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2004/10/20 第161回国会 参議院 参議院会議録情報 第161回国会 予算委員会 第2号
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2004/10/20 第161回国会 参議院

参議院会議録情報 第161回国会 予算委員会 第2号

#1
第161回国会 予算委員会 第2号
平成十六年十月二十日(水曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月十五日
    辞任         補欠選任
     齋藤  勁君     山本 孝史君
 十月十九日
    辞任         補欠選任
     大野つや子君     沓掛 哲男君
     山本 孝史君     林 久美子君
     風間  昶君     魚住裕一郎君
     紙  智子君     市田 忠義君
 十月二十日
    辞任         補欠選任
     前田 武志君     工藤堅太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中曽根弘文君
    理 事
                阿部 正俊君
                椎名 一保君
                野上浩太郎君
                舛添 要一君
                若林 正俊君
                池口 修次君
                小川 勝也君
                福山 哲郎君
                荒木 清寛君
    委 員
                秋元  司君
                浅野 勝人君
                泉  信也君
                市川 一朗君
                岩永 浩美君
                大仁田 厚君
                岡田  広君
                沓掛 哲男君
                世耕 弘成君
                関口 昌一君
                田村耕太郎君
                中島 啓雄君
                長谷川憲正君
                松村 龍二君
                山崎  力君
                山谷えり子君
                犬塚 直史君
                小川 敏夫君
                大久保 勉君
                大塚 耕平君
                工藤堅太郎君
                小林 正夫君
                主濱  了君
                辻  泰弘君
                白  眞勲君
                林 久美子君
                平野 達男君
                前川 清成君
                前田 武志君
                水岡 俊一君
                魚住裕一郎君
                福本 潤一君
                山本 香苗君
                市田 忠義君
                大門実紀史君
                福島みずほ君
   国務大臣
       内閣総理大臣   小泉純一郎君
       総務大臣     麻生 太郎君
       法務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(青少年
       育成及び少子化
       対策))     南野知惠子君
       外務大臣     町村 信孝君
       財務大臣     谷垣 禎一君
       文部科学大臣   中山 成彬君
       厚生労働大臣   尾辻 秀久君
       農林水産大臣   島村 宜伸君
       経済産業大臣   中川 昭一君
       国土交通大臣   北側 一雄君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策))  小池百合子君
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (内閣府特命担
       当大臣(男女共
       同参画))    細田 博之君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        村田 吉隆君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  大野 功統君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        伊藤 達也君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    竹中 平蔵君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革、産業再生機
       構))      村上誠一郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(科学技
       術政策、食品安
       全))      棚橋 泰文君
   副大臣
       内閣府副大臣   七条  明君
       内閣府副大臣   西川 公也君
       内閣府副大臣   林田  彪君
       防衛庁副長官   今津  寛君
       法務副大臣    滝   実君
       外務副大臣    谷川 秀善君
       財務副大臣    上田  勇君
       文部科学副大臣  塩谷  立君
       厚生労働副大臣  西  博義君
       農林水産副大臣  常田 享詳君
       経済産業副大臣  小此木八郎君
       経済産業副大臣  保坂 三蔵君
       国土交通副大臣  岩井 國臣君
       環境副大臣    高野 博師君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        江渡 聡徳君
       内閣府大臣政務
       官        木村  勉君
       内閣府大臣政務
       官        西銘順志郎君
       防衛庁長官政務
       官        柏村 武昭君
       総務大臣政務官  山本  保君
       法務大臣政務官  富田 茂之君
       外務大臣政務官  小野寺五典君
       外務大臣政務官  福島啓史郎君
       財務大臣政務官  段本 幸男君
       文部科学大臣政
       務官       下村 博文君
       文部科学大臣政
       務官       小泉 顕雄君
       厚生労働大臣政
       務官       藤井 基之君
       農林水産大臣政
       務官       加治屋義人君
       経済産業大臣政
       務官       平田 耕一君
       経済産業大臣政
       務官       山本 明彦君
       国土交通大臣政
       務官       伊達 忠一君
       環境大臣政務官  能勢 和子君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  阪田 雅裕君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村松  帝君
   政府参考人
       司法制度改革推
       進本部事務局長  山崎  潮君
       内閣府政策統括
       官        柴田 高博君
       防衛庁防衛局長  飯原 一樹君
       防衛施設庁長官  山中 昭栄君
       総務省自治行政
       局選挙部長    高部 正男君
       法務大臣官房司
       法法制部長    寺田 逸郎君
       法務省刑事局長  大林  宏君
       法務省入国管理
       局長       三浦 正晴君
       外務省北米局長  海老原 紳君
       厚生労働省厚生
       労働審議官    辻  哲夫君
       厚生労働大臣官
       房長       鈴木 直和君
       厚生労働省職業
       安定局長     青木  功君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   上村 隆史君
       厚生労働省保険
       局長       水田 邦雄君
       厚生労働省年金
       局長       渡辺 芳樹君
       厚生労働省政策
       統括官      井口 直樹君
       社会保険庁運営
       部長       青柳 親房君
       国土交通省河川
       局長       清治 真人君
       国土交通省港湾
       局長       鬼頭 平三君
   参考人
       日本銀行総裁   福井 俊彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○予算の執行状況に関する調査
    ─────────────
#2
○委員長(中曽根弘文君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の執行状況に関する調査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(中曽根弘文君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#4
○委員長(中曽根弘文君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の執行状況に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁福井俊彦君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(中曽根弘文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(中曽根弘文君) 予算の執行状況に関する調査についての理事会決定事項について御報告いたします。
 本日の質疑は総括質疑方式で行い、質疑割当て時間は百三十九分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党五十九分、民主党・新緑風会五十六分、公明党十三分、日本共産党七分、社会民主党・護憲連合四分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
#7
○委員長(中曽根弘文君) 予算の執行状況に関する調査を議題といたします。
 それでは、これより質疑を行います。小川勝也君。
#8
○小川勝也君 おはようございます。民主党・新緑風会の小川勝也でございます。
 参議院選挙が終わってから初めての国会がやっと開かれました。この臨時国会でのこれまで決まりました日程によりますと、民主党・新緑風会からは八人の質疑者を立てて、小泉総理始め閣僚の皆さんに厳しく様々な観点から問いただしてまいりたいというふうに思っています。
 まず、総理にお伺いをしたいわけでありますが、昨年の総選挙に引き続きまして、今年行われました参議院選挙、特に比例部分で、民主党二千二百九万余、自由民主党二千六十六万余、民主党が衆議院選挙に引き続いて比例で第一党になったという結果でございます。これは言うまでもなく小泉政権が誕生してから行われた衆議院選挙、参議院選挙でございます。小泉政権に対する期待度だけではなく、実績評価を国民が下した選挙でもあったわけでありますが、率直なその感想をお伺いをしたいと思います。
#9
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 昨年の衆議院選挙では、おかげさまで自由民主党単独で過半数の支持を獲得する、議席を獲得できたと。連立の協力パートナーであります公明党と合わせて安定多数の議席を国民が与えてくれたと。有り難いことだと感謝しております。その一方、民主党が野党として存在感を示され、野党の中では躍進されたと。野党の議席を集めることによって民主党がかなり躍進されたと。
 参議院選挙におきましても、自由民主党が目標と掲げた五十一議席を一議席下回りましたけれども、五十議席を獲得し、公明党との連立パートナー全体として安定多数の議席を引き続き国民が与えてくれたと。一方、民主党は、参議院におきましても、野党としてこれから政権を獲得しようとする意欲を示されまして、野党全体の中では、野党としてもっとしっかりしてくれと、頑張ってくれというような国民の声もあったんだと思います。野党全体として民主党の議席も伸ばしたと。
 そういうことで、自由民主党もこれからおちおちできないぞと。民主党が単なる反対、批判政党ではないと。政権交代の意欲を持って、建設的な提言もどしどし出して、政権交代としての可能性のある政党として頑張ってくれという、そういう声が野党と、中でやっぱり民主党に期待するという声もあったんだと思います。
 そういう面においては、共産党が大幅に議席を減らした中、その分を民主党が獲得したという面もありますが、自由民主党も民主党と政策論争、堪え得るような体制を取って、引き続き政権交代しないためには自由民主党がもっとしっかりしなきゃいかぬと。また、民主党も政権交代の意欲があるようなところを見せることによって政党政治が進展していくのではないかと。
 私どもしては、これまで進めてきた改革路線を実行して、引き続き政権政党としての責任を果たしていかなきゃならないと。国民の声にも耳を傾けると同時に野党である声も耳を傾けて、より良い政治を目指して頑張っていきたいと思います。
#10
○小川勝也君 総理が初めて総理大臣になられたときは国民が大きな拍手喝采をいたしました。私どもも参議院本会議で初めての演説を聞いたときに若干感動いたしました。そのときは、やはり総理の発言が歯切れが良くて分かりやすかったんですね。ところが、昨日、おとといの衆議院の予算委員会の答弁を聞いていますと、ああ、総理もここまで来ちゃったかという感想です。
 それで、参議院選挙だけ取りますと、自由民主党はあの本当に頼りになる援軍の公明党の皆さんにたっぷり協力していただいて四十九議席、私ども民主党は単独で五十議席です。これはしっかりと受け止めるべきだと思います。
 さて、私どもは何を訴えたいかといいますと、衆議院選挙、参議院選挙と私どもはマニフェストを掲げて戦いました。いよいよ、野党だからといって内閣の揚げ足を取るだけではなくて、政策でしっかりと戦っていくんだぞ、民主党が政権取ったらこういう世の中にするんだという、そういう選挙の戦い方をいたしました。いよいよ、我々はそういう国会論争を目指して戦ってきたわけでありますが、残念ながら、今国会は政治と金の問題、スキャンダルの問題、引き続き追及せざるを得ません。
 そんなことも含めて質問をさせていただきますが、ちょっと台風が接近しているようであります。今日も異例の三チャンネルでの放映ということであります。台風の通り道、九州から日本列島を縦断するようでありますので、お近くにお住まいの方々は十二分に気を付けていただきたいわけでありますが、今年は異例の台風の当たり年と言われています。私どもの北海道は余り台風が来ないというふうにされていましたが、数次にわたる被害であります。
 そこで、ちょっと通告していないんですが、島村大臣にお伺いをしたいと思います。しっかりと災害対策をしていただく、復興対策をしていただく、被災者の支援を内閣を挙げてしていただくのは当然でありますが、森林が大変な状況になっています。倒木、そしてただでさえ山が荒れています。この台風に関して、倒木の処理に関してしっかり森を守っていただきたい。一言御決意をいただきたいと思います。
#11
○国務大臣(島村宜伸君) 農林水産行政というのは、言わば安全、安心の食の供給と併せて、やっぱり自然環境の保護、国土の保全というのが重要な役割であります。御高承のとおり、我が国は約七割を言わば急峻な山に占められていろんな自然災害多いわけでありますから、これらについては十分留意をして、御期待にこたえたいと思います。
#12
○小川勝也君 小池大臣とちょっと目が合いましたのでお伺いをしたいと思いますが、この度重なる台風、それから気象のこの異常さ、地球環境問題、自然破壊問題と密接に結び付いているというふうに言われています。環境大臣が今念頭におられている、そんな思いを答弁していただきたいと思います。
#13
○国務大臣(小池百合子君) 目が合って大変うれしく存じます。
 この夏は本当に自然災害が大変多発をいたしました。地球温暖化の観点からも、科学的な知見もさることながら、やはり我々、何か地球に異変が起きているのではないか、このように考えておられる方、多数いらっしゃると思います。また、連日テレビをにぎわしておりますクマの出現に対しましても、生態系の乱れということも考えられるということで、しっかりと調査もして今後の対応策も決めていきたいと思っております。大きな意味で、地球的な規模で環境対策、我が国として何ができるのか、しっかり対応してまいりたいと考えております。
#14
○小川勝也君 地球環境問題への取組、総理の施政方針演説にもございました。京都議定書の問題だけではなくて、国民に向けたメッセージを総理から一言発していただきたいと思います。
#15
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、過日、小川議員が本会議での質問でも環境問題に熱心だというお話を聞きまして、ああ、これは大変いいことだなと、共通する認識を持っているなということを感じております。
 私は常々、環境保護と経済発展は両立させなきゃいけないと、その一つのかぎを握るのが科学技術だと。大量廃棄、大量消費ということから、廃棄物をいかに減らしていくか、削減していくか、そして再利用していくか、再資源化していくか、いわゆる国際会議におきましても日本はこの問題に重点を置いているということをよく私は主張しているんですが、これからも、地球温暖化対策におきましても、京都議定書という日本の古都の名前が冠せられた議定書が国際社会でも今大きな注目を集めております。やはり環境問題、これは先進国、発展途上国を問わず、掛け替えのない地球をいかに保全していくかという点からも積極的に取り組んでいかなきゃならない大事な最重要課題の一つだと認識しております。
#16
○小川勝也君 いよいよ政治と金の問題に移るわけでありますが、こういうスキャンダラスな余り取り上げたくない話題が政治の場面にとどまっていないんですね。コクドをめぐる問題も大変大きな問題だと認識します。
 伊藤大臣、今日までのところでコメントできることありましたらお答えをいただきたいと思いますが。
#17
○委員長(中曽根弘文君) どなたですか。
#18
○小川勝也君 伊藤大臣。
#19
○委員長(中曽根弘文君) 伊藤金融担当大臣。
#20
○国務大臣(伊藤達也君) 私どもとしては、いろいろ注視をしておりますけれども、対応すべきことがあればしっかりやっていきたいというふうに思っております。
#21
○小川勝也君 今、通告していませんでしたので。
 それでは、パネルをちょっと用意していただきたいと思います。(資料提示)
 衆議院での委員会をくぐられてきた閣僚の皆さんにはもう、あっ、またかというふうに思われるかもしれませんが、国民の皆さんにはしっかり御説明をさせていただきたいと思います。旧橋本派平成研に関します一億円の献金問題であります。
 まず、用語が国民の皆さん分からないと思うんですね。このパネルに書いてありますとおり、橋本総理と野中元幹事長と青木参議院会長が同席されて、日本歯科医師連盟側から一億円の小切手を受け取ったとされています。橋本総理は受け取ったことを後で覚えていないというふうに言っています。しかし、滝川会計責任者はそれを換金したと、そしてそれを村岡元官房長官から指示を受けたということで滝川さんは被告になっています。村岡元官房長官は在宅起訴をされています。
 ここに書いてあるんですけれども、起訴猶予の方と不起訴の方と在宅起訴の方がいます。法務大臣、どういうふうに説明を受けたら国民の方、分かるでしょうか。
#22
○国務大臣(南野知惠子君) お答え申し上げます。
 起訴又は不起訴という問題についてでございますが、そういう方々の特定の事件におきましては、不起訴又は起訴の処分に至った具体的な理由でございますのでお答えを差し控えさせていただきたいと思いますが、検察当局におきましては、捜査の結果を総合的に判断して処分いたすものと承知いたしております。
#23
○小川勝也君 一般論でいいんです、用語の説明ですから。
#24
○国務大臣(南野知惠子君) 用語の説明ということでございますが、起訴といいますものは、検察官が裁判所に対し起訴状を提出して裁判所の審判を求めるということを申します、先生御存じのとおりでございますが。また、不起訴処分といいますのは、起訴を行わない処分をいいます。そして、その理由といたしましては、起訴猶予それから疑惑が不十分、嫌疑が不十分であるということを申し上げるものでありまして、起訴猶予と嫌疑不十分というのがこの問題について言われている問題であり、両方とも不起訴処分にしているということも付け加えさせていただきます。
 なお、起訴猶予とは、被疑事件、被疑事実が認められる場合において、被疑者の性格、年齢及び境遇など様々な情状により訴追を必要としないときにする処分でございます。嫌疑不十分は、被疑事実につき犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分なときにする処分でございますので。
 以上です。
#25
○小川勝也君 余り上手な整理じゃなかったという声が飛んでいますけれども、国民の疑問は、橋本さんが受け取ったとされて、滝川責任者の方にお金が渡っているんです。これ、お金がどういうふうに渡ったかというふうに分からないと、その滝川氏は立件できないんじゃないかと思うんですが、橋本氏は受け取ったか受け取らなかったか分からなくても、この滝川氏の罪状といいますか処分はできるものなのでしょうか。
#26
○政府参考人(大林宏君) お尋ねでございますけれども、これは今後、被告人村岡前議員及び滝川氏の公判において必要な範囲で立証されるものだと思います。それを見守りたいというふうに思います。
#27
○小川勝也君 橋本さんが受け取っていないケースも想定しているんですか。
#28
○政府参考人(大林宏君) お尋ねの件、事実関係にわたるものでございますので、答弁は差し控えさしていただきたいと思います。
#29
○小川勝也君 これね、常識的に考えていただければ分かるんです。空を飛んで一億円の小切手は来ないんですから、だれかが受け取って運ばなきゃ滝川さんのところに行かないわけでしょう。で、なぜそういう分からない結果を残してしまうのかというふうに疑問に思うんですよね、国民の皆さん。もっと分かりやすく説明できないですか。
#30
○政府参考人(大林宏君) 今委員御指摘の御趣旨は私も分かりますけれども、事実関係、これから公判において立証されることでございますので、詳細については差し控えさしていただきたいと思います。
#31
○小川勝也君 その件はまた後で言いますけれども、問題は、橋本さんが受け取ったとされているのになぜ村岡さんが起訴されたかということです。これ、南野大臣、どういうことなんでしょうか。
#32
○政府参考人(大林宏君) 今度の起訴になっている事実関係は、政治資金の報告書、資金報告書に関する政治資金規正法違反ということでございます。そのお金の受領そのものの問題ではないということで、その点は異なるというふうに考えております。
#33
○小川勝也君 分かりやすく言えば、もらったことは罪にならないわけですね。
#34
○政府参考人(大林宏君) 今お答えしているのは、収支報告書に記載せず総務大臣に提出したという今回の刑事処分についてお答えしております。
 事実関係につきましては、先ほど申し上げたとおり、答弁については差し控えさしていただきたいと存じます。
#35
○小川勝也君 記載しなかったのでこういうことになりますよということですね。だから、もし受け取っても記載をしていれば罪にならないんでしょうと聞いているんです。
#36
○政府参考人(大林宏君) 繰り返しで恐縮でございますけれども、そのお金の受領云々ということについてはこれから公判において立証されるものと思います。答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
#37
○小川勝也君 村岡氏はもらってもいないのになぜ起訴されるんですか。
#38
○政府参考人(大林宏君) このたび村岡前議員について起訴しているわけでございますが、公訴事実の要旨は、被告人村岡は政治団体である平成研究会の会長代理であった者、被告人滝川は同会の会計責任者であるが、被告人両名は共謀の上、平成十四年三月下旬ころ、実際は平成十三年七月上旬ころの、政治団体である日本歯科医師連盟から平成研究会に一億円の寄附を受けたのに、その寄附について平成十三年分収支報告書に記載せず、これを総務大臣に提出したというものであると承知しております。
 公訴事実は、その寄附について記載せずに収支報告書、収支報告書に記載しなかったということが起訴状でございます。ですから、その受領云々ということはまた違う問題であろうかというふうに承知しております。
#39
○小川勝也君 だから、事実を記載しなかったから罪に問われたということでしょう。
 橋本総理は、もし受け取ったことになったら何か罪に問われるんですか。
#40
○政府参考人(大林宏君) 今のは、まあ、今のだれが受領した云々ということにつきましては、私の方で差し控えさせていただきたいと。
 ただ、今申し上げたとおり、一億円の寄附があったということは公訴事実にも記載されているところでございまして、これを、これがもう当然前提になるということは間違いございません。
#41
○小川勝也君 難しい説明をしても駄目なんですよ、分かりやすく聞いているんだから。
 大臣、ちょっと答えてください。
 今回のこの事件は、もらったことを罪にしているんじゃなくて、不実記載が罪になっているという、そういうことでしょう。
#42
○国務大臣(南野知惠子君) 御答弁いたします。
 先生おっしゃるとおりでございます。
#43
○小川勝也君 だからですね、こういうところは政治家同士で議論しなきゃ駄目なんですよ。そういうことなんですよね。
 じゃなぜ、記載をしとけば問題がないものをなぜ記載しないんだろう。なぜ記載しないかが、これがこの国会のテーマなんですよ。これは大臣分かりますよね、南野大臣、なぜ書けば罪にならないのを書かなかったんですか。
#44
○国務大臣(南野知惠子君) お答え申し上げます。
 それは私が関知することでもございませんし、お答えすることはできません。
#45
○小川勝也君 これは残念ながら局長には絶対答弁できないことなんですよ。
 それで、南野先輩もこの世界におられるんだったら分かるに決まってるじゃないですか。それは領収書の要らない金が欲しかったんじゃないんですか、平成研は。そのぐらい分かるじゃないですか。
#46
○国務大臣(南野知惠子君) お答えいたします。
 私は平成研にも属しておりませんし、その答えは分かりません。
#47
○小川勝也君 一応ですね、これは滝川氏のコメントなんですね。で、まあ派閥を維持するというのは大変なことだと。それで何が求められているのかというと、裏の金が必要だと、こう言っているんですね。なぜかと。例えば選挙のときに所属メンバーにそれは選挙資金を渡すけれども、その選挙の強い人もいれば弱い人もいる。ちょっと足りないという人に追加支援をしたときに差が付いちゃうじゃないか。だから、分からないようにするためにはその領収書の要らない金を流す必要があるんだと。それから、家族を、落選をした人が家族を養っていけないので何とかしてほしいと。そういう、いい部分か悪い部分か分かりませんけれども、代々続いた派閥というのはそういうものなんでしょう。
 で、派閥から出ていく金についてはガラス張りにできない面があるといいます。じゃ、南野大臣は清和会ですよね。清和会ではちゃんと、もらったもち代とか氷代とか、政治資金報告書に書いていますか。
#48
○国務大臣(南野知惠子君) お答えいたします。
 先生からいろいろとお話がございました。民主党のことかなと思って聞いておりましたが、やはり我々の会派におきましても適正に処理されております。
#49
○小川勝也君 清和会に所属をしておられて、当選回数が増えてどういうふうになったか分かりませんけれども、もち代とかちゃんといただいたときにはきちっと報告しているということですね。
#50
○国務大臣(南野知惠子君) お答えいたします。
 規正法に基づき適正に処理をいたしております。
#51
○小川勝也君 いや、どのように処理しているのか私分かんないんですよね。というのは、これ、清和会の報告書に全然そういう記載がないんですよ、どうして。清和会から出ていないのにどうやって処理しているんですか。
#52
○国務大臣(南野知惠子君) お答えする前に、先生の御質問の趣旨が分かりかねますので、もう一度よろしく御質問をお願いします。
#53
○小川勝也君 平成研か清和会かは別にして、自由民主党はうらやましいことに氷代、もち代という習慣があると聞いていました。
 それで、それがちゃんと、きちっと政治報告書に載せれば何の問題もないわけです。それをきちっと処理していますかというふうに聞いたら、適切に処理しておられるというふうに聞いた。で、ちゃんと処理しておられるんですねというふうに聞いたんです。
#54
○国務大臣(南野知惠子君) お答えいたします。
 先生がお尋ねのは私のことでございますが、私は清和会の会計について御答弁申し上げる立場にありませんので、適正に処理されているということにいたします。
#55
○小川勝也君 清和会の会計のことを伺っているのではありません。清和会から正規のルートで流れているお金をきちっと処理しておられるのかどうか、これは南野大臣の政治資金団体であり、それは政党総支部の方できちっと処理しているかどうかというふうに聞いている。
#56
○国務大臣(南野知惠子君) クリーンに適正に処置いたしております。
#57
○小川勝也君 総理、平成研のことは平成研のことだから私には関係ないというふうに言いました。清和会の会長をお務めいただいていた時期もあるやに聞いています。清和会での会計処理はどういうふうに行われていましたか。
#58
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 政治資金規正法にのっとって適切に処理しております。
#59
○小川勝也君 この清和会の報告書によりますと、いわゆる各議員の政治資金管理団体やあるいは政党総支部にそのお金を支出したという記載がないんですね。結局、その領収書の要る金、あるいはそれ以外の金というのがこの世界で混在しているということじゃないんですか。
 ですから、私が申し上げたいのは、もし仮に、後で、例えば日歯連の問題のときに後で報告訂正した方います。現にこの平成研の問題だって裏で処理しようとしていたわけでしょう。書けば何の問題もないのにもかかわらず書かなかったというのは、それ以外の使途をしたかったということであります。
 仮定の話で結構でありますけれども、財務大臣、もしこのお金が当該政治家の政治団体や政治資金管理団体や政党総支部に行かないでそのお金を使ったとした場合に、所得税法違反になる可能性があるんじゃないでしょうか。
#60
○国務大臣(谷垣禎一君) 個別具体的なことを離れまして一般論としてお答えを申し上げますが、政治家個人が提供を受けた政治資金につきましては、これは政治資金収支報告書への記載があるかないかにかかわらず雑所得の収入金額として取り扱われるということになっております。それで、ただ、雑所得の金額は一年間の総収入金額から必要経費の総額を差し引いて計算すると、こういうことになっておりますので、この総収入金額から政治活動のための支出を含む必要経費の総額を差し引いて、残額が課税の対象になるわけですから、それがゼロだということになると課税関係はないと、こういうことになります。
 いずれにせよ、我々、私と申しますと、ちょっと私と国税当局とはぴたっと一致しているわけではございませんが、国税当局としては個々の事実関係に基づいて法令に照らして適正に取り扱わなきゃいかぬと、こういうことでございます。
#61
○小川勝也君 かつて、小泉総理はもう政治経験も非常に長い、かつて今よりも緩やかな時代がずっとありました。政治家も、個人のお金や後援会のお金や、あるいは政治資金管理団体などという概念がない場合はどんぶり勘定だったし、派閥の親分からもらったお金で領収書書きますかなんという文化はなかったんです。どんどんどんどん世の中が厳しくなっていって、今この世界の常識とその外の世界の常識が合致しなくなってきているんです。
 ちょっとまた後でもお伺いをしますけれども、総務省の政府参考人で結構でございます。政治資金規正法というのは昭和二十三年にできました。どういう意図を持って作られましたか。
#62
○政府参考人(高部正男君) お答えを申し上げます。
 政治資金規正法第一条には、この法律は、政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治資金の収支の公開及び政治資金の授受の規正その他の措置を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保し、もって民主政治の健全な発達に寄与することを目的とするというふうに規定されているところでございまして、こういう目的を踏まえまして、政治資金の収支につきましては、それぞれの政治団体の収支報告書の公開を通じまして国民の監視の下に置くこととされているというところでございます。
#63
○小川勝也君 透明性と公開性というのがこの法律の趣旨でありまして、これはやっぱり民主主義の根幹にかかわる問題なんです。政党政治というのが民主主義の根幹であるとするならば、その政治資金も民主主義の根幹であります。ですから、政治の主役である国民がいつも監視をし批評できるその対象になければいけないわけであります。ですから、使途の分からないお金、ルートの分からないお金がいけないと、こうしているわけであります。
 それで、今回のこの平成研に端を発した問題でありますけれども、この問題は平成研だけの問題じゃなくて、政治全体が透明性を確保しなきゃならないという問題だと私は受け止めていただきたいわけでありますが、総理の御認識はいかがでしょうか。
#64
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まず、政治資金規正法、法律を政党も議員も守る、守らなきゃいけない、これが前提であります。今回の日歯連の問題につきましても、規定どおりになぜ記載しなかったのかという問題があると思います。これからも政治資金規正法をきっちりと守るということを厳正に考えなきゃいけない、当然であります。
 同時に、今回の問題につきましては、さきの衆議院の委員会でも、また本日でも議論をされております。それを踏まえて、改善すべき点はないかという点については各党会派それぞれの案があると思います。是非とも協議を続けていって、どういう改善ができるか、できれば、今国会で一つの成案ができればなと思っております。
#65
○小川勝也君 政治資金規正法の改正の話をこれからいたしますが、その前提条件として、昨日行われました衆議院予算委員会での議論の中で、平成研の問題、この事実解明の責任者は自民党の中のどなたかという原口委員とのやり取りがありました。
 改めて総理にお伺いをいたしたいと思います。
 これは、平成研の問題だというふうにするのではなくて、やはり総裁が筆頭となって、この政治と金の問題、より適法化、そして透明化を目指して総理が陣頭指揮を執るべきではないでしょうか。
#66
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今回の日歯連の政治献金の問題について、平成研の問題と自民党の問題という点について混同されている嫌いがある。そこで、今までの議論、御指摘も踏まえて、私は、どういう問題なのかということを自民党としても調査する必要があるということで、今幹事長に指示しております。
#67
○小川勝也君 私は、今、滝川氏のコメントを基に、あるいは様々なその情報を基に、裏のお金が必要だったという、こういう情報もいただいています。これをなぜ平成研に矮小化できるのか、私は不思議でなりません。平成研の方々が本当かわいそうだと思います。
 尾辻大臣、これは平成研だけなんですか、この派閥でお金必要なのは。
#68
○国務大臣(尾辻秀久君) どうお答えしていいのかよく分かりませんが、御質問の趣旨が、政治と金で問題がある、そして私たちみんなが襟を正さなきゃいかぬと、こういう御趣旨でありますから、そういう意味におきましては、もう私ども全員の問題だと、こういうふうにとらえております。
#69
○小川勝也君 平成研だけが裏金をがばがば集めて、ほかの派閥は全くきれいだというふうに言い切れないと思いますよ。これは、総理、もう一回答弁してください。
#70
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、他の政党の問題については分かりませんが、いずれにしても、政治資金規正法にのっとって、収支報告書は誠実に適切に記載をし、提出しなきゃならない、言うまでもないことでございます。
#71
○小川勝也君 その答弁はちょっと面白くないですね。
 じゃ、もう一回追及します。
 なぜ、報告書に書けば罪にならないものを、元官房長官までお務めになられた方を犠牲に出さなきゃいけないことが起こってしまったのか。これは、領収書の要らない金、報告書に記載しないお金が必要だったということなんじゃないですか。総理、答弁お願いします。
#72
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、私に関知しないことを聞かれても分かりません。
#73
○小川勝也君 尾辻大臣、申し訳ないです。平成研に所属でしたか。そうですね。
 あの、私が言ったことはちょっとお答えいただきにくいかもしれませんけれども、ほぼそれ以外にこの事件が起きた理由ないんですよ。ちょっとお答えをいただきたいと思います。
#74
○国務大臣(尾辻秀久君) そこの部分につきましては、本当に私にも分かりません。
#75
○小川勝也君 じゃ、この場で、大人の政治家同士の話をすれば分かる話なんです。どうしても分かんないことになったら、どうしても分かんないということになったら、御本人同士に来てもらうしかないですね。
 改めて、改めて、委員長、橋本総理あるいは村岡元官房長官を始め、この場で白黒付けてもらいましょう。これはしっかりお願いをしたいと思います。
#76
○委員長(中曽根弘文君) ただいまの小川君の要求につきましては、その取扱いを後刻理事会において協議することといたします。
#77
○小川勝也君 問題は、これ、平成研だけの問題ではありませんで、今、今国会の最大の争点はこの迂回献金と呼ばれる問題だと思います。これ、パネルもう作ってまいりました。(資料提示)
 なぜ迂回献金と呼ばれるか、もう言うまでもありません。政治家個人への企業、団体からの献金が禁止されています。しかし、企業、団体から政党や政党支部を経由して政治家に行くことは、お金の動きとして法律で許されているわけであります。
 総理、迂回献金は自由民主党あるいは国民政治協会の中でありますか。
#78
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 迂回献金はあってはならないことであり、幹事長からの報告でもそのようなことはないと報告を受けております。
#79
○小川勝也君 企業、団体から国民政治協会並びに、あるいは経由して自由民主党には多数のお金が入っています。そして、政治家にはそれぞれにたくさんお金が渡っています。これも変な話ですけれども、一律じゃないんですね。ある人はたくさん、ある人は少し。これはどういうふうにその差が付いたと想定されますか、総理。
#80
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いわゆる迂回献金というものについて、自由民主党はそういうことはないということで報告を受けておりますが、私は、どういうことで迂回献金があるのかと、また迂回献金というのがあってはならないかということを防ぐために自由民主党は資金団体を持って、各企業、各団体、だから受け取って、そして政治活動に自由に使おうという方式を取っているというふうに聞いております。
#81
○小川勝也君 これは検察の内部の方が言っているんですけれども、結局、たくさんの企業から、団体からお金が入って、政党支部から政治家にたくさんそのお金が出ていくと。迂回献金を立件できるところまでは行っていないけれども、それに類似した、あるいは推察されるところはたくさんあるというふうに言われています。総理が言っているのは、なかったということではなくて、法的に迂回献金ということでいわゆる立件されるところまでのものはなかったということなんじゃないですか。
#82
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは個別事案のことであって、私には分かりません。
#83
○小川勝也君 じゃ、法務大臣にお伺いいたします。
 自由民主党事務局長が参考人として何回か呼ばれているようでありますが、捜査状況はどうでしょうか。
#84
○国務大臣(南野知惠子君) 申し訳ございませんが、検察当局においては御指摘の告発を受け必要な捜査が行われていると思いますので、私からは御質問にお答えすることはできません。
#85
○小川勝也君 民主党が告発をいたしました案件について、捜査状況と偽造領収書の存在を確認したかどうか、御答弁をお願いしたいと思います。
#86
○国務大臣(南野知惠子君) お答え申し上げます。
