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2003/06/10 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 環境委員会 第14号
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2003/06/10 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 環境委員会 第14号

#1
第156回国会 環境委員会 第14号
平成十五年六月十日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         海野  徹君
    理 事
                大島 慶久君
                清水嘉与子君
                段本 幸男君
                小川 勝也君
                高橋紀世子君
    委 員
                愛知 治郎君
                小泉 顕雄君
                山東 昭子君
                真鍋 賢二君
                山下 英利君
                小林  元君
            ツルネン マルテイ君
                福山 哲郎君
                藁科 滿治君
                加藤 修一君
                弘友 和夫君
                福本 潤一君
                岩佐 恵美君
                田  英夫君
   国務大臣
       環境大臣     鈴木 俊一君
   副大臣
       環境副大臣    弘友 和夫君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  望月 義夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大場 敏彦君
   政府参考人
       警察庁生活安全
       局長       瀬川 勝久君
       総務省行政評価
       局長       田村 政志君
       外務省経済協力
       局長       古田  肇君
       国税庁課税部長  村上 喜堂君
       経済産業省産業
       技術環境局長   中村  薫君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    飯島  孝君
   参考人
       国際協力銀行理
       事        河野 善彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関す
 る特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)
○廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関
 する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(海野徹君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法案及び廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案の両案の審査のため、本日の委員会に警察庁生活安全局長瀬川勝久君、総務省行政評価局長田村政志君、外務省経済協力局長古田肇君、国税庁課税部長村上喜堂君、経済産業省産業技術環境局長中村薫君及び環境大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長飯島孝君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(海野徹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(海野徹君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法案及び廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案の両案の審査のため、本日の委員会に国際協力銀行理事河野善彦君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(海野徹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(海野徹君) 特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法案及び廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。
 大変この法案の審議に関しては、委員長や与野党間の理事の先生方の大変な御尽力で参考人並びに現地視察をするということまでやっていただきまして、充実した審議ができることに対してまずは冒頭感謝を申し上げる次第でございます。参議院としてこういう審議ができることは大変いいことだと思っておりまして、今後の法案につきましても、与野党問わず、またこの環境委員会、しっかりやれればなというふうに思っております。
 私も青森と岩手の不法投棄の現場に行ってまいりました。一言で言うと、驚きと怒りと今後の廃棄物行政はどうなるんだろうという思いでごちゃごちゃになって帰ってまいりました。私のような素人が行くと、あの投棄の現場を歩くと、本当にこれが不法投棄をされている現場なのかどうか分からない部分がたくさんあります。普通の一般の住民の方も恐らく分からないところがたくさんあって、歩きながら県の職員の方に、指を指して、福山先生、ここの地下に廃油のドラム缶が一杯埋まっていますと言われると、えっ、この下にドラム缶が一杯埋まっているんですかという話とか、ここは実は産廃が全部地下に埋まっているんですけれども、上が土で盛られているので分かりにくいと思いますし、春になると草が生えてきて全く分からなくなります、秋から冬に掛けては雪が一面覆うと更に分からなくなりますと。怖い話ですが、その雪は全部解けて流れていくわけで、もう本当にひどいなと思いながら帰ってまいりました。
 まず冒頭、もう前の審議でもいろいろあったと思うんですが、この青森、岩手の県境の不法投棄問題の行政責任というか、青森、岩手が見過ごしてきたことに対しての責任はどう取られるのか。青森に至っては、平成三年から四年に月一、二回立入検査を実施して、不法投棄が確認されなかったというような報告も出ています。この青森、岩手の行政責任について、環境省としてはどのように今お考えなのかをお答えいただけますでしょうか。
#8
○国務大臣(鈴木俊一君) 今回、参議院の環境委員会におきまして、青森、岩手不法投棄の現地を御視察をいただいたわけでございまして、この問題に対する御熱心な取組に環境省の立場からも感謝を申し上げ、敬意を申し上げたいと思います。
 私も、昨年の春に現地を見てきたわけでありますが、ただいま福山先生のこの印象と全く同じ気持ちを持ったわけであります。どうしてこういうものが出来をしてしまったのか、この間、何で気付かなかったのか、そういう思いを強くしているわけであります。
 一般論といたしまして、産業廃棄物といいますものは、その排出する事業者から見れば不要なものでありますから、それをお金を掛けて適正に処理するという動機付けがしにくいということがあろうと思いますし、一方におきまして、請け負って処分をする方も、きちっとするよりも何か不適正な処理をして不法な利益を得ようとする、そういう動機付けが付きやすいという、そういうことが一般的にあろうかと思います。
 青森、岩手、私も地元なものですからよく存じておりますけれども、大変に山の中でございまして、行政やあるいは一般の方の目にもやや目に付きにくかった点がある、そういう点もあろうかと思いますし、それから今、先生が御指摘になられました青森県、岩手県が行政として節目節目できちんとした対応をやはり抜かっていた点があったと、そういうことがああした不法投棄が出来をした原因であると、そういうふうに思っているところであります。
 青森、岩手両県におきましては、その行政責任を評価する検証委員会というものを設置をいたしまして、そこでも一定の行政責任があったということが指摘をされておりまして、今後の再発防止の対応を求める報告書が出されているわけでありますが、環境省といたしましても、その報告書を受けまして、青森、岩手両県が今後どのように対応していくのか、再発防止も含めて、そういうことを改めてきちんと報告を受け、これは青森、岩手に限らず、また、これが日本のどこかでまたこういうことが起こらないような、そういう一助にするような努力もしてまいりたいと思っております。
#9
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 今、大臣言われたように、あの細い道路を恐らくダンプが何台も何台も行き交ったんだというふうに思います。ああいう場所がほかに日本には全くないというのは、逆に言うと、あの現場を見れば見るほどほかにもあるんじゃないかなという危惧を持って私も帰ってまいりましたので、是非大臣、御答弁をいただいた点、しっかりとお願いをしたいと思います。
 それに関連して少し申し上げたいんですが、二〇〇〇年に廃掃法が改正をされた直後に、当時所管だった厚生省は、これで取りあえずの終着駅だという発言を当時の担当部長がされています。今回、二〇〇三年にまたこの廃掃法と特措法で、廃掃法に関しては改正の議論がされて、私は改正としては一段前に進んだと思って評価をしている次第でございますが、それでも、後で申し上げます拡大生産者責任の問題やマニフェストの義務化の問題やいろんな問題がまだたくさんございます。
 それから、今、大臣言われたように、今後の一助にするということですから、恐らくまだまだこの廃掃法の改正問題というのは日本のごみ行政の中ではずっと付いて回ると思っておりまして、いつまで続くのか、何とか早く日本の廃棄物行政に関してはめどを付けていただきたいなというのを本当に思っておりまして、住民の不信も含めて、頑張っていただきたいというふうに思っています。
 具体的なことを少しだけ詰めさせていただきたいと思います。
 まず、特措法についてお伺いします。
 この特措法は、平成十五年度から二十四年度までの間に平成九年の改正の施行以前に不法投棄された産業廃棄物を除去することを目的としていますが、十年の時限立法ですが、十年と定めた根拠についてお答えください。
#10
○副大臣(弘友和夫君) お尋ねのなぜ十年の時限立法かということでございますけれども、この本法案は、循環型社会形成の阻害要因となっております過去の不適正処分に起因する支障の除去等を時限法によって、財政支援等により計画的かつ着実に推進するための特別法でございまして、そういうことから、本適用期間については、実態を踏まえつつできるだけ短期間に設定する必要があるというふうに考えておりまして、この対象となる案件のうちの最大級と考えられます青森、岩手県境の事案、それからまた豊島の事案については、その処理に要する期限をいずれも現地における事業の着手からおおむね十年間というふうに予定されておりまして、その最大級が十年でございますので、本適用期間を十年としたということでございます。
#11
○福山哲郎君 この特措法の対象になる不法投棄の場所というのは、大体今全国で四百三十か所ぐらいあるというふうに環境省からは御報告を受けているわけでございますが、その四百三十か所のうちどれぐらいの場所について、廃棄物の撤去、浄化といったいわゆる法文上に言う支障の除去が行われるというふうに見積もっておられるんでしょうか。
#12
○政府参考人(飯島孝君) 先生御指摘になりました四百三十か所というのは、環境省が平成十三年に実施した調査の結果そういう報告があったわけでございますけれども、実際に原状回復に着手されるものにつきましては、この中で生活環境保全上の支障が実際に生じており又は生ずるおそれがあると都道府県が判断したもの、さらに都道府県が代執行するものということでありまして、現時点ではまだ確定したことは申し上げられませんが、おおむね二分の一から三分の一が対象になるのではないかというふうに想定をしております。
#13
○福山哲郎君 二分の一から三分の一ということは、二百か所から百五十か所程度ということですか。
#14
○政府参考人(飯島孝君) そのとおりでございます。
#15
○福山哲郎君 これは自治体にもう実際に問い合わせた数字なのか、そうでなければ、この百五十か所ぐらいだというのはどのような根拠で今おっしゃられているんでしょうか。
#16
○政府参考人(飯島孝君) 今、委員御指摘のありましたように、私ども、この法律が成立した後、都道府県に対して更に調査を掛けたいと思っているところでございますが、現時点では別途、毎年の断面の調査をしております。その断面の調査の中で、都道府県に対し生活環境保全上の支障があるかないかという問いをしておりますが、そのうち実は支障があると答えているのは三割程度で、支障がないというのは七割程度ございまして、そういった数字を参考にしております。もちろん、それよりも大きくなる可能性もあるのではないかということで、三分の一から二分の一という推定をしているわけでございます。
#17
○福山哲郎君 国内最大級がいわゆる青森と岩手の県境であり豊島だというふうにおっしゃいましたが、残りの、そうすると今言われた三割から五割、百五十か所から二百か所程度のものは青森や豊島ほどではないので、トータルで十年あれば支障の除去ができるという判断でございますでしょうか。
#18
○政府参考人(飯島孝君) 先生御指摘のありましたように、現在我々がつかんでいる最大級の不法投棄事案というのは青森、岩手事件、豊島事案でございまして、これらは、それぞれ今、豊島も含めまして県においてその処理に関する検討を行っておりますが、いずれもちょうど十年ぐらいこれから掛かるという検討結果になっておりまして、それを踏まえまして適用期間を十年としたわけでございますが、それ以外のものについてはそれほど大規模でないということもございますし、できるだけ迅速にこの不法投棄の原状回復措置を取るべきである、こういう考え方から十年と定めたわけでございます。
#19
○福山哲郎君 現状の御説明では多分そうなるんだと思いますが、青森と岩手では一か所だけで八十二万立米にも及ぶ広さだったわけです。豊島のときも、豊島は国内最大で、こんなことが起こるのかと言われて大騒ぎになったら、今度青森、岩手が出てきました。
 今、都道府県から、いろんな調査をして、平成十三年度の調査をした結果、四百三十か所ぐらいだと。そのうちの恐らく百五十から二百か所が支障の除去が必要だという判断は、現状では僕はそうだと思います。ただ、例えばこの青森、岩手の例を見ても、調査に乗ってこない可能性のある不法投棄の現場というのはこれから先出てくる可能性がたくさんあると思いますし、今回この特措法と廃掃法の改正をしたおかげで未遂や疑いや立入りがしやすくなるということは、それだけ発見される可能性が、別に多く可能性としては出てくるということだと思うんですね。
 それはそれで僕はいいことだと思っているからそこは評価しているんですが、ということは、豊島や青森、岩手は十年でほぼいける、ほかのはそれよりも今のところ分かっているところは規模が小さいので十年でいけるとおっしゃられましたが、逆に同様のでかいものが出てくる可能性もこの改正によって出てくるので、あえて十年というのが、区切ると本当にいいのかなと。そこの根拠があいまいだと、次また環境省さん御苦労されるんではないかなというふうに思っておりまして、そこは少し懸念をするところでございますが、もし政府委員の方、何かあれば、それに対して。
#20
○政府参考人(飯島孝君) 先生御指摘のありましたように、今後、これまで分からなかった大きな事案が出てくる可能性というのは否定できないわけでございますけれども、豊島があって、青森、岩手があって、またそれと同じ程度のものが、環境省も十三年に調査は掛けておりますし、出てくるということは現在は想定をしないで先ほど言ったような試算をしているわけでございます。
 いずれにしても、それが何年もたって出てくるということもおかしな話でございますし、この特措法を契機としてきちんと調査をしていただくことによって早期に、そういうものがもしあるならば早期に発見して、これは十年じゃなくて九年でやらなきゃいけないというような話になるかもしれませんが、そういう形で速やかに除去を行っていく必要があるというふうに考えているところでございます。
#21
○福山哲郎君 そこは是非、この廃掃法の改正がうまく機能するように願っています。
