2004/03/11 第159回国会 参議院
参議院会議録情報 第159回国会 経済産業委員会 第1号
#1
第159回国会 経済産業委員会 第1号平成十六年三月十一日(木曜日)
午後零時十分開会
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委員氏名
委員長 谷川 秀善君
理 事 魚住 汎英君
理 事 加納 時男君
理 事 松田 岩夫君
理 事 広野ただし君
理 事 藤原 正司君
泉 信也君
小林 温君
関谷 勝嗣君
福島啓史郎君
保坂 三蔵君
山下 善彦君
勝木 健司君
直嶋 正行君
平田 健二君
本田 良一君
藁科 滿治君
浜四津敏子君
松 あきら君
緒方 靖夫君
西山登紀子君
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出席者は左のとおり。
委員長 谷川 秀善君
理 事
魚住 汎英君
松田 岩夫君
広野ただし君
藤原 正司君
委 員
泉 信也君
小林 温君
山下 善彦君
勝木 健司君
平田 健二君
藁科 滿治君
浜四津敏子君
松 あきら君
緒方 靖夫君
西山登紀子君
国務大臣
経済産業大臣 中川 昭一君
副大臣
経済産業副大臣 坂本 剛二君
経済産業副大臣 泉 信也君
大臣政務官
経済産業大臣政
務官 江田 康幸君
経済産業大臣政
務官 菅 義偉君
政府特別補佐人
公正取引委員会
委員長 竹島 一彦君
事務局側
常任委員会専門
員 世木 義之君
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本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査
(経済産業行政の基本施策に関する件)
(平成十五年における公正取引委員会の業務の
概略に関する件)
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#2
○委員長(谷川秀善君) ただいまから経済産業委員会を開会をいたします。委員の異動について御報告をいたします。
本委員会の委員は一名欠員となっておりましたが、去る十一月二十七日、藤野公孝君が選任されました。
また、去る十一月二十八日、藤野公孝君が委員を辞任され、その補欠として山下善彦君が選任されました。
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#3
○委員長(谷川秀善君) 国政調査に関する件についてお諮りをいたします。本委員会は、今期国会におきましても、経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(谷川秀善君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。─────────────
#5
○委員長(谷川秀善君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題といたします。経済産業行政の基本施策に関し、中川経済産業大臣から所信を聴取いたします。中川経済産業大臣。
#6
○国務大臣(中川昭一君) 中川昭一でございます。浅学非才でございますが、どうぞ委員の皆様方の御指導よろしくお願いいたします。第百五十九回国会における経済産業委員会の御審議に先立ち、今後の経済産業行政を行うに当たっての私の所信の一端を申し述べます。
我が国経済は、全体として、企業収益の改善や設備投資の回復等明るい動きが見られます。しかし、地域経済や中小企業の景況の改善には遅れも見られます。経済産業大臣として、経済の活性化を図り、日本経済の本格的な回復を実現すべく、全力で取り組んでまいります。
経済を活性化するためには、中小企業や地域産業の活力の回復が不可欠です。中小・中堅企業向けの金融機能の強化や中小企業等を支援する商工会議所・商工会の体制整備に資するため、今国会に中小企業金融公庫法の改正などの関係法案を提出いたしました。
産業活力再生法を活用するとともに、中小企業再生支援協議会の体制を強化し、産業、事業の再生に取り組みます。
また、将来の経済発展を担う若年者の能力の向上と就業の促進を推進してまいります。
技術革新やITの有効活用は、産業競争力を強化する上で極めて重要です。研究開発への支援を強化し、産学官連携を更に推進してまいります。
特許審査の迅速化に向けて、審査体制の整備を図ります。また、出願人による従来技術に関する調査の促進や職務発明規定の見直しなどを内容とする特許法等の改正法案を今国会に提出しました。さらに、知的財産立国の実現に向け、コンテンツ産業の競争力強化に取り組みます。
市場ルールの整備にも着実に取り組んでまいります。消費者保護、投資家保護や国際商取引の適正化などを図るため、特定商取引に関する法律の改正などの関係法案を提出しました。
対外経済政策を国内経済政策と一体として進めてまいります。特に、経済連携の推進は、経済を活性化させるかぎです。メキシコとの間では早期に協定の署名・発効を目指すとともに、経済的関係の深い東アジア地域・各国との交渉を進めます。
WTO新ラウンドについては、新時代にふさわしい通商ルールを創設すべく、合意形成に向けて全力を尽くします。
日本の国益のため、また国際社会の一員としての責務を果たすため、テロの防止・根絶や大量破壊兵器の不拡散に向けた取組に努めてまいります。
エネルギー・環境政策については、二〇三〇年ごろを見通したエネルギー・環境戦略の確立に取り組みます。省エネルギー対策や、水素エネルギー社会の実現を目指した新エネルギー対策、石油・天然ガスの自主開発や備蓄事業を引き続き推進します。また、一層安定的で効率的な電力システムの実現に取り組みます。同時に、経済と環境の両立へ向けて、地球温暖化対策を着実に推進してまいります。
原子力については、昨年十月に強化された規制を確実に執行し、安全確保に万全を期し、地域への説明を通じて、安心の醸成に最大限努力します。
質の高い公的サービスを効率的に提供するため、電子政府を推進し、民間の活力を生かした制度への見直しを図ります。今国会には、公益法人改革、独立行政法人の非公務員型への移行や規制の合理化など行政改革を推進するため、工業標準化法の改正などの関係法案を提出しました。
資源小国の日本にとっては、国際競争に勝ち抜く産業群と、これを支える強靱なすそ野産業を育てることが不可欠です。そのための包括的な戦略として、本年五月を目途に新産業創造戦略を策定します。
以上、私の所信の一端を申し述べました。国民各位の御理解の下、経済産業行政の推進に全力を挙げてまいる所存でございます。委員各位の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
以上でございます。
#7
○委員長(谷川秀善君) 以上で所信の聴取は終了いたしました。この際、経済産業副大臣及び経済産業大臣政務官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。坂本経済産業副大臣。
#8
○副大臣(坂本剛二君) 昨年九月、経済産業副大臣を拝命いたしました坂本剛二でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。中川大臣の指揮の下、泉副大臣、菅、江田両大臣政務官共々、力を合わせまして、今、我が国産業の中核を成す中小企業の活力を回復させ、あるいはまた、産業金融機能の強化等に取り組みまして、経済の活性化を図るなど、経済産業行政の遂行に全力を尽くしてまいる所存でございます。
谷川秀善委員長始め各委員の先生方には、今後ともよろしく御指導、御鞭撻賜りますように、よろしくお願い申し上げます。
ありがとうございました。
#9
○委員長(谷川秀善君) 泉経済産業副大臣。#10
○副大臣(泉信也君) 昨年九月に経済産業副大臣を拝命いたしました泉信也でございます。どうぞよろしくお願いいたします。坂本副大臣、菅大臣政務官、江田大臣政務官共々、中川大臣を支え、国益という観点を第一に、WTOにおける取組や各国・地域との経済連携を推進するなど、経済産業行政の内外の課題の解決に向けて全力を尽くしてまいります。
谷川委員長始め本委員会委員の各先生に、より一層の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げます。
なお、開会に当たり遅参いたしましたことをおわび申し上げ、ごあいさつとさせていただきます。
ありがとうございました。
#11
○委員長(谷川秀善君) 江田経済産業大臣政務官。#12
○大臣政務官(江田康幸君) 昨年九月に経済産業大臣政務官を拝命いたしました江田康幸でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。中川大臣を補佐いたしまして、坂本副大臣、泉副大臣、そして菅大臣政務官と力を合わせまして、産学官連携の推進等を通じて、イノベーションあふれる経済社会を構築するなど、経済産業行政のより一層の充実に全力を挙げてまいる所存でございます。
谷川委員長を始め本委員会委員各位のより一層の御指導、御鞭撻を心からお願いを申し上げまして、ごあいさつに代えさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
#13
○委員長(谷川秀善君) 菅経済産業大臣政務官。#14
○大臣政務官(菅義偉君) 昨年九月に経済産業大臣政務官に就任をいたしました菅義偉でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。坂本副大臣、泉副大臣、そして江田大臣政務官とともに、中川大臣を支え、この課題山積をする経済産業行政の推進のために全力で頑張りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
また、谷川秀善委員長始め委員会の皆さんには、御指導と御鞭撻を賜りますことをお願いをして、ごあいさつといたします。
#15
○委員長(谷川秀善君) 次に、平成十五年における公正取引委員会の業務の概略につきまして、竹島公正取引委員会委員長から説明を聴取いたします。竹島公正取引委員会委員長。#16
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 平成十五年における公正取引委員会の業務について、その概略を御説明申し上げます。公正取引委員会は、以下に申し述べる施策に重点を置きまして、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、いわゆる独占禁止法等の厳正な執行及び競争政策の積極的な推進に取り組んでまいりました。
重点施策の第一は、迅速かつ実効性のある法運用であります。独占禁止法違反行為に対して引き続き厳正に対処し、価格カルテル事件、入札談合事件、不公正取引事件、知的財産権関連事件、IT関連事件等三十五件について法的措置を取ったほか、東京都が発注する水道メーターの入札談合事件について平成十五年七月に刑事告発を行いました。また、二十三件の価格カルテル・入札談合事件について、延べ五百四十事業者に対して総額約七十億円の課徴金の納付を命じました。
また、入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律が平成十五年一月に施行されたところ、公正取引委員会では、平成十五年一月、建設工事に係る入札談合事件について、同法の規定に基づき、発注者に対し改善措置要求を行いました。
さらに、合併等の企業結合事案につきましては、事案処理の一層の迅速化及び透明性の向上に努めているところであり、平成十五年におきましても、引き続き事前相談に適切に対応するとともに、詳細審査を行った案件については、その回答内容及び公表内容の一層の充実に努めました。
第二は、競争環境の積極的な創造への取組であります。公正取引委員会においては、市場における公正かつ自由な競争が確保されるよう、規制制度等について様々な調査、提言を行ってきております。
平成十五年におきましては、公共調達における一層競争的な環境の実現と入札談合の効果的な防止を図る観点から、公共調達の入札・契約制度等に関する課題を抽出し、改善のための方策について検討を行い、その結果を十一月に公表しました。
第三は、ルールある競争社会の推進であります。市場における公正な競争を確保するため、中小事業者に不当な不利益を及ぼす不当廉売、優越的地位の濫用等の不公正な取引方法や、下請代金支払遅延等防止法及び不当景品類及び不当表示防止法に違反する行為に対し、迅速かつ厳正に対処いたしました。
このうち、下請代金支払遅延等防止法、いわゆる下請法に関する業務については、下請代金の減額、製品の受領拒否等の違反行為に対処し、十件の勧告を行ったほか、千三百六十八件の警告を行いました。また、サービス産業の発展等にかんがみ、プログラムの作成等役務の委託取引を対象として追加すること等を内容とする下請法の一部改正法が昨年の通常国会において成立したことを踏まえ、法運用体制の整備を図るとともに、改正法の趣旨、内容の周知に努めております。
また、不当景品類及び不当表示防止法、いわゆる景品表示法に関する業務については、過大な景品類の提供及び不当表示の排除に努め、二十二件の排除命令を行ったほか、四百三十九件の警告を行いました。また、不当表示をより効果的に排除するための景品表示法の一部改正法が昨年五月に成立したことを踏まえ、同改正法についてもその周知及び円滑な施行のための取組を行いました。
さらに、本年四月一日からの消費税の総額表示化に向けて、発生し得る優越的地位の濫用行為等について、独占禁止法等の考え方を公表してその未然防止に努めているところであり、実態調査等を踏まえて、問題となる行為に対しては厳正に対処してまいります。
第四は、独占禁止法の措置体系等の見直しであります。独占禁止法の執行力・抑止力を強化する等の観点から、課徴金制度の見直し、犯則調査権限の導入、審判手続の見直し等につき所要の改正を行うべく、昨年十二月に「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律改正の基本的考え方」を公表したところであります。公正取引委員会といたしましては、関係各方面の御意見も踏まえ、独占禁止法の改正法案の取りまとめを行い、速やかに国会に提出いたすよう努めてまいりたいと考えております。
以上、簡単ではありますが、業務の概略について御説明申し上げました。
今後ともどうぞよろしく御指導のほどお願い申し上げます。
#17
○委員長(谷川秀善君) 以上で説明の聴取は終了いたしました。大臣の所信等に対する質疑は後日に譲ることといたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時二十五分散会