 検察当局がどのような情報を把握しているのかは、これは捜査の具体的内容にかかわる事柄であり、法務大臣としてはお答えを差し控えさせていただきます。
#87
○小川勝也君 もう一回、パネルをお願いしたいんですが、このバツの付いている献金の流れというところを通らないで政治家にお金が渡りますと、例えば受託収賄、あっせん収賄、あっせん利得罪の構成要件を満たさないことになってしまいます。これは正に、政治資金規正法その他の法律が骨抜きになっているということを表しているんじゃないでしょうか。法務大臣。
#88
○政府参考人(大林宏君) 捜査の関係でございますので御答弁させていただきます。
 今委員御指摘の点につきましては、結局は証拠によってどのような事実が認定できるかという事実認定の問題に帰着すると思います。検察当局は、犯罪の構成要件に該当する事実が証拠上認められるかどうかという視点から捜査をし判断をしているものでございまして、御指摘の懸念は当たらないのではないかというふうに考えております。
#89
○小川勝也君 政治資金規正法は、総理が言ったとおり、しっかり一人一人が守るべきだ、ただし、時代に合致しなくなったり、新しい概念が出たときには改正すべきだというふうに考えます。
 総務大臣と幹事長に総理が御下問をされたというふうに伺っていますが、どういう内容で指示をされましたか。
#90
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国会における様々な質問や指摘、改善すべき点、今、自由民主党におきましても、公明党においても、あるいは民主党においても、各政党においても議論されていると思います。
 そういう点を踏まえて、どういう点を正していけばいいかという点については、各党間それぞれの立場があるだろうと。よく協議して、改善案というもの、いうものをできれば成案を得て今国会中に成立にこぎ着けてほしいというような指示をしております。
#91
○小川勝也君 この迂回献金の構図というのは立件できないだけでありまして、ほぼブラックボックスとされているんですね。
 公明党から入閣されている北側大臣、政治に対しては大変クリーンな歴史を持つ公明党の大臣としては、今国会の改正というのは重要だと思いますが、どういう御認識でおられますか。
#92
○国務大臣(北側一雄君) 政治資金の透明性の確保を図るというのは、政治に対する信頼をかち得ていくためにも極めて重要なテーマであるというふうに認識をしております。今、自民党と公明党の間、与党間で精力的にその問題も含めて議論をしているというふうに聞いております。
#93
○小川勝也君 上限とか政党間の移動の禁止のほかに、この迂回献金をいかに透明化させるかということが一番の重要な点だと思います。
 まず、広く薄くと総理、所信表明でも申されました。広く薄くの薄くというのは幾らぐらいまでのことを言うか、感覚的に教えていただきたいと思います。
#94
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この薄くという面については、個人と企業と団体とはそれぞれ違うと思います。
 今、政治資金の規制と、もう一つ大事な点は、国民から広く資金の提供をいかに受けるかと。民主政治というのは、税金だけの問題で政治活動を賄うものではないと私は思っております。やはり政党の努力、個人の努力、それぞれがいかに国民から資金の提供を受けるかと。また、政治団体を作って各国民が自分たちの意見を政治に反映させたいと思うときに、票で応援しよう、資金で応援しよう、労力で応援しよう、そういう環境をいかに醸成していくかということが重要であります。
 具体的に一つ例を挙げますと、個人献金の場合はたしか五万円が上限じゃないでしょうか。そうしますと、五万円を超えた場合にはもうせんさくされて仕方ないと、もう献金するのも嫌だという最近個人が非常に多くなってまいりました。五万円以上は全部記載して報告しなきゃならない。そうすると、いろいろ取材されて、何であなたはこの政党にこれだけ献金したのか、この人に応援するんだったらおれにも応援してくれていいんじゃないかと言われると、もう献金する意欲がなくなるというようなことをよく我々は聞きます。個人献金を奨励していながら個人が献金しにくいような状況というものに対してどう対応するかというのも一つの視点だと思います。
 だから、資金を供給する場合、国民の資金の供給を受けないと政党も政治家個人も活動できないわけであります。全部税金に頼れということになりますと、これまた問題が起こってくると思います。そういう点、両面から私は考えていかなきゃならない問題だと思っております。
#95
○小川勝也君 あと、政治資金規正法の第一章も御参考までに読んでいただきました。国民が分かるようにするということは、ブラックボックスはなくすべきだと思いますが、その点、総理のコメントを改めてお願いしたいと思います。
#96
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) このブラックボックスという点についても、一様ではないと思っております。
 今申し上げました、ある程度献金する場合には、個人としてあの人に献金した、あの政党に献金したというのを分かってもらいたくないという方もたくさんおられます。そういう点。また、政治活動というのは自由が保障されています。そういう点も、どの程度まで自由を保障するかという、極めて、政党の自由活動、これは重要であります。そういう点はやっぱり各党でよく協議していただきたいと思います。
#97
○小川勝也君 時間になりましたのでこの辺にとどめますが、国民に大変痛みを押し付ける改革を実行されている内閣でありますので、それを国民に押し付ける側が余りいい加減なことをやっていたのでは、しっかり国民から支持を得られないと思います。
 政策の議論の前に、今国会でしっかりとした政治資金規正法の改正を行うことを野党の立場からもお願いをさせていただいて、そして国民に透明性、公開性を確保し、国民に信頼される政治の土俵を作りながら、政権交代を目指して我々民主党も頑張ってまいりたいというふうに思っています。
 これから今日はあと二人の同僚が、そして明日には五名の同僚がしっかりと内閣に政策問題で挑戦をさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げ、私の質問終わらせていただきます。
#98
○委員長(中曽根弘文君) 関連質疑を許します。平野達男君。
#99
○平野達男君 民主党・新緑風会の平野でございます。関連質問をさせていただきます。
 まずもって、冒頭、台風が上陸をしております。被害が最小限であることを祈るとともに、関係者におかれましては厳重なる態勢の整備をお願いするものであります。
 さて、今日は、三位一体改革を中心に何点か、幾つか質問していきたいと思います。
 総理は、さきの施政方針演説の中で、構造改革の芽が大きな木に成長するか否かは、郵政事業の民営化や三位一体改革を具体化するこれからが正念場というふうに発言されまして、三位一体改革の重要性を力説されております。
 今日はテレビが入っておりますので、改めて、この三位一体改革の目指すもの、具体的に何をやろうとしているのか、これをまず冒頭、総理に御説明をお願いしたいと思います。
#100
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この三位一体改革の趣旨の一つ、大きな問題点は、まず第一に、地方に裁量権を現在よりも拡大していこうということであります。
 まず、三位一体というのは別に政治用語ではないということでありますが、よく人口に膾炙されておりますから、三者一体と、三つの問題を一体的に解決しようという言葉で使っているわけでございます。
 その三つの問題というのは、中央から地方へ出ている補助金、それと、地方では税源がないという、その税源の問題、さらに、財政調整といいますか、地方によって財政状況違いがあります。その場合に、その調整するために地方交付税交付金というものが国から出ております。この問題、今まで一つ一つ解決すると、補助金、これはやっぱり中央からもらいたいという地方団体が今でも多いのは事実であります。これだけはやめてくれと、もっと欲しいという団体がいる。税源、移譲しても税源がある地方とないところがあります。交付税、これ、自分たちで税源を考えるよりも中央から交付税もらった方がいいよという地方もあるわけであります。
 いずれにとっても、その一つ一つ取って問題を解決しようと思うと難しい問題があるから、これ、三つそれぞれ難しいから、難しいものを一緒に全部一つの改革案を出そうじゃないかというのが三位一体。いわゆる補助金と税源と交付税、これを一体的に改正して、今よりももっと地方にお金の使い方を自由に拡大していこうというのが三位一体の趣旨でございます。
#101
○平野達男君 国庫補助金を見直して削減をする、それを税源と、その財源として税源移譲する、それから地方交付税の一体的な見直しということだったと思います。
 そこで、その補助金の削減ですが、十八年度、十七年度、十八年で三兆円の補助金の削減を予定しています。じゃ、どこを削減するかということで、これは政府は調整できなかったんでしょうね。地方六団体に委託をしました。その中で出てきたのが地方六団体の補助金改革案、これ、総理の、この地方六団体の補助金改革案の評価、それから、先般の施政方針演説の中で、どうもこれを積極的に活用しろという、各閣僚に指示したところ、勘違いをしている閣僚がいるというふうに発言されておりましたけれども、その勘違いの意味と、どの閣僚が勘違いされているか、ちょっと。
#102
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、地方が補助金をもう要らぬと、自分たちが決めたいという意見がかなり強く出てきたことを踏まえまして、それでは地方としてどういう改正を欲するのかということで地方でまとめてくれということで、地方は賛否両論ある中、かなり精力的に努力して、苦労を重ねながら一つの案をまとめてまいりました。
 これを政府としては、せっかく地方がこれだけの提言を出してきたんだから、今まで単なる要望と違ってまとめる努力をした、提言する努力をしてくれたんだから、これを真摯に受け止めて、この問題よく協議すべきだということで、協議の場を設けました。そして、これに対して中央省庁は、会議に参画しながら、今の時点においてはこれはできない、あれはできない、これはどうかという反論が多い。これはちょっと勘違いじゃないかなと。地方の意見、提言を真摯に受け止めるということが主眼なんだと、反論する、できないというのが主眼じゃない、だから勘違いしないで地方の提言を真摯に受け止めてこれから対応しなさいということであって、だれがということを念頭に置いたわけではございません。
#103
○平野達男君 地方六団体の提言は真摯に受け止めるべきだと、それはそのとおりだろうと思います。
 ただ、私は一点だけ気になるのがあります。それは義務教育費の国庫負担の問題であります。
 私は、義務教育というのは、これは国家の責任で行うべきものだというふうに考えておりますが、米一俵の精神を提唱されている、いや、米百俵ですね、失礼しました、最近は百俵じゃなくて一俵になったんじゃないかというふうにちょっと思ったものですから、小泉総理の見解をちょっとお伺いしておきます。
#104
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 教育は最重要であります。
 教育という問題について国がどこまで資金的な、お金の、財政的な負担をするか、地方がどの程度教育にお金を回すか。私は、その点について地方にも今よりも裁量権を渡してもいいと思っております。しかし、教育に対して国が財政的な資金を提供するという重要性は十分認識しております。
#105
○平野達男君 私は、これは三位一体という、税源移譲とか全体の予算の枠組みの中で議論すべき話じゃないと思っています。義務教育ですから、国と地方の役割、これをまずしっかり議論すべきだと、このように思いますが、総理、どのように思われますか。
#106
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国の役割、地方の役割、それぞれあると思います。すべて国が、教育の問題だって幅広いわけです。全部国の指示に従って地方がやるという必要もないと思っております。
#107
○平野達男君 そういうことを言っているんではなくて、順番の話をしているんです。まず国と地方の役割をしっかり出して、そして国民の意見を聞いて、それからこの三位一体改革の中の議論に移るべきではないかという手順を言っているんです。
#108
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) その趣旨に異論はございません。
#109
○平野達男君 それでは時間に、議論に十分の時間を掛けていただけますね。
#110
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) もとより、年内に結論を出すということでございます。
#111
○平野達男君 そんな簡単に結論を出せる話じゃないと思いますよ、これは。この時間は国民的議論をやるべきですよ。総理、もう一度答弁してください。
#112
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まだ十分時間があります。
#113
○平野達男君 私は、いずれ、教育は国がすべてやるべきものではないという、それは賛成です。地方に任せることはどんどん任せる。だけれども、基本方針を示して国が最終的に責任を持つ。あるいは、あわせて、教員につきましては今地方公務員ですが、国家が身分を保障するということがあってもいいと思います。こういう考え方、総理はどのように思われますか。
#114
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そのような様々な議論がありますから、これから調整するということでございます。
#115
○平野達男君 先ほど言いましたように、義務教育は国家の基本です。総理がしっかりとした見解を持たなきゃどうするんですか、これは。
#116
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私はきちんと方針を出しております。担当大臣がおりますから、よく調整してくれという指示を出しております。
#117
○平野達男君 いずれこれについては、総理がしっかりリーダーシップを発揮して、国と地方の役割、議論していただきたいと思います。
 次に、二番目の税源移譲の話に移ります。
 税源移譲、これをやりますと税源が偏在するということはもう全国の皆さん知っています。仮に三兆円を税源移譲した場合に、北海道、沖縄、東京、そして我が郷土岩手、どれぐらいの税源移譲が行くか、もし試算があれば教えていただきたいと思います。そして、なぜそういう偏在するのかも併せて仕組みを含めて麻生大臣、御説明いただけますか。
#118
○国務大臣(麻生太郎君) 幾らかという質問に対しては、これはもう平野先生よく御存じのように、今まだ討議をしている真っ最中ですから、配偶者控除がどうなるとかそういったところがまだ決まっておりませんから、明確に幾らというようなことを申し上げる段階にはないのはもう御存じのところでありまして、これは、定率減税の話等々、皆ありますので、それによって地方が受け取る額も決まってまいりますので、地域によって差が出るということはよく御存じの上で聞いておられるんだと思いますので。
 その上で、過日私どもの方から申し上げた、地方税を一律、御存じのように五、一〇、一三とありますのを一律一〇%にするというので、アバウト三兆という単純な前提というのだけでやらせていただければ、東京都で約三千九十、北海道でしたっけ、北海道、北海道は一千二百、御地元岩手県二百六十、沖縄県百九十億と。重ねて申し上げますが、今のは様々な前提条件がありますので、これを何かネタに後から違うじゃねえかと言われても、ありそうな手口、ありそうな手口ですんで、あらかじめ重ねて申し上げておきます。
#119
○平野達男君 いや、私はそれほど悪人ではございませんから。
 それは、それぐらい、まずいずれ、税源については差が出てくるという話ですね。だけれども、問題はそれだけじゃありません。この税源が補助金なんです。補助金の中には、例えば農林水産関係予算のみたいに財政の弱いところに行っている補助金もある。そういったものを削って税源移譲して、人口の多いところに税源が行くという、そういう問題があります。
 その差分は、例えばどれだけなるか。これは麻生大臣、これは数字持っているかということを聞くと、今の答弁からすると持っていないということになると思いますので、私が、これ時事通信なんかが、これ各県の試算を出しています。紹介しますと、例えば北海道、補助金もしなかりせばの、補助金削減なかりせば、これは地方六団体の三兆円という補助金を前提にしていますが、二千四十億円補助金もらえるんだそうです。税源移譲一千二百億円、差額が八百億円です、八百四十億円です。岩手県、四百六十億円大体補助金が来る見込みがあるそうです。税源移譲二百六十億円、マイナス二百六十億円ですよ。これは四十七都道府県全部やりますと、これプラス・マイナス・ゼロになりますから、どこかが相当プラスになるという、そういう状況ですね。
 この認識は、これは共有いただけますか。
#120
○国務大臣(麻生太郎君) 今お話にありましたように、個別団体ごと、個別団体というのは各種団体、地方公共団体ごとの補助金の削減額は的確に把握はできませんので、前提条件が違いますので。的確に移譲額との差をお答えすることはそれによってできないんですが、今言われましたように、補助金の削減額と税源の移譲額というものは差が付くということが認識しておるかと。当然認識しております。
 これ、地方によりまして人口差のあるところ、過疎地の方により補助金が多い、農業地団体より補助金が多いという事実でありますので、同じ岩手県内でも北と南では大分違いますでしょうし、そういったところを含めまして差が出てくるというのをいかにするかということにつきましては、基本方針二〇〇四の中にもきちんとして定義をしてありまして、交付税により適切な処置を行うこととするという具合に書かれてあるところでございます。
#121
○平野達男君 今、地方交付税と言われましたけれども、本当に地方交付税で措置できているか、実はそれが今日の本題であります。この地方交付税が実は大変な削減をしているわけです。
 そこで、この議論に入ります前に、今日もまたテレビ入っておりますので、地方交付税というのは一体何だと、その財源がどうなっているか。大変恐縮で、事務的な質問で申し訳ございませんが、麻生大臣、ちょっと御答弁願えるでしょうか。
#122
○国務大臣(麻生太郎君) 地方税は、いわゆる通称国税、国税五税と言われております消費税、所得税、酒税、それからたばこ税と、それと所得、法人税と五税だと思いますが、それぞれ、所得税の三二%とか、消費税は二九・五でしたかね、二九・五%とか、たばこが二五%、税によってばらつきがあるんですが、その一定の所得をその分、地方に一定割合を渡すということになっておりますので、必要な財源を保障するいわゆる財源保障ということになろうと思いますが、それが一つ。
 それから、地方団体において財政力格差が今御指摘にありましたように付きますところにつきましての調整することにつきましては、財源調整という言葉を使われておりますけれども、その性格は、基本的には、一番大事なところは、これは地方というものの地方税というものは、これは国が足らない分を補足するという意味ではありません。ここが一番肝心なところで、足らない分を国が保障する制度ではありませんで、地方の固有財源というところが一番肝心なところで、ここだけきちんと押さえているところが一番肝心だと、よく間違えられている方一杯いらっしゃいますけれども、これが一番肝心なところだと思っております。
#123
○平野達男君 最後の地方の固有財源というのは非常に重要な点だと思います。
 そこで、ちょっとパネル用意しましたけれども、若干今の麻生大臣の説明に補足させていただきますと、これは資料一でございます。(資料提示)左が、これは国の歳入歳出でございまして、国の歳入は御承知のとおり税金と公債費から成り立っています。その税金の一定部分が地方交付税等という形で、これは法定の五税分、それから加算分とか特例交付金なんかございますけれども、これで歳出の中で一定部分できます。そして、これが、地方財政計画の歳入というところがございますけれども、こういう形で地方交付税の方に、地方に行くと。あわせて、国は地方に対する補助金を出していますから、国庫支出金という形で税源が行くという、こういう仕組みになっているところです。
 そこで、この地方税なんですが、財源保障機能の縮減、あるいは地方交付税総額の縮減、財務大臣が積極的にあちこちで発言されていますけれども、これはどういうことなんでしょうか。
#124
○国務大臣(谷垣禎一君) この問題は、一つ、地方財政計画の歳出の部分がございますね。それで、その歳出の部分は基準財政需要や何かで作っておられるわけですが、一方、今委員が図で示されましたように、歳入、地方財政計画の歳入の面がございますが、ここのギャップを交付税と臨時財政対策費で埋めるという形で作っているわけでございます。
 したがって、財源保障機能というのは、足らず前、歳出、地方財政計画の歳出と歳入の差を交付税と臨時地方財政対策債で埋めると、こういう形を取って、それで、これがどういう機能を果たしていくかということは、結局、何というんでしょうか、地方が支出する場合に自分の痛みで感じにくい仕組みになっておりますので、つまり国が足らず前を埋めてくれるという仕組みになっているので、ややもすればその財政規律が緩みやすいという問題点がございまして、ここを圧縮し、この機能を圧縮していくことが必要ではないかと。これは国、地方を通じて財政のスリム化のために必要ではないかということを私は申し上げているわけでございます。
#125
○平野達男君 地方交付税が行っているから財政の規律が緩んでいるというような発言がございましたけれども、それに対しては、総務大臣、どのような見解を持ちますか。
#126
○国務大臣(麻生太郎君) やすきに流れやすいのはこれは人間の常だとは思いますけれども、少なくとも、過去と違っていわゆる借入金については折半という形になっておりますので、痛みは感じるようなシステムになったのが一つ。また、地方によってこれは痛みを感じて積極的にやっておられる知事さん、市町村長さんもいらっしゃれば、そこのところがなかなかぴんときておられない方もいらっしゃる。これは、ある程度地域によって、また首長さんによって差があるのは確かですけれども、一律、全然規律が緩んでいるなんてことはありません。
 これは、きちんとやっておられる知事さんも市長さんも実は一杯いらっしゃるんであって、地方の時代というのは地方間が競争する時代を意味すると思っておりますんで、それに基づいて地方をいかに経営するかという観点に立ってきちっとやっておられるところは多くあると思いますんで、私どもはそれを積極的に応援していく立場にあると理解しております。
#127
○平野達男君 重ねてお聞きしますが、地方交付税総額の縮減、総務大臣は必要だと思っておりますか。
#128
○国務大臣(麻生太郎君) 短期的、中期的に分けなければならぬと思っております。
 これはもうよくお分かりのところだと思いますが、短期的に平成十七年、十八年度でいきますと、総額約四兆ということになって、既に一兆円、残り三兆ということになりますが、その部分に関しましては、これ地方団体にお願いするときに、補助金の削減ということを、先ほど総理からも御答弁がありましたとおり、地方がまとめられなかったからという御指摘もありましたけれども、総理からの御意見は、地方が要るものと要らないものというふうに受け取る側の方の気持ちも考えてみたらどうだという御意見から、地方に意見があればということで、地方に投げるというような表現もありますけれども、地方にとにかくみんなで要るもの要らないものをまとめてと、出されてみるということを申し上げたのがそもそもの始まりです。
 したがって、これは知事側と市町村側と違いますよ。知事も補助金を、県側も補助金を出している立場にありますんで、県と市町村とまた意見が違っているのも御存じのとおりなんですが、それを上で、それを理解した上で、少なくともまとめて六団体持ってきておられるという事実は、これは重く受け止めねばならぬところだと思っております。
 したがって、その段階で、十七年、十八年の短期的なところで言わせていただければ、補助金の削減に見合うものは財政として負担をしてやるということが、前提がなければ、補助金の削減というのはとても応じられるところではなかったと存じますので、その点を踏まえたという点はもう骨太方針の中にも明確に書いてあるところでありますので。
 ただ、中長期的に見た場合は、これはいろいろ今後とも、先ほど申し上げた、地方の固有財源にもかかわらずこれだけ交付団体というものが多くなっているというのは異常に増えておるという、と思いますんで、その点は法定率を変更する等々、いろんなものを中長期的にはせねばならぬというのははっきりしております。
#129
○平野達男君 長々と答弁いただきましたけれども、地方交付税縮減、今十六年で十分やっておるじゃないですか。なぜ十七年度、十八年度はもうこれは必要ないと言えないんでしょうか。
#130
○国務大臣(麻生太郎君) 今申し上げた中で、十七年、十八年度につきましては、税源移譲、移譲をしても足りないところの分については、補足する分については交付税で埋めると申し上げておりますんで、その点で地方交付税というものは税源、済みません、補助金の削減、補助金の削減された分、減らされた……
#131
○平野達男君 ミクロの話じゃないですよ。マクロの話をしているんです。
#132
○国務大臣(麻生太郎君) はい。
#133
○平野達男君 マクロの話をしているんです、マクロの話。それだけの話ですよ。
#134
○国務大臣(麻生太郎君) 補助金をされた、減らされた分について、つきましては当然きちんとはまっていくことになりますので、交付税としてその点を埋めていくことになると思います。
 全体として交付税としてはスリム化する努力はしていただかなきゃいかぬと思いますが、少なくとも一二%等々の形で出てくるような形はならぬと思っております。
#135
○平野達男君 先ほどのちょっとフリップを出していただきたいんですが、この右側に、地方交付税等総額の推移で、平成十三年から十六年までの数字が記してあります。実は、十五年から十六年に三兆削ったんですね。これは財源調整機能の縮減の一環でやったんでしょうか。財務大臣、どうでしょうか。
#136
○国務大臣(谷垣禎一君) 平成十六年度では、地方の歳出歳入を見直した結果、地方歳出について十四年度と十五年度とほぼ同程度の縮減、約一・五兆円を行った一方で、税収が一・四兆円、地方税等ですね、一・四兆円増加したことによりまして財源不足が縮小しているんです。対前年度で二・九兆円縮小しております。そこで、財源不足を補てんする地方交付税等が減額するという結果になりまして、要するに、その地方歳出の削減と、それから税収等の増加によって、いわゆる足らず前、歳出歳入の差額が縮まっていく、これも私は財源保障機能の縮小の重要な一環であるというふうに考えております。
#137
○平野達男君 片山総務大臣は、春の、さきの通常国会のときに、総務省が悪いんだと、地方交付税切り過ぎた、三位一体とは関係ないというふうに言いました。
 総務大臣、これに対する見解、ちょっと伺いますが。
#138
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほどの中で国の歳出というものを見ますと、小泉政権が誕生してから、国の歳出としては四十八・七兆円から四十七・六兆と約一兆一千億減っているにもかかわらず、地方交付税の方は二十兆、二十・三兆から十六・九兆、三・四兆円減っております。したがって、地方の方が、交付税の方がよく減っておるというのは数字の上でははっきりしておるということを多分言っておられるんだと思いますんで、私どももその点に関しましては事実だと思っております。
 こういった状況の中にありますけれども、私ども、いろいろ御意見があるところでありますが、六月に閣議決定された基本方針の二〇〇四におきましては、地方交付税につきましては、地域において必要な行政課題に対しては適切に財源処置を行う、これらにより地方団体の安定的な財政再建、運営に必要な一般財源の総額は確保することと明記をしておりますんで、私どもはこのような基本方針に基づいて対応してまいりたいと思っております。
#139
○平野達男君 交付税総額を縮減されればどういう地方公共団体が一番影響を受けますか、総務大臣。
#140
○国務大臣(麻生太郎君) 今まで交付、補助金をもらっている額の多いところ、かつ人口の少ないところというようなところが、御存じのように地方税というのは頭割りで来ますんで、人口の少ないところ、いわゆる過疎地の方により大きな影響が出てくるであろうと想像されます。
#141
○平野達男君 全くそのとおりであります。
 それで、この補助金削減も今言った財政力の弱いところが影響を受けるんです。税源移譲にあっては、税源移譲については一番少なく来る、そしてそこに地方交付税の圧縮が掛かったら、それまた財政力の弱い自治体に来るんです。これは財務大臣、これは認識いただけますか。
#142
○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに、税源の力、財源の力は地方によって差がございますから、税源移譲をしていった場合にはそういうものが出てくるということはおっしゃるとおりだと思います。
 ただ、先ほど総務大臣もあるいは御答弁されたかと思いますが、骨太の中で、地方交付税の中で適切な措置を取っておく、地財計画の中で適切な措置を取っておくと、こういうことになっております。
#143
○平野達男君 地方財政措置といいますけれども、地方交付税の総額が削減されている限りはそれできないんです。そこははっきり認めた方がいいですよ、総務大臣。自治体は今テレビで見ていますからね、そういうごまかしの答弁やりますと、自治体、誤解するんですよ。
 資料の二番をちょっと見せてください。(資料提示)いいですか。これは、これは前にも出した図でございます。左側に自主財源、つまり地方税がたくさんある自治体、右側に地方税が少ない自治体、まあ、岩手県の自治体は大体右側、全部そうですよ。ここで国庫支出金の削減が入って、交付税の縮減が入ればどうなるか。右側の、地方税の豊かな財源はどんどんどんどん、これ税源は、財源伸びます、右側は減るだけなんです。
 これに対して、地方交付税でこれどうやって処置するんですか。具体的に説明できますか。
#144
○国務大臣(麻生太郎君) 今回の交付税の削減が与えた影響というのは大きかったというのはもう十分に私の方も認識をしておるつもりで、極めて厳しいあれになったと思っておりますけれども、少なくとも今回の中で基本的に、十六年度のと違って十七年、十八年についてはどうするんだというところが一番御意見なんだと、お聞きになりたいところなんだと思いますが、これは先ほど御答弁申し上げましたとおり、十八年度までの三位一体改革の間は国と地方の信頼関係というものが極めて重要であり、地方団体の安定的な運営に関する、先ほど申し上げた、基づいてきちんと十八年度まできちんと対応していくことまでは決まっております。
 ただ、この三位一体の改革、いわゆる地域主権、もう中央集権から地域主権というようなものに移っていく段階において十九年度以降の話が当然出てまいりますんで、そのときを考えたときには交付税という調整機能というのは今後とも必要なものだと思っておりますし、必要、町村合併が進んだとしても必要なものだと思っておりますが、私どもとしてはこの調整機能というのは今後とも維持されてしかるべきものだと思いますし、ただ、そういったようなものに関しまして、その地方税は固有の、地方固有のものでありますから、その分につきましては今のあれではできないわけですから、小手先のものではなくて根本的なものを、法定率等々いろんなものをやらねばならぬという問題は、中長期的にはきちんとやらなきゃいかぬ問題だと思っております。
#145
○平野達男君 いずれ、財務大臣、地方交付税の総額が縮減されたら、これは財源調整機能も縮減されるんです。だから、先ほどの答弁にしたって、答弁はこれ成り立たなくなるんです。
 今、国と地方、地方を丸抱え、一体のものとして議論しています。地方にも、総理の言葉じゃないですけれどもいろいろありますよ。財源の弱い、財政力の弱いところ、強いところ。その財政力の弱いところに全部しわ寄せが行くいうのは、行くような今仕組みになっちゃってるんです。この認識を持たなくちゃ駄目ですよ、財務大臣。どうですか。
#146
○国務大臣(谷垣禎一君) もちろん、今おっしゃいましたように、どうしても税源を渡して地方に独自性を高めていくということになりますと、財政力の差からそういう面が出てくるのはある程度やむを得ないと思います。
 しかし、その上に加えて、先ほど申しましたように、交付税でどうそれを面倒を見ていくかということに関しては、交付税の改革も必要でございます。そして、そういうやり方の中で不交付団体を、こうやって地方に財源を移していくということで不交付団体を増やしていくと、こういうことも当然考えていかなければならないと思います。
 そういう中で、委員が先ほど指摘されましたように、確かに所得税等税源移譲をしていけば、三兆していけば、当然三二%、額は確定できませんけれども、どうしても法定率分が減るわけでございますから、それは、全体の額はある意味で縮小されるというのは、これは国の立場からすれば、それ全部をどこかでまた財源見付けてきて調整しろといってもなかなか実は難しゅうございます。そういう全体の交付税改革というものを進めながら解決していくしか仕方がないと思っております。
#147
○平野達男君 まあ今、財務大臣、私がお聞きしなかったことまで答弁されましたけれども。まあ要するに、今は三兆円の所得税が減りますから、税源移譲で。そうすると、三二・五%掛かって一兆円地方交付税が減るという、その答弁もされたということですね。
 今、ちょっと今その答弁がありましたから、総務大臣、今の答弁についてはどのように思われますか。その部分に関してです。
#148
○国務大臣(麻生太郎君) どのように思われたかと聞かれると、認識はしておられるなという感じは率直なところです。
 これ、三兆減ったら一兆、正確には九千二百六十兆だったっけな、あっ、九千二百六十億だったか九千六百二十億だったかは比率に合わせて減ることになるんだと思っておりますんで、その分につきましては地財計画等々をもって充てるということは当然だと思っております。地方税で埋めなきゃしようがありませんので、これは。
#149
○平野達男君 つまりね、これ四兆円の補助金を削減して、仮に三兆円税源移譲しましょうというのがスタンスなんですが、実際には、今の仕組みでいくと、四兆円の補助金を削って三兆円の税源移譲をやって、かつ地方交付税が一兆円減るということなんです。これは総務省が、総務大臣、これ簡単に受け入れていいんですか、これは。地方に行く税源、財源がそれだけ減るわけですから、これは重要な問題ですよ、これは。
#150
○国務大臣(麻生太郎君) 今、九千二百六十億、九千六百億だと思いますが、いわゆる五税の中から、所得税から住民税三兆円の減税を行いますと、国税五税のいわゆる、先ほど申し上げた話の中から約一兆円、正確には九千六百億円が、三二%として九千六百億円の地方交付税が減少することになるということは御指摘の点なんだと思いますが、財源不足が拡大することはもうよく承知をしております。
 したがいまして、その補てんを処置するのをどうするんだというところなんだと思いますが、これはもう、地方交付税の趣旨というものにのっとりましてきちんと、地方財政対策の全体の問題なんですんで、これは万全の処置を投じていく必要があるのは当然のことだと思っております。
#151
○平野達男君 万全の処置の具体的内容を説明してください。
#152
○国務大臣(麻生太郎君) いろいろな方法はあるんだと思いますけれども、それを地方交付税で埋めるなり、いろんな形で従来どおり、足りなくなった分はその交付税で埋めるということになると思っておりますけれども、基本的には。留保財源等々いろいろあろうとは思いますけれども、基本としてはそういったところで埋めていくものなんだと理解をしております。
#153
○平野達男君 それは特例加算か何かで埋めるということですか。
#154
○国務大臣(麻生太郎君) 済みません、ちょっともう一回言ってください。
#155
○平野達男君 特例加算か何かで埋めるということですか。
#156
○国務大臣(麻生太郎君) 一つの手段だとは思います。
#157
○平野達男君 一兆円については、そうしますと何らかの財源手当てはするという理解でよろしいですね。
#158
○国務大臣(麻生太郎君) そのように思っております。
#159
○平野達男君 財務大臣、よろしいですね。
#160
○国務大臣(谷垣禎一君) これは、一方で三兆円の税源を地方にお譲りする、他方で交付税が今のお話だと約一兆円近く減る分をどこかで調達してきてやれと言われても、国の立場としてはやりますと言うのはなかなかつろうございます。地方の歳出削減、スリム化の努力ということを併せてやっていただかなければこの形はできないと私は思っております。
#161
○平野達男君 総理、だれが調整しますか、ここは。
#162
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それを今、官房長官の下で地方の団体の意見を聴きながら関係大臣が協議しているところであります。
 もとより、地方交付税というのはこのままでいいんだという地方団体が多いのも知っております。おれたちは財源がないんだ、今のままがいいんだ、財源調達の苦労しないで国からもらった方がいいんだという団体がかなりあるというのも承知しております。しかし、これは税源の移譲と同時に地方も歳出、努力をしていただかなければなりません。地方の今の出ているのが本当に必要かということも地方もよく吟味してもらっていただかないと、この三位一体の改革がなかなか難しい。だから、これを一緒にやろうということでございます。
#163
○平野達男君 この一兆円の問題につきましては、補助金を削ってそれを税源、財源として税源移譲するんです。だけれども、これを認めてしまえば、地方交付税を一兆円削って税源移譲するということになっちゃうんです。ここが問題なんですよ。そうでしょう、財務大臣。
#164
○国務大臣(谷垣禎一君) まあ、これからどういうふうに交付税改革をしていくかということも同時に視野に入れて議論しなきゃいけないと思っております。
#165
○平野達男君 いずれ、地方はこれは熱い視線を送っていますので、総務大臣、頑張ってください。
 そこで、もう一つ、今度は別な議論に入りますけれども、これはまた谷垣財務大臣ですけれども、今度は交付税のミクロの話です。
 補助金の、地方交付税の配分について、補助事業に伴う地方負担、公債費などに係る財源保障機能見直しということが財政諮問会議でいろいろ力説されておりますね。この趣旨を御説明いただけますか。
#166
○国務大臣(谷垣禎一君) 現在、奨励的補助金に係る事業の地方負担分ですね、あるいは地方債の元利償還費、公債費、こういったものは全額が地方財政計画に計上されて財源保障の対象となっているわけですが、この点について先ほども財源保障機能というようなことで申し上げましたけれども、それは、確かに麻生大臣のおっしゃるように非常に意識を持って財政の再建に努めておられる自治体もございますけれども、まだまだ意識が不十分なところも私にはあるように思えます。したがいまして、これが地方の補助金依存を助長するという指摘、あるいは安易な地方債の発行につながるという批判が行われてまいりました。
 それで、財政制度審議会の建議や経済財政諮問会議の民間議員の提出していただいた資料におきましても、こういう地方財政運営にモラルハザードをもたらしかねない財源保障機能の見直しの方向として、補助事業に係る地方負担分であるとかあるいは地方債の元利償還等の財源保障の範囲を見直すということが掲げられているわけでございますが、そもそも奨励的補助金を受けて当該補助金に係る事業を実施するかどうか、あるいは地方債を発行して地方単独事業や奨励的な補助事業を実施するか否か、これは地方自治体が自ら選択していただいて、自ら決定すべきことではないか、そういう方向に持っていくべきではないかというふうに考えております。
 したがって、奨励的補助金に係る事業の地方負担分とかあるいは公債費等を財源保障対象から除外することによって、各自治体において受益と負担を勘案した事業の実施の必要性ということを判断するように促すという制度にしていくことが必要ではないかというふうに考えているところでございます。
#167
○平野達男君 一般論としては分かりました。
 ただ、これも財政力の弱い自治体に対して非常に不利なんですね。つまり、通常のルールの地方交付税の配分ルールに加えて、補助金に頼らざるを得ない自治体に対して交付税を余分にやりましょうというのがこの補助金に伴う地方負担、公債費などに係る財源保障機能なんです。これを縮減するということは、これは地方にとって、一方で交付税総額圧縮、配分についても、財政力の弱いところについての地方交付税のメリット、与える部分についての見直しを掛ける。地方交付税については、またここでも二つの、財政力の弱いに対する、地方自治体に対するその負荷が掛かってしまうんです。この御認識はおありですか。
#168
○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに今おっしゃったような危惧はあるわけでございますが、他方、そのそれぞれの地域でそういう補助金を使ったり何かしてどういくか、どうしていくかということは自主的に考えていただくという面がございます。
#169
○平野達男君 そうしますと、これは、これが突き詰めていきますと、お金のあるところが補助金もらえる、補助金、お金のないところは補助金はもらえないということになっちゃうんです。つまり、国が五十用意したら地方も五十お金を用意しなくちゃなりません。この財源措置がなくなっていくということですから。これは補助金という、補助金行政にちょっと、と矛盾しませんか。
#170
○国務大臣(谷垣禎一君) 必ずしも矛盾するとは思っておりませんで、各自治体で判断をして、これで事業をしていくかどうかというのは、私は三位一体の趣旨に合するものだというふうに考えておりますし、それから、特に地方が受益と負担という関係に直視していただいて、どういう形で財源を調達していくかということも私は今後考えていただかなきゃいけないと思っておりますが、そういう流れの中にも位置付けることができるのではないかと思っております。
#171
○平野達男君 補助金削減と言いながら、実は一般会計の国の歳出等の推移を見ますと義務的経費は毎年増えているんですよ、これ。地方向けの補助金。補助金は増えているんです。削ってないんです。義務的経費はどんどん増えているんです。自治体はそれに対して裏負担をやらなくちゃならない。交付税全体の縮減をやられて、しかも配分についても見直しをやられたら、この義務的経費に対しての裏負担なんかできなくなりますよ。その意識がおありですか。
#172
○国務大臣(谷垣禎一君) 私は、どちらかといいますと、今のような問題点も、平野委員が指摘されたような問題点もあると思います。
 他方、地方の単独事業なんかの中で、相当これは実際、地財計画に算定したのが十分にこなせずに終わっているところがございますが、そういうところの、何というんでしょうか、本来予定されているのと違ったところに使われているような、かなり無駄な経費が実際にはあるようなふうに思います。そういう辺りを削減努力をしていただく必要があるのかと思っております。
#173
○平野達男君 無駄な経費、無駄な経費と随分言われますけれども、総務大臣、無駄な経費たくさんありますか。総務大臣、無駄な経費はまだまだたくさんありますか。
#174
○国務大臣(麻生太郎君) 三千百全部知っているわけじゃありませんので、個別にやれば、いろいろ財務省の見方からすれば、財務省の見解だと、それは財務大臣ですから財務省の見解言うのは当たり前で、当然なんだと思いますが。
 財務省として見ればいろいろ御意見もあるんだと思いますが、平野先生、例えば今、行政手続オンライン化法というのが昨年の二月通ってこの方、地方ではこの行政手続をオンライン化するというのを前提に対応が進んでいる県、進んでいる市、そうでないところとの差がすごくあるように思いますが、少なくとも、給与、出張費等々の経費を、一律アウトソーシングして経費三十八億削ったのに成功した県もあります。そんな省、中央官庁一つもありませんから。そういった意味では、地方のがよっぽど進んでおると、私、基本的にはそういうところもあります。
 しかし、全然そうじゃないところもありますんで、これは差がいろいろあるんだと思いますが、ただ、この二、三年、小泉政権発足以来いわゆる地方自治の方にずうっと比重が移ってきておりますんで、それを先取りしてぼんぼんやっておられるところと、まだその意識がなかなかそうじゃないところ、追い付いていってないところ、組合問題、また合理化に対する拒否、いろいろ問題がありますんで、これ、地方はもう、これはそこの点は苦労してないかもしれないけれども、別のところで苦労しておられるところなんか一杯ありますんで、私どもはその種の方々によくお目に掛かる立場にもありますんで、今言われるように、この種の話につきましては、都会に出ていった人たちの、残った年寄りを面倒見ているのは地方、したがって一般経費の方が上がってくるというのはもう当然のことになっておるんです。その分を補わなきゃなりませんから、どうしても、そうすると、その分が先ほど言ったように、いわゆる会社用語では企業費の分からいわゆる固定費の方に金が移っている、それは流用していると言われれば、これはやむを得ず、そういうことになっている面も否めない事実だとは思いますけれども、しかし、そういうことがなくて、こっちの一般経費の方が増やされるような形で、いわゆる作り変えにゃいかぬというような点も、これは、短期的、長期的に、中期的に見てもこれはどうしてもやらにゃいかぬ問題だと思って理解をしております。
#175
○平野達男君 もう一つテクニカルな質問をします。
 不交付団体の人口割合を増やすというふうに言っておりますけれども、この手法については、どうも総務省と財務大臣、財務省の中でどうも開きがあるようです。財務省は基準財政需要額を見直すと言っています。総務省は税収増をと言っています。これはどっちが正しいんですか。
#176
○国務大臣(麻生太郎君) これは、平野先生、どちらが正しいかと言われると、これはなかなか……
#177
○平野達男君 政府の方針はどちらですか。
#178
○国務大臣(麻生太郎君) おれの方としては私の方をと思っておりますけれども、財務大臣は、多分、多分違うと、多分言うんだと思いますけれども、これは本来公有財産でありますんで、バランスしました、総理が言われるように不交付団体の比率が余りにも少な過ぎる、いわゆる交付団体の数の方が多過ぎるという数字になっておりまして、私どもとしては、これは少なくとも人口比で三割ぐらいのところまで、三分の一ぐらいのところまでは、どうしても不交付団体の人口比で三分の一ぐらいのところまでは増やしたいということになりますと、これは本来バランスしましたのは、昭和五十九年以来バランスしていないと思いますんで、その意味では、地方交付税の部分の税率の話、いわゆる法定税率の話等々を含めて中長期的にはその検討をしなきゃならぬ。もちろん、あれですよ、スリム化の話やら含めてやっていただかにゃいかぬところもありますけれども、私どもとしては、その種の分も考えて、当然これは財務省とかなりいろいろやらにゃ、やり合わにゃいかぬだろうなと思っております。
#179
○国務大臣(谷垣禎一君) 私も麻生大臣と全く違うことを考えているわけではありませんで、当然、こういうその財政を改善していくためには、歳入、税収が増やしていくということも一方でなければなかなかそれはうまくいかないのは当然のことでございます。
 しかし、他方、先ほどから申し上げているように、全体の地方財政計画を圧縮して、全部、私、モラルハザードがあると言っているわけじゃありません。やはりそういうことが一部にございますので、そういうその、何ていうんでしょうか、ものが起きないようにしていくためには、基準財政需要全体を見直して地方財政計画を圧縮していくことが必要ではないかと申し上げているわけです。
#180
○平野達男君 また圧縮という言葉が出ましたが、この基準財政需要額の見直しというのは何かといいますと、これは、おたくの自治体はちょっと財政力大変でしょうから少し交付税をやりましょうと。ところが、基準財政需要額を圧縮しますと、基準が変わりました、おたくの自治体はお金持ちになりましたから地方交付税渡しませんという見方なんです。これは財政力の、また、私、財政力のない自治体、自治体と何回も言いますけれども、これは大変な問題ですよ。これは不交付団体の数をこういう形で増やしたら、これがまた財政力の弱い地方の自治体にしわ寄せ行くんです。だから、こんな話を私は軽々に言ってもらいたくないんですよ。財務大臣、どうですか、これは。
#181
○国務大臣(谷垣禎一君) いや、私も軽々に申し上げているつもりはございませんで、これは、私もかなり過疎地の出身でございますから、自分の選挙区に帰りますとどういう意見があるかもよく承知しております。
 そういう中で、こういうことを申し上げなければならないのは、私も覚悟を持って申し上げているわけでございまして、やはり交付税特会五十兆の借金があるというような現状、それから、今の日本の財政の中で大きな支出になっているのは社会保障と同じ、同時に地方交付税の問題である。そこらをいじっていかなければ持続可能な国も、国の地方も財政もでき上がってこない。どうしても三位一体の中にスリム化の視点を入れていくことが必要だと思っておりますから、私もそれなり性根を据えて申し上げているつもりでございます。
#182
○国務大臣(麻生太郎君) 平野先生の言っておられる点で、地方が努力して、経営努力して浮かしたら浮かした分だけ補助金が減らされる、交付税が減らされる。何のためにやるか分からぬじゃないかという当然の御意見なんだと思いますので、そういう制度では、幾ら努力して、努力しがいが全くないわけですからやる気なんか起きませんよということになっておるのが現状ですので、そういったものをきちんとした方向でやり直していく、中長期的にはと申し上げましたけれども、短期ですと目先のことになりますので、中長期的にはきちんとそういった対応をしていくべきものだと考えております。
#183
○平野達男君 財務大臣のお気持ち、よく分かります。
 ただ、私が言いたかったのは、いずれ、今のまま進みますと、まず一点目、補助金削減で地方に影響が出る、税源移譲で地方に影響が出る、交付税縮減で財政力の弱いところにこれも影響が出る。交付税の配分の見方、このままやったら全部地方の弱い、弱い財政力にしわ寄せが来る。全部地方に影響が行っちゃうんです。
 それで、この中で言っているのは、何と言っているか。地方が決定すべきことは地方が自ら決定する。二〇〇三年の骨太方針です。地方の、歳入歳出の地方の自由度を高める。どこで高まりますか、こんなのが。これ、地方のできることは地方にできる、これは総理大臣言っていますね。このまま進んだら、やれるところはやってくださいということになっちゃうんですよ。その問題の意識、総理、是非持ってください。
#184
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今の御議論聞いてよく分かっていると思うんですが、現状維持がいいという声もたくさんあるんです。改革しようと思うと現状維持がいい。
 特に交付税の場合は、三千百、地方の団体、約、ありますが、そのうち交付税要らないというのが百ちょっとぐらいですよ。ほとんど、財政調整というよりも、ほとんど交付税受けているわけです。だから、税源なんか自分で探すよりも、今までもらった方がいいという団体が多いというのも事実でありますが、私は、そういうことではなくて、今言ったように、補助金を要らないと、税源を移譲してくれという意欲のある地方交付、地方団体と、あるいは現状のままでいいという団体ありますから、そういう意見をよく考えながら、地方がそれなりの歳出自由度を拡大して努力していく、それが報われるような補助金、税源移譲、地方交付税改革をしなきゃならないというのが本旨であります。
 そういう線に沿って、今、財務大臣も総務大臣も地方団体の代表も協議して、これからかんかんがくがく、それは賛否両論出てくると思います。それを調整していくのが政府の仕事だと思っております。
#185
○平野達男君 私が言っているのはそういう問題じゃないんです。
 例えば、構造改革の芽が大きな木になる。本当に木になるんだったら、多分この木は弱い財政力の栄養分を吸って大きくなりますよ、この三位一体改革は。そういう意識を持ってもらいたいということなんです。
 そして、しかも、二〇〇三年についてはそういうことは一言も書かれていない。先ほど財務大臣言われたことは本音だと思います。ところが、ここは、三位一体改革は、バラ色の世界のことしか書いてないんです。ここに大きな勘違いがありますよ、勘違いが。本当の意味での勘違い。これをきっちり説明してないんです。財務大臣が苦しい胸中をやって、今、国の財政が非常に大変だというように言われました。そこは理解します。それをしっかり説明したら、財政力のない自治体だって考えますよ。ところが、三位一体改革がどうのこうのと言って、地方交付税で面倒見ますとか言いながら、実際は全く別なことをやっているじゃないですか。そこに最大の混乱が今あるんですよ、これ。
 総務大臣、じゃない、失礼しました、総理大臣、どのように思われますか。
#186
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 確かにバラ色ではありません。
 なぜならば、国も地方も借金依存しているんですから。国は四割、地方もかなりの額で借金依存しています。一般歳出を削減しなさい、与党、野党も皆さん言います。一般歳出を削減するというのに痛み伴うんですよ。現状維持してくれ、自分のところに関係ないところは削減してくれと、自分のところに関係してくるのは削減するなという声はどこでもそうです。総論賛成各論反対。
 じゃ、国債発行する。ああ増税しなくてよかったと。国で負担してくれる。これ、増税しないでそのような負担したら借金です。ところが、議論出てくるのは、借金、国債これ以上増発するな、国債減らせというような議論であります。そう簡単にいく問題じゃないから、しかしながら、これ以上借金を増やすことできないだろうと。増税も難しいだろう。だから、無駄な費用を削減しなさいということで行財政改革がまず必要だということで、今、小泉内閣の最大は、増税ありきじゃない、行財政改革だということで今熱心にやっている。
 そういう、総論賛成の中で各論反対をどうやって理解を得ていくというのが難しい問題ですから、御意見はよく分かっています。そんなバラ色じゃありませんよ。
 じゃ、国債をもっと発行しろといったら、後々の負担はだれがするんだという問題が出てくる。増税いかぬ。歳出削減しなさいと。みんないかぬ。そこは、難しいところは政治でやらなきゃならない。これが小泉内閣の課題であります。
#187
○平野達男君 ところが、バラ色の自治体もあるんですね。交付税の削減やられても全然影響を受けないところもあります。補助金の削減やられても影響の少ないところもある。そういう、自治体の中にいろんな自治体があるんだという視点を本当に忘れていますよ。総論はいいんですけれども。その視点を是非持ってもらいたいと思います。
 批判ばっかりしちゃ駄目なんで、じゃ、どうすればいいか、これからその議論に、ちょっと、若干まだ時間ありますから提案させていただきます。
 まず、地方交付税総額、これは地方の独自の財源だと言っていました。これは間違いないですね。
#188
○国務大臣(麻生太郎君) 南野先生のまねをするわけじゃありませんけれども、先ほど御答弁申し上げたとおりであります。
#189
○平野達男君 その地方の本来財源であるべきやつが国の裁量でどんどんどんどん変わってきている。これはおかしいですよね。どのように思われます。
#190
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほど額をお示しいたしましたとおりに、この小泉内閣ができました平成十三年以降で見ますと、おっしゃるとおりに、地方交付税の比率が、額が総額で三・四兆円下がっております。それに比べて、国の一般歳出は一兆一千億下がっております。したがって、地方の方が三倍じゃないかと、単純計算すればですよ。片っ方の方は、こちらの方は元が二十兆ですから、こちらの方は四十兆ですから、そういった意味では、地方交付税は私どもから見ますと二十兆の元が十六・九兆、約十七兆に下がったのに対して、四十八・七兆が四十七・六兆ですから、比率でいけばもっと違うことになろうと思いますので、そういった意味からいきますと、私どもとしては、これはすごく大変地方に、地方の方に痛みが伴う形になっておるという御指摘は、決して間違っていないと思います。
#191
○平野達男君 資料三を見ていただきたいと思います。(資料提示)これは、実は地方交付税総額の構成ということで、これ概念図として書いたものであります。
 これは、詳しい説明は避けますが、国税五税分、これは国税の税収の伸びによって自動的に決まってきます。それに一般会計から特例加算、特例地方債というのをこれは発行するんですが、これは折半対象で、これは国と地方折半という形になっています。
 この折半対象財源不足額が、どういう基準か分かりませんが、大きく変わる。特に、平成十五年度から十六年度においては、先ほど三兆の地方交付税総額の削減が出ましたけれども、それはこの折半対象財源不足額でこれを落としているんです。これは、地方にとってはもうブラックボックス、ブラックボックスで、先ほど小川委員から出ましたけれども、正にブラックボックスなんです。地方の特定財源であるやつが、総務省と財務省との裁量の中でどんどん動いているんです。
 財務大臣、この認識は共通して、共有していただけますか。
#192
○国務大臣(谷垣禎一君) そこが十分御理解をいただいてないところだと私は思うんです。
 要するに、イロハのイみたいなことを平野委員に申し上げて恐縮でございますけれども、要するに地方財政計画の歳出と歳入の足らず前をこの特例加算と特例地方債で埋めるということになっておりますから……(発言する者あり)いやいや、そうですよ。どの本を見てもそんなことは書いてないんですけれども、現実にはそういう形で決められているわけです。そういうふうに決められているのが現実でございます。
 したがいまして、先ほど申しましたように、地方税収等が増えてまいりますと、どうしてもここは圧縮される、こういう形になっている。これが地方財政計画、そしてしたがって、その足らず前を埋めるこの特例加算と特例地方債ができてくる経緯でございます。
#193
○平野達男君 それは教科書の答弁です。実際は地方財政総額を決めるんです。決めて、地方債と地方交付税が決まって、その差額が財源不足になるんです。だから、全然順序が違うんです、それは。積み合わせじゃないんです。だから、地方交付税全体の総額を増やそう、狭めようと思ったら、調整弁はここになっちゃうんです。そのルールが全く決まってないんですよ。
 だから私は、これを、せっかく三位一体の改革をやるならば、全部税率、先ほどの一兆円の問題もありましたね、三兆円税源で一兆円減るという話もありました。それも含めて、これを全部税率化することを早急に検討してもらいたい。地方は安心しますよ、これで。そうすると、毎年度毎年度地方の総額が見えますから。どうですか、総務大臣。
#194
○国務大臣(谷垣禎一君) 今の御提案ですが、まだ私としてしっかりお答えするだけの検討はございませんが、今伺いまして、それをやりますと、要するに何年間かにわたった財源補てん機能というのをあらかじめ保証することになりまして、私はまず地方財政のスリム化の努力をしていただくということが先にあって、そこから先、足らず前をどう埋めていくかという議論が、議論の順序としてはあるべきだと思っております。
#195
○平野達男君 私が言っているのは、スリム化は必要かもしれません、だけど、最終的なゴールイメージとしては、この裁量の部分を削ってください、一定の税率化にしてください。どうですか。
#196
○国務大臣(谷垣禎一君) これは私が答えるより麻生財務大臣かもしれませんが、私、さっき平野先生のおっしゃっていることと私の言っていることはそう違いございませんで、まずいろんな基準財政需要の何かから地財計画というのはできますね。それからもう一つ、歳入額というのが決まってまいりまして、その足らず前をこの特例加算と特例地方債で折半して埋めるという形になるので、まずはその地方歳出、地方財政計画の規模というものが先にあるわけでございます。その足らず前を埋めるという形で常にここが、この今お示しになった緑色のところが決まってくると、こういう形でございます。
#197
○平野達男君 私の時間もなくなって──どうぞ。
#198
○国務大臣(麻生太郎君) 今のその上のところの部分の話なんだと存じますが、基本的に、平野先生御指摘のとおり、交付税改革というものの本質というものは、基本的にはこれは、地方固有の財源という大前提を忘れて話がみんなされる方が多いんですが、まず、そこを押さえておいた上で中長期的に物を考えました場合におきましては、これは行政サービスの水準と国民負担の在り方ということになるんだと思いますが、それを議論した上で早期に国と地方の役割分担というようなこともあろうかとは思いますけれども、基本、中期的に見た場合には、地方財政の姿に関するガイドラインというものを考えた場合におきましては、少なくとも交付税総額というものが確保されるようにするということももちろんなんだと思いますが、法定率分のリセット、リセットというか、セットをし直すというのが一つの大事な観点だと思っております。
 また、国の関与の削減、廃止等々を含めまして、やっぱりそれに対応した交付税の算定方法というのもまた考えにゃいかぬところだとは思っておりますので、簡素化するとか中立化するとかいろんな方法、手法があるとは思いますけれども、とにかく、いずれにしても、そういったことがされることによって地方を経営している側にとりまして、地方公共団体を運営している方々にとりましては、少なくとも予測、予見可能な率が、幅が増えてくるというのはとても大事なところだと思っておりますので、たんびたんび、年末でころころころころ変わられるのはとてもたまらぬという気持ちはよく理解しておると思っております。
#199
○平野達男君 また財務大臣と総務大臣の間に溝があるようですね。
 あと一点ですね、交付税総額がもしこれ、多分これ、今景気が上昇すれば別ですけれども、ある程度削減されるというのはこれは私も正直言ってやむを得ないと思います。そういう中で、今の補助金制度を残していますと、先ほども言いましたけれども、お金のあるところが補助金をもらえるという仕組みに、可能性が増えるんですね。これ、どうすればいいか。その答えが補助金の交付金化です、交付金化です。この交付金化をしますと、例えば五十のお金があって、今まであった補助金でやりますと、地方は五十のお金を用意しないともらえないんです。もらえないからゼロになる。交付金化は五十のお金でも五十もらえます。是非各閣僚の皆様方、この三位一体の改革に併せまして、補助金の交付化というのを検討していただきたい。これは要望、要望申し上げておきます。
 それから最後に、総務大臣と財務大臣、いろんな点で溝があります。この溝を埋めるのは総理大臣の、官房長官じゃなくて総理大臣の仕事でありますから、総理大臣に対するそのリーダーシップの発揮も、いい意味でのリーダーシップですよ、悪いリーダーシップじゃないですよ、勘違いの違いしたリーダーシップではなくて発揮していただくよう最後にお願い申し上げまして、私の持ち時間になりましたので、次の我が党のエース、大塚耕平さんに質問を譲りたいと思います。
#200
○委員長(中曽根弘文君) 関連質疑を許します。大塚耕平君。
#201
○大塚耕平君 民主党・新緑風会の大塚でございます。
 今日は、幾つかの課題について考え方を整理しつつ議論をさせていただきたいと思います。なお、実務的な質問については答弁は事務方の政府参考人からしていただくことで結構でございますので、私は有意義な議論をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、この十月から新しい制度がスタートしました年金について議論をさせていただきたいと思います。
 冒頭、年金の数理計算、財政再計算とは何かということについてひとつ分かりやすく御解説をいただきたいと思います。
#202
○政府参考人(渡辺芳樹君) お答え申し上げます。
 年金の数理計算についてでございますが、これは、長期にわたって年金財政の均衡を保つためにそうした長期にわたる収入、支出、積立金等の見通しを作成することを申します。
 今、先生、財政再計算というお話、言葉をお使いになられましたが、この言葉は関係の条文がございますけれども、こうした年金の数理計算を定期的に新たに判明した実績等を踏まえて見直すということを指しております。
#203
○大塚耕平君 定期的に新たな事実が出てきたときに再計算するということですが、今まではどういう頻度でどういう事実が明らかになったときに再計算してきたんですか。
#204
○政府参考人(渡辺芳樹君) お答えいたします。
 これまでは法律の厚生年金保険法でいいますと、第八十一条に、五年ごとに再計算されるべきものとするという規定がございました。改正後の法律で申しますと、厚生年金保険法二条の四におきまして、少なくとも五年ごとに作成しなければならないというふうに規定されているところでございます。
#205
○大塚耕平君 今回新しく制度がまたスタートしましたが、五年後に再計算をされるんですか。
#206
○政府参考人(渡辺芳樹君) 新しい制度においては財政検証というふうに私ども呼んでおります。従来の制度は財政再計算というふうに呼んでおりましたが、これは従来の法律が、保険料率は、保険給付に要する費用の予想額等々に照らして将来にわたって財政の均衡を保つことができるものでなければならず、かつ少なくとも五年ごとにこの基準に従って再計算されるべきものとする、すなわち保険料率は再計算されるべきものとするという制度でございました。
 今回は、政府は、少なくとも五年ごとに、保険料及び国庫負担の額並びにこの法律による給付に要する費用の額その他事業の財政に係る収支についてその現況及び財政均衡期間における見通しを作成しなければならない、こういう財政検証ということで、直ちに保険料率をそれにより再計算するという制度ではない。それは裏を返しますと、今回の新制度は、保険料率の、保険料負担水準の固定方式ということを導入しているからでございまして、五年ごとにその前提となる財政の諸条件を検証し、五年ごとに保険料率を見直すという仕組みではないということを申し上げているところでございます。
#207
○大塚耕平君 丁寧に御説明いただきましたが、検証するということは、まあ五年ごとに再計算をするということだと思いますが。
 今回の通常国会での年金議論において、この十月からの年金制度は百年安心ということがキャッチフレーズでありましたので、当然二一〇四年までの計算をされたんですね。
#208
○政府参考人(渡辺芳樹君) お答えいたします。
 厳密には二一〇〇年までの財政の計算をさせていただきました。今からいうと九十五年程度でございますけれども、おおむね百年ということで有期の財政の検証をさせていただきました。法律の、先ほども申し上げました規定に基づきまして、前項の財政均衡期間はおおむね百年間とするというふうにルール付けをしておるところでございます。
#209
○大塚耕平君 まあ四年ぐらいはおまけしておきますけれども。
 当然その再計算されるときに、パラメーターといいますか、いろんなデータを入れるわけですが、厚生労働省が財政再計算、今後百年年金制度が安心かどうかを確認されるためのその計算に使っているパラメーター、ちょっと硬い言葉で恐縮ですが、外生変数とか、そこから出てくる答え、内生変数とか方程式の数とか、これはどのぐらいの規模のものでやっておられるんですか。
#210
○政府参考人(渡辺芳樹君) 年金の数理計算に用いているそういう指数、基本の係数と、こういうことでございます。
 第一に、将来人口、推計人口及び労働力率の見通しを基に作成した将来の加入制度別の被保険者数というものが一つの基本的な数字になります。もう一つの基本的な数字は、推計のスタート時点における被保険者及び年金受給者の実態を示す様々な初期データをもう一つの柱にしております。また、それらの初期データ、基礎数と申しますが、それの将来における年々の変化を推計するために使用する基礎率データというものの大きく三つに分けられるものでございます。
 これを基にいたしまして、将来の給付費などを一年ずつ漸次推計していると、こういうものでございますので、いわゆる経済モデル、先生大変お詳しい経済モデルにおきます外生変数、内生変数、方程式と、こういった構造にはなっておらないわけでございますが、ただいまお尋ねでは、この数理計算の規模をですね、どんなものかというお尋ねでございましたので、適切な表現かどうか分かりませんが、先生も御承知のとおり、今回の財政再計算に使用したデータというものをプリントアウトいたしますとどういうことになるかということを以前御要請ございましたんですが、A4の用紙に印刷しました枚数で申し上げますと、大変恐縮でございますが、プログラムで約八百枚、使用データに関して約四千三百枚、合計五千百枚の紙を積み重ねる、これが年金財政再計算の外形的な規模でございます。
#211
○大塚耕平君 総理にお伺いしますが、通常国会の議論に入る前に、この財政再計算というのがそのぐらい大変な作業だということは御存じでしたか。
#212
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私も厚生大臣を経験しまして、財政再計算の専門家の一度話聞いたら、聞けば聞くほど分からなくなるぐらい実に難しい数理計算。とっても私の頭では理解できないぐらい難しい計算をやっているんだな、御苦労分かりました。しかし、財政再計算というのは必要であり、政治家の頭では理解になかなかできないほど難しい、専門家を集めて厚生省はやっているんだなということはよく分かりました。
 そして、財政再計算も五年ごとにやってまいりましたけれども、計画どおりに、予定どおりにいかないということは現実が証明しております。しかし、それはやらないと、持続可能な年金制度をある程度国民に分かりやすく説明するためにも、一定の条件、所与の条件変わりますけれども、こういう条件の下にはこうなりますよという数字を分からないと実際の給付の額、保険料の額分からないというものですから、これはやっぱり必要なことだなと。しかし、極めて難しいということも事実であります。現に、物価の伸びとか賃金の伸びというのは予定どおりいかないというのは過去の事実が証明しております。
 比較的分かりやすいのは人口ですね。これはもう現在生まれている数、分かっているわけですから、将来、出生率大体分かりますけれども。そのほかについては実に難しい、予測しにくいものがあるというのは私もよく分かっております。
#213
○大塚耕平君 まるで総理と口裏を合わせたかのように私の言っていただきたい御答弁をしていただきまして、大変有り難いお話でありますけれども、ちょっとパネルよろしいですか。この年金の方ですね。(資料提示)
 皆さんのお手元にも資料をお配りしていると思いますが、通常国会で延々と私どもが議論をさせていただいたのは、この一番上のところ、年金制度の仕組みをどうするかということを与党の皆さんの案と私どもの案でいろいろ議論をさせていただきましたが、国会ですから与党案が最終的に通るというのは別にこれはしようがないと私は思っております。
 しかしこれは、この右側に黄色い丸でパネルには打ってありますが、設計、実験、構築・運営、支払・受取というふうに並べますと、これは飛行機に例えると、通常国会で議論したのは飛行機の設計図を作っただけなんですよ。年金財政再計算とか数理計算というのは、その設計図どおりに飛行機を作ったら本当に飛ぶのかという風洞実験なんです。
 そこでお伺いしたいんですが、通常国会のときの財政再計算の出生率は幾つで計算しましたか。
#214
○政府参考人(渡辺芳樹君) 出生率に関してでございますが、合計特殊出生率ということで、二〇五〇年を目指しまして一・三九というところを財政計算の基礎とさせていただきました。
#215
○大塚耕平君 二〇五〇年で一・三九を入れているわけですね。二〇〇〇年の実績は幾つですか。
 そんな数字は頭に入ってないと駄目でしょう。
#216
○政府参考人(渡辺芳樹君) 二〇〇〇年がたしか一・三六ではなかったかというふうに考えております。
#217
○大塚耕平君 おっしゃるとおりです。
 二〇〇〇年の実績が一・三六のものが二〇五〇年に一・三九に増えるわけですね。
#218
○政府参考人(渡辺芳樹君) その動向につきましては、国立社会保障・人口問題研究所におきます将来人口推計というものを直近の国勢調査を基にスタートして専門的にやっていただいた結果でございます。
 その間に、出生に関する様々な国民の行動の変化というものを織り込み、晩婚化、晩産化というようなファクターも入れながら、将来、例えば三十代後半に至っても更に出生を迎える方々も数多くなるというような要素も盛り込みまして、途中で少し反転をして一・三九の方に向かっていくのではないかと。この一・三九というのも国際的に見ると極めて低い水準の一つであるというふうに、厳しい見通しの一つであるというふうに見ております。
#219
○大塚耕平君 過去五年ごとに行ってきた財政再計算で、再計算時に想定した出生率が実績を上回ったケースはありますか。
#220
○政府参考人(渡辺芳樹君) 過去二回……
#221
○大塚耕平君 あったのか、ないのか。
#222
○政府参考人(渡辺芳樹君) の前提で申しますが、見通しより下がってきているというのが実情でございます。
#223
○大塚耕平君 そうすると、二〇〇〇年が一・三六、そして通常国会の後に二〇〇二年が一・二九と判明した出生率が二〇五〇年に一・三九に上がるという根拠は何ですか。
#224
○政府参考人(渡辺芳樹君) 他の先進諸国におきましても、先生御承知のとおり、出生率というのは一方的に下がるという国は少のうございます。様々な対策を講じる中で、これが重立った西欧先進国でいえば一・五前後でこう上がったり下がったりするというような国が多いわけでございます。
 私どもも、これからの経済の安定化あるいは発展への様々な施策、及びこの次世代育成支援、少子化対策という領域の新しい施策の積み重ねというものを国を挙げて、津々浦々の御努力を得て、それを支えていくという努力をこの数十年の間に積み重ねていくという前提を私ども考えております。
#225
○大塚耕平君 最も民主党から尊敬を集めている大臣であられる尾辻大臣にお伺いをいたします。
 私は、直ちに出生率の見通しを少し下げた形で財政再計算をするべきだと思いますが、いかがですか。
#226
○国務大臣(尾辻秀久君) 率直に申し上げます。
 この問題のというか、年金法の改正の議論をいたしましたときに私は党の立場におりまして、こういう数字をいろいろ持ってきました。上位、中位、下位と分けて持ってまいりまして、今ここに詳しい資料を持っておりませんけれども、下位というのはたしか出生率一・一〇で計算しておったと思います。そうした中で、私どもも言わば政治的な判断加えてこの答えを出したわけでございまして、責任は私どもにあるということを、逃げるつもりは全くありません。まずそのことを今のやり取りを聞いていて言わなきゃいかぬなと思いましたので、あえて申し上げるところでございます。
 その上で、今の先生のお話でございますけれども、間違っていたら正すというのは当然のことでありますから、絶えずそういう努力はしていくつもりでございます。
#227
○大塚耕平君 ということは再計算を直ちにするという理解でよろしいですね。
#228
○国務大臣(尾辻秀久君) 直ちにと言われますと、正に直ちになるかどうか分かりませんが、今日の先生の御質問の趣旨踏まえまして、私ども真剣に検討をいたします。
#229
○大塚耕平君 こうやって国会で一つずつ物事が決まっていくことが国会の役割ですから、大変立派な御答弁だと思います。
 年金局長に聞きますが、低位推計でも計算したというのは私も知っていますが、一・一〇を入れたら何年もつんですか、年金制度は。何年かだけでいいの。
#230
○政府参考人(渡辺芳樹君) いえ、二〇二三年に給付水準の五〇・二%というのは国会にも御説明を申し上げた一・三九をベースにした見通しであり、制度的にはこれを下回らないようにするというのが今回の制度改正でございまして、一・一〇でいった場合にどうなるのかというのも既に御答弁申し上げておりますが、約四六%にほっておけばそうなるということを申し上げたわけでございますが、その間、二〇二三年に向けてその直近までの様々な要素を入れて、その時点で制度の給付と負担、その他の問題を改めて見直して、その五〇%というものを維持していこうというのが今回の制度改正でございます。その間の様々な出生率の変化につきましては、給付水準の調整により対処、対応をしてまいりたいというふうに考えております。
#231
○大塚耕平君 パネルいいですか。済みません。いや、同じ年金のです。
 この「実験」のところ、「予測」のところが検証が必要だということは、今この議場にいらっしゃる多くの先生方が内心御同意をいただいているんではないかと私は思います。
 さて、「実験」では正しく何とかもつと思われた年金制度、飛行機に例えればその機体が本当にその制度どおりに作られているかどうかという、それが三番目のこの構築と運営であります。これは社会保険庁がその業務を担っており、社会保険業務センターがそのコンピューターシステムを運営しているわけでありますが、そこで厚生労働省に聞きますが、去年以降、この業務センターの事務ミス、業務ミスはどのぐらい明らかになっていますか。
#232
○政府参考人(青柳親房君) お答え申し上げます。
 まず冒頭、度重なる年金の支給ミスによりまして受給者の皆様に多大な御迷惑をお掛けしたことにつきまして深くおわび申し上げます。
 そこで、ただいまのお尋ねでございますが、まず支給ミスにつきましては、大きく二つの原因がございます。一つの原因はシステムの開発時のプログラムのミスによるもの、もう一つは社会保険業務センターそれから社会保険事務所における事務所の処理誤りによるものということでございます。
 この二つの原因に基づきまして、大まかにこれまでの支給ミスの全体像を申し上げますと、まず、年金が本来払われる額よりも多額の支払になってしまった、いわゆる過払い等のケースにつきましては大きく七つのケース、対象者数がおおむね一万六千九百人ぐらいの方々でございまして、過払いの総額がおよそ三十四億五千万円になっております。また逆に、本来支払うべき額よりも過少な額になった、いわゆる未払のケースにつきましては事象が四件、対象者の総数が三万八千四百人、未払の総額が二百五十億三千万円となっております。
 これらにつきましては、いずれも昨年六月の給付誤り以来のケースでございますが、これを契機といたしまして、年金給付システムの総点検を現在行っております。プログラムのミスや事務処理の誤りがその都度明らかになったものから対象者の方々におわびをするとともに、順次公表をさせていただいているところでございます。
#233
○大塚耕平君 年金局長に聞きますが、業務センターの二つの、センターの三つのシステム、聞いたところによると五十メガステップのプログラムだそうですが、プログラムのドキュメントを自分の目で確認したことありますか。
#234
○政府参考人(渡辺芳樹君) かつて業務センターを視察いたしまして、その場で様々なものを見せていただいたことは事実です。年金局長に就任いたしてからはまだ行っておりません。
#235
○大塚耕平君 それだけ膨大なシステムというのは、これは確率的にバグがあったり間違いがあるのはこれは当然なんです。それをちゃんと検証しているかどうかということをもう一度聞きます。ちゃんと検証していますか、年金局長。
#236
○政府参考人(渡辺芳樹君) 制度改革に当たりましては、制度企画部門である私どもとその業務実施部門である社会保険庁が密接に連携をし、様々な社会保険庁のシステムの問題、現場の問題などもよく話合いをしながら制度設計をさせていただいております。
#237
○大塚耕平君 ちょっとよろしいですか。度々済みません。
 いいですか、総理。通常国会のときにいろいろ議論しました。議論したのは、この一番上のところしかやっていないんですよ。この真ん中の青い帯の掛かった、このパネルで言うところの「実験」や「構築・運営」のところについて、これが本当に事務方の皆さんがきちっとやっておられるかどうかということについて、政治、国会がきっちり検証していないんです、まだ。そのことを私は直ちにやるべきだと思う。さもなければ、この一番下にいる国民の皆さん、払っている保険料多過ぎるかもしれない、もらっている給付金少な過ぎるかもしれない。今、テレビをごらんになっている皆さん、物すごく不安になっていますよ、間違いだらけですから。
 総理に御提案申し上げます。この青い帯のところ、ここは政策論争ではなくて実務の話ですから、私を含めてどうぞ与野党のまだ体力のある議員を使って直ちに検証チームを作ってください。これは我々の世代以下には大変大きな問題なんですから、直ちに作ってください。私は総理補佐官として働きますよ、どうぞ。
#238
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いい御提案だと思っております。全体としての数理計算、帳じりが合うのか、また社会保険庁、業務計算、保険料、給付金の計算は正しいのか、こういう点については、直ちに調査、正しい方向に持っていくことが必要だと思っております。
#239
○大塚耕平君 尾辻大臣といい、総理といい、前向きな御答弁をいただけて大変結構なことだと思います。本当にそのお言葉どおりにやっていただけることを改めてお願いを申し上げて、次の話題に移らしていただきます。
 次は郵政であります。
 総理にお伺いしますが、郵政改革、今いろいろ議論になっておりますけれども、ちょっと前は、郵政改革においては入口問題、出口問題、あるいは入口改革、出口改革という言葉があったんですが、この入口出口ということについて是非総理のお言葉で国民の皆さんに分かるように御説明をしていただきたいと思います。
#240
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 特殊法人改革というのはこれは出口の問題。というのは、特殊法人の多くはこの資金が何で運用展開されているか、事業がなされているかというと、資金は、財政投融資制度というのがありますけれども、多くは郵便貯金、簡保の資金、これによって特殊法人の事業展開がされているわけであります。
 もとより、その入口のある郵政、中間の財政投融資制度、そして出口の特殊法人のいろいろな事業、まあ、よく特殊法人のずさんな事業展開が国会でも指摘され、批判されておりますが、その特殊法人のそれでは採算が取れない部分は、国として採算は取れないけれどもどうしてもやらなきゃならない部分もあるでしょう。しかし同時に、特殊法人の中でも何でこんな事業をやってきたのかと、この負担、赤字、どこが負担するのかというと、普通の考えでいえば、その資金の郵便貯金している方、簡易保険契約入っている方、そうするとここに負担をさせなきゃいけないんですよ、赤字は。ところが、それは郵便貯金のしている人に責任はないだろう、簡保に入っている人にはこれ責任ないだろう、だから税金で負担しているわけです。
 こういう点を正さない限りいつまでたっても特殊法人の無駄な事業改革は進まないということで、この郵貯の資金、簡保の資金をもっと有効に国民のために使わなきゃならないというのが、入口から中間の財投から特殊法人、一体的に解決すべきだというのが私の郵政改革の趣旨でございます。
#241
○大塚耕平君 総理の御説明に合わせてパネル作ってきました。(資料提示)左が入口、白い方が入口、右っ側が出口であります。
 ごらんのように、白いのはきれいな国民のお金、どんどんどんどん国民から右の方に流れています。で、右の方から来ている茶色い色のこの国債があるいは財投債、財投機関債と言われるものがどんどんどんどん国民の方に流れていく。最近は自治体まで地方債を独自に売ろうとしている。
 こういう絵を作らせていただきましたが、今回の郵政改革の政府案ではこの出口改革は何をやろうとしているんですか。この社保庁とか特殊法人とか、政府の支出、この無駄をなくす、何をやろうとしていらっしゃるんですか。
#242
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは特殊法人一つ一つ、それぞれ事業は違いますが、具体的な例が道路公団の例でありました。一番税金を使っていた部分であります。これを、公団で運営するよりも民間に任せた方が無駄な道路も造られないだろうと、財政負担も少なくて済むだろうということで、既に道路公団に対する一般会計からの税金投入はやめにしました。
