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2003/04/22 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 国土交通委員会 第8号
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2003/04/22 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 国土交通委員会 第8号

#1
第156回国会 国土交通委員会 第8号
平成十五年四月二十二日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤井 俊男君
    理 事
                鈴木 政二君
                脇  雅史君
                山下八洲夫君
                森本 晃司君
                大江 康弘君
    委 員
                岩城 光英君
                木村  仁君
                沓掛 哲男君
                斉藤 滋宣君
                田村 公平君
                鶴保 庸介君
                野上浩太郎君
                松谷蒼一郎君
                吉田 博美君
                吉村剛太郎君
                池口 修次君
                北澤 俊美君
                佐藤 雄平君
                谷林 正昭君
                続  訓弘君
                大沢 辰美君
                富樫 練三君
   国務大臣
       国土交通大臣   扇  千景君
   副大臣
       総務副大臣    若松 謙維君
       国土交通副大臣  中馬 弘毅君
       国土交通副大臣  吉村剛太郎君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       岩城 光英君
       国土交通大臣政
       務官       鶴保 庸介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       警察庁交通局長  属  憲夫君
       総務省自治財政
       局長       林  省吾君
       国土交通省道路
       局長       佐藤 信秋君
       環境省総合環境
       政策局長     炭谷  茂君
   参考人
       日本道路公団理
       事        奥山 裕司君
       本州四国連絡橋
       公団総裁     藤川 寛之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○本州四国連絡橋公団の債務の負担の軽減を図る
 ために平成十五年度において緊急に講ずべき特
 別措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付
 )
○高速自動車国道法及び沖縄振興特別措置法の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(藤井俊男君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 本州四国連絡橋公団の債務の負担の軽減を図るために平成十五年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案及び高速自動車国道法及び沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に警察庁交通局長属憲夫君、総務省自治財政局長林省吾君、国土交通省道路局長佐藤信秋君及び環境省総合環境政策局長炭谷茂君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(藤井俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(藤井俊男君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 本州四国連絡橋公団の債務の負担の軽減を図るために平成十五年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案及び高速自動車国道法及び沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本道路公団理事奥山裕司君及び本州四国連絡橋公団総裁藤川寛之君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(藤井俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(藤井俊男君) 本州四国連絡橋公団の債務の負担の軽減を図るために平成十五年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案及び高速自動車国道法及び沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○沓掛哲男君 皆様、おはようございます。自由民主党の沓掛でございます。今日はよろしくお願いいたします。
 最初に、現行の高速道路計画の策定に深くかかわったと申しますか、私、当時建設省の道路局長だったんですが、その背景と経緯について述べながら質問したいというふうに思います。
 第九次道路整備五か年計画は昭和五十八年に策定されました。その前年から準備を進めましたが、当時の高速道路計画は昭和四十一年に国土開発幹線自動車道建設法に基づき総延長七千六百キロとして法定されており、既供用は四千キロ近くございました。しかし、二十年近く経過しており、自動車専用道路の需要が大変強く、この七千六百キロ以外にも各地で計画され、建設が始められておりました。
 例えば、北大道路と呼ばれたのは、北九州市と大分市を自動車専用道路で結ぼうとしましたが、それは直轄の自動車専用道路や日本道路公団の一般有料道路あるいは地方道路公社等を事業主体とするものでありました。事業主体が異なりますので規格も異なり、それぞれの事業主体が料金徴収等、自分に一番都合の良いように計画し、建設するものですから、木に竹を接いだような感じがいたしました。また、仙台市から石巻市にも同じように自動車専用道路が計画され、建設され始めてもおりました。
 そこで、我が国において必要とされ、かつ適切な自動車専用道路のネットはどのようなものであるかを検討し、その整備手法をこの第九次道路整備五か年計画で調査し決めることといたしました。そして、昭和六十二年に第四次全国総合計画で一万四千キロの高速自動車道路、すなわち自動車専用の幹線道路網を決めたのであります。
 そして、この一万四千キロメートルの高速道路の整備手法として、まず日本道路公団に現行の制度、仕組みを前提として、どの路線まで整備が可能かを検討してもらい、その結果として現在の一万一千五百二十キロメートルを高速自動車国道として日本道路公団が整備することとなりました。当時、本四架橋が工事中でございましたが、その延べ延長は百八十キロでございました。したがって、残りは、一万四千キロから高速自動車国道一万一千五百二十キロを引き、本四公団百八十キロを引きましたから、残り二千三百キロがございました。この二千三百キロは一般国道の自動車専用道路として直轄で施行することといたしました。
 その後、高速自動車国道一万一千五百二十キロメートルのうち、国道と並行する区間について国道自動車専用道路として整備し、これを高速道路の代替道路として使用したり、いわゆるA′方式と言われるものですが、また二千三百キロの直轄国道として整備するものについて一部有料道路制度を活用するなどの工夫がなされる等、全体として順調な整備がなされてきたというふうに思います。
 ここで三問、これに関連して質問したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず最初に、吉村副大臣にお願いしたいのですが、高速自動車国道としての法定予定路線一万一千五百二十キロの着実な整備、整備計画区間九千三百四十二キロメートルの早期整備は国の責任であると考えますが、御見解をいただきたいと思います。
#8
○副大臣(吉村剛太郎君) 既に政治的にも法律的にも決まっておりますこの整備九三四二といいますものは、私はやはり国の責任としてこれは責任を全うしていかなければならない距離であろうかと、このように思っております。
#9
○副大臣(中馬弘毅君) 副大臣が二人おりまして、担当は私の方になっているようでございますから、私の方の責任上、少しお答えをさせていただきますが。
 正に釈迦に説法でございまして、私が一々御説明するよりも沓掛先生の方がよほどお詳しいわけでございますが、方針といたしましてはっきり申し上げておきますが、道路というのは国家経営の一つの基本でございまして、国を造りあるいはまた国を広げた場合には必ず道路を造るのがこれは為政者の当然の義務でもあるわけでございます。それによって産業が興り、人の往来で文化が発展し、そうした基本でございまして、しかし逆にむやみやたらに造ってもということで、日本のこの広い国土、長い国土の中でどうしたらいいか、今、先生がおっしゃったように、一万一千五百二十キロというのがこうして法律的に決められたわけでございます。しかし、やはりそれに優先順位等もありますし、地域の実情もございますので、はっきりと計画を示しましたのがいわゆる九三四二と言われておる現在の計画でございますが、これを、今いろんな議論出ておりますけれども、やはり法律で決められた以上、行政機関の国土交通省といたしましてはこれを着実に進めていくことが私たちは基本だと思っております。
 しかし、費用対効果の問題もありますし、ただそのままを画一的にやればいいことということではなくて、やはり少し四車線が必要がなければ二車線でも、あるいはまた高速道路の入口等のああいった広いスペースがどうか、交通需要によってはもう少し簡易なものでもいいのではないか、そのような規格を見直しながらも、やはり決まったこれだけの基本的な、国の経営の基本でございますこの道路計画は着実に進めてまいりたいと、そのように考えております。
#10
○沓掛哲男君 両副大臣から本当に有り難いお言葉をいただきまして、本当にありがとうございました。
 では、次の質問に移りますが、事務局で答えていただければと思っております。
 高速道路の整備については採算性が強調され過ぎる嫌いがあると思います。高速道路の整備の必要性の第一の判断基準は整備効果ではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
#11
○政府参考人(佐藤信秋君) 先生御指摘のように、高速道路の整備の必要性を考える場合に、採算性をもって考えるという形ではないんではなかろうかと私どもも思っております。基本的には費用と効果がどれだけあるか、こういう観点が大事なことだと思いますし、計測、定量的に計測されることのなかなかできない外部効果もたくさんございます。そうした要因も加味しながら、総合的に必要性を考えるということが大事な問題だと思っております。
#12
○沓掛哲男君 次も事務局でお答えいただければと思いますが、今回の直轄方式で整備される予定の高速自動車国道はどのような基準で選ばれるのでしょうか。無料で供用されると思われるんですが、これまでの料金徴収が行われ今後とも料金が徴収が予定される路線と比較して不公平感がもたらされるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#13
○政府参考人(佐藤信秋君) 最初に、まず基準のお話でございます。
 新しい直轄方式で整備する路線区間につきましては、整備の必要性が高いものの料金収入によって管理費を賄えない路線など、新会社による整備、管理が難しいと見込まれる路線、区間が対象になる、こういうふうに考えております。個別の路線、区間につきましては、現行の整備計画九千三百四十二キロの中から、今後、整備効果や交通量の見通し、収支見通し等を精査して、関係地方公共団体の意見も聴取して、国土開発幹線自動車道建設会議の議を経て決定するという手順になります。
 なお、道路関係の四公団の民営化推進委員会におきまして、建設中路線を直轄で整備するのか、あるいは新会社で整備するのかについての建設中路線の取扱判断基準の案、これが中村委員より提案されております。この案によりますと、残事業費に対する費用対便益、それから採算性、さらに三つ目はそのほかの外部効果と、こういうことで、救急医療への、機関への到達時間とか、いろんな外部効果を総合的に評価すべきである、こういう御提案をいただいておるわけでございます。
 これにつきまして、具体の適用といいますか、運用につきましては更に詰めるべき部分が多いと、こういうことで、国土交通省におきまして道路事業全般に関する客観的な評価指標や総合評価の実施方針につきまして検討を行うために、学識経験者から成る道路事業評価手法検討委員会を一月に設置いたしました。中村委員にもお入りいただきまして、建設中路線の取扱判断基準の詳細につきましてもこの委員会の中でいろいろ御検討をいただいております。この基準を決定した上で個別事業区間に適用する、こういう手順になろうかと思っております。
 それからもう一つ、無料で、新しい直轄で行われるものは無料で供用されるのではないかと、これまでの料金取られているという区間と不公平感というような問題が出ないかと、こういう御議論がありました。
 新しい直轄方式によりまして整備される路線、区間は、先ほど申し上げましたように、借入金によらずに、国費、地方費によって整備、管理を行う、こういうことでございますので、基本的には無料というふうに考えております。一方で、有料道路方式によって整備される路線、区間につきましては、借入金により整備しまして、料金収入で管理費を賄いつつ償還を行う、こういうことで利用者に料金負担をいただくということであるわけであります。
 二つ問題があろうかと思います。借入金で建設を行う、この場合には採算上の制約はありますが、予算上の制約という問題がやや薄い、したがいまして重点投資が可能と、こういうメリットがあろうかと思います。一方で、新たな直轄方式におきましては、一般の道路事業の中で事業費を確保する、こういう問題でもございますので、状況によって予算的な制約が生ずることがあり得る。こういう形でメリット、デメリットというものが存在しようかと思います。
 また、利用者にとっての負担、こういう面から申し上げますと、結局、交通量が多く便益が、総便益が大きいという路線、区間につきましてはやはりある程度の御負担をいただくということも、その全体の便益の中からいただくという形でありますので、合理性を持つという考え方もあろうかと思います。いずれにしましても、地元の関係公共団体とよく相談もしながら適切に決めてまいりたい、提案をしてまいりたいと、こんなふうに思っております。
#14
○沓掛哲男君 じゃ、またしっかりやっていただきたいと思います。
 次に、今回提案されている二法案は、いずれも道路関係四公団民営化推進委員会の平成十四年十二月六日に出されました意見書にかかわるものでありますので、民営委員会における審議状況と、その意見書の内容について一考し、質問したいと思います。
 まず、審議についてですが、今井委員長の各委員の意見が集約できない事項については両論を併記するという指示に、松田、猪瀬両委員が多数決で決着することを主張し、さらに松田委員等が委員長の辞任を要求するという暴挙を行い、結果的に今井委員長は辞任することになります。同時に、メンバー中ただ一人の道路についての学識経験者である中村教授も実質辞任されております。猪瀬、松田両委員は、残った五人で自分の我を通した意見書を策定し、提出したものであります。
 テレビで猪瀬氏は、今井さんとはほとんど意見は一致しており、わずかな差だけだったと言っていました。許し難き暴言です。今井さんともあろう方が、新日鉄の社長、会長をなされ、そして経団連の会長もされた方が、責任ある委員長の職をささいなことで放棄したのでは決してありません。次の重要な課題で意見が一致しなかったからです。四つあります。
 一つは、新会社による道路資産の買収、保有をどうするか。これは私的財にするかどうかという大変重要な課題です。二番目、新会社による今後の道路建設における既存のネットワークからの料金収入の一部活用、プール制をどのように存続させるかさせないかという重大な問題です。三番目、新会社が支払うべき貸付料の具体的な設定方式。上下分離にしたとき出てくる本当に難しい問題です。四番目、料金の総額一割引下げ。この四点で意見が一致しなかったのであります。
 今井委員長が辞められたのは、松田、猪瀬両氏の余りにもの暴挙によるものであり、今後の日本における国民生活や経済産業の基盤としての高速道路の行く末を案じつつ、断腸の思いで去られたのだと思います。
 また、七人の委員のうち、ただ一人高速道路について豊かな経験と学識をお持ちの中村教授も実質委員をお辞めになりましたが、その際、意見書を提出しておられます。その中で、実現可能な改革案の作成よりも、現行体制の打破のみを旨とするこれらの意見とは到底相入れるものではない。実現不可能な矛盾に満ちた案を多数決により決し、これを最終報告とすることに同意することは到底できないと述べておられます。
 さて、では、こういう意見が一致しなかったときどうするのかということについては、平成十一年四月二十七日付けの中央省庁等推進本部決定がございます。この推進本部長は総理大臣でございまして、全閣僚がメンバーになっております。そこでこのように決定しております。「審議を尽くした上でなお委員の間において見解の分かれる事項については、全委員の一致した結論をあえて得る必要はなく、例えば複数の意見を並記するなど、審議の結果として委員の多様な意見が反映された答申とする。」と決定しております。委員会は決定機関ではないのですから、当然だと思います。これは審議会ということですけれども、同様な委員会についても同じようなことが行われてしかるべきだったというふうに思います。
 次に、その意見書の内容についてで何点か申し上げたいと思います。
 一つは、四公団の上下分離案、すなわち新会社と保有・債務返済機構に二大別する案については、これによって道路本体の固定資産税が払わなくてもよくなるのであればその意義があると思いますが、非課税とならないのならば、上下分離は新会社が支払うべき賃貸料をいかに設定するか、今出てきた問題ですね、また道路管理全体の責任の不明確性、事故が起きた場合どちらがどうするのか、その他運営上の非効率などから問題があるというふうにも思います。国鉄とは違います。国鉄の分割の際は、もう自分で償還できない膨大な不良債務、二十五兆五千億円ですね、そういうものがあって、これを分離した、これを分離するために清算事業団等を作ったのであります。今回の場合、本四公団の債務の一部を除けば現行の料金体系等で十分償還可能なのですから、そのための分割は、いろいろ必要があるかどうかは十分検討しなければならないと思います。
 そこで、総務省にお尋ねしたいのですが、日本道路公団を、道路資産を保有、償還する機構と、機構から道路をリースしてその利用者から料金を取る民間会社に分割した場合、一定期間のみ有料のとき、あるいは永久有料のときで、それぞれ道路本体への固定資産税はどうなるのかについて見解をいただければと思います。
#15
○副大臣(若松謙維君) 道路に対する固定資産税の取扱いのお尋ねでございますが、まず公共の用に供する道路、これにつきましては非課税措置が講じられております。
 それでは、公共の用に供する道路とはどういうものかということでございますが、固定資産の所有者において、何らの制約を設けず広く不特定多数人の利用に供するものをいうと、このように定義されております。
 そこで、道路関係四公団が所有する有料道路に対する固定資産税につきましては、料金徴収の期間が定められておりまして、そのために、その期間が過ぎれば当然に無料になるものであると、このように解釈されておりまして、特に箱根ターンパイク等のいわゆる民間の有料道路、これとは取扱いを異にしておりまして、従来から公共の用に供する道路として非課税としているところでございます。
 この四公団につきまして、仮に永久有料とされた場合、現在、公共の用に供する道路として非課税と解している前提が当然異なってくるわけでございまして、また現行法によりますと、固定資産を有料で借り受けた者に対しまして、これを公共の用に供する道路として使用する場合には所有者に対して課税を行っております。
 結論といたしましては、道路関係四公団の民営化後の有料道路に対する固定資産税の取扱いにつきまして、民営化後の組織がどのようになるのか、当然新たな組織形態、料金徴収の考え方、また市町村からの受益と負担等のいろいろな議論点がございまして、今後これは引き続きその議論も踏まえて検討しなければいけないと、そのようにこちらは理解しております。
#16
○沓掛哲男君 国土交通省とひとつ総務省で十分御検討いただきたいんですが、イタリアの場合の、後ほど、アウトストラーデ、私、訪問してきましたので、説明いたしますけれども、総務省副大臣、これで、一問だけなものですから。
 イタリアのアウトストラーデ社は、これはもちろんコンセッションを得ていますから、一定期間たてば国へ返すという前提ではありますけれども、固定資産税は課税されていません、全額株式は民営化されていますけれども。しかし、法人税は掛かっておりました。その辺、またいろいろ国土交通省、総務省でひとつこれの案が成り立つようにまた御検討もいただきたいと思います。
 若松副大臣、これ一問でございますので、ありがとうございました。
 次に、この民営委員会の内容について引き続いてですが、新会社は発足後十年を目途に機構の所有する道路資産を買い取る。このとき、機構は解散する、新会社は株式を速やかに上場するとしていますが、このことは高速道路を新会社の所有物、すなわち私的財として永久有料とすることを意味していると思います。国家の幹線高速道路を私的財としたり永久有料にしている国はどこにもありません。イタリア、フランスで高速道路の一部を民間会社で建設、管理している例もありますが、いずれも一定期間国からコンセッション、特許ですね、日本でいえば特許を得て運営するものであります。国民生活や産業経済の基盤である高速道路を利潤を上げるため、もうけ仕事の手段としての私的財とするべきではないと思いますが、時間の関係で次にまた、この質問したかったんですけれども、ちょっと時間が足りませんので次へ移ります。
 三番目の私はこの問題の内容として、日本道路公団を三分割することについて、国鉄の民営化の際の分割が頭にあるのでしょうが、あのとき国鉄の職員は約四十万人おりましたし、組合団体も幾つもあり、全国的にコントロールすることができない状態でしたから、適正規模に分割する必要がありました。道路公団の現職員はまだ九千人にも満たない人数で、全国的にも統一された運営が図られております。
 分割すれば役員と管理部門の職員が増えます。我が国は公的部門でも民間部門でも管理部門の人数が国際的に見て大変多いんですが、更にそれを増やして非効率とすることはないのではないかと思います。競争原理を働かせるとのことですが、並列する路線間では競争原理が働きますが、九州の高速道路と関東の高速道路間では競争原理は働きません。高速道路はそれぞれの地域で独占的に使用されるからです。地域分割は将来の課題とすべきではないでしょうか。分割したら元には戻らないですよということ。
 それから、次の四番目にも、内容についての意見ですが、民営化した後、建設中の高速道路約二千キロメートルや新規の高速道路の建設については、新会社が自社の経営状況、投資採算等を勘案して自主的に決定するとしており、特に建設中の道路施設については、新会社が残事業を実施するものを機構は承継し、その他は国等に譲渡するとしております。
 新会社の経営陣が自分のことだけ考えれば、今後の建設は一切やめて、料金徴収と穴ぼこを埋め、一部サービスエリア等の仕事でしょうね、そういうものを行い、料金収入を役員報酬や配当の引上げ、職員給与の増額等に回せば、こんなよいもうけ仕事はないと思います。新会社には、建設中であれ新規であれ、高速道路建設へのインセンティブは起こりません。公共事業は、そろばんでやらない、やるを決めるものではありません。
 そこで、質問に移りたいんですが、新会社も国民共有の財産である高速道路事業に携わるのでありますから、高速道路の建設について全くの自主的判断だけでなく、一定の義務を課するなどインセンティブを与える必要があると思いますが、いかがでしょうか。事務局でお願いします。
#17
○政府参考人(佐藤信秋君) 高速自動車国道は、先生御指摘のように、広域的な連携などによりまして、地域の自立の促進であるとか地域社会の形成に不可欠な根幹的な施設でありまして、その着実な整備が、国が責任を持ってその整備を責任を持つ必要がある、こういうふうに認識しているところであります。
 今後の道路建設についてでございますが、先生御指摘の民営化推進委員会の意見書におきましても、新会社が自主的に決定することとしつつ、「新会社は、その設立目的に照らし、今後の高速道路の建設に関し相応の役割を果たすべきであり、本委員会としては、そうした点を配慮の上で新会社が設備投資の意思決定をすることを希望する。」、こういう記述がなされているところであります。
 したがいまして、通行料金は極めて公共性が高いものである、このことを考慮いたしますと、確実な債務返済を前提とした上で一定の余力も期待されておりますので、会社の自主性にも配慮しつつ、例えば渋滞解消、環境改善、高速道路ネットワークの早期の拡充などを通じて、国民や利用者に適切に還元されることが可能な仕組みが必要と考えております。
 このような考え方を踏まえながら、具体的な制度設計につきましては、昨年十二月の閣議決定に従いまして、委員会の意見を基本的に尊重するという方針の下で所要の検討を進めてまいりたいと思っております。
#18
○沓掛哲男君 その他、新会社が支払うべき賃貸料の具体的な設定方式や通行料金の在り方など、難問がたくさんありますが、時間の関係もありますので、次に移ります。
 私は、昨年九月にイタリアのローマにあるアウトストラーデ社の本社を訪ね、役員とこの有料道路事業関係のことについていろいろ懇談してきましたので、その内容を少しお話ししたいというふうに思います。
 アウトストラーデ社へ行ったのは、欧州で最大の有料道路事業をやっている株式会社であるからでもございます。アウトストラーデ社は、高速道路を有料道路として建設し、一定期間管理するコンセッション、特許を国から受けている会社です。特許を受けた高速道路の延長は、このアウトストラーデ社だけについていえば二千八百五十五キロメートルでございますが、既に全線完成して二千八百五十五キロメートルを供用いたしております。今後、自社で更に建設する予定はありません。短区間の高速道路を有料道路として建設するためにグループ会社六社を作っております。コンセッションのこのグループ会社六社の総延長は四百八十六キロで、既供用は二百六十キロです。
 アウトストラーデ社は、一九五〇年に、IRIという国家資金を民間会社に出す金ですね、昭和の初めにできたものですけれども、そこから一〇〇%の出資を受けて一九五〇年に設立されたものです。そして、一九九八年から株式を市場に上場し、二〇〇〇年、三年前に完全民営化し、二〇三八年まで料金を徴収し、その後高速道路を国に帰属させることになっております。
 そこで、経営内容ですが、アウトストラーデ社一社のはなくて、連結決算をしていますので、アウトストラーデ社グループとしてのものをもらいました。その内容をお話しいたしますと、道路本体には固定資産税は掛かっておりません。法人税はかなり、税引き前利益の約四四%ぐらい掛かっております。そして、料金収入は、年間で、日本円に直しますと約二千四百億円の料金収入がございます。債務の方は、株主資本は日本円に直して三千四百億円ほどです。それから、中長期の債務が千三百億円ぐらいです。したがって、返せなきゃ、日本でいえば道路公団等で償還しなきゃならぬものは、この株主資本三千四百億円と、それから中長期債務の千三百億円、合わせて四千七百億円ほどです。四千七百億円出せば、それで償還、一応終わるという、そういうシステムです。
 株式の所有は四千七百億円で、料金収入が二千四百億円あるわけですから、二年分の料金収入でもう有料道路にしておく必要はないんです。でも、なぜしておくかというと、彼らは国家の方針ですと。法人税もたっぷり入るし、維持管理費も要らないし、そういうことでいろいろやっているんだということで、もう有料道路としては終わってしまう状態になっているんです。
 さて、その株式の所有は、昨年九月、私が訪問したときは、ベネトン社が三〇%、銀行等の大企業は四〇%、中小企業が三〇%でしたが、その後外国企業、例えばフランスのバンシ等がアウトストラーデ社の株式公開買い付け、いわゆるTOBというのが大変はやっているんですけれども、株式を公開すると、それを買い付けて、そして会社を支配し、その事業を支配するという、そういうことに動きましたので、防衛的にベネトングループが株式五四%を追加取得し、現在ベネトングループで合計八四%の株式を保有しています。真偽は分かりませんが、イタリア政府が後ろからバックアップしたといううわさもあります。
 それは、ほかの会社にこのアウトストラーデを独占されて高速道路を外国の企業が独占するというのは、これはやっぱり陽気なイタリア人でも容易じゃないんだなと、そういうことではないかというふうに書いてある本もありますが、そこは分かりません。民営化に伴う株式公開は、外国資本による会社の、そして高速道路の支配の危険性をはらんでおります。
 これらのことから、完全民営化にはやっぱり次の二つのことが必要だなと思います。
 一つは、もう高速道路の基本的ネットが完成しており、業務として料金徴収と維持管理、すなわち穴ぼこ埋めですね、あるいはサービスエリアのサービス、そういうようなこと、又はこれに近い状態にあるということ。それから二番目、返済金は料金収入に比べて僅少となっていること、経営の安定性が担保されていることが必要だというふうにも思います。
 そのほか、ベネトン社からの役員は日本道路公団の民営化に強い関心を示し、新会社に我々も参加することを検討したい、是非招待してほしいという要請もございました。それは、まだそういうことはよく分からないんだからということで帰ってきましたけれども、強い関心を持っておりました。
 また、民営化に当たって、そこで次にもう一つ是非お話ししたいことは、また民営化に当たって、一昨年倒産した英国のレールトラック社の例を肝に銘じておかなければならないなというふうにも思います。それは、英国で、九〇年代、国有鉄道の民営化のために、全国のレール、駅舎等、鉄道のインフラを所有するレールトラック社と、運行会社二十五、車両リース会社三とに分割されました。レールトラック社の株式は九六年五月にロンドン証券取引所に上場され、株価は高い利益と配当により急上昇し、分割・民営化の成果として評価されました。ところが、それは路線その他のメンテナンスを節減し利益を作り出したものであることが次第に判明いたします。維持管理を怠った結果、二〇〇〇年のハットフィールド脱線事故を契機に行われた調査で千八百五十か所に路線の破損があることが判明し、列車の遅れは日常的となり、巨額の復旧修理のためレールトラック社は、二〇〇一年十月七日、二年前ですね、十月七日、倒産いたしました。しかし、鉄道を廃止することはできませんので、また国が乗り出してその対応を図ることになりました。
 このことから、民営化してもよい業務とは、その事業主体が倒産した場合なくなってもよい業務であって、なくなることができず、公的機関がもう一度その業務にかかわらなければならないものは必ずしも適さないのではないかというふうにも思います。利潤を上げることを第一の目的とする民間会社では、短期で結果の出にくい維持管理部門の節約が強く求められ、その結果、数年後に取り返しの付かない結果が発生することをレールトラック社の例が教えてくれているのではないかというふうにも思います。
 さて、次に、今度は本四公団関係の質問に移りたいと思います。
 このたび、本四公団の債務処理等が講ぜられることは、本四架橋としての自立的経営を可能とするものであり、適切な措置であると思います。
 本四架橋に至る経緯を簡単に申し上げますと、昭和三十七年、河野建設大臣が就任され、明石海峡大橋の構想が打ち出されました。翌年、昭和三十八年に神戸に調査事務所が設けられることになりました。当初は一ルートのみを考えていましたので、瀬戸大橋ルートと明石―鳴門ルートの争いでした。しかし、種々の経過を、経緯を経て、昭和四十四年の新全国総合開発計画で三ルート建設が明示されました。
 本四架橋は、三ルートともに有料道路として建設することに無理があったのではないかなというふうにも思います。右肩上がりの経済を、それによる交通量の増大を過信し過ぎたことにあったのではないかというふうに思います。
 そこで、これに関連して本四関係の質問を行いますので、よろしくお願いいたします。
 最初に、岩城政務官にお願いしたいんですが、本四架橋三本は無駄だという説も、言う方もおられますが、本四がなかったら四国はどうなっていたのか。本四の完成前後で人的、物的交流はどれほど変化しているのか。四国と中国の所得格差の変化はどうなのか。これまで本州四国連絡橋の果たしてきた役割と今後の使命などについて、御指導いただければ有り難いと思います。よろしくお願いします。
#19
○大臣政務官(岩城光英君) 本州四国連絡橋三ルートの開通によりましてどのような変化があったのかというおただしでありましたので、多少時間をいただきまして、項目ごとにデータ等をお示ししてお答えをいたします。
 本四間の移動に要する時間でありますけれども、神戸―徳島間の例を挙げますと、それまでフェリー利用で二百七十分、約二百七十分要しておりましたが、これが神戸―鳴門ルートを利用することで約百分になるなど、従前の海上交通に比べまして約三分の一に短縮されております。また、気象条件に左右されずに確実に往来できるようになりましたことで、本州―四国間の交流の活発化、あるいは生活利便性の向上、地域経済の活性化等、様々な効果が現れております。
 そこで、まず人的、物的交流の変化でありますが、本州―四国間の交通量は、架橋前の昭和五十九年度には一日当たり約一万七千台でありましたが、平成十三年度は約四万二千台になるなど、約二・五倍に増加しており、これは全国平均の一・八倍を上回る数字となっております。
 次に、輸送人員でありますが、昭和五十九年度には一日平均輸送人員が七万九千人でありましたけれども、平成十二年度は十三万七千人になるなど、約一・七倍に増加し、これも全国平均の一・四倍を上回っております。年間で見ましても五千万人に達しております。
 次に、自動車による貨物輸送量についてでありますけれども、瀬戸中央自動車道開通前の昭和六十二年度と比較しますと、平成十二年度は全国と四国間では二千五百二十八万トンが四千百三十万トンになるなど、一・六倍、また阪神・山陽と四国の間では一千三百七十四万トンという数字が一千八百四十九万トンとなりまして、一・四倍、それぞれ増加を見ております。
 また、産業の面ですが、四国の工場立地件数は、瀬戸大橋開通前後の十二年間を比較いたしますと、昭和五十一年から六十二年の間は一千八十九件でありましたが、昭和六十三年から平成十一年度の間が一千三百六十一件となるなど、一・三倍に増加しております。この間、全国では一・一倍の増加にとどまっております。
 次に、四国の大型小売店舗の出店件数でありますが、同じく昭和五十一年から六十二年の間、五十四件でありましたけれども、これが昭和六十三年から平成十一年度の間で百七十三件となるなど、三・二倍に増加しております。全国では一・九倍の増加となっております。
 また、香川産レタスの関東向け出荷量は、瀬戸大橋開通前三年間と最近三年間を比較しますと、年平均一万四千トンが一万九千トンになるなど、一・三倍に増加しております。
 このように、本四架橋前後で四国地域における経済が活発化している状況を受け、四国の一人当たり県民所得につきましては、全国を一〇〇とした場合、昭和六十二年度に八〇であったものが、瀬戸中央自動車道開通後、格差が縮小しまして、平成十一年度には八四と上昇しております。また、中国地域を一〇〇とした場合には、昭和六十二年度には八八という数字でありましたが、平成十一年度には九二と上昇しており、今後、中国・四国地方が一体となった広域経済圏の形成が期待されております。
 最後に、経済効果についてでありますけれども、本州四国連絡橋の利用による走行時間の短縮等の直接効果を平成十二年度の交通量を基に試算いたしますと、四国では約一千百億円、関係八府県では約二千三百億円となっております。さらに、GDPの押し上げ効果を平成十二年で推定いたしますと、四国では約四千百億円、関係八府県では約八千九百億円と試算されております。
 以上でございます。
#20
○沓掛哲男君 本当に、ただいまのように数値で示していただくと、本当にこのやっぱり架橋というのは四国島民の念願をかなえてくれたなということを強く思います。これから大いにやっぱりそういうことも強調していただきたいなというふうに思います。
 次に、事務局にお願いしたいんですが、本四架橋についてはその架け替えが極めて困難なことから、適切な維持管理による長期にわたる機能保全が必要であります。短期的視点に左右されない管理水準確保のための仕組みが求められると思います。どのように対応することとしておられるのか。
 この橋というのは、私は橋の方の専門屋でございまして、橋というのは維持管理さえ良ければ、本四はもう百年も二百年ももつことができます。ほっておけば二、三十年で駄目になります。ですから、維持管理というのはいかに大切なのか、そのことをしっかりやっていただきたいなというふうに思います。
 私、毎朝来るとき、永代橋を通って隅田川来るんですが、永代橋はできてから約八十年たちますが、非常に維持管理を良くしていますからびくともしていません。恐らくまだあれは百年も、もっともっともつと思います。あの英国の、鉄材はデュコール鋼といって英国の鉄なんですけれども、船造るために買ってきたんですけれども、八・八・三で使えなくなったんであれ造ったんですよ。そのおかげでいまだに使えるしね。
 だから、維持管理さえすればあれですし、本四については特にもう大変な橋ですから、是非そういうことをお願いしたいと思います。
#21
○政府参考人(佐藤信秋君) 先生御指摘のように、本四の長大橋梁群、架け替えが極めて困難であると。こういうことから、百年、二百年の長期にわたりまして適切に管理を行って次の世代に引き継ぐべきものと、こう考えております。このため、償還計画におきましては、長期的な維持管理に対応するために、維持補修や点検に要する費用のほかに、耐久性の向上を図るために要する費用や、海外の比較的古いつり橋における事例などを踏まえまして橋梁部材の交換等に必要となる費用も見込んでいるところであります。
 また、効率的な管理のために新たな技術開発が必要であります。管理段階で必要となる長大橋技術の継承、高度化を図るために、平成七年度から長大橋技術調査のための費用を予算化しますとともに、平成十一年度には公団内に長大橋技術センターを設置して、長大橋管理を効率的かつ経済的に実施するための体制を整備してきたところであります。こうしたことを活用いたしまして、つり橋ケーブルの防食のための送気乾燥システム、あるいは鋼ケーソンの電気防食や箱げたの機械塗装システムの実用化を行ってきたところであります。
 維持管理が適切に行われましたならば、長大橋において百年以上の利用を期待することは十分可能と考えられるということで、事例を挙げますと、ブルックリン橋、アメリカは一八八三年に架設されておりますし、フォース鉄道橋、イギリスでございますが一八九〇年。それぞれ現在でも十分利用されておりますので、そうした形で百年、二百年もつような維持管理を努めてまいりたい、こういうふうに思っております。
#22
○沓掛哲男君 少し道路の原点に返った話をしながら、また質問に移りたいと思いますが、そうですね、ちょっとだけ行きます。
 道路事業等を総称する言葉に公共事業というのがありますが、一体公共事業というのは何かということですが、これについて一言申し上げると、公共事業を一番最初に定義したのはアダム・スミスの国富論であるというふうに思います、私の調べた限りではそうでございます、一七七六年。アダム・スミスはその国富論で、国家の任務として、第一にディフェンス、防衛ですね、第二にジャスティス、裁判、いわゆる秩序ですね、そして三番目にパブリックワーク、公共事業を国家の任務として挙げております。
 公共事業については国家の第三の任務、今、ディフェンス、ジャスティス、そしてパブリックワークの任務は、公共事業であって、社会にとって大いに有用であるが、その性質上、その利潤が個人または少数の個人に対してその経費を償うに足らないため、個人または少数の個人がそれを作り又は維持することを考えることができないものを作り、かつ維持することであると述べています。そして、その例として道路とか港湾等を挙げております。
 道路は無料公開が原則でありますが、税金を使っての無料道路の整備だけでは限界があるということでこういう有料道路事業など入ってきたんですが、ずっとここはするともう時間がないので、ちょっとここはそこで飛ばさせていただいて、これから道路関係四公団の民営化のための準備作業が始まると思います。
 そこで、次のことに注意していただきたいと思いまして五点ほど注意事項をまとめてみましたので、最後に大臣に御決意をお伺いしたいと思います。
 一番、道路関係公団の民営化であって、民有化でないこと。すなわち、高速道路は国家国民の財産であって、一企業や個人の私的私有物とすべきでないこと。
 二番目、料金収入を活用してどこまで高速道路網の拡充を図るかという国家的命題は国が最終責任を持つべきであり、一民間会社の経営判断にゆだねたりするべきことではないこと。
 それから三番目、高速道路は利用者がいつも安全に安心して通行できるように長期の視点に立った十分の維持管理が必要であります。利潤追求を最大の目的とする民間会社では、目の前の短期のことには関心を持ちますが、長期の視点での維持管理に対する関心は極めて低いので、適切な対策が必要だと思います。
 四番目、地震等による大災害や最近発生しているアルカリ骨材反応、三月四日のNHKの夜の七時半からの「クローズアップ現代」でもやっておりましたが、これらアルカリ骨材反応による予測しなかった大被害にどんなふうにして対応していくかということについても十分御検討いただきたいし、これも質問したかったんですが、もう時間がありませんので、これは質問はそういうふうに、災害に対して対応できるような組織をお願いしたいということにしたいと思います。
 そして最後ですが、五番目には、民営化委員会の意見書のうち直ちに取り組むべき措置等については評価できるものがいろいろありますので、その速やかな実現を図っていただきたいと思っていましたが、既に実行されつつありますことに敬意を表します。しかし、民営化そのものについては、先ほど来申し上げたとおり、問題がいろいろございます。
 そこで、最後に大臣にお尋ねしたいのですが、平成十四年十二月六日に道路関係四公団民営化推進委員会の意見書が提出されました。四月六日の「サンデープロジェクト」で石原大臣は、民営化委員会の意見書について、客観的データが出ていなかったり、かなり無理している部分がある、四月七日の日経新聞で、と発言しております。無理に無理を重ねて作ったこの意見書のとおりに、仮に高速道路を民間の所有物、すなわち私的財として、建設中又は新規の建設を新会社の自主的に判断に任せて利潤追求のもうけ仕事の手段として高速道路事業を行うこと等のことをすれば、数年後には我が国の経済社会を破滅させるような大きな打撃を与えることが懸念されます。
 道路関係四公団の民営化については、国民の立場に立った利用者本位の実現可能な案を、意見書に余りこだわらないで、純粋な視点で国土交通省でひとつ是非構築していただきたいと願うものであります。大臣の所見をいただきたいと思います。
#23
○国務大臣(扇千景君) 約一時間にわたりまして、沓掛議員が、今までの御経験、そしてそれを決定する立場にあり、また日本の技術を世界に誇る技術に育てるという技監としての大事なお立場の中から、過去の経緯とそして現在の状況と、今ある日本の財産を将来どうするか、どのように維持するかという大変御示唆に富んだ御意見をいただき、勉強にもなりました。
 また、今一番大事な、また世間では何でも効率を考えてやめてしまえばいいというような風潮がある中で、我々は今おっしゃった五つのこと、一つは民営化することの、本当の民営化なのか、あるいはこれが仮の姿なのか、利潤を追求するだけなのかと、そういうことも含めて御注意もありました。また二つ目には、収入で、少なくとも、拡充するということは国が少なくとも権利を持ちなさいと、国がきちんと管理できるような民営化でなければならないと、収入だけでやっていくというのは果たしてどうなのかという御意見もありました。三つ目は、安心、安全ということも御提議いただきました。四つ目には、地震とかアルカリ骨材とかというものに対処できるような、対処をしなさいということもありました。
 ただ、私は、今までいろいろ御議論もいただきましたし、また高度成長期、行け行けどんどんということで交通量の判断の誤りもあったということも正直に沓掛議員もおっしゃいました。私は、そういう中で、少なくとも民営化推進委員会の意見書を踏まえて、少なくとも私たちは、今回議論に供しておりますように、本四の公団の有利子債権の一部を一般会計に承継して、そして国の道路特定財源によって早期に処理するということによって、今おっしゃった本四のあの三本の世界に誇る技術というものも私は真に生かされるような、また今るる岩城議員が申しましたように、本四と周辺十県の経済効果というものも含めて我々はこの法案を提出さしていただいたわけですけれども、民営化委員会の意見は意見として尊重しながら、なおかつこれをまとめるようにと総理から私に御下命がございましたので、私は、すぐできること、中長期にできること、そして来年の通常国会に法案として提出するという、この三段階でこの意見の、意見書のいただいた処理の仕方を国土交通省と英知を集めて、また与党の皆さん方の御意見も聞き、また沓掛議員も御経験の中から多くの御示唆をいただいて、我々は尊重しながらも前進できるようにしていきたいと思っています。
#24
○沓掛哲男君 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
 時間が参りましたので、終わります。
#25
○池口修次君 民主党の池口でございます。
 本会議に引き続き、この委員会で質問をさしていただきますが、百分時間をいただきましたら、ちょっともう効率的にやれという声が方々から飛んでおりますので、できるだけ効率的に質問をさしていただきたいというふうに思いますので、御協力もしていただかないとできませんので、よろしくお願い申します。
 今回、本四の債務の軽減と高速道路を造るに当たっての新しい方式という二つの法案が出て、審議ということなんですけれども、この経過を見てみますと、当初、出発点と言っていいのは、平成十三年の四月に小泉内閣が発足したときに聖域なき構造改革をするんだということで、当時は道路特定財源の一般財源化というのが強かったかというふうに思いますが、それを契機に道路公団の民営化という話になりまして、特殊法人等整理合理化計画でも廃止をするということ、それを受けて民営化推進委員会が意見書を出し、政府・与党の申合せ等がありながら、今回の法律案に結び付いているというふうには思っております。
 この中で、この意見書の取扱いについてちょっと、基本的にこの意見書を尊重しながらという答弁、説明がされているわけですが、その基本的に尊重するというのは私にとっては非常にあいまいな表現で、最終的な姿が見えれば、ああ、こういうふうに基本的に尊重したのかということは見えるんですけれども、途中段階でこの基本的に尊重するというのはどういった、意見書があり、国土交通省の検討があり、この結び付きというのがどういうスタンスなのかというのがちょっと私自身が非常にあいまいなので、そこのところを是非説明いただきたいというふうに思います。
#26
○国務大臣(扇千景君) 私は、この民営化推進委員会の意見書を尊重しながらということを池口議員にも御理解いただかなければ国民も理解できないだろうと、そう思っていますので、是非御理解いただけるように何とかうまく御説明を申し上げたいと思います。
 私は、この民営化委員会の七人の侍の出された意見書というのは、言ってみればお料理をする、女ですから、済みません、料理を例えますけれども、料理をするときの材料を全部そろえていただいた、私はそう思っています。その料理を私はいただいて、尊重しながら、すぐに食べられるもの、あるいは手を加えなきゃいけないもの、あるいはこれ長期に保存した方がうまみが増すよという、その材料に私は分けさしていただきました。
 ですから、その意見書の中で、すぐできるものというのは生でサラダにしたり、あるいは刺身にしたり、それは私はすぐできる。けれども、あるいはこれは手を加えなきゃいけないな、焼いた方がいいか煮た方がいいかと、これは中期でございます。最終に、これは寝かして、うんといい味にさすというのが来年の法案化ということでございます。
 そういう段階を踏んで、私は、今申しましたように、この意見書というのは、あらゆるお料理をする材料をそろえていただいて、さあ、やりなさいと出していただいたんだと思っております。そして、総理から、この出た材料をあなたはシェフの一人として、料理人としてどういう料理がいいか考えなさいよといって私に宿題を与えられた、そう解釈すれば一番分かりやすいんじゃないかと思って今御説明したんですけれども、これで分からないでしょうか。
#27
○池口修次君 そうしますと、その料理の仕方なり、冷蔵庫に入れておいて料理するかという、その料理のタイミングということで今説明をお聞きしたんですけれども、そうすると、材料を腐っちゃったので捨てると、ちょっと変な表現ですけれども、今料理で言いましたので、ということはないと、基本的に意見書でいただいたものはすべて今後の方針に生かすということでよろしいのかどうかというのをまずお聞きしたい。
#28
○国務大臣(扇千景君) 並べられた材料の中でも、中華料理に使うものと西洋料理に使うものと日本料理に使うものといろいろ考えられます。また、今申しましたように、そのまま生で供した方がおいしいものもあります。
 そういう意味で私は、まず公団の民営化、そのためにはどうしたらいいかということで、今回初めてでございますけれども、ちょっと失礼します。日本道路公団、これは公団創設以来ですけれども、常勤で、東京電力の理事の平井憲さんを総合情報推進役に民間人を入れました。非常勤には、相原宏徳さん、三菱商事の取締役副社長、そして佐藤信武さん、イトーヨーカ堂副社長、諸井虔さん、太平洋セメント相談役、この四名を初めて民間人を入れて民営化の推進に向けた総合的な指導をいただこうということでございます。
 首都高速道路公団は、顧問に、日下部二郎さん、東急ハンズ社長、そして鈴木幸一さん、IIJの社長、これも民営化に向けた総合指導をいただくということで、三菱総研の桧垣亨さんも常勤でこれは来ていただいて民営化に向けたコスト削減の業務体制に関する事項をしていただく。
 また、阪神高速道路は、田辺製薬の千畑一郎さん、これを顧問、そして本四公団は、堀切民喜さんを、住友信託銀行の副会長を来ていただきまして、これもすべて民営化の指導をしていただこうということで、それぞれの公団も、これはなぜ私があえて名前を言いましたかといいますと、民間から、やがて一番難しい火中のクリを拾うような役に民間の皆さん方なかなか来ていただけない。しかも、今申しましたように、それぞれの立場で、あるいは債務の保証等々、苦労した方ほど来ていただきたいんですけれども、とにかく安いお給料で今の立場を辞めて来てくれるという人はなかなかありません。そして、特に本四のように、そこらじゅうに頭を下げていくという役なんですから、その役割を果たしてくださる民営化の、民間の人たちというのは本当になかったんです。それを皆さんでお願いをして、しかもこれは非常勤でお給料を出さないということで、そのときの、週に一回役員会には必ず出るということでこれらの人たちに御協力をいただいたということも、私は、大変各公団が、四公団とも改革しようという意欲の表れであるということで、これも是非御理解をいただきたい。
 必ずしも、これですべてあした良くなるというわけではありませんけれども、そういう形態の初めての改革に向かって動いているということを是非御理解いただきたいと思います。
#29
○池口修次君 そうしますと、私の、今の答弁ですと、一応、民営化委員会で出された意見書というのは、どういう形で生かすかというのはあるにしても、すべての項目について何らかの形で生かすというふうにお聞きをしましたので、そういうことかなと、基本的に尊重するというのはそういうことだというふうに理解をしました。
 その中で、大事な点を二点ほどちょっと確認をさしていただきたいというふうに思います。
 一つは、本当に民営化というのが、公団の民営化というのができるかどうか、するのかどうかという点が一つでございまして、どうも、どこで民営化を絶対やるというふうに書いているのかなというのをちょっと見てみたんですけれども、一つは、平成十三年の十二月の十九日に閣議決定で特殊法人等整理合理化計画、この中で、四公団に代わる新たな組織、その具体的内容は平成十四年度中にまとめると。で、日本道路公団の項目の中に、新たな組織は民営化を前提とし、平成十七年までの早期に発足するということで、首都公団と阪神高速道路公団、本州四国については民営化するというふうに書いてあるんですけれども、ただ、これは日本道路公団と同時にというふうに書いていますので、日本道路公団が民営化されなければ民営化されないというふうにこれは受け取られます。
 そして、具体的な意見書が出た後の政府・与党の申合せの平成十四年の十二月十二日の中身にも、平成十七年度中の民営化に間に合うようということで書かれておりまして、民営化について必ずしも、まだ法律で出てきたわけじゃないのでどうなるかということはあるんですけれども、ただ、一部、民営化というのはおかしいんじゃないかと言う人もいるようですけれども、少なくとも政府として、この民営化というのはもう最終決定として決定をしたのかどうかということを確認させていただきたいというふうに思います。
#30
○国務大臣(扇千景君) 今、池口委員がおっしゃったように、一昨年の十二月、これは閣議決定されまして、特殊法人等整理合理化計画について、道路関係四公団に代わる新たな組織は民営化を前提とする等の基本方針が示されているというのは、今、議員がおっしゃったとおりでございます。
 民営化という言葉は簡単ですけれども、今、先ほども沓掛議員がおっしゃったように、この答申というものの中に果たしてどの程度の責任があるのか、あるいは七人の侍で、たった七人なのにまとまらなかった点は何なのかという点を沓掛議員が明示なさいました。
 私は、そういう意味では、最後も私は意見の一致を見られなかったのは大変残念だと思っておりますし、その十二月に答申を、意見書を出した後の委員会は全部四人だけしか、四人だっけ、五人、後もずっと会議をしていらっしゃいますけれども、いつも五人しか集まっていなくて、石原担当大臣も一度もお出になっていないとかという話も聞いております。私にも、先月でしたか、五月かな、出なさいと言われたんですけれども、いや四月です、出てくれと言われたんですけれども、委員会の最中に出ろと言われても出られません。
 ですから、そういうことが私は、もう意見書をお出しになっているんですから、今申しましたように、私は材料をいただいて、それを中華にするか日本食にするか洋食にするか、そしてなおかつ、尊重するというものの、意見の中に、意見書の中に十分でないものあるわけですね。
 例えば財務諸表。私、いつか池口議員、お聞きいただいていると思いますけれども、これは十二月に意見書を出す前に、財務諸表という言葉はあの意見書の中に一回しか出ていません。分割といいますけれども、財務諸表が出て、少なくとも公団にどれだけの財産があるのかということが分からなければ、先ほど沓掛議員がおっしゃったように、首都高と九州じゃ全然収入も違います。ですから、そういうことも含めて財務諸表を。
 私が、昨年答申をいただいてすぐ、これはおかしい、財務諸表も分からないのに分割と言えないよということを申しましたら、道路公団等々がアウトソーシングもしまして急激に人を増やして、今年の九月にこれを、財務諸表を出すとおっしゃったので、九月に出されたのでは来年の通常国会に法案化するということができないということで前倒ししてくれと言ったら、五月中にこれは財務諸表をお出ししますという結果が得られました。
 ですから、私は、初めて、この財務諸表というのは民営化の根幹でございます。民営の会社というのは、民間会社というのは、財務諸表がなくて翌日、翌年の経営方針も何もできません。ですから、少なくとも私は、そのことが今回の意見書の中にも欠落している部分、明快に明記していない部分ですから、そういうのも一つ一つ私は今手を入れて、そして催促をして、その結果が出るようにというのを進行中でございまして。
 すぐできるのは、民間会社の、あるいは子会社、関連会社の天下りを、社長は辞めなさいとか、私は権利はないですけれども、株主総会のときに順次辞めてくださいと。株主総会の後にも天下りの人が社長していたら恥ずかしいでしょうというようなことも、越権行為ではありますけれども、そこまで私、言っておりますので、一歩ずつ進んでいると。また、進め方によってあるいは無理をしている部分もありますけれども、それくらい叱咤激励しなければ今までの体質と今までの構造を改革することはできないと思ってやっている最中でございます。
#31
○池口修次君 民営化についてはそれは変わらないというふうに受け止めさせていただきました。
 もう一点、重要な項目を確認をさせていただきたいんですけれども、どこまで道路整備を、高速道路整備計画を進めるかということでございまして、法律の説明を事前にお聞きしたときも、新直轄の総予算規模等の前提になっているのは、九千三百四十二キロのうちまだ未着工区間が幾らで、それをいろいろ努力して費用を削減して、そうはいってもなかなか採算が合わない部分が出てくるので、三兆円程度を十五年掛けて新直轄で造ると。これは後ほどちょっと触れさせてもらうんですけれども、九千三百四十二キロというのが前提になっていたというふうに説明の中では理解をしていたんですけれども、最近になって、どうも本当にその九千三百四十二キロを造るということで内閣として決まっているのかなということにちょっと不審を抱くような発言が結構やっぱり最近新聞で報道されております。
 小泉首相の発言ということで、十四日、これは新聞報道ですから私自身は真偽を確かめたわけじゃないんですけれども、十七日に山崎幹事長なり村岡さんと会って、首相は不採算路線をできるだけ切ってほしいと、その他の経費も節約してほしいという発言をしたという報道がされております。十八日にも、これは記者会見でやったみたいですけれども、基本的に道路関係四公団民営化推進委員会の意見を尊重する、当然計画どおりにいかないところも出てくると思うが小泉改革に協力してほしいという発言がされておりまして、扇大臣も、これは本人がいらっしゃいますので正しいかどうかというのはありますけれども、扇さん、扇大臣は、非常に今までとかなり近いことですけれども、九千三百四十二キロは法律で決まっており、現段階では法律を守るしかないと。ただ、これから国幹会議開いて、変更するようなことは秋までに決めるという発言がされたというふうに言っております。
 石原大臣は何と言っているかというのは、施行命令が出ているもの、すなわち九千六十四キロは造ることになるということですけれども、不採算路線は造らないというような発言をしたり、これを裏付けるように官房長官が十八日の記者会見で、要らないものは造る必要がないというような発言をしたということになっておりまして、本当に、今回の法律の前提は九三四二を造るということで法律の枠組みが決められているというふうに思うんですけれども、どうもその前提条件が崩れるような発言がどんどんしていますので、本当にこれ、このままそういう前提で審議をすることがいいのかどうかということを私は疑問を感じているんですが、この点をちょっと説明していただきたいと思います。
#32
○国務大臣(扇千景君) 今、池口委員が御本人から御説明いただきましたように、この九三四二の整備計画というものは、小渕総理が会長を務めていらっしゃいましたその当時ですけれども、平成十一年の開催されました国幹会議、国土開発幹線自動車道建設審議会、国幹審と言っておりましたけれども、今国幹会議になっていますけれども、この国幹審でこれはきちんと、これは八条委員会ですから、ここできちんと決められて、そして小渕総理が会長でこれは決められたことですから、それ以後それを変更していないものですから、私としては法律的に決められたものを、きちんと私は法律の手続を踏んで決定されたものに関しては、しかもなおかつ、これは地元にこれ全部公表されています。九三四二はこれだけですよという路線も全部公表されました、決定したので。
 ですから、私はそれを少なくとも縮減、コスト縮減、そして、あるいはなるべく御希望、地元の希望は全部ありますから、一〇〇%のうち九九%は皆さん造ってくれという御要望ですから、それに近くできるように六車線を四車線にしたり、あるいはトンネルを二車線、四車線を二車線にして経費を節約したりして、少しでも現段階では、それに法律なんですから、きちんとする方法で私は今、費用対効果も考えながらですけれども、皆さんの御意見を聞きながら進めていきたいと。
 けれども、今度は国幹審が国幹会議になりましたから、これは秋に開かれるようですけれども、そこで改めて十一年に決めた国幹審のものを国幹会議で今度は変えましょうと。今、時世に合わないから、費用対効果というものが確実にどこまで重きを置かれるのかということもあると思いますけれども、私は、先ほども沓掛議員がおっしゃいましたけれども、公共工事というものが必ずしも費用対効果だけで判断するものなのか。公共工事というものは、それだったら、費用対効果だけで判断するのであれば、これは民間です。
 ですから、民間になる前に、我々は、公共工事という基本点ということを考えれば、どういう結果が出るかというのは、今会議でこれが覆されない限り、法律改正になっていませんから、私はそれを進めるために少しでも前進できる方法を考えているというのが今の現状でございます。
#33
○池口修次君 私は、扇大臣の言っていることは至極当然のことを言っているというふうに思いますし、ただ九千三百四十二を造るかどうかというのは、いろいろな意見がありますから、立場はいろいろあると思うんです。ただ、この法律が出てきたというのは、九千三百四十二を前提に出したと思うんですね。これは内閣でちゃんと決めて出したのに、一方で内閣の重立った人が何でこの時期に造らないような発言をするのかというところが私は非常に疑問なんです。
 当初のときは、本当に必要なものを造るかどうかということはいろいろ意見があったというふうには思うんですけれども、しばらくはもう九千三百四十二は造るんだというような前提で進んでいたというふうに私も思うんですけれども、ここになって急に何か首相が言い、それを裏打ちするような発言を二、三の人が言っているというのは私は何か変だなと。内閣が本当にこの問題について統一されていないんじゃないかということで、それですと何かその前提条件が崩れちゃうなというのを今質問しているんですけれども、この点については扇大臣は真っ当なことを言っていますので、何でかと言ってもしようがないんですけれども、ただ内閣の一員ですから、何でこういういろんな発言が出てくるのかというのは、審議する立場としては本当にまともに審議していいのかなというふうに思うんですが、いかがですか。
#34
○国務大臣(扇千景君) 私は、少なくとも日本の国民の、先ほども申しましたけれども、皆さんは、今少なくとも大体七割でき上がっています、あと三割ですね、三割のできていない人ほど要望しているんです。だから、その三割がみんな採算性が取れないって分かっているんですね。ですから、そこを何とか皆さんは考えようと。また、地元の要求は国会議員ですからびんびん感じるわけですね。
 そうすると、冷たいことも言えないし、法律では九三四二決めちゃっているし、皆さん、私はそのはざまにあるというのは、今、池口委員がおっしゃったように、それぞれの発言が違うところは、ニュアンスとしてです、基本は一緒ですけれども、ニュアンスとして違うところがあるんじゃないかなと私は思いますけれども、私は一貫してその考え方に、国土交通省としては一貫した考え方を考えておりますし、またそれを基本に尊重するということで、可能なものからできるだけ早期に具体化を図りたいという、先ほども私申しましたように、コスト縮減とかあるいは四兆円を超える建設コストの縮減をしましたり、あるいは関係法人の見直しをしたり、民間の企業者の登用をしたりという、あらゆることをしているんですね、財務諸表とか。それも何のためにしているかというと、一歩でもその目的を達成するために私今努力しているわけであって、これ達成しなくていい、もう全然造らなくていいんなら私こんな苦労をしなくていいんです。
 ですけれども、私は基本的にそれを達成するための今努力をしているんですから、目標はきちんと今は狂っていないと、そのことだけは御認識賜りたいと思います。
#35
○池口修次君 まあ基本的に尊重するという意味合いとか民営化とか、九三四二の質問をさせていただいたということは、提案する立場からいえば先にできることから提案したということになるんですけれども、私の立場、私の意見としては、全体が見えた中でこの法律が出てきたんであればある程度すっきり議論ができるんですけれども、いろいろよく聞いていくと、何かよく決まっていないところがあるなと。このよく決まっていない中で何で、来年には決めると言っているんですよね、法律を出すと。出すと言っているのに、何で一年前にこの二つの法案だけ出てきたのかなと。
 この二つの法案の中身を見てみますと、税金を使う、その意見書の中でも税金を使うということについてだけの法案が先に出てきているんですよね。これはどういう理由なのかなというところが私は非常に疑問を持っているんですが、何で一年前倒しでこの部分だけ出てきたのかというところを御説明願いたいというふうに思います。
#36
○国務大臣(扇千景君) 御存じのとおり、民営化推進委員会の意見というのは、私は、本四公団に係る債務の国等による処理、高速道路の国、地方の負担による整備について提言されているんですけれども、特にこれらは早急に対応すべきであるとここで記されているんですね。早急に対応というのは今なんですよ、去年の十二月ですから。この通常国会なんです。
 ですから、私は、その意味では元々、来年の法案のときに本四もやればいいじゃないですかとおっしゃったけれども、さっきの沓掛議員の話じゃないですけれども、アウトストラーデじゃないですけれども、本四はもうでき上がっちゃっているんです。工事期間ないんです、本四は、少なくとも。それは債務だけの話なんです。
 ですから、これからするというのは来年すればいいんですけれども、少なくとも本四というのはもう工事ができ上がって、この債務処理ということに問題が一点集中しておりますので、これはできることは早期にと提言されて意見書が出ているんですから、この国会に出して、本四のことのでき上がっているものに関しては処理しましょうと、なるべく早く。そして、本四の効率を、経済効果がもっと上がるようにしましょうというのが趣旨なんで、私は御意見の、意見書の趣旨に従って、なおかつ早期に今、通常国会中に出すということは私はいささかの疑問もありませんし、また他の三公団と本四は違うということには、私は当然あってしかるべきだろうと思っています。
#37
○池口修次君 確かに、本四だけに限れば、そういう説明も私は理屈としては通っているというふうに認めます。
 ただ、じゃ新直轄を何か急いでやらなきゃいけないのかというところは、後ほどの議論もあるんですけれども、多少私は疑問を持っていますし、やっぱりこれは全体として、いや民営化委員会が言ったんだからやるというのは私は大臣としてはちょっとどうかなと。じゃ、民営化委員会がやった、決めたことは全部そのとおりにやるのかというんじゃなくて、やっぱり大臣の判断があってですから、大臣としては、こういう民営化委員会が早くやれと言ったんだけれども、こう判断をしたという答弁を是非してほしかったなというふうに思います。
#38
○国務大臣(扇千景君) 池口議員、覚えていてくださるかどうか分かりませんけれども、私は、本四の債務は別途すべきというのは、一昨年の十二月に、私、建設大臣に就任しました後すぐ委員会を立ち上げました。諸井委員会というんです。そのときには、三公団と本四は別にすべきである、本四はもう建設が済んでいるんですから、ですから三公団を民営化して本四は別途処理すべきという答申を私は総理にお渡ししたんです、委員会の、一昨年の十二月なんです。
 去年出てきたこの意見書というのは私の決めたとおりだなって、私の意見書を総理にお渡ししたときに、総理が、大変いいものをくれたと、これは次の委員会で大変参考資料になりますと言ってくだすったんです。
 ですから、私はこの民営化推進委員会というのは知りませんけれども、きっと私が一昨年の十二月に総理にお渡ししたものをこの民営化推進委員会で読んでいただいて、私はやっぱり、総理は四公団民営化とおっしゃいましたけれども、私はまず本四は別にしようと言って、結果は同じだなと、私が言ったことが先だったけれども、そのとおりにしていただいたんだなと思っていますので、私は民営化推進委員会の意見書が出てからしたんではありません。
#39
○池口修次君 本四については大臣の思いが強く入っているというのは理解は十分しました。これだけやっていると非常に時間が食われますので、効率的に進めたいと思いますが。
 本四公団の債務処理について、まず質問をさせていただきたいというふうに思います。
 本四の、これは本会議でも質問させていただいたんですけれども、本四の債務、四兆円程度ですけれども、何で四兆円まで債務が膨らんだのかということについて、本会議でも答弁いただいたんですけれども、再度この理由についてお答えいただきたいというふうに思います。
#40
○国務大臣(扇千景君) 先ほどから、沓掛議員からいろいろその当時の担当技監としてのお話ございました。
 私は、少なくとも昭和四十四年に策定されました新全国総合開発計画において、私は、本四の三ルート、これは衆参で一致して、全会一致で可決されてすることになったんだと思います。個人的には、私は自民党の中で一人反対した人間ですけれども、全会一致だったんでやむなくオーケーになりました。
 少なくとも、昭和五十年代の初期に、経済状況、先ほどもお話が出ました。昭和四十八年のオイルショックがあって一時着工を止めたんですよね。やっぱりこれは良識だったと思います。けれども、少なくともオイルショックを、のど元過ぎればまた右肩上がりの経済になったということで、当時は実質経済の成長率が二から六%の割合で伸びた。また、自動車の保有台数も年間四から七%に、割合に伸び続けました。それで、やっぱり本四の交通量についても従来どおりの伸びを見込んで、あっ、これならいけるんじゃないかと、そう判断、当時したんですね、昭和五十年代に。
 ですから、その後、経済状況が変化して、交通量が予測より減ったというのは今ですけれども、その当時は、いったんオイルショックで止めたものを、また右肩上がりだということで、このときの責任者がどうだこうだというのは別としまして、やっぱり四国にとっては大事なことだと思って決断したんだと思います。
 人間も時々計算違いをしたり、あるいはこの人と結婚したらいいなと思っても時々外れることもありますから、必ずしも全部当たるとは思いませんけれども、国策ですから、私は少なくとも衆参で一致した意見で進めようと言って、その当時の経済状況と今と違うと、そして思ったよりもこの本四の三本の、先ほど沓掛議員がおっしゃいました、世界に誇る技術、そして金が掛かり過ぎた。そうでしょう、世界初なんですから、しかも日本独自の技術なんですから。そういう意味では、思ったよりも経費が多く掛かり、このオイルショックで一時中断したためにまた物価が上がったと。
 そういうこともいろいろ勘案して、三本要らなかったなという私の案が正しかったなと今心では思いますけれども、現実にできてしまったものを少なくとも身軽にして、できれば四国と周辺の十県が、経済効果が、先ほど岩城議員がおっしゃいましたように、やっぱり上がっているんです。この本四の三本の橋がなかりせばということになれば、私はやっぱりよかったなと言わざるを得ない。ただ、そのよかったなが、安心したよかったじゃなくて、よかったかなというクエスチョンマークのかななものですから、少なくとも私は、先ほど沓掛議員がおっしゃった、この技術を何としても二百年、三百年と世界に誇る技術に持っていけるような努力をしていって私は有効活用する、そのこと以外には今考えられません。
#41
○池口修次君 確かに、全員一致で決めたということなり、経済の見通しを、ちょっと予定よりも違ったということはあるというふうに思うんですけれども、ただ、もう一方で、当初予定をしていなかった一・三兆円の税金を使うということも事実なわけですから、やっぱりまた同じようなことが二度と起きないようにするということは大事なことだというふうに思いますので。
 確かにそういう面、全員で一致で決めたんで、これは全員の連帯責任だというのはあるし、経済なんというのはだれだって読めないと、竹中さんでも読めないということですから、だれも読めないんでしょうけれども。
 ただ、現実、交通量は増えているんですよね。ですから、本当にそのときの交通量の読みがやっぱり、交通量が減っているんならそういうことも言えるんでしょうけれども、交通量は増えていて一応有効に使われているのに、なおかつそれで赤字が出るというのはやっぱり計算的にまずかったんじゃないかと。
 やっぱり、そのときには、本当に四国の経済にとって必要であれば、今回議論されているような有料料金だけじゃなくて、有料料金だけじゃもう造れないと、であれば、そのときに、じゃ税金を先に入れるような仕組みも私は作ってもいいんじゃないかというふうに思いますので、やっぱり今から、終わってから言うということは私はちょっと、後から税金を入れるというのはやっぱり大きな問題ですから、やっぱり真正面からそれを、情勢をとらえてほしいなというふうに思います。
 それともう一つ、これも今後の点でちょっとお聞かせ願いたいんですけれども、今回、四公団の債務のうち本四だけを、それも全体じゃなくて一・三四兆円切り離すということで、税金で処理するという法律なわけですけれども、今言ったのと同じことなんですけれども、これから、じゃ、公団の債務、ほかにもありますから、またこういうことが二度と出るということはないという認識を私はしているんですけれども、この点について、まず本四で残ったものは大丈夫なのかということと、あと、残り三公団についても、これは税金を投入しなくても大丈夫なのかという点について御説明願いたいというふうに思います。
#42
○国務大臣(扇千景君) これは、正直申しまして、平成十三年度の決算、これ、この間決算委員会していただきましたけれども、この本四公団は、御存じのとおり、利払いが収入を大きく上回っているというのは御存じのとおりで、六百五十五億円に上がる当期損失を発生していますね。そういう厳しい状況ですけれども、他の三公団については収入が利払いや管理費の合計をこれは上回っています。これ一々数字言いません、やめますから。けれども、少なくとも本四のような財務状況にはありません。
 そういう意味では、現時点において税金による債務の処理が必要とは考えていないというのは事実でございます。これは数字をもってしてもそうです。
 三公団につきましては、民営化に向けて債務を着実にあるいは確実に返済して、採算性を確保するためにより一層のコスト削減を図ろうということで、先ほど申しましたような民間人を登用したり、なおかつ例えば建設コストについては四兆円を超える縮減を図っております。これも御存じのとおりです、もう発表していますから。
 それからまた、管理費のコストにつきましても二割以上の縮減、また更に新たな技術開発等により併せて三割の縮減を図るということで、御存じのとおり、ETCを導入することによってインターチェンジもトランペット方式からダイヤモンド方式になるというように、あらゆる面でコスト縮減を図るということで、よって更に民営化に向けた具体的な制度設計というものが私は可能になる。また採算性が確保されて自立的な経営が可能となるという効率的な組織づくりというものを目指しているのは、先ほどの民間人を入れたこともその一環でございますので、私は他の三公団に関してはそういう御認識を賜りたいと思っております。
#43
○池口修次君 今の答弁で安心をしましたけれども、やっぱり税金を使うんなら最初に、税金を使うということを前提に国会の審議なり国民の皆さんの意見をいただくというのは、これは私はあってもいいというふうに思うんですけれども、終わってから、後でこうなっちゃったからもう税金を投入するしかないんですよということは是非、これだけじゃないですけれども、いろいろ公共事業、いろいろ管轄していますので、是非この点はお願いをしていきたいというふうに思います。
 それと、三点目に、今回の意見書でも本四架橋の債務の切り離しと料金の引下げというのは、これも大幅な引下げというのは同時にやるべきということで意見書にも書かれております。
 私は、ある程度やっぱり税金を投入して、料金はまた利用者から同じだと。その税金も道路特定財源から最終的には、まあこれも本当に道路特定財源を使っていいかどうかというのはあるんですけれども、ちょっと今日はその議論をしていると時間がありませんから、そういう前提を置きますと、ユーザーが払ったものを入れて、さらにユーザーの料金は全く変わらないということではおかしいんで、民営化委員会の言っていることは至極当然なことを言っているというふうに思うんですが、これがどういうことが今考えられているのか、お答え願いたいというふうに思います。
#44
○政府参考人(佐藤信秋君) 本四架橋の料金の、債務処理に併せて料金の引下げ、こういうお話でございました。
 平成十四年の十二月十二日に行われました政府・与党の申合せに基づきまして、この債務処理及び料金の引下げの基本的な考え方を決めていただいております。この申合せにおきましては、一・三兆円の有利子債務の一部切り離し、それから国及び地方による出資の期間を平成三十四年度まで十年間延長する、さらに基本料金の引下げについては地方の追加出資、十年間延長と、こういうことにしていただいておりますが、による経営改善効果等の範囲内で行うもの等の内容が決定されたところでございます。
 これに基づきまして、平成十五年の三月十八日、認可いたしました新しい特別料金は、一般車につきましては、現行の特別料金、これが基本料金の二〇%引きになっておるわけでございますが、これに対しまして更に一〇%割引、それからETC車につきましては、現行特別料金に対して一五%割引ということで基本料金の三二%の割引、更にETC車で前払を併用していただきます場合には、五万円の前払を行っていただきますと五万八千円までお使いいただける、こういうことでございますので、これを足し併せますと基本料金の四一%割引、こういう形であります。
 今回の料金割引につきましては、こうした政府・与党申合せの趣旨に沿いまして最大限の割引を実現した、こういうものと考えておりますけれども、今回の新たな料金体系につきましては、一年後に交通量の動向や社会情勢を踏まえて割引の在り方を改めて検討する、こういうことにしているところでございます。
#45
○池口修次君 最大で基本料金に対して四一%引くということのようですけれども、ただ、多分基本料金というのは民営化委員会が議論する前からの料金で、民営化委員会が議論したときにはもう下がっていたんじゃないかなというふうに理解していますが、そうすると、じゃそれで、四一%というので本当に正しいのかなというふうに思いますけれども、これは時間がないので次に行かせてもらいます。
 三点目に、今回新直轄方式を導入することによって料金収入での建設と新直轄方式というのを新たに方式として二つ作るという法律ですけれども、この新直轄方式という方式はいつまでかというのとはちょっと、どういう聞き方がいいか分かりませんけれども、どの範囲までこの新直轄方式が存続をするのかというところをまずお聞きをしたいというふうに思います。
#46
○政府参考人(佐藤信秋君) 先生の御質問は、どの範囲かというのは、現行の整備計画、九千三百四十二キロでございますが、いつまでか、どの範囲かと、こういうお話でいえば、一万一千五百二十キロと九千三百四十二キロの間の部分についてもこの新直轄方式なるものが適用されるのかどうかというような御質問ととらえさせていただいてよろしいんでしょうか。
#47
○池口修次君 それでいいです。
#48
○政府参考人(佐藤信秋君) 分かりました。
 まず、一番大事なことは、先ほど来御議論いただいております九千三百四十二キロ、整備計画が出ておるわけでございますし、これを新直轄方式と、それからまた公団、新会社による有料道路方式、この二つできっちりと整備を進める、こういうことが一番大事なことだと思います。
 したがいまして、この九千三百四十二キロの外側にまで新直轄がどのぐらいいけるか、こういう御質問に対して、にわかにその規模等についてお答えできるのは難しいと思いますが、しかしながら一万一千五百二十キロというものは我が国のこれからの在り方にとって必要なものということで法的にも決めていただいておるわけでございますので、いつかということは別にいたしまして、この新直轄方式なるものが一万一千五百二十キロと九千三百四十二キロの間に必要と判断されましたら、そこはこの方式を適用させていただくということがあり得るものと考えております。
 ただし、これはまず当面九千三百四十二キロをきちっとやって、それから後のいろいろな御検討、検討させていただく中で出てくる問題かと思っております。
#49
○池口修次君 もう一つ、今回新直轄方式と料金収入で造るということがどういう区分がされるのかということで、よく言われているのが新直轄方式というのは新会社が採算が合わないので造らないと、ただやっぱり国なり地方としてはその必要性を感じたものを造るんだというふうに言われておりますが、新直轄方式で造る道の、高速道路の定義みたいなのがありましたらちょっとお聞かせ願いたいというふうに思います。
#50
○政府参考人(佐藤信秋君) 定性的といいますか、性格的な問題と、それから基準の問題と、選ばれ方、プロセスの問題と、三つお答えしたいと思うんですが、定性的には新しい直轄方式で整備する路線、区間、これは整備の必要性が高いけれども料金収入で管理費を賄えない路線など、新しい会社で整備、管理が難しい、こう見込まれる路線、区間ということが一つあるんだろうなと、こういうことであります。
 具体的にどういう基準でやるか、こういう点について申し上げますと、現在、道路事業の評価の手法検討委員会ということで一月に設置いたしました委員会の中で、建設中路線の取扱い判断基準、これの詳細について御検討いただいているところであります。
 これは、民営化推進委員会の中で中村委員が学識経験者としてこういう基準について考え方としてお出しいただきましたものを具体化しようと、こういうことでありまして、具体的には、三項目といいますか、ございまして、採算性、それから既事業を除き残事業の費用と便益の比率、言ってみれば費用便益比でございますが、それから外部効果ということで、救命救急医療機関への到達時間とか、あるいは重要な港湾や空港へのアクセスがどれだけ良くなるかとか、そういうことを外部効果として評価しながら、指標化して評価しながら、そうした項目を総合化して、そして考えていくべきであると、こういう考え方を出していただいております。これを具体的に今しようとしておるところであります。
 そういうことを踏まえて、次に地方公共団体等の意見も聴くと、こういうことにもなっておりますので、その辺を十分聴きながら国幹会議で御決定をいただくようなプロセスを経ると、こういうことでございます。
#51
○池口修次君 この点について言うと、一番最初の議論に戻るんですけれども、やっぱりこれは九千三百四十二キロを造るというのをまず決まって、新会社が造るか造らないかというのが決まって、それから決まるというのが私は本来の筋だというふうに思うんですけれども、どうやって、何か検討なり、若しくは、今年度で一千三百億ぐらいの予算が付いていますから、決めるのかなというのは非常に難しいなというふうに私は実は思っております。
 ただ、時間がありませんので次の質問にしますけれども、もう一つ確認をしておきたいのは、今回新直轄については三対一の割合で地方も負担をするということになっていますが、地方が負担をする理由は何かということについて確認をさせていただきたいというふうに思います。
#52
○政府参考人(佐藤信秋君) 道路関係の四公団の民営化に伴いまして、採算性などの面から、先ほど申し上げましたように、新会社による整備が困難となる路線、区間の中で新たな直轄という方法によって整備していこうと、こういう方式であります。
 この点につきましては、昨年の十二月の道路関係の四公団の民営化推進委員会の意見書におきましても、国、地方公共団体などの費用負担等を前提とした新たな制度を政府において早急に検討すると、こうしたことが提案されておるわけでございます。
 高速道路の整備がその地域に大きな便益を生ずる、こういうことを勘案いたしますと、応分の地方負担を伴って新たな直轄事業道にする、これはそれなりに合理性のあることかなと、そうも考えております。
 地方負担を導入することによりまして責任とその役割を、義務を分担するといいますか、整備を要望する地域におきまして主体的にコスト意識を持って、更には関連の事業なども、これを一生懸命進めていただかないと利活用がいかがかと、こういう問題もございますので、そうした地域のプロジェクトとできるだけ一緒に主体的に地域で考えていただきながら、役割を担っていってお互いに協力しながら造る、これが大事なことかというふうに考えております。
#53
○池口修次君 今、私は局長が言ったことは大変大事なことだというふうに思いますので賛同するんですが、この方式についても、私、最初聞いたときには、一応そういう、本当に地方も負担をすること、若しくはやっぱり国が本当に整備する、必要なものは整備するんだ、地方も負担するんだと。当然、地方も負担をすれば当然その必要性について十分吟味されるのでということと、もう一つは、そうはいっても今の地方の財政の中でいきなり負担しろといっても難しいんで、自動車重量譲与税を変えて九百億地方に分配をすると。非常にうまい仕組みを考えたなというふうに実は思ったんです。
 ただ、よくよくその中身を見ていくと、本当にこれでいいのかなというのが実はありまして、ちょっとその点を確認させていただきたいんですが、この自動車重量譲与税、九百三十億ぐらいですかね、これは確かに譲与されるんですけれども、この半分が県で、あと半分が市町村ですかね、ということになっております。この自動車重量譲与税は配分式が決まっておりますので、満遍なくというか、今回、直轄方式、どこが新直轄方式で造るかというのは決まっていませんから、どこという限定が今の段階ではできませんけれども、そこに集中的に回すことはできない仕組みに実はなっているんですね。
 総務省の方に資料をいただいたら、じゃ、今回県別でどういう増え方をするのかということで聞きますと、実は一番増えるのは、北海道が約六十億円弱、今回の見直しによって増えるというふうに聞きました。一番少ないところは、鳥取なんかは今回の仕組みで増えるのは四億円弱、四億円強ですかね、しか増えないということで、佐藤さんがいますので福島はどう増えるのかというと、二十億弱なんです。(「岐阜県は」と呼ぶ者あり)岐阜県はちょっと計算していないんですが。ということで、もうこれは増えるのは決まっているんですよね。
 じゃ、多分、新直轄というのは日本全国一キロずつ刻みじゃないというふうに思いますので、どこかの県でこれから整備する区間が選ばれたとすると、これはどんと地方負担が発生するということに考えられます。じゃ、一千三百億円でどの程度道路ができるのかというふうに、これも国土交通省にお聞きをしたら、お聞きをしたらというか、私が勝手に計算したんですが、毎年、平成十一年から十三年で建設費というのは、用地費も含めて五十五・八億、平均が、まあ平成十三年度ベースで五十五・八億掛かっていまして、十一年から十三年を平均しても四十七億、約一キロ造るのに五十億なんですね。そうすると、一千三百億というと、せいぜい造れても三十キロぐらい。
 そうすると、これは、場合によっては一県で三十キロぐらい掛かる可能性があるんですよね。そうすると、そのときの地方負担というのは、三十キロの道路を造るために例えば一県でそれを負担するということになると、地方の負担は三百二十三億ということで、今回の譲与税の増額で釣り合う県もあるんですが、まずかなり釣り合わないんですよね。
 鳥取かどうかというのは分からないんですけれども、一番少ない、譲与税が少ないところで計算をしますと、鳥取は年四億しか増えませんから、十五年としても六十億。もし鳥取で直轄道路を三十キロ造るとすると、この三百二十三億と六十億の差額は、これはその県が負担しなきゃいけないということになるんですね。本当にそんなことができるのかどうか。ただ、できるところは、北海道とかいうのは年間五十六億増えますから、これは直轄道路を幾らでもできるんですね。
 どうもこれは地方にとっても非常に不公平な制度じゃないかというふうに私は考えているんですが、この点、いかがでしょうか。
#54
○政府参考人(佐藤信秋君) 全体のスキームといたしまして、全体の枠組みといたしまして、ただいまのお話と、大変恐縮でございますが、ちょっと違う部分がございまして、まず、自動車重量税の地方への割合は、配分割合は変えまして、九百三十億円ほど、これが参りますのが市町村に回ると。先生今御指摘の部分は、多分その市町村ごとに、市町村に対して回る分を県ごとに合計いたしますとどのぐらいになるかと、こういう御議論だと思います。
 そこの部分を、九百三十億をおおむね半分半分で都道府県と市町村でそれぞれお分けいただきたいと、こういうことで総務省の方でいろいろ御検討いただいて、都道府県と政令市に、実は地方の、今度は揮発油税の方です、地方の道路譲与税、この部分がある配分割合で今まで行っているというものを変えていただく。具体的には、地方道路譲与税の従来都道府県に回る分を、百分の四十三でありました、これを百分の五十八にしていただいて、逆に市町村の方は百分の五十七を百分の四十二にしていただく。こういう形で地方道路譲与税の方で都道府県と市町村の配分を調整していただいて、都道府県の方に参ります九百三十億円のうちの片寄せ分といいますか、配分が四百五十億円ほどある、こういう形になっておるわけでございます。
 そういう前提で、具体的にじゃその新直轄の地方負担の分についてどういうふうに計算していただくか、こういう問題になるわけであります。
 これにつきましては三点申し上げたいと思うんですが、基本的には、今の地方道路譲与税の都道府県への配分の中の都道府県への配分割合を相対的に道路整備の、高速道路整備の後れているのが地方の方でありますから、ここの分の配分割合を変えていただいて、大都会より相対的に後れている地方の方へこれに対する傾斜配分をしていただいていると、これが一点であります。
 それから二点目は、実際に高速道路の整備に伴って具体の箇所が決まって地方の負担が出てきます場合に、これの新直轄方式による地方負担について、地方債を九〇%充当する。後でその元利償還金について五〇%は交付税で事業費補正によって見ていただく。これが二つ目に申し上げるべきことだと思います。
 三つ目には、地方負担そのものにつきまして、後進地域のかさ上げの特例、これを適用するということにしておりますので、県によりましては最大二五%で〇・九までを限度とするかさ上げと、こういう措置がございますので、そういう意味では四分の三、四分の一の負担、国が四分の三の負担、七五%、こういう形ではありますが、県によりましてはそれが九〇%国負担、こういう形になる。
 以上のようなことを前提にして、できるだけ実質的な負担がないという形でやっていただく。ただし、全く一対一対応ではありませんから、そういう意味では地方が責任を持って、自分たちも必要だという決意をしっかりとするということもまた大事なことだと考えております。
#55
○池口修次君 今言われたような、全部私は正確に理解したわけじゃないんですけれども、多分私が言ったようなものじゃ地方だって怒るところが出てきますから、いろいろな調整がされるというふうに私も実は思ったんです。
 ただ、逆に言うと、余り調整をしちゃうと、本当に今までと同じように負担をしないんだから造ってくれ造ってくれということになるというところが逆に言うと改善がされないので、何でこういうことになったのかというまた矛盾をはらんでいるんじゃないかなというふうに思うんですが、やっぱり本当にこれから地方なり国が必要とするところを税金で造るということの趣旨が本当に生かされるような仕組みというのを、余り調整をし過ぎても、私は、本当に自分が負担するんだから造ってくれという声にならないし、逆に余り負担をさせても、地方にとってはそんなことじゃとてもうちの県の財政じゃできないということになりますので、そこら辺のさばき方が非常に難しいというように思うんですが、本来の目的でありますところの必要性を十分吟味をして、税金を場合によっては投入するということに是非していただきたいというふうに思いますが、ちょっとこの点について大臣の考えがもしありましたらお聞きしたいんですが。
#56
○国務大臣(扇千景君) やっぱり私は、新直轄方式というのは本当に知恵だと思います、正直申し上げて。
 それは、私はやっぱり、みんながこれだけ無駄だ無駄だと言われて、夢も希望も各地方が持てなくなってしまったんでは私は身もふたもないと思うんですね。少なくとも日本が元気になって、より経済効果を発揮し、なおかつ住民あるいは県民、市民の生活、あるいは村民の生活も良くなるよというこの明るさが見えなければ、今の経済状況も、そしてまたどんなに小さな皆さん方でも汗水垂らして税金払って、公共事業というものを全部無駄とは言わないというのは、皆さんの御意見だと思うんです。必要なところには必要なものを造るということで、私はある意味では地方の公共団体の皆さん方、地方の皆さん方が、ここをうちの県はどうしてもしてほしいんだ、うちの村はこうなんだという、その御希望を御用聞きをするというのが私は新たな新直轄方式だと思っています。単純な言い方をすればですね。
 そして、なおかつ、直轄方式というのは地方の負担を伴うものですから、その負担が今までよりも多くなって、そしてなおかつ希望の道が造れないというのでは申し訳ないということで、今回は今までの少なくとも三分の一だったものを変えていこうと、あるいは四分の三まで負担しようとか、その比率も全部変えていこうということで、地方に希望を持ちながら選択した道路は国と地方にも負担していただいて、早期に、なるべく早期に完成できるようにしようという、その新直轄方式というのは私は新たな知恵だと思っていますので、是非このことを皆さん方に御理解いただき、各地域、各市町村でもこの新直轄方式で希望の見えた、あるいは地元の一番の要望を達成する私は方式に育ってほしいと思っております。
#57
○池口修次君 では、環境省の方が来ていらっしゃると思いますので、環境税についてちょっとお聞きをしたいというふうに思います。
 関連がないように思われる方もいるかもしれませんけれども、今回の二つの法律というのは最終的に道路特定財源が使われるということです。この是非について、本来の目的がどうかというのはちょっと今日は議論はしませんけれども、一応法律としては、ユーザーが負担をしたある意味道路特定財源の使い方が拡大をされるというふうに私は受け止めております。
 環境税、これも中身を聞かないと分からないんですけれども、多分何らかのユーザー負担がされるんじゃないかと、求められるんじゃないかというふうに思っていまして、そうすると、どんどんユーザーの負担というのが当初の道路特定財源を設定したときに比べると増えてくるんじゃないかなという懸念をしております。そんな観点で、ちょっと環境省の考えておるその環境税についてお聞きをしたいというふうに思います。
 本会議でも質問をさせていただきまして、たしか六月ぐらいをめどに今一応検討、審議会等で検討しているということのようですが、まず今の検討状況について、まず環境省からお聞きをしたいというふうに思います。
#58
○政府参考人(炭谷茂君) いわゆる環境税、温暖化対策のための環境税につきましては、環境省といたしましては、温暖化対策は政府の方針でステップ・バイ・ステップのアプローチに沿って行うということになっております。そして、二〇〇四年に実施されます対策の進捗状況の評価、見直しにおいて必要とされた場合には、第二ステップが始まる二〇〇五年以降の早期にこれを導入することが望ましいのではないかという方針で検討しているわけでございます。
 現在、この方針に沿いまして、中央環境審議会の地球温暖化対策税制専門委員会におきまして、温暖化対策上の効果が得られるとともに、我が国の経済活性化や雇用創出にもつながるというような方向で具体的な案の検討を進めていただいております。この検討をできれば今年夏ごろまでを目途に取りまとめていただき、これを世の中にお示ししまして、国民の皆様、また関係方面の理解が得られるよう最大限の努力を払ってまいりたいと考えている次第でございます。
#59
○池口修次君 検討段階ということなんで、すべてを御説明いただくということは難しいと思いますが、まず二点だけ確認させていただきたいんですが、環境税を導入をして、一つは、何のために環境税を導入するかということと、じゃ、その入ってきた税金というのを何のために使うのかという点について、まずお聞きをしたいというふうに思います。
#60
○政府参考人(炭谷茂君) 環境税の目的でございますけれども、温暖化対策のために掛ける環境税でございますので、これは環境負荷に応じて価格を変えるということによりまして消費者の方々や事業者の方々が自主的に自らの行動を環境の負荷の少ないような形に促進していただくということを目的とするものでございます。これは温暖化対策を進める上で効率的な方法であると認識している次第でございます。
 また、環境税の使い道でございますけれども、いろいろな議論があるわけでございます。環境省としては、その税収が例えば燃料電池や省エネなどといった環境保全技術の開発普及、吸収源対策の推進といった対策に幅広く活用されれば温暖化対策上の効果が得られるととともに、環境産業の発展等を通じまして、我が国の経済の活性化、新たな雇用の創出を資するものと考えている次第でございます。
#61
○池口修次君 もう一点お聞きしたいのは、環境税の財源というか税源、これをどういうふうに今の段階で考えられているのかということと、想定されるものには、既に税金が掛けられているものがほとんどそれとダブってくるんですけれども、現行税制との調整というのは考えられているのかどうかというのをまず環境省にお聞きしたいというふうに思います。
#62
○政府参考人(炭谷茂君) 現在、先ほどの専門委員会において検討をいただいている途上でございますけれども、現在の議論で申しますと、温暖化の原因となっております温室効果ガスを幅広く課税対象にする、これは六つの温室効果ガスがあるわけでございますけれども、またさらに、一つの検討対象として、化石燃料だけに幅広く課税するという、二つのことを基本にいたしまして御検討されているわけでございます。
 また、先生が御指摘のように、これらのものについては既存の税制によって課税されている面がございます。これにつきましても、どのように調整をするか、どのように考えるかということについて、一つの論点としてこの専門委員会について御検討をいただいているところでございます。
#63
○池口修次君 検討段階ということですので、私としての要望なり考え方をお話しするだけになってしまうかもしれませんけれども、環境税にしろ、道路特定財源、道路関係諸税にしろ、やっぱり払うユーザーからすれば、同じ税金を払う、税金を払うということについてはもう同じわけで、じゃ、今の自動車ユーザーが負担している税金がユーザー以外が払っている人と比べてどうなのかというところのやっぱり公平感というのは非常に私は大事であるというふうに思っております。
 そういう意味で、今の自動車関係諸税でも私は諸外国に比べて高過ぎるんじゃないかと、取り過ぎているんじゃないかということで何回か扇大臣にもお願いをして、まだ実現はしてないんですけれども、ただ、やっぱり今の税源でも消費税等を全部入れれば九兆円程度は自動車ユーザーが払っているわけですから、本当に自動車ということの社会的意味合いからして、本当にユーザー、自動車ユーザーがそれだけ今特別に負担しなきゃいけない御時世なのかなというところについては、私は大変疑問を持っております。
 これから検討ということで、調整されるかどうかというのはまだ検討中ということなんで答えはいただけないかというふうに思いますが、是非、これ以上自動車ユーザーに掛けるということで税の公平性が保たれるのかどうかというところは、慎重にというか、是非突っ込んで検討をした上で、提案なら提案ということをしていただきたいというふうに思いますが、もしこの点について、十分慎重にやりますと答えてくれると一番有り難いんですが、いかがでしょうか。
#64
○政府参考人(炭谷茂君) 先ほども御答弁いたしましたように、これが既存の税制との関係、国民の負担との関係ということも、現在、税制専門委員会の一つの論点ということで認識していただいておりますので、十分御議論いただく、いただけるというふうに考えております。
#65
○池口修次君 当初もくろんだ、八十分程度に短縮したいというふうに考えておりまして、ほぼ八十分になりましたので、一応今日はこれにて質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#66
○委員長(藤井俊男君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時四十分まで休憩いたします。
   午後零時十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時四十分開会
#67
○委員長(藤井俊男君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、本州四国連絡橋公団の債務の負担の軽減を図るために平成十五年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案及び高速自動車国道法及び沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#68
○森本晃司君 公明党の森本でございます。
 まず最初に大臣にお伺いしたいと思います。
 高速道路というのは、その在り方についていろいろ議論されているわけでございますけれども、しかしこれは国の基幹的なインフラであるというふうに考えていくことが一番大事なことではないかと私は思っております。
 そこで、そういう大事な基幹インフラを整備をきちんとしていくということは、これは私は国の責任で着実に整備すべきではないかと考えるんですが、いかがでございますか。いろんな御意見が出ているようでございますが、国がきちんとやらなきゃならないものだと思いますが、大臣、お答え願います。
#69
○国務大臣(扇千景君) 森本議員がおっしゃったように、国の社会資本整備、公共事業と言ってもいいかもしれません、どこまで何をどう作るのか。私は、国というものの体系の中で根幹的なものが私はあろうと思います。その国が世界に伍して生きていくためには、少なくとも私は空港、国際空港、国際港湾、そして道路、鉄道、あらゆるもののインフラがすべからく連結をして、より効果的で、より安価で、より安全であるべきであるという、私はそういう基本があると思います。
 ただ、その場合、日本のように大変二十世紀の大きな変化の中で、言ってみれば一度丸裸になってしまった日本がどう整えていくか。衣服を調え、住宅を整え、そして生活を作っていくかというその基本に立ったときには、万やむなく、二十世紀のある時期に日本はその丸裸からすべてを整えるその手段として、本来は国が全部負担をする、責任を持って国際空港、国際港湾、そして国際交通、あるいは日本の利便性、経済の成長、あらゆるものを考えたら、私はそれは国のやる仕事であり、その国の社会資本整備というものの根幹は、まず国が整えて、さあ、皆さんどうぞ、我が国の発展を考えましょうというのが私は基本だと思っています。
 ところが、今申しましたようないろんな事情で二十世紀に我々は裸一貫からもう一度出直そう、そして欧米先進国に追い付け追い越せということで、万やむなく道路公団のように輸銀からお金を借りて高速を造ったり、あらゆることをしながら、苦心惨たんして日本は今日の二十一世紀を迎えたわけでございますから、本来は、あるべき姿というのはすべて皆さんからいただいた税金で造り上げて、基礎は造って、さあ、どうぞ、皆さんにお使いくださいと言って、安全と安心の責任だけは国で責任を持つと。これが私は本来の姿だと思っていますけれども、今申しましたような事情で、やむなく税金だけで賄えない部分、また借金で苦しみながらも経済成長のためにはやむを得ないと思って造ったもの、あらゆるものがございますから、そういうものに対して、今それの結果をどうするのか。
 借金を重ねても造らなければいけないものを造った、それで今日があるわけですから、その借金も今は返す段階に来ているということで、苦しみながらも、我々は今まで二十世紀に造ったものをどう維持、なお発展させていくかというその境目に来ているのが現在だと思っています。
#70
○森本晃司君 民営化の意見書によりますと、民営化後十年程度で会社が道路資産を買い取るということにされているわけでございますけれども、しかし有料道路方式を使っている諸外国でも最終的には国に帰属することになっていると私は認識をしております。国民の共有財産である道路、これを私有化するということはおかしいと考えるのですが、国土交通省の見解をお伺いいたします。
#71
○政府参考人(佐藤信秋君) 高速自動車国道は、広域的な連携で地域の自立促進とか活力ある地域社会の形成に不可欠、こういう根幹的な施設であります。その計画、整備、管理につきましては国が責任を持つ必要があると考えております。
 例えば、高速道路の運営主体を民営化したフランスやイタリアの例について見ますと、フランスでは高速道路資産は常に国に帰属しております。イタリアにおきましても、コンセッション期間終了後には国に移管される、こういう仕組みになっていると承知しております。
 いずれにいたしましても、国民の共有財産である高速道路を国民が常に適切な管理状態で利用できることが最も重要な前提条件である、こう考えておりまして、この考え方を踏まえまして、高速道路資産の帰属の在り方につきましては、昨年十二月の閣議決定に従いまして、委員会の意見を基本的に尊重するとの方針の下で、所要の検討を進める中でその方向性を見出してまいりたいと思っております。
#72
○森本晃司君 民営化推進委員会の意見書に沿って公団を民営化しますと、新規路線の建設、単独採算が厳しい区間ばかりでございますが、そういったのが新会社の経営判断にゆだねられるということ、それから固定資産税等の公租公課による投資余力の外部流出があるということ、それから資金調達コストが高くなるということ等から、高速道路方式による高速道路整備の追加投資が実質的にできなくなってしまう、そして高速道路の整備スピードが極端に遅くなるのではないかと危惧しているところでございます。
 整備計画区間九千三百四十二キロの早期整備のためにも料金収入を最大限に活用する必要があると思うのですが、お考えをお伺いいたします。
#73
○政府参考人(佐藤信秋君) 民営化推進委員会の意見書におきましても、新会社が自主的に建設の判断を決定するということとしつつも、新会社はその設立目的に照らしまして今後の高速道路の建設に関し相応の役割を果たすべきであり、本委員会としてはそうした点を配慮の上で新会社が設備投資の意思決定をすることを希望する、こうした記述が出されているところであります。
 したがいまして、通行料金は極めて公共性が高いものである、こういうことを考慮いたしますと、確実な債務返済を前提とした上で一定の余力も期待されていると。こういうことから、会社の自主性にも考慮しつつ、例えば渋滞解消、環境改善、高速道路ネットワークの早期の拡充、こうしたことを通じて国民や利用者に適切に還元されることが可能な仕組みとする、こういう必要があると考えております。
 このような考え方を踏まえつつ、具体的な制度設計につきまして、昨年の十二月の閣議決定に従いまして、委員会の意見を基本的に尊重するという方針の下で所要の検討を進めてまいりたいと思っております。
#74
○森本晃司君 次に、大臣にお伺いいたしますが、従来の有料道路方式、それに今回新直轄方式を導入されることになって、二つの高速道路整備のスキームが活用されるようになります。活用することができるわけでございますけれども、この二つのスキームによって整備計画区間を早急に完成するということが大事ではないかと思うのですが、大臣の力強いメッセージをお伺いいたします。
#75
○国務大臣(扇千景君) 現在、御存じのとおり、整備計画の九三四二キロメートル、これは、少なくとも私たちは、国民の、経済的に見て整備の必要性があるということでこれは決定されたわけでございます。法的にも確立されているわけですけれども、私は地元にもこの九三四二というのは具体的に路線を発表し、なおかつ私に言ってきた地方の市長さんなんかは、これが来ることによって市としての計画を、都市計画を作って、この道路のそばには工業団地を造りたかった、この道路の横にはスーパーマーケットを持ってきたかったというようなことで、既に九三四二に関してはそれぞれの地域が計画を持っていらっしゃいます。既にそれも市議会で通ったり、みんなそれぞれの地域の工夫をして、この九三四二を待ち焦がれているというのが私にいろんな声を持っていらっしゃる皆さんの本音でございます。さすれば、その九三四二キロメートルについてはどうするか、いかに早く御希望にこたえられるかという、これは法律で決まっているわけですから、我々は法律を遵守すると。それなればどういう方法がいいかということで、有料道路料金のただ割高感というのが、現状では皆さん持っていらっしゃいます。高いな、安ければもっといいのになという声も、これも一方ではございます。そういう意味では、有料道路というものの限界もある程度来ている、これも否めません。
 というところで、そうすれば、私たちは、民営化することによって、コストの意識の徹底とかあるいは採算性を重視した効率的な事業運営の下に進められる有料道路方式というようなことも含めて、整備の必要があるものの採算性の乏しい路線に関しては国と地方の負担によって直轄方式で、この二本立てでいこうではないかと。そうすると、地方の要望で、自分たちが負担してもどうしてもここを早くしてほしい、そういう御要望が出たところは、コストの縮減を図りながら造っていく直轄方式というものを今後初めて導入するわけですから、そういう意味では私はより地方の要望にこたえた方式が二通りできたというふうに、どちらかを選択してくださればいいということで、私は所期の目的、また地方の御要望にも即した今回は案であると考えております。
#76
○森本晃司君 高速道路の整備を進めていくと同時に、既存の高速道路をやはり有効活用する方策をしっかりと講じていくことが必要ではないかと思われるわけでございますが、その有効な方法として料金を下げるということがあるかと思います。これは実に効果的な方策でもあるというふうに思っておりますが、また一方、この直轄方式になりますと無料になるということもありまして、ここにやはり不公平感も持つ人も中には出てくるんじゃないかなというふうに思います。
 そういう気持ちを緩和するためにも、料金を引き下げるということと料金を逓減する弾力的な運用が必要だと思いますが、お答え願います。
#77
○政府参考人(佐藤信秋君) 高速道路の料金を弾力的に設定するといいますか、割引を考えると、こういう問題かと思います。
 一例を申し上げますと、一般道路が非常に込んでいて高速道路がすいているというような事例として、昨年、十四年度にいろんな調査を、割引したりしながら調査、実験をやってみたりしております。その場合に、例えば通勤時間帯、朝の六時半から九時半、これを半額にしてというようなことで様子を見た区間、路線もございます。そうしますと、そういう込んでいる、一般道路が非常に込んでいる時間には半額にすることによりまして逆に乗っている交通量が倍以上になったと、こういうような事例もございます。
 そういうことも含めまして、一律に料金を引き下げる、これはなかなか二十二兆円の高速道路の持っている有利子債務をどう返済するかと、こういう問題もございますので、そうしたいろんな工夫を、時間帯あるいは長距離、こういったようなことを、割引をいろいろ考えてみる必要があるんではないかと、こんなふうに思っておりまして、十五年度におきまして、ETCを活用した長距離割引、あるいはまた逆に短区間割引、あるいはまた路線、区間、高速道路の種類によっては夜間の割引とか、そうしたことを弾力的に行う社会実験、こういうものを十五年度に実験してみようというふうに思っているところでございます。
 そうした効果あるいは採算性に与える影響を十分に調査、把握した上で、利用者のニーズに対応した多様で弾力的な料金割引の導入に向かって検討してまいりたいと思っております。
#78
○森本晃司君 ETCのことについてはまた後ほど議論さしていただきたいと思いますが、このETCを使うことによっていろんな工夫ができるかと思いますので、是非それを活用し、弾力的な料金設定で国民の皆さんの要望、あるいはまた混雑回避、そういったことにもこたえていくべきだと私は思っておりますので、これからの取組も是非よろしくお願い申し上げます。
 次に、本四公団に関する質問をさせていただきたいと思います。
 今日は、本四の藤川総裁、わざわざお見えいただいて大変恐縮でございます。日ごろは何かといえば本四公団をターゲットにするような話があるわけでございますが、非常にその中で御苦労いただき、奮闘いただいておることに私は感謝申し上げ、同時に、そこでまた国民の皆さんのいろんな要望にこたえるためにも数点お尋ねをさせていただきたいと、このように思っておるところでございます。
 まず最初に、これは道路局長にお伺いするわけでございますけれども、本四架橋の計画から着工、そして供用開始に至る経緯についてお尋ねを申し上げます。
#79
○政府参考人(佐藤信秋君) 本四架橋につきましては、昭和三十年に国鉄の宇高連絡船紫雲丸が瀬戸内海で第三宇高丸と衝突して沈没いたしました。小中学生を含めまして百六十八人が死亡いたしました。
 これらを受けまして、本格的に建設省が調査を実施し、昭和四十四年に策定されました新全国総合開発計画におきまして、中国及び四国を一体化し、近畿圏及び九州地方とも結ぶ有機的な交通体系を構築するため、三ルートの整備が位置付けられました。昭和四十五年には、本四公団法が衆参両院ともに全会一致で議決され、本四架橋の建設管理の体制が確立したわけでございます。昭和四十八年の九月には、本州四国連絡橋三ルートにつきまして、建設大臣及び運輸大臣が工事に関する基本計画を指示し、これに基づきまして公団が工事実施計画を作成しまして、昭和四十八年十月に建設大臣及び運輸大臣が認可したところであります。
 しかしながら、この認可一か月後でございますが、昭和四十八年十一月、石油ショックに伴いまして、総需要抑制策の一環として着工が凍結されました。昭和五十年に経済企画庁長官、国土庁長官、建設大臣の協議によりまして、当面一ルート、鉄道併用橋の早期完成、他の二ルートで当面着工すべき橋は関係各省庁間で協議の上決定、こうすることとされまして、協議によりまして、当面着工すべき三橋として、大三島橋、大鳴門橋、因島大橋が決定したわけでございます。
 その後、国土庁長官、運輸大臣、建設大臣の協議によりまして、昭和五十四年に伯方・大島大橋、昭和六十年に明石海峡大橋、生口橋、昭和六十二年に来島海峡大橋、平成元年に多々羅大橋、これらの事業化を決定しておりまして、関係予算につきまして毎年度国会で御審議をしてきていただいたところであります。
 また、昭和六十三年に児島―坂出ルート、平成十年、神戸―鳴門ルート、平成十一年には尾道―今治ルートが開通して、三ルートの概成を見ているところでございます。
#80
○森本晃司君 本四道路というのはいろんな効果ももたらしていると。殊に関西圏に与えた影響は大きいんではないかと思われるわけでございますけれども、自治体が出資するに値する価値をもたらしているのかどうか、その点についてお伺いいたします。
#81
○国務大臣(扇千景君) 午前中にも岩城政務官からるる細かいお話がございましたので既にお聞き及びだと思いますけれども、少なくとも、平成十年の四月、明石海峡大橋開通によりまして徳島から神戸まで所要時間はそれまでの、フェリーを利用しておりましたけれども、フェリーは最速で四時間半掛かりました。それが現在では一時間四十分、少なくとも三分の一に短縮されたんですね。ですから、四国と関西圏の移動は格段に便利になっております。
 また、この結果、平成十三年度の明石海峡断面のフェリー輸送も含めた自動車交通量は、架橋前の平成九年度に比べて台数で約二・四倍、輸送人員で一・七倍と増加しているのは御存じのとおりでございます。
 また、四国と関西圏が高速道路で直結されたことから高速バスの定期便が新たに運行されましたけれども、この利用者に好評で、例えば明石海峡大橋を利用する大阪、神戸と四国間の高速バスは、平成十年四月で百六十二便、それが現在、平成十四年四月、今、四月ですけれども、昨年の四月時には三百二十七便、バスだけでもこれだけ倍増しているんですね。なおかつ、平成十三年度では年間二百三十七万人が利用するというまでに至っています。
 そして、観光面でも、明石海峡大橋の供用直後には、平成十年度と平成十三年度を比較しますと、大阪市を訪れる観光客は九千六百万人から一億百万人へ約五%増加をいたしております。このうち四国からの観光客は二百七十万人から四百三十万人へと約六割増加をしているというのが現状で、これほど大きな伸びをしているという、数字だけを見ましてもよく分かっていただけると思います。
 このような四国と関西圏の交流の活発化によりまして、関西圏での消費活動の増大あるいは観光の活性化、そういうものが図られて大きな経済効果があるということだけは分かっておりますけれども、惜しむらくは、料金がもっと安ければもっと倍増していたであろうということも言えなくはありません。
#82
○森本晃司君 平成十四年度末の本四公団の有利子債務、三・五兆円でありますけれども、将来の金利水準を四%、平成十五年度以降、交通量の伸びなしなどと前提して、約一・三四兆円の有利子債務を切り離すことによって本四公団の債務というのは確実に償還されるものかどうか、道路局長にお伺いいたします。
#83
○政府参考人(佐藤信秋君) 本四道路の債務処理につきましては、有利子債務のうち約一・三四兆円を切り離す、それと国、地方からの出資を平成三十四年度まで十年間延長していただく、この処置によりまして、現在約三・五兆円の有利子債務が、平成十五年度において一・三兆円を引きますので二・二兆円に縮減される。さらに、平成五十七年度末までに解消できると、こう見込んでいるところでございます。
 この見込み償還計画の前提条件といたしましては、平成十三年度の調達金利約一・六%でございますが、これを将来は調達金利が四%まで上がるというふうに見込んでいること、それから構造改革と経済財政の中期展望、平成十四年、昨年の一月の二十五日に閣議決定されておりますが、これとこれの参考資料、内閣府が作成しておりますが、による実質の経済成長率、これは平成十五年度が〇・六%、平成十九年度から平成二十二年度におきましては年率一・九%成長、こういうふうにこの展望の中では見込んでおられます。しかしながら、将来交通量について、本四道路の場合には安全側を見て、平成十五年度以降に基本的に伸びを見込まない、こうしたことも安全側の前提条件という形で設定しております。こうしたことによりまして確実な償還を期している、こういうことでございます。
#84
○森本晃司君 そこで、総裁にお伺いするわけでございますけれども、国に債務を承継し、税金で処理するというからには、管理コストの縮減と、あるいは本四公団も徹底した経営合理化を行う必要があるかと思いますが、総裁が大変御苦労されてそういった問題に取り組んでいただいていると伺っております。どのような経営合理化に取り組んでおられるのか、お伺いいたします。
#85
○参考人(藤川寛之君) 当公団といたしましては、これまでも大変厳しい経営状況にございましたので、役職員一丸となりまして経費節減等の経営合理化に全力で取り組んできたところでございます。
 具体的に二、三申し上げますと、職員の定員につきましては、平成八年度に、これはピークなんですけれども、七百二十二名の職員がおったんですけれども、この職員を平成十四年度末までに二百五十名減らしまして、約三分の二ぐらいになっておるわけでございますが、四百七十二名に削減いたしております。また、管理コストにつきましても、すべての業務につきまして総点検をいたしまして、節減できるところをできるだけ節減していこうということで節減の努力をいたしまして、キロ当たりの管理費でございますけれども、平成九年度に対比いたしまして、平成十四年度におきましては三四%の削減をやってきております。
 そういう努力を行ってまいりましたが、今般、債務切離しの予算措置というのが政府予算に盛り込まれまして切り離されることになりました。当公団といたしましては、国土交通省、財務省等の御指導も得ながら、引き続き更に一層の経営合理化に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 具体的に申し上げますと、役員の数につきましては、理事の数を平成十二年七月に一名減らしておりましたが、更に今年の一月に一名減らしまして三名にいたしました。また、職員の定員につきましては、先ほど申し上げましたように、四百七十名まで減らしているんですけれども、更に五十二名の削減を平成十七年度までに行おうというふうに考えております。この五十二名の削減をやりますと、平成八年度からの削減というのが四二%の削減ということになります。
 また、そのほかの経費節減といたしましては、一層の経営改善に取り組む姿勢を明らかにしていこうということで役員給与を一五%から五%自主返納させていただいております。また、幹部職員の役職手当につきましても一五%から一〇%削減することにいたしております。また、管理費につきましても更にできる限り削減していこうということで、平成十四年度から平成十七年度までの三か年で約二割、更に削減したいというふうに考えているところでございます。
 などなど、今回の債務切離しというのを大変重く受け止めておりまして、引き続き更なるコストの縮減あるいは利用の促進等に公団としても最大限の努力を払っていこうというふうに考えているところでございます。
#86
○森本晃司君 更なる経営合理化等々を行っていただきまして国民のいろんな要望にこたえていっていただきたいと、こう思うところでございます。
 その中で、管理コストの削減、縮減ということが一つは大きな課題にはなっているわけでございますけれども、今度は、だけど橋梁の万全な管理ということも大変必要ではないかと思っております。今朝からも、沓掛先生がその道の御専門であったというお話をお伺いいたしまして、いろいろと橋の管理、これはきちんと手入れをすれば長い間橋というのはもつものであるというふうな話も伺いました。ニューヨークのブルックリン橋、これは一八八三年に完成いたしまして、今年で百二十年を迎えているわけでございます。きちんとしたそういった手入れも必要ではないかと思いますが、管理コストを縮減しつつ橋梁を適切に管理していくためには今また新たな管理技術というのが必要ではないかと、このように思っております。
 本四公団ではいろんな橋梁に関する世界的な技術、極めて高水準の技術もお持ちでございますが、その辺についてどう考えておられるか、お伺いいたします。
#87
○参考人(藤川寛之君) 本四連絡橋につきましては、非常に水深が深い、あるいは潮流の速いという大変厳しい自然条件の中で、大変苦労いたしましていろんな技術開発、創意工夫をしながら、また大変な建設費を掛けて造ってまいったものでございます。そういう大変貴重な私どもとしては国民的資産だというふうに考えているところでございまして、しかもこの連絡橋を架け替えるというのはもう容易なことではございません。
 そういう意味で、今お話がございましたように、この本四連絡橋という長大橋梁群をやはり適切にきちっと保全して、百年、二百年、私ども職員の中では五百年を目指そうというふうに考えておりますけれども、そういう長期間にわたって機能が保全されるようにきちんとした手当てをこれからやっていく必要があるというふうに考えているところでございます。
 ただ、建設と同じように、こういう長大橋を管理するのもやはり初めて経験する分野でございます。できるだけ私どもといたしましては、いわゆるライフサイクルコストというのを最小にするような形で長期間機能が保全できるように工夫してまいりたいというふうに考えているところでございまして、管理段階にいろんな管理の技術が必要になるわけでございますが、そういう長大橋の管理に係る技術の開発を従来からいろいろ行ってきておりまして、この長大橋の技術開発のための調査というのも平成七年度から付けていただいておりますし、また私ども公団の中に長大橋技術センターというのも、そういう組織も設置いたしまして、できるだけ効率的で経済的な保全ができる技術開発をやってきたところでございます。
 具体的にちょっと申し上げますと、一つは、つり橋ではケーブルというのが一番大事といいますか、このケーブルがやられますと、橋、長大橋のつり橋そのものがおかしくなるわけでございますので、このケーブルをやはり長期間もたせなきゃいけないと。そのためにはやはりさびないようにするということが必要でございますので、このケーブルの防食のために乾燥空気を送るというシステムを世界で初めて導入をいたしております。
 乾燥空気を送り込んで乾燥させることによっていわゆる腐食というのが進まないということに、そういうのを確認しておりまして、そういうシステムを導入しておりますし、また基礎の、鋼製のケーソンでできているんですけれども、このケーソンのやはりさびを防ぐような、防食を手当てすることとか、あるいは塗装というのが非常に大事になってくるわけですが、この塗装にも大変なコストが掛かりますので、塗装を、箱げたの塗装、箱げたの構げたなんですけれども、これをロボットで塗装するというような、ロボットで塗装することによってコストを削減すると、そういうシステムを実用化するなどのいろんな技術開発もやってきているところでございます。
 今のところは、建設されまして、いわゆる完成してからまだ日が浅いということで、比較的管理コスト等も今のところは掛からないわけでございますけれども、これからやはり老朽化してまいります。老朽化するに伴って、海の上という大変自然環境の厳しいところでもございますので、例えば将来的には、つり橋のケーブルからけたをつっていますハンガーロープというのがあるんですが、ああいうものを、やはりさびてまいりますとこれを取り替えなきゃいけないとか、いろんな補修あるいは更新等が必要になってくるというふうに考えております。
 やはりそれらにつきまして、最初に申し上げましたように、できるだけコストを安くしながら、しかも長もちするような、そういういろんな管理技術を我々としても開発し、それを現在、実際に現場に適用することによって、最初申し上げましたように、できるだけ長期間この橋が機能保全されて、将来の後世代に引き継がれるように最大限の努力をやっていこうというふうに考えているところでございます。
#88
○森本晃司君 ETCについては数多く質問をさせていただこうと既に通告をしておったわけでございますが、時間の関係上、今日は本四にかかわる問題だけお伺いをさせていただいて、他の分野は次のときにまた再質問をさせていただきたいと思うところでございます。
 ETC利用者に対して、本四では一般利用者以上の料金割引を打ち出しておられるようでございますけれども、ただ本四にはETC専用の道路、あれがなくて、ETCからカードを取り出して、そしていったん止まって、それでそこの料金所でそれを渡す、それをまた今度はチェックして、そしてどうぞ通ってくださいと、お返しして、通ってくださいと、こういうやり方をやっておられると。ETCカードを収受員に手渡してカードリーダー通して支払うという方法でございますが、ETCというのは本来ノンストップであるはずなのに、わざわざカードを取り出してやっているという、どうもこれは本四の財政的問題もあったのかも分かりませんけれども、ちょっと違うんじゃないだろうかと思っておるところでございます。
 ETC使ったノンストップ方式、一日も早く導入される必要があると思うんですが、総裁のお考えをお伺いさせていただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。
#89
○参考人(藤川寛之君) 今お話、御指摘がございましたように、私どもの本四道路につきましては、大変やはり経営が厳しいということもございまして、できるだけ投資を抑えようということでETCの導入を実は今までやってこなかったという経緯がございまして、今も御指摘がございましたように、私どもの道路につきましても高速道路とつながっておりまして、高速道路を乗るところでやはりETCを使ってノンストップで入られた方がございますので、そういう方が私どもの道路の出口で出られるときにやはりどうしてもそのETCカードを読み取るような施設がないと、ノンストップでは出られないんですが、読み取るような施設がないと料金をお支払いいただけないということで、そういう今お話がございましたカードリーダーというのを導入しておりまして、それで今料金を徴収させていただいているというのが実態でございます。
 ただ、今もお話がございましたように、ETCを国としてもできるだけ早く高速道路に導入したいというお話がございまして、できるだけ早く全国的に整備を進めようというお話がございましたし、また私どもの本四道路につきましては、今般、ETCを利用される方につきましては更に、一般の車よりも更に割引率を五%高めるような、そういう料金の引下げが実施されることになりました。
 そういうことで、私どもといたしましてもできるだけ早くETCのノンストップ化を図ろうということで現在いろんな取組をやっているところでございますが、何せ私どもの料金収受システムというのが、例えば高速道路とか、あるいは阪神高速道路とか、他のいろんな事業主体の道路とつながっておりまして、料金徴収システムというのはかなり複雑だというようなこともございまして、現在できるだけ早くやろうということで努力はしているつもりではございますけれども、やはり若干時間を要するというのが実態でございます。(「十五年度中」と呼ぶ者あり)今、大臣からもお話がございましたが、平成十五年度を目途にいたしまして現在鋭意努力しているつもりでございます。できるだけ早く御提供できるようにということで最大限の努力を払っているところでございます。
 ただ、それと、別途料金の引下げの問題がございまして、今申し上げましたように、ノンストップ化には若干時間が掛かるものですから、料金の引下げはやはり先行してやろうということで、これにつきましては七月までを目標にいたしまして、今も最初にお話しいたしましたカードリーダーをまずしまなみ街道に、まだ入ってないものですから、あちらにできるだけ早く導入しようということと、それから今回料金が引き下げられますので、その引下げに伴う料金システムそのものをやはり改修する必要がございます。そういう作業を七月までを目標に現在進めているところでございまして、その料金の引下げにつきましては、これはやはり利用者の方、大変早くやってほしいという御要望もございますので、これはノンストップに先立ってやらせていただきたいということで現在努力していることでございます。
 いずれにいたしましても、私どものETC化が遅れますと全体のETC化にもいろんな面で影響するということでございますので、できるだけ早い時期の導入に向けて私ども最大限の努力を払ってまいりたいというふうに考えております。どうかよろしくお願いいたします。
#90
○森本晃司君 言いたいこともありますが、時間ですので終わります。
#91
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。
 今日は、高速自動車国道法一部改正について伺いたいと思います。
 これは高速道路建設に新たに直轄事業を導入するということなんですけれども、これは現状でいうと整備計画のいわゆる九三四二、九千三百四十二キロ、これの建設が財政上なかなか困難だというわけで、ここに税金を投入して建設しようと、こういうものだと思います。
 そこで、局長さんに伺いますけれども、先ほど午前中の質問の答弁でも若干ありましたが、この直轄事業の対象となる路線というのはどういう基準なのか、まずこの点についてお知らせいただきたいと思います。
#92
○政府参考人(佐藤信秋君) 新しく直轄方式で整備しようと、こう考えておりますのは、三点ほどから申し上げた方がいいかと思います。
 性格的には、整備の必要性が高い、しかしながら料金収入で管理費を賄えない路線など、新しい会社による整備、管理が難しい、こう見込まれる路線、区間ということであろうということであります。二点目は、それに関しましては評価の基準ということで今委員会で種々御検討いただいておりますが、基本的には採算性、それから費用と便益の比率、それから外部効果ということで救命救急病院へのアクセシビリティーであるとか、あるいは重要な港湾、空港へのアクセスであるとか、こうした点を外部効果としてとらえてということで、以上三つの点からの指標を総合化して、この総合化の仕方に、また指標の取り方、総合化の仕方にいろんな、学術的な点からもいろんな御意見があるといいますか、やり方がある、こういうことでございますので、委員会で今御審議いただきながら、適切なウエートの設定とかというようなことを急いでいるところでございます。
 次に、手続論で申し上げますと、そうした計算を基にしながらも、地方公共団体と御意見をよくよく伺いまして、さらに国幹会議で最終的に御決定いただくと、こういうプロセスになろうかと思っております。
#93
○富樫練三君 これは去年の十二月十二日の「道路関係四公団の民営化について」という政府・与党申合せというのがありますね。これは法案の説明で国土交通省からいただいたこういうペーパー、カラーのペーパーなんですけれども、この中にその説明がありまして、今、基準は三点、局長さんがお話しになりましたけれども、ここで言っているのがやっぱりこれが一番中心なのかなというふうに思いますけれども、ここで言っているのは、対象とする路線、要するに直轄のですね、は料金収入により管理費を賄えない路線など、新会社による整備、管理が難しいと見込まれる路線、区間とすると、こういうふうになっていますよね。これはいわゆる不採算路線ということですね。
#94
○政府参考人(佐藤信秋君) その不採算ということをどういうふうな定義で申し上げるべきかと、こういう問題でございますが、先生今御指摘の部分につきましては、採算取れる取れないというよりも、管理費でございますから、一般管理費、維持管理費と、こう申し上げたらよろしいでしょうか、その道路を管理する上で、清掃したり、あるいは事務所でいろんなデスクワークをしたりということも含めて、その管理費を料金収入では賄い切れない、こういうことと理解しております。
 その他経費としましては、借入金に係る利子であるとか、それからまた元の元金をどう返すか。その返し方については、路線全体で考える、あるいは全体の、体系全体、ネットワーク全体の中で考える、いろんな考え方があるものですから、そういう意味で、採算取れる取れない、ダイレクトに申し上げるよりは、管理費が料金収入で賄えるかどうかと、こういう問題かと理解しております。
#95
○富樫練三君 そうね、そういうのを普通は不採算路線と言うんですよ。おっしゃるとおりなんです。それは不採算路線なんですよ。
 それで、伺いますけれども、そういう路線というのは大体どのぐらいあるんですか。これから造ろう、あるいは今工事中であるとか、そういうもので約二千キロぐらい残っている部分ありますよね。その中でそういういわゆる不採算路線、不採算という言葉は使いたくないんでしょうけれども、分かりやすく言うと不採算路線は大体どのぐらいあるものなんですか。
#96
○政府参考人(佐藤信秋君) 定義の仕方という問題がございましてということを申し上げました。
 二千百キロの中で、一番単純に考えますと、その区間を造る、区間ですね、そのインターチェンジからインターチェンジまでの間、例えば十キロのその区間を造るのに建設費が百億掛かったと仮に、幾らでもいいんですが、して、そしてそれを金利、基本的に四%で考えておるわけでございますが、五十年間で、プロジェクト、多分五十年として、五十年間で自分の収入でそれを金利も含めて返し得るか、これが一つ、一番厳しく採算取れるか取れないか、こういう定義になろうかと思います。そういう観点で申し上げますと、二千百キロ、これから造る区間は、自分で四%の金利を背負って建設費を管理しながら賄い得るという区間はございません、ないと思います。
 ただし、これは、道路はネットワークでございますので、例えば東名道路が、東名高速が今のような形ではなくて名古屋かどこかで例えば止まっていたと、これを延ばすときに東名と数えるかどうか、延ばしても東名だと数えたら多分採算は十分に取れる。ですから、路線、区間の取り方。
 それから、もう一つ申し上げたいんでございますが、実は東京の外郭環状道路、東京の外郭環状道路は常磐道から関越道まで今三十キロ結んでいます。この外郭環状道路、一日に断面の平均で約九万台、断面の平均で九万台の交通が走っていただいています。これも採算取れるかどうかという観点で申し上げますと、自分で建設費を返し得るのが大体五割ぐらい、こういうことでございます。で、あの外環がなくていいかどうかと、こういう議論になろうかと思いますが、そういう意味で、採算取れる取れないというのは、路線の数え方、カウントの仕方で大分変わってくるかなと、こういうふうには思っております。
#97
○富樫練三君 私が聞いているのは、その道路が必要であるかどうかというのは聞いていないんですよ。採算がどうかということを聞いているんです。
 それで、今日は資料を配らせていただきました。資料の一番で、この資料一というところの下から二番目、「整備計画の決定」というところ、真ん中のところがありますけれども、この右側の方に、これは第五条関連ですけれども九千三百四十二キロ、これがいわゆる整備計画ということですよね。
 それで、資料の二のところを見ていただきたいんですけれども、これは地図が書いてあります。それぞれ路線が書いてありますけれども、その九千三百四十二キロというのはどれかというと、この地図で言いますと青、紺色のところの路線と、それから赤いところの路線。右側のところで、高速自動車道の四角い箱の中ですね、供用区間と整備計画区間、この二つ合わせたものが九千三百四十二キロと。その青い部分というのは既に供用しているわけですから、もう完成して車が走っていると。赤い部分というのはこれから造る、あるいは現在工事中というところですね。この赤い部分の合計というのが約二千キロ、二千百ちょっとあるというわけですね。
 今の局長さんの説明だと、全部がこれは言えば不採算といえば不採算だと、こういうことのようなんですけれども、正確に言いますと、資料の三を見ていただきたいんです。
 これは私どもの方で作った資料なんですが、これは実は道路公団が提出した、民営化の推進委員会に提出した資料の中から拾いまして、それで作ったものなんですけれども。一番左側が道路名で、その次の欄、整備計画、これの一番下のところを見ますと百九十区間の九千三百四十二、これが先ほどの赤と青の路線の合計と、こういうことになります。A番は建設中、したがってこれは赤い部分ですね、というところ。これの合計が二千百二十六キロ、区間で言うと百十区間と、こういうことになります。
 その中で、上の見出しのところにあります平成三十七年度時点の収支見通しでどうかと。これから、将来ですね、三十七年段階での断面で収支を予測した場合に収支はどうなるかということで、収支率で一〇〇以上のところは赤字ということになりますので、これで分類をしてみまして、建設中の部分で赤字見込みのところはどのぐらいかというと、合計で見ますと九十五区間の千九百四十四。ほぼ先ほど局長さんが答弁なさった中身はこれだろうというふうに思います。
 これに関連する事業費はどのぐらいになるのかと。総事業費で言いますとこれは十八兆幾らになりまして、ところが十三年度までに既に支出していますよね、用地を買収したり、あるいはくいを打ったり、場合によっては舗装ももう進めているというところもありますから。そういうことで支出しているのが四兆幾らあって、その分差し引くと、これから支出が予定されるものが約十三兆九千ですから、十四兆弱ぐらいがこれからの工事に必要なものということになりますよね。
 それで、ただしこの十八兆の基になる金額については、コストの見直しなどいろいろやりまして、元々は二十兆弱、十九兆七千ぐらいだったんですかね、それが大体十六兆弱ぐらいに引き下げていますので、それと対応して引き下げればどういうふうになるかということは下の方の注のところに出してありまして、そうすると、大体十八兆が十四兆ぐらいになると。そうなりますと、当然のことながら一番右下の執行残の合計も減ってくると、こういうふうにはなります。その中の一部をいわゆる税金を投入して直轄でやろうじゃないかと、こういうことを考えたんだろうというふうに思いますね。
 そこで、説明を伺いましたら、直轄でやる分はその中の三兆円だと、こういうわけですね、予算で言うと。そうすると、ここで言います約十三兆、十四兆ぐらいの、一番右下のこの数字の中の約三兆ぐらいを直轄でやりましょうと、こういうわけなんですけれども、その三兆円を生み出した根拠というか、これはどういうことになります。そのそもそもの説明だと、どうも赤字路線は直轄でと、対象は。だけれども、しかし全部やるんじゃなくて三兆円と。この基準はどういうわけですか。
#98
○政府参考人(佐藤信秋君) 先生、赤字といいますか、今御提示いただきましたのは収入支出の計数でありますので、管理費と建設に要した建設費と金利等、支出を支払うという前提でございますので、多少またその中の分類が必要かとは思いますが、基本的にはお尋ねの三兆円というのはどんなふうに考えたのかということを御説明申し上げたいと思います。
 先生御指摘のように、建設費として十五年度以降で残っておりますのは、大まかな額で、事柄を御理解いただくために大まかな額で申し上げますと二十兆円と、これで、建設コストを二割削減しようということでおおむね十六兆円と申し上げたところであります。
 そこで、問題は、これをどういうふうに実行していくかということでございますが、両面からといいますか、二つの点から、一足す一が二みたいな形じゃなかなか割り切れないものですから、両面から考えると。
 つまり、管理費が今コスト、その金利は別にして、管理費をいろいろ工夫しながら、管理費が料金収入で出ないような路線、区間、こういうものも確かにそれなりにあるだろうと。そういう性格的な問題と、それからもう一方で、民営化の推進委員会でもいろんな交通需要の推計フレームの下でどのぐらいの建設投資が可能であろうかと。これは、やるやらないではなくて、可能な量はどのぐらいだろうと、こういう御検討も事務局の方で検討していただいたところであります。それでいきますと、大体、今の料金を活用させていただきながら、低位推計、高位推計ございますが、十三兆円から十五兆円ぐらいは投資することが可能ではないか、こういう試算も途中段階で出されております。
 さらに、私ども考えましたのは、管理コストもいろいろ工夫しながら縮減する、こういうことも必要だということでもございますので、その辺の投資の余力、管理コスト、建設コストも削減しながら投資の余力と、こういうことを考えていきますと、おおむね十三兆円ぐらいというのは実行可能な範囲であるのではないかな。
 一方で、そうしたことと、冒頭に申し上げました、管理費も出ないと、こういう形で、おおむねいろいろ工夫した上で三兆円ぐらいには収め得るといいますか、になるのかな。
 それともう一つは、予算の執行という、可能額という面からもいろいろ考える必要があるとは思うんですが、十五年度は一千三百億円という事業費をお願いしておるわけでございますが、大体、一般の道路事業といいますか、公共の道路事業の中でどれだけ新直轄に割いていき得るか、配分していき得るか、こういうことも大事なことかと思います。
 その辺も考えまして、一足す一が二と、こういう形じゃ必ずしもございませんが、総合的に考えますと大体三兆円ぐらいが目安ということで現時点では考え得るといいますか、考えるべきと、こういうふうに考えたところでございます。
#99
○富樫練三君 そうすると、考え方としては大体これから掛かるであろう約二千キロぐらいの経費として約十六兆円ぐらいと。それに対して、これから新会社になった場合、公団から新会社の、この間を含めて、ここが投資としてどのぐらい出せるだろうかと。その十六兆円に対してどのぐらいお金出せるだろうかというのを計算したところ、大体真ん中ぐらいを取って十三兆ぐらいじゃないかと。そうすると、十六兆円掛かる費用のうち十三兆円ぐらいは負担できるから、それを差し引くと残る三兆円を負担するところがないと。これはどこから財源を持ってくるかと。じゃ、これは税金を入れようじゃないかということで三兆円という直轄の枠がほぼ決まってきたということのようですね、今の説明を少し分かりやすく言うと。
 ところが、同時に与野党申合せの中にはこういうふうに書いてあるんですよね。この三兆円についてなんだけれども、これは当面の目安ということで、今後これは変わり得るということも書いてあるんですね。現に、これは確かに推進委員会の中で議論をした中で、これは低位のところで十二・六兆円で、高位のところで十五兆円、これとは別に、猪瀬委員の方から出されたフレームというのもあって、これではケース2でいうと七・五兆円。そうすると、十六兆円掛かる費用についてはこれは変わらずで、仮に七・五兆円ぐらいは投資できるということになりますと、その差は、ああ、それは税金なんだな、直轄かねと、考え方としては。
 そうなると、三兆円という枠は、今後、状況によっては新会社が投資できる額が減れば直轄部分は増える、こういう仕組みになる、こう理解しておいてよろしいんですか。
#100
○政府参考人(佐藤信秋君) 先ほど申し上げました一足す一が二であるかのようになかなか割り切れない問題ではございますと。それで、三兆円の決め方自体も、実行可能性であるとか、あるいは管理費が賄い得ないかなといったようなことを総合的に考えながら、三兆円ぐらいであろうと。一方で、十六兆円、全体として、十三兆円が新会社で可能であるということも踏み得るなというようなことをもろもろ考えて決めたと、こう申し上げました。
 そのときに、先生おっしゃるように、それじゃ新会社の方でどのぐらい、新会社と公団でどのぐらい建設し得るのかということによって変わってくるのかと、こういうお話でございました。
 これにつきましては、これからの制度設計でもございますし、私どもとしてはそれが可能であるように制度設計をしてまいりたい。それからまた、そういうポテンシャルはあるんだろうな、特に管理費も節減しよう、こういうことを入れながら考えてまいりますと、十三兆円というようなオーダー、あるいは十五兆円というようなオーダーという、以前に試算されたオーダーというのは可能であるだろうなと。
 ただ、税金ですね、固定資産税、法人税あるいは配当でどのぐらい流出するかというような制度設計、そっちの流出の多いような制度設計になるとまた厳しくなりますから、それも含めて、今後できるだけ可能であるようにという大前提でいろいろ検討させていただくべきだろう、こう考えております。
 一方で、三兆円は、じゃ目安としてこれは変わらないのか、こういうお話でございますが、そういう意味での、全体のフレームはそういうふうに何とか努力してまいりたい、こう思っておりますが、長い時間の中では予定しました、例えば交通量がどうなるかとか、あるいはまた交通量以外に、コスト要因がどうなるかとかいうようなことによっては弾力的に、三兆円と、びた一文変わらぬのだと、こう決めるわけにもいかぬだろうな、弾力的な対応というのが必要だろうな、こういうことで入れていただいているものと、こう理解しております。
#101
○富樫練三君 これは、与野党申し合わせの中で、「約三兆円を現時点での目安とし、今後の交通需要、金利動向等を踏まえ、必要に応じ見直すものとする。」、だから増えることも減ることもあるんだろうけれども、これはどっちもあるんでしょうと。ただ、考えられるのは、私、さっきあの表で、(「政府・与党」と呼ぶ者あり)政府・与党、済みません。政府・与党です。訂正をさせていただきます。済みません。
 それで、先ほど説明しましたこの表の中で、この中で、建設中のもので不採算路線というのは、区間でいうと百十区間に対して、この表で見ると九十五区間ですから八六%は不採算ですね。距離数でいうと二千百二十六キロに対して千九百四十四キロだから九一%が不採算。それから、事業費でいうと、元々の価格でいうと、十九・七兆円に対して十八・二兆円だから九二%が不採算、こういうことになるわけですね。そうすると、大体全体として、これから造る部分は九割前後は不採算。
 そうなると、民間の企業、民営化した場合ですね、そういう不採算のところをやって、将来借金をして、それを支払える見通しはないわけですから、そういうところはやる可能性は非常に薄い。そうなると、直轄の部分がどんどん増えていく。したがって、ここで言っています政府・与党の申し合わせの中では今後見直すと、こういうふうになっていると、こういう仕組みなんだろうと思うんですね。
 そうすると、したがってこれは、三兆円というのは増えないという保証はないわけで、減る可能性よりも増える可能性は、極めて可能性としては高い。九割方が赤字なわけですから、そういうふうになりますよね、普通、常識的に考えれば。それで、したがって、これはどうも直轄方式を、今回の法案で直轄方式という制度をここでスタートさせる。これは、高速道路を直轄で造るというのは初めてでしょう。これは、今まで高速道路というのは有料ですよね。それは借金で造って償還するから有料にする。今度は直轄でやればこれは無料ですよね、当然のことながら。税金で造るわけですから、有料というわけにいきませんよね。
 そういう方式をやるというのは初めてなんだけれども、今回、平たく言えば小さく産んで大きく育てる、こういうことなんじゃないですか。
#102
○政府参考人(佐藤信秋君) 先生のお話の不採算あるいは赤字というのは、これから造る区間に着目されて、そこで、そこに建設費を幾ら入れて、収入がどうか、こういうお話かと思います。
 私、冒頭申し上げましたのは、そういう形で採算を取ろうとすると、あの東京外郭環状道路でさえも採算は取れません、赤字と言われれば赤字でありますと。ただし、高速道路はネットワークでございますから、少なくとも、例えば常磐自動車道、まだまだ延伸しているところでありますけれども、これがその先に延びる区間を一つ常磐自動車道から切って、これは別の路線なんだと、こういうわけにもいかない。そうだとすると、やっぱりそういうネットワークですから、しかも高速道路という全体のネットワークとしてどう機能するか、こういう点から申し上げますと、ネットワーク全体で収支がどこまで償い得るか、私どもとしてはそういう観点が大事なことだ、そんなふうに思っております。
 そういう意味で、これからの建設することのできるであろう投資余力、こういうものが、いろんな工夫しながら、十三兆円とか十五兆円とかいうオーダーでは、何とか国民にも御理解いただきながら、余力としては提示し得るんではないかな、そういう方向で努力はいたしたい、制度設計をですね、こういう意味であります。
#103
○富樫練三君 それで、そういうことで進める場合に、今度の直轄の地方負担分ありますね。これは前回も私、国の直轄事業についての地方自治体の負担の問題取り上げましたけれども、従来も大いに問題があって、特に維持管理費についてはですね。今度は、また四分の一は地方負担だという新しい負担をまた持ち出してきたというか、そういう制度を作ろう、こういうことのようなんですね。
 それで、これはちょっと伺いますけれども、地方負担分については財源を保障していると、今日、午前中の質疑の答弁でありましたね、財源を保障していますと。これについては自動車重量譲与税と、それから地方道路譲与税、この二つというのがあって、加えて、それの配分の仕方を変えるという、これは中身は伺いましたので分かりました。
 それで、あわせて、もう一つは、地方負担分の九割については地方債を認めて、その五〇%、償還の五〇%、元利の、これについては基準財政需要額にカウントしてあげますよ、だから大丈夫でしょうと、こういう話なんだと思うんです。
 今日、総務省、お願いしてあったかと思いますが、お願いします。
 ちょっと総務省に伺いますけれども、一つは、譲与税の配分で、直轄事業をやった都道府県に譲与税の配分は直接的に厚く配分されるという制度かどうかという点が一つですね。そういうことが可能なのかどうか。それが可能ならば、確かに負担分を財源保障したねと、こういうことが言えると思うんですね。これが一つ。
 もう一つは、交付税で、九割、借金の返済分、九割の返済分の五〇%を交付税で見ますよという場合に、あとの五〇%については、じゃ、どうしてくれるんですか、ここに対する手当てはどういうふうに考えているのか。
 この二つ、ちょっとお願いしたいんですが。
#104
○政府参考人(林省吾君) お答えを申し上げます。
 まず第一点の譲与税の配分方式でございますが、私どもこの新しい制度につきましては国土交通省の方からいろいろと御相談を受け、私なりに検討をいたして今日の制度を了解しているわけでありますけれども、譲与税につきましては、御案内のように、道路の延長と面積で配分することを基本にいたしております。したがいまして、都道府県別に見ますと、その都道府県内に所在する道路の延長と面積で配られますので、当該団体の事業費に応じる形に必ずしもなっていないということは申し上げられると思います。ただ、今回の新しい制度による道路整備事業がどの団体でどのぐらいの事業規模になるのか現段階ではまだ分かってもおりませんので、取りあえず私ども国から地方に譲与されました財源の配分方式を決めながら地方財政全体としての財源の確保をさせていただいたわけであります。
 それから、今後、地方団体の個別の事業量が判明してまいりますと、個別の地方団体に対する財源措置を検討することになるわけでありますが、一般的に、現段階で国土交通省と相談をさせていただきました結果といたしましては、私ども、個々の地方団体に対します財源措置につきましては、先ほど委員からのお話もございましたような方式を考えております。具体的には、地方団体の事業に伴う地方負担につきましては、地方交付税と地方債を通じて全額財源措置をまずすることにいたします。そのうち事業費の九〇%につきましては地方債を充当することといたします。そして、地方債の充当残、つまり一割部分と後年度生ずる地方債の元利償還金につきましては、これを全額地方交付税によって措置をすることといたしているところであります。
 なお、お話がございました事業費補正でございますけれども、この後年度生ずる地方債の元利償還金に対する地方交付税の算定の仕方といたしまして、当該団体の事業実績をより適切に反映しながら財源措置を講ずる必要があると考えたものでありまして、その五〇%は事業費補正方式により措置をさせていただきたいと考えております。これによりまして地方団体における事業は円滑に推進できるものと考えているところでございます。
#105
○富樫練三君 今の説明を聞いていると何か全額保障してもらえるような気になっちゃうんですけれども、実際は違うんじゃないですか。元利償還分の五〇%は確かにそれは基準財政需要額にカウントしていただける。だけれども、しかしながら残る五〇%についてはこれはどうなるんですかと、ここのところです。
#106
○政府参考人(林省吾君) 先ほども、交付税措置につきましては、地方債の充当残及び後年度生ずる地方債の元利償還金につきましては、全額地方交付税によりまして、全額地方交付税によって措置すると申し上げたところでありますが、その交付税による措置の仕方といたしまして事業費補正方式による部分が五〇%あるということを申し上げたわけであります。なお、残りの地方負担分につきましては、交付税の算定上、標準事業費方式と申しますが、単位費用を通じての財源措置を講ずることといたしております。併せまして全額を交付税の需要額に算入することといたしているところでございます。
#107
○富樫練三君 総務省から見ればそうなるんですね。地方の方から見るとそうじゃないんですね。今の説明の中で単位費用の問題ですね、単位費用で補正をした場合には、それは事業をやったからその分だけ厚く交付税が来る、来ますよというふうにはならないんですよ、どうしたって。事業費補正でやった分については確かにその分カウントされますから、その分が収入と支出の関係で交付税が来る、交付金が来るということはありますよ、交付団体の場合は。それだって不交付団体の場合は全然関係ないわけだけれども。
 例えば、仮にある県で百億の直轄事業をやったとしますね。そうすると、四分の一が地方負担だから二十五億円が地方負担ですね、都道府県の負担ですよ。そうすると、そのうちの九割が地方債を認められるとして、九割だから二十二億五千万が借金だと。あとの一割分はこれは一般財源から、一般会計から出すと。その二十二億五千万を、いよいよ償還の時期が来たと、何年か据置きが終わって。そのときに金利を含めて毎年払っていかなくちゃいかぬと。そのときに、例えば今年度は三億円なら三億円返さなくちゃいかぬというふうになった場合に、その三億円については、半分については確かに基準財政需要額、一億五千については基準財政需要額に乗っけられるとしても、あと一億五千についてはどこが保障するんですかと、こういう話なんですよ。それはどういうふうになりますか。
#108
○政府参考人(林省吾君) 先ほども申し上げましたが、交付税の需要額の算定に当たりましては標準事業費方式と事業費補正方式で全額を算入することといたしております。確かに、事業の実績に応じて算定する部分は事業費補正方式で適切にとらまえるわけで、とらまえることができるわけでありまして、その部分は五〇%となっております。
 ただ、交付税の性格といたしましては、財源保障の方式としていろいろな方式があるわけでございますが、御案内のように、地方交付税は一般財源としての基本的な性格を持っておりまして、事業ごとに事業の実績をとらまえて財源を措置するという性格のものではございません。地方団体の事業選択の自由度を残しながら、ただ、必要な財源は総額で確保しなければならないということでありまして、効果的に実施するようにすることが必要でありまして、交付税によりまして、その算定いたします場合の基本はやはり静態的な標準事業費方式であろうと私ども考えております。ただ、事業規模が大きく、また単年度によって変動するような場合は、当該団体の財政負担を適切にとらまえる必要もございますので、動態的な算定と言われておりますが、事業費補正方式を加味しながら算定するということにいたしております。
 ただ、その動態的算定と静態的算定、合わせまして全額を交付税に算入するという考え方の基本は変わっておりません。
#109
○富樫練三君 言葉の遊びをやっているわけじゃなくて、実際に地方自治体は負担しなくちゃいけないんですよ、もしやった場合はね。ですから、その分ちゃんと国が財源も含めて保障するというふうなことがあれば、それはそれで一つの方法だろうとは思います。
 だけれども、残念ながら今の段階では名目だけでも半分しかないということになりますので、あとは事業とは関係なく全国的に、オールジャパンで一定の財源が配られると、配分されると、これはそれでありますよ。譲与税とか、そういうのはありますけれどもね。だけれども、それ以上にはなっていないわけですから、財源が保障できますというふうには残念ながら今の答弁でも言えないというふうに私は思います。
 その上で、問題なのは、こういう直轄を入れる、要するにやる事業の中身、総量はもう決まっているんだと、法律で、決まっているんだと、あとは財源がないところは税金を入れてやればいいんだというふうな形で、今までもずっと直接税金は入れなかったけれども、どんどんどんどん仕事をすると、その結果として借金がたくさん増えるということはできてきたんです。そういう仕組みになってきたんだと思うんです。
 そこで、実は先週の、先ほども午前中の質問でもありましたけれども、十八日、金曜日のマスコミなどに一斉に、例えば小泉総理の記者に対する発言とか、それから石原大臣の発言とか、扇大臣の発言とか、こういうのが一斉に載りました。これは道路問題、高速道路問題についての関連する発言があったわけなんです。
 これについて、例えば小泉総理はこういうふうに言っているんです。これは新聞報道ですから、これが正確かどうか分からないんですけれども、基本的に道路関係四公団民営化推進委員会の意見を尊重する、当然計画どおりにいかないところも出てくると思うが小泉改革に協力してほしいと、こういうふうに総理は言ったと、こう新聞で報道されています。一方、扇大臣は、総理のお考えはお考えだ、不採算性のところをすぱっと切れば話が済むということではないなどと話し、計画見直しに慎重な考えを示したと。また、夏に、これ秋ですか、秋に開かれる国幹会議で計画を見直すかどうか御論議いただきたいと述べた、これは朝日ですね、こう報道されているわけなんです。
 その不採算性のところをすぱっと切れば話が済むということではないということが、ずるずるずるずる計画必要だ、必要だ、あっちも必要だ、こっちも必要だということで、採算性を度外視してどんどんどんどん造った結果、今、四公団合わせると長期債務が四十兆八千二百八十一億円、これ平成十三年度末ですね。このぐらいまでいったと。例えば、道路公団の場合は二十七兆八千ですね。ここまで長期債務がいっていると、こういう格好なんですね。
 したがって、ここでやっぱり問われている問題というのは何かというと、その全体の計画を根本から見直すと。それで夏、秋に国幹会議が予定されているというのであれば、そこで全体計画についてきちんと見直した上で、午前中も御意見ありました、きちんと見直した上で、それで直轄でやるものなのか、税金を投入するのがいいものなのかどうか、そういうことも含めた全体の検討、根本的な見直し、ここをまずやるのが先決じゃないのかと。
 これに対して、先ほど大臣は、そんなことを言ったってまずやることが決まっているんだと、決まっていることから先にやるんだと、こういうふうに答弁しておりましたけれども、しかしそういうことをやってきた結果が四十兆の借金になっているんですよ。ずるずるずるずる来たわけですよ。どこかできちんとけじめを付けて、走りながら考えるということもありますよ。だけれども、どこかで立ち止まって、振り返って、きちんと結論を出して、もう一回根本からやり直すと。ここのところは、これは大臣の決断だというふうに私は思うんですね。大臣がそういう問題を提起しなかったらだれが提起するのかと、総理のああいう発言はありますけれども。
 ここのところは非常に重要な問題なので、秋にそういうことがあるというのであれば、まず今やっているこの今回出した法案というのはどうも順序が逆で、これを本来あるべき姿、筋を通したやり方に切り替えるべきだろうというふうに私は思うんですけれども、大臣はどうお考えですか。
#110
○国務大臣(扇千景君) これは午前中からも御論議が出ました。富樫議員もお聞きいただいて、今、再度のお話だろうと思います。
 それと、私、今日、今、私たちは年じゅう見ているものですけれども、富樫委員がこの参考資料を出していただきました。この資料二でございます。この地図がなぜできているかということは、これは法律できちんと決まって、小渕内閣のときにきちんとこれを発表してあるわけです。
 それで、これ見ていただいたらお分かりのように、不採算路線、不採算路線という、何が不採算路線と言うかということでいいますと、今まで少なくとも四十路線、これ、できておりますけれども、四十路線の中で果たして採算性ができていわゆる償還済みのところはというと、この四十路線の中で五路線しかないんです、償還が済んでいるのは。けれども、まだ少なくとも二十七路線は累計の赤字が積み上がっているんです。今まで造っているところでも赤字になっているところはあるわけです。
 けれども、この地図を見ていただいて、道というのはつながって初めて有効なんです。ところが、今おっしゃったように、青と赤と黄色と、まだ点線、それからグリーン、黄色の点線、これ見ていると、つながっていなかったら道路としての価値が半減しているというところ一杯あるわけですね、これ見ると。
 私は、そういう意味で、だから決まった九三四二キロメートルというのは、一応今決まっているわけですから、法律改正しなければ駄目なんですから、こうして決めて、さっきも申し上げたように、みんなはこれに基づいて工業誘致もし、あるいは団地も造り、みんなしている地方自治体が私のところへは絶対造ってくださいと来るわけです。だから、私は今ノーと言えないんです、法律改正していないから。
 ですから、私は、この中で、今たまたまこれを出していただいたので幸いだと思いますけれども、このつながっていないところは道路としての半減している。この半減している部分を、路線を狭くしたりコストダウンをしたり、あるいはETC導入したりして少しでもつなげてあげようというのが私の気持ちなんです。
 けれども、今おっしゃったように、今回のように道路、民営化推進委員会等々でこうして議論をしていただく土壌ができた。今までは行け行けどんどんだったんですから、私はこういう委員会でこういう御議論をしていただくことが、秋に向けて、今することは私します、手を付けております。けれども、来年の、さっき申しましたように、長期にわたって法案を、本法案を出すときまでにこういう御議論をいただいて、こういうものを見直すというのが、国幹会議において私は改めて議論できるということで、それじゃそれまで何にもしないのかということではなくて、国土交通省の担当としては、この間、さっきどなたにお答えしたかな、池口議員にお答えしたんだと思いますけれども、すぐできることというのはすぐやりましょうということの一環が今回の法案の提出であるというふうに御理解いただけないでしょうか。
#111
○富樫練三君 五秒、一言。是非、その国幹会議で根本から見直して、財政問題も含めて見直すというところをお願いして、要望したいと思います。よろしくお願いします。
 終わります。
#112
○大江康弘君 国連の大江でございます。
 今朝ほどの池口先生のあの拍手の姿が脳裏に焼き付いておりますので、そういうことも十分考えながら質問をさせていただきたいと思います。いえいえ、もう本当に聞きたいことも聞かせていただきまして。
 少し、こういう法律でなければ余り本末転倒、場違いなことを聞いてもいけませんので、この機会にちょっと警察庁にまず最初にお聞かせをいただきたいというよりも、ちょっと質問させていただきたいんですけれども、もう私はやっぱり日本人というのは車社会に十分適応できるようになってきたんではないかと。そういうことを考えたときに、走れる道はやっぱりもっと速く走らさないと、やっぱり経済効率というものが非常に僕はこれ損なっておるんじゃないか。
 もう今、高速道路の問題が今日こういう形の中で論議されておられますけれども、もう七千キロ、優に余って供用をしておると。そういう中で、東名、名神を走ってみても、今、八十から百キロというこの規制がどれだけの経済損失を生んでおるのかということを私は思いましたときに、やはり警察庁の方も事故があるからだとか、やっぱりそういう一つの規制というものは分かりますけれども、私は今の警察のようなそういう規制の仕方をしておったら、いつまでたったって、これ利用者にしても国民にしても自己責任というものをしっかりと覚えないというか、そういうふうな気がいたします。
 かつてヘルメットをかぶらないと駄目だという規制のことがあったときに私は申し上げたことがあるんですけれども、県警の、当時ですけれども。そこまで規制してドライバーを守る、例えばヘルメットをかぶらずに事故を起こしたらもう死ぬだとか、事故したときにけがをするというのは分かっておるんだから、そのときに例えばもう保険はそういうときは出ませんよ、あるいはいろいろと事故したときにはやはり罰則は大きいですよという、やっぱりそういう一つの自己に責任を求めていく規制の仕方をしないと、やっぱりいつまでたったって、これはもう日本人というのは本当に、これ警察から見れば、いろんな法律もそうですけれども、何か子供から脱皮ができないという。だから、事故をすれば、すぐにこれ結局自分の責任を言わぬと、被害者はどこへ行くかといったら、官が責任だ、道路が悪かったからだとか、あるいはそこにガードレールがなかったからだとかという、そういうふうに転換をして、責任転換をする。だから、これは国民も不幸だと。
 だから、そういうことを考えたときに、少し話がずれましたけれども、やっぱり警察庁としては今あるこの高速道路、私はやっぱり速く走らせる。日本のようにこれもう本当に厳しい規制というのは、これドイツのアウトバーンの無制限は別にしても、どの国取ってみたって大体百三十から百五、六十キロ、これ走らせておるわけですから、そういうことを見ましても、もうぼちぼち私は警察庁もそこの自己責任という部分も含めて、やはりそれよりももっと大きいこの日本の経済効率をこのスピード制限が非常に妨げておるというふうに私は思う一人でありますけれども、そこら、ちょっと属局長、御答弁いただけませんか。
#113
○政府参考人(属憲夫君) 高速道路における法定速度は、道路の設計速度を参考に、また交通事故の実態等もいろいろ勘案しながら定められておるところであります。
 御案内のように、大型自動車、貨物自動車ですね、これについては八十キロ、それ以外の乗用車等については百キロという規制になっておりますけれども、最近も、大型トラックについて特に八十を百キロに上げてほしいとか、そういう要望がいろいろありますけれども、実際に事故の状況を見てみますと、大型貨物自動車による高速道路における事故死者数というものは非常に高い割合になっております。全体の三割を占めていると。そういう中で、昨年も増加傾向にあるといったような状況で、事故の面からも非常に厳しい状況にあります。また、違反の状況を見てみましても、何といいましても速度超過の占める割合が非常に高くて、全体の四分の一を占めている。また、前方不注視、いわゆるわき見ですけれども、そういったものとともに大きな割合を占めているといったような状況でございます。
 そうしたことから、大型貨物自動車の八十キロ規制あるいはそれ以外の車の百キロのスピードの規制といったようなものは、これはやはり必要な規制だろうというふうに認識をしております。
#114
○大江康弘君 そうしたら、高速道路、これどういうことになるかは別にしましても、例えば第二東名なんかもこれからどこまで行くか分かりませんが、いずれにしても、これ、そうしたら、高速走行というのはもう百キロ以上は法的には走らせないということは、将来的にはこれもう変わらぬわけですか。
#115
○政府参考人(属憲夫君) 将来がどういうふうになるかというのははっきり今の時点で申し上げるわけにはいきませんけれども、いわゆる設計速度とか、どういう形で車が走るような状況になるのか、そういったものを見ながら、やっぱり必要な規制は必要な範囲でやるようになるだろうというふうに思っております。
 よく諸外国と比較がなされますけれども、やはり日本の場合はどうしても山の中を走っている高速道路も非常にたくさんあります。そういうような中で、片側一車線のものもありますし、カーブあるいは見通しの悪いところもいろいろあるわけで、そういったものを見ながら、やっぱり必要な規制はやらなきゃいけないだろうというふうに思います。
#116
○大江康弘君 今日は法案が別ですからもうこれ以上議論はしませんけれども、私は、やはり警察が今やっておるこの規制というのは、例えば高速でスピード違反で捕まったと、その横をそれ以上のスピードで走っておると。だから、捕まった人は何と言うかといったら、運悪かったと言うんですね。それで、捕まらなかった人間は、ああ今日は運良かったと。こんな僕は法律のとらえ方をやはり日本人がいつまでもする限り、もう本当に、これ道路だって、大人のような、欧米のような使い方はできないし、いつまでたっても車社会に僕は対応できないと。
 だから、事故を起こしたって警察はそんなに責任感じなくて僕はいいと思うんですよ。だんだん減っていっているじゃないですか。昔はもう一万人以上も亡くなっておる。これはまあ減っておる。それは、こういうことを言ったら、これは規制しておるからという、そんなに取られたらこれ悪いわけですけれども、そうじゃなくて、やっぱりある意味では国民もレベルが、意識が上がってきておるという中で、やはり、先ほど言いましたように、スピード規制というものが経済効率を下げているという部分をもう少し僕は警察は違った視点で一度やっぱり見ていただきたいなということを、これ要望だけして、もう今日はほかの法案でございますから、局長、どうぞお引き取りいただきたいと思います。
 それで、道路公団、今日は理事が来ていただいておると思うんですが、私は、今日は公団に本当に国民に謝っていただきたい。
 それはなぜかといいますと、私は基本的にやはり高速道路なんということは国がきちっとしなきゃいかぬという立場に立つ一人であります。それが、今日、民営化委員会みたいな訳の分からないのができてきて、そこがさももっともらしく、それが時代の流れだ、正義なんだみたいな議論がされておることに、これ本当に我々政治家という立場を僕は反省をしなきゃいかぬというふうに思うわけでありますけれども、しかし、きっかけは道路公団がだらしがないからです、これ。それだけに、なぜだらしがないかということになれば、やはり過去の、公団ができて今日までずっと道路を造ってきた経過を見れば、これはそれなりに私は責任を果たしておると思うんです。
 しかし、果たしておっても、結局、今、国民が批判を投げ掛けておるところは那辺にあるのか、あるいは我々もここで問題にしなきゃいかぬところは那辺にあるのかといえば、いわゆる公団が長年ずっと閉鎖的な社会を作ってきて、あなた方がそういう一つの、天下りの一つの在り方についても、私は天下りは全部悪いと言いません。やはり若くて辞められたこの国の官僚の皆さんがその能力を生かすという、これは国の宝ですから、私は何度も言いますように。これをやっぱりどう生かすかということも、これは我々が考えてやらにゃいかぬ問題。これは日本の損失ですよ、これ。五十やそこらで官僚が辞めて、行き場がないというのは、これは正に日本の損失です。
 だから、そういうことも考えにゃいかぬですけれども、やっぱり一番私は公団に申し上げなければいけないのは、やはりそういう閉鎖的な社会を作ってきた。もう本当に不透明な、外から見たら分からないような社会を自分たちで作ってきて、結果、今、批判をされておるのは、私は、一番肝心な道路をどうするかというようなことではなくて、天下りがけしからぬだとか給与がけしからぬとか、あなた方が国民の、本当にこの時代の流れの中での一般常識というか、国民の常識と懸け離れたことをやってきた。
 それは、世の中には僕は役得というのはあると思うんです。許容範囲というのは、これはお互い人間だれでも持っていると思うんですけれども、私はやっぱりそういうことを、山本七平さんじゃないですが、やはりその空気というものを何で、もっとこの時代時代の空気をあなた方が感じて、自浄作用というものを、自浄能力というものを働かせて、もっとその時代時代に変化をさしてきて対応してきておったら、こんな根幹が問われるようなことは僕はなかったと思うんです。それ、どう思いますか。
#117
○参考人(奥山裕司君) 日本道路公団は、先生御指摘ございましたように、全国で高速道路を始めとします有料道路を造るということで、昭和三十一年に設立されて以来、総合的かつ効率的に建設、管理に努力してまいりました。
 しかし、御指摘のように、一方で公団の事業運営につきましては、いわゆるファミリー企業の問題、天下りの問題あるいは業務の発注方法等、不透明な問題等々について厳しい御批判をいただいているということについて謙虚に受け止め、十分これを踏まえて、今までも道路公団の中に経営改善委員会というのを設置してございますが、この経営改善委員会の御意見も踏まえながら、業務執行の効率化とか透明性の確保、向上等にできるものから順次進めてきているところでございますが、また、去る三月の二十五日には政府・与党の協議会におきまして国土交通省の方から道路関係四公団民営化に関して直ちに取り組むべき事項について報告、了承がなされたことも踏まえまして、コストの削減あるいはファミリー企業の抜本的見直しなどにつきまして、民営化に向けまして、国土交通省の御指導も受けながら、できるものから順次適切に改革を進めていきたいと考えているところでございます。
#118
○大江康弘君 大臣が、三月二十日付けの新聞でありますけれども、天下りの社長は総退陣だということを言われました。これは甘んじてお受けになられるのかどうか。これ、まあ大臣といえども、天下りの会社というのは私企業ですから、本来はそういうことは第三者的に見れば越権行為になるわけですけれども、しかし大臣のその言葉が今非常に拍手喝采というか、国民にしては留飲の下がるという部分がやっぱりあるということも、これも流れの中で公団がやっぱりいびつな運営をしてきたということが原因で僕はあろうと思います。それだけに、このやはり所管の大臣といえども、私企業でありますけれども、大臣がここまで言明されておられることに対してどういう対応されますか。
#119
○参考人(奥山裕司君) 今お話がありましたように、子会社、関係、ファミリー企業の社長の退陣の要請、これも三月二十五日におきまして、直ちに取り組む事項にという内容の、先ほど申し上げました内容につきまして、天下り人事の見直し等について要請をするということが盛り込まれておりまして、大臣からの御発言もございまして、現在、JHの子会社、関連会社というものが、行政コスト計算書によります、八十四社ございますけれども、これに対しまして四月十一日付けで文書によってこの趣旨を要請したところでございます。
 それから、八十四社と申し上げましたが、その後一社解散しましたので、八十三社に対して四月十一日付けで文書で要請をしてお願いしたところでございます。
#120
○大江康弘君 理事、これ、まだ法案が来年出てくるわけですからどうなるか分かりませんけれども、どうですか、今までの過去を悔いて、反省をして、やはり日本の高速道路のあとの残りはまだおれたちがやるんだと、そんな気持ちはありますか。
#121
○参考人(奥山裕司君) 最初に申し上げましたように、昭和三十一年以来、道路公団は、全国の地域におきまして、地元の方々の熱烈なる御要望等を踏まえまして、高速道路を始めとする有料道路の建設、管理を行ってまいりました。いわゆる全国での有料道路を総合的、効率的にやる組織として今までやってきたものであります。
 先ほど御指摘ありましたようないろいろな批判、これを謙虚に受け止めまして、改善するべきものは直ちにできるものから順次やって、今後とも努力していきたいと考えております。
#122
○大江康弘君 ありがとうございます。もう理事、結構です。
 そこで、大臣、朝からいろいろ新直轄方式だとかいろんなこれからの、この法案のことにも質問あったと、これは後ほど少し聞きますけれども。大臣が、いわゆる民営化委員会はその材料を出してきたんだと、あとはどんな料理にするかということを言われたんですけれども、私は、その材料が腐っておったらどうするんですかと、材料が使えない場合もこれあるんじゃないかというふうに思いますし、同時に、我々忘れてはいけないのは、やはり平成十一年の十二月の二十四日のあの第三十二回の国幹審の決定というのは、これは生きておるのかどうなのか。
 というのは、私はやはり、何か例えは悪いですけれども、この国幹審のこの決議というのがまだ生きておるのにもう死んだこととして、民営化委員会というのは何かどこかの葬儀屋さんみたいで、まだ生きてもおるのに葬式の準備をしておるような、いつこれ告別式しようか、だれを葬儀委員長にしようかとか、そんなことをやっておるのが民営化委員会ではないかというふうに思うんです。
 だから、まず尊重しなければいけないのはこの三十二回の国幹審の私は決議であるというふうには思うんですけれども、それはどうですか。
#123
○国務大臣(扇千景君) 今日の委員会でもるるこのお話は出ております。お聞きいただいたように、私はこれは完全に生きておりますということを申し上げております。これを廃止するためには改めて会議を開いて、この法案に対して、この決議に対してこうだと言わなければ、現在生きているんですね。
 ですから、私は、一貫して九三四二というものは造らなければならないものを私はしょっていると。けれども、今まで立ち止まれとか、あるいは総理のようにこれもう一遍見直しなさいよということは言えると思いますけれども、責任者としては、私は、これは生きています。だから、私は、それを工夫をして、なるべくコスト削減もしながら、先ほどもお話が出ましたように、富樫議員が地図を出してくださいました、参考地図。あれ全部全国に配ってあるわけですから、各地方自治体にも。ですから、みんなそのつもりでいます。ですから、私は、これは生きているんですから、でき得るだけこれを造るように私なりに工夫をして、これを国土交通省としては少しでも実行していきたいと。
 ただ、その速度は、今までも無駄だと言われることもあるし、お金を今後どこからどうするんだということもあるし、あるいは民営化というものもあるし、そういう総合的にいろいろ勘案しながら、昔の事情と今の経済状況とは少し変わっている、直轄方式といっても、各自治体みんな赤字です。だったらどうするのかということも含めて、こういう私は御議論をいただくということで国民の皆さんにも初めて私は理解されたと思うんです。
 今、民営化委員会のことを葬儀屋とおっしゃいましたけれども、私はああいうものを作られなきゃいけないということは、少なくとも私は、建設省、運輸省等々、役所が縦割りであったということも大いに原因していると思うんですね。あのさっきの地図見ていただいたら分かりますけれども、国際空港とか国際港湾につながっていないんですよね。ただ、日本の道路ということで線が引かれている。本来であれば、私は成田空港インターチェンジなんというのがあってしかるべきだと思いますし、あるいは大阪の港湾の、国際港湾のインターチェンジというのがあっていいと思いますね。
 ですから、今考えれば、そういうこともいろいろ考えられますけれども、今は決まったとおりにまず一日も早くコスト縮減をし、道路公団も、さっきおっしゃったように、体質も変えて改革しながらいこうと言っていますから、そういうことで、今までノウハウ、昭和三十一年からの努力というものも多としながら、無駄を省いて少しでも、六車線は四車線にしてでも進めていくというのが私の今の役目なんです。
 けれども、今おっしゃったように、今の時代で民営化委員会というようなものができましたから、それの意見も聞きながら、私は少しでもそれをいいように持っていきたい。それは造る限りは国民の税金ですから、無駄のないようにするというのは当然のことで、最大限の、ない知恵も絞り、国土交通省は総力を挙げて今それに取り組んでいるというのが現状です。
#124
○大江康弘君 ありがとうございます。
 そこで、局長、佐藤局長、ちょっとこの新直轄方式というのが私もまだしっくりと分からない部分があるんですが、その前に、結局こうなってきた一つの原因として何か甘い交通需要予測みたいなことがよく言われてきたわけですけれども、これ、昨年何か需要予測が改められたということですけれども、結局どういう、今まで甘い甘い予測というのは何を根拠にやってきたのか。それで、昨年改められたというその予測というのはそれまでとどう違って、その判断をされたのか。
 私は、やはりお互い、人間社会の中で大体分かるのは五年までなんですよ、これ、しっかりするのは。それ以上のことなんというのは、これ予測するということ自体が難しい話で、予測自体というのはあくまでも予測でありますから、それほどがみがみ言うことでもないとは思うんですけれども、しかし、いずれにしても、予算付けをし、そういう計画をやっていこうと思えば、やっぱり大事な一つの指標、指数であろうと思いますから、ちょっと教えていただけますか。
#125
○政府参考人(佐藤信秋君) 交通量の予測そのものにつきましては、手法的にはGDPの見通しであるとか人口の将来動向であるとか、あるいは自動車の保有率、あるいは保有台数等々、いろんな要因を組み合わせながらトータルで日本全体の交通量、自動車交通量がどのぐらいになろうかと。その前に、物流量であるとか人間の移動量とか、そうしたいろんな経済指標とつなぎ合わせながら予測をしてきているところであります。
 実例を多少申し上げますと、バブルの崩壊前までと申し上げたらよろしいんでしょうか、バブルの崩壊前まで、今より十年以上前ですね、に立てられた予測と実績、こういう形で一つ例を申し上げますと、昭和六十三年度から平成四年度まで第十次道路整備五か年でございました。このときに、予測値として六千八百四十億台キロ、平成十二年で六千八百四十億台キロと、こういうふうに日本全国の交通量を予測したのでございますが、実績値は七千七百六十億台キロ、つまり一二%予測の方が小さい、実績の方が大きい。これはバブルの前に予測した、こういう面もございますが、おおむねこれまでは予測の方が実績を下回るといいますか、実績が予測を上回る、こういう状態であったわけでございます。
 そこで、バブル崩壊後、こうなりますと、直近の第十二次、今の十四年度までの五か年計画では、予測値が同じく十二年度で七千八百七十億台キロ、こういうことでございますので、予測する期間も短いですけれども、ほとんど差がない、一・五%ほど乖離している、こういう状態であったということであります。
 こういうことを踏まえまして、こういうことを踏まえまして十四年に需要予測の見直しを行いまして、先ほど申し上げましたようないろんな就業者の数であるとか、それから免許証の保有率であるとかあるいは人口であるとか、組み合わせて予測しました。それは従来よりはかなり控え目な予測といいますか、平成三十二年まででございますから今から二十年後近く、人口も多少減る、こういうことを前提にしながら中位推計で申し上げれば、多くても一倍ぐらいの、今よりも一・一倍ぐらいの、先ほど申し上げました量の八千六百八十億台キロぐらい、この辺がピークになろうかということで、従来の予測よりは多少控え目な予測、こんな形になっておるわけではございます。
 経済社会の動向そのものがなかなか、先生御指摘のように、十年、十五年先が予測し難い部分がある、こういうことではあろうかと思いますが、常にそうした予測の数値のチェック、見直し等を行いながら、弾力的に対応するということをできるだけ努力してまいりたいと思っております。
#126
○大江康弘君 そこで、この本題の新直轄方式というのを少しちょっとお聞かせいただきたいんですが、結局、新ということは、今までの国道なんかの直轄に対して新という、新しく、負担率も違うということもあって新と付けたのかなと思うんですけれども。
 結局、先ほどからお話を聞いていますと、私は、この法案を見る限り、譲与税も増やしたんだ、四分の一から三分の一に増やしたんだ、だからその増やした部分が、結局その残りの二千キロ近い中にですか、これは整備計画九三四二ありますよね。今年度どれだけ供用できるか分かりませんが、ざっとあと二千近く残っておるわけですかね、これ。だから、一一五二〇とはまた別に、そこまでとは別に、この整備区間の中でできない部分をこの新直轄でやっていくというお話だったと思うんですけれども、そうなれば、いわゆる地方負担、自治体の負担、これは当然地方も、これはやっぱり受益者負担という形でこれはやはり負担をせにゃいかぬわけですけれども、どうも増えた分のこの税の再配分の仕方というのがもう一つ私は分からぬのですけれども、だから、どこの場所で新直轄の路線が決まっていくのか。そうなったときに、それじゃ、その地域がどういう形でその増えた分の税金をいただいてやっていけるのか。そこらがちょっともう一つ分かりにくいところがあるので、ちょっと局長、教えていただけませんか。
#127
○政府参考人(佐藤信秋君) 税のお話でございますが、先ほど総務省の林局長が御説明になってはおられます。
 基本的には、私ども伺っておりますのは、自動車重量税の国と市町村の配分比率は、十二分の一、市町村への配分を増やし、さらに揮発油税の方の地方の道路譲与税分ですね、これを配分割合を変えて、九百三十億を四百五十億と四百八十億ぐらいに都道府県と市町村でお分けいただいた。これは私どもが申し上げることではないのかもしれませんが、都道府県への配分、その地方道路譲与税の方ですね、譲与税の配分については、高速道路の整備が後れているという点を考えて、地方への配分割合が増えるような形で計算をなさって配分しておられる、こういうふうに聞いております。これが一つ。
 それから、先ほど延々とお話がありましたけれども、実際に新直轄で事業をやるときには、そこに必要となる地方の、都道府県の負担分について起債を認めて、九割の起債を認めて、それを返済するときにはその五〇%ですから四五%の交付税措置を後年度認める、こういう形になっておりますので、私の理解は、ベースの交付税プラス地方の譲与税、この部分の地方の譲与分が基準財政需要と収入の間で、収入としてそれぞれ、差額ですから、需要と収入の差額の分としてそれぞれ地方に手厚く配分ある程度されて、さらに具体の事業そのものでいくと、事業に応じて交付税の割増し措置、こういうものが四五%、プラス、先ほどの御説明ですと、一般財源としての一〇%も見ると、こういうことでございましたから、五五%、こういうことなんだと思います。
 そういう意味では、一対一の対応をしているかという議論になると、地方へ地方道路譲与税を手厚くしますよという部分で全部一対一対応しているわけではもちろんないわけですから、自主財源プラス交付税が将来来る、起債を充てる、こういう中でそれぞれの地方の自主的な動作、応用動作というものが必要になってくるのは確かだろうとは思います。
 ただ、可能性としてといいますか、ポテンシャルとしては、それに見合うだけの、四百五十億、総額では合っているわけですから、それをおやりいただくだけの裏負担、地方の負担を出していただけるだけの全体としての手当てはしていただいているといいますか、ということだと、こう理解しております。
 また、逆に、一対一対応でその地方の負担の分だけが別途に行くという形では、これもまた多少おかしいかな、地方の自主的な努力という部分はどこに出てくるかな、こういうことだと思いますので、そんなふうに理解しておるところでございます。
#128
○大江康弘君 局長、一生懸命説明していただいたんで分かりましたとこれは言わにゃいかぬのですけれども、どうもまだしっくりこない部分があるんですけれども、それはそれでまた分からない部分は別途お聞かせいただきたいと思いますが、いずれにしても、ある意味では、これは今まで公団の場合は地方が負担なしでやってきましたから、ここもやってくれ、あそこもやってくれ、早くやってくれという、ある意味では変な政治主導もこれは時にはあっただろうし、そういう意味では今度はそれぞれの県が、負担も要ることですから、ここが本当に必要なのかと、計画の中にあったって、これは必要なのかと。
 例えば、うちの和歌山県なんかを例に取りますと、すさみまでは今整備区間で入れていただいておるんですけれども、そこから先の串本というところまでは、まあこれは鶴保政務官、地元で、来年選挙がありますから余り本音を言えないので私が代わりに言いますけれども、まあ我々見ていれば、あの国道の自動車の通行量を見れば、もう国道のショートカットで十分なんですよ。
 だから、こういうことも我々は、やはり政治家であってもやっぱりもうそんな票欲しい何欲しいという低い次元の話でなくて、やっぱり説得をしていかなければいけないし、同時に、そういうやっぱり今回の新直轄方式のやり方というのは、ある意味では市町村、県がいろいろ考えるとインセンティブもこれは働ける部分もあるんではないかというふうにこれは僕は評価をします。こういう形に時代の流れの中でなってきたということもあろうかと思いますし、ただ、この行政改革の中で、それぞれの市町村、県が縮小していく中で、これはまた別個、新しい窓口が必要になるわけですよね、これをやっていくために。そうではないんですか。
 僕は、やはりそれは今まで進めてきたやつをそのまま継続をさすのにこの方式なんですけれども、そうはいってもやっぱりある意味では、県にしても、これは受皿的にしても、あるいは国交省にしても、出先機関がこれは今後どうしていくかという、そういう一つの見直しも多少あるんじゃないかと。今の人員でそのまま、やり方が変わっただけだから別に人員も変えることもないということにもなるんですけれども、何か現実的にやっていくに際しては、やっぱり用地交渉にしても何にしてもやはりそれぞれがまた負担が増えていく話ではないかなという、そういう思いもあるんですけれども、そこらはどういう形の窓口になってやっていくのか。ちょっと局長、教えてもらえませんか。
#129
○政府参考人(佐藤信秋君) 現在、九千三百四十二キロ、全体の中で三百キロ弱、二百七十八キロでございますが、施行命令が出ていなくて、残りの九千百キロ弱は既に施行命令が出て、そして現地に、具体に入っている。中では、工事もどんどん進んで間もなく供用というところもあるわけでございますし、用地に取り掛かって、用地交渉さなかのところもありますと。あるいは、計画の説明をいずれにしたってもうしてあるわけですから、そういう意味で、じゃ実際に、どこの区間かは別にして、新しく直轄に、道路公団施行から直轄方式に切り替えるときに、それじゃ窓口変えるよと、こういうことかというお話かと思います。
 そういう意味では、事業がとにかく円滑にいくように適材適所でやるんだと、こういうことなんだと思います。例えば、新しく組織を作らないと動かないというような状況の中で窓口を変えると、これはおかしいですよね。そのまま素直に進めていただくというのが一番いいでしょうし、そういう意味では、基本的に事業がより進む、早く進むという方向で適材適所の、実際のその用地買収なり工事を行うという、実際の施行する人たちは、人材は最も進みやすい方向で考えると。ですから、委託という方法もあるわけでございます。直轄から公団に委託する、こういう形もあるわけでございますから、その工事あるいは用地の買収が一番スムーズに進むような方法でやらせていただく、こういうことだと思っております。
#130
○大江康弘君 いろいろとまた次の機会に譲らせていただいて、今日はこれで終わらせていただきます。
#131
○委員長(藤井俊男君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#132
○委員長(藤井俊男君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 本州四国連絡橋公団の債務の負担の軽減を図るために平成十五年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案及び高速自動車国道法及び沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、明二十三日、午後零時四十五分に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#133
○委員長(藤井俊男君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#134
○委員長(藤井俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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