くにさくロゴ
2003/06/04 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 環境委員会 第13号
姉妹サイト
 
2003/06/04 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 環境委員会 第13号

#1
第156回国会 環境委員会 第13号
平成十五年六月四日(水曜日)
   午後一時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月三日
    辞任         補欠選任
     高嶋 良充君     藁科 滿治君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         海野  徹君
    理 事
                大島 慶久君
                清水嘉与子君
                段本 幸男君
                小川 勝也君
                高橋紀世子君
    委 員
                小泉 顕雄君
                山東 昭子君
                真鍋 賢二君
                山下 英利君
                小林  元君
            ツルネン マルテイ君
                福山 哲郎君
                藁科 滿治君
                加藤 修一君
                弘友 和夫君
                福本 潤一君
                岩佐 恵美君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大場 敏彦君
   参考人
       社団法人日本経
       済団体連合会環
       境安全委員会廃
       棄物・リサイク
       ル部会長     庄子 幹雄君
       廃棄物処分場問
       題全国ネットワ
       ーク事務局長   大橋 光雄君
       慶應義塾大学経
       済学部長     細田 衛士君
       上智大学法学部
       教授       北村 喜宣君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関す
 る特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)
○廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(海野徹君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、高嶋良充君が委員を辞任され、その補欠として藁科滿治君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(海野徹君) 特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法案及び廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、参考人から意見を聴取いたします。
 本日は、両案の審査のため、参考人として社団法人日本経済団体連合会環境安全委員会廃棄物・リサイクル部会長庄子幹雄君、廃棄物処分場問題全国ネットワーク事務局長大橋光雄君、慶應義塾大学経済学部長細田衛士君及び上智大学法学部教授北村喜宣君の四名の方に御出席をいただいております。
 この際、参考人の皆様に一言ごあいさつ申し上げます。
 皆様には、大変御多用のところ本委員会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。参考人の皆様には忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 本日の会議の進め方でございますが、まず、庄子参考人、大橋参考人、細田参考人、北村参考人の順序でお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、御発言は、意見、質疑及び答弁とも着席のままで結構でございます。
 それでは、まず庄子参考人にお願いいたします。庄子参考人。
#4
○参考人(庄子幹雄君) 最初だけ立ってごあいさつさせていただきたいと思います。
 日本経団連の廃棄物・リサイクル部会長を一九九七年の七月から、当時、東芝の社長でございました西室社長さんの後を継ぎまして務めております。仕事は、伏せておきましてもお分かりいただけると思いますので申し上げます。鹿島建設の副社長をしております庄子と申します。本日はこの参議院の環境委員会にお招きいただきまして、産業界の考え方をお聞き取りいただけるということで、こういうような機会をお与えいただきましてありがとうございました。
 それでは、座ったままでお話しさせていただきたいと思います。
 現在、参議院では、特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法案と廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案を御審議中とお聞きしております。このいずれの法案も、企業、国民双方から見て極めて緊急性の高い重要法案であると思います。既に衆議院は、五月二十七日に、お伺いしますと全会一致で可決されておるそうでございますが、参議院でも十分な御審議をいただいた上で、通常国会の会期内に全会一致で両法案を成立させていただきたいというふうに考えております。
 特定産業廃棄物に起因する支障の除去の問題は、産業廃棄物の不法投棄に係る重要問題と産業界は深刻に受け止めております。現実には、この不法投棄が日本じゅうのあちこちに起こるために、産業廃棄物の最終処分場の建設もリサイクル施設の建設も思うようには進んでおりません。不法投棄の存在が住民にごみアレルギーを引き起こし、すべての処理施設の建設に住民の同意が求められ、ごみの流入規制をもたらしています。
 ですから、すべてのごみ問題の解決には、まず不法投棄を根絶し、原状を回復し、住民の不信感を取り除かなくてはなりません。一部の心ない人が行う不法投棄の被害者は、地域の住民ばかりでなく、適正に活動している企業でも残念ながらございます。多くの企業は、循環型社会形成のため、真剣にごみの減量化、再資源化や製品の再使用に取り組み、最終処分されるごみの量を最小化するように努力しております。しかし、こうした企業の真剣な努力にもかかわらず、心ない一件の不法投棄事例がございますと、すべて水泡に帰します。産業界は、国、自治体、警察が協力して徹底的な不法投棄対策を講ずることをむしろお願いしている状況にございます。
 廃棄物処理法は平成九年度、平成十二年度と改正され、排出事業者責任が強化され、併せて罰則も他に例を見ないほど強化されてまいりました。マニフェストという管理票も厳格に管理されることを要求されておりまして、違反すれば、排出事業者には大変な責任が掛かるというような仕組みになってございます。このためのコスト負担も実は正直申し上げますと大変なものでございますけれども、産業界は、規制強化で不法投棄が減少し、結果として企業への信頼感が増大することを当然のことながら期待して、この規制強化に賛成してきたのでございます。
 制度的には、不法投棄対策は最終段階に来ておると認識しておりまして、今回の二つの法律案の改正がその仕上げになるといいますか、その第一歩、仕上げのうちのさらに第一歩になるのではないかというふうに思います。我々はこれに大いに期待しているところでございます。
 産業界は、規制強化に賛成するだけでなく、積極的に不法投棄の原状回復にも協力してきております。平成九年の法改正を受けまして、産業界と環境省が一年以上話し合って、都道府県に資金協力する基金制度を発足させてもおります。この基金は、平成十年六月以降の不法投棄事例で、投棄者が見付からなかったり、見付かっても資力がなくて原状回復ができない場合、投棄者に代わって都道府県が行う不法投棄の原状回復事業に必要な資金の四分の三を支援しようというものでございます。
 これは、私が日本経団連のこの廃棄物・リサイクル部会長の役を引き受けました平成九年、それから一年後に、ほぼ一年後にこういうことを決めたわけでございますけれども、その間に厚生省、環境庁、その方々に大変御指導いただきました。ありがとうございます。
 この基金には、経団連が中心になりまして、毎年四億円という資金拠出を行いまして、これによって、伺いますと、既に十件以上のものに対しまして実績が上がっているということでございます。これを受けられました自治体からも、産業界、協力してくれたということについては評価も大変大きくいただいております。
 幸い、このような規制強化ということも進めていただいているおかげでありまして、不法投棄の事例が減少しつつございまして、最初四億円でございましたけれども、現状ではそれでもう十分に対応できるというような体制になってきているようでございますので、この四分の三という額も縮小する傾向にあるのではなかろうかと思われます。これもどのような形でそうするかにつきましては、以後環境省と十分に打ち合わせていきたいというふうに思っております。
 また、平成十年の六月以前の不法投棄事例、これもございます。しかし、これは基金とは別に、国庫が都道府県を三分の一補助するという仕組みでスタートさせております。
 不法投棄を根絶するには、自治体が警察と協力して原因者を徹底的に追及し、犯人に責任を取らせるのが原則でございます。また、未然防止に真剣に取り組む必要もございます。しかし、犯人が見付からないとか見付かっても資力がない場合は、自治体が進んで原状回復を講じない限り、住民の懸念は払拭されません。
 そこで産業界は、個々の案件に一つ一つ責任を取っていくべきかどうかは別としまして、と申しますのは、私自身も三十数か所、平成九年から十年にかけて不法投棄の現場を調査いたしましたけれども、必ずしも、必ずしもというか、日本経団連に参加している団体、企業というところのものからの不法投棄というものがなかなか見受けられない。しかし、産業界は社会全体に対しての責任というのはあるだろうということで、この基金に資金協力すべきであろうということで、日本経団連に入ってございます団体、企業、すべての賛意を受けまして、出捐金という形で協力させていただいているのが現状でございます。
 今回の特別措置法案にありますように、平成九年法改正以前の不法投棄事例につきましては、地域住民の不安を一刻も早く取り除くために、国と自治体が協力して支障の除去の実施計画を策定し実施していくこと、及びそのための資金を国と自治体で手当てする考え方には産業界として賛成でございます。
 産業界にもこれにつきましても資金負担を求めようとする考えもあるかもしれませんけれども、我々としましては、平成十年六月以降の事例については、行政が不法投棄の取締りを強化することを条件に社会貢献の立場から協力してきたという経緯もございまして、未然防止対策が不十分だったといいますか、前の案件に対してまで産業界に資金協力を求める考え方には賛成できません。しかし、不法投棄はそれに関与した人がすべての責任を負う問題であります。平成九年改正法以前の事例であっても、企業に明確な法律違反がある場合は厳しく対応することはこれはやむを得ないと考えております。
 繰り返しになりますが、不法投棄は犯人の徹底追及と未然防止が大原則になることを重ねて申し上げたいと存じます。
 また、今回の廃棄物処理法の改正案にも不法投棄の関連で大変重要な条文が含まれております。ただいま申し上げました不適正処理の防止の観点からいいますと、第二十五、二十六条の未遂罪の新設や、第十八、十九条の廃棄物の疑いのある物についての地方公共団体の行政調査権限の強化、これは是非実現していただきたい条項でございます。また、第二十四条の三の生活環境保全上特に必要がある場合は環境大臣が行政調査権限を有するとの規定も大事でございます。
 今回の法改正は、不法投棄防止対策を制度的に仕上げる重要法案であり、是非実効のあるものになるように国会でもその運用を監視していただきたいというふうに考えております。
 真の循環型社会は、不法投棄の根絶、そしてリサイクルの完璧な推進によって作り上げられるものでございます。産業界は、たとえ無価であっても資源として有効なものは循環させるべきと考えております。現在の廃棄物処理法が無価のもの、逆有償のものはすべてごみと定義して厳しい規制を要求していることはいささか時代後れではないかと感じております。企業に厳しい管理と説明責任を課した上で、そしてそれを完全に履行しているのが明らかであるならば、ごみであっても規制はできるだけ緩和して、リサイクルしやすくするのがあるべき姿ではないかというふうに考えてございます。
 この点の取扱いは廃棄物処理法の哲学にかかわる問題でもあり、引き続き、ごみとは何か、循環型社会形成のため我々は何をなすべきかを政府と精力的に議論していきたいと考えております。
 産業界は、何でも規制は緩和しろと言っているわけではございません。特にごみのような問題は、必要な規制強化と規制緩和を組み合わせて、日本全体が循環型の最高効率の社会になるようにしていく必要がございます。二十世紀に普及しました大量生産、大量消費、大量廃棄、その考え方を転換して、最も資源効率の高い世界に誇れる国を作りまして、環境に優しいと同時に、環境を日本の競争力に転化していく努力が求められていると思います。
 今回の廃棄物処理法の改正では、第九条の九、第十五条の四の三の広域的処理にかかわる特例と、第十五条の二の四、産業廃棄物処理施設の設置者にかかわる一般廃棄物処理施設の設置についての特例が重要であります。
 例えば、パソコンのリサイクルが間もなく実施に移されますが、県をまたいで廃棄されたパソコンが効率よく集められなくてはリサイクルが進みません。また、これまでは同一性状であっても家庭から排出されたものと事業所から排出されたものは一緒に扱うことができませんでした。今回の改正では、こうした非合理的な部分を改正して、同一性状のものは産廃施設の許可を持っていれば一般施設の許可は不要とすることができます。こうした点は細かな改正のように思われますが、事業者への影響は大変大きく、今回の法改正が強く望まれているゆえんでもございました。
 このように、現在、政府、環境省が進められておりますこの二法案につきましては、産業界といたしましては大賛成でございます。是非とも早く法制化ということでお願いしたいと思います。
 以上でございます。
#5
○委員長(海野徹君) ありがとうございました。
 次に、大橋参考人にお願いいたします。大橋参考人。
#6
○参考人(大橋光雄君) 座ったままでやらせていただきます。
 私は、本委員会が廃棄物問題の住民運動に携わる者に意見陳述の機会を与えてくださいましたことを喜び、心から感謝申し上げる次第であります。
 さて、今審議されております二つの法案は、いずれも大変重要な意味合いを持っているものと私は考えます。同時に、様々な問題点を抱えているようにも思うのであります。私は、それらの主要な点に限って住民運動の立場から率直な意見を申し上げたいと存じます。
 時間がないので少し早口になって失礼しますが、お許しください。
 まず初めに、特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法案について申し上げます。
 まず、第一の問題点は、法案の対象となる不法投棄産業廃棄物の実態把握への疑問についてであります。
 この法案は平成十三年六月の全国実態調査が前提となっております。しかし、これは調査対象をかなり限定しておりますため、実質的には調査漏れが物すごく多いと考えられるのであります。古いものほどその可能性が高いのではないでしょうか。私たちの全国における長年の見聞からしますと、法案の対象となるべき不適正廃棄物の数量は、この環境省の調査結果よりはるかに大量であろうと考えます。
 そこで、せっかくの機会でございますので、全国各地のすさまじい産廃の状況を、時間の関係からごく一部ではありますが、画像でごらんいただこうと思います。(OHP映写)
 大変時間のない中ですので、ぱっぱぱっぱとやってしまいますが、お許しください。
 これは奈良県西吉野村の産廃富士と言われているものです。カキ畑の中の谷間にこういうふうな山が違法に積み上げられて、今もでんと座ったままになっています。
 次は、下田、有名な下田の隣の蓮台寺温泉の裏山のきれいな山と谷をむちゃくちゃな埋め方でやり、かつ物すごい煙を吐き出して焼却をやっておったわけですが、これは許可の何倍も投棄しているというようなことから停止を食って、許可量以上の撤去を求められていてもほんのわずかしか撤去しないということで、この前、下田の市役所にも尋ねましたところ、いまだにまだどうにもならぬという話ですが。
 次に、滋賀県の栗東市というところがあります、この前までは栗東町と言っておったんですが。これなんかもひどいんですが、住宅地の真ん中というか、すぐ隣に、これちょっと画像が見にくいと思いますが、ちょっと上のを下げてください。この左手に家があるんです。ちょっとこれ、機械が何か映りが悪いんで。こうやって住宅が一杯並んでいる。そして、このごみの山が目の前に襲い掛かっているんですが、何年か前に硫化水素の高い数値が噴き出て住民は非常に不安におののいて、いまだに解決のめどは立っておりません。
 続いて、これは純然たる不法投棄で事件にもなっておりますけれども、山梨県の須玉町というところでございます。山の中かなり入ったところに、谷を埋めたほかにこうやって高く積み上げているという傍若無人な不法投棄現場ですけれども。
 次に、新潟県の新井市というところのすぐそばの休耕田なんですが、こんなふうに突然、田んぼ、畑の中へごみの山ができるという状況があります。
 下の方は千葉県の木更津市で、これもいまだに片付いておりませんけれども、物すごい。私どもは産廃の万里の長城などとあだ名を付けたりしておりますけれども、ナシ畑の中にあります。
 次は、横浜の市街地、これは具体的に言うと戸塚なんですけれども、ちょっと見えにくいでしょう。左手三分の二ぐらいが山で、右は横浜新道が下の方を走っていますけれども、これも許可以上のものを積み上げてしまって、是正措置を命じられて少しはやったんですが、何しろ会社がなぜか倒産というような形になって、これもどうしたらいいのかめどが付いていないという実情です。
 それから、こういう妙なものも、妙というか非常に実にひどいものがあるんですけれども、これはお墓、つくば市なんですけれども、お墓のすぐ隣にこういう鉄板塀を立てて、これだけのお墓へ降り掛かってくるようなごみを積み上げております。
 次に、ちょっと急ぎますが、福島県と茨城県の境に近いところの許可済みの処分場なんですけれども、かなり広い安定型処分場ですけれども、ここ上を歩いてみると注射器が一杯ごろごろ露出しているとか、おまけに薬瓶などがあって、安定型処分場はガラスとかプラスチックは埋めていいことになっているので、それだけを言えば必ずしも心配ないのかということなんですが、薬の残りが入っているとかいろんな不安な状況があります。
 次は、岐阜県の多治見市というところで、これは割と有力業者の処分場で見たところ非常にきれいに整然となっておりますが、右側の裏手へ回って右側の排水路を見るとこんなに真っ赤っかの水が毎日流れているという。大手業者だからということがどうなるのか。
 次に、これは産廃銀座と言われて久しくなりますけれども、栃木県の那須町、那須岳のふもとの方の非常に良好な別荘分譲地だったんですけれども、バブルがはじけてどんどん切り売りがされた結果、ミニ処分場がもう何十と、八十幾つできちゃっているんですけれども、その安定型の一つからわきに流れている川にこんな真っ赤な水が流れて、非常に清流の魚がたくさんいたところはもう全部死滅して、生き物は二度と帰ってこないと。
 次はタイヤなんですけれども、これは皆さんもごらんになったと思いますが、日本全国至るところにタイヤの山があるんですね。リサイクル率が高いと言いながら、なぜこんなに膨大な量のタイヤが、これは畑の真っただ中に、地元の人の言う話によると百万本近いというようなことも言って、私どもが全国で見て歩いた中では量だけでいうとここが一番すごいですね。
 その次のもタイヤですけれども、これは大きな事故を起こしておりまして、これは上が岐阜県美濃市の山の中で、タイヤをリサイクルするという看板を出してやっていたんですが、ビニールくずとタイヤを一緒くたに山合いへ一杯詰め込みまして、約四十万本、大火災を起こして四日半ぐらい鎮火に掛かったというような。
 下の方は佐賀県の唐津市で、これは草っぱらの中にあるんですけれども、近隣の住宅の人たちは大変蚊とハエでもう悩んでいると、こんなようなことです。
 最後に、栃木県の佐野市なんですけれども、これは新聞で報道され続けたものですけれども、こうやって畑、田んぼの中にこの業者は四か所も、そして山の中にもう一か所タイヤの山を作って、これリサイクルするために置いてあるんだといって家の前に十本ぐらい、幾ら幾ら、一本幾らというようなことを並べて、四か所五か所を合わせると八十万本ぐらい持っている。八十万本売ると言っているんですけれども。
 そんなことで、画像はこれで終わりますけれども、映し切れないたくさんのものがこうやっていろんな形でございます。
 以上、ざっと見ていただきましたが、こんな調子で日本全国にはよく分からないほどの産廃の山や谷とかくぼ地を埋め尽くした場所が至るところにあるんだということを御想像いただきたいと思います。
 私は、環境省の今までの実態調査はそれはそれとして、早急にもっと徹底した調査を改めて行ってほしいと思うものであります。忘れられたような産廃の捨て場でも、だから問題はないということにはなりません。むしろ忘れられた産廃捨て場の方がリスクは大きいかもしれません。
 ところで、不適正産廃を問題にする場合、いわゆる不法投棄のような、とかく表面的な違法行為の有無により判断されがちなのですが、実は許可済みの処分場、先ほど見ていただいたようなものも含めて、これも比較的規模の大きい処分場などでも往々にして不適正な処理、処分を行っているケースが少なくありません。
 こういうケースの場合、環境への悪影響は大きいのに発見されにくいという問題があります。これにつきましては、市町村がやっている一般廃棄物の処分場の問題点についても言えるのであります。法的な基準を満たしていない処分場、規制以前の既得権のある処分場、埋め終わって不問に付されている処分場等々、産廃、一廃ともに隠れた不適正事例は多いと考えなければなりません。
 もう一つの問題は、安定型処分場で設置許可が要らなかった時代のものや、いわゆる自社処分場というようなものの実態についてであります。
 今回の環境省の不適正産廃の実態調査では、ほとんど以上のようなケースが挙がってきていないだろうと思います。私は、産廃による支障の除去をするための法律を作るなら、以上のような問題をも包含した実態調査の仕組みを整えて、徹底した取組をするべきであろうと考えるものであります。
 時間がありませんので、少し飛ばさせていただいて、廃棄物の処理及び清掃に関する一部改正案についての意見を申し上げます。
 初めに、この法案に入るはずであったのに除外された、いわゆる拡大生産者責任に関する制度の問題であります。
 この制度は、主に一般廃棄物にかかわるものとして考えられているものですが、これが実現することは、理念の上からも、これがもたらす実体経済の動きの点からも、産業廃棄物の分野においても共通した仕組みとして広がることが期待されるものではないかと考えます。それだけに一層重要な画期的な制度でありまして、私たち全国の住民団体の大きな希望でもあったわけであります。
 もちろん、中央環境審議会の提言は、適正処理困難な幾つかの製品を想定した極めて限定的な拡大生産者責任ということではありましたが、少なくとも廃棄物処理法の中にこれが入り、貴重な風穴が開けられる可能性に期待をしていたのであります。
 例えば、容器包装リサイクル法や家電リサイクル法が本来ならトータルで環境負荷や環境コストを低減させるべきところを、現行法ではむしろ逆の事態さえ引き起こしていると言われておりますが、こうした問題を打破する流れを作る意味でも、廃棄物処理法に拡大生産者責任制度が導入されることは大きな力になったはずです。
 しかしながら、産業界の反対でこれが改正案に入らなかったことは実に腹立たしい限りであります。私は、政府がいまだに産業界に対して指導力を発揮できず、止めどない地球環境の悪化に歯止めが掛けられない弱さの一端がまたしても現われたなと、情けなく感じております。今後、速やかに、より本格的な拡大生産者責任の制度が法制化されることを強く望むものであります。
 産業廃棄物業者等への規制強化の改正事項についてでありますが、今回、改正の規制強化の各事項はおおむね妥当なものかと思いますが、いまだ決定的に不十分なことは、実質的な規制のほとんどが廃棄物業者に掛かっていて排出事業者への規制や義務付けが弱いということであります。
 廃棄物の総排出量はこの十数年ほぼ四億五千万トン前後という大変膨大なものでございます。環境省資料を見れば簡単に分かることですが、平成十二年度の総排出量四億六千万トンのうち、産業廃棄物と事業系一廃を合計した四億二千四百万トンは実に九二・二%を占めております。生活系の廃棄物の量はわずか七・八%にすぎません。これ一つを考えましても、排出事業者の社会的責任、とりわけ環境負荷の低減に関する責任は重大なものがあるわけであります。
 私は、このような観点と、もう一つ廃棄物処理法の実効性を飛躍的に高める決め手になるはずだと考え、排出事業者に廃棄物業者との連帯責任を負わせる仕組みを取り入れるべきだと考えるものです。豊島や青森、岩手のように重大な結果が出てしまってから現行法に定める程度の排出事業者責任を追及しようとしても後の祭りで、責任追及の大部分は徒労に帰してしまうのであります。今、青森、岩手両県が一万数百社の排出事業者のリストの中で正に七転八倒を続けておられることは御承知のとおりであります。
 最大限確実性の高い未然防止策は、排出事業者の結果責任負担であります。今朝、NHKテレビで大手の排出事業者が委託先産廃業者の処理状況を常時監視することを始めた様子を特集として放映していました。
 以上、大変駆け足で私の意見を申し上げましたが、最後のところは全国各地の廃棄物問題で苦しむ多くの人たちの切なる念願でもあることを付け加えさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#7
○委員長(海野徹君) ありがとうございました。
 次に、細田参考人にお願いいたします。細田参考人。
#8
○参考人(細田衛士君) 今日はこの貴重な時間をちょうだいし、ありがとうございました。
 それでは、私、経済学者、環境経済学の専門家ということで、その立場から今回の法改正について、そして残された課題について私の意見を述べさせていただきます。
 今回の法改正、廃棄物処理法の改正及び特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法案のこの考え方は基本的に支持いたします。
 循環型社会を形成するための必要条件として、廃棄物処理法の改正、今回のような改正は最低限のものだと思っております。そして、過去の負の遺産を一掃して、先ほど大橋参考人の御意見にございましたように、不法投棄で最も環境負荷の影響を受けるのは地域住民でございますので、この負の遺産を一掃する、一掃はなかなか難しいんですけれども、手を付けるということは基本的に重要なことと思います。その意味で、廃掃法の改正及びこの新しい法案を作ることに関しては支持いたします。
 しかしながら、一方で大きな課題が残されていると思っております。その意味で私は、まず次の私の意見では、現状の認識とそれに伴う今回の法改正の要点、そして残された課題という順番で意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、現在の二十一世紀の経済というのは非常に二十世紀とは変わってきています。もちろん大量生産、大量消費、大量廃棄という、これを変えなければいけないんですけれども、基本的に私たちの排出する、生産されたもの、それが使用済みになったものというものは極めて複雑、ハイテク、極めて知識集約的に生産されたものです。それを今まで、私はこれを作る方を動脈経済、それを集めてリサイクルし、どうしてもリサイクルできないものは最終処分場になるべく少なくして適正処理の形で埋め立てる、これを静脈経済と言っております。
 日本経済は、これまで動脈経済のことばかりを考えてきて、静脈側には一切手を付けてこなかったと言っても言い過ぎではございません。このような状態ですと、最終処分場は確実に枯渇してまいります。ここはどことは申しませんが、ある地域の最近の、私、最終処分場のデータをいただきましたが、思ったよりも最終処分場は満杯状態、しかもまだ廃棄物を受け入れられる処分場でさえ受入れ規制をしています。つまり、この廃棄物は受け入れられません、こういう容積の少ないものなら受け入れられます、こういうものは受け入れられません、最終処分場は大変強うございます、立場が。
 そうすると、それでは受け入れられなかった処分すべきものはどこに行くのかという問題が残ります。これは、不法投棄、不適正処理、そして一部、これは是非皆さん、意見をこれから重ねていかなければならぬのですが、海外に流出しております。特にプリント基板、それから有害物質を含んだもの等々が、Eウエースト、これEというのはエレクトロニック・アンド・エレクトリカル、つまり廃電子機器、廃電気機器、これが海外に参っております。こういう形で廃棄物の処理が行われている。こういうことに対応するためには、やはり静脈経済をきっちり育てなければいけない。作ったら作りっ放し、それを適当に処理しているという日本経済のやり方は、明らかに二十一世紀にはもうこれは動きません。
 そういう意味で、私は本来、廃棄物処理法を抜本的に改正することが望ましいと思っておりましたが、様々な条件があって、それが今回はかなわなかったようでございますが、最低限のことはある程度したのではないかと思っております。
 そこで、認識を少し述べさせていただきたいと思いますが、様々な法律、循環型社会形成推進基本法を始めとして個別リサイクル法ができましたけれども、現況を見ておりますと、一般廃棄物五千万トン、産業廃棄物四億トンという数字はおおむね変わっておりません。確かに最終処分量は、大手企業を中心として、例えばこの五年間に三分の一最終処分を小さくしたという経団連傘下の三十二業種の努力もございますが、それは確かに大きな努力ではございますが、日本経済全体として見ると、まだまだ発生抑制が進んでいません。特に、これから大変になってきますのは、体力的に衰えた動脈の日本経済が、特に中小企業の業者が処分費用をたくさん払わなければならなくなったときに、これは大変困った事態に立ち入ります。そういうことを配慮した場合に、私たちは静脈経済をより深く考えていかなければなりません。
 今後、私たちはより一層、出てきたものを処理するのではなくて、廃棄物が出ないようにする、つまり三Rのうちのリデュース、製品の長寿命化、あるいはだれか一人が使わなくなってもそれを使い回すという製品のリユースあるいはパーツのリユースということを進めなければいけませんが、これが様々な理由によって今阻害されております。
 さらに、もっと求めなければならないことは、生産者が捨てることのことを考えないで作るというやり方を改めなければいけません。つまり、発生抑制ということで環境配慮設計、デザイン・フォー・エンバイロメントということが今世界各国で始まっておりますが、日本ではまだまだこれが弱うございます。こういうことをしないうちに、つまり発生抑制がかなわないうちに最終処分場だけが逼迫してくる。そして、規制が強まってくるとどうなるかといいますと、いい業者は一生懸命高いコストを払ってまじめな処分をするけれども、そうではない業者は不適正処理をする、あるいは不法投棄をする、あるいは海外にごみを付け回すということが起こってまいります。こういう状況は是非とも避けなければなりません。
 そこで、今回の廃棄物処理法の改正に対して少しポイントを述べさせていただきたいと思いますが、問題となるのは廃棄物の定義でございます。今回はこの定義の問題は従来どおりということで総合判断説を踏襲することになりました。しかし、ここに大変難しい問題がございます。
 というのは、企業の責任において例えば発生抑制やあるいはリユース、リサイクルを進めさせようと思った場合に、初めから廃棄物だということで定義されてしまいますと、例えば産業廃棄物の場合は各都道府県及び保健所設置市、一般廃棄物の場合は三千三百の市町村によってそれぞれ対応が異なっております。まじめな企業が、じゃ自分のところでこれをリユース、リサイクルしようと思っても、初めから廃棄物というレッテルを押されてしまいますと、廃棄物の動きが非常に厳格にブロックされてしまいます。そうすると、本来ならば資源として再利用されたものが再利用されないという方向にもなってしまいます。
 じゃ、一方で廃棄物の定義を甘くすればいいのかというと、今度は逆の事態が生じてきます。これは、いや廃棄物ではありません、先ほどのタイヤの例がありまして、これは有価物なんです、リサイクル品なんですということで、ずるずると廃棄物をリサイクル品だと偽って不法投棄、不適正処理、不法輸出、これも途上国に輸出されるケースがございます。この間も茨城県沖で発見された船の中には廃タイヤが入っておりました。
 そういうことがございますので、この廃棄物の定義問題は、より知恵を出して新しい方向で何とか考えなければなりません。これは後で私の考え方を述べさせていただきます。
 もう一つ大きな問題は、一般廃棄物と産業廃棄物の区分の問題でございます。
 先ほどパソコンの例が出ました。企業から出たパソコンは産業廃棄物、一般家庭から出たパソコンはこれは一般廃棄物ということで別々のルート。しかも、これが業の許可、施設の許可と厳格に今の場合というのは結び付いております。そうすると、同じように処理すればより良いリサイクルができたものをわざわざルートを分けて処理しています。そうすると、よりコストを掛けて、リサイクルができないところでリサイクルしているというケースもあります。
