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2004/11/02 第161回国会 参議院 参議院会議録情報 第161回国会 外交防衛委員会 第3号
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2004/11/02 第161回国会 参議院

参議院会議録情報 第161回国会 外交防衛委員会 第3号

#1
第161回国会 外交防衛委員会 第3号
平成十六年十一月二日(火曜日)
   午後三時十四分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月二十九日
    辞任         補欠選任
     藤末 健三君     喜納 昌吉君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         林  芳正君
    理 事
                浅野 勝人君
                三浦 一水君
                山本 一太君
                齋藤  勁君
                榛葉賀津也君
    委 員
                岡田 直樹君
                柏村 武昭君
                桜井  新君
                山谷えり子君
                今泉  昭君
                喜納 昌吉君
                佐藤 道夫君
                田村 秀昭君
                白  眞勲君
                荒木 清寛君
                澤  雄二君
                緒方 靖夫君
                大田 昌秀君
   国務大臣
       外務大臣     町村 信孝君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  大野 功統君
   副大臣
       防衛庁副長官   今津  寛君
       外務副大臣    逢沢 一郎君
   大臣政務官
       防衛庁長官政務
       官        柏村 武昭君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        泊  秀行君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        武田 宗高君
       内閣府沖縄振興
       局長       東  良信君
       外務大臣官房審
       議官       鶴岡 公二君
       外務省北米局長  海老原 紳君
       外務省中東アフ
       リカ局長     吉川 元偉君
       外務省領事局長  鹿取 克章君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外交、防衛等に関する調査
 (イラクにおける邦人人質事件に関する件)
 (イラクの治安情勢に関する件)
 (自衛隊のイラク派遣に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(林芳正君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十月二十九日、藤末健三君が委員を辞任され、その補欠として喜納昌吉君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(林芳正君) この際、町村外務大臣及び大野防衛庁長官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。町村外務大臣。
#4
○国務大臣(町村信孝君) 在イラク邦人人質事件につき御報告します。
 政府としては、一昨日、イラク市内で発見された遺体の身元確認を行った結果、極めて残念ながら、それが香田証生さんの御遺体であることを確認しました。
 十月二十七日に香田さん拘束の第一報に接して以来、政府として、香田さんの一刻も早い解放のため、アンマンの現地対策本部や関係在外公館と連携し、イラク暫定政府を始めとする関係各国や関係者の協力も得つつ、全力を尽くしてきました。それにもかかわらず、香田さんがテロの犠牲になられたことは痛恨の極みです。衷心から哀悼の意を表するとともに、御家族に対して心からお悔やみを申し上げます。
 現在、クウェートに到着した御遺体を可及的速やかに日本へ搬送できるよう、関係方面と調整を進めているところです。
 無辜の民間人の生命を奪った今回のテロは、卑劣極まりない行為であり、改めて強い憤りを覚えます。こうした行為は、断じて許すことはできません。我が国は、国際社会と協力し、今後とも断固たる姿勢でテロとの闘いを続けなければならないと考えます。
 他方で、イラクの復興は道半ばであり、イラクは国際社会の支援を引き続き必要としています。我が国として、イラクの復興に引き続き積極的に関与していくことが重要であると考えています。
 今回、最悪の結果となってしまいましたが、本件につき御協力いただいた関係者の方々に対する改めて心より御礼を申し上げます。また、本件に関する、国会を始めとする国内各方面の御理解と御協力に対して御礼を申し上げます。
 以上であります。
#5
○委員長(林芳正君) 大野防衛庁長官。
#6
○国務大臣(大野功統君) サマーワ宿営地内における砲弾の貫通痕と思われるものの発見について御報告申し上げます。
 現地部隊においては、現地時間十月三十一日二十二時三十分ごろ、日本時間十一月一日四時三十分ごろ、宿営地の北方向での発射音らしき音、飛翔音及び宿営地内で何かがぶつかったような音を確認しました。
 現地部隊において宿営地内外を捜索しておりますが、現時点で砲弾等は宿営地内外で発見されておらず、また、砲弾等が爆発した形跡もありません。
 他方、宿営地内の荷物保管用コンテナに何らかの砲弾が貫通したと思われる痕跡、また、当該コンテナの前の地面及びコンテナの後ろの障害物に同様のものが衝突して跳ねた痕跡が発見されました。このような現場の態様から、ロケット弾が地面に衝突し、コンテナを貫通したと思われますが、引き続き、砲弾等の捜索も含め、事実関係の確認を進めております。
 なお、現地部隊においては、発射音らしき音を確認した後、適宜退避措置を取ったところであり、また、人員等に異状がないことを確認いたしております。
 以上でございます。
#7
○委員長(林芳正君) はい、ありがとうございました。
    ─────────────
#8
○委員長(林芳正君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に内閣府政策統括官武田宗高君、内閣府沖縄振興局長東良信君、外務大臣官房審議官鶴岡公二君、外務省北米局長海老原紳君、外務省中東アフリカ局長吉川元偉君及び外務省領事局長鹿取克章君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(林芳正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#10
○委員長(林芳正君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#11
○榛葉賀津也君 民主党・新緑風会の榛葉賀津也でございます。
 まず冒頭、今回のイラクでお亡くなりになりました香田証生さんの御冥福を心からお祈りを申し上げますとともに、御家族の皆様方に心からお悔やみを申し上げます。また、加えて、香田さんの救命に全力を尽くされた現地外交官並びに政府関係者の皆様に心から感謝を申し上げたいというふうに思います。
 結果は大変残念でございました。ただ、私は、今回犯人の要求に応じまして自衛隊を撤退するという選択肢はあり得なかったというふうに思っております。
 民主主義のプロセスによって、我々は反対をしましたけれども、結果として自衛隊イラク派兵が決まったと、という以上、テロによってそれに屈して自衛隊を撤退するということがあってはならない。この場で、私は、今後民主的なプロセスにのっとって改めて自衛隊を撤退していくと、その努力を私たちは続けていきたいというふうに思っております。香田さんは、あのイラクにおきまして五人目の日本人死亡者となってしまいました。十一月二十九日の奥さん、井ノ上さん、そして五月二十七日の橋田さん、小川さん、そして今回の香田さんと。
 冒頭、外務大臣にお伺いしますが、今回、日本の国策を理由に、海外で人命が落とされたという結果になりました。過去にこのようなケースはあったでしょうか。
#12
○国務大臣(町村信孝君) 日本の国策を理由に日本人が殺害をされた前例、ちょっと寡聞にしてすぐ思い出すことはできません。
#13
○榛葉賀津也君 私も同様でございます。
 我々日本のこの国策の遂行というものを理由に、それを変えろという形で生命が奪われたと。私たちはこれを許すわけにはならないと同時に、私、やはりこれは政治の問題として他方重く受け止めなければならないとも思っております。
