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2003/06/11 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 国土交通委員会 第20号
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2003/06/11 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 国土交通委員会 第20号

#1
第156回国会 国土交通委員会 第20号
平成十五年六月十一日(水曜日)
   午後零時四十五分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤井 俊男君
    理 事
                鈴木 政二君
                脇  雅史君
                森本 晃司君
                大江 康弘君
    委 員
                岩城 光英君
                木村  仁君
                沓掛 哲男君
                斉藤 滋宣君
                田村 公平君
                鶴保 庸介君
                野上浩太郎君
                松谷蒼一郎君
                吉田 博美君
                池口 修次君
                北澤 俊美君
                佐藤 雄平君
                谷林 正昭君
                続  訓弘君
                大沢 辰美君
                富樫 練三君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   参考人
       早稲田大学教授  伊藤  滋君
       東京都港区長   原田 敬美君
       全国公団住宅自
       治会協議会住宅
       環境部長     片岡 規子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○独立行政法人都市再生機構法案(内閣提出、衆
 議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(藤井俊男君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 独立行政法人都市再生機構法案を議題といたします。
 本日は、早稲田大学教授伊藤滋君、東京都港区長原田敬美君及び全国公団住宅自治会協議会住宅環境部長片岡規子君の以上三名の参考人に御出席をいただき、御意見を聴取し、質疑を行います。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、大変御多忙のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 参考人の方々から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、本日の議事の進め方について申し上げます。
 まず、伊藤参考人、原田参考人、片岡参考人の順序でお一人十五分程度御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、参考人の方々の御発言は着席のままで結構でございますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おき願いたいと存じます。
 なお、質疑者は、慣例により、起立の上発言することとしておりますので、よろしくお願いいたします。
 また、大変恐縮でございますが、時間が限られておりますので、簡潔に御発言くださいますようお願い申し上げます。
 それでは、まず伊藤参考人にお願いいたします。伊藤参考人。
#3
○参考人(伊藤滋君) 伊藤でございます。
 それでは、私、発言をさせていただきます。
 お手元に二枚のレジュメがあると思いますが、それをごらんになりながら私のお話を聞いていただければ幸いでございます。
 これは四つに分かれておりますが、A、B、C、この三つは都市再生機構は何をやるかということの説明でございます。これは正に法律の中にこういう内容が盛り込まれておりまして、それに対して私はDで、そういう内容の都市再生機構がこれから動いていくときにどういう課題が出てくるか、これを八つほど列記をしております。したがいまして、私は、時間が限られておりますので、A、B、Cにかかわりながら、D、今後の課題の一から八についてお話をしたいと思っております。
 都市再生機構の一等初めにやることというので、大規模工場跡地などの土地利用転換を図るということが書かれておりますが、これにつきましては、実は土地の市場というのは非常に変動が大きく、それから土地市場で何を求めるかという対象も変わってまいります。そこの中で、この都市再生機構がかなり大きい遊休地を取得し、それにある工事をして、結果として私はかなり高質な、したがって、ある高い、高い値段でと言うと恐縮ですが、あるそれなりの値段で土地市場に放出するといったときに、実際に民間を主体とする市場がそれを歓迎するかどうか、そういうことが話題にこれからなってくるんではないか。多分に民間市場、民間の土地市場というのは、質が悪くても安い値段の土地を求めたいというようなことも支配的になります。そういう点で、もしかするとそういう市場の変化によって、都市再生機構は、質が良いけれどもなかなか売れにくい土地を長く手元に保持しておくというようなことが起きてくるのではないかという、そういうことも懸念しております。
 それから、より私はこれから大変だと思いますのは、二番目のこの密集市街地の基盤整備をやれということが都市再生機構の課題でございます。この基盤整備というのは、密集市街地の土地をきれいに整理をして、その上に民間のプレハブ屋さんとか不動産屋さんが建物を建てやすくしろということでございますが、実はこの問題は非常に困難な問題でございます。
 密集市街地の現状を思い起こしていただきますと、例えば大阪の東大阪ですね、あるいは東京でいいますと荒川とか中野区とか、そういう密集市街地、これ非常に災害に弱いところですが、ここの土地をきれいにして権利関係を整理するというのは、非常に膨大な専門家を数多く投入し、長い時間掛けなきゃいけない。それに見合うだけのコーディネート費を一体だれが支払うか、こういうことについて、この支払が民間の常識ですと建築費の中に含まれているからそれでやれなんというのが今まで多いんですけれども、これをだれが支払うか。この支払方によっては、都市再生機構、あっという間に沈没するという危険性を持っています。密集市街地に手を突っ込むということは、もう非常にデリケートな問題を都市再生機構に与えるかと思います。
 それからもう一つ、これは地方都市で起きる話題ですが、都市再開発で保留床を取得するとき、参加組合員になって都市再生機構がその保留床を取得してもいいというふうになっております。しかし、これは現在の都市再開発法にのっとる再開発でございますと、保留床が売れるか売れないか、こういう話題に都市再生機構は直面するわけでございますから、何でもかんでも地方都市の再開発で今度都市再生機構に来てもらってというのは、結局は民間に保留床を売るについての肩代わりを都市再生機構がやらなきゃいけない、結局最後には市役所が買い取らなきゃいけない、こういうようなことになるわけです。
 何で私がこういうことを言っておりますかというと、都市再生機構は何のためにやられているか、Aの基本的な考え方をごらんになってください。
 これは、都市再生に民間を誘導するための支援事業を行う、それにより民間投資が拡大するということでございます。ですから、まず一番理想的な形を考えますと、なるべく、これは今度の独立法人でございますから自分たちの金を工面して、余り税金を使わないで、利益を出しながら民間にも利益を、その結果作り出した土地の上で民間が建物を造って利益を生み出してほしい、こういうのが一つの理想形態でございます。しかし、ずっと考えてみますと、民間投資が拡大するということを前提にすると、おのずからここの主な業務、都市再生機構がやるべき主な業務がここにございます、Cのところに。これすべてに都市再生機構が全面的に介入することが結果として民間投資が拡大するかどうか、こういう点について、私は相当これは難しいのではないかと思っております。
 これは、その後に四番目、定期借地により民間賃貸住宅の建設を促進する、これは非常にいいアイデアでございまして、これは是非都市再生機構としてはこれを積極的に進めていただきたい、これは主な業務の中で非常に今後期待する領域でございます。
 それからもう一つ、これは、都市再生機構は主な業務の二番目に、既存賃貸住宅の管理と家賃の回収でしょうね、と再整備を対象とする二百万人の居住者、大変なこれは住宅公団発足以来の資産を持っているわけでございます。そういうところの古くなった建物を建て替えるということでございますが、私は、そのほかに老朽化した分譲住宅団地、賃貸住宅団地だけじゃなくて、もう売り切ってしまっておりますから関係ないんですが、しかし老朽化した分譲住宅団地の再整備にも機構は積極的に参加していただきたいなと思っているわけでございます。
 それから、肝心のこれは六番目でございます。
 実は、都市再生機構がやることは民間を誘導するための支援事業でございますが、同時に、都市再生のもう一つ重要なことは、巨大都市東京、大阪の既存市街地を対象にするだけではなくて、地方都市の中心市街地の衰退に対して何らかの技術的、制度的支援をするというのも私は都市再生機構がやるべきことではないか、そういうふうに考えております。
 都市再生本部では、明らかに草の根まちづくり市民運動を推進しようということで地方都市にも目を向けておりますので、それからこの再生機構には地域振興整備公団から地方都市振興のセクションがここへ一緒になりますので、地方都市の中心市街地の再整備、これは積極的に関与してほしいんです。
 しかし、地方都市では、御存じのように駅前ではもう保留床を売ろうとしても買うお客さんございません。ダイエーなどが撤退しますと保留床の後始末にも困っているのが現状でございます。そうしますと、地方都市の中心市街地の再生については、保留床を前提としない、抽象的な言葉で言いますと身の丈に合った再開発手法、これをこれから考えていかなければならないと思うんです。これは私も既に世の中にそういう提案をしておりますが、そういうようなことも踏まえて民間企業に参加してもらいたい、それが私の願いでございます。
 しかし、実態として、地方都市に私たちが考えておりますもので有名ブランドの民間企業は進出いたしません、もう。これは経済上のもう明確な理屈の上から進出しません。そうしますと、ここはいろいろ、例えば厚生労働省が高齢者のためのケアハウスを作っているとか、あるいは厚生労働省の雇用訓練の組織を作るとか、あるいは文部科学省が生涯教育をするとか、こういうような施設も再開発の対象として都市再生機構が国交省のお金を使いながら、他省庁の連携をやりながら地方都市の中心市街地の再生を考える、こういうようなことをこれからやるというのは大変重要かと思っております。繰り返し申し上げますが、大都市に焦点を当てた都市再生機構は、やはり同時に地方都市についても関心を払うべきではないかということでございます。
 それから八番目、これはなかなかできないことでございますが、これまでの前身の都市基盤整備公団のお金の使い方を見てみますと、どうしても局ごとに大蔵省がこれは都市局の予算、これは住宅局の予算としますので、大蔵省の箇所付けで国交省の原局もお金を流動的に使えないということで、それが都市基盤整備公団に来ますので、大変お金のやりくりに自由度がございません。そういう点で、これからもっと自由にこの都市再生機構が独立法人としてやるならば、各省の縦割りの局付けの予算は流動化してプールして、それを独立法人として一番効率よく短い時間でやれる仕事に集中的に投入する、そういうようなことをやってもらえないかということで、事業費は仕事の対象ごとに横割りとし、再編して使う体制に変更すべき。ところが、なかなかこれ、私よく現在の、今、都市再生機構になりましたか、の実態知っておりますが、なかなかこれは難しいとは思いましたけれども、あえてこれ八番目書いた次第でございます。
 以上、要するに、あと二、三分でございますが、都市再生機構は、時代の要請にこたえて、政治の意思もあってこういうふうにして都市基盤整備公団から出発するわけでございますが、率直に言いまして、この機構がビジネスとしてもうかる部門はどこか、もうからないけれども赤字にならない部門はどこか、絶対に赤字になる部門があるんじゃないか。これは、普通、株式会社ですと社長がそういう判断をするわけですね。そういうふうに私整理しますと、大変恐縮ですが、現在、これから御発言いただく片岡さんも関係するんですが、賃貸住宅は少し黒字じゃないかと。それから、赤字にないけれども黒字に知恵を絞ればできそうなのは定期借地制度ですね。定期借地はかなり安く分譲できますから、定期借地でございます。
 それからもう一つ、私は、手慣れたことですが、まあ黒字にしてやってもらいたいのは、既に分譲してしまった古い住宅公団のときの団地の再開発も、これは手慣れていますから、やっていただければ、まあこれは黒字か赤字かとんとん。しかし、この主たる業務の大規模跡地などというのは、ございますね、大規模跡地の土地利用転換して、これは相当競馬のばくち的要素があるかな。
 それから、二番目は、これは絶対に黒字になりません。これは、むしろ非常に大きく公共の資金を入れていただかないと、例えば東京でいうと、荒川、墨田区、それから大阪でいうと、あそこですね、東大阪が代表です、こういうところの密集市街地は良くなりません。
 ついでに申しますと、このコーディネーター費用は、私の経験でいうと、総合、例えば百億の事業費がありますと二十億から二十五億はコーディネーター費用が必要なんです。ほとんど人件費、弁護士代、公認会計士代、設計料です。そういう金を都市再生機構はもらえませんと、すぐつぶれてしまいます。
 それから、今までの都市再開発法に基づいて権利床を、保留床を取得するなんて、これは相当危ない橋を渡らざるを得ない。しかし、実態としては、地方選出の先生方はどうしても都市再生機構にやらせればいいじゃないかというお話、よくやるわけですね。都市再生機構も先生方の御命令だから受けざるを得ない。そろばん勘定したら赤字だということであります。今日は参議院の理知にたけた先生方の前ですから、ちょっとそういうことも申し上げる次第ですが、これかなり難しいと思います。
 大体そういうことで、結論を申し上げますと、この都市再生機構を円滑に運営するためには知恵が必要です、知恵が、正に。それから民間的センスが必要なんです。この知恵と民間的センスの非常に激しい訓練を受けたプロフェッショナルがこの都市再生に関係しませんと、これは赤字団体にすぐなります。
 私は、そういう危険性を感じながら、しかし、最後に、この赤字は意味のある赤字でございます。これは正に都市の庶民を対象にした密集市街地の整備、それから民間資本が困っているところに対して先行的に土地を段取りする。ですから、非常に私は、国民の血税としても、そういう赤字に対しては十分に、国民の血税に十分説明できる、そういうお金の使い方じゃないかと思っております。
 以上、大体私の説明はこれで終わらせていただきます。どうも失礼いたしました。
#4
○委員長(藤井俊男君) ありがとうございました。
 次に、原田参考人にお願いいたします。原田参考人。
#5
○参考人(原田敬美君) 港区長の原田敬美です。
 首都東京の都心区の立場で、期待すべき都市再生機構の役割という視点から、この法案につきまして意見を申し述べさせていただきます。
 まず初めに、都心区・港区の現状について簡単にお話をさせていただきます。
 国際的な都市間競争に堪えられるよう意図して、東京都心部では都市更新が進んでおります。港区内においては、品川駅東口、汐留、防衛庁跡地等、大規模な国公有地における土地利用転換が民間活力により盛んに行われています。また、六本木六丁目地区において十数年を掛けた市街地再開発事業など、民間による市街地再開発事業も各所で行われており、超高層の業務・商業・住宅棟による複合的な市街地が新たな景観を伴って次々と生まれております。さらに、バブルの崩壊により未利用のまま残された土地においても、地価の下落等を受けて総合設計制度による超高層マンションの建設などが盛んに行われております。
 このような大小様々な開発は、夜間人口の確保や、町のにぎわい、就労機会の確保等に大きな効果を生み、また市街地の基盤整備や防災性の向上等に一定の役割を果たしているものと評価しております。
 人口について申しますと、港区は、昭和六十年代、地価の高騰や業務立地化が進行し、人口が急速に減少しましたが、港区が講じてきた様々な定住人口確保策や都心地域での地価下落等の環境変化もあり、人口回復の兆しが見られます。平成十四年一月一日、港区の人口は十六万三千人であり、今後の盛んな住宅開発により平成二十年には十八万人台に達すると推計しております。
 以上のように、開発と人口の伸びは盛んですが、現行の面的開発について、開発に伴う基盤整備の範囲がその地区内に限定されているため、道路のネットワークが機能しない状況が生じています。このため、車の渋滞、路上駐車、大気汚染等、都市問題が増幅し、さらに、港区全域から見た上でバランスの取れたまちづくりとなるよう、従来から懸案としてきた課題についても早急に解決していく必要があります。
 また、港区内には、道路基盤が未整備で、老朽木造住宅の密集した地区が残っており、老朽化マンションの建て替え問題など、取り組むべき課題は多くあります。例えば、老朽マンションについてですが、港区住宅公社の調査によれば、港区内においては、建築後三十年を超える昭和四十五年以前に建築されたマンションが一三%、昭和四十六年から五十五年にかけて建築されたマンションが四六%を占め、竣工後二十年を経過したマンションが過半を占めているという、そういう状況です。しかし、直近の東京都の実態調査によるデータでは、築三十年以上の分譲マンションのうち約八〇%が建て替え計画を持っていないとのことであり、今後の防災や居住環境の上から大きな問題です。
 次に、都心区としてのまちづくりの課題について述べさせていただきます。
 都心区として、まちづくりにおいて解決すべき課題は、大きく分けて二つあると考えております。一つは基盤整備、もう一つは再開発の推進です。
 一つ目の基盤整備については、都市再生の前提であると考えております。
 都市再生特別措置法による第一次の緊急整備地域が都内で七か所指定されておりますが、港区にはそのうち三か所が掛かっております。特に、環状二号線新橋周辺・赤坂・六本木地域は五百九十ヘクタールと広大で、港区の三分の一近くを占めております。
 この地域に限るわけではありませんが、次に申し上げます四点の基盤整備は、都市再生の上で共通する前提と考えます。
 なお、港区の都市計画道路の状況について、参考に資料図面を用意をさせていただいておりますので、そちらも併せてごらんをいただきながらお聞きいただければと思います。
 一番目は、都市計画道路の整備です。
 港区内におきましては、東京都が環状二号線の事業化に着手いたしましたが、環状三号線、環状四号線の未供用部分ではまだ事業化のめどが立っておりません。補助線では七号線、九号線で港区が事業に取り組んでおりますが、四号線、十一号線での取組が遅れております。
 港区内の都市計画道路の完成率は六三%にとどまっております。これらの都市計画道路は拠点的に進められる大型の開発地区を有機的に連絡するものであるとともに、補助線については生活基盤の骨格となるものです。また、整備に伴う渋滞解消や沿道の緑化による大気汚染防止等の効果もあります。都心におけるバランスの取れた開発や快適な居住環境の創造のため、整備を推進する必要があります。
 二番目は、都市計画公園の整備です。
 これにつきましても先ほどの図面に表示してありますので、併せてごらんをいただきたいと思います。
 港区におきましては、百三十五ヘクタールの都市計画公園のうち、供用されているのは四八%、六十五ヘクタールにとどまっております。区民一人当たりの面積は三・九六平方メートルであり、港区の計画が目指す公園、緑地を合わせた目標値七平方メートルと比べても、まだ遠く及びません。
 夜間人口の回復、昼間人口の増加に応じて、町に潤いをもたらし、災害時の緊急避難場所ともなる都市計画公園の着実な整備が必要です。
 三番目は、公共駐車場の整備です。
 大型の開発では相当数の駐車場が整備されておりますが、周辺には更なる駐車需要を誘発している地区もあります。違法な路上駐車を防止し、円滑な物流、道路交通と交通安全を確保し、都市の安全と活力に寄与する公共駐車場の整備も課題と考えております。
 四番目は、JR駅周辺の基盤整備とまちづくりです。
 JR駅前は、地域の顔あるいは玄関として駅と地域を結ぶ機能を担っております。駅周辺の交通を円滑にし地域を活性化するために、駅前広場とそれにつながる道路等の整備が必要です。また、港区では、東西にJR鉄道で分断された地域を連絡する自由通路等の整備を品川駅あるいは田町駅で進めておりますが、ほかの駅でも周辺地域との一体的な整備が必要です。
 次に、二つ目、再開発の推進についてです。
 港区など都心区では、昭和三十年から四十年代に戦後復興に伴ってまちづくりが進んだわけですが、バリアフリー化あるいは緑豊かな都市環境、居住環境といった視点から都市の更新を図る必要があります。また、バブルの時代に地上げされたままの狭隘敷地が虫食い状態で放置されていたり、老朽化した木造住宅が密集している地区も都心区にはまだ多く残っております。さらに、初めにも述べましたように、老朽マンションの建て替え問題も今後の大きな課題です。
 新たな視点に立ったまちづくりや都市としての安全性や住環境の問題を解決するには、個別の建て替えだけでは難しく、やはり計画的な面的再開発が必要です。それによって、先行する開発地区との格差をなくし、区全体としてバリアフリー、防災等の新たな視点を取り入れ、都市としての居住環境や活力を向上させることができると考えております。
 なお、ここで再開発とは、市街地再開発事業、土地区画整理事業等の市街地再開発にとどまらず、地区計画制度等を活用した修復型まちづくりを含むものであることを申し添えさせていただきます。
 これまで述べてまいりました基盤整備や再開発の推進等まちづくりの課題については、地元自治体として自らの責任としてとらえ、開発事業者の誘導など様々な工夫を凝らして実現に努めております。しかしながら、土地価格がバブルの時代に比べ大幅に低下したとはいえ、後ほど述べるような特別の財政制度の下、固定資産税や法人住民税等が自治体の財政規模に直接反映していない特別区にあっては、都心部の地価はまだ一地方自治体の負担に堪えられる価格ではありません。港区においても様々な行政改革に取り組んでおりますが、港区単独での事業展開は困難な状況にあることには変わりありません。
 また、今日まで国土交通省、東京都の支援を受け事業を推進しておりますが、政策的な対応を検討するにも、広域的な問題を抱え、権限は別として、人材、ノウハウなどの面でも限界があるのが現実です。
 ここで、東京の特別区、特に都心区の財政状況について申し述べさせていただきます。
 一般的には、市町村税として個人住民税、固定資産税、法人住民税などがあります。しかし、東京特別区の区域では、市町村事務は東京都と区が共同して行うこととなっております。この制度の財源の仕組みといたしましては、東京都と特別区の間には都区財政調整制度があります。市町村税である法人住民税、固定資産税、特別土地保有税の三税は東京都が徴収し、そのうち五二%を各区に交付することになっております。
 別添の資料をごらんいただきたいと思いますが、平成十三年度の決算によれば、港区からの法人住民税は九百四十四億円、固定資産税は千百七十三億円であります。しかし、この都区財政調整制度による港区への交付金は十六億円程度で、還元率はわずかに〇・二%となっております。
 一般に都市再生が進み業務機能が拡大すれば、固定資産税、法人住民税が増加し、都市インフラの維持管理のための財源となりますが、特別区の場合、東京都が徴収しているため、区の財源は増えないことになっております。このことは、都市再生のインセンティブという面では問題があると考えております。地元自治体に何らかのメリットある仕組み作りが是非とも必要です。
 最後に、都市再生機構の在り方についてであります。
 これまで都市基盤整備公団は、港区内においては芝地区での都心共同型の優良再開発事業によるまちづくりを始め、芝浦アイランド計画、都心回帰の先駆けとも言える汐留での住宅建設を進めてこられました。また、自ら未利用地を取得し、小規模地権者とともに市街地再開発に取り組むなど、港区が標榜した定住まちづくりに多くの貢献をしていただいております。長年にわたって培ったまちづくりのノウハウ、また安定した財政基盤などが、事業者として、地域、住民や関係者との信頼関係に大きく寄与していたと考えております。今後とも、今までるる述べました都市計画道路や都市計画公園等の主要な基盤整備、バリアフリー、防災対策等、新たな視点で地域の住民にとって必要な再開発などを進めていく必要があります。
 都市再生機構が、新たな法律の下で、都心区が抱えるまちづくりの諸課題解決のため、人材、財政基盤、ノウハウ等を生かし、積極的に機能していただき、国の保証の下、地域や住民にとり信頼できる機関として都市再生の役割を果たしていただければ、私ども東京の特別区にとり何より必要、意義あるものになると考えております。
 以上、私の意見を申し述べさせていただきました。
 ありがとうございました。
#6
○委員長(藤井俊男君) ありがとうございました。
 次に、片岡参考人にお願いいたします。片岡参考人。
#7
○参考人(片岡規子君) 全国公団住宅自治会協議会の片岡でございます。
 都市再生機構法案の審議に際しまして、公団住宅居住者の団体である全国自治協に発言の機会をお与えくださいまして、深く感謝申し上げます。
 私たちは、安心して住み続けられる公団住宅を願って多彩な運動をしています。住まいや環境のこと、交通の利便性改善、ごみ問題や防災対策など日常的な問題に取り組んできました。
 団地をふるさととして育つ子供たちのために各団地で夏祭りを開催していますが、団地の近隣では広場がなくなり、やぐらを組む場所がなく、夏祭りが年々できなくなっています。公団住宅の夏祭りは近隣の大人も子供も参加して地域ぐるみのお祭りとなっています。
 高齢者への対応は、敬老の諸行事とともに、自治会では居住者の交流の場として団地内で触れ合い喫茶活動を盛んに行われ、コミュニティーを深め、同時に安否の気遣い活動としても一役を担った活動になっています。
 これらの運動をより発展させるために、地方ごとに自治協を作り、全国自治協に結束して団地居住者の要望を基本に活動を進めています。
 今、私たちが大変心配していることは、独立行政法人都市再生機構に変わるということです。
 三年半前に住宅・都市整備公団が都市基盤整備公団に変わった際、国会で御審議をいただき、公団住宅の必要性が確認され、ほっといたしました。そのときの法案に対する衆参両院の附帯決議で、都市基盤整備公団は、既存の賃貸住宅団地について、居住者との信頼関係を尊重し、十分な意思の疎通の下に住宅や利便施設等の適切な維持管理を行い、快適な生活環境の改善に努めること、また、老朽化した賃貸住宅の建て替えや住戸改善に当たっては、居住者の居住の安定に努めること、に対応して、公団と自治協は安心、安全、快適を柱にして、連携した話合いを今進めています。
 こうしたやさきに、またも特殊法人改革の中で、都市公団廃止、既存住宅は棟ごとの売却に努める、管理の民間委託が閣議決定され、これから私たちの住まいはどうなっていくのか、大変不安に思っています。独立行政法人になれば、中期目標に照らして定期的に存廃、民営化が検討されることになると聞いています。高齢者の多い公団住宅の居住者は、安定し継続して住み続けたいと思っている住まいが三年から五年ごとに見直しをされることは耐え難い不安にさらされます。
 しかし、昨日の御審議で、居住の安定確保については各先生方からいろいろと御審議を賜りました。そして、居住の安定確保を政府の方も約束をしてくださいまして、大変うれしく思っているところでございます。
 これまで私たちが願っていることをここで申し上げまして、新機構法案の審議に関係して、是非改善に向けての御尽力をお願いしたいと思っています。
 まず最初に、団地居住者の生活実態について申し上げますと、平成十四年秋に実施した全国自治協の定期調査で明らかになったことは、世帯主の高齢化が進み、収入の低下も進んでいることです。
 お手元に資料がございますが、世帯主の年齢は六十歳以上が半数を占め、三年前の調査に比べて一割も増えています。七十歳以上の世帯主が二割に至り、資料二ページでごらんのように、世帯主年齢の推移を見ますと、急速に高齢化が進んでいます。多くの自治体では、団地地区が最も高齢化率の高いところだと言われています。今後の住まいについての希望は、七割の世帯が公団住宅に長く住み続けたいと願い、家賃値上げや棟ごとの売却などの将来が不安であるとしています。公営住宅に住み替えたい世帯が一割近くあり、合わせて八割が安心して住める公共住宅を求めています。世帯の年間収入は、所得五分位で見ますと、最も低い年収四百六十九万円未満の第一分位層が半数に達しています。第一分位を細かく見てみますと、そのうち二百六十万円未満の世帯が三割にもなっています。
 以上、述べましたように、団地居住者の収入実態から見て、多くの世帯は公営住宅入居資格層に重なり、公団住宅が公営住宅の補完的な役割を果たしています。
 こういう生活実態の中で、都市公団は本年四月から二十三万六千戸、平均千七百円、継続家賃を値上げしました。東京支社管内では、築三十五年以上の老朽化した住宅でも、近傍同種を理由に六千円から一万円近い値上げになったところもあります。
 例えば、昭和四十年入居の三鷹駅前団地では、一DK二十七・九平米の最高値上げは六千円で、値上げ後の家賃は六万九百円、トイレ、洗面所、浴室が一緒で大変狭い住宅です。三DKは六十一平米ありますが、最高九千二百円の値上げで、家賃は九万一千五百円となっています。ベランダもなく、エアコンの置場もない、物干場は屋上で、一階は遊戯施設という住環境でありながら、近傍同種を理由にこの不況下に大幅な値上げです。継続家賃は新規とほぼ変わらない高さまで値上げされ、低所得の多い継続居住者は家賃が多大な負担となり、三年ごとに大幅な値上げになると住み続けられなくなります。
 公団が行っている近傍同種家賃の鑑定方法や鑑定結果から各戸の家賃を算出する方式は不透明であり、住宅の質の古さや設備の有無が反映されているというのは不明な点が実態です。この際、算定方法や改定ルールは抜本的に見直す必要があります。
 法案二十五条四項で、居住者が高齢者、身体障害者その他の特に居住の安定を図る必要がある者でこれらの規定による家賃を支払うことが困難であると認められたものである場合、家賃を減免することができるとなっています。居住者の生活実態をしんしゃくし、居住の安定を図るための実効ある減免の措置を御審議いただきたいと願っています。
 二番目には、公団賃貸住宅は住まいとまちづくりのパイオニアとして重要な役割を果たしています。公団は半世紀にわたり、まちづくりと一体に集合住宅の建設と適切な管理を進め、子供たちにも高齢者にもふさわしい住環境を整備しています。団地に隣接して建設されるマンションは、多くの場合、広場や子供の遊び場がなく、団地の公園で近隣マンションの子供たちが大勢遊んでいるのが実態です。
 公団賃貸住宅は、家賃はやや高いものの、権利金、更新料は不要で、高齢者等の入居差別がないこと、住宅の修繕等も適切に行われているなど、公団住宅の存在意義は大変大きいものがあります。
 建設と併せて管理が重要です。公団は、建設だけでなく団地管理も重視して、一貫した住宅環境に対応してきました。住宅の修繕についても、国会からの要請や居住者の運動で、過去に行われた家賃値上げの増収額は住環境整備に充てられ、修繕が計画的に行われてきました。阪神・淡路大震災では公団住宅の倒壊や犠牲者は一人もなく、公団住宅の確かさと安心が実証されました。
 公団の建築技術は絶えず研究が重ねられ、既存住宅の質の向上や改善が行われてきました。独立行政法人都市再生機構になると、効率や利益が先行し、住宅の修繕や改善がおろそかになるおそれがあります。また、賃貸住宅部門は健全な経営で黒字と言われていますが、他の赤字部門の補てんに使われ、修繕や環境改善への予算が削減されるのではないかと心配です。区分経理を徹底し、これまでの修繕等の質を落とさないようにしてほしいと思っています。
 三点目といたしまして、建て替え事業について、是非不公平な制度を改善していただきたいと願っています。初期に建て替え着手された団地は、戻り入居の制度が完備していないために、建て替え家賃は高家賃となり、戻り率が大変低く、余儀なく転居していきました。平成十年に新制度ができ、戻り入居しやすくなり、建て替えのトラブルもほとんどなくなりました。この新制度は、それ以前に着手された団地に遡及されず、高家賃のまま放置されていますので、家賃支払ができず、転居が相次いでいるのが実態です。都市再生機構への移行に当たり、従来の制度の不備な点を改善してほしいと思っています。
 また、建て替えに当たって、戻り入居住宅だけ建設すると言われていますが、現在の居住実態から見て高齢者だけの団地になってしまいます。これまでのように、子育て世帯から高齢者まで住み、コミュニティーがはぐくまれる団地を望んでいます。
 四点目といたしまして、住宅の管理の民間委託の拡大、さらには工事の民間拡大が言われていますが、公団住宅を社会資産として良好に維持する上で質の低下を心配しています。都市公団の業務又は工事だからといって、入居者の家賃と共益費で賄う住宅の管理や団地の清掃などをすべて公共事業、公共工事と規定し、競争入札促進に関する考え方を強いることは適切で合理的とは思えません。
 団地は生活の場であり、特に居住中の住宅内に入る仕事は、それをわきまえた対応が必要です。これまで長年の経験ある業者は、工事のマニュアルを作り、繰り返し指導を行い、トラブルを未然に防ぐ努力をしています。しかし、競争入札で新規に参入した業者は、居住者がいる工事に慣れないため、大変トラブルも多く、リニューアル工事や環境整備工事半ばで仕事を放棄し、工事が大幅に遅れ、居住者は今不安を感じています。
 今まで担当し、団地の施設や設備、備品に熟知した身近な業者として、二十四時間緊急時にも対応できる日本総合住生活やその他居住者になじみ深い、安定的に工事可能な業者が望まれています。
 例えば、植栽手入れについて、多くの自治会で、公団の担当と業者とともに団地内を点検し、剪定樹木を決め、予算の範囲内で執行しています。樹木の剪定は、毎年のものから五年から六年周期のものや、その年の雨量、気温等によって変わり、長い間携わってきた業者でないと話合いがうまくいきません。また、台風等の倒木などで被害の場合も、身近な業者がすぐに対応できる態勢が必要で、競争入札至上主義になると、これまでの計算できない仕事の中身が失われ、ひいては質の低下につながります。居住者の協力と信頼関係が作られ、このことを配慮した上で効率的な改革を望んでいます。
 最後に、都市公団を廃止し独立行政法人都市再生機構に移行することは、住宅政策の上で大変大きな転機であると思っています。
 今回は、これからの住宅政策をどうするかということがはっきり示されないまま、まず初めに行政改革ありき、組織の改編が進められているのではないかと心配です。これまで半世紀にわたり集合住宅、まちづくりを進めてきた公団の果たしてきた役割は大きく、今後とも、公的住宅に期待している国民にすべて民間でということではなく、公共住宅政策をきちんと進めていただきたいと願っております。
 公団は、集合住宅管理の面でたくさんのノウハウを蓄積してきました。それは国民の住生活にとって貴重な財産でもあります。この大切な蓄積が公団改革の名によって崩壊したり失われてしまうことがないようにしていただきたいと願っています。
 新法人移行に際し、是非御審議いただきたいことを中心に意見を述べました。
 ありがとうございました。
#8
○委員長(藤井俊男君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○吉田博美君 自由民主党の吉田博美でございます。
 参考人の先生方におかれましては、お忙しい中を当委員会にお越しいただきまして、それぞれのお立場で御所見を賜りまして、心から感謝を申し上げる次第でございます。
 独立行政法人都市再生機構法案につきましては、政府が平成十三年の十二月の十九日に閣議決定されました特殊法人等整理合理化計画に基づいて、民間にできるものは民間にということで、各特殊法人を業務を徹底的に見直して整理統合してこの法案を出されたわけでございますが、いずれにいたしましても、特殊法人改革ということでこの法案が出たわけでございますから、それぞれの参考人の方から特殊法人改革についての御所見をお聞かせいただきたいと思います。
#10
○参考人(伊藤滋君) 伊藤でございます。
 私もいろんな特殊法人を知っているわけではございませんが、外から見た感想を申し上げたいと思います。
 特殊法人と申し上げますのは、国が決めた仕事を率直に効率よくやっていくということが与えられているのではないかと思っているんですね。そういう点では、国が与えた仕事について特殊法人はいろんな観点で仕事をしてきておりましたけれども、しかしこの長い特殊法人の歴史の中で、やっぱり一つの惰性ができたと思うんですね。
 その惰性の一番大きいことは、私は時間観念がないということではないかと思います、時間観念。一つの仕事を仕上げるのに、五年でやるべきことが十年になってしまう。これは公共事業もそうなんですが、どうしても特殊法人のお仕事として民間の接触をしながら仕事をしていきますと、民間に対していろんなフリクションを起こしたくないということですね。そういうことで、非常に仕事がスピーディーに動かないということが一点、私は特殊法人が生み出した弊害ではないかと思っております。
 それから二番目は、先ほども私申し上げましたけれども、お金を効率よく使う、効率よく。そういうことに対して、今までの制度というのはどうしても、国の縦割りの形でお金が流れていきますから、どうしてもそれに限定されたお金の使い方になってしまうんじゃないか。これを、やはり国民から与えられた税金をこういう仕事に使うのであれば当然効率よく無駄をなくしてやっていくべきだと思いますが、そこのところのもう一つ組立て方が、特殊法人の組立て方に自由度がないということですね。これが二番目だと思います。
 それから三番目は、これ、いい点と悪い点とあるんですが、特殊法人に勤務されている方は、皆さんまじめでうそをつかない、インチキはしないという、割合、国民から比較的信頼されているのではないかと、そういう特殊法人もあるかと思います。先ほどから片岡さんもおっしゃいましたけれども、住宅公団からの歴史を持っているこの都市再生機構の分野というのは非常にそういう方が職員として多いんですが、しかしこれから幾らでもこの特殊法人が赤字を積み上げていっていいということでなければ、そこで民間会社的な、きちっとここまでは仕事をするけれども、これ以上の話合いがうまくいかなければ仕事をやめるとか、そういうプロフェッショナルとしての客観的なしっかりした態度をお示しになるということが僕は非常に大事ではないかと。これは長い歴史の中でそうなってきたんですけれども。
 この三つ、ちょっと私が感じましたことを申し上げたいと思います。
#11
○参考人(原田敬美君) 私は港区という立場でお答えをさせていただきます。
 港区、区役所というところでも財団法人で公社を持っております。先ほど港区住宅公社の調査データという御披露させていただきましたが、要は行政でなかなか直接できない事業を港区でも複数のそういう財団法人を持って区政運営をしておるというふうな状態でございます。
 港区でこれから一つの区政を進める方針としましては、区民協働、協働というのはともに働くという方の協働という漢字でございますけれども、例えばNPOの方に参画をしていただいて区政をいろいろとやっていくと。具体的な例を申し上げますと、ちょっと国土交通省の絡みとは直接離れますけれども、これから一か月後ぐらいいたしますと、恐らく全国で初めてなんですが、子育てのサポートセンターというものを港区で開設いたします。それは、いわゆる通常の保育園機能では果たせない補完的な役割をNPOの皆さんと協働してやっていこうということで、全国に先駆けてそういうものを開設をいたしますが、そういった役割がそういういわゆる外郭団体のようなところに求められているのかなというふうに思っております。港区でもそういうふうに使っております。
 ただ、今、伊藤先生がおっしゃったようなおそれもありますので、港区としてどうしているかということで申し上げますと、まず港区では二つ指摘できると思いますけれども、これは全庁的に事務事業評価を毎年毎年やっております。ですから、職員が、今自分のやっている仕事がちゃんと目的どおり動いているのか、予定どおり動いているのかというようなことを自らチェックをするという事務事業評価をしているというのが一点。それから二点目は、外部監査をお願いいたしまして、専門の会計士の先生あるいは弁護士の先生にお願いいたしまして、そういう団体、仕事がきちっと動いているかどうかということを御指摘、御指導いただいて、それで運営をしているということで、効率よくそういう団体が区政のバックアップをするというようなことをチェックをしているということでございます。
 そういう観点からいたしますと、特殊法人の在り方、効率のいい運営の仕方というものを視点にしていただいて、先ほど私がるる申し上げたような業務をやっていただければ、私としては幸いかなというふうに思っております。
#12
○参考人(片岡規子君) 私は、居住者の立場で申し上げますと、都市公団の改革については、居住者として一番期待していますのは、公団住宅が公共住宅として守られ、そして安心して住み続けられる施策が充実されることでございます。そういう意味では、家賃制度や建て替え事業の改善を進めていただいて、高齢者はもちろん、子育て世帯も中年世帯もすべての世帯の人々が住み合い交流し合える成熟した団地にしていくような都市整備公団、また都市の特殊法人であればいいと思っております。
 これまでの国会の御審議の中で、独立行政法人、特殊法人に比べると、より公共性が強まる一方、政府や国土交通省の監督、介入が弱められるということの御指摘がございました。その点、私、まだ十分分かりませんけれども、是非公団として、公団の管理方針にもっともっと柔軟な方向を出していただきたいと思っています。そして、新法人と居住者、自治会が一層連帯を深めて、よりよいコミュニティーを作っていけるような法人であればいいのではないかと私は思っております。
#13
○吉田博美君 それぞれお聞かせいただいたわけでございますが、独立行政法人に今度移行するということになりますと、いろいろな方が御意見を寄せられます。いや、公団のままでいいじゃないかと、そんなに不便していないじゃないかと、これは公共性も高いんじゃないかというような意見もあります。いや、民間の活力とそして民間の潜在力を引き出して公務員が協力しながらやるこの独立行政法人がいいんじゃないかと。いや、もうそんなことはすべて捨てちゃって民間に全部任しちゃえばいいじゃないかという、こういう意見がありまして、片岡参考人からは先ほど来説明の中で大体分かっておりますけれども、独立行政法人に変わることについてこの三通りのようなお考えをお聞かせいただいているわけでございますが、伊藤参考人と原田参考人からそれぞれお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 それで、片岡参考人には、時間の関係もございますので、私、一緒に質問させていただきたいんですけれども、私も二十五年前に井土ヶ谷東団地というところに住んでおりまして、公共団地の良さは、そのときは公団住宅と言ったと思います、大変私も居住感覚のいいところに住ませていただいたなというのが昔の思い出でございますが。
 自治協の中でアンケートされまして、たしか二〇〇二年の九月ですよね。それで、六十歳以上の世帯が四九%、世帯主が六十歳以上は。そして、四百六十九万円未満の方がたしか六三・七%と。これを見ますと、本当に今の世情というものが今の日本の国の状況というのを表しているんじゃないか。高齢化とそしてバブル崩壊後の今のデフレスパイラルの状況がまさしく国民の皆さん方に如実に表れているんじゃないかなという感じもするわけでございますが。
 そんな中で、片岡参考人の方からも御説明がございましたが、減免措置でございますね。高齢者あるいは身障者あるいは母子家庭といろいろな中で、たしか公団のお答えによりますと、七十六万世帯ある中で七万一千百世帯、これが何らかの形で減免措置を受けているわけでございますが、その減免措置を受けている中で、先ほどの御説明の中にたしか実効性のある減免措置を御審議願いたいということを片岡参考人の方から言われておったわけでございますが、その点についての、もう少し詳しく教えていただけますでしょうか。
#14
○参考人(伊藤滋君) 伊藤でございます。
 一番、私、この独立行政法人になって期待しているのは、会計が株式会社的センスで運営していただければと思います。何もそれは株式会社として事業をやるのではなくて、赤字に対してきちっとした、どういうことで赤字になってきたか、それに対してもし赤字を減らすとすればどういう方策を作るか、こういうようなことが、多分独立行政法人になると一番今までの特殊法人とは違うんではないかと思いますね。
 特殊法人の会計を見ますと、何が何だか分からないんですよ。資産も二種類の資産があって、すぐ使える資産とそれからしばらく眠らせておく資産ですね。そういう点では、私、一番期待したいのはこの独立行政法人になって会社運営にほぼ準じた透明性でお金の出し入れ、それの使い方をだれがどういうふうにしたかの責任ですね。これが明確になるということが、一番私は期待している次第です。
#15
○参考人(原田敬美君) 先ほどお答えしたことと若干オーバーラップするところがあると思いますけれども、港区の例えば区政でどういう状況かということで申し上げますと、いわゆる御指摘のように、もう民間で任せられることは民間でお願いをしていこうというのが基本的な区政の原理原則に今なっております。
 港区でも区立住宅、区営住宅あるいは前は都営住宅だったものが、小規模のものは区に移管するということで、現在、都営団地の小規模なものが区営団地ということで移管をされつつあります。そういった中で、この春まで、三月まで住宅課というセクションあったんですが、それを廃止いたしまして、先ほど来申し上げている住宅公社というところに全部管理業務を任せるようにいたしました。基本的にはやはりスピードですとか、文字どおり効率性ということで、そういった視点からそういう港区の外の団体でそういう具体的な事業をやらせる、やってもらうということで行政の効率化というのを図っております。
 そんな観点から一般論として申し上げれば、そういうスピーディーな仕事、効率性というような観点から、そういう民間に任せられるものは任せるという方向は、私、これからの方向として適切な方向ではないかというふうに考えております。
#16
○参考人(片岡規子君) 公団住宅居住者の実態は、先ほど御説明いたしましたように、公団住宅の施策対象層とかなり重なってきております。
 したがいまして、高齢者に対する特別措置は結構進んでいるんですけれども、子育て世帯に対する措置等が全然ないものですから、そういう意味で大変高い家賃が家計を圧迫し、なかなか住みづらくなっているということがございますので、子育て世帯に対してもいろんな意味でできれば、公営住宅の代わりとして公団住宅に入居している方も大変いますので、公団住宅そのものがやはり中間所得層だけに焦点を当てて家賃を決めるのではなくて、低所得の方々、特に公営住宅に準じたような形で低所得の居住者に何らかの措置をしていただけると大変有り難いと思っております。
#17
○谷林正昭君 民主党・新緑風会の谷林正昭でございます。
 実は、今日、朝の会議から帰って事務所へ来ましたら、一通のメールが入っておりました。興梠信子さんという方から、昨日のこの新機構の審議に当たり非常にどきどきしながら成り行きを見守っていた、こういうようなメールが届いておりました。
 私も、できるだけこの法案に際しては、大きな問題を抱えた、今、日本が抱えている大きな問題を解決するという問題と、それから一方では、これまで住宅政策としてやってきた、そしてそこで入居しながらそのまちづくり、地域づくりに頑張ってきた、そういう方々の考えと、非常に一つの法案でありながら、非常に大きなものがこの法案に問題提起をしているなというふうに私は思っております。そういう観点で、ちょっとばらばらな質問になるかも分かりませんけれども、本当に聞きたいなと思うことを率直に聞かせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 それで、まず最初に、伊藤参考人にお願いをいたします。
 この新機構に移るに当たりまして、知恵が必要だ、民間的感覚が必要だ、そのためには意味ある赤字は国民は我慢してくれるだろう、また我慢しなきゃならない、こういうふうにおっしゃいました。私は、今のそっくりそのまま役員や、人、物、金の使い方、こういうものが移っては民間的感覚も生まれてこないし知恵も生まれてこない、このように断言してもいいと思います。そういう意味では、昨日、委員会審議の中で、稚内から石垣まで都市再生、こういう話が実は出てきました。いい言葉だな、でも本当にそういうキャッチフレーズが通用するんかな、こう思って伊藤先生の参考資料を見て、いただきましたら、伊藤先生の方がおっしゃっている、こういうようなこともございます。
 そういうことを考えまして、この民間的発想、知恵の出し方、是非辛口の御注文を付けていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#18
○参考人(伊藤滋君) 一つは、株式会社とは絶対違うんです、都市再生機構は。やはりこれは、国民のためにやるべきことをやって赤字をなくせということなんですね。ですから、ここに直接に民間の人が入ってきて株式会社的なことをやっても、私、結果としてそれは、その結果は国民から離反していくような方向になると思います。ですから、リーダーになる組織ですね、都市再生機構のリーダーになる組織。これ大変難しいと思いますけれども、難しいと思いますけれども、率直に申し上げまして、今までの特殊法人のような人事構成ではなかなかこれはうまくいかないかな。
 それから、もう一つ申し上げたいのは、私も学校の教員やっていたんですが、国立大学から私立大学へ来ましたら全然心構え違いました。金持ってこないとちゃんと教授にしてくれません、もう。そうすると、職員です、職員の方も重要なんです。職員が、同じ職員が今度都市再生機構へ行くわけですから。むしろ都市再生機構を動かすのは職員の方ですよね。ここの人たちが今までと同じようなことをやっていいのかな、ここは徹底的に私はやっぱり考えていかなきゃ。それは、赤字、何のために生み出した赤字か、それはだれの責任か取材をする、そういうことを一つのルールにしていけば少し職員も変わってくるんではないかなと思っております。私が国立大学から民間の私立大学へ来たとき、全くそうでございました。全く別な教育を受けました。
#19
○谷林正昭君 ありがとうございました。やっぱり体質改善が私はこの際に一番大きいポイントだと思いまして、そのためにはリーダーシップ、これが大事だというふうに受け止めさせていただきました。
 次に、原田参考人にお尋ねします。
 昨日から審議が始まりましたけれども、昨日の審議で官僚の方あるいは公団の方おっしゃるのは、密集市街地、これは負の遺産だと。災害だとかあるいはこれからの都市再生に考えたときは二十世紀の負の遺産を清算をしなきゃならない、こういう言葉を使われます。私はそれ違うと思うんですね。やはりそこに住んできた人たちのコミュニティーというものが、外に働きに出て町をつくり日本をつくってきた、そういうふうに私は評価しなきゃならぬというふうに思っております。
 しかし、都市再生だけ、あるいはそこを何とかきれいにしようということになれば負の遺産という言葉が出てくるんかなというふうに思いますけれども、やはり私はそういう意味からして、この密集市街地というのは負の遺産という考え方で対応したらうまくいかないと思いますが、考え方を、区長さんなさっていますから一番大切なところだと思います。
#20
○参考人(原田敬美君) 御指摘のとおり、密集市街地については両面があります。
 負の遺産というのも一つの適切な表現だろうと私は思います。つまり、防災上の視点からの安全性、四メートル未満の道路が多いとか木造住宅が密集しているとか公園がないとか公共施設が少ないとか、そういった観点からすれば、文字どおり負の遺産であるという表現は当たっていると思います。また一方で、そういう、何というんでしょうか、長い間、そういう町ができてきた、人間同士の付き合いがあるという意味で立派なコミュニティーが形成されているという面から評価をいたしますと、これは立派なすばらしいコミュニティーであるという評価ができると思います。
 そういった中で、これは非常に大きな課題というふうな申し上げ方しかしにくいですけれども、そういうコミュニティーをどう維持しながら負の遺産と言われる部分を直していくかと、そういうものが大きな、私という立場ですれば政治課題というふうにとらまえております。
#21
○谷林正昭君 よく分かりました。やはりそれがこれからの課題だというふうに思いますし、政治としましてもそういう大事なものも忘れちゃいかぬという御意見だというふうに思います。
 次に、片岡参考人にお尋ねをいたします。
 たっぷり時間を取ってもいいですから、思いのたけを言っていただきたいというふうに思います。それはどういうことかといいましたら、今、公団に住んでおいでになる立場、そして、住んでおいでになる人たちが今一番望んでいること、これをまず聞かせていただきたい。
 それともう一点、昨日も私議論させていただきましたけれども、いろんな理由で難しいところあるかも分かりませんけれども、その新制度、高齢者の措置に対する新制度と旧制度、この内容を少し詳しくお聞かせいただいて、御意見を賜りたいというふうに思います。
#22
○参考人(片岡規子君) 思いのたけは意見として述べさせていただいておりますので、安心して住み続けられる公共住宅として残してほしいというのが私たち団地居住者の願いでございます。それと同時に、団地、公団住宅という言葉はこの半世紀にわたって定着しておりますので、是非、機構住宅と呼ばずに公団住宅と呼べる名称にしていただけたら、こんなにうれしいことはございません。
 それで、建て替えの問題でございますけれども、建て替えの特別措置で、旧制度と新制度と大きく二つに分かれております。
 建て替え当初は、公団が建て替えを言いましたときには鬼ではないかと思うくらいの高家賃を押し付けてきて、大変居住者は心配もしましたし、住み続けられないということで様々なトラブルが発生いたしました。それで、それまでの公団の制度がかなり改善をされましたけれども、今の制度とどのように違うのかといいますと、まず、制度そのものは、旧制度でありますと、収入基準が高齢者二人世帯で三百五十四万九千六百円までしか特別措置が受けられません。しかし、新制度ですと、二人世帯で五百二十八万二千三百六十七円まで受けられるという制度で、そういう意味では、旧制度のときはなかなか受けられなかったんですけれども、新制度になりまして措置を受ける世帯が増えたということがございます。
 もう一つは、二DKで五十平米の場合ですけれども、旧制度の場合は住宅扶助限度額まで減額しますよということで、六万九千八百円というのが今東京都の限度でございますが、新制度の場合は、もし家賃が二DK五十平米で十一万二千円の場合は五万六千円、つまり半額まで減額されるという制度でございまして、この新制度によりましてかなりの方々が団地に戻ってこれるということになっております。
 大まかに言いますと、そういう収入基準の問題と、それから家賃の減額の中身が違うということでございます。
#23
○谷林正昭君 ありがとうございました。
 実は、私、富山県出身でございます。大都市とは全く縁のないところに住んでおります。そして、盛んにこの三年間ぐらいは、大都市をより大都市にする、便利さをもっと便利にする、にぎわいをもっとにぎわいにする、こういうような法律が、例えばマンション建替え法だとか都市再生法だとかいろんな法律がたくさん出てまいりましてその議論もさせていただいておりますが、地方に住む者として、本当にこれでいいのか、東京はみんなあこがれて出てくる、しかし地方は過疎になって人口がだんだん減っていく、若者がいなくなる、こういうアンバランスな日本列島で本当にいいのか、そういうようなことも実は考えながらこういう審議もさせていただいております。
 そこで、時間がございませんので伊藤参考人と原田参考人にお聞きいたしますが、この地方の過疎化と都市部の過密といいますか、にぎわいのこのギャップというものをこれからどういうふうに若者が受け止めていけばいいのか、お聞かせいただきたいと思います。
#24
○参考人(伊藤滋君) 基本的に私は政治とか制度、役人のアクションで流れを食い止めることはできないと思っているんです。ですから、非常にこれは大きい流れとして、しかしその流れの中で負の遺産を抱えた人たちがなるべく負の遺産を少なくしていくような、そういう組立て方をしなきゃいけない。
 ですから、地方都市の人口は減るとしても、減って残った人たちにより快適でよりいい質の生活を与える知恵を出すと。都市再生機構がそういう知恵を出してくれれば、幾ら赤字でも僕は全面的にサポートしたいと思います。
#25
○参考人(原田敬美君) たしか富山県の住環境が、生活の快適さですか、全国で一番だというようなことを新聞報道で去年だかおととしだか出ておりましたけれども、要は大都市と地方の関係、どうとらえるかということですが、例えば一九六〇年以前ですね、戦後と現在と、これは非常に大ざっぱな比較ですけれども、五〇年代は都市と農村の人口比がそれこそ二対八ぐらいだったと。今は八対二と逆転をしているということでございます。そういった観点からすると、これは私が港区長という立場をおいても、やはり大都市、いわゆる都市政策を国ももっと力を入れるべきではないかというような立場でございます。
 ただ、今冒頭申し上げたように、大都市のこの高密な、例えばとにかく密集しているというようなことと、密集によっていろいろな面白い、例えばいろんな人と人とが接触できるというような面白さと同時に、人と人が多過ぎるということでのストレスもあると。ところが、地方へ行くとそうでない快適な自然の環境がたくさんあるということなわけですから、私は地方と大都市の対立というのではなくて、そういう補完関係で持っていくべきではないかというふうに考えております。
#26
○谷林正昭君 どうもありがとうございました。
 終わります。
#27
○森本晃司君 公明党の森本でございます。
 参考人の先生方、今日は大変御苦労さまでございます。数点にわたって御意見をお伺いさせていただきたいと思うところでございます。
 まず、伊藤参考人、原田参考人にお伺いをさせていただきたいと思うんですが、今日も伊藤参考人の中で、今後の大きな課題として、都市における密集市街地の基盤整備は機構にとって利潤をもたらさない危険性があると、こういうある意味で警告をしてくださっております。私は、伊藤参考人のおっしゃるように、こういう密集地を今度新たにやっていくということになってまいりますと、そこに住んでいる従前の居住者、あるいはまたいろんな関係で根回しをやっていかなければならない、非常に時間とコストが掛かってくる。
 そういう意味で私は、昨日の委員会の審議で、これは何も機構だけに任してやるんじゃなしに、機構はそのノウハウも持っていると、国もしっかりとこれに対して支援をしていかなければならないというふうに私は申し上げたんですが、機構だけではなしに、今度新しく機構になるわけでございますけれども、国の支援の在り方について、伊藤参考人、原田参考人について、原田参考人は殊にまた港区で一生懸命区長としてやっていただいておりますので、そのお考えを聞かしていただきたいと思います。
#28
○参考人(伊藤滋君) 伊藤でございます。
 今の御質問は、実は旧建設省が本来これまでやるべきだった仕事を十分やってこなかったのが密集市街地の状況を生み出していると私は思っています。しかし、それは二十一世紀に正に解いていかなきゃいけない。二十世紀にいい加減な都市政策をやってきた、政治もそうなんですが、これを二十一世紀解いていかなきゃいけない課題だと思っています。そういう点では、おっしゃるとおり再生機構だけに任せるものじゃなくて国全体として取り組まなきゃいけないと思います。
 それは、あの阪神・淡路の大震災で六千四百人の方々がお亡くなりになった、これは正に密集市街地の不良住宅、不良建築がそういうだけの被害を生み出したわけですね。ですからこういうことを、もう繰り返し申しませんけれども、そういう点で、これから正に大量にそういうところを直す人たちが必要なんです、そういう人たちが。これは民間と問わず役所と問わず必要なんです。ある意味では非常に大きい雇用対策にもなるんですね。
 しかし、そのときにプロフェッショナル、要するにリーダー、今御質問がございましたけれども、リーダーになる人たちが必要です。そのリーダーになるかなりの人たちは、私はこれまでの都市基盤整備公団でいろいろ苦労してきた人たちの中にかなりおられると思うんですね。そういうリーダーを基にして新しい木造密集市街地を直すプロフェッショナルを次々と育てていかなきゃいけない。これを、NPOも入ってもらいたい、NPOも。都市再生機構、NPO、そしてできたら地元の工務店ですね、こういう三つがタイアップした形で草の根型でやっていきませんと絶対できないんですよ。
 私、今度の特殊法人改革で、一番そこで期待しているのは、正にリーダーになる素質の人が一杯いるという都市再生機構が木造密集市街地へ入ってもらいたい。しかし、そこで黒字は絶対生まれない。生み出せるのは、草の根型で次々と地域にリーダーを作っていく、こういう教育効果は極めて大きいと思っています。
#29
○参考人(原田敬美君) 港区長という立場とまた東京全体を見回してというような面から発言をさせていただきますが、例えば密集地域で二十ヘクタールとか三十ヘクタールの中で、例えば四メートル未満の道路が自律の建て替えで例えば三メートルのが四メートルに広がるという率が大体年間一%と言われています。ですから、自律更新でその地域で四メートル以上の道路に全部道路が広がるのに単純に言うと百年掛かるという計算になります。ですから、ほっておいたらというか、今の建築基準法どおりやっていたら百年は最低掛かりますよと。当然その中には法を守らないで違反建築をやってしまう方も中にいるわけですから、もう百五十年、二百年って掛かりますよということだと思います。
 じゃ、そこでだれかが、四メートルあるいは消防車とか救急車が入ってこれるような六メートル、少なくとも六メートル、あるいはでき得れば八メートルぐらいの生活道路にだれかがやらないといけないと。私は、このだれかが今回の都市再生機構ではないかと、というかそういうことをやっていただきたいということで期待をしております。
#30
○森本晃司君 続いて両参考人にお伺いするんですが、都市再生機構はそのリーダーとしての役割を果たさなきゃならないというのは私も同じ考え方で持っております。地域構成が非常に難しい、合意形成が難しい、そう言われているのに借家人対策があるんだというふうなことがよく言われているわけですが、やはりそこがポイントになってくるんでしょうか。どこにネックがあり、もしそうだとするならばどういう対策が考えられるのか、お二人にお伺いいたします。
#31
○参考人(伊藤滋君) 私の経験を通して二つだけ申し上げます。
 一つは、境界確定です、地籍です。密集市街地のお住まいの皆様方の土地は、多分極めてあいまいな形でしか公図に記載されていないと思います。これをこの際きちっと境界を確定して、形と面積を十分に所有者もそれからお役所も納得してもらう。これがない限り密集市街地問題は解決しません。これが一番目です。
 それから二番目は、大変申し上げにくいんですが、借家人対策よりも、例えば関係権利者百人いますと三人ぐらいはどういう説明をしても受け付けない人がいるんです。これは統計学的に言っても九五%までは普通の人なんですよね。九七%が普通、三%はこれ常識でどうしようもない人なんですよ。
 私、これ自分で経験しました。五十人の地権者を相手にしてマンション建て替えをしましたから。会議には出てこない、返事は出てこない。さて、それでは裁判所へ訴えるというと、ぎりぎりになって出てきて、おうと言うと。こういう人たちは、やっぱりある一定のルールで排除する仕組みを作ってもらいたい。それは五分の四じゃなくていいんです。私の意味じゃ、八分の七でもいいんですよ、九分の八でも。この人たちさえいなければかなり仕事は、全部のトータルで五年掛かるのは三年でできますね。この手続が、弁護士、裁判所、もう大変なんです。要するに、理屈で整理し切れない人が百人のうち三人ぐらいいる。それを今の法律体系ではきちっとして排除できないんですよ。きちっとあるルールで、五分の四じゃなくていいんです、八分の七でも結構です、七分の六でも。そのルールさえ作っていただければ、これはスピードは速くなります。
 以上、二点申し上げます。
#32
○参考人(原田敬美君) 合意形成に関してですけれども、例えばそのかぎ、あるいはネックとなる要素に借家人というような例示がございましたけれども、私自身は必ずしもそういうふうには思っておりません。
 港区内、民間がいろいろ開発をたくさんやっておりますけれども、長い間時間が掛かっているケースの方が圧倒的ですけれども、やはりある程度の、時間というよりもマンパワーですね、を投入して、そして例えば今回のような、都市再生機構のような公的な組織が進めるから安心ですよと、言葉悪く言えばだまされる心配はありませんよというようなことで、一定量のマンパワーを投入することで私は合意形成の促進方が図れるんではないかというふうに期待をしております。
#33
○森本晃司君 居住者としていろんな意見を取りまとめてくださっております片岡参考人にお伺いしたいと思うんですが、全国の団地自治協でおまとめいただいた資料については今日もお話をいただきました。確かに昨今、この団地ができたころには若い声が団地の中に相当響いていたわけでございますけれども、最近団地へ参りますと必ずしもそうでないというところが非常に多くなってきたように私も実感しております。
 アンケート調査を見せていただきまして、世帯主の年齢が六十歳以上が四九%、それで三年前よりも一〇ポイントも増加していると、こういうことが一つは挙げられております。そして、多くの人が公団賃貸住宅に長く住み続けたいと、六七・三%が家賃値上げや高家賃のことに不安を感じておられる等々のアンケートがいろいろ出ております。
 先ほど来、そのことについては片岡参考人からいろいろと御意見及び、それから質問に対してのお答えの中にもございました。私は、そういった皆さんの御要望にどうこたえていくことがこれから大事なのか、そこに住み続けるためのセーフティーネット、何が必要なのか。昨日の委員会で私は、家賃の値上げ等々については、あるいは高齢者の問題について確認をいたしまして、それは大きく上がったりすることはないんだということでは回答がありました。また、多くの皆さんの不安を取り除く回答もあったわけでございますが、なお私は、皆さんはもっともっと感じていらっしゃるんじゃないだろうかと、不安という面について。その点について、住民、そこに住み続けるための必要なセーフティーネットについてお答えいただければと思います。
#34
○参考人(片岡規子君) 先ほども申し上げましたように、公団住宅の居住者は多くの場合低所得者で、そういう意味では公営住宅階層、大変公営住宅階層がたくさん住まっている、そういうために今公営住宅の補完的な役割を公団住宅が果たしておりますので、できることならば公団住宅と公営住宅の時代に合った一元化といいますか、家賃そのものを公営に準じたような形でお考えいただければ大変安心して住んでいかれると思っています。
#35
○富樫練三君 日本共産党の富樫でございます。
 お忙しい中、三人の参考人の方、ありがとうございます。
 最初に、今度の、今出されております法案ですけれども、これは公団を機構に変えるわけですけれども、これは名前だけの変更ではなくて、法案の中身は、国の住宅政策の根幹にかかわる大変大事な問題だというふうに感じております。
 国連のいわゆるハビタットUの宣言では、住まいは福祉、住まいは人権、こういうふうに言っておりまして、これはもう世界の流れというふうに言われているわけです。この立場というのは、国民の住宅を安定して確保するのは政治と国の責任、ここが明確になったということだと思います。
 そういう点で、公営住宅とそれから住宅金融公庫と併せて、公団住宅というのが日本の住宅政策の非常に大きな柱として大事な役割を果たしてきたというふうに思っています。そういう中で、現在でも四つの大都市圏、その中では約二百五十万戸のファミリー向けの住宅が不足しているというふうに言われています。
 そこで伺うわけですけれども、民間ではなかなか困難と思われますファミリー向けの賃貸住宅、これを公団の建て替えなどを通じて引き続き増やしていくということが大事だというふうに感じておりますけれども、この点についてどうお考えかということと、もう一点、その際に、現在の公団住宅の居住者の、全体としては高齢化が進んでいる。そういう中で、バランスの取れた地域社会を作っていくという点で、若い人たちが公団住宅に入りやすいように、そういう点での家賃の軽減制度、若い方々のためのですね、そういうことも必要なのではないかというふうに感じているわけですけれども、三人の方々、それぞれこの二つの点についてどうお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
#36
○参考人(伊藤滋君) 今の御質問は、実は都市再生機構の中の主な業務という私のメモのところでも書いてございます。民間によるファミリー向け賃貸住宅建設を支援する、そういうことでございまして、これは私、全面的に今の御意見に賛同させていただきたいと思います。
 民間はどうしても利益が、確保が重大、主眼ですから、率直に言うと、ワンルームで、なるべく住んでいる人もまたローテーションを早くしていきたいと。家主さんもそうなんです。ワンルームかあるいは小さい住宅で、たな子がどんどん回転早いと、敷金、礼金全部取れますから、これはもう全国あらゆるところでの家主の共同的なこと。そういう点では、お人よしと言うとまずいかな、この都市再生機構がやっぱりそういう点でファミリー住宅を主体にするということは、このことだけで私は社会的存在意義があると思っているんですね。
 で、問題は、問題はですね、今おっしゃったように、いろんな人が混ぜ合わさって住んでもらいたいんです、ミックストして。ですから、独り者もファミリーもお年寄りも、それからもっとお年寄りの最終段階でお独りになった御婦人とかおじいさんが社会的なケアハウスへ入って、それで生活する。そういう全体像の団地イメージをきちっとお作りになって、そのために必要なら新規住宅を古い団地住宅の建て替えで増やしても僕はいいと思います。あるいは、全く今までは考慮されていなかったケアですね、ケアのための施設、積極的にその団地の中へ入れる。それによってその団地の付加価値が上がるわけですから、そういう点はもう非常に大きい私は再生機構のお仕事だと思っております。
#37
○参考人(原田敬美君) 今、港区で行っている事業をちょっと御紹介させていただきますが、実は今年、区が主体となって、百五十戸、あとプラスアルファで実際最終的には何戸になるか分かりませんが、区内に区営、区立ですね、区立の住宅を、これからプロジェクトを立ち上げます。おかげさまでといいますか、公団さん含めて、いろいろな先輩方たちのノウハウのおかげで、区自ら、区が直接ということではないんですが、区が主体となってそういう公的住宅を供給するだけの力を持てるようになったということでございます。そんなことで、そこではやはりファミリーが住めるということが非常に大事なポイントでございますので、ファミリー層を中心とした区立住宅を供給しようということで今事業を立ち上げているところでございます。そんなことで私は、これからの時代は、全国組織でなくてもそういう各ローカルな自治体等々が十分そういうノウハウを持ってやっていけるんではないかと。
 港区では、先ほども最後の方で申し上げましたけれども、例えば老朽化マンション、実は港区は二十三区の中でマンションの空き家率が二〇%あるんです、それが港区の住宅問題の一つなんですが。やはり都心ということで、例えば何重にも抵当がある。やくざが持っているとか、やくざが入って暴力団事務所として使っているとか、ちょっとそういう港区固有のマンション問題があるわけですね。そういうのが築三十年、四十年なり建て替えになるときに、また管理組合が恐らく二、三割しか結成されていません。そういったときに、こういう機構のようなところが、自分たちは信頼ある組織だと、公的な組織だと、だからおれたちを信用しろということで、言ってみれば暴力団もそのマンションの建て替えに参加できるような、そういう信頼の組織という中で、そういうところでファミリーを含めていろんなミックスの住宅を、マンションを建て替えるというふうなところでこういう新しい機構の役割、住宅供給の役割というのが私はあるんではないかというふうに思っております。あくまで暴力団という一つの例えで申し上げております、その辺一つ御了解してください。
#38
○参考人(片岡規子君) 実は、先月この法案審議が、衆議院で審議が行われたときに、期せずして多摩の団地にチラシが入りました。それは公団、公社解散を決定ということで、公団、公社が解散するとということで、民営化、営利目的、家賃上昇、家賃上昇は既に始まっています、今の倍の家賃を払えますかということで、月々七万円台で入れますよという広告が入ったわけでございます。
 そういう意味で、やはり公団住宅の果たしている役割というか、公共住宅の果たしている役割は大変重要ではないかと思っていまして、これからも引き続きやはり賃貸住宅の建設そのものも進めていかなければいけないのではないかと思っています。
 しかし、今、建て替えの団地その他で大変心配しておりますのは、建て替えそのものが戻り入居の方の分しか建てませんよ、あとの土地というのはその他に活用しますということに、公団が言っているところもございまして、それについてはみんな大変心配しているところでございます。特に住まいは、今のお話にもありましたように、コミュニティーを中心とした生活の場でありますし、バランスの取れた世代や世帯構成が望まれておりますので、この建て替えも、ただ単に戻る方だけの建設でありますと、やはり高齢者だけの団地になってしまう。そういう意味で、バランスの取れた、世代が交流し合える活力のある団地にこれからしていこうとなると、やはり建て替えの団地も、戻り入居だけではなくて多くの世代が住める家賃体系にし、新しく建設をしていく必要があるのではないかと思っています。
 公団そのものは、新たに土地を取得して賃貸住宅は建てないということでございましたけれども、建て替えというのは、もう既に土地があるわけでございますから、そこでやはりファミリー層が住めるような家賃体系で建設をしていただければと思っております。
#39
○富樫練三君 ありがとうございます。
 もう一点伺いたいと思うんですけれども、居住者の高齢化が進んでいるという実態が先ほど御報告がありました。年金とパート収入だけが生計の中心だという世帯が三三・四%だということですから、約三分の一。また、そういうことが低所得化を招いて、五分位で計算しますと、第一分位の年収四百六十九万円未満が六三・七%、第二分位も合わせますと七八%に及ぶと。この階層はいわゆる公営住宅の階層にも該当するわけです。
 したがって、先ほどからお話が出ておりますように、公団住宅が公営住宅の補完の役割を果たしていると先ほど報告がございましたけれども、正にそのとおり、補完というよりは公営住宅の代わりの役割を果たしているというのが実態だというふうに思います。ただ、これは公営住宅ではありませんので、家賃の方は公営住宅並みにはなっていない、中身は公営住宅並みと、こういうわけなんですね。ですから、ここをきちんと統一されるようにというか、これが必要ではないかということだと思うんです。
 実は伊藤参考人の日経新聞を私読ませていただきまして、この中で、低所得層に対しては適正額を家賃補助するとか、役所が民間住宅を借り上げて、それを公営住宅として提供するなどを検討するべきだと、こういう主張がございました。私も全く同感であります。
 港区には公団住宅賃貸はどのぐらいあるんだろうかということでちょっと聞いてみましたら、三千戸以上あるんですね、公団の賃貸住宅が。ですから、やはり、この大都会のど真ん中なんだけれども、これも公団住宅の賃貸というのは非常に大事な役割なんだなということを率直に感じます。
 そこで、年金暮らしになっても安心して住み続けられる住宅、これを保障することが大変大事だというふうに感じております。一つは、公団の賃貸部門は、先ほどもお話ありましたけれども、黒字であります。これを居住者に還元する方向として、家賃軽減対策を公団が独自に行うこと。二つ目に、国や自治体からの家賃補助を拡大すること。今もありますけれども、これを拡大する。それから、地方自治体が公団の賃貸住宅を借り上げて公営住宅として提供する。
 こういうことも考えられると思いますけれども、これらについて、三人の方々、時間余りないんですけれども、大変恐縮なんですが、一言ずつお知らせいただければと思います。
#40
○参考人(伊藤滋君) 直接のお答えじゃないんですが、私、一つだけ首かしげたくなるような例があります。青山一丁目の公営住宅建て替えなんですね。あそこをごらんになったと思います。明治神宮外苑のすぐ横です。あれ公営住宅なんですけれども、私たちから見たら資産価値が多分坪三百五十万から四百万のマンションなんですよ。非常に質のいい公営住宅団地。あれNHKのテレビにも出ました、皆さんとても幸福そうな顔をしておられますけれども。あれが公営住宅の建て替えかという辺は、私は公団住宅の建て替えに関連しながら考えさせられるんですね。そういう公営住宅はまだ外苑の周りに次々とございます、都営住宅は。北青山一丁目にはまた建て替えがございます。
 一体あれは公営住宅として残すべきか、あるいは公営住宅を別なところに造って、あそこを普通の民間マンションにして、それの得た収入を公営住宅に還元するとか、そういうことをやるべきじゃないんでしょうかね。あれは非常に不思議な光景でした。
#41
○参考人(原田敬美君) まず私は、特に高齢者向けの住宅といいましょうか、これは十把一からげに高齢者住宅と言うのではなくて、例えば高齢者の置かれている状況とか、ケアの度合いとかということで、もっと私はきめ細かくこれから分かれていく必要があるんだろうというふうに思っております。
 そういったことで、公団住宅と言ったらいいのか機構住宅と言ったらいいのか分かりませんが、住宅もいずれそういった、その方のケアの度合いなり、いわゆるADLなんという言葉がありますけれども、その度合いによっていろいろカテゴリーがもう少し増えていく必要があるんではないかなというふうには思っております。そういった中で、それぞれのカテゴリーの中で必要に応じてどういったものを援助していくかというような発想が私はこれから大切になってくるのかなと。
 それから、港区内におきましては、これは公的住宅が住宅統計調査によりますと一二%ございます。ですから、これはかなり高い方です、率としては。つまり公的住宅の戸数はかなり高い方でございます。細かい数字はちょっと今この場で覚えておりませんけれども、そういった数字が、公的住宅が供給されている、そしてそこでいろんな方がお住まいになっているということは、一定程度は皆さんそれなりにそういう公的住宅での生活に享受をされているというふうに思っております。
 私の方でも、港区でも住宅のいろんな調査をやっておりますので、どういったきめ細かなニーズが必要か、区の立場でも十分調査をさせていただきながら、そういったことを考えていきたいというふうに考えております。
#42
○参考人(片岡規子君) 高齢世帯や独り暮らしの高齢者は、民間住宅は入居契約は難しくなってきています。公団住宅には差別がございませんし、むしろ入居しやすい措置が取られて大変喜ばれているところです。
 今、建設省を中心に高齢者向け優良賃貸住宅制度というのが出されておりまして、高優賃住宅は五か年計画で十一万戸になっておりますけれども、民間の高優賃住宅の建設は進んでいないのが実情でございます。
 平成十四年管理開始戸数を見ますと、全体で五千四百三十三戸でございますが、都市公団は四千四百二十五戸建設されておりまして、その他民間はなかなかその建設ができないのが実態でございます。
 この高優賃制度につきましては、家賃について言いますと、例えば東京国立富士見台団地の場合は、三DK五十平米で、家賃は九万四千円ですが、高優賃住宅に指定されますと、所得十二万三千円以下の世帯では三万八千五百円の家賃になるということで、大変希望が多いわけです。
 もっと民間も、この十一万戸の予算、計画に合わせて建てられますと、大変高齢者は住むところがないということで悩んでおりますので、収入に応じた応能応益の制度になっておりますので、こういう制度を進めていただければいいのではないかと思っております。
 また、この制度そのものは、公団が発意をしてやるというのと自治体の要請型という制度がございますので、是非、各区におかれましても要請をしていただいて、こういう高優賃制度を推進していただきますと大変うれしいと思っております。
#43
○富樫練三君 ありがとうございました。
 終わります。
#44
○大江康弘君 国会改革連絡会(自由党)の大江でございます。
 三人の参考人の先生方に心からお礼を申し上げたいと思います。今日は本当に御苦労さまでございます。
 もうだんだんと、いろいろとお話を聞かせていただきました。一点ずつ、それぞれの参考人の先生方にお聞かせをいただきたいと思います。
 まず、伊藤先生に。先生は先ほどからも、今回のこの機構に移行していく中で、やはり機構としても、これ赤字になっても仕方がないじゃないかと。私はやはりその部分は、やっぱり私も基本的には、国が何でもかんでも今の時代の流れの中で、いろいろと独立法人が本来の仕事とは別ないろんな批判があったという流れの中で変えていかなければいけないという部分もあって、私は、独法自体が非常に、民間でもなければ国の余り強い関与、何か中途半端なという部分に感じておる一人であります。
 それだけに、今回、こういう公団が地域整備公団と二つになってという、この機構を作ると。昨日も、名は体を表すということで住宅という名前が取れたり、本当に公団が今までやってきた住宅政策を基本的にやっぱり継承してやっていくんだろうかということも昨日お尋ねをしたんですけれども。
 私は、やっぱりまだまだ日本というのは足らざるところが多く、特に、先生から見て、日本の首都である東京のこの首都機能というのは一体何点ぐらい評価をされておられるのか。その中で、いろいろ議論があっても、私は東京一極集中がいいじゃないかと。私なんかは田舎の出身、田舎でありますけれども、やっぱり中心が良くならないと全体が良くならない。そういう意味で、私は東京、しっかりとその首都機能を高めよという私は意見を持つ一人であります。
 それだけに、私は、今回、公団が機構に変わるということによって、やっぱり国が本来やらなければいけない国の関与、責任、使命というものが、このことによって国が逃げるようなことがあったら、私はこれはかなわぬなと。やっぱり、しっかりと国がまだまだ責任でやってもらわないかぬという思いがするんですけれども。
 さすれば、僕は、先生が民間でやられておる、このいわゆる小泉首相の提唱した都市再生本部を側面的に先生が支えられて、都市再生の戦略チームですか、こういうものを作られていろいろと意見具申をされておられる、大変これは私は結構なことだと思うんですけれども。
 私は、そういう流れから見ても、今回、こういう機構という分かりにくいものにせぬと、まだまだ公団の中でしっかりとそういうものを責任の下でやっていったらいいんじゃなかったのかと思うんですけれども。
 ここらが、移行していく中で国の責任、関与という部分に対して、もう一つ僕は、そこらの国の方向性というものがちょっと不透明な部分というか分からない部分があるので、ちょっとそれを先生、聞かせていただきたいと思います。
#45
○参考人(伊藤滋君) お答えすることが二つあるかと思います。
 東京はどうなんだということですね。
 これは、傍証データ一つ申し上げますと、日本の評価って非常にいろんな国際統計で落ちておりますが、オランダで去年の十月に有名な、これはエコノミック・トラベラーズという経済誌なんですね。これで、たまたま記事で世界の都市評価というのがありまして、東京は何番目で何点かといいましたら、百点がニューヨークとロンドンとパリなんです。これ百点です。四番目に東京が九十八点です、九十八点。五番目が、どこだったかな、香港かシンガポールか何かあるんですが、それ九十三点なんです。重要なことは、百点と九十八点、二点差でございましょう。東京とロンドン、パリ、百点と九十八点。東京と次の都市は五点差ですから、差は二倍半ですね。それぐらい東京は評価されているということなんですね。これはヨーロッパ、オランダの有名な統計誌ですね。
 ですが、これは私たちの、外国人はそういう評価をしていますけれども、日本人として東京を見たときには、率直に申し上げまして、これ大変申し訳ないんですが、二十世紀後半のツケを全部皆様方、東京におっかぶせたんです、おっかぶせた。それを何とかやりくりして東京はとにかく今存在しているわけですね。それを直さない限りは、これは東京の評価は高いとしても、これからの東京が上海やシンガポールや、あるいはもしかするとレニングラードと闘っていくという場所ができないんですね、基盤は、きちっと。
 それは、何も道路交通を良くするということだけじゃなくて、是非、品格のある町に東京をしたいんです、品格のある町。それにしない限りは、きちっともう一つ認知されないという危険性がございます。これが一点でございますね。
 それから、二番目の御質問にお答えしますけれども、私は一つ都市再生機構に期待しているのは、都市再生機構がこれから、いろんな住宅領域のほかに新しい民間との付き合いの中で未知の分野へ入っていくわけですね。そこの中で政府としてやるべき、国民に十分説明の利く仕事が次々と発見、発掘していけると思うんです。こういうことをしないと、日本というのは世界の中で、あるいは東京は世界の中でやっぱり非常におかしくなるということが次々と分かってくるはずです。そういう未知の発見をやっていただくということです。
 最後に申し上げますと、これは私の本音なんですが、今回の都市再生機構の法律は、大変恐縮なんですが、民間にうまくやられちゃったなという感じがするんです。民間ってそんなきれいな存在じゃないんですよ。もうけることを徹底してもうければ、裏側で相当いろんなことをやっているんですよ、皆さん御存じのように。そして、これは政府におっかぶせようとか、これはどっかの公団におっかぶせようとか、みんなそんなことをやりながら利益を作っているわけです。そうじゃなきゃ利益を出せないんですよ。それを、民間はさも堂々と努力、努力してやって利益を出るという前提で、それを支える公として都市再生機構はやれというのは、ちょっと民間にやられちゃったかな、やられちゃったかな、それだけ都市再生機構かわいそうだなという感じがしているのが今の私の本音でございます。民間のやつめという感じですね。
#46
○大江康弘君 先生、本当に正直にありがとうございました。
 まだまだお聞きしたいんですが、時間の関係で原田区長さん、一点お聞きします。
 バブルが崩壊して土地がだんだん安くなってきて、やはり港区というのは、我々田舎に住んでおったら夢のような場所であります。一度は住んでみたいなと、死ぬのであれば港区で死んでみたいなと、そのぐらいやっぱり思ってきたあこがれの地であります。それだけに、港区というのは、日本の首都が東京であるなら、東京二十三区の区都というんですか、それはやっぱり港区かなと。ある意味では、やはり日本の、今の伊藤先生の話の中の首都機能を高めていただいている部分で御苦労いただいているんですけれども。
 やはり今まで土地の値段というのは満遍なく上がってきたように思うんですけれども、これからはやっぱり収益還元、どれだけそこに生産性があるかというものが求められる。そういう意味では、我々田舎は道路が付けばその付近が、土地が上がったんですね。上がるんです、今も。しかし、やっぱり東京都の場合は、あの六本木ヒルズなんかを見ておっても、やはりいかに多目的なああいう立派なビルができるかできないか、しかし、ビルから一歩外へ少しでも行けばもう地価がそのまま下がったという、正に土地の値段が二極化しておるという、そんな中で、区長さんのところがいろんなところを抱えられてやっていくというのは、これは僕は地域の住民の皆さんとの合意というのは大変なものがあるなと。そういうことを特に私は、港区として開発していく中で、ほかの区ではない特別な条件付けだとか特別な何かメニューを開発していくところに、いわゆる区のためにあるいは地域の住民の皆さんのために何かハードルを与えているようなものがあればちょっと教えていただきたいなと思います。
#47
○参考人(原田敬美君) 大変お褒めの言葉をいただきまして、ありがとうございました。恐縮でございます。
 港区では、定住、住み続けられるまちづくりということを十年来標榜しておりまして、これは今の規制緩和の時代に逆行するという指摘もあるんですが、しぶとく頑張っているのが定住促進対策なんです。つまり、一定のオフィスを開発したら、ちょっと細かい数字は今この場では持っておりませんけれども、一定の率に応じてマンションを供給していただく、住宅を供給、造っていただく、あるいはマンションを造らないんだったらばお金で定住対策に対して御協力をいただくという形での、ハードルと言っていいのかどうか分かりませんけれども、そういう定住対策を一つの重要な柱といたしましていろいろな開発の案件が、相談があったときにそっちの方へ仕向けていくような、そういう対策をこれまで取ってまいりました。
 そんなことで、港区に、さっきもちょっと触れましたけれども、住宅が約九万戸ございますが、そのうちの一万戸がこれまで十年来、そういう定住対策で供給された住宅です。つまり、港区の一割はそういう、ハードルと言っていいのかどうか分かりませんけれども、そういう港区独自の対策で民間企業の方に御協力いただいて供給をしていただいた住宅であるということで、そういうものを一生懸命やっております。
 それから、これからは、これは正に今回の都市再生機構の役割として期待をしているのは、十二年度に地区計画の住民提案制度、それから十四年度に都市計画の提案制度ということで、例えば街区単位、何丁目何番というような街区単位で、それは密集であれ老朽マンションであれ、住民の皆さんが都市計画を作っていく、地区計画を作っていくという方法によって、今度はそういう担保されたわけでありますけれども、そのとき、じゃ、だれがそれを指導するのかというときに、伊藤先生の方から先ほど来御発言があったように、都市再生機構にはそういうノウハウ、人がたくさんいらっしゃるわけですね。港区はやっぱり日ごろのルーチンワークをしないといけないということがございます。ですから、なかなか町に入っていきたくても入っていけないというような状況がございますので、そういったまちづくりの中に都市再生機構がいろいろノウハウを提供していただく、コーディネートをしていただくというようなことを期待をしております。
#48
○大江康弘君 どうもありがとうございます。
 最後に、片岡参考人。
 我々、田舎に住んでおったら、時には隣同士のお互いの、衆人環視といいますか、それが、隣同士の仲の良さが田舎の、いいんですけれども、何か宅急便で大きなものが着いたら、食べ物でもないのに、やっぱり隣に気を遣って、食べ物でなかったら食べ物を買ってきて、これもらいましたといって行かないかぬぐらい田舎は気を遣うんです。しかし、最近はそういう、何というんですか、本当に田舎の良さも薄れてきた。
 昨日からこの委員会で審議をさせていただいて、今日もたくさんの傍聴者で皆さん来られていますけれども、やはり都会にない皆さんのコミュニティーというか、つながりという、そのきずなというのは何なんですか。最後に、やっぱり皆さんの強いきずなというのはどこから出てくるのか。やはりそれは今回のこういう一つの、皆さんが今まで、価値観と言ってしまえばそうなんですけれども、皆さんが抱えておられる問題というのはもう私も含めて委員の皆さん方も十分把握をしておりますし、やっぱり私は政府もしっかりとそれは分かっておるというふうに思うんですけれども、最後に、皆さんの強いきずな、ちょっと教えてください。
#49
○参考人(片岡規子君) 公団住宅が建設された当初は子供の問題が中心でした。最初にやるのがやはり牛乳の共同購入だとか、幼稚園にあふれた子供たちには幼児教室をしていこうとか、いろんな意味で、小学校の問題、高校の問題、各居住者の要望に応じてきめ細かな対策をしていくことが大きくきずなが結ばれることではないかと思っております。
 今は、子供の問題中心であった公団ですけれども、現在ではやはり高齢者問題が大変大きなテーマとなっておりまして、公団と進めております連携研究会でも、安全、安心、快適の中で、今、高齢者が一人寂しく死んでいくというようなことがないように、もっと安否の気遣い運動をしていこうということで、これから話合いを始めようとしているところでございます。
 そういう意味で、やはり居住者の要望を中心とした自治会活動で大きくきずなが結ばれているのではないかと思っております。
#50
○大江康弘君 ありがとうございます。
#51
○委員長(藤井俊男君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々に一言御礼のごあいさつを申し上げます。
 参考人の方々には、長時間にわたり御出席をいただき、有益な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。今後は皆様方の御意見を委員会の審議の中で十分に活用していきたいと存じます。
 委員会を代表いたしまして、厚く御礼申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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