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2004/11/30 第161回国会 参議院 参議院会議録情報 第161回国会 内閣委員会 第8号
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2004/11/30 第161回国会 参議院

参議院会議録情報 第161回国会 内閣委員会 第8号

#1
第161回国会 内閣委員会 第8号
平成十六年十一月三十日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月三十日
    辞任         補欠選任
     白浜 一良君     浜田 昌良君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         高嶋 良充君
    理 事
                市川 一朗君
                小野 清子君
                岡崎トミ子君
                森 ゆうこ君
    委 員
                秋元  司君
                鴻池 祥肇君
                佐藤 泰三君
                竹山  裕君
                中曽根弘文君
                西銘順志郎君
                神本美恵子君
                工藤堅太郎君
                松井 孝治君
                円 より子君
                風間  昶君
                浜田 昌良君
                黒岩 宇洋君
                近藤 正道君
   衆議院議員
       内閣委員長    松下 忠洋君
       内閣委員長代理  宇佐美 登君
       内閣委員長代理  上川 陽子君
       内閣委員長代理  泉  房穂君
   国務大臣
       国務大臣     村田 吉隆君
   副大臣
       法務副大臣    滝   実君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       森岡 正宏君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鴫谷  潤君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       長        永谷 安賢君
       警察庁長官官房
       長        安藤 隆春君
       警察庁生活安全
       局長       伊藤 哲朗君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○犯罪被害者等基本法案(衆議院提出)
○金融機関等による顧客等の本人確認等に関する
 法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
○発達障害者支援法案(衆議院提出)
    ─────────────
#2
○委員長(高嶋良充君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、白浜一良君が委員を辞任され、その補欠として浜田昌良君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(高嶋良充君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 犯罪被害者等基本法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府大臣官房長永谷安賢君外二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(高嶋良充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(高嶋良充君) 犯罪被害者等基本法案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○岡崎トミ子君 民主党・新緑風会の岡崎トミ子でございます。よろしくお願いいたします。
 被害者の支援と被害者の権利の確立は世界各国に比べて二十年から三十年後れを取っているというふうに言われておりますけれども、このように法案が提出されまして、今回、参議院の方に回ってきて質疑に至ったというわけでございますが、民主党としては法案を提出してから四年がたっているということでございます。犯罪被害者の方たちからもやっと成立するという喜びの声が聞かれておりますけれども、もちろん、この法案の内容、そして運用の今後の課題ということに関してはいろいろ問題がありますけれども、まずはここまで来たことを歓迎したいというふうに思っております。
 法案提出者の皆さんのこの法案の提出の趣旨とその思いをまず伺っておきたいと思います。
#7
○衆議院議員(上川陽子君) 犯罪被害者の皆さん、何の落ち度もないにもかかわらず突然犯罪に巻き込まれ、命を失ったりあるいは心身に重大な障害を負わされたばかりではなく、その後も多くの二次的な被害に苦しめられてこられました。皆さんの心身及び社会的、経済的損失は極めて大きいにもかかわらず、十分な支援が受けられないまま立ち直れず、孤立化している状況にございます。
 そうした被害者の皆さんの抱えている苦痛と困難を考えるときに、一日も早く心身の回復を図り、平穏な生活に戻ることができるよう、国が責任を持って取り組むことが必要と考えております。国民だれもが犯罪に巻き込まれる可能性が高まっている今日、政治の責任において一日も早く基本法を成立させ、必要な施策を切れ目なく、総合的かつ計画的に実施することが重要と考えています。
 そこで、本法案は、犯罪被害者の皆さんの置かれている現状にかんがみ、犯罪被害者の皆さんの権利利益の保護を図るために、まず犯罪被害者のための施策の基本理念及びこの基本理念を踏まえた犯罪被害者のための施策の基本となる事項を明らかにするとともに、犯罪被害者のための施策を企画、調整、実施、推進していくための省庁横断的組織、具体的には内閣府に設置する犯罪被害者等施策推進会議を設けることにより、犯罪被害者の皆さんのための施策を総合的かつ計画的に推進していくための体制を整備することが必要であると考える考えに至りまして、この法案を提出させていただいた次第でございます。
 法案によりまして犯罪被害者のための施策のグランドデザインが明らかにされた後、本法案にのっとりまして犯罪被害者のための各般の施策を盛り込んだ犯罪被害者等基本計画が策定され、さらにはこの基本計画に従って個別的施策が着実かつ計画的に実行されていることとなると考えております。
 本法案は、このように、犯罪被害者のための施策を推進し展開していく過程の第一段階として、その後の個別的施策を導いていく機能を有するものと位置付けられます。この基本法を制定することは、犯罪被害者の皆さんの権利利益の保護を図っていく上で極めて重要な意義を持つものと考えており、今正に政治に求められているものと考えております。
#8
○岡崎トミ子君 今のことでも少し権利利益ということについて話されておりましたけれども、多くの犯罪被害者の皆さんたちが、今回のこの法案に関しては、この法案で犯罪被害者の権利が確立する、そのことがより確かなものとなるということが一番大事だというふうに言っておりましたので、この部分に関しましてお聞きしておきたいというふうに思います。
#9
○衆議院議員(上川陽子君) 本法案の第三条第一項、犯罪被害者等も、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有するものであることを明確にしたものでございます。犯罪により、いわれのない被害を受けた犯罪被害者が、その受けた被害の回復、軽減を図って、再び平穏な生活を営む権利を、利益を有することは当然ですし、また、犯罪被害者は犯罪による被害の当事者であって、事件の真相を明らかにし、加害者の刑事責任を問う刑事に関する手続に適切に関与することも保障されなければなりません。そこで、本法案の第一条におきまして、こうした犯罪被害者の権利の、利益の保護を図ることを基本法の目的としたところでございます。
 具体的には、本法案の第二章に規定します基本的施策を通じて犯罪被害者の皆さんの権利利益の保護が図られることになるものと考えております。