 例えば、今、年間これから一万件は出てくると言われているFRP、これは繊維強化プラスチックでできた小型船舶なんですが、今マリンスポーツが盛んになってきております。これはどういう訳か、個人が出すと一般廃棄物ということになります。しかし、五トンもある小型プレジャーボートを市町村のこれを粗大ごみで処理できるわけがございません。これはなるべく産廃ルートに回して、あるいは責任ある、企業の責任あるルートに回してリサイクルしないと、これは一廃としては回せません。すなわち産廃、一廃の区別が現在のようにある限り、これは有効な資源として、幾ら資源循環の社会とはいっても、それは回ることがございません。
 今のことがとても重要になってくるのは、私たちの廃棄物の現在の定義の問題、そして産廃、一廃の区別の問題が厳格な業の許可、施設の許可と結び付いているということでございます。これがあるために産廃、一廃の厳格な許可、産廃の業者がある市町村で一廃の業の許可を取ろうと思っても実質不可能であるということが起こってくる、実質的にできないということが起こっております。こういう状況では廃棄物のリサイクルはできません。
 例えば、不法投棄された自動車、これは定義によって、多くの県では、市町村ではこれは一般廃棄物になってしまいます。しかし、これを一般廃棄物で処理することはできません。これが今大きな問題となっております。災害廃棄物もそうでございますし、医療系廃棄物の場合でも、一般廃棄物の場合、ほとんど一廃として処理することができません。この区別を考えなければなりません。
 今回の廃掃法の改正では、例えばパソコンのような場合ですと、一廃と産廃と同じような性状を持っている場合、配慮規定ができましたので、これは私大変いいことだと思います。しかし、これは例外規定、ある意味では例外規定なのかなという気がいたします。もう少しこれを、基本的に産廃と一廃の区別を考え直すことが将来必要になってくると思います。
 そこで、規制を強めるということが一方で必要なことでございますが、一方で、企業の責任を問うということ、その場合には企業の自由度を認めるということも重要でございます。
 現在、OECDを中心に拡大生産者責任ということが盛んに導入されてまいりました。私も、昨年の十二月、OECDの拡大生産者責任の会議でイギリスと共同議長をさせていただきましたが、そのときも大変な議論が巻き上がりました。企業に責任を課して、排出者責任とともになるべく環境の配慮の行き届いた製品を企業に作っていただき、作りっ放しではなく、なるべく回収までしていただくようなシステムを作るためには、企業にやはり責任を取っていただくことが重要でございます。
 しかし、一方で、企業に責任を取らせるならば、企業に自由度を与えなければなりません。今のやり方で企業に拡大生産者責任をそのまま適用しますと、回収しなさい、でも全国の三千三百の市町村で一廃の場合は許可を取りなさい、業の許可を取りなさい。あるいは産廃の場合ですと、産廃にも私はEPR、拡大生産者責任は適用すべきだと思いますが、全部の県で、都道府県で対応が異なります。一つ一つで取ってきなさいということになると企業にとっては大変な負担が来ます。私は、企業に拡大生産者責任を徹底させることは重要であるとは思っておりますが、一方で裁量を、企業の裁量を認めること、自由度を与えること、これが対になって初めて企業の責任は貫徹すると思っております。
 今回は、広域指定を若干緩め、広域認定ということで、基準を強めるけれども、そういう意味で、少し広域的に廃棄物を動かして、より効率的なリサイクルを進めるということで今回の廃掃法の適用がありますので、そこは大きく支持するわけでございます。
 そしてもう一つ、最後の点、今回の改正についてですけれども、不法投棄に関して、これがどれほど利くかどうかは私は若干疑問を持っております。と申しますのは、出てきたものを処理するというやり方、これは大変限界がございます。もちろん、バーミンガム・サミット以来、警察庁、海上保安庁は、いわゆる司法警察が環境犯罪ということで大変な力を入れてきた、今まで都道府県の職員だけではとても対応し切れなかった怖い事例に対しても、警察、海上保安庁が積極的にコミットしてくれるということで、これは徐々に効果を、利き始めております。
 しかしながら、これを、出てきたものを、先ほどのような画像に大橋参考人が示したような状態になってからというのは大変難しゅうございます。もちろん、負の遺産を処理するということで、今回の特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する法律は作る必要があると思っています。平成十年以降の対応は是非ともしなければなりません。もちろん、それは都道府県の責任もございましょうし、都道府県が責任をきっちり果たしている場合はある程度国のコミットの下で住民の不安を取り去ることは重要でございますので、今回のこの法律は私は賛成でございます。
 さて最後に、将来に向けて、私は残された時間で、二分で述べたいと思いますが、廃棄物の定義の問題、先ほど申しましたが、もう少しこれを抜本的に見直す必要があろうかと思います。
 今の場合、総合判断ということで、もちろんそれは重要なことでございますが、廃棄物の中にもうまく回せば有効な資源となるものはたくさんございます。特に今、静脈経済はどんどんどんどん進展し、企業の側も、動脈の企業の側もいろいろ考えております。大きな企業が静脈経済に入り、また静脈の今までの小さかった企業がどんどんどんどん力を増し、パワーを付けております。そういう企業は連携すれば、私は、今まで廃棄物として処分場に入れていたものがリサイクルされる、あるいは有効な資源として回るということはあると思います。そうした場合に、資源として回るものは廃棄物の範疇に入れずになるべく資源として回すような配慮ということがこれからはますます必要になってくると思います。
 そして、産廃と一廃の区別ですが、今回の、先ほども申し上げましたとおり、例外規定として、同一の性状を持つようなものは配慮をして、届出で一廃、産廃を同じように処理できるような配慮がございますけれども、早晩、産廃と一廃の今のような区別は破綻を来します。
 例えば、高速道路の道路の剪定をした廃棄物、木はこれは一廃でございます。飛行場の剪定ごみも一廃でございますけれども、これは一廃で処理すると大変不適切で、燃やすだけでございます。産廃で処理すればリサイクルできる可能性があります。そういう見直しは抜本的に必要だと思います。
 そして、生産者の責任、拡大生産者責任の導入は私は不可欠だと思います。作りっ放しではなく、環境デザイン、環境配慮の行き届いた生産物を作るということは、これは必要で、全世界でこれから始まります。日本は、そのリーディングカントリーとして私はイニシアチブを発揮するべきだと思います。その場合に、拡大生産者責任が必要ですが、同時に、企業の自由度を強めるような、認めてやるような配慮も必要だと思っています。
 これから静脈経済の進展を是非とも、廃掃法の処理、廃掃法の改正、もっと廃掃法を進化させることによって、この静脈経済を育成していただきたいと思います。
 以上が私の意見でございます。若干余ったようでございますが、これで終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#9
○委員長(海野徹君) ありがとうございました。
 次に、北村参考人にお願いいたします。北村参考人。
#10
○参考人(北村喜宣君) 私は、行政法、環境法という法律を専攻している者でございますので、細田参考人の経済学とは若干異なった面からこの二つの法案に関する意見を述べさせていただきます。
 細田参考人の発言にもございましたとおり、廃棄物処理法は、最近大きな改正でも、一九九一年、九七年、二〇〇〇年というふうになっております。現実を踏まえた方向に、徐々にではありますけれども法システムが変わってきているという印象を持っており、それはそれで結構かと思いますが、いまだ道険しという感も一方で持っております。
 いつになったらこの廃棄物法制が完成するのかというのはだれにも恐らく答えることができないような現状ではなかろうかと思ってはおりますが、そうした中で、今回の二法案、これは私の立場といたしましても是非とも成立を目指していただきたいものでございます。
 しかしながら、その前に、成立の前に、先生方には是非とも御審議いただき、御確認いただきたいことも幾つかございます。その議論の参考に供することができればという形で幾つかの点を指摘させていただきとうございます。
 規制強化、これは重要なのでございますが、現実のところ、規制強化をすればするほど悪質な業者が生き残るという現状もございます。体力のそれほどない、まあまあ普通の業者はもう息切れをしてしまっているという現状も実はございます。これをどう見るか。また、法律は一〇〇%執行することは不可能であるという厳正な現実をどう見るかという点もございます。すなわち、規制強化をすれば、行政が担当するわけですが、行政の方が息切れしているという実態も現場ではございます。住民はそうした行政に不信感を持つわけでございまして、不信感の解消をしようと思ってなされた法改正が逆に不信感を高めてしまうという結果になるという点に留意しなければなりません。
 すなわち、廃棄物処理法制におきましては、廃棄物のリスクだけではなくて、廃棄物行政のリスクについても思いを致すべきだというふうに考えるところでございます。できるはずというものは、現にできるということとは違うわけでございます。その点を踏まえ、建前と実態の両面をにらんだ法案審議というのが必要かと思う次第でございます。
 多くの法律の前提は行政万能論でございます。権限を与えられた行政はその権限が適切に行使できるというように法律はなってございますが、それをどう見るべきか。先ほど大橋参考人がお示しになられました数々の不法投棄事案を考えれば、答えはおのずから明らかであろうかと思います。
 とするならば、必ずしも行政は万能ではないというところから法案審議を始める、行政だけに独占的に実施権限を与えるのではなくて、そのほかの主体にも実施、執行にコミットをしてもらうというような発想が必要であり、それこそが廃棄物行政におけるパートナーシップでありましょうし、共同的な法律作りというものであろうかと思うわけでございます。
 内閣提出法案の場合、政府側においてはなかなかそういうことを正面から考えることは難しいのだというふうにも認識しておるところでございますが、それはこうした審議の場で先生方の方から議論をしていただくというのが有効かと存じます。
 さて、二つの法案につきまして若干私の意見をお手元のレジュメに即しまして述べさせていただきます。
 拡大生産者責任、EPRでございますが、私、個人的にはなるべく廃棄物処理法をこれ以上ややこしくしたくないという思いがございまして、制度設計としては別法で対応したいというように考えるところでございます。
 また、今回の廃棄物処理法一部改正法には、昨今の地方分権に対する配慮も出ているところでございます。これは両方の面からございまして、地方分権推進委員会、地方分権改革推進会議が国の役割の強化をこの分野については求めておるところでございますが、広域的見地から国が調整に入る、あるいは緊急時における環境大臣の事務執行等が認められたのはその反映でございましょう。
 また、自治体への配慮といたしまして、基本方針に関する知事意見聴取義務付けというのも入っているところでございます。
 「行政を縛る!」、これは行政手続の透明化の観点からの対応でございましょう。すなわち、行政にいつまでも判断を猶予すると、行政の判断をいつまでもできるようにするといったことではなくて、事業者の側から物を見てある程度の対応をするというのが七条三項、四項ほか制定されたところでございまして、これは結構なことだと考えております。
 また、取り消す、許可取消しの際の効果裁量の否定というのも規定されました。七条の四第一項等々で「取り消さなければならない。」と規定されているところでございます。裁量がございますとどうしても不透明になり、政治的介入の余地があるというところから、それを排した点は誠に結構であろうかと思います。しかしながら、要件の認定には裁量がいまだ残っておるわけでございまして、この点に関する詳細な規定というのが地方公共団体の側においては望まれるところでございます。
 疑わしきは入れずというようなことがございました。すなわち、廃棄物と分かっていなければ現場には立ち入れないという状況を変え、疑い物への対応を明確にした今回の改正は、地方公共団体にとっては恐らくは役に立つ改正ではなかったかというように考えます。より早期段階での対応を可能にするという点でございます。これにおいては、疑い物の基準というものを自治体が作成する必要がありましょう。恐らく、これは余り厳格に解する必要はないのだというように思っています。緩やかに解して早期に入っていくことが今回の法改正の趣旨にかなうものだというように考えます。
 その点、逆に業者の方は、恐らくはこれは廃棄物ではないと言い張るに決まっておりますから、廃棄物の疑いがある、すなわち行政において入手可能な限りの証拠によって指示された疑い、その程度があれば疑いがあるとして立ち入ることができるというようなことが望ましいのではないかと考えます。
 次のページに参ります。
 未遂罪、先ほどお話がございました。未遂から既遂に何秒あるかというと、一説では五秒という話もございまして、その辺がなかなか難しゅうございます。気持ちとしては、トラックが荷台を上げたのではなくて、穴が空いているところに廃棄物を満載したトラックが着いたその点で何とかしたいわけでございます。そうでないと原状回復が非常に手間取るわけでございます。しかし、これは解釈でございます。私が懸念いたしますのは、現場警察がこれで動けるかということでございまして、その点は、この委員会の中で御審議、どういうふうになれば未遂罪として成立するのか、皆様方の御審議の結果が検察あるいは裁判所をかなりの程度拘束するだろうというように考えるわけでございまして、是非ともこの未遂罪を有効に活用できるような御審議を期待したいところでございます。
 市町村が市町村に命令を出せるのかというのはちょっと今回の法改正とは関係のないテーマでございますので、後で御質問があればお答えしとうございます。
 八、「「はず押し行政」を転換せよ!」、これは先ほど申し上げたところでございます。廃棄物処理行政、昔から、書いてあることはできるはずだということで、はずはずはずで押しておりますので私ははず押し行政というふうに言うわけでございますが、これは、しかしながら、現実とはなかなか違うところがございます。したがいまして、実態を踏まえた対応ということが必要であろうかと思うわけでございます。
 現在、廃棄物処理法の事務の多くは法定受託事務という形で地方公共団体の事務となっております。地方公共団体において、この法律の事務が必ずしも法律だけではうまく使えないとしたときに、自分たちの判断で条例によってプラスアルファの対応をするということも認められてしかるべきだということがございます。条例対応におきましても御審議の中で確認がされることができればと考えております。
 先ほど、廃棄物処理法の事務は法定受託事務が多いというように申しました。これは経緯がございまして、地方分権改革の際にメルクマール八という、そこに書いてございますようなもの、すなわち、制度全体にわたる見直しが近く予定されている事務であるという整理から法定受託事務とされた経緯がございます。
 ところが、現在も法定受託事務なのでございますが、これはいわゆる抜本的改正がされるまでということでございまして、廃棄物処理法の抜本的改正はいつされるのかは存じませんが、当分なさそうな感じがすると、これは永久に法定受託事務になるというおかしな話になっております。中央環境審議会の答申でも、構造改革を成し遂げる当面の間法定受託事務にするのだと言われておりますが、構造改革を成し遂げるというのは、これは法律の執行の話でございまして、ちょっと法定受託事務の存置の理由とはならないというふうに私は思っております。自治事務にすべきかどうかというのは議論がございますが、この点、いかなる意味で現在法定受託事務であるのかということも御確認いただければと思うところでございます。
 一説によると、現在ではメルクマール八ではなくて、次のページに書いてございますメルクマール四の二、すなわち、公衆衛生上、重大な影響を及ぼすおそれのある医薬品等の全国的な流通の取締りに関する事務であるから廃棄物処理法の事務は法定受託事務なのだというような解釈が政府部内であるようにも聞いておりますが、これは重大なルールの勝手な変更であるわけでございます。
 「そのほかにも……」、先ほどの定義問題、マニフェストの電子化、自社処理対応、水源地保護の問題等々、あるいは条例対応というようなものがありますが、項目だけ挙げさせていただきます。
 最後、残りの時間を使いまして、特定産業廃棄物特別措置法案に移ります。
 「議会軽視?」といささかセンセーショナルなタイトルを付けておりますが、ここでは実施計画に対する同意というのが非常に重要でございます。ところが、同意基準というのが全く文章の中に書いておらないわけでございます。これは非常に重要なものでございまして、なぜ法律案の中にこういうものが入っていないんだろうかというのは疑問でございます。一部改正、修正案でなければ、恐らくは審議の過程で明確にどういう基準で同意を考えているのかということが明らかにされるべきであろうと考えるわけでございます。
 その際、私の提案といたしましては、きちんと検証して、廃棄物、産廃行政における効果的な再発防止策を提示した自治体には補助率を上げるというようにすべきだと考えております。そうでないと、適当に調べてやっておけばそれなりのお金が来るというのではモラルハザードを引き起こしますし、インセンティブにも欠けるというわけでございます。この措置は過去の産廃対応だけではありません。将来の産廃行政の改善に努める法案でもあるという御認識をお持ちいただいて御審議をしていただければというように思っておるわけでございます。
 私自身は、実施計画の策定に当たって、自治体としては法律では四条四項で環境審議会への諮問を義務付けておりますが、それは最低限でございまして、あとはパブリックコメントをしたりすることが求められると思います。これはもちろん自治体の自由でございまして、国がどうこう言える筋ではございませんが、なぜそう考えるかと申しますと、国費を使う以上は、知事さんが、住民だけではなくて国民全体に対して、我々はこうしているのだということを説明する責任が発生いたします。また、地方債起債をするからには当然県民に対する責任も発生するわけでございまして、そうした手続は十分に取られることが最低限必要であろうと思うからでございます。
 最後、二分程度になりました。聞くところによりますと、先生方はあした岩手県、青森県の不法投棄現場に行って御視察をなさるというように聞いております。私は昨年の十月から今年の三月まで岩手県県境廃棄物不法投棄事案検証委員会の委員を拝命いたしまして検証作業に従事しておりました。そこで感じたことを若干申し述べさせていただいて、終わりにいたしたいと思います。
 岩手県庁は非常に協力的に私どもの委員会に対応してくださいまして、随分多くのことを知ることができました。そこにおいては、まず法の建前、現場の現実、このギャップでございました。すなわち、法律には適切な権限行使ができるはずなのでございますが、それを保障するといいますか仕組みというのが内部的にも外部的にも欠如しているという現実でございます。これに対しましては、行政対応の情報を公開するとか、あるいは住民の措置請求権というのを制度化するといったことが求められるように思われます。また、不法投棄の現実を一番よく知っておるのは不法投棄のダンプの運転手でありますから、この内部告発者保護制度というのも検討には値するのではないかと考えるわけでございます。また、法律の仕組みでは不十分だから条例で補完するということも必要でございましょう。
 最後に、警察との関係を若干述べさせていただきます。
 警察の内偵捜査が入ったら行政対応が控えられてしまうという現実がございます。これが不法投棄の山を更に大きくするという点がございまして、これは恐らくは環境省と警察庁の間で調整がされるべき問題ではないかというような印象を強く持った次第でございます。
 以上、終わらせていただきます。
#11
○委員長(海野徹君) ありがとうございました。
 以上で参考人の皆様からの意見聴取は終わりました。
 それでは、これより参考人に対する質疑に入ります。
 なお、各参考人にお願い申し上げます。
 御答弁の際は、委員長の指名を受けてから御発言いただくようお願いいたします。また、時間が限られておりますので、できるだけ簡潔におまとめ願います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#12
○小泉顕雄君 自由民主党の小泉と申します。
 今日は、参考人の先生方には、大変お忙しい中お出ましをいただきまして、それぞれのお立場で大変貴重な御意見をお聞かせをいただきまして、本当にありがとうございます。参考人の皆様方には、それぞれのお立場で廃棄物処理の問題に非常に活発なお取組をいただいておりますことに改めて深い敬意を表したいというふうに思います。
 私も、あしたは青森、岩手の県境の方に視察に出掛けさせていただくわけですけれども、先ほど来、非常に生々しい事例を御紹介いただいて、あるいは海外への不法輸出というようなお話も聞かせていただきまして、改めてこの問題の深刻さを痛感をいたしました。ただ、多くの質問をさせていただきたいわけでありますけれども、大変時間が限られておりますので、若干の事項につきまして質問をさせていただきたいというふうに思います。
 最初に、細田参考人と北村参考人にお尋ねをさせていただこうかと思うんですが、ただいまの御意見の中である程度お話をいただいたことになりまして、繰り返しお述べいただくことになる点もあるかと思いますけれども、お許しをいただいておきたいというふうに思います。
 事前にちょうだいをいたしました資料によりますと、また先ほど来の御意見にもありましたけれども、細田参考人は現行の廃棄物処理法の下では循環型経済社会の構築というのがなかなか進まないために法の改正が必要だと、そういう認識に立たれて、今回の改正では廃棄物処理の在り方についての理念が十分生かされていない可能性というものを危惧するというふうに述べられております。ただいま北村参考人も同じようなことをおっしゃったかと思いますし、現在のこの深刻な廃棄物処理の問題について、これがなかなか進んでいかないのは法体制に一因があるんだというようなこともお書きになっておるわけであります。
 つまり、御両人とも、その一つの見方として、廃棄物処理に関する法の整備についてはまだまだ積み残したものが多いという認識にお立ちなのかなというふうに思うわけでありますが、ただ私は、今回提案をされております二法案が車の両輪というような表現もされますように、この法律が成立をすれば産業廃棄物処理についてのこれまでの問題と、それからこれからの問題という両面について法律が更に整備をされるんだということについては、もう疑いがないというふうに思っておるわけであります。
 そこで、この法律案が成立をしたとすれば、我が国の廃棄物処理の問題あるいはリサイクルの推進というような問題が、先ほど冒頭に庄子参考人は仕上げというような言葉もお使いになったように思うわけでありますけれども、両先生は、この法案の成立によって廃棄物処理行政というものがどの程度前進するのか、あるいは法律、法体系そのものがどのように整備をされ前進をするというふうに評価をしておられるのか、繰り返しになるかもしれませんけれども、お聞かせをいただきたいと思います。
 なお、細田参考人には、積み残しの一つの問題とも言えるかと思いますけれども、これも先ほど大橋参考人も少しお触れになったことでありますが、拡大生産者責任というものについてお伺いをしたいと思います。言うまでもありませんけれども、この問題は、この今回の改正につきまして、環境省と産業界の間で、対象品目の問題であるとか、あるいは責任分担の問題等々でなかなか合意を得ることができずに見送られたというようなことも聞いているわけでありますけれども、この拡大生産者責任という考え方そのものにつきまして、経済学者のお立場からコメントをいただければ有り難いと思います。
 よろしくお願いいたします。
#13
○参考人(細田衛士君) それでは、簡単にお答えさせていただきます。
 今、小泉委員のおっしゃったように、今回の廃棄物処理法の改正及びその特別法ですか、この関係に関しては、出てきたものをどのように処理するか、あるいは効率的に廃棄物に対応するかという面では一定の成果を私は遂げていると思います。
 先ほど申し上げた広域指定をよりこれを生かしていくという広域認定の問題、これに関しましても私は一定の評価をしておりますし、それから不法投棄の問題は、未遂の問題でさっき北村参考人が述べられました。その点に関してもこれによって私は対応がしやすくなる。
 そういう意味で、私どもは、環境経済学者は、連鎖、生産物連鎖という言葉を使っていますけれども、天然資源の投入から設計、そして生産、消費までの一連の連鎖、それから、回収してそれをリサイクルするなりリユースするなり、そして中間処理して最終処分場まで持っていくこの静脈の連鎖、この二つを併せたものを生産物の連鎖と申しておりますが、この連鎖の下流の対応で廃棄物処理法ができ得ることとしては、私はある程度のことをなしたと思っております。
 ただ、問題は、これからの二十一世紀の経済の場合、静脈経済をうまく回していくためには、より上流の側、連鎖の上流の側で対応が必要となってくる、つまり先ほど言った端的には環境配慮設計のようなものが必要になってくる、その面で廃棄物処理法の今回の改正では生かし切れていないというのが私の評価でございます。
 もとより私は法学者ではございませんので、北村参考人がおっしゃったように、もしかしてこれは廃棄物処理法をいたずらに複雑にするのは良くないのかもしれません。別の法体系によって、法律によってこの拡大生産者責任で対応するのがいいのかもしれません。その辺は私は分かりません。
 しかし、廃棄物の世界では、静脈の経済というのは動脈の経済と同じように自由放任ではうまく回りません。一定の法律のたがをはめることによって初めて市場が生成され、そこで優良な業者が育っていくという、こういうことでございます。そのときに、上流の生産のレベルで例えば環境配慮設計であるとかそういうことを行っていかないと、下流で情報が、我々、非対称性と申しましておりますけれども、非常に複雑な使用済みの製品を処理するということは普通の業者にはできません。そういう意味で、上流でより対応していただくということが拡大生産者責任でございます。今回この審議が、少なくとも廃棄物処理法の中では織り込まなかった点では私は若干不満であると、こういうことでございます。
 以上でございます。
#14
○参考人(北村喜宣君) 細田参考人が述べられましたとおり、廃棄物を出さないシステム、削減するシステムというのが十分に制度化されなかったという点では、私も今回の法案には一定の限界があり、だからこそ、これからも廃棄物処理法制の進化というのは国会において十分御議論いただかなくてはいけないだろうというような認識を持っております。
 また、この法案によってどう変わるのか、何がどう変わるのかという御質問でございましたけれども、例えば二〇〇〇年の法改正で、一定の範囲で排出業者にも改善命令、措置命令が出せるというふうになりました。これは従来の発想とはかなり転換した仕組みでございましたが、まだこの命令、十分に使われておりませんで、それが排出業者の行動にどういう影響を与えたかというのは確認できる状態ではございません。このように、かなり執行をして効果を確認するのに時間が掛かるわけでございます。
 おまけに、この特別措置法案では、実施計画を作ってそれを実施するというとてつもなく大きな仕事が地方公共団体の現場に降ってまいります。規制強化でもっと頑張れという話もございます。必然的に、産廃部局の充実、これをしなければ、この重たい責務だけをしょっかぶった職員はパンクするだろうという気がいたします。このところの職員なり組織の手当てというのが、今回の法案、あるいはもっと申せば一九九七年改正法、二〇〇〇年改正法含めて、この二〇〇三年改正法の実効性を確保する大きな要因と思っております。もちろん、人がいりゃいいというものでもないわけでございますが、ないところではいかんともし難い限界があるというような気もしておるわけでございます。
#15
○小泉顕雄君 ありがとうございました。
 本当におっしゃるように、人材確保ということもなかなか難しい問題が起こってこようかなと思っております。それもお聞きしたかったわけですが、お答えをいただきましてありがとうございます。
 それで四人の参考人の皆さん方にお伺いをしたいと思いますが、産業廃棄物税と罰則についてお伺いをさせていただきます。
 既に多くの自治体では産廃税というものが導入をされましてそれぞれ一定の役割を果たしているわけですけれども、自治体ごとに独自性があるというのはいろんな問題を生じさせるおそれが一面ではあります。したがいまして、全国的に一律一斉に課税をするべきだという声が非常に大きく聞かれるわけでありますけれども、そこでこの全国一律一斉に課税をするということについての是非、また是とされるならば、課税の方法、あるいは徴収の方法、さらにはその使途というものについてどのようにあるべきだというふうにお考えなのか、お伺いをしたいと思います。
 あわせまして、今回の改正では、先ほど来、何度も出ているわけですけれども、罰則の強化あるいは未遂罪の導入というようなことも行われることになったわけでありますけれども、この罰則をめぐりましても対立をする二つの見解があります。言うまでもなく、一方は、罰則を強化することは何の役にも立たない、むしろ逆効果なんだという意見であります。もう一方は、今回は改正はされなかったわけでありますけれども、三十万円以下とか五十万円以下という罰金では軽過ぎるんではないかというような意見もあります。こういう対立をしたような見解につきまして、各参考人の皆様方の御見解をお伺いをしたいというふうに思います。
 あわせて、これ恐縮ですが、こういう産業、不法投棄等についての未然防止に対して、それぞれの参考人の方は何が一番大切だというふうにお考えなのか、併せてお答えをいただければ幸いでございます。
#16
○委員長(海野徹君) それでは、こちらから指名してよろしいですか。
 それじゃ、庄子参考人からお願いします。
#17
○参考人(庄子幹雄君) 最後の方から申し上げる方がいいかもしれませんけれども、不法投棄の未然防止というのは、これは不法投棄されるものだけをどうこうするというんではやっぱり駄目でして、細田参考人がさっきから言っていますように、やはりリサイクルというものを徹底的にやるためにはどういうふうにするかということの論を尽くして、そして初めて物が少なくなってくればそれだけ不法投棄されるのも少なくなってくるんではなかろうかというふうに思われるんで。
 ただ同時に、今、小泉委員がおっしゃっていますように、罰則の強化というようなこともどうなのかなというようなことを我々も実は産業界として不安に思っていたんですけれども、現実に平成十二年度の法改正によりまして平成十三年度どうなっているかというのを見ましたら、四十万トンあった不法投棄というのが二十四万トンに減っているんですね。そうすると、大量に不法投棄されるというのは少なくなってきているということはこれで分かりましたので、これでもって全部が不法投棄を防げるとは私は思っていませんけれども、さっき申し上げましたように、細田参考人の言われていましたように、リサイクルというものを徹底してどこまでやれるかというようなことも本当はあるわけですからその辺も詰めないといけないわけですけれども、罰則でもってこの程度は十分に防げているんじゃなかろうかと。つまり、四十万トンが二十四万トンということは防げています。
 ただ、現実に調べてみますと、大量にぼんと捨てられるというような不法投棄はなくなってきているんですけれども、小型化しまして、むしろ悪質になってきているんじゃなかろうかなというふうに思われるところがございます。こういうものに対しては、やはり未然防止という意味では、私はGPSを使ってやっていくのもいいだろうしというようなことで、産業界ではそれなりに、例えば建設業の場合には、自分たちの車にGPSというものの装置を備えまして、今そういうものについてどこまでやっていけるかというようなことを、一つの流れを作りましょうということで大手にはお願いしてやっているような状況です。あるいは運搬、処理関係のところでもそういうものをやっているところもあるんですけれども、運転者にとりましては自分の車がどこにいつもいるかなんというのもみんな知られるわけですから、これもちょっといろんな問題も含んでくるようではございます。ただ、そういうものを全部クリアしまして、何としても不法投棄はなくしていきたいというふうに思っています。
 ただ、四十万トンが二十四万トンになったから産業界はそれで、罰則強化ではい終わりですとは思っておりませんので、さっき申し上げましたように、大変仕上げとしていいんですけれども、その第一歩かなというふうな思いもちょっとしているということを次に申し上げたいと思います。
 というのは、産廃税の税収、これ今おっしゃっていましたけれども、不法投棄というのは、警察と地域住民とも協力して監視を強化して未然防止というものをまず徹底して根絶するのが原則なわけですけれども、何としてもやはり、GPSを使おうが何しようが、やっぱりちょっと駄目なところはあるようでございます。これは、正直なところを申し上げますと。で、不幸にも不法投棄が起きた場合には、それに直接関与した者もまず第一に発見してほしいと思うんです。でも、やっぱりそれができない。あるいは、中間処理業者、排出事業者から、まあこれもやむを得ないと、そういう場合には、見付からないときには費用負担させるべきかもしれないというふうにも思っています。
 ただ、産廃税というようなものを安易に財源対策として講じられてしまうと、原因者の追及ということを全然、全然と言うと言い過ぎですかね、原因者の追及を手ぬるくしていきまして、産廃税でもって全部やっちゃうからというふうになられては困るんです。
 ですから、産業界としては、完全にもう、何とかしてもう抜けているところは完全にやっていくようにということで、不法投棄ゼロに持っていきたいとは思うんですけれども、どうしてもできないところありますけれども、それを産廃税でもって全部直していくということになってしまうと、これまた困ったものだなというふうに思っております。
 産廃税というのは、むしろ私どもは排出抑制とかリサイクルの推進であるとか、あるいは公共関与の最終処分場の建設とか、そういうものに是非とも使っていただきたいというふうに思っております。
 ちょっと言い足りないところございますけれども、私からは以上でございます。