 来年から民営化されます。こういう点については、今後、必要な道路、道路公団、道路民営化会社ではこれは採算取れない。しかしながら、地方が、住民がどうしても必要だと、国としても、これは採算が取れないけれども、地域全体、国全体のことを考えれば必要だということについては、それではどういう税金負担が必要か、どのような地方負担が必要かということを考えて、必要な道路ははっきりと、この程度税金が掛かりますよと、それでもいいんですかという見方が道路公団の民営化になればできます。そういう改革をした。
 今まで、道路公団のときには一切通行料金は引き下げることがありませんでした。しかし、今度は民営化、来年からは料金を一割以上下げることを既に決定しております。来月からは、できることは引き下げようということになっております。まあこういう、一つ一例挙げれば、この道路公団の改革。
 あるいは、年金福祉事業団というのがありました。これは何だと。年金の掛けている人のお金を使って、ああ、ホテルだのリゾートとか使ってどうなるのかと。民間がやっていることだってできるのに、何でこんなことやるんだと。いや、金があるから造っていった、しかしいつの間にかこの負担が多くなっている、年金保険料で負担させるのかということで、この年金福祉事業団も廃止しました。
 そういうふうに、特殊法人のいろいろな問題がある。個別にやっていくんですけれども、もっと根本的なのは、じゃ、入口の資金を分からないようにどんどんどんどん、金があるから使うと、郵貯の金がこれだけあるから、簡保の金があるからどんどん、これどうやって使うんだ、運用していくんだということで、特殊法人がどんどん使っていた体制を改めようというのが特殊法人の改革であり、財投の改革であり、郵政の改革であります。
#243
○大塚耕平君 そのように特殊法人や社保庁や政府の機関が無駄遣いをしてきた期間、政権を担っていた政党はどこですか。
#244
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 自由民主党であり、かつて、だからこそ郵政民営化は全政党が反対していたんじゃないですか。国民が必要だから、負担は分からない、税金やれ、これは必要。みんな地方、喜びますよ。道路でも、おれたち負担しないなら高速道路造ってくれ。地方も全部賛成。後、使う人の通行料金と税金投入すればいいんだと。
 郵政だって、これは、これだけ資金があるんだから、国民に必要だと、便利だと。しかし、民間で全部できるんですよ、ほとんど。郵貯、簡保、郵便事業、宅配見ても。それは役人じゃなきゃできないという人もいますよ。私は民間人でできると思います。郵便局の運営、今、国だから三事業しかできない。あの郵便局の運営を民間に任せれば、私は、三事業以外にいろんな国民の、地方の要望にこたえて事業展開してくれると思います。なおかつ今、税金払っていない。民間企業になれば、必ず利益を上げれば法人税なりを払ってくれなきゃならない。今、見えない負担だけでも、今言ったように、本来、採算の取れない部分は一般会計、税金で負担しているわけです。
 こういう問題についても、住宅金融公庫も廃止したのも、これは民間金融機関ではできないから廃止できないという議論だったのを、民間でやっているじゃないかと、民間にやらせればいいじゃないかと言ったら、これは国じゃなきゃこういう融資はできないと言ったのが、いざ民間がやってまいりました。
 こういうふうに、できない、できないと言っていながら、民間でもできる。役人を信用する人いますよ。役人の方がうまくできる。現実に郵便事業においても宅配というのは民間が進出したんです。それでこれだけ普及してきたんです。
 役人じゃなきゃできないということと、民間にできることは民間にできること、賛否両論あるというのは知っています。私は、まず民間にできることは民間にやらせればいいじゃないかと、そういうことからもっと大胆に民間に開放した方がいいじゃないかと。
 これからは、今これ四十万人も、本当に四十万人の公務員でなきゃ郵便局は運営できないのかという議論と、いや、これは民間人でできるという議論がこれからどんどん展開されてきています。これ議論の中で、もっと詳しく議論したいと思いますが。
 私は、自衛隊でも二十数万人ですよ、全国の都道府県の警察、全部警察官を集めても二十数万人、それを何で四十万人の公務員じゃなきゃ郵便局、あの三事業できないのかと、こういう問題もあります。
 非常に議論がありますから、これは本当にやりがいのある議論ですから、私は、この問題が多くなされて議論をしていけば行財政改革の本丸であると。しかも、これから消費税を上げるのが必要じゃないかと、小泉は消費税を上げないと言ったのは無責任だと言っていますが、私は、郵政民営化をやることによって、税負担を考えると、将来増税しなきゃならない時点があったとしても増税の幅は少なくて済む。徹底的に行政改革、財政改革やるための改革であると。今までなぜ全政党が反対していたのか、これはこれから議論するうちに明らかになると思いますから、その議論を楽しみにしております。
#245
○大塚耕平君 楽しみにはしておりますが、一国民として総理にお願いを申し上げますが、総理大臣というのはやはり冷静さが必要でありまして、今、郵政改革については必要性をたっぷり聞かしていただきましたが、私の質問はこの五十年間の政権与党はどこでしたかということなんですよ。もういいです、いいです。
 さて、パネル、いいですか。
 そう言いながら、道路公団も含めて財投機関債とか財投債とかを発行して、何だかんだの形でまだ国民のお金が流れる仕組みになっている。例えば、財投から郵貯、年金には、平成十一年の申合せで平成十三年から六年間引き続き財投債を引き受けている。今年度はたしか二十九兆ぐらいだったと思います。これは、平成十一年の当時の大蔵大臣、郵政大臣、そして総理大臣、この申合せでは六年間でやめるということになっていますが、これは六年間でやめるということで、ここでもう一回、関係大臣全員答弁してください。
#246
○国務大臣(谷垣禎一君) 平成十一年度の約束は、市場の、市場に急激な変動を与えることを避けるためにできたものでございまして、平成十九年度でその役割は終えることができると思っておりますので、それを延長するというような考え方はございません。
#247
○大塚耕平君 総務大臣、お願いします。
#248
○国務大臣(麻生太郎君) 今、谷垣大臣からお話があっておりましたとおり、これはあくまでも七年間の経過処置ということになって話ができ上がっておりますので、郵政公社が民営化をされた後といたしましても、その場合、民営化後の郵便貯金会社、それから簡易保険会社等々が財投債というものを制度的に買い続けるということはありません。
 ただ、お断りをしておきますが、こちらもお金貸すのはアマチュアみたいなのが一杯始めるわけですから、それどうやって運営するんだって、国債絶対買わないんだなって言われても、それは無理ですよ。そこまで言質を取ったようなことを言われると困りますので、制度的に買うということはありません。
#249
○大塚耕平君 まあこれで、平成十九年には制度的にこの国民の年金、郵貯の白い矢印で示されているお金が制度的に財投債に流れることはなくなるということですから、これはまた一歩前進で大変結構なことだと思います。
 さて、この出口の方を改革すること、これが本当に重要なんですが、じゃ、しからば例に出してお話をさしていただきますが、今一番問題になっている社保庁、社保庁がどのぐらい無駄遣いを是正しているかということについてお伺いしたいと思います。あっ、パネル結構です、もう。ありがとうございます。
 通常国会で大変大きな問題になった、国民のお金で歳出を行っているにもかかわらず、それが職員の元にキックバックとして監修料で戻ってきている。この件について、発覚した事実、金額、事件の詳細等についてざっと御説明をしてください。
#250
○政府参考人(鈴木直和君) 今監修料についてのお尋ねがございました。
 この監修料につきましては、かつて選択エージェンシーの監修料についてで調査をし、それを公表したのがございます。正確な金額は覚えておりませんが、約七千万円程度というふうに記憶をしております。
 その後、それ以外のところでもその監修料の受取があるんではないかということで、これについては、現在そういった全体の監修料について調査をしておりまして、できるだけ早急に調査結果を取りまとめて公表したいと考えております。
#251
○大塚耕平君 六月一日の財政金融委員会での質疑で、私に答弁された参考人の井口さんと辻さん、それぞれ私にどのように回答したかということ、私がアンダー、マーカーを引いて答弁の記録を渡してありますので、そこを読んでください。
#252
○政府参考人(井口直樹君) お答え申し上げます。
 私の方からは、先生に対しまして、「個別の事例につきましては今現在調査をしておるところでございますので、その結果を踏まえまして適切に対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。」と、かようにお答え申し上げております。
#253
○大塚耕平君 もう一人。
#254
○政府参考人(辻哲夫君) 私の方からは、監修料に関しまして、「これから将来に向けても見直していくという方針で内部の作業をいたしております。」と、このようにお答えしております。
#255
○大塚耕平君 辻審議官にお願いします。国家公務員倫理法の第三条を読み上げてください。
#256
○政府参考人(辻哲夫君) 第三条を読ませていただきます。
 職員は、国民全体の奉仕者であり、国民の一部に対してのみの奉仕者ではないことを自覚し、職務上知り得た情報について国民の一部に対してのみ有利な取扱いをする等国民に対し不当な差別的取扱いをしてはならず、常に公正な職務の執行に当たらなければならない。
 一項について読ませていただきました。
#257
○大塚耕平君 二項も。
#258
○政府参考人(辻哲夫君) 二項を読ませていただきます。
 職員は、常に公私の別を明らかにし、いやしくもその職務や地位を自らや自らの属する組織のために私的利益のために用いてはならない。
 三項を読ませていただきます。
 職員は、法律により与えられた権限の行使に当たっては、当該権限の行使の対象となる者からの贈与等を受けること等国民の疑惑や不信を抱くような行為をしてはならない。
#259
○大塚耕平君 社保庁や厚生労働省の職員が年金や医療や介護の業務に携わり、そこで得た専門的知識で副業をやるのは国家公務員倫理法三条に違反するんですよ。そうではないですかというふうに財政金融委員会で聞いたら、必ずしもそうではないとあの方々はおっしゃった。
 もう一回聞きます、辻さん。自分の関連する業務で副業をやるということは禁止しますね、これから。あなたはナンバーツー、厚生省の、旧厚生省の事実上のナンバーワンでしょう、今。ここで決断してください。経営者なんだから。
#260
○政府参考人(辻哲夫君) この前の委員会で問題になりましたことは、職員が職務外で業務を行う、そしてそれに関して報酬をいただき、そしてそれについて税制上申告をするという行為についてのものでございまして、職務外につきましては国家公務員倫理法等によりまして認められた行為であるということを申し上げました。
#261
○大塚耕平君 いいですか。ここの無駄遣いをなくさないで、本来国民のお金で行っていた歳出が、職員の下に、職務上知り得た、身に付けた知識や情報で副業をやって戻ってきているものを放置して、その人たちがこの青い帯のところの業務もしっかりやらないような状態で、どうしてそんな年金制度、厚生労働省が作る年金制度を国民が信用できるんですか。
 総理、国家公務員倫理法第三条に基づいて業務にかかわる副業は一切禁止するとここで決断してください。
#262
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今言った公務員法の趣旨を正確に理解して、正すべき点は正さなきゃいけないと思っております。
#263
○大塚耕平君 それはやめさせるという理解でいいですね。
#264
○政府参考人(鈴木直和君) 国家公務員倫理法、それから国家公務員倫理規程でいろいろ規定がございます。その規定に沿って正すべきところは正していきたいと考えております。
#265
○大塚耕平君 井口参考人に聞きますが、結果を踏まえて適切に対応してまいりたいと六月一日に言ったんですよ。どうなったんですか、その適切な対応というのは。省内の今の検討状況を説明してください。
#266
○政府参考人(鈴木直和君) 現在、監修料の問題については、省内で調査の体制を作りまして、現在、その調査を早急に取りまとめたいというふうに考えております。それについては、今後の対応を含めて早急に取りまとめたいと考えております。
#267
○大塚耕平君 平成十七年度の概算要求の中には、監修料としてキックバックされるような支出が含まれてますか。
#268
○政府参考人(鈴木直和君) この監修料といいますものは出版社等と個人との契約でなされるものでありまして、そういう面で、予算の中でどうかというところとは直接関係がないと考えております。
#269
○大塚耕平君 ということは、含まれている可能性があるということですね。
#270
○政府参考人(鈴木直和君) 予算に含まれている含まれていないということではなくて、その監修料というのは、出版社と個人との契約においてそういった監修料を受け取る、そういうことが行われている例があると。これについては、現在、厚生労働省全体のその監修料の実態調査を行っておりますので、それを踏まえて実態を明らかにし、今後の対応についても厳粛に対応していきたいと考えております。
#271
○国務大臣(尾辻秀久君) ここでお答えできる範囲できっちりとお答え申し上げたいと思います。
 まず、監修料につきましては、今全力を挙げて社保庁のみならず厚生労働省全体の姿を調査中であります。できたら今週中、もし今週中に間に合わなかったら来週初めには、その私どもが調べ得た全容はすべてお出しをいたします。そして御批判を仰ぎたいと、こういうふうに思います。
 それから、私どもは法律に基づいて仕事をするのが仕事でございますから、法律に基づいてきっちりやらしていただきますということだけは申し上げます。
 それから、あえて立たしていただきましたから申し上げます。
 この監修料のことで今私が受けております報告の中で、やはりまずいと思っておりますことは、ここの部分はまず、まずもうどう言ったってまずいと思っていますことは、もしその人が何か監修して、そしてそれに対する、まあ見合う報酬というか成果、まあそれに見合う報酬だなと思うようなものをもらったことは、これは今後のいろんな判断が出てこようと思いますけれども、少なくとも、例えば一千万の仕事を出した、きっちり一割だから百万戻ってきた、こういう、正におっしゃるようにキックバックの形になっておるもの、これはもう絶対にまずいと思っておりまして、今後一切こういうことはやりません。このことだけは申し上げておきます。
#272
○大塚耕平君 いや、本当に尾辻さんに厚生大臣になっていただいて良かったと思いますよ。守ってくださいよ。
 財務大臣にお伺いします。
 仮にそういうルールを尾辻大臣が決められても、また来年以降、こういうことが明らかになってくる可能性があります。そういう事態が明らかになった省の予算を厳しく査定する、ないしは一割カットするとか、そういう方針を財務大臣としてお示しください。
#273
○国務大臣(谷垣禎一君) それは今、一割とか機械的なことは申し上げるわけにはまいりません。やはり今までその予算を使ってどういうパフォーマンスをしてきたかということは、当然査定の上で厳格に取り入れて考えなきゃいけないと思います。
#274
○大塚耕平君 どういうパフォーマンスかというのは、それでキックバックもらって私腹を肥やしていたというパフォーマンスが一杯明らかになったわけですから、厳しくやってください、それは。
 さて、先ほどの、今日はダイエーのこともお伺いしようと思っていたんですが、もうあと残り時間も少なくなってまいりましたので、少しぐらい私もしゃべりたいのでお話をさせていただきますが、総理は所信表明演説で、「「やれば出来る」は魔法の合いことば」という、高校野球のあるチームの校歌の一節を引用されましたが、この特殊法人を含む郵政改革に絡んだ出口改革、そしてこの年金制度の青い帯のところの実務の改革、やればできるが魔法の合い言葉なら、やれるのになぜやらないというふうに私は感じております。
 そこで、最後に、私の尊敬する米沢藩の上杉鷹山公のお言葉を総理にお伝えして、質問を終わらせていただきます。なせば成る、なさねば成らぬ何事も、なさぬは総理のなさぬなりけりであります。所感をお伺いして、質問を終わらせていただきます。
#275
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いい言葉だと思います。肝に銘じて改革に邁進したいと思います。
#276
○委員長(中曽根弘文君) 以上で小川勝也君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時四十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#277
○委員長(中曽根弘文君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。沓掛哲男君。
#278
○沓掛哲男君 自由民主党を代表いたしまして、私、沓掛と同僚の舛添委員が質問させていただきます。舛添委員は主に外交問題を、残りを私がさせていただきます。
 さて、質問の前に、本日は皇后陛下の古希の誕生日をお迎えなさいました。国民の一人として心からお祝い、お喜び申し上げる次第でございます。(拍手)
 では、質問に入ります。
 政治の要諦は民を安んずるにあると論語にありますが、内外ともに難問を抱える我が国において、国民の生命、財産を守り、物心両面での安らぎが得られるように日夜全力を尽くして政務に当たられる総理であればこそ、国民は全面的な信頼と支持を寄せているのだと思います。
 そこで、小泉総理が発足して、政権が発足して三年半になりますが、その間の成果についての御感想をお伺いしたいし、また、総理として残された二年の任期の間で重要課題をどのように実現させていかれるのか、総理の政治姿勢をお尋ねいたします。
#279
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私が就任した三年前の状況は、なかなか経済が回復しない、低迷状況が続いていると。その大きな原因の一つに金融機関の不良債権の問題が足かせになっているという、これを早く処理しないと日本の経済は活性化しないという議論が多く聞かれました。
 そこで、改革すべき点は多々ありますが、民間にできることは民間に、地方にできることは地方にということで、まず個人個人、また企業、それぞれがやる気を出すことが必要だと。それで、地方におきましても、地方それぞれ特色を持っていると。その地域の特性、これを生かして、地域が創意工夫を発揮しやすいような規制改革等を進めていく必要があると。言わば金融改革、規制改革、歳出改革、税制改革等、これを総合的にやる必要があるということで、改革なくして成長なしという言わば一つの大きな方針を掲げたわけであります。
 そういう中でも、いや違うと。こういう不況の状況、経済が低迷している中、デフレの中ではまず成長ありき、成長なくして改革なしなんだと。小泉内閣のやっている、進めている構造改革というのは、ますます不良債権を処理すればするほど企業は倒産する、失業者は増える、逆じゃないかという議論が盛んに行われました。だから、今公共事業を削減するよりも、やはりこういう財政状況厳しいときは国債発行というものをもっと柔軟に考えるべきではないかというような議論も行われました。
 まあしかし、こうした中で、不良債権処理は予定どおり、来年度には八%を超えていた状況が四%台、いわゆる正常化させるめどが付きました。そういう中で、不良債権処理が進んでいる中で果たして企業が倒産続けてきたかというと、二十五か月連続して企業の倒産件数は減ってきております。失業率も一時五・五%、上昇いたしましたけれども、現在四・八%に下がってきております。就業者数も増えております。有効求人倍率も上がってきております。私は、こういう中で、やはり改革なくして成長なし、この路線は正しかったなと思っております。
 そういう中で、まだまだ不十分な点はたくさんあります。地域に経済状況、ばらつきがある。まだまだ、主要企業で、中小企業にはまだその回復状況が見えていないということでありますので、今後この堅調な経済の回復状況を地方にも中小企業にも広く浸透させていくことが必要であると思っております。
 もとより、一番大事なことは、個人が悲観的見方に陥らないで、それぞれの個人がやる気を出していく。企業が一々政府の減税とか補助金に頼らないで、自らの創意工夫で安くていい商品を国民に提供していくこと、そういうことによって個人、企業、地方がやる気を出す、このようなやる気を出す環境を整備するのが政治として最も重要な役割ではないかと認識しております。余計な干渉は政治がするな、おれたちはああやりたい、こうやりたいという意欲をいかに創出するか、これが政治で最も役割として大事なことだと思っておりますので、そのような方向に沿ってこれからも改革路線を進めていきたいと思っております。
#280
○沓掛哲男君 ありがとうございました。
 では、続いて在日米軍駐留経費について外務大臣にお尋ねいたします。
 いわゆる思いやり予算ですが、この予算は地位協定の範囲内で日本が自主的にできる限りの努力を行うということで提供されております。平成十六年度予算額は歳出ベースで二千四百四十一億円、周辺対策などを含めて四千二百六十一億円となっています。諸外国と比べ日本の駐留米軍経費負担率は七五%と高く、厳しい財政事情の中、聖域化せず見直し、切り込むことも必要だと思いますが、いかがでしょうか。
#281
○国務大臣(町村信孝君) 在日米軍の駐留費の負担の点でございますが、一般論として言いますと、各国の負担というのは、それぞれの国の安全保障の環境が違い、また法律、条約の違いもあるというようなことでございますから、単純にこちらが何%でこちらが何%は高い低いという比較は難しいのではないのかなというふうには思っております。
 確かに、厳しい財政事情もございます。毎年、財務省からは厳しい査定が出るわけでございますが、基本的には、やはり日米安保体制というものがあって初めて我が国の平和と安全が保たれ、ひいては経済の発展が確保できるということを考えましたときに、安保体制の円滑かつ効果的な運用のためにこの負担にやはり適切に対応していく。さらに、これは安保条約のみならず、アジア太平洋地域の言わばかなめとしての日米同盟関係を維持する必要な予算ではないかと、このように考えまして、必要なものはやはり必要なものとして計上していく、予算を計上していく必要があるんだろうと。ただ、もちろん聖域化するつもりはございません。随時見直していくということもまた当然のことであろうと考えております。
#282
○沓掛哲男君 では次に、武器輸出三原則についてお尋ねします。
 武器輸出三原則については、小泉首相の私的諮問機関、安全保障と防衛力に関する懇談会が、弾道ミサイル防衛の日米共同技術研究の進捗等を踏まえ、少なくとも同盟国たる米国との間で武器輸出を緩和すべきと提言されております。
 武器輸出三原則は、共産諸国向けの輸出を封じるほか、日本の平和主義の精神にものっとるものであったと思います。解禁に向けて国民にどのように必要性を説明するのか、防衛庁長官にお尋ねします。
#283
○国務大臣(大野功統君) 武器輸出三原則でございますけれども、沓掛先生、十分その経緯御存じでございますけれども、簡単に振り返ってみますと、昭和四十二年に、佐藤内閣でございますが、平和国家の立場から、一つ、共産圏諸国、それから二つ、国連が武器を輸出してはならないという国、それから三つ、紛争諸国あるいは紛争のおそれがある国、こういう三つのカテゴリーの国々には武器を輸出しない、こういう原則を立てたわけでございます。
 その後、昭和五十一年でございます、三木内閣のときでございますが、やはり国際紛争を助長してはならない、こういう観点から、その他の、今申し上げました三つの国以外の国にも武器は輸出しないでおこう、こういう原則を確立いたしました。
 ただ、その後五十八年、昭和五十八年、中曽根内閣におきまして、アメリカに技術を輸出することはいいじゃないか、こういうことで今日まで続けてまいったわけでございます。
 今現在、この武器輸出の問題が議論されておりますのは、最近はBMDにつきましてアメリカと共同技術開発をしているわけであります。そのアメリカとの共同技術開発が、共同技術研究がやがて共同開発になる、やがて共同生産になる、そうなったらどうしても日本の武器三原則というのが障害にならないんだろうか、こういう問題があります。
 と申しますのは、一つは、今共同開発とか共同研究というのは一般的な世界的な傾向になっている、その中で我が国がもし共同開発、共同生産に進まないとすれば、日本が持っている日本の防衛に関する基盤的技術の維持強化ができるんだろうか、こういう疑問が出てくるわけであります。技術力の問題です。それからもう一つはコストの問題もございます。こういうことから議論が出てまいっております。
 また、そのほかにも武器輸出の問題につきましては、例えばヘルメットとか防弾チョッキ、これは防御的な武器でありますから、こういうものについてどう考えようか。この点につきましては、例えばそういうヘルメットとか防御、防弾チョッキとか防御に強いものを身に着けるとますます攻撃的になっていくんじゃないか、こういう議論もございますけれども、そういう問題もある。あるいは、アジア諸国から日本の中古護衛艦を買いたい。それは何かといいますと、テロに対抗する、海賊に対抗する、このために買いたい、こういう申入れがありますが、それをどう考えるか、こういう問題がございます。
 そういう意味において、今、今回、小泉総理の下で安全保障、防衛力に関する懇談会ができまして、そこで少し考えたらどうだ、少なくとも対米に対してはこの武器輸出三原則を緩和したらどうかと、こういう議論が出てまいっております。
 私たちは既にこの問題、研究、関係各省で研究しておりますけれども、やはり今先生おっしゃった、日本は平和国家である、そしてまた国際紛争を助長してはならない、こういう原則の下にこれからも真剣に検討してまいるつもりでございます。
#284
○沓掛哲男君 いろいろ御丁寧な説明、ありがとうございました。
 では次に、大陸棚についてお尋ねしたいんです。これはもう非常に重要なことなので、ひとつ是非お願いしたいと思います。
 国連海洋法条約で、大陸の縁辺部が二百海里を超えて延びている場合、二百海里を超える大陸棚を設定できることになっています。そのためには、二〇〇九年五月までに必要なデータを国連に提出して、検討され、勧告を受けます。この勧告は拘束力を有します、自分の国の領海になるわけですから。
 このテーマへの政府の積極的な取組をお願いしたいんですが、今一生懸命やっておられますけれども、海上保安庁、あるいは通産、経済産業省あるいは文部科学省などなどが、本務のほかに地形調査をしたり、いわゆる岩を掘削したり、いろんなことをやっておられます。それをまとめるということで内閣府に室もできています。
 さらに、重要なことでもありますので、議員連盟を作りまして、これをいろいろ皆さんと一緒に研究してきました。議員連盟会長は扇千景さんでございまして、ここでやはりもう少し国として力を入れて是非しっかりしたデータを整えて、国連の委員会で検討していただいて是非国土を増やしていただきたい。何にも戦争をすることもない、争いもなく、知恵と努力で日本の領海がうんと増えるわけですから、このことについて本格的に頑張っていただきたいと思います。
 既にソ連は提出いたしましたけれども、データが不十分ということで一応返されております。日本はそういうことのないようにしっかりした調査をしていく上においても、やはりもう少し国力を、国を挙げて是非やっていただきたいというふうに思いますので、これについて官房長官の力強い答えをお願いしたいと思います。
#285
○国務大臣(細田博之君) 沓掛議員が今御質問になられましたように、二〇〇九年五月までにしっかりしたこの海底のデータを提出して、なるほどここは大陸の縁辺部である、日本列島の縁辺部であるということが認定されますと、資源開発等が我が国ができる権利を有すると、こういうことになるわけですが、何分かなり深い海底でございますので、調査も相当お金も掛かり大変でございます。
 そこで、内閣官房にも大陸棚調査・海洋資源等に関する関係省庁連絡会議等を置いて総合調整をやるとともに、予算的な措置としましても、平成十五年度当初予算十七億、平成十五年度の補正予算も付けまして、そして平成十六年度当初予算で百四億、そして十七年度、これはまだ決定されておりませんが、概算要求においても必要な経費について各省から要求を行うということで極めて力を入れておりますので、また議員連盟の方と力を合わせ頑張ってまいりたいと思います。
#286
○沓掛哲男君 是非よろしくお願いします。
 では、ODAについて質問したいと思います。
 ODAを外交戦略上、効果的、有意義に用いるには、ODA資金を既得権益化させずにプロジェクト主義として、そのプロジェクトが完了したら白紙にし、グローバルで見て優先度の高いプロジェクトに取り組んでいくことにしてはどうでしょうか。
 我が国は今、今後いろんな面でアジア諸国始め多くの国の支援、理解が必要なんですから、外交カードとしても有意義にうまく使っていく、そういうような観点からのひとつまた御配慮もいただきたいというふうに思います。
 外務大臣にお願いします。
#287
○国務大臣(町村信孝君) 委員御指摘のODAでございますが、昨年の八月に久しぶりに大綱を改定して新しい大綱を作ったのは御承知のとおりでございます。
 その基本方針の中にも、自助努力の支援とか人間の安全保障、公平性の確保、我が国の経験と知見の活用、国際社会における協調と連携などという基本方針が書かれておりますが、それらはいずれもODAを一層戦略的に実施していくということが前提として書かれているわけでございまして、委員御指摘のように既得権化するとか、あるいはもう一定の割合はこの国だというようなことではなくて、やはり我が国にとっても必要だ、相手の国にとってもまた必要だということをしっかり分野、地域というものを重点化して戦略的活用をしていくということに最大限心掛けたいと、こう思っております。
 ただ、このところちょっとODA予算が少々減少ぎみでございまして、皆様方の御理解、なかんずく財務大臣の御理解もいただいて来年度予算はしっかりとした予算を作り上げたいと思っておりますので、何とぞ沓掛議員のお力添えもよろしくお願いいたします。
#288
○沓掛哲男君 大変、外務大臣、御苦労さまです。ひとつ、財務大臣の協力を得て頑張っていただきたいと思います。
 では次に、自然災害対策についてお尋ねいたします。
 災害は忘れたころやってくると昔は言われたんですが、最近はもう忘れないうちにやってまいります、台風二十三号ももう来ているようですし。
 さて、本年の六月から十月にかけて、記録的な猛暑に加え集中豪雨や高潮、さらに超大型の台風が相次いで猛威を振るい、各地で甚大な被害を受けました。主な被害だけで、死者百二十六名、浸水戸数十万戸にも及んでおります。
 そこで国土交通大臣にお尋ねしたいんですが、今年の災害の特徴をどのように認識し、どのような対応を考えておられますか。
 私は、平成四年から平成十年まで六年間、自民党の災害委員長の代理をしておりました。どこかで災害がありますと一番先に現地に入り、生々しい現場を見てきました。その体験から申し上げれば、命さえあれば、あとはいろいろな支援があり、何とかなります。災害地での生死は紙一重です。死者を出さないための対策を優先していただきたいと思います。
 例えば、浸水想定区域マップを作り、そしてそれに基づくハザードマップを作っていく。浸水想定区域は河川管理者が作り、どこに浸水、どれぐらいの深さでするかというのを作るわけですが、そしてそれを踏まえて沿川の市町村長がハザードマップ、いわゆる避難地、避難路をちゃんと設定するんですけれども、その整備状況が必ずしも進んでいないんじゃないか。法的には、洪水予防河川に指定したものだけを法律上はやる義務がありますが、それも非常に少ないように思います。
 何といっても、やはりこの安全というのは、河川の災害等も、まあ必ず来ると言えばみんなお金を出し合ってやるんですけれども、まあ来るかもしれない、来ないかもしれないということになると、ほかの方にお金が忙しいですからどうしてもなおざりになって、今申し上げたようなこの浸水想定区域マップとかあるいはハザードマップが非常に私後れているように思いますので、何とかこういう施策を、命にかかわる施策を重点的にやるように国土交通大臣にお願いしたいと思います。
#289
○国務大臣(北側一雄君) 極めて大切な御指摘をちょうだいいたしました。
 台風二十三号でございますが、今日の午後一時ごろに高知県土佐清水市付近に上陸をいたしまして、今国土交通省といたしましても厳戒態勢を取っているところでございます。
 今御指摘ございましたように、今年は台風の上陸数は、この二十三号を含めまして十個の上陸数でございます。これまで最大は六個でございまして、それを大幅に上回る台風が上陸をしておると。今年の台風、様々な特徴、傾向があるわけでございますが、一つ言えますことは、集中豪雨が多発をしている。雨の量がこれまでに比べて極めて多いということでございます。
 具体的に申し上げますと時間雨量、一時間で降る雨の量が百ミリ、百ミリというのはもう大変な雨なんですけれども、この時間雨量百ミリ以上の集中豪雨の発生回数が昭和五十年代は二回少しぐらいだったんです、年に平均。それが今年はもう既に七回を超えておるというふうな状況でございます。
 この集中豪雨が非常に多くなっているということで、一つは堤防の決壊による急激な浸水だとか、それから土砂災害もここ最近にはないような大変な土砂災害、一千五百件以上の土砂災害が生じるだとか、さらには、今御指摘ございましたように、浸水家屋も一万五千戸以上、高松、あの台風十六号での高松では最高潮位が伊勢湾台風のときよりも五十センチ以上上回ってしまうと、大変な被害が生じております。
 また、もう一つ大きな特徴は、高齢者の方が非常に多く亡くなられていらっしゃるということでございます。死者、行方不明者が現在のところ百三十六名、そのうち海難事故を除きますと、百六名中七十名が六十五歳以上の高齢者となっておりまして、こういうその災害弱者の方々への対策をしっかりと取る必要があると今考えているところでございます。
 御指摘ございました洪水ハザードマップ策定への取組でございますが、これはかつて、平成十年でございますけれども、阿武隈川の水害があったときも、その洪水ハザードマップについて見ていた人とそうでない人と比べてみますと、見ていた人の方が一時間早く避難できたというふうな報告があるわけでございまして、この洪水ハザードマップというのは極めて重要であるというふうに考えております。
 しかしながら、今御指摘ございましたように、この洪水ハザードマップの作成は今のところ三百三十四市町村でしか作られておらず、現に今年の大きな災害ございました新潟や福井などでは策定されていないという状況でございます。
 しっかりとこの洪水ハザードマップが策定されるように進めていきたいと思いますし、その前提となる浸水想定区域についてもしっかり公表を進めていきたい、これは市町村の御理解を得ながらしっかりと進めていきたいと思っております。
 ハードはもちろんのこと、こうしたソフトの対策もしっかりと普及、作成を努めていく決意でございます。
#290
○沓掛哲男君 じゃ、ひとつしっかりと進めていただきたいと思います。
 そこで、次に総理に御質問したいんですが、国民の生命、財産を災害から守るようにすることは国の基本的な責務と考えますが、総理の基本的なお考えをいただきたいと思います。
#291
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 災害に強い国づくり、今国土交通大臣が答弁いたしましたように、今年は特に集中豪雨、台風の被害が多いわけでありますので、改めて公共事業等、選択と集中といいますか、一般的な公共事業を減らす中で、必要な公共事業をいかに重点化しながら災害に強い国づくりをするかという点については、今後とも、御指摘も踏まえまして、鋭意必要な予算は措置する、必要な復旧・復興事業、支援事業はきちんとやるという考え方の下に、災害に強い国づくりを目指していきたいと思っております。
#292
○沓掛哲男君 総理のそのお言葉を大事にしながら頑張っていきたいと思います。
 さて次に、さきの通常国会において被災者生活再建支援法が改正され、支援金支給限度額が百万円から三百万円に引き上げられました。自然災害による被災者の生活再建への更なる支援が期待されているところでありますが、最近発生している一連の台風等の災害における支援法の活用状況についてお尋ねいたします。また、採択基準の緩和を図るなど、被災者へのきめ細かい対応もお願いしたいというふうに思います。
 本当に被災者にとってはもう百万円というのは命の綱ですから、今年の通常国会でこれを三百万円まで上げたんですけれども、非常に厳しい条件が付いております。しかし、こういう状況でございますから、防災大臣には是非積極的にこの予算の三百万円へできるだけ近づくような努力をお願いしたいと思います。
#293
○国務大臣(村田吉隆君) さきの通常国会におきまして、先生御指摘の被災者生活支援法案の改正をさせていただきました。
 今御指摘の支給限度額については百万円から三百万円に上げると、こういうことで措置させていただきました。そのほかに、全壊するということが条件となっておりましたけれども、これも大規模半壊ということで、全壊に準ずるようなそういう、半壊であってもそういう、その被災者の再建に資するようなそういう事例については積極的に取り入れていくということは法律で措置したところでありますし、あるいは、従来、その指定する地域でございますが、災害救助法の適用された市町村、あるいは今言ったように全壊戸数が十戸あると、こういうようなことでしたけれども、それに今申しましたように大規模半壊というものを加えた上で、近隣の、そうした本来適用される市町村に加えた、隣接する市町村であれば五戸でいいというような、できるだけその被災者のためにこの法律の適用を広げるという措置を講じさしてもらったわけでございます。
 具体的には、具体的な法の適用に当たっては、やはり被災者の生活支援ということを一番目に考えるということから、従来は家電とか、そういうものの購入費用ということだけであったものですが、建物の撤去費用とかあるいはローンを加えるという、そういう措置も講じさせていただきました。
 また、法の運用に当たっては、その法の趣旨にのっとって、できるだけ被災の、災害の実情を見て取り入れていくということであります。半壊であっても、土砂がどっと住宅の中に入ってきて、これはもうとにかく使えないと、壊さざるを得ないというものも積極的にこの法律の適用のあるように取り入れていくと、こういう考えで被災者の生活支援のために一生懸命頑張っていきたいと、こういうふうに考えております。
#294
○沓掛哲男君 よろしくお願いいたします。
 次に、郵政民営化についてお尋ねいたします。
 国民の間では郵政民営化への関心は余り高くなく、そのメリットは何かを始め、郵政民営化よりもっと重要な政策が、課題があるのではないかという疑問があります。九月十日閣議決定の郵政民営化に関する基本方針については、我が党は、議論が生煮えであり、今後、制度設計の段階で解決を求められる問題が多いとして賛否を保留しています。
 私は、郵政改革については何よりもユーザーである国民の利便性を考えること、そのためには国民にも分かる議論を展開していくことが重要であり、政府がしっかりと説明責任を果たしていただきたいと思います。
 そのための一手法として、全閣僚、副大臣によるタウンミーティングを全国に展開するなどということはどうでしょうか。タウンミーティングは、平成十三年初頭、川口、当時の環境大臣が考案され、実行されたものです。当時、私、その下の副大臣で、一緒に全国を歩きました。その後、各いろいろな省庁で実施しておりますが、私はそれなりに非常に大きな効果があると思います。もちろん新聞やテレビにも出ますし、多くの人たちが集まっていろいろなことを議論する。そういうことで、やはり周知する上においていろいろな手法があると思いますが、このタウンミーティングなどもその一つではないかな、もう少し周知をお願いしたいと思います。
 総理にお願いいたします。
#295
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国民の関心事は、年金を含む社会保障あるいは景気対策が一番大きいというのは各種世論調査出ております。それは十分承知しております。
 この問題は、私が総理大臣でなくても、だれが総理になってもやらなきゃならない問題であります。しかし、この経済活性化、手段をめぐっていろいろ議論があることは承知しております。郵政民営化というのは、言わば経済活性化のための手段です。行政改革、財政改革のための手段であります。民間にできることは民間にということはみんな賛成するんです。行財政改革を断行しなさいと、これも賛成なんです。じゃ、何で公務員じゃなくても、民間にできることを公務員にやらせておくのか。だから、特殊法人改革とか、いろんな民間にできることは民間にと言っているわけでしょう。財政改革、無駄なお金を、民間がやっているようなホテルとか保養地とかリゾートとか、そんな方に使わなくて、必要な道路、これはどのぐらい費用が掛かるか、できるだけコストを削減してやりなさい、これもみんな賛成なんだ。
 そういう、突き詰めると、行財政改革で一番効果的なものは何か。余りにも官の分野に振り当てられている民間の資金、郵貯、簡保、公共的なものは役人がやるんだと、そして公共的でないものは民間にやらせてもいいんだという官尊民卑の考え方から、民間人でも、民間企業でも公共的なものはできるんだという考え方に変わってきている。そういう観点から、単に官は民の補完、官業というもの、役人の仕事は民間の補完にとどめるべきだという考え方から、公共的な仕事でも民間人でボランティア等、NPOとかNGO等がやる仕事もあるし、やっている仕事もある。
 そういう点から考えて、民間人でも公共的な仕事に携わる、民間企業でも公共的な仕事をできるものはどんどんやらせていった方がいいじゃないかということには皆さん賛成なんだけれども、なぜかこの郵政三事業だけは公務員じゃなきゃできないと。郵便局の仕事というのは本当に公務員じゃなきゃできないのかというのが、よく考えてもらいたいんです。
 そういうことから、私はこの民営化の仕事、この郵便局を民間人に任せれば、今の三事業に制限されないでもっと自由な国民サービスができるんじゃないか。分からない。民間と同じような仕事をやって民営化すれば、今まで税制は、税は免除されたのが、ちゃんと利益出せば税金を納めなきゃならない、そういう面も出てくる。数多くいい点が出てくると思いますし、利便性の向上、今の郵便局のネットワークを維持していく、そして今までも各いい地域にあった郵便局ももっと効率的、効果的に活用されるんではないか、ひいては無駄な事業も節減されるのではないかというもろもろのメリットが出てくると思います。
 こういう点については、これからもよく国民に理解と協力を得るために、タウンミーティングのみならず、いろいろな場を活用しながら、御理解と御協力を得ることができるようにしていきたいと。そうすれば、ああ、なるほど、手段だったんだなと。経済活性化する、行財政改革を断行しろと、経済活性化しろと、民間にできることは民間にやれと。しかし、郵便局だけは公務員じゃなきゃ駄目だ、役人じゃなきゃ駄目だと言うんだったら、これは私は手足を縛って泳げというようなもんだと。こんな考えを取らないと。民間にできることはどんどん民間にやってもらった方がいいというのが趣旨でございますから、いずれ、来年の通常国会には法案を提出します。その際には、またきめ細やかな議論ができると思っております。
#296
○沓掛哲男君 では、よろしくお願いいたします。
 では、次の三位一体について質問したいと思います。
 三位一体の改革の初年度である十六年度の地方公共団体の予算の実態をどのように理解しておりますか。総務大臣、本当に大変厳しい状況にあって、私も肌で感じているんですけれども、総務大臣はどのように実感されておられますか。
#297
○国務大臣(麻生太郎君) 各地方団体におきまして、沓掛先生御存じのように、交付税等々、交付金、いわゆる大幅に減らされたために、先ほど、午前中、平野先生でしたか、からも御質問があっておりましたけれども、いわゆる地方団体におきましては財政基金等々取り崩すなどなど、いろいろ非常に厳しい状況にあったことはよく理解をしておるところであります。
 したがいまして、あの過日の、六月でしたか、閣議決定されましたあの基本方針二〇〇四の中において、地方交付税につきましては、地方の歳出見直しはするが、地域において必要な行政課題に対しては適切に財源処置を行うことにより、来年度は地方団体が安定的に財政運営ができるように必要な一般財源の総額を確保することを明記したところであります。
 したがいまして、平成十八年度までの間に三位一体の改革というものを、今から二か年間になりますが、やっていくわけですけれども、基本的には、やっぱりこの国と地方との信頼関係っていうのは最も大事なところで、これがなくなりますと改革と言ってもなかなか前には進みませんから、先ほど、平野先生、あちらは地方行政にえらいお詳しいんだと思いますが、地方から見て、あちらも多分過疎地を一杯抱えておられるんだと思いますが、私のところも似たようなものを抱えておりますんで、私のところって、私、選挙区も似たようなところを抱えておりますんで、よく意味は、意味は分かっておるところだと、一杯分かっておりますんで、地方団体というものが安定的に運転を、いわゆる経営、経営というか運営を、財政運営をやっていくに必要な交付税等々の一般の財源の確保というのは必ずしていかねばならぬものだと理解をいたしております。
#298
○沓掛哲男君 では、財務大臣にお尋ねしたいんですけれども、十七年度の予算について、知事会等の地方六団体と関係各省との間で意見に大きな違いがあります。市町村は、その財政に大きくかかわる三位一体の改革を、最初は希望を持っていましたが、今や不安を持って見守っています。政府はどのようにまとめていくのか。
 財源の前に国がなすべきこと、直接実施する分野と、国家的レベルでの政策実現の必要ある分野と、そして地方がなすべきことを仕分する必要があるのではないでしょうか。現状では、内部摩擦が大き過ぎて、二十一世紀の国際協調時代への新しい政策の芽がなかなか出にくい状態にあるんではないでしょうか。
 これ、財務大臣と総務大臣にお聞きしたかったんです。総務大臣は今大体おっしゃられましたので、じゃ、財務大臣にお願いします。
#299
○国務大臣(谷垣禎一君) 地方がお示しになりました案ですね、これは総理の御指示にもありますように、真摯に受け止めて対応しなきゃいけない。その上で、官房長官からこれを基本でやるように、そしてこれが駄目な場合には代替案をきちっと出せと、こういうことで今作業を進めているところでございます。
 それで私としては、今、沓掛先生がおっしゃいましたように、総論として今まで地方分権、地方でやるべきことは何かという議論はありましたけれども、個別のやはり補助金ごとに国がやることは何か、地方がやるべきことは何かというきちっと仕分の議論がやはり必要だろうと思いますし、その上に、納税者の視点に立って無駄なものはやはり廃止、縮減していくというスリム化の視点も併せてなければ、午前中もいろいろ議論をさせていただきましたけれども、なかなかこの山は越えにくいと思っておりますので、そういう観点から関係閣僚と一生懸命議論して良いものに仕上げていきたいと思っております。
#300
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘のありました国と地方の役割分担の話につきましては、もうこれは先生よく御存じのとおり、平成十二年の地方分権一括法の中におきまして、国と地方の役割分担につきましては体系的には既に整理は終わっております。
 残っておりますのは財源ということと、あとは分権。分権されたけれども、その規制がいわゆる細かいとか厳し過ぎるとかいろいろ御意見が多いところだと思いますので、この財源の問題と規制の見直しという問題を今後ともやっていかなきゃいかぬところで、地方にできることは地方にという小泉内閣の基本方針の下で、今御指摘のありましたように、これまで議論をされてまいりました国と地方の役割分担をきちんと補いますための財源、財政面というものをきちんと担保するということが、税とか税源の在り方について検討を行っていかねばならぬものだと理解をいたしております。
#301
○沓掛哲男君 この問題の難しさというのは、我が国では税源が非常に隔たっている、地域によって隔たっている、しかしながら国民はみんな同じサービスを希望している。したがって、地域間の調整というのは必ず出てくるわけで、それを今までは交付税、そしてまた政策的には補助金という形でやってきたわけです。それを今度は税源とそして補助金とそして今の交付税、この三つを一緒にやろうという、そこになかなか方程式が解きにくい難しい問題があるんだなと思います。
 まず私は、国民の意識にしても、ドイツなんかの州へ、あそこはランドと言っていますけれども、そのトップの人に聞いてみると、いや、所得が低くても、うちの方の州は水がきれいだし山がきれいだし空気もきれいなんで、何も所得だけではありませんよ、公共サービス水準は低くても今のようないいところもあるんですという。そういう元々国家が集まった国、都市が集まってできたところですからそういう差があるんですけれども、日本は今何もかも同じようにすることを国是としてきたところ、そこの国のやっぱり難しさがあるんで、やっぱり国民の意識も徐々に変えながら、そして今のこの政策をやっていく。そのためにも、余り私は急激にやるとなかなかしこりというか摩擦が多いんではないかなということを肌で感じている者の一人ですが、まあ両大臣、よろしくお願いいたします。
 それから次に、景気、経済について、まず世界経済についてお尋ねいたします。
 世界経済の当面の動向をどのように判断し、特に世界経済の主軸であるアメリカ経済、そして世界の輸出基地となった感じのある中国の経済に関して先行きをどのように認識しておられるのか、経済財政担当大臣にお願いいたします。
#302
○国務大臣(竹中平蔵君) お尋ねのアメリカ、中国を中心とする世界経済の動き、我々も大変注目をしております。
 日本の景気回復にもこれまでも好影響を及ぼしてまいりましたし、これが逆に世界が減速すれば、日本も少なからず影響を受けるということではないかと思います。
 アメリカについては少し消費が弱くなり始めているのではないか、中国に関しては金融引締めの関係で設備投資が少し弱くなり始めているのではないかという懸念を表明する専門家もおられます。しかしながら、総じて現状においてはその両国とも引き続き経済が拡大し続けるだろうと、これが大方の専門家の見方であろうかと思います。
 ちなみに、IMFの、国際機関の見通しを申し上げておきますと、二〇〇四年、アメリカは三・六%成長、中国は九・〇%成長。二〇〇五年、若干の減速はありますが、アメリカ二・九%成長、中国は七・五%成長という数字が出ております。引き続き、我々もこれはしっかりと注意をしていきたいと思っております。
#303
○沓掛哲男君 次に、原油価格の高騰に係る問題について質問したいと思います。
 ここに来て原油価格が高騰し、日本経済の先行きに不安を投げ掛けています。中国やインドといった原油の大量消費国の高度成長が続くとともに、中東やロシアなど原油産国での供給不安が高まり、投機的な動きと相まって、不当に高い水準にまで原油価格が押し上げられているというふうに思います。
 企業は収益の悪化を回避するために原油コスト高を製品価格に転嫁し、消費者にしわ寄せが行く可能性はないのでしょうか、注意深く見守る必要があると思います。また、いたずらな便乗値上げの横行も予想されます。
 こうした点を含め、原油価格高騰の影響をどういうふうに判断されていますか。また、その対策について経済財政担当大臣にお願いします。
#304
○国務大臣(竹中平蔵君) 大変重要な問題だと思っております。
 原油の値段は、委員御指摘のように、需要面、それと供給面、両方の影響、それに若干の投機的な要素も加わって非常に高い値段が続いていると。これは日本に対して二つのルートで影響を与えてまいります。
 一つは、今まで四十ドル払っていたものを、例えばそれより高く払うということになりますと、その分、私たちの購買力が外に持っていかれることになりますので、国内の消費に影響を与える。一方で、生産者の側から見ますと、今までよりもコストが掛かるということになりますから、これは供給力を弱めていくことになる。その影響を通して、総じて言うと、これはある国際機関の試算ですけれども、原油価格が十ドル高くなりますと、日本のGDPは〇・四%マイナスの影響を受けるというような試算がございます。
 問題は、したがって、今の原油が、高価格が長期化しないように我々としても努力をすることであって、その意味では、やはり国内での省エネ努力、消費国同士の連携、働き掛け、そういうものが大変重要になっていると思っております。国内の省エネを中心にしっかりと努力をしなければいけないと思っております。
#305
○沓掛哲男君 しっかりと対策を立てていただき、対応していただきたいと思います。
 では次に、地方、中小企業についてお尋ねいたします。
 かつて地方経済、中小企業は、飛び立つ飛行機の後輪のように、先行型の大企業に比べ後発的に良くなってくる経済法則がありましたが、今回の景気回復局面においてはまだはっきりして浮上はいたしておりません。この点、年末にかけての予算編成などで地方経済、中小企業対策を着実に進める必要もあるし、是非お願いしたいと思います。例えば、地方経済に大きな波及効果のある整備新幹線の整備を促進するは、我が国で経済低迷をしている東北とか北陸とか九州の発展に特効薬的な効果があるんではないかなというふうに思います。
 また、中小企業、地域経済の状況をどのように判断されて、また政策的、財政的なてこ入れの必要性についてどのように判断されておられますか、財務大臣にお願いします。
#306
○国務大臣(谷垣禎一君) 景気回復が地方によってばらつきがあるのは私も事実だと思っております。十七年度予算編成に向かいましては、やはりそういういろんな地域の特質を見ながらめり張りを付けていくことが必要だろうと思っておりますし、大型の公共事業につきましても、よくよく検討して国民の理解を得られるものにしていかなきゃいけないと思っておりますが、今お触れになりましたのは新幹線のことでございますね。
 それで、その整備新幹線の件につきましては、平成十七年度の予算過程の中で結論を得るように今政府・与党のワーキングチームで御議論をいただいているわけですけれども、そういう中で安定的な財源がきちっと得られるかどうかと、それからその採算性等のいろんな条件をクリアできるかどうかと、そういったところを検討していただいておりますので、よく御議論をしていただき、我々も一緒に議論して、国民の理解のできるような形で決着を付けていきたいと考えております。
#307
○沓掛哲男君 いろいろ申し上げたいんですけれども時間がありませんから、是非ひとつ。次に行かせていただきます。
 ペイオフ解禁の影響についてお尋ねします。
 来年四月にはペイオフが解禁されます。その際、預金者が自分の預金の保全のために、風説などの流布により安易に預金を移し替えることもあり得ると思います。地方金融機関の経営不安が高まるようだと、先般の足利銀行のケースを思い返してみても、地方経済に対して計り知れない悪い影響があります。合理的な理由もなく地方金融機関の経営不安が高まらないような措置をあらかじめお願いいたします。
 金融担当大臣にはペイオフ解禁は既定路線として実行するとのお考えを表明されていますが、地方経済の回復が遅れているだけに、ペイオフ解禁に向けては慎重かつ用心深い政策的な配慮をする必要があるというふうに思いますが、大臣の姿勢をお尋ねいたします。
#308
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。
 ペイオフ解禁拡大の対応についてお尋ねがございましたが、十六年三月期の地域金融機関の財務内容を見てみますと、足利銀行を除いてすべての金融機関は健全性基準を満たしておりまして、問題はないというふうに考えております。
 現在、地域金融機関は、リレーションシップバンキングの機能強化に向けたアクションプログラムに基づいて中小企業の再生と地域経済の活性化を図り、同時に不良債権問題を解決をしていく、こういうことを目指して様々な施策を展開をしているところでございます。全体的に見て着実に進展をしているというふうに思っております。
 ペイオフ解禁拡大を控えて、地域の金融機関におきましてもより一層緊張感を持って経営基盤の強化に努めていく、あるいは収益の向上に努めていくことが大変重要だというふうに考えておりますし、また預金者の信認を確保していくためには、自らの財務の内容を開示をして、そして自らの経営の考え方を分かりやすく説明していくことも非常に重要なことではないかというふうに思っております。
 私ども金融庁といたしましては、ペイオフ解禁拡大の趣旨を幅広く伝えることによって利用者の皆様方の不安を解消し、そしてこれが円滑に実施をできるようにしっかりと対応していきたいと考えております。
#309
○沓掛哲男君 しっかりと対策を立てながら、地方の人たちにもよく分かるような説明をしていただきたいというふうに思います。
 金融機関の再編についてお尋ねいたします。
 景気は循環的な回復過程に入ってきたと見られますが、不良債権の処理、金融再編問題はいまだ道半ばの状態にある、特に地方銀行の経営状況は厳しいというふうに思います。大手金融機関の経営状況も、最近のUFJ問題に見られるように必ずしも楽観してよい状況にはないようです。今後の金融機関の再編や金融システムの再構築は、何より預金者保護や国民生活の安定を大きな目標にして進めていただきたい。
 金融担当大臣には今後の金融機関の再編などに対して行政責任者としてどういうふうな姿勢で臨まれるのか、お尋ねいたします。
#310
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。
 合併等の組織再編はあくまでも各金融機関の自主的な経営判断によるものでありまして、一般的には、規模の経済でありますとか、あるいは範囲の経済が働くことによって経営の効率が向上すると考えられているところでございます。
 今、不良債権問題が正常化するに当たって、経営の自由度が広がってまいります。その中で、どのような形で利用者の方々のニーズにこたえた金融サービスというものを提供していくのか、あるいは地域経済の活性化に貢献することによってどのような形で収益を向上していくのか、そうした経営戦略そのものが問われる時期になってきたんではないかというふうに思っております。
 そうした中で、中長期にわたって金融機能というものを確保していく、そして預金者の保護というものを考えていくに当たって合併等の組織再編というのは一つの選択肢ではないかというふうに思っておりますが、多様な選択肢の中で経営改革あるいは経営改善というものを進めて、そして金融機能というものを強化できるように、私どもとしても真剣に取り組んでいきたいというふうに思っております。
#311
○沓掛哲男君 強力に進めていただきたいというふうに思います。
 次に、総理大臣にお尋ねしたいんですが、産業再生を含めた総合的なデフレ対策についてです。
 大手銀行を始め銀行が不良債権処理を進める過程で、流通やゼネコン、中小企業の整理にもつながる面があります。産業再生機構は、生き残る力のある企業はしっかりと再生させようとするものですし、それと同時に、生き残れない企業は淘汰していくということになるんだと思います。その際、当然、倒産、雇用の悪化という影響の広がりをどう抑制していくのかといった、言わばセーフティーネットの拡充の問題については全省庁を挙げて行政が取り組んでいただきたいというふうに思います。
 総理には、不良債権処理を進めるとともに、それが中小企業にしわ寄せとならないようにしっかりと産業、企業の再生を進めていただきたい。そして、我が国経済の復活の道程が明確になるようお示しいただきたいと思います。言わば、経済、金融の総合デフレ対策推進の陣頭指揮を執られる立場にある総理でございますので、そのお考えをお聞きしたいと思います。
#312
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 村上産業再生担当大臣が後ほど答弁すると思いますが、要は、これは、民間ができる、ほっておいても、政府が関与しなくても民間ができるんだったら、それが一番いいわけです。ところが、民間だけの話合いではどうもうまくいかないなと。雇用の問題、地域の再生の問題、これに対して悪影響が出ないように、どのように国として、政府としてやれることがあるだろうか。主体は民間であります。
 そういう中で、産業再生機構というものを設けて、今かなりの件数が産業再生機構に持ち込まれて、民間でできること、足らざるところは公的な支援をしようということで今やっておりますが、こういう点についてはあくまでも民間が主体の中で、政府としての役割というものを、余り干渉しない形で、雇用にも不安を与えない、地域にも大きな混乱を来さないというような点をよく重視しながら、企業が立派に再生、再建できるように支援なり工夫をしていきたいと思います。
#313
○国務大臣(村上誠一郎君) お答えします。
 今まで、本来ならば銀行がそういう再建のノウハウだとか、後にどういう人を派遣して企業を再建するかという、そういう経験が一杯あればよかったんですが、残念ながら日本の金融機関は長らく護送船団方式でしたから、なかなかそういう経験というものが、そういうものがなかったわけですね。
 そういう面で、今度産業再生機構の設立によって、やはり今までは金融機関の体力に合わせた先送り型の、どちらかというとバランスシートの調整にとどまっていたんですが、やはり産業再生と金融再生を同時にかつスピードを上げてやっていく、そういうことが大きな役割だと思います。
 先ほど総理からもお話がございましたが、なぜ、本来民は民でやらなきゃ、ああいった方がベターなんですが、できなかったかというと、残念ながら、なかなか銀行間における債権者間の調整だとか、それから今申し上げた抜本的な再建の方法についての事例不足と申しますか、経験不足が多かったと。そういう面において、弁護士さんだとか公認会計士さんだとか、本当のスペシャリストを集めて一生懸命やっていると。そういう面で、またそういう、今までは再建するところにリスクマネーを集めるのはなかなか難しかったわけですね。
 そういう中で、この再建機構がもう今まで二十五の支援決定をして、二十二の買取り決定をしていると。そういう面では、本当にその地域の経済に対して極力影響を小さくして再生していくということで、一生懸命産業再生機構が活躍してくれている、そういうふうに我々考えております。
 以上であります。
#314
○沓掛哲男君 総理、また村上大臣、ひとつよろしくお願いいたします。
 次に、日銀総裁にお尋ねいたします。
 地方経済や中小企業を始め、景気の先行きに関して楽観できないものがございます。現在の金融緩和政策を当面は維持することを希望しますし、特に原油価格が急騰すると、いずれ諸般の物価に押し上げ圧力が働きかねず、またそれが長期金利を上昇させる可能性もあります。それだけに、しっかりと物価動向や長期金利を見守りながら政策運営をお願いしたいと思います。
 そこで、日銀総裁には、原油価格の諸般の物価に与える影響や長期金利の動向をどのように判断しておられるのか、またその中で金融政策をどのように運営していこうとなされているのかをお尋ねいたします。
#315
○参考人(福井俊彦君) お答えを申し上げます。
 委員御指摘のとおり、様々な不確定要因はございますが、目下日本の景気は回復しているというのが私どもの認識でございます。この趨勢線上で考えれば、明年にかけましても日本の景気はよりバランスの取れた形で回復を続ける可能性が高いというのが私どもの判断でございます。しかし、おっしゃいましたとおり、不確定要因、その中でも特に原油価格高騰、この動きが今後どうなるか、そして世界経済と日本経済にどういう影響を跳ね返してくるかということにつきましては細心の注意を持ってこれは見ていかなきゃいけない、そういうふうに思っております。
 それに加えまして、世界的にIT関連の在庫調整も始まっております。これらの調整の深さがどれぐらいになるかということも非常に重要な認識課題だというふうに思っています。
 それに加えまして、景気は回復しておりますが、中央と地方との間のやっぱりギャップというのはまだかなり残っています。今週も日本銀行では全国の支店長会議を開きまして各地の状況をつぶさに伺ったんですけれども、確かに好影響は地方にもじわじわと浸透しているけれどもまだ格差が大きいという報告でございました。今後の動きについてきめ細かくフォローしながら金融政策にも反映してまいりたい。
 金融政策につきましては、かねてより、消費者物価指数の前年比変化率が安定的にゼロ%以上になるまで現在の量的緩和政策を堅持するということを固くお約束いたしております。この方針に沿って当面この緩和政策を堅持したいということでございますが、こうした緩和政策によります景気支援効果は、景気が回復を続ければ続けるほど企業部門において収益の改善が続く、緩和効果がより強まっていくという筋合いにございます。
 したがいまして、そうした効果のより良き浸透を図るということを眼目に置いてこの政策を続けたいと。こうした政策方針が市場に浸透し、広く理解されれば長期金利につきましても安定的な効果をもたらすだろうと、こういうふうに考えております。
#316
○沓掛哲男君 どうも、日銀総裁、ありがとうございました。どうぞ退出されて結構ですから。
 そこで次に、(発言する者あり)委員長、委員長なのか。ごめんなさい。済みません。
 次に、我が国の発展の基盤施策についてお尋ねしたいと思います。
 我が国がこれから安定して持続的にずっと成長していくための一番基本的な、基礎的なもので何が必要かということについて、これは私が言うんではなくてアメリカの人が言われたんです。ちょうど今から十年ほど前、ローレンス・サマーズ、サマーズさんといわれて、当時クリントン政権の財務長官もされ、ハーバード大学の学長をされた方ですが、こういうふうに言われております。日本にとって大事なことが二つある。一つは、創造力豊かな人材の育成を、怠っているというわけじゃないんですけれども、十分ではないよと、しっかりしなきゃ駄目よと。もう一つは、資本市場の育成がすごく後れている。これを、しっかりしない。この二つをやらないとやがて日本にいわゆる経済、いろんなもので、まあ隘路なり、そういうものが出てきますよということをこのサマーズさんがおっしゃっています。
 そのことで、一つは、創造力豊かな人材をどうしてこれから培っていくのかということについては文部科学大臣にお尋ねしたいし、資本市場の育成については、これは金融大臣にお願いできるのかと思いますが、その前に私の一説を述べたいんです。
 なぜ創造力豊かな人材が必要かというと、お隣の中国はもう産業基盤が猛烈な勢いで発展しております。例えば先ほど総理言われた高速道路ですけれども、日本は四十年掛かって七千キロしか供用できませんが、あの国はわずか二十年で三万キロの供用をいたしております。
 昭和五十九年のちょうど春休みで、当時水野清建設大臣と私、道路局長でしたが、二人で、李鵬首相、当時副首相でしたけれども、公共事業担当大臣に招かれて、中国の高速道路をどうして造るかということの指導に来てほしいというので行ってまいりました。本当にこの二十年で三万キロができるとは思いませんでした。そのほかいろんなもの、例えば三峡ダムがいよいよ貯水を始めました。その貯水量というのは、日本のダムの全貯水量の二倍もあるんですよ。そして、一つのダムで水力発電量は千八百四十万キロワットとか、いろんな面ですごい勢いです。
 そういう中国がいて、それよりも日本が常に優位とは申しませんけれども、豊かであって、そのためにはやはり科学技術の振興というのが何よりも大切だというふうに思います。その科学技術の振興については、我が国は余り適した国ではございません。なぜかというと、いわゆる知的財産の価値が極めて低いんです、みんな優秀ですから。みんな優秀ですから、ある人がすばらしいことを考えて何か取っても大して評価しないんですよ。
 三年前ですか、島津製作の田中さんがあのノーベル賞のもらった基になるもので特許を取ったら、社長が一万円をくれたわけですね、褒賞で。そういうことで知的財産の評価が極めて低いんですよ。三共製薬の初代社長というのは、私の石川県出身の高峰譲吉という方です。いわゆるタカジャスターゼとアドレナリンを発明した人です。この人はアメリカで自分の特許を売りました。約一兆円、今のお金で一兆円で売れたので、それで今の三共製薬を作ったんですよ。そういうふうに知的財産の価値が非常に日本では低いので、やはり創造力豊かな人、そういう人がなかなか育ちにくいんですよ。
 ですけれども、今、中国その他のすごい発展に対して、日本がこれを更に今の地位を維持向上していくにはやはりそういう方が是非必要なので、それを是非どうしたらいいのか、そういうことについて文部科学大臣の御所見をいただきたい。
 そこで、資本市場の育成なんですけれども、そうして知的財産がいろいろ日本でできました。特許の件数については日本はアメリカに負けないぐらい知恵が一杯出ているんですよ。でも、できたものの実用化というのは、アメリカが七割、日本は三割なんですよ。なぜか。アメリカでベンチャー企業をやろうとする、日本でそういう新しい科学技術を使って創業しようとした場合、これ非常に日本ではしにくいんですよ。
 いわゆるそれは資本市場が育成されていないからなんですが、そのことを非常にまたアメリカ人がうまく説明してくれているんです。それはモジリアーニ・ミラー定理というのを作ってわざわざ日本のために説明してくれているんです。どういう説明かというと、いわゆる資本市場の育成されていない日本では、新しい事業、ベンチャー企業を始めようとすることを決めるのは銀行家ですと。そして、資本市場の育成されている国では、このベンチャー企業をやるかやらないかを決めるのは事業家ですというのです。
 日本の場合は、資本市場が発達していませんから、銀行家からお金を借りなきゃなりません。銀行家ほど保守的な人はいないわけですから、そんなものはやめとけやめとけということになるのでなかなかできない。しかし、資本市場が育成されておれば、それは銀行貸してくれないんならおれが自ら金集めるよといって集めてやれるわけですね。そのことがアメリカでベンチャー企業が物すごく発達し、それがあの国の大きな国力になっているし、創業がいわゆる廃業より多いんです。日本は今、廃業が多くて創業が少ないわけですから、やはりこの資本市場の育成というのは欠かせない大事なことで、それは少しずつ進んではいるけれども、なかなか進みません。
 ちょうど十年前にサマーズさんは日本とドイツに行ったんですけれども、ドイツはそういう専門家をすぐ雇って一生懸命そういうことをやり出しました。日本は銀行家がもう偉くて強くてなかなかいかないという実態があるんではないかなと思いますので、その資本市場の育成について、これは金融大臣からでしょうか、よろしく御指導いただきたいと思います。
#317
○委員長(中曽根弘文君) 伊藤金融担当大臣。
#318
○沓掛哲男君 文部科学、文部科学。
#319
○国務大臣(中山成彬君) それでは、前段についてお答えいたしますが、私は平成三年に文部政務次官を務めておりましたが、十三年ぶりに文部科学省に帰ってまいりました。
 この十年余りというのは日本が本当に低迷した時代でございまして、バブルが崩壊して長い間低迷しておりました。どうしたらこの日本経済を活性化できるのか、いわゆる経済構造改革進められるのかということを真剣に考えてきたわけでございますけれども、なかなか日本経済、元気が出ない、どうしてかなと本当に悩んでおりました。
 一方では、今先生御指摘のように、中国等ではもうどんどん進展、発展してくるわけでございまして、これは一つにはやはり経済社会がある程度成長をして豊かになりますとどうしても保守的になってしまう、受け身になるわけでございますが、まあ日本の教育というのもそれと歩調を合わせるような形で来たわけでございます。これじゃいかぬなと、やっぱりもう、総理もいつも言われますけれども、やっぱりこれはやる気を出さにゃいかぬと、頑張ろう日本とこう言いますけれどもね。
 そういうことを考えておるときに文部科学大臣を拝命いたしまして、これはやる気あるなと思って大変有り難いと思っているわけでございますが、文部科学省に参りましたらもうやっぱりさすがに気が付いておりまして、平成十四年に人間力戦略ビジョンというのを作りまして、新しい時代を切り開くたくましい日本人の育成ということで、やはり子供たち、確かに基礎的な知識は教えますが、やっぱり自分で考え行動する子供たちをいかに育てていくかと、しっかりとした学力プラスそういったやる気を起こさせるような教育を今進めております。
 また、高校等におきましては、卓越した人材を育成するというスーパーサイエンスハイスクールというようなことを指定したり、あるいはまた、できない子はできない子なりに習熟度別の指導をしてやる気を起こさせるというようなことをいろいろやっています。
 そしてまた、世界最高水準の研究教育拠点を作るということで、二十一世紀COEプログラムを実施したり、あるいは大学教育改革における特色ある優れた取組に対して支援するというふうなことで、いわゆる競争的な環境に大学等を置こうと、こうしているわけでございまして、正に今から大競争の時代でございますけれども、もう少しこの教育界におきましても競争原理を導入するといいますか、もっとこれ、やる気を起こして負けないぞと、頑張ろうという、そういう切磋琢磨する、そういった風潮というのをもっともっと教育界にも吹き入れていきたいと、このように考えておるところでございます。
#320
○国務大臣(伊藤達也君) 後段の部分についてお答えを申し上げたいと思いますが、先生から大変重要な御指摘をいただいたというふうに思っております。
 日本の創造力あるいは潜在的な力、底力というものを引き出していくためにも、ニュービジネスでありますとか、あるいはベンチャー企業を育成していくためのリスクマネーというものを円滑に供給をしていく、そしてチャネルを増やしていくということは非常な重要、非常に重要なことであり、そうした視点から金融や資本市場の構造改革というものを進めていかなければいけないというふうに思っております。
 私どもは、そうした観点から今まで、例えばいわゆる新興市場というものの整備に取り組んでまいりました。あるいはグリーンシート、こうした制度を証取法の明確な位置付けをしていくということについても取組をさせていただき、さらにこうした銘柄についての税制上の優遇処置、こうした諸般の政策というものを展開をさせていただいてきたところであります。また、知財権の問題についても、これから引き続き、信託業法というものを改正をさせていただいて、これを有効に活用できるような、そういう環境整備にも取り組んでいきたいというふうに思っているところでございます。
 いずれにいたしましても、先生の重要な御指摘を踏まえまして、国際的にも最高水準の金融機能というものを利用者のニーズに応じて提供できるような、そういう金融システムの構築に向けて一生懸命金融行政に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#321
○沓掛哲男君 よろしくお願いします。
 そこで、今度は国際競争力のことについて少しお話ししたいんですけれども、質問したいんですけれども、平成五年以降を指して失われた十年という言葉が使われます。今、中山大臣もおっしゃられましたけれども、御発言ありますが、それはバブルの後遺症対策に追われ、国の総合的な成長、発展がストップしていたことを意味するのではないでしょうか。
 スイスのある機関、ビジネススクールですけれども、ある機関で毎年各国の国際競争力の順位を出していますが、宮澤内閣までは日本は一番でした。ジャパン・アズ・ナンバーワンでございましたが、それからどんどん下がってきました。まあこの統計の取り方も変わりましたが、昨年では日本は十一位でしたが、今年のデータではこれが八位に上がっています。まあこれはやっぱり、日本経済、日経新聞で出ているんですけれども、小泉改革の成果が国内よりも国際的な面で一歩早く評価されたのかなというふうにも思いますが、しかし具体的事実として大変気に掛かることが幾つもありますので、その一例を申し上げたいと思います。
 我が国は貿易立国ですから、たくさんの貨物が輸出入されます。十年前までは、ほとんどの貨物は我が国の港から北米とか欧州等の目的地に直行いたしておりました。ところが、五年前には我が国での取扱いコンテナ貨物の五%が釜山などの他国の港で積み替えられ、トランシップされました。それが昨年は、五年たった昨年はその五%だったものが一五%にも急増しております。
 理由は、港での処理時間の違いなどがあるんじゃないかなと思います。日本は二・五日、釜山では一日というようなこと。あるいは、港の水深の違いにより、釜山では十六メートル、日本ではほとんど十三メートルですが。
 船の大きさが違うことにより、コストの違いによるものとも思いますが、コストの少しの違いでも移動する貨物ですから、このままではあと五年もすれば三〇%ぐらいの貨物は釜山や上海で積み替えられるのではないでしょうか。もう上海は沖合に三十数バースの大港を今構築中でございますから、このままいけば恐らく上海がアジアのハブ港ということになるのではないでしょうか。港の我が国の近代化等を早急に進めるべきだというふうにも思います。
 なぜ日本発着のコンテナ貨物がアジア主要港で積み替えられるのか、その見通し及び対策について国土交通大臣にお願いします。
#322
○国務大臣(北側一雄君) 今の御質問に答える前に、先ほど台風被害のお話をさせていただきましたが、高松での高潮被害に関連しまして、かつて伊勢湾台風と申し上げましたが、これ間違いでございまして、第二次室戸台風、昭和三十六年の第二次室戸台風に比べて五十センチ以上も潮位が上がっておるということでございますので、訂正させていただきます。
 今の、我が国発着のコンテナ貨物のうち、他国、特にアジア主要港ですが、積み替えられるのが非常に多くなっていると。これはなぜなのか、どうするのかという御質問でございます。
 御指摘のように、昨年はもう一五%、昨年一年間で一五%、貨物量で積み替えている量が増加をしているわけでございますが、この理由は、今の御質問の中にもございました、二つ理由があると思います。
 一つは、コストです。コストが日本の港湾の場合高いと。アジア主要港に比べて高い。どの程度高いかといいますと、三割から場合によっては四割ぐらい高くなっていると。これが一つです。
 もう一つは、リードタイムといいまして、港に貨物が着いてから実際に搬出できるまで時間が掛かり過ぎると。例えばシンガポールではもう二十四時間で、港に着いて二十四時間以内にもう外に搬出できるという体制になっているにもかかわらず、我が国の主要港湾ではこれが約三日前後掛かってしまうと。このような状況にあることが原因であるというふうに考えております。
 そこで、今御指摘ございましたように、この問題は非常に大事な問題であるというふうに認識をしておりまして、スーパー中枢港湾というものをしっかり推進しようということで今進めさせていただいておりまして、具体的には、伊勢湾、それから京浜港、それから阪神港、この三つをまず指定をさせていただいて、ターミナルシステムの統合、大規模化、これの社会実験を今やろうとしております。
 このスーパー中枢港湾のプロジェクトをしっかり推進をいたしまして、コストについても三割低減していく、さらには、リードタイムについても今の三日ではなくてもうシンガポール港並みの二十四時間以内に短縮をしていく。こういうことを目標にして、港湾の競争力を高めるように頑張ってまいりたいと決意をしているところでございます。
#323
○沓掛哲男君 本当に早くやっていただきたい。時間が掛かれば掛かるほどまた差も出てきますので、よろしくお願い申し上げます。
 その次に、今度は科学技術の振興について是非、これはもう総理に是非お願いしたいんです。この一点、今日全部忘れていただいても結構ですから、これだけ覚えてください、これだけ覚えてください。これは非常に大事なことなんです。
 科学技術の振興、資源の乏しい狭い四つの島で一億二千万人の国民が豊かでなお生きがいの持てる生活を全うするためには、科学技術の振興は欠かせない大事なものです。特に、大型プロジェクトの研究開発の成否は、その国の産業経済に大きな影響を与えるものです。米国のNASAにおけるその宇宙開発などがその良い例だと思いますが、このNASAにも匹敵する大型プロジェクトが国際間で今問題になっております。それは、国際熱核融合実験炉、ITERの問題でございます。
 これは、現在の原子力は核分裂ですから、熱とともに、まあ中性子も出るんですけれども、やっぱり放射能も出てきます。しかし、そこが悪いんですけれども。しかし、今度は核融合ですから、核が核で融合すると物すごい熱が出ますが、融合するわけですから、放射能とかそういうものはできません。クリーンなエネルギーがこれでできるんです。
 これの、国際的な協調でこれを造ろうということで、今、最後に残っているのがフランスと日本です。EUを代表するフランスと、日本です。日本に対してはアメリカと韓国が応援してくださっていますし、フランスに対しては中国とロシアが応援している状況です。
 これが日本にもしやれるようになれば、一つには、いわゆる科学技術のあらゆる分野ですばらしい研究開発が進みましょう。そしてまた、そこで実験炉等を造ります。十年で約実験炉が六千億ほど掛かるんですけれども、それを造ることによる、いろんなものを日本からも供出できるということ。それからもう一つは、やはりアジアで初めて国際的なプロジェクトができるという歴史的なそういう大きな意義もあると思います。もちろん、これが成功すれば、エネルギーはほとんどそこから供給できます。石油はもう原材料として使えばいいんですから。そういう形で、国際的にも大変大きな重要な課題です。これを今年にでも決めようということで、大変いろいろ激しい競争があるんですけれども、是非、日本にこの誘致をお願いしたいと思います。
 先ほどの、ハノイで総理、シラク大統領とお会いになってこのこともお話になられたということですが、わずかな時間でたくさんの議題がございましたから、それほどではないのかもしれません。全力を挙げて、国を挙げてこのITERを日本、六ケ所村でということになっているんですけれども、やれるようにしていただけると、日本は物すごい、ぱあっと私、日本じゅうが明るくなると思います。もう世界の日本になって、すばらしい私は発展の原動力になると思いますので、是非是非これは、総理の本当に最大の課題で、是非是非お願いしたいと思いますので、総理、よろしくお願いいたします。
#324
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 核融合、いわゆるITERの問題でありますが、これは今六者といいますか、六極の中で議論が進められております。
 六極といいますと、日本とEUとアメリカ、ロシア、中国、韓国。そこで、日本を支持しているのがアメリカと韓国、で、フランスを支持しているのが中国とロシアということでありますが、さきのベトナムのハノイでシラク大統領と会談しましたが、これも話し合いましたが、フランスは場合によっては独自でやるというような姿勢を見せておりますが、やっぱり今まで協議してきたこの六者、六極の会合を活用していこうと、これが大事じゃないかということではシラク大統領と私と意見の一致を見ました。今後、日本とフランスのみならず、関係国、機関ともよく協議しながら、この問題の解決に向かって日本も努力をしていきたいと。
 日本では、六ケ所村に誘致をしようということで、関係地方団体、機関、政府挙げて今取り組んでおりますので、そういう点もよくわきまえて、お互い利益になるような解決策をこの六極の会合の機関、枠組みを活用しながら進めていきたいと思っております。
 ほかのこと忘れてもいいと言いますけれどもね、ほかのことも大事なものでありますから、これ忘れますとまた怒られちゃいますから、ほかのことも忘れないで、この点の重要性をよく認識して対処していきたいと思います。
#325
○沓掛哲男君 全部よろしくお願いいたします。
 次に、社会保障問題で年金問題についてお尋ねしたいと思います。
 総理が言われている聖域なき構造改革の中で、社会保障の改革は大きな柱でございます。年金の一元化を始め、社会保障の将来へ向けて与野党を問わない国民的な本格議論は参議院選挙から始まったと言っても過言でないと思います。
 まず、総理には、参議院選挙やその後の国民世論の動きなどを見て、国民の年金についての政策的な関心はどの辺りにあるのかについて、そして年金など社会保障改革を進めることの必要性について、総理のお考えをいただきたいと思います。
#326
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 年金の問題に関する関心は極めて高いと承知しております。特に高齢者にとってみれば、老後、定年退職後、どの程度給付が得られるのかということで、若年者に比べますとより切実な問題になってくる。若い世代にとってみれば、まだ年金は先のことだと思っているから、この保険料負担というのは重過ぎると、もっと軽くしてくれと、高齢者が増えていく段階で自分たちは本当に今の給付が維持されるのかと、もらえないのかという不安があります。
 こういう問題に対処していくために、これは政党の利害といいますか、党利党略を離れて、この問題を国民の理解と協力を得たような制度にしていこうじゃないかという機運が盛り上がったからこそ、さきの国会で自民党、公明党、民主党の三党の間で年金一元化を含んだ制度に変えていく必要があるんじゃないかという議論も、年金のみならず社会保障全体で考えていこうと、医療と介護と生活保護も含めて。こういう問題が一番今関心が高い問題の一つだということはよく認識しております。でありますからこそ、政府としてもこれは経済界、労働界、この代表の参加も得て、この問題の議論を進めているところであります。
 でき得れば、合意をした民主党とも、近い将来、与野党、将来いずれの政党が政権を取ろうとも、根本的には変わらない、安定的で持続可能な制度に維持、構築できるような制度にしていくような、胸襟を開いた協議を早く進めたいと思っております。そういう中で、今いろいろな問題点ありますが、突き詰めて、国民として、理解を得るような形をしていきたいと思います。(発言する者あり)
 強行採決、強行採決という議論が今ありましたけれども、この合意は強行採決以前で合意された問題でございます。党利党略を離れた立場でこの問題を進めていく必要があると私は思っております。
#327
○沓掛哲男君 温かいお答え、ありがとうございました。
 与野党一体となった年金制度改革について厚生労働大臣にお尋ねします。
 さきの年金制度改革法の衆議院での採決、可決に当たり、自由民主党、公明党、民主党の三党合意がなされ、年金の一元化問題を含む社会保障制度全般の在り方を検討するため、与野党での協議会、衆参での厚生労働委員会に小委員会を設置することが約束されています。年金一元化は与野党で合意された重要な政策課題と言えます。
 そこで、厚生労働大臣には、三党合意をどのように受け止められており、またそれに基づき年金の一元化を含め年金制度の更なる改革をどのように進められるのか、お尋ねいたします。
#328
○国務大臣(尾辻秀久君) お話のように、三党合意がございました。さらに経済界や労働界からの御要請もございました。そこで、政府といたしましては、今、社会保障の在り方に関する懇談会を設置いたしまして、年金の一元化を含む一体的な見直しについて議論を行っているところでございます。公的年金制度の一元化につきましては、これまで順次進めてまいりました。御案内のとおりでございます。また、全国民を対象にいたしました年金の一元化を実現するためには、その前提となる諸制度の整備が不可欠でございます。与野党間におかれましても、国民的な見地に立って御議論をいただき、御指導いただければ大変有り難いと存じております。
#329
○沓掛哲男君 では次に、少し時間がないので飛ばさせていただきますが、介護・医療制度の見直しについてお尋ねいたします。
 年金以外の社会保障改革では、来年以降も介護保険の見直し、医療制度の改革などの見直しが予定されています。
 介護制度について一言述べさせていただきますが、介護を至れり尽くせりで行っているスウェーデンに平成七年、当時お医者さん出身の宮崎秀樹参議院議員と二人で実態調査に行ってきました。ここでは六十五歳以上の人は介護の必要な程度に応じて六段階に分けて行われております。軽い方からは順にホームヘルパー、自宅ですね、それから二番目からは施設で、サービスホーム、老人ホーム、グルーピングホーム、ナーシングホーム、ホスピタルというふうに移っていきます。
 介護を受けている人に会って、子供さんはいますかと聞くと、はい、いますと言います。では時々来てくれますかと言うと、はい、一年に一度は来てくれますというような、そういう状況でございました。私たち外国人にでも少しでも長くいてほしいという、そういう感じでした。最初はうらやましいと思っていましたが、離婚率が世界で最も高い、また自殺率も世界のトップクラスであるというようなことを聞いて、やっぱり日本に合った介護制度を作るべきだなというふうに思います。
 今まではよく、前は、子供が親の面倒を見るのではなくて社会が見るんだと言っていましたけれども、それはなかなか現実問題としてはもう成り立たないと、やがて成り立たないようになると思います。特に少子高齢化ではそうです。子供が親の面倒を見るということがやっぱり私は基本じゃないか。しかし、病んだ親の面倒を見るということは大変もう過酷なことです。それを社会が援助してあげる、そういう制度が必要なんではないでしょうか。親を養う子供には親のその相続財産というものの手厚く配分する、今までの均等ということではなくて手厚く配分するなどのそういう措置を講ずることなどを通じて、やはりこの介護についてもう一度抜本見直しが必要ではないかなという気持ちがいたします。
 これについて厚生労働大臣の御所見をいただきたいと思います。
#330
○国務大臣(尾辻秀久君) 五年前に私どもは介護制度を導入をいたしました。そのときに、日本の介護はどうしても家族に頼りがち、しかも、その中でも女性の皆さんに大変負担が掛かっておる、ここのところを何とかしなきゃいけないという思いが強くございました。そして、この五年間を見ますときに、そうした介護制度というのは、介護保険制度というのは定着をしたと考えます。
 一方また、先生の御指摘のようなこともあろうかと思いますので、一言で申し上げますと、今後在宅介護に力を入れていきたいと、こういうふうに考えております。
#331
○沓掛哲男君 では次に、文部科学大臣に教育基本法見直しの背景、理由と見直しの方向についてお尋ねいたします。
#332
○国務大臣(中山成彬君) 御承知のように、教育基本法というのは、戦後間もなくの昭和二十二年に制定されましたが、その後、もう半世紀以上、一回も見直されることなく過ぎてきているわけでございます。
 しかし、その間、日本の経済社会、目まぐるしく変化いたしまして、学校現場におきましてもいろんな問題、課題が生じているわけでございまして、今、教育全般にわたりまして見直しをしているところでございますけれども、この教育基本法につきましても、これからどういう日本人を育成していくのかという観点から、中央教育審議会におきまして検討いただきまして、公の、公共の精神とかあるいは道徳心とか、さらには家庭の役割とか、そういったものを含んだ答申をいただいているところでございます。
 また、与党の協議会におきましても中間報告をいただきまして、前向きに検討するようにということで今進んでいると、このように考えているわけでございまして、文部科学省といたしましても、これらの議論を踏まえまして、さらに国民的な合意を得ながら、できるだけ早く改正ということで取り組んでおるところでございます。
 以上でございます。
#333
○沓掛哲男君 最後になりますが、食育基本法について総理にお願いいたします。
 子供たちが豊かな人間性をはぐくみ、生きる力を身に付けていくためには、何よりも食は重要であり、食育を生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置付けられると思います。
 様々な経験を通じて食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実現できる人間を育てるとの基本理念の下に、今年の通常国会に自公両党から議員立法として食育基本法が提出されました。これは継続審議となっておりますが、是非この国会で通していただいて、食の重要性、国民健康の重要性、そういうものを育てていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
#334
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 食生活の重要性は、幾ら重視してもし過ぎることはないと思っております。
 まず、動物の世界を見ても、食べることができなくなったら死ぬしかないわけであります。人間も動物の一種であります。いろいろないい薬もあります。いい治療法も出てまいりました。しかし、この人間の体力を作る基本は食物であります。食べ物、農業を含めて、あるいは水産物含めて食生活をいかに大事にするかということは健康に大きな影響を与えてきますし、こういう面から、知育、徳育、体育の重要性はだれでも分かっていながら、その知育、徳育、体育の基本が食生活だと、食を大事にしようと、これはもう環境を大事にすること、健康を大事にすることにも通ずるわけであります。
 そういう点で、もう小さなころから、お母さん方が、お父さん方が料理を作る際にも、正しい食事をすることによって健康に育つということをやっぱり全体で、社会全体で考えていくことが必要だということの食育の重要性を訴えるということでありますので、継続審議になっていると思いますが、こういう問題について、より多くの国民が食の重要性について認識を新たにしていただく、重要性を理解していただくという点から、この食育基本法の制定に向けて今後各党の御理解を得ながら進めていかなきゃならない問題だと思っております。
#335
○沓掛哲男君 ありがとうございました。
 ただし、今度は本当に最後で、BSEのこの問題がよく私分からないので、教えていただきたいと思います。
 自民党では、政府が検討している検査対象を二十一か月、二十一か月齢以上に引き上げることを柱とするBSE国内対策に対し、消費者の理解が不十分との意見も根強くあります。全頭検査はそのまま維持することになっているんですけれども、どうしてこの二十一か月齢のことがこの入ってくるのか。日本では全頭検査を前提にしてある。しかし、どうして今ここでこの二十一か月齢の問題がここに出てくるのか、ちょっと理解に苦しむんですが、その趣旨を御説明いただきたいと思います。
#336
○国務大臣(島村宜伸君) BSE問題につきましては、三年前にこの問題が起きまして、一時は肉屋さんから牛肉が全く姿を消すと、こんなような事態が招来しました。そこで、国民の皆さんに安心して牛肉を食していただくために全頭検査という緊急避難的な思い切った策を講じたわけであります。
 国際的には、例えばEUが三十か月以上としておりますし、その他の国はもっと緩いわけでありますが、日本の場合は全頭検査を実施してきましたけれども、その後三百五十万頭、言わば厳重に検査しました結果、二十一か月、二十三か月にこれを相当突き詰めてやっていくと、まだその疑いが持てるというのが出てきまして、ここを以上のものは出なかったわけです。
 そこで、国際的な水準よりはかなりまだ厳しいわけですが、一応二十一か月以上ということにして、今回、言わば党に御協議を願い、その御協議の結果に基づき食品安全委員会に諮問をしたところであります。その結果、もしこれがイエスということになれば、これは日米協議の場に持ち込まれていろんな協議をすると、こういうことでございます。
 そのように御理解いただければと思います。
#337
○沓掛哲男君 どうもありがとうございました。
 舛添委員に代わります。
#338
○委員長(中曽根弘文君) 関連質疑を許します。舛添要一君。
#339
○舛添要一君 私は、参議院自由民主党を代表しまして、外交、防衛に特化して今日は質問いたしたいと思います。
 まず第一に国連改革ですけれども、先般の国連総会におきまして総理は、国連改革、とりわけ我が国の安全保障理事会常任国入りを要求されました。今なぜそれが必要なのか、そして常任理事国になればどういういいことがあるのか、御説明ください。
#340
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国連常任理事国というのは、国連の中におきましても世界の平和と安定についていろいろな重要な決定を下す重要な機関であります。ここの安保理常任理事国になるかならないかということについては、決定に参画できるかできないかという大きな問題が掛かってきます。
 私は、現在の世界情勢を見て、平和と安定を維持するのは武力だけではないと思っています。武力以外に平和と安定に資する道があるのではないか。これは戦後一貫して日本が取ってきた道であります。こういう考え方について、日本の行き方について多くの国が共感を示しております。
 確かに、国際紛争を解決する手段として武力を行使しない、武力による威嚇を行使しないという憲法を持っております。これを堅持しながらも、武力行使だけではないだろうと。日本には武力行使以外に世界の平和と安定に資する、貢献する実績があると、これからもできるということで、私は、今や平和と安定に各国がどう関与するかという場合に、門外漢でいるよりも、日本は日本なりの主張を、この常任理事国になって日本の意見を世界のこの決定に反映させることが私は重要だと考えました。
 そういう観点から、国連改革の機運が盛り上がってきた今日、日本の主張を鮮明にした方がいいなということで、九月、国連総会でそのような意向を表明したわけであります。
 今後、この問題につきましては、国連事務総長の下で今いろいろ議論、ハイレベル委員会というものを作って議論が進められております。この機運を生かしながら、日本の立場を国際社会に理解し協力を得るような努力をこれからも続けていきたいと思います。
#341
○舛添要一君 私の記憶が正しければ、数年前は総理はむしろこの常任理事国入り、相対的にですよ、消極的だったような記憶がございますが、なぜ政策をお変えになったか。どういう変化ですか、それは。
#342
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、私は慎重だったのは、国連常任理事国、これは、いずれにしても国際の秩序と平和を回復するために武力行使をいとわないという国であります。ところが、国連常任理事国になるというのは同じようなことをするのかという誤解を与えてはいけないということから、それをはっきり国際社会で表明すべきだということから、誤解を与えないようにこれは慎重に考えるべきだということから慎重論を唱えていたわけであります。
 総理になって、これは理解されてきたなと。日本は国際社会の中で、平和と安定の維持のためにPKOを始め努力しているということが今までの十年間の実績で分かってきました。そして、世界各国も、平和と安定を維持するためには、あるいは回復するためには軍事力だけじゃないということも理解されてきました。日本の行き方に対する、軍事力を行使しない、紛争があっても武力行使はしないということに対して理解が深まってまいりました。これはいいチャンスだなと。軍事力だけじゃない、武力行使じゃないと。日本の行き方でやっても十分常任理事国になる資格があると判断したからこそ、今回、総理として常任理事国の意向、日本の立場を主張しながら、反映したわけでございます。
#343
○舛添要一君 その主張はよく分かります。しかし、イラクに行っているのは自衛隊です。武力行使はしなくても、武力を持ったものは行かないといけない。安全保障理事会であって、文化や経済の話をするところではありません。
 私は、やっぱり行使はしなくても武装部隊ということが必要だと思いますから、常任理事国入りやるならば、集団的自衛権を認めるような形の憲法改正が不可欠だと思います。つまり、憲法改正と常任理事国入りは表裏一体であって分けて考えることはできない、そういう考えの下に我々は、来年結党五十周年ということで、憲法改正をやる、そういう方向で考えをまとめておりますけれども、その点、総理、いかがですか。表裏一体かどうか。
#344
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、必ずしも表裏一体とは考えておりません。憲法改正は望ましいと思っております。だからこそ、来年、自由民主党は結党五十周年という節目を、節目の機会に憲法改正の素案をまとめて、来年の秋ごろには発表いたします。
 そういう中で、憲法改正という議論が国民的な関心を持って各党間で協議されると思いますが、私は、常任理事国になるから憲法を改正しなきゃならないという立場ではありません。憲法改正は、日本独自の立場として憲法改正すべき点があると思っているから憲法改正に賛成なんです。どういう点を改正するかというのはこれからいろんな議論があります。
 それと同時に、今の国連常任理事国になるのは、世界で認められれば今の憲法のままでも国連常任理事国になり得る資格があると。常任理事国になった場合に、それではどういう部分、憲法改正すべきかというのは、それはそれでまた議論すべき問題だと考えております。
#345
○舛添要一君 我々は、常任理事国入りするかどうかで憲法改正の中身を変えたいと思っています。ちなみに、この私の考えと全く同じのが総理の補佐官である山崎拓さんであります。いかがですか。
#346
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そういう考えは十分理解しております。それは一つの考え方として、私はあえて異論を唱えるものではございません。
#347
○舛添要一君 拒否権についてお伺いします。
 総理は、日本国が拒否権を持った形で常任理事国入りするのか、なくてもいいのか、どちらですか。
#348
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは各国によって考え方は違うんですが、日本としては、常任理事国を拡大せよと、同時に非常任理事国も拡大せよという考え方であります。
 その中で、現在の日本の考え方は、常任理事国で差を設けるべきでないという考え方であります。常任理事国の中で差を設けるべきでないということは、ある国は拒否権を持っている常任理事国、ある国は拒否権を持っていない常任理事国、それは望ましくないと。常任理事国になるんだったら同じ資格を持つべきだというふうな考えを表明しております。
 もちろん、ほかの国では、常任理事国は現在のままでいいと、ほかの常任理事国を増やせばいいという考え方のある国もあると思いますが、それはいろんな考え方がありますので、今後の協議の行方を十分見守って、日本は日本としての主張を展開していきたいと思っております。
#349
○舛添要一君 常任理事国の中で差を設けるべきではないということは私も全くそのとおりだと考えますが、そのときに、そうすると二つ方法がある。我々新しく入る国が持つ、ないしは今既に持っている五大国、これの拒否権を外す、どっちの方向を取られますか。
#350
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、今後、議論の推移を見て日本も判断しなきゃならない時期が来ると思います。
 今の時点においては同じ資格の常任理事国を増やすべきだということを展開しておりますので、それを今また変えるのかという問題になるとかえって複雑になってまいりますので、今は、私が言ったように、常任理事国も非常任理事国も拡大せよと、常任理事国は同じ資格を持てという主張を展開していきたいと思います。
#351
○舛添要一君 後ほど対中外交について問いただしますけれども、中国が拒否権を発動したら一切通りません。そのことは認識しておられますか。
#352
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 五か国が拒否権を持っておりますので、一国でも拒否をすればそれは無理であるということは十分承知しております。
#353
○舛添要一君 次に、外務大臣にお伺いしますが、その前に尾辻厚生労働大臣、ドミニカ移民について厳しい批判を外務省に投げ付けられました。大臣になられてもその態度は変わりませんか。
#354
○国務大臣(尾辻秀久君) 特別変えるつもりはありません。
#355
○舛添要一君 尾辻大臣の立場で、どういうところが外務省欠陥があって、どういうふうに変えるべきだとお考えですか。
#356
○国務大臣(尾辻秀久君) かつてこの決算委員会でそのことについて触れまして、いや予算委員会で、この予算委員会で十分そのことを述べましたので、ここで繰り返すことは控えさせていただきたいと思います。しかし、そのことは決して、今申し上げましたように、私の信念を変えるという意味ではないことだけは申し上げたいと存じます。
#357
○舛添要一君 次いで、我が参議院から副大臣になりました谷川秀善先生にお伺いいたします。
 外務副大臣になられて、この組織に入られて、すばらしい職場に来たとお考えか、えらいところ連れてこられたなとお考えか、いずれですか。
#358
○副大臣(谷川秀善君) 外務省というところは、皆さん御存じのように、ここ二、三年大変なパッシングに遭ってまいりました。そして、非常に外務省の常識がどうも日本の常識ではないと、各省庁の常識でもないというような面もありまして、いろいろございましたが、私が参りましてちょっと見ていますと、非常に自信喪失している部分がまだ残っておると思いますよ。だから、これは非常に困ったこっちゃと私は思いますよ。
 だから、改革すべきところは十分改革をしながら、やっぱり自信を持って外交を進めていく。私は、やっぱり外交というのは結局内政の終局だと思っておるんです。だから、そういう意味では、内政も勉強してもらわにゃいかぬ、外交ばかりでは困るというふうに思いますので、私はやっぱりしっかり外務省を叱咤激励して、外務省のいいところを伸ばしていきたい。同時に、最近大分自信を持ち掛けてきましたから、これを皆さんとともに育てていきたいというふうに思っております。
#359
○舛添要一君 さすがすばらしい答弁、ありがとうございました。
 さて、町村さん、あなたと私は学生時代以来、私が大変尊敬する先輩であり友人である町村さん、外務大臣になられたので、あえて我が同僚二人の参議院議員の声をお聞かせいたしました。大変皆さんの期待が町村外務大臣に掛かっています。やっと我々の同僚の国会議員で大なたを振るえる方が来られたということですから、まず御決意のほどをお願いします。
#360
○国務大臣(町村信孝君) 外交のプロであります舛添議員、本当は質問というのは詳しくない人が詳しい人に質問するんだろうと思うんですが、舛添委員からいろいろ私に質問するというのはちょっと違うような気もいたしますが、立場上一生懸命お答えをしたいと思いますが、決意をということでございました。
 大変に難しい問題ばかりだなと、こうしみじみその仕事の難しさ、また責任の重さというものを痛感をしております。その中で、今それぞれのドミニカの問題、さらには外務省についての今、副大臣の感想も述べられました。確かに皆さん方のお声に十分、期待にこたえられていない部分が多々あるんだろうと思います。しかも、かなりここ何年間かいろいろなスキャンダルもありました。それを何とか是正しながら、少しでもやっぱり日本の外交の力を発揮できるように立て直していくと、そういうことで前任の川口大臣も大変な御努力をされたと思うが、いかんせん、時間的な制約もあったと思う。
 したがって、私はやはり外交の力が発揮できるように、日本の力が国際的にきちんと発揮できるように、そして日本というのはやはり立派な国だと、志のある国だと、そういう評価が得られるようなそういう外交を力一杯展開をしていきたいと、こう思いますが、どうぞひとつ委員の皆様方、舛添先生始め御指導賜りますようにお願いを申し上げます。
#361
○舛添要一君 早速それでは御質問申し上げますけれども、イラク情勢について最近報道の量が減って、もうあそこで事件が起こるのは当たり前のようなことになっている。どうなんですか、今の情勢は。簡潔に御説明願います。
#362
○国務大臣(町村信孝君) イラク情勢でありますが、暫定政府ができ、かなりこれは有能な暫定政府ではないだろうかと私どもは思っております。
 先般、復興基金の会議がありまして、そこの副首相、サーレハさんという方が来られました。クルド御出身の方でありますが、大変に識見もあり、また非常に統治能力がある方だなと、そんな印象を受けました。付いてこられた閣僚の方々とも話をしましたが、それぞれしっかりと国を再建をしようと、そういう思いの方々。
 したがって、私は、この暫定政権の下で非常に重要なのは、来年一月の選挙がいかにきちんと行えるか。この選挙に向けて、それはテロリストたち、妨害をする人たち、旧サダム・フセイン系の人たちがいろんな形でいろんな事件を起こす。多分、来年の一月の選挙に向けてむしろそれが拡大してくるおそれすらあると思っております。
 ただ、この選挙をうまく成功いたしますと、かなりここで局面は変わってくるのではないのかなと、そう思っておりますので、私どもとしては応援できる手段は限られてはおりますけれども、最大限の選挙成功に向けての支援、もちろんそのほか自衛隊がやっている民生安定あるいは人道復興的な支援等々、様々な協力はやっておりますが、とにかくこの選挙というものを一つの大きな転機といいましょうか、山といいましょうか、そういうふうにとらえてしっかりとした支援体制を組んでいきたいと、こう思っております。
#363
○舛添要一君 次に、防衛庁長官にお伺いします。
 自衛隊の活動についても報道の量が減っています。今どういう活動をどういうふうにやっているんですか。
#364
○国務大臣(大野功統君) 舛添教授から口頭試問を受けているような心境でございますけれども。
 今、自衛隊はサマワ県におきまして、給水活動とか、それから公共、例えば道路を直したり学校を直したり、それから医療業務、そういうような人道復興支援に従事しておりまして、元気一杯頑張ってくれて、非常に高い評価をしてくれております。
 例えば、この間、ムサンナ県、サマワのある県でございますけれども、そこのハッサーニという知事さんおいでになりまして、自衛隊が存在して復興支援活動をしてくれていることがまた治安の安定にもつながってくる、こういう評価をいただいて、防衛庁長官として大変誇らしい気持ちでおります。
#365
○舛添要一君 来年の春にはオランダの部隊も撤収する、それから幾つかの部隊も撤収するという状況ですけれども、我が自衛隊の安全を確保するための今後の見通しというのはどういうふうにお考えですか。
#366
○国務大臣(大野功統君) 治安情勢というのは非常に今後注意していかなきゃいけない問題でございます。この治安情勢、長官としましても、安定した状態の中で自衛隊の皆さんに活動してもらう、これが責務だと思っております。現在、全く治安については予断を許すわけにはいきませんけれども、その辺を十分に観察しながら検討していきたいと思っています。
#367
○舛添要一君 総理がASEMに行かれている前後、私はヨーロッパとアジアと回っていました。フィリピンに行ってまいりましたけれども、アロヨ大統領が、まあわずかな数、元々数少ないんですけれども、フィリピン軍を撤退させた。アジアの仲間でこういう国があることについて総理はどういうふうにお考えですか。
#368
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、他国の判断、決定に対してとやかく言う立場ではございませんし、それはフィリピンはフィリピンなりの事情があったんだと思います。
 国際社会の中で、イラクの復興支援にどのような支援を取るかというのはその国の判断に任せるべきではないかと。日本もよその国と違った支援をしているわけでありますので、他国と違った支援のやり方、だからどうだと言う立場には私はないと思っております。
#369
○舛添要一君 イラクの話を先ほどいたしましたが、インド洋にも我が海上自衛隊が補給活動に出たままです。やっぱり自衛隊出したら、いつ帰すのかと、そういう見通しをある程度持たないと。これエンドレスにいるんですか。十一月一日にインド洋については基本計画の期限切れます。これどうするのか。イラクについてはどういう見通しなのか。まず、防衛庁長官、お願いします。
#370
○国務大臣(大野功統君) まずインド洋でございますけれども、インド洋につきましては、法律上は、テロ対策特別措置法の法律の趣旨は、二〇〇一年九月十一日のニューヨークで起こり、ニューヨークで起こりましたあのようなテロ事件がなくなった状態になれば撤退すると、こういうことが条件になりますけれども、抽象的で分かりません。例えば、オサマ・ビンラディンの首根っこを押さえたらそれでいいのかとか、あるいはタリバンとかアルカイダの組織を崩壊すれば、残党をやっつければそれでいいのか、いろんな問題があると思います。
 もちろん時限立法で十一月一日が期限切れとなっております。だから、こういうような、こういうようなことがありますので、やっぱり息長くやっていかないといけない、一朝一夕には達成できないような問題でございます。
 したがいまして、各国ともまだその活動を続けている状態になっておりまして、こういう状況の中で十四年五月から何回か延長してきておりますけれども、十一月一日の期限切れ、今のような状態を踏まえてやっていかなきゃいけないな、こういうふうに思っております。
 それから、イラクの方でございますけれども、イラクの場合は、やはり一つは、イラクの復興がもう道筋が立ってきた、あるいは民生が安定してきた、こういう状態になれば撤退ができる。あるいは、自衛隊が撤退しても、撤退しても他の国際機関とか、国際機関とか他の国が協力して何とか復興と民生の安定になっていけばいいな、あるいは新政権どういうふうに考えるんだ、国連がどういうふうにこれを判断するか、その他国際情勢の問題があります。
 そういうことを判断しながら決めていかなきゃいけない、こういう問題でございますけれども、イラクの方は十二月十四日が期限切れ、今年の十二月十四日が期限切れでございます。やはり、イラク復興、民生の安定ということがどこまで達成されているのか、もう一つはやはり治安状態がどうなっていくのか、この二点を中心にして十分検討して判断していかなきゃいけない問題だと思っております。
#371
○舛添要一君 私がその質問をいたしましたのは、今度最新型の「ましゅう」という補給艦が入りますから、大分ローテーション、インド洋、楽になりますけれども、水兵さん、かなわぬですよ。もうローテーション、帰ったと思ったらまたすぐ行かないといけない。やっぱり自衛官のこと、もうちょっと考えてくださいと。
 それから、総理、テロリストに屈する形で選挙の直前に鉄道が爆破される、したがってスペインが負けてころっと変わる。フィリピンもそうです。政権交代があろうと、国の根幹にかかわる基本的な安全保障政策を私は変えるべきじゃないと思っていますし、ましていわんやテロに屈するような形で動かすことは絶対反対なんです。
 ですから、逆に、どういうふうなこの見通しをちゃんと政府が持っているのかということがないと、その答え出てこない。いかがですか。
#372
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) テロ特措法にしてもイラク支援特措法にしても、時限立法でございます。そういう点を考えながら、なおかつ全体の治安状況あるいは総合的な情勢を勘案しながら判断しなきゃなりませんが、基本的には、アフガンにしてもイラクにしても、国際社会が一致して復興に向けて安定した民主的な政権作りに国際社会が支援しようという国連決議に沿った形で日本は支援していかなきゃならないと思います。
 断じてテロに屈してはならないという観点から、法律の定めるところ、そして国際情勢、日本何ができるかという点をよく考えながら判断していきたいと思いますが、イラクにつきましては、暫定政府の大統領、首相、副首相、あるいは今サマワに行っているムサンナ州の知事、それぞれ私はお話をいたしましたけれども、自衛隊に対する高い評価と謝意を表明しております。そのような方々が失望することのないような日本の役割というものを十分認識しながら対処していきたいと思っております。
#373
○舛添要一君 次に、アジア外交についてお伺いいたしますけれども、先般ハノイで行われましたASEM、これはアジアとヨーロッパ一堂に会する大変意義のある外交舞台でございますけれども、総理、出席なさってどういう成果が日本外交にとってはおありだったのか、またどういう感想を持たれたのか、お答えください。
#374
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本含んだASEANプラス3、日中韓とASEANの、今までカンボジアとラオスとミャンマーが参加していないアジアとヨーロッパの首脳会議、またヨーロッパは新しく十か国が新規参加する、こういう拡大ASEMの初めての会合だったわけでありますが、そういう中でそれぞれ各国事情の生活水準とか経済規模とか民主化の度合いとか違いがあります。
 日本としては、ヨーロッパ側はミャンマーの参加についてかなり懸念を持っておりましたけれども、日本としては、むしろ除外するのではなく、参加する形によってミャンマーの民主化を促した方がいいのじゃないかということで、ヨーロッパの十か国の新規参加と同時に一緒に参加させたいという調整をしてまいりまして、それについても合意を得ました。
 今後、アジア、EUともに交流を拡大して、お互いの発展に資するような形で、各分野においていろんな協力の仕方があると思いますが、これを今のままの形で交流を続けていくべきか、あるいは将来のヨーロッパとアジアのこの会議を発展させていくべきかについていろいろな議論があります。来年には京都でこのヨーロッパ、アジア、ASEMの外務大臣会合が開かれます。今回の会合におきましてはそういう議論もありましたので、来年の五月の京都で行われる外務大臣会合までに各国よく整理していこうと、考え方を。現在のままの規模でいいのか、あるいは更によその国も参加させて拡大していくべきかという議論が両方あります。そういう点も詰めて整理して、来年の外務大臣会合に向けて日本側の考えもよく整理、検討をしていきたいと思います。
 いずれにしても、アジアとヨーロッパの交流を拡大していこうと、政治、経済、社会のみならず、文化、芸術、スポーツ、それぞれの多様性を尊重していこうという会合でありましたので、意義ある会合だったと思っております。
#375
○舛添要一君 総理、アメリカはこのASEM、どういうふうに眺めていると思われますか。
#376
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、ロシアはこの会合に参加したいという希望を持っているようであります。アメリカが参加しない珍しい会合なんです。APECというのはチリで来月開かれますが、これはアジアと太平洋が、アメリカも入っているんです。この会合はアメリカが入っていない。これ、両方あると思いますね。アメリカが入った方がより影響力増すんじゃないかという点と、アメリカが入ってないから言いにくいことも言える場合もあるんじゃないかと、両方あるんです。これはそれとしての会合でいいんではないかと。
 アメリカがどういう態度を示すかということについては、このASEMの会合だけじゃなくて、日米関係というのは強固な同盟関係にありますので、こういう問題についてはいろんなふだんからの連携、協議、協力はできると思っております。
#377
○舛添要一君 先ほどの総理の話にありましたけれども、町村外務大臣、今、キン・ニュン首相拘束というようなニュースが流れています。大変緊迫した状況にミャンマーなっています。外務省、最新情報をお伝えください。
#378
○国務大臣(町村信孝君) 我が方大使館からの今朝の情報でございますけれども、昨日の夜、ミャンマー政府は、今お話の出たキン・ニュン首相が健康上の理由により辞職をし、ソー・ウィンSPDC第一書記が新首相に就任したという公式の政府発表があったということでございます。この前首相、拘束されているという未確認情報でございまして、まだこの点は十分確認を取れておりませんので、情報収集中でございます。
 なお、現状では、ミャンマー国内で軍事的な衝突が起きているとか、あるいは市内に騒乱状態とか暴動状態とか、何か大混乱が起きているという状態にはなく、至って現地は静穏な状態であると。しかし、今まで私どもが平素から蓄積している情報によると、表面上に見れば、それは民主化、穏健派と強硬派というような見方もありますし、他方、やっぱりそれぞれの国にはいろんな権力争いとかあるいは利権争いといったような要素が多分にあると。こちらは軍部の中枢派、こちらは言わばインテリジェンスというか情報の中枢派といったような、その間での争い、そこにたまたまどこか国境の方で汚職事件が起きて、それで今の現、前首相の方が大量に逮捕されたと。それをきっかけにして前首相が退陣に追い込まれたと、こんなような情報もあるようでございます。いずれにしても、新しい新首相がどういう方針で向かってくるのかということを我々も見極めながら、やはり基本的にもう少し開かれた国になる、日本にとっても大切な国だという思いで今後ともしっかりとした外交を展開をしていきたいと思っております。
#379
○舛添要一君 私がミャンマーの名前出す前に総理自らおっしゃいましたね。ということは、非常にアウン・サン・スー・チーさんの問題含めて、ヨーロッパとアジア、特にASEANの間でミャンマー問題非常に難しい。私は、この人権問題も大事だけれども、インドと中国の間にあって非常に戦略的に重要なミャンマーというのはどうするか。日本の国益が掛かっている。したがって、総理自らおっしゃったように、両方の仲介のような、ヨーロッパとASEANの仲介のような役割を取れると思うんですね。
 そこで、町村外務大臣、私がたまたま同時期、同僚の榛葉民主党委員も参加しましたけれども、あるASEANの会合に参加した。私もミャンマーの専門家と議論をしていて、ASEMをやっているときにこの、こういう事態が起こるというのはもうほぼ専門家の間で当たり前というか、常識だと。キン・ニュンさんの命さえ危ないよと。私は、ちなみにキン・ニュン首相とはもう十何年以来の友人ですから、非常に気にしています。行くたびに早く民主化しろということは申し上げている。
 そこで、総理、ASEMに出られる前に外務省からこういう状況起こり得る可能性十分あるよというブリーフィング受けられましたか。
#380
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) ミャンマーの情勢に対して民主化の懸念についての報告は受けておりますが、このような今日の、今の入ってきた情報が起こるという報告は受けておりません。
#381
○舛添要一君 そこが我が国の情報能力の欠陥だと思います。みんな、これいつ来るかという、周りで話をしている。外務省、在外公館何やっていたのか。駐在武官だって防衛駐在官だっているんですよ、ミャンマー。ちゃんと報告上がっていなかったんですか。これは前から、タン・シュエ議長。
 それで、もう一つ言うと、ASEMに来るべきだった外務大臣、あなたのカウンターパート首切られたでしょう、直前に。なぜそういうことあったかというと、タン・シュエとキン・ニュンの権力争いやっていて切られたんだったら、そこまで、あなたのカウンターパート直前に替わったんですよ。何でその説明、事務当局しないんですか、外務大臣。それが外務省の問題だと言っているんです、さっきから。
#382
○国務大臣(町村信孝君) 現実、私も新外務大臣に会ったわけですけれども、そういう背景があったという話は聞きましたが、しかしそこで正に今日起きているような、昨日起きたようなことが起きるという話は私も聞いておりませんでした。
 もうちょっと全般的なことを言えば、情報、インテリジェンスという問題に、それは日本国挙げて、これはもう与党も野党もない、日本国全体がそういうインテリジェンスマインドというのをあえて持たないように持たないようにと、こういう言い方をすると大変刺激的で、また誤解を生んで、またあいつ失言したと言われるかもしれませんが。
 この機密費とかいろいろな、要するに情報公開だと、例えばこれ言ったらば情報活動なんというのは物すごく制約が出てまいります。何も、何にもかんでも使っていいと、変なことに使っていいということを言うつもりもありません。馬を買っていいなんてとんでもないことだと思います。ただ、そのことと、やはりきちんとした情報活動をするにはそれなりの体制と、やっぱり資金と、またいろんな仕組みが必要だろうと思っております。
 そのことをやっぱり我が国は余りにもこれまで軽視をしてきたからこそ、例えば今、舛添委員の御指摘のようなことにきちんと役所としてはこたえられないという問題が私はあると思う。それは一つに、独りミャンマーだけではなくて、率直に言えばイラクだって十分な情報を我々持っているかと。ほとんど生データはないんですよね。そんなことを考えたときに、大いにその辺を反省しながら少しでも日本国全体としてのインテリジェンス能力が高まるような方向で私はこれから外務大臣として一生懸命頑張っていきたいと、こう思っております。
#383
○舛添要一君 そのときに異なった情報が複数来た方がいいんです。したがって、我が自民党、努力しまして、今は防衛駐在官が直接防衛庁に電報を送れるようになりました。この前までそれできなかったんですよ。全部外務省を通じないと駄目。外務省と違う意見述べたらそこでつぶれていたと。是非、総理、そういう複数の情報を上げて官邸でぴしっと分析する、この体制を作ってください。
#384
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 情報収集能力、また情報管理能力、これをいかに高めていくかというのは極めて重要でありますので、御指摘の点を踏まえて政府として必要な情報というのはどのように収集、管理すべきか、より一層真剣に努力していきたいと思います。
#385
○舛添要一君 次に、中国外交についてお伺いします。
 三年余にわたって首脳会談が行われていない、日中。これはやっぱり、経済は非常に良くなっています、関係は。しかし、政治が冷たいと言われている。もちろん靖国の問題、いろんな問題あると思いますけれども、日本側のイニシアチブで打開する気はございませんか、総理。
#386
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 首脳会談は行われているんです、胡錦濤主席とも温家宝主席とも。相互訪問がなされていないというだけであって、首脳会談は行っております。
 それで、私は日中関係の重要性というのはこれから増すことはあっても減ることはないと思っております。そういう点について、中国と日本との認識というのは大きな差はないと思っております。そういう中で、今経済関係非常に好調であります。人的な交流、これも盛んであります。
 しかし、一つの問題だけで、例えば私が靖国神社参拝するから、それが阻害要因になっているんだという考えは私は取りません。外交というのは、アメリカとだっていろんな対立問題はたくさんありますよ。EUともそうです。そういう中でも、外交というのはお互いどのように友好関係を発展させていくかということでありますので、私は就任以来、中国の発展というのは脅威というよりも日本にとって好機であり、チャンスなんだと。輸入を阻止するという考えばかりでなくて、日本だって輸出ができるんだと、中国に。大体そういう方向になってきております。
 で、これからもその経済関係はますます発展していくでしょうし、人的交流も拡大してまいります。お互い対立する点よりも共同、協調、協力できる面が多いということを認識しながら大局的見地に立って日中双方の友好関係を発展させていく。さらには、国際社会の舞台で日中が協力している分野をこれまた増進していこうという点、視点が重要だと認識しております。
#387
○舛添要一君 ASEANは、我が国が自衛隊出そうともうそれは大歓迎、それから総理の一々の行動についても何もあげつらうことはしない。こういう関係に日中もなるべきだし、まあいろんなサッカーとかその「冬のソナタ」とか、韓流ということで韓国ともだんだん良くなっている。
 しかし、やっぱり何らかの形でイニシアチブをこちらが取らないと、例えば靖国問題、それは日本は日本の考えあると言ってしまえばそれまでなんですけれども、これ、でも具体的に何か妥協案というか説得する、そういう気はないですか、総理に。──ちょっと済みません、ちょっと。
 つまりね、こちら側の考えをちゃんと説得できなければ、相手あっての外交ですから、人に言われてどうこうしないというのはそれは当たり前なんですけれども、しかし、外交はお互いどっかで折れ合わないと駄目だと思いますけれども、どうですか。
#388
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは首脳会談の席でも、私は靖国神社を参拝するのは、二度と戦争を起こしてはいけないと、今日の日本の発展があるのは、心ならずも戦場に行かなきゃならなかった、命を落とさなければならなかった、そういう方々の犠牲の上に立って今日の日本の発展があるんだと、そういう方々に対して敬意と感謝、誠をささげなきゃいけないし、そして二度と戦争を起こしてはならないという方針は今後も日本は変わらないんだということを申し上げております。
 それに対して中国は、靖国参拝やめれば歓迎だというような考えを持っているかもしれませんが、じゃ、果たして、では中国の言うとおり私が靖国参拝やめた方がいいと、中国の言うとおりにした方がいいという意見があるのも承知しております。しかし、戦没者の慰霊の仕方、これに対して中国がいけないとかいいとか言うことに、はいそうですかと、果たしてそんなことでいいんでしょうか、これを考えていただきたい。
 靖国参拝いかぬと言う人もいます。私はいけないとは思っておりません。一つの問題で、それだけで日中全体の関係が悪くなるとも思っておりません。こういう考え方でお互いどのように友好関係を発展させていくかということを考えていけばいいんであって、私は日中関係の将来についてむしろ楽観的な見方をしております。悲観的な見方はしておりません。
 いずれ、中国側も日本の首相が靖国に参拝するということに対しては理解を示してくれるということを期待しております。
#389
○舛添要一君 中曽根元総理は、委員長のお父様でありますけれども、A級戦犯の分祀というアイデアをお出しになった。それから、国立公園墓地という考え方を出される方もおられる。これについてどうお考えですか。
#390
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 中曽根元首相の考えはそのお考えであります。しかし、A級戦犯をどうこうしろという、政府が靖国神社に指示したり干渉したりする問題ではないと思っております。
#391
○舛添要一君 国立公園墓地。
#392
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国立平和祈念施設等の問題につきましても、これは国民的な議論を踏まえて、お互い、外国の方が見えてもわだかまりなく、平和祈念の施設があればいいなという意見もありますが、こういう問題についてはもう少し国民的な議論をわきまえつつ検討してもいいのではないかなと思っております。
 これが直接日中関係と関係があるというふうにはとらえてはおりません。
#393
○舛添要一君 引き続き日中関係についてお伺いしますけれども、海洋権益の問題です。
 中川経済産業大臣、中国側は、春暁油田だけじゃなくてEEZ、我が国の排他的経済水域の日本の側の中においても鉱区を設定するという情報が入っていますが、これは本当ですか。それに対してどういう対応を政府取っているんですか。
#394
○国務大臣(中川昭一君) 春暁油田、去年以来、我が国の主権的権利に対して侵害の可能性があるということでずっとやっておりましたが、つい最近になりまして、春暁は、御承知のとおり、日本の中間線をまたがったものでありますけれども、最近になりまして、見事に中間線の内側で鉱区を設定をしているという、しかも、それが一つならず複数設定しているという情報が私どものところに入ってまいりました。
 したがいまして、私は、これは未確認でございます、あくまでも未確認ではございますけれども、こういう情報があるということを私自身の立場、経済産業大臣という重い立場であえて公表をさせていただきました。
 あくまでも未確認ではございますけれども、我が国の主権的権利、あるいはまた大事なエネルギー、国益という観点から、事実関係について鋭意中国側に、これはしっかりやってもらいたい、情報を教えてもらいたい、そしてまた、万が一中間線の内側であれば、この権益と、鉱区の設定というものを取り消してもらいたいということを申し上げたいと思っております。
 来週、日中間の担当の幹部レベル、局長レベルの会合がございますので、外務省とよく連携を取りながら、この春暁の問題、それから、新たにそういう情報があるという問題について向こうに事実関係をただしていきたいというふうに考えております。
#395
○舛添要一君 その外務省と連携を取りながらとおっしゃったけれども、町村外務大臣、今まで外務省の腰が据わっていなかったからこういうことになる。我が自民党では海洋権益に関するワーキングチームを作って提案をいたしました。それで、総理、官邸に閣僚会議を作ってちゃんとやってくれと言ったのに、事務レベルの会議しか開いていないんですよ。その後でどんどん、その裏でこういうことが起こっている。
 まず、外務大臣、ちゃんと連携取って対応するんですか。
#396
○国務大臣(町村信孝君) ASEMの会議の最終日に私、ハノイに入りまして、中国外交部長と小一時間お話をしました。
 その折に、実は、まあ先方からは持ち出さないだろうなと思っていたんですが、先に先方から、この問題についてしっかりとした情報交換、協議の場を作りたいと、こういう申出があり、これはかねてより私どもからも言っていたことだからそれは大変いいことだということで、十月二十五日の会議が開かれるということになったわけでございます。
 これまでの取組、どこがどう不十分であったか、私もまだそこはつぶさに検証しているわけじゃございませんけれども、この問題につきましてもしっかりとした対応をしていかなきゃならないし、また、海洋調査船というのがございます。これは、東シナ海の方でかなり実は少なくなっていたんですが、今年に入ってやや増えてきています。それから、今度は太平洋の方ですね、沖ノ鳥島周辺と言った方がいいのかもしれません、ここが非常に増えてきております。これは、大変、どういう目的を持ってやっているのか、想像はできますけれども、確たることは申し上げられませんが、先般、王毅大使が私のところに表敬訪問してこられましたので、これは大変問題だと、きちんと対応してもらわないと大変日中間の大きな問題になるという警告を発し、先方から大至急調査の上、また回答するという対応もございました。
 こういうことは、やはり両国間で、友好は友好として、お互いに疑心暗鬼になるような姿が真の友好ではないと、こう思いますので、しっかりと対応し、もちろん中川経済産業大臣の方とも連携を取りながら対応していきたいと思います。
#397
○舛添要一君 我が党でも、ワーキングチームを今回、政調の委員会として、武見敬三君を委員長として海洋権益の委員会を立ち上げます。
 総理、是非政府の方も、全部我々の要求を受け入れられないかもしれないけれども、少なくとも政治レベルの決着が必要なんですから、関係閣僚会議ぐらい作っていただきたいと思いますが、どうですか。
#398
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 関係閣僚会議を設置するかどうかということは別にして、常に政府は一体的に整合性を持って一丸となって対処していきたいと思っております。
#399
○舛添要一君 是非、その言葉どおり実施していただきたいと思います。
 続いて、北朝鮮の問題についてお話しいたします。
 拉致問題、この前、千葉県で加瀬テル子さんという、一九六二年に誘拐された人がまた出てきた。これ、外務大臣、どうするんですか、この拉致問題。よもや政府はこの段階で幕引きなんということないでしょうね。
#400
○国務大臣(町村信孝君) 新たなる特定失踪者がいろいろな形で出てまいります、加瀬さん、あるいは藤田さん。今、それぞれ関係する方々が御家族その他に会って、その情報の確認をしながら、これは最終的には総理大臣が認定をするということになっております。したがって、そういう情報があればどんどん言ってきていただきたいということで対応してまいります。
 いずれにしても、この拉致問題全体のことで、どうも一部には、もうこれで終わってしまうんじゃ、終わらせようとしているのではないか等々の話がございますが、私どもは、そんなことはみじんも考えておりません。しっかりとしたこの拉致問題の、要するに関係者がなるほどと納得できる姿が見えてこなければならない。
 そういう意味で、来月中旬までに行われる実務者協議というものを私どもは非常に重要な会議だと、こう思っておりますし、そこには今までは審議官級だったのを今度は局長を派遣をいたします、場所も、より情報のアクセスがしやすい、北京ではなくてピョンヤンに行ってやるというようなこと、あるいは、まだこれは確定をしたわけではございませんけれども、メンバーの中に外務省以外の専門家の方々にも加わっていただくということも今検討しているところでございます。
 そして、先方から、それぞれに関するきちんとした情報をもう最大限出すようにということを何度も何度も私どもは電報、電話、その他いろいろな形で先方に十二分の注意を喚起しているつもりでございますので、相当の対応があるものと、私どもはそう思っております。
 いずれにしても、適当に調査をして適当にお茶を濁す、そういう考えは毛頭ございません。
#401
○舛添要一君 総理、それに加えて、核問題がございます。細田長官、明言されたように、核がある。拉致問題、核問題の解決。我が党は、武部幹事長を始めとして、あめとむち、対話と圧力、必要であれば経済制裁も辞さないと、それぐらいの覚悟で臨むんだと。我が自由民主党はそういう決意でございます。政府はどうですか。
#402
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 政府としても、かねがね対話と圧力、そして拉致、核の問題、ミサイルの問題、これを包括的、総合的に解決して日朝国交正常化を促すという方針にこれからも一貫して変わりありませんので、このような方向で交渉を進めていきたいと思っております。
#403
○舛添要一君 続いて、米軍のトランスフォーメーション、再編成、再配置についてお伺いいたします。
 まず最初に、我が党の中でもみんないきり立っているのは、一切与党である我々に説明がない、この国会でもほとんどない、片っ端からどの基地がどうなるという話が出てくる。みんな有権者抱えて選挙があるわけですよ。総理、何でこんなに、だれの責任ですか、こんなにリークしてくるのは。
#404
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは新聞報道等で見て、それぞれの方々がこれは本当だろうかという懸念があるんだと思います。
 政府としても、具体的な、今名前が出ているような地域を出して交渉しているわけではありません。全体の日本の方針、そして、それをアメリカ側と協議をする方向で米軍の役割任務、日本の役割任務というものを考えて、日米安保条約、そして日本の安全に対する抑止力、沖縄等、いわゆる基地の負担の軽減、それをどうやって実現していくかということについてまず日本政府の方針というものを整理していく段階でありまして、地域でいろいろ出ておりますが、これは情報の段階でありますから、我々が、その情報はどうかと言われても、政府としてはそういう具体的な地域で交渉していないわけですから、その出ている情報まで、私から、それは本当だとか具体的な話になっているのかと聞かれれば、そういう具体的な地域が出て交渉している段階ではないということを申し上げるほかございません。
#405
○舛添要一君 これまた我が党も額賀さんをヘッドにして、国防部会、外交部会、その他の部会、新しいタスクフォースを作って、我々としてこれどうするのか、党でまとめます。党に負けないように政府もしっかりやっていただきたいんですが、そこでまず、自分の国は自分で守るというのは基本だと思いますが、総理、どう思いますか。
#406
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そのとおりであります。自らの国は自らの力で守るという意欲のない国に、よその国がどうして支援してくれるでしょうか。それが基本であります。
#407
○舛添要一君 その基本の上に立って、これは仮の理論的なことですから誤解がないようにということを前提にしておきますけれども、自らの国を自らの国、つまり、日本が日本だけで我が国を守ろうとすれば、近隣諸国に核兵器を持った国がございます。核の選択をやるしかないと私は思いますけれども、総理はどう思われますか。
#408
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、そのような選択をする必要はないと思っておりますし、今現在、近い将来を予見しても、核兵器を持つべきではないと思っております。
 日米安保条約の体制の下に日本の平和と安全を維持していかなきゃならない。また、それが現在の日本の選択肢として最善であると。日本の自衛力、防衛力、それに加えてアメリカとの協力によって日本の平和と安全を守る。そういう際に、核兵器を持たなければ日本の安全が確保できない、日本の独立が確保できないとは思っておりません。
#409
○舛添要一君 総理は私の質問にお答えになっていません。
 我が国が我が国だけで守ると理論的に、仮想ですが、仮定したら、核兵器の選択しかないと私は思います。しかし、私も核兵器を持つべきではないと思うので、ならば、核を持った国が近くにたくさんありますから、核の抑止力が必要なので、そうすると、核を持った国はどこがいるかというと、もちろん北朝鮮いますよ、アメリカがいる、ロシアがいる、ヨーロッパがいる、中国がいる。そのどれかと同盟を結ぶという選択肢があって、そういう思想の、思考のプロセスがあって日米同盟があるんだと、そこに導きたかったんですけれども、総理が核武装と言ったらすぐマスコミが喜んで書くので、そこうまく逃げられたと思いますけれども、私の質問は一人で守ったらということを言っているんです。誤解を恐れずに言ってください。
#410
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、日本独自でじゃ日本の平和と安全を確保しなさいという問いに対して、核兵器を持つべきだという答えは私はないと思っております。核兵器を持っても、日本独自の安全は日本一国では守れないと思っております。
#411
○舛添要一君 それはそういうことでいいですが、なぜそういう質問をしたかというと、日米同盟が空気や水のように当たり前のように思っているから間違いだということを言いたいんですよ。
 日英同盟が当たり前だと思って、あのころはゴッド・セーブ・ザ・クイーンというイギリスの国歌を村の小学校でも歌っていたんですよ。そうしたら見事に、第一次大戦後、ワシントン条約でなくなっちゃったでしょう。それが日中戦争なんですよ。
 だから、一つの同盟関係が空気のように永遠じゃありませんよという認識を持ってくれということを言っているんです。
#412
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 極めて重要な認識であって、平和と安全はただではない。日米安保当たり前だと、いつでもアメリカは守ってくれると、これは空気みたいなものだと。じゃ、日米安保廃棄という主張をする方もいますけれども、日本独自で守れるのかと。
 政治の一番の役割は、日本の独立と平和と安全をいかに確保するか。侵略する国があって、白旗掲げて降参しろと言う人もいますけれども、そうではないというんだったらば、どこの国と同盟関係を結んで日本の平和と安全を確保するかというのが政治で一番役割、大事な役割。そうすれば、日本は核兵器を持っている国と、強い国と提携するのが一番いいという考え、あろうかと思いますが、そういう考えに立ったとしても、それじゃ核兵器を今持っている国、中国と同盟を結ぶのか、ロシアと同盟を結ぶのか、フランスと同盟を結ぶのか、イギリスと同盟を結ぶのか。アメリカと同盟を結ぶのが一番安全でしょう。信頼できるでしょう。それはこの戦後六十年間、証明しています。戦争で敗れた土地もアメリカは返還しております。領土的野心がない。
 経済関係、政治関係見ても、今までの関係から信頼できるということを考えるなら、私は日米安保条約、これは日本の平和と安全にとって欠かすことのできない重要な同盟関係の条約であると認識しております。
#413
○舛添要一君 その認識で大変結構だと思います。
 しかし、その日米安保条約を円滑に動かすために沖縄の方々が大変御苦労をなさっている。
 夏休み中であったということは分かるんですけれども、普天間のヘリコプター事故以降の政府の対応、非常に後れ取ったと思いますが、その点、反省すべき点はございませんか。総理、総理。
#414
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は政府としてきっちりした対応をしたと思います。私としても、時期を置いてでありますが、稲嶺沖縄県知事とは会っておりますので、適切な対応だったと私は思っております。
#415
○舛添要一君 米軍のトランスフォーメーションとのかかわりで、沖縄の米軍基地含めて日本の米軍基地どうするのかと、非常に絶好の考えるタイミングだと思います。
 そこで、普天間基地についてお伺いいたしますけれども、これは防衛庁長官でもどなたでも構いません。
 辺野古の沖にSACOの合意で造るということになっていますが、これいつになったら動くんですか。十年間、あと動かない。アメリカの国防長官が見て、こんな町中の危険なところ置いておいていいのかと言ったのが普天間じゃないですか。十年間ほったらかしておくんですか。
 下地島の訓練飛行場があります。できるまでの間、それを同時に使いながらという、そういう選択肢を完全に排除する必要はないと思いますけれども、これは総理がいいですか、政府全体の答え出してくださいよ。
#416
○国務大臣(町村信孝君) 私も、先般、事故現場を見て、本当に町の真ん中だということはつくづくと感じました。それはラムズフェルドさんならずとも、ここは本当に完全に住宅地に囲まれたという意味で、万が一の事態というのが常に心配だなと思います。
 しかし、平成十一年に閣議決定をして移す、確かに時間掛かり過ぎていると思います。更に十年余掛かるというのも、事実そうなるのかもしれません。しかし、じゃ逆に、これから新しいじゃ場所を選定をするということを考えたときに、今度またその選定先とどうするこうするということでまた膨大な時間が掛かるということを考えたとき、私どもとしては今粛々と、私は、確かに時間掛かり過ぎる、何とか私は、十年近く掛かる工期を、波が高いから工期にどうしても九年半ぐらい掛かるというんです。これを何とか技術的に解決してできるだけそれを短縮できないだろうかといったような技術的な検討の余地もまだあると思います。というようなことで、何とかこれを短縮、最大限可能な限り短縮して、早期に辺野古沖合を完成させたいと、こう思います。
 じゃ、その間、どういうことがあり得るか。それは私どもも頭はそこは柔らかくして、いろいろな可能性はそれは追求してみたいと思いますけれども、そこはそれ、大変それぞれの地域にいろいろな問題、課題があるものですから、そう簡単に、しばらくあと何年間かだけお願いねと言って、すぐまたそういう場所があるかどうか分かりません。ただ、そこは、委員の御指摘もあり、また政府部内でもその辺は少し弾力的に考えてもいいのではないかという意見もありますので、そこは可能性としてそういうことがあり得るかどうか、検討はしなければいけないとは思っております。
 ただ、今お触れになった点は、なかなかいろいろな過去の問題点等々もあって、いろんな問題点もあるやには聞いておりますが、いずれにしても、よく検討したいと思います。
#417
○舛添要一君 我が党としてもいろんなアイデアを出しますけれども、少なくともこのトランスフォーメーションとの絡みにおいて、例えば今のアメリカの海兵隊、沖縄にいる海兵隊、そんなに要るんだろうか、半分でいいんじゃないか、グアムとどういうふうにして統合できるんだろうか、こういう案を防衛構想という立場で政府も出していただきたい。我々も出します。
 そして、今、辺野古絡みについてはそれ以上のことはおっしゃれないと思います。それもよく分かりますけれども、しかし基地の問題というのは、いろいろもうかっている人もいるんです、経済的利益をそこで受けている人もいる、環境保護って反対派もいる。極めて難しいけれども、これを解決するのが政治の力でありますから、私は提案という形で言っています。あらゆる可能性を排除しないでやっていただきたいと思いますが、この基地問題について防衛庁長官の御所見をお伺いしたいと思います。
#418
○国務大臣(大野功統君) まず、総理がいつもおっしゃっていますように、抑止力の維持それから沖縄を始めとする負担の軽減、この二つがございます。
 まず、沖縄を始めとする国民の負担でございますけれども、この第一歩は、確実な第一歩はやはりSACOの着実な実施でございます。それで、特に沖縄におきましては日本に駐留する米軍の使用しております施設・区域、全体の七五%が沖縄にあるんですね。それから、兵力でいっても七〇%近くは沖縄にある。これは何としても頑張っていかなきゃいけない。
 で、SACO自体でございますけれども、ほとんどうまくいっているんですが、念頭に大きく置いておかなきゃいけないのは、舛添先生おっしゃった普天間基地の問題でございます。これも今外務大臣おっしゃっておられましたとおりでありまして、このSACOの合意でこれをこの道筋で今一生懸命やろうとして、既に環境評価の手続に入っておりますし、ボーリング調査もやっている。しかし、いろんな可能性を配慮して頭を柔らかくして考えよう、私も全く同意見でございます。その他のことは今いろいろな意見、アイデアが飛び交っている段階でございますので、意見を交換する、アイデアを交換する、その中からより良きものを考えていく、これが我々の責務じゃないか、このように思っております。
#419
○舛添要一君 米軍の再編というのは、恐らく第二次大戦後、最も大きな変化だと思いますので、SACOを結んだときと状況が全く違います。状況が変われば柔軟に変えていくというのが政治のその責任だと思いますので、私の提案として申し上げておきたいと思います。
 それから、地位協定の問題ですけれども、政府の御答弁は運用の改善で図るということですけれども、もうその限界に達しているんじゃないかと。改定ということまで踏み込むような形でのアメリカに対しての要求というのは、出したらどこが悪いのか、どういうマイナス点があるのか、外務大臣。
#420
○国務大臣(町村信孝君) 運用改善で本当に成果が上がっていないのかというと、私は随分上がってきていると思うんですよ。
 例えば九五年、あの少女の事件がありまして、そして合同委員会の合意ができて、凶悪犯罪、殺人とか強姦をしたとか、こういう凶悪犯罪を犯した米軍人等の拘禁を起訴前に日本側に移転する道を開いた。これは諸外国と比べても、これができるのは日本だけなんです。諸外国はそこまでいかないんです。ある意味では諸外国に先駆けて日本はこれを運用で、拘禁を起訴前に日本側に移転するということを実現をした。これは一つの例でありますけれども、幾つものそういう改善が行われているんだということは是非御認識をいただければと思います。
 その上で、しかし御指摘のように、協定だって、まあ憲法だって見直すかという時代でありますから、それは常にありとあらゆる、協定であれ法律であれ、より良いものにしていく努力をするということは、それは当然のことだろうと思います。したがいまして、常に私どもはより良いものは何かということについて勉強を続けていくということはしたいと、かように考えております。
#421
○舛添要一君 米軍再編絡みで、座間にワシントン州シアトルのアメリカの第一軍団司令部が移るんじゃないかという報道もなされています。
 これとの絡みで、極東条項に背反するんじゃないかという批判も出ておりますけれども、防衛庁長官、極東条項についての政府の統一見解をお示しください。
#422
○国務大臣(大野功統君) 極東条項でございますけれども、日本の安全と平和を守るため、これは日本としては、米軍に基地を貸している、米軍が基地を使っている、こういう関係でございます。それで、その場合に米軍の行動半径の問題があります。それが極東ということ。この極東の範囲はもう度々議論されておりますから申し上げません。
 日本の安全のために極東の中に、極東の中で米軍が行動する、この場合は全く事前協議も何も要らない。ただし、極東であっても、日本の安全というものが関係ないとすれば、これは事前協議の対象になる。
 それから、極東の外でも、これは日本の安全ということでは当然極東の外の活動も考えられるわけであります。
 それからまた、日本の安全と全く関係のない極東の外での米軍の行動、これにつきましては、やはり今御存じのとおり移動している、こういう考え方で対処しているわけでございます。
 したがいまして、仮に、これ仮の話ですよ、全くそういう場合が起こったということで御理解いただきたいんですが、仮に日本のどこかに、例えばアメリカの本土から司令部が来る、こういう場合でも何らそれは問題がないんじゃないかということは、まだ統一見解としては出しておりませんけれども、これからそういう、私はもうそういう問題を、今申し上げるのは、申し上げたいのは、世界全体の中で日本はどうあるべきか、こういう問題であって、決して、それが日本のための安全であれば、安全ということであれば、私は、これは私の個人的な見解です、まだそういう点についてきちっと議論はできていないと思います、日本にあってもいいのではないか、これは正に私の個人的な見解として申し上げたいと思います。
#423
○舛添要一君 防衛局長、三十五年二月二十六日の見解を述べてください。文章で言ってください。──通告してあるぞ。何のために事前レクやっているんだ。
#424
○政府参考人(飯原一樹君) お答え申し上げます。
 通告は恐らく外務省にされたんだと思いますが……
#425
○舛添要一君 それはどこでも、全員一緒にやっているよ。
#426
○政府参考人(飯原一樹君) はい。
 一般的な用語として使われる極東は……
#427
○舛添要一君 緊張感持ってやれ、緊張感持って。
#428
○政府参考人(飯原一樹君) はい。
 ですが、安保条約に言います極東における国際の平和及び安全の維持ということでありますが、この意味で、実際問題としては、両国共通の関心の的となる極東の区域は、この条約に関する限り、在日米軍が日本の施設及び区域を使用して、武力攻撃に対する防衛に寄与し得る地域でございます。かかる区域は、大体においてフィリピン以北並びに日本及びその周辺の地域であって、韓国及び中華民国、今は台湾ですが、の支配下にある地域もこれに含まれているというのが公式見解でございます。
#429
○舛添要一君 是非緊張感を持って、政府、やっていただきたいですよ。ちゃんと全員集めて、そうして、その日にちまで言ってあるんだよ。だから、そういうことをちゃんとやらなきゃ駄目ですよ。それは委員長からちゃんと御注意願いたいと思います。
 そこで、今の見解があるとすれば、やはり座間にそれが来れば違反じゃないかという意見があって、私は先ほどの防衛庁長官の御答弁では全員納得しないと思います。もう一遍答えてください。
#430
○国務大臣(大野功統君) 日本の極東の範囲、この安全を守っているというのが米軍の立場、それだけではないと思うんですね。世界全体の中でどこかでやっぱりそこに事件が起きれば、それは日本の安全に関係するとすれば、やはりそれも日本の安全ということになる。こういう、しかしながら、それについては事前協議が要ると、こういうことだと思うんです。それは事前協議のあるなしと、それから日本の安全が極東だけの中の米軍の行動か、極東以外の米軍の行動か、この違いはあると思います。
 それから、先ほど申し上げましたのは、そういうふうな日本の特定の場所でアメリカのどこかの司令部が来たとする。これは、この日本の安全というための行動であれば、米軍として、協議のあるなしはありますよ、いいのではないかというのが私の個人的見解でと申し上げたわけでありまして、それはこれまでの統一見解ではありません。
#431
○舛添要一君 脅威の質がいろいろ変わってきて、グローバルなレベルで日米で対応しないといけない。日米同盟というのは世界で最も重要な同盟であって、日本の平和と安全だけではなくて、国際社会の平和と安全と繁栄のために寄与すべきであると。
 したがって、今言ったような形での、個人的見解とおっしゃいましたけれども、そういう理論的裏付けをしっかり、我々も党としてサポートいたしますんで、それを説明していただかないと、総理、このトランスフォーメーションに対して、トランスフォーメーションはアメリカ側はちゃんとブッシュさんも言っていて、同盟国との関係を強化しながらとか同盟国の力を強化しながらって、ちゃんと同盟国について言及しているんですよ。受け手になる同盟国がぼけっとしていたら話にならないんで、これは外務省の意見と防衛庁の意見、若干食い違っているところもあるかと思いますから、総理の責任でぴしっとやっていただきたいんですが、どうでしょうか。
#432
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは重要な問題であり、なおかつ世界情勢が非常に変化している中で、在日米軍の見直し、同時にアメリカが世界的な規模で米軍の再編、見直しを行おうとしている。こういう中にあって、日本としては日米安保条約の重要性というのはこれからも当分変わらないと思いますし、そういう中で日米安保条約によって日本の平和と安全を確保する。同時に、日米同盟というのは今や日本とアメリカだけのことではないと。世界の平和と安定のために日米同盟はどうあるべきか、日米はどう協力してこの世界の平和と安定に資するかという観点から、これは日本として一つのチャンスだと。日本は、アメリカ、いざという場合にはアメリカが現状の日米安保条約によって抑止力は維持している、これからも維持しようとするだろうと。同時に、いざというときにはアメリカは日本に対して敢然と協力しながら侵略に対処してくれると信頼しております。同時に、日本はアメリカの同盟国として信頼に足るパートナーであるということを常に考えていかなきゃいけないと思います。
 そういう観点から、この日米安保条約の下における抑止力と沖縄等基地負担の軽減をどう図っていくかということについて日本の案をまずまとめる、これが大事だということで、今政府一丸となって取り組むように指示しておりまして、こういう観点から日米協議を進めていきたいと思っております。
#433
○舛添要一君 我が党としても同じ取りまとめを今からやるところでございますんで、政府と協力していい方向に持っていきたいと思います。
 郵政の改革、三位一体の改革も大変重要でございますけれども、外交、安全保障についてかじ取りを誤れば国が滅びます。そのことをしっかりと肝に銘じて、総理以下、外務大臣、防衛庁長官、頑張ってやっていただきたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。
#434
○委員長(中曽根弘文君) 以上で沓掛哲男君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#435
○委員長(中曽根弘文君) 次に、魚住裕一郎君の質疑を行います。魚住裕一郎君。
#436
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
 早速、質問に入らせていただきます。
 今この場で論戦をしているわけでございますけれども、ただ、今この時間帯、台風二十三号で被害が出ている、行方不明者も出ている、あるいは避難して本当に震えているという方がおられるわけでありまして、そういう災害に遭われている方に心からお見舞いを申し上げるものであります。また、一連の台風の集中豪雨の中でお亡くなりになった方、また被災者の方に衷心よりお見舞いを申し上げるものでございます。
 さて、最初に防災について、災害についてお聞きしたいんですが、先ほど国土交通大臣の答弁によれば十個目の台風だということになると思いますけれども、この集中豪雨等におけるいわゆる情報伝達の在り方、あるいは高齢者等を避難、支援、どうしたらいいだろうか、こういうことが結果として大変大きな問題になっているなというふうに理解をしております。
 災害弱者、これは、このことはもう阪神・淡路大震災のときも大きくクローズアップされたところでございますが、十年もたってまだこういうことを議論しているのかなと残念に思うわけでありますが、例えば、災害弱者といってもいわゆる情報弱者、例えば耳が聞こえない方にとって防災無線というのは意味は成さないわけでありますし、また、情報が伝わったとしても、歩けない方にとっては本当に逃げることができない。
 こういうきめ細かな方法で議論をしていかなきゃいけないと思いますが、防災担当大臣、その辺はどういうふうにお考えでしょうか。
#437
○国務大臣(村田吉隆君) ただいま魚住委員からの防災、災害にかかわります、お年寄り等含めまして防災、災害弱者の問題でございますけれども、あの新潟、福井の集中豪雨の点でも、あのお亡くなりになった方のほとんどが高齢者だったと、こういうこともございまして、その反省の上に立って、私どもとしては、そうした人たちの災害からの救援の体制について検討すべきではないかということで、今検討会を立ち上げているわけでございます。
 私の就任時におきましても、総理から、情報伝達の在り方、あるいはこうした災害弱者に対する救援の方法について改善をすべきではないかという御指摘がございまして、実は八月に現地へ視察を行いまして、それで、それを基に十月の七日に検討会を立ち上げました。
 その中で、例えば災害のときに高齢者とかあるいは独り暮らしの方々とかあるいは手足の御不自由な方々について、そうした人をマンツーマンといいますか、あらかじめその人たちをどういう人が助けるかというような救援プランができたらどうかとか、あるいは消防とかあるいは警察に、これは個人情報の問題がございますけれども、災害時にそうした情報を活用できる仕組みができないかどうかとか、そういうことをこの検討会で今議論をしております。
 今年中にそうしたガイドラインの骨子を作りたいと、年度内にはガイドラインをしっかりしたものを作っていきたいと、こういうふうに考えているわけでございます。
#438
○魚住裕一郎君 今検討会のお話ございましたけれども、次は十一月の下旬でしょうか。しかし、検討会やっている間にまあ次から次へ、次二十四号ももう控えているという状況でございますんで、スピードアップしてやっていただきたいというふうに思います。
 先行議員の質問がありましたけれども、そういう中で、やはり洪水ハザードマップ、これは国土交通省の方でお持ちだと思いますが、これ国土交通省の方に言って管理させる、そしてまた、そういう状況の地域においてはあらかじめ、いわゆる行動弱者の方、高齢者等、例えば避難勧告じゃなくて、もっと早い段階で避難準備情報みたいなものを出していけば被害が少なくて済むんではないのか。大体一時間ぐらい余分に時間掛かるようでございますので、是非そんなことも御検討されたらどうかなと思いますが、いかがですか。
#439
○国務大臣(村田吉隆君) 洪水ハザードマップにつきましては、今、沓掛委員の御質問の中で北側国土交通大臣からもお答えをされましたが、こうしたハザードマップを作らなきゃいけない、そうした地域において、まだ三分の一ぐらいの市町村しかまだそうしたハザードマップができてない、こういうのが現状であるようでございます。
 洪水ハザードマップを作る過程において、まずは住民が参加して、自分たちの住んでいるところがそうした洪水には大変危険な地域だということを自ら認識するということがまず重要であるし、それから救う方の側にとっても、あらかじめ洪水の、浸水が想定される地域の住民たちについての認識が行われること、あるいは避難所とか避難経路というものをあらかじめ確認していくこと、これは人の命を助けていくということにおいて大変有効ではないかと私も考えております。
 先ほど申し上げました検討会の中でも、やはりそうしたハザードマップを作ること、これを奨励したいと、こういうふうに思っておりますし、そういうハザードマップがあれば、あらかじめそうした危ない地域、危険な地域に対しまして準備情報を出していく、それでできるだけ早い時間に避難準備をさせるということも可能でありますので、そうしたことが人命の救助に役立つじゃないかと、こういうふうに思っております。
#440
○魚住裕一郎君 先ほど個人情報保護の問題ということがおっしゃいましたけれども、地域にそういう行動弱者の方、どういう方がおられるのか、あるいは情報弱者の方がどういう方がおられるのか、そういう情報を集めるというのは大変だと思うんですね、個人情報保護の観点。逆に、その地域の詳しい方に、例えばボランティアでしっかり避難の支援をやっていただく。例えば、おんぶ作戦みたいなことを、地域で、あっ、あの人がいるから、いざというときはおんぶしようとお互いにあらかじめ決めてあるような、そういう地域もあるように伺っておりまして、地域の地域力といいますか、そんなこともやっていかなきゃいけないかなと思っておりますが、そういう点についてはいかがでございましょうか。
#441
○国務大臣(村田吉隆君) 災害が起こったときに、消防団とか警察とか自衛隊とか、そうした救出側の努力ということも大変重要でございますけれども、同時に、災害に弱い高齢者等がどこに住んでおられるか、どういう状態でいるかということについては、やっぱり地域の人が一番よく知っておられるわけでありますから、そういう意味で、私どもとしても地域のボランティアの方々のお力が大変必要ではないかということで、地域のボランティアの方々をどうやって、我々の防災の計画あるいはこれから作りますガイドライン、マニュアルに反映をさせていきたいと、こういうふうに考えております。
#442
○魚住裕一郎君 そこで、総理、ちょっと通告なしで大変恐縮ですが、大変な台風が次から次へ来て相当な被害になっております。いろいろ災害対策費あるいは予備費等使っていくんだろうというふうに思うわけでありますが、これだけになると、これで間に合いますかという話になるんだろうと思うんですが、これは将来的には補正というようなことも出てくるかもしれませんが、その点について見通しはいかがでございましょうか。
#443
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今日もこれから関東地方にも台風が襲来するという予報が来ております。今までにないほど台風の上陸が多いわけで、各地区が被害に遭って大きな苦労をされている。また、被災民も出て大変な状況だということは認識しております。この復旧・復興支援事業につきましては、現在のところ現行の予算で対応できると。必要であれば予備費もありますから、必要なことはやっていかなきゃなりませんが、今の時点で補正予算を組むかどうかという状況ではないと、十分対応できる状況であるというふうに私は認識しております。
#444
○魚住裕一郎君 どういう災害があるか分かりませんので、臨機に是非対応していただきたいなというふうに思います。
 話変わりますが、今年の夏は大変暑かった。その上に、こういうふうに台風がぼんぼん来ているわけでございまして、私も、例えばタクシーとか乗ると、もう運転手さんからすぐ、やっぱし地球は温暖化してきたんですねというような話がすぐ出るわけですね。国民各層の中で、地球温暖化という意識がこれほど定着した年はないんじゃないかなというふうに考えております。
 時あたかも、ロシアもいよいよ京都議定書批准をしていくと。京都議定書の発効成ってくるというふうな状況になってまいりました。温暖化ガスを減らさなきゃいけないわけでありますが、もうその後の増加分を含めて一三・六%減らしていかなきゃいけない、そういう状況になるわけでありますが、そうしていくと、減らすこと自体だけでも、総理、この日本の社会経済システムを今までの在り方と随分変えないと、これ達成できないんではないかというふうに思うんですね。それこそこの構造改革のもう最たるものだと、実は産業活動含めてあると思うわけでありますが、この辺の小泉総理のお考えの中におけるこの地球温暖化対策、構造改革と私は思うわけでありますが、その位置付けはどういうふうにお考えでございましょうか。
#445
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 環境保護というのは小泉内閣の中でも最重要課題の一つであります。言わば環境保護をすると経済発展の阻害要因になるんではないかという考えを一掃して、環境保護と経済発展というのは両立させなきゃいかぬと。そのための科学技術、これは非常な大きな重要なかぎであると思っております。だからこそ、これから大量破壊、大量廃棄という時代ではなくて、この廃棄物をいかに削減していくかと。そして、再生利用を図っていくかと。また、再資源化していくかという。外国の会議におきましても私はよく言うんですよ。これについて日本の内閣は真剣に取り組んでいるんだと。世界各国協力すべきだということで賛同も得ています。いわゆるリデュース、リユース、リサイクル。まあ分かりやすい、外国人もああなるほどと。分かりやすいことなんですが、これについては日本も具体的に今取組を進めております。
 まあ、例えて言えば、自動車のリサイクルも来年から始めますし、排ガス規制も、ディーゼル車は、これはもう世界一厳しい基準を来年は設ける。さらに今、ペットボトルも、もうほとんど八割以上は、今までペットボトルはほかの物質に利用できるという技術は進んでおりますが、最近はペットボトルをまたペットボトルに再生利用するという、これも進めております。
 温暖化の問題につきましては、予定どおり削減は進んでおりません。六%削減しようというのが、今増えているから、まあ小池環境大臣もこのように苦労しておりますが、さらに、これから京都議定書の目標達成に向かっては一段の努力が必要だという点については、世界に先駆けて日本は環境保護に熱心な国だと。教育と環境と医療、これは日本が一番各国に、ODA始め人道支援に熱心だなという評価を得ている。これは、私は、日本の国の評価にとっても大事なことでありますから、これを更に進めていくための努力は必要だと思っております。
#446
○魚住裕一郎君 そこで、温暖化効果ガスということがあるわけでございますが、まず、十七年度税制改正要望の中にもありましたけれども、大変環境税というのが出ておりました。これは環境省だけでできないだろうとは思いますが、政府全体でしっかり議論をする、あるいは国民に対して、向かってしっかり対話をしていくという、そういうことが必要ではないかと思っておりますが、この点につきまして環境大臣のお考えをお聞かせいただきたい。
#447
○国務大臣(小池百合子君) お尋ねの環境税でございますけれども、地球温暖化の原因と考えられます温室効果ガス、これをできるだけ排出を削減していくと。ましてや、我が国は京都議定書におきまして六%の削減ということを公約にしている。これまで床の間の掛け軸のところにマイナス六と書いてあったのが、ロシアの参加が見込めるということからこの実現をしていかなければならないという大変厳しい、しかしながら経済と環境の統合を進めるという、そういう前向きな方向で進めてまいりたいと思っております。
 ということで、この環境税というのは、その温室効果ガスを排出する主体、これは大変多うございます。車もそうですし、私たちの毎日の生活もそうです。そして工場などもそうであります。ビルの空調などでも全部これも温室効果ガスを排出しているということで、大変幅広い。その中で環境税を課すことによって、その賦課を掛けることによってより省エネ効果の方向に向かっていくということが必要なので、この環境税ということについては皆様、国民の、あらゆる国民の皆様方の御理解と御協力を得ないと本来目的とする温室効果ガスの削減ということにつながらないというふうに思います。
 その意味で、これから政府税調、党、各党の税調、そして政府の各関係省庁、しっかりと討議をいたしまして、そしてより具体的な案をこれから出させていただいて、そして国民の皆様方にも、また産業界にも御納得いただけるような形で、そしてこの環境税によって地球温暖化防止、この策を、対策を現実のものにしてまいりたいと、このように思っているところです。
#448
○魚住裕一郎君 とにかく効果のある形で私どももしっかり議論をさせていただきたいと思います。
 そこで、このガス排出量の取引制度というのがあるようでございまして、EUでは来年から千社相手にやるようでございますし、またカナダも二〇〇八年からというようなことでございますが、この排出量取引に意欲のある企業も数が多いんではないかというふうに思っておりますが、この自主的な排出量取引制度につきまして環境省、どのようにお考えでしょうか。副大臣にお願いします。
#449
○副大臣(高野博師君) お答え申し上げます。
 ロシアの批准の見通しを受けて京都議定書が発効をいたしますと、我が国としては、国際公約として、国際約束として温室効果ガスの削減の義務を果たさなくてはならないということでありますので、我が国としては官民挙げてこの努力をする必要があると、こう認識しておりますが、お尋ねの国内排出量取引制度というのは、市場メカニズムを活用して一定量の削減を実現するためのコストを最小化するという意味では費用対効果がある制度だと思っております。目標よりも多くの削減をした企業はその分についてほかの企業に売ることができるということで、企業の積極的な削減努力を引き出すことができると思っております。
 ただ、EUのような対象施設を指定する言わば強制参加型のタイプの排出量削減制度ではなくて、我が国においては、いまだその点については十分な議論はなされておりませんが、環境省としましては来年度から、対象施設を指定するタイプではなくて、自主参加型の国内排出取引制度を開始することを検討しております。この省エネ、新エネの設備の導入に際しての補助金につきましては、現在、所要の予算について要求を行っているところであります。
 今後とも、政府部内での調整を図りつつ、自主参加型の排出量取引制度の在り方について検討をしてまいりたいと思っております。
 以上です。
#450
○魚住裕一郎君 その温暖化問題についても、環境の党、公明党はしっかり取り組んでいきたいと思います。
 さて、予算委員会の論戦を聞いていますと、政治と金というのがかなり大きく取り上げられて、もういい加減にしてくれという、その事件もそうだけれども、そんなふうな実感をするところであります。
 ただ、やはり真相がはっきりしないと、やはり心に残るわけでございますし、公明党も自民党と連立を組んで五年、それから個人への企業・団体献金の禁止でありますとかあっせん利得処罰法とか、あるいは官製談合防止、こういうことをやってきたわけでありまして、やはりこの分野についてもしっかり取組をしなきゃいけないというふうに考えております。
 これはいわゆる、定義は別としまして、この迂回献金と言われるような部分、あるいは派閥に対する巨額な献金等ございましたけれども、やはり派閥であっても党内のことでございますので、やはりしっかりした説明責任とか、よく果たしていくべきではないかと思いますが、総理、いかがでございましょうか。
#451
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 政治と金の問題について、衆議院におきましても、また本日、参議院におきましてもいろいろ厳しい御指摘を受けております。
 昨日も公明党の神崎代表と会談いたしましたけれども、いろいろ国会で議論されている点も踏まえて、今国会中に改善案、改正案、国会に提出できるように、そして、できれば成立できるように自民党、公明党、よく協議していこうということで、神崎代表は公明党の冬柴幹事長に、私は自民党の武部幹事長にこの方針を踏まえて具体的な協議に入るように既に指示しているところであります。
 今までも公明党の努力によりまして、いろいろこの十年間、改善策が講じられてまいりました。そういう点も踏まえまして、今国会中に成案を得れるような具体案を今後精力的に協議を積み重ねていきたいと思います。よろしく御協力をお願いしたいと思います。
#452
○魚住裕一郎君 細部は自公の担当者で詰めるといたしましたけれども、したいと思いますけれども、ただやはり量的な問題、あるいは透明性の問題、そしてまた、例えば迂回献金と言われている問題というのは、あるとかなしとかではなくて実態として、もう場合によってはじかに行って領収書だけはもらってくるような、商取引で商品が店に行って伝票は工場とか問屋とか回ってくるような、それに近いような印象を私は持ちました。
 やはり、マネーロンダリングじゃないのかというような指摘もあるわけでありまして、その点も含めた改正案でしていきたいというふうに思いますが、この点はいかがでございましょうか。
#453
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いわゆる迂回献金という問題についてはあってはならないことであり、自由民主党としてもそういうことはないという報告を受けております。
 政治資金管理団体、この問題につきまして各党の考え方もあると思いますが、その点は自民党としてもしっかり対応していかなければならない問題だと思っております。
#454
○魚住裕一郎君 次に、観光立国ということについてお尋ねしたいと思います。
 二〇一〇年一千万ということでございますが、これはこのまま行ったら、国土交通大臣、ちょっと七百万人は今のトレンドを考えると届かないのではないかというふうに思うわけでありますが、この一千万人に向けた、何をどういうふうにするのか、どこの地域をしっかり宣伝してきてもらうかと、そのことを含めて、ロードマップというんでしょうか、ちょっとお示しをしていただけますか。
#455
○国務大臣(北側一雄君) 昨年の訪日外国人旅行者は五百二十一万でございました。今年は様々な政策の効果もあってか、六百万人に行く見通しでございます。問題はこれからでございますが、来年二〇〇五年は是非百万人増、更に百万人増の七百万人に持っていきたいと思っております。
 来年は愛知で万博もございます。中部国際空港も開港になります。さらには、日韓の国交正常化四十周年に当たりまして、日韓の相互共同訪問をやろうという年でもございます。中国、韓国等を対象にビザの規制緩和も今進めているところでございまして、是非とも来年は七百万に到達したい。
 問題は、その二〇〇六年以降、再来年以降でございますが、これ二〇一〇年までに一千万人ということでやっているわけでございますが、一つは外国人の方々のビザ規制緩和、観光ビザ、観光のビザ規制緩和を、これも更にこれは関係省庁にお願いをしなきゃいけないわけでございますが、これを更に進めていく必要があるというふうに思っておりますし、また、やはりアジアの国々が大事だと思います。中国、韓国等を始めとするそういう国々に対して重点的にキャンペーンを進めていきたいと思いますし、さらには、中国で二〇〇八年にはオリンピック、二〇一〇年には万博と、そういうのも活用しながら、是非とも二〇一〇年に一千万人、できればそれを前倒しできるぐらいに取り組んでいきたいというふうに思っております。
#456
○魚住裕一郎君 それで、関係するのは実は温泉の問題なんですね。
 例えば、外国の方も日本に来て温泉に入る。だから、今、愛知万博の話がありましたけれども、愛知万博だけ見て帰るというだけじゃなくて、日本のいい温泉入ろうか。ところが、この温泉の騒ぎがあると。御案内のとおり、例えば韓国の新聞でも、日本の有名温泉、調べてみると温かい水道水とか、ぐつぐつ沸く日本の偽温泉とか、そんな表現ぶりがあるんですね。これじゃ、観光に行って温泉に入ろうよと、そういうふうにならない。だから、早急に愛知万博の前にしっかりしたものをやらなきゃいけないと思いますが、環境省の方でこの緊急の実態調査をしたようでございますが、内容を簡略に教えていただきたい。
#457
○副大臣(高野博師君) お答え申し上げます。
 温泉は、観光資源として価値を持っているばかりではなくて、健康増進とかあるいは療養等にも役立っていると。ということで、心と体をいやす場として日本独特の温泉文化というようなものを形成しているんではないかと思っておりますが、この夏の温泉の不祥事に関しましては、国内外の温泉利用者の不信感、信頼を損ねたという点で大変残念なことでありました。
 それを踏まえまして、環境省といたしましては本年九月に全国の温泉利用施設約二万軒を対象としまして調査票を送付して、約一万二千軒、六二%の施設から回答がありました。回答のあった施設のうち、加水をしている施設が約三割、それから加温、循環ろ過装置を使用している施設がそれぞれ約五割ということが明らかになりました。また、これら施設のうち、実際に表示をしているという施設はそれぞれ二割弱でありました。
 調査結果を踏まえまして、特に温泉事業者による利用者への情報提供ということを充実していくことが重要と考えております。
 以上です。
#458
○魚住裕一郎君 今、加水とかいろいろありましたけれども、九十度の温泉出たらやっぱり水で薄めなきゃ熱くて入れないし、また、酸性が高くなったらやっぱりそれで中を薄めないと入れないと思うわけでありますが、要は表示を不当表示とか疑われないようにすることが一番大事だと思うわけでありますが、その点、環境大臣、いかがお考えですか。また、愛知万博に向けて早急にやらなきゃいけないと思いますが、それの取組辺りをお願いします。
#459
○国務大臣(小池百合子君) おっしゃるとおりでありまして、温泉の源泉のところで余り熱過ぎると今度は水を加えるというのは一つの温泉業者とすれば正しい方向だったと思うんですが、ですから加水とか加温とか、そういう余りにもちょっと敏感に反応し過ぎても困るなと思っております。
 ただ、今回の調査をさせていただいて、やはりその利用者への表示ということについてどうあるべきか、これを今分析をいたしまして、また審議会の方でも御審議いただいて、そしてできる限りその利用者にとっての温泉という観点から分かりやすいものにしていきたいと、このように思っているところでございます。
 また、ビジット・ジャパンということでいいますと、今、別府の温泉にいたしましても能登の温泉にいたしましても、東南アジアなどの国々からの、アジアの国々のお客さん、大変多うございます。その意味では、この温泉の信頼を回復するためにもどうあるべきか早急に検討いたしまして、またそういったことも海外にもPRをしてまいりたいと、このように思っております。
#460
○魚住裕一郎君 そこで法務大臣、先ほど国土交通大臣からありましたビザの問題ですね、これは緩和とか短期のビザなしでいいよとか、いろいろ緩和策をやっていただいているわけでありますが、やっぱり大どころ、一杯来てくれそうなところ、これはやっぱりビザを、特に犯罪とか余り問題ないような地域とかですね、国とか地域とか、そこをねらってこう積み上げていく必要があると思うんですね、ビジット・ジャパンでは。それについて法改正が必要だというんであれば、やはりもう積極的に、これは愛知万博はもう目の前ですから早急に検討していく必要があると思うんですが、いかがでございますか。
#461
○国務大臣(南野知惠子君) お答えいたします。
 愛知万博を成功させるということは、これは政府としても重要課題であると考えております。法務省といたしましても積極的に協力していくことといたしており、法的整備を含めて検討してまいりたいと前向きに考えております。
#462
○魚住裕一郎君 前向きにということが非常に重く考えまして、どうぞよろしくお願いをいたします。
 今国会、司法制度改革推進本部が十一月末に設置期限切れるわけでございますが、そのための法案といいますか、召集をしている部分があるわけでございます。本会議等でも聞かれたところでありますが、じゃ設置期限後のこの取組は一体どうするのというようなことを、もう一度総理にまずお聞きしたいなというふうに思っております。
 総理の御答弁は、法務省等の実施担当官庁と総合調整を担当する内閣において所要の体制を整備しと、こういう言い方になっているんですね。だけれども、この今指摘されていることは、実施段階になって法曹三者になってしまうと内向きの議論が多いと、もっと国民的な視野に立った監視体制が必要ではないのか、そういうふうに言われている。
 また、特に法務委員会の附帯決議も強いのがありました。例えば、行政事件訴訟法のときに、参議院の附帯決議を読ませてもらいますと、政府は、適正な行政活動を確保し、国民の権利利益を救済する観点から、行政訴訟制度を実質的に機能させるために、個別行政実体法や行政手続、行政による裁判外の紛争解決・権利救済手続も視野に入れつつ、所要の体制の下で云々というふうに書かれているところでございます。
 私は、だから手続法は総務省だ、個別実体法は各省にまたがるわけですね。内閣でやるしかないわけでございまして、しかも、じゃ、これは司法なんであって行政改革でやるというわけにはいかないわけでありまして、やはり所定の人員とまた有識者を交えてこの体制を作っていくべきであるというふうに考えるところでございますが、総理の御所見を伺って、質問を終わります。
#463
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 推進本部解散後も、今附帯決議始め御指摘のとおり、身近なものになるように不断の努力を、また整備をしていきたいと思いますので、今後とも御協力よろしくお願いしたいと思います。
#464
○魚住裕一郎君 終わります。
#465
○委員長(中曽根弘文君) 以上で魚住裕一郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#466
○委員長(中曽根弘文君) 次に、市田忠義君の質疑を行います。市田忠義君。
#467
○市田忠義君 大変今日は時間が限られていますから、在日米軍基地問題に絞って質問いたします。
 今米軍に基地をどれぐらいの面積提供しているか、自衛隊の共用と併せてお答えください。
#468
○政府参考人(山中昭栄君) 今年の一月一日現在でございますが、いわゆる米軍の専用施設として八十八施設、約三百十二平方キロ、また演習場といった自衛隊の施設等を共同使用しているものが四十七施設、六百九十九平方キロ、合計で百三十五施設、約一千十一平方キロということでございます。
#469
○市田忠義君 東京二十三区の約一・六倍の面積であります。ヨーロッパでは、十五年前、米軍が駐留していたのはおよそ三十一万、今日大体十一万七千で、三分の一ぐらいに減っています。日本は逆に増え続けて、面積でいうと一九八〇年の二倍、人員についていうと同じ人数であります。
 そこでお聞きしますが、今アメリカが一番大規模に海外に軍を派遣しているのはイラクです。二番目にアメリカがたくさん海外に出している国はどこですか。
#470
○政府参考人(海老原紳君) 本年三月末現在の米国国防省のデータによりますと、イラクの自由作戦には今おっしゃいましたように約二十一万人の米軍が派遣されております。それに次ぐ数といたしましては、ドイツに約七万五千人の米軍人が派遣されているというふうに承知をいたしております。
#471
○市田忠義君 在日米軍のワスコー司令官が八月二十六日、日本記者クラブの講演で次のように述べています。米国は五万八千人の軍人を日本に駐留させています。この人数は、米国が海外に派遣している国の中では、イラクを除いては一番多い数となっていますと。ワスコーが八月二十六日に述べた講演であります。
 しかも、在日米軍の大半は海兵遠征隊、空母打撃群、そして航空宇宙遠征軍など、名前のとおり海外へ遠征する部隊ばかりであります。その大半が沖縄に集中しているわけですが、今年に入って沖縄から海兵隊が何人イラクに行きましたか。
#472
○政府参考人(海老原紳君) 米軍が発表しているところに従いますれば、在日米軍からイラクに派遣された部隊、これまあほとんど沖縄からでございますけれども、本年初めに派遣されました約三千人の海兵隊部隊、本年八月に派遣されました約二千二百人の海兵隊部隊などがあるというふうに承知いたしております。
#473
○市田忠義君 五千人以上という物すごい数であります。
 去る八月十三日に米軍ヘリが沖縄の国際大学の構内に墜落、炎上しました。そして、十月五日に米軍の事故調査報告が出されたと。事故原因、後部の回転翼のボルトを留めるコッターピンを付け忘れていたと。まあ信じ難いずさんな整備だったが、そういう事態になった理由として報告書はどう述べていますか。
#474
○政府参考人(山中昭栄君) 今御指摘ございましたように、八月の十三日のヘリの墜落事故の直接的な原因はコッターピンが装着をされておりませんで、テールローターをコントロールする油圧装置の接続ボルトが飛行中に外れ落ちたと。テールローターの制御が不能になりまして、その羽根が垂直尾翼に当たってこれを損傷させたということでございますが、この直接的な原因に至る要因といたしまして、整備要員が長時間の勤務に就いておりまして、夜勤の要員と日勤の要員の間で意思疎通が十分に行われていなかった。つまり、コッターピンを外したということについての引継ぎ、あるいはそれの確認作業、こういうものが十分になされていなかったということが直接的な原因に至る要因であったということでございます。
#475
○市田忠義君 今言われたように、三日連続十七時間勤務と、手が震えて止まらないと、何とかしてくれと軍曹に伍長が助けを求めるぐらいの事態でした。何と書いてあるか、報告書に。整備部門は八月十日以来十二時間労働体制という突貫体制だったと。
 総理、どういう理由で突貫体制だったんですか。事故報告書をお読みになったと思いますから、お答えください。
#476
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 詳しくは聞いておりません。
#477
○市田忠義君 これだけ重大な事故が起こって、事故報告書も読んでないと。これ、二百十ページの事故報告書ですよ。何と書いてあるか。十四日、八月十四日には、どんなことがあっても、エセックス、これは強襲揚陸艦ですが、これと、第三十一海兵遠征隊にヘリを飛ばすためだったと。要するに、イラク戦争のために無理な突貫作業をやり、初歩的なミスを犯したと。いかがですか。
#478
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本政府としては、初歩的であろうとどうであろうと、事故の原因究明、再発防止、全力を挙げて取り組んでほしいという申入れは強くしております。
#479
○市田忠義君 ちゃんとここに、三十三ページに書いてあるんですよ。あれだけの事故が起こったら読むのが当たり前ですよ。そこには、イラク戦争のために、間に合わすために突貫作業にならざるを得なかったと。そんなことも知らないで、私は、事故報告書を認めるというのはけしからぬと思うんです。
 ところが、事故が起こってからわずか九日後、これはまだこの事故報告書が出るはるか以前です。八月の二十二日、日本政府の制止を振り切って、事故機と同型のヘリ六機が普天間基地へ飛び立ったと。どこへ、何のために飛び立ったか。衆議院の九月六日閉会中審査、海老原北米局長、答弁しています。その答弁部分、読み上げてください。
#480
○政府参考人(海老原紳君) あの九月六日の私の答弁はかなり長いものでございますけれども、今の委員の関連のところを申し上げれば、八月二十二日の未明、マハラク在京米代理大使から、CH53D、これは事故機と同型のヘリでございますが、このヘリを飛行せしめたいとの内々の打診がございました。これに対しまして、私の方から、原因の究明とそれを踏まえての再発防止策について十分な説明を受けていない段階で飛行を行うことには強く反対するということを申し入れと、しかしながら、同日の、同日の十二時半ごろより、普天間飛行場から同型ヘリ六機がイラクでの米軍の作戦に向かうために飛行したと承知しているということを答弁申し上げました。
#481
○市田忠義君 今お聞きになったように、本当にひどい話だと思うんですね。
 イラクへの出撃のために、国民の安全や命はないがしろにしてもいいと。しかも、政府は、総理、飛ばないでくれと、まだ事故原因も明確でない、再発防止策も明確でないから飛ばないでくれと言っているのに、その反対を押し切って飛んだと。許し難いと、総理、思いませんか。いかがですか。
#482
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この問題については、今後、事故再発については十分対策を練るようにと強く働き掛けているわけでありますので、今後ともそのような働き掛けを継続していきたいと思っております。
#483
○市田忠義君 イラクの出撃のために日本の国民の命がないがしろになってもいいと。政府はやってはならないと言っているのに、それを無視して飛び立ったと。それに対してどう思っておられるかと聞いているんです。
#484
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それはちょっと論理が飛躍しているんじゃないでしょうか。
 それは、米軍にとっては日本の申入れを厳重に受け止めると、そして今後、これからにつきまして、沖縄と基地の負担等、そういう問題についても日米間で十分協議していこうという話を今進めているわけでございますので、必ずしもイラクに行くから日本国民、沖縄県民の命をないがしろにしているという問題とすぐ結び付けるというのはちょっと早計じゃないでしょうか。
#485
○市田忠義君 じゃ、総理に聞きましょう。
 墜落した米軍ヘリ、どれぐらいの大きさだと思われますか。
#486
○政府参考人(山中昭栄君) これは、回転翼機としてはかなり大型のものでございまして、全長が二十六・九メーター、全幅が、これはローターの直径でございますが、二十二メーター、全高が七・六メーターということでございます。
#487
○市田忠義君 あるテレビカメラマンが二十五メートルプールが空から降ってきた感じだと。この第一委員会室と同じ大きさなんですよ。それが空から落ちてきたというのが実態なんです。
 それで、私、お聞きします。総理は、政府は米軍の事故報告を受け入れて、今月の十二日、飛行再開お認めになりました。今後、絶対事故が起こらないという保証ありますか。
#488
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 事故というのは絶対起こらないかというと、それは絶対という、というのはこの世の中にないと思います。それはもう絶対に起こらないということを一〇〇%断定できるということは私は申し上げることはできないけれども……(発言する者あり)
#489
○委員長(中曽根弘文君) 静粛にしてください。
#490
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 事故起こらないように最善の努力をしなきゃならないということは私は当然のことだと思っております。
#491
○市田忠義君 ああいう戦争に間に合わすために整備もろくたまやらないで、プロペラ外れるのは当たり前ですよ。それ留めるためのボルト、留め金まで外して、そういう不整備のまま飛んだんですから落ちるのは当たり前なんですよ。だから、事故絶対起こらないという保証はないのは当たり前です。
 じゃ、聞きます。普天間基地所属、大体一日平均どれぐらい飛行訓練やっていますか。
#492
○政府参考人(海老原紳君) これは米軍の運用の一々に関することでございまして、外務省としては知り得る立場にございません。承知しておりません。
#493
○市田忠義君 危険だ危険だとか、沖縄基地の負担の軽減だとか言いながら、そういう調査もやっていない。宜野湾市に聞いたらすぐ分かりますよ。宜野湾市の調査によれば、一日平均百回、多いとき、イラク戦争が始まってからは一日飛行訓練回数は二百回だと。
 沖縄の地元紙、社説でどう書いているか。普天間基地が危険なのは、密集する住宅地域の中にあることもそうだが、米軍という軍隊組織そのものの危険性に県民は異常な不安を感じているからだと、戦時を前提に行動している組織と日々平穏に暮らすことを望む県民とはどう考えても共存できないと。
 総理、あなたは共存できると考えますか。
#494
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それはそのとおりであります。戦時を考えている米軍と、それから日本は今平時ですから、この問題というのは一概には言えないんであって難しい問題でありますが、私は、米軍が事故を起こさないように細心の注意を払っていただきたい、最大限の努力をしてもらわなけりゃならないということを強く日本側としては米軍に申し入れているわけでありまして、そういう中で米軍としては、今、イラク、アフガン始め、戦時と考えていると思います。その点の意識のギャップは確かにあると思います。
 そういう中で、日本の日米安保条約、そして沖縄等の負担軽減、どう考えていくか、極めて難しい問題でありますが、日本のやっぱり平和と安全を考えると日米安保条約というのは重要だと認識しておりますので、その中で今後、トランスフォーメーション始めこの在日米軍の見直し等、また基地負担の軽減等図っていくための協議が重要だと認識しているわけでございます。
#495
○市田忠義君 共存できないことを認められました。じゃ、撤去しかないじゃないですか。安全対策安全対策と言うけれども、祖国復帰以降、この間、この普天間基地だけで七十五回事故が起こっているんですよ。安全対策って何回繰り返してきましたか。撤去も言えない、余りにも私、情けない態度だと思うんです。
 そこで聞きます。日本、韓国、ドイツ各国が負担している米軍駐留経費、それぞれ幾らですか。
#496
○政府参考人(海老原紳君) これは米側の報告書に、国防総省によりますれば、日本の支援額が四十六億一千四百八十五万ドル、韓国が八億四百九十八万ドル、ドイツが八億六千百六十六万ドル、これは二〇〇三年版でございます。
#497
○市田忠義君 今言われましたように、アメリカ国防総省の報告によると、米軍駐留経費の負担、日本四十六・二億ドル、ドイツ、韓国のおよそ五倍、六倍ですね。(資料提示)
 二十四か国、これはアメリカが同盟関係を結んでいる、米軍を配置している国、二十五か国あります、日本を除く二十四か国の合計が二十八・八億ドルなんです。それと比べてもこれ一・数倍、物すごい数です。ごめんなさい、二十八・八億ドルですから、一・六倍規模ですね。それだけの規模の負担をやっていると。
 余りにも気前がよ過ぎるから、韓国でもドイツでも今軍隊を減らしているのに、居心地がいいと。そして、あの治外法権的な、もう占領時そのままのああいう地位協定そのままにしていると。三つ目には、アメリカのそういうやり方に唯々諾々としてあなた方が従っていると。だから、いつまでたっても米軍基地減らない、撤去も要求しないと。
 私は、二十一世紀、いつまでも基地国家であり続けてはならないと思うんですよ。その方が異常だと。やっぱり、安保なくして、基地も安保もない独立平和の日本つくる、そのことこそ二十一世紀の未来があると、そのことを私、指摘して、質問を終わります。
#498
○委員長(中曽根弘文君) 以上で市田忠義君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#499
○委員長(中曽根弘文君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。
#500
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず、核燃料サイクルのコストについてお聞きをいたします。
 この予算委員会で、三月十七日、再処理のコストは十九兆円、しない場合のコストの試算はあるかと質問しました。そのような試算はありません、これが答弁でした。しかし、それは虚偽、間違っていました。これだけ資料が出てきて、十年前に通産省の審議会で議論し、このような試算は出さないようにしましょうと十年間隠ぺい、封印をしてきました。
 この点について、大臣、謝罪をお願いいたします。
#501
○国務大臣(中川昭一君) 委員御指摘のとおり、本年三月十七日の福島委員の御質問に対して、当時のエネ庁長官がそういう資料はございませんという答弁をいたしました。その後、あの新聞等にも出ましたので調べたところ、答弁者で、答弁者並びに答弁作成者は、その時点でそういう平成六年の審議会の資料があるということを知らなかった。知らなかったからなかったというふうに作成し、そして答弁をしたわけでございますけれども、いずれにいたしましても、結果的に、福島委員のこの国会の正式の場における御質問に対して結果的に間違った答弁をしたということで、この場をおかりをして、福島委員、また原子力というのは国民の理解と信頼に基づくわけでございますから、そういう意味で国民の皆様におわびをし、と同時に、その両名並びにもう一名を七月付けで私から訓告並びに厳重注意、そしてその後、更に精査をいたしまして十人に、十人に対しまして私から厳重注意を八月に行ったところでございます。
#502
○福島みずほ君 この予算委員会で虚偽の答弁がされたことは重大だと思います。
 違いますよ。この答弁書の作成者、安井正也さん、当時原子力政策課長、三月時点、十年前にこの部局の総括班長でした。知らないわけないですよ。これだけ審議会で議事録をやり、このような試算を出すと計画が通らない、再処理の計画が通らないからやめましょうという話合いを、議事録をお配りしておりますが、出しております。知っていたんじゃないですか。
#503
○国務大臣(中川昭一君) ですから、今年の三月の答弁作成者は、今、福島委員御指摘のように、十年前の審議会、いわゆるその資料を、資料というか、この問題に取り組んだ審議会のときの担当課の総括班長でございましたけれども、しかし、その後の省内での徹底的な調査を省を挙げてやったわけでございまして、三月における答弁作成者である担当課長にも何回も長時間にわたって、知らないのかと、どうだったんだというふうに聞きましたが、答弁作成責任者、担当課長は知らないということでございまして、またそれを覆すだけの、全部で二十五人ほど徹底的に関係の職員を調べましたけれども、まだそれを否定する状況にはないということで、結果的に、その担当課長は知らないということを我々としては受け入れたということでございます。
#504
○福島みずほ君 信じられるでしょうか。十年前、担当課の総括班長であった。そして、再処理のコストは十九兆円、しない場合のコストはそれよりもはるかに安いというのが出ていて、答弁の作成をその人がして、そんなこと知らなかった、そんなことはあり得ません。
 問題なのは、十年間、こういう議論を国会の中で、国民の皆さんの中で、地元で議論することを封殺をしてきた、そういうことです。このような計画は白紙にすべきではないですか。
#505
○国務大臣(中川昭一君) 十分反省をし、おわびをした上で、言葉を正確に申し上げたいと思いますが、封殺をしていたということではございません。少なくとも答弁作成者と答弁者が知らなかったということでございまして、平成六年に、もちろん当時の通産省の審議会でございますから知っていた人間がいたと、そして、新聞等で公になったと。それにもかかわらず何のアクションも起こさなかったという者たち等に対して、一か月間の調査の上で処分をしたところでございます。
 他方、これが、先ほど申し上げたように、福島委員、あるいはまた本院、あるいはまた国民に対しておわびを申し上げるということは重ねて何回でも、これはこれでいいということはないというふうに思いますが、それはそれといたしまして、その後十年、現在に至るまで政府のきちっとした委員会あるいは経済産業省のいろいろな審議会を何十回もやってまいりまして、この核燃料サイクルというものは我が国において必要なシステムである。もちろん、その必要なシステムである前提としては、安全性あるいはまた国民の信頼、あるいはまた環境の配慮、経済性、その他いろんな観点からチェックを現在やっているところでございますけれども、少なくとも、昨年のエネルギー基本計画、政府で決定いたしましたエネルギー基本計画におきましては、この核燃サイクルを含めた原子力エネルギーというものは、我が国においては、先ほど申し上げた安全性と国民の理解、信頼というものを前提という上で必要なものであるというのが政府の方針でございます。
#506
○福島みずほ君 重要な政策決定については資料を出し、きちっと国民に説明をすべきです。国民の信頼をかち得るということに十年前に失敗をしています。審議会で出さない方がいいという議論をしております。
 ところで、日本原燃の有価証券報告書の事業等のリスクのところでは、「再処理事業については、今後の各種試験及び再処理事業の操業が工程どおり進捗することが困難となる可能性があります。」となっています。
 ところで、十九兆円お金をつぎ込む、四十一兆しか今税収がないところで今後十九兆円お金をつぎ込み、破綻したらだれがリスクを負うんですか。
#507
○国務大臣(中川昭一君) 先ほどやめた方がいいというお話がありましたが、破綻をしたらというと、その関係をちょっともう一度教えてください。
#508
○福島みずほ君 再処理に突き進み、この事業計画が破綻をした場合のリスクはだれが負うんでしょうか。
#509
○国務大臣(中川昭一君) 先ほど総理からも、絶対に安全とかそういうことはないという御答弁が別の件でございましたけれども、我々も、この原子力という巨大エネルギーを扱うシステムですから、安全神話というものに安易に頼ってはならない、厳しい緊張関係を持ってやっていかなければならないということを最近特に私を始め関係する行政あるいは当事者には申し上げているところでございます。したがって、絶対ということはありませんけれども、審議会でのいろいろな御意見、あるいはまた今検討をいただいております原子力委員会での御意見等を踏まえた上で最終的な判断はいたしますけれども、我々は、安全性というものを前提にして、そしていろいろな先ほど申し上げた四つのケースを十の一つのチェックを掛けながら、最終的な判断を原子力委員会でしていただいた上で最終的な判断をするわけでございますけれども、しかし、我々は破綻ということがないように最善の努力をしていくという決意でございます。
#510
○福島みずほ君 再処理は通常の原子力発電より危険です。また、プルトニウムをなぜ取り出すのか、当てがありません。また、コスト高、十九兆円、コスト高です。十年前の審議会では、電気事業者たちがコスト高でも自分たちの経常資金を割いても再処理事業に投入していく必要があると断言しています。私は、税金は一円も使うべきではない、十九兆円に国が面倒を見るべきではないと主張します。
 これらの理由から、再処理という政策を経済産業省は十年前のことも踏まえて見直すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
#511
○国務大臣(中川昭一君) 十年前のことは十年前のこととして改めておわびを申し上げます。十年前のことといいますよりは、十年前のことについて今年の三月に答弁を結果的に間違ってしまったということについてはおわびを申し上げます。
 それはそれといたしましてと言うとまた怒られるのかもしれませんけれども、それから、事実関係としては、十年間ずっと専門家の皆さん、あるいはまた国会での御議論、そして国民的ないろいろな御関心、マスコミ等のいろいろな報道等々も十年間という、またそこからの蓄積もあるわけでございますから、そういう意味で、我々はそれを踏まえた上で昨年エネルギーの基本計画というものを策定し、そしてまた現在、この核燃サイクルについて、先ほど申し上げた全量をサイクルに回す場合、あるいは全量を直接処分する場合、一部サイクルに回して一部を処分する場合、あるいはまた今後少し検討しようという四つのケースについて、先ほど申し上げた十のチェックポイントで今専門家の皆様方に御検討を、原子力委員会の中で検討していただいておりますので、その結果も踏まえてやっていきたいというふうに考えております。
#512
○福島みずほ君 十九兆円のお金をつぎ込むことは今ならまだ引き返せます。やめるよう強く要求します。
 次に、基地のトランスフォーメーションについてお聞きをいたします。
 座間、神奈川県座間になぜアメリカ・ワシントンから米軍の司令部が来るのでしょうか。日本はいつからアメリカの州になったんでしょうか。
#513
○国務大臣(町村信孝君) 福島委員が日米安保についてどういうお考えなのかということを本当は伺ってからこういう御質問が出ればより議論が建設的になるのではないかと思いますが、あえてそれは伺わずに今の点だけについて申し上げれば、まだ具体的にどこの基地にどうするとか、どこをどう動かすとかいうような議論を、案を作って議論をしているわけではございません。
 現状はまだ、そもそもトランスフォーメーションの考え方はどういうことなのか、それに対して日本も今安全保障の基本的な政策について見直しをやっている最中。それとの整合性、どういうふうに絡んでくるだろうか。日本の自衛隊の役割、使命、米軍の役割、使命、その在り方。さらには、やはりこのアジアの地域にはまだまだ伝統的な脅威もあります。新しいテロ等の脅威もあります。それにどう認識し、どうこたえていくか。
 まだ残念ながら、残念ながらということはありませんが、まだそういうことを今一生懸命議論している段階で、より、しかしそれは頭の体操としては、仮にそういう前提でどこをどうやったらということは、それは、仮定を置いての議論はそれはあるかもしれませんけれども、まだ具体のことで、さっき座間という特定名を出されましたが、具体に座間に何をどうするという議論が決まったわけでもなければ、具体的な提案があったわけでもなければ、まだ現状はフリーにディスカッションをしている段階、日米間でですね。じゃ、その議論の詳細はと言われても、現状ではまだ、相手もあることでありますし、非常に機微にわたる話でもあるので、その議論の詳細について今、国会、あるいは先ほど自民党からも報告がなくてけしからぬというおしかりもいただきましたけれども、まだ現状お示しをする段階にはないということで御理解を賜ればと思います。
#514
○福島みずほ君 ラムズフェルドさんは九月二十三日、上院軍事委員会で議会証言をしております。部隊は要求され、歓迎され、必要とされるところに配置すべきである、これがアメリカの基地についての基本的な考えであることは総理も十分御存じだと思います。歓迎されないところに行かない。
 ところで、沖縄でも座間でも神奈川でも基地は歓迎されておりません。沖縄のヘリの現場に行きました、辺野古も行きました。一兆五千億円ぐらい掛かる、沖縄の豊穣の海をつぶして、一兆五千億円も掛けて、十四年掛けて海上基地を造るというのは世紀の愚作です。普天間基地の返還と辺野古の沖に海上基地を造らない、SACO合意の見直しは沖縄県民九割以上が見直せと言っています。厚木基地、そして座間キャンプにも地元は反対です。
 総理、日本国民の総理大臣であるのであれば、アメリカに対してはっきり歓迎されていないと意見を言ってください。いかがでしょうか。
#515
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 御意見でありますが、日米安保条約を廃棄せよという立場と……
#516
○福島みずほ君 ちょっと、廃棄せよなんて言っていません。どうかと言っているんです。
#517
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それと、日本の平和と独立をいかに守っていくかという点を考えますと、この質問に、はいそうですよというわけにはいかないんです。
 どの国もできれば軍隊なんかない方がいいと決まっています。軍隊が歓迎されるときは、本当に侵略者から抑圧されて、何とかこの抑圧を解放してほしいというときに助けに来てくれた軍隊は歓迎されるでしょう。しかし、そうでない場合、どの国でも軍隊はない方がいい、軍事基地はない方がいいと言うに決まっています。
 しかし、日本の安全を考える場合、日本独自でこの平和と安全を確保できない場合、アメリカと協力しながら、またアメリカに基地を提供しながら日本の平和と安全を守ろうということを考えるならば、その辺はよく考えて、抑止力と基地負担の軽減をよくわきまえて、この日米安保条約をどう維持強化していくかという視点から考えなきゃいけない問題だと思っております。
#518
○福島みずほ君 よろしいですか。
#519
○委員長(中曽根弘文君) 時間でございますので、おまとめ願います。
#520
○福島みずほ君 はい、分かりました。
 日本の地元の、各地元の意見をきちっと代弁する日本政府、総理大臣でなければ意味がないということを申し上げ、私の質問を終わります。
#521
○委員長(中曽根弘文君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。
 明日は午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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