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2003/03/25 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 国土交通委員会 第3号
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2003/03/25 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 国土交通委員会 第3号

#1
第156回国会 国土交通委員会 第3号
平成十五年三月二十五日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤井 俊男君
    理 事
                鈴木 政二君
                脇  雅史君
                山下八洲夫君
                森本 晃司君
                大江 康弘君
    委 員
                岩城 光英君
                木村  仁君
                沓掛 哲男君
                斉藤 滋宣君
                田村 公平君
                鶴保 庸介君
                野上浩太郎君
                松谷蒼一郎君
                吉田 博美君
                吉村剛太郎君
                池口 修次君
                北澤 俊美君
                佐藤 雄平君
                谷林 正昭君
                続  訓弘君
                大沢 辰美君
                富樫 練三君
   国務大臣
       国土交通大臣   扇  千景君
   副大臣
       国土交通副大臣  吉村剛太郎君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       岩城 光英君
       国土交通大臣政
       務官       鶴保 庸介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       総務省自治行政
       局長       畠中誠二郎君
       総務省自治財政
       局長       林  省吾君
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局長      上杉 秋則君
       財務省主計局次
       長        牧野 治郎君
       林野庁森林整備
       部長       辻  健治君
       国土交通大臣官
       房長       安富 正文君
       国土交通省総合
       政策局長     三沢  真君
       国土交通省土地
       ・水資源局水資
       源部長      小林 正典君
       国土交通省河川
       局長       鈴木藤一郎君
       国土交通省道路
       局長       佐藤 信秋君
       国土交通省政策
       統括官      鷲頭  誠君
       環境省総合環境
       政策局長     炭谷  茂君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会資本整備重点計画法案(内閣提出、衆議院
 送付)
○社会資本整備重点計画法の施行に伴う関係法律
 の整備等に関する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○参考人の出席要求に関する件

    ─────────────
#2
○委員長(藤井俊男君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会資本整備重点計画法案及び社会資本整備重点計画法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に総務省自治行政局長畠中誠二郎君、総務省自治財政局長林省吾君、公正取引委員会事務総局経済取引局長上杉秋則君、財務省主計局次長牧野治郎君、林野庁森林整備部長辻健治君、国土交通大臣官房長安富正文君、国土交通省総合政策局長三沢真君、国土交通省土地・水資源局水資源部長小林正典君、国土交通省河川局長鈴木藤一郎君、国土交通省道路局長佐藤信秋君、国土交通省政策統括官鷲頭誠君及び環境省総合環境政策局長炭谷茂君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(藤井俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(藤井俊男君) 社会資本整備重点計画法案及び社会資本整備重点計画法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○沓掛哲男君 皆様、おはようございます。自民党の沓掛でございます。よろしくお願いいたします。
 さて、最初に、今日議論されます社会資本整備計画のこの長期計画がどういう経緯で政策策定されたか、私の体験から最初に申し上げたいというふうに思います。
 今ある十五本の長期計画の大部分は昭和三十年代、四十年代にスタートしたものであります。この時代は、厳しい戦後を経て、経済自立や人間らしい住環境等を形成するための社会資本の整備が強く求められていたときでもございます。関係省庁は、そのための事業計画を作り、大蔵省に持ち込むものですが、国の予算を握る、当時は数名、六名でございましたか、現在は十名ですけれども、の主計官の壁というのは大変厚いものがありました。何日も徹夜で作ったそういう事業計画も、主計官が首を横に振るともうその瞬間から紙くずで、ぽんとごみ箱に課長がほうり込むんですよ。本当に私らも涙が出る思いでございました。
 幸い、もし事業が認められても、二、三年で主計官は替わりますから、その後はどうなるのかは分かりません。主計官の考え方一つで事業官庁は振り回されておりました。主計官の権限というのは、よく存じていると思うけど、絶大なものがございました。本当に想像を絶するものでした。個人的には、個人的には非常にすばらしい方です。才能もあるし、また人間性も本当にすばらしい方なんですが、私から思うとちょっと相手への思いやりが足りないなということをしばしば感じました。何とかして事業を計画的に進めたいのですが、我が国は単年度予算主義であるの一言で、もう来年の予算はどうなるのかが分からないという、そういう状況でした。
 ちなみに、昭和三十年の国家予算は九千九百億円でした。昭和三十五年で一兆五千億という、そういう時代でもございました。公共事業には完成するためには何年も年月のかかるものもあるわけですから、そういうことで関係者が知恵と汗を流して必死になって作ったのが各種のこの事業の長期計画でもあるわけです。
 私は今総括して考えるには、やっぱり一人の主計官の考えよりも、やっぱり国会の先生方、国民、みんなが集まって、そして最終的には国会で決められていく、国民の総意として決められていったそういう長期計画というのはそれなりに意義のあったことだなと思いますし、また同時に、この長期計画によって、長い間の工期を持つそういう事業については単年度予算の壁を破ることができる、そういうものであったというふうに思います。その結果として、我が国の社会資本整備が順調に進められて、現在に至ったというふうに思います。
 しかし、何といっても作られて以来四十年の歳月が経ているわけですから、ここでいろいろな考え方、そういうものに基づいてこれを改定していこうという、そういうこともまた一つの考え方だというふうに思います。
 そこで、まず最初に吉村副大臣にお尋ねしたいんですが、社会資本整備の各事業分野別の長期計画を今度は一本化して、そして社会資本整備重点計画を作成するための根拠法を今度制定するわけですが、その理由とその主なねらいについて教えていただきたいと思います。
#6
○副大臣(吉村剛太郎君) おはようございます。
 先生はかつては建設省に奉職をされて、最終的には技監までされた方でございまして、我が国のインフラ整備に大変な御貢献をしてこられた先生でございます。先生からの御質問、本来なら先生がこちらのサイドに立たれて、いろいろと我々に教えていただくのが筋だと、このように思っておりますが、たまたま今、私こういう立場でございまして、また今御指名をいただきました。今回のこの社会資本整備の各事業分野の長期計画を一本化し、社会資本整備重点計画を策定するための根拠法を制定するに至ったその理由はいかんという御質問でございます。
 先生がかつてはそれぞれの分野でお仕事をされ、なかんずく先生は道路関係のプロ中のプロだと、このように認識をしておる次第でございますが、御存じのように、かつての建設省と運輸省、もちろん北海道開発庁、気象庁、海上保安庁ございますが、統合をいたしました。そして、いよいよその統合のメリットを発揮するときに至ったと、このように思っておる次第でございます。
 かつては分野別にそれぞれ事業計画を持っておりましたが、その関連性においてはいささか問題もなきにしもあらずと、そういう反省の上に立ってこの長期計画を一本化する中でそれぞれ関連性を持った計画を策定し、それがひいては大きなコストダウンを含むメリットにつながってくるだろうと、そういうことでこの重点計画法案が制定をされたわけでございまして、その法案の理念にのっとりまして、広くは、まずは一義的にはこの国会で大いに論議をしていただくと同時に、国民の方々、また地方の意見等々をお聴きして、正に国民のためのインフラ整備を合理的に策定していこうというのがこの法案の趣旨でございます。
 もちろん、私は民間におりまして、民間というのはそういう法律に縛られることはございません。しかし、国会は税金を使うわけでございますから、国は税金を使うわけでございますから、そういう法律で一つの基本指針、また実施要綱等々を策定して、国民の皆さんが納得できる、そのような事業を推進していくということであるわけでございます。このような理念に基づいての今回のこの一本化と同時に、柔軟に対応するためには、やはりこれを見直しもできるという点も含んでおる次第でございます。
 そういう幅広い考えの下に、今までの事業別の事業を一本化して合理化していく、そして国民の方々の御理解を得るという趣旨で今回の法案を提出させていただいた次第でございます。
#7
○沓掛哲男君 それでは、総合政策局長にお尋ねしますが、この第二条第二項にあります社会資本整備事業に地方単独事業は入るのでしょうか。それと、社会資本整備重点計画に地方単独事業を入れているのでしょうか。簡潔に説明、お願いします。
#8
○政府参考人(三沢真君) 先生御承知のとおり、社会資本整備は、国の事業だけではなくて、直轄事業、補助事業、単独事業を合わせて計画的、整合的に実施していくということによって、初めてその機能、効用が十全に発揮されるというものでございます。例えば道路で申しますれば、高速道路から市町村道に至るまでのネットワークという形で整備するということがその機能を発揮するために非常に重要でございます。
 そういう観点からいいますと、今回やっぱり社会資本整備の一体性、整合性という観点から、この計画の対象となる社会資本整備事業は、国の直轄事業だけでなくて、補助事業、地方単独事業も対象とした上で、それについて横断的ないわゆる成果目標というのを示すということにしているところでございます。
#9
○沓掛哲男君 そのとおりだと思いますが、なかなかこれ、地方分権の時代でもあるし、地方が自主的にいろいろなこともやろうということ、時代でもあるので、この社会資本整備重点計画にまで地方単独事業を入れていいのかどうかは、その辺は私もちょっと迷いがあったのでお聞きしましたが、よく分かりました。
 では、次の質問に移ります。
 第四条第一項で、主務大臣は、政令で定めるところにより、重点計画の案を作成しなければならないとありますが、その政令で定める主なものは何なんですか。計画期間も政令で定めるとすると、従来、計画期間は法律、各緊急措置法ですけれども、法律で定められておりましたが、今回、政令事項とする理由はいかがなのでしょうか。
#10
○政府参考人(三沢真君) 重点計画の計画期間につきましては、五年を一期とすることということをその重点計画の施行令において定めることにしております。
 それは従前、緊急措置法で、法律で定められておりました。それは、やはり正に緊急ということから、その緊急というのは何年なんだということからそういう扱いになっていたという理解かと思いますが、従来からもいわゆる、例えば土地改良長期計画のような緊急措置としての位置付けを持たないような長期計画においては、計画期間を政令において定めているということもございまして、今回も政令で定めることにしておりますが、ただ、当然この法案を御審議いただく前提として五年という計画期間を明らかにして、その前提で御審議をいただいているということでございます。
 五年という期間は、やはり社会経済情勢の変化に応じて、やっぱり計画に定めました重点目標の妥当性を検証するという必要性から五年という期間を定めるということにしているものでございます。
#11
○沓掛哲男君 では、次に移ります。
 重点計画には横断的な政策テーマも考えられますし、また事業分野別の政策テーマも考えられます。また、そのほかに地域ブロックとしての政策テーマも考えられるんですが、ここの重点計画ではこの三ついずれも入っているんですか。あるいはこのうちの一部なんでしょうか。具体的に教えてください。
#12
○政府参考人(三沢真君) 重点計画は、今までのように事業分野別の計画ということではなくて、事業を横断的に目標を設定し、またそれを達成するための取組を、その事業を横断的に示していこうというものでございます。したがいまして、この重点計画の主体は、やはり事業分野別ということではなくて、あくまでできるだけ横断的な物の見方、事業間の連携によって何が達成できるかということに主眼が置かれるわけでございます。
 ただ、その場合に、一つの事業、例えば道路なら道路という事業は、これは例えばバリアフリーにも関連するし交通安全にも関連するし、当然それは経済の活力というものにも関連すると。そうすると、複数の目標に一つの事業が関連してくるわけでございます。そういたしますと、例えば分かりやすいという観点からいえば、道路なら道路という物の見方で一覧的に何をやるのかと、見たいというニーズも当然出てくるかということかと思いますので、その辺は重点計画の中でそういう整理も併せて行いたいということで、これはこれからの検討課題ということで更に詰めさせていただきたいと思います。
 それから、地域における社会資本整備の在り方ということで、これはこの法案の中で、計画の案の作成に際しまして国民、それから都道府県の意見を聴くということになりまして、それらの意見を聴く場合に、地方のブロック単位で、地元の公共団体、経済界と地方支分部局との間で定期的な会合を開催しながら、いろいろ国と公共団体が連携して、地域の将来像、あるいは共通の目標といいますか、そういう共有できるような目標が何かということで議論をしていきたいというふうに考えております。
 したがいまして、そういう議論を経て、そういう地域の御意見についても計画の中に取り入れるべきものは取り入れていくということで、いろんな地域の課題、ニーズにできるだけ的確に対応していきたいというふうに考えているところでございます。
#13
○沓掛哲男君 よく分かりました。
 横断的な政策テーマはもちろんですけれども、従来のような詳細な事業分野別は結構ですけれども、しかし事業分野別でも柱になるようなものは、今の説明のように、何らかの形でこの中に少し出てくるようなことも必要かなと思いますし、また地域ブロック的な政策というのも、私の北陸であれば雪国ですから、あるいは東北などもそうですけれども、そういう特徴的なものを生かしてどういうふうに対応してもらえるのか、特性をどう生かしてもらえるのかなどなどいろいろあります。
 特に私は、やっぱりこういう計画というのは国民に関心を持ってもらわなければ余り、死に体になるものですから、是非、例えば東北地方の地域ブロックはこういうことを特にほかに比べて特性があるからするとかいうと、東北の人はそこだけ読むんですね。そういうふうな地域だけでもそういう関心を持ってもらえる、そういうふうな形で、やっぱり国民の関心を持ってもらえるような政策、法律を是非作っていただきたいなというふうに思ったので質問いたしました。
 では、次に政務官に、岩城政務官にお願いしたいと思いますが、この法四条第三項第一号にあるわけですけれども、計画期間における社会資本整備事業の実施に関する重点目標としてはどのようなものを考えておられるんでしょうか。
#14
○大臣政務官(岩城光英君) 計画期間におきます社会資本の整備につきましては、厳しい財政状況にありますので、これまで以上に重点化、そして効率化を図っていかなければならないと、このように考えております。そして、より低コストに、よりスピーディーに、より質の高い公共事業を進め、本当に必要となる社会資本の整備を進めてまいりたいと考えております。
 このため、重点計画におきましては、これまでのように縦割りで対応するのではなく、例えば、一つには国際空港や港湾と高速道路ネットワークの整備による国際競争力の確保等も挙げられますし、またCO2の排出量の削減といった地球環境問題への対応等もございます。また、少子高齢社会に対応したバリアフリーの推進、さらに河川と下水道の連携等によるいわゆる都市型災害等の被害の低減、こういった例も考えております。
 いずれにしましても、二十一世紀型の課題に対する取組を重点目標として掲げることを検討しておりまして、このような事業横断的な目標を達成するために事業間連携を今まで以上に強化いたしまして、社会資本整備の重点的、なおかつ効果的な、効率的な実施を図ることとしております。
#15
○沓掛哲男君 重点目標の内容はよく分かりました。しかし、社会資本には供用までにかなりの年月を要するものがたくさんあります。完成までに十年も掛かるのもありますし、数年掛かるもの、そういうものが多いんですけれども、じゃ計画期間内に、五年であれば、この期間内に供用されない場合は、相当の投資をするけれども、いわゆるアウトカム、成果というものが出てこないことになるんですけれども、そういう点はどのように取り扱うんでしょうかということが一つ。
 まあ同時の質問ですから、共通的な問題なのでさせていただきたいんですが。
 それから、社会資本には、その効果が限定的なものと、その効果が利用者の知恵によって当初考えていたより飛躍的に増大するものがあります。今、政務官おっしゃったのは、今の我々の知見で、そして考えたことをこうしようという成果として考えているんですけれども、実際はそれよりも非常に大きなものが出てくる可能性がいろいろあります。特に、いわゆる限定的、いわゆる排他的な、自分が使えばもう人が使えないというものは割合そういう関係は薄いと思いますが、いわゆる非排他的原則、自分が使ってもみんなが使える、そういうようなものというものには非常にまた後世に大きなその利用というものが考えられることがあります。
 その一例を申し上げますと、いわゆる高速道路を計画し造ったときには、私たちが考えていない、そういう大きなことが二つ起こりました。一つは、いわゆるクロネコヤマトの宅急便ですね、ああいう宅急便制度がこんなに普及して国民生活を豊かにするというふうには私たちは考えていませんでした。このことを実現したのがいわゆるクロネコヤマトの宅急便の小倉さんという社長で、会長で、道路審議会にも専門委員として、また委員としても入ってくださった方なんです。
 その人はどうしてああいうことを考えたかというと、その背景は、三越の岡田社長さんと竹久みちという方の非常な愛情関係がありまして、そして岡田さんという人が、いわゆる会社の中で存立を何とかして確立するために、いわゆる出入り業者を締め付けたんですよ。そして、自分の実績を上げて、その問題を乗り越えようとした。そこで、この小倉さんの会社も、もうこのままでは死んでしまう、とすれば新しい分野へ出ようということで決意をしてクロネコヤマトの宅急便を進出したんですけれども、小倉さんというのはだれよりも日本じゅうの交通政策に詳しい人でした。具体的にどこがどうとかどうとかということでしたら、本当に詳しい方でした。その方がああいう形で出発したわけです。
 昔は、余り御存じない方もおるかもしれませんが、ここからどこかへ物を送ろうとすると、いわゆる鉄道へ持っていくと、もう一度風袋を作り替えなさいとかいって、そして一か月ぐらい、まあ一週間から二週間、もう下手すると一か月、それで取りに来いという時代でしたが、こんなにすばらしい、いわゆる宅急便制度ができたということは考えていませんでした。
 これは生活面ですが、もう一つ、産業面でも私たちが想像もしないことが起こりました。それはトヨタのジャスト・イン・タイム方式でした。こういうジャスト・イン・タイム方式を産業に取り入れて、そして今のトヨタのすばらしいものの原動力にしていくというふうには私たちも考えていませんでした。
 トヨタの社長や会長とも何度もお会いしましたけれども、彼らはこう言うんですね。いわゆるトヨタの敷地というのは、高速道路ができれば日本じゅうが我々の、トヨタのいわゆる工場の立地条件の適地になるんです。そのことによって私たちは、今まではいろいろな部品が出てくる、入ってくるとそれを倉庫に納め、そしてまた必要なときに倉庫から出してベルトコンベヤーへ乗せたのが、このことによっていわゆるベルトコンベヤーに乗せる時間にそういう部品が来る。したがって、その部品をベルトコンベヤーに直接入れるから、倉庫へ入れる手間もないし、倉庫も要らないし、そしてそういう、また取り出す暇も時間も要らない。そういうことがいわゆる今のトヨタを作ったのですということを言っておられました。そういうことは、私たち、高速道路を計画し、実現しながら、思っていませんでした。そういうふうに、私は、これから物すごい、そういうまた人類の知恵というものが出てくると思います。
 ちょっとあれは違いますけれども、ITなんか正にそういう分野だというふうに思いますし、それを取り入れることによってこの分野もまたすごい成果が出てくると思います。そういうものはこの今の考えただけの中では出てこないんじゃないか。
 ですから、そういうものもある程度取り込めるような、弾力的なそういう重点目標というものも必要ではないかなと思いますが、いかがでしょうか。
#16
○政府参考人(三沢真君) 二点、御質問をいただきました。
 一点目は、供用までに年月を要して、計画期間内に供用されない場合の扱いということでございます。
 それで、この重点計画で設定する重点目標というのは、基本的には、これは個別のプロジェクトの成果というよりも、例えばバリアフリーを全体としてどのくらい効率をアップさせていくかというような、そういうようなある意味でマクロの指標と申しますか、そういうものが重点になるわけでございます。
 したがいまして、直ちにその個別の事業がこの期間内にできる、できないということが目標の内容に影響するということではございませんが、ただ、先生おっしゃるとおり、やっぱりその計画期間中のそういう目標を設定するに際しましては、その更に先のこと、つまり長期のことを頭に描きながら、この五年間でどうだということを考えていかなきゃいけないということでございますので、そこは大変重要な御指摘と受け止めて、また目標の作り方についていろいろ勉強していきたいというふうに考えております。
 それから、二点目は、これも大変重要な御指摘でございまして、正に社会資本というのは、そういう実際にユーザーの方に活用されて初めてその機能、効用が発揮されるということと、それからまた作ることによりまして新しい民間のニーズを喚起して、あるいは誘発していくと。その結果として、予想以上の効用を発揮するということも当然あるというふうに考えています。
 これはもちろん事前に予測できれば一番いいんですが、当然、したがいまして、事前にもできるだけいろいろな課題なりニーズを把握するということに私ども努めていかなければいけないということでございますが、ただ、結局、そういう事業を実施した結果としてまたいろいろ生じてくるということにつきましては、この事業についての評価あるいはこの計画についての評価ということをきちっとやりまして、その成果がどうだったかと。それをまた新しい計画なり事業のやり方に反映していくという、その仕組みの点が非常に大事だというふうに考えていますので、何といいますか、その辺はやはり柔軟な事業実施ができるような体制について努めてまいりたいというふうに考えております。
#17
○沓掛哲男君 そのとおりだと思いますが、最初に申し上げた供用期間内に、計画期間内にできないものについての話ですけれども、確かに、これから計画期間五年として、既に、トンネルが六年でできるものがあったとしても、もう四年たっていた。そうすれば、二年でそのものは供用開始する。その代わり、逆に、今トンネルに着工しても、この三年、四年では供用できなくてもまた次に移っていくということで、そういう形でいけば今の考えのとおりで、非常にいいと思います。
 ただ、この前提は、事業費が毎年変わらないという前提ですね。事業費が毎年変わらないで、同じようなパターンでいくというといいんですけれども、例えば非常に危険なのは、ここでこの五年間、事業費を三割減しても、アウトカムは一緒になる、することはできるわけですね。要するに、完成のものだけに減ったお金、少ないお金を回して、そしてそれをしていくと、三割減っても同じ成果が得られる。しかし、それから次の年に、次の期間になるとこれは全然動かなくなって、成果は全然出てこなくなってしまうんですけれども。ですから、その成果主義で、余りにも予算を減らしても成果が同じだということでは困るので、あくまでもその考えは事業費が減らない、今年も来年もずっと同じだという前提でのことなので、その辺は是非含んでいただきたいというふうに思いますし、最後に大臣にもお願いしたいと思っています。
 そこで、次に、この重点計画では各事業分野別の事業量及びその事業額が定められないことになっておりますが、重点計画の関心や評価を高めるため、また当然いろいろな概要等を算定されるときに恐らく事業量や及び事業額の概略も大体試算するはずですから、そういうようなものを参考資料なりなんなりで示していただけないものでしょうか。なぜかと申しますと、単にそういう成果だけというだけでよく国民に分からないものだと、その全体というのが国民から理解されなくなっていきます。
 その一つの例を申し上げてみたいんですけれども、実は我が国には経済計画というのがございました。そして、これは中長期的な経済運営の基本的方向を示す計画として、本当にみんなから、すばらしいし、みんなからよく読まれもし理解もされておりました。その最初というのは、昭和三十年、鳩山内閣のときに経済自立五か年計画が策定され、歴代内閣でもおおむね新しい経済計画を策定しました。有名なものとしては池田内閣の国民所得倍増計画というようなものがあります。国民は経済展望をこの経済計画で知ることができ、強い関心を持っていたんです。
 特に、公共投資が経済に及ぼす影響、効果が大きいことから、社会資本整備が重要な政策課題として位置付けられ、各分野ごとの事業費がこの経済計画には計上されておりました。経済計画の中には全部、各分野別の事業費をこの計画期間中には幾らおおむねやるかという、そういう数字が全部出ておりました。そこが、そこがみんな関心を持ったところで、それぞれの分野別の人たちも、国民も、そうか、こういうことになっていくのかということだったんです。