#10
○岡崎トミ子君 前文に「もとより、犯罪等による被害について第一義的責任を負うのは、加害者である。」という文言があります。一瞬、私、この文言を見まして、提案者の思いに比べて冷たいなと、このように思ったわけなんですが、加害者が第一義的責任を負うのは当然だというふうに思っておりますが、その被害者の苦痛、損失の深刻さ、そしてニーズの多様さを思うときに、やはり私たちの社会全体が被害者に対してしっかり向き合うという、そういう決意が何よりも大事ではないかなというふうに思っております。そして、そのためには国と地方公共団体の積極的な取組が不可欠だというふうに思っております。
 この第一義的責任を負うのは加害者であるというこの文言の趣旨、なぜかということと、あわせて、この文言によって、犯罪被害者等の尊厳を重んじて権利を保護する上で、国と地方公共団体との責任がいささかも減じられることがないということについて確認をしておきたいと思います。
#11
○衆議院議員(上川陽子君) 本法案を提出しようとした背景でございますが、犯罪被害者等が受けた被害が回復されないという事態が少なからず生じていることにかんがみまして、犯罪等を抑止し、安全で安心して暮らせる社会の実現を図る責任を持つ国としてもこうした事態を見逃すことができないという考えによるものでございます。
 しかしながら、犯罪等による被害の回復について第一義的責任を負うのは加害者であることは言うまでもございません。この点は犯罪被害者等のための施策を進めていく上でも重要な前提であり、加害者の責任をあいまいにすることは許されるところではないものと考えております。
 そこで、本法案では、「もとより、犯罪等による被害について第一義的責任を負うのは、加害者である。」という文言によって、加害者の責任があいまいにされることのないよう、犯罪等による被害について第一義的責任を負うのは加害者であるという前提を確認したものでございます。
 その上で、国や地方公共団体あるいは国民が、被害を回復し、又は軽減することに困難が伴う犯罪被害者等についてその支援を図っていこうとするものでございまして、国や地方公共団体の責任がいささかも軽減されるものではないというふうに考えております。
#12
○岡崎トミ子君 諸外国のこの取組などを見ますと、本当に社会全体でということと、警察もしっかり頑張っていく、そして連携もすごくすばらしく、うまくいっている。ですから、本当に犯罪被害者と向き合っている姿というのが、二十年、三十年前からやっている外国からもそういう点について学ぶことがたくさんございましたので、今のことについて確認をしておきたいというふうに思いました。
 また、引き続き提案者の方にお伺いしたいと思いますが、犯罪被害者等は犯罪等により害を被った者及びその家族又は遺族であるというふうに定義されておりますけれども、犯罪ではなく犯罪等としたその趣旨は何でしょうか。
#13
○衆議院議員(宇佐美登君) この犯罪等の「等」とは、犯罪に準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為を言っているわけで、具体的には、例えばストーカー行為には当たらないけれども警告の対象になるような行為など、また配偶者に対するいわゆるドメスティック・バイオレンスの暴力に準ずるような心身に有害な影響を及ぼすような言動、また、子供たち、児童の心身に正常な発達を妨げるような著しい減食というか食事を与えないといったような、こういった行為がこれに該当するわけでございます。
 これらの行為により害を被った人たち、方々は犯罪被害を受ける可能性が、おそれが高く、保護すべく必要性、緊急性が極めて高いという場合もあるわけでございまして、今回この犯罪等ということによって、これらの方々に支援の必要性があり、犯罪により被害を受けた方と同様に解されるということでございます。同時に、これらの方を本法案による施策の対象としたことにより、これに対応するために必要な体制の整備等の責務も生じてくるということで理解をしています。
#14
○岡崎トミ子君 そうしますと、今のストーカー被害者等を含むということで、その対象が犯罪と認定されなくてもその対象となるというふうに広がったというふうに思うんで、大変重要だと思っておりますが、このストーカーの被害者の支援の場合、これを入れたことによって新たな責務が生じるだろうと思いますが、今、少し提案者も触れておりましたが、この研究とか研修とかあるいは人員増とか体制のチェック、改善、それから運用の強化ですね、これはなされるでしょうか、確認をしておきたいと思います。
#15
○衆議院議員(宇佐美登君) 先ほども正に答弁したとおりでございますけれども、必要な支援体制というものの整備等の責務が生じてくる、当然政府、地方公共団体含めてこれらの体制をやっていくというふうでございます。
 以上です。
#16
○岡崎トミ子君 次に、連携協力ということについて伺いたいと思いますが、国、地方公共団体、日本司法支援センター、そのほかの関係機関、犯罪被害者等の援助を行う民間団体、そのほかの関係する者は、犯罪被害者等のための施策が円滑に実施されるように相互に連携を図りながら協力しなければならない、連携協力についてこのように触れてございますけれども、現状のどのような問題点を踏まえた規定でしょうか。
#17
○衆議院議員(宇佐美登君) 正にこの法案の作る原因にもなっている、一つになっているわけでございますけれども、犯罪被害者等の支援体制というのが、これまで政府の中の縦割りもありましたし、地方公共団体の対応などなど縦割り行政のいわゆる弊害というものが出てきていたことも現実であります。同時に、近年、一定程度の前進も見られてきていたわけでございますけれども、犯罪被害者等の皆さんが望んでいるような継ぎ目のない支援体制をこれで行っていきたいということでございます。
 犯罪被害者等がその受けた被害を回復し、又は軽減し、再び平穏な生活を営むことができるようにするためには、先ほど申し上げたようないわゆる縦割りの弊害など、国、地方公共団体、犯罪被害者等に対する援助を行う民間団体、医療関係者など様々な立場の皆さんが相互に連携を図っていく、そのための支援を行っていくことが重要だと考えております。
#18
○岡崎トミ子君 そこで、内閣府に伺いたいと思いますが、この関係機関相互の連携協力を促進していくためには具体的にどのような施策を考えておりますでしょうか。
#19
○政府参考人(永谷安賢君) 岡崎先生御指摘の関係機関相互の連携協力の促進の件でありますけれども、先ほど先生お読みになりましたように、この法案の第七条に規定されているというふうに考えております。
 犯罪被害者対策でありますけれども、実はこれまで内閣官房において局長クラスの犯罪被害者対策関係省庁連絡会議というものが置かれておったり、あるいは課長クラスの幹事会というのがありまして、それらを適宜開催する中で関係各省の犯罪被害者対策の実施状況等を相互に確認する、対策の推進を図るというようなことでやってきております。
 この基本法が成立した後の話でありますけれども、今申し上げました関係省庁連絡会議の在り方をどうしていくのかという話でありますけれども、これは内閣府に設置されます犯罪被害者等施策推進会議との関係の中で検討されていく話であろうというふうに認識しておりますけれども、いずれにしましても、この推進会議におきましては、犯罪被害者等基本計画を作成していく過程でその関係機関相互間の協力、連携を促進していくための施策というのをその基本方針の中に盛り込んでいくというような対応になっていくんだろうというふうに考えております。
#20
○岡崎トミ子君 これがうまく回っていくかどうかというのは本当に内閣府のリーダーシップ、重要だと思いますので、その協力促進、きっちりできていくようによろしくお願いをしたいと思います。
 次に、相談、情報の提供について伺いたいと思いますが、この十一条に規定されております相談、情報の提供の趣旨、それからこの主体と、あるいは具体的な内容については、犯罪被害者等の援助に精通している者を紹介する、こういうふうになっておりますが、この意義を伺いたいと思います。
#21
○衆議院議員(泉房穂君) 第十一条に関してでありますが、犯罪の被害者、また遺族は本当にある日突然犯罪に巻き込まれ、悲しみに打ちひしがれ、なかなか自ら必要な情報を得たり、また援助を受けられにくい立場にあります。そういった方々により手厚い支援をしていきたい、そういった思いが十一条に込められております。
 相談の主体といたしましては、国、県、市、それぞれの出先機関、また警察などもございます。また、民間援助団体、そしてまた、この春の総合法律支援法によりまして制定が予定されております日本司法支援センターといったものも予定されております。
