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2003/03/26 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 環境委員会 第4号
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2003/03/26 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 環境委員会 第4号

#1
第156回国会 環境委員会 第4号
平成十五年三月二十六日(水曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         海野  徹君
    理 事
                大島 慶久君
                清水嘉与子君
                段本 幸男君
                小川 勝也君
                高橋紀世子君
    委 員
                愛知 治郎君
                小泉 顕雄君
                山東 昭子君
                真鍋 賢二君
                山下 英利君
                小林  元君
            ツルネン マルテイ君
                福山 哲郎君
                加藤 修一君
                弘友 和夫君
                福本 潤一君
                岩佐 恵美君
   国務大臣
       環境大臣     鈴木 俊一君
   副大臣
       環境副大臣    弘友 和夫君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  中野  清君
       環境大臣政務官  望月 義夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大場 敏彦君
   政府参考人
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     石川  薫君
       財務大臣官房審
       議官       飯島 健司君
       国税庁課税部長  村上 喜堂君
       厚生労働省健康
       局長       高原 亮治君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      迎  陽一君
       国土交通大臣官
       房審議官     竹歳  誠君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    飯島  孝君
       環境省総合環境
       政策局長     炭谷  茂君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       南川 秀樹君
       環境省地球環境
       局長       岡澤 和好君
       環境省環境管理
       局長       西尾 哲茂君
       環境省環境管理
       局水環境部長   吉田 徳久君
       環境省自然環境
       局長       岩尾總一郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成十五年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十五年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十五年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (総務省所管(公害等調整委員会)及び環境省
 所管)

    ─────────────
#2
○委員長(海野徹君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に外務省総合外交政策局国際社会協力部長石川薫君、財務大臣官房審議官飯島健司君、国税庁課税部長村上喜堂君、厚生労働省健康局長高原亮治君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長迎陽一君、国土交通大臣官房審議官竹歳誠君、環境大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長飯島孝君、環境省総合環境政策局長炭谷茂君、環境省総合環境政策局環境保健部長南川秀樹君、環境省地球環境局長岡澤和好君、環境省環境管理局長西尾哲茂君、環境省環境管理局水環境部長吉田徳久君及び環境省自然環境局長岩尾總一郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(海野徹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(海野徹君) 去る二十日、予算委員会から、本日一日間、平成十五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総務省所管のうち公害等調整委員会及び環境省所管について審査の委嘱がありましたので、本件を議題といたします。
 本件の説明につきましては既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○山東昭子君 二十一世紀は環境と健康がキーワドだと言われております。環境問題は今でこそ国民や政治家の関心は強いものがありますが、二十五年前、私が環境政務次官に就任したころは、特に経済界などが環境は開発の足を引っ張るということで完全に対立しておりました。近年はエコビジネスの名の下、技術革新が進み、国民の環境に対する関心は高まり、品物を購入する際も環境に良いものを買おうとする人々が多数を占めるようになったことは、関係団体はもとより環境省の長年の努力が実ったと評価しております。
 本日はいろいろな角度から質問をいたします。
 まず、鈴木大臣は昨年末から懇談会を開催し、環境と経済の統合を壮大なテーマで取り組まれるとのことでございますけれども、どのような構想がおありなのでしょうか。
#6
○国務大臣(鈴木俊一君) おはようございます。
 ただいま山東先生が二十五年前を振り返ってのお話をされたわけでありますが、昭和四十年、日本が高度経済成長をしているころにおきましては日本各地において産業公害というものが大変ひどい状況にありまして、それによって多くの方が健康被害を受けたわけであります。言わば、当時のことを考えてみますと、経済成長というものがもうこれが大規模な環境破壊を起こして、それが人の健康等にも影響を与えたわけであります。しかし、時代が進んでまいりまして、そうした公害問題も技術的にもあるいは法制度的にもカバーをされてくるわけであります。
 今日では、経済活動のみならず、広く国民の皆様方の環境に対する配慮というそういう思いが広く伝わっていく中で、今日、経済成長をしても環境配慮がなされて、昔ほど環境というものは壊されない。しかし、今の段階では、やはり経済成長をすれば環境というものに影響が出るというのが今の状況であると思います。
 しかし、これを努力をいたしまして、経済発展をしても環境が損なわれない、そういう経済と環境の両立といいますか、そういうものを実現していく必要があると思います。更にそれをもう一歩進めて、経済活動の中に環境配慮のシステムというものが完全に取り組まれて、経済成長すればするほど環境保全も進んでいくという、そういう言わば環境と経済の統合という、そこのレベルまで進めることができればこれは大変にすばらしい、環境保全上大変望ましい社会になるのではないかと、そういうふうに思っております。
 しかし、こういったものの定義付けみたいなものはいまだ定まったものはないと思います。山東先生御指摘のとおり、昨年の後半から、暮れから、環境と経済活動に関する懇談会というのを開いていただいておりまして、私もその議論に加わっておりますが、こうした議論を通じてこうした環境と経済の両立、統合に向けての道筋、またその在り方、そういうものをしっかりと議論をしていきたいと思っております。
 そしてまた、そういう社会を目指してどういうような手だてをするかと、こういうことでございますが、これはグリーン購入法、こういうものもございます。現在は国がグリーン商品を責任を持って買っていくということでありますが、それを地方自治体に広め、さらに国民の皆さんにも広めていくという努力が必要であると、そういうふうに思いますし、またナノテクノロジーを始めとする技術革新、こういうものを進めていくということも重要であると思います。また、環境に配慮している企業、こういうものが社会的に評価をされるようなそうした環境会計の普及、こういったものにも取り組みまして、目指すべき社会に向けて一歩一歩進んでまいりたいと考えております。
#7
○山東昭子君 私は、これからの日本の発展は観光だと思っております。日本には四季折々の良さがある、水と緑と美しい花々、加えてそれぞれの地域における伝統文化、そして各地の住民の人情と方言に接しながら食するおいしい食べ物等、素材はそろっており、正に緑と水とスローフードで勝負する以外にはないと思います。
 しかし、それを現在生かしているかというと、答えはノーでございます。十代から世界各国を旅しておりますときに、日本との違いを最も感じるのは景観です。各企業、各商店が自分のところだけ目立ちたいと色とりどりののぼりや看板、ネオン、ビルの表示の素材や色、都会も中小都市もほとんど規制されていない。せめて観光地だけはすべての看板や広告の入ったいすなど撤去してほしいと思うのですが、現在ある景観に関しての法律や条例はどんなものがありますか。都市は国土交通省、国立公園や自然地区などについては環境省にそれぞれお答えをいただきたいと思います。
#8
○政府参考人(竹歳誠君) 景観に関する法令に関する御質問でございますが、まず都市計画の中で美しい景観を守るための幾つかの制度がございます。例えば、緑豊かな住宅地を守るための風致地区でございますとか、それから伝統的な建造物群が残っている、これは文化財保護法によってその規制が行われるわけでございますけれども、それを保存するための地区、このようなものを都市計画の中で定めまして、さらに法令で根拠を与えまして条例で規制をするという国の制度が一つございます。
 それから、最近では、特に地方公共団体におきまして景観条例というものが多数策定されてきております。昨年の七月現在でございますと、二十五の都道府県、四百四十五の市区町村においていわゆる景観条例というものを策定されておりまして、国の制度と併せて公共団体レベルで景観施策が推進されているところでございます。
#9
○政府参考人(岩尾總一郎君) 環境省の国立公園などにおきましては、自然公園法に基づきまして景観を極力維持すべき地域として第一種特別地域というものを指定し、地域の景観を保護しているところでございます。
#10
○山東昭子君 そうしますと、そうしたいろいろな条例はありますけれども、法律として、現在例えば町中で変な色のビルを建設していても、建てても罰則はないのでしょうか。
#11
○政府参考人(竹歳誠君) 建物の例えば色についての御質問でございますけれども、先ほど申し上げましたような風致地区とか、それから奈良、京都のような古都保存の地区とか、それから伝統的な建造物群がございます地区については色彩についても許可制となっておりますが、それらの地区以外では、建物の色について地区計画で定めたときには若干の指導、助言のようなことができるようになっておりますけれども、一般的にはそのような規制はございませんし、したがって罰則もございません。
#12
○山東昭子君 だから、京都の町、これは日本の財産であるのと同時に、やはり世界の財産ではないかなと思っているんですけれども、その京都の町の入口にあんなセンスのない京都タワーなんというのが建っているのは、もう本当に私は残念でならないのですけれども。
 国土交通省が何か、新たな発想で何か新しい事業を考えていらっしゃるそうですが、それは規制ではないんでしょうか。
#13
○政府参考人(竹歳誠君) 国土交通省におきましては、実は三年前、国土交通省ができましたときに五つの目標というものを掲げました。
 その一つが美しい日本を作っていこうということでございまして、このような目標の下に、今、様々な事業手法の点検でございますとか、美しい日本を作るためにはどうしたらいいんだろうかというようなことを幅広く検討をしております。そういう中で、規制の問題についても一つの大きな問題として検討課題だと考えております。
#14
○山東昭子君 外国は、例えばアメリカなどでも、レブンワースという地域でございますけれども、ここでは非常に美しい緑ということに力を入れておりまして、芝の刈り方それから長さ、こういうものもきちんと長さ、刈り方を決めまして、そしてこれは公共のものはもちろんでございますけれども、個人の庭に至るまで全部統一している、そしてそれが守らなければ、守られていない場合にはむしろ罰則として税金を取るというような方法を導入しているそうでございます。
 また、これはヨーロッパで聞いた話でございますけれども、イタリアのある別荘地におきましては、新しく建設をしようという個人の人から、全部の以前から住んでいる別荘地の人たちが集まって、新しく建設をする場合にはどんな設計でどんな色のものなのか、それを明確にして、そしてそれをみんなで分析をして、そしてオーケーが出るまで三年掛かるというような話を聞きまして、いかに自分たちの町、自分たちの地域というものを、美しさというものを守っていこうか、そういうこだわりというものが感じられるんですけれども、どうもそういう意味では、何となく日本はちょっとそういう感覚が遅れているなという感じがいたします。
 環境省にお尋ねしたいんですけれども、環境省が全国で定め推奨しているものに名水百選というのは聞いたことがあるのですが、ほかにどのようなものがあり、あるいは何か所ぐらいそういうものが制定されているんでございましょうか。
#15
○政府参考人(炭谷茂君) 環境省といたしましては、先生がただいまおっしゃられましたように、豊かな水とか緑とか、そういう面の快適な環境というものを高めていくということが大変必要ではないのかなという認識に立っております。このような観点からいろいろな試みを私どもいたしております。
 ただいま先生が御紹介していただきました名水百選、これは全国のわき水等で優れたところを百か所選びまして示しているものでございます。そのほか、昨年はかおり風景百選、今であれば梅が大変香りがいいところでございますけれども、水戸の偕楽園をその中の一つに選んだりしたりしております。そのほか、音の風景ということで、残したい日本の音風景、これは必ずしも自然だけではなくて、例えば、これは多分川越だったと思いますけれども、時の鐘の音の風景というようなものを選んだりいたしているわけでございます。そのほか、星空がきれいな町とかあおぞらの街というような全国大会というようなこともやっております。そのほか、このようなアメニティーといいますか、快適環境を作るためのガイドライン、町づくりを作るためのガイドラインというものを昨年作りまして、関係地方自治体に御配付をして御参考にしていただくというようなことを行ったり、また、市町村でこのような取組に大変熱心なモデルになるような市町村につきましては環境大臣表彰というような形で表彰したりというようないろいろな試みをしているところでございます。
#16
○山東昭子君 国土交通省については、河川や橋梁、住宅公団の建設などの監督官庁として長年見てまいりましたけれども、山の中にびっくりするような赤い橋を造ったり、どうも色彩センスはゼロではないかなという気がするわけでございます。もっとも、ほかの役所も決していいとは言えないわけでございますけれども。特に、最近建設されました総理官邸の建物は何やら国連ビルの焼き直しのようで、日本らしい重厚なものがなぜ造れなかったのかと、これまた残念でならないわけでございます。
 そのような、役所だけに任せることなく、もっと日本の良さを知っている画家やデザイナー、ところによっては全国の子供の中から選んで絵をかかせて、子供の広場なども地域によっては造らせることもお考えになったらいかがかなと思うんでございますけれども、いかがでございましょうか。
#17
○政府参考人(竹歳誠君) 公共施設の設計に当たっての景観の問題でございますが、様々な御批判があることも十分認識した上で、実は幾つかの取組も始めております。
 例えば、東北地方整備局におきましては、美しい国土づくりアドバイザーという方を全国的に十名、それから地域の方、地域をよく知っている方を七十四名、アドバイザーとしてお願いをしまして、設計の予備段階においていろいろなアドバイスをいただいて、地域の景観とマッチした公共施設を造る、このような努力をしております。
 また、静岡県の清水港につきましては、女性の視点から色彩計画を検討しようというようなことで、従来ですとクレーンとか煙突は赤白の段だら模様になるわけでございますけれども、背景の富士山とマッチするような計画ができないかというようなことで、清水臨港地区五百ヘクタールについてそのような色彩計画を市民、企業の意見を反映させながら実施したという事例もございまして、徐々にではございますけれども、いろいろな努力を我々としてもさせていただいているところでございます。
#18
○山東昭子君 現在、全国を歩いておりますと、非常に私ども町中で目に付くのが自動販売機でございます。これは私どもの生活にとって便利な面もあるんでございますけれども、ちょっと問題もあるんではないかなという気がいたします。
 以前、全国でその数五百万台ということを聞いたことがございますけれども、現在はどれくらいおありになるのか。中でも、お酒とたばこの自販機はどれくらいあるのか。財務省にお伺いしたいと思います。
#19
○政府参考人(村上喜堂君) お酒の自動販売機の設置台数について申し上げたいと思いますが、一応、平成十四年四月一日現在の計数であります。
 自動販売機は二つ種類がございまして、従来型と、それから改良型というのがございます。従来型は六万四千台となっております。改良型というのは、未成年者の飲酒防止対策の見地から、運転免許証であるとか酒販店が発行するIDカード、そういったものによりまして年齢確認が可能な改良型自動販売機は一万二千三百台。合わせまして七万六千三百台となっております。