 先日、ヘラルド・トリビューンを読んでおりましたら、こんな言葉がありました。チリー・パブリック・ムードという言葉でございます。日本語に訳しますと、冷たい世論とでも言うんでしょうか、この背後にあるものは一体何だというような趣旨の記事でございました。前回の三名のイラクにおける人質同様、今回、香田さんの御家庭には心ない電話や中傷誹謗が寄せられたと報道されております。私は、このような日本の世論、日本人の心の在り方に大変危惧をいたしております。一部、自業自得であるとか、自分探しの旅って一体何やってんだとか、正に無謀なことをしたもんだというような意見もありました。そのように批判するのは簡単なんですが、私は、そのようなナイーブで無謀なことをついしてしまう若者を作り出してしまっている今の日本社会というものにも大きな問題が私はあるように思えてなりません。
 香田さんの御両親がコメントを出されました。多くの方々に、大変な御心配を掛けましたことを心からおわび申し上げますとともに、お礼と感謝の気持ちで一杯です。このようになりましたが、イラクの人たちに一日も早く平和が訪れますようにお祈りいたしておりますと。
 私自身子を持つ親として、我が子が死んだにもかかわらずそのことには一切触れずに、それに御努力をくださった方々に感謝の言葉を述べ、また自分の息子の死に携わったかもしれない、そのイラクの地の方々に対して平和をお祈りすると。二十四年間手塩に掛けて育てられた子供がかの地で亡くなったわけでございますが、世間から誹謗中傷、自業自得と言われながらも出されたこのコメントに、私は敬意を表したいと思っております。
 私は、あの香田さんの死というものから何かを得なければならないと思っておりまして、私なりに考えてみました。恐らく、私は、香田さんから学ばなければならないこと、それはイラクから目を離してはいけないということだと思うんですね。香田さんが亡くなるニュースが流れるまで、正直、日本人の心はイラクから離れていっていたんではないでしょうか。イラクのニュースが遠い存在になっていたように思えてなりません。つい先日の沖北の委員会で、北方領土と沖縄が日本人の心から離れてはいけないと、常にペイ・アテンションしなければいけないということを僣越ながらも大臣に申し上げさせていただきましたが、このイラクの問題も、香田さんの死を通じてもう一度身近な問題として、常にあの地が、そして安全と言われているサマーワが本当に安全なのかということも含めまして、私たちが問題意識を持たなければいけないというふうに思っております。
 防衛庁長官にお伺いしたいと思います。先日からサマーワに対する治安のニュースが流れておりますが、現在、サマーワは本当に安全なんでしょうか。
#14
○国務大臣(大野功統君) まず、サマワでございますけれども、イラクの南東部というのは一般的に言いまして、その他の地域について、比べまして治安は良い方である、南東部の中でサマワは一番いいところであると、比較的な問題ですけれども、そういうふうな状態でございます。それで、その中でもサマワの人たちが自衛隊に対して高い評価をしていると。したがって、いろいろな事件が起こっておりますけれども、それが例えばフセインの残党であるとか、あるいは外国人テロが関与しているとか、そういうことではなくて、小規模な動きであるというふうにまず認識いたしております。
 しかしながら、問題は、まず時系列で見ますと、四月と八月にいろんな問題が起こりました。問題を総じて申し上げますと、まず治安当局とのいさかい、それからもちろんオランダ軍とのいさかい、それからもう一つ見逃せないのは知事に対するデモ、こういう問題があります。
 そこで我々、本当に重大に受け止めておりますのは、四月、八月、そして十月に迫撃砲弾あるいはロケット弾が飛んできたことであります。この問題、我々本当に重く受け止めて、情報分析、情報収集・分析をしなければいけないし、やっておるわけでございますけれども、問題としては、お昼間に起こることはありません。全部夜中に起こっている。夜中でありますので、今度、安全面で考えてみますと、安全の問題としては、夜中ですから自衛隊員はすべて宿舎内でおります、一部を除いてですね。それから、爆発音がいたしますと直ちに退避いたします。少数の者ですけれども退避するということで、人身に関しては事故がないと。これがお昼間起こるかどうか、この蓋然性でございますが、お昼間ですと、恐らく市街地から出てきて発射するということになりますので、それは必ず発見できるものであると思っております。
 我々は、そういう意味で、このロケット弾あるいは迫撃砲弾が自衛隊の方を向かって飛んでくるということは大変重く受け止めておりますし、そのために情報収集等やっておりますけれども、また一方において、防衛庁長官としては、隊員の安全確保、これはもう重大な責務でございますので、あらゆる万全の措置を講じておりますけれども、そういう状態で、まあこれからは予断が許さない。場合によっちゃテロということも考えなきゃいけないのかな、こんなふうに思いますが、現状はそういうことであります。
#15
○榛葉賀津也君 長官、前長官は大変防衛問題にお詳しい方でございました。そして、長官も無論、防衛問題、大変お詳しいわけでございますが、私が長官に期待するのは、加えて長官は中東問題に大変明るい、とりわけパレスチナ問題等をライフワークとしてずっとこの問題に携わってきてくださいました。従来の防衛庁長官にないやはりきちっとした判断を私は大野長官に期待をしているところでございます。
 大変御丁寧な答弁、ありがとうございました。実は、こういったことが大事だと思いまして、私は誤解を恐れずに言うと、恐らく政府はあの日米同盟という十字架を背負って自衛隊のイラク派遣をインプリメントせざるを得なかったという環境にあったと思うんです。だから、その非戦闘地域というもうすれすれの、今までにないようなこういった言葉を作り上げて、まあ法の組立てとして大変こっけいなんですがやらざるを得なかった。なぜこっけいか、現場では通用しないからであります。現場では通用しないけれども、こういった非戦闘地域というものを作らなければいけなかった。だから、現場に行かざるを得ない、そして現場に詳しい自衛官や防衛庁の皆様は大変苦しんだはずでございます。
 加えて、今防衛庁長官がおっしゃったように、具体的にどういうリスクがあるのかということも国民に示していくことが、やはり国民が、無謀で自業自得だと言われるような行動を取らない国民を作っていく、私は手段、一つの手段だと思っておりますので、是非、政府にマイナスのある情報であっても頻繁に情報公開をしていく、この姿勢を貫いていただきたいというふうに思います。
 若干次の質問についても長官がお答えになってくださったんですが、昨日、済みません、十月二十二日、日本時間の二十三日午前五時ですか、サマーワの自衛隊宿営地にロケット弾が撃ち込まれました。信管は抜かれていたと、威嚇ではないかと、ある種のメッセージがあるのではないかと。これは香田さんの事件の前後する問題でございました。そして三十一日、日本時間の一日四時半、宿営地でまた大きな爆発音があり、先ほど長官から御報告があったとおりの結果でございます。
 私は、この二つを見て、政府の言う非戦闘地域という概念から既にサマーワが外れているのではないかという思いがしてならないわけでございますが、非戦闘地域は、計画性、継続性、組織性そして国際性という四つの概念がございます。十日以内に二つのロケット弾による攻撃があり、過去八回によって迫撃砲等の攻撃がある、断続的にあるわけでございます。そして、極めて政治的なメッセージも感じられる。この二十二日と三十一日、二日の宿営地への攻撃、これが計画性そして継続性がないという理由を、防衛庁長官、説明してもらえませんでしょうか。
#16
○国務大臣(大野功統君) 再度同じことを申し上げるかもしれませんが、一番、サマーワはイラクの中で、比較の問題ですけれども、一番治安は安定しております。それから二番、サマーワにおきましては自衛隊の活動というのは大変高く評価されております。シーア派の宗教の長でございますけれども、自衛隊を守れと、こういうようなメッセージすら出しております。だから、このサマーワで起こっている事件というのが、何か、例えば旧体制の残党によるものとか、あるいは外国からのテロによるものとか、そういうものと、であるとは考えにくい。ただ、何らかの一部の勢力がそういう動きをしているのではないかと。
 したがって、そこで二回起こっておりますけれども、その背景等、今調べている段階でございまして、今それについて、どういう背景でどういう意図があるのか、これについて明確に申し上げることはできない状態でございます。
#17
○榛葉賀津也君 長官、私はそんなことを聞いているんじゃないんです。
 この一連の事件、そしてとりわけ二十二、三十一のこの二つの、ロケット砲ですからね、衆議院でも議論があったと思いますが、迫撃砲とは全くレベルが違います、そして計画性も違います。これらの一連を見て、防衛庁は、計画性がない若しくは継続性がないということを証明しなきゃいけないんです。
 サマーワの方々がどういう評価を自衛隊をしているとかではなくて、正に長官がおっしゃったように、どういった人間が、どういった組織が来ているか分からないわけですから、防衛庁は、この一連の攻撃が計画性がない、継続性がないという理由を証明しなければいけないんですよ。これを具体的に論理的に説明してください。