#18
○委員長(海野徹君) 誠に恐縮なんですが、時間が限られておるものですから、三点の問題に簡潔に御答弁いただきたいと思います、税と罰則と未然防止ということで。
#19
○参考人(大橋光雄君) 産廃税は、私は全国一律、基本的にですね。ただ、しゃくし定規な一律はやはり地方自治の問題等とか、いろいろ今話題になっている税源移譲とか、そういう問題が絡んでいると思いますので、要するに私が主張したいのは、産廃税なり何なり、そういうたぐいのものを掛けることによって排出抑制を徹底的に効果あらしめるという手法で導入することが主眼ですので、それが、国と地方との関係の調整はいろいろまた専門的なことはあると思います。
 それから、罰則については、私は二十九条、三十条が、マニフェストをこれから重要視していこうと一生懸命になってなかなかうまくいっていないと言っているのに、非常に弱いし、それから、立入検査を拒否しても三十万から五十万の罰金というような、これではやはり示しが付きませんから、やたら罰則が何でもかんでも強化されるのがいいとまでは思いませんけれども、今までの段階では、もう当分の間、そういう緩過ぎるところの罰則については強化して、それ以外は大体もういいところまで来ているのかなというふうに思います。
 未然防止は、先ほど申し上げているんですけれども、私は、一番効き目のあるのは、排出事業者と産業廃棄物を委託を受ける業者と連帯責任、無過失連帯責任を制度化すれば、もうてきめんに効き目が出るだろうというふうに考えます。
#20
○参考人(細田衛士君) まず、産廃税でございますが、自治体ごとの相違というのは、私、今、これから大変問題になると思っています。ただ、それは額の相違なんではなくて、課税標準等々でこれ微妙に違います。そうすると、都道府県で違ってしまいますと、それごとに課税標準をいろいろ勘案しなきゃならないといった大変な難しい問題が出てまいりますので、少なくとも課税標準ぐらいはなるべく全国で統一した方がいいと思いますが、地域に合わせて額、トン幾らにするか、大体まあトン今千円に落ち着いておりますけれども、その辺の相違は本来あってもいいのではないかと思っております。
 罰則の強化は、私は意味があると思っております。先日、ある産廃業者にインタビューしましたが、末端の方ではやはり廃掃法の度重なる改正と罰則の強化はじわじわと効き始めていて、やはり優良業者がそれによって生き残るシステムに今なり始めているというお答えをいただきました。それは単なる一つの答えでしかありませんけれども、私は直観としてはそういう方向で働いていると思います。
 未然防止ですが、これは私は合わせ技でやるしかないと思っています。一つは、拡大生産者責任の強化、そして排出者責任の強化、それと業者の責任、そしてもう一つ重要なことは、もう少し静脈側のインフラストラクチャーを整備する。情報の発信をする。優良業者は一体だれなのか、どこに処分場が余っているのか、そういう情報の発信をすべく国は努力すべきだと思います。
 以上でございます。
#21
○参考人(北村喜宣君) 税に関しましては、細田参考人と同意見でございます。使途に関しましては、目的税的でなく一般財源に入れるべきだというように考えております。地方の自主性もある程度認めるという点も同意見でございます。
 また、罰則に関しましては、とりわけ大橋参考人もお触れになりましたマニフェスト等が五十万円以下となりますと、これはほとんど略式処分になります。公判請求されずになりますから、その辺りの点が必要だろう。廃棄物はほかとは違うので横並び立法ではないという認識を持っていただくことが必要だろうと考えております。
 未然防止に関しましては、確実に損をする仕組みを作るということでございます。この点、前回の改正で組織犯罪処罰法でもって不法投棄の違法利益の没収制度ができましたが、まだ実施例がないように承っておりますので、この点は警察庁の方で頑張って適用して、確実に違法利益が召し上げられるというようなことを分からせるというのが効果があろうかと考えております。
#22
○委員長(海野徹君) 時間ですけれども。
#23
○小泉顕雄君 どうもそれぞれに大変貴重な御回答いただきまして、ありがとうございました。
 終わります。
#24
○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山でございます。
 参考人におかれましては貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。時間もありませんので早速本題に入りますので、よろしくお願いを申し上げます。
 まずは、北村参考人にお伺いをさせていただきます。
 先ほど少し話が出ましたが、廃棄物処理法の措置命令の中で市町村や都道府県を措置命令の対象から除外をされているということになっているわけですが、私ども民主党は、他の民間事業者とのバランスからいっても市町村や都道府県にも措置命令の対象とするべきではないかというふうに考えておりますが、先生はどのように考えておられるかお聞かせをいただきたいというのが一点目。
 二点目は、先ほどもありましたが、先生が岩手県の県境の不法投棄の検証委員をやられているという御経験上、明日、私も、この委員も何人か現地へ参りますので、どういった点に注目をして、余り付き添っていただく役人にごまかされないようにするにはどういう留意点で視察に行ってくればよいか。
 二点、お聞かせをいただければと思います。
#25
○参考人(北村喜宣君) 二点目はこういう場で申してよろしいのかどうかは迷いますが、お答えいたします。
 まず最初の点、自治体は自治体に措置命令が出せるかという点でございます。
 これは、現行法では、例えば一般廃棄物を処理する市町村、これを命令対象から除外する十九条の四という規定がある、それが妥当かどうかという御質問であろうかと考えます。同種の規定は十九条の五第一項一号にもございます。
 これは、一般的には命令と申しますのは行政が私人に対して出すものだというのは大半の場合でございますから、それとの類推で、上下関係だから命令が可能なのであって、対等関係といいますか、水平関係にある自治体同士でそういうことを考えるのはできないのではないかという考え方もございます。
 ただこの辺は、典型的には確かに私人が多いのでありますが、それだけではないわけでございます。すなわち、一般廃棄物処理事務という自治事務を担当するということと具体の処分行為をするというのは別の次元のものというふうに考えるべきだというふうに思います。すなわち、自治体にも法令遵守義務があるわけでございまして、遵守をしなさい、違法なことをしたら下ろすようにしますというのは、これ事務の在り方に関する干渉ではないわけでございます。自治体には違法行為をする自由はございませんから、そういう意味では、適用除外というのはある意味で自治体性善説に立っているものではないかという気がいたしております。
 ですから、これは、何らかの立法政策上除外している話であって、法理論上できないのかというような性格のものではないということが私の理解でございます。あとどうするかは国会の御判断ということにはなりますが、法理論上の支障は私はないというように認識しております。
 ただ、刑罰をかける、命令違反の刑罰は若干微妙でございまして、市長さん牢屋かという話になりますから、そこはちょっと考える必要はあろうかとは思います。
 あと、明日の話でございますが、一番聞かれて大変だと思うのは、廃棄物処理法の権限って本当に行使できるんですか、十分に、という単純な質問でございます。私がその委員として検証の対象になった職員の方にこういう公の場でそういうお話をしたことがございますが、当時においては無理でしたというのが正直なお答えでございました。これは立法者としてあられる先生方にとっても非常にショッキングな事実じゃないかというように考えます。
 そこで、先生方におかれましては、そこからどういうふうに考えていくのかということを是非とも、明日、御認識賜ればというように考えるわけでございます。
#26
○福山哲郎君 もう一つお伺いしたいんですが、青森県では処分の仕方が三通りケースが上がっていて、岩手県もケースが上がっています。それを決定する要件というか、そこの説得材料みたいなものは現地ではどのような議論がされているのか、簡潔にお答えいただければ有り難いなと思うんですが。
#27
○参考人(北村喜宣君) 私、この点に関しては残念ながら十分な知識を持っておりません。明日行かれまして、だまされないようにお聞きいただければと思う次第でございます。
#28
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 次、大橋参考人にお伺いをしたいんですが、大橋参考人の言われた平成十三年六月の全国実態調査はまだまだ、何というか、甘いというか、それよりもまだ大量にあるだろうというようなお話をいただきました。環境省としては経年別にこの調査をしているわけでもないですし、大橋参考人が言われたように、私も実態はこれよりもっと多いと思います。
 ただ、環境省のやり方というのは、市町村に調査票を回して上がってきたものを集計をしているというふうに私は承っておるんですが、大橋参考人が考えられる、より実態に近い調査をする方法というか、これから僕は毎年毎年やはり環境省もこういう調査をしていかなければいけないと思っているんですが、実態により近くなるような方法というのが何かあれば教えていただきたいと思います。
#29
○参考人(大橋光雄君) 私は、やはりちゃんとした仕組みを恒常的に設けなければいけないだろうというふうに思っているんですね。
 残念なことです。残念なことではありますけれども、負の遺産はだれも本当のところよく知らないんですね。私自身が昭和五十年以降の厚生省の、最初は五年に一度の発表だったのがそのうち毎年になりましたけれども、そこに出てくる埋立て量をずっとトータルして、それ以前、昭和四十五年からこっちのことを書いてあるんですけれども、しかし、もっとそれより前からもうえたいの知れない処分が行われてきたというのは業界の人たちからたくさん聞いておりますので、そういうはるかかなたに忘れ去ったようなものまで含めていくと、もうどれだけあるか本当のところだれも分からないという、そういう恐ろしい状況なんですね。
 それは、土に還元される廃棄物なら別にまあまあというところなんですけれども、もう今から恐らく四十年や五十年前から土には還元されないものがどんどんどんどん年々ウナギ登りに埋め立てられてきているということを考えますから、そこで、やはりきちんとした実態調査システムを都道府県ごとに、市町村と都道府県が協力して、それからさらに住民の協力を得ないと、特に古老の人たちからはもう亡くならないうちにどんどん聞き出すとか、そこまでのことをしないと、草が生えたり、上、駐車場にしたり、いろんなことをやっていると分からないわけですね。そういう非常に手間の掛かることをやるだけの必要性、意味はあると。国土を回復するのに、これは回復しなきゃいけないわけですから、回復するのにはそれだけの手間、お金掛かるということですね。
 だから私は、ちょっと環境省さんには酷かもしれないけれども、十年でできるという法案を何でそういう言い方で出すのかなというふうに思うくらい非常に軽くこの問題を考えているかあるいは逃げているというふうに、つまり、どんどんほじり出したらもう手の付けられないような、アメリカのスーパーファンド法みたいなものでもなかなか簡単にいっていないというぐらいですから、だから恐ろしいことなんです。
 しかし、私は、都道府県と市町村が協議機関を持って、次から次へと忘れ去られているところまでを含めた不法投棄、あるいは不適正処理ですね。不法投棄というのは割と目立って騒ぎになるから見付けやすいんですが、一応許可取っているとか、これは許可取らなくてもいいんだ、自社処分場とか、こういうやつが非常に怖いんですよ、私らが全国回っているところでは。そこが逆に目がそらされちゃっているんで、不法投棄に目を奪われているともっと大きな魚が潜んでいるということから目がふさがれますから、やはり相当なシステムで、私は、そのために国がマニュアル作ったり、助成金、補助金を出したりして、調査システムというものはもう負の遺産を解消するには仕方のないことだということで、システム化するべきだと思います。
#30
○福山哲郎君 大橋参考人、もう一つお伺いしたいんですが、北村参考人に聞いたのと同様なんですが、現場、現地をよく見られている大橋参考人、あした我々が行くのに何を注意したらよろしいでしょうか。
#31
○参考人(大橋光雄君) 私も二度あそこへ行って、それぞれ関係の人と会話もして、不十分ですけれども、してきているんですが、新聞や何かに報道されていない、それから今度行政責任検証委員会が両県ともレポートを出されている、ああいうところからもはっきりつかめないような、言うに言われない話が地元にあるんですね。
 もう一つ、そういうことになりがちな理由が二つ三つあるんですけれども、一つは、地元の、田子町の地元の人たちが最盛時六十人も三栄化学工業に勤めていたんですね。そうすると、地元による告発というのは非常に困難だったわけです。で、九年かそこら前に千葉市の一般ごみが行って大騒ぎを起こして、そのときに本来、青森県は謙虚な気持ちで、そしてまた業者を甘やかしてきたことを反省して、びしっとした決着を付ければよかったのに、結局あれは埋め殺しにしちゃっているんですね、千葉市へ持って帰らせなかった。
 もう一つは、私も今度分かったんだけれども、青森県も岩手県も、下水汚泥とかし尿とかいろんなものを三栄化学工業とその関連会社に出入り業者として委託してきているんですね。そうなると、そういう業者を積極的にたたくということは、役所にとって非常に困るんですね。何とか事業団というのがあるんですよ。だから、そういう表に余り露骨に出てきていないようなそういう癒着構造というのを、特に青森県について私は徹底的に追及すべきだと思うんです。あの検証委員会報告では私は納得できないですね。岩手県はむしろ、とばっちりを受けて、青森県の何倍もしゃかりきになってやっておられるんじゃないかなというふうに一応思います。
#32
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 では、次、庄子参考人にお伺いをいたします。
 庄子参考人の読売に書かれた「論点」等もお見受けをしているんですが、マニフェスト等の厳格運用とか、それから適切な業者、優良業者の情報公開等のお話が書かれていました。
 ただ、マニフェストの実態を見ると、紙のマニフェストが今四千五百万件、電子マニフェスト化されているのがわずか四十一万件、一%なんですよね。現実に、青森、岩手の例でいうと、このマニフェストが全部廃棄処分されているという状況の中で、これなかなか厳格な管理というのは難しくて、ましてや四千五百万件の紙をこれ一々チェックするなんというのは大変な作業なわけですね。こういったことに対して、もし何かアイデアをお持ちでいらっしゃるなら教えていただきたいと。
 それからもう一つは、これなかなかお答えにくいかもしれないんですが、今回は見送られましたが、結果としては生産者責任というか製造者責任みたいな話は入れ込んでいかなければいけないような時代の流れになると思うんですが、どういう条件整備や環境整備が整えば経済界としては製造者責任について導入が可能になるとお考えいただいているのか、お答えをいただけますでしょうか。
#33
○参考人(庄子幹雄君) まず一つはマニフェストの問題でございますけれども、マニフェストが御承知のように完全に仲立ちでというふうに言われてきましたのはごくこの三年ぐらいなんでございます。従前からあったわけでございますけれども、一部不良業者におかれましては、マニフェストを形だけのものとして取ってしまう、あるいは、それの処理ということにおいては、最終業者と何かこう悪い意味で結託してしまって、正しい運用がされていなかったというようなことがございます。この三年間は環境省の指導が非常に厳しく、環境庁、環境省の指導が厳しかったということもございまして、現在はこのマニフェストは完全に産業界で行き渡っております。
 ただ、御指摘のように、これ全部、ワンライティングみたいな格好に最初なっていたわけですね。ですから、それを四千五百万もまとめるということできないというんで、それの電子化というんで、電子マニフェストということで今盛んに進めております。そのために、環境省はそのための財団のような形のものも作りまして、その運用体制というのをしっかりしようじゃないかというんで今進めておりますので、これは先生の御指摘の形のものがほどなく電子マニフェストという格好で完成していくんじゃなかろうかというふうに思います。それに伴いまして、マニフェストの間違った運用というのもなくなっていくだろうというふうに思っております。日本経団連といたしましても、そういうところにも関与してございますので、我々としても見守っていきます。
 それからもう一つ、環境整備といいますか、こういうものが行われないようにするためにはということは、先ほどもちょっと申し上げていたんですけれども、一つは罰則の強化ということもございましたけれども、やはり産業界自体がこういうものは駄目なんだと、末代まで悪さをするんだということを完全に納得しなくちゃいかぬだろうということで、実は現在は、大手のところ、あるいは大きな団体というところはすべて環境というものに対しては十分なる体制を取っているんですけれども、しかし、そうはいってもほとんどが中小というような産業界があるわけです。日本経団連にも参画していないわけです。