#20
○政府参考人(飯島健司君) たばこの自動販売機でございますが、団体の調べ等によりますと、直近時点で約六十二万九千台と、こういうふうに承知しております。
#21
○山東昭子君 現在、原子力発電所が修理点検中というようなことで大分ストップしているわけでございますけれども、そうした状況によって、現在、電力不足が生じていると言われているんですけれども、現状をお教えいただきたいと思います。
#22
○政府参考人(迎陽一君) 電力供給の現状でございますけれども、日本全体の需給状況という意味でありますれば、例えば昨年の夏でも一〇%ぐらいの供給予備率が確保されていたということで、現状でも日本全体としては供給力は不足しておらないわけでございます。
 ただ、東京電力管内に限りますと、現在、東京電力の原子炉は十七基中十四基が運転を停止しております。それから、四月の半ばまでには残り三基につきましても点検のために停止が予定されておるわけでございまして、東京電力等は火力発電所の再開等で供給力の確保に努めておるわけでございまして、冬場の電力需給については問題を生じなかったわけでございますけれども、今後、夏に向かって需要が伸びてまいりますと、原子力発電所の運転の再開がなければ供給力の不足というのは避けられないというふうに認識をしております。
 したがいまして、安全を確認し、それから発電所の地元の理解を得ながら、停止している原子力発電所の円滑な運転の再開を図っていくということが供給力の確保のためにも不可欠であるというふうに考えております。
#23
○山東昭子君 五百万台の自動販売機を全国で動かすのに、百万キロワットの原発一基が必要だと聞いております。未成年の飲酒、喫煙、それらによる犯罪動向を考慮いたしますと、大人はどこでも酒やたばこが買えるわけです、そして改良型が出たとはいえ、対面販売ならば未成年の飲酒や喫煙も阻止できる。そういうことを考えますと、お酒とたばこの自動販売機を禁止すれば一粒万倍になると思いますけれども、財務省、そうお思いになりませんでしょうか。いかがでしょう。
#24
○政府参考人(村上喜堂君) お酒の自動販売機を禁止するという御意見でございますが、自動販売機の設置自体を何らかの法律的措置により禁止することになりますと、一つには、営業の自由であるとか財産権の保障といった問題との関係がございます。それからもう一つは、やはり自動販売機が消費者の利便であるとか零細な小売店の省力化及び経営の合理化等に資する側面があると。こういった面もございますので、やはり慎重な検討が必要かと考えております。
 ただ、他方、未成年者飲酒防止の見地から、酒類の自動販売機につきましては、既に平成七年から、全国小売酒販組合中央会におきまして、従来型の、先ほど申しましたように年齢確認ができない従来型の自動販売機を撤退する旨決議を行っております。
 これを受けまして、国税庁におきましても、同年、酒類自動販売機に係る取扱指針を発出いたしまして、年齢確認可能な改良型以外の自動販売機は新規に設置しない、こういった指導を行っているところであります。
 更に加えまして、現在、従来型の自動販売機の早期撤退、六万数千台あるわけでありますが、改良型自販機への移行、より長期的には自動販売機そのものの撤廃へ向けてのアクションプログラムを策定する方向で、現在、酒の小売中央会と検討を行っているところでございます。
 さらに、現在、国会に提出させていただいておるわけではございますが、酒税法及び酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案におきまして、酒類小売販売場にその酒類販売管理者を選任するための手当てを措置することによりまして、酒類販売管理者を通じて酒類自動販売機の適切な管理、撤廃の推進等について引き続き業界を指導してまいりたいと考えております。
#25
○政府参考人(飯島健司君) たばこの自動販売機について申し上げます。
 従来から、未成年者のたばこの入手という点において、このたばこの自動販売機の問題等指摘されておりますことは十分私どもも承知しておるところでございますが、他方、この自動販売機、我が国の商習慣上既に定着しておりまして、また零細かつ高齢者が多いたばこの小売販売店の省力化、こういったことにも関連する事柄である、こういった点にも留意する必要があろうかと考えております。
 いずれにいたしましても、これらの状況を踏まえまして、未成年者喫煙防止、この観点から、私ども財務省及び関係業界におきまして、自動販売機につきまして、以下申しますような措置を講じておるところでございます。
 すなわち、まず、たばこの自動販売機の設置場所が十分な管理監督が難しいと認められる場合にはたばこの小売を許可しない。あるいは、問題ある自動販売機については是正措置等を講ずる。深夜の時間帯においてはたばこ自動販売機の稼働を停止させる。今後、平成二十年をめどに成人識別装置を搭載したたばこの自動販売機の全国一律稼働に向けての取組を行う。
 こういった措置を併せ行うことによりまして、未成年によるたばこ自動販売機へのアクセスを、この防止が図られるというふうになるといたしますれば、このたばこ自動販売機を全面的に禁止することまでは必ずしも必要ないのではないかと、こういうふうに考えておる次第でございます。
#26
○山東昭子君 我が国において原子力発電所や刑務所が近くに建設されるというとどうもマイナスイメージが強いのですが、世界各国では、発電所が周辺の景観の中で積極的に位置付けられていて、町並みが実に美しく調和しております。
 私が参りましたフランスのサンローラン・デソーは出島になっていてとてもきれいでしたし、同じくフランスのクリュアス原子力発電所は、今、皆さん方のところにも写真をお回ししておりますけれども、画家の提言により発電所の建屋に環境と未来をシンボル化したフレスコ画がかかれております。また、ドイツのアルトバッハ火力発電所は、地元の建築家や大学教授の意見を取り入れて設計されており、農業、漁業、工業との共生も進んでおります。
 日本では地域との共生をどのように図っておられるでしょうか。
#27
○政府参考人(迎陽一君) 原子力を含めた発電所の立地に関しましては、景観を保護するとの観点から規制等はないわけでございますけれども、景観への配慮なども踏まえまして、敷地内の緑化に注力をするというふうな取組が行われております。
 また、最近では、発電所の建屋ですとか煙突ですとか、こういったものも、周りの背景等と違和感のないような色を塗るというふうな試みも電力会社の取組として行われているということでございます。
#28
○山東昭子君 これからの予算の中で、刑務所の建設というものに費やす予算はどれくらいございましょうか。
#29
○大臣政務官(中野清君) 法務大臣政務官の中野でございます。
 山東先生の御質問にお答えしたいと思いますが、現在審議いただいております平成十五年度予算につきましては、福島刑務所ほか札幌の刑務所の増設、三重刑務所の改善等で計八庁の刑務所で約八十三億円でございます。それに東京拘置所等を含めました矯正施設全体といたしましては約百六十六億の施設費が計上されております。
 なお、御参考までに、平成十四年度の補正予算に計上されております刑務所の施設整備費は約三百十四億でございます。
 以上でございます。
#30
○山東昭子君 日本はすべての個別事業にお金を掛け過ぎるんではないかと、女性の私は特に思います。安全面でお金を掛けることは賛成でございますけれども、ソフトの面が後れているように感じます。
 私は、今までアメリカや日本の刑務所を何か所か視察いたしました。今、諸問題が出ておりますところなので、是非私が感じたことを取り入れていただきたいんです。今まで刑務所内の房の壁の色や、あるいは刑務官の住宅内の色の使い方など考慮されたことはございましょうか。
#31
○大臣政務官(中野清君) 山東先生の御意見につきましてお答えしますと、最近完成しました和歌山の刑務所などは、施設の存在する地域との共存を目指しまして、町の景観に対する配慮として地域と接触する外塀、外の塀ですけれども、これはコンクリートのままでなく色彩を施す等の配慮をいたしております。また、刑務所の建物の外壁や内壁につきましては、冷たいイメージを避ける等のことから、現在暖色系のアイボリー色を主に採用いたしております。
 今後、整備される施設につきましても、例えば法務省におきましても施設課の職員をドイツの刑務所に視察をさせたり、また、町づくりの観点から外部の専門家やまた地域の皆さんの御意見を参考にいたしまして、町の景観とか受刑者への心理的な配慮の、効果配慮いたしまして色彩等に更に工夫を進めてまいりたいと、今そういう意味で進めておるわけでございます。
#32
○山東昭子君 色による心理状態の変化は様々な因果関係があると言われております。アメリカの陪審員による裁判においては、数年前から広告代理店が弁護士にアドバイスをして、委員に影響力を与える色をベースに資料を作成し効果を上げ、そして大変な利益をもたらしていると聞いております。
 これから建設される刑務所は、先ほどいろんな形で少しずつ考慮されているということでございましょうけれども、もっと内外の壁の色と、それから植物などを使った工夫をされてはいかがでしょうか。それによって生活環境というものを直し、受刑者や刑務官のぎすぎすした関係もできるだけ改善をしていただきたい。新しい刑務所が整備される場合には、これからはお金を掛けるだけではなく、心理学者やカラーコーディネーターの意見なども取り入れて、センスのある景観、そして実質上効果を上げるような形を是非取っていただきたいと思うんですが、いかがでございましょうか。
#33
○大臣政務官(中野清君) 山東先生の御意見につきましては、全面的におっしゃるとおりだということで、そのことを大事にしたいと思っております。
 例えば、広島の拘置所なんかにつきましては、外壁につきまして画家が絵を描いて、それを発表すると。そうしますと、御承知のように刑務所の塀というのは巨大なものでございますから、そういう意味で非常にモチーフとして発表する意欲があるし、また影響も大きいというようなことも伺っておりますし、また法務省といたしましても、開かれた刑務所といいましょうか、地域と調和した刑務所というものがこれからどうしても必要であるということはもう先生のおっしゃるとおりでございまして、私どももそれについて全力を挙げて努力したいと思っております。
 それには、今先生もおっしゃいましたけれども、カラーコーディネーターとかまた町づくりの専門家とか心理学者とか、そういう外部の専門家の意見というものも我々も大事にさせていただいて、しかも地域の住民の声、これも大事でございますから、それを大事にしながら、先生のおっしゃった方向に向けまして今後法務省といたしまして努力したいと思いますので、よろしく御指導願いたいと思います。
#34
○山東昭子君 今日までの日本は、政治と経済のバランスが取れていたために良い国が作れたんではないかなと思います。しかし、現在はちょっとばらばらになってしまっている。だからこそ日本を生まれ変わらせるために、美しい心そして美しい日本を作っていかなければならないと思います。
 しかし、残念ながら、我が国は国としての戦略に欠けていると思います。アジアの中で日本がリーダーシップを取っていけるのは環境政策ですし、日本経済が発想の転換をしていくために必要なのは、美しい自然という財産を生かした観光産業にほかならないと思います。
 我が国が外国で落とすサービス赤字は年間三兆円と言われております。せめてその半分を国内で消費してもらい、その上、飛行機の着陸料値下げを始め外国人の受入れに必要なパンフレット、最近は中国人も多いですし、そのほかの国々の方も多いんですが、いろいろなレンタカーやあるいは様々なところにもどうももう一つそうした親切な情報というものが欠けているんではないかなという気がいたしております。
 また、外国へ参りますと非常に、車で走っている目的地までの距離であるとか、そうした地名や何かも非常に分かりやすいものがございますけれども、日本はどうも日本人だけが分かるような表示であって、何となく日本語英語があったりというようなことで、何となく本当の意味での、外国人から見ると大変不評を買っているわけでございます。
 ですから、是非こうした観光産業というものは、優秀な役所の人たちがいらっしゃるわけでございますけれども、どうも自然保護は環境省だと、あるいは町づくり、都市景観、そういうものは国土交通省だというようなことのようでございますけれども、やはり今申し上げたように、総合的な見地から本当に観光立国としてやっていかなきゃいけないんだ、そのために必要なのは一体何なのかというような見地で、やはりもっともっと、縦割りの中で考えずに、やはり横のつながりというもの、大いにいろんな役所が議論を交わして、そしていろんな角度から景観や環境を追求してもらいたいと思うのですけれども、各自治体との話合いというのは今まではどのように行われていたのか、あるいは今後はどういうふうな形でなさっていくのか、その辺のところをちょっとお聞きしたいなと思っております。
#35
○政府参考人(竹歳誠君) ただいまの観光の重要性についてのお話でございますが、政府といたしましても、昨年の二月の総理の施政方針演説におきます、観光資源を全世界に紹介し、海外からの旅行者を増大を図ると、それによって地域の活性化を図るというような御方針に従いまして、国土交通省としましては昨年の十二月にグローバル観光戦略というようなものをまとめました。
 先ほど山東先生御指摘のように、例えば成田から都心までに時間が掛かるとか、そのようなことのほかに観光地での案内標識が不十分でございますとか、それから観光地の魅力を理解するための案内説明が不十分であるとか、それから、先ほどからお話に出ておりますように、町そのものが美しくないと。京都のお寺はきれいかもしれないけれども、そこに至る景観はどうなんだろうかというような様々な問題について多角的に取り組むということで、地域の問題になりますから、もちろん地方自治体との連携が重要でございます。
 国土交通省といたしましては、観光交流空間づくりモデル事業というようなものを来年度取り組んで、地域が連携して行う観光地の魅力ある景観形成、こういうものにも重点的に取り組んでいきたいと、このように考えているわけでございます。
#36
○山東昭子君 大臣は岩手県にお生まれになったわけでございますけれども、今、それぞれの心の中に、自分たちのふるさとというものを愛する気持ちというのは非常に強いものがあろうかと思います。
 また、全国を歩いておりますと、それぞれみんなが自分たちの町の良さというものをどういうふうにアピールしていこうかというような形でみんな知恵を絞っておりまして、地域によっては、大変新しい建造物ではあるけれども昔のままのもの、模擬、街というんでしょうか街道というんでしょうか、いろんな形で商店街をつくったり、あるいは昔の建物を非常に大切にして保管したりというようなことが、努力がなされているようでございますけれども、鈴木大臣が御自分のふるさとを振り返って、私のところはこんないいところがあるんだぞというようなことを、ちょっとまず岩手県についてお聞かせ願いたいなと思います。
#37
○国務大臣(鈴木俊一君) 今、山東先生からずっと御質問がございまして、例えば美しさを、町並み、町全体が持つ美しさ、それには自動販売機の問題から様々あるんだなということを改めて実感をいたしました。そうしたものへの取組ということがそれぞれの省庁においても徐々に始まりつつあるという答弁もございまして、やはりトータルとしての美しい町並み、町の在り方、そういうものをこれからも努力していく必要性というものを強く感じたところであります。
 岩手県について申し上げれば、岩手県にも国立公園、十和田八幡平国立公園がございますし、また三陸の陸中国立公園ございます。こういうことで、山と海、それぞれ美しい代表的な景観を持っているわけでありまして、環境省といたしましては、こういう自然公園、国立公園、こういうものをこれからも、これはもう日本の財産として子供たちに孫たちにきちっと引き継いでいく。そのための保全というものにも十分力を入れていかなければいけませんし、また、その適正な利用、多くの方にまた訪れていただいて、それが観光という産業に結び付いていくんだと思いますけれども、そういうための適切な拠点整備、そういうものをしていく必要があるのではないかと、そういうふうに思っているわけであります。
 これからも、国立公園それから自然公園の保護、それから適切な利用と、この両面を見ながら環境省としても努力をしていくことが重要だと、そういうふうに認識をいたしております。
#38
○山東昭子君 古き良きものを大切にする、これはだれしも願っていることでございますけれども、それに関して数々の役所、文部科学省もございましょうし、それからほかの役所もあろうかと思いますけれども、それぞれいろんな形で助成をしているというようなことがあろうかと思いますけれども、どんなものがあるのか。ちょっと質問の通告はしてございませんけれども、数字は結構でございますけれども、何か形の点で、環境省だったらこういうものとか、あるいは国土交通省とかいうようなことは何かございましょうか。
#39
○政府参考人(炭谷茂君) 環境省といたしましては、先ほど先生が御質問されましたように、私ども、快適な環境づくりと、また自然との共生、循環型社会ということについての町づくりということをやっていただきたいというような方針で臨んでおります。
 そのための助成措置といたしましては、一つは、国の方で定めております環境基本計画の地方自治体版というようなものをお作りになる場合の策定費の補助金というものを出しております。
 また、それぞれ地域で環境の向上につながる試み、また快適な町づくりを行おうというような地方自治体に対しましては、現在御審議をいただいております予算案の中で、このようなものは新たに取り込める、先進的に取り込めるというようなものも工夫をして入れているところでございます。
#40
○山東昭子君 いろいろ企業の工場地などでは非常に緑化や何かが進んでいるようでございますけれども、公共の場で感じるんですけれども、これは日本の場合、先ほど私がセンスということを申し上げましたけれども、緑化を私どもはやっておりますとか、こんなに緑を植えていますよと、皆さん、いろいろな地区でおっしゃるんです。
 私どもも、まあ、きれいですねと言いながら、ちょっと不満なのは、緑は多いんですけれども、例えばロサンゼルスの住宅地などに行きますと、ちょっとかわいい、同じ木でもちょっと動物の形に切られていたり刈り込みがされていたりというようなことでちょっと工夫がされていて、子供から大人までとても楽しいわけですね。