#18
○国務大臣(大野功統君) まず一つの問題として、迫撃砲とそれからロケット砲、この二つについて格段の差があるのではないか。この点につきましては、もう私申し上げ、くどくど申し上げませんけれども、両方とも数多くの弾を撃っていく、こういう点では同じ目的でございますし、それから射程距離は違います。しかし、それから飛び方も違う、上から落ちてくるか横から飛んでくるか違う。しかし、照準合わせて、一定のねらい定めてそこへ当たるかどうかという点については同じである。
 だから、そういう問題とちょっと切り離して議論させていただきたいと思うのでありますが、さきにも申し上げましたとおり、四月、八月、四月に二回、八月に四回、十月に二回、これはやっぱり我々は重大に受け止めております。重大に受け止めておりますけれども、その組織性、計画性その他という面においては、今情報をあらゆる手段をもって収集しているわけでございまして、その点について否定しているわけではありません、肯定もしているわけではありません。情報収集中ということでございます。
#19
○榛葉賀津也君 長官は先ほど、この組織が組織性、国際性があるとは限らないとおっしゃいました。ということは、当然あることも可能性があるわけですね。
#20
○国務大臣(大野功統君) あるかないかについて、その背景、意図を今調査中、情報収集中でございます。
#21
○榛葉賀津也君 その客観的な検証はだれがやっているんでしょうか。
#22
○国務大臣(大野功統君) もちろん、現場から情報を収集いたしまして現場でも分析ができましょうし、それから我々がやるのは当然でございます。
 なお、現場におきましては、サマーワの治安当局、それからオランダの軍隊、それからもちろん自分たちで情報を収集する、住民からもいろいろな話を聞いている、こういうことであります。
#23
○榛葉賀津也君 現地の自衛隊が情報収集し、それを、これを非戦闘地域だというふうに最終的に結論付けるのは長官ですよね。これだけ一連の事件が起こり、そして一月より八回、十月で二回ロケット弾。これを計画性がある、継続性があると言わずして、何を計画性がある、継続性があると言うのか。
 小泉総理御自身は、今回のアメリカのイラク攻撃に際し、大量破壊兵器がないことを証明しなければならないのはサダム・フセイン自身だと言った。正に日本政府も、これらの一連の問題が計画性、継続性、組織性、国際性がない、本当に非戦闘地域であるという証明をしなければならないのは正に政府そのものであります。なぜならば、このようなルールを作っているのは日本政府だけですから。そして、そのオランダは今度の三月に撤退しようというふうに言っているわけであります。
 長官にお伺いします。オランダが撤退する理由に治安の悪化というものが含まれているんじゃないんですか。
#24
○国務大臣(大野功統君) まず、オランダの問題お答えする前に、その計画性、組織性、国際性等が非戦闘地域と関係するような論点でございますけれども、そこをちょっと私申し上げたいのは、これはもう言うまでもないことですけれども、非戦闘地域、この非戦闘地域というのはイラク特措法二条にもちろん書いてあります。それに何と書いてあるかというと、現に戦闘行為が行われていない等々という問題と、それからもう一つは、国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為、こういうふうに書いてある。御存じのとおりであります。
 ここが、非戦闘地域と治安の問題、少し見方を、切り口を変えて考えなきゃいけないんじゃないか。非戦闘地域と言う場合には、やはり国際紛争という問題を、国又は国に準ずるもの、国又は国に準ずるものの組織、そういうものの組織との間に生ずる武力を用いた争い、こういうふうに理解して、我々は理解しておりますし、治安の問題につきましては、治安の問題というのは二通りあるのじゃないか。一つは、言うまでもありませんけれども、旧勢力の残党が何らかの政治的意図を持っていろいろな行動をするという場合と、貧乏になった、あるいはそのために、貧乏のために例えば強盗行為などをやるという場合と、二通りあると思います。両方とも治安は不安定になってくる。ですから、治安の問題と、やっぱり戦闘行為、非戦闘行為とは少し分けて考えていただきたい。そして、治安の問題につきましては、安定確保の観点から長官として責任持って安定確保に努める。
 オランダは、いいですか、オランダ。
#25
○榛葉賀津也君 いいです。あっ、オランダですね。
 ちょっと議論かみ合っていませんよ。
 私の質問に対して長官がおっしゃっているのは、正に計画性と組織性や国際性のことを言っているんですから。私が提案していることと同じことを、いや、そうじゃありませんと言って同じことを長官おっしゃっているので、正に長官のおっしゃったことは計画性や組織性、継続性や国際性のことじゃないですか。これをどうして説明できないんですかと言っているんです。この話は結構です。
 オランダが撤退するのは治安の悪化もあるんじゃないんですか。端的にお願いします。
#26
○国務大臣(大野功統君) オランダにつきましては、昨年の六月でございます、来年の三月までということで決めております。それ以降のオランダの政府の方針については、最終的には同国が今後主体的に判断すると考えられております。そういう意味で、オランダの方は既に六月に同国政府の決定により明年三月半ばまでというふうに決めているわけであります。
#27
○榛葉賀津也君 私は期間のことは全く長官聞いておりません。治安というものが撤退の要素にあったのではないですかと聞いております。端的にお答えください。
#28
○国務大臣(大野功統君) それはそういうふうには聞いておりません。
#29
○榛葉賀津也君 私、個人的には大変長官を尊敬しておりますが、今の答弁を聞いておりますと合成の誤謬という日本語を思い出して仕方がないわけでございまして。
 オランダは大変気骨のある国でございます。オランダの与党も自民党というんですね。これまたすばらしい政党でございまして、実はオランダの国会議員、戦争が始まった以降の五月に六人の国会議員が行っているんです。これ与野党合わせて超党派で行っているんです。そして、その理由は、兵士の安全を確保するのは国会の義務だと言っているんですね。立法府が法律を決めて軍隊を出す以上、それについて、常に我々の法律に合致した状況に今サマーワがあるかどうか、イラクがあるかどうか、それを常に立法府の議員が体を張って現地までそれをチェックに行っているんです。そして、与党のビルダース議員は、兵士の安全が脅かされていると、米英に全機密情報を提供するように確約させろと与党の議員が求めている。彼らは二回も行っているんですね。そして、野党の議員は、我々には兵士を送り出した責任があると述べ、また与党の議員も、現地は安全だという政府の見解をうのみにすることはできないと。
 私は、このオランダの立法府の姿勢を我が日本の国会も見習わなければならないと思います。与野党の足の引っ張り合いだけではなくて、きちっと立法府がどのように今のサマーワの状況をチェックし、自衛隊の在り方を検証していくかという問題を私はきちっと我々自身受け止めなければならないと思っておりますし、委員長におかれましては、是非、この参議院ですから、もし状況が許せば立法府がきっちりとサマーワの状況をチェックしに行くと、それくらいの気概を我々も持っていかなければいけないというふうに思っておりますが。
 私の知る範囲では、この治安の悪化というものはオランダの撤退に大きな要因があったと。長官が今、治安の悪化は原因ではなかったと断言をされましたが、それは私は首を縦に振るわけにはまいらないわけでございます。
 自衛隊の撤退について引き続き長官にお伺いしますが、実は長官、以前の国会答弁におかれまして、撤退に関する二つの条件を御自身が示されております。
 十月二十六日の外交防衛委員会、同僚の岡田先生の質問に対しまして、どういう場合にそれは撤退ということになるのかという委員の質問に対し、一つはもうイラクの、イラク自体が復興の道のりをしっかりと目的まで達している、いわゆる民生が安定したという状態、そしてもう二つ、二つ目の条件が、隊員が安全に仕事ができる、人道復興支援について活動ができる、このような状況ができなくなった場合、いわゆる治安が悪化した場合に自衛隊が撤退すると。全く同じ趣旨の発言を十月二十日の予算委員会、舛添委員の質問に対してされております。
 すなわち、長官が示された二つの条件は、まず一つが、イラク自身で復興をし、民生が安定したら自衛隊が撤退する。そして二つ目は、治安が悪化して自衛隊ではもうどうにもできないとなったら撤退するということでございますが、まず二つ目の治安について、この条件についてお伺いしたいと思いますが、当然、非戦闘地域になった場合は、撤退しなければなりません、これは法律ですから。我々は、今既にこの非戦闘地域の条件が崩されていると。長官うなずいていらっしゃいますが、そうであったら是非撤退をしてほしいと思うんですが、崩されているというふうに思っております。
 しかし、それではもう一つの条件について、この治安について、非戦闘地域の状態は崩れなくても治安が悪くなって自衛隊の活動に大きな支障が出た場合、この場合も撤退するということでよろしいですね。
#30
○国務大臣(大野功統君) まず第一点でございますが、現状では非戦闘地域になったという判断はできません、しておりません。それは、先ほどからるる申し上げている理由からであります。