 また、その内容につきまして特に重要だと思われる点は、こういった援助に精通した方を紹介するということであります。
 具体的には、今申し上げましたが、民間の援助団体、またそれから医師や臨床心理士、病院、保健所のようなところ、またこういった分野に精通した弁護士を紹介する、そういったことが予定されております。この点につきましては、先ほども述べましたが、この春の総合法律支援法、衆議院の修正におきまして司法ネットの一つとして犯罪被害者支援が位置付けられておりますが、その中でも正に同様の趣旨が入っております。こういったところでしっかりとなされていくべきものと考えております。
#22
○岡崎トミ子君 一つお聞きしておきたいと思いますが、これは予告をしていなかったかなと思いますが、加害者の方には国選弁護人が付いている。被害者の方々にいろんなお話を伺ったところでは、全く本当にほうっておかれたままでずっといたわけで、弁護人もこれを付けようと思えば本当お金が掛かるわけですね。突然の被害で迷っているときに一番最初に訪ねていきたい人の中に弁護士さんがいると思いますけれども、その弁護士さん、国選弁護人付けてほしいというような意見もございます。無料でこうした弁護士を被害者に付けるということに関してはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
#23
○衆議院議員(上川陽子君) 今御指摘がございました加害者の皆さんに対しての弁護士制度ということにつきましても、被害者の皆さんからこの間いろいろな御要望がございました。そのことを含めまして、この基本法におきましては、第十八条、刑事に関する手続への参加の機会を拡充するための制度の整備というところで、これから具体的にどういう司法的な関与あるいはその支援というものを進めていくのかということについて、基本計画でしっかり定めながらそのものの検討を推進会議の方で進めていただきたきたいというふうに思っております。
#24
○岡崎トミ子君 是非前向きの取組をお願いしたいと思います。
 内閣府に伺いたいと思いますが、その相談及び情報の提供について、どこがその部署になっているのか、その窓口ですね、それから専門の窓口を置くのか、聞いておきたいと思います。
#25
○政府参考人(永谷安賢君) 基本法の十一条にかかわる御質問であります。
 今現在、各省庁それからその出先機関あるいは各警察署、都道府県、市町村等にその相談窓口等が設けられているというふうに伺っております。で、そういう相談窓口をこの基本法が成立した後、どういうふうに持っていくのかという話でありますけれども、これも、この法律の規定を踏まえながら、推進会議で基本計画を作成していく中で検討させていただければというふうに考えております。
#26
○岡崎トミ子君 是非専門の窓口を置いていただきたい、どこに行ったらいいのかをまず明確にしておいていただきたいということをお願いします。
 次に警察庁に伺いたいと思いますが、最初に被害者の方が出会う最もその確率が高いのが一線の警察官だというふうに思います。現場でばったりと出会う、駆け付ける、それから、その後で警察や交番に駆け込んでいく、後から相談をする、そういう意味でも警察官に出会うことが非常に多いわけなんですけれども、その最初に出会った警察官が的確にその相談に応じていく、的確に情報も提供する、このことが決定的に重要だと考えております。関係者の皆さんの御努力でそれぞれの措置も取られているというふうに思っておりますけれども、必ずしもそうした措置が、十分な取組が被害者に良い影響を与えていないということなんですね。
 例えば、性犯罪の被害者の窓口でありますけれども、警察でも女性警察官を配置をしている、性犯罪被害者の窓口を設置している、カウンセリングを実施している、警察と産婦人科のネットワークの構築などを行っている、現にそういうことを行っておりますけれども。で、その被害者に対して警察官が不快な感じを与える。こういうことを設置していても、そういうことが非常に多いということがアンケートの中に出されてきております。そして、個々の警察官が、いわゆる悪質なものでなくても、実は結果的に適切なものになっていないということもございます。
 まずは、私は、警察官は全員に共通の認識を持ってもらわなければいけない。だれでもきちんと対処できるというか、警察の内部においては、まず出会った警察官がきちんと対応して、そして、それで必要なものは何かというふうに分かったらスムーズに次の部署に対応できるということがすごく大事だというふうに思いますし、内部から外部に行けば、必要な機関に対しても連携強化をしていくという、このことが大変大事だと思いますけれども、いかがでしょうか。
#27
○政府参考人(安藤隆春君) 警察におきましては、被害者に接する個々の警察職員が被害者の立場に立ちました適切な支援、対応を行うとともに、さらには二次被害の防止、軽減を図るということが非常に重要ですが、そういうためにこれまで職員への指導、教育といいますか、そういうものが極めて重要であると認識の下に、全職員に対しまして機会あるごとに、被害者支援の意義とか警察が行っている各種施策の概要、あるいは被害者の立場、心情への配慮とか現場における具体的な対応の在り方などにつきまして研修を行ってきたところであります。
 また、警察では、被害者の特性に応じまして、先ほど委員の方からも御指摘がありましたような相談窓口を整備しまして被害者のニーズに対応しました相談対応を行うとともに、特に事件化に当たりましては被害者の意向を踏まえながら適当と考えられる部署へ迅速に引継ぎを行う、ここが非常に大事なところでありますが、これにつきまして非常に努力を絶えずするという認識の下に、現在そういう取組を進めております。
 今後とも、警察が被害者にとりまして最も身近な機関であるということであります。そういうことで、国民からこの被害の回復や軽減について大きな期待を寄せられているという立場にあるという認識の下、被害者対策の第一線の現場への更なる徹底あるいは部門間の連携強化などにつきまして、更なる努力をしてまいりたいというように思っております。
#28
○岡崎トミ子君 今おっしゃったのかもしれませんけれども、最初にだれが出会うか分からないので、警察官すべてが共通の認識を持つということで徹底をしていただきたいというふうに思います。それから連携が始まっていくというふうに思っております。
 それで、女性警察官の絶対数が少ないのではないかということは、四千六百人でしたでしょうかね、各警察署の相談窓口や刑事課にそれぞれ最低一人は女性警察官がいてほしいというふうに思うんですね。で、相談窓口対応に当たることができる女性警察官の数を数えていただきたいなというふうに思うんです。あるかどうかですね、各それぞれの警察署、刑事課ですね。
 お伺いしたいのは、各警察署の相談窓口、刑事課における警察官、女性の警察官の数とその比率、それについては調べていらっしゃいますか。
#29
○政府参考人(安藤隆春君) 女性警察官を、全国的に今どれぐらいかというのは、委員先ほど四千六百と申されましたが、トータルでは約一万八百人で、その四千六百は恐らく性犯罪捜査にかかわる女性警察官がトータルで四千六百だと思います。
 その上で委員御質問の点についてお答えしたいんですが、平成十六年四月の現在ですが、全国の警察安全相談窓口を担当している職員というのは約二千七百名おりますが、そのうち、これは女性警察官と一般の女性職員といいますか、それがちょっと混ざっておりまして、正確にここ、トータルに把握しておりませんが、この女性職員というカテゴリーでいきますと約二百五十人ということでありますので、安全相談全体の中で九・三%を占めていると。
 さらに、全国の刑事部門に配置されております警察官は約四万三百人おるわけでありますが、そのうち約三・六%の一千四百名が女性警察官であると承知しております。
#30
○岡崎トミ子君 そこで、更にお聞きしたいのは、DVの調査を至る所でしているわけですけれども、結局、その警察署に行って、相談事例どんなふうにまとまっているのかをお聞きしたところ、統計として、このDVのことに関してどのような相談があったのか、そしてそれにはどのように対処したのか、そういう統計がないということなんですね。
 やはり、警察庁としては書式が共通しているそういう統計を取っておくべきだと思います。各警察署からそれが上がってきていないから分からないという状況なんです。個々にはやっているんですけれども、全体どうなっているのかということをやはり是非同じ書式の、書式の定まった統計というか、そういうことをやっていただきたいと思いますけれども、いかがですか。
#31
○政府参考人(伊藤哲朗君) DVの関連で警察の方に様々な相談が行われるわけでございますけれども、数につきましては、平成十五年中にこの関係で相談がございましたのは全国で一万二千五百六十八件でございます。
 これに対しまして警察としてどのような措置を取ったのかということでございますけれども、それぞれ、刑罰法令に触れる場合におきましては検挙その他の措置を講ずる、あるいは刑罰法令に触れない場合にありましても、被害者に対する防犯指導、あるいは加害者への指導、警告など、事案に応じて対応しているところでございます。
 数字的なものでございますけれども、私どもの方で相談に対する対応として、例えば、いわゆる被害届、告訴の受理は八百八十一件であったとか、あるいは保護命令制度の説明をして一応御理解をいただいたというようなケースでありますとか、さらには、防犯指導をした、あるいは防犯器具の貸出しをした、パトロールの強化を行うことによって対応したと、それぞれ各警察の方で取りました対応につきましては件数的には把握をしているところでございます。
#32
○岡崎トミ子君 これからもDV被害というのはあるだろうというふうに思います。まだまだ潜在的になかなか表に出てこない問題でもありますので、是非、今後のためにも定まった書式で統計を取っていくということについてお願いをしたいというふうに思います。
 昨年の十月の二日に、「被害者のための正義は日本においてどう実現されるべきか」の第一回のシンポジウムが行われた報告書が出ておりまして、この中には、二十年、三十年さきからこのことにも取り組んでこられたアメリカですとかドイツ、イギリス、そういう例がございます。
 その中に、一つ私が大変印象的だったのは、カナダのエドモントン市の警察のことでございます。被害者援助戦略部という専門的な部署を設けていて様々な取組をしているわけなんですが、特に通信技術を活用して、事件現場にいながらにして最適なサービスを行っているんですね。そこは、役立つ電話番号を被害者に即差し上げるという、特別カードを差し上げるわけなんですが、そこには支援センターの電話番号、かぎ屋さんの電話番号、警察の担当部署、そのほかのサービスを提供する行政機関の電話番号、そして対応した警察官の名前、私が対応したということで名前が分かるカードを被害者自身に手渡したりしているわけなんですね。また、百人以上の被害者の擁護者がいて、深刻なトラウマを負った被害者を擁護するために二十四時間体制で今待機しているという、こういうことがこの中でも紹介されていたんですが、成功したかぎは何かというふうにいいますと、被害者にサービスカードを配付するということをパトロール警察官に対して義務付けていたということと、被害者自身が警察のあらゆる事件の報告書について閲覧できるようになったということが大変効果を生み出すのに役に立ったということがこのシンポジウムでも報告されておりました。
 そこで、是非日本の警察もこうした諸外国の例に倣って、国際基準に一歩でも近づくようなそういう対応、丁寧な現場での対応というのをお願いしたいと思いますが、こうした外国の事例に関して今後どのように取り組まれていくか、お聞きしておきたいと思います。
#33
○政府参考人(安藤隆春君) カナダのエドモント市警察のやっていることにつきまして私も報告書を読ませていただきましたが、その中で、今委員が強調されました、被害者に直ちに警察官の名前が分かるカードを渡すという点は非常に大事な点でありまして、これにつきましては日本でも、全く同じというわけではないんですが、重要な事件が発生しますと、指定被害者支援要員というのをあらかじめ警察署で指定しておりますから、あるいは警察本部で、その者が、例えば、あなたのために私がいます、何でも相談くださいと、こういうようなカードを作って、それで被害者の方、関係者に渡すというようなことはしております。
 もちろん、いろんなことをまた更に進めていく必要があると思いますが、ここで、まず警察庁におきましては、欧米に比べてもちろん遅いかもしれませんが、今から八年前に、今日の被害者対策の重要性というものを認識いたしまして、今から八年前に被害者対策要綱というのを策定しまして、これは全国、警察を挙げてそれ以来犯罪被害者の対策というのを取り組んできました。
 主なものとしては、委員御案内だと思いますが、被害者への情報提供あるいは相談カウンセリング体制の整備とか、さらには捜査過程における被害者の負担軽減の措置、さらに被害者の安全の確保などを推進しておるわけでありますが、とりわけ事件、とりわけ重要な事件として、例えば殺人事件とか性犯罪など、そういう精神的被害の大きい事件が発生した際には、捜査員はもちろん投入されるわけですが、捜査員とは別にあらかじめ指定されました被害者支援担当者、これが全国で約二万一千人ぐらい指定をされております。そのうち女性は三千七百強でありますが、この支援担当者というのは事件発生直後からインターベンションするといいますか、そういう、直ちに動員をされるということで、その者たちがいろんな対策を講じていくと。
 例えば、被害者への情報提供とか事情聴取の立会い、病院の手配、送迎、家族への連絡とか、被害者支援機関の紹介など様々なことをやるわけでありまして、先年、池田小事件というのが大阪で起きたわけですが、あの大事件の際も大阪府警が直ちに、発生三十分後に七名を投入し、更にその後すぐに五十数名を被害者支援要員として投入しまして、これはかなり円滑に進んだというふうに聞いておりますが、そういうことで、これまでも完全とは申しませんけれども、そういうことを警察の方でやってきました。
 したがいまして、委員御指摘の諸外国の事例を更に我々も参考にしつつ、きめ細かな対策を推進するために更なる努力をしてまいりたいと思っております。
#34
○岡崎トミ子君 よろしくお願いいたします。
 次に、厚生労働省に伺いたいと思いますが、精神的に傷付いた被害者の相談に応じていくためには、相応の心構えとスキルが必要だというふうに思っております。カウンセラーの配置と職員に対する十分な研修が不可欠だと考えておりますが、現在どういう措置が取られているか、そしてそれは今後どのように改善していくのか、お伺いします。
#35
○大臣政務官(森岡正宏君) お答えをさせていただきます。
 実は、私は選挙区、奈良でございますんですが、つい先日、誘拐、殺害された有山楓ちゃん事件というのを今抱えておりまして、今一生懸命、警察が全力を挙げて犯人捜しに努力をしてくれているところでございますんですが、十日ほど前に私、葬儀に参列をいたしました。そうしましたら、御両親のショックは大変なものでございました。また、被害に遭われた楓ちゃんのお友達ですね、クラスメート、この人たちも大変ないろいろな異常な症状が出てきているというようなことで、今、岡崎委員御指摘の問題は、私、大変重要な御指摘だと思っているわけでございます。
 そこで、厚生労働省におきましては、犯罪被害者を含む心のケアが必要な方々に対して、地域精神保健施策の中で、保健所又は精神保健福祉センターにおける相談支援を行ってきております。また、地域精神保健活動の質的充実を図ることを目的に、平成八年からPTSD対策に係る専門家の養成研修会を行っておりまして、平成十五年度までに三千五十二名という大変な数の方でございますが、研修を受けられたということでございます。
 さらに、厚生科学研究において、心の健康科学研究としてPTSDに関する研究調査事業を行ってまいりました。今後は、継続して相談支援及びPTSD対策研修会を行うとともに、犯罪被害者関連の研究を行うことについても検討するなど、犯罪被害者等基本法案の趣旨を踏まえて、これからも適切に対処してまいりたいと、このように考えております。
#36
○岡崎トミ子君 心的外傷後ストレス障害というような、事件が起きて、ずっと、しばらくたってから起きてくるものですけれども、PTSD、実はこれも保険が利かないので大変なわけなんですけれども、対策について研究、専門家による育成、大変急務だと思います。
 これもアメリカの例なんですけれども、アメリカの司法省が一九九六年に出した、現場からの新たな指針、二十一世紀の権利と被害者という報告がございますが、この中に、犯罪被害者問題を国の教育制度のあらゆるレベルに取り入れていると。司法と被害者にかかわる専門家や支援提供者が、大学あるいは専門教育の一環として総合的なトレーニングを受けて、そして現場において継続的に学べるようにする、この必要性について指摘をしております。
 専門家の育成について現在はどのような措置が取られていて、それはどのように改善されていくおつもりでしょうか。
#37
○大臣政務官(森岡正宏君) 例えば、PTSDに関する研究調査事業の例といたしまして、心的外傷体験による後遺障害の評価と援助技法の評価、こういう研究をしております。また、外傷ストレス関連障害に関する研究などを行っておりまして、今、岡崎委員が御指摘のように大変重要な問題だと思っておりますので、これからも更に充実させていきたいと思っております。
#38
○岡崎トミ子君 重要だというのは、長期に掛かる、だから大変悩ましい。そのことに関してどこまで支援していけるのかなというふうに思うんですけれども、長期入院が、通院が必要になった場合、入院じゃなく通院ですね、その場合の費用の負担、これを支援者は求めているわけなんですけれども、犯罪被害者の給付金法、これですと、対応にも限界があるのかなというふうに思いますけれども、今どのようになっていますでしょうか。
#39
○政府参考人(安藤隆春君) 警察庁の方では、犯罪被害給付制度を所管しておりますが、この中で同制度につきまして平成十三年のいわゆる犯給法の改正によりまして新たに重傷病給付金の制度が創設されまして、これは重度の傷病又は疾病を負った被害者には三か月を限度としまして保険診療による自己負担相当額を支給するという制度でございますが、これは被害者救済に更に有効なものとなっていると承知しております。
 そこで、PTSDにつきましてもこの新たな制度ができましたので、これら給付金の支給要件を満たす場合には支給対象になり得るものというふうに承知しております。
#40
○岡崎トミ子君 是非そのPTSDというのを、長期に掛かる問題ですので、しっかりと見詰めて援助を続けていただきたいというふうに思います。
 次は、提案者に伺いますが、犯罪被害者の意見の反映、それから透明性の確保というのは大変大事だというふうに思っておりますけれども、この文面では、犯罪被害者等の意見を施策に反映させるための制度等を整備する等必要な措置を講ずる、これは国と地方公共団体に求められておりますけれども、これはどのような制度と措置というのを想定しておりますでしょうか。
#41
○衆議院議員(上川陽子君) 犯罪被害者等のための施策ということで、それを実行あらしめるための一つの考え方として犯罪被害者の皆さんの視点に立った施策を実現していくということがあろうかと思います。この基本法につきましても、一貫して犯罪被害者の皆さんの視点に立ったということを織り込もうということで立案をしてきたところでございます。
 そこで、この二十三条でございますが、改めてここに犯罪被害者等の意見を聞く機会を確保するなど、施策に犯罪被害者等の意見を反映させるための制度を整備するというところの規定を設けさせていただいております。
 そこで、具体的なことでございますが、本法案の第八条に犯罪被害者等基本計画の策定、あるいは具体的な政策の立案実施におきましては、犯罪被害者の皆さんの意見を聞く制度を設ける等の政策が考えられるというふうに思っております。さらに、先生御指摘でございますが、被害者の皆さんのニーズを政策に反映するために、その支援に当たられる皆さんの参加ということについても十分に考えているのかということでございますけれども、この点につきましては第二十七条の第一項第二号におきまして犯罪被害者等施策推進会議の委員となり得る皆さんの資格といたしまして、犯罪被害者等の支援等に関し優れた識見を有する者ということで挙げさせていただいております。
 具体的に申し上げますと、犯罪被害者等に対し援助を行っている民間の団体の皆さん、あるいは犯罪被害者学を専門としている学識経験者の皆さん、あるいは犯罪被害者等への精神的カウンセリングに従事していらっしゃる、先ほど御指摘、挙がりましたPTSD等医療関係者の皆さん、あるいは犯罪被害者等の援助に精通していらっしゃる弁護士の皆さんなどが委員として参画できるような仕組みにさせていただいております。また、犯罪被害者の、犯罪に遭われた被害者の当事者の皆さんにつきましても犯罪被害者等の支援等に関し優れた識見を有する方であるとするならば、こちらの方にも委員として是非御参加をいただくということで規定をさせていただいているところでございます。
#42
○岡崎トミ子君 ありがとうございます。
 そして、提案者に続いて伺いたいのは、透明性の確保なんですが、国と地方公共団体が様々なことを行うときに、この透明性の確保というのは民主党が最も重視している点の一つでありますけれども、この法案についての透明性の確保に関する規定は法案の成立に向けた与野党の真摯な協力でこれが加えられたというふうに聞いておりますけれども、この規定の趣旨はどこにあって、その趣旨が生かされるためにはどういった運用が必要とお考えでしょうか。
#43
○衆議院議員(泉房穂君) 正に議員御指摘のとおり、透明性の確保は極めて重要であります。より良き内容の施策を実施していくためには、手続における透明性の確保が不可欠だからであります。特に、特段この分野、犯罪被害者の分野につきましては、正に犯罪被害者の当事者また支援者の方々の御意見をできる限り反映していく、このことが極めて重要であろうと認識しております。
 具体的には、議事録の公開やホームページなどを通じての情報の提供は当然のことといたしまして、さらにパブリックコメントの実施、また説明会の実施などなど、各種の透明性の確保のための施策が予定されていると理解いたしております。
#44
○岡崎トミ子君 ありがとうございます。
 時間が迫ってまいりましたので、ちょっと質問を飛ばすことになって大変申し訳ございませんが、法務省に伺っておきたいと思いますが、犯罪被害者の方々の司法への参加なんですが、被害者が不幸にして亡くなった場合の遺族への司法の参加、これが大きな論点になってきたと思います。被害者の参加というのは、被害者の心の傷が回復するきっかけ、回復のプロセスになっているということ、真相究明が深まるということ、それから加害者自身が罪の意味を理解して立ち直ることにもつながっているということがございます。
 こうした効果というのは、実はこれまでも国際刑事裁判所や、それぞれアフリカあるいは東ティモールで行われた真実和解委員会でも大切にされてきた点でございますが、この被害者の切実な声に耳を傾けて、適切な制度の設計によってより豊かな司法関係、司法制度になるというふうに思いますので、関係者の努力をお願いしたいと思います。
 諸外国では、被害者の方が、傍聴席で、裁判所で直接意見を言うということが可能だということも聞いてちょっとびっくりいたしましたけれども、まあそういうふうに努力している国もあるのかなということで、司法への参加についてはどのようになっておりますでしょうか。
#45
○副大臣(滝実君) 諸外国の例も今お聞きしたところでございますけれども、これは法務省としましては、平成十一年の四月から、被害者に対しまして、できるだけ司法手続への参加ということも念頭に置きながら、通知制度というものを始めております。それは、事件の処理結果あるいは裁判の公判期日あるいはその結果、そういうものを通知しようと、こういうことをやってきているわけでございます。
 その一方で、今委員から公判における参加につきましての御意見ございましたけれども、被害者保護法におきまして、一定の場合には直接そこで被害者が意見の陳述ができると、こういうような制度も既に法的に講じられているところでございまして、私どもとしては、これからも、この被害者基本法の成立後における基本計画の策定に当たりまして、こういった点を考慮しながら参画をできるような方法を更に検討してまいりたいというふうに存じております。
#46
○岡崎トミ子君 真相究明と、理不尽にその被害を受けてしまって、それの責任は自分でないということを証明したいというのは被害者の気持ちだろうというふうに思っておりまして、司法に参加するということは大変重要なことだというふうに思っております。そのことが被害者自身の痛みというものをいやす意味でも大変重要だと、これまでにもそうした要請があったこと、そして長い時間にわたって被害者の意識とか無意識のレベルにおいて苦しみ続けることが少しでもいやされるように、是非お願いをしたいと思っております。
 もう本当に一問しか残されておりませんので、再発防止について警察の方に最後に伺っておきたいと思います。よくお礼参りというようなこと、怖いというようなことがございますけれども、こうした安全を確保するということが大変大事だと思いますので、その安全対策に万全を期していただきたいというふうに思いますが、その点についていかがでしょうか。
#47
○政府参考人(安藤隆春君) 委員御指摘の再被害防止のための被害者の安全対策というのは極めて重要であると我々も認識しております。