 日本も、クリスマス近くになりますと、大変美しいネオンがあちこちできれいに飾られて我々の目を楽しませてくれているわけですけれども、その際も、今申し上げたようなかわいい動物の木の周りにそういうネオンを付けるというようなこと、それも何かちょっと一工夫あってもいいんではないかなという気がいたしております。
 先国会で私たちは自然再生法を通したわけでございます。これによって、やはり美しい泉やあるいは川、そしてまた里山、そういうものをもう一度私たちが認識し直して、そして多くの人たちがそれによってふるさとを見詰め直し、そして個性ある町、地域づくりの新発見をしてもらいたいものだなと思っております。
 そしてまた、それが先ほどから申し上げている観光というものに結び付いて、本当に日本はいいところだな、あるいは日本、各国、日本人そのものがもう一度、案外日本の良さを分かっていない。そして、いろんな農村なんかに参りましても、まだまだ大きな水車や何かが置かれていて、ああ、こんなすばらしいものがあるんですねなんて言いますと、その土地の人がきょとんとして、ああ、あんなものいいものですかねなんていうことを土地の人がおっしゃる。案外、自分の身近にあるいいものというものを気付いていない、先ほど申し上げたように生かしていない、そういうことが多々あるような気がいたします。
 もう一度、それぞれのふるさと、そしてそこに住む住民の方たちが、自分たちの町の美しさ、自分たちの町の良さ、そういうものを見詰め直して、そして新たな発想の下でちょっと演出をし直して、そして多くの、日本人はもとよりでございますけれども、やはり世界じゅうの人たちを迎え入れて、そして日本が観光立国として発展をしていくことを心から私ども期待をしております。
 それこそが、大臣がおっしゃられたような、冒頭、やはり経済と環境というものが壮大なテーマで、やはりこれからいろんな意味で発展をしていかなければならないんだ、それに環境が大きく寄与するんだというような意気込みをおっしゃられましたけれども、最後に鈴木大臣にもう一度、これからの取組と申しましょうか、何か抱負をお聞かせをいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
#41
○国務大臣(鈴木俊一君) 環境問題の今日抱えておりますいろいろな課題、これはもう突き詰めれば国民一人一人の生活のありようあるいは通常の事業活動に根差していると、こういうことでございます。したがいまして、この環境問題の取組といいますものは、何か国が上から押し付けるというよりも、やはり国民の皆さんが一人一人ができるところからやっていくことの積み重ねということもこれまた大切なことであると、そういうふうに思っております。
 環境問題を片付けていこうとなると、やはりライフスタイルも変えていかなければならない、それから日本の産業構造といいますか社会経済システムも変えていかなければならないと、そういうふうに思います。昨今、構造改革という言葉があちこちで使われるわけでありますが、正に環境政策解決のために推し進んでいきますと、そうした生活のありようについても社会経済のシステムにしても構造改革をしなくちゃいけないと、こういうことに行き着くんだと思います。
 そういう意味では大変大きな仕事でございますし、私もまた環境大臣として大きな責任を負っているわけでございますので、そうした責任を自覚しながら、また環境問題の大切さというものをしっかりと自覚しながら、これからも仕事に励んでまいりたいと思っております。
#42
○山東昭子君 どうぞ大臣頑張ってください。
 ありがとうございました。
#43
○ツルネンマルテイ君 私の今日の質問の主なテーマは、やはり環境と経済の両立です。
 今も話がありましたように、もしこの両立が今世紀では実現できれば、これは非常に画期的なことになります。概念としては、最近は環境と経済の統合とか両立という言葉が使われるようになりましたが、本当にその具体策はこれからだと私も思っています。
 それでも非常にうれしいことには、環境大臣の所信表明の中でも、この概念としては、これはいろんなところではっきり書いてあります。その中から二つの文章だけちょっとまず引用します。二ページの終わりの方にはこういうふうに書いてあります。「環境の保全と経済の活性化とを一体化させるための取組を進めることが、持続可能な社会を構築する上で不可欠と考えます。」と。そしてさらに、もっと積極的な言葉で四ページではこういう文章があります。「環境と経済の統合をどう進めていくかという壮大なテーマに真正面から取り組み、きちんとした考え方を整理し、取組の具体化を進めていきたいと考えております。」と。私も全くこれには同感です。恐らく今世紀ではこの環境と経済の統合あるいは両立というのは最も重要な課題の一つになると思っています。
 それで、先週は愛知議員もあるいは私たちの小川議員も概念としてこのことを自分の質問の冒頭では質問しましたが、私は、今日は特にその取組の具体化について幾つかの事例を示しながら、主に環境大臣に質問をさせていただきます。
 一番最初の質問は、さっき読みましたことに関連して、環境と経済の統合を実現するための具体的な政策として例えばどのようなものが考えているかということです。できれば、この所信表明の中に書いているもの以外に何か具体的なことがあれば、一つだけでも結構ですから答弁をお願いします。
#44
○国務大臣(鈴木俊一君) 環境と経済の両立あるいはその統合の大切さ、ツルネン先生から今お話がございましたけれども、私も全く先生と同様に考えております。
 先ほど山東先生の御質問にも答えましたが、どんどん時代とともに変わりつつあると思います。これはかつては経済成長の中であれだけのひどい環境破壊、公害という形で現れたわけでありますが、それが環境配慮を大分されるようになってきた。今日では、そういうことによりまして、経済活動をしても環境の破壊というのは限定的なものになりつつあると思います。
 しかし、これを更に努力をして、経済成長をしても環境が破壊されない、そういう状況、更にもう一歩これを前進させることができれば、経済活動の中に環境配慮のシステムを完全に取り込んで、経済発展がすればするほど環境保全も進んでいくというような、そういうところまで目指していかなければならないと思っております。
 そこで、そこに至る具体的な道筋ということでございますが、正にこれは壮大なテーマへの挑戦でありまして、今これをすればすぐ実現するという段階ではないと思います。ただ、それに至るまでの一歩一歩として、先ほども御紹介を申し上げましたけれども、グリーン購入の推進、これは法律もございます。国においてはもうこれを責任を持って義務として進めるということでありますが、さらにこれを地方自治体にも協力をしていただく、さらには国民の皆さんにも協力をしていただくというような形で、国民みんながそういうエコ製品を使うようにしていくとか、あるいは企業そのものがやはり環境に配慮した企業活動をしていただく、そういう中で企業会計等の普及を促進をする。
 例えば、企業が環境に大変配慮をした製品を作るだけではなしに、企業そのものが活動として環境配慮を行うと、そういうものが例えば社会的にうんと評価されるようになって、何か融資を受ける際にも、そういう環境配慮をしている企業というのは、これはしっかりした、ちゃんとした会社なんだという社会的評価の中で例えばそれが融資の際の評価の対象になるとか、そういうような社会的な企業の環境配慮に対する取組の評価、そういうものもしていかなければならないと思いますし、また、何としても環境に対する負荷を大きく低減するには技術革新という面も大切であると思っております。こういう方面におきましても、燃料電池等の問題もございますし、またナノテクノロジーの技術革新というのも期待されるところでありますので、こういうことに対する技術開発支援、こういうものを通じて大きな目標に向かう具体的な手だてとしてはまだ非常に足下のところかもしれませんけれども、こういうことを一つ一つ着実に進めていくことが大切ではないかと考えております。
#45
○ツルネンマルテイ君 もちろん、今、大臣が言われたことはそのとおりです。しかし、今も、さっきから言われたように、やはり壮大なテーマですから、例えば具体的に今行われている経済活動の中ではこの新しい概念をどういうふうに取り入れるか、どこが違うか、それは私なりに今二つの例を実は沖縄から出してみて、それに対して大臣の考え方を伺いたいと思います。
 実は週末には、先週の週末には私たち民主党の環境部門会議では沖縄には視察に行きました。その視察先の一つのところは、米軍の普天間飛行場返還に伴う代替施設予定地の現場でした。
 今までにもそのことに対していろんな幾つかの案がその場所に対して浮かび上がっているんですが、昨年の七月には代替施設協議会で名護市辺野古沖のリーフ上埋立て案に決定されたそうです。その建設計画が一つに絞られた後に環境アセスメントが、行うことは、これもちょっと一つの問題でありますけれども、それは今日は私の主なテーマではありませんから、それには触れません。あるいは、その最終案が決定された経緯にもいろんな問題があると地元の人は言っています。それも別として、ここで生態系に悪影響を及ぼす最大の問題は、空港予定地辺りの海は絶滅の危機にあるジュゴンの主な生息地であるということです。
 御存じのように、ジュゴンは沖縄でも主にそのところで発見されています。ジュゴンの保護に関して、IUCN、日本語で言えば国際自然保護連合が二〇〇〇年の十月に沖縄のジュゴンなどの保全に関する勧告を採択しました。
 このIUCNというのはどのような組織で、そこの勧告にはどのような重みがあるか、これを政府参考人にちょっと簡単に、このIUCNのことをちょっと説明していただきたい。
#46
○政府参考人(岩尾總一郎君) お答えいたします。
 IUCNは、世界の貴重な自然の保護を図るための活動を促進し、支援することを目的として一九四八年に設立された、スイスに本部を置く国際的に著名なNGOであります。国連の組織ではありませんが、ユネスコなどの国連諸機関と協議する諮問的地位にあると言われております。二〇〇二年一月現在では、七十二の国家会員、百七の政府機関、七百四十三の非政府機関、三十四の団体が会員となっております。我が国は、一九七八年に当時の環境庁が政府機関会員として加盟、一九九五年には国家会員として加盟し、政府機関会員の分担金拠出金として、平成十四年度、五百四十万円を支出しております。
 IUCN総会において採択された勧告は、多くの国の政府やNGOなどから構成された組織により採択されたという事実を真摯に受け止めるべきものと考えておりますが、条約等の国際的約束に基づくものではなく、各メンバーに対して法的拘束力を有するものではないと理解しております。
#47
○ツルネンマルテイ君 今の説明にもありましたように、とにかく世界ではよく尊敬されている大きな組織である、そしてその勧告も、少なくともその関係ある国とその国の機関がそれを重く見て尊重するべきと一般に言われています。
 その勧告の中ではこの沖縄に対してこういうことが出されました。日本政府に、軍事基地・施設に関する環境アセスメントを完遂すること、ジュゴンの絶滅防止対策を実施することなどが書いてあります。
 私たちの視察では、専門家から受けた説明によりますと、もしこの空港がこの予定地に建設されればジュゴンはえさが全く取れなくなります。よって、ジュゴンは、一番多く沖縄で発見されているその生息地から追い出されることになります。これを沖縄でも多くの人は心配しているということです。
 ここで、私は環境大臣に、これに関連して私はここで指摘したいことは、ジュゴンの生息地が奪われることだけでもこの計画は環境大臣が提唱している環境と経済の統合と明らかに矛盾していると私は考えますが、大臣の見解を求めます。
#48
○国務大臣(鈴木俊一君) 環境に著しい影響を及ぼすおそれのあります大規模な事業の実施に当たりましては、環境影響評価等を通じて環境保全上の支障が生じないよう適切な配慮がなされて環境のもたらす様々な恵みが確保されることが必要であると、そういうふうに思います。まあ一般論でありますが。
 その中で、普天間飛行場代替施設につきましては、既存の米軍基地の代替施設であるために、いわゆる一般の経済活動とは異なるものと、そういうふうに考えておりますけれども、その建設に当たりましては、政府として地域の住民生活及び自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力を行う必要があると考えております。
 今後、事業者の防衛庁等が行う環境影響評価の手続、実は、本年の一月に、防衛庁が環境影響評価方法書の作成に今着手をしているところでございますので、こうした一連の手続を通じましてジュゴンの保護を始めとする適切な環境配慮がなされることが重要でありまして、環境省としても、的確な環境影響評価が実施されますよう、今後、必要な対応をしてまいりたいと思っております。
 先般、代替施設建設協議会というのの会合が行われました。その際に私も、環境にかかわりのある話をということで出席をいたしましたが、その第一回目の会議におきましても、環境に対する配慮、これは最大限尊重されるべきだという発言をいたしまして、防衛庁長官からも、環境相の、環境大臣の発言はこれは理解をするという答弁もそこでいただいているわけであります。
 今後も、こうした代替施設建設協議会の場を通じまして事業者に助言を行ったり環境影響評価書の審査を行ってまいりたいと考えております。
#49
○ツルネンマルテイ君 もちろんこういうこと、もう既に計画が進められている中では、幾らジュゴンは絶滅の危機のおそれがあっていても、環境大臣あるいは環境省の立場は非常に難しいと私も思っています。これを先に、ただ、そこではじゃどうしたらいいか、さっきの概念に照らしてちょっと先にそれを提案させていきたいと思います。
 その前に、ちょっと簡単に、この空港建設の費用が大体分かれば、これは環境省の所管ではありませんから、言われているところでは大体どのくらいの費用が掛かると予定されているか、政府参考人の方から大まかなこと、簡単なことだけでも結構ですから、ちょっとお願いします。
#50
○政府参考人(炭谷茂君) 建設費用につきましては、先生が御指摘されましたように、事業者たる防衛庁等が詳細な検討を踏まえて算出するものでございます。環境行政を所管する当省において責任を持ってお答えする立場ではございませんけれども、昨年七月に開催されました第九回の代替施設協議会において防衛庁より、いわゆる建物や滑走路等の上物工事を除いた護岸、埋立て、連絡橋等の建設費として約三千三百億円を要するとの説明があったところと承知しております。
#51
○ツルネンマルテイ君 地元で視察のときもいろんな金額は出ました。もう何千億から一兆円までということも、トータルの費用で。とにかく莫大な費用が掛かるということは間違いない。
 ここで私は指摘したいのは、この計画も正に今までの環境と経済の関係を表しています。経済優先の姿勢で今までも幾らかあるいはできるだけ環境保護にも配慮しながら経済活動を行う、あるいは開発を行われてきた。これは今までのことですね。そして、その配慮が十分でなかったので、いろんな環境保護団体と公共事業関係者の対立が非常に激しかったということも皆様もよく知っているということ。そして、こういう大型開発プロジェクトのせいで環境が今までも破壊された。もしこのやり方でこれからも進むと地球が死にますというふうに指摘されています。だから、地球を救うためには、経済と環境の保護の新しい概念が、さっきから言っているように必要です。私はそれをエコ社会と呼んでいます。
 エコ社会では経済も環境の一部になる。今までどっちかというと逆で、環境は経済の一部であったという全く逆のことですね。大臣の所信表明を読んでいる限り、ここまでは賛成している、同じような考え方だと思っています。問題は、それを具体的にはどういうふうにこれからこういうプロジェクトの中で私たちは実現することができるか。これ以上、今まで以上、環境省がいかに、あるいは環境大臣がリーダーシップを発揮できるか。
 もちろん、これ、反対だけでは私たちは駄目です。やはりそれで解決にはならないということです。だから、対案が必要だと思っています。
 例えばここで、これは全く私の個人的な意見ですけれども、大臣が提唱しているこの新しい統合関係を実現するんなら、この空港建設の予定地の問題に次のようなことを考えたらどうですか。もちろん、これには環境省だけでどうにもならない問題がたくさんあります。
 私は提案したいのは、この空港計画を取りやめる。計画を米軍のヘリポート基地移設だけに絞れば、地元の話では、嘉手納基地に置くことも可能と地元の人たちは言っています。
 あるいは、米軍海兵隊を沖縄から移転することも今求められている中で、一兆円も掛けて新たな空港を建設することが本当に必要かということ。そして、その元のヘリポート基地をどこに置くかという計画がいつの間にかこういう飛行機も利用できるような空港に拡大されたのは、地元の要求も、経済活性化のための要求もあったようです。しかし、実際には那覇空港までは車でも一時間のところにあります。
 私は、ここで問題にしたいのは、仮にこのような一兆円の予算がここで沖縄に下りるとしますね、これをもっと有効に、環境にもっと配慮をしながら生かすことができるんじゃないかなということ。向こうではよく話題になっているのは、沖縄には鉄道を造ること。それで、鉄道は、例えばその一時間の車の距離をもっと早く行けるという、空港まで、那覇空港まで。あるいは鉄道は、建設のときはいろんな問題がありますけれども、でき上がった後は車に比べると二酸化炭素の排出量がはるかに少ないということもあります。
 そして、何よりもここで私は大切なことは、そのことによってジュゴンの生息地域が破壊されないことになります。これは、私から見れば、環境と経済の対立ではなくて両立である。これは答えにくいかもしれませんけれども、こういう観点から沖縄のことを考えると、社会資本の整備や公共投資に環境の観点をもっと入れるべきと思います。
 これについては大臣の方から答弁をお願いします。
#52
○国務大臣(鈴木俊一君) 普天間基地の代替施設建設に関係しまして、先生から環境と経済の両立の原則に反するんではないかというお話がございました。先ほど申し上げましたが、これは既存の米軍施設の移転ということでございますから、いわゆる一般の経済活動とはこれはやはり違うんだろうと私は思います。