 同様のことなんですけれども、平成十三年に全国実態調査が行われて、それによってこの法案の基の資料が、数が出てきているわけですが、参考人質疑の中で、大橋参考人も、情報漏れが多く、法案の対象となる不適正廃棄物の数量は環境省の調査結果よりもはるかに大量だろうと考えられると指摘をされています。
 先ほど私が申し上げた点で、隠れているというか、表に出ていない不法投棄の現場というのがまだあるような気がします。あの青森と岩手を見れば、あれでとどまるとは到底思えないという状況の中、経年の調査や全国の実態調査についてもう少し精度を高めるとか、環境省の中で何らかの形で全国実態調査の制度設計についてもう少し改善を加えようとか、そういうような議論は行われているのか。もし行われているんだったら御紹介をいただきたいと思いますし、課題を検討されているんだったらその点についても御答弁いただければと思います。
#22
○国務大臣(鈴木俊一君) ただいまの先生の御指摘は大変重要な点であると思います。今回の産廃特措法を御審議お願いしているわけでありますが、これをきちんと動かすためにも産業廃棄物の不法投棄の実態というものをしっかりと把握する必要がある、こういうことでございます。
 先生も、今も御質問の中でお触れになられましたけれども、平成十三年度に都道府県に対するアンケート形式の調査をいたしました。それからその後、経年ごとの変化を調べる調査、これを毎年毎年行っております。これは地元の方々の通報でありますとか、それから監視パトロールということで地元の市町村が確認をしたものでございますので、これも現状で可能な限りの不法投棄の実態をとらえているというふうには思っておりますが、しかし投棄量不明というものもあるわけでありまして、必ずしもすべてを網羅していない可能性もある、そういうふうに認識しております。
 今後、そういう問題意識の下で更に調査の精度も高めて、そしてこの実態をきちんと把握する努力を環境省としてもいたしていくわけでありますけれども、そのためには、都道府県が行います監視体制の強化、それから不法投棄情報の通報体制の整備、こういうものに対して支援を行おうと、そういうふうに思っております。こういうことを通じまして、さらに実態調査の方法についても検討を行いまして、不法投棄の実態が更に正確に把握できますように努力をしてまいりたいと思っております。
#23
○福山哲郎君 そこは是非早急に制度設計をしていただいて御努力をいただきたいというふうに思います。
 同様のことなんですけれども、産廃の数のデータの件なんですが、これは前回の質疑のときに高嶋委員からも出たかもしれませんが、産廃のデータを見ると、年々の最終処分量は平成八年の六千万トンから平成十二年の四千五百万トンというふうに減少していますが、現実の排出量は四億トンでほぼ横ばい、この五年間のリサイクル率も余り変わっていない、そういう状況の中で産廃の中間施設が廃業しているところもたくさんあると。
 何で最終処分量だけが大幅に減少しているのかとか、産廃の量とそれから残余容量とのずれみたいなものとか、最終処分量と残余容量のずれみたいな話とかも出てきておりまして、この産廃の量等についての統計についての信憑性を高めるというか、信頼性を高める必要性については環境省としてはどのようにお考えでしょうか。
#24
○政府参考人(飯島孝君) 先生御指摘になりましたように、環境省が毎年実施しております産業廃棄物の排出・処理状況の調査でございますけれども、これは、基本的には都道府県が五年に一回きちんとした調査を行うわけでございますけれども、その都道府県が行う排出事業者を対象とした産業廃棄物の排出量、それから再生利用、最終処分量の処理状況に関する調査結果を基に推計をして行っているものでございます。
 これは、委員から御指摘ございましたけれども、全国の産業廃棄物の全体的、経年的な傾向をつかむための調査でございまして、より詳細には先ほど申し上げました各都道府県ごとに五年に一回地域における詳細な状況を明らかにする調査がございますし、さらには、問題となるような施設につきましては個々の施設における詳細な実態解明などのそういった目的の調査も必要と考えておりまして、その目的に応じてやはり調査方法が異なってくる。また、調査の内容も、推計で済むものから全部積み上げなきゃいけない膨大な作業が必要なものまで出てくると思います。
 いずれにいたしましても、その目的に合わせまして、より精度の高い実態を反映したものとなるよう都道府県の協力も仰がなければいけないわけでございますが、調査、推計の方法については合理的なものに見直していきたいというふうに思っております。
#25
○福山哲郎君 少し確認ですが、合理的な方法に見直していき、実態把握ができるような形にはしていきたいというお気持ちは環境省の中にはあるわけですね。
#26
○政府参考人(飯島孝君) はい。例えば、多量排出事業者について、その処理実績を都道府県が取ることになっておりまして、こういったものを活用するとか、あるいは処理業者に報告徴収を、これは悉皆にはいかないと思いますが、報告徴収を行ってその処理実績をきちんと把握すると、こういう方法によって精度は上がっていくだろうと思っておりますので、そういった方法を、いかに都道府県の負担が大きくならない範囲内で協力を仰いでいけるかというポイントがあると思いますが、先生御指摘のとおり、改善をしていきたいというふうに思っております。
#27
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 この処理の実態を把握するためにも、マニフェストの電子化等、後で御質問しますが、必要だと思います。
 特措法について、もう二つぐらいお伺いします。
 この法案が成立した後、今年度の予算としては三十億円がこの特措法、計上されています。今年度は一体何か所の除去にこの三十億円が行われるというか、使われるというふうに見積もっておられるのかということと、もし予算不足等が生じた場合にはどのように対応されるおつもりなのか、お答えいただけますか。
#28
○副大臣(弘友和夫君) 三十億というのは、先ほど来議論がございますように、この十年間で大体総事業費が九百から千億、そしてまた国庫補助額の総額はそれによって三百から四百億ということでございまして、十五年度の、十か年計画の初年度として三十億ということでございます。
 これであれの場合は、従来の補正予算で措置してまいりました基金の残額がまだ四十八億ございます。それも充当できるという部分もございますし、今後、法律の施行段階において都道府県の取組予定等を把握いたしまして効率的に予算を執行するとともに、引き続き必要な予算額の確保に努めてまいりたい。
 本年度何か所かというのは、ちょっとまだ計画が出ておりませんので、それを見ながらやっていきたいというふうに考えております。
#29
○福山哲郎君 ということは、今年度に関してはほぼ何とかいけるだろうということですね。
 そうしたら、もう一つちょっと気になること、細かいことですが、お伺いします。
 この特措法の対象は、平成九年に改正された廃掃法の施行日以前、つまり平成十年の六月以前に不法投棄された地域が対象になっているわけですが、この平成十年六月より以前と以後をまたいで不法投棄をされているような場所があるというふうに思うんですが、もしこういう、以前と以後をまたいで不法投棄をされているような場所についてはこの特措法の対象となるのかどうか、お答えいただけますか。
#30
○副大臣(弘友和夫君) この支援対象は、一応今お話しのように平成十年六月以前の不適正処分、それから生活環境保全上の支障が生じ又は生じるおそれがある、そして原状回復等が処分者等の無資力により履行されない場合、都道府県が代執行すると、これが支援対象となるわけでございますけれども、ここで言う事案というのは、処分者との同一性、それから地理的一体性、それから事件の経緯を総合的に判断しまして一つの事案とみなせるものであり、同一の処分者等が同一の土地で断続的に不法投棄を行っていた場合、これは着手時点が平成十年六月以前であれば、またいでいても着手時点が六月以前であれば今回の特措法の対象となるというふうに考えております。
#31
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 もう一つ、支障の除去についてなんですが、二条の二項に「支障の除去」というのがありますが、これはどの程度、どの範囲のことを考えておられるのか。例えば、当該投棄地があって、その隣の土地に汚染が例えばしみて進んでいたような状況の場合に、その支障の除去というのがその隣の土地まで及ぶのかどうか、対象となるのかどうか、お答えいただけますか。
#32
○政府参考人(飯島孝君) 支障の除去等の範囲に関する御質問というふうに受け取ります。
 基本的には、その投棄地、投棄された土地の中における対策が中心になると思いますが、御質問ありましたように、その投棄地と密接一体となっているような土壌が汚染されているとか、そういった場合、その支障の程度とか、それから投棄地内の対策で汚染の拡大が防止できるかとか、そういった可能性も勘案する必要があると思いますけれども、基本的には本法案の支障の除去等にぎりぎり必要な範囲内で該当するというふうに判断をしたいと思っております。
#33
○福山哲郎君 ということは、該当するということですね。
#34
○政府参考人(飯島孝君) ケース・バイ・ケースになると思います。その支障の程度とかそういったものを勘案する必要があると思いますが、初めから該当しないという考えではなくて、該当する可能性があるということで判断をしていきたいと思います。
#35
○福山哲郎君 例えば、そのときに、この土壌が、隣の土地の土壌が汚染をされていたときの除去、支障等に該当するかどうかを判断する基準というのは、何をもってそこは判断をされるんでしょうか。
#36
○政府参考人(飯島孝君) 基本的には、不法投棄された廃棄物によって、それが原因で汚染されているということが、当たり前の話でございますけれども、当然そういう判断になると思います。
#37
○福山哲郎君 その汚染の基準は何によってされるんですか。やっぱり土壌環境基準とかを照らして、それよりも悪化をしているような場合には隣の土地もそこは支障の除去の対象になるというふうに判断すればいいんですか。
#38
○政府参考人(飯島孝君) そういった基準については今後検討する必要があると思いますけれども、基本的には生活環境保全上の支障という言い方を、客観的な言い方をしておりますので、その支障として考えられるかどうか、あるいは支障が生じるおそれがあるかどうか、こういった形で、具体的な基準というのは個々のケースごとに見極めていかなければいけないと思いますが、現時点では土壌環境基準と決めているわけではございませんけれども、そういうものを参考にして検討したいと思います。
#39
○福山哲郎君 青森、岩手で遮へいをするというふうに準備をされているんですが、遮へいをするのは見付かった以降の話でございまして、これまで本当に、さっき申し上げたように雪とかが流れているようなことも、解けて流れているようなこともあって、その当該投棄地の周辺ということに対しても非常に僕は気になったもので今の質問をさせていただきました。是非そこは弾力的に対応していただきたいと思います。
 それから、当該都道府県が実施計画を作ることになっています、この特措法によると。実施主体は都道府県ですし、都道府県が実施計画を策定して予算措置を行い、国から補助金を受けて除去作業を行うことになっていますが、この実施計画の策定に対しては環境大臣の同意が要ることになっています。
 そうすると、環境大臣の同意をするには、都道府県が実施計画作るわけですが、一体その同意、大臣が同意をする基準というのは、一体どういうことならば同意をされるのかと。都道府県としても、環境大臣に同意されないようなものを作ってもしようがないわけですから、その環境大臣の同意をするに当たっての基準というのは今どのようなものをお考えなのか、お答えいただけますか。
#40
○政府参考人(飯島孝君) この支障除去等の事業というのは、基本的には事業主体が都道府県等でございますので、国の関与につきましては最小限のことということで協議規定を設けているわけでございます。
 現実に、その基準でございますが、同意する場合の基準でございますが、これにつきましては、今後、環境大臣が策定する基本方針、これが基準に当たるものではないかというふうに考えておりまして、これについては総務大臣にも協議の上、同意をするという手続を取ることになります。
 具体的に基本方針でどういうことを書くかということでございますが、まず、先ほど御質問ございましたけれども、支障の除去を行うべき事案はどういうものであるかという限定をいたします。これは、平成九年改正法の施行前の不適正処分であるということとか、生活環境保全上の支障が生じる又は生じるおそれがあるもの、さらに、早期にすべての事案について問題解決を図る必要があるというようなことを基本方針に書こうと思っておりますし、また、産業廃棄物の処分の行為者あるいは関与者に対する責任追及がきちんとなされているかということも基本方針で触れたいと思いますし、さらに、支障の除去の内容、どういった対応を取るのか、工法であるとか事業の実施期間であるとか、さらに、処分の行為者に対して行ってきた指導の状況、これまでにどういう行政指導あるいは行政処分を行ってきたか等々につきまして基本方針で定める予定としておりまして、それに該当しているかどうか、当たっているかどうかというのが同意の基準になるというふうに思っております。
#41
○福山哲郎君 今、随分具体的にお答えいただいたので大変有り難いんですが、青森、岩手の事例ですと、この基本方針ができて都道府県が実施計画を作るわけですが、現実に今、青森も岩手も幾つかの案を検討しているわけです。この法案が通って基本方針ができないとそれをスタートできないわけで、この法案が、今日採決されると思いますが、参議院で採決をされた後、基本方針は多分、一日も早く環境省に策定をしてもらいたいというのが青森、岩手の、都道府県の意向だと思いますが、これ、済みません、事前通告しておりませんのでお答えにくければ結構でございますが、基本方針はどの程度の期間でまず環境省はお作りいただくおつもりなのか、お答えいただけますでしょうか。
#42
○政府参考人(飯島孝君) 期間をここで具体的に御答弁するのは困難なわけでございますが、現実に、今申し上げたような基本方針の内容につきましては、青森、岩手両県、あるいは非常に心配をしております香川県等についてもお話をしているところでございまして、もうできるだけ速やかに、これ手続が、当然手続の日数が要ると思いますけれども、できるだけ速やかにこの基本方針は策定、公表したいと思っておりますけれども、中身につきましては、もう事前に実施計画を策定中、準備中の都道府県ともよく相談して行っていきたいというふうに思っております。
#43
○福山哲郎君 済みません、もう少しだけ聞かしてください。
 できるだけ速やかにというのは、もう数か月のうちぐらいでということでいいんですね。
#44
○政府参考人(飯島孝君) もちろんそのつもりでおります。
#45
○福山哲郎君 これは速やかに基本方針をお作りをいただきたいと思います。
 もう一つでございますが、今の青森と岩手のケースですと、青森県側の除去計画と岩手県側の除去に対する実施計画ができてくるわけですが、同一事案で二つの県から計画が出てきます。これはやり方が、御案内のように多少違ってきています。このような状況のときに、別に青森、岩手の県に私は特定をしてお伺いするわけではないのですが、環境大臣は調整を行ったり、若しくはその計画の見直しが基本方針に沿っているか沿っていないかによって見直しを求めたりすることはできるのかできないのか、お答えいただけますか。
#46
○政府参考人(飯島孝君) 特別措置法法文上で環境大臣が勧告をするとかそういった規定はございませんけれども、実際に判断する、支障の除去を、実施計画を策定するかどうか、支障の除去を行う必要があるかどうかを判断するのは、やはりこれは一義的に都道府県であるというふうに考えております。
 関係都道府県で実施計画の内容が異なる場合というのは、現実に青森、岩手でもあるわけでございますが、これは地理的条件等によって全体の高さが違ったりすることから、当然その撤去の方法とか、あるいは処理の方法が変わってくるというのは当然あると思いますが、これは全体として整合が取れるように十分な調整を図っていく必要があると思っておりまして、環境省の立場としては、法的な権限としてということではなく、実質的に技術的な助言、支援というものを行っていきたいというふうに考えているところでございます。
#47
○福山哲郎君 そこは、逆に言うと都道府県任せというか、国としてもしっかりと助言をしていただきたいと思いますし、もう一つは、例えば先ほど話がありました百五十か所から二百か所の他の不法投棄の現場で、なかなか都道府県が、例えば予算不足だからといって実施計画を遅らしていたり、除去になかなか踏み切れないような場合がある場合に、環境大臣の方からここについてはもう早く実施計画を作って支障の除去をしろというような、法文上は勧告権はないんでしょうが、そういう指導等は行われるつもりはあるんでしょうか。
#48
○政府参考人(飯島孝君) 先ほど申し上げたところでございますが、一義的には都道府県が判断すべきものだと思っております。この判断というのは地域の環境保全の立場から行われるものでございまして、財政上の理由などによって支障除去事業を実施しないということはおよそ地方自治の本旨からいっても考えられないというふうに思っているわけでございますが、実際にその問題が生じる場合もございます。そこにつきましては、基本方針、環境大臣が策定する基本方針の中で、生活環境保全上の支障が生じる、あるいは生じるおそれがあるものについては早期にすべての事案について問題解決を図るべきということを基本方針に明記したいというふうに考えております。
#49
○福山哲郎君 分かりました。ということは、想定としては余りそういうことはないと、速やかに都道府県も実施をするはずだというふうにお考えですね。──それで結構です、はい。それで、そうあっていただきたいと思います。
 それともう一つですけれども、この都道府県が策定する実施計画ですが、これは一回だけ実施計画を提出するのか。言葉は悪いんですが、私は青森とか岩手へ行って感じたんですけれども、想定以上に実は不法投棄の量が多かったとか、今調査して、ボーリング調査とかしているよりも実はもっと奥深くにいろいろあったとか、そうすると、予算がそれ以上に掛かったり、修正計画なりをしたり、実際に支障の除去の作業を始めたけれども、思った以上にその不法投棄は大変で、時間が掛かり過ぎて、予定をしている年月日よりも、要は予定時期が多少ずれ込んだと、作業がずれ込むようなことがあった場合に、この実施計画の届出の変更や、もう一回実施計画を出し直すというようなことは都道府県は可能なのか、またそれを環境省は受け入れられるのか、その辺に関してはいかがでしょうか。
#50
○政府参考人(飯島孝君) 都道府県が定める実施計画というのは、環境大臣が定める基本方針に即していろいろなことが定められるわけでございますが、その根幹にかかわる部分についての変更、例えば区域の変更、それから具体的な処理方法や期間の変更、それから費用の額の変更、こういったものがあった場合には法文上も実施計画の変更が必要になります。したがいまして、実施計画の変更は初めの実施計画と同じ手続が必要になりまして、審議会等の意見を聴取したりあるいは環境大臣と協議をする、こういった手続が必要になってまいりますので、それは当然、そういう根幹に触れる部分についての変更がございましたら変更という手続を行っていただくことになります。
 なお、変更があるかないかを待っているだけではなくて、私どもも、毎年の予算措置がございますので、環境省としても、都道府県の取組状況、実施計画に即した事業の実施状況、これをヒアリングして計画的な実施を促進していきたいと思っております。
#51
○福山哲郎君 それともう一つ、この法案の中には、実は住民、地域住民ですよね、実際に被害に遭う可能性のある地域住民の参加のプロセスが少し欠けているのではないかなというふうに思っています。恐らく審議会等でという話、実施計画策定に対して審議会等でそういう住民を入れるんだというお答えが出てくるのかもしれませんが、都道府県の実施計画の策定の前の、例えば事前公表だとか公聴会の実施だとか住民に対して地域での環境破壊についてのヒアリングをするとか、そういったことに対してどのように担保されるおつもりなのか、お答えをいただけますでしょうか。
#52
○国務大臣(鈴木俊一君) 実施計画策定に当たっての住民の参加のプロセスをどうするかということでございますが、この産廃特措法に規定されております都道府県が策定する実施計画におきましては、その策定に当たって、都道府県等に設置されております審議会あるいは地元市町村の意見を聴くことということにいたしております。
 そして、先生が御指摘になりました事前公表でありますとかあるいは公聴会等の具体的な策定プロセスをどのように行っていくのかということにつきましては、これは一義的には都道府県の判断によって決められる、そういうふうに思います。
 しかし、不法投棄された産業廃棄物の原状回復を図る事業といいますのは、やはりその地元住民を始め関係者の理解というものが十分得られて進めていくということが大切なことであると、そのように思いますので、国といたしましても、審議会や市町村の意見聴取といった手続の過程できちんと実施計画の内容を住民に対して説明をする、そういうことを基本方針においても示してまいりたいと考えております。
#53
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 実は、私も、基本方針に住民参加のプロセスについて何らかの形で明記をしてほしいということを申し上げたいと今思っていたら、大臣がおっしゃっていただいたので実は大変ほっとしまして、正に住民は不安な中でこの現場を見詰めているわけでございますから、実施計画策定に当たって住民参加のプロセスを確保できるように、是非そこは積極的に基本方針に明記をいただきたいと思います。
 次に、廃掃法の改正について幾つかお伺いをします。
 これは前の審議の中でも出てきましたので繰り返しになるかもしれませんが、例の中環審から出た「今後の廃棄物・リサイクル制度の在り方について」の意見具申では拡大生産者責任について記載がありますが、今回の改正では盛り込まれなかった。なぜかというような話はありましたが。
 環境省にお伺いをしたいのは、今後、じゃ、拡大生産者責任を導入をしていくとしたら、導入の見通しはどういう状況なのかということと、この廃掃法に拡大生産者責任を盛り込むためには、どういう条件が整えば産業界を納得というか環境省が説得ができると思われているのか。
 つまり、どういう我が国の中で条件整備が行われれば拡大生産者責任が盛り込まれた廃棄物処理行政が行われるのかについて幾つか条件を提示していただかないと、我々自身としても、今回、拡大生産者責任が盛り込まれなかったことに対して、ああ、この部分が足りないから入らなかったんだというようなことは分かるんですが、今のままですと、産業界から反発があってというような話があるのでは、ある種抽象論で分からないので、今後、その環境整備をしていくためにどのようなものが必要だと思われているのか、環境省さん、お答えいただけますでしょうか。
#54
○国務大臣(鈴木俊一君) 私からちょっと、全体の話をさせていただきまして、具体な話、必要であれば飯島部長の方からお答えをさせますけれども、今、先生が御指摘になりましたような適正処理困難物の一般廃棄物、これに拡大生産者責任の制度的拡充をしていこうということにつきましては、関係者、具体的に言えば産業界でありますけれども、どういう品目を対象にするのか、それから、あるいは生産者とそれから市町村の責任をどこまで認めるのかというようなところにつきまして、結局話がまとまらなかったということでございます。
 しかしながら、私といたしましても、この拡大生産者責任、特にその適正困難物にかかわる問題につきましては、これは重要な問題だと思っておりますし、それから、話合いをしてまいりました経済界の方とも、そちらももう重要な問題だということで、これについては継続して話合いをお互いやっていこうという合意もあるわけでございますので、そうした方面との協議も進めなくちゃなりませんし、それと併せて、実態としてその適正処理困難物がどういう形で出ているのか、どういうものがどういう程度出ているのか、そういう実態把握等も進めながら、早い機会にこれが実現できるような努力を継続して行いたいと思っております。
#55
○福山哲郎君 じゃ、具体的に、部長、何かあれば。
#56
○政府参考人(飯島孝君) 先生の御質問の中のどういう条件のときということについてお答えするならば、基本的には、その対象となる品目についての実態、排出状況あるいは処理の状況、この実態をきちんと調査してあることが必要だと思います。さらには、それに関係する生産者、いわゆる拡大生産者責任の、そういう製品の製造者等、それから、もちろんこれまで適正処理困難物であれば市町村が処理することになっていたわけでございますので、市町村も含めて十分な議論を行って、そして理解をお互いに得るということが必要な条件だというふうに考えているところでございます。
#57
○福山哲郎君 済みません、細かいようですが、その実態調査というのはどこがやるんですか。
 つまり、実態調査しなきゃいけないとはいいながら、どこがやるのかが決まらないと多分いつまでたっても前に進まないと思うんですけれども、環境省としてはどこが、環境省が、よっしゃ、わしのところがやると、それを産業界に示すんだという決意でいるのかどうかも含めて、お答えいただけますか。
#58
○政府参考人(飯島孝君) 今回、この適正処理困難物の拡大生産者責任制度を検討しているときも行ったわけでございますが、基本的に環境省が当該自治体、全国の市町村にお願いをいたしまして、そして実態を把握していただくということでございますので、これを環境省がイニシアチブを取って調査をしていきたいというふうに思います。
#59
○福山哲郎君 経産省さん、今日お呼びをしていますので、今環境省が、環境大臣が拡大生産者責任の導入について議論を深めていきたいと、実態把握も導入も含めてというふうに大臣がおっしゃっているんですが、業者官庁である経産省は前向きにこのことについては御協力をいただけるのかどうか、お答えいただけますでしょうか。
#60
○政府参考人(中村薫君) お答えいたします。
 廃棄物リサイクル問題の解決に当たりましては、製品における設計・製造段階での環境配慮の能力と技術力を有する製造事業者の役割は今後ますます重要になっていくというふうに認識しております。
 これまで、政府としては、廃棄物としての発生量が多いもの、また市町村における適正処理が困難なもの、資源の有用性が高いものを中心に拡大生産者責任に基づくリサイクル法制の導入を図っており、回収・リサイクル段階での措置としては平成七年に容器包装リサイクル法を、また平成十年には家電リサイクル法、また平成十四年には自動車リサイクル法を制定したところであります。また、さらに、平成十二年には設計・製造段階での三R配慮の、設計から回収・リサイクル段階までをカバーする資源有効利用促進法を制定し、これまでパソコンや二次電池などの六十九品目を指定することによって製造事業者の三Rに係る取組を促進しているところであります。
 なお、製品ごとに製造、流通、消費の廃棄の実態は異なっておりますから、一律に論ずるというよりは製品ごとの実態、特性を十分に踏まえて、製造者、消費者、自治体、国の役割を整理しつつ、実効のあるリサイクルシステムの構築を図っていくということが重要であるというふうに認識しております。
 経済産業省といたしましては、今後とも環境庁とも連携しつつ、市町村が適正に処理できない一般廃棄物といった緊急性の高いものの品目や量などについて実態を調査し、対応の在り方について検討し、製造事業者を始めとする関係者間の適切な役割分担を図りながら必要な措置を講じてまいる所存であります。
#61
○福山哲郎君 協力する意思があるのかどうかについてはよく分からぬ答えでしたが、まあ協力していただけるんだろうなというふうに私は前向きに取りたいと思います。
 誤解をしていただきたくないのは、私は別に産業界がいいとか悪いとかという、何か二元論みたいな議論をする気はありません。私も企業の中でゼロエミッション工場とか作っているところも見に行ったことも何回もありますし、そこで本当に涙ぐましい努力を企業としてされて頑張られるところもあれば、先ほどから出ている不法投棄をしたり、そういうほかのトップランナーの企業が頑張っているのに関して、景気も悪いこともあるんでしょうが、フリーライドしている企業もあるわけで、それを一概に論ずることの危険性があるということは私自身も理解をしているつもりです。しかし、現実に排出量抑制が行われない状況で、この廃棄物行政というのはいつまでたってもイタチごっこで延々と続くわけで、そういう点でいうと、この拡大生産者責任の導入というのはもう絶対に必要だと私は思いますから、そこは環境省と経産省、どうか協力をし合って、早い導入に向けて御努力をいただきたいと思います。
 廃掃法の少し細かい話に行きます。
 今回、都道府県の立入検査については、廃棄物であると疑いがあれば立入検査が可能になりました。例えば、これまででも廃タイヤを有価物だと言って長年放置しているケースなどもあるわけです。この疑い、廃棄物の疑いがあるということが一体どういう判断基準なのか、疑いというのはどの程度なのかということによって、僕はこの法の実効性というのは大分変わると思っているんですが、廃棄物の疑いというのは今どういう定義で想定されているのか、お答えいただけますか。
#62
○政府参考人(飯島孝君) 先生御指摘になりましたように、これまで有価物であると偽って立入検査を拒み続けて不適正処理を続けると、こういった悪質な例が見られていること、これが背景にございまして、今回この疑いのある物という条文追加をしたわけでございます。
 その定義といいますか、具体的判断基準ということでございますけれども、現実に処理業者などがこれは廃棄物ではありませんと主張をしたとしても、その物の性状、それから通常それがどのように取り扱われているか、要するに、ほかのところに行けばそれが廃棄物として処理されているのが通例なのか、それとも有価物として取引されているのが通例なのか、こういった判断をいたしまして、社会通念に照らして地方公共団体の職員が廃棄物である可能性があると判断したものというふうに言うことができると思いますが、もっと具体的に基準をということになりますと、逆に、非常に悪質な人間はその基準をもってまたそこで言い逃れをするということになりますので、これは社会通念上、地方公共団体の職員が判断できるものというふうに解釈をしているところでございます。
#63
○福山哲郎君 それから、もう一つお伺いをします。
 この法律で立入検査というのは十九条に規定されているんですが、その対象として列記されているものは処理施設や事業場だというふうに書いてありまして、私有地は特に明記されていません。しかしながら、青森とか岩手は実際に私有地に投棄されている場合がありまして、疑いのある場合に私有地に対しても立入検査は可能かどうか、お答えいただけますでしょうか。
#64
○政府参考人(飯島孝君) 廃棄物の処理が行われている場所であれば、それが施設の中であろうとあるいは私有地というようなところであろうと、廃棄物の処理が行われているということでございますれば、立入りを行って物件を検査することができるという解釈でございます。
 なお、この青森、岩手の場合はそうなんですが、行政処分の目的だけでなく、立入検査、報告徴収というのは、広く廃棄物の処理に関する指導監督、こういう目的のためにもできるということを付言させていただきます。
#65
○福山哲郎君 青森の場合で、それ私有地だったのでなかなか分かりにくかったというような議論がよく出ているのは、やっぱり立入りの制限があったからなんでしょう。これ、済みません、事前通告していないので、お答えいただければ、お答えいただけなければそれはそれでいいんですが。
#66
○政府参考人(飯島孝君) ただいま私が御答弁をいたしました、私有地であっても当然に廃棄物処理が行われている場所であれば可能であるということにつきましては、平成十三年の行政処分の指針ということで環境省が明確にしたものでございまして、この青森、岩手事件の当初におきましてそこまで明確化していたかというと、必ずしもそうでなく、それは判断が分かれるようなところがあったわけでございます。それは事実でございます。ただ、現在はしっかりとできるということでございます。
#67
○福山哲郎君 私有地であること、私有地であっても疑いがあれば立入検査は可能だということで、更に不法投棄の現場が発見される可能性というのは高まると思いますので、是非そこはよろしくお願いしたいと思います。
 ではもう一つ、細かいことですが、お伺いします。
 今回、不法投棄又は不法焼却の未遂行為を罰すると定められています。未遂を摘発できるというのは評価ができるというふうに思いますが、どんな準備行為が未遂に当たるのか、これ前の審議でも出てきたんですが、取締りを行う者にとっては現場ではなかなか未遂で、ここは、これは未遂だけれども、これは未遂ではないというのは大変難しいと思うんですが、現状における未遂の定義はどんなものか、お答えいただけますか。後でちょっと具体例お伺いしますが。
#68
○政府参考人(飯島孝君) 未遂罪というのを加えたわけでございます。未遂罪というのは犯罪の実行行為に着手してもこれを遂げずに結果が発生しなかったために犯罪は成立しないと、こういったケースについても処罰をすると、こういう意味でございます。
 今回改正に盛り込まれました不法投棄、不法焼却の未遂罪は、行為着手の段階で警察官等の監視に気付いてこれらの行為が完遂に至らなかった、そして処罰を免れるということがこれまで起きていたことにかんがみて設けたものでございまして、具体的に幾つか例を挙げますと、不法投棄の場合は、例えば不法投棄するダンプカーの荷台の操作等一連の行為を始めた直後に警察官に制止された場合、あるいは監視に気付いて行為を打ち切った場合というのが該当いたしますし、不法焼却の場合は、廃棄物を焼却する目的で点火をしたけれども廃棄物が燃焼するに至らなかった場合、あるいは焼却の目的で廃棄物にガソリンをまいた場合、こういったものが該当すると考えられます。
#69
○福山哲郎君 済みません。じゃ具体的にお伺いします。
 例えば不法投棄をするつもりで穴を掘っていたと。横にはちゃんと穴があったと。そこに、要は、ごみが満載されたトラックが来て横付けされたと。横付けされた時点では未遂じゃないんですね、穴が横にあっても。さっき部長がおっしゃられた話でいえば、荷台が要はずうっと上がってごみが落ち掛けている状況でストップで未遂だという話なんですが、穴があって満載されたトラックが横付けした場合は未遂は成立しないんですね。
#70
○政府参考人(飯島孝君) 今のお話ですとその他の周辺の条件も加味して司法が判断することになると思いますけれども、今、先生御指摘になったものだけ、その行為だけ、横付けしたという行為だけで未遂罪を構成するというのは一般的に言って難しいと思います。
#71
○福山哲郎君 それでも未遂罪にならないんですね。僕なんかは岩手、青森見てきたので非常に印象が強いんですけれども、不法投棄の現場からちょうど車で、もう行かれた先生方はよくお分かりだと思いますが、行かれた現場から、そうですね、車で五分ぐらい手前のところに駐車場みたいなところがあって、そこで計量して、トン幾らで計量してトラックがそこでずっと待機をしていると。夜中になると、ずうっとがあっと、そこへ五分ぐらいの不法投棄の現場、夜中になると、そのトラックが移動して穴に入れて、その日の夜じゅうに土をかぶせて帰ったという話を現場でお伺いをしたわけですね。
 僕なんかでいうと、そこの駐車場のところで計量してトン当たり幾らでお金の受渡しをして待機をしている時点で未遂じゃないかと思うんですが、そうじゃないですよね。今の、だって、今の話でいうと。
#72
○政府参考人(飯島孝君) 先ほども御説明いたしましたように周辺の条件によって変わってくると思います。今の先生のような場合、もう一つ加えれば、それは前に同じような行為をした者であるということを同定した上でその者がそのようなことをすればこれは未遂罪が成立する可能性は高いと思いますけれども、ただダンプが穴に横付けしたからこれを未遂罪というのは司法の判断ですが難しいのではないかという一般論を申し上げたわけで、その周辺の状況を加味して考えれば当然そういった未遂罪は成立する場合もあり得ると思いますし、あるいは未遂罪というよりも正にそれは不法投棄をしたという方で、あるいはほかの廃棄物処理法違反で取締りができるのではないかと思います。
#73
○福山哲郎君 済みません、もう一つだけ。細かいようでごめんなさい。
 積替えのために一時保管をしているというような名目で長い間保管をしていると。一時保管ですよと言って置きっ放しの例があるわけですが、その場合には僕は未遂にならないと思うんですけれども、先ほど部長が言われたように、別の廃掃法違反が適用されるんだと思うんですが、ただ、一時保管で長い場合に、どのくらい期間を保管をしておいたら一時保管で、そうじゃない場合は一時保管じゃないと、これはもう不法投棄だというような、その境目というのはあるんでしょうか。
#74
○政府参考人(飯島孝君) その期間の問題だと思いますが、これは既に具体的な事例としてそういう問題が廃タイヤとか廃パチンコ台で起こっておりまして、それについては要するに保管者に説明責任があるといいますか、契約書がちゃんとあるのかどうか、そういったものを説明させる必要がございますし、それから期間の目安といたしましても、例えば六か月とかそういったことを通知で出しているわけでございますが、基本的には積替え保管の基準でございます産業廃棄物の処理基準、これで改善命令ができますのでそういったことを行うし、それに従わないで長期間放置してあれば、これは正に不法投棄そのものではないかということで、みだりに捨ててはならないというこの条文で取締りができるというふうに考えております。
#75
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 さらに、二十四条の三の緊急時における環境大臣の報告徴収、立入検査というのがありますが、これまでは一般廃棄物だけが対象だったわけですが、これはなぜか、今回対象を産廃にも拡大した趣旨はなぜか、お答えいただけますでしょうか。
#76
○政府参考人(飯島孝君) これは産業廃棄物に関する事務事業の在り方に関係いたします。
 昨年十月に、地方分権改革推進会議が「事務・事業の在り方に関する意見」で、現在、暫定的に法定受託事務とされている都道府県の産業廃棄物にかかわる事務については、産業廃棄物対策が国の環境政策における全国的な問題となっていることを踏まえ、国の責務や総合的な責任強化の方向の明確化などを図った上で、法定受託事務と位置付ける方向で検討するとされたところでございまして、私どもはこれを受けまして、この法案におきましては国の責務として、これは国の責務規定でございますが、広域の見地からの調整ということを明記いたしました。また、国の責任の強化の一環として、今御質問のございました生活環境の保全上特に必要な場合には国も自ら立入検査などを行えるようにしたものでございます。
#77
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 その次、この二十四条の三で言う緊急な事態というのはどのような事態を想定をしているのか、お答えをいただけますか。
 国が緊急だと言って立入りとかをするということは、もう実際その時点では、私などの想定で言うと、もう都道府県が緊急だと思っているはずなわけで、それを飛び越して緊急だと国が認めるというのはどういう事態なのかということについてお答えいただけますか。
#78
○政府参考人(飯島孝君) 基本的には、生活環境保全のために迅速な措置が求められる事案でございまして、個々の都道府県のみでは迅速な対応に限界があるのではないかと考えられる場合でございます。
 具体的には、一つの県でなくて複数の都道府県にわたって大規模に行われたような場合、今回の事件もそういうわけでございますけれども、個々の都道府県でそれぞれ対応しようと思ってもなかなか迅速に対応できない場合があるだろうということで、そういう場合に国が緊急と考えて都道府県と連携して立入検査ができるようにするということでございます。
#79
○福山哲郎君 そうすると、広域的な都道府県で不法投棄がされている場合だということですが、実際にこれをやる場合には、言葉選ばないで言うと、両都道府県がお互い動きにくいと、お互いのいろんなメンツとかいろいろあるのかもしれませんが、そういう状況のときにこれではいけないということで国が動くということですが、実際的には土地カンも含めて動くのは都道府県になるわけですから、それはもう実質的には国が都道府県に対してもう早く動けよというふうに勧告をするようなことだというふうに思えばいいわけですね、解釈としては。
#80
○政府参考人(飯島孝君) 勧告というよりも、複数県にまたがる場合にその複数県の対応の調整を行う。先ほど国の責務で申し上げました広域的な調整というのが、広域的な調整の一環として国も連携して報告徴収や立入検査ができるというふうに考えております。
#81
○福山哲郎君 それから、環境省がホームページで、産廃の不法投棄や不適正処理を行った業者の行政処分情報について、八月をめどにホームページで掲載、公開するとしています。現実に、二〇〇一年度の産廃処理業の許可取消し件数が百八十五件、二〇〇〇年度の二・三倍に達しているわけですが、この八月のホームページでの公開というのは一体どういう内容のものを公開する予定なのか、お答えいただけますでしょうか。
#82
○国務大臣(鈴木俊一君) 今御指摘の環境省のホームページで公開をしようとしておりますのは、各都道府県それから保健所設置市が産業廃棄物処理業者等に行った許可の取消し、それから事業停止等を予定をいたしております。
 まずは、先ほどから出ております行政処分指針、これは平成十三年六月に出したわけでありますので、それ以降の産業廃棄物処理業の許可の取消しにつきまして、取り消されました処理業者の氏名、それから許可番号、またその取り消された理由等を公開をしようと思っております。
 そして、将来的には、都道府県の協力をいただきまして、五年をさかのぼって、過去五年間の産業廃棄物処理業者の許可の取消し、事業停止、処理施設の許可の取消し、改善命令、また措置命令ということまで公開の範囲を広げていきたいと、そういうふうに思っています。
#83
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 そういう情報公開は非常に重要だと思います。排出業者、排出事業者にとってはやっぱり優良な業者を知るということは非常に重要だということをこの間の審議の参考人もおっしゃっておられました。
 そういう点で環境省にお伺いをしたいのですが、環境省は産業廃棄物の格付調査、手法検討調査報告書というのを昨年の八月にまとめられて、この調査で産廃処理業者の格付のモデル的手法を取りまとめられていますが、こういった格付導入について、調査報告書までまとめられているわけですけれども、現在の環境省の見解はどのような見解かお答えいただけますでしょうか。
#84
○国務大臣(鈴木俊一君) 排出業者、これが産業廃棄物処理業者を選定するという行為は、他の普通の経済行為と同様で、事業者の自己責任の下でマーケットにおける公正な競争を通じて行われるものであると、そういうふうに思っております。そして、そのための情報の一つであります格付につきましては民間のビジネスとして展開されるべきでありまして、そうした民間の取組が公正な市場競争というものを通じまして格付の情報というものの質が高まる、あるいは情報の信頼性が向上されていくということになろうかと思っております。
 公的部門がどの処理業者にどの程度信頼性があるかという格付を行うことになりますと、これはあたかもお墨付きを与えたとも取られかねないわけでありまして、排出事業者の自己責任を損なって、また、これからこの格付といいますものが民間で行われるという方向になりますと、そのビジネスの妨げにもなるということで、必ずしも適切ではないと、そのように考えております。
 環境省の役割といたしましては、格付自体を行うのではなくて、格付という手法によるものも含めまして、処理業者の信頼性、それから優良性に関する情報、これが流通しやすくするような枠組みを整備することにあると、そのように考えておりまして、その一環として、今、先生御指摘になられましたが、格付の方法論の提案を昨年夏に行ったところでございます。
 また、その都道府県行政が保有いたします処理業者に対する行政処分の情報につきましては、都道府県において情報公開が進められていることも踏まえまして、これを環境省で集約をして広く一般に提供していくこととしておりますが、このことも枠組み整備の一歩になるものと考えております。
 さらに、枠組み整備の一環といたしまして、適正処理推進センターが実施しております産廃ネットにおきましても、今後の取組強化の方向として、ISO14001の認証取得の有無あるいは財務諸表等の経理的情報、環境報告書などの情報公開の取組の有無などにつきまして、処理業者の選択に当たって有用と考えられる情報を追加して産廃ネットを拡充強化していくことも考えてまいりたいと思っております。
#85
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 それからもう一つですが、これも委員会で出ましたが、紙のマニフェストは年間四千五百万件、電子マニフェストがそのうちの百分の一の四十一万件、何か事件が起こった場合、四千五百万件もの紙のマニフェストを一枚ずつチェックすることができるのか正に疑問ですし、青森、岩手の県境の問題では、三栄化学工業は紙のマニフェストを全部焼却処分をしていたというひどい話がありまして、この処理業者がマニフェストを焼却処分した場合の罰則はどうなっていますでしょうか。
#86
○国務大臣(鈴木俊一君) 先生の御指摘のような焼却という行為がこの青森、岩手の事案で発生したということは私も承知をしているところであります。
 排出事業者につきましては、マニフェストの保存義務違反という、保存義務というのがあってそれを処罰する罰則もあるわけでありますけれども、処理業者については、保存義務はあるものの罰則はなく、マニフェストに記載された事項を帳簿に記載し保存する義務についてのみ罰則を科しているという状況でございます。
 マニフェストや帳簿を保存する義務に違反して破棄する行為を始め、法に違反する行為を防止するためには、一つとして、現在、環境省で作成中の不法投棄問題への対応の手引におきまして、都道府県がマニフェスト等を入手するための迅速な対応の方法等を盛り込むことといたしております。また、二つとして、マニフェスト等の入手又は内容確認を行うべきことについて、地方自治法に基づく法定受託事務の処理に当たり、よるべき基準として定めることなど、現行法を厳格に運用することがまず大切であると思いますが、しかし、その上で、こうした義務違反に対する罰則の創設あるいは強化等、制度的な対応についても検討をしてまいりたいと思っております。
#87
○福山哲郎君 そこは帳簿に対する転記の義務違反はあるかもしれませんが、今、大臣おっしゃられたように、マニフェストの焼却処分等については、義務はあるけれども罰則ないということで、是非その罰則強化についても、今言われたように積極的に検討していただきたいと思います。
 同様で、これも前に質問が出ましたが、電子マニフェストの導入について、義務化という議論があるんですが、義務化まではなかなか厳しいという議論がすぐ出てきます。最近では携帯電話からの接続も可能になっていて、よりマニフェスト導入については環境整備ができていると思うんですが、電子マニフェストのより広い浸透に向けて義務化しろというのが僕らの思いですが、そこについてはどのように積極的にお考えなのか、お答えいただけますでしょうか。
#88
○国務大臣(鈴木俊一君) マニフェストの電子化につきましては、当委員会においても御指摘、質問の中で受けているわけでありまして、このマニフェストの電子化といいますことは重要な課題であると、そのように認識をしているところであります。
 しかし、先生が今御指摘のように、いまだその普及といいますものは一%足らずであるということでございまして、現段階では、これは法で強制的に義務化するといいますよりも、もう一段の普及促進を図っていくことが大切ではないか、そういう段階ではないかと思っております。御指摘のとおり、平成十四年二月から携帯電話からも接続ができるようになったということもその普及を促進する一つの取組であると、そのように思っているわけであります。
 今後も、電子マニフェストの普及拡大のため、特定の地域等でのモデル事業の実施、それから廃棄物処理センターなどの公共関与の処分場に産業廃棄物を搬入する中間処理業者等の導入促進策の検討、また電子マニフェストの利用しやすさの向上のためのシステムの改善、こういうものを検討いたしまして、今後、計画的、総合的に取り組んでまいりたいと思っております。
 まず普及拡大を図って、これからの普及状況というものも踏まえまして、義務化についても選択肢の一つとして視野に入れまして電子マニフェストの利用拡大の検討を行ってまいりたいと思っております。
#89
○福山哲郎君 是非そこは積極的にお願いしたいと思います。
 また、前回の参考人で北村参考人が言われたことについて、三つほどあるので、簡単にお答えいただきたいと思います。
 産廃行政というのは、元々自治事務にするはずだったのが、結局、制度全体にわたる見直しが必要だということで暫定的法定受託事務というふうに言われたのがそのまま法定受託事務になっています。自治事務にする必要があるのかないのか、それからいまだ法定受託事務である根拠、それから法定受託事務でも各都道府県は条例制定、横出し、上乗せの条例制定が可能かどうか、そこの三点について簡単にお答えいただけますでしょうか。
#90
○政府参考人(飯島孝君) 先ほどの御質問にもお答えした中で申し上げたわけでございますけれども、地方分権改革推進会議におきまして、先ほど、産業廃棄物行政の在り方に関する意見が出ておりまして、その意見を踏まえまして国の責務を明確化し、国が広域的な見地から調整を行うことを国の責務として規定する、こういった改正案になっているわけでございます。
 これは、どうあるべきかというのは、それは学識経験者の先生方からいろいろ御意見があったところかと思いますが、私どもはその地方分権改革推進会議の議論を踏まえてこういう措置を取ったわけでございまして、今年の五月でございますけれども、地方分権改革推進会議が先ほどの意見のフォローアップを出しておりまして、そのフォローアップ、会議の意見の実施状況ということを述べているわけでございますが、廃棄物処理法の改正案において国の責務が明確化された内容及びそれに伴って都道府県の産業廃棄物許可等の事務については法定受託事務として整理されているところでございます。
 このように、今回の改正案の内容及びそれに伴う法定受託事務とする事務区分の整理というのは、地方分権改革推進会議の意見を反映したものでございまして、意見の実施状況としてこの会議においても確認されているということで、私どもはこの産業廃棄物問題、構造改革の途中であると申し上げているわけでございますが、これがきちんとなされるまでは法定受託事務として整理されているというふうに解釈しているわけでございます。その後、自治事務にすべきではないかということは、そのときにまた議論をされるべき話であると思います。
 それから、条例が制定ができるかどうかということでございますが、これは、地方自治法によれば、自治事務あるいは法定受託事務、いずれにおきましても法令に違反しない限度において条例を制定することができるとされておりまして、条例の制定権限というものは、自治事務、法定受託事務、区別がないところでございます。しかしながら、当然、法定受託事務というのは国が本来果たすべき役割にかかわる事務でございまして、国において、法律だけでなく政省令あるいは事務処理基準においてその処理の細目が定められていることが多いわけでございますので、法令に違反しないという制約条件が自治事務に比べて強くなるということは否めないと思っております。
 いずれにいたしましても、自治事務、法定受託事務のいずれであっても、法令の趣旨がいわゆる上乗せ、横出しを認めていない事項については条例とすることはできないということになります。
#91
○福山哲郎君 ありがとうございました。
 最後にします。長くいろいろ質問させていただきましたが、とにかく課題の多い産廃行政、是非環境省は頑張っていただきたいと思いますし、やっぱり東京や埼玉のごみを青森や岩手に持っていくというのが本当に正常な姿なのかどうかというのは、私もちょっと考えました。やっぱり域内というかブロックぐらいで中間処理やリサイクル処理施設を造って、そこには公的な関与も含めて、造ることによって、積極的にその域内である意味処分ができるような体制がやっぱり必要なのではないかというふうにも思いましたし、そのためには、実態把握の問題、不法投棄の実態把握の問題、それから冒頭申し上げました産廃の量の実態把握の問題、環境省にはやっていただかなければいけない課題が、責務がたくさんございますので、是非、大臣始め御努力いただきますことをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
#92
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 まず私は、最初に環境大臣にお聞きしたいと思っています。
 同僚の議員が当地を訪れて、驚き、怒りを感じたというふうに言っておりましたが、私も全くそのような気持ちになっておりました。
 県境の八十二万立米の不法投棄問題について、両県は検討委員会を開催してそれぞれ結論を出しているわけでありますが、前回の審議のときに指摘いたしましたように、青森の報告内容は、既に指摘がありましたように、岩手県の結論と比較しても行政責任についてはあいまいでないかなという、そういう意見が極めて多いなというふうに考えております。
 排出者責任は極めて重いことは言うまでもないわけでありますけれども、また同時に行政責任も重大であると。やはり国費を投入する意義が十分果たせるようにすべきでありますし、逆に言いますと、意義がないものについては国費を投入してはいけないと、そういうふうに言えるわけでありまして、そういう主張をすることが当然であると私も思っております。やはり今後、捨て得につながることがあってはいけない、やはり厳しい行政上の責任追及が必要である。
 私は、まず、青森・岩手合同検証委員会、仮称でありますけれども、こういったものを設置して、さらに行政責任、担当部署の責任を明確にすべきではないかと。やはり国費の投入のことを考えますと、環境省が指導し、厳正な検証を行うべきではなかろうかと、こんなふうに考えているわけでありますけれども、大臣はどのようにこの辺についてのお考えがあるでしょうか、お願いいたします。
#93
○国務大臣(鈴木俊一君) 今回、産廃特措法を御審議をお願いしているわけでありますが、この法律が成立いたしまして、そして過去の負の遺産を一掃すると。そういうことで、国費が投入されるということでございますから、それの前提といたしまして、どうしてこういう事態が出来したのか、そうした都道府県のこの責任に対する検証というものがやはりきちっと行われなければならないというのは、先生と全く私も同じ認識でいるわけであります。
 両県におきましては昨年の十月に検証委員会というものが設置をなされまして、本年の三月までに検討が進み、そしてその報告書が出されたわけでありますが、その報告書におきまして、青森県については、県の業者に対する認識の甘さと行政調査の不徹底や警察等との連携が不十分であったこと、それから岩手県につきましては、県が違法性のある産廃、廃棄物収集運搬業の更新許可を行ったことについて、それぞれ一定の行政責任があったということを指摘をされているわけでありまして、今後の再発防止のための対応が取られているところであります。
 環境省といたしましては、両県が外部にこのような評価の委員会を設置してその行政責任を明らかにしようとした、その姿勢については評価できるものと考えておりますが、この報告書を受けまして、肝心なのは、青森、岩手両県がどのように再発防止策を取るのかということが重要でございまして、こういうことにつきまして改めて両県から報告するように要請しているところでありまして、必要に応じて助言をしてまいりたいと思っております。
 産廃特措法案におきましては、都道府県等の責任の明確化がきちんと行われますように、実施計画の策定に際して、地方環境審議会及び関係市町村の意見を聴くとともに、環境大臣に協議するという制度としているところでありまして、両県から実施計画の協議を受けた際に両県の行政責任が果たされているかどうか等につきまして厳正に審査をしてまいりたいと思っております。
#94
○加藤修一君 よろしくお願いをしたいと思います。
 第三条の基本方針、第四条の実施計画、これがあるわけでありますけれども、法律の書きぶりというのはこういうことになりがちかもしれませんが、現時点では基本方針についての内容というのは明確に分からないなという率直な意見を申し上げたいと思ってございます。いずれにいたしましても、モラルハザード、これを最大限回避するような担保のある基本方針というものを、きちっと最善の取組、そういう内容に取り組んでいただきたいと要請をしておきたいと思います。
 それで、前回質問した中に、いわゆる不法投棄の関係で、いわゆる原状回復あるいは防止にかかわる懇談会報告の関係を引用しまして、いわゆる行政、警察と地域住民が一体となり、それはやはり早期発見と早期対応が基本であるということになっているわけなんですけれども、私は警察OBの活用ということも極めて重要でないかなと思っております。安全、安心社会の構築をしていく上ではこういった面についてどういうふうに考えていくか、いわゆる環境犯罪であります不法投棄の監視、いわゆるモニタリングでありますけれども、防止のために警察活動の経験が深いOBのいわゆる知的な人的資源を有効に積極的に活用すべきではないかと、このように思っております。
 シルバーポリス制度、あるいは群馬県では警察安全安心サポーター制度、こういったものがあるわけでありますけれども、不法投棄をいかにモニタリングするか、そういった場合にこういった制度を活用していくことが極めて重要だと思っておりますが、警察庁、この辺について積極的に対応していただきたいと思っておりますけれども、どのような見解をお持ちでしょうか。
#95
○政府参考人(瀬川勝久君) 産業廃棄物の不法投棄事案は大変重大な犯罪であるというふうに認識をしております。特に、健康、地球環境という観点から、警察としましても大変重要な取締り課題であると認識をしておりまして、平成十四年中の検挙状況をちょっと申し上げますと、事件数で六百八十三事件、検挙人員が千八百五十八人ということで、前年に比べまして、事件数で三二・四%、検挙人員で一四・三%という増加をしておるところでございます。
 御質問でございますけれども、やはりこの不法投棄事案というのはどうしても人目に付かない場所で極めて短時間に敢行されるという特徴がございまして、そのモニタリングというのは大変困難な課題であり、かつ重要なポイントであるというふうに考えております。
 そこで、各県の行政当局におきまして、例えば、警察官のOBをこの不法投棄の監視要員として再雇用していただいたりしておりますし、あるいは警備業、ガードマンでございますね、こういったところに監視を業務委託をするといった工夫、努力をしておられるものと承知をしております。警察としましても、これらの方々と協力をし、その迅速な発見と取締りに努めているところでございます。
 また、御質問にございました、警察OBによるいわゆる犯罪抑止のためのパトロール活動をしている方々の活用でございます。
 これにつきましては、警友会という組織が各県ございまして、これは警察のOBで組織をしている団体でございますが、こういった方々に協力をいただいて、事件、事故の情報提供でありますとかパトロールでありますとかいうことをお願いしております。言わば各種防犯活動のボランティアということで活用しているわけでございますが、こういったボランティアの方々につきまして、委員御指摘のように不法投棄の監視に活用するというのは大変効果的な手法であろうというふうに考えられます。ただ、その監視すべき地域が、どうしても防犯活動というと都会といいますか都市部であるところ、産業廃棄物不法投棄となりますと山間部という場所的な制約といいますか相違もあろうかと思いますけれども、大変有効かつ効果的な手法であるというふうに考えられますので、是非各県の実情に即して検討をしていっていただきたい、そういう課題であるというふうに考えております。そのように各県にも推奨といいますか進めてまいりたいと、こういうふうに考えております。
#96
○加藤修一君 警視庁では全体でシルバーポリスとして委嘱している人数は一千八百二十五人。都道府県でそれぞれそれなりに数がいると思いますけれども、そういった面についての実態調査をよろしくお願いしたいと思います。後日、報告をお願いしたいと思います。
 それでは次に、参考人の陳述を聞いて非常に参考になっていたわけでありますけれども、細田参考人が海外の不法投棄の懸念をちょっとした時間の中でさっと言ったように私は記憶しているわけなんですけれども、やはりリサイクル資源と称しながら貿易相手国においていわゆる環境汚染などにつながっていく可能性もなくはないということを考えていきますと、ある局面においてはこういったことについても考えなければいけないかなと、そういうふうに思ってございます。
 いわゆる公的な国際信用保証機関の活動は極めてそういった意味では重要で、JICAあるいはNEXIの環境社会配慮ガイドライン、これはJBICをモデルにしているわけなんですけれども、極めてこのJBIC等のいわゆる環境社会配慮ガイドライン、国際的に高く評価されていると。垣根が低い国へエコダンピングがあってはいけないわけですし、そのほかのOECD加盟国がいわゆるJBICのこういったものについて十分取り上げていく、いわゆる環境のコモンアプローチということを取っていくべきだと私は強く思っているわけでありまして、さきのエビアン・サミットにおいて、こういった面について我が国はどのようにOECD諸国に対して、あるいは、エビアン・サミットですから関係国しか来ていないと思いますけれども、そういう取組について外務省としてはどのように対応をしてきているのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
#97
○政府参考人(古田肇君) 御答弁申し上げます。
 御指摘ございました環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン、JBICの新環境ガイドラインと言っておりますが、これは国際協力銀行が業務を遂行します際に、自然問題だけではなくて、自発的ではない住民移転の問題でありますとか先住民族等の人権の尊重の問題でありますとか、こうした社会面を含む環境にも十分配慮すべきことを定めたガイドラインでございまして、二〇〇〇年十月以来、一年間にわたって学識経験者、NGO、関係省庁、それに委員にも積極的に御参加いただきまして御提言をいただきまして、それに基づいて昨年四月に発表したものでございまして、この十月から全面的に施行するわけでございます。
 御指摘のありました各国政府関係機関、国際機関等のこういった面での対応でございますが、こうした輸出信用の供与でありますとかあるいはODAの実施に際して環境社会面への影響に配慮すべきであるという考え方は広く国際的にも共有されてきておりまして、エビアン・サミットでは特にこの点については話題になっておりませんが、例えば、既に公的輸出信用におきましては、二〇〇一年にOECDの輸出信用作業部会におきまして環境共通アプローチというものを策定しておりますし、さらにこれを質の高いものにするように改定作業がこの九月から開始される予定でございます。
 それから、各国援助機関によるODAの実施につきましては、OECDのDAC、開発援助委員会の環境作業部会におきまして、効果的な環境面に配慮した援助の実施ということで様々な討議が行われてきておりまして、ガイドラインでありますとかあるいはグッドプラクティシズといいますか、好事例集といいますか、そういったものを作ってきておるわけでございます。我が国といたしましては、こうした場におきましてJBICの新しい環境ガイドラインを積極的に紹介するとともに、環境社会配慮の確認を一層進めるように各国に働き掛けていきたいというふうに考えております。
 また、途上国に対しましても、政策協議等の場がそれぞれ国別にございまして、そういった場におきましてJBICの新環境ガイドラインを十分説明し、これを踏まえて案件の実施が行われていくように求めていきたいというふうに考えております。
#98
○加藤修一君 今は外務省ですか。──外務省ですか。
 それでは、いずれにいたしましても、環境コモンアプローチ、このJBICの中身は極めて評価が高いものですから、ほかの評価の低いものに合わせるようなことがあってはいけないですし、JBICだけが高い垣根のまま持っていて、別な関係で不利を被るようなことがあってはいけないわけですので、是非、国際社会におけるこういった面についての取組を外務省はしっかりと頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それで、庄子参考人は不法投棄に関連して次のようなことも言っておりました。いわゆる子供のころからの環境教育の重要性を指摘していたわけでありますけれども、この辺についてJBICは、いわゆる一つ一つプロジェクトの関係でありますので、環境教育を一つのプロジェクトとして考えていくのは現段階では難しい局面もあるかとは私は思いますけれども、いわゆる環境教育の事業の展開というのを是非考えていただきたいなと、このように思ってございます。
 また、地球憲章ということについても、環境教育の立場から考えますと極めて重要な諸点を含んでいる。モーリス・ストロングあるいはゴルバチョフが先駆的にやっている中身でございますけれども、こういった面についてもアプローチしていくことも十分必要なのかな、あるいは重要であるのかなと、こういうふうに思っておりますけれども、こういういわゆる環境教育の関係の事業展開について是非積極的な対応を考えていただきたいと思っておりますが、今日もどうかよろしくお願いいたします。見解をお示ししていただきたいと思います。
#99
○参考人(河野善彦君) お答えいたします。
 国際協力銀行におきましては、円借款業務の基本方針であります海外経済協力業務実施方針におきまして七つの重点分野を定めておるわけでございますが、このうちの二つがそれぞれ環境改善、公害防止支援及び人材育成への支援ということになっております。また、昨年の開催されました持続可能な開発に関する世界首脳会議、ここにおきまして日本政府が提案し、国連総会において決議された持続可能な開発のための教育の十年がございますが、これを受けまして、本行といたしましても改めて環境教育の重要性を認識しているところでございます。
 こういったことを踏まえつつ融資活動をやっておるわけでございますが、委員御指摘のように、環境教育の要素を含んだ開発プロジェクトというものも融資対象として取り進めておるわけでございます。また、環境教育に係る調査というものを実施いたしまして、UNEPほか、他の機関がこの問題につきましてどのように取り組んでおるかと、よい実例等もカバーするような調査をしてこれからの取組に備えておるところでございます。
 いずれにいたしましても、環境教育について今後更なる努力を進めてまいりたいと、こういうふうに考えておる所存でございます。
#100
○加藤修一君 今の国際協力銀行の事業、プロジェクトについては、その中で環境教育について触れているという、そういう認識をしているわけなんですけれども、ただ、これからはソフトにかかわるそういったプロジェクトを立ち上げていくことがだんだん多くなってくると思うんですね。もちろん、なかなか環境教育だけで一つのプロジェクトというのは難しい課題がまだまだあるように私は思っておりますが、しかし、将来を見据えて、先ほど答弁の中にありましたように、WSSDのいわゆる教育の十年の関係を含めて考えていくならば、非常に私は、環境に対する配慮の考え方を社会全体が持つことが極めて重要なわけでありますから、それによってまた社会的なコストが低減できるという観点も十分入っていると考えることができると思うんですね。
 そういった点を含めて考えていくならば、私はJBIC、国際協力銀行がそういった面についても先駆的に環境教育にかかわるプロジェクトとして立ち上げていくことについて積極的な対応を考えていただきたいと、このことを要請いたしまして、私の質問を終わります。
 以上です。
#101
○岩佐恵美君 私、前回の質疑でちょっと残してしまった問題で、不法投棄の現場の問題、幾つかお伺いをしたいと思います。
 最初に、滋賀県の志賀町和邇中の不法投棄の問題です。
 ここは元々の地面よりも四十メーターも高い巨大なごみの山ができていて、一部割れ目からガスが吹き出していました。無許可の埋立てを行った業者は再三警察当局に検挙をされています。この業者がかかわる、あるいはこの地域の不法投棄量というのは、地元の方によりますと、百万立米から百七十万立米に達するのではないか、そういうことでした。
 昨年暮れの私の質問主意書への政府の答弁では、南東部の区域については、ガスが発生している状況を踏まえ、廃棄物の量の把握を行う等適切な措置を講ずべきである。南東部の区域について、行為者に対し投棄された廃棄物の撤去等必要な措置を講ずるよう一層の努力に努めるという県の姿勢に対して、これを促進させていくというようなこと、あるいは行為者に処分を委託した者を特定して、その責任を追及していくことが必要である、そういう内容の答弁書でした。
 環境省として県に対して助言を行っていくということでしたけれども、その後どういうふうな対応をされておられるのか、伺いたいと思います。
#102
○国務大臣(鈴木俊一君) 岩佐先生から昨年の十二月に今御指摘の事案につきまして質問をいただいたところであります。そして、政府として廃棄物量等の調査、それから排出事業者の特定、継続的な水質検査等について、環境省としても必要に応じ滋賀県等に助言をしていく旨、回答をいたしたところであります。
 これらの点につきましては、質問主意書を受けまして、改めて滋賀県に対しまして的確な対応を取るよう要請したところでありまして、滋賀県及び志賀町におきましては、下流域での年四回の水質測定を引き続き実施するとともに、本年度から現地監視の頻度を増やしまして、土曜日、日曜日も含めて毎日実施しているところであります。これまでの調査結果からは、県は、周辺環境への影響の心配がなく、生活環境保全上の支障が生ずる状況にはないと判断していると承知をしております。
 今後の対応につきましては、適切な環境監視の維持及びその結果を住民に分かりやすく公表すること、それから行為者及び排出者、排出事業者の責任について積極的に追及をしていくことが重要でございまして、環境省といたしましても引き続き県に対して助言をしてまいりたいと思っております。
#103
○岩佐恵美君 私が現地に行ったときにガスが吹き出していたんですね。そこの不法投棄は元々は土だという、残土の処理場なんだと。もう県は言い張るんですね、ほとんどが残土だから大丈夫なんだと。残土でなぜガスが出るのか、これは本当に不可解なことですね。
   〔委員長退席、理事小川勝也君着席〕
 そこら辺を歩き回ると、水たまりは、何というんですか、不法投棄の、産廃の不法投棄の現場特有の大変緑色をしたような汚い色の水たまりがあちこちにあるわけですね。ですから、私は、とりわけガスが吹き出している、今指摘がある南東部の区域ですね、ここには一体何が埋まっているのか。そういうことを、今はもう最新の技術で、コアで、ボーリングしてコアを取ったら一体何が入っているかというのは分かるわけですよね。そういう調査をちゃんとやらせる、そして、違法なものが入っているということであるに違いないわけですが、それがはっきりすればそれは撤去をさせるというきちっとした対応を私はやっていかなきゃいけないというふうに思います。
 大臣、これ、地元の住民の人たちはもう本当に不信感で一杯なんですよね。県がずっと放置してきている。青森、岩手と同じようなことがこの滋賀県では、栗東町しかり、志賀町しかりで、私も大変、東京からとにかく見に来てほしいと言われて現地に行ってびっくり仰天しましたけれども、こういう事態が放置されているというのは異常なんですね。
 ですから、県にちゃんとしかるべく指導をされているというふうに受け止めましたけれども、こういう法律がやっぱり動き出していくわけですから、従来より大臣きちっと念頭に置いてこの問題に対処をしていただきたい。しつこいようですけれども、大臣に再度お願いをしておきたいと思います。従来型ではなくて、やっぱりこういう、岩手、青森のそういう事態が発生したということを踏まえて、本当に肝に銘じてやっていただきたいと思うんですが、その点いかがでしょうか。
#104
○国務大臣(鈴木俊一君) 今、先生から、例えば廃棄物の残土中にどういうものが含まれているのか、ボーリング調査等もしっかりする必要があるのではないかと、こういうような御指摘がございましたけれども、この地の廃棄物につきまして、その種類につきましては、平成十三年の四月に滋賀県警が油圧式のシャベルで掘り起こしましたところ、残土中に建設廃材、それからコンクリート片、廃プラスチックなどが混ぜて投棄されている、そういう状況だったと聞いております。
 投棄されている廃棄物に有害な廃棄物が見当たらなかったということから、滋賀県では更に加えてボーリング調査を行う予定はないと、そういうふうにしておりますけれども、今後、水質環境調査や毎日実施しております現地監視におきまして生活環境保全上の支障又はそのおそれがあると認められる状況があればボーリング等の調査を行い、より詳細に内容を把握することにつきましても助言をしてまいりたいと、そういうふうに思っております。
#105
○岩佐恵美君 砒素とかカドミウムも出ているわけですから、基準値以内だから大丈夫だなんというふうに言っているようですけれども、きちっと対応していってほしいというふうに思います。
 次に、山梨県が産廃処分場の建設を予定している明野村浅尾地区の問題について伺いたいと思います。
 現地に私行ってみましたけれども、茅ヶ岳の西側の山ろくを流れる湯沢川の源流部に位置します高さ十メートルから二十メートルぐらいの低い尾根に挟まれた幅百メートルから百五十メーターぐらいの狭い谷で、そこを掘り下げて三十七万六千五百立米の産業廃棄物と一般廃棄物の焼却灰を埋め立てようというものです。
 茅ヶ岳の西山ろくというのは水が少ないそうです。ところが、処分場が計画されている浅尾地区は西山ろくでほとんど唯一と言われる地下水が豊富なところだということです。湯沢川や地下水が汚染されれば、村の水道水源となっている下流の井戸水の汚染が心配されます。
 大阪市立大学大学院理学研究科の熊井教授は、予定地の両岸で地下水の賦存状況が異なり、水圧が異なるため、防水シートの破損につながりかねない。予定地は地下水の涵養域の中に入っていると指摘をして、このような地域で廃棄物処分場を計画することは極めて大きなリスクを背負わなければならなくなるので、中止又は計画地を変更すべきであるという意見書を出しています。
 信州大学地質科学科の小坂教授の意見書でも、表層地質は湯沢川を挟んで南北で明瞭に異なっている。表層地質の状況を無視した施設建設は豊富で清冽な地下水環境を取り返しの付かない汚染地域に変えてしまう危険性をはらんでいる。地質構造的に明らかに大規模な断層が至近に伏在している場所を選んで建設するなどの愚は絶対に避けるべきである、こう述べておられます。
 山梨県が行った概況調査報告書でも、火山灰を多く含んだ未固結の砂れき層や堆積物が厚く積もっていることなどから、コンクリート構造物の強度的な問題を生じる可能性や、埋立地から周辺への地下水の漏水の問題を指摘をしています。こういうところに廃棄物処分場を造るのは大問題だと思います。
 最近、東北地方を襲った大きな地震がありました。この地震の後、これは読売新聞で報道されているんですが、緩斜面での地震後の大規模地すべりがあったということで、この問題について京大の防災研究所や日本地すべり学会などが共同研究チームが現地調査をしたというんですね。
 そうしたら、現地は谷だったところを一九七〇年代前半に埋め立てた土地で、地下水が豊富、火山堆積物のような軽石を含む砂が多い。通常、地すべりは急斜面でしか発生しないが、滑り面液状化は条件次第で緩斜面でも起こり得る。今回調査した土地の条件だと、地震の揺れや小規模な地すべりの発生で地下水を多く含んだ砂の層が液状化するのは間違いないという。いったん液状化が始まれば、液体のようになった砂の層が滑り面となり、その上に乗っている地表面が斜面上を滑り落ち始める。こういう記事を読みまして、私は非常にショックを受けたわけですけれども、こういうところは一杯あるんじゃないかと思うんですが、このような条件に該当するように思います。
   〔理事小川勝也君退席、委員長着席〕
 しかも、現地は非常に豊かな自然が残っているところです。オオタカの営巣が確認されました。今はハチクマが古巣を、オオタカの古巣を利用しているんですけれども、県はオオタカは捕獲しなければ違法ではないと言うとか、違法ではないとか、ハチクマは渡り鳥だから保護しても意味がないというようなことを言っていると。私は、とんでもないことだと思っているんですね。複数の猛禽類がいるということは、それだけえさが豊富だ、つまり豊かな環境が残されているということなわけです。ですから、そこを保全するというのは、生態系を守るという意味でもとても重要です。
 計画では、事もあろうに予定地の北側にある沢の源流部に埋立て予定地の掘削土砂を仮置きと称して埋め立てる計画なわけです。この処分場計画を進めているのは県の環境事業団です。元々村は候補地として別の場所を挙げていたんです。ところが、それを県が拒否したわけです。この場所を一方的に押し付けたというんですね。住民はなぜこのような水源地に計画変更したのか納得できない。廃棄物処分場の差止め請求の裁判も今起こしております。実は、今年の二月に反対の立場の村長さんが当選をしました。
 このような私は住民無視のやり方というのは絶対に許されないと思うんですね。大臣、地元の自治体あるいは住民の意向を尊重してこの問題についてはきちんと対応していただきたい、そう思いますが、いかがでしょうか。
#106
○国務大臣(鈴木俊一君) 山形県明野村におきます……(発言する者あり)山梨県明野村におきます公共関与によります最終処分場の建設計画につきましては、山梨県知事が本年四月二十三日に建設予定地の現地調査を行い、それから地元明野村の村長さんと話合いの場を持って、本日も何か二回目の話合いの場を持つ予定と、そういうふうに聞いております。お互いの理解を深めるため、県と地元との間で対話を継続している段階であると、そのように伺っているところであります。
 一般論でありますけれども、環境省といたしましては、全国的に産業廃棄物の最終処分場が逼迫している状況の中で適正な処理を確保するためには、都道府県等がその判断で周辺の生活環境の保全に十分配慮して、公共関与による最終処分場など産業廃棄物の処理施設の整備を図ることが必要であると考えておりますが、事業主体や都道府県等が周辺住民の理解の下でそうした事業は進められていくということが大変重要であると、そのように考えているところであります。
 こうしたことから、環境省といたしましても、山梨県に対しまして、地元自治体や地元住民に十分な説明を行って、お互いの理解の下に事業を進めていくように必要に応じて助言をしてまいりたいと考えております。
#107
○岩佐恵美君 四日の参考人質疑で大橋参考人は、不法投棄だけではなくて、許可済みの処分場でも浸出水による汚染など問題がある場合が少なくないと指摘をされました。基準を守っていても、安定型処分場では五%以内なら安定、五品目以外の埋立てが認められている。あるいは、管理型処分場でも遮水シートは未来永劫劣化しないということはあり得ないということです。
 将来にわたって絶対安全とは言えない重金属などの有害物が漏れ出すおそれがある、そういう処分場なわけですから、私は被害の未然防止、そういうためにも、水道水源地に、水道水源に影響するようなところに最終処分場を造るということは、これはやるべきじゃないと思うんですね。そのための規制が何らか必要になっているというふうに思いますけれども、大臣、その点についてはいかがでしょうか。
#108
○国務大臣(鈴木俊一君) 最終処分場の設置でありますけれども、廃棄物処理法では、設置を行おうとする者が周辺の生活環境影響を調査するほか、施設の構造が技術上の基準に適合すること、構造及び維持管理計画が周辺地域の生活環境の保全等に適正に配慮がなされているものであるということが求められているわけであります。
 特に、設置場所が水源地に影響を及ぼす可能性がある場合には、水道の利水への影響を十分考慮することが必要でありまして、個々の計画において適切な対応策が講じられているものであるかどうかについて、廃棄物処理法の施設許可手続において厳正に審査が行われる必要があると考えております。
 現在、事前の生活環境影響調査の実施に当たりましては指針を示しているところでありますが、周辺の生活環境保全に万全を期すため、この指針の充実強化について必要な検討を行ってまいりたいと、そのように考えております。
#109
○岩佐恵美君 ごみを元から減らすために、先ほどから議論されております拡大生産者責任が欠かせません。その点について、四日の参考人質疑で、日本経団連の庄子参考人を始め四人の参考人すべての皆さんから生産者の役割、責任の重要性が強調されました。
 中環審の意見具申では、拡大生産者責任の観点から、生産者を市町村や処理責任者と並ぶ責任主体と位置付けて、特に処理困難物について生産者の取組を求める枠組みを作ることを提起しましたが、改正案には取り入れられませんでした。
 今後、具体的にいろいろ進めていかれるということですので、その点について期待をしたいというふうに思いますが、現在、社団法人全国都市清掃会議は、市区町村で適正処理に困難を来している主な製品として、スプリング入りマットレス、タイヤ、消火器、バッテリー、小型ガスボンベ、在宅医療器具、FRP製品、ボタン型電池、小型二次電池、エアゾール缶、カセット式ガスボンベ、蛍光管、ピアノ、大型金庫の十四品目を挙げています。そのうち、現行廃掃法の処理困難物に指定されているのはスプリング入りマットレスとタイヤだけなんですね。
 EPRの導入がすぐに無理であるということであれば、先行して現行法の処理困難物にこの十四品目のうち、すべてになるのかあるいは一部になるのか分かりませんけれども、とにかく必要度の高いものを生産者等の協力を求めて指定をするということも一つ必要なのではないかと思いますが、その点、大臣いかがでしょうか。
#110
○国務大臣(鈴木俊一君) 市町村において適正処理困難物があるということにつきましては私も承知をしているところであります。
 そのようなものにつきましては、排出状況でありますとか、それから処理実態の把握をした上で、先生が今御指摘になりました現行の廃棄物処理法第六条の三に基づく適正処理困難物、現在はゴムタイヤ、テレビ、冷蔵庫、スプリングマットの四品目を指定しておりますけれども、これを活用を、制度を、大臣指定制度を活用してまいりたいと、そのように考えております。
#111
○岩佐恵美君 それから、家電リサイクル法ですけれども、この対象品目は今四品目しかありません。あとは全部自治体回収となって、多くは破砕処理をして処分場に埋め立てられています。それがその処分場からの重金属浸出の主要な原因の一つだと言われています。
 日本工業大学の佐藤茂夫助教授の調査によりますと、破砕した不燃ごみの一五%は粉末状の土砂のような残渣で、その中に含まれる鉛や水銀は可燃ごみの焼却炉の飛灰よりもはるかに多いということです。不燃残渣一グラム中の鉛は一万二千六百六十六マイクログラムで飛灰の七・八倍、水銀は十四・八マイクログラムで十一・四倍。私は放置できないと思います。鉛は、家電製品が主な原因であって、ハンダから出たものと推定されるということです。
 私は、その家電四品目以外の家電製品について、EPRの原則に従った回収処理のシステムを早く検討していく必要があると。私の家からも、電気がまも出ますし、あるいはジューサー、ミキサーあるいは小さなラジオだとか、もうたくさん家電製品あるんですけれども、電気屋さんに持っていくものもありますけれども、やはりどうしようもない場合は自治体に処理をしてもらうということになるんですが、破砕すると最終処分場ではそういう問題が起こっているということですので、この家電のリサイクル法のより一層の拡大ということが求められているのではないでしょうか。
#112
○国務大臣(鈴木俊一君) 今の御質問は、家電リサイクル法の対象品目を拡大を検討すべきであると、そういうような御指摘だったと思いますが、この家電リサイクル法におきましては四つの要件から対象品目を決めているわけであります。
 その四つの要件と申しますのは、一つは、設備や技術面で市町村におけるリサイクルが困難なもの、それから二つ目として、リサイクルの必要性が高くリサイクルのコストが著しく高くないもの、そして三つ目として、製造業者等における製品の設計や原材料の選択によってリサイクルのしやすさが変わるもの、四つ目といたしまして、小売業者による配送が一般的で小売業者による円滑な回収が可能なものと、こういう四つの要件がございまして、この要件に従いまして、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、この四品目を対象品目として設定をしているところであります。
 新たな対象品目の拡大につきましては、この法律の施行状況も踏まえながら必要に応じて検討してまいるという所存でありますけれども、現段階におきましては、まだ法施行後日が浅いということもございますので、まずはこの現行の四品目についてそのリサイクルを着実に推進してまいりたいと、そのように思っております。
#113
○岩佐恵美君 私は、家電リサイクル法の対象拡大だけではなくて、やっぱり作ったものに最終まで責任を負うというのが、これはもう社会のルールなんですよね。だから、法施行後余りたっていないのでということで、そういう甘い姿勢ではもう本当にごみだらけになっちゃいますよね、日本は。そして、有害なごみの上、この間どなたか言っておられましたけれども、ごみの山の上に寝泊まりをするようになるわけですから、そういう事態を避けるためにもEPRが必要なんですね。そういうことで、きちっとしていただきたいというふうに思います。
 具体的な問題について伺います。(図表掲示)
 容器リサイクル法です。容リ法施行以来、ペットボトルの生産量が増えました。これが、九六年から法施行されましたね、法律が通って。そして、これ、灰色のが生産量です。そして、この真ん中にあるのが資源化量です。ダイダイ色にはっきり見えるようにしてあるのがごみ量です。廃棄物の量でございます。
 要するに、この容リ法というのはペットボトルのごみが減るというふうにみんな思っていたわけですよね。ところが、実際に法律が施行されてみると、ごみはどんどん増え続けている。これ、最終見てください。元々よりも、四割増えているんですよね。本来からいえば、法の目的からいえば、ここのラインから下がらなきゃいけないんですよね。そうでなかったら容リ法の意味がないわけです。
 環境省は、再資源化率が上がれば効果が出る、こう言い続けてきました。私が多分二〇〇〇年に指摘を、清水先生が大臣のときでしたと思いますけれども、指摘をさせていただきました。資源化量上げます──確かに資源化量が上がったんですね、ここで。だけれども、資源化量増えたってごみ量は減らないんです。これが今の実態なんですね。
 このグラフを四日の参考人質疑で庄子参考人、日本経団連の庄子参考人に見ていただきました。そうしたら、このままではペットボトルがこれから際限もなく増えていくという発言されまして、やっぱり何らかの対策が必要だということは言っておられるんですね。
 ペットボトルの再商品化というのは、今繊維製品が半分以上を占めています。総務省は、容リ法の政策評価を行う際、個別再商品化製品の購入意欲の調査をしています。ペットボトルから再商品化の中心である衣料品についてはどういう結果になっているでしょうか。
#114
○政府参考人(田村政志君) お答えいたします。
 私どもの政策評価の一環として、五千人の方を対象として、再商品化により得られたものを原材料とする製品に対する消費者の購入意欲についてアンケート調査を実施いたしました。
 その結果によりますと、仮に価格、品質、デザイン等が新品と同様であれば買ってもよいと思うものはどれですかとの設問をいたしましたが、トイレットペーパーが八三%、植木鉢が七三%など、日用の消耗品に対する消費者の購入意欲は相対的に高くなっておりますが、今御指摘の衣料品、背広は二〇%、ワイシャツは二六%、トレーニングウエアは三九%となっており、衣類に対する購入意欲は相対的に低い状況になっております。
#115
○岩佐恵美君 要するに、ペットボトルの再商品化製品の、この間、庄子参考人は背広とネクタイはペットボトルからできていますと言われましたけれども、こういう需要というのは限られているわけですね。しかも、再資源化の過程で相当なエネルギーを消費をします。お金も掛かります。さらに、ペットボトルの再資源化の過程で重量の約三割の残渣が出るというんですね。だから、どんどん増える生産量をそのまんまにして再商品化量を増やしても、ごみは増え続けるんです。
 この問題について北村参考人は、容器リサイクル法がそういうギャップを作るように仕組まれた法律だ、だから当然の結果だと述べられました。循環基本法に則した形で各法律を改正するのが国会の責務として課されているとも言われました。
 私、本来、EPRというのは、ごみになるものをたくさん生産すれば生産者の処理費用負担が大きくなるという仕組みであって、ごみの発生を抑制する効果を期待したものだと思うんですね。ところが、現在の容リ法というのは、肝心のこの効果が働かない仕組みとなっています。その根本原因の一つは、容リ法の再資源化義務量が生産量に応じたものではなくて設備面での再資源化能力の範囲内でしか義務付けられていない、そういうことにあります。だから、事業者にとっては、再資源化量以上に生産量を拡大すればするほど一本当たりの再資源化費用負担が安くなるということで、生産量を増やしていくわけですね。これではペットのごみが減らないのは当たり前です。ペットのごみ量が容リ法施行前の一・四倍という状況、これがもう既に四年も続いています。法律の仕組みを私は再検討すべき時期に来ていると思います。総務省が行政評価を行ったのもそのためです。
 先日の参議院の行政監視委員会、大臣出られました。私は、時間がありませんでしたので、平沼経済産業大臣に伺いました。同じ問題を伺いました。そのときに、平沼大臣は、この法律を制定した趣旨に照らしてより効果が上がるように種々の面から検討していかなければならないと答弁されました。
 環境大臣として、経済産業大臣と連携をしてEPRをきちんと踏まえた私は容リ法に改正すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#116
○国務大臣(鈴木俊一君) 容器包装リサイクル法でありますけれども、これは市町村が全面的に容器包装廃棄物の処理の責任を担うという従来の考え方を改めまして、消費者は分別排出をする、それから市町村は分別収集、それから事業者は再商品化という新たな役割分担をして、そのリサイクルを推進するものでございます。
 市町村の分別収集が進む中で法の適用対象等が拡大されたことに伴いまして、事業者のリサイクル費用の負担、これは本法が施行された平成九年度の十七億円から、平成十四年度には決算見込みで三百五十二億円と大幅に増加をいたしまして、この結果、事業者によります容器包装の軽量化あるいはリサイクルしやすい設計、素材の変更などがごみの減量化等の取組として行われていると、そういうふうに考えております。
 環境省といたしましては、この法律が当初のねらいどおり機能するかどうかについて、今しばらくはその施行状況を見たいと思っております。今後、市町村の費用負担等について更に実態を把握した上で、関係者間の役割分担の在り方も含めて、本制度の一層の円滑な実施に向けた方策について検討してまいりたいと思っております。
#117
○岩佐恵美君 事業者の負担が増えたということを環境省、しきりに強調されるんですよね。大臣、今多分五百億ぐらいになると思うんですよね、今の数字が、そういう予測は出ているんですけれども。もしそうだとするならば、このダイダイ色の線が、ごみ量が元々下回るということがあるんでしょうか。そういうふうになるんでしょうか。私は、そこのところを心配しているんですよね。
 要するに、リサイクル、リサイクルと言われますけれども、そうじゃない、元で減らしていかなきゃいけないんですよね。リサイクルしたってお金は掛かるし、それから需要もないわけですよね。そういうものにしがみついて、業界がお金を出してやるんだからいいんだということで、今多分事務方さんがお書きになったメモを読まれたんだと思うんですが、経済産業大臣はそうは言わなかったですよね。この表を見れば分かりますよね、異常だということが。何とか手を打たなきゃいかぬというのは分かるじゃないですか。
 やっぱり、容リ法をきちんと事業者が、こんなもの作ったら損をすると、自治体に処理させるだけで済まないんだというような、そういう今事態に持っていかなきゃいけないんだということをもっと真剣に、私、環境省なんですから、考えてもらわなきゃいけない、そう思います。
 ちょっと、だから私は、事務方さん、環境省の事務方さんの考え方というのは、元々これ作ったときから問題だと言っているんですけれども、だんだんだんだんこういうふうに大変になってきているんですね。その根本を変えていかなかったら、何で循環型社会推進法なんか作ったんですか、三Rを据えたんですか。それは全然生きてこないじゃないですか。
 ちょっと議論していてもしようがないので先に行きたいと思うんですが、総務省が政策評価をするに当たって、本調査において本政策の効果的な実施を図る上で、また本政策について分別収集等に係る費用負担の在り方を見直すべき等、つまり拡大生産者責任の徹底等の重要な指摘に対しての議論を深める上でも、市町村の容器包装廃棄物に係る分別収集費用等のデータが体系的、継続的に把握されることが望まれるんだけれども、実際はデータがありませんでしたと、不足していました、だから分析の障害になりましたということを指摘をしています。
 自治体のリサイクルに係る費用、品目ごとのリターナブル容器、ワンウエイ容器の出荷実績推移などのデータを環境省を始め関係省庁に作成させるようにして、更に私はきちんとした総務省として評価を行うべきだと思いますが、その点、いかがでしょうか。
#118
○国務大臣(鈴木俊一君) 先ほどの、この前の、先生、いろいろ御意見いただきましたけれども……
#119
○岩佐恵美君 あっ、ごめんなさい、総務省に今聞いたんです。
#120
○政府参考人(田村政志君) ただいま御指摘ありましたように、今回政策評価をした過程で、容器包装廃棄物の排出量等を直接示すデータが存在しなかったということで、私どもの方で各府省や関係業界の資料を基に独自に推計を行わざるを得なかったということでございます。
 そういった中で、やはりこれから市町村の負担の問題あるいは拡大生産者責任の問題を論ずる際に、やはりこの基礎データは是非とも必要ではなかろうかという認識に立ちまして、今、先生おっしゃったような形での意見を申し上げているところでございますし、また関係各府省もそういう問題意識に立って今後取り組むということで、私どもも承っておるところでございます。
#121
○岩佐恵美君 今、総務省から答弁があったとおりなんですね。要するに、環境省、基礎データを持っていない。だから、政策的な対応なんかできっこないんですよ。私は、環境省として政策的対応ができるように、こういうデータを体系的、系統的に把握をして分析をしてちゃんと対応してください、それはもう前から言っているんですよね。ところが、できていないんです。
 私は、だから今日はあえて鈴木大臣に、従来のことを多分御存じない面もおありかと思うんですけれども、大臣だからこそこの際思い切ってやっていただけるという期待も込めて、今日は大臣にそういう質問をさせていただいているんです。そういう状況なんです。
 だから、大臣、総務省もそう言っているわけですから、データを積み上げてちゃんと現状分析をして、EPRどうするのかと本腰を入れて検討していただきたいんです。その点、いかがですか。
#122
○国務大臣(鈴木俊一君) 総務省から政策評価いただいたところでございますので、それも、意見も踏まえまして、今後この各種データ、それは容器包装リサイクル法の円滑な推進を図る上でも必要と思いますので、そうした各種のデータについてできる限り体系的に、また継続的に把握をしてまいりたいと思っております。
#123
○岩佐恵美君 ちょっと今日は時間がなくなってしまって、せっかく財務省に来ていただいていますので、リターナブル瓶の問題について伺いたいと思います。
 今、業界としては、七百二十それから三百ミリリットル、リターナブルで回していきたいということなんですが、お酒の小売店がどんどんつぶれてしまっていて大変な状況にあると。それともう一つ、スーパーとか大量販売店が出てきている、そういうところでは回収しないという状況があります。
 その点について、財務省としてきちっとスーパーでもあるいはコンビニでもそのリターナブル瓶を回収するように指導していただきたいと思うんですが、その点いかがでしょうか。
#124
○政府参考人(村上喜堂君) お答えいたします。
 リターナブル瓶の利用促進がポイントと思いますが、従来から、国税庁といたしましては、容器のリターナブルを推進するためにポスターを作成、配布するとか、あるいはその容器包装リサイクル法の内容の周知等々を行ってまいりました。
 さらに加えまして、今国会におきまして酒税法及び酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律というのを成立させていただいたのでありますが、この法律において、各小売販売場ごとに酒類販売管理者、こういう者を選出することに義務付けられております。この制度につきまして、今後とも、コンビニであるとかスーパーを含めまして、酒類小売業者に対して容器包装リサイクル法の遵守の重要性を十分認識してもらうとともに、リターナブル容器の回収システムの確保を指導することなどにより、リターナブル容器の一層の利用促進を図ってまいりたいと考えております。
#125
○岩佐恵美君 ちょうど時間ですので、終わります。
#126
○委員長(海野徹君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。
   午後零時二十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十一分開会
#127
○委員長(海野徹君) ただいまから環境委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法案及び廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#128
○高橋紀世子君 高橋紀世子でございます。
 特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法案及び廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案に関連して、拡大生産者責任の考え方に対する認識について質問させていただきたいと思います。
 生産者は、自らが生産したものがどう廃棄するか、どう処理するか、またどうリサイクルするかといった資源の循環サイクルを意識した物作りを行う必要があると私は考えています。生産者が生産したものの後、処理に責任を持たなければ資源循環型社会の構築はとてもできないと思うんです。私たち立法者は、この拡大者責任、拡大生産者責任の意識を法制度として実現していく責務があると考えるのですが、大臣、いかがお考えでしょうか。
#129
○国務大臣(鈴木俊一君) 拡大生産者責任でございますけれども、生産者が自らの製品の使用後の段階におきましても財政的あるいは物理的な一定の責任を持つということでありまして、これは廃棄物の発生量の抑制でありますとかあるいは適正処理を進める上でこれは大きな効果を上げるものと、そのように認識をいたしております。
 それで、このお願いをしております二つの法案とこの拡大生産者責任の関係でございますけれども、産業廃棄物のこの特措法、特別措置法におきましては、ここで対象になる産業廃棄物、これは実態としまして、主に汚泥でありますとか、そういった事業者が製品を製造する過程で排出される廃棄物、これが大部分であるということでありまして、拡大生産者責任の対象となるようなものは実態として少ないと、そのように思っております。
 そのことから、原状回復につきましては、まずは汚染者負担、原因者の負担をお願いする原則、これに基づきまして、その原因者であります投棄の行為者でありますとかあるいは最終段階まで責任を負わない排出事業者、そうした方々がその処理を行うべきものであると、そういうふうに考えております。
 一方、廃棄物処理法との関係でいいますと、今回この拡大生産者責任、これを処理困難のものに、処理困難な、適正処理が困難な一般廃棄物についてこれを拡大をしていこうと、拡大生産者責任の制度的な拡充をしていこうと、こういうことも考えたわけでありますけれども、先ほど来御答弁を申し上げますとおり、これにつきましては、主に産業界の関係者から、どういう品目を対象にするのか、あるいは製造者とそれから市町村の責任をどこまで見るのか、そういう点につきまして合意を達することができなかった。したがいまして、今回のこの法律案にはその部分につきましてはこれを盛り込まなかったと、こういうことでございます。
 しかしながら、この適正処理困難物に係る拡大生産者責任の制度的拡充、これにつきましては大変重要なものであると、そのように考えておりますし、また、経済界の方もこの点については引き続き検討を、協議を継続していくという立場にございます。こうした関係者との話合い、それからこういった適正処理困難物というものがどのように排出され、それがどのように処理をされているのか、そういったような実態に当たる、こういうことも進めながら、こうした制度が今後きちんと制度化されますようにその努力を続けてまいりたいと思っております。
#130
○高橋紀世子君 今、大臣がおっしゃったように、産業界との話合いが付かなかったとおっしゃいましたけれども、私は、やはりどうしても製造者に責任を感じていただくためには大事なことだと思いますので、これからもこのことについては産業界との話合いを是非積極的にしていただいて、拡大者責任のあれを推し進めていただきたいと私は思います。
 この二法案には拡大者責任の意識を助長するような方向を私はどうしても考えることができませんでした。私たち立法者の地方自治体や国が産業廃棄物の処理責任を負おうとする仕組みではなく、生産者がその仕組みを負えるような仕組み作りを今後していくべきだと考えるんです。
 例えば、廃棄物処理業者に対する税金面での優遇されるような制度的改革が求められているように思います。私たちが、ごみの責任が私たち自身にあるということを自覚してごみと正面から向かうべきだと思うんですけれども、今後、どういうふうに考えていらっしゃるか、一言いただきたいと思います。
#131
○国務大臣(鈴木俊一君) 拡大生産者責任の重要性ということは、先ほども申し上げましたとおり、これが廃棄物の発生抑制にもつながりますし、それから廃棄物の適正処理にもつながるということで大変有効な考え方であり重要であると、そういうふうに思っております。
 それで、現にこの拡大生産者責任の考え方というものは、幾つかの法律の中でこれはその趣旨が盛り込まれているわけでありまして、例えば、循環型社会形成推進基本法にはこの拡大生産者責任の概念が明記をされておりますし、また、廃棄物処理法におきます適正処理困難物制度、あるいは容器包装リサイクル法、昨年成立いたしました自動車リサイクル法など、各種のリサイクル法におきまして具体化が図られているところであります。
 循環型社会を構築するためにも、今後引き続きこの拡大生産者責任の具体化を図っていく必要があると、そのように考えているわけでありますが、まずは、今回提出を見送りました適正処理困難物にかかわりますこの拡大生産者責任の制度、こういうものにつきまして、重要な課題でありますので、先ほど申し上げましたとおり、これの排出実態あるいはどのように処理をされているかということも十分調べながら、そしてまた関係方面との協議を続けながらこの制度の導入に向けて更に努力をしてまいりたいと、そのように思っております。
#132
○高橋紀世子君 やはり生産者との交渉を力強くやっていただいて、生産者が責任を持つということも是非これからやっていただきたいと思います。
 今日はこれで終わります。ありがとうございました。
#133
○委員長(海野徹君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案の修正について岩佐恵美さんから発言を求められておりますので、この際、これを許します。岩佐恵美さん。
#134
○岩佐恵美君 私は、日本共産党を代表し、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案に対して修正の動議を提出いたします。
 本法案は、廃棄物の疑いのある物の立入検査、不法投棄未遂行為の処罰、国の調査権限の創設、悪質な処理業者への対応の厳格化など、不法投棄の未然防止策を強化するものですが、処理業者に対する規制の強化だけでは不十分です。
 今日の廃棄物問題を抜本的に解決するためには、法案の審議や参考人質疑で明らかなように、廃棄物の排出事業者や製品の製造・販売事業者の責任を強化することが急務です。また、違法な廃棄物処理に早期に対処するためには、住民や関係者との連携が不可欠です。そこで、より実効性のある法案とするために、修正案を提出いたします。
 修正案の第一は、産業廃棄物の不法投棄に係る土地所有者の責任の強化です。土地の所有者に産廃の不法投棄が行われないように措置する努力義務を課すとともに、不法投棄を知りながら都道府県知事に通報しないなど土地所有者に一定の責任がある場合には、原状回復などを命ずることができることとします。
 第二は、不適正な廃棄物処理に関する関係者の申告制度や住民の申出制度の創設です。廃棄物処理業者や廃棄物処理施設設置者が廃棄物処理法に違反している場合には、その従業員等は違反事実を市町村長に申告することができることとし、申告を理由とした不利益処分を禁止します。また、廃棄物処理施設により生活環境に被害を生じた場合や生じるおそれがある場合は、関係住民は知事に措置を求めることができることとし、知事に調査や対策を義務付けています。
 第三は、拡大生産者責任の拡充です。環境大臣は、市町村による廃棄物処理が困難となるものを処理困難廃棄物と指定し、製造・販売事業者が行うべき事項の基準を定めることとします。処理困難物は製造・販売事業者に引取り、適正処理を義務付け、市町村長が処理困難物の製造・販売事業者に対して立入検査、勧告、命令を行えるようにします。
 第四は、政府は廃棄物以外の使用済み物品に関する規制及び自社処分に対する規制について検討を行い、適切な措置を講ずることとしています。
 以上が修正案の提案理由及び概要です。
 委員の皆様の御賛同をお願いいたします。
#135
○委員長(海野徹君) これより両案並びに修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#136
○委員長(海野徹君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 小川勝也君から発言を求められておりますので、これを許します。小川勝也君。
#137
○小川勝也君 私は、ただいま可決されました特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)及び社会民主党・護憲連合の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一、特定産業廃棄物に係る支障の除去等に当たっては、不法投棄行為者や排出事業者等にモラルハザードが生じないよう原状回復の責任追及を徹底して行い、必要に応じて措置命令等の行政処分を遅滞なく行うよう都道府県等に求めるとともに、助言、技術的支援等を十分講じること。
 二、都道府県等による実施計画の策定に当たっては、不法投棄行為者、排出事業者等に対する措置について透明性及び客観性を確保しつつ検証を行うとともに、再発防止策を含め、当該都道府県等の責任を明確にするよう求めること。
   また、支障の除去等の内容については、周辺住民の意見が反映されるよう必要な措置を講じること。
 三、特定支障除去等事業の実施に当たっては、新たな生活環境保全上の支障が生じないよう、安全性及び透明性を確保すること。
 四、特定支障除去等事業については、全国的な観点から実施を優先すべきものの判断基準を環境大臣が策定する基本方針において明らかにすること。
 五、廃棄物の不法投棄地周辺に対する環境調査を徹底し、住民の不安解消に努めること。
 六、全国の最終処分場の残存容量及び不適正処理廃棄物の実態等に関する正確な基本データを整備し、公表すること。
 七、本法が十年間の限時法であることを踏まえ、対策の進捗状況と処理の見通しについて、適宜、公表するよう努めること。
 八、本法が対象としない平成十年六月以降の不適正処分事案についても、措置命令等の行政処分により汚染者負担原則の貫徹を可能な限り図るよう都道府県等に求めるとともに、産業廃棄物適正処理推進センターの基金の造成については、引き続き事業者等の協力が得られるよう努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#138
○委員長(海野徹君) ただいま小川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#139
○委員長(海野徹君) 全会一致と認めます。よって、小川君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、鈴木環境大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。鈴木環境大臣。
#140
○国務大臣(鈴木俊一君) ただいま御決議のございました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして努力する所存でございます。
#141
○委員長(海野徹君) 次に、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案の採決に入ります。
 まず、岩佐さん提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#142
○委員長(海野徹君) 少数と認めます。よって、岩佐さん提出の修正案は否決されました。
 次に、原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#143
○委員長(海野徹君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 小川勝也君から発言を求められておりますので、これを許します。小川勝也君。
#144
○小川勝也君 私は、ただいま可決されました廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)及び社会民主党・護憲連合の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一、「循環型社会」の実現に向けて、廃棄物の発生抑制、適正かつ効率的な廃棄物の処理の推進などの観点から、排出者責任・拡大生産者責任の在り方等、廃棄物・リサイクル制度の充実について、諸外国の先進事例も踏まえつつ、今後とも十分な検討を行うこと。
 二、市町村が適正に処理できない一般廃棄物の品目・量等について実態を速やかに把握するとともに、回収・リサイクルの方法を含め、その適正な処理の在り方について早急に検討を行い、必要な措置を講ずること。
 三、医療系廃棄物の適正処理の一層の推進のため、家庭から排出されるものを含め、その方策の検討に努めること。
 四、事業系一般廃棄物について、その発生抑制の方策を検討すること。
   また、事業者がその処理を委託する場合には、委託基準が遵守されるよう必要な措置を講ずること。
 五、市町村が一般廃棄物処理計画に従って委託を行った一般廃棄物の処理に起因する環境汚染については、当該市町村の責任において必要な措置が講じられるよう努めること。
 六、産業廃棄物の不適正処理事案に迅速に対応するため、電子マニフェストの義務化も視野に入れつつ、その普及拡大を図る方策を検討すること。
 七、排出事業者が信頼できる廃棄物処理業者を的確に選択することができるよう、廃棄物処理業者に係る情報提供のシステムを充実すること。
 八、産業廃棄物の更なる適正処理を図るため、不法投棄に関与した土地所有者責任の徹底、廃棄物処理基準の改正等による自社処分に対する規制強化等について早急に検討すること。
 九、焼却施設や最終処分場周辺の土壌及び地下水に係る汚染問題については、既に廃止されたものを含め、その実態を早急に把握し、結果を公開するとともに、周辺住民が安心できるよう、環境回復措置に努めること。
 十、広域的処理に係る特例制度の施行に際しては、不適正処理が生じないよう厳格に運用し、適正処理の確保に万全を期すること。
 十一、廃棄物処理施設の設置に当たっては、周辺住民に対する配慮が行われるよう努めるとともに、公共関与を含め、その整備促進を図ること。特に首都圏、近畿圏の廃棄物については、域内で可能な限り処理が行われるよう、必要な処理施設の整備を推進すること。
 十二、廃棄物の発生抑制やリサイクルの推進に効果が期待されるデポジット制度等の経済的手法について、製品ごとの特性や実態を踏まえながら、その活用の在り方について検討を行うこと。
 十三、産業廃棄物税等については、その目的、税収の使途等について、全国的な観点から検討を行い、法律としての整備も視野に入れ、地方公共団体等の意見を踏まえ、早急に結論を得ること。
 十四、不法投棄等の廃棄物の不適正処理については、行政処分による厳正な対処が行われるよう引き続き都道府県等に求めるとともに、不適正処理の防止策も含め、地方公共団体の担当職員や地方に配置する環境省職員の増員、警察との連携等、その体制整備に十分努めること。
 十五、廃棄物行政を進めるに当たっては、国と地方公共団体が連携を一層密にし、一体となって取り組むよう十分配慮すること。特に、環境省による報告徴収及び立入検査の権限行使に際しては、連携を十分に確保すること。
   また、地方公共団体の施策のうち全国的に行うことが効果的なものについては、国において導入を検討すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#145
○委員長(海野徹君) ただいま小川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#146
○委員長(海野徹君) 全会一致と認めます。よって、小川君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、鈴木環境大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。鈴木環境大臣。
#147
○国務大臣(鈴木俊一君) ただいま御決議のございました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして努力する所存でございます。
#148
○委員長(海野徹君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#149
○委員長(海野徹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#150
○委員長(海野徹君) 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。鈴木環境大臣。
#151
○国務大臣(鈴木俊一君) ただいま議題となりました絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主な内容を御説明申し上げます。
 現在、国際的に希少な野生動植物の種につきましては、その譲渡し等を規制するとともに、その確実な実施を図るため、商業目的の譲渡し等が可能な個体等の登録制度、適正に入手された原材料器官等から製造された製品であることの認定制度を設けるとともに、これらの制度に係る事務について、国が指定した公益法人に代行させているところです。
 しかしながら、現在、公益法人が行っている検査・登録等の事務事業については、昨年三月に閣議決定された公益法人に対する行政の関与の改革実施計画を踏まえ、政府全体で見直した結果、法令で明示された一定の要件を備え、かつ、行政の裁量の余地のない形で国により登録された公正、中立な機関に実施させることとしたことから、国際希少野生動植物種に係る登録・認定関係事務に関しても、現行の指定制を改め登録制とするため、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主な内容を御説明申し上げます。
 第一に、国際希少野生動植物種の個体等の登録等を行う機関を、環境大臣の指定制から登録制に改めることといたします。
 第二に、適正に入手された原材料器官等から製造された製品である旨の認定を行う機関を環境大臣及び特定国際種関係大臣の指定制から登録制に改めることといたします。
 このほか、罰則に関する規定の整備等を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその主な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#152
○委員長(海野徹君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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