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2003/09/26 第157回国会 参議院 参議院会議録情報 第157回国会 本会議 第1号
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2003/09/26 第157回国会 参議院

参議院会議録情報 第157回国会 本会議 第1号

#1
第157回国会 本会議 第1号
平成十五年九月二十六日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第一号
  平成十五年九月二十六日
   午前十時開議
 第一 議席の指定
 第二 会期の件
 第三 国務大臣の演説に関する件
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、新議員の紹介
 一、議員沢たまき君逝去につき哀悼の件
 一、常任委員長辞任の件
 一、常任委員長の選挙
 一、特別委員会設置の件
 一、日程第二及び第三
     ─────・─────
#3
○議長(倉田寛之君) 第百五十七回国会は本日をもって召集されました。
 これより会議を開きます。
 日程第一 議席の指定
 議長は、本院規則第十四条の規定により、諸君の議席をただいまの仮議席のとおりに指定いたします。
     ─────・─────
#4
○議長(倉田寛之君) この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。
 議席第九番、比例代表選出議員、千葉国男君。
   〔千葉国男君起立、拍手〕
     ─────・─────
#5
○議長(倉田寛之君) 議員沢たまき君は、去る八月九日逝去されました。誠に痛惜哀悼の至りに堪えません。
 同君に対しましては、議長は、既に弔詞をささげました。
 ここに、その弔詞を朗読いたします。
   〔総員起立〕
 参議院は わが国 民主政治発展のため力を尽くされました 議員沢たまき君の長逝に対し つつしんで哀悼の意を表し うやうやしく弔詞をささげます
    ─────────────
#6
○議長(倉田寛之君) 金田勝年君から発言を求められております。この際、発言を許します。金田勝年君。
   〔金田勝年君登壇〕
#7
○金田勝年君 本院議員沢たまき先生は、去る八月九日、清水谷議員宿舎において虚血性心不全のため逝去されました。享年六十六歳でありました。
 つい先日まで、厚生労働委員会の理事として元気に御活躍されていたお姿を委員長として間近に拝見していた私にとりまして、余りに突然の訃報であり、いまだに信じられない思いで一杯であります。誠に痛惜哀悼の念に堪えません。
 私は、ここに皆様のお許しを得て、議員一同を代表して、故沢たまき先生のみたまに対し、謹んで哀悼の言葉をささげたいと存じます。
 沢先生は、昭和十二年一月二日、神奈川県川崎市にお生まれになりました。
 山脇学園高校、山脇学園短期大学へと進学された先生は、高校時代、校内の英語弁論大会の弁士に選ばれ、二回出場していずれも優勝するなど、高校生のころから多才ぶりを発揮されたといいます。そして、短期大学在学中の昭和三十一年、ラジオ番組の勝ち抜き歌合戦で優勝した後、大学生歌手第一号として歌手デビューを果たされました。
 また、女優として映画、舞台、テレビドラマ、テレビコマーシャルに出演し、さらには、テレビ、ラジオ番組で司会をされるなど、その活躍ぶりは枚挙にいとまがありません。特に、テレビのアクションドラマにおいて、さっそうと主役を演じられていた姿は、今なお私どもの記憶に残っているところであります。共演した多くの女優の皆さんから親しみを込めて「オネエ」と呼ばれていたという先生は、芸能界において極めて大きな存在でありました。
 そんな先生に大きな転機が訪れます。平成十年の参議院通常選挙において公明党から比例区で立候補され、見事に当選を果たされたのであります。自来、参議院での活動の中心を国民福祉委員会及び厚生労働委員会に置かれ、理事も務められたほか、議院運営委員、予算委員、国民生活・経済に関する調査会理事、国際問題に関する調査会理事等を歴任されました。