 それで、先生から今いろいろな、海兵隊の話でありますとか、例えばヘリポートだけにすればいいとか、様々な具体的なお考えございましたが、私もつまびらかには承知しておりませんが、この計画が決定するに当たって、地元の御意見その他も踏まえていろいろなバリエーションが検討されたと思います。恐らく先生が今御指摘になられたようなことも一度は検討されたようなことであろうと思います。しかし、そういう検討がなされて、最終的に政府としてこのことが決定をされたというふうに思っているわけでありまして、その中において私ども環境省として最大限の環境保全措置を守っていくということが大切であると、そういうふうに思っております。
 そういう中で、例えば今先生も、沖縄では例えば鉄道を引いたり、そういうような環境に配慮した社会資本整備の方に切り替えていったらいいんじゃないかというようなお話がございました。
 それぞれの地域で社会資本整備がなされるということは、それぞれの地域のニーズもあると思いますし、また、それぞれの地域の特性を踏まえなければならないと思いますけれども、やはりその地域の環境状況についても配慮することが私は必要であると、そういうふうに思っております。
 その中で例えば、私は、アセスメントもやはりもう一歩進めた形があってしかるべきではないかと、そういうふうにも思っております。今は個別の社会資本の整備、運営段階でアセスメントが行われるわけでございますけれども、個別の事業の計画実施に枠組みを与えることになる計画や政策についても環境の保全に配慮する、いわゆる戦略的アセスメントと言われているものですね。これについては、環境基本計画においてもその必要性が言われているところでありまして、私ども環境省といたしましても、こうした配慮の仕組み、いわゆる戦略的環境アセスメントでございますが、その導入を図るためのガイドラインの作成、それから必要に応じて制度化について検討を行うこと、こういうことを含めまして、社会資本整備に適切に環境配慮が織り込まれるように努めてまいりたいと、そういうふうに考えております。
#53
○ツルネンマルテイ君 とにかくこの一つの例だけでも、これからはこういう大型の経済開発プロジェクトの中では環境省のリーダーシップがますます問われると私は思っています。
 もう一つ、沖縄の方から具体的な例を出してみたいと思います。私たちの視察のもう一つの先は、非常に有名になっている泡瀬干潟の埋立て計画の現場でした。その埋立て現場に対して、海草を救うための海草移植実験も行っていると聞いていますが、このことに対して先週は岩佐議員の方が質問をしましたので、私は今回はそれに触れません。私は、ここでも是非この環境と経済の両立をどうやってこの問題に生かすことができるかということを問題にしたいんです。
 ここでもやはりその概要というか、この埋立て面積とそれの工事費は大体どのくらいあるか、まずそれも非常に簡単に、その金額と面積については政府参考人の方から答弁をお願いします。
#54
○政府参考人(炭谷茂君) 埋立て面積、費用につきましては、先ほどと同様に、事業者たる内閣府、また沖縄県が詳細な検討の下に算出するものでございまして、私どもが責任を持ってお答えする立場ではございませんけれども、埋立て面積は約百八十六ヘクタール、護岸整備、防波堤及び土地造成後のインフラ整備を合わせて、事業費は約六百五十億円を要すると聞いております。
#55
○ツルネンマルテイ君 面積に対しては、その全体の面積は二百九十ヘクタールだと思うんですが、つまり、それの半分以上のところを埋立ての計画になっています。予算も五百億とか六百億とか言われていますけれども、この泡瀬干潟は豊かな植生、貴重な生物たちの宝庫です。これは沖縄のみならず、世界の宝と言ってはばからない豊かさを秘めているということは明らかです。だから、この干潟の埋立ては大変な環境破壊であることは明らかです。
 さらに、仮に経済優先の今までの考えから見ていても、六百億円をそれに投資するのは無駄なものになる可能性が非常に大きいんです。
 つまり、この埋立て計画は、その利用計画はバブル全盛期で立てられたもので、そこにホテルとかマリーナとか人工ビーチとかスポーツ施設など、大規模なリゾート開発になっています。それは今になって、バブルが破壊された今になって収益の見通しもほとんど立たないような計画と、地元のいろんな人あるいは専門家も言っています。
 しかし、やはり私も、ここで完全にこういう計画を中止するのが一番いいんですけれども、その代わりに、例えばそのような六百億円の予算をもっと地元に反映することができるんじゃないかなということですね、環境に配慮をしながら。環境と経済の両立の観点からその六百億円を例えばもしそれを投資できて、なおかつこの干潟の保護ができれば、これもやはり大臣が提唱している環境と経済の統合になるはずです。
 ここでも、私は、一つ対案ですね。例えば、この干潟のすぐそばには、これは米軍の泡瀬通信基地があります。五十ヘクタールくらいあるそうです。仮に、これもいろんな話があるらしいですけれども、この基地の返還が可能になった場合は、その土地を利用して、そこに例えばマリンエコツーリズムセンターのようなものを作って、そこから子供たちも大人もその干潟を研究の対象にして、埋め立てるのではなくて、そのままにおいて、そこで生態系の体験学習ができるようになる。仮にこの米軍基地が跡地でなくても、近くには陸上の上にもそのようなセンターのための土地があるそうですから、可能であると思っています。
 やはり、ここでも大臣には、考え方としては、このような埋立ての代わりにその近くにはこういうマリンエコツーリズムのセンターのようなものを建築する案に対して、大臣の見解を求めます。
#56
○国務大臣(鈴木俊一君) どうもうまく直接お答えできないかもしれませんけれども、やはりそれぞれの地域で社会資本整備を行うということにつきましては、それぞれの地域のニーズとかいろいろな状況を踏まえてどういう社会資本整備がされるかということが判断されるべきだと思います。
 確かに、泡瀬干潟という大変希少生物もすむ、そして美しいところの保全をしなければいけないという声もございます。それと一方、地元では、何とかそこに予定どおり事業を進めてやりたいというそういうニーズもあって事業化がされたんだと思うのであります。
 いずれにしても、私も泡瀬干潟はまだ行っておりませんけれども、大変重要な、また美しいところであるということを承知をしておりまして、昨年の十月でありますけれども、これも言わば異例ではございますけれども、事業主体であります内閣府に対しまして、事業が認可をされた、行われるということで環境アセスメントがされたわけでありますから、そこには、この事業を進めるからにはこうした環境保全措置をきちっと守るということが前提になっているわけでありまして、そうした環境保全措置をきちっと守るようにということで幾つかの申入れもしたところでございます。
 先生がいろいろな体験学習の観察施設等を設置、それをしたらいいのではないかという御提案で、それに対していいとか悪いとか申し上げませんけれども、環境省として、とにかく定められた環境保全措置、これがしっかりと守られなければならないという立場で、十月には申入れをいたしましたし、これからも必要に応じてそのことはきちんと先方にも伝えてまいりたいと思っております。
#57
○ツルネンマルテイ君 それでも、もう世界じゅうから注目されている埋立て計画では、今までも日本でも干潟はいろんなところでは埋め立てられて、そして環境破壊につないでいて、これをまだあんな日本の一番大きな干潟の半分以上も埋め立てるというのは、後でこれは完全に大きな失敗であるということは、恐らくいろんなところから指摘されると思います。やはり、ここで私は、環境省の方からもっともっと、これをやめて、それに別なものを、代わりに別な経済活性化のことを考える方がいいと思います。
 でも、こういう厳しいことだけでもなくて、あとは七分しかありませんから、少し、さらに、やはり環境省の取組もかなり高く評価しているという動きはもちろんあります。
 その中の一つは、今月で発表された循環型社会形成推進基本計画、私もこれを読んでいて、本当にこれは環境と経済の両立を目指しているという内容であるということは間違いない。これを実現できたら、特にここでは例えば十年たってからのイメージというのは、まさしくいろんなところで環境大臣も言っているようなリサイクル社会とかエコ社会とか、いろんな提案があります。
 その中で、それでも読んでみると、例えばそこで環境型社会ビジネス市場の拡大とか、今の十二兆円の規模を倍にするとか、あるいはそれの十四、十五ページにはいろんな具体的なことが入っていますけれども、終わりに検討しますとか育成を図りますとか、ちょっとやっぱりこれで具体的なことが余り触れていないということは、これは先は、あるいは今はこれはこれでいいとしていても、これからどう思いますか、これを環境副大臣の方から答弁お願いします。
#58
○副大臣(弘友和夫君) 今御指摘のように、検討しますとの文言が入っているわけですけれども、よく国会答弁等で検討しますというのはやらないことだというようなお話もありますけれども、これはまさしく検討しますというのはやりますということでございまして、この基本計画というのは平成二十二年ごろを念頭にいたしまして、循環型社会形成に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための御承知のように計画でございまして、国民の皆さんに分かりやすいような具体的なイメージだとか、また具体的な先ほどお話があります数値目標、そしてこの形成のための国や各自治体の取組などを定めているわけでございまして、この本計画を踏まえまして、環境省といたしましては、関係法律の着実な施行と見直し、そしてまた個別物品に関する廃棄物リサイクル対策の一層の推進など、具体的には関係法律等に基づいて着実に実行してまいりたいと、このように考えております。
 以上でございます。
#59
○ツルネンマルテイ君 もちろん、これも環境省だけではなくて、私たちは国会の方でも党派を超えてこういうことを具体化するためには取り組まなければなりません。その中の、例えばその中でも食品リサイクル、生ごみのリサイクルということも一つの目標になっています。
 私自身も、一つの、何というか、PRになるかもしれませんけれども、ずっともう半年前からこの食品リサイクル法の改正案、つまりその中には家庭系の生ごみももうそろそろ含めるべきではないかということも、そういう法律案を作っているところでもありますから、後でこれを各政党にも是非これに皆さんで取り組むようにと私の方からもお願いすることになりますけれども。
 そこで、私の最後の質問では、これもやはり副大臣の方には、今は実際には日本では残念ながら家庭系生ごみの何と九九%くらいは焼却されているということ、この現状を今はリサイクル社会の中では副大臣がどのように考えているか、答弁をお願いします。
#60
○副大臣(弘友和夫君) 先生がこの食品リサイクルに大変熱心に取り組んでおられるということを承知いたしておりますけれども、また御出身のフィンランド、九十数%リサイクルされているということでございます。
 そういう意味で、今後の循環型社会を実現していく場合に非常に参考にさせていただきたいと思いますけれども、ただ問題点もございまして、日本の場合は高温多湿であるというようなこともございまして、それと同時に肥料や堆肥として十分な品質を確保するためには、分別等に係る地域住民の皆様方の相当な御協力が必要であると。また、利用されずに不法投棄化している堆肥も問題となっております。
 こういう近隣等で適切な利用先を確保することが重要であるというような問題点もいろいろございますけれども、家庭系生ごみの場合には地域の実情に応じて推進していくことが重要であるということでございまして、環境省といたしましても、意欲的に生ごみの堆肥化とかリサイクルに取り組んでいるところには、自治体に対しましては、肥料化、飼料化あるいはメタン化する施設について国庫補助の対象とする等の支援を行っておりますし、また食品廃棄物のリサイクル推進の適切な方途について、今後とも必要な調査研究を進めてまいりたいというふうに考えております。
#61
○ツルネンマルテイ君 私の時間はここで終わりますけれども、やはり今言われているように、問題がたくさんあるということは私も分かっていますし、かといって、それを乗り越えて私たちは、やっぱりこれは資源でありますから、これを無駄にしてはいけない、そういう取組をこれからみんなで一緒に考えたいと思います。
 私の方から質問は終わります。
#62
○福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の福山でございます。ツルネン委員に引き続きまして質問させていただきます。
 今日は時間が余りありませんので、もう幾つか概略的なことをお伺いをしたいと思います。
 まず一つは、二十日からアメリカのイラクに対する米英軍の攻撃が始まりました。大変、戦争の映像を見るというのは嫌なものでして、ニュースを見ながらとても沈痛な気持ちで毎日過ごしています。
 我が民主党は、今回の攻撃に対しては正当性がないと、イラクのフセイン大統領が非常に国連決議の違反をし続けたことについては我々も認めておりますが、だからこそ国連の査察を継続をして、大量破壊兵器、ガス兵器、化学兵器の廃棄につなげるんだということを今主張させていただいています。
 各国を見ると、いろんな閣僚や政治家がそれぞれの意見をこの戦争について述べています。イギリスも、もう御案内のとおり、院内総務が辞任をされたり閣僚が辞任をされたりしておりますが、日本では余りそういう声が聞かれません。大変恐縮ではございますが、大臣、副大臣、政務官、それぞれこの米英軍によるイラク攻撃について御見解を賜れればと思います。
#63
○国務大臣(鈴木俊一君) 今回のイラクの問題でございますが、平和裏のうちに解決ができればと、これはもうみんなが望んでいたことであると思います。しかしながら、今日のような事態に突入したというのは大変残念であると思っております。しかし、これはやはり国際社会が一致してイラクに求めた大量破壊兵器の廃棄、こういうものに対してイラクが十数年間にわたって積極的にこたえてこなかったと。今回、こういう事態に至ったやはり原因は、一にイラクの態度にあったと思います。
 先生の御指摘のとおり、最終的に国際社会というものは意見が分かれたわけでありますが、やはり日本とヨーロッパの国々、これは国防上の体制の問題あるいは置かれておる環境、それぞれ違うと思っております。日本の国は北東アジアにあって現実的な脅威というものもありますし、また専守防衛という形で、日米の安全保障条約の中で国の安全を守っているという、そういう状況にあるわけでありまして、そういうことを考えますと、やはりこうした外交問題、こういう大きな外交判断というのは、やはりぎりぎりのところになりますと、冷徹に国益をどうやって確保するかということではないかと思います。
 そういう意味において、国民の生命、安全、国の独立を守るというこの国益、国家利益を守るためには、日米同盟というものを、これを基本に考えて判断しなければならなかったのではないかと、そういうふうに考えているところであります。
#64
○副大臣(弘友和夫君) 私も戦争というのは本当に残酷な悲惨なものであるということで、心の底から思っておりますけれども、そういう意味で、このたびのイラク攻撃というのは、国際社会が平和的解決という切実な願いであったにもかかわらず、武力行使という最後の手段に至らざるを得なかったということ、大変に残念で悲しむべきことであるというふうに思っております。
 ただ、今、大臣のお答えのように、この十二年間にわたって国連決議を履行してこなかった、十七本にもわたる決議をことごとく無視といいますか、そうしてきたやはりイラク側に非があるというふうに考えておりまして、ここに至ったからには、一日も早く戦争状態が終結されて、今後のイラクの復興等に日本も本当に貢献をしていかなければならないんではないかなというふうに思っております。
#65
○大臣政務官(望月義夫君) 国際紛争というものがもうもちろん国際的な協調の下で平和的解決をする、そういうことが最も望ましいことであると、私も基本的にはそのように思っております。
 しかしながら、総理の公式見解でもございますように、もう皆さん御存じのように、いろんな諸問題ございます。それから、ただいま大臣からお話しのように、我が国の国益あるいは平和を維持するためにはどうするかという問題、基本的な問題の中に日米安保条約、あるいはまたいろんな、北朝鮮の脅威の問題とかいろんなものがございます。そういう様々なことを踏まえての今回の苦渋の決断に、また、総理と同じ意見を私も表明させていただきたいと、このように思っております。
 しかしながら、戦争というものは本当に環境破壊というものが大きいものでございますので、一日も早くこの戦争が終結をしていただき、私たちはイラクが一日も早く再建され、復興されることを望んでおります。
#66
○福山哲郎君 ここは外交安保委員会ではありませんから、私もあえて反論する気というか、ここで更に質問を続ける気はありませんが、今、大臣、副大臣、政務官のお言葉をいただいて、ある意味、政府のお立場ですからしようがないと思いますが、こういう戦時下でどんどんどんどん政治家が自分の言葉を失っていくことについて非常に私は危惧をします。
 政府のお立場として政府の言われている見解を言われることはそれは仕方のないことだというふうに思いますけれども、やはりこういったときこそ政治家が一人一人言葉を持たないと、逆に言うと非常に僕は民主主義の危機だというふうに思いますし、私は正直申し上げて、十二年間、国連決議違反をし続けてきたからこそ査察の継続をして、徐々に徐々にではありますが、粘り強い外交努力の中で大量破壊兵器と化学兵器の廃棄を進めることがより合理性が高いと思っておりましたし、今も思っておりますし、この時期にそれを打ち切って攻撃をすることの根拠については、実は政府は余り説明をされていません。
 なぜこの時期なのかということに対しては、違反をしてきたからイラクが悪いからだという議論はありますが、なぜ、この時期に打ち切ることの合理的な説明はなされていないと思いますし、あえてこの時期に査察を打ち切って攻撃をすることによって、逆に、あるかないか疑惑の持たれている大量破壊兵器や化学兵器が地下に潜り固定化をし、世界に拡散する危険性もあるというふうに思っておりまして、その危険性があるからこそ実は国連の安保理で新しい決議が採択をされなかったのではないかと私は思っておりまして、そこは見解の違いですから、これ以上申し上げませんし、北朝鮮の問題もいろいろありますが、やっぱり中国、ロシアとの関係というのがやっぱり北朝鮮との交渉では非常に重要だと思いますし、やはり国連の枠組みで北朝鮮の問題も私は進めていく方が、私自身は我が国の国益にかなうと思っておりますし、非常に残念に思っています。