 ところが、昭和五十七年に中曽根内閣が誕生し、一九八〇年代経済社会の展望と指針が経済計画として策定されましたけれども、この計画では詳細な経済費用分析からの脱却をうたいまして、そういう個々のものを取り上げることをやめました。そして、この計画では、日本の経済成長率がどうなる、いわゆる失業率がどうなる、消費者物価がどうなる、そういうふうな指標をこの経済計画といたしました。
 自来、経済計画は本当に国民の関心から薄れていきましたし、皆様方も、今経済計画があるのかな、何々がどうだというようなことを記憶する方が少なくなってきたと思います。やっぱり人間、きちっとどれぐらいの、それぞれの関係者等々にしてみれば、どれぐらいの事業量があって、どういう事業費なのか、総事業費はどうなのかというアウトラインでも示されないと、それぞれこういう指標だけではどうなっていくのか少しも先が読めません。自分らとして、いろいろな企業なりそういうもの、地域の人たちが何かやろうとする指標にはならないわけです。日本じゅうでこうなるというのではそれぞれならないので、ですから、そういうこともありますので、是非、概略試算はされるんでしょうから、事業量とか事業費は、正式なものでなくても、何らかの参考資料なり、そういうところで示していただけると大変有り難いと思いますが、いかがでしょうか。
#18
○政府参考人(三沢真君) 正に先生おっしゃるとおり、その計画がいかに国民に関心を持っていただき、また分かりやすいものになるかということが非常に大事でございます。
 今回、そもそも重点計画の見直しも、実は従来やっぱり事業費中心の計画になっていて、その事業費でもって具体的に何が、どういう成果が、どういう目的が果たされるのかというその部分について必ずしも十分国民に分かりやすく作ってこなかったんではないかという反省から、今回こういう重点計画へ転換しようということでございまして、そもそもやはりできるだけ国民に分かりやすい計画を作るということが原点であることは、もう先生おっしゃるとおりでございます。
 それで、当然、そのプロセスでもできるだけ国民の御意見を聴くとともに都道府県の意見を聴くなどして、何といいますか、一方的に作るということじゃなくて、やっぱりコミニュケーションの中で作っていくということによってこういう評価と理解を高めるということをいろいろ努力していきたいというふうに考えておりますが、その際、やっぱりアウトカムだけではなかなか分かりにくいんではないかと。いわゆるアウトプットといいますか、事業費、事業量も一緒に示した方がより関心が高まるのではないかという御指摘でございます。
 今回の成果目標は、これは本来的にはいろんな主体、国とか地方もございますし、それから民間の取組も含めて総合的に達成されていくような指標でございまして、それが一方、当然併せてコスト縮減の取組なんかもやってまいりますので、必ずしもこのアウトカムだとこの事業費というのは一義的に一対一の関係でぴたっと出るかどうかというのはなかなか難しい点がございます。ただ、当然、もちろんその前提としていろんな想定をしながらこういうアウトカム目標を作っていくということは当然でございますので、そういう分かりやすさという観点から、そういう一定の想定としての事業量なりあるいは事業費というものについてもある程度は幅を持ったものになるのかどうか、そういう概算的なものを例えば参考資料としてお示しすることができるかどうか、この点につきましては先生の御指摘も踏まえて更に検討をさせていただきたいというふうに考えております。
#19
○沓掛哲男君 このアウトカムのこういう計画は、昨年、最初に漁港漁場整備長期計画というので農林省でやったわけで、党でいろいろ議論したとき、私も参画して、いや、難しいなという、初めて思ったんです。こういうものが社会資本に入ってくるともっと難しいなという、実は思っていたんですが、いわゆる漁港漁場整備計画というのは、計画期間は五年だけれども、その成果の出てくるのは十か年とすることにして、そしてこの場合は三十七万トンのいわゆる魚の捕れる量を増産するというのがアウトカムなんですよ。そこで、農林省の人にいろいろ聞いてみると、そういう目標でやっているんだけれども、じゃ、この一年間でいろいろなことをやったけれども、それがどう結び付いたかと言われると非常に分かりにくいので、相当年月がたたないと分からないという、そういう問題点も指摘しておりますので、そういう点も踏まえてこれから考えていただけたらというふうに思います。
 さて、次の質問ですが、法第四条第三項第三号に、重点計画には地域住民の理解と協力の確保に関する事項を定めなければならないとしておりますが、このことは、事業を速やかに実施し、そして所期の成果を上げるために欠かせない重要なことではありますが、理解と協力を確保するためにはどのような方法を考えておられるのか。
 私は、公共事業、社会資本整備事業等を進める上において地元の住民の理解と協力というのは何よりも大事だし、そのことがこの事業が完成するスピードアップに極めて大きな影響を持っているというふうに思います。私たちも現場でこの地元の人たちと話し合い、もう説明、ここにこういうものを作るという説明を聴いてもらえれば事業は半分終わったというふうに思っておりました。それほど非常にこの地元の地域住民の理解と協力というのは大切なことで、適切に法で書いてあるなというふうに思っているんです。
 そこで、私は、いろいろな役所の方々、どこの役所と言うと角が立つので言いませんけれども、いろいろな役所では、特に中央で非常にいろいろなことをなさる役所はすぐナショナルプロジェクトという言葉を持ち出すんですよ。いわゆるなかなか、こういう一例を申し上げれば、成田の飛行場もなかなかできないその原因というのはどこにあったかというと、最初に皆さん方、ナショナルプロジェクトということの、そういう一つの承認を中央で得る。とすると、もうナショナルプロジェクトだ、ナショナルプロジェクトだ、だから、おまえたちはこれに従わなけりゃ国賊だとは言わないけれども、非社会的な人間だという、そういう意識で乗り込むんですね。
 名前も、成田まで来たから言うけれども、割合多いのはこの運輸省さんもそうだったし、私も長くいろいろ言ってきた通産省もそうなんです。通産省もすぐ一生懸命になってナショナルプロジェクトというやつを一生懸命に官邸を回ったりして取るんです。そうしたら、もうそれで仕事は終わった、これはもうナショナルプロジェクトだからおまえたち言うこと聞かないんなら非社会的な人間だと、こういう考えで乗り込むんです。
 それは駄目です。やっぱりこういう問題は相手の立場になって考えなければなりません。その人、土地を持っている人にしてみればずっとそこに住んでいるわけなんです。そして、そこで何か大きなものができても、国民の一人として利益を得るわけなんです。自分の土地はずっと住んでいたいのに提供しなきゃならないんですから、やっぱりそのことをもう一度思いながらやっていただかなきゃならないし、そういう点で、この法律で地域の住民の理解と協力の確保をうたってありますが、これは非常に言葉としては書きやすい言葉ですけれども、実施していくのには大変難しい問題なので、どんな方法を考えておられるんでしょうか。
#20
○大臣政務官(岩城光英君) ただいま先生からるるお話がありましたとおり、事業を進めていく上で地域住民の理解と御協力をいただくこと、これは極めて大切なことだと私どもは受け止めております。
 これまでも、計画段階の住民参加の手法として、例えばバイパスなど道路整備におきましてはいわゆるパブリックインボルブメント、この方式を平成九年度から施行しております。また、都市計画の決定に際しましては、従来からの住民に対する公告縦覧に加えまして、平成十二年十二月には案の策定段階から原則として公聴会や説明会、そういったものを開催することを地方公共団体に対して周知をしております。
 また、計画段階よりも更に早い段階であります構想の段階において、幅広く住民の皆様方に情報公開、さらにまた住民参加を行うことが事業の透明性や客観性を向上させるため極めて重要であると考えておりまして、例えば道路事業におきましては構想段階にあるすべての高規格幹線道路を対象にパブリックインボルブメントを導入しております。
 そこで、今後ですが、国土交通省所管の公共事業におきましては、構想段階における幅広い皆様方の意見を反映させるために、事業の特性に応じた情報公開あるいは住民参加など、運用面での整合性を確保するための事業横断的なガイドラインをできるだけ早期に策定することとしております。事業の構想段階からの住民参加の試行を積み重ねまして、仕組みの、そういった仕組みの整備に向けて取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解いただきたいと存じます。
#21
○沓掛哲男君 じゃ、次の質問に移ります。
 法第四条第四項に重点計画の案の作成に当たって国民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるとありますが、案の作成のどの段階でどのように意見を聴くのか、また国民の意見は多種多様で、特に社会資本整備事業に開きのある地方部と都市部では相反する意見も出てくると思われますが、重点計画の作成過程で地方対都市の間の利害調整をどのように行うのか、その辺について何か御指摘がありましたら教えていただきたいと思います。
#22
○副大臣(吉村剛太郎君) ただいまの、岩城政務官の方からいろいろと説明がありました。基本的には同じお答えになるんではないかと、このように思っておりますが、近年、情報公開それから説明責任ということはもうあらゆる分野で大変重要視されております。なかんずく、公共事業におきましても、素案の段階から情報を公開し、説明するということが大変重要であろうと、このように思っておりまして、省としましては、岩城政務官が申しましたように、アンケートとかインターネットとかを活用して素案の段階から公開していくということが必要であろうと、このように思っております。
 また、都市、地方、それぞれ立場によって利害が相反するということも多々あろうかと、このように思っておりますが、それはそれとして、都道府県、地方公共団体、それから地元経済界等々との会合を重ねながら理解を求めていくということが大変重要であろうと、このように思っております。
 先生も長い間公共事業に携わってこられまして、私も、国のかつてのいろいろな細かいことは存じませんが、地方議会に参画した者として、その当時は極秘にやるんですね。素案の段階はなるべく公開しないと。そして、素案がある程度できた段階でぱっと公開して、もうそのときは住民の方ももう物が言えないようなやり方があった。これは大いに反省すべきだろうと、このように思っております。
 特に、今、情報公開それから説明責任という公の立場からそういうスタンスでいくと同時に、一方でやっぱり国民、住民も聞く耳を持つ、そして意見を言う、そして意見の交換を濃密にしていくことによって理解を深めていくということが大切ではないかなと、このように思っております。
#23
○沓掛哲男君 ありがとうございました。
 では、次の附則第三条ですけれども、重点計画法案の附則において、計画期間の最終年度に、重点計画に係る制度について検討を加え、必要があると認めたときは所要の措置を講ずるとありますが、所要の措置の中に法律事項も入るのですか。また、その必要がないとき、次の重点計画を定めるのに法律の改正等、すなわち国会の関与というのは必要なくなると思いますが、その辺についての、こういうふうになった理由等を教えていただければと思います。
#24
○政府参考人(三沢真君) この社会資本整備を取り巻く課題、あるいは経済財政状況などの社会経済情勢、この変化というのはやはり日々刻々変わっていくというものでございます。そうしますと、当然、一つは計画自体を適宜適切に見直すということが大事でございますが、もう一つそれに加えまして、この法律に基づく計画制度そのものがその時々のニーズあるいは時代にマッチしているかどうかという不断の点検が必要だというふうに考えております。
 こういう趣旨から、この法案の附則三条におきまして、計画の内容だけではなくて、制度の在り方自体も硬直的にならないで、そういう時代にマッチしたものに見直せるようにということで、計画の更新期ごとに定期的な見直しを行うということを政府に対して義務付けているものでございます。
 したがいまして、政府といたしましては、この規定に従いまして、例えばこの計画、今回の重点計画法案の中でも重点計画の基本理念というのをいろいろ定めておりますけれども、そういう理念が更にそのときの情勢にマッチしているものであるかどうか、更に付け加えるものはないかどうかというようなこと、それから社会資本整備を効果的かつ効率的に実施する措置というものもこの計画に明記しております。そういう措置としてこういうことも書くべきではないかというようなことがまた出てくることも十分予想されますので、そういうことについて検討を行いまして、法律の内容の見直しが必要であればそれをきちっと見直して、必要な措置を講ずるということとしているものでございます。
#25
○沓掛哲男君 次に、大臣にお尋ねしたいんですが、今日、一枚のこの資料を皆さんに配らせていただきました。これは国土交通省でお作りになったのですけれども、ここで見ていただくと、縦棒がございます。縦棒の黒いのは政府投資です。そして、白いところは民間投資です。下の軸は年度を書いてあります。昭和からずっと平成の年度を書いてあります。そして、一番上の線、折れ線というのは従業員数、就業者数を記述してあります。
 そこで、これを見ていただきますと、今、一番右の平成十四年度は、下の方から見ていただくと、政府投資が二十五兆、そして民間も含めて五十七兆円になっています。そして、ずっと見ていただきますと、会社数は五十七万、就業者数は、折れ線がここまで来ていないんですけれども、約六百三十万ほど就業者がいます。実は、平成十五年度の予測では建設投資額は五十四兆となっています、五十四兆。五十四兆という線をずっと左の方へ持っていきますと、ぽんと当たるのは昭和六十一年ですね。六十一年もほぼ建設投資が五十四兆です。すなわち、今年、平成十五年度はもうバブルの直前の昭和六十一年、平常な状態の五十四兆に戻っているということになります。そしてまた、この間における公共投資の就業者数というのは、昭和六十一年の就業者数は約五百三十万人です。それがずっと就業者が増えて、ピークが平成九年で、ここで約六百八十万ほどですか、百五十万人ほど増えています。
 実は、この間、平成四年ごろからバブルがはじけて産業部門から失業者がどんどんあふれ出たんです。百万を超える人が出たんですが、その相当の部分をこの建設業界で吸収したので、この平成九年ごろまで失業率は二%で抑えられておりました。しかし、この平成九年から建設業ももう就業者を雇用できなくなり、下がり出す。また、製造業もどんどん失業者を出していますから、この平成九年から急激に失業率がだあっとあふれてきているんです。今現在でもやっぱり六百三十万ほどの人を雇用して、家族も含めれば千万以上の人がこの業界で生活をしているわけなんです。そこで、いわゆる、平成十五年は、正に十五年度は六十一年という正常な状態に戻っています。
 大蔵省でも平成十五年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算というのをこの二月に、十五年の二月に出しているんですが、ここでも公共投資は平成十五年度八兆一千億、そしてあと十六年度も十七年度も八兆一千億で試算しています。十八年度は初めて八兆円ということで横ばいを考えております。
 こういうときですから是非、もう既にバブルの前の時期に、五十四兆というところにまで戻ってきているので、この業界、今もう失業者又は倒産が相次いでいるわけで、これから先どうなるのか分かりませんから、泥沼のような状態ですから、再編といってもどうしていいのか分からないという、そういう状況です。ある程度これでもう六十一年まで来たし、平成十五年度以降はこの大蔵省の試算のように公共投資は大体おおむね横ばいでいけるんだよということを扇大臣のお力で是非ひとつやっていただければ、私は、そうすれば、またみんな知恵がありますから、それに合ったように再編もするし、企業もいろいろ縮小するものは縮小するし、いろんなことができていく。今のように先が分からないというのでは本当にどうしていいか分からないというのが特に地方の実態です。
 どうかそのいわゆる光明を与えるためにも、平成十五年度の公共投資、建設投資はこれからは横ばいにいくように国土交通省としても頑張りますよということの一声が私は物すごい大きな影響を及ぼし、この千万を超える、従業者は六百三十万ですけれども、希望を与え、そしてまた再編に大きな私は力になっていくと思いますので、大臣からも一言、これをお願いしたいと思います。
#26
○国務大臣(扇千景君) 今日、朝から沓掛議員のいろいろ御経験と、そして今までの政策の在り方、戦後の日本と二十一世紀になった日本の在り方、公共工事も必ずしも全般が一〇〇%ではなかったという反省も込めて御経験を言っていただいて、私は大変沓掛議員の謙虚なお姿と、また今まで尽くしてきたことに関しての反省も込めてお知恵をいただきましたので、まず感謝申し上げたいと思っております。
 ただ、残念ながら、今おっしゃったように、平成十五年度の建設投資額の予測、これは今も表にいただきましたように、地方公共団体と民間の建設投資の落ち込みによって昭和六十一年度の水準にまで下がるということを今お示しをいただきました。そのとおりでございまして、ただ、今まで沓掛議員がおっしゃいましたように、国が一定の下支えをしてきたということだけは今も沓掛議員がおっしゃってくださいましたので、私はそういう意味では、十五年度の国の投資額が平成四年度の水準に落ちてはおりますけれども、ピークであった平成十年度の約六割の水準までこれ減少してしまっているんですね。
 けれども、私は、今までの日本の技術というものは世界に冠たるものがあると信じておりますので、たまたま沓掛議員から合併等々のお話が出ましたけれども、私はこの六十万業者といったのが五十七万業者に減ってはおりますけれども、私はその間の日本の掘削あるいは橋梁等々、公共事業の技術というのは私は世界に冠たるものがあると信じておりますし、また私どもも世界じゅうに行ったときに、これは日本の技術ですよと、あなたのところの技術でこれができましたということも随分声を聞きますので、そういう意味ではそれぞれの会社が持てる技術、業者の持てる技術の特徴を私は殺さないこと。せっかく今までのノウハウを私は合併によってこれがなくならないようにということで、合併するときにはそれぞれの、掘削技術が世界一ならその会社の特色を生かす、あるいは橋梁技術が世界一ならそれを生かすという、そういう合併の在り方。本来のその業者の持てる力というもの、技術というものを保持するために、私は大変な努力もしなければいけないし、国としてもそういう技術をなくさないようにしなければいけないということを考えております。
 ただ、この公共工事というものの、平成四年ぐらいに落ち込んでいるということは、昭和六十一年ですね、六十一年の水準に落ち込んでいるということは事実でございますけれども、私はある程度事業の絞り込み、それから集中投資ということから考えれば、時間がありませんから一つだけ例を挙げますけれども、東京都の例を一つ取ってみても、私は、昭和二十一年に都市計画が二十三区で設定されて今五五%しかまだ、その昭和二十一年の都市計画でさえまだ実行されていない。四五%未達成であるということ一つ考えてみても、私は、土地収用法等々、今まで区画整理等々の原点が直されてなかったということが、国土交通省になって私は本当にいい勉強もさせていただきましたし、事実それが進行していない原点はどこにあったかということも、これよく分かりました。
 そういう意味では、昭和二十一年の都市計画、二十三区一つ取ってみても、都市再生という言葉を作って、都市再生本部まで内閣に作ったけれども、これを実行することによってどれくらいの経済効果が上がるかということも私は試算で出ておりますので、そういうこと一つ取ってみても、実行していくことによって民間の需要が私は力強くできると。都市計画が今大体どの程度できているかと。できていない四五%では東京の二十三区の山手線の中の許容量、いわゆるそれが全部、六千ヘクタールというのが全部まだ未達成なんですね。じゃ、六千ヘクタールが全部これできるようになったら、都市計画実行したらどうなるかというと、少なくとも霞が関のビルが四百棟建つぐらいの許容量がまだ未達成であると。そういうことを考えますと、まだまだ私たちは社会資本整備でも陥っているところがあると。
 また、この業界の業者の数が五十七万業者、ピークは六十万業者、そして従業員は八百万人ということでしたけれども、現在もこれを解消するためには、これは公共工事だけではなくて、私は大変夢があることだと思っています。それは、沓掛議員等々に御尽力いただいて、私は今回の税制改革も大きな私は光になると思っています。住宅税制で少なくとも三千五百万円まで非課税にするといったことがどれくらいの効力を発揮するかということも、私は一例として、これは社会資本整備だけではありませんけれども、今、先生がおっしゃった業者の力を入れて、元気が出るということから考えますと、少なくとも私どもは、第二次のベビーブーマーの人たちが今二十七歳から三十一歳、約一千万人いるんですね。彼らの平均の年収というのは四百七十六万でございます。そして、貯金幾ら持っているかというと、平均が約百万でございます。
 その人たちの一千万人が少なくとも平成二十年までに一千万軒の住宅を取得するということがこれ可能なら、またそうしなければ、子供を持って、成長とともに、百万軒ですね、百万戸の家を建て直す、あるいは取得すると。これが少なくとも今、年収とそれから貯蓄の百万と考えますと、約、彼らに住宅の取得のために二千万しかいわゆる借りる権利がないわけです。二千万じゃなくて、親の、一緒にということで三千五百万にしますと、これがいわゆる住宅建設一つ取ってみても、これ百万戸と言っていますけれども、十万戸だけ例に挙げましても、少なくとも私は、二千二百六十億円、少なくとも雇用は二十六万人の雇用の創出になると。
 こういうような、私は、業者にとっても今、沓掛議員がおっしゃったこの五十七万業者等々の不況の問題をしましても、そういう一つ一つの政策によって私は大きな希望が持てると。また、社会資本整備がなくなっても、そういう住宅の建築というような、またせっぱ詰まった国民の需要というものも私は税制と相まって希望が出てくるということも、私はかなり皆さん方に元気を出していただける。
 また、今日、地価公示の内示をいたしましたけれども、官報に公示をしましたけれども、これを取っても大体横ばいだということで、大変、商業地、表参道、銀座、丸の内等々上がっている商業地もあるということで、私は、希望の持てる日本であるということで、社会資本整備の公共だけではなくて、国全体の力が出てくるということは、是非、私は、皆さんとともに元気の出る原因であるということの例を挙げさせていただきました。
 ちょっと長くなって済みません。
#27
○沓掛哲男君 扇大臣からすばらしい抱負を聞かせていただきまして、ありがとうございました。
 これから実は、経営悪化した建設業者の取扱いなどいろいろ質問したり、環境問題も質問を出していたんですけれども、もう時間が参りましたので、大臣のすばらしいお話で終えたいと思います。
 今日は本当に皆さん、ありがとうございました。
#28
○池口修次君 民主党の池口でございます。
 社会資本整備重点計画法案につきまして御質問をさせていただきたいというふうに思います。
 今回のこの法律案は、九本ある緊急整備、緊急措置法を一本化するというのが今回の法律案の中身ですけれども、やはり国民にとってメリットのあるものでなければいけないというふうに思っております。そういう意味で、法律案の趣旨は何回か説明されていると思いますけれども、是非、国民にとってこうすることで何がメリットあるのかということを是非中心に、この法律案の作る目的について、まずお聞きをしたいというふうに思います。
#29
○国務大臣(扇千景君) この重点計画を、一本化するにつきましても、大変私は、先ほど沓掛委員がおっしゃいました四十年、しかも長期計画におきましては中には第十一次というのもあります。これくらい五年ごとに繰り返し延長、延長してきて、少なくとも私は、予算の分野別の配分を硬直化させている。これ自ら沓掛議員がおっしゃいましたので、あえて言わせていただきますけれども、私は、そういう嫌いがなきにしもあらず。
 また、少なくとも縦割りで、今までの事業はすべて旧運輸省、旧建設省等々の時代に出されたもので、新しく出発した三年目を迎えた国土交通省としては、二十一世紀型に、無駄な事業を省いて集中投資して、今、二十一世紀の時代の要請にかなえた事業というものを私はしていかなきゃいけないというのが二つ目でございます。
 そして、三つ目には、内容が事業費に偏っているということで、予算の獲得の手段になっているというのは先ほどもお話があったとおり。そして、一生懸命これが手段ですよと言っても、主計局で紙くずに捨てられるという例を沓掛委員がおっしゃいましたけれども、そういうことでは国民の夢も希望もなくなっちゃうんですね。
 ですから、私は、二十一世紀型の、国土交通省として新しい分野で、また集中投資しなければ、今の国際情勢を考えてみますと、これだけ社会資本整備をしてきたにもかかわらず、言い過ぎかもしれませんけれども、約七千キロの道路を、高速道路を造ったといっても、国際空港あるいは国際港湾等々とつながっているの、ないんですね。空港のインターチェンジなんてありません。
 そういうふうに、一つずつ例を取ってみますと、国際的に港湾、空港、道路、鉄道、そういうものが一体となった計画というものがどこかに欠如していたのではないかと。まだ完全に社会資本整備が国際的に遅れているというのは、そういう結節点がなかったということも私は大きな反省の点があったと思いますので、そういう、国土交通省になったら縦割りの競争がないわけですから、そういう意味で、一本化させていただいて効率を上げ、なお遅れている部分には集中投資して、先ほどもお話がありました、五年掛かるところを四年で工事ができ上がる。そうすると、あとの一年分は違うところの集中ができるという、そういう効率のいい公共工事でなければ真の国際社会に打ちかてないという大前提の下に、九本を一本にさせていただいたというのが原点でございます。
#30
○池口修次君 この後、具体的なメリットについてお聞きをしますけれども、今の話を聞きましても、国の借金が七百兆とか八百兆とか言われているお金を過去使っていたにもかかわらず、何でそういう不効率な社会資本整備になったのかなということは率直な疑問として感じます。
 それと、公共事業に対する国民の不信感ということで、これは本会議で民主党の谷林議員が言ったことでもありますけれども、大変な不信感が今高まっているというふうに思っております。言葉だけ拾ってみましても、例えば天下りなり口利き、談合、裏金、やみ献金、丸投げ、多分これは英語に直さなくても分かるんじゃないかというぐらいの状態になっているというふうに思います。
 それと、有識者の意見としても、この長期計画制度の問題点ということで、一つは予算獲得の手段と予算配分の硬直性の問題があるということなり、緊急措置法の恒久法化、三点目に縦割り行政の弊害、四点目に過大な需要予測に基づく計画の妥当性ということが有識者も言われておりますし、また平成十四年の六月に閣議決定された経済財政運営と構造改革に係る基本方針二〇〇二の中でも、事業の重点化、硬直性の打破、効率性、透明性の向上、これをしなきゃいけないというふうに言われております。
 そういう意味で、三点について、国民にとってのメリットが本当に図られているのかということをお聞きしたいわけですけれども、一つは縦割り行政の弊害というのが本当になくなるのかという観点。十五本ある緊急措置法の中でも、今回は国土交通省に関連する九本の緊急措置法だけが一本になるということで、ほかは一緒になっていないわけですけれども、こういうことも含めて、本当にこれで縦割り行政の弊害がなくなるかという観点で、まずお答えいただきたいというふうに思います。
#31
○副大臣(吉村剛太郎君) 先生ただいまの公共事業に対する、今日までのものに対する疑問点等々、それから今縦割り行政の弊害、また今縦割り行政がなくなるのかという御質問でございました。
 これは、縦割り行政の弊害をなくさなくちゃいけないと、そのためのこの長期計画の一本化というのが、これは私は一つの一里塚だと、このように思っております。これをどう、一歩踏み出したこれをどう有効ならしめるかというのが今後の我々の課題だろうと、このように思っておるところでございまして、今日までの経緯については大臣から答弁がありました。一本化ということで、それぞれの部門の人が全体が見えるようになるわけですね。例えば、国の直轄事業だけを見ましても全体が見える。
 そして、私は、これが、今までのこの弊害は、いわゆる住民、国民の方々との意思の疎通を欠いておったと。それで、その意思の疎通を円滑にすることによって公共事業に対する不信感を払拭するということ。
 それから、この一本化によって全体が見えると。これは、役所の各局でも全体が見えると同時に、国民の方々もコミュニケーションの円滑化によって全体が見える。そして、これが事業として実施されるときに、私は、先ほど沓掛先生からトヨタ方式というのがありましたが、正に国全体がトヨタ方式になる。この何兆円という事業が五か年出るんだと。
 これは、港湾、空港、道路を含めて総合的に国民の理解を得た計画が、重点計画が出た。それをそれぞれの民間の企業も見る。それによって生産計画、例えば資材でも、この計画はそれによって生産計画ができるわけでして、それがトータル的に非常に円滑に運営されれば大変なコストダウンにつながってくるだろうと、私はこのように思うわけです。そして、コストダウンで浮いた財源は、これはまた今まで未整備のやつを整備していくというようにしていくべきだろうと。
 今日の経済不況の中で、デフレの中で、この規模は保つべきだと私は思っているんです、規模は、スケールは、三十兆なら三十兆のスケールは保つべき。これがコストダウンで二十五兆円になっても、このスケールは私は個人的には保つべきだと、このような考えを持っておる次第でございまして。
 今、委員の御質問にありました、縦割りの弊害がなくなるかどうかということは、なくなさなくちゃならないと。それは、なくなすための今回の一本化が一つの一里塚であり、それが役所側も、発注側も受ける国民側もそういう中で合理化していくと。そして、これが縦割り行政をなくす方向に進んでいく努力をしなければならないと、このように思っております。
#32
○池口修次君 今のお話の中で、効率化してもやっぱり規模、今は、三十兆なら三十兆という、何回も言いましたけれども、三十兆で効率化してもやっぱりほかのところに使うんだというのが、お話がありましたけれども、じゃ、それを例えばこの社会資本整備重点計画の中だけでまた使うんだということになると、省益ということでいえばこれは余り変わらないんじゃないかというふうに私は思うんですけれども。
 財政状況もかんがみて、国土交通省だけでじゃなくて、ほかのところとも調整しながらやるというんなら意味は分かりますけれども、余り、やっぱり三十兆は国土交通省の予算としては五年間で使うんだというふうに言い切られますと、ちょっと趣旨と違うんじゃないかというふうに私は思いますけれども、いかがですか。
#33
○副大臣(吉村剛太郎君) これは一つの例えを申したんであって、我が国の今日のトータル的な経済状況からいきますと、私は今縮小均衡というのはいかがなものかなと。これはちょっと内閣の方針といささか食い違う面があるかもしれませんが、という考えを私は個人的には持っておるんですね。
 だから、この余った分を、もちろん公共事業がもうほかに必要なければ、必要なければほかの部署に、省庁に回すということは、これは当然いいことだと思いますが、まだまだ、私どもは地方から出てきておりますが、未整備はもう山ほどあります。そして、地方は今まで待ちに待っておりました。それを何だと、まだ待たなければいけないかというような気持ちが地方にあるんですね。だから、そういう気持ちを酌んでいくと。
 しかし、それはやっぱりこうやって担当しております国土交通省が努力した果実は、私はその国土交通省の受け持つ分野にやる。それが、各省庁がそうすればいいんですから。各省庁がそうやって努力していけば、それは農水省もまだまだ未整備なのを一杯持っている。環境省も一杯持っていると思うんですよね。そういうのに各省庁が努力していってやっていくということは、私は考えとしてはいいんじゃないかなと、こう思っております。
#34
○池口修次君 ちょっと再度、再度ちょっと疑問を呈したいわけですけれども、確かに、どこに社会資本を整備すればいいかというのは、これは例えば地方であれば、必要だというのは、もう優先順位を上げてほしいというのは確かに声はあるかもしれませんけれども、今の答弁ですと、もう各省庁の枠というのがあって、それぞれが、各省庁が枠をまずありきで、その中で効率的に各省庁がやりなさいよというような答弁に私は聞こえましたし、それですと縦割り行政というのは何にも変わらないんじゃないかと。
 私は、今のこの日本の財政状況の中で、やっぱり国民は本当に今の借金というのがどういう形で将来ツケが回ってくるのかと。それをやっぱり是正をする法律だというふうに私は、扇大臣は最初に言ったと、説明されたと思っているんですけれども、今の話聞くと、やっぱり省庁の、国土交通省の五年間の三十兆円はこれは守って、国土交通省で努力したものは国土交通省の箇所付けの中で使っていくんだと。これは全く違うんじゃないかというふうに思いますけれども、いかがですか。
#35
○副大臣(吉村剛太郎君) 大臣もおっしゃいましたように、金額は明示しておりません。例え話として私は、インセンティブとしてそう申し上げたんであって、これは各省庁そういう気持ちでやっていくということは大変重要なことではないかなと私は思っております。金額は明示しておりません、だから。だから、いいですか。
#36
○池口修次君 私も、各省庁が効率的にやるように、無駄を省きなさいということをやること自体を全然否定しているつもりはないし、それはもっとやらなきゃいけないというふうに思っているんですけれども、その生み出したものを、じゃ国土交通省なら国土交通省で使わせてくださいよという、使わせてくださいよというか、使いますよといった答弁はちょっとおかしいんじゃないかと思って、これはちょっと扇大臣にお聞きしたいんですけれども。
#37
○副大臣(吉村剛太郎君) いや、誤解があるようですから。
 だから、金額は明示していないんですよ。だから、その長期計画、これは今のままだったら百だと。しかし、計画段階からそういうことで、さっき言いましたように、トヨタ方式みたいなことを活用すれば、百でできる、百の事業が百二十ぐらいできるかも分からないですね。だから、そういう努力をしましょうと、各省庁がそういう努力をしましょうと、私はこう言っている。金額が余って、金額ありきじゃないんですよ。金額が余ったからそれをこっちに戻そうというんじゃないんです、私が申し上げているのは。だから、素案の段階から百しかできないのを百二十できる努力をしましょうと、こういうことを申し上げておるんです。
#38
○池口修次君 私は、各省庁が努力をしなさいというのは、それはそうだと思っているんですよ。
 ただ、努力をして、私はかなりの部分は借金の返済に回さないといかぬというふうには思っているんですけれども、その努力をして生み出した果実はやっぱり国民全体としてどう使うべきかという議論があって、じゃ再度国土交通省はこう使ってくださいというのがあるんなら、それはそれとして理解をしますけれども、元々、じゃ三十兆のうち一五%といいますと四・五兆円ですかね、この四・五兆円は、これは国土交通省が生み出した、努力したんだから国土交通省で使いますよということは、それは全くおかしいんじゃないかということを私は言っているわけです。
#39
○副大臣(吉村剛太郎君) いや、私は果実を言っているんじゃないんです。その前の段階の、計画の段階からそういう発想で、百の事業が今までだったらできるけれども、百二十できるじゃないかと、こういう努力をすべきじゃないかと、こう申し上げた。努力をした結果が、金が余ったからこれをこうじゃないんです。
 だから、この後もいろいろと論議される発注方式でも、それから各計画でも、このコストダウンのそういう発想でやっていくべきじゃないかと。果実を、じゃ、それをまた戻せと、国土交通省に戻せと言っているんではないんです。その最初の段階からそういう発想でやるべきではないかなと。そうしたら、今地方でも未整備なのはいっぱいあるし、たくさんできるじゃないかと、こういうことも申し上げておるんです。
#40
○池口修次君 ずっとこれだけやると時間がなくなりますので、ちょっと再度、再度というか、大臣にもう一回お聞きしたいんですけれども、今回の法律の趣旨は、長期計画で、有識者も言っていますように、長期計画で決められると、予算の硬直性で、それが、五年間のものが総額が決まって、それが単年度の予算に、もう決まったんだからくださいよと、確かに簡単にはくれないという話もありましたけれども、一般的にはそれに基づいて予算を取る仕組みになっているというところを、やっぱりこれでは、経済情勢等いろいろありますから、それでは問題だということで、そうではないんだと。
 やっぱり国土交通省、努力するのは当然、それぞれの省が努力するのは当然ですけれども、それで場合によって当初の予算よりも、当初の考えたよりも、必要がなくなれば、それはその原資をどう使うかというのは、それは別に国土交通省だけが考えるものではないですよというふうに私は理解しているんですが、扇大臣としてどうなのかというのをちょっとお聞きしたいと思います。
#41
○国務大臣(扇千景君) 私は、池口議員が正確にこの法案の一本化の趣旨をとらえていただいていると、私は感謝申し上げたいつもりでございます。
 今の吉村副大臣がおっしゃったのは、例えばという例が悪かったんだろうと思うんですけれども、私は、少なくとも公共工事に関しては、冒頭に池口議員がおっしゃいましたように、丸投げであるとか談合であるとか、あるいは口利きであるとか、あらゆる公共事業に対するイメージが余りにも悪過ぎる。しかもまた、中には、それぞれの業界でコストダウンにできないような仕組みになって高止まりになって受注が取られたとか、そういう例が多々出てまいりました。
 そういう意味で、私どもは、今までのそれぞれの公共工事の、縦割りではなくて、これを横断的にしようということで、私は今回あらゆる事業の見直しをしていくと。そして、評価制度を導入して、事前評価、事業評価、事後評価、これも新たな公共工事の透明性、そして住民参加ということが事前評価というものにもまず入ってくるわけですから、そういう意味では、事業の連携についても、少なくとも下水道事業と河川整備の連携をしていこうじゃないかとか、あるいは例えば鉄道、港湾、空港、道路、私が今申し上げたようなものが全部ばらばらでやっていたのでは連携が悪いと、これも不効率であるということで、コストダウンを図って、政策段階から一緒にテーブルに着けば、それぞれがばらばらで計画したよりもはるかに効率化が良く、なおかつコストダウンができ、しかもスピードアップができる。スピードアップすればするほどコストダウンになると。
 そういうような個々の具体的な公共工事をすべてみんなでテーブルに着こうではないかと、そういうことが私は今回の一本化した大きな趣旨でございますので、池口議員が冒頭に言っていただいて御理解いただいているとおり、なおかつ我々はそれを一歩前進さすために、なお一層省内で努力をしよう。今おっしゃったように、局あって省なしでは国土交通省の意味がないということでやっておりますので、御理解いただいて感謝申し上げたいと思います。
#42
○池口修次君 是非お願いをします。
 それと、二点目に効率性の向上ということで、コスト構造改革をしていくというような国土交通省からの説明も受けているわけですけれども、その効率性の向上についてこれから検討される部分もあるんですけれども、現時点でどうやってコスト、効率性を上げていくのかという点をお聞きしたいというふうに思います。
#43
○大臣政務官(岩城光英君) 効率性の向上についてのおただしでございますけれども、この法案におきましては民間事業者の能力の活用及び財政資金の効率的使用に配慮することを基本理念として規定しております。また、重点計画には、コスト縮減、事業間連携の確保など、社会資本整備事業を効率的に実施するための措置を定めることとしております。
 そこで、民間事業者の能力の活用についてでありますが、これは平成十一年のPFI法成立以降、その導入を積極的に推進しておりますけれども、重点計画におきましてもPFI事業の活用等を盛り込みまして、一層その事業の推進に取り組んでまいりたいと、このように考えております。
 それから、コスト縮減についてでありますが、平成十五年度からの五年間で一五%の総合的なコスト縮減の数値目標を重点計画に定めることを今検討しておりまして、施設の規格、基準のローカルルールなども活用したコスト縮減対策を進めてまいりたいと考えております。
 それから、事業間連携につきましては、ただいま大臣からお話がありました例えば下水道事業と河川整備の連携による都市雨水対策の推進、こういったものを進めていきたいと思っております。事業横断的な重点目標を定めることを検討しておりまして、その結果、効率的な事業推進を図っていきたいと考えております。
 また、事業評価の厳格な実施につきましても重点計画に盛り込んで、本当に必要な事業への重点化を図ってまいりたい、そういったことを考えております。
#44
○池口修次君 じゃ、三点目に透明性の向上ということで、先ほど私が言いました国民の不信感の原因もこの部分が相当大きいんじゃないかというふうに思っていますが、透明性の向上についてはどういう観点でこれから検討されていくのかというのをお聞きしたいと思います。
#45
○大臣政務官(岩城光英君) ただいまお話のありました透明性の向上等についてでありますが、この法案におきましては、地域の住民等の理解と協力の確保や公共工事の入札及び契約の改善など、その事業の透明性を確保し、効果的かつ効率的に事業を進めるための措置を重点計画に定めることとしております。
 そこで、まず地域住民等の理解と協力を確保するための措置としては、計画段階での幅広い情報の公開、さらに住民参加に加えまして、道路事業などで構想段階からのパブリックインボルブメントを進めております。今後、国土交通省所管の公共事業におきまして、事業の特性に応じた情報の公開や住民参加など、運用面での整合性を確保するための事業横断的なガイドラインをできるだけ早い時期に策定いたしまして、試行を積み重ね、その仕組みの整備に向けまして取り組んでまいりたいと考えております。
 それから、公共工事の入札及び契約の改善のための措置でありますが、平成十二年の臨時国会で公共工事の入札及び契約の適正化に関する法律を制定し、入札・契約に係る情報の公表等の透明性の向上、また談合と疑わしい事実の公正取引委員会への通知の義務化等を通じまして不正行為の排除を徹底し、入札・契約の適正化を図っております。
 さらに、先ほどもちょっと触れましたけれども、行政評価法に基づきまして事業評価の厳格な実施に努めるとともに、その評価の結果を公表しております。
 加えまして、この法案におきましては、重点計画の案の策定手続自体にパブリックインボルブメント方式を採用し、インターネット等を活用して素案を公表し、国民の意見を求め、そして社会資本整備については積極的に国民の意見を反映することとしております。
 以上でございます。
#46
○池口修次君 次に、計画の策定と実施の中身についてお聞きをしたいというふうに思います。
 この法律に基づいて、その重点計画なり実施内容というのはどういったプロセスを経て決定されるのかというところをまずお聞きをしたいというふうに思います。
#47
○政府参考人(三沢真君) ただいま岩城政務官の方からお話がございましたように、重点計画の策定に際しましては、広く国民の意見を求めるため、パブリックインボルブメント方式を採用するということにしております。それから、あわせまして、都道府県の意見を聴取するということで、その意見の聴取につきましては地方ブロック単位での会議を開催しまして、地方公共団体の長あるいは地元経済界の方々とのディスカッションを通じて地域の実情、ニーズというものを反映させるというための措置を講じていきたいというふうに考えています。
 それから、一方、社会資本整備審議会、交通政策審議会等におきまして専門的な有識者の意見を聞くということも同時並行的にやらせていただきまして、あわせまして、関係行政機関との調整を行った上でこの重点計画を閣議決定を行うというプロセスを考えている次第でございます。
 さらに、それに基づく事業でございますが、この重点計画の中で当然アウトカム目標を決めまして、どういう目標を重点にしていくか、そういうものを考えていくわけでございます。それに基づきまして当然各年度の予算要求というのをしていくわけでございますけれども、またその結果として事業が実施されて、それが重点計画に定めました目標に照らしてどういうふうに実施状況かということも政策評価をしていく、それを更にまたその次に反映していくというプロセスになるわけでございます。
 さらに、じゃ、その個別の事業実施はどうするかということでございまして、個別の事業実施につきましても先ほども申し上げました地域のブロック等での御議論でそれぞれの地域のニーズというのを当然聞いていくわけでございますので、そういうことも個別事業の採択といいますか、実施に当たって当然反映させていくということでございますし、それから、当然この事業実施に際しての事前のいわゆる費用効果分析等を含めまして事前評価等をきちっとやっていくと。それを、またその評価結果を公表をしていくということによりまして真に必要な事業への重点化を図っていく。
 それからもう一つは、この事業そのものについてもパブリックインボルブメント方式といいますか、できるだけ構想段階から広く住民の方々の御意見を聞いていく、それから情報公開を進めるということで、そういうその地域の方々の御意見を反映したような事業の実施に努めていくということを考えている次第でございます。
#48
○池口修次君 そのプロセスの中で、先ほどの委員の質問にもあったんですけれども、国会の関与というのがどうなっているのかというところが非常に疑問であるわけですけれども、それはちょっと一番この項目の最後に聞きますけれども、国民の意見を反映させるためにパブリックインボルブメント等で聞いていきますよというふうに書いてあるんですけれども、もう少し具体的な詳細の中身と、じゃ聞いた意見というのはどういう形で反映されるのかというところにポイントを絞って、聞きっ放しというわけじゃないと思いますから、ちょっとその点をお聞きしたいというふうに思います。
#49
○政府参考人(三沢真君) 先ほどのパブリックインボルブメント方式の具体のやり方でございますけれども、一つは、インターネットが大変普及している社会でございますので、そういうITのような手段も活用しながらやっていくと。それと、要するにできるだけ素案の段階といいますか、ある程度の幅を持って御議論いただけるような、そういう段階でこういうものを考えているんだということを示して、これについての御意見を求めていくと、こういうようなやり方をしたいというふうに考えております。
 それから、具体に、じゃ、その出た御意見がどういうものであったか、そのうちどういうものが取り入れられたか、あるいは取り入れられなかったものはどうかということについては、これはやはりきちっと情報公開をして、そのこと自体についてはまたいろいろ国民の目に分かりやすくして、必要があれば御議論をいただくというようなことも含めて考えていきたいというふうに考えております。
#50
○池口修次君 もう一つ、都道府県の意見も聴きますよというふうに書いてあるわけですけれども、この都道府県の意見というのは、同じように、どういう形で聴いて、どういうふうに、どういう形で反映されたかどうかというのを公開をするのかというのをお聞きしたいと思います。
#51
○政府参考人(三沢真君) 都道府県の御意見につきましては、これも先ほどもちょっと申し上げましたが、できるだけ地方のブロック単位で地元の知事さんあるいは市町村長さんも含めてお集まりいただき、それから地元の経済界の方々、こういった方々とディスカッションをしながら御意見を聴いていくという方式を取りたいと思っております。
 当然、いただきました御意見がどういうものであったか、それについて、またどういうものが取り入れられたかどうか、そういうことについては、先ほどの国民の方々からのパブリックインボルブメントと同様に情報をきちっと公開していきたいというふうに考えております。
#52
○池口修次君 最初に戻るんですけれども、この中身については閣議で決定をするということで、国会の関与というのはどうなのかというところが明確ではないというか、ほとんど関与する余地がないというような中身かなというふうに思うわけですけれども、私は、国民の意見を聴くのも非常に大事ですし、都道府県の意見も聴くのも大事ですけれども、いろいろな意見を、じゃ、どういう形でこの事業に反映されたのかということを議論をする場は私は国会ではないかなというふうに思っております。
 これ、すべての事業を国会の審議をしろというのは、これは不可能だというふうには思いますけれども、衆議院で廃案にはなりましたけれども、民主党の出した案ですと、百億円以上の一定規模の事業については国会審議にかけるという案を出したんですけれども、廃案になったわけですけれども。
 閣議決定、総理の答弁なんかですと、予算審議やるんだからいいんじゃないかというような答弁ですけれども、余りにもちょっと乱暴じゃないかなというふうに私は思っております。やはりある程度の、貴重な税金を使うわけですから、この中身、それと国民の意見がどう反映されたのか、若しくは都道府県の意見がどう反映されたかというところは、やはり相当規模のものについては国会の中で十分審議をする場を作るべきではないかというふうに思っていますが、この点についてお聞きをしたいというふうに思います。
#53
○政府参考人(三沢真君) 国会での御審議ということでございます。
 それで、これは先ほど沓掛先生からの御質問にもございましたが、今回なぜ重点計画法という根拠法をわざわざ法律で定めるかということでございますけれども、それがそもそも、やはりこういう計画については、行政として今後どういうスタンス、どういう基本理念、あるいは効率化のためにどういう措置を考えながらこれから臨むかと、そういう点が非常に大事でございますので、それを正に法律の中に明記しまして、今回法案として、言わば社会資本整備の基本的な考え方、理念ということについての御審議を受けて、それに基づいて計画を策定するという方式を取らせていただいているというものでございます。
 それで、重点計画そのものは、他の同様の行政計画も参考として閣議で決定するということにさせていただいておりますけれども、これは先ほど先生の方から御批判もございましたが、事業の実施につきましては毎年度の予算に関する審議で国会で御審議いただいているということ。それからもう一つは、先ほどの国民や地方公共団体からの御意見について、どういう御意見があったか、それの反映状況というのをすべて基本的に情報公開していくと。この情報公開というものを通じて、その結果として、これは現にこういう委員会でもいろんな個別事業については御審議いただいていますけれども、そういう個別にまた御質疑をいただくような道も当然あるわけでございます。そのために必要な情報はもう基本的に公開するというスタンスで臨んでおりますので、そういうこと全体を通じまして国会で必要な関与をしていただけるというようなものではないかというふうに考えております。
#54
○池口修次君 国民の意見、先ほどもありましたけれども、国民の意見もいろいろ様々な意見があると。都道府県も、特に最近はやっぱり都市と地方の問題等でいろいろな意見があって、それらの意見をやっぱり議論をして、その今の状況の中ではどういうことを優先すべきかというのを審議をする場というのは私は国会だというふうに思っているんですけれども、それが予算委員会でできるんだからと言われるとそれまでで終わってしまうんですけれども。
 やっぱり、すべてのものをとは言っていないわけですから、やっぱりある程度の規模についてはもう少し丁寧なやり方をすべきじゃないかというのが民主党なり私の意見なんですけれども、この点については全く考慮の余地がないのかどうかというのを再度お聞きしたいと思います。
#55
○政府参考人(三沢真君) これ、なかなか難しい問題でございまして、いわゆる国会承認という形で賛成なのか反対なのかということよりも、恐らく、個別の事業ということになりますと、いろんなバリエーション、いろんなタイプの御意見、それからいろいろなレベルの御意見があろうかと思います。
 そういうものをきめ細かく御論議をいただくということだとすると、やはり基本的にその事業を実施しようとする際でのいろいろな情報公開、何なりを通じて、それを個別に、この点はどうなんだろうというような御審議の仕方をしていただくという方が、本来、社会資本整備の公共事業に関する一つの国会の関与の在り方としてはそういうやり方があるんではないかなというふうに感じておりまして、そこはちょっといろいろな御意見あるわけでございますけれども、こういう観点から計画そのものは閣議決定という形にさせていただいているということであります。
#56
○池口修次君 だから、いろんなバリエーションがあるから、多分、いろいろ言葉は省略されていますけれども、いろんなバリエーションがあるので審議をすると時間が掛かってなかなかすぐできない。だから、閣議とは言っていますけれども、実質的には国土交通省が決めるんじゃないかというふうに私は勘ぐっているわけですけれども、ということだとちょっと違うんじゃないかと。
 私は、いろんな意見があるんで、それを国民の代表である国会が、それは効率的にやらなきゃいけないというふうに思いますけれども、だからこそ国会で審議をしなきゃいけないんじゃないかと。だから、いろいろなバリエーションがあって意見が多分まとまらないから、それは国土交通省なり閣議で決めますよというのは、私はやっぱり国会の、何で国会があるかという意味合いからすると、ちょっと私は違うんじゃないかというふうに思いますが、いかがですか。
#57
○国務大臣(扇千景君) 池口委員がおっしゃり、また民主党から案が出たことも、衆議院では論議いたしました。
 少なくとも私は、今回の社会資本整備重点計画法案、これにつきましては、重点計画法案の策定を前提としてこの基本理念というものを国会で御説明申し上げ、今もこうして御論議をさせていただいておりますけれども、国会での御議論というものを、私はあえて重点計画というものを作成していくという点においては、私は国会審議というものがあって、また予算でもこのことに関してはどうだという御論議もありますので、私は、両々相まっていますので、国会軽視という点ではないし、また先生方の、特に重点計画については必ずという、この国会での御議論が私は基本となるわけでございます。
 先ほど局長が言いましたように、全国の声、国民の声をどうするんだということもございましたけれども、これも少なくとも審議会にそれをかけ、なおかつインターネットで国土交通省は全国の皆さん方に見えるように、インターネットですべての御意見を流すということもしておりますので、私は、その細部は別ですよ、重点計画は必ず私は国会での御論議を経て、そしてそれを受け止めて実際の計画にそれを反映させるということをするんですから、私は重点計画に関しては特に国会の御議論が今後も重要である、またそれを尊重して、今後それに生かしていくということには変わりはない。より今までよりも広範囲で一本でやるんですから、もっと広範囲な御議論の、重点計画の御論議をいただくという点では、私はより国会が活発な御議論になろうと思っております。
#58
○池口修次君 現段階で国会の関与を明確に書くというのは衆議院で廃案になりましたからできないというふうに思いますが、ただ、いろいろな場で議論はできるんだろうというふうに思いますが、ただ、どのタイミングでこの閣議決定がされて、閣議決定されたら速やかに公表しなきゃいけないというのはあるんですけれども、タイミングによっては、国会も審議できるときなり、できないときも、開会していなけりゃできないわけですから、いろいろタイミングの問題もありますので、本当にある程度の規模のものについてはやっぱりタイミングも十分考えてもらって、国会の少なくとも審議の場で説明をするというようなタイミングで決定をするということはまた私どもは必要ではないかなというふうに思っていますが。
#59
○国務大臣(扇千景君) 私、そのとおりになると思いますよ。例えば、予算委員会で。それはなぜかというと、これは社会資本整備の重点計画なんですから、重点計画を、必ず予算を伴って、皆さん方でこれは無駄じゃないかと、これはもっと必要じゃないかというような御論議が、予算のときには必ず重点計画は出てきますので、私はそのときに皆さん方に却下されるか、あるいは御承認いただくか、そういう私は予算委員会、なおかつその結果は、参議院では決算委員会も今度重視されるようになりましたから、国民の前にきちんと、また国会の中で、始まる前、始まった後と、決算と予算と両方で私は見ていただけ、御論議ができるというふうに考えております。
#60
○池口修次君 三点目の質問をさせていただきたいんですけれども、道路整備緊急措置法と道路特定財源制度についての質問でございます。
 前段で、今回の法律は総事業費については内容としないんだと。内容とすることのやっぱり問題点もあるんで、あえて内容と、総事業費は書かないということにしたんだというふうに私は理解しているんですけれども、ただ、道路整備については五年、五か年間の道路の整備に関する事業の量を閣議決定をするというふうに聞いております。
 見方からすると、道路だけがなぜ五か年の量を明示しなきゃいけないのか。前段では決めることが問題なのでやっぱり決めないんだというふうに変えられたのに、道路だけなぜ特別そういうことになっているのかということは、私は全体の法律と、趣旨と矛盾をするんではないかというふうに思うんですが、この点の理由と、その背景等ありましたらお聞きをしたいというふうに思います。
#61
○大臣政務官(岩城光英君) お話のありましたとおり、道路については事業費をこれは別途示すことにしております。それは、道路特定財源として本則税率の二倍以上という暫定税率という形で自動車のユーザーの皆様方に特別の負担をお願いしております。それだけに、今後どのような対象に幾ら税金が充当されるかというものをはっきりと説明責任を果たす必要があるという考えで事業量を別途示すこととしております。
 ですから、従来の道路整備五か年計画に定めておりました事業量とは性格が若干異にするものでありまして、またその規模につきましても、景気対策のため大幅に公共投資の追加が行われてきた以前の水準を目安に、平成十年度から平成十四年度までの投資実績に比べまして約一五%の大幅な削減を図りまして、三十八兆円を目安としている内容となっております。
#62
○池口修次君 多分そういうことだろうというふうに思います。特定財源より暫定税率を五年間延長するという法律が出ていますから、そういうことになるんだろうというふうに思いますが、私はちょっとおかしいなというふうに思います。元々暫定、少なくとも、特定財源はちょっとあれですけれども、暫定税率の税率を決めるのは、事業量があって暫定税率をどうするかというのが決めたのが過去の経過ですし、法律はそういうことだろうというふうに思います。
 ただ、今回は暫定税率が何でこの税率になるかというのを、根拠を、大まかには前回の五か年計画よりも一五%減らすとかいうのはあるようですが、少なくとも明確な形でその根拠となるものがない中で税率が決められて、その税率があるんだから、いや、この社会資本整備の中でも道路だけは特別だというのが、これは逆じゃないかというふうに私は思っていまして、はっきり言えばそれは道路はもう別なんだと、どうしようもないんだというのであればちゃんとすっきりをして、従来どおり討論して、道路の、道路整備、緊急整備計画ははっきりをして、それに基づいて暫定税率を決めたんだというふうにしてもらわないと、暫定税率というのは何を根拠に決められるのかというのが明確でなくなるというふうに思います。
 必ずしも小泉総理が言っていることと一緒かどうかは、多分違うと思いますけれども、これを明確にしないと暫定税率何で決まったのかという答弁には私は堪えられないというふうに思いますが、いかがですか。
#63
○政府参考人(佐藤信秋君) 今後五年間に必要な道路の事業の量、こういうことでお願い申し上げておりますのは約三十八兆円、三十八兆円でございます。これに要します国費、おおむねの見込みで申し上げれば、仮に事業を一般道路事業、有料道路事業で実施させていただくとしますと、必要な国費、これが約十八兆円ぐらいが必要であろうと。本四の債務処理に充当する部分を除きまして、特定財源の税収見込み、暫定税率を延長していただいても十六兆円ぐらい、こういう形でございますので、かなりそれでも不足する。不足の分はほかにいろんな工夫をしていただいたり、あるいは場合によりましては建設国債、一般財源、こういう形でお願いせざるを得ない、こういうことであります。
 実績ベースで申し上げますと、ただいまの五か年計画の五か年分の実績として事業費といたしましては、一般道路と有料道路で四十五兆円でございました。これの一五%約減と、今度の計画は一五%減と、こういうことでございますが、四十五兆円でございますが、国費はおおむねで申し上げますと二十二兆円必要でございます、五か年間で。特定財源としてお願い申し上げることができましたのが今の暫定税率の下で約十七兆円でございます、十七兆円強でございます。そういう意味では、実績ベースでこの五か年で申し上げますと、五兆円弱の言ってみれば建設国債をお入れいただいた、一般財源をお入れいただいたと、こういう形になっておるわけでございます。
 したがいまして、どちらから見るかと、こういう点もございますが、いろんなこれからの見込みを考え、なおかつ必要な事業費、国費を考える、こういう形でまいりますとやはりどうしても暫定税率をいただかないと大幅にまた不足が生ずる、こういうことでもございますので、是非お願い申し上げたいと。
 ただ、これを御議論いただく上で、じゃ、全然その目安がないと、これもまたユーザーの皆様に本当にそうなのかいと、こういうようなお疑いも、疑われるところでございますから、こうした形で明示させていただきながら、御議論いただいて御了解いただきたい、こういうことでございます。
#64
○池口修次君 その三十八兆円というのはもう閣議決定がされたということでよろしいのかどうかというのはちょっとお聞きしたい。
#65
○政府参考人(佐藤信秋君) 閣議決定はこれからお願いを申し上げるということになっておりまして、現時点で申し上げますと、予算上のいろんなやり取りの中で財務省からの内示としては三十八兆円を目安にしよう、こういう形でいただいているところでございます。したがいまして閣議決定は、法律通していただいて、これからまた内容を詰めながらお願いを申し上げるという形になろうかと思います。
#66
○池口修次君 そうしますと、閣議決定もされていないのに暫定税率を延長するという法律が出ているというのは、何に基づいて暫定税率の税率というのは説明されているのかというところは私は理解できないんですけれども。
#67
○政府参考人(佐藤信秋君) したがいまして、予算の政府原案の決定過程の中で、財務省との間では、財務省から内示があったのが、一般道路、有料道路事業合計いたしまして五か年の事業の量として三十八兆円を目安にしよう、こういうことでございますので、その下で、ただいま申し上げましたような、その場合にはただいま申し上げましたような国費も必要であろうと。したがいまして、暫定税率を延長していただいて、この法律も通していただいて、そして重点計画をいろいろ形作っていく中で、アウトカム指標なども、道路の分野に関しましても横刺しにいろいろ連携を考えながら、そんなアウトカム指標をいろいろ検討させていただいて、そしてこういう形で必要な額としての三十八兆円を内容をある程度詰めていった段階で閣議決定をお願い申し上げる、こういう形になろうかと思います。
#68
○池口修次君 ちょっと聞き方は変わりますけれども、道路特定財源の一般財源化という話がありました。小泉総理は、最近は、いや、見直すというだけで一般財源化をするなんというのは断定していないよというような言い方を最近はされていますけれども、一昨年の参議院選挙のときには利権の代表ということでこの道路特定財源が取り上げられて、これを一般財源化するよというのを私は、総理はそう言っていないと言っていますけれども、総理以外の人はそう受け止めたというふうに思います。だからいろいろ地方からも声が出たし、自民党の中からもいろいろ反対の声が出たんだろうというふうに思っております。
 ただ、そういう中で扇大臣は道路特定財源の受益と負担の関係というのを言っておりまして、多分、扇大臣の理路整然とした説明を小泉総理は受け入れられたんだろうというふうに思いますが、ただ、最近でも塩川大臣は、これは昨年の段階ですけれども、平成十四年度はしようがない、ただ平成十五年度は暫定税率も切れますし、緊急措置法も切れるんで何とかしたいということを主張されておりました。
 こういう経過を踏まえて、今はこの一般財源化という議論はどういう結論に、若しくはどういう形で総理と合意がされているのかという点をお聞きをしたいというふうに思います。
#69
○副大臣(吉村剛太郎君) 道路特定財源についてのいろいろな経緯については、今、先生がおっしゃったとおりだと、このように思っております。
 ただ、御存じのように、道路特定財源は受益者負担の原則にのっとって、自動車利用者の方に特別に御負担をいただいておるわけでございます。先ほど政務官も申しましたように、本則の約二倍というところに至っておるわけでございますが、これを一般財源化することについては、納税者でありますこの利用者の、自動車利用者の方々の御理解が現時点ではなかなか得にくいであろうと、このように考えておる次第でございまして、ただ、その活用に当たっては新たな政策課題に適切に対応していきたいと、このように思っておる次第でございます。
 以上です。
#70
○池口修次君 その中で、一般財源化はしないけれども、使途拡大はしますよということで、小泉総理は五十年ぶりに改正をしたからおれの言っていることは正しかったんだというようなことを言っていますけれども、五十年かかって、どのことを言っているか分かりませんけれども、地方譲与税のやつを、九百億を言っているのかどうかということでいうと、じゃ五十年かかって九百億ということになると、あと何年かかると総理の言っている一般財源化ということになるのかという計算も成り立つんですけれども、それを別にしまして、使途拡大をしますよということで、多分、総理と妥協が図られたのではないかというふうに思ってはおります。
 そういう意味で、今回の法律の中でも、道路に密接に関連する環境対策事業その他ということで、事例を挙げて政令で決めますよというふうになっているわけですけれども、この道路に密接に関連する環境対策事業その他というのは具体的にはどういうことを理解したら、どういうことだというふうに理解をすればいいのか、御説明願いたいと思います。
#71
○政府参考人(佐藤信秋君) 先生御指摘の道路の整備に密接に関連する環境対策事業その他、こういうことで想定しておりますのは、具体的に申し上げますと、二点ございまして、一つはDPF、いわゆる粒子状物質の排出を抑制する装置の装着に対しましてこの助成事業を行うというのが一つでございます。それからもう一つは、ETCの車載器リース制度ということで、料金の自動収受システムの高度化に関する調査事業でございます。これを政令で定めたいと、こういうふうに考えております。
#72
○池口修次君 そうすると、別途の法律もありますので、そこでもちょっと議論をしますけれども、この道路に密接に関連する環境対策事業その他というのはDPFとETCだけだと。これ、十五年度はそうなんだけれども、十六年度以降というのはどういうふうに解釈すればいいのかというのをちょっともう一回お聞きしたいと思いますけれども。
#73
○政府参考人(佐藤信秋君) いずれにいたしましても、道路の特定財源は受益者負担、こういう原則で自動車利用者に道路整備のための特別な負担をお願いしているところでございます。したがいまして、道路に密接に関連する環境対策事業その他の政令で定める事業と、こう申し上げましても、この二つが十五年度は考えておるところでございますが、これから以降も仮に、仮に出てくるといたしましても、この受益者負担の原則に基づいて密接関連の環境対策事業、こうした形でお願いするということになろうかと思いますが、仮定の問題でございますので、当面は先ほどの申し上げました二つで制度を定めさせていただきたい、こういうことでございます。
#74
○池口修次君 非常に心配になる答弁かなというふうに思いますが、道路に密接に関連する環境対策事業その他ということですけれども、もう少し分かりやすい基準みたいなのをやっぱり示してもらわないと、どうなっちゃうんだと、どんどん拡大されるんじゃないかと。
 一方で、小泉総理もなかなかあきらめが悪い人でしょうから、一般財源化を断念したとはいいながら、ここでやろうという思惑もあるんじゃないかというふうに思っておりますので、私、国土交通省の肩を持つという気持ちも全くなくはないわけですけれども、やっぱりユーザーの立場からいっても、訳も分からず拡大されるということは、私はユーザーは理解はできないというふうに思います。
 そういう意味で、ちょっと今の言葉ですとなかなか、十五年度はDPFとETCということなら、これはそれで理解できるんですが、それ以降どうなっちゃうんだというところがちょっと分かりませんので、是非お願いをしたいのと、ちょっと時間の関係がありますので、最後の質問ですけれども、先ほども言いましたように、暫定税率を更に五年間延長するという法律が出ております。以前の質問で、暫定というのはやっぱりある程度イメージがあるんじゃないかということですが、今回延長されますと、昭和四十九年から約三十年間暫定税率が続くということになっております。
 これについての御見解と、私はちょっとやっぱり無理があるんじゃないかというふうに思っております。そういう意味で、この道路特定財源制度についてやはり抜本的に改正する、若しくは議論をする時期に来ているのじゃないかと。観点としてはやっぱり受益と負担の関係がメーンになると思いますけれども、やっぱり税の公平という観点で、道路というのは別に自動車ユーザーだけが受益をされ、を受けているわけじゃなくて、広く道路があるということで受益をしているというのはユーザーだけではないというふうに思いますし、国際的に比較しても自動車関係諸税というのは大変高いという認識をしております。
 やっぱりこんな観点で、暫定暫定ということで延ばすんではなくて、抜本的にどうすべきかという議論をする時期ではないかというふうに思っていますが、この点について、再度、暫定というのはどういうことなのかというのを含めて大臣にお聞きしたいというふうに思いますが。
#75
○国務大臣(扇千景君) 総理が道路特定財源を一般財源化したいと、そういうお気持ちがあったことは確かでございます。
 けれども、私は、担当として、少なくともこれは受益者負担でユーザーの皆さん方が黙って、二年ごとの車検でも、重量税も含めて、暫定税率二・五倍を払ってくだすっている。払う方は意外と、ああ、もう仕方がないなといって、細かいことをごらんになっていないんですね。けれども、私もユーザーの一人として、総理に、今これ、ユーザーの皆さん方の御理解をいただくことは、じゃ暫定税率をやめてくださいよと、二・五倍もなぜ暫定といって何十年間が暫定なんですかという御不満があって、私は税を払わない運動が起きますよということも申し上げました。
 また、事実、私のところへも、だったら暫定税率やめてくださいよと、なぜ重量税だけでも車検のたびにこんな高いお金払うんだという投書も随分私もいただきました。ですから、私は、少なくとも総理に、このユーザーの皆さん方の今までの御好意、受益者負担というこの原点というものを変えるためには、私は一定の皆さん方の御理解がいただかなければ、私はこれは大変なことになるということも申し上げました。
 ただ、車を使っているために戦後今日まで、これも大きな知恵だったと思うんですけれども、暫定税率というものを作って、ユーザーの皆さんの御理解を得て日本の道路整備というものをやってきたということも事実でございます。
 ですから、私は、払わなくて済むのであれば、少なくとも重量税だけしても、これ、暫定税率なかりせば一万五千円で済むわけですから、ですから、今のように暫定税率分の二万二千八百円というものは払いたくないと。これはおっしゃるのも当然なんですね。
 ですから、私は、それよりも、この車の暫定税率を導入した当時に比べて、環境的にも、あるいは二十一世紀型の道路整備をしなきゃいけない。また、今の渋滞一つ取ってみても、三割は料金所で渋滞をして、年間にしますと十二兆円の経済の損失をしていると。これもお金を払いながら渋滞していると、こんな申し訳ないことも解消しようと。
 そしてまた、開かずの踏切等々も、車を利用する皆さん、通行の皆さん方にも、一千か所ある。少なくとも一時間、四十分閉まっているところがあるというんですから、これも解消しようというようなことで、せっかくいただいて、暫定で我慢して納めていただいているこの重量税というものを、道路特定財源というものをもっと多様に、真に車を利用する皆さん、一般の皆さんにも二十一世紀型にしていこうと。
 その方が、より納得していただけるんじゃないかということで、例えて例を挙げますと、少なくとも都市中心に年間十二兆円にも及びますこの経済効果、渋滞、これを解消しようではないかということで、これ、例を挙げますと、申し訳ないんですけれども、概算だけですから、池口先生、ちょっと耳だけ貸していただきたいと思いますけれども、この渋滞緩和のためには少なくとも四十兆円を投資しようではないかと。また、三大都市圏の環状道路を整備するためには、これ約十三兆円入れようではないかと。また、今申しました全国の一千か所の開かずの踏切のためには約四兆円ぐらい使おうではないかと。また、全国の市街地での電線の地中化、これを地中化することによって自転車道も造れるし、歩道も造れるし、そういう車と歩道と自転車道の安全のためにも電柱の地中化をしようではないかと。それを、一定の区間は、インターネットでこの区間は電柱の地中化しますよと。そして、掘り返すためには、五年間はこの道路は緊急以外にはもう掘り返しませんと。年度末に掘り返しているという御批判もいただいていますので、これも、そういうことで電柱の地中化を進めていこうということで、これも、そのためには約四兆円計画しようではないかとか、言っていると時間がオーバーしますのでやめますけれども。
 このように、一つずつの特定財源の利用度というものを広げていこうということで、私は、よりユーザーの皆さん方の御納得いただけるような使い方をしようと。それが総理が納得していただいて、それは大事なことだと。より広範囲に一般財源化したのと同じような、より以上の効果をユーザーの皆さんの御理解いただけるものに使いたいと。そういう計画で暫定税率の使い方を広範囲にさせていただいたというのが今の現状で、今度予算を通していただければそういうことに、今例えて例を挙げさせていただきました。
#76
○池口修次君 常日ごろ扇大臣がユーザーの立場で閣議の中でも頑張っていただいているというふうに思っておりますので、引き続き頑張っていただきたいというふうに思いますし、今国会で何回か質問の機会がありますので、今日はこれで終わりにさせていただきます。
 ありがとうございました。
#77
○委員長(藤井俊男君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#78
○委員長(藤井俊男君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、社会資本整備重点計画法案及び社会資本整備重点計画法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#79
○谷林正昭君 民主党の谷林正昭でございます。よろしくお願いします。
 先般はまた本会議で質問の機会を与えていただきました。自分なりに一生懸命やらしていただきましたし、ポイントのところを聞かせていただいたというふうに思います。その節は御答弁ありがとうございました。
 また、今日はその答弁、総理の答弁で、至極当然と思えば当然ですが、ちょっと心配だなと思った点がありますので、それをちょっと集中して今日は質問をさせていただきたいと思います。
 それはどういうことかといいましたら、二十世紀の公共事業、いわゆる社会資本整備、そして二十一世紀の社会資本整備、こういうふうにどうも分けて総理は考えておいでになるような気がしたものですから、それを聞きました。そうしたら、これまでの我が国の社会資本整備のポイントは、国土を襲った自然災害への対応、あるいは経済成長を支えるための産業基盤の整備、国民が豊かさを実感するための生活環境の整備など、その時々の課題に対応してきたと、こういうふうに答弁され、そして、これからの社会資本整備の在り方は、国際競争力の確保、都市再生、環境、少子高齢化、個性ある地域の発展、こういうところに重点的に考えていきたいと、こういう答弁がされました。
 至極当然だというふうに思うんですが、私が思ったのは、この法律で一本化をされます中に治水というものがございます。その治水事業、今、世の中でダムは無駄な公共事業だとか、河川のはんらんを止めるのはもういいんではないか、こういうような話がちまたでは、国民の皆さんの間ではされます。そのときに私が心配したのは、人々がどこに一番たくさん住んでいるか、それを考えたときはやっぱり平野なんですね。平野を作っているのは川なんですね。河川なんですね。その河川と平野との関係、表向きに見ればそれは至極当たり前だと思いますが、その河川というものをしっかり守ることによって平野に住む人たちの安全がしっかり確保してきたというこれまでの歴史があります。
 そういう意味で、私が思ったのは、社会資本整備の中でも日の当たる社会資本整備、人の目でしっかり見えて、ああ良くなったなと思う社会資本整備。しかし、一方では三十年、五十年続けていても全く人目には付かないような社会資本整備もあるというふうに思います。その典型的なのが私は砂防事業だというふうに思います。正に山が崩れ、川をうずめる、そういったことによって非常に大きな災害が発生をする、それを長い計画の中で、そして地道な設計の中で、いろんな意味でこれまで努力をされてきたこの砂防事業について今日は質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 砂防という言葉がもう国際語になって、英語あるいはフランス語では砂防ではなくても日本語の砂防というのが世界で通用する。そして、日本の砂防の技術、こういうものも世界に出ている。こういうことを考えたとき、私はこの砂防事業というのは、非常に地味ではありますけれども、これまで国民の生命と財産をしっかり守ってきた、大きな役割を果たしてきたというふうに思いますので、まずこの砂防事業に対する基本的な考え方を大臣の方からお聞かせいただきたいと思います。
#80
○国務大臣(扇千景君) 大変、谷林議員に本会議場でも真摯な御質問をいただき、二十一世紀の国の在り方についてお互いに重要な論議ができたと思っております。また、今も日の当たらない部分のことを言ってくださいました。
 私は大変大事なことだと思っておりますし、一見公共工事で華やかなといいますか、目に見えたといいますか、そういうものが目に付きますけれども、砂防というのは、御存じのとおり、私は国土の七割が山岳地帯で、三割の平地に密集して住んでいるという今の日本の状況を考えますと、砂防というものの大事さ、また自然な発生、いわゆる災害列島と言われておりますけれども、いわゆる毎年の豪雨、これが少なくとも土石流でありますとかがけ崩れ、それから土砂災害等々、少なくとも一年間に約九百件もがけ崩れ等々起きております。
 そういう意味から、公共工事でもっと万全にできないのかという一般の皆さん方の御質問もございますし、また我々役所としても気が付かない、目に見えない部分でも御指摘いただいて、子供たちを預かっているところの裏が、がけがもう崩れそうだとか、そういうことも国民の声として寄せていただきます。直轄じゃなくても、地方公共団体がするべきところでも、我々が気が付かないところまで、私の顔を見ると物が言いやすいのか、いろんな私は陳情をいただいておりまして、そういうものも本当に勉強になるわけですけれども、少なくとも砂防というものの大事さ、そして砂防によって多くの命が大事にされなきゃいけないと、知らないところを是非声を出していただきたいということと。
 ちょうど先週、第三回の世界水フォーラムが終わったところでございますけれども、この水フォーラムでも、少なくとも砂防とともに水というものが、二十一世紀の水戦争が勃発するというくらいな大問題であるということから、砂防、河川、少なくとも私はそういう意味で、水があってもきれいな水、飲料水に乏しいという、この六十億人のうちで十億人がきちんとしたきれいな水が飲めないという現状。そういう意味では、今後、二十四億人が下水道の施設が足りていないというこの世界の現状の中で、特に冒頭に申しました日本の地形、そういうものを考えますと、私は日の当たらないといいますか、陰だけれども一番それが生活に密着している部分であるということで、その重要性というものは私は是非、今回議題にしていただいたことに感謝申し上げながら、長くなるからやめますけれども。
 私は三宅島が噴火したときの国土庁長官でございまして、三宅島へ行きましたけれども、そのときもこの砂防の恐ろしさ、またこの十二年の三月に起きた噴火のときに、私が、もう道を通行止めにしておりましたところも、砂防で、とにかくがけ崩れがあったりして止めているところを、片側通行、私が通って安全だったらオープンにしますよなんて言われて、私、人的モデルといいますか、モルモットにされたんですけれども。でも、私、そういうことでもお役に立つのであればという、そういう住民の安全、安心のためにもこれはなくてはならないことだという、全般にわたっての貴重な私は御意見だと思っていますし、また陰に、見えないだけに重要であるということを再認識させていただいている現在でございます。
#81
○谷林正昭君 私も大臣の考え、全く同じでございまして、これが無駄か無駄じゃないかということは横に置いておきまして、砂防事業というのは続けるべきだし、大事なものだというふうな認識で今質問をさせていただいておるんですが。
 富山県にも実は安政五年に大地震がありまして、そこに流れる常願寺川がせき止められまして、物すごい、その後その自然ダムが決壊をして事故が、事件が起きたというのがございまして、それ以来、明治三十九年からその立山カルデラにたまった土砂を何とか止めなきゃならぬという、こういう立山砂防事業というのが直轄で行われております。
 ところが、それは初めは直轄じゃなかったんですね。富山県だけでやっていたんですが、どうしても富山県一県の手には負えないということで、法律改正の後、直轄事業として実はやっていただいて、今も地道にやっております。雪がもう五メーター、六メーター、十メーター降るところでありますから、仕事ができるのは六月から十月までだけでございまして、そういうところで地道に頑張っている人たちもおいでになりますし、それをやっぱり県民にも知ってもらいたい、国民にも知ってもらいたいということで、いろんな、どう言いますかね、アピールといいますか、こういう努力をしているというものも、実はこういうパンフレットなども出ておりますし、私もまだ現場へは行っておりませんけれども、行ってみたいなというふうに思っておりますので。
 そこで、お伺いいたしますが、こういう国の直轄の砂防事業、たくさんあると思いますし、七割が山で、川の面積も非常にあると思いますが、そういう何か所直轄でやっていて、そして私はその何か所ということも大事ですが、象徴的な事業例を是非聞かせていただきたいというふうに思います。
#82
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 直轄砂防の箇所と象徴的な事業例についてのお尋ねでございます。
 箇所につきましては、常願寺川を始めとする全国三十四水系でございます。象徴的な事例ということでただいま委員からもございましたが、鳶崩れに起因する大崩壊、それが山にまだたまっております、とどまっております。それを土砂から、そういった土砂から富山平野を保全する砂防事業、こういったものも一つの典型的な代表事例でございます。それから、都市型の例としましては、六甲山系における土石流から神戸市街を守ると、こういったものも一つの典型的な事例でございます。それから、先ほど大臣からは三宅島の話がございましたが、あれは直轄ではございませんが、直轄の火山砂防の例としては雲仙・普賢岳の例、そういったものがございます。
 全部挙げていますと時間がございませんから、簡潔にお答えさせていただきました。
#83
○谷林正昭君 特徴的な例の中に立山もあるというふうに、もし二億立方の今土砂がまだ崩れそうなんですね。それをもし止めなかったらどうなるかといえば、富山平野が二メーターの土砂で埋まってしまう、これぐらいの土砂が今まだそこにあって、いつ崩れるか分からないというような状況だということも私聞かせていただきました。怖いなと正直言って思いました。
 そこで、次にお尋ねするわけでございますが、そうなってくると直轄と直轄でない事業、いろいろあると思いますが、一方では、総理は地方に任せられるものについては地方に任せていきたい、こういうことをおっしゃっています。私はこの砂防を地方に全部任せられると大変だと思います。そういう意味では、やっぱりその事業というものの見極め方あるいは地方と国のこの砂防事業に対するとらえ方、これをしっかりこの法律改正に基づいて聞かせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#84
○副大臣(吉村剛太郎君) 私の地元は福岡でございまして、私は都市部、福岡市の都市部に住んでおりまして、そこは真っ平らな平野でございます。しかしながら、車で三十分も行きますと山手に入りまして、その山手のところで時折土砂崩れが発生をいたします。で、私の知人の家が一度土砂崩れの災害に遭いまして、これはすさまじいもので、正に一軒家が全く土砂に埋まってしまったということを拝見しまして、この土砂災害の怖さというのは身をもって感じておる次第でございまして、先生がこの砂防について関心を持っていただいているということはある意味では私にとりましても大変身近な問題だと、重要にとらえておるところでございます。
 そこで、地方と国の役割分担ということでございますが、今事例にありましたような大変広範囲、さらには都道府県の範囲を超えるような事業、また技術的に大変高い困難なものを要求されるような事業、また費用が大変大きくかさむような事業、こういうものに関しましては国が直轄で責任を持ってやっていきたいと。いずれにしましても、そういう基準に照らし合わせて地方と国が役割を分担して土砂災害を防止していかなければならない、このように思っている次第でございます。
#85
○谷林正昭君 是非、地方と国の役割分担というのは大事だというふうに思いますが、そこで一点、心配といいますか、本会議でも言わせていただきましたけれども、やっぱりこういう事業につきましては長期間やりますから業者と役所の癒着、あるいはそういうような心配も実は出てくる可能性がございます。是非、地方と国の役割の中ではそういうものもしっかり監視、監督できるようなそういうシステムを作っていただきたいというふうに思っております。
 そこで、環境問題についてお尋ねをいたしますが、私に言わせればこの砂防事業そのものは環境破壊を少しでも止めるという意味合いもあろうかと思います。一方では、砂防というのはしっかりした設計の下にしっかりしたコンクリ、今はコンクリートしかないかも分かりませんが、そうじゃない、昔はアシだとか、いろんなそういう自然のものを使ってやっていたということもありますし、その環境を、破壊を止める砂防、しかし砂防事業をするに当たってまた環境との調和、こういうものがこれから大事になるというふうに思います。そこら辺りを環境省から、今日は来ていただいております、少しお話を聞かせていただきたいと思います。そして、その後は国土交通省の基本的な考え方をお尋ねいたしたいと思います。
#86
○政府参考人(炭谷茂君) 砂防事業につきましても今回の御審議されております社会資本整備重点計画法案の対象事業というふうになっているわけでございまして、その目的として生活環境の保全、また理念として環境の保全というものが掲げられております。また、計画の策定においても環境との調和というものが織り込まれているわけでございます。
 一方、環境基本法第十九条におきましても、国が環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、また実施するに当たりましては環境の保全に十分配慮しなければならないという規定をされているところでございます。
 したがいまして、これらの法律によりまして、個々の砂防事業におきましても先生が今御指摘されたようないろんな工夫、自然石を利用するというような、自然生態を十分配慮するというような適切な環境との調和というものが図られるのではないかというふうに考えております。
 環境省といたしましては、まずその計画や実施の枠組みを与えるという大きな計画や政策についてのまず環境の保全に配慮するということとともに、個々の、個別の砂防事業の実施におきましても計画の段階からそれらの環境の配慮を行っていくということが重要であるというふうに考えている次第でございます。
#87
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 砂防事業における環境との調和についてのお尋ねでございます。
 ただいま環境庁の方から答弁があったとおりでございますが、砂防事業を実施している地域は土砂災害が発生するおそれの高いところでございますが、一方では、水生生物を始めとする多様な動植物が存在するなど、自然環境、景観が優れ、場所によっては人々の憩いの場になっているという地域もたくさんございます。そういった中で、砂防事業を実施するに当たっては、必要に応じて自然環境調査を実施し、その特性を、地域ごとの特性を踏まえて事業計画及び工事内容を周辺の自然環境と調和が図れるように配慮を行っております。
 例えばということで、一例でございますが、魚道の設置というようなこともございますし、あるいは通常のときは土砂は下流に流すけれども、水生生物の移動を妨げないように透過型の砂防堰堤というようなこともやってございます。あるいは山腹崩壊等により荒廃した山地においては緑を復元するというような山腹工を実施する、いろいろそういった自然環境をより創出するというような観点からも事業に取り組んでいるところでございます。
 今後とも、事業の対象となる地域の特性を十分考慮した上で、画一的でなくということでございますが、土砂災害に対する地域の安全の確保を図りつつ、自然環境との共生を目指した事業の実施を図ってまいることとしております。
#88
○谷林正昭君 是非、環境というのはこれから非常にキーワードになってくるというふうに思いますので、いろんな技術の開発、また環境省におかれましても戦略的環境アセスメントなどなど、いろんな手法があるというふうに思いますので、その連携をしっかり取っていただきたいというふうに思っておりますし、これは環境と関係あるかどうか分かりませんけれども、例えば富山県のこの常願寺川の関係の白岩川、白岩砂防堰堤というのは平成十一年度に国の有形文化財に登録を指定されているということもありまして、非常に景観なども同じ砂防ダム、堰堤を造っても自然になじむというような、そういう工夫もされているというふうに伺っております。
 次に、砂防事業と森林事業のかかわりを聞いていきたいと思います。
 ここで、治水というのは今の重点計画法の法律に入りました。ところが、治山は入っておりません。そういうことから考えますと、私は、砂防と森林というのはもう一緒に、隣り合わせじゃなくて、一緒のものだというふうに私は思っております。森林が土砂崩れを止めるという役割をする地域もあるかもしれません。しかし、砂地で、火山灰で、そういう森林は全く無理だというところもあるかも分かりません。そういうことなども考えましたときに、この森林事業、この森林事業と砂防事業との兼ね合い、あるいはつながり、こういうものは不可欠だと私は思います。
 そういう意味で、この法案では別々になってしまった、この法案で別々になってしまったものを現場でとにかくより良い設計をしていく、ここがポイントだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#89
○政府参考人(辻健治君) 先生お話しのように、森林は、水源涵養、それから土砂の流出、崩壊の防止等の多面的な機能を有しておるわけでございまして、国土の保全等を図る上で重要な役割を担っているというふうに思ってございます。このため、造林、間伐等の森林整備はもとより、山崩れの防止を図る治山ダム等の施設の設置等を行う治山事業による森林の保全を図っていくということが重要でございまして、今後ともこれらの事業を計画的かつ着実に推進していく考えでございます。
 また、山崩れ等による災害の防止を図る上で治山事業と砂防事業との連携が重要だというふうに思ってございまして、国及び地方の各段階において両事業の実施に関する連絡調整会議を開催するなどの連携を図り、効果的に事業を推進してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#90
○谷林正昭君 国土交通省もお願いします。
#91
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 砂防事業と治山事業との今後の連携を中心にとお尋ねでございました。
 国土交通省としましても、森林の有する土砂の流出を抑える役割等について、国土保全上極めて重要であると認識しております。これまでも砂防事業は、土砂災害等から国民の生命と財産を守るために、明治時代から土砂崩壊等を抑制し、洪水時等における流出を抑制、調整するために砂防堰堤等の施設を着実に整備するとともに、治山事業と連携しながら荒廃した山地を緑に復元してきたところでございます。
 その調整のやり方につきましては、先ほど林野庁の方から御説明がございましたように、本省レベル、現場レベル、それぞれの段階において各種調整を図っているところでございます。
 今後とも、砂防事業と治山事業等との連携を適切に図り、効果的かつ効率的に砂防事業を実施してまいる所存でございますし、この法案の中でもそういったきちんとした協議規定が設けられているところでございます。
#92
○谷林正昭君 林野庁の方からもありましたように、森林の持つ多面的機能、これはこれまでに見詰めていられなかった、見詰めてというのはちょっと変ですね、国民からうっかり思って見られていたものが、これからは非常に重要な視線で見られるというふうに思うんです。
 その一つが、今私が申し上げた砂防林、正に崩れるのを長い年月で止める、いわゆる植えた後はすぐは止まりません。しかし、年月がたって、落ち葉が落ちて、腐葉土ができ、土ができ、そういうようなことでその山がしっかりしていく、そういうものがこれから私は大事だということを申し上げておきたいというふうに思いますが、もし、これは通告してありませんけれども、砂防林といわゆる砂防事業、こういうもので典型的な日本の中で成功した例、こういうものがありましたら聞かせていただけませんか。これは通告してありませんから、すぐ、突然言ってなかなか難しいと思いますが、国土交通省でも環境省でも、林野庁でもよろしゅうございますが。
#93
○政府参考人(辻健治君) 林野庁では森林を三つのタイプに区分けをして、それぞれの森林の機能に応じた森林整備を進めておるところでございまして、そのうちの一つが水土保全林というふうにいたしてございます。これは正に水源涵養と国土保全のための、そういう機能を発揮させるための森林ということで、これは複層林だとか、あるいは長伐期だとか、広葉樹林だとか、こういう森林を造成していこうということで現在取り組んでおるところでございますし、先生のお話の典型的なというところは、一番典型的なのは海岸林の、いろんなところに飛砂防備保安林だとか、こういうのは昔の、もう旧藩時代から苦労して森林を造成してきたといったような例が全国各地でございます。
#94
○谷林正昭君 国土交通省、ありますか。
#95
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 若干手短に申し上げます。
 山の中ではそうした林野と私の方との接しているところというのはたくさんございまして、現場レベルでもよく調整しながら、山をきちっと抑えていただき、そしてそこからまた出てくる土砂は私たちが下流に流出しないようにきちんとした対策を講じる、そういったことをやっている。典型的なという言い方をしますと、挙げると切りがございませんが、各種そういった調整をしているということでございます。
#96
○谷林正昭君 ありがとうございました。
 私は、心配します、この法律と治山にかかわる法律が離れているものですから、連携をより、こういう場を通じて言わせていただければ、少しでもそういう連携しやすくなるかなと、こういう思いで質問をさせていただいておりますので、よろしくお願いをいたします。
 時間がございませんので最後になりますが、この砂防事業に対する今後の考え方といいますか、先ほど、冒頭、総理の答弁がありました。そうではなくて、私は、日の当たらないところでも地道にやるべきだというのが私の考えでございますが、国土交通省のこの砂防事業に対する今後の考え方と、これはアウトカム数値ではなかなか私は表せないものがあると思いまして、非常に御苦労をこれからなさるというふうに思います。御苦労なさるというふうに思いますが、少し、どういうこの重点計画策定の中での位置付けになっていくのか、そこら辺りをお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
#97
○国務大臣(扇千景君) 砂防事業と治山事業、これは両輪だと思っております。今も林野庁からもお話ございましたけれども、砂防事業と治山事業の連携事業の実施状況、これもあります。これは是非先生にも御理解いただきたいんですけれども、あらゆるところの山すそ、そういうものを利用してグリーンベルト整備事業というのをやっております。これは森林と治水と、治山、治水、砂防、一緒になってやっているんですね。これ、後で先生に差し上げますけれども、グリーンベルト事業というので、山すそにずっと、砂防事業と治山事業の連携によって、関係機関が適切に連携を図って、郡市、山ろくの周辺地帯の土砂災害の防止、軽減、これを図っています。これ、全国で十四か所、こういうのを実施しておりますので、それも是非頭に入れていただいて、今後もこういうのをやっているということも御理解いただきたいと思います。
 まだ全国の土石流の発生する危険性のある渓流、これが、少なくとも今の整備水準がまだ二〇%にしか達していないんですね。ですから、そういう意味では全国で発生可能なこの土石流というもの、依然として二〇%しか整備できていないという現状を何とか対象事業として位置付けて、例えば土砂災害から保全される人口、こういうものを指標として少なくとも具体的に事業の効果をアウトカム事業として盛り込みたいと。
 また、治山事業との連携を図っていくというのが大きな私は課題であろうと思っておりますので、これも昭和三十八年に砂防治山連絡調整会議、これが昭和三十八年にできております。それから平成十三年度まで三十九回、これ開催されております。そういうものも、私は今、先生がおっしゃいました、これも、この会議というのは国土交通省の河川局砂防部と農林水産省の林野庁の森林整備部とが一緒になってこの中央連絡会を開いております。
 ですから、こういうものも、今、先生がおっしゃいますように、治山、治水、そして両方、砂防も含めた両省の連携を取りながら、私は全国のまず二〇%しかまだ行われていない土石流の整備というものも図りながら、まして、この全国の都市の山ろくのグリーンベルト整備、これがもう本当に私は楽しい計画だと思うし、さっき富山のことをおっしゃいましたけれども、富山県だけでも、少なくとも私は住民の安全、安心のためにも、富山の三十六万人口の話もなさいました。これも含めて私は全国でこういう計画を、できる限り予算を節約して、コストダウンをして、余った部分でこういうのをやっていくということが一本化の大きな役目だと思っております。
#98
○谷林正昭君 終わります。
#99
○森本晃司君 公明党の森本でございます。
 これからの公共事業を実施するに当たりましては、国民の真のニーズを把握して、意見を反映させて、国民に夢と希望を持たせて、そして地域の活力を引き出すことが、このような事業の推進が極めて重要であると私も考えておりますが、重点計画法案第四条第三項第三号に、重点計画には地域住民等の理解と協力の確保など、社会資本整備事業を効果的かつ効率的に実施するための措置に関する事項を定めることになっていますが、それは具体的にどういう内容を指しているのか、これを定めることによって従来と比べて公共事業の執行がどのように効果的に、また効率的になるのか、お尋ねいたします。
#100
○政府参考人(三沢真君) 公共事業の実施に当たりましては、国民の理解と協力を得ることを基本とするとともに透明性を確保するという観点が大変重要でございまして、このため、例えば、バイパスなどの道路整備や都市計画の決定に際しまして、計画段階における情報公開、住民参加を積極的に推進してきたところでございます。さらに、計画段階よりも前の段階である構想段階における住民参加というのが更に次の課題でございますが、これにつきましては、高規格幹線道路について構想段階からの住民参加ということを推進しているところでございます。例えば、東京の外郭環状道路計画におきまして、昨年十一月に有識者による第三者機関からいただいた提言を踏まえまして、市民の方々に幅広く情報を提供いたしまして、御意見を伺いながら計画の具体化を進めているところでございます。
 今後、国土交通省所管の公共事業におきまして、事業特性に応じた情報公開、住民参加など、運用面での整合性を確保するための事業横断的なガイドラインをできるだけ早期に策定したいというふうに考えております。
 そのことの効果でございますけれども、こういうことを、特に構想段階から住民参加をやることによりまして地域住民等への事業の理解を得ることができる、コンセンサスをきちっと得ることによって結果としてその事業のスピードアップにつながっていく、それから事業の中身についても地域住民等のニーズをきちっと踏まえた事業内容とすることができるというようなことで、社会資本整備の効果的、効率的な実施につながるものであるというふうに考えております。
#101
○森本晃司君 重点計画に対するPIだけでなしに、今も総合政策局長からお話がございましたが、個々の段階の事業においても構想段階からのPIが大変に必要ではないかと思っております。今、局長の方から東京の外郭環状道路の例を引いてのお話がございましたが、私の地元の奈良県国道事務所、これも極めて先駆的に構想段階から取り組んでいるところでございまして、私もそのことをよく承知しております。
 他の公共事業分野においてそういう取組がなされているのかどうか、その点についてお尋ねします。
#102
○政府参考人(三沢真君) 道路以外の公共事業における構想段階でのPIの取組についてでございますが、道路事業以外の例といたしまして、河川事業につきまして、具体的な河川整備のメニューを定める河川整備計画の策定に当たりまして関係住民の意見を反映させるための措置を講ずることが河川法で規定されております。これに基づきまして、例えば、多摩川では住民とともに川歩きを行って河川の現状把握をした上での意見交換をするとか、あるいは最上川では流域の二十三地区で公聴会を実施するなど、それぞれその地域の特性を踏まえながら各地で様々な取組を行っているところでございます。
#103
○森本晃司君 我が国において構想段階におけるPIの事例、これはまだまだ少ないために現場ではいろいろ試行錯誤しているというふうに聞いておって、その仕組みを考えなければならないんではないだろうかと思います。こうした取組を支援するために公共事業全体にわたる構想段階におけるPIに関するガイドラインを検討されていると、そのようには聞いておりますが、長期計画をめぐる課題というのは多岐にわたっておりまして、いずれにしても国民のコンセンサスなしには有効には機能しないと。
 中長期的課題として、社会資本整備とその十分な国民の参加、合意形成に関する基本法の制定なども視野に入れて取組をすべきと考えておりますが、いかがでございますか。
#104
○政府参考人(三沢真君) これにつきましては、まずガイドラインにつきましてできるだけ早く策定をさせていただきまして、事業横断的な運用面での整合性を確保するための取組を進めていくということにしておりますが、そのガイドラインを策定した後におきましても、このガイドラインを決めたからそれが、何といいますか、絶対のものということではなくて、恐らく相当、事業ごとにそれをやってみることによっていろいろな試行を積み重ねることはできるのではないか、そのことによりまして事業ごとの問題点とか改善の方向などがまた明らかになってくる、それに応じてまたそのガイドラインも手直ししていくという、そういうプロセスが、積み重ねが恐らく必要になってくるんではないかというふうに考えております。そういう意味では、当面はそういう試行を積み重ねることによりましてできるだけ実効性のある運用をきちっと確保し、その中で仕組みの整備充実に取り組んでいくということが非常に重要だと考えております。
 将来の制度化につきましては、そういう作業を経た上で、そういう制度化も含めて必要なのかどうかということも今後の検討課題ということで検討させていただきたいというふうに考えております。
#105
○森本晃司君 公共事業を始めるについては、市民の意見を聞きながら、またこれを計画に反映させるということは極めて大事なことでありますけれども、一方で、計画決定にかかわる判断のすべてを市民の意見のみに任せていいんだろうかという面もあるんではないかと思います。そういう、それだけでいきますと今度は公益性という点で欠けた地域のエゴになってしまう点もあるかと思います。
 我が国の市政界の至宝と言われる大阪市長、元大阪市長の関一さんという人、これは大大阪開発計画を作られた人でありますけれども、いろんなことを実施していくときに大変な抵抗がありました。象徴的に申し上げますと、例えば一つは御堂筋。今はイチョウ並木のある有名な大阪の象徴になっていますが、これも関さんが始めたわけでございまして、そのとき、御堂筋を造るときに地域の、当時、船場地域の人たちから相当な反対がやはり起きたようでございます。船場のだんな衆がここに飛行場を造るのかと、こういったことで買収もなかなかスムーズには進まなかったけれども、強い意志でそういうことを計画し、また実施されて今日に至っている。あるいは北海道で、釧路の北海道庁の事務所長をされていた、名前が永山在兼さんという人でございますけれども、これは、阿寒横断道路、今日の横断道路を造られて、造られるときも大変な状況であったけれども、五十周年を迎えたときはその顕彰の碑が建ったと言われるようでございます。
 こういった公共事業を進めていくときに、地域の意見と、そして公益性を含めた大なる計画、時には相反する場合が出てくるわけでございますが、そういったどうすればバランスの取れた事業を進めることができるのか、どのようにPIを行えばいいのかというところが大事かと思っております。
 構想段階での計画の決定に当たり、どのような観点を重視すべきと考えているのか、公共事業における計画決定やPIのプロセスに対する基本的な認識をお伺いいたします。
#106
○副大臣(吉村剛太郎君) 先生もおっしゃいましたように、かつては構想段階では極秘に話を進めて、ある程度構想がまとまって公にするというようなこと、こういうことが散見をされたと。私の地元でもそういうことが、住民が知ったときにはもう構想ができ上がっていたというようなこともございました。
 それは、正に先生おっしゃいましたように、いろいろと住民の意見が出てきて面倒なことになるというようなことだったんだろうと思いますが、もう時代は変わりまして、やはり構想段階から住民に情報を公開して、そして住民の方々との納得の上にそれぞれの段階、構想から一段一段積み上げていくことが今日的な形であろうと、このように思う次第でございます。
 そういう面でも、午前中にも申し上げましたように、構想段階からの情報公開、そして説明、そしてそれぞれの段階におきまして住民の方々との話合いということを基本的なスタンスとしてこれから進んでいかなければならないと、このように思いますが、一方で、確かに先生おっしゃいましたように、一部の住民の方々の考え方と、もうちょっと広い範囲の考え方と、相反することがある。場合によっては、地域エゴである、住民エゴではないかと言われかねないようなケースもこれはあることは事実であろうと、このように思っております。そういうときには、やはり公平な立場で大所高所から意見を述べれる第三者機関といいますものも大いに活用しなければならないんではないかなと、このように思っている次第でございます。
#107
○森本晃司君 この点については、これからもいろいろ道路造り一つ、あるいは立体交差一つにしても、いろんなことがあってなかなか、何年かたって、たった後に、ああ、やっぱりこの道ができていてよかったな、この立体交差できていてよかったなということが言える部分もありますから、これはそれぞれ、殊に国土交通省はそういう計画を立てるときに大変苦労をされておると思います。無駄は省かなきゃならないけれども、やらなきゃならないものはやっぱり進めて、将来のために進めていかなきゃならないこと。一見見たら、そこ無駄や無駄やともうさんざんたたかれるかも分からぬけれども、そういう構想も、そういうことも考えてやっていく。そういった意味で、このPIのことも意見聞く段階も極めて大事ですから、そういうことを両相含めながら、これからも工事を進めていってもらいたいと思うところでございます。
 次に、いわゆるダンピングの受注の問題についてお伺いしたいと思います。
 公共工事というのは国民の皆さんの貴重な税金によって行われるものである以上、やはり効率的、効果的に実施されなければならない。無駄な金は使わぬようにせぬといかぬということでございますが、同時に大事なことは、その工事が的確に行われて、国民の期待にこたえられる高い品質のものでなければならないと。そういう質の高い社会資本の整備が同時に要求されるのも、これもまた公共事業の仕事でございます。公共事業においてコスト縮減するということは、これは極めて大事ですけれども、一方、品質の確保にも万全を期していかなければならないということでございます。落札価格は安ければ安いほど良いという風潮もあるようでございますけれども、そういったことも私はもう少し冷静に判断して見ていかないと駄目ではないだろうかというふうに思います。
 国土交通省、それぞれ部別に、局部別に低入札価格調査対象件数というのを出していらっしゃるようでございますが、二〇〇〇年には二百八十二件、中でも近畿が多くて百十六件、二〇〇一年では三百五十三件、これはだんだん事業が少なくなってくると、どうしてもそこへ仕事取ろうという形でなっていきます、三百五十三件。近畿で百三十四件。私は、なぜ近畿だけが、近畿がこんなに各地方の中で低入札価格が多いんだろうかと不思議に思えてならないんです。中部辺りと比べると全然それが違う。
 仕事がなくなってだんだんだんだんそういう形になってきたのかなと思っておりますが、これはもう競争の激化だと思いますが、こういうダンピング受注による公共工事の品質の低下というのはやはり大変心配されますが、その点についてはどのように考えていらっしゃるのか、お尋ねをいたします。
#108
○国務大臣(扇千景君) 森本議員がおっしゃるとおり、不況になればなるほどダンピングが行われます。しかも、苦しい企業が公共工事を受注したということで前渡金、公共事業を受けたというだけで銀行融資が受けられるとか、そういうことで業者の中にはダンピングしてでもいいから公共工事が欲しいと、そういう傾向が現在往々にしてありますけれども、安ければ安いほどいいというものではありませんし、今、森本議員がおっしゃった品質保持ということから考えれば、果たしてダンピング受注して本当に目的の良質な事業が完成するのかどうかということも、これまたクエスチョンマークでございます。そして、実際、ダンピング受注したけれども、工事の手抜きだとかあるいは品質の低下、あるいは下請へのしわ寄せというのは当然のことですけれども、何しろ公共工事の品質の確保に支障を及ぼすというだけではなくて、ダンピング工事を受けたために建設業の健全な発展を阻害しているということも言えるわけです。
 また、冒頭に申しましたように、経営の状況の厳しい企業が運転資金をただ確保したいということのために、利益を度外視して受注して、そして近々の例で言いますと、私の手元に今ありますのは平成十三年度で低価格で受注して倒産した件数、これも十三年度だけでも三件、十四年度は七件と、あらゆる面で、受注しながら工事が途中で履行されないと、こういうことも発生しております。そういう意味では、最近の動向について、少なくとも、直轄工事の低価格入札工事というのは十三年度においては三百五十件、そして前年度のこれ三割増となっています。
 それほど、低価格でも、ダンピングしてでも受注しようという、こういう傾向がなきにしもあらずということでございますので、国土交通省では従来から低入札工事、そういうものに関して、少なくとも低入札の価格の調査に加えて、施工段階における点検の頻度、これを多くしようということで、途中の工事の、通常工事よりもダンピングした工事には何回も検査をするというふうなことで手を打っておりますし、前払金が下請への支払とかあるいは資材の購入等に適切に使われているのかどうか、前渡金だけで前の借金返したりなんかしていないかというようなことも含めて、これは必要な技術者が確保されているかということも検査の中に入れておりますけれども、少なくとも、本年の二月十日には、過去の工事で品質の管理等の面で注意を受けたことがある企業が低入札で受注した割合などに、手抜き工事を防止するために技術者の増員を求めることというのを指摘しております。ただ、この技術者の増員というのがそれぞれの企業で成り立っていないといいますか、余りにも手薄ということもなきにしもあらずですので、万般、そういう面は全般にわたって注意をしながら、安かろう悪かろうでは公共工事にそぐわないということで今注意をしているところでございます。
#109
○森本晃司君 この問題については、是非、国土交通省は取り組んでいただきたいと思います。品質の低下がありますし、これは手抜き工事からくるわけでございます。それから、健全な建設業者がだんだん意欲をなくしていきます。そういったこともありますし、それから今度は、受け取ったものの、じゃ、それできちんと回していこうと思えば、下請業者にそのしわ寄せ、あるいはそこで働く労働者にしわ寄せが行ったりすることも多々あるわけでございまして、こういった問題については、よき、きちんと、今、大臣からいろいろおっしゃっていただきましたけれども、きちんと指導をしていくようにお願いをしたいと思います。
 次に、予定価格の事前公表についてでございますが、予定価格を事前に知ろうという不正行為、これを排除するということで、それはそれで私は結構かと、こう思っております。しかし一方、落札価格の高止まりということを今度は逆にまた招きかねないと。何よりも今度は受注者の積算意欲、きちっと見て、物事をよく考えて、これだけだということで予定を立てるという積算意欲というのもそぐというおそれがあります。特に、原価計算をしっかり行い、まじめに積算して入札に参加する中小企業系建設業者を育成することこそ最も重要でありまして、こういった意味で入札参加者に積算の内訳を求めることが望ましいと考えられます。
 ダンピング受注や談合の防止等を図る観点から、直轄工事において入札参加者に対して入札時の工事費内訳書を、これを提出させるようにする方針のようですけれども、その実施方針及び実施の立ち後れている地方公共団体の取組促進策はどうされているのか。さらに、工事費内訳書の提出に加えて、下請業者名及び下請業者からの見積書等を活用することも効果的と思われるので、直轄事業において先行的に取り組んではどうかと思いますが、お答えいただきます。
#110
○政府参考人(安富正文君) 先生御指摘のとおり、まじめに積算して入札に参加する建設業者、これを育成していくということは非常に重要であると考えております。そのため、国土交通省では、入札・契約制度改革の一環ということで、入札時に工事費の内訳書の提出を求める措置を推進しております。具体的には、一般競争入札におきましてはすべての工事において入札に際しての工事費内訳書の提出を求めておりますし、指名競争入札におきましても現在試行を続けているところでございます。平成十四年一月から実施しておりまして、現在、この試行の範囲、対象を更に拡大していこうということで検討しておるところでございます。
 また、問題は地方公共団体でございますが、我々としましては入札契約適正化法に基づきまして適正化指針を定めておりますが、その中でも、入札参加者に対して工事費の内訳書を提出させる措置を地方公共団体でも適切に講じられるように求めているところでございますが、ただ地方公共団体、いわゆる発注者によっては工事の発注量あるいは内容、執行体制、特に執行体制等が問題ございますので、そこら辺の実態も踏まえて、今後とも総務省と連携して地方公共団体に要請を続けていきたいというふうに考えております。
 それから、一方、下請事業、下請業者についてでございますけれども、現在、下請の関係では、建設工事の適正な施工を確保するということで、建設業法で下請人の照合、あるいは下請人にかかわる建設工事の内容等、施工体制台帳を作成、提示するとか、あるいは下請人との施工の分担関係を表示した施工体系図を作成、提示させるとか、そういうことを講じておりますけれども、今後、さらには下請代金の支払等についても代金支払の適正化ということでいろいろ指示をしているところでございます。
 ただ、こういうダンピング防止問題も含めました下請業者へのしわ寄せといったようなことを適切にしていくということで、先ほど入札に先立って下請業者名とか下請業者からの見積書ということを徴取したらどうか、あるいは提出を義務付けたらどうかということでございますが、現在は、当然、入札で請け負った後はそういう施工体制台帳であるとか施工体系図というのを求めて下請業者との関係を明確にしておるわけでございますが、入札前に行うということになりますと、現在の建設産業における取引の慣行、例えば入札時の時点では下請業者はまだ決まっていない状態であるとか、あるいは元請、下請の関係の契約が必ずしも徹底していないというような面がございますので、そういうところも含めて、元請業者はもとより、下請業者にも過重な負担を掛けるおそれがないかということもございます。
 そういうことがございますので、この問題については今後の検討課題ということで我々としても対処していきたいというふうに考えております。
#111
○森本晃司君 総務省、お見えいただいておりますかね。
 今の問題で、低価格受注を排除する制度として低入札価格調査制度あるいは最低制限価制度というのがありますが、この両方とも導入していない、片側だけじゃなしに両方とも導入していないという自治体、団体が一千ほどあるというふうに伺っているんです。両方導入しているところもあれば片側のところもある、全く導入していないのも千ぐらいあるという流れなんですが、去年の十一月に通達を出されたと伺っています。
 その進捗状況、それからこれはやはり早急な取組が必要かと思いますが、その状況についてお伺いします。
#112
○政府参考人(畠中誠二郎君) お答えいたします。
 先生から地方公共団体の状況についての御質問でございまして、御指摘の低入札価格調査制度及び最低制限価格制度につきましては、いずれもその契約の適正な履行の確保とかダンピングの防止を図るために地方自治法とその施行令において規定されているものでございます。
 一昨年、十三年の三月九日に閣議決定されました公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針におきましては、地方公共団体に対してこれらの制度を適切に活用するよう求めているところでございます。この旨を地方公共団体に周知するため、昨年の十月三十一日付け、さらに先生が御指摘の十一月十五日付けで各都道府県知事あて、国土交通省の総合政策局長と連名で局長通知を出したところでございます。さらに、その周知を徹底するため、十一月の二十八日に地方公共団体における入札契約適正化の徹底等に係る担当部長会議を開催しております。
 今後でございますが、昨年末、昨年の三月末の状況を調査いたしましたが、今年の三月末における低入札価格調査、低入札価格の調査制度及び最低制限価格制度の活用状況の調査を予定しておりまして、このような調査結果等も踏まえながら、あらゆる機会をとらえましてこれら制度の活用を地方公共団体に対し要請してまいる所存でございます。
#113
○森本晃司君 国の直轄工事、ここにも最近は入札・契約数が減少する中で、低入札価格調査対象、これは非常に増えているというふうにも伺っております。品質確保に向けて調査基準価格の引上げも必要ではないかと思いますが、いかがですか。
#114
○政府参考人(安富正文君) 先ほどの低入札価格調査対象を引き上げてはどうかということでございますが、現在、国土交通省では、調査基準価格を下回る入札につきましていわゆる低入札価格調査を実施して、適正な履行が可能かどうかということを含めて、品質確保を図るための、施工段階で点検頻度等を通常工事よりも増加するといった措置を講じております。
 御指摘のとおり、最近では低入札価格が直轄工事でも増えてきておりまして、非常に価格競争が激しくなってきて、今まで以上に品質確保に関する取組、とりわけこういう監督、検査、こういうものを徹底する必要があると考えておりますけれども、そういうことから、現在、低入札調査対象工事のみに対象として行っております重点監督、この重点監督の対象範囲を広げようということで、具体的には調査基準価格を一〇%程度上回る、いわゆる低入札調査対象にはならないものについて、比較的それでも低価格な工事、そういうものにつきまして低入札調査対象工事に準じた重点監督ということを行うということで、現在その対象を広げることについて検討を進めているところでございます。
#115
○森本晃司君 公共工事でございますから、最初にまた戻りますが、皆さんの、国民の皆さんの税金をちょうだいしておるわけでございます。それを使わせていただいているわけでございますので、効率的、効果的に、そして安くなければならないと思いますが、一方で、先ほど来申し上げましたように、低価格入札が行われて、お互い業者の皆さんが、これではいかぬ、これではいかぬと思いつつ今の状況の中でそういった中にはまってしまって、結局企業が倒れていく、健全な建設業者が育たないということになりかねないわけでございまして、是非そういったところで十分な監督指導を行っていただくようお願いいたします。
 今日は公取委、お見えいただいていますか。済みません。
 原価割れのダンピング受注、これは独禁法に規定する不公正な取引に該当するんではないかと思いますが、今までこの独禁法の不当廉売に建設業が該当したケースがあったのか。公共工事のダンピングが大きな問題になっている中で、その事例がないとすれば制度の見直しが必要ではないかと考えますが、いかがですか。
#116
○政府参考人(上杉秋則君) お答えいたします。
 独占禁止法では、採算を度外視した極端な安値受注が繰り返されまして他の事業者が受注の機会を得られないなど、競争事業者の事業活動を困難にさせるおそれがある場合には不当廉売ということで、先生御指摘のとおり、独占禁止法上の不公正な取引方法に該当するということでございます。最近の事例として、官公庁の情報システム調達の分野における安値入札が問題となりまして、調査の結果、不当廉売ということで警告をした事例もございます。
 ただ、お尋ねの建設業の公共工事の分野における安値入札につきまして、これまで公正取引委員会として不当廉売に該当するとしての勧告等を行ったものはございません。
 私ども、最近関係する業界との間で意見交換の場を持ったわけですけれども、その場では相当強いダンピング受注に対する問題指摘がございました。私どもは具体的な事実がないとなかなか動けない役所でございますので、そういったところからも具体的な情報がありますれば、今申し上げましたような考え方に基づきまして適切に対応してまいりたいと考えております。
#117
○森本晃司君 この問題、国土交通省と公取との連携が必要ではないかと思います。地方整備局も含めた連携が必要であるかと思いますが、公取の考え方をお聞かせください。
#118
○政府参考人(上杉秋則君) 公正取引委員会と国土交通省との間で、いわゆるダンピング受注の問題ですとか、あるいは入札・契約制度の在り方等につきまして意見交換をするために本省レベルで連絡会議を設置し、本年二月二十八日に第一回の会合を開催したところでございます。ダンピング受注問題につきましては、今後双方の連携を密にしながら、実態の把握と対応について検討を進めていきたいと。
 特に、地方レベルでこういった問題が起きていることでございますし、我々としては、地方の組織が非常に弱体でございますので、そういったところとの連携も考えてまいりたいと思います。
#119
○森本晃司君 ダンピング受注の弊害というのは品質の悪化を招きます。それを防ぐためにも入札者の施工能力のチェックというのが極めて大事ではないかと思うんです。
 ところが、技術者、職人が一人もいない市町村等々がたくさんあるわけでございます。調べますと、一人も技術者のいない市町村の数、土木技師がいないのが二七・二%、建築技師がいないのが五五・九%、これは全国建設業協会の調査結果でございます。市町村はこういった状況でございます。そういったことを判断する技術者がいないというのは、半分ほどいてるわけでございますが。
 フランスでは建築業者の評価機構、土木業者の評価システム、第三者機関が評価しているという例がございます。我が国にあっても、こういう外部機関を利用するということを進めていってはどうかと思います。
 いずれにいたしましても、そのことについて大臣にお伺いすると同時に、ダンピング受注、先ほどのまた繰り返す話になりますけれども、どうぞ、いろいろ答弁もいただいておるわけでございますけれども、強い対策を実施することをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
#120
○国務大臣(扇千景君) 森本議員がおっしゃったように、公共事業で良質な品質の保持というのが大変重要なことでございますので、少なくとも入札時における企業の施工能力、そういうものがどの程度施工中の監督とか検査というものによって確実に担保されるかということが大事だと思っています。
 今、森本議員がおっしゃいましたように、地方の技術、これは土木技術もあるいは建築技師も一人もいない市町村、これが少なくとも六百三十四市町村、そしてパーセンテージで二六・一%という数字が出ておりますけれども、こういう技術力あるいは技術系職員、一人もいないというような状況でも、少なくとも入札の適正な指針において私たちは事業の執行体制というものを補完あるいは支援する体制というのが必要であると思っております。
 それで、今おっしゃいましたように、フランスの例を出されましたけれども、外部の機関の積極的な活用が重大である、また重要視されていると、そう思っておりますので、私たちもそのための国土交通省として、地方整備局自体が私は各県ごとに設置してあります建設の技術センターを連携して、地方の公共団体に的確に業務執行できるように支援していきたいと、そのように思っております。
 少なくとも、地方公共団体が円滑に外部委託できるように資金面でも支援していくということにしておりますので、具体的には、昨年の一月でございますけれども、所管の補助金を工事の監督、検査の外部への委託費に支給できるようにということでこれを通知しておりますし、昨年の十一月には、地方公共団体に外部の機関の活用を積極的に検討するように、総務省とともに連名で通知いたしておりますので、是非これを活用して、確保して、確実な公共工事の良質な建築工事等々に寄与してまいりたいと思っております。
#121
○森本晃司君 終わります。
#122
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。よろしくお願いします。
 今日は、社会資本整備重点計画法案、これについて質問をさせていただきたいと思います。
 この法案の第三条に「社会資本整備重点計画の基本理念」というのがありまして、その第二項に「重点計画は、社会資本整備事業の実施に関し、地方公共団体の自主性及び自立性を尊重しつつ、適切な役割分担の下に国の責務が十分に果たされることとなるよう定めるものとする。」と、こういうふうにあります。この中で特に、「地方公共団体の自主性及び自立性を尊重しつつ、」というふうに、これ考えてみれば当たり前のことで、わざわざ法律に明文化するほどのこともない常識の問題だろうと思うんです。
 これをわざわざこういうふうに文章として条文に入れたという意味は一体何なのか。もしかすると、自立性や自主性が尊重されなかった今までのそういう傾向があって、その反省の上にこういう条文になったのか。この辺はどんな背景があるんでしょうか。
#123
○国務大臣(扇千景君) 今、富樫議員がおっしゃった両方でございまして、少なくとも私は、今日冒頭にお話ございました沓掛議員からも、今までの公共工事が予定どおりに執行できなかったり、長期工事が延長して達成できなかったりというようなことをおっしゃいました。
 私どもは、その反省の点は、事前評価、事業評価、事後評価と三つに分かれますけれども、その評価制度の事前評価の中には、地元の皆さんの意見を聞く、国民の意見を取り入れるということがあるわけですけれども、特に公共工事というのは、今度一本化いたしますので、少なくとも公共工事の枠が広がって、一本化する一番の大事なことは、より工事に入ります前から、企画、計画しているときから地元の声を入れるということが国土交通省に私は多くの改善点があろうと思っておりますので。
 先ほど三沢局長が言っておりましたけれども、全国を十のブロックに分けて地方懇談会を設置したのもそこに意味があるわけでございまして、私は、そういう意味では、特に違った姿勢で、九本を一本にするからこそ、なお地元の皆さんの声を入れるということが大事である、そのように考えておりますので、反省と将来を込めた両方であるということを申し上げたいと思います。
#124
○富樫練三君 同じその第三条の中に、「国の責務が十分に果たされることとなるよう」というのもありますので、今、大臣おっしゃいましたけれども、反省とこれからの、今までは十分じゃなかったけれどもこれからはちゃんと国の責務を果たしましょうと、こういうことなんだろうというふうに理解いたします。
 その上で、この地方の自主性や自立性、これを尊重すること、それからその一方で、国の責務を十分に果たす。これとのかかわりで、私、大変重要なのは、国の直轄事業にかかわる地方の負担金の問題、これはある意味では地方の自主性を損なうものでありますし、反面、国の責務を十分果たし得ない、こういう側面もあるわけでありますから、この直轄事業の負担金の問題というのは、これは随分昔から問題になったことであって、いまだにこの問題があると思います。
 今日は資料を配らせていただいているんですけれども、私、かつて地方行政委員会それから総務委員会で片山総務大臣とこの問題について議論したことがあるんですけれども、そのときに片山大臣は、地方の負担金の中の維持管理費については、これはできるだけ縮小して、そして将来はやめてもらう方が正しい、こういうふうに片山大臣はおっしゃっているわけなんですね。私もそういうふうに実は思っているわけなんです。私は、維持管理費だけではなくて、地方の負担金は全面的にこれは見直すべきだろうというふうに私は思っているんですけれども。
 そこで、今日は資料を配らせていただきましたけれども、資料の一というところをごらんいただきたいと思うんです。これは二〇〇二年、平成十四年度の直轄道路と治水事業について、それぞれ、そのうちの改修費と管理費、上下別々に書いてございます。ごらんいただきたいのは、その地方負担のところの右の欄に〇二年度負担比率、これは直轄道路で言うと四四%ですね。うち、改修が四〇と維持管理が六六%。九八年、四年前の場合は四五と四一、六六とこうなっています。治水について言えば、特に管理費については七五・一%が地方の負担、こういうことになっています。
 これだと、大体三分の二から四分の三が維持管理費については地方が負担している。これで国の直轄事業だというふうに言うのは、どうも看板と中身は全然違うんじゃないのかというふうに思うんですけれども、この表の数字はこれで間違いございませんか。これはちょっと事務方、確認しておきたいんですが。
#125
○政府参考人(佐藤信秋君) 先生御指摘の資料の一、道路特別会計部分についてお答え申し上げます。
 数字としてはこれで結構でございます。ただ、負担比率とおっしゃいます場合、全体の事業に対して国の負担が幾つで地方の負担が幾つでと、こういうふうに私ども通常申し上げておりますので、基本的には、そういう意味でいいますと地方の負担比率が三割とか全体の二割とか、こういうことになろうかと思いますが、要は事業費に対して地方の負担が幾らか、あるいは国費と地方費の割合が幾らか、こういう取り方が二つあると思います。これは、国と地方の割合を取っておられるので、いわゆる私どもが通常負担率と言っていますのは全体の事業費に占める割合でございます。
#126
○富樫練三君 言葉はどっちでもいいんです。要は、実際には大半を地方自治体が負担して維持管理をしている、これには間違いない、こういうことなんだと思うんですね。
 そこで、もう一つ資料なんですけれども、資料の二を飛ばしまして三というところを見ていただきたいんです。これは私の地元の埼玉県なんですけれども、平成九年から十三年まで五年間の間に道路分で負担したのが県として九百五十一億円。治水問題関係で負担したのが千三百八十八億円ですね。合計二千三百億円も負担しているんですね。こういうのがやっぱり一面では地方財政の圧迫につながっているのではないかというふうに率直に感じるんですけれども、どう思いますでしょうか。
#127
○国務大臣(扇千景君) 今、埼玉県のこの負担率を拝見して、埼玉のことなので、私よく分からないと言っていいと思います。
 というのは、総予算が埼玉でどれくらいあるのかという、一兆円ぐらいなのかなと思いますけれども、ちょっとその細かい数字が、埼玉県全体の予算が私、今簡単に把握できませんので、一兆円ぐらいとして、そして一兆円のうちの二千億円が維持管理費で高いか安いかという、そういう考え方をしなければいけませんので、総額が分からないのでちょっと返事をしかねますけれども、それ相当の御負担をいただいているんだなと思って見ております。
#128
○富樫練三君 確かに、総額が分からないと負担が重い負担なのかどうかというのは判断しにくいでしょうし、これは五年間のトータルでありますから、ということですので。
 その次の資料の四を見ていただきたいと思うんです。これは全体の予算が仮に分からなくても、大体お分かりいただけるのではないかというふうに思いますけれども、これは平成十五年度の予算ベースですね。
 それで、道路関係と、それからこれも治水関係なんですけれども、負担の総額、これは百六十八億円と百九十三億円なんですけれども、問題は財源なんです。一般財源でこれは道路関係で十一億円、それから治水関係で二十九億円なんですが、残る部分はすべて県債、借金で賄っている、こういうふうになっているわけなんですね。仮に、これ逆算して充当率はどのぐらいになるかということを計算すれば、道路関係で言うと地方負担分の九三%は借金、それから治水関係で言うと八五%が借金ということになるわけなんですね。いわゆる地方自治体は国の直轄事業の地方負担分を払うために借金までして払っている、こういう事態になっているわけなんですね。
 こういう事態だということ、これは恐らく埼玉だけじゃなくて、全国同じような傾向だというふうに思いますけれども、こういう実態について、大臣、御存じだったでしょうか。
#129
○国務大臣(扇千景君) 少なくとも私は、今日でございますけれども、今日、夜、東京都、千葉県、埼玉、神奈川、四知事にお集まりいただき、そして千葉市長、川崎市長お集まりいただいて、羽田の四本目の滑走路の協議会を開かせていただきます。
 そういう知事さんの会合を私はいつも全国十のブロックに分けて、これは南関東、北関東に分かれておりますけれども、そういう会合を開いておりますので、それぞれの地方の皆さん方が、例えば東京都のように東京都債を発行しますとあっという間に売り切れてしまって、また再発行するというようなことも昨今は新聞に出ているのは富樫議員も御存じだと思いますけれども、それぞれの地方で地方債を発行していると。
 これは、いつも我々の参議院から出ていらっしゃいます片山大臣が地方債のことに関しては予算の委員会のときにも答弁していらっしゃいますので、そういう負担をしていただいて債券を発行しても、それぞれの県の公共事業の在り方と県民の安全、安心のために地方債を発行するということはよく存じております。
#130
○富樫練三君 県民の安心、安全のために地方債を発行しているというんじゃないんです。私が言っているのは、国の直轄事業の地方負担分を払うために借金をしているんだと、こういうふうに言っているわけなんですね。ここはちょっと正確にしておいていただきたいというふうに思うわけなんですが。数字で言えばここにある資料の四番のような、こういうことになるんだということだと思うんです。
 これはちょっと、総務省、今日お願いしてあると思いますけれども、お見えですか。
 この借金については、これは普通、例えば財源対策債とか地方が借金して、国の方が本来出す財源が全部移譲できればいいんだけれども、できない場合に借金してそれを払っておいてもらうと、後から交付税で面倒見ますよというやり方をやっているんですけれども、この負担金の地方債についても同じような扱いになりますか。
#131
○政府参考人(林省吾君) お答えを申し上げますが、直轄事業の地方負担分につきましては、御指摘ございましたように、各地方公共団体が事業ごとにそれぞれ負担されます負担金につきまして地方債と地方交付税により措置を行っているところでございます。充当いたしました地方債につきましては、事業ごとに、その他の財源の状況をも勘案しながら、一定割合を後年度、元利償還金を交付税に算入するという形で財政措置をしているところでございます。
#132
○富樫練三君 ちょっと確認をしておきますけれども、償還時に交付税に算入するという意味は、それは基準財政需要額にカウントするということであって、その償還金額がイコール交付税の交付金として地方に配分されるということではありませんね。ここはちょっと正確にしておきたいんですが。
#133
○政府参考人(林省吾君) 充当されました地方債の元利償還金につきましては、元利償還の年度におきまして地方交付税の基準財政需要額の算定に当たりまして算入すると、こういう考え方でございます。
 もちろん、人口、面積等を指標した静態的な算定と併せて、各団体の財政需要の実態を適切に反映するために、一部につきまして地方債の元利償還金を用いて算定することとしているわけでありますが、その両者を併せて基準財政需要額に算入すると、こういう方式を取っているところでございます。
#134
○富樫練三君 すなわち償還分については、借金の返済金ですね、これについて丸ごと国の方から来るということではないと。交付税で見るわけではないと。需要額にカウントするということであって、これは収入額と需要額の差で交付税の交付金の金額は決まるわけですから、場合によっては来ないこともあり得るということだと思うんですね。ですから、後からきちんと交付税で措置するから借金で払ってくれと言っても、これは本当に後から面倒見てもらっているのかどうかというのは、これはちょっとそのときにならないと分からないと。その年度年度で計算していくわけですからね、償還時の。
 そこで問題は、そういう交付税の交付金というのは、地方自治体にとって言えば、いわゆる一般財源で目的の決まった、使用目的が最初から決まっているようなお金ではないはずなんですね。ところが、それが直轄事業の負担金として借金をして、その場合には交付税でカウントしますよと、こういうことになると交付税の性格が変わっちゃうわけですよ、そこで。
 最初から国の直轄事業、例えば治水であるとか道路であるとか、その負担金のために借金をすると、それは交付税で後からカウントしますよということになると、その交付税、その部分については少なくとも、全部じゃないけれども、その部分については少なくともこれは目的が明確になった交付金ということになるわけですね。そうすると、地方自治体の一般財源とは性格が異なっちゃうと、そこからですね。これは交付税制度そのものをやっぱりゆがめることになるんではないかというふうに思うんだけれども、これは法律とちょっと違うんじゃないかと、性格が。総務省はどう考えますか。
#135
○政府参考人(林省吾君) 当該団体の財政需要を的確に算定しながら必要な財源措置を講ずるというのが地方交付税の趣旨でございます。
 御指摘の点につきましては、先ほども申し上げましたが、基準財政需要額の算定に当たりまして、特にその特定の地域あるいは年度によって事業量に大きな隔たりがあるような場合、変動がありますような場合は、各団体の財政需要の実態を適切に算定する必要がありますために、御指摘のように、地方債の元利償還金の額に着目をいたしまして現実の事業費に応じた算定を行っているところでありますが、これは、その該当団体における財政需要をより的確に反映するために基準財政需要額の算定方法として採用しているものでございまして、この算定されたものの使途を特定する趣旨で行っているものではございません。基準財政需要額は、地方一般財源である地方税と地方交付税に対応するものでございまして、補助金のように使途を特定するものではありません。
 したがいまして、こうした動態的な算定によりまして地方債の元利償還金を基準財政需要額に算入することが交付税の一般財源としての性格に反するというふうにはなっておりませんことを申し上げておきたいと思います。
#136
○富樫練三君 動機はそういうことなんだと思うんですね。
 ただ、出てくる結論は、やはり交付税が使い道の決まったところに出されるということに、結果としてはそういうふうに理解されてしまうというか、そういうことなんだというふうに思うんですけれども、ただ、そういうやり方はやっぱりまずいんじゃないかというのは、これはずっと政府自ら指摘をしてきたことじゃないですか。
 例えば、骨太方針というのが出されましたよね。これは今度の法案の基本にもなっているわけですよね。今の政府の方針の基本方針だと思うんですけれども、その方針の中でこういうふうに言っているんですね。「特定の事業について、地方債の発行を許可してその償還費を後年度に交付税措置する仕組み等は、地方が自分で効果的な事業を選択し、効率的に行っていこうという意欲を損なっている面がある。地方主導に改めるため、こうした資源配分の仕組みを縮小し、自らの選択と財源で効果的に推進する方向で見直していくべきである。」と、こういうふうに政府自身が言っているわけなんですね。
 ですから、交付税で全部面倒見るから借金してやっておいてくれというやり方というのは、地方が自らの頭でよく考えて自分の責任で選択をすると、こういう自主性や自発性を奪う結果になっているんだよと、だからそういうのはやめようじゃないかと、これが骨太方針なわけですよ。ですから、それは理屈はいろいろあるでしょうけれども、そういうやり方を改めようというのが今度の方針なんじゃないですか。
 ですから、自らの財源と選択とか地方主導と言うんだったら、まずはこの直轄事業、国の直轄事業、この在り方について根本から見直すと、このことが大事だというふうに私は思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#137
○国務大臣(扇千景君) 今、富樫議員がおっしゃった理屈はそのとおりですし、骨太方針もそのとおりですけれども、それに逆らうものであるかどうかというのは私はその地方地方の考え方で、私は逆らっていないと。その選択をするのが地方のフリーハンドだと私は思うんですね。
 例えば、今おっしゃったように、地方がそれぞれの直轄事業で負担をしたけれども、その負担をかつて地方交付税でそれを賄うかどうかということとは別に、直轄事業を選んだその地方の工事、例えば例を、どれを例に挙げていいかちょっと分からないんですけれども、例えばバイパスならバイパスを、ここ、どうしてもと地方がおっしゃって、それを国の直轄事業にして、地方にも負担していただいて、直轄事業でバイパスができたと、そういうことがありますときに、例えば直轄事業で一千億円出したということでも、でき上がってみますと、そこの固定資産税がすごく、バイパスができたおかげで便利になって、地方の、今日、地価公示出しましたけれども、一遍に値段が上がって固定資産税が三億入ったなんていう例もあるんですね。
 ですから、私は、必ずしも、今、富樫議員がおっしゃったように、全部直轄で、地方負担は、ある意味ではこれは国でやって、地方に負担さすのがどうか。これは直轄と言う以上、国の負担分を少なくして、そして地方債を出させてまでというのは、私はむしろ、その地方がお選びになる、今、骨太方針で言いました、地方の意見を聴こうということでお出しになった、希望を取った直轄事業というものは、むしろ地債を出してまで、その県の債券を発行してでも事業を完成さすことによって、今申しました一千億円の投資で三億円の固定資産税が入るような例もあるわけですから、一千万で、ごめんなさい、一千万で一億の固定資産税が入るような場合もあるわけですから、私は一概に言えなくて、やっぱり骨太方針で言っている地方のそれぞれの特性に合わせた直轄事業を国と地方が一体になって選んでいくということが私は今回大きな点だと思っておりますので、必ずしも、今、富樫議員のおっしゃることも正しいんですけれども、一方、それだけではないということも御理解いただきたいと思います。
#138
○富樫練三君 総務省はどういうふうにお考えでしょうか。
#139
○政府参考人(林省吾君) お答えをさせていただきたいと思っておりました。
 確かに、事業の年度に地方負担が出てまいりました場合に、当該年度の一般財源だけでは充当できませんので地方債を使うことがあると思います。ただし、この地方債は確かに借入金ではございますが、その事業によって将来利益を得る人たちによっても負担をしていただくような性格の事業に充てるものでございますので、後年度の世代との負担の公平を図るという点で地方債を活用する方法は財政運営としても一つの見識だと思っております。
 ただ、この地方債の元利償還金につきましては、公共事業、直轄事業を含めまして公共事業がちゃんと実施できるように、私ども地方債と交付税によりまして適切に財源措置を講ずる必要があると考えているわけでありますが、その地方債の元利償還金に対する財政措置は、すべてその元利償還金を交付税で見るという形にいたしますと、先ほど引用ございましたように、地方団体の施策の効果的な選択にマイナス面があるんではないだろうかというような指摘もございます。
 したがいまして、その総額全体を、元利償還金の実額を追っ掛けていくような見方ではなくて、人口、面積等の標準的な方法で算定する方法と元利償還金の一部を算定する方法、この両者をどういうふうにミックスをして財源措置を適切にやっていくかというのが私どもの課題となっているわけであります。
 この点につきましては、従前、元利償還金の実額をとらまえまして交付税で後年度措置する比率が高かったものですから、経済財政諮問会議等における御指摘もいただいたわけでありますが、この点につきましては、事業費補正方式による交付税算入の見直しを行うことといたしまして、平成十四年度の地方負担分から反映させているところでございます。
#140
○富樫練三君 いずれにしても、この問題はずっと問題になってきたし、これから解決していくべき一つの課題であろうというふうに私は感じているんですね。いつまでも今までのやり方でいいとは言えない問題だろうというふうに思うんです。
 その上で、大臣の今の答弁というか、おっしゃったことにちょっと気になるんですけれども、この直轄事業というのは、地方が望んでいるものについて直轄として採択して事業を進めているんだと、あるいは地方と国が一体になって選んで、仕事も一体になってやるから場合によっては割り勘でいこうと、こういう、半々ずつでいこうじゃないかということもあり得るということなんだろうと思うんですけれども、実際には一体になって選ぶとか地方が望んでいるものを直轄として採択をする、採用するとかという、こればかりではないというのも現実だろうというふうに思うんです。
 そこで、資料の五をごらんいただきたいわけです、これは資料の最後なんですけれども。埼玉の例ばかりで大変恐縮なんですけれども、これは平成十五年度の国土交通省等が施行する治水事業に対する負担金、単位千円ということになっています。これは埼玉県の例で、これは平成十五年度、この新年度の予算の説明書の言ってみれば写しのようなものです。この資料を見ると、不思議だと思いますけれども、一番下の合計の欄については県負担金とその財源、一般財源と県債が記入されていますけれども、あとは何も書かれておりません。
 埼玉県に、どうしてこんな資料になるのかと、この空欄をちゃんと埋めて出していただきたいというふうにお願いをしましたところ、実は、この左側にあるのは、これ全部直轄事業ですね、直轄河川改修、河川維持修繕、ずっとありますね。これについては国の方からは全く細かい説明は受けていないと。したがって、県の方からこれを幾ら幾らという数字を埋めることができませんというんですよ。
 これは、これ予算なんですね。予算審議にはこの数字がなければ恐らく、積算の基礎がないわけですから、合計だけ言って、はい、この金は新年度納めてくださいよと、こういうことは私は通常はあり得ないだろうというふうに、もしも予算審議で、ここで予算審議でこういう資料が出てきたら、これは委員会ストップしますよ。これじゃ予算の審議に入れないじゃないかと、こういうふうに通常ならなるところですよ。そういう性質の問題なんですね。
 何でこうなっているかというと、どうも国の方は、この結果についてはちゃんと言うんだけれども、どの事業をやるか、トータルで幾ら掛かるか、県はどのぐらい負担するか、これはちゃんと言うんだけれども、個々の内容についてはまだ公表はできませんと、県に対してもそういう態度をどうも取っているのではないだろうかと、ちょっとこういうふうに思うんですね。県の説明を聞きました。事実はどうなんでしょうか。
#141
○政府参考人(鈴木藤一郎君) ただいまのことについてお答えいたします。
 直轄負担金の内容につきましては、年度当初、それから概算要求終了後において、事業費、事業概要等について情報提供を行っております。この年度当初と申します意味は、国会で現在予算審議いただいておりますが、来年度の予算審議いただいておりますが、その予算成立後という意味でございます。概算要求終了時、これは、九月に概算要求、財務省に提出いたしますので、その後にということでございます。
 そういったことでございますと、今、委員御指摘のような、県の方でいろいろ困ったことが生じるというようなことだと思います。そういうことで、実際問題、その終了後において、事業費、事業概要等について情報提供を行っているというふうに申し上げております。これは、予算要求して来年度予算がこうなります、あるいは今の時点で予算はこうでございますと言うことは、これは予算が成立しておりませんので申し上げられないんですが、その情報提供というところの意味合いをちょっと御理解をいただきたいんですが、その辺の大まかなといいますか、ある程度の県の方で腹積もりができるような数字を事実上この情報提供の中でお示ししているということでございます。
#142
○富樫練三君 ちっとも分かりませんね、今の説明。分からないですね。
 いいですか。この資料をもう一回見ていただきたいんですけれども、合計金額、県負担金は百九十三億と書いてあるんです。それで、七千円という端数まで書いてあるんです、一番最後のところはね。それで、財源の欄を見ると、一般財源で、これも二十九億云々で七千円の端数まで書いてあります。それから、県債については百六十三億幾らと、これもちゃんと書いてあります。全部出ているんですよ。総額は端数までちゃんと出ている。ただし、その内訳はなしと。
 これで、予算が可決したら内容について明らかにいたしましょうと、こういう話だと、こういうわけですね。情報としては提供しているんだけれども正式には出しておりませんと、こういう意味なんだろうというふうに思います。すなわち、国からは正式には、これらの個々の事業に対する事業費、それから県の負担金、これについては、個々については出されていない。要するに、足し算がないまま結論だけありきと、こういう数字ですよ、これは。
 ということは、何の事業にどのぐらいの負担をしてもらいたいという話はなしに、総額で百九十三億円は平成十五年度は埼玉県が負担するんですよ、これをまず先に決めてもらいたいと。決まったら、個々について幾らずつにするかはこれは後からお教えしましょうと。これは理屈が逆なんじゃないですか。
 ですから、そこで、一九九八年五月の二十九日に閣議決定をした地方分権推進計画というのがありますよね、これ閣議決定しました。この中で政府の説明責任、地方自治体に対する、これについてどういうふうに決定したのか、わずか二、三行でありますけれども、その部分について是非明らかにしていただきたいんですが。
#143
○政府参考人(鈴木藤一郎君) ちょっと今資料を探しますが、──「地方公共団体に対するアカウンタビリティ(説明責任)の観点から、国直轄事業負担金の内容については、その積極的公開を進める。 国直轄事業の対象となる事業の範囲について、客観的な基準などにより、明確化を図る。」、こういうことでございます。
#144
○富樫練三君 そのとおりですよね。要するに、国庫直轄事業負担金の内容については、その積極的な公開、こういうことをちゃんと進めようではないかと、こう地方分権推進計画では言っているんですね。
 総務省に伺います。「平成十五年度の地方財政措置について」という、十四年、昨年の八月七日付けの総務事務次官から各省庁の事務次官あての通知があります。この通知の中で、直轄事業の負担金に関する地方自治体に対する政府の説明責任についてはどういうふうに要請をしていますか。
#145
○政府参考人(林省吾君) 昨年の八月七日付けでございますが、平成十五年度の地方財政措置につきまして、各省庁に対しまして私どもの方から申入れをさせていただいておりますが、御指摘の点につきまして直轄事業負担金の改善等という項目の中でこのように申し上げております。
 「地方公共団体に対するアカウンタビリティ(説明責任)の観点から、直轄事業の実施について、地方公共団体との事前協議のルール化を図るとともに、現に事前協議が行われているものについても、その内容の充実を図られたいこと。 併せて、各年度の負担金の積算内容を十分に公開されたいこと。」、以上でございます。
#146
○富樫練三君 これは国土交通省にも要請しましたか。
#147
○政府参考人(林省吾君) 申し入れさせていただいております。
#148
○富樫練三君 大臣、御存じだろうと思うんです。これは地方分権推進計画の中でそういうふうな方針が決められて、さらにそれを受けて総務省は、直轄事業をやっている、一番たくさんあるのは国土交通省ですね、農水省もありますけれども。そういうところに総務省はこの問題をきちんと解決しようではないかということで要請をしているというか、申入れをしているというか、お願いをしているわけなんですよ。ですから、国土交通省もこういう通知は十分頭に入れながらやっているんだと思いますけれども、特にその中で、各年度の負担金の積算内容を十分に公開されたいこと、こういうふうに言っているんですね。ですから、これらがきちんと守られることは当然だと思うんですけれども、大臣、いかがですか。
#149
○国務大臣(扇千景君) 私は、富樫議員がおっしゃったことは当然のことであって、先ほども私、森本議員とのお話もしておりましたけれども、我々が公共工事を発注するときにもいかに積算が大事であるかということ、先ほど御論議いたしましたね。それと同じことが振り返って我が身に聞かれているわけでございまして、私は、今おっしゃったとおり、予算のこの八月の概算要求、年度末の予算決定、そしてその予算書でき上がって通常国会にこの予算をかける。去年の八月から、概算要求のときからこの積算というものがいかに大事かというのを積み上げていって、この国会に初めてお出しするわけですから、ここの、今、富樫議員がこの資料五というのは私も拝見しましたけれども、総事業費で国の分が明記してないというのは、私、いかに積算を大事にし、国会を重視しているかという表れであるということで、私はこれ見た途端に、あっ、国会を重視しているなと思いました。
 ただ、地方においては、地方の積算ができないから、予算書の積算の中にはこれは書いてあるけれども、国会の御論議を重視して、通るまでは総額は発表しないけれども、地方への皆さんには、国土交通省は埼玉に関してはこういう積算の方法をしていますよと、この中身全部埼玉県は私はごらんになって打合せもできていると思いますけれども、国会で予算の御論議がある間は国会の先生方に敬意を払って、国会重視で私は空欄になっているということと、積算を公表してないということとは比例いたしません。
#150
○富樫練三君 これは全然逆なんですよ。大臣ね、大臣、全く理解してないですよ、これは。
 これは骨太の方針で出して、地方分権推進計画で出して、さらに総務省が事務次官通達、事務次官通知で出して、ずっとそういう積み重ねがあって、この問題は解決していこうと、一つ一つ解決していこうと、こういうふうにやっていることに対して、どうも一番の抵抗している勢力は国土交通大臣だというふうに、今のこの資料を見てそういうふうに理解するというのは一番の抵抗の勢力だなというふうにこれ言わざるを得ないですね。
 そこで、総務省にまた聞きますけれども、地方自治体からもこれについては解決してもらいたいという要請がたくさん出されていると思うんですけれども、例えばどういう要請が出されていますかという点が一つ。時間がなくなってきましたのでまとめて伺います。今までこの分担金を解決していこうということで、いわゆるアカウンタビリティー、説明責任という側面だけじゃなくて、維持管理費を含めて分担金をなくしていこうということで総務省としては様々な努力をされたと思うんですけれども、それはどういう努力でどういう効果があったか、これをかいつまんで簡単にお願いします。
#151
○政府参考人(林省吾君) 直轄事業負担金についての各地方団体からの要請でありますが、私も全体承知しておりませんが、たまたま一つ持っておりますものは埼玉県からの要請がございます。
 地方公共団体に対して個別的に財政負担を課すことは極めて不合理であるため直轄事業負担金制度は廃止すべきということが要請書の中に入っているものを承知いたしております。
 それから、直轄事業につきましては、その事業に対する負担金と維持管理に対する負担金とあるわけでございます。維持管理の負担金につきましては、平成五年度におきまして維持管理負担金についての負担率を引き下げていただいております。負担が一割軽減されるような改善措置が講じられていることもございます。
 また、十年度には閣議決定されたわけでありますが、先ほど来御指摘されました分権推進計画の中で、今後段階的縮減を含めた見直しを行うというような方針決定をいただいているところでありまして、今後ともこの趣旨を踏まえまして関係省庁と話を続けさせていただきたいと思います。
#152
○富樫練三君 済みません。いつから出しているんですか、そういうのは。各省庁に。
#153
○政府参考人(林省吾君) 私ども、近年ずっとこの申入れを続けさせていただいているわけでございますが、この趣旨の申入れは昭和四十七年度から行わせていただいているところでございます。
#154
○富樫練三君 最後になりますけれども、昭和四十七年度からそういう申入れを、この問題解決しようということで要請をしていると。四十七年というと一九七二年でありますから、ちょうど三十年前からですよ。三十年も前から総務省は各省庁に対して、この分担金の問題について、負担金の問題について解決してもらいたいと、こういうふうにやってもいまだに解決をしていないというのが実態なんですね。
 私は、やっぱりこの直轄事業を一番多くやっている国土交通省でありますから、国土交通大臣がまず決断をして、こういうものについては直ちに解決をするんだと。内閣が方針を出しても、大臣がそこで決断をしないために、それがずっと延々と三十年間もつながっているなんということは通常じゃ考えられないですよ。大臣がこの問題についてきちんと解決する、そういう意思があるのかどうか、最後に伺って質問を終わります。
#155
○国務大臣(扇千景君) 私は富樫議員の御質問がとても勉強になりますし、また私たちの真摯に積算をしている努力というもの、でなければ私どもの公共工事の予算というものを、少なくとも私は、全国の四十七都道府県に及ぶことですから、今日はたまたま埼玉のお話だけなさいましたけれども、今も私みんなに聞いたんですけれども、これ全国同じでしょうと、埼玉だけ特別隠したわけじゃないでしょうと私今言いましたら、全国同じでございますと。当然そうであるべきで、私は、国土交通省として少なくとも積算というものは一番大事な基でございますから、公共工事をするときに国土交通省が一般の人方に公共工事の入札のときに積算大事にしろ大事にしろと言って、そして我が身が地方に積算いい加減にするなんて、そんなことできません。
 ですから、私は、今日、富樫議員におっしゃっていただいたことは、我が省にとっても大変、みんな聞いて、幹部聞いていますから、今日ここへ来ていますから、ですから私はそういう意味で、国土交通省が、今総務省のおっしゃったようなことを私自身が止めているわけでもありませんし、私はアカウンタビリティーをしろという方でございますから、叱咤激励しておりますので、私はそういう意味では、ただ国会の議論が、予算委員会で御議論が、予算、国会軽視にならないようにするということと、それから積算を予算が通るまで公表しないということの相関性はどうあるべきかということも私は是非今後も検討したいと思いますし、積算が私たちはなお重要である、また重視しなければいけないということは百も承知でございますので、御要望にこたえ得るように、今後この総額を、積算を予算提出までに地方に渡したときに国会軽視だとおっしゃらないようにしていただければ、私たちは努力していきたいと思っています。
#156
○富樫練三君 終わります。
#157
○大江康弘君 国連の大江康弘でございます。よろしくお願いします。
 今朝ほど来からそれぞれ先生方貴重な意見の開陳をされておられまして、大変勉強になりました。この法案は、先般、本会議で大臣に大変丁寧な答弁をいただいて恐縮を実はしております。あのビデオを地元に持って帰って見せたら、御婦人方が扇大臣ってあんなに大江さんに丁寧に答弁してくれるのと言うから、僕にだけしてくれるんやと、そういうふうに言いましたら、扇大臣ってすてきねと。扇大臣も良かったし、私も良かったし、お互い良かったかなという、そういう意味では大体の概略を本当に貴重な時間で答弁をいただいたわけですけれども、実はちょっとこの今回の法案にも関係しますし、やっぱりこの社会資本整備をきちっとやっている、イコールこれは危機管理をどう併せ持ってやっていくかということも私は考えなければならないことだと思います。
 昨日、国交省の方からイラクの戦争が始まってからの国交省の対応についていただきました。特に、国内のテロ対策についても陸海空の中でされておられますけれども、私はちょっと残念に思うのは、この三月に入ってから三件大きなことがあったんですね。先般も田村先生からありました例のNECの関連するコンピューターの航空管制システム障害の問題。それから、先般は森本先生も、実は北澤先生も、徹夜国会といいますか、次の日に、二十一日だったですかね、二十一日に全日空が同じく、それぞれ先生方も大変迷惑されまして、全日空のコンピューターのシステム障害がありました。それと、びっくりしたのは、ハワイへ行って、どうやって行ったのか、今これ、その後解明がどうされたか分かりませんけれども、国外退去で何か戻ってきたというか、もう本当にこんなことでこれ大丈夫なのかと。人為ミスな部分が、私は今回三つが三つそうであったんじゃないかなと。このわずか一か月ない間にこんな大きなことが三件も起こったということ。
 そして、今イラク戦争が勃発中で、政府もやはり日本の国内でテロの可能性もあるということも言われておるわけですから、私はそういう中で、今ある国交省が管轄する、管理するこの国内の空港の方も見ましても、結局、成田はあれ十一時までですよね、飛べるのが。そして、これ羽田は何時……(「二十四時間」と呼ぶ者あり)羽田は二十四時間じゃないでしょう。関空だけでしょう。関空だけ二十四時間ですよね。そういうことから考えたら、私はまだ空の部分で考えたら日本は半鎖国状態じゃないかなと。これだけ開かれた時代にあっても、これ、空からはこれは関空だけしか乗り降りできない。これ、もし飛行機が何かあったときにこれ離発着をどうするのか、これはもうそのときはそのときだからということには私はならないと思うんです。
 ですから、そういうことを本当に考えていったら、社会資本の整備はいいけれども、それであわせもってやっぱり求められる危機管理が結局並行してついていっておらないという、非常にこう私は不安を覚える一人であります。それだけに、こういうことに関してこれからどう法案を整備をしていくのか。私は、やっぱり日本民族というか、やはり我々日本人というのは何か事がなかったらなかなか進めていかぬわけです。これがもう大義になっていかぬのです。
 私は、そういう意味では、大臣、もう一つ評価をさせていただきたいのは、あの不審船のときに絶対揚げるんだと。やはりいろんな私は声があったと思うんですけれども、大臣のあの強い意思がやっぱり今日のそういう大きく前進をさせたということは、私は政治家として大変評価をさせていただいております。こういう立派な政治家がもう少しうちの党首のそばに付いていてくれたらなと、そんなことを時々思ったりするんですけれども、それはそれとしまして。
 いずれにしても、私はやはりこの今の時期に本当にこれだけ、後ほどちょっと細部にわたって質問しますけれども、九本を一本にしてという、これは私は評価をする一人でありますけれども、これだけの大きなことを法案として国民に提示をしてやっていくんだということの、やっぱり私は表裏の関係の中でこの危機管理をどうするかということをちょっと大臣に聞かせていただきます。
#158
○国務大臣(扇千景君) 大江議員に、重要法案、長期計画を一本にするのもいいけれども、今の現実の日本の政治的な、あるいは国土交通行政の中で陸海空の行政をどうするのかと、安全はできているのかと言われることに対しては、本当に私は申し訳ないといいますか、人災といいますか、一月に納入されたプログラムのソフトの切替えを、先日の事故が起こりまして全部飛行機の管制区域が止まってしまうまで、国土交通省自身の中にも、言ってみれば、大げさな言い方しますと、欠陥品を納入されて、その欠陥品を気が付かないという国土交通省も国土交通省だということで、全幹部を集め、全国の管制官を集めて、私は何としても、たるんでいるのかたるんでいないのか、あるいは欠陥品を納入されて、それを見付ける技術がないのかあるのか、そこまで、私は緊急会議を開いて、全国からの管制官に集まってもらいましたけれども、ただただこれは申し訳ないということで、我が省でその技術はちゃんとあるんだということであれば、私は、欠陥品を納入されて気が付かない、相手を信頼するにもほどがあるということで、厳戒態勢をしきました。これは申し訳ないと思います。
 それから、最後におっしゃいました、ホノルルまで行って帰ってきた、チケットもなく、あるいは入管の、しかも期限切れのパスポート。これ大体ルートが分かりました、分かり掛けました。ただ、同じルートを使われては困るので、今公表できません。
 ただ、私は、このイラクの問題で今、一昨年の九月十一日、九・一一以来、陸海空できちんと、陸は陸、空は空、海は海ということでシミュレーションを作りました。それを実施しております。そういう意味では、今おっしゃったように、今回はその厳重な態勢に加えて、プラスアルファ、貨物が大変手薄であると。貨物、貨物専用、この出入口が手抜きがあったのではないかということで、これも、三月の十七日だったと思いますけれども、厳戒態勢を取るように申し入れました。
 そのように、現段階ではまだまだ、完璧ということはあり得ません。人間のすることですから、念には念を入れて、完璧に近い体制、現体制ではこれ以上できないという体制を取っております。
 それから、もう一点だけ言わせていただきますと、関空が二十四時間とおっしゃいましたけれども、今、成田が十一時まで、そしてその後は羽田が十一時から朝の八時まで、週七十便チャーター便を羽田から飛ばしています。ですから、羽田では、体制があるんですけれども、一般機の離発着をしていません。チャーター便だけです。
 それで、私は、関空並みに成田と羽田、両方で二十四時間体制を取りたいということで、さっき申しました、今日も夜、四知事さんと二市長さん集まって、羽田の四本目の滑走路を国際線も離発着できるような四本目の滑走路にしなければいけないというので、環境問題を皆さんに御理解いただくために、千葉、埼玉、神奈川、東京とお集まりいただくということでございますので、私は、今おっしゃいましたように、少なくとも我々は、二十一世紀型の陸海空にしなければいけないということが国土交通省の今までの大きな課題でございます。
 羽田の国際線なんていうことは口にもできない時代が続きました。けれども、今こうして国際的に私たちは何としてもやろうということを、努力をしていただく知事さんたちあるいは市長さんの御協力をいただいて、関空並みにさせていただきたい。まず、安全と安心のためには、危ないときにはどこにでも着陸できるということがなければできませんので、努力している最中でございます。
#159
○大江康弘君 ひとつ時期を逸しないようによろしくお願い申し上げたいと思います。
 それともう一つ、この危機管理の面で、万景峰号の問題ですが、私は、本来ならば、もうこのイラク戦争が起こって、アメリカがやっぱりテロ支援国家だという三つ目の悪の枢軸国の中に入れられておるこの北朝鮮というものに対して、我が日本はまだ自由港、国際の海洋のあれで船を入れておるわけですね。
 実は去年、これは恐らく一昨年の九・一一のテロの関係でアメリカの強い働き掛けがあったんだと思いますけれども、国際海事機関、IMOでいわゆる改正の海上人命安全条約、SOLASという条約、それと船舶、港湾の国際保安、ISPSコードと言うそうでありますけれども、これがいわゆる採択をされたと。これが二〇〇四年の七月一日から発効されるということで、各国は今度は国内法の整備に入ったということでありますけれども、私は、こういう時期にやはりこういうこともしっかりと対応してやってもらいたいと思うし、いまだに年間に千隻ほどこの北朝鮮籍が入ってきておるということでありますけれども、この新潟港というものの位置付けというのは、なぜこれ入港できるのか、なぜ禁止にできないのかということをちょっと教えていただけますか。
#160
○国務大臣(扇千景君) 今、大江議員がおっしゃったように、私も同じ疑問を持ちまして、今までの万景峰が新潟港に入港しておりますのが平成十一年で二十五回、そして平成十二年で二十四回、十三年で二十一回、そして十四年で二十一回と、これだけ入港しているんです。
 それで、昨年の十二月の閣僚懇で、私が、十二月の六日でございましたか、閣僚懇で、万景峰が入ったときに、各省庁これ共管でございますので、どういう体制を取っているのかと言いましたら、万景峰の乗り降りは、荷物は自己申告なんだそうです。私はこれだけの荷物を持ちますよという紙を渡せば、ああ、そうですかと見ているんですって。それで、何の検査も、あるいは船内の立入りもやっていないと。だから、法務省も外務省も農林水産省も国土交通省も、CIQと同じ、飛行場の検査と同じような体制を取るべきであるということで厳戒態勢を取りまして、一月にまた入ってまいりましたときには、これを厳戒態勢を取るということを私はお願いしましたけれども、国際的には一度開港したものを理由なしに拒否するということはできないという、これは法律ができ上がっています、国際的に。
 私は、十二月にこれを止められないのかと。こういう疑義がある、あるいは朝鮮総連というものが、日本の総連が、入国拒否した、ビザを発給しなかった人が万景峰に乗ってきて新潟へ来て、そして日本の朝鮮総連の人を船に呼び込んで会議をする、拉致の問題に対しても会議するということは阻止できないのかということで問題にしたわけでございますけれども、そのように、一方では開港したもの、少なくとも、現在のところですけれども、開港してそれを拒否するには拒否する国際的な理由を明記しなければならないということで、現在のところ、万景峰の今までの回数を阻止していないというのが現状ですけれども、今、あらゆる省庁と連携をして、これを拒否する方策を考えております。
 それから、もう一点付け加えさせていただきますと、日本じゅうの海岸に今十二隻放置船籍があります。これも北朝鮮籍のものがたくさんございますので、これも保険に入っていない船は入港拒否できるかできないか、これも論議の最中でございますので、万全を期していきたいと思っています。
#161
○大江康弘君 今の大臣の答弁でおおむねいいんですけれども、結局、こういう危機に対してだれがその脅威を第一義的に認定するか、海事局なのか海上保安庁なのかということもやっぱりあると思いますし、そういう外からの脅威ですし、今、大臣から御答弁いただいたことも含めて鷲頭統括官にちょっとお尋ねをしたいんですけれども、結局、二〇〇四年の七月一日にこれ発効するわけですけれども、今どういう手順でどういう進み具合かということだけちょっと教えていただきたいと思います。
#162
○政府参考人(鷲頭誠君) お答えいたします。
 先ほど先生から御指摘がございました国際海事機関のSOLAS条約の改正でございますが、この条約、先ほど先生からもお話がありましたとおり、テロに対してこの船は安全であるという証明書を旗国が発行いたします。日本籍船であれば日本政府が発行いたします。それから、日本の安全な港を出たんだという証明をやはりその沿岸国政府がいたします。横浜から出れば日本政府がいたします。その二つの要件を満たして、両方を、ちゃんと安全ですよというものを持ってアメリカに行ったときに、アメリカはそれをもって入れます、そういうものがないと入れませんと。かつ、いかにもテロだというような急迫の危機があった場合には、入らない、入港拒否をすることができるというような趣旨の条約でございまして、これは、今御指摘ございましたとおり、海事局、海上保安庁、港もございますので港湾局、国土交通省の中では大変、海事関係の各局にわたるものでございますから、一応タコ部屋と称しておりますが、プロジェクトチームを省内に作りまして、この夏までにまとめるように鋭意検討をしておるところでございます。
#163
○大江康弘君 脅威に対してゆでダコにされないようにひとつ頑張っていただきたいと思います。
 鷲頭統括官、もう結構でございます。一応、危機管理はこれで終わらせていただきたいと思います。
 次に、この法案の、大臣にも本会議で質問申し上げましたが、やはりこれだけの計画を進めていくその中で、今、公共事業が大変な批判をいただいておる。私は、先般、委員長にお供をして視察に連れていっていただいて見たときに、全国各地でこういうことをどんどんやっておるという、こういうのを見せていただいたときに、無駄な公共事業というのは一体だれが決めるのかなと。なかなかその地域に関係のない人がそれは無駄な公共事業なんてことは、これはやっぱり口が裂けても言えないなという。
 ですから、無駄な公共事業の定義というのが非常に私も自分なりに実は分からなくなって葛藤するようになったんですけれども、しかし、いずれにしても、やっぱりこれだけスリム化が求められて、いろいろ公共事業というものが起こすいろんな不信、国民に与える不信感というものを考えたときに、やっぱり我々は今ここでしっかりと見直さなければいけないのではないかなと。それは、いつも言いますように、やっぱり国が公と私のあるべき姿、あるべきお互いの立場をしっかりと説明をしてこなかったから、前にも言いましたけれども、官と民との対立軸にすり替えられて何かおかしくなってきたと。
 先般、佐藤道路局長が北澤先生の質問に対して、私はもっと突っ込んで必要なんだということをなぜ強く言えないのかと。私はやっぱりそういうところにちょっと残念な思いをするわけですけれども。
 今日実はPFIのことも含めて財務省の方から来ていただいておりますけれども、牧野次長に。ちょっとお忙しいようなので先に聞かせていただきたいと思いますけれども、やはり私はいつも思うのは、これだけの公共事業の見直しの中でまず見直さなければいけないのは、建設単価が非常にちょっと私は適当でないんじゃないかと。
 ただ、やはり先ほどもいろいろ議論ありましたけれども、損して、悪かろう安かろうでも、これもいけないという、いわゆるどれだけ業者がその仕事を受注をして、あるいはもうけた分をどれだけ地域に還元させるかという一つの幅はやっぱり持ってやらないかぬと思うんですけれども、いずれにしても、やはりこの建設単価をどう見直していくか。
 公共事業を通じて不正なお金が国会議員の秘書に何千万も渡っていくというようなことが、こういうことがいつまでも私は認められないと思うし、私は、先般、片山大臣に申し上げたのは、やっぱり公共事業の発注の指名権を持っておる各県だとか市町村の首長がいまだに土木業者、いわゆるそういう受注業者から名前を変えて、いわゆる個人名だったら献金を受けられるんですね。こんなことは実は本当はもう自浄作用を働かせて、自制をして要らないということを言わないかぬのですけれども、大概、改革知事だと言われている知事の実は私は去年の政治資金を見てみたら、大体名前、個人名になっておって献金を受けておる。百万、百五十万というような献金を受けて、業者から個人献金を受けておるという。片一方でそういうことをしておって、片一方で改革なんというのは、これどこが通るんだろうなということも思うわけですけれども。
 いずれにしても、そういう一つの公共事業の見直しの中で、私は、財務省がこれからやっぱり各省庁に対していろいろ公共事業を進めていくその財源を措置する中で、もう少し僕は、PFIというものが何でイギリスで誕生してそれぞれの国で進んでいったかという、少し見てみますと、あるいは欧州が通貨統合するときの一つのいわゆる収れん基準を設けたと。それは、財政赤字はGDPの三%以下にしなさいよ、それと公的債務についてはGDPの六〇%以下に抑えなさいよと。
 今、日本のようにGDPの一四〇%近く赤字で、日本の場合はやっぱり債券は日本で、国債は日本で消化しておるから、ほとんど消化しておるから、何ぼでもロールオーバーでやっておったって安心なんだという、一方にはそういう意見もありますけれども、しかしこれは子や孫に借金を我々が作る話ですから、どこかで私はやはりそういうことを改めていく、ブレーキを掛けていくという、そういうことになれば、もう少し財源元である財務省が私はその部分で各それぞれの省庁に対して強くそういう一つの方向というか、あるべき公共事業の在り方というか、ということを示さないかぬと思うんですけれども、そこら辺りをひとつ牧野次長、ちょっとお聞かせください。
#164
○政府参考人(牧野治郎君) お答えをさせていただきます。
 ただいま先生のお話を伺っておりまして、極めてごもっともな御指摘だというように感じております。
 非常に厳しい財政事情でございますから、そういう単価を含めた効率性、有効性、これを追求していくということは、これはもう不可欠でございます。そういう立場から、我々も予算編成過程ではコストの削減に努めていただくように、これは国土交通省のみならず、農林省、その他関係省庁に常々お願いをしているところでございます。
 国土交通省におかれましては、一般競争入札を拡大されるとかあるいは総合評価落札方式を拡大するとか、いろいろ努力をされておりますし、それから公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律に基づいて透明性の確保とか公正な競争の促進とか、そういう各般の努力をされているというように承知しておりますが、こういったことは一義的には国土交通省の御努力でございますが、やはり予算編成過程で我々と国土交通省といろいろコストの削減等についてお話をしていることが、何がしかといいますか、それなりに反映されたものではないかと思っております。
 それから、PFIについてもっと活用すべきだというお話でございます。
 この点について、確かにPFIが思ったように進んでいない面はございます。そのために、今度、十五年度予算におきましては補助金の交付要綱、これを改正いたしましてPFIの対象事業を拡大するとか、そういうことを講じておりまして、これからPFI事業を積極的に推進していきたいというように考えております。
 こういったことを含めまして、今後とも、いろんな手法を活用して、先生がおっしゃられますような効率的で効果的な社会資本整備というものが進んでいくように、財政当局としても努力をしていきたいと考えております。
#165
○大江康弘君 牧野次長、どうもありがとうございました。もう結構でございます。どうもありがとうございました。
 そこで、国交省にちょっとどれだけの規模になるか、先ほど道路予算だけで三十八兆円というような、そんな話も出たんですけれども、全体の総事業費がなかなか見えてこないという中で財源をどうしていくか。これ、作っていくということもあるんですけれども、我々、やっぱり戦後いろんな社会資本ストックをしてまいりました。その中で、ちょっと調べてみますと、いわゆる社会資本の維持管理、補修費として一九八〇年度には三兆三千億、一九九〇年度は四兆一千億、それから二〇〇〇年度は十兆円、二〇一〇年には二十兆円強という、やはり社会資本のストックに対するいわゆる維持管理が掛かってくると言われておるという。片一方でこういうことを抱えながら、片一方でまた進めていくということになれば、これは財源もこれどうしていくのかなと。
 ただ私は、道路特定財源というのは、今朝ほどからもいろいろとありましたけれども、私は、やはり成熟した社会の中では受益者負担というのはこれは是とする一人であります。それだけに、限られた人から限られた金額をもらうんだから、言わば入口が小さいんですよね。しかし、今出口がだんだんだんだん広くなっていっているんです、これ。僕は、それだったら特定財源自体も見直さなければいけないし、暫定税率自体も見直さなければいけないし、これは僕はやはりきちっとした理屈だと思うんですけれども、どうもそうなっていないというところに非常に私はむしろ不信感を覚えるんですけれども、この道路特定財源というものに対して、ちょっと基本的な考えを聞かせていただけませんか。局長で結構です。
#166
○政府参考人(佐藤信秋君) 道路特定財源は、受益者負担の原則に基づきまして、自動車利用者に道路整備のための特別な負担をお願いしている、こういうことでございまして、現在本則の二倍以上の暫定税率をお願いしているところであるわけであります。
 先生御指摘の部分は、使途が、道路特定財源の使途がむやみに拡大されるのではないか、あるいはされてきているのではないか、これからも心配であると、こういう御指摘かと思います。そういう意味で、特定財源の使途につきましては、道路整備に密接に関連する環境対策事業、その他の政令で定める事業、こうした形で五十年ぶりに改正させていただいたわけでございますが、これにつきましてはDPF、酸化触媒の導入支援とETC車載器リース制度、こういうことで納税者に御理解いただける範囲、納得いただける範囲、こういうことでお願いしているところであるわけでございます。
 今後とも、何分、何よりも受益者負担、こういう原則を踏まえまして、納税者の御理解が得られる範囲で様々な検討を進めると、こういうことかと存じております。
#167
○大江康弘君 納税者は僕は理解していると思うんですよ。理解しているんですけれども、理解をしていないようにしていっているのが、私は、国交省であり、何かちょっと横やりを入れてきた私は総理の考え方、一般財源化させるということだから、そこで国民がこんがらかっているわけですよね。だから、しっかりと私はそれこそ説明責任を果たして理解を求めてという、まだまだやはり欧米と比べて、やはりGDPの二、三%で日本が抑えるというところまでは行っておらないわけですから、スタートが遅かったんですから、だから外国、いわゆる欧米の先進国の我々は二倍も三倍も国民に対しての説明責任が私は要ると思うんですよ。
 ですから、やはりそこら辺りは私は国交省としてはしっかりと、大臣がいつも言われるように、やはりグランドデザインの中でどうするかということをやっぱりもっと私は説明すべきであるというふうに思っておりますので、大臣、何かありましたら。
#168
○国務大臣(扇千景君) 説明が足りないとおっしゃられれば私の不徳の致すところでしょうけれども、私、なるべくそれを皆さん方に御理解いただくように、というのは、国の財政が厳しいから一般財源化するというとどこへ使われるか分からないんです。それこそ、今の医療費なのか教育費なのか、財務省の懐に入ってしまったらどこへ行くか分かりません。財務省、帰っちゃったか。これでは私は一生懸命払っていただいている、特定財源を納得しながらしてくださっているユーザーの皆さんに申し訳ないと。
 例えば、例を挙げますと、申し訳ないんですけれども、私なんかも、大臣も国会議員も歳費を返納しています。一年間トータルしますと、一人で二百万以上返納しているんです。これは一般財源で財務省に入っちゃって、どこへ使われているか何にも分からないんです。だから、これを例えばファンドにして、きちんとここへ使いますよと、困った子供のために使いますよとかというんなら納得できますけれども、それと同じことなんですね。
 ですから、私は、特定財源で納得して払ってくださっている人に納得できる範囲での利用が今必要ではないかと。二十一世紀型の道路の環境等々に私は配慮した使い方をしたいということを最大限に、私も今後努力してアナウンスするようにしたいと思います。
 それからもう一点、先ほど、申し訳ないけれども、PFIの話をなさいました。さっき答弁していましたけれども、私はPFIがどうしても広がっていない原因というのを是非明らかにしなければいけないと思っています。
 PFIというのは、私は、より、今の経済状況で、民間の皆さん方の活力とそして財力と経験をPFIによって公共工事も開かれて、PFI方式を取ろうと、これが原点です。ただ、原点ですけれども、PFIをするためには、今まで民間の皆さん方が公共工事に入札しようと思ったらどこへ行ったらいいんですか、窓口もたくさんある。ですから、例えば文科省、文部科学省と会計検査院のところであれば、これは文部科学省に行かなきゃいけない、会計検査院にも行かなければいけない、どこへ行ったらPFIに参加できるのか。
 しかも、学校を建てるときには文部科学省の営繕が何平方メートルの運動場と何がなきゃいけない、病院を建てるときには厚生労働省が病院にはこれだけのものが必要だという、それぞれの省に営繕がございます。そして、営繕が全部管理をしております。これを、少なくとも、土光臨調の最終答申で各省の営繕を一本化することと明記してあります。それが今日までいまだに実行できないというのが私はPFIが一般が参加できない大きな原因だと思いますので、少なくともPFIで、例えば国土交通省の営繕の規約、柱が何センチというのと民間と何センチか違うんです、基準が。ですから、これを全部一本の基準にしていただきました。それで、PFIに参加できるようにする、これが一つでございます。
 それから、窓口を一本化する。PFIの皆さん方の窓口を一本化することによって私は民間の皆さんに参加できるようにすると、そういうこともしておりますので、今までのPFIが営繕の縄張であるということ自体は、私は、是非大江議員にも運動していただいて、我々は、政府も頑張っておりますけれども、抵抗があるということも含めて、私たちはPFIにまず営繕を一本化することが大きな財政コストの低減にもなるというふうなことを申し上げたいと思います。
#169
○大江康弘君 私は、財務省に何も国交省の予算を削るべきだと、それをさせと言ったわけじゃありませんから、誤解のないようにしていただきたいんですけれども。
 結局、私は、せっかく出した公共事業を、経済の下支えをどうするかということが地域のためになっておらないんじゃないか。それはなぜか。やっぱり国民全体に公共事業の一つの、やはりいろんな不正の元が何か公共事業やというようなところがまだ払拭されておらないと。そんな中で、私はやっぱり地域であっては入札の在り方だとか、いわゆる受注の在り方だとかという本当に公共工事の出し方自体がいろいろとやっぱり地域に私は不信感を生んでおるんではないかなと。
 だから、結局、せっかく出しても、この公共事業が持つ乗数効果というものが、結局それが発揮されていかないという。だから、何のためにやっているのかなというのが私は今の現在の状況じゃないかなというふうに思うんですけれども、ちょっともう時間がないんで、それは、官房長ね、そこら辺り、もっと詳しくちょっと聞きたかったんですけれども、今日、時間がないんですけれども、そこらはどう思いますか、今。官房長でいいんですよね、答弁。
#170
○政府参考人(安富正文君) ちょっと質問の趣旨がもう一つ私自身が理解できなかったところがありますが。
 公共事業について、やはり公共事業が持っている、もちろん公益的ないろんな施設等について整備していくことによって地域経済を支えるという形、あるいはそれを実際に実施することによって建設事業あるいはそういう受注事業者も含めていろんな形でその地域の経済の活性化につながっていくということで、我々何も公共事業自体全体が悪いということではなくて、やはり無駄なものはなるべく抑制しながら、国と地方の役割分担を含めて、よくそこら辺を、先ほどからいろいろ議論ございますが、住民参加も含めてどういう公共事業をやっていったらいいのかということを主体的に決めていく。そして、その中でやはり本当に必要なものは、その費用対効果、そういうことを分析しながらやっていく必要があるんではないかと思っております。
 そのことによって、本来的な公共事業が地域経済への活性化ということにつながるようにどうしていったらいいかということを考えていくべきじゃないかと思っております。
#171
○大江康弘君 済みません、もうちょっと時間がなくて、私もはしょりはしょり質問したものですから、次回にきちっと質問させていただきます。
 それで、最後に、せっかく岩城政務官にちょっと答弁を御用意していただきましたので、ちょっと防災対策について、先般も大臣にお聞きしましたけれども、やはりこれは、これから東海・東南海・南海の地震、特に地震というものが非常に不安を感じておるわけですけれども、やはりそういうことも含めて、地方では地震防災対策特別措置法というんですか、五年計画でやっぱりそういうことを、計画を進めておりますけれども、国交省としてはやっぱりもう一つ突っ込んだ中でどういうことをしていくのかということを、ちょっと政務官、聞かせてください。
#172
○大臣政務官(岩城光英君) おただしの中で、例えば公共施設の耐震性、こういった観点から、国交省の取組についてお話をさせていただきたいと存じます。
 基本的には、阪神・淡路大震災、あの程度の規模の地震に対して安全性が確保されると、こういう考え方の下、それぞれの施設の特性等に応じて対策を講じようとしております。
 具体的に幾つか申し上げます。
 まず、道路とか鉄道等の耐震基準でありますが、これはさきの阪神・淡路大震災の教訓を踏まえまして、大規模な内陸直下型地震にも対応したものに強化をしております。新設される施設はこの基準で整備しておりますが、既存の施設につきましては平成七年度より耐震の補強を進めております。
 そこで、鉄道については、平成十三年度末で新幹線についてはすべて完了しております。また、在来線も施工可能な箇所はすべて完了を見ているのが現状であります。
 次に、高速道路ですけれども、これは早急に耐震補強が必要な橋梁のうち、約八割について平成十四年度末に完了する見込みとなっております。
 それから、ダムについてでありますが、ダムにつきましては、平成七年二月に設置されましたダムの耐震性に関する評価委員会、ここにおきまして現行の耐震設計基準で設計されたダムの耐震性を調査してみました。その結果、諸設計基準が阪神・淡路大震災と同規模の地震に対しても耐震性を十分に有していることを確認しております。
 次に、港湾施設のうち、特に重要な施設につきましては、大規模な地震にありましても速やかな機能の回復が可能であり、施設が所期の機能を保持する程度の耐震性を有することを基準としております。例えば、経済活動を維持するための国際海上コンテナターミナルにつきましては、全体の三割がこの基準を満たすことを目標として、現在整備を進めております。
 このほか、建築物についてでありますけれども、昭和五十六年に導入されました新しい耐震基準以前の建築物について、特に耐震改修促進法に基づく改修計画の認定、耐震性の診断、さらに改修費用などを助成する制度などにより建築物の耐震性の向上を図っております。
 これらの取組を通しまして、国土交通省としましてもその役割を果たしていきたいと、このように考えております。
#173
○大江康弘君 ありがとうございました。
#174
○委員長(藤井俊男君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#175
○委員長(藤井俊男君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会資本整備重点計画法案及び社会資本整備重点計画法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の審査のため、来る二十七日午前十時に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#176
○委員長(藤井俊男君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#177
○委員長(藤井俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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