 また、公明党においては、女性局次長、少子化対策本部副本部長、厚生労働部会児童福祉小委員長、国会対策副委員長等、数々の重責を果たされますとともに、地雷除去支援小委員会委員長として、地雷による世界のいたいけな子供たちの悲惨な被害をなくすため積極的に取り組まれ、我が国における対人地雷の全廃に貢献をされました。
 先生は、常日ごろ、周囲の人たちに、普通の主婦が理解のできる、分かりやすい政治に徹しなければならないと語っておられたといいます。そして、これを実践するために、五年間に参議院で九十九回にも及ぶ発言をされ、小児医療の拡充、児童虐待の防止、不妊治療の経済支援、働く女性への支援の在り方等、身近な問題について、主婦の目線に立った提言を行ってこられました。その中でも、特に、昨年の臨時国会で成立いたしました母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案の審議におきましては、自らの子育て経験を生かされ、政府側に鋭く切り込み、母子家庭における養育費の履行確保に向け、並々ならぬ決意で質疑をされておられました。そうした先生のお姿は、正に真剣そのものでありました。
 また、歯止めの掛からない少子化に対し強い懸念を示されていた先生は、国民生活・経済に関する調査会において、少子化対策の在り方について幅広い観点から質問し、意見表明を行うとともに、次世代育成支援対策の充実に御尽力をされました。さらに、国際問題の解決には、文明文化の交流が最重要であるとのお考えから、国際文化交流の促進にも熱心に取り組まれ、国際問題に関する調査会においても様々な提言を行われました。
 このような御活躍をされていた先生を語る上で忘れてはならないことがあります。それは、音楽療法への取組であります。当選して間もないころ、東京都調布市の総合福祉センターで自閉症児に行われていた音楽療法に出会った先生は、そこで深い感銘を受けられたといいます。御自身が歌手だったこともあったのでしょう、音楽を通じて、言葉が使えない障害者や自閉症児、お年寄りなどが変化していく姿を見て、先生は音楽療法の重要性を認識されたのであります。
 しかし、我が国においては音楽療法に対する認識が低く、音楽療法に携わる方々の数が少ない上に、そのほとんどをボランティアに頼っているという現実を目の当たりにされ、先生は音楽療法に関する法整備と普及拡大を心に誓われたのであります。公明党女性委員会の音楽療法対策プロジェクトチームの座長に就任された先生は、現地調査やセミナーを積極的に行い、本年四月には音楽療法推進議員連盟の事務局長にも就任をされました。そして、音楽療法の確立に向け、先生がその実力を遺憾なく発揮されようとしたそのやさき、不幸は突如として訪れてしまいました。
 音楽を通じて人間としての生きがいを与えたい、そのために音楽療法を確立し、多くの人たちに生きる勇気を与えたい、歌手として多くの人々を魅了してきた先生の言葉は、だれもが納得できる重みのある言葉でありました。歌手として、参議院議員沢たまきとして、できることはこれなんだとの信念の下、全力で取り組まれていた先生のお姿を思い出すと、志半ばにして不帰の客となられた先生の御心中は察するに余りあります。
 また、先生は人権を無視した言論の暴力と懸命に戦う正義感の強い方でもありました。当選して一年ほどたったころ、ある週刊誌が先生を中傷する記事を掲載いたしました。その記事の内容は全く事実無根でありましたが、このことを通じて先生は無責任な報道がもたらす被害の恐ろしさを身をもって体験されたのであります。そのため、先生は、このようなことが二度とあってはならないと予算委員会で度々報道と人権の問題を取り上げ、世に警鐘を鳴らし続けたのであります。これは、こうした経験をなされた先生だからこそできたことであります。
 顧みますれば、参議院議員として国民福祉委員会で初めて質問に立たれたとき、先生は「政治家は大衆とともに語り、大衆とともに闘い、大衆の中に死んでいくという姿勢で国民生活の向上と幸せのために働いていかなければならないと思っております。」とおっしゃられました。その言葉どおりに、社会保障の拡充や報道と人権の問題に一心不乱に取り組まれた先生は、その初志を貫徹された政治家でありました。
 すべての委員会で発言し、いろいろな問題提起をしていきたいと周囲の人たちに語っていたという先生の思いは、半ばで断たれてしまいましたが、残された我々は先生が提起されてきた諸問題の解決に向けて今後努力していく決意であります。
 二十一世紀、本格的な少子高齢社会を迎えた我が国にとりまして、安定した社会保障制度を構築することは喫緊の課題であります。こうした中、社会保障分野においても様々な提言をなされてきた先生を失いましたことは、御遺族の悲しみはもとより、本院にとりましても、また国家にとりましても大きな損失であり、誠に痛恨の極みであります。
 ここに、謹んで在りし日の沢たまき先生のお人柄と御功績をしのび、院を代表して御冥福をお祈り申し上げ、哀悼の言葉といたします。
     ─────・─────
#8
○議長(倉田寛之君) この際、常任委員長の辞任についてお諮りいたします。
 総務委員長山崎力君、法務委員長魚住裕一郎君、外交防衛委員長松村龍二君、文教科学委員長大野つや子君、厚生労働委員長金田勝年君、農林水産委員長三浦一水君、経済産業委員長田浦直君、予算委員長陣内孝雄君、決算委員長中原爽君、行政監視委員長白浜一良君から、それぞれ常任委員長を辞任いたしたいとの申出がございました。
 いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。
 よって、いずれも許可することに決しました。
     ─────・─────
#10
○議長(倉田寛之君) この際、欠員となりました常任委員長の選挙を行います。
 つきましては、常任委員長の選挙は、その手続を省略し、いずれも議長において指名することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、
 総務委員長に景山俊太郎君を指名いたします。
   〔拍手〕
 法務委員長に山本保君を指名いたします。
   〔拍手〕
 外交防衛委員長に山本一太君を指名いたします。
   〔拍手〕
 文教科学委員長に北岡秀二君を指名いたします。
   〔拍手〕
 厚生労働委員長に国井正幸君を指名いたします。
   〔拍手〕
 農林水産委員長に岩永浩美君を指名いたします。
   〔拍手〕
 経済産業委員長に谷川秀善君を指名いたします。
   〔拍手〕
 予算委員長に片山虎之助君を指名いたします。
   〔拍手〕
 決算委員長に鴻池祥肇君を指名いたします。
   〔拍手〕
 行政監視委員長に松あきら君を指名いたします。
   〔拍手〕
     ─────・─────
#12
○議長(倉田寛之君) この際、特別委員会の設置についてお諮りいたします。
 災害に関する諸問題を調査し、その対策樹立に資するため、委員二十名から成る災害対策特別委員会を、
 沖縄及び北方問題に関する対策樹立に資するため、委員二十名から成る沖縄及び北方問題に関する特別委員会を、
 金融問題及び経済活性化に関する調査のため、委員二十五名から成る金融問題及び経済活性化に関する特別委員会を、
 政治倫理の確立及び選挙制度に関する調査のため、委員三十五名から成る政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会を、
 また、国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する調査のため、委員四十名から成る国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別委員会を、
それぞれ設置いたしたいと存じます。
 まず、災害対策特別委員会、沖縄及び北方問題に関する特別委員会、金融問題及び経済活性化に関する特別委員会並びに政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会を設置することについて採決をいたします。
 以上の四特別委員会を設置することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。
 よって、災害対策特別委員会外三特別委員会を設置することに決しました。
 次に、国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別委員会を設置することについて採決をいたします。
 本特別委員会を設置することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#14
○議長(倉田寛之君) 過半数と認めます。
 よって、本特別委員会を設置することに決しました。
 本院規則第三十条の規定により、議長は、議席に配付いたしました氏名表のとおり特別委員を指名いたします。
    ─────────────
   議長の指名した委員は左のとおり
○災害対策特別委員
      大仁田 厚君    太田 豊秋君
      加治屋義人君    柏村 武昭君
      小泉 顕雄君    田浦  直君
      田村 公平君    鶴保 庸介君
      中川 義雄君    森下 博之君
      朝日 俊弘君    今泉  昭君
      木俣 佳丈君    谷  博之君
      内藤 正光君    白浜 一良君
      日笠 勝之君    大沢 辰美君
      大門実紀史君    中村 敦夫君
○沖縄及び北方問題に関する特別委員
      入澤  肇君    後藤 博子君
      伊達 忠一君    中川 義雄君
      仲道 俊哉君    西田 吉宏君
      西銘順志郎君    森山  裕君
      脇  雅史君    岩本  司君
      大塚 耕平君    小林  元君
      信田 邦雄君    平野 貞夫君
      本田 良一君    風間  昶君
      遠山 清彦君    紙  智子君
      小泉 親司君    大田 昌秀君
○金融問題及び経済活性化に関する特別委員
      岸  宏一君    小斉平敏文君
      小林  温君    近藤  剛君
      清水 達雄君    田中 直紀君
      野上浩太郎君    林  芳正君
      日出 英輔君    福島啓史郎君
      森田 次夫君    吉村剛太郎君
      浅尾慶一郎君    小川 敏夫君
      佐藤 道夫君    櫻井  充君
      辻  泰弘君    平野 達男君
      山根 隆治君    加藤 修一君
      千葉 国男君    池田 幹幸君
      小池  晃君    大脇 雅子君
      椎名 素夫君
○政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員
      阿南 一成君    愛知 治郎君
      有村 治子君    岩井 國臣君
      岩城 光英君    尾辻 秀久君
      扇  千景君    狩野  安君
      亀井 郁夫君    木村  仁君
      沓掛 哲男君    田村 公平君
      段本 幸男君    南野知惠子君
      藤井 基之君    矢野 哲朗君
      吉田 博美君    小川 勝也君
      大江 康弘君    千葉 景子君
      広中和歌子君    広野ただし君
      福山 哲郎君    藤井 俊男君
      堀  利和君    簗瀬  進君
      山下八洲夫君    木庭健太郎君
      森本 晃司君    山本  保君
      井上 哲士君    池田 幹幸君
      八田ひろ子君    又市 征治君
      山本 正和君
○国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活
 動等に関する特別委員
      愛知 治郎君    加治屋義人君
      木村  仁君    近藤  剛君
      椎名 一保君    田村耕太郎君
      武見 敬三君    月原 茂皓君
      常田 享詳君    中川 義雄君
      西銘順志郎君    橋本 聖子君
      福島啓史郎君    舛添 要一君
      松山 政司君    森山  裕君
      山下 善彦君    吉田 博美君
      若林 正俊君    池口 修次君
      岩本  司君    岡崎トミ子君
      川橋 幸子君    佐藤 雄平君
      齋藤  勁君    榛葉賀津也君
      谷林 正昭君    広中和歌子君
      広野ただし君    松井 孝治君
      若林 秀樹君    荒木 清寛君
      高野 博師君    遠山 清彦君
      森本 晃司君    井上 哲士君
      小泉 親司君    吉岡 吉典君
      田  英夫君    島袋 宗康君
    ─────────────
#15
○議長(倉田寛之君) これにて休憩いたします。
   午前十時二十二分休憩
     ─────・─────
   午後二時四十一分開議
#16
○議長(倉田寛之君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第二 会期の件
 議長は、今期国会の会期を三十六日間といたしたいと存じます。
 会期を三十六日間とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#17
○議長(倉田寛之君) 総員起立と認めます。
 よって、会期は全会一致をもって三十六日間と決定いたしました。
     ─────・─────
#18
○議長(倉田寛之君) 日程第三 国務大臣の演説に関する件
 内閣総理大臣から所信について発言を求められております。これより発言を許します。小泉内閣総理大臣。
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#19
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 演説に先立ち、一言申し上げます。
 本日早朝、釧路沖を震源とする強い地震が発生しました。被害に遭われた方々に対し、心からお見舞い申し上げます。政府としては、今後とも、地震等の災害への対策に万全を期してまいります。
 私は、就任以来、構造改革なくして日本の再生と発展はないとの信念の下、改革を進めてまいりました。
 この間、国民には、今の痛みに耐え明日を良くし、変化を恐れず新しい時代に挑戦しようと呼び掛けてまいりました。改革の痛みに直面しながらも、多くの国民の努力によって、日本再生に向けた改革にようやく芽が出てまいりました。
 民間にできることは民間に、地方にできることは地方にとの方針で構造改革を進め、活力ある社会を作り上げていかなければなりません。
 このたび、小泉内閣の責務である改革を更に推進していくため、内閣改造を行いました。新しい体制の下、構造改革路線を堅持し、改革の芽を大きな木に育ててまいります。
 日米同盟と国際協調が日本外交の基本であります。世界の平和と安定の中に日本の安全と発展があります。国際社会が直面する課題に、日本として何ができるかを真剣に考え、積極的に貢献しなければなりません。
 北朝鮮については、日朝平壌宣言を基本に、拉致問題と、核を始めとする安全保障問題の包括的な解決を目指します。米韓両国と緊密に連携し、中国、ロシアとも協力しつつ、粘り強く働き掛けてまいります。
 九月十一日の米国同時多発テロから二年が経過しました。テロとの闘いは終わっていません。非人道的なテロに屈することなく、国際社会と協力し、テロの防止、根絶を目指します。継続審査となっているテロ対策特別措置法延長法案の今国会における成立を期します。
 イラクに対しては、各国と緊密な連携協力の下、人道復興支援を進めます。現地情勢を踏まえ、自衛隊や文民の派遣など我が国にふさわしい貢献を行ってまいります。イラクと中東地域の安定に向け、アラブ諸国との対話、交流を深めるとともに、中東和平への努力を続けてまいります。
 WTO新ラウンド交渉に引き続き全力で取り組みます。二国間の自由な貿易、交流を目指す経済連携を積極的に進めてまいります。
 国民の安全と安心の確保は政府の基本的な責務であります。
 「世界一安全な国、日本」の復活を実現します。警察官を増員し、全国で空き交番ゼロを目指します。市民と地域が一体となった地域社会の安全を守る取組を進めます。補導活動を強化して非行防止に努め、少年犯罪を減らします。外国人犯罪に対し、出入国管理体制や密輸・密航の取締りを強化します。犯罪被害者の人権を尊重した捜査や裁判の実現を目指します。
 司法を国民に身近なものとする司法制度の改革を進めます。
 年金、医療、介護は、社会保障の基本であります。若者と高齢者が支え合う、公平で持続可能な社会保障制度を構築し、国民が安心して暮らすことができる社会を実現します。年内に年金改革案をまとめ、来年の通常国会に法案を提出します。
 SARS対策を進め、国民の健康の危機管理に万全を期します。
 職場と地域を通じ、仕事と子育ての両立を支援します。保育所の待機児童ゼロ作戦を着実に実施し、平成十四年度の受入れ児童は五万一千人の増加となりました。目標達成に向け、平成十六年度までに更に十万人の増加を目指します。
 今や女性は幅広い分野で活躍しています。建築エンジニア、飛行機のパイロット、東ティモールのPKOに参加した自衛官など、女性の元気が社会を活性化します。今の小学生が社会に出るころまでに、あらゆる分野で女性が指導的地位の三割を占めることを目指し、女性が安心して仕事ができ、個性と能力を発揮できる環境を整備します。
 小泉内閣は、科学技術を活用した環境保護と経済発展の両立を重要課題と位置付けてまいりました。
 燃料電池の実用化や風力発電の拡大など、クリーンエネルギーの導入を進め、脱温暖化を図ります。ごみゼロ作戦を推進し、不法投棄の撲滅を目指します。環境を良くするための努力が経済の活性化につながる社会を構築してまいります。
 科学技術創造立国の実現に向け、予算を重点的に配分し、平成十五年度は一兆二千億円に上る研究開発・投資減税を行いました。大学発ベンチャー企業は五百社を超え、大学と企業の共同研究も大幅に増加し、七千件を超えています。十の国と地域が取り組んだイネゲノム解読で、日本は中心的な役割を果たしました。産学官の連携を推進し、科学技術の振興を図ります。
 知的財産立国の方針を打ち出し、一年半の間に、基本法の制定、戦略本部の発足、推進計画の策定等を集中的に行ってまいりました。特許の裁判制度の改革や審査の迅速化を図り、模倣品・海賊版対策を進めます。
 日本が優れている分野は、ものづくりだけではありません。映画やアニメなど日本文化も世界で高く評価され、経済のみならず様々な面で波及効果を生み出しています。文化、芸術を生かした豊かな国づくりを目指します。
 日本発展の原動力は人です。教育改革の原点は、家庭、地域、学校を通じた人間力の向上です。
 知育、徳育、体育に加え、心身の健康に重要な食生活の大切さを教える食育を推進します。
 教育基本法の見直しについては、国民的な議論を踏まえ、精力的に取り組んでまいります。
 厳しい現下の経済状況においても雇用者数が増加し、民間設備投資も上向いています。倒産件数は前年同期に比べ十二か月連続して減少しています。経済成長はこの一年半連続で実質プラスになり、名目成長もプラスに転じ、構造改革の成果が現れつつあります。
 平成十五年三月期の主要銀行の不良債権残高は、前年同期に比べて二四%減少しました。不良債権処理は着実に進展しています。平成十六年度に不良債権問題を終結させます。
 雇用と中小企業政策に全力を挙げます。
 中小企業に対する金融に新たな動きが出始めています。不動産担保主義からの脱却を目指し、無担保融資の拡大、売り掛け債権の担保化の促進など多様な手法により、企業への資金供給を円滑化します。産業再生機構を活用して、やる気と能力のある企業の再生を支援します。
 五百三十万人雇用創出に向けた施策の推進により就業構造が変化し、サービス分野を中心に、この三年間で約二百万人の雇用が創出されたと見込まれます。規制や制度の改革や人材育成、公的業務の民間委託などを更に進め、今後二年間で三百万人の雇用創出を目指します。中高年者の就職支援に加え、失業率が特に高い若年者の雇用の拡大を目指し、小中学校のときからの職場体験や若者向けの職業紹介など、若者自立・挑戦プランを推進します。
 これらの施策により、地域経済の活性化を図ってまいります。
 厳しい財政状況の中、多年度で税収を考え、減税を先行することとし、平成十五年度は酒・たばこについて二千億円の増税をする一方で、二兆円の減税を実施しました。その効果が現れつつあります。この改正により、平成十六年度も実質一兆五千億円の減税を行います。
 歳出についても、財政規律を維持しつつ、科学技術を始め将来の国づくりに必要な分野に重点配分するとともに、弾力的な予算執行の仕組みを導入するなど、予算制度改革に着手します。
 構造改革特区による百六十項目も含め、この三年間で一千項目を超える規制改革が進展しています。
 本年四月から開始した構造改革特区では、不登校児童のための体験型学校特区など三十三の教育特区やNPO法人が安い料金でお年寄りや体の不自由な人を車で送迎する福祉移送サービス特区、遊休農地を活用し企業がオリーブの栽培から加工までを一体で行うオリーブ振興特区など、各地域が知恵を絞った百六十四の特区が実現しています。
 これまで規制されていた医療、教育、農業分野への株式会社の参入を認める改革も着実に進んでいます。
 一円の資本金でも会社を起こすことを可能とした結果、半年の間に四千五百を超える企業が誕生しました。
 技術革新と規制改革などの効果が相まって、電子タグは超小型化が進み、自動改札や物流管理を始め幅広い分野で活用され、国民の暮らしを変えつつあります。IT実感社会を実現してまいります。
 地域おこしは国おこしにつながります。
 地方にできることは地方にとの原則に基づき、平成十八年度までに補助金について約四兆円の廃止・縮減等を行い、交付税を見直し、地方へ税源を移譲する、三位一体の改革の具体化を進めます。市町村合併を引き続き推進します。
 稚内から石垣まで、全国で都市再生の事業が動き始めました。
 住んでよし、訪れてよしの国づくりに向けた観光立国を実現するとともに、日本を外国企業からの投資先として、魅力あるものにしてまいります。
 企業の誘致や育成など、地域経済の活力を引き出す、意欲ある地域産業おこしを応援します。
 食の安全と信頼に万全を期します。意欲と能力のある農業経営を支援し、農山漁村の活性化を図ります。
 民間にできることは民間に。就任以来、この一貫した方針の下、郵政事業、財政投融資、特殊法人の改革を一体のものとしてとらえ、簡素で効率的な質の高い政府に向けた改革に力を入れてまいりました。
 本年四月には日本郵政公社が発足しました。郵便事業への民間参入を可能とした結果、半年の間に十四の民間事業者が参入しています。今後、国民的議論を行い、日本郵政公社の中期計画が終了した後の平成十九年から郵政事業の民営化を実現します。このため、来年秋ごろまでに民営化案をまとめ、平成十七年に改革法案を提出します。
 道路関係四公団については、総額四兆円を超える建設コスト削減やファミリー企業の改革を既に実施しています。民営化推進委員会の意見を基本的に尊重し、年内に具体案をまとめ、平成十七年度から四公団を民営化します。
 特殊法人等に向けた財政支出を約一兆四千億円削減しました。事業や組織形態の改革を更に進めてまいります。
 新しい変化に対応する民間や地方の潜在力は健在です。構造改革を進めていけば、必ずや民間主導の持続的な経済成長につながっていくものと考えます。
 政治は国民自らのものであるという国民の意識なくして、健全な民主政治は発展しません。政党や政治家、民主政治を育てるのは一人一人の国民であります。政治家は、国民の信頼を得ることができるよう、一人一人が襟を正さなければなりません。信頼の政治を確立するため、更に政治改革を進めてまいります。
 戦後、我が国は食糧や資源などあらゆる物資が不足し、国民は今では想像できないほど苦しい生活を余儀なくされました。正に耐乏と苦難からの出発でした。
 しかし、我々の先輩は、これに屈することなく、勇気と希望を持って新しい時代を切り開いてまいりました。
 今、日本は、厳しい経済状況下にあるとはいえ、米国に次ぐ経済力を有しています。日本の平均寿命は八十歳を超え、世界一の長寿国です。百歳以上のお年寄りは二万人を超えました。野球、サッカー、水泳、陸上競技、体操、柔道での若者の活躍には目をみはるものがあります。最近三年間で四人ものノーベル賞受賞者の誕生。国際映画祭での最優秀作品賞や監督賞の受賞。経済だけでなく、文化、芸術、スポーツ、科学、いずれの分野でも日本は世界で高く評価されています。
 「人間の素晴らしさは、自分のことを悲観的に思わないことです。」、これは司馬遼太郎氏が子供たちに贈った言葉であります。悲観論からは新しい挑戦は生まれません。
 構造改革の種をまき、ようやく芽が出てきた今こそ、日本の潜在力と可能性を信じて改革を進め、明るい未来を築こうではありませんか。
 国民並びに議員各位の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。(拍手)
#20
○議長(倉田寛之君) ただいまの演説に対する質疑は次会に譲りたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十九分散会
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ソース: 国立国会図書館
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