2004/05/10 第159回国会 参議院
参議院会議録情報 第159回国会 決算委員会 第11号
#1
第159回国会 決算委員会 第11号平成十六年五月十日(月曜日)
午後一時四分開会
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委員の異動
四月二十六日
辞任 補欠選任
高橋 千秋君 佐藤 雄平君
宮本 岳志君 小林美恵子君
四月二十七日
辞任 補欠選任
池口 修次君 柳田 稔君
四月三十日
辞任 補欠選任
畑野 君枝君 宮本 岳志君
五月六日
辞任 補欠選任
宮本 岳志君 畑野 君枝君
五月七日
辞任 補欠選任
柳田 稔君 大塚 耕平君
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出席者は左のとおり。
委員長 鴻池 祥肇君
理 事
岩井 國臣君
松山 政司君
三浦 一水君
川橋 幸子君
松井 孝治君
小林美恵子君
委 員
大野つや子君
加治屋義人君
柏村 武昭君
後藤 博子君
常田 享詳君
中原 爽君
南野知惠子君
藤井 基之君
大塚 耕平君
神本美恵子君
佐藤 雄平君
齋藤 勁君
羽田雄一郎君
広野ただし君
和田ひろ子君
木庭健太郎君
遠山 清彦君
畑野 君枝君
又市 征治君
岩本 荘太君
国務大臣
財務大臣 谷垣 禎一君
副大臣
財務副大臣 石井 啓一君
大臣政務官
財務大臣政務官 山下 英利君
事務局側
常任委員会専門
員 和田 征君
政府参考人
財務省主計局次
長 佐々木豊成君
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本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○平成十四年度一般会計歳入歳出決算、平成十四
年度特別会計歳入歳出決算、平成十四年度国税
収納金整理資金受払計算書、平成十四年度政府
関係機関決算書(内閣提出)
○平成十四年度国有財産増減及び現在額総計算書
(内閣提出)
○平成十四年度国有財産無償貸付状況総計算書(
内閣提出)
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#2
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまから決算委員会を開会いたします。委員の異動について御報告いたします。
本日までに、高橋千秋君、宮本岳志君及び池口修次君が委員を辞任され、補欠として佐藤雄平君、小林美恵子君及び大塚耕平君が選任されました。
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#3
○委員長(鴻池祥肇君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(鴻池祥肇君) 御異議ないと認めます。それでは、理事に小林美恵子君を指名いたします。
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#5
○委員長(鴻池祥肇君) 平成十四年度決算外二件を議題といたします。本日は、まず特別会計等公会計の改革について質疑を三時間行います。その後、引き続いて委員間の自由討議を二時間行います。
それでは、特別会計等公会計の改革について質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○三浦一水君 自民党の三浦一水でございます。特別会計の見直しについてお尋ねをしてまいりたいというふうに思います。
まず、財務大臣にお尋ねしたいと思いますが、特別会計の抜本的改革の必要性についてであります。
我が国の財政は、申すまでもなく、一般会計の公債残高が四百八十三兆円に十六年度で達する見込みだというふうに聞いております。これはもうかつてない深刻な状況であると私としても認識をいたします。今後も、年金制度改革あるいはプライマリーバランスの黒字化など、国民的な合意が必要な改革が続くわけでありますし、そういう意味におきましては、財政構造改革に国民の理解を得るためにも、歳入、歳出両面にわたる見直しが必要であると考えます。とりわけ、十六年度当初予算ベースで歳出総額が三百八十七兆円、重複を除いた純計でも二百七兆円に特別会計は達するわけでありまして、一般会計を大きく上回るこの特別会計につきましても抜本的見直しが待ったなしの状態にあると認識をいたしております。
特別会計の抜本的改革について、まずは財務大臣の御認識、御決意を賜りたいと思います。
#7
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、三浦委員がおっしゃいましたように、我が国の財政状況は極めて厳しいものがございますし、中長期的に考えた場合、我が国の課題はいろいろありますけれども、その最たるものの一つが財政の持続可能性をどうやってもう一回確立していくかということではないかと思います。そのためには、委員が御指摘になりましたように、一般会計よりもはるかに大きい、大きな、特別会計を合計するとあるわけでございますから、一般会計だけではなく、特別会計も含めて徹底した歳出の合理化、適正化、財政構造の改革というものをやっていかないと、財政の持続性という課題が達成できないというふうに私は考えております。そこで、特会につきましては、昨年、財政制度等審議会ですべての特別会計を対象として総ざらい的な見直しをやっていただきました。ちょうど十一月に答申をいただいたわけですが、見直しに関する基本的な考え方と五十項目を上回る具体的な方策をそこでお示しいただきまして、財務省としてはこうした提言に沿って平成十六年度予算についていろいろ見直しを行いました。
引き続き、国全体の歳出の合理化あるいは効率化といった観点から、十六年度に終わることなく徹底した取組をしていかなければいけないと、こう考えております。
#8
○三浦一水君 次に、引き続いて特別会計の歳出規模について財務大臣にお尋ねをしたいと思います。特別会計を見る上でまず驚かされますのはその歳出規模であります。果たして一般会計のこの、先ほども申しました数字は五倍近く歳出規模があるわけでございまして、一体これが本当に必要なのかという疑問は率直に感じるわけであります。財務大臣は、現在の特別会計歳出の規模を適切とお考えでしょうか。もしそれが不適切ということであるならば、どの程度が大臣としては適切であるとお考えになるのか、率直にお聞かせをいただきたいと思います。
#9
○国務大臣(谷垣禎一君) 特会の歳出総額は三百八十七・四兆円ということになっておりますが、いろいろ重複等がございますので、純計額は先ほど御指摘がありましたように二百七・四兆円ということになるわけでありまして、その中身は、内訳を見ますと、もういろんなものがございます、いろんな性格のものがございます。したがいまして、どのくらいの規模が適当かというのを単純に合計額だけで論ずることは私は必ずしも適当ではないと思っております。まず、個々の特別会計の必要性、そういったものを徹底的に見直していって、各特別会計の性格も十分に踏まえた議論をしていくことが必要だろうと、こういうふうに思っております。そこで、なお、特別会計の十六年度の歳出総額というのは三百八十七・四兆円で、十五年度の三百六十九・三兆円と比べまして約十八兆増加した姿になっているわけですが、その要因としては、国債整理基金特会における借換債の債務償還費が増えまして、これが九・五兆円、それから財政投融資資金特別会計における財政融資資金への繰入れの増、十一・三兆円といったものがあるわけでありますけれども、十七年度もその各特会の特質、性質、性格をよく見ながら、どこまで必要なのかということを、徹底的な切り込みを行っていきたいと考えております。
#10
○三浦一水君 その点は是非よろしくお願いを申し上げたいと思います。金額的に規模を言うのは適切かというお話がありましたが、少なくとも今の現状が決して適切なものではないという認識は、やはり大臣としてもお持ちになるべきではないかというふうに思っております。是非積極的な取組をいただきたいと思います。
塩川前財務大臣がユニークな発言をされております。それは、歳出規模の巨大さのみならず特別会計全体が非常に問題視されているのは、特別会計が各省の財布として使われているのではないか、不必要な支出が行われているという批判が絶えないことを背景としたものではないかというふうに思っております。前大臣は、母屋ではおかゆを食って辛抱しようとけちけち節約しておるのに、離れ座敷で、私はあえて子供という例えはしませんが、すき焼きを食っておると、子供にたくさん食べさしたい、自分や親よりいいのを食べさしたいというのは日本人の心情でしょうからもう子供の部分は割愛をさしてもらいました、と発言をされております。これは、もう一般的に最近この特別会計を語る上でいつも話されている例えでありますが。
この発言について、谷垣大臣はまず発言そのものにどういう御認識をお持ちになるか、またこの発言が出てくる背景につきましては同じくどういう御認識をお持ちか、お尋ねをさしていただきたいと思います。
#11
○国務大臣(谷垣禎一君) いかにも塩川前大臣らしい分かりやすい例えでございまして、私自身も特会の議論になりますときはいつもこの塩川大臣の御表現を使わしていただいているわけなんですが、こういう塩川さんの御発言が出てきます背景には、やはり特会によって違いますけれども、何というんでしょうか、固有の財源があるがゆえに、本来不必要なものまで財源を使ってやろうというような無駄な利用といいますか、無駄な支出というものがあるんじゃないかということは従来からも国会で議論されてまいりましたし、それから今各省の財布という表現を使われましたけれども、それぞれのその執行の面の実態がなかなか分かりにくくて、まあ時とすると不透明な印象を与えていたと、そういう議論も、御指摘も今まであったところでございますので、そういったいろんな御議論を踏まえますと、塩川大臣のような離れですき焼きと、こういうことになったのではないかと考えております。この塩川大臣の問題意識を私も引き継いで、去年の財政審等の答申の精神を私も体して頑張りたいと、こう思っておるところでございます。
#12
○三浦一水君 まあこの問題は役所側だけで取組をいただくべき問題か、やはり国会側の議論ということも、我々の、参考人の御意見からも過去に聞かれておったような記憶があります。今日こういう形で特別会計につきまして決算委員会で集中的な審議が行えるというのも、国会としての一つの新しい取組の一つであろうと自己評価をするところであります。是非これは、両輪相まって取り組む必要があるんだろうと認識を示しておきたいというふうに思います。次に、財政法十三条についてお尋ねをしたいと思います。
このような今の特別会計に見ます状態が続いている一つの背景としましては、一般会計からの繰入れが十六年度で四十七兆円に達しているということがあるのではないかと思います。財政法十三条は、特定の資金の保有や特定の歳入がある場合のほかに特定の事業を行う場合に特別会計の設置を認めるとしております。しかし、特別会計への多額の繰入れが一般会計赤字の拡大の大きな原因になっていること、またそのことが特別会計の財政規律の弛緩を招いていることを考え合わせますと、同規定を見直して、もう財源のないものは特別会計の設置存続を認めないぐらいにするような必要が私はあるんではないかと考えます。この点について、財務大臣の御所見を賜りたいと思います。
#13
○副大臣(石井啓一君) 委員御指摘のとおり、財政法第十三条におきまして、特別会計設置の要件の一つとして、国が特定の事業を行う場合が位置付けられておりますけれども、これは事業の性格によりまして、一般会計と区分して経理することによりまして事業ごとの収支の状況を明らかにする、またそれによりまして適正な受益者負担、事業収入の確保、また歳出削減努力を促すことができると、こういった考え方によるものでございますから、こういう要件に該当する場合におきましては、固有の財源の有無にかかわらず、一般会計と区分して特別会計を設置することができるというふうにされておるものでございまして、こういった考え方自体、私どもも適正であるというふうに考えております。ただ、私ども財務省としましては、この固有の財源の有無にかかわらず、歳出の合理化、効率化を進めることは非常に重要だと考えておりますので、今後とも特別会計の見直しについては不断の努力をしていきたいというふうに考えております。
#14
○三浦一水君 次に、特別会計の数そのものについてお尋ねをしたいと思います。戦後の特別会計の設置を振り返りますと、昭和二十年度は三十九特会、昭和四十一年、四十二年度の四十五特会をピークとしまして、現在は三十一特会となっているようであります。近年の造幣局、印刷局、郵政三事業の独法化、公社化など、一定の努力の跡は見られると思います。それでもこれだけの数の特別会計が必要なのかということは、先ほどの規模と同様に素朴な疑問を感じます。特別会計を多数設けることによりまして、財政が複雑で分かりにくくなり、予算全体としての透明性、効率性が損なわれている現状を考えますと、特別会計の更なる整理が必要ではないかと思います。
昨年十一月に財政審が公表をいたしました省庁別財務書類の試作についてでは、一般会計の各省庁分と所管する特別会計を合算するとしておりますが、将来的には、この連結をより徹底をし、特別会計を廃止して国全体としての一つの会計として経理すべきではないでしょうか。少なくとも特別会計改革を始めるに当たりましてはそのくらいの意気込みは必要であると考えますが、財務大臣の御所見を賜りたいと思います。
#15
○副大臣(石井啓一君) 今、委員が御指摘されましたとおり、国全体としての財務の透明性の向上を図ると、また行政の説明責任を強化をするといった観点から、各省庁ごとに一般会計とその所管する特別会計を含めた、合算した省庁別の財務書類の作成に向けまして、今、財政制度等審議会において具体的な検討を進めていただいているところでございます。そういった方向性にあることは間違いございません。ただ、先ほどの問いでも申し上げましたように、特別会計自体を設置する必要性というのは一方でございますので、一般会計と区分して特別会計を設ける必要性はあろうかと思います。ただ、委員が御指摘ございましたとおり、特別会計の数が多くなってきますと、これはやはり財政の一覧性を阻害していくと、また予算全体としての効率性が損なわれるというところは、確かにそういった面はございますので、既存の特別会計については不断の見直しが必要であると、その存続性の必要性について、これは今後ともきちんと点検をしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
#16
○三浦一水君 次に、特別会計における繰越し、不用についてお尋ねをしたいと思います。先ほどすき焼きの例で挙げましたが、恒常的に不用であったりあるいは余剰金が発生している特別会計が余りにも多く見られることから、例えば石油特会の石油及びエネルギー需給構造高度化勘定の十四年度決算を見ますと、歳出現額で七千六百十億円に対し、支出済歳出額が四千五百五十億円、翌年度の繰越金が一千二百四十四億円、不用額が千八百十二億円と、極めて高い率で繰越し並びに不用が発生をしております。
このほかにも構造的に多額の繰越し、不用が発生している特別会計はたくさんあるようでございますが、このような特別会計の決算上の問題点についてどのように御認識なさっているか、その原因と、更に改善策をお尋ねをしたいと思います。
#17
○副大臣(石井啓一君) 各特別会計におきまして不用、繰越し等出ておりますけれども、その原因は特別会計の内容によって様々なようでございます。例えば、保険事業の場合は、当初予定していた事故率が低かったために不用額が生じると、こういうこともございますし、あるいは公共事業の特別会計の場合、補正予算等やりますと繰越しが出てまいりますので、そういったことで翌年度の繰越しが生じるということもございます。
ただ、今委員が御指摘がございましたように、恒常的不用額や繰越額が、多額の剰余金が発生していると、こういう特別会計もございますので、これは昨年の十一月の財政制度審議会の提言でも指摘を受けているところでございますが、こういったところにつきましては一般会計からの繰入れの減額あるいは歳出の見直しを図る必要があると、こういうふうに考えております。
具体的に、十六年度予算におきましては、決算における不用の状況等踏まえまして歳出の合理化を図るということを一点させていただいています。それから二点目に、事務費等につきましても合理化、効率化を図ると、こういうふうにさせていただいています。それから三点目に、歳出の合理化を踏まえまして一般会計からの繰入れを減額すると、こういった措置もさせていただいておりまして、今御指摘がございました石油特会につきましても備蓄関係経費の抑制を行うとともに、一般会計からの繰入れを大幅に減額、四百四十五億円の減額をさせていただいたところでございます。
#18
○三浦一水君 次に、予算執行調査についてお尋ねをしたいと思います。今までずさんな執行がまかり通っているとの批判が絶えなかった、これまで述べたとおりでありますが、特別会計であります。塩川大臣のイニシアチブもありまして、最近はようやくチェック体制の強化が始まっております。
財務省は、十五年度の予算執行調査で十八の特別会計、また二十の事業について予算執行調査を行ったと伺っております。調査の概要、十六年度予算への反映額について御説明をいただきたいと思います。
#19
○政府参考人(佐々木豊成君) 予算執行調査につきまして調査の概要と十六年度予算への反映額についてのお尋ねでございますが、予算執行調査は、予算のプラン・ドゥー・シーのシー機能を強化いたしまして予算の効率化を図るという目的で行っておりますが、予算査定の当事者がそれぞれ事業の現場に赴きまして、予算が実際に効果的、効率的に執行されているかどうかを調査いたしまして、その結果を予算編成に反映するというものでございます。十五年度におきまして、五十一事業を対象として実施をいたしまして四百九十二億円を十六年度予算に反映したところでございます。その中で、特別会計につきましては、厚生保険及び国民年金特別会計における福祉施設、労働保険特別会計における公共職業訓練委託事業のうちIT訓練事業、電源開発促進対策及び石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計における住宅用太陽光発電システム、ソーラーパネルですが、その導入促進事業、それから空港整備特会における空港土地・建物等の貸付事業、こういうものにつきまして十八特別会計の二十事業を対象として調査を実施いたしました。合わせて二百三十六億円を十六年度予算に反映したところでございます。
#20
○三浦一水君 十五年度の予算執行調査は、私はあくまで入口であろうかというふうに思っております。先ほど申しましたように、純計で二百兆円を超えるものに対して五千億の今年、予算上の削減幅だということでは、余りにもその改革の実として少ないんではないかというふうに考えております。労働保険、空港整備、石油の各特会を始めとしまして、十六年の予算編成に当たっては、特別会計の見直しの努力は、それはそれとして多といたしたいと思いますが、財務大臣としてはこれでもって十分な見直しができたとお考えでしょうか。十六年度予算における特別会計の見直しについて、大臣の御自身の評価をお伺いしたいと思います。
#21
○国務大臣(谷垣禎一君) 十五年度、昨年答申がいただきましてから、短い期間ではありましたけれども、事務事業の見直し、それから一般会計からの繰入れ等の縮減、こういうようなことに相当力を入れまして、あともう一つやりましたのは、やっぱり相当全体が複雑でありますから、どうやったら分かりやすく見ていただけるかというようなことも相当工夫をいたしたつもりでございます。それには二面ございまして、一つには国民に分かりやすく説明するということと、やはり財政や何かの専門家の目から見ていただいたときに、なるほど、この特会や金の使い方にはこういう問題点があるという、専門家の検討に堪え得るという二つの側面が必要ではないかと私は思うんですが、その両方を相当取り組ましていただきました。しかし、これでおしまいというわけではないのは今委員が御指摘のとおりでございまして、今もその予算執行調査で、十五年度は十八特会、二十事業でございました。十六年度は十四特会、十五事業を、対象を含むこととしまして、特会の事業に焦点を、重点を置いた予算執行調査をしたいということで今取り組んでいるわけでございます。
具体的には、例えば道路整備特会における路上工事の縮減であるとか、それから国営土地改良事業特会における国営土地改良事業、それから食糧管理特別会計における輸入米の管理、それから登記特会における登記情報システム運営費、こういったものを対象として、効率的な予算執行が行われているか、あるいは事業効果が実際に現れているかといった視点から調査を進めて、この執行調査の結果を来年度予算には的確に反映していきたいと、こういうふうに考えております。
#22
○三浦一水君 十六年度の予算執行の調査で重点を置くべきところということは次の質問で聞こうかと思ったんですが、もうお答えをいただきましたので、まあそれはそれといたしたいと思います。ただ、十七年度の予算編成では、特別会計全体をやっぱりどの程度削減していくかという、より踏み込んだ目標は私はやっぱり持っていくべきではないかというふうに思うんです。節減の重点、当然、今お話しになりました十六年度、これからの予算の執行を予算執行調査という形でとらえていくことが一つのベースになるんでしょうが、現時点で十六年の予算に対しましてどのようなお考えをお持ちか、大臣の御所感をいただきたいと思います。
#23
○国務大臣(谷垣禎一君) 済みません、ちょっと……。#24
○三浦一水君 十七年度予算編成に対して、節減の重点をどこに置いていくかということを現時点でどうお考えになるかということです。#25
○国務大臣(谷垣禎一君) 一応、今申し上げたような調査の対象は当然重点を置いて考えていかなければならないわけですが、先ほど申し上げましたように、一つは特別会計の事業に重点を置いた予算執行調査、さっき申し上げたようなところをきちっと調べてそれを予算に反映していくということが一つでございます。それからもう一つは、特別会計に関する分かりやすい説明も努めていかなきゃならないと思っておりますが、結局、この見直しにはそれぞれの特会の特質とか性格というものをよく見なければなりませんので、なかなか数量的な目標というのを現時点において具体的な内容について申し上げられる段階には実はまだございません。
今後、国会、こういう決算委員会等における御論議も十分念頭に置きながら、予算編成過程で具体的な見直し、見通しを付けて見直しに取り組んでいきたいと、こう考えております。
