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2004/02/27 第159回国会 参議院 参議院会議録情報 第159回国会 決算委員会 第2号
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2004/02/27 第159回国会 参議院

参議院会議録情報 第159回国会 決算委員会 第2号

#1
第159回国会 決算委員会 第2号
平成十六年二月二十七日(金曜日)
   午前十一時四十九分開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月十九日
    辞任         補欠選任
     桜井  新君     後藤 博子君
 二月二十六日
    辞任         補欠選任
     柳田  稔君     若林 秀樹君
     遠山 清彦君     山本 香苗君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         鴻池 祥肇君
    理 事
                岩井 國臣君
                松山 政司君
                三浦 一水君
                川橋 幸子君
                松井 孝治君
                小林美恵子君
    委 員
                大野つや子君
                加治屋義人君
                柏村 武昭君
                後藤 博子君
                常田 享詳君
                中原  爽君
                南野知惠子君
                藤井 基之君
                神本美恵子君
                佐藤 雄平君
                羽田雄一郎君
                広野ただし君
                和田ひろ子君
                若林 秀樹君
                木庭健太郎君
                山本 香苗君
                畑野 君枝君
                又市 征治君
                岩本 荘太君
   国務大臣
       財務大臣     谷垣 禎一君
   副大臣
       財務副大臣    石井 啓一君
        ─────
       会計検査院長   森下 伸昭君
       検査官      西村 正紀君
        ─────
   事務局側
       常任委員会専門
       員        和田  征君
   説明員
       会計検査院事務
       総局次長     白石 博之君
       会計検査院事務
       総局第一局長   石野 秀世君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成十四年度一般会計歳入歳出決算、平成十四
 年度特別会計歳入歳出決算、平成十四年度国税
 収納金整理資金受払計算書、平成十四年度政府
 関係機関決算書(内閣提出)
○平成十四年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (内閣提出)
○平成十四年度国有財産無償貸付状況総計算書(
 内閣提出)
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十六日、柳田稔君及び遠山清彦君が委員を辞任され、その補欠として若林秀樹君及び山本香苗君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(鴻池祥肇君) この際、会計検査院長森下伸昭君及び検査官西村正紀君からそれぞれ発言を求められておりますので、これを許します。会計検査院長森下伸昭君。
#4
○会計検査院長(森下伸昭君) ごあいさつ申し上げます。
 二月二十日付けをもちまして会計検査院長を拝命いたしました森下伸昭でございます。
 近年の財政は、歳出削減の努力にもかかわらず、公債発行残高が累増するなど厳しい状況にございます。また、国民の皆さんの行財政に対する関心も高く、会計検査院に対する期待も増してきております。
 もとより微力ではございますが、会計検査院長の職責を全うすべく、誠心誠意、精一杯努力してまいりたいと存じます。
 また、国会との連携につきましても、より一層連携を深め、そして決算検査報告の早期提出について努力してまいる所存でございますので、どうかよろしく御指導、御鞭撻のほど、お願い申し上げます。どうもありがとうございました。(拍手)
#5
○委員長(鴻池祥肇君) 次に、検査官西村正紀君。
#6
