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2004/10/14 第161回国会 参議院 参議院会議録情報 第161回国会 本会議 第2号
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2004/10/14 第161回国会 参議院

参議院会議録情報 第161回国会 本会議 第2号

#1
第161回国会 本会議 第2号
平成十六年十月十四日(木曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二号
  平成十六年十月十四日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(扇千景君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
 去る十二日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。千葉景子君。
   〔千葉景子君登壇、拍手〕
#4
○千葉景子君 私は、民主党・新緑風会を代表し、小泉総理所信表明演説に対して、総理及び関係大臣に質問をいたします。
 去る九月二十七日、小泉総理は自民党三役人事とともに第二次内閣の改造を行い、同日、新しい内閣が発足しました。
 私たち民主党は、特に参議院の我が会派は、新しく当選したフレッシュで力強い仲間を加え、参議院選挙後に開かれる初めての本格的な国会に向け、多くの有権者の政権交代を期待する声を背に、論争のしがいがある大臣が任命され、真正面から論戦を闘わせることができるものと手ぐすね引いて待ち構えておりました。
 しかし、今般の閣僚、党三役の顔ぶれを見る限り、民間人の登用はゼロ、女性閣僚もたった二人、大変失礼ではありますが、新鮮味のない顔ぶれでした。これまで、パフォーマンスとはいえ、サプライズ人事で話題を提供し、国民の耳目を集めていた勢いは完全に影を潜めています。
 その中で、特に驚いたのは武部幹事長という人事です。武部氏については、郵政民営化に積極的で、首相に忠実との評がありますが、BSE問題の真相究明にふたをしたこと、感染源の究明はそんなに大きな問題かとの暴言を吐いたり、農水大臣として数々の失政を犯した人物として有名であり、本院では問責により厳しく追及されたことは記憶に新しいところです。悪夢のサプライズと評する声もあります。
 その上、山崎元自民党幹事長と川口前外相を首相補佐官に任命したことも、何を目的とした人事なのか、訳が分かりません。総理の単なる話し相手、食事相手だとやゆする声も聞こえます。それとも、首相直属の外交担当として任命したのでしょうか。だとすると、外相との二元外交になりかねません。総理の真意はどこにあるのか、お答えください。盟友山崎氏の政界復帰を手助けしようというのでしょうか。
 ところで、小泉総理は新内閣を郵政民営化実現内閣と称し意気込んでおられるようですが、有権者の郵政改革に寄せる期待は高くありません。先月二十九日の朝日新聞の世論調査では、新内閣で一番力を入れてほしい課題は、年金・福祉問題が五二%で一番多く、景気・雇用を入れると八割の人が年金と景気問題の解決を望んでおり、郵政改革を期待する声はわずか二%にとどまっております。
 結局、今回の人事は、郵政改革の名の下にいわゆる中二階と言われる人を排除し、橋本派を徹底的に封じ込める党内抗争にすぎず、国民には全く背を向けたものと言わざるを得ません。このような内閣で国内外の山積する諸問題に対応することができるのか、国民の不安を一層高め、諸外国の信頼を失うだけではないかと考えますが、総理の認識をお伺いいたします。
 今年は台風の影響により、各地で記録的な大雨が降り、甚大な被害がもたらされています。亡くなられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被害に遭われた多くの皆様にお見舞いを申し上げます。また、復旧に当たっておられる方々、全国から支援に駆け付けておられるボランティアなど、関係者の皆様に心から敬意を表します。
 民主党は、各被災地に調査団を派遣し、被害状況の把握及び現地の方々からの意見聴取に努めてまいりました。それに基づいてお伺いいたします。
 第一に、今年は台風が連続して来襲したため被害も複合的に生じており、激甚災害指定に当たってはそのような状況も考慮に入れるべきこと、第二に、住宅は生活の基盤でもあり、被災者生活再建支援法による支援対象に住宅本体部分への再建支援を含める改正を行うべきことです。このたびの一連の台風被害等の状況を見ると、私有財産である住宅に公的支援はできないなどとしゃくし定規に言っている場合ではありません。小泉総理から被災者の方々も納得できるような御答弁をお願いいたします。
 さて、イラク問題につきましては同僚議員から後日詳しい質問がありますので、私からは、総理が突然力を入れ始めた国連安保理入りについて質問させていただきます。
 たしか、小泉総理は、日本の国連安保理常任理事国入りには独り消極姿勢を貫いておられたのではないでしょうか。変心したのでしょうか。小泉総理の進める国連安保理入りは米国の票を一票増やすだけとの陰口もありますが、将来を展望したきちっとした戦略があるのでしょうか。私には、日朝国交正常化を急いだものの拉致問題の解決が成らず、とんざしてしまって、矛先を変えただけと思われて仕方がありません。
 民主党も国連常任理事国入りに関しては、周辺国や世論の支持を前提に積極的に取り組む決意を表明させていただいております。しかし、小泉総理からは環境作りへの努力の姿勢は全く感じられません。例えば、過去の戦争で日本が国際法に違反する重大な人権侵害を加えたアジア諸国民と真の和解を達成し、アジア諸国に歓迎される環境を作る必要がありますが、どうでしょう。総理が靖国神社参拝に固執されている限り、中国からの賛同はなかなか得られそうにありません。
 国連の活動を国民が十分に知り得る状況を作るためには、ドイツでは既に実現されておりますが、国連のホームページに日本語版を載せるということはできないでしょうか。また、人権保障なくして平和はあり得ません。国連人権高等弁務官からの任意拠出金の要請に積極的にこたえ、日本の姿勢を示すべきではないでしょうか。
 これらの点について、具体的にお考えを示していただきたいと思います。総理、外務大臣の御答弁を求めます。
 また、常任理事国入りについて最も重要なことは、常任理事国として何をするかなのです。核保有国や他の理事国とは異なった観点から、国際の平和と安全の維持に積極的に関与していくということが求められます。しかし、小泉総理の言動からは、安保理常任理事国に入って何をしたいかではなく、常任理事国入りが自己目的化しているとしか見受けられません。
 改めて、小泉総理から、日本が常任理事国入りを目指す目的を明確にお示しいただきたい。
 次に、米軍の再編問題について伺います。
 米側の提案や日本側からの逆提案など様々な案がまことしやかに報道をにぎわすばかりで、国会や国民に情報が知らされないままに事が進んでいるのは問題です。また、国内の米軍基地の整理統合案や司令部機能の移転などの案も取りざたされていますが、具体的内容が明確に知らされず、小泉総理に至っては、米軍基地の移転先の対象が、ある日は国内だったり、ある日は海外だったり、その日によって言うことが違う有様です。基地を抱える自治体は困惑しています。米軍の再編問題は国内へ直接影響する問題でもあるからです。
 小泉総理、報道によれば、米側から非公式ではありますが、再編についての提案があったようにも聞いております。今後どのように対応していくのか、明確にお答えをいただきたいと思います。
 さきの沖縄の米軍ヘリ墜落事件は、かねてより沖縄に偏在する米軍基地の危険性が改めて浮き彫りになりましたが、その後にも戦闘機の接触事故が生ずるなど、沖縄県民の怒りと不信感を増幅しています。
 神奈川県においても、この夏、米軍ヘリコプターの二百発入り弾薬箱が住宅街に落下したり、米軍ヘリの緊急着陸があるなど、事故やトラブルが相次いでおります。米軍基地のある地域では、沖縄県同様、住民が危険と隣り合わせの不安な生活を強いられているのです。
 この間、事故捜査の在り方をめぐって町村外務大臣や小池沖縄北方担当大臣は、運用の改善でお茶を濁そうとされていますが、そもそも運用によって日米で合同捜査ができるにもかかわらず、米軍の裁量で拒否されているような実態なのです。運用では限界があり、地位協定本体の見直し以外、根本的な解決策はないと考えますが、小泉総理から、地位協定の見直しについて今後の方針をお答えいただきたい。
 次に、日本歯科医師連盟が自民党の最大派閥である平成研究会に対して一億円のやみ政治献金を行った事件について伺います。
 東京地検特捜部は、平成研の滝川会計責任者を政治資金規正法違反の罪で起訴したことに続き、先月二十六日、同研究会の会長代理として指示者の立場にあった村岡兼造元官房長官を在宅のまま起訴いたしました。
 しかし、実際に赤坂の料亭で一億円の小切手を受領したとされる橋本元首相、同席されていた青木幹雄自民党参議院議員会長、野中広務自民党元幹事長ら旧橋本派幹部が起訴見送りとなったことは到底納得がいきません。
 実際に一億円の小切手を受け取ったとされる橋本元首相は、日本歯科医師会前会長の臼田被告と料亭で会った事実は認めながら、一億円の政治献金の受領は記憶にないと言い張っておられます。また、その場に同席された青木さん、そして野中氏も記憶にないと言い張っておられます。一億円という巨額の献金について、事実関係は何一つ明らかになっておらず、真相がやみの中に葬られてしまうようなことがあれば、政治に対する信頼の回復など到底不可能です。
 さらに、日歯連からの献金をめぐりましては、旧橋本派のほかに自民党の一派閥、現職衆議院議員九名が政治資金収支報告書を訂正しており、更に重大な疑惑が浮上しています。
 それは、日歯連側からの現職の自民党の国会議員に三千万円の現金提供の申出がされたのに対し、自民党事務局が、政治資金団体である国民政治協会を迂回して、各議員に申出どおりの金額を通常献金として提供したのではないかという疑惑であります。
 このような手法を使えば、たとえ賄賂であっても党本部を経由することで浄財を装うことができるわけであり、政治資金の流れを国民にありのままに示すという政治資金規正法の趣旨をねじ曲げていることは明白であります。このような政治資金規正法の脱法行為は公然の秘密だと言われており、自民党元宿事務局長の名前を取って元宿システムと呼ばれていたとも言われています。
 元々、政治資金規正法をめぐっては、平成四年九月に金丸信元自民党副総裁が佐川急便元社長から五億円を受け取り起訴された事件以来、多くの自民党議員が同法違反で起訴されており、今回の事件で、またもや同党における政治と業界の癒着の根深さをうかがい知ることになりました。
 ところが、自民党はこのような迂回献金システム自体があったことを否定しているばかりか、このようなシステムを禁止する政治資金規正法の改正ではなく、党の支部や国会議員の資金団体の収支報告書への残高証明の義務付けや、政治資金を銀行振り込みで受け取ることを党の内規で新たに規定するという程度でお茶を濁そうとしております。
 今こそ、迂回献金の手法等、真相を明らかにし、国民の政治に対する不信を正すためには、関与したとされる人たちは、国会の場を介し、証人等の形で国民に説明責任を果たすべきです。自民党総裁としての総理のリーダーシップに懸かっていると考えますが、いかがですか、お答えください。
 また、迂回献金システムの禁止、罰則の強化を含む政治資金規正法の改正強化が不可欠と考えますが、総理の見解を伺います。
 小泉総理は、景気は堅調に回復していると述べられ、あたかも小泉構造改革なるものの成果であるかのように自画自賛しておられます。しかし、実情は、最初の二年間で景気をどん底に落とし、そこからはい上がる過程を景気回復と称しているだけであり、正にマッチポンプのような論法と言わざるを得ません。
 その小泉経済失政の最たるものは、企業も個人も、そして地域も勝ち組と負け組に二極分化し、今や二つの日本ともいうべき経済構造になってしまったことでしょう。大企業が好調な業績を上げる一方で、中小企業はぎりぎりのリストラを強いられ、青息吐息の状態が続いています。サラリーマンの収入もどんどん減少し、さらには、正規雇用から非正規雇用に変えられたり、失業を余儀なくされたりしています。これらの結果、地域経済は景気回復と言うほどにはほど遠い苦境が続いています。
 しかも、問題なのは、公平公正な市場における自由競争という我が国経済の根幹が侵されていることです。公平公正な競争の場が保障されているなら、それで敗れて退場するのもやむを得ないことかもしれません。しかし、負けたはずの大銀行、大企業が税金を使って救済され、本来ならその努力を評価されるべきはずの中小企業が切り捨てられる。これが公平公正な競争を標榜する小泉構造改革なるものの正体なのです。
 総理はこのような結果を招いた責任をどうお考えなのでしょうか、お答えください。
 また、民主党は、我が国は、中間層の厚みがある社会、公平公正な市場における自由競争が保障される社会であるべきだと考えておりますが、総理は別の考え方をお持ちなのでしょうか、答弁を求めます。
 次に、地域経済の問題です。
 さきに指摘したように、経済構造の二極化により、地域経済の疲弊はますます深刻化しているのが実情であります。
 地域経済の回復には、国と地方の役割分担を改めて見直すとともに、それぞれの地域の実情と特徴を生かした施策を推進していくことが求められますが、地域活性化の切り札と言われた構造改革特区も、中央省庁の既得権益保持、全国一律施策への執着があってほとんど進んでおりません。沖縄名護の金融経済特区のように、特区は認められたものの、その後のアフターケアが伴わず、とんざしている例も出始めています。
 構造改革特区の実効性を今後どう高めていくのか、政府の方針を伺います。
 次に、地方分権について伺います。
 地方分権の推進は、本来、国と地方の関係を見直し、無駄な公共事業や補助金漬け行政を生み出してきた中央集権的な官僚政治、利益誘導政治を打破するということで、我が国の構造改革において最も重要な位置を占める政策であるはずです。
 しかし、小泉総理の地方にできることは地方にの掛け声もむなしく、平成十六年度の三位一体改革は国の財政再建が優先され、地方分権の名の下に地方へ痛みを押し付ける改革に終わってしまいました。国と地方のあるべき姿が示されることもなく、税源移譲が先送りされたままに、約一兆円の国庫補助負担金の削減と一・二兆円の地方交付税の総額抑制が行われ、それに対して地方へ暫定的に移譲されたのは、所得譲与税四千二百四十九億円と税源移譲予定交付金の二千三百九億円、合わせて六千五百五十八億円にすぎませんでした。さらに、これらの決定が年末にまでもつれ込んだことにより、地方財政は混乱に陥りました。
 まず初めに、総理、平成十六年度の三位一体改革が地方自治体に与えた影響についての総括を伺います。御答弁ください。
 三位一体改革に関するこのような欠陥と不手際に対する全国各地からの批判を受け、政府は、経済財政運営と構造改革に関する基本方針、いわゆる骨太方針二〇〇四において、平成十八年度までの三位一体改革の全体像を今年の秋までに明らかにすることを明記するとともに、おおむね三兆円規模の税源移譲を目指すことが盛り込まれました。地方からの批判にこたえるべく盛り込まれたと聞きますが、これで果たして税源移譲が実現されるのか、甚だ疑問であります。なぜ明確に三兆円の税源移譲を行うとストレートに言えないのでしょう。総理の見解を伺います。
 そもそも平成十八年までの改革では、真の地方分権にはほど遠く、国から地方へが聞いてあきれます。まさか、この三年間の三位一体改革をもって地方分権は終わりということではないでしょう。平成十九年度以降の分権改革をどうするのか、お答えください。
 民主党は、不必要に使途を制限し、地方自治体を縛っている補助金約二十・四兆円のうち約十八兆円を廃止し、大幅に税財源を移譲する地方分権改革案を提案してまいりました。補助金を削減すると同時に所得税から個人住民税へ五・五兆円を移譲することで、現在三対二である国と地方の税源配分を一対一とします。さらに、約十二兆円をまちづくり、教育、社会保障、農業・環境、地域経済という五つの行政分野に大ぐくりした上で、地方自治体へ一括交付金として交付することを提案しています。その結果、約十八兆円を地方がそれぞれの判断で自由に使えるようになります。このぐらい大胆な税財源の移譲なくしては地方分権は進みません。総理、この考え方に賛同されますか、お答えください。
 さて、小泉総理は郵政民営化を改革の本丸と位置付け、去る九月十日に郵政民営化の基本方針を閣議決定しましたが、基本方針といいながら何のための民営化か、どんな民営化になるのかという基本的なことが全く明確ではなく、民営化という総理の絶叫だけが独り歩きしている感が否めません。一体、総理の叫ぶ民営化というのはどんなものでしょう。単に株式会社化するということを意味するのでしょうか。それとも、職員の身分を非公務員化するということが民営化の意味なのでしょうか。あるいは、民有、民営とはどういう意味なのでしょうか。民営化の意味について、総理に明確な説明を求めます。
 そもそも、郵政事業の改革を考えるときには次の三点が重要ポイントです。第一は、郵政のユニバーサルサービスなど、国民生活のインフラ部分がより良いものになること。第二は、民間の公正な競争を促進する改革であること。第三は、特殊法人に無駄な金が流れる財投システムの改革になることです。この三点はどのように満足されるのでしょうか。
 とりわけ国民にとっては、改革の結果、生活にとってマイナスになるのでは納得ができません。例えば、現在、都市部はともかく、地方では農協も含めて金融拠点が減少しているという現象、事実が存在いたします。郵便貯金や郵便保険についてはユニバーサルサービスの提供義務も明記されておらず、過疎地域では決済口座すら持てない状況が生じるのではないかとの危惧が強まっております。総理、どうこたえるつもりなのか、御答弁願います。
 また、特殊法人の無駄と非効率に切り込むためには財投債を原則廃止するくらいのドラスチックな財投システムの改革が不可欠です。改革というなら、この部分こそが本丸であるはずです。総理の見解を伺います。
 次に、人権問題についてお尋ねします。
 社会に残る様々な差別を解消することは政治に課せられた重要な使命です。さきの通常国会で障害者基本法の改正が成立し、障害を理由に差別してはならない旨がようやく基本理念に盛り込まれました。この理念を実効性あるものにし、すべての障害者に完全参加と平等を保障し、具体的な差別を禁止するには、民主党がマニフェストでうたった障がい者差別禁止法の制定は欠かせないと考えます。ほかにも、年齢を理由とした就職差別を禁止する年齢差別禁止法や法務省から独立した人権委員会の設置などを盛り込んだ人権侵害の救済に関する法律など、民主党は今後も差別解消のための法律制定や人権教育、啓発促進にも取り組んでまいります。
 差別の解消、人権問題に関する政府の具体的な取組方針をお聞かせいただきたい。総理の答弁を求めます。
 関連して、外国人の人権について伺います。
 現在の日本には、朝鮮や台湾などの旧植民地出身者とその子孫、移住労働者とその家族などの外国人が多数居住し生活しております。総理は外国人といえば旅行者と観光にしか思いが至らないようですが、外国人登録者数だけ見ても二〇〇三年末には百九十一万五千三十人に達し、十年前と比べて四五%の増加、日本の総人口に占める割合も一・五%、出身地の数は百八十六か国に上っています。このように我が国社会の多民族、多文化への傾向は急速に進展しています。
 ところが、戦後日本の外国人に関する対応は、出入国管理法や外国人登録法などにより外国人を管理することを主眼としており、現在に至るまで人権や教育、社会保障などに関しての施策はほとんど講じられてきませんでした。そのため、外国人に対する差別が公然と行われたり、子供たちが教育の機会を得られなかったり、社会保障が受けられず不安定な生活を余儀なくされるなど問題が生じております。
 そのような中、現在、東アジア諸国との経済連携協定、EPA交渉の中で、相手国から看護師、介護労働者等の受入れが要求されており、さらに、少子化の急速な進展の中で、人材確保のため外国人の受入れ拡大も選択肢の一つと考えられるようになってきています。
 今後一層強まる外国人を含む多民族、多文化共生の社会を考えるとき、外国人の人権を保障し、我が国で人間らしく生きられるようにするための施策が必要です。まず、そのための基本理念を示す法律、言わば外国人人権基本法の制定などが必要だと考えますが、総理の見解を伺います。
 次に、日本国内でも増加している女性や子供を取引する人身売買、トラフィッキングについてお尋ねします。
 人身取引は決して許されることのない人権侵害であることは言うまでもなく、早急な対策が必要です。複雑化、深刻化している国際的な組織犯罪を厳しく処罰することはもちろんのことですが、その被害者である女性や子供を保護、支援する仕組みが十分でないことも問題です。
 民主党では、人身取引という犯罪に対する罰則の強化や被害者の保護、救済、支援を柱とする包括的な法律の整備が必要だと考えております。
 そこでお尋ねしますが、日本における人身取引の実態について総理はどのように認識されているのか、答弁を求めます。また、被害者保護、支援を含めた今後の政府の対応方針について、総理並びに法務大臣、厚生労働大臣の見解を求めます。
 次に、いわゆる選択的夫婦別姓にかかわる民法改正案について伺います。
 この間、民主党はこの民法改正案を三野党共同で提出し続けておりますが、十分な法案審議もされずに現在に至っております。是非とも国会での実質的な審議がなされ、早期に改正へ向け大きく踏み出すことを期待しますが、総理及び法務大臣のお考えを伺います。
 司法制度改革について伺います。
 政府は、司法制度改革の理念として、国民がより容易に利用できるとともに、公正かつ適正な手続の下、より迅速、適切かつ実効的にその使命を果たすことができる司法制度を構築することを掲げています。
 しかし、政府提出の民事訴訟費用等に関する法律の一部を改正する法律案、いわゆる合意による弁護士報酬敗訴者負担法案は、国民の裁判利用を促進させるとの改革の理念に沿うものとは言えず、かえって法改正により消費者契約や労働契約、フランチャイズ契約などに敗訴者負担条項が盛り込まれることが助長され、市民の裁判利用をちゅうちょさせてしまうことが懸念されております。弁護士会や労働組合、消費者団体からも、このままでは廃案にすべきだと強く批判されています。
 司法制度改革は、数ある改革と言われるものの中で最も成果が見られた改革だと評価されています。しかし、これまで司法改革推進本部本部長でありながら、総理からは司法制度改革についてほとんど発言は聞いたことがございません。この際、改革の本家でもある総理、本領を発揮し、司法制度改革の本来の趣旨にのっとり、法案の撤回あるいは内容の見直しの決断をするときだと思いますが、総理の答弁を求めます。
 さて、政府内で改革推進機能を果たしてきた司法制度改革推進本部が、二〇〇一年十二月の設置から三年間の任期を終え、仕上げの時期を迎えています。しかし、制度は作ったとはいえ、改革を着実に定着、展開させるのはこれからです。したがって、その推進力となる後継機関がどこにどのような形で作られるかが極めて重要です。この点に関する総理のお考えをお聞きしたい。
 最後に、総理の所信は、お得意の故事からのフレーズの引用と高校野球とオリンピックを引き合いにした精神論ばかりが目立ち、残念ながら我が国が置かれている状況への危機感を感じさせる御自身の言葉や説得力ある内容はみじんもありませんでした。年間三万人以上の人々が自ら命を絶っているという我が国の現実をどのように認識されているのでしょうか。
 ピラミッドの頂上に立って、そこに立つと夢がかなうと言われるや得意顔で郵政民営化と叫ぶ姿を見たとき、小泉政治の下で夢も希望も奪われ痛みに耐えている国民にとって、その無責任ぶりはあきれるばかりのものでしょう。
#5
○議長(扇千景君) 千葉君、時間が経過しております。簡単に願います。
#6
○千葉景子君(続) 今や政権交代が必要であることはだれの目にも明らかです。民主党は、国民の期待にこたえ、できる限り早期に政権交代を実現するため全力を尽くす決意を申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#7
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 千葉議員にお答えいたします。
 首相補佐官と外務大臣との関係でございますが、内閣改造後の記者会見において述べたとおり、山崎補佐官については政治全般の相談相手として、また川口補佐官については外務大臣経験者として国会議員を離れた立場で種々の外交問題につき支えていただき、町村外務大臣につきましては、閣僚や外交分野での豊富な経験を生かし、外務大臣として今後の日本外交に取り組んでいただく役割を期待しているところでございます。
 いずれにせよ、政府部内で緊密に連携しつつ、内閣一丸となって外交に取り組む考えであり、二元外交になりかねないとの御指摘は当たらないと考えております。
 内外の諸問題への対応についてでございますが、私は、構造改革なくして日本の再生と発展はないとの信念の下に、民間にできることは民間に、地方にできることは地方にとの構造改革を断行していく考えであります。
 郵政民営化は、構造改革を進めるに当たり、行財政改革、経済の活性化の観点から、改革の本丸ともいうべき極めて重要な方策であります。
 これに加え、暮らしの安心を確保するため、将来にわたり持続可能な社会保障制度の構築に向け、年金の一元化問題を含む社会保障制度全般の一体的見直しの議論を進めてまいります。
 また、若年者の雇用・就業対策などを推進し、だれもが安心して働くことができるような労働環境の整備を進めてまいります。
 さらに、民間の活力と地方のやる気を引き出す金融、税制、規制、歳出の改革、環境保護と経済発展を両立させる、世界一安全な国日本の回復、災害に強い国づくり、日米同盟と国際協調を基本とした国益と国民の安全を守る主体的な外交政策の推進などの我が国が直面する重要な課題に内閣を挙げて全力で取り組んでまいります。
 激甚災指定と被災者生活再建支援法についてでございますが、激甚災害の指定については、連続する気象や被害発生の状況を踏まえつつ、災害発生の実態に即して、災害復旧事業費の査定見込額を使用して判断することにより、地方公共団体が安心して災害復旧事業に取り組めるよう今後とも努めてまいります。
 被災者生活再建支援法については、さきの通常国会の改正によって、住宅の再建等を支援する居住安定支援制度を創設し、解体撤去費やローン利子など、被災者が住宅を再建、補修する際に現実に負担する経費の一部を支援することといたしました。
 今年の台風等による被害に関しては、被災者生活再建支援法の積極活用を図っており、この制度を活用した被災者の生活再建支援に最大限努力しております。なお、個人の住宅本体に対する公費の支援については、様々な議論があり、今後更に議論を深めていく必要があると考えております。
 安保理改革でございますが、私が国連での演説で述べたとおり、近年の国連、安保理の活動は多岐にわたり、国際の平和と安全を実現するために包括的な取組が必要となってきております。その中で、憲法の下で行ってきた我が国の貢献は高く評価されており、これは我が国が安保理常任理事国たるにふさわしい確固たる基盤となっていると考えております。
 安保理常任理事国入りとアジア諸国との関係でございますが、安保理常任理事国入りへ向けた取組は近隣諸国の理解を得ながら進めていくことが重要であると考えております。中国を始めとしたアジア諸国とはこれまでも緊密に連携してきておりますが、より一層の理解、支持を得るべく、今後ともこのような取組を続けていく考えであります。
 国連ホームページへの日本語版掲載でございますが、国連の日本語による広報の重要性は認識しており、東京に設置されている国連広報センターが行っているウェブサイト等の日本語による広報活動を支援しております。
 国連人権高等弁務官事務所に対する任意拠出金でございますが、国際的な人権の促進及び擁護における国連人権高等弁務官及び同事務所の役割は重要であると認識しており、政府としては、このような認識に基づき、国連人権高等弁務官事務所に対して任意拠出を行っているところであります。
 安保理常任理事国入りの目的でございますが、我が国はこれまでも平和の定着や国づくり、人間の安全保障、軍縮や不拡散等の様々な分野において国際社会への貢献を行ってきております。我が国が安保理常任理事国入りした場合、これまでに培われた能力と経験を生かして、安保理の意思決定に参画するとともに、引き続きこれらの分野で主導的に貢献していくことは重要であると考えます。
 米軍の再編問題につきましては、在日米軍の兵力構成の見直しに関する日米間の協議において具体的な見直しのアイデアについて議論されてきておりますが、これらのアイデアはいまだ正式な提案やそれに対する対案という位置付けではなく、かつ米側との関係もあるので、議論の内容を申し上げることはできません。
 いずれにしても、政府としては、在日米軍の抑止力を維持しつつ、沖縄等地元の過重な負担の軽減を図る観点から、米側との協議を進めてまいります。
 米軍ヘリの墜落事故と日米地位協定の見直しでございますが、日米地位協定については、政府としては、その時々の問題について運用の改善により機敏に対応していくことが合理的であるとの考えの下、運用の改善に努力しているところであります。今回の事故については、その現場での対応を検証し、問題があった点について改善を図っていくべく、日米間で話し合っているところであります。
 日歯連の事件についてでございますが、私は、政治資金をめぐる不祥事が後を絶たないことを厳しく受け止めております。政治家が政治資金を受け取る際には、政治資金規正法にのっとって適正に処理されなければならないのは言うまでもないことであり、まず政治家一人一人が法律を守らなければならないことは当然であります。
 日歯連の事件につきましては、既に裁判手続にかけられているところですが、およそ政治家たる者は、他人から言われるまでもなく、自らの問題について説明することが重要であると考えます。また、国会における証言の取扱いについては、国会において決めるべき問題であり、各党各会派において十分議論していただきたいと考えます。
 政治資金規正法の改正でございますが、基本的には、政治資金を広く薄く公正に得るとともに、その透明性を確保するための明確なルールを作り上げる必要があると考えております。
 具体的な改正案については、現在、自民党内において議論が行われているほか、与党の公明党、さらには民主党の改正案など様々な考え方があるところであり、なるべく早期に、国民の幅広い理解が得られる内容がまとまるよう、各党各会派間で更に議論を深めていくものであると考えます。そのような議論を踏まえつつ、政府としても必要な検討を進めてまいります。
 構造改革がもたらした結果でございますが、私は、構造改革なくして日本の再生と発展はないとの信念の下に、デフレの克服と経済の活性化を目指し、個人や企業の挑戦する意欲と地方の自主性を引き出すための改革に全力を挙げてまいりました。
 構造改革の進展に伴い、バブル崩壊後、日本経済停滞の要因となってきたおもしが除去されつつあり、不良債権残高の減少、失業率の低下、民需主導の景気回復といった構造改革の芽が育っております。これまでの改革の成果を我が国の隅々まで浸透させ、構造改革の芽を大きな木に育てることが大事でありまして、引き続き全力を傾けてまいります。
 我が国の社会のあるべき姿でございますが、私は、決して弱者を切り捨てるものではなく、自律と自助の精神の下に国民一人一人や企業、地域が主役となり、努力が報われ、安心して再挑戦できる、自信と誇りに満ちた明るい社会の実現を目指したものであります。だからこそ構造改革が必要だと言っているのであります。
 成長なくして改革なしか、改革なくして成長なし、この議論はやはり改革なくして成長なしであったと決着が付いたものと思っております。
 このため、これまで雇用・中小企業のセーフティーネットの確保に万全を期すとともに、一円の資本金でも会社を起こせるようにするなどの新規起業の促進策、構造改革特区や都市再生などの地方の意欲や挑戦を尊重した地域経済の活性化策、持続的な制度の構築に向けた社会保障制度改革などに取り組んでまいりました。
 改革の痛みに直面しながらも、多くの国民は努力をしており、力強い日本の再生と発展に向けた構造改革の歩みは確実に進んでいるものと考えております。引き続き改革を進め、国民一人一人や企業、地域が持っている大きな潜在力が自由に発揮される、活力ある経済社会の構築に向けて全力で取り組んでまいります。
 構造改革特区の推進についてでございますが、官から民へ、国から地方へという構造改革を更に加速するための一つの突破口であり、これまで地域からの提案を受けた規制改革を実現するとともに、全国各地で特色ある三百八十六の特区が認定されており、着実な成果を上げているものと考えております。
 今後とも、地域からの特区制度を活用した規制改革の提案については、これを実現するためにはどうすればいいのかという方向で取り組み、地域や町の振興を図ってまいります。
 平成十六年度の三位一体改革が地方自治体へ与えた影響についてでございますが、一兆円に上る補助金の廃止、縮減及び地方交付税総額等の抑制により、財政力の弱い町村等では予算編成が平成十六年度においては厳しかったという話は承知しております。
 しかし、平成十六年度から所得譲与税及び税源移譲予定特例交付金を創設し、併せて平成十八年度までに所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を実施するとの方針を決定しております。三位一体改革の全体像の中で、十六年度の改革は、改革の方向性や骨格、全体の規模を明らかにする第一歩をしるすことができたものと認識しております。
 三位一体の改革における税源移譲でございますが、補助金改革により廃止する補助金の対象事業の中で引き続き地方が実施する必要があるものについて税源移譲することとしております。そのため、税源移譲については、おおむね三兆円規模を目指すこととし、その前提として地方に補助金改革の具体案を取りまとめるよう要請したところであります。
 現在、関係大臣に対し、地方団体の補助金改革案を真摯に受け止めて改革に取り組むよう指示しているところであり、その結果を踏まえ、平成十八年度までに所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を実施いたします。
 十九年度以降の分権改革でございますが、これまで、地方にできることは地方にとの理念の下に、国の補助金を削減し、国から地方への税源移譲を進め、同時に地方交付税を見直す三位一体の改革を進めてまいりました。八月に地方団体がまとめた補助金改革案を真摯に受け止め、更に地方とも協議を行いつつ、年内には平成十八年度までの補助金改革、税源移譲、地方交付税改革の全体像を決定いたします。
 十九年度以降の三位一体の改革については、決定された十八年度までの改革の成果を見極めた上で判断する必要があると考えておりますが、いずれにしても、各地方が、自らの創意工夫と責任で政策を決め、自由に使える財源を増やし、自立できるように引き続き地方分権改革に取り組んでまいります。
 地方向け補助金に関する民主党の提案についてでございますが、私は、三位一体の改革における補助金改革に当たっては、補助金の性格は様々であることから、個別に事務事業の徹底的な見直しを行いつつ改革を進めていくことが重要であると考えております。このため、地方団体から見直すべき補助金につき具体的な提案をいただき、これを真摯に受け止め、検討を進めております。補助金を個別に精査せず、その大半を一律に一括交付金化すること等により十八兆円の補助金を廃止するという民主党の提案は、その意味でより個別具体的な議論が今後必要であると考えております。
 郵政民営化についてでございますが、この郵政民営化の目的は、官から民へという方針の下、全国津々浦々の郵便局ネットワークを生かして、より便利なサービスが提供されること、民営化により郵貯、簡保三百五十兆円の資金が民間で効果的、効率的に使われること、約四十万人の公社職員が民間人となり、小さな政府の実現に資すること、郵政公社に対する見えない国民負担が解消されること等を通じて、構造改革を一層前進させ、国民に大きな利益をもたらすことにあります。民営化とは、単に株式会社化するなどといったことだけでなく、郵政事業の四つの機能が市場原理の下で自立することにより、効率的でより良いサービスが提供され、国民に大きな利益をもたらすことになる、これが私が考える民営化であります。
 まず、郵政民営化により、どのような郵政のユニバーサルサービスなど国民生活のインフラ部分をより良いものにするのか、また郵貯、簡保についてはユニバーサルサービスの提供が明記されていないのではないかとのお尋ねがありました。
 現在、郵便局では、郵便、郵貯、簡保しか取り扱えない等、業務範囲が限られておりますが、民営化により、経営の自由度を高め、民間企業と対等な競争を行い、より良いサービスを提供して国民の利便性の向上を図ってまいります。郵便については、民営化後も引き続きユニバーサルサービスの提供義務を課すこととしております。郵貯、簡保については、先日閣議決定した基本方針においてユニバーサルサービスを義務付けることは盛り込んでおりませんが、両事業の窓口業務は住民のアクセス確保が努力義務となる窓口ネットワーク会社に委託することとしており、また、窓口の配置については過疎地の拠点維持に配慮することとしております。
 どのような民間の公正な競争を促進する改革にするのかとのお尋ねでございますが、郵政民営化により、新たに設立される各会社は民間企業と同様の納税義務を負うこととし、郵貯と簡保については民営化後の契約について政府保証を廃止するなど、民間との公正な競争条件を確保してまいります。
 また、どのように特殊法人に無駄な金が流れないような財投システムの改革とするのかということでございますが、国民の貯蓄を経済の活性化につなげるためには、資金の流れを官から民へ構造改革する必要があります。
 このため、資金の流れの出口については、既に財投改革や特殊法人等の改革が進められており、郵貯資金等の財投への預託義務は廃止され、また、移行後の独立行政法人等向け財政支出を含め、特殊法人等向け財政支出をおおむね一兆四千億円削減する等、改革の成果が上がってきております。
 郵政民営化は資金の流れの入口の改革であります。政府保証が付されている郵貯、簡保は家計の全金融資産の四分の一を占め、その大部分を公的部門に還流させています。このような公的な資金の流れを民間に流れるようにするのがこの改革の意義であり、出口の改革と相まって、官から民への資金の流れを実現するために不可欠な改革と考えております。
 特殊法人の無駄と非効率に切り込むために、大胆な財投システムの改革が必要だとの御指摘でございます。
 財投制度については、財投改革により、郵貯等の預託義務を廃止し、財投債を発行して市場の規律の下、真に必要な資金だけを調達する仕組みとなっております。また、財投改革以後の財投編成については、無駄な事業を見直すとともに、民業補完性を徹底し、その規模はピーク時の二分の一になっております。
 今後とも、特殊法人等整理合理化計画等を的確に反映しつつ、対象事業の重点化、効率化を図ってまいります。
 人権問題につきましては、人権の擁護は憲法の柱の一つであり、民主政治の基本でもあるので、すべての人々の人権が最大限に尊重される社会を実現することが重要であります。
 政府としては、これまでも、人権教育及び人権啓発を推進するための各種施策を講じてきたところであり、今後とも、女性、子供、高齢者、障害者など各種人権課題に関する取組を推進し、差別の解消や人権擁護に努めてまいります。
 外国人の人権擁護でございますが、人権の擁護は憲法の柱の一つであり、民主政治の基本でもありますが、我が国に滞在する外国人の方々の基本的人権も十分に尊重されるべきであり、御意見も参考にしつつ適切な施策を進めてまいります。
 人身取引でございますが、重大な人権侵害にこの人身取引が当たり、我が国においては、売春や強制的に就労させる目的などでの人身取引が、人道的な観点からも深刻な問題となっているということを認識しております。
 政府としては、本年四月に人身取引対策に関する関係省庁連絡会議を設置したところであります。年内には、人身取引の防止、撲滅と被害者の保護に向けた行動計画を策定することとしており、人身取引の問題に関する啓発活動や罰則の整備を進めるとともに、被害者の保護、支援に政府全体として取り組んでまいります。
 選択制夫婦別氏にかかわる民法改正案でございますが、夫婦別氏制度の問題につきましては、婚姻制度、家族の在り方と関連して様々な議論があると承知しており、民法改正案の取扱いについては、国民の意識動向を踏まえつつ、与野党間でよく協議していただきたいと考えます。
 弁護士報酬の敗訴者負担についてでございますが、この法案は、弁護士報酬の費用を回収できるという期待にこたえることを通じて、裁判を利用しやすいものとすることを目的とするものであります。
 他方、御指摘のとおり、訴訟に持ち込まれる前の契約書の条項の中に敗訴者負担条項が組み込まれることにより、経済的に弱い立場の側にとって裁判利用を思いとどまらせる効果を懸念する向きもあると承知しております。
 本来の目的が十分に発揮される制度及び運用となるよう、各党各会派間で更によく議論していただきたいと考えております。
 司法制度改革推進本部の後継機関についてでございますが、本部解散後は、一連の司法制度改革の成果を国民が実感できるよう、改革の本旨に沿った運用を図ることが重要であります。法務省等の実施担当省庁と総合調整を担当する内閣において、所要の体制を整備して、司法を国民に身近なものとするための改革に引き続き取り組みたいと考えます。
 自殺についてでございますが、我が国の自殺者数は高い水準にあり、重く受け止める必要があると認識しております。これは、バブル崩壊後の長期にわたる我が国経済の低迷が大きな要因の一つとなっていると考えております。
 政府としては、今後とも各般にわたる構造改革を推進し、持続的な経済成長に結び付けることにより、精神面や経済面で問題を抱えた方々が勇気と誇りを取り戻し、安心した生活を送れる社会を目指してまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
   〔国務大臣町村信孝君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(町村信孝君) 千葉議員にお答えいたします。
 我が国の安全保障理事会常任理事国入りと周辺国や世論との関係についてのお尋ねがございました。
 小泉総理がお答えをしたとおりでありますが、我が国としては、近隣諸国の理解を得ながら安保理常任理事国入りへの取組を進めていくことが重要であると、このように考えております。
 先般、私もASEM首脳会議に際して多くのアジア諸国の外務大臣とこの問題につきまして協議をいたしましたが、引き続き一層の理解と支持を得るべく取組を強めていきたいと、かように考えております。
 なお、先般の国連総会におきまして、二十四のアジア諸国から日本の常任理事国入りの支持が表明されたという事実を御報告を申し上げます。
 次に、国連ホームページへの日本語版掲載についてのお尋ねでございますが、国連の日本語による広報の重要性は私どもも強く認識をいたしておりまして、東京に設置されております国連広報センターが行っているウェブサイトを含む日本語による広報活動を支援をしてきております。
 なお、国連ホームページのドイツ語版は、ドイツ語を公用語とする四か国が費用を負担いたしまして運営していると聞いておりまして、我が国一か国で同様の日本語版を開設することは現時点ではなかなか難しいのではないかと考えております。
 次に、国連人権高等弁務官事務所に対する任意拠出金についてのお尋ねでございました。
 国際的な人権の促進及び擁護に関する国連人権高等弁務官及び同事務所の役割は極めて大切であると考えております。政府としては、こうした認識に基づきまして、国連人権高等弁務官事務所に対して任意拠出を行っており、十六年度予算では千八百三十万円を計上しているところでございます。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣南野知惠子君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(南野知惠子君) 千葉議員にお答え申し上げます。
 まず、人身取引に関する取組についてのお尋ねがございました。
 総理からの御答弁もございましたが、法務省におきましては、人身取引の罰則を整備するとともに、その被害者の保護に努めてまいります。
 罰則に関しましては、法制審議会に対し、刑法に人身売買の罪を新設することなどを諮問いたしているところでございまして、その答申を受け、次期の通常国会を目途に刑法等の一部を改正する法律案を提出したいと考えております。
 また、人身取引の被害者が我が国への在留を希望する場合などには、犯罪組織からの生命、身体を脅かされる危険などの事情を考慮し、女性相談所やNGOなどと連携を強化しつつ在留特別許可などを弾力的かつ的確に運用し、その保護を図ることとしております。
 次に、選択的夫婦別氏にかかわる民法改正案についてのお尋ねがございました。
 選択的夫婦別氏制度の導入の問題について、法務省といたしましては、平成八年の法制審議会の答申の内容を踏まえつつ、少しでも多くの方々の御理解を得られるよう努力を続けてきたところでございますが、しかし、この問題は、婚姻制度や家族の在り方と関連する重要な問題でもございまして、国民各層や関係各方面で様々な議論があると承知いたしております。
 選択的夫婦別氏にかかわる民法改正案の取扱いにつきましては、これらの議論を踏まえまして、与野党間で適切に御協議いただければと切に願っているところでございます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣尾辻秀久君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(尾辻秀久君) 人身取引への対応についてお尋ねがございました。
 人身取引につきましては、その撲滅と被害者の保護に向け、政府一体となって取り組んでいるところでございます。私といたしましても、人身取引被害者を保護するための施設として各都道府県に設置されております婦人相談所を活用する、婦人相談所と関係機関、民間シェルターとの連携を強化するなどして、被害者の方を適切に保護できるように努めておるところでございます。
 人身取引は、お話しのとおりに、あってはならない重大な人権侵害でございます。厚生労働省といたしましては、関係省庁とも協力しつつ、被害者の保護、支援に向け、強い決意で臨んでまいります。(拍手)
    ─────────────
#11
○議長(扇千景君) 片山虎之助君。
   〔片山虎之助君登壇、拍手〕
#12
○片山虎之助君 私は、自由民主党を代表して、小泉内閣総理大臣の所信表明演説に対し、総理及び関係大臣に幾つかの質問をいたします。
 本論に入ります前に一言申し上げます。
 この夏から秋にかけて、記録的な猛暑に加え、集中豪雨や高潮、さらには超大型の台風が相次いでやってまいりまして、各地で大勢の人が犠牲となり、甚大な被害を受けました。被災者や関係者に対し心からお見舞いを申し上げるとともに、政府におかれては、災害の防止、復旧対策に全力で取り組むよう、まず強くお願い申し上げます。
 小泉政権が誕生してから早いもので三年半近くになりますが、この間、同時多発テロに始まり、内外に大事件あるいは重要案件の連続でありました。私も一年前までは小泉内閣の一員でございましたが、自衛隊のイラク派遣を始め、北朝鮮の拉致問題あるいは景気や構造改革等について、総理が毎日身を削るような御苦労をされておりましたことは十分に承知しているつもりでありますが、本日は与党の立場から、それだけに幾つか厳しいことを含めて申し上げなければならないと考えます。
 テロの激化や拡散に加え、感染症の伝染や原油の高騰等により内外の安定が大きく脅かされつつあり、多種多様な危機への迅速な対処、特に水際での警戒の徹底等、危機管理体制の強化が望まれております。
 世界の安定なくして我が国の発展はなく、我が国の役割はますます大きくなっております。総理がせんだって国連総会で我が国の安保理常任理事国入りを強く訴えられたのは、誠に時宜を得た意味のあることだと考えております。
 総理は、この激動の三年半にわたる内政、外交や各国首脳との会談、今回の国連あるいはASEM出席等を通じて内外の先行きをいかに展望されているのか、さらに世界やアジアの安定と発展のため我が国の果たす役割、特に拡散、多様化する危機の回避予防のためにどのように外交を展開し、安全を確保されようとしているのか、まず御見解をお聞かせいただきたい。
 七月の参議院選挙の論点としては、景気、雇用、地方分権、教育あるいは保健福祉、治安等、多くの重要政策課題がありました。それにもかかわらず、説明に多くの時間を要する年金改革だけが大きな争点となり、年金法の改正の緊要性についての国民の理解が不十分なまま時間切れとなってしまいました。我が党としても、その結果、期待していた改選議席数をわずかに下回り、十分な選挙成果を上げ得なかったことは、日常活動の在り方を含めて厳しく反省し、教訓として生かさなければならないと考えます。
 しかし、参議院選挙後の勢力は、民主党が他の野党の減少分だけ議席を増加させただけで、与野党の議席数には変化はなく、与党は引き続き安定多数を確保しております。これは、この難局において政権基盤の安定が不可欠であるという国民の判断であると受け止めており、そのために、我々は責任ある政権与党として政治的な停滞はひとときも許されず、政府、与党一体となって取り組んでいかなければなりません。
 総理は、参議院選挙の結果を踏まえつつ、真に国民のためになる改革、優先政策課題への対応の重要性も十分に配慮されて、どのような政治姿勢と基本方針で今後臨まれるのか、お答え願います。
 厳しい国際情勢とテロ発生が心配される中で、第百回アテネ・オリンピックが盛大に開催され、イラクのサッカー選手の活躍を始めとして平和がいかに尊いか、改めて痛感させられました。
 その中で、我が国の若者たちが大活躍をし、史上最高のメダルを獲得、何日間にもわたり国民を大いに元気付けてくれたことは誠に喜ばしい限りであります。
 若者たちが自己の持てる力を完全燃焼し、オリンピックの表彰台で掲揚される国旗を見上げるさわやかな表情や、選手の郷里の皆さんがテレビ観戦のために大勢集まり、応援に沸き返り、その活躍に老いも若きも手を取り合って喜び合う姿、さらに大会会場で選手に家族ぐるみで大声援を送り、涙を流し抱き合う姿が誠に感動的でした。
 大リーグのイチロー選手は、八十四年間破られなかった年間最多安打を大幅に上回る新記録を達成、アメリカの国民にも多大な称賛を浴びました。イチロー選手は天才には違いありませんが、それも幼いときからのお父さんとの毎日のグラウンドでの真剣な練習があったからこそ現在の彼があると聞いております。
 パラリンピックでは、体のハンディを克服し、多くの選手が活躍しました。これも本当にすばらしいことであります。
 これらから、私は、各人の多様な個性、能力を生かす豊かな人材の育成が我が国の将来のために何よりも大切であり、この基礎として若者たちのチャレンジ精神が重要であることを学びました。
 近年、少年非行の多発、凶悪事件の低年齢化等が大きな問題となっており、人の痛みを感じる心、思いやりの気持ちをはぐくむことも急がれております。徳育を更に充実し、食育を取り上げる必要性もここにあります。
 教育基本法見直しの検討の中で、教師と子供、親が信頼で結ばれ、公徳心と公共の精神を涵養するとともに、日本の伝統や文化を尊重し、国や郷土を誇りに思い、愛する心を大切にし、親子、兄弟、夫婦等の心の通う結び付きを強化し、家庭を見直し、しっかりと再生させることが不可欠だとの意見が多数出されております。
 人づくりや国づくりと言われていますが、総理は、教育の基本をどのように考え、教育基本法の改正にどのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたしたい。
 また、人づくりや国のありようを考える上で看過できないのが自殺の問題です。昨年は約三万四千人と過去最悪となっております。過日、若者による集団自殺もありましたが、国を挙げての自殺防止対策が急務であることを申し上げておきたいと思います。
 次に、憲法改正について伺います。
 我が党は、明年十一月の結党五十年を期して、国民的な論議により憲法改正案を取りまとめます。
 我が国が国際社会で名誉ある地位を占め、我が国の安全を確保するためにも、憲法第九条を見直し、特に自衛隊の位置付けや国際貢献の明確化、さらには集団的自衛権の行使が可能となるようにすべきであります。
 また、国民の権利と義務の在り方やプライバシー権、知る権利、環境権等も検討していかなければなりません。そのほかにも、翻訳調で評判の悪い前文を全面改正することや二院制の在り方、地方自治等の項目についても大いなる議論が必要であります。
 総理は、我が国の将来を見据えつつ、国づくりの基本をどのようにとらえ、それを憲法改正にいかに反映されるのか、見解と取組の決意をお聞かせ願います。
 我が国の景気は、中国を始めとする海外景気の好調に牽引され、基本的には回復軌道にあると言えますが、来年にかけての展望は必ずしも楽観的でなく、地方経済や中小企業の状態は全体的に厳しい状況にあります。雇用情勢についても、最悪期を脱したものの、順調に改善しているとは言えません。
 さらに、ここに来て原油価格が高騰し、この状況が続くようだと経済活動にも支障が生ずるリスクが出てきております。
 そこで、総理は我が国の経済に関して、その現状と来年にかけての姿をどのように判断し、展望されているのか。その中で、海外経済の影響、特に原油価格の高騰をどのようにお考えなのか、御認識をお聞かせください。
 また、来年度予算などで、地方経済、中小企業対策を着実に進めるとともに、来年四月のペイオフ解禁に向けて地方金融機関の経営不安が高まらないような措置も必要です。御認識をお聞かせいただきたい。
 さらに、地価、株価の低迷など、いわゆる資産デフレへの対策も引き続き進められる必要があります。地価については、大都市の一部で上昇に転じているものの、我が国全体としては下落の傾向に歯止めが掛かっていません。株価についても一進一退であります。いずれも、もう一段のてこ入れが求められておりますが、当面のこの資産デフレ対策につき、総理の御所見をお聞かせいただきたい。
 国の財政負担の中で、社会保障に掛かる負担は膨大です。今年度の予算ベースで見ますと、年金、医療、介護等を含め社会保障給付費は八十六兆円、うち公費負担が二十六兆円にも達します。厚生労働省の推計によると、二〇二五年度には社会保障給付費が百五十二兆円と二倍弱、うち公費負担は五十九兆円と二倍強となります。厳しい財政事情の中で、こうした財政負担の高まりに耐え切れないのは明白であります。今後は、公的保障にのみ依存するのでなく、自助努力をより一層取り入れた制度改革が必要と考えます。
 さきの通常国会では、給付と負担の適正化を図る年金制度改革法が成立しました。年金制度を持続可能なものとするためには、どうしても必要な改革でありました。今後、年金制度の一元化を目指す抜本改革、また社会保険庁の徹底した改組などを精力的に進めていかなければなりません。その際には、総理が主張されるように、政権が替わっても、年金制度の在り方が変わるというのは大変困るわけでありますので、野党の皆さんとの協調を図る必要があります。
 さきの年金制度改革法の衆議院での通過に当たり、自由民主党、公明党、民主党との間で三党合意がなされ、年金の一元化問題を含む社会保障制度全般の在り方を検討するため、与野党での協議会、衆参での厚生労働委員会に小委員会を設置することが約束されています。与野党協議会の開催については、連合等も強く要請しており、野党の皆さんも我々与党の呼び掛けに早急にこたえるべきであることを強く申し上げておきます。
 そこで厚生労働大臣には、年金の一元化を含め年金制度の更なる改革、そして来年以降の介護保険、医療保険など将来的な社会保障全般の見直しをどのような方針で進められるのか、基本的な認識をお聞きいたします。
 また、これ以上の社会保障負担に対応するには消費税の引上げしかないとの見解が国民の間でも広がっております。総理は、任期中は消費税率を上げないと公言されていますが、検討することは否定されておりません。
 厚生労働大臣としては、税制など財源手当ての仕組みはどうあるべきとお考えなのか、御認識をお聞かせいただきたい。
 次に、郵政改革について伺います。
 我々与党は政府に対し、現在意見の集約中であるとともに、伝えられる案には問題点も少なくないので閣議決定を先送りしてほしいと再三要請したにもかかわらず、政府は郵政民営化に関する基本方針を去る九月十日、閣議決定いたしました。
 その際、何でそんなに急ぐのか、昔から急がば回れと言うではないかと私は何度も申し上げました。我々は、国民のためになる郵政民営化であれば、国民の理解と納得の得られることから賛成であります。そうでなければ、考え直さざるを得ません。
 しかし、現在は、政府の説明不足から国民の間では郵政事業民営化への関心は高まっておりません。ある新聞が九月末に行った世論調査によれば、新しい内閣で一番力を入れてほしいことは、年金・福祉問題と景気・雇用が全体の八割を占め、郵政改革を挙げたのはわずか二%であります。最近のほかの新聞でも約一〇%であります。全国各地では、民営化の具体的なメリットが見えないとの声がある一方、民営化により、地方を中心に郵便局の統廃合が進み、過疎地等では郵便局がなくなるのではないかという不安の声を聞きます。
 基本方針については、我が党においても、不採算地域におけるサービス切捨てや郵便局の統廃合につながりかねず、全国における郵便局ネットワークが維持できるのか、また、郵貯、簡保のユニバーサルサービスが確保できないのではないか、それぞれの事業のビジネスモデルが不明確であり、また、郵便事業については五千五百億円に上る債務超過を抱えていること等から、四事業会社が株式会社として成立するのかといった様々な問題点を指摘する声がありました。
 今回の閣議決定に際しては、我が党はこうした声に配慮し、基本方針について党として是非の態度を保留するとした上で、政府の民営化方針を含む郵政事業改革問題について、国民生活、国民経済に資する視点に立って積極的に議論した上で結論を得、政府がこれを尊重することを求めていくこととしたのであります。
 繰り返しになりますが、郵政改革については、何よりも国民に対して分かりやすい議論を展開していくことが重要であり、基本方針の示す民営化についても、国民のための民営化となるよう、そのメリットの具体的な検証を始め、国民に対してしっかりとした説明責任を果たしていくことが肝要と考えます。
 我が党は、郵政事業を民営化するとの政府の基本方針を踏まえ、日本郵政公社の経営改革の状況を見つつ、国民的議論を行い、二〇〇四年秋ごろまでに結論を得るとの公約に従い、秋ごろまでに意見集約を図ろうとしていますが、参議院自民党においても粛々と議論を行いたいと考えております。
 そこで、今後、政府として基本方針の下に制度設計及び法案作成を進めていくに当たっては、国民の理解と納得を得られるものとするよう、国民の代表である国会、特に与党と緊密な協議を行うことを総理に対し強く要請しておきます。総理の郵政事業民営化に対する思いは十分に理解し、敬意を払うところでありますが、国民のためのより良い改革にするには、基本方針の問題点克服を含め、制度設計及び法案作成の段階において柔軟に対応していただくことが必要です。言うまでもなく、法案の成立には国会、特に与党の協力は欠かせません。総理の御所見をお伺いします。
 郵政改革と並んで小泉改革の大きな柱の一つである三位一体の改革についてお伺いします。
 地方分権は、住民に一番身近な地方自治体が自らの責任と判断で政治や行政を行うことであり、三位一体の改革はそのための財政的基盤を構築することであります。しかしながら、初年度である十六年度は、補助金の削減について地方との意見調整が不十分なまま一兆円が削減され、しかも、これに対する税源移譲等の規模が六千五百億円等と地方の期待に比して小さく、また、別に、地方財政対策において地方交付税等が大幅に削減されたことから、地方の予算編成に大混乱を来しました。これには、国の財政再建が優先され、地方が切り捨てられたという厳しい指摘もあります。
 このような反省から、これからの二年間は、知事会等の地方六団体から補助金削減について案を出してもらおうという、こういうことになり、先ごろ国庫補助負担金等の改革案が示されたのであります。
 しかし、義務教育国庫負担等を始めとする削減案には各省庁の反発が強く、官房長官を中心とした国と地方の協議は難航しておりますし、省益しか考えない一部大臣の発言や、個々の自治体に圧力を掛けている省庁事務方の動きも報道されております。
 補助金、税源移譲、交付税を文字どおり三位一体で改革するという構造改革は、当時総務大臣であった私が提唱し、それを総理が全面的に受け入れられた改革であり、総理は三位一体改革の言わば生みの親であります。
 総理は、地方案を真摯に受け止めると明言されておりますが、当然であります。三兆円の税源移譲を行う、その前提として地方が補助金の改革案を出すようにと地方にボールを投げることを求められたのは総理自身であります。地方六団体は、そのボールを苦労しながら見事に投げ返したわけでありますから、今度は総理がしっかりと受け止めるべきであります。様々な利害、打算を乗り越え、この改革は地方が本当に望むものに仕上がるかどうか、ひとえに総理のリーダーシップに掛かっていると言っても過言ではありません。改めて、総理の決意をお伺いします。
 三位一体の改革で地方自治体の財政はどうなっていくのか、特に税源の乏しい自治体は不安を隠せない状況にあります。その不安にこたえるためには、補助金削減の裏と表になる交付税制度の機能の強化と所要額の確保は避けて通れないものであります。これが三位一体の改革が成功するかどうかのかぎです。総務大臣の御認識をお伺いしたい。
 次に、公務員制度改革についてお尋ねいたします。
 私は自民党行革本部の公務員制度改革委員長を務めておりますが、本年六月には、今後の公務員制度改革の取組についての与党合意を行い、総理にも与党方針を踏まえて公務員制度改革の申入れを行ったところであります。
 能力、実績をしっかりと評価する人事管理の仕組みを入れ、公務員のいわゆる天下りの適正化を図ることは、国民世論の要請であり、行政とそれを支える公務員への国民の信頼を確保するために不可欠なものであります。
 また、改革を進めるに当たっては、労働組合をも含め、関係方面の納得が必要であり、党行革本部としても、労働組合との間で協議を重ねてきましたが、引き続き労働組合側の大乗的見地に立った協力を期待しながら、ぎりぎりの調整を続けることとしております。
 新しい時代の要請にこたえられる公務員制度を実現することは重要な政策課題であり、その実現に政府としても更に努力していただきたいと考えますが、総理の御見解をお伺いいたします。
 我が国外交の諸問題について伺ってまいります。
 イラク復興プロセスのかぎを握ると見られる来年一月末予定の国民議会選挙まで三か月を切りましたが、この選挙を妨害しようとする反米武装勢力がテロ攻撃等を繰り返しており、地域によっては治安が悪化しております。
 このような重要な時期に自衛隊が撤退することは、責任ある国際社会の一員として決して許されることではありません。イラク派遣は、その安全確保に最大限留意しながらも今年十二月の任期切れ以降も継続すべきと考えます。しかし、イラク派遣を決断したときとは大量破壊兵器の未発見を始め状況が変わっておりますので、政府は国民に対してしっかりとした説明責任を果たしていかなければなりません。総理から、自衛隊派遣の延長についての御所見を伺います。
 総理は、先月の日米首脳会談や国連演説の場において、積極的に常任理事国入りに言及されました。申すまでもなく、来年は国連結成六十周年の記念すべき年であり、十二月初めに国連改革についての答申も出る大きな節目の時期であります。
 我が国は、アメリカに次いで多額の国連負担金を拠出していることを始め、PKOや経済協力でも着実な実績を積んできております。また、イラクやアフガニスタン等における平和構築へ向けた活動にも積極的に取り組んでまいりました。したがって、現行憲法の枠内においても常任理事国としての責務を果たすことが十分に可能であると考えます。
 そのためには、現常任理事国や近隣諸国、中南米、アフリカ諸国等の賛成も欠かせませんし、それに向けた戦略的な取組も必要です。特に、近隣国であり、拒否権を持つ現常任理事国の中国に対しての働き掛けが常任理事国入りのかぎを握っていると言っても過言ではありません。
 しかしながら、中国は我が国の常任理事国入りに関しては消極的な態度に終始しております。その理由はいろいろありましょうが、中国の経済発展のために長年我が国は大変な協力を続けてき、対中国ODAは累計で三兆円、旧輸銀の融資を合わせますと六兆円以上にもなりますし、我が国が常任理事国になり、日中二国が経済面のみでなく国際政治の上でもしっかりと連携することが、中国にとってもアジアにとっても大きな利益となることをはっきりと表明すべきであります。
 政府としてはいかにして中国を説得しようとするのか、アメリカなど賛成国の対策も含めた我が国の常任理事国入りの具体的な戦略について伺います。あわせて、我が国が常任理事国となった場合どのような役割を果たしていくことが可能なのか、総理に御説明願います。
 次に、北朝鮮問題についてお尋ねします。
 北朝鮮は、様々な理由を挙げて六者協議の引き延ばしを図るなど、相変わらずの無責任極まりない対応をしておりますが、我が国としては、引き続き核問題の解決に向けてアメリカなどと協調し、最大限の外交努力に努めるべきであります。
 また、先日の第二回実務者協議においても、拉致問題について北朝鮮の再調査は新たな情報がほとんどなく、前回と同様に全く不誠実なものでありました。安否不明者や特定失踪者を一刻も早く救出し、拉致問題の早期解決を図るためには、北朝鮮に対し、今後、今まで以上の毅然とした態度で臨まなければなりません。
 そのためには、再調査期限を設けるとともに、次回の協議いかんによっては、第二弾の人道援助の凍結はもとより、経済制裁も辞さないという明確な意思を示すなど、一層の圧力を掛けていく必要があると考えます。
 また、実務者協議も、ピョンヤンに乗り込み、交渉担当者のランクを最上級に上げ、先方の情報調査関係者も同席させ、裏付けのある資料を検証するなど、実質的な大きな前進を図るよう強く出るべきだと思いますが、総理の御見解を伺います。
 ここ一年半足らずの間に、統一地方選挙、総選挙、参議院選挙と、各党がしのぎを削る選挙戦が立て続けに行われました。これからは、任期満了に伴う国政選挙や統一地方選挙は十九年までの約二年半余り行われませんので、憲法を始め、教育基本法や税制、財政等の改革等、国家的な基本問題に本格的に取り組む絶好のチャンスであります。
 六年間任期が保障されている参議院議員としては、長期的かつ幅広い視野でその見識を基本問題の検討に反映して、参議院の役割を高めていく必要があります。
 また、政治への国民の信頼を回復するために、各党とも党改革や政治資金の透明性を高めるよう一層の工夫、努力をすることも重要であります。
 日本の命運が大きく左右される歴史的な転換期にあって、引き続き総理は最高指導者としての重責を担われるわけでありますが、総理として、小泉改革の総仕上げについて、国民の視点を重視しながら幅広に謙虚に、謙虚に取り組まれ、大宰相への道を歩まれることを強く期待し、与党はそれをしっかりとサポートすることを申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#13
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 片山議員にお答えいたします。
 忠告と激励を込めた御質問、ありがとうございます。
 内外の先行きの展望、安全を確保するための外交についてでございますが、構造改革の目的は、個人や企業の挑戦する意欲と地方の自主性を引き出し、自信と誇りに満ちた活力ある社会を築くことであります。国際社会の一員として引き続き世界の平和と安定に積極的に貢献していく、これが小泉内閣の方針でございます。
 外交面では、日米同盟と国際協調を基本としつつ、テロ、大量破壊兵器等の拡散、感染症等多様化する危機の予防に努め、国民の安全確保に万全を尽くしてまいります。
 政治姿勢と基本方針でございますが、さきの参議院選挙において、与党全体で安定多数の議席を確保できたことを重く受け止め、野党の意見にも耳を傾け、引き続き、民間にできるものは民間に、地方にできるものは地方にとの基本方針の下に改革を進めてまいります。
 ようやく出てきた改革の芽を大きな木に成長させるために、郵政民営化や三位一体の改革などの具体化を実現してまいります。
 また、民間の活力と地方のやる気を引き出す金融、税制、規制、歳出の改革、年金を含む社会保障制度全般の一体的見直し、環境保護と経済発展の両立、世界一安全な国日本の回復、災害に強い国づくりなどの我が国が直面する重要な課題に内閣を挙げて全力で取り組んでまいります。
 教育基本法の改正につきましては、昭和二十二年の制定以来、一度も改正されることなく半世紀以上が経過いたしました。その間に社会状況は大きく変化し、青少年を取り巻く環境も厳しさを増しております。子供たちが勇気と誇りを持って我が国の明るい未来を築いていくことができるよう、人間力向上のための教育改革を進めることが必要になってきたと思います。
 このため、昨年三月には中央教育審議会から、公共の精神などこれからの新しい時代における教育の基本とすべき重要な理念や原則を明確にするため、教育基本法の改正が必要であるとの提言をいただいております。また、与党においても、教育基本法改正に関する協議会を設けて精力的な検討がなされ、本年六月には中間報告を取りまとめ、今後更に議論が深められるものと承知しております。
 私は、国民的な議論を踏まえ、新しい時代にふさわしい教育基本法の速やかな改正に向けて今後も精力的に取り組んでまいりたいと思います。
 憲法改正でございますが、現行憲法が制定されてから間もなく六十年が経過しようとしております。御指摘の憲法九条の問題、プライバシー権など様々な議論があることも承知しております。憲法が実態にそぐわなければ憲法改正の議論を避けるべきではありません。
 他方、憲法改正については国民が時間を掛けて十分に議論することが大切であります。憲法の基本理念である民主主義、平和主義及び基本的人権の尊重はこれまで一貫して国民から広く支持されてきたものであり、将来においてもこれを堅持すべきものであると私は考えております。
 来年秋に迎える自民党結党五十周年を一つの節目として、党としての改正案を取りまとめて国民的議論を喚起することは有意義であると考えております。
 我が国経済の現状と先行きでございますが、景気の現状については、堅調に回復していると認識しております。先行きについても、国内民間需要が着実に増加していることから、景気回復が続くと見込んでおります。
 一方、原油価格は非常に高い水準で推移しており、その動向が内外経済に与える影響、世界経済の動向等には留意する必要があると認識しております。
 来年度予算による地方経済、中小企業対策の推進、ペイオフ解禁拡大に向けた地域金融機関に対する措置等が必要であるという御指摘をいただきました。
 地域の再生、中小企業の活性化なくして持続的な経済成長は望めないと思っております。このため、金融セーフティーネット対策、再生支援策、新たな事業に挑戦する中小企業支援策など、我が国経済活力の源泉である中小企業を支援する施策を強力に推進してまいります。
 また、地域金融機関については、引き続き、地域密着型金融の機能強化に向け、健全性の確保等を図りつつ中小企業の再生と地域の活性化を図るための取組を着実に推進してまいります。
 資産デフレ対策でございますが、実質成長率は五四半期連続でプラスとなるなど、景気は個人消費や設備投資を中心に民間主導で堅調に回復しており、地価については一部に下げ止まりの傾向が見られ、株価は堅調に推移しております。政府は、引き続き、個人や企業の挑戦する意欲と地方の自主性を引き出すための改革に全力を挙げ、民間需要主導の持続的な経済成長を図ってまいります。
 郵政民営化の制度設計及び法案作成の進め方についてでございますが、郵政民営化につきましては、今後、法案は先般閣議決定した基本方針に忠実に策定すること、簡素かつ一貫性のある制度・法律構成、組織であること、制度設計のプロセス、手続が透明であることという三つの指針にのっとって与党とも緊密に調整を行いつつ、詳細な制度設計の取りまとめと法案作成を行い、次期通常国会に法案を提出する考えであります。
 三位一体につきましては、私は、地方にできることは地方にという理念の下に総論賛成の議論を具体化しなきゃいかぬ、この点については総務大臣をされておりました現片山幹事長、良き理解者であり、協力者であると私は認識しております。国の補助金を削減し、国から地方への税源移譲を進め、同時に地方交付税を見直す三位一体の改革を進めていかなきゃならないと強く決意を固めております。
 三位一体の改革については、関係大臣に地方団体の補助金改革案を真摯に受け止めて積極的に取り組むように明確に指示したところであります。しかし、この明確の指示を何か勘違いしている大臣も中にはいかねませんものでありますので、今後ともよく注意して、大臣が改革に邁進するように強くこれからも指示をしたいと思っております。
 今後、政府一丸となって地方とも協議を行いつつ、与党の協力を得ながら、今年度の一兆円に加え、来年度からの二年間に行う約三兆円の補助金改革、税源移譲、地方交付税改革の全体像を年内に決定いたします。
 公務員制度改革についてでございますが、新しい時代の要請にこたえ、行政に対する国民の信頼を確保し、公務員が士気を高め、持てる力を最大限発揮できるようにすることが大切であります。
 与党においても、片山幹事長を中心に御尽力をいただいておるということを私はよく承知しております。政府としても、関係各方面の理解を得つつ、能力・実績主義の人事制度の構築や再就職管理の適正化など、改革の具体化に取り組んでまいります。
 自衛隊のイラク派遣でございますが、イラクの復興は道半ばであります。我が国にふさわしい分野において引き続き復興に積極的に貢献することが重要であります。
 私自身、最近、イラクのアラウィ首相、またつい先日、ハッサーニ・ムサンナー県の知事が来日して私と会談いたしました。両氏とも、自衛隊の人道復興支援活動に対する高い評価と謝意を表明しておりました。なお引き続き自衛隊の活動を継続してほしいという強い意向が表明されました。
 自衛隊のイラク派遣の基本計画では、派遣期間が本年十二月十四日までとされておりますが、その後どうするかについては、イラク復興の状況、現地治安情勢等を総合的に検討して適切に判断してまいりたいと考えます。
 我が国の安保理常任理事国入りでございますが、我が国は、米国等の主要国や他の常任理事国候補国との協議を通じ、具体的な安保理改革に向けた動きを加速させ、改革の実現を目指す考えであります。
 その際、近隣諸国の理解を得ていくことも重要であり、中国については安保理改革の必要性自体について認識を同じくすることから、同国とも協力を進めていく考えであります。また、我が国は、平和の定着や国づくり、人間の安全保障、軍縮や不拡散等の様々な分野で国際社会への貢献を行ってきておりますが、常任理事国入りした際にも、これらの貢献が引き続き重要であると考えております。
 拉致問題でございますが、十一月中旬、ピョンヤンにおいて開催することとなった次回日朝実務者協議において安否不明の被害者に関する具体的な情報を得ることが極めて重要であると考えます。
 そのための方策において、対話と圧力の考えに立ち、鋭意検討を行っております。北朝鮮側の調査関係者の出席を求めるなど、協議の進め方にも工夫を凝らすと同時に、協議の開催に至る過程において、引き続き再調査の迅速な進展とその結果の速やかな提示につきまして北朝鮮側に一層強く働き掛けていく考えでございます。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣尾辻秀久君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(尾辻秀久君) 社会保障制度全般の見直しの方針についてお尋ねがございました。
 社会保障制度につきましては、持続可能で安定的なものとしていくために不断の改革を行っていかなければなりません。本年七月から、官房長官の下に社会保障の在り方に関する懇談会が設けられ、公的年金一元化を始め、医療、介護、生活保護などの社会保障制度全般について、負担と給付の在り方を含め、一体的な見直しの議論をいただいております。この議論も踏まえつつ、介護保険の改正を平成十七年に、医療保険全体の改正を平成十八年に行ってまいります。
 社会保険庁の改革につきましては、業務や組織の抜本的な見直しを私の責任で徹底して進めてまいります。
 タックスイーターからタックスペイヤーへ、これはある障害者団体の方からお聞きした言葉でありますけれども、自立をキーワードとして、これに共助、公助を組み合わせ、国民が安心して暮らすことができる社会保障制度の構築に全力で取り組んでまいります。
 次に、社会保障の財源についてのお尋ねがございました。
 社会保障に要する費用は急速な少子高齢化が進む中で増大してまいります。その費用につきましては、利用者負担、保険料負担、公費負担の適切な組合せにより必要な財源を確保していくしかございません。
 申し上げましたように、内閣官房長官の下に社会保障の在り方に関する懇談会が設けられ、消費税を含めた財源の在り方について広く御議論いただいておるところでございまして、私どもも真剣に議論して取り組んでまいります。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(麻生太郎君) 三位一体の改革に関しまして、税源の乏しい地方自治体は不安であると、その不安にこたえるためには交付税の機能と所要額の確保が必要ではないかというお尋ねが片山議員からあっております。
 三位一体という、これは御自分で作られたお言葉の一つだと思いますが、このためには、国と地方のこれ信頼関係というのを維持しながら改革に取り組むというのが最も肝要であるということはもう申すまでもないところでありますが、そのためには、地方団体が安定的に財政の運営ができますように、交付税などの一般財源というものの確保は欠かせないものであると思っております。
 特に、御指摘のありましたように、財政力の弱い団体や自治体におきましては、税源移譲が補助金の縮小、廃止等によりまして財源措置をすべき額に合わなかった場合、その場合には、事業の推進に支障を来さないようにするのは当然のことであって、交付税によってこれを調整するなど、万全の措置を講じる必要があると考えております。この旨は、さきに閣議決定されました骨太二〇〇四の中でも明らかにしたところであります。
 今後とも、地方団体の信頼を確保しつつ、三位一体の改革の着実な実行に努めてまいりたいと存じます。(拍手)
#16
○議長(扇千景君) 質疑はなおございますが、これを次会に譲りたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○議長(扇千景君) 御異議ないと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十分散会
ソース: 国立国会図書館
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