#26
○三浦一水君 最後になりますが、もう一点、特別会計の廃止統合についてお尋ねをしたいと思います。財政審の報告では、特別会計として区分経理を行う必要性の点検として幾つかの提言を行っているようであります。しかし、この中で廃止も含めた検討が明言されているのは現在のところ登記特会のみであると存じております。そのほかにも石油特会と電源特会の統合が示唆されておりますが、全体として私はこの点においても踏み込みが不足ではないかという印象を持っております。
先ほども触れましたが、役割を終えた特別会計の整理統合など、更に踏み込んだ見直しをする必要があると考えますが、先ほど来、大臣のお考えの中ではこれからだということがございますが、これは決意も含めて、最後に大臣の所見を賜りたいと思います。
#27
○国務大臣(谷垣禎一君) 特別会計というのは一体何のためにあるのかという、根本からやっぱり私はもう一度考えていく必要があるんじゃないかと思います。一つは、やはりその事業の内容や性格によって受益と負担の関係とか事業ごとの収支を明確にしていく方が、やっぱり国の財政全体の中で適正な受益者負担を求めたり、あるいは歳出削減努力を促すことができるという面も特会は持っている場合がございます。
他方、たくさんあり過ぎますと、やっぱり全体がなかなか把握できない、財政運営していく上でも、あんまりいろんなことがあって要するに財務大臣自身がなかなか細部まで目配りが届かないと、こういうようなおそれもございますので、既存の特会については、委員のおっしゃったような趣旨で、役割を終えたもの、そういった社会経済情勢の推移を見極めまして、そういったものには厳しく切り込んでいくということが私はなきゃいけないと思っております。
ですから、特別会計の事務事業を廃止すべきものとこの去年の中で位置付けられているものは確かにまだ登記特会だけでございますけれども、これから更にそういった社会情勢の変化で見ながら常に見直していくというこの構えは崩してはいけないと思っております。
#28
○三浦一水君 いずれにしましても、今後、国民の負担ということを将来にわたって考えていくときに、大変大きな議論、負担を増すということも含めて国会としても議論を重ねていかなければならない状況にあるんではないかと思っております。バブルのツケは、それぞれの企業であるならばそれぞれの企業がやっていくのが当然でありますが、行政であるがゆえにそこにバブル的予算の要素が残されるとするならば、これは絶対に許されないことであろうと私は思っております。そういう意味では、理屈をこねれば、特会についても幾らでもそれは必要性という理屈は立つものだと思います。そこをどう財務省として見通していくか、その決意こそが最も大事なんではなかろうかというふうに感じます。
もう一言、最後に大臣のその点での御決意を賜って、私の質問を終わりたいと思います。
#29
○国務大臣(谷垣禎一君) 全く正しい御指摘をいただいていると思います。常にその存続の必要性というのはぎりぎりまで洗い直して議論を煮詰めていくということが必要ではないかと考えております。#30
○三浦一水君 ありがとうございました。#31
○大塚耕平君 民主党の大塚でございます。今日は決算委員会で初めて質問をさせていただきますが、あした財政金融委員会で九十分質問させていただきますので、合わせて百四十分ということで議論をさせていただきたいなと、そう思っております。
当委員会におかれましては特別会計の見直しということを今取り組んでおられるそうでございますが、私もこの昨年の十一月の報告書は拝見をいたしました。
そこで、まず事実関係を確認させていただきたいんですが、平成十六年度予算における一般会計、特別会計の歳出総額、それから両者の重複分を控除した両会計の金額及び国庫歳出の総額について、まず事実関係をお伺いしたいと思います。
#32
○政府参考人(佐々木豊成君) 平成十六年度の予算の歳出総額は、一般会計が八十二兆千百九億円、特別会計が三百八十七兆四千九十七億円でございます。また、両者の重複計上等を控除した純計は、一般会計が三十五兆八百四十一億円、特別会計が二百七兆三千五百十一億円でございまして、一般会計と特別会計合わせた歳出予算純計額は二百四十二兆四千三百五十二億円でございます。#33
○大塚耕平君 今日は運良く御婦人方がたくさん傍聴をしてくださっておられますが、いい機会でございます、国家予算はよく八十兆だ八十兆だというふうに新聞であるいはニュースでやっておりますけれども、違うんですね、八十兆じゃないんです。今、主計局の次長がお答えくださいましたけれども、一般会計は八十二兆、特別会計が三百八十七兆、重複分を除いて二百七兆、国庫歳出の総額ですね。〔委員長退席、理事三浦一水君着席〕
だから、よく日本の国家予算は多過ぎるんではないかという議論をしますと、いやいや、欧米に比べて対GDP比で決して大きくないというふうによくテレビなんかでも与党の議員の皆さんも抗弁されるケースがあるんですが、これは特別会計も含めて見ると、本当は民間経済でお使いいただく資金が何と毎年二百兆円も公的部門に流れている。これが日本の経済がだんだんだんだん弱くなっている最大の理由なんです。そこで、この特別会計の見直しに取り組むというのは、これは大変結構なことだと思いますが、本当にどのぐらい本気で見直す気があるかどうかということがポイントであります。
今日はこんなにたくさんの傍聴者の方がいらっしゃると思いませんでしたので、ちょっと順番を変えて、せっかくですから御報告をさせていただきますと、この後に私は、今、厚生労働省で幾つも不祥事が起きている中の一つ、印刷利権にかかわる不祥事の話をあしたの九十分も合わせて議論をさせていただきたいと思っているんですが、これは特別会計なども通して、今分かっているだけでも六億二千二百四十八万円の国民の皆さんの税金を使って、厚生労働省の予算、これは一般会計と特別会計を合わせてです、その予算を六億二千二百四十八万円使って発注して用もない印刷物とかビデオを作って、そのうち七千三十五万円が厚生労働省の職員の懐に入っているというとんでもない話でありますが、この話をし始めると止まりませんので、もう一つ事実関係を先に確認をさせていただきたいと思いますが、今、一般会計と特別会計の規模の概要についてはお伺いしました。
もう一つお伺いします。
特別会計の現在の数、そのうち規模の大きい三会計、そして規模の小さい三会計をそれぞれお伺いしたいと思います。
#34
○政府参考人(佐々木豊成君) 特別会計の数でございますが、平成十六年度予算におきましては三十一の特別会計が設置されております。このうち、歳出額の大きいものにつきまして大きい順に申し上げますと、国債整理基金特別会計、交付税及び譲与税配付金特別会計、財政融資資金特別会計でございます。これが上位三つでございます。
また、歳出額の小さい方から順に申し上げますと、森林保険特別会計、漁船再保険及漁業共済保険特別会計、自動車検査登録特別会計という順でございます。
#35
○大塚耕平君 この特別会計というものを一般会計以外になぜ設ける必要があるのかというのは、これは大臣も再三ほかの場でも御答弁をされておられますが、それぞれ個別の事業として、あるいは個別の会計としてやる必要があると。最近は、特に社会保険庁の人件費とか経費を皆さんの年金の保険料から賄っているというところの理由として、特別会計で事業を行っている以上、事業の経費はその中から賄うのが当然だという御発言を谷垣大臣はされておられるんですが、例えば今の大きい方、国債整理基金とか交付税とか財政投融資見直しのこの特別会計ですけれども、これは事業ですか。
#36
○政府参考人(佐々木豊成君) 特別会計の性格に応じた分類は幾つも、幾つかの種類がございますけれども、特別会計、三十一特別会計を大きく分類いたしますと、事業特別会計という国が行う事業の収支を明らかにするというものと、資金運用特別会計、国が行う資金運用の収支を明らかにする、この中に財政融資特別会計がございます。その他の特別会計として整理区分特別会計という分類もございまして、この中に交付税、それから国債整理基金というものでございます。〔理事三浦一水君退席、委員長着席〕
財政法で申し上げますと、「国が特定の事業を行う場合」というのが一つ、それから二つ目は「特定の資金を保有してその運用を行う場合」、三番目が「その他特定の歳入を以て特定の歳出に充て一般の歳入歳出と区分して経理する必要がある場合」というふうに書かれておりまして、大まかにそういう分類をいたしますと以上のような分類でございます。
#37
○大塚耕平君 ありがとうございます。傍聴してくださっている皆さん方も今の答弁は分かりやすいと思いますが、特別会計には三種類あると。事業を行っているもの、資金運用を行っているもの、そして資金の管理区分のために設けているもの。確かに最初におっしゃった上の三つというのは資金の管理区分的なものですから、そう言われればなるほどなと思います。
じゃ、小さい方の三つですけれども、自動車保険とか、二番目が、次長、船員保険でしたっけ、船員再保険……。
#38
○政府参考人(佐々木豊成君) 漁船再保険。#39
○大塚耕平君 漁船再保険。それから森林保険ですね。森林については国がやるのも何となく、何となく分かるような気がするんですが、自動車とか漁船再保険とかというのは、これはどうして国が事業としてやる必要があるんですか。#40
○政府参考人(佐々木豊成君) ちょっと先ほど申し上げましたのは、自動車の点につきましては実は保険、自賠責の保険特会でございませんで、自動車の検査登録の特別会計でございまして、自賠責の方は再保険制度を見直して、今、特会制度の見直しが既に実行されていると承知しております。#41
○大塚耕平君 谷垣大臣、私はいつもお世辞で申し上げているわけではなくて、小泉さんの次は谷垣さんか平沼さんだろうなと思って期待を申し上げているわけですので、今までの話なども踏まえて、それは細かい話をお答えになれないのは、それは当然だと思いますけれども、谷垣大臣としては特別会計の何が問題で、今日は一杯有権者の方聞いていますのでお願いしますよ、谷垣大臣は在任中にそのうちの何を改革しようとして今具体的に取り組んでおられるのかをお伺いしたいと思います。#42
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど、塩川大臣の、母屋でおかゆを食べているのに離れですき焼きという発言がございましたけれども、やっぱり特別会計の問題点は、何というんでしょうか、例えばそこに固有の資金を持っていたりする特別会計がありますと、資金があるがゆえに本来必要でない事業もやってしまうというようなことがあると従来指摘されておりまして、実際、予算執行調査をしてみますと、確かにそういった例もあったように思います。それからもう一つは、たくさん、余り多岐に分かれておりますと一目で見渡すことができないものですから、まあ言うなれば透明ではないじゃないかと、そこで何が行われているかなかなか把握、財務省できているのかというような御批判もありました。そういった点をやっぱり改めなければいけないということだと思いますが、他方、先ほどから申しておりますように、それぞれの事業でやはり国民に適切な受益者負担を求めなきゃならないような場合があります。それは、全部一般会計の中にほうり込んでいくと、どれだけ国民にじゃその受益者負担を求めたらいいのかという、受益者に負担を求めたらいいのかということもよく分からなかったり、あるいはその事業の収支というようなものが一般会計の中ではかえって分からなくなるということもございますから、私はやっぱり一つ一つ個別に見ていかないとなかなか結論は出ないんだろうと思います。
そこで、今のところ廃止せよと、将来廃止だということで指摘をいただいて今やっておりますのは登記特会、これからそういうことでやろうと思っておりますが、もう一つどうしてもやらなきゃならないことは、先ほど説明責任ということでもちょっと御答弁をいたしましたけれども、なかなか全体が把握できない、こういうことがございます。
それで、これには二つあると思います。一つは、先ほど大塚委員も説明されましたように、一般会計八十何兆というだけ言われているけれども、実際は重複を除くと一般会計、特別会計で二百四十何兆あるんですよと、それでこうこうなんですよという分かりやすい、国民に国の財政全体の見通しを持っていただくことが必要だろうと思います。そのための工夫をもっともっと詰めなきゃいかぬということが一つございます。
それからもう一つは、やはり分かりやすいというだけではなくて、専門家の目から見て、一体どこに無駄な金が流れて、どういう無駄があるのかということを専門家がやはり全体を見ながら分析をし、改善を考えていく場合の参考になるような、専門家の使用に堪え得るような、やはり何というんでしょうか、説明というものも併せて考えなければならないんだろうと思います。
なかなかこれは従来の公会計と民間の会計の手法も違いますので難しいところがいろいろございますけれども、要するに我々が財政を議論するときに、分かりやすく全体をつかんで議論できるような仕組みをまず作っていかないと全体の改革が進まないという面があろうかと思いますから、これもまた力を入れて取り組まなきゃならないんだろうと思っております。
#43
○大塚耕平君 私が社会人になったのは一九八三年ですが、その当時からもう既に特別会計を分かりやすくしたいという話は教科書にも書いてありましたし、国会の議論でもそういう議論されていたわけですが、今日なお分かりにくいのは、まあ私は社会人になってからこれでちょうど二十一年目ですけれども、まじめにそういうことに取り組まれていなかったという御印象ですか、それとも、まじめに取り組んでいたんだけれどもまあこの程度であったという御評価でしょうか、現時点の財務大臣としての御感触をお伺いしたいと思います。#44
○国務大臣(谷垣禎一君) 大塚委員が社会人になられた二十何年前から展望すると、ちょっと今お答えの材料がないんですが、先日、経済財政諮問会議で全体の国の財政状況の開示といいますか分かりやすい説明がどこまで進んでいるかという議論を私いたしまして、ちょっと今日はそのペーパーを持ってこなかったんですが、相当この数年いろんな形で、何というんでしょうか、そういう情報の開示と申しますか、分かりやすい会計の表示、提示という意味では工夫を積み重ねてきておりまして、この数年かなり私は進んできたというふうに評価をしております。#45
○大塚耕平君 それでは、少し切り口を変えてお伺いしたいんですが、当委員会の議事録を拝見しても、ニュー・パブリック・マネジメントという言葉がよく出てまいります。今、谷垣大臣がおっしゃったのは、全体として特別会計の実態あるいは一般会計を含めた日本の予算の姿がより分かりやすくなるようにしたいという御決意であられまして、それはそれで私も同感ですし、是非どんどん進めていただきたいと思うんですが。その一方で、幾ら分かりやすくしても、予算を、よくプラン・ドゥー・シーという言い方をされますし、この委員会でもそういう言葉がよく使われていますので、そういう視点からお伺いしますが、片仮名で恐縮でございますが、予算を計画してそのとおりに実行されているかどうか、そして最後にそれをチェックするという、大臣は、全体を分かりやすくするということとは別に、今度は予算の執行過程においてプラン・ドゥー・シーのどこが一番問題で、問題だとすればそれをどのようにしようと今大臣自身のお考えとして考えておられるかをちょっとお伺いしたいんですが。
#46
○国務大臣(谷垣禎一君) ニュー・パブリック・マネジメントというんでしょうか、プラン・ドゥー・シー、計画をして実行してそれを後チェックする、こういうことをやはり段階を分けて自覚的にやれという考え方は、私はきちっと取り入れていかなきゃいけないんだろうと思います。しかし、今年もモデル事業とか政策群という形である程度試行するといいますか、試しにやってみているわけですけれども、問題点はやはり幾つかあろうかと思います。こういう考えが出てまいりましたのは、今まで予算を付ける場合に事前にかなり細かく、何というんでしょうか、チェックといいますか、事前に細かく、こうしちゃいかぬ、あるいはこうしろああしろというようなことを言って、大変お金の使い方もそのために効率的でなかったという御指摘がありまして、プランがしっかりしているならば余り細かいところまでいろんなことを言わずに、その代わり事後の検証できちっとしようという思想もこのプラン・ドゥー・シーという中には含まれているんだろうと思います。
そういう議論の結果、予算は一年ごとに作っていますけれども、まあ歯科医者的治療と言うと歯医者さんにしかられますが、ちょっとずつやるようなことでは結局時間も掛かるしコストも掛かるというような公共事業を改めていくためには、やっぱり何年間かの計画を一挙にやる方がいいじゃないかというような御議論もあって、それはそれで取り入れなきゃならないと私も思いますけれども、他方、そのために、今度はじゃ全部事後的なシーだけでいいのかということになりますと、やっぱり単年度主義で作られてきた予算のその合理性というのも私はやはりもう一回考えなきゃならないところがあると思いまして、やはり予算全体の民主的なコントロールといいますか、そういうものとお金の効率的な使い方というものをどう両立させていくかということが非常にこれから詰めて議論をしなきゃいけないところではないかというふうに考えております。
#47
○大塚耕平君 今、単年度主義というお言葉もありましたけれども、ニュー・パブリック・マネジメントというのは、確かに、冒頭もお金があると使っちゃうというお話がありましたけれども、単年度主義で予算が付けられると、年度末になると、これだけ余っているから空出張しちゃうとか、そういうことが過去に、あるいは現在も含めていろいろ起きているわけですが、だからこそニュー・パブリック・マネジメントというのは、そういう今までの単年度主義を改めて例えば複数年度でやろうとか、一年で終わる事業ばかりじゃないですから、もっと言ってみれば弾力的に予算制度を改めていこうという発想がニュー・パブリック・マネジメントのある一つの側面なんですね。それはだから私は反対じゃないんですよ。しかし、政策とか制度には必ずメリットとデメリットがありますから、今度は、弾力的にやれというと、その中に必要以上の裁量が生まれるわけですね、裁量が生まれるわけです。そういうものを放置したまま、ニュー・パブリック・マネジメントだというにしきの御旗の下でもっと予算を弾力的に自由に使ってくださいと言うと何が起きるかというと、例えばこういうことが起きますよというサンプルのために今日はこの選択エージェンシーの話を持ってきたわけでありますが、傍聴されている皆様方には資料がなくて恐縮でございますが、委員の皆様方にはお手元に配らせていただきました。
簡単に概略だけ申し上げます。厚生労働省の予算を元に、例えば国民健康保険中央会、これは国民の皆さんの健康保険の事務をやっているところで一見立派なことをやっているように聞こえますが、そこには厚生労働省の方も一杯天下っているわけでありますが、そういうところとか、それから社会保険庁とか、国立病院特別会計とか、それから社会保険庁の地方事務局とか、関東信越厚生局、こういったところが平成九年度から十五年度にわたって、分かっているだけで八十八件、八億九千五十六万円の事業を選択エージェンシーという会社に発注し、分かっているだけでそのうちの六億二千二百四十八万円の発注には厚生労働省の職員へのキックバックという仕組みがあり、さっき申し上げましたように、七千三十五万円という金額が七十八人の職員の手元に渡ったということが今、事件になっているわけです。事件になっているわけです。
そこで、財務省にお伺いしたいんですが、予算編成のときに、厚生労働省の関連予算を査定するのにどういう人数で、どういう体制で、どういう項目をヒアリングをしておられるのか、詳細にお伺いしたいと思います。
#48
○政府参考人(佐々木豊成君) 厚生労働省所管の予算、大変膨大な金額で、一般会計が二十兆円、五つの特別会計が合計七十四兆円の規模ございまして、合計九十四兆円となっております。また、その予算査定の作業の相手となります局の数でいいましても、厚生労働省、十一局を擁しております。これに対しまして、主計局の厚生労働係におきまして予算の査定を行っているわけでございますけれども、主計官の下に年金、医療、介護など分野別に七つの係がございまして、それで担当をいたしております。例えば、年金の担当ですと四名、医療の担当ですと三名といった体制でございます。
#49
○大塚耕平君 七つの係で合計何人でやっておられるんですか。#50
○政府参考人(佐々木豊成君) 七つの係で全体で二十五名であったと思います。お待ちください、主計官とかこういう管理職も全部含めまして、トータルで二十五名でございます。#51
○大塚耕平君 二十五名で、先ほどのお話ですと、トータルの金額としては九十四兆を見ているという理解でよろしいですか。#52
○政府参考人(佐々木豊成君) そうでございます。二十五名、ただ、若干の入り繰りはございますが、大まかといいますと大体そのような状況でございます。#53
○大塚耕平君 谷垣大臣、これは少ないですよ。もっと増やしてあげた方がいいですよ。これ、九十四兆のお金を二十五人で見ろというのはなかなか難しいですね。二十五人で予算査定しろと言われてもそれは査定できないです、細かいところまで。例えば、お手元の資料の二の方をごらんいただきたいんですけれども、この右側の備考のところに、元々の今回の事案の原資がどこから出たかということを予算書の各目明細のコード番号も振って整理をさせていただきました。例えば、一般会計国保連合会等補助金〇四〇八一―二七一五―一六、これは国保連合会の補助金で渡っちゃいますから、確かにその先、連合会や中央会がどう使うかというのは分からない部分はあると思います。
ただ、補助金として渡すわけですから、ある程度はチェックしていただきたいと思いますけれども、しかし、その一方で、国立病院特別会計庁費とか国民年金特別会計庁費、各目明細のコード番号で言うと一二三―〇九というやつですが、こういうところから出ている部分もあるんです。
この庁費というものの中にどんなものが含まれているか。この辺からちょっと細かい話で一々質問通告してありませんので、実務的な話ですから分かる範囲で結構ですのでお答え願いたいと思います。まず、この庁費の中にどんなものが含まれているんでしょうか。
#54
○政府参考人(佐々木豊成君) 庁費は行政機関がその業務を行うに当たってのもろもろの日常的な経費が入っておりまして、例えば備品の購入、備品費、それから紙とか鉛筆とかいう消耗品、それから被服費、制服のあるようなところは服の、それから印刷製本費、いろんな資料とかパンフレットなどの印刷製本、それから通信運搬費、通信費なども入っておりますし、光熱水料、電気、ガス、水道の料金でございます。それから、会議費として会議用の言わば茶菓とか弁当、そういうものも含まれております。それから、賃金などもあります。あと、雑役務費としていろんな役務に対する対価というものも含まれております。全部ではございませんが、そのようなものでございます。