 現在、警察では、被害者との連絡を密にしまして必要な助言を行うとともに、状況に応じまして自宅や勤務先における身辺警戒とかパトロール等の強化、さらには緊急通報装置の貸出しなど、様々な再被害防止措置を講じているところでありますが、さらに平成十三年には再被害防止要綱というものを制定いたしまして、継続的な再被害防止措置を講じる必要がある被害者の方に対しまして、再被害防止対象者というカテゴリーに指定しまして再被害の防止のための諸施策を強化しているところであります。引き続き、この要綱に基づきます防止措置を更に講じていく所存でございます。
#48
○岡崎トミ子君 最後に一言。
 こうした犯罪の被害者に対してきちんと支援をするということだけではなくて、犯罪が起きる状況についての警察庁における犯罪の原因の究明、研究ですね、なぜこの犯罪が起きたのかという、そこの研究というのが大変これから重要になってまいりますので、犯罪防止施策の強化、大前提だという認識に立って警察は頑張っていただきたいというふうに思います。
 提案者の皆さん、ありがとうございました。
#49
○黒岩宇洋君 無所属の黒岩でございます。
 本当に、今回の法案提出されました提案者の皆様の御努力にまずは敬意を表させていただきます。
 時間十分しかありませんので、私は二点について今日御質問しようと思っております。
 まず一点目なんですけれども、いわゆる犯罪被害者に対するマスコミ報道による二次被害というものがございます。これは実は大変面倒な問題でございまして、確かにマスコミの言論の自由という点もございますけれども、今回この第六条、国民の責務という項目でございますけれども、生活の平穏を害することのないよう十分な配慮をするというこの責務が述べられております。当然マスコミにも私はこの責務が掛かると思っておりますが、具体的にはどういった責務であると提案者はお考えか、お聞かせください。
#50
○衆議院議員(上川陽子君) 先生の御指摘、マスコミの二次被害ということでございますけれども、これ第六条の国民の中に含めさせていただいてまいりました。国民というのも自然人と法人を意味しているわけでございまして、報道機関も法人という形でこの国民の中に入るという認識でございます。御指摘のとおりでございます。
 それで、本当に犯罪被害者の皆さんの直接的な心身の被害等、さらに、それに加えて二次被害、とりわけ報道による被害ということについては大変深刻なものがあるということでございます。この二次的な被害をしっかりと防止をしていくということで、皆様の名誉あるいは生活の平穏を保護する必要があるのではないかということでございます。
 しかし、先生も御指摘のとおり、報道の自由ということでございますけれども、国民の皆さん自身も重要な判断の資料を提供されたり、あるいは知る権利に奉仕するという意味で報道機関の役割もあるということでございまして、このバランスというのが非常に大きな課題だというふうに認識しております。
 本法案におきましては、特に一般の事業者や法人と区別する形で報道機関というのみを限定して記載するということはいたしておりませんけれども、しかし、報道機関による二次被害の現状が本当に国民の皆様の中にも広く認識されるようになってきておりまして、そのことも十分に報道機関の皆さんもそのバランスのことについてしっかりと取り組んでいくということについては、これまで以上に責任のある対応をすべきであるというふうに思っているところでございます。
 今後、施策の中でいろいろな場面があろうかと思いますけれども、自主的にしっかりと万全の取組をしていただけるものと、また、この法案の趣旨、法案がそのことに対して影響を及ぼしていくというふうに思っております。
#51
○黒岩宇洋君 本当、大変難しいとは思うんですよね。
 ただ、本当に様々なところで報道による、本当に殺人事件の後に殺された方の個人の尊厳が傷付けられたりと。例えば、三年前のビルの事件、これは例えばワールド・トレード・センターと時を同じくして、新宿の雑居ビルが燃やされて亡くなったと。ワールド・トレード・センターで亡くなられた方、大変痛ましく、そして尊い命だったという、当然なんですけれども、雑居ビルで亡くなられた方は、その後の報道によって、葬儀すら開けなかったと、これは風俗店が入っていたという、こういったことがあるわけです。
 ですから、現実には非常に平穏な生活を送ることが難しいという事実があるという、この点で、これ難しいですけれども、内閣府の永谷官房長、お聞きしたいんですが、やはりこの第六条で国民の責務とうたい、そして第四条に国の責務ということがございます。やはりこの平穏な生活を送るための具体的な施策というものをどうお考えか、お答えください。
#52
○政府参考人(永谷安賢君) 私ども内閣府におきましても、この新しい法律ができました暁には、正にこの法律の中心事務であります犯罪被害者等施策推進会議を設置するとか、あるいはその会議を通じて基本計画を策定していくという非常に重要な役割を担わさせていただくことになっております。
 実は、私どもはいろいろ、いろんな広範な仕事をやっているんですけれども、この分野につきましてはある意味では全く初めての、初めて手掛ける分野でありまして、言わばゼロからのスタートということであります。そういう中でありますけれども、犯罪被害者の支援ということで、どういうことをやっていけばいいのかというのをその基本計画の策定等を通じて考えていきたいというふうに考えております。
 今、黒岩先生がおっしゃいましたマスコミによる二次被害者に対する施策ということでありますけれども、これはもう御案内のとおりでありますけれども、その法文上明確な規定がないという部分であります。具体的にどのようなことができるのかということにつきまして、これから勉強させていただければと、各省ともいろいろお話をさせていただく中で勉強させていただきたいというふうに思っております。
#53
○黒岩宇洋君 今おっしゃったように、一からということなんで大変なことだと思いますけれども、是非、政策会議の中で委員にも例えばマスコミ関係者を入れるとか、そういった相互連携を図っていただきたいと思います。
 急がしてもらいます。
 次に、やはりいざ刑法犯によって人が亡くなったといったときに重要なことはお金でございます。いわゆる犯給法なんですが、提案者にも手短にお聞きします。今までこの犯給法はお見舞い的な性格だったと思うんですけれども、やはり今回の基本的な理念を受けまして私は権利的性格になるんだと、そう認識しておりますけれども、提案者としてはいかがお考えでしょうか。
#54
○衆議院議員(上川陽子君) 今先生御指摘のこの犯給法、見舞い的な性格だったというような御指摘でございまして、今回の基本法で直ちにこの見舞い的な性格が変わるというものでは必ずしもないというふうに思っておりますけれども、そのことの、これからのその経済的な支援の在り方につきましての根本的な問題も含めまして、今度の推進会議、また基本計画の中でしっかりと御議論いただけるものというふうに思っております。
#55
○黒岩宇洋君 これ十三条でしっかり、給付金の支給にかかわる必要な、充実の必要な措置を講ずると、こうありますんで、これ所管官庁の警察庁にお聞きしますけれども、現在この犯給法ですね、要は刑法犯で亡くなった方、例えば平成十四年ですと千三百六十八名いらっしゃると。このうち過失犯は除かれますと。加えて、親族による、これ殺人は四割が親族による犯罪ですから、これを除いていくと。こうやって計算していきますと、約六百余名の方が本来この犯給法の支給に対象者になると私推計したんですけれども、翌平成十五年、この申請に手を挙げた遺族給付金の申請者の数は三百人に足りません。要は、半分の方が申請していないという、私大変これ意外だと思っておるんです。
 というのは、ほとんど加害者から損害賠償請求し、お金をもらうことが難しいという、この点からこの犯給法もできておると聞いておりますし、そのほか労災等公的給付を受ける方というのもそう数が多くないと私は推察しておるんですけれども、なぜこれほど申請数が少ないのかというこの点と、あわせて、やはりその拡充といいますから、今の犯給法、確かに平成十三年改正されましたけれども、例えば二十八歳の生計を担うお父さんがちっちゃなお子さんを抱えながら、いざ殺されましたと。そこで払われる最高額は八百九十七万円。これではやはりお見舞い的なものでしかなく、その後の何十年とした家族の平穏な被害者の生活というものは私は確保されないと思っております。
 このことも含めて、警察庁として、今法案を受けての拡充、犯給法についての拡充についてどうお考えか、お聞かせください。
#56
○政府参考人(安藤隆春君) 第一点の御質問につきましては、正確なデータを今手持ちではございませんが、故意の犯罪行為により死亡した被害者数は年間約千五百名と承知しております。
