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2004/03/30 第159回国会 参議院 参議院会議録情報 第159回国会 法務委員会 第6号
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2004/03/30 第159回国会 参議院

参議院会議録情報 第159回国会 法務委員会 第6号

#1
第159回国会 法務委員会 第6号
平成十六年三月三十日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     樋口 俊一君     円 より子君
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     円 より子君     樋口 俊一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本  保君
    理 事
                松村 龍二君
                吉田 博美君
                千葉 景子君
                木庭健太郎君
    委 員
                青木 幹雄君
                岩井 國臣君
                鴻池 祥肇君
                陣内 孝雄君
                中川 義雄君
                野間  赳君
                今泉  昭君
                江田 五月君
                角田 義一君
                樋口 俊一君
                堀  利和君
                井上 哲士君
   国務大臣
       法務大臣     野沢 太三君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        加藤 一宇君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○裁判所法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○弁護士法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○破産法案(内閣提出)
○破産法の施行に伴う関係法律の整備等に関する
 法律案(内閣提出)
    ─────────────
#2
○委員長(山本保君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案、裁判所法の一部を改正する法律案及び弁護士法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 三案につきましては、去る二十三日までに質疑を終局いたしております。
 裁判所法の一部を改正する法律案の修正について井上君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。井上哲士君。
#3
○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、裁判所法の一部を改正する法律案に対し修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
 これより、その趣旨について御説明申し上げます。
 第一は、裁判所職員総合研修所の設置規定に、裁判所書記官、家庭裁判所調査官とともに裁判所速記官について、その養成に関する事務を取り扱うことを明記する点であります。
 これは、政府原案で廃止される裁判所書記官研修所における養成の対象に、裁判所書記官のほか裁判所速記官も明記されており、また家庭裁判所調査官研修所においても家庭裁判所調査官の養成が明記されていたところであり、殊更に削除する理由はないのであります。
 第二は、政府原案では裁判所速記官補に係る規定をすべて削除することとしていますが、これを現行法のとおり復活する修正であります。
 裁判員制度の導入で、速記の重要性、需要の増大が見込まれることから、今後速記官の養成を再開することは出てくると考えられ、あえて削除することはないのであります。
 以上が修正案の趣旨であります。
 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
#4
○委員長(山本保君) これより三案並びに修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#5
○委員長(山本保君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、千葉君から発言を求められておりますので、これを許します。千葉景子君。
#6
○千葉景子君 私は、ただいま可決されました裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び最高裁判所は、国民に身近で分かりやすく、迅速で充実した司法を目指す司法制度改革を実効あらしめるため、裁判官及びその他の裁判所職員の増員、施設の充実など、裁判所の人的・物的態勢を大幅に拡充・整備することに努めるべきである。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#7
○委員長(山本保君) ただいま千葉君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#8
○委員長(山本保君) 全会一致と認めます。よって、千葉君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 次に、裁判所法の一部を改正する法律案の採決に入ります。
 まず、井上君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#9
○委員長(山本保君) 少数と認めます。よって、井上君提出の修正案は否決されました。
 それでは次に、原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#10
○委員長(山本保君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、千葉君から発言を求められておりますので、これを許します。千葉景子君。
#11
○千葉景子君 私は、ただいま可決されました裁判所法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    裁判所法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び最高裁判所は、本法の施行に当たり、裁判員制度導入等も展望しつつ、逐語録に対する需要に的確にこたえられる態勢を整備するとともに、裁判所速記官が将来の執務態勢及び執務環境等について不安感を抱くことのないよう十分な配慮をすべきである。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#12
○委員長(山本保君) ただいま千葉君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#13
○委員長(山本保君) 全会一致と認めます。よって、千葉君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 次に、弁護士法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#14
○委員長(山本保君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、千葉君から発言を求められておりますので、これを許します。千葉景子君。
#15
○千葉景子君 私は、ただいま可決されました弁護士法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    弁護士法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係機関は、本法の施行に当たり、弁護士資格の特例制度において課される研修については、司法修習の理念に基づき、対象となる者の職歴の特性に応じ、弁護士実務に必要な能力を涵養するものとなるよう、十分な時間を確保し、内容の充実に格段の配慮をすべきである。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#16
○委員長(山本保君) ただいま千葉君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#17
○委員長(山本保君) 全会一致と認めます。よって、千葉君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの三決議に対し、野沢法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。野沢法務大臣。
#18
○国務大臣(野沢太三君) ただいま可決されました裁判所職員定員法の一部を改正する法律案、裁判所法の一部を改正する法律案及び弁護士法の一部を改正する法律案のそれぞれに対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
 また、最高裁判所に係る附帯決議につきましては、最高裁判所にその趣旨を伝えたいと存じます。
#19
○委員長(山本保君) なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○委員長(山本保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#21
○委員長(山本保君) 破産法案及び破産法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案を一括して議題といたします。
 両案について政府から趣旨説明を聴取いたします。野沢法務大臣。
#22
○国務大臣(野沢太三君) 最初に、破産法案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 現行の破産法は、大正十一年に制定されたものであり、昭和二十七年に免責の制度が導入される等の改正がされたほかは、これまで特段の見直しがされることなく現在に至っております。しかし、この間の社会経済情勢の変化は著しく、とりわけ近年は、社会経済構造の変化等に伴い、大規模な倒産事件が相次いで生ずるとともに、個人債務者の破産件数も激増している状況にあります。このような状況の下で、現行法の規律する破産手続に対しては、手続の迅速化及び合理化を図る必要があるとの指摘がされ、倒産時における利害関係人の権利関係の調整に関する規律を定めたいわゆる倒産実体法につきましても、その規律を現代の経済社会の実情に適合したものに改める必要があるとの指摘がされているほか、破産した個人の債務者について経済生活の再生の機会を確保するための方策をより一層講ずる必要があるとの指摘もされております。
 そこで、この法律案は、現行の破産法を廃止して新たな破産法を制定し、債務者の財産の適正かつ公平な清算を迅速に図り、債権者、債務者その他の利害関係人の利害及び権利関係を適切に調整するとともに、債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ろうとするものであります。
 この法律案の要点を申し上げますと、第一は、破産手続に参加する債権の調査及びその確定手続並びに配当手続の迅速化及び合理化を図ったことであります。破産手続におきましては、破産手続に参加する債権者の債権の額等を調査し、これを確定させた上で、その確定した内容に従って配当をするという一連の手続がされることとなりますが、これらの手続を簡素かつ合理的なものとすることにより、迅速な処理を図ることとしております。
 第二は、破産事件の土地管轄規定を緩和したことであります。いわゆる親子会社や、法人とその代表者等の関連する倒産事件の一体的処理を可能にするとともに、債権者数が多数である大規模な破産事件については、処理体制の整った裁判所への申立てを認める等、管轄裁判所の範囲を拡大しております。
 第三は、破産手続開始前における債務者の財産保全の措置を充実させたことであります。債権者の強制執行や債務者による財産の隠匿等により手続開始前に債務者の財産が散逸しないよう、債権者の強制執行等を全面的に禁止する包括的禁止命令の制度や、手続の開始前に債務者の財産の管理処分権限を制限する保全管理命令の制度を創設する等、債務者の財産保全の措置を充実させております。
 第四は、破産手続における各種債権の優先順位の見直しをしたことであります。現行法の下では、財団債権の次の順位とされる労働債権について、倒産時における労働債権の保護の重要性にかんがみ、その一部について優先順位を引き上げ、財団債権とする等の措置を講じております。
 第五は、個人である破産者が破産手続の開始後も自由に管理、処分することができるいわゆる自由財産の範囲を拡張したことであります。いわゆる自由財産のうち、特に金銭につきましては、その額を必要生計費の三か月分とすること等により、破産者の経済生活の再生の機会を確保するための措置を講じております。
 第六は、否認権に関する規定を整備したことであります。破産直前にされた財産減少行為等の効力を否定するための制度である否認権につきましては、相当な対価を得てした財産処分行為を否認することができる場合についての規定を新設する等規定を整備し、その要件を明確化しております。
 なお、この法律の制定に伴い、最高裁判所規則の制定等所要の手続が必要となりますので、その期間を考慮いたしまして、この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 続いて、破産法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 この法律案は、破産法の施行に伴い、民事再生法外百六十九の関係法律について、規定の整備を行うものであります。
 以上がこれら法律案の趣旨でございます。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに可決くださいますようお願いいたします。
#23
○委員長(山本保君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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