#55
○大塚耕平君 そうすると、例えば、今これは平成十四年度の決算に絡めて審議をしておりますので過年度にわたってちょっと恐縮なんですけれども、お手元の表の平成十年度とか十一年度の国立病院・国民年金特別会計の庁費の中では一体どういう支出からこういうものを作るという発注がなされるんでしょうか。これはだから、事実関係、ここではすべて分からなくても結構ですので、例えば、皆さん予算実務をやっておられるわけですから、どういう項目からこういうものが発注されたと思いますか。#56
○政府参考人(佐々木豊成君) 例えば、行政機関が使用しますパンフレットのようなたぐいは印刷製本、印刷製本費、それからあと雑役務費、これはシステムの開発などが入っております場合にはそういう雑役務費、そういうものから、全部で、恐らくこれ全部一々はちょっと今申し上げる自信ございませんけれども、そういう経費だと思います。#57
○大塚耕平君 もちろん今は細かくお答えになれなくて当然です、それはいいんですけれども、どこまで査定してますか。例えば、厚生労働省が国民年金特別会計庁費でこれだけ下さいといって言ってくると、全体の枠の中で収まれば、分かりましたと、庁費でこれだけ認めましょうというふうにやっておられるのか、庁費の中身はどういうことだといってチェックをしておられるのか。それはどちらですか。#58
○政府参考人(佐々木豊成君) 庁費の予算編成の過程におきましては、次の年、来年、翌年度の積算として一応庁費の積算もある程度のものは出てまいりますが、積算自体は当然のことながら来年度の見込みでございますので、例えば旅費なんかのケースをお考えいただきますと分かりやすいと思いますが、国際会議がいつあってという、そういう予測に基づいて積算をするわけでございます。庁費も来年度の需要を見込んでの積算がなされる、それを説明を伺います。それを、必要性とか緊急性、そういうものの観点から査定をするわけでございますけれども、基本的には、財政事情が非常に厳しい中でできるだけ節減をするようにという方向で査定をしております。#59
○大塚耕平君 確かに、ここ数年の数字の動きを見ていると、庁費というのは全体としては削減傾向にあるんですけれども、資料を見ていて意外だなと思いましたのは、例えば厚生労働省の一般会計それから各種特別会計全部含めて、この庁費というのが例えば平成十五年度から十六年度にかけて増えているのは国民年金特別会計だけなんですね。実はもう一つ小さな数字、小さなというか、旧労働省所管のもので労働保険特別会計、これは庁費が前年比四十八億増えているんで、これはありますが、旧労働省関係を除くと、旧厚生省関係でいうと国民年金特別会計、そしてその特別会計の予算全体に占めるシェアというのも、全体に庁費というのは減少傾向にあるんですが、この国民年金特別会計だけはシェアも変わっていない、そして金額も増えている、足下を見ると。それ自体なぜかということは今日はお伺いしませんけれども、例えばこのコード番号の目区分、〇九番が庁費ですね。今、次長がおっしゃった旅費というのは、これも問題なんですけれども、〇八番。こういう目区分ごとの分析というのは査定のときにやっておられますか。
#60
○政府参考人(佐々木豊成君) 目はそれぞれの支出の性質を示す、横で見るという分類でございますので、それは、庁費は庁費あるいは旅費は旅費という形で全体を横に、省庁別に縦にではなくて横にも見渡した格好で、それも考慮して査定を行っているつもりでございます。#61
○大塚耕平君 実務的な話になって恐縮なんですが、横並びで見て突出しているところがないかという、そういうチェックだけですか。それとも、更に、さっきもお伺いしましたが、その目の中まで入って査定をしておられますか。それとも、目の中については、これは歳出官庁側が自発的にやってくることが前提ですか、それぞれの会計課が。#62
○政府参考人(佐々木豊成君) 基本的には、省庁担当の査定で行っておりますのは、庁費の中身につきまして説明を受けまして、それで必要性を判断するわけでございますけれども、横を眺めてみますと、やはりおっしゃいましたように、これは突出しているという場合がございましたら、それはどういう要因で伸びている、そうなっているのかというのをよくよく吟味いたします。先ほどちょっとおっしゃいました国民年金特別会計の庁費が増えているという、例えばそういうものが見付かりますと、なぜかという、特殊要因がどのようなものがあるのかというのを当然ながらチェックいたします。先ほどのはちょっと正確かどうか分かりませんが、地方からの業務移管があったと、十四年度に国民年金の業務につきまして。そういう関係で、そういう特殊要因、これはやむを得ざる特殊要因だと思いますけれども、そういう要因があって増えているということでございますが、そういう横のチェックもいたします。両面からやっているということでございます。
#63
○大塚耕平君 その横のチェックという異常値のチェックは、それは例えば先ほど御説明いただいた全体で二十五名のチームの中でどのクラスの方がされるんですか。次長までそこは上がってくるんですか、それとも主計官まで上がってくるんですか。#64
○政府参考人(佐々木豊成君) いろんなレベルで、物事の軽重に応じていろんなレベルでやっていると言うしか言いようがありませんですけれども、その二十五名は各省からのそういう積算を聞くという方が言わば第一作業でございまして、横を見るというのは総務課の言わば全体を見る部局でそういう横を見て突出していないかどうか、その十分な理由があるかどうかというのはチェックしております。#65
○大塚耕平君 総務課というのは厚生労働省だけじゃなくて全省のものを横並びで見るわけですよね。これは大変な作業ですけれども、総務課はそういう作業を何人でやっておられるんですか。そんなひそひそやらなくてもいいですよ。もっと大きい声でやってください。
#66
○政府参考人(佐々木豊成君) 済みません。総務課に総括というそういうのをチェックする係がございますが、総括担当の主計官以下十四人でございます。
#67
○大塚耕平君 厚生労働省だけでも、私も拝見しましたけれども、膨大な数ですし、この十四人で全省庁の横並びをチェックして異常値を発見してその中まで入っていくというのは、これは並大抵の作業じゃないわけですので、したがって、毎年予算編成作業が大変だという御苦労がよく分かります。私が申し上げたいのは、大臣、幾ら全体の数字を分かりやすくすると言っても、問題は、ここの実務に下りていかないとこういう話は全然なくならないんですよ。もちろん、そのためにプラン・ドゥー・シーのシーのこの決算があるわけですよね。ところが、決算で分かったことがどれだけそれ以降の予算編成に反映されるかというのは、それは決算で分かった不正や不祥事に対して相当厳しいペナルティーが掛からないと、まあまた主計局のメンバーも入れ替わるし、主計局のうちのラインの何とかさんとは飲み友達だし、何とか許してもらえるかな程度で延々と来ているわけですよ、ここまで、実態は。別に個人個人が悪いと言っているわけじゃないですよ。
ちょっとそういう視点から細かい話をお伺いしますけれども、せっかく平成十四年度の決算やっていますので、平成十四年度のこの国立病院の方ですね、国立病院特別会計の庁費のウエートが高い理由。先ほど国民年金特別会計が前年比で額が増えているというふうに申し上げましたけれども、実は国立病院特別会計も庁費のウエートが高いんですよ、よそと比べると。この特別会計の中には病院勘定と療養所勘定がありまして、十四年度の決算書を拝見したら、不用額、最終的に余った金額というのがこの両勘定ですごく差があるんですけれども、繰り返しますが、国立病院特別会計の庁費のウエートが高い理由、そして平成十四年度の決算で同会計の病院勘定と療養所勘定の不用額の規模が大きく異なる理由について、分かる範囲でお答えください。
#68
○政府参考人(佐々木豊成君) 先ほど委員からも御質問ございましたように、庁費はいろんな行政上の日常の費用が含まれております。そういう意味で、非常に複合的な科目ということが言われておりますけれども、国立病院特別会計で、病院勘定の中には、病棟の維持管理に必要な経費とか、あるいは寝具、入院されている方の寝具とか食器とかそのたぐいの費用、患者用の需要品、そういうものが多く含まれておりまして、言わば国立病院特別会計、そういう言わば事業を行っているという性格、そういう性格の事業を行っているということがこういう庁費のウエートが高いというところに現れているんであろうと思います。それから、不用額が十四年度で病院勘定に比べまして療養所勘定の方が非常に多いということの御指摘でございますが、この国立病院特会は、いずれにしましても、基本的には診療収入をもっていろんな歳出に充てるという基本構造を持っております。ですので、予算で例えば計上したものがすべて支出できるかといいますと、それは、歳出権限を与えていただいておりますけれども、現実には診療収入がなければ節約せざるを得ないということでございまして、十四年度は診療所の方が予算で計上しております診療収入よりかなり収入が減ったと。これは、患者の数が減ったということもございましょうし、診療報酬が引き下げられたということもございます。いずれにせよ、その診療収入が予算で見込んでおりましたものからかなり減ったということが歳出面に反映しているということであろうと思います。
#69
○大塚耕平君 二つお伺いしたいんですが、今のお話に伴って。国立病院は今後独法化が進むと思うんですけれども、独法化が進むと、今おっしゃったような予算はこれは当然独法化された法人が自前で消化するという、自前で調達して自前で賄うということになれば、当然この庁費のウエートは下がっていくような気がするんですが、それについて事実関係がどうかということと、それから、今の療養所勘定の方のお話ですと、収入が減ったからそういうものの支出も減ったというお話ですけれども、しかし、病院のインフラ整備のためのコストというのはこれは年度初めに計画されているわけですから、別にその年度の収入と何か連動して動くものでないような気がするんですけれども、そこはいかがですか。
#70
○政府参考人(佐々木豊成君) 国立病院特別会計が、国立病院が独法化されまして、その残ります特別会計が国立高度専門医療センター特別会計ということで、国のいろんな医療のセンターとなるべきような病院だけを管理する特別会計ということに変わるわけでございますが、その過程で庁費がでは減るかといいますと、そういう高度医療センターといいますものも、先ほど申し上げましたような意味での庁費というのは同様に掛かる体制といいますか、構造になっておりますので、言わば病院部門が全部外れるわけではなくて、残るものの性格がそういう性格になるということでございますので、そんな、何といいますか、激変というのはない。それからもう一点、済みません……
#71
○大塚耕平君 収入とは連動してないんじゃないですか。#72
○政府参考人(佐々木豊成君) それは予算と収入が連動していない部分は当然ございます、御指摘のとおり。ただ、患者のケアに関する部分、それに伴って必要になる庁費、そういうものはやはり連動してくる部分でございますし、さらに、やはりどうしても収入が足りませんとそこは節約をせざるを得ないという部分もございます。#73
○大塚耕平君 別に、私、そこのところに特別関心があるわけではないんですけれども、そういうものがもろもろ、いろいろ入っている庁費という枠組みの中でどんと予算を渡されちゃうと、選択エージェンシーにこういう発注がいろいろ飛んでもよく分からないんですね、はっきり言うと。分からない中で予算が計上され、それが執行され、今回はたまたま分かったわけですけれども、これは恐らく相当の同様のケースが他省庁でもあろうかと思います。これは推測ですから、断定すると申し訳ないと思っていますが、これはあしたまた財政金融委員会で細かくやらせていただきますが、社会保険庁だけで約三十種類の印刷物があると。もちろん、これいろんなものが、用途が違いますから、幾つかあるのは分かります。恐らくよその役所でも似たようなものがあって、そういうものにすべからく監修料というものがあるとは思いませんけれども、すべてあるとは思いませんが、かなりはあるんじゃないかなという気はしますね。
その監修料の適否については、これはあしたの財政金融委員会で別の視点からゆっくりやらせていただきますが、今までの話を聞いて、財務大臣としてはどういう改革をこれからしていったらいいと思われますか。
これは本当に抽象的なお話ではなくて、現場の皆さんは人数が少ないということも多分お困りでしょうし、インフラ面でもいろいろ困っている面があろうかと思うんですが、システム的な問題も含めて、今までの話を聞いて、例えば現時点では谷垣大臣は在任中にどういうことをやるべきだというふうにお感じになられますか。
#74
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、大塚委員の御議論を伺っていまして、問題はたくさんあるなと思っております。やはり予算を査定するときの実務、私も予算編成中、主計局を回りますと、大変な作業をこれだけの人数でよくやってくれているなと思います。
それで、確かに委員の御指摘のように、これだけ膨大な金額を扱うならば、もう少し人がいないと人使いも荒過ぎるんじゃないかという気がしないではないというか、しておるんですが、ただ、私ども一番こういう役所におりまして難しい問題の一つは、この定員をどうするのかというのは、これは孫悟空の頭の輪ではありませんけれども、相当な縛りが掛かっておりますので、なかなか、定員の削減計画というのがございますので、そういう中でどうして必要な定員を確保していくのかというのは、これは大変苦労の存するところでございまして、ここらはできるだけ実態を見ながらやっていくというしか今お答えのしようがないわけでございます。
それから、いろんなおかしな執行があるではないかという御指摘だと思いますが、これも財務省の査定だけでやるのは私は限界があると思います。財務省の査定もできるだけ、何というんでしょうか、きちっとした実際の実情に応じた査定をしなければならないのはもちろんでありますし、過去のいろいろな不適切なものは十分後に生かしていかなければなりませんけれども、まずやはり執行官庁の中においても適切な執行をしていただくということがなければ、別に私はすべて性善説に立っているわけではありませんけれども、まずやはり執行官庁において適切な執行をして、それをチェックしていく体制が、本来そこでそういう機能が働きませんと、査定をするということだけでは私は限界があると思います。
それともう一つは、やはり会計検査院の制度もあるわけですけれども、事後にそうやって見ていく、そして国会でも、私は、こういう決算重視の姿勢の中でいろいろな指摘をしていただく、こういうこと全体を組み合わせてやりませんと、一つだけで目に見えるような効果を上げるということは私は難しいんじゃないかなと、今のお話を伺いながら総合的な取組がないと駄目なんじゃないかと、こんな気持ちがいたしております。
#75
○大塚耕平君 そう簡単でないことは私も分かります。私なりに二つ御提案申し上げたいんですが、一つは、予算編成のときに予算編成システムを使っておられます、現場の皆さんは。これは歳出官庁の方でも使っていますので、いろいろお伺いしてみると、目番号までは、これは集計したり、ある程度の数字が取れるようなシステムになっていると伺っております。私も触ったことがあるわけじゃないので不正確かもしれませんが、これは、できればもう少し目より更に下った細目というか、そこまで入力可能なシステムにしていって、人力の足りないところはシステムで補うという点が一点です。しかし、じゃ、それ、だれが入力するんだと。これ、入力するのにも人も必要ですし。
もう一つの提案は、もっと根本的な問題ですが、結局これは財務省に持ってくる前に各歳出官庁の会計課がきちっとチェックをしていればかなりの部分は防げるんですが、会計課は、例えば厚生労働省の会計課は厚生労働省の職員ですから、上司から言われたら、じゃ分かりました、選択エージェンシー分をまた入れておきますということになっちゃうわけですよ。各省の会計課の職員は財務省の職員というふうに所属を変えちゃったらどうですか。そうすると、厚生労働省の会計課の職員は、厚生労働省で不祥事が出れば、自分たちが予算編成のときに概算要求を財務省に持ってくるときに、チェックが甘くて後で不祥事が起きれば財務省から人事上のとがを受けるわけですから、これは今までより必死にやると思います。
だから、私は、財政構造改革とか特別会計にとどまらず、一般会計も含めた中身の改革をするということであれば、そういう具体的に効果の出る、今までの発想にとらわれない改革をやっていただかないと、財務省としては人数が減っている中でしっかりやれといっても、かなり無理があると思います。
だから、したがって、二番目の提案をもう一度だけ申し上げますが、予算編成にかかわる職員は、他省庁に今いる人たちも、これはむしろ財務省の所属として財務省の指示の下でまず各省の中に入って予算編成をして、それを八月に上げてくるという形に変えるというのは、もしこれを谷垣大臣がおやりになればこれはもう歴史に名前が残りますので、そのことに対する所見だけお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。
#76
○国務大臣(谷垣禎一君) 今の大塚委員の御提言にまだ真正面からお答えするだけの材料が私の中にもございませんので、勉強させていただくと、今日はそういうお答えをさせていただくにとどめたいと思っております。それから、予算編成のコンピューターのシステムについては、私もこれも全くお答えする材料がございませんので、その辺のことも一度勉強してみたいと思っております。
#77
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。本日は、財務大臣、それから副大臣、政務官に御出席をいただきまして、参議院の決算委員会として特別会計について集中審議をできることは非常に有意義であり、画期的なことだというふうに私は思っております。
〔委員長退席、理事岩井國臣君着席〕
今年初めて今国会でこういうことをやるというふうに私は理解しておりますけれども、先ほども二人の同僚委員からいろいろと議論がありました。また、私も今日若干質疑をさせていただくわけでありますけれども、やはり国会における国の予算に関する審議というのは主に一般会計予算をめぐって行われるわけでありまして、国民の関心も従来そこに集中をしてきたということでございます。
ただ、先ほども主計局の次長からも具体的数字上がっておりましたけれども、今年度予算で見ましても、私は純計額しか申し上げませんが、一般会計の純計額が三十五兆、そして特別会計が二百七兆、ですから国庫歳出総額が二百四十二兆四千三百五十二億ということでありますけれども、単純に一般会計の純計額三十五兆と特別会計の純計額二百七兆を比べればもう五・九倍あるわけでありまして、現下の国の財政事情厳しい中で歳出削減努力を政府としても全力で小泉内閣やっているというふうに理解をいたしますけれども、やはり一般会計にとどまらず、この六倍の規模のある特別会計にメスを入れなければいけないということは論をまたないわけでございます。
そこで、最初にお伺いしたいのは、先ほど大塚委員の方からも、主計局のスタッフの人数が非常に少なくて、少ない人数で何十兆円もの予算を作ったり査定をするのは大変だという話があったんですが、そもそも、財務大臣、巷間では、この特別会計については、これは財務省以外の所管官庁の権限が実際には非常に強くて、財務省の主計局といえども、泣く子も黙る主計局といえども実態上は余り他省庁が所管している特別会計の中身について査定も実際できないし、それから、後からも、予算執行調査、後で私も聞きますけれども、ある程度始まっておりますけれども、しかし、やっぱり権限の部分で言うと、実態上のですよ、なかなか財務省としても言いにくいというか、口を出しにくいということが、例えば特別会計に関するいろんな専門家の論文とかあるいは書籍、私も簡単ですけれども見ますと、そういうことが必ず書いてあるということなんですね。
そこで、最初にお聞きしたいのは、そもそも、現在の法制度上、この特別会計の中身について財務省はどういう権限をお持ちなのか。また、巷間、俗説として言われております、主計局といえども特別会計には実は余り口出せないんだということが本当なのかどうか。そこの点についてお伺いしたいと思います。
#78
○副大臣(石井啓一君) 各特別会計法自体は財務大臣の所管でございますけれども、御指摘のとおりそれぞれの特別会計の所管大臣が定められておりまして、特別会計を管理する旨、各特別会計法で規定をされております。一方で、特別会計におきましても一般会計と同様に各省庁からの概算要求を受けまして予算編成過程において財務大臣が予算の査定を行うということが仕組みになっておりまして、財政法第十八条第一項で規定をされておりますので、それに基づいて査定権限があるということでございます。
実態上どうなのかということを、私も実態上ということになりますと余りよく、詳しくは、つぶさには分かりませんけれども、そういう権限がある以上はしっかりとやっているということと御理解をいただきたいと思います。
#79
○遠山清彦君 実態上のことはなかなか、実態上のことだけに言いにくい面もあると思いますけれども、先ほどもニュー・パブリック・マネジメントの話もありましたが、やはり財務省の権限を強化するという意見に私は個人的には、今特別会計のことを考えれば賛成をしたい気持ちではありますが、他方で、法律上も、また省庁間の関係を現実的に考えた場合、なかなかそれは言うはやすく行うは難しだということは分かっているつもりです。ただ、これから特別会計が、後でちょっと言及しますけれども、どんどん膨張していく、増えていくということがこれはもう間違いない、これは主に国債の関係ですけれども、言われておりますので、先ほど石井副大臣がおっしゃったしっかりやっていくというところを担保していくことが必要だというふうに私は思っております。それで、次にお聞きをしたいのは、大臣既に先ほど同僚委員への質問にお答えになっておりましたけれども、特別会計の今後の統廃合の問題です。