 そこで、ここからその犯給法の対象者がどれぐらいかということでありますが、この千五百の被害者のうち、大体親族犯による被害者である場合、これが全体の約四割ぐらいが該当するわけでありますが、これを差し引き、それからさらに被害者が帰責性を有する場合、責任があると、あるいは被害者の遺族が損害賠償を受領した場合とか、あるいは被害者の遺族が他の公的給付から受給した場合など等は、御案内のとおり、原則としてこの給付金の支給対象にならないということで、どうしても被害者の数というのは、ちょっと正確な数字、今手持ちありませんが、そういうふうに限定をされていくということでございます。
 なお、被害者の方といいますか、国民の方がこの制度を知らないことによって申請をする機会を逸する、こういうこともあってはいけませんので、これはもう随分前からでありますが、警察の方では被害者の手引というものを作成しまして、制度の普及といいますか、そういうことを努力をしております。
 二点目の御質問でございますが、先ほども本制度、犯罪被害給付制度の性格について御議論がありましたが、これは私どもも、もちろんこの性格につきましてはいわゆる見舞金的な性格を有するものであるということで認識をして運用をしてまいっております。さらに、しかし、それは昭和五十六年以来施行していろいろ運用しているわけですが、平成十三年の法改正によりまして、これも完全とは申せませんかもしれませんが、先ほど言いましたように、重傷病給付金の創設とか、あるいは支給対象の拡大など、かなりこれ、抜本的な見直しが行われておりまして、被害者救済に更に有効なものとなっていると、こういうふうに考えております。
 そういう中で、今回の犯罪被害者等基本法の制定ということに相なったわけでありますが、我々としましては、もちろんこの犯罪給付制度の性格というものを踏まえつつ、今回の法制定の趣旨も踏まえて、被害者の一層の救済に資するよう、その在り方などにつきまして更なる検討をしてまいりたいと思っております。
 以上でございます。
#57
○黒岩宇洋君 終わります。
#58
○近藤正道君 無所属の近藤正道でございます。
 私も、冒頭、この後れている日本の犯罪被害救済に向けて、今回、議員立法という形で提案をされたわけでございますが、関係の皆さん、提出者の皆さんの御努力に心から敬意を表したい、こういうふうに思います。
 その上で、時間がありませんので、四点ほど簡潔にお尋ねをしたいというふうに思います。
 最初は確認でありますが、この法案の第二条に犯罪被害者等、この定義規定がございます。
 この犯罪被害者等の範囲についてお尋ねをいたしますが、この犯罪被害者等というのは日本の国籍を有する者に限定されるのか、そうでないのか、お尋ねをしたいと思います。
#59
○衆議院議員(泉房穂君) お答えいたします。
 第二条でありますが、「「犯罪被害者等」とは、犯罪等により害を被った者及びその家族又は遺族をいう。」と記載しておりまして、特に国籍による限定等は付けておりませんので、日本国籍の有無を問わず支援対象になると理解しております。
#60
○近藤正道君 第十八条に、刑事に関する手続への参加の機会を拡充するための制度を整備すると、こういうふうに規定をされております。結構な制度、方向だというふうに思いますが、この点につきましては随分議論がありまして、全国犯罪被害者の会等はこれを非常に高く評価をしておりまして、積極的にこれを推し進めるべきであると。犯罪被害者の当事者としての刑事手続に参加の機会を積極的に保障すると。被告人と同様の権利の行使を認めようと。さらに、検察官から独立して、場合によっては訴因の設定なども可能にすべきだと、こういうふうに言っております。
 一方、日本弁護士連合会あるいは単位弁護士会の幾つかでは反対に、これに対して非常に消極的あるいは慎重論が非常に強いと。つまり、参加を積極的に認めると近代刑事法の大原則、当事者主義の訴訟構造に真っ向から反することになる、あるいは無罪推定の規定に抵触をする可能性がある、あるいは、近く裁判員制度、これが導入されるわけでありますが、そこで裁判員等への心証形成にいろんな悪影響を及ぼすんではないかと、こういうことで慎重な態度を取っている。
 一方、法務省はこれを今どういうふうな方向にするのか検討をしていると。
 百家争鳴の感あるわけでありますが、立法者として、あるいは提出者としては、この参加の拡大というものをどの程度のところまで考えておられるのか、この際明確にしていただければ有り難いと、こういうふうに思います。
#61
○衆議院議員(上川陽子君) この十八条の刑事に関する手続への参加の機会を拡充するための制度の整備ということについては、先生の御指摘のとおり大変大きな問題を、問題というか課題というふうに考えておりますが、この基本法の中にも設けさせていただきました。今回、今現在認められている、今制度そのものについては、平成十二年の刑事訴訟法の改正で、例えば意見陳述をするということについて認められるということでございまして、これは当事者、事件の当事者である犯罪被害者の皆さんの関与ということが制度的に認められたというわけでございます。
 こうした立場で、さらに、現在の制度がどの程度犯罪被害者の立場や心情に配慮して運用ができるのかということについて検討をすると同時に、例えば、ドイツ等で今認められています、犯罪被害者が刑事に関する手続に参加するための制度を新たに導入するかどうかと、こういうことにつきましても、犯罪被害者の皆さんの御要望も踏まえ、また同時に、今ある、私、日本の訴訟制度ということについても十分に議論がなされるというふうに考えております。
 いずれにしても、この基本法の中で犯罪被害者等施策推進会議において、この基本的な項目につきましても、基本計画に盛り込むべく課題を想定し、設定し、そしてその実現に向けて議論していくということでございますので、是非その基本計画に盛り込んでいただけるところあるいはそうでないところのしっかりとした議論を踏まえた上での対応になろうかというふうに思っております。
#62
○近藤正道君 ちょっと抽象的な質問でありますが、皆さんは、いわゆる、先ほど来私が説明をいたしましたが、積極論と消極論、慎重論があるんですが、基本的にどちらの立場に立つんですか。
#63
○衆議院議員(上川陽子君) 二つに対極で分けるというわけにはございませんけれども、前向きに手続の中に参画をしていただけるような方向を是非検討していただけるものと期待しております。
#64
○衆議院議員(泉房穂君) 補足いたしまして、消極、積極と申しますが、その両立は可能ではなかろうかと考えております。被害者の手続参加を拡充しつつ、かつ危惧を払拭するというふうな道はあり得るだろうと考えております。
#65
○近藤正道君 第二章で犯罪被害者のための施策、これが十一条から二十三条までかなりきめ細かく盛り込まれております。評価をさせていただきますが、こういう犯罪被害者のための施策というのは、ある意味では、女性に対する暴力、あるいは性犯罪、DV、そして虐待等児童に対する犯罪等でかなり先行的に行われていると、こういうふうに考えております。
 そこでお尋ねをいたしますが、この犯罪、今回の基本法と、この女性あるいは児童に対する被害者救済に関する規定というのは基本的にどういう関係になるのか、これが一点。
 で、もう一つは、この基本法の制定によって、今の、先ほど来議論がいろいろありましたけれども、女性に対する暴力あるいはDVあるいは児童虐待等々の、女性や児童に対する犯罪被害者救済というのが更に促進されるのかどうか、皆さんのお考えをお尋ねしたいと思っております。
#66
○衆議院議員(宇佐美登君) 近藤議員は弁護士でもあられますので、この分野についてもお詳しいと思っておりますので、簡潔にお答えしますけれども、今回、施策の対象を犯罪等により被害を被った方としておりますので、この中にはいわゆるDV防止法や児童虐待法の被害者等も含んでいるということでございます。
 今回の、これまでに先行的に行われている個別の法律の対象となる被害者も先ほど申し上げたように包括しているわけでございまして、一般的な犯罪被害者等についての施策も今回規定をすることによって、つまり包括的に含んでいるということが第一点。
 二点目の質問でございますけれども、今回の基本法が制定されることによって、それらの被害者、潜行的な女性被害者、DVによる被害者、児童虐待、児童犯罪の被害者に対しての施策についても、なお一層、役所言葉でありますけれども、なお一層促進されるものと我々提案者としても考えています。
#67
○近藤正道君 是非お願いをしたいと思います。
 近く人身取引を規制する処罰の規定も行われますんで、そういう立法作業の中でも、この基本法の趣旨、理念がきちっと生かされるように要望しておきたいというふうに思っております。