 ですけれども、一つの流れを日本経団連が作って、そしてそれに従っていただこうということで、実はまだ完全な意味での環境整備というのはなっていないんですけれども、そういう雰囲気作りといいますか、それをやりまして、各都道府県の例えば処理業者とか、そういうような方たちに対しての会合などには積極的に出ていきまして、一緒にやりましょうという格好で今やっております。それに対して環境省も非常に協力的といいますか、環境省からも出席してくださいましてやっております。それもよろしいかと思います。
 それから、環境省が地域ヒアリングをやってくれております。これも非常に、地域での実態把握という意味では、ただ単に紙で環境省に報告するというんじゃなくて地元の声ということで出ておりますので、これも今役立っているんではなかろうかというふうに思っております。
#34
○福山哲郎君 済みません。私の質問の仕方が悪かったみたいで、申し訳ありません。二番目の質問は、拡大生産者責任についての導入について、どういう条件なりどういう環境整備が整えば、導入なり、こういう法案の中に盛り込むようなことが可能になるのか、お考えか、もし御指導いただければと思います。
#35
○参考人(庄子幹雄君) 現行法でも適正処理困難物の規定はございます。しかし、実際に市町村が何をどう困っているのかというようなことにつきましては不明な点が多いので、実態調査を徹底して行いまして、解決策につきましては関連業界と率直な話合いの機会を持つべきで、これを一律に法律によって規制強化というようなことは実態にそぐわないのではないかというふうに思っております。
 企業はすべての形での廃棄物の収集には責任を現実的には持てませんので、一般廃棄物である限りは市町村が収集責任を持ちまして、企業は例えば収集されたごみの資源回収というものには責任を持っていく。これは、現状でもそういうことは全く実行可能でございます。
#36
○福山哲郎君 細田参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。
 細田参考人の論文も読ませていただきましたが、いわゆるリデュース、リユース、リサイクル、三Rについて日本では道が始まったところだというような表現がございまして、先ほどのお話によっても、廃棄物の定義の問題とか、一廃と産廃の区分の問題とかおっしゃられましたが、もう少し御専門の、先ほどのお話は恐らく法案に沿って述べていただいたんだと思うんですが、御専門の経済から見て、私はやっぱり、マーケットメカニズムもまだまだ先ほど言われたように静脈産業として全然育っていないと思いますし、消費者側の意識もリサイクル製品とかについてはなかなか意識が広がっているようで広がっていなくて、グリーン購入の法案とかようやくできてきましたが、社会全体としてはなかなかそこのマーケットが大きくならないような気がしておりまして、もう少し大きい意味でのこの三Rが日本の社会に定着するための条件等が、何かお考えあれば教えていただきたいと思います。
#37
○参考人(細田衛士君) 時間もありません。簡単に申しますと、先ほどの若干繰り返しになりますが、日本経済には、その静脈の経済のマーケットというのは非常に小そうございます。例えば、家電リサイクル法でようやく千八百万台ぐらい出るかなと思われたものが、恐らく今年は千百万台ぐらいです、去年、昨年度は。ようやくそれができて、法整備ができて初めて、それではリサイクルプラントを作ろうと。
 そして、重要なことは、静脈経済ではまずは輸送ですね、ロジスティックス。これが非常に未整備でございまして、動脈側は非常によくできているんですけれども、静脈側で集めたものを、どこへ行き次はどこに持っていこう、それが不透明になるから訳の分からない処理、すなわち不法投棄になってしまうんですね。その静脈経済の整備ということを今真剣にやらないと、私は、今御質問のあったことができない。
 なぜかといいますと、ちゃんとした経済ができますと、一体それにコストが幾らになるんだということが明示化されます。ところが、一般廃棄物に関しましても産業廃棄物にしましても、コスト意識というのは非常に低うございます。一般廃棄物の場合は、これはほとんど税金処理ですから、ごみはただだとみんな思っています。産廃の場合もなかなか費用が出にくい。悪い言葉しますと、経団連のような大きなところは別でしょうけれども、買いたたいてしまう、もっと安くしろ安くしろということで。私の実際インタビューしてきた例は、大手産廃業者も物すごいダンピングをさせられている羽目になっています。これだと、本当にごみに幾ら費やしたのかという、そういう信号がマーケットから伝わってきません。これでは、静脈市場というのは生成できずに静脈優良業者も育ちません。悪い業者しか出てこない。
 それを今、法整備、個別リサイクル法、そして案外利いているのが資源有効利用促進法でございます。これを組み合わせることによって、まず静脈のコストを表側に出してやる、そして企業にはそれをやはり負担していただく、コンシューマーにもその負担していただいたお金は必ず自分に跳ね返ってもらう、捨てる費用も作る費用と同じなんだということをやはり明示することが必要だと思います。
 これをほうっておいても、実際、普通の市場ではできません。それを、例えば個別リサイクル法あるいは廃棄物処理法等々の組合せによって静脈の市場をもっと育ててやるという視点が私は国として必要ではないかと思っております。
#38
○福山哲郎君 ありがとうございました。
#39
○福本潤一君 公明党の福本潤一でございます。
 本日は、参考人の先生方には貴重な御意見をいただき、本当にありがとうございました。私も、たくさんの質問をしたいところでございますけれども、時間余りありませんので簡潔に質問させていただきますので、また簡潔にお答えいただければと思います。
 最初に、庄子幹雄参考人にお伺いしたいと思います。
 庄子参考人は、循環型社会形成推進基本法のときにも貴重な経済界からの御意見、私どもも聞かせていただきながら、あの法案まとめる方向に行った経験がございますので、産業界の代表の御意見も持っておられるというふうに思います。
 先ほどもありましたけれども、最初に拡大生産者責任の制度的拡充についてどういうふうに考えておられるかということで聞かせていただこうと思いますが、先ほど関連業界との関係も精査しながらというふうに言われました。市町村などの間の責任分担の在り方とかいうような課題もあると思いますが、今回、制度化が見送られた中で対象とする品目、この拡大生産者責任、これは各業界に聞かないといけないとは思いますけれども、庄子参考人の方からこういう品目に関する御意見ございましたら、最初お伺いしたいと思います。
#40
○参考人(庄子幹雄君) 対象とする品目、これ、拡大生産者責任は産業界としては、最終的にはやはり産業界はこれ負っていかなければいけないだろうと、そういう認識はしております。
 しかし、そこに至るまでの間にいろんな対象物によりまして考え方がそれぞれ産業界でも分かれております。その辺のことをちゃんと仕分けした段階でもってこれに対しては対応していきたいというふうに思っております。
#41
○福本潤一君 どうもありがとうございます。
 この拡大生産者責任に対する今後の環境委員会での質疑等々も深化していくと思いますけれども、庄子参考人、不法投棄に対する根絶とか規制強化賛成ということを言っていただいておりますし、この不法投棄の問題というのが大きな柱となって新しい特別措置法もできているところでございますので、今後、この法案に入っている、リサイクルを促進するために廃棄物処理業とか廃棄物処理施設の設置の許可について合理化する特例制度というのが法案に盛り込まれていると、こういう特例制度を生かして産業界としても積極的にリサイクル促進など必要というふうに考えておられる業界多いと思いますけれども、今後の産業界としてのリサイクルへの取組、これをお伺いしたいと思います。
#42
○参考人(庄子幹雄君) 産業界のリサイクルへの取組というので、先ほど細田参考人から動脈産業、静脈産業という言われ方をしましたけれども、産業界は、既に動脈とか静脈とかというふうに分けること自体がもう違うのではなかろうか、生産品ツー生産品という形に持っていくべきではなかろうかというようなことで今技術開発進めておりまして、例えば今日、私はそれを身にまとっております。
 といいますのは、私、着ております背広は、これはペットボトル十何本で作ったものでございます。もし触っていただければ有り難いと思いますので、ちょっとお触りいただければと思います。それからネクタイも、これもペットボトルでございます。二本ちょっと使っておりますけれども、五百ミリリットルのものでございます。
 したがって、こういうふうに現実に使われてきているんですけれども、実際にはリサイクルするのにインセンティブというものが今産業界には何らないわけでございます。でき上がってくるものが、ちょっとこれ答えになっているかどうか分からないんですけれども、結構そういうものを育てるための環境整備がなされていないということがございます。──どうぞこれ、もし何なら。これ会社で回覧しましたら、手ふきに使っていたものですから。また別な背広でございます。
 そういうことで、全然、今、産業界自体は環境整備というようなものを自分から作っていかなければいけないだろうということでやっておりまして、それに対して一部、一例であっても不法投棄ということがなされると、それは産業界の責任だということでございますので、そういうもののないようにということでやっております。
 そういう意味では、行政の方で規制強化というものもそれなりにやってほしいというふうに思っておりますので、一部規制緩和、一部規制強化ということでお進みいただきたいと思っております。
#43
○福本潤一君 どうもありがとうございます。
 先ほどもマニフェストのことも詳しくお伺いしておられたので、もう一つの問題で、今現在、産業界で、先ほどもありました毎年四億円、十件以上を対象に自主的な拠出によって不法投棄に原状回復基金作っておられると。これ非常に高くは評価しておりますけれども、今後新しい法律もでき、産業界として引き続き拠出するという、継続してまたこの問題に関しても対処していかれる経団連のお立場、あるかどうかを確認させておいていただければ。
#44
○参考人(庄子幹雄君) これは、私は不法投棄が行われている間はずっと継続していきたいというふうに思っております。
 例えば、これは一部の業界といって、不法投棄は全く関係ないと言われているような業界からは、もうそろそろやめにしてはどうかというような声があるのも事実でございます。しかし、産業界全体という形で見るならば、やはりこれは出捐金の形でもって継続していくべきであろうと。ただ、金額につきましては、幸いにして行政の方がいろいろとやってくださっているということ、また、法律でいろいろと作ってくださっているということで少なくなってきておりますものですから、金額については今後変わっていくだろうというふうには思っております。
#45
○福本潤一君 じゃ、次に細田参考人にお伺いしたいと思います。
 先ほど、丁寧な法案また環境問題に対する御説明いただきました中に、廃棄物の定義、これが非常に大きいだろうということがございました。
 循環型の基本法を作るときにもこの定義の問題、ごみを生かすというときのごみと廃棄物と、あと、あの法律では循環資源という言葉でリサイクルの資源としての資源、これを、廃棄物処理法が先にあったものですから、基本法の方が後にできた関係上、廃棄物の中に含まれる一部として循環資源ということで内装される形に法律なっております。これは法体系の成立の順序のようなものもあると思いますけれども、これを具体的に外に出したときの、別個のものとして、ごみと資源は別だというふうにしたときの問題点もまた逆に起こるんではなかろうかと思います。あの豊島の問題等々もその問題が大きな問題でございましたので、この定義を、両方分けたときに、また内包されるものとしたとき、ここのときの廃棄物とは別個に分けたときの、逆の問題点に関する対応も含めてお話聞かせていただければ。
#46
○参考人(細田衛士君) 今おっしゃられたことはもっともなことでありまして、今回の法の改正のときにも、私も専門委員として入ったときに、本来は抜本的な定義の見直しを迫りたかったんですが、実際それを迫っても、先ほど北村参考人が幾度となくおっしゃっていましたように、法の執行能力に問題が出てくるので、私はあえて強弁を張らなかったわけでございます。
 と申しますのは、資源性のあるものを生かす循環資源として定義してそれを作ったとしても、それを透明なプロセスの中で、静脈産業、静脈化プロセスの中で生かし、本来、循環資源として有効利用するシステムがあれば、私はそれを、無理にしても法改正の中に埋め込むべきだと思っておりました。ところが、現在の中でそれを無理して行いますと、例えば不法投棄、不適正処理、そして私、繰り返し申し上げますが、Eウエースト等々のように、海外を汚染しつつリサイクル、無理なリサイクルをするということ、あるいは無理な処分をするということになります。
 したがいまして、そのシステム、透明なシステムを今徐々に作っておいて、それと同時に、それができ上がったころに循環資源というものを外に出してうまく回していくということが現実的なのかなと今は思っております。
#47
○福本潤一君 そのときに、ごみですと、行政単位の中だけで対応するものがごみで、資源として考えたときには、輸出も含めて、また県域を越えて、多くの地域でやる必要があるというような問題がありまして、具体的に廃棄物産業とリサイクル産業、両方やっている業者から、一か所だけで認可を受けた業が広げて、例えば関東全域とかなると、全市町村でこれ認可受けないといけないという大変な大きな現場の問題起こっておりましたので、そういうときに今回は環境省認可ということができるようになったということで、豊島問題のような、逆に、ごみといっても本当はこれはミミズ成育の資源だということで産廃業ではないというような中での深刻化があったような問題を含めて、この両者の調和の中で、環境省の認可という業があるということによってこれを解決される問題なのかどうかということも、見通しを含めてお伺いしたいと思います。
#48
○参考人(細田衛士君) 今回の広域による認定の問題は、今の状況の中ではぎりぎりの選択だったのではないか。つまり、これをしなければ、今おっしゃいましたように、先生おっしゃいましたように、せっかく資源となるものもごみとして行政の単位内で処分されて最終処分場に行ってしまう。そうかといってこれを非常に緩和して、緩くしてしまったら、今の状態では、実はこれは本来廃棄物で処分するものを有用資源として偽って海外にも流れ、あるいは不法投棄されてしまう。その限界のぎりぎりのラインはどこかというのが今回の広域の認定、あるいは旧来からも再生利用認定制度というのがございますが、こうした制度を使うことによって、今言った裏腹の問題を解決しようというぎりぎりの選択だったのではないかと私は感じております。
#49
○福本潤一君 どうもありがとうございます。
 こういう、ごみと循環資源という二つの絡みの中で、静脈経済の育成、動脈経済の育成と。環境問題をやれば経済がひとつ活性化するという方向性も大きな目標としてあるわけでございますけれども、私も元々、水環境の専門家でしたもので、この静脈経済というときに、イメージとしては、水でいうと、上水道はきちっと発達しているけれども下水道がまだ未発達のような時代が現代なんだと。物質の循環の中で下水道側の対応がないままの都市生活という、物質循環の中での絡みだというふうにお話し、私もさせていただくことあるんですけれども。
 先ほど、もう一つキーワードとして連鎖という言葉も出ました。だから、連鎖と循環の、先生のお話の中での、同じ、同様、違い、これも含めてお話しいただきたい。また、静脈経済の育成の中で輸送が未整備だというところを、今後の環境行政、環境技術の育成の面でお話しいただければと思います。
#50
○参考人(細田衛士君) 水との比較は、非常に私は物質循環を考える上に適当であると思っております。上水を通り、最後はそれが下水となり、終末処理場に流れ、それがきれいになって流される、それと同じような仕組みが通常の固形の物質についてもなされなければなりません。私の言葉で言うと、動脈から静脈に至る連鎖が途切れることなくいって、それが動脈と静脈がつながって、これが循環になるということで、これは循環と連鎖のつながりというのは同じことでございます。
 ところが、固形物質の場合、それが水と比べて、ある部分では非常にできていない。その部分が今先生おっしゃったようなロジスティクスでございます。つまり、物流でございます。多くの場合、不法投棄や不適正輸出あるいは不適正処理に回るのがこの物流の過程で回ってしまいます。物流が非常に不透明である。
 ところが、一方で、私も家電リサイクル関係でいろいろな物流業者と話しておりますと、地域物流の中では非常にまじめで、その代わりコストは高くなるんですけれども、一生懸命やっている業者がいる。それと、日本国、全国やっているような大手の業者がいる。その方々がうまく連携をした場合には透明な物流ができ、しかも、ある程度な費用は掛かるけれども、努力によって費用が安くなった静脈と動脈の連鎖が閉じる物流ができ上がるということで、これがまだ残念ながら日本全体ではでき上がっていないと私は思っています。コストの面も含めて、これは今、静脈物流を作り替えるときが来ていると思っております。