 ただ、戦争というのは、米英の兵士が死亡していくことはもちろん、イラクの市民の皆さんが死亡していくことはもちろん、死者が出ることももちろんです。さらには、環境破壊を最大限に起こす最も大きなものが戦争だと思います。現に、湾岸戦争時は油田破壊による火災で一日当たり約一万七千トンのSOxが排出され、その濃度は東京の三十倍から四十倍になったというような例もあります。健康被害や環境汚染は中東全域に広がる可能性もあります。
 人間の安全保障という考え方としても、環境破壊というのは戦争によって起こされること、これ見過ごすことはできないと私は思っておりますし、現実にこのイラク攻撃を受けた後、国連環境計画、UNEPがメソポタミア大湿地の危機的な状況を警告をしています。戦争を終わらせ、人間と野生生物のために、湿地の再生を含めた戦後の復興を進めるべきとの声明を現実にUNEPがもう早速発表をしています。
 こういった状況について、環境大臣はどのような御認識でいらっしゃいますでしょうか。
#67
○国務大臣(鈴木俊一君) 戦争による被害というのは人命の被害もありますし、世界経済に与える被害も多いわけでありますが、先生がおっしゃるとおりに、環境に対する被害というものも大変戦争によって大きく受けると、そういうふうに思っております。自然環境の破壊ということになれば、これはもう大規模な洪水もあると思いますし、また火山の爆発等でもありますし、更にフェーン現象や落雷による大規模な森林火災、こういうものもあると思いますが、いずれもそういったものは自然の中での出来事であるわけでありますが、戦争というものは人為的なものでありまして、そういう人が起こす中で環境に影響を与える最大なものの一つが戦争であるということは先生と認識を一つにしているところでございます。
 それから、UNEPがメソポタミア大湿地の危機的状況について声明を出したということを私も承知をしております。お聞きするところによりますと、一九七〇年代には八千九百二十六平方キロメートルあった面積が二〇〇〇年には九〇%が喪失をされたということで、二〇〇二年段階では七百五十九平方キロメートルまでに減少したということでございます。原因は流域のダム開発、それからかんがい事業が乾燥化の大きな要因であると、こういうふうに思っておりますが、戦争が今行われている地域でございますから状況の把握というものはそれはできないわけでありますが、しかし、このメソポタミア大湿地が今回の戦争によって被害を受けないように、そのように期待をしているところであります。
#68
○福山哲郎君 日本の環境省としては何らかの形で情報を集めたり、今後、私、復興の話を今するのは余り私は何ともあれなんですが、戦後もし、戦争が早く一日も早く終わればいいと思いますが、終わった後、こういうことに対して日本の環境省として何か行動を起こすようなことは大臣としては今何かお考えございますか。
#69
○国務大臣(鈴木俊一君) 現状どうなっているかということは、今戦争が始まっておりますので、その中でなかなか難しいことであると思います。
 戦後どういうことができるかということは検討しなければならないと思いますが、例えば、ここがラムサール条約の登録湿地みたいになっておりますと、それはそういう国際的な枠組みがございますので、その中での対応も可能であろうかと思います。
 お聞きするところによりますと、この大湿地はそうした国際的な枠組みの対象になっていないということでありまして、例えば日本でもラムサール条約の指定湿地はございますが、そうでないところで重要湿地と環境省で指定するところもあります。そういうところに例えば外国の方から来てその枠組みがない中で何か働き掛けをし、その湿地回復をする手だてがあるのかどうか、そういうことについてはちょっと検討をしなければならないと思っております。
#70
○福山哲郎君 もう一つ、大変将来的なことで言うと余り良くないことが発表されました。
 気象庁が十九日に、大気中に含まれる二酸化炭素の濃度、これは戦争とは関係ありませんが、二〇〇一年の世界平均で三七一ppmと過去最大に達し、更に上昇し続けていると発表したと。CO2濃度は地球温暖化の最大の原因とされると。二〇〇一年の平均濃度は、十八世紀後半の産業革命以前、二八〇ppmの値より約三三%も上昇しており、上昇のペースは依然高いというふうに発表されまして、国内についても三地点の昨年の濃度観測結果をまとめた結果、年平均濃度で二から二・四ppm増加をしており、増加が続いているということが気象庁から発表されました。
 京都議定書を我が国もようやく批准をして、ところがまだ発効まではおぼつかないという状況の中でCO2の濃度は更に上昇をしていると、国内もそういう状況だということでございますが、環境大臣、この件についても御見解をいただけますでしょうか。
#71
○国務大臣(鈴木俊一君) 三月十九日の気象庁の報告につきまして、発表につきまして、今先生が述べられた内容が述べられておりまして、大変これは深刻な状況になっているということを改めて感じました。
 CO2の排出がこのように大幅に増えつつあるということでございますので、これによる一番の懸念というのは地球温暖化の問題でございまして、もう先生に申し上げるまでもなしに、IPCCで、第三次報告におきましていろいろな影響というものがあるということも言われているわけであります。正に人類の存続基盤そのものにかかわる問題でございますので、国内対策はもとより地球的な取組を更に強力に進めなければならないと、そういうふうに認識を新たにしているところであります。
 先般、水フォーラムがございまして、その際に、水フォーラムに参加をされました数か国の環境大臣、副大臣と会談をする機会がございました。私どもといたしましては、国内対策はこれはしっかりやっていくけれども、併せて世界的規模の取組、京都議定書にとっては一日も早い発効と、それからグローバルな取組、これが、二つが原則ということでございますので、そういうことについても意見交換をしたところであります。早期発効に向けてはロシアに対する働き掛けをそれぞれの国で強化していこうということもお話をしましたし、グローバルな取組ということでなかなかいい答えは出ないんでありますけれども、アメリカの国務次官とお会いした際には、日本国内ではやはりアメリカに参加を求める声が強いんだということも伝えたところでありまして、国内対策とこうした国際的取組を更に強化をしていかなければいけないと、そういうふうに感じております。
#72
○福山哲郎君 是非、ロシアに働き掛けを強めていただきたいと思います。
 もう時間がありませんが、お手元にちょっとお配りをいたしました、ペーパーを配らせていただきました。
 実は、温暖化の被害がいろんなところで出だしているという報告が入っているんですが、実は大陸部でありますモンゴルで実は相当温暖化の被害が出ていると。実は、南の島が海に沈むというような話がよく出ていますが、一番早く温暖化の被害が出ているのはモンゴルではないかということが少しニュースで入ってきておりまして、実は去年、私、モンゴルに八月行ってまいりました。今年の三月にも実はモンゴルに行ってまいりました。
 これ簡単な資料なんですが、真ん中を見ていただきますと、月平均気温の七月、ウランバートルとマンダルゴビというところの三十度以上の日数が、わずか八年間で激増しています。私が去年八月にモンゴルに行ったときに、六年前には、私が行ったその日、八月の中旬だったんですが、六年前には初雪を記録をしているんですが、私が行ったその日は三十六度でした。わずか六年間で、初雪から三十六度まで気候が変動しています。川は枯渇をして、年間二百本から三百本の川がなくなっていると。現実に、ゴビ砂漠の真ん中にヘリで行きまして、日本でいうと琵琶湖ぐらいの湖が六年間で実は跡形もなく消えておりまして、元、湖のところに私もヘリで降りまして、大変な景色を見てまいりました。実際に、非常に温暖化の直接の影響が起きていると。
 モンゴルというのは、御案内のように経済発展がまだまだですから、放牧、いわゆる遊牧民が中心ですから、実は二酸化炭素の排出量はほとんどないんですね。つまり、二酸化炭素の発生でいえば加害者では全くないわけです。ところが、被害をある意味でいうと集中的に世界でもいち早く受けている国でございまして、家畜の被害は、実はこの三年間で概略ですが約一千万頭ということで、現実に非常に温暖化の影響を受けていると思います。
 もう時間がないので、この件についてはまた環境省から建設的な意見交換を今後委員会等を通じてさせていただきたいと思いますが、是非、環境大臣、こういった国がすぐ近くにあって、この状況を把握することが将来の地球環境破壊についての非常に大きな科学的な知見になるとともに、これに対する救済なり日本の環境省として何ができるかみたいなことについて、すぐにとは、お答えできないでしょうが、少しまた御理解というか御認識をいただきたいというふうにお願いをして、一言だけ何かお答えをいただければと思います。
#73
○国務大臣(鈴木俊一君) 近年、今まで考えられなかったような大規模な洪水が起こったり、それから大型のハリケーンが出たりという、そういうような現象としての、時々の現象としての、何か地球が、気候がおかしくなっているということは承知をしておりましたが、改めてこの資料をいただきまして、わずか六年の間にこれだけ三十度を超える日数も変わったり、またそうした琵琶湖に匹敵する湖がなくなっているという環境変化の大きさを改めて認識をさせていただきました。
 いずれ、そういう世界の気候の変化ということに常に敏感になりながら地球環境問題に取り組んでまいりたいと思っております。
#74
○福山哲郎君 終わります。
#75
○委員長(海野徹君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#76
○委員長(海野徹君) ただいまから環境委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総務省所管のうち公害等調整委員会及び環境省所管を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#77
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 まず、私は、最初に健全な水循環の関係で環境省に質問をしたいと思います。
 先週、私も第三回世界水フォーラムに参加してまいりまして、水と立法者という、そういうフォーラムでございました。閣僚級の国際会議、閣僚宣言も出されまして、その中で、水質汚濁防止と生態系の保全、そういった部分もございますし、あるいは環境基本計画、その中でも「環境の世紀への道しるべ」ということで、平成十二年の十二月にそういう計画を環境省は作り上げているわけでございます。
 私も、非常に水循環ということは、しかも自然の水循環、極めて重要なことでありまして、と思っておりまして、環境省もこの面についての事業を推進しているというふうに伺っております。そういった関係で予算措置も当然されているわけでありますけれども。
 手賀沼の再生の関係でも、いわゆる導水管から取った利根川の水、それを一部手賀沼に移して云々という話があったり、いわゆる〇一年からは環境省は水循環の考え方で基礎調査を始めてきておりますし、やはり年間の水収支、そういったものをどういうふうにとらまえていくかということも極めて重要なアプローチだと私も考えてございます。
 雨が地下にしみ込む量とわき水が大きく減る一方、地面にいわゆるしみ込まないで、透水しないでいわゆる流れ去る、いわゆる表面の流出の関係、あるいは家から、工場から出る排水の関係、地下水のくみ上げ、そういったものが増えた結果、これは内水はんらんにもつながっていく話でありますけれども、いわゆるそういった面も何度か対策を取らなければいけないということで、住宅や舗装道路、それにかかわってくる水の関係でありますけれども、やはり地中にしみ込まなくなってきているということを考えていきますと、やはりこれに十分対応をしていかなければいけない。
 そういった中で、環境省の報告書の中にはいわゆる新規開発宅地における雨水の浸透ます、その設置を義務付けるとか、あるいは道路を透水性の舗装にしていかなければいけない、様々な施策を発表しているわけなんですけれども、極めてそういったとらえ方は私も重要だと思います。こういう面における環境省の役割ですね、実質的な役割。
 私は、今回国土交通省が出してきた法律の中に特定都市河川浸水被害対策法案というのがあるわけでありますけれども、こういった面について環境省がどの程度かかわっていけるかどうか、あるいはその健全な水循環、こういった面における環境省の役割ですね、こういったことについてどういうふうに考え方をまとめていられるか、この辺についてお聞きしたいと思います。
#78
○政府参考人(吉田徳久君) ただいま御指摘をいただきましたように、環境保全上、健全な水循環を確保することは環境基本計画にも位置付けられた非常に重要な施策であるということでございます。このため、環境省では、今先生からも御説明ございましたように、関係省庁とも連携を図りながら、健全な水循環確保のための各種の施策、調査、事業を実施してまいっております。
 一つには、平成十二年度から十三年度にかけまして千葉県の手賀沼流域の水循環の実態を把握した上でこれをモデル化いたしまして、当該水域の健全な水循環を回復させるための方策を検討しました。その成果は現在千葉県に引き継がれておりまして、地域の住民の方々を交えた検討の場で、今後、手賀沼水循環回復行動計画というものを策定するべく今作業が進められております。この中では、手賀沼の透明度の回復あるいは水草の回復を目指した計画というものが目指されておるわけでございます。
 そのほか、関係省庁とも協力をして健全な水循環の対策の手法についてるる検討もいたしております。また、地下水涵養につきましては、平成九年度から地盤沈下が進行している地域を特に対象といたしまして、市町村が実施をいたします地下水涵養に資する雨水浸透ます等の設置に対しましても事業費の補助を進めてきているわけでございまして、これも健全な水循環推進の一環でございます。
 このたび、二十三日に閉幕いたしました第三回水フォーラム、世界水フォーラムの宣言におきましても、統合的な水管理を目指すべきこと、それから、水質汚濁を防止し持続的な水の利用を確保する上で生態系の十全な保全が欠かせないという指摘もございます。私ども、今まで培ってきたノウハウを生かしながら、更に今後健全な水循環の確保に向けて対応していきたいと、かように考えております。
#79
○加藤修一君 私、国土交通省の法案の関係についてもお話し申し上げたんですけれども、その辺について、環境省がどういう役割を果たすかという点も一つ関心があるんですけれども、その辺について、どれだけのサポートといいますか役割を果たすことができたかと。
 これは確かに洪水にかかわる法律なんですけれども、透水性とかそういった面を考えていきますと、流出する水がなるべく少なくなるような形でやっていくということについては、これは都市化、都市政策にもかかわってくる話ですし、また環境政策にもかかわってくる話であるということを考えていきますと、ここにも環境省が取り組む分野が表れているんではなかろうかと、省庁連携してやっていく部分があるんではないかなというふうに考えられると思うんですね。こういった面についてどういうふうに考えているでしょうか。
#80
○政府参考人(吉田徳久君) このたび国会に提出をされております特定都市河川浸水被害対策法案につきましては、今先生御指摘のとおり、地下水の涵養、これは洪水対策の観点から一時的な出水を抑止するための目的で埋め込まれております。
 それに対しまして、私どもも環境保全の観点からは、正に都市化が進んで一部の、大都市の一部、例えば東京駅周辺を除きますと、全般的には都市部地域の地下水位が低下しているという状況にあるわけでございますから、先ほど申し上げたような補助金制度を使いまして地盤沈下が著しいところについては支援してまいっておりますが、今後、この法律、これから御審議を賜るものでございまして、私ども現在の段階で法案そのものについて言及することは避けたいと思いますけれども、この法律の趣旨に沿って環境省、国交省協力して、この地下水涵養というものを洪水対策と環境保全の両面という立場から対応していきたいというふうに思っております。
#81
○加藤修一君 ちょっと意地悪な質問じゃないんですけれども、要は、今回の法案に関しては、直接間接含めて特段この法案については環境省は何も話はしていないと、そういうとらえ方でよろしいでしょうか。
#82
○政府参考人(吉田徳久君) もちろん、今回の法案が国会に提出されるに当たりましては、私どもも協議を受けた立場にございます。むしろ私どもの役割は、今後、その法律の趣旨そのものには賛同できるものでございますので、実行の段階で今申し上げたような健全な水循環確保という観点から国土交通省と相協力して対策を進めてまいりたいと思っております。
#83
○加藤修一君 相協力しながらやっていくということは極めて重要なことだと思うんですけれども、もう少し具体的にこの辺の、例えば検討会やっているとか、そういったことがあるかないか、その辺は現在のところはまだないというとらえ方をしなければいけないですか。
#84
○政府参考人(吉田徳久君) 先生の御指摘が特定都市河川洪水被害対策法という限定した範囲でなくて、健全な水循環という立場でおとらえをいただけるのであれば、私ども関係五省庁と相協力して、これまでも平成十年から健全な水循環の体系を構築するための関係省庁連絡会というものを持っております。その場を通じて各種調査もしてまいりましたし、今後いよいよ具体的な施策について指針的なものを作っていきたいと、こういうことを予定しております。その中で、今御指摘の洪水対策としての地下浸透という問題も含めて検討させていただきたいと思います。
#85
○加藤修一君 透水性がなるべく高くなるような形で、流出量が少なくなる形で、それにかかわる補助金を、またこういった都市の政策、環境保全の中で補助金という形で付けていくということについては確認させていただきたいのですけれども、それはそれでよろしいのですね。
#86
○政府参考人(吉田徳久君) 今後、関係省庁がより緊密に連携を取るということを前提にして申し上げますと、私どもが現在持っております補助金も、これはその趣旨としては永続されなければならないと思いますが、関係省庁のそれぞれ類似の補助金というものがあればそれを更に大きく発展させていく、再統合ということも考えていきたいと思っております。
#87