御承知のとおり、特別会計を設けるメリットというのは、受益と負担の関係が独立した特別会計の中で明確になるということであるとか、あるいは予算の弾力的、効率的運用ができるということが一般には言われてきたわけです。他方で、デメリットというか、功罪で言うと罪の部分に当たる問題としては、不要不急の事業がどんどんどんどんこの特別会計の中で行われていっているんではないかとか、あるいは、特別会計が各省庁の既得権益の温床になったり、あるいは人によっては、事実上の隠れ予算というか隠し財布というか、そういうものになっているという指摘もあるわけです。
そこでお聞きをしたいのは、先ほどもう大臣答えられているんですけれども、現在三十一ある特別会計の統廃合をこれから政府の中でやはり財務省がイニシアチブを取っていかないと、各省庁は、私も既得権益化しているとまで言い切ることはしませんけれども、しかし、なかなか所管している省庁の方から廃止しようと言い出すのは難しいというふうに思っていますので、財務省がイニシアチブを取ってこの統廃合についての道筋というのを付けていかなきゃいけないと思うんですが、この点、いかがでしょうか。
#80
○副大臣(石井啓一君) まず、考え方について私の方から申し上げたいと思います。先ほど大臣も答弁をしたところでございますけれども、特別会計、数が多くなってくるということになりますと、実態的には少しずつ少なくなっておりますが、財政制度全体が把握しにくい、あるいは予算の効率的な執行が阻害されるという点がございますので、特別会計の存続性が必要であるかどうかについては不断の見直しを行っていく必要があると、こういうふうに考えておりまして、昨年の財政制度審議会の答申にもその旨うたわれているところでございますから、今御指摘がございましたとおり、これは財務省が中心となってしっかりと見直しをしていきたいというふうに考えております。
#81
○遠山清彦君 それで次、ちょっと大臣にお答えいただきたいんですが、今、副大臣からも、財務省が中心になってこの特会の在り方を見直す、また、統廃合の件も含めてイニシアチブを取っていくという御決意の表明があったというふうに私理解をしておりますが、例えば去年の十一月の財政審の答申なんか読みますと、事務事業の効率化、合理化については一種の具体的なガイドライン的なことが指摘されているわけですね。ちょっと引用しますと、例えば一番目として、事業意義の低下したもの、これはやっぱりなくしていくべきだと、意義がなくなってきたものですね、時代の流れの中で。二番目が、事業の目的が既にほぼ達成済みのもの、これは当然なくしていこうという話になりますし、三番目が、財源と事業の関係性においての合理性がないもの、これもなくしていきましょうと。それから四番目が、ほかの会計でやられている事業と、ある会計でやられている事業が重複、政策効果において重複しているもの、これもやっぱり見直していかなきゃいけない。それから最後、五番目に、事業主体が今、例えば国、いわゆる特別会計とか一般会計でやっているものについて、例えば独法でやらせた方がいいんじゃないか、あるいは、思い切って民営化をして民間に移行させた方がいいんじゃないかと、こういう基準でも見直しができるというふうに、五つの、現在特別会計の中でやられている事務事業を見直す際にこの五つの基準をもって一種のガイドラインとして見直しを進めていくべきだという話が出ております。
財政審の答申では、具体的にある特定の、会計の中の特定の事業も挙げられているわけなんですけれども、ただ問題は、こういった既存の事務事業を合理化、効率化していく、その際に、石井副大臣がおっしゃったように、財務省が中心になっていくというときに、一体どういう場所でどのフレームワークの中で財務省がイニシアチブを取って他省庁と合意形成をしていくのかという問題があるというふうに思うんですね。
ですから、私がお聞きしたいのは、そういう方向で改革しますよということは財政審でも出ているし、財務省としてももう取組を始めているところなんですけれども、他省庁とどういう場所で議論をして、そして合意形成をして国民の目から見ても納得できる合理化、効率化をされていくのか、その点について大臣の所見をお聞かせください。
#82
○国務大臣(谷垣禎一君) 具体的にどういうプロセスを経て、財政審で私はいい指標を作っていただいたと思っているんですが、そういうものを現実化していくのかということになりますと、これは初めに数値目標みたいのがあって、これとこれを合併させてしまえとかいうわけにはなかなかいかないんで、まず担当されているその官庁において徹底的にやっていただかなきゃいかぬ。しかし、担当されている官庁において徹底的にやっていただくというだけではなかなか進まない面もあるかもしれないということで、結局すべての特会について査定をする財務省がやっぱり前へ出てくるそこに一種の必然性というものは出てくるんじゃないかと思うんですね。こういうことになりますと、具体的には私はやっぱり予算編成の過程の中で相当ぎりぎり議論をさせていただくということにまずなるんだろうと思います。しかし、こういう問題を更にどこで調整していくかという、何というんでしょうか、内閣の中に特会併合調整委員会というようなものがあるわけではございませんので、やっぱり私はそういう全体の、何というんですか、流れ、議論というものがいろんなところでなければ今のようなことも進んでいかないのではないかなと思っております。
その点、私は今度の、私は、今までの過去の国会の御議論でこの特別会計についても様々な御議論がありましたけれども、今年ぐらい特会を全体見渡した議論をしていただいている予算委員会なり決算委員会なり御議論はなかったんじゃないかというふうに思います。私は、やはり国会でそういう御議論を十分にしていただいて、そういうやっぱり御議論を踏まえて、場合によってはそういうものを追い風にと言ってはいかぬかもしれませんが、そういう形で全体の予算編成過程の中で具体的な成果を上げていくということではないのかなと思っております。
#83
○遠山清彦君 ありがとうございます、財務大臣。私も、今、大臣がおっしゃったとおり、立法府の方でも、予算委員会、それから決算委員会、あるいは行政監視委員会等でもできるんでしょうけれども、こういったところで特別会計をテーマにいろんな議論が行われているということ自体は一歩前進だというふうに思いますし、今後ももっとこれやっていくべきだというふうに思うわけですが、他方で、やはり内閣の中に、財務大臣今くしくもおっしゃったように、これ、特別会計をテーマにして各省庁の責任者、一番いいのは大臣だと思いますけれども、集まっていろいろ議論をする場がなかなかないということで、私は個人的には経済財政諮問会議辺りでこういった特別会計をテーマにやっぱりしっかり議論をする場を持った方がいいんではないかというふうに思っておりますが、いずれにしても、行政権の中ででも、行政府の中でもこの特別会計の見直しについてやはり、谷垣イニシアチブでも何でもいいですけれども、やっていただきたいというふうに個人的に要望を申し上げたいというふうに思います。
次の質問に移りたいと思いますが、公明党は、昨年の衆議院選挙で出しましたマニフェストの中で、税金の無駄遣いを見直していく本部というか、そういったものを総理大臣の下に置くべきだということをマニフェストの中で具体的政策として主張をさせていただきました。それを受けまして、小泉総理のイニシアチブもありまして、行政効率化に関する省庁の連絡会議というのが今年に入って設けられたわけでございまして、この会議は事務方の官僚の皆さんが中心になってやっているというふうに理解しておりますが、公共事業とか行政事務のコスト削減、あるいはITの活用による業務効率化というのを具体的に推進していくというふうに理解をしております。
ただ、一点、気になることがございます。それは、税金の無駄遣いなくしていく、行政の効率化を進めていく中で、当然、まあ余ると言ったらちょっと語弊がありますけれども、公務員の人間に余裕が出てきて、その際に、当然、普通の民間企業でやるのは配置転換をしたりとか、あるいは、先ほどもちょっと出ていましたけれども、公務員の数の削減までできる余裕が効率化によって生まれるということがあるわけです。
ところが、報道によりますと、この設けられた行政効率化の連絡会議では、この公務員の定数問題については、総務省の所管でもあるし、また大臣クラスが入っているわけでもありませんのでほとんどやらないというふうに聞いております。大臣、これは私、ちょっと不満なんですね。
なぜかといいますと、国家公務員の削減というのは、実はプライマリーバランス黒字化へ向けた財政改革の前提の一部になっているわけですね。私の理解では、この財政改革の試算の前提の中に、毎年〇・五%公務員を削減して十年間で五%、ちなみに、公明党はマニフェストで一〇%の国家公務員の削減を求めているわけでありますけれども、政府は五%を十年でやりますよと、それがプライマリーバランス、基礎的収支の均衡の前提の一部になっているわけですね。
そういう意味でいいますと、例えば省庁横断的に行政の効率化をしましょうということで会議をして、そして行政の効率化を実際にした、その行政の効率化の結果として公務員の配置転換とか人員削減が実際には、話としてはできるのに、それを、これは財務省だけの問題じゃないですよ、財務省だけの問題じゃないですけれども、主計局からも人出ていますからあえて聞いているんですが。ところが、そこを公務員削減の話とは連動させないということは、結果として包括的、総合的な財政改革につながらない状況になってしまうんではないかというふうに私は危惧をしているわけであります。
ですので、いわゆる行政事務事業のコスト削減努力と公務員の削減努力というのを私はリンクさせる必要があるんではないかと思いますが、この点いかがでしょうか。
#84
○副大臣(石井啓一君) 今、基本方針二〇〇四というのが作成に向けて準備が進められておりますけれども、そこへ反映させる、あるいは行政効率化関係省庁連絡会議の取りまとめを行うということを念頭に置きまして、各省庁において、有識者や国民各層の声を聞くなどの工夫をしながら効率化のための具体的な計画案を作成するということになっているというふうに承知をしております。最終的にどういう形になるか、つまびらかには分かりませんけれども、財務省としましては、定員、機構の在り方自体は、これは総務省の管轄なものですからなかなか言いにくいところがございますけれども、簡素で効率的な政府の実現に向けて、定員、機構も含めて行政の各分野について幅広く見直しを行っていくことは、これは非常に重要なことであるというふうに認識をしております。
#85
○遠山清彦君 ありがとうございます。是非、私も与党の一員として、今年の基本方針の中にこの公務員定数の削減努力について具体的に納得のできる数字が書き込まれるように努力をしたいと思いますけれども、やはり財務省が統括的に財政改革も責任持って見る立場だというふうに思いますので、是非ともそういう意識を持っていただきたいというふうに思います。
続きまして、先ほど来出ております予算執行調査でありますけれども、前年度に財務省が査定をした予算が適正に使われているかどうかということを事後点検をして、それを翌年度の予算に生かしていくという制度でありまして、私は、特に平成十六年度予算案では四百九十二億円分の削減効果を生んだということで高く評価をしているところでございます。
私がお聞きしたいのは、今後この予算執行調査を、昨年度の予算については五十一事業、特会の事業については二十事業見たということが先ほども出ているわけでありますけれども、例えば去年度の予算執行調査の中で具体的に出てきた事例なんかを見ますと、まだこういうことを官僚の中でやっているのかと思うことがあるわけですね。
例えば、防衛庁の基地周辺対策事業の一環で行われている民家対象の防音工事がありますけれども、その防音工事で使っている、調達しているエアコンとか防音サッシの調達価格が市場価格より割高に設定されていたと。それを財務省の予算執行調査で見付けて指摘をして、今年度予算で適正化したわけですけれども、これで三十億円例えば削減されているわけですね。
やっぱりもう大臣御存じのとおり、このデフレの時代でいろんなものが安くなっている、それから開発が進んで昔高かった半導体とかが安くなった分で、エンドで出てくる製品が安くなったと。ところが、役所の方で設定した価格が下がらないわけですから、そこの逆ざやというか利ざやの部分がどうなっているのか私よく分かりませんけれども、いずれにしても民間企業では考えられないような、市場の価格が落ちているのに前に設定した価格をずっと維持し続けるということをやっぱりやっているとなりますと、やっぱり国民から見ると、しょせん政府の役人、官僚が使っているのは人の金、税金だから、自分の身が痛まないからそういう意識が希薄なんだということを言われてもしようがないというふうに思うわけです。
先ほど来、大臣も、財務省だけじゃなくて会計検査院もあるし、あるいは総務省がいろんな政策を事後評価するということを今包括的に始めていますから、多面的に総点検できるということがあるのは事実なんですが、しかし、財務省の予算執行調査で指摘されるまでこういうことが具体的事例としてあるってなると、やっぱりこれ氷山の一角なんじゃないかというふうに思ってしまうんですね。
そこで、この予算執行調査を今後活用するのは当然として、拡充していく、拡大していくという御意向があるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
#86
○大臣政務官(山下英利君) ただいまの遠山委員の御指摘でありますが、正におっしゃるとおりでございまして、予算を編成する、査定する当事者が実際予算執行調査という形で現場へ行ってその予算の執行状況を見て、そしてそれを新たにまた予算編成に役立てていくと、正にプラン・ドゥー・シーというのはこの流れでもって適正な、的確な予算編成を行っていくというところの一番重要な部分であると、そういうふうに位置付けているところであります。査定の当事者がそれぞれの現場へ行って実際に効率的に、効果的に予算が反映されているかという部分を見て、その結果を予算編成に反映させるというのは、これは十四年度から行っているところでございまして、委員御指摘のとおり、特別会計の二十の事業を含む五十一事業を対象といたしまして十五年度は調査をいたしました。十六年度の予算では、四百九十二億円の金額を予算に反映させたというところでありまして、この機能につきましては財務省としても、財務省、予算編成をする立場からもますます一生懸命やっていきたいというふうに思っておるところであります。
予算の効率化、合理化を進めていくことは、もう極めて重要だと考えておりますので、本年度においても特別会計の十五の事業を含む五十三事業を対象として同様に調査を行ってまいりますし、その結果を予算編成に十分に反映してまいりたいと。
限られた人数であります。それから、当事者も、要するに査定をする関係もあります。時間も限られております。その点も十分留意しながらも、最大限この執行調査をやっていこうという心積もりでおります。
#87
○遠山清彦君 ありがとうございます。大臣、さっき公務員削減もっと頑張れと言いながらこういうことを言うのは非常に矛盾しているんですが、ただ、ただ、やっぱり今必要なのは政府の税金の無駄遣いというのをとにかくなくしていこうと。じゃ、それを調べるためにもっと人員増やさなきゃいけないから人件費が掛かると。行政コストが上がると。これはどうしても矛盾する話なんですね。ただ、もしこの財務省が今本格的に着手をいたしました予算執行調査というものが本当に削減効果の大きい成果を上げているんであれば、それに見合った人員をこの部分増加していくことは私はこの行革の時代の中でも理解される面だと思いますので、是非どんどん成果を上げていただいて、成果が上がれば、やはりチームも拡充していくという考え方が必要なんではないかというふうに思います。
続きましてお伺いしたいのは、先ほども申し上げたとおり、確かに財務省は特別会計の圧縮を頑張っておられまして、今年度予算では五千億円以上の圧縮を実現したというふうに理解をしておりますが、ただ特別会計全体の規模は増加をしております。平成十六年度でいいますと、前年度比で十八兆一千億円増加をしていると。その最大の要因は国債の整理基金の膨脹であるわけでありまして、過去に発行した大量の国債が満期を迎えて借換債の債務償還費がかさんでいくということになっているわけです。二〇〇八年度にピークを迎えるということで私は理解をしております。
〔理事岩井國臣君退席、委員長着席〕
それで、そうすると、財務大臣、これから毎年数千億円単位で特別会計の予算を圧縮努力をしても、実際には、全体の規模はこの国債の借換債の問題でどんどん膨脹していくということが見込まれております。
民間のエコノミストのある試算によれば、二〇〇五年四月からペイオフ完全解禁があると、そういう中で、二〇〇八年度に、このエコノミストによれば、百七十五兆円に達すると見込まれるその国債の市中消化額、これが本当に市中消化できるのかということについて懸念が表明されているんですけれども、財務省としてはこの点について大丈夫だとお考えなのかどうか、お聞きしたいと思います。
#88
○副大臣(石井啓一君) 国債管理政策ということかと存じますけれども、まずその大前提は、やはり国債に対する信認を確保するということがこの問題の大前提であろうかと思います。それは、すなわち財政構造改革を着実に推進していくということがやはりその信認をいただくことの重要なことだと思いますので、私どももまず、二〇一〇年代初頭のプライマリーバランスの均衡化に向けて着実にやっていくということがまず第一番目にやらなければいけないことかと存じます。その上で、市場のニーズやあるいは動向等を十分に踏まえた国債発行を行うなどの適切な国債管理政策を行っていくということかと存じます。
具体的に申し上げますれば、国債市場のインフラの整備やあるいは国債の商品性の多様化、こういったことを通じまして国債を保有していただく層を拡大をしていく、こういったことなどによりまして国債の安定的な消化を図ってまいりたいというふうに考えております。
#89
○遠山清彦君 分かりました。是非頑張っていただきたいというふうに思います。国債保有者の多様化というのは私も大事だというふうに思っておりますが、さはさりながら、非常に多くの国債が銀行によって保有されておりまして、二〇〇五年四月のペイオフ解禁の場合、まあそのときの景気の状況等にもよりますけれども、銀行が国債を現金化する誘惑に駆られるような時代状況になる可能性もあるわけで、是非この銀行の国債保有の持続性というものを図るための国債管理政策というものをしっかりやっていただきたいと思います。
最後に、大臣にお伺いしたいと思いますが、簡潔に。
先ほど来出ております塩川財務大臣の有名な言葉で、母屋でおかゆをすすっているときに離れですき焼きと。最近、私もいろんな本を読んでおりましたら、地下室という話も出てきて、母屋でおかゆ、離れですき焼き、地下室でビフテキを食っている場合があると。地下室というのは独立行政法人のことでございます。
私もそれを読んで、なかなかうまいことを言う人もいるなと思って見ていたわけでありますが、やはり独立行政法人、独立行政法人といっても国庫からお金が出ております。一般会計から、今年度でいいますと、二兆一千九百五億円、特別会計からも八千三百十四億円計上されているわけでありまして、やはり地下室でビフテキを食わせてはいけないと私は思っているわけでありまして、この独立行政法人の会計の透明性それから効率化の担保措置について、総務省が一義的に責任を持っているのはよく理解しておりますが、財務省としてもやはり責任があると思いますので、一端があると思いますので、お答えいただきたいと思います。
#90
○国務大臣(谷垣禎一君) 今日いろいろ御議論に出ておりますことの一つの共通点といいますか、一方でこの血税を有効に弾力的に、効率的に使わなきゃならないと。しかし他方、余り有効に弾力的にと言うと、きちんとした統制ができなくなってかえって無駄を生む側面もあるじゃないかと。そこの、何というんでしょうか、バランスをどう取っていくかという問題、関心が御議論の中でもあったと思うんですね。それで、独立行政法人は先ほどからプラン・ドゥー・シーというようなことが言われておりますが、これも共通の思想に基づくところがあって、国の、事前に細部にわたって、事前にああせい、こうせいと余り行動を制限してしまうと、結局、自立的なあるいは弾力的な運営ができなくなると。一方、そうするためには、やはり事後、プラン・ドゥー・シーのシーに当たる事後の評価をきちっと組み合わせていかなきゃそうはならないねというような思想ででき上がっているわけですね。
他方、それと同時に、長年この独立行政法人について言われておりました、存在意義がもうなくなったのにいつまでも組織の論理だけで続いていくようなことがあるじゃないかとか、あるいは経営責任が非常に不明確であるじゃないかとか、あるいは今おっしゃったような、運営、経営というものに透明性が欠けているというようなことも併せて克服をしていかなきゃならないと。そういうことで、制度改革をやろうということでできてきたんだと思うんです。
それで、そういうふうにある意味で弾力化をやった場合に、その欠点をどうやって防いでいくかということになりますと、具体的には第三者機関による厳格な外部評価ということになっておりますが、これも、これは廃止も含めて組織業務を三年から五年ごとに定期的に見直すというのが一つですね。
それから、国の事前関与を最小限にして自立性を高めるということでありますけれども、その一方、経営責任をやはり明確にしなきゃいかぬと。役員報酬とかそういうものも、自動的に決まるというんじゃなしにやはり業績主義というようなことも十分に考えなきゃいかぬと。
それから、いろいろな透明性でありますけれども、企業会計を原則とする財務諸表であるとか、あるいは中期目標、中期計画というものを作るであるとか、あるいは業務の実績、その評価結果というものをはっきりさせる。あるいは、先ほど申しました役員報酬や給与等についても給与水準の公開と、こういうようなことで透明性の向上を図るというふうに制度設計がされておるわけでございまして、こういったことを適切に利用して効率化を追求すると同時に、何かコントロールが及ばなくなってしまったねと、おかしなことになったねという弊害がないように、これはこれから運営していく責任が当然あると、こういうふうに思っております。
#91
○遠山清彦君 終わります。#92
○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。今日は特別会計の審議ということでございますが、その特別会計、二〇〇四年度でも三十一、そしてまた、その歳出総額は約三百八十七兆円と、そして一般会計は八十二兆円ということで、改めて国の財政規模といいますか、予算規模は本当に膨大だなということを痛感するわけでございます。
