2004/03/11 第159回国会 参議院
参議院会議録情報 第159回国会 国土交通委員会 第1号
#1
第159回国会 国土交通委員会 第1号平成十六年三月十一日(木曜日)
午後零時十三分開会
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委員氏名
委員長 輿石 東君
理 事 岩城 光英君
理 事 鈴木 政二君
理 事 池口 修次君
理 事 大江 康弘君
理 事 森本 晃司君
上野 公成君
木村 仁君
沓掛 哲男君
佐藤 泰三君
斉藤 滋宣君
田村 公平君
鶴保 庸介君
藤野 公孝君
松谷蒼一郎君
脇 雅史君
北澤 俊美君
佐藤 雄平君
田名部匡省君
藤井 俊男君
山下八洲夫君
弘友 和夫君
大沢 辰美君
富樫 練三君
渕上 貞雄君
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委員の異動
一月二十七日
辞任 補欠選任
富樫 練三君 井上 哲士君
一月二十八日
辞任 補欠選任
井上 哲士君 富樫 練三君
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出席者は左のとおり。
委員長 輿石 東君
理 事
岩城 光英君
鈴木 政二君
池口 修次君
大江 康弘君
森本 晃司君
委 員
上野 公成君
沓掛 哲男君
佐藤 泰三君
斉藤 滋宣君
田村 公平君
鶴保 庸介君
藤野 公孝君
松谷蒼一郎君
脇 雅史君
佐藤 雄平君
藤井 俊男君
山下八洲夫君
弘友 和夫君
大沢 辰美君
富樫 練三君
国務大臣
国土交通大臣 石原 伸晃君
副大臣
国土交通副大臣 林 幹雄君
国土交通副大臣 佐藤 泰三君
大臣政務官
国土交通大臣政
務官 佐藤 茂樹君
国土交通大臣政
務官 斉藤 滋宣君
国土交通大臣政
務官 鶴保 庸介君
事務局側
常任委員会専門
員 伊原江太郎君
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本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
(国土交通行政の基本施策に関する件)
(派遣委員の報告)
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#2
○委員長(輿石東君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。まず、委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、山下善彦君が委員を辞任され、その補欠として藤野公孝君が選任されました。
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#3
○委員長(輿石東君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。本委員会は、今期国会におきましても、国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(輿石東君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。─────────────
#5
○委員長(輿石東君) この際、国土交通大臣、国土交通副大臣及び国土交通大臣政務官から発言を求められておりますので、順次これを許します。石原国土交通大臣。#6
○国務大臣(石原伸晃君) このたび国土交通大臣を拝命いたしました石原伸晃でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。国土交通行政は、そのいずれもが国民生活に密着するものでございます。その行政を進めるに当たりまして、選択と集中を基本とした社会資本整備等の推進、民間にできることは民間になどの効率性重視の観点からの各種施策の推進、地方にできることは地方にを基本とした個性ある地域の発展、地方の主体性、裁量性の向上に全力で取り組んでまいる所存でございます。
委員長を始め委員の皆様方の御協力を心からお願い申し上げまして、私のあいさつと代えさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
#7
○委員長(輿石東君) 佐藤国土交通副大臣。#8
○副大臣(佐藤泰三君) 国土交通副大臣の佐藤泰三でございます。主に安全危機管理関係施策、交通関係施策及び北海道開発関係施策を担当いたします。
委員長を始め委員各位の御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。よろしくどうぞ。
