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2003/07/08 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 内閣委員会、厚生労働委員会連合審査会 第1号
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2003/07/08 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 内閣委員会、厚生労働委員会連合審査会 第1号

#1
第156回国会 内閣委員会、厚生労働委員会連合審査会 第1号
平成十五年七月八日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
   内閣委員会
    委員長         小川 敏夫君
    理 事
                亀井 郁夫君
                森下 博之君
                山下 善彦君
                長谷川 清君
                吉川 春子君
    委 員
                阿南 一成君
                岡田  広君
                竹山  裕君
                西銘順志郎君
                野沢 太三君
                山崎 正昭君
                岡崎トミ子君
                川橋 幸子君
                信田 邦雄君
                高野 博師君
                山口那津男君
                小林美恵子君
                島袋 宗康君
                黒岩 宇洋君
   厚生労働委員会
    委員長         金田 勝年君
    理 事
                武見 敬三君
                中島 眞人君
                浅尾慶一郎君
                山本 孝史君
                沢 たまき君
    委 員
                狩野  安君
                斎藤 十朗君
                伊達 忠一君
                中原  爽君
                南野知惠子君
                宮崎 秀樹君
                森田 次夫君
                朝日 俊弘君
                今泉  昭君
                谷  博之君
                堀  利和君
                風間  昶君
                井上 美代君
                小池  晃君
                森 ゆうこ君
                大脇 雅子君
                西川きよし君
   衆議院議員
       発議者      中山 太郎君
       発議者      荒井 広幸君
       発議者      西川 京子君
       発議者      福島  豊君
       発議者      井上 喜一君
       発議者      五島 正規君
       発議者      近藤 基彦君
   国務大臣
       厚生労働大臣   坂口  力君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 福田 康夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鴫谷  潤君
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      上杉 道世君
       内閣府政策統括
       官        山本信一郎君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       岩田喜美枝君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○少子化社会対策基本法案(衆議院提出)
○次世代育成支援対策推進法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○児童福祉法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)

    ─────────────
   〔内閣委員長小川敏夫君委員長席に着く〕
#2
○委員長(小川敏夫君) ただいまから内閣委員会、厚生労働委員会連合審査会を開会いたします。
 連合理事会の協議により、内閣委員長及び厚生労働委員長が交代して連合審査会の会議を主宰いたします。
 少子化社会対策基本法案、次世代育成支援対策推進法案及び児童福祉法の一部を改正する法律案の三案を一括して議題といたします。
 三案の趣旨説明及び少子化社会対策基本法案の衆議院における修正部分の説明は、お手元に配付いたしました資料により御了承願い、その聴取は省略いたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○岡田広君 自由民主党の岡田広です。連合審査に当たりまして、質疑をさせていただきたいと思います。
 まず、厚生労働委員会の調査室からいただきましたこの資料の中で、フロー図が書かれてありますが、この中で次世代育成支援法、そして児童福祉法案、育介法、年金各法と、いろいろ書かれてありますけれども、車の両輪という言葉がこの中で書かれています。そういう中で、今回、次世代育成支援法と児童福祉法の改正案、そして少子化社会対策の基本法と、法案が出されております。
 私、内閣委員会で質疑をさせていただきましたが、少子化社会対策基本法というのがどういう観念になって、どの位置に、フロー図から見たらどういう場所に来るのか、まずその点をお尋ねしたいと思います。
#4
○政府参考人(岩田喜美枝君) 基本法案は、施策の基本理念あるいは基本的な方向性を示したものでございまして、あわせて、関係大臣から成る少子化社会対策会議の設置など、言わば少子化対策に関して基本となる、ベースになる事項を定めるものでございます。これに対して、次世代法につきましては、市町村や企業などに行動計画の策定を求めるものでございますけれども、言わば現場における具体的な取組を促進させるための枠組みといいましょうか、体制を作るものでございます。
 したがいまして、これらの法案が成立いたしましたら、基本法によって少子化に対して国を挙げた総合的な取組を行うための基盤ができ、その下で自治体や企業による推進体制が整備をされるということであると理解をいたしております。
#5
○岡田広君 そこで、お伺いをしたいと思うんですが、この次世代育成支援対策推進法、今回の特徴は事業主にも行動計画の策定を義務付けるということで、三百人以上と三百人以下、三百人以下は努力目標ということでありますが、現場における具体的な取組というのが一番やっぱり政策を展開する上では大事なことだろう、そう思っています。
 そういう中で、今年度、全国の五十市町村、モデル市町村を選定しまして、この行動計画の計画作りを厚労省がしているようです。そして、十六年度、これが策定をするということでありますけれども、そういう中で、やっぱり啓蒙が一番大事であると思います。都道府県、市町村あるいは事業主、この啓蒙が最も私は大事なことでありますし、今回、少子化社会対策基本法が通りますと少子化社会対策会議ができる、そういう中で内閣がこの少子化対策についても横断的に調整をするということになると思うんですが、そういう中で都道府県に下りてきたときに、現在の都道府県の中ではなかなか、全国の中でも少子化という言葉を使った組織がない県もあると思います。
 私、茨城県ですが、茨城県では課内室です。ここには人員が二人しかいませんから、二人でこれを調整しますと大変な労力が掛かります。そういう中で、今、少子化というのは最もこれから大事だ、そういうことを考えるならば、やっぱり組織の充実、啓蒙が最も私は大事だろうと思っております。茨城県には八十三の市町村がありますが、少子化対策という課があるのは茨城県で二つです。その二つ目が、大変申し訳ありませんでしたが、私、水戸の市長をさせていただきまして、この三月、辞職をするときに、新年度にこの少子対策課を組織をして出てきました。茨城県でも八十三のうち二つ、少子化というのは。どうしても、なかなか少子化という言葉が叫ばれている割には末端への理解が広がっていかないというのが私は現状ではないかな、そういうふうに思っています。
 目先だけの政策、今回法案を作ってこれでいいということではもちろんないと思いますけれども、やっぱり先を見通して、「上を向いて歩こう」という歌がありましたが、これが大変大事なことであろうと思いますし、十七年度実施に向けまして、やっぱり各都道府県のトップの方々、知事さんあるいは市町村長、市町村議長、そして事業主に関しましてもこういうトップセミナー等を開きまして、事業主に関しては労働局がやるのかもしれませんけれども、そういうことにつきまして都道府県でも一元的にやるような組織付けもこれから行われていくんだろうと思いますし、そういうことで、この法案が成果が上がるかどうかというのは正に国の指導、今回ほどこの国の指導が重要視されていることは私はないんでないかと思っております。
 未婚化とか晩婚化が進んでいます。そういう中で、結婚したい人が結婚したくなる環境を整えるということであろうと思いますが、そういう中で、例えば事業主にしましても、私は、事業主同士の、事業所同士で触れ合いの異業種交流のようなもの、まず結婚をするということが大事だ、そういうことから考えますと、触れ合いの異業種交流のような、これは私の考え方の一つですけれども、とにかくいろんなアイデアを出させる、そういうためにも啓蒙していく、指導していくという、そういうことで、この点につきまして、今後の取組方も含めまして、お尋ねをしたいと思います。
#6
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今、委員からたくさんの点について御提言がございましたけれども、その中でまず非常に重要であるというふうに思われますのは、地方自治体、例えば都道府県、市町村のトップ、知事さんや市町村長さんの意識、理解が非常に重要であるということ、また企業ではその企業のトップ、経営者自身の意識、理解が大変重要であるという御指摘がございましたけれども、そのとおりであるというふうに思います。
 少子化の進行は我が国経済社会全体に大変な影響を及ぼしますけれども、例えば地方自治体にとってはその地域の未来、将来にどういう影響を及ぼすことになるのか、あるいは経営者にとりましては、産業界にとってそのことがどんな深刻な問題をもたらすかということについてよく理解をしていただき、その上で結婚し、子育てをしやすいような社会づくり、職場づくりをするためには何をする必要があるかということについてそれぞれの自治体や企業が自発的に創意工夫を持って取り組んでいただく、そのことを国が支援するということが大変重要であるというふうに考えております。
 また、自治体の体制についても御指摘がございました。国においては、基本法に基づきまして、総理大臣をトップに関係各省庁の大臣から成る少子化社会対策会議が設置されることになっておりますが、地方公共団体の組織についても工夫、御配慮いただきたいというふうに思っております。
 個々具体的な在り方について国が申し上げるのは適当ではないというふうに思いますけれども、次世代育成対策支援、少子化対策を進めるために効率的、効果的な体制の整備をしていただくことは重要ではないかというふうに考えております。このために、次世代法が成立いたしましたら、国は行動計画の策定指針を作ることとなっておりますけれども、例えば策定指針の中で、市町村や都道府県は全庁的な体制の下で行動計画の策定、実施を図ることが必要であるといったようなことをしっかり盛り込みたいというふうに思っておりますし、今事例としてお出しになりました水戸市のように先進的な体制の整備をされた自治体の情報も集めまして、具体的な行動計画策定のマニュアルも作るということにいたしておりますので、その中で、そういった先進的な取組の紹介などもしてまいりたいというふうに考えております。
#7
○岡田広君 全庁的な取組というのは是非お願いをしたいと思っております。なかなか、それは市町村で独自で考えるべきだというそういう考え方もありますけれども、やっぱりなかなか市町村は国の指導がないとなかなか進まないということもありますので、是非ひとつよろしくお願いしたいと思います。
   〔委員長退席、厚生労働委員長金田勝年君着席〕
 そして、この児童福祉法の中で子育て支援事業の実施が明文化されています。この法律の趣旨を最大限に生かすためにも、それにかかわる財源については速やかに市町村へ移譲することが本当の少子化対策につながると思っております。
 一例を挙げますと、児童ふれあい交流促進事業という事業、これは国からの上限、一事業十万円です。地域組織活動育成事業、これは母親クラブに対する事業ですが、これも一事業上限は六万三千円という、こういう事業がありますけれども、一クラブですね。そういう中で、これをそれぞれの市町村が書類を出して、県を通じて国に申請して、国が審査をして決定をして、それからお金を交付します。交付するにしても、県を通じて市町村へお金が下りてきます。ですから、決定が、新年度が始まってから、毎年秋ぐらいになってしまいます。大変時間が掛かります。
   〔委員長退席、内閣委員長小川敏夫君着席〕
 そういう中でやっぱり、こういう中で見切り発車している市町村もあるわけですけれども、やっぱりこういう事業につきまして自治体に対して一番補助金を抱えているのは厚生労働省だと思いますけれども、こういう事業に関して財源を移譲をするという、そして地方に任せるという、そういうことがこれから大事なことではないかなと思っているんですが、その点について厚生労働大臣の所見をお伺いをしたいと思います。
#8
○国務大臣(坂口力君) 児童関係の財源につきまして御質問をちょうだいをいたしました。