そこで、特別会計の見直しについて、財政制度等審議会が昨年の十一月、基本的考え方と具体的方策について報告を出しました。ここに特別会計の問題点として不要不急の事業が自己増殖的に行われているのではないか、硬直的かつ過大な資源配分を行うことになっているのではないかなどを指摘をされています。この点について、財務省としてどう御検討されたのかということをまず大臣にお伺いしたいと思います。
#93
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、小林委員がおっしゃいましたように、去年の十一月に財政審から具体的な指針も含めた提案をいただきまして、十一月でございますから、予算編成までもう本当に時間はわずかだったわけではありますけれども、大車輪で作業に取り組んだつもりでございます。一つは、要するに十六年度でできる限りやろうということをですね、一つは、事務事業の見直しで歳出の合理化、効率化というものをやろうということと、それから一般会計から繰り入れているとか借入金があるとか、いろんなことがございます。そういうものを圧縮していく、そういうことを通じて歳入歳出構造の見直しをしようということも取り組ませていただきました。
そういう問題と、もう一つは、先ほどからこれもるる申し上げておりますが、なかなか膨大で中身がよく分からないということが一方でございましたので、特別会計に関する説明責任を強化しなきゃならないということで、新たな資料の作成、開示とか、それから企業会計的な手法を用いた財務書類を作成して、国民にも国の財政の全貌が分かりやすくすると同時に、専門家がより良い財政と申しますか、財政再建に取り組んでいただくときの明確なやはり批判に堪え得る素材も提供しなきゃならないということで、これは引き続き努力をしなきゃならないということでやっているところでございます。
#94
○小林美恵子君 今御説明いただいたんですけれども、一般会計から特別会計への繰入れについてでございますけれども、これも随分、先ほどからのお話の中にもございましたけれども、随分あるというふうに思うんですけれども、改めて、二〇〇四年度の予算でいきますと、約、一般会計八十二兆円に対してどれほど特別会計に繰り入れているのでしょうか。#95
○政府参考人(佐々木豊成君) 十六年度予算における一般会計から特別会計への繰入額は四十七兆二百六十八億円でございまして、これは一般会計歳出予算に占める割合が五七・三%でございます。#96
○小林美恵子君 五七・三%の割合もおっしゃっていただいたんですけれども、かなりの割合だというふうに思うんですね。つまり、入口を一般会計で、出口の使途が特別会計と、これが一般会計の六割、約六割を占めているというふうに、そういう仕組みになっているというふうに私は理解するんです。言い換えれば、国民の皆さんの税金が一般会計から特別会計に六割つぎ込まれて会計上非常に分かりにくい仕組みになっているというふうに思うんですね。それが、例えば巨額な公共事業でありますとか税金の無駄遣いなど、国会や国民の目から見ても大変見えにくいんだということを私は改めて御指摘をしたいというふうに思うわけです。そこで、この特別会計の中でも具体的に空港整備特別会計でお聞きをしたいと思います。
空港整備特別会計の歳入を見ますと、二〇〇二年度総額で四千五百七十七億円、二〇〇四年度の予算でいきますと四千七百二十三億円だと思います。この歳入でいきますと、一般会計からの繰入れが、二〇〇二年度で千四百六十四億円、二〇〇四年度は千六百四十四億円となりまして、百八十億円増大しているんですね、一般会計の繰入れが。さらに、空港整備特別会計には着陸料、空港使用料もありますので、それも四十一億円ぐらい増大しているわけですね。
ここで財務省にお聞きしたいんですけれども、その二〇〇二年度の空港整備特別会計と二〇〇四年度比べまして、歳出でどの項目がどれほど増えているか、増えている分だけでいいですので、御説明いただけますでしょうか。
#97
○政府参考人(佐々木豊成君) 平成十六年度、十四年度と十六年度の比較で、歳出で増えております項目は、空港整備事業の中の大都市拠点空港の中の関西国際空港が三百二十七億円から七百十四億円へと三百八十七億円増加をいたしております。また、空港アクセス等航空サービス高度化事業が十六年度予算でできまして、これが百四十八億円増加をいたしております。また、羽田の空港再拡張が事業化されまして、百七億円増加しております。#98
○小林美恵子君 今の御説明をいただきますと、つまり、二〇〇二年度と二〇〇四年度を比べますと、歳入、特に一般会計からの繰入れ等による歳入の増大分が結局関西国際空港に増額されているというふうな仕組みになっているというふうに思うんですね。これは数字的には事実になりますよね。それをちょっと確認したいんですけれども。#99
○政府参考人(佐々木豊成君) 先ほど歳入の増加、御指摘ございましたように、一般会計からの受入れが百八十億円、二〇〇二年度から二〇〇四年度に増えておりますことは事実でございます。他方、歳出も先ほどのようなものが増えておりますが、その両者、どの収入がどれに充てられているかという相互関係はございませんので、一般会計の増えた分がこちらに行っているということではないかと思いますが、歳出歳入トータルで見ますと事実であろうと思います。#100
○小林美恵子君 トータルで見ていくと、要するに関西国際空港に増額されているということになるということを確認したいと思うんですね。私は、そこで関西国際空港の問題について、これからお聞きをしていきたいというふうに思います。関西国際空港はこの九月で開港十周年を迎えることになります。二期事業の、いわゆる二期島の埋立てももう完了間近になっておりますけれども、四月十二日、今年の四月十二日に、関西経済連合会、大阪商工会議所、大阪府、大阪市の幹部の皆さんによって四者懇談会が開かれました。これは新聞等でも報道されておりましたけれども、その総意として、来年度、つまり二〇〇五年度の予算の概算要求で二期事業の二〇〇七年の供用開始に必要な事業確保が打ち出されています。これは需要も採算の見通しもないのに二期事業推進を強引に進めようとするものだと私は思うんです。
ここで大臣にお伺いしたいんですけれども、今日私がお持ちしましたのは、皆さんにお配りしていないんで申し訳ないんですけれども、二〇〇二年十二月、財務・国土交通大臣間合意という関西国際空港についての合意文書がございます。ここに、大臣も御存じのように、「供用開始に必要な施設の整備については、今後の需要動向や会社の経営状況等を見つつ行う。」という文言がはっきりと明記をされております。この点で、このときの財務大臣は塩川さんでございますけれども、でもこれは谷垣大臣にも引き継がれているものだというふうに思いますので、この点で、大臣のこの需要動向と経営状況についてどのようにお考えかということをお伺いしたいと思います。
#101
○国務大臣(谷垣禎一君) 関西国際空港につきましては、まず関空会社の安定的な経営基盤というものを確立して、それで経営改善を進めて有利子債務というものを確実に償還を図っていかなきゃならないと、そういう目的で、今委員がお引きになりました塩川大臣と、当時国土交通大臣は扇大臣でしたけれども、このお二人の間で合意が結ばれまして、新たな利子補給制度を作るであるとか、あるいは二期事業の今後の取扱いが決められたわけですね。そこで、その中で、委員がお引きになりましたように、二期事業については用地造成は予定どおり進めるけれども、供用開始に必要な施設の整備については今後の需要動向や会社の経営状況等を見ながら行うと書かれているわけでございます。それで、これは当然塩川大臣限りというわけではございませんで、現在の私どものスタンスもここに置いているわけであります。それで、関空は経費削減とか不採算事業の見直しとか需要喚起といった経営改善に向けた努力を行っておられますし、経常利益が黒字化する十六年度事業計画を策定しておられるわけでありますが、委員も大阪の御出身、私も京都でございますから、委員長も兵庫でいらっしゃいますし、関西空港が順調に発展していくことをお互い願う気持ちは御一緒だと思いますが、しかし、実績ベースで見ますと、実績ベースで見ますと需要は依然として低迷しているところがございますし、会社の経営状況も厳しい状況にあるということは、これはそう認識せざるを得ないなというふうに思っております。
いずれにせよ、その二期事業につきましては、今後国土交通省から十七年度概算要求が出てくると思いますので、それを受けた上で、この大臣合意を踏まえながら検討を行っていきたいと考えております。
#102
○小林美恵子君 需要動向についてですけれども、少しちょっと詳しくお聞きしていきたいと思うんですけれども、今お手元に資料を配らしていただきました。一枚目の資料をごらんいただきましたら、発着回数ですね、二〇〇〇年の十二万四千回をピークにして、もう御存じのように減少をしています。しかも、これは七次空整予測値を私が示したものなんですけれども、この予測値よりもはるかに下回っています。この予測値は既に二〇〇二年度も下方修正をされているというのはもちろん存じているんですけれども、下方修正するということはそれぐらい需要動向が、見込みがないといいますかね、そのことを示しているんだと私は思うんですね。それで、ここに中部国際空港が開港をすればどうなるかというふうに思うんです。
さらに、国内線の落ち込みも激しいものだと思うんですけれども、朝日新聞は四月三十日付けで、国内線の便の少なさが国際便の減少にもつながっていると言われているということを指摘をしました。二〇〇三年度の国内線の三・八万回はピーク時の六万回に比べて三六%の減少で、ここに神戸空港が開港をしますと、もう正に国内線も分散します。
この需要動向について、改めて大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#103
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど申し上げたことに尽きるわけでございます。愛情を持って見ているつもりでございますが、需要は、実績ベースで見ますと、依然として低迷しているということではないかと思っております。#104
○小林美恵子君 需要は低迷しているということを御認識されているということですね。次に、経営状況でございますけれども、これも資料を作ってまいりましたので、ごらんいただきたいというふうに思います。ゼロを基点にしましてマイナスばっかりなんですけれども、これは関空会社のこの十年間の経常損益と累積損失をグラフにしたものでございます。ごらんいただいたら分かりますように、九五年、九六年と三百億円台、九七―九九年と二百億円台、二〇〇〇年度から二〇〇二年度までは約百五十億円、とにかく赤字なんですよね。累積赤字は、グレーのグラフがそうなんですけれども、もうはるかに二千億円を超えています。
関空会社の負債に対する利払いというのも二〇〇二年度で三百三十億円。二〇〇三年度から九十億円の利子補給が行われています。これは、両大臣合意の毎年の予算の範囲において継続的に措置すると明記されていますけれども、四月三十日の朝日新聞には継続措置は三十年間と書いてありましたけれども、そこは事実でしょうか。そこを確認したいと思います。
#105
○政府参考人(佐々木豊成君) 三十年間で計算をしているということでございます。#106
○小林美恵子君 その九十億円の利子補給を三十年間も続けるというのは、総額としては二千七百億円ですけれども、とにかく気の遠くなるような話だと思うんですね。それで、経営の見通しというのはいかがお考えでしょうか。#107
○政府参考人(佐々木豊成君) 経営の見通しにつきまして申し上げるのはなかなか難しゅうございますけれども、関西空港自身がこのような需要の低迷を受けまして経営の改善計画を立てておりまして、そういういろんな努力をしているという、努力の結果として今後経営が改善されていくものというふうに、改善されていくものと会社は考え、努力をしているものと思います。#108
○小林美恵子君 大変希望的観測を述べられましたけれども、三十年間も九十億円も利子補給というのはなかなか国民の皆さんには納得得難いものだということを私は御指摘をしたいというふうに思うんです。そこで、二期事業の用地造成はもう既にもう九千億円の事業予算で八千百六十二億円が投入されました。それで、関西財界と府知事、大阪市長は二〇〇七年供用開始で来年度予算編成の要求することはもう明らかだと思うんですね。そこで、来年度の概算要求がこの夏に迫っているということからしても、両大臣合意に基づく財務大臣の判断が本当に迫られるというふうに私は思うんです。
そこで、一つずつちょっとお聞きしていきたいんですけれども、この両大臣合意にあります合意、いわゆる需要動向と経営状況を見つつ行うということは、滑走路にはすぐ着手しないということでしょうか。ここをちょっと確認したいと思います。
#109
○政府参考人(佐々木豊成君) 二期事業の実行につきましては大臣間合意に書かれておりますとおりでございまして、供用開始に必要な施設の整備については今後の需要動向や会社の経営状況等を見つつ行うということでございます。#110
○小林美恵子君 別の視点でまたお聞きをしたいと思います。要するに、自動的に滑走路に予算を計上することはないと理解してもよろしいですか。
#111
○政府参考人(佐々木豊成君) 正に大臣合意に書かれておりますように、今後の需要動向や会社の経営状況等を見つつということでございます。#112
○小林美恵子君 見つつですから、すぐに予算は計上しないということで理解していいということですね。財務省には予算査定というもう本当に大きな権限があるというふうに私は思うんですね。その大臣が今の時期に需要動向、経営状況の判断を先延ばしするのは本当に将来に重大な禍根を残すというふうに思うわけでございます。同時に、財界の声でなく、民意の動向、大阪府民や関西の方々の、そういう方々の声も、動向もつかんでいただきたいと思うんですけれども。
私ども日本共産党は、二期事業を中止を一貫して主張してきました。その立場は不動のものなんですけれども、両大臣合意に立って考えた場合でも、私はいったん凍結することも選択の一つではないかと思うんです。それで、いったん凍結して、成田、中部、神戸などの整合性を踏まえて需要動向を見極め、経営状況の推移も見て的確な予算を立てると。そして、民意の動向も客観的に把握される努力を私は求めたいと思いますけれども、最後に大臣の御見解をお伺いします。
#113
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほども申し上げましたとおり、二期工事は、まずこの夏の概算要求ですね、国土交通省がどういうものを出してこられるかということでありますけれども、それを検討していくに当たりましては、先ほどから何度も引いておられますこの合意に基づいて、当然需要動向それから経営状況等を見つつ行う、こういうことでありますから、委員が強調されますように、やはりそれを検討しないとやるかやらないかは決められない、こういうことでございます。#114
○小林美恵子君 是非民意の動向をつかんでいただきたいということを最後に申し上げまして、質問を終わります。#115
○又市征治君 社民党の又市です。今日は、これまで指摘をしてまいりました問題点の幾つかについて再確認を大臣に求めていきたいと、こんなふうに思っています。
幾つかの、まあ今日は特別会計が全部出ていますから、幾つかの特別会計から特殊法人への出資という形を通じて政府資金の巨額の毀損が生じている、とりわけ財務省所管の産業投資特会の産業投資勘定というのは新しい財務諸表では十二兆円が六兆円に半減していますね。
で、大臣は、四月五日、私この委員会でお聞きをしたときに毀損の事実をお認めになったわけですが、会計検査院からも当然まあ指摘されていることですから、当然お認めになって当たり前ですが、ところがどうもその答弁の後半が私はいただけない。その点をもう一度改めて答弁を求めたいと思うんですが、まず一つは、大臣、財務大臣としての金銭感覚、ちょっとこれは疑わしいと、こう言わざるを得ません。あなたはこうおっしゃっている。四四%を利益還元しているから全体としていいんだと、こういうふうにおっしゃっているんですね。あとの五六%といえば二兆一千五百四十三億円になるわけですよ。これが未回収というより、まあ今後も回収の見込みがないわけですね。これで、財務大臣としてもう少しやっぱり金遣いにシビアになってもらいたい、そういう思いで、もう少し改めてこのことについての答弁を求めたいと思います。
#116
○国務大臣(谷垣禎一君) 産投会計というのは、もう今更委員にイロハを申し上げる必要もありませんけれども、政策的な必要に基づいて、リターンを期待できる一方でやはり民間だけではリスクをしょい切れないだろうなというような政策分野に対して出資を行っているわけでございまして、収益が出た出資先からの国庫納付金等は、現在の段階では収支残高の四四%になっていると、これはこの間御答弁申し上げたわけでありますが、これは引き続きまだ政策目的に沿った事業が実施されておりまして、こういった事業からの将来の利益というのも期待できるところでございまして、あとのその五六%が回収不能ということではないというふうに私は思っております。財務省としては、それぞれの機関やその各官庁に対していろんな機会をとらえまして事業実施についてモニタリングも行っておりますし、当初に申し上げた政策目的に沿った運営が行われるように要請しているところでありますけれども、十六年度の予算におきましては、研究開発法人については出資総額は縮減しております。それから、外部有識者による事業評価体制を強化するといったようなことで、収益性の一層の向上というところにも目配りをしながら運営をしているつもりでございます。
繰り返しになりますが、五六%が回収不能というわけではないというふうに見ております。
#117
○又市征治君 将来を嘱望されている大臣だから、ちょっと余りいただけないなと、私は今もまたそう申し上げざるを得ません。私が言っているのはそうではなくて、この出資のそれに見合う実態が失われている現実がやっぱりあるわけですよ。実質は渡しっきり、使いっ放し、こういうことになっている。例えば、二〇〇一年度だけでも評価損が四千八百億円あるわけですね。特に、基盤技術促進センター、これは何回も取り上げましたが、ここは解散、つまり倒産させて出資残高二千八百六十億円を毀損している、こういう実態にあるわけですよ。こういう問題を私、問題にしているんです。
で、もう一つ、時間がありませんからこの問題だけ追及しませんが、もう一つはこれまでの特別会計改革の論議をちょっと踏まえたと思えない御発言があります。この点はもう一遍改めて問うわけですが、すなわち大臣は、リスクの高いところに出資を行っているんだから結果として毀損も出ている、こういう答弁をされているんですけれども、しかし、これ振り返ってみますと、さっきからも出ていますが、塩川前大臣は、一年前の五月と六月、私、決算委員会でもちゃんと特別会計、これ追及してまいりましたが、何と答えているか。最初はこういうふうに答えている。出資金、基金の在り方を検討する時期に来ておる、現に出資金を食ってしまってマイナスのところがたくさんある、検討しておるところです、こういう御答弁だ。
次のときは電源開発特会をただしたんですが、私は二兆三千五百億円に上る政府出資金の毀損を示したのに対して、塩川さんは、私も実はこういうことについては非常に疑念を持っております、出資金は財産的なものを残していこうという趣旨がございますが、そこらの支出については今後とも十分研究させてやってまいりたい、こういうふうにお答えになっている。
ここまで変わってきたというふうに私は思います。同じ時期に会計検査院や行革本部がもっと厳しいことを指摘をしているわけですね。こうした一連のとうとうとした改革の流れというのは、私は、政府の中でもようやく出てきたと。そして、ようやく十一月の財政審の報告が日の目を見て、リターンのない出資は大幅に削減をして評価を厳しくしろと、こう言っているわけですね。
だけれども、大臣の答弁、どうも私、元へ戻ったような気がしてしようがない。そして、企業会計に学ぶんだというふうに政府側はおっしゃるわけですけれども、こんなものを投資と言い張って巨額な幻の投資残高を抱えていたら、会社だったらとっくの昔に、社長の首が幾つあっても足りないという、こんな状況だと思うんですよ。
その点について、一体どういうことなのか、もう一遍きちっとここら辺は御答弁いただきたい。この点をお願いいたします。
#118
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど御答弁申しましたように、研究開発というのはいろんなレベルのものがあると思うんですが、ここで、産投会計でやっておりますのは、リターン、リターンは期待できるがまあ全部民間でというのはちょっとリスクが高いねというようなものをやっているわけでございまして、私は、さきのこの審議会の報告にもありますように、そこを厳格に見て査定もきちっとしていく必要があることは、私もそれは当然だろうと思っております。ただ、他方、じゃ、そういうリターンも見込めるんだけれどもリスクもあるというようなものにやはり研究開発資金というものを回していく必要性というのもやっぱり私はあると思っておりまして、それが先ほど委員からちょっとおしかりを受けましたような答弁になっているんだろうというふうに思うんです。
そこで、じゃ出資金という在り方がいいのかどうかというのも、実はここはなかなか問題のあるところでございまして、補助金ということだって場合によっては考えてもいかぬというわけでは私はないんだろうと思っておりますけれども、ただ、そこで補助金という形でありますと、さっき、塩川大臣もおっしゃっていたことでありますが、結局そこで、何ていうんでしょうか、作られてくる資産といいますか、いろんな可能性のあるその研究の成果、収益の可能性があるものに対して、補助金という形であると国の権利というものが残らなくなってしまうということで、そこらをどうしていったらいいかということは、私は非常に悩ましいところがあるんだと思っております。
そういうことも私どもは十分これからも研究をし、審議会の答申も踏まえて厳格な見方というのをしていく必要がありますけれども、そういうことを考えますと、引き続き、成果などに財産的権利が残る形のお金の流し方というのも、やはり私は存在理由がなくなったわけではないというふうに考えているわけでございます。
#119