○検査官(西村正紀君) 二月十七日付けをもちまして検査官を拝命いたしました西村でございます。
 微力ではございますけれども、検査官の職責を最善の努力で果たしてまいりたいと思っております。皆様方の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#7
○委員長(鴻池祥肇君) 平成十四年度決算外二件を議題といたします。
 まず、平成十四年度決算、すなわち一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につきまして、財務大臣から概要説明を聴取いたします。谷垣財務大臣。
#8
○国務大臣(谷垣禎一君) 平成十四年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書を会計検査院の検査報告とともに国会に提出し、また、平成十四年度の国の債権の現在額並びに物品の増減及び現在額につきましても国会に報告いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。
 まず、平成十四年度の一般会計の決算につきましては、歳入の決算額は八十七兆二千八百九十億円余、歳出の決算額は八十三兆六千七百四十二億円余であり、差引き三兆六千百四十七億円余の剰余を生じました。
 この剰余金は、財政法第四十一条の規定により、既に平成十五年度の一般会計の歳入に繰り入れております。なお、平成十四年度における財政法第六条の純剰余金は三千八百七十四億円余となります。
 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額八十三兆六千八百八十九億円余に比べて三兆六千億円余の増加となります。この増加額には、前年度剰余金受入れが予算額に比べて増加した額二兆九百八億円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、歳入の純増加額は一兆五千九十一億円余となります。
 一方、歳出につきましては、予算額八十三兆六千八百八十九億円余に、平成十三年度からの繰越額四兆千五百五十一億円余を加えました歳出予算現額八十七兆八千四百四十一億円余に対し、支出済歳出額は八十三兆六千七百四十二億円余であり、その差額は四兆千六百九十八億円余となります。このうち、平成十五年度への繰越額は三兆二千二百七十三億円余であり、不用額は九千四百二十五億円余となっております。
 なお、歳出のうち、予備費につきましては、その予算額は二千億円であり、その使用額は三百五十八億円余であります。
 次に、平成十四年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は三十七であり、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算のとおりでございます。
 なお、歳入歳出決算に添付されている国の債務に関する計算書による債務額につきましては、平成十四年度末における債務額は七百三十九兆七百十七億円余であります。このうち、公債につきましては、平成十四年度末における債務額は五百四兆三千四百八十七億円余であります。
 次に、平成十四年度における国税収納金整理資金の受入れ及び支払につきましては、同資金への収納済額は五十三兆三千四百二十五億円余であり、一般会計の歳入への組入額等は五十二兆六千四百七十八億円余でありまして、差引き六千九百四十七億円余が平成十四年度末の資金残額となります。
 次に、平成十四年度の政府関係機関の決算でありますが、その内容につきましては、それぞれの決算書のとおりでございます。
 次に、国の債権の現在額につきましては、平成十四年度末における国の債権の総額は三百四十五兆九千九百九十億円余であります。
 その内容の詳細につきましては、平成十四年度国の債権の現在額総報告のとおりでございます。
 次に、物品の増減及び現在額につきましては、平成十四年度末における物品の総額は十三兆九千百十三億円余であります。
 その内容の詳細につきましては、平成十四年度物品増減及び現在額総報告のとおりでございます。
 以上が、平成十四年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書等の概要であります。
 なお、平成十四年度の予算の執行につきましては、予算の効率的な使用や経理の適正な運営に努めてきたところでありますが、なお会計検査院から、二百七十二件の不当事項等について指摘を受けましたことは、誠に遺憾であります。
 今後とも、予算の執行に当たっては一層配慮をいたし、その適正な処理に努めてまいる所存であります。
 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
#9
○委員長(鴻池祥肇君) 次に、平成十四年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに平成十四年度国有財産無償貸付状況総計算書につきまして、財務大臣から概要説明を聴取いたします。谷垣財務大臣。
#10
○国務大臣(谷垣禎一君) 平成十四年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに平成十四年度国有財産無償貸付状況総計算書を、会計検査院の検査報告とともに国会に報告いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。
 まず、平成十四年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要について御説明いたします。
 平成十四年度中に増加しました国有財産の総額は四兆四千十三億円余であり、また同年度中に減少しました国有財産の総額は二兆五千七百十九億円余でありまして、差引き一兆八千二百九十四億円余の純増加となっております。これを平成十三年度末現在額百九兆九百四十四億円余に加算いたしますと百十兆九千二百三十九億円余となり、これが国有財産法に基づく平成十四年度末現在額であります。
 以上が平成十四年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要であります。
 次に、平成十四年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要について御説明いたします。
 平成十四年度中に増加しました無償貸付財産の総額は千五百九十一億円余であり、また、同年度中に減少しました無償貸付財産の総額は千五百七十六億円余でありまして、差引き十五億円余の純増加となっております。これを平成十三年度末現在額一兆五百六十億円余に加算いたしますと一兆五百七十五億円余となり、これが平成十四年度末現在において国有財産法に基づき無償貸付けをしている国有財産の総額であります。
 以上が平成十四年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要であります。
 なお、これらの国有財産の各総計算書には、それぞれ説明書を添付しております。
 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
#11
○委員長(鴻池祥肇君) 次に、平成十四年度決算検査報告並びに平成十四年度国有財産検査報告につきまして、会計検査院長から概要説明を聴取いたします。森下会計検査院長。
#12
○会計検査院長(森下伸昭君) 平成十四年度決算検査報告につきまして、その概要を御説明いたします。
 会計検査院は、平成十五年九月二十六日、内閣から平成十四年度歳入歳出決算の送付を受け、その検査を終えて、平成十四年度決算検査報告とともに、平成十五年十一月二十八日、内閣に回付いたしました。
 平成十四年度の一般会計決算額は、歳入八十七兆二千八百九十億二千百六十四万余円、歳出八十三兆六千七百四十二億八千九百九十二万余円、各特別会計の決算額の合計額は、歳入三百九十九兆七千四百五十六億三千六百三十七万余円、歳出三百七十三兆八千九百七十七億二千三百七十一万余円でありまして、会計検査院ではこれらの決算額を確認いたしました。
 また、国税収納金整理資金は、収納済額五十三兆三千四百二十五億六千五百十四万余円、歳入組入額四十四兆八千百六十二億八千二百八十四万余円でありまして、会計検査院ではこれらの受け払い額を検査完了いたしました。
 政府関係機関の平成十四年度の決算額の総計は、収入五兆八千六百三十八億四千四百十一万余円、支出五兆九千九百六十九億五千七十九万余円でありまして、会計検査院ではこれらの決算額を検査完了いたしました。
 平成十四年度の歳入、歳出等に関し、会計検査院は、国、政府関係機関、国の出資団体等の検査対象機関について、書面検査として計算書二十万余冊及び証拠書類七千九百九十九万余枚について、また、実地検査として検査対象機関の官署、事務所等三万四千八百余か所のうち三千三百余か所について検査を実施いたしました。そして、検査の進行に伴い、関係者に対して八百余事項の質問を発しております。
 検査の結果、検査報告に掲記した不当事項等について、その概要を御説明いたします。
 まず、不当事項について御説明いたします。
 不当事項は、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項でありまして、検査報告に掲記いたしましたものは、合計二百七十二件、百八十八億二千九百十二万余円であります。
 このうち、収入に関するものは、七件、六十二億三千四百三万余円でありまして、その内訳は、租税の徴収が適正でなかったものが三件、十三億千五百四十四万余円、保険料の徴収が適正でなかったものが二件、四十九億千三百九十一万余円、職員の不正行為による損害が生じたものが二件、四百六十七万余円。