○加藤修一君 さきの第三回世界水フォーラムの関係で閣僚宣言が出されまして、その二十五番目でありますけれども、「我々は、水資源の保護及び持続可能な利用並びに水質汚濁防止のための適切な法的枠組みについて検討し、必要な場合には、これを確立することを各国に促す。」と、こういう形で宣言がなされているわけなんですけれども、社会資本整備審議会においてもこういったたぐいのいわゆる法的な枠組みについて整備していかなければいけないというふうになっております。
 先ほど答弁の中にありましたように、健全な水循環を考えていく場合に、恐らくこういった法的な枠組みをどういうふうに作っていくか。巷間言われている話は、いわゆる水基本法とかそういった話になってくるわけでありますけれども、この辺については、法的枠組みについての環境省なりのとらえ方というのはどういうふうにお考えでしょうか。
#88
○政府参考人(吉田徳久君) 私どもが現在進めてまいりました取組は、健全な水循環を確保するために一体何が今問題とされるべきで、その解決に向かってどのような措置を講じなければならないのかということに主眼を置いてまいりました。それが幾つか束なって蓄積になってまいりましたので、今後はそうした事実関係を踏まえて、今後の制度あるいは体系の在り方についても検討をいたしてまいりたいと思っております。
#89
○加藤修一君 制度、体系の在り方について検討してまいりたいという中には、当然のことながら法的な枠組みについても検討しなければいけない、せざるを得ないと、そういうふうにとらえたいと思うんですけれども、それはそれでよろしいんですね。
#90
○政府参考人(吉田徳久君) 私ども行政におけるまだ検討が未熟なところもございますので、必ずしも先行きを正確に読み取ることはできない面もございますけれども、基本的には今申し上げたとおり、制度、体系の見直しということも視野に入れながら、健全な水循環確保に向けて検討を進めてまいりたいと思います。
#91
○加藤修一君 是非、統合的な水資源管理ということについてはもう世界的な中で議論になっているわけでありますので、それが効果的に効率よくやっていけるような形で法体系の在り方が検討されることを十分期待したいと、また要望しておきたいと思います。
 次に、いわゆる子供の環境基準ということについて伺いたいわけなんですけれども、これは何回も私、取り上げておりますけれども、いわゆる一九九七年の五月にマイアミで環境関連大臣のサミットが行われまして、環境ホルモンが、環境ホルモン等が取り上げられていると。要するに、環境ホルモン等が子供に対して非常に弱いと言われている、弱いというのは子供にとって弱いと。子供に合わせた環境基準を作る必要があるということが宣言としてなされてきているわけでありますけれども。あるいは、我が国は国連の子ども権利条約、これも批准しておりますが、この中でも有害化学物質についての子供用の基準を作る必要があるというふうに言われてございます。
 二〇〇二年の五月でありますけれども、国連の子ども特別総会、これが開催されまして、いわゆる新ミレニアムにおける子供たち 健康における環境影響が発表されたわけでありますけれども、この報告書によりますと、環境汚染による様々な疾病によって世界じゅうで一日平均約五千五百人の子供たちが犠牲になっていると、そういうふうに言われているわけでございます。また、子供の健康に影響している環境汚染、これは飲料水や食料の細菌汚染による下痢、あるいは急性呼吸器感染症が特に多いわけでありますけれども、そのほかにいわゆる高濃度の有害化学物質や天然資源の枯渇によるもの、あるいは有鉛、鉛ですね、有鉛ガソリンなどによる環境中の鉛中毒で慢性的ないわゆる神経発達障害を引き起こす例、それから農作業で働く数百万人の子供たちにとってはいわゆる農薬中毒のリスクにさらされていると、こういうふうに世界的な中では言われているわけでございます。
 それから、WHOが昨年のヨハネスブルグ・サミットに先駆けまして、二〇〇二年の八月でありますけれども、いわゆる健康的な子供の環境ということで報告書を出しておりまして、この中を見てまいりますと、世界じゅうで二〇〇〇年に、四百七十万人以上の五歳以下の子供たちが環境要因により悪化した病気で亡くなっていると試算されております。また、世界じゅうの病気の二五から三三%が環境汚染に起因していると。特に五歳以下の子供たちの場合ではそれが四〇%以上に及んでいるということになっているわけでございます。
 私、国会審議、こういった委員会の場で三回ほど取り上げておりますけれども、また毎年環境省が主催になっております環境ホルモン国際シンポジウム、ここにおきましても数度こういった子供のための環境基準ということについて提案をしてきております。また、昨年の公明党の全国大会、第四回でございますが、「いのち輝く社会をめざして」という中で重点政策としてこれを取り上げておりまして、私自身も二〇〇一年には新潟において五十万を超える署名をいただき、当時の川口環境大臣に提出してございます。また、同じ年の十一月には、この委員会におきまして請願として提出もしております。
 それから、国内の取組として東京都の例を考えていきますと、東京都はこういうふうに言っております。我が国では子供に重点を置いた化学物質の暴露調査などはほとんど実施されていないという中で、国に先駆けて化学物質の子どもガイドライン策定の基本方針を二〇〇二年の七月に発表しております。また、今年の一月には化学物質の子どもガイドライン、これ室内空気編でありますけれども、これを策定している。子供たちの直面する生活の場で使えるような具体的な取組方法をガイドラインとしてまとめているわけでございます。また、そのほかに子供たちへの五つの約束として、使わない、持ち込まない、追い出す、取り替える、なくす、そういった方針を打ち出しているわけでございますし、また、昨年の九月には化学物質の子どもガイドライン、鉛ガイドライン塗料編としてこれを発表していると。そういった意味では、着々といわゆる子供の周辺の環境におけるリスクをいかに削減するかと、そういったことについてのガイドラインの策定が進められているというふうに理解できると思います。
 そういった中で、環境省はどういうふうにこういった面に取り組んでいるかということについて具体的に教えていただきたいと、このように思いますけれども。
#92
○政府参考人(南川秀樹君) 環境省におきましては、化学物質による環境問題につきまして、小児、子供の環境リスク評価に関します内外の動向、あるいは研究成果の把握に従来から努めてきております。もちろん、その中で基準設定等に生かせるものについては生かしてきておるところでございます。
 また、昨年の四月にはカナダのバンフにおきまして環境G8の大臣会合があったわけでございますけれども、これまでの我が国の取組につきましても、それを取りまとめて報告を行いました。
 さらに、今年になりましてちょうど三月の十一日には東京で、また十三日には大阪で子供の環境保健に関します最新の知見の共有、国内の専門家の人材育成を目的といたしまして、国内外の研究者による国際セミナーを行っております。この中では、環境ホルモンと子供、あるいはダイオキシンと子供、又は多くの大気汚染と子供の関係、さらに、その家庭内でのたばこの喫煙と子供の健康と、そういった問題についても取り上げまして活発な議論が行われているところでございます。我が国で初めてのことでございましたので、参加者に大変好評でございました。是非続けてほしいという声がございます。
 また、この四月からでございますけれども、さらに新規の事業といたしまして、我が国における子供の生活スタイルや食事に関するアンケート調査を行いまして、食品や環境中からの化学物質の暴露量を推計する基礎データを得ます。また、それと同時に、化学物質が子供の発達段階に与える影響などに関する知見を集めまして、子供の脆弱性を考慮した化学物質の有害性の評価手法について検討したいと考えています。
 こうした知見を収集を急ぎまして、ある程度まとまった段階で普及のための資料を作成したいと思っておりますし、御指摘のガイドラインを目的とするようなものにつきましてもそういった中に是非含んでいきたいというふうに考えておる次第でございます。
#93
○加藤修一君 こういう言い方はなんですけれども、それなりに一生懸命おやりになっているということについては評価をしたいと思います。それで、今、国際セミナー等々含めて、それはもっともっと強力にやっていただきたいと、そのように思います。
 やはり子供は大人よりも化学物質の影響が大きい、そういった子供の特徴をとらえて、やはり子供のいわゆる生活とか生活行動様式に合わせた基準をやはり策定していかなければいけないということで、今答弁の中にありましたように、ガイドラインについて、ガイドラインを作っていくような方向で検討をしたいという言い方として私はとらえたんですけれども、それでよろしいんですね。
#94
○政府参考人(南川秀樹君) 幅広い資料をまとめたいと思っております。その中にそういったものも含んでまいるつもりでございます。
#95
○加藤修一君 それで、子供にかかわるいわゆる生活とか行動様式にかかわるものはやはりかなり幅広いというふうに考えなければいけない、いわゆる省庁横断的にかかわってきているように私は思いまして、やはりほかの省庁と連携を強化していく、あるいは検討会を作っていくとか、そういった面についてもやはりやっていく必要があるんではなかろうかと思っておりますけれども、この辺については現段階でどのような考え方に立っていますか。
#96
○政府参考人(南川秀樹君) 化学物質につきましては、最近、近年急速に問題の深まりを見せております。
 そういう中で、例えばPRTR法を通じまして環境省と経産省は頻繁に連絡を取っております。また、今回も法案を提出しておりますけれども、化学物質審査規制法につきましても、環境省、経産省、厚労省というところで頻繁に会合をやっております。そういった中で知見も共有しておりますし、また、より幅広い対応も可能になっていくというふうに感じております。
#97
○加藤修一君 我が党の重点政策の中には、いわゆるこども環境リスク削減法、そういう法律を制定すべきだと、いわゆる乳幼児や子供等を対象とした法律を制定し、いわゆるリスクの削減のためのいわゆる子供基準値の設定、あるいは場合によっては予防原則、そういったものをそういった考え方に基づいて対応を考えていく必要があるんではなかろうか、そういった法律の中身にしていく必要があるんではないかなと思いますけれども、子供のために可能な限り有害物質のない食品や生活用品等を供給する施策を講じることの中身になっているわけですけれども。
 いわゆる子供に影響を与える環境要因としては、空気、水、土壌、食物、家庭用品あるいは玩具などに存在する天然又は人工の有害化学物質、そういったものに限定されないで、さらに、医療現場における化学物質の暴露や、いわゆる先ほど答弁の中にありましたように、受動的ないわゆる、禁煙、被害ですね、たばこの被害でありますけれども、WHOでもたばこ対策枠組みの条約ということで、条文なんかを見てまいりますと極めて厳しいことが書かれてございます。
 いわゆるたばこの撲滅を最終目標にしているわけでありますけれども、いわゆるたばこが健康に与える被害は科学的証拠で決定的に証明されていると。それから、破滅的な影響から現在及び将来の世代を保護するというのが目的として明確に打ち出されているわけでありますけれども、将来の世代といえば、やはり言うまでもなく胎児や乳幼児に深刻なダメージを与える。そういったことが、いかに回避する方策を取っていかなければいけないかということがこういう条約の中を見てもよく分かると思います。
 それから、その削減法の中身でありますけれども、胎児の環境としてのいわゆる妊婦、子宮のということでありますけれども、あるいは妊婦を取り巻く生活環境等、そういったものを想定して、いわゆる化学物質の暴露に限らず、子供の生育環境を総合的にいわゆる改善をしていく、そういったことを目指すことが極めて重要な時代背景を持つようになってきていると、私はそう思いますけれども、こういったいわゆる、これは国会で作ればいいという話なんですけれども、行政の方もそれなりに対応をしていくべきだと考えておりますので、いわゆるこども環境リスク削減法という、こういった法律をいかに、法制化することについては十分意義があると私は思っていますけれども、この辺について環境省はどのようにお考えでしょうか。
#98
○副大臣(弘友和夫君) 加藤議員、御専門でございますので、先ほど来のあれを聞いておりまして、非常に子供とか胎児というのは環境から逃げられないわけですから、生活の範囲内でその影響を受動的に受けるという大変な状態であり、胎児や子供への影響を中心とした化学物質問題について、環境省としても未然防止の観点から取り組むべき重要な課題であるというふうに考えております。
 このため、先ほど来のお話がございますように、内外の知見の把握を進めるために、来年度から小児等の脆弱性を考慮したリスク評価の検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
 こども環境リスク削減法という今お話がございましたけれども、非常に、これをどういう、立法的にどうすればいいのかという、なかなか難しい問題もあるようでございまして、今後の長期的検討課題と、勉強してまいりたいというふうに考えております。
#99
○加藤修一君 今、副大臣の答弁の中にリスク評価に関しての事業を行うことになってくるということですけれども、この件につきましてもやはりもっと積極的に継続性を持ちながら是非やっていただきたいと思います。
 それと、やはり大臣もおっしゃったように私は記憶しておりますけれども、日本は環境先進国という、あるいは先進国を目指しているというか、やはり国際的な中で環境政策についてイニシアチブを取っていくべきだと私も思っております。そういった意味では、こういう子供環境のリスクの削減に向けてより一層積極的に、長期的というよりは、様々な知見を積み重ねていかなければいけない部分も当然あるんでありましょうが、しかし、総合力を発揮しながら、なるべく短い期間の中でこういった法制化について積極的に取り組んでいただきたいと、このように思います。
 それでは次に、焼却炉の関係の話に移りたいと思います。
 まず最初に、廃棄物焼却炉の解体の実態ですね、それと、解体がなかなか進まないというふうに言われておりますけれども、その理由について教えていただきたいと思いますけれども。
#100
○政府参考人(飯島孝君) まず、一般廃棄物焼却施設でございますけれども、昨年の十一月三十日時点で解体されていない施設は三百二十三施設ございます。産廃の処理施設は、廃止の数は把握しておりますけれども、民間設置ということもあり、まだ解体の状況については把握しておりません。
 それで、解体が進まない理由という御質問でございますけれども、従来から一般廃棄物焼却施設の場合に多いわけでございますけれども、跡地の利用計画が決まってから解体を行う場合がございますので、廃止後直ちに解体されないというケースは従来からございました。
 また、一昨年の四月ですが、厚生労働省から廃棄物焼却施設内におけるダイオキシン類ばく露対策要綱という解体に当たってのダイオキシン対策の要綱が定められておりまして、この結果、解体の費用がそれまでより大分高騰したということが、廃止後直ちに解体されない要因の一つになっているのではないかと考えております。
#101
○加藤修一君 そういうことなんでしょうけれども、これ廃炉の状態のままでいるということはなかなか厳しい部分もあるというふうに一般に言われているわけなんですけれども、いわゆる煙突にひびりが入っていていつ倒れるか分からない、その辺については一番早く対応、そこの部分だけでも対応するという話になるんでしょうけれども、国からの援助なしでは解体はなかなか難しいと。
 東北のある町では、ガス化溶融炉を新たに導入しましたが、その導入費用だけでももう目一杯である、解体まではお金がなかなか回らないと、そういう話も随分あちこちで言われているわけなんですけれども、こういった面についての廃炉、放置状態にさらされている廃炉というのは相当数あると思いますけれども、これに対してやはり十分対応をしていく必要が行政としてあるのではなかろうかと思いますけれども、この辺についてはどうお考えですか。
#102
○国務大臣(鈴木俊一君) 一般廃棄物焼却施設が廃止をされたけれどもそのままに放置をされているという、まず一点目の御心配があろうかと思います。
 確かに、廃止されても施設内に残されたダイオキシン類、これが直ちに周辺環境を汚染されるおそれはないとは思いますけれども、しかし、長期間これが解体されずにほうっておかれるということは、これは望ましいことではないと、そういうふうに思っております。
 それで、これを解体に取っ掛かるまでの間は、これは設置主体、市町村、一応市町村の財産ということになっておりますので、市町村においてダイオキシン等が飛散しないような、そういう防止対策を徹底するなどの適正な管理がされることが必要であると思います。しかし、もう一方において、長期間そのままに放置せずにこれを解体を進めていかなければならないと思っております。
 今、先生の方から東北のある町の例を引かれたわけでございますが、やはり解体に当たってお金が掛かるということで、その支援措置を更にというお話がございます。ただいま飯島部長からもお話を申し上げたところでありますが、平成十三年四月に廃棄物焼却施設内作業におけるダイオキシン類ばく露対策要綱というのが定められまして、従来よりも、何といったらいいんでしょうか、手を掛けた解体作業をしなければならないことになりましたので、それによって解体費用が高騰したということがございます。
 このことから、環境省におきましても、適正な解体を推進するための支援方策につきまして関係省庁とも協議を行いました。それによりまして、平成十三年度補正予算から、解体工事前から実施するダイオキシン類の測定に要する費用への国庫補助制度を創設したところでございます。そしてまた、そうしたダイオキシン類の測定に要する費用への国庫補助制度、これを受けたものにつきましては、その解体工事について、工事費用に対して特別交付税等の地方財政措置の対象にすることにしたということで、こうした市町村に対する国としての支援策も講じているところであります。
#103
○加藤修一君 もう時間もないんですけれども、次に、それでは国の支援の在り方については、やはり今後、是非十分な対応を取るような形で努力をしていただきたいなと思います。
