くにさくロゴ
2003/05/29 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 国土交通委員会 第16号
姉妹サイト
 
2003/05/29 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 国土交通委員会 第16号

#1
第156回国会 国土交通委員会 第16号
平成十五年五月二十九日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     佐藤 雄平君     山根 隆治君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤井 俊男君
    理 事
                鈴木 政二君
                脇  雅史君
                山下八洲夫君
                森本 晃司君
    委 員
                岩城 光英君
                沓掛 哲男君
                斉藤 滋宣君
                田村 公平君
                鶴保 庸介君
                野上浩太郎君
                松谷蒼一郎君
                吉田 博美君
                吉村剛太郎君
                池口 修次君
                北澤 俊美君
                谷林 正昭君
                山根 隆治君
                続  訓弘君
                大沢 辰美君
                富樫 練三君
                田名部匡省君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   参考人
       社団法人住宅生
       産団体連合会副
       会長       赤井 士郎君
       経済アナリスト  森永 卓郎君
       京都府立大学人
       間環境学部助教
       授        竹山 清明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○住宅金融公庫法及び住宅融資保険法の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(藤井俊男君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十八日、佐藤雄平君が委員を辞任され、その補欠として山根隆治君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(藤井俊男君) 住宅金融公庫法及び住宅融資保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、社団法人住宅生産団体連合会副会長赤井士郎君、経済アナリスト森永卓郎君及び京都府立大学人間環境学部助教授竹山清明君の以上三名の参考人に御出席をいただき、御意見を聴取し、質疑を行います。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、大変御多忙のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 参考人の方々から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、本日の議事の進め方について申し上げます。
 まず、赤井参考人、森永参考人、竹山参考人の順序でお一人十五分程度御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、参考人の方々の御発言は着席のままで結構でございますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おき願いたいと存じます。
 なお、質疑者は、慣例により、起立の上発言することとしておりますので、よろしくお願いいたします。
 また、大変恐縮でございますが、時間が限られておりますので、簡潔に御発言くださいますようお願い申し上げます。
 それでは、まず赤井参考人にお願いいたします。赤井参考人。
#4
○参考人(赤井士郎君) 赤井でございます。
 早速本論に入らせていただきます。
 一昨年末閣議決定されたことは、一つ、五年以内に廃止され、二つ目は、公庫は証券化支援業務を行う新たな独立法人として設置されると、新たに変わるということでございました。このことにつきましては、私は今更異議を申し立てるつもりはございません。しかし、以下申し上げるところに問題があるということを御指摘して、私の発言としたいと思います。
 それは、小泉内閣の方針は民間でできるものは民間にさせるということで、新しく証券化の道筋ができたわけでございます。これには、公庫が支援組織として果たす役割と、民間側ではそれに対して新たに創設する証券化の役割がございます。この民間の分野については、全くこの動きがないということを申し上げたいわけでございます。
 民間の動きとして、先般、一週間ぐらい前でしたか、日本経済新聞で日本住宅ローンという報道がありましたけれども、そうしたモーゲージバンカーはこの一社だけでございまして、実は我々も新たな方針が出たところで、住宅生産団体、これは日本の唯一の連合団体でございますが、そこで研究会をやっているわけでございますけれども、そうした組織にも全くお話がございませんで、実情はよく分かりません。あの記事の内容がどの程度進んでいるかよく分かりませんけれども、しかし、要はあと三年後にこうした市場ができるとは到底考えられないということをまずもって申し上げたいわけでございます。
 目的は、消費者が住宅金融として多様な選択をすると。ただ、住宅金融公庫は、公庫法の改正で、郵便貯金がああいうことになるものですから、変えると。そして、新たに証券化の市場を作るということの中で、結局のところは、皆さんも御承知のように、昨年から金融公庫の分はうんと減りまして、銀行金利がどんどん増えていると、だからもうそれでいいじゃないかと、こういうことでは毛頭ございませんで、やはりいわゆる住宅金融が多様な選択を可能にするためにも証券化市場が絶対必要だと。これはもうアメリカの例で証明されているところでございまして、我々は何としてもこの証券化の市場を作っていかなければならないと、こういう立場に立っているということでございます。これが一番目です。
 二番目は、ではなぜ証券化の動きが鈍いのかということについて申し上げたいと思います。
 要は、今のようなゼロ金利時代ではこの証券化市場は成り立ちにくいんだと。それはここに不等式が書いてございます。これ、ちょっと間違っておりまして、訂正いたしますけれども、要はモーゲージバンカーの仕入れ金利とそれからモーゲージバンカーのフィー、そして今度住宅金融公庫が求められる何らかのフィーがございます。そういうものが合わさって証券の利回りと、利回り金利というものが成り立つわけでございます。そういう金利と今の一般市中銀行の住宅ローンの金利とどっちが高いか、あるいは条件がいいか、長期であるとかあるいは融資の条件がどうか、そういうことを競争するわけでございますけれども、今日のゼロ金利時代では甚だハンディキャップを負うと、証券化の分野ではハンディキャップを負うと。これはアメリカのファニーメイが我々がスタディーしていたときに非常に警告してくれたことでもございましたし、やはりそういうことかなということを申し上げておきたいと思うんです。
 だから、要するにゼロ金利時代が続く間は、なかなかいわゆる新たに創設する証券化の市場というのは一般に成り立ちづらいという部分がありますよということでございます。
 もう一つ、最も大事なのは、これはファニーメイの人たちが忠告してくれたわけでありますけれども、二次市場が大事だと言うんですね。二次市場というのは、要は兜町なんかで株式が、あるいは債券が売り買いしています。それと同じように、発行市場とは違う、発行されたものが売買される、そういう市場を二次市場と言うんですけれども、これが大きくならないと、発行市場よりも二次市場が大きくなって初めていわゆる証券化の市場が形成されたということが必要なわけでございます。
 これはちょうどJ―REITの場合も、このことは我々も注意深く見ているわけでありますけれども、発行市場と取引二次市場とのどちらがどうなっていくかということが物すごく大事なところでございまして、こういうものができるのにアメリカは三十年も掛かっているわけですね。だから、そういうことを考えたときに、今日の結論でもあるんですけれども、五年以内でこういうものが簡単にできるような、そういう仮説は非常に無理ではないかということを申し上げておきたいと思うんです。
 それから、住宅政策を考えるときに純粋に経済政策で考えていいのか。フランスなんかの場合は住宅政策を雇用政策の一部として考えております。そういう大工職人の雇用問題がありますよと。日本だって三百万人あるいは見方によりますと五百万人のこの住宅に関連する雇用というものを維持してきているわけでございまして、この分を見逃してはいけないと。純粋に経済政策だったらば、もう住宅が足りたのだから要らないということでいいのかどうかという問題がございます。
 それから、防災の問題があります。今度東北で起きましたけれども、阪神・淡路震災で十万戸の家が損傷して六千人の尊い命が亡くなっている。これはやっぱり住宅の倒壊で起こっているわけですね。だから、これがやっぱり住宅の質の問題で、これは住宅局がこれを非常に今真剣に取り組んで、いわゆる性能基準をやっておられますけれども、これもやはり今まで住宅金融公庫が質を担保してきたという歴史がございまして、これを今の市中銀行の純粋な経済原則にのっとってうまく担保されるかどうかというのは大変心配だという面もございます。
 それから、もう一つ大事になってきますのは、これは経済政策の一部かもしれませんけれども、証券が取引されてくるときに、その取引された住宅の状況というのは中古住宅の状況になっているわけです。もう人が住んでいるわけですよ。住んでいる者が仮にデフォルトした場合、返済が不能になったときに、いわゆる中古住宅、既存住宅と言っていますけれども、既存住宅の評価問題が、去年の八月、ようやく制度として中古の評価制度が性能基準にのっとってやろうということになったばかりでありますけれども、これはまだ市場に十分受け入れられておりません。だから、こういう問題もやっぱりきちっと整備しないと、ペーパーだけが取引されるというわけにはいかない問題がございます。
 だから、私は、やっぱりこの住宅金融というのは、長い歴史の中で育ってきて、それが五年で一気に変えようということ自身が無理だということをこの制度導入のときから言ってきたものでありますけれども、この部分だけはやはり引き続き状況を見定めながらやらせていただきたいということでございます。
 これが結論の五番目であるんですけれども、要は五年は無理ですと。五年後にワン、ツー、スリー、一、二、三でもう新しいものに変えたと。確かに住宅金融公庫は支援組織として生まれ変わるでしょう。しかし、肝心の民間の受け手の部分が遅れていますよということだし、それからいろんな市場の制度インフラそのものがいろんな面でまだできていない。そうすると、それを作るには相当の期間があると。
 それから、やはり銀行が今相当程度膨らんでおられる、膨らんでおるというか、シェアを進めておられます。これは大変結構なことでありますけれども、やはり銀行はリスクをヘッジするというのは、これはどうしたって、いわゆる民間銀行でありますから当然であります。だけれども、そのリスクをヘッジするときに、例えば町中の自営業の方は果たしてそのリスクをどう判断するかというのは、それはもう銀行のサイドになっているわけですよ。従来の金融公庫の場合だと救われてきた、表現は悪いんですけれども、オーケーだったのはノーになってくるかもしれない。現実、そういう例を我々は見ておりまして、こういうことを考えたときに、やはり住宅金融公庫の現在やっている直接金融の部分というのは残すべきではないかと。五年後にどうしようか考えようという含みになっておりますけれども、この点は、今の五年は短過ぎるという問題等含めまして、どうかひとつ十分御審議の対象にしていただきたいということを申し上げて、私の話にさせていただきたいと思います。
#5
○委員長(藤井俊男君) ありがとうございました。
 次に、森永参考人にお願いいたします。森永参考人。
#6
○参考人(森永卓郎君) よろしくお願いします。
 今、赤井参考人の方から、小泉改革の根本については今更申し上げる気はないというふうにおっしゃっていましたけれども、私はちょっとそこのところ少しだけ言わせていただきたいと思っておるんですけれども、実は私は特殊法人改革自体に反対しているわけではないんですが、今回の住宅金融公庫の廃止に向けての考え方というのは大きな誤りというのをはらんでいるんだと思います。なぜかというと、住宅金融公庫自体は、別に要らない道を造ったり使わない施設を造ったり、そういう悪いことをしてきたわけではなくて、極めてまともなことをずっとやってきて、しかもそれが国民の住宅取得という一生の夢のためにずっと役立ってきたわけです。にもかかわらず、ほかのとみそくそ一緒にしてついでだから廃止してしまえ、しかもその先頭に立てるということは、私は十分な議論をしないまま進めるというのはとんでもないことだと思っています。特に私は民間でできることを民間がやりましょうということについては反対ではないんですが、実は住宅金融公庫が今まで直接融資してきた分というのを果たして民間の銀行ができるのかということについては二つの点で大きな疑問があります。
 一つは、この民間ができることを民間でやりましょうというためには重要な前提が二つ要るんですね。それは何かというと、一つは、民間がやった方が効率的になるということ、それから二つ目は、民間が完全に今まで公庫がやってきた長期、固定、低利の融資をするということを本当に代替できるのか、この二つが担保されなければいけないんですけれども、この二つについて、私はどちらもできないんではないかと思っております。
 まず、住宅金融公庫の機能というのを民間に移した方が果たして効率的になるのかという面から見ても、実は二〇〇一年度の事務経費率、事務費が融資量に占める比率ですけれども、住宅金融公庫〇・〇九%です。全国銀行は一・二一%ということで、十倍以上高いわけです。ただ、もちろん銀行の方というのは融資業務をしていたり、ほかの業務をしているので、これ単純比較はできないんですけれども、一般的な我々の国民の生活実感からして、住宅金融公庫の職員というのは、しょせん公庫職員ですから、大した給料もらっているわけでも何でもないわけです。それを給与の高い銀行に事務を移してどうして効率的になるんだというのは、普通に考えたらすぐ分かるはずなわけです。
 しかも、その住宅金融公庫というのは、この特殊法人改革を決めたときに、五千億もの財政資金を突っ込んでいるのは国民負担としてどうかと言われていたんですけれども、これは無駄遣いで五千億を突っ込んでいたわけではないわけです。過去は五・五という上限金利を守るために、国民が低利の資金を取れるように利子補給をしてきたわけですし、これまでここのところは国民が繰上げ返済をできるように財政資金を投入してきたわけで、それは長い間の国民の合意として、住宅というのはみんなが欲しいものだから、そのためには国民全体で支えましょうよという社会的合意の下にずっとやってきたわけで、それをいきなり廃止をしていいのかという問題は物すごくある。決して、だから公庫を廃止したからといって、じゃ国全体として何か効率化が起こるかというと、私は全く起こらないんだと思います。
 もう一つは、これがより重要な問題なんですけれども、住宅金融公庫は民業圧迫である、この民業を圧迫しているということは、じゃ公庫がやめたら民間が同じ長期、固定、低利の融資をできるかという問題なんですけれども、実は私はこれは、長期、固定、低利の融資というのは銀行は絶対にできないんだと思っています。
 それはなぜできないかというと、住宅金融公庫のアンケート調査によっても、民間銀行が出しているローンのうち固定金利型のものというのは全体の融資のわずか一・七%しかない。九八%以上は何らかの変動金利というのを取り込んだ形になっている。これは実際に住宅ローンを借りに行けば明らかなんですけれども、銀行のテーブルには長期固定の金利というのはあるんです。ところが、国民の多くというのは金融の専門家ではないものですから、銀行員にこちらの変動金利型の方がお得ですよ、確かに当面は変動金利の方が安くて、よりいい住宅を買えるものですから、どうしても素人が特に銀行員に言われると目先の利益に飛び付いてしまう。銀行の方は銀行の方で、変動金利で融資した方が自分のところのリスクが低くて確実に利ざやが稼げますから、そっちを取らせるようにしている。
 だから、テーブルに乗っていて、ほら出せるでしょうと言っているんですけれども、実際にやっていることというのは長期固定の金利というのをほとんど出していないというのが現実問題としてあるわけです。これが将来、独立行政法人が債券を発行する形で新しいタイプの固定金利の商品と二つ並んだときに、じゃ銀行はどっちを取るかということなんです。
 今、企業の景気というのが非常に厳しくなってきて、銀行は不良債権化のおそれの少ない融資先というのに非常に困っていて、これは銀行の決算を見ていただければ分かるんですけれども、今、融資先としてどんどん住宅ローンの比率というのを高めていって、そこに融資の活路を見いだしているというのが実態なんですけれども、そういう状況の中で、もしこの新しい独立行政法人が出すローンと自分のところの自社商品と二つ並んでいたときに、どっちを勧めるかと。
 これはもう答えは明白なんです。なぜかというと、全部自分のところでやれば自分のところのもうけは大きいわけですね。そっちを勧めるというのは、これは民間企業で営利企業である以上、当然の行動なわけです。ですから、何かかんか一番前面に立っている銀行のところでうまいことを言って変動金利をどんどん勧めていくというのが、これは必ず起こるわけです。
 今、ここのところ、どんどん銀行の融資の比率が高まっていて、変動金利の割合が高まっていくというときに、私はもう国民に非常に大きなリスクというのが既にたまっているんだと思います。それは何かというと、今の一般の銀行の変動金利、短プラ連動の変動金利ローンというのは、短期プライムレートプラス一%というのが標準的な金利になっているわけです。今は短期プライムレートが低いので一見すごく安いように見えるんですけれども、実は短期プライムレートというのは、一九九〇年、日本銀行がバブル崩壊をさせるために金融を締めたとき幾つまで行ったかというと、八・二五まで行っているわけです。そうすると、このときに仮に短プラ連動ローンがあったとすると九・二五まで金利が行くわけですね。
 恐らく、今は低金利だから問題は発覚していないんですけれども、そのうち例えば政府がインフレターゲットを入れます。インフレターゲットというのはインフレにしようという政策ではなくて、安定的な物価上昇率にしましょうと。ただ、インフレターゲットを導入すると物価がざっと上がっていって、上がっていった時点で物価を落ち着けるために日銀は金融引締めに出るわけです。前回の九〇年初めの金利の引締めよりもはるかに厳しい金融引締めというのは当然予想されるわけですね。前回並みとしても一〇%ぐらいの金利が付くわけです。例えば、普通のサラリーマンで三千万円借りている人というのが、一〇%の金利になると三百万円も年間の金利を払わなきゃいけない。月二十五万円です。二十五万円の金利を普通のサラリーマンが給料の中から払えるのかという話なんです。
 今の住宅ローンの一般的な規定でいえば、返済額は五年ごとに見直して二五%までしか増えませんということになっているんですけれども、それは銀行が金利をまける、まけてくれるということではないんですね。全部ローンの残高に積み上がっていくわけです。だから、返す金額は増えていくんだけれども、どんどんどんどん残が増えていくという借金地獄を招きかねない。こういうローンの方にどんどん住宅金融というのを移していくというのが日本の国家として本当に正しい道なのかというと、私はそんなことはないんだと思います。
 日本の社会の安定というのは、日本の多くの国民が、ちっちゃい本当にウサギ小屋と言われるようなところでも一国一城のあるじだぞとお父さんが言って、それで一生懸命まじめにローンを返してきて、楽しい我が家というのをみんな作ってきたというのが日本の社会の安定というのを作ってきたのに、これからはもう市場原理だから弱いやつは家なんか買わなくていいんだと。もし本当にそう言うのであれば、私は貧乏人は家を買うなという宣言をして選挙を戦うべきだと思うんです。でも、多くの国民はやっぱり家が欲しいんですね。そのときに、こういうふうな市場に全部任せるということがいいのかということが一つあります。
 それから、この証券化のスキームなんですけれども、私はこれは、先ほど赤井参考人がおっしゃいましたけれども、ゼロ金利の下ではなかなか成立しないということはあるんだと思うんですけれども、金利が上がった時点でも実は極めて大きな問題というのが出てくるんです。
 なぜかというと、証券市場で成立した金利の上に、当然、銀行の手数料、それからこの独立行政法人が取る手数料というのが上乗せされますから、それよりも高いローン金利になるわけです。だから、その市場で例えば七%、八%というのが付けば、それよりももっと高い金利で実際に国民は融資を受けなきゃいけない。今まで住宅金融公庫のときは五・五という上限がありましたから、金利が高いときもそれなりにみんな国民が住宅を取得できたわけです。それができなくなる可能性が大きい。
 もう一つは、実はその証券発行規模が拡大していったとき、何が起こるのか。今の住宅ローン債権というのは、残念ながらリスク管理がろくにできていない機関投資家というのが日本に一部いるんですね。目先の金利に釣られて、例えば三十年固定とかという長いのでも将来のインフレリスクというのを考えずに買っちゃってるから低金利で済んでいる。逆に言うと証券価格が守られているんですけれども、これは規模が拡大していけば、当然まともな機関投資家がそれを買わなきゃいけなくなるので、その人たちはきちんとリスク管理をします。
 日本の場合は金利上昇リスクというのは極めて高いんです。これは、なぜ日本だけが今、戦後世界で唯一デフレに陥っちゃったかというと、これは日本銀行が金融政策が下手くそだからこうなっちゃっているわけです。世界一金融政策が下手くそな国というのは、実は世界一金利高騰のリスクというのが高い国でもあるわけです。だから、そういう状況の下で、こういう低金利で証券化できますから皆さん安い金利で住宅購入できますよというのは、私は全くの幻想だと思っています。
 私は、そもそも、今回の住宅金融公庫だけが、要するにろくでもない特殊法人がたくさんある中で、国民に役に立ってきた住宅金融公庫を先頭に立てたというのは、だれも言っていないですけれども、私は銀行救済でないのかというぐらいに思っているんです。特に、小泉首相が衆議院の大蔵委員長をやられたり大蔵政務次官をされていて、銀行族だという、大蔵族という面もあって、ここをいけにえにしたんじゃないかという気さえするわけです。
 本当にこれから何をしなきゃいけないか。これはもう閣議で方針が決まってしまったので今更根っこからひっくり返すということはできないんだと思いますけれども、今既に、我々のように既に家を買っちゃった人よりも、これから家を欲しいという人たちのことを考えたら、これは例えば子供が生まれて家が欲しいというふうなときに家が買いたいと、これは普通のごく当然のニーズなわけです。でも、たまたまそのときに金融市場で日銀が金融を締めていたから、あなたは家は買えませんよねというのは、これは住宅政策として私は全くの誤りだと思っているんですね。だから、いつでも、どんな金融情勢でも国民が安心して住宅を買えるという環境を整えておかなきゃいけない。
 特に、今でも既にそうなっているんですけれども、それを全部市場原理で動く民間の金融機関に任せる、これをすると何が起こるのかというと、例えば、ちょっとあなたは病気したからローンは貸せませんよ、あなたは女性だから貸せませんよとか、それから、あなた転職したばっかりでしょう、そういうちょっとでも弱みがある人というのは民間の市場からどんどん借りられるということはないんですね。強者の理論で、別に、これからは市場原理の世界なんだから、そんなのは住宅取得も市場原理でやるべきだというのは、そういう弱者切捨ての思想というのはおかしい。
 だから、今の中でも、直接融資の道というのは皆さんの審議の過程ではきちんと条件として残すことはできるので、是非、私は、限定した一部の例外事項として直接融資を残すのではなくて、むしろ原則残して一部の例外だけ排除すると。要するに、物すごいお金を持っている人なんというのはほっておけばいいわけです、勝手に自分でやればいいわけですから。ただ、一般庶民というのがきちんと住宅を買えるというように、一部の例外を除いて原則として直接融資を残すというのを、是非、附帯決議ではなくて、できれば附則に盛り込むという形で独立行政法人の発足に備えていただければなというふうに思います。
 あと一分だけあるので、もう一つだけ。
 住宅金融公庫が住宅の質の誘導というので物すごく大きな役割を果たしてきた、それを民間に任せた場合にどうしてもその機能というのが弱まってしまうので、まちづくりという面からも、住宅の質の確保、住宅というのは社会資本ですので、日本の社会資本の質を守るという意味でも、是非、日本の住宅政策というのがきちんと機能するような法改正というのをしていただければと切に願っております。
 以上です。
#7
○委員長(藤井俊男君) ありがとうございました。
 次に、竹山参考人にお願いいたします。竹山参考人。
#8
○参考人(竹山清明君) では、発言いたします。
 大体お手元に配っております要旨を中心に発言したいと思います。
 私自身は、住宅とか住宅環境の、住みやすい、暮らしやすい、そういうものをどう作るのかというところを中心に研究をし、実践活動もしております。そういう立場から、今回の法改正について発言をさせていただきたいと思います。
 まず、住宅金融公庫の評価ですが、私は、前の方もおっしゃったように、非常に大きい役割を果たした、国民の住宅難の解消を進めるために中産階級を中心に大きい役割を果たした。それから、経済政策としても、住宅白書の一番前に書き過ぎている感はあるんですが、経済政策としても役割を果たしたというふうに思っております。
 そういう中で、情勢が変わりまして今回の法改正に至ったかというふうに思うんですが、それはどういうことかといいますと、住宅の量が世帯数を上回ったという変化。それから、これは少し意味合いが違いますが、環境重視をして住宅の質を上げていこうというふうな方向も出てきている。それから、またはマイナス面としては、国や公共団体の財政難が生じている。それから、超低金利で民間資金の活用が可能になってきた。そういうことがありますが、私自身の問題意識としましては、日本の住宅というのはこれで住宅問題が解消したというふうには思っておりません。
 諸先生方もヨーロッパなどへよく出掛けられていると思いますが、ヨーロッパの町とか住宅と日本の町と住宅とは大きな開きがあります。ヨーロッパは非常にすばらしい町がたくさんあり、すばらしい住宅がたくさんあるわけですが、日本でこの町並みに住みたいとか、この町並み残したいとか、この住宅を、古くなってもこの家に住みたいというような住宅ってほとんどないんですよね。
 ほとんど、僕は、だから非常にひどい財産といいますか、財産であるのかどうか分かりませんが、そういう形で日本の住宅と住宅地が形成されてきたと。多分、この今の住宅は一、二代で廃棄をされて再度更新されるんではないかと。やっぱり、日本は一応ある程度豊かになりましたので、豊かな場所に住みたいという国民の願いが強くなれば、やはりヨーロッパのような町並みを目指して作り替えられることになるであろうというふうに推測しております。そういう意味では、公的な住宅政策の役割というのは終わったわけではなくて、これからますます、より高度な形で展開がされる必要があるというふうに考えております。
 そういう中で、今回の法改正なんですが、前の参考人の方々もおっしゃったように、低金利であるということで、取りあえず住宅金融として成り立つ可能性がある。しかし、高金利の時代になるとすぐ破綻をするだろう、民間依存では。公的な支援がないと国民が住宅を真っ当に取得することはできないだろうというふうに考えております。
 そういう中で、住宅の証券化の話ですが、住宅ローンの、民間資金を活用するということは、これはこれで有益なことであるし、一つの進歩であるというふうに判断してもいいかもしれません。しかし、やはり金利が上がりますと証券の金利ももちろん上がるわけで、もちろん負担できないような内容になるというのは、さっきの方もおっしゃいました。
 それと、もう一つの問題は、証券というのは担保物件があって証券なわけですから、担保物件が本来は証券の裏付けにならないといけないわけですね、金額の。ところが、現在の日本で供給されている住宅といいますのは、土地は多分これから下がりますでしょう。ますます下がるのではないかと思います。それから、建物は建設された後にどんどん価値が下がりまして、十年から十五年たつとほとんど無価値になるわけですから、証券と申しましても、証券の裏付けがないわけですね。
 例えば、先ほど発言されました住宅生産団体連合会の住宅金融の在り方という委員会でも、ノンリコースローンになるようにする必要がある、だから価値を持ったものに対して証券化するということが大事であるというふうに発言されておりますけれども、アメリカでは中古住宅が新築住宅を上回る価格で取引をされておりますので、証券化の裏付けがあるわけですね。証券は価値を持っておるわけです。日本の場合は残念ながら今の状況では証券自体は本来の価値がない。
 なぜそれが取引されるかというと、お金を借りた人が生命保険も掛けて自分の命と引換えにお金を返すということと、政府が裏書をするということで一応AAAの評価を得ているようですが、それは本来矛盾のある、正しい成立の仕方ではないというふうに思っております。
 証券化を進めるのは一つの方向としてあると思いますが、それを進めるのであれば、当然中古住宅が取引されるときに新築時よりも高い価格から同等の価格で取引されるような状況を作り出すというところが絶対的な前提条件ではないかというふうに思います。ですから、アメリカのようなそういう条件がどう作り出せるのかということを政策的に追求する、それが危なければもう少し進め方を検討するということが必要になるのではないかというふうに思います。
 それで、証券化と矛盾のないまちづくりの仕方ということで考えておりますのは、最近私がいろいろ問題意識を持って調査をしている中で、アメリカの住宅がなぜ中古で高い価値で取引をされているのかという内容ですが、一つは町並みのデザインが優れている、その町に住みたいと思わせる価値がある、それから個々の住宅のデザインが優れていて、中古でもあの家に住みたいという強い希望を持たせるような家が並んでいる、そういうものは非常に高い価格で取引をされております。
 一般的には、構造が堅牢であるとか、仕上げとか修繕がしやすいということが長期耐用の住宅の条件である、中古物件の条件であるというふうなことが政策的にも出されておりますけれども、僕は、それが不十分で、やはりそこに住みたい、愛着を持ってあそこに住みたい、あの町に住みたいというふうな思いを起こさせるような質がないと中古としてはなかなか流通し難いんではないかというふうに思っておりますので、そういう形での補強が要るんだろう。そこが一つのポイントではないかというふうに思います。
 それから、あと、そういうふうな証券化のことだけではなくて、最初に申し述べましたように、日本のこれからの住宅、まちづくりを考える上で、そのようなみんなが愛着を持って長期に住み続けられる豊かな歴史的な町をつくるという意味で、それが非常に大事なんではないかと思います、本来的な住宅政策としまして。
 日本の住宅は旧建設省の発表でも二十六年の寿命であって、イギリスが七十五年、アメリカが四十四年と書いてあったと思いますが、そういうふうなことを改善していく上で、やはりそういう住宅の町並みとか住宅のデザインの質を改善させ、それが中古住宅の取引の価格にちゃんと反映するような形の政策とか、そういう動きをちゃんと作っていく必要があるのではないかと。
 例えば、これは非常に話として空想的にお聞きになるかもしれませんが、先日、関西の建て売り住宅団地の調査をいたしまして、ある団地では、五年前に建った団地が今年新たに建てられている同程度の建て売り団地よりも高く住宅が取引されているという事例が見付かりました。十五年前に建て直した神戸の建て売り住宅が、新築時の一・五倍の値段で取引をされているという事例も見付かりました。
 ですから、日本でもいい住宅、いい町並みを作れば、その価値が古くなっても継承されるということが分かりまして、そういうふうな政策が非常に大事なんではないかと。今後の日本の資産価値、住宅によって資産価値を形成するという、国の富を形成するという上では非常に大事だと思いますので、そういうことを考えながらやっぱり政策を展開したい、する必要があると考えます。
 それから、あともう一つ、今回、今公庫がもしだんだんなくなるとすれば、いろんな大きなこれまでの住宅政策の展開の中の障害が生じるというふうに思っております。
 一つは、定期借地権の問題ですね。住宅金融公庫は定期借地権住宅に貸付けをしておりますが、民間の金融機関は土地が担保になりませんので貸付けはほとんどしないという状況になっております。国民が安い価格で質の高い住宅を手に入れるという上では定期借地権というのは非常に大事な制度だというふうに思っておりますが、その中でも、そうしたら五十年で返済、返却して建物を壊すという今の制度はかなり不備ではないかと。むしろイギリス型の、百年程度定期借地をして、優れた建物を建てて、それは社会資産として地主に返すというふうな制度が必要なんではないかと。これは今の日本の法律でももちろんできるわけですが、そういう辺りを国として誘導するような政策が要るんではないかというふうに思っております。
 こういう形で、イギリスなどは非常に優れた住宅地を歴史的に継承して現在も使っております。日本が五十年で家をつぶしてしまうとか、二十六年でつぶしてしまうというふうな状況は非常に問題が多いというふうに思っておりますので、それちょっと長期的な観点でも政策を考えていただきたいというふうに思います。
 それから、その他、公庫の役割としましては、単に一般的な住宅に貸付けをするということだけではなくて、コーポラティブとか、いろんな政策的な内容を付与して、建築文化とか生活文化、住文化を豊かにするような政策展開を行っておりました。そういうふうなものをやはり大事にして、単に量さえ供給すればいいということではなくて、住宅の質を上げるような内容で公的な機関が有効な働きをするということは非常に大事なことではないかというふうに思っております。そういう意味で、すべて民間の金融機関に依存してしまうということは相当な損失が日本の住宅全体の在り方の中で生じるんではないかというふうに思っております。
 以上、まとめまして、今回の公庫法の改正につきましては全体の流れの中でなかなか押しとどめ難いところもあるかと思いますけれども、単純に証券化をすればすべてが解決するということではなくて、非常に大きな矛盾が生ずるであろうということ、それからやはり、中産階級といいましても収入階層いろいろでありまして、非常に多くの方がやはり低金利、高金利の時代であってもそれなりのアフォーダブルな金利で住宅を更新する必要があるとすれば、それを支援する制度はやはり公的な力でやらなければできないんではないかというふうに思います。
 これからも継続して住宅の更新がつながっていくだろうというふうに私は最初お話ししましたが、そういうことを展望いたしますと、この時点で住宅の公的施策の大きな部分をそいでしまうというふうな法改正はやはりかなり見直していく必要があるんではないかというふうに思います。
 以上です。
#9
○委員長(藤井俊男君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○吉田博美君 自由民主党の吉田博美でございます。
 参考人の先生方におかれましては、大変お忙しい中を当委員会にお越しいただきまして、なおかつ、それぞれのお立場での御所見を賜りまして、ありがとうございました。
 さて、私どもの国は、バブル崩壊後、大変厳しい経済状況でございまして、まさしく今デフレスパイラルの状況にありまして、とは申せ、依然GDPは世界第二位と。一人当たりの国民所得も、ちょっと前の統計でありますが、ルクセンブルク、スイス、ノルウェーに次いで世界第四位と。また、個人の金融資産も一千四百兆円あると言われております。最も豊かな国になったとも言われているわけでありますが、しかしながら、国民の皆さん方に本当に豊かさを感じるかと、こういうことを考えましたときに、衣食住の生活の面から見ますと、私は衣と食はかなりの豊かさを感じているんではないかなと思っております。しかし、住の面につきましては、やはり住宅の質あるいは住環境等が他の先進国と比較いたしましてかなり後れているんではないかなと思っておるところでございます。
 そうした中で、国民の皆さん方にとって何が一番大きな課題かということは、やはり安心して住める住宅の確保というのは私は大きな課題であろうと思います。低利で長期で、そして固定的な金利で、その国民の皆さんの夢をかなえてくれた住宅金融公庫というものが廃止になってしまうわけでございますが、平成十八年度末をもって廃止になるわけでありますが、そうしたことの中で、先ほど来この改正案についてそれぞれのお立場で先生方からお話をお聞かせいただいたわけでございますが、私は、証券化支援業務についてのいろいろな問題点、あるいは直接融資というものは必要なんだという御意見等いただいたわけでございますが、いずれにしても、平成十八年度末、十九年度から独立行政法人が始まるわけでございますけれども、その厳しい中で独立行政法人ができたときに、何を最も期待をされて、何を一番求められているか、それぞれお聞かせいただけますでしょうか。
#11
○参考人(赤井士郎君) 今、吉田先生の御質問でございますけれども、御質問の背景に、住宅行政、何か新築段階でまずしなきゃいかぬというとらえ方が非常に強く見えるわけでございますけれども、私は、新築段階は無論大事だけれども、もう一つ流通段階ですね、これから高齢社会を迎えまして、建てられたもの、日本の五千万戸の住宅がどんどんと流通市場へ出てくると。そのとき、先ほど来竹山先生も御発言ありましたけれども、中古の評価がめちゃくちゃ悪いんですよね。だから、そうすると壊してしまう、スクラップになってごみを作ってしまう、こういう問題がありますよと。こういうことも証券化の前提としても大事だけれども、非常に大事だから、どうか御関心を、新築段階だけじゃなくて流通をもひっくるめた住宅のありようということを是非とも見て議論をしていただきたいということがまず前提としてございます。
 そして、先生の御質問の証券化を進める場合についての大事な問題の前提にもなるわけです。この証券化というのはペーパーでございますから、物から離れてしまったものが流通していくわけですよ、株式と同じように。
 それで、株の場合はうそがあったらいかぬというので今いろいろ問題になっているでしょう。ディスクローズの問題がありますと同様に、住宅の場合はもっとすごいんですよ。要するに、評価制度が全くもう、去年できたばかりなんだけれども、これも制度としては誠に弱いわけです、強制力を持っていないんですから、去年の出発したのは。だから、まずそういう強制力を持たせる。私なんかは、いつも主張しているように、重要事項、説明事項の中に、不動産取引の、これを中古の鑑定評価の中に入れてくださいということを言っているんですけれども、今はまだ日本にはそれを、強制力を発揮するには早過ぎるという御判断でああいう状況になって、一歩前進だとは思いますけれども、是非ともこれはやっていただきたいというのが第一点でございます、先生の御提言の。
 第二点は、何としても民間が、金融公庫はそういう状況になりますよね、支援業務は。だけれども、肝心の民間がモーゲージバンカーとして手を挙げて、そしてアメリカのSアンドLのような窓口業務、これは我々のような業界がやることだと認識しているわけでありますけれども、それがこぞってやっぱり証券化に向けて動き出すという状況を作るということが必要になるんです。それには金利が安過ぎるということを冒頭申し上げたんだけれども、これはやはりしかし金利が安くなるまでこのまま放置しておくのかというわけにいかないと思うんです。そこで、この後、三年半後にスタートするまでに何ができるか。いわゆる民間が立ち上がる、民間がモーゲージバンカーとして立ち上がりやすくなるにはどういう誘導策が必要なのか。これは是非、今我々考えありますけれども、是非そのことを考えていただければ御質問の答えになるんじゃないかと思います。
#12
○参考人(森永卓郎君) 私は、新しい独立行政法人ができたときに期待することというのは、基本的には二つで、直接融資を残すときの対象というのを例えば災害被害者とかというふうな形で限定列挙する。ポジティブリストで作るんではなくて、原則としてネガティブリスト、こういう人は対象外です、例えば年収二千万円以上取っているような人はもう相手にしませんというような形で、原則、大部分の国民が利用できるような形を取っていただきたいというのが一つ。それからもう一つは、金利が高騰したとき、今みたいな低金利のときは必要ないんですけれども、高騰したときには政府からの利子補給というのを入れて、国民が負担しなければいけない金利の上限というのを少なくとも今の五・五ぐらいのところで抑えられる仕組みというのを是非入れていただきたいと思います。
 以上です。
#13
○参考人(竹山清明君) 私としましては、お話ししたいのは、まず新しい法人に基本的には金融を通じて住宅の質を上げるというふうなところをかなり力を入れていただきたいと思います。これは、先ほど申しましたように、証券化をする上で、中古住宅の価値が上がらないと矛盾がますます拡大していくわけですね、証券を増やしていって。
 そういう意味では、例えば建て売り住宅とかマンションとか、自分でその建物自体とか環境を保全できるような施設については質が高くないといけない。その質は、単に堅牢ということではなくて、多分、ヨーロッパの町並みとかアメリカのサンフランシスコとかボストンの町並みを思い出していただくと分かるんですが、ある歴史的な美しさとか文化的な美しさがありますね。そういうものをやはり担保するような方向で誘導する、これからできる町は美しい町ができるというふうな形に誘導をしていただきたい。それから、古いものは非常に改善していくのが、古い町の中でリニューアルしても困難だと思いますが、それでもやはり以前よりは良くなっていくというふうな、自分の家に誇りが持てるような家を造る、そういうふうな形での誘導が是非必要であるというふうに思います。
 それからもう一つ、森永参考人がおっしゃったように、今後証券化をやるにしましても、金利が上がりますと、多分それに応じて金利は上がりますね、で、負担できなくなる可能性があると思います。ですから、そういうところではやはり金融公庫の制度にのっとった形で、五・五%以下ぐらいの金利になるような政府の支援は必要であるというふうに思います。
 以上です。
#14
○吉田博美君 森永参考人にお聞きしたいと思うんですけれども、住宅金融公庫が廃止になる最も大きな理由というのは、先ほど言われました財政支援という、国からの、五千億出ていると。そうしたものについての、今回そういう廃止の一つの大きな、一番最も大きな要因になったんではないかと思うんですけれども、それを考えますと、りそな銀行に対して二兆円の公的資金を注入するわけでございますが、こっちは良くてこっちは悪いというような状況になるんですけれども、その件につきましての森永参考人の経済アナリストとしてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#15
○参考人(森永卓郎君) 昨日の国会審議の中でも、小泉首相は三日前までそういう事態になっているというのを全く知らなかったというふうに報じられていますけれども、実は前回の住専問題のときにはその三分の一以下のお金でもう国会が大紛糾するぐらいの問題だったのが、今回、密室で突然その大金、二兆円というのをたった一つの銀行グループに国民の訳の分からないまま注入されてしまった。
 一部の報道では、債務超過になっている可能性も強いので、それをごまかすために突然二兆円を超えると言われている金額というのを入れることを決めちゃったんですけれども、本当にこの二兆円の資金というのは、このままデフレが続けばどんどん毀損していって、国民の税金の負担になるというのは目に見えている。そういうことをしながら、わずか五千億円の財政資金投入、これはすべて国民の住宅取得のために役立っているわけですから、それを廃止して、銀行への公的資金注入だけをやりたがるというのは、私は明らかにバランス感覚を逸しているんだと思います。
 ですから、どうも金融業界を守るという視点ばかりが前面に出ていて、本当に国民のことを考えた政策というのをやっているのかということについては私は大きな疑問があります。
#16
○吉田博美君 時間の関係もございますので、それでは赤井参考人にお聞きいたします。
 今、景気は一番低迷しておりますが、景気の回復というのは、ある意味では新築住宅着工件数がいかに増えるかということも大きな役割を果たすと思うわけでございますが、参考人は、いただいた資料で、平成十三年の九月十六日の日本経済新聞に寄稿されておりますが、インタビューを受けておられるわけですが、それによりますと、住宅金融公庫の融資枠を拡大するよりも、むしろ住宅の税制の改革をする必要があるんだということをおっしゃっているわけでありますが、その件について考え方を詳しくお聞かせいただけますでしょうか。
#17
○参考人(赤井士郎君) ちょっと先ほどの質問の問題に私なりに答えたいんですけれども、それお許し、ようございますか、今の森永さんが答えられた内容。
#18
○委員長(藤井俊男君) 時間の範囲内でひとつよろしくお願いします。
#19
○参考人(赤井士郎君) 五千億の赤字補てんは、実は性質が全然違うと思います。あれは要するに、前倒しで返されたことに対する発生した赤字といいますか、金利差なんですね。ですから、本来、金融公庫がまずかったから赤字になったわけじゃなくて、前倒しされたお金が実は財投の方に戻せない制度上から起こっているわけで、国民はそれを知らないで、ただ赤字を作った、赤字をこしらえた悪い金融公庫というイメージだけが先行して、そういう金額の張った悪いやつをまず成敗しようというところが先行ったんじゃないかと。だから、これは同じ土俵で、先ほどのあの銀行と同じ土俵で議論すべき内容ではないということを私からもちょっと意見を述べさせていただきたいと。
 それから今の、新築を活性化するために税の問題なのか金利の問題なのかということでございますが、金利はもうゼロ金利になっているわけですから、金利の誘因ということは余り効かないんですよ。やはりそこには税の問題の方がはるかに有効だし、今、日本の国民資産で千四百兆円も今貯金があるわけでしょう。そういう国民資産で圧倒的なのは高齢者、六十五歳以上が圧倒的な比率で持っていると。だから、それの資産移動を図ることが経済の活性につながるではないかと。それで、税金は取りっぱぐれることは絶対なくて、いずれはちゃんと元取れるわけですよね、生前贈与でやったって最終的に亡くなれば清算されてくるわけですから。そういう形での景気対策の方が税金使わないでいいではないかと。
 こういう考えは一向に変わっておりませんし、このたびの生前贈与の制度あるいは相続税の改正については熱心に皆さん方に、先生方にお願いして、このような形にさせていただいたということはいささかも変わっておりませんので、どうぞよろしくお願いします。
#20
○山下八洲夫君 民主党・新緑風会の山下八洲夫です。
 今日は三名の先生方には本当にありがとうございます。
 先ほど、それぞれの先生のお話をお伺いしておりまして、珍しくそれぞれの皆さんが住宅金融公庫をかなり高く評価されているなと、そのような印象で私は受け止めさせていただきました。
 私自身も、どちらかといいますと、社会的には大変な貢献をされただろうというふうに思っております。場合によっては、政府が景気対策でまずは予算を拡大をし、そして住宅へ力を入れる、このような時期もございましたし、そういう意味では、私自身も一定の貢献を日本経済にもしてくださったというふうに思っております。
 そういう中でのこのような大改正であるわけでございますが、私が今一番心配しておりますのは、一つは、住宅金融公庫といいますのは、年収が八百万円以下の皆さん、そういう皆さんがほぼ九割活用なさっていらっしゃる。先ほどございました二千万円とか三千万円のような高収入の方は比較的もう今日までも利用されていないというのが住宅金融公庫であったと思うんです。
 そういう中で、もう一点、良さは、全国くまなく同率の要するに金利であるということで、大変家を持ちたいという皆さん方も比較的活用もしやすい。それと同時に、家を新築いたしますときには、大体、設計段階あるいは建前段階、完成段階とチェックをされるから、特に住宅を取得をしようという皆さんも安心して手抜きのないいい住宅を造っていただける、このような安心感もある。ですから、都会なんかでもよく、例えばマンションにいたしましても戸建ての団地にいたしましても、住宅金融公庫融資付きというのが付きますと、早くどちらかというと完売できると。これは、それだけ社会的信用性もあったと思うんです。
 そういう中で、もしこの住宅金融公庫が証券化へぐっと行った場合に、果たして今の民間金融機関が全国くまなくそれこそフォローできるだろうかと、これ大変私は心配しているんです。
 なぜかと申しますと、例えば、今日低金利でございますから、住宅金融公庫に負けないような、十年固定、その後、十一年目からまた若干金利を上げて固定と、住宅金融公庫に負けないような商品をそれぞれいろんなところで出していらっしゃいます。だが、現実にこれは地域限定型でございましたり、あるいは総量限定型でございましたり、あるいは期間限定型でございましたり、国民にとってなかなか利用しづらいんですね。
 特に四大行というのは、ちょっと私調べますと、みずほ銀行については、たまたま宝くじを扱っていますから四十七都道府県に必ず一店舗ぐらいは支店を持っていらっしゃるんです。だが現実に、東京三菱にいたしましても四十七都道府県中二十三の都道府県にしかいわゆる支店がない、あるいはUFJにいたしましても二十四、三井住友が若干多いといいますけれども三十三。大都市部に支店も集中しているということになりますと、このような金融機関が幾らいい商品の住宅ローンを提供いたしましても、もう大部分の国民が利用できないというような欠点が私はあると思っているんです。
 そういう意味で、こういう銀行がくまなくサービスできるだろうかというような観点から、三名のそれぞれの参考人の先生の御意見を伺わせていただきたいと思います。
#21
○参考人(赤井士郎君) 今、山下先生の御質問の場合でも、先ほど吉田先生と同様に、新築の段階と中古の段階を分けて現状を説明したいと思うんです。
 それで、中古は一体どういう住宅金融がなっているのかと。これは全く民間金融ですよ。金融公庫も制度としてありますけれども、全体量としては少のうございます。ですから今、民間金融だと。しかも、新築と中古と比較すると、中古は新築の三分の一規模でしかないと。それは取引事例がそういう状況になっているからやむを得ませんけれども、一説には十分の一という見方もあるんですけれども。要は、これは実は民間で、しかも先ほど来議論しているように上物に対する担保力を持っていないものですから、地価だけで融資していると、しかも地価の何掛けと、しかも今、現状は地価がどんどん下がっていると。
 ですから、もう中古における住宅金融の市場というのはお寒い限りの状況下に置かれているということを頭に描きながら、今の御質問の、新築の世界について民間の果たす役割、しかも支店の規模がこの程度なんだけれどもどうなのかということでございますけれども、じゃ、現在の金融公庫の状況はどうなのかというと、実際の窓口は全国の民間銀行の組織に窓口はゆだねられているわけですから、これはある面では証券化という道ができてまいりますと、これカバーできちゃうんですね。だから、その議論でもって今の、御趣旨はよく分かりませんけれども、金融公庫をそのまま存続させろというような議論にはつながってこないと思うんです。だから、やはり証券化の議論の中でこれは議論していって初めて効果がある議論になっていくんではないかと。
 ですから、今の大手銀行の支店はもうほとんど大都市偏在だから、地方には大したあれがないから、このままだと地方切捨てになりかねないじゃないかと、この議論は、私はちょっとそれは乱暴な議論になっていってしまうんじゃないかなというふうに思った次第でございます。
#22
○参考人(森永卓郎君) 私は、証券化をしたその新しいタイプのローンというのが実質的にそれほど大きく機能するとは思っていないので、今、委員がおっしゃった心配というのは現実にあるんではないかなというふうに思っています。
 ちょっと私自身の体験申し上げますと、二年ちょっと前に城南信用金庫というところで住宅ローン借り換えたんです。この場合も勤務地あるいは住所地というのが城南信金の管内にないといけないんですけれども、それだけではなくて、私、所得要件も担保要件も、もう物すごく余裕があったんですね、私、結構金持ちなので、今。担保余力も一千万円ぐらいあったんです。
 にもかかわらず、何と言われたかというと、お父さんを保証人に付けてくださいと。だってこんなに余裕があるのにと言ったら、いや、念のためですと言うんです。余り言うんで、うるさいんで、じゃもう実印もらってくればいいんでしょうと言ったら、駄目です、ちょっとお父さんの家へ行かせてください、お父さんがちゃんと返せるかどうか面接に行きますからと。うちのおやじの実家上がり込んで延々と面接するわけです。
 すったもんだして、もう公庫の四、五倍の書類、もう書類書くだけで疲れ果てちゃうぐらい書類作って、ようやく資金出される段階になって、抵当権解除の書類持っていきますからって、小切手くださいと言ったら、森永さん、私、付いていきますって担当者が言うんです。何で付いていくんだよと言ったら、森永さんが融資資金持って逃げたら困りますからって。私が逃げるはずないじゃないですか。でも、そのぐらいきつい、厳しい、だからこそ城南信金は不良債権が少ないというのはあるんですけれども。
 要するに、すごく恵まれている人というのは問題がないんです。ただ、先ほども言いましたけれども、ちょっとでも弱みがあると、それはこぼれ落ちる人、要するに弱者がこぼれ落ちる。それはもう地域であったり、いろんな要件であったりしてこぼれ落ちる可能性はあるので、私はやっぱり今の仕組みというのは重要なんだと思いますけれども。
#23
○参考人(竹山清明君) 山下先生のお話の中で、公庫の役割としてかなり質の高いものを造ってきたというお話がありました。
 それに関連してしゃべりますと、例えば、関西がかなり多いんですが、関東も似たような状況だと思いますが、建て売り住宅で、例えば三階建ての建て売り住宅がございます。これはちょっと前まではほとんど違法建築でして、風が吹いたら揺れる、階段を上がると揺れるという違法建築が建てられておりました。一応建築確認の段階では適法で出されるんですが、途中で変わってしまうんですね。チェックがないものですからそのまま建ってしまって、非常に危ない建物が売られるということになります。
 これはなぜチェックがないかというと、もちろん建築確認、今はちょっと変わっておりまして検査が少し厳しくなっておりますが、融資が、もちろん民間の融資ででして、融資でチェックがない。金融公庫でしたらもちろんチェックが入って構造的にも安全にさせられるわけですけれども、民間の融資の場合はそういうことを大体やっておりませんでした。
 最近少し厳しくなっているというふうにも聞きますが、基本的には技術部を持っていないわけですから、技術的な基準を作りようがないといいますか、どこの銀行、大きいところはできるかもしれません。しかし、中小でそういうことは困難でありましょうし、行政的にそういうことをコントロールするということもかなり難しいんではないかということからすれば、これまでの例を見れば、民間融資で優れた質の住宅ができるかどうかというのは極めて怪しいのではないか。何か特別な策がないとそれはできないんではないかというふうに思います。
 それに対して公庫では、これも非常に十分だとは思いません。基礎のときとか何回かのチェックだけですので、途中で手抜きをすれば見えないということになるわけですけれども、そこは何らかの行政的な手段で改善は試みていられるわけです。あるいは、建築士がちゃんと工事管理をするというふうなシステムが建築士法にのっとってされていれば済むわけですが、それは現実には余りされておりませんので問題なわけですが。
 少なくとも公庫は建設基準をちゃんと持っていて、特記仕様書もちゃんとありまして、いや、共通仕様書がちゃんとありまして、それが非常に工事の安全性とか性能を、建物の性能をちゃんとしたものにする上で大きな役割を果たしたということで、この部分の心配、欠損する心配が生じてくるだろうというふうに思います。
 それから、あと中古住宅については、先ほどお話がありましたように、これから取引を活発化しようと思えば、その部分での金融がちゃんとされないといけない、評価もしないといけないということになるわけですが、民間の場合は非常に安全性を高く見ると思いますので期待されるような評価が出ない可能性があるし、これはもちろん建物自体が評価される質に改善されていくということがこれからの課題になりますけれども、非常に不安なところであります。
 それから、先ほど申しました、最初の、冒頭の発言で申しましたが、定期借地権の住宅はこれから多分非常に重要な住宅になっていくだろう、住宅供給の中でですね。これは多分民間の金融機関ではほとんど手を出さない部分であるというふうに思いますので、是非この部分をちゃんと補完できる、達成できるような公的なシステムが必要であるというふうに思います。
 以上です。
#24
○山下八洲夫君 もう時間がございませんので、簡潔に、赤井先生と森永先生にお尋ねしたいと思います。
 今回の特に買取り型の証券化、今、日本では株式は一応メジャーで、国民の皆さんよく御存じですね。でも、なかなか普通の国民は株で、なかなか株取引を行わないと。たしか三%以下ぐらいだと思うんですが、そのような状況なんです。
 この買取り型の証券化でございますけれども、当然、これスタートしますと、機関投資家が利用されるのかなと。そうしますと、これは大変な長期でございますので、そうしますと、生保ぐらいかなと。生保も、今状況を見ますと、あんなに傾いているなということを見ますと、実際、この買取り型の証券が実際市場に出ていくんだろうかと私は大変心配するんですが、その辺について御感想をお聞きいたしまして、終わらせていただきたいと思います。
#25
○参考人(赤井士郎君) 私は、これは、一種の証券化のマーケットができてくるまずきっかけはこういう形なんだろうと。きっかけであって、これが主流を占めるとか、あるいはずっとこういうものが残っていくというのは、アメリカの例なんか見ていても、アメリカなんかもうこれはないですからね。ですから、これはある立ち上がりのときには、これはいかにも日本的にはやっぱり知恵だなというふうに評価はしております。
#26
○参考人(森永卓郎君) 私は、恐らく、今は農協とかのリスク管理が余りしっかりしていないところが買っていますけれども、大きくなっていったときというのは相当な高金利にしないとだれも買わないんじゃないかという心配を持っています。特に、スキームの細かいところ、私、承知しておりませんけれども、繰上げ返済のリスクを負わせるということになれば、なおさら大きな金利を付けないとだれも買わないと思います。
#27
○山下八洲夫君 どうもありがとうございました。
#28
○続訓弘君 公明党の続でございます。
 今日は、お三方には大変お忙しい中、御出席を賜り、そして貴重な御意見を拝聴させていただきまして、大変ありがとうございました。
 そこで、お三方の御意見はそれぞれ、小泉内閣が意図しているこの改革について警鐘乱打されたような印象を持ちましたけれども、赤井参考人に伺います。
 赤井参考人は、我々業界も消費者なんだと、そういう消費者の立場から、今回の閣議決定のことは分かるけれども、これは今、五年後に実現するということは考え物だと、こういう御趣旨だと思います。
 元々、政府関係金融機関を見直す、大胆な見直しをするということは、当時、民間金融機関が現状とは違った状況の中での私は発想であったと思います。ところが、現状では、中小企業金融でも貸し渋り、貸しはがしが横行して大変な状況になっておるわけですね。同じように、今、お三方が述べられたこの住宅金融公庫の問題も同じような状況だと思います。
 そこで、仮に、仮に五年後に金融公庫が今の政府が意図しておるような状況で改革されたと仮定をして、住宅問題といいますか、住宅需要、消費者から住宅を造るという言わば需要ですね、それと供給側から果たしてそういう期待にこたえられるのかどうか。例えば、金融公庫があったがゆえに住宅を造ろうという意欲が民間にはあったけれども、非常に選別された融資の下でそれができなくなるとすれば住宅を造る意欲が薄らいでしまうと、同時に今度は業界は冷えてしまうと、こういう状況に私はなるんじゃないかと思いますけれども、仮にそうなったときの業界の状況はどうなんでしょうか。要するに、倒産だとかあるいは失業者が増えるとか、そういう事態が予想されるんじゃないかと思いますけれども、現状で、赤井参考人の御意見を伺いたいと思います。
#29
○参考人(赤井士郎君) 今も百十万戸ぐらい堅持されておりますけれども、問題は百十万戸の中身、なかんずく、持家の低層住宅を我々は担当もしているわけでございますが、この分を金額ベースで評価いたしますと三分の二に減っちゃっている、あるいは三分の二以下に減りつつあるということでございます。いかにも、数量的に百十万戸堅持しているからまあまあ住宅はほかに比べて一生懸命頑張っているなと、こういう御評価でございますが、まずGDPでいきますと、かつて二十五兆円あったのが二十兆円、もう十八兆円に近づいておりますし、今の低層住宅の部分については特に悪いんです。確かに、それは都心部の都市再生ですか、あの部分から発生するマンションはこれは人気がございます。もうこれはいわゆる点的な意味でございますけれども、そういう意味では地方の低層住宅なんというのは非常に悪うございまして、先ほどじゃないけれども、支店からどんどん撤収を始めているという問題がございます。
 それで、続先生の御質問に対する答えでございますけれども、公庫が三年、四年近い、三年ぐらい後に仮になくなった場合、仮にというか、なくなるのは決まっているんだけれども、このまま全くゼロになった場合どうなるかということでございますが、我々は背筋の寒い状況を想定しております。それは、要は、やっぱり冬の陣を迎えて身を縮こませて、活動範囲を縮めるということで生き残るということでございましょう。
 それは数字がどのくらいかというと、これは数字はちょっと、これは私の考えはここで御披露するわけにもいきませんけれども、私はかなり厳しい見方はしておるわけでございます。
 それで、それよりも大事なことは、一体公庫の何をどの程度残すべきかという意見を言わせてもらってよろしゅうございますか。
 それは、直接金融部分を、例えば今二十兆円ぐらいになっているんでしょうか、この分をやはりセーフティーネットとして、今のリスクに対するセーフティーネットとして少なくも十兆円ぐらいは残すということをもう政治的に御発言を、十兆円以上は残すと、そういう政治的御発言をなさることが非常に今大事なんじゃないかと。そうしないと、将来の需要に対する非常にしなり具合というか、萎縮するということがなくなってまいりますから、いわゆる持家の夢というものが担保されてくることでありますので、ああ、政治家がこんなふうに考えてくれるんだなというふうになりますので、是非この分を、それは私は十兆円と思っているんですけれども、住宅局の偉い人もおられますから、是非ひとつ、そこら辺のところは政策御判断を間違いなくお願いしたいと思います。
#30
○続訓弘君 今日はそういう大胆な発言を期待しているわけであります。やはりここはそういう審議の場なんですね。そういう御意見を伺いながら、我々がどうこの問題に対して対応するのかということの大変参考になる意見を開陳していただこうと思っているわけです。
 そこで、森永参考人に伺います。
 今まで金融公庫の場合は財政投融資を原資として長期固定の金利が組み立てられるようになっていたわけですね。今回、今度はそれを変えて、証券化をして、そして言わば市場を通じて政府が支援しようという意図ですけれども、先ほど森永参考人は、市場化になかなかなじまないんじゃないか、難しいんじゃないかと、こういう御意見のように拝聴いたしましたけれども、それは、やはり今までの財投を通じて直接、民間、仮に民間の、我々が公庫の融資をなくしたときに、民間にそういう支援をした方がいいのかどうなのか、その辺のところはどうなんでしょうか。
#31
○参考人(森永卓郎君) 実は、住宅というのは、耐用年数も長いですし、人によっては三十年とか三十五年とか非常に長い期間を払い続けなきゃいけない、それだけ高い買い物であるわけですから。
 ところが、実際の金融市場というのは、超長期、二十年とか三十年というような長期の資金というのを調達できるようにそもそもできていないんです。それはなぜかというと、もう一年先、二年先のことも不透明な時代に三十年先のことというのは分からないというのが実際の現実なんですね。
 そのときに、それを、きちんとその資金需要と資金を供給する人をマッチングさせてあげられるのはだれかというと、実は政府だけなんです。なぜかというと、政府は金融政策の責任を持っているし権限も持っているわけですから、政府が将来とんでもない高金利にするというのは絶対にしないという決断をすれば、政府は金利自体をコントロールできるので、ですから、超長期、これはもう住宅という問題ではやむを得ない問題なので、そこを市場に放置して任せれば何とかうまく回るんだろうというのは、私は市場の過信なんだと思っています。
#32
○続訓弘君 竹山参考人に伺います。
 竹山参考人は、住宅を文化あるいは建築文化、生活文化ということでとらえられるという御意見を拝聴させていただきました。そして、現実に神戸の場合は、十五年前にできた建物が、原状と全く同じような建物でも一・五倍という価値を生み出していると。これは、私、初めて伺ってなるほどなと思ったんですけれども、その理由は、なぜそういう状況になっているのか、ちょっと御披露いただけますか。
#33
○参考人(竹山清明君) まだこれから調査をしますので、具体的な購入者に対してヒアリングなどは行っておりません。
 ただし、アメリカの事例とか、私がその住宅地を目で見まして感じたことと申しますのは、基本的な環境が非常に優れていて、建物も質が高い、特にデザイン的な質が高くて、あっ、この家だったら住みたいなと思わせる雰囲気があるということですね。
 大阪のある事例は、それも近隣よりも高い、中古が高く売買されている事例ですが、奥さん方にお話をしても、何か安心して暮らせるとか、環境がいいので好きですとか、それから自治会長さんが、五十戸ぐらいの団地なんですけれども、団地をきれいにするために一生懸命奔走されて、花が団地一杯に咲いているとか、あるいは道の、道路の上におしゃべりするためのいすを各お宅が置いているんですよ。それで、近所の方が集まっておしゃべりしている。あっ、これはなかなか優れた住宅地だなという雰囲気を感じまして。
 だから、そういう質が獲得できると日本でも中古が非常に好まれて売買されるという状況ができてくるんではないかというのを実感いたしました。
#34
○続訓弘君 そういう住宅政策に対してもやはり国が関与をすると、住宅金融公庫が、今までのような公庫が機能を持てば、定借が五十年が百年になり、いわゆる竹山委員がおっしゃるような建築文化あるいは生活文化が成り立つと、こんなふうに理解をいたしました。
 いずれにいたしましても、三人の参考人のそれぞれの貴重な御意見、ありがとうございました。
#35
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。
 今日は、三人の参考人の方々、お忙しい中、ありがとうございます。三人の方にそれぞれ同じ質問をさせていただきたいというふうに思います。
 最初は、今度の法改正の特徴というのは、住宅金融公庫が民業圧迫にならないようにということで、公庫融資による住宅の建設の枠を狭めて、それを民間の銀行ローンに置き換えていくというか、市場をそこに移していくということが一つであります。そのために、民間銀行ローンの比率を高める、いわゆる証券型、証券化支援事業を行う、その中には買取りと保証型と二つあると、こういうふうになっています。
 もう一つは、五年後に住宅金融公庫を廃止して、その時点で、直接融資を続行するのか廃止するのかも含めて五年後の時点で再検討しましょう、そのときに民間の銀行のローンが定着している場合は公庫の方のローンは廃止しましょう、まだうまくいっていないという場合は住宅金融公庫の果たすべき役割が引き続き必要だからそれは続行しましょうと、こういうことのようであります。
 私は、今までの住宅金融公庫の融資には、大きく言うと、単純化して言いますと二つの特徴点があったんじゃないかと。一つは、長期、固定、低利という特徴点が一つはあった。もう一つは、公平な融資、選別融資は原則としてしないという、こういう特徴点があったのではないかと。このことに対して国民は非常に安定感を持って住宅建設に取り組むことができる。例えば、長期ですから返済計画もきちんとできるということもあったというふうに思います。
 そこで、まず二つの点を伺いたいんですけれども、証券化支援事業をやるということによって、一つは、住宅金融公庫並みの安定した長期、固定、低利のローンを民間の銀行で組むことは可能になるかという問題が一つです。もう一つは、その証券化支援事業をやった場合に、後ろからバックアップした場合に、住宅金融公庫並みの公平な融資、選別融資はしないということ、これは民間の銀行でも可能になるのか。この二つの点について、三人の方、それぞれお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#36
○参考人(赤井士郎君) まず、冒頭の民業圧迫論の問題でございますけれども、四二%公庫の比率が上がった時期があるんですね、これは非常に一時的なんですけれども。この原因は、バブルの崩壊で日本の経済が萎縮した、それで、これはやっぱり住宅でもって景気を誘導しなければならないというような議論に相なりまして、それで住宅金融公庫のローンの枠とか融資対象の条件とかいうものが急速に拡大したわけです。それと同時に、住宅金融公庫の金利が全体の市中金利と同じような流れの中で安くなったと。そういうことが重なりまして四二%になったわけです。それでもって、四二%というのはけしからぬとか、いわゆる悪者になったというのはもう偽らざる事実でございまして、我々は、これ、その渦の中で商売をやってきた人間として一番よく分かっているわけです。今、それが元へ戻るどころか、もっと後退し始めておりますけれども。
 ですから、民業圧迫論というのはそこから出ていて、それがなくなれば、もう本来はなくなっていいはずだけれども、森永さんが先ほど来おっしゃっておられるような銀行の一つの戦略的なあれでもって、圧迫論だけがずっと独り歩きしているということでございますということを私からも申し上げておきたいと思います。
 それから、二番目の公平をどうやって担保するのかという、今、銀行の公平の問題と、証券化になったときの公平の問題、そういうことでございますね。
 銀行は、先ほど来森永さんも言っておられますように、これはもうリスクはヘッジするのは当たり前でございまして、公平は担保されません。要は、証券化で担保されるようになるんです、制度的には。それは金融公庫の支援業務が担保するわけです。
 問題は、モーゲージバンカー、証券を発行するモーゲージバンカー。そして、窓口になる私どものようないろんな住宅メーカーがございますね。それでお客さんが建てられます。住宅金融は銀行もあります、証券化もありますと。銀行は直接やってくださいよと。何とか銀行と直接、御紹介というか、ごあっせんはしますけれどもこれは直接やられる世界ですよと。証券化の世界は、これは私どもと提携しております何とかモーゲージバンカーがありますと。しかし、そこの何とかモーゲージバンカーというのは住宅金融公庫、ジャパニーズファニーメイと仮に称するならば、そういうものが保証するんです。それで、保証するときに、できるだけ公平の原則をかつての住宅金融公庫と同じような立場で残そうと。多分、住宅局の方ではそういうふうにしろということで御指導なさっておられるはずだと思います。
 ですから、一応制度的には金融公庫と同じ公平の原則がここでは担保されると私は見て差し支えないんだろうと思います。
 以上でございます。
#37
○参考人(森永卓郎君) 私も、まず民間が公庫並みの融資を出すかということについては、ほとんどその可能性はないんだろうと思っています。それはなぜかといえば、新しい形のローンを取り扱ったところにして、銀行はその分の事務手数料を取れるだけなわけです。自分のところのローンを直接出せば、例えば普通預金でいえば金利〇・〇〇一%、ほとんどただで資金調達をして、それを住宅ローンに貸せばその分の利ざやは丸々取れるわけですから、どっちを優先するかといったら答えは明白なんだと思います。
 それから、今、委員がおっしゃった公平な融資という面でも非常に大きな問題があって、昨年十月に日本総合研究所が行ったアンケート調査によると、公庫利用者のうち融資選別を受けた人、民間金融機関で断られたという経験がある人というのが公庫利用者の一割あると。その中でも、どういう理由で断られているかというと、例えば大腸ポリープの摘出手術を受けたからというのを正直に書いたら断られたとか、それから自営業者だから断られたとか、それから独身時代に断られたとか、ありとあらゆる人の弱みに付け込んでくるということをしてくるわけです。要するに、人間、完璧な人間なんてなかなかいないので、それは病気しちゃった経験とか、みんな多少弱いところというのはあるわけです。だから、それを今までは公庫というのが公平な立場から救ってきた機能というのは私は極めて大きかったんだと思います。
#38
○参考人(竹山清明君) 民業圧迫の件なんですが、現在は非常に不景気ですので、民間金融機関が投資先がないということで、住宅融資に相当お金を注ぎたい、仕事の先にしたいというふうに思っていると判断します。景気が回復してきた時点でより有利な民間企業への融資とか、そういうものが増えると、住宅ローンがどういう扱いをされるかというのは、かなり不安定ではないかというふうに思っております。
 例えば、それで、先ほどのお話でも、森永参考人がおっしゃったように、民間金融機関は証券化よりも自分の会社の独自の融資を勧める可能性が高いということとか、それから証券化自体が本当にそれだけリスクを見るような機関投資家が参入するような形で伸びるかどうかという危惧をいたしますと、公庫が撤退をしますと、基本的には民間金融機関が相当幅を利かすということになるでしょう。
 そういうことで、例えばアメリカの例などは非常にある意味ではいい例なのかもしれませんね。問題の少ない例かもしれませんが、同じ資本主義国でもすぐ近くの韓国では全く別のことが行われているわけですね。韓国では公的な住宅金融政策が非常に弱くて、基本的に民間でお互いにお金を持ち合いをして家を建てるというチョンセという制度が昔からありまして、今もそれは行われております。それは、賃貸人が多額の一時金を出しまして、その一時金を集めて地主が家を建てて家主にする。結局、一番安い住宅でも日本円で五百万円お金を頭で出さないと住めないというのが韓国の実情なんですよ。
 ですから、そこまで極端になるとは思いませんが、やはり公的な支援がないと、住宅ローンというのは商業主義的な観点だけでいくと韓国に近い例まで行かないとは言い切れないというか、まず、極端ですけれども、そういうおそれがあるというふうに思います。事例がありますので、それは是非参考にして改善策が要るんではないかというふうに思いますが、その点につきましては。
#39
○富樫練三君 証券化について伺いたいと思うんですけれども、これも三人の方、同じ質問でございますけれども、証券化というのは、買取り型の場合も保証型の場合も一方で銀行がローンを発行する、その債権を買取り型の場合は公庫が全部買い取ると。保証型の場合は、それを証券化して市場に出して、そこから資金を集めてくるときにそれを保証すると。両方で保証するということで、いずれにしても、ローンを貸し付けることと、その債権を証券にして資金を集めると、この仕組みは同じだろうというふうに思うんです。
 その場合に、資金をたくさん集めようと思えば、利回りが良くなければこれは資金集まってきませんので、こっちの金利はなるべく高くしたいと、なるべく証券がどんどん売れるようにしたいわけですけれども、これを高くするとこちらの方の、今度はローンを貸し出すときの金利もどうしても高くせざるを得ないと、そうするとローンの借り手は少なくなってしまうと。この矛盾があると思うんですが、逆にすればこっちの方も下がるということになると思うんです。
 したがって、そこのリスクをどこが吸収するかということが出てくるだろうと。できれば、こちらの金利は高くして、こちらの金利は安くした方が、これは両方ともうまくいくと。そういうふうにするためのリスクのクッションというか、吸収するところが、今回の場合、住宅金融公庫、あるいは廃止された場合にはそこの独立行政法人、新たに設置される部分ですね、ここがどうしてもそのリスクを吸収することになるのではないかと。
 だとすれば、そういうことをわざわざやってまで証券化しなければならない理由というのは一体どこにあるんだろうかと。これは住宅金融公庫が今まで貸し出していた融資制度をそのまま、直接融資でやってきたものをそのまま続行すればいいのではないかと。どうも経過を見ると、銀行からの要求が大変強くてこの制度がスタートしようとしているということを私自身は強く感じています。
 したがって、それが今度の証券化の制度ではないかというふうに、支援事業ではないかというふうに私自身は感じているんですけれども、この点についてどのようにお考えかということをお聞かせいただきたいのと、私は住宅金融公庫の直接融資は廃止すべきではないというふうに感じておりますけれども、この点についていかがお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
#40
○参考人(赤井士郎君) 富樫先生の御意見は、私が、今回の、一昨年の決議がなされるまでの私の意見と全く同じで、無理して証券化の制度を作る必要はないと私が言っていたことでございます。ですから、質問に対して私は非常に身を裂かれるような思いでございますが、今やもうこれは決まったことでしょう、決まったことで、決まった上でどういうふうに是正というか、参議院のこの委員会で意見を言って、間違いのない形で証券化の方向に進めていかせるかという、かなり狭い範囲の私は議論をすべきじゃないかと思って今日ここへ出てきているんだということを、だから冒頭、私が言ってきているのは、これに異存を言わないと言っているんで、その点は御理解いただきたいと思います。
 そうした上で申し上げますと、要は、先生、ただこれちょっと、買取り型と証券発行型と制度は同じだというふうにおっしゃられますけれども、実は我々商売人からいうと、これはすこぶる違うんですよ。買取り型の方は簡単にできちゃう。生保のようなのが、生保自身が例えば住宅ローンを設定し貸しておられるんです、現在。それをまとめて債権にして住宅金融公庫に買ってもらうという制度ですから、これはすこぶる、割合安くて、しかも低コストでできてしまうと。しかし、このことと、モーゲージバンカーのように発行して、売る相手が不特定多数。もう兜町、極端に言うと、今、J―REITと同じように、兜町を通じてもういろんな証券会社に買ってもらうという、そういうルートでございますから、概念的には同じでも実態的には全然違うという部分だということを御理解いただきたいんです。
 だから、私はこれは随分時間が掛かりますと言っているんです。時間が掛かるから五年では無理だと。もうアメリカだって三十年掛かったんですよ。いわゆる一九二九年大恐慌から実はこの住宅ローンというものはこの卵が発生しまして、それでずっと育てられて今日があるわけです。今や銀行金利よりも実は証券化の金利の方が安くなっているんです。そのくらい歴史とともに合理化し、いわゆるリスクに対する見込み率も低くなっているから銀行金利よりも安くなっていると。日本の銀行はそれが恐ろしいからなるべくこの参入をやめさせようという裏があるということを我々は十分察知して申し上げているわけです。
 だから、これはやっぱり十分競争に参入できるようにしていただきたいと、逆に言うと育てていただきたいと。これは、このように形が、制度が決まった暁は、私はこれを育てる側に立って物を考えようとしている人間だということを申し上げておきたいと思います。
#41
○委員長(藤井俊男君) 時間が来ておりますが、端的にひとつお願いします。
#42
○参考人(森永卓郎君) 私は赤井参考人よりもあきらめが悪いので、参議院が良識の府として悪いものは悪いと言えばいいんだと思っているんですけれども、基本的には、今の制度であれば利子補給なり繰上げ返済対応という形で一般会計から幾らお金をつぎ込むというので国民負担が明確になるんですけれども、これを新しく作る独立行政法人が高い金利で資金調達をして安い金利で貸すということになると、ここに潜ってしまうんですね。だから、私は隠れ借金を作るような形でこの制度を運用すべきではないと思います。
 それからもう一つは、直接融資については、今まで申し上げたように、やっぱり基本的には大部分の国民を対象にして残すべきだと思っております。
#43
○参考人(竹山清明君) この証券化は、現在の低金利では一応固定型のシステムとして成り立つ可能性があります。しかし、金利が上がれば非常に問題が生じて、公的な、今の公庫に対して政府が支援しているような公的な支援がないと成り立たないんではないかというふうに思っております。
 それからもう一つ怖いのは、そういう意味では、将来、そういう状況になると見直しをするというふうなことが前提になるんではないかと、今回の制度にですね、改編するか何かのことが前提になるのではないかと思います。
 それから、証券化でたくさんお金が出ますと、非常に怖いのは、先ほど申しましたように、担保力がないものが作られてたくさんお金を貸すということですね。だから、十兆円お金を貸して実際は五兆円しか担保力がないということも実現すると僕は思うんですね。だから、そういうことにならないように、証券で貸すときは住宅の質を担保するということが絶対必要だというふうに思います。だから、なかなかそれが今現実には難しいとすれば、余り急速な拡大をすべきではないというふうに思います。
 以上です。
#44
○田名部匡省君 最後ですので、よろしくお願いしたいと思います。
 私は、国会改革連絡会という、余りお聞きになったことはないと思うんですが、自由党と私の無所属の会が院内会派を組んでおるものですから国会改革連絡会、こういうことであります。
 もう大体皆さんの質問でよく分かりました。何が分かったかというと、これは余りうまくいかないなと。なぜそう思うかというと、竹山参考人もいろいろ外国の例を話しましたが、私も随分、若いころアイスホッケーの選手をやっていまして、世界選手権、オリンピック、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、もう至る所を回りました。いろんな住宅見まして、日本と大分違うなと。もうイギリスはイギリスらしく、スイスはスイスらしく、それもその町に合った住宅というのがきれいに建っているんです。恐らく何十年ももつでしょう。
 ところが、歴史的に見ると、敗戦以来、バラックみたいな家を建てた日本が、成長してきて、いや今度は立派な家だというんで住宅産業というのはぐうっと伸びてきたと。ところが、山が七割の日本は、よそと違いますから、いろんな工夫や規制や、あるいは地震が多いですね。阪神・淡路大震災、私は青森県の八戸出身ですが、十勝沖地震、この間も仙台、盛岡辺りがもう大地震に遭うと。この地震国の日本の住宅というものは一体どうならなければならないかと。いろんな問題があると思うんです。
 かつて住専国会のときに、あれは不動産に銀行がどんどん投資をして、余り地価が上がって総量規制やった。総量規制をやったために、住宅専門会社を作っていながら今度は銀行が住宅に手を出していったものですから住専の方がおかしくなっていったと、こういう歴史もあるんですね。
 そういうもろもろのことを考え、いま一つは、これだけ国も地方も借金をしてこれは本当に大丈夫なんだろうかと。私一人が大体、国と青森県と八戸市の借金を合わせると大体八百三十四万円、一人、借金しておる。これ、四人、標準家庭だと三千三百三十六万円からの借金を背負って生きているわけですね。
 私はいつも思うんですけれども、この世の中にただというのはない。だれかが負担してただになっているということからこの問題を考えていきますと、先ほど来公庫の補給金の問題やら、いろいろな問題ありました。これは、建てるときは融資を申し込んで低利で借りるとする、その負担はだれがやっているかというと、建てない人の税金も全部使ってこの人は安く建てられていると。これ全部に言える話なんですよ、国の仕組みは。
 ですから、そういうことを考えると、果たしてこんなこと、何十年も借りるこの住宅問題、しかも最近、東京辺りのあれをテレビで見ていますと、不良住宅がもう随分多いですね。こういう検査の仕組みとか、あるいは、これは私の考えばっかり言っていたんじゃ失礼ですから、私はやっぱり税で控除する仕組みというのが一番いいんじゃないかな、多少それは税収が減る、その負担はみんながやるというのはあってみても、一般の人の、何でもない人の資金を使ってやるというよりは、所得控除とか、いろんな控除あるでしょう、そういうことの方がすきっとしていいんじゃないかなと、こんな気がするんですが、三人の参考人の御意見を伺いたいと思います。
#45
○参考人(赤井士郎君) 冒頭、吉田先生が私に聞かれた問題で、もう既に私は金利じゃなくて税でやるべきだというお答えをさせていただいたのでございますので、今の田名部先生に対するあれは全く私も同じ意見でございます。
 それで、言うならば、アメリカの場合は固定資産税が非常に中心でやっている、税の場合ですね、住宅の。それで、所得税の分はなるべくフローで、後で回収して、いや、固定資産税回収して、そっちの分はできるだけ住宅を建てさせると。建てさせると固定資産税でしっかり元取れると。日本の場合、国税と地方税に分かれておりますので、どうしても住宅に対する税の考え方がちぐはぐになりがちなんですね。この点は、アメリカも分かれてはいるんですけれども、そこら辺はかなり合理的な一体感で行政をやっているんだということを威張っておられましたので、この点は日本も参考になるんではないかなというふうに、ついでに申し上げておきたいと思います。
#46
○参考人(森永卓郎君) 私は、利子補給方式で長期、低利、固定の資金を出すという方が望ましいんではないかと思っております。
 それはなぜかといいますと、一つの理由というのは、そのときの金融情勢によって、家を買う人というのはやっぱりライフステージの中で家を買う適齢期みたいなものはあるわけですから、いつでも公平な、金融情勢にかかわらず欲しいときに買えるというふうにするというのは、私は健康で文化的な生活を保障するという国の考え方からは当然なんだろうなと思うのと、もう一つは景気対策として、例えば財政資金を使って公共事業をやるのと比べて、住宅というのは少し補給金を出してやるだけで自分の金で建設投資をしてくれるわけですから、景気対策としても非常に効率的な上に、個人が自分で考えて建てるわけですから無駄なものが建つという可能性はほとんどないと。
 だから、そういう意味でも、私は、国が今までやってきた住宅政策の考え方というのはむしろ効率的だったし、正しかったんだと思います。
#47
○参考人(竹山清明君) 税金を個人の住宅の費用に投資する、投下するということは、言うたらお金の回り方の公平性を担保するんではないかというふうに思います。
 新しく取得される方は社会の中で多分ばりばり働いておられる方で、その面で非常に社会に貢献をしているわけですね。ところが、たまたま住む地域が変わったりして、新しいところでは財産を持っていない、そういう方の財産取得を既に取得している方が支援をするというようなことは当然社会的な全体の関係の中であり得るだろうと。それによって日本の国全体の経済が成り立つわけですから、国民の幸せな生活が成り立つので、そういう意味では、過大でなければお互いにそういう形で支援をするということはあり得るんではないかと。大き過ぎるといけないと思いますけれども。
 それから、税金につきましては、やはりもうちょっと税制度でそういうものを誘導するような形も考えられるといいんじゃないかと思います。特に、私は、文化の制度などでは非常に税の優遇がないんで、文化的な活動もやっておりますので非常に不満を持っておりますけれども、アメリカなんかはすごいですね、企業メセナも、あるいは税優遇もすごいんですが。そういうことも余り固く考えないで、税金で住宅制度が、取得以外の、取得税の改善とか固定資産税の改善とかもありますが、何かもっと豊かな改善策があればそれは有効に生かしていただければと思います。ちょっと私も考えてみたいと思いますが。
#48
○田名部匡省君 私の支持者の若い連中は、余り将来のことを考えて家を建てようなんという発想ないんですね。ああ、あれが家建てたからおれもと。一体、将来、子供が生まれる、学費は掛かる、あるいは交際費も掛かってくると、もういろんなことを考えて、自分の所得でこれは家は無理だなとかなんとかという発想はないですよ。それで、いろんな相談に来るのは、いろんな、公庫の金を借りて払えなくなって、いや何とかなんという相談事がえらい多いんですね。
 ああいうのを見ると、やっぱり無理して所得の低い人にまで公庫で融資すれば、何十年もというんでどんどんやらせることがいいのかどうかなと。それでなくても、公営住宅、私の、県営住宅も市営住宅も、産労住宅も、みんな建っていますよ。しかし、家賃払えない、滞納、これがまた多いんです。
 ですから、何をやってみても、やっぱりいい面ばかり考えてそれ行けやれ行けとやっていますけれども、そういう部分の最終負担はまた一般の何でもない人たちがこれ補てんしなきゃならない。そういうことまでを考えてこういうものを作っていかないと。やったことで成功したのを余り見たことないんですよ。何年かたつと皆おかしくなっちゃうと。
 だから、小泉総理だって、公庫はもう原則基本的には廃止だと。あるいは、特殊法人も皆そうでしょう。かつてはもう役所ごとに金融機関があるというのはおかしいなんていう演説やっていたんですから。私もそう思う。なるたけ民間でやっぱりやれるものはやるというこの仕組みやっていかないと、それは競争になりませんよ。さっきお話しになったように、いや金利安いと借換えしちゃって返しちゃうんですから。そうすると、今度はまた貸した公庫の方がおかしくなると。繰上げ返済、今度は自分たちが返すのが返せないでしょう。そういう無駄なことが一杯あり過ぎるから、この際、やっぱり国民に負担を求めない努力をするという立場からの議論をこの際こういうところでやって私はいただきたいと。
 それは、困った人を助けるという意味ではいいですよ。本当に助かるんならいいけれども、自殺するまで追い込むようなことをやっぱり簡単にやらしちゃいかぬ。そのためには、市営住宅であれ公営住宅で我慢しているのが一杯おるんですから。
 それから、先ほど私が伺ってこれはなるほどいいアイデアだなと思ったのはコーポラティブ住宅、こういうのなんかはもうむしろ積極的に、出るときはそれはだれかに譲っていけばいいようなことで、ああいうことをやったらきちっと町並みもそろったような、そんな感じになるんじゃないかなという思いで伺っておりました。
 時間ですから終わりますけれども、一言ずつ御意見あったらお願いします。
#49
○参考人(赤井士郎君) 今の田名部先生の背後には、持ち家だけじゃないだろうと、賃貸住宅が民間でどんどんと供給されることだって考えろというどうも裏側を拝聴したような気がいたしまして、私もそのとおりだと思っております。
#50
○参考人(森永卓郎君) 今日の委員の先生方のお話を伺っていて、どうも与党の先生も野党の先生も今回の住宅金融公庫法の改正はおかしいというふうに思っていらっしゃるようなのに、なぜか閣議で決まったのが暴走しているというのは、私は日本の政治の仕組みから考えてどう考えてもおかしいんだと思います。
 委員の先生方は国民に選ばれているんですから、ですから是非、今後の審議の中で国民のことを思った法改正というのを是非お願いしたいと思います。
#51
○参考人(竹山清明君) 住宅政策は非常に大事でして、国民の命の根幹を握るところですね。ですから、そういう意味で、ないがしろにしないで総合的に、おっしゃったように、賃貸住宅も含め、それから持ち家住宅も含め、質の高い住宅がちゃんと供給あるいは維持管理できるようなシステムとして慎重に御審議をお願いしたいというふうに思います。
#52
○委員長(藤井俊男君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々に一言御礼のごあいさつを申し上げます。
 参考人の方々には、長時間にわたり御出席をいただき、有益な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。今後は皆様方の御意見を委員会の審議の中で十分に活用していきたいと存じます。
 委員会を代表いたしまして、厚く御礼申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト