの幅広い研究開発を適切に遂行するため、強力なリーダーシップの下、法人全体の経営の統一性を確保するという困難な課題に対応できる強い経営が必要であるということが書かれているわけであります。また、独立行政法人等の公共性の高い業務を効率よく実施するためには行政の経験と民間の感覚をともに活用することが必要とされております。
 そこで、平成十六年の三月十二日に内閣官房長官が記者会見で発言したことが載っておりますけれども、これはいわゆるその新機構の関係だけでなくて人事の関係について発言されているんですけれども、特殊法人及び独立法人は公共性の高い業務を効率よく実施することが求められております、そういうことで法人運営には行政の経験と民間の感覚をともに活用することが必要であるということを内閣官房長官が記者会見で発言をしているわけであります。
 したがって、文部科学大臣に任命権のある今回の新機構の理事長の選任に当たっては、新機構の設立目的に即し、ただいま申し上げた考え方を踏まえて、経験、指導力等を総合的に勘案した上で最もふさわしい人を選任してまいるという考えでございます。
#35
○河合常則君 今、副大臣からお答えをいただきました。独立行政法人の経営については、非常に特殊法人以上に理事長の裁量の範囲とその責任は大きいと思うのでございまして、そのために、今おっしゃったように、人選につきましては、理事長の人選につきましては所期の目的を達成することができるということが非常に重要なことでございますので、いい人を見付けてきて任命していただきたいというふうに思うわけでございます。
 最後に、要望して終わりたいと思います。
 私は、この二つの法人が一つの独立行政法人になることによって安全性の確保がより確実になる、さらに原子力の研究開発のスピードが上がる、そして予算の配分も単年度主義の枠を超えてより弾力的に使い勝手の良いものになると、そして現場の研究者や技術者、彼らの働く環境も良くなる、そして元気になってやってもらえるという、そういう成果が上がるように、成果もきちんと上がるようにいいものになってもらいたいという期待と祈りを込めて、質問を終わります。よろしくお願いします。
#36
○山本順三君 自民党の山本順三でございます。
 今日は、独立行政法人日本原子力研究開発機構の法案についての質疑を河合委員に続いてさせていただきたいというふうに思っております。
 この原子力二法人の統合でありますけれども、恐らくや、先ほどお話がありましたとおり、経営の合理化あるいはスリム化というものを図っていきながらも、一方では基本的な基礎研究に加えてプロジェクトの開発等々、そういった一連の問題を総合的に対処していくというようなそういう方向性が図られるであろうというふうに思っておりまして、また独立行政法人ということでございますから、その運営の自由度というものも高まってくるだろう、こういうふうなことで大いに期待をしておるところでございます。
 今ほど河合委員の方から法案については詳しく質問がございましたので、私はこの法案に関連して若干の追加的な質問をさせていただいて、その後は業務について、特に廃棄物の処理、あるいはまたそれに関連して高速増殖炉、これがどういうふうに展開していくか、あるいはまた将来の夢でありましょうITER計画等々について具体的に質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 まず、機構の目的ということが第四条に示されておるわけであります。その四条をずっと読んでみたわけでありますけれども、一つ重要な観点というのがこの中には入ってないのかなというふうに私なりに感じました。
 と申しますのは、何といってもこの原子力の分野で私たちが一番関心が高い点というのは、いかにして安全性を確保していくか、そして各原子力発電所等々でも様々なトラブルやらあるいはまた事故等々が起こっておるわけでございますけれども、そういったことに関しましてもより積極的な情報公開をしていく、そのことによって国民の安心に対する言わば疑念というものを払拭していく、このことが私は非常に重要だろうというふうに思っておりますし、そのことが原子力に対しての国民の理解をより深めていただくチャンスになるだろうというふうに思っております。
 そこで、お伺いいたしますけれども、この独立行政法人日本原子力研究開発機構において、自らの研究活動であるとかあるいはまた原子力に関連する一般的な知識について国民に対して広く情報提供をしていく、そういう責務が実はあるんだろうというふうに思っておるところでございますけれども、その広報活動をどのように進めていくお考えなのか、御所見をお聞かせ願いたいというふうに思います。
#37
○大臣政務官(小泉顕雄君) お答えをさしていただきます。
 先生おっしゃるとおり、原子力行政ということにつきましては情報というものを積極的に公開をしていくということが大原則でありますし、その思いは共有をさしていただいているところでございます。
 原子力基本法の第二条に、原子力の研究、開発及び利用は平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主、自主、そして成果の公開ということを基本方針に定めておるわけでありますけれども、我が国におきます原子力の研究、開発及び利用ということに当たりましては、この条文の方針をしっかり踏まえつつ、国民の理解と協力を得ながら進めていくということが当然不可欠でありまして、そのために積極的な広報活動あるいは情報の公開に努めるということは、繰り返しになりますけれども、極めて重要なことであると考えております。
 このため、法案の第四条の新機構の目的におきまして、まず第一に、公開の原則を規定する原子力基本法第二条の基本方針に基づいて業務を行うこと、第二に、研究開発等の成果の普及等を行う旨規定し、これにのっとり原子力に関する研究成果を広く国民や産業界等に提供することという二点を明らかにしているところであります。
 文部科学省といたしましては、新機構の業務の運営に当たりまして積極的な広報活動の実施あるいは情報公開の徹底といったものが十分に図られるよう適切に対処をしてまいりたいと考えております。
#38
○山本順三君 ありがとうございました。
 それと、もう一点お伺いしたいんですけれども、第十二条及び十三条についてでありますけれども、先ほど河合委員から、理事長の将来ふさわしい人材は民間人からというようなお話もございまして、私もそれには大いに同調したいというふうに思っておるところでございますけれども、第十二条の理事長の任命についてでありますけれども、このことについて、旧の二法人においては原子力委員会の同意というものが必要であるというようなことになっておりますけれども、新法人になりまして原子力委員会の意見を聴取するというような表現に変わりました。もちろん、これは独立行政法人ということもございましょう。そういった意味では理解できるところでありますけれども、ある意味では原子力委員会の関与の度合いというものが低下をしてくるということにもつながっていこうかというふうに思っております。
 そういった意味で、今回このような形で同意から意見聴取に変わったその理由というものをまずはお聞かせいただきたいというふうに思います。
#39
○政府参考人(坂田東一君) 理事長任命にかかわります原子力委員会の関与の度合いの御質問でございますけれども、新機構につきましては、原子力基本法に基づきます我が国の原子力の研究開発体制におきます特別な位置付け、こういうものがございます。これが一つと、それから独立行政法人制度の趣旨でございます主務大臣への責任の集中及びその範囲の明確化というもう一つの要請、この二つの整合性を確保いたしますために、理事長の任命に当たりましては原子力委員会の同意という形式は今回取らないということにしたものでございますが、原子力委員会からその方針の計画的な遂行を担保をするというような観点から意見を聞くということにしたものでございます。そのことによりまして、理事長任命にかかわります最終責任が主務大臣に帰属をするということを法律上明らかにしたという次第でございます。
 そういう意味で、法律上の関与につきましては、確かに原子力委員会の関与は以前とは少し異なるわけではございますけれども、新機構におきます原子力の実際の研究開発活動、これがこれまでと同様に原子力委員会の方針に沿いましてしっかりと安全確保を確保しながら行われると、こういう点につきましては何ら変わることはございませんので、その点について御理解を賜れば有り難いと存じます。
#40
○山本順三君 もう一点併せてお伺いしたいわけでありますけれども、その役員の任期というのが十三条にうたわれております。これも、旧法人におきましては理事長の任期というのは四年ということが明記をされておるわけでございますけれども、この新法人におきましては法人の中期目標期間の末日というふうなことに変更をされております。この理事長の任期の変更の目的なり、あるいはそのメリットなりについて御説明をしていただきたいというふうに思います。
#41
○政府参考人(坂田東一君) 独立行政法人の制度といいますか、独立行政法人におきましては、先生も御存じのとおり、事業にかかわります責任は一義的には理事長が負うということになります。中期目標期間を通じました一貫した業務運営をしっかり確保いたしまして、その経営責任を明確にするということが必要になってくると思います。
 特に、研究開発ということになりますと、その成果が出てまいりますまでには少し時間が長く掛かるのが一般的でございます。他方で、この期間中の作業の、研究開発の作業の進捗のペースというのは決して定常的なものではございません。いきなり大きな成果が出たりというようなこともございます。
 それから、中期目標期間全般を通じました、当然ながら、統一的な研究開発の実施の業務運営というものが必要になってまいります。研究開発期間と申しますのが、三年から五年ぐらいのいわゆる中期目標期間、こういったものに大体そのフェーズが重なってまいります。一つの節目と申しますか、三ないし五年単位というのが研究開発の一つの期間になってこようかと思います。
 それぞれのフェーズごとに、理事長に対しまして求められます事業の達成の内容あるいはそれを達成いたしますために必要とされます理事長の具体的な能力といいますか、そういったことも変化を、フェーズごとに変化をしてくる可能性も考えられるということでございまして、そういった点を考慮いたしますと、理事長の任期につきましては、既に独立行政法人化をしております私どもの役所が所管いたします他の研究開発機関の例に倣いまして、中期目標期間に連動させて任期を定めるということが適当だろうということで今回のような法律上の規定にしたということでございます。
#42
○山本順三君 ありがとうございました。
 さて先般、河合委員の方からもお話がございましたとおり、我々文教科学委員会のメンバー、茨城県東海村の日本原子力研究所及び核燃料サイクル開発機構を視察する機会をいただきました。めったにそういう機会がございませんので私も大変参考になりましたし、特に、研究施設のそのスケールの大きさというもの、それから実際の研究の現場というものを目の当たりにしましたし、また、そこで働く方々が正に非常に優秀な職員だな、その方々からいろいろなお話を聞くチャンスをいただきまして、大変有り難く実は思いました。
 そういった中で、先ほど申し上げましたけれども、第十七条に業務の範囲ということでいろいろな規定がございますけれども、今現在、我が国の原子力政策において個別の重要課題が多々あろうかと思いますので、その点について数点具体的にお伺いをしたいと思います。
 まず、使用済燃料の再処理事業についてお伺いをしたいと思います。
 このことにつきましては、先般、原子力委員会の方で核燃料サイクル政策というものを基本的に維持する決定がなされました。もちろん、ウラン資源の有効利用を図っていこう、あるいはまた捨てるべき放射性物質の量が削減されるということもございまして、私どももある意味では期待をしておるところであります。しかしながら、この使用済燃料の再処理につきましては、一方では地中に直接埋設処分をするというような方向性も出ておりまして、それの比較をしていくことが極めて大切だということが言われておるわけであります。
 以前、関係行政機関においてその試算というもの、コストの試算というものが行われていたよという、そういう一部報道がございましたりしましたけれども、それはそれとして、先般行われた原子力委員会においての再処理コストの比較評価、このことについて、使用済燃料の直接処分と併せて、その比較がどうなるの、どうなっているのか、その試算結果についてまずはお伺いしたいというふうに思います。
#43
○政府参考人(塩沢文朗君) お答えいたします。
 今、委員御指摘のとおり、原子力委員会の新計画策定会議におきまして、核燃料サイクル政策について評価をするために、使用済燃料を再処理する場合と直接処分する場合のシナリオを設定いたしまして、核燃料サイクルコストの比較を行っております。
 その結果を申し上げますと、核燃料サイクルコスト、いわゆるその部分についてのコスト比較で申し上げますと、現行の政策の考え方で再処理するシナリオでは一キロワットアワー当たり約一・六円、一方、再処理は行わずに使用済燃料をすべて直接処分するシナリオでは同じく一キロワットアワー当たり〇・九円から一・一円。で、これを更に原子力発電コスト全体の比較ということで見ますと、現行の政策の考え方で再処理するシナリオでは約五・二円パー・キロワットアワー、再処理を行わずに使用済燃料をすべて直接処分するシナリオでは約四・五から四・七円キロワットアワーと試算をされております。
#44
○山本順三君 それと同時に、その際に一般家庭の電気料金に与える影響というのはどういうふうに評価されていますか。
#45
○政府参考人(塩沢文朗君) お答えいたします。
 今のコスト差でございますが、一世帯当たり年間のコストに直しますと、年間約六百円から八百四十円程度のコストに当たるというふうに評価されております。
 なお、この年間六百円から八百四十円という数字は、一世帯当たりの年間平均の電気代、約七万二千円というふうに承知しておりますが、この約一%程度に当たるものでございます。
#46
○山本順三君 よく分かりました。
 これは、単に経済的評価だけでこの問題の言わば答えを出すわけにはいかないということは私も重々承知をしておるつもりでございますし、様々な点から検討して総合的な評価というものをしていかなければならない、こういうふうに考えております。
 確かに、再処理をするとなってきますと、若干費用が高くなるということでもございますけれども、はてさて、例えば地中に直接埋設した場合に、それが言わば放射能としての人間に対しての危害を与えなくなるためには、これ数十万年掛かるよというような、そういう話も伺っておるわけでございまして、再処理をした場合にはそれが数万年、まあ我々人生八十年で数万年も数十万年も余り変わらないかなという気もいたしますけれども、いずれにしてもそういうふうな効果もあるやに伺っておるわけでございます。
 そういった点で、この総合評価という意味でどんな評価をされたのか。そして、その結果として再処理政策を維持することにされた理由というものもお聞かせいただきたいと思います。
#47
○政府参考人(塩沢文朗君) 今先生から御指摘ございましたように、原子力委員会の新計画策定会議におきまして、核燃料サイクル政策につきましては、経済性のみならず、様々な視点から評価を行っております。
 その評価の視点を申し上げますと、経済性の問題に加えまして安全の確保、技術的成立性、エネルギーセキュリティー、環境適合性、核不拡散性、海外の動向、社会的受容性、政策変更に伴う課題、選択肢の確保というような十個の視点を設けまして、定量化できるものは定量的な評価を行いました。さらに、定量化できないものも客観的なデータを積み上げて総合的観点から評価を行っております。これすべて公開で議論を行ったものでございます。
 その結果、先生御指摘のとおり、この総合的評価の積み重ねの結果としまして、使用済燃料を再処理し回収されるプルトニウム、ウラン等を有効利用することを基本方針とするという中間取りまとめが行われたところでございます。
 こういった中間取りまとめを行いました理由でございますが、まず第一に、政策的意義を比較考量すると、再処理路線は直接処分路線に比較して、現在のウラン価格の水準や技術的知見の下では経済性の面では劣るが、エネルギーセキュリティー、環境適合性、将来の不確実性への対応能力等の面で優れており、将来ウラン需給が逼迫する可能性を見据えた上で原子力発電を基幹電源に位置付けて長期にわたって利用していく観点から総合的に見て優位と考えられること、これが第一番目の理由でございます。
 第二番目の理由といたしまして、核燃料サイクルの実現を目指してこれまで行ってきました活動と、長年掛けて蓄積してきた技術、立地地域との信頼関係、あるいは我が国において再処理を行うことに関して獲得してきた様々な国際合意等の社会的財産は、我が国が原子力発電を基幹電源に位置付けて適宜適切に技術進歩を取り入れつつ長期にわたって利用し、エネルギーセキュリティー、環境適合性、将来の不確実性への対応能力等の面で優位性を享受していくために維持すべき大きな価値を有していること、これが二番目の理由でございます。
 三番目の理由といたしまして、原子力発電及び核燃料サイクルを推進するためには国民との相互理解の維持、確保が必須であり、再処理路線から直接処分路線に政策変更を行った場合、立地地域との信頼関係の再構築に時間を要することが予想され、その間、原子力発電所からの使用済燃料の搬出が困難になって原子力発電所が順次停止する事態が発生することや、中間貯蔵施設と最終処分場の立地が進展しない状況が続くことが予想されること、これが三つ目の理由でございます。
 以上三つの理由から、いわゆる再処理路線が総合的に優れているという評価に至ったものでございます。
#48
○山本順三君 今の三つの視点で再処理という方向性を維持することに決定したと。これは私も話をお聞かせいただいてよく分かったわけでございますけれども、この核燃料サイクル政策を維持するということは、すなわち青森県六ケ所村の再処理工場におけるウランの試験というものに結び付いていくものだというふうに思っておりまして、本年度中にもその実験というものが、試験というものが実施されるというような報道も伺っておるところであります。
 しかしながら、何といってもこういった政策を維持し、また再処理工場でのウランの試験をするということの裏付けとして、安全性の確保ということがもう最大の課題だろうというふうに思っておりますし、その安全性の確保というものが大前提になっての試験の実施というふうに私どもは認識をいたしております。
 実は、先般、この文教科学委員会に参考人として青森県議会議員の鹿内博氏が来られまして、意見陳述をされました。特にその中で、国策に協力し、振り回され、失敗してきた青森県開発の歴史があり、政策の賛否をめぐり、地域感情、県民世論が二分され、犠牲も伴ったというようなことから始まりまして、様々な問題点の指摘というものをされました。
 立場は違えども、地元の住民の一人として、そういった安全性に対しての意識を前提にした様々な疑念というものがあること、あるいはまた過去の様々な言わば経緯というものを踏まえてのお話でございましたから、私どももその話もしかと受け止めていかなければならないというふうに思いますし、それをベースにした新たな研究なりあるいはプロジェクト開発を是非とも行っていただきたい、こういうふうに思うところであります。
 そこで、今回の六ケ所村の再処理工場の安全性についてでありますけれども、昨日もNHKで実はこの報道がなされておりました。事実かどうか分かりませんが、二百九十一か所ぐらいにいろいろ問題点があったり、ずさんな工事があったり、水漏れがあったよと、こういうふうな報道もございました。
 そこで、この六ケ所村再処理工場の安全性について国はどのように評価を行ってきたのか、お聞かせを願いたい。
 加えて、先般、中越地震が起こりました。このことも我々にとりまして非常にショッキングな出来事でございましたけれども、耐震性の評価ということも含めて御説明を願いたいと思います。
#49
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 日本原燃の六ケ所再処理施設につきましては、平成元年三月の事業指定申請を受けまして原子炉等規制法に基づく安全性を含めた審査を行っております。その上で原子力安全委員会に、私ども、一次規制庁の審査の妥当性のチェックを受けまして、平成四年十二月にいわゆる許可に相当いたします再処理事業の指定を行っております。
 施設の安全性の審査に係る内容について具体的に申し上げますと、まず同施設において取り扱われる使用済燃料等の放射性物質に係る臨界防止対策、施設内への閉じ込め対策が必要でございます。また、分離、抽出に必要な化学薬品等につきまして、火災、爆発対策等が必要となります。さらに、電源喪失対策あるいは地震対策等といった安全確保対策が必要でございます。安全審査におきましては、これらの対策が異常の発生の防止、異常の拡大の防止、あるいは異常が拡大すると確定した場合の影響緩和、いわゆる多重防護の考え方に従いまして適切に講じられているかどうかを確認をしております。
 それから、御指摘の地震時の安全性につきましては原子力発電所と同様の安全対策が講じられていることを確認しております。具体的には、重要な施設は岩盤に直接設置をされていること、文献や周辺の地盤調査を調査いたしまして過去に発生いたしました最大規模の地震を想定した安全対策が施されていること、さらに念のため、マグニチュード六・五の直下型の地震にも対応したものとなっていること等を確認をしております。
 再処理施設の事業指定における以上の確認は基本設計に係るものでございますけれども、その後も詳細設計につきまして累次の設計及び工事方法の認可、使用済検査等を実施している段階でございまして、この中でもこれまで申しましたような安全対策がなされていることを順次確認をしてまいりたいと思っております。
 また、御指摘のとおり、こうした私どもの一次規制庁の安全確保の対策等につきまして地元の皆様方にいろんな形で御説明をしておりますけれども、今後ともこうした地元の皆様方への説明に格段の努力をしてまいりたいと、かように考えております。
#50
○山本順三君 是非、その地元の皆様方に対しての説明責任をしっかり果たしていただきたいと思いますし、そのことが国民の原子力に対しての理解を深める一つの方策になろうかと思いますので、くれぐれもよろしくお願い申し上げたいと思います。