 それから二番目は、治安というよりも、むしろ法律上我々がきちっと申し上げておりますのは、隊員が安全にイラクの人道復興支援という崇高な活動ができる、イラクをテロの温床にしない、こういう活動ができる、そういう意味で治安というよりも安全に仕事ができるかどうか、こういう観点でございます。もし安全に仕事ができなくなれば、万々が一そういう場合にはもちろん撤退ということになろうかと思います。
#31
○榛葉賀津也君 すなわち、非戦闘地域でなくても、治安が悪化すれば撤退という答弁でしたね。これは大変重要な答弁でございます。ありがとうございます。非戦闘地域でなくても、治安が悪化をすれば撤退をできるという新たな認識を長官が示されました。
 そして、現在、百歩譲って長官がおっしゃるように非戦闘地域の概念が崩れていないとしても、今どんどん治安が悪化している状況ですから、ますます自衛隊撤退が近づいてきていると長官自身がお述べになられた。これは現地の自衛官も大変安心をすることだろうというふうに思います。
 先ほど長官はオランダの撤退は、治安は直接関係ないと言いましたが、これ、どちらで確認をされたんですか。
#32
○国務大臣(大野功統君) 私、先ほど言葉で間違いをしたように思います。非戦闘地域と戦闘地域を言い間違えたかと思いますので、そこは訂正さしてください。
 それから第二点、第二点でございますが、(発言する者あり)第二点はですね、これは治安と安全確保、これはまた切り口違うわけでありますから、安全に仕事ができる、その安全確保配慮義務、これは防衛庁長官として重く受け止め、しっかりやってまいりますということを申し上げているんで、治安が悪い、いいというのは先ほどから議論いたしております。それはどういう場合をもって言うのか、私は度々申し上げておりますけれども、イラクの中でサマーワは比較的には治安は一番いいところであると、こういうふうに申し上げている。ただ、弾が飛んでくるということについては重く受け止めて、背景をきちっと分析、情報収集・分析していかなきゃいけない、こういうことを申し上げているわけであります。
 それから、オランダにつきましては、私はサマーワについて申し上げているわけでございます。イラク全体のことにつきましては、私の方よりも、私はそう情報は持っているわけではありません。私はそういうことは聞いていませんということを申し上げました。
#33
○榛葉賀津也君 まず一点目、前段の部分でございますが、長官、そのような答弁はあんまりだと思います。これだけ重要な問題ですから極めて慎重な御発言をいただきたい。
 加えて、長官は、ずっと委員会の答弁で治安状態、治安状況という言語を頻繁に使っております。これは明らかに法律用語ではありませんから、明らかにイラク特措法の非戦闘地域とは別の概念であるはずでございます。このことを長官は意図的に自らのお言葉で何回も使っていらっしゃる。いわゆる非戦闘地域でなくても、の概念が崩れなくても、治安状況、治安状態が悪くなれば撤退をするんだと長官は同じ政党の、与党の先生の質問に再三再四答えていらっしゃるんです。これをどうして今の私の答弁でひっくり返った答弁をおっしゃるのか、私は到底理解に苦しむわけでございます。
 そして、後段のオランダの問題。オランダは正に自衛隊の安全を確保されている部隊でありますから、そのオランダが撤退する理由を御自身は承知しておりませんという答弁は、私はあり得ないと思うわけでございますが、この二点について長官、どのように御答弁されるでしょうか。
#34
○国務大臣(大野功統君) 度々私はイラクの復興、自衛隊の撤退に、撤退あるいは期限の延長ということで申し上げていますが、期限の延長という観点は、それを判断する場合にはイラク復興の状況、そして治安の状況、この二つを申し上げています。撤退という観点というよりも、むしろ延長ということにつきましてはそういう問題を総合的に勘案して判断いたしますと、こういうふうに申し上げています、正確に言いますと。
 それで、治安の状況ということは、具体的に言いますと安全を確保する、こういう問題であります。だから、治安といって、いろんな治安の問題があります。客観的にどういう場合が治安がいい、これはなかなか言いづらいわけでありまして、安全に行動できる、これが法律上の責務である。しかし、治安の状況をきちっと見極めなければそういう判断はできないと、こういうことが一つ。
 それから、後半のオランダの問題でございます。オランダの問題につきましては、まだ、先生御存じのとおり、そういう、三月半ばということは言っていますが、その後のことは、につきましてはまだ決まっていないということでありますので、その辺は御理解をちょうだいしたいと思います。
#35
○榛葉賀津也君 大変御聡明な大臣でいらっしゃいますから、あえてはぐらかされていると思うんですが、私は期限のことは全く聞いておりません。長官のおっしゃった治安状況、治安状態という法律用語ではない言葉をあえて長官はお使いになられて、この治安状態が悪くなったら自衛隊は撤退するんだということを再三再四お答えになっていらっしゃる。ですから、きちっとこれは、これは立法府の場ですから、きちっとその問題について論理的にお答えいただきたい。
 加えて、オランダの問題も、三月ということはあとたった四か月後ですよ。四か月後、撤退しないかもしれないけれども、撤退する可能性が高いわけでございます。その蓋然性は極めて高い。その中でこの自衛隊が、どのように今後この復興、人道活動を展開していくのかという問題を考える最大の責任者として長官があるわけですから、今の答弁は私は大変納得いかないものでございますし、現地の自衛官も大変不安に思う、と思うのは私、当然だと思うわけでございます。
 それでは違う角度からお伺いします。
 仮に撤退された場合、オランダが、自衛隊はだれによって……
#36
○国務大臣(大野功統君) まずですね、治安の問題を申し上げておりますのは……(発言する者あり)
#37
○委員長(林芳正君) ちょっと指名を……
#38
○国務大臣(大野功統君) はい、済みません。
#39
○榛葉賀津也君 オランダが撤退した場合、オランダに代わる任務を行うのは一体どこがやるんでしょうか。
#40
○国務大臣(大野功統君) 先生、お分かりでいらっしゃりながらおっしゃっているんだと思いますけれども、私が申し上げているのは、治安という言葉を使った場合に期限の延長についてはというコンテキストの中で申し上げている、撤退の条件ということで申し上げているわけではありません。したがって、延長の判断、期限延長の判断は、今後、イラク復興の道のりとそれから治安状態を見極めていたしますと。
 で、治安、治安という場合はどういう判断基準が法律上あるかといえば、これは申すまでもなく安全確保、こういうことを申し上げているわけでございまして、御聡明な先生、御理解いただけると思うんでありますけれども。
 それから、第二番目のオランダがどう、撤退したらどうするんだと。もちろん、オランダはまだ撤退、最終的に決めたわけじゃありませんけれども、あの地域全体はイギリスの責任になっておりますので、今後の展開によってどうなっていくのか、これは今後の問題でございます。
#41
○榛葉賀津也君 先生に御聡明と言われましたが、仮に私が聡明だとして、聡明同士が議論をしてもこれだけかみ合わないというのは大変残念なわけでございますが。
 私は、事務方もちょっとしっかりしていただきたいと思います。期限の問題でお二人の先生方はその問題だけで議論しているんじゃありませんよ。議事録しっかり読めばよく分かることでございます。加えて、この国際性、継続性、計画性、そして組織性と、この四つの概念を外れていると。長官はいまだに答弁をされていません。
 本日は時間がございませんので、きちっと後ほど文書で私はその説明を論理的にしていただきたいと思います。
 これは委員長、要望しておきます。
#42
○委員長(林芳正君) 今の榛葉君の件につきましては、後刻理事会においてその取扱いを協議いたしたいと存じます。
#43
○榛葉賀津也君 次に、二つ目の条件ですが、これはイラク自身が復興できるようになり、民生が安定すれば自衛隊が撤退すると言うんですね。
 そこで、外務大臣にお伺いします。
 治安の悪い段階で自己完結能力のある自衛隊がサマーワにいて人道復興支援やる、しかし、その目的は、段階的に今後民間企業であるとかNGOにその任務を譲っていくというプロセスに大きなかぎがあるわけでございます。無論このグランドデザインを外務省はかいていると思うんですが、この自衛隊から民間であるとかNGOといった組織に人道復興支援をスライドしていく、このグランドデザインについて、大臣、御説明いただきたいと思います。
#44
○政府参考人(吉川元偉君) 先生のお尋ねでございますが、イラクは、相当優秀な人材と、それから石油、天然ガスといいました、いった豊富な天然資源を有する国である。したがいまして、国内の治安状況が抜本的に改善されて、民間企業の進出が可能な環境が整えば、政府主導のODA中心の戦略、開発戦略から貿易投資の拡大、こういったものを通じて民間支援への移行が実現されるというふうに考えております。
 しかしながら、三十年間に及ぶサダム・フセイン政権下でのいわゆる負の遺産をイラクはたくさん担いでおります。経済政策の失敗、戦争、内戦、また国連の経済制裁、こういうものを考えますと、それまでの間はODAによるイラク復興支援が重要だと思っております。したがって、これは日本だけではなく、世銀、国連を中心にして世界全体でこのODAを中心とした復興支援の段階にあるというのが私どもの認識でございます。
 したがって、日本自身としては、国際社会と協調しながら、イラク側の自助努力を促しながら、できるだけ早い段階に民間支援への移行が可能となるような状況ができる、こういうふうにするのが基本的に私どもの持っておりますイラクの開発戦略というふうにお考えいただければと思います。
#45
○榛葉賀津也君 イラク特措法第十条に設けられているイラク復興支援職員というものは、今年の五月、ヨルダンに三人行って以来、現在行っておりません。すなわちこれは、自衛隊からODA、民間への橋渡しが、正にこの、わざわざ特措法でイラク復興支援職員を設け、しかしこの職員が、いまだ現地に送ることすらできないんですよ。正に自衛隊から民間、ODAへの橋渡し役であるこのイラク復興支援職員ですら送られていない状況で、今局長のおっしゃったような絵をどのように具体的に作っていくのか、全く心に響かないわけであります。
 お伺いしますが、自衛隊撤退後の代替組織、若しくはそのカウンターパートナーというものは外務省は育成されているんでしょうか。
#46
○政府参考人(吉川元偉君) 今先生お尋ねの点について、現状、日本の現状だけをまず申し上げますと、昨年十月にマドリードで行われましたイラク復興会議において、日本政府は無償援助を十五億ドル、それから中期的な支援として基本的には円借款で最大三十五億ドル、合計五十億ドルの支援を表明いたしました。そのうち、昨年三月以来に実施ないしは決定した支援額は約十三億ドルに上っております。この辺は新聞等で十分広報しておりますので御承知いただいていると思いますが、イラクの各省や地方のコミュニティーを通じた支援というのをイラクの全土で展開しております。電力、医療、治安、文化、スポーツ、草の根、この辺の詳細は省略いたしますが、いろんな支援をやっております。
 最も重視しているところの一つは、を何点か申し上げますと、まず一つは、先生がおっしゃったように、なるほど治安は悪いです。したがって、ほかの状況であれば、例えば似たような状況にあるアフガニスタンですと、日本の専門家、JICAを通じてカブールだけじゃなくカンダハル、いろいろ展開しております。これ、できません。したがって、まあ一種のリモコンといいますか、これは、ヨルダンやエジプトやいろんなところに基地を置きながら第三国研修というような格好で専門家を、むしろイラクの人に外に来ていただく、日本に来ていただくというようなやり方。それから、内務省に対して一千百五十台のパトカー、提供しましたが、機材を直接イラクに送る。いずれも日本人の関係者をイラクに出さないでどうやって動かせるかということをやっております。
 二番目は、一番大事な点ですが、今御指摘いただいたような受皿作り、受皿作りはJICAを中心にして、イラクのいろんな要人、行政官の招請、専門家の研修、これをいろんな分野でやっております。これは必ず将来のその受皿につながっていくことだと思っております。
#47
○榛葉賀津也君 今、局長のおっしゃったこの活動支援の内容と達成度、今日触れたかったんですが、申し訳ありません、時間がなくなってしまったんで、後日必ずこの話は詰めさせていただきます。またなお、その他の沖縄等についても、時間がなくなって、通告しながら質問できなかったことを心からおわびを申し上げますが。
 長官、治安の問題です、やはり。今、イラク民間人の死者は十万人を超えました。そして、イラクで拉致された外国人が四月から十月で百五十二名、三十一名が殺害。そして、米軍を主体とする多国籍軍への攻撃は、イラク全土で二月に百四十件、八月に二千七百件、十月には二千四百件と、明らかに治安が悪化しているんです。そればかりか、先月の二十四日の報道によると、イラク軍の新兵の射殺体が四十九体一度に発見され、警察官だけで一千五百人殺されているんですよ。このイラクの国づくりや民生安定、正に長官のおっしゃった条件です。これを直接作っていくはずのイラク国軍やイラク警察が、アメリカの協力者として四十九人、イラク人自身が、自ら国を治めようとする方々ですよ、四十九人殺されて、一千五百人の警察が死んでいる。
 それがイラクであって、正にその延長上にサマーワに連続的にロケット弾が撃たれている。にもかかわらず、組織性も計画性も継続性も国際性もまだ担保されて、ここが非戦闘地域であるという論法は到底成り立たないわけでございまして、もしそれを主張されるのであるならば、小泉さんがサダム・フセインに要求されたように、正に日本の政府がこれがきちっと担保されているという証明をする責任があるということを強く強調して、委員に質問を譲りたいと思います。
#48
○齋藤勁君 大野長官、今日、閣議後の記者会見で、今も質疑がございましたけれども、あなたは今回の宿営地着弾について、一部の部族がやっているのではないかと言われている、外国から軍隊が来ているという情報はないと述べたと、これは会見で言っています。先ほどの質疑で情報収集入手中ということでありますけれども、これはどういうような根拠で、情報収集入手中といえどもある程度の根拠があって会見でお話しになったんじゃないかと思いますので、このことについて説明してください。
#49
○国務大臣(大野功統君) 我々の情報収集、私も松村一佐、現地の松村一佐と電話で話をしましたけれども、一つは、治安当局、サマワの治安当局、それからオランダ軍との情報交換、それから住民との接触によってもたらされる情報、こういうことでございます。あらゆる、その他いろいろな面がありますけれども、あらゆる情報を総合いたしまして、まず外国からのテロはない、それから旧体制の残党という動きはない、ただし小さな組織として動きはある、これが一般論でございます。
 次に、ロケット弾あるいは迫撃砲が出てきた。この辺については、一体、信管が付いてないのはなぜだろう、こういう問題がやっぱりあるんです。そういう意味で、連続的にこう、四月、八月、十月と、合計でいたしますと八発になりますけれども、この動き、どういうふうに見たらいいんだろうか。すべて夜間でございます。
 今、情報収集、一生懸命やっております。現地の松村一佐も、隊員には動揺はないけど、情報収集、一生懸命やりますと言ってくれておりますが、まだまだ確たる情報がありません。このことは大変申し訳ないと思いますけれども、情報収集に努めて、分析をしたい。
 ただ、言えることは、今申し上げたように、総合的に言いまして外国の問題あるいは残党の問題ではないということでございます。
#50
○齋藤勁君 二十二日もロケット弾ですよ。二十二日にもね、長官。それから、十月八日にサマワで、日本とイラクの友好記念碑についても、これ攻撃を受けています。かつて、八月とか四月段階ですとこれ迫撃砲、今度ロケット弾。今、長官が言われたとおりですよ。軍事的には、軍事的といいますか、武器の形態から全く違います。今回のことで、地元部族の犯行の可能性、外国からの軍隊ではないということではなくて、もう私は武器の使用の形態からいって変わってきている。
 では、ロケット弾についてはどういう武器の性能だと、ロケット弾、武器の性能だというふうに概略説明していただけますか。
#51
○国務大臣(大野功統君) ロケット弾は射程十数キロであります。そして、直線的に、迫撃砲に比べれば横から直線的に飛んでくるものであります。
 いずれにしましても、迫撃砲もロケット弾も、言わば数多く撃って、照準定めて、あそこにねらいを付けて撃つというたぐいの武器ではなくて、数多く撃って相手を攻撃する、こういうふうに私は理解いたしております。もちろん迫撃砲は射程は短い、これはもう先生御存じのとおりでございます。
#52
○齋藤勁君 私も前長官ほど軍事的に詳しいわけじゃありませんが、この今度のロケット弾というのは至近なところじゃなきゃ届かないですよ、至近なところで。これは、迫撃砲のときも議論あったんですよ、この委員会もそうです、特別委員会でも私やりました。まあ時間もございませんから、これ全部紹介できませんが、迫撃砲というのは放物線描いて来るというふうな、これは見ているんだと、監視するんだということで。それで、撃った、それで避難するんだというやり取りがございました。
 今度は、直接目標物に、射程距離だと五百メートルとか三百メートル、相当近いところですよ、これは。大変な実は問題を秘めているわけであって、先ほど榛葉議員の質問の中で非戦闘地域と戦闘地域、これはもうずっと私なんかやっていますけれども、これはもう自衛隊を派遣するための論理ですよ、政府の。まざまざと長官自身がおっしゃっているように、治安が確保されているかどうかなんですよ。治安が確保されているか。正直におっしゃったと思うんですよ、率直に。
 今度のロケット弾というのは、これはゆゆしき事実ですよ。迫撃砲のときに、当時の長官は、いろいろ見ますと、双眼鏡で見ますと、撃つか撃たないかと。そういうことをしていたんでしょうけれども、見逃すほどの距離から撃たれてきたと、宿営地に着弾をしているという。これはもう、率直に言えば、たまたま人命に、人体に損傷がないということは不幸中の幸いであって、大変な状況で、調査をするとか調査をしないなんという段階で私はないというふうに思いまして、先ほどのように、時系列的に言っても十月八日、十月二十二日、十月三十一日、今回。いつまで調査するんですか。
 十月八日とか十月二十二、もうメッセージじゃないですか、具体的に、これは。サマワにおける部族間の中での、日本に対する、私はある意味では、私たちの復興支援だと、政府は復興支援だと言いながら、そうではないメッセージが具体的に示されているということで、もう延長ということを、十二月の段階ではない、今すぐ決断をしなきゃならない段階じゃないかと思いますが、そういう観点に立ちませんか。
#53
○国務大臣(大野功統君) 今、先ほども榛葉先生の御質問のときにお答えいたしましたけれども、この迫撃砲なりロケットを撃ってくるのは夜中でございます。昼間でありましたら、見てたり、あるいは監視装置を使ってきちっと把握できたものでありますし、またもう一つ、心強いことを言ってくれるのは、やはり自衛隊はサマワに仲間がおりますから、やはり仲間が知らしてくると。恐らく迫撃砲なり撃つのは市街地を出たところからだということになりますので、そういう意味じゃ、お昼間ですと必ずだれかそれを見た者、目撃者がいるに違いないと。夜中ですから、監視塔で見ていても分からない、あるいは空中監視装置を使ってもなかなか分からない、こういう問題があります。
 今話題になりました記念塔も、本当になぜあれが壊されたんだろう、こういうことにつきまして、なぜロケット、迫撃砲が向いてくるのか、こういうことを含めまして情報収集して、その背景つかまなきゃいけない。だから、一般論としては、その大きな組織の背景というのはないというのが我々の情報でございます。
#54
○齋藤勁君 時間来ましたので、もう意見だけ。
 また次回のときに答弁聞きますが、一発十ドルぐらいで売っているらしいですよ、ロケット弾、ロケット弾ということを一つ。それから、隊員の方々の帰国後の報告を是非聞いていただいて、聞いていただきたいと思いますが、ちょっと医療機関に医療機器を送った、しかしそれが、医療機器が正常に稼働してるかどうか、どうかをチェックではなくて、イラク人の方が場合によると医療機器を売り飛ばしているという、売り飛ばしちゃ困るということでチェックを行っているということが情報として入っています。これはゆゆしき状況だと思います。大変なる危機的状況だと思いますが、情報収集にきちんととらえていただきまして、万が一ないように敏速な対応を取っていただくことを申し上げさせていただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
#55
○緒方靖夫君 初めに、大野長官に伺いたいと思います。
 先日の当委員会で、私はサマワの治安が悪化している問題を指摘いたしました。長官は比較的安定していると答弁された、私はこの認識は大変甘いのではないかということを申し上げました。正にそれを裏付けるように、再び今質疑にもありましたように、ロケット弾が宿営地に着弾するという事件が起きました。大臣は、弾が飛んでくるということについて、重大に受け止めている、これからは予断を許さない、そう言われて答弁されましたよね。ならば、サマワの治安というのはやはり前と比べれば明らかに悪化している、明確じゃありませんか。
#56
○国務大臣(大野功統君) ここはもう先ほど榛葉先生にもお答えしていますので、繰り返しません。
#57
○緒方靖夫君 簡潔に。
#58
○国務大臣(大野功統君) 弾が飛んでくるということに対しては、私は重大に受け止めております。安全についても万全を期しております。この背景なりなんなりをきちっと調査しなきゃいけない。しかし、その背景について見ますと、フセインの残党とか、あるいは外国のテロはどうもなさそうだと、一部少数の組織力があるんではないかなというところでございます。
#59
○緒方靖夫君 大臣、そういうのを詭弁と言うんだと思いますよ。だって、これまで弾が飛んでこなかったところに立て続けに弾が飛んでくる、ロケット弾がですよ。やはり大変な重大な事態だと思いますよ。
 これは、政府がイラク特措法で決めた自衛隊の派遣の要件にかかわる重大な問題です。ですから、また同時に自衛隊員の安全を預かる大臣として、その責任は大変問われる問題だと思います。あいまいにしてはならない、このことを申し上げたいと思います。
 さて次に、イラクで香田さんがテロリストによって拘束された、殺害された事件についてですけれども、これは絶対に許すことのできない蛮行であります。殺害予告を本人に言わせ、殺害する犯行、もう極めて残酷だと思います。どんな口実を付けようとも正当化できない、私たちは厳しく糾弾したいと思います。
 米英の占領後に発生した日本人の事件の犠牲者は、これで五名になりました。特に、人質とされた日本人が殺害されたのは初めて。政府として、この事態について、先ほど町村大臣から冒頭話がありましたけれども、反省すべき点、どのように踏まえておるか、お伺いいたします。
#60
○国務大臣(町村信孝君) まだ事件が起きて、また殺害、香田さんが殺害をされてまだ間もないこともありまして、まだ十分な、いろいろな反省、検証できているわけではございませんけれども、すぐ考え付くことというか、大変な問題だなと、こう思うのは、やっぱり私ども独自で情報というものがなかなか入手できない。これが特に今のイラクのような状況であるからというのならまだしも、そうでない地域においてさえもなかなか情報収集ができない。もちろん、外務省の皆さん一生懸命やっています。やっておりますけれども、どういうんでしょうか、諸外国と比べてみても、諸外国にはそれなりのそういうインテリジェンス情報というのを収集する機関があるんですね。私どもはそういうものを海外に持っておりません。こういうことが翻ってこういう事件が起きたときに情報がないじゃないか、政府は情報持ってないではないかといつもおしかりをいただくんでありますが、それはそういうインテリジェンス情報を平素から集める、収集する、分析をすると、政府全体としては細々とはやっておりますが、なかなかそういうことに今まで国全体として関心が向いていなかった。そういう意味で、体制整備もできていなかったということはまず大きな反省点かなと、こう思われます。
#61
○緒方靖夫君 まあ、その点が反省だというのでは私はちょっと寂しい話かなと思います。これほど重大事件があって、やはりもっと大きな反省が必要だということを思うわけですね。
 そこでお伺いしますけれども、外国人に対する事件はイラク社会が混乱し、治安が悪化する中で起きている、これは明確です。報道によると、襲撃やテロは、国外から入り込んだテロリストによるものが多いと言われております。香田さんの事件は正にこれに該当すると言えると思うんですね。イラク国内で誘拐された外国人は何名、そして、そのうち殺害されたのは何名でしょうか。
#62
○国務大臣(町村信孝君) 手元に、これは犯行グループが幾つかあるようでございます、典型的には。メソポタミアのジハード基地組織、今回の事件の犯人ではないかと思われる組織でありますが、そのほか、タウヒードとジハード、マハディ軍、これはサドル派の民兵組織などと、こう言われております。そういうグループが一、二、三、四、五、六、十三件ですかね、はい、人数はかなりの人数に上っていると思います。
#63
○緒方靖夫君 まあ、実態は十三件どころか非常に多い、もっと多いですね。
#64
○国務大臣(町村信孝君) 比較的最近の、今年の四月以降ということですかね。
#65
○緒方靖夫君 まあ、いつからということはありますけれども。
 私は、やはりその点でいうと、政府の実態の把握の仕方、これもやはり問題ではないかと思っております。やはり実際、報道ベースとかそういう形ではなく、実態をきちっと責任持ってつかむ、そして個々の事案についての分析も行う、これが大事だと思います。アメリカの民間シンクタンクのブルッキング研究所はそういうことをやっているわけですね。そうすると、数はまるっきり違うわけですよ。ここで一々申し上げませんけれども。非常に多いですね。ですから、同じ基点を取っても十三件ということはないわけですね。
 ですから、私は政府としてきちっとその実態を把握する、そしてそれがやはり治安の状況についての認識をきちっとするわけですから、その基礎作業ができてない、ABCの話ですよね。そのことをきちっと大臣にも要請しておきたいと思うんです。
 実際、被害者の圧倒的多数は米国の要請を受け、軍を派遣した国々の人なんですね。今回の事件で示されているのは、前回の質問でも指摘いたしましたけれども、米軍と自衛隊が一体とみなされていること、そのことに問題があると思います。
 そこでお伺いしますけれども、戦争が始まる前、つまりフセイン政権の時代にはイラクにアルカイダなどの外国人テロリストは存在したんでしょうか。アルカイダは存在したんでしょうか。
#66
○国務大臣(町村信孝君) 明確にそれを、存在、不存在を証明することはできません。
#67
○緒方靖夫君 大臣としては大変情けない答弁です。存在、不存在を証明するということではなくて、存在を証明するものはないんですよ、じゃありませんか。もう一度伺います。
#68
○国務大臣(町村信孝君) いや、ですから、存在も証明できないし、いなかったということもなかなか証明できないということだと思います。
#69
○緒方靖夫君 米国も、議会超党派の独立調査機関の報告では、イラク戦争開始前にはアルカイダとフセイン政権との間に協力関係を示す証拠はない、そのことをはっきり断言しておりますし、アメリカ政権もそのことを重ねて述べておりますよ。ですから、そのことは非常にはっきりしている、そうじゃありませんか、大臣。
#70
○国務大臣(町村信孝君) そう言われましても、私どもの現在のイラクにおける調査能力、限界からして、今申し上げたようにアルカイダ関連がいたかいないかということをいずれも断定することはできません。
#71
○緒方靖夫君 じゃ、国連安保理はどういう報告を出していますか、この問題で。
#72
○国務大臣(町村信孝君) さあ、今ちょっと急に、事前の御要求がなかったんで、私はちょっと今そういう資料を持ち合わせておりません。
#73
○緒方靖夫君 国連安保理は昨年十二月にこのテロリストに関する報告書を出しているわけですよ。日本政府もそれに協力して報告を出しているから明らかだと思うんですね。
 それによると、戦争によってテロリストが外国から新たに入り込んでいること、そしてイラクが、そうした外国の凶暴なテロリスト、とりわけアルカイダ等によって理想の戦場と化したと述べているわけですね。そして、その外国から来たテロリストがイラクの地において大量破壊兵器を使用する可能性がある、そこまで国連の報告書は昨年の十二月の時点で言っているわけですよ。今、大分時間がたっていますから、それを更に追認しながら、その規模の大きさ、そのことを警告している。大臣として当然御存じだと思うんですがね。
 ですから、私は、そういうことで言うと、結局戦争が、戦争によって、イラクにアルカイダなどのそういうテロリストはいなかった、いなかったのに、それがテロリストがばっこする、そういう情勢が作られた、そう言えると思うんですけれども、大臣はいかがでしょうか。
#74
○国務大臣(町村信孝君) どうもよく分からないんですが、ちょっと論理が倒錯しているんじゃないかなと思うのは、そうなると緒方先生は、従前の専制的、独裁的なああいうサダム・フセイン政権がそのままずっと存在をし、かつサダム・フセイン政権は核兵器等々のものを持っていた可能、蓋然性がある、あるいは一部それはサリン等を使用したかも、サリンじゃなく、化学兵器をクルド人に使用したかもしれない、そういう前歴を持つところの、そういう体制がずっと存在した方が良かったんだと何かあたかも言っておられるように聞こえますが、私どもはそう、累次の国連の決議に基づいて武力行使を支持したわけでありまして、したがって、今確かに一時期こういう混乱はあるかもしれないけれども、しかし、だからといって武力行使そのものがおかしかったんだということには私はならない、やっぱり今の論理はどうも倒錯した論理ではないかなと、そういう感じがいたしますね。
#75
○緒方靖夫君 大臣、話をすり替えないでいただきたいんですよね。私はそんなことを言っているんじゃなくて、戦争を開始したことによってアルカイダがイラクでそのネットワークを張って、そしてその活動を強化する、そういうことになっているじゃないかということを述べているわけです。これは国連の報告によっても証明されている、指摘されている、きちっと。それからまた、アメリカの議会の調査機関の報告によっても繰り返し言われている、そういう事案ですよ。ですから、大臣、そんな、話をすり替えないでいただきたい。このことを述べておきたいと思うんですよ。
 それで、結局、なぜこういう形でこのイラクでこうした香田さんの犠牲者が出るような事態が進んでくるのか、このことが非常に問題だと思います。それは、やはりイラクでは、実際、アメリカの戦争と事実上その占領政策に対する反発が非常に強い。これは、国民レベルで強いわけですよ。最初はアメリカの到着を拍手して歓迎した人もいた。私はそれを現地で見ましたよ。しかし、そういう人たちも含めて反米感情がどんどんどんどん強くなる。それは、アメリカの戦争が一般市民をどんどん巻き込んで大変な犠牲を作っている、そのことによっているんですね。
 例えば、国際民間機関のイラク・ボディー・カウント、これは、一万六千人以上の市民が殺害された、アメリカによってですよ、そう数えている。あるいは、イギリスの医学専門誌のランセットの最新号によると、その犠牲者は十万人以上に達する、そう言われている。
 ですから、私は、やはりそもそも戦争を始めたこと、これによってやはり今大きな問題になっている。フセイン自身もテロリストに準ずるような、そういう独裁者でした。しかし、凶暴なそういう勢力を、正に香田さんを殺害したようなそういうテロリストを新たに呼び込んだ、私はそのことを述べているわけですよ。そして、その戦争がイラクの人たちによって激しく糾弾されている、このことも明確だと思います。
 したがって、私は、自衛隊の駐留、これがやはり大義のない戦争、そしてその占領、それをやはり続ける、大きな問題になってきた、このことをはっきりと指摘しないわけにいきません。そうじゃありませんか。
#76
○国務大臣(町村信孝君) 今、手元の資料で、これは社団法人海外邦人安全協会、編集協力外務省、これで国際テロ情勢読本二〇〇四年版というのがありまして、これのイラクのところを見ますと、「イラクにおける現下のテロ攻撃の主体としてはフセイン旧政権支持者、国際テロ組織アル・カーイダや外国から流入したテロリストの存在がいわれています。」ということで、これは私どもが責任を持って編集したものの中にもこういうことが書いてありますので、これはそういう意味で、そういう人たちがいるということを何らかの資料で判断をしたんだろうと、こう思います。
#77
○委員長(林芳正君) 緒方君、時間でございますのでまとめてください。
#78
○緒方靖夫君 ですから、私はとりわけ昨年の八月のあのホテルキャナルの攻撃、国連に対する攻撃、あれから性格が大きく変わったと国連報告が述べているように、今大臣が述べたこと、それは私自身が述べていることなんですね。
 私は、最後に申し上げたいんですけれども、やはり四月の人質事件の際に日本人解放に尽くしたイスラム聖職者協会のムハマド・ファディア師がこう述べているんですよ。
 外国人の拉致、殺害を根絶させる道は、根本原因である占領軍を撤退させること、拉致の口実を与えてしまう状況が存在する限り効果的に戦うことはできない、占領こそ問題の根本であり、日本政府は撤退を決断すべきだ、そう述べているんですよね。私は、この指摘をやはり真摯に大臣も政府も受け止める必要があると思います。そのことを伺って質問を終わります。
#79
○国務大臣(町村信孝君) 一言よろしいでしょうか。
#80
○委員長(林芳正君) 簡潔にお願いいたします。
#81
○国務大臣(町村信孝君) そういう方法をお述べになる方もいらっしゃいます。しかし、今の状況で仮に米軍が撤退をするということになり、まだ生まれつつあるような極めて脆弱なイラク暫定政府が裸の姿で置かれたときのまたもっと悲惨な内戦状態に陥るという可能、蓋然性が私はむしろ極めて高いのではないかと、こう思います。
#82
○緒方靖夫君 同意しませんが、時間になりました。終わります。
#83
○大田昌秀君 社民党の大田でございます。
 まず最初に、外務省にお伺いしますけれども、政府が犯行グループの犯行声明の入手など、今回の人質事件についての第一報をどこからどういうふうに受けられて、それをどのように小泉総理に御報告したのか、もう一度確認させてください。
#84
○政府参考人(鹿取克章君) この事件につきましては、二十七日午前六時十分、イラクにおいて一人の邦人が人質に取られたとする内容の報道に接しました。総理に対しては、直ちに外務省から秘書官を通じて第一報の連絡を行いました。
#85
○大田昌秀君 外務大臣にお伺いしますけれども、この小泉総理が事件の報告を受けられて自衛隊はイラクから撤退しないと指示されたと報じられておりますが、これは閣議決定とかそういうことを経てなさったのか、それとも総理のお一人の決断でそういうふうになされたのか、御存じでしたら教えてください。
#86
○国務大臣(町村信孝君) 十月二十七日の七時二十五分と聞いておりますが、小泉総理から細田官房長官に対して指示があり、事実確認をしっかりやること、解放策を至急に検討して万全の対応をすること、そして自衛隊は撤退する考えはないと、こういう方針で対処すべしと、こういう指示があり、私は七時五十分ごろ小泉総理と電話をしたときに総理から、細田官房長官に言ってあるのでそれをよく聞いてくれと、こういう指示がございました。
#87
○大田昌秀君 閣議決定は経ていなくての総理の御決断だったわけですね。
#88
○国務大臣(町村信孝君) 閣議はこの時点で開いておりません。
#89
○大田昌秀君 小泉総理を始め政府の今回の人質事件の対応について考えますと、テロに屈しないとか自衛隊は撤退させないということが殊更に強調されているような印象を受けます。人道的復興支援のために自衛隊をイラクに派遣するという大義名分がいつの間にかテロとの戦いに変質したようなそういう印象を受けますが、その自衛隊派遣の目的において何らかの質的な変化はございますか、防衛庁長官にお伺いしたいと思いますが。
#90
○国務大臣(大野功統君) 自衛隊の派遣というのは、先生御存じのとおり、国際協調の中でイラクの人々のために人道復興支援をやっていこうと、こういうことであります。そして、度々申し上げて恐縮なんですけれども、イラク国民からもサマワの住民からも高い評価を受けておることは御承知のとおりでございます。
 そういうことで、国際社会の責任ある一員として、我が国もできる範囲で、自衛隊ができる範囲で引き続き復興に協力していく、貢献していくことが大変大事なことじゃないか。もちろん、今日も議論させていただきましたけれども、イラクの治安情勢というのは大変大事な問題であります。今後は全般として予断は許しませんけれども、基本的にはやはり今申し上げたような目的に向かって協力していく、これが一番大事なことだと思っています。
#91
○大田昌秀君 質的な変化は全くないということでよろしゅうございますか。
#92
○国務大臣(大野功統君) 質的な変化、目的には変わりません。
#93
○大田昌秀君 町村外務大臣は、今回の人質の解放に向けてアルジャジーラとかロイターとかCNNに出演されて、犯行グループに訴え掛けられて、大変御苦労をなさったわけですが、人質が殺害された現状を踏まえて、何かもっとこうすれば良かったというような、そういったことはお考え、何らかの見解はございますでしょうか。
#94
○国務大臣(町村信孝君) 私どもがやったいろいろな活動がございます。各国、三十か国近い政府への要請、協力要請、その他いろいろな活動、ここですべてをこれ申し訳ありませんが、お話しするわけにはまいりませんが、やったにもかかわらず結果はこういうこと、残念な結果になってしまったということでありますから、そういう意味では努力は結果として報われなかったといいましょうか、すべて結果が出てしまったんだという思いであります。
 それともう一つは、やっぱり最初の瞬間、そう思ったし、結果はこういう残念なことになってしまったから余り言いたくもありませんけれども、なぜああいう危険な場所に、どういう目的があったか分かりませんが、入ってしまったのかな、それを何とか、これだけ危険だ危険だという情報を発し、マスコミ等を通じても、あるいはいろんな海外渡航情報を通じてもそういう情報は接していたであろうに、なぜ入ってしまわれたのかなということが大変残念な思いがしてなりません。
#95
○大田昌秀君 先ほど来同僚議員からも指摘されておりますとおり、イラクの情勢が一年前と現在では文字どおり様変わりしておりますが、防衛庁として今後隊員の安全を確保するためにどのような方策をお取りになるおつもりでしょうか、簡潔に御説明ください。
#96
○国務大臣(大野功統君) 現在も安全対策については万全を期しております。今後とも、今回も再点検をいたしました。補強すべきところはいたします。安全に人道復興支援活動をできるようにすることが長官としての責務だと重く受け止めてやっております。
#97
○大田昌秀君 もう少し、隊員の安全を確保するためにどういう具体的にその方策をお取りになるのか、もうちょっと踏み込んでいただけますか。
#98
○国務大臣(大野功統君) 一般論で申しますと、度々申し上げて恐縮なんですけれども、どういうことをやっているかということを明らかにしますと、敵方に手のうちを示してしまうというようなことになりますので、申し上げにくいんですけれども、例えば監視装置をきちっと備えている、あるいは空中監視装置も活用しております。それから、車両が自爆テロで突っ込んできた場合にはきちっと防げるようなことにもいたしております。そういうことで、宿営地内にある各種施設が攻撃を受けた場合に備えて被害を最小限に食い止める、こういう万全策を取っております。また、いったん事があった場合には隊員がどう行動をすればいいか、日ごろそういう訓練もいたしております。
#99
○大田昌秀君 外務大臣に確認させてください。
 去る十月二十六日の本委員会で、イラクに派遣している自衛隊員の法的地位に関してお伺いしましたところ、大臣は自衛隊が多国籍軍の中で活動しているという趣旨のことをおっしゃいました。多国籍軍の中でというのは自衛隊は多国籍軍に参加しているということを意味するのでしょうか。それとも協力しているということでございますか。
#100
○国務大臣(町村信孝君) これは、このイラク派遣のときに大分議論があったテーマだとも聞いております。そのときから一貫した説明を政府はしているわけでございまして、自衛隊は多国籍軍の中で多国籍軍の統合された司令部の下にあって同司令部との間で連絡調整を行いますが、その指揮下にはなく、あくまでも我が国の指揮に従い、イラク人道復興支援特措法及びその基本計画に基づいて人道復興支援活動を行うということでございまして、これは一貫した説明だと私は理解をしております。
#101
○大田昌秀君 外務省にお伺いします。
 外務省としてはODA予算やイラク復興支援の無償資金十五億ドルによってイラクに対する給水活動や保健、医療等の支援活動に取り組んでおられますが、サマーワ市で給水活動に当たっているフランスのNGO団体に対して草の根無償資金を提供していると報じられています。サマーワ市においてはそのほかにどのような支援事業を行っているのか、簡潔に御説明ください。
#102
○政府参考人(吉川元偉君) お答え申し上げます。
 サマーワの町が県庁を務めておりますムサンナという県全体に対しましていろんなことをやっておりますが、まず、もう御参考までに数点だけ申し上げます。
 ムサンナ県の水道局へ給水車十二台供与しております。また、このユーフラテスの川がはんらんしたときにはその被災民の支援のためにテントを二百四十張り送りました。サマーワの総合病院に対する医療品の供与、それからムサンナ県のスポーツ局に対しましてサッカーの器材を供与する、これリストやっていますと時間がありませんので先生省略させていただきますが、いろいろな格好、すなわち民生を直接支援すること、それからサマーワの若い人たちを含めまして誇りを与える、やっぱり平和が来たという、そういう自由を感じさせる、そういう支援を中心にしてやっております。
#103
○大田昌秀君 外務省にお伺いします。
 去る八月二十七日に日米両国の外務、防衛の当局者がワシントンで行った米軍のいわゆるトランスフォーメーションに関する局長級会議において、北米局長も参加されましたか。
#104
○政府参考人(海老原紳君) 八月二十七日に飯原防衛局長と私が訪米をいたしました際に、アーミテージ国務副長官、グリーンNSC上級部長、国防省ロドマン国防次官補、ローレス国防副次官、リビア国務次官補代理と意見交換を行いました。
#105
○大田昌秀君 先日、外務大臣にお伺いしますと、このトランスフォーメーションの具体的な内容についてはまだ決定されていないというお話でございましたけれども、今の北米局長が参加されたその協議会において、再編案として、第一に横田基地の米空軍司令部のグアムへの移転、第二は米陸軍第一軍団司令部のキャンプ座間への移転、第三に厚木基地の機能の岩国基地への移転、第四に在沖縄米海兵隊の一部を座間やキャンプ富士へ移転という四点が挙げられたというふうに報じられておりますが、これは間違いでございますか。
#106
○政府参考人(海老原紳君) 先ほど御答弁いたしました八月二十七日の意見交換におきましては、在日米軍の兵力構成見直しにかかわる今後の協議の取り進め方を含めまして、日米安保協力の各種の側面につき意見交換を行っております。
 米軍の軍事体制見直しに関しましては、在日米軍の抑止力の維持、沖縄等の過重な負担軽減の重要性を十分に念頭に置きつつ協議を継続していくということが米側との間で確認をされましたけれども、今委員がお述べになりました点を含めまして、米側との間で提案のやり取りを具体的に行ったわけではございません。
#107
○大田昌秀君 そうすると、今の四点というのは事実に反するということですか。
#108
○政府参考人(海老原紳君) そのような、今申し上げたことと繰り返しになって恐縮でございますけれども、そのような点につきまして、具体的な提案がなされたということで、意見交換をしたということはございません。
#109
○大田昌秀君 内閣府にお願いいたします。
 いわゆる軍転法の初の適用となった米海軍恩納通信所の跡地利用についてでございますが、これは過去にも何回か質問させていただきましたけれども、現在どうなっているのか、そして使われていないとしますとその責任は一体どこにあるのか、何が原因で再利用されていないのか、そしてその補償関係はどうなるのかについて御説明ください。
#110
○政府参考人(武田宗高君) まず、恩納通信所の跡地の現状でございますが、これまで、沖縄亜熱帯計測技術センターやふれあい体験学習センター整備事業の用地として活用されておりまして、それ以外の未利用地につきましては、村におきまして恩納通信所跡地利用計画検討委員会が設置をされ、地権者の組織化等に向けた取組が始まったところでございます。
 内閣府としても、恩納村や沖縄県と緊密な連携を取りながら、今後とも必要な支援を行っていきたいというふうに考えておるところでございます。
#111
○委員長(林芳正君) 大田君、時間でございますので、また。
#112
○大田昌秀君 はい。
 跡地利用はされていない理由は何ですか、そしてその責任はどこが負うべきですか。
#113
○政府参考人(武田宗高君) ただいま申し上げましたように、地権者において今組織化に向けた取組が始まっておるという状況でございます。したがいまして、その組織化が進み、今後の利用の方向が明らかになってくるということであろうと存じております。
#114
○大田昌秀君 ありがとうございました。終わります。
#115
○委員長(林芳正君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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