 確かに、現在、先ほどからお話がございますように、それぞれの都道府県あるいはまた市町村に対しまして少子化対策についてのいろいろのお話もさせていただいているところでございますし、また、市町村からいろいろのアイデアをちょうだいをしているところでございます。非常に格差がございまして、先進的にお取組をいただいているところは大変進んできておりますが、関心がやや薄いところはそのままの状況で今日を迎えているというようなところもあるわけでございまして、非常に大きい格差があるというふうに今思っている次第でございます。
 今回のこの法律でどの地域におきましても同様にひとつお取組をいただくような体制を整えたいというふうに思っているわけでございますが、少子化全体について見ましたときに、もう少しやはり国の方が先導して、そうしてその対策を講じていかなければならない、まだそういう時期ではないかというふうに思っております。
 御指摘いただきましたように、いつの日かそういうふうに都道府県あるいはまた市町村で直接おやりをいただくように財政的にもしていくということを念頭に置きながらも、現在におきましてもう少し全県的にあるいは全市町村的にその広がりを見せて格差がなくなっていくということをまず見届けさせていただきたいというふうに思っている次第でございまして、我々も今そういう体制で進めさせていただいているところでございます。
#9
○岡田広君 是非、地方でそれぞれボランティアあるいはNPO法人等、いろんな組織がこの少子化に対する、対策に対するアイデアを出して頑張ろうというそういうときに、やはり書類手続、書類も煩雑、時間も掛かる、そういう中でやっぱりせっかくやる気が出ている、それがやる気を失わせるという要因にもなりますので、例えばもう都道府県にお任せをするとかそういうことで、こういう処理を迅速にやっていただきまして、本当の少子化対策を進めていただきたいと思っております。
 いずれにしても、今回この三法案が時を同じくして出ました。正にやっぱり少子化対策、国の指導が大変地方にとっては重要だということで、その点をひとつよろしくお願いをして、時間が参りましたので質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#10
○沢たまき君 公明党の沢たまきでございます。よろしくお願いいたします。
 少子高齢化がこのまま著しいスピードで進展していくことは、社会保障制度を始め今日の我が国のもろもろの制度を根本から脅かすことは明らかでございますし、この少子社会対策基本法案を制定して国を挙げて取り組むべきことは、当然であろうと思います。この少子高齢化という現象は、単に新たな制度を作れば解決するという、そういった底の浅い問題ではないんだろうと思っております。これは、戦後、日本の経済中心で取り組んできた流れ、またその中で培われてきた国民の生活意識というものが問われているんだろうと強く感じております。
 私は、子供の人権に対する社会全体の認識、女性の人権に対する社会全体の意識が芽生え、育ち、深まることが大変貴重、重要だろうと思っておりますが、提案者の御認識を伺いたいと思います。
 また、少子社会対策基本法を制定し、省庁横断的な取組が強化され、推進されるに当たって、若年者の意識、ニーズというものを正確に把握することが求められています。そうしなければ政策を効率的に進めていくことは不可能であろうと考えます。しかも、それは断片的ではなく、継続的な調査を行っていくべきであると考えておりますが、内閣府はその点についてどう調査を進めていかれるお考えでしょうか、お伺いをいたします。
#11
○衆議院議員(福島豊君) まず、前段の委員の御質問についてお答えをさせていただきたいと思います。
 ただいま委員が御指摘いただきましたように、子供の人権に対して社会全体の認識を深めるということが大切であると、私も全くそのとおりだと思っております。
 本法案におきましても、前文及び基本理念であります第二条の第三項におきまして、子供がひとしく心身ともに健やかに育つことを規定しておりますし、そしてまた具体的施策におきましても、第十四条において、国及び地方公共団体は、子供の文化体験、スポーツ体験、社会体験その他の体験を豊かにするための多様な機会の提供等、子供が豊かな人間性をはぐくむことができる社会環境を整備するために必要な施策を講ずるものとしております。十五条におきましては、子供が犯罪、交通事故その他の危害から守られる地域環境を整備するための町づくりその他の必要な施策を講ずることを規定しております。
 こうした規定を通じまして、子供がその権利と主体性を尊重され、健全に成長することができる社会環境の整備を推進するということが、この少子化社会の対策におきましても何より重要なことであると思っております。
#12
○政府参考人(山本信一郎君) 後段のお尋ねにお答えをいたします。
 今、委員御指摘のように、少子化社会対策の推進に当たりましては、若者の意識やニーズを正確に把握をして施策に反映させていくことが大切であるという具合に考えております。このような観点から、内閣府では、若年層の意識実態調査を実施しまして、その結果を基に今年度の国民生活白書におきまして、「若年フリーターの現在」といったようなキャッチフレーズで若者の働き方や家庭生活の変化というものについて考察をしたところでございます。
 また、継続的な調査につきましては、厚生労働省におきまして昨年から、仕事と子育ての両立支援や若者の雇用対策の観点から、国民の生活に関する継続調査を開始をしたところでございます。
 今般の基本法案は、少子化対策につきまして政府全体として総合的な対応を図っていくことを目指しているものでございます。若年者の意識、ニーズの把握につきましても、関係省庁間で十分連携協議をいたしまして、必要な調査の実施を検討してまいりたいと考えております。
#13
○沢たまき君 ありがとうございました。
 次に、不妊治療がこの基本法案の中に明記されました。これは極めて大きな重い位置付けと考えます。厚生労働省はどう受け止められているんでしょうか。また、生命倫理の法整備についてどのようなお考えをお持ちでしょうか、お伺いいたします。
#14
○政府参考人(岩田喜美枝君) 厚生労働省といたしましては、不妊治療についての課題は従来から重要な課題の一つであるというふうに考えておりまして、これまでも不妊専門相談センターの整備への助成、あるいは生殖補助医療に関する研究への助成などを行ってきたところでございます。
 今般、少子化社会対策基本法案に不妊治療対策が盛り込まれましたことは不妊治療に関する施策の促進の契機になるというふうに考えておりまして、大きな意義があるというふうに認識をいたしております。
 なお、不妊治療に関する施策の実施に当たりましては、患者にとってそのことが逆に心理的な負担にならないかという御懸念もございますので、そのことにも十分配慮しながら、不妊治療に関する対策の充実に努めてまいりたいというふうに思っております。
 二点目の点でございますけれども、不妊治療の中で体外受精、顕微授精など高度な技術が用いられるようになってきております。そういった技術を用いる不妊治療に関してですけれども、これまでは日本産科婦人科学会が中心となりまして、言わば医師の自主規制の下で行われてまいりました。
 ところが、そういった不妊治療が配偶者間で行われる場合は問題がないわけですけれども、第三者に精子、卵子、胚を提供していただいて、非配偶者間の生殖補助医療というのも技術的には可能になってきております。こういった問題については、親子関係の確定などで難しい問題を抱えることも予想されます。
 そういうようなことを背景といたしまして、厚生科学審議会生殖補助医療部会などにおいてこの問題が検討され、本年四月に結論が出されたところでございます。商業主義を排除することなどの一定の条件の下で、代理懐胎は認めないという報告でございますが、それ以外の非配偶者間の生殖補助医療の実施を認めるという報告書でございました。同報告書では、これらの制度の整備について、必要な法整備を含めて早急に取り組むようにという提言でございました。
 この問題は個人の価値観や倫理観にも大変大きくかかわる問題でもございますので、この報告書の提言を受けて関係各方面で御議論を深めていただきたいというふうに考えておりまして、厚生労働省としても、そういった御議論をしっかり聞かせていただきながら適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
#15
○沢たまき君 次に、不妊治療の患者の数と治療費について実態調査をしていただきましたが、平成十年度の厚生科学研究費で行われておりますが、十年度以降の調査結果はないわけで、十年と今日とでは実態は大変乖離しているのではないかと思います。経済の負担、患者の皆さんの意識、これらも含めて再調査の必要性があるのではないかと思いますが、患者さんにおいては知られたくないという気持ちを持っている方も多いと思われますので十分人権を配慮して調査するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#16
○政府参考人(岩田喜美枝君) 不妊治療の諸問題につきましては、今、委員がおっしゃいましたように、平成十年度の厚生科学特別研究で実施をいたしたところでございます。その後、不妊治療患者数が増加しているのではないかということが指摘されておりましたので、平成十五年、本年一月にその後の変化を把握するために同様の調査を実施をしたところでございます。中間的な公表はいたしましたけれども、推計患者数についてはまだ今、推計の作業中でございまして、取りまとめが終わり次第、公表をさせていただきたいというふうに考えております。
 不妊治療の医療費につきましては統計的な把握はできておりませんけれども、関係医療機関などから個別に得ている情報などから判断いたしまして、それほど大きな変化はないんではないかというふうに認識をいたしております。
 また、意識の問題でございますが、患者に特化した意識の調査は今回やっておりませんけれども、一般国民を対象とした生殖補助医療について前回と同様の意識調査をいたしております。この間の意識についての大きな変化はなかったというふうに中間報告がなされているところでございます。
 不妊治療の実態については、今後とも把握する必要のある事項について、今、委員が言われましたように、患者の皆さんの気持ちなどにも十分配慮しながら、工夫しながら、実態の把握についてどういう調査の在り方があり得るのか、検討してまいりたいというふうに考えます。
#17
○沢たまき君 あとちょっと、もう時間がなくなりましたけれども、不妊治療の問題は、患者の皆さんに対して徹底したカウンセリング、相談体制を確立することが大変大事だろうと感じております。
 治療する側のお医者様から聞くところによりますと、やはり患者さんが不安な気持ちを持って治療されるとお医者様の負担も大変に掛かるそうでございまして、相談窓口でしっかりとカウンセリングを受けて御本人の意思を明確に表明できることが大事であると言われておりました。
 平成十六年度までに不妊専門相談センターですか、全県下に設置すると伺っておりますが、男女に対する相談体制の整備の状況と、専門家の配置状況についてお伺いをいたします。特に男性への相談体制の強化が遅れているんではないかなと感じておりますが、いかがでしょうか。
#18
○政府参考人(岩田喜美枝君) 新エンゼルプランにおきまして、今、委員が言われましたように、不妊専門相談センターを四十七都道府県すべてに設置をしていただいて、それを国が助成をするという目標を掲げておりますが、平成十四年度末現在では二十八か所が整備をされております。引き続き全国的な整備に向けて厚生労働省としても努力をしないといけないというふうに思っております。
 この不妊専門相談センターでは、医師、助産師、看護師、こういったような専門職の方が専門的な研修を受けた上で相談に当たっておられるわけでございますが、不妊に関する医学的な相談や、あるいは患者の心の悩みについての相談に応じているところでございます。
 今、男性患者への配慮のお話がございましたけれども、確かに、この事業については女性の患者、男性の患者が不妊専門相談センターを利用することになるわけでございますが、医師が男性だったり女性だったり、また助産師、看護師、助産師はすべて女性ですし、看護師はほとんどが女性でございますから、そういった中で、そういった男性、女性という性の違いを相談事業の中でどういうふうに配慮すべきかということについても、各自治体でその充実が図られるよう厚生労働省としても考えてまいりたいというふうに思っております。
#19
○沢たまき君 あと、最後の質問です。簡単にお答えいただきたい。
 公的助成が決定して制度創設に向けて検討が進められておりますが、実施主体は都道府県、政令市、中核市になるようですが、所得制限についてはどうなるでしょうか。サラリーマンはおよそ八五%が対象になると報道されておりますが、自営業者はどういうふうになるんでしょうか。簡単に教えてください。
#20
○政府参考人(岩田喜美枝君) この問題については、かねてから厚生労働省におきましても検討をいたしておりましたけれども、去る五月の二十一日に与党三党において、次世代育成支援の一環としまして、十六年度から不妊治療費の助成を行うべきとの基本方針が合意され、その際、所得制限については働く世代に配慮すべきというふうにされております。
 厚生労働省としては、この与党三党の基本方針を踏まえまして、不妊治療費の助成が十六年度から実施されるよう、十六年度の概算要求に向けまして今具体的な検討を進めているところでございまして、その中で、所得制限の在り方についても鋭意検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#21
○沢たまき君 終わります。
 ありがとうございます。
#22
○朝日俊弘君 おはようございます。民主党・新緑風会の朝日でございます。
 まず冒頭に、今日こういう形で連合審査をするという機会を作っていただきましたことをお礼を申し上げたいと思います。さらに、衆議院の方から提案者の皆さんおいでいただきました。ありがとうございました。余り嫌がらずに御答弁をお願いしたいというふうに思います。
 今日は実は三つ法案があるわけですが、私たちにとって児童福祉法というのは大変なじみの深い法律でありまして、この問題はちょっと横に置きまして、新しく提案されている少子化社会対策基本法、それと次世代育成支援対策推進法、この二つの法案の意図するところ、あるいは具体的にどんなふうに運用されていくのかという基本的な事項について幾つかお尋ねをしたい、こんなふうに思っています。