 それと併せまして、この六ケ所村日本原燃でありますけれども、現在、核燃料サイクル開発機構から約三百人の職員が出向ないし転籍をしておるということでございまして、動燃の改革を踏まえた安全性の確保に向けてサイクル機構の職員の皆さん方が技術開発あるいはまた様々なノウハウを取得する努力をされてきたと。その知見というものをしかと日本原燃でも生かしていただきたい、こういうふうなことだろうというふうに思っておるわけでございますけれども、具体的にこれまでどのような貢献があったのか、それから今後の予定も併せて紹介いただければというふうに思います。
#51
○政府参考人(坂田東一君) 先生がお尋ねの核燃料サイクル開発機構におきます再処理事業にかかわりますいろいろな経験を日本原燃にお伝えするということは大変大事な課題だと思っております。
 日本原燃が現在建設中の再処理工場、六ケ所村に建設中の再処理工場でございますけれども、核燃料サイクル開発機構と日本原燃は昭和五十七年でございますけれども、技術協力に関する基本協定を締結しております。また、その基本協定の下で、昭和六十年には技術協力の実施に関する協定を結びまして、さらに平成十四年には再処理の試運転にかかわる技術支援の実施に関する協定というものを締結をしております。これによりまして、サイクル機構は六ケ所再処理工場の円滑な操業に向けた協力を進めてきているところでございます。
 具体的に少し申し上げますと、先生もおっしゃいましたが、現在、サイクル機構は百二十七名、累積では二百五十七名の技術者を原燃の方に出向、派遣をしております。また、サイクル機構から日本原燃への技術者の移籍も十八名に上っております。それから、さらに日本原燃の技術者、これ延べ六百四名でございますが、この教育訓練を東海村でも引き受けてやってきているということでございます。
 こういう人的な交流のみならず、技術面におきましては、核燃料サイクル開発機構が独自に開発をいたしました高レベルのガラス固化技術あるいはウラン、プルトニウムの混合転換技術などを採用、それらの技術を六ケ所の再処理工場では採用しておりまして、技術移転の面でも協力を進めてまいりました。
 このようなサイクル機構と日本原燃との協力関係というものは大変大事でございますので、先ほど申し上げました諸協定、協力に関する諸協定は当然のこととして新法人に引き継がれますので、私ども役所といたしましても、この東海再処理工場におきますいろいろな経験が六ケ所の再処理工場の円滑な操業に最大限に生かされるようにその支援をやっていきたいと、努力していきたいと思っております。
#52
○山本順三君 原子力分野については、何といっても人為ミスを避けるということが極めて大切だろうというふうに思っておりまして、そういった意味でも、先ほど御答弁いただいたような趣旨にのっとってこれから進めていただきたいというふうに要望します。
 次に、プルサーマルについてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
 実は、このプルサーマルにつきましては、私、愛媛県の出身でございますけれども、愛媛県の伊方原子力発電所、これは三基の原発があるわけでございまして、小規模ないし中規模の原発でございますけれども、今まではそう大きな事故もなく、あるいはまたトラブルもなく稼働してきたわけでございますけれども、先般の報道でも御案内のとおり、二〇一〇年までにプルサーマル計画を導入するということが公表されました。もちろんこれには事前協議というものがございますから、地元の伊方町、それから愛媛県においても了承という前提の下に経済産業省に申請をしておるところであります。
 このことにつきましては、私どもも地元の様々な声が耳に届いてくるわけでございまして、何といっても、先ほど来お話し申し上げておりますけれども、安全の確保ということが最大の重要課題でございますし、そのために万全を期していただきたい、このように思っておりますが、それと同時に、今ほどお話し申し上げた地元の県民に対する説明責任ということをしっかりと果たしていただきたいというふうにまずは要望しておきたいと思っております。
 そこで、このプルサーマル計画は、ウランとプルトニウムを混ぜた混合酸化物燃料、MOX燃料というふうに呼んでおりますけれども、MOX燃料を従来型の軽水炉で使うということでございますけれども、そのまず第一番目にお伺いしたいことは、MOX燃料そのものの使用上の安全性についてでございます。品質管理データが以前改ざんされたというような問題も実は起こったりしておることを記憶しておるんですけれども、このMOX燃料の安全性について国はどのように評価をしておるのかということ。
 それからもう一点は、そのMOX燃料の輸送上の安全性、これはどうなっているんだろうか。最近、中国の原子力潜水艦の問題もございましたし、またあるいは北朝鮮の不審船問題もございます。MOX燃料は海上輸送するというふうに伺っておるわけでありますけれども、この安全性についてどういうふうな対策をこれから講じていかれるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
#53
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 まず、MOX燃料の安全性につきましての評価でございますけれども、現在の軽水炉内におきましても、プルトニウムの核分裂によって発生するエネルギーが全体の約三分の一を担っておりまして、軽水炉においてプルトニウムを利用して発電すること自体は決して新しいことではございませんで、軽水炉においてMOX燃料を使用する上で基本的な技術は既に確立をされているというふうに認識をしております。
 また、MOX燃料につきましては、諸外国で多くの使用実績がございまして、また、国内でもこれまでに少数体として装荷されたMOX燃料についてその信頼性等が十分に確認をされております。
 さらに、平成七年六月に原子力安全委員会で、炉心装荷率三分の一程度までは、基本的に従来のウラン燃料の技術と同様の安全設計手法あるいは安全評価手法が適用可能であると、こういう結論が出ているところでございます。
 また、当省といたしましては、この原子力安全委員会の答申等を踏まえまして、これまでに関西電力の高浜発電所、東京電力の福島第一原子力発電所及び柏崎刈羽原子力発電所のMOX燃料装荷につきまして原子炉設置変更許可を行ったところでございます。
 以上のことから、私どもといたしましては、プルサーマルにつきましてウラン燃料と同等の安全性を確保できると考えておりますけれども、御指摘の伊方発電所三号機などの個別の計画につきましては、原子炉等規制法及び電気事業法に基づきまして厳正な安全審査を行いまして、安全確保に万全を期してまいりたいと考えております。
 また、御指摘のとおり、こうした私どもの評価につきまして地元の皆様方に対する説明に格段の努力をしてまいりたいと考えております。
 また、御指摘のMOX燃料のデータ改ざん問題につきましては、平成十二年七月に電気事業法施行規則の改正等を行いまして、輸入燃料体検査制度の改善強化を図ってきております。
 具体的には、電気事業者が国に輸入燃料体検査の申請をする際に、製造業者の品質保証体制等につきまして第三者機関等を活用しつつ確認した上で、確認結果に関する書類を品質保証に関する説明書として国に提出するよう義務付けております。このような形で、国による電気事業者及び製造事業者の品質保証活動の確認体制を改善強化しているところでございます。
 私ども、原子力安全・保安院といたしましては、これら電気事業者より提出された説明書にある品質保証の内容を厳正に審査するということなどを通じまして、MOX燃料の検査に万全を期してまいりたいというふうに考えております。
#54
○政府参考人(冨士原康一君) ただいま御質問がございましたMOX燃料の海上輸送の安全確保について御説明を申し上げます。
 MOX燃料等の放射性物質の海上輸送に関しましては、国際原子力機関や国際海事機関などで国際的な安全基準が定められております。我が国におきましては、これらを受けまして、船舶安全法においてMOX燃料を収容する容器でありますとか輸送する船舶の構造強度等に関します技術基準あるいは輸送の方法について基準を定めているところでございます。
 ちなみに、輸送に供します船舶は、これは専用の特殊な構造の船舶になってございまして、船体を二重にするとか、すべてのシステムを二重化するとか、いかなる状況にも対応できるような特殊の構造の船舶を規定しているところでございます。
 これらの基準を実際に適用するに際しましては、専門家の委員会を設置いたしまして、その意見もお伺いしながら、使用を予定されます容器や船舶の基準適合性について慎重に審査を行い、さらに実際に輸送を行うその都度、MOX燃料を収納いたしました輸送物としての基準適合性や輸送の方法の妥当性について毎回事前確認を行うということで安全の確保を図っているところでございます。
 今後とも、関係省庁と連携しながら輸送の安全には万全を期してまいりたいというふうに考えてございます。
#55
○山本順三君 それから、先ほども申し上げました私の地元の伊方原発でのプルサーマル計画でございますけれども、今、若干答弁の中にも含まれておったようにも思いましたけれども、今後どのようにしてその安全性というものを確認していくのか、このことについてお伺いをさせていただきたいのと、もう一点、あわせて、その安全性の評価あるいは確認等につきまして、現在の原子力二法人、今度新法人になりますけれども、そこでの研究の果たすべき役割というのはどういうものなのかということについてお伺いをさせていただきます。
#56
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 伊方発電所におけるMOX燃料の使用につきましては、本年十一月一日に四国電力株式会社から原子炉設置変更許可申請がなされておりまして、現在、私ども原子力安全・保安院におきまして厳正に審査を行っているところでございます。審査に当たりましては、MOX燃料に含まれるプルトニウムの特性を十分に考慮いたしまして、ウラン燃料と同様に原子炉の炉心や燃料等の安全設計の妥当性を審査いたしますとともに、事故等を想定した解析を行いまして、発電所周辺に対する放射線の影響を評価いたしまして、安全性を確認をするということにいたしております。さらに、その後、原子力安全委員会等においてダブルチェックが行われまして、安全性が確認された場合に許可をすると、こういうことになっております。
 原子炉設置変更許可が行われました後は、MOX燃料体の詳細設計に対しまして厳正に審査することとしておりまして、先ほど御答弁申し上げました燃料体検査等を行いまして、安全性の確認について万全を期してまいりたいと思っております。
 繰り返しになりますけれども、こうした私どもの安全性確認につきましての活動、評価等につきまして、愛媛県民を始めといたしまして関係自治体の皆様方に対する説明にも万全の努力を払ってまいりたいと考えております。
#57
○政府参考人(清水潔君) 新機構のプルサーマルに関する安全性の評価、確認についての研究についてでございますが、現在、日本原子力研究所においてはこれまでも原子力関連施設に関する安全研究等を進め、原子力安全委員会との安全基準の整備など、原子力安全規制行政に貢献してきております。その中で、プルサーマル用のMOX燃料の物性等に関する基礎的な研究等も行い、安全委員会のプルサーマルに関する安全指針に反映されてきたところでございます。
 また、原子力安全委員会においては本年七月に原子力の重点安全研究計画をまとめられたわけでありますが、新機構が中核として実施することが期待される重点安全研究の一つとしてプルサーマル等の軽水炉利用の高度化について規制行政庁が行う行政判断の妥当性の確認と、それに必要なデータベースの研究開発等を挙げております。
 このようなことから、新機構におきましては規制行政庁等の要請を勘案し、プルサーマルの安全性を含む研究開発が必要に応じて実施されるものと考えております。
#58
○山本順三君 ありがとうございました。
 慎重に慎重を期して、しっかり安全性の確認を行っていただきたいというふうに要望いたします。
 次に、先ほども触れましたけれども、十月の二十三日に新潟県におきまして中越地震起こりまして、大変残念に思うのと同時に、被災者の皆様方に心からお見舞いを申し上げたいというふうに思います。
 何といっても、原子力発電所につきましては地震で一体どうなるんだという、正にこれは素人感覚ではありますけれども、その心配というものが常に我々の心の中に入っておるわけでございまして、その原発の安全性が大地震の発生によって確保されるのかどうかということを私どもも常々感じておるところでございますし、また、この伊方原子力発電所におきましては、将来南海大地震が起こるであろうというようなそういうふうな不安も感じながらの毎日であるわけでございますけれども、そのような観点から地震の関係についてお尋ねをいたしたいと思いますけれども。
 この原子力発電所の耐震性の評価というのはどのようにして行われているのかということをお伺いさせていただいて、それに続き、伊方原発で今回の中越地震クラスの地震が発生したと仮定するならば、そのときに原発は安全と言えるのかどうか、ちょっと素人風の質問ではありますけれども、お答えいただければと思います。
#59
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。
 原子力発電所の耐震設計につきましては、原子力安全委員会が定めました耐震設計審査指針に基づきまして審査しております。具体的には、すべての重要な建物、構築物を岩盤に直接設置をする。二番目に、加えまして、敷地周辺の活断層や過去の地震などの詳細な調査に基づきまして、想定される最大の地震動にも耐えられるような設計になっているということを確認をいたしております。また、一定以上の大きな地震動を検出した場合には原子力発電所が自動的に停止をする、そういう設計になっていることを確認をしております。
 このように、原子力発電所の耐震設計の審査に当たりましては、指針に基づきまして十分な安全裕度を持った設計が行われているということを私どもは確認をしているところでございます。
 御指摘の伊方発電所でございますけれども、これにつきましても、その耐震設計に当たりましては敷地周辺の活断層について詳細な調査を行った上で、過去の地震や活断層による地震などを考慮した上で審査をしているところでございます。
 今回の新潟中越地震は、柏崎刈羽原子力発電所の敷地から約三十キロメートルの震源地で、マグニチュード六・八の地震でございました。伊方の三号炉について見ますと、敷地から八キロメートル沖合の前面海域に分布する長さ二十五キロメートルの断層帯によるマグニチュード七・二相当の地震、またフィリピン海プレートによるマグニチュード七か四分の一の地震等から想定される最大の地震動に対しまして、耐震安全性が確保されるように設計されております。また、伊方発電所の一号機、二号機につきましても、この三号炉の限界的な基準地震動に対して耐震安全性が確保されることを確認をしております。
 以上申し上げましたように、伊方発電所の耐震安全性につきましてはきちんと確保されているというふうに考えております。
#60
○山本順三君 分かりました。
 いずれにいたしましても、是非とも地元の住民の皆さん方の安全に対しての要望というものを、これをしかと受け止めた上での対応をよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。
 あと、これに、プルサーマルに続きまして、高速増殖炉「もんじゅ」のことについて質問をしたいと思っておりましたが、ちょっと時間の関係で後回しにさしていただいて、もし時間があるようでしたらその質問をさしていただきたいというふうに思います。
 次に、ITERについて質問をさせていただきたいと思います。
 国際熱核融合実験炉ということでございまして、先般、私どもも日本原子力研究所那珂研究所の方に視察に参りましたときに、JT60という大規模な核融合装置というものを拝見をいたしました。また、その後、中央制御室の方に参りまして、全員がドクターというふうにおっしゃっていましたけれども、研究員が熱心に議論する姿というものを拝見をいたしたわけでございますけれども、すばらしい研究成果が出ておるということをお伺いをいたしました。
 炉心プラズマ研究等々において世界最高温度を出したと。五億二千万度というふうにおっしゃっておりまして、この五億二千万度とは一体何なんだろうというふうに、今でも実はよく分からないわけでありますけれども、そのすさまじさと言おうかすごさと言おうか、そういったものをその五億というその温度で私どもも今ひしひしと体で感じておるところでございますけれども、そういった研究成果を出しておるということは、正にITER計画に一番近いレベルに達しているんだろうというふうな、そんな気持ちで視察をさせていただいたわけであります。
 この核融合エネルギーというのは、燃料は重水素ないし三重水素から取り出すそうでございますけれども、一グラムの燃料で石油八トン分のエネルギー効率があるというようなことをお伺いいたしておりますし、その特徴として、燃料資源がもう至る所豊富にある、ウランとは違うんだよということ。それから、今地球温暖化の話がございますけれども、CO2を発生しないというところ、さらには放射能廃棄物もこれまた発生しない。正に夢のエネルギー、未来のエネルギー源ということで、私どももその研究に大いに期待を寄せるところでございますし、世界各国でもそのような研究が進んでいるというふうに仄聞をいたしております。
 例えば、欧州、ヨーロッパにおきましてはJET、ジェット、日本では今言ったJT60というようなことであろうというふうに思いますけれども、そのITER実験炉を誘致するために、日、米、韓、中国、ロシア、EU、この六者で様々な協議がなされており、その協議が実は難航しておるということを伺っております。日本側は青森県六ケ所村に是非誘致したい、EUはフランスのカダラッシュの方に誘致をしたい、この調整が極めて難航しておるということでございますけれども、つい先般も新聞報道がございましたけれども、EUは、日本との協議が不調に終わるならば、もう独自に建設するんだ、そういう方針を確認したという記事が出ておりました。また一方では、日本が誘致をあきらめて、EUへの誘致が実現するならば、日本を特権的パートナーにしてあげようと、こういうふうな報道もございました。
 こういう状況の中で、まず一点お伺いしたいわけでございますけれども、このITER計画においてその実験炉を我が国に誘致する意義と、それから、今ほど触れましたけれども、誘致の交渉の状況について説明をお願いしたいと思います。
#61
○大臣政務官(小泉顕雄君) 御質問をいただきましてありがとうございます。
 先生も多少触れていただきましたけれども、エネルギー供給ということに対して非常に大きな不安が高まる中で、ITERというものについての期待というものは非常に今大きいものがありますので、我々は積極的に取り組まなければならないと思っております。
 また、委員会の方でJT60等も直接ごらんをいただいたと、また研究者ともお会いいただいたということは非常に非常に心強い限りでございます。今後ともよろしく応援をいただきたいと思います。
 ITERを我が国に誘致することは核融合のシステム統合技術の蓄積のみならず、アジアにおける科学技術の発展、日本の最先端技術能力の実証、さらには科学技術創造立国の実現への貢献という観点から非常に重要なことであるというふうに認識をしております。このため、我が国への誘致に向けまして関係府省が一体となって地元自治体、産業界、学界と連携をして今日まで取り組んでまいりました。
 ITERの建設地につきましては、現在、我が国のほか、中国、欧州、韓国、ロシア、米国の参加の下に青森県六ケ所村と、先生が先ほど御紹介ありましたフランスのカダラッシュの二つの候補地のいずれかに実験炉を建設すべきという方向で協議を行っているわけでありますけれども、EUの側からはいろんな発言があるように報道されておりますし、また今朝の新聞にも報道があったわけでありますけれども、いずれにしましてもいまだ合意は得られていないという状況であります。
 こうした状況を打開するために、我が国は政府部内での注意深い検討を経て、本年九月に日欧間のホスト国、非ホスト国の役割分担を包括的に規定し、しかもホスト国と非ホスト国のメリットの差を縮める新たな提案を欧州に対して行いました。それを基に我が国では欧州を始め関係国と真摯に協議をしているところでありますけれども、非常に残念なことでありますけれども、欧州は我が国の提案に対しまして非常に不十分な提案しか、対案しか提示ができていないと、そういう現実にもかかわらず、自らのサイトを前提として、聞くところによれば非常に高圧的な態度で交渉に臨んできているということであります。
 先日、十一月九日の六極次官級会合におきましては、六極の協力枠組み維持の重要性について関係国の認識は一致をしたわけでありますけれども、欧州は、早期に六極によって自らのサイトで合意が得られない場合には単独行動を行う可能性を検討しているというようでもありまして、仮にそれが実行されるというようなことがあれば、これは国際協力の精神にもとる本当に遺憾なことだというふうに考えております。
 我が国といたしましては、今後とも様々な機会をとらえながら関係国と協議を継続して、我が国の六ケ所村に何とか誘致ができるように最大限の努力をしてまいりたいと思っております。何とぞよろしくお力添えを賜りますようにお願い申し上げます。
#62
○山本順三君 是非強い決意を持って対応していただきたいというふうに思いますけれども。
 それでは、我が国の六ケ所村サイトと、それからフランスのカダラッシュ・サイト、これを比較したときに、我が国青森県六ケ所村に誘致をするためには当然その優位性というものを語っていかなければならないというふうに思いますけれども、それについての具体的な説明をお願いしたいと思います。
#63
○政府参考人(坂田東一君) 六ケ所村とカダラッシュ、いずれがより適当な建設地であるかと。これは、お互いに意見が分かれているわけですから、評価についてもそれぞれ分かれているというのが現状ではございますけれども、私どもが考えている六ケ所村の非常に優れた点、これにつきまして御説明を申し上げたいと思います。
 特に六ケ所村が優れているというのは、このITERを造りますためのいろいろな機器、大変大きなものがございますけれども、それを輸送していくと、建設場所に輸送していくに当たりまして大変安定した輸送ができるという、信頼性のある輸送ができるというのが一番大きいかと思っております。
 実は、このITERを構成いたします機器などは、各国が分担製作をいたしまして、そして建設サイトに運んできて組み立てると、こういうやり方を取るわけでございますけれども、したがいまして、それらの機器が円滑に建設地に輸送できるかどうかというのは、ITERの建設スケジュールをしっかり守れるか、あるいはITERの建設費がいたずらにコストオーバーランしないかという観点から大変大きな問題であるという具合に考えております。
 ITERを構成する機器の中には四十トンを超えますものが三百以上ございます。最も大きなものは五百トン以上もある大きなものでございまして、これらの大変重い機器を安定して輸送するということが大変重要な課題になるわけでございます。六ケ所村のサイトは、先生も御存じかと思いますが、大きな港湾からわずか五キロの位置に建設サイト地がございまして、重量物を輸送するに当たって経路も含めまして大変しっかりとできるという具合に思っております。
 他方、カダラッシュのサイトは、港湾から内陸に約百キロ入り込むということでございまして、輸送の経路も限られているということに加えまして、重量物を輸送するということをする場合には、今あります既存の道路とか橋とか、そういったものを大規模に補強、改修を短期間の間にしなければいけないという具合にも伺っているところでございます。
 したがって、我が国の専門家は、カダラッシュのサイトにITERを造る場合には、輸送の途中で機器の損傷とかいろいろリスク、事故等でございますけれども、そういったものがあり得るのじゃないか、輸送が円滑に果たして行えるんだろうか、全体の建設スケジュールに影響が出てくるリスクが高いのではないか、こういう具合に我が国の専門家は見ているわけでございます。
 六ケ所村は、このように輸送という観点で大変優れた特徴を持っているだけではなくて、私どもは、ITERを日本に誘致した場合には、サイトの整備費も含めまして日本としては資金負担というものをしっかりと確保できるというふうな点、当然ながら日本の核融合研究は世界のトップレベルでありまして、国際原子力機関で発表されます世界じゅうの最も高い論文の四分の一は日本の研究者が占めております。
 また、地元青森県等は、ITERが誘致された場合には御協力をいただいて、例えば国際学校の計画とか生活環境をしっかり整える、外人さんのために整える、こういうことも非常に具体的に示しているところがございます。また、青森の地は大変犯罪発生率も少のうございますし、安心して外国の方も生活が送れるんじゃないか、そういった点、幾つもの優位な点があると思っております。そういう意味で、私どもは六ケ所村のサイト候補地は大変ITERを造るには適切な地でないかと思っているわけでございます。
 当然ながら、例えば米国は日本の六ケ所村をしっかり支持しておりますけれども、米国として技術的な評価を六ケ所村についてやった結果といたしまして、六ケ所村の方がより優れているという判断をしているところでございます。
#64
○山本順三君 できればカダラッシュ・サイトが秀でている点も併せて御説明いただいたら、非常に我々としても、敵を知って、そしてまた自らも知るという意味で大切な手法ではなかろうかと思いますが、いずれまた教えてください。
 さて、このITER計画でありますけれども、正に先ほどお話がございましたとおり、原子力分野における国際協力という観点、あるいはまた原子力の平和利用という観点から極めて象徴的なプロジェクトだというふうに思っておりますし、そのことが、恐らくや日本だけにとどまらずにアジア全体の科学技術の発展にもつながっていくだろうという期待がございます。
 また、加えて、青少年の科学技術離れ、あるいは理科離れというものが言われて久しいわけでありますけれども、そういった子供たちに科学に対する正に大きな夢を与えることができるのではないだろうかと、こういうふうなことも感じておりまして、是非私どももしっかりと応援をしていかなければならない、このように考えておるところでございます。
 そこで、お伺いしたいわけでありますけれども、まず、今後ITER計画の参加国に対して我が国としてどのようなアピールを行っていくのかという点、それからもう一点、このITER計画というのは我が国の産業界全体にも物すごく大きなインパクトを与えるというふうに思うわけでございまして、巨額の投資をしながら推進していく、その重要性というものを、国民各界各層に十分説明をしていかなければならないというふうに思っています。
 実は、この私も、先般那珂研究所を見るまでは、ITER計画とは一体何なんだと、全く知らない状態でありますから、国民の皆さん方に、ITER計画の様々な今報道なされておりますけれども、十分理解されている方はごくごく少数だろうというふうに思っています。それだけに、今ほど申し上げた国民各界各層に対しての十分な説明というものが必要になってこようかと思いますけれども、今後の取組がどのようになるのか、文部省のITER誘致に向けた強い決意を含めて説明を願いたいというふうに思います。
#65
○副大臣(小島敏男君) 答弁させてもらいます。
 今、山本委員お話があったように、私も副大臣になってから行ったんですよ。それで改めて再認識をしたということであって、これからの日本の国をいわゆる将来的に見たときに、この科学技術の進展というのは非常に大きな力になるかなというような感じがいたします。
 先ほどの那珂研究所の関係で、私も五億二千万度というのも、これもびっくりしたんですけれども、これはアメリカと日本が追い付き、また抜かし、一緒にやっているんですね。そういうことで、今、平成八年では五億二千万度というのが日本なんですけれども、アメリカは平成七年五億一千万度ということで、すぐそばについているということでありますけれども、こういうことを見ますと、これからいろいろとPRを重ねていかなきゃならないなということを感じているところであります。
 それで、産業界における関係でありますけれども、実験炉の建設、運転を通じて、人類にとって究極のエネルギーである核融合の実現に資する国際科学プロジェクトであるということは、今御指摘があったとおりであります。
 誘致は、我が国にとって科学技術や産業への波及効果、国際社会への貢献の観点から大きな意義があることから、政府として我が国への誘致を積極的に推進しているところであります。文部科学省としても様々な形でアピールをしているわけでありますけれども、具体的にはプレスやメディア、そういうところの勉強会、それから青森県を中心にした、関係機関と協力した市民を対象としたシンポジウムや勉強会を開催したり、文部科学省のホームページを使ってITER計画について情報を掲載しているということであります。
 我々がこのことを今知ったという点、うまくないんですけれども、まだまだPRの仕方の方法があるのではないかということでありまして、是非今後ともより積極的な広報に努めて、ITERの国内誘致に向けて最善の努力をしていきたいと思っています。
#66
○山本順三君 もう時間がほぼ参っておりますので、「もんじゅ」のことについてはまた機会がございましたら質問させていただきたいというふうに思っております。
 それと、今年の八月の九日に、御案内のとおり、福井県の関西電力美浜原子力発電所において、配管の破裂に伴う蒸気の噴出、五名の作業員の方がお亡くなりになりました。心からお悔やみを申し上げたい、このように思っておりますけれども。
 何といっても、原子力という問題については安全性というものが表裏一体でなければならない、そして様々な事故やあるいはトラブルは原子力に関しては起こってはならない、こういうことで進めていかないと、国民の理解というものあるいは信頼というものが得られないし、それがなければ様々な研究が前に進まないということにも相なろうかと思いますから、今日いろいろなことをお伺いいたしましたけれども、是非この新法人、統合されるわけでございますけれども、その法人の中で安全ということをメーンに据えて、そして将来の様々な研究あるいはプロジェクト開発に向けて前向きの対応がなされますように御期待申し上げて、質問を終わりたいというふうに思います。
 ありがとうございました。
#67
○委員長(亀井郁夫君) どうもありがとうございました。
 それでは、午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分まで休憩いたします。
   午後零時十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時十分開会
#68
○委員長(亀井郁夫君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、独立行政法人日本原子力研究開発機構法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#69
○下田敦子君 文教科学委員を仰せ付かりました下田敦子でございます。
 このたびはまた、中山大臣始め塩谷副大臣、小島副大臣、下村政務官、小泉政務官の御就任、誠におめでとうございました。中山大臣のごあいさつの中にもございましたように、文部科学省は文字どおり国家百年の計に立っていくという、おっしゃられたとおりの最も大事な重要な国の根幹を成す省庁でございます。どうぞ御健康に御留意されまして、日本の未来のために御尽力を賜りたく存じます。
 質問に入ります前に、このたびの新潟県中越地震で亡くなられた方々の御不幸を思い、残された方々のお幸せと一日も早い原状回復を願わずにはおられません。幸いにもほとんどの義務教育、そして県・私立高等学校も授業を再開に至るに至った由、文部科学省始め当地の関係者の御尽力に敬意を表するものでございます。
 それではまず、質問に入らせていただきます。
 私は、今日大きな三つのセクションで質問を考えさせていただいておりまして、まず第一は、この原子力二法人統合の具体的な質問に入ります前に、中山大臣に少しくお尋ねを申し上げたいと思います。
 去る十月七日、国際原子力機構、IAEAのエルバラダイ事務局長が中山大臣を表敬訪問され、原子力二法人統合やIAEA邦人職員の増強等について意見交換されたと報道されていますが、その会議、御会見の内容についてお話をいただきたいと思います。
 また、このたびの会議の中で、大規模な原子力活動を行う国として初めて統合保障措置が導入され、この導入はIAEAにとっても喜ばしいとの報道がありますが、統合保障措置と原子力二法人統合についての大臣の御所見をまずお伺い申し上げたいと思います。
#70
○国務大臣(中山成彬君) お答えをいたします。
 十月七日にIAEAのエルバラダイ事務局長にお会いいたしました。そして、保障措置や核不拡散への我が国の取組やIAEAをめぐる原子力に関する協力の状況について意見交換を行ったところでございます。その際、原子力二法人の統合に関しましては、私から、核不拡散に関する取組を行うセンターの設置を検討していることなど、新機構において核不拡散に関する一層の機能強化を図ってまいりたいということをお伝え申し上げたところ、エルバラダイ事務局長より、原子力二法人の統合を契機に核不拡散に関する取組が強化されることを喜ばしいというふうに評価されました。
 文部科学省といたしましては、新機構において、核不拡散に関する取組の強化もありますが、まず基礎・基盤研究からプロジェクト研究開発まで一貫した総合的な研究開発体制を構築しまして、日本の将来の原子力の発展に寄与することが極めて重要であると、このように認識しておるところでございます。
#71
○下田敦子君 ありがとうございました。
 そこで、更にお尋ねいたしますが、我が国における統合保障措置は当面MOX燃料を使用しない商業発電炉あるいは研究炉及び使用済燃料貯蔵施設に対して実施されており、このほかの施設についても準備が整い次第順次実施される見込みということでございますが、この統合保障措置の効果としては、査察回数が削減され、例えば、例を申しますと軽水炉では年平均四回の査察が年二回から四回に削減ないし、失礼、年二ないしは四回に削減されるということですが、この削減される分、自己点検機能はこのたびの独立行政法人化される組織の中ではどのように監査及び点検されるのか、お伺いしたいと思います。
 なお、ここに一冊の本があります。これは参議院の文教科学委員会の調査室で出したものでありますが、この中に、所管の解説書の中に、核燃料サイクルについての解説がかなり行数を短めにしながらも書かれております。全国の電気事業連合会、いわゆる電事連のプルサーマル計画のMOX燃料の品質管理データ改ざん問題や新潟県の刈羽村の住民投票における反対派の勝利、それから平成十四年に発覚した東京電力の自主点検記録の不正記載問題等々、不祥事が書かれてあります。その計画に進展がないことの中にまた引き続いて、関西電力の美浜原子力発電所での検査体制の不備から多くの死傷者が出ました、あるいは東海村の臨界事故等々、マスコミにもよく取り上げられている内容ばかりでありますが、安全確保という大前提が崩れている、若しくは確立されていないというふうな声もよくマスコミ等で見受けることがあるわけですが、こういう中から今の様々な原子力行政があるのはまた一面のことであります。
 福井県知事のお言葉にもありましたが、電力会社がプルサーマル問題を自らの問題としてとらえていくのが基本だとおっしゃいましたけれども、すべては国民の安全な生活に大きな影響を及ぼす可能性の大きいもの、そしてこのような事故が起きてしまいますと、その信頼回復に要する時間及び経費は多大なものであります。そのためにも、それ以前から、基本的なことでありますが、国民に常に何が起きているか分かりやすく情報公開をするということは法律を作るよりもまず必要で、必須なことだと考えられます。
 そこでお尋ねいたしますが、不正や事故等が起きそうになったときの軌道修正のための助言の一助となる監視機能がこの法案の中からは見ることができません。この点についてはいかがお考えでしょうか。
 また、品質保証へのチェック体制はどこがどのように取って、またこの二法人の統合の中から今後とも続けていくのか、そこをお尋ね申し上げたいと思います。
#72
○副大臣(小島敏男君) お答え申し上げます。
 新機構の業務運営に当たっては、中立的な第三者による外部監査等は重要であると認識をしているところであります。すべての独立法人に言えることですが、独立行政法人に関する共通事項を定めた独立行政法人通則法に、独立行政法人評価委員会などによる評価、外部の会計監査による財務諸表等の監査といった必要な措置が規定をされているところであります。
 文部科学省といたしましては、これらの独立行政法人通則法の規定にのっとって、新法人に対する第三者評価と外部監査が適切に実施できるように対処してまいりたいと思っています。
#73
○下田敦子君 文部科学省の絶大なる御尽力で国立大学も独立行政法人化をし、大変諸外国並みの今力を発揮しつつあるのではないかと思います。また、どのような小さな学校法人であっても、第三者評価あるいはまた外部の評価、こういうものはもう欠くことができない時代に入りましたので、何とぞ、この通則法にのっとって、中立性を保った、本当に専門的な知識を持った方々で外部監査なりをお進めいただくように切にお願いを申し上げたいと思います。
 次にお尋ね申し上げたいのは、昨今、欧米の核不拡散団体が日本のプルトニウムに大変神経質になっているという情報を耳にいたします。
 IAEAは民生用原子力燃料を多国間で監視する国際管理機構の検討を始めるということもまた聞きますが、従来のNPT、いわゆる核拡散防止条約を一新するものとして、核燃料の生産から廃棄までの過程を国際管理下に置くねらいとされていますが、北東アジア地域で使用済燃料の貯蔵施設建設の計画が浮上しているように伺っております。ロシアが既に誘致に名のりを上げたと言われます。ロシアでもし貯蔵施設が実現すれば、六ケ所再処理施設の工場はその役割を失うことになるのではないかと、そういう懸念の声もまたこのごろ関係者の間で言われている話であります。
 このたび、二法人統合の意味にもかなりの影響を持つことではないかと、そう思われますが、将来、仮定の話でありますので、仮定のこういうプロセスの、将来が定まってないことにお答えは難しいとは思いますが、文部科学省及び経済産業省の御所管の方々より御所見をお伺い申し上げたいと思います。
#74
○政府参考人(坂田東一君) 先生が今お話しされましたエルバラダイ事務局長の核燃料関係の多国間管理の構想でございますけれども、私が承知している限りでは、現在、エルバラダイ局長は、御自身の専門的な諮問機関のようなものをお作りになりまして、そこに各国からハイレベルの専門家を集めて、先ほど申されました構想について今議論をされているという具合に承知しております。日本からもお一人、その諮問委員会には参加をされているという具合に承知しております。
 他方で、我が国の核燃料サイクル政策につきましては、先般も原子力委員会が、新しい長期計画の策定に向けての中間的な一つの取りまとめといたしまして、これまでの核燃料サイクル政策を基本的に維持していくという方針をまとめられたところでございます。
 すなわち、六ケ所村におきます再処理を始めとする核燃料サイクル事業につきましてもこれまでの方針どおり進めていくということでございますので、私どもといたしましては、エルバラダイ局長の御構想は御構想としてあるわけでございますが、日本の基本政策というのはやはり核燃料サイクルをしっかり着実に進めていくという具合に考えておりまして、その方針にのっとってやっていきたい。したがいまして、二法人の統合の問題もその方針にのっとりましてしっかり進めていきたいと、このように考えております。
#75
○下田敦子君 よく承りました。
 それでは、二つ目のセクションの質問に入らせていただきます。
 二法人統合について少し具体的にお尋ね申し上げたいと思います。
 今回のこの二法人、学術研究組織である原子力研究所とエネルギー開発にかかわる事業体である核燃料サイクル開発機構という二つの、ある意味異質な目的を持ったそれぞれが一緒になるというこの問題、これが今置かれている一つの問題がまずあるのではないかなという気がいたします。
 それで、最近、行革の一環で、これは二〇〇一年からいろいろな観点から独立行政法人化というものが推し進められているのはよく分かります。経済産業省の方でも、新エネルギー・産業開発機構、いわゆるNEDOの所管のエネルギー関連法人を統合して、これから独立行政法人化の動きがあるという話も、またこれ、マスメディアに登場してくるわけなんですが、何と、この法人は一兆二千億円の予算執行権を持つと、さらに電力の自由化とか核燃料サイクルにまで政策を提言すると。大変一つの大きな力を持つやに至ることが想像されるわけであります。
 今回の二法人統合に関しても、アメリカ電力自由化の流れもあるのではないかとか、あるいはまた、それからいわゆるNRCの規制緩和の動きがあるのではないか、そして日本でも、原子力発電所の高稼働率化、いわゆるどんどん、無駄のない、稼働率を上げようという一つのそういう動き、あるいは検査の簡素化、こういうことが時節柄非常にささやかれているわけなんですが、加えて、原子力発電所もそれぞれの年数がたってきておりますので、これは国費で賄われているいわゆる延命措置のための原子力施設の管理運営等においても国費が掛かり、なかなか大変な状況にあるという中から、このたびの統合が必要とされるのではないかと、そういう懸念を持っている人たちもまたおります。そして、コストダウン化が叫ばれている中から法整備がされていくのではないかと。
 今申し上げたような昨今の状況があるので、これらの背景についてはどのようにお考えであるかをお尋ねいたしたいと思います。
#76
○政府参考人(坂田東一君) 原子力二法人がこのたび統合するという法案を国会にお出しした背景といたしましては、平成十三年十二月の特殊法人等整理合理化計画によりまして、二法人を廃止をして統合して、一つの総合的な研究開発、原子力の研究開発を実施できる独立行政法人を作るという趣旨にのっとってやってきたものでございます。
 もちろん、それを契機といたしまして、私どもとしては、どのような統合法人を作ることが日本の将来のために、将来の原子力の発展のために一番いいかということをしっかり議論する必要があるという見地から、平成十四年になりましてから、文部科学大臣の諮問機関といたしまして統合準備会議をオーガナイズし、十分な御議論を経て、今回その内容を踏まえて法案を出させていただいた次第でございます。
 したがいまして、新しい新機構の目的でありますとか使命でありますとか、あるいは業務範囲、そういったことにつきましては十分な議論を経てしっかりしたものをお出ししたつもりでございますので、御審議を賜りたいという具合に考えている次第でございます。
#77
○下田敦子君 それでは、次の二つ目の質問に入らせていただきます。
 このたびの統合をよく拝見いたしますと、両機関は約四千五百人の職員数になると考えられるようでありますが、この予算額は両機関で二千三百億円であります。ところが、今までの累積の欠損金が両機関で合わせまして約四兆円にも及ぶと記されてありますが、これで果たして私どもの期待する人材育成あるいは専門職の育成、これは、こういう原子力の科学的な大変専門的な教育をして、施していくとなりますと、その教育の場からスタッフから、様々な経費がこれから必要とされると思います。こういう累積欠損金がある中でこれが可能であるのか、まず、予算もまた拝見しておりますと、大変以前から見ると今度減じて、予算がだんだん減ってきているのがよく分かるわけなんですが、こういうことで少し心配になるわけでございますが、その点をお尋ねしたいと思います。
 あわせて、この累積欠損金は、先ほど河合委員、それから山本委員も一部お触れになったと思いますが、累積欠損金は継承させないというお話があったようでありますけれども、普通、民間でありますとこの欠損金は欠損金でやはりバランスシートの上ではかなりきちんとこれを処理していかなければならないわけですが、それを継承しないとすればどのような方法を取られるのか、それをお尋ねしたいと思います。
#78
○政府参考人(坂田東一君) 日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構の累積欠損金の問題でございますけれども、平成十五年度末の時点では、原子力研究所が一兆七千四十億円、核燃料サイクル開発機構が二兆六千百五十三億円、合計で四兆三千百九十三億円の累積欠損金がございます。
 なぜそういう具合になっているかでございますけれども、これは、これまで原子力二法人が行ってまいりました研究開発の成果、これは当然ながら国民共有の財産として、あるものは有形でありあるものは無形であると、そういう技術的な財産として蓄積されております。ただ、それは直ちには収益に結び付かないということでございますので、これを特殊法人等会計処理基準に従って経理をした場合には、欠損金という形で整理されてきたものでございます。
 そこで、新機構に移りますときに、この処理の問題でございますが、河合先生にも申し上げましたけれども、独立行政法人制度におきましては法人の経営に関して自主性、自律性が付与される反面、業務実績について独立行政法人評価委員会等の評価を受けることとされております。したがいまして、仮に累積欠損金が独立行政法人化に際し新機構に承継された場合には、その経営に関して責任を負う独立行政法人の長が、本来責任を持っていない損失を設立時から計上するということになりまして、新機構の経営努力により利益が発生しても欠損金の処理に充当しなければならなくなるという問題が生じます。そのことは、新機構の財務状況が的確には把握ができないということになるわけでございます。
 したがいまして、新機構におきましては、お出しいたしました今回の法案の附則の第二条、それから第三条の規定によりまして、新機構が承継する資産の時価から負債の金額を差し引いた金額を資本とするということにいたしまして、実質的に、先ほど申し上げました累積欠損金、これは承継をしないということにするものでございます。したがいまして、新機構になりました場合には、予算として運営費交付金を中心とする政府からの支出、政府からの国庫支出金でございますけれども、それと、それからもちろん新機構が努力をいたしまして外部から得られる収入、これを事業に充てる経費として仕事をしていくということになります。
 先生がおっしゃいました人材の養成といった点は確かに大変重要でございまして、今回の新機構の業務規定の中にもしっかり書き込んでございますけれども、そういった事業にもただいま申し上げました資金によりまして期待される仕事をしてまいりたいと、するように文部科学省としても支援をしていきたいという具合に思っております。
#79
○下田敦子君 ありがとうございました。
 時間がありませんので、今の新しくスタートする二法人の統合された組織の中では評価委員会が考え、第二条に基づいてという、これを理解してまいりますが、有形、有益にということの意味は分かるんですが、残されたこの欠損金をどこでどう処理していくかという問題は、いずれの機会を得てまたお尋ねを申し上げたいと思います。
 次に、大きなセクションの二の三のお尋ねでありますが、今回の独立行政法人日本原子力研究開発機構法案の資料の中の十四ページにありますが、役員及び職員の秘密保持義務が第十五条、第十六条において課せられているということが書かれてあります。いわゆる独立行政法人であっても、公務員とみなして公務員規定を適用するということでありますが、これはせんだって参考人としてお出ましいただいた秋山参考人にもお尋ねをし、その意味は知的財産権を法律でもって保護するねらいがあると、そういうお答えでありましたので、これはある意味で理解はできます。いわゆる共同研究のその相手方の保有する知的財産権の保護ということは、反社会的な方法で漏えいしないという一つの目的があってこれは当然だと思うのですけれども、国民の知る権利に基づいた、安心した国民生活を営む上で知るべき内容であったとしても法律でもって保護するに値するか、それはどのような機関がどのような手順を踏んで判断するのか、その辺をいま一度お尋ねをしたいと思います。
#80
○政府参考人(坂田東一君) 秘密保持義務の問題でございますが、先生今御指摘のとおり、この規定を設けましたゆえんは、今回の独立行政法人でございます新機構が他の研究機関等との研究、特に共同研究等やりました場合に、その相手方の研究機関の研究でありますとか発明の内容、ノウハウ等、あるいは相手が営利企業であればその営業上の秘密等そういうものを知得する機会が多いものですから、中立性、公正性と、こういったことを維持するために今回の秘密保持義務を規定するということにしたものでございます。このことは、自ら研究開発を行うことを主たる業務といたします他の独立行政法人においても同様の規定がございまして、それに倣ったものでございます。
 今回の新機構は、今後の事業展開を考えてみますと、先ほど申しました人の養成といったような観点から、例えば大学等との共同研究もより充実することが期待されておりますし、また、研究開発成果の民間への移転ということも考えますと、電気事業者への技術支援などもしっかりと実施していく必要がございますので、新しい機構の役職員がその職務遂行に当たりまして秘密を知得する機会が多いということが相当程度に予想されますので、こういった規定を課すことにしたものでございます。
 したがいまして、この秘密保持規定に従って的確な業務運営をやっていくということが新しい新機構の業務でございますので、理事長を始めとする経営陣については、そういう問題について十分配慮しながら業務の的確な遂行に注意をしなければいけないのではないかという具合に考えております。
#81
○下田敦子君 それでは、次のお尋ねに入らせていただきます。
 国策である核燃料サイクルの最終処分地、核燃料廃棄物がどのように処理され、廃棄されるのかまだはっきりしておりません現状があります。先日、青森県六ケ所村での再処理試験スタートを青森県知事は認めたということですが、全国五十一基から排出される核燃料廃棄物は再処理しようとしても、御存じのとおり、キャパシティーには限界があります。
 プルトニウム再処理をしても行き場のないプルトニウムが日本では既に四十トンも保有しておる実情があります。ここで、直接処分するのか、再処理してMOX燃料に変えていくのかという大きな論点の一つがありますが、直接処分するという見地からは北海道の幌延の深層地埋設研究が行われているということでありますが、これもまだはっきり決まったことではありません。
 先般、東海村に参りましたら、この御説明の中で、中間施設としては青森県のむつ市を予定しているというお話ですが、これも地元の反対が非常に強く、例えばむつ市に預かったとしても五十一基から毎日毎日排出される処分量は抱えることは到底できないと思います。ですから、正に何年も言われてきましたが、トイレなきマンションだと言われているゆえんがこの辺りにあるかと思います。
 実は、ゆうべ遅くいろいろこの書類を見まして、平成十二年の六月七日出された特定放射性廃棄物の再処理に関する法律という大変こう分厚いつづりがありまして、それを先ほど来ずっと見ておりましたが、大変この中で読み取ることができるのは、これを、考えていることは深層地下埋設であって再処理施設ではないということがこれで読み取ることができます。ところが、なぜこの段階になってこんなに急いで、急遽六ケ所であり再処理なのか、この辺が非常にこれに書かれてない。とてもきちっと、すべてに、拠出金まで書かれてありまして、発電用原子炉設置者はきちっと一年一年で計算された拠出金を出さなきゃいけないというところまで定めてあるんですね。実にすごい決まりだと思うんです。
 一部、ゆうべも様々なコンピューターで見ましたけれども、こういうことへの、最終処分地あるいはそれに伴うタイムスケジュールは平成四十年ごろとか三十五年ごろとか、そういう書かれ方でありまして、大変私は国策と言うにはいろんなことがここで心配になるわけでございます。
 こういう点についてまずどのようにお考えであるか、お尋ねしたいと思います。
#82
○政府参考人(安達健祐君) お答え申し上げます。
 今、先生が御指摘なされました特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律でございますが、平成十二年に成立いたしました法律でございますが、これは再処理をすることを前提で、その過程で出てまいります高レベル放射性廃棄物の最終処分についての法律でございます。
 この法律に基づきまして、平成十二年十月には処分実施主体として認可法人原子力発電環境整備機構が設立されてございます。そして、この原子力発電環境整備機構は平成十四年十二月から全国の市町村を対象に処分地選定に向けた最初の段階の文献調査を実施する地区の公募を開始してございます。現在のところ、まだ正式な応募はございませんけれども、全国から様々な問い合わせを受けていると聞いてございます。
#83
○下田敦子君 それでは、次のお尋ねに入ります。
 先般、平成十六年十一月十二日に中間取りまとめの発表がされました。これを拝見しますと、シナリオ一、シナリオ二、シナリオ三、四という具合に仮定の内容で書かれておりまして、具体策はこの中から読み取ることはできません。また、今後の進め方という点においても、必要な施策は方向を検討していくものとするとだけあって、何のためにまとめられたものなのかがこれで読み取ることができなかったわけであります。
 今パブリックコメント等々において、東北六県においては三〇・一%の人がこの核燃料サイクルは安全ではないと思っている方々、そして青森県は、県民が六八・三%に上る人たちが不安を持っているということであります。また、全国の十三県の県議会の議長協議会から原子力発電に関する要望書、これはすべて安全に関して出されているものばかりと私は見ることができました。福島県のエネルギー政策検討会も、中間取りまとめが見えないと、このようなシナリオでは非常に不安で困るということが一つの書き物として届けられました。
 ここでお伺いしたいんですが、ちなみに中間貯蔵後の扱いについて、以前から国や東北電力は第二再処理工場へと搬出すると説明をしてまいりました。記憶があります。これは一つのまあ条件といいましょうか、中間貯蔵後の扱いの、第二再処理工場ということは、今の六ケ所の処理にちなんで大変大事な次の備えだと思います。このたびの新長計の中間取りまとめの中には、その第二工場の記載が一切ありません。このような中間取りまとめについてどのようにお考えであるかをお尋ねします。
#84
○政府参考人(塩沢文朗君) 今、先生が御指摘になられましたように、原子力委員会におきましては、原子力長期計画の新計画策定会議におきまして核燃料サイクル政策について様々な視点から評価を行いました。その視点というのは、安全性の問題、技術的に可能かどうか、エネルギーセキュリティーの面からどう評価されるか、あるいは環境に与える影響という観点からどのように評価されるのか等々十個の視点に基づきまして評価をしております。
 その過程において、その評価に当たりましては幾つかのモデルケースが必要となるということから、先生御指摘のシナリオというものを一種の評価の道具として用いまして、今後の核燃料サイクル政策の在り方についての総合的な評価を行い、その考え方を十一月十二日にまとめたところでございます。
 まとまったその基本方針は、これも先生御指摘のとおりでございますが、使用済燃料を再処理し回収されるプルトニウム、ウラン等を有効利用することを基本方針とするということでございます。
 それで、この中におきましては、こういう基本方針を受けまして、当面は、利用可能になる再処理能力の範囲で使用済燃料の再処理を行うこととし、これを超えて発生する使用済燃料は中間貯蔵することとされ、さらに、それに加えまして、中間貯蔵された使用済燃料の処理の方策は、六ケ所再処理工場の運転実績、高速増殖炉及び再処理に係る研究開発の進捗状況、核不拡散をめぐる国際的な動向等を踏まえて、二〇一〇年ごろから検討を開始する、この検討は基本方針を踏まえ柔軟性にも配慮して進めるものとし、その処理に必要な施設の建設、操業が六ケ所再処理工場の操業終了に十分間に合う時期までに結論を得るということとされております。
 今申し上げたその処理に必要な施設の中に第二再処理工場あるいは中間貯蔵施設というものが含まれるということでございます。
#85
○下田敦子君 それでは、セクション三の質問に入らせていただきます。
 一九五三年にアメリカのアイゼンハワー大統領がアトムズ・フォー・ピースという演説をされました。早くも五十一年がたちましたけれども、この間、七二年には同じくアメリカにおいて、七六年に閉鎖されたウエストバレー再処理工場運転中止。翌年七三年にはイギリスにおいてHEP―B205再処理工場が事故で閉鎖。七四年にはアメリカに、GEモーリス再処理工場建設が断念されました。七六年には同じくアメリカにおいて再処理とプルトニウム利用の凍結。八三年には計画自体放棄されたバーンウェル再処理工場の建設中止。七七年には再処理プルトニウム利用無期限延期。そして、七九年にはスリーマイル原発事故。八三年にはこれも同じくアメリカにおいてFBRの原子炉、CRBR、クリンチバレーの計画放棄。八六年には旧ソビエトのあの大変なチェルノブイリ原発事故。八九年には、先般、当参議院にも関係者がおいでになって講演がありましたが、ドイツのバッカーズドルフ再処理工場計画が放棄されました。その講演を聞くことができました。九一年に同じくドイツでFBR原型炉、NSR300、カルカーの計画放棄。九三年にはアメリカにおいてFBR実験炉、FFTFの閉鎖。九四年にはイギリスでFBRの原子炉、PFRの閉鎖、計画中止。それから、九八年にはフランスのFBR、かの有名な実証炉、スーパーフェニックスの閉鎖などなど、欧米の核燃料サイクル開発の動向から見れば時代は脱原発の時代に入ったと言われております。
 しかし、十一月二十二日、今週の月曜日ですが、日本原子力産業会議においても脱原発のシナリオを提示されたことが報道されていますが、この同会議においても、でも結局は当面原子炉に、原子エネルギーに頼らざるを得ない現状がもうあると。これは本当にそのとおりだと思うんです。
 私は、こういう状況の中で石油依存度の低下傾向というのが最近停滞しています。むしろ、ますます中近東に依存しているのではないかと。そういうさなかにこの原子力発電所の立地におけるリードタイムが長期化しています。ですから、こういうときだからこそ、こういう日本だからこそ、風力、太陽熱、地熱、水力、バイオマスなどのエネルギー源の多様化。
 いわゆる、せんだって東通に参りましたら、ワシントン事務所におられた所長さんがおっしゃってくださいました。個人的に伺ったらお答えがありましたが、こういう時代だからこそベストミックスを図ることが大事でしょうという話で、私も大変、ああそうだなと、こういう専門の方がこういうふうにお考えであるということは有り難いなと思って帰ってきましたけれども、私は緊急のテーマだと思います。
 ですから、二酸化炭素云々というお話で、火力発電というお話がありますが、それは、原子力発電をするときにはどうしてもそれが伴っていくものがありますので、それは必ずしもそう言えないことがあるんですが、そこでまとめてお尋ねいたしますが、いわゆる昨今、RPS法、いわゆる電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法が定められましたが、このたびの日本原子力研究開発機構が成立した暁には、今後、開発等の一連の事業に対してどのようなスタンスを取っていかれるのか、このベストミックスなりRPS法のことについてどういうふうなお考えがあるのか、お尋ねします。
#86
○政府参考人(坂田東一君) 先生が今申されましたいろいろな自然エネルギー等々の開発の問題はあるいは後ほど経済産業省からもお話があるかもしれませんが、新しい機構につきましては、これは法律の目的にも書いてございますけれども、一番大事な仕事といたしまして、日本の将来の原子力の研究開発利用を支えるために、基礎・基盤的な研究から高速増殖炉、再処理技術、そういったプロジェクト研究開発までをしっかり一貫性を持って総合的に実施をいたしまして、そのことによりまして我が国の原子力研究開発利用の発展に寄与をしていくと、これが一番大事なことでございます。
 その過程におきまして、実際に社会で使われます原子力の技術、これは原子力発電所はもとよりでございますけれども、そういう技術の安全性の一層の向上あるいは信頼性の一層の向上、また将来の原子力の技術については、それとともに実用化を目指すという観点からは、経済性についても更にそれを上げていくための技術開発努力、そういったことをすることが今回の新しい新機構にとって一番大事な役割だと思っております。
 私どもといたしましては、こういう仕事を通じまして是非日本の原子力に対して国民の信頼の回復にも寄与したいと、新たに発展する重要な機会としてこの新機構の発足をサポートしていきたいと、このように考えております。
#87
○下田敦子君 それでは、時間も余りありませんのでその次の質問に入らせていただきます。
 東海村の東海工場において本格運転開始後も度重なる事故、トラブルがあったと思います。一九九七年三月の十一日に、低レベル廃棄物アスファルト固化処理施設の火災爆発事故で約三年間運転が停止しました。その前に、一九八二年に、当時の動燃事業団の理事長が次のようなことをおっしゃって、そのコメントが私、記憶にあります。次の大型工場に引き渡す技術開発ができなかったと語られたのが非常に印象的でありますが、この当時と今の研究開発とはレベルも状況も違うということも私も分かりますが、今までにないこの核燃料サイクルに乗せて大量に高レベル廃棄物を商業ベース化しようという国家プロジェクトに対して、多くの国民、そして特に県民は疑問と不安を抱えています。
 去る十一月十五日、国は安全確保を大前提に政府一体で着手を推進する方針を定めて表明して、青森県に協力を要請してこられました。安全確保の不安もさることながら、六ケ所村の再処理工場の事業費について不良債権化していると言われる事業の責任はだれが取るんだろうという懸念がまず出てまいります。
 一九九七年三月に六ケ所再処理工場の事業許可が申請されたときの建設費の見積額は七千六百億円でしたが、その後、この額はどんどん膨らみまして、一九九九年四月には二兆一千四百億円と実に二・八倍になってしまいました。
 さらに、追加工事や、それから燃料貯蔵プール不良溶接の補修、これは時間がありませんからちょっとだけ申し上げますが、この一連の再処理工場造るときには、溶接工事のいわゆる技能士が一級の技能を持った人であるということが限定されまして、全国からこの方々は招かれたわけですから、その方々個人のプールのその技術が不足であったと私は思っておりません。事業の元請があり、やがては孫請まで行く間のその工程がどうであったのか、これはいろんなことをやはり建設工事関係者数が一四・五%もいらっしゃる青森県において、特にこのことは良しあしを別として考えなきゃいけない問題がありますが、結果として不良溶接の補修などに一千億円近い増額が見込まれました。それから、これから考えられるその操業費、いわゆるランニングコストですが、これは減価償却費も相当なものになると言われております。まあ、やがて解体事業費も考えなくてはならないときが来れば、その見積りというものは大変なものだろうと思います。国内初の施設という六ケ所再処理施設が、不透明性や予測もできないリスクから今後発生するであろう費用はそう単純には出てこないのではないかなと思います。
 また、二〇〇三年十二月、電気事業連合会から原子力バックエンド事業のコスト試算値が報告されました。総費用は十一兆円弱という発表でありましたが、コスト等検討小委員会の報告書では、今後四十年間、使用済燃料は三万二千トンを再処理し、三万四千トンを貯蔵することになっていると言われていますが、これは一トン当たり再処理費用は、約三億四千四百万円の計算から見れば、イギリスやフランスの再処理コストの約三倍であります。
 繰り返しますが、今後の電力自由化を考えるときに、様々なリスクは回避できない事態も十分考えられます。我が国の原子力行政の経済性とその採算性、あるいは技術協力支援を今の統合法人化において考えたときにどのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
 最終処分地も未決定でございますが、プルサーマル利用、MOX燃料、いわゆるウラン、プルトニウムの混合酸化物の加工立地も現在、原燃の要請を棚上げしている状況がありますので、国の先送り行政といえば失礼になるのかもしれませんが、大変地元ではこういうことに対してはっきりしてほしいという要望が大変高まっているということをまず申し上げたいと思います。
 今後、原子力二法人が合同で独立行政法人化して、これらの未決定問題を始め、今申し上げました棚上げされていると思われるこれらのこと、それから最終処分にかかわる今後の具体的なスケジュール、これをお伺いしたいなと、そう思っております。
 以上です。
#88
○政府参考人(坂田東一君) 先生のお尋ねは、六ケ所、あそこで行いますいろいろな核燃料サイクル事業とそれから新しい新機構との関係についてのお尋ねだという具合に思います。その観点に立ちまして、御説明いたしたいと思います。
 午前中もまず申し上げましたが、六ケ所の再処理工場の建設、これから運転に入りますけれども、この円滑な事業を進めていくという観点から、既に現在の核燃料サイクル開発機構は日本原燃との間で技術協力あるいは技術支援にかかわる協定を結んでおります。その下で、これまでも累積で二百五十七名のサイクル機構の職員を日本原燃に派遣をしてございます。それからまた、現実に日本原燃に籍を移した者も十八名別途おります。さらに、日本原燃の職員を東海村で実際に訓練するということにも協力しておりまして、これまで延べ六百四名の職員を引き受けてございます。これは人の能力を高めていくという観点での協力でございます。
 また、再処理工場自体の建設にも当然協力をしておりまして、例えば六ケ所再処理工場で採用されました高レベル廃棄物のガラス固化の技術あるいはまた再処理プラントの言わば心臓部にも、心臓部の一つにも当たりますが、ウラン、プルトニウムの混合脱硝技術、こういったような技術移転もしているところでございます。したがって、サイクル機構はこれから六ケ所村の再処理工場の操業時期を迎えていきますが、それに対しましても、できる限りその操業が円滑に進むように引き続いてしっかりとした協力を日本原燃にはしていきたい、していくようにしたいという具合に思っているところでございます。
 また、先生、ただいまはMOXの加工施設の問題等々にも触れられましたけれども、これは将来の課題でございますので、これからサイクル機構が日本原燃に対しましてどのような協力ができるかどうか、恐らく当事者間でお話をされなければ固まっていかない問題だとは存じますけれども、一つ言えることは、サイクル機構は、これまで高速増殖実験炉「常陽」でありますとか、あるいは原型炉の「もんじゅ」、あるいはまた運転は停止をいたしましたが、新型転換炉の「ふげん」、こういった燃料はすべてMOX燃料でございます。それらのMOX燃料を非常に多く製造してきたという実績がございます。そういった経験でありますとか技術、こういうものは必ず将来日本がMOX加工工場を造ります場合には生かされていくものだと思いますし、また生かしていかなければいけないという具合に思っております。
 全体をまとめて申しますと、核燃料サイクル開発機構と申しますのは、正にプルトニウムにかかわりますいろいろな技術の蓄積、また高レベル廃棄物の処理処分にかかわりますいろいろな技術の蓄積をしてまいりましたので、それらの蓄積を是非将来の商業化の事業に役に立つようにしっかりとした活動ができるよう、文部科学省としても支援をしてまいりたいと思っております。
#89
○下田敦子君 時間がありませんので、要望として終わらせていただきたいと思います。
 先般、大変これは申し上げづらいのですが、経産省あるいは原子力委員会で、これらのその再処理を利用しての費用は幾ら、あるいは深層埋設する、直接処分で幾らというふうなことで試算しておられたということがなぜか公開されずに来ていた、大変困ったことがあったわけですが、やはりこういうことをどんどん公開していただいて、路線選択の根拠が不明確なまま再処理路線へとまずは出向いていくというふうなことがあれば、これはやはり私は前後していることなのではないかなと。この試算数値を発表していただいて、本来であれば、ここから安全性とか経済性を議論し始めるべきであったのではないかなということを考えます。
 ですから、どうぞこういうことのなきようこれから、いろんな前後の御事情あったのだとは思いますけれども、なるべく国民によく理解してもらえるように進めていかなければならない現実がありますので、その辺をお願いしたいと思います。このことは、青森県議会の議員総会においても、再処理という問題で、本題があったわけなんですが、そこに入れないくらい時間が掛かってもめて、この問題を議論したやに聞いております。
 それから、原子力委員会の会則といいましょうか、決まりもあると思うんですが、なるべくその人選において、あるいは三期も重ねて就任しておられるというのは、私はそれはいい点もあるとは思いますが、私はそういうことは、権不十年と申しますか、やはり物事には、同じ座に着いてとどまっていてはならないということを考えて、少しこういう点をお願いをしたいと思います。
 それから、最近、この再処理の工場を造るべくやっております核燃施設の従業員の被曝量が増えております。そういうこともひとつ念頭に置いていただいて、たくさんの人がこの処理にかかわっているということをまずお願いをし、御理解をいただきたいと思います。
 それから、先ほどの御説明で、地震、耐震性に関することのお話が先ほど山本委員からもありまして、大変有り難い御質問だなと思って伺っておりましたが、確かに坂田局長のように、これは岩盤に直接かかわるような頑強な建て方をしているわけですが、このでき上がったときの建築基準法はあくまでも一般屋家の中での建築基準法しかないわけですから、この辺が非常に私は今心配になっているところだろうと思います。
 それから、三沢のアメリカ駐留軍があそこのそば近くにおりまして、しょっちゅうまたファントムですとかいろんな飛行機が落ちているんですね。それで、セメントの厚さに対する衝撃テストも試みているようでありますが、非常にそういう点もまだ心配になることがあるということもまたお願いを申し上げたいと思います。
 それから最後に、フランスのラアーグの工場周辺では小児白血病の発生率が大変高いという調査が一九九八年に公表されています。したがって、この心配を取り除く意味からも、一九九九年から、青森県が六ケ所再処理工場の環境上の影響を見ることの上から青森県小児がん等がん調査事業というのを予算を付けて開始していることであります。是非こういうことを考えて、これから安全を第一義にしながらも、この二法人の統合ということを大変異議が多いということを申し上げて、要望して終わりたいと思います。よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
#90
○小林元君 民主党・新緑風会の小林元でございます。
 大臣の就任、そしてまた副大臣以下、おめでとうございます。
 初めての質問でございますので、よろしくお願いいたします。
 法案の審議に入ります前に、せんだっての委員会でも義務教育の問題についていろいろ御質疑があったわけでございます。大臣からも力強い答弁をいただいたというふうに思っております。
 昨日ですか、のマスコミ等で、いろいろ結論が出たと、政府・与党内部で出てきたというふうに書いてありました。まだまだ折衝の過程にあるかもしれませんけれども、閣議決定というようなところまでは行ってないのかなというふうにも思いますが、いずれにしましても、来年の秋までに中教審で結論を出そうと。しかし、来年度の予算については二分の一から三分の一にすると。この範囲についても私よく分かりませんけれども、中学校分なのか義務教育全体としてという意味なのか分かりませんが、いずれにしましても、そのような折衝過程ですので、大臣、内容を明らかにすることができるかどうか私分かりませんけれども、経緯なり大臣の決意をお願いしたいと思います。
#91
○国務大臣(中山成彬君) 小林委員からいろいろと義務教につきまして御心配いただいておりまして大変恐縮しておりますけれども、この義務教育国庫負担制度につきまして、与野党を通じまして何とか頑張ってくれという激励をいただいているものと思いまして一生懸命頑張っているわけでございますけれども、まだ昨日段階におきましては、今日新聞に出たような具体的な数字が出ているわけじゃございませんで、私は一貫して主張しているわけでございますが、とにかく義務教育の大切さということでございます。
 そのことにつきましては、先般、与党と政府間の枠組の一応合意ができておりまして、その中におきまして、この義務教育国庫負担制度の重要さにかんがみまして、その維持ということと、それから国の責任はしっかりと堅持していくんだということがうたわれておりまして、ただ、そのいわゆる負担の割合とか、これからの教育水準の維持向上についてどうするかということについて、来年の秋までに中央教育審議会で議論してもらうということになっております。
 そしてまた、それとは別に、まあそれと並行いたしまして、それじゃこの十七年度、来年度についてどうするかということにつきましては別途検討するということになっているわけでございまして、今そこのところを実は詰めているわけでございまして、私どもも決して三位一体に協力しないわけではないと。いわゆる地方側の改革案に対しては真摯に受け止めて、一生懸命御協力しようということで今いろいろと事務方で積み上げまして、三千億までは、三千億円ぐらいまでは何とか十七年度の予算において協力できる、そういったことで今協議をしているところでございます。
 今日、四大臣が小泉総理に御説明したということでございますから、これから夕方、夕刻にかけましてまた政府と自民党の間の議論が進みまして方向性が出るものと、こう考えておりますが、私といたしましては、とにかくこの義務教育の骨幹にかかわる分については絶対に堅持すると、これについてはとにかく中央教育審議会の方でしっかり議論してもらうんだという路線を貫いていきたいと、こう思っているところでございます。
#92
○小林元君 ありがとうございました。
 やはり私は、この教育の大切さといいますか重要性、国家百年の大計と言われているわけでございますし、小泉総理も就任時は、米百俵の精神ということで、実は私も大変期待をしました。しかし残念ながら、その後の経過を見てますと、年々予算が削減される。財政状況を知らないとは言いませんけれども、やはり教育の根幹を守るというためにどうあるべきかというのは非常に大事な問題だというふうに注目しておりますし、ですから、教育財源の確保ということで是非頑張っていただきたい。
 もちろん、地方団体の要求も、地方分権の推進というにしきの御旗があるわけでございますから、決して、例えば一般財源化ということについても無責任に教育をやるということにはならないと思いますけれども、その両立を図ることは大変難しいかもしれませんが、是非そのような地方の御意向も酌み取ってしっかりした教育制度を維持するといいますか、堅持をしていただきたいと、こういうふうにお願いをしまして、次に入らせていただきます。大変御苦労だと思いますけれども、よろしくお願いします。
 私の地元は茨城県でございます。今、下田委員は青森県ということでございまして、この法人あるいは新法人の仕事に大変関係が深い。そして今回、この統合という、法案が成ったわけでございますけれども、現実に統合するという、この場所的に見ますと茨城県なんですよ。もう東海村はこの間皆さんが御視察をいただいたとおり、原研があり、そしてお隣に核燃料サイクル機構の本部まであるわけでございます。
 今回の二法人の統合によりまして、よりましてというか統合の中で、原研の今までの事務所ももちろん統合するということでございますが、東海村にしたら事務所を移すということは大変、それに関しては大変適切なお考えだというふうに思っております。
 茨城県は、一九五〇年代、昭和三十年ですね、原研、原子力の開発、利用という基本法が決まりました。その後、原研を作ろうということで、昭和三十年に。以来、原子力の平和利用、こういうことで東海村に、今お話ししましたように原研あるいは動燃の施設、こういうものが、まあ十年後、時差がありますけれども、次から次と立地をしました。そういうことで、東海村は原子力のメッカと、こういうふうにして茨城県としても胸を張って推進をしてきた、協力をしてきたと、こういうふうに思っております。
 しかし、残念ながら、そういう大きな貢献をしたと思いますけれども、残念なことに動燃が、これは茨城県ではありませんが、敦賀で「もんじゅ」の事故を、九五年ですか、起こしました。動燃は一体何をやっているのかという思いも私どもももちろんあります。しかし、その直後に今度は地元の東海村でアスファルトの固化施設の火災爆発事故、九七年でしょうか。私が、九年前ですから選挙に当選した年なんですよね、九五年というのは。次から次へ起こったと言っても過言ではないくらいショックを受けました。
 そういう中で動燃改革というものが、このままではどうにもならないと、日本の原子力の利用というものは進まないんではないかと。そういう、皆さんも、これは政府も、与野党問わず国民の意見としてやっぱりきちんとすべきではないかというようなことがあって動燃改革ということになったと思います。それで、動燃改革をして核燃サイクルがスタートして六年になります。
 何といいますか、今はどうなんだろうか。その改革の成果というんでしょうか、そういうものについてどういうふうに大臣は御認識をされているのか、お伺いしたいと思います。
#93
○国務大臣(中山成彬君) 東海村の所在であります茨城県の御出身の小林先生からいろいろお話がございましたけれども、原子力というこの国策の推進のためにいろいろと御尽力、御協力をいただいておるわけでございまして、そのことにつきましては改めて感謝申し上げたいと思いますし、またその間、いろいろな事故が起こり、本当にそういう意味では本当に申し訳なかったなと、こういう思いもあるわけでございまして、今、動燃改革の成果いかんというふうな御質問あったわけでございます。
 正に今御質問ありましたように、この「もんじゅ」事故とか、あるいはアスファルト固化処理施設での火災爆発事故等を背景にいたしまして、旧動力炉・核燃料開発事業団の抜本的な改革を通じまして国民の信頼を回復するという、そういう必要性から動燃改革を行うことになったものでございます。
 この動燃改革につきましては、平成十年に動燃を核燃料サイクル開発機構に改組しまして、新型転換炉開発、ウラン濃縮、海外ウラン探鉱等から撤退いたしまして、高速増殖炉開発等へ業務の重点化、それから第三者から成る運営審議会の設置、積極的な情報公開、地元の重視の観点から本社機能を移転する等の対応を行ったところでございます。また、重点化された業務の遂行に当たりましても、外部評価の導入とか、あるいは効率化の推進等の改善に鋭意努力が重ねられてきているものと理解しております。
 これらにつきましては、本年七月にサイクル機構が依頼した第三者による機関評価でも、動燃改革当時に指摘された経営的課題に対しては改善が進んでおり、総合してこの五か年の業務運営は評価できるというふうにされておりまして、動燃改革の目的達成に向けたサイクル機構の努力が外部有識者にも認められているものと、このように考えております。
#94
○小林元君 せんだっての、私も何回か動燃、原研、動燃じゃありません、核燃サイクルですね、お伺いしておりますけれども、従来にも増して、特に核燃サイクルにつきましては経営陣も替わるというようなことで大変しっかりやっているんではないか、視察に行った皆さんもそのように感じたんではないかというふうに思っております。
 ただ、今回の統合法案、大臣の趣旨説明をお伺いしまして大変私は残念に思ったんです、大変申し訳ないですけれども。整理合理化計画の中で、三年前、この二法人の統合ということ出てまいりまして、それに基づいてやるんだと。それはそれで行革というものが必要性は分からないわけではございませんが、事原子力に関しては、先ほど来議論が、同僚委員からも何回も言われたとおり、あるいは大臣からもお言葉として、説明としては聞いておりますけれども、やっぱりその合理化の一環ということよりは、やっぱり安全第一、安全大優先、大前提というところが欲しいわけですよ、言ってもらいたい、あるいは明記してもらいたい。後で言いますけれども。
 それで、しかも、今成果が上がっていると、こういうふうに言われました。この統合案が出たのは、整理合理化計画は三年前なんですよね。だから、三年たってまだ成果が出たかどうか分かんない、また組織改編をすると。これじゃ現場の人も、実際に技術者、研究所の方も、一体私たちはどうなるのかなと大変お迷いになっていると思うんですね、どうしたらいいんだろうと。そういう朝令暮改、大変失礼でございますが、そういう言い方になってしまうんじゃないかと。
 そうなると、本当にこういうこの統合で、先ほどの説明では融合というようなお話もありました。核融合は物すごいエネルギーが出るわけですよね、先ほどもお話がありました。そういうエネルギーが本当にこの統合で出るんだろうか、私は心配でしようがないんです。いかがでしょうか、大臣にお伺いしたい。
#95
○国務大臣(中山成彬君) 今回の二法人の統合につきましては御指摘のようないろんな御意見があることも理解しているわけでございまして、今回の統合によりまして組織の能力とかあるいは構成員の意欲の減退につながるようなことになってはいけないと、このように考えているわけでございまして、むしろこの原子力二法人に分散されております研究資源の有機的な連携とかあるいは正に融合によりまして相乗効果を発揮するという、そういう積極的な意義をとらえて活力のある事業展開ができるようにやっていかにゃいかぬと、このように考えておるところでございます。
 この新機構の研究者が統合による正に相乗効果を発揮しまして、社会から信頼される創造的な研究開発に取り組むことができますように適切に対処していかにゃいかぬなと、このように考えているところでございます。
#96
○小林元君 次に、どうぞ、安全、そういうことをしっかり念頭に置いてやっていただきたいと、こういうふうに思っております。
 次に、核燃料サイクルといいますか、「もんじゅ」の問題でございます。
 もうこういう問題は話をしたくもないという考えもあるかもしれませんが、高速増殖炉の「もんじゅ」、これは運転開始がその事故の年ですね、九五年四月に試運転が開始されます。そして、たった八か月であのような事故が、ナトリウム事故が起こりました。大変残念だったと、関係者の方々もそう思っていると思います。率直に単純な、私、質問で恐縮なんですが、たった八か月で、以来九年間止まってしまったわけです。これは、現実にその運転している方、あるいは運転費用とかいろんな予算、せっかく造ったのにストップしちゃったと、研究開発も進まないという状況になっているんですよね。
 ですが、率直にお聞きしますが、この累積、企業だったらこれ大変な大損害で、もう破産、倒産ということになってしまうんじゃないかと思いますが、先ほど欠損金の話が出ましたが、経理上はどうなっているのか分かりませんが、いわゆる実質損害額というのはどのぐらいになるでしょうか。
#97
○政府参考人(坂田東一君) 先生御指摘のように、「もんじゅ」は平成七年の十二月にナトリウム漏れの事故を起こしてから運転を停止しておりますので、この十二月で約九年ということになります。「もんじゅ」につきましては、改造工事をして運転再開を是非目指したいと思っておりますので、現在、施設の健全性を、必要最低限の健全性をしっかりと維持するための維持管理をやっているところでございます。
 先生のお尋ねは損害額ということでございましたけれども、この停止をしている「もんじゅ」の施設維持の管理費がどうだったかということでちょっとお答えをさしていただきたいと思いますけれども、平成八年度から平成十五年度までの間の維持管理費の決算の合計では約七百七十三億円でございます。十六年度、今年度はまだ決算出ておりませんが、予算額としては七十二億円ということに相なります。
 以上でございます。
#98
○小林元君 八百億ですよね、を超えていますね。これ、大変な額ですよ。物すごい研究開発ができたんじゃないかと思うんです。でも、やっぱりコスト意識がない特殊法人、四兆円もの欠損が出てどうするのかと言われてもよく分からないというような状態。で、これは動燃改革でも、そういう何といいますか、企業意識というんでしょうか、コスト意識というんでしょうか、いろんな観点から新しい体質改善をしなければいけないということになったと思うんです。やはり大変単刀直入な聞き方で無礼極まるかもしれませんけれども、お伺いをしたわけでございます。
 そういう中で、何とか開発進めたいというふうな気持ちもお持ちだろうと思いますが、しかしそういう中で、また十五年の、昨年の一月に原子炉の設置許可無効、取消しと、処分無効の判決があったわけでございます。そういう中で、これから「もんじゅ」の開発というものをどういうふうに進めていくのか、お伺いしたいと思います。
#99
○副大臣(小島敏男君) 御答弁申し上げます。
 今、小林委員がお話があって、私もこちらでお話を聞いていたわけでありますけれども、たった八か月でということで、誠に残念の極みであります。
 そこで、今、判決があった後、どういうことをするのかということでありますけれども、この判決につきましては、国の方としては平成十五年の一月三十一日、最高裁に上訴したところでございます。したがって、「もんじゅ」の原子炉設置許可処分は法的には有効と認識をしているところであります。
 文部科学省といたしましては、「もんじゅ」を着実に進めていくことが重要と考えまして、高裁判決後、省内に文部科学副大臣を本部長としてプロジェクトチームを設け、「もんじゅ」推進に向けて地元の理解が得られるよう対応を今しているところでございます。具体的には、地元での説明会やシンポジウムを開催する等、「もんじゅ」についての理解を得るため、説明責任を果たすことに重点を置いた取組を行ってまいりました。
 文部科学省としては、今後ともこれらの取組を通じて早期に地元の了解を得て改造工事に着手したいと考えているところでございます。
 以上でございます。
#100
○小林元君 いろいろ努力されているのは分かるんでございますが、前進しようとするといろんな問題が起きて、事故が起きたり、あるいは地元の問題も含めていろんなことが起きてなかなか前に行けないという大変歯がゆい思いもあるかもしれませんが、やっぱりここは全体的に、これは文部科学省だけの話ではありません、核燃料サイクルだけの話ではない、国を挙げてどうするのかと、原子力問題というのもどうするのかということを真剣に先送りしないでやっていただきたいというふうに思います。
 そういう中で、今回、予算とか人員が削減するんではないか、リストラが起こるんではないか、こういう心配があります。そして、私びっくりしたんですが、この整理合理化計画の中に「もんじゅ」の予算の、人員の削減、予算の削減、これは止まっているんですから運転しているときよりは掛からないというのは当たり前なのを、どうしてこんなことが合理化計画にもっともらしく載っているのか、私、理解できなかったんですが、いかがでしょうか。
#101
○政府参考人(坂田東一君) 先生御指摘の平成十三年十二月の特殊法人等整理合理化計画、ここで両法人の廃止と一つにまとめた統合した法人、独法を作るということが決められたわけでありますが、確かにその整理合理化計画の中で、例えば高速増殖炉の開発コストがどうなっていくのかとか、あるいは期待される成果とか、あるいはリスクはどうなるのか、こういったことをしっかりと国民にも分かりやすく説明をしなさいという指摘がございました。
 私ども、こういう指摘については本当に大事なことだと受け止めておりまして、実は、「もんじゅ」自体は止まっているわけではございますけれども、「もんじゅ」のことはもとよりでございますが、高速増殖炉研究開発の必要性とか、あるいは高速増殖炉が開発され実用化されたときにはどんな成果が社会にもたらされるのかと、そういうようなことにつきましてしっかりと説明責任を果たす必要があるということで、先ほど副大臣の方からいろいろシンポジウムのことがございましたが、昨年、地元を中心に三回、四回とそういうこともいたしましたし、それからサイクル機構におきましては、いろいろな質問を受け付けることができるようなメールの受付体制、そういったこともやってまいりました。
 さらには、将来のある種のロードマップと申しますか、高速増殖炉をどうやって実用化まで進めていくのか、それまでの道筋でありますとかコストがどうかということにつきましては、実はサイクル機構は現在、茨城県大洗町の工学センターにおきまして、電気事業者等と協力いたしまして、高速増殖炉の実用化戦略調査研究というものを別途やってございます。その中の成果といたしまして、今申し上げた実用化までの道筋、コスト等については成果としてまとめて、これをサイクル機構のパンフレットにまとめる、あるいはホームページに掲載をしていつでも国民の方にごらんいただけるような体制も取っているところでございます。
 それから、先ほどの整理合理化計画で指摘されたような内容はそういうことで、当事者自身が広く国民に知っていただく努力をすることは大事なことでありますが、それとは別に、やはり外部の専門家の方にも現在の研究開発の状況、それから将来に向けた取組方について評価を受けるということが大変大事でございますので、そういうことも併せやりながら、その結果についても国民に御説明する責任、説明責任を果たすという具合に取り組んでいるところでございます。
#102
○小林元君 先回りしての御答弁もありましたけれども、人員とか予算の削減で、じゃ運転再開をしようと、できるというときに支障はないんでしょうか。端的にお伺いします。
#103
○政府参考人(坂田東一君) 「もんじゅ」につきまして、確かに運転を止めてから約九年たちましたので、この間の維持管理費についてもできる限りの節減を図ってまいりました。その関係も少しございますけれども、現在「もんじゅ」を維持するために必要最低限の数を確保しているというところでございます。安全確保に支障のない範囲で必要最低限の人員を確保しております。
 今後、運転の再開に向けましてはいろいろな作業が出てまいると思っておりますけれども、それらの作業を進めるに当たりまして必要となります人員、追加的な人員あるいは予算、こういったものにつきましては新機構全体の業務運営の中でそれを確保していくということが大事ではないかと。したがいまして、機構におきましてはそのような対応をしっかりやっていただきたいという具合に考えております。
#104
○小林元君 それからもう一つ、合理化計画の中に、先ほど来、原研でやっております核融合開発と高速増殖炉の優先順位を検討せよというふうに書いてあるんですね。しかし、先ほど来の話を聞きますと、高速増殖炉はもちろんこの法案できちんと、業務範囲にきちんと書かれていますし、それから核融合については何にも触れていませんが大事だというふうに、そして国際ITERを誘致しようということでやっておるということになると、これはどっちも大事だというふうに私は伺ったんですが、その辺の御見解がいただければ有り難いと思います。
#105
○政府参考人(坂田東一君) 高速増殖炉の開発と核融合の開発の優先度と申しますか、重要度についてのお尋ねがございました。
 高速増殖炉の開発は、これは将来の核燃料サイクルの確立という意味で大変大事な課題でございますので、ただいま申し上げましたとおり、例えば「もんじゅ」につきまして、できるだけ早く地元の御理解を得て改造工事、運転再開という方向に持っていきたいと思っております。
 一方、核融合の研究開発でございますが、これは今回の新機構の業務といたしましては、原子力の基礎的な研究あるいは応用の研究という範囲でこの核融合の研究をやっていくつもりでございます。
 先生既に御存じのことではございますが、核融合自体は今世紀の後半から来世紀にかけましてのエネルギー源として大変有望な候補の一つということでございますので、高速増殖炉よりもより長期の視野に立ってこれを着実に進めることが肝要かと認識しております。
 文部科学省といたしましては、いずれのプロジェクト、高速増殖炉、核融合、いずれも将来の世代のために大変大事なエネルギー選択肢として考えております。そういう意味では、新機構において取り組む研究の対象として重点的に取り組む事業ではないかと考えているところでございます。
 具体的にどの程度の資源を投入し、またどの程度のスピード感を持って開発していくかということにつきましては、当然ではございますが、技術の成熟度合い、高速増殖炉はもう発電ができる状況になっております。核融合につきましては、ITERが実現いたしましたとして、まだ具体的に熱を出す、エネルギーを出す段階で、発電までは至りません。そういう技術の成熟度合いを十分に評価しながら、それに応じて推進、進め方というものを考えていく必要があるのではないかと思っている次第でございます。
#106
○小林元君 これ以上は申し上げませんが、やっぱりこの法案には何にも夢がないんですよね。ですから、あれだけの熱意を持って核融合研究に取り組んでいるわけです。ですから、やっぱり本当にこの組織というものを融合させようというのであれば、このような項目についても、夢のまた夢かもしれません、先の先だという話ですから、実現性も分かりませんけれども、そういうことがあってもいいのかなというのが私の率直な意見でございます。
 どうぞ、大臣、何か御見解がありましたらお願いしたいと思います。
#107
○国務大臣(中山成彬君) ちょっと夢がないという話でございましたが、夢があるように持っていくのが我々の務めであると、このように考えているわけでございまして、この統合によりまして、基礎・基盤研究からプロジェクト研究開発までを包含する総括的かつ先端的な原子力の研究開発機関として幅広い研究開発分野の連携、融合等の大きな効果が発揮できますし、また柔軟性と迅速性を満たす研究開発の進め方を実現できる可能性が格段に強まるのではないかと、このように考えておるところでございます。
#108
○小林元君 それでは、核燃サイクルの話に移らせていただきます。
 先ほど来、同僚委員からも質問がありました。原子力委員会の原子力長期計画改定作業が進んでいると。そして、十一月の一日あるいは十二日ですか、この二回の検討の中で現在の核燃路線というものについてやむを得ないんだと、再処理コストは二十兆円、そして直接処分は五―七兆円であるけれども、政策を転換すると、もちろん直接処分の方が安いわけですが、政策転換コストが二十六兆円というようなことが議論され、そしてなかなか直接処分というものについても技術的な見通しがまだないというような議論もされたというふうに聞いておりますが、先ほど御答弁が、質問もありましたので簡潔に、その今回の中間取りまとめというのはほぼ決定というふうにマスコミは書いていますよね、その辺のことについて御見解をお願いしたいと思います。
#109
○政府参考人(塩沢文朗君) 今先生御指摘のとおり、六月から十二回にわたりまして、先ほど来御説明しておりますように、十個の政策評価の観点から定量化できるものは定量化し、定量化になじまないものは客観的データを集めて、様々な有識者の方にお集まりいただきまして総合的な評価を行い、十一月十二日まで議論を尽くしまして、その核燃料サイクル政策については、使用済燃料を再処理し回収されるプルトニウム、ウラン等を有効利用することを基本方針とするという中間取りまとめがまとまったところでございます。
 今後、こういった基本方針まとまったことから、実は原子力政策問題その他いろいろな課題がございますので、そういった基本方針にのっとって順次課題を取り上げ、来年内に長期計画を取りまとめるという方向で今検討作業を進めておるところでございます。
#110
○小林元君 もちろん、現計画では、長計では、使用済核燃料を再処理する、あるいはプルトニウムの利用を進めるというようなことが書いてありまして、安全性とか核拡散への懸念、あるいは経済性、そういう問題をきちんとしなさいと、そして理解を得なさいというふうに書いてありますね。ですから、こういう検討というのは来年の新計、計画策定に向けてやられているんですけれども、このような議論を国民の前にやっぱり明らかにするということでやっておられると私は理解をしております。
 しかし、そういう過程の中で、この法案は前に出ているわけですね。その辺がどうも、原子力委員会が一生懸命検討をして追い付いたのか、よく分かんないんですけれども、時期的にもう少しいろんな問題が、これだけいろんな問題があるんだから、慎重な議論をして、そしてこういう統合がいいんだというような結論を出した方がいいのかなというのが、私、率直な感想なんです。その辺についてお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#111
○政府参考人(坂田東一君) 原子力委員会の長期計画とこの新法人の、ある意味では発足のタイミング等の関係でのお尋ねだったかと思いますけれども、確かに先生御指摘のとおり、仮に新しい長期計画が新法人の発足前にできるのであれば、ある意味でつながりは非常にはっきりすると思います。しかし、現在、内閣府からの御答弁もございましたとおり、長期計画は来年中にお作りになるというのが一つの方針になっているように承っております。他方で、現在、法案としてお願いしておりますこの新機構は来年の十月一日の発足を目指しております。
 そういう意味で、もし長期計画がこの法人新機構の発足の後であるとすれば、後から長期計画ができるということになるわけでございますけれども、しかしながら長期計画の検討は継続的にずっと行われていくわけでございますし、それぞれのテーマについてその都度一定の方向性が出される可能性も大変高いと思っております。最近において出されました核燃料サイクルの中間取りまとめもそうだという具合に理解をしております。
 したがいまして、この新機構法案をお認めいただきましたならば、中期目標を作りますときにはあらかじめ原子力委員会から御意見を聴くということになってございます。その際に、原子力委員会のいろいろな御方針との間でこの私どもの新機構の中期目標の整合はしっかりと図れるという具合に考えておりますので、結果といたしまして新機構の業務は原子力委員会の御方針に沿って進めていくことになると、このように理解をしております。
#112
○小林元君 たくさん質問の通告をしてありますが、時間がなくなってしまいました。いろいろと次回に、せっかくおいでいただいて大変失礼だと思いますが、質問できなかったことについては御了承いただきたいと思います。
 いろいろありましたけれども、まあ茨城県にとってジェー・シー・オーの事故というのは大変なことでございました。このときはどういう事故が起きたのかというのはだれも分かりませんでした。どのぐらい分かんなかったかといいますと、大体六時間以上、この臨界事故ということに、あれだけの専門家がいながら分からなかったというような状況でございまして、もちろん住民、対住民、どうしたらいいのか、避難をさせようかさせまいか、地元の東海村長は権限が何にもないわけでございますから、その後原子力災害対策基本法ができましたけれども、大変悩んだ結果、村長の決断で避難命令といいますか、避難をしていただくというようなことであったわけでございますが、大変大きな事故で残念でございました。
 通告にありますように、いろんな事故についていろんな御見解をお伺いしたいというふうに思っておりましたが、時間がありませんので、その辺の事故も踏まえて、やはりここは、最初から言っておりますように、安全第一、安全が大前提だと。私は、原子力基本法の今回第二条に基づいてというふうに書いてありますけれども、その中に安全を旨としと書いてあるんだというふうな説明を聞いた、昨日ヒアリングをしながらそういう話があったんですけれども、そういうことでいいのか。やっぱり安全というものをきちんと書くべきではないか。何回書いても私はよろしいんじゃないかな。ただ単に法律はそれを受けているからもう書かなくてもいいんだと、繰り返すのはおかしいという法律論もあると思いますが、国の姿勢として安全を旨とするということをやっぱりきちんと書くべきではないかな。
 そしてまた、この業務の範囲についても、先ほど核融合の話をしましたけれども、核融合に限らず、限らずといいますか、それ以上に安全研究というようなことが、それは予算とか人員とかいろいろあるでしょう、だけど大事な、一番大事な研究だ、これがなかったら原子力開発は進まない、こういうようなお考えでこの安全の確保するということを明記してもらいたいと、こういうふうに思っていたんですが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#113
○国務大臣(中山成彬君) 小林委員がおっしゃるように、日本の原子力、原子力開発といいますか行政というのは、本当に前に進もうとすると何か事故が起こってしまうという、そういう意味で非常に不幸といいますか、運が悪いと言うと言葉悪いのかもしれませんが、そういう歴史だったなと、こう思っております。
 その中で、やはりこの安全ということはもう何よりも一番大事なことでございまして、まずは安全、これはこれからも本当にそういう意味じゃ大事なことだと、こう思っておるわけでございまして、こういった法律等にも何回安全を書いても書き足りないぐらいだと、こう思うわけでございますが、ただ、書けばいいというものでもなくて、心の中に刻み込むように書かなきゃいけないんじゃないかと、そんな実は思いがしているわけでございまして、衆議院の方でも御指摘ありました、なぜ書かないんだというふうな御質問がございましたけれども、同じ答えでございますけれども、文部科学省といたしましては、安全の確保は、原子力の研究、開発及び利用を進めるに際して守るべき何よりも重要なこととは認識しております。このため、新機構の目的に、「原子力基本法第二条に規定する基本方針に基づき、」というふうに規定いたしまして、同条にある「安全の確保を旨として、」という基本方針にのっとって新機構が業務を行うべきことを明記したんだと、このように御理解いただきたいと思います。
#114
○小林元君 安全確保、大臣のおっしゃるようにそれがきちんと実行されることを期待いたします。
 最後、もう時間がありませんので、質問というふうに考えておりましたが、御要望を申し上げたいと思います。
 この研究開発以来五十年がたつわけでございます。これまで一生懸命研究に邁進をしてきた技術、いろんな蓄積があると思います。そういうものを、これは絶対に落としてはいけない、どんな整理合理化だろうとも、やっぱり統合によってエネルギーを出してもらいたい。つまり、維持するだけではなくて向上をしていくんだということをきちんとやっていただきたいな。そうでないと、人員も削減しますよというふうに聞いておりますけれども、これではなかなかこれまでの技術継承と、あるいは研究の蓄積というものもままならないというふうに思います。
 そしてまた、今度は二つの組織が一緒になるわけでございます。いろいろと労働関係なども大変だと思いますけれども、これまで従業員の安定といいますか、雇用の安定といいますか、そういう問題についても十分に気配りをしていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。
 そしてまた、先ほどもお話がありましたが、この整理合理化案について、「ふげん」あるいはJMTR、材料試験炉ですか、これについては残してほしいという要望もあるようでございますが、ウラン濃縮プラント、いずれにしましても廃止すべきものは廃止するという方針でしょうが、これは膨大な金も掛かります。あるいは廃棄物の処分ということにもなるわけでございますが、膨大な財源と。そうすると、これは、先ほど、現在は二千三百億ぐらいの予算を持っているというんですが、それで一割も二割もそれに掛かってしまったら研究ができなくなるという心配もあるわけでございます。ですから、どうしてもその辺の財源措置についてきちんとやっていただきたいなと。これは原子力安全委員会の方からも指摘にあったと思います。どうぞよろしくお願いしたいというふうに考えております。
 もう時間でございますので終わりますけれども、先ほど来申し上げておりますように、やっぱり原子力、いろんな状況から見て、私は原子力に反対と言うつもりはありません。あるいは核燃料サイクルに絶対駄目だという考えでもありません。しかし、やっぱり安全には安全を重ねてしっかりやっていただく、国民の前に明らかにして、国民と一緒に前へ進むということが私は必要なんじゃないかと、そういうふうに思っております。そういう意味で、今回の統合法案については大変残念ないろいろ問題点を抱え過ぎているんではないか、このように思っております。
 いずれにしましても、安全第一を旨として、これから原子力開発、こういうものを進めていただくことをお願いしまして、私の質問を終わります。
 以上でございます。
#115
○山下栄一君 時間の範囲内で何点か質問をさせていただきます。
 特殊法人二法人をいったん廃止し、統合して独立行政法人化するという今回の法案でございます。もう既に今までも質問が出ておりますけれども、確認の意味で御質問させていただきます。
 平成十三年の十二月の整理合理化計画、この行革推進本部の決定でございます。ここには、既にある特殊法人の事業の徹底した見直しをして独法化すると、こう書いてございます。また、財政支出の大胆な縮減、効率化、こういうことも明記してあるわけでございますけれども、今回、統合し独法化するに当たりまして、この整理合理化計画で確認された事業の徹底的見直し、財政支出の大胆な縮減、どのような取組が行われて今日に至っているかということをお答え願いたいと思います。
#116
○副大臣(小島敏男君) 答弁いたします。
 委員御指摘の新機構の設立に当たりましては、業務の見直しや人員のスリム化等を行うことが必要であると認識をしているところでございます。
 具体的に申し上げますと、監事を除いた役員二十一名を九名とし、職員数についてもできる限りの合理化を進めるという予定になっております。同一地域に両法人の研究拠点が存在する東海、大洗地区の管理部門を統合するとともに、二法人の本社機能を一元化し、既存の核燃料サイクル開発機構本社ビルを活用することにしております。
 具体的な業務につきましては、これまで日本原子力研究所が実施していた原子力船の開発及び放射性同位元素の生産等の業務を廃止するとともに、日本原子力研究所が理化学研究所と共同で行っているSPring8の運転業務の理化学研究所への移管等を実施することにしております。
 なお、予算について申し上げますと、平成十七年度概算要求においては、政府支出金ベースで本年度予算より二十四億円削減となる千九百五十五億円を要求しているということでございます。
 以上でございます。
#117
○山下栄一君 大臣にお伺いいたします。
 独立行政法人になりますと、通則法でもございますように、監督権限が非常に弱くなり、そしてその分もちろん自主性、独立性が強くなるわけでございます。その分事後チェックといいますか、これ非常に問われるわけであります。業務運営の効率化と経費の削減、それから特に業績評価の制度の実効性の確保、そして財政措置、運営交付金にそれを反映させていく、こういうことが担保されないと行革失敗したことになるわけでございます。
 様々な問題を抱えて、また国民の信頼が余り高くない、そういう状況の中で、しかし原子力の研究開発の、取り組む国家的な国策としての役割、使命、これはしっかり果たす必要があるわけでございます。新しく独法制度、独立法人化するに当たりまして本来の独立法人制度の目的を達成するに当たりまして、大臣の御決意というか、をお伺いしたいと思います。
#118
○国務大臣(中山成彬君) 一般に独立行政法人制度におきましては、その業務運営に当たって政府による事前チェックや監督を極力廃止するということにしているわけでございますが、一方、この原子力に関しましては、山下委員、正に御指摘のように、国民の信頼が必ずしも得られていないという状況の中でございます。政府の関与を主務大臣による中期目標の策定及び中期計画の認可等に限定しているわけでございまして、法人に裁量と責任を与えた上で、厳格な外部評価を行うこととされておりまして、このような枠組みの中で新機構や原子力に対する国民の信頼をいかに図っていくかということが極めて重要であると、このように認識しているわけでございます。
 文部科学省といたしましては、中期目標の策定や中期計画の認可等を通じまして新機構が安全の確保ということを大前提として業務を行うとともに、情報公開を徹底し、社会が求める優れた研究開発を効果的に生み出すということによりまして、新機構に対する国民の期待にこたえられるように適切に支援してまいりたいと考えておるところでございます。
#119
○山下栄一君 内閣府の所管になっております原子力委員会、そして原子力安全委員会の関与の在り方につきまして確認をさせていただきたいというふうに思います。
 それぞれ、今までは、今までの特殊法人の下におきましては、この原子力委員会、また安全委員会が二つの法人につきまして非常に基本的なところで関与をしておったわけでございますけれども、独立法人化されまして、これがどうなっていくのかということを、概要御説明願いたいと思います。
#120
○政府参考人(坂田東一君) 新機構に対します原子力両委員会のかかわりのお尋ねがございましたが、まず原子力委員会の関与の問題でございます。
 原子力基本法に基づきまして、この新機構は我が国の原子力の研究開発体制の中で特別な位置付けを与えられます。そういう一つの点と、それからもう一つ、独立行政法人制度の趣旨でございます主務大臣への責任の集中及びその範囲の明確化という要請、もう一つのこの点がございますが、これらの整合性を確保するために、理事長の任命及び中期目標の作成に当たりましては、従来の同意という形式は取らないわけではございますけれども、原子力委員会から、その方針の計画的な遂行を担保する等の観点から、意見を聴くという形でのかかわり合いを規定したところでございます。
 一方、原子力安全委員会との関係でございますけれども、原子力安全委員会は、これまでは日本原子力研究所法の業務運営の基準につきまして関与するということが置かれておりました。そういう規定が置かれておりました。核燃料サイクル開発機構法には同じような規定は置かれておりませんでした。
 今回の独立行政法人化に当たりまして、独立行政法人制度では中期目標につきましては、特に必要な場合に限って関与事項が認められるというものでございますので、今般、原子力安全委員会が定められました原子力の重点安全研究計画、この中での安全研究の実施主体としては新機構だけが特定されているわけではございませんで、ほかの幾つかの機関も実施主体になっております。
 それから、そもそも中期目標の記載事項につきましては、原子力安全委員会の関与の範囲が非常に少ないということもございまして、結果として、原子力安全委員会の関与をする規定は今回の新規構法案の中には置かないこととしたと、こういう次第でございます。
#121
○山下栄一君 今まで特殊法人だったのでということがあって、主務大臣がかかわるところで原子力委員会また原子力安全委員会のかかわりが、私は、今までは法律上も明記されておったというふうに理解しておるわけですけど、今回、主務大臣のかかわりが弱くなった分、この二委員会につきましても関与が非常に弱くなってきているわけですが、今も既に局長の方からもお話がございましたが、もう一度確認さしていただきますが、今回の統合に当たりまして、原子力、特に安全委員会の方ですけれども、国の原子力の安全確保に関する基本に係る観点から考慮すべき事項についてという原子力安全委員会としての見解を発表されておるわけですけど、その中に、中期目標の策定について安全委員会の意見を聴くべきだと、さらに、中期目標は安全研究にかかわる業務を安全委員会の定める安全研究年次計画に基づいて策定すべきだと、こういうことを見解として発表しておるわけですけど、この原子力安全委員会の考え方についてどのように反映されるのかということを確認したいと思います。
#122
○政府参考人(坂田東一君) 先ほど申しましたとおり、法的な関与ということにつきましては、原子力安全委員会の関与はなくなったわけでございますけれども、先生御指摘のとおり、新機構の中期目標の作成あるいは中期計画の認可と、こういうことを行うに当たりましては、やはり原子力安全委員会の定められました安全研究の計画という内容を踏まえまして、安全委員会の考え方をやはり適切に反映することが必要ではないかという具合に考えております。
 また、安全研究のみならずでございますけれども、新機構の業務全般、施設の安全確保等の問題も含めまして、あるいは安全管理の問題も含めまして、それらにつきましては必要に応じて原子力安全委員会にも状況を御報告し、その御意見も参考として業務を進めてまいりたいという具合に考えております。
#123
○山下栄一君 今から申し上げることも既に何度か質問もされておりますけれども、もう一度確認さしていただきたいと思います。
 これも今申し上げました原子力安全委員会からの強い要請としてといいますか、統合に当たっての意見の中で、安全研究を主要業務に位置付けよと、こういう要請といいますか意見があるわけですけど、このことについて、確かにこの安全研究については法律上明記されておらないわけですけれども、これを主要業務の中に位置付けよというこの原子力安全委員会の意見についての御見解をお伺いしたいと思います。
#124
○政府参考人(坂田東一君) お尋ねの安全研究につきましては、大臣等からの御答弁もございましたとおり、大変大事な研究業務であるという具合に認識をしております。
 今回の新機構法の業務といたしましては、原子力に関する基礎的研究あるいは応用の研究といった範囲でこれを取り進めていきたいと思っておりますけれども、先ほども申し上げましたとおり、今後の中期目標あるいは中期計画、そういったものを作ります際には安全研究というものをしっかり位置付けられるように私どもも対応していきたいと考えております。
#125
○山下栄一君 現行の日本原子力研究所法二十四条の中に「業務運営の基準」というところがありますけれども、ここには研究所の業務について、原子力委員会、原子力安全委員会の議決を経て文科大臣が定める開発、利用に関する基本計画に基づいて行われなければならないと、こういうふうに現行の法律には書いてあります。また、核燃料サイクル開発機構法二十七条には、業務の基本方針を策定するに当たっては、原子力委員会の議決を経て主務大臣が定めると。このように業務の基本的なところで原子力委員会また原子力安全委員会のかかわりを書いてあるわけですけれども。
 これも少し重なった質問になりますけれども、こういう条文は確かに文科大臣との関係の中で定めておるわけで、監督権限が主務大臣が弱められるわけですので、それに伴って原子力委員会、安全委員会のかかわりが明記されておらないというふうに理解するわけですけれども、この基本的な、原子力委員会や安全委員会という第三者的な機関の基本的な業務のところでかかわるという、この精神が私は非常に大事な観点ではないかなというふうに思います。もちろん、独立行政法人通則法の観点からかかわりは明記することは非常に厳しいかも分かりませんけど、基本精神のところではこういう二委員会のかかわりは大事だというふうに考えるわけですけれども、この辺についての考え方、既に繰り返しの質問になるかも分かりませんけど、御見解をお聞きしたいと思います。
#126
○政府参考人(坂田東一君) ただいまのお尋ねの件でございますけれども、先ほど来御説明申し上げておりますとおり、原子力委員会あるいは原子力安全委員会とこの新しい機構との法的なかかわり合いということにつきましては、従来の二法人と両委員会との関係よりは少し薄くなるということではございますけれども、これも申し上げましたとおり、やはりこの新機構は両委員会がお示しになります方針に沿って、そして業務を的確に実施していくということが大変大事であるという具合に認識しております。したがいまして、安全研究の問題もそうでございますけれども、その他の基礎的な研究であれ、あるいは開発プロジェクトの推進であれ、原子力委員会あるいは原子力安全委員会がお示しになります方針を十分に踏まえて、そして実施をしていくということが必要であるし、私どももそういう方向で対応をしたいという具合に思っております。
 それから、何よりも大事な安全確保の問題、施設の安全確保につきましては、これはもちろん原子炉等規制法に基づいてしっかりとした安全管理をやるというのは当然でございますけれども、この点につきましても安全委員会の御方針に従ってしっかり取り組みたいと思っております。
 以上でございます。
#127
○山下栄一君 ありがとうございます。
 これも重なる質問かも分かりませんけど、大臣に御決意をお伺いしたいと思います。
 高速増殖炉開発が先ほども小林委員からお話ございましたように停滞しておると、また九七年の東海処理工場における爆発事故等トラブルが続いており、また稼働率の低下、低迷、こういうことに今現状あるというふうに思うわけでございます。
 こういう点をきちっとやはり総括して、そして新法人の出発に当たり、体質改善が非常に難しい現状にはあるというふうに私は認識しておりますけれども、形式的な統合だけであるということにならないように、この二法人の今までの責任、そして役割、十分果たしてきたのかと、そういうことをしっかりと踏まえて総括をして、そして新しく出発するという、こういう観点からの大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#128
○国務大臣(中山成彬君) 山下委員の御指摘のとおり、新法人のスタートに当たりましては、過去の事故、トラブル等を総括しまして、それで新たなスタートを切るべきだと、このように考えておるわけでございまして、先ほどもお答え申し上げましたけれども、この動燃改革につきましては、核燃サイクル開発機構に改組の上、業務範囲を絞り込むことによる経営の改善、第三者から成る運営審議会の設置、積極的な情報公開、地元重視の観点から本社機能を移転する等の対応を行ってきたところでございまして、またサイクル機構は何より施設の安全確保に万全を期すべく取り組んでいるところでございまして、これら動燃改革の目的達成に向けた取組につきましては、先ほども申し上げましたけれども、本年七月、外部の有識者による機関評価によりまして、動燃改革当時に指摘されました経営的課題に対して改善が進んでいると評価されて、一定の成果が上がっているとは思われますけれども、なお外部の目には厳しいものがあると、このように認識しておるところでございます。
 したがいまして、新機構におきましても、この動燃改革の趣旨を踏まえた業務運営の徹底を期すことが必要と考えておりまして、立地地域はもとより、広く社会の一層の信頼を得られるように最善を尽くすことが重要であると考えております。
#129
○山下栄一君 独立行政法人の行革の観点からの質問、そのようにさせていただきますけれども、この独立行政法人の評価体制、既に文科省にも独立行政法人評価委員会があるわけですけれども、この今回の新しい原子力のこの法人への評価の問題ですけれども、非常に高度の専門性が問われる、それをきちっと評価できるのかという、既存のこの文科省に置かれる評価委員会でそういう評価が、国民の期待にこたえられる評価ができるのかということ、非常に大事な問題だと私は思っております。
 そういう意味で、もちろん現在ある独立行政法人評価委員会の評価は当然受ける必要があるわけですけれども、そういう仕組みになっておるわけですが、この今回の法人の中期目標、中期計画の評価については、先ほど来申し上げておりますこの内閣府に所属する原子力委員会又は原子力安全委員会の意見を聴く、そういうかかわりを私は評価体制のところで持った方がいいのではないかと、その方が国民の皆さんも安心、信頼回復につながっていくのではないかと、このように考えるんですけれども、御見解をお伺いしたいと思います。
#130
○政府参考人(坂田東一君) 先生今御指摘いただきましたとおり、独立行政法人制度の下では、通則法によりまして各省に独立行政法人評価委員会が設置されます。その評価委員会が客観的、専門的な見地から独立行政法人につきまして各事業年度ごと及び中期目標にかかわります業務の実績に関する評価、そういったものを行うこととされております。
 この独立行政法人評価委員会、文部科学省にももちろんございますけれども、この第三者によります専門的観点からの評価、これを厳格に実施をしていくということは当然でございますし、それによりまして、国民の信頼を得られるような評価の枠組み、これらの充実を図らなければいけないというのはまずもって必要なことであると思っております。
 先生が御指摘されました原子力委員会、それから原子力安全委員会の評価へのかかわり合いの問題でございますけれども、私どもといたしましては、例えば独立行政法人評価委員会で行っていただきました評価結果を必要に応じまして両委員会にきちんと御説明して御報告すると。そういたしますと、当然両委員会からも追加的ないろいろな御意見とかアドバイスとかあるいは御注文がある可能性がございます。そういうような両委員会の御意見もいただいて、それらをも参考としてこの新しい機構におきましてより適切な業務運営に反映していくと、そういう努力をしてまいりたいと思っております。
#131
○山下栄一君 特に、新しい、できます独立行政法人については、今も局長御答弁いただきましたように、事原子力にかかわることについてはやはり国民の信頼が基本ですので、それがいま一歩であるという段階において、既存の独立行政法人とは違う様々な国民の信頼回復につながるようなそういう取組、非常に大事だというふうに思いますので、この点は通則法にとらわれることなく、今も局長の御答弁ございましたような意欲的なそういう、できるだけ様々な専門家の意見も聞いていくという、そういう方向で是非とも取り組んでいただきたいと、このように考えます。
 これはもう既に御質問あったことでございますけれども、高レベル廃棄物の処分の在り方、研究開発、これはもう大事な新法人の引き続きの取組であるわけですけれども、これは日本の国というよりもこの原子力の恩恵にあずかる文明社会、人類の共通の課題だというふうに思うわけです。しかし、この高レベル放射性廃棄物の処分の行方というのはなかなかまだ不透明であり、はっきりとした方針がまだめどが付いておらないという現状があるというふうに思うわけです。これは経済産業省になるかと思います。今日は政務官、来ていただいておりまして、本当にわざわざ申し訳ございません。もうこれもこの原子力研究開発の基本的な国民の安心の基礎につながる分野であると思いますし、日本独自、日本の取組だけではなくて、繰り返しになりますけれども、人類的な課題であり、これは国際的な様々な知見の集積、そして協力体制、こういうことも非常に大事だというふうに思います。
 既にこういう取組も行われているとは思いますけれども、私は、特にこういう分野は日本がリーダーシップを取って、地球環境にかかわることでもございますので、国際的な協力体制への日本の取組が非常に大事じゃないかというふうに考えますので、御見解をお伺いしたいと思います。
#132
○大臣政務官(山本明彦君) 山下委員の質問にお答えさせていただきたいと思います。
 委員御指摘のように、高レベルの放射性廃棄物の最終処分というのは、この原発問題にとりまして、どの国にとりましても大変重要課題の一つだというふうに把握をしております。当然、したがいまして、国際協力というのが絶対に必要だというふうにも承知をしておるところであります。
 今までも核燃サイクル機構だとか、ほかの法人等も国際協調の研究を進めておりまして、二国間だとか多国間だとか国際機関とかと一緒に研究を進めておりますが、その中で進んでおるというんですか、実際に進んでおりますのがアメリカとフィンランドは場所は決まっておりまして、アメリカももうすぐ始まります。フィンランドはもう試掘をしておるということでありまして、それぞれ三百メーターとか五百メーターの深さなんですけれども、まだ最終的に、フィンランドは埋め立てすると、埋め戻しをする、アメリカの場合は掘って入れておきますけれども、五十年後、次の世代の人が考える、どういうふうにするか考える、そんな形で今ありますから、そんなに進んでおるわけではないわけですけれども、その二国が先行をしております。
 我が国がリーダーシップということでありますけれども、悲しいかな、今まで実験するところがなかったんです。これが今度北海道と岐阜に実験場が決まりましたので、北海道が五百メーターの深さ、岐阜は千メーターの深さで実験場ができます。したがって、これからは日本が正にリーダーシップを取って研究開発を進めていく、こんな立場になろうかと思いますので、正に一大覚悟でこの大変大事な問題を進めていきたい、こんなふうに考えておりますので、よろしく御理解いただきたいと思います。
#133
○山下栄一君 どうも政務官、ありがとうございました。
 最後の質問ですけれども、これも既に御質問あったことでございますけれども、今回の地震を契機に耐震の取組でございますけれども、現在この二つの法人が抱える様々な原子力施設、研究施設、また実験施設、いろいろあると思いますけれども、今回の新潟の地震も非常に予測できなかった地震の災害であったわけでございます。
 既に様々なこの研究の、地震防災の観点からの非常に詳細な取組をした上で対応されているということ、先ほども御答弁ございましたけれども、これは私は、一種のこの地震防災というのは非常に不断の研究そして成果が問われ、それをまた生かして反映させていくという、そういう分野であるというふうに思いますので、既にある施設でもこういう耐震の取組をされておるわけですけれども、不断の見直しが私は必要ではないのかと、国民の不信を払拭するためにはそういう取組が必要であるというふうに考えるわけですけれども、この観点からの御答弁をお願いしたいと思います。
#134
○政府参考人(有本建男君) お答えいたします。
 原子力施設の地震対策というのは非常に大事なところでございまして、耐震設計につきましては、国がまず設置許可の段階で、原子力安全委員会が策定をされております発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針、これによってしっかり安全審査を行っているわけでございまして、特にその中で直下型地震を含む過去の地震から想定される最大の地震動に対して十分な耐震安全性を有する設計になっているということを確認をしているわけでございます。もう一つ大事でありますのは、一定以上の大きな地震が起こった場合には、その地震動を検出をいたしまして、原子炉が自動的に停止をする設計となっているということも確認をしておるわけでございます。
 先生御指摘のように、兵庫県南部の地震あるいは今回の新潟県の地震と、こういった最新の科学的な知見というものを常に反映していくということは非常に大事でございまして、現在、原子力安全委員会が想定される地震動に関する評価の指標というものの審議を進められておるわけでございます。これによって更に審査指針というものが高度化をするということになろうかと思っているわけでございますけれども、文部科学省としましても、私どもが担当しております試験研究炉あるいは核燃料の使用施設と、こういったものの安全性あるいは信頼性の向上というところから常に新しい知見というものを反映させた上での安全性の向上あるいは耐震安全性の向上というものを図ってまいりたいというふうに思ってございます。
#135
○山下栄一君 法案に対する質問を離れます。
 ちょっと通告しておりませんけれども、今回の、小林議員も触れられましたけれども、義務教育国庫負担の問題、ちょっと大臣に御決意をお伺いしたいと思うんですけれども。
 私、この前、一般質問のときにも申し上げましたけれども、やはり基本的な教育に対する政府のかかわりでございますけれども、私は三大臣の合意、そしてまた骨太の方針でも確認されておること、すなわち中教審の議論を大事にするという、このことは非常に大事な、公権力の分野におる人が教育を考える場合の基本的な姿勢をそこで確認しているというふうに私は考えております。
 そういう意味で、政治、行政が教育の基本的なところをぐちゃぐちゃにしないという、政治の思惑とか障壁で特に国民の基礎教育が翻弄されるようなことがあってはならないと。したがって、中央教育審議会という、そういう見識の高い教育の専門性のあるところの意見を大事にするという、この見識は非常に大事な考え方だと、この考え方は最後まで貫いていただきたいなというふうに思います。
 もちろん財政も事情もあるわけで、文科省独自の考えを最後まで私は貫いていただきたいとは思いますけれども、あと残された期間はわずかと聞いておりますが、私が今申し上げました中央教育審議会というところの議論を大事にするという基本原則だけは、特に教育へのかかわりの在り方として踏まえておくべき重要なことだと思いますので、それを死守していただきたいなと。
 こういう観点から、国、地方公共団体も協力して義務教育に取り組むという、そういう考え方に立って最後まで奮闘をしていただきたいと。御決意をお伺いして、終わりたいと思います。
#136
○国務大臣(中山成彬君) 今、山下委員から御指摘ありましたように、平成十四年の十二月、三大臣合意というのがございまして、義務教育国庫負担金全額について平成十八年度末までに中央教育審議会の議論も踏まえてと、こういうふうな文言があるわけでございます。そしてまた、八月に出ましたいわゆる地方団体の方からの改革案、十七、十八年度で中学校分八千五百億、今回の改革には出ていませんけれども、十九、二十年度では小学校の分を全額これは削減すると。
 そういうふうなことが出ている段階で私は九月の二十七日に文部科学大臣を拝命したわけでございまして、そういう意味では、今ちょうど大相撲の九州場所真っ最中でございますが、土俵際まで追い詰められて、いわゆる中央教育審議会という徳俵にやっと足が引っ掛かっているという状況で私は文部大臣を拝命したと、このように自分の位置といいますか、立場を理解したわけでございまして、何とかこれを土俵中央まで押し返さにゃいかぬという思いでございまして、自分の力だけではどうしようもなかったものですから、正に外野席といいますか、いろんな方々の御支援もありまして今日まで来ているわけでございます。
 さっきもお答え申し上げましたが、正に今日、明日ぐらいが山場と思いますけれども、今委員が御指摘のように、とにかくこの義務教育国庫負担制度につきましては中央教育審議会の議論を経てということが最も大事だと。私も四大臣プラス文科大臣の協議でも何度も申し上げましたが、経済財政諮問会議という、いわゆる経済財政という立場からだけで教育問題を論じてもらっては困ると。やはりここには中央教育審議会の先生方の意見も聞いてからにしてくれと、もうこのことだけはずっと言い続けてきたわけでございまして、そのことにつきましては先般の政府と自民党の基本的な枠組みの中でもはっきり書かれたわけでございまして、そこのところはしっかり踏まえた上で、十七年度をどうするかということが今議論になっているというふうに御理解いただきたいと思いますけれども、先生の今御指摘の趣旨をしっかり踏まえた上で最後まで頑張ってまいりたいと思っていますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
#137
○山下栄一君 終わります。
    ─────────────
#138
○委員長(亀井郁夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、小泉顕雄君が委員を辞任され、その補欠として中川雅治君が選任されました。
    ─────────────
#139
○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。
 私も、今日、質問の最初に原子力安全委員会の関与の問題についてさせていただこうと思いました。しかし、この間、審議がございまして、答弁もあって、いわゆる原子力安全委員会の意見も適切に反映することは大切であるというふうに御答弁をされたと思います。
 そういうふうに大切であるというふうに御認識であるならば、私はやっぱり明確に法に規定すべきだというふうに思うわけですね。日本原子力産業会からも、パブリックコメントでいきますと、主務大臣の中期目標の作成等について両委員会による議決を経て決定されるべきであると、こういう意見が出ております。だから、やっぱり大切だという認識だったら、明確に法に規定すべきだということを最初に指摘をさせていただきたいと思います。
 それでは、質問に入りますけれども、やっぱり原子力問題というのは何よりも安全が本当に大事だというふうに思うんですね。そこで、安全研究の問題でお聞きしたいと思います。
 ここ数年見てみますと、予算はやっぱり減少しています。私も、この間、この委員会もそうですけれども、現場にも視察に行かしていただきました。そういう方からの御意見は、今後予算が確保されるのかと、こういう危惧の声がございます。先週の委員会での参考人質疑でもやっぱり安全研究の面での予算の充実を求める声が共通して出されていました。
 そこでお聞きしたいんですけれども、大臣は衆議院の審議で、安全関係の研究開発ということに関しましては最優先に措置すべきと、そういうふうに答弁されています。では、具体的にどのように予算と人員を充実をさせようと考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
#140
○国務大臣(中山成彬君) この二法人統合の議論におきましては、正に安全、安全ということがやっぱり再三指摘されるわけでございまして、私も、先般の衆議院の文部科学委員会において答弁したとおり、安全関係の研究開発は最優先で措置すべきものでありというふうに答えておりまして、従来、二法人におきましては原子力安全委員会の安全研究年次計画に従いまして担うべき役割を果たしてきたところであります。
 新機構におきましても、今後とも原子力安全委員会等のニーズを踏まえ、真に必要な研究に重点的に予算を投入していくということで適切に対処してまいりたいと考えております。
#141
○小林美恵子君 それではお聞きしたいんですけれども、御答弁がありましたけれども、安全研究を充実させていくためには、私は、やっぱりマンパワー、やっぱり人が欠かせないというふうに思うんですね。
 衆議院の議論を見ていますと、いわゆる削減計画というのが答弁の中にありまして、具体的には、職員数は、四千四百四十五人から五年間で最低でも一〇%削減し、四千人を下回ることを目指すという、そういう御答弁がございました。そういうことは、統合準備会議の報告でも具体的な内容は全く提示されておられません。この削減計画というのは、では一体どこでどのように検討された結果なのか、お聞かせください。
#142
○政府参考人(坂田東一君) 先生御指摘のとおり、衆議院での質疑の際に私からもそのような御答弁をさせていただきました。
 私どもといたしましては、今般の原子力二法人の統合は、特殊法人等、それの改革の一環ということで実施をされるものでございますので、新機構の設立に当たりましては、当然のこととして、スリム化、合理化の努力はしていかなければいけないと思っております。業務運営の効率化を進めて、できるだけ費用対効果を高める努力をしていかなければいけないと思っております。さきにいたしました答弁というのは、そのような内容を具体化するために、現在原子力二法人とともに進めております予備的な検討について今の段階での状況を御説明したというものでございます。
 文部科学省といたしましては、原子力二法人とともに引き続き関係各所の理解と協力を得ながら、このスリム化、合理化といった面での目標の達成を目指して努力してまいりたいと考えております。
#143
○小林美恵子君 つまり、その削減計画を検討しているところは文部科学省内ということですか。
#144
○政府参考人(坂田東一君) ただいま御答弁いたしましたとおり、今回の統合に当たりまして、私どもと原子力二法人との間で予備的に検討を進めているものでございます。
#145
○小林美恵子君 では、私、少し確認さしていただきたいんですけれども、そもそも独立行政法人は国家公務員や特殊法人と違いまして定員という考えはないと思うんですけれども、その点はいかがですか。
#146
○政府参考人(坂田東一君) 独立行政法人制度におきましては、平成十一年の四月に中央省庁等改革推進本部が決定をいたしました中央省庁等改革の推進に関する方針、この方針におきまして、「独立行政法人の役員に関するもの以外の内部組織についての独立行政法人の長による決定、変更又は改廃は、従来型の組織管理手法の対象外とする。」と、そういう具合にされるとともに、職員の人件費の財源につきましても、補助金を渡し切りの運営費交付金に変更するということによりまして、これまで特殊法人について行ってまいりました法人の定員にかかわる管理は行わないということになるわけでございます。
#147
○小林美恵子君 つまり、定員という考えはないということですよね。
#148
○政府参考人(坂田東一君) 最後に申しましたとおり、従来の特殊法人の定員にかかわる管理ということは行わないということでございます。
#149
○小林美恵子君 私、こういう定員を管理しない、そういう独立行政法人制度で、突然何の前提条件もなしに急に具体的な削減数が提示されるというのは、やっぱり現場の職場の皆さんからは大変驚かれている現状だと思うんですね。そういうことをやっぱり国会の中で答弁されるというのは重大なことではないかというふうに思うわけです。
 それで、これまでの様々な独立行政法人ができているかと思いますけれども、その法律設立前の法案審議の段階でこういう具体的に職員数を何人削減すると、こういう明確に答弁することは今まであったのですか、どうですか。
#150
○政府参考人(坂田東一君) その他にそのような事例があったかどうか、きちんと調べて必ずしもおりませんので承知はいたしませんが、繰り返しになりますけれども、今般の統合につきましては、特殊法人改革の一環という側面もございますので、そういう観点から、業務の合理化、スリム化あるいは効率化、こういったことについて努力することはしなけりゃいけないという具合に考えております。
 その際に、将来具体的にどうするかといったことについては、なおいろいろ検討すべきことがあろうかと思いますけれども、そういうものに向けて検討を始めることはやはり必要なことではないかという具合に考えております。
#151
○小林美恵子君 もう一度ここで確認したいんですけれども、その職員数というのはやはり新法人が決めることということでは間違いがございませんか。
#152
○政府参考人(坂田東一君) 新機構の職員の数を最終的にどうやって決めるかという問題についてお答えをしたいと思います。
 独立行政法人の職員の数につきましては、中央省庁等改革の推進に関する方針、これに基づきまして、人員及び人件費の効率化に関します目標を含む人事に関する計画というものを法人の長が中期計画に定める事項という具合にされております。
 したがいまして、新機構におきましても、新機構の理事長が中期計画を決める際、その前には主務大臣による認可が必要なわけでございますけれども、この中期計画を作ります際に、理事長の判断によりまして最終的にそういうものを決定する、これは独立行政法人通則法の二十六条の規定に従って理事長がそのようにされるということでございます。
#153
○小林美恵子君 では、私、別の角度の質問に移りたいと思います。
 研究の分野、いわゆる政府が効率性を求める独立行政法人とはいえども、研究の分野というのは本当にこの部門を伸ばすとき必要な分野というふうに思うんです。それで、特に安全研究の分野というのは効率化を求める分野ではないというふうに思うんですね。安全研究をやっぱりないがしろにして安全確保ができないというのは本当に本末転倒だというふうに思うんです。
 ですから、こういう職員数の削減、こういうことはやっぱり改めるべきだと思いますけれども、この点はいかがですか。
#154
○副大臣(小島敏男君) 御答弁申し上げます。
 新機構の設立に当たっては、先ほど答弁されましたように、事業の選択と集中を図りつつ、スリム化、効率化を進めることが必要であるということを認識しているわけであります。したがって、新機構の職員数についても、最終的には新機構の長が決定するものではありますけれども、スリム化を図る必要性は変わらないのではないかというふうに思っています。
 当然のことでございますが、今委員御指摘がありましたように、業務を適切に実施できる必要な要員は確保する必要があります。また、特殊法人等改革基本法に係る衆参両院の附帯決議及び特殊法人等整理合理化計画において職員の雇用の安定に配慮すべきこととされていることを踏まえ、適切に対応することが必要であると思っています。
#155
○小林美恵子君 適切に対応することは必要だというふうにおっしゃいました。
 それで、今も現場の職場の皆さんは随分御苦労されていまして、感電の事故があったりとかそれから頭蓋骨骨折をするとか、本当にそういう状況もあるそうです。そういう中で懸命に頑張っておられるわけでございますから、私は、こういう職員の削減というのは本当に改めるべきだということを御指摘申し上げたいと思います。
 次に、原子力行政の基本原則についてまず確認をさせていただきたいと思います。
 日本の原子力の研究、開発、利用の基本は、原子力基本法第二条にあります、平和利用、安全確保を前提に、民主、自主、公開を原則としてやっぱり行われるべきものだと思うんですね。この原則というのは、一九五四年、日本学術会議で採択された原子力の研究と利用に関し公開、民主、自主の原則を要求する声明、これがやっぱり条文の原点です。
 やっぱり原子力行政を進める上でも、こういう原点、原則というのは引き続き維持すべきだと思いますけれども、この点はいかがですか。
#156
○国務大臣(中山成彬君) 我が国の原子力の研究、開発及び利用につきましては、従来より、原子力基本法第二条に規定されております、民主的な運営の下に自主的にこれを行うものとし、その成果を公開する旨のいわゆる原子力三原則の下、着実に推進してきているところでございます。
 文部科学省といたしましては、今後とも、同条に規定します基本方針にのっとりまして、原子力の研究、開発及び利用を推進してまいりたいと考えております。
#157
○小林美恵子君 では次に、秘密保持義務についてお聞きをします。
 この間もいろいろ審議がございましたけれども、この法案に新たに盛り込まれた秘密保持義務については、公開の原則という関係から含めますとかなり議論もされてきました。でも、なぜこの条項が必要なのかということはやっぱりまだ明らかになってはいないと思うんですね。
 それで、衆議院の審議の中でも、この間、それぞれの二法人が、何というんですかね、改めてこういうことを盛り込まなくてはならないような問題は、不都合なことは特になかったということも審議の中でこれは明らかになったと思うんです。
 そういう中で、なぜ今の段階でわざわざこの条項を設ける必要があるのでしょうか。さらに、その他の法人と比べましても、なぜこの新法人にわざわざこの条件を設ける必要があるのか。私はその理由を明確にしなければならないと思うんですけれども、その点いかがですか。
#158
○政府参考人(坂田東一君) 繰り返しの御答弁になって恐縮でございますけれども、まず、独立行政法人制度におきましては、他の研究機関等との研究や発明の内容、ノウハウ等、あるいは営利企業の営業上の秘密等を知得する機会が多いものにつきましては、その中立性、公正性を維持するために秘密保持義務を規定することが可能であるとされております。
 自ら研究開発を行うことを主たる業務といたします他の独立行政法人、これは我が省で申しますと、理化学研究所もございますし、あるいは宇宙航空研究開発機構もございますし、あるいは科学技術振興機構等もございますが、そういった研究開発を主たる業務といたします他の独立行政法人におきましても秘密保持規定が課されていることが通例でございます。
 今回のこの新機構につきましては、我が国の原子力に関する総合的な研究開発機関といたしまして、これから大学等との共同研究の一層の強化、あるいは電気事業者等民間への技術移転あるいは技術支援の充実、あるいはさらに、原子力の研究開発に係ります国際協力の一層の活発化、こういったものに取り組んでいかなければいけないと考えておりまして、役職員がその職務の遂行に当たりましては秘密を知得する機会がより多くなるということが容易に想定されますことから、他の研究開発を行う独立行政法人と同様に、今回このような秘密保持規定を課しまして、これまで以上に産学等との共同研究等をより円滑に遂行できるように措置をしたということでございます。
#159
○小林美恵子君 私は、衆議院の審議で大臣も、この秘密保持の関係につきまして、具体的にどういうことがどうかというのは私もよく分かりませんと、やはりあるのではないかというような御答弁をされています。やっぱり、この法案に責任を負うべき大臣がよく分からないというのはやっぱり無責任な問題ではないかと思うんですね。
 ここにはやっぱり重大な罰則規定もあるわけで、一体何が秘密に該当して、何が秘密に該当しないのかと、ここを明確にしなければならないと思うんですが、その点はどうですか。
#160
○国務大臣(中山成彬君) 衆議院におきましては突然の御質問だったものですからあのように大ざっぱに答えてしまいましたので、今日は厳密に正確にお答えしたいと思いますけれども、秘密保持義務における秘密とは、非公知、公に知られていないという非公知の事項であって、実質的にもそれを秘密として保護するに値すると認められるものであり、具体的には、他の研究機関等の研究や発明の内容、ノウハウ等や、営利企業の営業上の秘密等が該当すると考えられておりますけれども、最終的には裁判所において個別に決定されるものであるというふうに考えております。
#161
○小林美恵子君 私、やっぱりこういう秘密保持義務を課するということは、自主、民主、公開の原則に基づくこういう原子力の問題につきましては相矛盾する、もうどうしてもそうなるということを申し上げておきたいと思います。
 そこで、最後の質問になりますけれども、資料をここでお配りいただけますか。
 安全研究という場合を考えますと、やっぱりその成果の公表というのは透明性とか中立性がやっぱり求められるという分野だと思うんですね。しかし、間もなく配られます資料をごらんいただいたら分かるかと思いますけれども。
   〔資料配付〕
#162
○小林美恵子君 これまでの両方の歴代の理事長を見ますと、例えば原研の方の理事長は科学技術庁の事務次官などが随分この理事長になっておられるとか、それから核燃サイクル機構の理事長には電力会社のそういう方々が多数理事長に就任されているんですね。
 安全研究を実施するという法人の在り方としてはやっぱり透明性、中立性が大事だというふうに思うんです。
 ここでお聞きしたいと思いますけれども、こういう原子力を推進する行政の出身者、また電力業界の出身者では、やっぱり透明性も中立性も確保できないというふうに思うんですね。
 そこで、この新たな新法人の例えば理事長を任命する大臣として文部科学大臣にお聞きしたいと思いますが、安全性それから透明性、中立性を確保する上でもこういう人事はすべきではないと私は思うんですけれども、いかがですか。
#163
○国務大臣(中山成彬君) 今回の原子力二法人の統合準備会議の報告書によりますと、新機構は、基礎・基盤研究から実用化を目指した技術開発までの幅広い研究開発を適切に遂行するため、強力なリーダーシップの下、法人全体の経営の統一性を確保するという困難な課題に適応できる強い経営が必要である旨が指摘されております。また、独立行政法人等の公共性の高い業務を効率よく実施するためには、行政の経験と民間の感覚をともに活用することが必要とされております。
 したがいまして、文部科学大臣に任命権のあります今回の新機構の理事長の選任に当たりましては、新機構の設立目的等に即し、ただいま申し上げた考え方を踏まえて、経験、指導力等を総合的に勘案した上で最も相ふさわしい人を選任してまいりたいと、このように考えております。
#164
○小林美恵子君 今の御答弁では、透明性とか中立性とか安全性とか担保するというふうにはなかなか私には伝わってきません。そういう中でこの二法人が統合されていくというのは、大変本当に問題があるなというふうに思います。原子力安全委員会との関係も、意見は反映する体制にすると言いますけれども、法にはしっかり明記をされない、しかも安全研究の予算もなかなかおぼつかない。そして、やっぱりこの問題というのは、特殊法人改革の一環として統合独立行政法人化を大前提にこのことが進められてきたということが、大きな矛盾があるというふうに思います。
 そういう問題があるということを改めて強調しまして、今日の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#165
○委員長(亀井郁夫君) ありがとうございました。
 他に発言もないようでございますから、質疑はこれで終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#166
○小林美恵子君 私は、日本共産党を代表して、独立行政法人日本原子力研究開発機構法案に反対の討論を行います。
 その第一の理由は、日本原子力研究所と核燃料サイクル機構の在り方は、原子力政策全体の検討があってこそ論じられるべきものであります。
 現在、次期原子力長期計画の策定作業が進められている中であえて統合を独法化するのは、原子力政策よりも特殊法人の整理合理化が先にありきとやっぱり断ぜざるを得ません。
 第二に、本法案は、新機構の目的と業務に核燃料サイクルを確立を明記をして、原子力基本法にも、新法人の役割として核燃料サイクルを確立するために新たに明文化しています。
 世界各国が高速増殖炉の実用化から撤退している中で、日本だけが推進に固執しています。しかも、高速増殖炉「もんじゅ」のナトリウム漏れ火災事故以来、運転再開のめども立たず、昨年一月には名古屋高裁金沢支部が「もんじゅ」の設置許可を無効とする判決も出されました。国民の不安と批判も広がる中、危険極まりないプルトニウム循環方式に固執し、基本法に位置付けられる開発機関の役割として法に明文化することは絶対に認められません。
 第三に、本法案は、原子力委員会、原子力安全委員会の役割を従来よりも弱め、重視されるべき原子力安全研究の軽視、秘密保持義務規定など、原子力基本法に明記される平和利用、安全確保を前提に、民主、自主、公開の下で行う原子力研究開発利用の基本原則を形骸化させていく幾つかの重大な問題点があります。
 危険極まりない核燃料サイクル計画から撤退をして原子力政策の抜本的な転換を図るとともに、平和利用、安全確保を前提に、民主、自主、公開の原則の下、規制機関と推進機関を明確に分離するなど、原子力行政も改める必要があることを最後に申し上げて、反対の討論を終わります。
#167
○委員長(亀井郁夫君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 独立行政法人日本原子力研究開発機構法案に賛成の方は挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#168
○委員長(亀井郁夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、佐藤泰介君から発言を求められておりますので、これを許します。佐藤泰介君。
#169
○佐藤泰介君 私は、ただいま可決されました独立行政法人日本原子力研究開発機構法案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
 お手元に配付されていると思いますが。
    独立行政法人日本原子力研究開発機構法案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、原子力行政及び原子力の研究開発利用を行うに当たって、原子力基本法に定める平和の目的、安全の確保及び民主・自主・公開の基本方針に徹することにより、国民の信頼を確保し、人類社会の福祉向上に資する姿勢の重要性を、改めて確認するとともに、設立される独立行政法人日本原子力研究開発機構に関し、次の事項について特段の配慮をすべきである。
 一、独立行政法人日本原子力研究開発機構への移行に当たっては、自律的・効率的に運営を行うという独立行政法人制度の趣旨を踏まえつつ、原子力研究開発利用に係る安全の確保に万全を期すること。
 二、独立行政法人日本原子力研究開発機構における研究開発が適切かつ十分に行われ、我が国の国策として進められてきた原子力施策の立案・実施に資するよう、必要な措置を講ずること。特に、中期目標及び中期計画の作成及び認可に際しては、原子力委員会の策定する長期計画及び原子力安全委員会の策定する原子力の安全確保に関する基本政策との整合性の確保を図り、機構の施設の廃止措置等を含め、国の責務において我が国の原子力施策が総合的、計画的かつ安定的に進められるよう努めること。
 三、業績評価等を行うに当たっては、独立行政法人日本原子力研究開発機構の行う研究開発の特性を踏まえ、適切な評価が実施されるよう十分配慮するとともに、その評価体制・手法について継続的に見直し、改善を行うこと。
 四、独立行政法人日本原子力研究開発機構の運営に当たっては、透明性の確保に留意し、情報公開の徹底に努めること。その際、研究開発の成果の公開のための適切な基準を作成するとともに、役職員の守秘義務が濫用されたりすることのないよう十分配慮すること。また、機構自ら外部の関係者や有識者等の意見や評価を聴取し、尊重する仕組みについても検討すること。
 五、理事長の選任においては、原子力に関する分野に造詣の深い適切な人材を広く内外から起用するよう十分配慮すること。その他の役員の選任についても同様とすること。なお、主務大臣が原子力委員会の意見と異なる判断をせざるを得ない場合には、その合理的な理由について原子力委員会に対して説明責任を果たすこと。
 六、独立行政法人日本原子力研究開発機構は、多岐にわたる原子力に関する研究開発の均衡ないし重点化を適正に図り、研究資源の効果的な活用に努めるとともに、自らの施設の廃止措置等を確実に行うこと。また、技術力の維持・向上が図られ、研究開発の成果が十分に得られるよう、自律的かつ創造的な研究開発環境の確保に努めるとともに、原子力分野の人材の養成にも配慮し、大学、民間企業等との連携の推進に努めること。
 七、独立行政法人日本原子力研究開発機構への移行に当たっては、従業員の雇用の安定を含め、これまで維持されてきた良好な労働関係に十分配慮すること。
 八、原子力に関する施策は、我が国のエネルギー政策や科学技術振興等の見地から重要な意義を有することにかんがみ、その適切な推進に努めるとともに、国民的議論の継続による合意形成、安全審査機能の強化・拡充、立地地域からの信頼の確保、実効性の高い防災体制の整備等に引き続き努めること。その際、原子力委員会や原子力安全委員会は、多様な国民の意見や要望等を十分反映して、企画・審議等を行うこと。
 九、独立行政法人日本原子力研究開発機構の設立後においても、動燃改革の精神が維持・尊重されるよう、今後とも、役職員の意識改革の推進、地元重視、広報活動の徹底等社会性のある運営を図るとともに、国際社会への貢献・協力にも努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#170
○委員長(亀井郁夫君) ただいま佐藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#171
○委員長(亀井郁夫君) 多数と認めます。よって、佐藤君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、中山文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中山文部科学大臣。
#172
○国務大臣(中山成彬君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
#173
○委員長(亀井郁夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#174
○委員長(亀井郁夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 それでは、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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