○又市征治君 いずれにしましても、政策的投資だとかと言えば何でも通っていくという時代は私は過ぎたと思うんですね。そこで、その原因の問題にちょっと入りますけれども、どうしてそういうリスクの高い、つまりリターンの可能性の低いところへ投資と称して政府資金がじゃぶじゃぶ支出されているかということなんですが、これはほかの特会にも共通をする構造的、私は欠陥だと申し上げてきたんですけれども、ある事業が本当に必要であろうがなかろうが、毎年収入が保証されているから支出を作っているという、こういう節のある会計、幾つかあるわけですよ。これは大臣も実はもう十分御承知なんだろうと思う。だから、財政審の十一月の報告書では、保険料の財源を使って安易な事業を進めるなど本来の目的を逸している、こんなふうに財政審ではびしっと指摘しているわけですね。この保険料という言葉を逆にNTTなどの配当金というふうに言い換えたとすれば、これは産業投資勘定にもそっくり当てはまるわけですよ。
こうした放漫な投資の根源になっている特定財源の囲い込み制度については、やっぱり今回の特別会計改革ではどのように改革目標を具体化されようとしているのか。私は、そういう点では一般会計に戻すべきものがあるんじゃないのか、何回もこのことを御指摘しているんですが、この点について、特別会計全般について、一般会計との仕分の問題含めてどのようにお考えでしょう。
#120
○大臣政務官(山下英利君) 先生御指摘の特別会計については、その一般財源というものとどういうふうに区分けをするのかというのはいろいろ、戻すかどうかという話、これまでも先生の御質問、ずっと続いているわけなんでございますけれども、昨年十一月の財政制度審議会の報告書で、こういったところにつきまして、特別会計の性格あるいは決算の状況等を踏まえて、まず不要不急の事務事業、これを廃止、縮減等の見直しを行うべきであって、こうした歳出面での合理化を踏まえて、一般会計繰入れの減額や一般会計への納付、国全体の財政資金の効率化の観点も踏まえた歳入面での合理化を図る必要があるというふうな報告されているわけでございます。ですから、そこのところはきちっと目的を明確にして見直しをしていくというところだと思います。したがって、財務省としましても、こうした考え方を踏まえつつ、各特別会計の性格に応じて歳入歳出通じた構造面の見直し、これを引き続き進めることが大変必要であると、そのように考えているところでございます。
#121
○又市征治君 財務省が、先ほども同僚議員の答弁で、大臣からは、特別会計、これほど見直しをやっているときはなかったんじゃないか。当然そうだと思うんですね。今、やっぱりこれだけ国家財政全体的に赤字だと、こう言っておるそういう時期に当然やらなきゃならぬ、私たちもこの委員会で何回も、いろんな会派からも出ました。ただ、今、山下さんからお答えになったそれだけでは私は歯止めにならないと思うんですね。産業投資勘定の問題、もう一度大臣にお伺いをしてまいりますけれども、この産投勘定の創設というのは、NTT株の配当をめぐって総務省と経済産業省両省の綱引きがあって、これが決まらなかったために財務省がさらっていったと、こういうふうにマスコミなんかで報じられているわけですよ、これね。そんな格好で言われてきた勘定です。
しかし、財務省が、そういう意味では、官庁の中の官庁だと、こう言われるわけですけれども、この金を財務省が握る以上は、私は、より高い全社会的な政策目的にむしろ張り付けるというか、そういうところに配分をすべきだ、こんなふうに思うんですね。そして、今、時代は一巡りして、特別会計の特定財源囲い込み行為そのものが批判をされている。さっきも申し上げたように、行革本部もそう言っているし財政審もそう言っている、こういう状況になってきているわけですし、もちろんこの委員会でも何度もそんな意見が出されています。
ここはひとつ財務省のイニシアチブを発揮をしていただいて、この狭いIT振興に限らず、より国民に公開をされ、国民全体に還元する、こういう用途に支出をすべきじゃないか、そんなふうに思います。そのためには国民によく見える一般会計にやはり戻していく、そのくらいのやっぱり努力が今求められているんじゃないか、このことを大臣に最後に御答弁を求めたいと思います。
#122
○国務大臣(谷垣禎一君) 委員の御主張のように、これは元々NTTとかJTとか、株の配当をどう有効に活用していくかということで出たわけですけれども、何もNTT株のあれだからITにと限定しなきゃならない理由はこれはないわけでございまして、やはり先ほどリターンを見込めるということが必要だと申しましたけれども、リターンを見込み得る事業分野に再投資するということがこれは趣旨でございますから、福祉であるとか雇用であるとか、あるいは環境保全というような分野にでも、収益性の観点が満たされれば私は出資対象としていくことは何ら差し支えないというふうに思っておりまして、そういう形でまた御要望があれば検討していかなきゃいかぬと思っております。#123
○又市征治君 終わります。#124
○岩本荘太君 無所属の会の岩本荘太でございます。最後でございます。よろしく御答弁のほどをお願い申し上げます。
余り個別のことで御質問させていただくつもりはないんですが、決算委員会あるいは決算審議の在り方について、まあ忌憚のないところを、実のあるところを大臣から御答弁いただきたいと思っております。
といいますのは、私自身のこれは判断なのかもしれませんが、度々申し上げていることですけれども、決算委員会、これ私も平成十一年の通常国会からずっと決算委員会通していただきまして、そのときは、何といいますか、決算審議というのはもう本会議以外の休会中にやるものだというような取扱い、それも二年も三年も後のものを取り上げて審議をするというのが実態でした。何か、見方によっては消化試合をこなしているのかなというようなやりきれない気持ちであったわけですが、その後、ここにも鴻池委員長、あるいは中原委員長、それから岩井委員長もおられたかと思いますけれども、これずっと御努力があって、あるいは同僚議員の方々の御努力、政府当局の御努力、そういうもので、非常に今いい格好で進んでいると私は思っております。
今回も、先年の、前年の通常国会では、一応通常国会の間に終わらすと。それが今年になりましても、大体の理事会、理事懇等の話でもうまく収まると。また、それ以上に何か今度は十一月二十日ですか、そこまでに決算を報告してくれると、来年の委員会に反映できるというようなところまで大変進歩しておりまして、その辺は大変期待しているところでございます。また、その十一月二十日がいいかどうかというのもまた、それが出た後に本当に翌年度に反映できる予算審議ができるかどうかということを踏まえて、更に御努力していただく必要が出てくるかもしれませんが、その辺もよろしくお願いしたいと思っております。
そういう意味で、非常にいい審議をしていい結果が出ているとは思うんですけれども、ただ一つ私が気掛かりになりますのは、今は後年度予算に反映すると。確かにそうやって反映していただくと思いますけれども、これだけで、そこだけのことでいいのかと、大丈夫かという心配が一つございまして、やはりもう少し決算に対する厳しさといいますかね、そういうものをもう少し制度的にといいますか、そういうものをもっと、そういう点に関してもう少し突っ込む必要があるんじゃないかというような感がしてならないわけです。
ということは、やはり決算でちょっと何かおかしいなということがあれば、それの責任追及といいますか、そういうことが必要なんじゃないかと。もちろん、法律上の責任追及というのは、これ会計検査院がやられるでしょうから、ここでやる責任追及というのはどういうものか分かりません、あるいはどういう責任追及したらいいかも分からないですけれども、現実の問題として、度々ここで議論しておりますスパウザ小田原みたい、あるいはそれと同じような種類のいろんな無駄な経費があるわけですね。ああいうものは恐らく、法律上は恐らく手順を踏んでいるんだろうと思うんですけれども、国民的な立場から見ますとやっぱり納得できないわけですよね、ああいうものは。そういうものがもし納得できないものであれば、やっぱりそういうものに対する責任追及、これは個人を攻撃してその人を悪人にするという責任追及ばっかりじゃないと思うんですね。
あるいは、私もこの点については実はかつて内閣法制局にこういう場で質問したことがあるんです。といいますのは、こういう問題提起をしますと、皆さん、それは内閣法制局だというようなお話があったんですけれども、どうも内閣法制局は、そういうのは、政治的な問題は我々は答えられないということで逃げられちゃう。結局、我々が考えなきゃいけない問題じゃないのかなというような気がするんです。
だから、そういう意味で私も考えてきたつもりなんですけれども、なかなかその辺の結論といいますか、どう自分なりにまとめていいか、なかなかまとまらないといいますか、意見が、私にいいアイデアがないんですが、その辺について、今私が申し上げたような考え方について、大臣はどういうふうに受け止められて、その決算に対するそういうことの責任追及ということについて、どういうふうに受け止められてどういうふうにお考えか、ひとつ御答弁をお願いいたしたいと思います。
#125
○国務大臣(谷垣禎一君) まず、岩本委員がおっしゃいました決算委員会の在り方と申しますか、私は衆議院の出身でございますから、やっぱり今まで何というんでしょうか、消化試合みたいな印象、今年二十一年目になりますが、かつてはそういう印象を持っておりましたが、特に今年のこの参議院改革の中で、決算審査工夫をされまして、今年の決算審査の状況などを伺っておりますと、もう大変これは意義のあるものになってきたなと心から敬意を表しておりまして、是非これは、こういう、早く提出して早く結論を出してそれを次の予算に反映せよという御趣旨は我々も十分体していかなければならないと思っておりますので、十一月二十日にちゃんと出せというのは、これはきちっとやらなければならないと私も思っているわけであります。その上で、決算委員会でいろいろな議論があったときにその責任をどうしていくかという問題は、今委員からお問い掛けがありましたけれども、なかなか簡単にお答えするのは難しゅうございます。確かに、予算の執行について、違法であるとか、これ法律用語かどうか分かりませんが、明らかに不当なものがあってそういう指摘がされた場合には、当然法律等に基づいて、場合によっては犯罪を構成することがあるかもしれませんし、当然その責任を追及されるということがあり得ると思いますが、これは明確だと思うんです。ところが、じゃ、こういう国会で、言わば政治の場で問題だということで御議論されるのが、これはもう千差万別なんじゃないかと思いますね。そういう極めて違法に近いような場合もあれば、まあ不適切だなというようなものまでいろいろあって、その責任を一概、どういうふうに、何というのか、責任を追及していけばいいのかというのはなかなか簡単にお答えができない。
そこで、二つ申し上げられると思いますが、一つは、執行官庁でこういう場で行われた議論をやっぱり正面から受け止めてもらって、自分のところのもちろん内部規律の保持ということも必要でありましょうし、執行の是正をどう図っていくかというこの問題をそれぞれ真剣に取り組んでいただくということが私は必要だと思います。
私どもとしては、ここの御議論の結果というものをやはりどうやったら予算編成に生かせるかということを、これも千差万別だろうと思いますが、真剣に議論をしていくということではないかと。
ちょっと漠然としたお答えでございますが、今お答えできるのはそのぐらいのことかなと思っております。
#126
○岩本荘太君 私自身どうしたらいいか分からないので問うているわけですけれども。先ほども言いましたように、要するに、スパウザ小田原が象徴するようなああいうものについて、大臣は、あれはまあしようがないなという御判断をされるのか、ちょっとおかしいなと思われるのか、その辺の御判断をちょっとお聞かせ願いたいと。そうでないと、私は大半の国民というのはやっぱりおかしいなという気でいると思うんですよ。あれはだから法的に恐らく罰にならないと思いますよ。ならないと思いますけれども、国民は納得していない、そういう分野があるわけですよね。その辺についてちょっと一言。
#127
○国務大臣(谷垣禎一君) 大変長い経緯がある議論でございますから、やはり政治の場の議論というのは常にそうだと思いますが、そのときに必要だと思って、かなり多くの方がそれはやるべきだということで議論したけれども、十年後、二十年後になってみると、実は少し的確じゃなかったのかなと思うことというのは実は私はたくさんあるんじゃないかなと思います。今、委員が御指摘になった例も、その中でかなり、何というんでしょうか、顕著という言葉を使っていいのかどうか分かりませんが、顕著なものの一つなのではないかなというふうに私は思っておりますので、こういう時点でいろいろ御指摘があって、それの是正の方向、廃止の方向に向かってきたのは、何というんでしょうか、一つ流れとしては良い方向に行きつつあるというふうに思います。
#128
○岩本荘太君 まあ、私、いろいろお考えあるんでしょうけれども、先ほど大臣言われた、要するにこういう議論を正面から受け取ると。確かにそうでしょうけれども、その場合に、本当にただ正面から受け取っているということで改革になるのか。ということは、やっぱりスパウザ小田原みたいな、こういう案件をどういうふうに取り扱うかということにも関連してくると思うんですね。したがって、単に時代のそのときの流れだからということもあるかもしれませんけれども、それを追求していったらそんな昔の話じゃないわけですよね。だから、その辺もよく考えていただいて、やっぱりこの辺の議論というのは、今後も大臣、前向きにやっぱり考えていただきたいなという気がいたします。これ以上は申し上げませんが、そのことを要望させていただきます。
それともう一つは、山下財務大臣政務官、ずっと御出席いただいておりまして、バッジを付けている仲間では決算委員会ずっと通して座っていていただけたのは山下政務官だけだったわけですよね。そういう意味もございまして、また大変まじめに対応していただいておりまして、随分勉強されているような印象もございます。居眠りなど全然なさらずにと私は見ておりますけれども、そういう立場からずっと長く見ておられたこの決算委員会、今回ももう間もなく終わるわけですけれども、決算委員会の現状といいますか、これについて大臣なりの何か御感想を、大臣じゃない、政務官なりの御感想あるいは何かこう改革すべき点があるかどうか、その辺の御私見をお聞かせ願えたらと思います。
#129
○大臣政務官(山下英利君) 岩本先生、恐れ入ります。私自身もまだまだ勉強不足と思って大変緊張の毎日、連続で、この決算委員会出席をさせていただきました。参議院改革協議会でもって決算の早期提出というふうな方向で、この決算委員会の中で本当に活発な議論、委員の先生方にしていただいているということは、一歩前へ前進しているなというふうな気持ちがございます。というのも、私自身、決算なくして予算なしと、正にプラン・ドゥー・シーを、このサイクルをきっちりと持っていくためには、やはり決算というものをしっかりと議論しながら、そして予算編成というものを見ていくということの必要性、これも感じているところでございます。
そういった面におきまして、できるだけ早く決算をこの委員会におきまして御議論をいただき、それを予算に的確に反映させていく。この不断の努力があって、やはり決算があってそれで予算がこういうふうに決まっていくんだということは、国民の皆様にとっても非常に分かりやすいプロセスではなかろうかなと、そういうふうに思っておりますので、引き続き努力をしてまいりたいと、そのように思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
ありがとうございます。
#130
○岩本荘太君 一つ言い忘れたんですけれども、決算、なぜ重視しなきゃいけないか私なりに考えますと、一時代前は、予算というのは、付いた予算、これ使わないと後年度の予算削られるからというような風潮がなきにしもあらずだったわけですね。あれは、そういう時代には一つそれも良かったんじゃないかと私は思うんです、要するに財政がどんどんどんどん膨らんでいきましたし。要するに、不要不急なものでも、ある意味じゃ使えばそれだけ景気に影響するということがあるわけですよね。しかし、今はそういう状況じゃない、財政上節約しなきゃいけない、したがって決算をきちっとやっていただかなきゃいけない。これは正に財務省主管ですから、今回みたいなこういう集中審議というのは大変有意義だと思いますので、そういう意味で、今回のこういう参議院の決算委員会がこういうことを持ったということを財務省、大臣始め皆さんに十分御認識いただきたいと、そのことを申し添えて質問を終わります。
#131
○委員長(鴻池祥肇君) 他に御発言もないようでありますので、特別会計等公会計の改革についての質疑はこの程度といたします。これより委員間の自由討議を行います。
自由討議では、まず各会派お一方ずつ十分以内で意見発表を行った後、委員間で意見交換を行います。
なお、意見発表、意見交換は着席のままで行いたいと思います。
それでは、順次御意見の御発表をお願いいたします。
#132
○中原爽君 自由民主党の中原爽でございます。平成十四年度決算審査に関する意見を申し上げます。意見を八項目に一応分けましたので、項目ごとの表題を申し上げながら意見を申したいと思います。
一、参議院の存在意義。
最近、憲法改正の議論に付随しまして、衆議院、参議院の二院制度の見直し論が述べられております。この内容は、あたかも参議院を廃止する形で一院の制度にするというような議論でありますが、このことについて、衆参両院ともに合併をするので、参議院のみを廃止するのではないというような説明が行われております。しかし、どうもこの説明では納得が得られないと私は考えておりまして、甚だ遺憾であるというふうに極端に申し上げておきたいと思います。
以前から、我が国の立法府の二院制度にかかわります見直しの論議は古くて新しい課題とされてまいりましたが、二院制の短所を補いながら長所を生かす工夫が求められているというふうに考えているわけであります。
衆議院と参議院における役割分担、任務のすみ分けというのも一つの方法でありました。すなわち、衆議院は予算審議を重点に行い、参議院は決算を重視した審議を行うということであります。この決算監視機能を強化することは、正に参議院の独自性を参議院議員の議員任期に基づいて発揮できるということではないでしょうか。
二、決算の重要性と決算審査の意義。
民間企業にあっては、決算はその企業の年度の経営状態を表す重要な財務情報であり業績評価の指標であって、この業績評価に基づいて次年度予算の編成を民間企業が行われるのではないでしょうか。本来、国における決算と予算の関係も民間企業の決算の在り方と同様に位置付けるべきでありまして、この点は先ほど又市委員が御指摘をされたとおりでございます。
過去、昭和三十九年の臨時行政調査会において、決算に重点を置くべきであるが、決算に対する関心は極めて薄い、したがって決算の結果は十分に予算に反映されていない、こういう趣旨の警鐘を鳴らす意見が述べられております。この例を見るまでもなく、国会においても四十年以上も前から同様の意見が言われてきたのであります。
言うまでもなく、国の決算は予算の執行実績を示すだけでなく、予算が効率的及び有効的に使用されたのかどうかの確認に基づいて国家事業にかかわる財政を考える上での基本的な財政収支の情報なのであります。
したがって、決算審査の意義は、決算質疑を通じてその結果を政府の予算編成や政策執行に反映させ、国の健全な財政運営に寄与することであります。このためには、先ほど来お話がありますように、決算の早期提出と早期審査が必要であります。
三、決算の早期審査と早期提出。
参議院は、決算審査の意義を高めるため、従来から行われてきた常会冒頭における決算提出の時期を早め、常会召集前年の秋に決算結果を提出するように主張してきました。
また、このために早期審査の実施に努めてきたわけですが、国会情勢から、なかなか計画どおりに審査を進めるのは難しい状況でした。しかし、昨年は三十五年ぶりに常会内の六月に決算審査を終了させることができました。このことは、言わば遅きに失したという側面があるとはいえ、評価すべきことであります。
さらに、昨年の締めくくり総括質疑の際の委員長質疑に対し、小泉総理大臣は平成十五年度決算を本年十一月二十日前後に提出するように努力をする旨の答弁をされました。これも、先ほど、十一月二十日という質疑が行われております。この決算の早期提出を約束されましたので、また同日の参議院の本会議における警告に対する所信においても、総理は同様の発言をされました。
このような経緯で参議院が長年主張してきた決算の早期提出が実現することは極めて画期的な出来事であったと言えましょう。
四、決算審査の充実。
平成十四年度決算審査においては、勤労者福祉施設であったスパウザ小田原の視察、政府開発援助、ODA及び決算審査の在り方に関する参考人からの意見聴取、また本日の特別会計を中心とした公会計見直しの集中審議、それからこの自由討議など、従来にも増して審査の充実を図っていることを大きく評価し、委員長、理事、委員を始め関係各位に敬意を表するものであります。
今後も、従来の審査はもちろん、参考人の御意見、質疑を踏まえた決算審査を行い、委員会機能を充実させていくべきであると考えております。
五、警告決議の作成と内容の充実。
委員会における審査の結実として参議院の本会議における議案、決議の案がありますが、決算を是認することの議決の後に行う警告案の議決について私なりの意見を申し述べますが、先ほど決議と申し上げましたが、議決の案のことであります。
決算審査の集大成である警告は極めて重要な位置付けのものであり、警告事案に対して政府に改善の措置を取らせるという重みのあるものであります。したがって、内容の充実に併せて更に警告を権威を持ったものにしていくという必要があります。
過去の警告事案の傾向に関し、特にここ五年ないし六年間における警告について分野別に区分した状況を調べてみました。最近の警告事案の傾向は、不適正経理等に関する事案は毎年含まれているものの、決算とは必ずしも関連があるとは思われない事件、事故等につきましてかかわる事案が毎年含まれております。このような時局対応事案そのものが悪いとは申しませんが、やはり決算事案を中心に作成すべきであると考えておりました。
幸い、昨年からこの傾向が変化し、事件等の時局的事案がなくなり、税収見込み、不適正経理、社会保障、政府開発援助及び防衛関係等の決算事案が警告に取り入れられております。
さらに、昨年は、決算の早期提出、会計検査院の機能強化等、四項目にわたる要請決議を決算委員会決議として行ったところであります。
六、決算審査報告の不当事項等。
平成十四年度決算報告においては、指摘された事項等の指摘金額の総計は四百億円を超え、過去二十年以来最高額になっております。その中でも、医療費及び年金の不適正支出と同じく保険料徴収不足は、過去五年間の会計検査から明らかなように、支出と徴収の不当事項は毎年数十億円に達しております。しかし、事案にかかわる発生原因は同じ状況が続いております。これについては、抜本的あるいは根本的な再発防止策が必要です。
一方、スパウザ小田原のこの施設が著しく安価な価格で譲渡されておりますが、今後引き続く年金施設の売却処分に当たっては、年金資産・財政の損失を最小限に抑えるための一層の努力が必要であります。
七、処分調書の、失礼しました、時間が迫っておりますので、七を飛ばしまして八番を申し上げたいと思います。
独立行政法人における財務情報の国会提出。
中央省庁等改革の一環として平成十三年四月に五十七法人でスタートをした独立行政法人は、本年七月までに百七法人になる予定です。このほか、本年四月に八十九の国立大学法人が発足をしております。この独立行政法人制度、国立大学法人制度は、その予算措置として運営交付金が交付されるなど予算段階での規制を緩和し、各法人の自主的運営を尊重する一方で、事業の成果等の事後評価を精密に行うということになっておりますが、また、これらの事業評価や財政諸表は国民に公表されることになっておりますが、我々国民の代表である国会には報告されません。
先ほど遠山委員から地下室でビフテキのお話がございましたけれども、先般、参考人として出席をされた野村総合研究所の理事の富田俊基さんが某日刊紙に、特別会計である離れですき焼きを食べにくくなっても独立行政法人である地下室でビフテキを食べていることに、真の財政健全化が、国民の負担の抑制がおぼつかないと、こういうような意見を発表されておるところであります。したがって、このお話は塩川大臣が、一般会計でおかゆ、それから特別会計ですき焼きと、こういうことを発言されたことを受けてのお話であります。これは正に独立行政法人等の財政運営の透明と規律の確保が求められるゆえんでありまして、この意味で、今申し上げた意味で国会に対する報告の提示も必要であるということを申し上げたいと思います。
以上、私なりの意見を申し上げまして、時間少しオーバーをいたしましたけれども、この私の発言が多少反映される側面があればと考えております。
ありがとうございました。
#133
○松井孝治君 民主党の松井孝治でございます。この決算の在り方について、参議院の今後の機能の、重点機能の一つとしてのチェック機能、そして参議院改革が今憲法調査会でも議論をされていますが、それも含めて私の意見を申し上げたいと思います。
この委員会の参考人質疑でも議論になりました、本日も議論になりましたニュー・パブリック・マネジメントという発想があるわけですが、これが、参考人の中でも警鐘が鳴らされましたけれども、単に執行官庁に予算の執行の弾力性を与えるということだけでは終わってはいけない。そうであるとしたら、だれがチェック機能の責任を担うのか。私はそれは、行政の一部にもそのチェック機能を担っていただくのは大いに結構なことだと思いますが、しかしやはりこのチェック機能、国民の税金を預かって、その使途についてのチェック機能の最終責任を私は負うべきは国会ではないか、なかんずくそれは参議院ではないかと考えているわけでございます。
その意味で、本当にこの参議院の決算機能というものが十分かどうか、私はその点について焦点を絞って意見を申し上げさせていただきたいと思います。
結論からいうと、多くの方々の御努力によって参議院の決算機能は強化されつつありますが、まだまだ不十分であるとしか言えないというふうに思うわけであります。
まず第一に、先ほど、今日の財務大臣をお招きしての質疑でも議論になりましたけれども、本当に予算の査定あるいは予算の使い道のチェックというものを十分な人員でチェックできているかということについて非常な疑問があるわけでございます。財務省が予算編成にかかわる人員というのは、財務省の主計局というのは約三百五十人の人員で、先ほどの話でいうと、八十兆余りの一般会計のみならず、純計でも二百兆円を超えるような財政支出の査定を行っているわけでありますが、これが本当にその中身についてきちんとチェックはできているか。関係者の御努力には敬意は表しますけれども、しかしそれは不十分と言わざるを得ない。
だとすれば、国会の決算調査機能というのはどれぐらいあるか。調査室というのは九人のスタッフでやっておられるわけであります。先ほど同僚議員の大塚議員からも、あるいはほかの同僚議員からも指摘がありましたけれども、この八十兆円以上あるいは純計二百兆円以上の国の支出についての、じゃ決算委員会における質疑の内容というのはどうかと。省庁別でいえば、厚生労働省も含めて、二つの役所を大体セットにして六時間の審議しかできていない。その中で本当に、その使途の適切性、あるいはプログラムの適切性、あるいはそのプログラムの背景にある政策の適切性をチェックできているかというと、残念ながら私はそれは不十分ではないかと思います。
ちなみに、これは会計検査院の機能とも絡みますけれども、アメリカにはGAOという組織があります。イギリスにはNAOという組織があります。それぞれが日本の会計検査院に匹敵するような機能を果たしているわけですが、GAOの場合、会計検査院の三倍近い三千人を超えるスタッフを持っていますけれども、しかしながら報告は、GAOという組織の年間の報告書の数というのは千二、三百件を超えるわけですね、平均して。それだけのものを、報告書をどんどん出している。そのスタッフがフル稼働をしているという状況にある。日本の会計検査院も、検査官の方々努力をされているかもしれない。千人以上の組織ですけれども、果たしてGAOに匹敵するだけの機能を果たしているかというと、私はこれは心もとない限りであると言わざるを得ません。あるいは、日本と類似の議会制民主主義を持って、日本の会計検査院と類似の組織的性格を持っているNAO、これイギリスの会計検査院でありますが、これは日本の会計検査院よりも予算規模も小さく、人員も小さいわけですが、それでも年間数十本のレポートを出して、しかもそのNAOが出すレポートというのがイギリスの決算委員会においてきちんと審議をされ、それが具体的に政府に出した改善要望というものはほぼ九割以上の確率で改善が実施されているという実績がございます。
イギリスでできて、あるいはアメリカのGAOができて日本の会計検査院やあるいは決算委員会がそれに匹敵する成果を上げていないとしたら、そこはどこに問題があるのか。我々、これイギリスのNAOあるいは決算委員会の在り方というのは非常に与野党を超えて運営している、委員長も実は野党が運営している、だけれども、その野党が与党がというよりは与野党を超えてチェック機能を果たしているということに学んで、もう少し会計検査院と特に参議院の決算委員会の機能を連携させて具体的にいろんなプログラムを評価し、それを政府に改善勧告をし、それを政府が真剣に実施するという関係を作り上げていかなければならないんではないかと考えています。
その意味では、決算委員会の在り方自身が本当の今の、非常に関係者の皆さんの御努力でこの会期内に決算審査が昨年終了した、あるいは今回もその勢いでやっていただいている、これは非常に私は評価すべきことであると思いますが、しかし本当に決算委員会というのが今のような形で、二つの役所で六時間という省庁別審査でいいのか。これは国会全体の、例えば会期の見直し、これは憲法調査会においても議論が出ましたけれども、本当に通年国会というものを考えるべきじゃないのか。衆議院の会期と参議院の会期が同じでいいんだろうか。特に、予算編成に反映させるという意味では、むしろ秋に集中して、今のこの決算の審議日程よりももっと集中して、もっと詳細に、しかもそれをきちんとした調査スタッフを議会に置くのか会計検査院をもっと活用するのか、そういうことも含めてしっかりと議論をしていかなければならないのではないかと思います。
その意味でも、例えば決算の在り方について、これは余り抽象的な議論ばかりこだわるつもりはありませんけれども、今の憲法の規定、この規定の在り方も含めて見直して、報告説的に決算はとにかく出しっ放しでいいということではなくて、きちっと予算と同じように議案として位置付けて、その決算が通らなければある意味では予算の審査も前に進まないというような形にしていかなければいけないし、また衆議院と参議院が同じような決算委員会を持っているのがいいのかどうか、そこの役割分担というものも議論をしなければいけないのではないかと、そんなふうに考えております。
いずれにしても、私は個別の案件もこの委員会でいろんな議論が出て言いたいこともありますけれども、今時間の関係がありますからそれについてはあえて申し上げませんけれども、この決算委員会の機能の在り方については、例えば今日自由討議もございますが、その各党、党派を超えた自由討議の意見をしっかりと委員会として議論をして、それを参議院全体の議論に是非とも高めていただく。そして、もっと言えば、参議院と衆議院の在り方、二院制の在り方も含めて、参議院がどういう役割を果たしていくかということにきちんと反映をしていくべきではないかと思います。
今日の質疑の中でも、行革時代に財政機能をどのように財政のチェック機能を高めていくかという議論がございました。行政改革の中で、例えば財務省の主計局にそんなに大きな人員を置けないという話もございました。しかしながら、全体に会計検査院の機能も含めて、本当にあるいは政府全体の、政府といったときに内閣だけではなくて国会の調査機能まで含めて、どこに人材を配置するのが本当の意味での国民の税金の使い道として有効なのか。
イギリスの会計検査院、NAOは、バリュー・フォー・マネーという観点で、要するに本当に国民からいただいている税金にふさわしい行政サービスを行っているかどうかということでチェックをすることに力点を置いています。我々もそういう発想で、きちんと必要なところには政府あるいは公的セクター全体としてどこに人員を割いて、そしてバリュー・フォー・マネー、国民の、タックスペイヤーの税金にふさわしい行政サービスを確保していくかということを参議院全体として、あるいは国会全体としてとらえなければならないのではないか。そのことを是非この決算委員会から参議院全体に、そして国会に提言をしていくべきではないかということを私なりの提言に代えさせていただきます。
ありがとうございました。
#134
○木庭健太郎君 国会の歴史を踏まえ、参議院における決算審査の在り方並びに平成十四年度決算外二件に対するこれまでの審査を踏まえて、内閣に対し警告又は要請すべき事項について意見を申し述べます。国会における決算審査の意義は、国会が議決した予算及び関係法律が適正かつ効率的に執行されたかどうかを検証し、あわせて、政府全般の施策について広く国民的視野から分析評価を行い、その結果を後年の予算編成及びその執行に反映させることであります。
昨年、平成十三年度決算の委員会審査が三十五年ぶりに決算が提出された国会の会期内に終了したことは、参議院改革における決算重視を象徴したものであり、平成十四年度決算の審査においても、委員長、理事始め党派を超えた委員各位の努力の下に、近年実施していなかった視察や参考人質疑、本日行った財務大臣に対する集中的質疑など、昨年度にも増して充実した審査が行われていることは、決算の重要性を国民の方々に広く認識していただけたものと考えます。
ここで、改めて国会における決算審査の在り方について考えてみたいと思います。
国の決算については、日本国憲法九十条に、「国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。」と定めております。この条文は、大日本帝国憲法第七十二条の、「国家ノ歳出歳入ノ決算ハ会計検査院之ヲ検査確定シ政府ハ其ノ検査報告ト倶ニ之ヲ帝国議会ニ提出スヘシ」との規定を踏襲したものであります。この条文だけ見ると、政府は国の決算を議会へ提出することをもってその責任は終了するようにも読み取れます。
しかし、貴族院では、決算委員会における決算の審査手続を規定した決算議定細則を定め、議会制度当初から政府の予算執行結果について審査をしてまいりました。そして、現国会制度移行後もこの制度が踏襲されたのであります。
決算の国会の取扱いについては、決算は日本国憲法第八十三条の規定に基づく国会の財政統制の一環であり予算と同様に扱うべきであるという議案説と、憲法では国会への提出のみを定めているという報告説がありますが、参議院の存在理由にもなっている決算重視という観点に立つならば、衆参それぞれが決算を議決対象として審査する現行の運営が参議院として独自性を発揮することができ、適切であると考えます。
仮に衆参一致の議決を必要とする議案説に立つと、内閣に対する警告も衆議院送付案が俎上に上ることになり、決算審査を重視する参議院独自の意思を表示することは大変困難になると思われますし、当決算委員会の運営も衆議院から決算が送付されるまで徒手空拳にならざるを得ないという問題が生じるのであります。もちろん、法的効果はなく、政治責任を問うのみでは議決として弱いという意見があることは十分承知しておりますが、議会政治においては内閣の政治責任を問責する以上に重いものはないのではないでしょうか。
当決算委員会においても、過去、国会が決算を是認しない場合の内閣の対応を問う質疑が行われておりますが、昭和二十一年の現憲法を審査する衆議院帝国憲法改正案委員会において金森徳次郎国務大臣が、また昭和四十四年の参議院本会議において佐藤栄作内閣総理大臣が、ともに国会が決算を是認しない場合には総辞職もあり得る旨答弁していることからも、議会政治においては内閣の政治責任を問責する以上に重いものはないと考えております。
次に、決算の議決方法に目を転じますと、昭和四十年以降は、決算の是認、内閣に対する警告の二項目を内容とする議決案について、それぞれの項目ごとに表決を付する議決方式を取っておりますが、現在の議決方式になる前は、内閣に対する警告と、警告のほか異議がないの二項目から成る議決案を一括して表決に付しておりました。しかし、昭和三十七年決算審査の討論において、我が党の二宮文造委員から、決算そのものに直接賛否の意思表示をしていないことには疑義がある。また、警告事項には反対しないが、警告事項以外は異議がないという字句に反対するのであって、結果として議決案全体としては反対するとして、議決方式によって問題提起をし、その後、各党間の協議が行われた結果、昭和四十年度決算の審査以降は、決算の議決案は決算の是認と内閣に対する警告の二項目で構成し、それぞれの項目ごとに表決を付されるようになったのであります。
なお、衆議院では現在も議決案を一体のものとして議決しており、警告部分には賛成であっても他の事項に反対の場合は議決案全体について反対せざるを得ない状況が今も残っているのであります。
次に、過去の内閣に対する警告の内容を改めて読み返してみますと、平成七年度決算についての内閣に対する警告において、財政構造改革が喫緊の課題とされている現状の下、公共事業予算の重点化、効率化に向けた努力を要請する事項が含まれており、内閣に対する警告が必ずしも不適正な予算執行に対する事項のみにとどまらず、要請ないし勧告的な事項も警告として取り上げたこともありました。更にさかのぼると、昭和二十年度から三十三年度までの決算審査におきましては、警告又は要望すべき事項を決算委員会において議決しておりました。
昨年、平成十三年度決算の審査の際、将来を見据えた提言をしていこうということで、要請事項を警告とは別に特記することになることで各党の意見が一致し、決算の早期提出など四項目から成る平成十三年度決算に関する要請決議を決定いたしました。しかし、要請決議を本会議に上程することについては各党の意見が一致せず、委員会限りの議決に終わりました。
さきに述べましたように、喫緊の課題であれば警告として要請事項を取り上げることも可能ではありますが、素直に行財政の状況を記述して、内閣に対し政策課題を要請し又は勧告する方が適切であり、本会議の議決事項とすべく更なる議論を重ねるべきであると考えます。
その際忘れてならないのは、決算審査は決算委だけのものではなく、参議院全体の課題ということであります。参議院改革協議会において決算審査の充実が参議院の存在理由としてとらえられ議論されてきたことを踏まえるならば、要請決議として取り上げた事項は、単に委員会限りの決議にとどめることなく、本会議に上程し、参議院議員全員の意思表示を決めるべきであると私は思います。ここで改めて、平成十四年度決算に関する要請決議が各党間で合意された折には、これを本会議に上程することを強く求めるものであります。
では、具体的に内閣に対して警告すべき事項並びに要請すべき事項について若干考えを申し上げておきます。
まず、警告すべき事項についてでございますが、第一は、平成十四年度決算検査報告において、先ほども指摘があったように、指摘金額が四百億一千二百三十五万円と過去二十年間で最悪となったことであります。予算及び関係法律が適正かつ効率的に執行されたかどうかを検証する決算委員会としては決して見過ごすことができない重大な事態であり、政府に猛省を促す必要があると思っております。
第二は、医師の名義貸しであります。
文部科学省の調査結果によれば、名義を貸していた者の多くが国公私立大学の大学院生でありましたが、国立大学の教職員も名義貸しに関与していたことが明らかとなっております。国家公務員の綱紀粛正、医療従事者の適正配置を一層強く求める必要があると考えます。
第三は、HUAロケット六号機の打ち上げ失敗であります。
宇宙開発は大きなリスクを伴うものでありますが、一瞬にして数百億円の損失が生じましたことは看過できないことであります。徹底的な原因究明と再発防止を求めなければならないと考えます。
最後に、内閣に対し要請すべき事項について申し上げます。
第一は、ODAの有効性、効率性についてであります。
決算委員会においては、ODAについて、実施の在り方、有効性、効率性、検査、評価など様々な視点から質疑が行われ、さらに本年は参議院としてODA調査団を派遣することが決定していることからも、ODA実施に当たっての有効性、効率性の一層の向上並びにODA調査団への協力を求める必要があると考えます。
第二は、皆さんが御指摘されている独立行政法人に対する財務検査、業務評価の徹底であります。
独立行政法人については、その制度創設の趣旨にのっとり財務諸表や実績報告が提出され、主務大臣の承認、評価委員会の評価が行われていますが、我が党の山下栄一委員の質疑により、独立行政法人農業技術研究機構が着工もしていない工事を竣工したとして工事代金を全額支出とする前例もない不当な経理が明らかになりました。独立行政法人の財務諸表、評価報告書の国会への提出など、財政法、独立行政法人通則法の改正も視野に入れつつ、内閣に厳格な対応を求める必要があると考えます。
以上、決算審査の在り方並びに内閣に対し警告又は要請すべき事項について意見を申し述べさせていただきました。
以上で意見表明を終わります。
#135
○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。私は、二〇〇二年度の決算とこれまでの審議を踏まえ、二〇〇五年度予算に反映すべき強調点について意見を表明します。
二〇〇二年度の公債残高は五百四兆円であり、多額の借金を国民に背負わせることになっています。小泉総理は国債発行額を三十兆円に抑制すると公約しましたが、二〇〇三年度以降、二年連続でその公約は守られず、二〇〇四年度は三十六兆円と過去最悪の借金依存となっています。政府は構造改革なしに景気回復なしと、医療費の国民負担増大、不良債権の処理の加速を進めてきましたが、それが一層国民の生活を深刻にさせ、財政をも深刻にさせてきたのではないでしょうか。国民の暮らしが元気になってこそ日本の経済も国の財政も健全化するものと考えます。そのためには、公共事業や軍事費など無駄を削って、年金を始めとした社会保障や雇用、中小企業、農業対策、国民の暮らしのために予算を重点的に配分することが必要です。
こうした二〇〇二年度の決算の問題点を二〇〇五年度予算編成に生かす立場から、以下、具体的に述べたいと思います。
第一に、イラクから自衛隊を撤退させ、復興支援は国連の枠組みで行うよう転換すべきです。
この間の国会審議で政府のイラク派兵の根拠は崩れています。自衛隊は戦闘地域に行かないとした政府の答弁から見ても、全土が戦闘状況にあるイラクに自衛隊を派兵、駐留させる理由はありません。また、人道支援、復興支援をしているとの主張も、現に航空自衛隊が占領軍の兵員輸送をしていることからいっても成り立ちません。スペインを始め占領軍に加担してきた有志連合は、撤退開始、検討、表明を行っています。このまま駐留することは、小泉総理が国会答弁した殺し殺されるかもしれないことが現実のものになる危険があります。日本の歴史に汚点を残すわけにはいきません。直ちに自衛隊を撤退させ、その費用は削除すべきであります。
第二に、年金、医療、介護など、社会保障を予算の中心に据える予算編成を行うべきだと考えます。
審議の渦中になっています政府の年金法案は、保険料引上げ、給付の削減で憲法二十五条も破壊するもので、断じて許すことはできません。改悪案を撤廃し、国民への公約である基礎年金の国庫負担を直ちに二分の一に引き上げるべきです。
日本共産党は、最低保障年金制度を作り、安心した年金制度の政策を発表しました。最低年金五万円で掛金分に応じて上乗せをする、これは二十五年掛け続けなければ受給できない問題や無年金問題を解決できるものだと考えます。財源は、道路特定財源の一般財源化、また、無駄な歳出を削り、大手の企業の社会保障財源の負担割合を引き上げれば生まれてきます。政府はこうした財源論に立脚すべきではないでしょうか。
社会保障の問題では、本委員会で我が党の畑野参議院議員が取り上げましたが、二〇〇二年度、二〇〇三年度の医療費の国民負担増大は受診低下をもたらしてきました。国民の命にかかる重大な問題です。直ちに健康保険本人負担を元の二割に戻し、お年寄りの自己負担も軽減するよう、次年度の予算措置を取るべきだと考えます。
生活保護費用について、政府は補助金一兆円削減の一環として国庫負担率の引下げを検討してきましたが、多くの反対で二〇〇四年は見送りました。当然のことだと思います。本来、生活保護は、憲法二十五条に基づき、国の国民に対する責務です。次年度の編成でこの分野の削減は絶対すべきではないことを強く申し上げます。
第三に、実効ある雇用対策を取ることです。
失業率は五%を割ったといえども、依然三百五十万を超える国民が仕事を失っています。政府統計でも、正規雇用が減り続け、パートや派遣など不安定な雇用への置き換えが進められています。この雇用不安の増大は、国民の所得を減らし、景気にも深刻な影響を広げ、生活不安をもたらしています。安定した雇用の確保は重要な政治の仕事です。大企業のリストラを野放しし、派遣労働の規制緩和など不安定雇用を拡大する施策を改め、正規雇用を拡大する対策が必要です。
特に、将来の日本社会の担い手の若者の雇用対策は急務です。二十四歳以下の失業率は一〇・一%で特に最悪で、フリーターは四百十七万人にも上り、若者の雇用を百八万人も抑制してきた大企業の責任は重大です。政府の青年雇用対策予算も、日本はフランスの四十三分の一、イギリスの十三分の一と極端に低く、ここを大幅に増額することが求められます。
第四に、不良債権処理の加速をやめさせ、中小企業予算の抜本拡充が必要です。
政府が推進してきた不良債権の早期処理は、貸し渋り、貸しはがし、金利引上げで資金繰りに苦しむ中小企業を窮地に追い込んできました。中小企業は、事業所数の九九%、雇用の七割を担い、日本経済を支えてきた宝です。ここが元気にならなければ現在の大不況から脱出することはできません。その予算の一般歳出に占める割合は〇・三六%であり、この対策費を大幅に増額し、不良債権処理の性急な加速はやめるべきであると考えます。
第五に、食料、農業、教育、子育て、環境などの予算の拡充です。
BSE問題や鳥インフルエンザなど、今国会は大きな問題になりました。国民の食品安全に関する不安の解消へ検査体制の強化を行うなど、予算措置が必要だと思います。
また、子供をめぐる問題では、私も本委員会などで取り上げてきましたが、児童虐待問題や養護学校の過密問題、公立保育所の民営化問題など、子供の成長への国の責任が改めて問われています。子供には最善のものを、これは国際的宣言です。本委員会などで担当大臣が答弁をされた児童福祉司の増員、養護学校の過密の実態把握、公立保育所運営費の一般財源化後の影響調査などについて実行し、その予算措置を取ることを改めて申し上げます。
最後に、社会保障や暮らしの予算を拡充するための財源をどう生み出すかについて意見を述べます。
第一に、浪費と利権の温床になっている道路特定財源を一般財源化することです。道路特定財源はその使途を道路整備とし、整備が進んだ今日も総額五兆七千億円もの巨額がつぎ込まれています。不要不急の道路建設が行われ、この特定財源が政治家の利権の温床になっています。これほどの浪費はありません。一般財源化し、社会保障の財源にすべきではないでしょうか。
第二に、公共事業の中の無駄な事業の削減です。
政府の道路公団民営化は、無駄な高速道路建設に歯止めを掛けないばかりか、四十兆円もの巨額のツケを国民に押し付けるものです。さらに、特定財源を注ぎ込み、採算性のない高速道路建設を進める無駄にメスを入れるべきです。
空港や港湾、ダム建設もメスを入れなくてはなりません。本日の委員会で私も指摘しましたが、関西新空港二期事業は、現在の滑走路でも需要予測が下回り、関空会社の経営も赤字の連続です。現に、国土交通大臣と財務大臣の合意からも、需要動向と経営状況を見て検討とされています。こうした関空二期事業に国民の税金を投入するわけにはいきません。
こうした公共事業は、政治家と企業の献金による癒着で不正な入札が行われていることを我が党の八田議員は徳山ダム問題で指摘をしました。こうした不正をなくし、公共事業の中での無駄な事業にメスを入れ、削減し、生活に根差した公共事業に転換すべきではないでしょうか。
第三に、軍事費の大幅削減です。
日本は五兆円規模の軍事費を維持しています。米国務長官が議会に提出している共同防衛に対する同盟国の貢献に関する報告二〇〇二年版は、日本の防衛費がGDPに占める割合では一%という低いレベルにとどまっているものの、その経済規模から、防衛支出の実額では報告で挙げたすべての国の中で第二位に位置していると指摘し、一九九〇年以降の推移で、他の国々の合計が約二〇%の削減だったのと対照的に日本は二〇%増大と称賛するほどです。これは、日本の軍事費が米国の要請にこたえたものであることを示すものだと考えます。しかも、我が党の畑野参議院議員が本委員会で指摘しました米軍の住宅などの思いやり予算まであり、こうした軍事費の削減にきっぱりと踏み出すべきです。
第四に、政党助成金や警察の裏金など、不正支出をきっぱり削減すべきです。
さきの総選挙で、政党助成金を原資にし選挙活動を行った不正が明らかになりました。元々、国民の税金を山分けして政党の活動資金にすることはおよそ近代政党の在り方からしても問題であり、国民の政党支持の自由を財政面で崩すものにほかなりません。こうした憲法違反の政党助成金は直ちにやめるべきであります。
また、今国会では北海道警を始めとした警察の裏金作りが重大問題となりました。この間の関係者からの証言でも、国費の捜査費も裏金の原資になっています。抜本的に真相を解明する上でも、外部監査を設け、徹底した調査とともに、不正額を明確にして国民に公表し、きっぱり削減すべきだと考えます。
決算委員会は、国民の大切な税金がどう使われたか、その審査を行い、次年度の予算編成に教訓化することが役割と考えます。国民の立場に立った次年度予算編成が行われることを強く表明して、私の意見表明を終わります。
#136
○又市征治君 二〇〇四年度決算審査をまとめていくに当たって、大きく分けて四点にわたって意見を述べたいと思います。まず、警告決議については、委員の全員が合意できるよう内容を精査すべきであることは言うまでもありませんが、同時に、各委員の発言のうち、政府の予算執行に対する重要な警告にわたる事項はなるべく採用すべきだと思います。警告とすべき範囲、基準は何かと考えた場合、例えば会計検査院から既に不正、不当、その他の指摘を受けたものに限るとすれば、これは当委員会の独自の存在意義を放棄したものになってしまいます。検査院の検査は、自らも言うように、行政府の制定した財務ルールにのっとって行ったものであり、政策や財務ルール自体の是非にまでさかのぼる例は少ないからです。
また、委員会審議を通じて当局側が自らの非を認めたものに限定するのも、当委員会の主体性、警告決議の機能を自ら不必要におとしめるものではないでしょうか。けだし、霞が関の常識は世間の非常識とやゆされるように、残念ながら行政官僚は自らの判断が明らかに誤っていても容易に非を認めることが少なく、そこにこそ議会のチェック機能が働くべきだからです。
ともあれ、ここまで審議を共有してきた我々が熟慮、協議すれば、もう少し柔軟で客観的な、行政府に制肘されず、チェック機関としての議会、決算委員会にふさわしい基準を編み出すことは可能だと信じます。七項目や八項目などに絞ることではなく、例えば当委員会で質疑され、五名以上の委員が警告に値すると賛同したものなどに広げることなども検討すべきではないかと思います。
要は国民から見て、よくぞ決算委員会が表明したと評価されるような警告決議としたいと思います。この思いは皆さん同じであろうと思うからであります。
二つ目に、特別会計の問題点と改革について私は一貫して質疑を行ってまいりましたが、私なりのポイントのみを警告部分と要請部分を含めて述べたいと思います。
まず、特別会計は三十二あると言いますが、実態は、二〇〇二年度の、六十七の独立した勘定に分かれて予算総額三百八十二兆円もあるわけです。相互の出し入れもあり、余りに煩雑で透明性、説明責任に欠けることです。財政法で定めた定義が乱用され、各省庁の聖域になり過ぎています。
そこで、第一は数の整理です。これは特会ベースだけではなく勘定ベースで減らすべきです。国民も有識者も一貫性、分かりやすさを求めています。
特別会計の第二には、特定財源があることが特別会計存続の理由とは言い難く、一般会計の中でも特定財源は明示できます。これは自治体が皆やっていることであります。特に、一般会計と同類の事業をやっている特別会計、例えば道路整備など公共事業の五つの特別会計です。ちなみに、逆の例として電波利用料五百五十億円、これは特定財源ですが、一般会計の中でちゃんとやられているわけであります。
特別会計問題の第三に、特別会計から特殊法人、独立行政法人を経由して、投資、出資という名目で巨額の政府資金が出ていますが、これが多数毀損しています。具体的な例は何度もここで申し上げてまいりましたので繰り返しません。政府側は、政策的目的だから回収できなくても、例えば四四%でもいいんだと言いますけれども、財政審議会の報告書では厳しく削れと言っています。決算委員会としては、最低限財政ルールとして、出費を続けるならばせめて補助金に切り替えよと決議すべきではないかと思います。
第四に、特別会計の財源囲い込みは支出の硬直化と同時に天下りの源泉になっています。独立行政法人や行政型の公益法人への高級公務員の就職についても対民間並みに人事院承認事項とするよう、是非要請決議にすべきだろうということを主張したいと思います。
大きな三つ目に、ODAについては、現地のニーズに合った自立発展性のある協力になるよう、方法としては円借款による日本商品の売り付けにとどめず技術移転などを重視すること、そのためにもNGOをもっと重視することなどを要請決議としていただくように求めたいと思います。
最後になりますが、今、国の財政について国民の最大の関心事といえば年金の財源問題です。とりわけ、国民年金の空洞化を食い止めるのが緊急の課題だと考えます。それには、やらずぶったぐりと言われるような今日の政府案では逆効果であり、当面、今は撤回して国民的議論に付すべきだろうと考えます。一元化は透明性のため望ましいことですけれども、すぐには難しいし本質的な解決ではありません。
今日は、この場ではこの論議はおきますけれども、年金制度に対する国民の信頼を回復をし、国民年金の加入率や納付率を回復するため、まずは附則で定めた基礎年金の二分の一国庫負担を直ちに実現することこそが求められると思います。できるならば、掛金もむしろ一万円程度まで下げるべきではないかと思います。
今後数年間を年金の信頼回復期間として位置付けて、財源としては一時的には年金積立金からの借入れもすべきだし、我々が当委員会で取り上げてきた様々な特別会計の余剰資金や不正常な支出相当分も活用すべきだろうと思います。このことは、むしろ国民的な合意を得られるはずだろうと思います。ネットで百九十九兆円の全特別会計の中からこれまで見てきたような不当なあるいは不要不急の支出を精査をし、これを停止することにより年間数兆円規模の資金を捻出することは十分可能だろうと考えています。
この国民的な課題について政治の信頼回復をするためにも是非要請決議に盛り込むことを提案を申し上げて、私の意見を終わりたいと思います。
#137
○岩本荘太君 決算審議の在り方について私見を述べさせていただきますが、先ほど財務大臣に大体質問いたしましたので、簡潔に申し述べたいと思います。先ほどの議論でも、私は決算の不適当な部分についてはその責任の所在を明らかにして何らかの、処分と言ったら言い過ぎでございますけれども、何らかの対応をすべきだということを申し述べたんですが、必ずしも財務大臣からは快い返事はございませんでしたが、これについては私は何らかの格好でやるべきである。これは何も悪人を作るということでなくて、いわゆる参議院の決算審議というものに対する重みを付けるためのものだと思っているからでございまして、と同時に、法的なものの瑕疵につきましては、これは会計検査院が十分に対応できると思うんですが、それ以外のもの、いわゆる法律的には瑕疵がなくても国民が納得し得ないものというものはまだ依然として残っているんじゃないかと。そういうものに対しては、やはり何らかの責任追及といいますか、責任の所在を明らかにして、余り罪人を作るというようなことでなくて、いい方向に持っていく責任追及というものが必要なんじゃないかなというような気がいたします。
そういう考え方に対して、財務大臣は、やっぱり予算を決めた時期と、時期の判断があるというようなお話でございましたけれども、それはそれなりの一つの考え方と思いますが、この考え方は物すごく危険な面もございまして、そういう考え方が通用しますと、決算要らないんじゃないかと、これは予算のときにいいと思って決めたんだから決算要らないんじゃないかというような議論につながりかねないんで、その点は我々は十分に考えなきゃいけないんじゃないかなというような感じがいたします。
方法として提案すべきなんですが、私はなかなかございませんけれども、例えば警告決議の重みをどのぐらいにするか、もう少し今までよりも、もう少し重みを付ける方法がないかとか、そういうようなことで何かのやり方があるんじゃないかと。この辺を是非、思い付かないんですね、これは決算委員会の中の今後の、すぐにはできないかもしれませんけれども、一つの今後の審議の中で一応頭に入れて、是非入れておいていただきたいなというふうに思っております。
それともう一つは、個別の面でいきますと、これも決算委員会で質問させていただいたんですが、ODAの決算の現地調査、これを主張します根拠は、やはりODAの金の流れを追及していきますと、日本企業に還流される部分が相当あるんですね。これがその相手国政府を通って日本国、日本の企業に行くもの、日本企業からそのまま行くものというふうにいろいろ種類はございますけれども、そういうものが割合聖域として扱われていると。そのために非常に何か不明朗な、不透明なものが発生しているように私は思うんでありまして、これはタックスペイヤーといいますか、納税者から見ると非常にやっぱり納得のいかない問題ではないかと。この辺をやっぱりはっきりさせるにはもう少し会計検査院、ほかの機関があってもいいんですけれども、会計検査院、当面であれば会計検査院が、実地検査をもう少し密度の高いもの、あるいは実地検査ができないでも、それに代わる何らかのものをやらないと、やっぱり納税者に対する納得にはならないんじゃないかなというような気がいたします。
そして、これについては、私は主張さしていただいたのは、一つは、まあそこまでできないとすれば、いわゆるODAを使った技術援助という形で相手の行政機関でいろいろ指導をするということも一つの方法じゃないかな。これは、現実に会計検査院以外の例えば行政、ほかの行政機関でも技術援助というのをかなりやっているわけですから、話合いをすれば決して受け入れられないものでないし、これは決して相手の国を責めるものでもない。むしろ日本の国の納税者を納得させるものですから、その辺はよく説明をして、受け入れられる方法ではないかなということを考えております。
それから、これはちょっと荒唐無稽な提案でございますけれども、よく、やっぱり参議院が予算を承認しちゃうと、決算というものを何か白紙の状態といいますか、そういうような状態でなかなか審議しづらいと。したがって、本来であれば、予算は衆議院だけ、決算については参議院がやればいいというような議論があるんですが、私は、これ現憲法下でもできるんじゃないか。ということは、予算を参議院で決めなくても予算は成立するわけですから、その手を使えば、まあある意味では解釈改憲みたいなものかもしれませんけれども、そういう方法を取ればやっぱりできるんではないかなというような気がいたしますので、その点を一つ御提案さしていただきます。
以上です。
#138
○委員長(鴻池祥肇君) 以上で意見発表は終わりました。これより、一時間以内でもって委員間の意見交換を行いたいと思います。
なお、御発言はそれぞれ五分以内でお願いをいたします。
それでは、御意見のある方は挙手の上、指名を受けてから御発言願います。中原委員。
#139
○中原爽君 先ほど意見発表で申し上げ損なったことにつきまして簡単に御説明さしていただきたいと思います。お許しをいただきたいと思います。会計、財政の不適正な処理を行った公務員に対しましては懲戒処分などが行われておりまして、その処分調書が我々の手元には来るわけでありますけれども、現在、この決算委員会では、和田室長の名前で財務省にこの処分調書の要求をしておるわけでございます。ところが、衆議院の決算行政監視委員会では、既に昭和三十八年ごろから委員会の議決の形を取りまして、決算委員長から財務省に対する資料要求を諮っているということだそうでございます。
したがって、私どもの参議院の決算委員会といたしましても、この公務員等の処分状況を確認するためには、やはり委員会議決の形を行いました後、財務省から処分調書を要求するということの方が重みという意味で、和田室長がどうこうと申し上げるわけじゃございませんけれども、委員会としてこういう形を取った方がよろしいのではないかということを申し上げたかったわけでございます。
以上でございます。
#140
○委員長(鴻池祥肇君) 他に御意見──はい、松井委員。#141
○松井孝治君 済みません、松井でございます。民主党の松井でございます。先ほど、私が議案説について提案をいたしましたが、私の趣旨は、今の衆議院と参議院で、衆議院先議で議案説を解釈をいたしますと、逆に、先ほど同僚議員から御指摘いただきましたような弊害があることは私も同感でございます。私が申し上げたかったことは、ある程度この決算審議、単に、政府から聞きっ放しではなくて、何らかの政府に対する拘束力を我々が持つべきであるという意味で議案説を申し上げさせていただいたということを付言をさせていただきます。
加えて、先ほど時間がありませんでしたので個別分野について申し上げませんでしたが、一つ申し上げさせていただきたいのは、今日も議論になりました特別会計の在り方でございます。私も具体的な質疑の中で申し上げましたが、特別会計と、それから特殊法人あるいは独立行政法人、そしてそこに対する官僚の天下りというものが密接に結び付いて、予算がある意味では各省庁のポケットのように使われている部分があるんではないか。個々に、私は天下りというか国家公務員の再就職を全面的に禁止すべきだとまでは言いませんけれども、しかし、その職務権限と密接に結び付いて天下りあるいは再就職が行われている団体に対して制度的に一定の支出が、特になかなか財政の規律が働きにくい、財務省の財政の規律が働きにくい各省の特別会計から支出が行われている、このトライアングルのような構造というのはやはり構造的に改めていかなければいけないのではないか、そういう思いで私どもは発言をさせていただいております。
先ほども同僚議員から類似の指摘がありましたが、その辺り、個別具体的な予算の費目だけではなくて、制度的な問題についてもやはりこの決算委員会が指摘をしていくというようなことも必要なことではないか。そのことも加えて提言をさせていただきたいと思います。
ありがとうございます。
#142
○委員長(鴻池祥肇君) それじゃ、神本委員。#143
○神本美恵子君 私は、是非とも警告すべき事項の中に入れていただきたい問題として、先ほどもちょっとありましたけれども、警察の不正経理問題があると思います。北海道、福岡は、内部調査による中間報告が既に行われて、その中でそれぞれ不正流用があったことを認め、謝罪もされております。引き続きこの内部調査、それから各県の監査も進められているところではありますけれども、この間の国会、衆参の審議、それから報道等によりましても、認められたのは一部でありまして、例えば告発した方がおっしゃっている私的流用についてはそれぞれ否定をされております。それから、使途不明金についてもその金額等についてはまだ明らかになっていない。また、この間の調査の過程で、例えば捜査協力者あるいは、捜査員あるいは捜査協力者への直接事情聴取というものが行われない状況になっております。
また、領収書の所在地が捏造されるとか、それから証拠となるべき会計書類が期間満了以前に廃棄される、それから会計検査院対策と思われるような応問状況というような書類が存在している、あるいは裏会計マニュアルがある等々の様々なこういったことを見ますと、これは単なる予算の不適正執行という問題ではなくて、組織的不正や隠ぺい工作が行われているのではないかというようなことも今疑念がわいておりますので、そういった意味から、これからの調査を進めるに当たっては第三者機関による調査が必要ではないかというふうに思います。
また、警察庁及び全都道府県警の九八年度分、書類が存在しております九八年度分以降の捜査費、旅費、すべてを対象にした調査をやるべきだと思います。
もう一点、会計検査院が毎年調査に入りながら、なぜこうした不正が見抜けなかったのかという観点からは、特に簡易証明と言われる対象になっています官房機密費や捜査費、調査活動費など、そういったものが壁になっているのではないか、会計検査の手法の改善といったことも是非今後早急に検討すべきことではないかというふうに思っておりますので、決算委員会として、この問題については更に原因の事実解明、原因究明、責任の所在、そして再発防止までも含めた警告をなすべきではないかなというふうに思います。
以上です。
#144
○委員長(鴻池祥肇君) 他に御発言ございませんでしょうか。意見交換の時間でございますから、委員同士の御質問や御意見交換、どうぞ御遠慮なく。──よろしゅうございますか。それでは、他に御意見もないようでありますので、これをもちまして自由討議を終わりたいと思います。
─────────────
#145
○委員長(鴻池祥肇君) この際、川橋幸子君から発言を求められておりますので、これを許します。川橋君。#146
○川橋幸子君 どうも、発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。本日、委員会の全日程を終了いたします前に、民主党・新緑風会、日本共産党、社会民主党、無所属の会の岩本荘太議員の野党四会派を代表いたしまして、一言私から発言をさせていただきます。
去る四月二十六日の本委員会におきまして、柏村武昭議員が、イラクで人質になった方々のことについて反日的分子、反日活動家などと表現されたことに対し、我が党の神本美恵子議員より不穏当ではないかと発言し、議事録の精査を求めたところであります。
また、その後、四月二十八日には、野党四会派はそろって、この件につき御本人からの謝罪あるいは発言の削除などを強く求めて鴻池委員長に申入れを行い、鴻池委員長としても重く受け止める旨のお答えをいただいたところであります。
本日、理事会においてその協議が行われましたが、御本人からの申出はなく、理事会では、各会派から表明された意見を踏まえて鴻池委員長がその取扱いを御判断されるということに同意したところでございます。しかしながら、野党四会派といたしましては、改めて、本委員会の場をかりまして、この発言が民主主義の根幹にもとるものであること、また良識の府、参議院決算委員会の見識や品位に欠けるものであり、このまま放置してはならない問題であることを強く指摘させていただきたいと思います。
以上、政党会派を超えまして各議員の良心に訴えるとともに、委員長始め委員各位の労を多としながらも、なお一層の適切な対処方につきまして真剣な御検討をお願いすることで、私の発言を終わらせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
#147
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまの川橋幸子君の御発言につきましては、御発言の中にもございましたように、本日の理事会におきまして委員長が対処せよと、こういうことでありましたので、委員長の責任におきまして対処することをお約束をしたいと思います。以上であります。
本日はこれにて散会いたします。
午後四時五十二分散会