 やや、最初、二、三の質問は抽象的な議論になるのかもしれませんが、まず第一点は、私はあえて異論を呈するというか、留意すべき点を喚起したいと思うんですが、少子化あるいは少子化社会というのはそもそもそんなに暗いイメージで、あるいは否定的イメージで語られるべきことなのかという点について改めて考えてみておく必要があるのではないか。
 私だけではなくて、既にこのような問題意識を持って幾つかの著書が出されています。例えば人口減少社会、この人口減少社会というのはもう確実に来るんだ、厳然たる未来としてあるんだ、既にヨーロッパでも幾つかの国がそうなりつつある、いつかは人口増に転ずるだろうという願望からは何も生まれないという説をおっしゃる先生がおいでになる。また、違う言葉で、人口が定常状態になる、つまり増えもせず減りもせず、言わば人口も経済もゼロ成長の社会が来ているんではないか、そういう中では新しい豊かさの概念を求めて新しい政策展開が必要なのだということを主張される先生もおいでになる。
 私は、子育て支援の様々な施策について充実させていくことについて頭から反対をするつもりはありませんが、余りに少子化少子化とそのマイナス面を強調し過ぎると、下手をすると副作用が出たり、場合によっては反作用が出たりする。だから、ここはひとつ冷静に、問題の所在をきちっと受け止めて、何を政策として実行すべきかということを考えていくべきであって、余りに肩に力の入った形は避けるべきだというふうに思います。
 ただ、ちょっと気になりますのは、衆議院の提案者の皆さんが、少子化社会対策基本法案の中でやや肩に力が入った表現、我らは紛れもなく有史以来未曾有の事態に直面していると、こういうふうに表現されていまして、少し心配をしております。
 是非、まず一つは少子化社会対策基本法案を御提案になった衆議院の提案者の皆さんから、そしてもう一つは違う形で、閣法という形ですが、次世代育成支援対策推進法を提案された厚生労働大臣から、この今の私の問題意識について基本的にどのようにお考えなのか、お答えをいただければと思います。
#23
○衆議院議員(五島正規君) 今の朝日議員のお話に対しましては、多くのところで共通した認識で逆にあるんだろうというふうに思っています。
 ヨーロッパの諸国におきましても少子化が続いております。そして、いわゆるジェンダー思想が強いところほど少子化が進んでいるという状況もあるわけでございます。
 我が国の場合も、やはり一定の少子化が進んでいくということについては、そういう時代に入ったという考えの下で、その対策が必要だろうというふうに考えますが、同時に、一九九〇年以後わずか十三年の間に、いわゆる一・五七ショックから、昨年は一・三二という特殊出生率に変わってまいりました。日本の場合は高齢化も非常に急激なスピードで高齢化をいたしましたし、少子化につきましてもまた大変な高スピードでこの少子化が進んでいるわけでございます。
 こういうふうに急激な少子化が進んでくるとするならば、当然、本来であれば、なだらかな人口減であれば、その中で消化し、あるいはプラス要素として転化することができたはずの例えば住宅や土地問題であったり、あるいは教育問題であったり、としたような問題が解決されるよりも前に、やはり社会全体にマイナス面としての非常に大きな影響をもたらすことは明らかだろうというふうに考えています。
 また、少子化の原因の問題といたしましても考えた場合に、例えば人口研等が出しております結論というのは、私は非常に合理的だと。例えば保育所のキャパシティーを五〇%上昇させるならば、出生率を一・六一から一・六九まで引き上げる効果がある。それに加えて家賃、教育費水準を三〇%低下させると、出生率を更に一・七八まで上昇させる効果がある。さらに、それに加えて出生率の労働力抑制効果を弱体化させる、すなわち女性が出産することによって差別を受けない、そういうシステムを作ることによって出生率を一・八七から一・九八まで上昇できる。決して人口増とは言っていないわけでございますが、そうした指摘もございますし、根本的には女子労働力と出生の持つ背反的な関係を中立化することによって出生率が改善していくだろうというふうな指摘もございます。
 そして同時に、この問題につきまして、七三年から九六年の間に高齢者一人当たりの関連福祉予算が五・八倍にも伸びた、しかし子供に対しては関連福祉予算は一人当たりわずか一・三倍しか増えていないという指摘もございます。私は、これらはすべて当たっているんだろうと。だから、この急激な少子化という問題は、こうした基本的な問題の解決がないがしろにされてきた結果の現状である。
 今回の私どもが出しております少子化対策基本法というのは、そうしたことをきちっとやることによってこの少子化の急激な進行に対して結果として歯止めが掛けられるということを目的としていると、そういうふうな形で少子化社会と少子化との関係を理解しているということを申し上げたいと思います。
#24
○国務大臣(坂口力君) 余りにも急激な少子化というものが社会に対する影響が大きいことは、私は間違いないというふうに思っております。それはマイナスとかプラスという表現が悪ければ、現在の制度とのひずみというものをやはり生じる可能性がある。したがいまして、今も御答弁ありましたように、なだらかな少子化ということであればそうしたことは吸収されていくのであろうというふうに思いますが、急激であるがゆえにその制度のひずみが生じまして、それをやはり直していかなければならないというふうに思います。
 例えば、現在のGDPならば、GDPは労働力数に労働生産性掛けたものでございますが、その一方の労働力がどんどんと急激に減っていくということになりますと、労働生産性をよほどしっかり上げないとGDPは上がらないといったようなことでございます。それじゃ、GDPをどんどん進めていくという現状が、これがいいのかという問題は別にあるわけでありまして、そうした問題も含めて、やはり少子化になっていくのであれば、それにふさわしいやはり制度に改めていかなければならないのが一つの問題点だというふうに思っております。
 ただ、本当はもっと子供が増えるんだけれども、現在の制度のまずさによって何らかの阻害要因があって、そして子供の生まれる数が少ないということであれば、それは取り除かなければならないというふうに思っております。
 お話しいただきましたように、子供の数が減ったといたしましても、例えばそれは環境等につきましてはかえってプラスの面がございますし、あるいは住宅や土地等の価格に対しましてもプラスの面になるといったようなことも私は必ず存在するというふうにも思っている次第でございます。
#25
○朝日俊弘君 基本的な問題意識は御理解をいただいていると思うんですが、やや、何といいますか、力点の置き方というか、温度差があるなという感じをいたします。これ以上お尋ねしませんが、是非、余りに声高に叫び過ぎることによって生ずる問題点を十分留意した形で取組をして進めていただきたい。このことだけはくぎを刺しておきたいというふうに思います。
 次に、この二つの法律案、一方は少子化社会対策基本法ということで「少子化社会対策」という言葉、もう一方は次世代育成支援対策推進法ということで「次世代育成支援」という言葉、表現になっています。この二つの概念は一体同じなのか違うのか、想定している制度、政策の範囲は同じなのかそうでないのか、この点について、それぞれの提案者から御説明をいただきたいと思います。
 併せて申し上げれば、それぞれの法律案にそれぞれ基本理念を書くと。その書かれている基本理念のところをよく読みますと、ある部分はまるで同じ文章になっているし、ある部分は違った表現になっている。そもそも概念的に、あるいは政策、制度の範囲的にどういうふうに考えたらいいのか、両者の関係はどうなってくるのかについて、それぞれのお立場から御説明をいただければと思います。
#26
○衆議院議員(五島正規君) 少子化社会対策と申しますのは、少子化の流れを変えていこうと、この急激な少子化の流れを変えていこうという、そのために講ずる措置だけではなくて、少子化の進行した社会にあっても講ずべき措置を含んでいるものであると考えております。そういう意味においては、次世代育成支援対策よりも広い範囲の施策を意味するものというふうに考えています。
 このため、基本法案では、現在存在している少子化という現実に対応するために、社会、経済、教育、文化、その他あらゆる分野における施策が少子化の状況を配慮して、その下で講ずるべき問題について規定をいたしております。そういう意味ではより広範囲な内容であり、総合的、効率的にそれぞれを実施してくれという内容でございます。
 そういう意味では、次世代育成支援対策というのは、この基本法の中の施策の中で中心となる子育て支援、子育て支援についての措置であるというものだろうというふうに理解しているところでございまして、したがって、両法案が成立すれば、統合的な基本法である少子化社会対策基本法の趣旨を受けて、その具体的施策の一つとして地方自治体や企業といった現場において取組を促進させる、そうした次世代育成支援対策推進法がより有効なものになっていくものというふうに考えております。
#27
○国務大臣(坂口力君) 五島議員から御答弁のあったとおりだというふうに私も思いますが、少子化社会対策という言葉と、それから次世代育成支援対策というのを比較をしましたときに、やはり少子化社会対策の方が概念は広い、大きい立場から論じられているというふうに思います。
 私の方の次世代育成支援対策といいますと、それは、もう少しこれは絞りまして、そして子育ての支援をどうしていくか、あるいはまた次の親になります人々に対してどのようにしていくかといったような、もう少し生まれた子供をどう育てるかといったところに力点があるというふうに思っている次第でございます。
#28
○朝日俊弘君 今の御説明で、特に少子化社会対策という概念はかなり広い概念だと、こういう御説明があったんですが、そうしますと、次に衆議院の提案者に再度お尋ねしますが、提案されている法律案の法律の名前も少子化社会対策基本法、そして前文の中で使われている言葉も「少子化社会において講ぜられる施策」と少子化社会となっているんですが、ところが、その後に続いて基本理念が三項目か四項目か並んでいますが、そこでは「少子化に対処するための施策」と、こうなっているんです。細かい点にこだわっているようですが、私はかなりこれ大きな違いがあると思っているんです。
 私なりの理解を申し上げれば、少子化社会と言う場合は、少子化になりつつある、あるいは少子化という社会になってしまった、そうなってしまった社会においていかなる政策がプライオリティーを持って実施されるべきかと、そういう感じ、ニュアンスになります。一方、少子化対策というと、やはり少子化という現象そのものにどうやって歯止めを掛けるか、どういう対策が必要かと、こういう形になるんじゃないか。だから、少子化社会対策という名称の法律の中で基本理念がずらっと少子化に対する対策と、こういうふうになっていることについてはやや気掛かりというか気になるんですが、この点について御説明をいただけますか。
#29
○衆議院議員(五島正規君) 先ほども申し上げましたとおり、少子化という状況は現在存在しているわけでございますし、そしてそういう中において講ずべき措置の問題というのがございます。そして、その措置を通じて、繰り返すようでございますが、こうも急激なこの少子化に対してこれが本当に政治的な対策が誤っていないのかどうか。既に国の機関であるところからも、具体的に少子化という傾向はあるけれども、一・八ぐらいのところに、合計特殊出生率を一・八から一・九ぐらいまでは戻せますよというのは、いろんなデータの分析が出されている。そのことを具体的に実施していくということを通じて、この急激な少子化の進行というものに対しては歯止めが掛けられるだろうというふうに考えています。
 また、そのことが今回閣法として出されました次世代支援の中にも書いてございまして、基本的に大きな問題について出ておりましたが、やはり基本的に女性の労働力化率、これが出産とは背反的な関係である。これを中立化させるための施策というものがやはり基本になってくる。言うまでもないことだと思います。そして、そのことを通じて、じゃ人口増の社会になるかといえば、それは無理だろうと私自身は思っております。しかし、こうも急激な出生率の低下というものは歯止めが掛けられる。
 また、もう一つ大事なことは、衆議院でもさんざんございましたが、リプロダクティブヘルス・ライツ、この権利というものは、やはり出生率を、これを確立することは出生率を上向かす。このことについても指摘がされています。言い換えれば、ジェンダーのそうした社会風習の強い国ほど出生率の低下が大きい。その事実からもそうした問題は矛盾しないという意味において一体のものと考えています。
#30
○朝日俊弘君 ちょっと今の説明は分かりにくいですね。もう繰り返しませんけれども、どうもやっぱり私、危惧の念を払拭できないんですよ。
 私が冒頭申し上げたように、子育て支援をより積極的にやっていこうじゃないか、もし今の制度や社会的条件の中で産みたくても産めない人がいたらそれは何とか克服していこうじゃないか、そこまでは分かるんです。ところが、どうもそこから一歩踏み込んで、何か産まない人たちあるいは産めない人たちに対して、ある種生きにくくするようなところまで踏み込みそうな懸念がどうしても付きまとうんですね。ここは大丈夫ですか。もう一遍、念のため。
#31
○衆議院議員(五島正規君) いわゆる人口政策というものが過去の社会においても有効であった試しは私はないと思っています。そういう意味において、結婚する、しない、子供を産む、産まない、そうした問題は正に個人の権利である。その権利の上に立っての国の施策の問題だろうというふうに考えています。
 そうした意味において、私どもが提案しております少子化社会対策基本法というものが成立して、そのことが実施されることにおいて、結果的に、子供を持ちたいとお考えの方、あるいは理想的な子供数を持ちたいと思いながら、現実、非常に少ない子供しか持てない状況、そうしたものを、その格差を解消することによって少子化のスピードは落ちてくるだろうということを申し上げているわけでございまして、この法律を作ることによって、効果的でない人口政策、産めよ増やせよというふうなことを理念としては全く考えていないということは申し上げたいと思います。
#32
○朝日俊弘君 もうこれ以上この点については申し上げませんが、衆議院の方でも前文のところで修正をいただいたということですから、その点については十分提案者の皆さんにも御理解をいただいていると思いますが、ただ、あえて申し上げておくと、一足飛びに、ある時代の人口政策の復活になりはしないかというふうに、私は一足飛びには思っていないんです。ただ、施策の具体的な進め方、それから、これから後議論をしますけれども、具体的な行動計画の作られ方あるいはその中の文言の入れ方によっては、何かしら、先ほど申し上げたような方たちが生きにくいような状況が作られることがあるのではないかと、どうしても危惧の念がぬぐえません。是非そこは十分に御配慮をいただきたい、こういうことを要請をしておきたいと思います。
 さて、以上、幾つかの基本的な点について両案の提案される立場の方からお考えを伺いましたが、さて、今度はこの両法律案ができ上がった、成立したとして、具体的に、少子化社会対策基本法の中では内閣府に少子化社会対策会議が設置される。何かこのごろやたら内閣府にいろんな会議が設置されて、いいのかなと心配しながら見ているんですが。一方、次世代育成支援対策推進法では、厚生労働省を中心に文部科学省、経済産業省、農林水産省、環境省、国土交通省そして警察庁、七つの省庁にわたる各事業について自治体及び事業者に対する行動計画を作っていただくための指針、ガイドラインを策定する、こういう作業が想定されています。
 しかし、基本法も推進法もそういう意味では、ある意味では基本的方針と枠組みを定めるだけで、具体的な事業の実施についてはそれぞれの個別法、各法で実施していく、こういう組み立て方になっていると思いますが、この両法律案が成立した段階において、これからの少子化社会対策及び次世代育成支援対策がどういう仕組みでどんなふうに実行、運営されていくのか、是非解説をいただきたいと思います。
 参考までに皆さんのお手元に二枚の概念図をお渡ししております。厚生労働省の方に御無理を言いまして、カラー版で用意をしてくれということでお願いをいたしました。ちょっとそのポンチ絵を見ながら、内閣官房長官及び厚生労働大臣の御説明をいただければと思います。できるだけ分かりやすくお願いをいたします。
#33
○国務大臣(福田康夫君) それでは私から、先ほど委員から御指摘ありました、内閣府にいろいろな仕事を集中していいのかと、こういう懸念の表明があったようでございますけれども、御案内のとおり、一昨年の一月から省庁再編ということで、その省庁再編の中でも一つの目玉は、やはり総理大臣が、何ですか、リーダーシップを発揮できるような、そういう政治体制が必要なんではなかろうかと、こういうようなことで内閣府の機能というものが強化をされておるということでございます。したがいまして、内閣府の大臣の数も増えましたし、また、いろいろな担当というものを設けて各省庁にまたがるいろいろな問題を総括的に、内閣の調整機能を駆使して推進していこう、こういうことであります。
 そのトップは総理大臣になります。総理大臣が内閣府大臣を使ってと言うと言葉が悪いけれども、内閣府大臣にその活躍を願って、そしていろいろな個別の問題に対応していく、こういうことでありまして、機動的に、そして、今まで縦割り行政という弊害が言われてまいりましたけれども、その弊害を排除しようと、正に政治主導ということを実現すべくこういう体制を取っているわけでありまして、そういう意味でこの少子化対策ということについても、これも内閣としての重要課題である、こういう位置付けをして取り組んでまいりたいというふうに思っているところでございます。
 若干説明させていただいてよろしいですか。──よろしゅうございますか。
 この少子化対策会議の議員と申しますか委員につきましては、基本法案の第十九条におきまして、内閣官房長官、関係行政機関の長及び内閣府設置法の特命担当大臣のうちから会長である内閣総理大臣が任命すると、こういうふうになっております。だれにするかということについては、これは総理大臣の任命権ということになりますけれども、この所掌事務を適切に遂行するという観点から必要とされる関係大臣を任命すると、こういうふうなことになっております。
 それから、次にこの法案でございますが、概略私申し上げてあとは厚生労働大臣から詳細御説明いただきたいと思っておりますが、この法案は、少子化対策の基本、この法案ですね、少子化対策の、これは、基本理念を示して主要施策の方向を定めるということなど、少子化対策に関して基本となる事項を定めるものであります。
 これに対しまして、次世代法案というのは、これは自治体とか企業といったような現場での具体的な取組を推進するための枠組みを整備するという個別法の一つであるというふうに承知をいたしております。
 また、ほかにも個別法ございます。基本法案に定める方向に沿って関係施策の充実等を図る、こういうふうなことになっております。そのために、少子化対策会議におきまして、少子化に対処するための大綱の作成、それから関係施策の実施の推進等を行うに当たりましては、今申しました次世代法案やその他の個別法の取組が整合性を持って推進されるということが必要でございまして、基本法の趣旨が全うされるよう必要な調整等を図ってまいらなければいけない、このように考えているところでございます。
#34
○国務大臣(坂口力君) 先生からいただきましたこの表もなかなか難しい表でございまして分かりにくい点もございますが、基本法案が、先ほども申しましたように施策の基本理念それから方向性、あるいは関係大臣から成ります少子化社会対策会議の設置など少子化対策に関して基本となる事項を定めたものであるのに対しまして、次世代法案は、市町村でありますとかあるいはまた企業における行動計画の策定を通じた現場における具体的な取組を促進させるためのものでございまして、さらに児童福祉法の改正案につきましては、これは個別法でございまして、それぞれの個別分野における具体的な施策の実施、展開を図るためのものでございます。
 こうした違いがあるわけでございますが、これらの法案が成立をいたしましたときには、基本的には少子化に対する国を挙げた総合的な取組のための基盤を作り上げていくと。その下に、自治体、企業における推進体制を整備を行う、すべての子育て家庭のための地域における支援策の充実を図る。そうしたことを念頭に置きまして、次世代育成支援、それから少子化への対応のためのもう一段の取組を進めていくという計画でございます。
#35
○朝日俊弘君 この図は厚生労働省の皆さんに作っていただいたものですから、私が作ったものじゃありませんので。
 それでもう少し、残った時間、この厚生労働省から提出されている次世代育成支援対策法について少し細かく聞いていきたいと思いますが、私はこの法律、非常に奇妙な法律だなと思っているんですね。要するに、国が指針を示す、事業主と地方公共団体が行動計画を作る、計画を作ることを義務付ける。さて、国は何をやるのか。指針を作るところまでは分かったんですけれども、それぞれの企業や自治体が計画を作って具体的に推進していこうとする、そのときに一体国が何をやるのかというのがどうもよく見えない。このお手元にある図の二枚目を見ていただいても、「三位一体の取組」というふうに書いてあるけれども、計画策定、計画に基づく取組の支援と、こういうことしか書いていないわけです。
 そこで、最後に大臣の方からのお答えをいただきたいんですが、その前に、この法律を策定するプロセスで、企業側というか経営者団体からこのような中身についてはかなり異論があったんではないか、もっとはっきり言えば反対論があったんじゃないかと。何でこんなことを押し付けられるんだというのがあったはずです。私も何人かの方からお伺いしました。そういうことについては、どういう議論の結果御理解をいただいているのか、その経過についても少しお話をいただきたいのと、もう一つは自治体ですね、地方公共団体がこれまた計画策定を義務付けられると。
 ついこの間、ある自治体の方に話を聞きましたら、とにかく今もう福祉計画だ保健計画だ介護計画だ医療計画だって、もうやたら国から計画を作れと言われて、中には努力義務のやつもあるし、かなり義務的なものもあるし、しかし、やり切れなくてほとんど民間のシンクタンクに丸投げしているというようなところもあると。果たして、これもそうなるんじゃないかという心配をしています。
 地方六団体、特に都道府県、都道府県辺りはそれなりの力があると思うんですが、市町村はどういう御意見だったんだろうか、それに対して国はどういう説明と意見交換をしてきたのか、この両面にわたって、ちょっと政策を決定するプロセスにおける議論の所在について少しく御説明をください。
#36
○政府参考人(岩田喜美枝君) 法案の作成過程における関係方面との意見交換の経緯でございますけれども、まず経営者団体、幾つかございますけれども、そちらと意見交換をいたしました。
 今、例に出されましたのは日本経済団体連合会の例だと思いますけれども、日本経済団体連合会に御説明に伺いましたときの最初の反応は、事業主行動計画の策定、届出などを義務付けるということについて懸念が表明されまして、意見が出されたところでございます。
 これに対しましては、その後、相当の回数を掛けて、例えば事務局との意見交換、あるいは会員企業が多数お集まりになるようなところで講演形式でお話をさせていただくなど意見交換を続けてまいりました。一方、日本経団連の方も少子化の問題が大変喫緊の課題で、産業界としても重要であるという認識ははっきり持っておられまして、団体の中に国民生活委員会少子化問題検討部会を設置されるなど検討をなさっておられたところでございます。
 少し時間は掛かりましたけれども、意見交換を重ねる中で、最終的には少子化対策、次世代支援対策の必要性、そのために事業主が行動計画を策定をして、そして自発的に取り組んでいただくことの必要性については十分御理解をいただけたというふうに考えております。
 一方、地方公共団体でございますけれども、三団体の方に御説明を申し上げました。また、総務省の方にももちろん御説明をさせていただいたわけでございます。
 今、委員が言われましたように、たくさんある行動計画の中でシンクタンクに丸投げをするといったような行動計画では意味がございませんので、今回の法案では策定に当たってしっかりニーズ調査をすべての自治体でやっていただくことにいたしておりますし、また住民から意見を聞くということも法律で義務付けております。また、できた計画は公表し、一年に一回その達成状況をまた住民にお知らせをする、公表するといったようなことも定めた自治体の行動計画でございます。
 これらについては、関係自治体、団体、総務省の御理解を早い段階からしっかりいただいておりまして、そういった御理解の上で今日の法案ができ上がっているわけでございます。
#37
○朝日俊弘君 もう時間も余りありませんから、お願い、要望だけしておきます。
 さっきちょっと幾つか申し上げましたけれども、随分と自治体は計画作りにあれこれ国の方から御指示があって、少々、少々というか相当持て余しているというか、しんどい状況にあって、これからいろいろ市町村合併が進んでいく中でまたそれなりの力が付いてくるのかなと思いつつ、しかし、なかなかそうはいっても単独の自治体では十分に計画作りに取り組めない、ついついシンクタンクに丸投げしてしまう。とすると、どんどん行政のやるべきことが知らず知らずのうちにシンクタンクなしにはできないような形になっていってしまうという流れがなきにしもあらず。
 是非ここは、先ほど申し上げた幾つかの計画も含めて、もう少しそれをプランニングできる人材を確保しないといけないのかなという気がしていますので、ただやれやれと言うだけではなくて、そういう人材確保の面でも十分配慮をしていただければと思います。この点はお願いをしておきます。
 さて、最後に坂口厚生労働大臣に伺います。先ほども申し上げましたが、さて国が計画策定のための指針を定め、企業にも自治体にも行動計画を作っていただく、恐らく十六年辺りから次々とそれぞれのところで行動計画が作られてくる。多分、中身的には余りこう画一的なものじゃなくて、いろんなものが出てくるというふうに考えられますし、またその中では当然国に対する要望というか、いうことも含まれた形のものも出てくると思うんですね。
 そうしますと、じゃ、今度はそれを受け止めて国としてどうするんですかという話がやっぱりなきゃおかしいわけですね。ここのところについて、当然そのためには予算的措置も含めて検討すべきだろうと思いますが、この辺どう受け止めていこうとしておられるのか、その大臣の基本方針というか、基本的な考え方についてお伺いをして、私の質問を終わります。
#38
○国務大臣(坂口力君) 市町村によりましてかなりな格差があるんだろうと私も思っております。中にはもう若い人たちがほとんどいなくなってしまって、保育所は言うに及ばず、小学校も中学校もなくなっていくような地域があるわけでございますから、そういう地域で次世代育成といいましても何のことというようなことになってしまうわけでございますから。そうしたところと、それから子供がたくさんいて、待機児童が非常に多いような地域とは全くこれはそれぞれ違うわけでございますので、市町村によりましてそれぞれの立場からやはりお考えをいただく、それぞれの地域のことをよく踏まえていただいて、そして今後をどういうふうにしていこうというふうに思っていくのかという、率直なやはり御意見を盛り込んでいただいたものにすればいいのではないかというふうに思っております。
 それに対しまして、中には予算措置をかなり要求されるものもございましょうし、いわゆる意識改革をやはり進めるということに重点を置いていくものも私はあるというふうに思っております。それは恐らく十七年度予算、十七年度でございますかね、ですから十七年度予算には盛り込んでいかなければならない、あるいは十八年になるものもございましょう。それぐらいのところでどうそこに盛り込んでいくかということでございますが、この少子化対策全体の中でそうした予算をどう確保するかというのは、現在の財政の中におきましてかなり覚悟を決めて取り組まないといけない課題であるというふうに思っております。
 その内容は、それぞれ恐らく違った、私たちが想像していないような内容も多分出てくる可能性がございますので、一概にここでお答えをなかなか申し上げることはでき得ませんけれども、それに対する対応はやはり覚悟して掛からなければいけないというふうに思っている次第でございます。
#39
○朝日俊弘君 終わります。
   〔委員長退席、厚生労働委員長金田勝年君着席〕
#40
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。質問をいたします。
 多くの国民が少子化問題がこのままでは大変だと、こういうふうに考えていらっしゃると思います。私は、次世代育成支援対策、そして少子化問題を考えるときには、第一に、子供が欲しいけれども教育費、養育費が掛かり過ぎる、若者は安定した就職先がなく結婚もできない、出産によって女性は職場の地位を悪くする、職を失う。子供を欲しいけれども産めない原因を除去して、安心して産み育てられる環境を作っていくことが必要だと思います。
 もう一つは、個人の価値観に国が踏み込まないこと。以前は、社会に女性は結婚して子供を産んで一人前という風潮が強くありました。今もないとは言えませんけれども、しかし今は、ある人は自分の子供を愛して、子育てによって人生がより豊かになったと感じ、別な人は結婚も出産もしない、人生を生きがいを持って送る、どちらも許される時代になりました。
 かつて日本は、侵略戦争のために産めよ増やせよの人口政策を取りました。大切にはぐくんだ命は戦争で鉄砲の弾のように消費された、こういう不幸な記憶がまだ消え去っておりません。余計慎重にならざるを得ないわけです。
 法律の内容として提案者にお伺いいたしますが、リプロダクティブヘルス・ライツ、自己決定権を明確にすることが求められているのではないでしょうか。
#41
○衆議院議員(中山太郎君) 委員の御指摘のとおり、国が個人の考え方にまで踏み込むべきことは許されないと思います。
 ただし、子供が欲しい、だけれども子供が生まれれば、子育てに社会のシステムが十分対応できるように整備されているかどうかということを考えると、私は率直に申し上げてまだまだ整備はされていないと、こういうことでございまして、全く個人の考え方というものに国が大きく作用するということであってはならないと、このように考えております。
#42
○吉川春子君 自己決定権を明確にするということも御異存ないわけですよね。
#43
○衆議院議員(中山太郎君) そのとおりでございます。
#44
○吉川春子君 森喜朗元総理が六月二十六日、鹿児島市内の公開討論会で、子供をたくさんつくった女性が将来国が御苦労さまといって面倒見るのが本当の福祉なんです、ところが、子供を一人もつくらない女性が正に自由を謳歌して楽しんで、年を取ってほかの税金で面倒見なさいというのは本当におかしいと発言されたと伝えられております。
 この発言について、福祉問題の担当大臣でもある厚生労働大臣はどのようにお考えでしょうか、見解をお伺いいたします。
#45
○国務大臣(坂口力君) 衆議院の方でも同趣旨の御質問がございました。それぞれの政治家がおっしゃったことでございますから、私がコメントする立場にはございません。
 ただ、年金について私の意見を言わせていただければ、それはどういう人生を歩まれる人でありましても、同様に年金を享受するというのが年金制度の根幹であることだけは間違いがございません。
#46
○吉川春子君 報道によりますと、坂口大臣は、産む産まないで社会への貢献度が決まるわけでもないともおっしゃっておられるそうですが、そういうお考えと受け止めてよろしいですか。
#47
○国務大臣(坂口力君) 前回質問を受けましたときにそういうふうに発言をしたという、したかもしれません。あるいは記者会見で聞かれましたときにそういうふうに言ったのかもしれません。そういう気持ちでおります。
#48
○吉川春子君 森元総理の発言について、昨日、新聞に男性の投書が載っておりました。子供を生み、育てるなどお国のために貢献した者にはその報酬として幾ばくかの見返りを与えよう、そうでない者には国民の資格を認めかねる、それが国と国民の基本的な考え方だというのだと厳しく批判していました。また、これは別のところでですが、七十歳代の女性はこういうふうに言っています。同世代の多くの女性はあの戦争で男性がみんな死んでしまって結婚できず、ずっと独身で過ごしてきた、この森元総理の発言は許せない、声を震わせて怒っていました。また別の女性は、障害児を産んだ女性は社会に貢献しないということなのかと、男性も女性もみんな怒っているわけです。
 官房長官にお伺いしますけれども、この森元総理の御発言についてどのように受け止めておられますでしょうか。
#49
○国務大臣(福田康夫君) この間、私、内閣委員会でも答弁したんですけれども、その発言がどういう状況の中で出、その前後関係どうなっているのか、全体、私、知りません。ですから、私からそういうことについてコメントすべきでないと思います。いろいろな報道あります。個人的な見解を述べてもしようがないと思いますので、それについては控えさせていただきます。
#50
○吉川春子君 子供を産んだか産まないかによって社会への貢献度が決まるんだというような、そういうお考え方は官房長官お持ちではないと思いますが、いかがですか。
#51
○国務大臣(福田康夫君) これも先般の内閣委員会でお答えしたことなんですけれども、それは人間だれだって、生まれて死ぬまでいろいろな状況あるわけです。いろんな事情があります。ですから、そういうことについてどういう評価をするかということは一概に言えないんじゃないでしょうか。
 そんなことよりも、やはり個人は個人の権利でもって自分の人生を歩むという、そういうことでありますから、そのことについて他からとやかく生き方について言うべきものではないと思っております。
#52
○吉川春子君 私は、個人の生き方をほかからとやかく言っているのではなくて、非常に責任ある立場にいらっしゃる政治家のこういう発言についてどうお考えですかということをお伺いいたしました。お答えになりませんので、官房長官御自身の発言について質問をしたいと思います。
 六月二十六日の公開討論会で、自民党の太田誠一議員が、早大サークルの強姦事件が話題になった際に、集団レイプする人はまだ元気があるから正常に近いんじゃないかと、こういう擁護発言をしたということが非常に問題になりまして、官房長官御出席の先日の内閣委員会でも同僚議員から質問がされたところです。
 この発言の翌日に、伝えられるところによりますと、福田官房長官は官邸内で太田発言についての質問に答えて、私から見ると驚くべき発言をされました。太田さん、集団レイプが犯罪だって知らなかったんじゃないか、だけど、女性にもいかにも、してくれっていうの、いるじゃない、挑発的な格好しているのが一杯いるでしょ、そういう格好している女性の方が悪いんだなどと発言したと報じられています。
 私は事実についてお伺いしたいのですけれども、こういう発言をなさったのでしょうか。
#53
○国務大臣(福田康夫君) 私は、レイプというその犯罪行為を擁護したことは今まで一度もありません。どういう会合で発言しても、そんなことしたことはありません。これはもう、この間、内閣委員会ではっきり申し上げております。
 むしろ凶悪犯罪に位置付けられるということでございまして、最高刑は無期懲役まであるんでしょう、そのぐらいの重い刑なんですよ。そういうものを擁護するものではないということであります。
#54
○吉川春子君 日本の、レイプ、女性の人権を侵す、刑法犯というのは、実は財産権を侵害するものと比べて非常に軽いと、こういう批判がありますが、今日はそこには踏み込みません。
 官房長官、私は官房長官がレイプを擁護する発言をしたかどうかというふうに伺っているのではありません。それは、その発言がレイプ擁護発言なのかどうかということは私たち国民が判断いたしますが、今お示ししたような発言を事実としてなさっているのかいないのか、その事実について、評価ではなくて事実について質問をしております。その点についてはいかがですか。
#55
○国務大臣(福田康夫君) どのように言うか、その発言の中身を一々記憶しているわけではありませんけれども、私の考えていることは、レイプを擁護するような、そういうことはしたことがないと、これはもう明確に申し上げます。その上で御判断をいただきたいと思います。
 話をしている、長い間話していれば前と後ろをつなげれば何かできちゃう、全く違う発想になると、そういうことだってあるわけですよ。そういうことでもって、まあ何をもってそういう質問をされるか分かりませんけれども、恐らくマスコミの、一部マスコミの報道を見て言われているんではないかと思いますけれども、それは、そういうことを作って、作った内容では困るわけですよね。正確な根拠に基づいてそれは質問をしていただきたいというように思います。
#56
○吉川春子君 官房長官は、それではそういう発言をしていなかったというふうに私、受け取らせていただいてよろしいわけでしょうか。
#57
○国務大臣(福田康夫君) ですから、何度も言うように、レイプを擁護するような発言は一切していないということだけ申し上げておきます。
#58
○吉川春子君 レイプを擁護する発言をしているかどうかということを私は聞いておりませんで、先ほどお示ししたような発言を官房長官が具体的にされたのかどうかという点を御質問申し上げました。しかし、答弁はないということですね。
 これも新聞の投書に、レイプなんて絶対に許せないと話している女子学生に対して数人の男子学生が、本当に嫌なのと不思議そうな顔をしたと。アダルトビデオや男性誌に出てくる女性たちは本当はレイプをされるのを待っていたと語っているということですと。この投書は、間違った恐ろしい内容をそのまま信じてしまう男性が増えることへの強い懸念を訴えています。
 いかにも、してくれという格好している女性の方が悪いなどという発言、これはもしそういう発言をされているとすれば、私は、レイプを擁護し、レイプされた被害者が悪いなどと言うのはとんでもないものだというふうに思います。官房長官、官房長官、後で答えていただきます。
 レイプがどんなに女性の尊厳を傷付け、あるいは心や体に深い傷を、いやし難い傷を刻むかということは、慰安婦担当の大臣として御存じないはずはないわけです。野党の女性議員がもう繰り返しこの慰安婦問題については質問をしてまいりました。
 太田議員は謝罪して、この発言を取り消されました。報道された官房長官発言が事実とすれば、これは資格が問われる問題ですけれども、事実でないとおっしゃるのであれば、やっぱりこの発言の内容について事実を釈明していただく必要があるのではないかと思います。その点についてはいかがでしょうか。
#59
○国務大臣(福田康夫君) 何度も同じことを言われますけれども、人を断定的にこうだというふうに決め付けるようなやり方は余り良くないと私は思います。私は、再三、レイプを擁護するような発言はしていない、その前に、このレイプというのは凶悪犯罪だということまで言っているでしょう、明確に言っているわけですから。これは記者会見でもそういうふうに言っております。それ以上のことはないんです。余りいい加減な根拠でもってそういうことを言うべきじゃないと思いますよ。
#60
○吉川春子君 私は、いい加減な根拠に基づいて言っているのではなくて、そういう報道があるので事実をお伺いしているわけでございます。
 中山議員にお伺いいたしますけれども、太田、森、福田、こういう三人の政治家の御発言について、少子化基本法の提案者としてどういう感想をお持ちなのでしょうか、一言お答えいただければと思います。
#61
○衆議院議員(中山太郎君) 少子化問題とレイプとは全く関係がないと思います。私は、レイプそのものは、先ほど官房長官が言われたとおり、犯罪でありますから、それはまた別個の問題だと思っております。
#62
○吉川春子君 続けて中山提案者にお伺いいたします。
 こうした、こうしたといいますか、女性べっ視ということは非常に社会的にも許されない問題です。女性を対等のパートナーとして認めて、人格尊重の気持ちを子供のときから培うことが必要だというふうに思います。
 それで、少子化基本法案の第二条一項の基本理念の中に、少子化に対処するための施策は、男女共同参画社会の形成と相まって、次代の社会を担う子供を安心して生み、育てることができる環境を整備することを旨として講じられなければならないとしています。また、十七条の「教育及び啓発」では、国及び地方団体は、家庭が果たす役割及び家庭生活における男女の協力の重要性について国民の認識を深めるよう必要な教育及び啓発を行うものとしています。
 これは、学校教育でも男女共同参画、男女平等教育の必要について述べているものと、このように理解してもよろしいでしょうか。
#63
○衆議院議員(中山太郎君) お考えのとおりであります。
#64
○吉川春子君 子供のときの教育は、私が申すまでもなく、大変重要です。学校教育できちんと教える必要があると思います。その意味でも、本法十六条は、教育基本法第五条、男女共学の規定の趣旨とも相呼応するものととらえてよろしいのでしょうか。教育基本法の掲げるように、男女平等教育は更に推進されなければならないと思いますけれども、この点に関して、要するに男女共同参画教育、男女平等教育、この点に対して提案者の御見解を伺いたいと思います。
#65
○衆議院議員(中山太郎君) 教育基本法の第五条に示しておりますとおり、「男女は、互に敬重し、協力し合わなければならないものであつて、教育上男女の共学は、認められなければならない。」と、こういったことは明記されてございます。この基本理念に基づいて男女共学というものは行われていると、このように理解しております。
#66
○吉川春子君 大変重要なことなので、あえて確認をさせていただきました。
 やっぱり、子供のときから男女の平等とかお互いの人格の尊重とかそういうものをきちっと身に付けていくということが必要であり、これは社会教育でも学校教育でもきちんと踏まえられなければならないということであろうと思います。
 そういう立場から、やっぱり少子化も、本当に女性が大事にされ、尊重され、そして子供を生み、育てることが、そういう環境が整備されている社会であれば、やっぱり子供を産んで育てたいと思う多くの女性は進んでそういう子育てということに対しても夢を持てるようになるんではないかと思います。しかし、今の社会は余りにも女性が子供を産んで働き続ける、そのことのために環境は厳し過ぎると思います。私もその経験者でございますけれども、身をもって感じてきた一人としてそのことを思います。
 それで、引き続き厚生労働省、厚生労働大臣にお伺いしたいのですけれども、OLの妊娠リストラという言葉があるそうです。最近の「女性自身」に「会社に赤ちゃんを殺される! 働く女性を襲う「妊娠リストラ」!」という記事が載っていました。都内の産婦人科医は、派遣社員が中絶に訪れる件数が多いと嘆きのコメントを寄せております。赤ちゃんの命と引換えに働き続ける、何という残酷な国かと私は思わざるを得ません。
 厚生労働省にお伺いいたしますけれども、五月二十八日発表の調査、そこに男女雇用機会均等法の施行状況で、「雇用均等室における個別紛争解決の援助」、これは妊娠、出産を理由とする解雇が年々増加しているという報告が載っていますが、その点について簡単に御報告をお願いいたします。
#67
○政府参考人(岩田喜美枝君) 平成十四年度において、都道府県労働局雇用均等室へ、男女均等取扱いに関しまして女性労働者と事業主の間で紛争があり、その解決のための援助を申し立てた件数でございますが、全体で百二十二件ございました。
 その内容ですけれども、やはり雇用情勢が大変厳しいということが背景にあると思いますけれども、解雇ですとか退職の強要に関するものが大半でございます。その中でもまた妊娠や出産を理由とする解雇や退職の強要というのが七十七件ございました。妊娠、出産をしても女性が働き続けられることができるように、男女雇用機会均等法に基づいて、今申し上げましたような事案については事業主の方に対して助言、指導などを実施しまして、ほとんどのケースについては両当事者間が納得するような解決を見ているところでございます。
#68
○吉川春子君 これがその週刊誌のコピーなのですけれども、「女性自身」が報じる例は、妊娠したので検診のために休むと上司に報告した翌日に、留守電にあしたから出社に及ばずと上司の伝言が入っていた。翌日、思い切って出社すると、ロッカーや机は片付けられ、私物だけが紙袋に入っていたといいます。
 均等室に相談に来ない件数が圧倒的に多いと私は推測をしております。一度辞めたら、女性の場合、再就職先はなかなかありません。パートタイムあるいは派遣、こういうことで働くほかありません。我が国は、家族的責任を負う男女労働者の差別禁止に関するILO百五十六号条約を既に十数年前に批准をしておりまして、また雇用機会均等法でも家族的責任を負う労働者の差別扱いは禁止とされております。にもかかわらず、ここに報道されているような例がかなりあると。
 こういう実態は法違反であるんですけれども、なぜ放置されているのか、なぜこういうことが法違反にもかかわらず起きるのでしょうか。この点、厚生労働大臣にお伺いしたいと思います。
#69
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今、委員が言われましたように、妊娠、出産、そしてその後、子育てをしながら女性が男性と差別されることなく働き続けられるように、男女雇用機会均等法で関係の規定を設けたり、育児・介護休業法の中に不利益取扱いを禁止する規定があるわけでございます。
 なぜ、しかしながらそういう問題が起こるかということについては、残念ながら事業主の中にはそういうことについて、まず知らない、あるいは理解がないということが背景にあるというふうに思います。
 したがって、従来も取り組んでまいりましたけれども、厚生労働省としましては、そういった法律の理念、内容、妊娠、出産時期を経て子育てをしながら女性が職場で能力を発揮をすることの大事さ、女性の権利、そういったようなことをしっかり情報提供をし、周知徹底を図るということが大事だというふうに思います。そして、不幸にして、今、週刊誌の事例をお話しなさいましたが、そういったようなことがあれば、とにかく地方労働局の雇用均等室に、電話でも来室でもいいわけですから、とにかく駆け込んでほしい。そうしますと、必ずお力になれるというふうに思っておりますので、そういう窓口があるということについても更に周知をしないといけないというふうに先生のお話を伺って思ったところでございます。
#70
○吉川春子君 産前産後の休暇について、派遣労働者であるOLはもっと劣悪ですね。この週刊誌には会社に妊娠を通告する前に中絶をしてしまうという記事が載っています。働き続けようとしたら、パート労働者も恐らくそうだと思うのですけれども、妊娠して働き続けられない。
 派遣とパート労働者の産前産後の休暇がどのように利用されているのか、この実態をつかんでいるでしょうか、お伺いいたします。
#71
○政府参考人(岩田喜美枝君) まず、産前産後休業についてですけれども、労働基準法で産前産後の休業についての規定がございますが、これは派遣労働者であれパートタイム労働者であれ、その雇用形態を問わずにすべて適用になり、すべての女性が産前産後休業を取得できるように法制上保護されているわけでございます。
 今お尋ねになったような実際の取得の状況については、最近、把握ができておりません。
#72
○吉川春子君 これは是非実態を把握してほしいと思います。つまり、パートタイム労働者は千二百万人、厚生労働省の資料でなっておりますし、それから派遣労働者も百二十万人ぐらいだと思います。しかも、派遣労働者は、二十代前半の女性がほとんどではないかと思います。こういう人たちが妊娠、出産の休暇も取れないという状況であるとすれば、これは非常に、産みたくても産めない、そして少子化に拍車が掛かる、こういうふうにつながっていくのではないでしょうか。
 この点について、厚生労働大臣に、是非この不安定雇用労働者の産前産後あるいは育児休業の適用などについて抜本的な対策を今後講じていただきたいと思うのですが、その点について是非積極的な答弁をお願いしたいと思います。
#73
○国務大臣(坂口力君) 今お話のございました派遣労働者の問題でございますとか、それからパートの場合には、これは期限の定めのある雇用と期限の定めのない雇用によりまして現在対応が分かれております。
 期限の定めなく雇用される者であれば、派遣労働者やパート労働者でありましても育児休業制度の対象となっているところでございます。もし、そういう方でそれが取れていないということであるならば、それは我々は対応、急いで対応しなければならないし、よくお話を聞かなければいけないというふうに思っております。
 今後の問題等につきまして、パート、一言にパートの皆さんというふうに申しましても様々な形のパートがあるわけでございまして、そうしたパート問題を今検討をしていただいておりまして、そして、そのパートの皆さん方の中で、これはやはり正常の労働者と同様にこれは見るべきであるというパートの皆さんもおみえでございます。そういう皆さんにつきましては、正常の労働者と同じように権限が与えられるように今していきたいというふうに思っている次第でございます。
#74
○吉川春子君 ほとんど時間がなくなりました。最後に提案者にお伺いいたしますが、今国会で、今、労働大臣がおっしゃいました期限の定めのある、有期雇用契約の法の改悪が行われましたし、また派遣も全面的に解禁ということになりまして、今後ますます派遣労働に従事する若い女性労働者は増えていくわけです。
 提案者の中山議員は、やっぱり個別法の改正が必要なんだ、〇・五%しか育児休業を取れないような実態を解決していかなくてはならないと、このようにおっしゃって答弁されておりますけれども、やはり私は、個別法において、こういう不安定雇用労働者だけではありませんけれども、女性の妊娠、出産、育児、こういうものについてきちんと取れるような体制を是非提案者としても努力していただきたいと思います。その点についていかがお考えでしょうか。最後の質問です。
#75
○衆議院議員(中山太郎君) 今後、提案者各位と十分協議をして考えてまいりたいと考えております。
#76
○吉川春子君 終わります。
#77
○森ゆうこ君 国連(自由党・無所属の会)の森ゆうこでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 今日の連合審査会、前段の議論を聞いておりまして、果たして、これを国民の皆さんがお聞きになって、これらの関係法案成立した場合に安心して子供を産み育てられるようになるというふうに確信が持てるのかな、どうなんだろうというような感想を持ちました。
 先日、厚生労働委員会でもお話ししたんですけれども、現在、子供を取り巻く環境を見ますと、女性の社会進出が進んでいる、そして三世代同居が減少する、様々な他の要因もあり、子供を取り巻く環境は大変厳しくなっております。
 先ほど来お話がありますように、合計特殊出生率は一・三二と過去最低を記録するということで、少子化は一層急速に進む状況にありますが、このような中で、多くの親が育児不安を持っていると言われておりますが、特に専業主婦の方が共働きの主婦よりも育児不安を持つ割合が高いと言われております。専業主婦の方が七割、共働きの方の五割が育児に自信がなくなることがあると答えております。
 こういう状況でありますので、これまでの児童関係施策の中心は保育サービスの充実など働く女性への支援にあったと思いますが、今後は、施策の対象をすべての子育て家庭へと広げていくことが重要であると思っております。
 具体的には、地域の子育て支援を充実していくべきでありますが、その際、市町村の財政難などを考えれば、先ほど御指摘がありましたように、地方への財源の移譲、これ一番簡単だと思うんですけれども、ほかにもキーワードは、ハードよりもソフトの充実、既存施設の転用による資源の有効活用といったことにあると考えておりますが、先日は、そうした観点から厚生労働委員会で議論をさせていただきました。
 それで、まず提案者に伺いたいんですが、この基本法案の必要性について。今申し上げました施策が地域の実情に応じて行われれば子育て家庭に対する大きな支援になると思いますが、逆に言えば、幾ら少子化の進行が急速であるとしても、地域のことは地域に任せればよいのであって、わざわざ国で基本法を定める必要はないのではないかと考えますが、基本法の趣旨は一体、この点どのようなものでしょうか、よろしくお願いいたします。
#78
○衆議院議員(五島正規君) 御指摘のように、子育ての問題につきましては、個人に任せればよい、あるいは施策によっては地域に任せるという考え方もこれまであったわけでございます。しかし、これまで、この問題について考えてみますと、結果的には成果が出ていないということも事実でございまして、現在、一・三二の出生率というふうな状況になっております。
 少子化に対する施策というのは、国民生活の各般にわたって総合的に推進されなければならないものであるだろう。しかるに、その基本となる理念を欠いたまま、従来の縦割り行政、それにゆだねてしまったとしたならば、ばらばらに個別の政策が実施され、十分な効果を期待することはできないんではないだろうかというふうに考えております。
 この法律は、少子化の状況に対処するために、基本理念を定め、その基本理念の下で各種の施策の基本となる事項を有機的に関連させていくというふうに考えております。そのために、少子化社会対策会議が総合的にそうした施策を推進するというふうにしているところでございます。これによって、各省の行政各部がそれぞれの分担に基づいて総合的かつ効果的な実施が、効率的な実施ができるようになる、そして、少子化社会に対応した大きな成果が得られるものというふうに期待しているところでございます。
#79
○森ゆうこ君 この問題については深追いしませんけれども、地域のことは地域に任せる。特に、子育て支援は本当にそうだと思うんです。三位一体の改革などと訳の分からないことをおっしゃっていないで、政府がまず、この子育て支援関連で地域に財源の移譲をするということが必要だというふうに申し上げたいと思いますが。
 続きまして提案者に、個人の自由との関係について、先ほど来質疑がありましたけれども、私も、子育て支援を社会全体で行っていくことは大切だと思っておりますが、一方で、子供を生み、育てることはすぐれて個人的な営みだと思っておりますが、この点、衆議院で、この法案が産めよ増やせよになるのではないかとの議論がかなりあって、結婚や出産は個人の選択であるという旨が修正されたということは承知しております。しかしながら、先ほど来の議論を聞いておりましても、子供を生み、育てることはすぐれて個人的な問題であり、国があるいは法律が介入すべきではないと思いますが、いかがでしょうか。
#80
○衆議院議員(西川京子君) 委員御指摘のように、正に結婚あるいは出産に関することは大変個人的な領域であると私も認識しております。
 その中で、しかしこの日本の今の急激な少子化というのは、大変、欧米諸国に比べて大変急激な短期間に起こった現象、そして高齢化の問題にそれまでの政府が対応してきた中で、この少子化ということのこの急激さはやはり想像を超えていたという現実があると思います。
 そういう中で、やはり行政として、国として、そういう将来の国の方向性ということも考えながら、個人のそういう自由ということに配慮をしながら、やはり産みたいという人たちのための環境整備、これはやはり一生懸命していかなければいけない、そういう視点でこの法案、その一つの基本理念として表したものでございますので、御理解いただきたいと思います。
#81
○森ゆうこ君 その環境整備、産みたい人が産み育てられる、その環境整備に主眼を置いているということであれば、私もその点については同じ考え方を持っております。
 先週末、地元で、地元の幼稚園の父母会主催の教育、子育ての座談会にお招きをあずかり、本当にタイミングよく、ちょうどここでこのような質問をしますので皆さんの意見を聞かせてくださいというような形で参加してまいりました。やはり、子供は産みたい、もっと、もう一人、もう二人産み育てたい、そう思っている方、結構いらっしゃるんですね。ですけれども、経済的な問題が大変大きい。例えば、具体的な例で申しますと、だんなさんの方のお仕事は、今のこの経済情勢の中で会社がいつ倒産するか分からないような状況である、そして母親の方はパートで、これも育児、出産ということになるともう仕事がなくなってしまう。このような中で、今、一人子供がいるけれども、もう次の子、もう二人ぐらいは産んで育てたいんだけれども、どうも不安があって決断できない、森さん、大丈夫だから産んでくださいと言ってくれと言われたんですけれども、私がもし政権の責任者であれば、どうぞ安心して産んでくださいと、政府は経済的にいかなる支援もしてまいりますというふうに言うところなんですけれども。
 それで、こういう状況を踏まえますと、子育て家庭に対する経済的支援を行うことが本当に重要だと思うんですが、基本法に、第十六条、経済的負担の軽減が盛り込まれているわけでございます。この十六条の経済的負担の軽減について、どのようなお考えでしょうか、提案者に伺います。
#82
○衆議院議員(近藤基彦君) 委員御指摘のとおり、出生動向基本調査によれば、第一の、いわゆる理想の子供数を持てない第一の理由として経済的な要因を挙げておられます。
 そのために、経済的負担の軽減が子育て支援においては大変大きな意義を持つと思っておりますが、現段階で子育ての経済的負担の軽減を図る制度としては、児童手当と扶養控除という二つあるわけですが、扶養控除に関しては、低所得者に関して、所得税を払っていない家庭に関しては特別プラスのメリットがないというような御指摘もあったりして、我が国の児童手当制度は欧米諸国に比して大変劣っているという声も聞かれます。
 このような中で、昨年の十二月の配偶者特別控除の見直しをする際に、平成十六年度においては、総額二千五百億円の枠内ということではありますけれども、児童手当の支給対象年齢等を見直すことを柱とした支援対策を立てようということを与党三党幹事長、政調会長等々で合意されて、少子化の流れを変えるために政策協議の場を設けて、効率的な少子化対策の在り方について児童手当制度全体の見直しを含めて検討を始めることになっておると承知をしておりますし、また扶養控除についても、控除の仕組みを所得控除方式ということではなく、低所得者に恩恵の多い税額控除方式とするということも検討課題となっていると承知しております。
 いずれにしても、この法案を踏まえて、今後、いろんな意味で経済的負担の軽減について更に総合的な取組が進められることをこの法案自体が期待しているところであります。
#83
○森ゆうこ君 今の御答弁ですと、この十六条がそのような施策が行われるということが期待されると。期待だけでは困るわけで、そこで官房長官にお聞きしたいんですけれども、今のこの法案が成立したとして、政府として具体的に経済的負担の軽減ということについてどのような対策を講じていこうとお考えなのでしょうか。官房長官の決意のほどを伺っておきたいと思うんですけれども。
#84
○国務大臣(福田康夫君) 子育て家庭は、それなりのやはり経済的負担がございます。住居費、一つ余計に部屋も必要だということもあるかもしれぬし、また食事代、また子供が成長してくれば教育費負担と、こういうようなことがございます。そういういろんなものがございますので、これが少子化の要因の一つであると、こういうように言われることも多々あるということも承知をいたしております。
 現在、子育て家庭の経済的支援としては、児童手当、扶養控除などの税制措置を始めとして、教育、福祉、医療等の分野でも様々な配慮はいたしております。
 児童手当につきましては、昨年末、与党において支給対象年齢等の見直しを行うと、こういうことを合意いたしております。また、本年三月には、関係閣僚会議におきまして決定された政府としての当面の取組方針、ここにおきまして、教育に伴う経済的負担の軽減措置なども盛り込まれているところでございます。
 基本法によりまして、子育て家庭に関する経済的な負担についても、総合的な観点から、ただいま御説明ありました視点からとらえていくということは可能になるのではないかというように考えておりますので、子育て世帯の経済的な状況を踏まえつつ適宜適切に対応していかなければいけないと思っております。
#85
○森ゆうこ君 あと一分ありますので、官房長官にもう一言お願いいたします。
 今の御答弁ですと、先ほど申し上げました、今日、何かメディアたくさん来ていますけれども、別な観点での取材のようですけれども、やはり男女共同参画担当大臣として、官房長官として、これだけ次世代育成支援推進法案、児童福祉法の改正、そしてこの少子化対策基本法、この法案が審議され、そして成立しようとしているわけですから、もっと強烈なメッセージを国民に向かって言っていただきたい。政府としてこの問題に全力で取り組む、ですから皆さん安心して子供を産みたい方は産み育ててくださいというような、政治家としての強烈なメッセージを一言最後にカメラに向かって言っていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#86
○国務大臣(福田康夫君) 今般、この少子化対策について議員立法がなされるというのは、これは大変私はこれは事宜に適したというか、もう必要不可欠なことをやってくだすっていると、こう思っております。少子化対策ということは、これは内閣としても非常に心配なことであり、これに対しては真剣に取り組むということは、これはもうよく承知をしております。しかし、具体的にどういうふうにするかということについては、もう様々な意見がございまして、その意見をどうやって集約して、そして政策に結び付けていくかと、こういうことじゃないかと思います。
 特に、男女共同参画という意味において、女性が子育てで心配だというような、そういう社会ではなくさなければいけないということであります。これは小泉内閣の一つの大きなテーマでございますので、内閣府にも男女共同参画というものをしっかりと位置付けてこの対応をするということになっておりますから、そういう中の一環として、またこの男女共同参画を超えた、もっと日本の将来を見据えた政策という観点から真剣に取り組ませていただきたいと思っております。
#87
○大脇雅子君 少子化社会対策基本法の発議者の方にお尋ねをいたします。
 前文によりますと、家族や子育てに夢、第二条あるいは第六条も「家庭や子育てに夢」という文言があります。家庭の定義についてお尋ねします。
#88
○衆議院議員(西川京子君) 大変失礼いたしました。
 もちろん、家族の在り方、大変多様になってきております。その中で、一つのまた新しい流れとして、アメリカあるいはイギリス辺りではまた一つの保守回帰のように、そういう伝統的な家族像みたいのを求める動きもまた一方ではあるように聞いております。そういう中で、様々な家族像があること、これはもちろん私たち、その枠の中でそういう認識で一致していると思います。
#89
○大脇雅子君 今、家族の在り方という言葉を使われました。確かに国際的には、一九九四年の国際家族年というところで、国際家族年のモットーは家族から始まる小さなデモクラシー、正に民主主義の小さな核が家族だということが中心的なテーマでした。それならば家族という言葉を使われるべきで、家庭というもう死語になったような言葉を使うということについては私は問題がある。したがって、ここで言う家庭の定義というのは、皆様方はどのように定義されるのかということをお尋ねしているのです。
#90
○衆議院議員(西川京子君) 私、家庭というのが死語になったとは思っておりませんけれども。
 もちろん、家族と家庭の定義というのは大変、シビアにいろいろ考えるといろんな異論もあると思いますが、ここではそこまで大きな明確な意思を持って区分けしているわけではなく、大きな、大枠の中で家族と家庭とを単に使い分けていることだと私は理解しておりますけれども。
#91
○大脇雅子君 これは法律ですから、家庭という言葉を使われる以上は、その家庭はどういう定義、そしてどういう役割や機能を持つものとして定義されるのか、それは発議者として明確に答えをされる必要があると思います。家族という言葉は使われておりませんよ。
 だから、私は、この法案の後進性は、国際的に見て、家族、民主主義の小さな単位としての家族、そして近代最も特徴的なことは家族の概念が物すごく変化をしているということでありまして、夫婦二人、子供二人、犬一匹という伝統的な近代家族でさえアメリカではもう既に二〇%を切っている、日本で伝統的な家族という三世代家族というものも非常に少ないと。そういう中で多様な家族形態をこの法律が全く包み込んでいないということを考えまして、この家庭や子育てとまたセットにして夢というのは一体何を指すのかと。家庭の概念についてもう一度お尋ねをいたします。
 これはもう法案の発議者としてきちっと答えられなければおかしい、法律それ自体の存在価値を問われるのだと思います。
#92
○衆議院議員(西川京子君) 私、これは私の解釈でございますけれども、家族と定義した場合、明らかにその構成員を指すと思います。もちろん、それは多様な、母と子だけの家族もあるでしょうし、父子もあるでしょう。あるいは、全部、両方がそろっている家族もあるでしょう、三世代もあるでしょう。そういう中で、家庭といいますとそういう、それぞれのそういう、家族がまた有機的に動いているその家も含めた中での、社会的活動も含めた中での一つの家庭という概念、家を含んだですね、そういうものが私は家庭だろうと思っております。
#93
○大脇雅子君 第六条によりますと、「国民は、家庭や子育てに夢を持ち、かつ、安心して子どもを生み、育てることができる社会の実現に資するよう努めるものとする。」。後段は私は法律的だと思いますが、前に、家庭や子育てに夢を持つ、これが国民の義務であるとすれば、これに違反したら、どのような夢を持たなければならないのか。これに違反したら第六条違反、男も女も六条違反ということになりますか。
#94
○衆議院議員(西川京子君) この第六条の「国民は、家庭や子育てに夢を持ち、かつ、安心して子どもを生み、育てることができる社会の実現に資するよう」に。国民が夢を持ちながら、夢を実現できる社会に目指すと、の方に係ると解釈していただけるとよく分かると思いますけれども、私たちの真意は。
#95
○大脇雅子君 法案上は「かつ、」となっておりますから、家庭や子育てに夢を持つこと自身も責務になっていると。
 私は言いたいのは、国際婦人年の原則、国際婦人年あるいは国際家族年の原則は、唯一の家族の理想型、あるべき家族は存在しないんだ、そして国がそうした家族を強制することはいけないんだと。現実の家族の在り方に対する行動プログラムこそ大切だということは、国際会議で何度も問われてきました。平和や個人の権利、相互尊重や寛容の価値を育てる揺りかごであることは私は家族の役割だと思いますが、例えば、夫婦別姓、事実婚、同棲カップル、DINKS、再婚カップル、血縁でないきずなで住む人たち、そしてたった一人の人も私は家族だというのが近代的、現代的な家族の定義だと思います。その点で見ますと、この法案は極めて、少子化にのみ焦点を置いて、多様な家族形態を包み込んでいないという法案という意味では、非常に後進的であり時代後れであるということを指摘したいと思います。
 さて、その不妊治療について非常に、研究に対する助成措置その他、本法十三条二項が定められておりますが、私は、女性のリプロダクティブヘルス・ライツを保障するならば、正常な出産に対する、正常分娩に対する出産費用の現物給付、経済的負担の軽減、それから出産休暇の有給制、そしてまた非嫡出子の法的、社会的差別というものについて、これを実現することこそ少子化対策だと思いますが、なぜこれらの問題が触れられていないのですか。
#96
○衆議院議員(五島正規君) 言うまでもなく、女性の出産と健康の問題、リプロダクティブヘルス・ライツというものに立脚したシステムの確立というのは極めて大事だというふうに思っています。そういう意味では、先生も御指摘ございましたが、やはり出産のシステムというものをどのように社会全体の中で取り入れていくかというのは大事だと思っております。
 同時に、私は、その問題は不妊治療研究の問題とは無関係ではないと思っております。今日、不妊治療研究といいますと、すぐ代替、どういいますか、生殖代替行為のような、補助医療のようなことを念頭に置いた議論が多いわけでございますが、今日、やはり不妊というものが着実に増えてきています。人工中絶は幸いにして下がっております。そして、コンドームの出荷率も三割まで減ってきています。にもかかわらず出生数は大変落ちてきている。その中には、男性、女性とも新たなそういう健康上の問題があると考えております。そういう意味におきまして、このリプロダクティブヘルス・ライツの問題と不妊治療研究の問題とは決して無関係でないというふうに考えております。
#97
○大脇雅子君 質問時間が終わりましたが、特に、家族の主な特性の一つは多様性であり、唯一の家族のイメージを奨励するこの第六条は削除されるべきであるということを申し上げて、質問を終わります。
#98
○西川きよし君 短い時間を有効に使わせていただきたいと思います。十分ですので、よろしくお願いいたします。
 まず、絞りまして、私の方からは、少子化社会対策基本法第十二条の地域社会、「地域社会における子育て支援体制の整備」についてお伺いをさせていただきます。
 まず、提案者からの条文の趣旨と、それから現状ですね、現状の子育て支援体制についての御認識をお願いいたします。
#99
○衆議院議員(西川京子君) この子育て支援に関して、地域社会における支援体制というのは大変重要だと思っております。
 「地域において子どもを生み育てる者を支援する拠点の整備」といたしましては、育児不安や、あるいは相談、そして助言、地域の子育てサークルなどへの支援などを行っておりますが、特に最近、若い方で妊娠してしまうという、そういう中での妊娠葛藤における相談窓口などを設けている地方自治体もありまして、これから更にこの充実を図ってまいりたいと思います。
 そして、「安心して子どもを生み育てることができる地域社会の形成に係る活動を行う民間団体の支援」、これに関しましては、大変、PTA、あるいは子供会、自治会などを巻き込みましての支援を想定しているところでございます。
#100
○西川きよし君 この点についてはこの内閣提出の児童福祉法とも関連をいたしますが、例えば子供さんを保育所に預けている場合ですと、送り迎えをするときに保育士さんと接触があるわけですけれども、他の父兄との接触があったり交流もあったりするわけですけれども、そういったときに、情報の交換なり自分たちの悩みの相談をすることもいろいろあると思います。
 ところが、子育てだけに専念をしていらっしゃるお母さんの場合は、ややもすると、やっぱり外部の人との触れ合う機会がなかなかないというふうに私自身も思いますし、そういったお話もたくさんお伺いをいたします。そうした外部との触れ合いの機会に恵まれない子育てをするお母さん方、結局一人で悩みを抱え込んでしまうわけです。そういったケースもたくさんございますし、最近報道されております、最近といいますか、もう大分前からですけれども、そういったことが子供たちの虐待につながったりというケースも少なくないと思うわけですけれども、この点について、今回の児童福祉法改正の中でも、すべての子育ての家庭という位置付けをしているわけですけれども、厚生労働省といたしましては、この地域支援ですね、地域支援体制の整備について、是非坂口厚生大臣にお伺いをしたいと思います。
#101
○国務大臣(坂口力君) 西川議員がおっしゃいますように、核家族化が進んでまいりましたし、そしてまた都市化という言葉で一つで区切っていいか、くくっていいかどうかは分かりませんけれども、やはりお互いに行き来が少ない社会ができております。そうした中において、お子さん方も孤立化をしてしまう、お母さん方もまた孤立化をしてしまうというケースが多いわけでございます。したがいまして、お勤めになっているお母さん方だけではなくて、御家庭にお見えになりますお母様方も含めましての子育て支援というものがこれから大事だというふうに思っております。
 また、そうしたそれぞれの地域における特徴というものがございますので、それぞれの地域に最も見合った子育て対策というのは何かといったことをそれぞれの地域でも考えていただきながら、しかしその地域だけにお任せするのではなくて、国や都道府県もそれにアドバイスをし、手を差し伸べることができるような体制が大事だというふうに思っておりまして、そうしたことに心掛けていきたいと思っております。
#102
○西川きよし君 よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 これまでの仕組みの中におきまして、すべての子育て、子育て家庭に対する支援であるとか、地域における子育て支援事業を先進的に行っている自治体がたくさんあるわけですけれども、私は大阪府の箕面市というところにただいま住んでおりますが、お隣の吹田市というところですけれども、こちらでは地域の保育園を子育て支援センターとして園庭を開放しまして、園児だけではなく、保育園や幼稚園に行っていない地域の子供さんたちの交流を図っております。もちろん、お母さんあるいはお父さんの交流を図りまして、それから保健所との連携によりまして、育児相談ができる、まさしくこの地域の保育所が拠点になっているわけですけれども、地域で独りぼっちのお母さんを作らないというような、本当に目を通させていただきますと、大変よくここまで頑張ってこられたなという大変な歴史ですけれども、大変いい取組をしておられます。こうした取組というのは、一朝一夕には本当にできないことだというふうに思います。
 先ほどから、親子二代だとか、三世代だとか、家庭だとかといういろんなお話が出ております。我が家は親子四世代で生活をさせていただいておりますが、いろんな問題が起こります。そして、今申し上げましたように、一朝一夕にはできないもんですから、市役所と現場保育士さんとか保健師さん、専門家の方々、精力的にこちらの方は地域のニーズ調査を行う中で共通の認識を築き上げてこられたと思うわけですけれども、つまりやる気があるかないのかということが決まりではないかなというふうに私自身感じております。
 現行法の中でも十分に対応できるということだと思うわけですけれども、しかし、こうした地域もごく一部。ですから今回のこの十二条の規定が設けられたと思うわけですけれども、今後は、国、地方公共団体がこの規定の趣旨に沿った対応を取っていくためには、それぞれどういった対応が求められているのか、この点について、大臣ではなしに提案者の方から御答弁をいただきたいと思います。
#103
○衆議院議員(近藤基彦君) 十二条の規定の趣旨というのは、これは都道府県においては、市町村を包括するという立場から、そういった市町村間の連絡調整、あるいはそういった、今、委員が御指摘のような大変いい取組をやっている、あるいはそれを市町村をまたいでやらなければいけないというような部分での、いわゆるそういった情報公開とか、あるいは各種の子育て支援事業の各自治体での実施にかかわって支援やあるいは助言を行うということを必要だと考えておりますし、また国におきましては、そういった全国的な立場からの連絡調整、あるいは個別法も含めた全国的な制度の企画立案、あるいは都道府県と相まって、一緒になって各種の子育ての支援事業にかかわる御支援あるいは助言を行う必要があると考えております。
#104
○西川きよし君 ありがとうございました。
 我が家は、まさかもう本当に今から二十年ほど前でしょうか、そんなようなお年寄りのことだとか子供さんたちのことで、御家庭のことでこんなに、その時代その時代の背景でいろんな悩みや何もございます。家族が多いから、きよしさんのところは幸せやねと。とんでもありません。多ければ多いほど、いろいろ楽しみもありますけれども悩みもあるし、けんかもございます。
 いろいろ先生方の御質問をお伺いいたしまして、時間が短いですから、あれも聞きたいこれも聞きたいと思うんですけれども、ただいま提案者の方から御答弁がありましたことを、最後に総評を坂口厚生大臣に少し、ちょっと首をひねっておられますけれども、いつも御無理なことばっかりお願いするんですが、よろしくお願いいたします。
#105
○国務大臣(坂口力君) ただいまも御答弁ございましたように、やはり地域、地域、それぞれの連携をどうしていくか、やはり市町村なら市町村の連携、都道府県の連携もございましょうし、あるいは地域間の連携というものもあろうかと思いますので、いわゆる法律の中に書かれたことだけではなくて、そうしたお互いのいいところをやはり学び合うというようなことが地域で起こっていけば、これからもっとこの全体の連帯は広がっていくのだろうというふうに思っております。それを更に小さくして言えば御家庭と、家庭と家庭との間の連携、家族と家族と言った方がよろしいんでしょうか、そうした連携になっていくんだろうというふうに思っております。
 そうしたことを念頭に置きながら、そうしたことができやすいようにしていくための施策というのは一体何かということを併せて、県のレベル、あるいは国のレベルがやはり考えていかないといけない。それぞれの地域のそうした大変すばらしい話を幾つも聞きながら、それらを集約をして、そのために国として大局的な立場でどういうふうなことをすればそうしたことがより起こりやすくなるのかということを考えていかなければならない。そこがやはり国の果たすべき役割だというふうに思っております。
 是非そうしたいろいろのケースを参考にしながら、私たちもそれをバックアップできる体制を作り上げていくという、そういう施策を是非実行したいと考えております。
#106
○黒岩宇洋君 無所属の黒岩宇洋でございます。
 私は、本日時間がございませんので、次世代法案について根本的なところを一問、そして少子化対策基本法案、これは先週私どもの内閣委員会で大枠について私質問をいたしましたので、細部になるかもしれませんが、時間の限り質問させていただきたいと思っております。
 まず、次世代育成支援対策推進法案なんですけれども、第三条「基本理念」のところにこうございます、「父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、」と。これ実は内閣委員会の少子化対策法案でも私質問したんです。第二条、少子化対策法案の第二条に全く同じ文言がございます。私は大変この点に矛盾を感じるわけです。
 どういうことかと申しますと、私は簡単に言えば、今少子化が進んでいる理由の根本的な理由は、この第一義的責任が重過ぎることにあると、そういう認識をしておるんです。結局、産むか産まないかを決めるのは父、母ですよね。経済的な負担で六割、そのほか肉体的、精神的な負担で産みたくても産めないという、こういうアンケート結果が出ているわけです。私は決して、国が例えば子育てにお金が掛かるから産まないという判断下しませんよね、当然、今少子化対策法案出しているぐらいですから。地方公共団体もそうです。事業主もそうです。おじいちゃん、おばあちゃんが決めるわけでもない。すなわち、父、母が産むか産まないかを決める、これはもう明らかなことなんです。
 私、自分のことで恐縮なんですけれども、私は七人兄弟です。私の弟や妹は地域に預けられたりしておりました。私の家には祖母も当時存命だったので、やはり子育ての社会化ということがむしろ以前の方が整っていたと、そういう認識を持っております。翻って、私個人のことでいいますと、私はまだ未婚で子供もおりません。私は今の同世代の同級生を見ていると、本当に子育てに対して恐怖とおびえを感じ取れます。私の田舎の方から東京に出てきた家庭を見ても、社宅で特にお母さんが朝から晩まで子供と一緒にいるわけですよ。私に言わせれば、育児ノイローゼにならないのが不思議なぐらいだと。
 今このような状況なわけですから、その恐怖やおびえている若い世代、これから子供を持つ世代に対して、何ゆえこの一義的責任などということを殊更強調するのか。少子化対策法案でいえば、この責任を強調した後に「家庭や子育てに夢を持ち、」という文言になります。次世代法案になりますと、この責任を強調した後に「子育てに伴う喜びが実感されるように」となるんですが、私はこれは本当に相矛盾する論理構成だと思っております。
 それで、坂口大臣にお聞きしますけれども、私が今申し上げたこの第一義的責任の重さが最も少子化の原因であるというこの認識について御所見、それと、今申し上げた第三条の基本理念、大変矛盾があるという指摘についての御所見、これをお答えください。
#107
○国務大臣(坂口力君) 保護者が子育てについての第一義的責任を全うする、そのことが現在困難な状況になっているから、その障害を除去するということが大事というのがその趣旨でございます。したがって、やはり子育てに対する障害があればそこを除去するということだというふうに思います。
 しかし、子育てに対する障害といいましても、それをどこまでを障害と言うか。人によりましてはそれは障害と考えずに乗り切っていく人たちもいる。しかし、そこは人によって障害だというふうに感じて乗り越えられない人も存在する。私は、ここは個人差がかなり大きいところだというふうに思っております。
 しかし、この障害だというふうに感じる皆さん方にはそれなりのやはり理由があるわけであります。ですから、その理由をやはり聞いてあげないといけないというふうに思います。頭が痛い、本当に痛いかどうかは分からないけれども、痛いというその患者が存在することだけは間違いがないわけでありまして、これはもう障害があるというふうにおっしゃる皆さんがお見えになれば、おっしゃる皆さんがお見えになることだけは間違いがないわけで、その人たちに対する対応をやはり考えてあげなければいけない。それなりの理由があっておっしゃっているんだというふうに思います。
 そうした、人々によって違いはありますけれども、その違いを乗り越えて、そうした皆さん方に対応できるやはり体制を整えていくことが大事ではないかというのがこの趣旨だというふうに思っております。
#108
○黒岩宇洋君 ちょっと私の質問に答え切れていないような気がするんですが、私も当然産みたいと思う方々に対する障害を取り除く、このことはあってしかるべきだと思っています。ただ、この責任を特に強調することによって、私はむしろ本当に今の子育て世代がおびえや恐怖を持つんじゃないかという、そういう指摘をしたわけです。
 私、誤解を恐れずに言うと、今から一昔、二昔前の子育ての状況、環境というのは、先ほど申し上げましたが、整っていたかもしれません。その当時に子供をもう産み、子育てを終えられた方が、その観点でこれから産む若い世代に、やはり結婚しなさいよ、子供を産みなさいよという、どうもこの価値観を押し付けてきている、これが何となく私は少子化対策のこの議論の中で懸念される点なんです。
 この後は少子化対策基本法案の方に移りますけれども、私せんだっての議論の中で幾つか指摘しました。それは、例えば少子化対策基本法案の中で、十条から十三条、これは厚労省マターなんです。今いらっしゃる森田政務官に私お聞きしました、この対策というのは今厚生労働省の方でやってきたんじゃないんですかと。やっぱりやってきているんですよね、ほとんど。今後より充実させたいという御答弁があったんで、じゃこの基本法がなければ充実できないんですかと聞きましたら、どうもそうでもないらしい。すなわち、今のままでも大分、厚労省はね、坂口大臣、私一生懸命少子化対策やっていると思うんですよ。
 例えば、次の十四条でいうと文科省マターでした。このこともお聞きしたんです、この基本法になければ、じゃ今までやってこなかったのかと。文科省に聞けば、そうではないんですね。こうやって一つ一つこの法案をそぎ落としていくと、結局、最後残るのは、ぼんやりとした、結婚をした方がいい、そして子供を産んだ方がいいという価値観じゃないかと、そう思っているんですよ。
 これで、ちょっと私質問通告たくさんし過ぎちゃって、とても無理なんで、中山会長、ちょっとお聞きしたいんですけれども、私は何度も言いますが、経済的、社会的に少子化が進んでいくことについての憂慮は私も同じ基本認識なんですけれども、やはりどうしても価値観という、これから私はきっと子供をつくっていくかと思うんですけれども、そういう人間に対してこの一義的責任等を強調することによって、むしろおびえ、恐怖よりも反発をしているところがあるんです。
 私は昨年選挙があったんですけれども、もう子供を産むべきだという価値観なんてむしろ蔓延しているんですよ。どこへ行ってもこう言われるんですよ、黒岩さん、選挙なんてやっている場合じゃねえろと。嫁探してこいと言われるわけですよ。もう失礼な、邪魔くさいほどこの価値観というのはもう蔓延しているわけですから、むしろそれを取り除く方が我々が伸び伸びと子供を生み、育てる、そういう社会ができるんじゃないかと私見で指摘して、それについての中山会長、ちょっと御所見をお聞かせください。
#109
○衆議院議員(中山太郎君) 先生がこれから夢の多い結婚をされるわけでありますけれども、結婚して妊娠するかしないか、まあ妊娠されて出産されるとした場合に、社会は十分な制度ができているかと。私はできていないと思います。
 我々、選挙区を歩いてみて、やはり駅前に保育所があったら便利だなと、こういう声があるんですけれども、なかなか駅前保育所の認可が下りないんですよ。こういう問題に自分が直面してみて、一体この世の中が若い世代で子育てのしやすい社会に完全に整備されているかといえば、そうじゃないと思います。
 そういう意味から、私どもは、昔はおじいさん、おばあさん、お父さん、お母さんと三世代世帯が多かった。今はみんな核家族化していますから、非常に個人の生活と社会の関係というのが三世代世帯とまた違った形になってきていると思うんです。そういう意味でお年寄りが特別養護老人ホームに入らなきゃならないと。昔なら孫に足を踏まれながら、まあ痛い思いしながらでも楽しく老後を送って死を迎える。そういう同じことが子供の世界にも私は言えるんじゃないかと。だから、みんな希望があって、子供が欲しいという人たちが安心して子が産めるように社会構造を変えていく必要があると、このような認識を持っております。
#110
○委員長(金田勝年君) 時間が参りましたから、よろしくお願いします。
#111
○黒岩宇洋君 もう時間がないんで、質問いたしませんので。中山会長、本当に社会的に様々な制度を整えることによって、結果として子育てに夢を持てるような社会を作っていただきたいと、本当にこれお願いしておきます。それと、私、あと九本通告してありましたけれども、来週、内閣委員会でまた質問して、無駄には終わらせませんので、その点、御認識ください。
 どうもありがとうございました。
#112
○委員長(金田勝年君) 他に御発言もなければ、本連合審査会はこれにて終了いたします。
 これにて散会いたします。
   午後零時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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