 それから、小規模焼却炉についてでありますけれども、ダイオキシンの対策法の施行令第一条によりますと、いわゆる法適用対象施設というのは、火床面積が〇・五平米、あるいは焼却能力一時間当たり五十キログラム以上ですか、一時間当たりですね。その小規模の大気基準適用施設、これは平成十三年三月においては一万八千六百七十四施設あった。十四年三月においては一万七千三百五十七施設、これが掌握されていたと。この中で十四年基準をクリアした施設は八五%あるというふうに言われているわけですけれども、問題は、クリアしていない一五%の施設は一体どうなっているかということが一つ考えられるわけですけれども、さらに、一時間当たり二百キログラム未満の施設は一万七千三百五十七施設のうちの八千七百四十三施設あると伺っているわけですけれども、こういった面についての施設の措置が非常に不鮮明であると。
 確かに、先ほど大臣がおっしゃったように、すぐには危険性があるという話ではないということなんですけれども、さらに五十キログラム以下の焼却炉のことを考えていきますと、これはそれをどういうふうに処理するかということについてはどこを見ても、法律のあるいは施行令のどこを見てもないように私は思うんですね。埼玉県下では、県が調べた範囲では四万数千個の小型焼却炉があるというふうに言われているわけで、これ日本全体に引き伸ばして考えていきますと相当のものがあると。
 これについては何らかの対応をしなければいけないというふうに考えているわけなんですけれども、具体的な対策というのは環境省としてはどういうアプローチを想定しているかという、そういう質問です。
#104
○政府参考人(西尾哲茂君) まず、私の方からは、先に施行状況の調査の方がどうなっているかということにつきましてお答えしたいと思います。
 今、先生御指摘のように、ダイオキシン特別措置法が施行されましてから、事業者から報告されました調査結果でありますとか行政の立入検査の際の測定結果などにつきまして、施行状況調査ということで毎年度取りまとめておるところでございまして、今の御指摘のように、平成十四年の三月三十一日現在の状況、それを十四年十二月の基準に当てはめた場合におきまして達成しておる施設は八五%程度ということでございます。
 ただしながら、この事柄につきましては、十三年度の段階のデータを十四年十二月の基準でもクリアするかということで見ましたところで八五%がクリアしていたということでございますので、その後、それぞれの施設が改造やそれぞれの対応をして、平成十四年の十二月の規制値に向けましていろいろな対応をしておるわけでございますので、恐らくは適合施設数は随分増えているというふうに思っております。
 ただし、その数字の把握につきましては、これはいずれにしても今動いている年度、十四年度の数字として動いているところでございまして、もうすぐ十四年度が閉じられますので、これが閉じられ次第、十四年度の施行状況調査ということで各種の報告を集めまして把握いたしますので、その中で、その後の適合状況につきましてはその中で各種の資料を分析、把握していくということにしております。
#105
○政府参考人(飯島孝君) 小型焼却炉に対する対応がどうかという御質問だと思います。
 一言で小型焼却炉と申しましても、先生御指摘になりましたように、廃棄物処理法では一時間当たり二百キロ以上の処理能力のものについては施設の設置許可の対象としている、それから五十キロ以上のものについてはダイオキシン対策特別措置法の方で規制が掛かっている、五十キロ未満は何もないかというとそうではなくて、ダイオキシン類対策特別措置法の附則に基づきまして、当時の厚生省でございますが、廃棄物処理法におきまして一定の構造基準を掛けているところでございます。
 そういう形で、小規模のものにつきましても一定の規制を掛けているところでございますが、先生の御質問は、廃止、解体のときにそういったものに対する対応をどうしたらいいかということだと思いますが、現在のところ、特に小規模のものについて国が支援をするとか、あるいは特別な措置を考えるということは考えておりません。それは、やはりその規制を掛けるものと規制の対象をどうするかという全体の議論になると思いますので、現在、焼却炉の廃止等についての調査を行っているところでございますけれども、その結果を見て検討させていただきたいと思っております。
#106
○委員長(海野徹君) もう時間が来ております。
#107
○加藤修一君 終了します。
#108
○岩佐恵美君 私、今日はたばこの問題について伺いたいと思います。
 世界保健機構、WHOは今年の五月の総会で、WHOとしては初めての多国籍間条約となるたばこ規制枠組み条約の締結を目指しています。六回にわたる政府間交渉会議にはNGOの皆さんも積極的に参加をされ、会議の様子がマスコミでも報道され、国民は高い関心を示しています。
 また、歩きたばこ、今日も放送されましたけれども、東京の小金井市でこの条例が通ったそうですけれども、各自治体で歩きたばこの禁止の条例が通る、あるいは職場での禁煙、分煙問題など、たばこ問題は国民の間で大きな関心事となっています。
 たばこと健康問題については、既に医学的知見と科学的証拠によって明らかにされていると思いますけれども、厚労省、いかがでしょうか。
#109
○政府参考人(高原亮治君) 厚生労働省といたしましては、健康局長の私的懇談会といたしまして、喫煙と健康問題に関する検討会に検討をお願いし、平成十三年十二月に報告書が公表されたところであります。その中で、喫煙の健康への悪影響につきましては、たばこの煙の中には四千種類以上の化学物質が含まれており、そのうちベンゾピレンなど六十種類以上が発がん物質、発がん促進物質であるということ、それから喫煙男性は非喫煙者に比べて肺がんによる死亡の危険性が四・五倍高くなっていること、それから喫煙者では非喫煙者に比べて虚血性心疾患の死亡の危険性が一・七倍高くなっている。また、喫煙は慢性気管支炎、肺気腫などにも関係していることが報告されております。
 また、受動喫煙につきましては、国際がん研究機関は、証拠物、強さによる発がん性の分類におきまして最も強い証拠を示すグループ1に位置付けております。
 依存性については、国際疾病分類又は精神障害者の診断及び統計マニュアル第四版におきまして、ニコチン依存症が独立した疾患として扱われております。
#110
○岩佐恵美君 厚生労働省は、たばこが原因で死亡する日本人は一九九五年で九万五千人、超過医療費が一九九三年では一兆二千億円と試算をしています。たばこが原因の死亡者は、一九九五年で見ますと、全死亡者の方々の一二%を占めておりますし、国民医療費の約五%に及んでいて、大変重大な問題だと思います。特に、青少年や女性への健康被害については深刻な問題だと思いますけれども、その点いかがでしょうか。
#111
○政府参考人(高原亮治君) 先ほど御紹介いたしました喫煙と健康問題に関する検討会の報告書によりますと、青少年が喫煙した場合の健康への悪影響についてでございますが、肺の成長期である少年期、青年期で喫煙を開始した場合は、呼吸機能の正常な成長が抑制され、その影響は成人期にまで持ち越される。慢性疾患リスクへの影響がある。特に肺がんについては、未成年期に喫煙を開始した場合は青年期に開始した場合より肺がんのリスクが高まることなどが報告されております。
 また、妊婦の喫煙による健康への悪影響については、喫煙をしている妊婦から生まれた乳児の体重は、非喫煙者の乳児に比べて軽く、低出生体重児の頻度が約二倍高くなっているという調査報告もございます。
#112
○岩佐恵美君 日本人の喫煙状況の推移はどうなっているでしょうか。
#113
○政府参考人(高原亮治君) 私どもの役所で実施しております調査に国民栄養調査というのがございまして、これによりますと、一九九一年に男性五〇・六%、女性九・七%でありました。十年後の二〇〇一年には男性四五・九%、女性九・九%となっております。男性の低下が認められますが、女性はほぼ横ばいというふうな見方もできると考えております。
#114
○岩佐恵美君 日本人男性の喫煙率は約五割近い、そして女性の場合一割ということですが、日本人の成人男性の喫煙率と諸外国を比べてみますと、スウェーデンは一七%、カナダ、アメリカ二七%。だから、カナダ、アメリカの日本は約二倍になるわけですね。イギリスが二九%、イタリア三二%、比較的高いフランスでも三九%、ドイツが四三%ということで、現在のところ先進国の中では喫煙率が日本はトップである、成人男性で見た場合、そう言えると思います。
 さらに、年代別の喫煙状況を見ますと、二十代女性の喫煙率が急増しています。一九八九年八・九%だったのが、十年後の一九九九年には一六%と倍近くに急増しています。若い世代の、とりわけ女性の喫煙者が増えるということは、私は日本の将来にとって大変大きな問題だというふうに思います。
 財務省に伺いたいんですが、たばこの販売実績はどうなっているでしょうか。
#115
○政府参考人(飯島健司君) お答え申し上げます。
 業界団体の調査によりますと、紙巻きたばこの販売数量でございますが、平成十一年度に三千三百二十二億本、十二年度三千二百四十五億本、十三年度三千百九十三億本とございまして、ここ数年間、数量的には微減傾向にあると、こんな状況でございます。
#116
○岩佐恵美君 財務省からいただいた資料でちょっと見ますと、一九八六年の販売実績が三千八十四億本、二〇〇一年度で見ると三千百九十三億本、十五年間で見ますと百九億本増えたということになります。これは二十本入りのあのたばこの箱に換算しますと、五億四千五百箱分販売量が増えているということになります。
 市民団体はこのことについて、日本人の喫煙率が減少している、そして今言われたようにたばこの販売実績も横ばいということなんですが、そのたばこの実際の売上げというのは伸びてきている、これは喫煙率に表れない未成年のたばこ消費が増加しているからではないかと指摘をしています。
 公衆衛生院が一九九六年に中学、高校生を対象にして行った未成年の喫煙行動に関する全国調査では、今までたばこを吸ったことがあると答えた生徒は、男子中学の一年生で二九・九%、三割ですね。学年が上がるにつれて増えて、高校三年生になると五五・六%の生徒が喫煙を経験している。女生徒も、中学一年生で一六・七%、高校三年になりますと三八・五%にもなります。四割近い女子高校生がたばこを吸うと。毎日たばこを吸っていると答えた生徒は、男子高校の三年生で二五・四%、つまり四人に一人が毎日たばこを吸っている。一か月の間にたばこを吸ったことのある生徒を加えますと、同じく男子高校の三年生で三六・九%。
 この調査で見ると、十七歳から十八歳の男性の喫煙率は約四割ということになります。未成年、特に低年齢の喫煙開始は私は大問題だというふうに思います。こうした事態について、どう考えておられるでしょうか。
#117
○政府参考人(高原亮治君) 未成年、特に若い青少年がたばこを吸い始めますと、成年者に比べてニコチンに対する依存形成が起こりやすいのではないかという報告もあり、そのほか、先ほど来お答え申し上げております発がん性の問題等々を照らし合わせば、やはりこれは重大な問題であると考えております。
#118
○岩佐恵美君 低年齢から吸い始めるとなかなかやっぱりたばこを禁煙できないんですね。やめようと思ってもやめられない。このごろでは何か小学生も結構吸うようになってきているということも言われています。
 これはいろいろ、日本の社会風土といいますか、広告がはんらんしていますから、後で触れますけれども、そういうことにも大きく影響されているわけですが、私の知り合いでも、あなた何歳で、なかなかやめられない人に聞くんですね。あなた何歳で、たばこ吸い始めたのと言うと、大体若いころから、高校生とかぐらいで、低年齢で吸い始めた人はやめるのに難渋しているということです。
 それで、次に、たばこ規制枠組み条約について基本的なことを伺いたいんですが、最終的にまとまった条約案の目的、これは各国がたばこ消費の抑制に取り組んでいくということだと理解をしておりますけれども、外務省、いかがでしょう。
#119
○政府参考人(石川薫君) お答え申し上げます。
 WHOたばこ対策枠組み条約は、健康増進の観点から、各国が同条約の定める需給両面における実効的な施策を推し進めることにより、たばこの消費削減を達成しようとするものであります。同時に、この条約はたばこが個人の合法的な嗜好品であるとの考えを踏まえ、数値目標を設定して一律に消費の削減を強制するといったような考え方は取っておりません。
#120
○岩佐恵美君 一律に消費削減は強制するものではないけれども、全体としてはこれはもう減らしていかなきゃいけないということになるわけですけれども、じゃその枠組み条約の精神から日本の実態を見ていくとどうなっているのかということで伺いたいと思うんですが、まずたばこの自販機の、自動販売機の規制について見てみたいと思います。
 条約案では、未成年者に対する販売のところで、国内法に基づいて、例えば未成年者がたばこ自動販売機にアクセスできないようにすること等を確保する措置を取る、こういうふうになっています。旧総務庁がまとめました青少年と自動販売機に関する調査研究報告によりますと、喫煙している中高生の七割が自動販売機でたばこを買っています。先ほど紹介した全国調査から見ても、中高生がかなりたばこを吸っているという実態にあるということが明らかです。
 私は、先ほど山東委員はたばこの自動販売機は全廃すべきだと言われました。私もそう思っています。全廃すべきだと思いますが、いずれにしても全廃する方向に向かうべきだと思いますが、現在とにかくきちっと規制されているのかどうかということがあります。
 そこで、現在のたばこの自動販売機の規制措置と設置台数はどうなっているでしょうか。財務省、お願いします。
#121
○政府参考人(飯島健司君) お答え申し上げます。
 まず、たばこの自動販売機の設置台数でございますが、直近時点で約六十二万九千台ございます。
 それで、このたばこ自動販売機に対する今御指摘の未成年者喫煙防止の観点からの規制措置でございますが、以下申しますような対策を講じておるところでございます。
 まず、たばこの小売販売業の許可に際しまして、自動販売機の設置場所が十分な管理監督が難しいと認められる場合には小売販売業の許可をしない、こういった措置を取っております。また、既に許可になっております自動販売機につきましても、特に屋外に設置されているもの等につきまして実態調査を行いまして、問題がある場合には実態を踏まえた是正措置を講ずる、さらにたばこの自動販売機の深夜の時間帯の稼働を停止させる、さらに、これは今後の話でございますが、平成二十年度をめどに、成人識別機能、こういった機能を搭載いたしました自動販売機の導入を図る、またこのための様々な試行的な検証等も行う、こういった措置も講じておるところでございます。
#122
○岩佐恵美君 たばこの自動販売機の普及台数というのを日本自動販売機工業会の資料をいただいて見たんですけれども、なぜか一九九九年が五十三万台だったんですが、二〇〇二年になると六十三万台と、三年間で十万台も増えているんですね。このなぜ増えたのかというのは皆さんに伺ってもどなたも分からないと言われるので、どうしてなのかちょっと今後少し調べていただきたいと思っていますが。
 今気が付くのは、駅のホームなどでたばこの自販機が稼働しているわけですね。駅のホームというのはだれも見ていないわけですから、今言われたようにだれかの目があるとかということではない。それから、店舗に併設されていても死角になって十分管理監督できないものがたくさんある。これはもう私たち経験するところですね。夜間の販売についても、夜、じゃ十一時前に閉店してしまうお店はどうなの、その間十一時まではだれも見ないじゃないのという問題があるわけですね。これで未成年者の利用を本当になくせるのかということについて財務省はどうお考えですか。
#123
○政府参考人(飯島健司君) 基本的には未成年者の喫煙問題、これに積極的に取り組んでまいりたいと、こういうふうに考えておりまして、また御指摘の点も踏まえまして今後検討を深めてまいりたいと、こういうふうに思っております。
#124
○岩佐恵美君 ちょっと、年齢識別機能搭載機の自販機について何か今考えておられるということのようですけれども、それを説明していただけます。
#125
○政府参考人(飯島健司君) これはたばこの業界団体、具体的には日本たばこ協会と申しますが、そういうところで未成年者の喫煙防止に取り組むと、こういう趣旨で、自動販売機、これにある一定のカードを差し込まないとたばこが購入できないとか、こういった機能を設けまして、いわゆる成人の方にのみそういうカードをお渡しする、こういったことによって未成年者の喫煙を防止しようと、こういうことでございます。
 実際、まだこの機械の試行段階でございますが、昨年より一定の地域でこの試行の検証等、技術面、運営面等の検証等を行っておるところでございます。
#126
○岩佐恵美君 たばこ自販機の話になるといつもこの年齢識別機能搭載自販機というのが言われるんですけれども、じゃ一度に全部この自販機に替わるのといっても、それはもう何か随分先の話なんですよね、全部切り替わるにしても五年も先ですと。本当に五年でできるのかどうかというのがありますよね、六十三万台もあるんですから。その間はもう野放しである。
 問題は、成人識別機能搭載といっても、本当にこのカードが本人が使っているものかどうかという証明を一体どういうふうにやって、するのと。未成年者がだれかのカードを持ってきて使ったって分からない、あるいはカードのずっと使い回しということだってあるわけですよね。だから、そういうのを作るからどうだといってみても、正に私はこれはざるだというふうに思います。
 問題は、たばこの自販機が未成年者でも容易に利用できるところに設置されている、そのことが問題なんですね。もうヨーロッパできちっと対応しているところは、自販機は未成年者がもう利用できない場所に限るというようなところに設置をしているところが結構あるわけですよね。
 実は昨年十月の財政制度審議会の中間報告では、未成年者の喫煙防止の観点から、小売販売業許可に店舗併設の条件がある場合はもちろんのこと、条件が付されていない屋外の自販機についても実態調査をして、必要な措置を取るようにとされているわけですね。
 これまで全国に設置されている六十三万台のたばこ自販機のうち、どれだけ調査をしてどのくらい不適切なものがあったんでしょうか。調査台数、改善指導の件数、改善指導に従わなかったことによる小売販売業の許可の取消し、これはどのぐらいあったのか、御説明いただきたいと思います。
#127
○政府参考人(飯島健司君) お答えいたします。
 ただいま御指摘ございましたように、今御指摘の店舗併設の条件を付けて許可する、これは平成元年以降の自動販売機に対してしておるわけでございまして、まずはこれについてそういった条件を守っているかどうか調べたわけでございます。これは屋外に設置されている七万台について調査をいたしまして、その結果、この設置状況が不適切なものが約五千台ほどあると。それで、まずは業界内で自主的に改善等の努力をしていただきまして、それに改善要請に応じないものについて私どもの役所の出先の財務局の方に御報告をいただくと、こんな手順を経て取り組んだわけでございます。
 この結果、今不適切なものは五千台あると申しましたが、そのうち大部分は自主的に措置いただいたということなんでございますが、どうしてもそういう自主的な改善措置に従わないというもの等につきまして、財務局の方に御連絡を受けた件数が五百八十八件あるということでございまして、私どもこれを受けまして、この指導改善等に取り組んでおりまして、このうち約二百五十二件について実際の指導に当たっております。
 さらに、そのうち五十一件につきまして、許可の取消しあるいは自主的な撤去等の是正が行われておるところでございまして、引き続き、これはまだ全部見ておるわけではございませんので、引き続きこの指摘を受けたものについてこの改善指導等について取り組んでまいりたい。
 それからまた、先ほど申しましたように、そういった店舗併設の条件を付け始めたのが平成元年ということでございまして、じゃそれ以前の許可のあった自販機はどうかと。そういう条件が付いておらないわけなんでございますが、これについてもまず実態調査を行いまして、この状況を把握した上で、問題があれば同様の指導等を行ってまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#128
○岩佐恵美君 条件を付したところを調査をして、七万台で五千台も違反があった。かなり率が高いですよね。
 条件を付する前からもう設置されているものを見ればもっとひどい状態だろうということは容易にこの結果から推測できるわけですね。ですから、早急にその平成元年以前の台数、設置されたものについて調査をする。
 と同時に、私なんかも思うんですけれども、違法だなと思うんですけれども、じゃこの違法状態のものをどこに、違反状態のものをどこに報告したらいいのかなという、あるいはどこに苦情を言っていったらいいのかなという、その窓口がよく分からないんですよね。そういう窓口をやっぱりしっかりと作って、市民からの情報もちゃんと受け取るということをやるべきだと思いますが、その点いかがですか。
#129
○政府参考人(飯島健司君) 御指摘の点につきましては、これはたばこ行政全般ということにもなるのかもしれませんが、私どもの地方出先でございます財務局、財務事務所等におきましていろいろ御意見を承っているところでございまして、またそれに基づいていろんな是正措置の指導等を行うと、こういったことも従来からしておりますが、引き続き、皆様方からの情報も踏まえまして適切な行政執行に努めてまいりたいと、こういうふうに思っております。
#130
○岩佐恵美君 次に、警告表示について伺いたいと思いますけれども、警告表示については条約案では、包装の主要面の少なくとも三〇%以上を警告表示に充てることを国内法に従って確保するということになっています。警告表示をきちんと記載することは非常に大事だと思います。
 アメリカで、最近、ライトという商品名のたばこ、ライトという、何々ライトというような言い方の商品名のたばこを吸った喫煙者が、ライトでも健康被害は変わらなかったとしてフィリップ・モリス社を相手に裁判を起こして、そして勝訴をしたということが新聞で報道されています。このフィリップ・モリス社は、健康に対する警告ラベルを張っていたのだから悪くないんだということで控訴をするということであります。
 つまり、警告ラベルがこの場合には非常に注目されるんだなということを私は思いましたけれども、そういう点から見て日本のたばこの注意表示というのは箱の横に小さな字で目立たないように書かれているわけですね。しかも、警告の内容が外国に比べて全く緩い。これでは、私は効果が期待できないと思います。
 現在、ワーキンググループを立ち上げて警告表示について見直し作業を始めているということですけれども、条約案に沿ったそういう検討を進めて改善をしていくべきだと思いますが、その点いかがでしょうか。
#131
○政府参考人(飯島健司君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘のとおり、WHOたばこ規制枠組み条約におきましては、現在、これは案でございますが、その案におきましては、この健康警告表示につきまして、御指摘のとおりの一定以上の面積を充てると。少なくとも三〇%以上、これを両面にと。それからあと、ローテーションにより表示すると。文言を定期的に入れ替えるとかあるいは様々な文言を同時並行に表示するとか、そういったことが求められているわけでございます。
 また、他方、今御指摘ございましたように、私どもの方といたしましても、現在の注意文言がこれは今、平成元年に定められまして以来十数年が経過いたしておりまして、やはり見直しが必要であると、この考え方に基づきましてワーキンググループを立ち上げまして、御専門の立場からの御意見等を聴取しつつ検討を進めているところでございます。
 今申しましたその条約及びこのワーキンググループの検討、これを両々相まちまして、また今後の諸外国の取組等も情報交換等により参照しつつ、これを更に検討を進めてまいりたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
#132
○岩佐恵美君 たばこの広告についてですけれども、条約案では、憲法に従って広告の包括的禁止を五年以内に実施するか又は規制するということになっています。
 日本では、電車、地下鉄の駅や車内でも大っぴらにたばこの宣伝が行われています。大変地下鉄などでは大きなきれいな看板が目に付きます。表に出ますと、そのたばこの宣伝のまた大きな看板もあると。それから、たばこの、最近言われているのは、自販機自身もこれ広告塔になっているんですね。
 ですから、大人向けの広告だから未成年者は見ないんだよというようなことはあり得ないわけですね。たばこの宣伝活動、これが今業界の自主規制によって行われている、このことが私は大問題だと思っております。
 私は、非常に古い話ですけれども、たばこのCMを一回取り上げたことがあります、国会で。そのときに、アメリカのとっても格好のいい俳優が、スピークラークとか何か英語でぱっと、こう言うんですね。それがもうすごい格好がいいものだから小中学生が、中高生が、そういうたばこを吸うとおれもああいうふうに英語がうまくなるという、そういう錯覚を起こしてしまうというようなことで、大変悪いということがありました。
 今は、テレビのCMというのはかなり規制が強まっているわけですけれども、いずれにしても欧米諸国並みの広告規制を私はしていくべきだというふうに思いますけれども、その点いかがですか。
#133
○政府参考人(飯島健司君) お答え申し上げます。
 たばこの広告の規制でございますが、御指摘のとおり、まず、先ほどのWHOのたばこ規制枠組み条約案におきましても、包括的に禁止する、あるいはそれが憲法上問題がある場合はこの広告の制限を課していくと、こういったことが内容に盛り込まれているわけでございます。
 また、他方、私どもこの財政制度等審議会でもその辺のことを検討いたしまして、やはり今後未成年者喫煙防止の観点から、この現行の指針等も今後見直していく必要があるのではないかと、こんなふうな答申もちょうだいをしておりまして、こういったことを踏まえまして、そのたばこの規制の在り方について今後更に検討を深めてまいりたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
#134
○岩佐恵美君 済みません。大臣、済みません、最後に一言。
 今申し上げたように、たばこをめぐる状況というのは非常に悪いんですね。何でかというと、私は最初から思っているんですが、旧大蔵省、今は財務省ですけれども、たばこの生産を促進する、あるいは販売を促進するそのところがこういう全部の権限を握っているというところに問題があるというふうに思っています。ですから、そういうことではなくて、総合的な法整備が必要だし、また一元的な、どういうふうにするのか分かりませんけれども、体制も見直していかなければいけないんじゃないかというふうに思います。
 で、今日は環境大臣というよりも一閣僚として、このたばこの問題非常に大きな問題ですので、是非そうした面で法整備だとか体制の確立だとか御努力をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#135
○国務大臣(鈴木俊一君) 今、岩佐先生からお話しのとおりに、環境省としてはたばこ対策でありますとかたばこの健康影響対策、これの所掌の外でございますから環境大臣としては申し上げられないわけでありますが、今一連の質疑を聞いておりまして、大変これ重要な問題だと思いました。
 やはり環境省の立場で言いますと、所掌がないんですけれども、やっぱり空気がきれいでなければいけないと、こういうふうに思いますし、それから発がん物質を始めとするいろいろな健康に影響を与える物質があるというお話ございました。それから低学年の生徒が吸うと余計影響があると、中学生や高校生の愛煙家がいるというのはこれは当たり前のことじゃないと、そういうふうに思いまして、このたばこの問題は個々人の嗜好の問題だということでは片付けられない問題だなということを強く感じた次第であります。
#136
○岩佐恵美君 終わります。
#137
○高橋紀世子君 今、岩佐先生のお話を聞いておりまして、私の夫は医者だったんですけれども、非常にヘビースモーカーで、吸い続けまして五十五歳で肺がんで亡くなりました。ところが、私もやめられていないという悲劇があるのですけれども、今日の岩佐先生のお話を聞いて、本当に一生懸命なので感激いたしました。
 私は、人々の環境意識を高めるためにも環境保全の主体者としての役割を国家が手放すことではないかと考えているんです。国家が環境に優しい社会を作ろうとか、優しくない社会はこうだとか初めからこう決めますと、目指している資源循環型社会の形を作ろうとすればするほど逆に、そもそも環境と人の間はもう密接なんですけれども、見えない壁を作り出すのではないかと思っています。
 環境の中で生きていくという意味では、すべての人、そしてすべての地球上の生命は平等です。私は、自然と共生する社会を作ろうと言ったりしますが、それは私たちの傲慢さになるので、自然ではなく、傲慢さだと思うんです。自然ではなく、この世から去らなければならないのは、自然ではなく、私たち人間なんじゃないでしょうか。私たちがどう考えようと資源は巡回していますし、自然と共生しないで生きていくことが私たちは一瞬たりともできないと思うんです。
 そこで、環境省にお伺いします。今後、自治体や個人レベルの環境への取組などをどう支援していくお考えがあるのですか。もし具体的なプランがあったらちょっとお聞かせください。
#138
○政府参考人(炭谷茂君) 今、ただいま先生が御発言、御指摘されましたように、今日の環境問題は地球温暖化、廃棄物等、我々それぞれ日常生活に大変深くかかわっているわけでございます。したがいまして、私ども身近な地方自治体また個人、民間団体の取組というものが大変重要であるという認識をいたしております。
 そのため、私ども環境省といたしましては、まず地方自治体に対しましては、地方自治体レベルで環境のための町づくりへの支援を行うということ、また地方、地域における環境計画を作っていただくというものに対する財政的な支援、また技術的な支援を行っております。それとともに環境配慮のためのガイドライン、これは環境の町づくりを行うためのガイドラインでございますけれども、そういうものを策定いたしまして、地域環境施策の優良事例をお示ししているところでございます。このようなことを通じまして地方自治体に対して御支援を申し上げているところでございます。
 また、個人レベルの対策も大変重要でございます。これにつきましては、昨年の十二月の十七日に、中央環境審議会で御議論いただきまして中間的な、中間答申をいただいております。その中では、例えば環境保全活動に指導を行うような人材の育成、活動を行うような支援の拠点の整備、情報の提供、また個人や団体、NGO等のパートナーシップをいかに形成していくかということに対する支援など、具体的な施策が盛り込まれております。これを受けまして、私ども支援のための新しい仕組みづくりについて現在検討をいたしているところでございます。
 これらの結果を踏まえまして、地域における環境保全活動の支援に対して環境省といたしましても積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#139
○高橋紀世子君 お話を伺いました。とにかく役所や国が決めるのではなくて、人々がそれぞれそれぞれに環境に前向きに立ち向かっていくことが必要のような気がいたします。
 それから、私は環境保全のための自治体などの地域の主体的な試みを積極的に支援していくことが今おっしゃったように大切だと。そこで環境省にお伺いします。──これはもう今聞かせていただきました。じゃ次のあれに進みます。済みません。
 今朝もそんなお話ありましたけれども、戦争は最悪の環境破壊だと思います。平和を希求する国日本の環境省は、戦争の行為に対してはっきりとやはりノーと言うべきだと思うんです。私は、人命というものはいかなる国家の選択よりも重いものであると思っています。先日、大臣は英米のイラク攻撃及びイラク攻撃を支持するような日本政府の立場と同調するような見解を、今朝も示されていました。
 でも、私もう一度伺いたいんです。環境にこれ以上悪いことはないと思うんです。ですから、日本政府が賛成だとしても、もう一度お考えをお変えになる気はないでしょうか。私はこの戦争は本当に悲しい出来事だと思っております。もう一度、再度お伺いしたいと思います。
#140
○国務大臣(鈴木俊一君) 今回のイラクのこの状況に当たっての考えはどうかということにつきましては、午前中も福山先生から御質問を受けたわけであります。
 そのときにお答えを申し上げましたが、今回の事態、これはもう平和裏に解決するということが一番ふさわしいことではございましたが、ここ十数年来のこの大量破壊兵器を放棄をするということの一連の動き、そしてまた、置かれている立場が日本としてこの北東アジア、現実に直接の脅威があって、またそういうことを考えますと、日米同盟というものを大切に考え、判断をしなければいけないということもございまして、私としては今回の政府のこの対応というものは、これはやはり政府という立場にある限りにおいてはそういう判断があってしかるべきであったと、私も内閣の一員として同じ意見を持つものでございます。
 今、先生から戦争は最大の環境破壊だと、そういう立場から戦争に反対するようにと、こういうような御意見もございました。先般も申し上げましたが、現にイギリスにおきましては、これは閣外大臣だそうでありますけれども、環境大臣が辞意を漏らしたと、実際はまだ辞任はされていないそうでありますけれども、そういうことでありましたが、それは恐らく環境大臣という、戦争と環境破壊ということの観点からそういうような立場を表明されたのではなしに、それは一政治家として、一閣僚としての彼の御判断であったと、そういうふうに思うわけであります。
 私も、一政治家、一閣僚といたしましての立場を申し上げますれば、先ほど申し上げたとおり、福山先生にも申し上げたとおりの立場に立っているわけであります。
#141
○高橋紀世子君 戦争をした理由に、イラクが大量生物化学兵器を持っていて、それをなくさないからというふうにおっしゃいましたけれども、でもほかの国も武器をたくさん持っているじゃないですか。アメリカだって原爆を持っているし、私はそれはイラクだけ、イラクがいいとは思いませんけれども、イラクだけではないと思います。そして、それがこぞって戦争に行きまして、殺しているのは何でもないほかの市民です。そして、死んでいっているのはアメリカ、イギリスの兵隊さんです。こういうふうな悲劇的なことが今人類の力でどうにもできないのは本当に悲しいし、環境を破壊する事実でも私はあると思います。
 もう一度御意見を伺いたいと思います。
#142
○国務大臣(鈴木俊一君) 繰り返しになりまして恐縮でございますが、先ほど来、また先日もお答えを申し上げたとおりでございますが、今回、総理が米国の立場を支持する旨を表明されましたことは、アメリカ大統領の重大な決断が、国際協調を目指して様々な努力を今まで図ってきた上での真にやむを得ない苦渋の決断であったとの認識に基づくものであります。
 私といたしましても、総理と同じ意見であることは変わりはございません。
#143
○高橋紀世子君 もうあれですけれども、どう考えてもイラクに対してのアメリカの攻撃は、イラクが大量兵器を持っているかもしれませんけれども、でもアメリカに爆弾を受けて、進めたわけではないんですよね。そのことに対してそこで攻撃していくというのは、どう考えても私は納得、本当に悲しく思っています。
 それでは、もう一回、意見を伺って終わりにしたいと思います。
#144
○国務大臣(鈴木俊一君) やはり平和裏に解決されるということが一番望ましいことであったわけでありまして、こういう事態に至ったということは、正直、誠に残念に思っております。
 しかし、先ほど来申し上げているような経緯の中、そして、今、日本の北東アジアに置かれている立場の中で日本の国益をどう守っていくのかという中におきましては、今回、政府が取ったこの立場ということが、これが私は真に国益にかなったものであると、そういうふうに考えております。
#145
○高橋紀世子君 じゃ、もう本当に一言。
 国際紛争を武力で解決しないというのは憲法に書いてあることですけれども、この言葉ほど理想的であり、これから永久に私たちが掲げていかなきゃいけない人類の理想だと思っております。
 ですから、今度のイラクの戦争は私は大変残念に思っております。
#146
○委員長(海野徹君) 以上をもちまして、平成十五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総務省所管のうち公害等調整委員会及び環境省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#147
○委員長(海野徹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 次回は明二十七日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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