 また、支出に関するものは、二百二十六件、百十二億六千九百八十三万余円でありまして、その内訳は、会計経理が適正を欠いていたものが六件、六十九億六百八十万余円、委託費の支払額が過大となっていたものが二件、九千五百八十八万余円、保険給付金の支給が適正でなかったものが三件、四億七千三百三十二万余円、医療費の支払が適切でなかったものが二件、十五億四千四百五十七万余円、補助事業の実施及び経理が適切でなかったものが二百九件、二十億六千九百三十八万余円、職員の不正行為による損害が生じたものが一件、六千九十六万余円、その他、介護給付費の支払が適切でなかったものなどが三件、一億千八百八十九万余円であります。
 以上の収入、支出に関するもののほか、職員の不正行為による損害が生じたものが三十九件、十三億二千五百二十五万余円あります。
 次に、意見を表示し又は処置を要求した事項について御説明いたします。
 平成十五年中におきまして、会計検査院法第三十四条又は第三十六条の規定により意見を表示し又は処置を要求いたしましたものは五件であります。
 その内訳は、厚生労働省の診療報酬における基本診療料等の届出の受理に関するもの、農林水産省の一般国道の道路敷となっている国有林野の取扱いに関するもの、卸売市場施設整備事業の実施に関するもの、日本育英会の育英奨学事業における延滞債権の評価及び回収施策の策定に関するもの、理化学研究所の物品の管理に関するものであります。
 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。
 これは、検査の過程におきまして、会計検査院法第三十四条又は第三十六条の規定により意見を表示し又は処置を要求すべく質問を発するなどして検討しておりましたところ、当局において、本院の指摘を契機として改善の処置を取ったものでありまして、検査報告に掲記いたしましたものは三十八件であります。
 その内訳は、裁判所の電話等の利用契約における割引制度の適用に関するもの、内閣府(内閣府本府)の改修工事に伴う建物等の国有財産台帳への価格登録に関するもの、内閣府(防衛庁)のデータの入力等に使用する入出力装置の借り上げに関するもの、総務省の消防防災等施設整備費補助事業で整備する防火水槽に係る補助金の基準額の算定に関するものなど三件、法務省の通信ネットワーク等の通信回線に係る通信料の割引制度の適用に関するものなど二件、財務省の信用保証基金による保証事業の債権管理等に関するもの、文部科学省の社会参加促進費補助金により整備されたパソコンの管理及び活用に関するものなど三件、厚生労働省の調剤報酬における調剤基本料の請求に関するもの、農林水産省の農業構造改善事業等により設置した農畜産物処理加工施設等に関するものなど五件、国土交通省の自動車整備近代化資金による債務保証等に係る貸付けに関するものなど二件、環境省の廃棄物処理施設整備費国庫補助金の交付額に係る事務費の算出方法に関するものなど二件、日本道路公団の通行料金別納制度による通行料金の割引に関するものなど、国の出資団体等に係るもの十六件であります。
 次に、特に掲記を要すると認めた事項について御説明いたします。
 これは、事業効果又は事業運営等の見地から問題を提起して事態の進展を図るために掲記しているものでありまして、検査報告に掲記いたしましたものは、アメリカ合衆国政府の有償援助による装備品等の調達に関するもの、地籍調査事業の実施に関するもの、公営住宅における収入超過者、高額所得者等に対する措置の実施に関するもの、港湾における大規模地震対策施設の整備及び管理に関するものの四件であります。
 最後に、特定検査対象に関する検査状況について御説明いたします。
 これは、本院の検査業務のうち特定の検査対象に関する検査の状況について記述したものでありまして、検査報告に掲記いたしましたものは十八件であります。
 その内訳は、政府開発援助に関するもの、無償資金協力のうち一般プロジェクト無償及び水産無償における施設の建設、資機材の調達等の手続及び契約状況に関するもの、租税特別措置法(法人税関係)の実施状況に関するもの、社会保険庁が設置した厚生年金老人ホーム等及び政府管掌健康保険保養所等の事業運営の現況に関するもの、国営諫早湾干拓事業の実施に関するもの、公共工事の品質を確保するための監督・検査体制等の整備状況に関するもの、石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計石油及びエネルギー需給構造高度化勘定の決算状況に関するもの、農林漁業金融公庫の融資及び財務の状況に関するもの、中小企業信用保険事業における収支状況に関するもの、新事業の創出、育成に係る金融支援施策の実施状況に関するもの、中堅企業等に対する金融環境対応融資制度の実施状況に関するもの、高速道路等における有料道路自動料金収受システムの利用状況に関するもの、石油等の探鉱投融資等事業に関するもの、特定住宅金融専門会社に係る譲受け債権等の回収業務の実施状況に関するもの、北海道、四国及び九州各旅客鉄道株式会社の経営状況に関するもの、日本貨物鉄道株式会社の経営状況に関するもの、国の情報システムの調達に関する契約と行政の情報化の推進体制に関するもの、地方公共団体に対する財政資金の流れに関するものであります。
 以上をもって概要の説明を終わります。
 会計検査院といたしましては、機会あるごとに関係各省庁などに対して、適正な会計経理の執行について努力を求めてまいりましたが、なお、ただいま申し述べましたような事例がありますので、関係各省庁などにおいて更に特段の努力を払うよう望んでいる次第であります。
 次に、引き続きまして、平成十四年度国有財産検査報告につきまして、その概要を御説明いたします。
 会計検査院は、平成十五年九月二十六日、内閣から平成十四年度国有財産増減及び現在額総計算書及び平成十四年度国有財産無償貸付状況総計算書の送付を受け、その検査を終えて、平成十四年度国有財産検査報告とともに、平成十五年十一月二十八日、内閣に回付いたしました。
 平成十三年度末の国有財産現在額は、百九兆九百四十四億九千十八万余円でありましたが、十四年度中の増が四兆四千十三億九千三百二十三万余円、同年度中の減が二兆五千七百十九億七千八百四万余円ありましたので、十四年度末の現在額は百十兆九千二百三十九億五百三十七万余円になっております。
 また、国有財産の無償貸付状況につきましては、十三年度末には、一兆五百六十億七千七百六十六万余円でありましたが、十四年度中の増が千五百九十一億八千五百九十七万余円、同年度中の減が千五百七十六億八千四百三万余円ありましたので、十四年度末の無償貸付財産の総額は一兆五百七十五億七千九百六十万余円になっております。
 検査の結果、平成十四年度国有財産増減及び現在額総計算書及び平成十四年度国有財産無償貸付状況総計算書に掲載されている国有財産の管理及び処分に関しまして、平成十四年度決算検査報告に掲記いたしましたものは四件であります。
 その内訳は、意見を表示し又は処置を要求した事項といたしまして、農林水産省の一般国道の道路敷となっている国有林野の取扱いに関するもの、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項といたしまして、内閣府(内閣府本府)の改修工事に伴う建物等の国有財産台帳への価格登録に関するもの、国土交通省の国が設置した空港内駐車場の運営に関するもの、特定検査対象に関する検査状況といたしまして、厚生労働省の社会保険庁が設置した厚生年金老人ホーム等及び政府管掌健康保険保養所等の事業運営の現況に関するものであります。
 以上をもって概要の説明を終わります。
#13
○委員長(鴻池祥肇君) 以上で平成十四年度決算外二件の概要説明の聴取は終了いたしました。
 平成十四年度決算外二件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 次に、平成十三年度決算における警告決議に対し、その後内閣の取った措置について財務大臣から説明を聴取いたします。谷垣財務大臣。
#14
○国務大臣(谷垣禎一君) 平成十三年度決算に関する参議院の議決について講じました措置について御説明申し上げます。
 毎年度の税収見積りにつきましては、その時点で判明している課税実績や政府経済見通しに係る諸指標等を基礎に、個別税目ごとに最大限の努力を傾注しているところであります。
 十六年度予算につきましては、税収見積りの精度向上に資するため、例えば、大法人に対する聞き取り調査につき、対象法人の追加や調査項目の見直しを行ったほか、民間調査機関からのヒアリングにつき、その対象を追加するなど鋭意工夫を重ねてきたところであります。
 また、平成十五年七月の経済財政諮問会議において示された十六年度予算の全体像を踏まえ、内閣府から所要の協力を得て見積りを行ったところであります。
 今後とも、様々な視点から創意工夫を加えていくほか、有効な資料の収集に努め、適切な税収見積りを行うべく、より一層努力してまいる所存であります。
 次に、企業による防衛装備品等の過大請求事案につきましては、過大請求による国の損失を回収するための特別調査を実施しているところであり、その結果に基づき返還請求を行うこととしております。
 また、再発防止のため、契約金額の積算の基礎となる工数の妥当性についての専門家への検証委託や工数審査能力取得のための職員研修を実施するなど、企業からの提出資料を技術的な観点から審査する能力を強化するための体制を整備することとしております。そのほか、原価計算の手法等についても、有識者の意見等を踏まえ、改善すべき点につきまして早急に対処してまいる所存でございます。
 次に、政府開発援助につきましては、政府開発援助関係省庁間の連携強化、無償資金協力実施適正会議の設置及び第三者による評価の充実など、選定、実施過程の透明性を確保し、効率的・効果的な実施のための措置を講じたところであります。
 また、様々な開発課題に対し、国民の意見を十分踏まえつつ政府開発援助を効果的に実施するため、我が国開発政策の根幹を成す政府開発援助大綱を十一年ぶりに見直したところであります。
 今後は、この政府開発援助大綱にのっとり政府開発援助のより一層効率的・効果的な実施に努めてまいる所存であります。
 なお、会計検査院の政府開発援助に対する検査につきましては、援助の効果が十分発現し、開発途上国の経済開発、福祉の向上に寄与しているかなどを重点に実施していると承知しております。実地調査につきましては、被援助国の状況を勘案しつつ、可能な限りその対象国や事業数を増加させるなど、より一層の充実を図っているところと聞いております。
 次に、国際機関等の適切な事業運営の確保及び拠出金等の効率的使用等につきましては、国際機関等との協議を密にし、その活動状況、意思決定の在り方を十分把握し、拠出金等の支出の必要性を精査してきているところであります。
 また、国際機関等の事業年度終了後の適切な時期に、利子を含めた残額を正確に把握し、実施が滞っている事業、各種の要因により実施が困難な事業については、原因究明及び見直しを行い、拠出金等の適時適正な支出に努めてきているところであります。
 さらに、国際機関等における予算管理、チェック体制を含む事業運営全般を把握し、必要に応じて国際機関等にその是正を要請してきているところであります。
 今後とも、国際機関等の事業運営の在り方及び拠出金等の執行状況につきまして、十分に把握、検討し、適時適正な支出に努めてまいる所存であります。
 また、国有財産である土地等の貸付料の改定等における債権管理事務につきましては、速やかに債権額の請求手続を行うなど、最大限回収の努力を行っているところであります。
 また、貸付料の改定等に当たり、速やかに貸付料改定通知等を行うことを徹底するとともに、改定通知等から債権額を請求するまでの事務処理期間を設定することにより、債権管理事務の適正化を図ったところであります。
 今後とも、国有財産の管理の重要性を十分に認識し、国の債権の適正な管理に万全を期す所存であります。
 次に、一部大学等における研究費の不正な使用につきましては、その再発を防止するため、国立大学等に対して、臨時の内部監査及び教職員に対する研修等を実施するよう指導したところであります。
 さらに、競争的資金による研究費の不正な使用に対しては、再発防止に関する取組をより一層強化する観点から、科学研究費補助金、科学技術振興調整費等の研究費を不正に使用した研究者については、一定期間、その交付対象から除外することとしたところであります。
 今後、研究費使用につきまして必要な制度改善を一層進めるとともに、綱紀粛正、内部監査等の強化等の指導の徹底を図り、再発防止に万全を期する所存であります。
 次に、雇用・能力開発機構における勤労者福祉施設の処理に当たりましては、施設本来の趣旨が損なわれることのないよう、譲渡協議先に対して働き掛けを行うとともに、売却価格の算定等についても情報開示に努めてきたところであります。
 今後とも、施設本来の趣旨が損なわれることのないよう、配慮するとともに、十分な情報開示に努めてまいる所存であります。
 次に、夕張シューパロダム建設事業に伴う移転補償に係る事務処理につきましては、移転補償に係る業務成果の検収体制を強化するとともに、補償契約履行についての確認方法を改善したところであります。
 また、公共事業の実施に伴う移転補償に係る事務の適正化に万全を期すとともに、補償額の算定に関する処理要領等を整備したところであります。
 今後とも、透明かつ公正な移転補償の実施に努めてまいる所存であります。
 以上が、平成十三年度決算に関する参議院の議決について講じました措置であります。
 政府は、従来から、決算に関する国会の審議議決、会計検査院の指摘等にかんがみ、国費の効率的使用、事務事業の運営の適正化、不当経理の発生の防止等について特に留意してまいったところでありますが、今後とも一層の努力を続けてまいる所存であります。
#15
○委員長(鴻池祥肇君) 以上で説明の聴取は終了いたしました。
    ─────────────
#16
○委員長(鴻池祥肇君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十四年度決算外二件の審査並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求め、その説明を聴取することとし、この手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○委員長(鴻池祥肇君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#18
○委員長(鴻池祥肇君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十四年度決算外二件の審査並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のため、必要に応じ政府関係機関等の役職員を参考人として出席を求めることとし、日時及び人選等につきましては、これをあらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○委員長(鴻池祥肇君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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