 最後でありますけれども、先ほど黒岩議員の質問の中にもありましたけれども、第三条で、この個人の尊厳にふさわしい処遇を保障される権利、この主体として犯罪被害者が位置付けられたと。言い換えれば、政府には個々の被害者を守ると、きちっと守る義務があると、こういうふうに私はなったというふうに思うんですね。
 そういうふうになれば、私は、先ほどの黒岩議員の質問の関連でありますが、従来の犯罪被害者等給付金、これを見舞金というふうに規定するのはやっぱりどう考えてもおかしいんではないか。先ほど提出者の方では、直ちに見舞金の性格を脱するものではないというお話がありましたが、これはやっぱり、明確にやっぱり権利として位置付けられるべきであると、この点が一点。それと、やっぱり給付金の金額の拡大、そして対象範囲は拡大されるべきである、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。最後です。
#68
○衆議院議員(上川陽子君) 先ほどの黒岩委員の御指摘のところでお答えいたしましたけれども、平成十三年の法改正で拡充がなされたということでございますが、まだまだ被害者の皆さんのお立場から見るとその制度のそのものにいろいろな問題があるということも要望の中で明らかになっております。
 その制度の充実をしっかりと図っていくということが非常に大事だと思いますし、また先ほど、制度そのものもまだ知られていないので十分に活用されていないというような実態もございます。そうしたことも徹底して、十分に活用していただけるようにしていくということが大事かというふうに思っております。
 また、経済的な負担の軽減策としては、この犯罪被害者等給付金制度のほかにも同様の制度を地方公共団体等が独自に設けているという事例もございまして、そういった国、あるいは地方公共団体、あるいは民間のいろんな活動の中でサポートをしていくことをこの基本法の精神にのっとって進めていくべきじゃないかというふうに思っております。
 いずれにしましても、経済的負担を軽減するということについては大きな目的でございますので、この推進会議におきまして、その拡充も、充実等も含めまして、また新しい制度の問題も含めまして検討をしっかりしていただきたいというふうに提案者としても考えております。
#69
○委員長(高嶋良充君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 犯罪被害者等基本法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#70
○委員長(高嶋良充君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#71
○委員長(高嶋良充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 御苦労さまでした。
    ─────────────
#72
○委員長(高嶋良充君) 次に、金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提出者衆議院内閣委員長松下忠洋君から趣旨説明を聴取いたします。松下委員長。
#73
○衆議院議員(松下忠洋君) ただいま議題となりました金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 まず、本案の趣旨について御説明申し上げます。
 最近、親族を装うなどして電話を掛け、交通事故の示談金等の名目で現金を要求し、指定した預貯金口座に現金を振り込ませてだまし取る、いわゆるおれおれ詐欺や、架空の事実を口実として金品を要求する文書等を送付するなどして金品をだまし取る詐欺事件等が多発しております。
 これらのいわゆるおれおれ詐欺等の事件は、犯行形態がますます巧妙化しつつあるとともに、被害総額は本年に入ってから既に百数十億円にも上っております。
 そして、これらの犯罪の多くの場合において、振り込み先として他人名義の売買口座等が悪用されており、また、ホームページ等に口座売買の宣伝広告がはんらんしている状況にあることから、不正な口座売買やその勧誘行為等を規制することが急務となっております。
 そこで、このような状況に対処するため、本案を提案した次第であります。
 次に、本案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、法律の題名を「金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律」に改めるとともに、目的規定に「預貯金通帳等を譲り受ける行為等についての罰則」を定める旨及び「預金口座等の不正な利用の防止」を図る旨を追加することとしております。
 第二に、他人に成り済まして預貯金契約に係る役務の提供を受けること等を目的として、預貯金通帳等の譲受け等をした者及び相手方に当該目的があることの情を知って、その者に預貯金通帳等の譲渡し等をした者等について、五十万円以下の罰金に処することとするとともに、業としてこれらの罪に当たる行為をした者は、二年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科することとするほか、これらの罪に当たる行為をするよう人を勧誘等した者も五十万円以下の罰金に処することとしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行することとしております。
 以上が、本案の趣旨及び内容であります。
 本案は、去る十一月二十四日、衆議院内閣委員会提出の法律案とすることに決し、翌二十五日、衆議院本会議で可決したものであります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
 以上でございます。
#74
○委員長(高嶋良充君) 以上で本案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ─────────────
#75
○委員長(高嶋良充君) 次に、発達障害者支援法案を議題といたします。
 提出者衆議院内閣委員長松下忠洋君から趣旨説明を聴取いたします。松下内閣委員長。
#76
○衆議院議員(松下忠洋君) ただいま議題となりました発達障害者支援法案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 まず、本案の趣旨について御説明申し上げます。
 自閉症を始めとした発達障害者に対しては、社会的な理解が十分でなく、発達障害者及びその保護者は大きな精神的負担を強いられており、その支援は喫緊の課題であります。
 そこで、発達障害者の心理機能の適正な発達及び円滑な社会生活の促進のために、発達障害症状の発現後、できるだけ早期に発達支援を行うことが特に重要であることにかんがみ、発達障害者の自立及び社会参加に資するようその生活全般にわたる支援を図ることを内容とする本案を提案した次第であります。
 次に、本案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、発達障害の定義を定めるとともに、国、地方公共団体及び国民の責務を明らかにすることとしております。
 第二に、児童の発達障害の早期発見、早期の発達支援、保育、教育等に関し必要な施策について定めることとしております。
 第三に、都道府県知事は、発達障害者支援センターを指定し、発達障害者に対する支援業務を行わせることができることとし、その業務の内容を定めることとしております。
 第四に、国及び地方公共団体は、発達障害者支援を行う民間団体に対して支援を行うとともに、国民に対する啓発を行うこととしております。
 なお、この法律は、平成十七年四月一日から施行することとしております。
 以上が、本案の趣旨及び内容であります。
 本案は、去る十一月二十四日、衆議院内閣委員会提出の法律案とすることに決し、翌二十五日、衆議院本会議で可決したものであります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
 以上でございます。
#77
○委員長(高嶋良充君) 以上で本案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 次回は明十二月一日午後一時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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