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2003/03/26 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 経済産業委員会 第5号
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2003/03/26 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 経済産業委員会 第5号

#1
第156回国会 経済産業委員会 第5号
平成十五年三月二十六日(水曜日)
   午前九時五十分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         田浦  直君
    理 事
                魚住 汎英君
                加納 時男君
                松田 岩夫君
                木俣 佳丈君
                平田 健二君
    委 員
                小林  温君
                近藤  剛君
                関谷 勝嗣君
                福島啓史郎君
                保坂 三蔵君
                直嶋 正行君
                藤原 正司君
                簗瀬  進君
                若林 秀樹君
                松 あきら君
                緒方 靖夫君
                西山登紀子君
                広野ただし君
   国務大臣
       経済産業大臣   平沼 赳夫君
   副大臣
       外務副大臣    矢野 哲朗君
       経済産業副大臣  高市 早苗君
       経済産業副大臣  西川太一郎君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       桜田 義孝君
   政府特別補佐人
       公正取引委員会
       委員長      竹島 一彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩入 武三君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      永松 荘一君
       原子力安全委員
       会事務局長    小中 元秀君
       文部科学大臣官
       房審議官     丸山 剛司君
       文部科学大臣官
       房審議官     素川 富司君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       スポーツ・青少
       年総括官     高杉 重夫君
       厚生労働大臣官
       房審議官     恒川 謙司君
       経済産業省製造
       産業局長     今井 康夫君
       資源エネルギー
       庁長官      岡本  巖君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院長     佐々木宜彦君
       中小企業庁長官  杉山 秀二君
       国土交通大臣官
       房審議官     小神 正志君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成十五年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十五年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十五年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (内閣府所管(公正取引委員会)、経済産業省
 所管、中小企業金融公庫及び中小企業総合事業
 団信用保険部門)
○参考人の出席要求に関する件



    ─────────────
#2
○委員長(田浦直君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十五年度一般会計予算外二案の委嘱審査のため、本日の委員会に内閣府大臣官房審議官永松荘一君、原子力安全委員会事務局長小中元秀君、文部科学大臣官房審議官丸山剛司君、文部科学大臣官房審議官素川富司君、文部科学省スポーツ・青少年局スポーツ・青少年総括官高杉重夫君、厚生労働大臣官房審議官恒川謙司君、経済産業省製造産業局長今井康夫君、資源エネルギー庁長官岡本巖君、資源エネルギー庁原子力安全・保安院長佐々木宜彦君、中小企業庁長官杉山秀二君及び国土交通大臣官房審議官小神正志君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(田浦直君) 去る三月二十日、予算委員会から、本日の一日間、平成十五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち公正取引委員会、経済産業省所管、中小企業金融公庫及び中小企業総合事業団信用保険部門についての審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 平沼経済産業大臣から説明を求めます。平沼経済産業大臣。
#5
○国務大臣(平沼赳夫君) おはようございます。
 平成十五年度の経済産業省関係予算案等について御説明申し上げます。
 我が国経済は、失業率が過去最高水準となり、消費者物価も三年連続下落し、継続的なデフレ状態にあるなど、大変厳しい状況にあります。また、先行きについても、不良債権処理の影響などの国内情勢に加え、イラク攻撃が長期化する場合には、今後、我が国金融及び経済に対して様々な影響が出ることも予想され、予断を許しません。このような状況に対処し、一日も早く民需主導の自律的な経済成長を実現するためには、昨年六月に決定された経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇二に沿った構造改革への取組を更に強力に推進する必要があります。また、平成十四年度の補正予算の円滑な執行に努めるとともに、現在御審議いただいております平成十五年度予算案に盛り込まれた諸施策を積極的に推進してまいりたいと考えております。
 経済産業省といたしましては、平成十五年度において、以下の六つの重点施策を中心に、全力を挙げてその遂行に取り組む所存であります。なお、具体的な予算額につきましては、一部重複して計上している部分があることをあらかじめ申し添えます。
 平成十五年度の重点施策の第一の柱は、技術革新の促進による経済活性化であります。日本経済の発展のかぎを握る知の創造と活用を強力に推進するため、科学技術振興予算として総額で一千三百六億円を計上しております。
 特に、情報家電・ブロードバンド・IT分野、健康・バイオテクノロジー分野、環境・エネルギー分野、ナノテクノロジー・材料分野の重点四分野においては、実用化、市場化に直結する戦略技術の研究開発を産学官の連携により集中的に推進してまいります。
 また、大学などの知的資源を活用し、研究成果の事業化を促進する大学発ベンチャー一千社計画を更に推し進めるとともに、地域経済の再生を図るため、産業クラスター計画として、地域経済を支え、世界に通用する新事業が次々と展開される産業集積の形成に取り組んでまいります。
 さらには、製造技術、加工組立て技術の競争力強化、知的財産の適切な保護と活用の促進など、次世代産業競争力基盤の強化に向け、所要の予算を計上しております。
 第二の柱は、新たなビジネスフロンティアの開拓であります。
 挑戦者支援型の社会の実現に向けて、技術開発への支援、起業家人材の育成、人材と企業との的確な結び付けなど、起業、創業への取組を幅広く支援してまいります。
 また、東アジアにおける自由ビジネス圏の形成を推進するとともに、内外の人材、企業の機能を我が国に引き付けるため、対内直接投資促進など、貿易・投資の環境整備に所要の予算を計上しております。
 第三の柱は、活力ある中小企業の育成と地域の活性化であります。
 厳しい経済環境の中、中小企業の金融セーフティーネット対策や再生支援を推進するとともに、技術革新基盤の形成、人材の確保、販路開拓などにより、中小企業の新事業展開などを支援してまいります。また、中心市街地の活性化などを通じて、地域経済の活性化を引き続き促進いたします。中小企業対策予算としては、総額で一千二百九十五億円を計上しております。
 第四の柱は、ITを活用した経済社会の再生であります。
 ITの活用により経済社会の再生を図るため、電子政府・公的分野の情報化や企業の戦略的IT化を促進するとともに、情報セキュリティー、ルールなどの基盤整備、IT人材の育成、IT産業の競争力強化などに対して、総額で百十九億円を計上しております。
 第五の柱は、環境・リサイクル施策の推進であります。
 京都議定書の目標達成に向けて地球温暖化対策を推進するとともに、循環型経済社会の構築を目指して、リサイクル対策を推進してまいります。
 また、二〇〇五年に開催が予定されている愛・地球博の開催準備を着実に実施してまいります。総額で二百四十二億円を計上しております。
 第六の柱は、エネルギー対策の推進であります。
 京都議定書の締結などを踏まえ、エネルギー起源二酸化炭素排出抑制対策を環境省とも連携しつつ強力に推進するとともに、環境負荷の小さい天然ガスへの燃料転換支援など天然ガス利用の加速化を進め、さらに、新エネ・省エネ対策の更なる充実を図ってまいります。
 また、石油・液化石油ガス国家備蓄の推進などに努めるとともに、アジア諸国と連携したエネルギー安定供給対策を進めるなど、安定供給対策を着実に実施してまいります。
 さらに、原子力等長期固定電源に係る歳出への重点化を図ってまいります。
 以上、御説明をいたしました政策を中心に平成十五年度の経済産業政策を実施していくため、一般会計では総額八千八百九十二億円を計上しております。また、特別会計につきましては、石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計に総額六千二百三十億円、電源開発促進対策特別会計に総額四千八百五十五億円、特許特別会計に一千百五十六億円、貿易再保険特別会計に一千四百七十二億円を計上しているところであります。
 さらに、財政投融資計画案につきましても、構造改革を断行するために、所要の措置を講じております。
 なお、経済産業省の平成十五年度の予算案及び財政投融資計画案の詳細につきましては、お手元に資料をお配りしてありますので、委員各位のお許しをいただき、説明を省略させていただきたいと存じます。
 何とぞよろしく御審議のほどをお願いを申し上げます。
 以上であります。
#6
○委員長(田浦直君) ありがとうございました。
 次に、竹島公正取引委員会委員長から説明を求めます。竹島公正取引委員会委員長。
#7
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 平成十五年度における公正取引委員会関係予算につきまして、その概略を御説明申し上げます。
 内閣府所管一般会計歳出予算のうち、公正取引委員会の予算額は、七十八億五千三百万円となっております。これは前年度予算額に比べますと、総額で一億六千七百万円、二・二%の増額となっております。うち、人件費は六千五百万円の増となっておりますが、この中には、違反事件の処理を担当する部門を中心とした四十名の増員のための経費等が含まれております。また、物件費は一億二百万円の増となっております。
 以下、その内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、いわゆる独占禁止法の施行経費等として七十六億九千七百万円を計上しております。
 これは、違反事件の審査のための経費、経済実態や流通実態の調査及び対策を講ずるための経費など、独占禁止法を厳正に運用し、法運用の透明性を確保するとともに、規制改革の推進及び規制改革後の市場の公正な競争秩序の確保を図ることにより、競争政策を積極的に展開するための経費であります。
 第二に、下請代金支払遅延等防止法、いわゆる下請法の施行経費として七千三百万円を計上しております。
 これは、下請法の厳正な運用と啓発・普及活動を積極的に行い、下請取引の適正化を推進するための経費であります。
 第三に、不当景品類及び不当表示防止法の施行経費として八千三百万円を計上しております。
 これは、景品表示行政を積極的に推進し、公正な競争を維持・促進することにより、消費者利益の保護を図るための経費であります。
 以上、平成十五年度における公正取引委員会の予算につきまして、その概要を御説明申し上げました。
 何とぞ、御審議のほど、よろしくお願いいたします。
#8
○委員長(田浦直君) ありがとうございました。
 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言をお願いします。
#9
○小林温君 おはようございます。自由民主党の小林温でございます。
 ただいま御説明いただきました予算案について御質問させていただきたいと思います。
 こういう厳しい財政事情の中で、経済産業省関係の予算案、一般会計だけで九千億弱ということで、是非、この予算案成立の暁には、将来の日本の経済産業に資するような厳正な執行をお願いしたい、こういうふうにまず申し上げたいと思います。
 それで、まず私の最初の質問は、予算の柱の一つでもある中小企業対策の関係でございますが、先日、西山先生の御質問の中でもお触れをいただきましたが、資金繰り円滑化の借換え保証制度、これは十四年度の補正予算で創設をしていただきました。先日も実績について御報告いただきましたが、これは大変地元で、いろんな中小企業者の皆様、零細企業の皆様とお話しさせていただくと好評でございます。是非この制度をしっかりと運用していただきたいと思うわけでございまして、これは一つの今回の措置の意味というのは、一般保証、それからセーフティーネットの保証の借換えが可能になったとともに、特別保証についても借換えができるようになった。
 私も前々から申し上げているように、特別保証で助けられた一人でございますので、この特別保証があの一九九八年、九九年の時点、非常に中小零細企業にとって大変大きな意味を持った。今回、借換えをされたいという方は、厳しい経済状況が続いている中で返済の実績を持っておられる方であるわけでございます。ですから、今回の条件変更によって返済条件緩和できる。それによって経営や資金繰りにこれは大変な大きな影響があるんだろうというふうに思います。
 そこで、先週数字をいただきましたが、また新しい直近の数字があれば、この制度の中身、お教えいただきたいのと、特に特別保証の借換え分がどの程度あるかということについて数字をいただければというふうに思います。
#10
○政府参考人(杉山秀二君) お答え申し上げます。
 御質問の資金繰り円滑化借換え保証制度の実績でございますが、この制度、二月の十日から始まっておりまして、約六週間、三月二十日まででございますが、件数で三万八千四百四十八件、金額で六千二百七十五億円というのが全体の実績でございます。
 うち、特別保証からの借換えでございますが、全体の二割強、大体四分の一でございますが、件数で九千三百七十五件、金額で一千二百三十九億円という状況でございます。
#11
○小林温君 ありがとうございます。
 今の数字をお聞きしますと、先週より一週間で一万一千件増えておりまして、金額も二千数百億増えている。これはすばらしいことだというふうに思います。これは是非こういうペースでこれから伸ばしていって、実績を上げていただきたいと思うわけでございます。
 ただ、例えばその制度が創設される前にもう、例えばセーフティーネット保証等も含めて、その条件変更に関しては柔軟に応じるようにという通達を中小企業庁さん、金融庁さんから重ねて出していただいたというふうに思います。しかし、やはり例えば今回、私、この制度、地元のいろんな会合でPRをさせて、是非借換え使ってくださいと言っているんですが、返ってくる反応は、どうも金融機関の窓口に、この制度創設以前でございますが、行きますと、これは条件変更になるからこれからの融資の際の条件が厳しくなりますよということを窓口で言われたと、今回もそういうことがあるんじゃないのという、こういう懸念を持たれている実は中小企業、零細企業の経営者の方々がいらっしゃるわけでございます。
 結局、日銀が幾ら資金供給量を増やしていても中小企業の融資実績が伸びないのは、地方の例えば金融機関の窓口のところまで中小企業庁、金融庁がグリップできていないというのが私はやっぱり大きな原因なんだろうと思います。
 例えば、その特別保証の際も代位弁済率がかなり高くなるんじゃないかという話があったわけですが、実は今のところその予想の範囲内で推移をしておりますし、やっぱりここは私は日本人の勤勉性、借金は返せと、私、うちのじいさんとかおやじにしつこく言われたんですが、こういうものはまだ生きていると思いますし、そういう商人の精神というものはやっぱり日本人の中にまだ脈々と息づいていると思うんです。
 ですから、これは重ねてになりますが、是非この制度のまずPRを徹底して図っていただきたい。それから、窓口での対応によって、結果的にこれは貸し渋りというか借換えの渋りが発生しないように通達を徹底していただきたい。結局、条件緩和債権として取り扱われないように、こういう御努力はいただいているものだと思いますが、重ねてそれをお願いしたいというふうに思いますが、大臣。
#12
○国務大臣(平沼赳夫君) 当省といたしましては、確かに御指摘のような点が過去もありました。そういうことで、この資金繰り円滑化借換え保証制度の創設に先立ちまして、金融庁に対しまして、本制度の利用のみをもって金融検査上貸出し条件緩和債権となりまして不当な扱いを受けることのないように、きつく申入れをしたところでございます。その旨を各金融機関にも周知するように要請をいたしまして、金融庁もそうした対応を取る、こういうことで御了解をいただいたところでございます。
 その後、当省としては、金融庁と連絡しまして、金融機関でございますとか信用保証協会に対してこの点の周知徹底を含めて借換え保証制度の運用に万全を期すように要請をしてきたところでございまして、具体的には、二月二十四日に、金融庁主催の中小企業金融に係る意見交換会において、お隣の西川副大臣、そして金融庁の伊藤副大臣から全国銀行協会等の金融関係団体に対してその旨の徹底を強く申入れをさせていただきました。また、二月二十八日に当省で主催をいたしました全国信用保証協会代表者懇談会におきまして、私からも直接、全国の代表者の皆様方に強く要請をしたところでございます。さらに、実施に徹底をするために二月の三日から二月二十日まで当省の担当者を全国に派遣をさせていただきまして、金融機関、信用保証協会等に対する説明会を開催をいたしまして、その旨の趣旨を徹底するように、私どもとしては行動をさせていただきました。
 御指摘の点、こういうことがやはり今の中小企業、非常に努力をされておりますので、そういったところをしっかりと踏まえて、金融庁と連携をとりまして、この制度の実現、実施、そして円滑な実施に務めていきたいと、このように思っております。
#13
○小林温君 ありがとうございます。
 これは、トップダウンで最終的な、例えば地方の金融機関の窓口に行くまでに曲がって伝わってしまうということもあると思うので、これはもう徹底して通達の実施、運用をよろしくお願いしたいと、重ねてお願いを申し上げる次第でございます。
 次に、少し産業競争力のことについて御質問を申し上げたいと思うんですが、各種の例えば指標とかランキングを見ると、九〇年代から日本の産業競争力あるいはひいては国力がかなり速いスピードで落ちているということはいろいろ指摘されているところです。ただ、国民生活の水準を持続的に維持向上させるためには、やっぱり国際化の時代の中においても付加価値を創出し続けることがこれはやっぱり国として大前提だろうと思います。その意味で、その産業競争力をどういうふうに位置付けるか、どういう戦略設定をするかということは国の行く末にとって極めて重要なことだという認識を私持っているんですが、競争力低下の原因というのはいろいろあると思います。
 一つには、グローバル化とかIT化が急速に進展してそこに付いていけなかった、あるいは産業、企業も、例えば三つの過剰とか、トップマネジメントがうまく機能しなかった、あるいは既存の概念からの脱却が遅れたと、こういうこともあるんだろうと思いますが、と同時に、やはり、苦言を申し上げれば、政府の対応もそれと同じように遅れた部分もあるというのも否めないと思います。
 それは、例えば経済構造改革の実行において優先順位の付け方がなかなか決まらなかったり、あるいは実行のスピード自体も遅かったりということなんだろうと思いますが、例えば、これ振り返ってみますと、傾斜生産方式なんというのは正に優先順位付けをスピード感を持って行った一つの日本における成功例だと思うわけですね。
 こういった点を踏まえて、我が国の産業競争力の将来的な見通し、あるいは今後どういう分野を成長をさせるあるいは育成していくべきというふうに考えておられるのか、政府としての御見解をいただければというふうに思います。
#14
○国務大臣(平沼赳夫君) 重要な御指摘だと思っております。
 いろいろな指標を出す機関でIMDなんというのがございまして、このランクが、従来は日本がそれぞれの部門で一、二位を占めていたのが、競争力では二十位後半に低迷するというような形に相なっております。私どもは、こういったことを打破をしなければいかぬという基本的な問題意識を持っているところでございまして、日本のいわゆる産業というのは、個々に見るとまだまだ競争力のあるものがたくさんあるわけであります。
 そういう中で、一昨年の秋に省内に、産学の中心の方に集まっていただいて、産業競争力戦略会議というのを立ち上げさせていただきまして、約半年間、かんかんがくがく議論をさせていただきました。私も参画をさせていただきました。
 その中で、やっぱり我が国には技術ですとか人材面で高いポテンシャリティーがあると、この資源を最大限に活用して、やはり我が国では高付加価値化、それを実現することが非常に重要だと、そしてイノベーションと需要の好循環を生み出すことが将来にとって日本の活力を生み出すことではないか。こういう形で、戦略会議においては四つの重点分野、先ほど、かつては傾斜ということで日本の競争力を伸ばしていったことをおっしゃっておりますけれども、一つは、四つの柱の一つは、環境とエネルギー、この分野を一つの柱にさせていただき、二つ目は情報家電とそしてITと、これをやはり二つ目の大きな柱にさせていただきました。三つ目は、やはりこれから非常に大きく伸びるだろうというバイオテクノロジー、特に医療、健康、ライフサイエンス、こういったところを三本目の柱にしよう。四つ目は、日本の得意な分野でございますけれども、ナノテクノロジーと材料と。こういうことの四つの柱を打ち出させていただきまして、これがいわゆる日本のこれからの重点施策として、経済財政諮問会議の場の議論も踏まえて、国の一つの目指す、競争力を付ける、そういう中心に相なったわけであります。
 この新たな成長市場に対応した産業群として、若干具体的に申し上げますと、一つは、例えば低公害車産業、これはITSですとかカーナビなどの車載機器産業、あるいは高速大容量の通信サービス、それからリユース、リサイクル産業、省エネルギー、新エネルギー関連産業、それから環境関連サービスなどの社会システムの革新の産業群、それから医療サービス、そして医薬機器産業ですとか健康食品、それから医療福祉情報サービス、介護福祉機器産業、それから日本はロボットが得意でございますので、介護ロボット等家庭ロボット産業などの生活革新支援産業群、それから情報家電、今回「千と千尋」がアカデミー賞を取りましたけれども、こういうコンテンツの部分、あるいは自己啓発、教育サービスなどの価値を実現する産業群、こういったことが、こういった部分が伸長すると、こういう形でここに特化をしてやっていかなければならないと思っておりますし、これを伸ばすためにも、やはり研究開発税制の抜本改正を行うことを加えまして、私どもとしては、やっぱり明確のシナリオを作って、そして技術開発に思い切った政策資源の集中投入を図って、イノベーションの創出を強力に促す、そして規制改革も同時並行に推進をして、そしてしっかりとしたそういう基盤を立ち上げていく、こういう形で今鋭意努力をさせていただいております。
#15
○小林温君 今、大臣の方でも、例えば情報家電、ITという言葉が出てきました。私もこの分野が日本経済の将来の核となるべき分野だという認識を持っておるわけでございますが、ただ、例えば昨年一年の世界のIT関連企業の業績を見ると、マイクロソフトは年間営業利益が一兆七千億、一方、日本では、ソニーが一番で二千八百億、日立、東芝、NEC、これが五百億から七百億、富士通赤字と、こういう数字があるわけですね。
 日本のナショナルブランドとしてある意味では今まで日本経済を牽引してきたいわゆる総合電機メーカー、この現状についてどういう御認識をお持ちか、政府の御見解をいただければと思います。
#16
○副大臣(西川太一郎君) ただいま小林先生御指摘のとおりでございまして、例えば具体的に数字を、ちょっと煩瑣になるかもしれませんが、お許しをいただいて申し上げますと、ソニーの昨年度の決算につきましては、営業利益で千三百四十六億円、純利益で百五十三億円となっております。また、二〇〇二年度の見込みでは、営業利益は二千八百億円、純利益は前年度の十二倍ほどを予想しておりまして千八百億円となっております。
 しかし、ただいま御指摘のございました、例示をされましたマイクロソフトにつきましては、昨年の決算、これ若干時期が、セメスターがずれまして二〇〇一年七月から二〇〇二年六月まででございますけれども、これの営業利益は、一ドル百二十円で換算をいたしまして約一兆四千二百九十二億円、純利益で約九千三百九十五億円となっております。純利益ベースを比較いたしますと、ただいま申し上げましたものを割り算いたしますと約五倍と、こういうことになっております。
 こういう利益の違いが生ずる理由は、ソニーでは、ゲームが好調だったものの、主に半導体を始めとするエレクトロニクス部門が不調だったということがございます。一方、マイクロソフトは、元々高い収益を見込めるソフトウエア産業に徹しておりまして、しかも高い市場占有率を占めておりまして、具体的には、ウィンドウズはOSとして我が国の国内市場では約九割を超えるシェアを占めております。そして、その営業利益は約八六%、非常に高くなっております。
 また、ソニーを始めとする我が国のIT関連企業は、二〇〇一年全体の業績を見ますと、ITバブルの崩壊、半導体のシリコンサイクルの谷間などの影響を受けまして、連結の純利益ベースで見まして、大手七社、これは日立、東芝、三菱電機、NEC、富士通、ソニー、松下電器でございますが、この七社を合わせますと約二兆円の赤字を出しております。このため、現在、我が国のIT関連企業につきましては、二〇〇二年度決算でのV字型の収益の回復を目指して、半導体事業の合従連衡でございますとか事業の絞り込み、そして組織再編等を始めとした改善に取り組んでいるわけでございます。
 現下の厳しい状況の下で、企業にとって経営改革を進めていくことには困難が伴っておりますけれども、経済産業省では、ただいま御審議をいただいております産業の再生、特に産業活力再生法でございますとかIT投資減税、こういうものの支援メニューをしっかり用意いたしまして、過剰供給構造を是正して、選択と集中を効率的に行って、国際競争力の回復に努めてまいりたいと思っております。
#17
○小林温君 もっといろいろお聞きしたいことがあったんですが、時間がないようですので、またの次の機会にさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#18
○藤原正司君 民主党の藤原でございます。
 大局的な国会運営の見地から聞きたいと思いますので、答弁の方も、原稿にこだわらず、要点を踏まえて答弁していただきたい。
 まず、エネルギー問題についてお尋ねしたいんですけれども、イラクの紛争、紛争といいますか戦争も、石油が原因だとは言いませんけれども、石油の問題がなければ、あの地に油が出なければああいう戦争は起きたかというと、これはやっぱり起きていないだろう。
 そうすると、やっぱりエネルギー問題というのは国にとって極めて重要な戦略的な資材であるということが言えるわけでありますが、その上で、現在我が国の石油を中心とした状況、例えば一次エネルギーに占める石油の比率、あるいは中東依存度、あるいは原油価格の動向、あるいは長期ものとスポットものの取引の比率、あるいは石油備蓄の状況、これらについて数字だけお述べください。
#19
○政府参考人(岡本巖君) お答え申し上げます。
 我が国の一次エネルギー供給に占める石油の割合は、平成十四年の実績で四九・一%でございます。それから、石油の輸入に占める中東依存度は八六%でございます。それから、長期契約によるものとスポットとの比率でございますが、十三年の実績でおおむね八割を長期契約で原油調達をいたしておりまして、残り二割がスポット市場からの調達でございます。それから、価格でございますが、アメリカのニューヨークのマーカンタイル市場でWTIで三十七ドルぐらいまで上がっていたものがいったん二十六ドルぐらいまで下がりまして、その後少しまた反転をいたしておりまして、二十八ドル近辺に今戻っているところでございます。備蓄につきましては、今年一月末現在で、国家備蓄で九十二日分、民間備蓄で七十九日分、合わせまして百七十一日分の備蓄を保有いたしております。
#20
○藤原正司君 今、一次エネルギーに占める石油の比率が四九・一ということで、悲願の五〇を切ったという数字をお聞きしました。
 石油ショックの当時とは原因は違いますけれども、当時のことを考えますと、もしあのような我が国のエネルギーの状況であったところで今回のイラクの問題が起きたときに、こういうふうに安閑としておれたであろうかということを考えますと、五十年以降、我が国がエネルギーのセキュリティーのための備蓄でありますとか自前の石油を調達する、あるいはベストミックスを進めてくるということが、今日のある程度落ち着いてこのイラクの問題をエネルギーの側面から見ることができるということが言えるんではないか。
 さはさりながら、現実問題として、この紛争いかんによっては我が国も安閑としておれない。備蓄は百七十日あるとはいいながら、国際、この東南アジアをASEANの諸国で見れば、韓国と日本はきちっとした備蓄を持っているけれども、中国を始めとしてほとんど備蓄を持っていない。そういうようなことも踏まえたときに、今後の紛争の状況いかんによってはいろんなことが考えられる。
 その中で、いわゆるケーススタディーといいますか、そういう面も含めて一体どういうことを今考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
#21
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、一九七三年のオイルショック以降、私どもも今申し上げたように備蓄に努めてまいりました。そして、やはり一次エネルギーの約五割を占めている石油、これが非常に今後の経済生活に影響を与えますので、私どもは、まず供給量の確保ということをしっかりしなきゃいかぬということで、二十日にいわゆる武力行使が行われたわけですけれども、その前の十八日の日に、私は世界最大の産油国でありますサウジアラビアのナイミ石油相と、それから今OPECの議長をしておりますやはり産油国のカタールのアッティヤ大臣にじかに電話をいたしました。そうしたら、お二人とも、我々としては産油国としてはしっかりとした余力がある、絶対に日本に迷惑を掛けない、こういう力強い私は御返事をいただきました。
 そういう中で、私どもは、これが短期で終わった場合には、今の備蓄の問題、さらには、今現在こちらに石油を満載して日本に向かって帰ってくるタンカーも六十三隻今こちらに向かってきておりまして、そこにも二十三日分積んでございます。そういうことで、短期で終わる場合には、私どもは余り影響が出ないと思っております。
 そういう中で、私どもは、これが中期化した場合、あるいはこれが長期化した場合には一体どうするかと、こういうことを実は昨年の秋以降省内でいろんな形でシミュレーションをさせていただきまして、そういう中で、例えば今持っている石油の備蓄の放出、これも、もし拡大をして、そして供給が途絶するようなことになれば、これはIEAの諸国としっかりと話し合って、そして適切な対応をしなければならない。こういう形で、我々としては特にIEAとは連携を取っております。
 それから、アジアの備蓄のことをおっしゃられました。確かに御指摘のとおりでございまして、昨年の九月にたまたま大阪で私どもが主催をして産消対話、エネルギーの産消対話をさせていただきました。そのときに私が働き掛けまして、アジアの諸国、中国も韓国も入っていただいて、ASEANの国々に入っていただいて、そしてエネルギーのやっぱり備蓄を含めたエネルギーの安定のためのお互いにこれから情報交換をして努力をしていこうという場を設定をいたしまして、そういう中でアジアの諸国とも連携を今取りながら、総合的に我々は検討していると、こういうことでございまして、いずれにいたしましても、長期化をしないことを私どもは願っているところでございますけれども、そういう中でぎりぎりの私どもは努力はしていきたいと、こういうふうに思っております。
#22
○藤原正司君 様々な不確定要因があるわけですけれども、いろんなことを言いながらも、我が国にイラク問題がエネルギー問題として降り掛かったときに、恐らくそこまで国民は深刻にはとらえていないでしょうけれども、しかし逆に、我が国の経済にとって、国民生活にとってエネルギーというのは極めて重要な問題である。それだけに、やっぱり先手先手を打っておく対応というのが極めて重要だと思っております。
 そういう面から、我が国に目を転じますと、東電の不祥事のこともございまして、東京電力の原子力発電所、発電機が十七基中十四基停止しているという状況にあって、東京電力さんも、火力の立ち上げ、あるいは新建設分の早期竣工だとか、あるいは融通だとか、様々な形で供給上支障を来さないような努力はされているというふうに思うわけですけれども、ただ、原子力の状況がこのまま推移すると大変厳しい状況になることが予測される。
 そこで、現在の東電さんの原子力プラントの運転再開に向けた現状が一体どうなっているのか、あるいは再開に向けて一体どうなのか、あるいは今止まっているユニットの、どういう理由で止まっているのか、そういうことも含めて簡単に数字でお答えいただきたい。
#23
○政府参考人(佐々木宜彦君) 東京電力の原子炉十七基のうち福島第一号機につきましては、格納容器漏えい率検査で不正があったことから、平成十四年十一月二十九日に当該機を一年間原子炉停止処分としております。当機以外の十六基についても、念のため順次格納容器の漏えい率の確認をするよう東京電力に対し指示を行っておりますほか、東京電力において炉心シュラウドと再循環系の配管でひび割れが発生した事例を踏まえまして、該当するすべての原子炉について炉心シュラウドと再循環系配管の点検を順次実施することとしております。
 以上の点検を行うことから、現在、福島第一の一号機以外に十三基が停止中となっておりますが、これら十三基のうち、シュラウド及び再循環系の配管の点検の結果、ひび割れが見付からなかったもの又は設備を既に取替え済みのものが四基でございます。福島第一の三、五号機、福島第二の一号機、柏崎刈羽の六号機でございます。次に、炉心シュラウドと再循環系配管の少なくともいずれかでひび割れが見付かっているものが八基ございます。福島の第一の四号機、福島第二の二、三、四号機、柏崎刈羽の一から四号機でございます。点検中でこれまでのところひび割れが見付かっていないものは一基でございまして、柏崎刈羽の五号機でございます。
 なお、現在停止中の十四基に対する定期検査につきましては、電気事業法により十三か月ごとに定期検査の受検が義務付けられていることを踏まえまして、昨年七月に定期検査を終了いたしました福島第二の二号機を除きますその他の十三基については、現在、停止中に定期検査を行っていると、こういう今状況にございます。
#24
○藤原正司君 今、承諾さえいただければスタートアップできるのは何ユニットですか。
#25
○政府参考人(佐々木宜彦君) それぞれ、どういう工程でどれが一番ということではございませんけれども、先ほど申し上げました、点検の結果ひび割れが見付からなかったもの又は設備の取替え済みのものということで申しますと、柏崎刈羽の六号、福島第一の三号機、五号機、福島第二の一号機といったことは、いわゆる今回のいろいろ自主点検の結果生じていろいろ点検をしているもので、これらを評価をきちんとしなければいけないという対象物とは性格が異なる号機でございます。
#26
○藤原正司君 私、できるだけ時間短くと言っているので、今断面で同意さえ得られれば立ち上がれるのは何ユニットですかと、それしか聞いていません。
#27
○政府参考人(佐々木宜彦君) その意味では、今断面でございますと、柏崎刈羽の六号機かと思います。
#28
○藤原正司君 次に、昨年の暮れ、臨時国会で電事法と原子炉等規制法が改正されまして、安全審査の中に科学的な観点から健全性評価というのが持ち込まれて、ひびがあったとしても設備基準を上回るものについてはきちっと評価をした上で運転継続可能であると、こういう考え方が導入されたわけですけれども、今、シュラウドと再循環系配管について、そういう考え方でチェックが行われているというふうに聞いておりますが、その状況についてお答えいただきたい。
#29
○政府参考人(佐々木宜彦君) シュラウド及び再循環系配管のひび割れに関する健全性につきまして、昨年の十一月二十日以来、原子力発電設備の健全性評価等に関する小委員会で検討が行われまして、この三月十日に中間取りまとめがなされたところでございます。
 シュラウドに発生したひび割れにつきましては、ひび割れの現状及び五年後の進展状況を予測いたしまして、ひび割れ部分を除いた残りの面積で十分な強度が維持されていることを確認する評価手法が適切であるとされました。
 この手法に基づいて評価が行われました結果、シュラウドに発生したひび割れについては、直ちに修理をする必要はないが、今後適切な頻度で点検を行うべきと評価されました。ただし、進展し続けると評価されたひび割れについては、シュラウドが十分な構造強度を有するうちに補修等の対策を講じる必要があると評価されました。
 また、再循環系配管のひび割れにつきましては、配管に新しい材料が用いられている場合、ひび割れが溶接金属内に進展した場合は反射エコーが微弱になるなどの原因によりまして、超音波探傷検査によるひび割れの測定値と実測値の間に比較的大きな差異が生じることが判明しました。
 このため再循環系配管におけるひび割れに対する超音波探傷検査の測定精度の向上を図ることが求められておりますが、改善された検査の信頼性が確認されるまでの間はひび割れの除去やあるいは配管の交換による対応が適切であると、このように評価されております。
#30
○藤原正司君 つまり、シュラウドについては、傷の大きさ、深さを正確に測って、そしてその傷が特定の環境の中でどのように進展していくのか、それは安全上どうなのか、こういうことがうまく回って答えが出たと。ところが、再循環系配管については、第一段階の傷を把握する部分においてなかなか技術的に難しいことがあるので、そういう機器の開発も含めて対応していくと。それまでの間は、もう配管を取り替えてしまうとか傷を除去するとか、こういうことで、その意味では健全性評価がトータル的にはうまく機能しているということは言えるというふうに思うわけでありますけれども、その上で、先ほどのことに返るわけですけれども、今、スタートアップしようと思えばスタートアップできるものについて、なお稼働できないという理由は何にあるんでしょうか。
#31
○政府参考人(佐々木宜彦君) 今スタンバイである最も近いものとして先ほど柏崎の六号機を挙げましたが、まだ今、国の安全の確認という意味では、格納容器の漏えい率の検査、それから非常用系の検査、それから今度は、起動いたしまして調整運転をして、各種のパラメーターを確認して総合負荷検査を終わりますと、国としての定期検査が終了する形になります。
 そして、全体として今、地域、立地地域の皆様方に、保安院としての安全の観点からの健全性評価も含めまして、東電のこれまでの一連の問題を踏まえた説明を実はやっております。これについて、まだ、地域の方々からのいろいろな安全に対する不安とか、そうしたことに我々誠実に今おこたえをいたしておりますけれども、地域の、立地地域の皆様方の、保安院としてあるいは安全の規制当局としての説明責任を果たしていく今過程にあると、こういうふうに認識をいたしております。
#32
○藤原正司君 ということは、定期検査とか安全審査等、法で義務付けられた検査をすべて終えていない、だから、今立ち上がろうと思えば立ち上がれるユニットはゼロと、こういう意味ですか。
#33
○政府参考人(佐々木宜彦君) 今日この時点で申し上げれば、そのとおりでございます。
#34
○藤原正司君 私は、原子力の場合安全が命ですから、きちっと責任ある体制の下で安全の審査をする。そして、そのことについて国がお墨付きを与え、住民の皆さんにも当然御理解をいただいて進めていくと。これは当然のことだと思うわけでありますけれども、片側で今十七基中十四基停止していると。あるいは次の定検のことを考えると、四月の中旬には全台停止と、十七基すべて止まるということになると。そのときには相当の供給力不足になってくる。
 問題は、片側できちっと安全性を評価しながら、評価した上に立って国民の皆さんに、どう住民の皆さんに理解を得ていくかということが極めて大事なことで、私は停電という、輪番停電というようなことは何が何でも避けなければならない。我が国の場合、カリフォルニアでも輪番停電やったではないか、こう言われますけれども、我が国の場合は残念ながら停電慣れというのがしていない。停電に関する国民の意識も違いますし、備えも違う。輪番停電というようなことは何が何でも避けなければならない。
 その上で、安全性とそして片側の供給安定とどう両立をさせていくかというのは当面の問題として極めて重要な問題であるというふうに思うわけでありますが、この点について御答弁をいただきたいと思います。
#35
○国務大臣(平沼赳夫君) 御指摘のとおりでございまして、私どもは一番心配しておりましたのは、真冬の需要の最盛期、ここのところは何とか乗り切ることができました。そして、現時点ではどちらかというと不需要期でございまして、全基停止しても、非常に厳しい状況ですけれども何とか回すことができると、こういうふうに思っております。
 しかし、これ六月以降になりますと、今度は一年じゅうでも最需要期に入ってまいります。そのためには、今、先生御指摘のように、立地の地域の皆様方そして国民の皆様方の安全性に対する御心配をいかに払拭するか、この努力をまずやることが私どもは必要だと思っておりまして、今、原子力安全・保安院長からも御説明したとおり、既に事業者共々保安院長も自ら現地に赴いて、そして実際に現地の住民の方々と長時間にわたって話合いを設けておるわけでございまして、私どもとしては一日も早く地域の皆様方の御理解を得られるその努力が最大に必要だと思っておりまして、私どもとしてはこの安全性を御理解をいただいて、そして一日も早くこの原子力発電所が再開できるように、私どもとしてはこのエネルギーを預かっている担当大臣として、このいわゆる電力の停止があってはならない、これを絶対起こさないと、こういう前提でこれから努力を傾注していかなければいけないと、こういうふうに思っております。
#36
○藤原正司君 感情というものを無視できませんし、しかし片側で技術的に安全であるということがきちっと評価されたならば、その感情を動かす、動かしていく必要があるわけで、大臣も衆議院でしたか、必要ならば私が現地へ行ってもというふうに言われました。私は、今までお役人の方のお話聞いていて、皆すばらしいんですけれども、一番欠けるのは説得力だと。大臣の場合は能力もお持ちですし、誠意もあるし意欲もあると。是非大臣が現地へ行って国民の皆さんの御理解をいただけるような、行政の長としての御努力をお願いしたいというふうに思います。
 次に、ちょっと「もんじゅ」の問題についてお尋ねしたいんですが、実は私、この質問を作るときに、どこに聞いていいのか結局分からぬのです。それは経済産業省なのか文部科学省なのか原子力安全院なのか、非常に分からぬところがあります。しかも時間がないので、もう当初は三か所に全部聞こうと思ったんですが、時間がないので一か所に絞らせていただきたいと思いますが。
 まず、経済産業省にお尋ねしますが、今回の高裁判決に対する受け止め、評価、あるいは二十八日でしたか、上告理由書を出されるというふうに聞いておりますが、この辺について簡単に要約した考え方をお聞きしたい。
#37
○政府参考人(佐々木宜彦君) 名古屋高等裁判所金沢支部から一月二十七日に出されました高速増殖原型炉「もんじゅ」の控訴審判決については、法務省などと内容を精査した結果、一月三十一日に国として最高裁判所に上訴いたしました。
 この判決では、例えば配管の破損によりナトリウムと水が接触した場合でも炉心崩壊事故を防止できる対策が幾重にも講じられているにもかかわらず、これらの対策がすべて機能しなかった場合を想定するなど、仮定に仮定を重ねる立論をして安全審査に看過し難い過誤、欠落があるとしております。国としては、安全審査を慎重かつ適切に行っておりまして、こうした判決は受け入れることはできないと考えております。上告受理の申立て理由の詳細につきましては、裁判所に提出する上告受理申立て理由書において明らかにしてまいりたいと思います。
 原子力政策進めるに当たって何よりも安全確保を図ることが第一でございますが、また原子力施設の安全審査などについて国民の理解を得ることが必要であることは言うまでもございませんが、今後私どもとしても努力してまいりたいと考えております。
#38
○藤原正司君 なぜ国は負けたんですか。
#39
○政府参考人(佐々木宜彦君) 国としては安全審査を慎重かつ適切に行ってきたと考えております。控訴審におきましても最高裁の判例を踏まえてこのことを主張、立証してきたところでありますけれども、名古屋高裁金沢支部において、これらの点につき十分に御理解いただけなかったものというふうに考えておるところでございます。
 なお、このため、国としては「もんじゅ」控訴審判決を受け入れることはできないということで、上訴して最高裁における判断を待つこととしたものでございます。
#40
○藤原正司君 今回の裁判に関して、国におごりだとか油断がなかったのか、万策を講じたということを責任持って言えるのかということではないかと思っております。
 従来、こういう原子力のように専門性の極めて高いものの裁判につきましては、その技術的な内部まで立ち入らない形での判決が結構あったと。だから、そういうことであるんではないかという、まずおごりがあったんではないか。もう一つは、この「もんじゅ」に関しては、先ほど言いました三つに該当する部門がかかわっている中で、その縦割り行政の弊害というのが出てはいないのかということでございます。
 私は、今回の事故が起きたときに、各部門から党としていろんな説明をお聞きしたけれども、どこが本当に責任を持って進めていくのかというところが、私のところは安全審査です、私は所管のところです、私のところは、それぞれが一体となって物を進めようとする意欲がほとんど感じられなかった。ですから、私は、今回の負けた理由を、技術的には分かりません、しかし一つだけはっきりしているのは、これはもう負けるべくして負けた、この責任の所在が極めて不明確、そしてそこから来る、もう何が何でもこれは勝たないと、我が国の原子力政策、核燃料政策の推進に大変な問題になるんだというそういう熱意、そういうものが感じられない。私はマスコミの人にも聞いたんですけれども、結局、裁判官がちらっと漏らした中にはそういう誠意、熱意というものが感じられない、こういうことを言っているわけですね。そういう点についてもう一度お答えいただきたい。
#41
○政府参考人(佐々木宜彦君) 今、先生から御指摘のように、いろいろ我々自身も反省をするべきところがあると考えております。
 おっしゃるように、進行協議という方式がとられたわけでございますけれども、国としての説明が十分であったかどうか、「もんじゅ」に対する理解を深めるための一つは説明の方法論についての問題もあったか、私どももその意味で反省は十分にやはりしなければいけないというふうに考えております。
#42
○藤原正司君 改めまして、今回のそういう判決があったけれども、我が国の原子力政策、とりわけこの増殖サイクルの政策ということに変わりはないということは断言できますか。
#43
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、先生御指摘のように、今回の判決、国として御指摘の反省すべき点は私はあったと思っております。
 今回の判決で、「もんじゅ」の将来が私は確定したとは思っておりません。いずれにせよ、国の核燃料サイクルを進めるという基本的な方向を私どもとしては今回の判決自体により変更されるということはないと。二十一世紀、日本のエネルギーのやっぱり安定確保、それから地球温暖化防止、こういった観点からいっても、基本的な政策として推進をしてまいりたいと、このように思っております。
#44
○藤原正司君 そこで、今回の「もんじゅ」の判決を通じまして、その増殖炉といいますか、そういうものの路線というものに対して、もう要らないのではという論議もありますし、諸外国の動向についての誤った理解もある。
 そういう中で、この一月にアメリカのエネルギー省が議会に対してレポートを出しているわけです。そういうレポートの概略、そしてレポートが出された背景、そして諸外国における増殖炉の実態、これを簡単に説明をいただきたいと思うんですが、原子力委員会の方から。
#45
○政府参考人(永松荘一君) お答えいたします。
 先生御指摘の、米国エネルギー省が取りまとめました先進燃料サイクルイニシアチブでございますけれども、これまで米国におきましては核拡散の観点から再処理につきましては非常に消極的な対応でございましたけれども、今後を展望いたしまして、資源の有効利用、高レベル放射性廃棄物の削減、それから核拡散抵抗性向上、こういった観点から、今後は高速炉も含めた核燃料サイクルに関する研究開発に取り組むことをこの一月に提言したということでございます。
 また、あわせまして、各国の高速増殖サイクルの研究開発の動向でございますけれども、例えばロシアでは実験炉、原型炉が現在運転中でございますし、中国でも実験炉が建設中、あるいはフランスにおきましては、実証炉、スーパーフェニックスの開発は経済性の観点から中止したということでございますけれども、「もんじゅ」と同レベルの原型炉、フェニックスを活用した研究開発は継続しているというふうに承知しております。
 また、米国でも近年、軽水炉の次の世代をにらんで、第四世代の原子力システムに関する国際フォーラムを、これは日本も参加いたしまして積極的に取り組んでいるところでございますが、その中でも六つの炉型のうち高速増殖炉が三つ占めるといったようなことで、大変積極姿勢に転じたというのが最近の流れでございます。
 そういった意味で、我が国がこれまで示してきました核燃料サイクルの重要性が国際的にも再確認されつつあるというふうに考えまして、注目しているところでございます。
#46
○藤原正司君 増殖炉路線というのは決して奇異な路線ではない。アメリカの場合、これまで、カーターの時代は原子力発電所の増設をやっておりませんでしたけれども、その後、原子力発電所の増設というふうに変わり、さらに、プルトニウムの利用ということもこのレポートで書いている。その背景には、数十年後には、このままの原子力発電所をずっと世界が運転していったとしても、数十年後には必要な燃料の二分の一しか確保できないというそのベースがあるわけです。それを言わなんだら何のためにしゃべっているのか分からへん。だから、そういう背景の中でいかにウラン燃料を効率的に使うのかということがベースにあるわけですよね。その背景の中で今回のアメリカのエネルギー省のレポートが出ていると。
 したがって、アメリカよりエネルギー資源にはるかに乏しい日本が一体今後長期的にどういうエネルギーを確保していくかという中長期的な路線に立ったときに、今、目先の問題だけではなくて、プルトニウムのエネルギーへの利用という問題をきちっと視野に入れて、そのために今どういう技術をきちっと、技術と知見を身に付けておかなければならないのかということが「もんじゅ」の位置付けじゃないですか。
 そういうことに対して、私はかかわっている三つのお役所は本当にその気になっているんですかということを私は言いたいわけです。
#47
○副大臣(西川太一郎君) 全くおっしゃるとおりでございます。答弁はそれに尽きます。
 今、経済的、技術的に利用可能なウラン燃料がこれによって数百年利用できると。そういうことが資源小国日本にとっては一番大事な問題であると。これは原子力の開発利用長期計画の中にもうたっているところでございまして、先生の御指摘のとおりだろうと思います。
#48
○藤原正司君 次に、この「もんじゅ」の問題を一つの契機としますか、そういうことを通じて我が国の核燃料サイクルということに視線が当たり直したとも言えるんではないかというふうに思っているわけですけれども、まず、我が国の原子力基本政策は使用済み燃料の国内再処理を原則とする核燃料サイクルというのが基本政策になっているわけですけれども、この基本政策を踏まえた現在の状況についてどうか、簡単に言ってください。経済産業省。
#49
○政府参考人(岡本巖君) 核燃料サイクルということで、一つは六ケ所における再処理を中心とした一連の施設というものが二〇〇五年の運転開始をめどに進められているところでございます。これに関連しまして、私どもは、プルトニウムが出てまいりますので、それを軽水炉でMOX燃料という形で変えていくプルサーマルの方向を目指して鋭意努力をしてまいったところであり、さらには、先々、FBR、高速増殖炉でプルトニウムを更に増殖する形で利用していくという方向を目指しながら進めてまいっているところでございます。
 プルサーマルの件につきましては、昨年八月末の東電の自主点検記録の不正記述の問題で、せっかく地元の方々の御理解を得つつあったやさきに大変大きな不信を招く事態が起きましたものですから、今現在少しとんざをして、もう一度仕切り直しの状況にありますけれども、私どもは、プルサーマルを含めて、核燃料サイクルの方向というのはこれからも着実に進めていくべきと考えておりまして、そのための努力を事業者共々進めてまいりたいと考えております。
#50
○藤原正司君 我が国のプルトニウムバランスを教えてください。
#51
○政府参考人(岡本巖君) これまで海外に再処理を委託をして、そこで出てまいりましたプルトニウムというのが三十トン強ございます。それから、これから日本で毎年使用済み燃料というのが約千トン出てまいりますので、それを再処理をするということに伴いまして、プラントの稼働率にもよりますけれども、毎年数トンのプルトニウムが出てくるということになりますので、これをフルMOXあるいは三分の一MOXという形で軽水炉でプルサーマルという形での利用をしていくこと、さらには、FBR、当面は「もんじゅ」でこのプルトニウムを利用していく、その方向を大きな方向としては目指しているところでございます。
#52
○藤原正司君 現在、フランスとイギリスに預けているのが三十二トン、我が国に貯蔵しているのが五トン強、三十七トンのプルトニウムを保有している。さらに、再処理工場を稼働すると、フル稼働になった場合、八百トンの使用済み燃料を処理した場合に約四・五トンのプルトニウムが毎年出てくると。これに対して、それを消費する側は一体どうなっているかというのが言われたようで、これは当然軽水炉の中でMOX燃料として十六ないし十八基に燃焼させる。あるいは、現在申請中の電発の大間で、これはフルMOXですから一・一トンないし一・二トン、これでフローの分は収支が取れる、大体四・五トンと。ただし、問題はこのストックの部分が一体どうなるのか、三十二トンの分を一体どうしていくのかという問題がある。
 我が国は、原子力平和利用ということでエネルギーに限定した取扱いをしているけれども、しかし左から見れば、これは軍事的側面をこれは否定できない。私は、これ軍事用のプルトニウム、これ発電用プルトニウムと仕分けるわけにいかない。そういうものがあって、しかも、アメリカは今、今回のイラク戦争も含めて、プルトニウムについて極めてシビアな感覚を持っている。そういう中で、我が国が原子力の平和利用を進めていくために一体どうするんだ、余剰プルトニウムは持たないんだという方針の中で一体どう進めていくんだ、どう収支を合わすのかと。
 これは、収支の合わせ方は、再処理しないというやり方と、もう一つはMOXを使うことによって消費を進めていく、我が国の今後のエネルギーの在り方の柱となるべきMOXで消費するという形でバランスを取っていく、この二つがあると思いますけれども、やっぱり我が国のエネルギー事情を考えると、プルサーマルによってプルトニウムを消費していくという方針で進めないと、ドイツのように原子力政策について極めて立ち枯れ的原子力政策を持たざるを得ない。ドイツならまだ電気を輸入もできる、我が国はできない、そういう中でどうあるべきかということをまず基本に持たなければいけないと思うんですが、今の私の申し上げたことについて、賛成ですか、反対ですか。
#53
○国務大臣(平沼赳夫君) 全く私どもとしては、いわゆる核燃料サイクルの基本方針というのは、今、先生がおっしゃったそういう考え方に立脚をしておりますので、そのとおりであると、このように思います。
#54
○藤原正司君 今の大臣の決意をお聞きいたしまして、質問を終わります。
#55
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 先ほどお話出ましたけれども、十兆円の資金繰り円滑化借換え特別保証制度、これは大変に好評でございまして、今、全国の金融機関等に実施の徹底を図ってくださっているというところだというふうに先ほど伺いましたけれども、是非よろしくお願いをいたします。
 正に、経済と産業というのは日本の根幹を支えるものでございまして、当省といたしましてももう一段の予算のアップがあってもよいのではないか、私はこういうふうに思っている次第でございます。
 ところで、今日はとても良いお天気で、大分春になってきたなと思うんですけれども、春になってきますとやはり花粉症で悩む方も多いということなんですね。今、残念ながらいろいろなアレルギーに悩んでいらっしゃる方が多いと、私も実はその一人でございますけれども。また、ホルムアルデヒドに起因すると言われるシックハウスあるいはシックスクール問題、これが依然と継続しております。
 十五年度予算でも、文部科学省、厚生労働省、国土交通省、環境省など横断的に取り組まれているところでございます。二〇〇〇年には千四百六十四万人の署名を私ども集めまして、当時の森総理にも申入れを行いました。国も関連省庁横断によるシックハウス対策連絡会議を設けてくださって、対策が本格化したところでございます。
 そこで、特に建材に使われておりますホルムアルデヒドなどの健康への影響について、経済産業省住宅産業窯業建材課では大変一生懸命にやってくださって感謝しております。最近の取組を御説明いただきたいと思います。
#56
○政府参考人(今井康夫君) お答え申し上げます。
 経済産業省は建築材料を所管しておりますし、またJISを所管しておるところでございます。このような立場からシックハウスの問題について取り組んできておりますが、これまでJIS規格によりまして、平成六年から順次、繊維板、パーティクルボードなどの建材につきまして、ホルムアルデヒド放散量の測定方法でございますとか放散量に応じた等級を規定してきております。これらによりまして、建材につきましてホルムアルデヒドの放散量がより少ない、低い材質のものへの生産の転換が実現されてきているところでございます。
 また、シックハウス対策を徹底するために、昨年七月に建築基準法が改正されまして、ホルムアルデヒドの使用が制限されたところでございます。これに関しまして、当省といたしましては、去る三月二十日に、より厳しい基準を採用いたしましたJIS規格を制定したところでございます。また、ホルムアルデヒドそれからVOC、これは揮発性の有機化合物でございますけれども、これらを放出しないような木質ボードを技術開発すること、それから大変大きな製品からの放散量、そういうホルムアルデヒドなどの放散量を測定できるような測定方法の研究、それから学識経験者でございますとか、関係の業界、省庁一体となった検討会への参加ということで、これまでこの問題に取り組んでいるところでございます。
 以上でございます。
#57
○松あきら君 ありがとうございます。この建材課が非常に厳しくしてくださったおかげでかなりシックハウス、シックスクール、少しずつですけれども良くなってきたというふうに聞いております。やはり頑張っていただいた結果だというふうに思っておりますけれども、引き続きよろしくお願いいたします。
 少し広く健康と産業というふうに考えますと、せっかく開発された商品で、子供たちがそれに使われている薬剤のおかげでいわゆるシックスクールやシックハウスになる、こういうふうになりますと大変に困る、こういう現状があるわけでございます。そして、今のようにその都度その都度一生懸命に現場で対策をしてくださっているというわけでございますけれども、しかしよく考えてみますと、やはり建材を作る上でも健康に留意して今のように指導していただければ本当に良くなるというのが分かっておるわけでございます。そういうふうに今までしてこなかった、これは広く省庁横断してやるようになったおかげでこういうことになったというふうに思うわけでございます。
 そこで、大臣には、建築材料と健康について御所見があれば、お伺いしたいと思います。
#58
○国務大臣(平沼赳夫君) 健康と建築材料についてのお尋ねでございますけれども、住環境の質に関しまして、とりわけ室内環境が健全に保たれることが非常に大切だと私どもも認識しております。その際、今、松先生からも御指摘の建材の質が住環境に大変悪い影響を与えている。これは、おっしゃるとおり、そこに居住する居住者の、生活をする人の健康を左右する問題でありますから、やはり国民が安心して快適な生活を送れるように、私どもとしては、住宅の建設段階だけではなくてそこに使われる個々の建材の生産段階におきましても健康と安全への配慮というものがしっかりとなされる、こういうことが重要だと考えておりまして、今、今井局長が答弁で申し上げましたけれども、製品規格の整備でございますとか技術開発、こういったことに取り組んできましたけれども、これからもそういう観点でしっかりと取り組んでいかなければいけない、このように思っています。
#59
○松あきら君 ありがとうございます。やはり大臣のそうした御決意がこういうことを、ますますよりよいことを進めていくというふうに思っております。
 ところで、文部科学省もアレルギーに取り組んでくださっておりますけれども、地元の横浜の鶴見区にあります理化学研究所で、免疫・アレルギー科学総合研究センター、これ取組が強化されております。御説明を手短によろしくお願いいたします。
#60
○政府参考人(丸山剛司君) お答え申し上げます。
 今、先生御指摘のとおり、理化学研究所におきまして、免疫・アレルギー分野の我が国初の総合的な研究拠点として、平成十三年度に免疫・アレルギー科学総合研究センターというものを発足させまして研究を開始したところでございます。
 このセンターにおきましては、免疫のメカニズムを解明し、人為的に免疫系を制御し、また免疫アレルギー疾患の発症を抑制するということを目指した総合的な研究を行っているところでございます。
 将来的には、先生御指摘の花粉症とかアトピー予防のためのワクチン開発、あるいはリューマチ等の免疫疾患の治療技術の開発、こういったものを目指しまして、大学や産業界との十分な連携を図りつつ研究を進めていくこととしております。
 これまでに幾つかの成果が上がっておりまして、発症メカニズムが不明でありました関節リューマチを発症する遺伝子を特定し、世界で初めて疾患モデルマウスを作成するなど、今後、人におけるリューマチの予防とか治療に関する研究に進展が期待されるところでございます。
 さらに、本年九月には、横浜の研究所の中に疾患モデルマウスの飼育施設や最新の研究設備を備えました免疫アレルギー研究棟というのが竣工する予定になってございます。今後、この研究棟を最大限に活用して、文部科学省として研究の一層の進展が図られるよう努力してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#61
○松あきら君 ありがとうございます。
 四人に一人が悩んでいるというこのアレルギー、しっかりとした対策を期待をしております。
 学校では、学校環境衛生の基準の改定あるいは日本学校保健会に委託をしまして、実態調査を実施するなど計画を立てているようでございますけれども、厚生労働省、文部科学省には、シックスクール対策あるいはシックハウス対策についての取組を手短によろしくお願いいたします。
#62
○政府参考人(恒川謙司君) いわゆるシックハウス症候群に対する厚生労働省の対策でございますが、まず、病態の解明を行い、そして診断法、治療法の確立を行う、そのための調査研究を実施しておりますとともに、クリーンルームを備えた専門の診療施設の整備を進めております。
 また、保健所の担当者を対象とした研修会の実施等、普及啓発及び相談体制の充実の施策に取り組んでいるところであります。
 今後も、これらの施策を推進するとともに、調査研究により得られた医学的知見が医療現場や教育現場、そして地域社会等に適切に周知されるよう、シックハウス対策関係省庁連絡会議の開催等を含め、関係省庁とも連携を取りながら普及啓発等に努めてまいりたいと思っております。
#63
○政府参考人(高杉重夫君) いわゆるシックハウス症候群に対しまして、文部科学省では、今、先生がお話しになりましたように、平成十四年二月に学校環境を衛生的に保つためのガイドラインでございます学校環境衛生の基準、これの改定を行いまして、新たにホルムアルデヒドを含む四物質の室内濃度、これについて検査項目として盛り込みました。そして、一定の基準を超えた場合には換気など適切な措置を講じるよう、各都道府県教委などに対して指導しているところでございます。
 それとともに、平成十三年三月には、学校施設の計画設計上の留意点を示しました学校施設整備指針を改定いたしまして、学校施設を整備する場合には、室内空気を汚染する化学物質が発生しない又は発生の少ない建材を使うこと、それから換気設備に配慮することなどを新たに盛り込んだところでございます。そして、平成十四年二月には、これらに関するパンフレットを作成をして、都道府県教育委員会に対して周知を図っております。
 さらに、個々の学校においてやはりシックハウスに積極的に取り組むというためには、学校関係者がシックハウス対策について基本知識を正しく認識することが重要でございます。そのことから、平成十五年度におきましては、教育委員会や学校関係者向けに最新の知見に基づくシックハウス対策の基本的知識とか具体的な対応方法を示しました参考資料を作成、配布する予算を組み、今御審議をお願いをしているところでございます。
 今後とも、これらの資料等を活用しまして、学校におけるシックハウス対策、これが一層促進されるよう努力してまいりたいと思っております。
#64
○松あきら君 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 やはり、学校を含めまして、住環境というのは非常に大事でございます。衣食住というぐらいでございますから、国民生活に欠かせない非常に大切な施策であると考えております。
 そこで、最近問題となっております地下室マンションに関して国土交通省に質問をしたいと思っております。
 私は、地元、神奈川県でございますけれども、横浜あるいは川崎、こういったところでは今、都市部において傾斜地に大型のマンションの建設が目立つようになりました。これは、平成六年の建築基準法の改正によりまして、延べ床面積の三分の一までが地下室の建築が認められるようになった、これが大きなきっかけであるというふうに言われております。
 例えば、横浜市中区本牧満坂で計画をされておりますデュークガーデン本牧満坂というマンション、地上三階、何と地下六階建ての計九階建て、一番下から見ると二十六メーターもあるんですね。こういうマンションを計画しているわけでございます。ちなみに、このマンションが建設される地域は第一種低層住居専用地域にありまして、普通であれば容積率一〇〇%、建物の高さも十メートルに制限をされているところでございます。
 こうした地下室マンション、やはり周辺住民の日照権あるいは町並みを乱すということだけではなくて、建築基準法における地盤面の判定なども、やはりこれは住民にとってはもう到底納得のできないものであるということであるわけでございます。
 例えばこの本牧満坂の地下室マンションにつきまして、住戸部分の床面積は約五千平方メートル、一方、容積率算定の対象となる床面積は約二千六百平方メートルであり、地階部分として容積率に算入していない部分の割合が約四八%となっているわけでございます。建築基準法第五十二条第三項によれば、地階部分としての容積率に算入しない上限は三分の一であり、こうした地下室マンションは建築基準法に違反するものであると考えますが、いかがでございましょうか。また、建築基準法を所管する国土交通省といたしまして、やはりきちんと横浜市を指導する必要があると思いますけれども、いかがでございましょうか。
#65
○政府参考人(小神正志君) お答え申し上げます。
 今御指摘いただきましたように、横浜市で御指摘のようなマンションの計画があるということをお聞きしております。
 横浜市におきましては、先生も御案内のように、市の方に条例がございまして、建築確認の申請に先立って、この条例に基づいて住民の方々への説明会を今やっておるというふうに聞いております。したがいまして、現段階ではまだ建築確認の申請が行われておりませんので、今御指摘にもありましたような容積率の制限あるいは地盤面と、こういった点について、まだ具体的に私どもの方で建築基準法に違反しているか否かについての判断材料に若干欠けるところがあるというような認識を持っております。
 ただ、住民の方々から、今御指摘いただきましたような建築基準法違反ではないかという文書が市の方に提出されているというふうに聞いております。この資料に基づきまして、私ども、今申し上げましたように、直ちに建築基準法の制限に違反するかどうかというふうなことが判断できる段階ではございませんけれども、今後、建築確認の申請が出された段階で、容積率の制限に違反する、そういった事態があれば的確な指導を行う必要があると、かように考えております。
#66
○松あきら君 今はそうした判断材料がないということですけれども、もし仮に、これが仮に一つの、ここの本牧満坂としてではなくて、仮にこの約五千平方メートル、一方、容積率、この二千六百平方メートルですね。今のこれで仮に考えるとしたら、基準法に違反しておりますか、いませんか。
#67
○政府参考人(小神正志君) 今申し上げましたように、地盤面、あるいは廊下とか階段とか、そういった部分が容積率に入らないということになっておりますので、全体の計画を見てからでないと、直ちに基準法に違反するかどうかということは申し上げられないということでございます。
#68
○松あきら君 実は私は、これはこの間の予算委員会の最後でちょっと、少し触れさせていただきまして、そのために国土交通省がいろいろと調べていただきまして、ありがとうございます。
 これは、私、国土交通省に申し上げるということではないんですけれども、実は、横浜市の建築局相談室、これは、受けていない、こういう相談は受けていないというお返事であったというふうに聞きました。そして、すぐ調べましたら、もう何回も行っていて、こういう要望書も出していて、もう建築局の中部建築事務所にも審査課にも行っていて、いろんなところへ行っていて、ペーパーも何回も出しているんです。にもかかわらず、国からそうした、こういうことありましたかというふうに聞いた場合、横浜市はそういうことはないですと。ですから、まず建築局、相談室へ地元の方がまず行かれた方がいいですよと言っていただいたんですけれども、地元では、とんでもない、もう何回も、十回も二十回も行っているということでございますので。
 やはり私は、横浜市の方も何かこの、いや、実は来ておりますと、まだ正式な建築許可みたいのは出ていないんですけれども、地元の方からこうしたことで何回もお運びいただいて、ペーパーももらっています云々というのは、私はこれは役所に言ってもしかるべきではないかと。やはりこうしたところが何か今までのやはりお役所仕事といいましょうか、住民、国民の言うことはちょっと置いておいて、まだ問題が大きくしてからじゃないとなんてことを考えていると、国立みたいにできちゃってからここを切り取りなさいなんということになるわけですね。これはできちゃってから地下の部分、ここを削りなさいと言われたってそれは大変なことですから。
 やはり私は、こういうことも含めて、横浜市だけではありません、日本全国に、国土交通省としても住民の意見をよく聞いて、こういう要望書が上がっていたら、そのときもし国から聞いた場合はきちんと上がっていますと、本当のことを言いなさいよということを指導していただきたいというふうに思います。いかがでございましょうか。
#69
○政府参考人(小神正志君) 全国でこういった地下室型のマンションが斜面地において相当程度建てられてきているということで、かついろいろと住民との方々との間でトラブルにもなっているということは私どもも承知をしております。
 先般の予算委員会でも、私どもの政務官の方から、少しそういった実態を調査してみたいというふうにお答え申し上げましたように、これから各地でこういった実態を調査した上で、必要に応じて各公共団体とも連携を取りながら的確な対応をしていきたいと、かように考えております。
#70
○松あきら君 どうぞよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#71
○緒方靖夫君 私は、イラクへの戦争について、大臣の所管にかかわること、それから大局的な点についてお伺いしたいと思うんです。
 経済産業省は、外務省とは違った意味でやはり広い視野を持って、世界とのつながりを持って、そしてまた資源の確保に努めるという、そういう独特の観点といいますか、そういう立場を持たざるを得ない。そういうところに置かれた役所だと思うんですね。かつてのMITIも同様だったと思います。資源の安定的な確保というのは日本の国益に直結していると思います。
 そこで、私、思い出したんですけれども、大臣と昨年の七月の十六日ですけれども、資源の問題をめぐって大変面白い議論をした覚えがあります。議事録を引っ張り出してみますと、私自身が、資源外交ということでいうと、国が責任を持つ、担当大臣がその点しっかり責任を持つ、そして産油国の信頼関係をしっかり作っていく、それが大事だと、対等、平等でその関係を作っていくのは大事だということを述べたところ、大臣は、緒方先生の御指摘のとおりだと思っておりまして、それがやっぱり鉄則だと思いますと、そう答弁されております。
 私は思うんですけれども、イラクの問題というのは、イラク一国だけじゃなくて、当然アラブ諸国、イスラム諸国全体の問題だし、昨日はアラブ連盟が外相会議を開いて即時停戦ということを上げました、決議案を。あるいは、OIC、イスラム諸国機構も同様な態度を取っていると思うんですね。ですから、日本とアラブ、イスラム世界との政治的な信頼関係、これをしっかり作っていくということもその役割を進める上で非常に大事になっていると思います。
 そこで、資源確保という点、それからまた所管の関係含めて、大臣自身、今回の戦争について独自のお考え、それがもしありましたらお伺いしておきたいと思います。
#72
○国務大臣(平沼赳夫君) 武力行使が残念ながらこの二十日に行われました。私としてもこれは平和的に解決をすることが望ましいと、こういうふうには思っておりましたけれども、現実には武力行使が行われて、ある意味では大変残念なことだなと思っております。
 今おっしゃるように、我が経済産業省というのは、国民のいわゆる経済そして通商、あらゆることで関連を持っておりまして、特にその中でもエネルギー政策というのは非常に重要な部分だと思っております。私は、就任以来そういうエネルギー外交ということの重要性で、特にアラブ諸国、ここからは石油の八六%が入ってきておりますから、非常に重要視して緊密な交流は行ってきたところでございます。
 そういう中で、いよいよきな臭くなってまいりましたので、十八日の日に日本とも非常に緊密の深い世界最大の産油国のサウジアラビアのナイミ石油大臣にも電話をさせていただき、また日本にとってもこのエネルギー関係で非常に深い関係がございますカタール、ここの今エネルギー担当大臣がOPECの議長をされております。この方も非常に仲いい方なものですから私も電話をさせていただいて、そしてこの供給に対しての要望も率直にさせていただきました。
 それに対して、非常に議長も、それからサウジアラビアの担当相も大変前向きな返事をしていただきまして、絶対に供給不足に陥るようなことはしないと、サウジアラビアの担当相は具体的に数字まで挙げていただきまして、現状九百二十万バレルだけれども、直ちにこれを千五十万バレルに上げる用意があるということまで確約をしていただいたわけであります。
 その他の我々、イラクの周辺諸国に対しても絶えず接触をさせていただいて、そしてこういうエネルギーの外交というものも更に進めていかなければいかぬと思っておりますし、一方、消費国の連携も必要なものですから、IEAとの連携も深めておりまして、このIEAでは、日本を含めて今百十四日の備蓄がございます。そういった備蓄の活用も、やはり産油国との協調の中でどういうふうにするかということは判断をしていくわけでありまして、私どもとしてはこのIEAとの連携も常に密接に取らせていただいているわけでございまして、そういう意味ではこの七月、昨年の七月十六日の先生との質疑の中において御指摘をいただいた特にそういうエネルギーの外交というのは非常に大切だと、こういうことを私も原点として今一生懸命努力をさせていただいている、このようなことでございます。
#73
○緒方靖夫君 私自身も、昨年十月にカタールやサウジアラビア、アラブ首長国連邦を訪問して、関係政府の関係者とお話をして、やはり彼らがどういう気持ちでいるのか、今のイラクに対してもちろんフセインについては好意を持っている人は、湾岸諸国についてはいません。しかし、これに対する戦争、とりわけ体制変更、これが中東全体に対していかに不安定な状況をもたらすのかということに対して非常に心配しておりました。したがって、そのアメリカの戦争に対しては、アメリカに対しても親近感を持っている国々ですけれども、強く反対しているという、それは大臣自身訪問されてよく御存じだと思うんですね。
 ですから、残念とおっしゃられましたけれども、しかし、私はその石油確保ということで担当としてやられているということは、今伺いました。しかし、同時に政治的な関係を損なってしまうそのこと自身が非常に大きなマイナスになる。そのことはやはり閣議の中でも責任ある閣僚として、そういったことはきちっとおっしゃっていただきたい。そういうことを希望しておきたいと思うんです。
 一つ、その資源ということはこの問題の部分なんですけれども、私は大臣、政治家としてまた閣僚として、また一人の人間として、この戦争がどういう被害をもたらすのかということについて、ちょっと今日は述べてみたいと思うんです。
 関係の資料を既にお配りされているかもしれませんけれども、この資料を見ても、これは大変大部な国連の二つの文書から私の責任でこう簡略にポイントをまとめたものなんですけれども、国連のこの資料、この中でイラクの攻撃の戦闘期間を二、三か月と想定して、その際の被害予測、死傷者数、栄養失調、難民・避難民数、地雷・不発弾、インフラ施設の被害、数十項目にわたってのものをまとめているわけですね。実際、どうなるか分かりません、これ予測ですから。もっとひどいことが起こるかもしれない。
 しかし、そういう目で見ても、死傷者数について言うと、攻撃の影響を受ける人数は五百二十一万人、戦闘による直接及び間接的な死傷者は五十万人に及ぶ。そして、その際、地域別の被害者人数を明記しているわけですね。そして、その犠牲の大半は五歳以下の子供、妊婦及び授乳中の女性になると予測しております。
 栄養失調。現在、四百二十万人の五歳以下の子供、百万人の妊婦が困窮状態にあるわけですけれども、戦闘が続けば更に五歳以下の子供の三〇%、百二十六万人が栄養失調で死亡する危険性があると、そう指摘されています。
 地雷・不発弾。イラクの国境、クルド人支配下のエリアなどに地雷原が存在して国内避難民などに重大な脅威となる。また、十八歳以下の子供に不発弾による犠牲が出ると。既にクラスター爆弾が使われております。
 難民・避難民。国内難民の二百万人、被保護希望者は六十万人から百四十五万人、そういう予想が出されているわけですね。
 この二つの文書では、大規模な空爆と、それに続く地上戦の投入によって様々な被害が想定されております。しかも、被害者数は全体で九百二十万人にも及ぶ。戦闘期間が二、三か月で九百二十万、それ以上長引くということも今予想されております。ですから、私は、この戦争というのは本当に大変な被害をもたらすものだと思うんですね。
 ですから、私は、大臣が先ほど、戦争が開始されたことは残念だとおっしゃられました。その気持ちは分かりますけれども、やはりこういう被害に対してどう受け止められているのか、あるいはまたアメリカの戦争、それでも是とされるのかどうか、率直に大臣のお考えを聞いておきたいと思います。
#74
○国務大臣(平沼赳夫君) 戦争というのは起こさないにこしたことはないというのが私の基本的な考え方です。
 ただ、これは小泉総理も本会議あるいは予算委員会等々で小泉内閣の基本的な立場ということを繰り返し言われておりますけれども、こういった被害は最小限に食い止めると、こういうことは必要ですけれども、ここの、こういう不幸にしていわゆる武力行使が行われた背景の中には、やはりフセインというその独裁者が十二年にわたって世界の、国連が安保理で決議をした、そういった約束を誠実に実行しないばかりではなくて、むしろそのようなことを逆行するようなことをしたと、こういうことも一つ言えると思います。
 したがって、私は、非常に残念だとは思っておりますけれども、しかし、今現実にはこういう戦端が開かれている中で、やはり米英もそこは心掛けていると思いますけれども、できるだけその実際に生活をしている住民の人たちに大量に被害が及ばないように、例えば爆撃にしても、誤爆というものも報道されていますけれども、ピンポイントでやると。あるいは、そういう住民に対する物資の補給もやっていくと、こういう配慮の中で行われているわけでありまして、私は本当に、今のこういう状況が一日も早く収拾をされて、あの地域に平和が本当に早く取り戻される、そのことを望んでおりまして、日本としても、そういう和平後の協力というものは積極的に私はやっていかなければならない、こんなふうに思っているところでございます。
#75
○緒方靖夫君 大臣がおっしゃられた中で、戦争の経過、戦争に至る経過。
 イラクは確かに欺いたり、うそをついたり、あるものを隠したり、そういう態度を取ってきた。このことは私たち自身も厳しく糾弾しているところですけれども、しかし同時に、最後の段階では国連の決められた決議に従って、それに協力しているさなかに行われたわけで、しかも協力を続けるべきだという、そういう有力な国がある中で行われたわけで、ですから、大臣の言われた経過はちょっと違うと思うんですね。
 アメリカとしても、国連の権威を使って戦争をしたかった、しかしそれができずにやったと、見事にここでは失敗だったということは、もうこれは明らかになっているわけで、その点は違うわけだし、それからあと、ピンポイントの攻撃なんてあり得ないんですよ、実際。今ハイテクで大変発達したと言われていても、アメリカ自身、誤射率が、アメリカの言葉で言っても一〇%から十数%誤射がもう既に生まれていると言っているわけで、必ず市民の犠牲が出るわけですね。
 ですから、やはり私は、大臣自身、小泉内閣の閣僚として、そこで声を和するという立場にあるかもしれませんけれども、やはり独自の立場で世界を見る、その役職に就いている大臣として、もう少し特徴のあることを言ってほしかったと、残念であると。私は、大臣が将来もっと大きくなっていくと思っておりますので、やはりその点からいっても大変情けない答弁だということを一言申しておきたいと思います。
 それで、国連の文書では、攻撃に伴ってイラクの原油精製が停止され、輸送系統にも甚大な被害が出るという、そういうことも当然予想されているわけですね。これ非常に重大な問題になります。
 これに関連して、次に、イラク攻撃の下での石油の安定供給の問題について尋ねたいと思うんですね。
 大臣もおっしゃられましたけれども、一次エネルギーの約五〇%を石油に依存して、そのうち八十数%を中東に依存しております。このことからも、今回のイラク攻撃が石油の安定供給に重大な影響を及ぼしかねないという、これはだれ考えても当然の懸念なわけですね。事実、大臣もこの間の発言で、戦闘が短期で終わる場合は大きな影響はない、しかし中期、長期になると、いろんな支障が出ると述べられております。
 戦闘の中長期が原油高騰などの日本経済に多大な影響を及ぼしかねない、そういう認識を示されていると思うんですけれども、そこで、戦闘が中長期化した場合、どのような支障、影響を予想されているのか、端的にお尋ねしたいと思います。
#76
○国務大臣(平沼赳夫君) 私は、確かに御指摘のように、短期で終わることが望ましい。短期で終わりますと、今の現状でも石油の安定確保というのはできると、こういうふうに思っておりますし、また現状のいわゆる石油の、原油の価格もむしろ、武力行使の前にはバレル三十七ドル台ぐらいに高騰しましたけれども逆に今二十七ドル台に下がっていると、こういうようなこともありまして、短期の場合には、御指摘のように、非常に私どもとしてはそう大きな混乱はないと思っております。それから、消費者物価に占める今石油というのも、日本の経済自体が非常に大きくなってまいりましたから、消費者物価に占める割合の三・〇%でございますので、それほど私は影響はないと見ております。
 しかし、これは一つの指標でございますけれども、私どもはいろいろ検討しておりまして、短期終結というのは大体四週間から六週間ぐらいを想定をしております。このときは、特に私どもとしてはそう大きな影響は、例えば経済、GDPの成長率も短期であれば二〇〇三年、二〇〇四年、プラスで、プラス〇・一ぐらいで推移するであろうと、こんなふうに見ております。
 中間のケースですと、これは六週間から十二週間程度、これを想定をしておりますと、やはりこうなりますと、一つの想定では原油の価格がバレル百、失礼、五十ドル程度に上昇すると、こういうことでございまして、これはやはり非常に経済的にいろんな影響が出てくる可能性がある、こういうことでございます。そうなりますと、やはり中期化しますと、株価への影響も非常に出てくると思っておりまして、やっぱりそうなりますと、財政コストには深刻な打撃が出てくると思っております。
 さらに、このGDPの成長率というのは、これは例えば今年度中は大体マイナス二・〇ぐらいに成長率へ影響を与えるんではないか。この辺は、非常に私は懸念をしているところでございます。
 それから、これは収拾がなかなか難しくて拡大をして長期化する。これは三か月から六か月を超えるというようなことになりますと、これは一つのシミュレーションですけれども、原油の価格が一挙に八十ドル台に上がるのではないかと。そうなりますと、これはもろに、日本の場合には御指摘のように一次エネルギーの四九・八%を石油に依存していると、こういうことになりますと、物価にも大変な影響が出ておりますし、それからエネルギーコストも上がってくるということですと、全般的に経済的に大きな影響が出てくると思いますし、また株価もそれにつれて大変ダウンをする可能性が非常に大であります。そうなりますと、これはいわゆる保有資産の目減りにもつながりますし、金融的にもいろんな影響が出てくるわけであります。
 そして、長期化をして、一つの想定ですけれども、長期化をした場合に、イラクの内部に戦線がとどまっていればいいですけれども、それが拡大するような可能性もなきにしもあらずでございまして、そうなってまいりますと、なかなか厳しい状況も想定されるわけであります。そういう状況になりますと、GDPの成長率をまた更に引き下げると、こういう要因がありまして、そういうことを考えますと、私どもは、短期で終わると、こういうことをひたすら望んでいるわけでございますけれども、中長期化をしていきますと、今は備蓄の放出ということもまだ今の段階では大丈夫でございますが、そういったこともいわゆる消費国との連携の中で考えていかなきゃいけない。
 多少、冗長、長くなりましたけれども、そんなことを私どもは想定して、繰り返しになりますけれども、何とか短期で終わってほしいと、これが率直なことでございます。
#77
○緒方靖夫君 短期で終わってほしいというのは、あれですね、こちらとしてどうこうなかなかしにくい問題で、それは祈るのみという、そういう感じにもなってしまうと思うんですね。ですから、今、大臣がおっしゃられたように、中期化あるいは長期化した場合、やはり多大な影響が出るということを今おっしゃられたと思うんですね。
 今、答弁の中で大臣はシミュレーションということをおっしゃられましたけれども、経済産業省として、こうしたいろんなケースですね、イラクから更に戦火拡大するということも含めた、そういうこともおっしゃられたわけですけれども、そのシミュレーションというのは作られているんでしょうか。
 実は、私、先週なんですけれども、大臣官房政策企画室に説明を受けたときに、シミュレーションなどは、開戦から、開戦前から開戦後のシミュレーション自体をするということは行っていないという、そういう答えを受けたんですけれども、一体どっちが本当なんですか。シミュレーションは作られているわけですね、今、大臣がおっしゃられたように。
#78
○国務大臣(平沼赳夫君) 私どもは、対外的にお役人はそういう答弁になると思いますが、やっぱりそういうエネルギーを預かっている役所として、私どもとしては、昨年から非常事態を想定して、いろいろな条件を考えて、それは用意しておかなきゃいけないと。私は省内でそういうことを命じました。
 ですから、それが今、私のシミュレーションという言葉になりましたけれども、例えばそれのベースになりましたのは、CSISなんかが想定をしているものを一つのベースにし、また国内の研究機関等が分析しているものも総合的に私なりに、私どもなりに判断をしながら、やっぱり小泉総理も常に言っておりますけれども、備えあれば憂いなしでございますから、これは役所として当然やっておかなければならない。
 ですから、そういう意味で、私どもとしては経済産業省として責任を果たす意味ででもそういう想定の下にいろいろ考えていると、こういうことでございます。
#79
○緒方靖夫君 確かにそのとおりで、シミュレーションがなかったらこれほど無責任な話はないと思います。やはりどんな深刻な事態が予想されても、やはりそれを予想してその対応策を作っておくということが当然の役所としての責任だし、また大臣の責任だと思うんです。
 そうすると、今作られているシミュレーションというのはどういう内容なのか。戦況段階をどういうふうに区分して考えているのか。それから、それぞれ予想されている事態、今、大臣がおっしゃられたことも含まれていると思うんですけれども。また、石油の安定供給をどうする等々。それからまた、様々な産業にも及びますね、プラスチック産業から繊維から。そういった問題についてもすべて含むシミュレーションがあるということでございますか。その中身について。
#80
○国務大臣(平沼赳夫君) これは、そういう形で、何といいますか、役所の中で我々としては用意しておかなければならないという観点でやっているわけでございまして、それを大部なものに印刷をして、そして用意しているということじゃございません。
 それで、私どもとしては、いわゆる武力行使が行われた三月二十日に、経済産業省の中に、当たり前のことですけれども、対策本部を作らせていただきました。私が本部長になりまして、そして各部署でいろいろそういうことを想定したものを基にしながら今後の対策を講じていくと。
 したがって、例えばそれぞれのものに及ぼす影響がどういうふうになるか。例えば、いろいろな物品に対してはどういうふうになるか。そういったことは、あらあらですけれども、我々としてはその想定の中で考えていると。
 それから、やはり一番怖いのは、例えば原子力施設とか、それから石油の備蓄の基地でございますとか、あるいは電力の変電所、そういったところにも、もしテロがあった場合には、やっぱりちゃんとしなければ、守る体制をしておかなきゃいけない。こういうことも含めておりますし、それから今ITの時代ですから、やっぱりサイバーテロ対策ということもどういう形になるか。それから、物価にどういう影響が出るか。
 それから、先ほどちょっと冗長に申し上げましたけれども、そういったGDPに対する影響ですとか、そういったものを含めて私どもは今まで検討してきたことを今度の本部の中で、やっぱりその判断材料としながら、時々刻々に応じて私どもは体制をしっかり取っていくと、こういうような体制でやらせていただく、このことが必要だと思っております。
#81
○緒方靖夫君 もう少しそのシミュレーションの中身について、これは国民自身にやたらに大きな不安を与えるとか、そういう意味じゃなくて、やはりここは国会ですから、将来のいろんな可能性も含めて議論しておくということがどうしても必要だと思いますので、その立場からお伺いしているんですけれども。
 高市副大臣にお伺いしたいんですけれども、実は私、副大臣のホームページを見させていただきました。そこにちょうど、御自身の公式ホームページなんですけれども、二月の二十一日付け、副大臣日記の中で、二月十三日に開かれた副大臣会議に出席した際に、経済産業省では開戦後の幾つかのケースをシミュレーションし、原油供給体制を中心に既に対策を整えていると、そう発言されたというふうに書かれておりまして、そして二月の十二日付けの日記では、その内容について大まかに四つのケース別の対応策で構成されていると。一は米国完全勝利のケース。二番目は、米国勝利だが石油施設被害のケース。三番目は、イラク内乱化・中東不安定化ケース。四番目は、中東全面戦争のケースの四段階の戦況シミュレーションを示しているという、それを拝見したわけですね。
 経済産業省で想定しているのはこういうケースなんでしょうか。
#82
○副大臣(高市早苗君) 私ども、軍事の専門家ではございませんから、これからの戦況がどのように展開するかというのを正確に予測することはできません。しかし、主に石油需給というものを見ていく立場から、イラク国内で石油関連施設でほとんど被害の出ないような戦闘状態の場合。それから、イラクの中での石油生産そのものがストップしてしまうようなケース。その場合、例えば日本は、日本がイラクから入れている石油というのは〇・三%でございますので、それだったらこれぐらいの影響だろうと。さらに、残念なことにイラク側が周辺国に対して攻撃を行ったような場合。そうすると、日本が更に多くの石油輸入をしている国々の油田に例えば被害が出た場合、そうするとまたこれは石油価格の不安定な状態がこれぐらい続く可能性がある、また非常に長い期間になる可能性があると。さらには、政権そのものに影響が出てきたような場合、中東全体で非常に大きな混乱が続いたような場合、これは輸送も含めて大きな混乱が出てまいりますので、そういった意味では、軍事の専門家ではございませんから、そういった大ざっぱな分け方というのが正確を期すかどうかは分かりませんけれども、やはり主に石油供給、それから物価への影響ということを考えながら整理をしていたということでございます。
#83
○緒方靖夫君 シミュレーションというのは当たるためしがないというか、どれも当たらないということがありますので、それはそれでそういう努力というのは当然だと思うんですよね。
 ただ、私思うのは、先ほど大臣が中東全体で戦闘が、紛争が広がるということもちょっとおっしゃられましたけれども、今の四つのケースの中にそれが含まれているわけですね。ですから、結局、高市副大臣の言われている四つのケースというのは、それが経済産業省で作っているシミュレーションと同一のものと、そう考えてよろしいのですか、大臣。
#84
○国務大臣(平沼赳夫君) 何かそのシミュレーションというのが、さっき言いましたように大部で、印刷してぴしっとできているということじゃございませんで、私どもは、昨年の後半だったんですが、やっぱり備えあれば憂いなしですから、各局各課でちゃんといろいろ想定して、そして国民の皆さん方にやっぱり責任を果たしていかなきゃいかぬから当然のこととしてやっておこうと、こういうことで、シミュレーションというのはまるきり当たらないというようなことも言われましたけれども、いろんな想定があるわけでございますから、そういう中でいろんなシナリオの想定をしながら、この場合はどうか、この場合はどうかというケーススタディー的なそういうことはやっておりまして、そういう意味では高市副大臣が言われたことも我々がケーススタディーでやっているということも、それはもうほとんど変わらないと、こういうことでございまして、これ決してそういう対外的にどんと出すようなシミュレーションじゃありません。
 それから、先ほどおっしゃられた、やっぱり国民に対してしっかりとした説明をしていくということが非常に大事です。ですから、今度本部を立ち上げた場合にも、例えば短期の場合には原油というのは大丈夫ですと。そして、今の段階では原油というのはこういうふうに確保されていますと。それから、産油国からもこういうメッセージが来ている。それから、例えば価格もこうですというようなことは逐一ホームページ等で国民に分かりやすい説明責任を果たす、こういうことで本部でも決めさせていただいているところでございます。
#85
○緒方靖夫君 何といいますか、国民は大変賢いですから、ですから別に黙っていてもいろんなことは考えていくわけだし、マスコミもいろいろな報道するでしょう。ですから、私は役所の責任ある立場としては、別にそれは公表して広めるどうこうは別にして、やはり研究しているものは出していただいて、少なくとも私たち委員には出していただいて、私自身それを求めたいと思うんですけれども。
 ですから、いろんなケースの研究、それからまたシミュレーションがどういうケースに分類されているのか、それからその関連資料、これは大臣、是非お示しいただきたいと、そのことをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#86
○国務大臣(平沼赳夫君) これは、先ほども申し上げましたように、CSIS等の、そういう一つの大きなものをベースにしていろいろ考えております。ですから、そういう程度のものでしたらそれはお示しできると思いますが、ただ、やっぱりある意味では役所の中でやっている、そういうことは余り細部にわたってオープンにするということも全体を見た場合にあれですから、国民にぴしっと安心をしていただく、そういうためのものはどんどん開示をさせていただければと、こういうふうに思っています。
#87
○緒方靖夫君 じゃ、出していただくことをお願いします。
 終わります。
#88
○広野ただし君 国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の広野ただしです。
 現在の経済情勢、大変危機的な状況にあると思っておりますが、その一つに産業の空洞化問題があると思っております。投資が外に出ていく、あるいは職場が外に出ていく、仕事が外に出ていくと。本来であれば国内で民間設備投資等が行われれば経済を引っ張る大きな波及効果を持つわけですが、どんどん外に行ってしまうと、こういうところに大きな現在の日本経済の元凶があると思っております。
 海外の生産比率、空洞化の一つの状況を表すものだと思いますが、製造業の空洞化率といいますか、そういうものを見ますと、日本では今一四・三%だと、製造業ではですね。ところが、アメリカはこれが二七、八%になっております。そして、ドイツは三二%が海外でということなんですね。もう日本も遅かれ早かれアメリカ並みの製造業の空洞化をする、ですからもっともっと海外に出ていくことになるだろうと、こう思われるわけですね。
 そうしますと、それがまたブーメラン効果で製品輸入がこちらに来ると、それがまた非常に安いものであればデフレの一つの要因にもなると。ですから、産業空洞化というのは非常に大きな影響を我が国経済に与えていると、こう思っておるわけです。
 じゃ、この空洞化どうやって防ぐかということでありますけれども、これはやはり対内、国内投資を海外からもどんどん受け入れるようにやっていく、こういうことだと思いますが、これも現在日本では外に出ていく投資の方が多くて、こちらに入れる投資が少ないと。いろんな規制があって、あるいは非常にハイコスト構造だというようなことでなかなか日本に入ってこない、こういうこともあります。
 そして、また開業、廃業の、平沼プランということでもっと開業を高くするということをやっておられるわけですが、ところがこれがなかなかうまく私は進展していないと思っておるんですね。実際、日本は昭和五十年代といいますか、これは明らかに開業率が高くて、開業が例えば五・何%で廃業率が三・何%。ですから、二%ぐらいはもうどんどん会社が増えていくという実態があったわけですね。ところが、平成に、バブルの崩壊後はそれが逆転しまして、もう廃業する方が多くて開業が少ないと、こういう事態に立ち至っていて、最近では廃業する人が四・五%、人じゃない企業ですけれども、それに対して開業する方が三%ということですから、一・五%ぐらいどんどん会社数が減っていくと、こういう事態になっているわけですね。
 ですから、本当にそういう面では空洞化を防ぐことがなかなかできないと、こういうふうに、そしてそれが景気の足を引っ張る、あるいは雇用を減らすと、こういうことになっていると思いますが、大臣の見解、こういうことについての見解と対策についてお伺いしたいと思います。
#89
○国務大臣(平沼赳夫君) 空洞化というのは御指摘のとおりの数字でございます。日本全体では製造業では一三・四%ですけれども、これ過去最高でございますが、特に輸送機械ではこれが三一%でございますし、電機では二一・九と。そういう形で、これはアメリカ、ドイツ並みの数字になっています。
 そういうことで、バブル以降非常に廃業率が開業率を上回ると。これは日本の二十一世紀の経済にとっては非常にゆゆしき問題だと、こういう形で、私どもとしてはやはり産業の競争力をやっぱり付けていかなきゃいけないと、こういう形で産業競争力戦略会議というのを立ち上げまして、この中で意見を集約をしまして、四つの重点分野を作らせていただき、そしてここにやはり力を入れて競争力を付けていくと、こういう政策が動き出しておりまして、これに絡まって必要な規制緩和はする、そして税制も考えていくと、こういう形でお願いをしておりますいわゆる政策減税で、IT投資減税でございますとか研究開発減税、これそれぞれ六千億、そういう減税も射程の中に入ってまいりました。
 それから、やはり廃業が多いんだったら開業をしやすい、そういうやっぱり政策を積極的にやらなければいけない、こういう形で御賛同いただいて、もう既に動き出しておりますけれども、いわゆる事業計画だけに着目をして、そして個人保証も第三者保証も要らない、そういった新しい新規企業に対して融資をすると、こういう制度を作らせていただいて、これはおかげさまで従前に比して約十倍のスピードで新規の企業が立ち上がってくる、こういうことにもつながっております。
 それから、更にもっと企業を起こしやすくするために、これは今まで株式会社でございますと最低資本金が一千万円、有限会社では三百万円でございましたけれども、この垣根を取っ払いまして、そして極端に言えば一円からでも企業ができると。こういうことになりましたら、ここもちょっと数字を申し上げますと、例えばこの最低資本金規制、これを二月一日から施行しましたら、六週間で七百六十二件、こういった形で積極的に手を挙げてきた、こういうことも言えます。
 それから、私が、平沼プランなんというおこがましいあれですけれども、大学発ベンチャー企業というものも増やそうと、こういう形で、例えばTLOのそういう体制を整える、それからいろいろな形での条件整備をして、これも千社でございますけれども、現段階では四百六十社ぐらいまで進んできていると、こういうことでございますし、多少長くなりますけれども、地域においてそういうものを活性化していかなきゃいけないということで、地域産業クラスター計画というのが全国十九拠点で既にこれは進捗をしておりまして、おかげさまで大学も二百近い大学がここにコアになって参加していただいて、産学官連携の中で企業の数も四千社を超える、その中から新しいベンチャーや新しい特許が出てきている、こういうことでございます。
 そういう形で、確かに御指摘のような、そういう厳しい局面がございますけれども、日本というのは、やっぱり個々に見ていけばまだまだポテンシャリティーのあるものがありますから、そういったことをしっかり伸ばすと、こういうことを中心に据えて今政策を展開しているということも御理解をいただければと思っています。
#90
○広野ただし君 やはり、開業率といいますか、ビジネスをどんどん起こしていくということが、私は、今、大臣が言われたもう一けたも二けたも多くないと駄目だと思うんですね。やはり、今六百万社ありますけれども、そういうものが、例えば二十万社、三十万社、五%ですと三十万社増えますと、そこに五人ぐらい働きますと百五十万人もの雇用がばんと出るわけですね。ですから、昨日もやりましたけれども、産業再生機構に十兆円も大きなものを放り込むのであれば、私はこちらの新しいビジネスを起こす方にどれだけ放り込んだらいいかと思っております。
 ところで、どんどんどんどん中国へ中国へということで、草木もなびくように中国の方へ海外投資が行われている。この実態は必ずしも全部把握できていないわけですが、事業所数で私はもう一万社を超えるくらいにあるんじゃないかと思っております。
 そういう中で、この中国というものをどう考えるか、私は将来的にも、これはアジアの大きな大国でありますから、中国との関係は良好に持っていかなきゃいけないと、こう思っておりますが、実態は大変な軍事大国であるわけです。これは、軍事力を比較やりますと、お金だけ取りましてもアメリカ、ロシアに次いで第三番目。日本は五兆円の国防費ですが、このミリタリーバランスのあれを見ますと、もう中国は五兆五千億の金額の国防費なんですね。これは、物価等の二十分の一、三十分の一というような物価でしょう。そうしますと、どれだけの軍事力を持っておるのか、これはもう本当に大変なことなんですね。核兵器は持っている、ICBMは持っている、こういう国なわけです。そして、防衛費は毎年十何%、昨年ですと一七%もアップしている。経済成長率が七、八%に対して軍事力が物すごく上がっている、こういう国なわけですね。
 そういうところに、核兵器は持っている、ICBMは持っている、そういう国に、日本は非常におめでたいことにODAを毎年一千億、二千億出しているんですね。これはどういうことなのかということなんです。
 しかも、私は、やはり中国とは対等の関係でいけばいいんであって、もう上海ですとか大連へ行きますと、どんどん発展している。ならば、もうODA予算を削減をして、本当に環境だとか人道主義的なことにだけ絞るということをやはり政府として決断していただきませんと、何か非常に変なことを、誠に日本というのは能天気な経済政策というか、対外政策を取っていると言わざるを得ないと思うんですが、外務副大臣に御見解を伺いたいと思います。
#91
○副大臣(矢野哲朗君) 冒頭でありますけれども、先般の委員会におきまして、広野議員の特段の御配慮に対して心から感謝を申し上げたいと思います。
 今の御質問でありますけれども、先般、中国の第十期全人代第一回会議が開催をされました。その折、二〇〇三年度の中国の国防費が発表されたわけでありますけれども、その発表においては、私どもの入手した数値は、一千八百五十三億元、約二兆八千億。
#92
○広野ただし君 ところが、ミリタリーバランスですと……
#93
○副大臣(矢野哲朗君) その数字のあれが違うと思うんでありますが、一応全人代で発表になった来年度の予算はそういう数字だと思います。そして、昨年比九・六%増。今、先生御指摘のとおり、過去十四年間にわたって二けたの伸びをずっと続けてきたというのが軍事費の推移であります。
 ところで、我が国としましても、ODA大綱にかんがみまして、中国の軍事支出や武器輸出の動向を注目をし、なおかつ中国側に対しましても、種々の機会をとらえましてその大綱の考え方というものを何回となく説明もしてまいりました。また、我が国内において中国の軍事費の増加等について大変な懸念がある、そのことについても伝えてきたことは多々あるわけであります。
 しかしながら、我が国は中国が安定して発展すること、そしてこのことが日中間の安定友好増進ということだけではなくて、これは広くアジア、国際社会に大変貢献することだというふうに理解をさせていただきまして、中国の援助需要、そして経済社会の状況、そして日中二国間関係を総合的に判断の上、このODAを実施させていただいているところでもあります。
 ところで、二〇〇一年の十月でありますけれども、我が国の大変厳しい財政状況、そして経済の状況も大変厳しい。反面、中国の経済発展と国力の増大と、また今申し上げた軍事費の増大、この辺を懸念し、また中国の第三国援助なども問題にし、今後、どう中国とのODAとしての対応をすべきかということで、対中国経済協力計画を策定させていただきました。
 これは、広く知識人の方々の意見も取り入れた一つの計画であります。そして、その計画では、重点分野を絞り込みまして、環境問題への対応、内陸部の民生向上、社会開発、そして相互理解の増進等に絞り込む、これが一つの方針を立てさせていただきました。この観点から、今後もODAの展開ということで、絞り込みながらの積み上げ方式、先方からこういう一つのいろんな案件があります。それを積み上げていって決定をさせていただくわけでありますけれども、その結果、昨年は、対、その前より、その前々年比二五%の円借を削減をさせていただきました。そして、今御審議いただいている内容についてもほぼ同様な削減と。
 ですから、大体ここ二年間で頂点が、正確な数字でありますと、一昨年が……
#94
○広野ただし君 もういいです、そこのところは。傾向だけで結構です。
#95
○副大臣(矢野哲朗君) いいですか、いや、二兆一千四十三億というふうな一つの頂点、二〇〇〇年だったのでありますけれども、それから二五%ダウンと。それに準ずるような形で、今御審議いただいている予算案としては半減ぐらいにさせていただいたと、頂点より、というふうな努力をさせていただいているところであります。
#96
○広野ただし君 私は、中国が発展をすること、また安定をすることはアジアにとってもまた日本にとっても大切なことだと思っております。
 しかし、やはり対等の関係を作っていくということであって、ODAの援助をしていくということについては厳密に見直していただきたい。実際アメリカは、これは中国に対しては、中国は共産国であるということからほとんど援助をしておりません。イギリスもそうです。大体百億円以下の人道支援だとかそういうところに限ってやっております。ですから、今のような傾向を是非しっかりとやっていただきたいと思います。
 そしてもう一つ、時間がなくなりましたけれども、夏場の電力需要のことであります。
 これは本当に危機的な状況に陥るんではないかと、こう思っておりますが、そういうときに民間だけに任せておいて本当に危機管理ができるんであろうかと私は非常に心配をするわけです。今は、東電さんとの受給契約で、各企業との受給契約で対処をするというようなことでありますが、私は、もしこれが何かいろんなことが起こりますと、日本の経済は今まだよたよたの状態ですね、これの更に足を引っ張りますし、社会的な不安はもう甚大であるということを考えますと、何らかの、現在ある、現在の法律でもって何らかの措置をちゃんとするということがまず必要なのではないかと、こう思いますし、もし現行法でなお足りないものがあればちゃんとした法律を作っていくということが必要なのではないかと思いますが、大臣の見解を伺います。
#97
○副大臣(西川太一郎君) 広野先生のエネルギーを御心配いただきますお気持ちがよく伝わってまいりまして、私どももそのことにつきましては今一生懸命やっているところでございますが。
 法律上の規定につきましては、電気事業法において緊急時に対応するための規定として、例えば電気事業法の二十七条におきまして、使用最大電力を制限することができると。しかし、これはどっちかというと後ろ向きの方でございまして、三十一条におきまして、電力会社に対して、電力の、電気の不足をしている場合には他の電力会社に電気を供給することを命ずる規定、供給命令、こういうものがあるわけでありますけれども、しかしそれも例えば物理的に言うと、中部電力や関西電力から東京電力に持ってくる場合には、静岡県の辺りで瞬間的に九十六万ボルトに圧縮しなきゃいけなかったりいろいろします。今のままいきますと、一千万キロワット足りないわけです。これは原子力、先ほどの藤原先生のお尋ねもございましたけれども、原子力の十基分に相当する。こういう状況を早く御地元の理解を得て、首都圏の停電などということが万に一つもないように法律を駆使して頑張っていきたいと思っております。
#98
○広野ただし君 大臣、これはもしものことがありますと、これは完全に日本の経済の足をまた引っ張りますし、これは是非、大臣の下にちゃんとした対策本部ぐらいを作っていただいて万遺漏なきように是非やっていただきたいと思いますが、最後に見解をお聞きして、終わります。
#99
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、休止中の原子力発電所、これを立地の地域の皆様方や国民の皆様方にその安全性を一日も早く御理解をいただいて、私どもとしては万全を期してその立ち上げに最大限努力をしていきたいと思っておりますし、エネルギー所管大臣として私も全力を挙げて頑張らせていただきたいと、このように思っております。
#100
○広野ただし君 ありがとうございました。
#101
○副大臣(矢野哲朗君) 委員長、済みません。
#102
○委員長(田浦直君) 矢野副大臣。
#103
○副大臣(矢野哲朗君) 失態を演じまして。けたが間違っておりました。二千億であります、二千百四十三億でありました。済みません。訂正願います。
#104
○委員長(田浦直君) 以上をもちまして、平成十五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち公正取引委員会、経済産業省所管、中小企業金融公庫及び中小企業総合事業団信用保険部門についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#105
○委員長(田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#106
○委員長(田浦直君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 株式会社産業再生機構法案、株式会社産業再生機構法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、産業活力再生特別措置法の一部を改正する法律案、以上三案の審査のため、来る三月二十八日の午前十時からの委員会に参考人の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#107
○委員長(田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#108
○委員長(田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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