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2003/07/10 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 国土交通委員会 第24号
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2003/07/10 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 国土交通委員会 第24号

#1
第156回国会 国土交通委員会 第24号
平成十五年七月十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月三日
    辞任         補欠選任
     椎名 一保君     田村 公平君
 七月四日
    辞任         補欠選任
     小泉 親司君     富樫 練三君
 七月八日
    辞任         補欠選任
     野上浩太郎君     藤井 基之君
 七月九日
    辞任         補欠選任
     藤井 基之君     野上浩太郎君
 七月十日
    辞任         補欠選任
     吉田 博美君     後藤 博子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤井 俊男君
    理 事
                鈴木 政二君
                脇  雅史君
                山下八洲夫君
                森本 晃司君
                大江 康弘君
    委 員
                岩城 光英君
                木村  仁君
                沓掛 哲男君
                後藤 博子君
                斉藤 滋宣君
                田村 公平君
                鶴保 庸介君
                野上浩太郎君
                松谷蒼一郎君
                吉村剛太郎君
                池口 修次君
                北澤 俊美君
                佐藤 雄平君
                谷林 正昭君
                続  訓弘君
                大沢 辰美君
                富樫 練三君
   国務大臣
       国土交通大臣   扇  千景君
   副大臣
       国土交通副大臣  吉村剛太郎君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       岩城 光英君
       国土交通大臣政
       務官       鶴保 庸介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       岩田喜美枝君
       国土交通省航空
       局長       洞   駿君
       航空・鉄道事故
       調査委員会事務
       局長       中村 達朗君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○成田国際空港株式会社法案(内閣提出、衆議院
 送付)
○航空法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(藤井俊男君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る三日、椎名一保君が委員を辞任され、その補欠として田村公平君が選任されました。
 また、去る四日、小泉親司君が委員を辞任され、その補欠として富樫練三君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(藤井俊男君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 成田国際空港株式会社法案及び航空法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に厚生労働省雇用均等・児童家庭局長岩田喜美枝君、国土交通省航空局長洞駿君及び航空・鉄道事故調査委員会事務局長中村達朗君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(藤井俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(藤井俊男君) 成田国際空港株式会社法案及び航空法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○谷林正昭君 おはようございます。
 この成田の関係、そして航空法の一部の関係、衆議院から来まして、相当議論が尽くされて、今日も、質問、全会派が立つんだと思ったら、会派立つのは民主党・新緑風会と共産党さんだけということになりまして、ほとんど審議が出尽くしたんじゃないかというような感もいたしますが、私はもう少し今度は違った角度で少し大臣の考え方をお聞きしたいなというふうに思っております。
 今、朝のNHKの連続テレビの「こころ」という番組がございます、八時半から。大臣御存じないかも分かりませんが、この「こころ」というのは……(「十五分」と呼ぶ者あり)八時十五分からですね、主人公が客室乗務員でした。その主人公、客室乗務員の主人公が、これは第一回の放送でした、出勤をして業務に就く、そのときに、大変言葉は不適切かも分かりませんが、乗客におしりを触られた、こういう場面が出てきました。
 そのときに、そのこころさんは何と言ってその手をどけたか。今の法律に非常に私は関係があるんではないかというふうに思いまして、もう一度ビデオを見直しました。そうしたら、せりふをここへ書き出しました、おしりを触られたこころは、その手をどかすのに、お客様の手を動かさせていただいてもよろしいでしょうか、こうなんですね。
 それくらいにお客さんの気持ちを大切というよりも傷付けないように、あるいは怒らせないように、そういう教育を多分、これはドラマですから分かりませんが、恐らく客室乗務員の方はそういう教育をお受けになっているんではないかというふうに思います。
 一方では、その手をどかしていただいて、戻って、そこの対話がございます。どうして自分のおしりから手をどけるのに相手に気を遣わなくちゃいけないわけ。そりゃもちろん客室乗務員としてはお客様に快適な旅を楽しんでもらいたいよ。だからって、人を不快にしてまでそんなに快適にしたいの、こういう会話が実はありました。
 私はこれが一番この法律を審議するに当たって大事なポイントだというふうに感じました。それは、二年前に、二〇〇一年の十一月に民主党は機内迷惑行為防止法案というものを議員立法で提出をさせていただきました。なかなか審議がしてもらえなくて、いわゆるつるし状態であったわけでございます。しかし、今、今度こういうふうにそれを取り入れた形で政府提案ということになってきました。
 ここで、私は、是非、議論をする立場もそうでありますけれども、この法律をいかにして国民に理解をしてもらうかという、この立場の原点はどこにあるのか。それは、私は、そういう仕事に携わっている人からこういう法律を作ってもらいたい、こういう法律は必要だ、私たちは迷惑しているんだからこういうものを何とかしてもらいたいという要望があったからこういう法律を考えたのか。それとも、そうではない、あの密室空間で正に安全、快適、こういうものをしっかり、ほかのお客さんも不愉快にならないで、そういう公共交通機関としての役割を果たすためにはこういう法律が何としてでも必要なんだ、こういう観点でこの法律が出てきたのか。この二つの考え方では、大きく国民にお知らせをする、あるいは法案が成立したときの後の対応が違ってくる、私はこのように思います。
 そういう意味で、この航空法の一部を改正する法律案の意義について、是非、私は利用者の視点でこの法案がしっかり議論をされるべきだ、そういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
#7
○国務大臣(扇千景君) おはようございます。
 大変法案に対して審議を尽くしていただいて心から御礼を申し上げたいと思いますけれども、今日はまた細部にわたってお聞きいただけるということで、私の方もいろいろと今まで御答弁してまいりました。重なる部分があるかもしれませんけれども。
 今、谷林議員がおっしゃいましたように、なぜこういう法案が必要なのかということ。これは、過去のいわゆる機内の迷惑件数、これを見ていきますと、大変いろんなことが見えるんですけれども、何よりも我々は乗ってくださる皆さん方に安全、安心、気を許して飛行機の旅をしていただきたい、そういう快適な旅になるようには一番何をしなければいけないか。
 当然、あの〇一年の九・一一というあの同時多発テロ以来、飛行機に関する、あるいは乗り物に関する危機意識、また危機管理、どうあるべきかということが大変論議されまして、皆さんにも大変ないろんな知恵もいただきました。
 けれども、飛行機の中におきましては、ここ、今私の手元にこの数字が少しございますけれども、一九九八年には九十三件、全体で迷惑行為的なものがあったわけですね。安全を阻害する行為というものに入りますけれども。それが九九年には二百八十九件、二〇〇〇年にはこれが急遽五百七十件、二〇〇一年には四百十六件、今、二〇〇二年は少し下がりまして二百七十八件と、こういうふうになっておりますけれども。
 一番大きなことは、やはりどういうことが機内の皆さん方、仕事に従事する皆さん方は仕事だからということで、あるいはサービスする側にも不愉快な思い、あるいは言葉で暴言を吐かれた人もたくさんいらっしゃいます。けれども、何とか快適な旅をということで、個人の人は言えばいいんですけれども、周りの人まで不愉快にするという行為が見られるのでは、今冒頭に申しました本当に安全、安心な、大変快適な旅というものが保証されないということで、私たちは、これは国際の民間の航空機関でございますICAOの総会においても国内法の制定をしようではないかということで、今までにはアメリカ、イギリス、それからカナダ、オーストラリア、韓国において既に国内法が制定されております。
 そういう意味で、今回も皆さん方にも、この間も申し上げましたけれども、一番それじゃ迷惑で、たまたま機内禁煙ということになりましたのでこれが一番多いんだと思いますけれども、一番この件数の、機内の安全阻害行為ということでいいますと、一番はやっぱりトイレ内での喫煙、これが一番多いんです。二つ目には、これは暴言と威嚇、三番は残念ながら酩酊と、こういうことになっております。
 まだたくさんございますけれども、今回のこの航空法の改正といいますものは、今申しましたように、機内における安全、安心と、皆さん方がまた飛行機に乗っていこうという、快適な旅をしていただくことが基本でございますので、航空の安全を阻害する要因、これらにはすべて我々は法律的に皆さん方に御賛同いただいて施行する。また、施行しなければいけないという状態は、元々マナーがあって、こんなこと言わなくてもというようなこともなきにしもありません。暴言とかあるいはわいせつ行為なんていうのは飛行機の中だけではなくてどこでもいけないことですけれども、ただし、あの密室の中では何としてもこういう法律を作って、皆さん方に、一番最初の目的の利用者の皆さん方に、言葉で言うと、一部にはお客様は神様ですという言葉もございます。これは観客だけではなくて、すべてのお客様に対するサービス業としての私は大きな原点だと思いますけれども、こういう法律でより皆さん方に安全、安心の旅をしていただきたい。そして、何よりも安全な航行をしたいというのが原点でございますので、是非御協力を賜りたいと思います。
#8
○谷林正昭君 そういう意味で、今、大臣がおっしゃいましたように、安心、安全、そして快適というのがやっぱりポイントになってくるというふうに思います。
 そこで、端的にお尋ねをいたしますけれども、この法律が施行されますと、本当に快適、安全、安心、こういうものが担保されるのかというところがポイントになろうかと思いますが、いかがでしょうか。
#9
○政府参考人(洞駿君) お答え申し上げます。
 現行法の下では航空機内において安全阻害行為を行いましても処罰の対象となっていないことから、客室乗務員が幾ら毅然たる態度を取っても抑止力としては不十分でございまして、そういう意味で行為の発生が後を絶たない状況にあります。この結果として、航空利用者にとっての安全で快適な運航という点において必ずしも十分なものではないと言わざるを得ないと思います。
 しかしながら、今回の法改正におきまして、航空機内における安全阻害行為等の禁止が法律上明記されて、違反行為について五十万円以下という罰金が、という刑罰が科せられるということになるため、安全阻害行為等の抑止という点では非常に効果を発揮するものだと考えております。
 これによりまして、航空の安全が確保されまして、その結果、航空利用者が望む安全で快適な運航というものが十分に図られるものだと考えているところでございます。
#10
○谷林正昭君 快適、安全、罰則をもって図られるというふうに結論を付ければ、そういうような答弁だったというふうに思います。
 私は、そうではないんじゃないかなというふうに思います。というのは、電車の中でも席を譲るということから始まって、お年寄りを思いやる、あるいは席を譲り合う、あるいはたばこを吸う人に注意をする、暴言を吐く人にいろんなアドバイスをする、こういう社会を目指そうということで、これまでずっとそういうことをやってきましたが、一向に良くならない。そういう公共的な場で騒ぐ人たちもますます増えてくる、そういうものが一体これからどうなっていくのかなという心配が一方ではありました。そして、ほうっておけば、この航空機内もそういうことになりかねないというような状況が私はあったというふうに思います。そこで罰則を付けた、作るポイントはそこだというふうな今答弁でございました。
 私はそうではないと思います。やはり、一緒に乗る人たち、周りの人たち、そういう方々がお互いにそれをやっちゃいけないことだ、してはいけないことだ、あるいはやった人を見れば客室乗務員が注意をする前に周りの人が注意をする、そういう航空機内の、いわゆる密室である、しかもはるか上空を飛んでいるという、そういう環境を考えたときは、そういうものを私は作り上げるべきではないか。飛行機、航空機を利用するときは、そういう心構えや、そういう思いを作り上げるべきではないか。これが安全、快適、こういう旅を約束をするということに私はなるのではないかと思いますし、どうしてもというときには切り札として罰則があるという、これが切り札であって、私は罰則を付けたからなくなるというものではないと思います。
 そこで、お尋ねをいたしますが、これをやっぱり国民に広く知ってもらう、この法律がどういう意義があるのかということを知ってもらうことが一番大きな私は抑止力につながるのではないかと思いますが、国民に知っていただけるその広報について、そしてその趣旨についてお尋ねをいたします。
#11
○政府参考人(洞駿君) 今回の法改正につきましては、法の施行前に様々な手段を通じて十分に周知するとともに、機内では法の施行後も十分に周知を徹底するよう、航空会社をまずもって指導してまいりたいと考えております。
 具体的には、国土交通省はもちろんですが、航空会社のホームページを利用したり、チラシを配布したり、ポスターを掲示したり、機内誌への掲載を行うとともに、キャンペーン等を実施する予定でございます。
 その周知の内容でございますけれども、先生まさしく御指摘のとおり、単に法改正の内容にとどまらず、安全阻害行為等の禁止、処罰の趣旨、考えてみれば、なぜリクライニングシートを離着陸の際に元に戻さなきゃいけないのかというのは、万が一のときに後ろの乗客の方が脱出するのが非常に障害になるからでございます。また、なぜ機内に荷物を置いちゃいけない、通路に置いてはいけないのかというのは、乱気流等によってその荷物が跳ね上がって、ほかのお客様とか機体にもぶつかって、いろいろ損傷とか、そういったものを及ぼすからでございます。
 そういった個々の安全阻害行為等の航空の安全に支障を生じさせるおそれがあるその根拠等も含めまして、航空利用者の皆様がそういう意味で安全で快適な空の旅が楽しめるようにするものであるという旨を併せて十分周知徹底して、理解を図っていきたいと思っています。
#12
○国務大臣(扇千景君) 今お尋ねのございました広報のことでございますけれども、大変大事なことは、例えて、近々の例を挙げますと、千代田区が町で禁煙をいたしました、ある部分でございますけれども、新橋辺り。これは最初に罰金を使わないで、まず警告をいたしました。そして、今回は二千円という罰金を取ることになりまして、東京駅周辺までこれは延長してまいります。そういうふうに、やっぱりあそこは禁煙になったんだな、あの区域は禁煙だなということも、これは大々的にニュースで取り上げましたね、初めてですから。
 それと同じように、私は、あらゆる面で、私たち自身が広報するだけではなくて、これは社会の秩序として私は是非マスコミの皆さん方にも取り上げていただいて周知徹底すると。
 それから、私、もう一つ、先ほど谷林議員がおっしゃって大事なことは、これは自分たちのためにするんではなくて、お客様の快適の旅のためにすると申し上げましたけれども、本当に私、御存じだろうと思いますけれども、私、昔、スチュワーデスの訓練をパリまで行って取材したことがございます。これは、日本のスチュワーデスもパリまで行って研修するんですね。そうしますと、名前出しませんけれども、航空会社の研修制度というものがすばらしいと分かりまして、民間の会社は入社社員を、研修を、その航空会社の研修制度を見習に行って、そこで教わって接客をすると、そういうことを、随分一時はやりました。
 それはなぜかといいますと、御存じのとおり、ある一定の年齢、ある一定の職業の人に対応するのではなくて、飛行機というものは年齢、職業を問いません。あらゆる範囲の皆さん方がお乗りになるものですから、接客業としては一番難しいんですね、対象範囲が広うございますので。まして、お年寄りもいらっしゃいます、あるいは身体の障害のある方も、車いすの方もいらっしゃいます。ですから、そういう意味では、あの狭い空域の中で一番広範囲なお客様を対象にするということで、客サービスに対しては一番限定されて、なおかつ困難なサービスでございます。それをしておりますので、例を挙げると失礼ですけれども、私の身内に一人スチュワーデスがおりますけれども、これはこのスチュワーデス訓練を受けておりますので、おばあちゃんの面倒を見るのが一番上手なんですね。
 ですから、やっぱりこの訓練を受けている人たちでさえお客様の迷惑行為を断るのに四苦八苦するということ自体も私は大事なことであるし、これは社会的に皆さんが飛行機に乗ったときはこれは最低限のマナーというのを私はすべての人に知っていただくことがあの広範囲なお客様を迎える機内では一番大事なことではないかと思いますので、一航空会社、一国土交通省が私は広報するのではなくて、社会全体で是非認知していただきたいと思っております。
#13
○谷林正昭君 今、大臣がおっしゃったことが、私、まさしくそのとおりだと思います。この法律が成案をした、それをいかに国民の皆さんに理解をしていただけるか、ここがこの安全阻害行為がなくなる大きなポイントだというふうに指摘をさせていただいて、その前面に是非大臣お立ちいただきたいというふうに思います。
 そこで、具体的な中身に入らせていただきますけれども、衆議院で修正がされてまいりました。非常にこの修正案、読んでもなかなか分かりにくいところでございますけれども、しかし資料として出ております、国土交通省が私たちに説明を、法案の説明をするときに用いた資料の中に、こういうものが増えているということで、安全阻害行為ということで、トイレでの喫煙、携帯電話の使用、シートベルトの不着用、こういうものが増えている。プラスして、客室乗務員への暴言、セクハラ等、こういうものが非常に増えているからこういう法律を必要なんだという説明がございました。
 一方、省令で、どういうことをこれから省令に盛り込むか、その考えがこれコンクリート、確定したわけではございませんが、出されております。それは、非常口の扉を正当な理由なくして操作する、あるいは便所において喫煙する、あるいは携帯電話あるいは電子機器を使用する、あるいは着陸時に座席ベルトを使用しない、手荷物を通路に放置する、あるいはリクライニングシートを元に戻さない、みだりに救命胴衣を触る、動かす、こういうことがあって、それにプラスして、プラスしてというよりも、もう一項、乗務員に対して著しく粗野又は乱暴な言動をする行為、こういうのが書き加えられております。
 私の言いたいのは、この乗務員に対して著しく粗野又は乱暴な言動をする行為以外はより具体性があるんですね、そして目に見えるんですね。やめてくださいと言ったらやめられる。あるいは携帯電話なら目に見えますし、ドアを触るということも目に見えます。問題はそこで仕切りが付くと思います。問題は、この乗務員に対して著しく粗野又は乱暴な言動をする行為、これがどういう行為になるかということになるわけでございますが、最初の法案説明の資料でいきますと、乗務員への暴言、セクハラ等ということになるわけでございます。そういうことになってまいりますと、この非常に分かりにくい、どこまでがセクハラなのか、どこまでが暴言なのか、だれが認定するのか、非常に私は分かりにくいと思います。
 そういう意味では、特にそういう意味では、国内線と国際線、あるいはファーストクラスとエコノミークラス、そういうところに差異があっては私はいけないと思います。やっぱり一つの法律を適用するわけでありますから……(発言する者あり)田村先生、ちょっと話を聞いてください。ファーストクラスは大のお客さんだということで大目に見る、こういうことがあってはならない。あるいは、国際線、長時間乗るから、長い時間を乗るから、時間を掛けて説得するために初めは大目に見るとか、いろんなやり方あろうかと思います。
 私の言いたいのは、そういう国内線、国際線の法適用の違い、あるいはファーストクラス、エコノミークラス、そういうところの法適用の違い、これはあってはならないというふうに思いますので、確認をさせていただきます。
#14
○政府参考人(洞駿君) 先生御指摘のとおりでございます。
 航空機内における安全阻害行為等が航空機の安全に支障を生じさせるおそれがあることにつきましては、どのクラスのお客様であっても、また国内線であろうが国外線であっても変わるものではございません。そういう意味で、いずれの航空機内で行われたとしても、またどんなお客様であっても厳正に対処する必要がございまして、差別的な取扱いがなされないよう航空会社をしっかり指導してまいりたいと考えております。
#15
○谷林正昭君 是非、航空会社との連携をしっかり取りながら指導いただきたいというふうに思います。
 次に、先ほどちょっと触れましたけれども、具体的にセクハラという問題が法案説明のときに資料として使われております。このセクハラ行為というのは、だれが認定して、どういうことがセクハラ行為になるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#16
○政府参考人(洞駿君) 国土交通省令におきましては、機長の禁止命令、処罰の対象となる行為といたしまして、航空機に乗り組んでその職務を行う者の職務の執行を妨げる行為でありまして、そして当該航空機の安全の保持、あるいは当該航空機内にあるお客さん若しくは財産の保護又は航空機内の秩序若しくは規律の維持に支障を及ぼすおそれがあるものというふうに規定することを予定してございます。
 客室乗務員に対するセクハラ行為につきましても、再三の注意にもかかわらず客室乗務員の体に触れるなどの行為を執拗に繰り返すことによって客室乗務員の保安要員としての職務を執行できなくさせるような行為につきましては、航空機の安全に支障を生じさせるおそれがあるものとして禁止の命令、処罰の対象とする予定でございます。
 機長の禁止命令の対象となる行為に該当するかどうかという判断につきましては、機長又は機長の指揮監督下にある客室乗務員において判断するということになります。機長や客室乗務員によって判断が異なることのないようにするため、当省としても、今回の法施行に伴いまして必要なマニュアルの作成等につきまして航空会社を指導していく所存でございます。
#17
○谷林正昭君 私、今、答弁、非常に苦しい答弁だというふうに思いますし、私は線引きができないというふうに思います。
 というのは、セクハラ行為というのは、触った、触られたということもこれは目に見えますけれども、問題はその後の心の動揺あるいは心の動き、こういうものが本当にやっぱり私は、あるいは自分の仕事ぶりに余裕がなくなる、それが安全を阻害する行為というふうに私は思うわけでございまして、一概に触った、触られたということではなくて、やはり先ほど冒頭言いましたように、そういうものを周りが注意をして初めて、ああ、乗っている人たちはやっぱりみんな快適な旅を望んでいる、こういうことをしちゃいかぬなという、そういうことを客室乗務員の立場に立って乗っている人たちが考えられるような環境、これが私はセクハラ行為をなくするというふうに思います。
 そういう意味では、心の、後ほどまた触れますけれども、この心の動揺というのが非常に安全ということにかかわってくるというふうに思いますので、この話は深く追及はいたしませんけれども、じゃ、暴言とはどういうことなのかということで非常に省令で盛り込むのは私は難しいと思いますけれども、しかしそのことによって周りが物すごく不愉快な思いをする、これがやっぱり大きな安全を阻害する行為に私は匹敵するというふうに思いますので、是非そこら辺りの意思の疎通、連携、航空会社、物すごくこれは重要なポイントだというふうに思いますので御指摘をさせていただいております。
 しかし、そうなるに至るところでちょっとやっぱり気に掛かるのは、アルコールが入り過ぎるというのがございます。しらふのときはそんなことをするつもりじゃなかったけれども、ついつい周りの雰囲気にのみ込まれていって、エスカレートをして、アルコールのせいでというのが非常に私は多いような気がいたします。しかし一方では、飛行機内でアルコールをどうぞ飲んでくださいというものもございますし、料金を出せば売っていただけるというようなこともございます。
 そういう意味では非常に難しいかも分かりませんけれども、過度の飲酒、摂取、アルコールの摂取、こういうことについて、何かガイドラインを設けるということは難しいかも分かりませんが、私は何らかの検討が必要ではないか、そういうふうに思いますが、考え方はございますでしょうか。
#18
○政府参考人(洞駿君) 御指摘のとおり、機内迷惑行為につきましては、その原因が過度の飲酒にあると思われるケースも多く発生しているところでございます。国土交通省におきましては、過度の飲酒を起因とします機内迷惑行為の防止を図るために昨年の二月に航空会社に出したガイドラインがございます。機内迷惑防止行為に対するガイドラインがございますが、の中におきましても、アルコール提供の自粛についても盛り込んで航空会社を指導しているところでございます。
 具体的には、泥酔者、まず乗る前から酔っ払っている人というのは結構いるわけでございますけれども、泥酔者に対しましては運送約款に基づく搭乗拒否というものができることになっております。そして、乗った後、必要に応じて機内におけるアルコール提供を自粛するほか、更に迷惑行為を行うお客さんに対しては拘束等のペナルティーを警告書によって通告することによってその自制を促すというような方策を講じているところでございます。
 もっとも、現行法の下におきましてはこういった航空会社は搭乗拒否などの対応を行うことしかできませんから、過度の飲酒の防止という点では必ずしも十分なものであるとは考えておりません。
 しかしながら、今回の法改正に伴いまして、これがはっきり罰則等の対象になるということが明確になるわけでございますので、先ほど先生の御指摘のとおり、その旨も含めて乗客に対して周知徹底を図って、更に航空会社への指導を徹底していく所存でございまして、その結果として過度の飲酒の抑止力というものも相当高まるものではないかと期待しているところでございます。
#19
○谷林正昭君 酔っ払っていたのでごめんなさいでは済まさないよという法律だというふうに確認をさせていただきます。
 次に、客室乗務員の方、先ほど、大臣の御親類の方にもフランスまで行って講習を受けてきた、しかもすばらしい接客態度、これはその場だけではなくて、その家族、地域、そういうところでもそのものが体に染み付いて、そして自然にそういう接客あるいは行動が出る、こういうふうなお話もございました。
 そしてまた、これまでの議論の中で、客室乗務員は保安要員だということで、安全を守るあるいは安全を遂行する、そういう立場でこれまで頑張ってこられたというふうに私は思いますし、この法律ができたその後はもっともっとその役割が私は強くなる、責任も重くなる、そういうふうに思っております。
 そこで、これは外国の例にはないそうでありますけれども、私は、今、客室乗務員の方というのはどういうふうに資格を持ってなさっているんですかとお尋ねしたところ、資格はない、しかしその航空会社独自で非常に高度な教育訓練を行われているということでございます。非常に高度な教育訓練、先ほど大臣がお述べになられましたように、人間性、そしていろんな知識、そういうものを持ちながらやっておいでになるということはこれは尊敬をいたします。社会からも尊敬されるお仕事だというふうに私は思います。
 一方、航空従事者というのは、これは国家試験を受けて、操縦士であろうと整備士であろうと、そういう人たちは航空従事者として法律で位置付けされております。そういう意味では、この客室乗務員というのは何らかの形でこの航空従事者に位置付けるというのは非常に難しいかも分かりませんけれども、その客室乗務員という、これから室内の安全をより責任を持ちながら守るという立場を取る場合、この客室乗務員に何らかの資格を持って、更に安全意識を持っていただける、こういう考え、検討の余地はないのか。私は、少しぐらいは、というよりも、今後のことを考えたときは何らかの資格制度が必要ではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#20
○政府参考人(洞駿君) 我が国の航空従事者制度におきましては、航空機の運航に直接従事いたします操縦士や航空機関士とか整備士等を航空従事者として扱ってございまして、こういう航空従事者は、国家資格である航空従事者技能証明というものを有しなければ各資格に応じた航空業務を行うことができないというふうに航空法で整理されているわけでございます。
 このことは、我が国の航空従事者制度というのは国際民間航空条約に準拠して定めているものでございますけれども、この条約におきましても、航空機の運航に直接従事する操縦士とか航空機関士等を航空従事者として扱っておりまして、客室乗務員については航空従事者とはされておりません。
 しかしながら、客室乗務員は、先生御指摘のとおり、乗客に対する安全上の指示とか説明であるとか、シートベルトの着用の要請、あるいは機内持込み手荷物の適切な収納、緊急避難に係る誘導、あるいは火災が発生した場合の消火など、客室安全の確保に係る業務を行う極めて重要な役割を担ってございます。
 このため、こういう客室乗務員がこれらの業務を適切に実施できるよう、客室乗務員の職務とか編成、教育、訓練方法などなどにつきまして各航空会社が運航規程というものに細かく定めて、そして国土交通省の認可を受けるということが航空法上も求められているところでございます。
 こういう状況を踏まえてまた現状を見てみますと、客室乗務員の職務の遂行につきまして、現在において極めて不十分とか、そういった問題点が特に出てきているとは認識してございませんで、そういう意味で、その業務を行うに当たりまして、いわゆる資格といいますかライセンスといいますか、そういった技能証明まで求める必要性は現時点ではそんなに高くないのかなと認識しているところでございます。
 もちろん、広く世界を見ますと、南米とかヨーロッパの一部の国ではそういうライセンス制を取っている国もございますが、アメリカ、それからヨーロッパのイギリスとか、そういうところは日本と同じようにライセンス制までは求めていないというところでございます。
#21
○谷林正昭君 こういう規制改革、規制緩和の時代でありますので、余りそういうがちがちの、ライセンスを取らないと客室乗務員にはさせませんよというのも私はいかがなものかというふうに思いますが、一方、これは航空会社の責任が非常に重くなるというふうに私は思います。そういう意味で、この法案成立の先には、そういう航空会社の新たなそういう教育訓練というものが私は必要になってくる、そういうマニュアルが必要になってくるというふうに指摘をさせていただきます。
 最後になりますが、若干、時間は余りございませんけれども、一点だけ御確認をさせていただきますけれども、鉄道・航空事故調査委員会というのが法案改正で先日できました。できましたというよりも、再編がされました。そういう中にあって、私は、今ほどもありましたように、この法改正、法律が議論されるに当たって、やはり一番大切なことを思い浮かべながら質問をさせていただきます。
 それは、万が一、航空上で安全でない、そういう不安全な状況が発生した、そのときに一番大切なことは、二度とそういうことを起こさないという自覚をそれぞれの立場で持つのが私は大事だというふうに思います。
 そのときに、その事故調査委員会が調査をする、当然当事者からの話を聞く、そうなってまいります。話を聞かれる当事者は、正にこういう、この種の事故は絶対に今後起こしちゃいけない、そう思いながら、ありとあらゆることを、ひょっとしたらこういうことも関係したんではないか、ひょっとしたら今朝、女房とけんかをして出てきたそういう心の動揺があったからではないか、あるいは、ひょっとしたら子供が不登校になってその心配がどこか頭にあったんではないかというような心のひだまでをその事故調査委員会に話をしてこそ私は、事故再発防止というのが私はでき得る、そういうふうに感じます。
 そういうことを考えましたときに、今度は、そこで赤裸々に心を開きながら、事故を二度と起こしたくないという思いを赤裸々に吐露する。それを、それぞれ聞いていた者、あるいはそれを書いていた者、そういう者が、全部とは言いませんけれども、今度は、その責任追及にある裁判、刑事起訴、こういうときにその書類が使われると私は非常に大きな問題がある、そのように思います。
 そういう意味で、この事故調査報告書というものがそういう司法裁判に、あるいは刑事起訴に使われないように、あくまでもこの事故調査委員会というのはそれよりも優位にあるんだという思いを是非私は今この法改正のときに持つべきだというふうに思いますけれども、御見解をお願いしたいと思います。
#22
○国務大臣(扇千景君) 事故調査委員会、これは少なくとも国際の民間航空条約、そういうものの中で、私は、航空、それから鉄道、そういうものの事故調査委員会のこれは設置法に基づいてされていますのは御存じのとおり、今おっしゃいました。
 少なくとも我々は、何のための航空事故あるいはまた鉄道の事故調査委員会があるかという、これは元々、今、最後におっしゃいましたけれども、航空事故あるいは鉄道事故の事故防止のためにあるわけでございまして、最後におっしゃいましたような事件にこれを利用されるなんということは私たちにとっては目的が全然違うわけでございますから、それを私たちは間違えないで、少なくとも私は、大きな事故調の調査が終わったときには我々の手元に調査委員会から報告書が参ります。
 けれども、その報告書によっては、一番大事なことは、事故の調査の経緯、なぜ事故が起こったのか、これが第一でございます。二つ目には、これは認定した事実、これは事故であると認定した事実はどうなのかと、これが二つ目に大事なことでございます。そして三つ目には、少なくとも事故を、これが事故であると認定した理由はどこにあるのかというのが三つ目でございまして、そして最後の四つ目には、これが、原因がこれですと認定すると。
 この四つの事例をもって我々に報告書が届けられるわけでございますけれども、それはもう冒頭におっしゃいましたように、二度と事故を起こさないための報告書でありまして、その報告書の中に、今おっしゃった心のひだまで、あるいは事故を起こした人間の心の中まで書き得るかどうかは、これは別途、別の問題ではございますけれども。
 もっとも、私たちは国土交通省として、司法当局がそれを、今おっしゃった一般にこれを公表することになっていますから、事故調の報告というのは。その公表されたものをあるいはどのように司法当局が取り扱われるかということは我々の関知するところでは当然ございません。我々は、事故調というもののあるべき姿というのは、重ねて申し上げれば、事故の原因究明と二度と事故を起こさないというための事故調であるということを、我々はそのように認識をしておりますし、後の、一般にこれを公表して再発を防ぐという目的のための事故調でございますので、その辺は我々も一線を画しておりますので、御認識賜りたいと思います。
#23
○谷林正昭君 時間が来ていますが、事務局長に来ていただいておりますので、補足することがありましたらお願いいたします。
#24
○政府参考人(中村達朗君) お答え申し上げます。
 先ほど大臣が御答弁を申し上げたとおりでございますが、調査報告書というものにまとめます際に、先ほど先生から御指摘のような様々なお話というものを伺っております。そういうものにつきまして、私どもは、ICAO条約の中で附属書というのがございまして、その附属書の中で、そういういろんなものを、いただいたものにつきまして最終の報告書に含めますのは事故に関係のあったものでなければならないと、そういうものの解析に関係ある部分というのは、それ以外のものは開示してはならないというふうに規定をされておりまして、そこのところを私どもはしっかりと守って報告書を作っているということを申し上げたいと思います。
#25
○谷林正昭君 終わります。ありがとうございました。
#26
○大沢辰美君 日本共産党の大沢辰美でございます。
 私は、航空法の一部改正案、とりわけ機内安全阻害行為についてお聞きしたいと思います。今も谷林委員の方から質問があったわけですが、同じような内容もありますけれども、角度を変えてお尋ねをしたいと思います。
 今回の改正案は、航空機内での安全運航を妨げる行為の禁止、処罰規定を設けるものですから、私は法改正は今回の場合は大事だと思っていますし、この法が改正されて実効あるものにするために幾つかの質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、機内安全阻害行為とアルコールの問題についてお伺いしたいと思います。
 機内安全阻害行為の問題を考える場合に、上空の閉ざされた環境の中で安全をどう確保するのか。特に、携帯電話や電子機器の問題、大きな手荷物の持込みの問題、また暴言や暴行、トイレ内での喫煙、今も報告ありましたけれども、客室乗務員に対するセクシュアルハラスメント行為などのトラブルは過度の飲酒が絡んでいることが非常に多いと、そういうふうに報告をされてこの法律を作ってきたという経緯があるようでございます。
 国土交通省の資料でもその実態が報告されているわけですけれども、機内安全阻害行為の発生状況と飲酒の関係と申しますか、その点について簡単に説明をいただけますか。
#27
○政府参考人(洞駿君) 定期航空協会が調べてございますけれども、飲酒によって機内安全阻害行為を行った件数は、一九九八年から二〇〇〇年までの三年間を見てみますと、三十九件、九十六件、百十九件と増加いたしました一方で、二〇〇一年以降はこれが百件、二〇〇二年が六十九件と、減少してきているという報告を受けてございます。
 このような過度の飲酒を起因とした機内迷惑行為の防止を図るために、先ほど申しましたとおり、昨年の二月にガイドラインというものを航空会社に発出しまして、過度の飲酒を防止するよう対策を講じているところでございます。具体的には、泥酔者に対して、先ほど申しましたように、運送約款に基づいて搭乗拒否を行い、必要に応じて機内におけるアルコール提供を自粛するほか、さらに警告書等を発して機内迷惑行為の未然防止を図るための対策を講じているところでございます。
#28
○大沢辰美君 そこで、国土交通省が昨年二月に出されています機内迷惑行為の防止に関する行動指針ですね、ガイドラインですが、その中に、今もちょっと説明がありましたけれども、機内の迷惑行為にはアルコールに起因して発生する傾向があるため、必要に応じて機内におけるアルコール提供の自粛が明記されていますが、その内容を説明してくださいますか。
#29
○政府参考人(洞駿君) 航空会社の社内規程におきまして、客室乗務員は、泥酔者、それから機長等において飲酒をさせることが不適切と判断した者に対しては飛行中に飲酒をさせてはならない旨定めているところでございます。機長等において飲酒をさせることが不適切と判断される者というのは、例えば未成年者と思われる者、それから酒類を摂取した人が状況の変化によって泥酔状態に陥りそうだと客室乗務員が判断した者ということでございます。
 こういった考え方に基づきまして、過度に飲酒していると見受けられるお客さんに対しては客室乗務員がアルコールサービスを中止する取扱いがなされていると聞いております。
#30
○大沢辰美君 国土交通省の認識なんですが、この行動指針によって機内でのアルコールの自粛ということが提起されているわけですけれども、実際に実態はどうなっているかということなんですね。現場の人たちの私は話をお聞きしたんですけれども、客室乗務員の皆さんも含めてですが、その内容は、何と自粛どころか、会社は国内線ではどんどん売ってくれというような実態があるそうです。無料で提供するものは自粛するけれども、販売するものは自粛しない。
 私は、そういうことがなぜ起こるのか。行動指針が出してあるけれども、運用状況は国土交通省としてどのように把握して認識をされているかという点、おつかみになっていらっしゃいますか。
#31
○政府参考人(洞駿君) 国内線の一部の路線におきましては航空機内でのアルコール販売が行われていることは承知してございます。国内線でも、一般席のお客さんについては、五百円でおつまみ付きの三百五十ミリリットルのビールが売られております。スーパーシートのお客様は──ビール又は赤ワインでございます。スーパーシートについては無償で提供されているということを聞いております。
 それで、先ほどの、昨年の二月に航空会社に対して通達いたしました機内迷惑行為防止に関するガイドラインにおきましては、必要に応じてアルコール提供を自粛するよう航空会社を指導しているところでございまして、これは無償であろうが有償の販売であろうが、やはりそういう酩酊状態に陥りそうな可能性のあるお客さん、あるいは非常に機内安全阻害行為を起こしたお客様に対しては、有償であろうが無償であろうが、販売を行わない、あるいは無償の提供を行わないというようなことがなされていると思っていますし、いろいろな苦情等を見ましても、やはりそういった態度で臨んでいると。ただ、どちらのお客さんがそういう行為をより起こしやすいかという統計がどうもはっきりしませんから何とも言えませんけれども、いずれにせよ、そういう可能性のあるお客さんにはアルコールの提供を拒否するということで臨んでいると聞いております。
#32
○大沢辰美君 私、今こういう法律を作って、官民挙げて、航空機の安全阻害行為の原因になるようなものは取り除こう、罰則を付けてでもちゃんとやろうという状況にまで到達したわけですが、私、こういう今の説明では、実態ではこの問題は解決しないのではないかなという危惧を持っています。
 私は、会社がやる気になればできるんだという一つの例で、昨年のワールドカップの期間、約一か月間ですけれども、文字どおり販売を自粛した、販売しなかったんですよね。このことについては国土交通省も事実は知っていますよね。
#33
○政府参考人(洞駿君) 承知してございます。
#34
○大沢辰美君 それは、目的はフーリガンという対策をちゃんとやろうという、サッカーを成功させようという官民挙げての運動の一つだったと思うんですね。ですから私は、この問題、真剣に取り組むのであれば実施ができる、可能だということを思っています。会社も効果があるということを知っていると思うんですね。
 ですから、航空機という閉鎖された空間で安全を守る点からも、私は、国土交通省として、今、自粛という表現が、スーパーシートでは無料で提供する、一般では五百円で販売を、どんどんという表現を使わせていただいたんですが、販売してくれと、そういう形ではこれは解決ができないのではないかと。ですから、その自粛という言葉と、そして国土交通省が、この法律ができてしっかりとやれる体制、また方針、確立していただきたいと思いますが、その点はいかがですか。
#35
○政府参考人(洞駿君) 機内でのアルコールの販売というのは航空会社が機内サービスの一環として行っているものでございまして、他の交通機関とのサービスとの比較とか、そういったものを加味しながら、それこそ快適な空の旅というもののサービス業務の一環としてアルコールを売るかどうかというのは会社の判断でやられているものでございます。
 そういうことで、明らかに、ワールドカップ期間中のフーリガン対策として、明らかにこれを売るということが、その影響が、可能性が高いという場合には、会社の判断として適宜ここのところを、販売をやめたり、そういったことができると思っています。
 ただ、問題はやっぱり酒を飲んだからといってすべてのお客さんがトラになるわけではないわけでございますので、やはり今回の法律の趣旨というものをしっかり、先ほど大臣の答弁のございましたとおり、国民の皆さん方に周知徹底を図るということが重要であろうと思います。自分がトラになりそうなお客さんは、やはりそこのところは注意をして飲み過ぎないようにするとか、そういったことは気を付けると思いますし、ということが重要ではないかと思っています。
#36
○大沢辰美君 今、航空機内という特殊性の中で、そういう環境の中で安全阻害行為を禁止しようと、そういう処罰を含めての、罰則を含めての法改正を今やろうとしているわけですから、航空会社がサービスなどでやっているところもあるとか、そういう形で自粛という言葉がもう本当に拡大されて、このまま法改正しても続けるならば、私は、航空会社そのものが、自らが安全阻害行為をやっているのではないかなと言わざるを得ないんですよね。
 ですから、私は、この法改正、今まではお願いで、いろんな阻害行為をやらないでくれということでお願いしてきたんだけれども、今度は罰則ということが加わるわけですから、私は一定前進だと思っているんです。
 そこで、お客さんの立場に立てば、機内でアルコールを販売をしておきながら罰則を受けることになるわけですから、私は販売した航空会社にも問題があるのではないかという思いをしてなりません。
 特に、一般の人はこういうことを認識しているかどうかはあれなんですが、私は、飛行機に乗った場合、やはり上空の気圧の変化によって、ふだん缶ビール一本飲んでいた人が、酔いの回るのが、率が高いという、科学的な根拠を今ここで示せといったらできないんですけれども、そういうのが一定予測されるというんですか、私の感じなんですけれども。
 ですから、そういう状態のものを、国内線で短時間で酔うことはないとはいいますけれども、やはりそれが一つの原因になって今日のいろんなトラブルが発生しているという考えの下で作ろうとしているこの法案ですから、私は、せめてアルコールの販売、販売の方です、これは国土交通省としても、私は、各航空会社の、民間の航空協会ですか、あるわけですから、そこで話合いをして、この問題の解決に向けて検討していただきたいと思いますが、いかがですか。
#37
○政府参考人(洞駿君) 御趣旨はよく理解できるところでございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、なかなか、機内サービスの一環として快適で安全な、快適で安全で空の旅というもののサービスの一環としてアルコール販売をやっているわけでございまして、飲んで直ちにそういうふうなことになるという蓋然性が極めて高いというのならともかくでございますけれども、極めて個人的な問題であろうかと思っておりまして、そういう意味で、そこまで、機内でのアルコール販売を中止することまで求めるというところまで求めるというのはなかなか難しい問題であるなと考えているところでございます。
 今回の法改正によりまして、飲酒によって、酒を飲んだ上で機内安全阻害行為を行って、そして当該行為を繰り返す者に対しては五十万円以下の罰金を科すということにしたわけでございますから、先ほど申しましたような、このような法改正の内容、趣旨というものを様々な機会をとらえて広く周知、国民の皆様に周知徹底をして、乗客の協力を求めることによって、このような飲酒を起因とした機内安全阻害行為の抑止を徹底することにしていきたいと考えております。
#38
○大沢辰美君 局長の意図することはよく分かりました。でも、せっかくこういう法律を作って、これを効果的に使うためにどうするかという点では、これからの検討内容がたくさんあるのではないかという一例として、私、航空会社の、ある航空会社のですが、機内迷惑行為対処のマニュアルというのを読ませていただいて、そこに、飛行中に迷惑行為が発生した、客室乗務員による口頭での注意があった、そして鎮静化されたと、そのときには特にアルコールの提供には注意を要するというように書いてあるんですよね。皆さんが出された行動指針にも自粛をするということで書いてあるわけです。
 これだけでは解決しないなというのを私は思いましたので、この法案ができる機会にもう一度航空会社ときちっと話合いをしていただいて、そして、それこそ安全で快適で、サービスはもちろんしないといけないでしょうけれども、そのサービスの、過度の飲酒ということになっているわけですが、そういう点については、このマニュアルも含めて、行動指針も含めて再検討していただきたいということを要請したいと思いますが、いかがでしょうか。
#39
○政府参考人(洞駿君) 先生の御指摘につきまして、関係者と更に今後議論を詰めていきたいと思っています。
#40
○大沢辰美君 そこで、もう一点、先ほども質問がありましたけれども、私は客室乗務員に対するやはり機内迷惑行為の中でセクシュアルハラスメントの問題についてお聞きしたいと思います。
 本当に客室乗務員の皆さんは誇りを持って働いているわけです。ですから、これは、私は、幾らサービスを求められる客室乗務員であったとしても、やはり人権にかかわる問題としてこれを根絶する社会的要請は非常に大きいと思いますので、その点についてお尋ねしたいと思います。
 まず、基本的な点を確認しておきますが、先ほども質問がありました省令の例示の中に、七つほど出すと言っていますけれども、乗務員に対して著しく粗野又は乱暴な言動をする行為、客室乗務員に対して性的言動を行い就業環境が害される行為という項目があるわけで、いわゆるこれはセクシュアルハラスメント行為は含まれていると考えているのでしょうか。
#41
○政府参考人(洞駿君) 先生のおっしゃるとおりでございまして、客室乗務員に対するセクハラ行為につきましては、再三の注意にもかかわらず、客室乗務員の体に触れるなどの行為を執拗に繰り返すことによって客室乗務員の保安要員としての職務を執行できなくさせるような行為につきましては、航空機に乗り組んでその職務を行う者の職務の執行を妨げる行為、はっきり含まれると解しております。
#42
○大沢辰美君 そこで、航空機内という職場、特殊な職場ですね、そこでのセクシュアルハラスメント根絶の取組についてですけれども、厚生労働省、今日来ていただいていると思うんですが、男女雇用機会均等法に基づいて、事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上配慮すべき事項についての指針を出していますね。これは事業主の役割や責任を明記したものですが、その内容を簡単に説明していただけませんか。
#43
○政府参考人(岩田喜美枝君) 男女雇用機会均等法の中では職場におけるセクシュアルハラスメントを防止するために事業主に対しまして雇用管理上の配慮をすることを義務付けております。職場におけるセクシュアルハラスメントの行為者でございますが、事業主自ら、あるいは上司、同僚はもとよりでございますが、取引先ですとか顧客による行為も含まれるというふうに取り扱っております。
 この男女雇用機会均等法に基づきまして、セクシュアルハラスメントについての指針を策定しているわけでございますが、この指針の中で事業主に具体的に三つのことを義務付けております。第一は、セクシュアルハラスメントに関するその企業の方針を明確にすること、そしてその内容を労働者に周知啓発することということをお願いしております。二番目には、相談や苦情処理の窓口を明らかにするなど、相談、苦情への社内の対応といいましょうか、体制を作っていただくということ。そして三つ目には、もしそういった事案が生じた場合についてですけれども、事後の処理について迅速に、そして的確にやっていただくということ。この三つの点について事業主に配慮することを義務付けているところでございます。
#44
○大沢辰美君 この法律の今説明一部していただいた精神からいえば、たとえお客さんであっても、セクシュアルハラスメント行為をした場合はきちんとした対処で事業主である会社に求められるのは当然のことですね。そういうことですね、はい、確認をさせていただきます。
 ところが、客室乗務員の皆さんのケースの場合、そういうふうに法律にうたわれ、そういう指針も出されているんだけれども、実際の場所では、訴えますと、あなたの努力が足りないのではないですかとか、うまく対処するのがプロだと、そういうふうな、会社の管理職に言われて泣き寝入りしているのが、事例がたくさんあるわけですね。
 私は、先日、航空安全会議の皆さんからアンケートを取られたのを見せていただいて、本当に驚くべき内容が含まれています。一言ずっと、客室乗務員の皆さんが書かれている内容の六十件ぐらいの言葉がずっとあるんですが、ここで表現するのはもう本当に恥ずかしいですのでやらないでおこうと思いますけれども、そういう実態がある中で、こういう個々の問題がお客さんであっても私は事業主が責任を持って対応しないといけないことが今うたわれているわけですが、厚生労働省にお伺いしますが、機会均等法に基づいて、このような行為は客室乗務員は個人的な努力で本当に解決しなければならないような状態に今置かれているんですが、そうではないということをもう一度確認をさせていただきたいと思うんですが。
#45
○政府参考人(岩田喜美枝君) 先ほどもお答えさせていただきましたように、男女雇用機会均等法あるいはそれに基づく指針で、こういった客室乗務員がお客様から受けるセクシュアルハラスメントの問題については、均等法あるいは同指針に基づいて事業主が防止のための配慮を義務付けられておりますので、事業主の責任でやっていただくということでございます。こういったことが起こらないような防止措置、そしてもし起こった場合の社内の相談体制、あるいはその的確な処理、先ほど申し上げました三つの点について事業主に義務を課しているところでございます。
 もし社内的な解決が難しければ、労働省の地方機関といたしまして各都道府県に労働局、その中に雇用均等室という組織がございますので、そこに御相談いただくことができます。
 もし男女雇用機会均等法や指針に基づく配慮の義務を事業主が講じていないということでございましたら、法律に基づく事業主に対する指導などもやらせていただいているところでございます。
#46
○大沢辰美君 そこはもうはっきり厚生労働省としては方針を出されているわけですが。
 そこで、国土交通省にお聞きしますけれども、今度の法改正では、何回も申しますが、安全阻害行為ということでこのセクシュアルハラスメントも処罰されることになるわけですが、しかし会社がその方針を明確にし、その周知啓発に努めるということが担保されないと、結局お客様第一ということで、今までのような状況で表面化せずにそのまま客室乗務員の皆さんが泣き寝入りをしないといけないという状態に置かれるということが私は非常に、私も危惧していますし、客室乗務員の皆さんも非常に心配をしています。
 このことによってどう変わっていくのかということを、希望もあり、この法によって職場が良くなるということも、併せて安全な運航ができるということになるわけですから、そういうことがあっては、なる前に、この法改を受けて、私は会社もこのような安全阻害行為を根絶するという毅然とした対応ですか、それを指導していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#47
○政府参考人(洞駿君) 先生の御指摘、ごもっともでございます。私も会社のマニュアルを見ましたが、先ほどのセクシュアルハラスメントのような行為があったときには、「こころ」のドラマに出てきたああいう対応にはなっていないはずなんです。毅然とした態度で、周りの人に聞こえるような声で、大きな声でおやめくださいと制止するというのがその行動マニュアルには書いてあるんです。それを一回でもやめなかったら、二回目は上司に言って、上司からまたやってもらう、何回もやったら警告書を出すとか、そういう手順がなっているわけでございます。
 今回、このセクシュアルハラスメントも含めましてマニュアルというものを整備するということを考えてございまして、そのマニュアルの整備におきましては、法の適用にあって恣意的な運用がなされないように、客観的な明確な基準とかあるいは行動指針といったものも含めまして関係者と十分議論をして、その防止というか、その適用に万全を期していきたいと考えております。
#48
○大沢辰美君 それに期待を込めて要請したいと思いますけれども、関係者の中には、労働組合のそういう人たちの意見も十分に聴くと、客室乗務員の皆さんの意見もちゃんと聴いて、そしてアンケートも取っておりますので、それも参考にするという立場で対応をしていただきたいということを要請しておきたいと思います。
 最後に、もう一点だけお伺いいたします。
 これは全くまた別の問題なんですが、阻害行為の中で機内に持ち込まれる手荷物の問題なんですけれども、私はこれはいつもどうなっているのかなという思いをしているんですけれども、非常に安全運航上重要な問題だと思うんですが、収容できずに、また固定されていない手荷物によってけがをしたという事例が報告されているわけですが、結局これはきちっとした基準はあるんだけれどもそれが守られていないという状況の中で発生しているんだと思いますけれども、航空会社によっては荷物の縦横が五センチが違ったり十五センチの基準が違ったりするわけですが、ですから、それを一概に統一すべきだと私は決めてしまうということはどうかと思いますけれども、やはり安全面からすれば、それの方が乗客にすれば分かりやすいなという点は感じるんですね。
 これをチェックすることができる機会というのは飛行機に乗るときは三回あるわけですが、一回目はチェックインのときですし、そして二回目は金属探知機で危険物を検査するときで、三回目は搭乗するときですが、途中でそれを受けても、その荷物を預けるというのは大変時間的に困難ですから、やはり一番最初の、最初のチェックインのときが一番適切じゃないかなと。
 私は、以前は何かこういう枠があって、そこに荷物が通ればそれを持っていけたというふうに記憶しているんですが、最近ないところが圧倒的に多いと思うんですね。
 そういう点も含めて、やはりがんじがらめという意味じゃなくて、安全な航空運航するためと、そして客室乗務員の皆さんが機内に持ち込んだ荷物が安全に確保できるような状況を作るためにも今回の法律がこういう形で改正されたわけですから、私は、明確な対応を、国土交通省としても定期航空協会とよく話し合って、この問題をお客さんに納得してもらえるような広報活動をやっていただけるような体制を作る必要があるのではないかという提案をさせていただいて質問を終わりたいと思いますが、一言、その点について。
#49
○政府参考人(洞駿君) 先生御指摘のとおり、航空機内の収納スペースというのは非常に限られておりますので、収納し切れないほどの手荷物が持ち込まれて通路等に放置される事態が発生すれば機内安全に問題が生じると。航空機の利用者におきましても、機内持込み手荷物には大きさ、数等に制限があること、あるいは機内安全確保のために機内では手荷物を適切に収納することが必要であることをよく理解してもらう必要があるというのはもう当然でございまして、そういう観点から、持込み可能な手荷物の基準の周知を図っていくよう航空会社を更に指導してまいりたいと考えております。
 先生御指摘のとおり、今でもチェックインカウンターや一部の保安検査場前に実物大模型とか枠が置かれて、こういうものでないと駄目ですよというのがされていますけれども、必ずしも全部が全部置いてあるわけではございませんし、自動チェックイン機の横には時々置いてないのもございますから、そういう意味で周知徹底をしっかり図っていきたいと思っております。
 それから、機内に仮に持ち込まれても、機内において持込み手荷物を座席の上の収納箱に収納しない、あるいは座席の下のスペースに収納しないといった行為については、今回の法改正によってまさしく機内安全阻害行為として国土交通省で定めることを予定してございますので、手荷物が通路等に、仮に持ち込まれても通路に放置されるというような状態は少なくとも減少してくるんじゃないかと期待しているところでございます。
#50
○大沢辰美君 以上です。
    ─────────────
#51
○委員長(藤井俊男君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、吉田博美君が委員を辞任され、その補欠として後藤博子君が選任されました。
    ─────────────
#52
○委員長(藤井俊男君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより両案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#53
○富樫練三君 私は、日本共産党を代表して、成田国際空港株式会社法案に反対の討論を行います。
 反対の第一の理由は、成田空港の民間会社化は、公共性の高い日本の空の玄関口、その管理運営についての国の責任を放棄することにつながるからであります。
 そもそも成田空港は、空港整備法上の第一種空港として、本来ならば国土交通大臣が設置、管理する空港であります。しかし、これに代わるものとして、新東京国際空港公団法に基づいて公団が設置、管理してきたものであります。国際拠点空港として公共性が極めて高いからこそ、広大な用地の買収や造成など莫大な初期投資に対し、国からの出資や財投資金が投入されてきたものであります。すなわち、成田空港は国民の財産であり、国が莫大な負担をしたからこそ経営も黒字になっているわけであります。
 この成田空港を民間に売却し、その収益を空港整備特別会計に繰り入れて、その後、関空第二期工事や中部国際空港などの資金にも充当される仕組みになっています。これは、国民の財産を売り飛ばして、その収益で無駄な公共事業を進めることにつながる、そういうものであります。したがって、認められないものであります。大体、このやり方は、無駄を省いて効率化を進めるという、政府の言う特殊法人改革の方向にさえ逆行するものであります。
 反対の第二の理由は、周辺住民に対する環境対策や生活基盤事業などが後退する危険性が極めて高いからであります。
 成田空港は、その設立当初から、周辺住民を始め関係自治体に対して、例えばアルミサッシの二重窓などを始めとする騒音対策とか、あるいは静かな場所への住宅の移転を始めとする生活基盤事業などを実施してまいりました。また、空港によって分断される住民の暮らしを維持するための鉄道の建設や、あるいはその維持管理のための費用負担などを行っています。しかし、利潤最優先の民間会社となった場合に、収益には結び付かないこれらの事業が切り捨てられるのではないかとの不安が地元に渦巻いています。
 暫定滑走路の供用開始によって新たな騒音対策なども必要になっています。ところが、県の報告によれば、騒音の測定箇所六十四か所のうち、約三分の二の六六%、四十二か所は環境基準をオーバーしています。この重大な騒音問題について、民営化に関する国、公団、県、市町村の四者協議の覚書にさえ環境基準のクリアがうたわれていません。本委員会の審議でも、環境基準をクリアするとの政府からの明確な答弁はありませんでした。すなわち、成田空港の民間会社化は、現在でも不十分な環境対策を一層後退させる危険性が十分あるということであります。これでは周辺住民の不安が広がるのは当然であります。
 政府の十分な環境対策を強く要求して、反対討論といたします。
 以上であります。
#54
○委員長(藤井俊男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、成田国際空港株式会社法案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#55
○委員長(藤井俊男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、航空法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#56
○委員長(藤井俊男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、山下君から発言を求められておりますので、これを許します。山下八洲夫君。
#57
○山下八洲夫君 私は、ただいま可決されました航空法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    航空法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、機内安全阻害行為等の実態把握を引き続き行い、公表する等の措置を講じるとともに、航空法及び同法施行規則を、社会情勢の変化に応じて適切に見直しを行うよう努めること。その際、航空機内のすべての場所においての喫煙及び他の旅客へのセクシャル・ハラスメント等の航空機内の秩序を著しく乱す行為に対する罰則の適用を含めて検討を加えること。
 二、機内安全阻害行為等に関する規制強化の趣旨及びその内容について、広く国民・旅客に周知徹底を図り、啓発に努めること。
 三、法改正の実効性を確保するとともに、旅客間、航空機間、航空会社間で異なる扱いが生ずることがないよう、運用基準等の作成及び訓練の実施等の必要な措置を講じること。
 四、円滑で快適な旅行が行えるよう、多様化する旅客ニーズの把握に努めるとともに、機内設備の使用方法の案内等旅客利便の向上・増進が図られるようにすること。
 五、航空機の安全運航の確保のため、危険物の持込みの事前チェックの徹底等航空保安対策の充実強化を図るとともに、旅客が持ち込む電子機器による航空機への影響について調査研究を進め、適切な対応方策の検討を行うこと。
 六、航空運送事業者の持株会社の経営・財務状況の健全性を確保し、航空の安全と公共性の維持が図られるよう、持株会社に対する適切な指導監督に努めること。
 七、飛行計画に係る事前通報義務の緩和については、通報義務を負っている者に対して適切な指導を行うよう努めるとともに、ヘリコプターの計器飛行方式による運航の拡大に向けた環境整備を図ること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
#58
○委員長(藤井俊男君) ただいま山下君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#59
○委員長(藤井俊男君) 全会一致と認めます。よって、山下君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、扇国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。扇国土交通大臣。
#60
○国務大臣(扇千景君) 航空法の一部を改正する法律案につきまして、ただいま本委員会におかれましては熱心な御討議をいただきまして全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げたいと存じます。
 ただいま、また、この附帯決議におきまして提起されました機内安全阻害行為等の実態把握、社会情勢の変化に応じた法令の適切な見直し、国民、旅客への周知の徹底等につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 皆様方に、委員長を始め各委員の、改めて、御指導、御協力に心から御礼申し上げて、ごあいさつに代えさせていただきます。
 ありがとうございました。
#61
○委員長(藤井俊男君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○委員長(藤井俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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