#51
○福本潤一君 どうもありがとうございました。
 大橋参考人にもお伺いしたいんですが、十五か所のスライドビデオを見せていただきました。私も四国、これ見ますと、豊島の問題、五百億も掛けてこれを処理するということになりました。瀬戸内海の海が、島がねらわれている以後は、高速道路ができた後、谷合いがねらわれるだろうということで、この十五か所以外にもかなり大きな不法投棄現場というのは谷合いに今起こっています。
 ですので、この先生の行かれた十五か所、私は、庄子参考人も数十か所回られたということでございますけれども、今後の対応を考えたときに、逮捕されるような業者の問題と、正常に運営している業者がその廃棄物を、大量に自分の所有地内にあると。先ほども赤い水が流れていましたけれども、周りの環境、におい、水、こういったところが外部に及ぼす影響を含めて、この十五か所、業者の観点からいうとどういうところが大きかったかというのを参考に聞かせていただければと思うんですが。
#52
○参考人(大橋光雄君) たまたま挙げさせていただいている十五か所は、それぞれ様々なところがあって、必ずしも共通した形で物を言えない部分がございます。
 一目見て、これはひどいというのは、大体アウトサイダー的な人か、それと組んでいる人たちが主にやっている。しからば、きれいになっているところの中身、裏でやっていることはどうかというと、例えば三重県のある大手の業者などは、運び込んでいるんだけれどもどこかへ運び出していて、なかなか一杯にならない処分場があるとか、かなりの力のある業者、そういうのは福井県にもすごいことをやらかしちゃっているのがいるし、秋田県にもある。
 こういう、何というんですか、やっぱり過去十年、私どもネットワーク作ったのは十年前ですけれども、この十年の激動期に、それまで不問に付されていたものがどんどんどんどん馬脚を現してきたということで、やはり相当もとから、廃棄物に対する我が国の、国を始め経済界、そして市民も含めて、観念が、非常に要らないもの、汚いものをやみで始末、安くするというような、そういったことが業界の中にも相当コンプレックスとして、どうせ我々はごみ屋だというような、ごみ屋というのは、言葉は自虐的な言い方なんだけれども、そういう意識があると、やっぱりもうける方のところに行っちゃって、環境保全型にというのはなかなか簡単じゃない結果をもたらしているんだと思います。
 これは、住民運動が高まってきましたから、法改正も繰り返しされていて、先ほど来の規制強化で目に余るような現象は今は鎮静化しつつあるのは事実なんですけれども、その底に隠れたものまで我々が目を向けるにはまだ時間が掛かるんじゃないかなと思います。
#53
○福本潤一君 もうあと二分の時間を全部北村参考人にお渡ししたいと思いますので、青森、岩手、明日行くメンバーおるようでございます。私も行ってまいりましたけれども、これ具体的に事例として、典型的な事例ですので、これ廃棄物処理法という法律上どこまで追及、今後可能かと。
 例えば、十九条によって委託基準違反だとか、具体例の下に、若干の、法律知識、我々弱いわけですので、追及がここまでやれるぞというところをちょっとお伺いさせていただければ。
#54
○参考人(北村喜宣君) 追及する前提は、行政的な責任追及といわゆる刑事的な責任追及と民事的な責任追及と、大きく分けて三つのパターンがあるわけでございますが、恐らく委員御指摘の行政的な責任追及として何があり得るかということでございましょうから、申し上げたいと思います。
 二〇〇〇年の改正法で、御案内のとおり、委託をした排出事業者であっても一定の場合には措置命令の対象になるという制度が設けられたわけでございます。これの適用時期が二〇〇〇年の改正法以前のものにも適用できるのか、それとも二〇〇〇年の改正法の施行以降にしか適用できないのかという論点がございます。あそこのものはかなりの部分がそれ以前のものでございますから、それについてあの法解釈でできると言うか言わないかというのが一つのポイント。できるならば、例えば今一万社余りと言われておるところにも可能かもしれないと思います。これは、現在では例えば岩手県庁が、あるいは青森県庁が判断すればいいことでございます。環境省が何を言おうがそれは一つの参考意見でございますが、その法解釈をどういうふうにするかによって展開は変わってくるだろうというのがまずございます。
 現在、岩手県では少しずつ措置命令を掛けて、対象者に対して措置命令を掛けて少しずつ改善がされておる状況でございますが、現実のところ貸倒れの可能性がかなり高いものでございますから、なかなか税金を使う関係上その範囲も限られているというのが現実でございまして、その点、諸基金の適用というのとにらみながらの作業になろうかというように私は認識しております。
#55
○岩佐恵美君 日本共産党の岩佐恵美です。
 本日は、参考人の皆様には大変お忙しい中御出席をいただき、また貴重な御意見ありがとうございました。
 最初に、庄子参考人がお触れになりました基金の問題についてちょっと伺いたいと思います。
 昨日、この委員会で質疑がありまして、私この問題を取り上げたのですけれども、九七年の廃掃法改正以降、いわゆる基金の支援の対象となる九八年の六月以降の不法投棄の量はどのぐらいかということを伺いましたら、百六十四万トンあると。じゃ、それに要する費用は幾らですかというと、二百四十億から四百億円程度だと。大分開きがありますけれども、そういうことだと。
 そうしますと、今、基金の残額は十二億六千万円でして、これは二百四十億から四百億全部掛かるというふうにはなりませんので、排出業者の多分責任だとかいろんなことを追及していって、残るのが一割、二割なのかよく分かりませんけれども、もし一割として計算した場合、二十四億から四十億ですか、そして二割だったら四十八億から八十億円ぐらい掛かる。そのうちの四分の三を基金からということになりますと、十二億六千万円では到底間に合わないということになります。
 その点について私は、やはり基金の拡充をしていかないとこれは間に合わないのではないかということで質問したわけですけれども、その点について、基金の在り方あるいは責任の取り方ということについてお伺いをしたいと思います。
#56
○参考人(庄子幹雄君) お答えします。
 確かに、現実に不法投棄量を探しますと百六十四万トン、これも正しい数字でございます。これに対しまして、私どもは廃棄物処理振興事業財団というところにお願いしまして、各地方自治体から希望が参りますと、そこでもって一応審査といいますか、本当にそれは不法投棄なのであるかどうかというようなことを審査いたしまして、それで、それではというふうなことでこの基金から出していくというふうな形になっております。
 残念ながら、今まで見ていますと、産業界は、お金を足りない足りないと言われるくらい使われるだろうということを実は私ども思っていたわけでございます。ところが、地方自治体からの申請というのが残念ながら余りなくて、実はその財団の方にもっと宣伝しなさいと、産業界これだけ出すということを言っているんだから、地方自治体に幾らでも申請しなさいというふうにお願いしたんですけれども、地方自治体は、また何分の一かの財源負担ということを強いられると、これは現在の地方自治体の中では無理であるというようなことをおっしゃっているわけです。
 ですから、私はこの基金を、実は産業界の一部にはもうやめたらいいんじゃないかという意見があったんですけれども、私は産業界の少なくとも二十世紀の責任者としまして、これを早く何とかしていきたいという考えでいますので、これは必要に応じて、減額ということは、今言っているのは、この傾向がそうだからなんでございます。もしその要望というものがうんと多くなれば、私はそれは逆じゃなかろうかと、むしろ増額になるかもしれないと、そういうような話合いを産業界に対してはしております。
#57
○岩佐恵美君 そこで、大橋参考人にちょっと伺いたいんですけれども、先ほどいわゆる不法投棄の問題について調査が不十分ではないかという質問に対してそうだということでしたけれども、私も昨日取り上げたんですが、千葉県でいうと、環境省の調査では三百二十万トンなんですけれども、石渡さんの言われるには一千万立米超えているよという話があります。とにかく調査をきちっとした上で、それでちゃんと処理をしていかなければいけないというふうに思うんですけれども、その際に、今話があったみたいに、自治体としてはその処理をすればするほどお金が掛かるということになると、本当に大変なわけですよね。
 先ほど北村参考人からもお話がありましたけれども、今度の法律が施行されると行政の負担というのは結構大変になってくるんじゃないかというのは、その監視だとかそういうことで言われたんですけれども、ごみの対応ということで、例えば、ちょっと後で話ししますけれども、容器リサイクル法ができてから自治体は資源化貧乏になるというふうな言い方をしているわけですね。やっぱり自治体に負担を掛けないというような処理の仕方というのが私はされていかなければいけないというふうに思っているわけですけれども、その辺についてもしお考えがあれば伺いたいと思います。
 それともう一つ、ちょっと併せて、産廃の不法投棄について許可業者の問題も深刻であるというお話がありましたけれども、その点、ちょっと話題が違いますけれども、併せてお答えをいただければと思います。
#58
○参考人(大橋光雄君) この負の遺産の大本はどこかって、よく産廃行政を預かっている都道府県がいい加減なことばかりやってきたからどんどんどんどんツケが大きくなったという、現象面での話はいつもあるんですが、私はやはりそれ以上に、国の制度に対するやはり理念とかビジョンとか、そういったものをきちっと打ち出しながら、方法論を構築して都道府県と一緒になってやっていくという、そういうことがなされてこなかった。
 それから、ここに経団連の方がいらっしゃるんですけれども、私どもはやはり経済を優先して環境は二の次という基本姿勢があったために、このような探し切れないほどの不法投棄、不適正処理のごみが列島に散らばっちゃっていると思うんですけれども、これをやはり始末付けるには、自治体の現場を預かったときの不始末とか怠慢さの罪よりも国の罪、そして国がてこ入れしてきた経済界の、罪という言葉はちょっとどぎついけれども、責任というものは非常に重いものがあるので、ここまで来てしまった、特に今度の新法でやるのはもう犯人捜ししても、ましてや排出事業者、責任者を拾い出そうかといっても、もうほとんど大した数は青森、岩手とも私は出てこないと思うんですよね。一万何百も、私もあそこで十三箱ぐらいの伝票を、段ボールの伝票を、マニフェストを見せてもらったから、これを来る日も来る日もめくって、電話を掛けたりなんかそんなことをしていたら行政できないと言うわけですよ。こぼしているんですよね。それはそのとおりなんです。だから、やはりもっと国が根本的な責任があったということを率直に認めて、しっかりした対策、予算の付いた対策をやって、都道府県や市町村にごみのしりぬぐいの費用でひいひい言わせるようなことにはしない方がいいと思うんですね。
 これはやはりさっきの基金が余っているというのは、これは余っている理由がはっきりしているんですよ。基金もらったって自分のところから金が出せないという、もう単純にそれははっきりしている。まあ八割とか九割で、何か少しは自治体も協力して出し合いましょうよというんならあれだけれども、今の程度ではとてもじゃないけれどもそんな、一か所やるのに億単位、何十億単位というものを自治体が三分の一とか三分の二とかという比率で金出せというのは。だから、やはり基金が経済界から拠出するという単純なそういう形だけでいいかどうかというのは問題があるんだけれども、もっと私は長期的な展望に立った国土回復制度、そこに今基金と言っているものをもっとスケールの大きいものにして作り上げないと、この問題には対処できないだろうというふうに思います。
 それで、実態のことなんですけれども、この資料を、いただいている資料のこの実態調査をどういうふうにやったかというのをごく簡単に書いてあるんですけれども、参考資料の百七十一ページ、これを見ますと、都道府県に対して調査票を送って、この程度のことをやってくださいというようなことまで調査しているんですね。これじゃ本当の実態なんか絶対出ないんですよ。それでなくたって市町村、都道府県、まあ都道府県は自分らの不始末を端から端まで全部洗い出して報告するなんということにはなりませんから、そういういろんな欠陥をこの調査は持っていますので、私は実態調査はもっと責任を感じてしっかりやる必要があるだろうというふうに思う。
 許可業者については、私は常に力説しているんですけれども、我々が現場を見てくることによって、これはどっちが大きな魚かということを非常に疑問に思う。実は、こういうところでも常に話題に上る優良業者、言わば日本一優良業者かもしれないと言われているような人のところへも伺って、その下流を見ると、魚がずっと昔からすんでいたのが一匹も、水はきれいなんです、私もなめてみましたよ、浄化した水を、しょっぱい、塩分はあるんです、結構。それはやはり幾ら優良業者だって処分場という宿命的なものを造ったら、かなり良心的にやっていても環境汚染からは逃れられないということがあるので、そういう意味で、私は今までの構造基準、維持管理基準、それから立入検査等の指導監督のシステムが非常に薄弱でしたから、やはり許可業者をもっとしっかりした目で見て、立入検査だけじゃなくてさっき言った実態調査の中にそういう対象を入れるべきだというふうに思います。そうすると、意外な、えっというようなことがもしかしたらぞろぞろと出てくる可能性があります。
#59
○岩佐恵美君 細田参考人の書いた論文をちょっと読ませていただいて感じたんですが、不法投棄のところの場所で、驚くべきことは不法投棄を行った業者に委託した企業の中には日本のそうそうたる大企業が含まれているということだとお書きになっておられます。
 今の基金の問題と併せて、こういう、やっぱり私はあると思うんですよね、その辺のやっぱりきちんとした責任の取り方というのがあると思いますが、その点について御意見を伺いたいと思います。
#60
○参考人(細田衛士君) ありがとうございます。
 今の点は、ここに経団連の庄子さんがいるので言いにくい部分、申し上げにくい部分もございますけれども、大企業の中では一つの企業でも環境に対する意識が、あるセクションでは非常に濃いところと、ほとんどないようなところが一つの企業でも同居しております。大企業と言われるような企業でも、ある企業は、同じような業種であってもきっちり対応してるところと、片やほとんど対応していない、おざなりだけということがございます。
 今回の青森、岩手の県境、これはちょっとニュースソースはどこか申し上げられませんが、委託した企業の名前を見てみますと、ほとんどが大手、私の、まあ皆さんよく知っているような大手の大企業でございます。恐らくその企業に環境対応はと聞けば、いや、我が社はこれほどやって、ISO14001取っています、環境管理はこうですということを恐らく説明される企業です。
 ところが、実際委託をしてみると、本来企業というのは、例えば製品を売るときにはまじめに上流まで行って不純物がないように物すごい原料調達のチェックをいたします。ところが、下流になるとわきが甘くなってしまう。よく情報がないから困るんですと言うんですけれども、それは情報は自分で集める、上流の情報は絶対御自分で集められます。下流の情報は、情報がありませんなんということは、私はそれは責任逃れでしかない。それを考えると、私は日本の企業もまず相当にわきが甘い。例えば広域指定を受けたある物流業者が、これはある関連業者と組んでやったところが八王子で、実は不法投棄につながってしまって広域指定を取り消されたという事態もございます。
 そういう意味で、物すごく努力されていることは認めますけれども、一方で相当まだわきが甘いということが、実態は私はあると思っています。
#61
○岩佐恵美君 この岩手県の検証委員会に北村先生はお出になっている、参考人はお出になっているということで、私読ませていただいて、大変よく調べられて御苦労されたということと、それからとても、何というか、今後私たちが考える上で貴重な報告書だと思っているんですが、その中で、国の問題点について、国の対応の問題点について指摘をされているんですね。先ほどちょっと言われた警察とそれから行政の区分の問題がありますよね。それだけではなくて何か幾つか指摘があったような気がするんですけれども、その点について、このことだけはという問題があれば教えていただきたいと思います。
#62
○参考人(北村喜宣君) あの事件が起こった当時はいわゆる地方分権の前でございまして、事務が機関委任事務ということで国の事務を岩手県庁が、岩手県知事が実施するということになっていた時期でございました。
 そこで、岩手県では、例えばこれは廃棄物であるかどうか、どのような対応が可能かどうかというのは自分の頭で考える以上に国の方にも照会をして迅速に対応をするということが求められたわけでございますが、必ずしもしていなかった。これは岩手県庁の問題であるのかもしれませんし、あるいは国の事務を岩手県で実施させている当時の厚生省の方からちゃんと情報収集をして必要な情報を提供していくというような仕組みがなかったということも問題点であろうかということでございます。