#9
○委員長(輿石東君) 林国土交通副大臣。#10
○副大臣(林幹雄君) 同じく副大臣の林幹雄でございます。私は、主に災害対策関係、国土関係、そして社会資本整備関係並びに新東京国際空港関係の施策を担当いたします。
委員長を始め理事、そして委員の先生方の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
#11
○委員長(輿石東君) 佐藤国土交通大臣政務官。#12
○大臣政務官(佐藤茂樹君) 大臣政務官の佐藤茂樹でございます。主に、私は災害対策関係施策並びに社会資本整備関係施策、特に公共事業の適正な執行の確保に関する事務を命ぜられております。
輿石委員長始め理事の先生方、委員の先生方の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
#13
○委員長(輿石東君) 鶴保国土交通大臣政務官。#14
○大臣政務官(鶴保庸介君) 大臣政務官を拝命いたしました鶴保庸介でございます。本日は済みません。遅参をいたしました。委員の皆様に今後御迷惑をお掛け……(発言する者あり)はい。
主に安全危機管理施策、関係施策及び交通関係施策、特に航空関係事務を命ぜられております。
今後とも、よろしくお願いいたします。
#15
○委員長(輿石東君) 斉藤国土交通大臣政務官。#16
○大臣政務官(斉藤滋宣君) 大臣政務官の斉藤滋宣でございます。主に国土関係、それから北海道開発施策、特に新国土計画の策定及び土地対策の総合的な推進を担務することになっております。
委員長を始め委員の皆様方の御指導、何とぞよろしくお願い申し上げます。
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#17
○委員長(輿石東君) 次に、国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題といたします。まず、国土交通行政の基本施策について、国土交通大臣から所信を聴取いたします。石原国土交通大臣。
#18
○国務大臣(石原伸晃君) 国土交通行政につきまして、所信を述べさせていただきます。我が国全体として構造改革の推進が求められる中、国土交通行政においても一層の改革を進めてまいります。
まず、成果重視の施策を進めるため、特に、公共事業については、無駄なものを作らず、選択と集中を基本とし、昨年の社会資本整備重点計画策定を契機に、政策評価を徹底してまいります。
また、民間にできることは民間になど効率性重視の観点から、特殊法人等改革、PFIの推進、住民参加の促進、既存ストックの有効活用、公共事業の透明性の確保やコスト構造改革、事業評価の徹底等に取り組んでまいります。
特に、道路関係四公団の民営化に当たりましては、およそ四十兆円に上る債務の確実な返済、真に必要な道路を、会社の自主性を尊重しつつ、早期に、できるだけ少ない国民の負担の下で建設、民間ノウハウの発揮による多様で弾力的な料金設定やサービスの提供が重要と認識しております。昨年十二月に民営化推進委員会の意見を基本的に尊重し決定した民営化の基本的枠組みに基づき、民営化関連法案を取りまとめ、今国会に提出し、平成十七年度中の民営化を実現してまいります。
なお、民営化までに、ETCの活用等により、弾力的な料金を積極的に導入し、各種割引により料金の引下げを行い、特に高速国道料金については、平均一割を超える引下げを実施します。
さらに、求めるのは成果、方法は地方に任せるを基本としたまちづくり交付金の創設等、地方にできることは地方でを基本に、国庫補助負担金等の改革を推進してまいります。また、国と地方との対話型行政の推進、国土計画の改革を進めてまいります。
次に、具体的な取組について述べます。
第一に、国際競争力の向上等に向け、大都市圏拠点空港の整備、中枢国際港湾、アクセス道路、鉄道の整備のほか、航空産業の競争力強化、海上物流改革の推進、大都市圏の環状道路体系の整備等を推進してまいります。また、国際連携・協力に向けた取組を推進してまいります。
特に、羽田空港の再拡張事業については、関係自治体の協力も得つつ、来年度の事業化と二〇〇九年中の供用開始及び国際定期便の就航に向けて努力してまいります。
第二に、環境問題に対応するため、国土交通省としての行動計画を策定いたします。地球温暖化や大気汚染への対応、快適な生活環境の実現、自然環境の保全、再生、健全な水循環系の構築、循環型社会の形成などに取り組んでまいります。また、国際条約の法制化のための海洋汚染防止法や油濁損害賠償保障法の改正法案を提出するとともに、放置座礁船対策を進めてまいります。
第三に、観光立国の実現に向け、関係省庁と連携して、観光立国行動計画を推進してまいります。私自身も、日韓交流新時代の幕開けを記念した羽田―金浦間のチャーター初便に搭乗して、現地で観光イベントを主催するとともに、外国人に訪日を呼び掛けるため、中国語で語り掛けるPRビデオを作成いたしました。今後とも、観光立国担当大臣として自ら先頭に立ちまして、ビジット・ジャパン・キャンペーンや一地域一観光等の取組を官民一体となって強力に進めてまいります。また、旅行業法の改正法案を提出し、旅行者の利便を増進してまいります。
さらに、美しい景観や豊かな緑の形成を促進するために、景観緑三法案を提出するとともに、電線類の地中化等を進めてまいります。
第四に、危機管理対策として、各公共交通機関における警備、巡視船等による警備の強化等を行い、テロ、不審船事案などに対応するとともに、密輸、密航等海上犯罪の取締りに取り組んでまいります。さらに、改正SOLAS条約を実施するための法案を提出いたしますとともに、PSC、ポートステートコントロールの厳格な実施、物流セキュリティー対策、港湾、空港等における水際対策等の安全・保安対策の強化を講じてまいります。
第五に、安心で暮らしやすい社会の実現に向け、大規模地震・津波対策、水害対策、土砂災害対策、密集市街地対策、地下駅火災対策等を重点的に実施してまいります。さらに、建築基準法の改正法案を提出し、建築物の安全性等を図ってまいります。
交通事故死者数の一層の削減、事業者による事故等の再発防止に資するため、総合的な交通安全対策を推進してまいります。また、少子高齢化が進展する中、公共交通機関、住宅、建築物等のバリアフリー化やNPO法人等が高齢者等を自動車で送迎する特区制度を全国的に展開してまいります。さらに、ワンストップサービス実現に向けた法案を提出するなど、自動車ユーザーの利便性向上に努めてまいります。
第六に、我が国の経済環境が厳しさを増している中、デフレを解消し、民需の自立的拡大に取り組んでまいります。
そのため、住宅ローン減税の延長等の土地・住宅税制の活用、不動産証券化の促進等を図るとともに、不動産鑑定評価や地価公示制度の充実のための法案を提出し、土地の流動化や土地・住宅市場の活性化に努めてまいります。
厳しい経営環境にある建設業について、不良・不適格業者の排除を徹底するとともに、事業転換の取組、コスト管理の徹底など、経営革新を促進し、技術と経営に優れた企業が伸びる環境整備を図ってまいります。
地域活性化の促進のため、地域間交流を促進する幹線道路網、新幹線等の整備、高速道路のインターチェンジ倍増に向けた整備、地方鉄道、バス等の公共交通サービスの再生等を推進してまいります。また、北海道総合開発の推進や奄美群島、小笠原諸島の地元の創意工夫等を盛り込んだ改正法案の提出など、個性ある地域の発展に取り組んでまいります。
都市再生につきましては、特別措置の改正法案を提出するなど、稚内から石垣まで全国のまちづくり支援を充実してまいります。今後も、都市再生プロジェクトを推進するとともに、豊かで快適な都市の再生に取り組んでまいります。また、地域再生の取組を支援してまいります。
なお、国会等の移転につきましては、国会における検討に必要な協力を行ってまいります。
また、規制改革等を盛り込んだ内航海運業法等の改正法案を提出するなど、海上運送事業の活性化を図ってまいります。
第七に、国土を有効活用するための施策にも取り組んでまいります。そのため、地籍整備を集中的に推進するとともに、国連海洋法条約に基づき、海底等における天然資源に関し主権的権利を有する大陸棚の限界を延長するための調査を推進してまいります。
以上、国民の皆様方の期待と信頼にこたえられるよう諸課題に取り組んでまいります。委員長、理事、委員各位の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
特に、今国会には合計十八法案の提出を予定しております。道路関係四公団民営化関連法案を始め、各法案とも国土交通行政の推進に不可欠であり、円滑な法案審議が行われますよう、格段の御配慮をお願い申し上げ、所信に代えさせていただきます。
ありがとうございました。
#19
○委員長(輿石東君) 以上で所信の聴取は終わりました。本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
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#20
○委員長(輿石東君) 次に、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。岩城光英君。#21
○岩城光英君 去る一月十四日、十五日の二日間にわたり、山梨県及び静岡県を訪れ、国土の整備、交通政策の推進等に関して実情を調査してまいりました。派遣委員は、輿石委員長、鈴木理事、池口理事、大江理事、森本理事、藤野委員、田名部委員、藤井委員、そして私、岩城の九名であります。
以下、調査の概略を御報告いたします。
まず、初日の山梨県における調査ですが、初めに超電導磁気浮上式鉄道の技術開発を行っている山梨実験センター及び隣接している山梨県立リニア見学センターを視察いたしました。
山梨リニア実験線におきましては、昨年十二月、有人走行で時速五百八十一キロの世界最速記録を達成しております。今後は、超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会の評価結果を踏まえ、営業線としての実用化に向け、信頼性、耐久性、コスト低減技術等を軸に、輸送システムとしての総合的な完成度を高めていくこととしております。
次に、勝沼町営ぶどうの丘に参りました。ブドウ畑が広がる丘陵地帯の小高い丘の上にある同施設は、宿泊機能も備えた町を代表する総合観光施設であります。
我が国の代表的な産地である勝沼のブドウとワインを極めて有効に利用して、年間約四十万人近くの観光客の来訪による地域経済の活性化が図られているとのことでありました。
その後、山梨県庁を訪問し、山梨県土木行政の概要及び山梨リニア実験線の現状と課題について説明を聴取し、中部横断自動車道等の建設促進、山梨リニア実験線の早期全線建設、観光行政に対する国の支援の充実につき要望を受けるとともに、派遣委員と山本知事との間で、三位一体改革による補助金カットが同県の行財政に及ぼす影響及び観光振興策等に関して意見交換を行いました。
次に、昭和町に至り、平成十四年三月に竣工した町立常永小学校を訪問いたしました。同校は、使用されていた小学校施設が耐力度簡易調査の結果、危険建物と診断されたことから、新設されたものであり、耐震、シックハウス対策等に加え、地域防災の拠点施設としての整備がなされるなど、パイロットモデル事業となっております。
次に、日本列島中央部において太平洋と日本海を結ぶ高速道路である中部横断自動車道の南アルプス市に位置する建設現場を訪問し、施工者である日本道路公団から、道路整備の効果及び新技術、新工法の採用によるコスト縮減への取組などについて説明を聴取した後、車中より工事の進捗状況を視察いたしました。
続きまして、二日目の静岡県における調査について申し上げます。
初めに、県庁において、同県の施策推進の基本的考え方及び概況説明を聴取した後、派遣委員と石川知事との間で、高速道路、空港等の交流基盤の整備による企業立地の促進効果、観光客の誘致、空港建設と残る本来地権者への対応等について意見が交換されました。
次に、静岡空港の建設現場を視察いたしました。
静岡空港は、茶畑が広がる牧之原台地の一画に、面積約百九十ヘクタール、滑走路二千五百メートルの規模を有する第三種空港であります。
同空港は、平成五年に第六次空港整備五か年計画において新規事業として採択され、設置許可の手続を経て、平成十八年度の完成を目途に、空港本体の整備費として約四百九十億円を掛けて建設が進められております。
同空港の特筆すべきポイントは、複数の高速道路インターチェンジと至近距離にあり、おおむね十分ないし二十分程度の所要時間で空港にアクセスできる利便性を有していることであります。なお、同空港の真下を東海道新幹線が通過していることから、静岡県としては、新幹線新駅の設置を要望しております。
次に、第二東海自動車道、いわゆる第二東名高速道路の大井川橋建設現場を視察いたしました。
第二東名は、現在の東名高速道路における混雑を解消し、利用者サービスの向上を図るとともに、地震、災害、重大事故時の代替路として、現東名との機能分担などを目的に建設されております。
河川部の橋梁の長さが約七百メートルに達する大井川の架橋に当たっては、降雨時に流量が急変し大量の水が流れるのに加え、水流位置や方向が変化しやすい川であるという悪条件を踏まえ、施工性や安全性の面から検討された結果、河川内の作業を最小限にする送り出し架設工法が採用されました。この技術的に難易度の高い工事の施工により、今後の橋梁建設の合理化に向け大きな成果が得られたということでありました。
以上が調査の概略であります。
最後に、私どもの調査に御協力いただきました関係の方々に対し厚く御礼を申し上げまして、報告を終わります。
#22
○委員長(輿石東君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。本日はこれにて散会いたします。
午後零時三十分散会