 そういうふうに、ともすれば国においては現場で何かする、アクションを起こすときにはすぐに分かるのでありますが、インアクション、不作為でいるというときの情報というのはほとんど上がってこないというのが地方分権の後でも前でも同じでございます。この点を、例えば国の役割の強化というふうなことが問題となっている産業廃棄物でございますれば、その点をどういうふうに考えるか、これが現在におかれましても国の重要な役割ではないかというふうに考える次第でございます。
#63
○岩佐恵美君 これは私がこだわっている問題なんですが、先ほど話題になったペットボトルのことです。(図表掲示)
 このグレーのグラフが生産量です。それから真ん中の、それから真ん中の低いのが資源化量です。そしてダイダイ色で目立つようにしているのが、これが廃棄量です。つまり、ごみになっている分ですね。容器リサイクル法ができてからどういう事態になったかというと、確かに資源化量は増えました。しかし、廃棄物としての量も増えているわけですね、このダイダイ色の線が。で、四割もその法律が施行されてから増えているわけですね、ごみが。それだけ自治体が負担が重くなっている。だから資源化貧乏という言葉が出てくるわけです。
 EPR、EPRと言いますけれども、私はやっぱり、生産者がちゃんと廃棄量まで責任を負ったらこういう事態はあるはずがないと思うんです。法律ができてもこういうことでは困るんですね。
 私はよく経団連にも伺ったことあるし、それから酒の業者の、日本酒だとかビールだとか、そういうところにも伺いました。あるいは瓶商の皆さんとも話したんですけれども、こういう使い捨て容器がどんどんはびこるようじゃ駄目なんですよね。やっぱりリユースする、それが排出抑制につながるわけですから、そこのところをちゃんと企業がしっかり考えていかないと、私はごみの量は未来永劫減らないと思うんですね。
 ペットボトルについて、確かに、背広にしたりネクタイにしたり、それは分かるんですけれども、それはもうすごくお金が掛かるんですよ。だから、資源化量は増やしていますよ、それは努力をされている。もう業界として、恐らく来年、今年ですか、今年度は五百億ぐらい使うんだそうですけれども、それでもやっぱり作るわけですよ。どんどんどんどんごみが増える。
 この状態について、庄子参考人のやっぱり積極的な取組を期待したいというふうに思うんですけれども、御意見を伺いたいと思います。
#64
○参考人(庄子幹雄君) 今の御指摘は全くそのとおりでございまして、現在、本当に水を飲むといっても水道の水というふうには若い人はいきませんで、必ず腰にペットボトルをぶら下げたりしていますですね。
 このペットボトルが増えていくというのは、もうこれから際限もなく増えていくのではなかろうかというふうに思うんです。一部の業界の方たちは、それをもう一回使いましょうと、ペットボトルで回収されたものをもう一回使いましょうというふうな動きも今ありますし、それを経団連としてもそういう指導もしています。
 それから、外国から今ワインなんというのが一杯入ってきますですね。色付きのガラスがもうどうしようもないと。これは私、日本容器包装リサイクル協会の実は理事会議長が山口日商会頭で、評議員会議長が私なものですから、もうじかにその声聞いているんです。
 ですから、これは産業界として、これからその取組、資源化というのは金掛かる、ですからそれにはもうインセンティブないとできないんですと。ですから、一回使われたものをリユースということでやっていきましょうということも指導しておりますので、先生の御指摘のとおり今後進めていきたいというふうに思っております。
#65
○岩佐恵美君 これを機会に少し具体的な話合いをさせていただければというふうに思います。
 今日はどうもありがとうございました。
 終わります。
#66
○高橋紀世子君 高橋紀世子でございます。
 大橋さんが以前シンポジウムの中で述べられているように、私も、企業の営利活動の結果である産業廃棄物の処理を行政の責任として行うというのはどうも納得ができないんです。やはり拡大者生産者責任の意識に立脚した法制度作りが求められていると思います。このたびの特措法の産廃の法案は、拡大者生産責任という観点から考えるといささか物足りないものになっていると思うんです。
 この点に関する参考人の皆さんのお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
#67
○委員長(海野徹君) それじゃ、四人の方々ですね。それじゃ、庄子参考人から。よろしいですか、拡大生産者責任。
#68
○参考人(庄子幹雄君) 今、ちょっとよく聞き取れなかった部分がございますんですけれども、特に産業界に対してどういうふうにというふうに。お答えするのに一番ふさわしい言葉で答えたいと思いますので。
#69
○高橋紀世子君 この廃棄物なんですけれども、やっぱり拡大者生産責任という考え方からすると、拡大者生産者責任というふうにしたいんですけれども、いささか物足りないように思うんですけれども、そのことについてお考えを伺いたいと思います。
#70
○参考人(庄子幹雄君) 分かりました。
 実はこの拡大生産者責任というのは大変産業界として重く受け止めておりまして、実は一九九九年に、先ほど細田参考人は、昨年OECDの会議に出られたということですけれども、OECDがその四年前に初めて拡大生産者責任というのをワシントンで会議持たれました。正式には初めてなんです。そのとき私出ましてヨーロッパの国々の方ともお話ししました。結局は、皆さんおっしゃるのは、産業界がやはり責任を持つべきだろうということを言われました。
 それに対して私はいささか異論はあったんですけれども、それ以降、経団連の内部でもお話ししまして、それに至るまでにはいろいろございます。
 ですから、今すぐ産業界がそれ持ちますよというふうに言ったら、これはかえってこの循環型社会には悪さをするだけです。ですから、それに至るまでのいろいろな整備がございます。それらにつきまして、環境省とも話し合い、また一般国民の方たちともお話合いをしというようなことを続けていきまして、その後で最終的には産業界が負いましょうという形に持っていきたいと思っております。
#71
○参考人(大橋光雄君) 私は、何でもっとうんと早い時期からこういったことが当然だという流れになっていなかったかというのを、今さら悔やんでもしようがないんですが。
 今は、庄子参考人さんのお話お聞きしていると、最終的にはというようなことが今日でもまだそうやって経済界のオーソリティーから出るんですね。最終的にじゃないんですよ。最初に生産者責任を前提とした経済活動をやりますよと、そういう仕組みを経済界も受け入れるから、政府、知恵絞って案を出してくださいと、こういうぐらいの進歩性が、これだけの、世界第二の経済大国と言われているところの産業界が、そのぐらい政府のしりをたたくんじゃなかったらいつまでたったって環境なんというのは回復できませんよ。
 私は、そういう意味で、今回の廃棄物処理法に入れるのが、テクニックとしていいかどうかは別として、少なくとも中央環境審議会が廃棄物処理法の中に導入を提案したんだから、テストケースとしてでも、他の法律もありますよ、リサイクル法、だけどもう欠陥だらけで、今のところまだ総合体系ができませんから、廃棄物処理法はごみが出て困っているんだから、その困っている部分だけでも拡大生産者責任の導入でストップ掛けると、あるいは風穴を空けると、そして他の法律にも波及させて、例えば容器包装リサイクル法のしようのないところをどうやって直すかとか、そういうふうになっていかないといけないと思います。
#72
○参考人(細田衛士君) 私、先ほどの陳述で申し上げましたとおり、拡大生産者責任はこれからますます強化されてしかるべきだと思っております。
 先ほど例の挙がりましたペット容器、このペット容器は、少しはちょっと最近違っていまして、導入のころは市町村の負担が非常に重く、一本の容器にどれぐらい掛かっているかというと、初めは〇・三円ぐらいの上乗せしか掛かっていない。これでは発生抑制のメカニズムが起こるわけがありません。
 かてて加えて、今、その他容器と、プラスチックと言われている、プラスチックは五百万トン一杯、産廃が五百万トン約、それが作られておりますけれども、これも作ったら作りっきりでございます。これ、今の法体系で処理するというのは非常に難しゅうございます。やはりその点も、もっともっと上の上流の段階で対応するということが必要でございます。
 ただ、一つ重要なことは、これ、我々が知恵を絞らなければならないのは、同じ拡大生産者責任と申しましても、例えば携帯電話をどうするのか。携帯電話、日本の場合ちょっと外国と違いまして、通信事業者、キャリアさんの責任が非常に重うございます。そこに責任を掛ければ私は携帯電話はいとも簡単にリサイクルができます。それをやらないところが非常に問題がある。それはパソコンともまた違う。それぞれの生産物によってかなり違いますので、その辺の交通整理をした上で私は厳格に拡大生産者責任を課すべきであろうと思っております。
 以上でございます。
#73
○参考人(北村喜宣君) 拡大生産者責任に関しまして、私も拡大した導入が必要でございます。
 これに関しましては既に循環型社会形成基本法で抽象的にはその方向が提示され、そういう意味では、循環基本法に則した形で各法律を改正するのが国会の責務として課されているというふうに認識しております。
 ですから、先ほどのグラフにもありましたとおり、ああいうギャップが起こるのは、あれは容器リサイクル法がそういうギャップを作るように仕組まれた法律だからできるわけでありまして、容器リサイクル法の責任といえば責任でありますけれども、それは当然の結果なのでございます。
 EPRは、結局だれが最も安く対応できるかという視点からできるものでございますから、これは消費者じゃなくて上流の人だということでございます。ですから、これは一種の規制改革なんですね。これは国家的な課題でございますから、そういう視点でも、だれが安く一番環境負荷を少なくできるかというところから、更に充実した導入が求められると考えております。
#74
○高橋紀世子君 大変心強く思いました。拡大者責任を是非これから進めていただきたいと思います。
 庄子さんが書かれたものの中で述べられているように、私は現在の社会が廃棄物の捨て得の社会になっていると思うんです。
 しかし、私は庄子さんと違って、むしろ罰則の強化が捨て得社会を助長するような結果になっていると考えるんです。私は庄子さんと違って、むしろ罰則の強化が捨て得社会を助長する結果になると考えます。罰則の強化では、更に悪質な不法投棄が行われ、行政と不法投棄、不法業者の追い掛けっこが永遠に続くだけのような気がするんです。
 そもそも不法投棄が横行するのは、そこに経済的な誘惑があるからではないでしょうか。罰則の強化は、その誘惑に負けた業者は罰を受けるということです。罰則の強化では、そこに存在する経済的な誘惑そのものを消し去ることはできないと思うんです。だから、その甘いみつに誘われて、更に悪質な投棄が生まれてしまうように思うんです。
 だから私は、その経済的な誘惑の方向を、拡大者責任の意識に立った制度の確立によって、私たちの社会を資源循環型の捨て損、再利用得社会へ本質的な転換をしていく必要があると考えます。捨て損、再利用得の社会づくりのために、どんな策が考えられるか、また、大変申し訳ないんですけれども、参考人様のお知恵を拝借できますでしょうか。
#75
○委員長(海野徹君) 全員ですか。
#76
○高橋紀世子君 はい。
#77
○委員長(海野徹君) 今の御質問、じゃ、庄子参考人から。簡潔にお願いします、時間があれですから。
#78
○参考人(庄子幹雄君) 大変残念ながら、捨て得といいますかね、その実態は、私が調べている範囲ではほとんど全部捨て得という形に不法投棄がなっているわけでございます。これをやめさせるという意味では、現時点では罰則の強化以外はないというふうに思います、大変残念ですけれども。
 それで、環境省に対しては、教育をしてくださいと、小さいときからの教育が必要ですということをお願いしております。
#79
○参考人(大橋光雄君) 私は、そもそも産業廃棄物の量がべらぼうに多く、景気が長年にわたって国を沈滞させるほどまでに悪くなっている中でも、産業廃棄物の四億トンが減らない、一般廃棄物の五千万トンも減らないんです。時には増えたりするくらい。このことがですね、このことが問題なんですよ。産業廃棄物を徹底的に、例えば十五年計画、二十年計画で本当に着実にみんなで努力して減らしていって、最後にはもう本当のちょっとしか残らないというところへ行ったら、捨て得とかなんとかという話は成り立たないんですね。それから、産業廃棄物処理業者の人たちだって、仕事があぶれて、あぶれてというか、あふれてくる物があると、ちゃんとした業者と裏街道の人がしのぎを削るようなことになってしまうんだけれども、もし産業廃棄物の委託量がどんどんどんどん減っていったら、当然の形として優良業者しか残りませんよ。優良業者というのもいろいろあるけれども。
 だから、やはり産業廃棄物をどうやって減らさせるかというための仕組みが廃棄物処理法の中にも必要だし、他の法律にも必要なんですね。私は、やはりそれしかほかに、罰則というのはもう付け焼き刃ですから、本質解決はございませんので。
 ただ、今のところ、さっき私が申し上げましたように、マニフェストとか立入り拒否とか、そういったことに対する罰則が余りにも低いということで、そういうものを一定のアップはしていかなきゃならないけれども、それは本質解決でないということをきちっと踏まえた上でやっていかないといけないと思うんですね。
#80
○参考人(細田衛士君) これは大橋さんのおっしゃったとおり、出るものを抑えないでおいて、どうしようとやってもこれは無理です。先ほど申し上げましたけれども、最終処分場はほとんど枯渇している状態です。枯渇して本当は料金が上がって、まじめな人は、高い料金で、節約しようか、それともそこに埋めようかということが起こるわけですけれども、料金が上がるとループが上がったから逃げてしまうわけです。その逃げ先が不法投棄先であり、一方で海外への流出なわけですね。だから、このループを抑えない限り、それは罰則だけでうまくいくとは思いませんけれども、もう一つは、元々出ないようにする仕掛けを作っておかない限り無駄だと思います。
 ここが、ただ難しいところは、産業廃棄物四億トンと申しましても、その二〇%は上下水道スラッジです。私たちがトイレに行っても水を飲むにも上下水道スラッジというものが出てきて、それを処理しなきゃいけない。それから二〇%は農業廃棄物、動物のし尿、それから遺体、それからビニール用シート、私の食べるものが廃棄物になってしまう。それから建設廃棄物。建設廃棄物は今、混合廃棄物というものが出てきます。もう二〇%、建設廃棄物であります。ただ、建廃の場合は、これは法律ができたために、アスファルト、コンクリート塊は九八%とリサイクル率がよく、それから混合廃棄物も非常な努力が進んでいて、建設解体が、分別解体が進んでおります。
 そういうようなシステムを導入することによって静脈の経済もできてきて、まじめに処理した方がインセンティブが出てくる。おっしゃったとおり、経済的な動機の中で処理されるという方向に誘導できるわけですけれども、その上流の方で、今、出したままのような世界のままでは難しいと思います。
#81
○参考人(北村喜宣君) 減量のインセンティブを働かせる必要がまずございます。そのためにはルートを整備しなくてはいけません。道がないところを走れと言っても無理でございます。しかし、ルートを整備してからでないと物事が始められないかというと、そうでもございません。恐らく同時並行的に進める必要があると思います。
 すなわち、減量してルートに乗せることがペイする仕組みを作らない限りはこの問題は絶対解決しないわけでございますが、同時に、規制の的確な運用、特に申せば、廃棄物処理法十九条の六で、排出事業者に対しても命令を掛けていくということが大きなシグナルとなってマーケットを動かすはずでございます。
 そのほか、申しましたように、組織犯罪処罰法でもって不法収益を確実に没収するということをやっていただくということが、これまた悪質業者に対しては大きなシグナルとして機能するはずでございます。
 さらに、規制のより拡大、例えば自社処理の解体業というのがこれはかなり問題でございまして、自社処理一般を規制するのは非常に難しゅうございますが、解体業についてだけでも何らかの網が掛けられないかというふうに、まだまだ抑えるべきところは結構あるというのが廃棄物処理の実態であろうかと存じております。
#82
○高橋紀世子君 不法投棄の何らかの手だてを考えていただきたいと思います。
#83
○委員長(海野徹君) 以上で参考人に対する質疑は終わりました。
 参考人の皆様に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は長時間にわたり貴重な御意見をいただきまして誠にありがとうございます。委員会を代表しまして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
 次回は来る十日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト